衆議院

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第5号 令和2年7月28日(火曜日)

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令和二年七月二十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山本 幸三君

   理事 原田 憲治君 理事 原田 義昭君

   理事 藤丸  敏君 理事 堀井  学君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 岡島 一正君

   理事 下条 みつ君 理事 濱村  進君

      安藤 高夫君    小里 泰弘君

      大岡 敏孝君    金子 俊平君

      金子 恭之君    神山 佐市君

      工藤 彰三君    小林 史明君

      坂本 哲志君    杉田 水脈君

      田野瀬太道君    高木  啓君

      谷  公一君    谷川 とむ君

      出畑  実君    中根 一幸君

      根本 幸典君    深澤 陽一君

      船橋 利実君    池田 真紀君

      柿沢 未途君    小宮山泰子君

      高木錬太郎君    武内 則男君

      緑川 貴士君    森山 浩行君

      矢上 雅義君    早稲田夕季君

      江田 康幸君    桝屋 敬悟君

      田村 貴昭君    森  夏枝君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       武田 良太君

   内閣府副大臣       平  将明君

   経済産業副大臣      牧原 秀樹君

   国土交通副大臣      御法川信英君

   環境副大臣        石原 宏高君

   厚生労働大臣政務官    自見はなこ君

   農林水産大臣政務官    河野 義博君

   防衛大臣政務官      岩田 和親君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        宮崎 祥一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   青柳 一郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 馬場竹次郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          山越 伸子君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           荻澤  滋君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           倉重 泰彦君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            村上 敬亮君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           天河 宏文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         渡邉 浩司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         江口 秀二君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君

   政府参考人

   (気象庁長官)      関田 康雄君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 大森 恵子君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            山本 昌宏君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局次長)        松澤  裕君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           菅原 隆拓君

   衆議院調査局第三特別調査室長           名雲 茂之君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十八日

 辞任         補欠選任

  鳩山 二郎君     出畑  実君

  宮路 拓馬君     安藤 高夫君

  武内 則男君     森山 浩行君

  本多 平直君     矢上 雅義君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     宮路 拓馬君

  出畑  実君     鳩山 二郎君

  森山 浩行君     武内 則男君

  矢上 雅義君     本多 平直君

    ―――――――――――――

六月十七日

 一、災害対策に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(令和二年七月豪雨による被害状況等)


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの令和二年七月豪雨による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員の御起立をお願い申し上げます。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

山本委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

山本委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、令和二年七月豪雨による被害状況等について、政府から説明を聴取いたします。武田防災担当大臣。

武田国務大臣 令和二年七月豪雨による主な被害状況及びその対応につきまして御報告いたします。

 まず、一連の災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 令和二年七月豪雨は、熊本県を始めとする九州地方を中心に甚大な被害をもたらしました。梅雨前線の停滞により七月三日から記録的な大雨が降り、七月四日に熊本県と鹿児島県、七月六日に福岡県、佐賀県、長崎県、七月八日に岐阜県、長野県に大雨特別警報が発表されました。新型コロナウイルス感染症による影響も重なり、多くの被災者の皆様が先の見えない不安を抱え、再建への気力を失いかねない厳しい状況が続いております。

 七月二十八日時点で把握しているところでは、死者八十二名、行方不明者四名等の人的被害や、多数の住家の全半壊及び床上、床下浸水等の被害が出ております。道路、鉄道等の交通インフラ、農作物等にも大きな被害が生じております。

 政府としては、令和二年七月豪雨について非常災害対策本部を設置し、人命の救援救助活動に全力で当たってまいりました。

 また、熊本県及び鹿児島県に対して内閣府調査チームを派遣するなど、各省庁から被災県に対して専門的な知識を有する職員を派遣し、現地の課題を速やかに把握し、先手先手で対策を講じてまいりました。

 これまでに、食料、飲料のほか、パーティション、段ボールベッド、冷房機器及び非接触型体温計等、新型コロナウイルス感染症対策も踏まえ、被災者の命にかかわる生活必需品等の物資をプッシュ型支援として発送したほか、応急給水を含めた水道の復旧支援、自衛隊による災害ごみ搬出の寄り添い支援などを行ってまいりました。

 政府として、できることは全て行うとの方針のもと、スピード感を持って、生活再建、そしてなりわいの再建に向けて、全力を尽くしてまいる所存であります。

 私自身、令和二年七月豪雨による発災直後の七月四日、熊本県知事と会談したのを皮切りに、被災地である熊本県、福岡県、鹿児島県、大分県及び岐阜県を訪れ、被災状況や復旧復興の進捗の様子を自分の目で直接見てまいりました。改めて今回の災害のすさまじさや甚大さに触れ、被災地の復旧復興に向けた決意を新たにしたところであります。さらに、安倍総理が七月十三日に熊本県を視察し、知事、被災自治体の首長と意見交換を行っております。

 このような中で、令和二年七月豪雨を含む本年の梅雨前線豪雨等による災害の激甚災害の指定については、道路、河川や農地等の災害復旧事業の特例など十の特例措置を、地域を限定しない本激として指定する見込みであります。被災された自治体や被災者の皆様におかれましては、財政面や資金面に不安を抱くことなく、復旧復興に取り組んでいただきたいと思います。また、被災者の権利を守り、生活再建に向けた取組を後押しするため、今般の豪雨を特定非常災害に指定いたしました。加えて、被災された方に住まいの再建を進めていただくため、応急修理期間中の応急仮設住宅の使用を可能といたしました。

 さらに、政府として、被災者の生活支援を更にきめ細かく、迅速かつ強力に進めるため、各府省庁横断の被災者生活・生業再建支援チームを速やかに設置いたしました。十三日の非常災害対策本部における安倍総理の指示を踏まえ、当該チームを中心に、対策パッケージを月内に取りまとめることとしており、被災地の実情を踏まえて、積極的な検討を行っているところであります。

 被災された方々が安心して暮らせる生活や被災した地域のにぎわいを一日も早く取り戻すことができるよう、被災地の方々の気持ちに寄り添いつつ、引き続き政府一丸となって、被災者支援、復旧復興対策等に全力で取り組んでまいります。

山本委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

山本委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君、内閣府政策統括官青柳一郎君、総務省大臣官房審議官馬場竹次郎君、総務省自治行政局公務員部長山越伸子君、消防庁国民保護・防災部長荻澤滋君、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官岩濱洋海君、農林水産省大臣官房審議官倉重泰彦君、中小企業庁経営支援部長村上敬亮君、国土交通省大臣官房審議官天河宏文君、国土交通省大臣官房技術審議官渡邉浩司君、国土交通省大臣官房技術審議官江口秀二君、国土交通省水管理・国土保全局長五道仁実君、国土交通省道路局長池田豊人君、観光庁観光地域振興部長村田茂樹君、気象庁長官関田康雄君、環境省大臣官房審議官大森恵子君、環境省水・大気環境局長山本昌宏君、環境省環境再生・資源循環局次長松澤裕君及び防衛省統合幕僚監部総括官菅原隆拓君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。金子恭之君。

金子(恭)委員 おはようございます。自由民主党の金子恭之でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。

 今回の豪雨災害では、まさに津波のような濁流が中心市街地あるいは川沿いの集落を一気にのみ込み、土石流が山々の人家を襲い、多くのとうとい人命を奪いました。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福と、いまだ行方不明の方々の一日も早い発見をお祈りしますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。

 政府におかれましては、災害発生直後に現地災害対策室を設置、武田大臣が発災当日に熊本入り、熊本県より被災状況の説明を受け、翌日には早速、甚大な被害が発生した人吉を御視察、被災状況の確認、被災地の切実な声に応えていただきまして、人的、物的プッシュ型支援を始め、激甚災害指定見込みの早期公表、特に、八代市坂本町が中小企業対策で除外されたとのうわさと不安が広がりましたが、本激見込みとなり、熊本県内の全ての被災市町村が入ったことが発表され、安心感がもたらされたところでございます。そして、四千億を超える被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ取りまとめの表明など、切れ目ない強力な支援策を迅速に打ち出していただき、心より感謝いたします。

 被災地は、発災後三週間を経過し、人命救助、住民避難から、生活支援、生活再建、道路等の社会インフラ、ライフラインの復旧にフェーズが移行してまいりました。

 まず、被災者生活再建支援制度の拡充について武田防災担当大臣にお聞きいたします。

 今回、熊本県では五千九百棟を超える床上浸水被害が発生いたしました。災害に係る住家の被害認定基準運用指針によれば、床上一・八メーター以上の浸水が全壊、床上一メーター以上一・八メーター未満の浸水が大規模半壊、床上一メーター未満の浸水が半壊、床下浸水が一部損壊とされておりますが、この制度では、全壊、大規模半壊、つまり床上浸水一メーター以上の住宅でなければ被災者生活再建支援金が支給されません。

 被災者からすれば、床上浸水であれば、一メーターであろうが一メーター八十であろうが、ほとんど被害のダメージは変わりません。半壊の被害を受けた方々も、生活再建に大きな不安を抱えております。全壊、大規模半壊の方々だけではなく、半壊の方々にもこの制度を適用していただきますとともに、この制度における支給額を増額していただくようお願い申し上げます。大臣の御答弁をお願いします。

武田国務大臣 まずは、犠牲になられた全ての皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、とうとい命を、お亡くなりになられた方に対しまして哀悼の誠をささげたいと思います。

 先般、視察の際には大変、熊本県選出の先生方にお世話になりまして、ありがとうございました。

 被災者生活再建支援制度の支給対象の拡大について、今日まで知事会始め多くの地方自治体の皆さん方と検討してまいりました。この問題は、国はもとより地方の財政負担というものが絡んでくるために、大変慎重に扱わなければならないというふうに考えておりますけれども、大変この給付対象の拡大については多くの声が上がっていることに、我々も正面から真摯に受けとめているところであります。

 今さまざまな運用の改善を図っておりまして、まずは、熊本県にも多く見られました、応急仮設住宅を建設する必要があり、公有地、無償提供される土地が不足する場合等に関しても、民有地の借り上げに関する費用も災害救助法による国庫負担の対象となるため、今後ともしっかりとその対応に従事していきたいと思っております。

 また、今回、人吉市において、我々としては、避難所として対象としておったホテル、また旅館が大変な被害を受けたということであります。今後、この応急補修工事等に関しましても、今後、その後に避難所として協力していただけることを前提として、災害救助法による国庫負担を行うことを前提として今調整を進めておるところであります。

 引き続き、被災自治体の実情を踏まえまして、生活再建、住まいの確保にしっかりと支援をしてまいりたい、このように考えております。

金子(恭)委員 ありがとうございます。

 熊本地震から四年がたちました。困難をきわめたさまざまな工事も、国の権限代行の高度な技術力により復旧復興が着実に進んでまいりました。今回の豪雨災害でも、想像を絶する被害が発生、球磨川にかかる落橋した橋梁十本、両岸道路約百キロメートルの災害復旧事業は困難をきわめることが予想され、熊本県からの強い要望を受け、二十二日に国の権限代行による着手を決定していただいたばかりでございますが、その後、調査により、熊本県が管理する球磨川中流部支川九本も大きな被害を受けており、更に国の権限代行による災害復旧が必要であると判明、要望されております。

 ぜひ、地域住民の安全、安心な生活を守るため、球磨川中流部支川九本についても国の権限代行による災害復旧事業で実施していただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。国土交通省から答弁を求めます。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 令和二年七月豪雨において、球磨川水系の、熊本県が管理している川内川等には大量の土砂が流出し、河道が埋塞するなど、甚大な被害が発生しているところでございます。

 このため、今後の降雨に備え、球磨川の九つの支川の復旧を国が権限代行するよう、昨日、河川管理者の熊本県から要請を受けたところでございます。

 国としても、極めて緊急性が高く、高度な技術力が必要であることを考慮し、川内川等の九の支川について国が権限代行により復旧工事を行うことを決定し、河道の確保に向けた緊急的な土砂、流木の撤去等に着手することといたしました。

 引き続き、国土交通省といたしまして、全力を挙げて被災地の復旧復興に取り組んでまいります。

金子(恭)委員 早速迅速な対応をありがとうございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 ただいま熊本県事業の国の権限代行についてお願いしたばかりでございますが、武田大臣も先般、安倍総理とともに御視察いただいた球磨村等におきまして甚大な被害が発生し、村みずから災害復旧事業を実施することが困難な状況にあります。早期復旧を行い、復興を進めるためには熊本県による代行が必要でございます。

 熊本県による代行を実施するため、大規模災害からの復興に関する法律に規定する非常災害として指定をいただくようお願いしたいと思います。

武田国務大臣 被災地の一日も早い復旧復興に対しましては、被災自治体が財政面はもとより体制面でも不安を抱くことのない、この準備が必要だ、このように考えております。

 御指摘の球磨村の村道につきましても、早期復旧のために、熊本県からも、県で代行できるよう、大規模災害からの復興に関する法律に規定する非常災害と指定してほしいとの強い要望をいただいておるところであり、その方向で検討をまた我々も進めておるところであり、いち早くこれが成就するように努力してまいりたいと思います。

金子(恭)委員 ありがとうございます。

 続きまして、ボランティア等の確保について御質問をさせていただきます。

 今後、被災地の復旧復興を加速化していくためには、専門的な技術を有する方々を含め、ボランティアの方々の力が必要不可欠でありますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、ボランティアは、全国から駆けつけたいとの希望者が多数いらっしゃるわけでありますが、やむを得ず熊本県民に限定されており、多くの復旧復興の作業を進めるにはとても人数が足りません。県外からのボランティアの方々にPCR検査を受けていただいてから来ていただくという考え方もありますが、一方、熊本県内で新規感染者がふえている中、慎重に考えざるを得ないという面もございます。

 このような状況の中、復旧復興に必要な人員を確保していくために国としてどのような対策を講じていくのか、お答えをいただきたいと思います。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 熊本県においては、ボランティアの参加を促進するために、知事からの参加の呼びかけ、ボランティアバスの運行、高速道路の無料化措置等が講じられ、個人に加えて大学や企業の参画も得て、四連休中の七月二十三日には約二千人、二十六日までに延べ約一万三千名が参加され、また、重機を用いた家屋清掃など専門技術を有する団体も活動されていると聞いております。

 一方で、被害が甚大な地域ではいまだ多くの被災家屋の片づけ作業が残っているために、主にボランティアが行う片づけ作業を公的主体の事業でも補完するよう、例えば人吉市では、市、ボランティア、地元企業など関係者が一体となって土砂やごみ出しを行う取組を進めることとしておりまして、自衛隊も、支援が必要な場合は協力を行うと聞いております。

 また、政府としては、ボランティアについては、被災者それから地元自治体の意向を十分伺いながら、ボランティアの受入れに当たってPCR検査も含めたよりきめ細かい対応が必要ということになれば、厚生労働省等の関係省庁と連携して対応を検討してまいりたいと考えております。

 仮に被災地においてPCR検査を実施することになった場合には、PCR等検査を含むボランティアの受け付けに必要となる費用等、自治体が新型コロナウイルス感染症へ対応するための経費については、新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金の活用が可能であると承知しております。

金子(恭)委員 続きまして、災害廃棄物、土砂、瓦れき撤去について御質問をさせていただきたいと思います。

 豪雨災害発生後、既に三週間がたちましたが、熊本県内で床上浸水が五千九百棟以上、全半壊が六百棟以上と甚大な被害を受けている上に、地震災害と違い、瓦れきや廃棄物に加え、流入した土砂等が厚く堆積し、混在した災害廃棄物の撤去は時間と大きな労力を必要とし、いまだ、あちらこちらに山積された大量の災害廃棄物が残されており、喫緊の課題となっております。

 環境省と国土交通省、内閣府が熊本県や被災自治体と連携、災害ごみ搬出困難な方の家屋からの土砂、ごみ出し支援パッケージによる、庭先からに加え、地元から強く要望のあった家屋からの土砂、ごみ出しを実施、公費解体への財政支援を決定していただきました。

 支援パッケージと公費解体についてお答えいただきたいと思います。

石原副大臣 お答え申し上げます。

 環境省では、災害廃棄物を仮置場にみずから搬入できない住民への支援として、熊本県人吉市や球磨村において、畳などの大型の災害廃棄物は自衛隊、トラック協会、廃棄物団体等、それ以外の災害廃棄物は他自治体や地元の清掃事業者と連携して、迅速に撤去する取組を進めてまいりました。

 また、土砂や廃棄物を屋内から搬出することが困難な方を支援するため、内閣府、国土交通省、熊本県と連携し、災害ボランティアバスの運用等によりボランティアの参加を促すとともに、大雨災害や新型コロナウイルス感染症により事業に影響を受けている地元企業に土砂や廃棄物の搬出を委託するなどの対応を人吉市において行おうとしているところであります。

 加えて、今般の豪雨により大量の災害廃棄物の発生が見込まれるとともに、今般の災害が特定非常災害に指定されたことを踏まえて、半壊家屋の解体も含めて補助対象とすることとし、災害廃棄物処理基金、いわゆるグリーンニューディール基金と地方財政措置も含めて、熊本地震並みの九七・五%以上の財政支援を行うこととしたところであります。

 被災地の皆様においては、引き続き、我々が全力で後押しをするので、安心して復旧に取り組んでもらいたいというふうに考えております。

 以上です。

金子(恭)委員 副大臣、本当にありがとうございました。地元でも本当に喜んでいるところでございます。

 続きまして、人手不足が深刻な中、自衛隊の皆様には、豪雨災害発生以来、悪天候が続き、二次災害が起こり得る危険な厳しい状況の中、人命救助や行方不明者の捜索、今回、最大百五十六カ所生じた孤立集落への命の道の確保、険しい山道を長時間歩いての孤立者救助や物資輸送、そして、災害廃棄物、土砂、流木等の処理等々、これまで、被災地、被災住民に寄り添い、被災住民の安全な生活を確保し、安心感を与えていただいております。心より感謝を申し上げたいと思います。被災自治体や民間事業者、ボランティアの方々が対応できるようになるまでの間、引き続き、自衛隊の協力、支援をお願いしたいと思います。

 自衛隊のこれまでの活動状況と今後の対応について、お答えいただきたいと思います。

岩田大臣政務官 お答えいたします。

 今般の令和二年七月豪雨におきましては、広範な地域で発生した浸水被害や土砂崩れにより、多くの孤立地帯が生じました。自衛隊は、最大二万人体制によりまして、昼夜を問わず、ヘリやボートを活用し、人命救助や行方不明者の捜索を実施しました。

