衆議院

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第9号 令和3年2月12日(金曜日)

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令和三年二月十二日(金曜日)

    午後五時三十分開議

 出席委員

   委員長 高木  毅君

   理事 御法川信英君 理事 盛山 正仁君

   理事 松本 洋平君 理事 井上 貴博君

   理事 福田 達夫君 理事 井野 俊郎君

   理事 小川 淳也君 理事 青柳陽一郎君

   理事 佐藤 英道君

      高村 正大君    武部  新君

      本田 太郎君    山内 康一君

      塩川 鉄也君    藤田 文武君

      浅野  哲君

    …………………………………

   議長           大島 理森君

   副議長          赤松 広隆君

   国務大臣         西村 康稔君

   事務総長         岡田 憲治君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十二日

 辞任         補欠選任

  武内 則男君     山内 康一君

  遠藤  敬君     藤田 文武君

同日

 辞任         補欠選任

  山内 康一君     武内 則男君

  藤田 文武君     遠藤  敬君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の報告に関する件


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     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 この際、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置について、西村国務大臣から報告を聴取いたします。西村国務大臣。

西村国務大臣 各党の皆様におかれましては、政府の新型コロナウイルス感染症対策に御協力を賜り、御礼申し上げます。

 政府は、新型コロナウイルス感染症に係る対策を強化するため、蔓延防止等重点措置の創設などを含む新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案を国会に提出し、本年二月三日に成立いたしました。これにより、改正された法の施行日は二月十三日とされております。

 改正法の施行を踏まえ、本日、基本的対処方針等諮問委員会を開催し、蔓延防止等重点措置の創設等を受けた基本的対処方針の変更案について御了解をいただいたところであり、この後、政府対策本部を開催し、基本的対処方針を変更したいと考えております。

 蔓延防止等重点措置は、地域の感染状況に応じて、期間、区域、業態を絞った措置を機動的に実施できる仕組みであり、発生の動向等を踏まえた集中的な対策により、地域的に感染を抑え込むことで、全国的かつ急速な蔓延を防ぐことを目的としております。

 蔓延防止等重点措置の実施に当たっては、都道府県の特定の区域において感染が拡大し、当該都道府県全域に感染が拡大するおそれがあり、それに伴い医療提供体制、公衆衛生体制に支障が生じるおそれがあると認められる事態が発生していることを踏まえ、基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で、総合的に判断いたします。

 また、都道府県がステージ3相当の対策が必要な地域において、感染が減少傾向であっても、当該都道府県の特定区域において感染水準が高く又は感染が拡大しているなど、感染の再拡大を防止する必要性が高い場合等においては、同様に判断していきます。

 さらに、蔓延防止等重点措置の終了に当たっては、都道府県の感染及び医療提供体制、公衆衛生体制の逼迫の状況を踏まえて、基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で、総合的に判断いたします。

 蔓延防止等重点措置を実施すべき区域である重点措置区域においては、都道府県知事が定める期間、区域及び業態において、感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面に効果的な対策を徹底することとします。重点措置区域である都道府県においては、一定の業態に対する営業時間の短縮の要請、業種別ガイドラインの遵守の要請、営業時間の変更を要請した時間以降、当該業態に属する事業が行われている場所にみだりに出入りしないよう、住民に対して要請等を行うこと等の取組を行います。

 政府は、地方創生臨時交付金に設けた協力要請推進枠により、営業時間短縮要請等に係る協力金の支払いを行う都道府県を支援します。

 なお、蔓延防止等重点措置に係る要請に伴う支援については、要請に応じたこと、要請による経営への影響の度合い等を勘案し、公平性の観点や円滑な執行等が行われることに配慮し、要請に十分な理解を得られるようにするため、必要な支援となるよう努めます。

 罰則、過料の適用に当たっては、国民の自由と権利が不当に侵害されることのないよう、慎重に運用いたします。

 以上、附帯決議を踏まえながら、蔓延防止等重点措置を有効に活用しつつ、国民の皆様の命と健康を守ることを第一に、都道府県と緊密に連携しながら、感染拡大防止を最優先に、取組を徹底してまいります。各党の皆様におかれましても、何とぞ御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

