第3号 令和2年11月17日(火曜日)
令和二年十一月十七日(火曜日)午後二時開議
出席委員
委員長 金子 恭之君
理事 井上 貴博君 理事 小里 泰弘君
理事 原田 義昭君 理事 藤丸 敏君
理事 堀井 学君 理事 近藤 和也君
理事 早稲田夕季君 理事 大口 善徳君
井出 庸生君 池田 佳隆君
上杉謙太郎君 大岡 敏孝君
金子 俊平君 神山 佐市君
工藤 彰三君 小林 史明君
杉田 水脈君 平 将明君
高木 啓君 武部 新君
出畑 実君 中谷 真一君
中根 一幸君 根本 幸典君
原田 憲治君 深澤 陽一君
松本 文明君 山本 幸三君
池田 真紀君 岡島 一正君
柿沢 未途君 神谷 裕君
小宮山泰子君 佐藤 公治君
高木錬太郎君 山本和嘉子君
江田 康幸君 岡本 三成君
田村 貴昭君 美延 映夫君
古川 元久君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 小此木八郎君
内閣府副大臣 赤澤 亮正君
総務副大臣 熊田 裕通君
経済産業副大臣 長坂 康正君
内閣府大臣政務官 和田 義明君
財務大臣政務官 船橋 利実君
厚生労働大臣政務官 こやり隆史君
国土交通大臣政務官 朝日健太郎君
政府参考人
(内閣官房国土強靱化推進室次長) 五道 仁実君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 高原 勇君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 青柳 一郎君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 山越 伸子君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 荻澤 滋君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 堀内 斉君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 松山 泰浩君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 村上 敬亮君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 金井 昭彦君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 渡辺 学君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 渡邉 浩司君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術参事官) 加藤 雅啓君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 井上 智夫君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局次長) 塩見 英之君
政府参考人
(気象庁長官) 関田 康雄君
衆議院調査局第三特別調査室長 名雲 茂之君
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委員の異動
十一月十七日
辞任 補欠選任
小林 史明君 池田 佳隆君
深澤 陽一君 上杉謙太郎君
同日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 小林 史明君
上杉謙太郎君 深澤 陽一君
―――――――――――――
十一月十六日
被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
災害対策に関する件
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○金子委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国土強靱化推進室次長五道仁実君、内閣府大臣官房審議官高原勇君、内閣府政策統括官青柳一郎君、総務省自治行政局公務員部長山越伸子君、消防庁国民保護・防災部長荻澤滋君、厚生労働省大臣官房審議官堀内斉君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、中小企業庁経営支援部長村上敬亮君、国土交通省大臣官房審議官金井昭彦君、国土交通省大臣官房審議官渡辺学君、国土交通省大臣官房技術審議官渡邉浩司君、国土交通省大臣官房技術参事官加藤雅啓君、国土交通省水管理・国土保全局長井上智夫君、国土交通省水管理・国土保全局次長塩見英之君及び気象庁長官関田康雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○金子委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤丸敏君。
○藤丸委員 お疲れさまでございます。私も久々に質問をさせていただきます。
私のところは、八年前、私が当選したときに北部集中豪雨がありました。それから、ことしもやってきております、ちょっと場所はずれているんですけれども。よろしくお願いいたします。
近年、災害が多く発生しております。さきの大災害、球磨川にも私も翌日に足を運ばせていただきまして、大変なことになっておりました。お亡くなりになった方々にはお悔やみを申し上げ、被災された方々にもお見舞いを申し上げます。
小此木大臣におかれましては、前の前の前に防災を担当されておりまして、その当時は、二回目の九州北部豪雨があったり、胆振東部地震があったり、また、そのときは、国、県、市の連携による国土強靱化の地域計画を進められておりました。再び防災を担当されることになっておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、六、七問、八問、十問ぐらい質問させていただきます。
まず、令和二年の災害状況について、改めて説明を、国土交通行政に長年精通されてこられました赤澤副大臣より御説明をお願いいたします。
○赤澤副大臣 まず、本年の主な災害の被害状況について申し上げますと、令和二年七月豪雨では、熊本県、大分県、長崎県や、議員の御地元の福岡県などにおいて、八十四名の方がお亡くなりになりました。また、全壊千六百五棟、半壊四千三百六十六棟、床上浸水千八百九十五棟などの住家の被害のほか、国、都道府県が管理する二百十六の河川の浸水被害、九百五十四件の土砂災害が発生いたしました。
さらに、九月上旬の台風第十号では、死者三名、全壊五棟などの被害が発生しております。
このように、本年も大きな被害が発生しており、近年、自然災害が激甚化、頻発化し、天災は忘れる間もなくやってくるという状況でございます。
改めて、一連の災害によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
このような状況を踏まえ、今国会には、自然災害により住宅に大きな被害を受けた方々がより早く生活の安定を図ることができるよう、比較的大きな被害を受けた半壊世帯に支給対象を拡大する被災者生活再建支援法の改正法案を提出させていただいているところでございます。
また、私としては、小此木大臣の御指導のもと、有識者の御意見も伺いながら、防災分野におけるデジタルなど技術の活用、そして東京湾高潮対策などの事前防災、複合災害対策、さらには正常性バイアスの周知など防災教育、周知啓発という三つのテーマに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
大臣から先週十二日の挨拶でも申し上げましたとおり、今後も、新型コロナウイルス感染症の終息しない現下の状況に十分留意しつつ、被災者に寄り添いながら、関係省庁や自治体と一体となって、防災対策の充実や災害対応に万全を尽くしてまいります。
○藤丸委員 次に、避難勧告、避難指示がどうだったのか、よく問題にされますけれども、七月の梅雨前線で、今話がありましたように、九州、東海、東北ではどうだったのか。また、コロナ禍の中でありますので、避難所等の状況についてはどうだったのか、和田政務官よりお願いいたします。
○和田大臣政務官 お答え申し上げます。
令和二年七月の豪雨におきましては、予測が難しい線状降水帯というものが七月の四日未明にかけて熊本県南部を中心に停滞しまして、予想を大幅に超える大雨が降りました。気象庁の予測は約二百ミリということでありましたけれども、実際には七百ミリ降ったということでございます。これに伴いまして、球磨川の各地点の水位が四日の午前三時半ころから氾濫危険水域を超えるなど、氾濫の危険が高まりました。
このような夜間に災害の切迫度が高まった場合であっても、ちゅうちょなく避難勧告や避難指示等を発令する必要がありまして、例えば、球磨村や人吉市におきましては、午前三時半ころに氾濫危険情報の発表を受け、速やかに避難指示等を発令し、住民等に対し、洪水からの避難を呼びかけたと承知しております。
なお、二つ目の御質問でございました、避難所の開設に当たってのコロナ禍に対する工夫でございますけれども、避難所における三つの密の回避など、新型コロナウイルス感染症の感染防止に十分留意をする必要がございます。
これまで、自治体に対して、ホテル、旅館の活用も含め、可能な限り多くの避難所を確保するとともに、個々の避難所におきましては、パーティション等により避難者のスペースを十分に確保すること、また、発熱等のある場合には専用スペースに滞在していただくなどについて自治体の取組を促しておりまして、七月豪雨以降、自治体の状況を確認している中で、避難所における対応はおおむね適切に行われていたと認識してございます。
○藤丸委員 私も、球磨川の場合は、その前日の夕方には避難指示、避難勧告が出ておりましたけれども、水量がふえたのは夜中そして朝方でございましたので、そういう意味ではなかなか避難が難しかった。いろいろ、各市町村、注意を払われたんだと思います。
避難所も、以前はそういうのが余りなかった、カーテンがいろいろ張りめぐらされて、家族別になっているとか、そういう配慮があったのでよかったのではないかとは思います。
次に、私も今回、七月豪雨で、八女、大牟田で災害に遭いました。
国会議員といたしまして、どういう対応をとるべきか、何の法律があって、どういう復旧事業があるのかというのを意外と整理していなくて、場当たり的にやってきておりましたので、一回整理をして、きっちり頭の中に入れようということでやってきたんですけれども、常日ごろ、きっちり、どういう法律があってどういう対応をとるべきかということは頭に置いておく必要がありますので、災害関連の法律がどんなものがあるのか、その目的と内容について、概略を説明願いたいと思います。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害法制につきましては、まず、災害関係法令を包括した基本法であります災害対策基本法、こちらを中心といたしまして、災害予防から災害応急対策、復旧復興までの各フェーズに応じて、いろいろな法律が定められているところでございます。
まず、一定規模の災害が発生した場合には、都道府県が被災者の応急救助を行うために、災害救助法、この法律において、避難所の設置、飲食料の給与、仮設住宅や住宅の応急修理といった措置が規定されております。
また、被災者への救済、援助措置といたしまして、今回提案をいたしております被災者生活再建支援法、これに基づきまして、住宅が全壊等をした世帯に対して最大三百万円の支援金の支給を行う。また、災害弔慰金の支給等に関する法律という法律に基づきまして、災害で亡くなられた方の御遺族に対して最大五百万円の災害弔慰金の支給、こういったものが行われるところでございます。
またさらに、規模の大きな災害が発生した場合には、被災者の権利利益を保護するために、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律、この法律に基づいて、運転免許証の有効期限の延長などの措置が行われることとなります。
加えまして、復旧段階、こちらにおきましては、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、こちらに基づいて、災害復旧事業の国庫補助率のかさ上げが行われる。さらに、大規模災害からの復興に関する法律というものに基づきまして、災害復旧工事について国等による代行実施等が行われるということで、災害復旧が迅速かつ的確に進められることとなるわけでございます。
こういった災害法制の体系につきましては、御指摘のように、地方公共団体の職員の方々にもきちんと周知が図られなければいけないということで、防災担当職員を対象といたします防災スペシャリスト養成研修等を通じまして周知を図っているところでございますけれども、引き続き、災害法制の周知と普及啓発には努めてまいりたいと考えております。
○藤丸委員 今回、大牟田が、うちの場合、浸水、冠水といいますか、雨が大体一時間当たり五十ミリが百ミリ降ったので、ポンプがはけ切れないということで、どんどん上がっていった。床上が、一階の胸まで来たのが大体千軒ぐらい、そこでお二人亡くなられたんですけれども。
この大牟田の牟田というのは湿地のことをいいまして、地名というのは大宝律令の時代に漢字二文字というふうに大体決めたんですけれども、大牟田ですから、その当時から大牟田というのがありますので、大宝律令の前の時代からの湿地帯、低い地帯でありますので、ちょうどそこが冠水してしまったということでございます。
そこで、今いろいろな法律がありましたけれども、全壊、半壊のところというのは、災害救助法と被災者生活再建支援法がまたがっておりまして、準半壊というのは一〇%から二〇%であります、三十万ぐらいお金が出ますけれども。半壊というのは二〇%から四〇%です。それから、大規模半壊というのは四〇%から五〇%。全壊が五〇%以上ということで、これは市町村が決定することになっています。
そして、罹災証明を出すことになっていますので、ここがどこに当てはめてくれるかというのは非常に重要で、球磨川みたいにもう全部つかっちゃったら、それはもう全壊です、あれは、ほとんどが。でも、床が上がってきたというものはなかなか難しくて、最初から、市町村の市長さんたちに、被災者の気持ちになってやってくれと相当言うんですけれども、相当言ったら結構半壊にしてくれて、半壊になると、おばあちゃんしか住んでいないからといって、やはり壊すわ、解体するわということになると、全壊扱いになるというのがありますので、そういうのをよく周知してもらって。
何とか半壊にこぎつければいいんですけれども、なかなか、これは要綱を見ると、基礎、壁、天井、屋根が何%ずつ壊れたかでいくんですよ。そうすると、なかなか半壊まで普通にやると行き着かないということになりますので、市町村が決定権がありますので、会計検査とかあるかないか、ないと思いますけれども、そういう意味で、少し被災者に寄り添った気持ちでやってもらうということが一番大事だろうというふうに感じております。
それから、災害復旧事業にはいろいろありまして、各省庁がそれぞれ災害復旧事業を法律に基づいて持っています。例えば、公共施設、山林、農地、病院、歯科医院、社会福祉施設、介護施設やデイケア。学校も、私立学校も大体半分出ます、本激になれば。普通だったら四分の一ぐらいしか出ないんですけれども。そういうことがあるので、各省庁の災害事業に気を配る必要があると思います。
それから、四問目に行きます。ここが一番重要なところなんですが、災害復旧の考え方でございます。
災害復旧の考え方は原状回復、これが基本になっているんですが、改良復旧、局地激甚、本激についての説明をお願いいたします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
激甚災害について御説明いたしますと、激甚災害の指定は、地域を限定せずに全国適用措置を指定する本激と、市町村単位で指定する局激がございます。
公共土木施設の場合には、本激、局激いずれにおいても、通常の災害復旧や災害関連事業よりも更に国庫補助率が一割から二割程度かさ上げされることになります。
以上でございます。
○藤丸委員 ここが問題でありまして、原状回復しかだめなんですよ、基本は。つまり、原状回復までは三分の二出るんです。三分の二、原状回復は。みんな改良復旧と言っていますけれども、改良復旧になると二分の一。じゃ、これは普通の補助率と一緒じゃないかということなんです。
何で二分の一かというと、法律に公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法というのがありまして、ここに、災害復旧事業は原則原状回復と、原状復旧というふうに書いてあるものですから、原状回復が基本ということになって、ここは三分の二になるんですけれども、改良復旧になったら、その部分は二分の一になります。
そうすると、その三分の二、二分の一の割合で、激甚でばんと上がっていきます。激甚で一番最高に上がると九七%ぐらい、上がるんですよ。市町村の財政規律にもよって上がっていきますので。
大体、一般的には、インフラ関係は八十数%、農地とか特別に上がるのは九十何%なんですが、そこに財政比率があって、うまくいく場合は九七・何%ぐらいまで計算が上がっていきます。
しかし、最初に三分の二と二分の一の割合がある。片っ方は三分の二だと。この割合がそのままいくので、九七にいかない。大規模なものになってくると、その数%で全然金額が変わってきますので。
私は、ここで言いたいのは、原則、再度災害防止という観点も考えれば、基本、災害復旧事業は、改良復旧というか、改良復旧というとどんなことでもするので、そういう意味じゃなくて、再度災害防止という観点での改良復旧が原則で、その補助率も三分の二にすべきだというふうに考えておりますので、これは多分、財務省協議の上での法律改正になってくるのではないかと思います。
それから、近年の災害の総額はどれぐらいになるか。二十三年とかその前は六、七兆ぐらいの被害額で計算されていたと思うんですが、近年はどうか、お答えをお願いいたします。
○荻澤政府参考人 消防庁では、自然災害などの年間の被害額について、これは公共施設でございますとか農林水産関係の被害が中心となりますけれども、各都道府県から報告をいただいて、取りまとめ、公表をさせていただいているところでございます。
取りまとめの直近の二年間、最新は平成三十年中のものでございます。これは、平成三十年の七月豪雨、北海道の胆振東部地震があった年でございますけれども、一兆一千七百十九億円、その前年の平成二十九年が五千九百九十四億円となっているところでございます。
○藤丸委員 過去は、繰り返しますが、六兆とか七兆というときもあったと思うんですね。多分八年前はそのぐらいあったと思うんですが、どうでしょう。
○荻澤政府参考人 平成二十三年、東日本大震災の年でございますけれども、そのときには六兆四千億円を超えるという大変大きな被害となっているところでございます。
○藤丸委員 被害も、大きな災害になると相当な、何兆円の費用になりますので、いかに予防が大事かというふうに思います。
そこで、これから起こるであろういろいろなことを考えて、予防防災の費用計画について、河川、道路、港湾、もっとありますけれども、とりあえず河川、道路、港湾、それぞれ幾らぐらい大体見積もっているのかという、概算で結構です。
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。