 また、孤立地域への対応のため、道路啓開を実施するとともに、アクセスが可能になりました地域には、隊員が徒歩により住民に水や食料等を届けたところです。

 また、多様化する生活支援のニーズにも的確に対応するため、即応予備自衛官や予備自衛官も活用しつつ、給水支援、入浴支援、物資輸送、巡回医療等を実施いたしました。

 さらに、今般の豪雨では大型の災害廃棄物が大量に生じ、高齢者の方が多い地域では災害廃棄物の収集、運搬体制が十分に構築できないといった問題が生じたところです。このため、自治体、ボランティアやトラック協会の方々と連携をし、人吉市や球磨村の一勝地地区、渡地区において大型の災害廃棄物の運搬支援等を実施しております。本日も球磨村の神瀬地区において実施予定です。

 なお、私も、七月十八日に自衛隊の活動現場へ赴きまして、人吉第一中学校における入浴支援、球磨村の渡地区における大型災害廃棄物運搬支援後の状況を視察し、自衛隊による支援の重要性を再認識いたしました。今回は、新型コロナウイルスの感染リスクがある中での初めての入浴支援ということも行いましたが、受付や脱衣所に仕切りを設けるなど、感染防止策の徹底がなされていたところであります。また、球磨村総合運動公園にも訪問いたしまして、隊員が天幕を張り、寝泊まりをしている環境を確認いたしました。

 防衛省・自衛隊といたしましては、自治体の御要望を踏まえつつ、関係省庁と密接に連携をしてしっかり対応していきたいと思います。

 以上です。

金子(恭)委員 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 今回の災害で中小企業、小規模事業者が大きな打撃を受けました。この復旧支援に早急に取り組まなければ、地域経済はますます衰退してしまいます。今回も、熊本地震において地域経済を復活させたグループ補助金の、熊本地震でも適用いただいた医療施設や福祉施設、農協等も含め、幅広く適用をお願いしたいと思います。

 なお、四年前の熊本地震で被災し、ことしに入り新型コロナウイルス感染症により数カ月に及ぶ営業自粛や営業不振による経営悪化、そして今回の豪雨災害でさらなる被害を受け、トリプルパンチとなり、事業再開の気力も湧かないような厳しい状況に置かれており、これまでの災害でもなかったような特別な事態に陥っております。既に借入れを重ね、これ以上借入れをする余力もなく、グループ補助金の自己負担分、四分の一すら負担できない事業者も大勢いらっしゃると思います。ぜひこの状況を勘案し、さらなる特別な支援対策も含め、強く要望いたします。御答弁をお願いします。

牧原副大臣 お答えいたします。

 経済産業省では、先週、梶山大臣も現地に入り、金子委員にも御同行いただいて、熊本の事業者の皆様が、今委員御指摘のようなたび重なる災害によって本当に事業再開の希望を、意欲を失いかねない大変厳しい状況にあると理解をしております。

 総理から、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージについて今週中に取りまとめる旨、改めて発言があり、現在、具体的な支援策について最終的な詰めを行っているところでございますが、委員の御指摘になりましたような被災地の現実をしっかりと踏まえた、事業者の皆さんが事業継続に希望を持てるようなものにしてまいりたいと思っているところでございます。

 また、今御指摘があった医療法人等の幅広い連携につきましては、過去の災害で措置されたグループ補助金においては、医療法人、農協、森林組合などの法人や組合についても支援対象にしてきたものと承知をしているところでございます。そうしたことも踏まえつつ、しっかりとこの支援対象範囲についても検討してまいりたい、このように考えております。

金子(恭)委員 厚生労働省と農林水産省の参考人もお見えいただいておりますが、経済産業省としっかり協議をして、一日も早い復旧に御尽力を賜りたいと思います。

 今述べたように、今回被災した事業者は、熊本地震、新型コロナウイルス感染症、そして豪雨災害とトリプルパンチを受け、これから事業を継続できるか非常に厳しい経営環境にあります。そこで、企業の雇用の維持を図る上で、雇用調整助成金に関して、新型コロナウイルス感染症の影響も受けている被災事業者が多いことを踏まえて、特例措置を講じ、また、コロナ特例で助成額、助成率を引き上げている期間も延長すべきではないかと考えます。お答えをいただきたいと思います。

自見大臣政務官 お答えいたします。

 今回の七月豪雨による影響から地域の雇用を守るため、雇用調整助成金については、昨年の台風第十九号や平成三十年七月豪雨等の自然災害における対応と同様の特例措置を講ずることとしておりますが、今回、豪雨の影響を受けた事業主のうち、新型コロナウイルス感染症の影響も受けているものにつきましては、新型コロナウイルス感染症に係る特例措置を活用できることとなってございます。

 なお、新型コロナウイルス感染症の特例措置に係る今後の対応につきましては、感染症の状況や経済、雇用情勢の動向も踏まえ、その時々の状況に応じて必要な対策を、金子委員の御指摘もしっかりと踏まえながら対応してまいりたいと考えてございます。

金子(恭)委員 二分ほど超過いたしましたが、金子俊平先生に心より感謝を申し上げ、引き続き政府といたしまして一日も早い復旧復興に御尽力を賜りますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

山本委員長 次に、金子俊平君。

金子(俊)委員 おはようございます。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。自由民主党の金子俊平でございます。

 まずは私からも、今回の豪雨災害によって亡くなられた方に改めて御冥福を心よりお祈りを申し上げ、また、被災された皆様方へのお見舞いを申し上げさせていただきます。

 私の地元岐阜県でも、高山市また下呂市を中心に本当に幅広いエリアに災害が発生をしまして、早々に政府からは、先週、二十三日には武田防災大臣、二十四日には赤羽国交大臣にも御視察をいただきました。この場をおかりして御礼を申し上げさせていただきます。

 冒頭に、武田大臣より、令和二年豪雨災害の被害状況等を説明を賜りました。住民の皆様方が早く安心して暮らせるように一刻も早い復旧をお願いさせていただくと同時に、早速でありますけれども質問に入らせていただきます。

 まず、JR高山本線に関してお聞きをさせていただきたいというふうに思います。

 皆様方の本当に迅速な対応が功を奏して、先日、二十三日には早急に全線開通をしていただきました。心より御礼を申し上げます。

 高山本線の不通は、高校生の通学、また近隣の方の通勤だけではなく、経済や観光に大きな障害が発生をしてしまいます。二年前の西日本豪雨災害のときも物すごい甚大な被害がありましたけれども、被害状況から考えると、四カ月半という比較的早いタイミングで回復をしていただけたんだろうというふうに思います。

 しかしながら、今後のことを考えると、やはり、山間地に走る鉄道の宿命として、山の横を道路と鉄道が走る、そして、さらにその横に川があるという、ある意味独特の事例が数多くあるのではないのかなというふうに思います。

 今後の山間地の鉄道の安心、安全な運行確保のために国としてどういうことを考慮されているのか、あればお聞かせいただきたいというふうに思います。

江口政府参考人 お答えをいたします。

 令和二年七月豪雨により被災しましたJR高山線は、地元の通勤通学の足であるだけではなく、観光としても重要な路線となっています。

 そのため、並走する国道四十一号線の復旧事業と連携いたしまして、JR高山線の運転再開を最優先とした作業が進められ、四連休初日の七月二十三日に復旧することが可能となりました。

 国土交通省では、このような事業間連携による復旧作業を進めておりまして、他の被災した路線においても早期復旧が図られるよう、引き続き連携に努めてまいります。

 また、近年、災害が激甚化する中で、各鉄道事業者は列車の安全を確保するために雨量による運転規制等を行っていますが、国土交通省では、鉄道施設を災害から守る取組といたしまして、鉄道事業者が行う斜面からの土砂流入対策等に対する支援も行っておりまして、引き続き鉄道の安全運行が確保されるよう努めてまいります。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 次に、道路についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 武田大臣を始め両大臣に御視察をいただきました、我ら飛騨地域の大動脈であります国道四十一号線、下呂市小坂門坂というところで五百メーターに及ぶ道路の崩落が発生をいたしました。JRとともに、国道の寸断は、この地域にとってライフラインを断たれるに等しく、通勤通学、輸送、観光、全ての面で大きな損失が発生をしております。

 そもそも、国道四十一号線は、本州の直轄国道では唯一、雨量規制百二十ミリ区間が残された地域であります。今回の災害でも、下呂、高山の各地で冠水、土砂災害が発生をしている。同時に、孤立箇所も多く発生をいたしました。特に大きかったのが、国道百五十八号、四百七十一号の災害によって約千三百名が長時間にわたって閉じ込められた奥飛騨温泉、上宝地域と、千百五十名が孤立をした下呂市小坂の五地区でございます。

 奥飛騨地区の二国道路線に関しましては、今月中にも通行規制が解除されて大型バスが通行できるように現在地元で調整をしていただいておりますけれども、そもそも、今、国交省で整備をしていただいております中部縦貫自動車道が開通をしていたとすれば、孤立する可能性は大幅に下がっていたんだろうというふうに思います。

 また同様に、下呂市小坂町内五地区に関しても、県管理道、林道が進捗して孤立の可能性を低くするということが今後ますます重要になってくるんだろうというふうに思います。中部縦貫自動車道の早期整備とあわせて、ぜひ、国交省主管の道路ではありませんけれども、迂回路確保という観点から、ほかの関係機関と相談をしていただいて、しっかりと国交省にリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思います。

 先般、赤羽大臣が御視察いただいたときに、国道四十一号に関しては、八月三十一日をめどに復旧をしていただけるという御発言をいただきました。そして同時に、近隣の改良事業であります屏風岩、門原防災に関しては、しっかりと進めるという御発言も賜りました。

 国土交通省にお伺いをさせていただきます。

 八月三十一日をめどにという御発言をいただきました。どのぐらい早く御復旧が可能なのか。また、御発言いただきました屏風岩や門原の四十一号線強靱化に関してどういうお考えがあるのか。また、迂回路として、中部縦貫自動車道路の早期開通等々を含めて、今後の御予定やお考えをお伺いさせていただきたいと思います。

池田政府参考人 お答えいたします。

 今回の豪雨におきまして、国道四十一号の下呂市小坂町門坂におきまして、飛騨川の増水により、川に面した道路のり面が約五百メーターほど崩落をしておりまして、この区間を含めた一キロ区間で通行どめが現在も続いております。

 この復旧については二十四時間体制で今進めておりますけれども、五百メーターにわたる大きな崩壊になっておりますことから、現在、八月三十一日を目標にしまして、一車線の片側交互通行の交通開放を目指して一日も早い応急復旧を進めております。

 また、今後、四十一号に同様な被災が生じないように、橋梁やトンネルなどによる局所的な改良を行う事業として、屏風岩の改良事業及び門原防災事業、こういったものを進めておりまして、こちらも、今年度は工事の推進を図るなど、早期の完成を目指したいというふうに考えております。

 また、中部縦貫自動車道についても、高山インターから丹生川インターまでの約九・五キロについて、今年度、工事を推進して早期の完成を目指してまいります。また、残る区間がございますけれども、この事業に引き続いて事業が進められるよう、現在、概略ルートの検討も行っているところでございます。

 引き続き、地域の協力を得ながら、一日も早い復旧や道路整備に取り組んでまいりたいと考えております。

金子(俊)委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。

 続きまして、土砂崩れに関して質問をさせていただきたいと思います。

 今回の災害でも、土砂崩れが多く発生をしました。飛騨でも、民家等への被害や、また通行どめが数多く発生をしました。

 一方で、記録的な雨にもかかわらず、砂防堰堤や流路工の整備が比較的進んでいたと思われる地域に関しては、ぎりぎりで土砂を食いとめた、被害を抑えてくれた場所も、今回の災害に関しては幾つかあったんだろうというふうに認識をしております。改めて、事前防災としての砂防事業の効果、また重要性というものをまざまざと見せつけられた感がいたしました。

 郡上市奥田洞では、今回の豪雨被害が起きる直前に、災害関連緊急砂防事業の実施を国で決めていただきました。地元の皆さんも非常に喜んでおりましたが、今回の砂防堰堤の上流部に土砂が堆積をしている、非常に危険な状況が続いており、十二世帯、三十九名の皆様方が現在も避難を余儀なくされております。さらなる豪雨災害のリスクがある中で、避難している住民の皆様方が早期に帰宅できますように、土砂災害発生箇所の早期復旧の全面支援を国交省にお約束していただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いいたします。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 令和二年七月豪雨に伴い、けさ時点で、全国で、三十五府県で七百十三件の土砂災害の発生が報告され、このうち岐阜県内では、郡上市、下呂市など十二件の土砂災害の発生が報告されているところでございます。このうち岐阜県郡上市で発生した土砂崩れでは、既存の砂防堰堤が土砂を捕捉したため、下流の人家九戸に被害が及ぶことはありませんでした。しかしながら、先生御指摘のとおり、斜面には大量の土砂が今なお残っており、今後の降雨によって二次災害の発生が懸念されていることから、現在、周辺住民が避難を余儀なくされているところでございます。

 岐阜県では避難住民が早期に帰宅できるよう二次災害防止対策を検討しており、国土交通省としても、県からの求めに応じ、土砂災害の専門家を派遣し、技術的助言を行っております。県では、これを踏まえて、災害関連緊急砂防事業により、無人化施工による砂防堰堤からの除石やセンサー設置による警戒避難体制の確保を進めているところでございます。

 国土交通省といたしましては、このほかの土砂災害発生箇所も含め、まずは避難されている方が早期に帰宅できるよう二次災害防止対策に万全を期すとともに、引き続き、砂防堰堤の設置など恒久対策の実施についても県への技術的助言や財政的支援を行ってまいりたいと考えております。

金子(俊)委員 ありがとうございました。

 続きまして、河川に関してお伺いをさせていただきたいと思います。

 このたびの災害でも、我が岐阜県では多くの河川の護岸決壊、また氾濫が発生をいたしました。その中で、岐阜県加茂郡白川町というところでありますけれども、飛騨川と支川の白川の合流地点がございます。バックウオーター現象、テレビでも最近報道をしていただいているようでありますけれども、飛騨川の濁流による増水のために、そこに流れ込む予定であった支川、白川の水が行き場をなくしまして、急激に水位が上昇して氾濫を起こすということを、この場所では繰り返し起こっております。今回の災害でも、民家など四十一軒、床下、床上浸水、合わせてでありますけれども、発生をいたしました。全国のニュースでもたびたび取り上げられておりました。

 近年、気候変動によって想定外の豪雨というのが、よく、十年に一遍の災害が毎年起こるというような表現をされるようになりましたけれども、私のところはそれが一週間に何度も起こるような状況になっておりまして、こうしたバックウオーター現象による浸水被害が全国で生じておりますけれども、その対策、また災害に強い河川整備に関してどう思われているのか、意見があればお伺いをしたいというふうに思います。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 令和元年の東日本台風等においては、本川の水位が上昇することで支川の水が本川に流れにくくなって滞留をすることによって水位が高くなるバックウオーター現象等により、全国で広範囲にわたり浸水被害が発生いたしました。

 バックウオーター現象への対策としては、本川の水位を下げるための河道掘削などの対策を進めていくとともに、支川においても、本川からのバックウオーター現象を考慮して、本川の堤防と同じ高さや幅の堤防整備を行うことや、堤防の強化、水門の整備等のハード対策を行うことが重要であると考えてございます。

 委員御指摘の令和二年七月豪雨で被害があった飛騨川、白川等において、河川管理者である岐阜県において浸水の要因を検証した上で浸水被害軽減に向けた治水対策を推進していくというふうに聞いてございます。岐阜県が検証結果を踏まえて行う治水事業に対し、防災・安全交付金等により必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

 また、治水対策に当たっては、本川、支川、上流、下流の流域全体を見回し、国、県、関係市町村が連携しつつ、流域が一体となった対策が必要であり、全国の一級水系を対象に、流域治水プロジェクトとして緊急的に実施すべき具体的な治水対策を取りまとめることとしております。

 飛騨川を含む木曽川水系全体においても、国が岐阜県、高山市、下呂市、白川町等の地元自治体と一体となって治水対策を実施してまいります。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 少し質問の順番を入れかえさせていただきたいというふうに思います。

 特に飛騨地方でありますけれども、一昨年の災害そして今回の災害、特に観光産業に非常に大きな影響を受けております。

 連日、テレビの報道で四十一号の崩落箇所を映していただいておりますけれども、その影響からだというふうに思いましたけれども、下呂温泉に被害があると思われている方が数多くいらっしゃる。この場をおかりして申し上げますけれども、下呂温泉に被害はございません。一連の災害報道、地域経済にさらなる影響を与えないように、ぜひ政府には正確な情報発信をしていただきたいというふうに思います。

 政府の今やっていただいている取組というものがあれば、教えていただきたいというふうに思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 観光庁におきましては、災害が発生した際、地域の御意向を伺いながら、観光庁のホームページやSNS等におきまして、その影響を受けた観光地の状況について情報発信を行っているところでございます。

 御質問のございました岐阜県の下呂市におきましても、下呂温泉街の宿泊施設等に大きな被害はないと伺っておりますが、宿泊予約のキャンセルが生じているものと承知しております。

 このため、旅行者の皆様に下呂温泉を安心して訪れていただけるように、現在、下呂市の宿泊施設の営業状況や交通アクセス等につきまして、観光庁のホームページにおきまして情報発信を行っているところでございまして、引き続き、観光地の正確な情報発信にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

金子(俊)委員 ありがとうございます。

 時間もそろそろ参ると思います。

 最後に、武田防災大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 武田大臣には、早々に岐阜県内、災害地にお越しを賜りまして、改めて御礼を申し上げます。

 一昨年、西日本で大きな災害がありました。そのときは西日本の広範囲プラス岐阜県。そして、ことしも九州を中心に大きな災害がありました。九州プラス岐阜県と一部長野県という状況なんだろうというふうに把握をしております。

 どうしても、これはマスコミの報道でありますから、広範囲に被害があるところに報道が集中をする、いたし方ないことなのかなと思う反面、地元で復旧活動に携わっている人たちからすると、心配で心配でしようがない。

 ぜひ、我々岐阜県も、しっかりと政府が注目をしてくれている、大臣に来ていただいたのでそのお気持ちは重々わかっておりますけれども、速やかな激甚災害指定も含めて、今後、復興に関する武田大臣の御意見をお伺いしたいというふうに思います。

