第9号 令和8年3月11日(水曜日)
令和八年三月十一日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 坂本 哲志君
理事 勝俣 孝明君 理事 齋藤 健君
理事 笹川 博義君 理事 とかしきなおみ君
理事 鳩山 二郎君 理事 藤原 崇君
理事 長妻 昭君 理事 池下 卓君
理事 長友 慎治君
安藤たかお君 石川 昭政君
石橋林太郎君 井出 庸生君
稲田 朋美君 井上 信治君
小田原 潔君 加藤 鮎子君
加藤 勝信君 河野 正美君
神田 潤一君 北神 圭朗君
後藤 茂之君 塩崎 彰久君
菅原 一秀君 鈴木 英敬君
鈴木 淳司君 平 将明君
高階恵美子君 谷川 とむ君
中山 泰秀君 西田 昭二君
橋本 岳君 本田 太郎君
牧島かれん君 丸川 珠代君
盛山 正仁君 簗 和生君
山田 美樹君 鷲尾英一郎君
渡辺 博道君 伊佐 進一君
犬飼 明佳君 後藤 祐一君
中野 洋昌君 沼崎 満子君
山岡 達丸君 東 徹君
阿部 司君 うるま譲司君
横田 光弘君 福田 徹君
村岡 敏英君 豊田真由子君
和田 政宗君 高山 聡史君
古川あおい君 塩川 鉄也君
辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 林 芳正君
外務大臣 茂木 敏充君
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 片山さつき君
文部科学大臣 松本 洋平君
厚生労働大臣 上野賢一郎君
農林水産大臣 鈴木 憲和君
経済産業大臣 赤澤 亮正君
環境大臣 石原 宏高君
国務大臣
(内閣官房長官) 木原 稔君
国務大臣
(防災担当) あかま二郎君
国務大臣
(経済財政政策担当) 城内 実君
復興副大臣 田所 嘉徳君
財務副大臣 中谷 真一君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 横山 征成君
政府参考人
(内閣府広域避難・計画推進室長) 鎌原 宜文君
政府参考人
(金融庁企画市場局長) 井上 俊剛君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 三浦 明君
政府参考人
(復興庁統括官付審議官) 古橋 季良君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 出口 和宏君
政府参考人
(外務省大臣官房国際文化交流審議官) 岡野結城子君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 上田 肇君
政府参考人
(国税庁次長) 田原 芳幸君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 合田 哲雄君
政府参考人
(文部科学省研究開発局長) 坂本 修一君
政府参考人
(厚生労働省労働基準局長) 岸本 武史君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 黒田 秀郎君
政府参考人
(厚生労働省保険局長) 間 隆一郎君
政府参考人
(厚生労働省政策統括官) 辺見 聡君
政府参考人
(農林水産省大臣官房総括審議官) 押切 光弘君
政府参考人
(農林水産省農産局長) 山口 靖君
政府参考人
(水産庁長官) 藤田 仁司君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小見山康二君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 木原 晋一君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(環境省環境再生・資源循環局長) 角倉 一郎君
予算委員会専門員 藤井 宏治君
―――――――――――――
委員の異動
三月十一日
辞任 補欠選任
伊藤信太郎君 高階恵美子君
塩崎 彰久君 本田 太郎君
谷川 とむ君 鈴木 英敬君
伊佐 進一君 山岡 達丸君
中野 洋昌君 沼崎 満子君
山本 香苗君 犬飼 明佳君
横田 光弘君 阿部 司君
高山 聡史君 古川あおい君
辰巳孝太郎君 塩川 鉄也君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 英敬君 安藤たかお君
高階恵美子君 河野 正美君
本田 太郎君 塩崎 彰久君
犬飼 明佳君 山本 香苗君
沼崎 満子君 中野 洋昌君
山岡 達丸君 伊佐 進一君
阿部 司君 横田 光弘君
古川あおい君 高山 聡史君
塩川 鉄也君 辰巳孝太郎君
同日
辞任 補欠選任
安藤たかお君 谷川 とむ君
河野 正美君 伊藤信太郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
令和八年度一般会計予算
令和八年度特別会計予算
令和八年度政府関係機関予算
――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
議事に先立ちまして、委員会を代表いたしまして一言申し上げます。
本日で東日本大震災から十五年を迎えます。
改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の復興を祈念いたします。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員御起立をお願いいたします。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○坂本委員長 黙祷を終わります。御着席お願いいたします。
――――◇―――――
○坂本委員長 令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算、令和八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
この際、お諮りいたします。
三案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府政策統括官横山征成君外二十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○坂本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。丸川珠代さん。
○丸川委員 自由民主党、丸川珠代でございます。
本日は、予算委員会において質問の機会を賜りまして、誠にありがとうございます。
衆議院議員となって初めての質問でございますので、地元渋谷区、港区で関心の高いテーマを優先をしたいと思います。まず、首都直下型地震への対応、そして、物価高対策について、さらに、私自身が選挙でお訴えをしてきたイノベーションの成果の国民への還元について質問をさせていただきます。
冒頭、東日本大震災の発災から十五年となる三月十一日を迎え、改めて、犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災地の復興に尽力をされた全ての関係者に心からの敬意を表します。今なお続く福島原発の廃炉作業、そして除染土壌の最終処分に向けて、引き続き国が責任を果たせるよう、元環境大臣としても政府の取組を支えてまいります。
今年秋には防災庁も発足をいたします。東日本大震災以降も、我が国は数多くの災害を経験してきました。被災地の皆様の思い、そして被災地の知見を生かし、都市の防災にも取り組んでいただくよう、防災庁には期待をしたいと思います。
政府は、昨年、首都直下型地震の被害想定の見直しを行い、新たな対策の方向性を取りまとめました。平成二十五年の想定に比べて被害の量はおおむね減少した一方で、電力と通信の寸断による決済の停止や情報入手が困難となることなど、新たに必要となった対策についても指摘をしています。
特筆すべきは、避難所の絶対的不足という都心部の現実に正面から向き合い、新たな避難の在り方を示しているところです。都心の人口密集に対して避難所の収容人数はごく限られていることから、港区、渋谷区を始めとする都心区の多くが、支援を必要とする方を除いて在宅避難を基本としています。この報告書では、在宅避難を積極的に進めるとともに、広域的避難の実施に向けた具体的な体制の構築を進めるよう自治体に求めています。
膨大な数の被災者が発生する都心での物資の不足や、酷暑あるいは寒冷などの環境を考えますと、速やかな広域、二次避難を前提として、移動が困難な人への十分な配慮を含めて対策を講じることは、命を守る現実的な選択です。この報告書を受けて今後閣議決定をされる首都直下型地震緊急対策推進基本計画においては、是非、在宅避難を基本に、速やかに広域的避難へと移行する新しい避難の在り方を国や自治体がどう支えていくのか、明確にお示しをください。
加えて、この報告書では触れられていない、ペットを伴う避難について考慮していただくことをお願いいたします。
東日本大震災での経験を踏まえて、熊本地震では避難所にペット用ケージが備えられ、私も環境大臣としてその支援に当たりました。しかしながら、能登半島地震ではペット同行避難が難しく、ペットとともに在宅避難や車中避難を続け、残念ながら命が失われたケースもありました。
このような悲しい出来事は、事前の備えによって避けることができます。今後、国の計画に従って自治体が二次避難先との連携を検討する際には、ペットの同行、同伴避難が可能な施設の確保に努めるよう、是非ガイドラインに示してください。
今後閣議決定される国の計画における広域、二次避難の具体化と、ペットを伴って避難をする被災者への対応について、防災担当大臣にお伺いします。
○あかま国務大臣 お答えいたします。
今後閣議決定される国の計画における広域、二次避難の具体化と、あとペットを伴うという話でございます。
先生御指摘のとおり、首都直下地震が発生すると、自宅の被害、またライフラインの途絶など、多くの人々が避難所に移動をして、避難所のリソースが不足するおそれがございます。
こうしたことを踏まえて、昨年十二月に取りまとめられた中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループ報告書、ここにおいては、避難所の負荷を減らして真に必要とする方々への支援が行われるよう、在宅避難を積極的に進めていく、さらには、被災地内での災害対応ニーズを抑制するとともに、避難所に入れない被災者の命を守るため、積極的に広域的避難を進めること、これが提言をされております。
政府といたしましては、首都直下地震対策検討ワーキンググループの報告書を踏まえて、首都直下地震緊急対策推進基本計画を見直すこととしており、在宅避難や広域的避難についても首都直下地震の対策として明示する方向で改定作業を進めていきたいというふうに考えております。
広域的避難を進めるに当たってでございますけれども、広域的な避難先の確保に向けた東京圏と他の地域の地方公共団体との間での協定締結の推進、促進であるとか、避難所としてホテル、旅館等を活用する際のマニュアルの作成、さらには平時からの二地域居住やテレワークの推進といった対策を講じていく必要があるというふうに考えております。
あわせて、こういった対策を講じていく際に、先生のお話しいただいている、いわゆるペットを伴う被災者の広域的避難が可能となるように配慮する、こうした視点も大変重要だというふうに考えております。
首都直下地震の際に円滑に広域的避難が実施できるよう、関係省庁、地方公共団体と連携しながら、具体的な体制構築に向けて取組を検討してまいりたい、そういうふうに考えております。
以上です。
○丸川委員 ありがとうございます。
港区、渋谷区、大変ペット防災に対する関心が高くて、防災訓練のときは必ずペット防災のブースが設けられるというような地域柄でございますので、是非、御検討を具体的に進めていただければと思います。
この後はお願いにとどめさせていただきますが、在宅避難を進める上で課題になるのは、被災者のニーズの把握です。都心部は町会の加入率が低く、また町会役員の高齢化も進んでおりますので、所在が分散している被災者のニーズを把握するというのは極めてハードルの高い作業です。是非、デジタルツールを活用していただくということについて、デジタル庁と防災の部局で連携を促進していただきたいと思います。
デジタル庁に来ていただいていると思いますが、今のところ、避難所での防災DXは進んでいるんですけれども、避難所外の避難者に対するDXは全く進んできておりませんので、ここから先、しっかり取り組んでいただきたいと思います。お願いだけにとどめさせていただいて、次の質問に進みます。
次は、消費税減税についてお伺いをします。
飲食料品に係る消費税率を二年間限定でゼロに引き下げる政策について、この委員会でも、その効果を疑問視する、あるいは弊害を指摘する意見が上がってきています。いずれの指摘も十分に踏まえて制度設計を検討する必要があると思いますが、消費税減税を検討の俎上にのせたという高市総理の判断については、私は、霞が関や永田町の常識にとらわれず、物価高に苦しむ国民の暮らしに寄り添ったという点で強く支持をいたします。
今年一月の実質賃金は、ガソリン減税や、電気代やガス代への支援により物価の伸びが鈍り、他方、賃金が高い伸びとなったことで、十三か月ぶりのプラスとなりました。しかし、イラク情勢は予断を許さず、実質賃金が本格的に消費を牽引するまでの間、なお物価高対策の検討は必要と考えます。
政府における飲食料品の消費税ゼロの検討が加速をするにつれて、私の地元でも具体的な懸念が寄せられるようになりました。特に、飲食店の多い商店会では、飲食店の仕入れ控除が小さくなり一度に納付する税額が大きくなることから、消費税納付のタイミングで倒産する飲食店が出てくるのではないかと懸念をされています。消費税の納付は前年の納付額によって分納回数が決まっておりますが、年一回納付の事業者さんにも中間納付の機会を設けて納付回数を増やしてはどうかと、御提案を当事者である飲食店の経営者から頂戴をいたしました。
資金繰りへの配慮については既にこの委員会でも大臣から触れていただいておりますけれども、納付機会を増やすことを含めて、飲食店への配慮について片山大臣にお伺いします。
○片山国務大臣 丸川委員におかれましては、御地元の港区、渋谷区の商店会、商店街ですとか、あるいは料飲ですとか、そういったところで本当によく御一緒するんですけれども、皆さんの声にとても温かく耳を傾けていただいて、それはすばらしいことだと思います。
まさに、お尋ねの点につきましては、外食産業の代表の方からも類似のお話がいろいろと来ておりまして、まず、主な仕入れが食料品であるわけですから、仕入れ税額の方は大幅に減りますから、他方、売上税額は引き続き生じますし、また、周囲からの目として、原材料である食料品が非課税になっている、ゼロ税率になっているんだから売値は何で下がらないんだというプレッシャーも当然出てくることは予想されますから、そうなりますと資金繰りの問題も出てくる、そういう声もございました。
いずれにしても、納税資金の計画的な準備も必要であることは既にお答えをしておりますが、そういう趣旨の御質問につきまして、我々国税当局としても、財政当局としてだけではなくて国税当局としても、納税資金の計画的な準備に関する広報、周知や、あるいは相談対応において、まさに柔軟に納期について何らかの工夫ができないかということですね、申告期限を。そういったことも含めて、丁寧に御相談に応じて、また取り組んでいくことが重要というふうに考えております。
いずれにいたしましても、食料品の消費税率ゼロにつきましては、外食産業全般への影響も含めまして、実施に向けては様々な検討すべき諸課題があるということはもう重々承知をしております。昨日も、JAのトップの方が替わられたのでお見えになりましたし、これは今後、社会保障の国民会議等において、特に不安をお持ちの方々からはより一層、一つ一つ謙虚に丁寧にお話を伺いながら議論を重ねて、それに何とか合った対応を、結論を得てまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○丸川委員 片山大臣の非常に隅々に目を配られた心のこもった答弁、しっかり地元に持ち帰りたいと思います。ありがとうございます。
続いて、イノベーションの成果を国民に還元する薬価制度の在り方について、上野大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
iPS細胞を使った二つの再生医療等製品が、先週金曜日、三月六日、承認を受けました。ノーベル賞を受賞した山中教授がiPS細胞の発表をしてから二十年、ついにiPS細胞を使った治療が患者さんに届く道が開かれました。
平成二十四年、山中教授のノーベル賞受賞を受けて、当時の安倍内閣は十年間で一千百億円という異例の支援のコミットメントを発表しました。少なくとも、あの当時を振り返りますと、十年にわたる支出の約束というのは例がございませんで、再生医療の実現はアベノミクス第三の矢の象徴的なプログラムとなりました。そして、この長期の政府のコミットメントこそが世界初のiPS細胞製品の実用化に至る道のりを支えたと考えておりますので、やはり、高市総理がおっしゃっておられる複数年度で予算を見ていくということは、非常に成長に資するものであると考えております。
昨日の日本成長戦略会議でも、再生医療等製品は集中的に支援すべき六十一製品、技術の一つに選定をされました。日本発のiPS細胞を使った製品が世界に先駆けて自国で実用化に至った、そのことは大変喜ばしいニュースであります。
他方、世界の注目は、この治療に一体幾らの価格がつくのかという点に集まっております。というのも、アメリカでは、トランプ大統領が医薬品の最恵国待遇価格の推進を掲げております。これは、日本での価格づけがiPS細胞産業の未来を左右することになりかねない重大事態でございます。
トランプ大統領の主張はこうです。人口の世界シェア四%のアメリカが世界の処方薬収益の五六%を負担していることは不公平だ、したがって、国民負担の軽減のため、アメリカの医薬品の価格をほかの先進国と比較して最低価格に引き下げるよう、アメリカ国内の製薬企業に指示するというものです。対象となったグローバルメガファーマ十七社のうち、既に十六社が引下げに合意をしていると巷間言われています。
この政策が具体的に進んだ場合、仮に日本で安い価格がついてしまうと、アメリカでの価格も同水準に引き下げられることになります。再生医療等製品の多くはアメリカでの収益によって開発にかかる投資を回収しているため、アメリカの価格が日本並みに下がってしまいますと、事業そのものが成立しなくなります。
こうした事態を避けるために、開発企業においては、日本で承認は受けたけれども日本では販売しないという判断を迫られてしまうことになります。また、開発中、まだ承認を目指して現在開発中の企業の製品の動向も、今回の価格づけに大きく左右されます。投資を回収するに十分な価格が日本でつかなかった場合には、彼らは日本での上市を選択せずに、最初から海外市場を目指して開発プロセスを再検討するということになります。
つまり、今回、この二つの承認された製品の価格づけというのは、アメリカの最恵国待遇価格の推進と相まって、事実上、iPS細胞を用いた我が国の再生医療産業の未来を左右するものとなります。