河川事業につきましての事前防災に係る費用ということでございますけれども、私どもは、現在、全国百九の水系で、国管理の河川について、戦後最大の洪水に対応することができるようにするための対策、それに要する費用として現在見込んでおりますのが約七兆円ということでございます。この事前の投資によりまして被害が軽減できる額は、この投資額をかなり大きく上回るものというふうに考えてございます。
○渡辺(学)政府参考人 お答えいたします。
道路の橋梁やトンネルなどにつきましては、二〇一四年度から、国が定める統一基準により、五年に一度の頻度での点検を義務化しております。二〇一八年度までに点検は一巡し、五年以内に修繕が必要な橋梁につきましては、全国で約七万橋というものが確認されております。この内訳につきましては、地方公共団体の管理する橋梁が約六万三千橋ありまして、そのうち修繕に着手したものは約二万一千橋であり、いまだ四万橋が修繕に未着手でございます。
これまでの実績では、年間約七千橋で修繕等が行われているところでございますけれども、新しく二〇一九年の点検におきましての老朽化の傾向を踏まえますと、今後、年間約六千橋が新たに修繕等が必要な状態へと進行する見込みであり、年間約一千橋しか減らないという状況でございます。このため、現状の予算ベースで、地方公共団体において、ふぐあいが生じる前に対策をする予防保全へ移行するためには、四十年程度は必要になるということになります。
今年度創設した道路メンテナンス事業補助制度の予算三千八百五十八億円が今後四十年程度必要であると仮定して計算した場合、地方単独事業で行われているものを除きまして、修繕費用は約十六兆円程度と見込まれるところでございます。
なお、この額につきましては、今後、精査に努めるとともに、不断の効率化を図ってまいりたいと思います。
以上でございます。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の港湾は、貿易量の九九・六%を扱う重要な社会インフラであり、また、その背後地となる港湾所在市町村には人口約六千万人、製造品出荷額等が百五十兆円を擁し、いずれも全国の約半数を占めるなど、我が国の国民生活、経済活動にとって重要な地域となってございます。
このため、災害発生時におきましても、港湾及びその背後地の人命防護、資産被害の最小化、また、発災後の経済活動継続のために、港湾を核とした海上輸送ネットワークを維持することが重要でございます。
このような中で、近年の台風に伴う高潮、高波、暴風雨による被害の頻発、激甚化、切迫する南海トラフ地震、それから、さらには、老朽化した施設の急増などに対応するため、防災・減災、国土強靱化の観点から、港湾において講ずべき対策が多数ございます。
これに要する費用といたしまして、例えば、老朽化した施設への対応だけでも、今後三十年間で必要な全国の港湾施設の維持管理、更新費として、約六兆円から八兆円程度を見込んでいるところでございます。
これに加えまして、現時点で所要の高さや耐震性が不足している護岸、堤防の改良や防波堤の補強、かさ上げなどの高潮、高波、地震、津波対策、さらには気候変動の影響を考慮した対策が必要になると考えているところでございます。
○藤丸委員 三年間の激甚が終わりまして、これから次の対応をどうするかという議論になっておりますので、その費用を見越して対応しなければならないと思います。
七番の気象庁はちょっと飛ばしまして、八番、これは大事なんですが、今回被災をいたしました、例えば飲食店、家具屋さん、歯医者さんもそうなんですが、病院、それとかガソリンスタンド、いろいろな、千軒、この地域にありまして、前はグループ補助金ということで、グループをつくって中小企業の救済をしてもらいました。今回はそれを、なりわい補助金ということで中小企業を救ってもらおうと。
例えば、個人の車が水没してもだめですけれども、営業用の車であればそれは救済できる、四分の三の中で救済できるということになっておりますので、これは非常に重要で、親身になって対応していただきたい。熊本の方はどっと出ているらしいんですけれども、うちの方は余り出ていないので。
今、その執行状況について説明をお願いいたします。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただいた補助金につきましては、令和二年度予備費で二百七十五・七億円を措置し、あわせて、コロナ、豪雨災害、過去の災害、三重苦の方につきましては、御指摘いただいた四分の三に加えて定額の補助も行う、かつグループ要件を外すということで、できるだけ被災地の現場の意向に寄り添う形での制度設計ということを努めております。
執行実績の方につきましては、八月末から段階的に公募を開始し、十一月十三日の時点で熊本県で十四者、〇・九億円、十一月十六日に福岡県で二者、〇・二億円、これが第一次交付決定でございます。
引き続き申請を受け付けてございまして、見積りその他の関係で申請額が決められないために準備が滞っているところがございますが、これら一つ一つ丁寧に相談に乗りながら、引き続き被災者に寄り添い支援をしてまいりたいと考えてございます。
○藤丸委員 よろしくお願いします。
レストランでも、被災したのでもうやめようかと私の同級生の人間が言うので、いや、そんなこと考えるなよ、もうちょっと、まだ若いんだから頑張れ、こういう補助金があるんだからと。こんなに分厚く何か書かなきゃいけないよと言うから、当たり前だろう、お金をもらうんだからというふうなことで、頑張れという話をしているところでございます。
菅総理のダムの運用について聞くつもりだったんですが、時間がありませんので、最後に、大臣より、コロナ禍の複合災害について、所信でもお話をいただきましたが、再度お話をお願いいたします。
○小此木国務大臣 お疲れさまでございます。
たび重なる災害、激甚化あるいは頻発化という言葉を使いながら発信していますが、ことしになりましてから、新型コロナウイルスの感染症が皆さんに認識をされ、いろいろなところで困難が続いているところでありますが、新しく組閣されましたこの政府も、それの終息に向けてみんなで努力をしていこうということで、新たな思いでおりますが、この感染症の現下の状況におきましては、避難所等におきましても、ここにおける三つの密の回避はもちろんのこと、うがい、手洗い、これは当然のことでありますけれども、新型コロナウイルス感染症の感染防止に十分留意する必要があると考えています。
そのため、政府として、避難先は避難所に限るものではなくて、安全な親戚あるいは知人の住まい等も避難先となることについて住民の理解を促すとともに、避難所の衛生管理の徹底等について自治体の取組を促してきたわけであります。
この結果、七月豪雨等では、避難所における感染症対策はおおむね適切に行われたものと認識してはおりますけれども、これはもうやってもやっても足りることはないというふうに思います。犠牲者が出ておられる以上は、よりしっかりとした意識を持って前に進めていかなきゃいけないと思っています。
一方、台風第十号ですが、一部の避難所において収容人数に達し、他の避難所を紹介するなどした事例があったことから、その状況について調査を実施し、円滑な避難のための留意事項を整理して、自治体宛てに通知をしたところであります。
また、プッシュ型支援については、マスクや消毒液、非接触型体温計、パーティション等を送るなど、感染症防止のために必要な物資支援を行っております。
このような経験や教訓を生かして、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえつつ、関係省庁や自治体と連携しながら、今後の災害対応に万全を期してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○藤丸委員 ありがとうございました。
○金子委員長 次に、大口善徳君。
○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
昨年は令和元年東日本台風、ことしも、令和二年七月豪雨を始め、台風、豪雨等による災害が発生しております。こうした災害によりお亡くなりになられた方に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々へ心からお見舞いを申し上げます。
政府におかれましては、被災された方の生活、なりわいの再建や被災地の復旧復興に向けて、引き続き全力で取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
私ども公明党といたしましても、与党の一員として協力をしてまいります。
また、小此木大臣におかれましては、国対でもいろいろお世話になりました。そして、二度目の防災担当大臣、国土強靱化担当大臣への御就任でございます。新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、災害対応も感染症対策に十分留意する必要がありますが、これまでの御経験を生かして、災害に強くしなやかな国づくりを進めていただき、災害対応に万全を尽くしてくださることを期待しております。
まず、防災・減災、国土強靱化対策についてお伺いします。
近年、気候変動等の影響により風水害が激甚化、頻発化しており、各地に甚大な被害が発生し、多くの人命や財産が奪われております。また、南海トラフ、首都直下地震などの巨大地震も切迫しておりますが、事前の防災・減災対策がまだまだ不十分であります。
かねてより、我が党は、防災、減災のための社会資本整備の集中投資として、新たな需要を生み出す防災・減災ニューディールを提唱し、進めてまいりました。今般のコロナ禍の影響により民間投資が落ち込む状況においても、社会資本整備、インフラ投資は国の発展の基盤であり、持続的な成長のエンジンであります。
そうした中で、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策は今年度が最終年度となっていますが、全国各地から、令和三年度以降の延長、拡充を求める声が数多く上がっております。
ことし七月十七日に閣議決定された骨太の方針には、我が党の強い主張もありまして、大きな柱の一つとして、三カ年緊急対策の終了後の中長期的な取組方針が明記されました。
その後も、我が党は、提言や代表質問等において、三カ年緊急対策の終了後の取組について、三カ年緊急対策に盛り込まれていなかったインフラ老朽化対策も含めた新たな五カ年計画を策定し、通常の国土強靱化関係予算とは別枠で、必要かつ十分な予算を確保すべきであると政府に強く要請してまいりました。
十一月十日の閣議で、菅総理は、追加の経済対策を盛り込んだ今年度三次補正予算案の編成を指示しましたが、その三つの大きな柱の一つも、防災・減災、国土強靱化の推進であります。
国民の生命と暮らしを守り抜くため、ハード面、ソフト面一体となった防災・減災、国土強靱化対策は、三カ年緊急対策後も引き続き計画的に進める必要があります。
三カ年緊急対策に続く中長期的な対策として新たな五カ年計画を取りまとめ、インフラ老朽化対策などを含め、今後どのような取組をしていくのかを示した上で、それに基づいて予算額を固めることが大事であり、そのためには新たな五カ年計画の年末までの閣議決定をすべきであり、さらに、同計画には、気候変動の影響により激甚化する風水害や切迫する巨大地震への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速、国土強靱化施策のデジタル化等の推進に係る対策が盛り込まれるべきと考えます。
国土強靱化推進本部における現在の検討状況、今後の見通しを含めて、大臣の決意をお伺いします。
○小此木国務大臣 大口委員とはさまざまな場所でお仕事をさせていただいてまいりましたが、今お話しされました防災・減災、国土強靱化等についても、政治家としてあるいは御党としてさまざま発信をいただいていることに心から感謝をいたします。
本年も、令和二年七月豪雨が発生するなど、甚大な被害が各地で発生いたしました。また、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震の発生も懸念されている中、国民の生命や財産を守る国土強靱化の取組を強力に進めることが重要であると改めて認識しております。
これらについては、与党や知事会、各地方公共団体等から、対策期間の延長や気候変動の影響による気象災害の激甚化への対応、インフラの老朽化対策、国土強靱化の取組実施に当たってのデジタル化の推進等の多くの御提言、御要望をいただいているところであります。
三カ年緊急対策後の取組については、骨太方針二〇二〇において、中長期視点に立って計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき、三カ年緊急対策後も必要十分な予算を確保し、オール・ジャパンで対策を進めることとしております。
さらに、今月十日、おっしゃいましたように、新たな経済対策と国土強靱化を一つの柱とする第三次補正予算の編成について、総理から指示がございました。
政府においては、これらを踏まえ、国土強靱化を推進できるよう、中長期的に取り組む具体的内容や目標、中長期の見通しについてしっかり検討しているところでありまして、省庁、自治体や官民の垣根を越えて、引き続き、災害に屈しない、強さとしなやかさを備えた国土づくりに取り組むため、必要十分な予算の確保に努めてまいります。
○大口委員 大臣、しっかりお願いいたします。
次に、南海トラフ地震の対策についてでございますけれども、令和元年五月三十一日、南海トラフ地震防災対策推進基本計画が変更され、南海トラフ沿いの想定震源域内でマグニチュード八クラスの地震が発生し、南海トラフ地震臨時情報、巨大地震警戒が発表された場合は、後発地震に対して一週間警戒する措置をとることや、津波の到達までに避難が間に合わないおそれがある地域として、市町村が事前避難対象地域を指定することが盛り込まれております。
南海トラフ地震防災対策推進地域の地方公共団体等は、基本計画を踏まえた南海トラフ地震防災対策推進計画を作成することになっているため、基本計画の変更を踏まえて推進計画を変更することになります。
内閣府の取りまとめによりますと、令和二年四月一日現在、この推進計画の変更状況は、対象都道府県では、二十九都府県の全てで令和二年度中に変更が完了する見込みとなっていますが、対象市町村では、七百七市町村中、変更済みが百八十市町村、令和二年度中に変更予定が三百七十六市町村となっており、百五十一市町村、二一%については令和二年度に変更するめどが立っていない。
さらに、津波避難対策特別強化地域に指定されている市町村では、推進計画において事前避難対象地域を指定する必要がありますが、同じく令和二年四月一日現在で、対象百三十九市町村中、指定済みが五十一市町村、検討の結果、指定必要なしが二十七市町村、令和二年度中に指定予定が四十七市町村となっており、十四市町村、一〇%が令和二年度中に指定するめどが立っていない。
推進計画の変更や事前避難対象地域の指定を早急に終える必要があります。いつごろまでに完了する見通しとなっているのか、そして、早期完了に向けて市町村に対してどのような支援を行っていくのか、大臣にお伺いします。
○小此木国務大臣 昨年五月の基本計画の変更を踏まえ、関係する地方公共団体においては、事前避難対象地域の指定を含む推進計画の変更を進めていただいているところでありますが、委員御指摘のとおり、今年度中の計画変更等のめどが立っていない市町村もあることは承知しております。
推進計画の変更等に時間を要している市町村においては、例えば、事前避難対象地域の範囲の精査や地域住民との合意形成など、それぞれ実情に応じたさまざまな課題があると承知しております。
このため、内閣府では、市町村において今年度内に推進計画の変更等を完了していただくことを目指して、地域ブロックごとの連絡会を開催し、地域の取組事例の共有等を行うとともに、新たに地方公共団体向けの相談窓口を設置したところであります。
あわせて、都府県と連携し、推進計画の変更等が進んでいない市町村に対して個別に進捗状況や課題の聞き取りを行っているところでありまして、今後、各市町村に対し、それぞれが抱える課題に応じて個別に指導助言を行っていくことにしております。
引き続き、関係都府県と連携しながら、市町村ごとの状況を把握し、きめ細やかな対応を行うことで早期の推進計画の変更等を支援してまいりたいと存じます。
○大口委員 よろしくお願いいたします。
次に、近年、平成三十年七月豪雨、令和二年七月豪雨など線状降水帯による豪雨災害が相次ぎ、河川の氾濫や土砂災害などにより甚大な被害が出ています。被害を少しでも少なくするためには、あらかじめ大雨の危険性を呼びかけ、避難等の事前防災行動につなげていく必要があります。そのためには、線状降水帯の発生の予測技術の向上が望まれます。
気象庁の令和三年度予算概算要求には、線状降水帯の予測精度向上に向けた気象観測、監視体制の強化等が盛り込まれていますが、予測技術の向上を踏まえた線状降水帯の発生可能性の情報提供など、防災気象情報の提供、改善に向けた技術開発について、まずは気象庁にお伺いします。
それと、線状降水帯の予測精度の向上については、戦略的イノベーション創造プログラム、SIPと連携が非常に重要と考えます。SIPにおける取組状況について、内閣府の科学・イノベーション担当にお伺いします。
○関田政府参考人 お答えいたします。
線状降水帯の発生を事前に予測することは現在の技術では困難でございますが、防災上、非常に重要な課題と認識しているところでございます。
線状降水帯を予測し災害の防止、軽減につなげるためには、線状降水帯の発生に結びつく大気の状態を正確に把握すること、スーパーコンピューターを活用した予測技術を高度化すること、そして避難行動に結びつくような防災気象情報を提供することが必要となります。
このため、気象庁では、大気の状態を正確に把握するための施策といたしまして、ただいま御指摘いただきましたとおり、気象庁と海上保安庁の連携による洋上観測など、線状降水帯の観測、監視体制の強化に向けた新たな取組を令和三年度概算要求に盛り込んでいるところでございます。
また、線状降水帯の予測技術を高度化するため、当庁における技術開発をより一層推進していくとともに、これも御指摘いただきましたとおり、線状降水帯に関する研究開発を行っております内閣府戦略的イノベーション創造プログラム、SIPを始めとする大学、研究機関等の連携を強化してまいります。さらに、これらの成果を踏まえ、線状降水帯等による大雨の可能性を半日前から提供するなどの防災気象情報の改善について検討を進めてまいります。
気象庁では、このような取組により、線状降水帯による大雨災害の防止、軽減に努めてまいりたいと考えております。
○高原政府参考人 お答え申し上げます。
内閣府では、戦略的イノベーション創造プログラム、国家レジリエンス(防災・減災)の強化において、早期の確実な避難を実現するため、線状降水帯観測、予測システムの開発を進めております。
水蒸気の高性能な観測技術を用いて、線状降水帯により、いつ、どこで、どのくらいの雨が降り始めるのか、これを半日前並びに二時間前に予測可能とする技術について、現在、研究開発を進めているところであります。
現在、平成三十年度から開始しました五年間のプログラムの三年目に当たり、観測、早期予測システムのプロトタイプを構築し、地方自治体への予測情報の試験配信を行うなど、システムの実装に向けて取組を進めているところであります。
今後とも、気象庁と緊密に連携し、早期の社会実装に向けて研究開発を進めてまいります。
○大口委員 これは加速をしていただきたいな、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、避難所における新型コロナウイルス感染防止のため、内閣府は、できるだけ多くの避難所を開設すること、十分なスペースを確保すること、ホテル、旅館等を活用するなど、呼びかけてきました。本年、令和二年七月豪雨はコロナ禍において発生した初めての大規模災害となりましたが、避難所における感染症対策はおおむね適切に行われたということであります。