武田国務大臣 まずは、二十三日、被災地を訪問した際には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 お答えする前に、先ほど委員から御指摘がありました下呂温泉の風評被害、私自身も視察いたしましたけれども、この災害による大きな災害は全くなかったということを確認できておりますし、今後とも下呂温泉に、皆様方、楽しんでいただくためにどんどん足を向けていただくよう、お願い申し上げたいと思います。

 とにかく我々は、被災地がもとの姿を取り戻すために、また被災者がもとの生活を取り戻すために、政府そしてまた自治体、総力を結集して臨んでいくということを、決意を新たにいたしておるわけであります。

 また、今日までの災害の教訓というものを踏まえて不断の見直しを行ってきて、かなり手続そして対応がスピーディーになってきたことも、これも我々は評価をしているところであります。

 御指摘の激甚災害指定の見込みにつきましても、公共土木施設そして農地等の災害復旧事業の見込みをいち早く発することができました。

 また、総理の直接の指示のもとに、今週中にも、生活、なりわい再建のパッケージというものを公表できる見込みとなっております。

 いずれにしましても、スピーディーに、一日も早くもとの生活が取り戻せるように総力を結集して臨んでまいることをお誓い申し上げたいと思います。

金子(俊)委員 時間が参りました。

 改めて、御答弁いただいた皆様方には御礼を申し上げ、また質問できなかった皆様方、大変おわびを、申しわけなかったというふうに思います。

 ありがとうございました。

山本委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 皆様、おはようございます。公明党の江田康幸でございます。

 本日は、熊本、福岡、大分を始めとする令和二年七月豪雨に関して質問をさせていただきます。

 このたびの令和二年七月豪雨においてお亡くなりになられた方々とその御家族に対して深く哀悼の意を表しますとともに、今なお避難所等において不自由な生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 私の地元熊本県では、七月の三日から四日朝方にかけて降った大雨が球磨川の大氾濫や多数の土砂災害を引き起こし、昨日までに、死者六十五名、住宅被害は、全壊五百五十七戸を始め、五千九百棟以上の床上浸水、甚大な被害をもたらしたところでございます。

 私は、災害発生直後の五日から、公明党の県議団や市議団の皆様とともに、この土砂崩れで多くの死者が出た芦北町や球磨川の氾濫で市内全域が冠水した人吉市に調査に入りました。十一日には山口代表とともに、十五日には赤羽国土交通大臣とともに、さらには、十八日には公明党の災害対策本部の石井本部長とともに、球磨村、芦北町、人吉市、八代市の被災地に入らせていただきました。

 そして、被災状況の調査の結果や現場を回る中で伺った自治体の首長や住民避難者の皆様からの要望を取りまとめ、二十二日には、公明党として、豪雨災害に対する緊急要請を安倍総理大臣に申入れをさせていただいたところであります。

 本日は、これらの公明党の緊急要請のもとに質問をさせていただきます。

 まず、激甚災害の早期指定及び全面的な財政支援について、武田大臣にお伺いをしたいと思います。

 政府は、この七月豪雨について激甚災害の指定見込みである旨を公表しましたが、速やかに政令指定の手続を進めていただきたい。また、総理からは、四千億円を上回る予算を活用して、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージを早急に取りまとめると発表していただきました。

 被災地域の一日も早い復旧復興の実現のためには、特別な財政措置を講じることが必要と考えます。特に、被災地は熊本地震からの復興の途上で発生したコロナ禍で経済状況が著しく落ち込んで、今回の豪雨災害で三重苦の状況にあること、また、コロナ禍において初めて起きた大災害であることを十分に考慮して、熊本地震に相当する特別の財政措置また税制措置等の特例を講じていただきたいと思います。

 武田大臣には、何度も被災地に早期に入っていただいて陣頭指揮をとっていただいております。武田大臣の所見をお伺いいたします。

武田国務大臣 御指摘の七月豪雨を含む本年の梅雨前線豪雨等による災害につきましては、もう既に激甚災害指定の見込みというものを公表させていただいております。

 この指定政令の制定につきましては、この指定については、一連の梅雨時期、つまり、梅雨が明けて初めて結果が出るわけでありまして、まだ梅雨が明けていない限りにおいては予断を許さない状況が続いているわけであります。梅雨明け後、適用措置の内容等が確定次第、速やかに手続を進めてまいりたいと思います。

 また、総理の指示のもと、今週中にも、生活、なりわい再建のパッケージを公表することとなっております。一日も早い生活、なりわい再建のために、政府そして自治体、総力を挙げて今後とも臨んでまいりたい、このように考えております。

江田(康)委員 大臣、よろしくお願いをいたします。

 次に、公共土木施設等の早期復旧と国の直轄権限代行の指定について、私からも質問させていただきます。

 熊本県によると、球磨川等にかかる道路橋の崩落は十四カ所にも及ぶわけでありまして、特に、球磨川にかかる橋梁十橋及びこの関連する国道二百十九号、県道、市町村道の復旧については、国の直轄権限代行により迅速に進めることが必要と要望をしてまいりましたが、これを受けて二十二日には国直轄の決定がなされたことを我々は高く評価したいと思います。

 球磨川にかかる十橋が流失しており、再度災害が起こらないように災害復旧をすべきだと考えますが、極めて難しい復旧でもございます。どのように進めていくか、簡潔に政府の所見をお伺いいたします。

五道政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員からお話ございましたように、道路や河川の復旧事業について国が被災自治体にかわり権限代行で実施することとしておるところでございます。

 特に道路につきましては、七月二十二日には、熊本県や市町村が管理する球磨川にかかる流失した橋梁十橋を含む両岸の道路約百キロメートルを災害復旧事業について国が代行するということにいたしたところでございます。

 今後、被災の原因の調査を進めて、その結果をもとに、再度災害防止を踏まえた復旧法、工法を検討し、進めてまいりたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、被災した公共土木施設の早期復旧に向けて、被災した自治体としっかり連携をとって支援をしてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 ありがとうございました。万全の体制で進めていただきたいと思います。

 鉄道の早期復旧に向けた支援についてもお伺いをさせていただきます。

 甚大な被害を受けたのは鉄道もしかりでありまして、JR肥薩線また肥薩おれんじ鉄道及びくま川鉄道については、地域住民の生活の再建のためにもこの早期の全線復旧が必要であります。復旧の見通しについてどうか、また、この早期復旧のためには熊本地震のJR豊肥線や南阿蘇鉄道のような特別な財政支援措置が必要かと考えますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。

 さらに、鉄道不通区間の通学支援等のために鉄道事業者が行う代行バスの運行経費等についても財政支援を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

江口政府参考人 お答えいたします。

 令和二年七月豪雨では、熊本県内の鉄道も大きな被害を受けました。土砂流入等の被害を受けました肥薩おれんじ鉄道線では、順次復旧作業が進められているところでございます。

 一方、JR肥薩線及びくま川鉄道湯前線では、橋梁が流失する被害を受けておりまして、今後、具体的な復旧方法についての検討が行われる予定ですが、復旧には長期間かかる見込みとなっております。

 このような被災した路線の復旧に対する財政措置につきましては、委員御指摘の熊本地震におきまして、豊肥線については改正された鉄道軌道整備法による支援、南阿蘇鉄道に対しては大規模災害からの復興に関する法律に基づく災害を対象としました特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業による国の支援が厚くなる制度がそれぞれ用いられました。このような支援措置も踏まえまして、また、道路や河川等の関連する事業とも連携を図りながら、早期復旧が可能となるよう検討してまいります。

 また、肥薩おれんじ鉄道とくま川鉄道では、通勤通学などの地域の生活の足を確保するための代行バスの運行が既に行われているところでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大による輸送需要の大幅な減少もあり、経営環境の厳しい地域鉄道事業者にとって、代替輸送の長期化に伴う運行費用の拡大は今後の事業運営上の大きな負担になるものと認識しておりまして、代行バスに対する支援についても検討してまいります。

江田(康)委員 よろしくお願いをいたします。

 次に、災害廃棄物の早期処理に向けた支援について、石原副大臣にお伺いをさせていただきます。

 今回の豪雨災害は、過去の豪雨災害と比べても被害が甚大であります。被災者の早期の生活再建を図るという観点からは、建物の解体撤去費用については、熊本地震と同様に、市町村が行う半壊の損壊家屋についても国の補助対象とするよう要望をしてまいりました。

 この点、十七日に小泉大臣により、特定非常災害に指定されれば、対象を半壊以上に広げることを決定していただいたところでございます。高く評価をしたいと思います。自費で解体を終えた家屋も対象に含める方向と伺っておりますけれども、具体的な支援内容はどうなのか、お伺いをしたいと思います。

 加えて、災害廃棄物の量は膨大であります。多額の経費がかかる。自治体の負担が大きく膨らむわけであります。熊本地震の際には、国の特別の財政支援によって被災市町村の財政負担が大幅に軽減されて、ちゅうちょすることなく事業に取り組むことができて、事業が円滑に進んだ大きな要因になっております。

 このような経験から、今回も、災害廃棄物の処理については国による手厚い財政支援が望まれます。災害廃棄物処理事業にかかわる国庫補助率を引き上げて、そして環境省のグリーンニューディール基金も最大限に活用して、九九・七%という熊本地震並みの国庫補助率で、地元負担がほとんどないようにと要望をしてまいりましたけれども、その対応についてはいかがでしょうか。

石原副大臣 お答え申し上げます。

 今般の令和二年七月豪雨により大量の災害廃棄物の発生が見込まれるとともに、今般の災害が特定非常災害に指定されたことを踏まえて、半壊家屋の解体も含めて補助対象とすることとし、災害廃棄物処理基金、いわゆるグリーンニューディール基金と地方財政措置も含めて、熊本地震並みの九七・五%以上の財政支援を行うこととしたところであります。

 また、被災市町村において家屋の撤去開始前において、既に所有者等によって家屋の解体や宅地内の土砂まじり瓦れきの撤去が行われた場合も、本補助金の補助対象とすることといたしました。

 被災地の皆様においては、引き続き、我々が全力で後押しをするので、安心して復旧に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 以上です。

江田(康)委員 よろしくお願いをいたします。

 次に、被災者生活再建支援制度の拡充について、武田大臣にお伺いをさせていただきます。

 今回の豪雨災害では、浸水による被害が甚大かつ広範囲に広がっておりまして、半壊世帯でも修理等に多大な費用がかかるわけであります。平成三十年十一月から全国知事会が、被災者生活再建支援制度について半壊世帯も対象とすることを提言しておられます。内閣府においても、都道府県と意見交換を実施しているとこれまでも私も承知をしておるところでありますけれども、今般の災害を踏まえて、一刻も早く制度を改正することが必要だと強く訴えます。

 令和二年七月豪雨については遡及適用を講じる必要があると考えますけれども、武田大臣の所見をお伺いさせていただきます。

武田国務大臣 御指摘の生活再建支援制度でありますが、御指摘のように、全壊、大規模半壊までが対象となっておる制度について、半壊もこれを含めるべきではないかという意見を多数寄せられているのも事実であります。

 この制度というのは、全都道府県の相互扶助また国による支援制度でありまして、当然、国はもとより地方自治体に対しても財政負担というものが伴ってくる問題で、その面で、さまざまな今議論が重ねられていると思います。

 しかし、我々は、とにかく不断の見直しを試みていくということを常日ごろ申し上げておりますし、速やかな検討態勢に入ってまいりたい、このように考えております。

江田(康)委員 速やかに検討していただいて、決定をしていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 次に、被災企業の復旧を支援するグループ補助金の適用と補助率のかさ上げについてお訴えをさせていただきます。

 今回の豪雨災害で、地元事業者は大きな打撃を受けているわけでありまして、人吉地域は九州の小京都とも言われて観光地として有名なところでありますけれども、四年前の熊本地震で大きな打撃を受けて、その復興途上で新型コロナウイルスの影響を受けて、これから観光客を呼び戻そうとしていたやさきに今回の豪雨災害となったわけであります。まさに、熊本地震、コロナ禍、そして豪雨災害という三重苦の状況にございます。

 これまでの苦難に耐えてきた旅館、ホテルなどの観光業や中小企業の皆様が事業を諦めざるを得なくなり、地域産業の衰退につながる可能性もあります。そのような事態を防ぐためにも、熊本地震のときに創設されたグループ補助金を適用して、被災地域の復旧を公費で支援することが必要不可欠と強く訴えてまいりましたけれども、政府の見解をお伺いしたい。

 梶山大臣も、グループ補助金を視野に入れて検討すると明言をされました。今般の災害にも適用できるように、制度を拡充していただきたいと思います。

 特に、補助率のかさ上げや定額化の検討も進めて、甚大な被害を受けた事業者が実質的に負担のないなりわいの再建に取り組めるようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省では、これまでも被災地に職員を派遣し、現地の自治体や商工団体と連携して、中小企業の被害状況の把握を鋭意進めてまいりました。また、御指摘もありましたように、梶山経済産業大臣も直接現地を視察いたしまして、事業者の皆様から直接被害状況や御要望を伺っているところでございます。

 委員御指摘のように、新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化している中で、更に今回の豪雨で大きな被害を受けたことにより、多くの中小・小規模事業者等の皆さんが事業再開への気力を失いかねない厳しい状況にあるというふうに認識をしてございます。

 安倍総理からも、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージについて、今週中に取りまとめる旨、改めて発言があったところでございます。

 具体的な支援策については最終的な詰めを行っているところでありますが、御指摘のあったような被災地の現実をしっかりと踏まえ、事業者の皆さんが事業継続に希望を持てるようなものにしたい、このように考えてございます。

江田(康)委員 事業者の皆様の自己負担ができるだけないように、このグループ補助金の適用を決定していただきたい、強く申し上げておきます。

 次に、被災した旅館、ホテルを避難所として活用するための支援についてお伺いをさせていただきます。

 復旧の面でも大きく支援をしていかなければならないわけでありますが、内閣府からは、コロナ禍においては、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所の開設を図るとともに、ホテルや旅館等の活用も検討する旨の通知が出されております。しかしながら、今般の水害によってホテルや旅館等も被災しているわけでありまして、その活用のためには、まず復旧が必要となります。

 そこで、避難所やみなし仮設として活用するための施設の復旧に要する経費については、国庫による財政支援を講じる必要があると考えますが、政府の見解をお聞きいたします。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 今般の災害で大きな被害を受けた人吉市においては、活用可能な民間賃貸住宅や即入居可能な公営住宅がほとんどないことに加えまして、市内のホテル、旅館等の多くが浸水被害を受け、すぐに避難所としては活用できる状態ではないと伺っているところでございます。

 このような状況のもとで、被害を受けたホテル、旅館を避難所として迅速に活用するために、必要な応急補修工事費用等について、災害救助法による国庫負担を行うことを前提といたしまして、現在、熊本県、人吉市、それからホテル、旅館の経営者等、関係者との調整を進めているところでございます。

 引き続き、ホテル、旅館等をできる限り早期に避難所として活用できるように、熊本県や人吉市と連携して支援を行ってまいります。

江田(康)委員 どうぞよろしくお願いをいたします。

 最後に、ボランティア不足への対応についてお伺いをさせていただきます。

 被災地では、住宅の泥のかき出し、また家財道具の搬出など、それを手伝うボランティアのニーズは非常に高まっています。ボランティアセンターも十カ所設けられているわけでありますが、しかし、これまでの災害と大きく異なって、新型コロナウイルスへの感染防止のためにボランティアの対象を同じ県内や市町村に住む人に限定しておりまして、圧倒的に人手が不足している、またこれからもそうなってくるという状況であります。

 先日、我が公明党で話を伺った全国社会福祉協議会からは、特例措置で民家敷地内でも行政が重機で迅速に片づけができるようにして、ボランティアは屋内の片づけに絞るなど、共助を公助でカバーする仕組みが必要ではないかという御指摘がございました。

 政府の事業に堆積土砂排除事業というのがございます。これを積極的に活用して、地元住民を雇用する建設業者と自衛隊とボランティアの三者の組合せによる災害廃棄物撤去の支援体制を早急に構築すべきと考えますけれども、政府の対応はいかがか。

 また、コロナ禍における新しい復旧支援として、国にはこうした共助を公助でカバーする仕組みというものを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の堆積土砂排除事業を積極的に活用していこうというところでございまして、人吉市では、人吉市、ボランティア、地元企業など、関係者が一体となって土砂やごみ出しを加速するために、まず、ボランティアバスの運行や一層のPRによるボランティア募集の強化、それから、豪雨災害やコロナ禍で事業に影響を受けている地元企業さんへ搬出業務の委託をして、庭先まではボランティアや地元企業が、その先は市が土砂やごみを運び出す、国交省と環境省の事業を連携させた撤去スキームの構築といった対策パッケージをまとめて、実施する予定でございます。

 また、自衛隊につきましては、自治体の判断と現地での調整に基づきまして、自治体の廃棄物処理事業と連携した大型災害ごみの一掃大作戦によりまして撤去を支援しているほか、こうしたパッケージにも支援が必要な場合は協力を行うと承知しております。

 内閣府では、こうした自治体、地元業者、自衛隊、ボランティア等が連携した被災者支援活動を促進しているところでございまして、引き続き、こうした環境整備、仕組みの整備に努めてまいりたいと思います。

江田(康)委員 時間が参りました。

 国におかれては総力を挙げて復旧復興に努めていただくように申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

山本委員長 次に、矢上雅義君。

矢上委員 立憲民主党の矢上雅義でございます。

 本日は、立国社を代表して質問させていただきます。

 まず冒頭、今回の水害でとうとい命を落とされた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。そしてまた、行方不明の皆様の早期発見を願います。

 今、この被災中に、特に私ども頭が下がりましたのが、ボランティアの皆様を始め、国、自治体の職員、関係者、また警察、消防、自衛隊等の救助に当たられた皆様方、そしてインフラの整備、復旧に全力で取り組まれました関係者の皆様方にも深くお礼を申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、先ほどより金子議員、江田議員より御質問がありました、熊本県管理の国道二百十九号線の復旧工事を高度な技術を有する国の権限代行により早期に実施すべきではないかということでございますけれども、大まかな基本方針が先ほど示されましたので、安心したところでございます。

 お二方の先生から出ましたように、この国道二百十九号、そして県道、村道、支線の整備など、いずれの一つを欠いても機能はいたしません。今回の被害規模や事業規模の見通しについて今後早急に把握していただきたいと思うのですけれども、この事業規模等の見通しについての日程感等をお伺いいたしたいと思います。

