第4号 令和元年11月28日(木曜日)
令和元年十一月二十八日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長代理理事 原田 憲治君
理事 原田 義昭君 理事 藤丸 敏君
理事 堀井 学君 理事 三ッ林裕巳君
理事 岡島 一正君 理事 岡本 充功君
理事 濱村 進君
小里 泰弘君 大岡 敏孝君
金子 俊平君 金子 恭之君
神山 佐市君 黄川田仁志君
工藤 彰三君 小林 史明君
高村 正大君 坂本 哲志君
杉田 水脈君 田野瀬太道君
田畑 裕明君 高木 啓君
高橋ひなこ君 武井 俊輔君
谷 公一君 谷川 とむ君
中根 一幸君 根本 幸典君
鳩山 二郎君 百武 公親君
船橋 利実君 三谷 英弘君
宮路 拓馬君 務台 俊介君
池田 真紀君 小熊 慎司君
小宮山泰子君 高井 崇志君
高木錬太郎君 武内 則男君
松平 浩一君 緑川 貴士君
早稲田夕季君 江田 康幸君
桝屋 敬悟君 田村 貴昭君
高橋千鶴子君 森 夏枝君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 武田 良太君
内閣府副大臣 平 将明君
内閣府大臣政務官 今井絵理子君
経済産業大臣政務官 宮本 周司君
政府参考人
(内閣官房国土強靱化推進室審議官) 宮崎 祥一君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 青柳 一郎君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 太刀川浩一君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 大村 慎一君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 小宮大一郎君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 矢野 和彦君
政府参考人
(農林水産省大臣官房参事官) 上田 弘君
政府参考人
(農林水産省生産局農産部長) 平形 雄策君
政府参考人
(農林水産省農村振興局整備部長) 安部 伸治君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 渡邉 政嘉君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 徳永 幸久君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 五道 仁実君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 眞鍋 純君
政府参考人
(観光庁観光地域振興部長) 村田 茂樹君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 白石 隆夫君
政府参考人
(環境省環境再生・資源循環局長) 山本 昌宏君
衆議院調査局第三特別調査室長 武藤 裕良君
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委員の異動
十一月二十八日
辞任 補欠選任
金子 恭之君 武井 俊輔君
工藤 彰三君 務台 俊介君
中根 一幸君 田畑 裕明君
根本 幸典君 高橋ひなこ君
柿沢 未途君 松平 浩一君
緑川 貴士君 小熊 慎司君
田村 貴昭君 高橋千鶴子君
同日
辞任 補欠選任
田畑 裕明君 中根 一幸君
高橋ひなこ君 黄川田仁志君
武井 俊輔君 金子 恭之君
務台 俊介君 百武 公親君
小熊 慎司君 緑川 貴士君
松平 浩一君 柿沢 未途君
高橋千鶴子君 田村 貴昭君
同日
辞任 補欠選任
黄川田仁志君 三谷 英弘君
百武 公親君 工藤 彰三君
同日
辞任 補欠選任
三谷 英弘君 根本 幸典君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件(令和元年台風第十九号と十月二十五日からの低気圧による大雨による被害状況等)
令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件
派遣委員からの報告聴取
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○原田(憲)委員長代理 これより会議を開きます。
委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行います。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、去る二十五日、令和元年台風第十九号等による被害状況等調査のため、福島県及び宮城県に委員派遣を行いましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。三ッ林裕巳君。
○三ッ林委員 自由民主党の三ッ林裕巳です。
去る十一月二十五日、令和元年台風第十九号等による被害状況等調査のため、福島県及び宮城県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から御報告申し上げます。
派遣委員は、自由民主党・無所属の会の原田義昭君、藤丸敏君、堀井学君、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの岡島一正君、小宮山泰子君、高木錬太郎君、公明党の濱村進君、江田康幸君、日本共産党の田村貴昭君、日本維新の会の森夏枝君、そして私、三ッ林裕巳の十一名であります。
幅広い地域に甚大な被害をもたらした令和元年台風第十九号は、十月十二日に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸し、静岡県、新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲に記録的な大雨をもたらし、十二日から十三日にかけては、十三都県に大雨特別警報が発表される事態となりました。また、十月二十五日から二十六日にかけて、低気圧等の影響により関東地方から東北地方の太平洋側を中心に広い範囲で大雨となりました。
一連の災害により、死者九十八名、行方不明者三名などの人的被害や、多数の住家の全半壊及び床上、床下浸水等の被害が出ております。道路や電気、水道等のライフライン、農地や農林水産業の施設、収穫間近であった農作物等にも大きな被害が生じております。
ここに改めて、一連の災害によりとうとい生命を奪われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、調査の概要について御報告いたします。
初めに、福島県郡山中央工業団地の浸水現場を視察いたしました。郡山中央工業団地では、一・八メートル以上の浸水に見舞われ、二百五十一社の事業者中二百三十四社が被災しており、現在、報告が上がってきているだけでも、約三百八十三億円の被害が出たとのことであります。この地域の被害認定につきましては、浸水深ごとにエリア分けをして、一括して行っているとのことでありました。
次に、郡山市役所におきまして、品川市長より郡山市の被害状況等について説明を聴取するとともに、事業者の災害への自衛措置に係る支援措置、業種や業態に応じた災害対策基準の策定等について要望を受けた後、流入土砂対策への取組、平成二年の水害後に講じた防止策の有効性等について意見交換を行いました。
次いで、本宮市におきまして、災害廃棄物の仮置場になっている本宮運動公園を視察いたしました。同公園は、東日本大震災に係る仮設住宅を撤去した後に運動公園として整備してきたものでありますが、今般の災害に当たり、災害廃棄物の仮置場として利用されております。現在、推計で七千トンもの災害廃棄物が、分別されて積まれておりました。
次に、安達太良川の決壊現場を視察いたしました。今般の災害におきましては、多数の河川が氾濫、決壊しましたが、地元地方公共団体からの要請があった決壊箇所については、直轄権限代行により、国が復旧工事を進めており、安達太良川についても福島県知事の要請により国が応急復旧を行っております。安達太良川の決壊により左岸側の周囲は三メートルの浸水に見舞われ、また、右岸側は下流にある阿武隈川の越水により同程度の浸水に見舞われたとのことでありました。
次に、本宮市役所におきまして、高松市長より本宮市の被害状況等について説明を聴取するとともに、阿武隈川、安達太良川等の河川整備、改修の促進、防災・減災の充実強化等について要望を受けた後、効果的な避難勧告、指示の発表の仕方等について意見交換を行いました。
次いで、宮城県丸森町におきまして、まず、仮設住宅を建設しております宮城県立伊具高等学校のグラウンドを車窓から視察いたしました。仮設住宅は、六団地で合計二百八戸を建設するとのことであり、本年末には入居できるとのことでありました。
次に、浸水の激しかった五福谷川周辺を視察いたしました。丸森町では、県管理の三河川において十八カ所の決壊が発生するとともに、内水による氾濫も発生しております。視察した五福谷川周辺の住家は、大量の流木に襲われ、また、流入した大量の土砂により大きな被害を受けておりました。
次に、内川への排水機場周辺を視察いたしました。今般の台風による大雨は、長時間にわたり猛烈な雨が降り続いた結果、施設の雨水処理能力を超え、丸森町市街地の浸水につながり、排水施設自体も冠水してしまったとのことでありました。
次に、災害廃棄物の仮置場となっている丸森町町民グラウンドを丸森町役場から視察いたしました。丸森町全体では約一万九千トンの災害廃棄物が発生しており、ここには推定約九千八百トンが持ち込まれたとのことであります。このうち可燃のものについては、広域処理として横浜市に一日当たり二十トンの処理を引き受けてもらえるとのことでありました。
最後に、丸森町役場におきまして、保科町長より丸森町の被害状況等について説明を聴取するとともに、東日本大震災に対するものと同等の財政支援、復旧復興に要する人的支援等について要望を受けました。
以上が調査の概要でありますが、今般の台風等による被害はまことに甚大であり、早急な対応の実施が必要であると強く認識いたしました。当委員会としましても、気候変動による災害の激甚化への対応、想定外の降雨となることも踏まえた河川整備と再度災害を防ぐための復旧事業のあり方、避難に係る情報提供のあり方などの課題に対して積極的に取り組んでいく必要があると痛感した次第であります。
最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、御報告とさせていただきます。
○原田(憲)委員長代理 これにて派遣委員からの報告は終わりました。
この際、お諮りいたします。
派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田(憲)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔要望事項は本号末尾に掲載〕
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○原田(憲)委員長代理 引き続き、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君、内閣府政策統括官青柳一郎君、警察庁長官官房審議官太刀川浩一君、総務省自治行政局公務員部長大村慎一君、消防庁国民保護・防災部長小宮大一郎君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、農林水産省大臣官房参事官上田弘君、農林水産省生産局農産部長平形雄策君、農林水産省農村振興局整備部長安部伸治君、中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君、国土交通省大臣官房技術審議官徳永幸久君、国土交通省水管理・国土保全局長五道仁実君、国土交通省住宅局長眞鍋純君、観光庁観光地域振興部長村田茂樹君、環境省大臣官房審議官白石隆夫君及び環境省環境再生・資源循環局長山本昌宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田(憲)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○原田(憲)委員長代理 質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
○務台委員 自由民主党・無所属の会の務台俊介でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
台風十九号による甚大な被害が生じてから、あっという間に一カ月半が経過しました。私の地元も千曲川の堤防決壊により大きな被害が出ました。この間の災害対応に関し、農林水産委員会で農業被害回復について、環境委員会では災害ごみへの対応について質問をさせていただきました。今回はそれらを総括する観点で、災害対策特別委員会でも質問の機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
武田防災大臣には、千曲川の決壊があったまさにその当日に今井政務官と長野市の現場にお入りいただきました。大臣からは、お金のことは心配しないでしっかり対応してくれという力強いお言葉をいただきました。地元は、その対応のスピードに驚くとともに、政府の対応の真剣さに大きな評価を得たというふうに感謝申し上げます。
内閣府防災の審議官をトップに、政府職員が現地に常駐し、政府と自治体の間に立って潤滑油の役割も果たしていただきました。私も、地元に入った折に御同行いただいたこともあり、地元の懸念を伝えると的確に御対応いただいた、そのように受けとめております。
政府と与党の連携も今回機能したというふうに感じております。自民党本部には非常災害対策本部が設置され、週に二回のペースで国会議員の問題意識が共有され、政府の対応を促しました。地元の被災地から伺った話を一々担当部局を確かめ政府につなげなくても、党の場で発言することで、ワンストップの場で政府が対応する。そして、その政策の方向が政府から示され、党でそれが検証され、その繰り返しで双方の対応が全体の災害対策案として練り上げられていった感がございます。被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージの中身にも、党での提言、要望を十分に取り入れていただいたと考えております。
まず、被災現場に真っ先に入り、パッケージ取りまとめにおいて最前線の責任者として役割を果たされた武田防災大臣に、災害対応策取りまとめに当たっての政府・与党の連携についてどのようにお感じになられたか、お考えを伺いたいと思います。
○武田国務大臣 長野県、先生の地元でありますけれども、始めとする被災地の皆様方に、まずは心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
台風第十九号に対しての質問でありました。
政府としては、発災前から関係閣僚会議等を開催し必要な体制を確保するとともに、発災後は直ちに非常災害対策本部を設置し、政府一体となってスピード感を持って諸対策を進めてまいりました。私自身、被災九県を訪問し、長野県では務台議員とも一緒になって被災現場を回るなど、被害状況と現地の支援ニーズを直接把握するように努めてまいりました。
政府としては、十一月七日に、被災者生活支援チームのもとで、関係省庁が一体となって一連の災害による被災地の生活再建と生業の再建に向けた対策パッケージを取りまとめ、八日に一千三百十六億円の予備費の使用を閣議決定したところであります。
このプロセスにおきまして、与党を始め党派を超えた各党皆様からの多くの御要望をいただきました。加えて、同日に総理から、災害からの復旧復興と安全、安心の確保を含めた新たな経済対策の取りまとめに向けた指示が出されたところであります。
今後とも、顕在化する課題には各党の皆さんのさまざまな意見もお伺いしながら、一体となって、スピード感を持って、被災地の復旧復興に向けて万全の対応をとってまいりたいと存じます。
○務台委員 与党だけでなくて、党派を超えた声をしっかり聞いたということで、すばらしい対応をしていただいたことに感謝申し上げます。
防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策の延長が大きな政策課題に上がっています。これはこれで重要だと思いますが、今や三カ年の延長という議論は、ある意味で当然の議論としてしか響かないように感じます。少し前までの社会資本整備の中期計画が見直され、今は数字の入っていない定性的な社会資本整備重点計画となってきております。ひところの分野ごとの整備計画はインフラの種類ごとに数字が入っていた、そのように理解しております。
大災害の頻発という状況のもとで我が国の災害脆弱性が高まっている、こういう環境変化の中で、今日的な観点からこれを見直し、例えば水道や防災資機材も加えた新たな社会資本整備計画を検討すべきではないか、私はそのように考えております。
地元でも、いざというときに地元の建設業者が重要な役割を果たしてくれています。今回もそうでした。設備投資あるいは従業員確保は民間事業者の長期的な事業継続の見通しができることから始まるというふうに考えておりまして、そのためには、その大もとである政府の中長期計画が鍵となると考えております。
政府の立場からなかなか踏み込んだ発言は難しいと思いますが、防災の担当大臣としてどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
○武田国務大臣 貴重な御指摘をありがとうございます。
近年、気候変動の影響等によりまして、大規模な水災害や土砂災害が多発するなど災害が激甚化する中、国民の生命や財産を守る国土強靱化の取組を進めることは喫緊の課題であると痛感をいたしており、中長期的観点から、防災・減災、国土強靱化のためのインフラ整備を計画的に進める必要があるという御指摘についてはそのとおりであろうか、このように思っております。
このため、国土強靱化基本法に基づきまして国土強靱化基本計画を策定し、中長期的な観点で、施策分野ごとのハード、ソフトにわたる推進計画を明らかにした上で、各府省庁と連携して防災・減災対策を進めているところであります。
この基本計画のもと、昨年、事業費等を明示した防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を取りまとめ、集中的な取組を進めているところであり、まずはこれを着実に実行することこそが重要であると考えております。
