衆議院

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第3号 平成30年12月6日(木曜日)

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平成三十年十二月六日(木曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 望月 義夫君

   理事 大見  正君 理事 福井  照君

   理事 藤丸  敏君 理事 三ッ林裕巳君

   理事 三原 朝彦君 理事 岡島 一正君

   理事 岡本 充功君 理事 稲津  久君

      泉田 裕彦君    上杉謙太郎君

      小倉 將信君    大岡 敏孝君

      岡下 昌平君    金子 俊平君

      金子 恭之君    神山 佐市君

      小林 史明君    高村 正大君

      坂本 哲志君    杉田 水脈君

      田野瀬太道君    高木  啓君

      谷  公一君    中谷 真一君

      西田 昭二君    根本 幸典君

      鳩山 二郎君    船橋 利実君

      堀井  学君    宮川 典子君

      宮路 拓馬君    池田 真紀君

      菊田真紀子君    森山 浩行君

      早稲田夕季君    浅野  哲君

      近藤 和也君    山岡 達丸君

      佐藤 英道君    遠山 清彦君

      もとむら賢太郎君    田村 貴昭君

      森  夏枝君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       山本 順三君

   内閣府副大臣       中根 一幸君

   総務副大臣        鈴木 淳司君

   内閣府大臣政務官     舞立 昇治君

   総務大臣政務官      國重  徹君

   文部科学大臣政務官    中村 裕之君

   厚生労働大臣政務官    新谷 正義君

   農林水産大臣政務官    濱村  進君

   環境大臣政務官      菅家 一郎君

   防衛大臣政務官      鈴木 貴子君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室次長)         山田 邦博君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   海堀 安喜君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 多田健一郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 奈良 俊哉君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     秋本 芳徳君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           小宮大一郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 住澤  整君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           岡村 直子君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官)           山崎 雅男君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           八神 敦雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       菱沼 義久君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           上田  弘君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  織田  央君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           米田 健三君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        南   亮君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         徳永 幸久君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術参事官)         浅輪 宇充君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            平岡 成哲君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 松澤  裕君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          山田 知穂君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房施設監) 平井 啓友君

   衆議院調査局第三特別調査室長           奥  克彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十二日

 辞任         補欠選任

  田村 貴昭君     宮本 岳志君

同月二十七日

 辞任         補欠選任

  宮本 岳志君     田村 貴昭君

十二月六日

 辞任         補欠選任

  高村 正大君     西田 昭二君

  谷  公一君     泉田 裕彦君

同日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     岡下 昌平君

  西田 昭二君     高村 正大君

同日

 辞任         補欠選任

  岡下 昌平君     上杉謙太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     谷  公一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

望月委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十一月二十六日、平成三十年北海道胆振東部地震による被害状況等調査のため、北海道に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党の大見正君、福井照君、藤丸敏君、三原朝彦君、船橋利実君、立憲民主党・市民クラブの岡島一正君、池田真紀君、国民民主党・無所属クラブの山岡達丸君、公明党の佐藤英道君、無所属の会のもとむら賢太郎君、日本共産党の宮本岳志君、日本維新の会の森夏枝君、そして私、望月義夫の十三名であります。

 九月六日未明に発生した平成三十年北海道胆振東部地震は、北海道では初めて最大震度七を観測し、地震による強い揺れや土砂災害、液状化等により、四十一名の方々がお亡くなりになるなどの人的被害、一万棟を超える住家に対する被害が発生しました。また、地震直後に発生した北海道全域での停電によるライフラインの寸断や産業被害の拡大など、道民の暮らしや経済社会活動に広範かつ多大な影響が生じました。

 ここに改めて、今般の地震によりとうとい生命を奪われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告いたします。

 初めに、札幌市清田区里塚地区の液状化による被害現場を視察いたしました。同地区は、谷部を火山灰質の砂質土で埋めた部分を含む造成地で、昭和五十四年に竣工しました。今般の地震では震度五強の揺れにより地盤が液状化し、土砂が噴出、標高の低い場所に堆積する一方で、過去に盛土された谷部は土砂の流出により大きく陥没した結果、大きな住家被害が発生しております。現在、除雪車等が入れるよう道路等の一定の仮復旧は終了しており、今後、地盤の改良に向け、住民の同意を得ていくとのことでありました。

 次に、札幌市清田区役所におきまして、高橋北海道知事及び秋元札幌市長より、それぞれ今般の地震に係る北海道及び札幌市の被害状況の説明を受けるとともに、北海道からは、被災地の迅速な復旧に向けた支援、復旧復興に対する十分な地方財政措置等について、また、札幌市からは、地震被害からの復旧に対する支援、被災者への支援等について、それぞれ要望を受けた後、仮設住宅等の状況、液状化被災地区における除雪対策、大規模半壊や半壊の被害を受け撤去する家屋を公費解体の対象とする必要性、ブラックアウト発生の教訓を踏まえたエネルギー対策について意見交換を行いました。

 次いで、勇払郡むかわ町の中心市街地の被災状況を視察いたしました。今般の地震で、むかわ町では東西方向に揺れ、同方向に走る中央道路沿いに多くの家屋が被災したとのことであり、現在は、被災家屋の解体撤去が進められておりました。被災した建物の中には歴史的建築物である旧鵡川駅逓所も含まれておりましたが、同町では、再建し、再利用していきたいとのことでした。

 次に、むかわ町役場において、竹中むかわ町長より同町の被害状況の説明を聴取するとともに、歴史的建築物の再建、利活用に係る支援とグループ補助金の適用、道立鵡川高等学校生徒寮の被災対応等について要望を受けた後、森林の復旧を始めとする第一次産業復興の必要性、小規模事業者持続化補助金の適用条件の緩和、復旧復興に要する期間の見通し等について意見交換を行いました。

 次いで、勇払郡厚真町の厚真町総合ケアセンターにおいて、宮坂厚真町長より同町の被害状況の説明を聴取するとともに、被災者への支援、復興計画の策定支援等について要望を受けた後、広域農業協同組合の共同利用施設の復旧状況、災害に起因する人口減少への対応と今後の展望、住宅再建に係る支援充実の必要性等について意見交換を行いました。

 次に、厚真町吉野地区の土砂災害現場を車窓より視察いたしました。なだらかな斜面に広がるカラマツの森林が広範囲に崩れ落ち、道路と山裾の間にあった多くの住宅が押し潰されておりました。樽前山の噴火により積もった火山灰や軽石が地震の揺れで一気に崩れ落ちたことにより、広範囲かつ大規模な土砂災害となったものでありますが、同様の災害が約四千年前に発生した痕跡も発見されているとのことでもあります。宮坂町長は、日本の至るところに活断層は存在し、また活火山もあることから、このような災害はどこで起こっても不思議ではなく、今回の被災の教訓をぜひ今後の災害対策に役立ててほしい旨の発言をされていました。

 次に、厚真町富里浄水場の被害状況を視察しました。同浄水場は、本年八月に完成し、稼働を始めたばかりでありましたが、ここも、今般の地震で発生した土砂崩れにより被災し、使用することができなくなっております。現在は、以前使用していた新町浄水場を再稼働させることにより町内の水供給は復旧しておりますが、富里浄水場の早期の復旧が望まれております。

 次いで、勇払郡安平町の町立早来中学校の被災状況を視察しました。同中学校の校舎は、床にもひびが入り、天井のモルタルが落下するなどにより使えなくなっております。別の場所に新たな校舎を建て、あわせて小中一貫校として再編することとしておりますが、新校舎が完成するまでの間に使われる仮設校舎の完成は十二月末とされており、生徒は現在、町民センターの会議室で授業を受けているとのことでした。

 最後に、安平町役場において、及川安平町長より同町の被害状況の説明を聴取するとともに、早来中学校の仮設校舎建設に係るより一層の支援、十分な地方財政措置と復興基金の創設支援等について要望を受けた後、災害廃棄物処理の見通し、早来中学校の新校舎建設の具体的スケジュール、町の独自テレビ放送の今般の災害等での活用状況と評価等について意見交換を行いました。

 以上が調査の概要でありますが、今般の地震による北海道の被害はまことに甚大であり、早急な対応の実施が必要であると強く認識いたしました。

 当委員会としても、日本国内どこでも起こり得る直下型地震への対応、広域かつ長時間の停電等による諸施設の対応や情報提供のあり方などの課題に対して積極的に取り組んでいく必要があると痛感した次第であります。

 最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

望月委員長 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国土強靱化推進室次長山田邦博君、内閣府政策統括官海堀安喜君、総務省大臣官房審議官奈良俊哉君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長秋本芳徳君、消防庁国民保護・防災部長小宮大一郎君、財務省大臣官房審議官住澤整君、文部科学省大臣官房審議官岡村直子君、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官山崎雅男君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官宮嵜雅則君、厚生労働省大臣官房審議官迫井正深君、厚生労働省大臣官房審議官八神敦雄君、農林水産省大臣官房生産振興審議官菱沼義久君、農林水産省大臣官房参事官上田弘君、林野庁森林整備部長織田央君、経済産業省大臣官房審議官米田健三君、資源エネルギー庁資源・燃料部長南亮君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁経営支援部長奈須野太君、国土交通省大臣官房技術審議官徳永幸久君、国土交通省大臣官房技術参事官浅輪宇充君、観光庁観光地域振興部長平岡成哲君、環境省大臣官房審議官松澤裕君、原子力規制庁原子力規制部長山田知穂君及び防衛省大臣官房施設監平井啓友君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。船橋利実君。

船橋委員 おはようございます。自由民主党の船橋利実でございます。

 きょうは、質問の貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 冒頭、私からも、今回の北海道胆振東部地震におきまして犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、今ほど望月委員長から御報告ございましたけれども、先般、災害対策特別委員会として、望月委員長始め各会派の理事、委員の皆様方には、北海道の被災地を御視察いただき、地元関係者から意見等を聴取いただきましたことに心から感謝を申し上げる次第であります。

 また、政府におきましては、九月六日の地震発災直後から迅速かつ適切な御対応をいただきましたことに感謝を申し上げます。

 被災者や各自治体が前向きに復旧復興に取り組み始めておりますけれども、甚大な被害が発生したわけでございますから、引き続きの強力な御支援を心からお願いさせていただいて、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、物流拠点についてお尋ねいたします。

 今回の震災によりまして、北海道の物流重要拠点であります苫小牧港が、液状化の影響で港湾施設が甚大な被害を受けました。現在、苫小牧港湾管理組合によりまして復旧作業中でありますけれども、通常三隻入れる大型船を二隻に制限をせざるを得ないということから、荷揚げに非常に大きな影響が続いているということでございまして、結果的に道内の物流にも大変深刻な影響を与えております。

 こうしたことから、早期の復旧が望まれているところでございますけれども、今後の復旧の見通し、そして国の支援策などについてお聞かせをいただきたいと思います。

浅輪政府参考人 お答えいたします。

 苫小牧港のコンテナターミナルは、九月六日に発生いたしました北海道胆振東部地震による停電のため、一時的に稼働を停止しておりましたが、停電の解消後、九月十日に稼働を再開いたしました。

 液状化現象につきましてですが、空のコンテナの置場で発生をいたしました。港湾管理者である苫小牧港管理組合において、新たな空のコンテナの置場を直ちに整備し、利用者に支障が生じないよう対策が講じられたところです。

 一方で、現在、荷物が入っておりますコンテナ、実入りのコンテナの引取りが進まず、地震前に比べてコンテナ置場の容量が不足していることから、荷おろしをする船舶の入港について、先生御指摘のとおり、調整している状況と伺ってございます。

 このため、苫小牧港管理組合におきましては、荷主等に対してコンテナの早期引取りの要請を行うとともに、年内をめどにコンテナ置場の拡張を実施することとしております。

 また、苫小牧港管理組合では、液状化被害を受けたコンテナ置場の災害復旧も進めているところでありまして、国による岸壁等の復旧もあわせて、引き続き苫小牧港の早期復旧に取り組んでまいります。

船橋委員 ありがとうございます。

 次に、災害廃棄物の処理についてお尋ねをいたします。

 災害廃棄物処理事業におきましては、大規模半壊及び半壊家屋の解体費用は、個人資産としての価値が残っているということを理由に、補助対象外の扱いとなっておりますけれども、こうした場合であっても、修復を断念せざるを得ない場合などについては対象とすべきと考えますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。

 また、被災した住民の立場からいたしますと、住宅の再建、修復についてすぐに判断をすることができない場合もあるため、来年度以降に発生する家屋の撤去、解体費用も補助事業を適用してほしいとの要望がありますけれども、御対応についてお聞かせをいただきたいと思います。

松澤政府参考人 お答えいたします。

 環境省は、自然災害により被災した市町村が実施する災害廃棄物の収集、運搬及び処分費用について、災害廃棄物処理事業費補助金により市町村に財政支援を行っております。

 まず、半壊家屋の解体とその廃材の処理についてのお尋ねでございます。

 この補助金は、生活環境保全の支障となる災害廃棄物の処理を対象としてございます。このため、明らかに廃棄物と観念できます全壊家屋の撤去は対象となりますが、半壊家屋などの解体費用は補助対象ではございません。

 しかし、今回の災害では、各市町におきまして公費解体を行うという方針、こういうことでございますので、半壊家屋を解体する場合に発生いたします廃材の運搬、処理費用、この部分については補助対象とさせていただき、応援をしていくということにしております。

 次に、来年度以降に発生する家屋の撤去についてのお尋ねでございます。

 災害廃棄物処理事業における財政支援につきましては、これまでも、予備費あるいは補正予算により必要な柔軟な対応をさせていただきました。今回の災害につきましても、引き続き、災害廃棄物の処理状況、あるいは年を越すというようなことがございますので、被災市町の御事情をお聞きしながら、被災者に寄り添って、必要な支援をしっかり実施させていただきたいと考えております。

船橋委員 ありがとうございます。

 この件に関しましては、今回の災害特の視察時にも地元首長から御要望いただいた案件でもございますので、ぜひ、今ほど御答弁いただきましたけれども、より積極的なお取組をお願いしたいと思います。

 次に、実は、この災害廃棄物の前に、被災自治体によりまして対応が異なっているのでありますけれども、廃棄物の中にはリサイクルとかリユースが可能なものも含まれております。こうしたものについては、単にごみとしての処分とはせずに、被災者支援の観点からも、専門の方々のノウハウを有効に活用していく方法についても検討していくべきであると考えますけれども、お取組をお聞かせいただきたいと思います。

松澤政府参考人 お答えいたします。

 災害廃棄物のうちリユース、リサイクルが可能なもの、こういったものにつきましては、可能な範囲で再生利用を行うことが、環境負荷の低減、さらに災害廃棄物処理費用の削減という観点から有効でございますので、その実施に当たっては、地域の専門業者のノウハウ、これを活用させていただくことが有効だと認識しております。

 環境省におきましても、災害廃棄物の再生利用、適正処理を進めるため、分別の徹底あるいはリサイクル先の確保、こういったことについて自治体に技術的助言を行っております。

 また、リユースにつきましては、被災者の心情あるいは仮置場の管理、処理の迅速性なども総合的に勘案しまして、各自治体においてどのようにリユースをしていくか判断されている状況でございます。

 引き続き、被災自治体と連携して、災害廃棄物の円滑、迅速な処理に努めていきたいと考えております。

船橋委員 よろしくお願いいたします。

 次に、避難所に関することについてお聞かせをいただきたいと思います。

 災害対策基本法に基づく指定避難所の指定は市町村が行うことになっておりますけれども、学校や公民館などの公的施設のほか、民間施設も施設管理者の同意を得て指定できるというふうにされておりますけれども、まず、指定避難所の状況、これは官民施設の指定割合なども含めて教えていただきたいと思います。

小宮政府参考人 お答えいたします。

 消防庁が実施いたしました昨年四月一日時点での調査によりますと、指定避難所は全国で七万九百四十七カ所が指定されています。そのうち民間施設などにつきましては、国、都道府県、市町村が所有又は管理している施設以外のものとして調査をいたしておりますが、全国で五千六百八十六カ所、全体の八・〇%となっております。

船橋委員 ありがとうございます。

 災害対策基本法に基づく指定避難所の指定に当たり、市町村長は、想定される災害状況、人口状況その他の状況を勘案し、指定しなければならないとされていることを踏まえますと、実は、この避難所の指定というのは定期的な見直しというものが本来行われるべきでありますけれども、行われていないことの方が多い実態が見受けられます。

 実際、都市部では、指定避難所数と収容人員数が人口状況とかけ離れていて、私が視察をいたしました避難所によりますと、収容数をオーバーしているので断っているというケースがありました。そのために、結果的に避難所をたらい回しされるという状況もありました。また、民間施設では、非常時の物資が備蓄されておらず、避難者が困惑する状況もありましたし、さらには、行き場を失い戸惑うビジネスマン、旅行者などが、外国人も含め多数おりました。

 こうした現状を踏まえて、避難所についてお伺いしたいと思うのでありますが、避難所となる学校施設の防災機能についてでありますが、小中学校は九五・七%、高等学校は七七・一%が避難所指定を受け、自治体との間で連携協力体制を九五・二%で構築しておりますけれども、学校施設利用計画の策定が小中学校、高等学校で約四〇%程度、防災機能の保有状況では、非常用発電設備が整備されている割合が小中学校、高等学校で約五四%程度など、避難所として不十分な現状と言わざるを得ません。

 これらの点について、早期に対応していくべきと考えますが、見解をお聞かせください。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 公立学校施設は、児童生徒の学習の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難場所としての役割を果たすことから、その防災機能を確保することは重要であるというふうに考えております。