高木委員長 ただいまの報告について発言を求められておりますので、順次これを許します。井野俊郎君。

井野委員 自由民主党の井野俊郎でございます。

 早速でございますけれども、先ほどの蔓延防止措置について質問をさせていただきます。

 緊急事態宣言を受け、現下、足下の状況においては、コロナの陽性者数は減少傾向にあるものと考えております。しかしながら、残念ながら、医療提供体制は逼迫状況にあると言えます。

 この新型コロナについてでありますけれども、日本は、諸外国に比べて、致死率、死者数は共に比較的低い傾向といいましょうか、状況にあるのかなというふうに考えられます。

 こういった新型コロナとの戦いももうこれで一年になりますけれども、これまでの知見からしますと、高齢者であったり基礎疾患のある方が比較的重症化しやすいという知見も得られているというふうに考えられます。

 他方で、若年者、若しくは基礎疾患のない健康な方については、比較的症状も安定しており、それほど医療提供をする必要といいましょうか、そういった、トリアージといいますか、そういう意味では、それほど、必要ないとは言いませんけれども、ある程度、重症化しやすい、リスクの高い方を重点的に我々は医療提供をしていかなければならないのではないかというふうに考えられるところであります。

 ですので、こういった医療提供体制を効率的に、かつ必要な方にきちんと届けるということが我々は必要だというふうに考えられます。そのことがまた、ふだんの、本来の医療提供体制を逼迫させないということにつながっていくものと考えられます。

 そして、その上で、現在、重症化リスクのある方を入院させ、若しくは、リスクの低い方については自宅やホテルなどで療養してもらうというような取扱いをしているというふうに聞いておりますけれども、残念ながら、この点、国民の皆さんはしっかりと理解がいっていないのではないかというふうに考えられます。

 一時、上級国民だから入院できたんじゃないかなんという、誤った、誤解に基づいた風説が流布されたりということもあったりとかしているものですから、この点について、やはり、重症化しやすい、リスクのある方に対してはしっかりと医療提供体制を行う、他方で、リスクの低い方については、むしろ、きちんと蔓延防止、余り周囲に感染を広がらせないようにしっかりと自宅ないしホテルで療養してもらうというようなことをしていかなければならないと思っています。

 この点について、政府としてどのような情報発信、又はどういうふうに国民に対して説明していくのかということを、まず西村大臣にお伺いしたいと思います。

西村国務大臣 大変大事な御指摘でございます。

 感染者の数が、新規の報告者数は減っている中で、病院、病床は引き続き逼迫をしております。そうした観点から、今回、どこかの地域を解除するということは判断を行わなかったわけでございます。

 そして、御指摘のように、そうした観点から、入院基準につきましては、都道府県知事の合理的かつ柔軟な対応を認めつつでありますが、基本的に、高齢者や基礎疾患を有する方、重症化リスクのある方など、入院の必要がある方と認める者を対象としているところであります。この方針は、基本的対処方針でもしっかりと明記をさせていただいておりますし、都道府県にも周知をさせていただいております。

 その上で、重症化リスク等があるということに該当せず、必ずしも入院が必要でないとされた方については、宿泊療養、ホテルでの療養を基本としつつ、また、その宿泊施設等の受入れ可能状況なども踏まえて、外出しないことなどを前提に自宅療養も行うこととしているところであります。

 ただし、病状の急変がございますので、健康観察はきちんとやっていかなきゃいけない、非常に大事であります。最近では、血中の酸素濃度を測るパルスオキシメーターを皆さんにお配りして、日々、測っていただきながら健康観察を行っていくというふうな取組も進めてきているところであります。

 いずれにしましても、こうしたことをしっかりと理解していただけるように、改めてまた都道府県、いろいろな様々な会議の中でも、また私も申し上げていきたいというふうに思います。

井野委員 ありがとうございます。

 是非、国民の皆様の理解と協力が何よりも大事だというふうに私は思っております。まさに、そういった意味では、今、政府、政治家の言葉への信頼が問われていると思いますので、西村大臣におかれては、先頭に立って、国民の信頼回復、そして御協力を得られるように頑張っていただければと思っております。