今後とも、ことしの災害対応から得られた知見も生かしながら、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を確保した上で、オール・ジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として、災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいりたいと存じます。
○務台委員 まずは三カ年緊急対策を着実にという、ある意味で非常に慎重な御答弁であったと思いますが、できれば中長期の計画、これは財源を伴う議論で大変な議論だと思うんですが、そういう視点で政府全体の議論も盛り上げていただきたい、そのように考えております。
インフラの整備、強靱化と並行して、ソフトの災害対応能力の強化も重要でございます。
ことし頻発した風水害は、幾つかの点で我が国の災害対応能力の限界をかいま見せたと考えております。特に、この台風十九号では、一級河川の本川の破堤が各地で発生するなど、これまでの災害抑止の努力を上回るほどの激しい自然の脅威を受け、昨年の西日本水害以上の規模の被害が発生しました。これは、来るべき南海トラフ地震、あるいはさらなる大型化が見込まれる台風災害による広域災害対応の難しさを予想させます。このことは、我々により抜本的な備えをしなければならないことを示唆していると考えております。
私の知り合いの防災研究者から、ことしの風水害で顕在化した問題点として、少なくとも次の点が指摘できるという御示唆をいただいております。
一つは、台風十五号では対応組織の連携不足による状況把握の難しさがあった。二つ目には、台風十九号では災害が広域にわたって同時多発したことによる状況把握の難しさがあった。三つ目には、状況把握の困難さにより、的確な対応策の策定や必要となる資源の配分に支障が生じた。四つ目には、広域災害及び頻発する災害によって、各地、各分野で動員力、応援力に限界が生じた。五つ目には、一部破損被害に対する補助金支給決定に見られるように、公的依存の高まりがあった。六つ目には、レベル化した警報に対して避難という言葉がもたらす社会的混乱が生じた。七つ目には、災害が頻発し、災害対応の教訓が振り返られないまま同じような問題が繰り返した。これらの指摘がありました。
この指摘は、一々なるほどというふうに納得できるものでございますが、政府では、今回の災害対応の検証というものをしてみるつもりはないでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回の一連の災害において浮かび上がった課題については、官房副長官をトップとする令和元年台風十五号、第十九号を始めとした一連の災害に係る検証チームというものを設けまして、ここで徹底的に検証することとしております。
まず、台風十五号においては、このチームのもとに設置した実務者検討会において、防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、長期停電の原因と復旧プロセス、また、通信障害や、国、地方自治体の初動対応、災害対応になれていない自治体への支援等について検証を行うこととしております。
また、台風十九号においては、自宅で被害に遭われた高齢者の方、あるいは屋外、特に自動車での移動中に被災された方が多く、避難の実効性の確保やわかりやすい防災情報の提供等が課題となりました。今後、中央防災会議のもとに設置するワーキンググループにおいて検証することとしております。
加えて、台風十九号においては、河川の氾濫危険情報や氾濫発生情報の発信や伝達が十分でない、住民の避難行動にとって重要な情報の発信や伝達が課題となったことから、国土交通省におきまして、河川・気象情報の改善に関する検証チームを設置して検証がなされているところでございます。
スケジュールとして、これらの検証のうち、電力や通信、初動対応等を中心とした台風十五号の課題については、来年一月中旬ごろに中間取りまとめを行った上で、避難対策あるいは防災気象情報の課題等についての検討を加えまして、来年三月末を目途に最終取りまとめを行う予定でございます。
その結果を踏まえて、防災・減災対策を見直すなど必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○務台委員 ぜひ検証をしっかりやっていただきたいと思います。
避難所の滞在を最短にとどめる必要性があると思います。
仮設住宅をつくるのには時間がかかります。長野県では、仮設住宅をつくっているんですが、そのタイミングがややおくれたために、結果的に入居の希望者が少なくなって二次募集をする、こんなことがございます。スピードが大事だということが改めて感じられております。
みなし仮設の設定あるいはトレーラーハウスなどは事前に十分準備できるというふうに考えておりまして、平時からのストック、こういったことについて真剣に考えるべき時期ではないか、このことについての御見解を伺いたいと思います。
○今井大臣政務官 災害時において、全壊等により住まいを失った被災者の方々に対し、住まいを迅速に提供することは極めて重要なことと認識しております。
トレーラーハウスについても、平成三十年七月豪雨災害や北海道胆振東部地震、さらには、今般の台風第十九号では、茨城県において応急仮設住宅の一形態として供与を行ったものと承知しております。
トレーラーハウスの活用については、これらの活用実績を自治体に周知して理解の促進を図り、活用事例を積み上げていくことが必要だと思っております。その上で、民間備蓄を基本として、災害時の供給体制のようなものの構築が可能かどうかについては検討していくものと考えております。
なお、民間賃貸住宅については、平時から関係団体等との協定の締結等に努めておくことが重要だと考えております。
○務台委員 今回、特に農業については大変手厚い支援が行われたということで、感謝申し上げます。
その一方で、公的支援の行き過ぎが、場合によっては自助を妨げることにつながりかねない、そんな指摘もあります。
実は、農業被害について、長野市の果樹農家が、果樹共済の加入率が今回九%にすぎなかった、こんなことが明らかになっております。共済の加入者と非加入者で公的支援に変わりがないとなると誰も保険に入らなくなる、こんなことがあろうかと思います。こういった問題についての考え方も整理していく必要があると思います。
国や自治体の各種融資や補助事業の対象となるためには、農業共済あるいは収入保険に加入することを前提とする、いわゆるクロスコンプライアンスといった考え方があります。災害後の各種助成についても、この考え方が妥当するのではないか。非常に微妙な点もあると思いますが、今後大きな論点になろうかと思いますが、政府の考え方を伺いたいと思います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、自然災害が多発する中で、農業者の皆様には、災害にみずから備える観点から、収入保険や園芸施設共済等の農業保険に加入していただくことが重要と考えているところでございます。
これまでも、農業保険の加入を促進する観点から、特に園芸施設の設置に係る補助事業において園芸施設共済等への加入の要件化を進めてきたところでございます。
加えて、今般の台風十九号等の災害に対する支援策においては、果樹の大規模な改植を行う場合の早期成園化や代替農地での営農、次期作に向けた樹体洗浄や病害蔓延防止のための防除等に要する経費への支援、あるいは、保管した米が浸水被害を受けた農家の営農再開に向けた土づくりや種苗等資材の準備に要する経費への支援、あるいは、河川氾濫などにより浸水被害を受けた稲作農家の営農継続に係る土づくりや作業委託等に要する経費への支援について、新たに果樹共済や収入保険等の保険加入を要件としているところでございます。
今後とも、委員御指摘のように、自助努力を促す観点から、補助事業の内容も踏まえながら、農業保険と補助事業のクロスコンプライアンスを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○務台委員 今回の我が国の災害対応を見ていて、過去に比べて相当程度充実してきているということは感じますが、一方で、米国のFEMAという組織がありますが、これと比較して我が国の体制がどうなのかということを改めて考えてみる必要があるのではないかと思います。
FEMAを見ていて感じるのが、災害対応の標準化が徹底していることであるという指摘が行われております。私も以前のこの委員会で質問させていただきましたが、日本の場合、災害が多くの府省庁にかかわる事態であり、各府省庁にはそれぞれの権限があり、それらが連携して初めて有効な災害対応が可能となるという観点で、標準化を更に強力に進めるべきではないかということをかねてから問題視しております。
その場合の着眼点として、一つは各府省が連携した対応がとれる体制の構築、二つ目には情報処理の仕組みの構築、三つ目には標準的な業務手段の整備、必要となる資源の調達、配備方法、さらに、平時からの人材の育成のための標準化された研修、訓練、災害時の動員、適正配置の方法、こういった点について、政府の中で標準化をもとに本格的な検討を加える必要があるのではないか、そんな考えがありますが、政府における標準化の考え方の取組をお伺いしたいと思います。
○平副大臣 災害対応の標準化を進めることは重要であると考えております。
このため、内閣府においては、平成二十六年の災害対策標準化検討会議報告書も踏まえまして、災害対応の標準化へ向けて取組を行ってきたところでございます。
具体的には、例えば体制の仕組みなどでは、大規模地震・津波災害応急対策対処方針の策定等により、大規模災害発生時の応急対応における関係機関の行動内容等の明示をしました。
また、災害現場における関係機関の情報認識の統一を図るため、各機関が有する災害情報の収集を地図化をいたしまして、ISUT、インフォメーションサポートチームを現地派遣をさせていただいているところでございます。また、このISUTが活用しているSIP4Dという仕組みも、今後更に自治体と連携をして活用できるようにしてまいりたいと思っております。
また、地方公共団体の業務継続計画の作成や受援体制の構築を推進するための手引も作成を行ったところです。
人材育成に関しましては、政府図上訓練や防災スペシャリストの養成研修等を通じて、関係機関のスキル向上に努めています。
他方、今回の台風十五号、十九号の際に、地方公共団体のふなれなところなど課題も見られましたので、これらの地方公共団体の災害対応の標準化が重要と考えており、今後の対応をしっかりしてまいりたいと考えております。
○務台委員 災害の対応のプロの人たちの標準化は相当進んでおります。一方で、一般の、背広の職員あるいは自主防災組織の人たち、こういう人たちの訓練というのがなかなか体系立って行われていない、そんなうらみがあります。米国では、そういう方々の教育訓練の場がしっかり整備されております。私もアメリカに行って見てきたことがありますが、ぜひ、そういうことも含めて、標準化の議論、教育訓練の充実、これを図っていただきたいと思います。
実は、自民党の行革本部では、大規模化する災害に対応できる防災体制のあり方についても議論していこうということで、標準化の議論も含めて今後議論していく、そんなスタンスでおりますので、政府の側との調整も図らせていただきたい、こんなことを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
本日は、ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、江田康幸君。
○江田(康)委員 おはようございます。公明党の江田康幸でございます。
まず冒頭、台風十五号、十九号など一連の豪雨災害でお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
本日は、台風十九号で甚大な被害を受けた福島、宮城両県の委員会視察を踏まえまして、私の方からは質問をさせていただきたいと思います。
まず、大臣にお聞きをさせていただきます。
今般の台風十五号、十九号による一連の災害では、各地で甚大な被害が発生したわけであります。政府においては、この復旧復興のために予備費の使用を決定し、更に補正予算を編成する方針と伺っております。
今回視察しました宮城県丸森町では、台風十九号による公共土木施設や農林施設を始め、農作物被害、住宅被害、商工業等の被害はまさに甚大で、被害総額は四百三億円以上に上っており、今後もふえ続けるということでございます。
激甚災害指定や、また災害救助法の適用はありますが、国の財政支援の対象とならない経費が膨大に上るわけでありまして、この一般財源所要額は二十七億七千四百万に上ると言われております。標準財政規模が丸森町は約五十一億円ということでございますので、体力をはるかに上回っているということであります。
このままでは復旧復興が不可能であるということと、財政破綻も懸念されるということから、東日本大震災のときのように、一〇〇%の交付税措置が図られる制度や、また関連産業に対する一括交付金制度、さらには、熊本地震のときも創設させていただきましたが、取崩し型の復興基金の創設など、特別の措置を強く要望されました。
このことに対して、武田防災大臣のお考えをお聞かせいただきたい。被災地には心配をかけない、また、地方負担の最小化に総力を挙げると明言をしていただきたいと思います。
○武田国務大臣 我々も丸森町を視察に行きまして、さまざまな意見を賜ってまいりました。
やはり、我々が復旧復興に対して常に考えていかなくてはならないのは、各自治体が財政問題に臆することなく、心配することなく、全力を挙げて復旧活動に臨める体制をバックアップする、このことではないかと思いまして、十月十八日に十九号による災害を特定非常災害に、そして二十九日は激甚災害に指定することをまずは閣議決定をいたしました。
また、被災地の生活再建と生業の再建に向けた対策パッケージを取りまとめ、八日には一千三百十六億円の予備費の使用を閣議決定いたしました。
この中で、例えばグループ補助金につきましては、宮城、福島の事業者に対しまして、一定要件のもと、五億円までの定額補助を行い、また、農業支援につきましても、一日も早い営農再開のための総合的な対策を講じるなど、できることは全て行うとの方針のもと、被災地への支援策を講じてまいりました。
加えまして、当該パッケージにかかわる地方負担についても、総務省において適切に地方財政措置が講じられるものと承知をいたしております。
さらに、現在、総理の方から、災害からの復旧復興と安全、安心の確保を第一の柱とする新たな経済対策の取りまとめに向けた指示が出され、早急に取りまとめるべく作業を行っているところであります。
今後とも、顕在化する課題にはスピード感を持って万全の対応をとっていく、補正予算により切れ目なく財政措置等を講じることで、被災自治体と一体となって被災地の復興復旧に全力を尽くしてまいりたいと思います。
○江田(康)委員 ありがとうございます。
被災自治体が安心して復旧復興に集中して取り組めるように、特別な財政措置の実現をよろしくお願いを申し上げます。
次に、住宅の被害認定について、また、その支援についてお伺いをさせていただきます。
今般の台風十五号による被害を踏まえまして、住宅被害に対する支援としては、災害救助法による応急修理の対象が一部損壊で損害割合が一〇%以上二〇%未満の場合にまで拡充されました。このことは画期的なことであり、大変高く評価をしております。半壊に至らなくても修理しなければ住めなくなった場合を支援の対象に位置づけたわけでありますけれども、被災者生活再建支援法による支援金の給付など各種の被災者支援を受けるためには、市町村が発行する罹災証明書が必要で、罹災証明書に記載される被害の程度の認定が極めて重要な意味を持ってまいります。
住宅の被害認定基準につきましては、地震、水害など災害の種類ごとに運用指針が定められておりまして、水害による一次調査では、浸水による被害認定基準により、例えば床上一メーター以上一・八メーター未満での浸水は大規模半壊とされておりますけれども、浸水が床上一メーターに達しなくても、壁が傷んでしまって住めない、半壊以上、大規模半壊と判断すべき場合もあると考えられるわけであります。
このように、第一次調査での被害認定基準による判定結果に不服がある場合は第二次調査や再調査を積極的に依頼することができるということを周知していく必要があるわけでございますけれども、このことについて政府の見解をお聞きいたします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
被害認定調査の結果は、その後の被災者支援の内容に大きな影響を与えるものであり、被災者の生活再建において極めて重要であると認識しております。
御指摘の、被災者が第二次調査等を依頼することが可能であるということについては、被災自治体を対象に開催した説明会あるいは累次にわたる通知によって周知を図ってきたところでありますけれども、直近では十一月の二十一日、先週にも、具体的な広報の方法も含めまして改めて通知をして、周知徹底を図ったところでございます。
被災自治体の方ではこれらを踏まえまして、罹災証明書を交付する際に第二次調査等を依頼することが可能であることを伝えるといった取組を行っていると聞いております。
今後も引き続き周知に努めて、災害対応に努めてまいりたいと考えております。
○江田(康)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、中小・小規模事業者に対する支援について経産省にお聞きをいたします。
今般の台風十五号、十九号による一連の災害を踏まえて、政府は、被災者の生活と生業の再建に向けた政策支援パッケージを取りまとめたわけであります。このパッケージには、中小・小規模事業者の支援として、東日本大震災、また平成二十八年の熊本地震、三十年の西日本豪雨で実施されましたグループ補助金、また、昨年の北海道胆振東部地震などでも実施されました小規模持続化補助金が盛り込まれたわけであります。そして、これらに加えて、今回新たに自治体連携型補助金による支援を行うことが盛り込まれました。このことは大変高く評価できるわけでありまして、グループ補助金とそしてまた小規模持続化補助金の間を埋める、さらには、広く適用されるという意味において大変重要だと思っております。
自治体連携型補助金につきましては、予算規模が五十二・九億円、補助率は四分の三等々ということでございますけれども、制度設計など、まだ詳細は決まっていないと伺っております。グループ補助金や小規模持続化補助金と比較してどのようなメリットがあるのか、使い道があるのか。また、実際に補助を実施するかどうかや、補助率の上限の具体的な制度設計は各都道府県の判断に委ねられているということでありますが、被災された事業者が使いやすいものとなるように、この補助金の使途なども含めて制度の設計を早期に決定して周知していく必要があると考えます。