 一方、先生御指摘のとおり、平成二十九年度の調査では、避難所に指定されている公立学校のうち、災害時の学校施設利用計画を策定している公立小中学校は三九・六%、自家発電設備など電力に関する防災機能を確保している学校は五三・四%という状況になっておりまして、引き続き取組を推進する必要があるというふうに考えてございます。

 文科省では、有識者会議を設置して、災害に強い学校施設のあり方について報告書を取りまとめております。その中で、避難所となる学校施設について、災害時における利用計画を策定することの重要性や策定に当たっての留意事項を示すとともに、災害時に電力を確保することの重要性や手法なども示しておりまして、各学校設置者に対しては、この報告書も参考として、各地域の実情等を踏まえつつ、防災担当部局との適切な連携協力体制のもと、防災機能の強化に取り組んでいただくよう、講習会等の場も活用しながらお願いしているところでございます。

 文科省としては、引き続き、関係省庁と連携しまして、さまざまな機会を通じて、各学校設置者に対して、防災担当部局と一体となって避難所となる学校施設の防災機能強化を行うことの重要性について普及啓発に努めるとともに、学校施設の防災機能の強化に資する整備に対して国庫補助を行うなど、地方公共団体の取組を積極的に促してまいりたいというふうに考えております。

船橋委員 ありがとうございます。

 次に、医療機関、社会福祉施設などにおける非常用電源のことなんですけれども、今回、ブラックアウトによりまして、発電容量や油の備蓄量が不足をしているというケースがありました。また、そもそも非常用発電設備がないという場合もありました。

 こうしたことも早急な対応が求められているわけでありますけれども、国は、現在、医療機関等の発電設備等に関する実態調査を行っていると聞いておりますが、この結果というのはいつごろまでに取りまとめ、公表されるのか、また、その後の対応についてどのように行うのか、お聞かせをいただきたいと思います。

迫井政府参考人 お答えいたします。

 病院につきましては、災害時に特に重要な医療機能を担う災害拠点病院等に対しまして調査を行いまして、三日程度の長時間停電の際に診療機能を維持するために必要な電力の確保が自力でできない可能性のある病院がございました。このため、燃料タンクなどの設備の増設等の支援等の対応策を検討いたしてございます。

 また、これ以外を含めました全病院、これは八千四百ございますけれども、非常用自家発電設備の整備など、長時間の停電や断水等に十分な備えを講じているかを調査を開始したところでございまして、年度内を目途に結果をまとめ、その結果を踏まえて、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

 それから、高齢者施設や障害者施設におきましては、日常生活上の支援が必要な者が多数利用していることから、災害時にしっかりとその機能を維持できるよう、厚生労働省では、補助金を活用いたしまして、非常用自家発電の設置を促進しているところでございます。

 平成三十年北海道胆振東部地震の大規模停電を踏まえまして実態把握をいたしまして、防災・減災対策の観点からどういう対応ができますか、検討させていただきたいと考えております。

船橋委員 今後の指定避難所のあり方についてお尋ねしたいのでありますが、先ほども申し上げましたけれども、現在、指定避難所というのは、必ずしも人口動態、交流人口の動向を踏まえた見直しが適切に行われていないという状況があります。これは、災害対策法上も指定避難所の指定に関する見直し規定がないということが理由なのでありますけれども、私は、こうした点についても適切に行われていくということが必要だというふうに思っております。

 また、加えて、公共施設を指定避難所とする場合にも、これは数と配置に限りがありますから、ホテル、旅館などの民間施設などについても有効に活用できるように、そしてまた、今ほど学校施設あるいは病院等のお話がありましたけれども、防災機能が更に強化されるような整備を、国としても、財政的な支援を含め、支えていくべきというふうに思うわけでございますけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 内閣府におきましては、地域的な特性や過去の教訓、想定される災害等を踏まえて、公民館、学校等の公共施設を対象に、その管理者の同意を得た上で指定避難所として指定することを市町村に促しているところでございます。

 また、管内の公共施設のみでは避難所を量的に確保することが困難な場合、旅館、ホテル、企業の研修施設や福利厚生施設等を活用できるよう、事前に協定を締結することも促しているところでございます。

 指定避難所の防災機能の整備につきましては、先ほど文科省と厚労省の方から答弁があったとおりでございますが、内閣府といたしましても、関係省庁とも連携をして、防災機能の強化をしっかりと図ってまいりたいと思っております。

船橋委員 大臣、ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。

 次に、ガソリンスタンドの問題についてなんですけれども、今、東日本大震災を踏まえてから、緊急通行車両等に優先給油を行う中核SS、これを全国で千六百二十六カ所、昨年度末までに整備を進め、その後、熊本地震を踏まえ、一般の方々が利用することができる住民拠点SSの整備、これも平成二十八年度より開始をされ、全国で千三百四十六カ所進めておりますけれども、これを更に、三十一年度ごろを目途に、全国に八千カ所程度整備するというふうに聞いております。

 道内では、中核SSが六十五、住民拠点SSが二百三十六、整備済みですけれども、来年度中に北海道においてはどの程度まで整備が進む見込みであるのか、お伺いをいたします。

南政府参考人 お答えいたします。

 本年九月の北海道胆振東部地震の経験を踏まえまして、ガソリンスタンドへの自家発電機の導入は喫緊の政策課題であると再認識したところであります。

 先生おっしゃるとおり、自家発電機を平成三十一年度ころまでに全国八千カ所に導入するという目標をできるだけ早期に達成するべく、対策を講じてまいりたいと思っております。

 北海道について申し上げますと、ことし十月末時点で、約千八百カ所のガソリンスタンドのうち、自家発電機を備えたガソリンスタンドは約三百六十カ所でございます。

 今後につきましては、経済産業省及び北海道庁による支援によりまして、自家発電機を備えたガソリンスタンドを今年度末までに約七百カ所、来年中に約八百五十カ所まで拡大していきたいというふうに考えております。

 ありがとうございました。

船橋委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 実は、災害発生時、パトカー等、あるいは自衛隊車両は中核SSで優先的に給油を受けられますけれども、民間車両でも、指定行政機関から緊急通行車両等の識別標章を掲示した車両というふうになれば、優先的給油を受けられることになっております。

 ところが、今回の北海道胆振東部地震の際には、救援物資を運ぶトラック、災害対応に出動したダンプカーや建設機械は、一台も標章を受けることができませんでした。そのために優先的給油を受けられないということが起きたわけでありますけれども、制度が広く知られていないという問題もあるんですが、それよりも、標章発行が都道府県公安委員会の権限であって、標章発行については通行規制区間、要するに通行どめをしたところを走行する車両のみを対象としていたために、今回の震災では、通行規制区間が全くなかったということから、標章の発行がなされないということになりました。これが問題であります。

 したがって、今後、同様の事態が発生した場合であっても、災害対応を担う民間車両への優先的給油が行えるような仕組みを検討していくべきだと思いますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。

南政府参考人 お答えいたします。

 経済産業省は、全国約千六百カ所のガソリンスタンドを中核サービスステーションと定めまして、災害時に緊急対応を行うために使用される車両としまして、消防車、パトカー、救急車等の赤色灯を有する道路交通法に基づく緊急自動車、自衛隊車両及び警察が緊急通行車両等の確認標章を発行した車両に対し優先的に給油を行うこととしております。

 他方、委員の御指摘のとおりでありますが、災害の規模や被災状況によっては、警察による緊急通行車両の確認標章が発行されないケースがあります。その場合でも、中核SSでの優先的な給油が必要となる車両が存在する場面も想定されるところでございます。

 経済産業省としては、こうした状況を踏まえまして、現行制度で対応が必ずしも十分ではない点について、関係する省庁や企業と連携しつつ、検証する中で、災害時に優先給油が必要な車両が中核SSを優先的に利用できる方法について考えてまいりたいと思っております。

船橋委員 早期の検討をお願いしたいと思います。

 また、実は、タンクローリーが油を輸送することができないという事態もありました。これはどういうことかというと、通常、災害が発生したときには、警察車両が先導するというような対応をするのでありますが、全道一円のブラックアウトでありましたから、警察力にも限界があって、それができなかったということでありました。

 結局、現状では、タンクローリーの会社、ここが最終的に安全確認ができた場合には輸送する、こういう仕組みになっております。これでは、今回のようなブラックアウトが起きた場合にはまた同じ事態が発生するということになりますので、やはり道路管理者、警察、事業者が連携をして、安全な輸送ルートを確保する、こうした取組が必要だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

南政府参考人 お答えいたします。

 ガソリンや軽油は、災害時に消費者の生活を支える燃料だけでなく、パトカーや消防車など緊急車両用の燃料、病院や通信など重要施設における非常用発電機用の燃料などに活用されておりまして、その供給は被災地の生活や経済活動に不可欠であると認識しております。

 こうした認識のもと、災害時にも燃料を円滑に輸送できるようにするため、これまでも政府や自治体の大規模災害への対処方針や共同計画において、製油所、油槽所へのアクセス道路などの燃料輸送ルートについて、必要に応じ、道路管理者による速やかな啓開や警察による交通規制を行うことが定められております。

 しかしながら、実際の災害の場面では、委員の御指摘のとおりでございますが、停電に伴う信号の停止により、ローリー会社がタンクローリーを運行できないという判断をするなど、さまざまな想定しない事態が発生する可能性があるということは認識しております。

 このような状況も含めまして、可能な限り円滑に燃料輸送を継続するためには、道路を管理する国の関係機関や都道府県等が、被災地における道路情報をわかりやすく提供すること、輸送が停滞している場合には、必要に応じ警察による円滑な輸送を確保するための支援を行うことなど、自治体や関係省庁と連携協力しながら、状況に応じた対策を講じていくことが重要だと考えております。

 経済産業省としましては、今回の経験も踏まえながら、将来いつ起きるかわからない災害に備えまして、平時から関係省庁や地方自治体との連携を強化し、災害時の円滑な燃料供給を確保するための体制を整備してまいりたいと考えております。

船橋委員 最後に、原子力規制委員会に伺いますけれども、現在、泊三号機の審査中と承知をしております。北海道の電力需給の実情を踏まえ、適切かつ迅速な審査を求める声が上がる中で、現時点におけます審査の状況と今後のスケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 北海道電力泊発電所の審査においては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、地震、津波などの自然現象の脅威について厳正に審査を進める必要があると考えております。

 泊発電所の審査では、現在、敷地内断層の活動性評価、敷地外の積丹半島西方沖の断層による地震動評価及び防潮堤の液状化対策方針などの課題がございます。特に、敷地内断層の活動性評価につきましては、事業者が当初からの立証方法を断念し、別の新たな指標により検討していることなど方針変更を行ったため、時間を要しております。

 原子力規制委員会としては、引き続き、科学的、技術的な見地から、厳正かつ効率的に審査を進めていく所存でございます。また、許可の可否について判断を行う時期につきましては、事業者側の準備に要する期間等にもかかわることから、明確な時期を申し上げることは差し控えさせていただきます。

船橋委員 ありがとうございました。

 終わります。

望月委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 おはようございます。公明党の稲津でございます。

 通告に従って順次質問をさせていただきます。

 まず初めに、大臣を始め関係閣僚等の皆様におかれましては、今般の一連の大きな災害、例えば、例を挙げますと、大阪の北部地震、西日本豪雨、そして台風二十一号、二十四号、そのほかにもありますけれども、そして北海道の胆振東部地震、相次いでこうした災害が我が国を襲いました。これほど一年間の間に集中したということも記憶にないというところでありますけれども、そういう間に、とりわけ、大臣におかれましても、十月の十七日に北海道、また岡山、愛媛、広島と被災地を訪れて、復旧復興の様子を調査しながらさまざまな施策を打っていただいている、このように思っておりまして、大変心強く思っているところでございます。

 とりわけ、北海道胆振東部地震と台風二十一号におきましては、激甚災害指定を早期に決めていただいて、そしてさまざまな手を打っていただいている。今後もそうした施策の推進をぜひお願いしたいと思っているところでございます。

 そこで、きょうは、この災害に関連して幾つか質問をさせていただきますけれども、まず一つ目は、北海道胆振東部地震で発生したブラックアウト対策についてお伺いをしておきたいと思います。

 それで、実は、北海道のこの地震による停電というのは大変大きなものがあって、実に北海道のほぼ全ての世帯、二百九十五万世帯が長期間にわたって停電になるという異例の状態でした。

 私も、地元は北海道ですから、数日間停電になりまして、コンビニエンスストアに行っても何も物が売っていない。それから、停電ですから、大変悩ましかったのは、今、例えばストーブにしてもエアコンにしても、あるいは備付けの電話にしても、停電になってしまうとほとんど使えないという大変苦しい状況が続いたんです。

 もとより、実際に被災を受けた札幌、あるいはまた胆振、厚真、そして安平、むかわ、こうした地域を始めとした、被災を実際に受けて避難所に暮らしている方々におかれては、もう大変な状況の中でこの間過ごしました。

 そこで、この停電についてなんですけれども、実は北海道だけじゃなかったんですね。西日本の豪雨でもそうですし、台風二十一号では、あるいは二十四号でも、これは関西電力、中部電力と、各地でそうした停電が長期間にわたって発生したこともありました。

 そこで、とりわけきょうは北海道のブラックアウトについて伺っておきたいと思うんです。

 まず、なぜこのようなブラックアウトが起きてしまったのか、その原因ですね。それと、もうあれから三カ月たっておりますけれども、この間にいろいろな調査をした段階で、今後どのような具体的な対策を打とうということで検討されてきたのか、このことについてまずお伺いします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただきましたブラックアウトの原因と今後の対応につきましては、電力広域機関における検証委員会というものを設置いたしまして、ここで検討をしていただきました。

 この中間報告では、今回のブラックアウトに至る事象につきましては、苫東厚真火力発電所の停止に加えまして、三ルートにわたる送電線事故が発生し、これに伴いまして水力発電所が停止するなど、複合的な要因によって引き起こされたものと評価されているところでございます。

 こういった今回のブラックアウトの原因と得られました反省、そして教訓を踏まえまして、十一月二十七日に開催されました重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議におきまして、電力インフラの強化を含めた再発防止策が取りまとめられたところでございます。

 この中では、電力インフラの強化につきましては、まずは、石狩湾LNG火力の活用の前倒し、また北本連系線の増強など、北海道での再発防止策の着実な実施を行うこと、また、日本全体で公共施設などの重要インフラへの自家発電設備の設置を促進すること、また、ツイッターなどを活用した復旧の見通しの迅速な発信、さらには、早期復旧に向けた連携強化などを電力業界全体に求めていくことなどによりまして万全の対策を講じていくといったこととともに、中長期的な対策といたしまして、更に地域間連系線の増強をしていくこと、特に、新北本連系線整備、これは六十万キロワットを更に三十万キロワット追加増強する整備でございますけれども、この後のさらなる増強につきましても、シミュレーションなどによりまして増強の効果を確認した上で、北海道内外のルート、さらには増強の規模も含めまして、来春までをめどに具体化を進めることが決定されております。

 さらに、災害に強い再エネの導入を促進するために、地域の再エネ利活用モデルの構築、又は、他の電源離脱等により周波数が低下しても発電を維持できる再エネの機能の強化などを講ずることとして、対策として掲げているところでございます。

 これらの対策につきましては、北海道電力、電力広域機関、また関係省庁などの関係者と連携しつつ、具体化に向けた検討に速やかに着手し、災害に強い電力供給体制をつくり上げていくことに尽力してまいりたいと考えてございます。

稲津委員 対策について具体的にお答えいただきましたので、それをしっかり実行していただきたいと思います。

 それから、原因のところで、今お話ありましたけれども、一部報道等では、この原因について、厚真の石炭火力発電所の地震による故障、火災だ、こういうことを言われているんですけれども、決してそれだけではなくて、複合的な要因があったということが挙げられたというふうに思います。

 そうしたことも踏まえた上での話ですけれども、それでは、いわゆる火力発電について耐震性はどうなっているのかという話なんです。

 原子力発電施設においては耐震基準というものがある、厳格にこれを守られておるわけですけれども、一方で、今回のこの案件を契機に、例えば、火力発電所の耐震基準はどうなっているのか、ないのではないか、もしないとするとこれをしっかり構築すべきではないか、こういう御意見があって、これはごもっともだと思うんです。

 私も調べてみましたら、一般的な地震動と高いレベルの地震動について、ここで若干の取扱いが違っていることもありまして、このことについて、改めて耐震基準についてお伺いしておきたいと思います。

米田政府参考人 お答え申し上げます。

 火力発電設備のボイラーやタービンが確保すべき耐震性の考え方は、過去の大震災を踏まえまして、国の審議会において、今先生が御指摘いただいたとおり、まずは、発電所の運転期間中に一、二回程度発生する確率を持つ一般的な地震動に対して、個々の設備ごとに機能に重大が生じないこと、次いで、発生確率の低い高レベルの地震動に対しましては、個々の設備の機能維持よりも、代替性の確保等によりまして総合的に電力供給システムの機能が確保されることと整理されてきたところでございます。

 北海道胆振東部地震後に開催いたしました審議会でも主要な電力インフラの総点検を行いましたが、北海道電力を始めとする大手電力会社が所有する火力発電設備等については、このような考え方に従って全て耐震性が確保されていることが確認されたところでございます。その上で、有識者からは、こうした火力発電設備の耐震性の考え方を電気事業法に基づく技術基準に明確に規定することを検討すべきとの方向性が示されたところでございます。

 経済産業省といたしましては、このような審議会での議論を受けまして、できる限り早期に検討を進めてまいる所存でございます。

稲津委員 よろしくお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 西日本豪雨に関連してですけれども、この西日本豪雨の中でとりわけ大きくクローズアップされたのが、果樹栽培、樹園地の甚大な被害ということが挙げられました。