そもそも、再生医療に限らず、日本政府の新薬の価格づけというのは、保険財政の制約から、欧米と比較して低く設定をされてきました。二〇一八年以降、市場拡大再算定や中間年改定など、薬価を引き下げる制度改正を繰り返してきた結果、革新的な医薬品の開発が欧米に比べて大幅に遅れるドラッグラグや、そもそも日本での開発が行われないドラッグロスが深刻化したため、二〇二四年そして二〇二六年の薬価改定では、改めて、新薬の薬価が維持をされる制度を設定し、革新的新薬の評価を拡充をしてきたところです。
高市総理は、医薬品産業を成長、基幹産業と位置づけ、補正予算を活用してスタートアップ支援や治験環境の整備に取り組んでいます。しかし、重要なのは出口の部分、すなわち薬価制度です。製薬企業も民間企業でありますので、イノベーションの価値が真っ当に評価をされ、成長が見込まれる市場でなければ、日本市場で日本人向けの医薬品開発を行いません。国民の負担に配慮することというのはとても重要ですけれども、それを理由に緊縮志向の薬価改定をやり過ぎた結果、国民の医療へのアクセスを悪化させてしまったのがこの八年間の反省であります。
世界からの開発投資を取り戻すためには、イノベーションを評価し、市場の成長を志向する強いメッセージを薬価制度を通じて発信する必要があります。今般のアメリカの最恵国待遇政策を踏まえて、イノベーションの成果を国民に還元するための薬価制度をどのように実現をするのか、上野厚生労働大臣にお伺いをします。
○上野国務大臣 委員から大変重要な御指摘をいただきました。
まず、iPS細胞を活用した今般の医療製品につきましては、世界で初めて承認をすることができて大変喜ばしく感じております。
アメリカの最恵国待遇に関する政策につきましては、まだ先行きが十分見通せていない状況でございますので、今、関係業界ともよく相談をしながら情報収集に努めているところでありますので、なかなかそれを前提にしたお話というのは申し上げにくいわけでございますが。
一般的に申し上げまして、我が国の創薬力を強化をしていく、またドラッグロスやドラッグラグということが生じないように取り組んでいくためには、今委員から御指摘がございました再生医療等製品を含めた革新的な新薬、これを我が国からどんどんと生み出していくということが非常に大事だと思っております。
その意味でも、日本成長戦略の中で、今回、創薬力の強化というのは非常に明確に位置づけられておりますので、内閣としてもその実現に向けて力を尽くしていきたいというふうに考えております。その上で、現在、創薬イノベーションを推進する観点からは、特許期間中の薬価を原則として維持をしておりますし、また、有用性の評価につきまして充実させるなど、様々な見直しを行ってきたところであります。
再生医療等製品に関しましても、薬価、保険収載価格、保険償還価格は非常に重要でございますが、まずは、ほかの医薬品と同様の枠組みにおきまして、創薬イノベーションを推進する観点も含め、製品の特性に応じて革新的新薬の有用性に関する評価の充実を図ってきたところでありますので、それを前提にした取組ということになろうかと思いますが、その上ででございますけれども、現在、厚生労働科学研究におきまして、革新的新薬の適切なイノベーション評価方法、これにつきまして技術的な論点整理を進めておりますので、そうした成果も踏まえて、今後十分な取組ができるように努めていきたいと考えています。
○丸川委員 今大臣の答弁の中で、今までの薬価制度の枠組みの中でというお話がありましたが、今までの薬価制度の中ではこの再生医療等製品を正しく評価できるのかという論点が一つございます。
御承知のように、再生医療等製品というのは固有のコストがございますけれども、それが原価に織り込まれているとは言いづらい状況にあります。大変歩留りが悪いんですが、この歩留りという概念はそもそも今の原価計算方式には入っておりませんし、それから、特許料ですとか、どちらかというと、製造のプロセスが家内制手工業的な、大きな工場のタンクで作るのではなくて、シャーレとピペットを持った、高い技術を持った人たちが、手作業を重ねながら、多くの工程を踏まえて、一つ一つ個別に作っていくというような製品でありまして、今までの原価計算方式を含む薬価制度の中ではなかなかこの再生医療等製品の価値が評価されないという状況にあります。
改めて、今議論していただいているということだと思いますけれども、この再生医療等製品について、薬価制度を新たに検討するという方向をお考えいただけないかとお願いを申し上げます。
○上野国務大臣 まさに委員御指摘のとおり、そうした様々な観点、論点は重要だと考えておりますので、先ほども少し触れさせていただきましたが、現在、再生医療等製品も含めた革新的新薬につきまして、その評価方法につきまして十分議論をさせていただいておりますので、その検討内容も踏まえた対応をしていきたいと考えています。
○丸川委員 ありがとうございました。
改めてiPS細胞に立ち戻りますと、ノーベル賞受賞以降、政府としては、この十二年間で二千四百五十億円の政府の支出を投入してきました。これだけ国の威信を懸けて進めてきたiPS細胞製品が、今回の価格づけで結果的に日本国民に届かないということはあってはならないと思いますので、厚生労働省においても、日本が優位性を持つ産業をしっかり育てていくという観点から、緊縮志向のくびきを乗り越えていただきたいと思います。
続けて、文化外交の強化についてお伺いをします。
近年、フランスや韓国に加えて、サウジアラビア、UAE、あるいはカタールといった中東諸国が現代アートをツールに文化を強化をしています。現代アートの主たるコレクターは、世界的な富裕層やテック企業の経営者、王族など、世界的に見ても多くの資金を持ってそして決定権を持っている、そういう人たちのネットワークであることから、フランスは、世界最高峰のアートフェアをパリに招致し、マクロン大統領自らコレクターをエリゼ宮に招待するなど、トップセールスを展開しております。韓国も、アートマーケットのシェアでは日本とほとんど変わらないんですけれども、やはりグローバルなアートフェア、フリーズを招致をして、国を挙げて現代アートをソフトパワー外交に活用しております。日本は、村上隆さん、草間彌生さん、奈良美智さんといった、世界のトップテンに入るような作家を輩出しているにもかかわらず、プレゼンスが低い。
是非、アート・バーゼルあるいはベネチア・ビエンナーレに、せめて政務官、無理なら大使でも派遣をしてプレゼンスを高めていただきたいと思うのですが、お答えをいただけますでしょうか。外務省からお願いします。
○岡野政府参考人 お答えいたします。
日本は、著名な国際アートフェアの一つでありますベネチア・ビエンナーレにナショナルパビリオンを有しておりまして、毎年のオープニング式典には駐イタリア大使ほかが参加をしております。また、スイスやオランダで開催されておりますアートフェアに現地大使が参加した実績もございます。
先生御指摘のとおり、世界各地で開催されるアートフェアにおいて日本のプレゼンスを高めていくことは、日本の文化外交の強化の観点からも重要でありますので、関係者とも連携して、積極的に関与してまいりたいと思います。
○丸川委員 政務官を派遣することについては国会の仲間の御理解も必要だと思いますので、引き続き、このアートが持つ価値について皆さんにもお伝えをしてまいりたいと思います。
ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて丸川さんの質疑は終了いたしました。
次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
予算委員会、質疑の機会をいただきました。
本日は、三月十一日ということでございます。東日本の大震災の発災から十五年という日を迎えました。今なお行方不明の方も多くいらっしゃるところでございます。犠牲になられた全ての方々に心より哀悼の誠をささげます。
そして、多くの関係者の皆様が、この困難を乗り越えながら、復旧復興の道を歩んでこられたというところでございます。今日委員会におられる御先輩方やあるいは同僚議員の皆様にも、関わった方もたくさんいらっしゃろうかと思いますけれども、あの震災の発災、様々な経験と様々な教訓を今日に生かしていく、政治の中の議論にも大いに生かしていくということが大事だろうと思っております。そのことに心を寄せさせていただきながら、本日またこの予算委員会での質疑に入らさせていただければと思います。
まず、イランの、中東の情勢とガソリン価格への対応についてまた伺わさせていただきたいと思います。本日、官房長官もお越しいただいております。
昨日の原油の価格が、一バレル百十九ドルまで急上昇した後、八十五ドルまで下げたり、あるいは九十四ドルまで上がったり、乱高下をしている状況でもございます。平時は五十ドル、六十ドルというのが数か月前でございました。下がったとはいっても非常に高い状況が続いています。今日、ちょっと先物を見ましたら、八十七ドルのスタートでございましたけれども。
野村総研のアナリストの分析によれば、八十七ドルで推移しても、ガソリン価格は二百四円というのが、大体そうなるのではないかという分析も発表されているところであります。もし一バレル百ドルで推移をすれば、国内でのガソリン価格は二百三十五円まで上がるだろうと。最悪のシナリオではもちろん三百円超えということも示されていましたが、それを言い出すと切りがありませんので。ただ、二百円というのも現実的な数字であるという状況が、今の状況からもかなり推測が、予見ができる状況になっているところであります。
中東情勢も情報が錯綜しています。トランプ大統領が、戦争はほぼ終わったと発言した後、これに対する反論として、イランの革命防衛隊は、アメリカとイスラエルの攻撃が続くなら一リットルたりとも原油の輸出を認めない、そのことを表明し、また、米国のCNNが、イランがホルムズ海峡で機雷の設置を始めているということを報じました、一度。報じたんですが、トランプ大統領がその後、SNSでそのようなことはないと否定しているという状況であります。
なので、この状況もどれぐらい長期に続いていくのかということも、いろいろな情報が錯綜しているという状況であります。
そのことを受けて、国内では、ガソリンスタンド、恐らくは、製油所を持つ大手の直系の系列ではないところだと思います、独立系のガソリンスタンドが、やはり今後入手の見通しがなかなか難しいのではないか、あるいは価格の値上げも相当来るのではないかということで予告を始めています。供給数量の制限のお知らせとか、あるいは価格高騰のお知らせとか、そういうことを実施しているということも今、国内の報道で伝えられているところでもあります。
政府として、速やかに確固たる対策を明示していただくこと、これが、今、実際に国民生活にも被害が生じる、影響が生じるとされていますし、それに伴って不安の拡大と社会情勢の混乱というのも、そのことも防いでいくためにも、やはりいち早い対応、対策というのを明示していくことが大事なんだろうということを強く感じるわけであります。
九日の集中審議で高市総理は、この原油価格高騰に伴うガソリンや軽油、電気・ガス料金などの経済対策について、遅過ぎることなく対策を打つと話されたわけであります。今日は集中審議ではなく一般審議でありますので総理はお越しになっておられませんが、官房長官にお越しいただきました、政府全体の決定に関わることだということで。
今、三月中までに予算立てとしてある予備費八千六百億円がございます。これは、三月中に実施しないと、来年度には、もちろん今年度の予備費でありますから使えないわけであります。
この金額で十分だとは思いません。二十五円のガソリン減税には一・五兆円の減税が必要だったということも記憶にあるところでありますが、ただ、八千六百億円、この金額を、やはりガソリンや軽油、電気、ガスなどの対応を視野に入れて、きちんとした物価対策、ガソリン価格対策等に使っていくんだ、このことを明確に明示していただくことが社会情勢の不安や混乱を抑えていくことにつながる、そのことを強く思うわけであります。
官房長官に御答弁いただきたいと思いますが、もう三月であります。あと二、三週間のうちでありますけれども、この予備費を使って高騰対策をしっかり打っていく、このことを御明言いただけないでしょうか。御答弁願います。
○木原国務大臣 中東情勢が与える日本経済への影響ということで、大変大きなテーマでありますけれども、様々今、情報収集をしているところであり、速やかに対策を取っていくわけですが、現時点において予断を持って判断するということは困難であります。
まずは、まずやるべきことは、物価高対策やエネルギー・資源安全保障の強化、これを盛り込んだ経済対策、そしてもう既に成立をしております令和七年度の補正予算、これをまずは着実かつ迅速に執行すること、これに尽きると思います。加えて、現在御審議をいただいております令和八年度予算及び関連法案の早期成立を図っていくこと、これが必要であるというふうに考えています。
その上で、引き続き、中東情勢が経済に与える影響、これを注視しつつ、経済、物価動向に応じ、経済財政運営に万全を期してまいる考えです。具体的には、総理もこれまで既に申し述べられているとおりですが、原油調達先の拡大や、また国内ガソリンなどの価格安定に向けた対応を検討するなど、内閣として既に動いているところでありまして、引き続き、必要な対応については、検討を深めた上で、しかるべき時期にしっかりと公表したい、そのように思っております。
○山岡委員 この予備費を使って迅速に動けるのは三月なんです。遅過ぎることなく対策を打つと総理が言っていることと今のお話のスピード感に、大分違いを感じるわけであります。
私たちは、四月以降は、きちんとした組替えをして、この状況にしっかり対応するべき予算を組むべきだということも申し上げますが、しかし、三月中はできることをやるべきだということを強く申し上げます。令和七年の補正予算のことをおっしゃいましたけれども、当時はこの状況を誰も予想していなかったわけであります。新しいことができたときに政治が迅速に対応するということを、是非私たちは強く求めてまいりたいと思います。
そのことを申し上げながら、また、今、先ほどございました多角化等も含めた石油の仕入れ先等の話にこれから質疑を入らさせていただきたいと思います。
中東に石油の日本の仕入れが依存しているということが報道されているわけでありますけれども、二〇二五年のデータによれば、日本は、石油依存度、中東へ九四%だということであります。先ほどもお話ありましたけれども、総理は、調達先を拡大することを考えるんだということ、その努力はするべきだと思います。
ただ、石油は、一九六七年頃、いわゆるオイルショックの直前の頃も中東依存度が九一%ということで、これはよくないということで、オイルショックの反省も生かして、一九八七年頃には六七・九%まで依存度を落としています。しかし、一度六〇%まで依存を、まあこれでも大分依存していますけれども、落とすことができたんだから、拡大できるだろうかというと、今、国際情勢は全く違っている。アジアは、今までの作って輸出する国から、経済的にも成長してもう輸入国になっている。ロシアの情勢も違っている。五十年前とは国際環境は全然違うんじゃないか。
経済産業大臣、どのように分析されているか、御答弁いただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 私どもは、過去二回の石油危機を経験をし、今委員が御指摘をされたような供給先の多角化であるとか省エネルギーとか、いろいろな取組を進めてきております。
そういった中で、やはり国民生活に、あるいは経済活動にエネルギー制約が極力かからないようにということで、できる限りの対策をしてきているつもりではありますが、今回のような事態についても、先ほど官房長官から御説明申し上げたように、極力機動的に、臨機応変に必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。
○山岡委員 五十年前と情勢が違って多角化は難しいのではないでしょうかということをお伺いしたんですけれども、ちょっと御努力の話だけ御答弁がありました。
非常に難しい情勢です。正直、なぜ九一%が六七%になった後に九四まで戻ってしまったのかというのは、政府の努力が足りなかったのかといえば、各国の情勢が変わってまた中東に戻ってきてしまっているというのが現実的な状況だということを踏まえなければなりません。
経産省にお越しいただいております。ホルムズ海峡を通らず反対側から、紅海から出るルートがあるんだとか、あるいは近隣の、サウジアラビアのフジャイラ港を使う、紅海のUAEのヤンブー港を使う迂回ルートのこともございますが、これも相当、このルートを使うことも非常に厳しいということを仄聞しておりますが、御解説いただけますでしょうか。
○木原政府参考人 お答え申し上げます。
ホルムズ海峡を経由しない原油の輸送経路としては、サウジアラビアにペルシャ湾側と紅海側のヤンブー港を結ぶ石油パイプラインが、それから、UAEにペルシャ湾側とオマーン湾側のフジャイラ港を結ぶ石油パイプラインが存在すると承知してございます。
しかしながら、ヤンブー港については、紅海のバブエルマンデブ海峡周辺でイエメンのフーシ派の攻撃を受けるリスクがあることや、フジャイラ港については、イランからの攻撃を受けており、この近辺にタンカーが近づけない状態でございます。また、これらのパイプラインの輸送能力は限りがあり、十分な代替能力はないというような課題が多いと認識しております。
石油元売各社においては、こうしたことも考慮に入れつつ、これらの代替ルートによる調達も含めて様々な検討をしていると聞いております。政府としても、エネルギー安全保障に期するべく、あらゆる方策を講じてまいります。
○山岡委員 御答弁いただきました。民間事業者の努力はあるんだと思いますが、なかなか難しいという御答弁もいただきました。
外務大臣にお伺いしますけれども、多角化もいいですし、ほかのルートもいろいろ検討する努力はするべきでありますが、やはりイランとの関係性が一番大切なんだろうと思います。
最近、茂木大臣がイランのアラグチ外務大臣に対して事態の鎮静化を要求したという報道もございました。今回の軍事作戦の事実の部分だけ取り出せば、イランは先制的攻撃を受けている側の立場なんだろうというのが紛れもない事実だろうと思っております。その国に対して、一方的とも思えるような事態の鎮静化、そうじゃないのかもしれませんが、少なくとも報道を通じては、一方的に事態の鎮静化を要求したという趣旨のことが伝わってきています。
このイランのアラグチ外務大臣は日本にも御縁のある方で、駐日大使をお務めになっていた。二〇一一年の東日本大震災の際には、多くの国の中には、外交官の中には、国外に退避されてしまう方もいる中で、日本にとどまって、東京にとどまって、大使館を挙げて被災地の炊き出しの主導とかいろいろしてくださって、日本に思いを相当寄せてくださっている方だということが伝えられています。そのときに、取材に対して、日本が苦しいときにそばにいるのが本当の友人だ、そういったこともお話があって、二〇二二年には旭日重光章も授与されている方であります。