その後、最大警戒が呼びかけられた台風十号での対応については、内閣府が避難者の多かった自治体に対して実態調査の結果、約四割の市町村で収容人員を超過した避難所があったことが明らかになった一方、アプリ等のインターネット上のサービスを活用して避難所の混雑状況等を知らせる取組を行った自治体もあったとのことであります。
また、分散避難の推進により支援物質の届け先がふえるという課題があります。特に、高齢者、障害者、乳幼児を抱える子育て世帯等の災害弱者への支援物資の輸送や情報提供が重要な課題であります。分散避難された被災者情報の掌握とあわせて、支援物資の仕分と提供体制の構築が求められます。
これまでの災害対応で明らかになった成果や課題を踏まえ、今後の災害において分散避難をどのように進めていくのか、内閣府にお伺いします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
内閣府においては、分散避難を促しているところでございますけれども、令和二年七月豪雨におきましては、熊本県では、避難所外避難者への支援に当たって、自治会やケアマネジャー等も連携しながら、その把握に努めて、必要な医療、介護などのサービスの支援が行われたところでございます。また、避難者への物資の受渡しにつきましては、避難所での受渡しのほか、消防、市町の職員、地区の代表者が支援物資を運搬して、避難所外の地区の拠点においても避難者への物資の受渡しが行われたと承知をしております。
また、台風十号においては、収容人数を超過した避難所が御指摘のとおりございましたことから、自治体のホームページや防災メール等を含めまして、効果的な情報発信の手段について平時から検討していただきたい、また、災害の大きさを適切に判断して、必要な避難所をできる限り当初から開設することが必要ということで、これも周知を促しているところでございます。
内閣府としては、こうしたこれまでの経験を今後の災害対応に生かしていくために、自治体に対して周知に努めているところでございますけれども、今後とも分散避難は進めていくことが必要と考えておりますので、避難所外避難者に対する支援といった分散避難に伴う課題についてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○大口委員 今回、サブワーキンググループの中間取りまとめがありました。令和元年台風十九号を踏まえた避難情報及び広域避難に関するサブワーキンググループの中間取りまとめであります。ここで、大臣も御指摘していただいていますように、避難勧告と避難指示(緊急)について、避難指示に一本化することが盛り込まれたわけでございまして、我が党の提言でもこれは提案をしているところで、その方向で進めていただきたい、こう思っております。
また、令和元年東日本台風では、広域避難を発令した埼玉県加須市において大渋滞が発生するなど、課題が明らかになりました。大規模水害等の住民の広域避難を円滑に実施するためには、鉄道の計画運休などの影響もあることから、災害が発生するおそれの段階から国、地方公共団体、関係機関等が連携して対応する必要があります。
現行法では、国は災害発生前に災害対策本部を設置することはできません。国においても災害発生前から災害対策本部が設置できるようにするため、災害対策基本法の改正をするなど、関係法令の整備が必要と考えます。
加えて、発災前に、具体的な避難先や経路、避難手段の調整など、大規模、広域避難を円滑に行うための仕組みづくり等も制度化し、これに係る所要の財源確保も必要であります。あわせ、大臣の見解をお伺いします。
○小此木国務大臣 国においても、御指摘のとおり、令和元年東日本台風においては、広域についてさまざまな課題が明らかになったと承知しております。
このため、広域避難の準備、開始の段階から、地方公共団体の長や公共交通機関等に対し必要な指示や協力を求めることができるよう、国の対策本部を災害発生前から設置できるように、制度化について検討してまいりたいと存じます。
また、具体的な避難先や避難手段について、発災前において市町村間で協議等できる仕組みを検討するとともに、費用負担については、国としてどのような措置が可能か検討を進めてまいります。
○大口委員 また、高齢者や障害者等の避難の実効性の確保については、大臣も所信で述べられているとおり、現在、中央防災会議の令和元年台風第十九号を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループにおいて検討が進められております。
先月発表された中間取りまとめでは、避難行動要支援者の個別計画の策定を更に促進するため、制度的な位置づけの明確化、人材の確保、育成を支援する仕組みづくり、個別計画策定の取組について財政的な支援などが盛り込まれています。
我が党は、個別計画の作成を災害対策基本法に規定することを提言しております。昨年の六月一日現在、この個別計画を策定している市町村は一二・一%ということでございます。これは本当に、その策定を推進していくことについて、大臣の見解をお伺いします。
○小此木国務大臣 令和元年、昨年の台風第十九号において、自宅での死者の多くが高齢者であったということなどから、近年の災害における高齢者等の被災状況を踏まえ、現在、内閣府において有識者会議を開催をして、高齢者や障害者など災害時の避難に困難を抱える方々の避難の実効性を高める方策について御議論いただいているところであります。
十月に公表いたしました有識者会議の中間取りまとめにおいて、災害時の避難支援を実効性あるものとするためには個別計画の策定が有効であり、個別計画の策定を更に促進するためには制度的な位置づけの明確化が必要ということでされています。
今後、有識者会議の御議論も踏まえ、個別計画の策定の促進のため、災害対策基本法の見直しの検討を進め、個別計画策定の取組を一層進めてまいりたいと存じます。
○大口委員 高齢者等の避難に関しては、令和二年七月豪雨によって、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム千寿園において十四名の方が犠牲となったことを受けて、我が党も緊急要請として、浸水想定区域に立地する要配慮者施設等の避難確保計画と避難訓練の検証と対策、避難時の避難用スロープの設置などを進めるよう提言をしてまいりました。
この点について、現在、国交省と厚労省が、令和二年七月豪雨災害を踏まえた高齢者福祉施設の避難確保に関する検討会を設置し、検討を進めていただいているわけでありますが、どのような検討が行われているのか、また、年内に取りまとめる予定と聞いておりますが、来年の出水期に備え、早急に対策を講ずる必要があると考えます。取りまとめに基づきどのように対応されるのか、国交省、厚労省にお伺いします。
○井上政府参考人 令和二年七月の豪雨災害では、球磨川の氾濫等による浸水によって、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム千寿園の入所者十四名が犠牲になる痛ましい被害が発生しました。
国土交通省としては、公明党の緊急要請も踏まえ、同様の被害の再発防止を図るため、厚生労働省と共同で有識者による検討会を十月七日に設置し、今回の災害を検証、総括し、避難の実効性確保の方策を検討することとしました。
千寿園は、平成三十年四月に避難確保計画を作成し、訓練を実施しておりましたが、計画上の避難先として雨天時の避難に適さない屋外の運動場等を定めていたこと、避難誘導のための要員が参集できなかったこと、浸水開始後になって二階に避難しようとしたが、階段を使った垂直移動に時間を要したことなど、避難確保計画の内容や施設内の体制、設備に課題があったと認識しております。
初回の会合の主な議論としては、避難確保計画の実効性が担保されるよう、計画に定められた避難先などに対し、防災の専門知識を有する行政が助言する仕組みが必要である、避難の誘導要員について、夜間でも確実に確保する方策の検討が必要である、スロープなど垂直避難に有効な設備の設置を行政が促す必要があるといったものがありました。
国土交通省としては、避難の実効性確保のための方策を年度内に取りまとめた上で、来年の出水期までに避難確保計画の緊急的な点検項目を施設管理者に周知するなど、速やかな対策の実施に努めてまいります。
○堀内政府参考人 お答えいたします。
検討会において議論されている内容につきましては、ただいま国土交通省から御答弁があったとおりでございますが、厚生労働省といたしましても、国土交通省とともに検討を進め、避難の実効性確保のための方策を年度内に取りまとめた上で、来年の出水期までに速やかな対策の実施に努めてまいりたいと考えております。
また、介護施設等の水害対策の強化といたしましては、公明党の緊急要請も踏まえまして、介護施設等における水害対策の支援メニューを創設したところでございます。
具体的には、垂直避難用エレベーター、スロープ、避難スペースの確保等の改修工事等に対しまして補助を行うことといたしました。
介護施設におきまして災害対策の整備が進むよう、都道府県等と連携いたしまして、この補助事業を進めてまいります。
○大口委員 被災者生活再建支援法はこの国会で提出されまして、令和二年七月豪雨にも適用されるということで、この成立を期していきたい、協力していきたいと思っております。
被災者の負担軽減、利便性の向上のために、マイナンバーカードによる罹災証明書のコンビニ交付を始め被災者生活再建支援金や義援金の申請など、各種の行政手続のデジタル化も進めていく必要があると考えます。
現在、地方公共団体情報システム機構、J―LISにおいて、市町村の住民情報データをバックアップとして保管するとともに、住民票や印鑑証明のコンビニ交付に活用するためのクラウド型バックアップセンター(仮称)の構築に向けて、試行運用が行われています。このバックアップセンターは、被災者支援手続の迅速化や、ひいては被災された方々の速やかな生活再建にも活用できるものであります。
我が党は、今年度に、バックアップセンターを被災者支援手続にも活用できるよう機能改修を行うために必要な予算を速やかに確保するよう要望しておりますが、今後の予算の確保について内閣府にお伺いします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害対応業務のデジタル化の促進は重要と考えておりまして、特に罹災証明書については、大規模災害時に申請や受取の際に窓口に人が集中するといった課題がございまして、コロナ対策の観点からも、デジタル化による利便性の向上が必要と考えてございます。
この点、現在、総務省において、令和二年度第一次補正予算により、市町村の住民情報をバックアップして保管するとともに、住民票の写し、印鑑登録証明書のコンビニ交付に活用することを目的とするクラウド型バックアップセンターを構築中と聞いてございます。
ここで蓄積された住民情報は被災者支援にも有用でございますので、内閣府においては、このクラウド型バックアップセンターを活用して、住民情報を被災情報と連携して被災者支援に活用でき、また、罹災証明書の電子申請やコンビニでの交付にも対応できる基盤的なシステムを構築するための予算を現在要求しているところでございます。
○大口委員 災害時における高齢者や障害者等に対する福祉的支援については、DWAT、災害派遣福祉チームを始めとする専門職やボランティア、NPO法人など、重要な役割を担っていますが、災害法制における位置づけは明確ではありません。
災害救助法等の災害法制において福祉支援活動を明確に位置づけることなどにより、政府として福祉的支援に取り組むべきではないかと考えますが、大臣にお伺いします。
○小此木国務大臣 災害時において、DWAT、災害派遣福祉チームですね、ボランティアやNPOの方々には、被災者の支援に関して非常に重要な役割を果たしていただいていると認識しております。
このような認識のもとで、災害対策基本法においては、国及び地方公共団体は、ボランティアの果たす役割の重要性に鑑み、ボランティアとの連携に努めなければならない旨規定してございます。
他方、災害救助法は、災害に際して応急的に必要な救助を行うものであり、現行法上、救助の種類として福祉支援活動は位置づけられておりませんけれども、避難所の供与など、現行の個々の救助項目において、必要に応じて福祉的な配慮を行っているところであると認識しております。
具体的には、災害救助法が適用された自治体に対し、DWATを含めた福祉関係職員等の避難所への派遣に要する費用等について、災害救助法の国庫負担の対象とすることとしております。
また、厚生労働省においては、被災した在宅高齢者等への戸別訪問や仮設住宅に入居する被災者等の見守り、相談支援等について補助事業を行っております。
高齢者、障害者等に対する福祉的支援が適切に実施されますよう、引き続き、厚生労働省等の関係省庁や被災地の自治体と連携しながら、必要な支援に努めてまいります。
○大口委員 時間が来ましたので、これで終了します。ありがとうございました。
○金子委員長 次に、近藤和也君。
○近藤(和)委員 石川県能登半島の近藤和也でございます。
ことしもたくさんの、さまざまな災害がございました。まだ大規模な災害もあるかもしれません。お亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げ、現在も被災で苦しまれておられる方々にお見舞いを申し上げます。
小此木大臣には、御就任、私はありがたいなというふうに思っております。やはり、国の政策の中で、財務大臣であったり外務大臣と同様に、私は、防災、そして復興担当大臣も含めて、そうそうかわるべきではないなと思っております。継続性、そして経験知を生かして、さらなる、災害以上に政策が深化をしていく、そのためには、再登板ということは、私はよかったなというふうに思っております。
そして、最近では、災害は激甚化という言葉、そして複合災害という言葉もたびたび出てくるようになりました。その中で、今回のコロナ災害でございます。
あえてコロナ禍ということではなくてコロナ災害という言葉を、私は有権者の皆様にもわかりやすい言葉でお話をさせていただいているんですが、実質上は、災害対策基本法の中でも、そして災害救助法の中でも、感染症というのは災害の扱いにはなっていないということで、本来であればこういったところも、コロナとの闘いはこれからずっと続くわけですし、今まででも、激甚化した災害だけでも大変だったのに、コロナも必ずついて回ってくるといったことも含めての、私は、災害、そして複合災害としての心構え、そして財政的な準備というものも必要ではないかなというふうに思っております。
それでは、質問に入らせていただきます。
このコロナ災害のもとでの、まずはPCR検査のあり方でございます。
私もこの三年間の間に、岡山県、また広島県、長野県に青年委員会でボランティアとして現地に入りました。二泊三日であったり日帰りであったりという形でボランティアで入ったんですが、ことしの夏の段階でも、七月でも、熊本に入れるものなら入りたいという思いがございました。
やはり、一軒一軒の泥のかき出しなどは、人手があってようやくできるものです。岡山県の真備町のところでは、一軒を二十数人でやって、それで二日がかりでようやく家がきれいになるぐらい。ですから、人海戦術というのは欠かせません。
そういった点で、今回は熊本の知事みずからが、コロナの、感染拡大しても困るから県外からは御遠慮願いたいと、恐らく苦渋の宣言であったのではないかなというふうに思います。
これからの防災、そして特に減災ということでいけば、やはり私はボランティアの力はもっともっとかりていかなくてはいけないと思いますし、例えば、私の石川県から熊本県に行くときには検査をする、帰ってきたときにも検査をするということで、被災地にコロナを持っていかない、そして帰ってきても、それぞれの、助けた地域にコロナを持って帰らないということも含めて、検査体制というものをしくことができないかというふうに考えますが、現状どのような状態であるのか、そして今後の方針、教えていただけたらと思います。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
被災地でのボランティアの受入れについては、全国社会福祉協議会、地域の社会福祉協議会に対しまして、新型コロナウイルス感染症も踏まえて、被災地の住民等の意向を考慮して、感染症対策を含めて自治体と十分協議して具体化していくようという通知を行っておりまして、まず地元の意向を踏まえることが重要と認識しております。
御指摘のとおり、七月豪雨の際に、熊本県では、知事の方、県民の力で対応するということで、県内の方々でということになっておりまして、人吉市の方では十一月から九州までは拡大をしている。ただ、PCR等の検査までは求めていないという状況にございます。
ただ、さまざまPCR検査のお話もございまして、ボランティアの受入れに当たって、国の補助金等を活用したPCR検査を含めたきめ細かい対応を行うということについては、まずは、被災者、地元自治体の意向を十分に伺うことが前提ではございます。
また、先般十月に、新型コロナウイルス感染症対策分科会、こちらが検査体制の基本的な考え方というのをまとめてございます。そこで、検査前の確率が低い対象に幅広く検査を行う際の留意点というのを定めておりまして、こういったものを踏まえながら、内閣府としても、関係者と連携して対応を検討してまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 少し私が心配をしていますのは、ことしの二月、三月ぐらいのときから、一部の厚生労働関係の方々、そして政府・与党の方々の中にも、検査に対して何となく否定的な、検査をすることそのものが医療体制の逼迫を招くのではないか、そういった意見はあったことが、そのときの議論としてはいいんですけれども、現状においては、早期の検査、早期の発見、早期の治療こそが人命救助につながる、死亡率はもう五分の一程度にまで二月、三月のときと比べて下がってきていますので、検査に対してぜひとも前向きな姿勢をとっていただきたいなというふうに思います。
そして、地元の自治体、被災地の意向だということは重々わかりますけれども、最初から、だめなんですよ、検査しづらいんですよということであれば、手を挙げづらくなりますから、検査に対して前向きな姿勢はぜひとも考えていただきたいと思っています。
それでは続けます。
今はボランティアのお話でございましたが、例えば電力、例えば鉄道、例えば自治体、それぞれ、例えば九州であれば、JR西日本であったりJR東日本であったり、違うJRの関係の方々が被災地で復旧作業に当たったということも伺っております。電力であれば、九州に対して北陸電力の方であったり東京電力の方々が、友好関係のある企業同士ということで、やはり生活のインフラを立て直すためには行ったんだと。
そういった方々も、やはり、本当は検査を受けて行ってあげた方がいいのにな、本当は帰ってきたら、周りにうつしたらだめだし、両方の検査を負担してくれればいいのにな、そういうお話を伺いました。
私自身も検査を二度受けましたが、一回当たり四万円近くかかりますよね。初診料だとか再診料だとかもろもろかかりますから、一回四万、往復で八万ぐらいの負担というのは、そうそう簡単に負担できるようなものではありません。少なくとも、行政そして生活のインフラ、いわゆるエッセンシャルワーカーに属するような方々への今検査体制というものが、それぞれどうなっているか。
総務省、来ていただいていますね。総務省、経産省、国交省、順番にお答えください。