 一つ例を例えますと、愛媛県では、実際に宇和島市を始めとした果樹農家が大変な被害を受けて、例えば果樹の改植、新植等についてもこれからの大きな課題なんですけれども、いわば山の樹園地それ自体が実は崩落してしまうとか、土砂が全部畑の中へ流れ落ちてしまうとか、こういう状況です。生産をもとに戻すには十年以上かかるだろう、こんな話もありました。

 そこで、豪雨により園地が流亡したこうした地域についての対策なんですけれども、では、ミカンとかかんきつ以外のものを植えたらどうなんだという乱暴な話もありますが、もとより、もうそれはしっかりとした産地化になっていまして、ここの地域に一番適した作物を長年にわたって歴史的に栽培している。こうした経緯から、やはり樹園地の復旧が大事だろうということなんです。

 ただ、原形復旧については一定の自己負担が伴う。大体一割ぐらいと言っています。ですから、この際、やはりその費用の大きさを考えたらもう離農するしかないだろう、こういう方も少なくないわけですね。

 そこで、この樹園地の復旧について、原形復旧、それから被災を受けた園地と隣接する被災を受けていない園地を足して行う改良復旧、さらには、山の部分を切り崩して谷を埋める大型の造成を行って、担い手の農地集積ですとか、そうした優良農地化をするということの再編復旧、こういう考え方があります。ぜひこの際こうしたことの取組を行っていくべきと思いますけれども、御意見をいただきたいと思います。

濱村大臣政務官 七月豪雨によりまして樹園地に甚大な被害が生じました愛媛県では、農業者の早期の営農再開を最優先課題といたしまして、被災した園地の原形復旧を基本に計画づくりを進めております。

 また、営農の効率化のため、傾斜を緩くし、被災を免れた周辺農地も取り込んで大規模化する園地の再編については、地元要望を踏まえつつ、被災農地の災害復旧を完了させた後に中長期的に取り組むこととしております。

 その上で、農林水産省といたしましても、このような園地の再編につきましては、営農の効率化及び災害に強い園地づくりに資するものであることから、しっかりと支援をしてまいりたい、このように思っております。

 また、果樹農業の復旧につきましては長い時間を要することとなりますので、しっかりと、この改植支援につきましても、収穫までの期間を短縮可能な大苗の活用を含めまして、引き続き現場の状況をよくお聞きしながら継続的に支援を行ってまいりたい、こう考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 しっかり補正予算等を使っていただいて今お話のあったことを実行していただきたい、このように思っている次第です。

 次は、北海道胆振東部地震の復旧復興について何点かお伺いしたいと思います。

 ちょうどきょうで、この胆振東部地震が発災してから三カ月になります。多くの方々が亡くなられました。また、今なお避難所あるいは仮設住宅等で暮らしている方も大勢いらっしゃいます。なりわいをどうするかという心配をしている方も大勢いらっしゃいます。

 そうした方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を、我々、この委員会におきましても視察も含めて行っている中で、これを確実に歩みを進めていきたいというふうに私自身も決意をしております。

 それで、九月六日、発災と同時に厚真町にも入らせていただいて、公明党といたしましても直ちに災害対策本部を設置いたしました。以降、数度にわたる現地調査も含めて、さまざまな要望もいただきながら対応してまいりましたが、九月十四日には官房長官に緊急要請をいたしまして、早期の激甚指定、仮設住宅の設置、ライフライン、そして農林水産、観光等の復旧、そして電力の供給体制についての支援、こうしたことを柱立てて要請をしたわけなんですけれども、大変ありがたいことに激甚災害指定が早期に進められて今日に至っているというのは、私は、今の政府の取組として評価をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。

 そして、質問ではないですけれども、札幌の清田の状況についてなんです。

 私も何度か現地調査に入っていますけれども、あの地域に行きますと、立っていますと目まいがしてくる、それぐらい甚大な被害。そして、そこで被害を受けている方々が、将来自分の家はどうなっていくんだろう、そういう大変な悩みの中で今日までいるわけです。

 昭和五十四年に造成したこの地域でございますが、ぜひ、こうした方々の支援も強化をして、そして、またもとの暮らしに戻れるように、迅速な復旧のためのお力添えをいただきたいと思っています。

 そこで、私がこれから質問させていただくのは、まず安平町の避難解除についてなんです。

 安平町の早来北進地区の住民に対し、避難指示が解除され再び住めるまで二年ほどかかる見通しだということになった、こういう新聞報道がありました。住宅地に隣接する裏山が土砂崩れを起こす危険があり、コンクリートなどで補修する必要があるが、全国に分散した不在地主の許可を得なければならず、調整に時間がかかるためだ。この早来地区では、二十三世帯三十六人が今町内の応急仮設住宅などで生活をしています。ここは通称早来ハイランドと呼ばれて、一九七三年に土地の販売を開始しているということ。

 ここで悩ましいのは、例えば、停電が解消された、水道も復旧した、自分の家は損傷を受けていない、だけれども、避難指示が解除されないから家に戻れない。そして、その避難指示の解除を願うとなったら何があるかというと、この裏山の斜面、のり面が大変な損傷を受けているということで、ここをまず工事しなきゃいけない。しかし、その工事をするためには、この住宅地の所有者の許可を得なきゃいけない。ですから、これはまた別な意味で住民の方々にとっては大変な悩み。少なくとも、調べ終わっても数年程度かかるということなんです。

 このことについて、実は事前にいろいろとやりとりをさせていただきましたが、その支援策として宅地耐震化推進事業というのがあります。しかし、要件が当てはまらない。なぜかというと、滑動崩落するおそれのある大規模盛土の造成地で、盛土部分の面積が三千平方メートル以上、かつ、盛土に建てた家が十戸以上。当てはまらないんです。

 ですから、私は、こういう事業というのは、やはり、これは耐震化の推進事業ですから、強靱化等々を考えていったら、この際、こうしたことをぜひ勘案して具体的な手を打つべきだ、こう思いますが、大臣、どうでしょうか。

山本国務大臣 まずは、今回の一連の災害において亡くなられた方々にお悔やみを申し上げ、そしてまた、被災された全ての皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 私どもも北海道の方に参りまして、厚真、安平、そしてむかわ、加えて先ほどお話の清田地区にも行ってまいりました。その災害のすさまじさに本当に驚きを禁じ得ないような状況でございましたが、一日も早い復旧復興に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 そこで、今ほどお話があった安平町の早来北進地区ののり面の亀裂や崩壊などの被害の復旧のために、これは先ほど議員が御指摘いただきましたように、宅地耐震化推進事業、これを適用することが考えられております。今後、安平町、それから北海道、加えて国土交通省において、具体的な適用について、今ほどおっしゃった話も含めて検討されるものというふうに聞き及んでおるところでございます。

 具体的に事業を進めるに当たりましては、先ほど委員御指摘のように、地主の散在や土地の所有者が不明であるというその状態を解消する必要がございます。東日本大震災の被災地におきましては、司法書士それから補償コンサルタントへの委託によって地方公共団体の用地取得事務の負担軽減を図ったというふうに聞いているところでございます。

 こうした情報についても、今後、関係省庁と協力して、北海道、安平町に情報提供をしてまいりたいというふうに思っております。

稲津委員 大臣、ぜひ安平町と緊密な連携をとっていただいて、打てる手を全部打っていただきたい。こうした自宅に戻れない切実な住民の方々の要請にしっかり応えていくのが、我々がこの国政で、我々立法府の立場もそうですけれども、取り組むべき最重要課題だと思っていますので、ぜひよろしくお願いをさせていただきたいと思います。

 それで、お隣のむかわ町も農業施設なども随分被害を受けまして、そのための対策も、今、国、道、そして自治体と連携しながら進めているところです。

 そうしたこともしっかりやっていただくとともに、とりわけ被災の大きかった厚真町のことなんですけれども、厚真町の富里浄水場、これは稼働してわずか一カ月余りで被災を受けているということで、大変厳しい状況です。私も何度か足を運んでおりますけれども、この水道施設が復旧なくして厚真町の復旧はないと言っても過言でないと思っています。

 そこで、この浄水場の復旧の今後のスケジュールあるいは取組、これについてお答えいただきますとともに、もう一つ、現地にお邪魔したときに、宮坂地元町長から、実はこの地域はもう一つ大変な課題があって、それは、光ファイバーによって地デジを受信しているということで、いわゆるテレビの難視聴地域なんですね。今回、この光ケーブルが断線したということで、その復旧についても強い要請がありました。このことについてもあわせてお伺いしたいと思います。

山本国務大臣 御指摘の厚真町の富里浄水場、私も宮坂町長に御案内いただいて現場を見てまいりました。稼働直後であのような被災を受けたということでございまして、町長の落胆の色というのは本当に聞いていてもつらいような、そんな思いでございました。

 この復旧につきましては、まずは、裏山で崩壊した斜面対策工事、これは道が行います。そして、裏山の安全を確保した上で、浄水場の本格的な復旧工事には町が取りかかるというふうに聞いております。

 完全に被災したという状態ではございませんから、そういった意味では復旧がある程度スムーズに進むのではないかというふうに考えておりますけれども、現在、そのための調査設計等が行われていると承知しております。工事が順調に進みますならば、二〇二〇年度中には復旧が完了し、運転を再開できる見込みであるというふうに聞いておるところでございます。

 これらの斜面及び浄水場の復旧につきましては、国土交通省及び厚生労働省がその費用の一部について災害復旧として支援するというふうに聞いておりますけれども、いずれにしても、被災された方々が一日も早く安心した生活を取り戻せるよう、内閣府としても、関係省庁と連携してしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

秋本政府参考人 光ファイバーについてお答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、厚真町において整備されてまいりました光ファイバーが北海道胆振東部地震によりまして断線いたしまして、一般家庭での通信やテレビの視聴に大きな影響が出ているものと承知しております。

 これにつきましては、平成三十年度第一次補正予算によりまして、情報通信基盤災害復旧事業費補助金の交付決定を厚真町に対しまして先月の二十九日に行っているところでございます。

 現在、厚真町において光ファイバーの復旧作業に着手していただいているところでございます。町民の方々が速やかにブロードバンドの利用やテレビの視聴ができるよう、しっかり対応してまいりたいと考えております。

稲津委員 時間になりましたので終わらせていただきますが、苫小牧港の復旧についてもお伺いしようと思いましたが、ぜひ補正予算の速やかな執行をお願いしたいと思います。

 それから、最後になりますけれども、この一点だけしゃべって終わります。

 特に、被災三地、いわゆる胆振の厚真、安平、むかわは、人口も少なくて財政規模も非常に小さいです。今回のこの震災の復旧復興の中でやはり相当な負担をしなきゃいけない。そういうことを踏まえていきますと、ぜひこれらの地域への強力な財政支援を強く求めて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

    〔委員長退席、三原委員長代理着席〕

三原委員長代理 次に、池田真紀君。

池田(真)委員 立憲民主党・市民クラブの池田真紀です。

 まず、北海道胆振東部地震ももちろんなんですが、ことしにおきましては本当に多くの自然災害がございました。まずは、この災害で犠牲になられた方々の御冥福、そして、今もなお被災に遭われている方々に心からお見舞いを申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。

 そして、先日、北海道胆振東部地震についてのこの委員会での視察に多くの委員の皆様にもおいでいただきまして、ありがとうございました。

 そして、各地の方からは要望書をいただいたわけでございますが、この要望書につきましては、政府を挙げて、そしてこの委員会ももちろんですけれども、取り組むということが大前提であるということをまずは委員長に確認をさせていただきたいと思います。それでよろしいですよね、もちろん。

三原委員長代理 今ちょっと委員長は出かけていますからね。(池田(真)委員「じゃ、続けさせていただきます」と呼ぶ)

 それで、私は、委員長の代理で、司会進行だけしますから。後ほど委員長に伝えますから。

池田(真)委員 ぜひ、これは皆さん合意のもとに取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 そして、きょうは、この要望書の中にはなかった各地でのさまざまな課題ですとか、あるいは要望についてお受けしたものについて御質問をさせていただきたいというふうに考えております。

 まずは、これはほかの委員会の方でも質問があったかもしれませんが、災害対策においては大変重要な課題でございますので、まず一点、自衛隊の自家発電機について確認をさせていただきたいというふうに思います。

 これはもう御存じかと思いますが、百五十九施設のうち、百二十五施設が自家発電機を設置している。三十四カ所はリースで、これは民間企業から借りてくるということでございまして、航空自衛隊については、同じ敷地内の陸自からもらうということが前提というふうに伺っておりました。

 北海道では、三十七施設のうち、二十三施設が設置しており、十四施設がリースなどでの対応をしておる。今回の地震においては、四つの自衛隊で電気がない状態となり、うち一カ所では一日以上対応がおくれたということでございましたけれども、今般、十一月二十七日の第二回重要インフラ緊急点検に関する関係閣僚会議の対応方針の中で、これらについては早急に整備するというふうな記述がございました。

 これは、耐震化や老朽化の対策、さまざまな施設についての方針でもございますけれども、とりわけここで確認をさせていただきたいのは、自家発電機につきましては、これは北海道では十四、そして全国では三十四、今まで自衛隊の中で自家発電機のない全ての施設において設置をするという方針でよろしいかどうかの確認をさせていただきたいと思います。

鈴木(貴)大臣政務官 今般発生をいたしました北海道本島管内の電力供給がとまる、いわゆるブラックアウト、これが発生をしたわけでありますが、その状況下において、災害対処のために部隊を道内に派遣をしたところであります。

 全国に配置をされている駐屯地は災害対処を受ける重要な拠点でありまして、災害対処上、必要な建物等への電力供給体制を確保することが極めて重要であることを再認識をさせていただきました。

 そのため、防衛省といたしましては、十月早々からブラックアウトにも対応し得る電力供給体制のあり方の検討を始めまして、十月三十日には、国土強靱化に関する重要インフラの緊急点検に、自家発電機の設置状況等を含む自衛隊施設に関する緊急点検を新たに追加をしたところであります。

 その後も引き続き検討を始め、十一月二十七日、国土強靱化に係る重要インフラ緊急点検に関する関係閣僚会議において、防衛大臣から直接、自家発電機の設置状況等も含め、緊急点検の報告をさせていただきました。

 今後、緊急点検の結果などを踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策として年内に取りまとめられることになりますので、取りまとめられ次第、速やかに自家発電機の整備に係る手続を進めてまいりたいと思います。

池田(真)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 どちらかといいますと、この四カ所の施設はどこだったんですかというふうに伺いましても、防衛上の観点からどこというような開示はできないというふうに伺いまして承知をしておるところでございますので、ぜひ、政務官、力強く北海道のために進めていただきたいと思います。

 それでは、次の質問でございますが、先ほども、今ありました重要インフラ緊急点検の結果につきまして、大枠ではございますけれども対応が示された状況でございます。しかし、この内容については、どこの部署を、何を何カ所調査したというような記録はございますけれども、結果については詳細は記されてございません。

 しかし、これは、事務方へお聞きしたところ、十二月末までに取りまとめをして、優先順位をつけて、とりわけ初年度予算について優先事項の精査を行っているというふうに伺っておりますので、ぜひ進めていただきたいところでございます。

 しかし、精査中ということを重々承知はしておりますが、どうしても一点だけお聞きしたいところがございます。文科省の管轄でございますが、学校施設等の耐震性及び劣化状況による緊急点検の結果であります。

 こちらに、学校施設等の設置者を国が支援するなどの改善策を、対応策を実施するというふうにありますが、今現在でも、実は、避難所としての点検ではなくても、現在の公立学校の中で、教室や廊下にひびが入っていて雨漏りをしたり、特に体育館では雨漏りをして授業ができないというようなこともあるというのが実際のところであります。

 こちらについては、教育委員会というか文科省としては、ほかの授業をしているから問題はないんだということなのかもしれません。あるいは、予算がないので後回しということなのかもしれません。しかし、地域においては、多くの人数の方々を収容できる施設が学校しかないというようなところにもかかわらず、こういう状況があるのが現実でございます。

 ぜひ、今回のこの点検内容、こういったところを最優先にしていただきたいということをお願いを申し上げたいのですが、ぜひ、文科省の方から、政務官等の方から、方針といいますか御所見をお伺いしたいと思います。

中村大臣政務官 お答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、学校施設は児童生徒が一日の大半を過ごす学習、生活の場でありまして、災害時には地域住民の避難所にもなる極めて重要な施設であります。

 今般の重要インフラの緊急点検におきまして、全国の学校施設等を対象に、災害時に落下等により人命にかかわる被害が懸念される外壁や天井等について、耐震性や劣化状況の点検を行ったところでありますけれども、その結果、安全性に課題のある学校施設が存在していることが判明をしたところであります。

 今後につきましては、児童生徒の安全を確保するとともに、学校施設が避難所として機能を十分果たせるように、非構造部材の耐震性の確保及び劣化状況の改善など、学校施設の安全対策にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

 よろしくお願いいたします。

池田(真)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。災害をきっかけに、ぜひ教育環境の現場も体制強化できるように思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 そうしましたら、次でございますけれども、次の質問は、地上放送の施設に関しまして質問をさせていただきたいというふうに思います。

 これも先ほどの重要インフラの点検の中の項目にございますが、要するにテレビ、ラジオ等の配信設備の部分でございますが、今回のブラックアウトによって影響が出たところといったものがございました。

 この部分につきまして、取組について各地の状況を見ておりますと、電源がなかったというのはもちろんなんですけれども、多くのFMコミュニティーの部分につきましては体力がないわけですね。商業施設等のバックアップがあるわけでもありませんし、資金面でも大変小さなところが経営されているというところが非常に多くございます。