池田政府参考人 お答えいたします。

 今回の豪雨によりまして、八代から人吉間の球磨川沿いの国道二百十九号及び熊本県道などの両岸の道路が全線にわたり被災をいたしまして、球磨川にかかる橋梁十橋も流失をしたということでございます。

 今お話ありましたように、今回の被害が甚大であることから、この両側の道路及び流失した十橋について、全体百キロでございますけれども、国の権限代行を決定し、災害復旧事業に着手をいたしました。

 これから、国が権限代行を行う災害復旧事業の内容や規模につきまして、まず、今後調査をいたしまして、その調査を踏まえた復旧の方法を定めることにしております。それに基づきまして、年度ごとに必要な予算について確保できるよう努めてまいる予定にしております。

矢上委員 これから、この国道二百十九号線というものは、九州、また熊本県南部におきましても鹿児島におきましても基幹道路でございますので、先ほど申された日程感に従いまして早急に復旧をしていただくようお願い申し上げます。

 次に、これも先ほど以来、与党の議員の皆様が御質問されたことですけれども、今回被災しました中小、小規模の商工業者と農林水産業者への経営再建支援策でございます。

 特に、今回、球磨川流域でこれだけ大きな災害が起きたのは五十年以上ぶりでございますので、特に人吉市内の商店街の店舗関係者は、火災保険をつけるときに水害の水災補償特約をつけていない方が、もしかすると半分もいないんじゃないかということを保険の会社の方から聞いたことがございます。このコロナの不況に加えて今回の水害で、このままお店を廃業してしまうおそれが出てくるのではないかと言われております。

 また、農産物におきましても、ちょうどこの時期、収穫時期や出荷時期に当たっておりますので、農家の現金の所得損失も直接かぶる甚大な被害が出ております。私も現場に行きましたけれども、ハウスの上まで水につかりまして、トラクターなどの収穫機械やたばこなどの加工施設も水没しておるような状況で、このままでは離農につながるおそれがございます。

 特に、被害が甚大だった地域で被災した商工業者や農林水産業者に対してのグループ補助金とあわせた自己負担分への無利子融資やかさ上げも必要と考えますし、武田大臣が先日申されましたセーフネット貸付けとあわせて、ハイブリッド型の経営再建支援をお願いいたします。

 このこともほかの議員の方が質問されておられますので、今後の簡単な検討状況についてお伺いいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御説明したとおり、職員の派遣、梶山大臣自身の直接の現地への往訪、それも含めまして、よく現場の皆様の声を聞いた上で、ややもすれば事業再開の気力を失いかねないこの状況を何とかしたいというふうに思ってございます。

 総理からも、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージを今週中にまとめるようにという御指示をいただいて、改めて発言もあったところでございます。

 現実をしっかりと踏まえて、支援策の最終的な詰めをしっかりと行ってまいりたいと思います。

矢上委員 この経営再建支援策については、それぞれの被害者の方の具体的な経営再建計画にもつながりますので、ぜひ早く検討していただきたいとともに、一つ申し忘れましたけれども、今回の球磨川流域の被害が甚大だったため、漁港や養殖業者にも流木による被害がかなり出ております。武田担当大臣も先日行かれたと思いますけれども、ぜひよろしくお願いします。

 次に、令和二年七月豪雨災害の激甚災害の指定についてでございますけれども、武田防災担当大臣が、七月十日の記者会見において、今回の豪雨災害に関し、大牟田市、人吉市、芦北町、山江村、球磨村の五市町村を局地激甚災害として指定する見込みと表明され、中小企業の災害関係保証の特例についての適用を考えると述べられました。その後、武田大臣は、十三日の記者会見において、本来、局地激甚災害のメニューである中小企業の災害関係保証の特例についても、全国レベル、いわゆる本激甚災害のメニューに追加することも表明しておられます。

 ところが、一般の住民にとりまして、本激甚とか局地激甚とかいう言葉は耳なれないものであります。そのため、球磨川流域で大きな被害を受けました八代市坂本町及び球磨郡の町村、また葦北郡津奈木町の住民などの間に、もしかすると自分の町村は激甚災害指定から除外されたのではという不安が広がっております。

 改めて、これらの町村が激甚災害指定の地域内の見込みであるとともに、中小企業者にも災害関係保証の特例が適用され得ることを明言していただきたいと思います。よろしくお願いします。

武田国務大臣 早期の復旧復興にとって重要なことは、地方自治体が財政負担という不安を抱かないということが重要だと思います。そのためにこの制度があるわけでありますけれども、この制度をスピーディーに展開するためには、基準に達したものから順次発していくということが重要だと思っております。

 御指摘のように、十日の段階ではその基準を満たすものが五つの市町村であった。つまり、地域を限定する局激であったということです。その後、十三日までの間にずっと被害調査をしたところ、さらなる被害が上積みされたということで、十三日の段階では地域を限定しない本激としての位置づけをさせていただいたわけであります。

 先生御指摘のように、これによりまして、八代市と津奈木町、球磨郡の町村も中小企業の災害関係保証の特例が適用されることとなりました。財政面に不安を抱くことなく、全力を挙げて復旧復興に取り組んでいただきたい、このように考えております。

矢上委員 武田防災担当大臣の力強い発言、ありがとうございます。

 七月十三日の災害対策本部におきましても、午前中から午後にかけて、武田大臣始め、精力的にこの局地激甚指定のメニューを本激甚に追加していただいたというお話も聞いておりますので、大変感謝いたしております。

 続きまして、今回の災害を直接、球磨川の横で経験したんですけれども、これまでの災害は、水位が上がったり下がったり、一進一退を繰り返しながら、普通、洪水、増水に結びついていくんですけれども、今回の水位は、とどまるところなく階段を上がるように次々上がってきました。

 わかりやすく言いますと、三日の夜の十時ぐらいから雨足が強くなって、四日の二時半ぐらいに、市房ダムの事前放流が始まりました。そして、恐らく四時以降には、ダムの管理者も驚くほどの緊急な事態に陥ったと思います。五時間、六時間ぐらいの間に想像もつかないような雨が降っております。

 わかりやすく言いますと、台風というのは、円を描いてくるくると北上するとか東上するとか動きますから、ぶつかる山も変わりますし、増水する流域も変わりますので、台風災害というのは、水位が一進一退を繰り返して、意外と避難をする余裕があるんですけれども、線状降水帯は、今度経験したんですけれども、西の方から東の壁に消防ホースで一斉に放水するような感じで、とどまるところがありません。同じ場所に集中的に何時間も降り続くと、こんなに水位が上がるとは思いませんでした。

 私の経験で、この五十年間、今までの洪水の水位のレベルからすると、河川が広いところで二メーター五十の増水、球磨村だと、河川が狭くなっているところでは、恐らく五メーターほどは想定される洪水水位から上がっているのではないかと思います。特に、今回のような非常事態に関しましては、この線状降水帯による出水の客観的なデータを早急に分析しませんと、九州各県で必ず同じような事態が起こると思います。

 それを踏まえまして、私の経験ですけれども、七月四日から、長いところで一週間、人吉市内は七月四日から八日の朝まで、固定電話も光回線も、要するに電話機もインターネットも使えなくて、携帯電話も、会社によって全滅したところ、会社によって、機種によって使えるところ、使えないところがあって、役場の災害対策本部、警察、消防、どこにも電話がかからないんですよ。被災地から熊本県とか霞が関にかけようと思っても、一切つかない。そして、インターネットがダウンしていますから、国土交通省のライブカメラも見れないんですよ。

 そういう中で、皆さんお困りになったのが、孤立集落情報とか身内の安否情報、避難された後の所在確認などが大変心配だったんですけれども、ここで一番有効だった情報ツールは、スマホのデータ通信、いわゆるツイッターやフェイスブックなどでした。全国の心ある方がスマホを利用して孤立集落情報や救助要請情報などをリレーしながら国、県、関係の行政機関に伝えていただいたおかげで、たくさんの方々が救出されることにつながりました。

 ぜひとも、被災自治体以外の自治体での災害時の情報提供網のバックアップ体制を構築していただくとともに、地方自治体においても、ツイッターやフェイスブックを活用した連絡体制を整備していただきたいと思います。御答弁お願いいたします。

武田国務大臣 人吉、芦北町、球磨村、八代等で通信関係機関の被災によって通信障害が発した、大変な混乱を起こしたということは承知をいたしております。

 この対策というのは非常に重要でありまして、これまで我々は、大規模災害発生時においても地方公共団体が的確な災害対応が行えるよう、大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手続を作成しておりまして、その中で、通信に関しては、行政機能を確保するための、災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保、通信事業者やアマチュア無線団体等との協定締結などを促してきたところであります。

 今回の災害を踏まえて、まずは、被災自治体における手引に基づく取組の対応状況等を確認するとともに、必要な課題に対しては適切に対応をしてまいりたいと考えております。

矢上委員 ぜひとも、今回の現象を早急に検証して、新たな時代の対策を考えていただきたいと思います。

 続きまして、これも先ほど以来、ほかの先生方からお話が出ておりますけれども、被災地では、災害ごみ置場また仮設ごみ置場が不足しておりまして、かなりごみが散乱し、悪臭等が出ております。病気等のおそれも出てきますので、人手不足を解消するためにも、無償のPCR検査を前提に、県外ボランティアの活用とか、また建設業者の活用をぜひお願いしたいと思います。

 今、被災地の人吉、球磨におきましても、ゴー・トゥー・トラベル等や県内のふっこう割等を利用しまして既に県外からのお客様が来ておられますので、県外のボランティアをただ締め出すというだけでなく、できればPCR検査を前提に、受け入れる部分は受け入れていただきたいと思います。答弁をお願いします。

武田国務大臣 今一つの大きな問題となっておりますのが絶対的なマンパワー不足でありまして、さまざまな対応を考えていかなくてはなりません。

 ボランティアの受入れについては、まず一番重要なことは地元の意向を重視しなければならないということであって、熊本県はまずは県民の力でこれをやっていくという方向性を示されており、さまざまなチェックリスト、衛生管理によるチェックリスト等を用いて今努力をされている旨、承知をいたしております。

 被災者また地元自治体の意向を十分今後伺いながら、その受入れに当たって、PCR検査も含めたよりきめ細かい対応が必要であるということになれば、厚労省等々の関係省庁と連携して対応を検討してまいりたいと思っております。

 しかし、まだ多くが残っている被災家屋の片づけ作業については、従来は、主にボランティアの皆さん方がお手伝いをしていただいたわけでありますけれども、今後は、公的主体の事業でも補完するよう、人吉市では、市やボランティア、建設業者等の地元企業などの関係者が一体となり、土砂、ごみ出しを行う取組を進めるとしており、自衛隊も、当該自治体からの要請があれば、積極的な支援を行っていただけるものと承知をいたしており、こうした連携を促進しながら被災者支援に努めてまいりたい、このように考えております。

矢上委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 持ち時間がなくなってきましたので、最後に御要望だけいたしたいと思います。

 避難所におきまして、女性や子供に対するプライバシー保護や性犯罪予防策などについて、また、食物アレルギーの子供たちへの適切な配慮について、これらにつきまして国、県に要望しましたところ、パーティションの設置、婦人警官などによる巡回強化、また、アレルギーにつきましては、保健師の巡回相談の強化など、対策を立てていただいております。

 最後に一つ残っておりますのが、ペットですね。動物愛護及び管理法で、ペットを飼った方は、適切に飼育するとともに、ペットが寿命を迎えるまできちんと育ててくださいという努力義務がございます。それを受けて、環境省のガイドラインで、災害地から避難するときにペットを同行避難することが推奨されておりますが、最後の出口であります避難所におけるペットに対する考え方がそれぞれ違いますから、できるだけ早く避難所における自治体向けのガイドラインを作成して、お互い仲よく避難生活が送れるようにしていただきたいと思います。今、車中泊とか、我が家に戻って在宅避難とかされておりますので、ぜひそれらの御検討をよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。ありがとうございました。

山本委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 矢上委員に引き続きまして、立国社、立憲民主党の森山浩行でございます。

 私の方からも、今回の七月豪雨災害の被害者の皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆様へのお見舞いを申し上げたいと思います。

 災害対策は、与野党を超えて、また、現場に寄り添い、負担を最小にしながら、しっかり後押しをする、これをモットーに、立憲民主党では、常設の組織として災害対策局を組織をし、活動をしております。今回も、災害対策局が事務局となり、枝野代表を本部長とする党七月豪雨災害対策本部で、熊本、福岡、そして岐阜への現地調査に行ってまいりました。

 まず、私の方からも、圧倒的なマンパワー不足、これに対する対応として、PCR検査を無料として、その結果を踏まえた上で、自治体の方で調整ができるのであれば、県外からのボランティア、また業者、これは清掃の業者でもあり、土木建築もそうだと思います、ほかからのマンパワーをしっかり入れられるようにという調整をぜひしていただきたいと思います。

 また、各種の要望が出ているかと思いますが、これは、一つ一つばらばらにやるのではなく、支援パッケージでいくんだというお話になっているかと思います。この豪雨災害における支援パッケージの発表、これはいつごろになりますか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 七月十三日の非常災害対策本部における総理からの御指示を受けまして、現在、各省横断の被災者生活・生業再建支援チームにおいて、生活、なりわいの再建に向けた対策パッケージの取りまとめを急いでいるところでございます。

 現在、新型コロナウイルス感染症の影響下にある被災地のニーズ、あるいは地域ごとの特性を踏まえつつ、被災者向けの住まいの確保、あるいは廃棄物、土砂の処理、中小・小規模事業者、農林漁業者の事業再開に向けまして、被災地からの要望を丁寧に伺いながら具体化に取り組んでいるところでございまして、今週中にはパッケージの取りまとめを行いたいと考えております。

森山(浩)委員 今週中ということでございます。被災地の皆さん、首を長くして待っておられると思います。ぜひよろしくお願いします。

 特に、現場からたくさんのお声を聞いてきています。グループ補助金を拡充をすること。被災家屋の公費解体については、家財、土砂が残っている状態でも家の中から出さなくてもできるようにすること。あるいは、高速道路の無料区間の拡大、災害公営住宅の建設。また、自治体が自由に使えるように、その場その場で多くの問題が出てきますので、自由に使えるための財政的な支援。あるいは、先ほど金子議員からもありました、下呂市は被災しているけれども下呂温泉は大丈夫だというようなことの風評被害に対する対応。被災者生活再建支援法の市町村ごとの適用というルールの緩和などなど、やらなきゃいけないことはたくさんあります。ぜひお取組をいただきたいというふうに思います。

 さて、これは大牟田市です。小学校での避難者が自衛隊に救出されるという事態となったということで、ポンプ場の排水量の基準が国交省の基準を未達成だったという三川ポンプ場の話が報道をされています。この状況について確認をしたいと思います。

五道政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘の、大牟田市の下水ポンプ場ということでございます。その下水の整備状況の把握ということでございますけれども、国土交通省では、都市浸水対策達成率というもの、指標によって、全国の雨水対策施設の整備状況について把握を行っているところでございます。

 都市浸水対策達成率とは、下水道における雨水の排除が必要な地域において、おおむね五年に一度の大雨に対して整備が完了している地区の面積の割合ということでございまして、今、社会資本重点計画において、令和二年度末までに全国で六二%とすることを目標に進めているところでございまして、令和元年度につきましては約六〇%というふうになっているところでございます。

 御指摘の大牟田市の都市浸水達成率につきましては、令和元年度末の時点で約四四%ということになっているところでございます。

森山(浩)委員 個別の把握はしていないということでございます。

 避難所、避難したところから出られなくなって自衛隊に救出をしてもらうというような事態が起こったわけでありますので、下水の一般的な把握とは別に、このような場所については、一度洗い出して、しっかり個別に把握をして後押しをするということが必要ではないかというふうに思いますので、ぜひお取組をいただきたいというふうに思います。

 下呂市の問題です。

 山間部の幹線道路が被災をするという状態の中で、県道が高速道路までの接続道路という形で指定をされました。しかしながら、これは峠を越える道でありまして、ふだんでも、雨が降るとなかなか、通行しちゃだめだよというふうになってしまうという話もございます。つまり、迂回路だけれども使えないというような状況にもなるということであります。

 これも、災害が起こってから生き残っている道路の中でどれを迂回路に使うのかという話になりますので、簡単にはいきませんが、いざというときにはこっちを使うというときに、可能性のある部分については改修を進めていただくというようなことも、個別に各県とお話をしながらやっていただきたいというふうに思います。

 さて、自衛隊の問題です。

 本務に支障がない限りという前提において、東日本大震災以降、大規模な自衛隊の災害出動が続いています。これまでの出動人数、状況をお知らせください。

菅原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、平成二十三年の東日本大震災については、最大約十万七千人の体制で、地震、津波による被災者の人命救助や生活支援に加え、原発事故対応といった活動を実施しており、延べ約一千万人の隊員で対応いたしました。

 東日本大震災以降については、例えば平成二十八年の熊本地震においては、最大約二万六千人の体制で、人命救助や生活支援、災害廃棄物の除去といった活動を実施しており、延べ八十一万人の隊員で対応いたしました。

 また、昨年の令和元年東日本台風においては、約三万一千人の体制で、人命救助に加え、生活支援、災害廃棄物除去といった活動を実施しており、延べ約八十八万人の隊員で対応いたしました。

 そして、今般の令和二年七月豪雨においては、自衛隊は、最大約二万人体制により、人命救助や行方不明者の捜索、また、道路啓開や物資輸送、大型災害廃棄物の運搬支援等を実施してきたところでございますが、七月二十六日日曜日現在で延べ約三十三万人の隊員で対応してきたところでございます。

 以上でございます。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 東日本大震災を最大としつつ、本務に支障を来さないという中で人員を出していただいているわけで、これはもう全国の被災地の皆さんは大変感謝をいただいていることだと思います。

 しかしながら、これは、同時多発で、あちらこちらで災害が起こるという事態になったときに、本務に支障を来さない範囲で全部やり切れるのかというところを考えなきゃいけない時期に来ているかと思います。国と地方と、また、どこに置くかも含めて、災害救助についての自衛隊が果たしていただいている役割、人員を増員するのか、あるいは、ほかの組織を更に増設をしていくのか、含めまして、ぜひ今後議論をしていきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。

