第6号 令和6年6月5日(水曜日)
令和六年六月五日(水曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 後藤 茂之君
理事 金子 俊平君 理事 坂井 学君
理事 笹川 博義君 理事 宮路 拓馬君
理事 菊田真紀子君 理事 渡辺 創君
理事 掘井 健智君 理事 日下 正喜君
青山 周平君 東 国幹君
井原 巧君 石原 正敬君
江藤 拓君 金子 容三君
国光あやの君 小森 卓郎君
櫻田 義孝君 杉田 水脈君
高木 啓君 高鳥 修一君
中川 貴元君 仁木 博文君
藤丸 敏君 松本 洋平君
保岡 宏武君 簗 和生君
柳本 顕君 山口 晋君
山本 左近君 若林 健太君
渡辺 博道君 小山 展弘君
神津たけし君 近藤 和也君
中島 克仁君 米山 隆一君
堀場 幸子君 吉田とも代君
金城 泰邦君 山崎 正恭君
田村 貴昭君 田中 健君
古川 元久君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 松村 祥史君
総務副大臣 馬場 成志君
環境副大臣 滝沢 求君
内閣府大臣政務官 神田 潤一君
厚生労働大臣政務官 三浦 靖君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
国土交通大臣政務官 こやり隆史君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 内田 欽也君
政府参考人
(内閣官房国土強靱化推進室次長) 岡村 次郎君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 森下 泰君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 高橋 謙司君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 和田 薫君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 濱田 厚史君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 小池 信之君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電気通信事業部長) 木村 公彦君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電波部長) 荻原 直彦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 浅野 敦行君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官) 金光謙一郎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 斎須 朋之君
政府参考人
(水産庁漁港漁場整備部長) 田中 郁也君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 橋本 真吾君
政府参考人
(国土交通省大臣官房上下水道審議官) 松原 誠君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 筒井 智紀君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 鎌原 宜文君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 岡野まさ子君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 廣瀬 昌由君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 丹羽 克彦君
政府参考人
(環境省環境再生・資源循環局次長) 角倉 一郎君
衆議院調査局第三特別調査室長 南 圭次君
―――――――――――――
委員の異動
六月五日
辞任 補欠選任
石原 正敬君 中川 貴元君
金田 勝年君 高木 啓君
根本 幸典君 山本 左近君
山口 晋君 保岡 宏武君
渡辺 博道君 櫻田 義孝君
中川 康洋君 金城 泰邦君
古川 元久君 田中 健君
同日
辞任 補欠選任
櫻田 義孝君 渡辺 博道君
高木 啓君 仁木 博文君
中川 貴元君 石原 正敬君
保岡 宏武君 山口 晋君
山本 左近君 井原 巧君
金城 泰邦君 中川 康洋君
田中 健君 古川 元久君
同日
辞任 補欠選任
井原 巧君 青山 周平君
仁木 博文君 金田 勝年君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 小森 卓郎君
同日
辞任 補欠選任
小森 卓郎君 柳本 顕君
同日
辞任 補欠選任
柳本 顕君 根本 幸典君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件(令和六年能登半島地震による被害状況等)
――――◇―――――
○後藤委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件、特に令和六年能登半島地震による被害状況等について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官内田欽也君、内閣官房国土強靱化推進室次長岡村次郎君、内閣府大臣官房審議官森下泰君、内閣府政策統括官高橋謙司君、警察庁長官官房審議官和田薫君、総務省大臣官房審議官濱田厚史君、総務省自治行政局公務員部長小池信之君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長木村公彦君、総務省総合通信基盤局電波部長荻原直彦君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官浅野敦行君、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官金光謙一郎君、厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君、水産庁漁港漁場整備部長田中郁也君、経済産業省大臣官房審議官橋本真吾君、国土交通省大臣官房上下水道審議官松原誠君、国土交通省大臣官房審議官筒井智紀君、国土交通省大臣官房審議官鎌原宜文君、国土交通省大臣官房審議官岡野まさ子君、国土交通省水管理・国土保全局長廣瀬昌由君、国土交通省道路局長丹羽克彦君及び環境省環境再生・資源循環局次長角倉一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○後藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。東国幹君。
○東委員 質問の機会、大変ありがとうございます。
週明けの月曜日の朝、能登半島始め北陸地方で震度五強の地震がありました。これは、もはや日本列島の中で地域の差なく、かなりの地震が頻発している。今年になっても相当なものであります。
とにかく全国にわたって多い地震なんですけれども、そこで、経済分野に目を向けてみると、やはり企業、中小企業を含めて、そういった緊急事態に会社が存続できるかどうかというところが極めて気にかかるところなんです。ですから、今、BCP、つまり事業継続計画、これを組み立てている法人も出てきたわけなんですけれども、BCPは、テロ攻撃だとかサイバー攻撃、ウイルスだとか医療の感染症であるとか、そういった多岐にわたるものなんですけれども、やはり我が国では一番念頭に置いているものは地震なわけなんです。
そういったBCPの計画の中には、事業拠点や生産設備、仕入れ先、調達、それらの代替策というのは不可欠であります。緊急災害時には、拠点の即時の移動、あるいは無災害地域にある企業との提携、そういったものがやはりポイントになる、重要になるというふうに思っておりますけれども、確かに、これは、計画は民間企業が自己努力で講じていくものなんですけれども、やはり、日本経済の信用力の担保、あるいは国際的な信用度、そういったことを勘案すると、国交省あるいは経産省等々と連携しながら政策としてこれを支援していくべきだと考えているんですけれども、その点の見解を大臣にお伺いしたいと思います。
○松村国務大臣 東委員にお答えをいたします。
自然災害の多い我が国におきまして、企業自ら災害に備えるということは非常に重要です。やはり、一たび災害が起きたときに、被害を最小限に抑えるとか、また復活する際のやはりいろいろな手だてがございますので、BCP、いわゆる事業継続計画を作っていただくことは重要であると考えておりますし、そのこと自体で経済や社会の強靱化につながると考えております。
これまで内閣府におきましては、企業におけるBCP策定方法などをまとめました事業継続ガイドラインを策定をいたしまして、拠点とか整備の多重化、分散化、また、調達先の複数化や代替調達先の確保、また同業他社との相互支援、こういったものを是非作っていただきたいということで対策の促しを行ってきたところでございます。特に、BCPの策定が進んでおりません中小企業等における取組を強化するために、昨年十二月にBCP策定のポイントを分かりやすくまとめました簡易パンフレットを策定をしたところでございます。これはやはり、委員御指摘のように、大企業よりも中小企業の方が進んでおりません。また、被災を経験した地域は、これはある程度進みますけれども、それぞれの御事情が必ずその企業にあるようでございます。
こういった取組を強化するために、やはり経済界との連携も必要であると考えておりますので、経団連や商工会、商工会議所、こういった方々と、防災経済コンソーシアム、これを通じまして、個々の企業の取組例や国の施策を発信することによりまして、社会全体の事業継続力の一層の強化を図っているところでございます。
御指摘のように、経産省ともしっかりと連携を取りながら、更に強化に努めてまいりたいと考えております。
○東委員 恐らく、国交省さんなんかはデータが蓄積されていると思いますので、例えば、震度五以上が百年間ない地域、そういったところのデータだとか、そういったことを是非多くの法人の方に発信するとか、そういった後押し施策をどうかお願いを申し上げたいと思います。
次に、災害時において、これは能登半島沖地震もそうだったんですけれども、交通網というものに物すごくやはりいろいろな課題や苦慮があったかと思います。そして、多くの国交省の皆様方も、御尽力、本当に敬意を表したいと思います。物資の輸送から避難に至るまで、様々な観点で交通網の整備というのは必要だと思っております。
まず、鉄道なんですけれども、災害時において、その存在の有効性は国交省としてどのように認識しているのかまずお伺いしたいのと、また、この鉄道なんですけれども、地方を中心として廃線を余儀なくされている、そして採算だけを考えて鉄路の存廃が決定されているような感じがするわけなんですけれども、民間企業であるJRのみにその判断を委ねていいのかどうなのかとか、防衛、医療、そして災害、そういった経済外部効果の事業効果に目を向けていく必要があると考えますけれども、国交省として、鉄道の存廃の考え方についてお伺いしたいと思います。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
鉄道は、地域間交流など社会経済を支えるとともに、災害時の物資、人員輸送においても重要な役割を担っている社会基盤であるというふうに認識してございます。
一方で、大量輸送機関としての鉄道の特性が生かされていない一部のローカル線につきましては、町づくりや観光振興に取り組む沿線自治体との官民連携を通じて、鉄道輸送の高度化やバスなどへの転換、こういったことによりまして、利便性、持続可能性の高い地域公共交通への再構築を図るということが急務になっているというふうに認識してございます。
こうした中でも、特急列車ですとか、あるいは貨物列車、こういったものが現に走行している線区や、災害時において貨物列車が走行する蓋然性が高い線区、こういったものにつきましては、我が国の基幹的鉄道ネットワークとなる線区であることから、国としましても、再構築協議会の対象とはしておらず、JR会社法に基づく大臣指針等により、適切な維持を求めているというところでございます。
また、ローカル鉄道の再構築の検討に当たりましては、線区ごとの収支のみではなく、地域全体の中で、ローカル線の意義や役割を総合的に評価するということが適切であると考えてございます。
その点、委員から御指摘ございましたとおり、医療ですとか商業、教育、観光、福祉、こういった諸分野にもたらす多面的な影響、こういったものを具体的に把握することが重要であるというふうに考えてございます。
国としましても、調査事業を活用しながら、各地域においてそういった多面的な影響を適切に評価するよう促すとともに、社会資本整備総合交付金などによる支援のほか、改正地域交通法の運用など、制度面、予算面の支援を通じて、利便性、持続可能性の高い地域公共交通の確保に取り組んでまいります。
○東委員 御答弁の中で、ローカル線、支線を中心にというお話がございましたけれども、今年の三月三十一日には、根室本線、本線が廃止されたわけなんですよね。ですから、そこは、物流等々、本当に大きな、国の根幹に関わるものですから、そういった、例えば国交省の鉄道局、その鉄道の哲学というものを、やはり高みを持っていただきたいと思っております。
次に、高速道路なんですけれども、その存在においても、災害については極めて有効な資源であると考えますけれども、国交省として、その認識をお伺いしたいと思います。
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
高速道路は国土の骨格となる基幹的な道路でございまして、企業立地、また観光振興の促進など地方創生に貢献することはもとより、委員御指摘の地震、また豪雨、豪雪など災害時においても、住民の避難、また緊急輸送道路の確保の観点から、重要な役割を果たしているというふうに認識をいたしております。
引き続き、こうした高速道路の役割を最大限発揮していくために、高速道路のミッシングリンクの早期解消など、高速道路ネットワークの機能強化を着実に進めてまいりたいと考えております。
○東委員 高速道路も鉄道と同様、被災地とそしてバックヤードの地域とを結ぶ大きな大きな手段だと思っております。
御承知のとおり、高規格ネットワークなんですけれども、段階によって、法律と計画を策定して、それを根拠として整備の建設を進めてまいった、そういう歴史の積み重ねなんですけれども、最初の法律というのは、昭和三十二年の国土開発縦貫自動車道建設法であります。御承知のとおりだと思います。これは、国家として最低限整備が必要な路線を計画した最初の、昭和三十二年の法律なんです。しかも、八十名にも及ぶ国会議員の、議員提案の法律なんですね。議員立法なんです。
あれから六十七年ですけれども、その最初の法律に定められた計画路線がいまだに供用開始になっていない、建設中であるということ、そういったことを考えれば、私は、六十七年前に計画されたところ、今し方、そこに建設の力を注ぐべきだと考えておりますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の高速道路ネットワークにつきましては、委員御指摘の昭和三十二年の国土開発縦貫自動車道建設法の制定以降、昭和六十二年には高規格道路網の計画が策定されるなど、順次整備を進めているところであります。
しかしながら、全国には、いまだネットワークがつながっていない、いわゆるミッシングリンクが残されておりまして、災害に対して脆弱な国土条件の下で安全、安心な国土利用を図る観点からも、ミッシングリンクの早期解消が重要でございます。
その上で、道路整備に当たっては、渋滞、事故などの交通課題、また、物流効率化や観光振興、災害時の代替性確保などの効果、また、円滑な事業実施環境が整っているかどうかなどを総合的に勘案して、計画的に事業を実施しているところでございます。
例えば北海道縦貫自動車道につきましては、平成二年までに札幌から旭川間が開通するなど、整備が進められてきておりまして、現在、令和七年度開通予定の音威子府バイパス、また、中川から天塩間の概略ルート、構造の検討、これは計画段階評価というものでございますが、などを進めているところでございます。
引き続き、地域の御理解、御協力をいただきながら、北海道縦貫自動車道も含めて、全国の高規格道路のミッシングリンクの早期解消、これに努めてまいりたいと考えております。
○東委員 是非、六十七年前の、建設省時代の先人に思いをはせて、建設の加速をお願いを申し上げたいと思います。
次に、凍上災についてですけれども、これは限定された地域になっちゃうんですが、四月の、雪がなくなって、北国に来られた観光客が一様に驚くのは、道路の破損が尋常ではない、パッチワークのように修復された県道、道道、あるいは市町村道であるという点であります。それがため車両の損壊に至ることも珍しくなく、これはれっきとした災害であると私は思うんですけれども、この凍上災の認定、そして実績の推移、これをお伺いしたいと思います。
○廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。
異常な低温により発生する凍上現象により道路舗装にひび割れが発生する被害に対して、凍上災として支援しております。
凍上災については、最近十年間では、平成三十年では八県で百七か所、令和三年では二県で十五か所、令和五年では一県で三か所となっております。
○東委員 現場の現状を、恐らく国交省の皆さん、私の地域でいえば道局になるんですけれども、この状況を考えると、凍上災の認定、これは緩和するなど柔軟にするべきだと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。
凍上現象により道路舗装にひび割れが発生する被害に対して、日平均気温を用いて算出した指数が一定の基準を超えた異常な低温の場合に凍上災として支援しております。
しかしながら、委員御指摘のとおり、近年では、異常な低温とならない状況においても、融雪期を中心に路面のひび割れやポットホールなどの損傷が発生する被害が多発していることから、国土交通省では、冬期舗装損傷のメカニズムの解明等を目的とした有識者会議を設置し、検討を進めています。
昨年十二月に開催した有識者会議では、地球温暖化の影響による気温上昇により、冬期においても降雨や融雪が発生し、従来の凍上被害とは異なる損傷メカニズムが示されたところであり、引き続き有識者会議の議論を深めてまいります。
国土交通省としましては、こうした議論を踏まえて、地方公共団体に実情を丁寧に伺いながら、凍上被害に対して適切に復旧を支援できるように努めてまいりたいと思います。
○東委員 是非お願いしたいというのは、まだ交通事故との因果関係というのは認じられていないんですけれども、車の破損の因果関係というのはやはり明確にあるわけなんですね。そういったことも含めて、また会議体が起こされると思いますけれども、是非とも緩和策を練っていただきたいと思います。
次に、河川に関しての防災、減災なんですけれども、自治体では、河川の維持管理費はもう起債が起こせないことになっている。そして、唯一、緊急浚渫推進事業債が、それがかなっているということ。しかし、この地方債、今年度までなんですけれども、現実に、河川の氾濫は都道府県の管理河川が圧倒的に多い。国管理河川と比べると件数はかなり多いわけなんですけれども、この事業、令和六年で終了いたします。延長するよう、総務省に対し、国交省として、また働きかけるべきだと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。
