衆議院

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第33号 令和2年5月25日(月曜日)

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令和二年五月二十五日(月曜日)

    午後三時開議

 出席委員

   委員長 高木  毅君

   理事 岸  信夫君 理事 赤澤 亮正君

   理事 丹羽 秀樹君 理事 大塚 高司君

   理事 武部  新君 理事 田野瀬太道君

   理事 手塚 仁雄君 理事 牧  義夫君

   理事 佐藤 英道君

      福田 達夫君    藤丸  敏君

      本田 太郎君    谷田川 元君

      塩川 鉄也君    遠藤  敬君

    …………………………………

   議長           大島 理森君

   副議長          赤松 広隆君

   議員           井上 一徳君

   国務大臣         西村 康稔君

   事務総長         岡田 憲治君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十五日

 辞任         補欠選任

  浅野  哲君     谷田川 元君

同日

 辞任         補欠選任

  谷田川 元君     浅野  哲君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 新型コロナウイルス感染症緊急事態解除宣言の事前報告に関する件

 次回の本会議等に関する件


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    午後三時開議(衆議院規則第六十七条の二による)

     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 この際、新型コロナウイルス感染症緊急事態解除宣言について、西村国務大臣から事前報告を聴取いたします。西村国務大臣。

西村国務大臣 各党の皆様におかれましては、政府の新型コロナウイルス感染症対策に御協力を賜り、御礼申し上げます。

 本日、基本的対処方針等諮問委員会を開催し、現時点までの感染の状況、医療提供体制、監視体制等を総合的に勘案し、緊急事態宣言を実施する必要がなくなったと認められることから、緊急事態解除宣言を行うこととし、その公示案について御了解をいただきました。これを受け、この後、政府対策本部を開催し、公示案どおり政府対策本部長から緊急事態の解除宣言を行いたいと考えております。

 また、あわせて変更する基本的対処方針において、緊急事態宣言の解除後は、感染拡大を予防する新しい生活様式の定着等を前提として、一定の移行期間を設け、外出自粛や催物の開催制限の要請等を段階的に緩和することや、宣言の解除後も基本的な感染防止等の徹底を継続しつつ、感染の拡大の傾向が認められる場合には、迅速かつ適切に感染拡大防止対策等を講ずるものとすること等を定めることとしております。

 引き続き警戒が必要な状況ではありますが、各党の皆様にもお力添えをいただき、今回の大きな流行は収束へと向かっております。今後は、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図り、再度感染が拡大した場合に備えるべく、都道府県とも緊密に連携しながら、全力で取り組んでまいります。各党の皆様におかれましても、何とぞ御協力をよろしくお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

高木委員長 ただいまの事前報告について発言を求められておりますので、順次これを許します。武部新君。

武部委員 自由民主党の武部新です。

 緊急事態解除宣言は、忍耐強く、そして互いに支えながら、力を合わせて乗り越えてきた国民の努力のたまものだと思います。改めて、御協力に感謝を申し上げます。

 解除宣言を受けて、引き続き感染防止を行いながら社会経済活動の再起動を進めていくことが重要だと考えますが、国民の間には、依然、戸惑いや不安が大きいと思います。解除後にどのような行動を国民の皆様にお願いされますか。あわせて、今後の新型コロナ感染症対策について政府の方針を伺います。

西村国務大臣 私からも、今回、この大きな流行をここまで収束させることができた、これはもう国民の皆様の御協力、御努力のおかげだというふうに改めて感謝を申し上げたいと思いますし、この間、医療の現場で感染リスクを抱えながら全力で頑張ってこられた医療関係者、従事者の皆さん、そしてまた、私たちの生活を支えていただいた製造業、物流業、あるいはスーパーの従業員の皆さん、いわゆるエッセンシャルワーカー、こうした皆さんの御尽力に本当に心から敬意を表したいというふうに思います。

