衆議院

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第17号 令和8年7月27日(月曜日)

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令和八年七月二十七日(月曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 坂本 哲志君

   理事 勝俣 孝明君 理事 齋藤  健君

   理事 笹川 博義君 理事 とかしきなおみ君

   理事 鳩山 二郎君 理事 藤原  崇君

   理事 長妻  昭君 理事 池下  卓君

   理事 長友 慎治君

      安藤たかお君    石川 昭政君

      石橋林太郎君    石原 正敬君

      井出 庸生君    伊藤信太郎君

      井上 信治君    小田原 潔君

      加藤 鮎子君    神田 潤一君

      北神 圭朗君    後藤 茂之君

      小林 史明君    坂井  学君

      塩崎 彰久君    菅原 一秀君

      武部  新君    谷川 とむ君

      中山 泰秀君    西田 昭二君

      橋本  岳君    細田 健一君

      牧島かれん君    丸川 珠代君

      盛山 正仁君    簗  和生君

      山田 美樹君    鷲尾英一郎君

      渡辺 博道君    大森江里子君

      輿水 恵一君    後藤 祐一君

      階   猛君    中野 洋昌君

      東   徹君    うるま譲司君

      斎藤アレックス君    横田 光弘君

      福田  徹君    村岡 敏英君

      豊田真由子君    吉川 里奈君

      和田 政宗君    峰島 侑也君

      辰巳孝太郎君    田村 智子君

    …………………………………

   内閣総理大臣       高市 早苗君

   総務大臣         林  芳正君

   外務大臣         茂木 敏充君

   財務大臣         片山さつき君

   文部科学大臣       松本 洋平君

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   国土交通大臣       金子 恭之君

   防衛大臣         小泉進次郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣         松本  尚君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) あかま二郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (地域未来戦略担当)   黄川田仁志君

   国務大臣

   (日本成長戦略担当)

   (経済財政政策担当)   城内  実君

   財務副大臣        中谷 真一君

   政府参考人

   (内閣官房日本成長戦略本部事務局次長)      小林 浩史君

   政府参考人

   (内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官)     前田 剛志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 浦上健一朗君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   阿久澤 孝君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  矢作 修己君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官)            井上 諭一君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局長)  堀本 善雄君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  井上 俊剛君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 中村 英正君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           長谷川 孝君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  寺崎 秀俊君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    宇波 弘貴君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  黒田 秀郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 辺見  聡君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (水産庁長官)      藤田 仁司君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房土地政策審議官)       堤  洋介君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  中田 裕人君

   政府参考人

   (環境省大臣官房環境保健部長)          伯野 春彦君

   予算委員会専門員     藤井 宏治君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十七日

 辞任         補欠選任

  稲田 朋美君     石原 正敬君

  加藤 勝信君     坂井  学君

  塩崎 彰久君     武部  新君

  菅原 一秀君     安藤たかお君

  鈴木 淳司君     細田 健一君

  平  将明君     小林 史明君

  伊佐 進一君     大森江里子君

  中野 洋昌君     階   猛君

  山本 香苗君     輿水 恵一君

  横田 光弘君     斎藤アレックス君

  和田 政宗君     吉川 里奈君

  高山 聡史君     峰島 侑也君

  辰巳孝太郎君     田村 智子君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤たかお君     菅原 一秀君

  石原 正敬君     稲田 朋美君

  小林 史明君     平  将明君

  坂井  学君     加藤 勝信君

  武部  新君     塩崎 彰久君

  細田 健一君     鈴木 淳司君

  大森江里子君     伊佐 進一君

  輿水 恵一君     山本 香苗君

  階   猛君     中野 洋昌君

  斎藤アレックス君   横田 光弘君

  吉川 里奈君     和田 政宗君

  峰島 侑也君     高山 聡史君

  田村 智子君     辰巳孝太郎君

    ―――――――――――――

七月二十四日

 一、予算の実施状況に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(内外の諸課題)


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、内外の諸課題についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房日本成長戦略本部事務局次長小林浩史君外二十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。武部新君。

武部委員 自由民主党の武部新です。

 質問の機会、ありがとうございます。

 まず冒頭、高市総理から提出された、高市早苗事務所秘書の陳述書についての感想を申し上げます。

 私は、秘書の方は正直に誠実に回答されているという印象を持ちました。私も議員秘書の経験がありますので、激務の中でたくさんの方を紹介され、また、接触したり、様々な提案、アプローチを数多く受けました。議員が有力になればなるほど、その数は増えます。人間ですから、その全てを覚えていることは難しいと私も思います。そのような中で、秘書として、真摯に毅然と対応されていたと思います。

 それでは、質問に入ります。

 高市総理が提唱されている進化する自由で開かれたインド太平洋、FOIPについて質問いたします。

 高市総理は、五月にベトナム・ハノイで外交政策スピーチを行い、進化した自由で開かれたインド太平洋を発表されました。厳しい国際情勢の中で、日本を含むインド太平洋各国が、複雑に絡み合った相互依存関係を前提としつつも、自律性と強靱性を経済、社会、安全保障全ての面で身につけることが不可欠だ、そのために日本はリーダーシップを発揮すると宣言をされました。パワー・アジア構想に続く、高市政権が進める骨太な外交、安全保障戦略と受け止めています。

 このビジョンは、AI、データ時代の経済エコシステムの構築、官民一体での経済フロンティアの共創とルールの共有、安全保障分野での連携拡充の三本柱を進めることで、日本そしてインド太平洋地域全体で共に強く豊かになることを目指すとされています。

 世界秩序が大きく変化する中、高市総理が外交、安全保障戦略として推進する進化するFOIPを通じて、どのような国際社会を実現しようとしているのか、日本はどのような役割を果たすべきとお考えなのか、伺います。あわせて、進化するFOIPの具現化のために、ベトナムに続きまして、七月にインドにも訪問されました。その意義と成果についてもお聞きいたします。

高市内閣総理大臣 武部委員御指摘のとおり、私は、五月にベトナムにおいて、進化したFOIPを発表しました。

 このビジョンの下、未来の国際社会の平和と安定の鍵を握るインド太平洋地域におきまして、自由、開放性、多様性、包摂性、法の支配に基づく国際秩序を築くため、日本として果たすべき役割を今まで以上に主体的に果たしてまいります。特に、厳しい国際情勢におきまして、日本を含む域内の各国が自律性と強靱性を経済、社会、安全保障の全ての面で身につけて、共に強く豊かになるということを目指しております。

 七月のインド訪問では、FOIPと軌を一にする取組を提唱しておられるモディ首相との間で、共通の目標の実現に向けて、日印両国の戦略的協力関係を深めることで一致しました。また、経済安全保障及びエネルギー安全保障分野での協力を推進することや、投資、イノベーション協業を通じた日印両国の成長の共創でも一致をしました。

 インドを含め、多くの国、地域と協力しながら、進化したFOIPの下、日本、相手国、そしてインド太平洋地域全体に利益と恩恵をもたらす具体的な協力をしっかりと進めてまいります。

武部委員 モディ首相も総理のことを美しい妹と呼ばれて、個人的な信頼関係もしっかりと構築できたと評価させていただきます。

 骨太の方針二〇二六について質問をさせていただきます。

 高市政権として初めてとなる骨太の方針が閣議決定をされました。我が党におきましても、骨太について三回、政調全体会議を開催しまして、通算六時間にも及ぶ白熱した議論を行ってまいりました。

 令和九年度を責任ある積極的財政元年として、日本の挑戦を起動する、その強い総理の決意を感じられます。強い経済の構築と財政の持続性をバランスよく同時に実現する高市政権の成長重視、投資推進の姿勢が強く反映されておりまして、単年度主義や補正予算ありきの予算編成の在り方も見直すとしております。

 今回の骨太の方針の基本的な考えについて、高市総理にお聞きします。

高市内閣総理大臣 残念ながら、モディ首相は美しい妹ではなくて妹と言ったということが、ヒンディー語通訳の間違いであったことを知り、大変私は落胆しております。

 高市内閣で初めて取りまとめました今回の骨太方針でございますが、まず、投資不足の流れを断ち切るということとともに、世界的な産業競争の、産業政策の大競争時代に対応していくということのために、危機管理投資や成長投資を大胆かつ戦略的に進め、中長期的な成長力強化につなげてまいります。そのためにも、予算のつくり方を根本から改めて、強い経済の構築と財政の持続可能性をバランスよく同時に実現するということを示しております。

 こうした新たな経済財政運営の取組を責任ある積極財政に基づく中長期経済財政計画と位置づけまして、これに沿って、二〇四〇年度に二百五十兆円の国内民間設備投資、一千百兆円に迫るGDPを実現するとともに、できるだけ早期に、実質一%を上回る、名目三%を上回る経済成長を定着させて、更に引き上げることを目指しております。

 加えて、債務残高対GDP比の安定的低下というのを財政運営目標の中核と位置づけまして、その中でも可能となる財政規模を精査して、今後の予算編成に当たって、市場の信認確保に配意しつつ、通年の国債発行額などを具体化していく。こういったことを通じて財政の持続可能性を確保するなど、適切なマクロ経済財政運営に取り組んでいきます。

 今やらなきゃ間に合わない。今を生きる日本人のためにも、次の世代を担う日本人のためにも、挑戦をするということを選びます。この骨太方針に基づいて、今後の予算編成、制度改正に向けて改革の更なる具体化を進めてまいります。

武部委員 総理は、国力を徹底的に強くする、今もおっしゃられましたけれども、今始めないと間に合わないと、本当に熱量強く訴えてこられました。非常にメッセージ性のある内容になっていると評価をさせていただきます。

 今回の骨太では、今お話しになりました責任ある積極財政に基づく官民連携による成長投資、この強い経済を実現するために、成長戦略の中核に危機管理投資、成長投資を位置づけております。また、強く豊かな日本投資枠を新設されて、中長期的に成長力を強化していくとしております。

 具体的に国民の暮らしがどうよくなっていくのか、城内担当大臣にお聞きしたいと思います。

城内国務大臣 お答えいたします。

 七月二十一日に閣議決定いたしました日本成長戦略は、日本列島を、強く豊かにという高市内閣の使命を成し遂げるための戦略であります。このため、責任ある積極財政の下、政府も一歩前に出て、政府予算の予見可能性を高める観点から、通常の歳出とは別に、強く豊かな日本投資枠を創設するなど、大胆な措置を講じ、強力に民間企業による投資を引き出してまいります。

 具体的に申し上げますと、十七の戦略分野において官民投資の先陣を切るとともに、八つの分野横断的課題への対応と併せて、国内投資を、黄川田大臣御担当の地域未来戦略なども通じまして、日本全国へとしっかりと拡大していく考えであります。

 さらに、日本成長戦略におきましては、こうした国内投資を促進し、賃上げを通じて消費と企業収益の拡大、更なる投資拡大につなげる投資と賃金の好循環を加速させることを目指しております。このため、二〇二九年度までの間で、日本経済全体で、実質賃金で年一%程度の上昇、すなわち、持続的、安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年一%程度上回る賃金上昇を、社会通念、すなわち社会の共通認識として我が国に定着させることを目標として掲げ、中堅・中小企業の稼ぐ力強化など、賃上げ環境整備を強力に推進してまいります。

 この日本成長戦略を着実に実行していくことで、我が国経済の成長を実現し、国民の皆様に成長の果実をしっかりと実感していただき、日々の暮らしと未来の不安を希望に変えてまいります。

武部委員 骨太の方針には、若者や女性を含めた労働者の働きがいや働きやすさを向上するですとか、誰一人取り残さない社会を目指すことなど、国民一人一人を大切にする取組もしっかりと記載されています。これまでも、高市政権の中では、中東情勢や物価高対策など、ガソリン価格の激変緩和ですとか、電気・ガス代の補助、重点支援交付金など、きめ細やかな生活支援も行ってまいりました。国民生活に寄り添った政策を展開しているところでもあります。

 次に、財政の持続可能性について伺います。

 財政運営の中核目標を債務残高対GDP比の安定的な引下げに据えて、財政の持続可能性をより確実に担保する指標としております。市場の信認確保に向けた分析、検証の強化も行います。

 しかし、一部報道で、財政健全化の文言が消えたことへの懸念の声もありますが、この責任ある積極財政によって、強い経済の構築、そして財政の持続性の両立をどう実現していくか、城内大臣に質問させていただきます。

城内国務大臣 お答えします。

 高市内閣では、長年続いてきた過度な緊縮志向、あと未来への投資不足の流れ、これらをしっかりと断ち切り、供給力を強化し、経済規模の拡大、税収基盤の強化につなげ、強い経済と財政の持続可能性を一体的に実現してまいります。

 その中で、市場、マーケットに対して重要なのは、財政の持続可能性をどの指標で確認し、どのように実現していくかを具体的に示すことであると考えております。財政運営の目標といたしましては、まず一つは、国、地方の総債務残高対GDP比の安定的低下を中核として位置づけること、二つ目は、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えること、三つ目は、この中核となる目標を確実に達成することによりまして、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくことであります。

 プライマリーバランス、すなわち基礎的財政収支について申し上げますと、債務残高対GDP比の安定的低下に向けて確認する指標とし、その安定的低下と整合するよう複数年で改善、管理してまいります。また、プライマリーバランス、GDP、純利払い費、財政収支等が債務残高対GDP比に与える寄与を分析し、財政の持続可能性の確保にも取り組みます。

 その上で、今後の予算編成に当たりましては、税収動向等を見極めつつ、歳出歳入両面の見直しを進めることと併せまして、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査し、市場の信認確保に配意しつつ、通年の国債発行額などを具体化してまいります。

 引き続き、責任ある積極財政の考え方の下、強い経済と財政の持続可能性をバランスよく実現し、今を生きる国民と未来を生きる国民、双方に対しまして、しっかりと責任を果たしてまいります。

武部委員 ありがとうございます。

 今、地域未来戦略も大切な大きな柱だというお話がございました。我が国におきまして、地方部のGDPが半分程度を占めています。すなわち、強い経済の実現のためには地方部の経済成長が極めて重要です。地域においても投資を拡大し、促進し、全国各地で産業クラスターを形成したり、地場産業を成長させて雇用を生み出し、そして、人材システムを、地域でしっかりと必要な人材を育てていくエコシステムをつくっていくことが非常に重要だと考えております。

 私の地元北海道におきましても、骨太でも、「「地域未来戦略」の推進に向けて重要な役割を担う北海道開発」というふうに記載していただきました。食、観光、それからGX、半導体などのAI、DX産業の集積促進なども記載していただいております。産官学連携によって地域のポテンシャルを発揮する仕組みが必要です。

 地域未来戦略を通じて、地域の特色を生かした強い地域経済の構築に向けて具体的にどのように進めていくか、黄川田大臣に御質問いたします。

黄川田国務大臣 お答えいたします。

 高市内閣では、四十七都道府県のどこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療、福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所がある、こうした社会の実現を目指しております。

 そのために何より重要なことは、強い地域経済の構築でありまして、地域未来戦略を推進してまいります。強い地域経済の構築のためには、従来とは異なる大胆な発想での取組を進めていくことが必要でありまして、城内大臣が担当する日本成長戦略とともに、十七の戦略分野について、政府主導で官民投資を促進しつつ、国が一歩前に出て積極的な支援を行うこととしております。

 具体的には、成長戦略における戦略分野に関連する企業の大規模投資を起点として産業クラスターを形成する戦略産業クラスター計画、都道府県が主体となって産業クラスターを形成する地域産業クラスター計画、また、市町村等がその地域に根差す農林水産業、観光、スポーツビジネス、伝統工芸品など、地域資源を活用した多様な産業発展を促す地場産業成長プランの三つの類型の計画を定め、それぞれの特性に応じまして、企業の設備投資やインフラ等の環境整備、人材育成の、成長等の支援を行うことに加えまして、地方支分部局を含め政府一体となり、地方公共団体に対する伴走支援を行うことにより、強い経済基盤を全国各地に構築してまいりたい、このように考えております。

武部委員 ありがとうございます。

 今国会で有人国境離島法が改正されました。領海等の保全の活動拠点として重要な役割を果たす有人国境離島地域の地域社会維持というのは大変充実しなきゃならないというふうに思っております。離島のみならず、私の地元もそうでありますけれども、過疎地、条件不利地、そこに住む、暮らす方々が安心して、そして満足感を得られた生活を、持続可能な町づくりをすることが大変重要だと思います。

 人口減少が進む地方において安心して暮らし続けられるために、必要な生活機能をどのように維持、改善していくか、黄川田大臣に質問させていただきます。

黄川田国務大臣 御指摘のとおり、人口が減少する中でも、地方において人々が安心して暮らせるようにすることは大変大事だというふうに考えております。そのために、必要な生活機能が将来にわたって維持、改善されるとともに、生きがいややりがいを感じられる場としていくことが重要であると考えております。

 このため、地域未来戦略におきましては、強い地域経済の構築のみならず、豊かな生活環境や、選ばれる地方の実現を政策目標として掲げております。産業クラスターの形成を推進する中でも、地域未来交付金等を活用しつつ、関係省庁とも連携しながら、持続可能な地域公共交通の実現など、地域基盤の再構築を進めるとともに、オンライン診療等を活用した地域医療や、介護、福祉サービスの維持、確保、地方における高等教育の充実等の取組を進めまして、豊かな生活環境や、若者や女性にも選ばれる地方を実現することにより、強い地域経済を下支えし、強く豊かな日本列島を実現してまいりたいと考えております。