気候変動による水災害の激甚化、頻発化が懸念される中、地方自治体が管理する河川において、洪水の流下を阻害する堆積土砂の撤去は、地域の安全度を維持する上で非常に重要と考えております。
緊急浚渫推進事業債は、自治体が、人家への危険度などに応じて緊急的に実施しなければならない堆積土砂の撤去などについて、地方債を特例的に発行できることとし、その元利償還金の七〇%に交付税措置するものであり、自治体の取組を促進するものです。
国土交通省としましても、総務省と連携して、活用事例集の作成、周知を行うなど、本制度の活用を促進しており、この制度を活用した多くの自治体から評価をする御意見をいただいているところでございます。
委員御指摘のとおり、本制度は令和六年度までの時限的なものですが、国土交通省としましても、自治体が管理する河川の流下能力の維持に必要な制度と考えており、多くの自治体から延長を望む声があることから、総務省に対してそういった声をしっかり届けてまいりたいと思います。
○東委員 るる、いろいろ質疑をさせていただきましたけれども、それらをやはり網羅するためには、国土強靱化実施中期計画、この中期計画の策定、これがやはり、令和七年度の予算、これは前倒しになっているものですから、求められると思うんですけれども、この中期計画の策定、検討状況、いつになるのかお伺いしたいと思います。
○岡村政府参考人 お答え申し上げます。
自然災害が激甚化、頻発化し、また、大規模災害のおそれが逼迫する中、今年発生いたしました令和六年能登半島地震の経験も踏まえまして、更なる防災・減災、国土強靱化に取り組む必要がございます。
昨年六月に成立しました改正法により、委員御指摘のとおり、実施中期計画が法定化され、令和三年度から令和七年度までの五か年加速化対策後も切れ目なく中長期的な施策と事業規模の見通しを持って進めていく、こういう法的な枠組みが措置されたところでございます。
まずは、改正法の附則等を踏まえまして、有識者で構成されます国土強靱化推進会議におきまして、国土強靱化施策の実施状況の評価の在り方、これを本年一月に取りまとめたところでございます。これに基づきまして、現在、五か年加速化対策の各施策について、その進捗状況に係る評価を進めている、そういうところでございます。
引き続き、この評価の在り方に基づいて、施策の実施状況の評価、いわゆるKPIなど、実施中期計画の策定に向け、必要な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○東委員 終わります。
○後藤委員長 次に、金子容三君。
○金子(容)委員 自由民主党、長崎四区の金子容三です。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速質問に移らせていただきます。
まず最初に、能登半島地震復旧復興対応についてお伺いをいたします。
震災発災から五か月、山がちな半島であるといった地理的制約の中、土砂崩壊等に伴う交通網の寸断や多数の家屋倒壊など甚大な被害が発生し、発災直後から、人命救助や、プッシュ型で物資支援、インフラ、ライフラインの復旧等の、災害に全力で取り組まれていらっしゃいます。関係省庁の皆様におかれましては、日々、能登半島地震の復旧復興に御尽力いただき、改めて感謝と敬意を表します。
まず、能登半島地震における現状とこれまでの対応についてお伺いをいたします。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
政府といたしましては、総理を本部長とする令和六年能登半島地震復旧・復興支援本部をこれまで六回開催するなど、各省庁と緊密に連携し、政府一体となって被災地の復旧復興に全力で取り組んできたところでございます。
現段階におきましては、住まいの確保につきましては、必要な仮設住宅の八月末までの完成を目指し、現時点で、必要戸数の約九七%に当たる約六千四百戸を着工し、うち約四千六百戸が完成したところでございます。また、公費による家屋解体につきましては、六月二日時点で千二百八十棟の解体に着手しているところでございます。
水道につきましては、先月末までに、立入り困難な地域等を除きまして本管が復旧しておりまして、今後は引き続き宅内配管工事の加速化を図ることとしております。
インフラの復旧につきましては、大規模災害復興法等に基づきまして国が復旧工事を代行するなどにより、速やかな復旧に取り組んでいるところでございまして、被災地の復旧復興に着実に取り組んでいるところでございます。
石川県におきましては創造的復興プランの策定に向けた取組が進んでいると承知をしておりまして、今後も、被災地の声にしっかりと寄り添い、復旧復興を伴走的に支援していきたいと考えております。
○金子(容)委員 ありがとうございます。
先ほどコメントがありました公費解体に関しまして、これまで、公費解体に係る申請受付事務処理が滞ることであったりとか、申請受付案件の工事前調整に時間を要し、解体工事の発注までなかなか進まなかったり、また、公費解体では、所有者が既に死亡している建物で名義が相続人に変更されていない場合、相続人全員の合意が必要となるため円滑に進まないといったものが課題として認識されていたと思いますが、現在の公費解体の進捗状況についてお伺いをいたします。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
損壊家屋の公費による解体につきましては、先週の復旧・復興支援本部で関係大臣から報告があったところでございますけれども、現地調査や費用算定等を行う補償コンサルタントの体制確保、また、解体工事を行う工事事業者の確保など、申請を受け付けた公費解体の処理を早めるための対策を行っているところでございます。具体的には、六月早期に五百班から六百班の解体工事の体制、また、三百名の補償コンサルタントの体制を確保するというふうに取り組んでおるところでございます。
また、御指摘の、相続等で全ての所有者が分からず、公費解体の申請に課題がある家屋につきましてでございますけれども、石川県司法書士会等が同意取得等に関する相談窓口を設置しておりますほか、いわゆる宣誓書方式の具体的手順の明確化、また、建物性が失われた物件に関しましては、他の所有者等の同意なく解体が可能であることを明確化するとともに、法務局が職権での滅失登記を行う、そうした取組を進めておるところでございまして、例えば輪島市の輪島朝市エリアでは、先行して五月三十日までに職権滅失登記を完了したものと承知をしております。
公費解体を進めることは、地域の復旧復興を進める上で非常に重要でございまして、内閣府といたしましても、関係省庁と連携して現場の課題解決に取り組んでいきたいと考えております。
○金子(容)委員 ありがとうございます。引き続き円滑な対応をお願いできればと思います。
続きまして、漁港の復興について質問をいたします。
今年の五月から、地盤隆起等の被害を受けた漁港の復旧方法等の技術的な課題を検討する技術検討会が開催されておりますが、現状の課題及び今後の方向性についてお伺いをいたします。
○田中政府参考人 お答えをいたします。
農林水産省では、これまで復旧工事の経験がほとんどない、地盤隆起等により被害を受けました漁港の復旧復興の技術的な課題、方法、手順等について検討することを目的といたしまして、五月十六日に有識者で構成する技術検討会を設置し、議論を進めているところでございます。
具体的な課題としましては、大規模に地盤が隆起をしました漁港の機能を速やかに回復させていくため、地盤隆起の程度に応じてどのような復旧の方法や工法などを取っていくべきか等について検討する必要があると考えてございます。
このため、第一回の技術検討会では、漁港施設の被害状況や被災パターンの分析を行いまして、仮復旧と本復旧の二つのフェーズに分けて、被災パターンに応じた復旧方法の考え方等を検討したところでございます。第二回の検討会におきましては、さらに、漁港の復旧方法や工法の選択肢と評価の考え方等について議論する予定としてございます。
これらの結果を踏まえまして、七月中に第三回の技術検討会を開催し、議論を取りまとめる予定でございます。検討結果につきましては、速やかに、石川県が設置した能登の水産関係港の復興に向けた協議会に提示をする予定としてございます。
引き続き、被災地の一刻も早い復旧復興に資するように、現地に寄り添いながら、石川県、関係市町と連携しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
○金子(容)委員 ありがとうございます。
日本は水産大国でありますので、また、半島に多くの漁港を有しております。今後の持続的な水産業発展につながる議論の継続と適時適切な情報共有を引き続きよろしくお願いを申し上げます。
質問の順番をちょっと変えさせていただきます。次に、病院船の活用について質問をいたします。
二〇二一年六月に、議員立法により、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律、いわゆる病院船推進法が成立し、今月から施行され、船舶活用医療推進本部推進室も推進室から本部となり、本格稼働をしております。
二〇二三年二月に発生したトルコ地震においては、船舶を活用し、被災者に対する診療等が実施をされました。カーフェリーを活用し、被災地に停泊し、被災者に対して医療支援や宿泊場所等を提供し、希望する被災者を被災していない地域まで移送する、トルコ海軍保有の艦艇で地震による負傷者等を繰り返し移送するといった活動がなされました。
海洋国家である我が国におきましても、海をうまく利用した防災・減災機能は今後非常に重要な役割を果たしていくものと考えますが、これまで三年間、準備室としてどのような検討を行い、今後、方向性をどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
○内田政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の法律の公布を受けまして、政府では、令和四年七月に内閣官房に準備室を設置し、検討を進めてまいりました。
具体的には、船舶の確保の在り方や発災時の医療従事者の確保等について調査検討を行ってきたほか、民間事業者や自衛隊の船舶を実際に活用した実動訓練を重ねまして、医療資器材の搭載、設営、あるいは患者の搬送や船の上での看護、治療などについて課題の検証を行ってまいりました。
これらの検証を踏まえて、災害時における船舶活用医療の役割といたしまして、被災地の患者に医療行為を実施しながら、被災地から離れた場所にある病院等に患者を移送する、いわば脱出船という役割と、被災地付近に一定期間停泊し、現地で救護活動を行う、いわゆる救護船という形、この二つを主に想定をしております。
また、船舶については、被災地のニーズに柔軟に対応できるように、医療資器材等をあらかじめ船自体に備え付けておくのではなく、船の中に広い空間があり、医療資器材等を載せたトレーラーや救急車が岸壁から自走して車両甲板に入ることができるカーフェリー型の船舶を活用する方式を軸に考えているところでございます。
御指摘のように、法律は六月一日に施行されまして、総理を本部長とし、全閣僚を構成員とする船舶活用医療推進本部が設置されたところでございます。今後、この本部における議論に基づきまして、整備推進計画を策定し、政府一体となって取組を総合的かつ集中的に推進することになります。
あわせて、本年一月に発生した能登半島地震において、船舶による海からの被災者支援のアプローチが効果的であったことなども踏まえまして、関係府省や有識者等が連携できるよう、発災時の具体的な活動要領の策定を進めるなど、的確かつ迅速に活動するための体制整備についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○金子(容)委員 ありがとうございます。
今後の具体的な施策の計画等々に期待を申し上げるとともに、こちらにつきましても、情報共有、引き続きお願いできればというふうに思っております。
ちょっと時間がなくなってまいりましたので、また質問の順番が入れ替わって申し訳ございません、原子力防災について質問をいたします。
私の地元、長崎県松浦市は、玄海原発と隣接をしておりまして、原子力防災について、県市合同による原子力防災訓練の実施を始め、松浦市地域防災計画原子力災害対策編や松浦市原子力防災避難行動計画の改定など、様々な対策を講じております。また、玄海原発には、故意の大型航空機の衝突やテロ等の有事に構え、特定重大事故等対処施設が整備されましたが、それと同等の実効性のある避難対策についても考える必要があります。
現在指定されている避難路には、見通しの悪い急カーブや狭隘な箇所が多く、また、緊急防護措置を準備する区域、いわゆるUPZ内の人口が多い離島においても大型船が接岸できる岸壁がないため、原子力災害時に円滑な住民避難を行うには、その整備が求められております。
この松浦市の鷹島町という架橋離島、ここは佐賀県から架かる鷹島肥前大橋を通って入る架橋離島でありますけれども、玄海原発から最短距離で八・三キロメートルに位置し、放射性物質が放出される前の段階から予防的に避難等を実施する区域、いわゆるPAZに準ずる地域に指定をされております。陸路避難に際しまして、佐賀県に架かる鷹島肥前大橋を通って、そして国道を通って、佐賀県内の県道三百四十二号筒井万賀里川線を通り、長崎県の指定避難場所に避難することとなります。この県道が非常に見通しが悪く、狭くなっているため、緊急避難時における事故やそれに伴う混乱が予想されます。
この県道の拡張の必要性について、長崎県は佐賀県とも共有をしておりますが、整備拡張がなかなか進まない状況にあります。原子力発電所の安全対策には終わりがなく、また、地域住民はいまだ原子力発電事業や避難対策に不安を感じているため、域外住民を含めた国民全体の理解促進が必要となります。
原発避難道路の整備については、他の原発と隣接する自治体も同様の課題をお持ちかと推察をいたしますが、松浦市においては県をまたぐ避難ルートとなっていることもあり、国の強力な支援が必要であると考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
○森下政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、原子力災害時における住民の避難の円滑化というのは、地域の皆様の安心、安全の観点から重要だと考えております。
委員御指摘の、先ほどの佐賀県道の三百四十二号線についてでございますけれども、この県道につきましては、今申し上げたような観点から、松浦市それから長崎県の要望につきまして、佐賀県にも御理解をいただいて、令和二年から四年にかけて、我々内閣府の避難円滑化モデル実証事業により、これまで、道路情報板あるいは対向車接近表示装置といったものの設置を進め、対応を行ってきたところでございます。
ですけれども、先ほど委員おっしゃったとおり、原発の安全対策に終わりがないのと同様に、原子力防災体制の整備にも終わりはないと認識しております。引き続き、地元の皆様の声をお聞きしながら、関係省庁と連携をして、防災体制の充実強化に取り組んでまいりたいと思います。
以上です。
○金子(容)委員 ありがとうございます。
引き続きちょっと議論をさせていただければと思いますけれども、実際に見ていただきますと本当に狭いところでございますので、ここの対策をしっかりと行っていかなければいけないというふうに改めて申し上げておきたいと思います。
最後に、道路関係で、半島振興道路事業債について質問をいたします。
半島振興計画に基づきまして都道府県又は市町村が実施する道路整備事業等に対し、充当率七五%、交付税措置率三〇%、特に防災機能強化に資する道路整備事業については、充当率九〇%、交付税措置率三〇%で活用できるとなっております。
現状、例えば、多くの半島地域を有する、西の果ての私の地元長崎県において、その低い充当率と交付税措置率のため、この事業債は余り活用されておらず、過疎対策事業債や緊急防災・減災事業債などの財政措置が有利な地方債の活用がなされているといった状況でございます。
一方で、過疎対策事業債は非過疎地域では発行できないことや、緊急防災・減災事業債は令和七年度で終了予定であることから、半島振興道路事業債の充当率や交付税措置率を過疎債並みに引き上げることにより、半島道路整備の更なる促進や安定した整備につながるものと考えますが、政府の見解を伺います。
○筒井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の半島振興道路整備事業債でございますが、これは、半島振興対策実施地域におきまして地方公共団体が道路整備を行う際に起債できる地方債でございます。これまでも、半島地域の地方公共団体において御活用いただいております。
半島振興に関しましては、半島振興法が令和七年三月末に法期限を迎える節目の年でございます。国土交通省としましても、今般の能登半島地震の教訓を踏まえ、また、地方公共団体の御意見をしっかり伺いながら、関係省庁と連携して、必要な対応を検討してまいります。
○金子(容)委員 ありがとうございます。
おっしゃっていただいたとおり、今年度末に期限が切れます半島振興法、今後の検討においても、併せて本事業債についてもしっかりと議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、山崎正恭君。
○山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。
本日は、本委員会での初質問となります。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
貴重なお時間ですので、早速質問に入らせていただきます。
いきなりで済みません、質問の順番を少し変えさせてもらいます。
私も、先月中旬に、能登半島地震で大きな被害を受けました奥能登地方を中心とした六市町に行ってまいりました。
まず初めに、水の問題についてお伺いします。
今回の地震においては、最大十四万戸で断水が発生するなど、上下水道に甚大な被害が発生しました。先ほどもお話がありましたが、令和六年五月二十八日現在で、水道本管については、水道工事関係者の全国からの応援もあり九八・二%が復旧済みでありますが、そこから先、宅内配管の復旧が大幅に遅れており、多くの世帯でまだ水が通っていない状況があります。これは、宅内配管の修繕対応可能な、ふだんから世話になっている地元市町の工事業者が足りないことが大きな原因でありますが、それを待っていると、全戸復旧には何か月も要してしまう。
これを解消するために、今回、石川県が、地元市町以外の工事業者を手配する受付窓口を設置するとともに、地元市町以外の工事業者が修繕工事を行う場合の追加費用を補助する制度を創設してくれたのは非常によかったと思います。また、宅内配管が修繕するまでの応急的な対応として、被害者の方が自分の宅地内で水を利用できるよう、給水機能を有する止水栓の設置を珠洲市において五月二十三日から募集を開始したと聞いていますが、こちらの方もすばらしい施策だと思います。
そこで、今回の、地元市町以外の工事業者を手配する際の窓口の開設や、地元以外の業者が修繕工事を行う場合の増加経費を補助する制度、また、宅内配管までの応急的な対応としての止水栓設置についての現在の状況と今後の見通しをお伺いします。