 その上で、引き続き、このウイルスはゼロにはなりませんので、感染予防の対策をしっかり講じながら、そして、一方で生活や経済を守る、これも大事なことであります、経済活動の段階的引上げ、この両立を図っていくこと、これが私の役割だというふうに思っております。バランスをとり、両立していくこと、これをしっかりと実現していきたいというふうに思います。

 その上で、感染予防の取組が不十分になりますとまた大流行になりかねませんので、引き続き、三密防止とか、人と人との距離を置くこととか、あるいは、事業者の皆様におかれても、それぞれ業種別にガイドラインをつくっていただいております。その中で、アクリル板を活用するとか、席と席の間を離すとか、さまざまな工夫をしていただきながら感染防止策をとっていただいて、同時に、営業再開、あるいはそうした活動を拡大していくということでお願いをしたいと思います。

 もとに戻すということではなくて、例えば、テレワークをやれる方はテレワークで済ます、あるいはテレビ会議で済ます。さまざまな手続のデジタル化、あるいはキャッシュレス化、こういったことで感染リスクを下げながら、もとに戻すのではなく、更に進化をさせながら、質の高い成長と、それとあわせて、社会福祉協議会、あるいは、郵便局や農協、漁協、そして商工会、日本には各地にこうした組織や機関がありますので、こうした皆様のお力もいただきながら、誰一人取り残すことなく、そうした包摂的な社会をしっかりとつくっていきたいというふうに考えているところであります。

武部委員 私からも、医療従事者の皆様の御尽力に感謝申し上げたいと思います。

 政府としても、重症者の受入れへの診療報酬、三倍増との報道もありました。緊急包括支援交付金等により支援していると承知しております。

 その中でも、歯医者さん、歯科医の皆様方が、感染リスクや外出自粛で外来患者が減る中、御尽力をいただいております。

 歯磨きは感染症予防に一定の役割を果たしており、歯科医師や歯科関係者を含む医療従事者の皆様の御貢献に、ぜひ大臣からも温かい言葉をいただきたいと思います。

西村国務大臣 まさに御指摘のとおり、感染リスクがある中で歯科の治療に従事しておられる方々、また、PCR検査の検体採取なども推進をしていくという中で、歯科の関係の皆様には改めて敬意を表したい、感謝を申し上げたいというふうに思います。

 御指摘のように、申し上げた三密回避と同時に、何より、睡眠をとってきちんと食事して、規則正しい生活というのが大事でありまして、こうした健康的な生活がいわゆる新しい生活様式の基礎になるものというふうに思います。その新しい生活様式の前提として、手洗い、うがい、マスクとともに、歯磨きも非常に重要であるということであります。

 引き続き、歯科医療の関係者の皆様には、専門的な立場から口腔管理等に尽力いただきたいというふうに考えているところであります。

 そして、厳しい歯科医療の経営状況も伺っております。いわゆる二百万円の持続化給付金の対象となっているほか、雇用調整助成金とか、無利子無担保の融資の活用もございます。さらに、二次補正予算で、中小企業に対する持続化補助金のような枠組みも含めて、さらなる支援策を検討しているところでございます。

 引き続き、適切に歯科医療が提供されるよう、支援を行ってまいりたいというふうに考えているところであります。

武部委員 終わります。ありがとうございました。

高木委員長 次に、手塚仁雄君。

手塚委員 手塚仁雄であります。よろしくお願いいたします。

 きょうで解除ということで、きのう、私もこの質疑の準備をしていて、東京都の数字を聞いたときに、ちょっと手がとまりました。ずっと一桁、一桁と続いてきて、きのうはああいう数字が出ています。少し、予定調和の中で勢いがついて、ブレーキみたいな部分がなかったのではないか。これは、総合的な判断をされたということでありますから、答弁は求めませんが、一定の警鐘は鳴らしておきたい、こんなふうに思います。