 以上です。

高木委員長 次に、山内康一君。

山内委員 立憲民主党の山内康一です。

 立憲民主党は、ゼロコロナを目指す立場ですが、経済回復を優先する余り、感染者数が十分に減少する前に焦って緊急事態宣言を解除するようなことはあってはならないと考えます。

 緊急事態宣言の解除が早過ぎた場合のリバウンドの危険性に加えて、新型コロナウイルス変異株の市中感染の可能性といった新たなリスクもある中で、緊急事態宣言を解除して蔓延防止等重点措置に移行する際の判断は慎重に行うべきだと思います。また、今回新たに蔓延防止等重点措置を導入したことによって、緊急事態宣言が安易に解除されるようなことはあってはならないと思います。

 以上申し上げた上で、質問に入りたいと思います。

 まず最初の質問ですが、蔓延防止等重点措置に係る営業時間の短縮の協力金についてお尋ねします。

 立憲民主党の立場としては、営業時間の短縮に応じた事業者への協力金は事業規模に応じて定めるべきとの立場ですが、その点は今回一旦おいておいて、時短の協力金の金額についてお尋ねしたいと思います。

 緊急事態宣言の場合は、営業時間短縮への協力金が一日当たり六万円となっております。しかし、一部の報道によりますと、蔓延防止等重点措置の場合はそれよりも減額されるというふうに報道されています。

 報道ベースの情報ですので、実際はどうなのか分かりませんが、実際、営業時間の短縮ということに関しては、緊急事態宣言であろうと蔓延防止等重点措置であろうと、全く変わらないと思います。事業者にとっての影響という意味では全く変わらないわけですから、蔓延防止等重点措置の場合は一日六万円よりも少ない金額になってしまう、このようなことはあってはならないと思いますが、この点について、西村大臣の御見解を伺いたいと思います。

西村国務大臣 まず、私ども、感染拡大を抑えていくこと、これを最優先に取り組んでいきたいと、取り組んでいるところでございます。

 そして、ゼロにするのはなかなか難しい中で、小さな流行は今後も起こり得ますので、それを大きな流行にしないために、モニタリングの検査を増やし、また、今回の蔓延防止等重点措置も機動的に活用していければ、その範囲で封じ込めていくために活用していければというふうに考えているところであります。

 その上で、協力金に関するお尋ねでございますけれども、蔓延防止等重点措置の場合にどういう形で支援をしていくか、引き続き、今、検討しているところでありますけれども、知事の行う要請の措置の内容、これがどういったものになるのか、あるいは、まさに御指摘の、要請による経営への影響の度合い、これも附帯決議でも書かれておりますので、これも勘案しながら、そして、公平性の観点、円滑な執行、こういったことに配慮しながら、要請に十分な理解と協力をいただけるように、必要な支援となるように、引き続き検討をしていきたいというふうに考えております。

山内委員 緊急事態宣言であろうと蔓延防止等重点措置であろうと、恐らく営業に対する影響というのはほとんど変わらないと思いますので、その協力金の金額が下がるようなことは絶対ないようにしていただきたいと思います。

 次の質問です。

 緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置の違いについてですが、この二つは、私権の制限を伴う点では、非常に強力な措置だと思います。そして、細かいところを見ていけば違いはあるんでしょうけれども、ぱっと見、緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置、この二つの違いは一般の国民の皆さんにはちょっと簡単には分かりにくいんじゃないかと思います。ひょっとすると、緊急事態宣言が解除されてよかったねという安心感を持ってしまう、そういうおそれもあるんじゃないかと思います。

 それに関してどのように国民の皆さんに説明をしていかれるのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。

西村国務大臣 緊急事態宣言は、これは、全国の市町村にも対策本部が今立ち上がっております。全国的かつ急速な蔓延のおそれがあるということでありますので、それぞれの市町村において、感染状況において対策が取られているところであります。そして、幅広い国民の皆様に自粛などをお願いしているところであります。