○熊田副大臣 新型コロナウイルス感染症の発生が続く状況下での応援職員の派遣につきましては、感染症の拡大防止に万全を期すことが重要であると思っております。
具体的な対応は各地方公共団体の判断によることとなりますが、総務省としては、被災地への迅速な応援派遣を行うため、国の職員への対応と同様に、PCR検査等の時間を要する対応を求めるのではなく、派遣前に健康状態を確認の上派遣すること、派遣中、帰任後を通じて派遣職員の健康管理を徹底することを各地方公共団体に対して要請しておるところでございます。
今後発生する災害に派遣される職員のPCR検査につきましては、これまでの考え方を基本としつつ、受入れ側である被災地の意向も伺いながら、厚生労働省等の関係省庁と連携して、実施するか否かを検討してまいりたいと思っております。
○松山政府参考人 電力会社の対応についてお答え申し上げます。
災害により大規模な停電が発生した場合には、早期復旧に向けて、電力会社の復旧作業員が現地に赴きまして早急に復旧作業に当たるわけでございます。その際には、電力会社相互間の電源車、復旧作業員の応援等、広域的な対応によっていち早く災害復旧することを旨としているところでございます。
お尋ねの新型コロナウイルス感染症の拡大に対する対応でございますけれども、現在、電力会社は、事前に、地方自治体、地元の方々、自治体に対しましてPCR等の事前検査の要否を確認をいたしておりますが、これまでのところ、電源復旧の緊急性ということの中で、ことしのプロセスの中では要請、実施に至った例はないというふうに認識してございます。
その際も、マスク着用や三密防止の徹底、復旧員の健康管理、こういったものをしっかりと徹底して、新型コロナウイルス感染対策をしっかりととるように、こういうことを徹底しているのが現状でございます。
○金井政府参考人 お答えいたします。
災害時に交通が途絶えた場合におきまして、交通機能の早期回復を図ることは重要だと思っています。そのため、被害状況の把握や応急対応のため、必要に応じ、鉄道事業者やバス事業者などの交通事業者が現地に派遣され、被災地での復旧支援等を行うことになります。
このような災害時の派遣に際しましては、新型コロナウイルス感染症対策に関する業種別ガイドラインに基づきまして、マスクの着用や派遣前の健康管理など、感染防止対策を徹底した上で派遣を行っております。
委員御指摘のPCR検査につきましては、被災者や地元自治体の御意向を十分伺いながら、今後必要となれば、厚生労働省や内閣府等の関係省庁や関係事業者と対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○近藤(和)委員 改めて、総務省、経産省、国交省とも、検査に対して残念ながら後ろ向きだなということも、大臣、お聞きいただいて、おわかりいただけたかというふうに思います。
やはり人の動きというものをとめてしまっては、被災地の復旧作業ということもままならないと思います。
例えば東日本大震災のときであれば、岩手県、宮城県、福島県。石川県は岩手県担当ということで、バスを自治体で調達して岩手県までボランティアを運んでいたということもあったんですね。それぞれ全国の各都道府県が、宮城担当であったり福島担当であったり、そういうことをされていました。
大規模災害、南海トラフのお話もありましたが、その県だけでは、その一エリアだけでは賄い切れない災害というのは必ずやってきますから、そのときになってから、要請が出るか出ないか、その自治体から出るか出ないかというだけではなくて、やはり国からも、しっかりと感染していない方を派遣していくんだというような、私は準備というものは必要だというふうに思っています。
実際には、今、文化庁に、PCR検査を補助する、結果的に全額負担をするという予算があるということを伺いました。文化芸術活動の継続支援事業ということなんですけれども、ある劇団がある会場で練習をする、お客様を呼ぶ、そのときに、検査をすることによって、自分たちは感染していないし、活動をどんどんやっていこう、お客様に来ていただこう、そういう事業も行っております。
改めて、できない、やらない理由を並べ立てるということではなくて、どうすればできるようになるか、被災地の復旧作業をお手伝いしていけるか、やる気のある方に行っていただけるようにしていくか、ここが大変重要だと思いますので、大臣、この点はいかがでしょうか。
○小此木国務大臣 直接御通告はいただいておりませんが、私の思いとして申し上げれば、例えば、さまざまな災害がございまして、私も二度目の就任ですけれども、災害はない方がいいんですね。ない方がいいんだけれども、そして、ことしになってから、新型コロナウイルスと。委員から言われれば、これも災害の一つだと。
私どもは、法律に携わったり、縦割りを打破するとはいいながらも、やはりそれは所管がありますから話し方は別になってくるかもしれませんけれども、国民の皆さんから見れば、それはもう一つの大きな災害、今までにない、こんな騒ぎに巻き込まれているというような苦しい思いをされていると思う中での、いろいろな経験を積んだ中で、委員のおっしゃり方が間違っているということじゃなくて、やはり安全第一であり、人の命が第一でありますから、そういう経験知の中でさまざまなことが今後も考えられて、委員の話も、私たちの努力次第で前向きな発言ができるかもしれませんけれども、その中でのいろいろな対策を考える、この途中の段階であるということを私は思います。
さまざまな努力を重ねてまいりたいと思います。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
さまざまな努力の中に、検査体制をしっかりしてみんなで助け合いができる、自助、共助、公助の中での共助に当たる部分を公助でしっかりとサポートしていくということではないかなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
消防団について質問したいと思います。
私の地元も、石川県能登半島で、過疎化、少子化が進んできています。その中で、消防団の皆さんは本当に頑張ってきていただいていますが、どんどん団員が少なくなってきている。そして、なかなか引退したくても次の人が見つからないし、よし、頑張らなきゃいけないなと、四十代、五十代になると体がなかなか機敏に動けなくなってきますけれども、頑張っていただいている方がたくさんおられます。こういった方々が今のさまざまな災害の場面で頑張っていただいています。
この厳しい現状に対して今考えておられること、これは総務になると思いますけれども、現状把握、そして今考えている対策について伺います。
○荻澤政府参考人 消防団の現状でございますけれども、全国的に年々減少傾向にございます。
直近の平成三十一年四月一日時点でございますけれども、八十三万千九百八十二人という状況でございます。これは、前年度から一万人以上の減少です。また、本年四月一日時点の団員数、これは現在精査中でございますけれども、引き続き一万人以上の減少が見込まれるという大変厳しい状況にございます。
こうした状況を踏まえまして、消防庁といたしましては、従前から、ポスター、リーフレットなどを全国に配布して入団促進キャンペーンを実施していただく、また、経済団体を訪問いたしまして、事業所、従業員の方の消防団活動への協力を要請したり、また、消防団協力事業所表示制度の普及促進などに取り組んでおります。
地方団体に対しましても、大規模災害団員などの機能別団員・分団制度の導入、また、女性、学生など多様な人材の活用、定年制の撤廃でございますとか、処遇の改善などを進めるよう、従前から要請をしているところでございます。
近年、風水害が多発化、激甚化しているところでございまして、消火活動だけでなくて、そういう災害対応、消防団が果たす役割、重要性は高まっておりますので、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○近藤(和)委員 例えばですけれども、来年で団員になって三十年になられる方、三十年前から報酬は余り変わっていない。役職が上がることによって上がっている部分はあるんですけれども、基礎的な部分は上がっていないよという方もいらっしゃいますし、いや、お金の問題じゃないんだという方もいらっしゃいます。
そして、地域の理解、やはりこの人が消防団をやってくれて助かるわ、ありがとうという地域の感謝、そういった部分も、もうちょっと雰囲気をつくっていくことができないのかなということも聞いております。消防団の方は、基本的に、自治体の職員の方であったり、郵便局であったり、農協であったり、田舎でいけば、田舎の真面目なあんちゃん、おっちゃんなんですよ、あんさまというか、次男というか。そういう方々が、例えば、地元のお祭りの団体であったり、青年団、壮年団であったり、子供会であったり、PTAであったり、もう一人何役もされておられる状況です。
こういった厳しい状況の中で、やはり自分たちが地域のきずなの象徴だという思いを持って頑張っておられる方がたくさんおられますので、これは、防災、減災という観点から、大臣、何とかしてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 これは専ら総務省の話だと思いますけれども、私にも地元があり、団員の皆さんと交流があります。そういう中でも、現下の状況でなかなか集まれないというようなこともありますし、今としての、この状況下での危機感といいますか、そういうものも共有しています。
私たちもめったに会えないで、電話で話すような、連絡をするようなことが続いています中で、やはり使命感を持って、その団員の人たちが他の若い皆さんからも一種の憧れを持たれるような思いもそこには存在すると思いますので、これまた連携をしながら、そういうものが進められればというふうにも思います。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
菅内閣では一つ特徴的な人事が、武田総務大臣が防災担当大臣から総務大臣になられたということも、私は、一つのメッセージであれば、それはそれですばらしいことではないかなというふうにも感じているところでございます。
地域をしっかりと守っていくために、私たちも力を合わせていきたいと思いますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○金子委員長 次に、池田真紀君。
○池田(真)委員 池田真紀です。
小此木大臣につきましては、またよろしくお願いいたします。
それでは、きょうは五点ほどあるんですが、やりとりで、もしかしたらふえるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
まず、令和二年の七月豪雨の高齢者施設の避難確保に関する検討状況についてお伺いをしたいと思いますが、先ほども大口委員のときにもお答えをいただいていたかと思いますが、確認のために、重複するかと思いますけれども、現状の認識としてお伺いをしたいと思います。
私が伺いたいのはプロセスではありません。三回で取りまとめるとか、年内に取りまとめるとか、一月には出すんだとか、そういう話ではなくて、一回目の現状認識ということでお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○井上政府参考人 令和二年七月豪雨災害では、千寿園の入所者十四名が犠牲になる痛ましい被害が発生しました。このため、国土交通省では、厚生労働省と共同で検討会を設置し、今、具体的な方策を検討しているところです。
この検討会の初回の会合では、千寿園を、平成三十年四月に避難確保計画を作成し、訓練していたものの、避難確保計画に定められた避難先が雨天時の避難に適さない屋外の運動場等になっており、実効性のある避難先を設定する必要があったこと、次に、避難誘導のための要員が参集できなかったことから、夜間でも確実に誘導要員を確保する方策の検討が必要であったこと、一方で、行政が全ての施設に対して避難のタイミングを伝えるのは実質的に困難であること、それから、浸水開始後になって二階に避難しようとしたが、階段を使った垂直移動に時間を要したことから、エレベーター等の設備の設置を促進する必要があること、ただし、その場合でも停電に留意する必要があることといった課題が確認されたところです。
以上です。
○池田(真)委員 まだ一回目ということですが、私、この一回目がとても重要だと思っているんですよ。やはり、現状というか、状況把握というのを丁寧にしっかり検証していくといいますか、把握をすることに意義があると思っているんですね。
もう結論ありきのような、今、国交省と厚労省が主に中心になって検討されているかと思いますけれども、でも、今の話でいいますと、確かに、野外の部分で選定をされていた、二カ所の避難所を指定していたということで、そこについてのフォローを国がしっかりやっていくということがやはり重要な分岐点ではないかと思うんですね。
それともう一つは、伝達をしていくのが無理があるというふうにおっしゃいましたけれども、しかし、伝達をしていくというのは、情報をどうやってキャッチをしたらいいのかというのは、これこそ国の責務ではないかと私は思っております。
そして、もっと重要だと思っているのが、この記録なんですよ。この間のワーキングチームの説明会の資料を私も拝見をさせていただいておりますが、きょう一枚、一つ例として配らせていただいておりますけれども、どれも、避難準備が出ましたよという七月の三日の十七時からという記録が、ほとんどの資料やニュース、報道だと思います。
でも、私もちょっと現地にも行かせていただきましたし、また、一つだけの報道では、明るいうちから、実際に、高台にある事業所の方から五名の方を土砂災害を想定して下の方に移動していたと。
ある意味、はっきり言って、ここの事業所は訓練もされていましたし、暗くなるに当たって地域の住民の皆さんたちも集まってこられていましたし、非常に取組をされていたところでこういった十四名が犠牲になられたことは大変無念に思いますけれども、これをどうやって脱却をするかといったときに、垂直移動という結論ありきで、エレベーターを、あるいはそういった整備をするということであれば、ここの、七月の三日の記録からでもいいかもしれません。でも、そうではなかったんですよね。そのもっと前から取り組んでいた。
そこをしっかり把握をして、さらなる計画、実効性ある計画につなげるためには、地域住民を巻き込むことや、あるいは多くのケアスタッフ、これは、報酬、しっかりとした単価、財政的な支援、こういった裏づけがなければちゅうちょするじゃないですか。そこも含めて検証結果を出していく、それが重要なことだと思います。
私は、想定外の豪雨でありましたから、二百ミリというふうに発表されていたものにもかかわらず、そのもっと前から、避難準備が出る前から行動していたこの施設の職員さんたちには、本当に敬意を表したいというふうに思います。
そして、この方々が実際には、最後にはお亡くなりになったその十四名をどう捉えるか。入所者は、五十六名、そしてショートと通所の方がいらっしゃいました。その中で、合計七十名の中の十四名。五十六名の命を救ったんだ、そうぜひ受けとめていただいて、そして前に、十四名をいかに、これ以上犠牲者を出さないという覚悟を持って、この検討会、結論を出していただきたいんです。それだけはしっかりお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
もう一回、確認だけお願いします。
○井上政府参考人 先生から御指摘あった事項も含めて、年度内にしっかり課題をまとめて点検し、来年の出水期までにできる限りの対応をとっていきたいと思います。
○池田(真)委員 よろしくお願いいたします。
続いてですが、報道、私、一枚、きょう資料を配らせていただきましたが、小さな記事ですけれども、このように義務づけられましたということで、いろいろと発表されていると思います。
まずは、個別計画の策定についてお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。要するに、阪神・淡路大震災からもう二十五年がたったわけですよね。そして、一番この計画が進まなかった理由は、協力者が見つからない。そして、例えば民生委員さんとかそういった方々が、一人が何人も助けるような計画は実効性がないわけです。それはもう既に言われてきたことです。
ここについての取組状況をお伺いしたいと思います。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
高齢者等の避難、個別計画の関係につきまして、有識者会議で議論を進めていただいているところでございますけれども、十月に中間取りまとめを出していただきました。
まず一つは、個別計画は、市区町村が策定の主体となって、関係者と連携をして策定する必要がある。それから、関係者のうちで、特に介護支援専門員等については、日ごろからケアプラン等の作成を通じて、避難行動要支援者本人の状況等をよく把握している、信頼関係も期待できることから、個別計画策定の業務に福祉専門職の参画を得ることが極めて重要である、その手法について検討する必要があるということ。それから、市区町村の個別計画策定の取組について財政的に支援することが重要であるということがまとめられているところでございまして、今後、個別計画策定の業務に福祉専門職の参画を得るための手法、また、財政的な支援のあり方について議論を進めていただいて、年内を目途に取りまとめていただく予定になってございます。
○池田(真)委員 今、福祉専門職の御協力をいただいていく方向性ということには、大変、私も長年抱いていたことなので歓迎をしたいところですが、しかし、やはり、協力してねだけではなかなか進まない。ただでさえ多忙なところでありますので、そこは財政的な裏づけをしっかりと責任を持ってやっていただきたいんですが、今のところ、どのようにお考えでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
財政的支援について、まだ結論が出ているところではございません。関係省庁とよく協議、調整しながら、成案を得られるべく努力していきたいと思います。
○池田(真)委員 特に、二〇一七年の水防法、あと、土砂災害防止法、市町村の地区防災計画に位置づけられているこれらの社会福祉施設、医療機関の要配慮者利用施設についてもですけれども、避難計画の作成と訓練の実施といったものも、これは二〇二二年三月、二〇二一年度末までの計画の策定と訓練の義務を、一〇〇%の目標を続けているということですので、これは引き続き、一〇〇%、目標を掲げて、そして、時々ですけれども、私たちも進捗状況を確認をしていきたいと思っています。
しかし、今お話のあった、地域にいらっしゃる方々についての、ケアプランも含めてなんですが、要配慮者については、在宅自体が非常におくれていた部分がありましたので、そこは前に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、続きまして、介護施設のBCPの策定の義務づけという思い切った記事が出ておりましたので、この内容についてちょっと確認をしたいというふうに思っておりますが、厚生労働省が、災害や感染症への対応を進めるための方策としてというふうに書いておりますが、範囲といいますか、BCPの策定義務、こちらの方は、災害もあるいは感染症も同じ状態で進められているのか、お聞かせいただけますか。
○堀内政府参考人 お答えいたします。
令和三年度から開始する第八期介護保険事業計画に向けまして、現在、令和三年度介護報酬改定ということで、社会保障審議会の介護給付費分科会におきまして介護報酬の検討を行っております。