 しかし、地域の中の大変重要なコミュニティーの場でもございますので、ミクロな情報提供の場にもかかわらず、今回これが機能しなかったということがございました。

 ここにつきまして多くの意見がありまして、自分たちで自家発電機を用意するとかバッテリーを十分に用意するということが非常に困難だ、あと、もう一方で、商業施設で間借りをしているところがございますので、油をとっておくということができないということもあります。

 ということで、ぜひ、自治体、役所の方に、緊急時、災害時のみということでも結構でございますので、サテライトのような形で協力ができないかというようなことでございます。これは提案型になりますので、今できるできないという即答は当然難しいかとは思いますが、こういう意見があるということをまず踏まえていただいて、ぜひ御検討いただければと思います。政務官、御所見をいただければと思います。

國重大臣政務官 お答えいたします。

 コミュニティーFMは、災害時に地域に密着した情報を発信し、非常に有効なメディアでございます。このため、コミュニティーFMは、既に九割超が市町村との災害協定を締結をしております。今回の北海道胆振東部地震におきましても、地元自治体からの要請に基づいて避難勧告や避難所等の情報を提供したところであります。

 しかしながら、北海道胆振東部地震においては大規模な停電等により停波を余儀なくされたところであり、自家用発電機の燃料の確保等の課題が委員御指摘のとおりあるところでございます。

 今後は、これらを教訓に、このような課題をいかに乗り越えるか、地元自治体等との協力関係を構築していくことが必要なものと認識をしております。また、委員今御指摘いただいたものも踏まえまして検討をしてまいりたいというふうに思います。

 なお、予備電源設備の設置につきましては、放送ネットワーク整備支援事業により一定の財政支援を受けることが可能となっております。

池田(真)委員 ありがとうございます。検討していただけるということで、非常に心強く思っております。

 今、災害協定を結んでいるということでございましたが、実は自治体と災害協定を結んでいるところが今回使えなかったということがございますので、そういうところをではどうしようかというような方策を、あれやこれやという形でいろいろな案がございますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 中では、ニセコ町というところが非常にいい取組をしていまして、今回もずっと持続しておりました。担当者にも状況を伺いましたけれども、当たり前のように、こういうときのためにやっているんだと。これは公設民営だったということでありますので、同じような状況を今のほかの地域でできるかといったら、それはなかなか難しいと思います。だからこそ、緊急時の、災害時のみの市役所の活用等も考えていただければというふうに思っています。これを最後にもう一つお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次の質問は、福祉避難所の質問でございます。

 細々と多くの課題があるので、ざっくりとということにはなりますけれども、この福祉避難所でございますが、周知を事前にしているかしていないかということ、又は、災害になったときに開示をしているかどうか、又は、国もそうですけれども、自治体への報告があるかないかといいますと、各自治体ではまちまちで、福祉避難所の報告が自治体にあるのは本当にごくごく一部というふうになっています。

 このことに関して今一つ御紹介をしたいのですが、内閣府の方からいただいております、平成二十九年の四月、周知をしているかというアンケート調査がございました。これでは、六六・九%が周知していますよ、ここが福祉避難所だということを周知をしているということでございましたが、これは、やり方としては、住民に聞いて、知っていますかというやり方に変えていただかないと、これは一方通行ではないかというふうに思います。

 この周知の方法がどうかということだけではなく、さまざまな調査をしながら検証していくことが重要だというふうに考えております。

 まず、新聞を添付いたしました。きょう配付をさせていただきました資料の中に、新聞記事の一番後ろ、福祉避難所開設非公表で、混乱を避けたかったというようなことがございます。これは非常に心の中のことをそのまま報道がされたというようなところだと思いますが、でも、混乱をしないために、そのために事前に周知が必要だというところではないかと思うところであります。

 さらには、受入れが可能かどうか確かめてから実際に避難所に指定するために事前周知も難しいというようなことが書いてありますが、これは福祉避難所の開設のガイドラインに沿っても非常に矛盾する中身になっているので、まだまだ理解は浸透していないというふうに思っています。

 まず、タイムラグがこうやって生じること、本来であれば福祉避難所はもうすぐに開設すべきだというふうに考えています。なぜかといいますと、二次避難所的な開設になってしまって、容体が悪化するというようなことがさまざまございました。災害関連死だけではなくて、容体が悪化してしまうというようなことがございますので、避難所の開設と同時に福祉避難所は開設すべきだというふうに考えております。

 ここのタイムラグを埋めるような法改正が私は必要だと考えております。ぜひ、防災担当大臣あるいは御担当のところのどなたか、ここについての御所見をいただきたいと思います。

海堀政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生からいろいろ御指摘いただきました福祉避難所については、新聞記事にもありますように、指定すると発災時に対象じゃない方もより多くその施設を頼って集まってしまうということで、なかなか管理者の同意が得られず、指定が進まないというような実態も聞いております。

 そんな中で、先生御指摘のように、やはり、要支援者を円滑に指定避難所で受け入れるためには、その開設の準備をより早く進めるためにも、事前にその指定をしておくことが有効だというふうに考えております。

 これにつきましては、我々、ガイドライン等で、福祉避難所の指定目標を設定したり、あるいは、そういった発災時に、より円滑に福祉避難所を開設するような取組を進めることを示しているところでございます。

 いずれにいたしましても、発災時に福祉避難所を開設するかどうか、地域の実情を踏まえて市町村で判断していただきますが、内閣府としても、要支援者が必要な支援が受けられるよう、指定促進に努めてまいりたいというふうに考えております。

池田(真)委員 この取組は非常におくれをとっているというふうに私は思っております。

 この間にも、災害が起きるたびにいろいろ対策については通知が流れたりとか、あるいは、二〇一六年の夏に起きました、岩手のグループホームで逃げおくれた入所者の方がいらっしゃいましたけれども、これらにつきましても、その翌年には水防法が改正されまして、ここについても、老人ホームや保育所、そして幼稚園等で、全国でこういった避難計画をつくって、さらには避難訓練の実施を義務化するというところの法改正をしたことは非常に大きな一歩前進だと思います。

 しかし、これはつくっただけではしようがなくて、どういう実施状況かということの振り返りをきちんと行うことが重要だと思っております。

 昨日も各担当の方々にお伺いしました。しかし、実施状況はわからない、わからない、わからないだったんです。これでは何ら対策も方策も次に進まないというふうに考えております。

 この福祉避難所につきましても、どうしておくれているのかというのは、やはり法の運用ですね、自治体が災害救助法をもししなかった場合どうなるのかというようなところでの不安があるわけでございます。そういうこともございますので、これは法から見直していくということをぜひ御検討をしていただきたいというふうに思っております。

 もう一点ですが、この中につきまして、福祉避難所を開設すると殺到して大変じゃないかということがありますが、ここにつきましても、福祉施設のBCPの策定につきまして、今回、大臣の所信演説の中にもございませんでした。企業のBCPはあるけれども、でも、福祉施設のBCPはいつの間にか消えてしまったんです。平成二十一年にきちんと公表してから、平成二十五年の八月の統計が最後となっています。そのときは、福祉施設は四・五%。これでも上がった方なんです。

 でも、まだまだ不足しているこういう状況では、まずは、BCPの策定、備蓄、さまざまなところのこういうインフラ整備も含めて、初めて受入れが可能だと思いますので、ぜひ両輪だと思って法改正を国から力強く進めていただきたい。そのことをお願いを申し上げまして、次、通常の避難所の質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、避難所の運営でございますけれども、訓練実施状況というのは把握しているのでしょうか。

海堀政府参考人 お答えいたします。

 災害発生時におきまして、住民の生命財産を守るために、住民に一番身近な市町村の役割が重要であり、安全な場所への避難訓練のほか、避難所運営に係る訓練など、さまざまな訓練が実施されているところでございます。

 内閣府としてはその実施状況をつぶさには捉えておりませんが、内閣府が市町村と共催する津波防災訓練では、そういった避難所の開設による訓練を実施させていただいております。

 ちなみに、本年十月二十八日、北海道の稚内市で実施しました津波、地震の防災訓練では、声問地区の自主防災会、町内会などの方々が中心となっていただいて、避難所の開設、運営訓練等を実施させていただいたところです。

池田(真)委員 これは災害種別によっても、パーセンテージ、実施率というのもさまざまな状況だというふうに私も承知をしておるところでございます。

 また、今、消防庁の関係等の調査の結果でございましたけれども、やはり各自治体の実施状況を丁寧に確認をする必要があると思います。

 と申しますのは、私がちょろちょろと行ったところで、好事例はたくさん皆さんも御存じだと思いますけれども、行きますと、消防署の方、警察の方、自治体職員の方に委ねて、そして、実際、住民の方々は、参加しましたといっても、炊き出しをもらった、おにぎりをもらうだけ。そして、リュックの中に詰めてきたおしんこを皆さんで分け合うみたいな形で、ほのぼのとするピクニック状態のような、これでは困るな。又は、多くの方々が参加をしていないので、ごく一部だけの方の参加では、これは災害時に有効とは思えないというふうに思います。

 いろいろな地域でさまざまな取組をしておりますので、この振り返り作業こそ重要だというふうに考えています。各自治体は、災害がないと、経験がないとわからないというふうに言いますが、でも、国は多くの事例があるわけですから、ぜひそれを普及促進する責務があると思いますので、ここについて力強く進めていただきたいということをお願いしたいと思います。

 ここで、参考にまででございますが、新聞をもう一つつけておきました。新聞の裏側でございますけれども、避難所を閉鎖、一時退避所でございます。これは、私も発災直後からもここの中におりましたけれども、さまざまな方がいらっしゃいますし、ましてや、避難所の運営のガイドラインのところで閉鎖をするときの手順にも従わない状況でありました。

 こういう状況が、退避所という形で閉められてしまったというような事例もございますので、ここにつきましては、閉鎖の前に私は内閣府さんにも相談をさせていただきました。こういうときに、プッシュ型の支援といいますか、助言といいますか、一緒に協働していくというようなところの姿勢もぜひ必要だと思います。これをぜひお願いをしたいというふうに思います。

 残るあと一分でございますので、最後、大臣にお伺いできたらと思っております。

 今回、さまざまな課題があります。この中で、やはり地震は防げませんし、自然災害も防げない中で、私たちが何ができるのかといった中で、大変私は心に響いたのが、この前の視察の中で、むかわ町での意見交換の際に、森林組合長から、環境林、経済林の課題、いろいろお話を伺いましたけれども、ここについて、今回の地震だけでも二百年かかるとおっしゃっていました。こんなに長い年月をかける部分について、私たちは本気で復旧復興していかなければいけない。

 と申しますのは、目の前の対策だけではなくて、二百年、三百年先を見据えた日ごろの活動が必要だと思います。

 そして、今すぐでも対応して今すぐできることは、災害直接死、これは耐震化です。そして、災害関連死は、災害福祉の充実です。

 この耐震化については、今回のインフラ整備等で一気に進めるということですので、これはぜひ精力的に進めていただきたい。そして、災害関連死のこの災害福祉の充実、これは本当におくれていますので、法改正も含めてぜひこれを力強く進めていただきたい。

 先ほどのBCPのこともあわせて、大臣から御見解を、決意も含めていただければ幸いです。

山本国務大臣 今ほどの質問でありますけれども、災害に強い国づくり、町づくりを実現するために、住宅それから建築物の耐震化を図ること、災害時において被災者の多様なニーズに適切に対応することが極めて重要であるというふうに認識いたしております。

 ハードの対応とソフトの対応があろうかと思います。

 ハードの面につきましては、今般、安倍総理の指示もいただいて緊急点検を行いました。そして、もうすぐ二次補正の中身も出てくると思いますけれども、我々としても、もちろん、優先順位をつけざるを得ませんけれども、全力を挙げてそういったインフラ整備に取り組んでいきたいというふうにも思っております。

 それと同時に、ソフト面でどういうふうな対応ができるのか、被災者に寄り添うためには何をすべきかということがあり、あるいはまた、一方では、さまざまな情報が混乱せずに住民の皆さんに届くようにするためにどうしていったらいいんだろうか、その情報をどういうふうに住民の皆さん方に受けとめてもらって次の行動を起こしてもらえるのか、いろいろなことを今ワーキンググループで議論している最中でございます。

 ぜひ、そういった意味におきまして、ハード面、ソフト面ともどもにしっかりと対策を整えて、そして、内閣府として、関係省庁ともしっかり連携プレーをとりながら、そして、何よりも地域の、地方の皆さん方としっかり連携プレーをとりながら対応してまいりたいというふうに思っております。

池田(真)委員 ぜひよろしくお願いします。

 ハードとソフトということでございますが、ハードと、そしてハートと、そしてヒューマンケア、これが災害には重要だと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

 本日はありがとうございました。

    ―――――――――――――

三原委員長代理 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、政府参考人として総務省大臣官房審議官多田健一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    〔三原委員長代理退席、委員長着席〕

    ―――――――――――――

望月委員長 次に、山岡達丸君。

山岡委員 山岡達丸でございます。

 今回、災害特別委員会において、私、山岡、また皆様にさまざま御高配を賜って御質問の機会をいただいたことに心から感謝を申し上げながら、災害対策特別ということで、いろいろな幅広い分野でお話はあるわけでありますけれども、私自身、北海道苫小牧というところに住んでいるわけでありますが、先日の、きょうで三カ月ということになりますけれども、北海道胆振東部地震、この被災地に非常に近いところに住み、また、その地域で活動させていただいている身として、そのことを中心に、きょうは、さまざま課題と、そしてまた多くの意見も含めて質疑させていただければと思います。

 まず、この委員会の皆様におかれましては、委員長を先頭に、先日、また被災地に入っていただきまして、まさに党派、会派を超えて、本当に皆様が御多端の中、この被災地へ、胆振東部も含めて御視察いただいて、そして肌で状況を感じていただいたことに心から感謝を申し上げます。本当に力強いまたお言葉もいただいて、意見交換、委員長を始め、温かい言葉もいただいて、本当に地元被災地は励まされている、それが率直な状況の中で、どうか引き続きの御理解とまたお力添えを賜りたいという思いを最初にお伝えをさせていただきたいと思います。

 あわせまして、大臣にまずお伺いしたいと思いますが、大臣も、新たに御就任されて、この北海道、被災地に入られたということを聞いておるところであります。大臣は、僣越ながら、御実家は製材業も営まれておられたこともあって、一次産業、森林業を含めて大変大きな被害を受けているところでありますけれども、大臣のまず入られての所感を一言伺えればと思います。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 十月の十七日でございましたけれども、北海道胆振東部地震の被災地を訪問いたしまして、被災自治体の現状を把握するとともに、被災状況を調査してまいりました。

 まず、到着いたしましてから、自衛隊のヘリで上空から被災状況を視察させていただきましたけれども、山腹崩壊というのはこういうことなんだということを改めて感じるぐらい、驚きを禁じ得なかったというのが第一印象でございました。発災の翌日の新聞報道で見た、あの写真のとおりの状況が多く広がっているということに対して、本当に、今森林の話もお伺いいたしましたけれども、長い時間をかけて対応していかなければならないなということを改めて感じました。

 その後、安平町においては、役場で及川町長と意見交換、また厚真町においては、今ほどお話がありましたけれども、富里浄水場の土砂災害現場、それから仮設住宅建設地、加えて、避難所である総合福祉センターを訪問し、宮坂町長と意見交換を行いました。

 むかわ町におきましては、竹中町長と意見交換を行い、中心市街地を視察させていただきました。グループ補助金等々の要望も受けたところであります。

 そして、札幌市の清田地区、液状化現象、私も土砂が流れ出る映像をたくさん見ましたけれども、百戸ぐらいの家々が傾いている現状を見まして、本当に驚きを禁じ得ませんでした。阿部北海道副知事や秋元札幌市長と意見交換を行ったところであります。

 私の地元も西日本豪雨で災害を受けましたけれども、これほど災害が続くということは余り記憶にないことでございますけれども、これからもこのような災害が起きるであろうということを前提にした防災対策を考えていかなければならないと思いますし、何はともあれ、被害がすさまじい状況でございますから、一日も早い復旧復興に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

山岡委員 ありがとうございます。

 大変率直に、驚きを禁じ得なかったというお話をいただきました。山の崩壊というのも直接目にされたと。今おっしゃってくださいましたけれども、長い時間をかけてということもおっしゃっていただいた。本当に非常にありがたい、そういう思いを持っていただいているということを強く感じました。

 あわせて、今の話に関連して伺うんですけれども、総理が、いろいろ言葉のお話の中で、三年集中で復旧復興対策を講じる、強靱なふるさとを構築していくということをお話しされる中で、集中的に復興を行う期間は三年なんだというような報道も流れました。

 地元は、今見ていただいたとおりだと思うんですけれども、三年でなし遂げられるような状況じゃないじゃないかという思いを、そういう受けとめになってしまった、そういう発言にもなりました。

 大臣のお言葉から、この三年という言葉の意味するところと、三年に及ばず長期的にまたしっかり長くやっていかなければというお話がありましたけれども、この年数の部分のお話について、大臣からぜひ一言言っていただければと思います。

山本国務大臣 北海道胆振東部地震につきましては、まず、九月二十八日に激甚指定をさせていただきました。閣議決定をしたところであります。

 道路、河川といった公共土木施設や農地等、農林水産業共同利用施設の災害復旧事業についての補助率のかさ上げ等の措置が適用されることとし、これはもうスピーディーな復旧をしていかなければならないということでございました。

 これに加えて、被災された方々の生活やなりわいの再建、それから、復興には大変な時間を要するということでございますので、住宅再建や地域の産業の再生に向けて、被災者のニーズを十分踏まえた上で、かつ、きめの細かい対応が必要であるというふうに認識をいたしております。