 他方、蔓延防止等重点措置は、都道府県内のある特定の地域、これは、市町村単位、あるいは場合によってはそれより狭い区域で感染が拡大している場合に、緊急事態宣言に至らないようにするために、その地域、期間、そして業態を絞って対策を講じるわけでありますので、更に言えば、措置の内容は、休業要請はできないことになっておりますので、時間短縮の要請と、あとは、様々な措置があるわけですけれども、私権の制約の度合いはかなり緊急事態宣言よりも小さくなるというふうに理解をしております。

 いずれにしましても、今の状態は、緊急事態宣言が十都府県に発出をされておりますので、まずは、この緊急事態宣言の下で、しっかりと感染者の数を下げ、そして、病床を安定的に確保していける状況、これをしっかりつくっていきたい。特に、ワクチン接種も控えておりますので、医療機関の負荷をとにかく下げることが大事だというふうに考えておりますので、そうした姿勢で臨んでいきたいと思いますし、こうした点も丁寧に、国民の皆さんにも御理解をいただけるように、共感を持っていただいて御協力いただけるように、発信を心がけていきたいというふうに考えております。

山内委員 慎重な対応をお願い申し上げまして、発言を終わります。ありがとうございました。

高木委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。

 これまで、国民の皆様の御協力で、着実に感染者が減少してきました。しかし、今ここで油断すれば、あっという間に元の緊張状態に戻ってしまいます。感染拡大を確実に抑え込むとの観点から、以下四点伺います。

 第一に、明日施行される改正新型インフルエンザ特措法に新たに設けられる蔓延防止等重点措置について、その適用要件は何か、また、緊急事態宣言の解除がなされた地域は直ちにその対象となるのか、お伺いをいたします。

 第二に、世論調査を見ても、早ければ明後日、十四日、ワクチンへの国民の期待が日に日に高まっている、このワクチンが、ファイザー社のワクチンが承認されると報道もされておりますが、政府として万全の体制構築に全力で取り組んでいただきたい。特に、ワクチン接種の事業主体である市町村の準備が非常に重要です。現在の進捗状況を伺います。

 第三に、若年層への感染拡大が懸念される変異型ウイルスの感染事例が各地で増えていますが、この封じ込めについて、水際対策、国内対策など、取組状況を伺います。また、国民の不安に対し、正しく恐れるために必要な情報です。御説明をいただきます。また、若年層に対する感染防止の意識啓発に一層力を入れるべきです。見解を伺いたいと思います。

 最後に、緊急事態宣言下で収入が減少し、生活が極めて困難な状況に陥っている方々がおられます。飲食店、観光関連業界、小規模事業所の経営者や従業員の方々、一人親世帯の方々などには、国は、積極的に支援を講じ、一人も取り残すことなく、健康上、生活上の安全と安心を提供していく責任があります。

 去る九日に、一兆一千億の予備費の支出を閣議決定されましたが、このコロナ禍を完全に脱するまで、政府は徹底して国民生活を下支えさせていくべきです。見解を伺います。あわせて、引き続き感染防止に協力していただく国民の皆様に向けて、メッセージをお願いしたいと思います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 蔓延防止等重点措置は、都道府県内のある区域、ある地域において感染が拡大している場合に、基本的に都道府県全体のレベルとしてはステージ3相当になっているけれども、あるところが急速に拡大しているようなケースに、このままいくと県内全域に広がる、あるいは全国的かつ急速な蔓延につながる緊急事態宣言になりかねないというときに、それを避けるためにその区域内で抑えていこうというものであります。

 解除された後も、全体としてはステージ3になることが解除の要件でありますけれども、引き続き、ある地域が水準が高かったり、その地域だけ感染拡大しているような場合に、蔓延防止等重点措置は活用できるというふうに考えております。

 ただ、まずはこの緊急事態宣言の下で、感染者、新規報告者数をしっかりと下げていくことに全力を挙げたいと思っております。

 ワクチンにつきましては、ファイザー社のものについて、本日十八時から薬事・食品衛生審議会の部会が開催されると聞いております。安全性、有効性など、審査がなされるものというふうに承知をしております。