その中で、今般の新型コロナウイルス感染症の発生と豪雨災害を踏まえまして、感染症や災害への対応力の強化というのを大きな柱の一本ということで今回位置づけて、議論を行っております。
感染症や災害が発生した場合でもサービスを継続的に提供できるように、全ての介護事業サービス事業所を対象に、運営基準において、業務継続計画、いわゆるBCPの策定、また研修、そしてその訓練の実施、こうしたことを求めることについて議論を行っているということで、まだ結論が出ているわけではありませんが、そういう方向での議論を行っているところでございます。
○池田(真)委員 では、結論は出ていないけれども、義務づけという報道が出ちゃったということでよろしいですか。
○堀内政府参考人 失礼いたします。
資料で用意していただきました記事だと思うんですけれども、この記事も、拝見いたしますと、文末が「策定を義務化する検討にも入った。」というふうになってございます。ほかにもいろいろな記事があるのかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたが、まだ現在検討を行っているところでございます。
介護給付費分科会におきましては、年末に向けて現在議論を行っているところでございます。本件以外にも多々論点がございます。そうしたことも含めて、年末にはきっちりと結論を出すという方向で議論をしておるところでございます。
○池田(真)委員 今、介護給付費の分科会とおっしゃいましたので、恐らく、報酬という意味では介護保険上の話だと思うんですね。
常時介助を必要としている障害者も多くいらっしゃいますし、児童もいらっしゃるかと思います。そちらについての審議というか、そういったものは同時に進められているんでしょうか。今、給付費という話だったもので。
○堀内政府参考人 お答え申し上げます。
私、今申し上げましたのは介護報酬の議論ということで、介護給付費分科会の議論でございます。
先生から今御質問がありました障害者や児童につきましては、大変申しわけありません、今回ちょっと答弁の方を用意してございませんので、また調べてお答えさせていただきます。
○池田(真)委員 障害の方は、あしたかな、何か検討会をするというふうに伺っておりますが、要するに、そういうでこぼこで進められているということで、そういっても、一つの分野で進められれば、横並びで少しずつみんなで前に進むということができるかと思いますので、そこは同時進行で周り全体を見ていただくというのが内閣府防災の役割だろうというふうにも思っております。
そして、BCPの策定については、大臣にもこの間、何度かお願いと質問もさせていただきましたが、介護関連といいますか社会福祉施設のBCP、内閣府の調査で、二〇〇九年の時点での調査は、BCP策定率が〇・五%、ほかの業界には比べ物にもならない。そして、BCPを知らないというのが九二・五%ですよ。そこから、私たちもいろいろな取組をして、いろいろな仲間が普及活動をしつつ、二十五年には、その策定率が四・五%、そして、BCPを知らないと言っているのが四〇・九%でした。
そこから今度、義務づけというところに、経過措置を設けてもやっていくというのは非常に重要なんですけれども、これが進まなかった理由をやはりちゃんと分析をしていかなければいけないし、状況を把握していかなければいけないというふうに思っています。何でここまで進められなかったのか。忙しいということもわかるでしょうし、人手不足ということもわかると思います。
そういった意味で、効果的なBCP、どうやったらできると今の段階でお考えですか、厚労省。
○堀内政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員から御指摘ありましたように、これまで義務づけのようなことは一切していなかったところでございます。今般のこうした感染症の話、また豪雨災害なども含めまして、令和二年度の第二次補正予算におきまして、介護サービスの類型に応じたBCP作成支援事業というものを措置したところでございます。
やはり、事業所にBCPをつくるようにといっても、じゃ、どのようにやればいいのかというノウハウもないというふうに我々も思っておりますので、今申し上げましたこの補正予算の支援事業におきまして、サービス類型、入所系、訪問系、通所系、それぞれに応じたBCPというのはどういうものが適当なのかということで、今、策定ガイドラインの作成を行ったりしているところでございます。
また、それをきちっと研修プログラムということで行うような作成の検討、そしてまた、指導者の養成研修会を開催すること、そうしたことを現在進めているところでございます。
○池田(真)委員 このBCP策定ガイドラインについては、多少、補正予算を組んでおりますけれども、あくまでもプランをつくるということですから、そこから先に、いかに研修できて、そして、みんなで取り組めて、そしてさらに、実証をその現場でやっていって、地域と一緒にやっていけるかということが実効性あるものだと思いますので、そこまでのことを踏まえた財政措置をぜひともお願いしたいと思っております。
もう時間がなくなってまいりましたけれども、大臣、いろいろと、災害の中では、今回、コロナとはまた別といいながらも、一緒の場面もあります。先ほど言いました計画も、土砂災害の計画、そして水防法の計画といったことで、さまざまな計画の違いがあって混乱する中で、どうしたら、この災害対策、どういう形で実効性のある防災対策を進めていくか、大臣の決意をお願いいたします。
○小此木国務大臣 日ごろの御指摘に敬意を表したいと思いますけれども、今おっしゃったBCP、あるいは、地元といいますか、現場を知っている人のノウハウですとか、あるいは、国だけじゃなくて自治体、自治体間との連携、国でいえば省庁間の連携、あるいは省庁間と自治体との連携、これはますます、災害が、先ほど申し上げましたけれども、来てほしくないんだけれども、頻発化、激甚化するということについては、もう私たち以上に、現場といいますか、地域の方々が恐怖を覚えている中で、利用するわけじゃありませんけれども、そういう中でやはり意識を高めていく。その意識が高まっている中での情報共有、連携というものを、私は政治家として、各省庁連携は大事だ大事だと、口だけじゃなくて、そういったものを更に副大臣や政務官とともに発信をしてまいりたいと思います。
○池田(真)委員 あと、もう一つになってしまいました。大臣、ぜひともよろしくお願いします。
今のお言葉につながることなんですが、ちょうどホームレスの避難ということで昨年話題になったことがありましたが、これは台東区が受け入れる方針ですよということを発表していますが、そういう個別具体的な話だけではなく、根本的な確認をしたいと思うんですね。
災害時の避難所の利用、要するに、これは、災害対策基本法だとか災害救助法だとかあるかと思いますが、全ての人、そして現在地保護、そして、国籍要件、何もかも、居住要件も問わないんだということに変わりはないですよね。そこを確認させてください、最後。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
結論は変わりございませんけれども、元年の台風十九号の事例を踏まえて、ことしの五月には防災基本計画を改正して、避難所に避難したホームレスについて、住民票の有無にかかわらず適切に受け入れることというのを明示的に自治体に対しても対応を促しているところでございますし、また、外国人についても、ガイドライン等において自治体の取組を促しているところでございます。
○池田(真)委員 我々のこの災害行政、防災行政、こちらについては全ての人々の命を救うんだということで、加えて言えば、職権救助の原則、これもあるんだということを私も胸に秘めて、そして、皆さん方にもお願いを申し上げ、質問を終了させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○金子委員長 次に、早稲田夕季君。
○早稲田委員 立憲民主党の早稲田夕季でございます。
それでは、順次、質問をさせていただきますが、重なる部分もございますので、そこのところは割愛をさせていただいたり、いろいろさせていただきたいと思います。
まず、一問で出しましたPCR検査、災害ボランティアの方へということで、私も近藤委員と同じ思いでございます。
一言申し上げるならば、これは進んでおりません。レクのときに伺ったのは、新型コロナ感染症臨時交付金を活用してできますよということですが、これは実態はゼロでありました。ということは、被災の受入れ自治体も、それから送り出し自治体も、そうしたことをやられていないということなんだろうと思います。
私も、十月十九日、熊本県の方の七月豪雨災害の視察をさせていただきました。その中で、とにかくボランティアの方が少ないんですと、住民の方、それから被災された事業所の方、もう口々におっしゃっておられました。私も真備町の方のボランティアには行かせていただきました、本当に短時間でしたけれども。いかに土砂をかき出す作業が大変だということは、短時間であっても身をもってわかったわけですけれども、本当に、人海戦術の中で、来てくださる方が少ないと。もう本当に住民の方たちは疲弊をしてしまうという感じでした。
それで、一方で、GoToトラベル、これは全国に対して、そのまま、対象を絞ってはおりません。そうすると、住民の方たちの言葉をかりれば、テレビをつければGoToトラベル、GoToキャンペーン、だけれども、何か、自分たち熊本は忘れられているのではないか、そんなような不安もよぎるというお話も聞いて、私は、やはりこのPCR検査をしっかりして、受入れ自治体も御不安のないようにする形でこれを拡大していく必要があるのではないかと思っておりますので、ぜひ、小此木大臣も先ほど来おっしゃっている省庁連携と自治体連携を強めていただいて、もっとこのPCR検査の拡充を進めていただくよう、ここでは強く要望をさせていただきます。
次でございますが、災害におけるボランティアとの連携、そしてまた、NPOやボランティア、それから、私は、今回のコロナのクルーズ船の対応におきまして、民間救急事業者、こちらの方々との連携の強化が必要なのではないかと思いました。
このコロナの感染症は災害ではない、そういうお話もありますけれども、やはり、もうそう言ってはいられない事態になっております。そして、もうクルーズ船の方は再開をいたしました。でも、このコロナで搬送するクルーズ船の対応については、残念ながらまだ検証もされておりません。その中で、クルーズ船の再開だけがされてしまったわけです。
小此木大臣は、地元の横浜であられますからこのことについてはお詳しいと思いますけれども、私もこの間、民間事業者から伺い、いろいろ質問主意書などでただしてまいりましたが、コロナであるとか、ほかの未知の感染症がまた発生したときに自治体がどのように対応するのか。もちろん、自治体、行政がやる救急搬送だけでは間に合わないわけなんです。そのために、今回は、多くの関東近県の事業者が行政から呼ばれて、そして横浜に来て、そして県内外、たくさんの病院に搬送したということだったんです。事業者から見れば命がけの搬送です。それで、どういうふうにしていいかわからない、防護服もない中でやられていたように伺っております。
その中で、残念なことに、半年たってもこの民間救急事業者に対する費用が支払われなかったんですね。これは、感染症法とそれから検疫法と、いろいろ制度の不備がこうしたことを招いているんだと思います。このことはもっと検証をしてやっていかなければならないし、法改正も含めてやらなければならないと思いますが、これは感染症だけでなく、今後は、東京都の都内の、非常に、江東区とかそれから江戸川区などで浸水の広域の避難というものも必要になっておりますので、こうした民間救急の事業者との事前の契約なども必要になってくると思います。
その中で、こうしたことが位置づけられていないということは大変不備なのではないかと思いますので、ぜひ、災害救助法等に位置づけていただくよう、このコロナの対応を含めて小此木大臣にもお考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 災害時において、ボランティア、NPO、民間救急事業者の方々には、被災者の支援に関して非常に重要な役割を果たしていただいていると認識をしております。
このような認識のもと、災害対策基本法においては、国及び地方公共団体は、ボランティアの果たす役割の重要性に鑑み、ボランティアとの連携に努めなければならない旨規定をしております。
また、防災基本計画において、ボランティア等と連携した防災訓練の実施や、災害廃棄物の撤去等におけるボランティア等の役割分担を整理したマニュアルの作成、周知等について記載をしています。
さらに、令和二年七月豪雨において、災害救助法に基づく救助に関し、災害ボランティアセンターが被災自治体から委託を受けてボランティア活動等の調整事務を行う場合には、そのセンターの人件費等について、災害救助法の国庫負担の対象とすることを可能とする恒久的な措置を講じたところであります。
一方、災害救助法は都道府県が行う救助など公助について規定をする法律であり、被災者を自主的に支援する共助の主体であるボランティア等の役割や育成について明記することは、法律の趣旨を踏まえると難しいと考えておりますが、他の災害法制も含め、どのような対応が可能か、研究をしてまいりたいと思います。
○早稲田委員 ボランティアは確かに共助でございますが、この民間救急事業者の場合は、行政が依頼をして、そして来てもらっているわけですね。これは足りないですから、もちろん、どんなに行政の救急車を寄せ集めてもということなんです。ですから、一事業者が、自前のバスを使ったり、自分の車を使ったりして、百人も、特に、遠い関西圏に搬送したということなんです。これはまさに共助じゃなくて公助ですよね。国が、それから自治体ができないからやっていただくという、まあ、民間連携ではありますけれども。
ですから、そういう意味においては、共助というところからまた一つ超えて、この災害救助法でもお考えを、ぜひ、そういう意味で、いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが、最後、もう一度。
○小此木国務大臣 何も、自助、共助、公助というのはそれぞれで独立しているものではなくて、やはりそれが組み合わさってそれぞれ思ったところを発信をしていくという中で、私、先ほど申し上げたのは、他の災害法制も含め、どのような対応が可能か、これからも、これからもというか、常に研究し続けるということが大切だと思います。
○早稲田委員 それでは、次に、インクルーシブ防災に関して伺ってまいります。
立憲民主党では、熊本県北部地震の教訓を踏まえて、障害者団体とともに、誰一人取り残さない、インクルーシブ防災の推進に取り組んでおります。
私も、平成三十一、令和一年と、質問主意書を二回提出をさせていただきました。そして、今ここで改めて、そのときと現状を確認いたします。
避難行動要支援者の個別計画を作成済みの自治体が、答弁書の時点で、千六百八十七団体中二百三十九団体、一四%でした。これに対して、令和一年でいいますと、千七百二十団体中二百八団体、つまり一二%なんですね。
そして、名簿の平時の情報共有については、答弁書時点の四〇・四%に対して四一・一%と、ほとんど進んでいないという現状がここでわかりました。要支援者の名簿については九八・九%と、市区町村が作成をしておりますけれども、この情報が共有されなければ絵に描いた餅になってしまいます。
そうした意味で、高齢者の方が、去年の台風十九号でも六五%、死者数で割合でございましたし、また、七月の豪雨では七九%、熊本に至っては八五%の方が、高齢者の方がお亡くなりになったということでありますので、これを見ても、いかにもこの個別計画をつくることの重要性が私はわかるんだろうと思います。
インクルーシブ防災の肝は、防災行政と福祉行政の連携にございます。
内閣防災で六月から行っている、令和元年台風十九号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループで、ケアマネジャー等の福祉専門職が個別計画を作成した場合に、一件につき七千円の補助を行うという兵庫県丹波篠山市の事業が紹介されました。
また一方、兵庫県からは、国に対して、個別計画の作成を法定事項として規定することと、介護保険法や障害者総合支援法等の法律上の職務として位置づけ、介護報酬等の加算を創設するべきとの提案が示されております。
前者については、来年の通常国会にも災害対策基本法改正案を提出するという報道もございますが、法定だけしても、恒常的なマンパワー不足に悩む福祉部局の協力が得られるとは到底思えません。
そこで、来春の介護、障害福祉報酬改定において、兵庫県提案の加算を創設すべきではないか、そうした検討をしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
○こやり大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘の個別支援計画の作成につきましては、災害時の避難等の防災の責務を一義的に担う市町村が主体となって取り組む必要がありますが、他方で、ケアマネジャーや相談支援専門員は、高齢者や障害者の介護や生活の状況を日ごろから把握しやすい立場にありまして、地域の特性や実情を踏まえつつ、個別支援計画の作成について協力をしていくことが適切であるというふうに思っております。
ただし、ケアマネジャー等は、介護保険法等に基づき、ケアプランの作成や介護サービス事業者等との調整を本務としておりまして、防災に関する業務を義務として実施させることや介護報酬等での評価を行うことは、現時点では難しいというふうに考えております。
なお、一部の自治体では、先ほど先生からも御指摘がございました、ケアマネジャーや相談支援専門員に委託費を出して個別支援計画の作成を委託する取組などが行われています。厚労省といたしましても、事例収集等の調査研究事業を行い、その結果を自治体にことしの六月に周知したところでございます。
いずれにせよ、高齢者や障害者の災害時の避難は重要な課題でありまして、また、先生御指摘のように、個別支援計画の作成が必ずしも進んでいない状況を鑑み、自治体の動向も踏まえながら、災害基本法を所管する内閣府を始め関係省庁とよく連携して対応してまいりたいというふうに思います。
○早稲田委員 私は、進んでいないので、進めるために介護報酬等のことをどうですかとお聞きしているんです。
厚労省の官僚の方がおつくりになった御答弁ではそうかもしれませんが、今の実態を踏まえて、この一二%ではどうにもならない、そして六十五歳以上の方の死者数が大変多いということを踏まえて、縦割り省庁の弊害を排していくという、その菅内閣の一員として、ぜひ厚労大臣政務官には、そこを前向きに、御自身から、介護保険法の改正も含めて、介護報酬加算、そういうことを提案していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○こやり大臣政務官 お答えいたします。
個別支援計画の作成につきましては、要支援者の避難の実効性を高めるためのものでございます。一方で、介護サービスを提供するための介護保険料を財源とする介護報酬の対象とすることにつきましては、委員も御指摘でございますけれども、介護保険法令の体系上、慎重に検討する必要があるというふうに思っております。
いずれにいたしましても、先ほど御答弁をいたしましたように、この課題については大変重要な課題でございますので、関係省庁としっかり連携して対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
