衆議院

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第3号 令和元年10月1日(火曜日)

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令和元年十月一日(火曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 望月 義夫君

   理事 福井  照君 理事 藤丸  敏君

   理事 堀井  学君 理事 三ッ林裕巳君

   理事 三原 朝彦君 理事 岡島 一正君

   理事 岡本 充功君 理事 濱村  進君

      秋本 真利君    小倉 將信君

      小里 泰弘君    大岡 敏孝君

      金子 恭之君    神山 佐市君

      木村 哲也君    小寺 裕雄君

      小林 史明君    高村 正大君

      佐藤 明男君    坂本 哲志君

      笹川 博義君    杉田 水脈君

      田野瀬太道君    谷  公一君

      中曽根康隆君    根本 幸典君

      百武 公親君    藤井比早之君

      船橋 利実君    古川  康君

      宮路 拓馬君    吉川  赳君

      池田 真紀君    奥野総一郎君

      菊田真紀子君    近藤 和也君

      高木錬太郎君    中島 克仁君

      森山 浩行君    谷田川 元君

      早稲田夕季君    江田 康幸君

      富田 茂之君    桝屋 敬悟君

      田村 貴昭君    畑野 君枝君

      森  夏枝君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       武田 良太君

   内閣官房副長官      西村 明宏君

   内閣府副大臣       平  将明君

   農林水産副大臣      伊東 良孝君

   経済産業副大臣      牧原 秀樹君

   内閣府大臣政務官     今井絵理子君

   農林水産大臣政務官    河野 義博君

   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  松本 裕之君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   青柳 一郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 谷  史郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     竹村 晃一君

   政府参考人

   (消防庁審議官)     鈴木 康幸君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           谷内  繁君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       鈴木 良典君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           上田  弘君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河本 健一君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     林  俊行君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         東川 直正君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君

   政府参考人

   (気象庁長官)      関田 康雄君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局長)         山本 昌宏君

   衆議院調査局第三特別調査室長           武藤 裕良君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月十二日

 辞任         補欠選任

  宮川 典子君     森山  裕君

同月十三日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     小里 泰弘君

  稲津  久君     濱村  進君

  遠山 清彦君     國重  徹君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  國重  徹君     江田 康幸君

  佐藤 英道君     桝屋 敬悟君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  森山  裕君     秋本 真利君

十月一日

 辞任         補欠選任

  大隈 和英君     木村 哲也君

  金子 俊平君     佐藤 明男君

  神山 佐市君     笹川 博義君

  小林 史明君     吉川  赳君

  高木  啓君     古川  康君

  谷  公一君     小寺 裕雄君

  鳩山 二郎君     百武 公親君

  近藤 和也君     谷田川 元君

  山岡 達丸君     奥野総一郎君

  江田 康幸君     富田 茂之君

  田村 貴昭君     畑野 君枝君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 哲也君     大隈 和英君

  小寺 裕雄君     谷  公一君

  佐藤 明男君     中曽根康隆君

  笹川 博義君     藤井比早之君

  百武 公親君     鳩山 二郎君

  古川  康君     高木  啓君

  吉川  赳君     小林 史明君

  奥野総一郎君     山岡 達丸君

  谷田川 元君     近藤 和也君

  富田 茂之君     江田 康幸君

  畑野 君枝君     田村 貴昭君

同日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     金子 俊平君

  藤井比早之君     神山 佐市君

同日

 理事稲津久君九月十三日委員辞任につき、その補欠として濱村進君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

八月五日

 一、災害対策に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 令和元年八月から九月の前線に伴う大雨(台風第十号、第十三号及び第十五号の暴風雨を含む。)による災害の被害を踏まえた災害に強い国づくりの推進に関する件


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     ――――◇―――――

望月委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に濱村進君を指名いたします。

     ――――◇―――――

望月委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、令和元年台風第十五号等による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。武田防災担当大臣。

武田国務大臣 このたび国土強靱化担当・内閣府防災担当大臣を拝命した武田良太であります。

 防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であると認識しており、災害対策を担当する大臣として、いつ起こるかわからない災害に備え、常に緊張感を持って職務に当たってまいる決意であります。そして、国家百年の大計として、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいる所存です。

 望月委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。

 まず、被害状況の報告に先立ちまして、このたびの台風及び豪雨によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 九月九日午前五時前に強い勢力で千葉市付近に上陸した台風第十五号の影響により、伊豆諸島や関東地方南部を中心に、記録的な暴風となりました。この暴風により、九日の七時五十分には約九十三万件の停電が発生するとともに、停電に伴う、約十四万戸の断水や携帯電話の通信障害が発生したほか、公共交通機関の運休など、市民生活に大きな影響が生じました。この台風により、きのうまでに、人的被害及び全壊百十九棟、約二万棟を超える一部破損等の住家被害が報告されております。

 政府としては、台風が接近する前の九月六日に山本前防災担当大臣が出席して関係省庁災害警戒会議を開催して警戒態勢を確保したほか、地方自治体や関係機関への注意喚起を行うなど、緊張感を持って対応に当たってきたところであります。

 台風による被害が生じてからは、九月十日に内閣府情報先遣チームを千葉県に派遣し、被災自治体や関係省庁との連携体制を整え、被災実態の把握や被災された方々のニーズの掌握に努めました。また、関係省庁災害対策会議及び千葉県に派遣された政府職員間での連絡調整会議を連日開催することなどにより、関係機関相互の緊密な連携と協力のもと、停電復旧、断水解消、通信確保等の災害応急対策に全力で取り組んでまいりました。

 長期化する停電に対しましては、発電機車約三百四十台により重要施設への緊急的な給電を行ったほか、各電力会社からの応援を含む約一万六千人の体制で復旧作業に当たりました。また、停電復旧の支障となる倒木の除去を強力に進めるため、自衛隊の部隊が最大一万人で対応できる態勢を確立し、昼夜を問わず作業に当たってまいりました。こうした活動により、一部の復旧困難な箇所を除き、高圧配電線の復旧を二十四日までに完了したところであります。

 また、被災者の生活支援としては、食料、飲料、ブルーシート等、被災された方々の命と生活環境に不可欠な物資を予備費を活用してプッシュ型で支援するとともに、自衛隊などによる応急給水や入浴支援、自衛隊に消防職員、消防団員も加わってのブルーシートの展張作業等に取り組んできたところであります。引き続き、現場主義を徹底し、被災した地域の課題等に、地元自治体と緊密に連携し、取り組んでまいります。

 住まいの確保は生活再建の第一歩です。このため、被災市町村において、災害救助法等の支援制度の運用に関する助言や説明会を開催したほか、暴風により壊れた屋根等の被害への対応として、被災者生活再建支援金、災害救助法による応急修理や国土交通省の防災・安全交付金を活用した切れ目ない支援を実施することといたしました。さらに、罹災証明書の交付のため、住家の被害認定調査について弾力的運用を行うなど、被災者に寄り添った取組を行っております。

 また、八月下旬には、前線と湿った空気の影響で九州北部地方を中心に記録的な大雨となり、八月二十八日の明け方には佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報が発表されました。この大雨により六角川水系牛津川が氾濫するなどし、佐賀県を中心に床上浸水千六百七十八棟、床下浸水三千八百五十七棟など多くの浸水被害が発生したほか、断水等のライフラインへの被害、鉄道の運休等の交通障害など、住民生活にも大きな支障が生じました。加えて、浸水により佐賀県大町町の鉄工所から流出した油が家屋や農地に流入いたしました。

 政府としては、八月二十八日早朝に佐賀県内の河川で氾濫のおそれが高まったことを受け、総理大臣官邸の危機管理センターに緊急参集チームを招集し対応を協議したほか、同日午前中には佐賀県へ内閣府情報先遣チームを派遣して、地元自治体と緊密に連携しつつ災害応急対策に当たりました。また、三十一日には山本前防災担当大臣を団長とする政府調査団を佐賀県へ派遣し、政府として被害状況を直接把握することに努めました。

 特に、油による家屋被害に対しては、被害拡大の防止等のため、国土交通省等によるオイルフェンスの設置や、防衛省等による油吸着マットの設置、回収など、各省庁が連携し、九月十日までに緊急対策を完了させたところであります。

 家屋の浸水等により多くの方々が避難所での生活を余儀なくされたこと等を踏まえ、被災者の生活支援として、食料、飲料、クーラー、段ボールベッド等、被災された方々の命と生活環境に不可欠な物資について、予備費を活用してプッシュ型で支援をしてきたところであります。

 また、生活再建の第一歩である住まいの確保としては、被災市町村において、災害救助法等の支援制度の運用に関する助言や説明会を開催したほか、油流出の被害への対応として、罹災証明書の交付のための住家の被害認定調査において油による被害を加えて判定することが可能であるとしており、被災者生活再建支援金を始めとする各種支援制度により、被災者の生活再建を支援してまいります。

 私も、これまでに千葉県、佐賀県などの被災地を訪れ、今回の災害が市民生活に大きな影響が出ている実情をこの目で確認し、被災者の皆さんから切実な思い、そしてさまざまな課題や御要望を承ってまいりました。被災された方々の不安なお気持ちに寄り添い、きめ細かな被災者支援を引き続き進めてまいります。

 このほかにも、九月二十一日ごろからは、台風第十七号により西日本を中心に大雨が観測されました。この台風に伴い宮崎県延岡市では竜巻が発生するなど、人的被害、住家の被害のほか、公共土木施設、農林水産業等へも被害が発生したところであります。

 このような中、被災自治体において財政面に不安なく復旧復興に取り組んでいただくため、台風第十号、第十三号、第十五号及び第十七号を含む本年八月から九月の前線等に伴う大雨による災害について、激甚災害に指定する見込みであります。今後は、指定政令の手続を速やかに進めてまいります。

 八月の前線に伴う大雨や台風第十五号、台風第十七号と、連続して日本列島は災害の脅威にさらされ続けてまいりました。こうした災害に対しては、地域住民の皆様の安全のために、関係省庁が一体となり、被災自治体等の関係機関と緊密に連携し、対応に当たっていくことが極めて重要であると認識しております。

 引き続き、災害応急対策に全力で取り組むとともに、罹災証明書の早期交付、公的住宅や応急仮設住宅の提供のほか、住宅の応急修理による住まいの確保、災害廃棄物の円滑な処理、なりわいの再建等、政府一丸となって全力で対応してまいります。

望月委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

望月委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官松本裕之君、内閣府政策統括官青柳一郎君、総務省大臣官房審議官谷史郎君、総務省自治行政局公務員部長大村慎一君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長竹村晃一君、消防庁審議官鈴木康幸君、厚生労働省大臣官房審議官迫井正深君、厚生労働省社会・援護局長谷内繁君、農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官岩濱洋海君、農林水産省大臣官房生産振興審議官鈴木良典君、農林水産省大臣官房参事官上田弘君、林野庁森林整備部長小坂善太郎君、経済産業省大臣官房審議官河本健一君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官林俊行君、国土交通省大臣官房技術審議官東川直正君、国土交通省水管理・国土保全局長五道仁実君、国土交通省住宅局長眞鍋純君、気象庁長官関田康雄君及び環境省環境再生・資源循環局長山本昌宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡島一正君。

岡島委員 おはようございます。

 国会はまだ開かれておりませんが、きょうは閉会中審査ということで、今般の大雨、八月、九月の大雨によって起きた、台風十号、十三号、十五号などによる影響、被害などについての質疑を行いたいと思います。

 冒頭に、この一連の大雨の中で亡くなられた方にはお悔やみを申し上げ、また、被災され大変お困りになっている多くの方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。

 きょうの質問でありますが、私は、立憲民主党、国民民主、社会保障、無所属の会を代表して、立国社といいますが、きょう初めて立国社という形の会派での質問となります。

 きょうは初めて尽くしであります。十月一日、大臣も初めての答弁でしょうし、また、消費税が上がります。さまざまにきょうは節目の日ですので、きちんと節目となるような質疑にしたいと思っています。

 その中で、今般の一連の台風の中で行政や自治体を含めてさまざまにいろいろな問題点があることは、報道など、また、私は両方とも各地を、両方というか、佐賀にしても千葉にしても各地を細かく回りましたが、現場からの声に基づく指摘がたくさんあります。しかし、そのことを全てここで一つ一つ指摘するということだけでは事の本質に迫れないというふうに思います。

 そういった中で、きょうは、災害対応の本質に当たる部分、根幹に当たる部分について、まず冒頭からお話をしていきたい、質疑をさせていただきたいと思っています。

 この間、大臣始め役所の方々には、懸命に千葉県を含め佐賀県、対応されてきたこと、それには私たちも感謝申し上げておりますが、しかし、それだけでは足りなかったことがあるだろうという視点を持っております。

 まず、私は、台風十五号が上陸した、まさにその近辺に住んでおります。千葉市付近ということは、あそこは市原市と千葉市などの境でありますが、物すごい台風でありました。きょうは、台風十五号、そのことについて主に私は質疑をしていきたいと思っています。

 九月九日午前五時前、東京湾、千葉市付近に上陸したというこの台風十五号は、首都圏から静岡県に大変大きな被害をもたらしました。当初、朝、私が気づいたのは夜中、大体、寝ていなかったんですけれども、十二時ぐらいから物すごい音がし出しまして、それから早朝までということでしたけれども、当初、この台風による被災状況などは、たまたまですが、私が住んでいる市原市で、ゴルフの練習場のネットが民家に倒壊した、今もそのままです。また、山倉ダムというダムにつくられている、日本でも恐らく一番大きな水上のソーラー発電、火災した、あるいは、君津市で高圧送電塔が二基倒壊し森林に倒れた、そういった映像がテレビの報道の場で出てきました。

 しかし、これは比較的、マスコミにとっては映像取材をしやすい、被災の表層の一部であったということが刻々とわかってきます。それ以上に深刻な被災状況が明らかになってきます。

 先ほど大臣も御指摘されたように、首都圏では、最大で九十三万戸を超える停電が起きました。そして、それは結果、広域に長引きました。さらに、通信網が遮断されました。あるいは、断水が続き、徐々に判明してきました。今になっては明らかになってきましたが、家屋の損壊、一部損壊だけでも二万二千を超えています。そして、農業被害も、少なくとも千葉県だけでも今や四百億円に迫る被害が出ている。神奈川県横浜でも本牧埠頭などで大きな産業インフラが破壊され、そして、東京の伊豆諸島などでも六百軒余りの損壊があった。あるいは、茨城県の原子力施設の、研究所の冷却塔が倒れる。静岡では、橋が崩落し、そして学校施設が破壊される、屋根が飛ばされる等々、大きな被害が出ました。

 今回の特に台風十五号で言えることは、私は当初からそれを申し上げてきましたが、地域やその県、町にとっての大動脈、例えば、コンビナートが破壊されるとか、大きな川がどんと破壊され洪水になるとかいうことだけでなく、地域の一番家庭に近いところの生活インフラ、いわば毛細血管のように張りめぐらされた生活インフラが破壊されたという実態が特徴でした。

 そんな中で、私は、きょう、安倍総理始め官邸が本当にきちんと対応したのかということを問わなければなりません。

 きょうは、西村官房副長官に来ていただいています。本来なら、安倍総理に聞かなきゃならないし、菅官房長官にお伺いしたいことがたくさんあります。しかし、官邸を代表して、今回被災中にもかかわらず内閣改造が行われたということは、前の閣僚、前の官邸の経験を継承して今の内閣として過去も含めて答弁できるという前提が当然あるだろうということも含めて、西村官房副長官に来ていただきました。

 今回、台風十五号、この猛威に対して、すごい、九百五十五ヘクトパスカルですか、南鳥島のときに、上陸したときも九百六十という大変大きな台風、これを最小限に食いとめる、被災状況とかを含めて、それを食いとめるための備えを、安倍総理含め、きちんと体制をとっていたのでしょうか。特に内閣として総理大臣がとっていたのか、それを官房副長官としてお答えください。

