衆議院

メインへスキップ



第31号 令和2年5月21日(木曜日)

会議録本文へ
令和二年五月二十一日(木曜日)

    午後三時開議

 出席委員

   委員長 高木  毅君

   理事 岸  信夫君 理事 赤澤 亮正君

   理事 丹羽 秀樹君 理事 大塚 高司君

   理事 武部  新君 理事 田野瀬太道君

   理事 手塚 仁雄君 理事 牧  義夫君

   理事 佐藤 英道君

      古賀  篤君    高村 正大君

      福田 達夫君    武内 則男君

      山井 和則君    塩川 鉄也君

      遠藤  敬君

    …………………………………

   議長           大島 理森君

   副議長          赤松 広隆君

   議員           井上 一徳君

   国務大臣         西村 康稔君

   事務総長         岡田 憲治君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十一日

 辞任         補欠選任

  武内 則男君     山井 和則君

同日

 辞任         補欠選任

  山井 和則君     武内 則男君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の区域変更の事前報告に関する件

 次回の本会議等に関する件


このページのトップに戻る

    午後三時開議(衆議院規則第六十七条の二による)

     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 この際、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の区域変更について、西村国務大臣から事前報告を聴取いたします。西村国務大臣。

西村国務大臣 各党の皆様におかれましては、政府の新型コロナウイルス感染症対策に御協力を賜り、御礼を申し上げます。

 本年四月七日に、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法第三十二条第一項の規定に基づき、東京都等の七都府県を対象とし、期間を五月六日までとして緊急事態宣言を発出しました。その後、感染拡大の状況等に鑑み、四月十六日に緊急事態宣言を実施すべき区域を全都道府県に変更し、五月四日に期間を五月三十一日まで延長することとしました。

 その後、感染の状況、医療提供体制、監視体制等を総合的に勘案し、緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められた地域については対象区域から除くこととし、五月十四日に、緊急事態宣言を実施すべき区域を全都道府県から八都道府県に変更いたしました。

 本日、基本的対処方針等諮問委員会を開催し、現時点までの感染状況、医療提供体制、監視体制等を総合的に勘案し、緊急事態宣言を実施すべき区域を北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県に変更する公示案について御了解をいただいたところであり、これを受け、この後、政府対策本部を開催し、公示案どおり緊急事態宣言の区域を変更したいと考えております。

 政府といたしましては、引き続き、今回の大きな流行を五月三十一日までに収束させるべく、都道府県とも緊密に連携しながら、全力で取り組んでまいります。各党の皆様におかれましても、何とぞ御協力をよろしくお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

高木委員長 ただいまの事前報告について発言を求められておりますので、順次これを許します。丹羽秀樹君。

丹羽委員 自由民主党の丹羽秀樹でございます。

 西村大臣におかれましては、お忙しい中御報告をいただきまして、本当にありがとうございます。

 持ち時間も限られておりますので、早速質問の方に入らせていただきたいと思います。

 先週、三十九県がこの緊急事態宣言から解除されましたが、それから約一週間程度の実態を見て、県境を越えた自粛の要請や、また不要不急の外出自粛などの呼びかけに、機能していると大臣は見ておられますか。また、解除される関西圏の住民に対して今後どのようなことを期待されるのか、今回の緊急事態宣言、特に関西圏が含まれておりますので、お答えいただきたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 この間、国民の皆様の本当に大変な御協力をいただきまして、新規感染者の数が減少傾向、そして大幅に少なくなってきている状況であります。国民の皆様に、改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。

 その上で、五月十四日に、先立って解除されましたそうした地域におきましても、例えば、五月十九日時点との比較で、愛知県の栄の駅であるとか、あるいは福岡県の博多であるとか、約六割の減、一定程度の人出が削減されている状況にあります。引き続きの国民の皆様の御協力に感謝を申し上げたいと思います。

 解除された県においては段階的に経済活動を引き上げていくということでありますので、それも前提が、しっかりと感染防止策を講じていただきながらということであります。三密を防止し、人との距離をとりながら、徐々に経済活動を広げていただきたいと思いますし、特にクラスターが発生したような業種には注意をしていただければ、あるいは、今月中は、解除された県同士であっても、県と県をまたぐ移動は自粛をしていただきたいというふうに考えているところでございます。