○早稲田委員 ちょっと残念ですけれども、もっとやっていただきたいと思うんですね。
なぜ、介護における平時と、それから災害のときが違うのかということです。もう延長線上にあるわけですし、この介護保険法制定のときには、確かに福祉と防災の連携ということは想定外だったかもしれません。
でも、これだけ超高齢社会になりまして、また、障害のある方も避難していただくにはどうしたらいいかと考えたときの個別計画ですから、そこを進めるために、ケアマネさん、確かにケアプランをつくっていただいて、お一人お一人の心身の状況、それから生活実態、全てを把握されている。でも、ボランティアではできませんよね。大変時間もない中、人も少ない中ですから、そこを一歩、厚労省として踏み込んでいただきたいと私は強く要望をさせていただきますし、もちろん、これは保険者の自治体の意向もきちんとお聞きになっていただいた上でですけれども、この実態に即した法改正、必要性を私は申し上げておきたいと思います。
それでは、この今の御答弁を踏まえてですけれども、小此木大臣に伺いたいのは、今財政的な厚労省の支援がない中で、じゃ、法改正で市町村に個別計画の策定を義務づけるに当たり、内閣防災では年末の予算内示に向け、どのような取組を行っていこうとされているのか。財政的な裏づけなしに決定しても、策定が残念ながら進まないのではないかと私は大変心配をしているところですが、いかがでしょうか、伺います。
○小此木国務大臣 高齢者や障害者などの避難の実効性を高めるためには、現在、内閣府において有識者会議を開催しているところであります。
例えば、大分県別府市においては、みずから避難することが困難な高齢者や障害者などに係る避難計画である個別計画の策定に取り組んでおりますけれども、その策定に当たり、対象者本人や支援関係者が集まる会議を開催して、情報を共有し、支援方法等を協議するなど、先進的な取組をしていることから、有識者会議においても紹介されたところであります。
十月に公表した有識者会議の中間取りまとめにおいては、災害時の避難支援を実効性のあるものとするためには個別計画の策定が有効である、個別計画の策定を更に促進するためには制度的な位置づけの明確化が必要である、個別計画を制度的に位置づけるに当たっては、個別計画の策定、利用、提供に関し個人情報保護との関係に係る整理が必要などとされています。
現在、内閣府では、市町村向けにガイドラインを策定して、個別計画の策定を促しておりますが、有識者会議の御議論も踏まえ、個別計画の策定のさらなる促進や個人情報保護との関係の整理のため、災害対策基本法の見直しの検討を進め、個別計画策定の取組を一層進めてまいりたいと思います。
○早稲田委員 いろいろ事例を御紹介いただきましたが、ぜひ内閣府防災担当大臣としても、厚労省の方にこの財政的裏づけを一緒に考えようということも強く働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 各省庁と連携を重要としておりますので、それはそれとして、さまざま議論を重ねてまいりたいと思います。
○早稲田委員 それでは、令和元年の東日本台風で浸水想定区域が指定されていない区域でも大変浸水被害が発生したという問題において、今回の七月豪雨でも球磨川の中流、支流、こうしたところで被害がありまして、氾濫が多数ございました。
こうした課題についてでございますが、これまで浸水想定区域を指定していなかった中小河川における水害リスクの情報周知について、水防法を改正するというような報道もあったわけですけれども、今後これをどのように取り組んでいかれるのか、国交省に伺います。
○朝日大臣政務官 お答えいたします。
水害リスク情報については、これまで水防法に基づき、流域面積が広い河川を対象に浸水想定区域の指定を義務化してきましたが、約二万ある中小河川については指定が義務づけられておらず、指定の促進が課題と認識をしております。
このため、国土交通省としては、簡易に浸水想定範囲を計算するための手引の作成、その公表、加えて、防災・安全交付金等による浸水想定範囲の設定やハザードマップの作成の支援などを行っております。
引き続き、水害リスク情報の空白域の解消に努めてまいります。
○早稲田委員 今、河川が二万というお話がございました。その中でこの指定を想定しているのは二千ぐらいだと思いますけれども、果たしてそれで足りるのかどうかということもありますし、私も行かせていただきました球磨川流域の千寿園ですけれども、避難計画もつくり、そして訓練もしていたところが、こういう本当に痛ましい大きな災害に遭うということですから、ここについてもしっかりとこれからの対策を強化していかなければならないということを申し上げまして、さらに、中小河川の浸水被害、支流、それからまた本流とのバックウオーター現象などもしっかりと対策を強めていただけるように要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○金子委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
七月豪雨のあった七月二十八日の当委員会において、私は、熊本県人吉市の市長さんがおっしゃった、町自体が消滅の危機に直面している、自力での回復はなかなか厳しいとの言葉を紹介して、コロナ禍での苦境に立った、災害が重なった被災者、被災事業者の実情を踏まえた、なりわい再建のための特別の支援を求めたところであります。
そして、従来のグループ補助金が拡充され、グループ要件の撤廃、一〇〇%定額補助を可能とする、なりわい再建補助金がつくられました。
まず、確認したいんですけれども、先ほど数字のお尋ねがあったときに、大分県はまだ交付決定がないんですかね。どういう状況になっているか教えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
執行、交付決定の実情でございますが、十一月十三日に熊本県の十四者、〇・九億、十六日に福岡県の二者、〇・二億。
御指摘いただいたとおり、大分県については、まだ交付決定がない状態でございますが、相談、申請等は受け付けてございまして、現在、詳細な、見積りの確認でありますとか内容の確認でございますとか、確実に作業は進んでいるというふうに承知をしてございます。
○田村(貴)委員 これは担当者の方もお認めになっているんですけれども、予算が二百七十六億円組まれた、これに対して、今の時点で数えるほどの交付決定しかない。手を挙げる人が本当に少ないですよ。福岡県にも、熊本県にも、それから大分県にも私は聞きました。こういう状況はちょっと想定外でもないんですか。私はびっくりしました。まあいいです。
それで、なぜ少ないのか。
実は、現地で何度か聞き取りする中で、もう交付申請を諦めたという諦め感が漂っていることがわかりました。
第一に、申請手続が煩雑過ぎる、難し過ぎる、申請にたどり着けないという被災事業者の方がたくさんおられました。
ある賃貸業者さんは、このようにおっしゃっています。なりわい再建補助金の申請書類をまとめるのに二カ月を要した、本当に煩わしかったのは、使用不能証明、新旧カタログ、二者見積り、写真の提出など、業者と何回も何回もやりとりをしなければいけなかった、事業所も自宅も被災して、そして仮設住宅や親類宅に身を寄せながら、ふなれな補助申請作業を行うというのは本当に難しいとおっしゃられました。廃業するという話ばっかり聞くと、深いため息をつかれたところであります。
また、申請を諦めたという美容師さんにもお話を聞きました。あなたがやりきらんなら、私もようやりきらんと言われたということであります。
煩雑さが口コミで広がって、委員長、そうですね、被災事業者の方々にね。もう難しいと、諦めの連鎖が生まれようとしています。
きょうは、経済産業省の長坂副大臣にもお越しいただいています。やはり、被災事業者がこの補助金は命綱になっていると、命綱の補助金をできるだけ適用する、そういう立場に立って改善をお願いしたいというふうに思っています。
まず、高齢、それから老舗、小規模の事業者がたくさんおられます。しっかり申請できるように、事業者のもとに役所がやはり出向いてサポートをする。そして、被災物件の現場確認、書類だけではなくて、もう現場確認できたらそれでいいですよというような簡易なやり方に切りかえていかないと、やはりこれは手を挙げる人が少ないと思います。
その辺のところの改善を求めたいんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○長坂副大臣 東日本大震災や熊本地震といった災害時に措置をいたしましたグループ補助金では、被災事業者は、複数の事業者間でグループを組織し、その認定を受けることを求められておりましたが、なりわい再建支援補助金では、負担軽減と利便性向上の観点から、その手続を不要とするなど、申請手続を簡素化しているところでございます。
他方で、補助金額を適正に算出するとともに、不正受給を防止するためには、申請された施設設備等が申請者の資産として計上されていること、事業用に使用されていたことなどを示す書類等、申請手続に当たって一定の書類が必要であると考えております。
また、被災物件等の現場確認、今先生がお話しでございますけれども、行政機関が行うことについては、被災事業者数が多いこと、行政機関のマンパワーにも限りがあること等から、困難であることが実情でございます。こうした事情につきましては御理解をいただきたいと存じます。
いずれにいたしましても、引き続き、各自治体と連携をいたしながら、被災事業者の申請サポートを行うなど、被災事業者の一日も早い事業再開に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 やはり、被災事業者の今の現状、それから再建への展望、それから支援に対する思いをもっとやはりつかまないといけないと思います。二〇一七年の九州北部豪雨災害のときは、九州経済産業局の職員が商工会とチームを組んで回った、こういったこともぜひやっていただきたいと思います。真剣に取り組んでいただきたいと思います。
もう一つ。せっかくつくられた定額補助金、この申請は、先ほど言ったように、一件、一件とか、そんな状況ですよね。これは過去の災害を経験していないとだめだと。球磨川地域は、熊本地震とは全く違ったところの災害なんですよね。これがかぶる人というのはいないわけなんですよ。だから、この定額の給付が出ないわけなんです。
四分の一の負担というのは納得できないと、ある酒造業者さんが言われました。その酒造業者さんのところは、二百件に及ぶ設備が使えなくなって、積算すれば十億円近い被害になる。補助を受けたとしても、自己負担は二億五千万円、消費税一億円で、三億五千万円の借金をしなければならない。再建しても、倒産してしまうかもわからないと言われました。
この方は、再建して、そしてまたお酒をつくって、そして商品を売って国に納税したいと言われたんですよ。納税したい気持ちはあるんだと。私は、その言葉に胸を打たれました。廃業してしまって、倒産してしまったら、元も子もないんですよね。
ですから、直接支援制度というのは、コロナがあって、そして家も店も流されてしまった、そういったたてつけでできた。これが使われていないんだったら、使えるようにしたらどうですか。そういう改善を強く求めたいというふうに思います。
今度の定額補助金については、過去の災害を経験じゃなくて、コロナの被害と、そして今度の水害、この二重苦で切りかえるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○長坂副大臣 先般の七月豪雨におきまして、コロナ影響下にある中での災害である上に、熊本地震など過去数年以内に発生した災害でも被害を受けたという、いわゆる三重苦に直面している被災事業者もいらっしゃることから、一定の要件を満たす場合に特例として定額補助を行うことといたしたものでございます。
定額補助につきましては、過去の災害における対応も踏まえて、特に厳しい状況に置かれている被災事業者への特例として措置しているものでございまして、令和元年台風十九号等の際には、過去の災害からの復旧途上で再度被災したという事情を勘案しまして、東日本大震災により被害を受けたことを要件といたしました。
これも踏まえまして、七月豪雨についても、過去数年以内に発生した災害で被害を受けたことを要件としているものでございます。
○田村(貴)委員 副大臣、七月の豪雨があって、商店街が一生懸命片づけして、ごみを出してきれいにしました。そこから時がとまっておるんですよ。何度行ってもやはり時がとまったままなんですよ。これが七月豪雨のその後の状況なんです。コロナで苦しんで借金して、もういっぱいいっぱい、その中で災害が来たらどうなるか。やはり直接の支援、自己負担が厳しいんだったら、ここを適用するように、いま一度検討してください。今の答弁は、やはり余りに冷た過ぎます。
そして、実態が合っていない。二百七十六億円予算をつくって、そして手が挙がらず、適用は数えるほどだと。
これは、十二月にふえると初め中小企業庁は言っていましたよ。ふえるなんか、全然感じられないですよ。今言った点は改善してください。
もう一点。どうして、いわゆる居酒屋さん、スナック、これが認められないんですか。貸し店舗区画の復旧について、例えば、まとまってスナックが入居している、そのビルのオーナーさんは、ほとんどは補助が受けられない、再建に支障を来すという問題があるんです。持続化補助金、それから持続化給付金、これは風俗営業許可をとっているスナックは対象としているんだけれども、なぜ今度のなりわい再建は入れないのか。入れるべきじゃないですか。どうですか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるスナックなどの風営法第二条第一項第一号該当事業者につきましては、従前のグループ補助金、これは被災関係ということでは前例ということになろうかと思いますが、こちらの方で支援の対象外ということで来ておりまして、今回、グループ要件は外したものの、その後継制度であるなりわい再建補助金においても同様に対象外とさせていただいているところでございます。
本補助金における支援対象の範囲につきましては、こうした被災の状況やこれまでの対応も踏まえて考える必要があるということで、現在、このような運用をさせていただいてございます。
○田村(貴)委員 硬直的ですね。
コロナがあって、水害があって、未曽有の危機に瀕して、そして再建が思うようにいかない。倒産していいんですか、廃業していいんですか、そういうことを願っているんですか。中小企業庁でしょう。これだけ問題があるんだったら、改善の歩みを見せないとだめですよ。どこか、省で積極的に、これはもう被災事業者さんから私も何度も聞いた話なので、ぜひ検討して改善していただくように、強く要請したいというふうに思います。
持続化補助金七月豪雨型についてもお尋ねをします。
なりわい再建補助金の後に、とれなかった設備とか施設の支援を求めて持続化補助金があるんだけれども、これは十月末の二次締切りで終わっているんですよ。そうすると、いろいろ問題が出てきました。
人吉市では、被災事業者の六割から七割が貸し店舗での営業だということですよね。ですから、この持続化補助金で、これを頼りにして申請しました、それで調度品とか設備を購入した、しかし、大家さん、テナント自体が被災していて、なりわい補助金で再建するんだから、そこがまだ再建できていない。そうしたら、買ったものをどこに置くかという問題がもう既に出てきているわけなんです。わかりますよね。
そういう問題が起こっているから、ちゃんと補助の制度は続けるので、引き続き申請を受け付けていきますというメッセージを送ってもいいんじゃないかと思うんですけれども、持続化補助金、この申請延長についていかがお考えですか。
○長坂副大臣 七月豪雨災害に係る持続化補助金につきましては、年度内の事業完了を前提としておりますために、公募の締切りや事業終了の時期を設定させていただいているところでございます。
他方、必要な資材を調達できないなど、被災事業者の方々はさまざまな課題を抱えていらっしゃっており、復旧復興に時間を要し、公募期限に申請ができなかったり、事業実施期間に事業を終えられなかったりする場合があるということも承知をしております。
そのため、今後の対応につきましては、平成三十年の西日本豪雨や昨年の台風第十九号等といった過去の災害対応も踏まえつつ、被災地の状況を鑑みて柔軟に検討してまいりたいと考えます。
○田村(貴)委員 柔軟に検討していただきたいと思います。
最後に、副大臣、やはり、これだけ予算を組んで、その予算の大きさというのは、七月豪雨の被災そのものが想像できる額だというふうに思います。ところが、現状は、十一月のこの時点で、先ほど御答弁があったような状況なんです。そして今、申請を構えている方の数字も私は聞いていますけれども、これは余っちゃうんですよ。せっかくいい制度をつくって、そして定額補助金までつくって、個人で申請できる制度をつくって、再建が見込まれるかなと思ったら、こういう状況です。それはやはり運用が悪いんですよ。資格要件がやはり厳し過ぎるんですよ。そこを改善しないと再建できませんよ。
今こういう状況について、たくさんの人に交付して使っていただきたいというお気持ちを、副大臣、聞かせていただきたいんですけれども、いかがですか。
○長坂副大臣 今申しましたように、柔軟に対応してまいりますし、先ほど先生がおっしゃいました、例えば三重苦でなければだめだというお話も、過去数年以内に発生した災害で被害を受けたことにつきましては、直接被害だけではなくて、風評被害等により業況が悪化した等の間接被害も認めるなど、こういったことも柔軟な対応を行ってまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 そこは、一件一件の被災事業者に寄り添って、出かけていって、そして、あなただったら熊本地震のときにこういう風評はなかったですか、これは考えられるじゃないですかと具体的にアドバイスしてあげたら、知恵も湧いてくる、力も湧いてくると思うんです。だけれども、冒頭言いましたように、諦め感が先に立っているわけです。相談に行っても蹴られてしまう、これだと不備だ、この書類がない、この写真もない、そこで蹴られてしまったら先に進まないわけですよね。
かなり調査をしてきょう質問に臨みましたので、ぜひ、前向きな改善、検討をしていただきたいと思います。
次は、仮設住宅の入居者に対する支援であります。小此木大臣にも最後にお伺いします。
洪水や土砂崩れで家を失い、そして避難生活を送っている方々、避難者は、さまざまな悩みを抱いて不安な日々を送られています。まず、避難所に行きました。そして、仮設住宅が建ちました。避難所でつくられたコミュニティーはそこで一旦終わりですね。今度は仮設住宅に入ります。そこの仮設住宅に入った方々は、またいろいろな悩みを抱えるんです。寒い冬が訪れようとしていますし、間もなく年越しを迎えようとされています。
内閣府にお尋ねします。
被災者の孤立防止を図る上で、仮設住宅、建設仮設住宅における住民のコミュニティー、あるいは自治会の意義、集会所の果たす役割等について教えてください。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
災害時においては、住民コミュニティー、自治会、集会所の果たす役割は大変重要であると考えてございます。
このために、災害救助法においては、大規模な建設型仮設住宅を設置した際には、団地内における被災者の孤立防止を含めた地域社会づくりを進めるために、集会所や談話室等を設置することを可能としているところでございまして、熊本地震等においても、仮設住宅入居者への支援として、集会所を活用して、地域支え合いセンターが、それぞれの環境の中で安心した日常生活を営むことができるよう、孤立防止のための見守り、日常生活上の相談支援、コミュニティーづくり等を行う取組を推進している。