西村内閣官房副長官 今、岡島委員から、台風十五号の被災に関する思いをしっかりお聞かせいただきました。

 その上で、官邸としてしっかり対応をとっていたのかという御指摘でございます。

 台風十五号に関しましては、台風が接近する前の九月六日に、防災担当大臣が出席しまして関係省庁災害警戒会議を開催いたしました。

 そしてまた、停電の解消に時間を要している状況などを踏まえまして、関係省庁災害対策会議を計十二回開催するなど、関係省庁が緊密に連携して対応に当たってきたところであります。さらに、全閣僚が出席する閣僚懇談会の場も活用して情報共有や関係省庁の連携の確認を行うとともに、総理からは、関係閣僚に対し必要な指示が行われてきたところでございます。

 政府としましては、適切な警戒態勢のもと、万全の災害応急対策を講じてきたものと認識しております。

岡島委員 本当にそうだろうか、私は、官房副長官の答弁を聞いても、今もそう思います。

 この台風に当たって、私はラジオをよく聞いていました。災害のときはラジオを、今ではインターネットも含めて、ただ、今回は携帯電話の遮断もありましたので、ラジオというのが一番手段としては有効でした。

 この台風の情報について、気象庁は台風十五号の首都圏への影響などをきちんと総理にも報告していたのかどうか、それをまず前提として気象庁に伺いたいと思います。

関田政府参考人 お答えいたします。

 上陸した日、九月九日の朝でございますけれども、私から、台風第十五号の進路、それから、この台風十五号により伊豆諸島や千葉県で暴風が観測されたことなどについて、総理に御報告させていただいたところでございます。

岡島委員 気象庁はその日の、九日の十時過ぎに総理とお会いになっていると首相動静も含めて確認してありますが、八日の夕方、気象庁の緊急記者会見でこのように気象庁は発表していました。

 台風十五号が強い勢力を維持して静岡県から関東地方に上陸する見込みで、首都圏を含め記録的な暴風のおそれがあるとして、夜になって接近とともに世界は変わると気象庁が述べていました。それほどに世界が変わる、まさに恐れを感じる、まあ、かけ言葉ですけれども、怖いとか恐れとか、そういうことを感じるほどのメッセージでした。強烈なメッセージでした。

 そういう大きな被害が想定されるような台風が来るということを気象庁は発表していましたが、これについて確認します。そうですね、気象庁。

関田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御質問いただいた件は、気象庁が九月八日の十一時から開催いたしました記者会見におきまして、台風第十五号の特徴に関する記者からの質問に対し、日中は比較的穏やかですが、台風接近とともに一気に世界が変わってきますと説明を行ったものでございます。

 この説明は、今回の台風が大きさが比較的小さいため、現在は晴れていても、今後、台風の接近に伴って短時間のうちに急激に状況が変化して暴風雨になるということを伝えることを意図したものでございます。

岡島委員 ということは、気象庁は、コンパクトなれど大変強風の吹く大きな台風であるということは総理には九日の十時過ぎには伝えていたということになります。

 各省庁や総理の対応などを見てくると、各省庁ともに、翌六日、情報収集に取り組む情報連絡室を設けていきました。しかし、これはあくまでも、事務的に役所が情報収集に当たるために構築するものです。しかし、これはあくまでも、役人の判断で行われている。

 そういった中で、今回、これまで、大臣の最初の冒頭の話にもなかった言葉ですが、関係閣僚会議が一度も開かれていません。関係閣僚会議、普通、これまで多くの場合、大災害に際しては必ず開かれてきました。特に、台風などは上陸の前後に早々と開かれてきたのがこれまでの事実です。

 本来、基本的に、地震とは違いますけれども、地震はいつ起こるかわかりませんが、台風は、今気象庁が説明があったように、八日には、上陸すれば世界が変わるとわかっている。しかも、首都圏、来年オリンピックを控えている、政府はおもてなしの場所と言っている、そこに直撃するということがわかっていたにもかかわらず、通例開かれてきた関係閣僚会議、災害対策のまず第一歩だと私は思いますけれども、開かれなかったこと。

 西村官房副長官、私は、これを開くのは政治家の責任だと思います。まさに政治判断だと思います。政治主導を発揮する災害での第一歩だと思います。これが開かれなかったこと、事実ですか。そして、どう思われますか、安倍総理を含めた官邸の代表として。

西村内閣官房副長官 政府といたしましては、これまでも、台風の勢力等の気象の状況や被害の状況等を踏まえて、適切な体制を構築し、災害応急対応に当たってきたところであります。

 繰り返しになりますけれども、台風十五号につきましては、台風の接近前から防災担当大臣が出席した関係省庁災害警戒会議を開催したほか、関係省庁災害対策会議を計十二回開催するなど、関係省庁が緊密に連携して対応に当たってきたところであります。さらに、全閣僚が出席する閣僚懇談会の場も活用しまして情報共有や関係省庁の連携の確認を行うとともに、総理からは、関係閣僚に対し必要な指示が行われてきたところであります。

 政府といたしましては、適切な警戒態勢のもと、万全の災害応急体制を講じてきたものと認識しておりまして、いずれにいたしましても、それぞれの災害の状況を総合的に勘案して適切に対応しているところでございます。

岡島委員 なぜ開かなかったのかという理由については答弁をいただいていない。開いたことで十分だったというお話だと思います、今のお話は。関係省庁の会議であり、懇談会で話したと。

 しかし、それだけではありませんでした。対策本部、国の災害に対する対策本部も設けられていません。

 きょう、こちらに資料を一枚配付させていただきました。内閣府から確認をとって、今回出しております。

 災害対策本部というのは、これまで、特に昭和三十六年、災害対策基本法が施行されてから昨年までの統計ですが、大きな災害があるたびに災害対策本部を国は設けてきました。それに先じて今申し上げた関係閣僚会議なども開かれている中で、これまで三十三回、この資料を見たらわかります、三十三回の対策本部、ずらっと開かれてきました。

 この対策本部は、まさに政治家が先頭に立って、今の法律だけでは決して社会に対応できない、これは間々あることです。特に災害は、何があるかわからない、経験値を持たないことが起こる。官僚がそこに対応し切れない、それは当然です、法のもとでできることを努力する。しかし、それを超えたことが起こるのが災害です。想定外が想定内、当たり前が災害です。だから、どう対応をとるかということを考えるときには、災害対策本部を設け、政治家が主導していくということだと思います。

 三十三回開かれていますよ、災害対策基本法のもと。これが開かれませんでした。官房副長官、総理も含めた官邸を代表してお答えください。

西村内閣官房副長官 今回は、被害の状況等を総合的に勘案して非常災害対策本部は設置していないものの、発災当初より国土交通省や自衛隊の連絡員を千葉県庁等に派遣したのを皮切りに、その後も、内閣府や経済産業省等の連絡員や専門的な知識を有する者を順次千葉県庁や各市町村に派遣して、被災地のニーズを踏まえたさまざまな支援策を講じてきたほか、政府の過去の災害経験を踏まえて、被災自治体の初動態勢の確立に向けた助言等も行ってきたところでございます。

 このように、国の関係機関はもとより、県や市町村、さらには指定公共機関や関係団体とも緊密に連携して災害応急対応が行われたものと認識しております。

岡島委員 官房副長官、残念ながら、今の答弁には、なぜ災害対策本部を開かなかったのか、そこまで至らなかった理由が説明されておりません。

 そして、今般の特に台風十五号、直近で起きた、これが閣僚会議含め災害対策本部を設ける必要がなかったという理由をきちんと申し上げていただけますか。

西村内閣官房副長官 関係閣僚会議含めて、私も出席しておりましたけれども、さまざまな中で、しっかりと中身についての総理からの指示、そしてまた各大臣との連携はしっかりと図られております。

 形として災害対策本部がつくられたかどうかということよりも、中身としてしっかり今回の台風十五号の被害に対する対応策は政府としてやっているところでございます。

岡島委員 本来、総理や菅官房長官にお伺いしなきゃならないことだと思っていますが、この形が何であれ、中身がきちんと対応したということであれば、私は中身について、資料がこんなに積み重なるほど、また、自分自身が千葉県じゅう走り回り、佐賀県も回り、指摘したいことは本当に山ほどを超える山ほどあります。しかし、その前に、最初の一歩としての司令塔がしっかりしていたのかということがとても問われるわけです。

 そして、形は違うけれども、中身はしっかりした。官房副長官、私は、災害担当のニュースデスクを五年やったことがあります。普賢岳の噴火もたくさん現場にいました。火砕流にも遭いました。ああいう現場にいる人々、今回でいえば首都圏など、特に千葉県などの住民からすれば、形が見えないのが怖いんですよ。夜のとばりが暗闇として恐怖に感じる。形が見えない。形が見えれば待てるんです。形が見えれば我慢できるんです。これだけの被害が出ているのに、その形が十分だった、災害対策本部も設けなくても大丈夫だった。三十三回開いているんですよ、これまで普通に。

 この間、政府が何をしていたか。調べていけば、マスコミ報道にもありますように、内閣改造が行われました。特に、この資料によれば、十一日には、この日はとても私が経験したことのないということで千葉県じゅう走り回っているときでした、ラジオから内閣改造のニュースが流れました。ちょっと待て、うそだろうと、一緒にいる秘書にそんなことあるわけないだろうと思わず言いました。まさに被災地で何が起きているか掌握できていないのが、それがマスコミも含め、あるいは行政も含め、住民も含め、そういう状況の中で内閣改造のニュース。私は耳を疑いました。

 そんな中で、九日も十日も十一日も振り返りつつ、十二、十三、見ていくと、総理は、大体夕方から夜八時ごろ、遅くても、ピザを食べて十一時に帰った日もあるようですけれども、早々に引き揚げている。内閣改造が刻々と進んでいった、大臣や副大臣の認証などが行われていった、任命が行われていった、そういった中で起きていたのは、形が見えないでどうなるかわからない、まさに暗闇の中の多くの県民、住民だったんです。

 内閣改造をこの時期に断行したというか決行したこと、あるいは普通にやったこと、断行じゃないでしょう、普通にやったように見えます。これについて、正しかったんでしょうか。それを、西村官房副長官、お答えください。

西村内閣官房副長官 政府といたしましては、新しい内閣改造と別に、しっかりと、災害対策に関しましては各関係省庁そしてまた防災担当大臣含めて対応策をしっかりとやっておりますので、そこと内閣改造を絡めた話ではないというふうに認識しております。

岡島委員 内閣改造の間、災害対策に空白はなかったというのであれば、認証式をやっている時間、呼び込みをやっている時間、このときの指揮は役人がとっていたんでしょう。

 冒頭申し上げましたが、災害は想定外が想定内、それにどう対応するか。

 私がテレビ局に入って教わったことは、二十四時間三百六十五日、何があっても対応できるようにしておけと。台風が来れば、ニュースデスクのころはほとんど泊まり込みでした。働き改革のもと、それがいいかどうかは別として、ずっと、ほとんど泊まり込みでした、一週間。それが備えだと思っていました。

 今のところ、まだ官房副長官は、なぜ開かなかったのなぜを答えていません。答えているのは、やったことで十分だったということだけです。

 かつて二十年前、小渕内閣では、九月三十日、私、そのときちょうどニュースデスクでした、東海村の原子力発電所で臨界事故が起きました。初めての日本での臨界事故でした。小渕総理は、翌日に予定していた内閣改造を延期しました。野中幹事長もその判断を推していました。臨界事故、そして住民の被災、不安、見えない不安、特に放射能は見えませんから、そういったことに鑑みて、当時の自民党、小渕内閣はそれを延期したんです。その決断の中で対応された。

 そのことに学ぶことは今回ないのでしょうか。官房副長官、お答えください。

西村内閣官房副長官 岡島委員の問題意識、思いはしっかり受けとめさせていただきます。

 ただ、先ほどから繰り返しになりますけれども、関係省庁災害対策会議、そしてまた閣僚懇談会を活用して、しっかりとした対応策を政府としてとってまいりました。

岡島委員 残念ながら、対策本部などを設けなかった理由になっていない。災害対策本部を三十三回も過去に開いていたのに、今回できていない中で、これを開かなかったこと、普通、これは災害対策基本法に依拠しながら設けていくものだと思います。

 武田防災大臣にも伺わせてください。

 そういう災害対策について、任命されたばかりで、あるいは被災中に任命されたという中で対応されてこられたことは、そのことには敬意を表します。しかし、この災害対策本部を設置しなかったこと、大臣としてどのように思われますか。司令塔がない中で、現場だけで対応している、その状況をどう思われますか。

武田国務大臣 委員におかれましては、きょうは早稲田委員も御出席でございますけれども、十三日、わざわざ大臣室までお越しいただきまして、現地の被災状況、そしてその他さまざまな御意見を賜りましたことに、厚くまずは御礼申し上げたいと存じます。

 我々、就任する前の山本大臣のもとで関係省庁災害警戒会議というものを開催しておりまして、停電の解消に時間を要している状況等を踏まえながら、その対策会議を十二回にわたり開催するなど、関係省庁が緊密に連携して対応に当たってきたところというふうに伺っております。

 その間、内閣府としては全員総力のもとに万全を期す体制で臨んできたということに間違いはございません。

岡島委員 要するに、私の質問は、西村官房副長官に対しても武田大臣に対してもですが、なぜ開かなかったのかということにあります。

 災害対策基本法は、昭和三十六年に制定されました。ことし、この時期は伊勢湾台風から六十年。あの伊勢湾台風の被災を受けて、本格的に災害対策に乗り出す中で基本法ができました。それに準拠して、大きな災害になる、それには、三十三回対策本部を設ける、それ以上に関係閣僚会議を開くことがありました。

 災害対策基本法に照らし合わせて、開かなかったこと、ほかの三十三回と比較して今回は開かなくてよかったのか、大臣、お答えください。

武田国務大臣 非常災害対策本部につきましては、御承知のように、非常災害が発生した場合において設置することができるということでありますが、非常災害と認められるかどうかにつきましては、死者・行方不明者その他の人的被害、住家被害等の被害の程度や災害の態様から総合的に判断してきたところであり、最近では、平成二十八年の熊本地震、平成三十年七月豪雨において設置されたところであります。

 しかしながら、平成二十九年九州北部豪雨でありますとか、平成三十年の北海道胆振東部地震においては非常災害対策本部というものは設置されていないということであります。

 総合的に判断されたということであります。

岡島委員 もう余り時間がありませんが、災害対策基本法の中で、その被害状況などを鑑みて判断していくということであります。

 災害対策基本法ができたのは昭和三十六年、私が四歳のときです。大臣は生まれておられないかもしれません。そのときの社会状況、社会インフラの状況、日本の気候、地球の気候、天気予報の精度、被災を予測する能力、さまざまな社会インフラの変容、大きく変わってきています。

 その中で、昭和三十六年当時からこれまでの間、いろいろな対応を国もされてきたでしょうが、しかし、気候変動、今回も気候変動が大きな要因ではないかとも言われています。あるいは、風速によって被害が、気象庁が冒頭説明したように、コンパクトだけれども、それゆえに東京湾で強風になる、台風の特質。そういったものを一つの災害対策における、特に災害対策本部を設けるときの基準として、ないならば判断するしかない。それが必要かどうかを判断しなきゃいけない。

 官僚は、ないから判断できない、そういう側面を持っている。頑張って運用していってもできないことがある。そこを超えて、ないものはつくらなきゃならないんじゃないか、時代に即したものに変えていかなきゃいけないんじゃないか。それが政治判断であり、政治主導だと私は思います。