 さて、人吉市長も、各避難所を回って御指導いただいており、ありがたいと評価をしていただいております、今回、内閣府と連携して初めて先遣隊に加わっていただいた日本赤十字社のチーム、この活動について御報告ください。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 内閣府が調査チームを被災自治体等に派遣する場合に、日本赤十字社の医師等を派遣いただき、災害対応に御協力いただく旨、日本赤十字社と五月の十四日に協定を締結したところでございますけれども、今般の令和二年七月豪雨については、内閣府の調査チームを被災地に派遣するに当たり、日本赤十字社からはこれまで医師三名を含む七名を派遣いただいておりまして、現地では、内閣府調査チームの一員として、七月五日、発災の翌日ですけれども、人吉市において市役所、避難所を訪問したのを始めとしまして、避難所等を巡回して感染症防止対策の実施状況を確認するとともに、改善策等について技術的助言を実施していただく、また、巡回や避難者等の診療データから判明した留意点について国や県に情報共有、助言を実施いただいている、こういった活動を行っております。

 今後も、応援を受ける被災自治体が安心して支援を受けられるように、引き続き日本赤十字社等と協力して対応を進めてまいりたいと考えております。

森山(浩)委員 特にコロナ禍においては、これは心強いと思うんですね。協定を結んでいただいてすぐの活躍ということで、各自治体にも、こういう制度があるんだよということをしっかり周知をいただいて、協力をいただければと思います。

 今回、コロナ禍ということで、複合災害における避難所設置ガイドライン、これに対しての現場の対応ということで、これは冬から我々も勉強して提言をしてまいりましたが、今回、死者の多かった熊本県を始め、各地でガイドラインに沿った取組がされているのか、あるいは、どんな状況にあるのかというのを、大臣、まずお答えください。

武田国務大臣 コロナ禍における災害時の避難所対策、これにつきましては、出水期を迎える前の段階から我々は取り組んでまいりました。

 まずは徹底した衛生管理というのは当然のことでありますけれども、具体的に感染拡大予防策というものはどうやって行っていくかということを具体的に示してまいりました。

 これは、入り口、受け付け時による問診でありますとか体温の測定、そしてまた手の消毒。そして、一人頭のスペースというものを広くとらなければなりません。過去における避難所の一人頭のスペースの二倍から三倍のスペースをしっかりと確保いたしました。そして、パーティションにつきましても、これは布製の非常に性能のいいパーティションをプッシュ型で展開をさせていただきましたし、そしてまた、一人頭のスペースが必要性を伴うに至って、避難所の絶対数を確保しなければならないわけでありまして、以前からホテルや旅館等のそうした使用可能な施設の確保というものにも努めてまいりました。

 熊本県における施設の内容につきましては、本当に、地方自治体、また赤十字の皆さん方、ボランティアの皆様方がそうしたガイドラインに沿って的確に、また適切に運営をしていただいているところを我々は拝見し、本当にこれは評価をすべきだと思っております。

 今後とも、感染拡大対策というものを徹底しながら、避難所の環境改善に努めてまいりたい、このように考えております。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 しっかりと取り組んでいただいているということで、先週、大阪府と堺市の合同での避難所設置訓練などの様子も見てまいりましたが、今回の、被災地で走りながらバージョンアップをしているこの状況について、しっかり全国で共有をしていただく。クーラーなんかも、スポットクーラーであると、横ではなかなか冷えないというような話で、天井からのクーラーをつけていただいたというような話も聞きました。この状況をしっかりとバージョンアップする。先進国最低の居住性と言われてきた日本の避難所自体のレベルアップにもつなげていっていただければというふうに思います。

 私の質問は以上です。ありがとうございました。

山本委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 立国社、国民民主党の小宮山泰子でございます。

 まず冒頭に、改めて、令和二年七月豪雨災害、また、竜巻やさまざまな自然災害に遭われた、多くの被害に遭われた皆様方にお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、本題に入ってまいりますけれども、東日本大震災以降、木造仮設住宅が用いられる例が拡大してきております。九州中部地震の被災地でも木造仮設が建てられております。今回の豪雨災害におきましても、全建総連の皆様を始め、その協力のもと、木造仮設住宅の建設が始まっており、まずは百七十九戸、最終的には五百戸ほどになる見込みと聞いております。

 これは、県産材や木造住宅を得意とする工務店の活用、そして、ひいては地域の経済効果も期待できる施策でもあります。大工など建設職人がそれぞれの現地で建てる木造仮設住宅は、柔軟な対応が可能であるほか、結露などが生じづらく、住環境に対しても、心地よさというものも求められるものでもあります。

 さまざまな利点があるこの木造仮設住宅の活用について、まず、防災担当大臣の認識をお伺いいたします。

武田国務大臣 被災者に対しての仮設住宅の重要性というのは、いかに迅速に供給できるかというのがポイントだと思っております。この点を踏まえた上で、やはり、そこでお暮らしになる方々が快適に住んでいただく、暮らしていただくためには、快適な条件というものを備えていかなくてはならない。そのためには、御指摘の木造住宅というものも一つの大きな要素かなというふうに考えております。

 最初に申し上げましたように、迅速な供給に差し支えない限り、自治体において、そうした木造の仮設住宅の活用についても検討していただくよう、こっちからも申していきたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 木造仮設は、思っている以上に迅速な対応が場合によってはできるかと思います。土地の形などは、それぞれ被災地によって違います、確保できるところが。そういう意味においては、プレハブ以上に迅速な対応、また柔軟な対応ができるというメリットがあるかと思っております。また、費用面でも、さほど、そういう意味ではこれまでも大きな差がなかったというのも確認はしておりますので、ぜひ大臣、にっこり笑われましたけれども、活用の推進もお願いしたいと思います。

 さて、全国木造建設事業協会、全木協さんを中心にこの木造仮設住宅の推進というのはしておりますけれども、五百戸に達する規模の木造仮設住宅建築が行われる被災地には、やはり全国から職人の派遣の支援を行っているというふうに伺っております。七月の豪雨もこの基準に達してくると思われますが、今回の新型コロナウイルス感染拡大の中、東京又は東京を含む首都圏、関東圏からの職人派遣は控えてほしいとの声が被災地から寄せられているそうであります。現下の状況からすれば、このような心配の声も納得できるところではあります。

 しかし、水害被害は、土砂の撤去、除去などにも人手が必要ですし、ましてや仮設住宅の建設など技能者が必要な分野においては、なおさら人手が必要かと思います。これは、木造仮設だけではなく、恐らくプレハブの事業者等にも同じことが言えるんだと思います。

 感染者数が増加傾向にある中だからこそ、諸外国では、事前にPCR検査を受けて陰性が確認されたことが入国の条件とされるなど、実際に、国境を移動するときにはそういった方法もとられております。日本も同様のことを参考にするべきだと考えております。

 個人がPCR検査を希望して受けようとしても、その費用が二万円から四万円にも及ぶということで、ボランティアや復興支援につく方々へは、PCR検査の実施に対して何らかの形で公費支援が行われること、例えば、立てかえ払いを当事者にしてもらい、業務終了後に精算を行うなどが望ましいかと考えますが、これ自体は国費で行うことが可能なのか、又は、検査の実施自体を地方自治体の判断で行い、後に相当額の交付金処理を行うことで対応が可能なのか、御見解をお聞きいたします。

青柳政府参考人 お答えをいたします。

 被災地でのボランティア等の受入れにつきましては、まずは地元の意向を踏まえることが重要と考えておりまして、現在、熊本県においては、ボランティアについて、まずは県民の力で対応する意向を示すとともに、マスク着用、手洗いなどの手指衛生、人と人との距離の確保など基本的な感染予防の実施をチェックリストにより確認することを求めているというふうに承知しております。

 一方で、政府として、被災者あるいは地元自治体の意向を十分伺いながら、ボランティアの受入れに当たってPCR検査も含めたよりきめ細かい対応が必要ということになれば、厚生労働省等の関係省庁と連携して対応を検討していくことになってまいります。

 仮に被災地においてPCR検査を実施することになった場合には、PCR等検査を含むボランティアの受け付けに必要となる費用、また、自治体側の新型コロナウイルス感染症へ対応するための経費ということになりますので、新型コロナウイルスの感染症対応の地方創生臨時交付金の活用が可能であると承知しております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 熊本県内におきましても、実際には新型コロナ感染症の方がふえているという状態もあります。県内だけではなかなか難しい、また、県内であってもやはりこういったPCR検査などをしっかりすること、もちろん、地元の受入れ自治体、また地域の住人の方々の意見は尊重されるべきでありますが、ぜひこの方法も進めていただければと思います。そのためにも、ぜひ、地方創生臨時交付金、これはやはりもっと増額をするべきだということ、大臣含めまして依頼をさせていただきたいと思います。

 さて、頻発する豪雨災害への対応、支援についてお伺いしてまいりますが、七月豪雨災害の被災自治体、大牟田市など、また、国民民主党の被災地県連であります福岡県連などからも緊急要請や要請が寄せられました。

 大牟田市からは、被災者の生活再建への支援、早期復旧に向けた人的支援、道路、河川、そのほかの公共施設等の早期復旧に向けた支援、災害査定の早期実施と災害復旧事業の推進、農水業や商工業の復興に向けた支援や災害廃棄物の処理支援など、財政上の配慮についての要請が来ております。もちろん、国民民主党の福岡県連におきましても、罹災証明発行の迅速化などさまざまな要望がまとめられました。

 内閣府を始め政府の各担当部局には、自治体、団体などさまざまな経路を通じて被災地支援のための要請、要望が届いているかと思います。ここは党派を超えて実施をして、被災者を応援をし、そして支援をするべきだと思っておりますが、このさまざまな要望、要請に対応していくに当たり、大臣の所見をお伺いいたします。

武田国務大臣 まず、一番強い要望があったのは、いち早い激甚災害指定に対する要望でありました。これは、調査しながら、基準に達したものからどんどん公表していかせていただいたわけでありますけれども、現在のところ、公共土木施設、また農地、また中小企業の災害保証等、十の特例措置を、地域を限定せず全国を対象とする本激として指定する見込みとなっております。ぜひ、財政面で不安を抱くことなく復旧復興に努めていただきたいと思います。

 また、もう一個、強い要請があったのは、応急修理中における応急住宅の使用について。今まではそれがなかなか認められておりませんでした。今回の七月豪雨災害から、被災者の自宅再建を後押しするために、災害救助法が適用された自治体において全国的に可能とさせていただきました。

 また、今回、御指摘があった大牟田、福岡県のみならず、熊本、鹿児島、大分、岐阜、私も視察にお伺いさせていただいたわけでありますけれども、今回は非常に広範囲にわたっての災害になってきておるわけであって、そうしたことからも、こうした地域を限定しない激甚災害指定というものが効力を発揮できるものと我々も期待しており、地方自治体においては存分に復旧復興に努めていただきたい、このように考えております。

小宮山委員 昨今の豪雨災害におきましては、バックウオーターによる被害も伝えられることが多くなってきております。雨水などを河川に流す下水道が接続先の河川の水位上昇によって逆流し起きる水害、逆流を防ぐために水門を閉めたことによって雨水の逃げ場がなくなり生じる浸水水害などであります。

 豪雨災害、河川の氾濫、内水氾濫に対して水門や調整池、遊水地などの管理、活用の方法が適切なものとなっているかについて、地域住民の間でも議論や疑問の声が上がるという場面も見受けられてきました。

 私の地元埼玉県川越市そしてふじみ野市の市境の地域におきまして、荒川の支流である新河岸川に流れ込む江川では、近年、内水氾濫が頻発しております。新河岸川への水門を閉じて生じた平成二十九年の台風二十一号での水害、その経験から水門を閉じなかった令和元年台風の十九号での水害などが実例として挙げられるかと思います。

 このように、構造的に水害が生じやすいことが明らかな地域も各地に現存しております。発災時の被害を最小化するため、今後どのように取組を進めていくのか、お伺いいたします。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘の、埼玉県川越市、ふじみ野市の市境を流れます江川につきましては、埼玉県が管理する荒川の支川、新河岸川に合流する、川越市が管理する都市下水路でございまして、新河岸川の水位に応じて樋門をあけたり閉めたりすることで浸水被害の軽減を図っているところでございます。

 一方、江川におきましては、新河岸川流域の計画規模を上回る大雨であった令和元年東日本台風や平成二十九年の台風二十一号を始め、たびたび浸水被害が発生しているところでございます。

 このような浸水が発生するということでございますけれども、江川を含みます新河岸川流域の被害の最小化に向けては、まず、新河岸川の河道掘削等によって本川の水位を下げるということであるとか、また調整池、排水ポンプ場の整備、またそれらの施設が効果的に管理運用できるかどうかということを検討するとともに、河川や下水道の管理者以外の主体においても、学校や公園等への貯留浸透施設の設置、また土地利用の誘導などについて、さまざまな対策を連携して対応していくことが重要だと認識しております。

 国土交通省では、流域治水というような考え方を出しているわけでございますけれども、これら都県や市区町が連携して行う計画づくりに積極的に技術支援を行っていくとともに、必要な事業実施への財政的支援を含めて、浸水被害の最小化を進めてまいりたいと考えております。

小宮山委員 今御指摘ありましたとおり、豪雨被害によって今までの計算上からは考えられないような水量になってくるということで、恐らく一級河川であっても管理自体は都道府県等になることが多いと思いますが、この点に関しまして、新たな治水のあり方、流域治水も含めまして、国がやはり主導してつくっていく、全体の適用ができるように国が主導してつくっていく必要があると思いますので、今後ともさらなる御支援をお願いしたいと思います。

 さて、水害のハザードエリアの移転支援につきましてお聞かせいただきたいと思います。

 さきの通常国会で、都市再生特別措置法の一部改正として、都市計画法の改正が行われました。災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制、災害ハザードエリアからの移転促進、災害ハザードエリアを踏まえた防災まちづくりなどについて盛り込まれることとなりました。

 障害者施設や老人ホームなど、要支援の利用施設がハザードエリア内に多く日本では立地しているという現実がございます。水害が起こるたびに悲劇が繰り返されております。このたびの豪雨災害でも、熊本の老人ホームでは十四名の方が犠牲となられました。

 ハザードエリアからの移転支援については、令和二年度予算において、防災集団移転促進事業拡充四千万円、都市構造再編集中支援事業、コンパクトシティ形成支援事業拡充の五億円などが盛り込まれております。

 水害ハザードエリアからの居住移転や事業者の移転支援をより積極的に行っていく必要があるのではないかと考えております。水害ハザードエリアの認識を深めるための告知、広報誌や、不動産取引のときなどの徹底を行うべきであると思いますが、現在、政府の対応はどのようにされているのか、お聞かせください。

天河政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の令和二年七月豪雨を始め、近年、大規模水災害の頻発により大きな被害が発生しているところでございます。ハザードマップにより住民の方々に水害リスクを把握していただくことが重要となっております。

 このため、国土交通省では、宅地建物取引業者が不動産取引時にハザードマップを提示し、取引対象物件の位置等を情報提供するよう、昨年七月に不動産関連団体を通じて協力を依頼してきたところであります。

 その後、現場での運用や定着の状況も踏まえ、実務上の課題や対応策について検討、調整を行いまして、今般、水害ハザードマップにおける取引対象物件の所在地に係る説明を重要事項説明の対象項目として位置づけ、不動産の売買、賃貸の契約に際し、宅地建物取引業者に説明を義務づけること等を内容とする省令改正を行い、今月十七日に公布し、八月二十八日より施行するということとしたところでございます。

 引き続き、不動産の購入者等における水害リスクの理解が進むよう、地方公共団体や業界団体と連携しながら周知徹底に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

小宮山委員 ありがとうございます。

 直近の三年間における国、国交省直轄での河川改修、河川整備やダム整備及び災害復旧工事に要した予算額につきまして、確認をしたいと思います。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十九年から令和元年度までの三年間において、直轄河川におきます河川、ダムの治水事業関係事業費の合計につきましては、約二兆五百億円でございます。この予算を活用して、堤防整備や河道掘削、ダムや遊水地の整備など、事前防災対策等を全国の百九水系において進めているところでございます。

 また、直轄河川におきます同三年間の災害復旧関係の事業費につきましては、約一千七百億円でございます。

小宮山委員 ありがとうございます。

 災害が起きるという以外に大きな災害復旧の費用がかかるということは、これからもわかると思います。もちろん、河川以外のさまざまな復旧費もありますので、これだけではおさまっていないことだと思っております。今回は直轄分だけの説明をいただいております。堤防のかさ上げやダムの建設なども、これまでも治水においてはさまざまな努力を国も地方の自治体も行ってまいりましたが、今後、流域治水の考え方への転換を図っていく中においては、ハザードエリアからの移転費用など負担する支出と比較しても、住民移転、転居や、また事業者の移転の支援の方が合理的だと考えることも可能かと思います。ぜひ、この点に関しましては、国交省においても、さらなる調査研究、そして検討もしていただければと思っております。

 さて、先ほどから複合災害などの話が出ました。今回の新型コロナの最中によく言われるのは、今地震が起こったらどうなるということで、早い時点から、避難所、新型コロナのときにどうするかというのはよく話されたところでもあります。

 首都直下型地震、本当に、ここにいらっしゃる皆様方も、この数カ月の間で何回も、エリアメールなどで朝方目が覚めたりということで、どきっとしたことも多いかと思います。

 五月に国交委員会での質問に際して、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室と国土交通省より、国内のエッセンシャルワーカー、社会機能維持従事者は二千七百二十五万人、交通、物流は二百三十万人、宿泊業者は六十四万人との数字を提示していただきました。

 これは国内の全体の数でありまして、自粛、八割減と言われましたけれども、現実に首都圏などで社会機能維持のために働いている実数というのはわからなかったのも事実であります。政府もこれは把握をしていないということも事実かと思います。

 例えば、首都圏での外出自粛でテレワークなどありますけれども、やはり災害時も同じであります。ごみの収集、公共交通機関、病院、介護施設、保育、学童など、実際に働く存在があるからこそ社会は維持され、動き続けていくことだと思っております。

 五月十七日に、大野知事と県選出国会議員との意見交換の際に、新型コロナで外出自粛でさまざまな不便がある中、首都機能維持を受け持つ職員、従事者は埼玉県民だけでなく首都圏内、他県からも集まられている、また、さまざまな交通機関も、埼玉県から東京の方で働いている方もいらっしゃいます、こういった機会に実数というものを把握していただきたいということをお願いいたしました。

 六月一日の日に埼玉県と東京都は、一日当たり大体両方で百万人規模の往来がございます、防災、ICT、都市づくりの三部会の設置を六月一日にいたしまして、新型コロナ再拡大時や大災害発生時に活用するために、埼玉県在住の都職員が約五千七百人、都内在住の埼玉県職員が六百五十人おりますが、双方にサテライトオフィスを整備する方針を確認したと伺っております。