 その上で、承認がなされれば、接種がスムーズにいくように、まずは二月中旬から医療従事者等へ、そして四月以降、高齢者、基礎疾患を有する方、順次できるように、市町村と連携をしながら対応しているところでございます。特に、市町村に、自治体に配分する補助金の上限額の倍増、あるいは対象費用の明確化、あるいは小分け輸送における弾力的な取扱いなど、市町村の取組を全面的に支援してきているところであります。

 いずれにしましても、連携をしながら、円滑な接種が行われるように、私の立場からも、河野大臣、そして田村大臣をサポートしていきたいというふうに考えております。

 そして、変異型ウイルスへの対応でございますが、やはり、水際対策と市中のモニタリング、この二つが極めて重要であります。

 現在、ビジネストラックやレジデンストラックを始め、緊急事態宣言が発令されている間は運用を停止しておりますけれども、緊急事態宣言が解除された後以降についても、国内外の感染状況などをしっかりと見極めながら、慎重に判断をしていければというふうに考えております。

 また、感染研から全国の地方衛生研究所において、その変異株のPCR検査の検査手法、試薬を提供しております。それぞれの地域で早く変異株だということが分かるようになってきておりますが、変異株と分かったときに、その検体を感染研に送っていただいて遺伝子解析も行うということをしておりまして、監視体制の強化を図ってきているところであります。

 御指摘の若年層につきましては、感染者報告数は減少傾向にありますけれども、ただ、やはり、成人式後の飲み会などで感染のクラスターが報告されていたり、あるいは、宅飲みというんですか、店は閉まっているから自宅で飲もうというふうなことでも感染もあります。

 引き続き、国民の皆様に共感を持っていただけるような情報発信、尾身先生からも発信していただいたり、プロ野球選手やサッカー選手なども御協力いただいて、対応してきているところであります。

 緊急事態宣言の下で多くの皆さんが非常に厳しい状況にありますので、事業者の皆さん、国民の皆様に、しっかりと事業、生活、そして雇用を支えていけるように様々な対策を講じてきておりますけれども、引き続き、予備費もまだ二・七兆円ございますので、この活用も含めて、必要な対策を機動的に講じていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

佐藤(英)委員 終わります。

高木委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 コロナ特措法改正、政令の改正、それを踏まえた基本的対処方針の改定に当たりまして、質問をいたします。

 最初に、特措法の第二十四条九項に関して、都道府県知事は、この二十四条九項に基づき、時短要請などの施設の使用制限の要請や、日中も含めた不要不急の外出の自粛の要請など、幅広い要請を行うことができます。これは、新たに設けられた蔓延防止等重点措置による要請の範囲より広いのではないか。第二十四条第九項に基づく知事の要請の範囲は広過ぎるのではないのかと思いますが、その点についてお聞きします。

西村国務大臣 二十四条九項につきましては、要請できることのその事項につきましては、特段何か法律上詳しい規定があるわけではございませんので、例えば、マスクの着用とか、消毒、手洗いの奨励とか、あるいはいろいろなイベントを少し延期するとか、幅広く御指摘のように要請ができることとなっております。

 ただ、時短要請とか休業要請につきましては、法解釈上、この四十五条、元々ございました緊急事態宣言の下での指示の対象業種は政令の十一条で定められておりますので、その範囲内であるということで、休業要請とか時短要請を行う場合はその範囲内ということでありますが、それ以外に幅広くそうしたマスクの着用などの要請ができることとなっております。

塩川委員 ですから、二十四条九項で、これまではずっと緊急事態措置に行く前の段階で幅広くやってきた。それ自身が様々な私権の制限の懸念という点も問題となったわけであります。国、知事による恣意的な運用の懸念が残るということを指摘したい。

 それと、基本的対処方針の案の中に、感染症対策実施の重要事項として蔓延防止の項目がありますけれども、その中に、対処する措置としての四つぐらいの類型が入っていまして、緊急事態措置区域から除外された都道府県における取組と重点措置区域における取組、特に下りの場合ですね、緊急事態宣言が解除されて、一方は重点措置区域、他方はそうでない、この二つというのはどう違うんでしょうか。