大事なルート、大事なイランの、本当に日本との鍵になる、そうした方が外務大臣をされている中で、事態の鎮静化を求める、米国との関係もそれはもちろん分かりますけれども、しかし、事の本質は、イランとの関係の中でこの石油のルートを何とか確保していくことが一番の本筋ではないかと思う中で、こうした外交姿勢というのが適切なのか、外務大臣に御答弁いただければと思います。
○茂木国務大臣 イランのアラグチ外相とは、一昨日電話会談を行わせていただきました。私も旧知の仲でありますけれども、一方的にイランに申し入れたわけではなくて、その三日前にはイスラエルのサアル外相にも同じように、事態の早期鎮静化、この申入れは行っているところでありますし、二月二十八日に今回の事態が発生して、翌朝にはG7の外相会談、これも開催をいたしまして、ルビオ国務長官始め各国と意見交換も行ったところであります。
我が国は、地域の大国でありまして、豊富な天然資源を有し、ホルムズ海峡の要衝を有するイランとの間で長年にわたりまして関係を築いてまいりました。また、エネルギーの安定供給を確保する観点から、ホルムズ海峡における航行の自由及び安全の確保は極めて重要でありまして、そのためにも、今何よりも重要なことは、事態の早期鎮静化を図ることだと思っております。
こういった観点から、日本政府は、今般の事態発生後、当事国を含みます関係国との協議を続けてまいりました。様々な、私、電話会談等々、また直接の会談も行ってきまして、その詳細について申し上げているとかなり時間がかかりますので。
イラン・アラグチ外相との間では九日に電話会談を行いまして、そこの中では、ホルムズ海峡をめぐる問題であったりとか、また湾岸国、そして周辺国への攻撃というのがかえってそういった国から反発を招いている、こういったことについても説明をいたしましたし、また、現地イランにはまだ、二百名弱ですけれども邦人もいる、その安全確保についても協力を求め、二名の方が拘束をされております、その早期釈放についても働きかけを行ったところであります。イランが国際社会の懸念にしっかりと応えて中東地域の平和と安定のために建設的な役割を果たす、このことが今後のイランの発展とイラン国民の平穏な生活につながる、こういう考えについてもお伝えをし、引き続きアラグチ外相とも、非常に私もよく知っておりますので、意思疎通を続けていこうということで一致を見たところであります。
○山岡委員 官房長官は御業務があられると思うので、これで退出してください。ありがとうございます。
今お話しいただきましたけれども、そうしたら、各国の関係とも協議しているというお話でございました。同様に鎮静化は米国にも求めているということでよろしいのか、御答弁いただけますか。
○茂木国務大臣 米国との協議といいますか、G7の協議は、二月二十八日に事態が発生いたしまして、その翌朝でありましたから、事態が起こったばかりでありまして、今回の事態について、また見通しについてといったことで各国で意見交換もさせていただいたところであります。
また、諸般の情勢が許せば、高市総理、来週訪米をしてトランプ大統領と首脳会談を行います。私も同席をさせていただきますが、様々なテーマについて議論することになると思いますが、そこの中で当然イラン情勢についてもじっくりと議論したい、こんなふうに考えております。
○山岡委員 今の御答弁によれば、二月二十八日、G7の会合、突然事態が起きたことだからということでございますが、それから十日以上も今過ぎている状況であります。各国、電話で様々会談もしているということも伝えられています。お話によれば、それぞれの国ともいろいろお話しされている中で、米国とは直接やっておられるようなお話が聞かれないことに偏りを感じます。イランとの関係も含めて、友好的な関係であるということであれば、是非、日本のきちんとしたポジションを確立した上で、事態の鎮静化をそれぞれの国に求めていただきたい、そのことを強くお願いをさせていただく次第であります。
アメリカの姿勢でいいますと、アメリカ自体がロシアへの対応も変化が見られているところでございます。アメリカのベッセント財務長官は、インドがロシア産原油の購入をしているということについてはこれまで非難もしていたわけでありますが、このことを三十日間容認するんだということをSNSで発表されています。ベッセント長官はこれを暫定措置としながらも、イラン問題の方が優先的なんだということが伝わってくるような、そうした動きでもあります。
ロシアへの制裁もあるわけでありますけれども、しかし、ロシアも原油はある国であります。日本は、天然ガス等に関してはロシアとのつながりがありますけれども、原油も、米国との状況を捉まえて、日本としても、ロシアの関係の中で、念頭に置いてコミュニケーションをしていくということも重要なんじゃないかということを思うわけでありますが、外務大臣、御答弁いただけますか。
○茂木国務大臣 ロシアとの間でこれまでも様々なやり取り、私もラブロフ外相と一期目の外務大臣のときは行ってまいりました。二〇一九年の十二月にはモスクワに行きまして、八時間にわたって様々な協議も行ってきたところでありますが、北方四島の帰属、この問題を解決して平和条約を締結する、これが日本の基本的な方針であるわけでありますが、ウクライナ情勢をめぐって、今、日ロ関係も非常に厳しい状況にあるということは委員も御案内のとおりである、こんなふうに思っているところであります。我が国としても、G7、国際社会と連携をしながら、ウクライナに対する支援、そしてロシアに対する制裁、これを継続しているところであります。
ただ、そういった中におきましても、ロシアとの間では、北方墓参の問題であったり様々な問題があるわけでありまして、これからも意思疎通ができるような環境整備を整えていきたい、こんなふうに考えております。
○山岡委員 様々トータルで考えておられることは承知しているんですけれども、今、ガソリン価格は国内で二百円を超えるかもしれない、原油の調達が一極集中で大変な状況になっている、このことに真剣に向き合うのは、私は、外務大臣としても、外交を通じても向き合うべきなんだと思っています。是非、外交姿勢を持って、様々な外交姿勢の偏りの中で第三次オイルショックが引き起こされるような、そのような事態にならないようにしていただきたいという思いであります。
外交を通じて、原油の厳しい国民の状況、このことにきちんと向き合っていく、そのことについて、一言、外務大臣から御答弁いただけますか。
○茂木国務大臣 先ほども、イランの情勢、中東情勢については早期の鎮静化が必要であり、できるだけ早く外交プロセスに入っていくことが重要だと考えております。
ロシアによりますウクライナ侵略ももう四年が経過をするという中でありますが、これはやはり、ロシアが一方的にウクライナの領土に侵略を二月の二十四日にしたわけでありまして、これに対しては、国連決議もあり、そしてまた、そういった中で、国際的にウクライナを支援をし、そしてまたロシアに対しては厳しい制裁を科すということをしているわけでありまして、一方的にならずに、この中東情勢があるから、じゃ、このロシアに対する制裁を緩めていいのかということにつきましては、よく考えた方がいいんじゃないかなと私は思っております。
○山岡委員 国民生活の厳しさがこれから予測される中で、政府を挙げてきちんと取り組んでいかなきゃいけないという中で、御本人の、いろいろな経過、お話も知見に富むものでありますけれども、私は、外交姿勢の偏りが後に国民生活に大きな打撃を与えたということにならないことを強く願いますし、そうした姿勢を強く求めるものでございます。
農林水産大臣にもお越しいただいております。農林水産大臣の所管では、肥料、飼料等の影響について伺いたいと思います。
記者会見等の記録等も私も拝見しましたけれども、肥料の原料である尿素あるいはリン酸アンモニウム、塩化カリウムなどは、直接中東から入れていない、配合飼料の主原料のトウモロコシも米国から八割であるということでありまして、直接輸入していないのだから、現状は肥料、飼料は直ちに影響が出る状況にはなっていないという見解を示されています。
しかし、中東は世界的に見れば肥料、特に尿素の大きな供給源であります。ウクライナの侵攻の際にも、ロシアからの供給不安で肥料価格が過去最高レベルまで跳ね上がったということもありましたけれども、飼料についても、輸送コストが原油のことで大きく高騰すれば、円安もありますけれども、やはり相当な価格の高騰も考えられますし、過去の歴史も御存じだと思いますが、原油が上がってくると最終的には食料がバイオエタノール化するという、そうした競合という歴史もございます。いわゆる、飼料として使われるのではなくて燃料として使われるという流れが世界的にも生まれてくる。
LNGというのは長期契約です。ですから、なかなか価格は変わりません。しかし、肥料、飼料はスポット価格、その都度買いなんです。巨大なサイロで数か月、数年も抱えておくわけにもいかない中で、やはり危機意識を高く持たないと、気づいたときには、農家さんたち、あるいは業者さんたちもそうですが、大きなダメージを与えることになりかねないかということを強く感じるわけです。
農水大臣、そうした視点から、是非きちんとした対策を打っていくということを御明言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
まず、ちょっと事実関係から申し上げますと、肥料につきましては、その原料として、窒素、リン酸、カリのうちの、まず窒素の尿素ですけれども、マレーシアから約七四%、そして、リン酸アンモニウムは中国から約七二%、塩化カリウムはカナダから約七八%を輸入をしているところです。また、畜産の餌ですけれども、配合飼料の主原料となるトウモロコシにつきましては、米国から約八一%、ブラジルから約一八%を輸入をしております。このため、委員からも御指摘ありましたが、現状では、肥料や飼料について直ちに影響が出るとの報告は受けておりません。
しかしながら、原油価格がかなり振れております。当然全て、海上運賃もそうですし、また為替の影響もあるというふうに思っております。様々な影響が今後想定し得るというふうに思いますので、様々な事態が生じた際に、生産者の皆さんが御不安にならないようにしっかりと対応していくということが基本かというふうに思っております。
また、現状で燃油もかなり上がってきておりまして、農林水産省としては、燃油等の価格が高騰した場合に、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度がありますし、また、セーフティネット資金等の金利負担軽減の措置もありますので、生産者の皆さん、農林水産業に従事されている皆さんに安心して経営を継続いただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○山岡委員 私たちは、農業政策、農業の対応もきちんとした予算を積むべきだと思っておりますので、組替え等も含めてそうしたことも示していきたい、そのこともお伝えをさせていただきたいと思います。
経産大臣にお伺いします。石油備蓄等のことについて。
大変連日お疲れさまです。日米の通商交渉でも行かれた後、昨日はエネルギー会合も含めて石油備蓄のことも御協議されたと聞いております。
報道によれば、協調した放出は、準備はするけれども、取りあえずは今この瞬間ではないようなことも伝えられていますけれども、協調放出というのが今後もあり得るんだろうと思っております。
時間の関係でそこの話はまた別途伺いますけれども、これは日本でも、国際協調による放出だけじゃなくて、単独放出をするという手段も持っているわけであります。大臣に伺いますけれども、状況に応じて石油の単独の放出、これも行うという考え方を持っておられるということでよろしいのか、端的に伺えればと思います。
○赤澤国務大臣 石油備蓄法においては、経済産業大臣は、我が国への石油の供給が不足する事態、我が国における災害の発生により国内の特定の地域への石油の供給が不足する事態、又は生ずるおそれがある場合において、石油の安定的な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、国家備蓄の石油の譲渡しや貸付けができると定めております。
一般論として申し上げれば、国家備蓄石油を我が国単独で放出することは可能でございます。
今般の事案に際し、石油備蓄の放出について予断を持ったコメントをすることは差し控えますが、中東情勢も注視しつつ、あらゆる可能性を排除せず、エネルギー安定供給の確保に万全を期してまいります。
○山岡委員 あらゆる可能性を排除しないというお話もいただきました。
政府備蓄が二百五十四日分ということで、国家備蓄は百四十六日、民間備蓄は百一日ということであります。四割が民間備蓄。
民間備蓄のことについて伺いますが、法制上、民間備蓄は、仮にこの在庫数を緩めても、その後、国内にきちんとした供給をするところまで義務づけられているんでしょうか。いわんや海外に売るということも含めて許されるんでしょうか。法制上のこと。これは経済産業省、解説していただけますか。
○木原政府参考人 お答え申し上げます。
石油備蓄法は、我が国への石油の供給が不足する事態が生じた場合に対応することを目的としておりまして、仮に放出する事態となれば、その趣旨を御理解いただくことが重要だと考えております。
経済産業省としても、仮に放出する事態となれば、事業者に対して国内向けに供給するよう要請をするなど、国内の安定供給確保に万全を期していきたいと考えております。
○山岡委員 私は、可能かどうかを聞いているんです。要請をするということは、すなわち、民間備蓄というのは、いわゆる国内に供給するところまで法的には義務づけられていないということですね。端的に答弁いただきます。
○木原政府参考人 委員御指摘の義務づけという仕組みにはなってございません。(発言する者あり)
○坂本委員長 山岡君、もう一度質問してください。もう一度質問してください。
○山岡委員 じゃ、端的に、海外に売ることも可能ですか。答弁してください。
○木原政府参考人 海外への譲渡に関しては法令上定めはございませんので、事業者に対しては国内向けに供給するよう要請するなど、国内の安定供給確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○山岡委員 今御答弁いただいた中で、要約すると、百一日分民間備蓄があるといっても、これは国民感覚の備蓄と違っているということなんですよ。これは、ほかの国等、高いところに売る、円安だからほかのところに売るということになると、胸張って百一日分ある、二百五十四日分の四割が実はピンチのときに国内に届かないという状況があるということ。
このことをやはり制度としてきちんと、これは国内にひもづけて出ていくものにするんだ、こうした対応が必要だと思いますが、経産大臣、答弁いただけますか。
○赤澤国務大臣 まず、石油の備蓄について放出するということについて言うと、御案内のとおり、民間備蓄とそれから国家の備蓄というのがあるわけですけれども、民間の皆様も、国難みたいな、石油の供給について途絶とか、そういう事態が生じたときに、民間備蓄を放出した後、自分たちも石油精製をしたりするのに原油が必要であり、我々は、国家備蓄、ある意味五か月分ぐらい持っているわけでありますけれども、それを補充しながら、国を挙げて、国難と言っていいような事態、エネルギー供給途絶が起きかねないような事態に対応していくということになります。
そういうことを想定しているので、なかなか、民間の皆様も、それは何か値段的に条件がいいから外国に売ってみようとか、そういうことを考えられると私には今の時点で想定できませんし、しかも、過去にトータルで五回ですかね、放出したことがあるかもしれませんが、何かしらそのような事態が生じたということは私は承知をしておりませんので、今おっしゃったような問題について現実的に私が心配しているかと言われれば、特に心配していないということは申し上げておきたいと思います。
○山岡委員 これは、制度上、整っていないんですね。そうならないだろうということが、やはり、いざそういうことが起きたときに、実は抜け道があったということにならないようにしていただきたいという意味で申し上げております。大宗はそうならないということを、精神的な意味での話を聞いているわけではないんです。
現実的に起こり得るのは、製油所のある大手の元請の直系の企業には、直系のガソリンスタンドには届くでしょう。しかし、そうじゃない独立系のスタンド、先ほど、最初にも申し上げましたけれども、値上がりするかも、届かないかもというふうに言っているところ、こうした直系のところではないところには差別的になる可能性もあるんです。
海外というのは極端な言い方をしましたけれども、国内でもあまねく届くか分からないという仕組みになっています。国内であまねく供給できるような仕組みにする、そのことも御明言いただけませんか。
○赤澤国務大臣 冒頭から申し上げているとおり、エネルギー制約といったようなことが国民生活あるいは経済活動に負の影響を極力及ぼさないようにということで、我々、いろいろな制度をつくっているわけでありますので、例えば特定のスタンドに届かないとか、そういうような事態はないように我々としてはやってまいりたいというふうに思っております。
○山岡委員 東日本大震災のときに実際にそういう事例がございますので、これは過去にあったこともよく確認していただいて、今、与党の方からやじが、そんなことはあり得ないというお話がありましたけれども、それはやはりしっかりと事実を確認していただきたいということも申し添えさせていただきたいと思います。
残りの時間でございますが、洋上風力のことについても伺いたいと思います。
洋上風力、これは国内でエネルギーを生産するという意味で非常に重要なエネルギーでございます。この洋上風力、国内の生産基盤を確立しようということで、デンマークに所在する世界有数の大型風力発電メーカーが二〇二九年までに日本の国内に製造拠点を設けるということで今動いているところであります。最終的には民間企業の判断でどこの場所に決めるかということになるわけでありますけれども、これは北海道、私たちの地域も、また室蘭という場所が工業地帯ですので、何とか国内に拠点をつくるということで頑張って動いているわけであります。ほかの地域も動いているわけであります。
需要の近いということであれば北海道も有利なんだと思っていますけれども、大臣に、なかなかどこの地域が立地が有利だということは言えないとは思うんですけれども、どういう要素がこうした拠点化する地域にとっては大事じゃないかということが、もし御見解があられれば一言いただければと思います。
○赤澤国務大臣 お答えする前に、先ほど私が過去に備蓄の放出五回と申し上げたかと思いますが、実際、確認をしたところ、六回のようでありますので、訂正をさせていただきます。
その上で、お答えを申し上げますが、洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの導入拡大においては、委員もよく御案内のとおり、地域の理解や環境への配慮が大前提でございます。
この観点から、洋上風力事業の実施に当たり、漁業者等の地元関係者が参加をする形で再エネ海域利用法に基づく協議会を設置をし、そこでの合意形成を経て、公募を行う促進区域を指定することとなっております。公募において、事業者は協議会で取りまとめられた地域の意向を踏まえた事業計画を提出し、公募の審査において、都道府県知事の意見を聴取した上で計画の評価を行っております。