 その上で、どうしても大臣から答弁いただきたいのは、給付金についてであります。

 十万円の定額給付金の申請をめぐって、各地で今、混乱が起きています。マイナンバーカードを使ったオンライン申請の受け付けを中止したというような自治体も出てきています。

 特に、持続化給付金については、五月一日に申請しても、いまだに申請不備の連絡がなく、放置されているという事例もあるように聞いています。

 月末が近づいてきています。この給付金を事業継続の命綱にしている企業も多いはずであります。申請数やそれに対する給付実施率、平均的な手続の日数や今後の改善、見直し等、答弁を求めたいというふうに思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 十万円の方の定額給付金につきましては、全ての市町村で郵送又はオンラインで手続が開始をされたというふうに聞いておりますし、四分の三以上で給付が始まったというふうに聞いております。

 また、御指摘の持続化給付金でありますけれども、五月一日より申請受け付けを開始いたしまして、一週間後の八日から給付を開始しました。現時点で、二十一日時点で、約四十万件、約五千億円を超える現金をお届けしております。

 不備がなければ約二週間を目安というふうに経産大臣から伺っているところでありますが、御指摘のように、私のところにも、五月一日に申請をしたけれどもまだ届かないんだという声があります。どうも、一日に申請が殺到したがゆえに少し混乱があったようでありまして、このあたり、私からも経産省に要請をして、できるだけ早く皆さんのお手元に支援が届くように対応していきたいというふうに考えております。

手塚委員 次に、緊急事態宣言の解除に伴い、各都道府県で休業要請の緩和が順次行われていく見込みでありますけれども、過去にクラスターを出した、例えばライブハウスであったりスポーツジムであったり、解除要請の対象になっていないところが幾つかございます。

 そういったことを仕事にされていたりなりわいにされている方々にとっては、見通しが全くつかない状況だというふうに思いますし、こうした文化を守っていかなきゃいけないというような視点に立っても、政府としても何らかの対応が必要だというふうに思います。

 休業要請と補償というものはセットだという考え方、これについてどうお考えなのか、御答弁をいただきたいと思います。

西村国務大臣 御指摘の業種、まさに、ライブハウス、スポーツジム、カラオケ、こういった業種は、私たちの心の豊かさ、生活の豊かさにもつながりますし、日本の音楽文化を支えていただいている、あるいは健康増進につながる、そうした役割を担っていただいていると思います。

 カラオケ、スポーツジムにつきましては、今、ガイドラインをつくっていただいておりまして、今月中にそれができれば、来月から休業要請等を解除していくことが考えられると思います。

 また、ライブハウスは、特に不特定多数の人が密集して大声を出すということでリスクが高いのでありますけれども、そういったことについて業界団体と専門家によるさらなる検討の場を設けようというふうに考えております。

 こうした検討の後に、一定の感染防止策が確保されれば、六月の中下旬ごろから休業要請等を解除していくということが考えられますし、また、こうした事業者が取り組む感染予防策について、持続化補助金の補助額を百五十万円から二百万円に引き上げて、感染防止のための設備なども含めて補助対象にして、支援を強化することを考えております。

 いずれにしても、感染防止策をとっていただきながら事業が継続していけるように応援をしてまいりたいというふうに考えております。

手塚委員 引き続き緊張感を持って御対応いただきますように要請して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

高木委員長 次に、谷田川元君。

谷田川委員 野党共同会派、立国社の谷田川元です。

 時間がないので二つ続けて質問しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今、世界各国の指導者が、国民の命と生活をいかに両立させるかで苦悩しています。幸い日本は、国民各位の多大な協力があって、死亡者数は他国と比べて圧倒的に少なくて、感染者も減少し、きょう緊急事態宣言が解除される運びとなりました。

 これからは、経済活動のアクセルを徐々に吹かすことになりますが、多くの専門家が指摘するように、活動が活発になれば第二波の危険が増します。それに備えるためには、患者の急増時に耐えられる医療体制と、検査対象者を広げ感染動向のモニタリングの強化が絶対必要です。

