衆議院

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第2号 令和4年11月8日(火曜日)

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令和四年十一月八日(火曜日)

    午前九時二十分開議

 出席委員

   委員長 江藤  拓君

   理事 金子 恭之君 理事 工藤 彰三君

   理事 高鳥 修一君 理事 根本 幸典君

   理事 小山 展弘君 理事 神津たけし君

   理事 奥下 剛光君 理事 吉田 宣弘君

      東  国幹君    石原 宏高君

      小里 泰弘君    柿沢 未途君

      金田 勝年君    菅家 一郎君

      小林 史明君    後藤田正純君

      坂井  学君    塩崎 彰久君

      新谷 正義君    深澤 陽一君

      三谷 英弘君    務台 俊介君

      山口  晋君    若林 健太君

      渡辺 博道君    荒井  優君

      稲富 修二君    小宮山泰子君

      森山 浩行君    山崎  誠君

      渡辺  創君    阿部  司君

      岬  麻紀君    吉田とも代君

      金城 泰邦君    佐藤 英道君

      古川 元久君    田村 貴昭君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       谷  公一君

   内閣府副大臣       星野 剛士君

   内閣府大臣政務官     中野 英幸君

   衆議院調査局第三特別調査室長           吉田はるみ君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十三日

 辞任         補欠選任

  古川 元久君     長友 慎治君

同日

 辞任         補欠選任

  長友 慎治君     古川 元久君

十一月八日

 辞任         補欠選任

  宮路 拓馬君     塩崎 彰久君

  菊田真紀子君     荒井  優君

  大口 善徳君     金城 泰邦君

同日

 辞任         補欠選任

  塩崎 彰久君     宮路 拓馬君

  荒井  優君     菊田真紀子君

  金城 泰邦君     大口 善徳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 災害対策に関する件


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     ――――◇―――――

江藤委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十月十三日、災害対策に関する実情調査のため、宮崎県に視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。

 参加委員は、自由民主党の金子恭之君、工藤彰三君、根本幸典君、立憲民主党・無所属の小山展弘君、渡辺創君、公明党の吉田宣弘君、日本維新の会の岬麻紀君、国民民主党・無所属クラブの長友慎治君、日本共産党の田村貴昭君、そして私、江藤拓の十名であります。

 九月十四日に発生した台風第十四号は、十八日に非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸し、九州を中心に西日本で記録的な大雨や暴風となりました。十五日の降り始めからの総雨量は、九州や四国の複数地点で五百五十ミリを超えるなど、九月一か月の平年値の二倍前後となり、宮崎県においては美郷町で千ミリ近い雨量を観測しました。同県においては、十月二十六日現在で死者三名などの人的被害、約一千六百棟の住家被害が出ております。また、河川や道路等の公共インフラ、農地や農業用施設などにも多大な被害が発生しており、住民の方々の生活や地域の経済、産業にも甚大な影響を及ぼしております。

 ここに改めて、今般の災害により、貴い生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告いたします。

 まず、延岡市に向かうバス車内において、宮崎県から、同県における被害状況等について説明を聴取しました。

 次に、延岡市北方町の川水流地区において、読谷山市長、千坂北方総合支所長から、それぞれ被害状況について説明を聴取し、激甚災害の早期指定、災害復旧事業、復興関連事業等に要する予算の確保及び財政支援措置、五ケ瀬川水系の整備推進、被災住宅への支援、農林水産業関係及び公共土木施設関係の復旧復興事業等への支援、中小企業支援について要請を受けました。

 その後、同地区の住宅等の浸水被害の状況を視察するとともに、被災者の方々と意見交換を行いました。

 今般の災害では、住宅や商業施設等の被害も甚大であり、復旧のための一層の支援が求められております。

 次に、美郷町の西郷田代地区において、田中町長、山本町議会議長から、それぞれ被害状況について説明を聴取した後、同地区の住宅等の浸水被害の状況を視察しました。

 同地区では、平成十七年台風第十四号でも道路が冠水し、住宅や工場が浸水するなど甚大な被害を受けていたため、その教訓を踏まえた防災対策を進めてきた場所であります。

 しかしながら、教訓を踏まえて想定していた雨量をもはるかに超える豪雨に対応し切れなかったということを考えたとき、再度災害を防ぐための復旧事業の在り方についても検討していく必要があります。

 次に、西都市の岡富地区において、中武副市長、伊東農林課長から、それぞれ被害状況について説明を聴取するとともに、被害を受けた農業用ハウスの被害状況の視察及び被害を受けた農家の方々との意見交換を行いました。

 農業用ハウス内では、大きな陥没ができるほど大量の泥水が流れ込み、今冬の出荷予定であったピーマンなどの苗に被害を与え、また、ハウス内の温度を調整する温度調節器なども破損しました。

