衆議院

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第2号 令和2年4月14日(火曜日)

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令和二年四月十四日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 菊田真紀子君

   理事 國場幸之助君 理事 鈴木 貴子君

   理事 武井 俊輔君 理事 とかしきなおみ君

   理事 宮腰 光寛君 理事 佐々木隆博君

   理事 屋良 朝博君 理事 佐藤 英道君

      井野 俊郎君    笹川 博義君

      繁本  護君    新谷 正義君

      鈴木 隼人君    薗浦健太郎君

      武部  新君    宮内 秀樹君

      武藤 容治君    山口 泰明君

      川内 博史君    松田  功君

      山岡 達丸君    江田 康幸君

      赤嶺 政賢君    青山 雅幸君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 衛藤 晟一君

   内閣府副大臣       大塚  拓君

   内閣府大臣政務官     藤原  崇君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月四日

 辞任         補欠選任

  遠藤  敬君     青山 雅幸君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

菊田委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、衛藤沖縄及び北方対策担当大臣及び茂木外務大臣から順次説明を求めます。衛藤沖縄及び北方対策担当大臣。

衛藤国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の衛藤晟一でございます。沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 沖縄の振興については、昭和四十七年の本土復帰以来講じられてきた社会資本整備や各種産業振興策等によって、入域観光客数や就業者数が増加するなど着実に成果を上げてきています。しかし、全国最下位の一人当たり県民所得や、特に若年者の高い失業率等を始めとした課題がなお存在していることも事実です。

 一方で、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しています。これらを生かし、沖縄が自立的に発展することを目指して、引き続き、沖縄振興策を総合的、積極的に推進してまいります。

 令和二年度の沖縄振興予算については、厳しい財政状況のもとですが、総額三千十億を計上しました。この中では、首里城の復元を含む都市公園の整備、西普天間住宅地区跡地における沖縄健康医療拠点の整備、離島の地域振興、子供の貧困緊急対策等に係る予算を増額して計上するとともに、小規模離島における海底送電ケーブル等の整備や、テレワーク関連施設の整備、活用を支援するための予算を新たに計上しています。

 一括交付金制度については、沖縄県と連携しつつ、より一層、的確かつ効果的に活用されるよう努めてまいります。あわせて、沖縄振興特定事業推進費を活用して、市町村等が地域課題、政策課題に迅速、柔軟に対応できるよう支援いたします。

 令和二年度税制改正については、沖縄路線航空機に係る航空機燃料税の軽減措置など五件の適用期間を延長いたします。

 観光・リゾート産業については、令和元年の入域観光客数は過去最高の一千十六万人となり、六年連続で国内客、外国客ともに過去最高となりました。

 ただし、新型コロナウイルス感染症による観光を始めとする沖縄経済への影響について、十分に注視し、所要の対策を講じていく必要があります。令和二年度補正予算案においては、沖縄振興開発金融公庫の特別貸付け等による資金繰り支援や、沖縄振興特定事業推進費による地元独自の取組支援のための予算を計上しています。まずは、感染拡大防止に全力を挙げるとともに、感染症拡大の収束後の反転攻勢に向け、沖縄のリーディング産業である観光の振興等にしっかり取り組んでまいります。

 県民の生活を支えるとともに、将来の観光客増に対応するためにも、道路、港湾、空港等の社会資本整備を一層推進することが重要です。

 クルーズ船の寄港に対応した那覇港、石垣港、平良港、本部港等の受入れ環境整備を着実に進めるとともに、沖縄の深刻な交通渋滞解消のため、沖縄西海岸道路等の主要幹線道路の整備、並びに、昨年、延伸区間が開業したモノレールの三両化を始めとする公共交通機関の利用促進などの取組を進めてまいります。

 また、重要な拠点空港であり、先月末に第二滑走路を供用開始した那覇空港が沖縄の発展に大きく寄与していくことを期待するとともに、引き続き、観光客等の受入れ環境整備に取り組んでまいります。

 昨年十月の火災で焼失した首里城については、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会におかれても、十二月に現地を視察いただきました。政府としては、先月、首里城正殿等の復元に向けた工程表を決定しました。首里城正殿については、令和二年度早期に設計に入り、令和四年中には本体工事に着手し、令和八年までに復元することを目指すこととしています。引き続き、沖縄の方々のお話もお伺いしながら、一日も早い復元に向け、政府として責任を持って取り組んでまいります。