 引き続き、国民の皆様に御協力をお願いし、何とか収束をさせていきたいというふうに考えているところでございます。

丹羽委員 大臣おっしゃるとおり、今回の緊急事態宣言は、まさに逼迫する医療体制をまた立て直す観点からも実施されたものというふうに存じ上げております。

 今後、この新型コロナの第二波、第三波が来襲した場合、再び緊急事態宣言を行うことがあるのか、また、そういった事態を見据え、どのように医療体制の整備拡充を行っていくのか、お聞かせいただければありがたいと思います。

西村国務大臣 何とか、この大きな流行を五月末までに収束させていきたい。

 しかしながら、このウイルスはどこに潜んでいるかわかりませんので、ワクチンができるまでの間は、無症状の人もたくさんいます、ちょこちょこ発生が起こるということだと思いますので、それを大きな波にしないという、PCRの検査体制とか、検知をする体制、そしてクラスター対策をしっかりやっていくということが大事だと思っております。

 その上で、またオーバーシュートしそうになったときには、新規感染者の数とか、あるいはその倍加のスピードとか、感染経路不明な割合、さらには医療提供体制、こうしたところをしっかり見ながら、よりこれまで以上に厳しい目で見て、場合によっては総合的に判断して再指定ということがあり得るものというふうに思っております。

 医療の体制につきましては、包括支援交付金も積み増しながら、全力でそうした体制を整えていきたいというふうに考えているところでございます。

丹羽委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、ぜひ、この新型ウイルス、我々はこのウイルスとの共存というふうな観点からもしっかりと考えて対応していかなきゃいけないと思います。ぜひ大臣、よろしくお願いいたします。

 終わらせていただきます。

高木委員長 次に、山井和則君。

山井委員 ありがとうございます。

 近畿がきょう解除されました。そんな中で、立国社の私、山井和則、数点そのことについて質問をさせていただきたいと思います。

 何よりも、これは近畿の幾つかが解除されたとはいえ、見えない感染者が、尾身教授によると、まだまだ続いているということをおっしゃっておられます。見えない感染者を把握し、早期に隔離していく、そういうことをしなければ第二波は防止することができません。

 ついては、これはやはり、今までPCR検査が大変立ちおくれていたと言われておりましたけれども、三十七度五分、四日間という目安もなくなりましたので、重症者中心という縛りを方針転換して、倦怠感や高熱がある方は、いち早く、早期に診断を受け、医師が必要と判断すればPCR検査を受けて、陽性であれば隔離するというふうにしていく、こういうことを国民に国から周知すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 御指摘のとおりだと認識をしております。まさに、医師が必要と判断した患者さんが、その方が確実に、そして迅速にPCRの検査を受けられるように、そうした体制をしっかりと整えていきたいというふうに考えております。

 緊急包括支援交付金一千四百九十億円、これも活用し、また、当初予算と補正予算で七十二億円確保しておりますPCRの検査体制の強化、こういったことをやりながら、また、各都道府県がPCR検査体制、全国で八十一カ所、都内も二十九カ所まで来ております。医師会の皆さんの御協力や、あるいは歯科医師会の皆さんも御協力をいただいて、ドライブスルー方式などもふえてまいりました。この包括支援交付金を更に積み増すことを二次補正で考えております。全力を挙げてこの体制を整えていきたいというふうに考えております。

山井委員 早期にPCR検査を受けられるようにしていただきたいと思います。

 同時に、これは緊急事態宣言が解除されても、例えば、今後、百万人失業者が出るのではないか、一万社倒産するのではないか、経済的に立ち行かなくなるケースが大変ふえてまいります。それをいかに守っていくのか。それを守ることができなければ、これは人災であると思います。

 具体的に数点、要望と質問をさせていただきます。

 まず一点目。倒産を防ぐため、家賃の相場や店舗数に応じた家賃補償を十分に早急に実施すべきではないか。

 二点目。持続化給付金は、必要に応じて、一回限りではなく、複数回支給を可能にし、上限も引き上げるべきではないでしょうか。

 さらに、三点目。休業手当、失業手当、持続化給付金など、いずれも受け取ることができない方々がたくさんおられます。具体的には、アルバイト、派遣社員、さらに、雑所得や給与所得のフリーランスの方々が谷間に落ちておられます。その方々を救済するため、新たな給付金制度の創設や持続化給付金の対象拡大、要件緩和が必要ではないでしょうか。