 一方、この地震を含めた近年の災害を受けて、十一月の二十七日に取りまとめた重要インフラの緊急点検、これが今の対応で、三年でやっていこうということでございますけれども、その結果から得られた教訓、それからまた、それを踏まえての事前防災を推進するという観点から、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を集中的に実施しよう、これも、この二次補正、それから来年度予算、再来年度予算ということで、三年間で集中的に実施をするということにしております。

 いずれにいたしましても、今後とも、被災された方々が安心して暮らせる生活や、被災した地域のにぎわいを一日も早く取り戻すことができるよう、被災地の方々の気持ちに寄り添いつつ、政府一丸となって被災者支援、復旧復興対策に取り組んでまいりたいと存じております。

山岡委員 大臣から御答弁いただきました。

 先ほど、長くというお話と三年を集中してというお話をあわせて、集中していただきながらも、お話しいただいたとおり、本当に長期的な見通しを持ってコミットをぜひしていただきたいという思いでありますので、今のお話は、大変そういう意味では心を寄せていただいていると理解させていただく中で、ぜひ今後ともよろしくお願いできればと思います。

 きょうは、質問が結構多岐にわたりまして、質問通告もさせていただいて、以下、政府の皆様にお話を伺いたいと思うんですが、ちょっと通告の順番を変えまして、地域の課題についてまず先にいろいろ伺っていって、それで震災の対応の話を後ほど伺えればと思います。

 まず、今大臣からもお話ありましたけれども、長くというお話でありますと、やはり財政的な裏打ちというのが、地元自治体は非常にそれが不安なところでもあります。

 この間、委員長を先頭に行っていただいた視察のもとでも、復興基金の創設をしてほしい、これは、財政上はやはり安定的に長期にわたって担保されてほしいという願いから、こういう基金というお話もございました。

 この復興基金をつくっていただきたいという声に対して、きょうは総務省の皆様に通告をさせていただいたところでありますが、これについてどうお考えになっておられるか、伺えればと思います。

多田政府参考人 お答えを申し上げます。

 災害に係る自治体の財政需要につきましては、特別交付税等の地方財政措置により適切に対応しているところでございますが、御指摘の基金造成に対する財政措置、これにつきましては、巨大な災害が発生をし、毎年度の措置では対応が難しい、こういう場合の極めて例外的な措置として考えているところでございます。

 北海道胆振東部地震を始めとする今年度の災害につきましては、過去の災害における対応等を踏まえますと、復興基金への財政措置については慎重に考えることが必要であると考えてございます。

 いずれにいたしましても、被災団体の実情をよくお伺いをしながら、特別交付税措置を始め、地方交付税、地方債による地方財政措置を講じまして、その財政運営には支障が生じないよう適切に対応してまいりたいと考えております。

山岡委員 財政には支障が生じないようにしていきたいというお話をいただきました。

 基金というお話が出るのも、まさに長くコミットしてほしいという思いからであります。過去の事例になぞらえて制度はつくられるんだと思いますけれども、その地元の思いを酌んで、財政状況をしっかりとこれはコミットしていただくという答弁をいただきましたので、ぜひ今後ともしっかり対応していただきたいと思います。

 次に、地域の大変大きな被災を受けました苫小牧の港のことについて伺います。

 北海道の全体の中の港湾取扱貨物量のおよそ五〇%は苫小牧の港が担っているという状況の中で、被災地、震源地の厚真町を含むエリアに港があるということもあって、非常に大きな被害を受けました。陥没、液状化含めて損傷が激しくて、この機能回復というのが北海道の物流にとっては非常に大きな意味も持つし、早い復旧と、そして、報道によれば、被害額は五十五億という大変な巨額になっているという話もあります。管理組合もありまして、そこの負担も非常に大きいという中で、ここの手厚い支援をぜひお願いしたい、これは要望も上がっていますし、私からもお願いしたいと思いますけれども、国土交通省さんがいらっしゃっていると思うんですが、認識を伺います。

浅輪政府参考人 お答えいたします。

 苫小牧港は、委員御指摘のとおり、北海道における取扱貨物の五割、コンテナ貨物に限れば七割を占める、そして内貿の取扱貨物量では全国で最も多いという港湾でございまして、北海道だけでなく我が国経済にとっても重要な物流拠点であると認識してございます。

 北海道胆振東部地震により、苫小牧港では液状化現象が発生したほか、岸壁や臨港道路等に沈下、亀裂等の被害が発生いたしました。これら被害を受けました施設につきましては、一部で応急復旧を実施するとともに、災害査定を順次実施し、国及び港湾管理者である苫小牧港管理組合において本格復旧を進めているところでございます。また、東港区のコンテナターミナルにつきましては、空のコンテナ置場で液状化現象が発生したことから、苫小牧港管理組合で舗装の陥没等を応急的に復旧したほか、新たな置場を直ちに整備し、利用者に支障が生じないよう対策を講じたところでございます。

 国土交通省といたしましては、苫小牧港管理組合と連携し、引き続き苫小牧港の早期復旧に取り組んでまいります。

山岡委員 ありがとうございます。

 今、国土交通省さんの認識として、私は北海道にとって重要な港ということもお伝えした中で、お話の中で、国にとっても非常に重要な物流拠点だという御認識をいただきました。もちろん、復旧は管理組合と連携してお進めいただいているということでありますけれども、その認識に非常に心強く思いながら、これは手厚く進めていただきたい、このことをまた強くお願いして、このこともまたぜひ進めていただければと思います。

 次に、これも災害特の委員会で現地視察していただいたときに、地元の森林管理組合の、先ほど池田委員からもお話が少しありましたけれども、組合長からお話があった件について伺います。

 この山は、大臣も見ていただいたとおり、本当に崩れているという状況の中で、林業も大きな被害を受けているところであります。この被災に遭った多くは民有林、民間の人たちが持っている森林である。本当に森林の価値がなくなってしまったら、これは民間の人たちが持っているものでありますから、もうそれぞれ放棄していっちゃうもの、そして事実上の放置、放棄、そういう状況になってしまうよという強い危機感をこの組合長はおっしゃっておられて、これは現地に行かれた皆様で共有していただいた話でありますけれども、本当に深刻な話であるということを受けとめました。

 きょうは林野庁にお願いしておりますけれども、具体的にこうして地元からこういう声が上がっている林業についてどういうふうに対応していく、その考え方、そして、民有林という性質の中で、民間の所有者たちにどういうメッセージを発信していくのか、このことについてお伺いしたいと思います。

織田政府参考人 お答えいたします。

 被災地域におきましては、森林被害を早期に復旧し地域林業の復興を図るため、胆振東部森林再生・林業復興連絡会議というものが設置されまして、国、道、町、研究機関等が連携をして、当面の必要な対策ですとか被災森林の復旧方法等を検討していくということとしているところでございます。

 農林水産省といたしましては、本連絡会議等を通じまして、森林所有者を始めとする地元関係者の意向をしっかり把握しつつ、治山施設の設置や航空緑化等により計画的な復旧を図っていきますとともに、森林所有者さんが林業経営の継続を希望される場合には、技術面での課題等はございますけれども、極力その実現が図られるよう、森林所有者の負担が少ない形での被災森林の復旧を含め、北海道庁ともよく連携をして支援してまいりたいというふうに考えてございます。

山岡委員 お話を今いただいたわけでありますけれども、森林所有者の負担をできるだけ小さくというお話をいただきました。

 その心意気はありがたいと思うわけでありますけれども、問題意識はまさに、そういうメッセージが所有者に伝わっていかないことによって放置されてしまったら、所有権が変わらなければなかなか手の打ちようがなくなるという状況、このことに強い危機感を持っているわけであります。今お話しいただいた話をしっかりと、民間の所有者の人たちにこのメッセージを伝えていく、伝わる中で進めていただきたい、このことは強くお願いを申し上げさせていただきたいと思います。

 次に、先ほど稲津委員からも少しお話がありましたが、厚真町の浄水場のことについてお伺いしたいと思います。

 まさにお話にもあったとおり、この浄水場の再建は復興の象徴であって、厚真町にとって本当に大きなシンボルにもなり得る、これが、できたばかりの中で大きな被害を受けてしまったという状況になりました。

 大臣の御答弁の中で、二〇二〇年度と聞いているというようなお話もありましたが、地元は、本当に一日も早く、更に早く、何とかこの復旧復興をしてほしいんだという強い声も、思いも持っておるところであります。

 きょうは厚労省さんに答弁をお願いしているところでありますけれども、こうした地元の、とにかく早く、一日でも早くという思いに対してどんな施策で進めていかれるか、その思いも含めて、見解を伺います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 土砂災害により被災しました富里浄水場につきましては、配水池が損壊したものの、浄水設備を収容している建物内には大きな被害がなく、現在、裏山の斜面対策工事の進捗状況に応じて工程を調整しつつ、復旧工事を進めているところです。

 裏山の斜面工事につきましては、現在、北海道庁が調査設計を実施しており、今年度末から工事に着手し、来年度の完了を予定していると承知しております。

 また、浄水場の復旧工事につきましては、現在、厚真町が被害調査や調査設計を進めておりまして、来年度より、裏山の斜面工事により安全が確保された部分から復旧工事に着手し、二〇二〇年度中の運転再開を目指しています。

 厚生労働省としては、水道施設災害復旧費補助金により、富里浄水場の復旧に要する事業費の一部を補助する予定です。

 今後、浄水場の調査設計が進んだ段階で災害査定を行っていきますとともに、引き続き、復旧に際して技術的助言を行うなど、一日も早く進めてほしいという地元の思い、御要望をしっかり受けとめながら支援してまいります。

山岡委員 後段の御答弁の中に、一日も早く復旧復興させてほしいという被災地の思いを酌んでやっていくんだというお話がありました。これから進めていく中で、計画を早めていけるという機会も来る可能性もあります。どうか、そういう思いを酌んで、早い復旧復興に向けて、これはしっかり進めていただきたいということをお伝えさせていただきたいと思います。

 次に、中小企業庁さんにお伺いするんですけれども、むかわ町のことであります。

 いわゆる中心市街地で大きな被害を受けました。先ほど、委員長の御報告にも、そして大臣のお話にもありましたけれども、グループ補助金という言葉も使われて、何とかこの中心地の商店街を復興させてほしい、あるいはそれに近いものを利用できないかと。

 中小企業庁の皆さんは、現時点に至るまでもいろいろな事業をつくっていただいているところでありますけれども、なかなか、被害を受けた方というのは、日ごろ申請をするということになれていない、あるいは、申請主体がなかなか皆様の考える実態と合っていない、さまざまな事情によって、この事業がなかなか使えなかったり、あるいは見通しが少し、政府のこういう申請というのは難しいよという声も聞こえてくる。

 ここの部分について、どうか、もっと利用できる、そういうようなわかりやすい体制にしてほしいという思いを地元も持っていますし、私からもお願いしたいと思います。このことについて、ぜひ御答弁をお願いします。

奈須野政府参考人 お答えします。

 大規模災害時に中小企業の工場などの施設設備の復旧を支援するグループ補助金については、施設設備の損壊などの物理的な被害が広範囲であること、それから日本全体のサプライチェーンに影響を与えること、こういった条件がございまして、今回の北海道胆振東部地震は対象にはなっておりません。

 一方では、経済産業省では、被災事業者が予見性と希望を持って前向きに事業を行えるよう、被害の状況に応じて、小規模事業者による業務用冷蔵庫や機械などの設備導入、店舗改装、広告宣伝などの取組への支援、商店街における集客イベントなどの実施、中小企業基盤整備機構による被災自治体における仮設店舗設置への支援、政府系金融機関の低利融資や、一般保証とは別枠での信用保証による資金繰り支援などの措置を、必要な財源を確保しながら講じているというところでございます。

 こうした支援策を被災事業者の皆様に幅広く使っていただくためには、支援策を使いやすくするという御指摘、これは重要でございます。

 そのため、例えば、小規模事業者持続化補助金や商店街にぎわい回復事業では、申請書類の簡素化を図っていて、必須記載事項では、申請者情報、事業内容、補助経費の明細書の原則三枚以内におさまるように配慮しております。

 また、小規模事業者持続化補助金では、身近な商工会、商工会議所が補助金申請に当たってきめ細かな助言指導をするということにしています。

 それから、商店街にぎわい回復事業では、広く申請を受け付けられるよう、公募を二回、これまで実施しているほか、経済産業局と北海道庁が連携して、被災事業者に向けた説明会の実施、個別相談への対応に取り組んでいるというところでございます。

 引き続き、こういった工夫を行いながら、被災地のニーズにしっかりと耳を傾けて、被災事業者に寄り添って、なりわい再建を支援してまいりたいと思っております。

山岡委員 今、御答弁の中に、使いやすくする、簡素化しているとか指導助言しているとかいうお話はいろいろありますけれども、政府の感覚とやはり御地元の状況というのが違うということで、さまざまな、何とか使いやすくという声が出ているということもぜひ受けとめていただきたいんです。

 つい先日、聞くところによると、むかわ町に、わざわざ担当の、中央から行っていただいて、また御説明いただいたという話も聞きましたが、本当にこういう思いを持っておられるのであれば、ぜひ、使いやすいという思いがちゃんと地元に伝わるような対応を今後ともお願いしたいということをお伝えしたいと思います。

 次に、安平町の学校の被害と、新しい新校舎設置についてお伺いします。

 早来の学校、委員会でも視察に行かれましたし、大臣も行かれたのだろうと思いますけれども、いわゆる本当に大きな被害を受けた中で、町の計画として、小中一貫の新しい学校をつくっていきたい。しかし、財政的なさまざまな、いろいろな震災と重なったことの厳しさもあって、非常に、要望としては補助率のかさ上げをしてほしいとかも含めてしているわけでありますけれども、これは言うなれば、財政面も含めてしっかり相談に乗ってこのことをやっていただきたい、進めていただきたいという思いで、これこそ安平町にとって震災復興の大きなシンボルにしていきたいという思いを持っているわけであります。

 きょうは文科省の方にも来ていただいておりますが、この小中一貫の学校の支援を含めて、そのことについてお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、北海道胆振東部地震により、北海道安平町にある早来中学校に天井材の落下や内外壁の損傷など被害が発生しまして、現在校舎が使用できていないという状況は教育委員会から報告を受けております。

 今後、文科省としては、安平町において被災した学校施設を整備する計画、先生御指摘のとおり、小中一貫校というふうに聞いておりますけれども、丁寧にお話をお伺いしまして、どのような対応ができるか検討していきたいというふうに考えております。

山岡委員 丁寧にというお話がございました。こうした一つ一つの皆様の御業務遂行の中で、被災地は本当に必死な思いでいるということもお伝えしながら、きょうはまた、この後、本当は通信の課題とかスタンドの発電所の課題とかも含めて伺いたかったんですが、時間も限られていますので、本当に皆様に真摯に御答弁いただいたことに感謝申し上げながら、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

望月委員長 次に、もとむら賢太郎君。

もとむら委員 無所属の会のもとむら賢太郎です。どうぞよろしくお願いいたします。

 平成最後の夏、大阪北部地震、そして平成三十年七月豪雨、先般、委員長を中心に視察をしました北海道東部胆振地震と、多くの災害がございました。

 きょうは、この西日本豪雨災害も含めて、数点お伺いをしてまいりたいと思いますが、甚大な被害がありました大臣の御地元の愛媛県宇和島に私は友人がおりまして、その友人からもちょっと聞いたお話をまず冒頭に質問させていただきたいと思っています。

 この宇和島の吉田町というところで、ふだんは防災訓練等で津波を想定した訓練をされていたということで、土砂災害を想定した訓練がなかなか行われていなかったというお話も伺っています。

 愛媛大災害調査団の調査では、二千二百七十一カ所の斜面崩壊がこの吉田町であったという報告を伺っております。御存じのとおり、吉田町は急傾斜地が多く、平地はわずかに一〇%で、日本一のミカン産地であって、ミカン畑が多かったために、通常の山林より樹木が少なく、降雨が集中したことが主要な要因であったんだということで伺っております。

 そういった中で、多くの人が被災していたため、自治会などの自主防災組織で動くことができず、避難所にたどり着けなかった方も多いというふうに伺っておりますし、そうすると情報入手もしにくくなり、自助が必要だったというお話を伺っています。

 そこで、多くの人が避難する中、自主防災組織が機能しなかったという声も聞いているわけであります。私どもの地元の相模原市でも、自主防災というのは非常に関心が高く、各自治会を中心として行われてございますが、日ごろからの防災意識を一人一人が持ち、備えることが改めて重要だと考えておりますが、防災意識の向上に対する政府の取組をまず大臣にお伺いしてまいりたいと思います。

山本国務大臣 お答えをいたします。

 今ほどお話しのとおり、岡山、広島、愛媛と、西日本豪雨でも大きな災害を受けました。御友人のいらっしゃる宇和島吉田地区というのは、ミカンの発祥の地というふうに、日本の中での発祥の地と言われるようなところで、大変おいしいミカンがとれるところでありますが、園地がそのままなくなってしまった、そういうような状況。加えて、大勢の方が土砂災害でお亡くなりになりました。大変につらい思いを皆さんしておるところであります。

 さて、災害が多い我が国におきましては、行政による公助と連携しつつ、国民一人一人がみずから取り組む自助、そして地域、企業、学校、ボランティアなどが互いに助け合う共助の取組、これがいずれも重要であるというふうに思っております。