武部委員 やはり地方が国の基盤となると思いますので、地域の経済のためにもしっかりと我々も頑張ってまいりたいと思います。

 次に、教育政策について伺います。

 高市政権が目指す強い経済、強い日本の基盤となるのは人材力です。自民党におきましては、日本を強く、豊かにする人材育成PTにおきまして、産業構造の変化を踏まえた高校教育改革や大学改革などの人材育成システム改革について提言を取りまとめました。政府においても、日本成長戦略会議人材育成分科会におきまして、松本文科大臣の下で、高校から大学、大学院までを通した一体改革のビジョンを取りまとめたと承知しております。政府・与党一丸となって取り組んでいかなければならない重要政策であります。

 具体的には、社会変化に応じた高校改革、これと連動した高等教育改革、さらには実践的職業人材の育成を当面の重点事項として推進していく必要があります。

 これらに共通することとして、それぞれの地域において持続可能な社会を構築していくために、どのような人材がその地域に必要とされるのか、そしてそれをどのように育成していくのか。これは、教育関係者だけではなくて、自治体や産業界が一体となって考えて、主体的に実行していく必要が何よりも重要だと思います。関係者の創意工夫ある取組をしっかりと国が支援していく、その必要があると考えております。

 地域を支える人材育成の観点から、教育界に閉じない視点に立った取組、関係機関の連携が重要であり、その中において高校教育改革を位置づけていくべきと考えます。高校教育改革基金の採択も始まっておりますけれども、各自治体にどのような取組を求めていくのか、松本文科大臣に質問させていただきます。

松本(洋)国務大臣 高校は地域の核となる存在でありまして、特に公立高校は地域社会に根差した重要な存在であると考えております。また、工業科でありますとか農業科などの専門高校につきましては、我が国の優れた技術を生かした物づくり産業、農業、医療、福祉等の分野において中心となる人材を育成するとともに、地域産業の発展を支える重要な役割を果たしている、そのように認識をしているところであります。

 文部科学省では、昨年十月の三党合意も踏まえまして、二月に高校教育改革のグランドデザインをお示しをいたしまして、公立高校を対象に、令和七年度補正予算で設けました高校教育改革促進基金を通じまして、改革先導拠点のパイロットケースの創出に取り組んでいるところであります。

 現在、グランドデザインに基づきまして、各都道府県において高校改革の実行計画の策定を進めていただいているところでありますけれども、高校改革の視点といたしまして、我が国、地域経済、社会の発展を支える人材育成、教育機会、アクセスの確保、AIに代替されない能力や個性の伸長をお示しをしているところであります。

 今委員からお話がありましたように、この高校教育改革には、教育委員会にとどまらず、首長を中心にいたしまして、地域の産業界や高等教育機関、こうしたところとしっかりと連携、協働をしていただいて、トータルとして各地域の実情や就業構造の変化などを踏まえた上でこの計画を策定いただくことが大変大事だというふうに承知をしているところでもありまして、各都道府県の皆様方には、こうした趣旨というものもよく御理解をいただきながらこの計画の策定並びに実施をしていただきたい、そのように考えているところであります。

 また、高校教育改革促進基金による支援のほか、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の仕組みの構築を通じまして、社会の変化に応じた高校改革を推進してまいりたい、そのように考えているところであります。

武部委員 地域の創意工夫をしっかりと引き出していただきたいと思います。

 次に、大学等におけるリスキリングの推進について質問させていただきます。

 十八歳人口が減少しております。それによって大学の進学者の数も減少しておりますが、大学等は十八歳中心主義から脱却して、学び続ける社会の拠点として、社会人のリスキリングにも中心的な役割を担っていただきたいと私は考えております。

 今まさに生じている人材需要を踏まえた産業人材の育成方策として、社会人のリスキリングは非常に重要です。高市内閣が掲げる十七の戦略分野を始めとした成長分野を踏まえて、大学等におけるリスキリングを推進する必要があると考えております。

 リスキリングを研究、教育と並ぶ大学の重要なミッションとして位置づけて推進していくためにも、全学的な大学の体制整備が重要となると考えますが、大学におけるリスキリングの推進に向けて、大臣の所見を伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 大学でありますけれども、我が国では、十八歳で入学してくる学生を中心とした教育機関と認識をされることもありますけれども、本来は、リスキリングも含めた生涯学習を担う機関といたしましての役割が期待されているところであります。

 その役割を一層強化するため、文部科学省として、本年四月に取りまとめました高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョンにおきまして、社会のニーズに応じたリスキリングプログラムの開発、提供などに全学的に取り組む大学を重点的に支援することを打ち出したところであります。また、先日公表されました骨太の方針でありますとか日本成長戦略におきましても、大学の体制強化などを通じてリスキリング機会を拡充することが閣議決定されたところであります。

 文部科学省として、大学がリスキリングを重要なミッションとして位置づけ、学び続ける社会の拠点として機能強化を図ることができるように、成長分野などに関するプログラム開発でありますとか、全学的な体制整備への支援を強化いたしまして、大学等におけるリスキリングを推進してまいります。

 委員のおっしゃるとおりだと考えております。

武部委員 ありがとうございます。

 私は、自民党の水産総合調査会長を務めております。海水温の上昇を始めとした海洋環境の変化や、激変や、あるいは漁村地域の人口減少、高齢化など、難しい課題に正面から向き合っていかなければなりません。

 私の地元北海道では、昨年、アキサケの水揚げ量が六百八十六万尾で、前年比約四割減少しています。今年の来遊予想は三百六十四万尾で、昨年比から更に五三%に激減することが予測されています。地域経済に与える影響は大変深刻です。これらの難しい局面を乗り越えて、水産業の強靱化を図っていくことが必要だと考えております。

 我が党では、水産業の強靱化の実現に向けて、養殖と水産加工に関して、水産政策の新たな展開に関する提言を取りまとめました。計画的で安定的に生産できる養殖は、ブリがアメリカを中心に輸出が拡大するなど、水産業の成長分野として期待されています。海洋環境の変化への対応が迫られる中、将来にわたって安定的な生産を確保していくためには、種苗や餌の安定的な確保、研究開発などを進める必要があると考えます。

 成長投資、戦略十七分野の一つであります陸上養殖は、海洋環境変化の影響を受けずに安定生産が可能でありますし、食料安全保障の観点からも重要だと思います。陸上養殖をどのように推進していくのか、鈴木農林水産大臣に質問させていただきます。

鈴木国務大臣 いつも御指導ありがとうございます。

 海洋環境が変わる中でも、水産物を安定的に供給するためには、天然魚の資源管理や海面養殖業の振興のみならず、海洋環境の変化に左右されずに生産が可能な陸上養殖の推進が重要であると認識をしております。

 このような背景の下で、陸上養殖を日本の成長につなげていくためには、まずは、先端技術を活用した生産性の高い日本産の種苗や飼料の開発、生産、そして、日本に強みのある水処理そして浄化技術などを生かした、商業ベースに乗せることのできる日本発の陸上養殖システムを開発し、これを国内外に展開をしていくということ、これらが重要であると考えておりまして、今般閣議決定いたしました日本成長戦略に位置づけられた施策の具体化を図ってまいりたいと考えております。

 また、現在、我が国の海面魚類養殖業では、経費の約七割を餌代が占めておりますが、そのような中、世界的に餌代が今かなり高騰してきております。成長のよい種苗や飼料効率の高い飼料の生産は既存の養殖業の振興にもつながるものとして期待をしているところでありまして、日本らしい新たな技術で、陸上養殖を含む我が国の養殖業全体の発展、そして食料安全保障の確保につなげてまいりたいと考えております。

武部委員 よろしくお願いします。

 最後に、メルコスールとのEPA交渉について質問させていただきます。

 六月十六日に日・ブラジル首脳会談が行われまして、首脳共同声明において日・メルコスールEPAの交渉開始が確認されました。

 メルコスールはブラジル、アルゼンチンなど南米五か国が加盟する南米最大級の経済圏で、人口約三億人、GDP総額約三兆ドルを擁する巨大市場です。一方、メルコスール各国は世界有数の農畜産物輸出大国でもあります。仮にEPA交渉が開始されれば、日本の農林水産業に大きな影響を及ぼす可能性があるため、生産現場からは大変大きな不安の声が上がっています。

 我が党では、TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部におきまして、これまでの経済連携協定の交渉で守り抜いてきた国益を決して損なわないこと、重要五品目への十分な配慮などを求める決議をいたしました。本決議をしっかりと踏まえていただいてメルコスールとの交渉に当たっていただくことを強く要望いたしますが、茂木外務大臣の決意を伺いたいと思います。

坂本委員長 外務大臣茂木敏充君、申合せの時間が迫っております。簡潔にお願いいたします。

茂木国務大臣 メルコスールとの経済関係の強化は、重要物資のサプライチェーン強靱化、経済安全保障、こういったメリットがあります。また、グローバルサウスとの連携の強化、こういう戦略的な意義もあるわけでありますが、委員がおっしゃるように、農畜産業を始め国内の生産現場で大きな不安を感じる声があることはよく承知をしております。私も、直接お話も伺いました。

 そういった中で、いわゆる重要五品目を始めとするセンシティビティーにも十分配慮をしていきたいと考えておりまして、双方のセンシティビティーに配慮しつつ、相互に利益となる協定を実現すること、これはメルコスールとの間で、高市総理そしてルーラ大統領との会談もそうでありましたが、累次にわたって確認をしてきているところでありまして、日本の国益をしっかり守り抜く、こういう強い思いで交渉に臨んでいきたいと思っております。

武部委員 質問を終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて武部君の質疑は終了いたしました。

 次に、階猛君。

階委員 おはようございます。中道改革連合の階猛です。

 総理に、本題に入る前に、少し伺いたいことがあります。

 最新の主要新聞の世論調査、内閣支持率は大幅に低下しています。読売新聞マイナス一二、日経新聞マイナス一〇、毎日新聞マイナス一〇、朝日新聞マイナス七、それぞれポイントが低下しています。

 総理は、ゼロから三時間睡眠が常態化するほど働いてきたわけでありますが、それにもかかわらず内閣支持率が下落している原因をどのように考えていらっしゃるか、お答えいただけますか。

高市内閣総理大臣 一つ一つの世論調査の結果について、下落している原因というものを私自身が分析することは困難でございます。ただ、各世論調査で政策に関する問いなどがございますので、そういったものについては十分に、国民の皆様のお気持ちとして、参考にさせていただいております。

 原因に関しては、分かりません。

階委員 私は、二つ要因があると考えています。

 一つは、物価高で冷房や食事を控えざるを得ない生活者、あるいはナフサ不足で仕事が回らない勤労者、その暮らしを後回しにしてきたこと。二つ目は、総理は国会での説明責任よりSNSでの自己アピールに熱心だった、国旗損壊罪法案や比例定数削減法案、副首都法案など、党利党略に基づく議員立法を数の力で拙速に進めてきたこと。この二つ、要は、国民と国会を軽視し、SNSと維新を重視し過ぎたツケが回ってきたんだと考えています。

 総理には、暮らしが先だということを中道改革連合として強く申し上げて、本題に入らせていただきます。

 まずは、物価高対策です。

 物価を上回る賃金上昇、すなわち実質賃金の上昇が重要であります。

 パネルを御覧になってください。株価は上昇していますが、上場企業を含む大企業では労働分配率が下がり続けています。労働分配率は赤いグラフの方です。株価は青いグラフです。

 今年に入ってから実質賃金は上昇していると言いますけれども、コロナ禍以降の実質賃金の下落を少し取り戻したにすぎません。実質賃金の上昇が継続するためには、非正規雇用を制限したり、取締役会に労働者側の代表を入れたり、そうした労働分配率の引上げをする手だてが必要ではないかと考えます。

 この点について、総理の見解を伺います。

高市内閣総理大臣 労働分配率については、階委員と同じ考え方でございます。

 日本企業の株価は一定程度上昇しました、株主還元も増加していますが、設備投資、研究開発、人的投資などの成長投資は欧米企業と比較して低い水準にあると認識しています。こうした未来への投資不足を断ち切るために、強い経済を構築したいと考えております。

 政府として、七月二十一日に、コーポレートガバナンス・コードを改定しました。とともに、成長投資ガイダンスを公表いたしました。こうした内容を普及するということによって、企業の長期的な成長に資する人的投資、設備投資、研究開発への投資といった成長投資がより積極的に行われるように、資源配分戦略を成長志向型に変容させてまいります。

 また、今月閣議決定しました日本成長戦略を実行して、官民による成長投資を拡大することで、日本経済のパイを大きくするということとともに、物価上昇に負けない賃金上昇を実現するということで、国民の皆様に成長の果実を実感していただきたく存じます。

 そして、冒頭に議員がおっしゃいました、物価高対策に取り組んでいないのではないかと。いや、最優先で取り組んでまいりました。

 一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援を盛り込みました昨年度、令和七年度補正予算は、今も執行中です。例えば、お子さん一人当たり二万円の物価高対応子育て応援手当は、今月中にようやく全ての市区町村で支給開始となる見込みです。公定価格に経済、物価動向を反映させた令和八年度予算も執行中です。そして、中東情勢を受けて、三月には、緊急的激変緩和措置で、ガソリン価格を全国平均でリッター百七十円程度に抑えるための補助を開始しました。これは、軽油、重油、灯油にも同様の補助を行いましたので、公共交通や農林水産業を支えています。ヨーロッパの方ではリッター三百円台の後半というときに、日本では非常に低い価格で燃料を手に入れることができました。

 現在、G7で最も低いインフレ率、G7で最も高い実質賃金上昇率であるということは申し上げておきます。

階委員 結局、実質賃金を上げるためには、成長のスイッチを押しまくっても駄目なんですよ。分配の回路が整っていないと駄目なんですよ。そこが全く骨太方針、成長戦略には欠けていると思います。

 もう一つ、賃金について伺いたいと思います。

 今回の骨太方針では、石破政権の時代よりも最低賃金の引上げに関する目標が後退しています。確かに、最低賃金の引上げのペースが余りに急過ぎると、中小零細企業、特に地方の中小零細企業の経営は大変になります。ただ、そうした事業者の賃上げを重点支援するための交付金が昨年度の補正予算で手当てされたはずです。これをもっと手厚くしていって、中小零細企業の経営も支えつつ、最低賃金で暮らす方々の暮らしを支えるべきだと考えます。

 最低賃金の引上げについて、見解を伺います。

高市内閣総理大臣 例えば、昨年末にお認めいただいた昨年度の補正予算でございますが、重点支援地方交付金は今年の六月に全ての市区町村で一部事業開始になったばかりでございます。令和八年度補正予算分は今年の八月下旬に次回交付決定予定ですので、これからお手元に届く施策も多うございます。さらには、今年十二月の年末調整では納税者お一人当たり三万円から六万円の所得税減税もございます。

 これから中東情勢はまだまだ先行きが見通せませんので、その情勢が物価動向、経済に与える影響も注視しながら、お認めいただいた予備費の活用も含めて、必要なときにはタイミングを逸することなく、国民の皆様の暮らしや経済活動に影響がないようしっかりと対応してまいります。

階委員 もういいかげん、補正予算は組んでありますから、必要なところで使ってください。

 そして、物価高対策の大きな二つ目として、物価上昇そのものを抑制する必要があります。

 このパネルを見ていただきたいんですが、一番上の緑のグラフ、一九六・六とあるのが輸入物価指数、円ベースと書いております。これは、その下のブルーが契約通貨ベースの輸入物価指数なんですけれども、円安によって輸入物価がもっともっと上乗せされているということを示しているわけですね。

 この円安をどうやって食い止めるか、これが大きな課題です。今、一ドル百六十円近くにもなっていますけれども、これを食い止めるためには、日銀が政策金利を景気に中立的な金利まで引き上げていく、すなわち金融政策の正常化が必要です。

 今回の骨太方針では、政府が日銀の金融政策に介入して低金利を継続させるのではないかという懸念から、円安が進んで、骨太ショックと言われました。慌てて最終決定では文言を修正しましたけれども、中途半端な対応によって円安に歯止めがかかっていません。

 高市政権が本気で日銀の自主性や独立性を尊重する気があるのなら、金融政策は日銀に委ねられるべきだというふうにここできっぱりと言っていただけませんでしょうか。総理、お願いします。

高市内閣総理大臣 まず、日銀法三条にしっかりと規定がございます。金融の調節、これは日銀がやるべきことであります。そして、その手段というのも日銀に委ねられております。

 他方で、日銀法第四条に従いまして、日銀と政府は緊密に連携を取り合っているということです。この骨太の方針を決めた経済財政諮問会議も、毎回毎回、日銀の総裁に御出席をいただいております。

 その上で、為替相場というのは多様な要因を背景に市場において決まるものでございますから、特定の事項が為替相場に与える影響について申し上げるというのは困難ですが、しかし、潜在成長率を引き上げて強い経済をつくる、日本経済の国際競争力を強化するということは、結果として円の信認にもつながっていくと私は考えております。