 西都市の主力農産物であるピーマンの生産量は、全国でもトップクラスであることから、被災による出荷への影響が深刻であるため、被災した農業用ハウスや農機具に係る支援の在り方について意見交換を行いました。

 最後に、宮崎県庁において、河野知事、中野県議会議長、池田宮崎県市長会会長、西川宮崎県町村会理事から、それぞれ被害状況の説明を改めて聴取するとともに、昨年の法改正後、初の事例となった災害が発生するおそれがある段階での災害救助法の適用の効果、防災・減災、国土強靱化対策の重要性、地元自治体が要望している河川のしゅんせつ工事の必要性、災害復旧、復興支援の在り方、災害時における情報通信網確保の必要性などについて意見交換を行いました。

 以上が調査の概要でありますが、今般の台風による被害は非常に大きく、早急な対応の実施が必要であると強く認識いたしました。当委員会としましても、気候変動の影響による災害の激甚化、頻発化への対応、想定外の降雨となることも踏まえた河川整備と再度災害を防ぐための復旧事業の在り方、被災者の生活、なりわい再建に向けた財政支援拡充の必要性などの課題について、既存の仕組みの弾力的な見直しなども含めて、積極的に議論していく必要があると決意を新たにした次第であります。

 最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、御報告とさせていただきます。

     ――――◇―――――

江藤委員長 次に、谷国土強靱化担当大臣・防災担当大臣、星野内閣府副大臣及び中野内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。谷国務大臣。

谷国務大臣 国土強靱化担当大臣、防災を担当する内閣府特命担当大臣として、一言御挨拶を申し上げます。

 我が国は、その自然的条件から、災害が発生しやすい特性を有しております。こうした特性を踏まえ、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいります。

 線状降水帯による豪雨など、災害が激甚化、頻発化する中で、今年も、福島県沖を震源とする地震や七月から八月にかけての大雨、台風第十四号、第十五号等により、多数の方々が被災されております。

 こうした災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 政府は、こうした災害に対して、被害状況の早期の把握や被災者の救援救助活動に全力を尽くすとともに、生活、なりわいの再建、復旧復興対策等について、関係省庁一体となって対応してまいりました。

 災害のたびに得られた経験や教訓を生かして、災害対応に万全を尽くしてまいります。

 続きまして、防災対策の主な課題と取組方針について御説明いたします。

 まず、地震対策の強化についてであります。

 日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震については、広域で甚大な被害が発生することが想定される中、今年六月に施行された改正特措法に基づき、九月に地震防災対策推進地域等の指定や基本計画の変更を行ったところです。

 今後、新たな基本計画に基づき、自治体による計画策定等を支援していくとともに、関係省庁や自治体とも連携し、命を守るための防災教育や訓練の充実、避難路等の整備、建物等の耐震化、企業による事業継続計画の策定促進等、防災対策を着実に進めてまいります。

 また、先発の地震の影響により、その後に大きな地震が発生する、いわゆる後発地震の可能性について、国民に注意を促す情報発信を来月から開始する予定です。運用開始に向けて、周知、広報や連絡体制の整備等を進めてまいります。

 大規模地震に伴う帰宅困難者対策については、有識者等から成る検討委員会において、今年八月、今後の対応方針が取りまとめられました。今後、関係省庁とともに、鉄道事業者を始めとする関係者と連携し、対応方策の具体化を図ってまいります。

 南海トラフ地震、首都直下地震などの大規模地震により想定される甚大な被害への対応のため、引き続き、関係機関と連携し、防災対応の一層の向上に努めてまいります。

 風水害等からの避難対策については、昨年五月に災害対策基本法を改正し、避難勧告と避難指示について避難指示へ一本化するなどの改善を行ったほか、高齢者や障害者等の避難の実効性を確保する個別避難計画の作成促進などにも取り組んでいるところです。災害による犠牲者を一人でも少なくするためには、住民が適切な避難行動を取ることが重要であり、関係機関と連携し、避難対策の一層の強化に取り組んでまいります。

 火山災害の対策については、火山地域の自治体において、住民等の安全を確保するため、避難確保計画の作成支援や訓練の実施などの取組が進められています。引き続き、地元自治体の声を伺いながら、これらの取組に対し、国として一層の支援を講じてまいります。

 また、大規模噴火時に想定されている広範囲にわたる火山灰の影響に備えるため、富士山の噴火をモデルに、関係省庁及び自治体等と連携し、具体的な対策を検討するなど、引き続き、火山防災対策を推進してまいります。

 次に、デジタル、防災技術の活用促進についてです。

 誰もがデジタル化や先進技術の恩恵を受けることができる社会を目指し、防災分野においても、デジタル、防災技術を活用し、被害の最小化、被災者支援の充実等に努めてまいります。