○松原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の、石川県におきます、工事業者の手配を行う受付窓口の開設及び地元市町以外の工事業者が工事を行うことによる増加経費に対する補助制度の創設につきまして、五月三十一日時点におきまして百四十二件の申込みがあり、そのうち八十五件につきましては業者の手配が行われたと承知をしております。
また、もう一つ、珠洲市におきます、給水機能を有する止水栓を応急的に設置する取組の方でございますけれども、こちらは、珠洲市の方で、まずは、給水所から水を運ぶことが困難な高齢者の方々を対象に、保健師が電話や訪問等により設置の希望調査を行った結果、六件の御希望があり、六月四日より工事を開始したと承知をしております。
引き続き、県や被災市町と連携いたしまして、これらの取組の周知を行うとともに、給水機能を有する止水栓の制度の活用について他の市町にも提案するなど、宅内配管への対応の加速化に取り組んでまいります。
○山崎(正)委員 ありがとうございます。
水の確保は被災者にとって非常に重要なことであることから、例えば、今後、南海トラフ地震のような大きな地震が発生したときなどもこういったことは十分に起こり得る課題でありまして、その際の支援のよいモデルとなる制度であり、政府としては、恒常的なメニューに加えるべきだと思います。
そのような意味で、今回、これからやっていく中でいろいろな問題が出てくると思いますけれども、被災者の皆様方に寄り添っていただきながら、改善を加えていきながら、是非、この制度の充実をよろしくお願いしたいと思います。
次に、今回の能登半島地震で多くの方から聞かれた声が、国のプッシュ型の支援や全国からの官民問わずの支援により、かなり早い段階から飲み水については必要数が十分確保されていたという声であり、そのことと対照的に、とにかく生活用水に困ったという声が、圧倒的に大きかった声であります。
スフィア基準によると、一日の必要量は、一人当たり、飲料水は三リッター、生活用水は五十リッターと言われ、生活用水の不足は、清掃や洗濯、手洗い等ができずに、そのまま避難所の生活環境の劣悪化につながります。
済みません、ここも一問飛ばさせていただきまして、そこで、皆様方、お配りしました資料を見ていただいてよろしいでしょうか。
これは、今回の能登半島地震において実際に七尾市の避難所で行われた生活用水の支援であります。プールの水を利用しまして、非常用生活用水浄水装置を使って生活用水に変えて、洗濯に利用したり、トイレや生活場面での手洗い、また、給湯器を使って温水シャワーとして利用されました。これが非常に喜ばれ、特に、手が洗えるということと、何より温水シャワーを使えることを皆さん大変に喜ばれたと伺っています。
先ほど言ったように、この避難所にも飲み水は既に体育館に山のように積まれていましたので、このことにより、給水車は、このプールの水がなくなったところ、プールに水を補充すればよいだけとなり、皆さんが並んで長時間、生活用水をタンクに入れるという時間が短縮され、給水車の稼働率もアップしたと伺っています。
そこで、少なくとも指定避難所については、生活用水を確保するためにこのような設備の事前準備を行うとともに、地域や専門の民間業者等と災害協定を結んでおいて災害時に出動要請を依頼するような仕組みの構築は検討できないか、お伺いします。
○松村国務大臣 山崎委員御指摘のとおり、避難所におきまして生活用水を確保できるよう各自治体において発災前から準備しておくことは、これは重要であると考えております。
そのため、内閣府では、避難所に関する指針におきまして、井戸等の整備に努める、こういったことを促しをしております。井戸に関しましては、緊防債でその対象になっておりますので、私も、今、陳情においでになる方々に、今回の反省として、是非井戸を掘ってくださいというお願いもしております。
また、あらかじめ近隣の公共施設や民間事業者と協定を締結いたしまして、災害時に必要となる防災機能設備等の協力を得られるよう準備しておくことを自治体に促しているところでございます。
実際に、浄水装置の提供に関しましては、自治体が民間事業者と協定を結ぶことにより、災害時における生活用水の確保を図っている例もございます。これは千葉県でございますけれども。
内閣府といたしましては、こうした事例の収集や自治体への情報提供を進めることによりまして、発災直後から円滑な生活用水の提供がなされるよう、平時における体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○山崎(正)委員 ありがとうございます。千葉の方でもそういった事例があるということで。
これは資料を見ていただいたら分かるように、私、元々中学校の教員だったんですけれども、やはり、学校でふだん使いできるもの、洗濯機とか様々なものがあると思いますので、是非こういったことを、先ほど大臣言ってくださったように平時から備えていただけるよう、よろしくお願いいたします。
次に、このことと関連して、熊本地震のときだったと記憶していますが、避難所の運営の中で、避難所等から出た生活排水について、農業用水などに影響を与えないように要望があったと伺いました。また、今回の対応の中でも、住民の方から排水をそのまま川に流して大丈夫なのかという不安の声が上がったとお伺いしました。
そこで、避難所における生活排水の留意点について、水質汚濁法や各自治体の条例等に抵触せずに安心して運営できるよう、排水についてのルールを避難所運営ガイドラインなどに盛り込むべきだと考えますが、見解をお伺いします。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
水質汚濁防止法に基づく排水規制につきましては、事業所等からの排水を対象としており、委員御指摘の生活排水につきましては、同法に基づく規制の対象とはなっていないところでございますけれども、平時から地方公共団体ごとに地域の実情を踏まえた対策が推進されており、そうした規定にのっとっての対処が必要になるというふうに考えております。
一方で、トイレ並びにトイレを支えるインフラ、ライフラインが機能停止に陥りますと、し尿の処理とか処分とか、そうした問題が生じますけれども、ガイドラインの中では、くみ取り業者等と災害時の協定締結を実施する、また、使用済携帯トイレの回収方法とか手段を確保することを自治体に対して促しているところでございますし、今回も仮設トイレを多数設置しておりますので、し尿処理業者の方にし尿の回収に回っていただいたということでございます。
いずれにいたしましても、こうした生活排水による公共用水域の汚濁の防止の観点は大変重要でございますので、関係省庁と連携しつつ、自治体に取組を促してまいりたいと考えております。
○山崎(正)委員 次に、今回の能登半島地震の初期の段階で我が党の災害対策本部でよく話題となっていたのが、各避難所にいる職員の方に権限が与えられていないというか、誰が判断する司令塔なのかが分からずに支援の手が遅れるという問題でありました。
例えば、先ほどの生活用水を提供した民間業者は、発災二日後の一月三日には七尾市に着いていました。そこで身分を明かした上で、こういう生活用水支援を行いたいと県や市に情報提供するとともに、避難所の職員にも申し出ましたが、学校施設なので校長先生の許可を取ってください、次は教育委員会、次は消防とたらい回しで、様々な関係者との協議、調整を全て自分たちで行い、ようやく、トイレの流し水の供給だけということで一月九日に稼働ができましたが、現地入りしてから六日間を要しています。さらに、温水シャワーがオーケーが出たのも一月二十三日ということで、更に約三週間かかったという状況でございます。
確かに、避難所にいる市役所の職員さんに、いきなり県外業者が来て、こんな支援をするのでこのように設置していいかと言われても、後から膨大な金額を要求されるのではないかとか、もし劣悪な技術の会社であった場合には体育館の中でガス漏れでも起こされたらと考えると、それらのリスクを職員の単独の判断に負わすのは酷だと思います。
そこで、避難所にいる現場の職員が迅速な判断ができるよう、信頼できる団体や企業等と事前に災害協定を結び、それらの判断が容易にでき、例えば、ファイルのようなものがあって、ここの業者だったらすぐやってもらってもいいというふうなものがあれば、支援者の方に、必要な支援が迅速に行える体制づくりができると思います。そういったことも重要であると思いますが、大臣の見解をお伺いします。
○松村国務大臣 お答え申し上げます。
災害時の被災者支援の充実を図るためには、委員御指摘のように、官民が連携して発災時に支援できる体制を、これは平時からやはり構築していることが極めて重要であると考えております。
このため、内閣府におきましては、避難所に関する指針や事例集を作成をいたしまして、平時から、避難所の多様なニーズに応えられる組織との協定や、顔の見える関係づくり、これを検討することを示しているところでございます。
また、キッチンカー事業者や調理師会などと自治体による、温かい食事の提供を可能とできるように協定締結の事例を周知をいたしまして、こういった取組を自治体に対して促しているところでございます。
また、今般の能登半島地震におきましては、被災市町ごとに中心になって活動いただいておりますNPO等の団体名を石川県や市町の関係者に通知をいたしまして、積極的な連携を依頼をしたところでもございます。また、NPO等の参画による避難所の環境改善の好事例等を紹介した、自治体職員、支援職員向けの参考資料を送付するなど、現場レベルでの連携の推進にも取り組んできたところでございます。
引き続き、平時における体制の整備、これが何より重要であると考えておりますので、推進をしてまいりたいと考えております。
○山崎(正)委員 ありがとうございます。
大臣のおっしゃるように、本当に、顔の見えるふだんからの連携と、ただ、広域な大きな地震の場合は、もっと更に遠くのところから企業なんかも今すぐ助けに行くような状況もありますので、また、事前の、そういった特殊な技術においては協定なんかも考えられるのかなというふうに思います。
次に、災害発生時における空からの支援についてお伺いします。
今日の質問の中であった生活用水支援も、これは民間資源の活用ですが、我が党で昨日行われた防災関係の会合でも、関係団体、有識者の皆様方から、災害時に被害者の方に迅速によい支援を行うためには、規制とか固定観念にとらわれずに、民間をもっと積極的に活用すべきとの言及がございました。
そういった視点から、発災時の対応において、民間ヘリ会社は専門的な技術を有しており、例えば、発災直後にレーザーを飛ばして行う航空測量によって山の亀裂や土砂の堆積を把握する技術があり、事前に何もない状態でのデータを取ってさえおけば、これらの技術を活用して速やかに状況を把握することが可能となります。今回も、のと里山海道が、次の日に行くと大変な段差があって、蛇行しながら、パンクしながら行ったということですけれども、そういった状況も把握することが可能であるということでございます。そういった危険箇所などの情報提供に活用できると思います。
もう一つは、発災直後に、例えばマスコミなんかのヘリが飛んでいることがあると思うんですけれども、下から手を振ったりとかハンカチを振ったりとか、住民の方がSOSのサインを出していることの映像が流れることもありますが、このようなことも、民間ヘリを活用して孤立した被災者や集落を把握して、今回も言われましたが、支援物資が届くんですけれども最後のラストワンマイルをどうすればいいんだという話がございました。こういった孤立集落への支援物資のラストワンマイルの輸送にも活用すれば、被災者の皆さんへの迅速な支援につながると考えます。
そこで、今回の能登半島地震では空からの支援は自衛隊一本であったと承知していますが、発災後は、最も重要かつ困難でありスピードが求められる人命救助は自衛隊と消防、被害状況や孤立集落の把握やそこへの支援物資の搬入等は民間といった役割分担を行った上で、民間機も災害対策本部の下被災地の空域で活動を行えるような救助体制の構築は大変有効であると思いますが、そういった体制整備について検討できないか、お伺いします。
○松村国務大臣 重要な御指摘だと思っております。
今回、地理的制約のある中で、やはり空からのアプローチというのは大変重要でございました。能登半島地震におきましても、ヘリやドローンを活用いたしまして、被害状況の把握や捜索活動、支援物資の輸送等を行ったところでございます。
また、民間におきましても、ヘリ等を活用した、委員もおっしゃった航空写真による上空からの被害状況の把握や、医療従事者の輸送や患者搬送等に加えまして、ドローンによる孤立集落への医薬品の配送なども行ったところでございます。
今回の地震では、地理的制約がある中、民間ヘリも含めた様々な手段を活用し対応を行ってきたところでございます。政府といたしましては、今後、民間事業者との連携も含めまして不断の見直しを行い、災害対応の更なる高度化を図ってまいりたいと考えております。
○山崎(正)委員 最後に、今回の能登半島地震が発生した被災地である石川県では、携帯トイレなんですけれども、トイレの問題なんですけれども、約二・五万回分の携帯トイレを準備していたと言われています。基礎自治体でも約八・三万回分の携帯トイレが備蓄されていましたが、全く足りずに、急遽、政府より約百万個分を超える携帯トイレが追加で供給されたと聞いています。
今回は、仮設トイレの目標である五十人に一基というふうな達成までに十日程度かかったというふうに言われています。本当に、これを思うときに、どうしても皆さん方非常に携帯トイレでやりにくいというのは分かるんですけれども、初期の段階でトイレを、特に一番安全なトイレを潰してしまわないといいますか、その段階で携帯トイレを使っていただくことによって、トイレがキープされて、そこで携帯トイレを使えるんですけれども、携帯トイレを最初に使わないと、もうこんもりとなってしまって、その後トイレがもう使えないというふうな状況が今回も各地で見られたようでございます。
だから、これから携帯トイレの個数をもっと更に備蓄していくこととともに、初期の段階でそういった活用をしていくことでトイレを生かしていく、そして仮設トイレが来るのに間に合っていくというふうな、そういった体制づくりが必要であると思いますので、済みません、もう時間がありませんのでこれは要請とさせていただきまして、私の方の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、近藤和也君。
○近藤(和)委員 近藤和也でございます。よろしくお願いいたします。
地震が起きてから六か月目に入りました。松村大臣始め関係省庁の皆様には、今までの御尽力、心から感謝を申し上げます。
実際には、被災地の皆様も何とか我慢しながら今までやってきているわけですけれども、行政に対しての批判ということは当然出てきます。我慢をされて、いやあ、行政はよく頑張っているよという方でも、やはりそのときの体の調子であったり時間の経過によっては批判される方もいらっしゃいますし、批判された方が、よく頑張っているなと、そういう評価もその都度その都度ございます。この毀誉褒貶というのはしっかりと私たちの方で受け止めていかなくてはいけないと思いますので、どうかこの被災地の気持ちにもずっと寄り添い続けていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
そして、今週の三日の日に、また震度五強の地震がございました。もう本当に心折れたという方がたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、やはり今心配されることは、崩れかけた家、崩れかけていないけれども危なそうな家、そして、今でも、例えば珠洲や輪島、能登町など、志賀町もそうですし、危なそうな崖のところを無理やり固めて崖崩れを食い止めているというような道路もたくさんございます。今でもこわごわ私も通っている道があるんですけれども。もうこの六月、七月、梅雨の時期がやってまいります。今までの地震でダメージが蓄積をされてきておりますし、二年前、三年前は能登でも大雨の被害がございました。このようなことも含めて、今まで以上に緊急度を高めていただきたいと思います。
今、気象庁の方では、例えば大雨洪水警報などはたしか六割か七割程度で警報を出すというような形で基準を下げているんですが、行政もしっかりと、その点に対しては避難指示等も積極的に恐らく出していくことになると思いますし、避難者の皆様の気持ちとしても、しっかりと逃げていただく、準備も含めて。これは政治からのメッセージが大変重要ではないかなと思っています。
そして、場合によっては、また崖が崩れて、孤立集落は十分これからも起き得るのではないかなと思いますし、場合によっては、せっかく仮設住宅に逃げていただいている方も含めて、やはり避難所に逃げてくださいという可能性も私はあると思います。ですから、避難所の備蓄は今どうなっているのかといったことも含めて、もう一度そこはリセットをして、今、急にやはりどこかに集まって逃げなければいけないということも含めて、警戒を強めていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○松村国務大臣 まず、委員おっしゃるとおり、次の災害に備えることは重要であると思っております。
六月三日に石川県能登地方を震源とする最大震度五弱の地震により、重傷者一名の人的被害や住家被害等が報告をされたところでございます。恐らく住民の方々も冷やっとなさったのではないかな、それから、思い出すとやはり不安が大きくなったのではないかなというふうに思っております。しっかり現場の御意見を聞きながら寄り添ってまいりたいと思っております。
今後、梅雨期や台風期を迎えるに当たりましては、防災態勢の強化を図るため、中央防災会議の会長であります内閣総理大臣から関係省庁に、都道府県などに通知を発出をいたしまして、大雨等に備えた危険箇所の巡視や点検の実施等について周知をしたところでございます。
特に能登半島地震で揺れが大きかった地域では、おっしゃるとおり、地盤の緩みであるとか河道閉塞等による土砂災害が発生しやすいと考えられるため、私からも、国土交通省や石川県に対しまして、河川の護岸や堤防、また、のり面、住家の裏山の亀裂がないか、こういったところ、インフラ施設についての点検を重ねてお願いをしたところでございます。
また、石川県におきましては、警戒を高めるために、大雨等の警報や河川の基準水準について通常よりも引き下げた暫定基準を運用し、危機管理を共有をいたしまして、早めの対応を取っていただくような措置をやっていただいております。
実際に大雨等が予測される場合には、関係省庁や地方自治体とも連携をいたしまして、政府としても万全の警戒態勢を取って備えてまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
実際には県が主体的に動くということになると思うんですけれども、県の要望、市町の要望に対して、そのときから準備するのではなくて、しっかりとまた動いていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
そして、今現場を回っていますと、やはり皆様から、六か月目に入ったということで、いろいろな期限の心配をされてこられるようになってきています。
例えば、応急修理制度であれば、通常は三か月で、今回の地震であれば、国で災害対策本部ができたから六か月で、そして、この地震は大変だということで、当初から一年で期限を延ばしていただいているということも伺っています。ただ、もうあと六、七か月でその期限を迎えることになります。