階委員 確認まで、もう一回、端的にお答えください。

 金融政策は日銀に委ねられるという立場だということを確認させていただきたいんですが、間違いないですね。

高市内閣総理大臣 先ほどお答えしたとおり、日銀法三条に従っております。

階委員 それでは、今の点を確認した上で、財政の持続可能性についてもお尋ねしたいと思います。

 骨太ショックのもう一つの要因として、政府の財政運営方針への不安があると思います。

 今回の骨太方針で初めて、財政健全化の文言がなくなりました。また、基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化にこだわらず、国と地方の総債務残高対GDP比の安定的な低下を財政運営の目標の中核にしたということであります。

 この総債務残高対GDP比、一般の方には何のことだかよく分からないと思いますので、ちょっと分かりやすく図に示してみました。日本とイギリスとドイツの今申し上げた債務残高対GDP比を図にしてみました。

 それぞれの国でGDPは異なるわけですけれども、仮に一〇〇と置いた場合に債務残高は幾らになるかということが、まさに債務残高対GDP比なわけです。まずドイツは、きれいな雪だるまのような形をしています。債務残高対GDP比、六二・九%。イギリスは一〇二・三、上と下が同じぐらい。日本は二〇六・五%、雪だるまの下が押し潰されそうな状況であります。

 これで、今、安定的な引下げを目指すんだとおっしゃっていますけれども、高市首相としては、日本をイギリスやドイツ、こういった形に近づけていく、そういうイメージで考えているということでよろしいですか。

高市内閣総理大臣 階委員がお示しいただいたこのグラフでございますが、これは一般政府ベースでございますね。社会保障基金も合わせたものでございます。私どもが基準にしているのは現在の国、地方の総債務残高でございますので、千二百四十三・二兆円、そして総債務残高対GDP比は一九三・五%というのが現状でございます。

 私どもが考えておりますのは、やはり今を生きる国民と未来を生きる国民の双方に責任を果たさなきゃいけませんから、財政運営の目標というのは、国、地方の総債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを中核と位置づけます。成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えます。この中核となる目標を確実に達成していくということによって財政の持続可能性を実現するということです。

 強い経済と財政の持続可能性、これをバランスよく実現するその取組というのは今始めなければ間に合わない、そういった問題意識の下で、今回の骨太方針、そして日本成長戦略、地域未来戦略等、取りまとめをいたしました。

階委員 一九三・五%、少し違いますけれども大して変わらないです。それで、具体的にどの程度まで引き下げるかというお答えはありませんでした。

 ただ、今回の成長戦略、三百七十兆円の官民投資が大成功して、GDPが仮に、骨太方針にも書いてあるとおり、二〇四〇年度に千百兆円になったとしましょう。でも、今回示されている政府の将来の予測によれば、千百兆円のときの債務残高は大体千九百兆円なんですよ。つまり、GDPも増えるけれども債務残高も増えるので、結局一七〇%ぐらいというのが政府の自ら出している予測です。これは、ドイツや英国の水準、あるいは、財政学者は九〇%ぐらいが理想だと言っていますけれども、かなり高い数字なんですね。

 しかも、GDPの増加あるいは長期金利の上昇によってこの数値は変わってくるわけですけれども、いずれも政府はコントロールできません。すなわち、安定的な引下げというのは、あくまで希望的な観測にすぎないわけです。国債を買う内外の投資家の信頼を得られなければ、国債が暴落して長期金利が急上昇するリスクもあるわけです。現に、高市政権になって長期金利は急上昇して、一時は二・九%までなりました。

 今回の予算における利払い額は十三兆円となっていますが、これは長期金利三%を前提としたものです。もし今後、長期金利が三%を大きく上回って推移した場合、利払い額は予算をオーバーして、補正予算が必要となります。こうしたリスクも考えた上で、政府がコントロールできない債務残高対GDP比という目標だけでなく、政府がコントロール可能なプライマリーバランスや財政収支も財政運営の目標とすべきと考えますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 まず、プライマリーバランスですが、債務残高対GDP比の安定的低下に向けて確認する指標として、その安定的低下と整合するよう改善、管理をしていきます。この点は、骨太方針にも、プライマリーバランス、GDP、純利払い費、そして委員がおっしゃった財政収支等が債務残高対GDP比に与える寄与を分析し、財政の持続可能性の確保に取り組むと書かせていただいております。

階委員 その記述は私も見ましたけれども、イギリスの独立財政機関も同じようなことをやっているんですね。だけれども、トラス・ショックというものが起きているんです。それも学んでいただければと思いますけれども。私は、今の財政運営では、やはりこれから先、非常に市場が、どのように動くか不安だということで、是非この財政運営の目標というのは改めていただきたいと考えております。

 それとともに、財政健全化と逆行するような基金の放置が行われています。

 基金については、皆さんの資料にお配りしているとおり、コロナ禍以降、三十四兆円も増えています。一昨年の三月末時点の数字ですが、残高二十兆円、管理もずさんだということで、会計検査院から改善を求められているわけですよ。

 それにもかかわらず、今回の骨太方針では、予算措置は原則三年以内という現行ルールを不適用にすることを含めて基金ルールを見直すという、考えられない案が出されています。会計検査院とは逆行しています。基金を積んで何も使わないでいる間に、どんどんどんどん利払いは膨らんでいくわけですね。このことを考えたときに、本当にこのような基金のやり方でいいのかどうか。

 私は、三月にも、この予算委員会で、基金の見直しで財源を捻出するようにということを申し上げましたけれども、いまだ具体的なものは示されていません。どうなっているんでしょうか。

片山国務大臣 基金の見直しにつきましては、まさに私はその特命もいただいております。

 基金のほとんどは元々補助金から成っておりますが、会計検査院の御指摘もよく踏まえた上で、基金においてもめり張りでございます。投資的な中身で、これからそれを複数年度でやっていくのに必要なものは、形だけが三年であるということに意味はないということでそのような方針にしておりますが、御指摘を受けたものの中には今からもう既にその存在理由がどうなのかというものもありますので、一連の補助金の見直し、租税特別措置の見直しの中で、しっかりと階先生の御意見も踏まえて対応をしてまいります。

階委員 いつまでたっても具体的な数字が出てこないので、あえて申し上げました。

 それと、基金だけではなくて、租税特別措置もそうです。自主点検なるものを行ったようですが、廃止とされた租税特別措置は僅か一件。しかも、そもそも、これによって税収が増えるわけでもありません。高市政権の本気度は足りないということも指摘させていただきたいと思います。

 話題は変わりまして、先頃、皇室典範の改正案が成立しました。

 その審議において、我が党は、今回の改正はあくまで皇族数の確保を目的とすること、条文の文言がどうであれ、女性皇族の配偶者、子孫の地位を含め、皇位継承に関する問題は今後の検討課題であることを政府に確認しました。そして、その担保として、皆さんにお配りしている資料の六ページ目ですけれども、その附帯決議を設けた上で、苦渋の決断で今回の改正案には賛成したということであります。

 政府として、この附帯決議を尊重し、我々としては政府に求めたいことがあります。それは、速やかに有識者会議を立ち上げて、女性天皇や女系天皇の是非、また養子の子孫の皇位継承権の是非など、積み残されている課題について早急に議論を始めるべきではないか。

 このことについて、総理の見解を求めます。

高市内閣総理大臣 皇室典範改正法につきましては特別国会で成立させていただき、中道改革連合の皆様には、法案に賛成をいただき、心から感謝を申し上げます。

 安定的な皇位継承を確保するための方策の検討につきましては、立法府において決議された皇室典範改正法の附帯決議に盛り込まれております。

 他方、衆参正副議長による議論の取りまとめにおいて、その冒頭で、皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについても立法府の総意として確認がなされたと承知をいたしております。

 令和三年の有識者会議の報告においても、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということで、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきということが示され、政府としてもこの報告を尊重しております。

 令和三年の有識者会議の報告で指摘された状況というのは変化しておらず、政府として、今直ちに新たな有識者会議を設置する考えはございません。まず、成立した皇室典範改正法の施行に向けて、万全の準備を進めてまいります。

 実際に、附則第六条もございます。どのように運用して、実際に検討、見直しをしていくかということについては、政府としては、立法府の意思を尊重して対応したいと考えております。

階委員 現在の皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということは、我々も承知しています。ただし、女性皇族が婚姻後、その配偶者の地位あるいはその御子息の地位は早急に確定しなければ、これはその方々の人生にも関わってくることであります。

 まずはそこから始めて、女性天皇、あるいは養子の子孫の皇位継承、こういった問題についても有識者会議で議論すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 まず、女性皇族の方の配偶者、子については、現行の皇室典範の規定を適用することとしております。と申しますのは、衆参正副議長における議論の取りまとめにおいて、女性皇族の配偶者、子及び先ほどおっしゃった養子の子に係る記載がないので、皇族の範囲や皇位継承資格を定める皇室典範の規定は改正しなかったからでございます。皇族とすると皇室典範に規定しない限り、皇族にはなりませんから、現行の皇室典範の規定に基づいて、皇族とはならないことになります。

 養子の子についても、現行の皇室典範の規定を適用せざるを得ず、皇族の夫婦の間に生まれた者であり、生まれながらの皇族であることから、現行の皇室典範の規定に基づいて、男子の場合は皇位継承資格を有することになります。

 なお、これは現行法に基づく結果であり、これによって立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないと考えております。

階委員 いや、結局、検討する気が全くなくて、全く先送りではないですか。附帯決議を尊重していないじゃないですか。

 この附帯決議を尊重していない姿勢は、今回、副首都法案でも明らかになったと思いますよ。

 附帯決議というのは、国権の最高機関である国会の意思、そして、国法の執行に際しては、内閣はもちろん、地方の行政機関も尊重しなくてはなりません。ところが、二十四日の参議院での与野党の長きにわたった議論によって、副首都法案の附帯決議では、特別区設置の住民投票と地方議会、首長の選挙の同日投票は極力しないということを定めました、それにもかかわらず、この附帯決議成立直後に、大阪府の吉村知事が無視するような発言をしています。国会軽視の極みと言わざるを得ません。言語道断だと思います。

 連立与党を組む高市総裁から撤回を求めるべきではないでしょうか。お答えください。

高市内閣総理大臣 御指摘の発言があったことは報道で承知しておりますが、自治体の長あるいは政党代表としての御発言に対して、内閣総理大臣としてコメントを申し上げることは差し控えます。

 いずれにせよ、副首都法における参議院における附帯決議では、住民投票期間と関係市町村及び関係道府県の議会の議員の一般選挙並びに、長の選挙に係る選挙期間とが重複しないように最大限調整することとされております。ですから、政府として申し上げられるのは、その趣旨を十分に尊重してまいりますということです。

階委員 総理大臣であるとともに、自民党の総裁として連立のパートナーである日本維新の会の吉村共同代表には物を申せる立場だと思っていますし、何といってもこの附帯決議、皇室典範の方もそうでありますけれども、非常に重要なことを定めたわけでありますから、それを遵守すべく、あらゆる手だてを講じていただきたいということを重ねて申し上げます。

 最後に、企業・団体献金についても伺いたいと思います。

 比例定数削減法案は、我々野党が一致結束して今国会では廃案に追い込んだわけですけれども、拙速に審議を進めようとしたこの比例定数削減法案に対しまして、本来ならもっと先にやるべき企業・団体献金の規制法案について、極めて連立与党は後ろ向きです。与党側は、第三者委員会を設置して、高市総裁の任期中、つまり来年の九月頃までに結論を出すとして、非常に先送りの傾向を強めています。

 今回の成長戦略で、企業・団体献金を行っている業界にも多額の恩恵がもたらされます。予算配分の公平性への疑念を招かないようにするためにも、また、生活者、勤労者が納得できる政策を推進するためにも、企業・団体献金の規制強化こそやるべきことではないでしょうか。まさにこれこそ改革のセンターピンだと思いますが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 政治資金規正法の一部を改正する法律案など、複数の政党が提出されているということは承知しておりますが、これは議員提出法案でございますので、内閣総理大臣の立場から具体的なコメントをすることは控えます。

 政治資金の在り方については、各党各会派において丁寧に議論をされるべきものと考えております。

階委員 企業・団体献金について、非常に今まで取組が遅くなってきた。本来でしたら、これをまずやって政治の信頼を回復してから、国論を二分するようなことに取り組む。取り組むといっても、押し切るのではなくて、熟議を行った上で、国民の理解と納得を得て進めていくべきだった。そういうことをほったらかしにして、自分たちのやりたいことだけをやって、国民の暮らしを後回しにする政治、高市政権の限界は明らかだと思います。

 高市政権に対する野党側の意見、国民の意見を真摯に受け止め、そして政治姿勢を改めていただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

坂本委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申出があります。階君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 中道改革連合の後藤祐一でございます。

 本日もマーケットは一ドル百六十三円台後半と、日本の財政に対する金融市場からの信頼というのは非常に危うい状況になっております。先ほど階委員からもありましたけれども、私も、日本の財政は大丈夫かということについてお伺いしたいと思いますが、その前に、同じように金融市場からの信頼を損ないかねない問題として、サナエトークンの問題についてまずお伺いしたいと思います。

 一か月前、六月二十二日の予算委員会でも、私は、中傷動画については一切質問していませんが、サナエトークンの質問を一か月前にしたんですが、マスコミの皆さんも含めて誤解されているんですね。サナエトークンの質問に対して、答弁しにくいので秘書の陳述書でもって答弁に代えたいと私の質問に対して総理がお答えになったということは、是非マスコミの皆さんもよく分かっていただきたいと思いますが、陳述書が出てきましたけれども、もう一か月前から通告している質問ばかりでございますので、総理自らのお言葉でお答えいただきたいと思います。

 ただ、まず、何でこの話が重要なのかということを皆さんに御説明する必要がありますので、サナエトークンについて総理からほとんど、六月二十二日、御説明がございませんでしたので、ちょっと説明したいと思いますが、少なくとも前回、サナエトークンに関しては、金融庁から、三人の方が被害に遭ったというような相談があって、つまり、被害者が少なくともいて、違法行為があった可能性があり得るということを指摘をさせていただいているわけでございます。

 ルールを確認させていただきたいと思いますけれども、これはパネルにしていませんが、配付資料の五枚目、資金決済法という法律で、暗号資産、現在は規制されていて、業として暗号資産の売買だとか媒介、つまり御紹介などを行うには暗号資産交換業の登録というのが必要なんですが、これが無登録だと三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金というふうになっています。

 しかも、この国会では、暗号資産に関してこういった行為が多いということで、非常に、投資家の保護ということも含めて、金融商品取引法という法律に法律が移りまして、罰則は十年以下という形で強化されて、さらに、証券取引等監視委員会が強制調査にも入れるようになったということになっています。これは、まさに、法的にグレーな暗号資産がたくさんあって、監視が行き届かなくて投資詐欺も増えているという状況にあるから、この法改正がなされたわけです。

 このサナエトークンという総理の名前を冠した暗号資産がまさにこれに該当するかどうかというのは極めて金融政策上も重要だからこの委員会で扱っているわけでございますが、金融庁の政府参考人にお伺いしたいと思います。

 業として契約の締結だとかその媒介だとかをやっている場合はアウトになっちゃうんですけれども、どういう場合がそれに当たるかというのを示したガイドラインです、金融庁の。この中には、暗号資産の売買契約の締結の勧誘、あるいはこれを目的とした商品説明、これを行っていると暗号資産の売買等の媒介に該当する、つまり、登録をしないと違法行為になるというガイドラインが示されています。

 つまり、これは金融庁に聞きたいと思いますが、ホームページで暗号資産の契約締結の勧誘を目的とした商品説明を行ったり、Xで勧誘したりといったことをすれば、一連の行為が媒介行為になって、業として行えばこれは違法行為になるということでよろしいでしょうか。

堀本政府参考人 お答えを申し上げます。

 資金決済法の無登録業についてでございますけれども、その個別の行為の暗号資産交換業への該当性については、単に行為の形式面だけではなくて、実態に即して、日本に居住する利用者の保護の観点から実質的に判断する必要があると思います。

 御質問の行為については、それのみならず、総合的な判断で行うこととなります。

後藤(祐)委員 ちょっと曖昧ですが、このガイドライン、これは金融庁の示したガイドラインですから。暗号資産の売買契約の締結の勧誘を目的とした商品説明は、これは媒介に該当するとガイドラインに書いてあるんです。ちょっと忖度したような答弁で残念なんですけれども。

 この商品説明に当たる可能性があるんじゃないかというものが今回出ているわけです。サナエトークンの発行者であるノーボーダーDAOという会社が運営していると思われるジャパン・イズ・バックというホームページがあります。テレビを見ている方は、サナエトークンで検索するとニュースの次に出てくるので、御覧いただければと思いますが、これもパネルにしようとしたら、理事会で自民党からはねられてしまったのでちょっと出せないんですけれども、そのサナエトークンのホームページの下の方を見ていくと、こういうページがあるんです。これは、サナエトークンのトークノミクス、つまり、言ってみれば商品説明ですよね。サナエトークンは十億枚発行されます、当初価格は〇・一円です、そして、こういう方々にこういうふうに配分しますと。これは商品説明そのものですよね。

 金融庁にお伺いしますが、ノーボーダーDAOは無登録で暗号資産交換業を行っていた可能性があるんじゃないですか。

堀本政府参考人 先ほど申し上げたのと繰り返しになりますけれども、当該行為の形式面だけではなくて、実態に即して、日本に居住する利用者の保護の観点から実質的に判断する必要があろうと思います。