 一つ一つ、データというのは集めなければなりません。政府は、新型コロナ対策で、移動の接触は八割減と言いましたけれども、母数が何か、私たちもよくわからないまま八割減と言われました。これは正直、私もいまだによくわからない。また、今もさらなる減を言われているわけですけれども。この点に関しましては、実際に災害が起きたときには、本当にこの首都機能を維持するためにどれだけの人数が必要なのか。本当に、参集要員というのを自治体では置いておりますが、なかなかここまで全てを賄うことはできないんだと思っております。

 今回の新型コロナを教訓に、昨今の地震発生も頻発する中の首都直下型地震の発生に備えるために、大規模災害時のエッセンシャルワーカーの実数を把握する、そのための、まずは、エッセンシャルワーカーの災害時における対象の定義、実数把握の調査、研究、検討を行うべきだと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

武田国務大臣 首都直下型地震等の大災害時においても、ライフライン、またインフラの維持も含めた首都中枢機能を確保していくことが必要となっており、これらを支える人員の確保というのは重要になってまいります。

 このため、中央省庁においては、政府業務継続計画に基づき、各省庁ごとに業務継続計画を定め、その中で、首都直下地震発生時に行うべき業務や、そのために必要な緊急参集要員数について整理、把握をしておるところであります。

 また、民間企業においては、災害を受けても、被害を最小限にし、できるだけ早く事業を回復できるよう、重要業務等について定めた事業継続計画を策定することが重要であり、その策定方法等をまとめた事業継続ガイドラインを内閣府において作成しており、その普及に努めておるところであります。

 委員御指摘のエッセンシャルワーカーの件については、これらのBCPの取組との関係を踏まえて、今後、研究をしてまいりたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 官庁などにおきましても、また、国会の事務的なものでは、実は首都直下型地震の法律に基づいて手順があるんですけれども、実際には、国会の閉会中など、発災で交通機関が被害を受けるということが想定される中で、国会議員は定足数を満たすだけ集まることができるんだろうかとか、さまざまなことがございます。この点に関しましては、議運で議論することかもしれませんけれども、やはり、国会議員自身がしっかり議論をする必要性もあるのではないかと思っております。首都直下型地震発災時の国会のあり方については、国会内に特別委員会を設置してでも議論しておくべき案件だとも考えております。

 委員長におきましては、当委員会のもとに小委員会を設置して対応策を整えていくべきだと考えておりますので、ぜひ理事会でお取り計らいいただきますようにお願いいたします。

山本委員長 後ほど理事会で協議します。

小宮山委員 ありがとうございます。

 さて、先ほどからもさまざまありますけれども、地震、また自然災害のときには、全壊、半壊、大規模半壊の認定基準が、大変その後の生活再建には大きな影響を及ぼしてまいります。

 被災者生活再建支援法は、第一条において、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用し、被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的とすると規定しております。

 同法は、阪神・淡路大震災、中越地震などを契機にして内容の拡充などが順次図られてきておりますが、残念ながら、この法律自体はやはり地震災害に対しての対応がもととなってつくられてきたために、水害などでの被害の事例にはうまく対応できないでいるということを実感しております。

 水害では、建物の体躯は助かっても、床下浸水で土砂のかき出しや、水分を含んだ断熱材にカビが発生する、また、床下が水を含んだために何カ月も乾燥しないという意味では、生活環境を確保するということが非常に厳しい状況が続くこともよくある被害でもございます。全壊、半壊、大規模半壊の判断に当たっては、被災後、住むことができるかという点に視点を、軸足を移して判断するように見直していく必要があると考えております。

 本年三月には、災害に係る住家の被害認定基準運用指針の改定も行われまして、改めて政府の対応をお聞かせいただきますとともに、ハザードエリアへの居住や事業所設置において、自然災害に対する保険、共済制度への強制加入なども今後は検討するべきではないかと私は考えております。この点に関しまして、大臣の御見解をお聞かせください。

武田国務大臣 御指摘の保険、共済制度への強制加入については、これを義務づけるというのはなかなか難しいことになってこようかと思いますけれども、しかし、保険そして共済への加入など自助の努力というのは、今から重要になってくるのではないかなと思います。

 我々も、平成二十九年三月に加入促進のパンフレットを作成、配布する等の対応を行ってまいりました。また、全国知事会と実施しております被災者生活再建支援制度の在り方に関する実務者会議においても、保険、共済への加入が重要との観点から、国、地方が連携してその促進を図るなど、生活再建に向けた自助の取組を促すという方向で検討を進めております。

 いずれにしましても、生活再建に向けましては、自助、共助、公助のいずれも重要であると考えておりまして、全国知事会、地方団体とも連携し、保険、共済への加入促進を図ってまいりたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 これは実は、熊本地震のときに、共済加入の件数がかなり熊本の地域は多かったということで、大変自然災害に対応できたということもございました。自賠責保険やまたリサイクル法など、さまざまな形で保険制度というのは入ってきておりますので、さらなる検討をしていただければと思います。

 災害救助法の適用条件につきましてになりますが、お聞かせいただければと思います。

 昨年の台風十九号では、気象庁より特別警報が出されて、特別警報の対象となった市区町村について、各知事より、災害救助法の対象とするように判断がされました。しかし、そこから隣でも対象とならないときがあります。ですが、それも、事前にしっかりと市町村から県の方に、対象にしてということを伝えることによって、実際には対象にできるんですが、なかなかこの警報が出ないと行いづらい。

 そして、特別警報が出されていなかった市においても、現場では、例えば、先ほど触れましたけれども、江川の氾濫によって、ふじみ野市においては床上浸水、高齢者を自治会長が避難をさせるほどの被害が出ていたりとかいうことが起きております。また、被災が大きくなればなるほど、現場は大変な混乱もございます。そういう意味においては、連絡調整というのは、大変、地元の自治体と県との間も難しいことも多々ございます。

 ですので、災害救助法の適用については、災害が発生するたびにまたこれは議題になり、対象になる自治体、ならない自治体の間での明暗が話題となっておりますので、もちろん竜巻被害もありますが、対象となる被害戸数に届かなかった自治体については、災害救助法によるものではなく、現状としては総務省所管の交付金の上乗せ措置で対応している例も多々あります。事前の要請の有無が大きくかかわるこの指定の有無というものも、大変問題があるかと思います。

 そこで、大雨特別警報が発表された、まずはエリア全体、国、県は救助法適用範囲として適用を自動的に行う、そして、台風が通り過ぎてから被害状況確認を行う際に、被害なしの自治体を場合によっては適用解除とする方法など、認定方法と施行方法の見直しが必要かと思います。

 この点に関しまして、災害救助法施行令第一条第一項の内容について改めることも必要かと思いますので、担当大臣、お聞かせください。

武田国務大臣 災害救助法は、都道府県知事が、一定程度の災害の発生した市町村において災害により被害を受け、現に救助を必要としている方に対して救助を行う旨、規定をしております。その法を適用する災害の程度の基準として、市町村や都道府県の区域内の住家の滅失数による場合に加え、多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じた場合であって、避難して継続的に救助を必要とする場合を定めております。

 内閣府におきましては、令和二年七月豪雨による災害につきましても、昨年の台風第十九号を踏まえ、各都道府県に対して、災害により多数の方が生命身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じる場合等においてちゅうちょすることなく法の適用を行うよう、より丁寧に助言をしたところであり、災害に応じて弾力的な運用を行っているところであります。

 災害救助法の適用の判断に当たりましては、県、市町村において被害状況の共有、把握をしっかり行っていただくことが重要であり、国としても、法の適用が迅速かつ適切に図られるよう、今後もあらゆる機会を捉えて救助事務の取扱いについて周知に努めてまいりたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 国土強靱化担当大臣としても御答弁いただきたかったんですけれども、時間の関係で終わらせていただきますが、災害に関しては待ったなしでもあります。また、新型コロナという状況において、複合災害などさまざまな課題がございます。国会も、閉じている場合ではない。早期の臨時国会の開催を求め、私の質問を終わらせていただきます。

山本委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 報道では、既にこのたびの水害で八十二名の方がお亡くなりになり、そして内閣府の取りまとめでは、一万六千軒を超える家屋が被災に遭っています。犠牲になられた方、そして全ての被災者の方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 最初に、災害ごみの撤去について質問します。

 熊本県人吉市の災害ごみの収集、撤去が進んでいません。七月十三日、非常災害対策本部で小泉環境大臣は、人吉市では、十日から今日まで、十三日以前ですね、防衛省・自衛隊と協力して、人吉市内の大型災害ごみ一掃大作戦を実施しているというふうに発言されました。ところが、一掃どころか、ごみの山の状況がまだあります。

 資料一、お配りしています。これは、きのう、我が党の人吉市議団から送られてきた写真であります。水や泥につかって使えなくなった家具、電化製品、畳、災害ごみが山積みになっています。猛暑で悪臭が漂っています。

 そこで、環境省にお尋ねします。

 収集、撤去が進んでいない要因は一体何なのか、一掃のめどはあるのか、簡潔にお答えください。

松澤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の回収が進んでいない要因でございますけれども、一つは、雨が長期間降り続いたため、片づけが進まなかったことがあると思います。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でボランティアの募集が県内に限定されていることなどによりまして、災害廃棄物を仮置場に搬入するための人手が不足している、こういったことが要因と考えられると思います。

 こうした状況を踏まえまして、地元の清掃業者による収集、運搬、処分に加えまして、環境省では、関係自治体に協力をお願いし、まず、熊本市によるごみ収集車最大二十台程度での収集、運搬、処分の支援、さらに、本日からは広島市などのごみ収集車十台程度での収集、運搬の支援を実施しております。

 今後も、早期に先生御指摘の町中の災害廃棄物を回収できるように、こうした収集、運搬、処分の支援体制を強化してまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 広域が、きょうから、広島からですか。遠いですね。そして遅いですね。被災者の方は、車を持たない方は、そのごみを持っていくことができないわけですよね。そして、軽トラックのレンタカーもなかなか借りられないという大変厳しい状況の中にあります。市役所に電話しても、集積所に持っていってくださいというふうに答えられたと。本当に困っています。そして、仮置場は市内に一カ所だけであります。

 これは大臣にお答えいただけるでしょうか。発災から既に三週間以上もたっています。復旧の妨げになっているこの状況をよしとするのでしょうか。広域連携は十分ではありません。家の中から軒先に出すことすらできない被災者の方もおられます。近隣自治体の連携、それから自衛隊などの支援もフル活用してこの状況を解決すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

松澤政府参考人 お答え申し上げます。

 熊本県では、現在まで延べ約一万三千人のボランティアが活動をされておりますけれども、人吉市など被害が甚大な地域では、いまだ多くの家屋内の片づけ作業が残っていることを私どもも深く認識しております。

 こうした状況を受けまして、人吉市におきまして、搬出が困難な方の家屋からの土砂と廃棄物の迅速な撤去に向けまして、内閣府、国土交通省、熊本県と連携いたしまして、まずボランティアバスの運用によってボランティアの方の参加を促していく、拡大していく、これに加えまして、大雨災害、新型コロナウイルス感染症に影響を受けている地元企業の方もお手伝いを、雇用としてやっていただこうということで、土砂や廃棄物の撤去をこうした方々に委託をする、国交省と環境省の補助事業を連携させた撤去スキームの構築、こういった支援の対応パッケージで撤去を進めたいと考えております。

 自衛隊におきましては、これまで畳などの大型災害ごみの搬出支援を実施してきておりますけれども、この対応パッケージにおきましても、支援が必要な場合には協力をしてもらえるということを承知しております。

 環境省では、現在、人吉市におきまして、ボランティアと事業者のすみ分け、分担の調整、あるいは市と事業者の契約手続の支援、こういった対応パッケージの実施に向けて取組を進めております。今後も、こうした取組をしっかり進めてまいりたいと思います。

田村(貴)委員 対応パッケージが目に見えて改善されるように進めていただきたいというふうに思います。

 大臣、今の答弁で確認なんですけれども、自治体の要請があったら、自衛隊員に家屋内の作業をしてもらうことは可能なんでしょうか。きのう、私たちも申し入れさせていただきましたが。

武田国務大臣 本来、家屋の中に立ち入って作業をするということは行っていなかったのが今日までですけれども、圧倒的なマンパワー不足であり、やはり御高齢者、要配慮者の御自宅なんかは大変お困りになっていると思います。そうした場合は、当該自治体の要請に基づき、その職員のどなたかが作業中立ち会っていただけるのであれば前向きに検討していきたい、こういう向きであります。

田村(貴)委員 収集車の台数をふやして、そして、猛暑の中、悪臭も広がり、衛生上の問題も起こっていますので、取組を加速させてください。

 次に、被災家屋の公費解体撤去について質問します。

 小泉環境大臣は、住むことのできない半壊家屋を公費解体の対象にすることを表明されました。一方で、環境省の「災害等廃棄物処理事業の取扱いについて」では、損壊家屋等の解体工事は「全壊に限る」としています。これは削除すべきではないですか。いかがですか。

松澤政府参考人 お答え申し上げます。

 環境省では、廃棄物処理法第二十二条に基づき、被災市町村の実施する災害廃棄物の収集、運搬、処分に対して、災害廃棄物処理事業費補助金による支援を行っております。被災家屋の解体への補助については、通常、明らかに廃棄物と観念できる全壊家屋を対象としてございます。

 したがいまして、先生御指摘の災害廃棄物処理事業取扱いについての中では、「全壊に限る」としているところでございます。

 半壊家屋、この解体につきましては、これまでは、熊本地震など、被害が甚大で家屋の被害も多数に上り、半壊家屋の解体のおくれが被災地の復旧復興の大幅なおくれにつながる、こうしたおそれがあった場合に、特例的に支援をさせていただきました。

 今般の令和二年七月豪雨については、大量の災害廃棄物の発生が見込まれるとともに、今般の災害が特定非常災害に指定されたことを踏まえまして、被災者の生活の早期再建を促進するため、半壊家屋の解体も含めて補助対象とさせていただきました。

 そして、今後の災害におきましても、大量の災害廃棄物の発生が見込まれて、特定非常災害に指定された場合には、同様の支援を実施してまいります。

田村(貴)委員 特定非常災害ならば廃棄物としてみなす、それ以外の災害は財産とみなして対象としない。矛盾していませんか。これは災害のたびにいつも問題になるんですよね。ですから、この規定からやはり削除しないと被災者の方は大変困る話ですよ。これは絶対改善していただきたいと思います。

 次に、分散型避難、避難所以外で避難されている方の課題と問題について質問します。

 コロナ対策で政府は分散型避難を呼びかけました。三密を回避する被災者の方、また、避難所が遠過ぎて行けない、家の一階は冠水したけれども二階で寝暮らししている、そうした方がおられます。自宅や親戚、知人宅で生活を送る被災者は大変多いという状況です。

 二十四日の熊本県災害対策本部の資料では、一千五百八十人が避難所以外で避難生活を送っていると出されていますけれども、この数字にあらわれない被災者の方、避難者の方がおられると思います。私も現地を歩いてそれを感じました。

 国として、自宅、それから車中、親戚宅などで、避難者の把握が十分にできていると考えていますか。また、そうした方々に生活物資や情報、必要なそうしたものが届いていると認識されているでしょうか。内閣府、いかがですか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルスの感染症の現下の状況においては、三つの密の回避の観点から、避難先、避難場所は避難所に限るものではなくて、安全な親戚、知人、友人宅等も避難先となること等についてこれまで促してきたところでございます。

 今般の令和二年七月豪雨に伴う災害におきましては、熊本県においては、市町村は、避難所外に避難している方の情報について、避難所に物資を受け取りに来る被災者からの直接把握、あるいはケアマネジャーや民生委員、地域の社会福祉協議会等からの情報提供、また、自治体職員による戸別訪問の実施、また、道路が不通で孤立している地域の場合には、自衛隊、消防、地区の代表者による巡回等によって、避難先を含めた情報の把握に努めているというふうに伺っております。

 現状一〇〇%把握できているかということについては、まだ継続調査中というところもございますので、まだ把握できていないところもあるやに伺っておりますけれども、県においては、いわゆる在宅避難者の状況把握というものをチームを組んでできる限り把握をし、また、そういって把握された方々に対しましては、避難所へ来ることが難しい方には、消防、自治体の職員や地区の代表者が支援物資を運搬して、避難所外の地区の拠点においても避難者への物資の受渡しが行われている。また、必要な情報について、ケアマネジャーさんとか民生委員、自治体職員等による訪問の際にも提供されるといった形で、さまざま努力をされておるものと承知しております。

田村(貴)委員 その努力については、本当に感謝申し上げたいと思います。それでも、取り残されている、そして気がつかないところの集落、そして被災地の方がおられます。

 例えば、国道が通行どめになった熊本県八代市の坂本町、ここはもともと、合併前は坂本村でありました。二、三十キロも離れた市の避難所から被災した自宅に帰ってくるのも困難です。町の唯一の商店も被災して、物を売っていません。ですから、物資があるところまでとりに行かなければ調達できない。

 今、届けていくという話があったんだけれども、いや、そんなのは届いていないよというところ、私はいっぱい聞いたんですよ。やはりもっと調べる必要がありますよね。高速道路を使って、そして町中の市街地に買物に行かなければいけない、これが坂本町の人たちの今の状況であります。

 大臣に決意を聞かせていただきたいんですけれども、自治体の職員も被災されています。マンパワーが決定的に不足しています。それは説明がありました。避難所の管理運営、賃金職員を雇うこともできるはずです。そして、職員の方がやはり被災者の方を訪問する、そして実態状況に当たることができるように調整をしていかなければいけないというふうに思います。応援職員や新たな雇用の力をかりて、避難所以外で暮らす被災者の状況をまず把握するということ、これが一点目。

 もう一つは、必要な支援が得られず、このままだと猛暑の中、体調を崩して、そして、避難所に物資をとりに行ったらとれるんだけれども、それは気が引けて行けないという方、その気持ち、九州の熊本の人たちの皆様の気持ち、大臣、私も九州です、おわかりになりますよね。

 そういった人たちが体調を崩して、災害関連死を生んでしまっては、これは本当にだめだというふうに思うわけです。そういうことがないためにも、必要な物資と情報を届けていく、政府は積極的な役割を今こそ発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