そしてまた、被災者生活再建支援金についても、通常は十三か月で、今回は十二か月延ばして二年と一か月というふうなことも伺ってはいますが、やはり、罹災証明なども含めて、もう私はいいわいねと言って何の手続もしていない方はやはりいらっしゃるんです。お子さんやお孫さんが家に来て、お父さん何もしてないがいねということで、そういったことも含めて、やはりこの期限については相当柔軟にしていただく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○松村国務大臣 お答えする前に、先ほど、六月三日の地震、五弱と申し上げましたが、五強でございました。失礼いたしました。訂正をさせていただきます。
お答え申し上げます。
被災された方々ができるだけ速やかに生活再建を進めていただけるように、国による支援策には申請期限が設けられております。おりますが、必要に応じ、その期限を延長することが可能とされておりまして、柔軟に対応をしているところでございます。
例えば、御指摘の住宅の応急修理につきましては、災害発生から三か月以内に実施いただくことを原則としておりますが、被災自治体と協議の上に、既に本年十二月三十一日まで期間を延長してございます。
また、被災者生活再建支援金制度におきましては、基礎支援金及び加算支援金につきまして、それぞれ、災害発生日から十三か月以内及び三十七か月以内に申請いただくことを原則としておりますが、石川県において、一部の市町を対象に、既に基礎支援金の申請期限を一年延長していただいております。
一方、罹災証明につきましては、国としては一律の申請期限は設けておらず、申請期限を設けるか否かも含め、市町村において適宜判断されているものと承知をいたしております。
内閣府といたしましては、被災自治体に対しまして、二次審査や再調査が可能であることを是非被災者の皆さん方に丁寧に御説明していただけるよう依頼をしているところでもございます。引き続き、被災された方々の生活再建の状況等を注視しつつ、被災自治体からの相談に丁寧に応えてまいりたいと思っております。
○近藤(和)委員 罹災証明等の期限、自治事務については、自治体によっては期限を決めているところもあります。やはり住民の方にとってみれば、これは国が期限を決めているのか、市町が決めているのかというのは、そんなの普通は考えないですから、ここも丁寧に、特に自治体については、期限を決めていても、彼らなりの思いもあるので、そこは、行政にも寄り添いながら、でも被災者の皆様にも寄り添いながらということで、何とかこの苦しいことを、是非とも思いを共有をしていただきたいと思います。
○松村国務大臣 確かに市町では一次審査の期限を決められたりしているところがいらっしゃいますが、その辺は、お聞きしますと、現場では柔軟な対応をなさっておりまして、あくまでも復旧復興を早期に進めるための期限の設定であるというふうに私は理解をいたしております。
柔軟な対応を引き続き促してまいりたいと思います。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
それでは、次の質問へ参ります。
今、皆さんが、借金を抱えて、でも、また家を建て直せるか、事業を再開できるかといった悩みをやはり多く伺います。
今、金融庁の方では、二重債務問題についてはガイドラインを出しております。弁護士費用はかからないだとか、手元にある程度、五百万近くはお金が残せるだとか、ブラックリストには載りませんよとか、こういったことも含めて、私が、借金を抱えて大変だという方皆様に申し上げるんですが、ほとんどの方は初めて聞いたと言うんですね。全然知りません。
資料の方でも、一の方ですけれども、このガイドラインについての自然災害案件のところですね、去年の末から含めて三十三件しか増えていない。これからもうちょっと増えてくるとは思うんですけれども。要は、伝わっていないのかなというふうに思います。
大変重要な制度だと思いますので、この点について、金融庁からお話を伺いたいと思います。
○神田大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘の自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインにつきましては、先ほども御指摘のとおり、これを利用して住宅ローンなどの免除や減額を申し出ていただきますと、弁護士等による手続の支援が無料になること、あるいは、財産の一部を手元に残せること、また、債務整理をしたことが個人信用情報として登録されないことなどのメリットがございます。被災者の生活再建に資する施策であるというふうに考えております。
このガイドラインにつきましては、発災直後より利用促進や周知、広報に努めているところでありまして、被災地での認知度も徐々に上がっておりまして、足下の利用件数は増加傾向にあると承知をしておりますが、委員御指摘のとおり、まだこのガイドラインの存在を知らずに利用されないということがないように、金融庁としても更なる普及が必要であると考えています。
今後も、財務局や被災地の自治体等と連携をしながら、手続の方法やメリットなどの説明を含めて、このガイドラインの利用に係る相談に適切に金融機関が応じるように要請するとともに、メリットや利用手続を記載したパンフレットを被災者の方々へ配付する、こういった更なる利用促進あるいは周知、広報に努めまして、被災者支援に全力で取り組んでまいりたいと思います。
○近藤(和)委員 神田政務官が言われましたように、メリットはありますよね。デメリットはないんですよね。手数料もかからないし。はい。こういったことも含めて、デメリットはありません、是非とも相談してください、金融機関に対してですね、こういったことは是非とも強く言っていただきたいというふうに思います。
そして、ちょっと心配なのが、ある方にそのことを申し上げましたら、金融機関に電話したそうです。この人は結構借金を抱えているなということで、相談してくださいと言ったら、金融機関から、あなたは大丈夫ですということを言われたらしいんです。本当に大丈夫だったかもしれません、負債もこれだけあるけれども、貯蓄もたくさんある、若しくは資産がある方かもしれないんですけれども、そこはどこの金融機関ですかと聞きましたら、やはりあそこかというふうにちょっと私は受け止めました。金融機関にとっても、温度差があるかもしれません。
そして、更に申し上げれば、金融機関も被災者でございます。貸出しをしている事業者さんもかなりやめていっていますので、金融機関さんにとってみればデメリットの話かもしれないですし、一方で、金融機関もしっかりと支えていくんだということも含めて、地域経済そして被災者の方を守っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
神田政務官、これで結構です。ありがとうございます。
それでは、次の質問に参ります。
今、交番なんですけれども、能登では六十四の駐在所がございます。その中で、うち五十一か所の交番でいわゆるお巡りさんがいらっしゃらないような状況です。実際には、建物が壊れているとか水がまだ来ないとか、こういった交番は致し方ありませんけれども、被災者の皆様の心配事とすれば、このまま交番がなくなってしまうんじゃないか。よく、郵便局、小学校、農協、漁協なども含めてどんどんどんどんなくなっていっていますので、しっかりと、交番をなくすことはないんだということを是非とも明言していただきたいと思います。
もう一点、七尾市ですとか志賀町の中でも、本当にきれいに、もう水も来ているし建物もきれいだという交番があるんですね。こういったところには、地域の皆様からとってみれば、警察がパトロールしていただいているのは十分理解をした上で、やはり地域の交番にお巡りさんがいるということが地域の安全につながります。ですから、もうここには住み込みができるんだといったところには、お巡りさんに帰ってきてほしいんですね。
この点について、警察庁にお話を伺います。
○和田政府参考人 駐在所の地域警察官は、地域に溶け込み、住民の困り事、意見や要望、事件又は事故の発生の状況といった地域社会の実態の掌握に努めているとともに、地域住民の日常生活の安全と平穏を確保するための活動を行っているところです。
被災地の石川県警察においては、一部の駐在所施設が被災により使用できない状況にあることに加え、避難中の家屋への空き巣等の災害に便乗した犯罪の被害防止のため、駐在所員を含めて二十四時間体制でのパトロールなどに当たっているものであり、こうした駐在所員の運用に関しては、被災地の実情を踏まえた応急の措置として行っているものです。
一方、発災から五か月が経過し、駐在所員の姿を見せる活動が被災地の住民の皆様の安心感の醸成につながることも踏まえ、使用可能な駐在所については、昼間帯に駐在所員が駐留し、担当する区域を巡回するなどの活動も再開しつつあるものと承知しており、また、現段階で駐在所の廃止等を検討しているものではないと報告を受けているところです。
引き続き、駐在所員による地域に溶け込んだ活動を推進するとともに、当該活動の周知、広報にも力を入れるよう石川県警察を指導してまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 減らすことはないという答弁、ありがとうございます。
ただ、一方で、再開しつつあるということなんですけれども、再開していないので、戻れそうなところも。是非とも再開してください。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
それでは、なりわい補助金について伺いますが、賃貸物件への支援を、やはりアパート、マンションですね、していただきたいんですが、なぜ対象にならないんでしょうか。
○吉田大臣政務官 お答え申し上げます。
御指摘のなりわい補助金は、大規模な災害により被災した中小・小規模事業者が、事業に不可欠であり、原則として、自ら用いる施設設備の復旧を行う際に、その費用を補助するものでございます。そのため、住居用の賃貸目的物、目的の施設は支援対象外としておるところでございます。
いずれにいたしましても、能登半島地震で被災をした事業者のなりわい再建に向け、引き続き、被災事業者に寄り添いながら、被災地の復旧復興に向け全力で取り組んでまいります。
○近藤(和)委員 厳しい言い方をいたしますけれども、被災事業者に寄り添っていないんですよ。
この資料の二の問い三十一を見ていただきたいと思いますが、住居用の賃貸アパートや賃貸マンションは補助対象にはなりませんということで、この理由とすれば、「販売目的の商品を補助対象外としており、」ということで、これはどういうことかといいますと、ラーメン屋さんの店舗や機械類は直すけれども、ラーメンは出しませんよと。これは分かるんですよね。販売用不動産という言い方も分かりますが、アパートやマンションというのは、そこに入ってもらうということで、何もそれを丸々誰かに買ってくださいというわけではありません。
そして、田舎ですから、そもそもアパート、マンションは少ないんですけれども、今、多くの家が壊れました、そして、残念ながら空き家も壊れました。二次避難でみなし仮設に入っておられる方も、仮設はやはり狭いよねという声も聞くんです。ですから、そういった方々に能登にあるアパートやマンションに帰ってきてほしいと思いますし、アパートやマンションの大家さんも被災者です。彼らがアパートやマンションをやめると言ったら、そこは廃墟になりますから。そして、そのアパートやマンションというのは、これは販売ではなくて、あくまでも収益を生み出す、先ほどのお言葉をかりれば、設備であることは間違いないんですよね。
ですから、ここは、本当に寄り添うということであれば、これから能登は、交流人口、そして関係人口、復旧復興も含めて、災いを転じて何とかして多くの方々に能登に帰ってきてもらう、若しくは能登に住んでもらう、これを本当に望んでいるんです。その中で、能登に来て、家を買ってくださいとか建ててくださいというのはやはりハードルが高いですから、アパート、マンションをやはり事業としてされておられる方のなりわい、商売を考えても、本当に必要だと思うんです。
そこで、役所の方とは、難しいという答弁しか来ないということは分かっているんですけれども、だから、この場で私は、政治家として、吉田政務官に、お気持ちは分かっていただけると思うんですが、いかがでしょうか。
○吉田大臣政務官 気持ちは十分分かっているつもりでございます。
繰り返しでございますけれども、なりわい補助金は、原則として、自ら用いる施設設備の復旧を行う際の費用を助成するものでありまして、住居用の賃貸目的物の施設は支援の対象外としておるところでございます。住宅政策と、それから、なりわい補助金の趣旨というところにその違いがあるというふうに御承知おきいただければと思います。
○近藤(和)委員 気持ちは分かれば、もう一歩本当に踏み込んでいただきたいんですね。
そして、アパートやマンションを持っている方も、なりわいですから、事業ですから、そこの箱物で生活再建できるんですよ。よそからやってきてくださる方がそこで生活できますし、帰ってこれますし、その方も自分の商売の糧を今失っているわけなんです。住居政策じゃありません。復興政策ですから。
今日は、気持ちは分かりますという答弁をいただきました。まだ復旧復興は長いですから、何とか、是非とも、委員会の各委員の皆様も御理解を、自分の地元で起きたらどうなのかということを想像していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、続いて、このなりわい補助金なんですが、スナックが対象外であるのはなぜでしょうか。
○吉田大臣政務官 お答え申し上げます。
スナックなどの業態における、いわゆる風営法第二条第一項第一号に該当する事業者につきましては、これまで実施してきたグループ補助金やなりわい補助金においても、原則として支援の対象外としておりまして、今回も同様の対応としているものでございます。
いずれにいたしましても、補助金の実施主体である県ともよく連携をしながら、引き続き、被災地域に寄り添った支援を進めてまいりたく存じます。
○近藤(和)委員 風営法の第二条第一項第一号に書いてあるんですよね。スナックではなくてキャバレーという書かれ方をしていますが、改めて、なぜ駄目なんでしょうか、そこに書いてあることで。
○吉田大臣政務官 スナックというふうな言葉だけで一概的なお考えを示すことというのは、中身もありますので、ちょっと困難でございまして、現場において施設ごとの実態を踏まえて適切に判断すべく、実施主体となる県とよく連携をしてまいりたく存じます。
○近藤(和)委員 事務方の方とお話をいたしますと、国民の理解が得られるのかとか、そして、公序良俗に反するのではないか、そういった世論も心配だということをレクの段階で聞いて、今日の答弁では厳しいですということも聞いているんですが、あえて政治家だから聞いているんですね。
そこで、警察庁に伺いますが、風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律、いわゆる風営法の中で、第二条第一項第一号にキャバレーですとか待合など書いてありますが、それらは社会的に認められない営業、仕事なんでしょうか。
○和田政府参考人 風俗営業は、風営適正化法において許可制の対象とされ、健全に営まれるように必要な規制が設けられているところであり、適正に営まれれば、国民に憩いと健全な娯楽を提供するものとなると考えております。
○近藤(和)委員 そうなんですよ。健全に営業して、これは許可制なんですけれども、そして、国民に憩いと娯楽を提供するんですよ。風営法に書いてあるイコールいかがわしい仕事というわけじゃないんですよ。
許可をもらって、何か違法行為を行っていれば、それは駄目ですよ。でも、地域に根差して、ずっと何年も何十年も営業されておられる方々が風営法のこれに入るというだけでなりわい補助金の対象にならないというのは、それこそ私は国民の理解が得られないと思います。
恐らく皆さん、そうですよね。自分の地元でスナックだけが対象外だったら、それは勘弁してくれと思いますし、地域の明かりなんですよ、飲み屋さんは。ホストかホステスか分からないですけれども、そこの方々だって仕事をしているわけです、なりわいですよ、そのものですよ。
しかも、今、工事関係者の方、全国の方々が来ていただいています。彼らにもむしろ潤いを、憩いを持っていただいて、また復旧復興を頑張ってほしいんですよ。これを、ただ単に風営法の第一項一号に書いてあるからといってこれを否定するものでは私はないと思いますし、今までやってきたことがないから適用しないんだということも説明を聞いています。恐らく今聞いたらそういう答えを出すと思うんですけれども。
そもそもが、なりわい補助金はグループ補助金ですよね。グループ補助金だって、東日本大震災のときにつくられて、そのときには、私的な企業の財産形成にお金を出すのはおかしいということだったのが、でも、東日本大震災の被災地は壊滅的なダメージを受けて、一事業者だけだったらおかしいから、二事業者以上の方々に事業を再開していただくことによって経済活動を再開してほしい、それでつくられた制度じゃないですか。僅か十数年前ですよ。
ですから、前例だとか過去からの公平性ということで断るんじゃなくて、今後の能登の復旧復興のことに対しても、そして被災者の皆さんのことに対しても、応援に来ていただいている方のことを考えても、そして御自身の地元でも想像していただきたいんですけれども、明かりですよ。今後、これでスナックがなりわい補助金の対象になるといったら、今後の未来の被災地の方々も、本当にあのとき変えてくれてよかった、ありがとうということになると思うんです。いかがでしょうか。
○吉田大臣政務官 先ほど冒頭に答弁したところは、原則として支援の対象外というところは変わりませんけれども、ただし、実施主体であります県ともよくその事情は連携をして見させていただき、その名称や外見のみをもって判断するのではなくて、施設ごとの営業の実態や風営法の適用状況などを踏まえて適切に判断をしていきたく存じます。
○近藤(和)委員 大臣、お聞きいただいて、ゆえに、熊本地震のときも、何でというふうに思われたと思いますが、是非とも、政府・与党の皆様がその気になれば私はできるというふうに思いますので、何とかお力をかしていただきたいと思います。まだ復旧復興、時間がかかりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、吉田政務官、ありがとうございました。
それでは、公費解体のことについて伺います。
公費解体については、かなり時間がかかります。頑張っていただいているのは十分分かるんですけれども、自費解体を選ぼうという方々もたくさんいらっしゃいます。そこでやはり言われるのが、自費解体であれば、ちゃんと自費償還で、適正な価格であれば、上積みして、下さいということはないということなんですよね。環境省からもそういう確認はいたしました。
しかし、現場の市役所、町役場の皆様と被災者の皆様で会話をしていると、やはりちょっとオーバーするかもしれないですよということをヘッジ文言として言わざるを得ないという気持ちも分からないでもありません。でも、十万、二十万の一割、二割じゃなくて、百万、五百万、一千万、下手すれば解体で、それの一割、二割オーバーしてしまったら、ただでさえお金がない被災者の皆さんは出せないですから。
ですから、これは環境省として、更なる追加を、適正な価格であれば求めることはありませんというこの国会での答弁が現地での皆様の安心感につながると思いますので、いかがでしょうか。
○滝沢副大臣 お答え申し上げます。
被災者が自ら解体事業者に依頼し解体を行い費用の償還を受けるいわゆる自費償還については、被災者と解体業者との解体撤去の契約額が適切な価格であることを市町村が確認した上で、被災者が支払った額を市町村が償還することとしております。