 金融庁においては、暗号資産交換業を行うと疑われる者を把握した場合には、単にインターネットの情報だけではなくて、例えば、可能な場合には当該事業者の任意のヒアリング等を行って、実態把握を行っております。

後藤(祐)委員 疑いがある場合にはヒアリング等を行う。ヒアリングをやっているんですか、このサナエトークンに関して。

堀本政府参考人 繰り返しになりますけれども、単にインターネットの情報のみならず、例えば、可能な場合には当該事業者への任意のヒアリング等、実態把握をさせていただいています。

後藤(祐)委員 まあ、今のラインがぎりぎりだと思うんですが、私が二度こうやってサナエトークンという個別名詞を挙げて聞いて、今の答弁をするわけですから、ネットを見るだけじゃなくて、個別に聞いた可能性をにじませた答弁ですよね。それ以上言うのはなかなか難しいかもしれませんが、もう一つあるんですね。

 それは、ノーボーダーさんの公式Xというのがあって、これも残念ながら自民党が理事会で拒否したんですけれども、二月の二十五日にサナエトークンは発行されているんですが、その日の午後六時四十二分のポストに、インセンティブトークン、サナエトークンが本日発行されました、こう書いてあります。さらに、参加者を広げるためにインセンティブとしてトークンを活用できないかという声がコミュニティーから上がりました、トークンの名称も、民主的に選ばれたリーダーを象徴する言葉としてサナエを冠する流れとなり、結果、サナエトークンを発行するに至りました、このプロジェクトを通じて、多くの国民の声を政治に届けることで、社会の良好な発展に寄与したいと思っていますとノーボーダー公式Xにポストされているわけです。

 これは金融庁が私に対して提供した資料なんですよ。それをこの場で出すことを、つまり、これは違法行為になるかもしれない物証をこの場に出すことを拒んだということは、極めて責任は重いということを抗議を申し上げたいと思います。

 そのページというのは、少なくとも金融庁がスクリーンショットを撮った段階で六十八万回も見られていて、これは相当多くの方に見られてしまっていますから、暗号資産の売買契約の勧誘、つまり売買等の媒介に該当して、ノーボーダーDAOは無登録で暗号資産交換業を行っていた可能性があるんじゃないんですか。これは多分、聞いても同じ答えになるでしょうから、あえて聞きませんが、このように、証拠がいっぱいあるわけです。

 しかも、次に陳述書というのが出てきましたけれども、この中で、陳述書によれば、チームサナエ、これは奈良県の自民党青年局有志が運営するということなんですが、そのXアカウントでも、ノーボーダーDAOがサナエトークンという暗号資産を作りましたということを紹介したXを応援してほしい、応援するメッセージを出してほしいという依頼を受けました、これは陳述書に書いてあります。

 先方から文案の指示があり、コミュニティー提案により、これは十番を出していただいた方がいいですね、これはさすがに、一回理事会ではねられたんですけれども、この「チームサナエが日本を変える」というのは高市総理の関係のページですから、これは下のところに本当はノーボーダーのXが引用されていたんですが、その部分は削除しろと言うので外してあるんですけれども、もう一回申し上げますね。コミュニティー提案により実現したサナエトークンという新たなインセンティブ設計も注目されています、チームサナエはこの取組に共感し、我々のビーナス号での活動と連携をして、共に日本の明るい未来を紡いでいきたいと思いますと、サナエトークンの取組に共感するメッセージを、ノーボーダーのXポストを引用する形で、チームサナエの公式アカウントからリポストしています。

 総理に伺いますが、リポストしたということは事実でよろしいですね。

高市内閣総理大臣 地元の青年局の有志が中心となって運営する「チームサナエが日本を変える」が行ったものであるということです。その中で若いメンバーが企業側からの依頼に基づいて行ったもので、文案も企業側から提示されたということでしたが、この中に暗号資産であるといった言葉は出てまいりません。

 先方からは、国民の声を集約するアプリ内でポイントを付与するというアイデア以上の説明は受けておらず、アプリ内のインセンティブであるという認識を疑うこともなくリポストをしてしまったということなんですが、ただ、その会社の、委員が先ほど説明された、全く同じ、このプロジェクト、ジャパン・イズ・バック・プロジェクトホームページに、本トークンは、高市氏と提携又は承認されているものではないことに御留意願います、高市氏による直接の承認、提携、又は承認を意味するものではありません、本トークン又は本トークンに基づくSNSアカウント等と高市氏の類似性又は関連性は全くの偶然であり、ユーモアの目的で意図されていますということで、このトークンにひもづくSNSアカウントで高市氏の人格、イメージ、又は肖像に関係する要素を参照又は組み込む場合がありますが、高市氏による直接の承認、提携、又は承認を意味するものではありません、こう出ておりますので、私が承認したものではなく、また、私の事務所が、サナエトークンという名前の暗号資産が発行されて取引されるということを承認したものでもなく、それを承知していなかったということでございます。

後藤(祐)委員 少なくとも、この「チームサナエが日本を変える」というXで加担をさせられたかもしれない。加担したと言うかはともかく、加担させられたかもしれない。少なくともリポストしたことは事実だと今認めたわけですから、初めて認めたわけですから、加担させられたかもしれないということは、極めてこれは重大だと思いますよ。

 そうしますと、今の総理の答弁で、暗号資産ではなかったから、最終的には暗号資産なんですけれども、木下秘書は暗号資産であることをいつ知ったんですか。これも通告していますから。特に、二月二十五日のリポストをした時点で、木下秘書はサナエトークンが暗号資産であることを知っていたんですか。

高市内閣総理大臣 企業側に依頼されて青年局のメンバーがリポストの投稿をした時点において、サナエトークンはアプリ内のインセンティブポイントであるとの認識であり、仮想通貨や暗号資産であるといった説明は一切なく、当然そうした認識もなかったとのことでございます。通告がございましたので、木下秘書及びリポストした青年局のメンバーにも確認を取っております。

 その後、秘書が周りの者からの指摘を受けて企業関係者のネット配信を見たところ、サナエトークンが暗号資産として発行されるかのような話が出ていたので驚いて、先方に連絡を取り、投資を募るようなものではないことをはっきりさせてもらいたいと伝えたということでございます。

後藤(祐)委員 そうすると、二月二十五日のこのリポストの段階では、木下秘書はサナエトークンが暗号資産であるとは認識していなかったということですね。本当ですかね。

 じゃ、もう一回聞きますけれども、前回の六月二十二日の予算委員会で、ここから始まったんですが、昨年十二月十七日のオンライン会議というのがありました。これについては、木下秘書による四月三日の回答書、これは、六月十日の法務委員会で、高市事務所から回答した内容だと明確に総理の答弁があったから真実の回答書ですが、この四月三日の回答書においては、木下秘書は、詳細は記憶していないが、最新のインターネット技術の活用を検討しているという話の中で、参加者へのインセンティブとして暗号資産を配布するというアイデアについて説明があったのではないかと思うと回答していますが、事実ですか、総理。

高市内閣総理大臣 これは、陳述書もお読みいただいたということですので、説明がされているとおり、秘書としては、企業側からアプリ内でポイントを付与するというアイデアが紹介された記憶はあるが、暗号資産という言葉を聞いた記憶はないとのことです。会議では専門的、技術的な説明が多く出され、秘書自身がインターネットに関する技術については詳しくないこともあり、詳細内容を詳しく覚えてはいないが、少なくとも、サナエトークンという暗号資産を発行するという話はなかったということです。

 四月三日付の週刊現代への回答書は、木下秘書自身が作りました。陳述書にも書かれているとおり、説明をされた方、つまり相手方の企業ですね、がそう言っておられるのであればそうなのかもしれないという趣旨で書いたものと聞いております。

 四月三日付の回答書全体を見ていただければ、当日の会議でサナエトークンという言葉は聞いていないこと、そのような名称の暗号資産について説明を受けたことも承認をしたこともないこと、そもそも、企業側の取組の紹介を受けていたという認識であって、高市事務所が関与するような話ではないという認識であったことなどが記載されておりますので、そうした趣旨は全体をお読みいただければお分かりいただけると思います。

後藤(祐)委員 ちょっと答えをずらしているんです。

 私は、サナエトークンという暗号資産についてという聞き方はしていません。木下さんは、十二月十七日のオンライン会議で暗号資産を配布するというアイデアについて説明があったのではないかと思うと四月三日の回答書で回答しているんです。そのサナエトークンという名前ではなくて、十二月十七日のオンライン会議で暗号資産を配布するというアイデアについて説明があったのではないかと思うというこの四月三日の回答、これは正しいですか。そこに対してお答えください。

高市内閣総理大臣 それは、週刊誌への回答書は事務所から出したもの、木下秘書自身が作ったものですから、そのとおりだと思いますが、説明をされた方がそう言っておられるのであればそうなのかもしれないということで、その会議の中で出てきた専門用語などには理解をしておらず、そしてまた、相手がそう言っているということで週刊誌側から聞かれたら、自分の記憶はないけれどもそうなのかもしれないという趣旨で書いたと聞いております。

後藤(祐)委員 そうすると、十二月十七日に暗号資産の説明、あったということでよろしいですね、総理。

高市内閣総理大臣 その暗号資産という言葉を聞いた記憶はないけれども、相手方がそう言っているのであればそうかもしれない、自分自身が聞き損ねている、覚えていない、そういうことなのかもしれないと。

 ただ、申し上げましたが、そのような名称の暗号資産について説明を受けたことも承認をしたこともない、そもそも、企業側の取組の紹介を受けていたという認識で、高市事務所が関与する話ではないという認識であったと記載されておりますので、回答書全体を読んでいただいたら、そのサナエトークンという名前の暗号資産が発行されたり取引されたりすることを、私の事務所がこれを承認したということはないということは十分お分かりいただけると思います。私自身も、三月二日まで全く聞いたことがなかった名前です。

後藤(祐)委員 結局、十二月十七日の説明の中で暗号資産を配布するというアイデアについて説明があったのではないかと思うという木下さんの四月三日の回答、しかも、この回答書は真実のものであると法務委員会で総理が答弁している。今、微妙にずらして、なぜならば、陳述書には違うことが書いてあるからです。この先週水曜日に示された陳述書であれば、私には、私というのは木下秘書ね、私には暗号資産という言葉を聞いた記憶はありませんと。ずらしてきているんですよ。これはどっちが本当なんですか、総理。

 ここをごまかさないと、暗号資産であることを分かった上で、二月二十五日の、先ほどの加担させられたかもしれないXにつながっていっちゃうから、二月二十五日の段階では暗号資産を知っていなかったことにしないといけない、そういう事情があって、この回答からこの陳述書に内容を変えたんじゃないんですか、総理。これは、この陳述書だけ見て、よく読んで判断してくださいと言うからよく読みましたよ、当然、私に対するものだから。ずらしているわけですよ、一番大事なところを。(発言する者あり)委員長、ちょっと静かにさせていただけますかね、こっちの方もね。

 総理、ここを素直に認められたらいいと思うんですよ。高市事務所として、二月二十五日のリポストで、このノーボーダーDAOに対して、加担、少なくともさせられたんじゃないんですか。

高市内閣総理大臣 もう繰り返しになりますが、私自身も私の事務所も、サナエトークンという名前の暗号資産が発行されて取引されるなどということを承知してもおりませんし、了解もしておりませんし、そして、その発行したとされる先方の会社が出しているホームページにも、一切うちの承認を取ったものでないことが書いてあるじゃないですか。それが真実でございます。

 そのリポストを青年局のメンバーがしたときにそれを知っていたか知っていないかということですが、そのサナエトークンという名前のものが暗号資産であって取引されるということであったらリポストはしませんし、そのリポストの中に暗号資産などという言葉は出てまいりません。

後藤(祐)委員 これはノーボーダー側の視点で見てくださいよ。木下秘書に対しては十二月十七日のオンライン会議で暗号資産を配布するというアイデアについて説明したという、あったのではないかと木下さんが言っているんだから、相手側の会社からすれば、説明したんでしょう。かつ、二月二十五日にサナエトークンという名前の暗号資産を発行するという、自らの、ノーボーダーのXポストをチームサナエアカウントでリポストしてくださいと言ったら、いいですよと返ってきたんだから、それは、相手方からすれば、認めてもらったのかなと思ってもおかしくないじゃないですか。

 だから、加担したとは言っていない、加担、少なくともさせられたんじゃないんですかということを申し上げたわけでございますが。

 唯一前回から追加した通告で、このリポストがなければ高市事務所との関連性をここまで示すことはできなかったわけですから、サナエトークンというのはここまで売れていなかった可能性が高いわけですよ。つまり、被害者が少なくて済んだ可能性があるわけですよ。被害を受けた方に対して申し訳ないという気持ちはないんですかと思うんですけれども。

 その上で、総理に伺いたいのは、木下秘書は、あるいは木下秘書の関係者は、このサナエトークンを入手していた可能性はありませんか。あるいは、売却した可能性はありませんか。入手、売却していたとすれば、それはいつですか。特に、売却していたとすれば、三月二日のポストよりも前ですか。あと、入手の時期は二月二十五日のリポストより前ですか。お答えください。

高市内閣総理大臣 御通告がありましたので、確認をいたしました。秘書によれば、本人はもとより、家族や親族でサナエトークンを入手したことがある者は一切承知していないということでございます。

 ですから、それはございませんし、そもそも、木下秘書がサナエトークンという名前の暗号資産が発行されて取引されるなどということを知らなかったということでございます。私も知りませんでした。三月二日に大臣室で、秘書官から、こういうものが出回っているようだということを夕方に聞くまで知らなかったです。

 ですから、万が一、サナエという名前で、何か私と関連があるもののように勘違いされる方がいてはいけないと思って、その夜に私はXに投稿して、私と関係ないものである旨を皆様にお知らせしたわけでございます。

後藤(祐)委員 ブロックチェーンという技術で、暗号資産は、誰が、いつ、どこで、幾らで買ったか、全部分かるんですよ。今のが本当かどうかは、もし調べることになったら真実が判明することはあり得ると思いますので、是非その答弁を重く受け止めていきたいと思います。

 それでは、ちょっと時間がかかっちゃいましたが、責任ある積極財政、これについて伺いたいと思いますけれども、ちょっと時間がないので。

 一番これから心配なのは、国債の利払いなんですね。今年度は十三兆円ですが、二〇三五年度には、その下に書いてあるベースラインという現実的な想定を置いた、これは十年物の国債の金利の想定ですが、これでいくと、二〇三五年に三十六兆円の利払い、つまり、今より二十三兆円増える。これが、一%金利が上振れすると四十五兆円に増えるということになっています。これは衝撃的な数字なんですね。

 それ以外にも、大きな出費として予想されるのが防衛費ですね。防衛費は、二〇二五年度、昨年度、補正後ですと約十兆円です。今回の骨太で、NATO諸国や韓国は対GDP比で三・五%に増やすとなっていて、日本の場合、三・五%にすると二十一兆円ですから、あと十兆円ちょっと増えていく可能性がある。これは五年間でやると言っていますから、二兆円ぐらい一年ずつ増やしていく可能性が高いわけです。

 それと、目玉商品の二つ目。危機管理、成長投資ですけれども、これはもう骨太の中に、来年度以降、追加財政支出十兆円想定と。毎年度、実質ベース、つまり増えていくということですね。十兆円から物価が増えるぐらいは増えていくというものがあります。

 さらに、三つ目。食料品消費税率を一%へ引き下げると大体四・三兆円、残り一%分も給付をすると大体五兆円ぐらいかかるし、給付つき税額控除に切り替わっても似たような額がかかるわけです。

 それに先ほどの国債の利払い費と合わせると、二〇二七年度、来年度で大体二十兆円ぐらいプラスになる。二〇三五年度は五十兆円ぐらいプラスになるんですよ。年間ベースですよ。総理、この財源、どうするんですか。

高市内閣総理大臣 今後の対応、国債の利払い費の話、また防衛予算の話などございましたけれども、今後の対応について、骨太方針に示しておりますとおり、財政運営の目標については、国、地方の総債務残高対GDP比の安定的低下を中核に位置づける、市場の信認確保については、経済成長、金利、部門別収支などの経済動向と、債務残高対GDP比、プライマリーバランス、財政収支、利払い費、国債依存度、国債発行額、税収などの財政指標を多角的に分析、検証するとなっております。これを、経済、物価、金利動向や政策効果をめぐる不確実性に備えて、幅広い可能性を踏まえた分析を行い、経済財政運営の点検に活用することとしておりますので、市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させていくということでございます。

 防衛費につきましては、これは、日本が独自に、独自の視点で、我が国の主体的な判断の下で、具体的かつ現実的な議論を積み上げて、防衛費の水準というものを決めていくものでございます。その裏づけとなる予算を確保する上で必要な財源の在り方についても、これは財政の持続可能性に十分配慮しながら議論をしてまいるということでございます。

後藤(祐)委員 本当に金利が心配ですが、先ほど階さんが言ったように、補助金や租特の見直し、全然進まないじゃないですか。

 最後に提案します。

 AIを導入するのを大いにやってほしいと思いますが、予算だとか租特のバックデータ、役所にあるやつ、それを全部AIにぶっ込んで、余り効果がないのはこれですとかいうのを具体的に出してもらって、役所の抵抗を押しのけて、おかしなものはがばっと減らしたらいいじゃないですか。あるいは……