 武田大臣、その点どう思われるか、最後にお願いしたいと思います。

武田国務大臣 自然災害というのは、御承知のように、毎回態様というものが異なっているものでありまして、我々は、その都度、そこで経験した教訓というものを次の備えに生かしていく、この繰り返しであろうかと思っております。

 全てのことを検証しながら、次に生かす努力を絶え間なく続けていくことをお約束申し上げたいと思います。

岡島委員 大臣、教訓を生かすというのであれば、過去三十三回、この日本の昭和、平成の、そして今、令和、開かれてきた、令和ではこれは開かれていませんけれども、歴史の中、政府がとってきた対応、災害対策基本法、災害救助法、そういったものの枠を乗り越えて現実に対応する対応をとってきたという事実もあります。それに努力した官僚もいます。そういう政治判断をぜひ優先して、今後、本当に教訓を生かしてほしい。

 この問題については、予算委員会などで、我々の方では改めてまた総理、官房長官などに追及していきたいと思います。

 以上です。

望月委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 今般の台風被害に関連しまして、お亡くなりになられた方々並びに御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、被災され、今なお生活に困難な状況におられる皆様にお見舞いを申し上げるとともに、復旧、生活再建に全力を挙げることをお誓い申し上げて、質問に入りたいというふうに思います。

 まず、大臣にお尋ねいたします。

 大臣は、就任の翌日、九月十二日、千葉県の香取市に入られました。十六日にも館山、鋸南を視察していただきました。地元の首長たちは大変感謝しております。

 九月十二日には、香取市の視察をされた後、県庁に寄られて、森田県知事とも会談されました。報道で後で知ったんですが、その際、知事は、想定以上の規模だった、県の対応体制に問題があったというふうに大臣に説明された。その後、大臣の方から、千葉県に一度来たら再び来る可能性があると指摘をされて、災害時に国や都道府県、市町村が円滑に連携できるよう、初動対応や意思疎通に関するマニュアルをつくった方がよいとの考えを示したというふうに報道されておりました。

 現実に、県と市町村を結ぶ防災行政無線は、停電で電源が尽きたり、強風でアンテナの向きが変わって、四町で最長四十一時間凍結していました。全く機能不全に陥っておりました。防災無線が全く聞こえないという地域もありました。こういうことを考えると、また、千葉県の災害対策本部の設置は九月十日の午前九時という形で、ちょっと対応がおくれたのも事実であります。

 大臣が指摘したように、初動対応や意思疎通に関するマニュアルの作成とともに、初動対応の迅速化、そして意思疎通の円滑化を今後どのように図っていかれようと思っておられるのか、大臣の考えをお聞きしたいと思います。

武田国務大臣 委員も千葉の御出身でございまして、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。

 政府としては、災害時に迅速かつ適切な対応をとることができるよう、対処方針や対応マニュアル等の整備を平時から進めているところであります。

 今般の台風に対しましても、こうしたマニュアル等に基づき迅速な対応がとられてきたところではありますけれども、発生した災害から通じて得られた教訓等を踏まえ、以降の対応に生かしていくことが重要であると認識しております。

 今回の台風第十五号に対する国、自治体の初動対応、そして、災害対応になれていない県、市町村への支援のあり方等については、今後、検証作業を行う予定であります。

富田委員 ぜひしっかり検証していただきたいとともに、大臣が激甚災害に最初に触れていただきました。これは、五十四市町村、千葉にありますが、各首長さんは本当に感謝しております。ぜひこの手続を早急に進めて激甚災害指定をしていただきたいというのが首長さんたちの思い、また住民の思いでございます。

 実は、九月十九日に、菅官房長官のもとへ、今般、被災者生活再建支援法の適用を受けました館山市、南房総市、安房郡鋸南町を含みます九市二町の首長さんたちが緊急要望しました。激甚災害指定をいただきたいというのと、また、今回の災害の特殊性に鑑みて、財政措置を含めて、国による特段の支援をお願いしたいというふうに皆さん口々に申しておりました。

 中でも、熊谷千葉市長は、これだけ長期で大規模に停電が続くことは過去になかった、数字ではなかなか伝わらない、県民の苦境を政府に知ってほしい、このように申しておりました。

 また、本当に一番ひどい被害を受けました南房総市の石井市長は、住宅被害がひどい、屋根を飛ばされても、罹災証明では一部損壊という評価になってしまう、屋根が飛んだら実際には住めず、再建不可能な住宅もある、実質的に住めない建物の評価基準を実態に合わせてほしい、このように申しております。

 実際に、被災者生活再建支援法や災害救助法で罹災証明の申請をしますと、現場に行って、屋根が全部飛んでいても一五%の評価にしかなりません。これは、固定資産税評価の中で屋根の部分が一五%だというふうに決まっているので、ここはどうしても動かせない。でも、屋根が全部飛んだ後、何回も雨が降りました。実際には、もう全然住めない住居だらけであります。

 ここを何とかしてほしいということで、先ほど大臣の報告にもありましたが、切れ目のない支援をするということで、お手元に資料を二枚配らせていただきました。台風第十五号による屋根等の被害への対応についてということで、二枚、裏表ありますが、これを見ていただきますと、内閣府の方で九月二十日付、そして、国交省、総務省の方で九月二十三日付で、この被害に対する対応について、本当に適切に細かく指示を出していただきました。

 一枚目の資料に、被害認定調査の弾力的運用ということで、屋根等の大部分に被害があった場合、おおむね全壊や大規模半壊扱いだ、屋根等から屋内浸水があるような被害はおおむね半壊だというふうに書かれております。

 資料二では、その判定のあり方を非常に細かく書いていただいておりまして、現場で罹災証明を受けて調査に当たられる職員の皆さんに、こういった指示を徹底していただいているというふうに伺っております。このように、被害認定の弾力的運用を今後きちんとやっていく。

 そして、資料一枚目の一部損壊のところを見ていただきますと、防災・安全交付金ということで、鶴岡市が六月の山形沖地震の際に、四十万円、修理費を一部損壊でも出すというふうに決めて、それを国がこの防災・安全交付金で半分補助するというふうにされました。これと同じように、今回もそういう手続をとるという事務連絡を政府の方から出していただきました。市が事業をきちんとすれば、修理金の半分を防災・安全交付金で国が補助する、そして、その市の負担分の半分について、特別交付税でその八割を国が負担する、そういうふうな事務連絡を出していただきました。

 このようにきちんと理解してよろしいんでしょうか。今回の災害についてもこのように対応がされるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

眞鍋政府参考人 まず、国土交通省の方から交付金についてお答えを申し上げたいと思います。

 今般の台風十五号による被害の程度が半壊以上の住宅については、災害救助法に基づく応急修理制度の活用が可能でございます。

 しかしながら、こうした災害救助法に基づく応急修理制度の活用が可能でない一部損壊に当たる住宅についても、国土交通省として何らか支援することができないだろうかと検討したところ、先ほど富田議員が御指摘いただいた山形の鶴岡市の例などにありますように、自治体が被災した住宅の耐震性の向上などに資する補修について支援を行う場合に、国が防災・安全交付金の効果促進事業の対象として支援を行うことができる、こういうことで事務連絡を発出したものでございます。

 さらに、総務省においても地方負担額の八割を特別交付税により措置をすることとされたことから、全体では、防災・安全交付金と五割の支援、それから特別交付税の措置にあわせまして、被災自治体の実質負担額は一割ということになります。

 被災者に対する支援の具体的な内容については、現在、地方公共団体で検討を進めていただいていると聞いてございますので、国土交通省としても、被災自治体がこの制度を活用できるように、適宜職員を派遣するなどいたしまして、きめ細かく相談に応じているところでございます。

富田委員 局長が言われたように、被災自治体の方で検討を進めている自治体もあるんですが、どうも、国が何かやってくれるんじゃないか、この防災・安全交付金を国がまず出してくれるんじゃないかというふうに誤解している地域もあるようなので、ぜひ、国の方からしっかり県を通じて市町村に今回の仕組みを教えてやっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。

 次に、農業被害、特に農業用ハウスの復旧について質問をしたいというふうに思います。

 台風十五号は、千葉県の農林水産業に台風被害としては過去十年間で最大となる三百六十七億六千二百万円を超える甚大な被害をもたらしました。農業では、ビニールハウスやガラス温室、畜舎など、農業施設の多くが倒壊、損壊し、また、トマトやニホンナシ、ニンジン、お米など、多くの農産物や家畜の被害が発生しました。水産業でも、漁船や漁業関連施設に多くの被害が発生しています。

 私も、八街市の鶏舎、牛舎、多古町、山武市、八街市の農業用ハウス、そして九十九里町の漁業施設等の倒壊現場に入り、被災者の皆様からさまざまな御要望をいただきました。中でも農業用ハウスの倒壊状況はすさまじく、復旧への支援の必要性を痛感いたしました。御夫妻で三十棟のトマトを農業用ハウスで栽培されていた方は、全滅でした、これで半年間の収入はなくなります、これをきちんと復旧して来年スイカをまた三十棟でやりたいけれども、ハウスの再開の展望がない、そうなると一年間全く無収入になってしまうと、本当に切実な声を伺いました。

 そこで、農業用ハウス、自力ではなかなかできない、行政の支援が大切だということをお聞きしましたので、農水省にお尋ねします。

 まず、農水省の前に、環境省にお尋ねしたいと思います。

 農業用ハウス等の撤去等については、市町村が一体的に収集、運搬、処分を行う場合、環境省の災害廃棄物処理事業の補助対象となり、農業者の負担がないというふうに聞いていますが、そのような理解でよろしいでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 市町村が生活環境保全上の支障が認められるとして農業用ハウス等の撤去を実施した場合におきましては、環境省の事業、災害等廃棄物処理事業費補助金の補助対象となりまして、この場合、農業者の負担はございません。

 今般の台風につきましては、多数の農業用ハウスの倒壊等が発生しておりまして、これらが長期間放置された場合に新たな災害等により周辺環境に支障を及ぼすおそれもあるため、環境省では、九月十三日に、被災した農業用ハウス等の処理に係る事務連絡を発出しております。

 現在、被災した農業用ハウス等の処理については、補助事業の説明会を実施しておりまして、引き続きこの周知徹底に努めまして、市町村からの相談にも丁寧に対応してまいりたいと考えております。

富田委員 今、市町村にきちんと対応していくというお話でしたけれども、きょうの千葉日報を見ましたら、実は、JA千葉中央会の林会長が県知事宛てに、農業施設の廃棄物を受け入れない市町村が一部に存在する、この事業を活用するよう市町村に徹底してほしいというふうに陳情したという記事が載っておりました。ぜひ、農水省の方でも各被災自治体にきちんとお話をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

 仮に今、自治体の方でこういう作業をしなかった場合、パイプハウスの復旧、補強等につきましては、昨年の台風二十四号で、お手元に資料をお配りしましたが、資料三で、異常災害の発生時ということで、農業用ハウスの支援について、強い農業・担い手づくり総合支援交付金を発動するとともに、パイプハウスの補強も可能となるというふうに農水省の方からお伺いしました。

 この資料にあるように、今回の台風十五号の災害についても、台風二十四号と同じように、パイプハウスの復旧そしてパイプハウスの補強について支援があるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 先般発生した台風第十五号等の気象災害により農林水産業に甚大な被害が発生していることから、本日、農林水産省として支援対策を決定したところであります。

 この中で、被災した農業用ハウス等の再建、修繕については、昨年の台風第二十四号対策と同様に、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型を発動し、補助上限額及び対象地域の制限を撤廃するとともに、事前着工を可能とし、被災した施設の撤去も支援することとしたところであります。

 あわせて、通常の強い農業・担い手づくり総合支援交付金を活用し、被災した農業用ハウスの補強支援も措置したところでございます。

 さらに、被災を機に、パイプハウスにかえ、産地で共同利用する耐候性ハウスを導入する取組についても支援することといたしました。

 今後、この対策の周知に努め、被災された方々が支援対策を活用し、一日も早く経営再建ができるよう全力で取り組んでまいる所存でございます。

富田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 この資料の三番目のちょっと下の方を見ていただきますと、共済加入者に対しましては、国が十分の三の補助、共済金から十分の四、そして地方が十分の三負担するということで、農業者の負担がゼロというふうに理解できるような表があります。

 ただ、その隣の共済非加入者の欄を見ますと、国の十分の三の補助と、地方の、まあ十分の四まで出るかどうかですが、十分の四の補助だけで、右側が空白部分になっておりまして、ここの部分は農業者の負担になるというふうに理解をされます。

 このような理解でよいのかと、また、今回、きょうは河野政務官に来ていただいていますが、一緒に視察させていただいた農業者の方は共済に加入していないということで、今後どうしようかというふうに大変困っていらっしゃいました。こういった方になぜ加入しなかったのかとお伺いしますと、やはり掛金が高いんだというふうに大分言われていました。実際、規模によって違うと思うんですが、この機会に、これだけの災害が起こるのであるから、掛金の負担から、園芸施設共済非加入の農業者の皆様にこの共済のメリット等も含めて丁寧に加入を促すべきではないかと思いますが、この二点についてお答えください。

上田政府参考人 まず、費用配分の考え方については委員の御指摘のとおりでございます。

 あわせて、園芸施設共済についてでございますが、近年頻発する豪雨や台風等の自然災害により園芸施設に大きな被害が発生しており、園芸施設共済の加入を強力に進めることが重要であります。

 園芸施設共済は、ビニールハウス等の園芸施設が損害を受けた場合、その資産価値の最大八割まで補償する制度であり、加入者の掛金は国が半分補助し、農業者の負担を軽減しております。

 園芸施設共済については、これまで、利用者が加入しやすい仕組みにする観点から、補償内容を大幅に拡充したり、共済金の支払いを受けなければ掛金が下がる危険段階別掛金率を導入するなどの見直しを行うとともに、加入促進の観点から、農業共済団体による未加入者への全戸訪問等に取り組んできたところでございます。

 さらに、本年六月からは、産地単位で農業者が集団的に園芸施設共済に加入する場合に共済掛金を割り引く取組を実施しているところであり、これらにより、引き続き園芸施設共済への加入を促進してまいる所存でございます。

富田委員 この資料三番目の右側のパイプハウスの補強という欄をちょっと見ていただきたいんですが、現場で農業者の皆さんにお伺いしましたら、今回のような台風がまた来たら同じものをつくっても壊されてしまうし、もっと強度なものをつくりたいけれども今までの制度ではだめだというような御要望を聞きました。

 農水省に確認しましたら、実は去年から、この右側のパイプハウスの補強もやっていいんだというふうに制度は変わっている。現実にビニールハウスで農業をやられている皆さんは、なかなかこの制度を御存じじゃありません。

 ぜひこの点、今回を契機にきちんと周知徹底していただくとともに、もう一歩進んで、資料四でお示ししましたが、共同でJAとかJA出資法人がハウス団地を整備して、またあるいは農業者等にハウス団地をリースする、こういった形も今農水省は一生懸命取り組んでいるようですが、今回これだけ被害が大きかったということで、こういったところももう少し農水省の方でも徹底的に推進して、そうすると、リースで借りるようになりますから、農業者の負担はかなり楽になる。こういったところもぜひ農水省の方で徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

河野大臣政務官 近年、気象災害が頻発するようになっておりまして、農業用ハウスに関しましても、より災害に強い耐候性ハウスに転換していくことが重要と認識をしております。

 このため、今般取りまとめました被害者への支援対策におきまして、被災を機に、これまでのパイプハウスにかえて、産地で共同利用する耐候性ハウスを導入する取組に関しても支援することといたしました。この際、パイプハウスよりも初期投資が大きくなりますけれども、委員御指摘のように、JAやJAが出資する法人などが耐候性ハウスを整備し被災者にリースする場合には初期投資を軽減することができ、被災農業者にとって有益な手法になり得ると考えております。

