衆議院

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第5号 令和6年4月25日(木曜日)

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令和六年四月二十五日(木曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 後藤 茂之君

   理事 金子 俊平君 理事 坂井  学君

   理事 笹川 博義君 理事 宮路 拓馬君

   理事 菊田真紀子君 理事 渡辺  創君

   理事 掘井 健智君 理事 日下 正喜君

      東  国幹君    石原 正敬君

      江藤  拓君    勝目  康君

      金子 容三君    金田 勝年君

      国光あやの君    佐々木 紀君

      杉田 水脈君    鈴木 英敬君

      高鳥 修一君    根本 幸典君

      藤丸  敏君    松本 洋平君

      簗  和生君    山口  晋君

      若林 健太君    渡辺 博道君

      小山 展弘君    神津たけし君

      近藤 和也君    中島 克仁君

      米山 隆一君    堀場 幸子君

      吉田とも代君    中川 康洋君

      山崎 正恭君    田村 貴昭君

      鈴木 義弘君    古川 元久君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       松村 祥史君

   総務副大臣        馬場 成志君

   財務副大臣        赤澤 亮正君

   内閣府大臣政務官     平沼正二郎君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   高橋 謙司君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           小谷  敦君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 高橋 秀誠君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           斎須 朋之君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房上下水道審議官)       松原  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           佐々木俊一君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局次長)        角倉 一郎君

   衆議院調査局第三特別調査室長           南  圭次君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月九日

 辞任         補欠選任

  石原 正敬君     宮下 一郎君

  藤丸  敏君     小森 卓郎君

  田村 貴昭君     塩川 鉄也君

  古川 元久君     鈴木 義弘君

同日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     藤丸  敏君

  宮下 一郎君     石原 正敬君

  塩川 鉄也君     田村 貴昭君

  鈴木 義弘君     古川 元久君

同月十日

 辞任         補欠選任

  田村 貴昭君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     田村 貴昭君

同月十二日

 辞任         補欠選任

  石原 正敬君     宮下 一郎君

  藤丸  敏君     小森 卓郎君

  田村 貴昭君     笠井  亮君

  古川 元久君     鈴木 義弘君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     藤丸  敏君

  宮下 一郎君     石原 正敬君

  笠井  亮君     田村 貴昭君

  鈴木 義弘君     古川 元久君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  石原 正敬君     佐々木 紀君

  金子 容三君     鈴木 英敬君

  古川 元久君     鈴木 義弘君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     勝目  康君

  鈴木 英敬君     金子 容三君

  鈴木 義弘君     古川 元久君

同日

 辞任         補欠選任

  勝目  康君     石原 正敬君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

後藤委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十四日から十五日の二日間、令和六年能登半島地震による被害状況等調査のため、石川県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党・無所属の会の坂井学君、笹川博義君、小森卓郎君、宮下一郎君、立憲民主党・無所属の菊田真紀子君、中島克仁君、日本維新の会・教育無償化を実現する会の掘井健智君、公明党の日下正喜君、日本共産党の笠井亮君、国民民主党・無所属クラブの鈴木義弘君、そして私、後藤茂之の十一名であります。

 石川県能登地方では、令和二年十二月より地震活動が継続しておりましたが、一月一日に発生した地震においては、石川県輪島市や志賀町で震度七を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度六強から震度一までを観測し、日本海側の広い範囲に津波が到達しました。この地震により、多数の人的被害、住家被害が発生し、電気、ガス、上下水道等のライフラインへの被害のほか、道路、鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ、住民生活や中小企業、農林漁業や観光業等の経済活動に多大な影響が出ております。

 石川県内では、二百四十五名の方々が亡くなられるなどの人的被害、七万七千棟を超える住家被害等が発生し、今もなお、五千百人を超える方々が避難生活を続けておられます。

 ここに改めて、今般の地震により、貴い生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告いたします。

 まず、輪島港において、坂口輪島市長及び漁業関係者から、海底隆起等の影響による漁港の被害状況についてそれぞれ説明を聴取するとともに、輪島港の岸壁や荷さばき所等の被害現場の視察を行いました。

 輪島港は、能登半島の北部に位置し、周辺に好漁場を有していることから、沿岸漁業拠点港として、水産業を支えるとともに、能登半島の沖合約五十キロメートルに位置する舳倉島への定期航路の基地としても重要な役割を果たしており、また、輪島の海女漁の技術は、国の重要無形民俗文化財に指定されているとのことでありました。

 こうした事情からも、漁港の早期再開に向けた復旧復興事業の加速化、漁業従事者のなりわい再建及び休業補償支援等の拡充、住宅が被災した漁業関係者の住居を確保するための応急仮設住宅建設の加速化などが望まれております。

 次に、輪島朝市通りにおいて、坂口市長から、大規模火災による被害状況について説明を聴取するとともに、被害状況の視察を行いました。

 坂口市長からは、まちづくりの復興に向けて、公費解体について、能登半島地域の特性や交通事情等を考慮した公費解体の単価設定、事業の対象に自治体等の所有建物を含める必要性などについて、国に対し特段の配慮を求める要望がありました。

 次に、輪島キリコ会館多目的広場前において、坂口市長から、応急仮設住宅の設置状況等の概要について説明を聴取するとともに、災害関連死対策としても有効である仮設住宅等の住環境の向上、同敷地内における地域コミュニティー拠点の整備及び運営支援について、国に対し特段の配慮を求める要望がありました。

 次に、輪島市稲舟地区において、坂口市長及び農業関係者から、被害状況及び災害復旧事業の現状等についてそれぞれ説明を聴取するとともに、同地区の地すべりが発生した農地被害現場を視察しました。

 同地区は、土砂災害による避難指示が発令されております。更なる災害の発生が危惧されることから土砂災害対策の早急実施の必要性、隆起やのり面崩壊などにより被害を受けている農業施設等の早期復旧復興に向けた財政支援、農業保険の在り方などについて意見交換を行いました。

 次に、輪島塗産業の被害について、輪島塗事業者から被害状況を聴取するとともに、事業再開に向けた課題、輪島塗産業の特性を踏まえた財政支援、職人の高齢化による各申請手続における課題などについて意見交換を行った後、坂口市長から、交通インフラ、公共土木施設、農林水産業施設等の早期復旧、廃棄物処理や被災家屋等の解体撤去などへの支援、仮設住宅等の住環境の整備に向けた支援、被災地におけるなりわいの再開、復興や雇用維持に向けた支援などについて要望を受けました。

 次に、輪島市熊野町における斜面崩壊による河道閉塞被害について、政府から、被害状況及び災害復旧事業の現状等について説明を聴取するとともに、車窓から被害状況の視察を行いました。

 同被害箇所は、不安定な状態で斜面や渓流内に土砂、流木が堆積し、今後の降雨により二次災害が発生するおそれが高いことから、緊急的な土砂災害対策を実施するとともに、河道閉塞等に係る対策工法やリスクへの対応等の技術的な課題の検討を開始した旨の報告がありました。

 次に、穴水町の避難所において、宮崎穴水町副町長から、避難所運営などに関する概要について説明を聴取するとともに、避難所施設の視察を行いました。

 同避難所には、最大で三百名近くが避難していましたが、現在は四十名程度が滞在しているということでした。避難所内には福祉避難スペースが設けられ、高齢者等の方々のための福祉避難所としての役割も担っておりました。避難所関係者によると、あくまでも避難スペースとしての機能ではあるものの、地震発災直後から、保健師、調理関係者、ボランティアの方々の御協力により、円滑な運営が行われているとのことでありました。

 さらに、宮崎副町長からは、穴水町内の仮設住宅の整備状況等について説明がありました。同町では、集落単位で被災者の希望に沿う形での仮設住宅の建設が進められており、六月頃までには全ての予定戸数が完成する目途がついているとの説明がありました。仮設住宅の入居者に対しても適宜聞き取りが行われ、原則入居期間の二年が経過した後の居住形態についての希望調査が行われているということでした。調査結果では、全体の四割の方々が未定と回答しており、穴水町としては、仮設住宅以外に災害公営住宅の建設も国の支援を受けながら進めたい意向を持っていますが、建設事業者の確保の問題があるということでした。

 最後に、石川県庁において、馳石川県知事から、石川県内の被害状況の説明を聴取するとともに、災害救助法における福祉サービスの提供並びに地域コミュニティー拠点の整備及び運営の明文化、復興基金の創設を含めた必要な財政措置、雇用保険未加入者に対する収入維持に向けた支援措置、地盤隆起により機能を失った漁港に対する国の全面的な伴走支援の継続、なりわい再建支援補助金の柔軟な運用、輪島塗の仮設工房の整備の加速化、住宅・建築物安全ストック形成事業の補助上限額の引上げや補助率のかさ上げ、災害廃棄物の広域的な処理体制の構築等について要望を受けた後、一・五次避難所の長所、課題、被災者の事情を考慮した二地域居住の在り方、被災建物の公費解体における費用単価の算定の在り方、被災した農林水産業従事者への継続的な支援の必要性などについて意見交換を行いました。

 以上が調査の概要でありますが、今般の地震による被害は誠に甚大であり、早急な対策の実施が必要であると強く認識いたしました。当委員会としても、今般のような地震災害は日本全国どこでも起こり得るとの認識の下、対策などをめぐる課題に対して積極的に取り組んでいく必要があると痛感した次第であります。

 最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

後藤委員長 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官高橋謙司君、消防庁国民保護・防災部長小谷敦君、法務省大臣官房審議官松井信憲君、財務省大臣官房審議官高橋秀誠君、厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君、中小企業庁事業環境部長山本和徳君、国土交通省大臣官房上下水道審議官松原誠君、国土交通省大臣官房審議官佐々木俊一君及び環境省環境再生・資源循環局次長角倉一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

後藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。佐々木紀君。

佐々木委員 自由民主党の佐々木紀でございます。

 質問の機会をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。

 発災から百十五日目ということでございまして、被災された皆様に改めてお悔やみとお見舞いを申し上げたいと存じます。また、今ほど御報告もいただきましたけれども、当委員会において四月十五日に現地を御視察いただきましたことも御礼を申し上げたいと思います。

 見ていただいたら分かると思うんですけれども、何か時間が止まったかのように、発災直後の現場のそのままだったかと思います。それだけなかなか支援が進んでいないということの表れなのではないかなと思います。

 私もこれまで六回ほど現地に行きまして、議員の先生方をお連れをして、もうとにかく見てほしいと。やはり見ればその悲惨さということが御理解いただけるわけで、こうやってなかなか映像とかを通して感じることは限界があって、やはり現地に行けば、相当大変な状況なんだと御理解いただけたのではないかなと思います。是非これからも、ゴールデンウィークもあるわけでありますから、多くの先生方に現地に直接足を運んでいただいて、そしてその悲惨さを御理解いただき、また、支援が本当に進んでいないんだなということを、是非この国会の場でも声を上げて、少しでもその後押しになるように取り組んでいただければ幸いでございます。

 いまだに五千人を超える方が避難生活を送っているということでございます。断水もなかなか解消されない、公費解体も進んでいないということです。そんな中にあって、自衛隊を始め消防、警察や各省庁の皆さん、そして全国の自治体からも御支援に来ていただいておりまして、改めて、被災地を代表して御礼を申し上げたいと思います。より一層の御支援をいただければというふうに思います。

 やはり、今回の地震は半島特有の事情というものが大変大きく影響しているんだというふうに思います。これまでも、何か御支援をお願いすると、いやいや、東日本大震災もあったし、熊本地震もあったし、でもそこでやっている支援をなかなか超えられないんですよというようなお話が返ってくることがあるんです。しかし、そうではなくて、過去の地震は過去の地震、震災なんですけれども、災害なんですけれども、やはり今回は、半島特有の事情というものを加味した支援をいただきたいな、そのように思うわけでもございます。

 今ほどの報告書の中にもございました、特に、この最後の五ページ目の、石川県庁において馳知事から様々な要望が来たということでありますけれども、こういったことが、まさに制度のはざまにあってこれまで取り組んでこなかったから今回はなかなかできないんですよというような項目ばかりなんですね。これを乗り越えていく、実施をしていくということによって、震災支援、復興も加速化していくのではないかな、そのように思いますので、是非特段の御配慮をお願い申し上げたいと思います。