西村国務大臣 蔓延防止等重点措置の考え方は、基本的に一つ、共通でありまして、感染拡大している局面でも、感染が減少している局面でも、都道府県全体としてはステージ3相当であることが基本的に想定されています。

 ただし、その中の特定の地域で感染が拡大して、これによって都道府県全体に広がる、さらには緊急事態宣言になりかねないという場合に、その地域で抑えるという発想でありますので、これは、拡大しているときはその拡大のしている地域、そして減少傾向にあるときには、全体として都道府県全体では減少傾向にあっても、ある特定の地域でまだ感染レベルが高い、あるいは感染が拡大している、こういった場合に、その地域においてこの蔓延防止等重点措置が活用できるということであります。

塩川委員 ですから、重点措置の場合と緊急事態宣言が解除された段階での措置と、分けて書いてあるんですけれども、その違いが読み取れないという点では、知事会からもその違いや運用基準などの詳細を示す要望も出ているところでありますので、ここでも運用に曖昧さが残るようなことがあってはならないということを申し上げておきます。

 それから、冒頭の発言でもありました支援の話ですけれども、山内さんからも御質問がありましたけれども、この蔓延防止等重点措置に係る事業者の支援というのは、緊急事態措置の場合、あるいは第二十四条九項に基づく措置の場合、三つあるわけですけれども、同じ要請であっても、例えば同じ時短要請に対しても、支援は同じになるのか、違うのか、そこを教えていただけますか。

西村国務大臣 蔓延防止等重点措置に係る支援の在り方につきましては現在検討しているところでありますけれども、これは、蔓延防止措置では休業はできませんけれども、緊急事態宣言の下で休業要請は四十五条ではできることになっておりますが、例えば、その時短の要請の内容、その措置の内容、それから経営への影響の度合い、そして公平性の観点や円滑な執行という観点を配慮しながら、十分な理解をいただけるように、要請に対して応じていただけるように、必要な支援となるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

塩川委員 引き続き検討ということですけれども、同じ時短要請であれば、そこに、支援に差があるのはおかしいというのは率直に指摘しなければなりませんし、経営への影響を踏まえて、事業規模に応じた事業者への支援をしっかりと行うことを改めて求めまして、質問を終わります。

高木委員長 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。

 時間も短いので、早速入りたいと思います。

 緊急事態宣言又は今回の蔓延防止等重点措置は、始めるときよりも、終わるときの方が難しいというのがありまして、やはり陣頭指揮を執られている地元知事の意向というのを最大限尊重していただきたいというふうに考えますが、その御意向を、まず見解をお聞きしたいのが一点。

 もう一つは、この蔓延防止等重点措置の際に、今回定められている政令に記載されている措置を都道府県知事が運用するわけです。これは、柔軟に運用できるように、使いやすい制度にしてほしいというのがまず一つあります。

 例えば、大阪では、ちょっと評判の悪いマスク会食というのがあるんですけれども、これはやはり効果はあると思うんですね。吉村知事は、これからしっかりとちゃんとしたメッセージを放って、住民の皆さんに行動変容を起こしてもらわないといけないと。

 そういう観点から、このマスク会食を、今、政令の範囲内では、店舗に要請するということはできるけれども、個人を制限することはできない、こういう区切りになっているわけでありますけれども、何とか、事業者も守るという観点から、このマスク会食の義務化というのを、もう一歩踏み込んで、解釈をうまく柔軟に運用できるようなことができないかなと。それがひいては行動変容にもつながっていく、こういうふうに考えるわけでありますが、この点について御見解をいただけたらと思います。

西村国務大臣 御指摘のように、緊急事態宣言あるいは蔓延防止等重点措置などをやる場合も、やはり解除のときがなかなか難しいのかなと。去年の春もそうでありました。

 その上で、知事が、やはり病床の状況、感染状況を一番よく御存じでありますので、知事の意見、知事の意向、これはしっかり受け止めて、その上で、国の基準に照らして、専門家の御意見を聞いて判断をしていきたいというふうに考えております。