坂本委員長 申合せの時間が、時刻が過ぎておりますので、御協力ください。

後藤(祐)委員 はい。

 グローバル・スタートアップ・キャンパスというのは、国会の議論で、予定されたものの半分ぐらいの規模に、これは与野党で合意して減らしました。そういう身の丈に合った投資にしていくことを御提案申し上げまして、終わります。

坂本委員長 これにて階君、後藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、斎藤アレックス君。

斎藤(ア)委員 日本維新の会の斎藤アレックスでございます。本日もよろしくお願いをいたします。

 我が党は、これまで一貫して、高過ぎる社会保険料が現役世代の生活を圧迫し、我が国の経済の好循環を妨げてきたという課題を取り上げてまいりました。少子高齢化が急速に進む我が国において社会保険制度を守り抜いていくためには、現役世代の負担をこれ以上増やさず、むしろ引き下げていく、そういった明確な改革が不可欠だと考えております。

 財政制度等審議会などの資料やデータをひもときますと、この三十年間にわたり、国民負担率に占める社会保険料負担は一貫して上昇を続けてきました。勤労者世帯における税、社会保険料負担率は平成以降で大きく上昇し、その伸びの大半を社会保険料の増加が占めています。現在、労使折半を含めた現役世代の社会保険料率は報酬の実に三割にも迫る水準に達しており、これが、働く方々の可処分所得、すなわち手取り収入を押し下げて、消費を冷え込ませる大きな原因となっています。

 更に言えば、昨年、団塊の世代の方が全て七十五歳以上の後期高齢者となられました。それに続き、二〇四〇年には、団塊の世代の方々のお子様の世代である団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となる。そして、日本の高齢者人口がピークを迎える。そのときまで残り僅かしか、もう残されていません。

 日本の高齢者人口がピークを迎えるその前に抜本的な見直しに踏み切らなければ、現役世代の負担は限界を超え、社会保障制度そのものが破綻を来しかねない、そういった瀬戸際にいるという危機感を持たなければならないと考えております。

 残念ながら、これまでの政治は、痛みを伴う抜本的な改革を先送りにし続け、課題を未来へ、現役世代へ、子供たち、孫たちへと押しつけてまいりました。生活者の目線、そして明日を担う若い世代や働く方々の目線に立てば、今まさに求められているのは、単なる場当たり的なびほう策ではなく、制度の持続可能性を確保しながら現役世代の負担軽減を確実に実現する具体的な道筋だと考えております。

 我が党、日本維新の会は、自民党との連立政権、高市政権を支える立場として、この長年放置されてきた構造問題に正面から挑み、社会保障制度改革を着実に前進させていく決意でございます。

 その上で、去る七月七日、自由民主党と日本維新の会の間で社会保障改革項目に関する具体的な骨子を取りまとめさせていただきました。本日は、この合意を踏まえ、高市総理に、政府としての認識と、そして今後の改革に向けた断固たる決意をお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、合意骨子の項目一、保険財政の健全化についてお伺いをいたします。

 これまでの社会保障の議論では、個別分野の費用負担や診療報酬をその都度見直すような、いわば場当たり的、パッチワーク的な対応が重ねられてきました。その結果、経済の規模や現役世代の負担能力を超えて、給与から天引きをされる社会保険料が増え続けてきた経緯があります。

 今回の合意では、令和九年度の社会保障負担率が令和七年度と比較して上昇しないように取り組むとともに、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸び等を参照し、経済規模や現役世代の負担能力との関係で給付と負担を管理していくという新しい政策運営の考え方を明確に盛り込みました。

 これまで目指すべき指標すら存在しなかった中で、社会保険料負担、社会保障負担率などのマクロ指標を政策目標として掲げ、その達成状況を検証して次の改革につなげるPDCAサイクルを制度の中に導入する、その意義は極めて大きいと考えています。これにより、現役世代の保険料率の上昇を止めて、引下げへと転じさせる現実的な一歩を踏み出せたというふうに考えております。

 そこで、総理にお伺いをさせていただきたいと思います。

 この項目一の合意を通じて、インフレ下においても現役世代の負担増加にブレーキをかけて、経済規模に応じた適切な管理を行っていくという新たな経済思想、政策思想を導入することについて、政府としてどのような御認識をお持ちでしょうか。お聞かせいただければと思います。

高市内閣総理大臣 社会保障改革項目に関する具体的な骨子、両党で合意された内容についての御質問ですが、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要であるということは認識しております。

 私からも、五月の経済財政諮問会議におきまして、社会保障負担率の目標の検討や、具体的な給付と負担の見直しの検討などについて関係大臣に指示をいたしました。

 また、先日閣議決定した骨太方針におきましても、医療、介護を中心とした社会保障制度改革を着実に実行することにより、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す、そして、社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討を進め、これと併せて、社会保障改革について二〇二六年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する、また、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、診療報酬に経済、物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係などを参照しつつ、医療費適正化計画の次期改定に向けて抜本的な見直しを行うことも含め、改革を継続するということにしております。

 この合意事項を真摯に受け止めまして、社会保障改革の検討を進めてまいります。

斎藤(ア)委員 高市総理、明確な御答弁をいただき、誠にありがとうございます。

 総理御自身が、今御紹介いただいたように、さきの経済財政諮問会議でも、そして本日も、社会保障負担率の目標や具体的な給付と負担の見直しを直接指示をされ、それがさきの骨太方針二〇二六にも力強く反映されたこと、そして、何より、今回の自民と維新の合意事項を真摯に受け止め、改革を進めると御明言をいただいたこと、大変ありがたく感じております。

 一部から、今回の合意はこれまでの改革工程表の域を出ないのではないかという慎重な見方や御批判があることも承知をしています。しかしながら、繰り返しになりますけれども、これまで野放しに近く、目指すべき指標すら存在しなかった社会保障負担に対して、経済規模や現役世代の負担能力に見合った明確な管理目標、マクロ指標を設定し、PDCAサイクルを導入していくということは、我が国の社会保障政策の歴史において極めて画期的な転換点となると考えております。

 我々与党としては、強い経済と持続的な賃上げを実現することを大前提としながら、社会保障給付費の伸びを適切に抑え込み、そして現役世代の保険料率を引き下げていく、この約束を口先だけに終わらせず、総理としっかりとタッグを組んで、令和八年度中の具体化と工程の明確化へ向けて、改革協議を引き続き進めていきたいというふうに考えております。

 そして、もう一つ、合意骨子の項目四、医療費の窓口負担についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 日本の高齢者の医療費の窓口負担は、一九七〇年代初頭に福祉元年ということで高齢者の医療費窓口負担を無償にしたときから基本的な思想が変わっておらず、年齢によった区分というのが色濃く残ってしまっている状態でございます。これが制度の不公平感を生む一因となっています。

 我が国の医療制度を持続可能なものにしていくためには、年齢で負担を決める制度から、年齢にかかわらず負担能力に応じて支え合う真に公平な制度へと転換していく必要があります。今回の合意におきましては、七十歳以上の高齢者の窓口負担については、原則三割負担となっている現役世代との間で真に公平な形に見直すという方針を掲げ、低所得者等への必要な配慮を大前提としつつ、年内までに具体化に向けた抜本的な見直しと改革工程表を策定することといたしました。現役世代と同等の負担を原則とする方向性を明確にして、年内の工程表策定に向けた具体的な検討に入ったことは、年齢に基づかない応能負担の実現に向けた重要な一歩であると考えております。

 そこで、総理にお伺いをさせていただきます。

 この項目四において、負担能力に応じた公平な支え合いの仕組みを構築し、現役世代の負担軽減を図っていくことの重要性について、総理の御見解と、年内の工程表策定に向けた意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 今おっしゃった点についても、方向性は共有いたしております。

 今後、骨太の方針に基づきまして、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得が多いといった家計の状況なども踏まえて、必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引上げなど窓口負担の抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担の在り方とともに総合的に検討を行って、その速やかな実現について令和八年末までに一定の結論を得るよう取り組んでまいります。

斎藤(ア)委員 高市総理、ありがとうございます。

 窓口負担の見直しにつきましても、骨太方針二〇二六に明記をして、そして、令和八年末までに外来特例や所得区分の見直しなどについて検討を行い、一定の結論を得るという政府の方針について改めて確認をさせていただきました。連立政権として同じ方向を向き、この長年の難題に決着をつける姿勢を示していただいたことを大変心強く感じております。

 最後に、全国の有権者の皆様、そして日々の暮らしや将来に不安を抱えていらっしゃる現役世代の皆様、子育て世代の皆様に、私から改めてお伝えをさせていただきたいことがあります。

 私どもが進めている社会保障制度改革は、決して、高齢者の皆様から必要な医療を奪ったり、あるいは特定の世代を冷遇したりするためのものではありません。子供から御高齢の方まで、全ての国民が将来にわたって必要な医療あるいは福祉を安心して受け続けられる持続可能な制度を守り抜くための、そういった改革でございます。それを支える土台である現役世代が押し潰されてしまっては、社会保障制度そのものが成り立たなくなってしまいます。だからこそ、年齢にかかわらず負担能力に応じて支え合う真に公平な制度へと切り替えて、現役世代の負担を軽減するということがどうしても必要だというふうに考えております。

 今回、自民党さんとそして日本維新の会が膝を突き合わせて取りまとめさせていただいた合意骨子は、令和八年度中に具体的な制度設計を行って、そして順次実施していくという、極めて具体的な制度の方向性を示した合意でありました。定めた政策目標に沿って着実に制度改革を実行し、この効果を毎年度検証し、必要な改善を重ねていく。この実行と検証のサイクルこそが、これまでの政治に欠けていた大事な政策の観点であり、今こそ私たちが果たしていかなければならない政治の責任だと考えております。

 日本維新の会とそして高市連立政権は、現役世代の負担軽減と社会保障の負担の軽減を図って、社会保障制度の持続可能性を確保していく、そういった我が国最大の構造改革に取り組んでいくことから決して逃げてはならないというふうに考えております。今後とも、高市総理とともに、そして自民党の皆様とともに、様々議論をさせていただきながら改革を着実に前に進めていく、そして、現役世代の社会保険料率を下げて、負担を下げていくというところに全力を注いでいきたいと考えておりますので、その決意を申し述べて、本日の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて斎藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友慎治でございます。

 まずは冒頭、食料品の消費税減税について総理に伺いたいと思います。

 消費税減税や給付つきの税額控除について議論をするために政府と与野党が設置した社会保障国民会議の初会合が行われたのが二月の二十六日でございました。今日までに約五か月にわたりまして実務者協議が二十回、そして有識者会議が六回開催されました。

 この間の議論で決まったこと、取りまとめられたことは何かということをまずは総理に確認をさせていただきます。

高市内閣総理大臣 税、社会保険料負担や物価高に苦しむ中所得、低所得の方の負担軽減が現下の重要課題であり、これをできる限り早期に実現したいとの観点から、実務者会議におきまして、給付つき税額控除を改革の本丸とし、飲食料品の消費税率については、その実施までのつなぎと位置づけ、給付つき税額控除への移行を見据えて検討を進めていただいております。

 現在、社会保障国民会議の実務者会議においては、中間取りまとめ案が提示されて、取りまとめに向けた調整が進められているところだと承知をいたしております。政府としては、今後取りまとめられます中間取りまとめを踏まえて、適切に対応してまいりたいと存じます。

長友委員 総理からあったように、取りまとめに向けて調整をされているということなんですが、聞き及ぶところによると、決まっていることはそんなに多くないと受け止めているところでございます。

 まずは、食料品の消費税をゼロにするということに関しては、ゼロが難しいので一%にしていく案、そして、それに対して、所得に連動したきめ細かな給付を令和九年度に導入するというようなことが聞こえてきているわけでございます。二十回の実務者会議、そして有識者会議を六回やった上で、中間取りまとめで示されたのは主にその二つ。そして、それ以外には、野党の方からいろいろな懸念点が示されているという状況でございます。二十回やって、いろいろな懸念点に対する議論が私はもっと深まっているべきではないかというか、それを期待していたんですけれども、なかなか現実はそうなっていないという状況で、協議は停滞をしていると言わざるを得ないんじゃないかというふうに思います。

 与党は、月内に示す中間取りまとめで一%案に加えて野党の意見も併記して、これはもう話合いは事実上打ち切る方向で調整しているというふうな報道も目にいたしました。最終的な判断は高市総理の政治決断に委ねられる、そのような状況でございますので、総理のお考えというものを是非述べるべき状況ではないかと私は思います。これから、食料品の消費税減税に対する懸念、幾つかございますので、これはもう国民会議で議論して結論を得るという段階ではございません。総理のお考えを是非述べていただきまして、国民の皆様に安心していただけるような答弁を求めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 今国会が始まってすぐの二月二十五日の衆議院本会議で、我が党の玉木代表が、飲食料品の消費税ゼロについて、十の課題について代表質問をしました。そのうち、いまだ具体的な姿が見えていないものについてこれから御質問させていただくわけなんですけれども、十、今示されております、皆様のお手元には資料がございますが。実施時期につきましては、これまでに令和九年四月一日から二年間というふうに御説明をいただいております。また、8番の二年後に戻せるのかという質問に関しては、このときには、二年後に戻すというふうにも回答をいただいております、党首討論で先日明言をされました。ですので、4の飲食店や農家の対策というところから総理の見解を伺っていきたいと思います。

 飲食料品の消費税を一%に引き下げる案に対して、農家や飲食店への影響が懸念されていることは周知のとおりでございます。売上げの少ない小規模農家は、実質的な収入、手取りが減るおそれがあります。また、統計によりますと、農家の八割以上が、七十万経営体ぐらいありますけれども、売上高一千万円以下の免税事業者になっております。免税事業者は消費税の納税義務が免除されていますので、食料品の消費税が一%とかになっていくと、これまで農産物の販売価格に上乗せしていた消費税を受け取れなくなる一方、農家の皆さんは肥料や飼料の購入時に支払う額はこれまでどおり一〇%、消費者向けの価格は下がっても農家の利益は減るということになります。

 事業者や農家には仕入れ税額の還付制度が必要不可欠だというふうになりますけれども、その際、還付の申告書や明細書の作成など、増える事務負担に対してどのような支援を行うのか、さらには、還付を受けるまでの資金繰り対策としてどのようなことを考えているのか、是非、総理の見解を伺って、農家の皆さんを安心させていただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 委員からそのようにおっしゃっていただいたんですけれども、ただ、社会保障国民会議の実務者会議に議論をお願いしており、間もなく取りまとめをしていただけるということでございますので、その結論の先取りをすることはできません。ただ、検討すべき課題については、随分たくさん社会保障国民会議で御議論をいただき、そして網羅をしていただいたと思っております。

 農家や飲食店への影響とその対応につきましては、六月二十六日に示された社会保障国民会議の実務者会議による中間取りまとめ案において、仕入れ税額控除の還付が受けられない農業従事者等については、現場の納得感のある対応を検討する、外食産業を含めて、影響を見極めた上で、過去の様々な支援策を参考としながら、資金繰り支援等のための予算措置を検討することが盛り込まれていると承知をいたしております。

 結論を先取りできませんので、その状況をよく見守ってまいります。

長友委員 結論を先取りできないということはこれまでも御答弁いただいておりますので、そういう御答弁が返ってくるかと思うんですが、もう結論を出さないといけないタイミングになっているということは皆さん分かっているわけです。総理がどういうお考えなのかなということを是非知りたいというのが国民の皆様の思いだと思います。これから御決断いただいて、閣議決定して、また自民党の税調の中で話合いという段取りが組まれると思いますが、先ほど御指摘いただいたように、現場の納得感がいくように、また、過去の施策含めて影響が出ないようにということは切にお願いをしておきたいと思います。

 これは全部聞いていっても、先取りしないということになると成り立たなくなるんですけれども、でも、聞かせていただきますね。

 外食離れの対策ということも現場の納得感が大事だと思うんです。だって、農家さんだけじゃなくて、飲食店をやっている方々からすれば、これまでは一〇%と八%で、二%の差の中でテイクアウトするのかイートインするのかと選ばれていたわけですけれども、仮に一%になった場合は九%の差が開くわけで、外食サービス業、そして飲食店を経営されている方からすれば死活問題なんですね。コロナで客離れしたというところで、やっと戻ってきたというような矢先に、また食料品の消費税のみゼロにするということによって、外食産業のことはどう考えているんだという声が私のところにもたくさん集まっております。

 総理も外食されることもあると思うんですけれども、そのような影響に対しても、総理としての思いと、対策はちゃんとするということは、安心させていただきたいので、一言でもいいのでコメントをいただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 外食産業に与える影響として、実務者会議におきましては、例えば、内食と外食の税負担の差が拡大することで外食の売上げに影響を及ぼし得るといった課題が指摘されていることは承知しております。

 その上で、六月二十六日に示された社会保障国民会議の実務者会議による中間取りまとめ案におきましては、外食産業を含めて、影響を見極めた上で、過去の様々な支援策を参考としながら、資金繰り支援等のための予算措置を検討するということが盛り込まれていることは承知しております。

 まだ飲食料品の消費税減税の実施に向けて検討すべき課題及びその方向性の結論をいただいているわけではございませんので、まだ調整が進められると考えておりますので、その状況をよく見守ってまいります。その上で、御心配のないように政府としては対応するということを申し上げておきます。