これまでも、このように自治体や漁業者など地域の関係者のお話を伺いながら、合意形成を丁寧に行っているところでありまして、引き続き、各自治体と緊密に連携しつつ、地域住民の理解を得ながら、逆に言えば得られる、そういう案件形成を進めてまいりたいと考えております。
○山岡委員 大臣に一言で伺いたいんですけれども、立地をする場合に重要な要素は何だとお思いでしょうか。これは質問通告していますので、お答えいただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 先ほど申し上げたつもりでありますが、再生可能エネルギーの普及に当たって、導入拡大においては、地域の理解や環境への配慮が大前提ということで、地域の理解が得られることとか、あるいは環境への配慮がしっかりされていることというのが前提になるということで申し上げたつもりでございます。
○山岡委員 もう残り時間が少ないので、最後、文科大臣に伺いたいと思います。
海洋国家の日本でございますから、海洋でのエネルギーの研究というのも世界をリードしてほしいという思いもあります。その中で、知の拠点というのはやはり大学であると思っております。
国立大学も大変厳しい環境が続いているところではありますが、今、先ほど申し上げました室蘭の室蘭工業大学でも、将来的に洋上風力とシナジーを持つという浮体式の波力、波の発電の研究を進めているところであります。浮体式の洋上風力の、この洋上の風力に、波の波力を……
○坂本委員長 申合せの時間が超過しておりますので、簡潔にお願いします。
○山岡委員 波力の電源を併設するということで、風と波の両方の電源のエネルギーを分散化して得ることができるということでありますけれども、そうした地域の国立大学の地域性を生かした、産業と連携して研究を進める、こうしたことについてと、海洋国家日本としての技術の確立に向けて、大臣に答弁を求めたかったところでありますけれども、今時間が来たということでございまして、ここで質問を終わらさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○坂本委員長 これにて山岡君の質疑は終了いたしました。
次に、沼崎満子さん。
○沼崎委員 中道改革連合の沼崎でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
冒頭、三月十一日、東日本大震災から十五年目を迎えました。改めて、犠牲になられた方々に哀悼の意を申し上げるとともに、復興の道筋はまだ途中という思いを強くしております。最後まで復興の道を風化させずに進めていく決意を申し上げて、質問に移らせていただきます。
ちょっと順番を変えさせていただきまして、今、イラン情勢に関する御質問もございましたので、最初に、茂木大臣に邦人の退避支援に関する御質問をさせていただきます。
御答弁の中にもございましたけれども、三月六日にはイスラエルのサアル外相、また三月九日にイランのアラグチ外相との電話会談で事態の早期鎮静化を働きかけるとともに、邦人の安全確保あるいは周辺国を含めた退避支援にも迅速に対応されているということに関しては感謝を申し上げます。
その上でお伺いしますが、今、イランの国内のみならず、中東周辺国からも大変多くの出国希望者がおりまして、続々とチャーター便で帰国便が到着している、そういう状況というふうに聞いております。周辺諸国も含めて何人の邦人が今おられると把握をされているか、また、今後の情勢悪化を見据えて、イラン本国また周辺諸国からの邦人の帰国、退避を支える体制の準備をどのように整えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 若干通告いただいていない部分も御質問いただきましたが、お答えをさせていただきます。
今回の事態は二月の二十八日に発生いたしましたが、それ以前におきましては、イランにおきまして約二百名の邦人の方が在留をされておりました。さらには、湾岸諸国、周辺国には七千七百人の方がいらしたわけでありますが、イランの情勢を受けまして湾岸諸国から出国を希望される邦人の方々それぞれと確認を取って、希望も取って、その日によって、出国をされたい、やはり待ちたいといろいろ変わったりしますが、かなりのオペレーションを行っているところであります。
まず八日の日に、オマーンの首都マスカット発の政府チャーター機、そして十日には、サウジアラビアのリヤドを出発した政府チャーター機。オマーンの方は、UAE、さらにはオマーンの方を中心に乗せる、そしてリヤドの方は、クウェートであったりとかカタールであったりとかバーレーン、どちらかといいますと湾岸の中でも上の方の国、これを乗せるという形のオペレーションを行いまして、この八日の便、十日の便、それぞれ成田に到着をいたしました。両便で、アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、バーレーン、カタール及びサウジアラビアから三百八十八名の方々が既に帰国をされております。
さらに、今日の午後にも、サウジアラビアのリヤドとUAEのドバイ。ドバイの方は、チャーター機もありますし、それからエミレーツ航空等々、一部運航を再開していて御自身で出られている方もいるんですが、いずれにしても、サウジアラビアのリヤドとUAEのドバイから出発をしております二機の政府チャーター便がそれぞれ成田空港と羽田空港に到着する予定でありまして、先ほど申し上げた三百八十という数字はかなり更に多くなる、こんなふうに考えております。
一方、陸路でいいますと、イランの方から二回にわたって十六名、それからイスラエルからヨルダンの方に五名が陸路で退避をしたという状況であります。
これらの支援のために、本省は、そして関係公館、本当に領事局を始め中東局は相当、ほとんど寝る間もないぐらいの状態で活動しておりますし、また在外公館も同じような状態であります。さらには、在外公館以外でも、それ以外の公館及び本省から合計十一名の、退避支援の経験のあります海外緊急展開チーム、ERT、それから、近隣公館からの医務官につきましても五名を派遣をさせていただいているところであります。
出国を希望される方全員がきちんと帰国できるように、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○沼崎委員 七千七百という非常に大きな数字も示されておりますので、是非、体制強化も含めて御尽力をお願いしたいと思います。
次に、奨学金の返済減税に関する御質問をさせていただきます。
御返答の中で、公平性やあるいはモラルハザードといった発言が総理からあったというふうにお伺いしております。
公平性という意味でいいますと、今返済を続けている方の多くは、給付型の奨学金が拡充される前に貸与型の奨学金を利用せざるを得なかった世代が非常に多く今返済をしております。そうであるならば、奨学金返済減税というのは、貸与を受けなかった方との公平性を損なうというよりも、私は、むしろ拡充世代前に生じる不公平性を是正する方につながるのではないかという認識をしております。
また、奨学金の貸与に当たっては、私も奨学金をやりましたけれども、家計や収入の確認が行われておりますので、必要のない奨学金を借りるといったモラルハザードは現実的には起こりにくいのではないかというふうに考えております。
こういったことを踏まえまして、公平性、モラルハザードに対する大臣の御見解というのをお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 御提案の税制上の措置を考える上におきましては、奨学金制度の観点からは、給付型奨学金がなかった時代に貸与を受けて現在返還をしている方と給付型奨学金を受けている今の学生との世代間の公平性も検討すべき課題の一つと考えます。その公平性を担保するためには、現在返還している方の中に給付型奨学金の収入基準を満たしていない方もいることについても検討すべき課題と考えております。
また、ほとんどの学生さんは学業に真摯に取り組むために必要な額の奨学金を借りているため関係のないことではありますが、日本学生支援機構の貸与型奨学金は、民間の教育ローンとは異なりまして、無利子又は低利であるとともに、返済能力を審査せず、基準を満たす希望者全員に貸与するという特徴を有していることから、制度設計に当たっては、必要のない奨学金を借りて経済的な利益を得ようとする意図で申請する可能性も、まれなケースとはいえ考慮しなければならないことは御理解をいただきたいと思います。
こうした可能性を払拭し、真に支援が必要な方に奨学金の支援が行き届くことを担保しつつ、御提案のような仕組みを考えるに当たっては、例えば家計基準の審査対象を見直すことなども考えられますが、その妥当性やそれを実現するための審査コストも含めて慎重に検討する必要があると考えております。
いずれにいたしましても、奨学金制度の在り方を考える上で、現役世代の負担軽減という視点は大変重要であります。文部科学省としては、さきの臨時国会で岡本三成議員からも、例えば企業等による代理返還制度の更なる利用拡充といったことも大変強く御指摘をいただいたところでありますけれども、こうした制度など、しっかりと取り組んでいくとともに、これまでの支援の効果や課題等も踏まえた上で、関係者の声に耳を傾けつつ、その方策につきまして不断の見直しを進めてまいりたいと存じます。
○沼崎委員 ありがとうございます。
できない理由よりは、運用でしっかりモラルハザードが起きないような方法を考えて、是非、この現役世代負担軽減に向けた対策、奨学金返済減税に関しても前向きに取り組んで考えていただけるとありがたいと思いますので、お願い申し上げます。
次に、裁量労働制の見直しについてお伺いをいたします。
働き方が多様化する中で、働く方が自らの裁量で働き方を選べる、選択肢を広げていくという考えには非常に意義があると考えますけれども、裁量労働制については長時間労働につながるのではないかという懸念が指摘されています。実際、予算委員会の中の御返答の中でも、みなし労働時間よりも実労働時間の方が長かった、そういった御答弁もいただいております。
しきりにこの見直しの言及はございますけれども、まず最初に、検討している見直しは、裁量労働制の拡充を意味するものなのか、それとも、先ほどお示しした実労働時間の方が長いということを踏まえて、より適正な運用を図る見直しなのか、どちらを考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
総理は、労使間で、健康を前提に制度の拡充を求める意見がある一方で、長時間労働を助長しかねないため拡充すべきでないという意見が示されていると御答弁もいただいておりますので、使用者側、労使がどういうことを求めているか、その受け止めと、これからの方向はどういう見直しを進めようとしているのか、大臣の御認識をお伺いいたします。
○上野国務大臣 お答えいたします。
まず、労働時間規制につきましては、時間にとらわれず成果を重視した柔軟な働き方をしたいなど様々な意見がございます。裁量労働制につきましても、健康確保を前提に制度の拡充を求める意見がございます。
この制度につきましては、労使双方から様々な御意見を頂戴をしております。適用労働者にとっては満足度が高く、健康確保を前提に制度を拡充すべきとの意見がある一方で、今お示しをいただきましたが、長時間労働を助長しかねないため拡充すべきではない、そういった意見もございます。
この制度につきましては、適正な運用が行われれば労使双方にとってメリットのある働き方が実現できる、その一方で、制度の趣旨に沿っていない運用がなされた場合には労働者の健康確保や処遇確保などの観点から問題があるとも指摘をされておりますので、そのような点を含めてこれから議論、検討していく必要があろうかと考えております。
○沼崎委員 どちらの方向かというのがまだちょっと分からないんですけれども、もし制度の見直しで拡充の方向性を進めるのであれば、先ほど健康確保であるとかそういったことが繰り返し述べられておりますので、健康確保は、濫用を防止するような、適正な利用が前提でなければやはり進めるべきではないのではないかというふうに思っております。
ですので、確保策は、特に実労働時間の把握をしっかりした上で進めるべきというふうに思いますが、こちらに対する大臣の御見解をお示しください。
○上野国務大臣 裁量労働制は、委員御案内のとおりでありますが、労使で定めたみなし労働時間に労働基準法の規定が適用される制度でございますので、実労働時間そのものは、現在のところ、把握は求めておりません。ただ、現行でも、使用者には、労働時間の状況を適切に把握をした上で労使で定めた健康・福祉確保措置を講ずる、そのようにしているところでございます。
その上で、裁量がない状態で長時間労働を強いられるといった運用がなされますと、やはり委員から御懸念のあったような健康確保の観点から問題がある、そうした指摘もございますので、そうした点も十分考慮していくことは必要かと考えています。
○沼崎委員 ありがとうございます。是非考慮をお願いいたします。
次に、高額療養費の見直しに関してお尋ねをいたします。
昨年、この見直しの議論がされて、一回中止されました。ですので、非常にここは大きな関心が皆さんにあるところでもあります。
具体的に、改めて、今回の見直しでどこが変わるのか、特に患者負担のどの部分が増えるのかというのは非常にもう一度確認をしたいところでございますので、時間の関係もございますので、簡単に分かりやすくお答えいただけますか。お願いいたします。
○間政府参考人 お答えいたします。
今回の見直しは、制度の持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指すものでございます。
制度全体の持続可能性の観点からは、令和八年に、低所得者の負担に配慮しつつ、一人当たりの医療費の伸びに応じて月額負担上限額を見直す。それから、令和九年に、応能負担という観点に基づきまして、所得区分をよりきめ細かいものとするため、現在の限度額から著しく増加することのないよう配慮しつつ、所得区分の細分化を行います。
具体例で申し上げますと、令和六年度民間給与実態統計調査における平均給与、これは四百七十八万円でございますが、月額の負担限度額は、現行の約八万円プラス医療費の一%から約八万六千円プラス医療費の一%になります。年収約七百五十万円の方の月額の負担限度額は、現行の約八万円プラス医療費の一%から約十一万円プラス医療費の一%になります。
なお、今回御提示している見直し案は、昨年の予算案の御審議の際に御提示した見直し案と比較しますと、全体又は所得区分の細分化による影響は半分程度というふうになっております。
こうした見直しと併せまして、長期療養者への配慮の観点から、年収約四百七十八万円の方も年収七百五十万円の方も同額となっている多数回該当の額、四万四千四百円を据え置くとともに、新たに年間上限を設け、こうした所得階層の方には約五十三万円を年間上限として、セーフティーネット機能を強化することとしているところでございます。
○沼崎委員 ちょっと、増えるところがはっきりしなかったんですけれども、先ほどの答弁の中で、八万円が十一万円ということで、昨日の公聴会で公述人の方が、やはり、いろいろ改善点はあるんですけれども、月額の上限額の負担増というのがまだまだ非常に厳しいという御意見をいただいています。
今、物価高で、なかなか実質賃金が伸びない。そういう中で、負担を軽減する議論が非常に今この国会の中で、消費税の減税であるとか給付つき税額控除の問題であるとか、その議論がまだ途中の段階で、病気を抱えている患者さんの自己負担を上げるという議論をすることに関しては、ちょっと今、タイミングがどうなのかという思いもございますが、ここに関する大臣の御認識をいただきたいと思います。
○上野国務大臣 今回の見直しにつきましては、まず、高齢化あるいは高額な薬剤の普及などによりまして、高額療養費自体が増加をしております。そうした中にありまして、制度の持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化、この両立を目指して行うものであります。こうした考え方は、患者団体の方にも御参画をいただきました専門委員会や超党派の議員連盟におきましても共有化をしているものと考えております。
やはり何よりも大事なのは、大切なセーフティーネット機能でありますこの制度自体を将来にわたって守っていくことでもございますので、そのためには必要な見直しを適宜実施をしていくことも必要だと考えています。
先ほどの専門委員会におきましても、近年の医療費の伸びなどに一定程度対応した形での負担上限額の見直しを行っていくことの必要性、これは御理解をいただいております。また、長期療養者や低所得者については適切な配慮が必要である、そうした考え方も整理をいただいているところでございます。
こうした考え方を踏まえまして、制度全体の持続可能性を確保するために、低所得者の負担にも配慮をしながら、一人当たりの医療費の伸びに応じて負担上限額を見直す、また、特に治療に係る経済的負担が厳しいと考えられる長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化を図る、そうした考えで御提示をさせていただいているところでありますので、引き続き丁寧な御説明をさせていただきたいと考えています。
○沼崎委員 時間がもう迫っておりますけれども、一旦中止になった見直しをなぜもう一回改めて、そして今このタイミングでというのは、非常にちょっと、私も難しいタイミングだというふうに思っております。
そして、この保険料の軽減効果が年間千四百円程度ということで、医療費全体の六%を高額療養費が占めているので、非常に重要な制度だけれども現状ではそこまで大きな負担になっていないというところで、負担増と保険料軽減効果のバランスということも含めて、いま一度、是非見直しも考えていただければと思います。
終わります。ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて沼崎さんの質疑は終了いたしました。
次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司でございます。
まず冒頭、本日三月十一日、東日本大震災から十五年となりました。犠牲者の皆様に心から哀悼の意を表したいと思います。
それでは、質疑に入らせていただきます。
まず初めに、骨太の方針についてお伺いをしてまいりたいと思います。
骨太の方針、こちらは、内閣府が各省からの意見を集約して、経済財政諮問会議で審議を経て閣議決定をされる、政府全体の経済財政運営の指針であります。本日審議している予算の前提となる骨太は、前政権、石破内閣のものであります。
率直に申し上げますと、現行のこの骨太の策定プロセスには構造的な問題があると考えております。骨太への掲載が予算獲得の既成事実として機能する側面がありまして、各省ですとか関係団体の要望項目が積み上がる中で、政策の優先順位が見えにくくなっている。この問題意識は、今後に向けた重要な教訓として、まず申し上げておきたいと思います。
その上で、大臣にお伺いいたします。
高市政権が今後主導して策定する骨太の方針につきましては、是非発想を転換していただきたいんですね。