 最後になりますが、一次補正では、野党も大幅な予算追加の組み替え動議をしましたが、政府に拒否をされまして、その結果、不十分で、後手後手の小規模な第一次補正となりました。二次補正においては、野党の要望を十分取り入れて大規模なものにすべきではないかと考えております。いかがでしょうか。

西村国務大臣 まずは、一次補正予算が成立しておりますが、必要な方に必要な資金が届くように迅速な給付に全力を挙げていきたいというふうに考えております。

 今、何点か御指摘がございました。家賃負担についても、しっかり検討を今しているところでございますし、それから、雇用者の側から休業補償を、事業者が雇用調整助成金の請求をするのではなくて、雇用者の側から請求をできるような仕組みも考えております。

 また、雑所得が対象となっていないということがありますので、これも検討を進めているところでございます。

 いずれにしましても、足らないところをしっかりと二次補正で取り組み、事業の継続、雇用、生活、全力で守り抜いていきたいというふうに考えているところでございます。

山井委員 大規模な二次補正をぜひ急いでいただきたいと思います。

 終わります。

高木委員長 次に、牧義夫君。

牧委員 牧義夫でございます。

 時間の関係で、まず三問続けて質問させていただきます。

 まず、四月七日にこの緊急事態宣言が発出をされました。これは、中身としては、自粛要請が主な部分で、強制的な部分というよりも、むしろ要請という、いわば国民に対するメッセージだったと思います。今回、これは一部解除でございますけれども、累次にわたって解除されておりますが、解除も一つのメッセージであるというふうに思います。

 緊急事態宣言解除、この漢字八文字をやはり国民の皆さんが正しく認識をして共有しなければいけないと思うんですけれども、それをわかりやすく、今回どういうメッセージを送ったんだということ。レッドゾーンとグリーンゾーンがはっきり分かれていて、一都一道三県がだめなんだというような間違ったメッセージでは困ると思いますので、そこのところをはっきりおっしゃっていただきたい。

 そしてまた、さっきも出ましたけれども、第二波、第三波、これは間違いなく来ると言われております。今までの、これまでの対応というのは、初めての体験ですので、いろいろ後手に回ったりとかという、言いたいことは山ほどありますが、ここで言うべきことではないと思います。それよりも、今後、こういったことの反省を踏まえて、第二波、第三波に対してどういうふうに対処するのか、具体的にお示しをいただきたいというふうに思います。

 そしてもう一つ、今後の医療提供体制についてでありますけれども、この間、政府としては、医療費を抑制するために診療を抑制してきた感があります。病床数を減らしたり、あるいは窓口負担をふやしたり、そういう形によって医療提供を抑制してきたと言わざるを得ないと思います。

 昨年九月、公立病院再編統合で、厚労省から四百二十四の病院がリストアップをされ、これから十三万床削減計画などという話もあって、私自身大変驚いているわけであります。

 幸い、うちの地元の愛知県では、私学も立派な大学病院があって、このコロナ対策でも先進的に取り組んでおりますけれども、しかしながら、これからまた第二波、第三波を考えると非常に心もとなく思うわけで、今後、これからの医療提供体制、これを見直すいいきっかけだというふうに思うんですけれども、大臣の認識をお聞かせいただきたいというふうに思います。

西村国務大臣 簡潔にお答え申し上げます。

 緊急事態宣言が解除されたからといってリスクがゼロになるわけではなくて、どこに潜んでいるかわからない、まさに見えない敵、見えない感染があるわけでありますので、長い道のりを考えなきゃいけないというふうに思います。

 その意味で、解除されていないところにおいては、引き続き自粛をしていただいて、さまざまな活動はできる限り抑えていくということが必要かと思います。

 他方、解除されたところも、経済活動は段階的に引き上げますが、やはり三密を注意するとか、新しい生活様式、スマートライフを送っていただくことが大事かと思います。

 第二波も、そういう意味で、必ず起こると思っていた方がいいと思います。ドイツ、韓国の例もそうです。したがって、小さな波に抑えることが大事でありますので、PCRの検査の体制、そして、いざというときの医療提供体制、しっかりとそれをお守りする体制をつくっていかなきゃいけないと思っております。

 そして三点目、地域医療につきましては、地域の事情に応じて議論をしていただくことが必要だと思っておりますが、今回のこの経験を踏まえて、パンデミックや災害にも対応できるよう弾力性のある体制をつくっていく必要があると思います。