 それでは、質問の一つ目として、仮設住宅のコミュニティー機能ということについてお伺いをしたいと思います。

 この報告書の三ページにもございます。坂口市長からは、災害関連死対策としても有効である仮設住宅等の住環境の向上、同敷地内における地域コミュニティー拠点の整備及び運営支援ということについて要望を受けているわけでもございます。是非これを実現をしていただきたい。かねてから要望してきたわけでございます。しかしこれも、いや、過去の震災で対応されていないのでなかなかできないんですよといってこれまで足踏みをしてきた項目なんですね。これを是非実現をしていただきたいと思います。

 仮設住宅のところへ行くと、周りに何もないんですよ。商店もないし、そこで生活していくにはなかなか大変です。しかも、入居される方は高齢化しておるわけでもございますので、今まで、例えば通所であるとかあるいは訪問のサービスを受けていた方も、一切そういうものもないわけであります。

 仮設住宅の周辺に集会所を設けるということは、今までもしていただいていたんです。しかし、その中に、例えば入浴の施設であるとかキッチンであるとか、やはりこういうものをつけてくれということをかねてから要望していたんですけれども、なかなかできなかったわけです。

 というのも、仮設住宅の中にはお風呂もあればキッチンもあるからもう要らないでしょうと言うんだけれども、やはり独り暮らしの高齢者の皆さんにすると、入浴、あれは危ないんですよ。私も仮設住宅の中を見せてもらいましたけれども、狭いし、ユニットバスで、本当に、浴槽をまたぐことが事故につながったりするわけなんですよね。ですから、できれば、何か大浴場的な、バリアフリーの浴室が欲しいという御意見もございました。

 またキッチンも、やはり高齢者の皆さんからすると、一人分あるいは一家族分を毎日作るというのもなかなか大変なわけなんですよね。できれば、集会所あたりのキッチンで、できる人が順番に作ってみんなでそこで集まってきて食べるようなことがあれば、これも支援につながっていくわけでありますから、そういった機能を是非集会所につくってほしいというような御意見なんです。是非これを実現してあげていただきたいと思います。

 この度、予備費一千三百八十九億円、手当てをしていただきました。本当にありがたいなと思っています。その中で、コミュニティー機能、仮設住宅に居住する高齢者などの孤立防止のためにコミュニティーづくりの核となるサポート拠点、必要だと思いますけれども、どのように手当てされたか、是非お答えをいただければと思います。

斎須政府参考人 お答え申し上げます。

 被災地の仮設住宅の建設が進んでおりますが、介護、障害福祉サービスの提供体制でありますとか地域コミュニティーの回復に向けまして、先日閣議決定いたしました予備費を活用して、高齢者等に対する総合相談でありますとかデイサービス機能を有するサポート拠点の設置に係る財政支援を行うこととしたところでございます。具体的には、総合相談でありますとかデイサービスを提供するための相談室、それから浴室、食堂等の整備に係る費用を国が補助いたします。その設置に当たりましては、地域の実情に応じて柔軟な設置を可能としていきたいというふうに考えております。

 引き続き、被災自治体としっかり連携して、地域の実情に応じた支援に取り組んでまいりたいと考えております。

佐々木委員 ありがとうございます。しっかり手当てをしていただいたということでございます。やればできるんですよ。地元の要望に、被災者のニーズにしっかり応えていっていただきたいと思います。

 できれば、この措置も、今回限りではなくて今後の災害にも、特に半島ですとやはり起こり得るわけでございますので、是非これを今後の災害にも生かしていただきたい。この報告書にもございます、五ページ目に、知事の方からも災害救助法にしっかり明文化してほしいという要望もございますので、是非この経験を今後の災害にも生かしていただきたいというふうに思います。

 やはり、災害対応というのは過去の積み重ねだと思うんですよね。今までも、例えば仮設住宅一つ取っても、東日本のときは、プレハブ仮設から長屋風の仮設にしてみんなで共同生活ができるようにしたり、集会所を設けたりという工夫をしてきたんです。熊本の地震のときは木造家屋も認めることになって、やはり少しでも快適に避難生活ができるようにしてきたんです。

 今回は、私有地にそういった仮設を造ってもいいですよということにしていただいて、いわゆる石川県のふるさと回帰型というわけでありますけれども、そしてここに、集会所にこういったコミュニティー機能も付加していくということで、少しずつこうやって支援体制も積み重ねでよくなっていくわけでございますので、是非、今回のこの措置を今後にも生かしていただきたいと思います。

 次、二番目に行きます。二次避難について質問したいと思います。

 今、仮設住宅も急ピッチで建設が進んでおります。今回の予備費でも六百七十八億円、建設費として手当てをしていただきました。最終的に、六千六百十戸必要とされておりまして、これを八月末までに完成させる計画だというふうに伺っています。

 今回の震災のもう一つの特徴は、孤立集落、これが多く発生したということなんです。これをどう解消するかということで行われたのが、二次避難という考え方なんですよね。これは今までコロナ禍でもあったんです。避難所の密を避けるために旅館、ホテルを活用するということで二次避難というものが導入をされていたんだけれども、今回の震災から、これを普通の災害に、感染症でない場面で活用したということで、私は大変大きく評価をしているわけです。

 発災直後は、二十四か所の集落で孤立が発生して、三千人を超える方が孤立をしてしまった。毎日そこに支援物資を届けるのがいいか、あるいはその集落ごと避難してもらうのがいいのかということで随分議論があったわけでありますけれども、最終的には、二次避難、特に石川県では、縦に長いわけですから、能登の先端で起こった災害ということで、割かし金沢以南の地域は日常生活が送れていて、特に、南加賀と言われるところは旅館、ホテルが大変多い場所でもあったので、そこを利用しようということで取り組んでいただいたわけなんです。これは大変よかったと思います。今まで大体三食つき七千円という基準も、これを一万円まで引き上げていただいた。これも二次避難を促進するためには大変よかったと思うんです。

 こうやってこれまでの経験の枠を超えてやっていくということが震災支援を加速化させていくということになっていくわけですから、私は是非今後ともこういう発想でやっていただきたいと思うんです。

 しかし、この二次避難なんですけれども、今本当に、仮設住宅とかみなし仮設に移って少しずつ解消されていっているんです。そうすると、旅館、ホテルが空いてきます。

 しかし、空いた部屋は、なかなかすぐにお客様に販売するということができないんですよ。やはり生活感がちょっと残っていたりとか、あるいは、できれば畳とか壁紙くらいはちょっと替えさせてほしいなというのが、旅館、ホテルのそういった避難者を受け入れていただいた方の要望がやはりあるわけなんですよね。

 一泊三食税込み一万円ということなので、これはやはり、旅館とかホテルの規模とかグレードにもよると思うんですけれども、大変厳しい条件で、本当に善意で受け入れていただいている状況に近いんだろう、このまま続ければ、恐らく経営としては赤字ということにもならざるを得ないんだろうと思うんです。

 特に、今この地域は、三月十六日に新幹線も来ました、そして観光客も受け入れたい、応援割も始まっていたということもあって、本当は観光客を受け入れたいんだけれども、そういう避難されている方がいる以上、やはりその方々にもいていただきたいということで、大変苦しい思いを経営者の方はされたんです。

 やはり善意で皆さん受け入れていただいて、徐々に今、仮設住宅ができ上がっている、みなし仮設に少しずつ移っている、少しずつ二次避難を利用する方も減ってきているということでございます。そのときはやはり、貸していただいた、二次避難に使った施設の皆さんには何とか畳や壁紙を入れ替えるような支援を是非してあげていただきたいな、そのように思うわけでありますけれども、政府の考え方をちょっとお伺いしたいと思います。

高橋(謙)政府参考人 お答えをいたします。

 今回の能登半島地震では、委員から御紹介もいただきましたように、二次避難の場合に用いられるホテル、旅館を避難所とする場合の利用額の基準につきまして、特例的に七千円から一万円に引き上げたところでございまして、部屋の使用後に行われる通常の室内クリーニング代については、その額の中に含まれているものと承知をしております。

 一方で、避難所として活用した建物の備品等の破損弁償費につきましては、避難所の設置、維持管理のための器物の使用謝金又は借り上げ費として支出して差し支えないとした運用をしているところでございます。

 委員御指摘の畳の張り替え等がこの破損弁償費の対象となるかにつきましては、当該破損が避難者の故意、過失とか、また、善管注意義務違反とか、また、その他通常の使用を超えるような使用による摩耗、毀損かとか、そうした個々の状況を踏まえて判断する必要があると考えているところでございます。

佐々木委員 それが今までの考え方なわけなんですよね。ですから、是非それを乗り越えていただきたいという御提案をしているので、まだ百六十以上の施設が使われているので、今はまだそういう段階にはないかも分かりませんけれども、徐々にこれから進んでいきますから、八月をめどにということも言っているわけでありますので、是非これからしっかり検討していただいて、実現できるように強くお願いをしておくわけでございますので、大臣も是非その辺の目配りをしていただきますようお願いをしたいと思います。

 もう時間が来ましたので、以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、日下正喜君。

日下委員 公明党の日下正喜です。

 四月十五日の石川県への委員派遣に参加させていただきました。ありがとうございました。

 一月一日の発災から三か月半が経過しての視察となりましたが、改めまして、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 視察を受けて、何点か質問させていただきます。

 まず、災害救助法に福祉を明記していただきたいという点でございます。

 我が党の山本香苗参議院議員も、三月十五日の予算委員会で、法律上の福祉の位置づけがいかに大切か、必要かを論じ、総理始め各大臣に明記を求めております。

 法律上、福祉の位置づけが明確でなければ、激甚化、頻発化する災害のたびに、高齢者や障害者などへの支援の範囲や、避難所に限るのか、在宅避難やそれ以外も含めていいのか等々、福祉支援をその都度解釈によって拡大し、運用しなければなりません。

 今回の視察で、石川県の馳知事からも同様の強い要望をいただきました。災害派遣福祉チーム、DWATについても、現行では避難所に対する支援はできるが、認知症で徘徊をされる方、精神障害や自閉症の方の中には集団避難ができない場合があり、あの凍えるような寒さの中で、在宅避難や車中泊、ビニールハウス等での避難生活を余儀なくされるケースもあります。そうした最も必要なところに福祉の手が入らない、入りづらい、また、事前の準備もできないということでした。

 これからも高齢化が進み、介護や援助を必要とする人も増加いたします。是非、災害救助法に福祉サービスの提供を規定し、災害時における要配慮者への福祉支援が災害救助の一つであることを明確化していただきたいと強く要望いたしますが、松村大臣の御所見を伺います。

松村国務大臣 委員御指摘の福祉につきましては、これは災害対応におきましては非常に重要な視点であると思っております。

 私どもも、発災直後から、関連死を防ぐという観点で、一次、一・五、二次避難と、こういう避難所を設け、そして、その中での避難者の方々の命を守る対策としていろいろなことをやってきたつもりでございます。その中でも、福祉の視点というのは本当に重要だと認識をいたしております。

 発災時には、委員御指摘のように、福祉避難所の設置や、避難所で福祉支援を行うDWAT、こういった派遣についても国庫負担の対象とするなど、支援を行ってきたところでございます。

 また、避難所外の避難者の方々、在宅での避難等を余儀なくされている要配慮者の方に対しましても、厚労省の事業などを活用いたしまして、介護支援専門員の方々に個別訪問を行っていただいて、必要な支援を行ってきたところでございます。こうした取組を厚労省といろいろと共有をいたしまして、手の届かないところへの対応を今日まで行っているところでございます。

 災害対応につきましては、やはり不断の見直しが必要であると考えておりますし、今回、災害について一連の振り返りを行っておりますが、四月十五日に開催をいたしました検証チームでの会議についても、避難所運営について、これを議題として議論をしていただいたところでもございます。

 今後の初動対応、また応急対応を強化するための措置については、順次取りまとめを行ってまいりますが、御指摘の福祉の観点も含めて、制度面や運用面での改善につなげてまいりたいと考えております。

日下委員 ありがとうございます。

 大臣今おっしゃられたように、関連死をいかに防いでいくか。やはり初期対応、初動が大切でございまして、それに備えた各自治体の準備ということもございますので、是非進めていただきますように、よろしくお願いします。