 具体的には、関係者間での災害情報等の共有を強化する防災デジタルプラットフォームの構築や、自治体のニーズと民間企業が持つ先進技術のマッチング支援などの取組を進めてまいります。

 近年、多様な課題を抱える被災者に対するきめ細やかな支援の必要性や、コロナ禍における避難所運営の変化など、被災者支援の在り方が変わってきています。

 今年五月に、これらの課題を多角的な観点から検討する有識者検討会を立ち上げたところであり、より効率的で質の高い被災者支援について検討を進めてまいります。

 地域の防災力を高めるため、地区防災計画の策定や、ボランティア等との連携、協働の取組を進めるとともに、防災推進国民会議等を通じた防災意識の啓発、津波防災の日や世界津波の日を中心とした津波防災の啓発などに一層取り組んでまいります。

 また、実践的な防災教育の推進や、避難生活の支援を行う専門性を有する人材を育成する仕組みの構築に取り組んでまいります。

 防災技術等の海外展開に向け、官民が連携した活動を進めるとともに、仙台防災枠組に基づき、我が国の取組や教訓などを世界に発信し、防災分野での国際協力を推進してまいります。

 風水害が激甚化、頻発化するとともに、巨大地震の発生も切迫する中、災害から国民の生命や財産、暮らしを守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすことは、政府の大切な使命です。

 このため、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に基づき、追加的に必要となる事業規模としておおむね十五兆円程度をめどに、流域治水対策やインフラの老朽化対策、デジタル技術の活用など、百二十三項目の対策について、重点的かつ集中的に取り組んでいます。これまでに七兆円を超える事業規模を確保しており、今後も災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土づくりの更なる加速化、深化を図ります。

 今回の総合経済対策においても、防災・減災、国土強靱化の具体的な施策を盛り込んでおり、しっかりと取組を進めてまいります。

 また、五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが重要です。新しい資本主義やデジタル田園都市国家構想も踏まえて、災害に強い国づくりを強力に推進するため、新たな基本計画を令和五年夏をめどに策定すべく、検討を進めてまいります。こうした取組を着実に進め、中長期的かつ継続的に防災・減災、国土強靱化を推進してまいります。

 国土強靱化を効果的に進めるためには、自治体や民間と連携して取り組むことが極めて重要です。このため、自治体が策定する地域計画の内容の充実に向けた支援、民間の国土強靱化の取組を促進する税制の充実や先導的な取組の発信などに取り組んでまいります。

 さらに、国土強靱化の広報、普及啓発について、理念や具体的な効果の分かりやすい発信に努めるなど、関係省庁と連携して戦略的に進めてまいります。

 また、船舶活用医療については、昨年六月に災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律が公布されたことを受けて、今年七月に内閣官房に準備室が設置されたところであり、今後、関係府省とも連携協力しつつ、同法の施行に向けた準備を加速させてまいります。

 振り返れば、我が国の災害対策は、大災害の教訓を施策に生かすことで強化されてきました。

 私は、二十七年前の冬、神戸で阪神・淡路大震災を経験しました。備えなくして命と暮らしを守れないことを本当に痛感させられました。

 災害の経験を通じて得られた教訓を防災・減災、国土強靱化の施策に生かし、災害に強くしなやかな国づくりを進めるため、大きな使命感と責任感を持って全力を尽くしてまいります。

 江藤委員長を始め理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

江藤委員長 次に、星野内閣府副大臣。

星野副大臣 国土強靱化担当、防災担当内閣府副大臣の星野剛士でございます。

 福島県沖を震源とする地震や、七月以降の相次ぐ大雨や台風など、全国各地で発生した様々な災害により亡くなられた方々と御遺族に対しまして深く哀悼の意を表します。また、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。

 災害から国民の命、身体、財産を守ることは、国政の最重要課題の一つでございます。国土強靱化担当、防災担当内閣府副大臣として、谷大臣を補佐し、一連の災害からの復旧復興、今後の災害対策と強靱な国づくりに全力で取り組んでまいります。

 江藤委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

江藤委員長 次に、中野内閣府大臣政務官。

中野大臣政務官 国土強靱化担当、防災担当大臣政務官の中野英幸でございます。

 福島県沖を震源とする地震や、七月以降の相次ぐ大雨や台風など、全国各地で発生した様々な災害によりお亡くなりになられた方々と遺族に対しまして深く哀悼の意を表すとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。

 政務官として、星野副大臣とともに谷大臣をお支えをし、災害からの一日も早い復旧復興と、災害に強くしなやかな国づくりに全力を尽くしてまいります。

 江藤委員長を始め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

江藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十九分散会


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