 政府は、新型コロナウイルスによるピーク時の入院患者を五万人と想定していますが、一次補正で計上された医療体制包括支援交付金一千四百九十億円では全く足りません。病床確保に尽力している都道府県や医療従事者を安心させるためにも、第二次補正予算で大規模に計上することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 二問目なんですが、北海道はでっかいどうという歌がありましたけれども、東北六県を合わせた面積よりも広いんですね。コロナ感染者は、ほとんどが札幌市付近の住民です。にもかかわらず、北海道全域が緊急事態宣言区域に指定されました。同時に、東京、神奈川、埼玉、千葉も、感染者は東京都心とその周辺部がほとんどで、都心から離れれば離れるほど感染者は少ない傾向にあり、早い段階で感染が収束されています。

 こう考えますと、緊急事態宣言の対象区域は、市区町村単位、あるいは都道府県が設定する医療圏ごととか、もう少しきめ細かく指定した方が経済的損失は少なくて済むと思いますが、大臣の見解を伺います。

西村国務大臣 御指摘のように、いざというときに備えて医療提供体制をしっかり確保することは大事な視点だというふうに思っております。

 政府は、五月二十一日時点で三万一千床を確保しているところでありますけれども、いざというときに備えてこうした対応を更に強化していくことは大事だというふうに考えております。

 一次補正で既に一千四百九十億円の包括支援交付金でさまざまな対応をしておりますけれども、これを二次補正におきまして、全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを考えているところでございます。

 御指摘のように、医療をしっかり守るべく、思い切ったものにすべく、検討、調整を急ぎたいというふうに考えております。

 それから、二点目の御指摘も非常に大事な御指摘だと思います。

 法律上の枠組みは、特措法は、一応、基本は都道府県単位で指定をするということが想定をされております。ただ、都道府県知事がさまざまな措置をとるのは、北海道のように広い地域がございますので、これは市町村単位あるいはブロック単位で対応することが可能となっておりますので、現に北海道におきましては、石狩振興局管内以外については比較的感染状況は落ちついておりますので、休業要請等を部分的に解除していくということを実施しておりますので、このあたり、都道府県の知事のリーダーシップ、あるいは意向を尊重しながら、地域の実情に応じた感染防止策、しっかりと対応できるようにしていきたいというふうに考えております。

谷田川委員 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

高木委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。

 まず、国民の皆様方へ、外出の自粛など、これまでの御協力に心からお礼を申し上げたいと思います。

 三点、伺います。

 初めに、感染の第二波に備えた体制の構築です。

 海外では、行動制限を緩めた途端に感染者がふえる傾向がありました。そこで重要なのが、十分な検査体制及び医療提供体制の確保です。加えて、治療薬やワクチンの開発、供給体制の確立が急務と考えます。そのことが国民の不安を取り除くことにつながります。

 政府は、感染の第二波に備えて、引き続き万全の対策を講ずべきであります。見解を伺います。

 次に、子供たちの学習支援であります。

 学校において、三密を避けるための分散登校や学級のグループ分けといった取組を実施するためには、教員の加配や学習指導員、スクールサポートスタッフ等の人材配置の拡充が不可欠であります。こうしたマンパワーを確保するために、第二次補正予算におきましては必要額を確保することが肝要です。

 また、学校の再開に当たり、校舎の消毒費等の感染症対応に必要な経費に充てるために、一校当たり最大五百万円を交付すべきです。あわせて見解を伺います。

 最後に、避難所の感染症対策についてです。

 日本列島は、これから本格的な梅雨、そして台風シーズンを迎えます。避難所における感染防止対策の強化については、これまでも再三にわたって指摘をさせていただいております。地域住民が安心して避難所を利用できるよう、避難所におけるマスクや消毒液、間仕切り用段ボールなど、感染防止対策に必要な予算を十分に確保すべきであります。