 今回は輪島市にも入らせていただきました。輪島朝市を始め能登の観光を支えてきた県内最大の水揚げを誇る輪島港には二百隻もの漁船がびっしり係留され、地盤の隆起によって船底が海底に当たり少し傾いている船も見られ、春たけなわの季節に全てが止まってしまっている寂しい光景でした。海女も含め約五百人の漁師さんが、輪島まで車で二、三時間離れた町に二次避難を余儀なくされており、現在は、日雇の土木のアルバイトや災害ごみの片づけ、藻場の潜水調査や作業、必死の生活を続けているとお聞きしました。

 輪島港の復旧工事や応急仮設住宅の建設現場なども視察させていただきましたが、しゅんせつや上下水道の復旧を行っているのは国交省、荷さばき場の再建や漁場の再開に向けては水産庁、住民や作業員の仮設住宅建設は内閣府等々、全てが関連し、どれ一つ欠けても漁業の再開はできないのですが、そういう視点でこれらをトータルでコントロールし督促する存在が見当たらない。だから、それぞれができるだけ早くという思いを持っていたとしても、共通の目的に向けて互いの課題や進捗状況の共有が不十分であることを感じました。

 他の港も被害を受けておりますので、あくまでも漁協や地元自治体の意向も踏まえてということになりますが、輪島港は極めて重要であると思います。いつまでにこうするという目標を示し、断固とした決意で、港、荷さばき場の整備、十分な仮設住宅の設置も含め、関係府省庁と地元自治体が一体となって復旧そして創造的復興を加速していただきたいと思いますが、松村大臣の御決意を伺いたいと思います。

松村国務大臣 現在、復旧復興に当たりましては、総理を本部長といたします復旧・復興支援本部におきまして、各府省の施策の進捗状況の確認であるとか施策の整合性の確認、こういったことを実施をいたしておりまして、緊密に連携をいたしまして、目標や課題、進捗状況等を共有しながら進めているところでございます。

 また、石川県においては、三月末に、同県の復旧・復興本部会議におきまして、創造的復興に向けたプランの骨子案が公表されました。現在、のと未来トークを開催されておりまして、これからの能登を町に住む当事者のみんなで考える取組を進めていらっしゃり、合意形成、あるいは、それぞれの御意見を丁寧に伺っておられると承知をいたしております。

 また、今回新たに、石川県におかれては、復旧・復興現地対策室を輪島に設けていただきまして、六市町に県庁職員を常駐させていただき、常時、市の現状や思いを把握いただいておるところでございます。そうした御地元の思いや要望は、現地対策本部を通じてそれぞれの各省が共有をいたしているところでもございます。

 引き続き、国といたしましては、復旧・復興支援本部を司令塔にいたしまして、総理の強いリーダーシップの下に、しっかりと御地元のニーズを伺いながら伴走支援をやってまいりたいと考えております。

日下委員 ありがとうございます。

 連携を進めていく上で大事なのは、目利きというか、やはり現地のことを知って、漁師、またそれに携わる皆様の意向をよく分かった上でそういったことを指揮監督する、そういうふうな立場の人が必要だと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に、輪島朝市の瓦れき処理、公費解体についてお聞きします。

 輪島市は、先ほど、漁業や輪島塗、そして観光が代表する産業で、それらが朝市通りで一つとなる、輪島の象徴的なエリアだと実感しました。全焼した朝市通りは焼け跡がそのままの姿で残っており、建物解体、瓦れき処理も全く手つかずの状態でした。輪島市長のお話ですと、公費解体に係る鉄骨建造物の標準単価の見積りが木造建物とは乖離があり難しいという話がございましたが、誰から見ても一面全焼で、罹災証明、個別解体の次元の話ではないと思います。

 こうした場合は面で捉えて、解体と瓦れき処理を公費で一体的に行い、まずは更地に整えること、市民はもとより、奥能登の象徴的エリアですので、一日も早く、希望を持って次を思い描ける形にすることだと思います。

 このエリアの公費解体について、先日、我が党の災害対策本部でも環境省に伺いましたが、地元自治体からの声も併せて、現在の検討状況について確認させていただきます。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 輪島市の朝市通り周辺区域につきましては、一般的な木造の住家ではなく、大規模な鉄骨造りの建物が複数棟所在しており、その解体費用の算出が公費による解体に向けた課題の一つと、私どもとしても受け止めております。

 こうした点も踏まえまして、環境省では、事業の実施主体となる輪島市に環境省職員等を派遣しており、現地の声を伺いながら、解体工事の迅速な実施に向け、契約事務等に関する技術的助言を行っております。例えば、大規模な鉄骨造りの建物の解体費用につきましては、標準的な単価によらず、建物ごとに見積りの取得等を行い算出できることの周知なども行っているところでございます。

 こうした技術的助言等も踏まえまして、輪島市では、朝市通り周辺区域における解体等に当たり、所有者の同意取得の早期化や解体工事の効率化等のために、解体等を一定の区画ごとに行うことを検討しており、五月の工事着手を目指して対応を進めているところでございます。

 引き続き、環境省としても、最大限支援に努めてまいりたいと考えております。

日下委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

 キリコ会館前に建設された仮設住宅も拝見しました。現地からは、仮設住宅の風呂が小さく高齢者には入るのが難しい、先ほど佐々木議員からもお話がございましたけれども、けがをされる危険もあり、また、高齢者の孤独、孤立、災害関連死を防ぐためにも、共同浴場や、お茶やちょっとした食事などができるサロンのような場所も是非設置していただきたいとのお声をいただきました。

 これまで、福祉サービスも含め、我が党からも強く訴えてきたところです。避難生活が長期化する中にあって、住民同士の日常的な何げないコミュニケーションが非常に重要になります。これから熱中症の季節、支え合いにもつながります。

 二十二日の予算委員会でも、我が党の赤羽議員に対して、福祉サービスや入浴サービスなど財政支援の調整も進めていく旨、武見大臣から答弁がございましたが、具体的にどのような取組となるのか、厚労省に伺います。

斎須政府参考人 お答え申し上げます。

 四月二十三日に閣議決定されました予備費を活用いたしまして、高齢者等に対する総合相談ですとかデイサービス機能を有するサポート拠点の設置に係る財政支援を行うこととしたところでございます。具体的には、総合相談ですとかあるいはデイサービスを提供するための相談室、浴室、食堂等の整備に係る費用を国が補助いたしまして、その設置に当たりましては、地域の実情に応じた柔軟な設置を可能としていきたいと考えております。

 引き続き、被災自治体としっかり連携して、地域の実情に応じた支援に取り組んでまいりたいと考えております。

日下委員 次に、これまで政府からのプッシュ型支援を実施してきたものが、三月下旬から、各市町からの申請方式に切り替わったとお聞きしております。市町で必要なものがあれば言ってきてくださいということでございますが、市町も手いっぱいで、要請を上げて、それによってまた手が塞がってしまうのではないかみたいな、そういうジレンマも抱えておられるのではないかというふうにも思います。

 何かあれば言ってきてねというのは、優しいようで、困難を抱える被災者や自治体をある意味突き放すというか、そういうようなことにもなるようにも私は感じます。どこまでも伴走型で、こちらから声をかける、季節の変わり目ですが必要な支援はないですか、これから暑くなりますのでシャワーの設置とか、これは足りていますか、応援職員は足りていますかと丁寧に聞くことが必要だと思いますので、その点の配慮も是非お願いしたいと思います。

 御所見を伺いたいと思います。

高橋(謙)政府参考人 お答えをいたします。

 被災地の物流の復旧状況等を踏まえ、県、市町とも協議の上、三月二十三日に、国によるプッシュ型支援から、県、市町において地元の業者等から支援物資の調達を行う方式に切り替えているところでございます。これは、被災地の物流も回復に向かう中、なりわい支援的な意味合いもあり、県、市町とも協議の上、県からの要請を受けて行ったものでございまして、その費用も、災害救助法に基づき国の負担で行っているものでございます。

 また、国の方からは、国がこれまで行ってきた調達先リスト、そうしたものを県にお渡ししているほか、県や市町が地元業者等から調達が困難である場合には、調達の支援を行うなどの協力も行うこととしているところでございます。

 また、被災市町村への避難所運営等の応援職員につきましては、現地のニーズに対応しつつ支援をいただいているところでございまして、今後も、総務省におきまして、積極的かつ丁寧にニーズを伺いながら、関係団体と調整し、応援職員の確保に努めるというふうに承知をしております。

日下委員 ありがとうございます。

 もう時間が来ましたので次の質問は割愛させていただきたいと思いますけれども、いまだに一次避難所に三千名程度の方が避難をされておりまして、これから暑くなってきますのでシャワー施設の設置を、これも是非検討を進めていただきたいというふうにお願い申し上げまして、私の質問とさせてもらいます。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、中島克仁君。

中島(克)委員 立憲民主党の中島克仁でございます。

 大変貴重な質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。

 私からも質問させていただきますが、先ほど、冒頭、委員長からも視察の報告、また委員からも質問もございましたが、私も十五日の委員派遣、視察には参加をさせていただきました。輪島、穴水町、そして石川県庁、限られた時間ではございましたが、馳知事とも意見交換もさせていただきましたので、その内容を踏まえて、また、予算委員会でも大臣には質問させていただきましたが、私は、発災から六日目に輪島に、能登空港、避難所を始め、医療支援に入らせていただきました。当時と、そして先日十五日にお伺いさせていただいた現状も踏まえて質問させていただきたいと思います。

 先ほど日下委員から御指摘がありました、馳知事、石川県からの重点項目、第一番目が、福祉サービスを災害救助法に明確に規定する、これは先ほど大臣が答弁されておりましたが、改善のために努力するということですが、これを明確に、災害救助法に福祉サービス、災害救助の一つであることを明確化するために規定していくということでよろしいですね。

松村国務大臣 先ほど日下委員の御質問にお答えをいたしましたが、福祉については非常に重要な視点だと思っております。その上で、今振り返りをやる中で、不断の見直し、検討をするように私からも今指示をしているところでございます。

 運用上では、いろいろな形で、先ほど申し上げたような国庫負担でできるような対策を取ってまいりましたし、厚労省とも連携をしたところでございます。その中で、今回の振り返りの中でしっかりと検証して対応してまいりたいと考えております。

中島(克)委員 確認なんですが、規定するために努力をすると。いつまでにやられますか。

松村国務大臣 これはいつまでというよりも、現在、振り返りを六月までにまとめるようにということでございまして、その先は、今後の災害対応、また、こうした地理的制約のある地域、こういったものも少し日本全国を見渡してみてアプローチをかける必要もあると思っておりますし、その中での福祉については、委員と同じく重要だと思っておりますので、今の段階でいつということはお答えにくいと思っております。

中島(克)委員 私は、すぐにでもやらないと、また同じ教訓を、福祉避難所の運用、在り方についてもそうなんですが、大臣御地元の熊本地震、災害関連死が直接死の約四倍、こういう状況を防いでいく。この福祉サービスというのは、例えば医療は、DMAT、これは規定されているわけですよね、医療は規定されている。なぜ福祉が、そんなに時間をかけて検討しなきゃ、振り返らなきゃいけないのか。私は遅いと思いますよ。

 馳知事は、なぜ福祉を規定しなければいけないかという問いに対しては、避難所もそうなんだけれども、自宅で避難されている方々に福祉、保健が行き届きやすくするためにも福祉を規定するという言い方をされておりましたが、私は、そもそも避難所での福祉ニーズ。

 私は、発災から六日目に、能登空港と、そしてビニールハウスの避難所、公民館を避難所にしているところも行きました。輪島高校の避難所はかなり大きかったです。そして、玄関先には物資はたくさんありました。食料も、様々な物資が積まれていました。しかし、避難している方はそれぞれの教室に避難をされていて、食事も、配食もされていませんでした。そして、DMATはたくさん来ていましたよ。私も実は現地でDMATに登録した医師として行ったんですけれども、大事な動線、食事を促してあげたりとか排せつを促してあげる、特に高齢化率が高い地域で、そういういわゆる福祉的なスタッフが圧倒的に足りなかった。

 これを規定することによって、DMATと同じように、DMATも阪神大震災をきっかけに全国的に、自治体、組織体制をしいて非常に迅速に。先ほども言ったように、DMATはたくさんいました。でも、福祉ニーズが非常に高い避難されている方々に対して、その福祉提供が、圧倒的に人材が足りないんです。

 先週、豊後水道で、愛媛、高知で震度六弱、本当にどきっとしますよね。これは、いつ何どき同じような震災、災害が起こるとも限らない。これは振り返っている場合じゃないんですよ。熊本も東日本大震災のときも同じようなことを繰り返しているわけですから、早急に、まずは災害救助法に福祉を規定するべき。すぐやっていただきたいと思います。すぐやってください。