日本維新の会では、この骨太を各省、業界の取りまとめ要望文書から脱却させて、財政健全化の方向性と、規制改革そして行政改革を中核に据えた構造改革の羅針盤として機能させるべきと考えております。事細かな政策要望項目を骨太から排して、政府として真に優先すべき改革の大きな方向性を示す文書として転換していくこと、これが日本維新の会からの提案であります。総理が掲げる責任ある積極財政、我が党は、この意義を理解して連立合意書を結びました。だからこそ、積極財政を支えるための責任ある歳出改革、こちらが不可欠となりまして、その柱となってくるのが骨太の方針の抜本的な見直しであると思っております。
今年の骨太の議論が始まろうとしているこのタイミングだからこそ、お伺いをしたいと思います。こうした骨太の在り方、見直しを含めて我が党と協議、議論を行っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○城内国務大臣 阿部委員にお答えいたします。
いわゆる骨太の方針、経済財政運営と改革の基本方針でありますが、これは毎年、御案内のとおり、政府の経済財政運営に関する基本的方針として策定されて、その後の予算編成、制度改正等のいわば指針となるものでございます。
その策定に当たりましては、経済財政諮問会議におきまして、経済、財政、社会保障を全体的に俯瞰したマクロ経済財政運営の方針とか、あるいは社会保障など主要分野における改革の方向性などについてしっかりと議論を行って、その結果を反映することとなっております。
阿部委員御指摘のとおり、確かに、一部のメディア等でも報道されておりますけれども、近年の骨太の方針が総花化しているとか、いろいろなものを積み込んでメタボ化しているとか、骨太どころか小骨であるとかいったような報道はございます。そういう御指摘もありますが、それは承知しておりますが、他方で、今回は高市内閣初の骨太方針であります。したがいまして、ここはしっかり力を入れて、簡潔で分かりやすく、そしてメッセージ性のある内容となるように、阿部委員の御指摘も踏まえまして工夫してまいる考えであります。
また、阿部委員から先ほど、政府として真に優先すべき改革の方向性を大きく示す文書となるべきだという御指摘もありました。それもしっかり踏まえて、まずは与党での御議論も踏まえまして、担当大臣としてしっかり取りまとめに当たってまいる考えであります。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
高市政権が手がける最初の骨太、ここで方向性を転換できるかどうかが非常に重要だと思っております。
私も、与党入りをして、先般の総合経済対策の策定にもちょっと関わらせていただきまして非常に違和感を感じましたのが、あれもつけろ、これもつけろという話ばかりで、本当にそれが効果があるものなのかどうかとか、また、まさに国家戦略の根本というんですかね、そうしたものの議論というのがもっとしっかり主軸にあるべきなのではないかな、そうしたことを思ったわけなんですけれども、要望の羅列ではなくて、改革の意思を示す文書に是非ともしていただきたいと思います。そして、財政健全化と成長を両立させる真の構造改革の指針として、歴史に残る骨太を是非ともつくっていただきたいと思います。我が党も、与党の一員として建設的な提案を続けてまいりたいと思います。
続きまして、外国系スマートフォン決済の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
今、アリペイ等の中国系のスマートフォン決済が国内で広く用いられまして、日本円を介さない取引というものが一部で常態化していると承知をしております。日本国内の店舗で取引が行われているにもかかわらず、資金の流れは中国国内の銀行口座、決済インフラ上で行われる。日本の金融システムの外側で経済活動が行われている状況です。
これは二つの意味で深刻な問題だと思っておりまして、一つ目は課税の観点ですね。日本国内で実質的な経済活動が行われているにもかかわらず、資金の流れが国内で捕捉できなければ税務当局による所得また売上げの把握が困難になります。次に、社会統合の観点ですね。日本の金融インフラを一切介さずに日常の経済活動が完結できる、こうした環境というのは、日本のルールですとか制度との接点を持たない生活圏というものが国内に形成されることを後押ししかねない。いずれも放置できない問題であると思っております。
また、当局が把握できないということは、マネーロンダリングに悪用される、そんなリスクも指摘されております。
では、こうした実態に対して現行法はどこまで手が届くのか。利用者が外国人で、口座も決済インフラも外国にある場合、資金決済法上の登録義務の対象外であり、取引データへのアクセスを求める法的根拠が存在しないと思われますけれども、大臣にお伺いします。
こうした外国決済事業者が日本国内で用いられている場合、現行の資金決済法における登録義務、監督権限を当該外国決済事業者に及ぼすことはできるのか、確認いたします。また、現行法の射程での限界についての御認識をお伺いいたします。
○片山国務大臣 まさにこの問題は非常にゆゆしき問題でございまして、資金決済法というのは、利用者の保護を目的として、我が国における為替取引を業として営む者全てを規制対象としていますから、資金の移転先、又は移転先が国内にある場合はこの法の適用対象になるんですが、恐らくアリペイとウィーチャットペイで向こうの国ではほぼ一〇〇%のカバレッジですが、国内決済を持たない、つまり、日本の中で使われている、我々の銀行口座を持っているところと乗り入れていないところに関しては、恐らく、現状、法律上の登録義務や監督権限を実際に及ぼすことが非常に難しくなっております。
今、内閣としてまさに、秩序ある外国人との共生、不公平感をなくさなければいけないということをやっている、それを始めたところでございますから、我々は国税の当局としても、また私は金融担当大臣でございますから、両方の面から見てこれは正していかなければならないという強い問題意識を持っております。
米国とかほかでも似たようなことが行われていて、ブロックチェーン型のステーブルコインをよしとして中国の人民元のCBDCを絶対に禁止しようという発想が米国政府によって今出されていることも、そういったことにある意味端を発していると聞いておりますので、これはG7等々でもだんだん話題になってくる、話題にすべきことだと思っておりますので、当面、法的にカバレッジはあるわけですが、現実には把握方法が銀行を介していないから非常に少ないという問題をいかにして解決するかも含めて努力をしてまいりたいと思っております。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。問題意識について率直にお認めをいただいたと思っております。
外国人政策全体の中でしっかりと対応が進むようにお願いを申し上げまして、私の質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
次に、村岡敏英君。
○村岡委員 おはようございます。秋田県出身、国民民主党・無所属クラブの村岡敏英です。
まずもって、三月十一日、私は、東北地方に住む者として、あの十五年前、その当時は秋田におりました。巨大な地震が起きたことは、秋田でも建物が揺れ、壊れるんじゃないかと思うぐらいの揺れでありました。そのときに、停電が起こり、もう全くテレビも見られない、全く情報がつかめない、その中でラジオを持ってきてくれた人がいて、建物が倒壊している、津波が押し寄せている、様々なことで、知っている仙台の人にも電話をかけましたが全く通じないというような状況でありました。
大分時間がたって、車の中でテレビを見ると、津波に襲われて亡くなった人がたくさんおり、そしてさらには、学校とか建物にも四階、五階にまで水が入っていることが分かりました。本当に多くの貴い命が失われたことを改めてお悔やみ申し上げます。
そして、生活再建もまだまだ大変な人がいます。福島では、廃炉に向かってまだまだ時間がかかります。もちろん、政府に是非この復興とそして生活再建をお願いしたいと思いますが、我々国民民主党も、しっかりと政府の対策に対して支援をしてまいり、一刻も早くあの大震災から皆さんが通常の生活を戻せるように頑張ってまいりたいと思います。
そして、質問に入りますが、防災に関しては後で質問させていただきます。
今日、非常にうれしいことは、片山財務大臣が予算委員会にいらっしゃいます。やはり予算委員会は財務大臣がいていただくことが、皆さんしっかりと質問も、そして、財務大臣に直接質問がなくても聞いていただけることが大切だと思いますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
そして、まず一つ目に、今、イランであのような紛争が起きています。このイランの紛争によって、ホルムズ海峡が今封鎖されているとか封鎖されていないとかは別にしまして、やはりこれだけの紛争があると、全ての物価に連動して物価高騰が起きているような状況であります。特に石油は、ホルムズ海峡に九〇%以上、日本はそこに依存しているわけですから、当然、石油が上がれば全ての製品が上がってまいります。
総理も予算委員会で、様々な準備はしているというお話をお聞きしましたが、今現在、政府として、この物価高騰に対してどのような対策を立てるということを考えておられるのか、教えていただければと思います。
○赤澤国務大臣 今般のイラン情勢を受けまして、原油価格が足下で高騰する中、今週に入り、一バレル百二十ドルに迫るような局面もあったところでございます。
その上で、原油価格は、中東情勢のみならず、世界経済やエネルギーの需給動向など様々な要因を踏まえ市場で決まるものと承知しておりますので、原油価格、ガソリン価格の今後の動向について予断を持ったコメントは差し控えたいと思いますが、総理が予算委員会において、三月九日だったと思いますが、既に、原油調達先の拡大や国内のガソリンなどの価格安定に向けた対応を検討するなど、内閣として動いていると御答弁をされたところであります。
経済産業省としても、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を注視しつつ、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えるために、必要な対応を機動的に講じてまいりたいと考えております。
○村岡委員 今、予備費も補正予算もあって、そして予算の案も出しております。しかしながら、こういう不測の事態は想定外のことであります。石油ももちろん、ガソリンももちろんです。電気もガス代も、補助の部分でも、大変、今切れるというところの状況ですから、これはやはりしっかりとこの物価高騰対策を今考えなければならないんじゃないか、こう思っています。やはりそこをしっかりと大臣から話していただきたい、このように思っています。
○赤澤国務大臣 まず、委員が御指摘の、原油もあり、ガソリンも電気もありといったことでありますけれども、原油について言えば、もう御案内のとおり、備蓄があり、加えて申し上げれば、ホルムズ海峡が事実上今封鎖されていると言われておりますが、その前に通過をしたタンカーが我が国に到着するのが大体三月の二十日頃だと思います。ということで、その前までは定常どおり、今までイランの攻撃というようなことがなかった状態が続きますので、ということとまず認識をいただきたいのと、加えて、電気・ガス料金については、これは二―四か月前の燃料輸入価格を参照して価格が決定されることが一般的であるため、電気・ガス料金が直ちに上昇することはないという認識であります。
なので、いろいろな御指摘はございますが、私どもは、きちっと必要なときに万全の対応が取れるように準備をいたしますし、たった今政策が出てこないからそれはもう国民生活が打撃を受けるんだというような御指摘は当たらないものだと思っています。
○村岡委員 備蓄は、確かに二百五十日以上あると思います。しかし、備蓄に手をつけるようになると、そのときはもう石油はどんどん上がっているときです。やはり、その前に対策を我々も出していきますから、一緒にやりましょうよ。是非、国民生活に影響がある物価高騰対策は、国民民主党は積極的に案を出していきますので、検討していただきたい、こういうふうに思っております。
さて、中東での邦人保護、この前の予算委員会でも茂木外務大臣にお聞きいたしました。やはり一番は生命を守るということの中で、非常に速いスピードで邦人保護をしていただいていると聞いております。
しかしながら、まだ当然、中東に残っている方もいます。それとまた、チャーター機がなかなか少ない状況なのか、残された人もいると聞いております。その辺、やはり邦人保護が最も大事な仕事だと思っておりますが、外務省としてどのように取り組んでおられるでしょうか。
○茂木国務大臣 村岡先生から、以前、村岡兼造運輸大臣時代、秘書官を務めていらしたときの経験も前回お話をいただいたところでありますが、邦人の保護、これは政府にとっても外務省にとっても最も重要な仕事である、こんなふうに考えております。
今回のイランをめぐる情勢を受けまして、湾岸諸国から出国を希望される邦人の方々の出国支援として、まず八日の日に、オマーンの首都マスカット、これは空港は開いておりますので、政府チャーター機が、また十日には、サウジアラビアのリヤドを出発しました政府チャーター機が、それぞれ成田空港に到着いたしております。両便で、アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、バーレーン、カタール及びサウジアラビアから、既に三百八十八名の方が帰国をされております。
さらには、今日の午後にも、サウジアラビアのリヤドとUAEのドバイから、これも一部開いておりますので、それぞれ出発している二便の政府チャーター機が、それぞれ成田空港と羽田空港に到着する予定であります。到着した時点で確たる数字は発表したいと思っておりますが、三百八十八名が既に到着しておりますけれども、それより多い人数の方が今回は帰国をされるということになるのではないかなと思っております。
陸路におきましても、イランから十六名の方がアゼルバイジャンに、そして、イスラエルからヨルダンに五名の方が陸路で帰国、退避をいたしております。
帰国を希望される方、安全確認も含めて、例えばリヤドにいらしても、リヤドでもう少しとどまりたい、様子を見たいという方がいらしたりして、日々状況は変わるわけでありますが、帰国を希望される方全員が無事に帰国できるよう万全の体制を整え、今、準備を進めているところであります。
○村岡委員 是非、邦人保護が一番大事だと思っています。
この前、運輸大臣秘書官のときの話をしましたけれども、官房長官秘書官だったときにインドネシアで、これは戦争じゃありませんが、内乱といいますか、国内の不安定さがあって、一万人以上インドネシアに日本人がおりました。その移動のときも、この前お話ししたように、やはり緊急な事態ですから警察やまた医師がいたり、そういう用意も是非していただきたい、こう思っているんです。
というのは、このまま平穏無事に、トランプ大統領が言われるように、もう終わりに近づくならばいいんですが、緊急事態となったときの部分をしっかりと備えていただきたい、こう思っております。ない方がいいんですけれども、そういう部分でのシミュレーションもしっかりしておられるか、大臣からもう一度お聞きしたいと思います。
○茂木国務大臣 危機管理の要諦は最悪の状況を想定するということであると思っておりまして、今、何が最悪かというのは確たることを申し上げるのは難しいんですが、いろいろな状況に対応できるように様々な準備を整えているところであります。
○村岡委員 是非、万全の体制で備えていただきたいと思います。
また、拘束されている二名の方と連絡は取れているということは依然変わっていなく、しっかりと安全を確保されているということでよろしいでしょうか。
○茂木国務大臣 拘束されている二名の方については、二十八日以降も連絡が取れ、健康状態も決して悪いわけではないという連絡が取れております。
そして、早期の解放に向けまして、おとといもイランのアラグチ外務大臣の方に、この点、強く申入れも行っているところであります。御本人、それから御家族を始め関係者の方々とも緊密に連携を取りながら、連絡をしながら、一日も早い解放に向けて全力で取り組みたいと考えております。
○村岡委員 是非よろしくお願いいたします。
次の質問に変わります。
先ほど、委員の中で洋上風力のお話がありました。前の予算委員会でも私は話しましたが、第一段階で、秋田沖の洋上風力、民間の日本の企業が撤退いたしました。それで、再公募というのが今年あるように聞いています。
その中で、デンマークの民間会社が非常に意欲を示して、副大臣とですか、協定を結んだと。秋田県の担当者も秋田市の副市長もそこに立ち会ったということですけれども、これは、洋上風力、日本の中で、経済産業省としても、この会社と一緒に進めていくという方向性でしょうか。
○赤澤国務大臣 洋上風力は、事業規模が大きく産業の裾野が広いため、可能な限り国産化を進めることが二つの観点で有益だと思っています。
一点目は、産業政策として、国内の関連産業への波及効果、付加価値創出と雇用創出効果がある点です。二点目は、為替変動や海外のサプライチェーン逼迫にも左右されず、洋上風力発電のコスト低減に資する点です。こういった理由から、国産化を進めていくことが大変意味があると思っております。
先ほど、デンマークのベスタス社と協力を進めていくということについて御指摘がありましたが、このベスタス社は、風力発電のときに非常に重要なナセルと言われる部品、これは、ブレードの風を受け取り電力に変換する発電機など主要な機械部品が収納されるコア部材ですが、そのナセルの世界有数の生産企業ということで、そういう会社が国内に拠点をつくって風力発電に不可欠なナセルの製造を始めることというのは、我々にとっては国産化の大変重要な一歩ということでありまして、私どもとしても重要な取組であるということを考えているところでございます。
○村岡委員 洋上風力というのは非常にお金がかかる。その中で、造ったものを海外からそのまま持ってくるとこれは更にコストが増すということを、国産化していくということになれば大分コストが下がってくる。そうなれば、エネルギーの自給力を高めるためにも非常に前に進むと思いますので、経済産業省、是非そこを取り組んでいただきたい、こう思っております。
次に移らせてもらいます。
先ほど言った三月十一日の東北大震災含め、今、日本では本当に各地で災害が起きています。大雨の被害は毎年のように起きています。秋田でも毎年のように大雨の被害を受けている。
そこで、防災庁がこれから発足していくという中で、防災庁には非常に期待するところが、自治体も住民も、国民全体があります。そして、防災庁をつくっていくという準備は着々と進んでいると思いますが、まず大切なのは、防災庁は、地方自治体とどのような役割分担の下でどのような連携体制を構築していくお考えなのか、また、都道府県や市町村、国の関係を平時と災害時でどう整理していくのか、教えていただければと思います。
○あかま国務大臣 お答えいたします。
災害対応についてでございますけれども、委員の方は御理解いただけると思っておりますが、まず一次的には、住民に近く、地域のことをよく知る市町村が担い、ただ、大きな災害、こうした災害にあってはまた都道府県であるとか国が支え、必要に応じて直接対応をする、こういったことが適切なんだろうというふうに思っております。災害対策基本法であるとか災害救助法等々も、その制度、施策、それもそうした考え方に立っておるものと理解しております。