長友委員 総理、ありがとうございます。

 今、外食産業の皆様もこの中継を見ておられると思うんですね。総理がそういうふうに言っていただいたことを受け止めて、信じていただいておりますので、必ず御対応いただくことをお願いしたいと思います。

 6の簡易課税のことを、ちょっとテクニカルな部分なので、これも説明を含めて御質問だけさせていただきたいと思います。

 農水省によると、売上高が、先ほどは一千万円以下、免税事業者の話をしましたけれども、今度は、一千万円超から五千万円以下の農家の数というのが十万経営体ぐらいあるんですが、その多くが簡易課税者になります。

 簡易課税は、事務負担を軽減させるために、売上げで受け取った消費税に業種ごとに決められたみなし税率を掛けて簡易に計算しているわけですが、農業の場合は八〇%となっています。そうなると、簡易課税制度を利用する農家では、売上げに係る消費税額が激減しまして、みなし仕入れ率を掛けても仕入れ税額の控除額がほぼゼロになって、実際の仕入れ時に支払った一〇%の消費税が控除できず、大きな負担増し、損が出る、そのおそれが指摘をされているところです。そうなると、本則課税、インボイスを導入して課税事業者に切り替えるか、あるいは販売価格にコストを上乗せして実質の値上げをするか、若しくは自腹を切るしかない、そういう選択肢になってくるわけです。

 簡易課税を選択している事業者への影響、これも対策が必ず必要だと思います。

 これまた質問しても同じ答弁になってくるかと思うんですけれども、農業の皆様に対する配慮というものを是非お願いいたします。でなければ、免税事業者にとっても簡易課税事業者にとっても、今回の消費税減税が離農促進減税と言われかねないというふうに心配をしておりますので、決してそういうふうにはしないと、総理、是非心からお願いをしたいと思います。

 こういう事例は、日本だけじゃなくて他の国でもあるんです。食料品の消費税をゼロにしている。この問題にどう対応しているのかということを調べてみましたところ、生産資材の税率を下げる国というのが幾つかあります。二つ目に、農家の税負担を軽減する国。大きく分けると、この二つの方法で対処しています。

 例えば、食料品の消費税を約二年間ゼロ%にしたポーランドでは、肥料などの税率も同時にゼロにしました。カナダでは、恒久的に食料品と農業資材の税率をゼロにしています。また、フランスでは、売上高が少ない免税事業者の農家に見積り還付制度という特例措置を設けています。簡易的に見積もった仕入れ税額を農家に還付する仕組みで、還付額は食料品の販売価格にみなしの仕入れ率を掛けて計算をしている。イギリスでは、農家の収入減を補う定額加算措置を設けています。農産物の代金に四%の追加料金を上乗せして販売できるようにする仕組みということで、還付と異なって、国による税負担や農家の申告手続が不要なのが大きな特徴ということになっております。

 日本の農業者は今でも高騰する生産資材の消費税相当額を農産物の価格に十分転嫁できていませんから、今回の食料品の消費税減税がどういう方針で行われるのか、その影響を受ける農家に対する手当てを考えているのか、本当にすぐにでも知りたいと私の地元の生産者からも言われています。是非一日も早く総理や農林水産大臣から方向性や今検討していることをお示しいただきたいと思うんですが、この件について総理若しくは大臣から御見解を伺うことは可能でございますでしょうか。

高市内閣総理大臣 簡易課税を選択しておられる農家の方々に与える影響として、実務者会議においても、例えば、簡易課税制度では消費税額の還付が想定されていないが、還付を受けるためには事務負担が生じるといった課題が指摘されていることも承知をいたしております。

 また、中間取りまとめ案においては、仕入れ税額控除の還付が受けられない農業従事者等については、現場の納得感のある対応を検討するということが盛り込まれていると承知をしております。

 今後、中間取りまとめに向けた調整が進められますので断言はできませんけれども、今委員から随分各国の対策についてお話がございました。参考になりました。飲食料品の消費税率について現段階で結論が出ている状況ではないですけれども、高市内閣は、危機管理投資として食料安全保障をしっかりと打ち出しております。そんな中で、農家が生産を続けられなくなるというようなことがないように対応していく、これはどんな場面であってもです、対応していくということをお誓いいたします。

長友委員 総理から、農家の皆さんが生産が継続できないようなことにはならないように対応するというお言葉をいただきましたので、しっかりこれからの議論、また注目しておきますので、是非早い段階での安心できる材料をお示しいただきたいと思います。

 資金繰りのことも先ほどから御言及いただいておるんですが、資金繰りのために融資いただくのはありがたいことなんですけれども、もし、結局それにまた利子が発生すると、農家の皆さんからすれば、何で利子を自分たちで負担しないといけないんだということも声が聞こえてきておりますので、その利子の部分も、むしろ先に利子を農家の皆さんに給付する、もしそういうことになるのであればですよ、そういうことも現場の声を聞いて検討していただくことが必要ではないかということも併せて申し上げたいと思います。

 この一覧表の中で、7の三つの税率で複雑化というところをお聞きしたいと思っております。

 これは国民会議で議論することではなく、いわゆる税の三原則である公平、中立、簡素の質問になりますので総理の見解を伺いたいのですが、消費税率が一〇%、八%、一%の三つになれば、インボイスが不可欠となると同時に、事業者の事務は更に複雑化することは避けられません。消費税率一〇%、八%、一%の三つの税率が混在する税制が、税の三原則である公平、中立、簡素と言えるのか、総理の見解をお伺いさせてください。

高市内閣総理大臣 まず、飲食料品の消費税減税については、国民会議の結論は先取りしません。

 その上で、仮に飲食料品の消費税率一%への引下げを行った場合でも、例えば、八%の税率が適用される新聞というのは定期購読のものに限られますね。小売店で店頭販売される新聞の税率は一〇%でございます。そうしますと、例えば、飲食料品も新聞も販売するスーパーマーケットなどの売上げに適用される税率というのは、引き続き二種類のままでございます。新たに税率が三種類となる場面というのは限定的であろうと思います。

 今回の中間取りまとめ案では、消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進を図るということが案として盛り込まれておりますが、私自身も、玉木代表にお答えしましたとおり、将来、急な感染症や大災害などの際に、欧州のように消費税率を柔軟に変更できるシステムをこの際構築しておく必要があると考えてまいりました。こうした点を踏まえれば、御指摘の公平、中立、簡素の原則に必ずしも反するものではないと考えております。

 いずれにせよ、今は国民会議の御議論をお願いしておりますので、その状況をよく見守ってまいります。

長友委員 この公平、中立、簡素の原則については、私は税理士さんから指摘を受けました。税をふだんから現場で扱っている皆様が、これは公平、中立、簡素と言えないよねというふうにおっしゃっておりますので、そこは是非、現場の皆さんとも対話をいただいて、国民会議での結論を得るようにしていただきたいなというふうに思います。

 財源のことも、やはり触れなければいけないと考えております。

 9番の地方消費税の減収補填ということでございますが、消費税を減税すれば地方消費税分の税収が減ります。地方自治体が行っている子育てや介護サービスなどの停滞を招かないように、国による減収の補填を行うつもりがあるのかどうか、この点をお伺いをいたします。

高市内閣総理大臣 地方消費税を含む消費税は、約四割が自治体の税財源となっております。地方財政への影響についても社会保障国民会議において議論が行われており、中間取りまとめ案においては、地方の財政運営に支障が生じないよう適切に対応することが盛り込まれていることも承知をしております。

 なお、消費税を減税した場合の地方消費税分の減収分について議論をするということであれば、御党から御提案いただいております住民税の減税についても、同様に、地方財政への影響をどう考えるかといった検討も必要かと思います。

 いずれにせよ、結論は先送りできませんけれども、どのような形が一番いいのか、互いにぎりぎりまで知恵を出し合っていきたいと思っております。

長友委員 ありがとうございます。

 住民税の減税、控除についても触れていただき、ありがとうございます。

 総理が御指摘いただいたように、七月十五日の党首討論で我が党の玉木代表がお伝えをさせていただきました、これはパネルを替えたいと思います、住民税、所得税を減税すると同時に社会保険料の還付を行って、現役世代が多く負担する税、社会保険料を年間五万円軽減するという社会保険料還付つき住民税控除という提案をかねてからさせていただいております。

 これは、二年間の食料品の消費税をゼロないし一%にしたときと比較したときに、減税額、二年間限定の飲食料品の消費税減税だと、年間フルだと四万円ぐらい、一%だけ給付することになると年約三・六万円、財源にしては年約四・三兆円程度、開始時期が来年四月ということで整理ができております。一方、私たちが御提案している社会保険料の給付つき住民税控除、私たちが考えるに当たっては、減税額は年約五万円程度、そして財源も二・五兆円程度で済むという試算ができております。そして、年内にでも今の制度を活用してできますので、すぐにでも国民の皆様に物価高対策として減税を行うのであれば、社会保険料還付つき住民税控除、こちらの方を、もし国民会議で消費税減税が、食料品の減税がまとまらないようであれば、やるべきだと思いますし、総理の改めての見解を伺いたいと思うのですが、お願いできますでしょうか。

高市内閣総理大臣 御党との間で、中所得、低所得の方の税、社会保険料をトータルで見て早期に負担軽減を図るといった方向性については、共有できる部分が多いと考えております。

 一方、所得税において、御党との合意を踏まえて講じられた基礎控除の引上げによる負担軽減策の考え方との関係がございます。今まさに、今年の年末、お一人の勤労者当たり三万円から六万円減税ということになりますので、システム構築とかいろいろな作業をしているさなかでございます。

 それから、住民税における地域社会への会費としての性格ですとか地方財政への影響ということも、お互いに考えなきゃいけないと思います。飲食料品に係る消費税、仮に一%という場合、これは、地方消費税分、それから地方交付税分、法定率の中で消費税に関係するものを足して約一・六兆円になります。仮に、住民税の控除拡大ということで、仮にですが、基礎控除額を五十万円引き上げたような場合には地方の減収が約三兆円となりますので、この辺りをどう考えていくか、地方財政への影響をどう考えていくか、あとは社会保険制度における給付と負担のバランスをどう考えていくか、そういった課題を整理していかなきゃいけないと思います。

 社会保険に関しましては、保険者というのはすごくたくさんあります。税務部局がその情報を全部持っているわけではございませんので、どのように連携していくかというようなことにつきましても整理が必要かと思っております。

 とにかく、党首討論で玉木代表にも申し上げましたが、飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化、つまり年間約五兆円の負担軽減について、十分性、迅速性などの観点から、いかなる方法が国民の皆様にとって最適な負担軽減方法かということについて、これは最後の最後まで共に知恵を出し合いたいと思っております。

長友委員 総理からも前向きな御答弁もいただいているところでございますが、本当に国民の皆様は、消費税の減税がどうなるのかということを見守っていて、やきもきされているんですね。聞くところによりますと、国民会議、これから取りまとめられて、その決断は総理が政治決断をされる、その後に閣議決定されるということで聞いております。まだまだ懸念点が明らかになっていない、また、いろいろな議論、明らかにしていくことが必要だと思います。

 委員長に是非お願いしたいのが、この閉会中にも予算委員会で消費税減税の審査をしていただくことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

坂本委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

長友委員 ありがとうございます。

 次に、米の生産、また備蓄米の買戻し等についての質問をさせていただきたいと思います。

 お米を生産いただいている農家の皆さんの中には、早場米、早期米を作っている方がいらっしゃって、私も、つい先日、早期米の新米をいただいてまいりました。

 宮崎なんですけれども、地元のJAみやざきが二〇二六年産の早期米を集荷する際に農家に前もって支払う概算金につきまして、これは公表はされているわけじゃないんですけれども、関係者の皆様からお聞きさせていただきました。つまり、昨年より四割安い、玄米六十キロで約一万八千円が提示をされているという状況でございます。ちなみに、昨年は三万二千円だったところが一万八千円になっているという状況でございます。

 昨年の米の買取り価格が高かったので、やっと黒字になった。生産者にとっては、今年の買取り価格が下がるとまた赤字になるということになります。二度と令和の米騒動のようなことが起きないように、生産者と消費者両方に目配りしていくことが政府の役割だと思いますが、目下の米の値段とこれから出てくる新米の価格に総理はどのようなお考えをお持ちかということで、見解をお伺いさせてください。

高市内閣総理大臣 確かに、委員のお地元、早場米でございますね。

 米の価格ということについては、マーケットの中で決まっていくのが大原則ですが、生産者の再生産が可能で、かつ、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくということが重要だと考えております。このために、需要拡大とともに供給力も拡大することによって米の安定供給を図りながら、食料システム法に基づいて、生産、流通に要するコストの見える化を通じて、生産者と消費者の双方の理解が得られる価格が形成されるということを期待しております。

 詳細が必要でしたら、農林水産大臣から答弁をさせます。

長友委員 総理からは消費者と生産者両方にということではございますが、今現在、生産者の皆さんからすれば、今度、本格的に秋の収穫後に出てくる新米の価格が非常に気になるわけなんですね。そこに大きく影響を及ぼすと思われるのが政府備蓄米の買戻しのタイミングでございます。

 鈴木農林水産大臣に伺いたいと思いますが、政府備蓄米の買戻しのタイミング、大臣はどのようにお考えか、見解を伺います。

鈴木国務大臣 政府備蓄米の買戻しについてでありますけれども、これまで、衆議院、参議院の農林水産委員会においてもたくさんの委員の皆様から御質問いただいているほか、自民党からも政府備蓄米の早期買入れ、買戻しについて要請をいただくなど、皆様から様々な御意見をいただいておるところであります。

 この買戻しにつきましては、主食用米の販売動向や民間在庫の状況、非主食用米を取り扱う事業者の原料米ニーズの状況、そして各産地の作付意向などのデータを見ながら、米の基本指針に沿って、今後の需給状況や販売動向等を見定めた上で、適切に判断をさせていただきます。

 いずれにしても、百万トンの水準に備蓄を回復をしていくということ、その方針に変わるものは全くございません。

長友委員 改めて大臣、もう一つ質問します。

 この今です、今、消費者側に立つのか、生産者側に立つのかという意味では、大臣はどのような御見解でしょうか。

鈴木国務大臣 先ほど総理からも御答弁ありましたけれども、大切なことは、生産者にとっては再生産が可能な状況であり、また、それについて、食料システム法も含めて、消費者の皆さんからも一定の御理解をいただかなければならないというふうに思っております。

 当然、私は農林水産大臣でありますから生産者側の視点に立ちますが、一方で消費者でもありますから、そのバランスをよく考えながら適切に判断させていただきたいと思います。

長友委員 全国の米の生産者だけではなくて、米の販売や小売事業者からも、政府備蓄米の早い、早期の買戻しが期待されております。そういう声は当然集まっておりますし、私のところにも来ているわけですが、新米が出てきたら、今ある令和七年産米がもう古米になりまして相場が下落しますから、タイミングが非常に大事だと思いますので、御決断をお願いしたいと思います。

 最後に一問。皆様のお手元にも資料を配らせていただいておりますが、熊本県の二〇二〇年九州豪雨の件について、金子国土交通大臣に質問させていただきます。

 これは、新聞の記事、それから資料があるかと思いますが、二〇二〇年の九州豪雨の被災者のかさ上げ工事に係る国土交通省と住民の皆様のトラブルについて報じた記事でございます。

 国土交通省が、球磨川の流域で進める宅地のかさ上げ事業の対象地区住民に対して、家屋を解体、再建する補償金にかかる所得税の算定方法を誤って説明をしてしまったことで、いまだに住民の皆様が救済されていません。課税対象は補償金から解体費と再建費を除いた額と説明資料にも書いてあると思いますが、八代河川国道事務所が説明した後に、実際は解体費のみを差し引いた額が対象であったということが問合せで判明をしております。

 八代河川国道事務所の担当職員も誤りを認めていますが、物価高で建設費が上昇して、対象者には年金生活者も多い状況です。中には、補償金の三割を納税した人もいると聞いております。特に、坂本地区、坂本町で自宅の再建を目指す方から直接聞きましたけれども、このままでは地域の再建が進まない、補償金による所得増大は一時的なものなので払えない、そういう切実な訴えも届いております。

 この件につきましては、金子国土交通大臣のお地元でもございますので、どのように解決するおつもりか、見解を伺います。

金子国務大臣 長友委員にお答え申し上げます。

 私の大臣就任前であったんですが、六年たちました令和二年豪雨災害に関する宅地かさ上げ事業におきまして、八代河川国道事務所の補償金に対する課税の説明に誤りがあったことは大変遺憾に思っておりますし、国土交通省として深くおわびを申し上げたいと思います。

 地権者の方々からのお声は、私もよく存じ上げている方でございますので、お手紙をいただいたり、あるいは私の事務所にも来ていただきまして、疑問、それから不安、そして怒り、そういうお声をいただいているところでございまして、私も、大臣になってすぐ帰ることができませんでしたものですから、また技術的なものもございましたので、すぐ、九州地方整備局の責任者であります河川部長、用地部長、地元の八代河川国道事務所長に対して早急に誠心誠意おわびと説明をするよう指示をし、地権者の方と面会をさせていただきました。