 このため、内閣府におきましては、自助、共助の防災対策を推進し、国民の防災意識向上を図るため、防災推進国民大会、略称「ぼうさいこくたい」というふうに呼んでおりまして、先般もビッグサイトで開かれまして一万二千人の方がお越しになられたということでございますが、その開催、それから防災教育の推進、住民等による地区防災計画の促進など、さまざまな取組を行っているところであります。

 実は、今ほど愛媛の話が出ましたけれども、宇和島の隣でありますけれども、大洲というところがありまして、私も先般、防災大臣としてそこを訪れてまいりましたけれども、大洲市の三善地区というところがございます。これは、自治体でしっかりとした防災意識を持って、リーダーがいて、そして災害・避難カード、首からつけるようなカードがある、そこに、自分の名前や親戚やら、あるいはどこが避難所であるかとか、いろいろな災害情報を記入しておる。そういう災害・避難カード、これを作成して、そのカードをベースにして住民の皆さん方はふだんから訓練をしております。そしてまた、その訓練の前には住民同士の人間関係も非常に深めているというようなところがありまして、自治会長さんがその中心人物でありますけれども。

 そういったことで避難を実行したがゆえに、全部水につかりましたけれども、亡くなった方は一人もいなかったというふうなことで、これは実は内閣府のモデル事業として全国八地区で対応しておるところでございますけれども、こういった好事例というものをしっかりと全国に広げていく、そういう努力が極めて大事だというふうに思っております。

 今後とも、国民の防災意識の向上を目指した取組の普及啓発に努めてまいりたいと思っております。

もとむら委員 ただいま大臣から、自主防災に対する、宇和島の隣の大洲市ですかね、大洲町というんですか、取組のお話もございました。よりよい点は、全国八カ所と言わずに、もっと広がりを持てるように、自主防災の御支援を、私も県会議員をやっているときから、導入時にはいろいろなサービスがある、補助メニューがあるんですが、継続するにはなかなか補助が足りないというお話も聞いておりますので、そういった点も鑑みながら、お願いしてまいりたいと思います。

 また、三・一一の際の岩手県釜石市の津波てんでんこ、釜石の奇跡と言われている防災教育もございますので、こういった点もぜひとも取組を進めていただきたいと思います。

 次に、今回、九州北部豪雨の被災地では、重機などの専門的な技術を持ったボランティアが全国から駆けつけて復旧の大きな力となっておりまして、重機ボランティア元年とも言われているというふうに伺っています。建設従事者が現在減っておりまして、平成九年の六百八十五万人をピークに減少しており、現在、平成二十八年で四百九十二万人ということでありますので、そういった中、特に地方において、災害後のオペレーションができる人が減っていると聞きます。

 例えば、ボランティアで重機等が扱える人員の確保に取り組むべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 今回の西日本豪雨では、これまでに二十四万人を超えるボランティアの方々が被災各地において活動されておりますけれども、その多くの方が、家屋からの泥出しなどの活動に従事をされました。また、重機を扱うボランティア団体も、広島、岡山、愛媛の三県で約二十団体が活躍をしていただきました。重機の扱いには当然免許が必要でございまして、このような団体においては、建設現場で重機の操作に習熟された方が重機ボランティア活動を実施されております。

 内閣府におきましては、内閣府とボランティア関係機関との間でニーズの集約や分析を行う全国情報共有会議を開催し、ボランティアの方々がより働きやすくなるよう環境を整備したところでございます。

 自治体レベルにおきましても、同様の情報共有会議の枠組みの創出、強化に向けて支援を行っているところでございまして、引き続き、こうした枠組みを活用して、ボランティアによる被災者支援が効率的、円滑になるよう支援してまいりたいと思います。

 なお、地方では建設業者が非常に少なくなってしまって、その結果として、重機の数も非常に減少しておるということがございまして、災害のときにその活用がなかなか難しいという現状もありまして、大変悩ましいことであるなというふうにも思っておるところでございます。

もとむら委員 大臣から、地方の人口減少に伴って従事者そして重機も減っているというお話もございました。国土交通省を始め、連携をしながら、対応をお願いしてまいりたいと思います。

 次に、私ども、今回、北海道の厚真町富里浄水場の視察に行ってまいりましたが、このときにも感じたことでありますが、水の確保が非常に重要だということはさまざまな災害を通じて感じているところでありますが、今回の場合のように浄水場が被災した場合、近隣自治体から相互融通するなどの相互協定を日ごろから結んでおくことが必要だというふうに考えておりますが、今般の水道法改正で運営権が民間に売却か譲渡された場合、被災時の対応に問題がないのか、お伺いいたします。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 地震等の災害に備えた対応として、議員から御指摘がありましたが、例えば、被害を受けていない近隣の自治体から水道水を相互融通できる緊急時用の連絡管の整備とか、あるいは相互応援協定の締結などは、有効な対応策の一つと考えております。

 また、水道の災害時におけます協力体制としては、全国の水道事業者等の集まりである日本水道協会が、災害の程度に応じて都道府県や地方支部などの単位で広域的な対応体制を構築しております。

 今回の水道法改正案におきましては、コンセッション方式を導入した場合も、水道法に基づく認可を有する水道事業者は地方自治体のままとしておりまして、災害時の対応についてはこれまでと変わりません。

 なお、災害の対応のための施設整備や応急給水の対応を含め、災害時の対応をどこまで民間事業者に求めるかは、あらかじめPFI法に基づく実施方針と実施契約で明確に定めることとなります。

 また、今回の水道法改正案に基づき、厚生労働大臣は、地方自治体と民間事業者の役割分担も含め、災害その他非常の場合における水道事業の継続のための措置が明確かつ適切に定められていることを確認し、許可することとしております。

 これらの措置によりまして、災害時においても適切に対応できる仕組みとなっております。

 厚生労働省といたしましては、法案成立後、コンセッション方式を導入する場合の災害時の役割分担等の詳細について、省令やガイドラインで示すこととしておりまして、災害時においても適切かつ迅速に対応が図られるようにしてまいります。

もとむら委員 次に、農業被害に対して九割の補助金が支給されると聞いておりまして、米、麦、大豆というような話を聞いておりますが、補助金に対して所得税が課税されるようなお話も伺っています。

 そうした中で、例えば、支給される金額は、農家の規模によりますが、一千万円から二千万円だとしましたら、例えば二千万円だとした場合、九割支給されて一千八百万円、残る二百万円は自己資金ということでありまして、この一千八百万円を所得として計算すると、所得税は二百七十一万円、これとは別に、社会保険料が二百五十六万円、住民税百二十九万円がかかることになります。これはほかの所得を全く考慮せず、各種控除を適用しない場合の計算でありますが。

 こういった中で、農業被害を受けた生産者の皆さんから、補助額が大きいため所得税額も大きくなることに悩んでいる農家があるというふうに伺っておりますが、所得税の減免は講じられないのか、お伺いいたします。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の補助金の内容が余りはっきりとはいたしませんけれども、仮に、お尋ねの補助金が、農作物に関しまして収入額の減少を補填する仕組みを指しているということでございますと、こうした仕組みによる補填金の性格といたしましては、通常の農業収入が災害に限らず何らかの理由で減少した場合に、それを補填するという性質のものと承知をしておりまして、この補填の対象となる農業収入がもともと課税対象となるということと同様に、この補填金も課税対象となるというのが基本的な考え方ではございます。

 ただし、その収入額からは、必要経費ですとか、今御指摘がありました各種控除を差し引くことができるということでございまして、残額がある場合にのみ所得税の課税が生じることとなります。

 御指摘の、災害があった場合についてでございますが、事業用の資産に損失が生じた場合につきましては、その損失を先ほど申し上げた必要経費の額に算入することも可能であるほか、住宅ですとか家財に損失が生じている場合には、雑損控除という制度の適用によりまして、一定の損失金額を所得から差し引くことも可能でございます。こういったことで負担の軽減が図られているわけでございます。

 また、住宅、家財の時価の二分の一以上といったような大きな損害が生じた場合には、雑損控除との選択で災害減免法による減免が受けられまして、所得の金額に応じまして、その年の所得税額の全部又は一部の免除ができるといったような措置も講じられているところでございます。

もとむら委員 次に、土砂災害に遭った土地の固定資産税について、今後、災害危険区域に指定された場合、建築確認がおりずに、住宅を建てることが困難だというケースもあるとお聞きをしております。その場合、住宅として利用できない土地として固定資産税を課してほしいという声も現地から聞いておりますが、政府の見解をお伺いいたします。

鈴木(淳)副大臣 お答えいたします。

 固定資産税の土地の価格は、原則として、基準年度であります平成三十年度の価格が三年間据え置かれることになっておりますが、被災等特別の事情が生じた場合、基準年度の価格によることが不適当である、こう市町村長が認めれば、次年度以降見直しを行うこととされております。

 したがって、この御質問のケースの場合におきましては、土地の近況についての詳細は承知しておりませんけれども、当該地域が今後災害危険区域に指定をされ、住宅の建築が禁止されるような場合、基準年度の価格によることが不適当であると市町村長が認めれば、次年度以降見直しを行うこととなろうかと思います。

 いずれにしましても、当該市町村におきまして、実態を見て適切に判断いただけるものと考えております。

もとむら委員 被災地からは、既に人口が減っているというお話も伺っておりまして、先ほどちょっと例にした宇和島では、一%程度も豪雨災害から人口が減っているという話もありますので、必要なのは希望が持てるイメージだという形でありますので、この固定資産税のお話も、先ほどの所得税の話も、社会保険料の話も含めて、多くの皆さんが被災した後に、こういったお悩みの声をいただいておりますので、各省庁でぜひとも御検討をお願いしてまいりたいと思います。

 次に、避難所についてお伺いしてまいります。

 日本赤十字社の植田医師によりますと、根本的に、自然災害後の対応、特に組織的な対応の仕方について、日本政府には東日本大震災から改善が見られないという厳しい指摘がございまして、特に、災害対応において、関連死が多いことを問題視して挙げられております。

 この災害関連死を防ぐために避難所の環境整備が求められているというふうに思いますが、我が国においては、ベッド、キッチン、トイレの被災後の整備がないがしろにされているという指摘がありますが、政府の見解をお伺いいたします。

山本国務大臣 委員おっしゃるとおり、災害関連死を防ぐためには、避難所の環境整備、これが一番求められているところでございます。

 市町村向けに公表している、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針には、発災後には、優先順位を考慮して、簡易ベッド、簡易台所などの設備等を整備するとともに、男女別のトイレ等のプライバシーの確保等、生活環境の改善対策を講ずることを盛り込んでいるところでございます。

 今回の北海道胆振東部地震におきましては、内閣府といたしましても、避難所に段ボールベッド、仮設トイレ等を整備した場合の費用を国庫負担の対象とする旨を通知し、北海道庁に避難所の生活環境の整備を促したところでございます。また、熊本地震以降、政府が対応しておりますプッシュ型支援でも、段ボールベッド等を被災地にお送りしたところでもございます。

 内閣府といたしましては、引き続き、関係省庁と連携して、都道府県や市町村に対し、発災後を含め、避難所の生活環境の改善に努めるよう促してまいりたいと思っております。

もとむら委員 熊本地震、今大臣も触れましたが、災害関連死は直接死の三・五倍だということでありますし、ケースはさまざまでありますが、避難先の整備に時間がかかったことが共通の原因であり、トイレの環境や水分の摂取確認といった対応が急務だと指摘をされております。

 また、よい事例としては、同じ災害大国のイタリアでは、国の市民保護局がトイレ整備やボランティア派遣などの災害時のインフラ整備や意思決定を行っており、災害発生から二十四時間以内に避難所に洋式トイレが設置され、キッチンカーで栄養バランスのよい食事が提供されているという事例もございますので、御参考にしていただきたいというふうに思います。

 次に、今国会、補正予算でも、学校施設へのエアコン設置に関する補正予算が全会一致で可決をしたわけでありますが、今回、安平町の町立の早来中学校に行ってまいりまして、校舎や体育館を見させていただきました。

 恐らくあそこも避難所となる場所ではないかなというふうに思っているわけでありますが、今回、この避難所となり得る学校体育館の耐震化の状況をお伺いしたいと思うのと、また、真夏や真冬の避難に際して体育館にエアコンの設置を望む声があるわけでありますが、設置されている体育館はどの程度あるのか、お伺いしてまいりたいと思います。

山崎政府参考人 お答えを申し上げます。

 公立学校施設は、児童生徒の学習の場であるとともに、先生御指摘のとおり、災害発生時には地域住民の避難所としての役割を果たすことから、その防災機能の強化は重要であるというふうに考えております。

 まず、耐震化の状況でございますけれども、学校体育館を含む公立小中学校の構造体の耐震化率は、平成三十年の四月現在で九九・二%、また、学校体育館等のつり天井、天井ですね、それの落下防止対策実施率は九八・二%という状況になっております。おおむね公立小中学校施設の耐震化は完了したというふうに考えております。

 とはいっても、引き続き、必要な支援を図りまして、全ての公立小中学校施設の耐震化の完了に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 次に、エアコンの設置の状況ですけれども、公立小中学校の学校体育館におけるエアコンの設置状況は、三十年九月現在で一・四%というふうになっております。

 先生御指摘の、今般の補正予算における特例交付金においては、熱中症対策の観点から、児童生徒が最も長時間を過ごす普通教室への設置を最優先というふうにしておりますが、体育館への設置については、緊急防災・減災事業債制度の活用等が可能であることから、その旨を地方自治体に周知しつつ、公立学校施設の防災機能の強化を支援していきたいというふうに考えております。

もとむら委員 体育館の耐震化は、三・一一の東日本大震災以降かなり進んでいるように思いますし、特につり天井の対応も進んでいるということで、引き続きお願いしてまいりたいと思いますが、体育館のエアコン設置が非常に低いわけでありまして、例えば都立の公立校では、普通教室で約一〇〇%の設置率なのに対し、体育館や武道場では、小中学校で八・四%、高校では四・四%。都内では、七月に、体育館で講習会に参加していた高校生二十五人が熱中症になって、うち約十人が病院に搬送されたということでありまして、これらを受けて、東京都は、体育館にエアコンを設置するための補助金を約二千校分用意したというふうに伺っておりますので、こういった事例も引き続き全国で応援していただきたいというふうに思います。

 次に、学校は災害時には避難所となり得るわけでありますが、学校トイレの洋式化を進めていくべきだと考えておりますが、洋式化の現状と政府の見解をお伺いいたします。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、各家庭においてトイレの洋式化が進んでおることや、学校は災害時には避難所ともなることから、児童生徒、また高齢者等が安心して過ごせるように、洋式トイレの整備は重要であるというふうに考えております。

 現在、公立小中学校施設のトイレについては、約四三%が洋式化されており、また、今後の整備に際して、和式より洋式を多く設置する方針の自治体が八五%となっております。

 文科省では、トイレ改修の工事費を国庫補助するなど、地方自治体の取組を支援しているところであり、今後とも引き続き、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

もとむら委員 地元相模原市に、私ども、ダムが三つありまして、相模原市周辺にはどのような活断層があるのか、昨今地震が多いことから市民の皆さんからもよく聞かれるんですが、この活断層について、相模原市内にどのような活断層があるのか、また地震のリスクがどの程度あるのか、お伺いいたします。

岡村政府参考人 お答えさせていただきます。

 相模原市において、強い揺れを引き起こす可能性のある主な活断層帯は、立川断層帯、伊勢原断層、三浦半島断層群主部武山断層帯でございます。

 政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会では、活断層について、今後三十年といった一定期間内に発生する地震の規模、確率についての長期評価や、地震が発生した場合の周辺地域の想定震度について公表しております。

 今後三十年以内に、立川断層帯については、〇・五%から二%の確率で地震が発生し、相模原市役所周辺ではこの地震において震度六弱の揺れに見舞われ、伊勢原断層につきましては、ほぼ〇%から〇・〇〇三%の確率で地震が発生し、この地震による相模原市役所周辺では震度六弱の揺れに見舞われる。そして、武山断層帯につきましては、六%から一一%の確率で地震が発生し、この地震による市役所周辺では震度五弱の揺れに見舞われると評価しております。

もとむら委員 時間となりましたので、これで質問を終わりにします。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 ことしは災害が相次いでいます。北陸などの大雪被害、そして大阪北部地震、西日本豪雨水害、北海道胆振東部地震、台風二十一号、二十四号など、連続して大きな災害が発生しています。被災者の方は、避難所で、そして仮設住宅の中で大変な努力と苦労をされています。そして今、被災者生活支援制度というのは、大きな問題と矛盾も抱えています。その改善は喫緊の課題であります。

 まず、住宅再建の問題についてお伺いしたいと思います。

 被災者生活再建支援法というのは、災害のたびに被災者や被災自治体からその改善を求められてまいりました。十一月九日に、全国知事会が被災者生活再建支援制度の充実と安定を図るための提言を出しました。お手元に資料をお配りしています。一枚目であります。「被災者生活再建支援制度の支給対象を半壊まで拡大すること。」四項目、大きく述べられています。

 まず、内閣府にお尋ねします。

 この全国知事会の提言を受けて、内閣府としては実務的にはどういう対応をされていくんでしょうか。

海堀政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の被災者生活再建支援制度でございますが、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合、全壊や大規模半壊などの重大な被害を受けた世帯に対して、全都道府県の相互扶助と国の財政支援により支援金を支給するものでございます。

 先月、全国知事会から、この制度について、支給対象の半壊までの拡大、基金の追加拠出に当たっての財政措置等について御提言をいただいたところでございます。

 支給対象の半壊までの拡大や適用地域の拡大等については、過去の災害の被災者との公平性や、国、都道府県の財政負担等の課題もありますが、全国知事会との間で、提言の趣旨や考え方を伺うとともに、現在、意見交換を行っているところでございます。