これに対して、政府の考えをお聞きしたい。
○宮本大臣政務官 江田委員にお答えをいたします。
今ほど御指摘ございました、まずグループ補助金に関しましては、これは特に、激甚災害、本激の指定を受けた、被害の大きかった栃木県、長野県、宮城県、福島県、これが対象となっております。被災事業者がグループを組んで申請をいたしまして、工場、店舗などの復旧を行う際に、原則としてその費用の四分の三を補助するという内容になっております。
また、持続化補助金に関しましては、これは被災をした小規模事業者が対象となりますが、例えば機械設備や、また業務用の車両の新規購入、店舗の改装、また事業再開時の広告宣伝費など、そういったさまざまな費用について、さきに述べました四県に関しましては上限を二百万円、それ以外で災害救助法の適用地域がある十都県に関しましては補助上限を百万までといたしまして、こちらは原則としてその費用の三分の二を補助する内容になっております。
こうした支援措置に加えまして、今回、御指摘いただきました、被災した自治体が地域のニーズに応じてきめ細やかな支援を実施できるように自治体連携型補助金というものを措置をさせていただきました。こちらの補助金では、被害の状況に応じて柔軟に制度設計をすることが可能でありまして、例えば、中小企業に対する補助率を最大四分の三、これを超えない範囲で自由に設定することができますので、自治体の独自性がここで反映をされてまいります。既に一つ、神奈川県横浜市が台風十五号対策で実施をしておりますが、その内容に関しましては、上限三千万円、補助率が合計で四分の三という内容で実施をしております。
さらに、こうした支援措置を被災事業者の皆様方に早期にしっかりとお届けし、お使いいただくことが何といっても重要でございますので、引き続き、自治体と連携をいたしまして、制度設計をまず迅速に進めるとともに、制度創設後は説明会の実施等により制度の周知を進めていって、早期に現地、現場に届くように努めていく所存でございます。
○江田(康)委員 ありがとうございました。
熊本地震のときも、グループ補助金を創設したことで約五千社の中小企業が復旧を完成しているところでございます。急速に復旧復興が進んだ、これは大変大きなことでございました。それを更に幅広く広げていくということで、今回のような、また今後の災害にも大変重要な自治体連携型補助金であろうかと思っております。しっかり自治体と連携して、制度設計を迅速に組み立てて周知していただきますようによろしくお願いを申し上げます。
さらには、続けますが、避難に関する情報提供について内閣府防災にお聞きをいたします。
昨年の西日本豪雨では、自治体からの避難勧告、また避難指示が発令されていたにもかかわらず、逃げおくれて多くの方が亡くなられたわけでありますが、今般の台風十九号でも、避難のタイミングを逃して亡くなった方がたくさんいらっしゃいます。
西日本豪雨の教訓を踏まえて、ことし三月に、避難勧告等に関するガイドラインが改定されました。梅雨期からは五段階の警戒レベルによる情報提供も始まりましたけれども、避難勧告及び避難指示がともに警戒レベル四であり、警戒レベル四で全員避難ということが十分に理解し、また周知されていないように思うわけであります。
避難所に収容可能人数を大幅に超える住民が殺到したというような場合もあり、ほかの避難所に行ってもらったという自治体もございました。そういう混乱も見られましたけれども、この全員避難ということの意味が正確に理解されて効果的な避難につながるというふうにしなければなりません。
そこで、全員避難とはどのようなことを意味するのか、改めて伺います。
その上で、警戒レベル四が発令されたら確実に避難してもらうためには、住民に危機意識を持ってもらうことが必要ではないでしょうか。先日の委員会派遣で視察させていただいた福島県の本宮市では、避難指示については、高松市長がみずから防災行政無線で避難を呼びかけ続けたということをおっしゃっておられました。住民に危機意識を持ってもらうためにはこのような工夫も一つ必要ではないかと考えますが、今回の災害の教訓を踏まえて、住民への情報伝達のあり方についても改善していく必要があると私は思いますが、いかがでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
全員避難、これは災害リスクのある住民への避難を呼びかけているものでございますけれども、公的な避難所への避難のみを求めているものではなくて、親戚や知人宅等への避難や屋内での垂直避難といった安全確保も求めるものでございます。
既に周囲で洪水等、土砂災害が発生している、屋外への立ち退き避難がかえって命に危険を及ぼしかねない場合には、近隣の安全な場所への避難、少しでも命が助かる可能性の高い避難行動として屋内安全確保を行う必要はあるわけでございます。
しかしながら、全員避難という呼びかけの趣旨がまだ十分に住民に理解されていない、あるいは危機意識が十分に伝わっていないという指摘があることは承知をいたしております。
また、委員御指摘のとおり、市町村長みずから防災行政無線で避難を呼びかけるということは、住民等に危機意識を持ってもらうための一つの有効な手法であると考えられるところでございます。
今後、中央防災会議のもとに設置するワーキンググループにおいて、災害リスクととるべき行動、また行政による避難の呼びかけに関する住民の理解の実態、こういったものを把握、検証した上で、住民への情報伝達の改善について検討してまいりたいと考えております。
○江田(康)委員 よろしくお願いいたします。
時間がなくなっておりますけれども、続けて質問させていただきますが、改良復旧事業、創造的復興と熊本では言っておりますけれども、それについてお伺いをさせていただきます。
先日の郡山市の工業団地の視察では、阿武隈川の決壊と支流の決壊で甚大な浸水被害が出ました。この決壊部分の原状復旧は完了しておりましたけれども、郡山市の品川市長より、再度災害防止のためには早期の改良復旧が強く要望されたところでございます。
災害復旧事業におきましては原形復旧が原則とされておりますけれども、被災前の状態に戻すだけでは、今後同じ規模の災害に見舞われた場合に同じ被害が発生するおそれがあるわけでありまして、さらには、今、気候変動、地球温暖化による災害の激甚化が常態化し、予測されているところでもありますから、改良復旧による、再度災害を防ぎ、あわせて地域の創造的復興を図ることが重要であると思うわけでございます。
改良復旧を行うかどうかについては、被災自治体の要望を踏まえて政府が判断しているということでありますけれども、被災自治体が復旧復興計画を取りまとめる際の助けとなるように、改良復旧の具体的な採択事例などの情報提供を充実させて、その採択基準をわかりやすくする必要があると考えますが、政府の考えをお聞きいたします。
○五道政府参考人 お答え申し上げます。
被災地をより災害に強く、安心できる地域にしていくためには、再度災害防止の観点から、原形復旧のみならず、機能を強化する改良復旧を行うことは極めて重要であるというふうに考えております。
国土交通省においては、自治体に対して、平時より、改良復旧事業を含む災害復旧事業について、出前講座や研修会等を開催しております。
また、発災後の十月十八日に、改良復旧事業の活用について文書により通知をするとともに、派遣したリエゾンを通じ、被災自治体に周知の徹底を図ったところでございます。
現在、被災自治体において復旧に向けた計画を立案中であり、国土交通省といたしましては、被災自治体の要望を踏まえ、改良復旧に関する周知も含め、災害査定官がさまざまな助言を行うなど、改良復旧事業が適切かつ積極的に活用されるよう、引き続き全力で支援してまいります。
○江田(康)委員 ほかの質問も更に用意しておりましたけれども、時間が参りましたので、できなくなりました。申しわけございません。
政府におかれましては、災害復旧に、また復興に全力で取り組んでいただくことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、高木錬太郎君。
○高木(錬)委員 会派立国社に所属しております立憲民主党の高木錬太郎です。よろしくお願いします。
まずは、私からも、この場をおかりいたしまして、この間の台風、大雨でお亡くなりになられた皆様、御遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げますとともに、今なお全国の被災地で御苦労されている皆様にお見舞い申し上げたいと思います。
また、被災地に派遣されている関係の省庁の職員の皆さんや各自治体の職員の皆さん、あるいは、ボランティアで、何とか被災地のためにということで現地に行かれている皆様には、頭が下がる思いでおります。
さて、私も、先日、十一月二十五日の現地調査、派遣委員の一人として参加させていただきまして、各首長さんから当委員会として御要望を承り、また、私個人としましても大変重く受けとめたところであります。
そういった被災地の皆さん、あるいは首長の皆さんの思いもこの質問に乗せながら、少しでも後押しできるように、そんな質問をしていきたいと思っております。
まず最初に、先ほども触れられておりましたが、住民への災害情報伝達手段についてお伺いいたします。
先ほどもありましたけれども、三月にガイドラインが変わりまして、災害情報、NHKを含む報道機関の表現も大分変わりました。しかし、結局のところ、肝心かなめの住民の皆さんのところに届かなければ意味がない。きちんと届いているかどうか。
さまざま、各自治体の皆さんが御努力なさっていると思います。その中で、今回も、残念ながら一部の地域では、屋外スピーカーがやはり雨音で聞こえない、聞こえづらかったという声が上がっていまして、これまでの台風や大雨で何度となく指摘されていた課題だと思うんですけれども。
そこで、私は、一つの手段として、戸別受信機の無償貸与、各戸に無償貸与するという手段は大変有効ではないかというふうに思っておるところでありますが、政府におかれましては、各自治体への財政支援なども含めていかがお考えでしょうか。現状、どうなっているでしょうか。
○小宮政府参考人 防災行政無線の戸別受信機は、大雨や台風など、屋外スピーカーからの音声が十分に聞こえにくい状況において有効な情報伝達手段であると考えております。
消防庁におきましては、これまでも、各種の会議の場での周知などにより戸別受信機の積極的な配備を自治体に要請するとともに、戸別受信機の配備に対しまして特別交付税措置を講じております。
引き続き、戸別受信機の配備が進むよう積極的に取り組んでまいりますが、委員から、無償貸与といったような御指摘がございました。戸別受信機は有効な情報伝達手段でございますので、引き続き、戸別受信機の配備に向けて積極的に努力して検討してまいりたいと思います。
○高木(錬)委員 ぜひ積極的にお願いします。
私が住んでいます埼玉県の中で、今回も危機一髪だった自治体なんですが、加須市においては、全四万七千世帯に無償で貸し出しています。今回の委員派遣で行きました、たしか丸森だったかと思いますが、首長さんから無償貸与の話が出ました。非常に有効かと思いますので、ぜひ積極的に引き続きお願いいたします。
次に、今回の台風十九号に関して、一つの特徴的なものが中小河川の決壊でありました。国と都道府県管理の河川堤防で七十一河川百四十カ所で決壊をしたというふうに認識しています。そして、そのうち国管理は七河川十二カ所にすぎない。ほとんどが中小河川であったというところが一つの特徴的な姿だと思っているんですが、その中でも、バックウオーター現象ですね。
これは、昨年の七月豪雨のときにも岡山県倉敷市真備で浸水の原因となった、あの高梁川に小田川が、支流が合流するときにもあらわれた現象でありますが、その小田川の件は、国も危険性を十分認識しており、七月の豪雨だったんですが、秋からたしか着工に入るというところのタイミングだったと私は記憶しています。私も昨年、倉敷市真備には二回入りまして、現地も見させていただきました。
今回派遣で行きましたところでも同じようにバックウオーター現象が起こっており、中小河川の整備は、一定の基準に基づいて、どこからやっていくというのは決まっていくものだとは思うんですけれども、とりわけ、危険性が認識されている、このバックウオーター現象が起こるであろう中小河川については緊急性は非常に高い、またいつ大雨が発生するかわからないわけでありますから、緊急性が非常に高いと思っておるんですが、そこら辺につきまして、いかがでしょうか。
○五道政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、今回の台風第十九号では、国管理、県管理合わせて百四十カ所の堤防が決壊するなど、広範囲に浸水被害が発生したところでございます。このうち、バックウオーター現象が発生するおそれのある合流点付近での決壊というものが全体の約三割というふうになってございます。
バックウオーター対策につきましては、これまでも、緊急三カ年対策等により、合流部付近の水位を下げるために、本川の河道掘削を行うことであるとか、支川の堤防の拡幅などの対策を実施してきておるところでございまして、今後も、その着実な推進を図ってまいりたいというふうに思っております。
さらに、今回の台風第十九号による被災箇所については、現在、国土技術政策総合研究所等の専門家と連携しながら、決壊の原因について調査分析を進めているところでございます。その結果も踏まえまして、バックウオーター対策としてさらなる堤防の強化について立案し、早急に整備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○高木(錬)委員 ぜひ早急に進めていただきたいと思います。
我が国の河川約三万五千のうち、約六割の二万一千は都道府県管理の中小河川であるということを鑑みましても、中小河川、国の方でさまざまな支援をして、特に自治体管理の中小河川というのは川幅も狭いし、リスクは大変大きいのは皆さんよく御承知のとおりでありますし、また一方、自治体は、現在、財政力が非常に厳しい、なかなか余裕がないという中でありますので、先ほどの御答弁でありましたけれども、河道の整備、掘削、樹木伐採等々、国の方も、ぜひとも積極的にというところを思います。
そこで、いま一度伺いたいのが、自治体管理の中小河川の堤防の強化について御説明いただけますでしょうか。
○五道政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどお話しさせていただいたとおり、県管理百二十八カ所で堤防決壊するということで、堤防強化の必要性、重要性はますます高まっているところでございます。
このため、県管理河川の堤防強化対策といたしましては、かさ上げや拡幅、また侵食を防ぐための護岸の設置、また、越水しても決壊までの時間を少しでも引き延ばすための補強等につきまして、三カ年緊急対策も活用しまして実施しているところでございまして、引き続き、自治体の支援をしっかりしてまいりたいというふうに考えてございます。
さらに、先ほどお話をさせていただいたとおり、国の専門家等により、決壊の原因については調査検討を行っているところでございますので、そのようなところでの堤防強化策、さらなる堤防強化策についてもしっかり支援をしてまいりたいと考えてございます。
○高木(錬)委員 今御答弁でもありましたが、住民の皆さん、私も含めてなんですが、堤防というものの認識と申しますか、若干発想の転換をしなきゃいけないのかなという気もしています。必ずしも守ってくれるものではなくて、時間を稼ぐもの、稼いでくれるものというふうに認識して、早急な避難をしなきゃいけないなと。関係省庁におかれましては、そういう住民の発想の転換を、さまざまな周知啓発を通じて行っていっていただければと思うところでもあります。
今回の被災地の調査で、丸森町の五福谷川の現況を見てきました。手元に朝日新聞の発災直後の写真があるんですが、そのころに比べたら、大分、流木も土砂も撤去されているんですが、今は、ネットで五年前の状況もストリートビューで見られるわけで、その変化に愕然とすると申しますか、非常にすさまじい変化と申しますか、五福谷川が、全く川がなくなってしまうぐらいに土砂や流木で埋まってしまっていて、先ほども報告の中でありましたが、家屋に流木がどんどんたまっていっている状況がまだ改善されていなかったんですね、見に行きましたら。余りにも気の毒で、もう一刻も早く土砂と流木は撤去してさしあげるべきだというふうに感じました。
なかなか自治体では難しいところでもあろうかと思います。国の方も、国交省さんが現地に職員を派遣されて、今申し上げたとおり、この一カ月ちょっとで大分改善されてきたんだとは思うんですが、更にちょっと努力していただきたいと強く私はあの現場を見て思ったところなんですが、国交省さん、いかがですか。
○徳永政府参考人 お答えします。
丸森町におきましては、台風十九号により宅地内に多くの流木、土砂が堆積したところでございます。被災者の早期の生活再建にはその撤去が重要でございます。
市町村が災害により宅地に堆積した流木、土砂の撤去を行う場合、堆積土砂排除事業の活用が可能でございます。丸森町においても、本事業を活用した撤去を行うこととされております。
国土交通省といたしましては、被災直後から本省職員の派遣などにより、本事業の制度を説明するほか、継続的に状況把握や技術的な助言を行っております。また、流木、土砂排除に精通した神戸市や広島市から、町への応援職員について調整を行い、派遣いたしております。
既に町中では、自治体やボランティアの協力も得て、宅地内からの土砂撤去や道路脇に出された土砂等の仮置場への運搬が行われたところでございます。それ以外の流木や土砂などが堆積している地域につきましても、町が直接、宅地内からの撤去を行うということとされておりまして、流木については撤去、運搬が進められているところ、土砂につきましては新たな仮置場の設置や撤去、運搬を行う事業者の確保などを行っているところでございます。
今後とも、宮城県や丸森町とも連絡をとりながら、廃棄物の撤去を所管する環境省とも連携いたしまして、流木、土砂等の速やかな撤去に向け、しっかりと支援してまいりたいと思います。
○高木(錬)委員 速やかにぜひ支援してあげてください。もう本当にすさまじい光景でした。ぜひお願いいたします。