それから、今般の令和二年七月豪雨におきましても建設型応急住宅に集会所が設置されているところでございまして、今後、集会所を活用した地域支え合いセンターによる取組を厚生労働省の被災者の見守り・相談支援事業により支援していくものと承知しております。
○田村(貴)委員 青柳統括官、その意義はそうなんですね。大事だと思うんです。
現実、これも熊本の人吉市なんです。集会所が使われていないという信じられない話があるわけですよ。入居者の悩みとして、入居している方が誰なのかわからない、電化製品がない、給湯施設とか、設備の使い方がわからない、夜眠れない、一人でいると不安になるなど、多くの悩みや不満が寄せられています。
熊本学園大学の高林先生が、学生を連れていって、そしてカフェなどの住民交流を積極的にされているんですけれども、何度か取り組む中で寄せられた声に、私ども、びっくりしたわけであります。
私も直接お話を聞いてきたわけなんですけれども、やはり、外でカフェをやってコミュニティーというのは、もうこれからの季節、通用しませんよね。三密にちゃんと気を使いながら、ちゃんとコミュニティーを図るために、あるものの集会所もしっかり使って、相談をそれぞれ寄せたり、あるいはアドバイスしたり、それからレクリエーションしたり、そういったことがやはり望まれるというふうに思います。
最後、大臣にお伺いします。
集会所は、コミュニティーの核となる施設であります。これをしっかり活用すること、そして、被災者が孤立化せずに希望を持って生活ができるように、力を発揮していただけないでしょうか、音頭をとっていただけないでしょうか。地域コミュニティーの構築、その助言を、そして支援を今すぐ発していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○小此木国務大臣 建設型応急住宅における地域コミュニティーの確保を始め、被災者の方々の生活支援は重要な課題である、今のお話はもう本当に重要だと思っています。
これは事務方が人吉市に確認いたしましたところ、現在、入居から日が浅いこともあり、各団地において自治会の形成を進めている段階であるため、今後、支援を本格化していくということを聞いております。
具体的には、先ほどもちょっとありましたが、既に地域支え合いセンターを設立し、被災者の戸別訪問や生活相談の取組を開始しており、今後、自治会と地域支え合いセンターとの連携を重要視しながら、集会所を活用して地域コミュニティーの形成促進に向けた活動を実施していくと聞いておりますが、先ほどのように集会所が活用されていないということであれば、それはつくってもしようがない話でありますので、これはよく、地域によっても、お年寄りや、あるいはその場に集まる方々の反応というものが、感じ方があろうと思います。
人と人とのかかわり合いですが、全ての方々が同じ思いということも限らないと思いますので、政府といたしましても、人吉市や熊本県、地域と連携をいたしまして、建設型応急住宅における集会所を活用した地域コミュニティーの形成促進に向けて、助言など、必要な支援を行ってまいりたいと存じます。
○田村(貴)委員 大臣、その答弁に期待したいと思います。
一つ、入居して間もないというのは、間もない方もおるんだけれども、もう入居してかなりの月日がたつ方もおられるわけです。仮設住宅ごとにいろいろあるんですけれども、自治体の方がそういうふうにおっしゃっているんだったら、ぜひ相談も乗っていただいて、助言と支援を内閣府の方から強めていただければというふうに思っております。どうぞよろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
○金子委員長 次に、美延映夫君。
○美延委員 日本維新の会の美延映夫でございます。
この委員会では初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、質問に入ります前に、令和二年七月の豪雨災害でお亡くなりになりました方々に御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方にお見舞いを申し上げ、地域の一日も早い復旧をお祈り申し上げております。
近年、豪雨災害が頻発しており、その教訓を踏まえての風水害対策が進められておりますが、一方で、近い将来に発生すると言われている地震災害に対しても備えていく必要があると思います。
そこで、本日は、南海トラフ地震に係る防災対策について質問をしていきたいと思います。
御承知のとおり、南海トラフ地震が発生しそうな地域においては、これまで百年から百五十年の周期で大規模な地震が発生し、大きな被害を生じており、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会における長期評価においては、この地域におけるマグニチュード八から九クラスの地震が、三十年以内の発生確率、現在で七〇%から八〇%と言われております。
この地震は、極めて広域な地域での揺れも予想されていますが、地域や地質的特性などにより、被害はそれぞれの地域で異なることが予想されております。私の地元である大阪は、水都とも呼ばれ、淀川、大和川、神崎川、寝屋川などの大きな河川と海に囲まれた平たんな低地が広がり、いわゆるゼロメートル地帯も多いため、そもそも水害に弱い地域でもあります。このような地域で地震が発生した場合、液状化により堤防が沈下することは十分想定されることでもありますし、最悪のシナリオとしては、巨大地震により発生した津波が河川を遡上して沈下した堤防からあふれ出し、市街地が広範に浸水するということも考えられます。
そこで、まず伺います。
政府は、このようにして地震、津波に起因して発生する河川の氾濫への対策についてはどのようにお考えになっているのでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
一般に、河川の整備に当たっては、地震に伴う津波の影響を受けることになるため、堤防の高さを百数十年に一度発生するような津波が遡上した際の高さよりも高くするよう整備を進めています。
また、地震に伴う液状化によって堤防が沈下し、これを津波が越えて浸水することがないよう、堤防の耐震対策を進めています。
加えて、水門等についても、地震が発生し津波が来襲した場合に倒壊等を防ぐための補強や、操作員の安全が確保されるよう、自動化、遠隔化などの対策を行っているところです。
○美延委員 ありがとうございます。
現在、私、淀川という川の近くに住んでおるんですけれども、私が住んでいる淀川では阪神高速の淀川の左岸線の二期工事というのが行われていまして、その工事のところに、スーパー堤防を整備してその下に阪神高速を走らすというような形で、これも皆さんに見える形でできているので、地域には安心で、これはもう非常にありがたいなと思っておるんです。
次に、このような津波災害が発生した際の地下街への影響について教えていただきたいんです。
南海トラフ巨大地震で大阪市に押し寄せる津波の流量は、一波だけでも、大阪市域の地下街と地下鉄の総容積を超えるというような想定もあります。その津波は、紀伊半島、淡路島及び四国に一旦は阻まれますから、大阪市沿岸に到達するまでにはある程度時間がかかり、地下街から逃げるための時間は確保できるのではないかなと思っているんですけれども、そこで、地下街にいるときに巨大地震に津波が発生した場合の安全確保について、国による取組、また、それを受けて各地方公共団体での取組の現状について教えていただけますでしょうか。
○渡邉(浩)政府参考人 地下街におきましては、巨大地震による津波が発生した場合に多くの人的被害が発生するおそれがあります。このため、施設の耐震対策によって安全な避難経路を確保するとともに、発災時に適切な避難誘導を行うことが重要です。
国土交通省では、各地下街がこれらの対策に取り組めるよう、平成二十六年に地下街の安心避難対策ガイドラインを策定するとともに、本ガイドラインに基づく構造物及び設備の耐震補強や、シミュレーションを用いたさまざまな想定での避難計画の検討などを支援する制度を設けております。また、事業の実施に当たっては、地下街と地方公共団体が事前に協議した上で実施計画を策定することとしており、国と地方公共団体が協調して支援を行っております。
引き続き、地下街の安全な避難対策がより一層推進されるよう、支援制度や先進事例の周知等に努力してまいります。
○美延委員 ありがとうございます。そこはしっかりやっていただきたいと思います。
先ほど、津波は紀伊半島から淡路島及び四国に一旦は阻まれるから、大阪市沿岸に達するまでにある程度の時間がかかるだろうと申し上げました。しかし、今度は逆に、瀬戸内海から水がなかなか出ていかないという、そして、津波がおさまるまでの時間が、だからほかの地域より時間がかかるという、また、襲ってくる回数も多くなるということも考えられます。結果として、大阪市のゼロメートル地帯は全て水没してしまう危険性も指摘されています。ライフラインの復旧も非常に困難になることが予想されていますが、こういった事態も踏まえて、国の応急対応について御説明いただきたいと思います。
また、さきの質問とあわせて、情報インフラの確保の観点から伺います。
昨今の災害におきまして、スマートフォンは、情報収集のみならず、被災者からの情報発信、果てはビッグデータによる解析まで、極めて重要な役割を果たしております。
このスマートフォンに欠かせないのは電波と電源なわけですけれども、避難所を始めとした被災地での通信網の確保策について、また電源の確保策について、国での取組を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
国では、南海トラフ地震が発生した際の対処として、部隊の活動規模、防災拠点等を定めます南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画というのを定めております。
この計画の中で、御指摘のような被災地の電源、通信の確保に関する主な対応としては、まず、送配電事業者や電気通信事業者が、発災後に、電力供給や通信の支障の状況を把握して、被災都府県に情報提供を行う。同時に、被災都府県は、あらかじめ把握している、災害拠点病院ですとか、災害対策本部となる官公庁舎、避難所を含めて、災害応急対策の実施のために不可欠な重要施設について、電源や通信の確保の必要性を確認して、優先順位を検討の上で、事業者に対して要請を行う。国の方は、現地における調整会議とも連携をして、被災都府県、事業者と、電源、通信の確保を優先すべき施設について調整を行うことにしております。
また、電源車等が不足する場合には、広域的に資機材や人員の融通について調整を行うとともに、資機材や人員の運搬手段の確保、緊急交通路の円滑な通行等についても調整を行うということにいたしておるところでございます。
○美延委員 今の件で、ちょっとあれなんですけれども、優先順位ということを聞きました。その優先順位はどういう優先順位を考えられているのか、ちょっと続けて教えていただけますか。
○青柳政府参考人 やはり生命に直結するということで、病院、それから災害対策本部となる市町村の役場、それから避難所といったところは、まず優先順位が高いところということになっております。
○美延委員 ありがとうございます。そこはしっかり優先順位をつけていただいて、できるだけ、本当にすぐ復旧できるような形をお願いしたいと思います。
このところの水害においては、サーバーの水没などにより、地方公共団体からの情報の発信が滞るといった事態も出てきております。
現在は被災者台帳のデジタル化なども進めているところではありますが、サーバーが使えなくなると、被災者支援も滞るようになってしまうのではないかと心配しております。南海トラフ地震対策としては、津波により水没する地域も多くなりますので、デジタル化とシステムの堅牢性の確保をセットで進めていくという必要があるかと思います。
大臣は、挨拶の中でも、防災のデジタル化を進めていくというような発言をされておりましたが、このようなことも踏まえて、国として地方公共団体をどのように指導、支援していくのか、教えていただけますでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
まず、防災のデジタル化の関係につきましては、災害対応業務のデジタル化を促進していくために所要の経費を要求しているところでございまして、自治体が共同利用できることはもとより、住民情報と被災情報をシステム上で連携させることで、より円滑な被災者支援に活用することができる基盤的なシステムを構築して、罹災証明書の電子申請やコンビニ交付等にも対応してまいりたいと考えてございます。
先生御指摘の堅牢化ということで、サーバーの問題、これも、実際、システムができても、水没して使えなくなってしまったらまずいというのは御指摘のとおりでございます。具体的にお金を予算でとっているということではございませんけれども、今後しっかりと、そういった堅牢化対策についても検討してまいりたいと考えております。
○荻澤政府参考人 総務省消防庁の取組についてお答えさせていただきます。
災害時に人命救助を始めとする応急対策を効率的に的確に行っていくために、被害情報等の情報を迅速、確実に把握する、また、国としても共有することが極めて重要でございます。
消防庁は、地方団体からの被害情報を収集しておりますけれども、従来のような電話、ファクスではなくて、デジタル情報として効率的に自動で収集できるようなシステムの整備に取り組んでおりまして、順次、試行も含めて、活用に取り組んでいるところでございます。
また、災害発生時に回線が切断するなどにより、地上系の通信手段が途絶するというようなこともございますけれども、そのような場合であっても、衛星通信を用いた非常用の通信手段を整備することにより、地方団体、情報通信手段を確保することができます。
これについて、特に、本年でございますけれども、従来よりも高性能かつ低コストの次世代衛星通信システムの導入が進むように、実証事業にも取り組んでいるところでございます。
○美延委員 ありがとうございます。しっかり、よろしくお願いいたします。
次に、国と地方自治体との連携についてお伺いをいたします。
南海トラフ地震は、本当に大規模かつ激甚な災害になることが予想されております。また、災害は想定外の事態となることもあり得る、私たちはそういうことを学んでまいりました。このような災害に対して、国、地方公共団体、関係機関等の十分な連携のもと、総力をもって対策に当たる必要があります。
国は、令和元年五月に南海トラフ地震防災対策推進基本計画を変更し、現在は、それを受けて、地方公共団体や関係機関が南海トラフ地震防災対策推進計画の変更を行っている状況であると承知しております。また、本年五月には、国の南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画も改定されております。
現在の取組も踏まえて、国と地方公共団体、関連機関の連携のあり方について、御説明をお願いいたします。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
国、地方公共団体、関係機関の連携は極めて重要でございますけれども、まず、南海トラフ地震対策については、御指摘のとおり、国において南海トラフ地震防災対策の推進基本計画というのを作成をして、減災目標を定めて、関係省庁が連携して対策を推進する、これを受けた形で、南海トラフ地震の防災対策推進地域というエリアの地方公共団体等において推進計画を作成するということになってございます。
昨年五月に国において基本計画の方を変更して、いわゆる東側、西側のいずれかが半割れということで、割れた場合に残りの地域の対応をどうするかということを定める防災対応について基本計画を定め、その上で、推進地域の地方公共団体においても推進計画を変更してもらうということで、このお取組を進めておりますけれども、なかなか、先ほど大口先生のところでも御質問ございましたけれども、進んでいない自治体に対して、国としても、相談窓口の設置にとどまらず、個別の指導助言等も行って、計画変更の支援を行っているところでございます。
やはり地方公共団体との連携が非常に重要でございますことから、こういった指導助言等も通じながら、緊密に対応していきたいと思います。
○美延委員 よろしくお願いします。
次に、発災前の災害対策本部の設置の必要性についてお伺いいたします。
大臣は、先日の挨拶の中で、国の災害対策本部を災害発生前から設置できるよう検討を進めている旨の発言がありました。
大規模災害が予想される場合において、国と地方公共団体、関連機関との連携を深めるためには、ぜひとも必要なことだと思います。これは、広域避難について、昨年の東日本台風においてさまざまな課題が明らかになったことを契機として検討が進められているとのことですが、発災前の設置は台風を前提としたものなのでしょうか。それとも、ほかの災害も対象となり得るのでしょうか。
一般的において、地震においては発災前というのは無理だと思いますが、南海トラフ地震については、南海トラフ地震に関連する情報が発表されており、臨時情報が出された際には、災害対策本部を設置する必要があることも想定されます。また、火山噴火災害も、場合によっては予兆を捉えることができることもあります。
今現在は詳細を検討されているところだと思いますが、小此木大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○青柳政府参考人 大臣の前に、ちょっと検討の事実関係のみお答えしたいと思います。
災害発生前の災害対策本部については、昨年の東日本台風を踏まえた形での検討でございますので、台風等の水害を念頭に置いた検討は行っておりますが、有識者会議においても、その適用対象自体は、水害に限らず、噴火災害等、事前に本部を立てる必要があるものには適用できるようにしていくべしということで、検討は進めているところです。
○小此木国務大臣 きょうも一日、災害についての激甚化、頻発化という言葉も何遍も使ってまいりましたけれども、そういう中で、的確かつ迅速な災害対応のためには、国と自治体はもちろん、インフラ事業者等の民間事業者を含め、しっかりと連携していくことがまず大事だと思っております。
特に、南海トラフ地震、首都直下地震については、いつ発災しても対処できるように、国において、救助部隊の活動規模や防災拠点等をあらかじめ明確にした、具体的な応急対策活動に関する計画を定めております。これらの計画等をもとに、災害発生時には、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの実動部隊を最大限活用するとともに、自治体や民間事業者と緊密に連携して、迅速に応急対策活動を実施することとしております。
また、大規模災害発生時には、直ちに現地対策本部を立ち上げ、政府と被災自治体、インフラ事業者等が、情報共有や調整を行いながら、一体となって応急対策活動を行うこととしております。
災害対応は都道府県、市区町村や事業者等との連携が不可欠であり、大規模災害に迅速かつ的確に対応できるよう、万全の体制確保に努めてまいりたいと存じます。
○美延委員 時間が参りました。もう一問、大臣にきょうお伺いしたかったんですが、これはまた次回に伺わせていただきます。
ありがとうございました。
○金子委員長 次に、古川元久君。
○古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。