 先ほどありましたように、私自身も発災当時から現場に何度も何度も参りました。被災者支援、それから復旧復興についても、被災地に寄り添いながらしっかりやってきたつもりでございました。その災害の甚大さ、被災者の方のお気持ちというのは本当に痛いほど実感をしているわけでございます。被災された地権者の方が地域のために事業に御協力くださったにもかかわらず、想定外の課税が発生をし、何とかしてほしいとの気持ちは非常によく理解しているところでございます。

 いずれにしましても、国土交通省としては、いろいろ御指摘いただいた件につきまして、被災者である地権者の方々に向き合いまして、工事を進める中で、地権者の方々から寄せられた御要望に真摯に対応するなど、現状できることをしっかり行うことが必要であるということで、引き続き現場に誠心誠意応えるようにということをお答え申し上げたところでございます。

長友委員 もう時間がありませんので終わりますが、地権者の皆様は水害と納税で二重の被害を受けていらっしゃいますので、是非、金子大臣、直接お会いいただいて、説明をいただいて、誠意ある対応をお願いして、質問を終わります。

坂本委員長 これにて長友君の質疑は終了いたしました。

 次に、豊田真由子さん。

豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。本日もよろしくお願いいたします。

 今国会も終わりということで、副首都法案、国民会議、消費税、様々に心配な点はございますが、本日も多くの先生方が御質問されましたので、私からは冒頭一言申し上げて質問に入らせていただきます。

 総理、この連日の暑さ、これは本当に災害級でございまして、気温が四十度以上の酷暑が各地で更新されております。これは全ての国民の方の生活に甚大な影響があるわけですが、例えば産業面から見ても、農林水産業の作物の出来あるいは漁獲高にも影響がございます。そして、いろいろな産業がございますが、屋外での作業が中心となります建設や運送、警備、また製造業などの方は特に過酷な状況にございます。

 ここで、データを御覧いただきたいと思います。

 熱中症で亡くなられる方というのは確実に増えてきておりまして、二〇二四年の単年では二千百六十人ということで、二千人を超えております。その中で、救急搬送される方も昨年は十万人を超えました。今年、先週の七月十九日までのたった一週間で、既に救急搬送が一万人を超えているという状況でございます。そしてまた、その中で、亡くなられた方のうち八割以上が高齢者の方でございます。

 そして、東京の二十三区のデータでございますが、昨年亡くなられた方のうち九割の方が実は屋内、室内で亡くなられ、少なくともそのうちの八割の方がエアコンを御使用されていなかったということが分かっております。

 これは、単に電気代を補助というような単純な話ではないと私は思っておりまして、年金での御生活や、現役世代の方も収入が少なくて生活が苦しい、また、認知機能が低下したり暑さを自覚しにくい、お独り暮らしの方が増えている、こういった複合的な要因が非常に絡んでいる問題でございます。

 また、職場や学校における熱中症対策は国もガイドラインを設けておりますけれども、私は、もはやこの炎天下では運動をさせない、また作業をさせない、時期や時間をずらす、こういったこれまでの価値観や行動様式を大幅に変換していく、そしてそれを促す、国としての強力な戦略が必要ではないかと思います。

 公立の小中学校においては、エアコンの設置率はお教室では九九%ですが、体育館は、災害時の避難所となる場合も多いわけですが、まだ二割程度で、しかも、地域によってかなり大きな差がございます。国の補助も一部あるんですけれども、自治体の財政力ですとか優先順位によって子供たちや地域住民の方の安全に大きな差が生じている状況は全く望ましくないと思います。

 総理、この本当に過去に例のない暑さ、これはもはや気象や気候の問題ではなく、全ての国民の皆様の命と安全そして生活を守るという国家の一大事だと私は考えておりまして、これに対しての抜本的な、強力な対応を講ずるべきだと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 豊田委員の問題意識、とてもよく分かります。

 先週二十一日火曜日から連続で、複数の自治体で最高気温が四十度以上という酷暑日が観測されていました。熱中症への一層の警戒が必要な状況と認識しています。

 政府において今あるのは、令和五年に閣議決定した熱中症対策実行計画です。これは、高齢者や子供、学校、職場を含む横断的な熱中症対策を推進しています。

 この中で、国民の皆様への熱中症予防の呼びかけだけではなく、熱中症のおそれがある方の早期発見のための体制整備など職場における熱中症の防止対策の義務づけ、そして、暑さ指数に基づく活動中止を含む運動、スポーツにおける熱中症の事故防止に向けたガイドラインの作成、周知、そして、国庫補助や地方財政措置による学校の体育館等へのエアコン設置支援とあるんですが、これがまさに補正頼みの予算編成をやめようと私が最初に思い立ったきっかけです。

 エアコンの設置、教室では進んでいるが体育館はまだまだと。これは施設整備費ですね、本当だったら当初にきちっと積んでおけばいいものを、主にこれは補正で取ればいいというのがずっと続いてきましたよね。だから、これも、計画にはあるけれども、もっと進めなきゃいけない点です。それから、クーリングシェルターの活用促進、室内の気温に応じてエアコンを自動的に起動するシステムといった新しい技術の活用など、熱中症から命を守る仕組みの整備や行動の変容を促す取組も進めてはおります。

 しかしながら、委員がおっしゃったように、やはり年を重ねていくと、私の親も、介護が必要で、行ったり来たりしていた時期が私にもあったんですが、もう蒸し風呂のような部屋の中でエアコンをつけていない。何でと言ったら、全然暑くないと言うんですね。暑さを感じにくくなっている。あと、お風呂の温度が分からなくなって、やはり熱さが感じにくいというようなことで、途中から、部屋の温度が上がったら音が出るようなアラームをつけたりしていたんですが、やはりそういう対策も必要です。

 ですから、現在の対策の効果はもちろん検証してまいりますが、最新の知見や技術も取り入れながら、熱中症対策の実効性を一層高めなければなりません。近いうちに閣僚で会議体をつくろうかと今考えております。

豊田委員 ありがとうございます。是非、本当に災害だということで、多角的また抜本的な実効性ある対策をお願いいたしたいと思います。

 次に、子供や若者が直面するリスクについて考えたいと思います。

 楽しい夏休みは、一方で大幅に様々な危険が増え、また保護者の方の負担が増す時期でもございます。大人の目の届かないところで、水難事故などもございますが、人為的に、危険な場所や、知らない人たちと接したり、あるいはスマホを使う時間が増えることでゲームやネット依存、SNSを通じた性犯罪や闇バイトなどに巻き込まれるリスクも高まります。また、生活リズムが乱れ、孤立し、休み明けには不登校や自殺が増えるという大変悲しい実態がございます。

 大変残念なことですが、昨年の小中高生の自殺は統計開始以来過去最多となってしまいました。また、不登校の方は約四十二・二万人、これは小学生、高校生の約二%、中学生では約七%にも上ります。

 もはや、保護者や先生に、子供たちを見守ってください、また子供さんたちに、気をつけましょう、何かあったら相談してください、そう呼びかけるだけでは、この現代社会に潜む様々なリスクから子供たちを守ることはできないと思います。

 普及啓発や犯罪の取締りはもちろんのこと、本人や御家庭だけに責任を負わせるのではなく、子供の貧困対策、地域における見守りや居場所の確保、そして、ネットやゲーム、SNSなどについては、例えばオーストラリアやフランスなどでは、SNS利用に年齢制限を設けるといった法的、社会的規制を事業者に更に求めるべきだという動きが高まっております。また、リスクの高い内容については、AIなどによる検知、削除、警察への通報を求めるなど、より一層の実効性ある強力な措置を講ずるべきではないかと考えます。

 また、様々な依存症、不登校、引きこもりの子供さんと親御さんは孤立を深めていきます。私もたくさん御相談を受けますが、子供にどう接したらよいのか、どこに相談すればよいのか、専門的に対応できる医療機関というのも非常に数が限られておりまして、初診まで数か月かかるということも常態化しております。学校、あるいは医療、福祉、地域や時には警察にも助けを求めても、結局どうにもならなくて絶望の中にある御家庭というのは、もちろん御本人も含めて、日本各地にたくさんいらっしゃると思います。そして、これが、いわゆる八〇五〇問題と言われる、御高齢の親御さんと引きこもりのお子さんという問題にもまたつながっていくわけであります。

 総理、少子化対策、もちろんこれは極めて重要でございます。ただ一方で、既に今生まれ育ち、そして申し上げたような現代の様々なリスクに直面し、苦しみの中にあるお子さんや若者、そして御家庭を助け、支え、守っていくことが、日本国の今そして未来につながっていく、直結する課題であると私は考えます。

 これに関して、総合的また実効的な対策と総理の御決意を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 今、豊田委員から様々な課題について御指摘をいただきました。

 政府では、学校が夏休みに入る七月を青少年の被害・非行防止全国強調月間と位置づけて、青少年の被害、非行防止に向けた普及啓発などを集中的に実施しております。

 その上でですが、子供が安全に安心してインターネットを利用できる環境整備は急務だと考えています。多様なリスクから子供を守るために、G7の合意なども踏まえながら、事業者に対して、各サービスに内在する子供へのリスクに関する評価や、それに応じた保護措置の実施や公表を求めていくこと、子供たち自身や保護者のリテラシー向上に向けた取組を強化することなどについて、今まさに関係省庁が連携して検討しております。法改正が必要なものにつきましては、次期通常国会への提出を目指してまいります。

 ネット、ゲーム依存は不登校、引きこもりにもつながり得るという指摘もございます。これはまさに、未来を担う子供たちの育ちに関わる重要な課題と認識をしております。

 このため、ネットやゲームの使用により精神的な不調を抱える方に対しては、都道府県の精神保健福祉センターなどが相談支援を行い、必要に応じて医療機関につなぐほか、子供の支援機関や学校などとの連携を図っております。また、適切な医療を受けられるように、ゲーム行動症に関する知見の集積を進め、治療の手引を作成するための調査研究を実施する予定としております。

 さらに、必要な支援を行わなければなりません。市町村のこども家庭センターが、支援が必要な家庭の把握に努め、必要な組織や支援につなげるということとともに、いじめや不登校を始め、学校に関係する子供の多様な悩みや課題に対応するということも含めて、学校、教育委員会と首長部局、福祉、医療、保健等の専門機関など地域の関係機関のネットワーク構築を図る取組をしっかり推進してまいります。

豊田委員 ありがとうございます。

 国の宝である子供や若者を本当の意味で守っていくことが明るい日本の未来につながっていくと思います。是非よろしくお願いいたしたいと思います。

 残り七分で三問、駆け抜けたいと思います。

 中東情勢が再び緊迫をしておりまして、イエメンのフーシ派によるタンカー攻撃など、また世界のエネルギー輸送、国際原油市場に大きな影響がある中で、政府は、輸送ルートの混乱や供給制約が深刻化した場合に備えまして、最新の対応方針をお伺いをいたしたいと思います。

赤澤国務大臣 今月二十日に発出されたフーシ派軍からの声明についてなど、いろいろ動きがあることは承知をしております。本声明による影響について予断を持って申し上げることは差し控えますが、我が国としては、中東情勢が悪化していること、再緊迫化といいますか、深刻に懸念をしております。重大な関心を持って事態を注視しているところでございます。

 原油の調達については、足下では、中東や米国に加えて、アジア太平洋、中南米、中央アジア、アフリカからも原油が届いているなど、官民連携の下で代替調達に最大限取り組んでおります。民間の皆様の協力にも心から感謝をしております。八月についても、現時点で前年平月比約十割の調達にめどが立っております。

 今後も、代替調達を進め、備蓄の放出を抑えながら、エネルギーの安定供給の確保に万全を期してまいりたいと考えておりますし、引き続き、不安などに基づいて供給の偏りとか流通の目詰まりが生じることがあり得ますので、ここについても一つ一つ全力で解消していきたいというふうに考えています。

豊田委員 ありがとうございます。

 中東情勢は、全ての国民の方の生活にもまた甚大な影響がありますし、日本の産業を支える、原油由来製品を扱っていらっしゃる事業者の方はたくさんいらっしゃいます。皆さん大きな不安の中におられますので、是非ここで政府の強力なパワーを見せていただきたいというふうに思います。

 そしてまた、この中東情勢や暑さもありまして、物価高が家計や事業者の方全てを圧迫しております。食料品などの生活必需品はもちろんのこと、エネルギー価格の上昇というのは更に国民生活に重くのしかかり、また、あらゆるスケールの企業体の方、小規模事業者の方も含めて、価格転嫁もできない、賃上げもままならないといった苦境に陥っております。

 政府は燃料油や電気・ガス料金の補助などを行ってきていらっしゃいますけれども、この情勢が不安定な中で、更に家計負担の軽減、賃上げ環境の整備といった国民生活や事業活動を徹底的に守っていくための総合的な物価高対策について、大臣にお伺いをいたしたいと思います。

城内国務大臣 豊田委員にお答えいたします。

 政府の物価高対策としましては、賃上げが物価上昇を上回る状況を実現することが重要であり、政府としては、事業者の皆様に丸投げせず、継続的に賃上げができる環境を整備するために全力で取り組んでまいりました。

 その上で、高市内閣は、物価高に対して、後回しにせず、スピード感を持って最優先で取り組み、一世帯、夫婦子二人当たりですが、標準的に年間八万円を超える支援を盛り込んだ昨年の経済対策や令和七年度補正予算の早期執行、また、公定価格に経済、物価動向等を反映させた令和八年度予算の執行、さらには、今般の中東情勢を受け、本年三月から緊急的激変緩和措置による、ガソリン価格を全国平均で一リッター当たり百七十円程度に抑えるための補助を開始しております。また、同様に、軽油、灯油、重油も同様の補助を行い、公共交通機関そして農林水産業などを支えております。

 このような様々な支援策の政策効果もございまして、G7で最も低いインフレ率、前年比一・七%、そしてG7で最も高い実質賃金上昇率、前年比二%程度、これらを実現することができております。

 さらに、この夏、七月―九月の標準的な家庭で三か月で五千円程度の電気・ガス料金支援の実施、今年十二月の年末調整では納税者一人当たりの三から六万円の所得税減税もあるほか、今後の万全の備えのため、中東情勢等対応予備費二・五兆円の創設を含めました令和八年度補正予算の編成など、必要な対応を行っております。

 引き続き、中東情勢が物価動向や経済に与える影響を注視し、必要なときにはタイミングを逸することなく、国民の皆様の暮らしや経済活動に影響がないよう、高市総理の御指示の下、関係閣僚とも緊密に連携してしっかり対応してまいります。

豊田委員 ありがとうございます。

 暑い、生活が苦しい、買いたいものが買えない、こうした中で、国民は将来に希望を持つことができません。ここは是非、積極財政でがんがんと投資をしていただいて、国民を守り抜き、そして国を成長させていただきたい。私どもも一丸となって御一緒に頑張ってまいりたいと思っております。

 最後に、物価高の影響は、医療、介護、福祉、公定価格の分野にも強く及んでおりまして、今、病院の六割、また介護老人福祉施設の四割が赤字でございます。

 日本の社会保障は、現場の方の苦労で、並大抵ではない努力で成り立っております。働く方とケアを受ける方、御家族、全ての方の幸せのために、報酬改定もございます、抜本的な経営支援、また施設の修繕や建て替えなどの国としての強力な支援を是非ともお願いしたいと思います。厚労大臣、お願いいたします。

坂本委員長 厚生労働大臣上野賢一郎君、申合せの時間が迫っております。簡潔に答弁をお願いいたします。

上野国務大臣 まず、経営の安定につきましては、骨太の方針も踏まえまして、医療分野では、一定の場合には、令和九年度予算編成において加減算を含む必要な対応を取ってまいりたいと考えております。また、介護、障害福祉分野では、まさに定例改定でありますので、物価変動に適切に対応し、他職種と遜色のない処遇改善の実現を図っていきたいと考えております。

 また、施設整備等につきましても、老朽化、災害対策等を含む地域に不可欠な施設の計画的な整備を強力に支援をし、全体として医療、介護等の強力な支援を進めていきたいと考えています。

豊田委員 ありがとうございました。

 九年ぶりの国会質疑、是非、皆様と一緒に、これからも国益と日本国民のために頑張ってまいりたいと思います。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて豊田さんの質疑は終了いたしました。

 次に、峰島侑也君。

峰島委員 チームみらい、峰島侑也です。

 本日は、お時間をいただきまして、ありがとうございます。

 まず、私は、今回、国民会議が開催されておりますが、ここで議論されている、いわゆるつなぎの物価高対策についての質問から始めさせていただきたいと思います。

 私自身、社会保障国民会議の参加者として、第一回から約二十回、本日午後は恐らく二十一回目だと思いますが、参加をさせていただいております。

 本丸である給付つき税額控除、今これは所得に連動したきめ細やかな給付という名前になっておりますが、こちらは各党から引き続きいろいろな意見が出ておりますが、一方で、一定取りまとめに向けて合意形成が図られているというふうに理解をしております。ただ、一方で、つなぎ施策については、各党合意に至るという気配が正直ないという状況になっております。

 そういった中で、議長案としては、食料品消費税の減税七%分と、あとは一%分の給付という組合せが提案をされております。しかし、この食料品消費税減税に多くの課題があることは、これまで社会保障国民会議の中で有識者からも指摘をされてきましたし、実務者会議の参加者からも指摘をされてまいりました。