武田国務大臣 被災者の避難生活の状況というのはさまざまでありまして、その状況に応じて必要な物資や情報というものを的確に提供していかなくてはならないと思います。

 このため、七月十日、自治体に対して通知を発出しました。在宅で避難生活を送っている被災者に対しましても、まずは、食料、水、紙おむつ、生理用品等の必要な物資の配布、また、医師、保健師等による保健医療等のサービスの提供、そして、住まいや生活環境等に関する行政からの正確な情報の伝達等、避難所で提供している物資、情報について、被害の状況や地域の実情を踏まえ、適切に提供するよう促しておるところであります。

 また、御指摘の熊本県内の自治体におきましては、ケアマネジャーや自治体職員等を通じて避難所外の避難者について情報が把握されており、避難所へ来ることが難しい避難者には、自治体職員や地区の代表者等から物資や情報を提供しているものと理解をしておりますけれども、こうした取組は、避難所外避難者の見守りも兼ねる重要な取組になってきておると思います。

 内閣府としましては、避難所外避難者にも必要な物資や情報が提供され、安心した避難生活を送ることができるよう、自治体と連携しながら、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 避難所に関連して、旅館やホテルの活用について伺います。

 熊本県知事から私も直接要望を伺いました。高齢者等の要配慮者の避難所として被災した旅館、ホテルを活用するために、施設復旧費用を国庫負担で手当てしてもらいたい、こういう要望を伺いました。

 人吉市などでは市街地が冠水して、多くの旅館、ホテルが被災しています。修理費用は避難所の設置のために必要な費用であり、災害救助法による国庫負担で対応できる、すべきだというふうに考えます。早急に対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 今般の災害で大きな被害を受けた人吉市においては、活用可能な民間賃貸住宅あるいは即入居可能な公営住宅はほとんどないということで、そういう中で、市内のホテル、旅館等の多くが浸水被害を受けて、すぐには活用できないという状態でございます。

 そういった状況のもとで、御指摘のように、被害を受けたホテル、旅館を避難所として迅速に活用するために、必要な応急補修工事費用等について、災害救助法、御指摘の災害救助法による国庫負担を行うということを前提として、既に、熊本県、人吉市、またホテル、旅館の経営者等、関係者との調整を、そのスキームを前提として国庫負担をするという前提での調整を進めているところでございます。できる限り早期に改修にたどり着いて避難所として活用できるよう、熊本県、人吉市と連携して支援を行ってまいります。

田村(貴)委員 続いて、事業者の経営継続支援についてお伺いします。

 経済産業省の牧原副大臣にお越しいただいています。

 今度の災害の特徴は、コロナ禍の中で起こった災害であります。自粛、休業を余儀なくされて、収入減で経営が本当に大変苦境に陥っている中で災害に遭いました。従来にない経営維持、再建への支援が必要であります。

 熊本県は、地震とコロナとそして今度の大災害で三重苦になったとして、グループ補助金、事業所の再開、継続を断念することなく早期復旧ができるようにグループ補助金の活用を要求しています。

 また、熊本県はもとより、私がお会いした、福岡県の大牟田市でも大分県の日田市でも、それから鹿児島県でも、被災自治体の市長さん、商店街組合の役員さん、被災事業者の方々、口々に、グループ補助金をぜひ措置していただきたい、うちの県、うちの町でもお願いしたいというふうに要求をされています。

 今度の被災でグループ補助金制度は絶対欠かせないと思いますけれども、これは本激です、どこの地域であっても適用すべきと考えますが、いかがでしょうか。

牧原副大臣 お答えをいたします。

 まさに委員が御指摘になられましたように、そもそも、新型コロナウイルスの大変な影響があって経済状況が悪化している。また、各地、熊本においては、地震という被害にも遭ってトリプルパンチになっている。あるいは、ほかの地域でも、たびたび豪雨被害があったりされている。そうしたことによって、更に今回の豪雨で大変大きな被害を受けて、多くの中小企業やまた小規模事業者の皆さんが事業再開自体への気力を失いかねない、大変厳しい状況にあると我々は認識をしているところでございます。

 安倍総理からも、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージについて今週中に取りまとめるように改めて御指示があったところでございまして、現在、最終的な詰めを行っているところでございますが、委員御指摘になられましたような被災地の被害の実情やあるいは被災した事業者の皆さんの実態も踏まえて、しっかりとした支援策の内容について検討していきたいとも考えております。

田村(貴)委員 グループ補助金と持続化補助金では規模が全然違いますので、全面適用を強く要求します。

 続いて、先ほど、心が折れそうだという話ですね。心が折れそうだという言葉を、被災地の温泉旅館街、それから商店街で事業者さんの声をいっぱい聞きました。そして、合い言葉として、もう金は借りられんばい、借りるだけ借りたといった声をいっぱい聞いてまいりました。

 そこで、やはり支援策は拡充すべきだというふうに思っています。人吉市の松岡市長さんがこのようにおっしゃった。経済活動の中心が広範囲にわたってダメージを受けていると。そして、債務、借金を抱えて、いっぱいいっぱい背負って、さあ、今からだというときに被害を受けたので二重のダメージを受けている、町全体が消滅の危機に直面していると言わざるを得ない、自力での回復はなかなか厳しいと。ですから、今までにない支援措置が必要だと思います。

 ですから、グループ補助金の事業者負担分を緩和するやり方、あるいは直接の給付金、持続化補助金もあったんだけれども、また大きな被害が出たんだから、直接支援の給付金、こうしたものが必要だというふうに私は考えますけれども、そういう検討はされているんでしょうか。

牧原副大臣 今委員が御指摘になられましたように、事業者の皆さんが事業継続に希望を持てるような支援策をちゃんとやっていくということが重要であると考えております。

 他方で、こうした被災者の事業者の皆さんの支援に当たっては、被害の実情をしっかり踏まえることに加えて、過去の災害対応の公平性にも留意をするということも必要であるということで、こうした観点に留意しつつ具体的な支援策を取りまとめてまいる所存でございます。

 給付金というわけではありませんが、例えば昨年の台風十九号の際に定額補助というような措置がございました。この台風十九号の際でグループ補助金をやったんですけれども、東日本大震災からの復興途上にある宮城県及び福島県については、一定の要件のもと、五億円までの定額補助を実施したということがございます。

 こうしたことも踏まえつつ、被災者の実態や過去の支援措置もしっかり踏まえて、具体的な支援策の検討を進めてまいりたいと思っております。

田村(貴)委員 十九号のときの宮城県、福島県の例が今出されました。やはり二重被災、今度はコロナがあっての二重被災ですから、これはやはり同じ適用が必要だ、プラスアルファも必要だというふうに私は考えます。心の折れない支援、そして希望の持てる対策、ぜひ進めていただきたいと思います。

 続いて、被災鉄道の問題についてお伺いします。

 国土交通省、御法川副大臣にお越しいただいています。

 鉄道の被害も甚大であります。私も見てまいりました。

 資料の二、裏側の二をごらんいただきたいと思うんですけれども、第三セクターのくま川鉄道、国の登録有形文化財の球磨川第四橋梁が流失しました。ここは線路が洪水で浮いて、枕木が浮いて、大被災しているんですけれども、その先に河川橋梁が落橋しているという大惨事になっています。運行再開のめどは立っていません。沿線には四つの高校があって乗客の八割は高校生、八百五十人が利用しています。

 下の写真です。同じく第三セクターの肥薩おれんじ鉄道、沿線にたくさんの学校があって通学定期の利用は四百人、まさに教育を守る足になっている。

 両会社の社長さんともお話をいたしました。ともに収支は赤字であります。そして、国鉄の路線を引き継いだ、地域になくてはならない第三セクターであります。復旧には莫大な費用がかかるというふうにも伺いました。

 この第三セクター、地域の足となっている、教育を支える路線に対して、国が全面的に支援を行っていく、そして一日も早い復旧を自治体とともに進めていくことが大事だと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。

御法川副大臣 お答え申し上げます。

 令和二年七月豪雨では、熊本県内の、今御指摘ございました第三セクター鉄道である肥薩おれんじ鉄道線及びくま川鉄道湯前線でも施設が大きな被害を受けております。今、写真で御提示いただいたとおりでございます。

 このうち土砂流入等の被害を受けた肥薩おれんじ鉄道では、順次復旧作業が進められているところです。一方、くま川鉄道湯前線では、これも御指摘ございましたけれども、第四球磨川橋梁が流失する等の被害を受けており、今後、具体的な復旧方法についての検討が行われる予定でございますが、復旧には相当の時間がかかる見込みでございます。

 このような経営の厳しい鉄道事業者に対する支援につきましては、熊本地震における南阿蘇鉄道に対して行ったような制度もございますが、このような制度も踏まえながら、早期復旧が可能となるよう、今後検討をしてまいりたいというふうに思います。

田村(貴)委員 そうですね。南阿蘇鉄道に対する措置、私もあのとき質問させていただきました。

 JRも大きな被災に遭っています、久大線それから肥薩線。大臣は国会での答弁の中で、これはもう三セクもJRも含めての意味ですけれども、鉄道施設の早期復旧に取り組んでいきたいと。鉄道施設の復旧、ここが大事なんです。

 北部九州豪雨水害で日田彦山線が被災しました。JR九州は、株式上場で民間会社になって、二十八年間、被災鉄道は復旧してきたんです、自力で。ところが、この鉄道から復旧しない、そして、BRT、バス直行路線、こうしたものを打ち出してきて、結局、こういう形で泣く泣く地元の自治体が合意になったという経過が今あるわけです。

 しかし、これは被災鉄道なんです。被災鉄道はやはりもとに戻す、これが求められます。その他の経営問題というのは後で議論すべきなんですよ。ここが今大事です。

 JR肥薩線それから久大線についても、鉄道による早期復旧に国土交通省として力を発揮していただきたい。いかがですか。

御法川副大臣 今御指摘ありましたJR九州の肥薩線及び久大線、こちらも橋梁が流失する等の大きな被害が発生しているのは御案内のとおりでございます。

 これらの路線のうち、久大線の一部区間では運転再開のめどが立ってございますけれども、それ以外の区間では、現在、復旧方法の検討が行われているところであり、こちらも復旧には長期間を要する見込みとなってございます。

 肥薩線及び久大線は、地元の通勤そして通学の足であるだけではなくて、観光路線でもあるということから、国土交通省といたしましては、地域住民の足の確保に努めるとともに、道路や河川等の関連する事業と連携を図りながら、鉄道施設の早期復旧に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

田村(貴)委員 それでは、これだけの大被害をもたらした問題について、その原因はどこにあるかということについてもお伺いしたいと思います。

 筑波大学の釜江陽一先生は、今度の水害で、日本列島千五百キロにわたる大気の川の現象が起きているというふうに研究結果を報告されています。その規模は信濃川の年間平均流量の八百倍の規模で、相当大きな水蒸気、大気の川が梅雨前線に流れ込んで、想像を絶する大雨をもたらしたと言っています。温暖化が進んだら、この大気の川が巨大化し、頻度もふえるおそれがあると先生は指摘されています。

 このような専門家、研究者からの指摘が、今度の水害ではたくさん寄せられています。まさに豪雨被害を毎年のように、そして想像を絶するような被害を生んできているその大もとには、地球温暖化があるわけです。

 気象庁は、この状況についてどういうふうに見ておられますか。

関田政府参考人 お答えいたします。

 気象台などにおきます過去百年以上の観測データによりますと、災害をもたらすような大雨の発生回数には増加傾向が見られており、これには地球温暖化が影響している可能性があるというふうに考えております。

 例えば、一日当たり二百ミリ以上の大雨の発生回数は、一九〇一年から一九三〇年の三十年間と一九九〇年から二〇一九年の三十年間を比較いたしますと、約一・七倍に増加しております。

 また、将来の予測につきましては、気象庁が平成二十九年に発表いたしました地球温暖化予測情報第九巻におきまして、今後も温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合、一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨や一日当たり二百ミリ以上の大雨の発生回数が、今世紀末には二十世紀末の二倍以上に増加すると予想しているところでございます。

 大雨や短時間強雨の発生回数は年々の変動が大きいため、長期変化傾向を確実に捉えるため今後もデータの蓄積に取り組むとともに、地球温暖化の対策に資する気候変動の監視、予測情報の充実強化を行い、その情報発信に努めてまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 大臣、私も、福岡それから熊本、大分、鹿児島、四県の被災地をこの間回ってまいりました。まだまだ訪れたいというところはいっぱいあります。また機会を得て論議させていただきたいと思うんですけれども、きょう挙げたのは、きのう我が党としても緊急要望した点に基づく私の質問でした。政府として全力を挙げていただきたいと思います。

 最後の質問。

 安倍政権のやはり大きな課題です。地球温暖化対策、温室効果ガスの削減について、閣僚のお一人として決意を表明していただきたいと思います。

武田国務大臣 気候変動と災害との関連についても、我々は今研究しております。地球規模で全人類が考えていかなければならない問題として重要視しているところであります。

田村(貴)委員 以上で質問を終わります。

山本委員長 次に、森夏枝君。

森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。

 災害対策特別委員会におきまして質問の時間をいただき、ありがとうございます。

 令和二年七月豪雨によりお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 令和二年七月豪雨も、九州から岐阜、長野など、広範囲に被害を受けました。また、本日も北陸や東北地方で災害級の大雨の可能性があるとのことですので、土砂災害や川の氾濫に十分警戒をしていただき、ぜひ早目の避難をしていただきたいと思っております。

 本日は、国民の命を守るための防災・減災対策について質問をしてまいります。

 まず、農林水産省に伺います。

 新型コロナウイルスにより、多くの農産物の廃棄処分など、農林水産関係も大変な被害を受けております。農林水産省として離農を防ぐためのさまざまな支援は行っていただいております。コロナ禍で皆さんが頑張っておられる中での今回の豪雨災害です。

 二十五日の農林水産省の発表では、令和二年七月豪雨により九百二十億円を超える農林水産関係の被害が出ていると聞いておりますが、現在把握している被害状況について、詳細を教えてください。

岩濱政府参考人 お答えいたします。

 令和二年七月の豪雨による農林水産関係の被害は、河川の氾濫や山腹の崩壊に伴い、熊本県を中心に四十二道府県の広範囲で発生し、七月二十八日現在で約九百九十八億円の被害となっております。

 このうち、農地、農業用施設の被害額は約四百十億円で、農地への土砂流入、水利施設の損壊の被害が発生しております。また、農作物、畜産等の被害額は約百三十二億円で、水稲や葉たばこの冠水、ハウスの倒壊、農業機械及び食肉処理施設の水没、樹園地の崩壊等の被害が出ております。

 さらに、林野関係の被害が四百四十九億円で、山腹崩壊や林道施設等の損壊が発生しているほか、水産業では、流木等による被害や内水面資源への被害などが発生しております。

 なお、被害額は今後も積み上がるものと考えております。

 被害の状況の把握に当たりましては、このほかに、大臣等による地方自治体や農林漁業者とのウエブを通じた意見交換、これを二度ほどやらせていただいております。また、さらに二十二日、二十三日には、大臣が九州地方の被災現場に入り、直接被災農業者等の声を聞かせていただいております。この声を踏まえまして、必要な支援策について検討してまいります。

森(夏)委員 ありがとうございます。九百九十八億円と、大変な被害額だと思います。

 農林水産業は自然が相手ですので、近年の自然災害に対しては毎年大変な影響を受けております。また、ことしはこの新型コロナウイルスの影響も受けており、農家の皆さんは大変な苦労をされております。廃棄処分が多く、農業をやめようかと悩まれながらも、従業員の生活も考え、ネット販売を始めるなどの工夫をして、何とかぎりぎりのところで頑張っておられる方がたくさんいらっしゃいます。農林水産省としてもさまざまな支援策を講じていただいておりますが、ぜひ台風シーズンにも備えていただき、防災・減災対策への取組をより一層お願いをしたいと思っております。

 次に、農家の浸水被害について伺います。

 令和二年七月豪雨により、多くの農地が浸水被害を受けました。中でも、福岡県久留米市の農地は四年連続で浸水被害を受けており、二〇一二年からの八年間で六度の浸水被害を受けているとのことです。何度も被害に遭いながら、新型コロナウイルスの影響も受けながら頑張られている農家さんたちが心が折れてしまう前に、何か対策を打つ必要があると思います。

 この、たび重なる浸水被害を受けている農家さんたちに対して、農林水産省としてどのような支援策を考えているのでしょうか。

河野大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員御指摘、御質問いただいたとおり、詳細な現場の状況把握のため、江藤大臣による現地調査やウエブ会議を通じた被災者との意見交換を行っているところでございます。

 その中で、皆様方からの御要望といたしましては、葉たばこや野菜、果樹の生産農家からは、浸水した農業機械、ハウスへの支援、早期営農再開に向けた種子や肥料などの購入や果樹の植えかえに対する支援、漁業者の方からは、漁港等に漂着した流木、漂流物の早期回収、処理など、また、林業者からは、倒壊した林道やシイタケ生産施設の早期復旧、そして、何よりも、複数の農業者及び地方自治体の皆様方からは、原状復旧を基本とした災害復旧事業を国土の強靱化に向けまして抜本的に見直すこと、こういった御要望をお伺いしたところでございます。

 農林水産省といたしましては、まずは、被害の特徴と被災農林漁業者のニーズを踏まえまして、次期作に間に合うような早急な復旧が行えるよう、昨年の台風十九号の対策、支援策として実施をいたしました、浸水被害に対する土砂の撤去、また、農業ハウス、畜舎や農業機械等の再建、水田、果樹などに対する営農再開への支援を軸といたしました総合的な被災者支援を行うことを基本と考えてございます。

 また、今回、被災者から要請のありました葉たばこや果樹などの被害についても、しっかりと支援を検討してまいりたいというふうに考えております。

 実際に、今回、意見交換を通じまして、内水の氾濫の問題によりまして、久留米市におきましては、三年で四回、被災をしておられるというふうに承っております。

 被災地域での話合いの結果を踏まえまして、どういった支援が可能か、必要なものをしっかりと実施してまいりたいというふうに考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 現地の要望を聞いて、ニーズに合わせた支援を今取り組んでいただいているという説明を受けました。