その上で、国において、被災自治体への職員の派遣であるとか、プッシュ型支援であるとか、予算面の措置などなどで直接的また間接的に自治体を支え、また、必要に応じて主体的に災害対応を行っていく予定でございます。
内閣府においてでございますけれども、今年度から、各都道府県のカウンターパート、こうした位置づけで、ふるさと防災職員を配置してございます。ふだん、平時から自治体の事前防災の取組に助言を行って、なおかつ、発災時においては被災地に赴いて自治体の災害対応を応援する、こうしたものがふるさと防災職員、こういったものでございます。
また、委員御指摘の、いわゆる防災庁設置に伴うといった部分においては、徹底した事前防災を推し進め、なお、発災時の対応から復旧復興まで一貫した災害対応の司令塔、この役割を担うこととしておりますが、防災庁の設置、この中にあっては、人員の拡充また被災自治体への迅速な応援体制をつくっていく、また、被災自治体のワンストップ窓口としての継続的、包括的な伴走支援体制をつくっていくことなど、国による自治体への支援体制の強化を進めてまいりたい、そう思っております。
○村岡委員 ありがとうございます。自治体との協力というのがしっかりしていくことが大切だ、こう思っています。
先ほど話した東北大震災のとき、私は二度被災地に、震災が起きてから一週間ほどたって、一つは仙台の避難所の方に参りました。やはり、十五年前ですから、まだまだ避難所の生活というのは大変環境が悪かったです。そこに食料を持っていくと大変喜んでいただきましたけれども、この避難所の状況というのをどのようにしていくかというのが大切だ、こう思っております。
そこで、例えば、あのときは津波が大きかったわけですけれども、津波が多いという中でいくと、非常に、ほとんどのところが土壌も何もぬれていまして、そして体育館まで水も入っているようなところもありました。そういう意味で、スフィア基準というのがありますけれども、避難所の質を確保しようとすると、今ある施設だけでは十分じゃないんじゃないか、こう思っています。まあ、いろいろな災害がありますから一概には言えないと思いますが。
そこでなんですけれども、防災庁として、避難所の量と質の両面から、全国で一定基準というのはなかなか難しいんですが、しかしそろえていかなきゃいけない、避難所をどのような環境にしていくか、一定の基準を持って自治体と協力していく体制を教えていただければと思います。
○あかま国務大臣 村岡委員が今お尋ねの、いわゆる避難所における生活環境の改善また基準という話。
十五年前、あの当時から比べれば、明らかに各避難所、昨年、私は、大分のいわゆる大規模火災の現場また避難所、そこにおいては当然のように様々なサービス提供がなされている中で、食事といっても、ただ提供するだけじゃありませんよ、温かいことがというような話にもなっています。その意味では、避難所の生活環境というものは常に求めていかなければならない大事な視点だというふうに思っております。
内閣府においてでございますけれども、令和六年の十二月、自治体向けの避難生活に関する取組指針、これを改定いたしました。この改定に当たっては、発災直後における五十人に一基のトイレであるとか、一人当たりのスペースを三・五平米にする、いわゆるスフィア基準といったもの、この内容に沿ったものに進めて、協定を結び、発災直後から対応するよう求めるなど、とりわけ、快適なトイレ、ベッド、入浴、温かい食事を意識して、避難所、避難生活環境の改善に向けた取組、これを進めております。
それをまた裏づけるという意味で、令和七年度補正予算において措置した地域未来交付金を活用し、防災、減災に資する資機材の整備を支援するなど、災害発生時の自治体における物資、資機材の確保、これを支援する取組を行っております。
加えて、来年度予算案にあっては、防災力強化総合交付金を計上してございます。予算成立後は、これらも活用して、引き続き関係省庁等々と連携をし、自治体に対する支援、また避難所環境の改善に努めてまいりたい、そう思っております。
○村岡委員 是非そうしていただきたいと思います。
陸前高田にも被災のときに行きました。そのときはサラダとそして肉ジャガを持っていきましたら、その当時でしたから、大体、揚げ物とかそういうものだけで、非常に喜ばれました。そういう環境なんかも、やはり被災されて、体調も心も折れているときです、そういうときにしっかりと避難所の環境を整備するということがこの防災庁を設置された意味があることだと思いますので、お願いしたい、こう思っております。
そして、次に、避難所とかの部分の設備や様々なものを整備するとなれば、当然お金がかかります。しかし、なかなか地方自治体に、予算に余裕がありません。これは防災庁というより片山財務大臣かもしれませんが、避難所の防災、減災に必要な資機材というもの、交付金や補助金の部分の補助率を上げて、防災庁ができ上がって、これは必要なものだとなれば、自治体に大きな資機材を用意する、それから、心に配慮するような資機材を用意するということに対しての補助率を是非上げていただきたい、それも同時にやっていただきたいと思っていますが。
○あかま国務大臣 委員の方に今御指摘いただいた防災庁が今年度中にはできる、また、様々な災害において対応できるような資機材、またさらに、加えて、自治体への支援等々、こういったものを強化する取組は必要でございます。そういったことを踏まえて、また財務当局とすり合わせ、また要求をしていきたい、そう思っております。
○片山国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございますが、防災、減災ということに対しては、高市内閣は非常に優先度が高いですから、責任ある積極財政の範囲内でしっかり御対応させていただきたいと思います。
○村岡委員 財務大臣からも心強いお言葉をいただいたので、是非よろしくお願いいたします。
そして、もう一点、ちょっと防災のことに関してお聞きします。
それは、防災庁として、自治体の防災人材をどのように援助して育成していくのか。アメリカなんかはそういう訓練の学校まであるということですけれども、まだまだ自治体に防災の専門家と言われる人はなかなかいないということが現実です。そして、当然、県庁や市役所になると人事異動がありますので、ある程度積んだら次の部署に行くということの中、この専門家をある程度用意しなければならないと思っているんですが、これは、防災庁として、どのようなことで自治体の防災に対する専門職をつくっていこうと思っているのか、教えていただければと思います。
○あかま国務大臣 委員御指摘のとおり、いわゆる地域防災力の強化、そのためには、いわゆる人材また専門人材を更に拡充していく必要があろうと思っています。
現段階において、内閣府においては、地方自治体の職員等を対象に、まず、防災スペシャリスト養成研修として、内閣府に職員を派遣いただいて実務を経験するOJT研修、また、防災業務全般の知識であるとか技能等を体系的に学ぶ有明の丘研修、さらには、地方自治体と共催で、その自治体に出向いて、また地域の実情であるとかニーズに応じた内容の研修を実施する地域研修などなどを行っており、これを引き続き進めてまいろうというふうに考えております。
あわせて、防災庁設置を見据えて、防災に関する幅広い知識また専門知識を有し、なおかつ、多様な関係者間のコーディネート力を有する地方自治体職員等の防災人材、これを、まさにおっしゃるとおり、体系的に育成すべく、あくまでも仮称でございますが、防災大学校、この設置の検討を進めておるところでございます。
○村岡委員 ありがとうございます。是非それも進めていかなければ、防災庁があっても、地方自治体に専門家がいなければ、それは、いざそういうことが起きたときに対応ができないということになりますので、よろしくお願いしたいと思っています。
それで、一つ、ちょっと防災の中で一番最初に聞かなきゃいけなかったことをまだ聞いていなかったんですが、私、宮城から岩手から福島からいろいろ行きましたけれども、特に宮城でしたけれども、防災無線というのは、津波が来たときに壊れちゃっているんですね。全く防災無線が機能していない。こういうところの中で、いろいろな災害が起きるときに、やはりしっかりとした情報を住民に伝達することが大切です。
ちょうど松島のところを見に行ったときに、松島で、もう防災無線は壊れていて、人が、津波が来そうだと、遠くに。いやいや、そんな、来ないだろう、幾ら何でもここまではということで、安心した人もたくさんいたそうです。
そういう意味で、最初の情報という部分をいかに住民に知らせるかということを是非防災庁に考えていただきたいと思っておりますが、その点はどうでしょうか。
○あかま国務大臣 地域住民への防災、また災害に関わる情報の伝達、また、場合によっては国と自治体間における情報の共有を含む、そういったものの御指摘だというふうに思っておりますが、内閣府防災において、発災後速やかに被災自治体の幹部とまずホットラインをつくる、構築をする、現地の被害状況をしっかり把握するとともに、被害の状況等を踏まえて、いわゆる地域防災リエゾン、向こうとの連携の人材、また内閣府調査チーム、これを派遣をするといった取組、体制となっております。
防災庁設置を見据えてという話でございますが、こうした点については充実を、更に強化しなければならないと思っております。
なおかつ、そういった情報の共有また伝達という中にあっては、いわゆるデジタルという視点、これも出てくるんだというふうに思っております。
災害情報を迅速に集約、共有する防災デジタルプラットフォーム、この中核を担う新総合防災情報システム、いわゆるSOBO―WEBによる被災自治体との間の被害の全体像の把握であるとか共有、また災害応急対策、これに活用しておるところでございます。加えて、防災庁の設置を見据えて、発災直後から国と地方自治体が同じ被災状況を迅速に共有できるよう、官民の衛星であるとか航空写真であるとかドローン画像を一元的に集約する、我々、いわゆる鳥の目プロジェクトと称しておりますが、そういった事業について、必要な調査、制度検討のための経費、これを令和八年度当初予算として新たに盛り込んでおるところでございます。
こうした取組を通じながら、情報の伝達また共有、こういったことを更に強化してまいりたい、そう思っております。
○村岡委員 時間がなくなってきていますので、大臣のお答えはいいんですが、これが一番大切なんです、津波が来るのか来ないのか分からない、それから、豪雨があったときに、河川が氾濫するのか氾濫しないのか分からない、それから、避難するにも、道路が混雑しているのかどうか分からない。ここのところ、大変難しいですけれども、それが被害を最小限に抑えるというポイントだと思いますので、是非お願いします。
そこで、次の質問になります。
総務大臣には、前回も用意していたのに質問できずに、大変申し訳ございません。
高市大臣の、本予算を中心にして、毎年のように補正をするというようなことはせずに、本予算でしっかりと予算を立てていくということをおっしゃいました。確かに、その方がいいと思っています。
ところが、今までは、本予算を立てて、極端に言うと、地方自治体が、このことを是非大臣にお願いします、このことを国会議員の皆さんにお願いしますと言ったら、いや、今は無理だから補正で何とかするからというのが常識のようになっていました。そして、補正ですと起債がある、だから、かえって補正の方がいいんだよと。このような状況に地方自治体が慣れちゃっているんですね。
その意味で、本当に改革するとすると、地方自治体が、逆に、起債とかそういう部分をどうしていくのかということは不安がっています。本来、しっかりと本予算でやるのが当たり前だし、私もそうするべきだと思います。しかし、地方自治体が不安に陥らないように、そのことも進めていただきたいと思っていますが、このことに関して大臣からの答弁をお願いします。
○林国務大臣 今回は当てていただいてありがとうございました。
国の補正予算に計上された投資的経費に関する国庫補助事業の地方負担、まさに今委員が御指摘になったように、原則として、その全額に補正予算債を充当可能とした上で元利償還金の五〇%に交付税措置を講じる、こうなっておるわけでございまして、当初の場合は、投資的経費に関する国庫補助事業の地方負担、内容に応じていろいろな充当率、それから交付税措置率が異なっておるわけでございまして、今後、必要な予算は可能な限り当初予算で措置するということで国の予算編成の在り方を議論していくことになっておるわけでございます。
まだ、今から議論することでございますので、具体的にどうこうということはなかなか申し上げにくいんですが、総務省としては、やはり国の予算編成の状況等を踏まえまして、地方債を含む地方財政措置について、円滑な事業執行、そして、何よりも自治体の財政運営に支障のないように、適切に対応してまいりたいと考えております。
○村岡委員 是非、本予算で充実させることが大切だと思いますので、地方自治体が非常に心配にならないようなことを考えていただきたいと思っています。
あと、これは補正じゃないんですけれども、よく陳情で、今年、非常な豪雪でお金が足りないということで陳情で来ます。これは、時々、まだ豪雪が続いているときに、わざわざ東京へ来るときがあるんですよ。そういうのは、今はリモートができるわけですから、わざわざ東京に来させないで、市町村長を。それも考えていただければと思います。
そして、最後に片山財務大臣にお聞きします。
我々、国民会議に入りましたので、今日質問のやつは国民会議で全て質問した方がいい、それから意見を述べた方がいいと言われるかもしれませんが。
この前、外食産業の方々とお会いしました。そうすると、外食産業の方々に、これは政府から、様々、食料品ゼロになったときに、いろいろな弊害のことに関して何かヒアリングはありましたかと言うと、ないというふうに言われたんです。やはりそこは、食料品ゼロを目指すとすれば、この前は農家の簡易事業者のことの点を言いました、外食産業、コロナで大変苦労して……
○坂本委員長 申合せの時間が超過しております。お急ぎください。
○村岡委員 そして大変な被害もあったということの中、立ち直ってきています。この方々に対してはどのように思っていますでしょうか。
○坂本委員長 財務大臣片山さつきさん、簡潔にお願いいたします。
○片山国務大臣 飲食の団体の全国の大きなところは、早い時期にもう既に大臣室にお越しになっておられて、まさに、イートインとの税率の差が二%ではなくて開くようになるという想定が出てきますから、その影響、それから、委員御指摘の、メニュー改定ですとかシステム改定ですとか、確かにその問題が全部ございます。
これにつきまして、これから国民会議で、一つも漏れることなく、特に不便を感じられる、不安を感じられる業界については細かく実務的に寄り添って、私どもも、財政担当として私は親会議に籍がございますが、それだけではなくて、実務及び金融面、この方面もしっかりとフォローをしてまいりたいと思います。
○村岡委員 大変ありがとうございました。
質問を終わります。国民会議でしっかり話していきましょう。ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて村岡君の質疑は終了いたしました。
次に、和田政宗君。
○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。
比例東北ブロック選出で、宮城県を政治活動の拠点としております。東日本大震災の被災地を発災直後から訪問し、様々な方のお話をお聞きし、課題の改善と復興に取り組んでまいりました。私が政治家を志したのも、東日本大震災の復興を成し遂げなくてはならないという思いからでした。
発災当時はNHKのアナウンサーで仙台放送局勤務でしたけれども、知人が何人も亡くなり、被災地の復旧復興の状況を直視すれば、復興の迅速化のためには国会議員として直接動かしていかなくてはならないと思い、震災から二年後の二〇一三年の参議院選挙に立候補して当選をし、以後、震災からの復興を第一に行動してまいりました。
福島県は、いまだ困難な状況が続いています。宮城県を始めその他の被災地では、インフラの復旧はほぼ成し遂げられましたが、被災者の高齢化が進み、孤独・孤立対策やコミュニティーの維持など、ソフト面の課題に継続的に取り組んでいかなくてはなりません。
また、復旧で終わらせてはなりません。復興とは、震災以前よりよくなり、発展することが復興です。一次産業を始め、先端産業など、根本的な産業振興によって復興を成し遂げていきたいと考えます。東日本大震災でお亡くなりになった方々を悼むとともに、生かされた我々は復興を必ず成し遂げていくという改めての決意を申し述べたいと思います。
まず、東日本大震災十五年について聞きます。
本日は発災日である三月十一日ですので、復興大臣にお聞きする予定だったのですけれども、復興庁からは、大臣は被災地での追悼と式典に出張する日程があり、政務二役の答弁でお願いできないかという強い要請がありました。
そもそも、復興大臣の出張が午前中から入っているこの三月十一日に予算委員会の開催を提案し、委員長職権で開催を決定すること自体がおかしく、強く抗議をします。
昨日夕方まで復興大臣答弁でと考えておりましたけれども、復興大臣が被災地の式典に参加する意味を考え、副大臣答弁とすることにいたしました。副大臣においては、真摯な答弁をお願いをいたします。
まず、東日本大震災十五年に当たり、現状の受け止めについて聞きます。何が進み、何が課題として残っていると考えるか、答弁を願います。
○田所副大臣 お答えいたします。
本日で東日本大震災から十五年が経過しますが、被災地の方々の絶え間ない努力によりまして復興は着実に進展している。一方、地域によってはその状況は様々となっております。
地震、津波の被災地域においては、ハード整備はおおむね完了している一方で、心のケア等の中長期的な対応が必要な課題もあり、関係省庁や自治体としっかり連携して、丁寧に取り組んでまいります。
原子力災害の被災地域におきましては、避難指示解除の時期の違いによって復興の状況が大きく異なっておりまして、住民の帰還や移転の促進、さらには産業、なりわいの再生など、地域の状況に応じて様々な課題に対して取組を進めているところでございます。
○和田(政)委員 これは、御答弁のとおりしっかりと進めていただければというふうに思います。課題がやはりソフト面を中心にまだまだございますので、これはしっかりと提起をしていきたいというふうに思います。与党、野党関係なく、これはしっかりと復興を成し遂げていかなくてはならないと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
次に、宮城県石巻市の大川小学校など、震災遺構の恒久保存について聞きます。これは、防災担当大臣に先日お聞きしましたけれども、改めて復興庁にお聞きをしたいと思います。
児童七十四人、教職員十人が亡くなった、石巻の大川小学校の震災遺構は、津波のすさまじさと学校や地域における事前防災の重要さを知ることができる世界唯一の震災遺構だと言ってよいと思います。しかし、遺構は、校舎の壁の崩落が見られるなど、維持が課題となっています。お子さんを失った御遺族の方々や地域の方々は、将来にわたる恒久保存に向け、行政に働きかけるとともに、広島の原爆ドームの恒久保存の際の行政の予算拠出や国民運動の事例に学び、活動の輪を広げようと懸命に頑張っています。