 いずれにしましても、地域、都道府県とも連携をしながら、国民の健康、命を守る医療提供体制、これをしっかりと守り、そしてつくっていきたいというふうに考えております。

牧委員 ありがとうございました。

 間違っても病院の敷居を高くするというだけの政策だけはとらないでいただきたいというふうに申し添えさせていただきます。

 ありがとうございました。

高木委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。

 本日、関西三府県、緊急事態宣言が解除され、北海道と首都圏の一都三県は継続となりました。そして、五月三十一日まで延長された緊急事態宣言も、残り十日となったわけであります。大きな流行を五月三十一日までに収束させるべく、政府は万全の体制で取り組んでいくべきであります。

 三点あわせて伺ってまいります。

 第一に、私の地元北海道は、本年二月二十八日から三月十九日までの三週間、独自の緊急事態宣言を発出しており、自粛生活が全国で最も長期にわたっております。政府が今回の判断を行った根拠や、参照した基準、データについてお示しいただきたい。また、北海道及び一都三県における宣言解除の際の判断基準をお伺いしたいと思います。

 第二に、緊急事態宣言の再指定について伺います。

 緊急事態宣言がされた住民には、外出自粛など、大きな負担が生じます。再指定に数値要件があれば住民の方々は事前に再指定の危険性を認識しやすくなりますが、再指定の要件を数値化することはできないのでしょうか。また、再指定の可能性が高い都道府県の住民に対しては、事前に理解しやすい注意喚起を実施すべきではないでしょうか。見解を伺います。

 第三番目に、新型コロナウイルス感染症の拡大により、中小企業や小規模事業者、飲食店などは、売上げの減少など大きな影響を受けております。こうした事業者の方々が、業務転換や新事業への進出、テレワークや在宅勤務への対応など、新しい生活様式に基づく事業に積極的に取り組むことができるよう、返済の必要がある融資のみではなく、補助金や助成金など財政的な支援をすべきと思います。見解を伺います。

西村国務大臣 お答えを申し上げます。

 緊急事態宣言の解除の基準につきましては、それぞれの地域の感染状況、医療提供体制、それから再燃防止のためのPCRなどの把握ができるそういう状況把握体制、こういったことから総合的に判断をしておりますが、例えば、今回解除する近畿圏でいいますと、直近一週間の十万人当たりの新規感染者の報告数が〇・五人程度以下となっております。他方、北海道でいいますと、〇・六八六とかなり減少をしてきております。これも北海道の皆さんの御努力のあらわれだというふうに思います。

 そして、あわせて、重症者の数が持続的に減少していること、病床数が確保されていること、PCRの体制がしっかりしていること、北海道もこのあたり非常に改善をされてきておりますので、もう一踏ん張りのところだと。五月末の収束に向けて私どもも全力を挙げていきますし、しっかり道とも連携をとりながら対応していきたいというふうに考えているところであります。

 再指定につきましても考え方をお示ししているところでありますけれども、例えば四月七日の時点、緊急事態宣言を最初に発出した時点の状況、そのときと基本的には考え方は同じであります。ただ、累積の数はふえておりますから、新規感染者の十万人当たり例えば五人程度、当時の状況でいえばその程度でありますので、そういったこととか、倍加のスピードとか、感染経路不明の割合が三割程度であるとか、こういったことで判断をしていきたいと思いますが、最初のときよりもより厳しい目で、大きな流行にならないように判断をしていきたいと思います。

 ただ、専門家の皆さんは数値がひとり歩きすることを大変懸念されておりまして、むしろ医療提供体制とかPCRの体制とかをしっかり見ていきたいということであります。

 それから、さまざまな業界において、新しい生活様式、スマートライフに対応した取組がなされてきております。IT補助金とかテレワークの補助金、あるいは、地域独自に、地方創生の臨時交付金、こういったものを活用していきながら、しっかりとそういった取組を応援していきたいというふうに考えているところであります。

佐藤(英)委員 ありがとうございました。終わります。

高木委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 医療提供体制についてお尋ねをいたします。

 第一の波が落ちついてきているかもしれませんが、それよりも更に高い第二波、第三波もあり得る、そういう事態に備えて、しっかりとした医療提供体制の整備拡充が必要だと考えます。