 例えばですが、高齢の農家さんで後継者不足で困っている農地と、先ほどもお話がありましたけれども、浸水被害が何年も続くような地域に関しては、原状復旧をするということではなくて、後継者のいない農地への移動というか、そういったマッチング支援などもひとつ農水省としても検討していただければと思います。そうすると、毎年浸水被害の心配をされる農家さんたちにとっても、また、高齢化をして後継者不足に悩む農家さんたちにとってもよいのではないかと思いますので、新型コロナウイルスでも大変な被害を受けている農家さんたちの心が折れてしまう前に、そういった支援も取り組んでいただければと思っております。

 毎年のように浸水被害を繰り返している地域に対しては、抜本的な治水工事も必要なのではないかと思っております。

 そこで、国土交通省に伺います。

 近年の豪雨の雨量は、十年前、二十年前のものとは全く違います。これまでの基準も見直す必要があります。浸水被害を繰り返す地域に対して、国土交通省としては、今後どのような対策を考えているのでしょうか。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 近年激甚化する水災害などを踏まえて、昨年の十一月から、気候変動を踏まえた抜本的な治水対策について、社会資本整備審議会において議論を進め、七月九日に答申をいただいたところでございます。

 この答申を受け、国土交通省といたしましては、治水計画を、過去の降雨実績に基づく計画から、気候変動による降雨量の増加などを考慮した計画に見直しをしてまいりたいと考えております。

 また、対策については、河川管理者等が主体となって行う治水事業等を強力に推進するとともに、国、地方公共団体、地域の企業、住民の方々など、あらゆる関係者が協働して流域全体で治水対策に取り組む流域治水という考え方に基づき、ハード、ソフト一体となった事前防災対策を加速してまいりまして、安全、安心な社会づくりを推進してまいりたいというふうに考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 何年も同じ被害を繰り返している地域に対しては、抜本的な治水対策をしっかりとお願いをしたいと思います。先ほど御説明もありましたけれども、現場の声をしっかりと聞いて、地域の方々や関係省庁と連携をしてしっかりと進めていっていただきたいと思っております。

 また、住宅地で工事が間に合わないというような地域に対しては、早目の避難、全員避難をしっかりと行えるような対策を講じていただきたいと思っております。

 今回の令和二年七月豪雨においても、逃げおくれによって命を落とされた方が出てしまいました。以前にも、早目の避難については国民の意識改革が必要だと質問をさせていただきましたが、逃げおくれが続いております。今後これ以上の犠牲者を出さないためには新たな取組が必要かと思っております。

 ハザードマップを作成し、配布をしておりますが、ハザードマップについても、さまざまな年代の方々にお聞きをしてみましたけれども、存在を知らないという方、また、ハザードマップは配布された記憶はあるけれども見ていないという方も多かったです。自分が住んでいる地域が危険なのかどうか知らない方も多いようですので、どの方向に逃げればいいのか、どこに避難をすればよいのかもわかっていない方もまだまだ多いです。国がさまざまな対策を講じても毎年逃げおくれる方がいる、このことについては改めて検討する必要があると思っております。

 ことしは、新型コロナウイルスの感染拡大も避難おくれの原因の一つとなっております。自分の家族や親戚、友人のことを考えると、避難をさせてもらうのもちゅうちょすると思います。祖父母や高齢の両親にコロナを感染させたくないとの理由で、実家に帰りたくても帰れない方も多く聞きます。

 今回の豪雨での避難の際には、コロナ対策として避難所の人数制限があり、そのことを知らずに避難所へ行き、既に受入れがいっぱいで別の施設に再避難を余儀なくされた方々がたくさんいらっしゃったと伺いました。これも逃げおくれの原因となるので、早急に改善する必要があると思っております。

 コロナ禍では、宿泊施設が避難所になることもあります。ふだんとは違う避難所の場所を確認をしっかりとしていただいて、いざというときには早目の避難ができるようにしていただきたいと思っております。

 内閣府の逃げおくれ対策について、避難勧告を廃止し、避難勧告と避難指示を一本化する方針が発表されました。来年の通常国会で法改正を検討しているとのことですが、この台風シーズンを前に、ことし一人でも多くの命を守るための逃げおくれ対策が必要と考えますが、何か考えられているのでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 みずからの命はみずからが守るという意識をまず国民一人一人が持つためにも、住民の方々に平時より地域の災害リスクを認識してもらって、災害時にとるべき行動について理解してもらうということが重要であります。

 昨年の東日本台風等を踏まえまして、ことしの出水期までに、住民一人一人が自宅の災害リスクを確認できるよう、ハザードマップを各戸に配布又は回覧することや、災害リスクを踏まえて住民みずからがとるべき行動を判断するための避難行動判定フロー等も各戸に配布、回覧することを市町村に依頼したところでございます。

 また、新型コロナウイルスの感染症が終息しない中であっても、災害の危険がある場所にいる人は避難場所を始めとする安全な場所に避難することが原則でございますので、これも、避難とは難を避けることで、安全な場所にいる人は避難場所に行く必要がない、また、避難先は、安全な親戚、知人宅等も避難先となるというようなことについて、住民の理解を促すためのチラシも作成して周知をしているところでございます。

 こういった中で、今回、令和二年の七月豪雨ということでございますので、引き続きこういった、みずからの命はみずからが守る意識を持っていただくための啓発活動を関係省庁と連携して行ってまいりたいと思っております。

 また、今回の災害におけるいわゆる逃げおくれの状況などについては、また改めて検証も必要になってこようかと考えておるところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 このみずからの命はみずからが守るという意識、これを持つことは大変重要かと思っております。ですが、実際には浸透していないので、国を挙げて、積極的に、そういった意識を国民が持てるように更に検討を進め、対策をとっていただきたいと思っております。また、先ほども話しましたが、再避難などの逃げおくれがないようにしっかりとした対応をお願いしたいと思います。

 これは報道で見ましたけれども、岐阜県の方が、熊本の豪雨のニュースを見て、避難をしなければと早目の避難をして命が助かったとおっしゃっておりました。やはり、命を守るためには早目の避難が必要です。空振りを恐れず早目の避難をする。国民の命を守るためには、わかりやすい表現で早目の避難を行動に移してもらう必要があります。

 そこで、数十年に一度という表現について伺いますが、数十年に一度の大雨という言葉は、大変な大雨なんだろうという意識はあっても、自分事に思えない、自分のところには来ないだろうと思ってしまうとの声があります。

 数十年に一度という言葉は、経験したことがないので、まさか自分の地域がこんなことになるなんてという意識になりやすいようです。被災者の皆さんに話をお聞きすると、皆さん、まさか自分のところがと、毎年そのように言われます。

 毎年、甚大な被害をもたらす豪雨が来ております。台風もこれからやってきます。数十年に一度の大雨という表現ではなく、国民に命の危険を知らせる新たな表現を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

関田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御質問いただきました数十年に一度の大雨というのは、大雨特別警報の基準の一つとしているものでございます。

 大雨特別警報が発表されますのは、これまでに経験したことのないような大雨となっており、何らかの災害が既に発生している可能性が高く、ふだん災害が起きないと思われているような場所を含め、最大級の警戒が必要な状況でございます。

 このため、気象庁では、記者会見等を通じて、大雨特別警報が発表された際には、命を守るために最善を尽くさなければならない状況である旨を呼びかけているところでございます。

 また、大雨特別警報が発表された際には既に何らかの災害が発生している可能性が高いものですから、特別警報の発表を待つのではなく、それまでに段階的に発表いたします注意報、警報、土砂災害警戒情報等を活用いただき、早目早目の防災対応をとっていただくことが重要であるというふうに考えております。

 気象庁といたしましては、今回の豪雨に関しまして、発表しました防災気象情報等が十分に活用いただけたのか、また、受け手に危機感が伝わり、避難行動に結びついたのかという点につきまして、関係機関の協力を得て今後検証を行い、その結果を踏まえまして、より危機感が伝わるよう、伝え方の工夫について考えてまいりたいと考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 実際に逃げおくれが出ておりますので、引き続き検証等を行っていただき、命の危険がある、大雨や台風で避難をしなければならないんだと国民に伝わるように、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、避難所でのクラスター対策について伺います。

 避難所でのコロナ対策、三密対策は、人数制限や受付での検温、消毒などをしっかりしていただいていると聞いておりますが、避難中に避難所においてクラスターが発生した場合はどのような対策をとるのでしょうか。避難所を封鎖するのでしょうか。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 内閣府におきましては、避難所における新型コロナウイルス感染症を発症した場合の対応について、まず、感染者の避難所から病院への移送を含めて、都道府県及び市町村の保健福祉部局、保健所、防災担当部局、医療機関が十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討していただくこと、また、避難所内の滞在スペースにおける消毒については、避難所を管理する市町村等と保健所において事前に検討することについて、自治体に対してお示しをしているところでございます。

 実際に避難所で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した場合ですけれども、市町村や都道府県の保健福祉部局が連携して、必要に応じて国のクラスター対策班を要請していただく、それから、保健所と連携して濃厚接触者の特定、速やかな検査実施に加えて、状況に応じてその他の避難者、関係職員等にPCR検査等の検査を実施すること、そして避難所内の消毒を行う等の対応を行うものと承知しております。

 避難所を引き続き開設するか閉鎖するかについては、発症者とほかの避難者との接触状況、また、ほかの避難所に移動することの可否、個別ケースごとに保健所等の関係機関と連携して適切に対応することとなるものと考えてございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 避難所でクラスターが発生した際の対応についてはしっかりと備えていただいていると思いますので、もしそのような事態になったときには迅速に対応をしていただきたいと思っております。

 次に、ゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンについて大臣に伺いたいと思います。

 七月二十二日からゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンが始まりました。感染が拡大している東京は除外となりましたが、被災地の方々も今旅行に行くことはできません。特に熊本などは、ボランティアも県内に限定し、コロナのクラスターに備えています。県民がぴりぴりしている中でキャンペーンが始まり、熊本でクラスターが発生しないか心配されている方は多いです。被災地でクラスターが発生をして、復旧作業がおくれないようにしてほしいと思っております。

 経済を回していく必要があることは理解をしておりますが、被災地の復旧復興や防災の面から考えて、今の時期のゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンについてどのように考えているのでしょうか。大臣、お願いします。

武田国務大臣 ゴー・トゥー・トラベル・キャンペーン自体のあり方については、所管外ということで、私の答弁を差し控えさせていただきたい。

 その上で、やはり我々は、感染拡大対策というのにも総力を挙げていかなくちゃなりませんが、暮らしに直結する経済の再生ということも、段階的な再生ということも常に心がけていかなくてはならぬと思っております。

 この事業というのは、非常に観光業というのは裾野が広くて、旅館業であったり旅行業者、そしてお土産屋さん、非常に地方にとっては、いわばドル箱の事業であります。こうしたことをやることによって、地方の景気というものをまたよみがえらせることにつながるのではないか。また、今後、ウイズコロナ時代における旅行のあり方、安心、安全な旅行のあり方とは何かといえば、やはり旅行者と事業者が双方にこの感染症対策に対して万全の対策をとって旅に臨む、そうした新しいスタイルを生むことにもつながると思います。

 今回の七月の豪雨で、人吉市始め多くの旅館業の方々も被災をいたしました。この事業に参加したくてもできない事業者というものもたくさんあるわけであって、やはり我々としては、復興復旧をいち早く行うためにも、こうした全てのありとあらゆるオプションというものを有効利用して、地方の復興に、また、生活、なりわいの再建に向けてこうしたものを生かしていきたい、このように考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 経済を再生させていく必要があるというのは、私も理解をしております。しかし、このゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンをスタートするにしても、まずは都道府県内か隣県など、限定してスタートすべきだったのではないかと私自身は思っております。

 これから台風シーズンとなり、被災される地域において、感染拡大、クラスターの発生が抑えられるように取り組む必要があります。特に、医療体制の整っていない小さな町での感染拡大をさせないための対策も考えていただきたいと思います。

 大臣も、被災地に入られ、今回の災害のすさまじさや甚大さに触れ、被災地の復旧復興に向けた決意を新たにしたところですと先ほどお話しになられました。大臣も、できることは全て行うとの政府の方針のもと、スピード感を持って復旧復興に取り組まれると思いますが、防災担当大臣として、今後も、現場の声をしっかりと伺いながら、政府内でしっかりと情報共有をしていただいて進めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 次に、土砂災害から国民の命を守る対策について伺います。

 新型コロナウイルスにより外出自粛をしていた人たちが最近は外出をするようになりましたが、人混みを避け、三密を避け、山や川に行く人がふえてきたように思います。

 先日、家族が遊歩道を歩いていて土砂崩れに巻き込まれるという事故が起きました。七月の初めから降り続いた大雨により、各地で土砂災害の危険は高まっておりますが、国民に伝わっておりません。土砂災害の十分な情報提供が必要です。危険な地域には行かない、土砂災害の危険のある地域の方は避難をしてもらうように国が率先して指導すべきであると思っております。

 今後、土砂災害から国民を守るためにどのような対策を考えているのでしょうか。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 土砂災害の被害を回避するためには、住民等がリスク情報に基づき危険を回避する適切な行動をとることが必要であり、そのためには、平時から危険な箇所を確認し、訓練などにより防災意識を高めておくことが重要だと考えております。

 国土交通省では、土砂災害防止法に基づいた土砂災害警戒区域の指定を促進することで、住民に対して、土砂災害により被害が生じるおそれのある区域の周知を図っているところでございます。また、大雨に伴い土砂災害の発生リスクが高まった際には、土砂災害警戒情報を発表し、住民等に対し、災害発生の切迫性を周知することにより、適切な危険回避行動を促すように取り組んでいるところでございます。

 このように、警戒避難体制の強化を通じて、土砂災害から住民を守るための対策を進めているのにあわせて、これらの情報が旅行等の一時的な来訪者に対しても適切に提供されることで、被害発生を回避することも重要であると認識しております。

 例えば、住民はもちろん、その他の方も含めて、土砂災害の危険性がある箇所を十分認識していただくため、警戒区域を明示した看板の設置を支援したり、通信事業者等と連携し、利用者の現在位置とともに、周辺の土砂災害警戒区域や土砂災害警戒情報をスマートフォンで確認できる取組を進めているところでございます。

 今後もこのような取組をしっかりと進めることにより、国民がリスク情報を正確に認知し、適切な避難、回避の行動をとることができるよう、自治体と連携して対応してまいりたいと考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 さまざまな対策を準備はしていただいているようで、今、御説明をいただきました。積極的な情報発信をしていただいて、土砂災害から国民の命を守っていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 先ほど大臣から、生活再建、なりわいの再建に向けて全力を尽くすとのお話もありました。スピード感を持って災害からの復旧復興に取り組むことは必要ですが、やはり国民の命を守るために防災・減災対策が必要です。毎年さまざまな対策を行っているにもかかわらず、ことしも被害に遭われた方が出てしまいました。台風シーズンを前に、国民の命を守るための具体的な対策について、大臣の決意とともによろしくお願いします。

武田国務大臣 まずは、全員が即応体制をとる準備を怠ることなくやっておくことが大事だと思います。やはり国民の命を守る一番大事なことというのは、それぞれの被災者の方が、やはり命を守るために、今どういう状況にみずからの立場があるか、避難というものをどういうふうに考えていただくかということが一番重要だと思っております。

 コロナ禍における避難ということでありますので、避難所その他の衛生管理には万全を常に期しておかなければなりません。改めて、避難所における衛生管理とは何かというものの周知徹底を図っていきたいと思います。

 また、冒頭申しましたように、自助のみならず、公助、共助というものがどうやって有効に連携していくかということを常に考えていかなくてはならないと思います。正確な、的確な情報というものをいかに各自治体そしてその地域住民の方に伝えるか、それを受けて地域住民の方々はどのような避難行動をとっていただけるか、避難行動をとった場所におけるコロナ対策というものをどうやっていくか、そうしたものを一つ一つ我々は常に考えながら、国民の命と財産を守るためにしっかりとした仕事をしていきたい、このように考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 国民の命を守るためには、大臣からお話ありました情報伝達、そして、それを行動に移してもらう、これが必要だと思います。

 しっかりと避難をしていれば命は助かります。数十年に一度の想定外の豪雨だった、もっと早くに避難をしていればと、毎年同じような話を聞きます。災害の教訓を生かす、その言葉も毎年聞いておりますが、被害は繰り返されております。これ以上同じ被害を繰り返さないように、しっかりと対策を講じていただきたいと思っております。

 時間がなくなってしまいましたので、最後の質問を気象庁に伺いたいと思います。

 コロナ対策もそうですが、この豪雨対策も大変重要でございますが、近年、地震が多発をしております。また、富士山の噴火の可能性を指摘する声があります。気象庁として、現状の認識として、この多発する地震に対して、そして富士山の噴火の可能性について、認識をお伺いできればと思います。お願いします。

関田政府参考人 お答えいたします。

 まず、地震につきましては、この五月、六月に震度四以上の地震が多発いたしまして、特に首都圏で多かったものですから、非常に関心を持たれたということがあったかと思います。実際、五月一日からこれまで震度四以上を観測する地震は全国で十七回発生しておりまして、特に関東地方と長野、岐阜県境等で発生しております。

 実際のところ、地震回数の長期的な傾向を見ますと、本年五月から六月にかけての震度四以上の地震の回数は、平均的な状態と比較してはやや多かったということでございますが、同程度の地震回数はこれまでも見られており、特に今地震活動が活発な状況というふうには考えておりません。

 一方で、我が国は世界有数の地震大国であり、被害をもたらすような地震は、全国、いつ、どこでも発生しておかしくないという状況でございますので、日ごろからの地震への備えは重要であるというふうに考えております。

 続きまして、富士山につきましてですが、富士山は過去に噴火を繰り返している火山でございまして、特に一七〇七年の宝永噴火では、関東地方に大量の火山灰が降り、甚大な被害が発生しております。このようなことから、気象庁では、富士山を活火山として常時監視を行っているところでございます。

 具体的には、地震計や監視カメラ、地殻変動を観測する傾斜計などの観測機器を用いて、富士山の火山活動を二十四時間三百六十五日監視をしております。これらの監視の観測データからは、現在、富士山の火山活動に特段の変化は見られておりません。静穏に経過しており、噴火の兆候は認められていないという状況でございます。

 気象庁では、引き続き、富士山の火山活動をしっかり監視し、火山活動に変化が見られた場合には適時的確に情報を発表してまいりたいというふうに考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 コロナ禍ですし、先ほども申しました、豪雨そして台風の災害に対しても準備をしておく必要がありますけれども、地震に対しても、噴火などに対しても準備をしておく必要があろうかと思います。気象庁からの情報発信も積極的にお願いしたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

山本委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十一分散会


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