松村国務大臣 委員と思いは同じくしているつもりでございます。

 私も、現在の復旧復興に当たりましては運用でできるようにしてございますし、やはり、この職に就いてみて、運用でできるからというような意識もあったやもしれません。しかし、今後、高齢化する我が国の中で、いつどこで発生するか分からない災害でございますので、できる限り速やかに検討してまいりたいと考えております。

中島(克)委員 もうこれ以上はあれですけれども。

 これは政府参考人に確認しますが、今言った災害救助法に福祉サービスが規定された場合、例えば今回の能登半島地震において一体どのような違いがあったと想定できるか。さらには福祉避難所、私は、福祉避難所の在り方そのものを抜本的に見直さないといかぬだろうなと。今回も、稼働率二割から三割。これは熊本地震のときもそうですよね。

 配慮が必要な方が福祉避難所に入れていない、こういう状況を、福祉サービスを災害救助法に規定することでどのような変化があるか、福祉避難所の在り方そのものもどう変わっていくと思われるか、お答えいただきたいと思います。

高橋(謙)政府参考人 お答えをいたします。

 大臣からもお答えをしたとおり、被災者の支援に当たりましては、災害救助法における福祉という文言の有無にかかわらず福祉的な配慮の視点も踏まえた支援を行っておりまして、福祉避難所あるいはDWATの派遣等について、国庫負担の対象として支援を行っているところでございます。

 委員御指摘の災害救助法に仮に規定された場合の効果でございますけれども、一概に述べることはなかなか困難でございますけれども、現在の災害救助法等におきましては避難所についての規定が置かれておるところでございますが、議員御指摘の福祉避難所の位置づけについても今後議論が必要となるというふうに考えております。

 以上でございます。

中島(克)委員 福祉避難所については予算委員会のときにも大臣には御質問させていただきましたが、今回も、協定、指定されている福祉避難所の大体二割ですよね。これは熊本地震のときもそうだったと思います。大体、毎回そうなんです。その理由は、そもそも福祉が、配慮が必要な方々、バリアフリーだったりしなきゃいけないので、ほぼ既存の介護施設とかが災害時に福祉避難所に置き換わる、しかし、当然ですが、被災地域にある介護施設ですから、自分たちの入所者支援でいっぱいいっぱいになっちゃう。こういう事情をもうずっと繰り返しているわけですよね。

 この福祉サービスを規定することで、なかなか想定するのは難しいというお答えでしたけれども、私の仲間が輪島で、ウミュードゥソラ、元々精神保健センターのようなところでしたけれども、外部から支援に入った、私の仲間もそうですが、そこで福祉避難所を開設するんです、新たに。地元に既存の介護施設ではなく、新たに支援に入られた方々で、配慮が必要な方々のための福祉避難所を開設したんです、新設。

 私、先ほどDMATをイメージすると言いましたが、DMATとほぼ同じタイミングで、DWAT、DCAT、それぞれありますけれども、この福祉支援チームをDMATと同時期に投入していかないと。

 今回の能登半島地震の最大の特徴は、やはり高齢者支援ですよ。平時の福祉サービスを災害が起きてすぐ再開できるように。そして、現在はもう四か月たっているわけですから、平時に受けていた福祉サービスを維持そして継続させていくのは私は政治の責任だと思いますから、そういう意味で、改めてでございますが、こういう福祉サービスを明確に、そしてもう一刻の猶予もなりませんよ、また同じような震災が起きた場合、同じことを繰り返す、是非、これを明確に、今国会中にやっていただきたい、そのことを申し上げます。

 先ほども言ったように、もう四か月が経過をしております。この能登半島地震は、寒冷災害、交通災害、そして避難所では既にノロ、コロナ、インフル、感染症災害も併発していた、更には地域の脆弱性という複合災害の様相を呈していることから、復旧復興にはやはり時間がかかるだろうなと、私、一月初旬に現地に入って、思いました。

 ここ一点、参考人に確認したいんですが、当初からそういう状況にあり、いわゆる災害関連死が増えるのではないかということが大変心配されていたと思います。能登半島地震における災害関連死された人の最新の数字、確認をさせていただきたいと思います。

高橋(謙)政府参考人 お答えをいたします。

 石川県の発表によりますと、震災後に災害による負傷の悪化又は身体的負担による疾病のため死亡したと思われる死者数でございますけれども、最新の四月二十三日現在で十五名とされているものと承知しております。

 以上でございます。

中島(克)委員 大臣、今のお答えいただいた数字、評価というか、どのようにお感じになられますか。

松村国務大臣 熊本地震の反省から、やはり発災当初から関連死については非常に注視をしてきましたし、その対策を練ってきたところでございます。

 今数字が出ましたけれども、いまだに私、まだ緊張感を持っておりまして、今、いろいろなものを評価する時期ではないな、引き続き、八月の、仮設住宅ができ上がり、そして、その仮設住宅の中でも注視が必要だろうと思っております。ですから、一概にお答えすることは、まだ評価の段階ではないかなと思っております。

 よかった点でいえば、やはり命を守る観点から、一・五次避難、二次避難所、こういったものの対策ができたこと、それから、元々一・五次避難所は、二次避難していただく間のいわゆるマッチングをやる時間、この準備がやはりなかなか整っておりませんでしたので、こういったところでの対応ということでやっておりました。

 ただ、ここで、高齢者の方であるとか障害者の方であるとか、こういった方々を優先的に避難をいただきましたので、ここに長期滞在される方々もいらっしゃった、この点はやはり少し見直すところがあるのかなと。その先の、本来であれば福祉避難所、先生がおっしゃったように、どこも満杯なので入れないとか、他県には行きたくないとか、こういう事情もございましたので、こういったものをやはり検証して対処していく必要があろうと思っております。

 引き続き、数字の議論よりも、注視をして対策を練ってまいりたいと思っております。

中島(克)委員 一・五次避難所については、後ほど、また質問させていただきたいと思うんですが。

 数字の評価、それはなかなか難しいと思います。大臣の地元の熊本地震のときは、直接死が五十人に対して関連死が四倍の二百十八人ということに対すると、一般に、災害関連死、やはり発災から三か月の間、リスクが高まると言われておりますから、今、能登半島地震から四か月がたとうとしている状況の中で、数字、単純には比較できないんですけれども、これはやはり、地元の医療、福祉関係者、行政、また、支援に入った様々な医療、福祉、保健に関わる方々の御尽力の成果もあるのだろうと思うわけであります。

 一方で、先日の視察で、輪島市の応急仮設住宅、輪島キリコ会館のところで、先ほど日下委員も御質問されておられましたが、担当者の方とお話をしました。地域の枠組みで仮設住宅に入居できる対応をされていて、非常に私、それは評価するべきところだろうなということの一方で、やはり、先ほど言った、災害関連死のリスクというのは発災から三か月が一つの節目になるんですが、今後、孤独死を含めた災害関連死が大変心配されるというふうにおっしゃっていました。そして、応急仮設住宅に入居された後、新たなコミュニティーの場を早急に設けて、特に孤独死を防ぐ対応が必要だということを申されておったわけであります。

 先ほどの日下委員の質問とかぶりますけれども、改めて、応急仮設住宅等の住環境の整備、応急施設内の地域コミュニティー拠点の整備及び運営支援の必要性について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

松村国務大臣 コミュニティー拠点につきましてはそれぞれに御質問がございまして、厚労省からもお答えがございましたけれども、何とか対応できないかということでいろいろと知恵を出してきたところでもございます。その中で、厚労省の事業の中で、今回、設けることができました。

 やはり、今回、高齢者の方が多うございますし、委員おっしゃるとおり、仮設に入られた後の孤独死、それから熱中症対策、こういったものも必要になってくると思っておりますので、熊本のときにはできなかったことを一つ対応ができたことでもありますし、決して過去こうだったから今回は駄目だというふうには思っておりません。何とか知恵を出して、現場のニーズにお応えできるような対応をやってまいりたいと考えております。

中島(克)委員 これも先ほどの福祉を規定するのと同じように、これは石川県からの要望の重点項目二番目ですから、二番目、これも災害救助法に、地域コミュニティー拠点の整備及び運営を第三条二項に明確に規定してほしいという明確な要望書があります。

 これも先ほどの福祉を四条一項に規定するのと同じように、迅速に、今国会中にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

松村国務大臣 先ほどの福祉の視点の中でのいわゆる運用上の問題であろうと思いますので、やはり福祉を議論する中でこういったものも検討してまいりたいと思っております。

中島(克)委員 これは間違いなく現地の声ですから、是非早急に対応していただきたいと思います。

 また、応急仮設住宅を運営されている先ほどの担当者の方は、仮設住宅、また地域コミュニティーの整備は、今言ったように今すぐでもやらなきゃいけない大事なことだという一方で、これは中長期で見た場合、最終的に、引き継いでもらえる地元の事業者など存続できているか、引き継ぐ場所が、事業所がない、そのことを大変心配されておられたんですね。

 これは参考人に確認、お尋ねしますが、被災した地域で高齢者福祉に関わる事業所が今後継続していけるか。これは復興に向けて大変重要な課題だと思うんですが、現在二次避難所に避難されている方の中で、高齢者の方が平時に受けていたデイサービスとか訪問介護、ショートステイ、訪問診療など在宅療養支援事業の存続は重要だと思いますが、それに向けた取組、また現状認識も含めて、お答えいただきたいと思います。

斎須政府参考人 お答え申し上げます。

 介護施設等におきましては、災害等の発生時には定員の超過利用を認めておりまして、特例的に介護報酬の減算を行わないということとしております。今回の能登半島地震においても同様の取扱いとしております。

 介護施設等に対する支援といたしましては、災害復旧に対する財政支援を行うこととしておりますほか、人手が不足している介護施設に対しましては、介護職員等のニーズを現場の自治体等を通じて丁寧に把握した上で、関係団体等と連携しまして、全国からの応援職員の派遣に取り組んでいるところでございます。

 加えまして、先日閣議決定いたしました予備費を活用いたしまして、福祉、介護人材の確保のための緊急対策といたしまして、割増し賃金ですとか手当など、事業の再開に伴うかかり増し経費の財政支援を行うこととしたところでございます。

 引き続き、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

中島(克)委員 何もやっていないと言うわけではないですが、それでは、ただでさえ日本全国、介護人材も足りないし、高齢化率が高い地域でこの災害があった後、事業を継続していくかどうか。これを機会にやめてしまう事業所、ありますよ。でも、この先、二次避難している方々が輪島やまた能登に帰ってくるためには、福祉サービスが再開されていなければ帰れないわけですから。

 そして、今おっしゃりましたように、この定員超過、減額しない特例措置、これは私も承知しておりますが、これは災害のたびに私御指摘をさせていただいています。先日は厚生労働委員会でも指摘をしました。

 これは、例えば三つあるショートステイ、デイサービス、そういう通所系、一個が再開した、二つは再開し切れていない、その場合、ニーズとして、その一つ再開した事業所が当然、一・五、十五人とか、定員が十人だった場合、超過するわけですよね。でも、例えば珠洲であれば水がまだ通っていない、大変な負荷がかかっている中で、その地元の皆さんの福祉ニーズに応えようとして再開している施設、それを減額しないだけ。

 大変な思いをして、十人超えて十五人だから、その分介護報酬が入ってくるからいいじゃないか、今の答えはそういうことになるわけですけれども、私は、そうではなくて、被災された土地で、苦労しながら何とかこの福祉サービス、介護サービスを存続しようとして努力している方、私もよく知っています。そういう方々に、ある意味、慰労金というか報奨金というか、そういった更なる上乗せの支援がなければ、輪島を含めて能登地域で介護施設の再開はままならないと私は思いますが、大臣、いかがでしょう。

松村国務大臣 今、厚労省から答弁もございましたが、先ほどの話に戻りますけれども、やはり、福祉という視点でどんなことができるのか、厚労省、武見大臣ともいろいろな検討を行ってまいる必要があるなと思っております。