 地域医療崩壊を招かないためにも、医療機関への抜本的な財政措置が不可欠です。

 安倍総理は、五月十四日の対策本部会議で、二次補正予算の編成について、ウイルスとの長期戦を闘い抜くことができるよう、医療体制に関する包括支援交付金を全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを行うと述べています。

 西村大臣にお尋ねしますが、この大幅な積み増しというのは、幾つの病床数に対応した積み増しというふうに想定しているんでしょうか。

西村国務大臣 医療の提供体制をしっかり守っていくことは非常に大事だと思っております。

 病床数の確保につきましては、収束への道筋を確かなものとして、そして、再度感染が拡大した際にも万全を期していくため、全ての命をお守りするために大変大事なことであります。現時点で、医療機関と調整の上、約三万床の病床の確保を見込んでいるところであります。

 第二次補正予算におきましては、包括支援交付金、医療の体制整備のために使えるこの交付金を全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを行うことで、病床の確保を含めた医療の現場が抱える課題の解決を強力に支援することといたしております。

 ぜひ、この包括支援交付金も活用していただきながら、国民の命を守る、そのために必要な病床確保に全力を挙げていきたいというふうに考えているところであります。

塩川委員 医療機関は三万床確保したといっても、それで経営的に非常に困難に陥っている状況があります。

 政府とすれば、総理や、あるいは西村大臣もお答えになっているように、コロナ患者に必要な病床として五万を超える病床を確保するとしています。医療機関の医療崩壊を防ぐための経営支援も含めて、この五万の病床確保に対応した金額としての積み増しということなんでしょうか。

西村国務大臣 今、入院しておられる患者さんの数は三千名程度になってきております。そして、確保できているものが今三万床ございます。そして、いざというときに備えて、総理が発言されましたように、五万床確保を目指していくということであります。

 そして、今は何より、こうした重症の患者さんを守ることが、まだ三千人おられますので、こうした方々の命をお守りすることが大事でありますので、そのために必要な対策を二次補正予算でしっかりとやっていきたいというふうに考えているところであります。

塩川委員 確保すべき必要な病床数を示すことのないまま、金額だけあるということですか。

西村国務大臣 既に三万床確保いたしております。これは医療機関ともう調整が済んでいるものでありまして、人材とか機材なども含めて、いざというときに対応できるものとして確保しております。

 さらに、万が一のときに備えて五万床を目指して確保していこうというものでありまして、現時点で必要なことを、医療機関に空き床の部分であるとかさまざま負担もおかけしておりますので、そうしたことも含めて、しっかりと予算で対応していきたいというふうに考えているところであります。

塩川委員 コロナ対応の病床確保というのは、空き病床を長期にわたって保持することが求められ、そのことで大きな減収となり経営を圧迫する。だから、三万とか五万を確保するとしたら、それを確保するための必要な財政措置なしには生きていけない。

 だから、日本医師会でも、受入れ病院に対して、重症者四百万とか、中等症者二百万とか、軽症者百万円の補助といった具体的な試算額を示しているわけで、診療報酬での手当てとともに、具体的な減収補填措置などを含めた財政措置が必要だ、それに見合うような金額が積み上がっているのかということが問われているので、そういうものになっていると言えるんですか。

西村国務大臣 重症化させないこと、そして、重症化してもその方の命をお守りすること、これが何より大事だというふうに考えております。

 こうした医療提供体制を確保するために、既に、診療報酬において重症の患者さんに対する診療報酬倍増、それから、御指摘の空き床確保についても、この一千四百九十億円の包括交付金の中で、ICUに対して一日当たり九万七千円とか、人工呼吸器の病床については四万一千円とか、また、それ以外についても一万六千円を上限として補助を行うこととしております。

 二次補正予算で、更にこの包括交付金を大幅に積み増しすると同時に、全額国費負担とするということで、必要な医療提供体制、命をお守りするために必要な予算はしっかりと確保していきたいというふうに考えております。

塩川委員 必要な経費を補償する、その金額になっていないのが現場の声で、医療機関はこれではやっていけないということで声を上げているわけですから、それに応えた財政措置を行うべきです。

 コロナ対応を行っていない医療機関でも、診療抑制により大きな減収となって経営を圧迫しているわけで、日本医師会の政府への申入れでも、二次補正予算で七・五兆円の確保を要望した。このぐらいの規模で医療機関への財政支援を行うべきだ、このことを申し上げて、質問を終わります。