田村(貴)委員 ぜひ実りのある意見交換を行っていただきたい、そして知事会の要請に応えていただきたいと思います。

 各論に入る前に、山本大臣、知事会の提言というのは、やはり被災者、被災自治体からの要求から始まったものであり、非常に重たいものがあると思います。大臣の受けとめ、中身はいいです、受けとめ、どうでしょうか。

山本国務大臣 おっしゃるように、全国知事会のもとに設けられた見直し検討ワーキンググループで検討結果の報告があって、先月の全国知事会で決議されたというふうに聞き及んでおりまして、その後、私の方にも大勢の知事さんがお越しになられて、そのことについての要望をされておるところでございます。

 安倍総理の方から、内閣府でしっかりと協議をしろというような指示をいただき、これは御案内のとおりでございますけれども、支給対象の半壊世帯への拡充や適用地域の拡大については、国や都道府県の財政負担、基金を積みますから、その課題もございますけれども、そういった経緯がございますので、我が方といたしましても、全国知事会としっかりと意見交換を重ねていきたいというふうに思っております。

田村(貴)委員 それで、支援法の半壊への適用拡大の件なんですけれども、知事会の被災者生活再建支援制度の見直し検討結果報告、ここには、半壊世帯の損害を算出すると一千万円程度の損害が発生している状況にある、データに制約があるものの、少なくとも二百万円から三百万円の修繕費等がかかっている実態があるというふうに述べられています。

 半壊世帯は生活基盤に著しい被害を受けているということでありますけれども、私もいろいろな災害を見てきましたけれども、半壊世帯の負担というのは非常に重いものがあります。政府もそういう認識に立っておられるでしょうか。海堀総括官、いかがですか。

海堀政府参考人 現在、知事会と意見交換をする中で、そういったデータについて十分意見交換をさせていただいて、今後、その内容について検討していきたいというふうに思っているところでございます。

田村(貴)委員 お尋ねしたのは、著しい被害を受けている、経済的損失を抱えているということなんですけれども、後でまたおっしゃってください。

 数百万円のやはり負担が生じていくわけですよ。例えば、地震で瓦が落ちた。瓦全部をやりかえないといけないわけなんです。ですから、熊本地震でも、一部損壊の家でも、私が回って行ったら、二百万、三百万円かかるといったところはざらでありました。

 実際、半壊世帯というのは住めなくなった被災者も多いわけでありまして、これは東日本大震災でもその後の災害でも、半壊の涙というのが被災地でささやかれ、そして広がってきたということであります。

 大臣、総括官にも聞いたんですけれども、やはり経済的な負担は非常に重いものがある、ここは思い切って支援法の見直しにかじを切っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

山本国務大臣 被災者生活再建支援制度というのは、これは御案内のとおり、一定の規模以上の自然災害が発生した場合に、都道府県との相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するというようなものでございまして、この規模に達した場合と達しない場合とで若干差が出てくるというのも悩ましいところでございます。

 しかしながら、その規模に達しない場合でも、地方公共団体の判断で、必要に応じて支援を行うということができるわけでございまして、そういった観点から、例えば、都道府県が条例で支援法と同様の支援を行えば、支給額の二分の一を特別交付税で措置するというふうにしているところももう既に十八府県数えているところでございますから、そういった意味において、国と地方公共団体、適切な役割分担のもとに、被災者の生活再建を支援してまいりたい。

 今現在、海堀さんもおっしゃったように、国とそれから自治体、知事会議とでしっかりとした議論を進めている最中でございますので、そのことをしっかり重く受けとめていきたいというふうに思っております。

田村(貴)委員 前向きな協議を要請したいと思います。

 それから、大臣が言われた地方自治体の交付税措置については、これは後で申しますけれども、その自治体によってばらばらであります。適用もいろいろあります。そうした問題もあります。

 続いて、知事会の提言の中には、一部地域が適用対象となるような自然災害が発生した場合には、法に基づく救済が被災者に平等に行われるよう、全ての被災区域を支援の対象にするということを求めているわけであります。

 そこで、大阪地震の例を出したいと思うんですけれども、大阪北部地震での全壊被害、茨木市は三棟、豊中市は三棟、枚方市は一棟、全壊世帯がありながら、対象とはならなかったわけであります。高槻市は、十一棟があって対象となっているわけであります。

 同じ地域の同じ災害でありながら、支援法が適用される自治体とされない自治体がある、これははっきり言って不平等じゃないですか。災害の規模によるのではなくて住家の損壊に対して平等に行われる、これがあるべき姿と思うわけでありますけれども、内閣府、いかがでしょうか。

海堀政府参考人 お答え申し上げます。

 ここも国と地方の役割分担の話でございます。

 一定規模以上の被害、全壊被害が今十戸との基準を設けさせていただいていますが、それを超えた場合には、都道府県の相互扶助と国による財政支援による支援金を支給する、それ未満の場合には、各地方公共団体で、これは先ほど先生がいろいろなケースがあるというふうなお話ありましたが、その都道府県の条例で支援をしていただければ国の方で一定額の交付税を措置するということで、役割分担を行って、現在は対応しているところでございます。

田村(貴)委員 その役割分担も公平じゃないんですよ、平等じゃないんですよ。

 それで、高槻市の全壊世帯というのは、支援法で最大三百万円ですよね、全壊ですから。そして、大阪府からの義援金、全壊では百万円というふうになっています。ですから、たてつけ上は全壊世帯は四百万円なんですよ。でも、お隣の自治体では、義援金の百万円どまりなんですよ。これが現実なんですよ。この格差が大阪府としては問題だとして、この改善を今やろうとしているわけです。この不平等感が住民、被災者に広がっていることは問題ではありませんか。

 支援法と同じ措置を都道府県がとって、支給額の二分の一程度の交付税措置という話も先ほどありました。

 資料の二枚目をごらんいただきたいと思うんです。台風二十四号で大きな被害を受けた鹿児島県、離島に被害も集中しました。これは徳之島の伊仙町の被災家屋であります。強風で屋根がこれだけ吹き飛ばされました。被災判定は全壊であります。全壊判定でありますけれども、支援法の適用はないわけなんですよね。

 資料の三枚目をごらんいただくと、これは内閣府が出していただいた資料なんですけれども、都道府県独自の被災者生活再建支援制度。鹿児島県は三十二番目、県内で支援法が適用された災害に対してこういう制度がありますよと。支援法は適用になっていないんですね。もしなったとしても、全壊世帯への支援額は二十万円と書かれているわけです。自治体によって、やはり、今ある努力をしてもこういう状況にあるということは基本に据えないといけないわけであります。

 そこで、この伊仙町の屋根が飛んで全壊被害を受けた方なんですけれども、どうなっているのかということであります。町からの見舞金が五万円、これだけなんですよ。

 災害が発生して、家がなくなった、流された、燃えてしまった、そういうときに、自治体と合わせて数百万円の支援が受けられる場合もあれば、何もなくて見舞金しかない、これはやはり不平等じゃないですか。市町村で十世帯以上の全壊がないと支援法の対象にしないといけない、そういう縛りがあるからこういう問題になる。これはやはり見直していく、知事会の言うとおりに変えていかなければならないというふうに私は思うわけであります。

 大臣にお伺いしたいと思います。

 災害で家を失った人の悲しみ、苦しみというのは、どんな災害であったとしても同じであります。災害が大きくても小さくても、家を失った、家が破損したという方のこの悲しみというのは同じではないかなと思うわけであります。地域によって差がある、災害によって差別される、これはやはりおかしい、変えていかなければいけない、不平等であると思います。

 災害規模の大小での線引きはやめて、災害によって住家被害を受けた被災者に対してちゃんと等しく支援することが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

山本国務大臣 おっしゃるとおり、一市町村において全壊十世帯以上の被害がないと支援対象にならないというところから始まって、いろいろな制約がありますし、また、激甚指定をされたところとされていないところというのでそういう問題が生じているところもございます。

 家をなくするということは、それは命をなくすことに次いで本当に苦しい話でありますし、その地域で生きていくということでありますから、ぜひそこでもう一回家を建て直したい、そういう要望はたくさんあると思います。

 ただ、これは、もちろん財政負担を伴うことでありますから、全国知事会の方でのお話、要望もございます、今ほどずっと申し上げているとおりでございますけれども、我々としっかり検討をし合って、そして適正な答えが出るべく努力をしてまいりたいというふうに思っております。

田村(貴)委員 私、今、徳之島の伊仙町の話をしたんですけれども、鹿児島県の直近の住家被害の報告によりますと、伊仙町の全壊は四十棟というふうにカウントされています。内閣府のホームページを見たら、二十四号の支援法はまだ適用になっていませんよね。精査がされているんだかわかりませんけれども、四十とカウントされているんだったら、これはやはり支援法の適用があってしかるべきだというふうに思います。

 海堀統括官、検討されているということですよね。何かあれば、どうぞ。

海堀政府参考人 現在、手元に被害報告がありませんので、地元公共団体、都道府県を通じて、伊仙町の方にも確認をさせていただきたいというふうに思います。

田村(貴)委員 同一被害同一支援というこの考え方は、ぜひこれから生かしていただかなければいけないと思います。

 十一月十一日付西日本新聞、私の地元でありますけれども、全壊支援金に地域差、同一災害なのになぜという記事がありまして、九州各県でも差があることが指摘されているわけであります。

 一部損壊への支援についても言及したいと思います。

 熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震でも、住宅被害の圧倒的多数は一部損壊でありました。しかし、この一部損壊について、支援策というのはほとんどないという状況であります。

 半壊と一部損壊では、修理の自己負担で逆転現象も生じている。応急修理代も出ないわけですよ。そうなると、同じ程度の被害で、一部損壊世帯の方が被災度合いは低いのに自己負担が大きくなるという逆転現象も起きているわけであります。これはやはり何らかの支援が講じられてしかるべきだというふうに思いますけれども、きょうは要望にとどめておきたいというふうに思います。

 次に、公費解体、被災家屋の公費解体についてお伺いしたいと思います。

 環境省に尋ねます。きょうは環境省菅家政務官にもお越しいただいております。

 たびたびこの問題を私は取り上げてまいりました。そして、政務官、前の九州北部水害のときに、伊藤前副大臣が大変このことを気にかけていただいて、動いていただいたということでもあります。そして、半壊世帯への適用をこの間模索されてきて、今私が冒頭申し上げた大きな被害については適用してきたんじゃないかというふうに思っているわけであります。

 住むことができずに、そして解体撤去を望まれるというならば、支援法の関係では、これは全壊相当になって、支援が受けられるわけですね。それで、その家をどうするかといったら、全壊は全壊で解体撤去、しかし半壊はそのままということになっちゃうわけなんです。福岡県の朝倉市などでは、こうした状況で取り残されている家というのは結構あるわけなんですね。

 北海道のむかわ町、全額支援をすることになりました。厚真町と安平町は半額を補助することになりました。被災自治体、必ずしも財政力が豊かでない、財政規模も小さい、こうした町がやはり被災者をおもんぱかって、解体撤去しなければいけないねと、公費で支出するという措置になった。

 この判断について、政府の受けとめはいかがでしょうか。やむにやまれぬ努力、政務官、いかがお考えでしょうか。

菅家大臣政務官 お答えを申し上げます。

 環境省といたしましては、被災した住民の皆様に一日も早く日常生活を取り戻していただけるように、被災市町村の実施した災害廃棄物の収集、運搬及び処分、これに対しましては、災害等廃棄物処理事業費補助金、これによる財政措置を行っているわけでございます。

 本補助金は、家屋の解体撤去については、生活環境保全の観点から、明らかに廃棄物と観念できる全壊家屋を補助対象としているわけでございます。

 今回、半壊家屋等の解体費用について、北海道の被災自治体が公的支援を行うこととしておりますので、本補助金においても、半壊家屋を解体した場合に発生する廃材の運搬、処理費用については補助の対象にしているわけでございまして、これを支援している現状であります。

 環境省といたしましては、このように、現在の補助制度、これを最大限効果的に活用することによりまして、円滑、迅速な処理に向け、必要となる支援を実施してまいりたい、このように考えているところであります。

田村(貴)委員 災害のたびにこの問題は生じてくるわけなんですよね。

 そして、これは被災自治体が、この家はもう所有者の方が住むことができない、そして撤去、解体を求めておられるんだったら、それはやはり、今までの西日本豪雨や、あるいは熊本地震とか、そういった経験を踏まえて、同じように適用していただきたい、このことを強く要望しておきたいというふうに思います。

 時間がなくなってまいりましたので、農水についても、農水省、きょうは濱村政務官、お越しいただいております。

 まず、政務官に、通告していないんですけれども、災害による農業被害というのは、まず何といっても、被災農家の方が営農意欲を失わないこと、そして離農を生み出さないこと、これが基本であると思うんです。

 大臣には農水委員会で私も尋ねてきたんですけれども、まず離農者を出していかない、一人も出さない、この姿勢が求められると思うんですけれども、政務官はいかがお感じでしょうか。

濱村大臣政務官 お答えいたします。

 離農者を出さない、これが非常に重要であるということは、委員の御指摘のとおりでございます。

 そのためにも、これまでもそうでしたけれども、農業におきましては、農業共済の仕組みがございます。こうしたものを通じて、離農を出さないということについて、今後も取り組んでまいりたいと思っております。

田村(貴)委員 わかりました。

 そこで、被災者向けの経営体育成支援事業について質問をします。

 資料の最後、四ページでありますけれども、これは、私の方で集計いたしました、これまでの大きな災害の中で、被災者向けの経営体育成支援事業が発動されたときの状況であります。これも災害によってばらばらなんですよ。発動したときもあれば、発動していないときもある。

 この発動の基準というのは何ですか。簡単に説明していただけますか。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 被災農業者向け経営体育成支援事業は、過去に例のないような甚大な気象災害等が発生し、国として特に緊急に対応する必要がある場合に限って発動することとしております。

 発動に当たっての基準となる被害額等は明確に定めてはおりませんが、例えば、委員から今配付されておりますが、ことし、被災農業者向け経営体育成事業を発動した七月豪雨では、事業対象の施設である農業用ハウスの被害額は約百四十四億円、北海道胆振東部地震及び台風二十一号では約二百四十億円となっているところでございます。

田村(貴)委員 額が決まっていないわけなんですよね。

 これをよく見てみますと、例えば、二〇一六年の台風災害というのは、これは五つの災害を一まとめにして発動しているというふうになっているわけであります。少しでも多くの災害を対象にしようとしたところの跡は認められます。

 私は、この制度が、被災者の方に、被災農家の方に大変喜ばれて、歓迎された。そして、大雨が降ったというときに、農家の方は、あそこの災害で適用された支援制度がこの災害でも使われるのか、そこを物すごく心配されるんですよね。私たちもたくさんの相談を受けました。

 ですから、こうした制度をやはり恒久的な制度にしていっていただきたいというふうに思うわけなんですけれども、政務官、一人の離農者も出さないといったところの決意、みんなそうだと思うんですよ。

 それで、この被災農家の施設復旧に恒常的な施策はないし、被災者向けの経営体育成支援でなければ離農者が出てしまう、こういう状況にあるわけです。ここは政治判断するしかないわけなんですよね。

 先ほどの基準というのも、何かあってないような感じなので、被災農家にとってみたら、ハウスが倒壊した、そして次の営農に生かしていきたいといったときには、このメニューが、やはりことごとく当てはめていただく必要があると思うんです。

 恒久的な制度とするべきではないかと思いますが、いかがですか。

濱村大臣政務官 先ほども申し上げたところではありますけれども、まずは、自然災害における農業用ハウス等の被害につきましては、農業共済等の農業保険で対応していくことが基本、大前提であろうというふうに思っております。

 いわばこの共済自体が恒常的な仕組みと言えるとも考えておるわけでございますが、しかしながら、このたびのような災害の場合には、過去に例のない甚大な災害の発生もあることから、農水省といたしまして、それぞれの災害の被害状況等を踏まえて、個別の災害ごとに具体的な支援内容を決定してきているところでございます。

 災害への備えに対するこれまでの農業者の努力を損なわないことも大変重要でございますし、そしてまた、自然災害に対する支援対策については、恒常的な制度を措置するということよりも、個別の災害ごとに措置する方が望ましい、このように考えているところでございます。

田村(貴)委員 きょうはいろいろな質問をさせていただきましたけれども、災害の規模によって分け隔てするのではなくて、被災者の状況に応じて、そして被災者に寄り添って支援策をしっかりと講じていく、これが私、ことし幾つかあった災害、そして今までの支援法の中での問題と、改善しなければいけない点だというふうに思っております。

 こうしたところを一歩でも二歩でも前進していただくことを、取組を強化していただくことを求めて、きょうの質問を終わります。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、森夏枝君。

森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。

 今国会より災害対策特別委員会に所属をさせていただきます。今後とも御指導のほどよろしくお願いいたします。

 ことしは、大阪北部地震、七月の豪雨災害、台風、そして北海道胆振東部地震と、多くの災害が続きました。お亡くなりになられた皆様に御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。そして、被災された皆様が一日も早くもとの生活に戻ることができますように、災害対策特別委員会の委員の一人として頑張ってまいります。

 それでは、早速質疑に入らせていただきます。

 山本大臣、御就任まことにおめでとうございます。私も大臣と同じく愛媛県の出身で、大臣の御地元今治市のお隣の西条市の出身でございますので、山本大臣の御就任は大変心強く、うれしく思っております。

 大臣は御就任後、北海道、岡山県、愛媛県、広島県の被災地を訪問され、被災状況や復旧復興の様子を直接御自身の目で見られ、被災者の声を直接お聞きになったと承知をしております。