中島(克)委員 先日、武見大臣はかなり前向きな御発言をされていました。これも日本全国そうかもしれませんけれども、そういう介護サービスが、福祉サービスが維持できなければ、新たな支援金、交付金でしたっけ、あれも高齢者住宅支援ですよね。前提として、政府また石川県は、高齢者率が高い地域に高齢者の方にまた戻ってきてもらいたいと思っているわけですよね。そうあるべきだと私も思いますけれども、だとすれば、平時に受けていた介護サービス、それも確実に担保していかなければ戻れませんから。

 決して、お金をくれないから介護事業を継続しないのではなくて、やはり使命感に燃えて、政府が、国がちゃんと我々のことを見ているよと、そういうことも含めて、私は、そういう意味から武見厚生労働大臣はかなり前向きな、厚生労働省はちょっと違うかもしれませんけれども、されておりましたので、是非、武見大臣と松村大臣、しっかり対応を協議をしていただきたいと思います。

 そして、一・五次避難所のことを先ほど話されておりましたが、先日、馳知事とも話をして、私は、一・五次避難所、あれは副知事の発案だったそうですけれども、迅速にああいう設置をしたのは大変評価できると思います。

 改めてですが、この一・五次避難所の評価、評価と言うとちょっと上から目線になってしまいますが、今後、災害が発生した場合、いろいろな地域でいかなる災害が発生するか分かりませんが、我が国の災害対策として、この一・五次避難所というのは、今後スタンダード化というか一般的になっていくものなのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松村国務大臣 一・五次避難所については、先ほど少しフライング的に答弁させていただきましたが、あのようにお答えしたとおりでございまして、元々は、命を守るために避難していただこう、そこでマッチングの必要があったわけですね。これは、やはり地元の方々が御近所さんと避難したいとか、そういうニーズに応えようということで。ただ、そのマッチングがやはりできていなかったというのは、これは一つ問題であったろうと思います。

 ですから、やはりしっかり想定をして、今後の課題とすれば、旅館やホテルと、こういったところへの避難所としての締結をやっておく、こういう準備をやっておくことは一つ必要じゃないかなと。そのことができていれば、一・五次避難所、災害に応じて、つくったりつくらなかったりという対応が必要かなと。

 でも、今回の対応は、石川県の発想で、非常にすばらしかったと思いますし、一つの例としては参考にさせていただきたいと思っております。

中島(克)委員 時間ですので質問を終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、近藤和也君。

近藤(和)委員 近藤和也でございます。よろしくお願いいたします。

 先日は、能登に委員の皆様で視察にお越しいただきまして、ありがとうございます。穴水町の避難所、プルート、ここは総理もお越しいただきましたし、そして天皇皇后両陛下もお越しいただいたということでございますが、私も、一、二、三日ですね、元旦の、その日にその避難所で暮らしておりました。

 実際には、百人ぐらいがせいぜいかなというところに三百人ぐらいいらっしゃって、そして、最新の耐震機能、町としても一番拠点になる避難所のはずなんですけれども、電気も来ないということで発電機を動かしていましたが、発電機の燃料がやはり心配でしたから暖房も使えないということでした。そして、ストーブも、当然、灯油のストーブもないという中で、大変寒い中でいました。

 皆さんも、委員長も入っていただいたと思いますが、入ったところに皆さん地べたに寝転がっていたということで、二日目になって、二階のところが何とか使えそうだということが分かりましたので、二階で間仕切りを何とか無理やり作って、そこに御高齢の方とお子さんをお持ちの方に上がっていただいて、全部で十六世帯なんですけれども。そして、一階で空いた部分を、無理やり皆様にお願いをして、そして、シートも、最初は、発災のときにはみんなが押し寄せるので、下にシートを敷くこともできないんですね、保管してあっても。それを敷くためには、皆様に、お願いですから場所を空けてくださいと。もう皆さんそれぞれの居場所を確保していますので、それも苦労いたしました。

 あとは、災害の拠点ですから、いろいろな物資はそろっているんですが、その鍵がどこにあるかは分かりませんでした。二人しか分かっていなかったんですね。ですから、いろいろなものをためておくのは大事なことなんですけれども、その鍵を誰が管理しておくか、複数人、ある程度、分かる人がいないといけないなということも学びました。

 今はボランティアセンターの拠点ともなっているということで、しかも、当然ながら、一階はもうきれいになっていますので、本当によくここまで復旧してくれたなというふうに思っています。

 そして、内閣府の皆様、松村大臣始め皆様には、本当に様々な御支援をいただきまして、感謝を申し上げます。

 最近では、一部解体、公費のですね、最初は縁切りのところからスタートいたしましたが、一部解体は、これは本当に皆様に喜んでいただいています。まだ実際の最前線では、できないということで行ったり来たりということもしているんですけれども、何とか押し問答の中で公費による一部解体ができるようになったということは、これは仮設に入らなくても済みますから、大変大きかったというふうに思います。

 大臣と最初やり取りさせていただいた、何かボックスを置けないかということ。無料ということでは残念ながらできなかったですが、今、有償ということで、それぞれの事業者の方が入っていただいて、仮設に入る若しくは住居を何か狭いところに移るときに、壊れたところから大事なものを移すということも、これも進みました。ありがたいことです。

 また、公費解体などをしていくときに、当初は、家財を出さなければ解体できないという認識になっていました。ただ、危ない家に御高齢の方は入れません、そしてボランティアの方も入れません。結果として解体が進まないんじゃないかということがあったんですけれども、ただ、これも、認識の違いがあったようで、家財を取り出せないところは公費解体できますよということで、これで一気に解体が進むようになってきます。

 ただ、今後は所有者の確定をどうするのかといったところがまだネックになりますので、もうちょっと柔軟にできるようになればいいなと思っています。

 そして、今日は、昨日、今日なんですけれども、穴水町と珠洲市の中学生が修学旅行に来ています。本当によく来てくれたなというふうに思います。特に、珠洲市の中学生は、とはいいましても、仮設住宅からまだ通っているとか、あと、自分の小中学校、統合しているんですけれども、そこから学校に行っているという子供たちもいますので、まだ珠洲市では約半分の御家庭が水が来ていないということでもございますので、何とか皆様にお力添えをいただければと思います。

 そのところでも、皆さんが何とか前を向いていこうというときであるんですけれども、今日は財務省から赤澤副大臣にお越しいただきました。厳しくちょっと言わざるを得ないんですけれども、四月九日の日に、財政制度分科会で能登半島地震の復旧復興についての議論もございました。

 財務省の資料の中に、「今後の復旧・復興にあたっては、過去の災害における事例も教訓に、被災地の多くが人口減少局面にある中、将来の需要減少や、維持管理コストも念頭に置きながら、住民の方々の意向を踏まえつつ、集約的なまちづくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要ではないか。」、こういった文言があり、そのような説明もあったと伺っています。

 今、ようやく皆さんが、この苦しい中で、家も傷つき、地域も傷つき、心も傷ついてきている中で、復旧、進んでいこうという中で、人口が減っているから、また様々なコストも考えていかなきゃいけない、これは、あなたたちの腰を折る、しっかり応援していかないというメッセージになってしまっていると思います。

 財務副大臣、この復旧復興の意欲をそぎかねないということになると思いますが、いかがでしょうか。

赤澤副大臣 今、委員の冒頭からの被災地に本当に心を寄せておられるお話を拝聴しておりました。私どもも全く同じ気持ちでありまして、二月十六日の能登半島地震復旧・復興本部第二回で、岸田総理が明確に、「予算の制約により震災対応をちゅうちょすることなく、」ということをはっきり申し上げ、私ども、その本当に基本的な方針に基づいて対応してきているつもりでございます。

 四月九日の御指摘の財政制度等審議会の分科会では、能登半島地震からの復旧復興に当たっては、住民の方々の意向を踏まえつつ、今後のまちづくりの在り方について十分に検討する必要があるのではないかといった議論があったと承知をしております。被災地の復旧復興については、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることのないよう、被災自治体と密接に連携しつつ、政府を挙げて全力で取り組む方針ということでございます。四月二十三日には、御案内のとおり、第四弾となる予備費として総額千三百八十九億円の使用を決定したところでもあります。

 今後とも、被災地の声にしっかりと寄り添いながら、被災地の復旧復興をバックアップしてまいります。

近藤(和)委員 その会議のときの資料の右下の方には、過去の災害における事例ということで、東日本大震災後の土地区画整理事業により整備した土地の利用状況の資料がついているんです。それは、a地区、b地区、四地区ありながら、一つは活用状況が〇%とか、三三%とか四三%とか、被災三県全体で七四%ということで、さも無駄な投資があったかのような、そういう資料になっているんです、副大臣。

 私は、せめて、予算を幾らつけるとかということは十分分かりますけれども、やはり政府の方に、ごめんなさいのちょっと気持ちを、そういう意図はなかったけれども、そのような気持ちを少しでも与えてしまったことは申し訳なかったという私は言葉が欲しいと思うんですが、いかがでしょうか。

赤澤副大臣 冒頭申し上げましたとおり、私どもの方針は、総理も復興本部で明らかにしたとおり、財政の制約、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることのないようにということを明確に申し上げて対応しておりますので、その点で、不安を与えるようなことがあったなら私どもの本意ではないということははっきり申し上げておきたいと思います。

近藤(和)委員 本意ではないという言葉は、ないよりはましですけれども、できればもっと温かい言葉が欲しかったなと思います。

 私たちの田舎は、いずれある程度里に下りなきゃいけない、政治の責任として、住みやすいところに住んでくださいと言わなければいけないと私は思っています。誰かが言わなきゃいけないと思っています。地域のみんなも薄々思っています。でも、よその人に言われたくないんですよ。しかも、災害を機に、コストだとか東日本大震災の例だとか言われたら、それは心折れますよ。

 この点、赤澤副大臣も地方ですから、十分その気持ちは分かっていただけていると思いますが、大臣、いかがでしょうか。私の気持ちを受けて。

松村国務大臣 赤澤副大臣から御答弁がございましたけれども、議論については承知をいたしておりますが、政府といたしましては、私どもといたしましては、総理の指揮の下に、能登半島地震の被災地の方々に寄り添い、一ミリもずれることなく、しっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。

近藤(和)委員 一ミリもずれることなくということで、ありがとうございます。

 赤澤副大臣、ありがとうございます。

 それでは、次の質問に参ります。

 今、上下水道の復旧が問題になってきております。ある程度水が来るようにはなったんですけれども、敷地内では、宅地内では、やはり、水が来たと聞いても、ひねったら水が出てこないとか、下水がまだだから使えないとか、宅地内の工事が大問題になってきています。

 今、本線のところは事業者が全国各地から来ていただいていることは分かるんですが、宅地内のところでは、正直、石川県内の事業者だけでは足りないと思います。ただ、この点については、他県の方々に来ていただくには、交通費だとか移動費だとか、そういったコスト面が更に上乗せされてしまいます。

 国土交通省に聞きましたら、こういった支援策はないというふうにも聞きましたし、内閣府に確認をしましたら、応急修理制度はあるけれども、地元の人と遠方から来ていただいた方の差額を応急修理制度で何とかできないかということも聞きましたら、やはりやりようがないということですし、応急修理制度の金額も、そもそもが上限七十数万ですから、家が一部損壊の方でも一千万近く修理にかかる方がいらっしゃるんですね。応急修理制度の中でも、やはり厳しいのではないかなと考えています。

 そこでなんですけれども、今、総理が、二十三日の復旧・復興支援本部の会合の中で、六月をめどに復興基金を設置するよう指示をしたということが報道にございました。この復興基金こそ、今の制度内で、多分、どなたが考えてみても、宅地内の修理を、他県から来ていただくことの支援をしていただいて、早く家に戻っていただいて、水、トイレ、お風呂が使えるようにしてあげたいとみんな思っていただいていると思います。この制度の漏れ落ちたところこそ、国の制度の抜け落ちたところこそ、復興基金の役割だと思います。

 そして、そこで、石川県から、総務省に対して、宅地内の上下水道の配管の修理をするときに支援をしたいということを、石川県がこの復興基金で使いたいというときに、いや、それは駄目ですよということがないように、これは一例ですけれども、もしそういったお願いがあったら否定をしないようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。

馬場副大臣 委員御承知のことでありますけれども、復興基金については、極めて大きな災害が発生して、復興に相当の期間を要すると見込まれ、各年度の措置では対応が難しい場合に、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間の事業について対応する例外的な措置として実施するものであります。

 御紹介いただいたところでありますけれども、その上で、復興基金については、四月二十三日の能登半島地震復旧・復興支援本部で総理がお示ししましたように、地方議会の日程等を踏まえ、六月をめどに設置できるよう取組を進めることとしております。