 今後、被災各地において支援対策の説明を行う際には、耐候性ハウスの重要性や、被災農業者の負担を抑えるためのこうした取組手法についてもしっかりと説明をし、さまざまな場面を捉えて積極的にアピールしてまいりたいと考えております。

富田委員 ぜひよろしくお願いします。

 最後に、災害廃棄物の処理についてお尋ねいたします。幾つか質問通告しておりましたが、時間がありませんので二点に絞りまして。

 災害状況が明らかになるにつれて、大量の災害廃棄物が復旧の妨げとなっている状況がうかがえます。特に、高齢世帯の多い南房総市、館山市、鋸南町等では、住民みずからによる災害廃棄物の運搬すら困難な状況にあります。

 ごみの収集、仮置場の管理、路上堆積ごみの撤去等について、報道では大変な状況であるというふうにされていますが、この進捗状況はいかがなのか。

 そしてもう一つ、森田千葉県知事より小泉大臣宛て、九月二十五日に、災害廃棄物の処理について、届出により産業廃棄物安定型最終処分場を一般廃棄物最終処分場とみなす特例措置を講ずることとの要望がありました。この必要性、そして可能性についてお尋ねします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、ごみの収集や仮置場の管理、路上堆積ごみの撤去等の状況ということでございますが、まず、発電後に、停電の影響によりまして、千葉県内十二の廃棄物処理施設が稼働停止をいたしまして、ごみの収集が停止する市町も出ていたという状況ですが、これは先月十四日までに全ての施設で稼働を再開して、ごみの収集も再開されているということです。

 それから、仮置場の管理につきましても、関東圏内の自治体あるいは民間の廃棄物関係団体による支援を調整しておりまして、特に容量が大きい金属ですとか倒木、畳などを順次搬出しまして、仮置場の受入れ容量をしっかり確保して、滞らないようにということで措置してございます。

 また、鋸南町や館山市等におきます路上堆積ごみ、こちらにつきましては、収集運搬車両の派遣を調整しまして、生活圏内からの速やかな撤去を実施している最中というところでございます。

 引き続き、災害廃棄物の迅速かつ適切な処理に向けて、被災市町に寄り添って対応してまいりたいと考えております。

 それから、森田知事からの御要望にありました特例措置の件でございますが、こちらは廃棄物処理法に基づく手続の簡素化を図るものということで、災害廃棄物の処理の迅速化に資するものと考えておりまして、調整を進めておりまして、本日、その特例措置を内容とした省令を公布して措置をしたというところでございます。

富田委員 済みません、総務省にも質問を用意していたんですが、時間が参りましたので終わります。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、古川康君。

古川(康)委員 自民党の古川康でございます。

 令和元年八月から九月にかけての豪雨、台風及び大規模停電に伴う災害におきましてお亡くなりになられた方々、被害をこうむられた方々、これらの方々に対し、お悔やみ、そしてお見舞いを申し上げる次第でございます。

 まず、今回の災害の中で、台風十五号を中心とした千葉県などへの被害への対応についてお伺いをいたします。

 今回の被害に対する認識、現時点での取組、さらには今後必要と考える対策について、内閣府副大臣から御答弁をお願いいたします。

 特に、先ほど来議論が出ておりますが、今回の政府の対応が時期的に内閣改造と重なっていたわけでありますが、そのことによって政府の初動、対応がおくれたというようなことが果たしてあったのかどうか。私は、武田大臣が認証式を済ませられた後、大臣として早急にお取組をいただいたとも思っているところでございますが、大臣としての初仕事がどのようなものであったのか、その点を含めてお答えをいただきたいと思います。

平副大臣 まずは、台風十五号及び台風十七号に関しましては、これまで千葉県、茨城県において重傷者七名などの人的被害や全壊百六棟、半壊千三百十二棟などの住家被害等が発生しているという報告を受けております。

 特に停電につきましては、東京電力によると、最大で約九十三万戸、九月九日の七時五十分時点でありますが、停電が生じました。九月三十日七時時点で、大規模な倒木や道路陥没、土砂崩れ等による一部復旧困難箇所を除き、おおむね復旧が完了していると承知をしています。この停電に伴い、断水も最大で約十四万戸、通信障害も生じたところです。

 今お尋ねにあった内閣改造によっての初動でありますが、武田大臣就任前は先ほど西村官房副長官の説明のとおりであります。武田大臣は十一日に着任をされましたが、翌日内閣府に初登庁するに先んじて千葉県の香取市、さらには多古町の被災現場を訪問をし、住民生活に大きな影響の出ている被災地の実情を視察をしています。

 この視察を踏まえて、大臣からは、電源を始め、燃料、水、食料を始めとするニーズを各省において先手先手で把握をし、プッシュ型の支援を行っていくなど、政府一丸となって取り組むよう指示があったところでございます。

 また、政府といたしましても、自衛隊が最大で約一万人、停電復旧のための倒木除去に対応してきたほか、激甚災害の指定見込みの公表や、被災者生活再建支援法の適用、家屋の被害認定等を迅速に進めるため、台風による被害に降雨による被害も加味して判定する等の留意点を通知するとともに、一部損壊について国土交通省が防災・安全交付金を活用して対応することといたしました。

 引き続き、関係省庁が連携をいたしまして、被災地の課題等を把握をし、その解決に向けて、地元自治体と緊密に連携をしながら、政府一体として災害応急復旧対策を着実に進めてまいりたいと考えております。

古川(康)委員 まさに行政は終わりなき駅伝でありまして、切れ目ない対応、これが行われているということが確認できたかと思います。

 それでは、私の地元であります佐賀県の災害のことを中心にお尋ねを幾つかしてまいります。

 まず、今回の佐賀県における豪雨。当日、六角川の排水機場のポンプの操作を含む行政機関の対応、あるいは油の流出が起きた関係事業所の対応について、果たしてこれがベストだったのかという疑問が地域を回っていると出ているのも事実でございます。特に、大町町を回っているとそうした声を耳にいたします。

 そこで、お尋ねをいたします。

 一つ目が、国土交通省として今回のこうした災害対応についてどのようにお考えでありましょうか。

 そして二つ目、油の流出した関係事業所の対応について、ここは危険物の取扱所であったと承知をしておりますが、このような事業所における風水害対応についてどのようにお考えでありましょうか。これは総務省消防庁からお願いします。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 大町町福母地区では、八月末の豪雨により、病院や家屋、田畑が浸水するとともに、鉄工所から大量の油が流出しました。当地区では、流出した油を収集、回収し、極力拡散させないこと、浸水を早期に解消することの両方に配慮しつつ対応する必要がありました。

 油の拡散防止については、応急対応として、鉄工所及び排水樋管の周辺や六角川等にオイルフェンスを設置いたしました。オイルフェンスで滞留させた油につきましては、佐賀県、自衛隊、消防等と調整を図りつつ、国土交通省関係では延べ約九百人が吸着マットやバキューム車により回収作業を行いました。また、浸水の早期解消については、極力六角川への油を流出させないよう、全国から招集した最大十六台の排水ポンプ車を二十四時間体制で稼働させること等により、慎重に排水作業を実施いたしました。

 これらの作業により、八月三十日十八時には病院の孤立を解消させるとともに、九月十日には農地等に滞留していた油除去に係る緊急対策を完了したところでございます。

 国土交通省といたしましては、油の拡散防止に配慮しつつ、浸水の早期解消に向けてできる限りの対応を行ったものと考えております。

鈴木(康)政府参考人 お答え申し上げます。

 大町町で発生した油流出事故につきましては、管轄の消防本部において継続的に調査が進められているところですが、大雨に伴い、鉄工所が浸水し、金属加工用の焼き入れ油が流出したものと承知しております。

 本件を踏まえまして、消防庁では、八月二十九日に、石油類など危険物を取り扱う主な関係事業者団体に対し、危険物流出事故の防止対策を徹底するよう要請しました。さらに、内閣府、経済産業省、国土交通省と連携して、風水害発生時における危険物保安上の留意事項を取りまとめ、九月二十日に各省庁から関係事業者団体や関係道府県等に通知したところでございます。

 消防庁としましては、危険物施設における風水害時の迅速的確な応急対策が重要と認識しており、危険物施設の風水害対策のあり方について、有識者等から構成される検討会において検討を行っているところでございます。

 今般の油流出事故につきましても、九月二十日に開催した検討会において報告したところであり、引き続き、危険物施設における風水害時の応急対策の充実に向けて検討してまいりたいと考えてございます。

 以上であります。

古川(康)委員 次に、災害協定に基づいて出動する建設会社の問題についてお尋ねをいたします。

 今回の豪雨に際して、これは全国各地の豪雨に際してもということだと思いますが、災害協定に基づいて多くの建設会社の方々が、行政機関からの要請に基づいて、かなりリスクをとりながら対応をしていただいています。

 佐賀県においては、今回の豪雨において、建設会社の災害関連の活動の中で、ダンプが二台水没した、社用車が二両水没した、こういうお話も伺っておりますし、余り経験の少ない若い社員さんたちにとってみたら、真っ暗な中、どうなっているのかわからないところに足を運んでいくということに不安を感じている方もいらっしゃいます。

 そこで、お尋ねをします。三つお尋ねをいたします。

 一点目が、さまざまなレベルで、発注者側、行政機関が、建設関係団体や建設会社と災害時における出動協定を結んでおられると思いますが、まずは、平時において、この災害時における活動についての研修などはなされているのでありましょうか。

 次に、二つ目です。命や財産を失う危険を冒してまで出動していただいている、こうしたことも事実だと思います。というのであるとするならば、災害時に出動の要請を受けて行った業務の、これに対する支払いの単価というものについては、平時と全く同じというのはいかがなものかと思っております。いかがでありましょうか。

 そして、三点目。災害協定に基づいて出動して、その結果、業務用の車両が水没するというようなケースが、これは佐賀県でなくあるかと思います。補償についてはどのようになっているのでありましょうか。お尋ねをいたします。

東川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、一つ目の研修についてでございますけれども、建設業は、社会資本整備の担い手であると同時に、災害時の応急復旧を担うなど、地域の守り手として大変重要な存在と認識しております。

 国土交通省では、重要な役割を担う建設業の方々に迅速かつ円滑に災害対応に当たっていただくため、地方整備局等が建設関係団体や建設会社と協定を締結しているところでございます。この協定に基づく活動の実効性を高めるためには、平常時からの取組が重要でございます。

 このため、例えば、九州地方整備局におきましては、直轄工事の受注者に対しまして、工事安全協議会などを通じまして安全研修などを促しているほか、協定を締結している個々の企業などに対しましても、災害対応時の注意事項を周知し、研修等を促すとともに、協定内容に基づいた実践的な訓練を協定締結者と共同で実施することなどによりまして、災害時の対応力の強化に取り組んでいるところでございます。

 国土交通省といたしましては、多発する災害での知見をもとに、受発注者双方が平常時からの研修に努め、迅速かつ円滑な災害対応が図れるよう、引き続き関係機関と連携して取り組んでまいります。

 次に、二つ目の質問でございます単価についてでございますけれども、国土交通省の直轄工事におきましては、災害協定に基づく対応に係る費用につきましては、協定締結者間で協議の上、個別に契約を締結して支払うことになっております。

 国土交通省の災害復旧工事におきまして、労務や資材の単価につきましては、御指摘のように平常時のものを用いることが一般的であると認識しておりますが、単価が実態と乖離しているために、見積りを徴することによりまして、平時とは異なる単価を用いて予定価格を設定したケースもございます。

 本年六月には、公共工事品確法が改正されまして、発注者の責務といたしまして、災害により通常の積算方法では適切な予定価格の算定が困難と認められるときなどには、建設業者から見積りを徴するなどによりまして予定価格を定める旨が新たに法律に位置づけられたところでございます。

 この改正品確法を踏まえながら、建設業者の理解と協力のもと、迅速かつ円滑な災害対応を図れるよう努めてまいります。

 三つ目の質問でございますけれども、国土交通省直轄工事におきまして、災害協定に基づく対応に係る費用については、先ほど申し上げましたように、協定締結者間で協議の上、個別に契約を行うこととなっております。

 委員御指摘の、業務用車両が水没した場合の補償のケースについてでございますけれども、災害復旧工事にかかわらず、協定などに定めのない事案が発生したケースと考えておりまして、そのような場合には協議して定めるということになっております。

 このため、直轄工事において、災害協定に基づく業務を遂行する中で車両が水没した事案が発生しますれば、受注者から事情をよくお聞きして、受発注者間で協議のもと、個別に判断をすることになると考えております。

古川(康)委員 ありがとうございました。

 続いて、農林関係でございます。

 先ほど公明党の富田議員からも御指摘がありましたので、若干はしょる部分がありますが、今回の豪雨、そして油流出による農業被害、こうしたものを踏まえて、農林関係について充実した支援策をお願いしたいと思っているところでございます。

 大町町においては、意欲のある若手農家のハウスが、豪雨とあわせて油流出の被害に遭っているような状況もございます。しっかりとした支援策を打ち出すことによって、営農再開に向けて歩み出すことができるという力強いメッセージになると思います。被災地の実情を踏まえた十分な支援策をお願いしたいと思いますが、いかがでありましょうか。

伊東副大臣 八月から九月の前線に伴う大雨、これが台風十号並びに十三号、さらに十五号の暴風雨を含むものでありますけれども、十七号につきましては現時点でその被害額を積み上げているところでありますけれども、トータルしますと約七百十一億円の被害が確認されているところであります。

 そのうち、八月二十六日から降り始めました大雨による佐賀県を中心にした農林水産業の被害につきましては、現時点におきまして、農地、農業用施設、油の流出に伴う被害等で百九十四億円の被害となっているところであります。

 このような大きな被害状況を踏まえ、農水省といたしましては、今後生ずる大豆等の収穫減や大町町の油流出に伴う収量減に対する共済金の早期支払い、また、壊れた農地や農業用施設、林道の被害や農地等の油の除去につきましては、災害復旧事業による復旧を中心に総合的な対策を九月十日に決定し、被災農業者の早期営農再開に努めてきたところであります。

 その後、九月に発生いたしました台風十五号を含む一連の災害による被害の特徴も踏まえまして、農業用ハウスが損壊した全ての被災農家を支援できるように、強い農業・担い手づくり総合支援交付金、これは被災農業者支援型でありますけれども、これを発動するとともに、今後起こり得る台風等による被害が最小限となるよう、耐候性ハウス導入への支援、また、大規模な停電が発生したことを踏まえまして、北海道胆振東部地震の際の停電対策、これらを拡充させた農林水産業への幅広い支援等から成る総合的な対策を本日付で農水省、環境省、総務省として打ち出させていただいたところであります。

 古川議員おっしゃられますように、この対策の周知に努め、被災された農林漁業者の方々が一日も早く経営再建できるよう取り組んでまいりたい、このように思う次第でございます。

古川(康)委員 ありがとうございました。

 続いて、商工関係についてお尋ねをします。

 幾つか通告をしておりましたが、特に、先日、地元商工会連合会から菅原大臣、前田中企庁長官に要望活動を行った際に、地元自治体との連携によって被災事業者の支援を行っていく持続化補助金のスキームを検討中であるという旨お話をいただきました。その後の検討状況、いかがなっておりますでしょうか。

奈須野政府参考人 お答えいたします。

 今年度の当初予算におきまして新たに措置した地方公共団体による小規模事業者支援推進事業、こういったものがございまして、都道府県が小規模事業者を支援する事業を行う場合に、当該費用の二分の一を上限に国が補助する、こういう仕組みをつくっております。

 佐賀県からは今回、この事業を活用して、補助上限額二十五万円、補助率三分の二で、佐賀県内の被災事業者八百社程度を支援する事業ということで申請を私ども受けております。現在、国において外部有識者によります審査を行っているところでございます。