適切な価格につきましては、違法性、悪徳性のある事業者からの高額な請求を排除するなどの観点から、対象とならない費用を除いた上で、市町村がその建物を解体すると仮定して算出することとなっております。
自費償還に当たっては、解体事業者が示す価格が市町村が算出した価格の範囲内であることを契約前に市町村に相談していただくことで、安心して解体を進めていただくことができると考えております。
引き続き、環境省職員の被災市町村への派遣などにより、こうした制度の内容の周知や技術的な支援を行うなど、被災自治体に寄り添った対応を行ってまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。
適正な価格であれば求めることはないということですよね。(滝沢副大臣「そうです」と呼ぶ)はい、ありがとうございます。これで自費解体が進みやすくなると思いますので、感謝申し上げます。ありがとうございます。
それで、次の質問を飛ばしまして、準半壊、一部損壊の問題がございます。
やはり、この六段階の中で下の準半壊、一部損壊はほとんど補償などが少ないという状況でして、準半壊、一部損壊の方々で、せめて公費解体してもらえないかという声が本当にたくさんあります。一部損壊だけでも、解体しようと思ったら数百万かかってしまう、もうこのままじゃ、解体しないで、子供や孫のところに行って、自然に空き家でほったらかしにするよという声さえもございます。何人も言われます。
そして、例えば珠洲や輪島や能登町の一部であれば、各地域がほとんど全壊のような集落もあるわけですね。そこで、準半壊、一部損壊の家がぽつんと残ってしまうと、地域の再開発にも支障を来します。いたずらに壊してくれというのもおかしな話ですけれども、この方は経済的にはもう無理です、直すことについても、数百万もかかって、直すことも壊すことも不可能だ、この人がですね、ということが、例えば自治体がそれを認めれば公費解体をするという、私は、この一歩踏み出した決断、多分都会だったらないと思いますが、田舎だったら、例えば珠洲市だったら半分以上が六十五歳なんですよ。四人のうち一人が六十五歳以上、一人が七十五歳以上、そして一人がようやく現役世代、そして一人が現役かお子さん、そういう状況なんです。
ですから、何とか、自治体がこの人は難しいよねということを認めれば公費解体の対象に入れていただきたいんです。これも今までになかったことで、役所の人だとちゃんとした答えがないのは分かった上で、私は副大臣にお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○滝沢副大臣 お答え申し上げます。
環境省では、市町村が行う公費による解体の財政支援を行っております。支援対象については、原則は、廃棄物とみなされることができる全壊家屋のみを対象としていますが、能登半島地震が特定非常災害に指定されたことも踏まえ、半壊家屋についても特例的に支援対象としているところでもございます。
半壊未満の被害認定である準半壊は、損害割合が一〇%以上二〇%未満、一部損壊は、準半壊に至らない損害割合であり、修理で対応いただくことが基本と考えており、内閣府において、住宅の応急修理制度により修理費用の一部を支援していると承知しております。被災者に寄り添った対応を行う観点から、令和元年度に、その支援対象を準半壊の家屋に拡大しております。
環境省としては、関係省庁や石川県としっかりと連携をして、被災者に寄り添った支援に努めるとともに、一日も早い被災地の復旧復興に資するよう、公費による解体を加速してまいりたいと考えております。
○近藤(和)委員 液状化であれば、準半壊や一部損壊だと、もうやむを得ないということであれば公費解体の対象になるんですよね。今回は半壊以上で特例だということでしたが、何とか、この人はもう無理だ、例えば、無条件で認めてくださいというわけではなくて、自治体の方もこの人は無理だということであれば、私は、特例を今回設けて特例で進めているからこそ、更なる特例ということを求めたいと思います。何とかよろしくお願いいたします。
済みません、時間が来ましたので、馬場総務副大臣に伺います。
これも、地域の皆様が今ばらばらになっています。やはり定期的に集まることによって、地域のきずなであったり、また、心の栄養といいますか健康回復といいますか、そして情報を共有するといった点でも、適時、地域で集まれる何らかの仕組みが欲しいということを各所から聞きます。
今、国としてはそういう制度はないということなんですが、現状であれば復興基金なのかなというふうに思いますが、この点について、復興基金では、もし石川県がやりたい、地域のコミュニティーでイベントを定期的にすることに対して復興基金から使うということを、もし希望があったときには私は否定しないでほしいと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○馬場副大臣 令和六年能登半島地震からの復興に向けて、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間の事業について対応するために、被災自治体が地域の実情に応じ住民生活の安定等様々な事業について弾力的に対処できる資金として石川県が創設する復興基金に対して特別交付税により措置をすることとしたところであります。
各府省庁の詳細な制度については総務省としては把握しておりませんけれども、御指摘のような地域のきめ細かい事業については、石川県が策定を進めている創造的復興プラン、仮称でありますけれども、それにおいても盛り込まれていると承知をしております。
復興基金の使途については、石川県が被災市町と協議しながら、地域の実情や住民のニーズ等を踏まえ自主的に判断するものであります。
○近藤(和)委員 否定するものではないということですね。はい。うなずいていただきまして、ありがとうございます。
時間が参りました。改めて、済みません、米山議員からも少し時間を分けていただいたんですけれども、時間がたてばたつほど、どんどんどんどん困り事はまた出てきます。ですから、もう国会もあと二十日ぐらいしかないということで、閉会中も含めて、この災害対策特別委員会を是非とも定期的に開いていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。大臣、よろしいですか。
○松村国務大臣 今、馬場副大臣から答弁がございましたが、私も六月一日に能登半島に入らせていただいて、輪島、七尾、志賀、内灘と、首長さん方との意見交換をやってまいりました。その前日に、総理から、五百二十億の基金ができたということで、既に、馳知事も一緒に回っていただきましたので、まず、熊本県でどういう使い方をしたかというものを差し上げてございます。
その上で、回りました意見交換の中で、是非、県と自治体とで協議会をつくっていただいて、どのような困り事があって、どういうふうに今後進めていきたいのか、しっかりとコンセンサスを取っていただきながら基金の使い方については考えていただきたいというようなお話をしてまいりまして、まさしくこれから進んでいく状況かと思いますので、余計でございましたけれども、そのことだけはお知らせをしておきたいと思い、答弁させていただきました。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。頑張りますし、頑張りましょう。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、米山隆一君。
○米山委員 それでは、会派を代表して御質問いたします。
今ほど、同じ会派の近藤委員からたくさん質問させていただきましたので、その分の時間は私の方で調整させていただきます。その関係で少し質問が飛ぶかもしれませんが、それは御容赦ください。
それでは、資料一を御覧ください。今ほどちょうど話題になったところでございますが、副大臣からも復興基金のお話がございました。これ自体は本当にすばらしいことで、是非、有効に使っていただきたいと思っております。
一方、この資料の下の方を御覧くださいというところなんですけれども。
新潟県、富山県に関しましては、これは適用になって、適用というか、それは県ごとにやるのがいいんでしょうから、この同じ基金を新潟県に使えということではないんですけれども、新潟県、富山県には基金はもちろんございません、措置されません。そして、この同じ資料の中で、液状化対策に係る単独事業について、毎年度の算定の中で、特別交付税措置を講ずる、措置率〇・八というふうにされているわけでございます。これも、それはもちろん石川県が最も被害が大きかったということで、もちろん石川県に最も手厚く支援なんかはなされるべきことに関しても、全然それは異論はないんです。
しかし、資料二を御覧いただけますと、住宅に限って言えば、石川県が八万千二百四十二棟被害がありましたけれども、新潟県は二万三千二百八十八棟、富山県も一万八千四百十七棟でございまして、新潟、富山は、おおむね石川県の三〇%、二〇%の被害があったということになります。
もちろん被害の状況というのも違いますから、全壊が多いとかそういうことはあると思うので、これもストレートにそうだということではないんですけれども、しかし、やはりそれ相応の被害はあるわけなんです。単年度でやればいいじゃないかと言われるかもしれませんけれども、液状化対策、単年度でできるものもそれはあろうかとは思いますが、しかし、やはり、それは土壌のことですから、数年をまたぐようなことだってあるわけなんです。
資料三を御覧いただけますと、新潟ですから、石川ほどにライフラインが破壊されたということではございませんけれども、やはり液状化が起これば直ちに人口流出が起こってしまう。そうすると、その地域を保っていくためには、やはり、ちゃんとここを液状化対策をするんですよ、それは莫大なお金がかかりますから、かなりな部分はちゃんと公費で手当てしていくんですということを言っていただくことは非常に大事なことなんです。
ということで、是非、新潟県、もちろん新潟県や新潟市、富山県等の希望があればということではございますが、ないのにしろという意味でもないんですけれども、是非、今般石川県に交付が決まった五百二十億の恐らくは一〇から二〇%程度、すなわちは五十億から百億程度の復興基金を設け特別交付税措置をしていただきたいと思うんですが、御所見を伺います。
○馬場副大臣 御紹介がありましたけれども、石川県については、今般の地震によって、極めて広い範囲にわたって面的に甚大な被害が生じて、長期にわたり復興に向けた取組が必要と見込まれることから、例外的な対応として、復興基金に対する財政措置を行うこととしました。
一方で、今話がありましたように、新潟県、富山県については、過去の災害における対応や被害状況を踏まえ、復興基金に対する財政措置は行わないこととしましたが、今回の震災で特に課題となっている液状化対策について、適切に対応するため、液状化対策に係る単独事業について新たに特別交付税措置を講じることとしました。この措置については、令和六年度以降の毎年度の特別交付税において適切に算定してまいります。
液状化対策事業以外の地域の実情に応じた個別の課題についても、その財政需要を丁寧にお伺いしながら、毎年度の特別交付税の算定において適切に対応してまいります。
○米山委員 私、新潟県の選出議員ですから、それは、はいそうですかとは言えないといいますか、是非今後とも御検討いただきたいと申し上げさせていただきつつ、今ほど、毎年度ということがございました。是非これは、一年でなかなか終わらないところはたくさんあると思いますので、あくまで基金を求めますけれども、同時に、そうでないなら、やはり毎年度の御対応をお願いできればと思います。
その上で、ちょっとお伺いしたいんですけれども、国交省の液状化対策事業では十軒で三千平米以上という基準がある。そのぐらいの、ある程度の幅、密集したといいますか、地域内にある程度の数のある液状化でないと、それに対して措置がされないというような、国交省の事業ではそういう基準があるというふうに伺っているんですけれども、今般の特別交付税措置においてはそのような基準はないと聞いてよろしいでしょうか。
○濱田政府参考人 お答えいたします。
今回、地域の実情に応じた独自の取組を支援する観点から、新潟県、富山県が行う液状化対策に係る単独事業について、特別交付税措置を講ずることといたしました。したがいまして、この特別交付税措置につきましては、御指摘の条件を設ける予定はございません。
○米山委員 それはありがたいことでございますので、是非それはなしということで、ないということですので、それはありがとうございますと言わせていただきます。
そして、その上で、資料四を見ていただいて。
しつこいと言われるんですけれども、それはやはり言いたくなる、言いたくなるところは言わなきゃいかぬというところだと思うんですが、百歩譲って、基金は県単位ですから、県単位というか、それだって別に県単位と決まったものでもないでしょうけれども、実際の行政の在り方を考えれば県単位に設けるしかないだろうとは思うんですけれども。ちょっと古い話に、古い話というか、なってしまっているかもしれないんですけれども、国が設けましたね、新たな交付金、この地域適用が、何で新潟県、富山県は適用ではないのかというのは、これは本当に納得がいかぬというところでありまして。
資料五を御覧いただけますね。
それは新潟日報を読んでいるのは新潟の人たちだけだろうと言われるかもしれませんが、新潟の人にしてみれば何とショックということなんですよ。
それは、だって、地域的に必ず出すという補助金ならまだ分かりますけれども、世帯ごとに出す補助金ですよね、この新たな支援金というのは。世帯ごとに出すものなのに、地域によって全然違う。自治体の境界をまたいだらまるで適用されなくなるというのは、これはちょっと理屈としても立ちづらいと思うんです。そういうものなんですかと。今言ったみたいな地域ごとの対応というなら、それはこの地域は高齢化率が高いからみたいな理屈があるのかもしれませんけれども、個人単位というのはおかしいじゃないですか。
更に言うと、以前に予算委員会なんかで聞いたときの理屈は、七尾、輪島、志賀町、能登町、珠洲市、穴水町の六市町は高齢化率が高いから、そこだけなんだとおっしゃられたんですけれども、ここの平均高齢化率四四・三%なんですけれども、新潟県の被害世帯ですね、被害世帯の高齢化率というのは五五%で、これを上回る。あくまで個人単位の補助金なんですから、それは、そんなふうに限定せずに個人単位で支給したらいいじゃないですかと思うんですけれども、こちら、もう今更でもないと思うので、是非、富山、新潟にも適用していただきたいということで、御所見を伺います。
○三浦大臣政務官 お答えいたします。
米山先生には、これまでも、新たな交付金制度につきまして、対象地域につきましては御質問いただきお答えしておりますけれども、能登地域が高齢化率が著しく高いこと、これをもってのみならず、家屋を建設できる土地が極めて少ないなど、半島という地理的な特殊な制約がありまして、住み慣れた地を離れて避難を余儀なくされている方が非常に多いということ、また、地域コミュニティーの再生に向けて乗り越えるべき大きくかつ複合的な課題があるという能登地域の実情、また特徴、ほかの地域と比べて特に深刻な被害状況、被災状況というものに鑑みまして、能登地域六市町を対象に限定してきているところでございます。
○米山委員 毎回そうおっしゃられるんですけれども、やはりそれは納得がいかぬといいますかね。
資料をお配りしましたけれども、それは結局どこだって同じ、同じという言い方は、それは特性はあるにせよ、結局、新潟だって、一気に人口減少してしまって、人口減少してしまったら、それはその地域のコミュニティーというのは保たれなくなってしまうわけですので、そこは、押し問答で恐縮ですけれども、是非今後とも御対応を考えていただければと思います。
そして、時間が大分押してしまったので、水道の話は、先ほど山崎委員ですかね、がお話ししていただきましたので、私は飛ばさせていただいて、次の質問にさせていただきます。
資料七を御覧ください。
これは意見が分かれるところだと思うんですけれども、御見解を伺いたいということで。
これは、令和六年四月九日開催の財務省の財政制度分科会の議論で、今後の復旧復興に当たっては、過去の災害における事例も教訓に、被災地の多くが人口減少局面にある中、将来の需要減少や、維持管理コストも念頭に置きながら、住民の方々の意向も踏まえつつ、集約的な町づくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要ではないかという提言がなされました。
これに対して、四月二十五日の災害対策特別委員会で我が党の近藤議員が質問して、赤澤副大臣ですかね、が、財政の制約、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることはないと答弁され、松村大臣も、能登半島地震の被災地の方々に寄り添い、一ミリもずれることなく、しっかりと後押しをしてまいりたいと御答弁されております。
私は、それ自体は結構なことだと思います。当然そうあるべきだと思うんです。しかし一方、財政や予算の制約ではなくて、人口の制約というか、未来の制約というものもあると思います。
実は、私も極めて中山間地の出身で、短いながら知事をしたこともあるので痛感するところなんですけれども、地域や共同体というのは、それを維持するのに最低限の規模というのはやはりあると思います。それは、インフラだけがあっても維持できない、予算だけがあっても、インフラだけがあっても維持できない。何せ、道路があって上水道と電気が通っていても、一定の人数がいないと、買物する商店がない、これがやはり致命的でございまして、商店がなくなる、さらに、病気になったときに行く病院がなくなる、介護を受ける福祉施設がなくなる、子供が学ぶ学校がなくなるということになって、そうなると、結局、そこに人は住めないということになってしまいます。
今また無理に同じ場所で、無理という言い方は恐縮ですけれども、全く同じように復旧復興しても、資料八にあるとおり、これは東日本大震災の話ではございますけれども、十数年後に一気に人口が減少してしまって、買物ができなくなってしまう、病院に行けなくなってしまう、学校に行けなくなってしまうとなったら、十数年後、十数年分、年を取った後に、結局、転居せざるを得ないではないかということになってしまうわけなんです。
さらに、災害というのは地理的に起こりやすいところで起こるわけですから、ということは、もう一度同じ地震があれば、同じところは同じことが起こりやすいわけですね。それは、もちろんちゃんと防災対策をするにしたって、今ほど、地理的要件もあるとおっしゃいましたから、やはり同じ地理的要件の下、同じ災害が起こりやすいわけなんです。
ですので、長期的に見た被災地の復旧復興のためにこそ、やはり長期的に存続し得る集約化というものを念頭に置いた復旧復興が必要だと考えますが、大臣の御所見を伺います。
○松村国務大臣 発災以降、全力で復旧復興に当たってまいりましたが、被災地の復興に当たりましては、地域の事情に精通する地域の方々が、その特性や課題を踏まえまして、住民の声を聞きながら、一体となって主体的にビジョンを構想し、その実現に取り組んで復旧復興に向かっていただくことがやはり重要であると考えております。
先日、石川県におかれましては、創造的復興プランの案を示されました。その案では、人口減少と高齢化が急速に進む中で、地域の未来を地域で考えて決めていく、また、若者や現役世代が主体となって地域の未来を描くなどを基本姿勢とされて、地域の活力を向上させていくための関係人口の拡大や、地域コミュニティー単位で自立分散型のインフラを備えたオフグリッド集落の整備など、持続可能性も考慮した上で、目指す町の方向性が掲げられているものと承知をいたしております。