 過去の復興基金では、具体にどのような事業に活用するのかについては、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間の事業について対応するものであるという趣旨や、地域の実情等を踏まえ、設置団体において判断してきたところでありますので、過去の取扱いを含めて検討を進めていきたいと存じます。

近藤(和)委員 明らかに制度の隙間ですし、地域の実情で間違いなくニーズがあります。これで被災地の方々の日常が一日も早く戻りますので、いい答弁だというふうに思います。ありがたく感謝をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、掘井健智君。

掘井委員 日本維新の会・教育無償化を実現する共同会派の掘井でございます。

 先日、石川県に派遣委員として視察に行ってまいりました。

 一・五次避難所のことでお伺いします。

 この一・五次避難所は、一月にいしかわ総合スポーツセンターで開設をされました。一・五次避難所は、高齢者や障害のある方、また妊婦、乳幼児など特に配慮が必要な方々がホテルなどの二次避難所に移るまでの一時的な受入先でありますが、健康管理のために医療、福祉のスタッフを配置して、今回、約二百五十のテントを設置するということであったり、できるだけ本当に落ち着いた、日常と極力変わらない、そういった環境が確保できたことは、やはり災害関連死を防止できたのではないかな、このように思っております。

 この一・五次避難所を成功モデルとして、やはり全国的に横展開していく、整えていく必要があると考えております。

 初めて実施された一・五次避難所への、まず評価についてお伺いしたいと思います。また、今後全国展開するにおいて、これからかも分かりませんけれども、今の時点で把握している課題についてお伺いしたいと思います。特に、人口が多い都市部、人口密度が高いところは非常に設置しにくい、いろいろな課題があると思うんですけれども、ふだんから準備をよくしておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

松村国務大臣 今回の災害対応におきましては、御指摘のとおり一・五次避難所を開設したわけですが、これはやはり、災害関連死をなくす、命と健康を守るための方策として二次避難が必要だ、こんな発想からでございました。

 その中で、先ほども申し上げましたが、高齢者の方であるとか、障害者の方であるとか、妊婦の方々であるとか、こういった方々を優先をいたしまして、一・五次避難所、マッチングを行う間の期間と思っておりましたが、ここが一つ、滞在を長くされる方が増えてしまった。これは途中で武見厚労大臣とお話をいたしまして、大臣にも視察をいただいて、ここに診療所をつくったり介護士の方々を入れたりして、対応をしてきたところでもございます。

 そういう意味では、今後、横展開という意味でございますが、基本はやはり二次避難所にすんなり移行できるような、備えておくことが必要かな、そう考えますと、旅館やホテルとの協力体制の構築であるとか、そういうものを住民の方々に周知して、こういう災害の場合はこういう二次避難をというような目安を示すとか、こういった準備も一つ必要ではなかったかなというふうに振り返っているところでございます。

 いずれにいたしましても、一・五次避難所は非常に石川県の皆様方が工夫を凝らして知恵を出していただいた対策だと思い、それぞれの災害に対して、一つの好事例だと考えております。

掘井委員 確かに、二次避難所で、まず生活していくということが大事でありますので、それまでの期間という、この移行がなかなか難しいのかな、そのように思っております。

 次の質問です。福祉サービス、介護を含む、災害救助法上の位置づけについて質問します。

 この一・五次避難所での福祉サービスは高く評価されております。しかし、石川県の要望には、災害救助法に福祉サービスが明記されていないために、様々な制度の運用において支障が生じたと記載されておりました。

 先ほど日下委員からも、災害における福祉の重要性の質問がありまして、確かに、やはり災害救助法の下でも、支援活動には一定の福祉のサービスが含まれて、御答弁にもありましたように、福祉に資する内容も国庫負担の対象であるということでありました。

 これから振り返りながら制度運用を検討していくというお話を伺いましたけれども、石川県の要望にあったということは、やはり積極的な展開がしにくいんだろうと想像するんです。法律で位置づけるということで、より包括的な支援が期待できるのかな、そんなふうにも考えます。

 そこで、災害救助法第四条第一項に福祉サービスの提供を規定して、福祉サービスが災害救助の一つであるということを明確にすべきではないかと思いますけれども、御所見を伺います。

松村国務大臣 福祉の視点、これは重要だと申し上げてきたところでございます。それぞれに御質問いただいて、今回は発災直後からこの福祉の視点は、いろいろな場所で、各委員会で御質問いただき、共有をしてきたところでございます。

 対応につきましては、国庫補助でしっかりと対応してきたところでございますが、私どもとすれば福祉も入っているイメージで対応をやってまいりましたが、やはり、現場の運用の方々にとっては、今御指摘の、明記してあるかないかで対応が違ってくる、こんな認識の違いもあったのかなというふうに改めて感じております。

 いずれにしましても、不断の見直しの中で、命を守る方策の一つはやはり福祉の充実であろうとも思っておりますので、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

掘井委員 ありがとうございます。また、積極的な議論をお願いしたいと思います。

 次の質問です。災害対策基本法、災害救助法上の基礎自治体の役割について質問いたします。

 災害対策基本法や災害救助法では、避難所の開設などは市区町村の役目と定めておりまして、避難所における生活環境の備蓄は、これは努力義務になっております。ですが、市区町村は、備蓄に充てる予算が非常に乏しいわけであります。災害経験がない職員が対応せざるを得ない、こんな問題を抱えておったりします。

 また、南海トラフなどの巨大地震で甚大な被害が想定されます市区町村の二割超に防災専従の職員がいないという報道がありました。三十六都道府県二百三十四市町村で配置ゼロとの報道であったんです。非常に危機感を覚えるわけであります。防災担当職員の業務は、発災時は災害対策本部の運営や避難所の開設など初動対応の司令塔となっていくわけでありますけれども、しかし、専従職員がいない自治体では、例えば総務課の職員らが防災対策を兼務する、そういった配備が手薄な状況であった、そんな報告がなされておったんです。

 国には応援派遣制度があって、災害時にある程度の補完体制を整えておりますけれども、財政難や人手不足のために防災専従の職員の配置がゼロの市区町村があることについての御認識をまずちょっと伺いたいと思います。そして、全国知事会からの、避難誘導や避難所を開設、運営する市町村の財政負担を軽減するための仕組みをもっと充実させてほしい、こういう要望がありましたけれども、こういったことに対しての御所見を伺いたいと思います。

小谷政府参考人 発災時において、住民の生命を守るため、様々な応急対策を実施する市町村の責務は極めて重要であり、各市町村においては、そのための人員確保等、防災体制を強化することが求められております。

 委員御指摘のとおり、防災専従職員がいない、あるいは、いても極めて少ない市町村は、災害対応力に課題を有していると認識しております。

 このため、消防庁では、職員の配置が進むよう、研修や講演等の場で、直接市町村長などに要請を行うなどしております。また、市町村長や市町村職員の災害危機管理能力の向上を図るため、市町村長を対象とした全国防災・危機管理トップセミナーの開催や、市町村長の災害時の対応能力向上を図るためのマンツーマン研修の実施、市町村職員向け研修の実施、災害対応事例集の作成、小規模市町村の訓練支援などを行っております。また、御指摘ありましたような応援についての仕組みづくりなども行っているところでございます。

 引き続き、このような取組を通じて、市町村の災害対応力の強化を図ってまいります。

掘井委員 伴走型支援でありますとか、後ろから応援するのはありがたいんですけれども、財政難ですよね、問題は。

 もちろん、災害救助法では、基本は自治体でやりますけれども、大規模な場合は、国と協議して支援するという形、財政的に支援する形でありますけれども、やはり、命が、市町村に任せるという発想じゃなしに、もう最初から国が積極的にやっていくという、この姿勢が欲しいなと思います。またこれから議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次の質問です。ボランティアの有効活用について質問いたします。

 今年四月の三日、台湾東部が被災しました。NGOと連絡体制が整備されており、災害対応が早かったと伺います。ちょっとこれは特殊な例であったということも聞きますけれども。台湾の避難所開設を見ますと、市民や民間団体がもう初動から協力している様子がうかがえて、非常に迅速かつ円滑に運営が行われているという報道もありました。

 日本では、避難所は行政が担うもの、そういう考え方が根強くて、過度な期待もあります。災害時対応を改善していくためには、防災計画策定や訓練、また、平時からの、市民や支援団体と行政がやはり互いに顔が見える関係を築いて、信頼を醸成する取組も必要だと考えております。

 また、私の地元の兵庫県には、阪神・淡路大震災を経験しておりますものでありますから、非常に関心の高い企業もあって、災害ボランティアのプロと名のるような会社、団体があるんです。企業や地域団体を活用して、民間の力を平素からかりるべきだと思うんですね。そうやって、地域団体とかそういうボランティア団体を事前に登録しておく、こんな仕組みも必要かなと思ったりします。

 さらに、二月の理事懇談会でも訴えましたけれども、南海トラフ地震などでは圧倒的に災害支援者が不足していくために、イタリアの数百万人規模の職能支援者のような仕組みが早急に必要ではないか、こう御指摘しました。

 災害医療チーム、これはDMATといいますけれども、これ以外の職能へもっともっと普及させるべきだと思うんです。そして、支援者の力を最大に生かしまして、多様な担い手とともに全国ネットワークを築くための組織として、今、JVOADが、昨年、創設されたと聞きます。非常にこれはいい仕組みかなと思っております。

 まずはこういったことの第一歩であると評価したいと思いますが、JVOADが今回の能登半島の地震で果たしている機能、それと、今後の課題があれば教えていただきたいと思います。

高橋(謙)政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、災害時に専門的なスキルや知見を有するNPO団体等の民間団体との連携は大変重要だというふうに認識しております。

 また、委員から御指摘をいただきました、全国域の災害中間支援組織であるJVOADでございますけれども、発災直後から石川県庁に入っていただきまして、各地のニーズと、あとNPO、専門的なNPO団体とそれをつなぐというような役割を果たしていただいておりまして、専門的なNPOが奥能登六市町を中心に活動していただく際のハブとなって、調整を行っていただいているところでございます。

 引き続き、こうしたJVOAD、また県、市町としっかり連携をして、私どもとしても被災地の復興に全力で取り組んでいきたいと考えております。

掘井委員 本当に期待するところであります。

 次の質問です。地震保険について質問します。

 地震保険について、四日のこの委員会で、大臣は、更なる普及は必要と答弁されておりました。ほかの地震が多い国、また地域では、地震保険の加入に強制力を働かせていると聞きます。台湾は火災保険の締結時に自動的に入るようにして、トルコも公的な建物や村落を除く都市部などで義務化しているということを伺います。また、ニュージーランドでは火災保険に強制附帯となっておるということであります。

 ただ、「強制にわたることのないよう」との一九八〇年の附帯決議がありまして、健康保険のような国民皆保険はなかなか難しいようであります。未加入の理由は、免震、耐震に優れたマンションへの入居、また、地震が少ない地域もあります、そういった住民であるということから保険料が高い、こういうことがネックにもなります。

 単なる広報、PRだけではなくて、税制上の優遇のほか、個人の加入に対するインセンティブ、こういったものをもっと強くすべきであると思っておりますが、御所見を伺いたいと思います。

高橋(秀)政府参考人 お答え申し上げます。

 地震保険についてでございますが、これは、個人の選択の自由等の観点から、我が国におきましては、強制加入ではなく、加入するか否かは個人の判断により選択可能な方式とされております。

 また、委員御指摘のように、昭和五十五年の衆議院及び参議院の当時の大蔵委員会におきまして、地震保険に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議におきましても、契約者の意思を尊重し、地震保険への加入は強制にわたることのないようという御指摘をいただいているところでございます。

 政府といたしましても、地震保険による損失への備えに係る国民の自助努力を支援いたしますため、従来の損害保険料控除を改組する形で、平成十八年度税制改正におきまして地震保険料の控除を創設しておりまして、そういった政策と併せまして、日本損害保険協会などの関係団体と連携しつつ、国民への周知や加入促進に取り組んできているところでございます。

 その上で、国民の皆様に対しまして更に地震保険への加入を促していくということが重要というふうに考えておりまして、具体的には、財務省といたしまして、先ほどの日本損害保険協会等と連携した加入促進活動の継続に加えまして、ウェブサイト、SNS及び政府広報、広報誌等を利用した広報活動を実施いたしますとともに、今般、金融機関等に対しまして、住宅ローン利用者へ地震等の自然災害リスクを適切に説明いただくことを通じた加入促進への協力を要請したところでございます。