大臣、私は、このコロナ禍のもとでの災害が起きた場合の避難、避難所が密になりやすいわけですから、やはり三密対策をきちんとやること、そしてまた、ホテルとか旅館とか、そういうところを活用する、そういうことをすべきだということを、私、国土交通委員会に所属しているものですから、この春の通常国会の中でもそういうことを言ってきたんですね。
ですから、今回、ことしは、七月豪雨災害とか十月の台風とかありましたけれども、昨年に比べるとまだ災害は、大規模災害は少ない方だったわけなんですが、それでも、ことしの災害で、どれくらい避難所で三密回避の取組ができていたのか、また、ホテルとか旅館などの避難はどれくらい行われたのか、そういう取組状況とか結果を教えてほしいと、きょうのこの質疑に向けて、それでお願いをしたら、最初、防災担当に来ていただいたら手ぶらでいらっしゃって、まだちゃんとそれをまとめていないという話だったんですね。
やはり、今後の、まだ当分の間、こういうコロナ禍の中での災害対応が必要で、この前の豪雨災害のときにでも、避難所に行ったんだけれども、いっぱいで入れなかったという人がいたという報道もありました。
私なんかが知りたかったのは、じゃ、そういう人たち、どうやって誘導してどこへ行ったのかとか、やはり結果をきちんと、どうだったのかというのをちゃんと調査して結果をまとめて、そういうものが何かあるのかなと思ったんですけれども、どうもそういうものはなくて、いろいろ聞いてはいるみたいだけれども、それを踏まえての何か指示というのは出ているけれども、実際にどうだったのかということが、ちゃんとまとめていないようなんですね。
やはりこれは、今後のことを考えると、しっかり、こうこうこういう結果でしたということでちゃんと調査とか分析して、こういうふうでしたから今後こうしますということが必要じゃないかと思いますが、大臣、どうですか。
○小此木国務大臣 新型コロナウイルス感染症の現下の状況において、感染防止に十分留意する必要があるということは言うまでもないことでありますが、避難所における、言われましたけれども、三つの密の回避、ホテル、旅館等の活用を含め、自治体においては可能な限り多くの避難所の確保など、感染症対策を徹底することは重要であります。これはもう、きょうも申し上げてまいりました。
このために、避難所における新型コロナウイルス感染症対策については、累次にわたり自治体に対しても周知をしてきたというところであります。
令和二年の、ことしの七月豪雨においては、全ての避難所の対応状況の報告を求め、避難所の感染症対策が十分ではない、あるいは不明確な自治体について速やかに状況を聴取し、助言を徹底したことなどにより、感染症対策はおおむね適切に行われたのではないかと私は思っております。また、ホテル、旅館等の活用についても、自治体に活用を促した結果、個室での滞在を好む要配慮者の御意向も踏まえたきめ細やかな活用がされていると考えています。
他方、台風第十号においては、一部の避難所において収容人数に達して、他の避難所を紹介するなどした事例がありましたことから、調査分析を実施し、まず、台風が接近してきた際に、必要な数の避難所を当初から開設することや、二つ目として、協定等に基づき、ホテル、旅館等の利用、予約状況等を自治体が把握して、避難所の増設の準備に役立てることなど、円滑な避難のための留意事項を全国の自治体宛てに通知をしたところであります。
内閣府としては、今後も新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえつつ、自治体と十分に連携し、避難所の新型コロナウイルス感染症対策や、ホテル、旅館の活用促進に努めてまいりたいと存じます。
○古川(元)委員 大臣、そのまま想定問答を読んでいらしたんですけれども。
私は、そういう結果が出てきたので、実態的に、具体的にはどうだったのかという、おおむねこうだったとかいう話をしていますけれども、おおむねということは、じゃ、ちょっと違った部分もあるのということなんです。だから、具体的にどうだったのかとちゃんと調査して、調査結果とか、その方が、ちゃんと明らかにしても、別に隠すものでもないと思うんですけれども、私が聞いても、まとまっていないとかと言われたんですね。
ですから、そこのところはきちんと、特に被災地の場合というのは、やはりこれは、大体よかったといっても、そこに外れた例外とか何かの人たち、そういう人たちが少しでもいれば、そういう人たちの命にもかかわる話ですから、ほぼ、おおよそよかったというので、災害対応はそれでよしという話じゃないと思うんです。やはり、本当に一〇〇%きちんとやられているのを目指すために、いかなきゃいけないと思うんですね。それだけやったって、それだけできるかどうかわからないわけですから。
そういった意味で、これは大臣、よくちゃんとそういうところ、今後もこういうことがあると思いますけれども、しっかり、やはりちゃんと、こういうことがあったら、実際、具体的にどういうことだったのか。
だから、さっきも言いましたけれども、じゃ、外れた、避難所に入れなかった人はどうしたんですか。入れない人がいましたというだけじゃだめだと思うんですよ。じゃ、そういう人たちをどうやって、どこにどういう形で移したんですかとか、あるいはうちへ戻ってもらったんですか、やはりそこまでちゃんと調べて、その上で今後どうするかということを考えていかないと、ただいっぱいで入れなかった人がいました、ですから今後そういうことがないようにしてくださいというだけでは、やはりだめだと思うんですね。そこは大臣、ぜひ事務方に指導していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
それで、これは七月豪雨で、その中で、ちょっと後から、きのうレクしたら出てきたのが、避難所としてホテル、旅館を使われたのが、七月豪雨で二十カ所、三百五十人だ、そういう数字はいただきました。これが多いのか少ないのかは、私は、もっと活用されてもよかったんじゃないかという、まあ、わかりません、ここは現場のですからね。
ですけれども、まだしばらく、やはりコロナ禍の中での災害対応を強いられると思います。やはり、そういうことを考えると、もっともっとこういう旅館とかホテルとかも活用する。ここも、事前にちゃんと、そこを使いますよ、住民に、この人たちに、皆さんは学校とかじゃなくてここに行ってくださいとかと事前に言っていくためにも、やはりこれは、ホテルとか旅館もこれは避難所というふうにちゃんと位置づけしたらどうか。
今、災害救助法四条第一項一号、避難所という規定があるんですけれども、そこに、民間のホテルとか旅館などもこの災害救助法の避難所に位置づけする。避難所として、これは、今こういうコロナの状況だからというのじゃなくて、恒久化するということにしたらいいんじゃないか。そうすると、これは災害救助費による財政支援も受けられて、実際はもっとこういうホテルとか旅館を活用することになるんじゃないかと思いますから、ぜひ、そういった意味で、災害救助法の避難所にホテルとか旅館をこの際位置づけする、恒久化するということをしたらいかがと思うんですが、いかがでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。
発災時に災害救助法が適用された場合において、従来、高齢者、障害者などの要支援者のための福祉避難所とする場合ですとか、指定避難所だけでは避難場所が不足する場合、また、避難生活が長期化する際の避難所のリフレッシュのために活用する場合において、救助法に基づく避難所として民間のホテル、旅館の活用を進めてきたところなんですけれども、今般、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえまして、三密対策として民間のホテル、旅館を活用する場合にも救助法の災害時の避難所として活用できるということは通知もしているところでございます。
法律に明確に位置づけた上で恒久化ということについては、よく自治体の意見も踏まえつつ、避難所としての利用実態も踏まえて研究をしてまいりたいと考えております。
○古川(元)委員 これは大臣、自治体の意見を聞いてという話がありましたけれども、やはり、むしろふだんから、こういうホテルとか旅館も、そういう避難所として、いざというときはお願いしますねということを頼んでおいた方がいいんじゃないかと思うんですね。
だから、これは、ちょっと何か自治体とも聞いて、みたいな、要望があればいいんですけれども、やはりここは、むしろ国の方から、そういうところも活用すると。それこそ、そういうことで、地域の中で旅館とかホテルもそういう形で役割を果たしていくということが、やはりそれは地域の中でのそういうところに対する理解にもつながりますし、これは前向きにぜひ検討していただきたいと思いますけれども、ここは大臣、いかがですか。
○小此木国務大臣 今回、これは言いわけになるかもしれませんが、コロナという今までにないものが参りました。ただ、やはり、きょうも議論の中で、高齢者や要介護者、手を差し伸べなければならない方々についての、台風時期に、台風が来る前に、これはもうやってくるということを見越して、地方がそれぞれの旅館やホテルとお話をしていたということは、就任する前ですけれども聞いておりまして、その確認はいたしましたが、その話が更に進んでいないということは確かにあったと思います。
先ほどの委員のお話の中でもありましたように、今回、こういう中でのできなかったことを教訓としながら、これは防災対策、減災対策、強靱化にも含めまして進めてまいりたいと思います。
○古川(元)委員 避難所の多くが学校とかそういうところなんですけれども、必ずしもやはり環境がいいとは言えないんですね。もちろんそういうところの環境整備をすることも大事ですけれども、むしろ、こういう旅館とかホテルをそういうときに活用するという、ふだんから、災害に活用するということは、そういう意味での、今避難所で使っているところの環境整備が整うまでの間の、先ほど大臣が言われたような、高齢者とか、あるいは体に病気を持っている方とか、やはりそういう人たちとか、そういうことを考えても有効ではないかと思いますから、ぜひこれは前向きに御検討いただきたいと思います。
次に、これもコロナ禍の避難のあり方についてなんですけれども、いろいろ、私もこれはとにかく大丈夫かということで、政府の方にも、ちゃんと指示、周知徹底をしているのかということで前から聞いているんですけれども、いろいろな形で政府の方から各地方自治体の方に告知がなされています。
ただ、コロナ禍での周知徹底というのは、してくださいと言うのは簡単なんですけれども、例えば私の地元名古屋でも、かなりこういう、政府から言われたので準備はできていますと。ただ、例えば、ふだんと違う避難所に行くとかそういうような状況になったときに、みんな大体、毎年毎年、今までは、多分大臣の地元もそうだと思いますけれども、避難訓練というのをやっているんですね。避難訓練、ところが、ことしはやれていないんですよ、やはりコロナだから。ですから、避難訓練がやっていなくて、一応、周知だといって、コロナ禍ですからこういうふうですよといって各家庭には連絡が行っているのかもしれないけれども、じゃ、どこまで実はそれをちゃんと読んでいるかどうかということですよ。
毎年毎年、ずっと長年住んでいれば、当然やはり、何かあったら、じゃ、あそこの学校に逃げればいいんだという感覚がありますから、紙とか何かが回ってきて、今コロナ禍ですからこうしてくださいと言われても、そこがちゃんと頭の中に入っているかどうかというと、これはなかなかそこまで期待するのは実際難しいんじゃないかなと思うんですね。
ですから、政府は、ちゃんとやっているかというふうに我々が聞くと、いや、きちんと実際にこれだけ周知徹底していますと言っているんですけれども、実際には、これを見ていると、たくさんいろいろな周知のがどんどん出ているというのがあります。でも、それが、じゃ、自治体からそれぞれの住民にまで本当にどうちゃんと行き渡っているのか。
やはり、実は、本当に災害対策というのは、そういうきめの細かい、最後の一人一人のところまできちんとちゃんと伝わっているのか。例えば、避難所が、ふだんと違って、ここの人たちは、あなたはこっちに行ってくださいという、いつもと違うところだったら、そこで違うんですよということがちゃんと一人一人まで確認されているかどうか。かなりこれは徹底して、あときめ細かく、ただ通知を出しましたとかやったことで、それで周知徹底を図るというのが、よくある、お役所がやる話なんですけれども、やはりそれでは、私は、周知徹底というだけでは済まないんじゃないかな。
具体的に、私も、そこは本当に一軒一軒訪ねて確認して、あなたはここにしてくださいよという、そこまでやるかどうかというのはありますけれども、もう一歩踏み込んだ周知徹底という策を指示しないと、こういう形で国から地方に周知徹底しなさいと送ると、市役所とかそういうところ、区役所のレベルでいうと、こういうふうですからといって地域にビラをまいて終わりということになって、それで周知徹底しましたといっても、実際になったら、全然、ここはみんな、いつもと同じように、コロナ以前と同じような形で、同じところに、避難所にどっと駆け込んできちゃう、そういう混乱がやはり起きかねないんじゃないかと思うんですね。
ですから、ここは、周知徹底していますしていますと言うのはいいんですけれども、その周知徹底の仕方がどうなのかというところを、どういうことをやっているか、そこまでもう一歩踏み込むような対応をやはり国からも指示をしていく、そしてそれを確認していくという、手間がかかるかもしれませんけれども、やはりこれは人の命にかかわる話ですから、ぜひそこまでやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 常に意識の向上を持って進めていくというのは大事なことだと思います。
通知は通知として、見ていただこうがそうでなかろうが、これは出しておかなきゃいけないものだと思います。
こういうことをいろいろ経験してくる中で、例えば、津波防災の日というのが、十一月五日でありますけれども、ことし、その津波防災の日の高校生サミットというのが毎年あるんですが、これも中止になりました。新潟県でやるはずだったんですけれども、中止になりましたけれども、オンラインの、かつての高校生サミットで議長経験者の高校生たちといろいろお話をいたしましたときに、十年前は小学生、つまり、東北の大震災を経験しているみんながいろいろな話をしてくれました。いつ何があるかわからない、正常性バイアスは大事なんだということを今やいろいろな方々に発信をしている存在になっています。
そういった会議ですとかそういった行事、コロナ禍でなければできるんですが、委員がおっしゃるように、いろいろな工夫は大事だと思いますので、研究はしてまいりたいと思います。
○古川(元)委員 ぜひそこのところはお願いしたいと思います。
時間もちょっとなくなってまいりましたけれども、大臣、ちょうど一年ぐらい前に、NHKとかが去年の十二月ぐらいに、首都直下地震の特集を一週間ぐらいやっていましたよね、昨年。
これはやはり、本当に今の日本は、いつ首都直下地震が起きて、あるいは、私の地元なんかは、それこそ私がもう子供のころから東海大地震が起きると言われて、まだそれから四十年ぐらいたっても起きていないんですけれども、これは起きないということじゃなくて、いつかは必ず起きるわけですね。
ですから、このコロナ禍で、例えば首都直下地震とか、あるいは東南海トラフ地震が起きる可能性もやはり否定できない。そのときには、今こうやって出しているコロナ禍での災害の場合の避難とかいろいろ、そういうレベルの対応ではとてもやはり追いつかないんじゃないかな。ですから、そういう極めて大規模な災害、そういうときが起きたときに、そのときに、じゃ、このコロナ禍でどう対応していくのかということは、今考えているコロナ対応と別個に、やはり、ちゃんとそこの部分は、今のうちからシミュレーションというか検討して考えておく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 委員の御指摘は、コロナ禍のいろいろな対応、これまで二月の先からずっと大がかりになってまいりまして、不安がかなり皆さん、大きなものとなってきた。ちょっと抑えられているかなと思ったら、また暮れに向かって不安が大きくなっている中での御指摘であります。
そして、その上で、首都直下地震、南海トラフ、これまでにないような大がかりな災害についてのいろいろな検討はされていますけれども、これは、その上を行く研究、あるいは検討、会議、さまざまなものが行われておりますが、幾らやっても足りることはないという中での大きな災害でございます。今までにないこの経験の中での、さらなる今まで経験したことのない大規模な災害について、もうこれは研究を重ねるしかないと思います。そして、皆さんに不安を与えることのないように、防災担当としてしっかりと発信をしてまいりたいと存じます。
○古川(元)委員 時間が来ましたので終わりますが、危機管理の要諦というのは、最悪の事態を想定してしっかりそこに備えるということですので、こういうコロナ禍にありますけれども、やはりそういうことも同時に起き得る、そういう構えで、ぜひ事前の準備、備えをしっかりしていただくことをお願いして、質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
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○金子委員長 次に、内閣提出、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。小此木防災担当大臣。
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被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○小此木国務大臣 ただいま議題となりました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本法律案は、近年の自然災害の頻発化、激甚化を踏まえ、被災者生活再建支援金の支給対象となる被災世帯の範囲を拡大することで、被災者の居住の安定の確保による生活の再建を支援することを目的とするものであります。
以上が、この法律案を提出する理由であります。
次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、自然災害によりその居住する住宅が半壊し、居室の壁、床又は天井のいずれかの室内に面する部分の過半の補修を含む相当規模の補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯を被災世帯に追加することとしております。
第二に、今回追加される世帯の世帯主に対する被災者生活再建支援金の額は、住宅を建設し、又は購入する世帯については百万円、住宅を補修する世帯については五十万円、住宅を賃借する世帯については二十五万円と定めることとしております。
第三に、この法律は、公布の日から施行するものとしております。
また、この法律による改正後の被災者生活再建支援法の規定は、令和二年七月三日以後に発生した自然災害により被害を受けた世帯の世帯主に対する被災者生活再建支援金の支給について適用することとしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
ありがとうございました。
○金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十九日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時十一分散会