政府といたしましては、このような被災地の思いにしっかりと寄り添い、地域が考える地域の将来像の実現に向けて、私は全力で後押しし、伴走支援を行ってまいりたいと考えております。
○米山委員 それこそ未来像というのは地域の方々が共有しないといけませんから、もちろん地域の方々が決めていくことだと思うんですけれども、今ほど、持続可能性というお話もございました、将来を考えるということもございました。是非、伴走の中にそういった将来のありようというものも示すという志高い行政をやっていただけることをお願いいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、堀場幸子君。
○堀場委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の堀場幸子です。
前回質問をさせていただいたときに、水道の状況というのは、今までの地震に比べて非常に早く終わりますよという質疑がありまして、その質疑の後に、ちょっと工事が遅れますということになったんですけれども、今日は水道に関する質疑がありましたのでちょっと一問目は飛ばさせていただくんですけれども、やはり水道は基本的に非常に重要だというのはもう言わなくても分かっていることだと思いますし、私有地への引込みが厳しいというのは是非御理解をいただいて、何度も質疑の対象になるということはそれだけ重要度が高いということだということも御認識していただければと思いまして、ちょっと一問目を飛ばさせていただきます。
まず、私は今日は子供のことをちょっと聞いてみようかなというのが、全体としてのテーマです。また、過去の事例がどのような参考になっているのかなということも踏まえて質問をさせていただきたいなと思っています。
まず、子供たちだけではないですけれども、そこに生活する人にとって道路というのは非常に重要でございますので、現在復旧できていない路線、特に補助国道、普通の一般の国道は大丈夫だというふうに聞いているんですが、この補助国道の復旧ができていない路線、区間の状況について、国交省さん、お願いいたします。
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
今回の能登半島地震の対応につきましては、半島という地理的制約によりまして、複数の方面から道路啓開が難しいという課題もございました。石川県、自衛隊とともに連携いたしまして、陸海空からくしの歯状の緊急復旧を進めてまいりまして、一月九日には半島内の幹線道路の約八割、十五日には約九割が通行可能としたところでございます。
能登半島の主要な幹線道路であります石川県管理の国道二百四十九号でございますが、特に輪島から珠洲にかけての沿岸部、これにつきましては、被災が極めて大規模な箇所は山崩れが起こったりしております。そういったことから、発災直後から国が県に代わって緊急復旧を進めておりまして、順次、最低限の通行を確保してきたところでございます。
この結果、国道二百四十九号については、発災直後は最大二十五区間あった通行止め区間が、現在、大規模被災箇所の六区間まで減少しているところでございます。それで、この六区間のうち、輪島市の大野町地区また千枚田地区の二区間、これにつきましては、緊急車両また地元の車両が通行可能というふうにはなっております。段階的に通行を確保してきているところでございます。
今後も、石川県と連携をいたしまして、作業の進捗に合わせて、段階的に見通しがどうなるのかというのをお示ししながら、通行止め解除に向けて復旧にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○堀場委員 やはり半島特有ということで、前回も少しやらせていただいたんですけれども、発災直後は、舞鶴の方、八管の皆さんとかが来ていただいて海からも支援をしていただいたり、本当に、半島だからこそできたことでもあるし、半島だからこそ車がなかなか入っていけなかった、代替道路がなかった、そういったことも今回非常に大きなポイントになったのではないかなというふうに思っております。特に被害がひどかった場所について、まだまだ予断を許さない状況だということも重々承知ですので、しっかりと安全に気をつけていただいて、区間をできるだけ早く開通させていただければなというふうに思っています。
次に、倒壊家屋等の解体、先ほど公費解体の質疑もありましたけれども、その廃棄物の状況というものを、環境省さん、教えてください。
○角倉政府参考人 お答え申し上げます。
公費による家屋等の解体につきましては、熊本地震では発災二か月後の六月から解体工事が開始されており、能登半島地震でも発災二か月後の三月から本格的な解体工事が開始されたところでございまして、おおむね同程度のスケジュールで進められているところでございますが、決してこれで十分とは思っておりませんので、更に加速化していかなければならないと強く感じているところでございます。
こうした認識の下、これまで、地方自治体職員の派遣等による申請受付事務の支援や、解体工事に先立って行う現地調査や解体費用算定といった工事前調整の効率化や、専門の技術者の体制確保、強化等を行ってきたところでございます。
こうした取組の結果、公費による解体は現在、進捗を見せているところでございまして、具体的には、石川県内では、四月末から五月末にかけて、解体の申請棟数が約一万棟から約一万六千棟に増加をしております。また、解体実施棟数、これは発注棟数も含めた数字でございますが、この解体実施棟数も、四月末の約三百棟から、五月末の段階で約千二百棟に増加をしているところでございまして、六月以降、こうした数字が更に増加していく見込みとなっているところでございます。
このために必要となる解体事業者につきましても、石川県との災害時応急協定に基づく石川県構造物解体協会の協力により、ピーク時に平均六百班が対応できる体制を北陸ブロック内で確保しているところでございます。
引き続き、石川県と緊密に連携し、各市町で解体工事及び災害廃棄物処理が円滑に実施されるよう、これまでの取組だけにとどまるのではなくて、更にしっかりとスピード感を持って取り組めるように、更に取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○堀場委員 ありがとうございます。
ちょっと気になっていたんですよね。万博があります、万博の工事をしているので、解体していくのに業者が足りないんじゃないかとか、そういうところに回さないといけないんじゃないかとか、そういった議論が非常にありました。私たちもそれは大丈夫かなと懸念はしていたんですけれども、一応、六百班の解体工事体制というものが構築されていて、今行われている工事前調整が終われば随時解体作業が進んでいくというような算段が立っているというふうに理解をさせていただきましたので、是非、加速化して、安全に解体作業、そしてごみの分別等もしっかりとやっていただければなというふうに思っているところでございます。
では次に、応急的な仮設住宅のお話をさせていただきたいなというふうに思っております。
仮設住宅の入居の申請、入居の希望とか、あと入居状況について、内閣府さん、お願いいたします。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
被災者の希望にできる限り沿った住まいを提供していくことは、今後の復興にとって大変重要な課題と認識をしております。
このため、被災者の応急的な住まいとして、公営住宅や民間賃貸住宅の空き室を提供してきたほか、当初の計画を前倒しして仮設住宅の建設を進めてきたところでございます。石川県では、八月中に必要な住宅を完成させ、全ての希望者の入居にめどをつける方針でございます。
六月四日時点における仮設住宅の供給状況でございますけれども、現段階で必要戸数と見込んでおります六千六百三戸の約九七%に当たる六千四百二十三戸を着工しておりまして、うち四千五百五十戸が完成をし、三千四百二十二世帯の方に入居していただいている、入居済みとなっているという状況でございます。
○堀場委員 ありがとうございます。
資料としては出していないんですが、熊本地震における仮設住宅のスピード感と今回はどうなのかということを一応比較を少しさせていただいておりまして、非常に速いスピードで今回は着工そして完成を迎えているというふうに聞かせていただいています。
それはすごくいいなと思っていますし、熊本のときにやっていた、大臣もよくおっしゃった、木造の町づくり型の、長屋型の住宅を建てていらっしゃるということで、これは二年たったら市町村の市営住宅のようなものに転用していくことが可能で、長くそこに二年とか住むと、そして何年も住むと、やはりここが自分の住みかだなと思われて長く住みたくなる気持ちは非常によく分かりますので、この木造の町づくり型若しくはふるさと回帰型、こういったものが増えていくということに関して私は非常に歓迎をしているところではあるんですけれども、そもそもプレハブと木造の違い、これについて、内閣府さん、お願いいたします。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
六月四日時点の数字でございますけれども、石川県において、先ほど申しました六千四百二十三戸が着工されておりますが、うち、プレハブは約七〇%に当たる四千四百七十五戸、木造は約二二%に当たる千三百九十一戸となってございます。
プレハブと木造の相違点でございますけれども、プレハブ住宅は、迅速かつ大量に供給ができますので、避難生活を早期に解消するのに有効なものだと考えております。仮設期間終了後は解体撤去されることが原則でございます。一方、木造の方でございますけれども、施工期間はプレハブ住宅よりも長いものの、地域の県産材を活用して建設されるというものでございますし、仮設期間終了後、市町の所有住宅に位置づけることで恒久的な住まいとすることが可能であるというふうに承知をしております。
○堀場委員 ありがとうございます。
プレハブはどうしても、すぐできる、だけれども、やはり耐久性という面では余り長くもつものではないというふうに承知をしています。特に外壁なんかはさびてきちゃったりとかしてくるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、この耐久性という観点では、私は入居期間に制限があるべきだというふうに考えているんですね。
というのは、特にプレハブにおいて、原則二年間というふうにあるんですけれども、現状として、東日本大震災でも、ずっとプレハブの仮設住宅に住まれている方がいらっしゃるかと思います。そういうふうになってしまうと、やはり安全性の観点からも非常に課題があるんじゃないかなというふうに思っておりますので、耐久性の観点というところから考えたときに、入居期間に制限があるべきだと考えるんですが、内閣府さん、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
仮設住宅は、被災された方に対しましてできる限り速やかに提供される必要がありますので、建築基準法令の規定が適用されない応急仮設建築物というふうにされているところでございます。
このため、仮設住宅は完成の日から二年間に限って提供することが原則でございまして、この期間を超えて存続させる場合は、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合に該当するものとして、特定行政庁による許可を得る必要があるということになってございます。
二年経過後の仮設住宅の取扱いにつきましては、被災された方々の生活再建の状況等を注視しつつ判断する必要があるものと認識をしておりますが、引き続き、被災自治体及び関係省庁とも連携の上、適切に対応していきたいと考えております。
○堀場委員 これは住んでいる方に早く出ていってくださいねとかということを言いたいのではなくて、今回見させていただいておりますと、学校の中、学校のグラウンドを利用した、特に小学校ですね、グラウンドに、町づくり型、木造型の、先ほど言っていました長く使えるタイプの仮設住宅というか住宅を建てている、若しくは保育園のグラウンドにそういったものを建てているということが見受けられるというところが、ちょっと大丈夫かなというふうに思っているという懸念を示させていただいていることなんですね。
というのは、やはり、学校のグラウンドを長期間、プレハブ若しくは木造でもいいんですけれども、避難所若しくは仮設住宅としているということについて、学校の学びの保障という観点から、弊害とまでは言わないですけれども、子供の学びにどのような課題があるのかなということを考えています。
今の学校の再開とそして学びの保障にする措置に関して、文部科学省さん、お願いいたします。
○金光政府参考人 お答え申し上げます。
能登半島地震におきまして避難所として利用されている公立小中学校等は、六月四日時点で、輪島市、珠洲市、能登町におきまして計十五校ございます。そのうち、体育館を利用しているものが十二校、教室等の校舎を利用している学校が三校となってございます。また、御指摘の、グラウンドに仮設住宅が建設されている、あるいは建設予定の学校は、輪島市と珠洲市に計十六校ございます。
これらの学校におけます教育活動の状況についてでございますが、校舎が避難所となっている学校では、避難者と児童生徒の学習エリアとを区分して、教育活動が円滑に行われますよう工夫されていると伺っています。また、体育館が避難所となっている学校では、近隣の学校の体育館を間借りするなどして体育の授業等を実施されていると伺っております。さらに、グラウンドに仮設住宅が整備される学校では、代替施設として近隣の遊休農地などを仮設グラウンドとして整備、活用したいとの要望がございましたことから、災害復旧事業の補助対象として支援できるようにしてございます。
このほか、児童生徒が身近な場所で手近にできる運動などを紹介したコンテンツを提供するなどして、児童生徒の教育活動の確保等を図っているところでございます。
○堀場委員 様々な工夫をされて、子供たちの学びの保障、学びの質を上げるということをされているという努力は本当にすごくよく分かっているところなんですけれども、やはり、グラウンドに仮設住宅ができて、例えば二年と分かっているならば、それはそれでいいと思うんですね。例えば校舎を建て替えるときなんかも、二年間はここは資材置場になりますよとか、そういうことはあるんですが、それは二年という期間が分かっていて、子供たちも、そして保護者の皆様も入学させていると思うんですね。
でも、これから先、入学する子供たち、何年そこに家が建っているか分からないよとなったときに、私は子供がいますけれども、保護者であれば、やはり、隣の町の、普通、グラウンドが使える、思いっ切り子供が伸び伸びできる、そういったところに引っ越しをした方がいいんじゃないかなと思う人が多いんじゃないかなというふうに懸念しているんですね。ということは、子育て世代、ちょうど小学生や中学生の子供を持つ保護者の方が移動する大きな動機の一つになってしまうのではないかということを懸念しています。
ただ、プレハブは二年ですから、学校にプレハブが建っていても、二年ですよと分かっていれば、じゃ、二年間だけであれば我慢しようかなという選択もあると思うんですね。でも、プレハブも二年だけれども、そこに住まれている方の生活再建、そちらももちろん当然、注視されるべきだと思うんですけれども、ほかにも選択肢があるのであれば、やはり、そうなったときには移動していただくことがありますよというようなことを事前にお話しして了解を得るべきだと私は思っているんですね。
それは、やはり地方自治体の方々はなかなか言いづらいですから、国として、プレハブであるならば二年ですよというような一定のルールメイキングが必要なんじゃないかなというふうに思っています。それは子供たちのためだけではなくて、様々、せっかく、町づくり型のすてきなものがずっと同じ場所、若しくは、移築したとしても同じようなところに住めるというような新しい仕組みもあるわけですから、そういったことをしっかりとやっていただければなというふうに思っています。
大臣、今、ここまでちょっと、るるお話をさせていただきました。建築型応急住宅が学校のグラウンドに建設されている、そして学校教育の学びの保障という観点から、大臣の御所見をお願いいたします。
○松村国務大臣 まず、仮設住宅の建設に当たりましては、被災された方々にやはり迅速に住まいの御提供ができるようにすることが重要でございまして、公有地の利用をまず原則といたしております。その具体的な場所はといいますと、やはり、これまでの災害においても、まとまった広さのある学校、こういったところが活用されることが相当程度ございました。
今回も、委員御指摘の木造仮設住宅につきましては、輪島市内に二団地、珠洲市内で一団地が学校のグラウンドに建設をされております。その他の町村にはプレハブが建っている場合もございます。
学校教育における学びの保障、委員御指摘のとおり、私も大変重要な視点であると考えておりまして、過去の災害時にも、そうした観点から様々な工夫がなされてきたところでもございます。例えば熊本地震の際は、学校のグラウンドに建設されたプレハブ仮設住宅は、期間終了後、解体撤去されたほか、グラウンドではございませんでしたけれども、木造仮設住宅を別の場所に移転した、こういった事例もございました。
今回も、被災をされた方々に対する迅速な住まいの提供と学校教育における学びの保障を両立させる観点から、例えば、珠洲市におきましては代替のグラウンドを整備するなどの動きもあると承知をしておりまして、引き続き、被災自治体とも連携の上、こういういろいろな知恵や工夫の余地を探る必要があると考えております。
まだ発災から六か月でございますので、できる限り仮設を早く造ること、その中で、今のような御指摘、しっかりと地元の方々と連携を取りながら、不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。
○堀場委員 私も、最初に学校が使われる、グラウンドが使われるということに関しては必要なことだというふうに理解をしていますし、何なら、体育館が避難所、グラウンドが車中泊、そういった形で避難所を運営されているところもあると思うんですね。
緊急的なときにずっとそういう形、避難所としてやるということに関しては、仕方ないですし、それが一番早い方法ですし、それだけの土地がなかなかないエリアもあるかと思うので、それは重要なことだと思っています。その点を指摘しているというよりかは、プレハブが建つ、でも、何年いるか、何年このプレハブがずっとここにあるか分からないという状況を最初から解消するルールメイキングが必要じゃないかという御提案をさせていただいています。
なので、早急に先ほどのプレハブ及び木造のものを造っていただくということに関しては大賛成ですので、是非早く住んでいただいて、暖かいところで、もうすぐしたら暑くなるかもしれませんが、ちゃんと適温のところでしっかりと雨露をしのいでいただきたいと思っています。そして、生活を再建するということを最優先にしていただきたいなと思っています。
一方で、そこにいる、学校にいる子供たちに対してはSCさんの重点配置があると思うんですが、それについてと、そのときのカウンセリング状況について教えてください。
○浅野政府参考人 お答えいたします。