 今後とも、地震保険制度の更なる周知徹底と加入促進に努めてまいる所存でございます。

掘井委員 やはり、これだけ地震が多発しております。また、南海トラフ地震も予見されている以上、一九八〇年の附帯決議の立法事実はやはり変わってきたのではないのかなと思ったりします。

 例えば、健康保険のような地震保険の国民皆保険も、こんなことも検討できるのかなと思ったりします。昔、一九六四年、新潟地震の際に、田中角栄大蔵大臣が主導して創設したわけでありますけれども、やはり政治家の情熱とか熱意も必要であるのかな、そんなふうに思っております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 能登半島地震の発災から、もうすぐ四か月がたとうとしています。いまだに自宅で水道が使えない被災者への支援について質問します。

 国土交通省によりますと、石川県内の断水戸数は、四月二十三日現在で、輪島市、珠洲市、能登町の合計で四千五百七十戸、その他の自治体では断水は全て解消されたとしています。

 しかし、断水解消とか復旧済みというのは、家の外に布設してある水道管が通水したということであって、自宅敷地内の給水管が破損して、蛇口をひねっても水が出ない被災者はたくさんいるわけであります。

 資料をお配りしています。下の図を御覧ください。国交省の水道管と自宅内の給水管の図解でありますけれども、この復旧事業について、自宅の敷地の内と外で費用負担というのはどうなっているんでしょうか、説明をしてください。あわせて、自宅敷地内の配水管損傷で水が出ない、そういう住家戸数はどのぐらいに上っているのか、把握されているのか、答弁をお願いします。

松原政府参考人 お答えいたします。

 まず、最初の方のお尋ねでございます。

 今回の能登半島地震の被害の大きさに鑑み、水道の復旧を迅速に行うため、各家庭の私有財産である給水管のうち、水道本管から各家庭の水道メーターの手前の元栓までの区間については、水道本管の災害復旧工事と併せて復旧を行う場合、その修繕費用について国庫補助の対象に追加したところでございます。

 それから、家の中の水が使えるかどうかという点でございます。

 先ほど委員御指摘のとおり、水道の復旧状況については、四月二十三日時点で、石川県内では、断水、九六%解消されておりますが、私どもでは、宅内まで含めた断水の解消状況については把握をしておりません。

田村(貴)委員 資料にありますように、そもそも断水戸数は、今も続く輪島市、珠洲市、能登町の三市町で最大二万二千四百戸、その他十三市町九万二十戸を足せば、十一万二千四百二十戸が断水したんですね、これまで。ですから、多くの宅地内の給水施設が破損していると考える方が自然であります。

 四月十六日、石川県の災害対策本部会議でも、輪島市の坂口市長は、水道の通水率は八七%まで来た、相変わらず宅地の配水管の復旧には苦戦しているというふうに述べています。相当数の被災者が、水が出なくて苦しんでいるんです。これは、状況をまず把握すべきですよ。自治体と協力して把握してください。

 それから、先ほど答弁がありました、能登半島地震による災害に係る水道施設等の災害復旧費補助金交付要綱でも、交付の対象を、給水の施設のうち、配水管から分岐して最初の止水栓の部分までとしています。この図にありますように、自宅、私有財産と言われましたけれども、自宅の敷地内の第一止水栓までは公費の補助の対象としたんです。

 でも、何で最初の止水栓までとしているんですか。既に個人財産の中まで対象にしているのだから、蛇口までとしてもいいのではないでしょうか。たくさんの被災者が出ているわけです。

 水道メーターまで工事した業者が、その先の宅地内の配管の破損箇所も引き続き工事することは技術的に可能だと言うんです。ですから、公費部分の工事をした業者さんが敷地内の工事もやれると言っているわけですね。そうした方が合理的じゃないですか、一回で終わるんだから。何かしなければいけません。

 そこで、宅地内断水で本当に困っておられる方の問題点について具体的に聞いてまいります。

 一つは、工事業者が絶対的に足りないという問題です。

 輪島市の女性は、水が出ると聞いて避難先から戻ってきました。しかし、敷地内の配管が壊れていると言われて、業者に修理を頼んだら、百軒以上が順番待ちということで、二か月かかるというんですよ。四月には断水解除だというふうに言われていたんだけれども、いや、この先まだ二か月もかかる、百軒待ちだ。こうしたことが新聞でも報道されています。

 それから、珠洲市の男性は、業者も忙しくて、とても頼める状況にない。市の指定業者は、どこで水が漏れているか、地中を掘り返して探す必要があり、時間がかかる。

 宅地内の断水を調べると思ったら、土を掘り返さないかぬところもあるわけです、これは時間がかかるんです。だから、人手も要るし、時間もかかる。これを解決するためには、後で大臣にも聞きますけれども、やはりマンパワーの確保であります。修理業者を増やさないと、いつまでたっても水が使えない状況にあります。自治体の指定工事店では足りないのだから、市町を越えて、そして県を越えて、手当もしっかりつけて、修理をする業者さんに能登に来てもらう、これが必要です。

 昨日は、参議院の予算委員会で岸田首相が、県外の支援も必要な対応を検討していきたいという答弁があったんです。これは急いで工事の担い手を確保する必要があると思います。国交省、いかがですか。

松原政府参考人 お答えいたします。

 現在の取組でございますが、国土交通省においては、石川県などと調整の上、宅内配管の修繕対応が可能な県内の配管工事業者の情報について電話調査を実施し、その結果をリスト化して石川県に提供しております。このリストが石川県のホームページなどに掲載をされ、住民に情報提供されているところでございます。

 国土交通省といたしましては、水道の復旧等の状況を踏まえ、地元市町の意向を尊重しつつ、県と連携し、県外の工事業者をリストに追加することも含め、引き続き、宅内配管工事の加速に向けて取り組んでまいります。

田村(貴)委員 松村大臣、昨日は岸田総理からも答弁がありました。大臣はいかがでしょうか。

松村国務大臣 熊本地震のときもそうでございましたが、このフェーズが来ることは予測をいたしておりました。したがいまして、いろいろと準備を進めてきたところでもございます。

 御指摘のように、水道への被害は甚大であると認識をいたしておりますし、宅内配管の修繕に対応可能な事業者をやはり確保することが必要である。県ともこういう情報は共有をいたしておりまして、知事とも、この問題には共通で、直接お電話をして共有しているところでございます。

 そのためには、やはり、支援者の方々の宿泊施設、こういったものを整備する必要があるという問題があろうと思っております。こういった確保にも今取り組んでいるところでございます。

 また、国交省が支援をいたして、奥能登の四市町の指定工事事業者に加えまして、県管工事組合を通じて、市町外の工事事業者を含め、対応可能な事業者を確認していると承知しておりますので、先生御指摘の部分についての対応、少し知恵を出す必要があると私は思っております。

田村(貴)委員 しっかり知恵を出して、迅速に進めていただきたいと思います。水が使えないのは、個々の住宅の被災者じゃないんですよね、学校の水道が出なくて給水車の水を使っているところもあります。急いでください。

 もう一つは、修理費用の問題です。地上の配管で、個人の修理代金が数万円かかると言われています。地下の配管なら十万円以上かかるとも言われています。掘り返すところが大きくなれば、もっとお金がかかってまいります。これらは全部自己負担です。

 お金がなくては、修理を諦めざるを得ません。こうした被災者はどうすればいいんでしょうか。いつまでたっても、お金がない人はペットボトルで水をくみに行かなければならないんでしょうか。国交省、いかがですか。

松原政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省といたしましては、水道の復旧を早くするということに尽きるかと思っております。しっかり取り組んでまいりたいと思います。

田村(貴)委員 いや、復旧するにも、自己負担が厳しくて工事業者さんに頼むことができないという人たちのことを聞いているわけです。

 こうしたときに、災害救助法による応急修理代金があるじゃないかという話もあります。確かにそれは使えます。ただ、その対象は準半壊以上であります。一部損壊の人は、自宅内の給水施設が破損していたときに応急修理代は出ないわけです。その一部損壊世帯というのは、石川県内で五万三千四百十九棟にも相当しています。相当の被災者がこの水道の復旧負担で苦しんでいるのは想像に難くないと思います。

 そして、準半壊以上で三十四万三千円、そして半壊以上で最大七十万六千円までの応急修理代が出たとしても、水道施設まで回らないという事情もあるし、壁とか屋根とか、そうしたところを先に優先的にやれば、その他の修理に補助が使えないといったやはり限界点もあるわけです。

 そこで、松村大臣に、提案も含めて質問したいと思います。

 自宅の水道復旧に新たな支援が必要ではないかと思います。先ほど近藤議員からも質問がありました。さきに述べた、水道復旧工事の対象を自宅の蛇口までとする、こうしたやり方、是非検討してください。それができないのであれば、被災者生活再建支援制度、この支援金の拡充、あるいは応急修理代の対象と額を思い切って拡大する、あるいは別途工事費用に対する支援金を創設していく、そして、このことも含めて、復興基金をつくる、これは大事だというふうに思います。

 水が出なければ、復興も再建もあり得ません。政府として、是非、新たな支援策、検討を含めてやっていただきたいと思います。

 大臣、ちょっと代表してお考えを聞かせてください。

松村国務大臣 宅内の配管の修理というのは、非常に重要な問題であると思っております。

 先ほど近藤委員からも、基金の運用を柔軟にというような御指摘もございました。軽々なことは申し上げられませんが、私といたしましても、いろいろな検討、工夫が必要だろうという認識がありますので、県とも問題を共有いたしまして、何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 私たちは、水があることが当たり前の生活を送っています。ただ、被災地においても、日に日に気温が上がって、洗濯の回数も増えますよね。風呂もシャワーも毎日使いたい。食中毒予防から、食器とか食品の洗い物もしっかりしたい。当然であります。

 蛇口から水が出る当たり前の生活を取り戻す、そこに政府がちゃんと支援をしてこそ、真っ当な災害対策と言えるのではないでしょうか。

 水は、命に関わる大事なものです。全ての復旧復興の大前提です。被災者の苦難を一日も早く解決していただきたい。そのために対策を急いで進めてください。

 最後に、高齢者の見守り事業についてお伺いします。

 珠洲市から聞いた話なんですけれども、避難所から仮設住宅に移った、でも、その地域の仮設住宅は別の地域からの避難者の方がほとんどであって、当該地の避難所から仮設に入った人はみんなばらけてしまっている、知らない人ばかりだ、高齢者が多い。あの方は電気とかガスなどの開栓とかにちゃんと連絡しているだろうかとか、そして、仮設に入ってしまったら一人になってしまうから、孤独に陥っていないだろうか。避難所で責任者を務めておられた方が大変心配されていた。その話を伺いました。

 仮設住宅の被災者などに目が届いていないのではないか。その声も聞いています。課題は何でしょうか。厚生労働省、いかがですか。

斎須政府参考人 お答え申し上げます。

 被災者見守り・相談支援等事業におきましては、被災者が応急仮設住宅に入居するなど、異なる環境の中にあっても安心した日常生活を営むことができるよう、孤立防止等のための見守り支援ですとか日常生活上の相談を行った上で、必要に応じて専門の相談機関へつなぐ等の支援を行っております。

 この支援におきましては、例えば、みなし仮設住宅等に広域で入居されている方も含めまして、入居先自治体と連携した積極的な訪問支援に取り組んでいるというふうに伺っております。

 この事業におきましては、新たな職員の雇用も含めまして、被災者支援に従事する方の人件費についても補助の対象としております。見守りですとかあるいは相談支援に資する様々な、それ以外の福祉施策もございます。民生委員等の関係者、関係団体との連携も通じまして、応急仮設住宅に入居した後の被災者の方々に対して、効果的な支援につなげていけるものと考えております。

 いずれにいたしましても、被災自治体と緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 終わりますけれども、やはりここでもマンパワー不足が課題なんですよね。そして、声をかけていく、大丈夫ですか、お困り事はないですかと。仮設住宅に入っても、その後、また再建までこの道が続いていくわけですね。しっかりと人員を確保して、応援も要請して対応してもらうことを強く要望して、質問を終わります。