私、埼玉県さいたま市に住んでいるんですが、私の住まいの近くに流れる川も水位が上がってきまして、十月十二日から翌日にかけて、大変緊張しました。そのときに、やはり情報収集はネットでやっていたわけなんですね。既に前回の当委員会での質疑でもありましたが、サイトにアクセスが集中してつながりにくかったと。まさに私、それを経験したわけです。大変緊張感が高まっていたときに、全く動かなくなっちゃった。つながらなくなっちゃった。
なので、国交省さんの中で検証チームが立ち上がったと聞いておりますが、現在、どのような進捗で、今後、その検証結果はどのタイミングで発表される予定ですか。
○五道政府参考人 お答えを申し上げます。
御指摘のとおり、台風第十九号が接近中の十月十二日昼十二時ごろから十三日午前一時ごろまで、国土交通省の川の防災情報のホームページがつながりにくい状況となりました。地域の皆様には、河川等の防災情報の確認に当たり、御不便と御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。
当日の対応としては、必要最小限の情報のみを掲載した簡易版のサイトを開設するとともに、国土交通省が水位等のデータを提供しているNHK及びヤフーのサイトに誘導するなどの対応を行い、できる限り必要な情報をお伝えできるように努めたところでございます。
今回の事象は、首都圏を含む広範囲に強い雨が降り、これまでの最大アクセス数の一・六倍を超えるアクセスにより通信回線の容量を超えたことが主な原因であり、短期的な対応としては、現在、通信回線の増強を行っているところでございます。さらに、省内に設置した河川・気象情報の改善に関する検証チームにおきまして、専門家の方々からの御助言もいただきながら、情報システムの抜本的な強化について検討を進めているところでございます。
災害対応は毎回の振り返りが大切であり、今回の課題を次の災害対応に生かすため、ワーキンググループでの検討を重ね、今年度末までに改善策を取りまとめてまいりたいと考えております。
○高木(錬)委員 抜本的強化をお願いします。通信回線の増強もお願いします。ですが、また大雨はいつ来るかわからないわけで、早急にぜひお願いしたいと思います。
重々承知だと思うんですが、ただでさえ不安になっている方々が、情報を得ようとして、いろいろな情報が流れてきます、さまざまなツールで。ただ、国が管理しているウエブサイトだったら間違いないだろうと思ってアクセスするわけですよね。そのときに動いていないということはやはりあってはいかぬわけで、早急に対応していただきたいという意味で、一つ、ぜひ御検討いただければと思うのが、予算も大してかからず、早期にできる話として、CDN、コンテンツ・デリバリー・ネットワークというシステムがあります。
さまざま、検証チームでは論点があって、検証していくんだと思うんですが、とりわけアクセス集中によるつながりにくいという状況は、今私が申し上げた手段も含めて、早期に改善していただきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
次に、これは本宮市長さんからいただいた御要望でもあるんですが、自主防災組織がしっかり組織されて、日ごろから訓練を重ねていたり、そういうところは、自主防災組織は非常に有効であったという話がありまして、法的にも義務づけすべきではないかという御要望を承りました。災害対策基本法の中に位置づけられている自主防災組織について、消防庁に伺います。
○小宮政府参考人 自主防災組織は、災害対策基本法第二条の二第二号におきまして、「住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織」と定義づけられておりまして、自分たちの地域は自分たちで守ろうという連帯感に基づいて結成する組織でございますので、こうした組織の性格に照らせば、設立の義務化につきましては、そもそもなじまないものではないかと考えております。
一方で、近年、自主防災組織の役割はますます増大していると認識しておりますので、消防庁といたしましては、自主防災組織の活動の活性化を図るため、自主防災組織の設立や自主防災組織が地域の組織と連携する取組に対しまして財政的な支援を行っております。また、自主防災組織のリーダーの育成に資する教材の作成を行っております。
今後とも、自主防災組織に対する支援を進め、地域全体の防災力のさらなる充実強化を図ってまいります。
○高木(錬)委員 この自主防災組織は、この十年間で、数も大変右肩上がり、ふえていまして、国内の全世帯に対して自主防災組織がカバーする世帯数は八割強だというふうに、消防庁さんの御努力も含めて、ふえてきているものだと認識はしていますし、また、昨年視察に行きました総社市のある地域では、やはり日ごろから訓練をしていて、そこは夜間訓練もしていて、そのときには、大変な浸水がありましたが、一人も犠牲者を出すことなくという例もあります。
大変重要なことだと思いますし、日ごろから顔を合わせてみんなで訓練するということは非常に重要なことだと思いますので、ぜひ、引き続き消防庁さんとしても促すように、ぜひ一〇〇パーになるように進めていってもらいたいなと思うところであります。
次に、四月の当委員会で私、質問させていただきまして、ほかの委員からもありましたが、災害関連死についてです。
四月三日に定義化されまして、そのときの大臣の答弁では、災害関連死の事例を収集、分析することまで考えるに至っておりませんという答弁でありました。
四月に定義化されて半年がたちまして、今後、この災害関連死について、先週も我が会派の森山議員から、情報を収集してデータを分析する、今後に生かすべきではないかという言及もありましたが、今後につきましてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。御答弁をお願いします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害関連死の事例収集についてでございますけれども、これは、東日本大震災あるいは熊本地震といった、収集対象とする災害を特定させていただいた上で、市町村から災害関連死に該当する事例を抽出して当該事案の死因と災害との関連を確認するために必要な情報を整理、収集する必要があると考えております。
このために、五月それから七月には、内閣府から都道府県等に対しまして、今後、災害関連死の事例収集を行うことを説明して協力を求めたところでございます。また、関係自治体から事例収集あるいは事例集の作成についての意見を聞くために、九月には熊本地震の関係自治体と打合せを行うということで、事例収集の実施に向けた検討を進めているところでございます。
その後、ちょっと災害で中断しておったところでございますけれども、引き続き、東日本大震災等の関係自治体からも意見を聴取いたしまして、よく実施方法を検討して、今後、災害関連死の事例収集を行ってまいりたいと考えております。
○高木(錬)委員 ぜひ研究してください。思いは同じだと思いますが、災害関連死をもう二度と起こさない、とうとい命、落とさなくてもいい命だったのではないか。同じ思いだと思いますので、ぜひ取り組んでいただければと思います。
次に行きます。
郡山市長さんのお話で、私も日ごろから考えていることと合致するところがあったんですが、今回被災されて、水害という言葉で調べたら四十六本の法律があった、豪雨という単語では十本、洪水という言葉では十八本、計七十六本の法律を、当然重なっているものもあるという話ですが、それを照らし合わせながら、どういう対応が自治体としてできるのかということを、被災直後、必死になって勉強したらしいんですね。
私も党の方の災害対策局で、岡島局長のもと、この約二年間さまざま研究してきて、一つの資料にまとめたところなんですが、これの入り口のところでも、災害関連の法律はあまたある、これを全て、その時々の災害に合わせて特別措置法をつくってきたり、もとをただせば災害対策基本法があり、災害救助法があり、古くなっているというところの指摘もある。
こういったあまたある法律をあるべき体系に整理する、集約したり改廃したりということもそろそろやるべきではなかろうかと。例えば、災害が我が国と同じように多発するイタリアなんかはそういう試みを実際にしているわけですね。
そういうことにつきまして、各種災害関連法制度について、防災担当大臣の御所見を伺いたいと思います。
○武田国務大臣 私も総理に同行しまして郡山市に視察に行きまして、さまざまな話を賜りました。
恐らく、郡山市長さん、法律に水害が出てくるというのは、これは名称に出てくるのは一本であって、条文に出てくるやつに関しては四十八本ということなんでしょうけれども。
災害対策基本法によれば、災害というものに関しては、豪雨や豪雪、地震、津波、噴火などの自然現象等により生ずる被害とされておりまして、非常に幅広いものとなっております。また、災害対策につきましても、予防から応急対策、復旧復興までさまざまなフェーズが対象となるとともに、対応に当たる関係省庁も多岐にわたっているのが現状であります。
このため、災害法制につきましては、これまでに発生した各種の災害等も踏まえ各種の法令が制定されてきた面もあり、災害法制が多岐にわたることは否めないものの、おのおのの法令によりきめ細やかな対応を定めることは必要と我々も認識をいたしております。
災害法制全体の見直し、そして整理は一朝一夕に行えるものではございませんが、国民や地方公共団体等にとってわかりやすいものであることは重要であることから、委員御指摘の点も踏まえて、災害法制が広く理解されるように勉強してまいりたいと思います。
○高木(錬)委員 被災地にとってわかりやすい法制度、しかし、一朝一夕にはできないんだと思います。
であるので、一つ問題提起なのが、中央防災会議の役割です。もう少し稼働していいんじゃないかなと思います。中長期で、今も大臣がおっしゃられた、一朝一夕にはできないからこそ、こういった中央防災組織の中のワーキンググループ等々で中長期の課題について研究していくというのは日ごろから重要じゃないか。何か災害が発生した、ワーキンググループをつくった、対策を打った、発表して、以上、終了ということの繰り返しではどうなのかな、これだけ災害が起こっている中で。
また、これからも、異常気象と言われていますが、今は異常と思われているものが当たり前の時代になるかもしれない。に備えて、今から中長期のスパンでさまざま研究していくべきではないか、それが中央防災会議の中にあるべきではないかということを私は思います。
先ほど申しました法律の集約や、今の中央防災会議の役割等々、内閣府防災担当、中央防災会議の事務局を担っているのは防災担当ですね。その組織強化、先週も森山議員から言及がありましたが、やはり人員が少ない、しかも出向組だと。これからさまざま、中長期でいろいろなものを研究して備えていかなければならないときに、内閣府防災が、これでは余りにも脆弱であろうという問題意識を持っていますが、そこで、平副大臣にお伺いします。
平副大臣は、長い政治経験の中で、行政改革、行政組織について非常に研究を長く続けられてきて、知見があろうかと思います。ぜひこの点につきましてお考えをお聞かせください。
○平副大臣 行革担当の副大臣としてというお尋ねでありますが、防災担当としては、まさに、地球温暖化などもありまして、今後、内閣府防災担当の体制の充実強化は重要である、人的、組織的な強化にしっかり取り組みたいと思っております。
行革担当で申し上げますと、行革は、行政需要とかが多様化で肥大化をする傾向にありますので、どうやって効率的な組織運営をするかということであります。
現在、百三十一名の体制で行っておりますが、いざ発災をしたときは防災予備役などを活用して運用しているところでありまして、平常時はコンパクト、発災時はそのようなさまざまな制度を使って拡大した組織で対応しているということでございますので、現時点では、行革の方向性とは合致をしていると考えております。
○高木(錬)委員 最後です。補正予算をもっと早くやりましょう。年明けじゃ遅いです。自治体が気の毒です。年が越せません。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、小宮山泰子さん。
○小宮山委員 立国社の小宮山泰子でございます。
まずもって、令和元年の台風十五号、十九号、またその後に続きます低気圧におきまして、多くの、全国的に大きな被害がもたらされました。被害に遭われた皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。本日の質疑を通じ、多くの方々が早く生活の再建や、また地域の復旧につながることを心から願って、質問をさせていただきたいと思います。
さて、台風が接近したさなか、私の地元川越でも、避難所が多く開設をされました。その様子を見に、私自身も行ってまいりました。近くの、徒歩で行けるところに、避難所、小学校でしたけれども、行ってまいりました。
私の見た避難所は、市内ということもあり、面積の関係が、敷地の関係があり、避難所となる体育館が三階にある小学校でもあります。そのため、浸水被害の予想された地域から子供を連れた、多くの親子連れがマイカーによって小学校に避難をしてきて、駐車場はかなりいっぱいの状態であり、これは市内あちらこちらで見られた様子でもありました。
しかし、気になったのは、高齢の女性の方が廊下でぽつっと座っていらっしゃる姿です。高齢者の方にとっては、階段を上がる、そして、トイレは避難所となる体育館の別の階しかない、そういった意味で、なかなか避難所というものにこういった高齢者の方とかは適さないような状況というのが今日本にはあるんだというのを痛感をいたしました。
また、用意していた毛布が、被害が拡大していく、また雨量が増すごとに避難者もふえてまいりますので、足りなくなっておりましたので、これは市役所の方から後から追加などしましたが、それでも足りなくなるというのが現状でもございました。
また、災害の真っ最中というのは、災害のさなかにいる方たちというのは、実は、何が全体として起こっているのか、情報が得づらい。その一方で、もちろん、市役所、対策本部は、全市の様子をとり、そしてそれに一つ一つ対応しているということで、大変難しい状況、そしてそれを更に地域ごとにおろすということまではできないんだというのも、受付などを担当していた職員の方と話しながら、意見交換もさせていただきました。
さて、本日お配りさせていただいております資料の方をごらんください。毛布一枚で板の間にいるというのは本当に厳しい状況だなとは思うんですが、日本の避難所というのは、最近よく言われますけれども、一番の写真にあるように、昭和五年の地震のときの避難所も、やはり体育館に毛布なりで座り込むという状態、そして熊本地震の避難所でも同じようになっております。七十年たっても、そういう意味ではほとんど変わらないというのが日本の避難所の姿でもあります。
二〇一六年の熊本地震では、地震後に体調を崩し死亡に至った災害関連死のうち、四五%に当たる九十五人が、避難所生活や車中泊を経験をしたとNHKの調べでは出ております。劣悪な避難所生活が避難者の健康状態を害する要因になっているとも言えます。
避難所にどのような機能、設備、サービスなどを設けていくかについては、近年引き合いに出されることもふえてきたのがスフィア基準であります。スフィア基準は、もともと、赤十字やNGO団体が中心となって、難民キャンプなども想定して議論され、積み上げられた基準でありまして、最新版は二〇一八年版。先ごろようやく日本語訳が示されておりますが、一つ前のスフィア基準二〇一一年度版からどのように変わったかといえば、方向性などを大きく改めたというよりか、より細かい記述や、一部には具体的数値の入った項目の充実が図られたところであります。
そこで、まず、スフィア基準で示されている方向性、基準の類いと、国内で設置、運営されている避難所の実情との比較の上、どのように捉えていくのか、また、日本の国内で災害避難所の運営に対してスフィア基準から参考にしていくなど、対応の有無並びに今後どのようにしていくのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○武田国務大臣 御指摘のスフィア基準に関しましては、さきの参議院の予算委員会でも同様の御指摘を賜りました。
避難所におけます生活環境の改善というのは、これは重要でありまして、その快適性、そしてまた安全性というのを常に追い求めていかなくてはならないと思うんです。
スフィア基準というのをちょっと勉強させていただきましたけれども、この写真にあるように、非常にあか抜けているというか、先進的な感じがいたしておるんですけれども。
先生も御承知と思いますけれども、今日、多くの災害に見舞われて、その対応に我が国は追われてまいりました。その都度、避難所の環境に対する教訓というものも積み重ねてまいりまして、今般、十九号の際、各所、避難所も私、訪れさせていただきましたけれども、今はなかなか、災害キットと申しますか、さまざまなメニューも豊富になりまして、寒さ対策には電気カーペットや電気毛布も入りました。寝室には段ボールベッドそしてマット、そして、今まで指摘され続けてまいりましたプライベートの保持に関しましてはパーティション、そして女性が気軽に衣服を着がえられるスペース、そればかりでなくて、ペットと同居できる避難所施設、そしてお年寄りにはマッサージというような、非常に被災者に寄り添ったさまざまなメニューをプッシュ型支援で行ってきたということは、これはかなり、被災者の皆様方から一定の評価をいただいているんだと思っております。
今日までの教訓を更に生かしながら、次なる災害に備えていきたい、このように思っています。
○小宮山委員 ありがとうございます。
イタリアでの被災時の事例、これが実は配付した資料の方につけさせていただいた写真でもあります。これは、イタリア中部地震、マグニチュード六・二の、アマトリーチェなどで甚大な被害、死者二百八十人ほどを出した被害の避難所でございます。このときには、家族ごとにテントで避難、簡易ベッドの設置、食事の重要性を考慮した温かい食事の提供が行われました。
イタリアでは、さまざまな業種から災害ボランティアの事前訓練と登録が行われ、最大七日間の給与と交通費、保険が整えられていて、被災地へ派遣されることとなっております。災害ボランティア登録者を被災地に派遣させることを雇用主に義務づけも行われているそうです。
日本でしばしば参照されるこのイタリアの避難所の開設のあり方など、ぜひ日本でも参考にするということは重要かと思います。
また、ここには載っておりませんけれども、ユニバーサルデザインの移動式のトイレもよく使われますし、また、これがあると、障害者の方々が災害時に、まだ残念ながら日本は、バリアフリー法改正のときに学校のバリアフリーの義務化ができなかったこともありますが、そういったときにも対応ができる移動式のもの。また、温かい食べ物。今も私の地元では重度障害者たちが体育館で避難をしておりますが、お弁当で冷たいものを食べざるを得ない状況が続いております。こういったときには、キッチンカー、これは資料の方にもつけさせていただいておりますが、こういったことも必要かと思います。