令和六年度能登半島地震において特に被害が甚大な石川県については、現在も、被災した児童生徒等の心のケアや、教職員、保護者等への助言、援助等を行うため、スクールカウンセラーを学校等に緊急配置するための経費を文部科学省が全額補助する事業を活用し、県内のスクールカウンセラーの配置時間や人員増に加えて、県外からの追加派遣も実施されており、その調整は文部科学省と日本臨床心理士会等が行ってきたところでございます。
また、文部科学省と関係者による定期的な打合せにおいて、県外からの追加派遣を行っている奥能登の三つの市町では、生活再建などが進み始め、子供たちも徐々に落ち着きつつあると聞いております。
このような状況から、今後は、個々の状況に応じた個別カウンセリングに加えて、集団を対象とした支援を県内全域で実施予定であり、奥能登の三つの市町へは、六月中旬以降も約十名のカウンセラーが県外から追加派遣されることとなっております。
文部科学省としては、引き続き、石川県教育委員会などと連携を図りながら、被災地の全ての児童生徒等が安全、安心な環境の中で充実した学校生活を送ることができるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○堀場委員 やはり、目の前で大きな地震があって非常に怖かったと思うんですね。火事があったり様々な景色を見てきた子供たちにとって今必要なことというのは、心の元気を取り戻すことだと思っています。そのためには、個別のカウンセリングから小集団に変わっているという時期は、本当に前向きに捉えられる時期なのではないかというふうに思っていますし、少し時間がかかるかもしれないんですけれども、継続してこのカウンセリング事業をやっていただければなというふうに思っています。
時間がないので、少し飛ばさせていただきながらやろうかなと思っています。
学校を避難所にしているというんですけれども、私、避難所を運営するチームにいたことがあるのでちょっと大変だなというふうに思っているんですけれども、震災救援所や避難所の運営、これについて、大臣の問題意識を教えてください。
○松村国務大臣 まず、先ほども答弁をいたしましたけれども、災害時であっても子供の学びを保障することは、私としても大変重要な視点であると考えておりまして、避難所の運営については、特に発災直後は、これは言うまでもなく、命を守ることが何より優先されるべきであると考えております。また、フェーズがだんだん変わっていく中で、避難生活が長くなってくれば、被災者のニーズに柔軟に対応したり、他の自治体からの応援職員の皆さんやNPOの皆さん方が避難所の運営をする調整、こういったことをやっていただくことも重要であると思っております。
特に、学校を避難所として指定する場合につきましては、学校がやはり教育活動の場であることにまず配慮し、避難所としての機能は応急的である、こういう認識をした上で、あらかじめ教育委員会や関係部局、また地域住民の方、団体との調整を図ることは重要であると考えております。
また、今回の能登半島地震におきましても、受験生の方々には二次避難先で学びの機会を確保したり、学校が避難所となっている場合は避難者用のスペースの再配置を行っていただいて、学校教育と避難所としての利用が両立可能なように工夫をいただいたところでもございます。
何としても子供たちの学びを止めぬための様々な工夫が今回もなされましたので、子供たちの学びを止めないよう、今後も最大限の努力をしつつ、避難所の運営というのはやっていかなければならないと考えております。
○堀場委員 お時間が来てしまいましたので、子供たちがそこで充実した生活を送ることがやはり町の元気につながると思いますので、是非是非、引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
能登半島地震について質問します。
おとといの朝、石川県で余震がありました。震度五の揺れのあった輪島市では、元旦の地震で全壊と判定された家屋五棟が倒壊しました。余震、群発地震が続く中で、倒壊の可能性のある住家は無数にあります。二次災害を引き起こしかねません。
ダメージを受け続けている住家は今回の余震で大丈夫なのか、在宅避難者の状況も含めて再調査あるいは把握をする必要があると考えていますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
六月三日に発生した石川県能登地方を震源といたします最大震度五強の地震を受けまして、政府としては、発災直後から石川県などの被災自治体とも連携し被害状況の把握に取り組んできたところでございまして、重傷者一名等の人的被害や住家被害等が報告をされているところでございます。
一方で、在宅避難の方々でございますけれども、各市町におきまして、これまでも保健師等が個別に訪問するなどにより状況把握や支援を行ってきたところでございますし、また現在も、厚生労働省の被災高齢者等把握事業の活用によりまして、関係団体が連携し、介護支援専門員やNPO団体等が個別訪問をし要配慮者の状況把握を行うなど、継続的に支援は行われているものと承知をしております。また、石川県の方で被災者データベースを作られまして、自宅で避難生活を送られる方々の把握にも努めておるところでございます。
今後も、避難所以外で避難生活を送っておられる方々につきまして必要な支援が行われるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 避難所が閉鎖されて、大規模半壊の家に戻らざるを得ない、それから、全壊の家に帰されたという避難者がいるのは現実なんですよね。だから、これだけ群発地震と余震が相次いでいる、これから土砂災害も起こってくる季節に入りますよね、やはり一層の注意と、それから早め早めの避難指示、あるいは別宅に移るという支援が必要だと思います。
大臣、一月の発災以降、二万四千棟を超える住家の全半壊がありました。一万六千棟を超える公費解体の申請、先ほど答弁がありましたけれども、解体完了が九十五棟にとどまって、僅か〇・六%であります。改めて、住めなくなった住宅の解体撤去を急いで進めていただきたい。要求したいと思います。
それから、輪島市で、家の裏の山の土砂崩れがあって心配で住めない、穴水町で、山崩れが自分の家の裏側で起こって危険で戻れない、こういう声も聞いております。崖崩れのまま、そうした箇所、それから山肌があらわになったところも、たくさん私も見てまいりました。
余震はもとより、降雨による新たな土砂崩れが心配されます。本格的な雨季に入ります。豪雨災害は今やどこでも起こります。崖崩れ箇所の総点検が必要ではないでしょうか。麓で暮らす住民の安全確保、応急安全対策も必要だと考えますけれども、国交省、いかがでしょうか。
○廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省では、六月三日早朝に発生した地震により震度五弱以上の揺れを観測した輪島市、珠洲市、能登町について、上空からのヘリの調査や災害復旧現場での点検を実施しております。また石川県においても、地上からの点検が現在も行われている状況でございます。
これまでの調査、点検の結果、輪島市名舟町にある斜面で再崩落によって家屋被害が発生したとの確認をしておりますが、引き続き、自治体等を通じて情報の収集に努めてまいりたいと思ってございます。
既に被害が確認されたところや被害の発生するおそれが高いところにつきましては、関係機関が連携して速やかに対応する必要があると考えておりまして、先ほど申し上げました名舟町につきましては、既に国が権限代行により工事に着手しておりますので、その中で対応を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
また、委員御指摘のように、今後、余震や、さらに、これから降雨が発生しますので降雨により崖崩れ等が発生する可能性が高くなってくると思いますので、警戒レベルはしっかり上げて対応してまいりたいと思います。
○田村(貴)委員 土砂の崩落の可能性、そして余震等による危険家屋が崩落してしまう可能性、私質問しましたけれども、ちょうど今日は、石川県の馳知事がこういう発言をしています。地震でダメージが蓄積された建物や緩んだ地盤への影響が懸念される、今後出水期に入る、土砂災害の危険等の点検をお願いしたいと。まさに知事もこの問題意識を持っています。
ただ、自治体職員も被災されています、数にも限りがありますので、政府としてしっかり被災地に寄り添って対応していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○松村国務大臣 御指摘の点は、先ほども答弁をさせていただきましたけれども、総理からも発出をさせていただきましたし、私も国交省の方にしっかりと調査をやっていただきたいというお願いをいたしましたし、六月一日に石川に参りましたときに馳知事ともそのことをお話をし、体制を強化していこうということで話をさせていただいたところでございます。しっかりと、二次災害が起こらぬように対応してまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 発災から五か月が経過しました。仮設住宅に避難所から移られる避難者が今いるんですけれども、石川県の羽咋市で二月二十二日に、労働組合とか様々な団体が集まって被災者共同支援センターを立ち上げました。我が党もその中に入って一緒に支援活動をしているんですけれども、たくさんの声を聞いてまいりました。五月末までに六十三か所の仮設住宅を訪ねました。七百軒以上の聞き取りをしたというふうに伺っています。
その中で、今日ちょっとこの委員会で取り上げさせていただきたいのは、食事の問題です。
被災者が仮設住宅に入居すると、自立、自炊が強調されて、それまでの弁当や炊き出しなどの支援が打ち切られます。これが大きな問題になっています。近くに買物できるところがない、あっても遠くて徒歩では行けない、車がなくて交通手段がない高齢者はスーパーまで行けない、運転できる人も津波そして地震で車を失ってしまったという事情があります。だからこそ、この共同支援センターやあるいはボランティア団体が炊き出しなどをやると、そこに仮設の入居者の行列ができる。その光景も私は土曜日に見てまいりました。
災害救助法上、仮設住宅入居者は自炊ができる者とされ、食料支援の対象から除外されます。それは聞いております。しかし、大臣、能登の地域的な特性と被災者のこの窮状に鑑みれば、何らかの形で食料支援、買物、炊事等の支援策が必要だと思います。
省庁とも連携して対策を講じるべきだと思いますが、内閣府、いかがでしょうか。大臣、いかがですか。
○松村国務大臣 御指摘のとおり、災害救助法では、避難所に避難をしている方々に対して、又は住家に被害を受け、若しくは災害により現に炊事のできない者を対象に食事を提供することとしておりますが、一般的に、仮設住宅への入居後は救助を必要とする状況は解消されたと考えられることから、災害救助法による救助は想定をしておりません。
他方で、例えば本人の御事情によりまして食事を確保できない仮設住宅の入居者に対しましては、高齢者への配食サービス等の福祉サービスが受けられるよう、市町村の関係部局が連携して対応していくことが適当であると考えております。六月一日にお邪魔いたしましたときに、こういったことの御意見もいただいたところでございます。
引き続き、県や被災自治体とも連携の上、どういうニーズがあるかしっかり把握の上、検討して対応してまいりたいと思っております。
○田村(貴)委員 せっかく助かった命が、御飯が食べられずに体を弱めてしまう。災害関連死を生むことがないように、先ほど言われた配食サービス、こうしたことも、知られていないから炊き出しに並ぶということになっていると思うんですよね。力を入れていただきたいと思います。
七月完成の珠洲市の中学校仮設住宅は、一番近いスーパーまでの距離は峠を越えて十三キロあるというんですよね。これはもう、車がなければ食材が手に入らない状況ですね。
続いて、仮設住宅のエアコンについて質問します。
プレハブは屋根が低くて、建設型の仮設は、とにかくこれからの季節はやはり暑いんです。仮設住宅の入居者からは、冷暖房、エアコンをもう一つつけたいんだけれども、壁に穴を空けると駄目だと言われたと。部屋が三つあるけれどもエアコン一台では足りない、もう一台入れようとしたけれどもいけないと言われた、こういう声が多数あるわけですよ。
内閣府にお尋ねしますけれども、これは間違いですよね。エアコンを増設していいわけですよね。既に備えてある一台と二台目以降の関係について説明してください。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘の、二台目のエアコンを設置することの可否でございますけれども、国として特段の制限は設けておりませんので、入居者の判断で設置は可能と考えております。被災自治体に対しその旨周知してまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 ここ数年の温暖化による猛暑は尋常じゃありません。熱中症対策からも、エアコンの適切な使用が求められるところです。
そして、救助法による、建設時に一台設置しているというところも、こうしたところから考えると、一台ではやはり実態に合わないと思います。これは多人数世帯には各部屋に設置して私は当然と思いますが、しっかり検討していただきたいと思います。
それから、カレンダーとか、壁に絵を飾りたいとか、当然思いますよね、入った家ですから。ところが、壁に画びょうが通らないんですよ、硬くて。そして、カレンダーをかけたいけれども、絵もかけたいけれどもできない。さらに、穴を空けたら駄目だと言われているんですね。これも間違いですよね。
これから二年間は暮らす家なんですよ。そこで絵も飾れない、ハンガーもかけられない、それはないでしょう。
壁にくぎを打ったらいけないんですか。
○高橋政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘の、仮設住宅の壁にカレンダーとか壁かけ時計をつけることの可否でございますけれども、これも先ほどと同様でございますが、国として特段の制限は設けておりませんので、入居者の判断で設置することが可能と考えております。被災自治体に対しましてその旨周知をしてまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 普通に考えたら当たり前のことが、被災地においては駄目だ駄目だと言われている。どこから発信されているのか分からないけれども、これはやはり正していかないと、毎日の生活のことですからね。
それで、周知徹底を図ると言われたんだけれども、私は書面と通知を出しっ放しにしては駄目だと思うわけです。発災後、たくさんの事務連絡、文書が被災自治体に発せられました。このぐらいの厚みがあります。
四月二十三日には、避難所のエアコンの設置は一避難所一台という制限はないとの通知が出されているんですよ。広い避難所で一台だけなのかと。そうじゃないですよね。スポット型のエアコンを幾らつけてもいいじゃないですか。でも、一台に限るみたいな話が出ている。だからこういう通知を出さなくちゃいけない。
また、四月八日には、応援自治体職員が住家の被害程度の最終的な判断事務に従事することは可能だと。これは当たり前ですよね。技術職員が行って、家の全壊であるとか中規模半壊であるとかを判定するわけです。でも、その最終判断に当たることができていないから、従事することは可能と、わざわざこういう通知を出さざるを得ない。一体どうなっているのかと思うような事例があるわけです。
大臣にお願いしたいのは、法令、被災者支援制度、それから国が定めているガイドライン等々、この周知徹底が図られていないというのは、間違った受け止めがあるというのは、やはり、しっかりと説明して、理解を得るまでの意思疎通が図られていない面があるんじゃないかなと思うわけです。通達の出しっ放しでは駄目だ、政府が被災自治体の職員の方、関係者の方と必要なときは直接対話をし、理解をしていくことがやはり大事ではないかと思います。そうでないと、たかが壁のくぎ、たかがエアコン一つ、これで被災者は物すごく悩むわけですよね。
大臣、検証が必要だと思います。いかがでしょうか。
○松村国務大臣 私も今回で大きな災害三つ目でございますけれども、毎回このお話はあるなと思っております。もちろん通達の重要性もありますが、私の経験したのでは、やはりうわさ話、あるいは伝言ゲームみたいに、人に伝わるときにどんどんどんどん変わっていって、いまだに、この間お邪魔をしたときに、仮設は二年で追い出されるんですかというような御発言もございました。いやいや、決してそんなことはございませんと。やはり、人伝えに伝わっていく間に違うように伝わってしまうことがございます。こういったものは通達について数多く対応しておりますが、やはり事前の備えというのが必要なんだろうなと。
そういう意味では、内閣府といたしましては、災害救助法や被害認定調査の運用について、平時から説明会を行うなど周知に努めているところでもございます。もちろん発災後も、改めて、被災自治体の職員の方々を対象に説明会を行っているところでもございます。また自治体間でも、経験ある職員の方々を応援派遣する仕組みを整えておりまして、国としても、随時の相談体制を構築するとともに、今般の災害対応では、被災自治体にリエゾンを派遣いたしまして、被災自治体と、やはり顔の見える関係づくりにも努めております。
このように被災自治体へは支援を行っているところでございますが、委員御指摘のとおり、災害対応における制度の運用をより明確にしていくためには、適宜、内閣府として通知を発出をしておるところでもございます。今回の災害対応の経験も踏まえまして、こうした通知を含め、被災自治体にとってより分かりやすい制度の周知に努めてまいりたいと思っておりますし、私も引き続き丁寧な説明、現場に参りましてやってまいりたいと思っておりますし、委員にもそのことを御協力いただければ大変ありがたいと思っております。
○田村(貴)委員 電話してやってください、くぎを打っていいんですよ、エアコン二台目もオーケーですよと。そういう当たり前のことを、文書を出しっ放しじゃなくて、すぐ伝えてやってください。
厚労省にお伺いします。
私、土曜日に輪島に行ってきて門前町の仮設住宅を訪ねたんですけれども、ここで一人の七十代の女性が孤独死されました。五月二十日に発見されました。厚労省の被災者見守り・相談支援事業は六月一日からだったということです。
特に、仮設住宅に入居した高齢者、単身者、障害者は声かけが大事です。孤独死を生まないための取組について説明してください。
○斎須政府参考人 お答え申し上げます。
今先生もおっしゃいました、七十代の女性が亡くなられたという報道につきましては、お亡くなりになられた方に対し心よりお悔やみ申し上げるとともに、御遺族の方にお見舞い申し上げたいと存じます。
お尋ねの被災者見守り・相談支援等事業におきましては、被災者が応急仮設住宅に入居するなど、異なる環境の中にあっても安心して日常生活を営むことができるよう、孤立防止等のための見守り支援ですとか日常生活上の相談を行った上で、必要に応じて専門の相談機関につなぐなどの支援を行っているところでございます。この事業におきましては、被災者支援に従事する方の人件費についても補助対象としておりまして、新たな職員の雇用を進めるとともに、多様な支援団体等の協力も得ながら、各自治体で事業を進めていただけるものと考えております。
また、見守りですとか相談支援に資する様々な福祉施策がございます。また、民生委員等の関係者、関係団体と連携することによりまして、応急仮設住宅に入居している被災者の方々に対して適切かつ効果的な支援を行っていただきたいというふうに考えております。