被害のすさまじさを知ること、事前防災の重要性の周知、学びの観点からも、震災遺構があるからこそ、しっかりとした伝承や学びができると考えています。石巻の大川小学校など、震災遺構の恒久保存についてどう考えるか、お答えください。
○田所副大臣 東日本大震災の記憶と教訓を後世に継承するために、震災遺構は重要な役割を果たしていると認識をしております。
復興庁においては、震災遺構の保存のために必要な初期費用について、市町村における維持管理費を含めた適切な費用負担の在り方や、住民の合意が確認されているものに対して、令和二年度まで復興交付金により支援してきたほか、震災遺構や伝承団体を紹介するガイドブックを発刊する取組などを進めております。
また、岩手県宮古市の震災遺構、たろう観光ホテルや、宮城県気仙沼市の気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館においては、維持管理に当たって、ふるさと納税や入館料を活用するなど、自治体において独自に財源を確保されている例もあります。
復興庁としても、自治体から相談があった場合は、これらの事例の紹介を含めたアドバイスや伴走支援を行うなど、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
○和田(政)委員 これまでの答弁より少し踏み込んだ答弁をしていただいて、ありがとうございました。
私は国費を投入すべきだというふうに思うんです。交付金によって一回入れているので、なかなか再拠出が難しいということだと思うんですが、広島の原爆ドームのときは、広島市が予算を拠出をして、そして国民からの寄附が半分ですね、たしか最終的にも半分半分になったと思うんですけれども、こういうようなことでやったんですが。
例えば、石巻市ですと、自治体の規模がやはり違いますので、今懸命に予算を年間一千百万拠出していると思うんですけれども、これだとやはり維持ということの将来を考えたときにかなり厳しい状況になってくると思いますので、自治体が拠出をするのか国が拠出をするのかというのは、改めてやはりしっかり考えていかなくてはならないことであるというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
次に、東日本大震災被災地の漁業支援についてお聞きをいたします。
水産物の水揚げ量は、最新の令和六年のデータで、被災の前年の五四%にとどまっています。水産加工業の売上げにも大きな影響が出ています。
漁業者は、震災被害のどん底の状況から懸命に頑張ってまいりました。私は、被災地の漁業支援は、えこひいきをするくらいの根本振興を行うべきだと政府に要請をし、様々な施策が打たれてきましたけれども、世界的にも誇る漁場である東日本大震災の被災地における根本的な漁業支援策について、農水大臣はどのように考えますでしょうか。
○鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。
まず、東日本大震災の被災地域におきましては、災害復旧事業等により、被災した三百十九の漁港全てで陸揚げ機能が回復をしておりまして、水産加工施設は九九%が業務を再開しているなど、インフラ面の復旧はおおむね完了しているというふうに認識をしております。
ただ一方で、今、和田先生から御指摘の被災三県の水揚げ量ですけれども、令和六年時点で震災前の平成二十二年と比較をいたしますと、いずれの県も減少しております。特に、水揚げ量の震災前比較を申し上げると、岩手県は四〇%、宮城県が六〇%、福島が三九%と厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
これに対応いたしまして、水揚げ、販売面での回復を図るため、農林水産省といたしましては、収益性向上の取組に必要な操業経費の支援、また、担い手の確保、育成に向けた長期研修などへの支援、被災地水産物の販路開拓支援など、様々な支援策を講じることとしております。
ちなみに、私も前、復興副大臣を務めておりましたから、先生の御地元の宮城県、気仙沼も南三陸も石巻も何度も何度もお邪魔をさせていただきましたが、三陸沖は特に、気候変動の影響で捕れる魚種がかなり変わってきているとか、カキの水揚げが厳しいとか、様々な状況も目の当たりにしましたので、そうしたことでも、浜ごとに状況は違いますので、丁寧に対応させていただきたいというふうに思います。
令和八年度から始まる第三期復興・創生期間においてこれらの取組をしっかりとやることで、早期復旧復興につなげてまいりたいと思います。
○和田(政)委員 大臣も東北でありますので、今御答弁いただいたことを更に進めていただけますようよろしくお願いをいたします。
次に、公費解体についてお聞きをいたします。
おととしの能登半島地震が起きた後に、公費解体について、どのような手続が簡略化できるのか、自治体や復旧復興に取り組む方々から、統一的な指針を国が示してほしいといった意見が上がりました。能登半島地震が起きるまでは公費解体マニュアルが存在しておらず、その後、作成され、五次にわたる改定が行われました。
これは追及ということではなく、今後に生かす前提でお聞きをするのですけれども、公費解体マニュアルが能登半島地震後まで存在しなかったのはなぜかということ、そして、その後は、タイムラインによる公費解体のマニュアルなどの文書を作成をして都道府県宛てに発出するなど、取組を進めていると承知をしていますけれども、こうしたものを今後の備えにどうつなげるのか、お聞きをいたします。
○石原国務大臣 お答え申し上げます。
能登半島地震以前は、災害時に発生する廃棄物の処理に必要な事項については、公費解体を含めて災害廃棄物対策指針として取りまとめておりました。また、発生時には、自治体に対して必要な技術的な助言を行ってきたところであります。
その上で、能登半島地震では、損壊した家屋等の大量の解体が見込まれた、このために、より円滑に対応を進められるよう、公費解体マニュアルを令和六年一月に策定し、各自治体にお示ししたところであります。委員が言われたように、このマニュアルも累次の改正を行ってきておりまして、三月中には第六版を公表する予定であります。
また、これに加えて、廃棄物処理法等の改正法案を今国会に提出すべく、準備を今環境省で進めているところでありますが、この中では、事前の計画不足、また民間処分場の活用停滞といった教訓を踏まえ、自治体での災害廃棄物処理に関わる計画の策定義務化や、また災害廃棄物を受け入れる民間処理場の指定制度を創設することなどを検討しているところであります。
また、先週閣議決定をいたしました環境省設置法の改正法案において、地方環境事務所を地方環境局に改めることを織り込むとともに、それに併せて災害廃棄物処理体制の充実を図っていくこととしております。
これらを通じて、引き続き、災害対策の充実に努めてまいります。
○和田(政)委員 今後の備えを進めていただければというふうに思っております。
委員長、農水大臣と環境大臣は、この後、東日本大震災被災地での式典が入っております。ここで出ないと、交通事情等により間に合わない可能性があります。
繰り返しになりますが、そもそも、大臣の出張が既に入っている、この時間に出発しないと間に合わない、この三月十一日に予算委員会の開催を提案し、委員長職権で決定をすること自体がおかしく、改めて強く抗議しますとともに、この後、質問は両大臣にはありませんので、御退出いただいても構いません。
○坂本委員長 両大臣、御退席していただいて結構です。
○和田(政)委員 次に、特別な支援が必要な子供と、育てる家庭の現状と課題について厚労大臣にお聞きをいたします。
資料を御覧いただきながら進めていければというふうに思います。なお、資料の出典の明示について、表記の不備がございまして、理事会において御教示をいただき、お認めいただいたことに謝意を申し上げます。
その資料、まず一枚目ですが、特別支援学校にお子さんが通学する親の方々から聞き取りを行い、作成をしたものです。
通学中と卒業後の比較では、卒業後に通える場、活動の場が不足しています。特に、グラフの赤い部分がそうなんですけれども、十八歳の卒業後に、朝と夕方の時間帯において、日中の居場所が途切れるとともに、選択肢が極めて限定的です。さらに、その時間を親が一緒に過ごすとなると、親の働き方とともに、生活が維持できない可能性が高いとの声が上がっています。
卒業後の生活支援が不足し、親の就労継続が困難になっているとの声に対し、大臣はどのように考え、どう対応するでしょうか。
○上野国務大臣 お答えいたします。
御指摘のように、障害のある子供が十八歳で特別支援学校を卒業した後の日常生活におきましては、日々利用する障害福祉サービスの生活介護等が午後三時台などに終了する場合には、委員から御指摘がございましたとおり、余暇活動の機会や居場所が確保できず、夕方以降の時間を有意義に過ごすことが難しい、また御家族にとりましても、自分が勤務している間の預け先を見つけるのが難しい、そういった御意見があるのは承知をしております。
今、日中の活動をより充実する観点から、令和六年度の障害福祉サービス等報酬改定におきまして、生活介護の延長支援加算を拡充し、預かりや居場所のニーズへの更なる対応を行ってきたところであります。また、障害のある方の創作的活動の機会やあるいは日中活動の場、これを提供することを目的といたしまして、日中一時支援あるいは地域活動支援センターなどの事業、これは市町村が実情に応じて実施をしていただいておりまして、約九割近くの市町村で実施をしていただいておりますが、こうした場を活用していただくことも十分考えられると考えております。
引き続き、関係者の御意見も十分踏まえて、今後の取組を進めていきたいと考えています。
○和田(政)委員 さらに、卒業後のことについてお聞きをいたしますけれども、生活介護事業所などへの送迎、見守り、これが家庭への負担が極めて大きいとの声があります。事業所も頑張っているわけでありますが、送迎体制が人手不足などにより限定的になって、保護者の送迎依存が常態化しているとの声が聞かれました。
この点について、大臣はどのように考え、どう対応しますでしょうか。
○上野国務大臣 まず、障害福祉サービス事業所による送迎につきましては、障害者の方の地域生活を支える上でも重要な支援であるという認識をしておりますので、報酬上では加算による評価を行っております。
生活介護事業所における送迎につきましては通常の送迎加算を行っておりますが、さらに、それに加えまして、強度行動障害の状態にある方など重度障害の方を多く送迎している場合には、更に評価を上乗せをしております。
引き続き、実態を把握をしながら、関係者の御意見も十分伺いながら、必要な支援が届けられるように努めていきたいと考えています。
○和田(政)委員 大臣からもありましたけれども、実態をやはりしっかりと直視をしていただければ様々な施策が打てると思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に、特別支援学校にお子さんが通学する親の方々からの聞き取りでは、特別児童扶養手当など、所得制限が生む逆転現象と制度上の不公平さについて指摘がございました。
それが資料の二枚目と三枚目になりますけれども、子供のためにと職場で頑張って昇給しますと、手当の喪失、負担増が発生をしまして可処分所得が大幅に減少するという矛盾が起きてしまいます。
所得制限の撤廃など、逆転現象を防ぐことが重要だと考えますが、大臣はどのように考え、対応するでしょうか。
○上野国務大臣 所得制限の基準額を超える場合には委員御指摘のようなことも生じ得るものだと思いますが、これはほかの所得制限が設けられている様々な制度でも同様のことではございます。
近年、障害児に対する福祉サービス、これを充実してきておりまして、その給付額は大幅に今拡大をしております。また、特別児童扶養手当等の受給者数も、少子化の中ではございますが年々増加傾向にあり、総支給額自体も過去十年間で約三割増しとなっているところでございます。
こうした状況も踏まえまして、現時点のところ所得制限の撤廃等につきましては考えておりませんけれども、引き続き、こども家庭庁、これは障害福祉サービスを今所管していただいておりますが、こども家庭庁とも連携をしながら、充実強化という観点から取組を進めていきたいと考えております。
○和田(政)委員 これは一律となっているということが私は問題だというふうに思っていまして、障害は様々でございますので、所得制限の撤廃というところができないのであれば、制度を分化していただいたり、なだらかにしていただくなど、しっかりと親御さんたちが子育てをし、また障害のあるお子さんとともに生活を営むことができるようにお願いをしたいというふうに思っております。
時間が参りましたので、質問を終わります。
○坂本委員長 これにて和田君の質疑は終了いたしました。
次に、古川あおい君。
○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日三月十一日は、東日本大震災の発生から十五年に当たります。この十五年の間、防災関連、災害対策、様々テクノロジーも進展してまいりましたが、一方で、テクノロジーの進展により、十五年前にはなかったような新たな問題も生じております。
本日は、災害時における検索のAIサマリー、要約の誤情報問題について取り上げたいと思います。
昨年の十二月八日に青森県の東方沖で地震が発生した際、津波警報や注意報が実際にはまだ発令中にもかかわらず、グーグルで津波情報について検索したところ、通常の検索結果よりも上に表示されるAIによるまとめにおきまして、警報、注意報は全て解除されていますという事実と異なる情報が表示されていた、そういった報道がございました。
このAIによる概要は、生成AIを使っているつもりがないという方も含め、何かを検索したときに一番最初に目に入る重要な情報です。命に関わる非常時にこうした誤った情報が表示されることを、私は非常に深刻な問題だと考えております。
そこで、あかま防災担当大臣にお伺いします。
こうした、災害時に情報を検索した際、AIの概要部分に誤った情報が表示されるという事例について、政府として認識はしておられましたでしょうか。
○あかま国務大臣 今、古川委員御指摘のAIによる誤情報、また、そのことには、AIによらない、人の手によるというものも含むのかどうか。いずれでも、災害時においてそういった情報の正確性というのは大事な要素だと思っていますので、そういった中にあっての誤情報等々がというのは十分承知しております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
今大臣がおっしゃられたとおり、生成AIによる誤った情報というほかにも、災害時には誤った情報が様々流布する可能性があるということについては政府の方でも認識されているということでございました。しかし、検索したときに、本当は警報が出ているにもかかわらず、警報は解除済みと表示されてしまえば、避難の遅れにつながりかねない問題だと思います。
こうした問題について、生成AIとか検索したときのAIのサマリーというものが誤った情報を表示するというリスクについて、政府はどのように認識しておられますでしょうか。
○あかま国務大臣 発災時であるとか、被災地の住民の中には、そういったいわゆる誤情報に触れることによって適切な判断というものがいわば妨げられる、また、もっと広く大きい意味でいえば、いわゆる社会的な混乱、こういったことを招くおそれがあるということを危惧しておりますし、この点は大変重要であるというふうに認識しております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
非常に重要な問題であると認識しているということ、ありがとうございます。
では、昨年の十二月の東方沖地震の際にそういった、検索によって誤った情報が表示されたということは新聞による報道でも出ていたんですけれども、この問題に対して、昨年の十二月又はそれに関連する問題について、政府としてこれまで何か対応はなされましたでしょうか。
○あかま国務大臣 内閣府といたしましても、正確な情報を広く発信すること、また速やかに発信すること、また、願わくば行政から発信する情報に基づいて行動をいただくこと、逆に、事実に基づかない情報について、これらについてはいわゆる注意喚起をすること、こういったことも必要であるというふうに考えており、日頃からも、また実際に災害が発生した場合にも、内閣府防災のSNS等々を活用して注意喚起を行っているところでございます。今後とも、引き続き、SNSであるとかホームページ等も活用しながら注意喚起を図ってまいりたいというふうに思っております。
なお、今、冒頭に、東日本からということがありました。十五年という月日がたちました。その当時とはまたデジタルという技術、また分野、そこにおける進展、進化というものは、大きく進展したものと思っています。そういったものをうまく活用する部分、一方で、先生御指摘のとおり、そういったものによってもたらされる弊害というものもあるんだろうと思っています。
そういった部分にあっては、また委員の方からも様々御指摘、御示唆いただきながら、もちろん内閣府防災としても、そういったものについてはアップデートしながら、いわゆる地域住民、また被災地において混乱が生じないよう取組を強めてまいりたい、そう思っております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
政府としても、技術のアップデートに対応しながら政府としての対応もアップデートしていくということで、ありがとうございます。
今おっしゃられた中で、注意喚起をしているというお話がございましたけれども、一般的にそういう注意喚起というのは、主に国民向けに対して、災害のときというのは誤情報とかが流れたりするので気をつけましょう、政府の公式の情報を参考にしてくださいねということを発信されてきたのかなと思いますけれども、やはり検索したときの誤った情報みたいなものに関しては、一定、プラットフォームの側、プラットフォームでありますとか、サービスを提供している事業者の側で対応が可能な問題なのではないか。私としては、政府からそういった事業者に対して何らかの働きかけをしていくことも必要なのではないかと考えております。
以前、そういったお話について政府と相談させていただいた際に、やはり政府の側からそういった、情報を流通させているような事業者に対して何かしらお願いとか働きかけをするというのは、なかなかハードルが高いものがあるというふうにお伺いしました。ただ、こうした対応について、一定参考になる例があるかなと私は考えております。その例として考えられるのが、自殺に対する報道の取扱いでございます。