この点に関しまして、日本の避難所での内容、今少し触れていただきましたが、更にお願いいたします。
○武田国務大臣 イタリアにおける避難所について、先生御指摘の、迅速な仮設トイレや簡易ベッド、そして移動式トイレ、温かい食料の提供等、こうした御指摘をいただきましたが、そうしたさまざまな調査結果を踏まえて、今後の対策に参考にしてまいりたいと思います。
我が国も、自衛隊の入浴システムというのか、そういう支援、そうしたものも最近は非常に求められておりますし、我が国ならではの、我が国の国民に合ったさまざまな対応というものも今後視野に入れて協議をしていきたい、このように考えております。
○小宮山委員 ありがとうございます。
女性の着がえ等にも、パーティションなど気を使っていらっしゃるということで、ありがたいとは思うんですが、以前、災害対策特別委員会において、約二年前ですけれども、当時の松本大臣との間で、避難所での性被害についての質問もさせていただきました。このときには、性被害、実際にはあっても、調査に関しては、アジア諸国も含めて諸外国では災害発生後早期に避難所での聞き取り調査などを実施をしておりますが、残念ながら、日本ではそこに至っておりません。
質疑以降、実態調査を行ったのか、せめて被害届や被害相談、警察、避難所、自治体、関係団体での対応について政府は把握をしているのか、また、防災計画、災害時緊急避難計画に性被害防止について掲載されるようになったのか、この点についてお聞かせください。
○武田国務大臣 本日は防災担当大臣として出席させていただいていますので、その上でお答えをさせていただきたいと思います。
警察においては、これまでの被災地の犯罪発生状況等を踏まえて、災害が発生した場合には、避難所における性犯罪の被害を含め、被災地における各種犯罪の発生状況の把握に努めるとともに、厳正に取締りを行うよう指導しているものと承知をいたしております。
また、災害発生時には、女性警察官を含む応援部隊を被災県に派遣し、被災地におけるパトロール活動の強化や避難所等における相談対応や防犯指導等の取組を実施しておりまして、各種犯罪の抑止や被災者の不安感の除去等にも努めてきたものと承知をしております。
引き続き、被災地における性犯罪等も含めた各犯罪の抑止に全力を挙げていかなくてはならないと思っておりまして、具体的な実態について、ここ最近で見ると、例えば平成三十年七月豪雨、平成三十年北海道胆振東部地震、本年十月に発生した台風十九号などで避難所がどれも開設をされておりますけれども、避難所での性犯罪の被害があったとの報告は、ここ最近では受けていないものと承知をいたしております。
○小宮山委員 国は、二〇一三年に災害対策基本法を改正した際、避難所の生活環境整備を自治体に求めております。さらには、内閣府も、一六年の四月に、避難所運営ガイドラインで、性犯罪防止策の検討が必要と盛り込んでおります。そういう意味においては、災害担当大臣だからこそ、この問題を取り扱っていただきたい。
というのは、熊本地震のときにも、支援団体が相談先などを載せたポスターを県内に、七百カ所の避難所に提示したり、県警が巡回を強化したりしておりました。本日の大臣の答弁は、実は二年前とほぼ同じ内容です。大体、女性警官が、男性警官も含めて全体の割合を含めると、少ないわけですから、全部の避難所を女性警官が回れるわけもないし、女性警官だけがやるべきものでもありません。これは二年前も同じことを指摘させていただきました。
残念ながら、七百カ所も配付をしたもの、資料の方、ございますけれども、こちら、二年前も同じものを配付させていただきました。多くの反響があり、これは、北海道やさまざまなところの避難所、被災が起こると今も活用されているようでありますが、結局は、これが配られても、熊本地震のときには、県警が把握した避難所や周辺でのわいせつ事案は、強制的性交や盗撮など、約十件ございました。
当然、泣き寝入りのこともあれば、避難所においての指摘というのは、ぜひ私の議事録、二年前、二十九年の六月九日ですけれども、やったものを改めて読んでいただければと思いますが、ここでも、しあわせなみだの代表が言っているとおり、不特定多数が避難所に集まるなど、災害時は性暴力被害のリスクが高まる、これは今も変わりないはずです。
しっかりと、この点に関しましては、まだまだ災害の基本にも入れていただきたいと思いますし、配慮が大変にたくさん必要であります。性暴力に遭っても、すぐ警察に行かなければなりませんし、また、警察には、レイプキットという加害者を特定するための証拠を収集するためのキットの用意もあるそうです。犯罪被害者基本法によって、緊急避妊、人工中絶、初診料、診断書料や性感染症等の検査費用も公費負担される、こういったことがあるんだということ、被害者がきちんと自分の意思を伝えられること、そして、二次被害は、それはつらいからやめてくれと申し出ることができる、その点も含めて、ぜひ、告知、徹底もしていただきたいと思います。被害者を出さない、そのためのことをしていただければと思います。
たくさん質問を準備してきたのですが、時間となってまいりました。最後に、仮設住宅のペット、愛玩動物との居住について。最後の問題であります。
大臣触れていただきました丸森町の視察のときに、今後は、仮設住宅に入居のときに、ペットの避難などもあって、それをどうするのかも課題であるということを町長が小さな声ですがおっしゃっていましたので、この点について大臣に御答弁をいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○武田国務大臣 環境省におきましては、自治体の対応の参考としまして、人とペットとの災害対策ガイドラインを策定しております。飼い主がペットと同行することを前提とし、避難所のみならず応急仮設住宅での適切な飼養管理ができるよう、避難の受入れ対策に関して定めているものであります。また、ガイドラインには、応急仮設住宅でのペットの同居に関する取決め検討やペットの飼養ルールに関する検討などについて記載されております。
このガイドラインの記載を受けて、具体的には、ボランティアに要請した、一時預かり依頼を行った事例、また、応急仮設住宅の近隣にペット専用飼育施設を設けた事例や、ケージなどの貸出し支援の事例など、さまざまな方法により災害時のペット受入れ対策を図っていると承知しております。
さらに、今般の台風第十九号災害では、長野県長野市の建設型応急住宅におきまして、ペット同行の専用棟三戸を設置するなど、新たな受入れ対策も行われているところであります。
引き続き、環境省と連携いたしまして、ペットとの同行避難について飼い主の皆様に周知しつつ、自治体に対しては受入れ体制の整備を要請することで、人と動物の共生する社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○小宮山委員 環境省はガイドラインもつくっております。ぜひ、地方自治体に対しての情報また支援をよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 立国社の小熊慎司です。
災害に遭われた全ての皆様方にお見舞いを申し上げつつ、質問に入ります。
前回の台風、私は福島県でありますけれども、それはいろいろな被害の程度がありましたが、全県的に被害に見舞われました。深刻な被害もあったわけでありますけれども、とりわけ稲わらの処理についてお伺いいたします。
国も、農水省、環境省、協力して、この稲わらの処理のスキームをつくっていただきました。ちょうど稲刈りが終わるか終わらないかという時期だったので、田んぼには稲わらがあって、これが、水が出て一定程度流れてしまったり、田んぼに、一つのエリアにたまってしまう、これを処理しなければならないという問題がありました。
この処理のスキームをつくっていただいたことは大変よかったとは思いますが、この経緯と経過についてまずお聞きいたします。
○平形政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、稲わらの撤去については、大変大きな災害があるというふうに伺っておりまして、我々も、現地視察等行っている中で、現状を把握しながら、環境省さんと連携をいたしまして、圃場から廃棄物の処理まで切れ目のない支援スキームを構築しなければいけないということで、今回初めてそういったスキームを考えたところでございます。
農林水産省といたしましては、農業者等が行う稲わらの撤去、運搬、特に集積所までに対しての一立方メートル当たり五千円の定額を支援することとしております。
ただ、撤去された稲わらにつきましては、集積所までの運搬のほかに、使えるものは堆肥化したいですとか、あるいはすき込みに使いたいというお話もございまして、堆肥センターですとか他の圃場への運搬についても支援の対象というふうにしているところでございます。
一方、稲わらが土砂と同化して重くなったという話もかなり伺っております。そのような場合、人力では動かせないので重機が必要となってきたりいたしますので、そういった非常に被害の大きい圃場の場合には、災害復旧事業での対応ということも可能としているところでございます。
今日も各地で説明会を実施しておりますが、更に現場の御理解が進むように、関係する市町村、JA、農業者の方々への周知に努めたいというふうに考えております。
○小熊委員 今JAの話も出ましたけれども、JAの皆さんにも御協力いただいてこれをやっているわけですが、今言ったすき込みという話であると、田んぼの中でも偏っちゃっているので、やはり、逆に、分散させた上ですき込まないと田んぼにはよくない。
御承知のとおり、すき込むのが遅くなって、春先はできないわけです。やるとガスが出ちゃうので稲によくないという状況があるので、すき込むなら今のうちにやらなければならないけれども、分散しないと、そのところだけに偏ってしまって、うまく発酵していかない。発酵促進剤みたいなのがあるらしいんですが、これは、使うとなったら、多分、一つの容器で二、三千円するというけれども、一反当たり一万円ぐらいの分量を使わなきゃいけない。
だから、最初、私、一立方当たり五千円の補助というのはいいなと思ったけれども、私も現場を回ったときに、いや、そんなのじゃだめだよと怒られました。それは、やはり稲わらを一立方集めるのにどうやって集めるのかというのが一番課題になっていて、もちろん国も、また地元自治体も、農協さんも努力はしていますが、やっちゃいけないんですけれども、逆に燃やしちゃっている事例も結構散見をされています。
何でそれだけお金が出ているのに燃やした方がいいのかといえば、手間の問題なんですね。稲わらを処理しなきゃいけないときに、その運搬費用を補助したのはいいんですが、実は、一番焦点を当てなきゃいけなかったのは、どうやってそれを集めるか、一番最初の作業のところなんです。これが大変なんですよ。大規模農家だったら、いろいろな重機を持っているからできます。私の地元でも、自治体が補助をして集めるということ、集積所に持っていくのじゃなくて、まず田んぼの中で集めて運搬するということに補助を出している自治体もあります。出していない自治体もあります。ここでちょっと差が出ちゃっています、自治体によって。
この部分に焦点は当たらなかったですかね、この今回のスキームをつくるときに。
○平形政府参考人 委員御指摘のように、今回の台風第十九号等による稲わらの流出被害につきましては、大変、東北それから関東中心に被害が生じているところでございまして、今回の稲わらの処理につきましては、委員おっしゃるとおり、場所が偏っていたり、圃場以外のところにも流出してしまったりというような現状も伺っているところでございます。
国といたしましても、各市町村がどういうふうに今取り組んでいるかということを伺いながら、それに対して支援ができるようにというふうに考えておりまして、例えば、農家が集積可能なものは農水省の稲わらの一立方当たり五千円の活用ということをしながら、例えば、業者に処分する稲わらにつきましては、環境省さんの事業がございまして、そちらを使って収集、運搬して、焼却所だとかセメント工場みたいなものに入れているような自治体、あるいは、当省の一立方当たり五千円というものを活用して、地域の稲わらをJAが、特に福島県さんの場合はJAがかなり主体的になって今集めていただいているところなんですが、広域に収集して市の処理センターに持っていく。そういった事例等を伺っておりまして、それぞれの実態に応じた取組を進めることとしております。
委員おっしゃっている中の五千円の単価なんでございますけれども、例えば、軽トラックに積むと大体三立方メートルぐらい積めるかと思いますけれども、一回で大体一万五千円ぐらいになっております。農家の方がみずから行う場合ですとか、JA等がまとめて行う場合にはある程度十分な水準にはなっていると思います。
ただ、それ以外にも、土づくり等について、委員おっしゃったように、焼却した後のものですとか、あるいは稲以外も大豆みたいなものも細断して土づくりをしたいというような話もございまして、これに関しましては別の対策で、大規模な浸水被害を受けた地域についての稲わら等のすき込みについても、土づくりに関する支援として別途のまた支援策を用意しているところでございます。
○小熊委員 そうですね、福島県はJAさんが一生懸命頑張っているんですけれども。
今、軽トラック、三立方と言ったけれども、三立方積むためには、平ボディーですから、囲ってやらなきゃいけなくて、さらっと載せたら一立方積むか積まないかですし、今土地改良も進んでいて一つの田んぼも大きいので、軽トラックはそんな田んぼの真ん中までとか行けないところもあるわけですよ。
想像してみると、手作業であれば軽トラックに一立方積むだけだって大変なことだというのは想像できますよね。ここが一番、実はそこに焦点を当てなきゃいけなかった部分だというふうに思います。
今言ったとおり、そこからどうするかというのは支援してもらっていますけれども、まずその軽トラックなりに積むというところが皆さん大変だといって、実はこの仕組みを使っていない農家さんも多くいるし、そのままになっちゃっていたり、それこそ、やっちゃいけないけれども燃やすということになっているので。
これからもまだ情報収集すると言っていますけれども、今言ったように、すき込むとなれば春先ではだめなので、今のうちにやらなきゃいけませんから、現場の農家、小規模な農家も含め、重機を持っていない農家も含め、積み込むという手間が一番大変ですから、ここが一番の問題で、解決されていません。だから、市町村によっては、そこに、軽トラックに載せるまでの補助を出しているところもあります、結局は人手を頼んで。人手がなければできません、まして高齢化もしているので。三立方積めば一万五千円といっても、それよりも手間がかかる方が嫌だとなっているんです。
だから、そこをちょっと、積み込むまでの、どう運搬するかは、それはもうできているのはわかります、そこがやはり一番の問題点なので、これはしっかり現場の声を踏まえて、さらなる支援、また、やっている町村とやっていない町村がありますから、そこをぜひ、どう支援していくのかというのを今後検討していただきたいというふうに思います。
次に、これはもちろん、我々人間というのは共感力というのがありますから、被災地に寄り添う、被災者に寄り添う、自粛というものがこれまでのいろいろな災害でもありました。
もちろん東日本大震災のときもありましたし、熊本の地震や、また北海道での地震、これまでの台風災害でもありましたし、そのこと自体は否定されるべきものではありませんが、逆に、これを横並びさせようとする、同化させようという圧力も、SNSや、またマスコミ等、また我々自身もそういったことにしてしまう部分にも遭遇しますが、震災のとき、今回の台風被害も、私の選挙区は災害はそんなに多くなかったんですが、自粛ムードで観光客のキャンセルが相次ぎました。
東日本大震災という未曽有の大災害のときでさえ、それは二、三週間はガソリンもないということで大変だったんですけれども、一カ月も過ぎると、逆に経済が回らないということがありました。
これは、自粛する人も個々人の判断ですし、通常の生活をして逆に経済を回していくということも個々人の判断で、多様性が認められなければいけないというふうに思います。
その上では、情報発信をしっかりしていかなければならないし、自粛する人への非難もあってはならないし、逆に、被災地の周辺の観光地に行くということも非難されてはならないというふうに思います。
この自粛ムードというものに対して政府はどのように見解をお持ちか、お伺いしたい。
○平副大臣 議員御指摘のとおり、過度な自粛ムードは払拭すべきものと考えます。経済に対してもマイナスの影響があると思っております。
特に、政府の対策といたしましては、観光の面におきまして、被災地では交通網の被害も相まって観光需要の落ち込みが見られますので、一連の災害による被災地の生活再建と生業の再建に向けた対策パッケージをまとめたところでございます。
被災地域における一泊以上の旅行・宿泊商品を対象に、旅行・宿泊料金一泊当たり最大五千円の支援を行うとしています。予算規模二十九億円ありますので、数十万人規模でそういう観光客の方には被災地に行っていただくということが応援できるのではないかと思っております。
いずれにしても、過度な自粛を行うことなく、多くの方々に観光で被災地に訪れるなどしていただきたいと思っております。
○小熊委員 この際に必要なのは、やはり情報がしっかり伝わっていくことだというふうに思います。一カ所がだめでも、その県全体がだめだなと思ってしまうのが、それは世間的なあり方であるというのは副大臣も御承知だと思いますので。
補助制度もありながら、いや、本当の被災地に行って復旧を邪魔することがあってはならないんですけれども、でも、エリア全体で見ると、やはりお金が回っていかないと経済が死んでしまいますので、ぜひ、情報発信という面においても、きちっとした情報発信をしながら、これはマスコミ等の協力も必要だと思いますけれども、そういう意味では復旧リテラシーというか復興リテラシーみたいなものにしっかりと焦点を当てていただいて、支援制度だけではなくて、まさに情報の発信の仕方をいろいろな形で取り組んでいただきたいですし、熊本地震の影響も、熊本の人に聞くと、まだあると言うんですよね。だから、直近のことだけではなくて、やはりこれは長い目で見る必要もあると思います。
その辺、もう一度答弁をお願いします。
○平副大臣 特に、自粛ムードは、先ほど委員御指摘のとおり、SNSなどでの同調圧力みたいなものがあるんだと思います。