 私も、先週十一月二十六日に、委員派遣で北海道胆振東部地震による被害状況調査に行かせていただきました。現場に行かなければわからないことが多く、改めて足を運ぶことの大切さを実感いたしました。視察の機会をいただきましたことを改めて感謝申し上げます。

 まず、大臣に伺います。

 近年、全国各地で大変災害が多くなっております。災害対策に対する思い、防災担当大臣としての御決意をお聞かせください。

山本国務大臣 ことしは、本当に災害が続きまして、あちらこちらで大きな被害が出てまいりました。雨の降り方一つとってみても、ちょっと昔と違うなというふうな、そんな感じすらするわけでありまして、これからもしっかりと防災対策を講じていかなければならない、このように思っているところであります。

 大阪北部地震、それから西日本豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震等々で各地を私も見てまいりましたけれども、例えば、西日本豪雨でも、岡山と広島と愛媛とそれぞれに足を運んでみると、災害の中身といいましょうか質が違うわけでありますので、その地域地域での地形等々も十二分に把握した上で災害対策を講じていかなければならないということを痛切に感じたところであります。

 政府といたしましては、関係自治体の復旧復興事業が進むよう、予備費を活用して、発災後直ちにプッシュ型支援を実施するとともに、生活やなりわいの再建に向けた支援策の実施、激甚災害の指定などの対策を迅速に講じてきたところでございます。

 また、被災地の復旧復興を更に加速するために、平成三十年度一般会計補正予算において必要な措置を講じたところでもございますし、また、二次補正も続いて出るということでもございます。

 今後とも、被災者の皆様方の心に寄り添いながら、被災者の方々の生活、なりわいの再建に向けて全力を尽くしてまいる覚悟でございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 大変力強いお言葉で、心強く思います。引き続き、現場の声に耳を傾け、被災者の皆様に寄り添った御支援をお願いしたいと思います。

 次に、災害による農家での人手不足対策について伺います。

 皆様も御存じのとおり、農業分野での人手不足は深刻です。そこに、この夏の豪雨災害と台風などにより、広範囲で農業に大きな影響が出ました。

 私自身、ことしは、選挙区の京都各地の被災地と、先週の委員派遣で北海道視察に行かせていただきましたが、それ以外は、まだ他の被災地に足を運ぶことができておりません。

 地震、豪雨、台風と自然災害が続きました。全国各地で被災された方々は、復旧復興に向けた支援を必要としております。先ほども申しましたが、実際に私は現場へは足を運ぶことができておりませんが、愛媛出身ということもあり、知り合いの愛媛の農家さんたちから被害状況をお聞きしております。

 愛媛の農家さんのお話ですので、大臣もよく御存じかと思いますが、モノレールやスプリンクラーに大変大きな被害が出ているとのことです。復旧に向け立ち上がろうにも、個人の園地に係る費用は数百万円必要で、大変厳しい状況に直面しているそうです。JAによる無利子融資制度も活用しているとお聞きしましたが、やはり限界があるとのことです。

 被害に遭ったモノレールやスプリンクラーの復旧にはお金も時間もかかります。今必要なのは人材だそうです。収穫するのにも人手が足りないそうです。

 被災前はモノレールで運んでいたものを、今は一時間千五百円で人を雇って人力で運んでいるそうです。農道も壊れてしまい、軽トラが入れず、収穫、出荷が難しいそうです。また、スプリンクラーも被害に遭い、果樹栽培に欠かせないかん水等の作業もホースを使って人の手で行うため、人材の確保が難しいとのお話をお聞きしました。

 被災された農家の方から、被災した農家の人手不足をサポートする人材バンクのような機関が欲しいとの要望を受けました。政府として、補助金以外の支援として、被災農家の人手不足に対する支援があれば教えてください。

菱沼政府参考人 お答えいたします。

 愛媛県の果樹園地においては、七月豪雨により園地が崩落したことに伴い、園内へ立ち入るための道路が寸断されたほか、防除作業に用いられていたスプリンクラーや収穫物の運搬に用いる農業用のモノレールの破損で農作業に支障が生じているところでございます。

 現地では、農作業に係る人手不足に対しまして、県やJAなどがアルバイターやボランティアの確保に努めていると承知しておりますが、農林水産省といたしましても、それとあわせて、スプリンクラーなどの復旧が間に合わず防除作業が困難な園地では、ドローンなどによる航空防除の実施に係る経費や、収穫期までにモノレールの復旧が間に合わない園地においては、収穫物を園地から運び出すために必要な雇用労賃や運搬車などのレンタル経費に対する支援を行っているところでございます。

 この結果、九月中旬より温州ミカンの収穫を迎えまして、愛媛県宇和島市内の四つの選果場における極わせミカンの出荷量は、昨年比の約九割を確保したと聞いております。

 農林水産省といたしましては、今後も、施設の復旧状況を踏まえつつ、現地の労力の確保状況を注視しながら、被災地の早期復旧を後押ししてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 被災農家の人手不足への御支援をぜひよろしくお願いしたいと思います。

 愛媛県の南予地域の話なのですが、農業被害だけでなく、自宅が水につかり、仮設住宅で暮らされている方々もいらっしゃるので、もとの生活に戻るまでに仕事も住宅再建も大変な状況だそうです。被災農家の方が離農しなくてもいいように、被災者に寄り添った御支援をお願いしたいと思います。

 次に、北海道胆振東部地震による山腹崩壊の被害状況、そして今後の対策について伺います。

 先週の委員派遣で、震度七の揺れを観測した厚真町の山腹崩壊現場も見てまいりました。大変な状況でした。地震が起きた六秒後に山腹崩壊が起きた、一瞬だったとお聞きをしております。

 復旧作業には危険も伴いますので、二次被害が出ないように作業を進めるにはかなりの時間がかかると感じました。北海道胆振東部地震による山腹崩壊の被害状況と今後の対策について教えてください。

織田政府参考人 お答えいたします。

 北海道胆振東部地震による山地の被害状況につきましては、林地の荒廃と治山施設の被災を合わせまして、被害箇所数百八十九カ所、被害額約四百二十九億円となっているところでございます。

 農林水産省といたしましては、地震により発生した林地の崩壊等に対しまして、二次被害が懸念されるような緊急的な対応が必要な箇所について、まずは災害復旧予算である災害関連緊急治山事業等により早期復旧を図ることとしているところでございます。

 また、緊急対策に加えまして、極めて大きな面積の森林が被害を受けたということに鑑みまして、中長期的な取組として、被災森林の再生に向けまして、治山施設の設置あるいは航空緑化等により計画的な復旧を図っていく必要があると考えているところでございます。

 引き続き、北海道庁等の関係機関との連携を密にしつつ、災害復旧事業の早期実施はもとより、今後の計画的な治山対策の実施に向けまして、必要な予算確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 関係機関と連携して、早期復旧に向け取り組んでいただきたいと思います。

 他の委員からも既にお話がありましたけれども、視察先の意見交換会の中で、被害に遭った森林をもとに戻すまでに二百年かかると言われていた言葉が私も心に残っております。そして、山腹崩壊を復旧するには時間がかかることは理解をしておりますが、まず土砂を取り除いてほしいとの要望がありました。土砂をそのままにしておくと、泥水が流れ、むかわ町のシシャモや苫小牧のホッキガイにも影響が出てしまう、できるだけ早く対応してほしいとの切実なお声もお聞きしてまいりました。

 時間のかかる作業とは承知をしておりますが、早期復旧をお願いし、次の質問に移ります。

 これもまた他の委員と重なる質問になりますけれども、ブラックアウト対策について伺いたいと思います。

 このたびの北海道胆振東部地震では、道内全域での停電が起こり、農業、商工業、交通面でも運休が相次ぎ、観光への被害等、さまざまな分野で大きな被害が出たと思います。ブラックアウトを起こさないために、このたびの地震を教訓にしなければならないと思っております。今回の道内での停電の原因について、どのように把握され、今後どのような対策を考えられていますでしょうか。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 電力広域機関におきます検証委員会の中間報告におきましては、今回のブラックアウトに至る事象につきましては、苫東厚真火力発電所の停止に加えまして、三ルートにわたる送電線の事故、これに伴う水力発電所の停止などの複合的な要因によって引き起こされたものと評価されているところでございます。

 今回のブラックアウトの原因と得られた反省と教訓を踏まえまして、十一月二十七日に開催されました重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議におきまして、電力インフラの強化を含めました再発防止策が取りまとめられたところでございます。

 この中で、電力インフラの強化につきましては、まずは、石狩湾LNG火力の活用前倒しや北本連系線の増強など、北海道での再発防止策の着実な実施を行うこと、さらには、ツイッターなどを活用した復旧見通しの迅速な発信や、早期復旧に向けた電力間の連携強化などを求めていくことなどにより、万全の対策を講じることとなってございます。

 さらに、中期的な対策といたしまして、地域間の連系線を増強していくこと、特に新北本連系線整備後のさらなる増強につきましては、シミュレーションなどにより増強の効果を確認しました上で、北海道内外のルートや増強の規模を含めまして、来春までをめどに具体化を図ることとしたところでございます。

 これらの対策につきましては、北海道電力や電力広域機関、関係省庁など、関係者と連携しつつ、具体化に向けた取組をしっかり進めてまいりたいと考えてございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 ブラックアウトの原因は把握され、既にさまざまな対策をとられているということですので、今後もブラックアウトを起こさないための対策を引き続きお願いしたいと思います。

 このたびのブラックアウトにより、酪農、畜産関係に大きな被害が出たと聞いております。

 乳牛は毎日搾乳をしないと乳房炎にかかってしまうため、搾乳を停止することはできず、農協の職員の皆さんが移動式の発電機を持って夜中まで搾乳をして回られたとお聞きをしました。また、その搾った生乳も停電によって廃棄をせざるを得なかったそうです。

 全国どこで災害が起こるかわかりません。例として酪農、畜産関係の被害状況をお話しさせていただきましたが、停電が起きるとさまざまなところに被害が出ます。私は、被害を未然に防ぐ、被害を最小限にする防災・減災への取組が非常に重要であると考えております。自家発電や非常用電源設備などは非常に有効であり、必要だと思っております。

 そこで伺います。今後、停電による被害を最小限に抑えるための取組として、防災・減災対策をどのようにお考えでしょうか。お願いします。

南政府参考人 お答えいたします。

 大規模災害時には、停電が生じたり、渋滞等の影響により燃料の配送が大幅に遅延するという可能性がございます。このため、委員御指摘のとおりでありますが、大規模停電などの事態に備える観点からは、電力会社や石油会社といったエネルギー供給側の対策だけではなく、エネルギーの需要者側においても平時より対策を講じていくことが重要だと考えております。

 こうした観点から、経済産業省では、これまでも、災害時に機能を維持することが求められる病院や避難所などの重要施設が非常用発電機や燃料備蓄に必要なタンクなどを導入できるよう、財政的な支援を実施してきております。

 さらに、今回の北海道における大規模停電など、一連の災害を踏まえまして、ことし九月から政府全体で国内の重要インフラにおける災害対応能力についての総点検を実施しまして、例えば、災害拠点病院等については非常用自家発電設備や燃料タンクの増設等を支援していこうという今後の対応策が示されたところでございます。

 当省としましては、こうした点検結果も踏まえまして、各重要施設を所管する関係省庁とも協力しながら、需要家側における対策をしっかりと進めていきたいと考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 防災・減災対策への取組をしっかりお願いしたいと思っております。

 次に、札幌市清田区里塚地区の盛土マップについて伺います。

 実際に液状化の現場も見てまいりました。二メートル以上陥没しており、多くの住宅が傾いて、住むことができない状況になっておりました。

 九月十四日の北海道新聞によると、里塚地区が国の指針に従って札幌市がまとめた大規模盛土造成地マップに載っていないことがわかったとの記事がありました。盛土マップは適切に反映されていたのでしょうか。お願いします。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 札幌市では、大規模盛土造成地マップを作成し、インターネットに掲載するなど、周知を図っております。

 里塚地区のうち宅地被害が発生した盛土造成地については、一部がマップに表示されている大規模盛土造成地に含まれており、一部は含まれておりませんでした。これは、大規模盛土造成地マップの作成に当たって、新旧の地図を重ね合わせ、等高線の移動を確認し、標高が上昇した箇所を盛土として判断しておりますが、この標高の差を確認する精度に限りがあるためと札幌市から伺っております。

 国土交通省では、大規模盛土造成地マップの作成の後、工事の記録なども参考にして盛土の範囲を具体的に確認するなど、地区ごとに詳細な調査を行う事業を支援しております。こうした事業を支援する、周知する等により、地方公共団体による正確な大規模盛土造成地の把握を推進してまいります。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 盛土マップの作成過程の中で一部反映されていない場所があったということですので、今後このようなことがないように、危険性のある場所については住民への情報提供を徹底していただきたいと思います。

 里塚地区の陥没被害は大変な状況でした。ここはもともと真っすぐな道でした、ここはもともと平らな公園でしたと説明を受けましたが、二メートル以上も陥没しているので、説明を受けないと平らな土地だったとは思えないような状況でした。

 大変大きな住宅被害が発生しておりますが、今後どのように宅地復旧をされるのか、スケジュール感も含め、教えてください。

徳永政府参考人 お答え申し上げます。

 札幌市では、九月六日の地震発生以来、里塚地区の被害について、専任チームを設置し、原因の究明と対策の検討を進めてきました。

 これまでに三回の住民説明会を開催し、被害原因についての調査結果や対策工法、個人が行う住宅宅地の復旧に対する支援策などを説明してきました。また、冬期に道路の除雪などが行えるよう、陥没した道路の応急復旧などを行ってきました。

 今後、十二月中旬に住民説明会を開催して対策工法について具体的に説明し、年度内に工事の実施について住民の同意を確認する予定と聞いております。また、平成三十一年度には工事に着手する予定と聞いております。

 国土交通省としては、これまでも職員の派遣や研究者による助言、調査費用の追加配分などを行ってまいりましたが、里塚地区の復興が円滑に進むよう、引き続き札幌市を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 積雪による二次被害に対して住民の方々の不安の声もあるようですので、今後も住民の方々への御説明をしっかりお願いしたいと思っております。宅地復旧に関しては、雪が解けてから春の着工となると思いますが、早期復旧をお願いしたいと思います。

 次に、今後の液状化マップの作成計画について伺います。

 今回の液状化の被害を見ますと、液状化が起きる危険性が高い地域を示す液状化マップの作成は必要だと思いました。液状化マップの作成は努力義務ということで、全国の市町村の約二割しか作成が進んでいないとのことですが、今後、液状化マップの作成計画はどのようになっているのでしょうか。作成にはかなりの費用もかかるようですが、支援策等はあるのでしょうか。教えてください。

徳永政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省のホームページ、わがまちハザードマップでは、液状化マップを作成、公表している三百六十六市区町村を掲載しております。これは、委員御指摘のとおり、全市区町村の約二割に当たります。

 液状化マップを公表することにより、大地震時に液状化が発生する可能性が高い地域が明らかになり、住民の液状化に対する意識を高め、液状化対策を検討する契機になることが期待されます。

 今般、総理からの御指示を踏まえた重要インフラの緊急点検の中で、液状化マップの作成、公表状況について緊急点検を実施したところでありまして、点検結果を踏まえ、必要な対策を取りまとめてまいります。

 以上でございます。

森(夏)委員 液状化マップは私は必要だと思っております。必要な支援をし、作成を進めていただきたいと思います。

 繰り返しになりますが、ことしは本当に災害の多い年となりました。緊急で支援を必要とするところには早期の対応をお願いしたいと思っております。

 被災地への支援も必要ですが、私は防災・減災対策が特に必要であると思っております。自然災害は誰もとめることができません。研究はされておりますけれども、正確な地震や噴火の予知も難しいのが現状です。台風予測の精度は上がってきていると思います。起こってほしくはありませんが、今後も災害が起こることを考えますと、未然に防ぐことができるもの、対策をとっていれば被害を最小限に抑えられるものもあると思います。

 最後に、大臣に伺います。

 災害の教訓を生かす取組について、今後どのような防災・減災対策を考えられているのでしょうか。お答えください。

山本国務大臣 おっしゃるとおり、一連の災害の教訓というものを次の防災に生かしていかなければならない、これが今一番求められているところだろうと思います。住民の生命や財産、経済活動に大きな影響を及ぼす重要インフラ、これがあらゆる災害に対してもその機能を十分維持できるようにする、そのことが極めて大事だというふうに思っています。

 そのために、十一月の二十七日に取りまとめました重要インフラの緊急点検結果を始め、これまで培ってきた経験や教訓を踏まえて、年内に国土強靱化基本計画の見直しを行うことにいたしております。加えて、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を年内に取りまとめて、三年間で集中実施をするということも今作業を行っているところでございます。

 また、平成三十年七月豪雨で行政が発信した避難に対する情報であったり気象情報であったり、これが適切に住民の皆様方に届いたのかどうかということ、さらには、受け手である住民の皆さんに届いたとして、それが避難にどのように結びついたのかというような、そういう点からさまざまな大きな課題があったように思います。

 このため、現在、中央防災会議の下にワーキンググループをつくりまして、七月豪雨を教訓とした避難対策の強化について検討を進めておりまして、これも年内を目途にその検討結果を取りまとめて、関係省庁と連携して必要な対策を講じることといたしております。

 今後とも、国民の生命と財産を守るために、総合的な防災・減災対策に取り組んでまいりたいと思っております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 今回の被災の教訓を今後の対策に生かしてほしいというのは、被災地からの願いでもあります。被害を最小限に抑えるための取組をぜひお願いしたいと思います。そして、今後も被災者の方々に寄り添った御支援をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

望月委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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