 さらに、旅館やホテル等を活用した分散避難体制を速やかに構築した上で、今後は、感染症対策を維持しながら、いかにして十分な避難体制をとれるか検討をしていくべきだと思います。見解を伺いたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、このウイルスをゼロにすることはなかなか難しいわけでありまして、どこかで必ず起こってくる。昨日も、先ほど御指摘があったように、東京で十数人、十四人出ました。そうしたことが起こり得るわけでありますので、そうした小さな流行が起こりかけたときにしっかり探知をするPCR検査体制をしっかり整える、そして、クラスター対策でしっかりそこを封じ込めていくということが大事だというふうに認識をいたしております。そして、それが大きな波になったとしても、医療の体制をしっかり提供して命をお守りするということが大事だということであります。

 御指摘のように、既に診療報酬上の特例措置あるいは包括支援交付金で講じてきているところでありますけれども、あわせて、治療薬レムデシビルの承認などを進めてきているところでありますし、ワクチンの開発も急いでいるところであります。

 そして、二次補正におきまして、包括支援交付金を全額国費として、また大幅に積み増すことなどを含めて、医療の抱える課題、そして重症者の治療の充実など、まさに医療提供体制を万全なものにしていきたいというふうに考えているところであります。

 学校の再開につきましては、御指摘のような、加配教員、学習指導員、それから関係者がマスクや消毒液を使うこと、こういった費用がありますので、こういったものについても対応していかなきゃいけないと考えております。何より子供たちの学びを最大限保障していくこと、そして学校再開に向けて必要な予算をしっかりと確保していきたいというふうに考えております。

 そして、災害とこの感染対策の両立のお話がございました。

 災害発生時に、マスクとか消毒液、段ボールベッド、パーティション、こういったものをプッシュ型支援で送ることにしておりますし、災害救助法が適用された自治体については、こうした費用は全額国庫負担の対象となるわけであります。自治体の取組もしっかりと支援をしていきたいと思いますし、御指摘のホテルや旅館の活用など、できる限り多くの避難所を開設していきたい、できるように対応していきたいというふうに思いますし、いずれにしましても、こうした災害時にも感染症と両立が図れるように万全を期していきたいというように考えております。

佐藤(英)委員 終わります。ありがとうございます。

高木委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 緊急事態宣言解除に際して、第二波、第三波に備えた医療提供体制の整備が極めて重要であります。

 ところが、受診抑制による医療機関の減収は一割から二割に及び、六、七月にも経営破綻しかねない深刻な事態にあります。

 コロナ感染再拡大に備え、そして医療崩壊を決して起こさせない、そのために、昨年比の減収分に対して補償することが絶対に必要ではないか。加えて、医療機関は、コロナ対応の病床確保に当たって、大量の空床の確保や、感染防護具、医療スタッフへの危険手当などが必要になります。コロナ対応については上乗せの措置を行う、こういうことが必要ではないのか。

 この点について、お答えをお願いします。

西村国務大臣 御指摘のように、小さな波は必ず起こってきますので、それを大きな波にしないよう全力を挙げていきたいと思いますが、万が一のときにも、医療提供体制、命をお守りするということに全力を挙げていきたいと思います。

 そうした中で、空床を長期にわたって確保し続けることは、他の疾病に対する医療提供も必要となってきますので、限界もございます。

 各地域において、都道府県において、医療提供体制の全体の整備を進めるための対策の協議会を設置していただいたり、あるいは、患者搬送や病床の調整を行う患者受入れ調整本部、こうしたものを設置していただいております。

 こうした組織を通じて、コロナ患者がふえてきた場合に、都道府県における病床や宿泊療養施設の確保などを行っていくこととなりますが、国としても、こうした県の取組をしっかりサポート、調整していきたいというふうに思っております。