 その上で、マスク会食などございました。

 政令で、マスク着用など感染防止に関する措置の周知であるとか、正当な理由がなくマスク着用等がない場合に入場の禁止であるとかを定めたところでありますけれども、私ども、こういったことは基本的な感染防止策で当然行われるべきことだというふうに理解をしております。

 その上で申し上げれば、国として様々法制局とも議論をしてきましたけれども、基本的人権への配慮、第五条の規定も踏まえて今回このような規定にさせていただいておりますけれども、以前から、維新の会からは条例で何かできることはないのかという、昨年もかなり問題提起をいただきました。

 最終的には司法判断になりますけれども、政令の規定を根拠として条例を制定することはあり得るのではないかというふうにも考えております。国としても、引き続き様々な検討、不断の検討を重ねていきたいと思いますし、是非、地方公共団体におかれても、不断の検討を重ねていただければというふうに思います。

藤田委員 一歩踏み込んだ御発言をいただきまして、ありがとうございます。

 重要なのは、これがしっかりと住民の皆さんに伝わって、行動変容が起こって、感染を拡大するのをできるだけ防ぐ。その中でも経済を動かしていくということを知事ができるだけうまくハンドリングできるようなバックアップをお願いしたいということと、これは、罰則や過料、こういう私権の制限も含めて、これをやりたいわけじゃないと思うんです。だから、このメッセージがうまく伝わって、感染拡大が塞がっていくということを是非とも目指したいというふうに思いますので、更なるバックアップをよろしくお願いしたいと思います。

 それから、最後に一問だけ。

 大阪では、休業要請時に支援金、協力金をお配りしている、この六万円、四万円というのがあるんですけれども、六万円なり四万円であったとしても、この不公平感、規模の大小によってあるというのは、これはずっと国会でも取り上げられてきました。

 なので、大阪では、家賃見合いで少し上増しして補助したいという意向が今示されているわけでありますけれども、この場合、やはり財源のところが問題になってきます。これは、国のバックアップや財政の支援、是非ともプラスアルファでやっていただきたいと思いますが、この支援の在り方について御見解をいただけたらと思います。

西村国務大臣 まず、今、一日最大六万円、月額換算で最大百八十万円の協力金、それを国が八割バックアップをして行っているところでありますけれども、この六万円も、実は都道府県の判断で、規模が小さなところは三万円にするとか四万円にするとか、いろいろ可能なんですが、やはり執行の迅速性ということも考えて、どこの都道府県も一律で六万円ということで行われております。

 その上で、一兆円の地方創生臨時交付金を配分させていただいておりますので、これを是非うまく活用していただいて、これは感染状況も加味して、大阪府、大阪市、それぞれ、そして市町村にも配分させていただいていますので、うまく活用していただければというふうに考えております。

 その上で、さらに、まさに経営への影響の度合い、公平性、円滑な執行、これも含めて、引き続き、私どもも検討を重ねていきたいというふうに考えております。

藤田委員 ありがとうございます。終わります。

高木委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。よろしくお願いいたします。

 私も、これまで指摘のありました事業者の支援について今日は集中して質問をさせていただきたいと思います。

 まず、先日、九日に閣議決定された政令を見ますと、蔓延防止等重点措置の適用要件、あるいは事業者へ要請できる措置の内容を見てみますと、都道府県独自で緊急事態宣言を出している地域において、既に同様な取組が第二十四条の規定の範囲内で行われているというふうに認識をしております。

 こうした背景から、蔓延防止等重点措置が適用になったから何らかの追加的な支援というふうになることに対して、多少不公平感の声が上がるのではないかというふうに懸念をしております。

 そこで、最初の質問ですけれども、今回の法改正で新たに定められた事業者への支援に関する規定、第六十三条の二がございますが、ここには、蔓延の防止に関する影響を緩和し、そして、国民生活、国民経済の安定を図ることが目的とされています。