一方で、今、広報の方は、例えば、そういう被災地への観光の支援のパッケージをまとめましたので、しっかり情報発信していきたいと思います。具体的には、観光庁や日本政府観光局のホームページやSNSを活用したり、若しくは旅行社と、若しくは自治体と、このパッケージを活用したPRなどをしていただきたいと思っております。
なお、観光庁のSNSとホームページをこの委員会前に確認しましたけれども、見にくいというか、なかなか情報にたどり着けないこともありますので、この政策が本格化したときには、ちゃんとタイムラインの見やすいところに来るように指導をしたいと思っております。
○小熊委員 副大臣は、党におられるときは、さまざまな、プロパガンダと言っちゃいけないけれども、いろいろやっていて、ITも活用していたとおりなので、役所がやることはかたいので、ぜひその今までの経験、知見を生かして、インフルエンサーなどを使う方が多分今の時代、いいということで、ぜひそういったものを含めて対応していただきたいというふうにお願いを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、高橋千鶴子さん。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
本日は、本委員会で質問の機会をいただき、ありがとうございます。
このたびの一連の台風、豪雨災害で犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
今月七日、被災者の生活と生業の再建に向けた政策パッケージが発表されました。その名のとおり、被災者と被災自治体を応援する各分野、総合的な対策となっており、私たちが求めてきた内容も一定反映されていることは歓迎をしております。
先週、大臣のところに党議員団として要請に伺った際、大臣は、中小企業、農業のところを更に強めたいとおっしゃっておられました。
ちょうどその日に、長野市では、千曲川の堤防が決壊し大きな被害が出た穂保地区やその周辺の地域で、約八百の企業に対して、市の職員が個別訪問、聞き取りを開始をしました。大事な活動だと思うし、また、その際に、かつては中小企業支援というと融資しかなかった、そのメニューが今やグループ補助金など使えるものができた、御報告できるものがふえたということは大変よかったかなと思っております。
また、宮城県の大崎市や丸森町などで聞いた農家の声。収穫後、倉庫に保管していた米が浸水により被害を受けた農家に対し、共済の対象とならないところから、知恵を出して、営農再開に向けた土壌診断や土づくりなどの取組に対する経費、そういう名目で補助金を出せるようにしてくれたことなど、従来より踏み込んだ対策がとられたと思っております。
そこで、二十五日の災害対策特別委員会の視察の際は、私は参加しておりませんけれども、丸森町の保科町長から要望書を受けたと承知をしています。その第一が、東日本大震災と同等の財政支援を求めるというものです。財政基盤が極めて脆弱な同町にとって、激甚指定や災害救助法の適用があったとしても、国の支援の対象とならない経費が二十七億七千四百万円に上ると。震災復興特別交付税のような一〇〇%の交付税措置を強く要望しておられます。
私が町を訪問したのは今月の一日でしたけれども、その時点で、公共土木や農業被害、合わせると百七十億円ぐらいになると。町予算の倍近い規模になるわけですね。しかも、東日本大震災のときは三十五億にとどまっていたわけです。それと比べても途方もない額であるということで、本当に、震災並みの支援をお願いするのはもっともなことではないかと思うわけであります。
そこで、大臣に伺いますが、東日本大震災並みの財政支援について、大臣のリーダーシップを果たしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○武田国務大臣 まずは、復旧復興に対して、被災自治体が財政問題というものを心配することなくその対策に取り組むことができる環境をバックアップするのが我々の主たる目的でありました。
まず我々は何をしなければならないかといえば、激甚災害指定、そしてまた特定非常災害に指定する、こうしたスキームをつくり上げることの重要性というものを過去から学んでおりますので、早速手をつけました。
また、先ほど御指摘がありました、十一月七日、生活と生業の再建に向けた対策パッケージを取りまとめて、早速、翌八日、一千三百十六億円の予備費を閣議決定をいたしました。
この中で、例えばグループ補助金、先生も先ほどお話ありましたが、宮城、福島の事業者に対して、一定要件のもと、五億円までの定額補助金を行い、また、農業支援についても、一日も早い営農再開のための総合的な対策を講じるなど、我々としては、できることは全てこの段階で行ってまいったわけであります。
そして、加えて、当該パッケージに係る地方負担分につきましても、総務省におきまして適切に地方財政措置が講じられるものと承知しております。
また、総理から、災害からの復旧復興と安全、安心の確保を第一の柱とする新たな経済対策の取りまとめに向けた指示が出され、早急に取りまとめるべく作業を行っているところであります。
今後とも、顕在化する課題にはスピード感を持って万全の対策をとっていく、補正予算により切れ目なく財政措置等を講じることで、被災自治体と一体となって被災地の復旧復興に全力を尽くしてまいります。
○高橋(千)委員 今紹介いただいた、例えば宮城や福島のグループ補助金の負担分を一定上乗せをしているんだよとか、そういうところはパッケージの中に書き込まれておりますので十分承知をしておりますし、できることは全てとおっしゃっている。だからこそ、やはり、まず、象徴的なメニューに対しては、国がどんどん、これは必要なことだねと、そして上乗せしていくよというのは大事なことだと思うんです。
でも、やはり東日本大震災並みと言っているのは、復興交付税の問題で、一定の裁量も持たせながらやっていかなければならない。いろいろな、地域によって特徴がございますので、そこで全てが網羅できるかどうかというのはよく見ていかなければならないということだと思いますので、ぜひそれは引き続き、対策もこれからもまた出されるとは思いますが、検討していただきたい、このように思っております。
そこで、パッケージ自体は大変よくできていると思うんですね。だけれども、被災地では、突然襲われた日常を取り戻すには余りに多くの困難が横たわっていると思います。パッケージには、「被災者の目線に立ち、一日も早い被災地の応急復旧、生活の再建、そして生業の再建等に全力を尽くしていく。」と基本方針が書いています。本当に被災者の目線に立てば何が見えるかということです。
先週、福島県いわき市に行きました。県管理河川夏井川が七カ所も決壊し、二千七百戸の浸水被害があったところであります。半壊と認定されたお宅でお話を伺っていたときです。罹災証明書が届いたんですけれども、半壊と書いてある、何の支援もない、本人は、床上八十一センチだけれども、一メートルと何の違いがあるのだと憤っておられました。
私、このことは、たくさん質問もあったと思いますので、再調査をちゃんとやっていただきたいと思うんですが、半壊なら住宅の応急修理が使えるよと言いましたら、ああ、そうだったのということで、その日が金曜日で、月曜日、大工さんを呼ぶ予定だったというので、慌てて市役所に連絡をしまして、目の前で電話をして間に合ったということなんです。でも、この方はたまたま間に合ったんだけれども、同じように、自力で修理してしまった、知らなかったという方はたくさんいらっしゃると思うんですね。
やはり、災害救助法の住宅の応急修理については、修理した後から請求するというものも認めてあげるとするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害救助法による救助、これは、現に救助を必要としている方に対して現物をもって行うということを原則としているところでございまして、災害救助法による住宅の応急修理については、自力で住宅を修繕した場合の運用上の取扱いとしまして、既に工事に取りかかっているけれどもまだ支払いに至っていない場合については、契約の変更等が可能であれば応急修理の対象として差し支えないというふうにしているところでございますけれども、一方で、既に工事が終了して料金を支払ってしまった場合、既に支払いが済んだ被災者の費用の補填をするスキームではないということで、対象とすることはできないところでございます。
ただ、委員御指摘のような、そもそも知らなかったということがないようにということでの周知は、今後ともしっかりと、国民の間、また市町村に対しても徹底をさせていただきたいと考えております。
○高橋(千)委員 まず、一つ確認できたと思うんですね。修理をしたんだけれども、支払いの前であれば対象になるんだということを、まず、ですから、今お認めになったように、そもそも知らない人が多いんだということでは、周知徹底をしていただきたいと思うんです。
その上で、五十九万五千円ですよ、それをやむにやまれず払った人を、資力があるんだという形で対象にしないというのは、やはり見直しをするべきだと思っております。後でまとめて大臣に、もう一度このことを質問しますので、お答えをお願いしたいと思うんですね。
資料の一にありますように、一部損壊の応急修理として三十万円出すということで見直しがありましたよね、恒久制度に。そのときに、事務取扱要領を改定しましたとする通知なわけなんです。ここで、改めて、「「資力に関する申出書」を基に、その被災者の資力を把握し、」というふうに書いているんですよね。
ここでいう資力ってどういうことなんだろうと思うんです。みずからの資力では応急修理ができない者というんだけれども、逆に、今言ったように、みずからやむにやまれず修理した人が資力があるとみなされちゃう、その根拠になっちゃっているんじゃないか。これは違う、余りにも酷な話ではないかと思うんです。
この資力要件は、熊本地震のときは、それまで、半壊であれば、世帯主が四十五歳未満であれば五百万円未満の年収という厳密な年収要件があった、それを取り払ったはずですよね。その趣旨は生きていると思いますが、確認します。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
その趣旨は生きているということでございますけれども、災害救助法による住宅の応急修理は、災害のため住家等に被害を受けて、みずからの資力では応急修理をすることができない場合を対象に、その住家等の破損箇所に手を加えれば日常生活を営むことができるようにするため、そういうものであるということで、ただ、応急修理の資力要件については、委員御指摘のとおり、平成二十八年の熊本地震を契機としまして、それまでの世帯収入等の確認を求めずに、弾力的な運用も認めるということとしたところでございます。
配付されている通知の関係については、ただ、この弾力的な運用について知らなかったという自治体職員もおったということで、所得の確認を求めているという自治体があったことから、再度、十月二十三日付で通知を発出して、資力に関しては被災者の申出書の提出だけでよい旨、改めて周知を図ったところでございます。
○高橋(千)委員 弾力的運用ができるんだ、熊本地震のときからの趣旨は同じである、それを徹底するんだというお答えだったと思います。確認をいたしました。
次に、資料をめくっていただいて、災害救助法における、給与される被服、寝具その他生活必需品の問題であります。
これは現物給付であって、その目安金額が、下にあるように、例えば床上浸水などであれば、一人世帯、冬季、もう冬季ですので、一万円である、四人世帯なら二万一千九百円という範囲だということで与えることになっています。ただし、このアンダーラインを引いているのは、特別基準が求められる、協議が求められるというものなんですけれども。
ことし十月改定の災害救助事務取扱要領によれば、避難所への避難から新たな生活を始めるに当たり、その日常生活を営むのに最小限必要なものを給与又は貸与するものであるから、できるだけ迅速な調達が必要だということが書いてある。それから、応急仮設住宅への入居者は、こうしたものを喪失又は毀損していることが多いので、その入居の時期を見据えて調達計画を立てることとあるんですね。
だから、仮設に行くときに、当然必要なものをそろえるという観点が書かれていると思うんです。
だけれども、改めてこの備考にあるものが何かというのを皆さんも見ていただきたいと思うんですよ。必要最小限と言いながら、下着や毛布、布団類。布団類は、皆さんありがたく避難所で今キープしていますよ、これから仮設に持っていこうと思っているわけで。だけれども、石けん、歯磨き、トイレットペーパー、食器、炊飯器。それで、マッチ等というのが時代を感じさせる。いかにも古い、ずっと改定されていないことを意味しているんじゃないかなと思うんです。
ある避難所に行ったときに、仮設が決まっても、家電がみんなだめになってそろわないから出ていけないよ、いつ出ますかと聞かれるけれども、追い出しされるようで困っているといった声が多数出されました。当然ですよね。
この要領には、わざわざ認められない物品として書いているのが、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、エアコン、電子レンジ、オーブンレンジ等と書いている。今どき、必需品じゃありませんか。認めるべきではないでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害救助法の被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与については、災害により日常生活を営むのに最小限必要なものを給与、貸与して、公営住宅や応急仮設住宅等における日常生活に支障を来さないようにするものということで、この趣旨から、家電製品は生活必需品には含んでいないところでございます。
○高橋(千)委員 日常生活に支障を来さないって、皆さんどう思われますか。あり得ないでしょう。わざわざ認められないと書いている。だから避難所から出られないと訴えている。まして浸水被害ですもの、当然じゃないですか。時代が、もう当たり前になっている。これは見直すべきですよ。
大臣に伺いたいと思うんです。
さっき、できることは全てとおっしゃったけれども、パッケージに比べ、この世界は余りにも旧態依然としています。長野市では、家電四点セットを支給するそうです。東日本に比べるとちょっと足りないんですが、でも、所得制限があるんだけれども、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、やはり寒いですので、ファンヒーター、これが対象となっています。
やはり最低限のことをやらなくちゃ。災害救助法の厳格過ぎる運用、今どき古過ぎる必需品、見直すべきではないでしょうか。大臣。
○武田国務大臣 やはり、被災者の苦しみに寄り添って我々はいろいろな仕事をしていかなくてはならないわけでありますから、そうした現状等々、よく御意見をお聞きしながら、今後も対応に努めてまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 短い答弁に大臣の決意が入っていたのかと思いたいと思いますので、これは引き続き、早期の見直しを求めたいと思っております。
仮設と住宅の応急修理の併給を認めないという考え方についても通告をしておりましたけれども、残りの質問がしたいので、ここは指摘にとどめます。大臣にもぜひ検討いただきたいと思うんですね。
公営住宅に二次避難として入居した場合などは認められるんですけれども、みなし仮設を含め、仮設住宅に入れば、応急修理が認められません。最低でも二年、もっと延長する場合もある仮設住宅と、わずか五十九万五千円の応急修理をてんびんにかけることは、本来おかしい。
修理してすぐ住めるという人はもともと申し込まないわけで、一定期間落ちついてからということがあったっていいと思うんですね。それは二年じゃなく半年だったりするわけですから、それはもう財政的にも矛盾しないんです。むしろ効率的な考え方だと思いますので、これは要望したい。検討していただきたいと思います。
次に進みます。
半壊、床上浸水などで一階には住めないけれども二階で寝泊まりしている方、千葉では逆の方がおりました。屋根がないものですから、二階には住めなくて、離れの倉庫みたいなところで、唯一、暮らしているとか、さまざまなパターンがあるんですけれども、避難所に行けない事情があって自宅におられる方も、災害救助法に基づく自宅避難者として、食事ですとか生活必需品の供与などが受けられると思いますが、確認します。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
避難所、在宅とを問わず、被災者への物資の提供、あるいは生活環境の改善、情報提供等は重要であると認識しておりまして、避難所における支援を含む災害救助法による救助は、自宅避難者など避難所に滞在していない被災者も対象になるものでございます。
○高橋(千)委員 ここははっきりとお答えいただきました、対象になるということで。
私、避難所は、今の小宮山委員のお話もありましたし、改善することはいろいろあると思うんですけれども、よいなと思うことは、情報が集まってくるということですよね。掲示板にさまざまな情報があって、支援の情報、制度の説明、ボランティアが来ますよということのいろいろな説明や、また、市の職員ですとかいろいろな方がいますので、相談することができます。支援物資が集まって、自由に持っていけるところもあります。ボランティアさんが炊き出しをしてくれたり遊びの場の提供をしてくれたり、保健師さんの健康相談、チェック、心のケアなどができる。
こうした避難所の機能というのは、自宅避難者にとっても利用でき、いわば地域のセンター的な役割が期待されると思いますが、いかがでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
避難所は、さまざまな事情により避難所での生活が難しい在宅の避難者の方々への支援拠点としての役割を果たすものと考えておりまして、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針等によりまして、市町村の取組を促しているところでございます。
今般の台風十九号に伴う災害に際しては、在宅で避難生活を送っている被災者についても、避難所で配布している食料、水等必要な物資の配布、あるいは健康相談等のサービスの提供、行政からの情報提供が受けられるよう、改めて自治体に対して通知をして支援を促しているところでございます。