 この審査が終了次第、速やかに交付決定をいたしたいと思っておりまして、こうした支援を通じて、被害に遭われた佐賀県内の被災事業者の方の一日も早い復旧に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

古川(康)委員 ありがとうございました。

 最後になりますが、治水対策はハード、ソフト両面あるかと思っております。

 ある高齢者の女性が、私が被災のお見舞いに行ったときに、私はここにまだ住み続けてよかでしょうかねと言われました。これは住み続けられることにせんばいかぬけんですねというふうにお答えをしたところでありますが、まさにこれから、あれだけの被害が出たのだからこれだけの対策を進めます、私たちがこう答えることができるように、流域一体となって治水対策を進めていっていただきたいと考えますが、いかがでありましょうか。

佐々木(紀)大臣政務官 今回の六角川水系の河川沿川市町村では、堤防からの越水や河川に排水し切れない内水により、約三千戸に上る大規模な浸水被害が発生いたしました。

 古川委員におかれましては、この沿川自治体の首長の皆様とともに国交省にお越しをいただいて、その惨状や対策について陳情に来ていただきまして、本当にありがとうございました。特に委員からは、佐賀県知事を御経験された、本当に知見に富む、示唆に富む御指導もいただいたわけでもございます。

 そういったものを踏まえて、今回のような越水と内水の双方による甚大な被害を軽減するためには、遊水地の整備や、河道掘削などにより河川の水位を下げる対策、校庭貯留など雨水の流出を抑制する内水対策、さらには、宅地のかさ上げなどの住まい方の工夫など、流域の関係者が連携をして取組を進めることが不可欠だろうというふうに考えております。

 そのため、国、佐賀県、市、町が一堂に会して総合的な対策を検討するための協議の場を新たに設置をしまして、十月九日に第一回の会議を開催することといたしました。

 今後、現在実施中の六角川洪水調整池の整備や河道掘削に加えて、流域一体となった総合的な対策を早期に具体化し、一日も早く被災地域の皆さんが安心できるよう、安全な地域づくりを進めてまいりたいと思います。

 御指導をよろしくお願いします。

古川(康)委員 ありがとうございます。終わります。

望月委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十時十八分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時二十七分開議

望月委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム所属の奥野総一郎でございます。千葉県ということで、よろしくお願いいたします。

 先ほど岡島委員の方からもございましたけれども、初動の問題をまず伺いたいと思います。

 八月の台風十号では、上陸前後、二回関係閣僚会議が開かれていますけれども、今回は開かれなかったということでありますけれども、この台風十号と今回の十五号の違いですね。なぜ一方では関係閣僚会議が開かれ、なぜ一方では開かれなかったか、この違いについてもう一度伺いたいと思います。

西村内閣官房副長官 お答えします。

 台風十号の場合は、お盆の時期に襲来した超大型の台風十号でございまして、その上陸前後において、政府としての災害応急対応等についての協議や国民の皆様への警戒等を広く呼びかけるために開催したものでございます。

 どのような会議をどのタイミングで開催するかにつきましては、状況に応じて総合的に判断しているものでございまして、政府といたしましては、引き続き、台風の勢力等の気象の状況や被害の状況等を踏まえて、適切に災害応急対応に当たってまいりたいと考えております。

奥野(総)委員 おっしゃっていることはよくわかりますが、それを解釈すれば、今回、十五号については会議を開く必要がなかった、そういう緊急事態ではなかった、こういう判断を政府がしたということでよろしいでしょうか。

西村内閣官房副長官 どのような会議をどのタイミングで開催するかということは、状況に応じて総合的に判断してまいります。

奥野(総)委員 これは繰り返しになりますが、そういう判断をした、状況に応じた、少なくとも、政府の認識した状況というのは関係閣僚会議を開くほどの状況ではなかった、それほど危機が差し迫ってはいない、そういう状況に応じて判断をしたという理解でよろしいですね。

西村内閣官房副長官 関係閣僚会議、そしてまた関係省庁災害対策会議等々でしっかりとした対応を行ってまいっているところでございます。

奥野(総)委員 余り時間を使いたくないんですけれども、また最初の質問に戻って、じゃ、どういう場合に関係閣僚会議が、これは同じことですけれども、今回はそういう必要はないという判断をしたということですね。必要がないと判断したから事務方の対応で済ませたということですね。それをおっしゃっているんですよね。

西村内閣官房副長官 必要ある、ないということではなくて、どのような会議をどのタイミングで開くかにつきましては、その被害状況を含めて勘案して判断しているということでございます。

 なお、関係閣僚会議というのは非常に重たいものでございますので、その中でしっかりと対応しているということでございます。

奥野(総)委員 いや、必要はないから、重たくない、必要がないからこそ開かなかったということですよね。それをもう一回確認したいんですが、今回は関係閣僚会議を開く必要がないと判断したと。イエスかノーかを答えてください。

西村内閣官房副長官 今申し上げましたように、閣僚懇談会そしてまた関係省庁災害対策会議等々でしっかり対応してきておりますので。

 特に、さっき関係閣僚会議と私、誤って答弁しましたけれども、閣僚懇談会です。これは非常に、総理から直接各大臣に指示されるものでありますので、その中でしっかりとした対応が図られているということでございます。(発言する者あり)

望月委員長 暫時休憩いたします。

    午前十時三十一分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時三十六分開議

望月委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 西村内閣官房副長官。

西村内閣官房副長官 先ほど言い間違えまして、先ほど訂正はしたんですけれども、今回の台風の被害に関しましては、関係省庁の災害対策会議を開くと同時に閣僚懇談会においてしっかりと対応しているわけでございまして、関係閣僚会議は開催されなかったという御趣旨の御質問でございますけれども、関係閣僚会議と変わらぬ重みを持った閣僚懇談会において、総理が各閣僚にしっかりとした指示をし、適切な警戒態勢のもとで万全の災害応急対策を講じてきたものと認識しているところでございます。

奥野(総)委員 今の答弁では、関係閣僚会議は開かれなかったということは認められました。

 では、関係閣僚会議と関係閣僚懇談会はどう違うんですか。なぜ、台風十号のときは関係閣僚会議で、今回は関係閣僚懇談会だったんですか。これは最初の質問なんですが、もう一度。

西村内閣官房副長官 関係閣僚会議は特定の案件があったときに招集するものでございますけれども、閣僚懇談会は特定の案件というわけではなくて前広に開かれるものでありますが、ただ、その中で、総理からはしっかりとした今回の台風被害に対する指示が各閣僚にございました。

奥野(総)委員 ということは、今回は案件が把握されていなかった、被災の状況がよくわからなかったから関係閣僚会議は開かなかったということをおっしゃっているわけですね。

西村内閣官房副長官 案件がなかったということではなくて、通常開かれたりする閣僚懇談会の場において今回の台風被害についての指示があったということでございます。

奥野(総)委員 これは堂々めぐりですよね。おっしゃっていることは、だから、特定の案件とは認識されなかった、一格低い、大したことはないから関係閣僚懇談会で済ませたんだというふうにおっしゃっているわけですね。

西村内閣官房副長官 閣僚懇談会が一格低いというわけではございません。全く、総理からの指示、そしてまた閣僚の集まる会議でございますので、同じような重要な重みを持った会議でございます。(奥野(総)委員「じゃ、そのとおりとして……」と呼ぶ)

望月委員長 奥野総一郎君、言ってから質問してください。

奥野(総)委員 失礼しました。

 今の答弁を受け入れるとした場合に、じゃ、一方は特定の案件をちゃんと認識している、一方は特定の案件を把握されていないということは、その時点で、これほど重大な災害、こういう問題があるということは認識されなかった、それがその状態でずっと来てしまったと。ある時点で開いてもいいわけですよね。それほど特定の案件として認識をずっとしなかったということでいいんですよね。

西村内閣官房副長官 特定の案件として認識しているからこそ、この閣僚懇談会においてこの案件についてはしっかりとした議論が行われております。

奥野(総)委員 さっきは、特定の案件を議論するのが関係閣僚会議で、特定の案件が把握できない、もうちょっと前広のものが懇談会だとおっしゃったんですが、今は、特定の案件として認識しているからこそ、関係閣僚懇談会を開いたと。さっきの答弁と矛盾するんじゃないですか。

西村内閣官房副長官 繰り返しになりますけれども、関係閣僚会議は特定のこの件について特に議論しなきゃいけないというときには招集されるものでありますが、閣僚懇談会はその案件にこだわらずに開かれるものではありますが、今回開かれた、数回閣僚懇談会が開かれておりますけれども、その中でこの台風の被害についての話がしっかりと行われているということでございます。

 それに、関係閣僚会議と閣僚懇談会は、どちらも閣僚が出席する、同じような重要な会議でございます。

奥野(総)委員 これをずっとやっていたら終わってしまうので、これは紙で整理してくださいよ。関係閣僚会議と関係閣僚懇談会はどう違って、今回なぜ関係閣僚懇談会、どういう判断基準で選ばれたのかというのをきちんと整理をして、紙を委員会に出してもらえますか。理事会協議でお願いします。

望月委員長 じゃ、そのように、理事会に預からさせていただきます。

奥野(総)委員 大臣、今の答弁からも明らかなように、やはり当初は重大な案件だと皆さん認識していなかったんじゃないですか。初動がおくれたように私は思います。

 通告していませんが、災害救助法の適用も十二日、四日たってからなんですよ。これは、重大な案件のときは一日、二日で災害救助法が適用になるときがあるんですね。随分遅かったと思います。県も遅かったですけれども、政府自体も認識が甘かったんじゃないですか。

 大臣、どうぞ。

武田国務大臣 初動の対応の遅さということを御指摘を受けますけれども、内閣府におきましては前山本大臣のもとでリーダーシップを発揮していただいて対策を講じていたことには、これは間違いありません。

 現地の状況は、私も視察に行ってまいりましたけれども、停電そして通信障害という極めて悪条件の中で情報交換をしていかなくてはならない、的確なる情報というものはなかなか入ってこれない状況であったということをぜひとも理解をしていただきたいと思います。

奥野(総)委員 私も現地を見てきました。倒木だらけでとても行けるような状況じゃないのも知っていますが、だったらヘリを飛ばせばいいですね。千葉県がヘリを飛ばしたのは十日後の十九日だと聞いています。これは千葉市から借りて、十日後の十九日に飛ばしたと聞いています。きのう自衛隊の方に伺ったら、自衛隊のヘリに乗って東電の方が上空から見たのは十二日だと聞いています。随分時間がたっているんですね。

 今回、私は、こういうことを二度と繰り返しちゃいけないと思うんです。教訓をしっかり得てくださいよ。電気がとまるとこれだけ大変だ、人が死ぬんだということがもうはっきりしているわけですよ。二度とこういったことを繰り返させないように、やはり政府は反省をしてほしいんですよ。

 初動がおくれたということをしっかり認めて、じゃ、今後どうしていくんですか、県に任せておけないとしたらどうしていくんですか、どうやったら被害の拡大を防げるんですか。例えば倒木処理だって、自衛隊が入って、後半、東電と自衛隊がセットで動き出したら急速に進んだんですよね。それを最初からやっていればもっと停電の時間は短かったと思うんです。

 大臣、この台風について、どういう反省を持って、今後どう取り組んでいかれるんですか。ぜひそこを伺いたいと思います。

武田国務大臣 自然災害というのはそれぞれに態様は異なっておりまして、今日までの災害に対する対処経験というものを次なる備えの教訓として生かし続けていかなくてはならない、このように考えておるわけであります。

 今般千葉県に起こりました災害につきましては、千葉県自体が、あれだけの台風、我々九州とは違いまして非常になれていないという状況も作用したんだと思いますし、そして、やはり、先生おっしゃるように、電気が全部停電という、九十万戸を超える停電状況にあった、そして情報交換する通信機器というものも使用ができなくなった、本当に今までにないような劣悪な状況下に置かれた。そこで学んだ経験というものをしっかりと我々は総括して、次なる災害に備えていかなくてはならない、このことを強く思っているところであります。

奥野(総)委員 ぜひ、こういう、これから台風もどんどん大型化していきますよ。これはぜひ今回の教訓を生かしていただきたいと思います。

 一言、初動が遅かったと認めていただきたいんですが、どうですか。

武田国務大臣 先ほど申しましたように、発災前には山本前大臣がしっかりとした関係省庁との連絡会議を開いておりますし、そのときできることにはベストを尽くしてきたことには間違いない、このように思っております。

奥野(総)委員 知事も、カメラを向けられて、ベストを尽くしたと言っていましたよ。だけれども、青春ドラマじゃないんですから、やはり結果を出してもらうというのが大事だと思います。ちょっときついことを言いましたけれども、ぜひお願いしたいと思います。

 ちょっと個別の案件にこれから入っていきたいと思いますが、農業の関係、先ほど富田委員からも御指摘ありました。

 全体で四百億近い被害額が出ている。そのうち、ハウス等の損壊二百五十億円という甚大な被害が出ているわけですね。私の地元も、ハウス、八街というところですが、トマトが壊滅しています。

 支援をいただくという話は伺っています。とりわけ、農業共済、園芸施設等共済に入っていれば一〇〇%近い補助が出るという話は理解はしていますが、一方で、その園芸施設等共済に加入している千葉県民というのは四割しかいないんですよ。残りの四割の方はどうなるかというと、自己負担三割になってしまいますね。

 二〇一三年に大雪の被害がありました。このときは、保険に入っていない、共済に入っていない人でも一割負担で済んだんです。同じようにゼロにするということはまさにモラルハザードの問題がありますからできないと思いますが、三割負担は厳しいと思うんですよ。なかなか経営が厳しいからこそ、保険にも入れない方がいっぱいいるわけですよね。

 だから、少しでもその負担を和らげていただきたい。三割負担を、できれば補助をして二割負担、一割負担にしていただきたい。二〇一三年の大雪のとき並みの一割負担まで持っていけないかというのが地元の切なる願いなんですが、ぜひお願いをしたい。いかがですか。

河野大臣政務官 先般発生しました台風十五号の気象災害によりまして、農林水産業に甚大な被害が発生をしております。

 私自身も、政務官就任後、直ちに十五号で被災しました千葉県内の被災現場を視察させていただきまして、その甚大さを痛感したところでございます。

 農林水産省といたしましては、被災された方々が一日も早く経営を再開できるよう、本日、支援対策を決定いたしました。

 その中で、被災した農業用ハウスの再建、修繕については、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業支援型というのを発動いたしまして、園芸施設共済加入者に当たっては共済金の国費相当分と合わせまして事業費の二分の一相当、一方で、共済未加入者に関しては事業費の十分の三の支援を行うことといたしました。

 災害対策の基本は、農業者の自助、共助の努力を土台といたしまして、法制度により国が保険料などについて国庫補助をすることにより確立してまいりました農業共済制度にございます。

 特に、農業用ハウスの再建を支援する園芸施設共済は、平成二十七年二月に、耐用年数経過後の補償価額を再建築価額の十分の二から十分の五に引き上げるとともに、農業用ハウスの撤去費用を補償対象に追加するなど、平成二十五年の大雪被害時と比べて大幅に補償を拡充したところでございます。

 モラルハザードを防止し、農業者の皆様が事前に災害に備える努力を促す観点からも、特に災害が多発する中では園芸施設共済に加入していただくことが重要と考えていることから、共済未加入者への補助率引上げということは現時点では考えてございません。

 なお、被災農業者支援型の発動に当たっては、原形復旧支援のほか、補強の取組に対する支援を追加するなど、現場のニーズに応じて支援内容を充実しているところであり、これらの対策を活用して早期の復旧に取り組んでまいりたいと考えております。