 この考え方に基づけば、影響を緩和するわけですから、事業者が受けた影響がある程度同様であれば、どの措置が適用になっていたとしても同じような支援を行うべきではないか、そのように考えるわけですけれども、政府の見解をまず伺いたいと思います。

 まとめて質問してしまいますが、二問目は、先日の十日の予算委員会の中で、西村大臣御自身が、蔓延防止等重点措置の影響を受ける事業者への支援について、経営への影響の度合いが異なることに言及をした上で、適切に対処をしたい、対応したい、そんな御答弁をされておりました。この発言の趣旨というのは、同措置によって事業者が受けた影響の度合いに応じた支援を行う意思は政府にはあるというふうに理解をしてよいのかどうか。これが二問目の質問になります。

 続いて、三問目になりますが、私たち国民民主党は、これまでも、玉木代表を始め、アメリカが既に行っているPPP、ペイチェック・プロテクション・プログラムのような制度を日本でも導入すべきではないかというふうに主張してまいりました。

 先日、大臣の答弁の中で、検討はしているということだったんですが、雇用を守ることに関しては雇用調整助成金があります。ただ、今事業者が求めているのは、当面の運転資金を確保しつつ、次の、アフターコロナに備えた業態転換、事業改革を行う体力、一時的な体力が欲しいという方々も大変多くいらっしゃいまして、是非とも検討いただきたい。これはお願いでございますが、これが三問目です。

 最後、四問目になりますが、今回、一時金制度についても検討がされております。ただ、現状、政府からの発表内容を見ますと、緊急事態措置の影響を受けた事業者若しくはそれによって外出自粛の影響を受けた事業者というのが対象になっておりますが、是非ここに蔓延防止等重点措置の要請を受けた事業者も対象に加えていただきたい。これが今、現場から強く出ている声だと我々は思っておりますので、是非、この四問に御答弁をお願いいたします。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、事業者への支援、具体的な支援措置につきましては、その時々の感染症の蔓延状況、あるいは、社会あるいは経済情勢によっても随時変わってくるものというふうに思っております。また、都道府県知事から要請される措置内容、それにもよってくるんだろうというふうに思っております。

 いずれにしましても、時間短縮要請のその内容とか、あるいは御指摘ありました経営への影響の度合い、これをしっかり勘案して、そして、これも御指摘いただきました公平性の観点、それと併せて円滑な執行の観点、こうしたことも配慮しながら、要請に十分な理解をいただけるような必要な支援策を講じていきたいというふうに考えております。

 蔓延防止措置の際にどういった支援策を行うかは現在検討中でございまして、今申し上げたような必要な支援となるように引き続き検討していきたいと思いますし、関連の事業者につきましても、協力金の在り方と同様、必要な支援となるよう引き続き検討を進めていきたいと考えております。

 最後に、アメリカのPPPでありますが、私どもも研究を重ねております。その中で、課題としては、審査を物すごく簡素化していますので、四千億円以上の不正受給があったり、あるいは、対象期間中に従業員の方を一旦解雇して、申請時に人数をまた戻すといったようなことも行われているようでありますし、複数の経済学者の研究では、雇用維持の効果が限定的ではないかということも指摘をされております。それと、御指摘ありましたように、雇調金、私どもはありますので、これとの調整をどうしていくのか。

 こういったことも含めて、私ども、実は昨年も仕組みを検討したことはあります。ただ、当時、日本政策金融公庫を使ってと思ったんですが、当時もう無利子無担保ので手いっぱいになって、とても追加的なことができないということもございました。

 御指摘の、資金繰りについては、四千万円までの上限を六千万円まで引き上げたところでありますし、引き続き支援をしっかり行っていきたいと考えておりますが、いずれにしましても、このアメリカの仕組みであるとかドイツなど、ほかの国々の仕組みもしっかり研究をして、事業者向けの支援策、先ほど申し上げたような必要な支援策となるよう、影響の度合いなども勘案しながら、公平性の観点も入れながら、引き続き不断の検討を進めたいというふうに考えております。

浅野委員 終わります。ありがとうございました。

高木委員長 これにて発言は終わりました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後六時九分散会


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