内閣府としては、自宅で避難生活を続けている被災者も含めて、被災者が安心して避難生活を送ることができるよう、関係府省とも連携し、また自治体に対して適切な情報提供等を促してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
これは、三・一一のときは、やはり救助法の適用になるということを私は質問をしまして、食事などはもらいに行けばということがあったんですけれども、なかなか行きにくいというふうなことや、避難所を利用している方との気持ちのすれ違いですとか、いろいろなことがございましたので、国としてしっかりと通知を出して、対応してくださっているということはありがたいと思いますし、その分、避難所の体制も必要になってくると思いますので、ぜひ支援をお願いしたい、このように思います。
それで、次に、災害救助法が二つ以上の都道府県で発動された災害では、国内全ての市町村において、災害弔慰金及び災害障害見舞金が支払われることになっています。この対象となる災害関連死についてです。
この基準については、今、事例収集をやっているということは先ほどの答弁でもあったかなと思っています。
きょう確認したいのは、台風十五号で甚大な被害を受けた千葉県などでは、ブルーシートを張る作業をしていた方たちが屋根から落下して死亡した事例が相次いで起きました。三十人とも報道されています。
そこで思い出したのは、二〇〇六年の豪雪被害、これは新潟、長野で災害救助法が発動された年に、百人を超す被害者が出ました。その中で、屋根の雪おろしをしていて落下をし死亡した方が秋田県五城目町でありまして、この方に対して災害弔慰金の対象になると明確にしていただいて、町にも喜んでいただいたことがございました。
亡くなった方は戻らないとはいえ、悲しみに暮れ、先行きの見通しもつかない御遺族にとって、この災害弔慰金は一縷の希望でもあります。今回の事例も、同様の趣旨で、災害関連死になる、対象になると思いますが、確認をさせてください。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害関連死につきましては、ことしの四月に、その定義を、負傷の悪化又は避難生活等における身体的負担による疾病により死亡し、災害弔慰金法に基づき災害が原因で死亡したものと認められるものとして、関係省庁と共有するとともに、都道府県等に周知したところでございます。
御指摘の事例が災害関連死、災害弔慰金の支給対象に該当するかどうかですけれども、死亡の原因が災害に関連するものであるかどうかについて、市町村がいわゆる相当因果関係によって判断するものでございますけれども、御指摘の屋根から落下して亡くなられた方などについても、個々のケースによって市町村において判断されるものと理解しております。
○高橋(千)委員 市町村が申請をすればなり得ると。それはもちろん、個々のケースはあると思いますけれども、もうみんな御存じのように、業者さんが間に合わなくて、やむなく高齢の方が屋根に上って滑った、落下したということがあったことは御存じだと思います。対象になることがあり得るとお答えください。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
先ほども申し上げましたように、個々のケースによって判断されるものと考えております。
○高橋(千)委員 判断されるものって、あり得ると同じ意味だと思いますが、やはりそういうことを言いにくいものなんでしょうかね、政府というのは。これは当然あり得るということで私は受けとめたいと思いますし、ないと言ったらまずいと思うんですがね。よろしいでしょうね。よろしいですね。うなずいておられますので、次に行きたいと思います。
被災者生活再建支援法についてです。
私も提案者の一人として、復興特別委員会に被災者生活再建支援法改正案を提出しています。その中身は、支援金の上限の問題で、最大三百万から五百万にしようというもので、これはかなりリアルな要求なんですね、建設単価が当然上がっておりますので。ただ、やはり対象を広げるということは、この委員会でやっていく必要があると思うんです。
二〇〇七年の改正の際、この災害対策特別委員会で私自身も一員として参加をしましたけれども、四年後の見直しといいながら、四年後は東日本大震災があって、ちょっと待ってと言われて、それから九年にもなろうとしている。もう待ったなしだと思うんですね。
昨年十一月九日、全国知事会は被災者生活再建支援制度の充実と安定を図るための提言を発表しました。四点あって、それぞれ大事なことなんですけれども、その一点が「支給対象を半壊まで拡大すること。」となっている。これは、この間多くの災害があって、浸水被害を目の当たりにしてきた与野党の委員の皆様も一致できることではないのかと思うんです。
まず伺いますが、内閣府と知事会がこの提言を受けて技術的検討会を行っていると承知をしておりますが、その検討状況についてお聞かせください。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
被災者生活再建支援制度の半壊世帯までの対象拡大については、昨年十一月の全国知事会からの提言を踏まえて、私ども、実務者会議等において、知事会と継続的に意見交換を行っているところでございます。
その意見交換においては、半壊世帯の実態把握が重要という観点から、全国知事会と協力して、半壊世帯に対し独自の支援制度を実施している地方公共団体から、支援申請の際に提出された補修費等の情報を提供いただく等の情報収集を行ったところでございます。
それによりますと、半壊世帯においても生活再建に向けて補修費等の負担は生じているものの、その額は百万円未満の世帯が相当数存在するということや、全壊等に比べて相当程度速やかに生活再建を進めている状況であるということが確認されております。
ただし、これは現時点で把握できた情報に基づくものということでございますので、全国知事会とも協力して、本年度発生した災害も含めて、引き続き情報収集を行うこととして、さらなる実態把握に努めているところでございます。
○高橋(千)委員 半壊世帯の実態調査を行っているということでございました。私は法改正につながるものだと期待をしておりますが、ただ、今紹介された部分が、百万未満が相当数あるという、何か大したことないよみたいに聞こえる報告でございましたが、決してそんなことはないわけで、私たち、たくさん事例がございますが、一千万近い負担をしているだとか、さまざまあります。やはり、実態に即せば、絶対見直しが必要なんだということになると思うんですね。
改めて、待ったなしであること、大臣にこの問題で決意を伺いたいと思います。
○武田国務大臣 先生を始め、多くの方からこの問題については御指摘をいただいております。
ただ、先生御理解いただけるように、被災地に行かれた先生方は、被災者の皆様方に本当に何でもしてやりたいという気持ちを抱かれるのは皆さんだと思うんですけれども、この制度を見直すに当たって一番の問題が、国と地方の財政負担の問題が常につきまとうという問題もありますし、何をもって今から一番有効にこうした制度が活用されるのかということも、常日ごろから我々言っております、その都度与えられた教訓をもとに不断の見直しをやっていく、そして次の災害につなげていく、そして本当の被災者のためになる制度というものを構築していく、このことを目標に今後とも努めていきたい、このように考えております。
○高橋(千)委員 時間が来ましたので、指摘を一言しておきたいと思うんです。
国と地方の財政負担とおっしゃいましたが、これはやはり基金方式ですので、基金を積み立てている自治体にしてみれば、たび重なる災害があるんだけれども、全壊とかがほとんどなくて、出している割にはほとんど救えていない、そういう自治体もあるんですよ。そういうことをよく考える必要があるのではないかと思っております。
それから、公営住宅などの建設費が大変高騰しておりますので、本当にわずかな支援金だけれども、それを力にして自宅を再建したいという方がいれば、それを応援していくことの方が、むしろ財政的には非常にメリットがあるんじゃないかということもありますので、そうしたことも含めて検討していただいて、ぜひ改正をしていただきたいと要望して、終わります。
ありがとうございました。
○原田(憲)委員長代理 次に、森夏枝さん。
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。
本日も、災害対策特別委員会におきまして質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
二十五日に委員派遣で福島県郡山市、本宮市、宮城県丸森町への視察へ行かせていただきました。直接被災地の現場の声を聞く大変貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございました。現場で伺った被災地の声をしっかりと届けさせていただきたいと思います。
それでは、質疑に入らせていただきます。
福島県本宮市の災害廃棄物の仮置場を視察させていただきました。仮置場となっている本宮運動公園には浪江町からの避難者のための仮設住宅があり、最近、撤去が完了し、これからランニングスペースなど考えていらしたところを、このたびの台風により、災害廃棄物の仮置場にしたと伺いました。本宮運動公園が公園として市民が使えるように国が支援をし、一日も早く処理しなければならないと感じました。
災害廃棄物の処理は、災害が起こった後に処理の計画を立てるのではなく、事前に近隣自治体や民間の処理施設等と連携をし、相互の支援体制を構築しておくべきだと思います。
例えば、宮城県の丸森町の災害廃棄物を横浜市が受け入れてくださる、これは大変ありがたいことだとは思いますが、もっとスピード感を持って処理するには、事前の周辺自治体での、災害時には支援し合う協定を結んでおくべきだと思います。
先週の委員会でも災害廃棄物処理について質問をし、もっと早く処理できるように計画を見直さないのかと伺いましたが、災害廃棄物処理を実施後に計画のうまくいった点、うまくいかなかった点を評価し、見直しはしているとの答弁でした。そして、処理計画が策定できていない自治体に対しては策定の支援をしているとのお話も伺いましたけれども、余り計画の策定がうまくいっていないようですし、災害廃棄物を受け入れてくれる自治体の表明を待ち、少しずつ受け入れてもらうのでは処理に時間がかかり過ぎます。
前回も言いましたが、長くても一年以内に災害廃棄物の処理ができるような計画で近隣自治体と相互の支援体制を構築しておく必要があると思いますが、今後検討されないのでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、災害が発生した後に円滑、迅速に災害廃棄物を処理するためには、あらかじめ、平時から自治体あるいは民間事業者等との災害支援協定などをしっかりと締結をして支援体制を構築しておくということは大変重要でございます。
今回の事例で申しますと、例えば中部ブロックにおきましては広域連携計画というのをあらかじめつくっておりまして、長野県が被災した場合には富山県が支援するという割当てをつくっておりまして、そのことによりまして、長野市の災害廃棄物については富山県内での処理施設の広域処理を速やかに実施できたということがございます。
こういった点も、ほかの自治体についても、都市間の相互の支援でありますとか、あるいは被災したところはどこが支援するといったことをあらかじめ、特に広域になりますので、地域ブロック内全体でとか、あるいは地域ブロック間の融通も含めて、そういった備えをしっかりとしておくことが大事だと考えております。
委員御指摘のとおり、そこの部分が今回まだまだ足りない部分というのはあると認識しておりますので、今後に向けてはそのような取組をしっかりと強化してまいりたいと考えます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
この支援体制の構築が重要だということは認識していただいておりますし、既に広域で連携できている自治体もあると思います。
福島県内のごみ置場から既に二件の火災が発生しているというお話も伺いました。数カ月たっても蓄熱火災というのが起こることがあるとのことです。夏場はごみを放置すると悪臭がしますし、雪の降る地域では冬場は作業がとまってしまいます。ぜひ、速やかに処理のできる計画を進めていただきたいですし、先ほども申しましたが、この災害時、非常時には助け合う体制というのはしっかりと構築していただきたいと思います。
特に台風十五号では、停電により数日ごみ処理ができなかったとも聞いておりますが、そういった場合にも、隣の自治体や周辺自治体で、また民間の業者などに受け入れてもらうなどの事前の計画の策定をお願いしたいと思っております。
近年の大規模災害において災害廃棄物処理が追いつかない現状の中で、被災地からの声として、これは現場で視察のときに伺ってまいりましたが、日ごろから過剰包装をやめたり、食品ロスを減らすといったごみを減らす取組が必要だと思うとお話がありました。どこの自治体のごみ処理施設もフル稼働のような状況で、災害時に全く対応ができていない現状があると思います。
災害対応の面からも大変重要だと思いますが、環境省として、ごみを減らす取組について、今後新たに取り組まれることなどあれば教えてください。
○山本政府参考人 委員御指摘のように、日ごろの日常的なごみを減らすという取組も大変重要でございまして、政府におきまして、昨年閣議決定をいたしました循環型社会形成推進基本計画の中でも、一般廃棄物を減らす、減量化の目標量を定めておりまして、令和七年度には、現状五百グラム、一人当たり、一日当たりの家庭系のごみを四百四十グラムまで減らすという目標も定めております。
それから、ごみの減量化に関しましては、循環型社会形成推進基本法において、いわゆるスリーRという、リデュース、リユース、リサイクルの中でもリデュース、減らすというのは最優先に位置づけておりまして、各種リサイクル法の中でもしっかりと取り組んでおります。
最近でいいますと、現状検討中のレジ袋の有料化義務化といったようなこともありますし、あるいは、食品ロスに関しまして、先月施行されました食品ロスの削減の推進法案もございますので、こういったものも含めて、さまざまなごみの減量化に努めてまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
ぜひ、国民一人一人がごみを減らす意識を持ち行動できるように、環境省が率先して取り組んでいただきたいと思います。
次に、しゅんせつや草木除去の取組について伺います。
防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策として治水工事が行われていることは承知をしております。治水対策については、先日も質問をさせていただきましたが、樹木伐採、河道掘削、堤防強化など、さまざまな対策を講じていただいていると思います。
しかし、以前から、私の地元からも、また、このたびの被災地の要望としても、やはり、来年の台風や大雨で川の増水による越水、決壊を防ぐために、河川の堆積土や草木の除去をしてほしいと伺っております。
このしゅんせつや草木除去の取組についてどのような計画があり、支援をされているのか。この三カ年緊急対策の中に入っていない河川の堆積土や草木の除去については現実的に実行するのが難しいのか。国民の命を守るために何ができるのか、できることはあるのか、教えてください。
○五道政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、河川の中の樹木伐採、掘削というのは水位を下げるのに非常に重要だというふうに考えていることでございます。今回の台風十九号によりましても、被災地の多くに河川で土砂また流木の堆積が確認されているところでございます。
三カ年対策に入っていないところがどうなのかという御指摘だと思いますけれども、これまでも、こうした土砂等を、著しく堆積した場合には、災害復旧事業を活用してそれらを撤去できるということでございます。
また、災害復旧事業が活用できない場合にあっても、土砂の堆積等が河川管理上支障が生じているのであれば、河川管理者によってそれらを撤去する、適切な管理に努めることが重要であるというふうに認識しております。
国土交通省においては、今後も、こうした土砂、また草木、流木等の撤去を着実に進めることにより、被災地の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
私の地元もそうですし、今回の視察でも、被災地の河川を見ておりましても、草木が生い茂り、増水したら危険だろうなと思うような箇所はたくさんありました。全国の河川の防災対策というのは限界があるとは思いますけれども、先ほどお話しいただいたように、危険だというところに関してはちゃんと工事をしていただけるということですので、来年に向けてしっかりと対策を講じていただきたいと思います。
福島県郡山市、本宮市、宮城県丸森町を視察してまいりましたが、多くの水田が水没し、現在は水が引いておりましたけれども、流れ着いたタイヤや大木などがそのまま放置されているような状態でした。営農を再開するためには、これらの災害廃棄物と土砂の撤去が必要ですが、どのような計画で進められる予定でしょうか。
○安部政府参考人 今般の台風十九号等によりまして、十一月二十七日時点で、二十七の都道府県で二万五千八百三十六カ所、約七百三十八億円の農地の被害が報告をされております。その内訳は、河川の氾濫による表土の流出、土砂や稲わらの堆積、畦畔の崩壊等、大小さまざまな被害が発生しております。
農地等の復旧につきましては、農家による営農の行為の範疇で可能な自力復旧と、土木工事等が必要な災害復旧事業等によって復旧することになると考えております。
現在、自力復旧によるものと災害復旧事業等によるものの整理を進めておりまして、自力復旧によるものにつきましては令和二年の春までに復旧できるものと考えております。一方、災害復旧事業によるものにつきましては、現在、一月末をめどに進めております災害査定等の手続の中で対策の規模ですとか期間が明らかになります。
いずれにしましても、県や市町村と連携をしまして、例えば査定前着工制度の活用も含めたあらゆる手段を講じて、早期の営農再開ができるよう努めてまいりたいと思います。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
私が見てきた限りでは、なかなか自力復旧ができるようなところは少ないように思いました。今回視察させていただいたところでは大変な状況でした。今のような水田のままでは営農再開という気持ちにもなれないと思います。東日本大震災でも被害を受け、復興に向け進んでいるところに、またことしの台風被害。本当に、大変な思いをされている方は多いと思います。ぜひ、一日でも早く災害廃棄物や土砂の撤去をお願いしたいと思っております。