後藤委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。

 一月一日に能登半島地震で亡くなられた方に哀悼の意を、そして、今も避難生活を送られている方にお見舞いを申し上げますとともに、先般視察に伺ったときに、後藤委員長を始め、多くのスタッフの皆さん方にお世話になりましたことを、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。

 東日本大震災のとき、私は、県会議員の三期、四期目の選挙の前だったんですね、十三年前。その後、県の職員が福島県の方に派遣をされて、戻ってきた職員の話を一時間ぐらい聞いたことがありました。そのときに、何でなのかなと思うんですけれども、山合いの道路が崩れて、そこを復旧させるのに査定をしに行くわけですね、そのときに、私は、例えば今の技術で、崩れた山とか道路があったときに、次の地震が来たときに備えられるように一一〇とか一二〇で復旧した方がいいというふうに思ったんですけれども、国はそれを認めないんですね。原状復帰なんです。現況があったところに戻すだけ。だから、それ以上の復旧は過度な予算措置ということになって、減額されてしまう。その考え方が今でもずっと続いているのかなというふうに思って、質問をさせていただきたいんです。

 一つは、私の知人が輪島の朝市の会場の少し離れたところに住んでいて、彼は火災は免れたんですけれども、あの焼け野原の状態を見ていて、約三か月たつんですけれども、一部手をつけているところもあったんですが、ほとんど手をつけていない。特に木造の家は全焼ですね。鉄骨とかRCのうちは多少形だけ残っていましたけれども。どうすれば一日も早く復興の道筋が立てられるかというのが、過去何回も経験してきた震災、やはりそこから得た教訓があるのかというふうに思うんですね。

 例えば自分が被災した家とか自分の事業所だとか、そういったところに週に一回でも一か月に一回でも戻ってきたときに、全然手つかずの中で復興ビジョンを考えろというのは、私は酷だと思うんです。取りあえず、やはり目に見える形で、今瓦れきがあったり火災でなくなってしまった自分の事業所だとか家を一回きれいに早くどうすれば更地にできるかというのを、知恵を出さなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。

 例えば東日本大震災の教訓を受けて、所有者不明の土地の民法の改正があって、昨年の四月からスタートして、この四月一日からは相続登記を三年以内にしなさいという法律ができたんですけれども、それがちゃんとできて、必ず出てくるのは、日本は所有権とか賃借権だとか権利を認めている国だから致し方ないんですけれども、権利関係を把握して、話合いをして、復興ビジョンを策定するのにはやはり時間がかかると思うんです。半年や一年や二年や五年、下手すればもっとかかるかもしれない。そういうふうになる前に、取りあえず全部更地にする。

 そこで必ず、固定資産税が高くなるとかなんとかとつまらないことを言う人もいるんですけれども、それも全部チャラにすればいいんですよ、きちっと立ち上がるまでの間。それは、財政的な措置ができれば、じゃ、自分はこういう家を造りたい、じゃ、みんなで協力してショッピングセンターを造ってみたいとかという発想が出てくるんだけれども、それ以前の状況が今でも続いているということですね。

 一つお尋ねしたいのは、今回の倒壊した建物の、所有者不明の物件がどのぐらいあるのか、件数と割合があったら教えてもらいたいと思います。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 公費による家屋解体については、二月から各市町において申請受付が順次開始されております。四月二十二日時点で約八千五百棟の申請を受け付けているところでございます。

 そして、委員お尋ねの、所有者が特定できない家屋の件数や割合についてでございますけれども、これについては把握はしておりませんけれども、相続人の所在が不明などの御相談も一定数寄せられていると伺っているところでございます。

 今回被害の大きかった奥能登地域は、空き家率が全国平均よりも高く、また、相続手続が行われていない家屋も多くあると見込まれますので、所有者が特定できない家屋も含めて、家屋等の解体を円滑かつ迅速に実施できますよう、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

鈴木(義)委員 話は全然横道にそれちゃうんですけれども、この間、金融機関から会社で借入れを起こすときに立ち会ってくれと言われて、今、電子取引で、契約書は電子でいいと言うんですね。でも、片や、抵当権をつけなくちゃいけないので、登記所に出す書類は名前と判こを押してくれ、会社の実印を押してくれと。えっ、こっちは何、まだ電子取引になっていないのと。こっちはなっているんです。

 それと同じように、震災が起きたときに、固定資産税をかけている市町村が固定資産税台帳を持っているんですね。空き家のうちで、所有者不明といいながら、そこに、納付をしてくださいと通知書を出しているはずなんです。そこの情報が、じゃ、どこが一元管理しているのかといったら、みんなばらばら。総務省の所管です、復興だったら内閣府です、あとは、建築関係の話でいけば国交省ですと。だから、一回、名寄せというのを、情報を寄せて、どこかが一元管理していくことをしないと、やはりスピード感を出すというのは難しいんだと思うんです。

 だって、納付書を出していて、固定資産税を払わなければ督促するはずですよ。その情報をきちっと復興につなげていくようにしないと、やはり、一日も早い、あの人はどこへ行ったんだ、ここの人はどこへ行ったんだ、おじいさんの名前なのか誰の名前なのか、それすらも、誰に確認するのかという話が必ず出てきますから、そこのところなんですね。

 それをやっていきながらなんですけれども、その前に、よく、行政代執行という言い方をするんです。いろいろな利害関係があったり、ただ、二次被害になるとか環境を害するとかという話になったときに、市町村が主体になって行政代執行をすると思うんですけれども、今回の焼けたところなんかは特にそうですけれども、行政代執行をしちゃって、そこに予算措置がなければ国から後押しをしてあげるとかというふうにやって、一回きれいにしてから利害関係人の調整をしていくというふうにしないと、いつになっても、利害関係人の調整だけしていたら、焼け野原になったままの状態が何か月も何年も続く。私はそう思うんですけれども、そこら辺の手だてを国として後押しできないか、お尋ねしたいと思います。

松村国務大臣 委員御指摘のとおり、復旧復興に際して、権利関係の整理や地域の合意形成、これは時間がかかるものだと承知をいたしております。過去の経験でもそうでございました。

 おっしゃるとおり、行政代執行をすれば確かに早うございます。私もそういう思いが、思ったときもございましたが、いざ被災をしてみて思いましたのは、やはり、丁寧な、時間をかけながら、被災者や被災市町村、ここに寄り添いながらやっていくことも重要であるなと思ったところでございます。

 御指摘の行政代執行につきましては、それぞれ個人の権利に関わることでございますので、やはり丁寧な検討が必要であろうと思っておりますし、建物の円滑な解体撤去に向けては、先ほど環境省からお話があったとおりでございまして、進めていただいているところでございます。

 私どもといたしましては、いろいろな迷いの中におられれば、アドバイスもしながら伴走支援を行い、一日も早い復旧復興ができるように寄り添ってまいりたいと考えております。

鈴木(義)委員 個人の権利を抑制するものじゃないんですけれども。

 それはそれでおいておいて、やはり、自分がこれからどうしようかといったときに、いつも被害があったところを見続けて、ビジョンが生まれてくるかということなんです。だから、一回更地にした方がいいんじゃないかという発想ですよ。

 昨日も、レクに来てもらって、いろいろ説明いただいたんですけれども、法律がないとか、法律が対応していないとか、だったら法律を作ればいいだけの話じゃないですか。そういうことですよ。緊急避難的にやるんですから。是非、大臣の御決断をいただきたいなと思います。

 それと、震災が起きるたび、過去に建築基準法を、どんどん基準を上げていくわけですね。基準を上げていくと、どうしても、私のところも、今住んでいるうちは、四十五年住んでいますから、旧の建築基準法、前の前の前の、古いうちなんです、四十五年住んでいる。そうすると、それは、今の建築基準法でいけば不適格物件になってしまう。倒壊するかどうか。まあ普通に住んでいるので、大丈夫だろうなと思って住んでいるんですが。

 こういった不適格物件が、被災地域を視察に伺ったら、結構やはり古いお宅がいっぱいあるんですよね。大体、一階が潰れて二階が残っているとか、あと、車が入っていて、車庫で使っているようなところが、そのまま車が残されていて、潰れちゃっている。

 これは不適格物件なのか建築基準法違反なのか分からないんですけれども、そういった能登の教訓を受けて、東京も含めて、いろいろな地域に古い建物があると思うんです。これは、木造ばかりじゃなくて、鉄骨もあるだろうし、RCもあるだろうし。例えば、基礎が、昔の技術レベルでいったら二十五メーターぐらいしか掘れなかった時代もあるし、今は六十メーターまで基礎が打てる時代もあるし。そういった建物に対してどういうふうな対応をしてきたのか、お尋ねしたいというふうに思います。

 それともう一つ、今回のような震災で家が倒壊をして、隣の家、隣の家は被害がなかったんですね、倒れかかっちゃったような建物の所有者はどこまで責任を負わなくちゃいけないのか、それをお尋ねしたいと思います。

佐々木政府参考人 前段のいわゆる既存不適格建築物について、平時、どのような対応を取っておったのかという部分についてお答えをさせていただきます。

 御指摘のいわゆる既存不適格建築物につきましては、直ちに現行の建築基準法の違反となるわけではなく、したがいまして、是正措置の対象となるものではありません。ただし、一定規模以上の増改築を行う場合などには、原則として現行の基準に適合させることを求めているところです。

 また、特に耐震関係につきましては、耐震関係規定の既存不適格建築物につきましては、耐震改修促進法におきまして、地方公共団体が指定する不特定多数の者が利用する大規模建築物などの所有者に対して耐震診断が義務づけられているほか、それ以外の建物の所有者につきましても、耐震診断を行い、改修を行うよう努めなければならないという努力義務が課されております。

 国土交通省といたしましては、地方公共団体と連携し、建築物の構造安全性の向上に関する普及啓発、あるいは耐震化に対する支援、こうしたことに取り組んでいるところです。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの後半部分の建物所有者の損害賠償責任については、個別具体的な事情を踏まえて、最終的には裁判所により判断されるべき事柄でして、一概に申し上げることは困難でございます。

 その上で、一般論として申し上げますと、民法七百十七条第一項は、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者や所有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うと規定をしております。

 工作物の設置又は保存の瑕疵とは、当該工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうとされています。

 お尋ねの既存不適格の建物、すなわち、建築当時の建築基準法に適合していたが、現在の建築基準法に適合しない建物についても、民法上、そのこと自体によって直ちに建物の設置又は保存の瑕疵があると認められるわけではございませんが、これが認められるという場合には、その建物所有者は、被害者に対して賠償責任を負うことがございます。

鈴木(義)委員 じゃ、もう一点だけお尋ねします。

 漁業者の話を聞く機会が得られたんですね。三年前だったと思うんですけれども、台風の被害で、千葉とか茨城が甚大な被害を受けたんですけれども、映像、ハウスを再開できない、そこに映っておられる農家の方は、高齢者の方がいらっしゃって、なかなかやはり、借金をもう一回して、十年、十五年、借金を返せるか。漁業者の方も同じように悩んでいるという話を聞きました。

 だから、東日本大震災のときのように、これだけ大きな被害が起きたわけですから、一回全部、今までの債権をどこかに集めて、買い取るか何かして、そこで少し身軽になってもらうような制度をつくるのが復興の一番近道になるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の方策をお尋ねしたいと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 大規模な災害時には、被災事業者にとって既往債務が負担となりまして、事業再建に必要な新規の資金調達が困難になる、いわゆる二重債務問題が事業継続や長期的な事業再構築等の足かせとなり得るものと認識しております。

 この二重債務問題対策といたしまして、過去の大規模災害時同様に、既往債務に係る債権の買取りや出資を実施するべく、百億円規模の能登半島地震復興支援ファンドを設立し、被災事業者を支援してまいる方針でございます。

 この復興ファンドにつきましては、能登半島におきましてインフラ、ライフラインが甚大な被害を受け、今後復興に時間を要するおそれがあることを踏まえまして、熊本地震の際に組成されたファンド、この期間が十年間でございましたけれども、これよりも長い十五年間を存続期間とし、長期にわたる支援を可能といたします。

 また、ファンドでの債権買取り支援等につなげるため、支援対象地域である七尾市に、中小・小規模事業者の相談窓口となる能登産業復興相談センターを設置し、四月一日より相談対応を開始するなど、きめ細かく支援していくことといたしております。

 このファンドも活用しつつ、引き続き、被災事業者に寄り添った、きめ細かい支援を進めてまいる所存でございます。

鈴木(義)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十八分散会


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