奥野(総)委員 御丁寧な答弁だったんですが、結論から言うと、保険に入っていない方は三割負担ですよ、こうおっしゃっているんですね。これはきついと思うんですよ。

 地元の方と話すと、心が折れて、廃業してしまう、もう跡取りもいないのに、六十代、五十代の方でも続けられないとおっしゃっているわけです。だから、なるべく手厚くやっていただきたいんですね。

 これは今言っても時間がかかるばかりですから、改めて議事録に残していく、これはお願いしておきたいと思います。皆さんが廃業しないように、保険に入っていない人でも手厚く支援をいただきたいと思います。

 もう一点、同じ話で、今度は養鶏場。

 私の地元の四街道の養鶏場、テレビ朝日とか読売新聞でも取り上げられた大きな養鶏場ですけれども、鶏舎が全部ぶっ飛んで壊れてしまいました。もうその方の心が折れて、廃業するとおっしゃっているんですね。ところが、廃業するにしても、壊れた鶏舎の撤去にお金がかかるわけですよ。

 こういった助成というのは、農業あるいは畜産、こういったものを継続しないと補助が出ないんですね。撤去だけでも数千万円かかる、こうおっしゃっているんですが、これは何とかならないんでしょうか。非常に困っておられます。

山本政府参考人 今御指摘いただきました廃業する養鶏場の鶏舎等の撤去につきましてですが、これは、市町村が生活環境の保全上の観点から支障があると認められると判断した場合におきましては環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金の補助対象となりますので、ここは市町村としっかりと調整してまいりたいと考えております。

奥野(総)委員 伺うところによれば、市からも相談が来ている、四街道市というところですが、来ているということであります。ぜひ善処をお願いしたいと思います。

 これまで頑張ってこられて地元でおいしい卵を供給された方ですから、何としてもそこはお願いしたいと思っています。

 これにとどまらず、手厚い支援を、日本の農業を支えるために、廃業者を一人でも出さないためにも手厚い支援を、あるいは廃業した方にも手厚い支援をぜひお願いしたいと思います。

 それから、もう時間で最後になりますが、神奈川の方も被災されていますけれども、横浜のお話ですけれども、横浜市金沢区の金沢団地が、十メートルの高波で海沿いの中小企業、製造装置が水をかぶって、車や製造装置が使用不能となっています。この工業団地だけで合計百億は下らないという被害が発生しているということも伺っています。

 横浜市はいち早く融資制度を創設して相談窓口も設置するということなんですが、必要なのは、ぜひ真水、補助金をいただきたい。融資もいいんですが、補助金をいただきたいというのが地元の経営者の声だそうであります。事業継続のために、新たな設備購入など事業継続に必要な資金について何らかの補助金、いわゆる真水を交付していただけないかということなんですが、これはいかがでしょうか。

牧原副大臣 先生が御指摘になられました金沢地区は、私も官房長官と一緒に視察をさせていただいて、現地の大変な状況を確認させていただき、また、御要望もいただいた次第でございます。

 今年度当初予算にて新たに措置しました地方公共団体による小規模事業者支援推進事業におきまして、都道府県が小規模事業者を支援する事業をする場合、当該費用の二分の一を上限に国が県を補助するという仕組みをつくっているところでございまして、現在、中小企業庁としても、神奈川県そして横浜市と、当該事業を活用して被災した皆様を支援する事業を検討し、必要な規模や内容について今検討しているところでございまして、被災した事業者の皆様の一日も早い復旧に全力を尽くしていく所存でございます。

奥野(総)委員 前向きな答弁をありがとうございました。

 くれぐれも、予算をきちんとつけて、必要な額をきちっとつけていただきたい、補正とか予備費等もあるので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。

 済みません、ちょっと時間が来てしまいました。通告したのに質問できなかった、来ていただいた政務の皆さん、本当に申しわけございませんでした。

 以上です。

望月委員長 次に、谷田川元君。

谷田川委員 谷田川元でございます。

 まず、今回の災害で亡くなられた方にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さんに心からお見舞い申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 残念ながら、西村官房副長官に質問したかったんですが、私は、今回の災害の大きな問題はやはり初動のおくれだと思っています。内閣改造を延期すべきだ、これが一番大事な点だったと思います。

 二十年前のジェー・シー・オーの臨界事故のときに、当時の野中広務官房長官が小渕総理に、やはり住民の安全を考えたときに万全の体制をとるべきだといって小渕総理に進言し、四日間内閣改造を延期しました。今、そのことを評価する方がたくさんいらっしゃいます。恐らく、安倍総理が九日の段階で内閣改造を延期するとおっしゃったら、多くの皆さんが、総理、そこまでやるか、よく頑張った、そう称賛されたんじゃないかと私は思います。

 先ほど、自民党、公明党の方の質問を聞きましたが、私は、内閣改造を延期すべきだったという発言はあるかと期待していたんですよ。千葉県、今、森田知事も初動態勢のおくれで批判されております。今、千葉県議会が開かれておりまして、森田知事を支持する自民党、公明党の皆さんも、森田知事に対して初動態勢のおくれを痛烈に批判しています。

 ですから、ぜひ、自民党の議員の皆さん、公明党議員の皆さん、やはり安倍総理に対して今回の内閣改造は延期すべきだったということを言うべきじゃないでしょうか、そのことを要望申し上げたいと思います。

 そこで、武田大臣、台風の大災害の後、こういった防災担当大臣という要職におつきになられて、早速、就任の翌日に私の地元香取市を視察していただきました。それで、大臣は倒木による電線の破壊によって停電がもたらされているという現場を視察されたと聞いております。

 私は、今回の停電、考えてみれば、もう二週間以上停電になった方がたくさんいるんです。八年前の東日本大震災、私の地元、被災地でした。あのときは二日か三日で停電は済んだんですよ。ところが、今回はもう二週間もということで、いかに電気が通じないと生活ができないということを実感した方がたくさんいます。

 私は、今回の教訓というのは、やはりまず、停電を起こさないこと、二つ目、停電が起きたときには早急に復旧すること、そして、復旧時間が長い場合には補助電源をしっかり配備すること、自家発電だとか、あるいは東電の配電車ですね、それを社会福祉施設だとか病院に配置する、これが私は非常に必要だと思うんです。

 以上の観点から質問しますが、まず、倒木による停電を防ぐために、私は、もうこれはこの木が倒れたら停電になるなと予想されるところはたくさんあると聞いております。ところが、林野庁にきのうレクで聞いたんですが、新しく制定された森林経営管理法では市町村長に伐採する権限を与えているんですよ。だけれども、今回の災害はこういうことを想定していないというんですね。

 だけれども、私は弾力的運用を検討すべきだと思っています。ですから、経産省の立場としては、電力業者がしっかり安定供給できるように、停電を防止することを積極的にやりたいと思いつつも、林野庁の立場では、森林を守る、そして所有者の権利もあるといって、なかなかこれは利害調整が難しいんですよね。やはりこういうときこそ防災担当大臣の腕前の見せどころだと思いますので、ぜひ倒木するおそれがあるものを採伐することを積極的に行うべきだと私は思いますが、大臣、御所見はいかがでしょうか。

武田国務大臣 視察の際には先生の御地元の皆さん方に大変お世話になりまして、感謝を申し上げたいと思います。

 私自身も、生活道路の沿いにあれだけの杉の木の巨木がある町というのは本当に初めて見たわけでありまして、それによる電線そして電柱倒落等による停電ということでありました。

 先生おっしゃるように、森林経営管理法についてであろうと思いますけれども、これは、御自身で民間の方が経営管理ができないという場合、その人の要請に基づいて初めて地方自治体というものが経営管理をするという形になるのではないかなと思うんですけれども、今回は、電力会社による電線に影響を与える木の伐採につきましては所有者の同意がわざわざ必要となるということもありまして、時間がかかった要因の一つになっています。

 この長期停電の原因と復旧プロセスにつきましては、検証し、改善すべき点を抽出するために、検証チームというものを立ち上げることにしております。この指摘の点も含めて、関係省庁等含めて連携を図り、検討していきたい、このように思っております。

谷田川委員 前向きな答弁、ありがとうございます。

 済みません、あと三分しかないので手短に。

 今回、停電が長引いて、病院だとかそれから障害者施設あるいは老人施設、そういったところに、発電機がないところに東電の方が配電車を持っていって何とか急場をしのいだという実態があるんですが、私も知らなかったんですが、去年のあの北海道の地震で大規模にブラックアウトがあったので、そういった病院だとか福祉施設が発電機を購入する際に半額だとか三分の一の補助を出しているのが去年の補正予算にあったんですね。

 これは実は私の地元の関係者に聞いたんですが、社会福祉法人の方も、いや、それは知らなかった、それがあればつけていたのになということなんですね。

 ですから、今回の配電車については、東電から聞いた話ですけれども、市町村に窓口を置いて、そこからの要請で発電車を配置したということなんですね。

 ですから、被災した自治体が、病院だとかそれから障害者施設や老人施設だとかそういったところに、停電になった場合、発電機があるのか、どの程度の発電機があるのか、そういったことをしっかり、厚生労働省として、都道府県や市町村に対して、そういった施設に対して停電になったときにしっかり把握できているようにということを技術的助言をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

迫井政府参考人 御答弁申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、平成三十年十二月に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策に基づきまして、病院や福祉施設の非常用自家発電設備のための予算を確保しておりまして、その整備を進めておりますけれども、引き続き、事業の周知につきましては、先生御指摘のとおり、進めていきたいと考えております。

 また、病院や福祉施設の非常用自家発電装置の保有状況の把握につきましても、例えば病院につきましては本年七月に調査を行いまして公表するなど、引き続き、厚生労働省といたしましても必要な対応をとってまいりたいと考えております。

谷田川委員 済みません、時間がないので早口で申しわけないです。

 今回の台風は、地球温暖化によってますますスーパー台風と言われるものが日本に上陸する頻度が高まる、そういう指摘もございます。

 今回、国連の気候変動行動会議でスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんという方が世界に発信し、注目を浴びましたけれども、私は、気象庁というのは非常に今信頼があると思うんです。私が小学校のころは天気予報は当てにならないと思った人が多かったんですが、あの当時は政治家の方が信頼があったんですね。ところが、今は逆転しています。九割方が天気予報を信用して、残念ながら、政治家はもう二割以下という数字もあります。

 ぜひ、私は、気象庁というのは非常に信頼されていますので、気象庁からしっかり、科学的見地に基づいて、気候温暖化、地球温暖化が進むと、この日本列島、スーパー台風がたびたび襲来するから気候温暖化対策をしっかりやらなきゃいけないんだということを気象庁としても発信すべきと思いますが、いかがでしょうか。

関田政府参考人 お答えいたします。

 台風と地球温暖化の関係でございますが、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書によりますと、地球温暖化の進行に伴い、台風など熱帯低気圧の強さが増す可能性が指摘されております。我が国においても、台風災害の激甚化に対し警戒を強めていく必要があると考えております。

 こういった点を踏まえまして、気象庁では、今後とも、地球温暖化対策に資する気候変動の監視、予測情報の充実強化を進めるとともに、地球温暖化により台風あるいは豪雨災害は今後一層激甚化するというおそれがあるという点を含めまして、その情報発信の強化に努めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 済みません、最後に一言言わせてください。

 防災担当大臣、今回の安倍改造内閣で、小泉進次郎さんが最年少閣僚だということで注目を浴びているんですね。武田大臣は、五十一歳で二番目に若いんですよね。

 ですから、これから先がある大臣でありますから、防災担当大臣と聞くと、過去にどんな人がいたかというのがなかなか思い浮かばないんですよ。まあ、強いて言うなら、震災担当大臣、あのときに、小里さんという方が阪神・淡路大震災のときに司令塔でしっかりやられたというのが、今、いろいろな書物で評価されています。

 ぜひ、今回の台風を教訓にして、あのとき武田大臣がいたからこそ防災計画が前進したと言われるような大臣になることを期待いたしまして、私の質問を終わります。

望月委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 ことし八月の前線に伴う大雨、九月の台風十五号など、この間の台風及び豪雨によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 私は、台風十五号の被害発生直後から一週間余り、特に被害の甚大であった千葉県を始め各自治体や住民、関係者の皆さんのところに連日伺い、被害の実態把握と政府への要望を聞いてまいりました。九月十八日には、台風十五号の被災地に伺った志位和夫委員長とともに、武田良太防災担当大臣に直接、五項目にわたる緊急申入れを行ってまいりました。その後も被災地に伺っているところです。

 初めに伺いたいのは、東電の長期停電という異常事態の問題です。

 東電の発表によれば、停電は九月九日時点で約九十三万四千九百軒に及びました。その後、東電は、九月十日十七時時点で、停電は九月十日中に約十二万軒まで縮小する見込みとなり、残りの約十二万軒についても九月十一日中の復旧を目指すと発表しました。ところが、実際には、九月十二日午前五時時点で約三十五万軒も停電が残されていました。

 重大なことは、東電のこうしたあやふやな情報が、自治体や被災住民の判断に影響を与え、熱中症など、停電後、わかっているだけで四人の方が亡くなるなど、被災者の命を左右することになったということです。さらに、停電が、断水、通信障害、ガソリンスタンドの営業停止などを引き起こし、お店も閉まる、食べ物も運搬できない、こういうことで、被災者の命と生活、なりわいに重大な被害を及ぼしました。

 九月十二日に幾つかの市長さんのところに伺ったんですが、富津市の高橋市長は、前の日にやっと市役所は停電が復旧した、でも自宅はまだ停電ですと言うんですね。頑張っておられました。そのときにおっしゃっていたのは、停電の復旧計画、二万六千二百軒が停電なんだけれども、九月十日には二万六千軒まで復旧し、九月十一日には二百軒になる、こういう計画の発表が東電からあったので、じゃ、残りの二百軒を集中すればいいと思っていたら、全体が停電だったということを伺いました。

 なぜこのような停電が長期化したのか。東電は、電柱が大量に損傷したとか、倒木により復旧に時間がかかるなど想定外の事態だと言っているようですけれども、しかし、原発事故関係の費用捻出を理由に送電配備の保守点検費用を圧縮してきたのではないかという報道もされております。

 実際、私、電力関係で働いてきた方から、元労働者から伺いました。これまで電柱は耐用年数が来れば交換していたが、壊れたら交換するという方針に変わった、一年半くらい前には館山営業所管内に五つあった整備班が一班に減らされた、伐採班といって樹木を伐採する班があるが、これも一班のみになった。こうした体制の縮小で、地元の道や地形のわかる人がいなくなり、初動のおくれや判断ミスにつながったのではないか。

 もしこのことが放置されていたら、国としては大変な事態になると思うんです。こういうことも含めてしっかりと検証すべきじゃないですか。

河本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、東京電力が、今回、対外公表いたしました復旧見込みをたびたび修正をしたということを踏まえますと、やはり、結果といたしまして、東京電力の当初の復旧見込み、これが甘かったと言わざるを得ないと考えております。

 今回の対応の検証に当たりましては、東京電力が当初の復旧見通しを修正するに至った根拠あるいは意思決定のプロセスに加えまして、送配電設備の保守点検あるいは設備投資の状況などにつきましても、専門家により構成されます審議会において、客観的かつ徹底的に検証してまいります。

畑野委員 科学的にしっかりやっていただきたいと思います。命にかかわったということです。

 次に、災害救助法等の適用について武田防災担当大臣にまとめて伺います。

 一つは、災害救助法が千葉県に適用されたのは九月十二日でした。それ以前にも自治体の支援は行われております。適用についてどうなるのかということです。

 二つ目に、発災から三週間が経過して、被災地は応急援助から復旧復興へと局面が変わりつつあります。しかし、発災当初、台風で屋根が飛ばされ、ブルーシートで覆っただけの自宅で雨露をしのがざるを得なかった被災者もたくさんいらっしゃいました。そうした場合に、本来、災害救助法でホテルや旅館を避難所として利用することも可能だったわけですね。また、移動の費用も支援できたのではないかということです。