高木委員長 次に、遠藤敬君。

遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。

 大臣、連日本当にお疲れさまでございます。

 できるだけかぶらないように質問をしようと思っても、なかなか、全てかぶってしまうんですけれども、三点ばかり大臣に質問したいと思います。順番が変わりますので、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

 政府の緊急事態宣言の解除基準は、あくまでも短期の出口戦略にすぎないというふうに考えておりますし、第二波、第三波の到来や、コロナとの闘いの長期化を踏まえた場合、長期的な出口戦略を速やかに策定し、公表するということが、今、大事じゃないかという考えなんですけれども、いかがでしょうか。

 また、先ほど佐藤委員からもありましたけれども、新しい生活様式、よく言葉が出てきますけれども、出口戦略に当たり、この新しい生活様式で業界もガイドラインを策定されておりますけれども、一方、事業主は、飲食業それから航空、新幹線などさまざまな分野で、この新しい生活様式で、果たして企業側が、事業者側がやっていけるのかどうかということだと思うんです。

 ですので、私の認識では、この新しい生活様式が今の状況では必要不可欠であったと思うんですが、これからのV字回復に当たり、こういったことが実際に国民の中で認識が共有されておれば、こういう状況では商売できないんじゃないか、実際にそこに厳しい状況が生まれるのではないかということで、新しい生活様式じゃないじゃないかというような、事業者も大きな負担になるのではないかなという認識もございます。あわせてお答えをいただきたいと思います。

 そして、アビガンでありますけれども、総理も、西村大臣からも、今月中の承認をということをよくお話をされておられますけれども、昨日ですかね、臨床研究で有効性が示されていないというような一部報道もありました。実際のところ、今、アビガンの有効性というのはどういう状況なのか、政府がどういう判断をされているのかというのをお聞きしたいんです。

 ですので、インフルエンザにはタミフル、コロナウイルスにはアビガンというようなことになり得るのか、これが臨床実験で有効ではないということになれば、また国民の不安というのは大きくなると思うので、この一部報道の認識と政府の考え方は一致しているのかどうかということをお聞きしたいと思います。

 三点、よろしくお願いいたします。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 今回の大きな流行をまず収束させる、その後に、どこかに潜んでいる可能性があるわけですので、小さな流行は起こりますけれども、それを大きな流行にしないために、PCR検査の体制、それからクラスター対策をしっかりやっていくということでありますし、同時に、経済活動を段階的に引き上げていきますが、感染防止策はしっかりとっていただくことが前提であります。

 全て解除された後にはどういった考え方で経済活動を更に拡大していくのか、イベントについてどう考えるのか、あるいは外出の自粛についてどう考えるのか、そういったことについても、解除されるタイミングで、ぜひこれは基本的対処方針の中で、そうした経済活動の拡大の基本的考え方についてしっかりとお示しをしたいというふうに考えております。

 それから、新しい生活様式で、事業者の皆さん、いろいろ苦労もされています。そもそも大変厳しい状況にあって、切実な声を伺っております。

 何としても事業、雇用を守っていくということで全力を挙げていきたいと思いますけれども、事業者の中にはさまざまな工夫が見られて、例えば、酒造メーカーも消毒液を今つくり始めておられます、消毒液が足りないということで。それから、タクシー会社も、これまでお客さんしか運べなかったのを、今、物も運ぶ、宅配のお手伝いをされるというふうなことにもなっています。さまざまな工夫をされて、短期間でいろいろなことが取り組まれています。

 ウイルスもどんどん進化をしていきます。我々も進化をしなきゃいけない。今までおくれてきたこと、デジタル化とか、こういった規制改革を一気に進めて、社会変革を進めて、ぜひこの新しい生活様式に合った質の高い成長をやり、そして、みんなが頑張れる、そういった、誰も取り残さない包摂的な社会をぜひつくっていきたいというふうに考えております。

 三点目、アビガンも、現在、観察研究、特定臨床研究、企業による治験が進められていると承知をしております。

 企業からの承認申請はまだないというふうに聞いておりますが、事前の相談を受けているところというふうに承知をしています。

 企業から承認申請がなされれば、速やかに審査を行い、安全性、有効性が確認されれば五月中の承認を目指すという立場に変わりはございません。

遠藤(敬)委員 終わります。ありがとうございました。

高木委員長 これにて発言は終わりました。

    ―――――――――――――

高木委員長 次に、次回の本会議の件につきましては、後刻理事会で協議いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十一分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.