 その上で、さまざまな医療の体制を確保していく上で、これまでも診療報酬上の特例措置も講じてきておりますし、包括支援交付金で支援も行ってきておりますけれども、更に万全を期すために、二次補正においても、医療提供体制を守っていくということで、必要な予算を確保していきたいというふうに考えております。

塩川委員 医療機関がコロナ対応の病床を確保するとたくさんの空床を維持しなくちゃならない、そういった状況を、二波、三波に備えてしっかりと対応できるような支援策ということを考えたときに、一般的にも経営が非常に困難になっている、そういったときに、全日本病院協会の猪口会長は、二桁のマイナスが続くと、この先病院をどう経営できるのか想像もできない、第二波、第三波に適切に対応するためにも、国には制度的に病院を支えることを考えてもらいたいと訴えておられます。

 診療報酬の増額では減収分補填にはなりません。日本医師会が試算した医療機関への支援額について、コロナ対応で一兆六千億円が必要だとしています。通常の医療機関の医療を継続するためには、二兆五千億円は必要だとしています。診療報酬の特例措置ですとか、国の包括支援交付金三千億円プラスアルファの予算では全く足りないんじゃないかと思いますが、いかがですか。

西村国務大臣 医療機関の経営が大変厳しくなっていること、切実な声を医師会からも伺っております。また、全国の大学病院などでも大変厳しい状況にあることを伺っております。こうした医療機関の経営を支援していくために必要な予算も含めて、二次補正予算でしっかりと対応していきたいというふうに考えております。

塩川委員 抜本的な財政措置を強く求めます。

 次に、文化芸術団体の要望ということですけれども、二月のイベント自粛要請以降、コンサートやライブ、スポーツ競技、展示会などを中止して感染防止に大きな貢献をしてきた関係者に対して、経費負担に対する補償もいまだ行われておりません。文化芸術関係者は、宣言解除後も、引き続き、活動規制、営業規制がかかっております。

 文化、芸能、スポーツ、イベントが持つ文化的、社会的機能の大きさに鑑み、特別の経済支援を早急に行うとともに、事業継続への多様な支援を当事者の要望も踏まえて行うことを強く求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 まさに私たちの社会の基盤をなすと言ってもいいと思うんですけれども、この文化芸術事業、そして、心にいろいろなゆとりを与えてくれ、生活を潤わせてくれるさまざまなイベント、こうしたものをしっかりと全力で守り抜いていかなきゃいけないというふうに考えております。

 このため、これまでも、こうした事業者に対して最大二百万円、そしてフリーランスの方も含めて個人事業主の方に百万円の持続化給付金をお届けしているわけでありますけれども、一日も早くお届けをしたいというふうに考えておりますし、こうした文化芸術、さまざまなイベント、今後、段階的に経済活動を引き上げていく中で、ゴー・トゥー・キャンペーンによってその費用の一定程度を補助していくわけであります。タイミングとして、そろそろ準備に入りたいというふうに考えているところでございます。

塩川委員 五月二十二日、演劇、音楽、映画、三団体による文化芸術復興基金創設の要請というのは、文化芸術団体の公演や上映やライブなどを行うことに伴う売上げ減少、経費増大に対して補填することを目的にしています。この売上げ減少、経費増大に対する補填をしっかりと行う、このことが国の責務だと強く求めて、質問を終わります。

高木委員長 次に、遠藤敬君。

遠藤(敬)委員 日本維新の会の遠藤敬でございます。

 西村大臣、本当にお疲れさまでございます。

 きょうの国会報告、本当に今回だけであっていただきたいなと。次、もし国会報告があるとすれば、また緊急事態宣言が出ているということになりますので、本当に、国民の皆さんも我々も、二度とこういう質疑がないことを祈るばかりであります。

 三点ばかりお願い申し上げたいと思いますが、特措法に基づく初の緊急事態宣言ではっきりしたことは、国と自治体の権限や責任、役割分担が不明確だったことではないか。一方で、知事の判断に委ねられていたはずの外出自粛や休業の要請も、基本的対処方針の改定で国が介入する余地が残ったのでありますが、地方にとっては、財源が伴わない名ばかりの権限でしかありません。