 産業の創出については、引き続き、特区・地域制度の活用による企業の集積を図るとともに、ITや物づくりの中核を担う人材育成等を通じ、高度・高付加価値な産業の育成に取り組んでまいります。また、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成を図り、物流拠点を活用した物づくり産業の創出に取り組んでまいります。

 北部地域については、県土の均衡ある発展を図る観点から、産業の振興や定住条件の整備などに資する振興事業を実施するとともに、世界自然遺産への登録に向けて、できる限りの協力を行ってまいります。また、厳しい自然的条件に置かれている沖縄の離島については、国土保全等に重要な役割を担っていることにも鑑み、先導的な事業を国が直接支援するとともに、小規模離島における海底送電ケーブル等の整備を進め、活性化に取り組んでまいります。

 喫緊の課題となっている沖縄の子供の貧困対策については、支援員の配置や居場所づくりを推進するとともに、支援の質の向上を図ってまいります。

 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、世界最高水準の教育・研究を行い、イノベーションの国際拠点となるため、規模拡充に向けた取組を支援するとともに、OIST等を核としたイノベーションエコシステムの形成の推進を図ってまいります。

 このほか、農林水産業の振興、琉球泡盛の海外輸出プロジェクト等を通じた振興、鉄軌道等の調査、子育ての支援、雇用の促進、不発弾対策等についても、着実に取組を進めてまいります。

 沖縄には、今なお多くの在日米軍専用施設・区域が存在し、沖縄県民の皆様に大きな御負担をかけております。引き続き、沖縄の皆様の理解を得る努力を続けながら、沖縄の基地負担軽減に取り組むことが政府の方針です。特に、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場については、固定化は絶対に避けなければならないとの認識のもと、一日も早い全面返還の実現に向けて、政府として取り組むこととしています。

 駐留軍用地の跡地利用は、今後の沖縄振興の観点から、極めて重要な課題です。このうち、西普天間住宅地区跡地における沖縄健康医療拠点の整備については、令和二年度予算では、琉球大学医学部及び附属病院の主要な建物の建設に着手するため、必要な施設整備費及び土地購入費等を計上しました。同跡地が今後のほかの跡地利用のモデルケースとなるよう、関係機関の連携のもと、沖縄健康医療拠点の形成に向けた取組を着実に推進してまいります。

 また、今後、返還が予定される駐留軍用地については、昨年六月から沖縄担当大臣のもとで開催している基地跡地の未来に関する懇談会において、返還跡地の核となる施設や機能のあり得るオプションを検討してまいりました。引き続き、跡地利用に関する県及び関係市等の検討を支援してまいります。

 現行の沖縄振興特別措置法の期限、そして沖縄の本土復帰五十年という大きな節目まで、残すところ約二年となりました。これまでの沖縄振興の検証に引き続きしっかりと取り組んでまいります。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 政府は、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと、粘り強く外交交渉に取り組んでいます。私は、北方対策担当大臣として、国民世論啓発の強化、交流事業の円滑な実施、元島民の方々への援護等に積極的に取り組み、外交交渉を強力に後押ししてまいる所存です。

 まず、国民世論の啓発については、北方領土問題の解決のためには、多くの国民に、この問題に対する理解と関心を持っていただき、国民世論を盛り上げることが重要です。とりわけ、元島民の方々の高齢化が進む中、次代を担う若い世代の関心を喚起することが重要であり、SNSを活用した情報発信や北方領土隣接地域への修学旅行の誘致の強化等に取り組んでまいります。

 元島民の方々に対する援護については、特に、高齢化している元島民の方々の身体的な負担の軽減が喫緊の課題となっております。このため、令和二年度予算において、航空機による特別墓参に必要な経費や、北方四島交流等事業使用船舶内の非常時対応機器の整備に必要な経費等を盛り込みました。元島民の方々のより自由な往来に向けて、さらなる改善策が講じられるよう努めてまいります。

 さらに、北方四島住民との相互理解の増進に寄与するため、交流事業の円滑な実施に取り組んでまいります。

 二月七日、令和二年北方領土返還要求全国大会において、元島民の方々の切なる望郷の思いやそれを受け継ぐ若い世代の方々の強い意志に触れ、北方領土問題の解決に向けた断固たる決意を新たにいたしました。この決意を片時も忘れずに、元島民の方々に寄り添いながら職務に邁進してまいります。