 三つ目に、市長さんからは、復興には三年かかる、そういう構えでいるんですというお話を伺いました。長期にわたる支援の必要性が指摘されているんです。その場合、仮設住宅の建設や民間の借り上げなどが必要になった場合、どのようにされるのか。

 四つ目に、激甚災害の指定について見通しを伺います。

武田国務大臣 委員におかれましては、去る十八日、わざわざ御足労いただきまして、被災状況等、丁寧な御説明を賜りましたことに厚く御礼申し上げたいと存じます。

 御質問にお答えいたしますが、この十五号の対応につきましては、停電が継続することが判明したことを踏まえまして、内閣府から助言等を行い、千葉県が四十一の市町村に対して災害救助法の適用を九月十二日に決定をいたしました。九月九日にさかのぼって法が適用されまして、適用日より自治体がみずから負担していた救助費用につきましても、災害救助費として国の補助が行われることとなっております。

 また、御指摘のありました、ホテル、旅館の施設を避難所として開設するべきだと。これは今、六十七施設を開設させていただいております。高齢者、障害者などの利用を災害救助費の対象としまして、対象者への声がけ、そしてチラシの配布など、周知徹底に努めているところであります。

 今後は、自宅で住み続けることが困難な方に対しまして災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与の検討が必要となるところ、被災者や市町村のニーズを丁寧に聞き取りながら検討が進められるよう適切に千葉県を支援していきたい、このように考えています。

 一方、激甚災害の指定につきましては、台風第十五号を含む本年八月から九月の前線に伴う大雨による災害について、被害状況を調査した上、農地等の災害復旧事業等の特例は地域等を限定しない本激として、中小企業の災害関係保証の特例は鋸南町を局激として激甚災害に指定する見込みであります。

 今後は、速やかに政令による指定の手続を進める所存であり、今後とも被災自治体と密に連絡をとりながら、一日も早い被災者の生活再建に向けて政府一丸となって取り組んでまいりたい、このように思っております。

畑野委員 被災地は、一刻も早く国が決定していただきたいと待ち望んでおられます。よろしくお願いいたします。そして、地元の皆さんがもとの場所に住み続けられる復興、ぜひ、支援するために自治体と国が一体になって取り組んでいただきたいと思います。

 次に、災害廃棄物の処理について伺います。

 千葉県内、多数の農業ハウスの倒壊や県特産のサンブスギなどの倒木によって、木材、プラスチック、ビニール、温室のガラスなど、ごみが大量に発生しております。

 災害廃棄物処理事業について、補助金交付要綱では、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る旨書かれております。市町村がそうした趣旨として判断して災害廃棄物として扱う場合は、倒木や農業用施設なども補助対象となることでよろしいですか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今、委員から御指摘のありましたとおり、これが、市町村が生活環境保全の観点からの支障が認められると判断した場合には対象となるということでございます。

畑野委員 倒木も含めて対象になるということです。

 それで、次に、住家被害の問題です。住宅の被害、台風十五号によっても甚大な被害が出ました。

 内閣府の昨日の取りまとめでは、一都七県で二万四千棟近くに上る。その大部分が千葉県の被害で、昨日時点で、千葉県のまとめでは、一部損壊家屋は二万四百九棟にも上ると言われております。

 質問通告していなかったんですけれども、私、ちょっと確認で、これはどうしても確認したいんですが、内閣府、住宅の被害に関する通知を出しております。弾力的な対応をということです。これは、館山市の金丸市長さん始め、屋根が全部飛んでしまったが、一五%だと一部損壊になってしまう、実態はもう全部ぬれて、その後の台風で、住めない、何とかしてほしいという声も上がっております。

 これは、ぜひ公示、通知を徹底していただきたいと思うんですが、担当の方、いらっしゃいますか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 台風十五号の屋根の被害への対応は、委員御指摘のとおり、被害認定調査が、実態に即した認定がされるようにということで、報道等でも、大部分、屋根が吹っ飛んじゃったものが一部損壊だとか、天井も壁もカビだらけで、これでも一部損壊だとかという報道がなされたということを踏まえまして、実態に即した評価を実施するようにということで、先週、説明会、また記者発表も行って、瓦屋根等に相当の程度被害があって、室内が雨水で浸水したような場合にはおおむね半壊であるし、屋根が吹っ飛んだような、大部分に被害のあるようなものは大規模半壊あるいは全壊となるということで、台風による被害にその後の降雨による被害も加味して判定すべき、また、屋根、天井等の損傷面積率も柔軟に判断するようにという弾力的な運用についての通知及び説明会も行っているところで、館山、南房総といった非常に被害の大きかった市町については、直接担当者が首長さんないしは副市長さんといった方々にも説明をし、また、担当の方にも丁寧に、実態に合った認定がされるようにと周知を図っているところでございます。

畑野委員 よろしくお願いいたします。

 加えて、今回、国土交通省が、千葉県が被災した住宅の瓦屋根の補修に対する補助を実施する場合、国が支援するということを決められたと伺っております。

 一方、被災地からは、瓦屋根だけに対象を限定しないでほしいという声が上がっております。屋根瓦、地域の特性が強くて、南房総地域も屋根のふき方や瓦の素材などが特殊で、築年数の古い家屋では、そもそも修理できる瓦が既にないとか、技術を持った職人がいないなどの実態があります。

 今回の制度は、防災・安全交付金の効果促進事業を活用するというもので、瓦屋根の修理、改修が住宅の耐震性向上の一環となる場合に補助するものと伺っております。そうであるならば、ここに着目をして、瓦屋根に限定せず、市町村が主体的に判断し、被害実態に合った柔軟な制度設計が認められるべきだと思いますが、いかがですか。

眞鍋政府参考人 交付金による支援についてお答え申し上げます。

 今般の台風十五号による被害の程度が半壊以上の住宅については、先ほど内閣府からの答弁がございましたように、災害救助法に基づく応急修理制度の活用が可能ということになってございます。

 しかしながら、弾力的な運用をされたとしても、半壊というふうには認められず、一部損壊というふうに判断される住宅もあるであろう。そうしたものが非常に多い場合に国土交通省として何らか支援することができないかというふうに検討した結果といたしまして、自治体が被災した住宅の耐震性の向上などに資する補修について支援を行う場合に、国が防災・安全交付金の効果促進事業の対象として支援を行うこと、このように考えているところでございます。

 また、総務省においても地方負担額の八割を特別交付税で措置をするということに決めておられますので、全体としては、交付金の五割と今申し上げました特別交付税と合わせますと、被災自治体の実質負担は一割になるという特例を今回検討しているところでございます。

 被災者に対する支援の具体的な内容につきましては、現在、地方公共団体、具体的に言いますと千葉県及び市町村でございますが、そちらの方で検討していただいているところでございます。国土交通省としても御相談に乗りまして、きめ細かく対応してまいりたいと考えてございます。

畑野委員 瓦から金属にするという場合ももちろん入れていただきたい。だけれども、金属だけれども耐震化ということでやる場合も入れていただきたい。とにかく修理のための支援が欲しいということですが、柔軟に、自治体の状況を聞いてやっていただけますか。

眞鍋政府参考人 先ほど申し上げました交付金の趣旨、住宅の耐震性の向上などに資する補修であるということに当てはまるのかどうか、よく実情を聞かせていただきまして、御相談にあずかってまいりたいと思います。

畑野委員 瓦屋根に限定せずということで、ぜひやっていただきたいと思います。

 次に、台風被害は農林水産業にも甚大な被害を及ぼしました。

 農水省のまとめによりますと、被害額は昨日時点で十二都県四百四十二・九億円に及ぶと伺います。千葉県で見ますと、九月二十六日現在で被害額は三百六十七億六千二百万円に達しております。この額は、過去最大だった東日本大震災時の千葉県の農林水産業被害三百四十六億百万円を上回っています。現在は調査中だということで、もっとふえる可能性があります。

 八街市に伺いまして、トマト農家の御夫妻から伺いました。あすから収穫の日なのに九月九日に台風が来た、暑い夏頑張って楽しみにしていたのが、出荷できずに千五百万円相当の被害だ、それ以外にハウスも壊れたということです。

 南房総市では、石井市長さんから、ビワが大変な被害になっている、しかし、山も倒木で入れない、ビワの農家がビワのその場所に行けない、こういう事態もあると伺いました。カーネーションなどの花卉あるいは園芸ハウス、ガラスのものが壊れるという事態も各地であります。

 館山市では、大規模な養鶏場で、電動の餌やり機が停電して使えずに、三万羽を廃棄したということも伺ってまいりました。

 災害をきっかけに離農になったら地域が崩壊してしまう。営農意欲を持って続けられるような最大限の支援が求められていますが、どのように対応されますか。

岩濱政府参考人 お答えいたします。

 台風第十五号による農林水産被害については、現時点、少し、ちょっと数字が上がっておりますが、茨城県や千葉県を中心にいたしまして、農業用ハウスの損壊、停電に伴う生乳や水産物の廃棄等で四百四十六億円の被害となっております。

 農林水産省では、今回の災害の被害の特徴を踏まえまして、まず第一に、農地や農業用施設の被害については災害復旧事業の早期実施、次に、大きな被害が出ました農業用ハウスについては、損壊した全ての被災農家を支援できるように、強い農業・担い手づくり総合支援交付金のうち、被災農業者支援型を発動することとしております。また、今後起こり得る台風等による被害が最小限となるように、風に強い耐候性ハウス導入を支援してまいります。

 さらに、大規模な停電が発生したことを踏まえまして、北海道胆振東部地震の際の停電対策を拡充させて、酪農を始めとする農業、林業、水産業への幅広い支援を停電対策として行うこととしております。

 これらの支援、これはビワへの支援、委員からありましたビワへの支援も含めてでございますが、これらの支援を総合的な被災者、農林漁業者の支援対策として本日公表させていただきました。

 今後、被災地での対策説明会を開催し、JA、市町村の方々、共済組合、農家の方々に周知を図り、一日も早い経営再建と、離農につながらないように全力を尽くしてまいりたいと思います。

畑野委員 鋸南町の白石町長さんからは、養殖魚ですね、これは本当に大変だということもありますので、ぜひ全面的に、林業を含めてやっていただきたいと思います。

 最後に、一つだけ確認します。中小企業支援です。

 鴨川の亀田市長さんから、ホテル、旅館なども大変だったと。本当に観光地も大変です。これら中小企業への支援に対してどういうふうにされるのかということと、それから、横浜市金沢区の工業団地に伺ってまいりました。十億円の機械が水で壊れてしまった、こういうこともあります。こういったことを含めて、最後にその中小企業への支援について伺います。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の災害により被災された中小企業が予見性と希望を持って前向きに事業を再開できるよう、経済産業省では、被害の状況に応じて必要な支援策を講じる、こういう方針にしております。

 まず、千葉県内の被災中小企業への支援につきましては、九月十二日に災害救助法が四十一の市町村に適用された直後から、資金繰りや災害復旧のための金融的な支援策を中心に実施しております。

 また、建物の損害などの直接被害に加えて、長期の停電による被害が生じているということを踏まえまして、災害復旧貸付けにつきまして、長期の停電による在庫被害などを受けた場合まで拡充して適用する、こういうような方針にしております。

 さらに、今後、千葉県鋸南町に対する激甚災害が指定された、こういう場合につきましては、鋸南町にとどまらずに、停電が長期間にわたった千葉県の四十一の市町村に対しまして、災害復旧貸付けの金利の引下げを行うとともに、小規模事業者向けには持続化補助金などの支援策を拡充する予定でおります。

 また、横浜、神奈川県でございます。神奈川県につきましては、神奈川県からの要請を受けまして、横浜市の被災中小企業向けに、一般保証とは別枠で融資額の一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号を九月に指定しておりまして、資金繰り支援を開始しているというところでございます。

 また、今年度の当初予算で新たに措置した地方公共団体による小規模事業者支援推進事業では、激甚災害法の指定や災害救助法の指定にかかわらず、都道府県が小規模事業者を支援する事業を行うという場合に、その当該費用の二分の一を上限として国が県に補助するという仕組みを設けております。

 現在、神奈川県それから横浜市において、この事業を活用して被災事業者を支援する事業ができないかということで、必要な規模や内容について検討しているというふうに聞いておりまして、中小企業庁としてもこれをしっかりと支援してまいりたいと思っております。

 千葉県、神奈川県、横浜市、こういったところとよく連携しながら、被災した事業者の一日も早い復旧に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

畑野委員 最後に、きょう十月一日、消費税が一〇%に増税された。こういう被災状況の中で行われたことに対して断固抗議をいたします。

 被災者の生活となりわいを一刻も早く再建するために必要なあらゆる手だてをとっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、森夏枝君。

森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。

 災害対策特別委員会におきまして質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 本年八月、九月の台風及び豪雨などによりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 まず、台風十五号の被害状況の把握について伺います。

 九月八日から九日にかけて千葉県を通過した台風十五号による停電や断水等の被害状況については、九月十七日に災害特の理事懇においても私も説明を受けましたけれども、台風通過の八日後の時点でも被害状況が把握できていない地域がありました。台風十五号の被害状況の把握は国としてどのように行ったのか、お答えください。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 台風十五号に関しましては、ただいま委員からもお話ありましたように、なかなか被害の全貌が把握できていないというところでございますけれども、これまでに、死者一名、重傷者十一名などの人的被害、また、家屋、住家被害に関しましては、全壊百十九棟、半壊千四百二十五棟、一部損壊が二万三千五百三十七棟、床上浸水が八十八棟、また床下浸水が百十六棟という、これは九月三十日、昨日の八時時点の数字でございますけれども、まだ被害の全容が完全に把握し切れているわけではなく、市町の方でも引き続き被害把握に努めているという状況でございます。

森(夏)委員 いまだに被害状況が把握できていないというところで、これは改善すべき点だろうと思います。

 情報が上がってくるのを待つのではなくて、被害の状況を伝えられない地域に対しては職員を更に派遣するなどして、しっかりと情報把握に努めていただきたいと思います。

 全ての状況が把握できていない状況ですので、実際に人手が全く足りていないという現状でありました。多くの方々が、特に屋根に上れる職人さんが間に合わないので、素人ながら屋根に上りブルーシートがけをして、転落をしてけがをした方も多数いらっしゃいます。

 屋根を補修中の九十四歳の男性が屋根から転落し死亡する事故もありました。八十代、九十代の方の作業中の死亡事故というのもありました。若い人が足りない、作業できる人が足りないという声は災害発生時より多く聞こえておりました。東日本大震災や熊本の地震、また昨年の豪雨災害などの教訓がまだまだ生かされていないように思います。

 被害状況の把握がおくれたために、どの地域にどの支援が必要なのか、初動対応のおくれが見られたと思います。国として今回の千葉県の初動対応についてどのように認識し、改善すべき点又は改善できる点があれば教えてください。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 台風十五号に対しましては、台風接近前から警戒態勢を確保するとともに、被害が報告されてからは、十二回にわたりまして関係省庁の災害対策会議を開催し、また、現地においても関係省庁連絡会議を開催し、千葉県庁、市町村とも連携し、政府一体となって災害応急対策に当たってきたところでございます。

 また、連絡員、専門的な知識を有する者については、九日以降、関係省庁、順次、千葉県庁、各市町村に派遣して被害状況やニーズ等の収集に努めて、これらの情報をもとにして各省庁の取組を進めてきたところでございます。

 このように、今回の台風への初動対応については適切に行われてきたものと認識しておりますけれども、発生した災害から通じて得られた教訓を踏まえて、以後の対応に生かしていくことは当然重要であると認識しているところでございます。