 そういったところで国より現場の状況を熟知する地方が求めているのは、国の関与ではなく、財源なんです。早く効果的な対策を打ち出し、意欲ある自治体にしっかりとした権限と財源を回すべきだと考えますが、いかがか、お答えいただきたいと思います。また、第二波、第三波を迎える前に、特措法を改正して、その体制を法で担保すべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。

 二点目でありますけれども、アフターコロナで、決して十分とは言えない経済支援の後に、財政悪化を大義に大増税が行われるのではないかという国民の疑念もくすぶっております。むしろ消費税の減税が求められていますが、消費税率はこれ以上引き上げることはないのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

 最後に、IOCのバッハ会長が、二十日にインタビューで、来年の夏に延期された東京オリンピックは、ことしの十月ごろに夏の東京オリンピックの開催の可否を判断すると言われております。

 日本政府として、この秋に来年の夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催の実現性を担保するためにはどういう条件が必要か、今の現状で結構ですので、お答えをいただきたいと思います。

西村国務大臣 まず、特措法についてであります。

 この特措法は、国が基本的対処方針で大きな方向性を示して、そして、それぞれで感染状況が違いますから、知事の判断でさまざまな措置をとっていただくという体系になっております。

 現に、それぞれの県の知事の対応は差があります。そうした中で、それぞれの知事がリーダーシップを発揮していただいて、それぞれの地域で感染者の数を急速に減らすことができた。もちろん、国民の皆さんの御協力があってのたまものでありますけれども、そういうふうに評価をしております。

 私の立場では、知事が適切に判断できるように、サポート、そして、知事間の調整もありますので、地域間の調整もありますので、調整することが私の役割だというふうに思っております。

 なお、緊急事態宣言を都道府県で出せるようにすべきではないかという御提案については、これは御党の松井代表も、それはさすがに違うやろというふうに言われたというふうに承知をいたしております。

 その上で、私も幾つか課題はあるかと思っておりますので、事態が収束した後には、この特措法について、あるいは感染症法との関係とか、さまざま、広い観点で検討を加えていくということは行っていきたいと思っております。

 それから、今は財政再建などを言っている場合ではありませんので、とにかく、国民の皆さんの生活、雇用、そして事業を守る、そのために必要な予算は確保していくということが何より大事だというふうに考えております。したがって、私の頭に消費税引上げなどは一切ありません。

 それから、三点目のオリパラについてでありますけれども、三月二十四日に開催されました安倍総理とバッハ会長との電話会談におきまして、安倍総理から、来年夏の開催が最後のオプションになると伝えたという事実はないと承知をしております。また、IOCがことし十月に大会の開催可否を判断するという考えを示したとの報道は聞いておりますけれども、大会組織委員会に確認したところ、十月に大会の開催可否を判断するという話はないと聞いております。

 政府としては、引き続き、IOC、組織委員会、そして東京都との緊密な連携のもと準備を進めていくということでありますし、私の立場でも、感染拡大を防止し、そして、日本経済をしっかりと力強さを取り戻す中で、全力で取り組んで東京大会を実施できるように努力していきたいというふうに考えております。

遠藤(敬)委員 終わりますけれども、先ほどの消費税の減税といいますか、軽減税率の話も予算委員会でも申し上げましたが、地元の方からも、国民からもよく言われるのは、何しかわかりにくい、十万円いつ送ってくれるの、そういう話ばかりなんです。そういったことで、消費税の減税といいますか、わかりやすい方法で国民がみんな一緒の状況になるということが今求められているのではないか、そういう状況にあるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 終わります。

高木委員長 これにて発言は終わりました。

    ―――――――――――――

高木委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明二十六日火曜日午後一時から開会することといたします。

 また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十三分散会


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