著名人の方が亡くなられた際などに、自殺に関する報道というのがメディアで出てくるときがございます。こういったとき、厚生労働省の方でメディアに対して、実はWHOが自死に関する報道についてのガイドラインというのを出しているんですけれども、そういったガイドラインを参照しながら、亡くなられた方について報道する際はそういったWHOのガイドラインも参考にしてくださいねということを、実は、そういう事象が起こるたびに繰り返し繰り返し厚生労働省から、メディア関係者の方へということで、そういった連絡みたいなものを発出しております。これは、政府からメディアに対して、一定、放送の際に注意してくださいねといったことを、メッセージを発することができる例だなと考えております。
また、プラットフォームというか事業者側の対応の例としましては、検索サイトなどで例えば自殺の方法みたいなことを検索した際、その内容が出てくるのではなくて、いのちの電話につながるとか、そういったことが起きております。なので、単純に、言われたことについて検索を走らせてAIで出しますという自動の対応だけではなくて、事業者の側で、こういった命に関わるキーワードが出てきたときは自動の対応ではなくてちょっとほかと違う対応、その困っている方を助けるためのホットラインにつなげよう、そういった対応をしているという例がございます。これは、検索エンジン側、事業者の側で、一定、そういった表示する情報について、命に関わるような場合についてはコントロールが可能だという例だと私は考えております。
今の話はあくまでも例なんですけれども、私が今考えておりますのは、津波についてとか災害に関するキーワードについても同様に、公式の情報を優先的に表示するでありますとか、少なくとも、生成AIが、何を言うか分からないAIを一旦停止していただくとか、そういった対応というのを関係する事業者と話し合ったり、求めたりとかすることが必要なのではないかと考えておりますけれども、こういった今後の対応について、政府としての見解をお聞かせください。
○あかま国務大臣 災害に限らず、先ほどの厚労省、自殺ということに関しても、また、その他様々ないわゆる偽・誤情報というものが氾濫し得る、またそれに伴う様々な社会的弊害が起き得る、とりわけ災害時においては極めてゆゆしき事態を生じ得ることもあり得るということで、どのような形、またどのような正確な情報をどのようにするのがベターなのか、これはしっかりこれからも検討してまいらなければならない、そういうふうに思っております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
これから対応を検討されていくということですので、是非取り組んでいただきたいと思います。質問に関連していろいろな政府の方にお話を聞いたときも、どこがどの担当なのか分からないというところで結構時間を要した部分もありましたので、是非ここは、国民の命を守るという観点から、政府でリーダーシップを取って進めていただければと思っております。よろしくお願いします。
続きまして、学生が経済的、環境的な制約によって進学や学生生活の選択肢を狭められることなく学べる環境の整備について、県人寮を題材にお伺いしたいと思います。
今、三月ですけれども、この三月というのは国立大学などの合格発表のシーズンでもございます。私も、実は十六年前に佐賀から東京に、大学進学を機に出てきたんですけれども、進学を機に親元を離れて独り暮らしを始めるという方も多くいらっしゃるかと思います。そうした地方出身の学生が首都圏に進学するような際、住まいの確保というのは大きな問題でございます。
そうした中で、県とか県の育英会、そういった方々が運営している県人寮というものは、通常のアパートなどと比べると安価に住まいを確保できるという点で、地方出身の学生にとっては非常に重要な役割を果たしております。こうした安価で安心できる住まいに入れるかどうかというのは、実際に学生の方、保護者の方が進学先を決める際にも非常に重要な要素だと考えております。
例えば、実は私の出身である佐賀県の県人寮、松濤学舎というものは、元々男子専用の寮だったんですけれども、二〇二三年に改修を行って女子フロアを新設した結果、申込みが相次いで、松濤学舎に入れるんだったら東京の大学にしてもいいよと、保護者が上京する際の条件に挙げたという声も聞いております。これは、安価な住まいを確保できるということが進学の選択肢を広げることにつながった事例だと考えております。
そんな県人寮なんですけれども、問題もございます。
一つは老朽化の問題です。多くの県人寮は、歴史があるんですけれども、設立から数十年が経過しており、建て替え費用の確保が困難なため廃寮してしまうというような事態も生じております。
また、県人寮には男子のみ、女子のみしか受け入れていないところもあるため、自分の出身地の県人寮に入ることができないという場合も生じます。施設の側で、こういった問題に対処するために受入れの対象であるとか定員を増やしたいと考えても、やはり建て替えのための費用、そういったものがネックになっているという声が上がっております。
このように、県人寮という安価な住まいの選択肢へのアクセスが閉ざされることが、学生が親元を離れて進学する際の障壁となり、結果として、地方出身の学生の進学先や進学そのものの選択肢を狭めているのではないかと私は懸念をしております。
これを踏まえて、大臣にお伺いいたします。
こうした県人寮を始めとする安価な住まいの確保も含め、学生の修学環境を整備していくことについて、政府としてどのように対応していくか。今この瞬間も、大学に合格してこれからどうしようかなとか、先輩だとかお兄さん、お姉さんが大学に合格した、自分はこれからどうなるのかな、そういった不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれませんので、生まれた環境だとか出身の都道府県とか、そういったものにとらわれずに学生が学べる環境の整備について、今、この中継であるとか答弁をどこかで目にする学生の方が希望を持てるような答弁をお願いいたします。
○松本(洋)国務大臣 議員御指摘のとおり、県人寮は、一般的に寄宿料が低廉であり、若者の学びを支えるために重要な役割を果たしている一方で、建物の老朽化などによる県人寮の閉寮の例もあると承知をしております。
お尋ねの県人寮の設置や維持管理につきましては、設置者である各都道府県の育英会などが自らの意思と判断によって行っております。文部科学省として、県人寮に対する支援というものは行っておりません。
他方で、県人寮に限らず、下宿やアパートなどに居住する学生については、住居費の負担が自宅に居住する学生に比べて重いことを踏まえまして、奨学金事業を通じて支援金額を増額した上で、学生を直接支援をしているところであります。
また、御指摘の県人寮に男子限定の施設が多いという点につきましては、あくまでも各設置者が入居条件なども定めているところではありますが、二〇二四年に実施されたNPO法人の調査におきまして、首都圏に県人寮を設置する三十五自治体の県人寮のうち約六七%が男子学生専用の寮であり、男子学生に比べて女子学生が入寮できる県人寮が少ないという結果が出ていることも認識をしているところであります。
文部科学省といたしましては、性別にかかわらず、誰もが経済的な理由で進学や修学を諦めることがないように、先ほど申し上げた奨学金事業なども含めて環境整備に努めてまいりたいと存じます。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
今、県人寮に限っては特段の支援はしていないということでしたけれども、経済的な事情にとらわれずに進学を支援していきたいという思いは共通していると思いますので、これまで余り県人寮の問題というのは取り上げてこられなかったかなと思いますけれども、これから先、支援を考える際に、こういった選択肢もあるということを是非心に留めておいていただければと思います。
ありがとうございました。
○坂本委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。
次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、介護事業所の深刻な実態、特に訪問介護事業所の深刻な実態について質問をいたします。
東京商工リサーチ調査によると、介護事業所の倒産、休廃業件数は過去最多となっております。二〇二五年の倒産は百七十六件で、二年連続で最多を更新し、うち訪問介護が九十一件を占めております。休廃業、解散は六百五十三件で、四年連続で最多を更新をしております。うち訪問介護が四百六十五件を占めております。訪問介護事業所の経営困難は、重大な事態だと言わざるを得ません。
こうした下で、自治体に訪問介護事業所が一つもない、そういう地域が全国に増加をしております。
配付資料を御覧いただければと思いますが、一枚目が、訪問介護事業所数ゼロ、そして残りが一つとなった自治体数の推移であります。二枚目の方が、訪問介護事業所数がゼロ、また残り一つという自治体の一覧表であります。
厚労省が半年に一回公表しているデータに基づき、我が党のしんぶん赤旗が調査をしたところ、訪問介護事業所が一つもない自治体が昨年末時点で百十六町村となったことが明らかになりました。前回調査から半年間で一自治体が増加しています。事業所が一つしかない自治体は、前回から十増加をして二百七十九町村になりました。訪問介護事業所がゼロ又は一という自治体が合わせて三百九十五自治体に上る、全自治体数の四分の一近くに当たるということであります。
上野大臣にお尋ねします。このような地方における訪問介護の実態は極めて深刻ではありませんか。
○上野国務大臣 まず、訪問介護につきましては、長引く人手不足や燃料代などの上昇などにより厳しい状況にあると認識をしております。そうした中ではございますが、訪問介護の事業所数につきましては、経年で見ますと、全事業所の一割程度が休止、廃止をしておりますが、一方で、新規、再開をする事業所数はそれを上回っており、差引きでは増加傾向にあるのも事実でございます。
御指摘の訪問介護事業所のない自治体につきましては、今し方委員からお示しをいただきました、昨年十二月末時点で全国に百十六町村存在をしております。このうち直近の半年間で事業所が確認できなくなった町村につきましては、訪問介護やそれに相当するサービスの利用が継続をしている、このことを確認しているところであります。
今後とも、事業所が確認できなくなった市町村についても、個別の状況、これを十分確認をしながら、引き続き丁寧な対応に努めていきたいと考えております。
○塩川委員 厳しい状況と認識しているということであります。一方で、ゼロ自治体のところにおいてもサービスは提供されているという話ですけれども、それは隣から入ってくるわけですよ。そうすると、実際には近隣自治体の事業所によるサービス提供によって賄われているわけで、それは引き受ける事業者の方にすると新たな負担となるような実態にもなっているわけであります。
介護分野の人手不足が深刻な下で、その負担の分、地元での受入れ、隣の自治体が引き受けてくれるといっても、自分の今担当している自治体でのサービスを削らざるを得ないということも出ているわけですから、極めて深刻なわけで、このように地域に訪問介護事業所がゼロということは、まさに介護崩壊そのものであります。地域のサービス提供が後退することが悪循環ともなっている。
そもそも、なぜ訪問介護事業所がこれほど深刻な状態に追い詰められているのか。政府は、二〇二四年四月に訪問介護の基本報酬を二%から三%引き下げました。厚労省が引下げの根拠とした調査でも、訪問介護事業所の四割近くが既に赤字だったわけであります。地域で必死に頑張って踏みとどまってきた事業所の方に対して、政府は基本報酬を引き下げて更に追い詰め、空白地域を拡大をさせてきた、その責任は極めて重大であります。
訪問介護の基本報酬の引下げ、これはまず直ちに元に戻すべきではありませんか。
○上野国務大臣 まず、訪問介護事業者の経営状況につきましては、地域の特性、事業所規模、事業形態等により様々でありますので、こうした状況に応じた対策を講じることが必要であると考えております。
このため、令和七年度の補正予算におきましては、人手不足などの影響によって厳しい状況にある、そのことを踏まえまして、介護職員の賃上げ、職場環境改善に対する支援、あるいは物価上昇への対応としての重点支援交付金、また、物価上昇の影響がある中でも介護サービスを円滑に継続をしていただくための訪問移動に伴う経費等への支援、様々な支援措置などを盛り込んでいるところであります。
また、これらの緊急的な対応に加えまして、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護報酬改定を実施することとしております。
こうした取組を通じまして、訪問介護のヘルパーの皆様を含め、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善、これに向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。まずは、これらの支援を速やかにお届けできるようにしっかりと取り組んでまいります。
○塩川委員 この間、緊急措置をやったとしてもゼロ自治体は増えているわけですよ。その対応策そのものが極めて不十分だということが言われているわけで、まずは基本報酬の引下げを元に戻せ、それに加えたしっかりとした支援策こそ必要であって、期中改定の話もありましたけれども、基本報酬の引上げは入っていないわけであります。介護職員の賃上げ支援、これをしっかりやるのはもちろん当然のことでありますけれども、赤字で苦しむ事業所への支援として基本報酬の抜本的な引上げが必要であります。
ところが、政府が今やろうとしていることは何か。こういった介護保険制度への支援を手厚くすることではなく、規制緩和措置を検討している。この間、社保審の介護保険部会でも意見書も出されておりましたけれども、高齢者の人口が減る人口減少地域では、管理職や専門職の常勤、専従要件の緩和や夜勤要件の緩和、訪問介護での月単位の定額払い制度の導入など規制緩和推進が図られようとして、今国会に関連する法案を出すということも言われております。
こうした規制緩和に対しては、社保審の介護保険部会でも、質の確保に対する懸念があるとの意見が幾つも出されておりました。人員配置基準の緩和については、サービスの質の低下、職員の業務負担の増加、それに伴う離職の誘発で人材不足の加速が懸念されるため行うべきではないとか、医療や介護の複合的なニーズを持つ高齢者の増加が見込まれる中、人員配置基準の緩和は利用者へのケアの質の低下に直結をし、職員の負担の観点からも慎重に判断する必要があるといった意見などが寄せられております。
大臣にお尋ねしますが、多くの訪問介護事業所が苦しんでいるのが、極めて深刻な人手不足の問題であります。地方で訪問介護に従事する仕事のなり手がいないのは、賃金を始めとした処遇が余りにもひどいからであります。今述べたような規制緩和策を行うようなことになれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を加速することになるだけではありませんか。
○上野国務大臣 訪問介護につきましては、やはり、特に人材確保、これが大きな課題になっていると認識をしております。
このため、先ほど申し上げました補正予算による賃上げへの支援、そうしたものに加えまして、提供体制の確保に向けた各種の支援策、またICTを活用した現場の負担軽減、また訪問介護を含めまして外国人介護人材の着実な受入れ整備、そうした総合的な対策に取り組んでいるところであります。
また、二〇四〇年に向けましては、高齢者人口が減少してサービス需要も減少する中山間、人口減少地域、ここでは特に人材確保に課題があることから、訪問介護も含めまして、地域の実情に応じて柔軟なサービスを提供することが可能となるような仕組みの創設等につきまして、関係審議会で議論を行ってきたところでございます。こうした議論も踏まえまして、必要な法律案、今国会に提出をすべく、引き続き検討を進めていきたいと考えています。
○塩川委員 この中山間地域などのサービスについて、柔軟なサービスの提供という格好で、要するに規制緩和措置によって人手のカバーをするような、そういうサービス提供体制にしていくという方向であれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を困難にすることになりはしませんか。
○上野国務大臣 いずれにいたしましても、関係審議会等の議論におきましても、そうした選択可能な制度の必要性につきましては議論を頂戴しているところでありますので、様々なお声を頂戴をしながら、しっかり検討を進めていきたいと考えています。
○塩川委員 この低過ぎる介護報酬という根本原因というのを脇に置いて、規制緩和で基準を下げてその場しのぎをするということは、介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行することになります。住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められません。
そもそも、人手不足のところで、そのやりくりのために規制緩和をやるというのであれば、より一層の負担増加をすることになって、かえって人手不足を拡大をすることになる、これこそ問われている問題だということであります。行うべきことは、介護労働者の処遇改善だ。
昨年の総合経済対策では、介護分野の職員の処遇改善について、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和八年度介護報酬において必要な対応を行うとあります。二〇二四年の介護職員の賃金は、全産業平均と比べて月額八万三千円の差があります。他職種と遜色のない処遇となる全産業平均の賃金を来年度達成するということなんでしょうか。他職種と遜色のない全産業平均、これはいつまでに達成するんですか。
○上野国務大臣 まず、令和八年度の介護報酬改定においてでございますが、介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月一万円、三・三%の賃上げを実現する措置、これに加えまして、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月〇・七万円、二・四%の上乗せ措置を実施することとしております。また、介護職員につきましては、累次の取組の中で過去最大の水準となる、定期昇給込みで最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現する措置を実施することとしておりますので、これは春闘等のレベルを超えた処遇の改善につながると考えております。
○塩川委員 月一・九万円なんかじゃとても足りないわけですよ。そもそも全産業平均に比べて八万三千円の差がある。この数年間、差が縮まるどころか、かえって拡大しているのが現状なんですから。こういった状況を放置したままで、地域の介護保険制度をしっかりと維持することができないことは明らかだ。この差を達成する時期も示すことができませんでした。
介護報酬の抜本的な拡充と介護労働者の抜本的な処遇改善を行うことを強く求めて、質問を終わります。
○坂本委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。
次回は、明十二日午前九時から委員会を開会し、集中審議を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二分散会