 今回の台風十五号に対する国、自治体の初動対応、あるいは災害対応にふなれな県、市町村への支援のあり方等については、今後、検証作業を行う予定でございまして、検証作業を通じて得られた教訓を生かして、今後の防災対策の充実に努めてまいりたいと考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。やはり、報告が上がってきたものに対してはさまざま対策会議を開き、支援もしてきたということでございます。

 大臣からの最初の説明にもございましたけれども、被災者の生活支援としても、食料、飲料、ブルーシートなどの物資をプッシュ型支援で行ったというお話をお聞きしましたけれども、繰り返しになりますけれども、ブルーシートをいただくことはありがたいけれども、それをかける人手が足りないんだ、そこをしっかりと認識して、人手が足りないのであれば支援をする、その必要があったと思います。この人手が足りないことにより、他の委員の先生方からも既に指摘もありますけれども、雨漏りから家の中がカビが生えてしまい、家屋の被害が拡大してしまったという被害は大変多かったように聞いております。被害状況の把握というのは、今後の災害でも早急に把握することをしっかりとお願いしたいと思います。

 今回は、倒木とともに、二千本もの電柱が倒れてしまったことにより、一週間、二週間も停電に苦しんだ住民がいる中で、千葉県の発電機が半分余っていたことが問題であったと思います。住民も被災地の自治体も初めての規模の台風被害で、誰に何を頼めばよいのか、停電で電話もネットも使えず、どうしていいのかわからなかったとお聞きしました。

 今後、広域連携を更に強化し、災害時に機能するように変えていかなければならないと思います。広域連携の必要性、重要性について、国の認識と今後の課題についてどう考えているのか、教えてください。

大村政府参考人 お答えいたします。

 大規模な災害に際しましては、現地の自治体も被災団体となりますので、また、市町村職員自身が被害者でもあるということが通例でございますので、災害応急対策を行う被災自治体に対する相当規模の応援職員の派遣、これは非常に必要なことであると考えております。

 こうしたことが近年の災害で極めて共通の課題として起こっておりましたので、総務省では昨年三月に、大規模災害発生時の短期の応援職員の派遣の仕組みとして、全国知事会といった地方三団体、そして指定都市市長会などとともに、被災市区町村応援職員確保システムというものを構築をいたしました。

 このシステムに基づきまして、災害マネジメント支援のため、今回の台風十五号災害におきましても、九月十三日以降、関東ブロックの九都県市から九市町に対して総括支援チームというものをまず順次派遣をいたしまして、災害対応の体制整備やスケジュール管理等を行ったところでございます。

 また、被災市区町村に対して、特定の都道府県又は指定都市を定めて、一対一対応で応援職員を派遣する対口支援という形のものを八都県市から八市町に対して実施をいたしまして、九月十七日以降三十日までに、現在も延べ千六百六十七名の応援職員を派遣しております。こういった応援職員が、罹災証明に関する家屋調査や避難所運営等の支援を行っているところでございます。

 引き続き、関係府省庁とも連携して被災自治体のニーズを把握しながら、応援職員の確保に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 また、課題としては、やはり、被災した地元自治体との連携をいかに円滑かつ密にしていくか、こういったことについては更に改善に努めていきたいと考えております。

 以上です。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 総務省として、この広域連携の必要性は十分に認識していただき、対策も講じていただいていると思います。先ほどもお話ありましたけれども、今後の教訓を生かして、更に地元自治体と連携して、よりよいものにしていっていただきたいと思います。

 南海トラフ対策などでも、府県を超えて連携協定を結んで、協力して避難訓練なども行っていると聞いております。しかし、実際に広域連携が機能するかどうか、ここが重要だと思います。これまでの災害の教訓を他の災害にも生かせるように、しっかりと共有をしていただきたいと思います。

 次の質問に入らせていただきます。

 先日、館山市、南房総市、房総半島最南端の白浜町へ行き、被災者の皆さんからお話を聞いてまいりました。

 今回の千葉の被災地では、これも繰り返しになりますけれども、屋根に上がり、ブルーシートをかけてくれる人が、とにかく人がいなかったということでありますけれども、今もなおブルーシートがけの作業をされておりますし、全く手つかずのところもありました。

 特に大工等の職人さんは休みなく作業をしている中で、市が職人ボランティアの募集をしているけれども、集まらないと聞きました。人手が足りないにもかかわらず、ボランティアで、無償でというのは現実的に厳しいと思います。こういうところでも広域連携が必要で、近隣の市町村や近隣の都府県などから職人さんに応援に駆けつけてもらえるような仕組みも必要だろうと思います。交通費や日当を出すことも必要だったと思っております。

 今後もこの規模の台風は上陸すると想定して準備をしなければなりません。観測史上最大風速や最大雨量も毎年更新しているような近年の気候に対しては、これまでの災害の教訓、ことしの教訓もしっかり生かしていただきたいと思います。

 また、ブルーシートがけをするのに十六万や二十五万は請求されたというような被害もありました。私自身、今回、相場を初めて知りました。この相場を知っておくことも被害に遭わないために必要だと思いますので、周知もしていただきたいと思います。

 また、残念なのが、詐欺被害があり、被災者の皆さんも疑心暗鬼になっておられ、大阪からボランティアに行った職人さんが怪しまれ、断られるケースがあったとも伺いました。人手が足りないのに、知らない業者に頼むのは怖い、昔から知っている大工さんに頼むか、近所の素人の人に無理を言ってお願いするか、現場はそのような状況のようです。

 知り合いの大工さんにお願いしたいが、数十軒待ちで、私がお聞きした白浜町の方は、知り合いの大工さんに保険会社に提出するための見積りを依頼したら、二、三年待ってくれと言われたとおっしゃっておりました。

 今後、同様の災害が起きた場合にこれらの経験を生かすべきと考えますが、職人ボランティアについて国としての支援は、何かできることはあるのでしょうか。

林政府参考人 お答えをいたします。

 今般の台風十五号によりまして、千葉県を中心に全国で二万棟を上回る住家被害が発生をしていると承知をしております。

 被災した方々が一日も早くもとの生活を取り戻すためには、住宅等の迅速な再建や補修が不可欠である、まずこのように考えておりまして、このため、建設職人の確保につきましては、九月十三日付で国土交通省から建設業団体百十団体に対しまして、地方公共団体等と緊密な連携を図りながら応急対策に取り組んでいただくよう要請をいたしました。

 また、翌九月十四日には、国土交通大臣から千葉県内の被災地を視察していただきました。この際、関係する首長の皆さんから、ブルーシートのさらなる提供の要請ですとか、さらに、ブルーシートをかける職人の確保をお願いしたいという要望があったところでございます。このため、同日、建設業関係団体及び住宅関係団体へ、ブルーシート張り及び建物の補修工事への対応を依頼したところでございます。

 この結果といたしまして、全国建設業協会を始めといたします関係団体から、九月三十日時点でございますけれども、延べで二千名を超える建設職人を現地に派遣をしていただきまして、ブルーシート張り等を実施しております。

 さらに、委員御指摘の屋根の被害につきましては、九月十七日に瓦屋根と板金屋根のそれぞれの工事業団体に対しまして、県内での支援あるいは近隣のブロック単位での支援の体制整備について対応をお願いしたところでございます。

 現在、各団体におきましては、それぞれ実態把握を進めながら、可能な対応について検討をしていただいているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 建設業界など各種団体に働きかけをして、対応に当たっていただいているとのことですけれども、今回の災害に対しては、初動対応という面では遅かったと言わざるを得ないと思います。来年にもまた大きな台風が来る可能性は十分ありますので、来年に備えて、しっかりと検討していただきたいと思います。

 被災地の声を聞いて私が感じたのは、被災地で動ける方、頑張っている方が、同じ人ばかりが頑張り過ぎている、一人の負担が大きいと感じました。人手が足りていないので同じ人ばかりが支援物資を届けに走り、高齢者の安否確認に、時には屋根にも上る。頑張り過ぎて体調を崩された方、けがをされた方もいらっしゃいます。

 民泊を経営されている被災者からお聞きをしました。県外からボランティアに来てくれる人たちを無償で泊めたそうです。交通費を出して来てくれているボランティアの方々からお金は受け取れなかった、しかし、本音を言えば、電気、水道、ガス代がかかり、今回は、食料はありましたので、食事も提供して、実際に負担になってしまった、人手不足の中、ボランティアに来てもらえるのは大変ありがたいと思っているが、お金のことは言いづらいけれども、このボランティアの受入れの際の経費を補助してもらえると、もっと多くのボランティアの方に来てもらいやすい、とにかく人手が足りなかったと。これは、南房総市の白浜町の方からお聞きをしました。

 ボランティアの受入れに係るこれらの経費について、何か支援策はないのでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 災害ボランティア活動は被災者支援において重要な役割を担いますことから、内閣府として、ボランティア活動が円滑に行えるような環境整備がまずは重要であると考えております。

 今回の台風十五号の際にも、行政とNPOとボランティアが連携して被災者支援に取り組めるように、情報共有のための会議も開催したりして、円滑に活動が行われるようにという取組は行ってきたところでございます。

 厚生労働省とも連携しながら環境整備に努めているところでございますけれども、先生御指摘の、宿泊費等の行政の支援ということにつきましては、災害ボランティア活動は一人一人自己完結で被災地に入っていただくことというのが基本であるということから、国が財政支援するというのは、ちょっとなかなか難しいものと認識をしております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 私がお話をお聞きしたこの民泊経営者に対しては、国としての支援というのはなかなか難しいとのことでした。ですが、こういった方の声が、実際、現場の声であります。この方がボランティアの方の受入れを断ると、十数人かのボランティアの方々がその被災地に来れないという現状があるということも、国として認識していただきたいと思います。

 次に、罹災証明の簡素化等、被災者の負担軽減について伺います。

 被災者の声として、ひとり暮らしのお年寄りなど、自分で写真が撮れない、罹災証明の申請ができない方が多いとお聞きをしました。罹災証明の申請の手伝いだけでなく、ブルーシートがけも同様で、近所の動ける方が全てのサポートをしているとお聞きをしました。

 今後同様の災害が起きた際に、罹災証明の簡素化など、同じ人にばかり負担が行かないように、被災者に対して何か負担軽減策はないのでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 各種被災者支援策に活用される罹災証明書は、被災者が市町村に申請して交付されるものでございますけれども、罹災証明書の申請に当たって写真の添付を求めるということはございませんけれども、被災者が簡易な手法でございます自己判定方式というもので申請を希望する場合には、自己判定でございますので、写真を添付してくださいということでございます。

 高齢者の方が被害家屋の認定をしてもらいたいということで、ただ罹災証明を申請するだけであれば写真の添付などは必要ないということでございますが、そういった、自己判定方式でないにもかかわらず罹災証明書の申請に当たって写真の添付を求めるようなことがないように、改めて今後周知を図っていきたいと考えております。

 引き続き、被災された方々に必要以上の負担がかかることのないように努めてまいりたいと思います。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。

 今回の千葉での大規模停電、断水などの被害に対して、この教訓をぜひ生かしてほしいと思います。今後の被害を最小限に抑えるための取組について、大臣の決意とともに最後にお願いします。

武田国務大臣 我々は今日まで、毎年のように発生する数々の自然災害を経験してまいりました。それに伴い、多くの教訓も得てまいったわけでありまして、この十五号に対する対応も、今なお現場で多くの皆さん方が頑張っていただいておりますけれども、それを顧みたときに、やはり数々の改善点というものを見出すことができると思います。そこで得た教訓というものも加えて、今後とも防災、減災、そしてそれに資する国土強靱化政策を推進してまいりたい、このように思っております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 大臣から、改善点も、教訓を生かすという言葉もいただきました。今後ともよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

望月委員長 この際、令和元年八月から九月の前線に伴う大雨(台風第十号、第十三号及び第十五号の暴風雨を含む。)による災害の被害を踏まえた災害に強い国づくりの推進に関する件について決議をいたしたいと存じます。

 本件につきましては、各会派間において御協議願っておりましたが、協議が調い、案文がまとまりました。

 便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。

    令和元年八月から九月の前線に伴う大雨(台風第十号、第十三号及び第十五号の暴風雨を含む。)による災害の被害を踏まえた災害に強い国づくりの推進に関する件(案)

  令和元年台風第十五号は、千葉県をはじめとする関東地方を中心に長期間に及ぶ停電、それに起因する断水、通信障害など、当該地域の経済・市民生活に甚大な被害を及ぼした。また、令和元年八月の前線に伴う大雨では、佐賀県では工場から流出した油交じりの浸水が長く続くなど、大きな被害を及ぼした。これら災害による社会的・経済的被害に鑑み、今後の防災対策・強靱な国づくりをしていく必要がある。政府においては、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期するべきである。

 一 記録的な暴風は、倒木や鉄塔・電柱の倒壊などによる大規模かつ長期間にわたる停電及びそれに伴う断水なども引き起こしたが、同様の被害を起こさぬよう、相次ぐ台風被害に対処すべく、強靱な電力供給体制の整備に当たっては、電線の地中化なども含め、計画的に進めること。

 二 停電復旧の初動段階において東京電力による復旧見通しの情報発信の修正が大きく影響したことを踏まえ、停電等の電力障害が発生した場合に、電力の安定供給を担う電力会社が停電・復旧状況等の情報を適時適切に国民に情報提供するよう、政府は電力会社に対して適切な指導を迅速に行うこと。

 三 台風第十五号対応では、災害時の現場の司令塔的役割を担う県庁において、被害状況の把握や市町村との災害情報の共有などの調整機能が十分に果たされなかったとの指摘があること等を踏まえ、政府は、国や地方自治体の初動対応の検証を行い、災害時における国と都道府県・市町村との責務と役割を再認識し、相互の連携強化を図ること。

 四 台風第十五号では、暴風による住家の損壊被害が相次ぎ、一部損壊だけでも二万棟を超えており、その後の大雨による浸水被害も重なり、住家の損壊被害の深刻さが増していることを踏まえ、国は住家の被害認定調査を迅速に進めるため被災自治体への人的支援を行うとともに、被害認定調査の運用を弾力的に行うなど被災者の当面の住まいの確保と住宅再建に向けて万全の措置を講じること。

 五 農業用ハウスや畜舎の損壊、家畜・養殖魚の死亡等の被害が発生しているため、被災農林水産業者の経営安定、営農や事業活動の早期再開に向け、最大限の支援を講じること。

 六 大規模停電、道路の寸断や設備の損壊などの影響により、中小企業・小規模事業者は、生産・物流面で大きな打撃を受けているため、中小企業・小規模事業者の事業活動の早期の再開と、事業継続がなされるよう、資金に関する支援、相談体制の充実等、早期に最大限の支援を講じること。

 七 成田空港では、JR・私鉄・バスの運休により、一万人を超える利用者が足止めとなったことを踏まえ、海外からの玄関口である国際空港について、来年に控えるオリンピック・パラリンピックで観客の輸送について同じような事態が生じることのないよう、災害時における鉄道アクセス網等の強靱化を図ること。

 八 佐賀県では低平地など地勢の特殊性により広範囲にわたる浸水被害が発生したことを踏まえ、政府は、防災・避難体制の強化を含めた国土の強靱化を進めるとともに、中小企業・小規模事業者の事業継続の強化について必要な施策を講じること。

 九 県及び市町村が行う応急対策や災害復旧等に多額の経費を要するため、特別交付税の配分、災害復旧事業及び災害関連予算の確保に特段の配慮をすること。

  右決議する。

以上であります。

 お諮りいたします。

 ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

望月委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。

 この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武田防災担当大臣。

武田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を尊重し、引き続き政府が一丸となって、台風第十号、第十三号及び第十五号の暴風雨を含む令和元年八月から九月の前線に伴う大雨に対する必要な支援策を講じてまいります。

望月委員長 お諮りいたします。

 本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十七分散会


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