今後とも、被災自治体と緊密に連携しまして対応してまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 先ほど申し上げました、買物それから食事に不便をされている方々の要求をしっかり酌み取っていただいて、そこから支援策に結びつけていただきたい。そのこともしっかり留意していただきたいと要望しておきたいと思います。
最後に、大臣、残された時間で、ひとつ決意を聞かせてください。
住居の解体撤去、急いでやっていかなければいけません。やはり、住めない家と、そして、所有者がもう解体してほしいと言っているのに進捗していない、これを急いで進めていかなければならない。見通しと、それから大臣の決意を聞かせてください。
○松村国務大臣 先ほど環境省からも御発言がございましたけれども、この二週間前から、解体についてはいろいろと環境省と連携を取っているところでもございます。
申請につきましては、委員御存じのとおり、宣誓であるとか滅失登記ということで、いろいろ工夫をいたして、進むようにいたしました。それから、コンサルのところで少し目詰まりがあるように感じておりましたので、その確認に六月一日に行ってまいりました。ここについても、人を増やして対応し、三百名体制で環境省からの御答弁があったかと思います。
できる限り、やはり仕事の発注量を増やすことがまず大事だろうと思っております。そのための支援、被災自治体と連携をしながら、また環境省と連携をしながらやってまいりたいと思っております。
○田村(貴)委員 時間が来ました。終わります。
○後藤委員長 次に、古川元久君。
○古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。
能登半島地震から五か月が経過して、被災地の復旧復興に向けた取組がこの間精いっぱいなされていると思いますが、今のお話でもありましたように、解体が必要な建物の解体、なかなか進んでいない状況にありますし、また、和倉温泉地区ではいまだに全ての宿泊施設が営業休止中で再開のめどが立たない状況であったり、こういう被災地の状況を見ますと、復旧復興、これが相当遅れているんじゃないか、そういう感じをやはり持たざるを得ないところがあると思うんですね。もちろん、みんな努力しているんだと思いますけれども。
今回の能登半島地震というのは、範囲は能登半島というところでしたけれども、やはり被害の度合いが非常に大きいということもあるかと思いますが、今日、後からもちょっと質問しますけれども、やはり似たような半島地域というのは全国あちこちあるわけで、今回のような、本当に大きな地震ではありましたけれども、これでここまで大変になってしまうのかという、やはりそういう、もし自分たちの地域もなったらと、やはり不安になっている方々も多いんだと思います。
そういった意味では、こうした不安に思っていらっしゃるほかの半島地域の皆さん方なんかのそういう不安を解消するためにも、やはり一刻も早く、目に見える形で、復旧復興が進んでいるな、そういう状況にしていかなければいけないと思います。
もちろん、そのためには、これは与野党関係なく、我々もやれることはやって、しっかり政府の取組をサポートしていきたいと思いますけれども、同時に、やはりもうちょっと国が前面に立ってやっていくというところも必要じゃないかなというふうに思います。
今日は、そうした思いに立った上で御質問したいと思います。
まず最初に、先日、大臣、行かれたかどうか、お忙しかったから分かりませんけれども、伝統工芸品産業の振興に関する法律制定五十周年記念式典、これがキャピトル東急で開かれて、委員長、いらっしゃったような気もしますけれどもね。ああ、いらっしゃいましたね。お顔をお見受けしたのを思い出しました。
そこの会場で、被災地の職人の皆さん方に実際に技を見せていただいたり、そうしたコーナーがあったんですけれども、そこで輪島塗の職人の方がいらっしゃって、その方とちょっとお話しする機会があったんですね。
その際、その職人の方から、工房と住居というのは一体なんですね、大体、やはり個人でやっていらっしゃる方が多いので、ですから、住宅が再建しないとやはり本格的に仕事もなかなか再開できないんだ、そういうお話であるとか、また、輪島塗の作品を作るのに一人ではできなくて、やはり多く関わる人たちがいて初めて一つの作品が完成すると。
今、そういう、自分を支えてくれる、作品を作るのに支えてくれる人たちがいなくなっちゃったりして、こういう、やはりある種のサプライチェーンですよね、小さいかもしれませんけれども。輪島塗というもののすばらしい作品ができ上がるまでに関わる人たちというのは、いろいろな、実は多くの関係の人たちがいて、そういう人たちのどこが欠けてもやはり作品が完成しないんですね。ですから、こういう人たちが今戻ってきていない状況の中で、じゃ、自分が戻ったからといって、本当に以前と同じようにできるのか、そういう不安があるというお話を伺ったんですね。
ですから、これは政府としても、こういう伝統工芸をしっかり守っていくということは確認をしていると思うんですけれども、この輪島塗のような伝統工芸が一日も早くちゃんと復活するためには、こういう職人の皆さん方の声にもやはり丁寧に耳を傾けて、じゃ、どうしたら本当にちゃんと元のようにやれるのか、そういうきめ細かい対応が必要だというふうに考えますけれども、こうした伝統工芸の復活支援のために、国として今後どのように支援していくつもりか、見解を教えていただきたいと思います。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
輪島塗を始めといたしました、能登半島地震で被災した伝統工芸品産業の支援の必要性につきましては、委員の御指摘のとおりと存じております。
このため、その再生と復興に向けまして、被災した中小企業者等の施設や設備の復旧を支援するなりわい補助金、事業再開に必要となる道具や原材料の確保をも支援する伝統的工芸品産業支援補助金、被災事業者が仮設工房として活用できる集合型仮設施設の整備支援事業など、支援策を講じておるところでございます。
伝統的工芸品産業支援補助金につきましては、一次公募を二月に行い、三十九件を交付決定いたしたところであり、現在、二次公募を実施いたしております。
また、被災事業者に寄り添った支援となるよう、一般財団法人伝統工芸品産業振興協会と連携いたしまして、中小企業診断士にも御対応いただきまして、申請などに関する相談、申請書類等の手続サポートを行っております。
また、仮設工房につきましては、四月一日に第一弾の施設がオープンいたしておりまして、現在、二弾及び三弾の整備に向けまして、地元の皆様の要望等を踏まえて調整いたしているところでございます。
輪島塗を始めといたしまして、被災された伝統工芸の事業者が安心して再建の道を歩めるよう、引き続き、現場の声に耳を傾けながら、事業者に寄り添った対応を続けてまいりたいと考えております。
○古川(元)委員 今の御答弁だと、そういう工房とかなんかのところはいいかもしれませんが、例えばさっき申し上げたような、関係する、いわば作品が完成するためのサプライチェーンとかそういうところの、関わるような人たちまで、そこまで今の支援制度で本当にカバーできているかどうか。
やはりここをもう一回丁寧に、ちょっとそこは、それぞれの職人さんによってもいろいろ作るものは違うんだと思います。やはり是非そこはきめ細かく、一人一人の職人さんにも、こういう支援があれば元のようにできるとなれば、じゃ、どこまで、そこは是非深くやはりちゃんと聞いて、そして対応していただきたいと思うんです。
職人の皆さん方は、一人ずつがもう本当に貴重な、日本にとっても大切な方ですから、やはりそこを支えるというのは、ちょっと定型的なところだけでは対応し切れない部分もあるんじゃないかと思いますから、是非そこはもう一度、そういう一人一人の職人さんにお話を伺って、きめの細かい対応をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
では、次の質問に移りたいと思います。
先日、五か月たったというところで、各新聞なんかでもいろいろな被災地の報道がありましたが、その中のある新聞記事で、被災地のインフラ復旧や復興に不可欠な被災自治体の技術系の職員が圧倒的に足らない、そういう記事があったんですね。
今は、全国の自治体から応援、そうした人が来てもらって何とか対応していますけれども、元々、能登半島地域というのは人口も減ってきていて、自治体なんかも職員の数も減って、特にそういう技術系の職員がいなかったところに、今回これだけ大規模なインフラが損壊して、復旧しなきゃいけない。そのために、その支援にいろいろなところから駆けつけてくれているんですけれども、こういう人たち、ずっといるわけにはいかないわけです。半年とか一年、長くても二年もすれば、こうした応援の職員はやはりそれぞれ帰ってしまう。
しかし、今回の地震の被害が目立った道路とか水道とか港、インフラの被害というのは極めて甚大ですから、そんな一年や二年で復旧するようなものじゃないんだと思うんですね。ですから、これはかなり長期にかかる。そうしたら、長期にわたってこうしたインフラの復旧復興を進めていくためには、やはり、ほかの自治体からの応援職員がいなくなった後もちゃんと技術系の職員が確保できるという状況を担保する必要があって、いろいろ今も県とかなんか含めて検討しているようでありますけれども、こういうやはり技術系の職員の確保。
ただでさえ人口も減って、特に若い人たちの数が少なくて、こういう技術系の職員は全国で取り合いの中で、こうした被災地の必要なというのは、やはりこれはもうちょっと国もしっかり前面に出てサポートしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○小池政府参考人 地方公共団体の定員につきましては、各団体において、行政の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよう、地域の実情を踏まえつつ、適正な定員管理に努めていただくことが重要と考えております。
御指摘のございました、被災地の復旧復興に当たってニーズの高い技術職員につきましては、都道府県等が大規模災害時の中長期派遣要員を確保する復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年度に創設し、登録された職員に係る人件費に対して地方交付税措置を講じてきたところでございますが、この取組を強化するため、令和五年度から始まっている定年引上げも踏まえ、地方交付税措置を拡充するとともに、技術職員の確保に計画的に取り組むよう、各都道府県等に対して要請をしているところでございます。
関係省庁とも連携しながら、地方公共団体の人材確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○古川(元)委員 えらい一般的な答弁ですけれどもね。
やはり、今日の質疑でもあったと思いますけれども、災害もあって、ただでさえ人口が減っているところからどんどん減っていく中で、そういう暮らしていけるためのインフラをちゃんと復旧させていくということは地域を守るために大事なことであって、是非そこは、そういう制度をつくっていますよ、あとは県と市町村で話してやってくださいということじゃなくて、やはり、最初に申し上げたように、もうちょっと国がしっかりフォローしていく。大丈夫かどうかということを、それこそ自治体に直接聞くくらいの、やはりそういうことをやっていただきたいと思います。
職員の足らないのは、これは技術系職員だけじゃなくて、今、被災自治体は多分、全然、対応するのも足らないと思います。先ほどの質疑でもありましたけれども、まさに職員自身も被災者で、そういう中で、自分も被災者でありながら地域のために頑張っている、相当やはり疲労もたまっていて、やはりこういう人たちをしっかり支援していくということは非常に大事なことだと思うんですね。
また、これは、政令市なんかは別ですけれども、あそこはそうじゃない、政令市じゃないですから、今、国がいろいろな支援をしていますけれども、実は、そういう国の支援というのは、大体そういう市町村は、直接じゃなくて県を通してということが多いんですね。そうなると、これはなかなかやはり、被災地の方に国がやっていることがどこまで浸透しているかもあるし、また、被災地の方のニーズやなんかも、これも大体、そういうところというのは、自治体というのは、県でまとめてまた国にということですから、それはやはり、県を通すとどうしてもスピーディーでなくなったりとか、また、十分国との間で必要な情報のやり取りができない場合があるんですね。
実際に、東日本大震災の後に、当時、私は与党の一員で、被災地の復興のところにも関わったんですけれども、やはりそういう状況があって、いろいろ市町村長に聞くと、何か要望するのに、直接国に言えないものですから県に言う、ところが、県に言ってもちっとも何か進まない、どうなっているんだというふうにこっちに来て、こっちで確認してみると、何かちゃんと省庁の方に情報が上がっていない、それで、またこっち側、省庁からすると、今度はまた県に聞いてと。
そういうことで、一刻も早く進めていきたいのに、別に県が邪魔になっているというわけじゃないですけれども、やはりスピード感が必要なときに、県が間に入ることで、どうもそこがうまく進んでいかないという感じがあったので、こういうときですから、災害のときだから、もう直接国とつながるパイプをつくっていこうということを考えまして、被災市町村の自治体に対して、要望があれば、要請してもらえば中央省庁の若手職員を派遣しますよ、そういう呼びかけをしたんです。そうしましたら、こうした呼びかけに気仙沼市なんかが応じられて、そうしたところに若手の職員を派遣したんです。
そうすると、霞が関で仕事をやっている職員であれば、役人であれば、若手であっても、何か聞かれたときに、ああ、それだったらここの役所に、国交に聞けばとか、やはり相談するとか連絡するつぼが分かっていますから、そういう意味で、若手職員を派遣することで、直接つながって、もちろん県も入れますけれども、物事がスピーディーに動くということもあったんです。
しかも、実際に行った職員、戻ってきた後に私が話を聞いたら、すごくいい経験になった、そう言う人もいましたし、また、中には、これが縁でもうそのままそこに居着いちゃった、そんな役人もいたという話も聞きます。
私自身もかつては国家公務員の一人でありましたけれども、やはりなかなか、東京にいると、委員長もそうですけれどもね、先輩で。やはり分からない部分があって、やはり行政の現場に出る、特に、災害で苦しんでいるところに出るということは、非常に、行政の現場の状況を身をもって若いうちに体験するということは、その出た職員の将来にとってもいいし、それは国にとってもやはりいいことだと思うんです。
この間、大臣と何度もやり取りさせていただいて、災害対策をいろいろやっていて、国が指示を出していても、実際に末端のところでちゃんと伝わっていなかったら、それでうまく機能しなかったんだったら、それで災害のときに被害が出てしまったら、いや、やっていましたけれども、それは現場にと、それではやはり国民の命は守れないんです。だから、ちゃんとそういう一番末端のところまで行き渡っているかどうか、そういった意味では、こういう被災の現場に中央省庁の若手職員なんかを派遣するのは、非常に、私は、向こうの、派遣された方の市町村にとっても助かると思いますし、そして中央省庁の若手の職員の研修という意味でも非常に意義があるんだと思うんですね。
ですから、是非、こういう状況の中ですから、大臣がリーダーシップを取って、御要望があれば若手を出しますよと。多分、役所の中で、出していいというところは結構あると思うんです。是非そうしたことをやられてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
○松村国務大臣 委員御指摘のとおり、東日本大震災の際にそのような取組をなさり、国からの若手の職員さん方、非常に経験になった、また、出していただいた被災自治体も高い評価をなさったということで、大変すばらしい取組だと思っております。
今回の災害に関しましては、それぞれの省からリエゾンを派遣をいたしまして、これは一つの経験にもなっておりますし、今回、復興まちづくりの中で、国の職員を地域の担当に充てていただいているような取組も進んでおります。
御指摘のような取組については、その重要性は私も十二分に理解ができるところでございます。
現在、石川県は、創造的復興プラン、これをお示しになって、また基金もできまして、これからもっと密に被災自治体と、これをどう進めていくかという復興まちづくりの状況のフェーズに入ってくると思います。その中で、御要望があれば、各省庁にいろいろな形でお声がけをし、そういう経験の場ができるようであれば、現場のニーズを伺ってまいりたいと考えております。
○古川(元)委員 リエゾンも、それはいないよりはいた方がいいんですけれども、やはりリエゾンというのはどうしても立場が役所の立場なんです。派遣されて、要するに、町役場とかなんか、役場の職員になって、その立場で考えて、中央省庁の経験を生かしてつなげていく、これは全然違うんだと思います。是非、そういう意味で、これは本当にいい体験にもなると思いますので、そうしたことを検討していただいて、是非実施に移していただきたいと思います。
ちょっと時間がなくなってきてしまったのですけれども、最初に申し上げたように、今回の地震というのは、半島地域のやはり脆弱性というかリスクが今回のことで非常に明らかになったんじゃないかなと思います。ですから、最初に申し上げたように、なかなか復興復旧が進んでいないという状況、やはり、そういうことを考えると、半島地域における防災対策、これは、今回の地震を踏まえて、ちょっと抜本的に、根本的に見直す必要があるんじゃないかなと。そうやってちゃんと見直しをしますよということが、ほかの半島地域の皆さんが安心するためにやはり必要じゃないかと思いますが、この点についての大臣のお考えはいかがでしょうか。
○松村国務大臣 まず、今回の能登半島地震におきましては、やはり地理的制約を非常に感じておりますし、そういう厳しい状況の中で懸命に復旧復興に取り組んできたところでもございます。
やはり、我が国の災害対応というのは、そのたびにいろいろな知恵を出し、その経験の積み重ねで進化させてきたと考えております。この経験をいかに、今おっしゃったような他の地域に充実、反映させていくかというのは、大事な視点だと思っております。
その上で、今回、総理からの御指示を受けまして、現在、振り返りを行っておるところでございます。自治体への支援であるとか避難所運営、また物資調達、輸送、こういったものの評価できる点、評価できなかった点、できない理由は何だったのか、しっかり洗い出し、次に生かしていきたいと思いますし、また、有識者の方々にもしっかりと全般的に御意見をいただいてまいりたいと思います。
その上で、どんな地域にこういうものが当てはまるのか。私自身は、まず総理にこういう結果が出ましたと申し上げた後に、全国的に、こういう半島、あるいは孤立する可能性のある地域、こういったところには積極的な、今回の知見を発信していく必要があると考えておりますし、そのような対応を取ってまいりたいと考えております。
○古川(元)委員 来年は半島振興法の改正の年にも当たります。これは議員立法ですから、我々議員でということになりますけれども、やはり、次回の法改正のときには、今回の能登半島地震の教訓をちゃんと生かしたような法改正、我々もしていきたいと思っていますので、是非政府におかれてもしっかりその点を検討していただくことをお願いして、質問を終わります。
どうもありがとうございました。
○後藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時八分散会