収穫前の農作物も、収穫をして倉庫で保管をしていたお米なども被害を受け、また、農地そして農業施設も被害を受け、台風十九号とその後の大雨により三千億円以上の農業被害が出ており、台風十五号と合わせますと三千八百七十億円もの被害となっていると聞いております。
残念ながら、既に離農を選択されてしまった方々もいらっしゃいますが、再度立ち上がろうと営農意欲のある、頑張っておられる農家さんたちもいらっしゃいます。被災地からは、未整備農地等は区画整理のような復旧を強く望んでおられました。
まずは営農再開ができるように国の支援が必要と考えますが、離農を防ぐためにどのような支援をするのでしょうか。また、時間がたち過ぎると離農者がもっとふえてしまうと思いますが、どのようなスケジュール感での支援を考えているのでしょうか。
○安部政府参考人 お答え申し上げます。
農家の営農意欲を失わさせないためには、被災した農地、農業用施設等の早期の復旧が極めて重要であると考えております。
災害復旧に当たりましては、原則現地調査により行う災害査定を書類のみで行う机上査定の範囲の拡大や、図面の簡素化による災害査定の迅速化、それから、災害査定を待たずに復旧工事に着手することができる査定前着工制度の活用、それから、国の職員を市町村等へ派遣しまして、復旧工法等に係ります技術支援等を行っているところでございます。
いずれにしましても、早期の営農再開に向けて、引き続き、県や市町村と連携しながら農地等の早期復旧に努めてまいります。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
非常に広範囲での大変大規模な災害でしたので、時間はかかると思いますけれども、日本の安心、安全な食を支えている農家の皆さんが離農をしなくてもいいように、早期に営農を再開できるように、ぜひ支援をお願いしたいと思います。
次に、自主防災組織について大臣に伺いたいと思います。
視察で伺ってきたのですが、本宮市は防災無線で六回も避難を呼びかけ、そのうちの二回、避難指示は高松本宮市長みずからが避難を呼びかけたそうです。市長の声での防災無線ということで、これは普通じゃない、避難しなければと避難をされた方もいたそうですが、それでも避難されずに、助けられなかった命があるそうです。
先週、大臣に、国民の避難に対する意識改革が必要だと質問をさせていただきましたけれども、本宮市長からの要望の中に、住民の命を守るためには自主防災組織が不可欠であり、特にハザードマップにおける浸水想定区域においては国レベルでの自主防災組織の設立の義務づけが必要ではないかとのお話を伺いました。やはり、顔の見える関係の構築が必要で、今回の災害でも自治会に入られていない方が逃げおくれたと伺いました。
自主防災組織の設立の義務化について、大臣のお考えをお聞かせ願います。
○武田国務大臣 防災対応について、行政が行う公助、そして個人個人が行う自助、そればかりでなく、学校、ボランティア、企業、地域が行う共助、全ての取組が重要であるということは以前にも申し上げたとおりであります。
御指摘の自主防災組織の義務化の趣旨につきましては、災害から命を守るためには、公助そして自助だけではなく、日常生活の中での顔の見える関係や、いわゆる地縁が災害時の避難行動を促すとともに、隣同士で助け合う共助につながり、そのような関係構築をもっと推進すべきではないか、このように理解をさせていただいております。
内閣府としては、地域住民がふだんからの地域リスクを把握し避難計画を立てる地区防災計画が共助による自発的な防災活動を推進するために有効であると考えており、ガイドラインの作成や事例の共有など、地区防災計画の策定促進に取り組んでいるところであります。
例えば、昨年の平成三十年七月豪雨に際しては、愛媛県大洲市三善地区において、事前に地区防災計画を策定し、災害・避難カードによる避難訓練等を実施していたことが役に立ち、住民全員が無事に避難することができたと承知をいたしております。
また、自主防災組織の育成につきましては、設立支援や地域連携に関するモデル事業への財政的支援、リーダー育成の取組等が消防庁において実施をされているところであります。
内閣府としても、このような取組を通じて共助の取組がより活発に行われますよう、消防庁そして地方自治体とも連携をしながら、積極的に支援をし続けてまいりたいと思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
先ほど大臣から御紹介がありましたけれども、防災計画をしっかりして、その大洲市の話ですけれども、しっかりと訓練どおりに避難できた地区は全員命が助かった、そういう事例もありますので、ぜひ、この自主防災組織、自主防災組織のようなものといいますか、全国で、顔の見える、命が助かる組織といいますか、日ごろからのつき合いもそうですけれども、こういった成功事例を、国から都道府県、そして地方自治体、国民一人一人に伝えていただいて、来年の台風での死者が本当にいなくなるように、避難をしっかりしていただけるような取組をお願いしたいと思っております。
丸森町のお話を聞いてまいりましたが、宮城県丸森町の行政区長の避難呼びかけに関するアンケートでも、避難を促して九割が断られたと回答をされています。早目に避難をしてもらう、この意識改革というのは本当に早急にやらなければならないことだと思っております。
本当に、各省庁で、検証チームで検証をしていただいて、検討しますと言っていただいているんですけれども、これまでの災害も生かされていない部分もありますので、これまでの災害、ことしの災害を、しっかりと教訓を来年に生かしていただきたいと思っております。すぐに対応できることに関しては、もう来年にはしっかりと対応できるように、国民の命を最優先に進めていただきたいと思っております。
次の質問に入ります。
前回の質疑の際にも、水陸両用車等の配備について質問をさせていただきましたが、今回は、消防庁が本年四月から全国の県庁所在地の消防局などに配備をされている土砂・風水害機動支援部隊について伺いたいと思います。
今回の視察で、水没した地域では、川の流れが速く、ボートなどでは近づけないところは翌日にヘリで救助をしたと伺いました。もし緊急を要する場合に、天候不良でヘリでの救出も困難な場合には、やはり水陸両用車などの特殊車両の導入は今後更に必要になってくると思います。
消防庁の土砂・風水害機動支援部隊の配備計画について、また活動状況について教えてください。
○小宮政府参考人 まず、水陸両用車の活動でございますけれども、今般の千葉での台風におきまして、山武の広域の消防本部に水陸両用車を配備しておりますけれども、幼稚園が孤立いたしまして、その幼稚園のお子さんたちを、五十名以上の方々をピストン輸送しまして、水陸両用車で救出するといったことがございました。
緊急消防援助隊につきましては、消防組織法に基づきまして、隊の編成などに関する基本的な計画を定めることにしておりまして、おおむね五年ごとに改定しております。
本年三月に改定いたしましたが、その計画におきましては、土砂・風水害機動支援部隊を創設することといたしました。この部隊は、救命ボート、水陸両用車、重機など、風水害に特化した車両、資機材で編成することとしておりまして、部隊に必要な車両などは全額国費により計画的に整備し、各都道府県に一部隊を配備する計画でございます。
現在、平成三十年度補正予算や令和元年度の予算も活用いたしまして車両等の整備を進めておりまして、できるだけ早期に全ての部隊が配備できるようにいたしますとともに、災害時に効果的な活動ができますよう、訓練の実施などによりまして運用体制も確保してまいります。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
前回の質問の際にも言わせていただいたんですけれども、ヘリでの救助が怖いというような声もありまして、先ほど、子供たちを五十名救えたというお話を伺いましたけれども、今後も、この土砂・風水害機動支援部隊で多くの命を救っていただきたいと思います。
日本維新の会の国会議員団は、身を切る改革の一環として、毎月十八万円の歳費をカットし、被災地などへ寄附をしております。本年九月には、私も三陸鉄道へ視察に行き、一千万円の寄附を届けました。
東日本大震災で大変大きな被害を受けた三陸鉄道の全線開通を大変うれしく思っておりましたが、このたびの台風においても、また線路の路盤流出や土砂の流入、のり面の崩落などの被害が発生をしました。東日本大震災からの復旧復興のためにも、観光は大変重要だと思っております。三陸鉄道等の被害は東北の観光にも影響を与えます。台風十九号等による被害に対して、観光における復旧復興対策についてお聞かせ願います。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
東北におきます東日本大震災からの復興につきましては、観光振興によります交流人口の増加が重要であると認識しております。
このため、東北六県の外国人延べ宿泊者数を令和二年に百五十万人泊とする目標を掲げまして、その実現に向け、現在、東北観光復興対策交付金によりまして、各地域のさまざまな取組を支援しているところでございます。あわせまして、日本政府観光局、JNTOによります集中的な訪日プロモーションといたしまして、東北に特化した海外主要市場向けのデスティネーションキャンペーンを実施しているところでございます。
こうした取組などによりまして、昨年、平成三十年の東北六県の外国人延べ宿泊者数につきましては、震災前の二倍を超え、前年比三三%増の百二十八・七万人泊となるなど堅調に推移しております。
一方で、先般の台風十九号等の影響によりまして、委員御指摘の三陸鉄道を始めとした交通インフラ等にも被害が生じております。また、台風の被災地域におきましては、相当程度の宿泊予約のキャンセルが生じているものと承知しており、観光需要の喚起を図っていくことが重要であると考えております。
このため、先般十一月七日に決定いたしました被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージに基づきまして、旅行者に各地域を安心して訪れていただけるように、観光庁及びJNTOのホームページやSNSにおきまして、交通アクセスを含めた観光地の状況について情報発信を行っているほか、海外メディアを活用した地域の魅力の戦略的な対外発信に取り組んでいるところでございます。
また、台風の被災地域における一泊以上の旅行・宿泊商品を対象に、旅行・宿泊料金を一人泊当たり最大五千円の支援を行うこととしており、現在、地方公共団体や旅行会社等への説明会の開催や円滑な制度運用に向けた意見交換を行うなど、関係者と連携の上、旅行・宿泊商品の早期の販売開始に向けて取り組んでいるところでございます。
以上のような取組を通じまして、引き続き、東北の観光復興に全力で取り組んでまいる所存でございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
東北の復興にしっかり取り組んでいただきたいと思います。一泊五千円の割引などの支援もあるということで、ぜひ、全国の皆さんに、海外の皆さんにもそうですが、東北を訪れていただきたいと思っております。
来年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックがございます。海外から多くの方が来日をされます。大会期間中の災害対応についても、想定外を想定して準備が必要だと思います。東京オリンピック・パラリンピック期間中の災害対応について、現在どのような準備を進めているのでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けましては、安全、安心を確保することが不可欠ということで、政府全体としては、セキュリティ基本戦略に基づきまして、各省庁が自然災害への対応を含めた施策を講じて取り組んでいるところでございます。
防災分野では甚大な被害が想定される首都直下地震への対策を中心に取組を進めておりまして、防災担当においては、オリンピック・パラリンピック組織委員会も参加した図上訓練の実施、実際に地震発生時の帰宅困難者対策等として関係機関のタイムライン、時系列の行動計画を集約して、連携を要する行動等の検討を行っているところでございます。
また、外国人の来日も数多く想定されるということで、防災気象情報や地方公共団体が出す避難情報に関する用語等を十四カ国語で整理をして訪日外国人旅行者等を対象に緊急情報を発信するセーフティーチップス、こういったものでプッシュ型で発信できる環境整備を促進をしております。また、災害種別のピクトグラム、図記号ですね、この普及啓発についても関係省庁と連携して取り組んでいるところでございます。
今後とも、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、関係省庁、東京都を始めとする地方公共団体と緊密に連携をして、災害対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
時間がありませんが、災害弱者への支援体制についても教えてください。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害弱者、高齢者、障害者等のいわゆる災害弱者と呼ばれる方々に対する支援体制の構築というのは大変重要な問題であると認識しております。
いろいろな取組がございますけれども、災害対策基本法においては市町村長に避難行動の要支援者名簿の作成が義務づけられておりまして、また、これに基づく個別の避難計画の策定、これがなかなか進んでいないということで、この策定促進も、市町村に対して促しているところでございます。
また、避難所の関係で、特別な配慮が必要とされる方々については、市町村において福祉避難所を開設するように促す、あるいは福祉避難所等への福祉関係職員の派遣費用についても災害救助法による支弁対象とするといったところ、それから災害救助法においては福祉仮設住宅の供与ということも可能であるという形で、さまざま取組を行っているところでございますけれども、引き続き、関係省庁と連携をして、災害弱者の方々に対する支援についても取り組んでまいりたいと思います。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
災害弱者への支援体制、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
時間が参りましたので最後の質問はできないんですけれども、一緒に視察に行った江田委員からも既に御指摘ありましたけれども、防災のための改良復旧について地元から強い要望がありました。大変感謝をしている、原形復旧をしていただいて、早急に復旧していただいて感謝をしておりますが、同じような被害が出てしまわないために、防災のために改良復旧をお願いしたいという要望を承ってまいりましたので、ぜひしっかりとお願いをしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
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○原田(憲)委員長代理 この際、令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。
本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。
我が国は、その自然的条件から、地震、豪雨等各種の災害が発生しやすい特性を有しており、災害の被災者の中には、住居や事業所が損壊し、生活基盤に大きな打撃を受けた方が少なくありません。
被災者に対する経済的な支援等としては、被災者生活再建支援金、災害弔慰金、災害障害見舞金といった公的な制度とあわせ、義援金も大きな役割を果たしています。義援金は、寄附者が被災者を支援するために拠出したものであり、生活を再建するための資金として被災者みずからが使用することを期待されているものであります。その義援金を、被災者に対する債権の強制的な取立てとして差押え等の対象とすることは、寄附者が義援金を拠出した趣旨に反するものであります。
災害に関連する義援金については、これまで、東日本大震災、平成二十八年熊本地震による災害並びに平成三十年六月十八日に発生した大阪府北部を震源とする地震による災害及び平成三十年七月豪雨による災害の際に、被害の甚大さに鑑み、これらの災害に関連する義援金に限り、差押えを禁止すること等を内容とする法律を制定しました。
本案は、これまで制定してきた災害関連義援金に係る差押えの禁止等に関する法律と同様に、令和元年八月二十六日から同月二十九日までの間の豪雨による災害及び令和元年台風第十五号、令和元年台風第十九号又は令和元年十月二十四日から同月二十六日までの間の豪雨による災害に係る義援金を令和元年特定災害関連義援金とし、その拠出の趣旨に鑑み、被災者等がみずから義援金を使用することができるよう、同義援金について、義援金の交付を受ける権利の差押え等の禁止及び義援金として交付を受けた金銭の差押えの禁止をしようとするものであります。
なお、本案は、施行前に交付を受けるなどした令和元年特定災害関連義援金についても適用することとしておりますが、施行前に確定した差押命令等に関しては、その効力を妨げないこととしております。
また、差押えの禁止等の対象となる義援金の範囲その他の義援金の差押えの禁止等のあり方については、速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすることとしております。
以上が、本起草案の提案の趣旨及び主な内容であります。
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令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○原田(憲)委員長代理 お諮りいたします。
令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しておりますとおりの起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○原田(憲)委員長代理 起立総員。よって、そのように決しました。
なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田(憲)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三分散会