 特に、チームみらいが問題視をしているのが四点です。

 まず一つ目は、非効率性にあります。この非効率性というのは、減税した分物価が下がるわけではなく、実際、他国の例を見ても、減税分の半分ほどしか下がらないケースが多いこと。また、こちらについては、有識者からも、消費税減税賛成の方からも、七割下がればいい方だというような発言が実際にございました。

 また、二つ目が、逆進性になります。こちらは、恩恵が高所得者ほど高いということで、先ほど高市総理は国民民主さんの答弁で、中低所得者の支援が大切である、目下の課題であるというような御発言がありましたが、中低所得者に届くのは財源の三割から四割にとどまること。

 三つ目が、民間の負担です。こちら、既に高市総理も御認識されているとおり、レジ改修も必要になるほか、システム対応、そういった事業者の負担もございます。

 最後に、為替への影響です。今回、マーケットは、消費税を下げたらそれが戻せるというふうにはまだまだ認識されていないふうに思います。市場参加者から、更なる円安のリスクというところは、有識者会議でも指摘をされております。こちら、円安が進行すれば、エネルギーの輸入等に係る物価高、そういったものは更に進行していくことが予想されます。

 そういった中で、チームみらいは、国民会議の中で、対案として所得連動型給付というものを訴えてまいりました。この所得連動型給付は、一律給付ではなくて、所得に応じて、より所得が低い方に手厚く給付を行うというものになっております。

 以降、この所得連動型給付と、あと消費税減税、これを比較するような御質問をさせていただければと思います。国民会議で、あるべき結論についていまだ議論が交わされているという状態ではありますが、これは既に提示をされている二つの案の比較になるので、是非明確にお答えいただくことを御期待しております。

 まず、配付資料の方でお配りしております、こちらのパネルにも写しております、世帯年収ごとの恩恵額イメージを御覧いただければと思います。

 こちらは、食料品消費税減税とチームみらいが主張している所得連動型給付を比較したものになっておりますが、これを見ていただければ一目瞭然であるということが分かるかと思います。低所得の家計ほどより手厚く、所得連動型給付だと渡せる。一方で、食料品消費税減税については、より高所得の世帯の方が恩恵額が大きいという問題がございます。

 このグラフを前提にしたときに、中低所得者に対する支援として、明らかに私は所得連動型給付の方が手厚いだろうというふうに思いますが、この点について総理の御認識をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 中間取りまとめ案における議長案には、所得に連動したきめ細やかな給付を本格導入するまでのつなぎとして、足下の物価高対策として、おっしゃっていただいたとおり、全所得階層に負担軽減が及ぶものの、所得連動型給付よりも早期に実施できる飲食料品の消費税率一%への引下げを先行させるとともに、中所得、低所得の現役勤労者に手厚く対応する観点も踏まえ、所得に連動したきめ細やかな給付の先行導入を組み合わせるといった案が盛り込まれていると承知いたしております。御指摘のとおり、確かに、消費税率を引き下げると全所得層に恩恵が及ぶということになります。

 そして、御党の御提案としては、所得連動給付を、既存のシステムなどを活用して、これまでお配りいただいていた資料でしたら、来年三月から実施できるというものだったと思うんですけれども。

 所得に連動したきめ細やかな給付、これは議長案でも先行導入予定とされておりますが、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用して令和九年度に導入することを予定していると承知しています。といいますのは、令和九年六月の住民税賦課決定後ということになりましょうから、その後ということで、来年の三月ということでの提案ではないんじゃないかなと思います。

 それから、こうした簡易な所得連動給付の実施までに必要な準備期間ですけれども、システムベンダーや自治体など関係者との調整も含めて、より精査が必要なんだろうと考えております。

 今、様々な御提案をお取りまとめいただいている最中かと思いますので、結論は先送りできませんが、やはり最終的には、中所得、低所得の方々について、重点的に、できるだけ早く負担軽減を図るべきだと思っております。

峰島委員 今、まさしくスピードのところ、どれくらいのスピードで実施ができるのかというところの御指摘がございましたが、チームみらいとしては、こちら、関係する官僚の方々ともヒアリングをさせていただきまして、七か月で過去、給付を実際に行っていて、今回、より、例えば、これまでなかったようなインフラの発達というところもありますので、七か月というところは十分に実行可能だろうというふうに考えていることと、あと、これは次の質問にも関わることなんですが、今回の議長案は、おっしゃっていただいたように、二つの組合せとなっております。食料品消費税減税を行うこと、これは事業者の負担がございます。また、一%分の給付を行うというところについては、こちらは行政の方の負担がございます。

 この二つの負担を引き受けることと比べると、所得連動型給付で、一つ行政の負担のみで進める方が、論理的には圧倒的に楽なんじゃないかというふうに思いますが、負担のことについてこの二案を比較したとき、総理としてはどのように御認識されているか、お伺いできますでしょうか。

高市内閣総理大臣 消費税率一%相当分の給付を先行導入するという議長案、これは、つなぎの在り方に関する各党からの様々な御意見を総合して、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現するものとして提示されていると理解しています。

 御指摘の事業者の事務負担ですけれども、これまで申し上げてきたとおり、社会保障国民会議の結論を先取りするわけではないですけれども、ただ、事業者における準備期間などを踏まえますと早期に方針を決定する必要がありますので、骨太の方針で、この中間取りまとめを踏まえて、八月上旬までに方針を決定することにしております。

 自治体の事務負担ということで考えますと、いずれにしましても、御党が提案されている、飲食料品に係る消費税でいいますと八%分の所得連動型給付案であっても、この給付に対応する自治体には事務負担が生じると考えられます。

 先行導入する場合の事務負担についても、これまで毎回のように異なる措置を講じてきましたよね、いろいろな内閣がいろいろなことが起きるたびに。そういうこれまでの経済対策とは異なって、本格導入との連続性にも留意して、政府としては、事務負担を最小化すべく全力で取り組むことが重要だと考えております。

峰島委員 ちょっと私のポイントを繰り返させていただくんですが、やはり、食料品消費税と所得連動型給付、どちらもやるというのは、明らかに所得連動型給付のみをやるよりも負担が大きいというふうに考えております。

 まさしく、おっしゃっていただいたポイント、次の質問にも関わるんですが、これはつなぎであると。本丸については、先ほど私が冒頭に申し上げたとおり、所得に連動したきめ細やかな給付をしていこうということを、今合意として取りまとめている最中なわけであります。

 それであるときに、このつなぎの施策というのも、当然、つなぎですから、本丸に対してしっかりとつながるものじゃなきゃいけないというふうに考えております。その意味で、所得連動型給付というのは、まさしく本丸で導入しようとしているものを先行導入していく。当然、完璧ではありません。例えば金融所得の把握であったりとか、そういった問題がまだまだございますが、しかし、本丸に対してしっかりとつながっていく道であるというふうに考えていますし、この投資というのは無駄にならない、将来に向かってしっかりと生かされていくものです。

 先ほど高市総理もおっしゃっていましたが、過去の施策を見ても、やはり給付は自治体の負担がどうしても大きかったということもありますが、今回このインフラをしっかりつくっていくことによって、そのような負担も将来的に向かって下げていくことができます。私が申し上げたいのは、これは単なる消費ではなくて、しっかりと将来に向かっていく投資になるというふうに信じております。

 そういった中で、例えば食料品消費税減税、こちらについては、事業者の方々が、税率、レジ以外もあります、レジにひもづくいろいろなシステム、そういったものを一度下げて、また二年後に上げる。ここに使われる費用というのは、これは投資にはならないというふうに考えております。

 そういったことから考えても、本丸へのつなぎという性格を考えたときに、より所得連動型給付が優れているのではないかというふうに私は考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。

高市内閣総理大臣 御提案の所得連動型給付でございますけれども、どうでしょう、既存のシステムを活用してということなら、ちょっと、来年の三月から実施するというのはなかなか困難に私には思えます。

 議長案で先行導入予定の、所得に連動したきめ細やかな給付というのは、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用して令和九年度に導入することを予定しております。先ほども申し上げましたが、令和九年六月の住民税賦課決定後ということですから、そこから取組が始まっていくということで、少しまた更に時間がかかるものであろうかと思います。

 簡易な所得連動給付の実施といっても、やはり、必要な準備期間というのは、システムベンダー、自治体などの関係者との調整も含めて、より精査は必要になると思っております。

 それで、飲食料品の消費税率一%につきましても、これは所得に連動したきめ細やかな給付を導入するのに合わせて、また将来、飲食料品の消費税率を元の税率に戻していくということが元々想定されていたかと思いますので、一定のつなぎとしての効果は期待できると考えられます。

 いずれにしましても、まだ国民会議で議論をお願いしておりますので、結論の先取りはできませんけれども、様々な御指摘、課題はしっかりと受け止めながら、やはり、十分性と迅速性、こういったものを重視しながら、私もしっかりと検討をしたいと思っております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 チームみらいとしては、この所得連動型給付は、既存のインフラを使うといったときに、使う情報も自治体が持っている所得の情報になりますし、また、実際にそれを給付していくという場面においても、今マイナンバー等も発達をしているという中で、しっかりここを整えていくこと、それでより早期に実現することが可能だというふうに考えています。

 少なくとも、総理のお考えとここの点については異にするところかもしれませんが、まさしく、じゃ、仮にここの迅速性という部分が解決できるのであれば、是非この所得連動型給付を一つ有力な案として考えていただきたいと思います。

 私自身、国民会議に参加する一人でありますが、やはりこのつなぎの部分というのは、八月頭という締切りをもってしても、なかなかこれは合意に至るのが難しいのではないかというふうに考えておりますので、最終的には総理の御決断が必要になる部分かとございます。

 また、自民党さんは、公約で、この食料品消費減税の国民会議での検討を加速するということを公約に掲げられているというふうに認識をしておりますが、まさしく国民会議で検討した結果、幾つかの案が出てきているという中で、やはりチームみらいとしては、この食料品消費税減税、非常に先ほど申し上げたとおりデメリットが大きい、結局、財源を使ったとしても、それが十分に国民に行き渡らないリスクがある……

坂本委員長 申合せの時間が超過しております。おまとめください。

峰島委員 そしてまた為替にも悪影響が出て、更に物価高を起こすリスクがあるということを懸念しておりますので、是非こちらについてはよくよく御検討いただきまして、党首討論で安野からも君子豹変すという話がありましたが、賢明な御判断を期待できればと思います。

 私からの質疑は以上になります。ありがとうございました。

坂本委員長 これにて峰島君の質疑は終了いたしました。

 次に、田村智子さん。

田村(智)委員 日本共産党の田村智子です。

 被爆八十一年が間もなくやってきます。被爆者の皆さんは、核兵器と人類は共存できないと命を限りに訴えておられます。

 ところが今、核威嚇、核軍拡競争とも言えるような動きが強まり、国連のグテーレス事務総長は、核使用の脅威はここ数十年で最も高まっている、今すぐ行動をと、こうした動きを止めることを呼びかけておられます。

 この五月、NPT、核不拡散条約再検討会議、成果文書の採択はできませんでしたが、条約に参加する百九十一か国のうち七割以上、圧倒的多数の国々が、条約第六条に基づいて核軍備の縮小、撤廃を、その約束を守れと核保有国に迫る力強い流れがつくられました。成果文書、最後まで奮闘された一人、中満泉国連事務次長も核廃絶を諦めないと決意を述べておられます。

 唯一の戦争被爆国の総理大臣として、この流れに立って、核軍備縮小、撤廃へと具体的な行動を起こすときだと思いますが、いかがですか。

高市内閣総理大臣 核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を主導するということは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命でございます。

 本年五月に開催されたNPT運用検討会議では、残念ながら成果文書は採択されませんでしたが、同時に、議論を通じて、締約国の間で核兵器不拡散条約の重要性とコミットメントを再確認する機会になったと認識しています。先ほど田村委員がおっしゃっていただいたとおり、これは貴重な機会になったと思います。

 日本としましては、今後も、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組を主導していく考えです。具体的には、長年にわたって多くの国から賛同を得てきた国連総会での核兵器廃絶決議や、核戦力の透明性の向上、さらには被爆の実相の理解促進といった現実的で実践的な取組を粘り強く進めていく考えでございます。

田村(智)委員 それでは、お聞きしたいのが非核三原則に向けた動きです。

 総理は、七月六日、参議院決算委員会で、非核三原則を見直して日本への核兵器の持込みを認めるべきではないかという質問に、あらゆる課題についてしっかりと議論の俎上にのせるという答弁を繰り返し、非核三原則を堅持するという表明をしませんでした。

 日本への核兵器の持込みを認める、これは、アメリカ軍が日本に核兵器を持ち込むことを認める、つまりは、日本をアメリカの核攻撃の拠点とすることを認めるということにほかなりません。断じて許すわけにはいきません。

 戦後、核軍拡競争、核の脅威が高まる、こういう局面は何度もありました。その下で、歴代政権は非核三原則の堅持を繰り返し表明し、国会も繰り返し決議を上げました。

 総理、核兵器の脅威が高まっている今だからこそ、被爆国日本は、非核三原則を堅持する、見直しはしない、表明すべきではないですか。

高市内閣総理大臣 政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持しております。これは何度も答弁をさせていただきました。

 その上で、持ち込ませずについては、二〇一〇年の民主党政権時代の岡田克也外務大臣による答弁を引き継いでおります。つまり、「緊急事態ということが発生して、しかし、核の一時的寄港ということを認めないと日本の安全が守れないというような事態がもし発生したとすれば、それはそのときの政権が政権の命運をかけて決断をし、国民の皆さんに説明する、そういうことだと思っております。」という答弁でございます。

田村(智)委員 堅持しているという答弁は繰り返されるんですけれども、堅持する、見直しはしないという答弁をされないんですね。

 今、安保三文書の改定による非核三原則の見直しへの懸念、これは地方議会の中でも本当に広がっていて、続々と非核三原則の堅持を求める意見書が採択されています。高市政権発足後、地方議会から衆議院にこの非核三原則の堅持を求める意見書の送付、百二十九件、これまでになかった動きなんですよ。急増しているんです。

 広島市議会、「核兵器を取り巻く国際情勢が一層厳しさを増す今日だからこそ、非核三原則は我が国と地域の安定を築く基盤として、今後も確実に守られるべきものです。」「被爆地広島は、被爆者の「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」との切実な願いを受け継いできました。」「非核三原則を堅持し、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命です。」こう書かれています。自民党議員を含む全会一致の意見書採択です。

 広島県議会、長崎県議会でも、同じように全会一致で非核三原則の堅持を求めています。

 総理、こういう意見書をどう受け止めますか。非核三原則、今後も堅持する、見直しを行わない、表明ください。

高市内閣総理大臣 政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持しております。

 先ほど三文書についてお話がありましたが、その改定については年末に向けて検討を進めておりますので、現時点でその具体的内容や表現ぶりについて予断することは差し控えます。

田村(智)委員 それは、見直しの議論を否定されないということですか。

高市内閣総理大臣 政府としては、非核三原則を政策上の方針として堅持をいたしております。

田村(智)委員 安保三文書の改定に向けてどういうことが検討されるのか、地方議会がこれだけ懸念しているんですよ。そして、非核三原則の堅持をと求めているんですよ。閣僚の中からも、もうタブーなく議論をなんという、そんな言葉さえ飛び出してくる、とんでもないことだと思います。

 今、周りの国が核軍拡をしているからと核兵器の持込みを認めるかのような議論、タブーなくやるんだという議論さえ起きている。しかし、こんな議論を行っていったら、核軍拡競争に被爆国が手をかすことになってしまいます。世界にどれだけの悪影響を与えるのか、このことを私は直視すべきだと思います。

 政府は、高市政権は、もう口を開けば、安全保障環境が厳しいとか、抑止力強化だということを言われる。そういう流れの中で、閣僚から、核兵器もタブーなく議論をということが飛び出してくる。しかし、そもそも軍事的抑止力とは、相手に恐怖を与えることです。しかも、核抑止というのは、いざとなったら核兵器を使うぞという恐怖です。恐怖を与えれば相手も恐怖で応える、恐怖対恐怖は軍事的緊張を高めてしまう、抑止が破られたときには核戦争がもたらされてしまう。日本を核戦場にするという危惧すらあるんですよ。

 だから、昨年の広島市での平和記念式典では、広島県知事がこういう表明もしています。「もし核による抑止が、歴史が証明するようにいつか破られて核戦争になれば、人類も地球も再生不能な惨禍に見舞われます。概念としての国家は守るが、国土も国民も復興不能な結末が有りうる安全保障に、どんな意味があるのでしょうか。」。

 こういう言葉をしっかりと受け止めて、私は、非核三原則の堅持、そして核兵器禁止条約に参加するということを表明して、八月の原爆の日を迎えるべきだと思います。いかがですか。

高市内閣総理大臣 我が国は、核兵器不拡散条約のメンバーでございます。これを重視しているということについては、お分かりいただいていると思います。ですから、持たず、作らずというのは当たり前のことでございます。条約を守らなければなりません。国際法として尊重しなければなりません。

 しかしながら、持ち込ませずについては、先ほど答弁申し上げたとおり、過去の岡田外務大臣の答弁を踏襲している、引き継いでいるということでございます。

田村(智)委員 それは、唯一の戦争被爆国としての歴史的使命を理解していない。

 安保三文書の改定に向けて、非核三原則の見直し、絶対許さない、立場を超えたその運動を広げていく決意を申し上げて、質問を終わります。

坂本委員長 これにて田村さんの質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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