 菊田委員長を始め、理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

菊田委員長 次に、茂木外務大臣。

茂木国務大臣 おはようございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、大変厳しい状況にあります。我が国の平和と安全を確保していく上で、日米同盟の強化は最も重要な課題であり、特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。こうした観点も踏まえ、米政府関係者との緊密な意思疎通を図ってきております。

 また、在日米軍の安定的な駐留には地元の御理解が不可欠であり、米軍機等の安全確保について米側に対して引き続き強く要請してまいります。普天間飛行場の辺野古への移設を始め、沖縄の負担軽減に引き続き全力で取り組みます。また、沖縄のさらなる成長に向け、英語研修の実施などを通じ、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献していきます。

 尖閣諸島をめぐる情勢については、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意で毅然かつ冷静に対応していきます。一方、中国との関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つです。引き続き、懸案を適切に処理しながら、二国間での意思疎通を行っていきます。

 ロシアとは、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの首脳間の合意を踏まえ、昨年十二月の訪ロや二月のミュンヘンを含め、既に四度の外相会談を行うなど、外相レベルでも緊密に対話を重ねています。北方四島における共同経済プロジェクトのさらなる具体化を進めるとともに、元島民の方々のための人道的措置も実施していきます。引き続き、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、粘り強く交渉に取り組みます。

 以上の諸課題に取り組むに当たり、菊田委員長を始め、理事、委員各位の御指導、御理解を心からお願い申し上げます。(拍手)

菊田委員長 次に、令和二年度沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。大塚内閣府副大臣。

大塚副大臣 おはようございます。内閣府副大臣の大塚拓でございます。

 衛藤大臣の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 菊田委員長を始め、理事、委員の皆様の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げる次第でございます。

 令和二年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部関係予算について、その概要を説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について説明いたします。

 内閣府における沖縄関係の令和二年度予算総額は、三千十億三千八百万円となっております。

 このうち、公共事業関係費等については、沖縄の観光や日本とアジアを結ぶ物流の発展、県民の暮らしの向上を支える道路、港湾、空港や、農林水産業の振興のために必要な生産基盤、首里城の復元を含む都市公園などの社会資本整備とともに、学校施設の耐震化や災害に強い県土づくりなどを実施するため、国直轄事業を中心とした経費を計上いたしました。

 沖縄振興に資する事業を県が自主的な選択に基づいて実施できる制度である沖縄振興一括交付金については、経常的経費にかかわる沖縄振興特別推進交付金として五百二十一億七千三百万円、投資的経費にかかわる沖縄振興公共投資交付金として四百九十一億八千三百万円、合計で一千十三億五千六百万円を計上いたしました。

 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、新たな研究棟の建設や新規教員の採用、OIST等を核としたイノベーションエコシステム形成の推進を図るため、二百三億四千九百万円を計上いたしました。

 また、返還基地跡地利用のモデルケースたるべき沖縄健康医療拠点の整備、離島の地域振興、子供の貧困緊急対策、製糖業の体制強化、琉球泡盛の海外輸出等にかかわる経費や、沖縄振興特定事業推進費を増額して計上いたしました。

 さらに、小規模離島における海底送電ケーブル等の整備や、テレワーク関連施設の整備、活用を支援するための予算を新たに計上いたしました。

 その他、北部振興にかかわる予算として増額した前年度と同額を計上するとともに、沖縄の鉄軌道等に関する調査研究を行うための経費、沖縄になお多く残る不発弾等の処理を進めるための経費等を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部関係予算について御説明いたします。

 内閣府北方対策本部関係の令和二年度予算は、若年層への啓発の強化、後継者活動の推進、元島民の身体的負担の軽減に予算を重点化し、前年度比二百万円増の総額十六億九千百万円となっております。

 このうち、北方対策本部にかかわる経費は二億五百万円であり、SNSを活用した北方領土隣接地域の魅力発信のための経費や、新たな時代における北方領土返還要求運動のあり方に関する調査研究を行うための経費等を計上いたしました。

 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は十四億八千六百万円であり、仮想現実により北方領土等を仮想体験するための映像ソフト制作のための経費や、北方領土隣接地域への修学旅行等の誘致支援を更に拡充するための経費、四島交流事業を参加者の身体的な負担の軽減に配慮して実施するための、航空機による特別墓参に必要な経費、北方四島交流等事業使用船舶内の非常時対応機器の整備に必要な経費等を計上いたしました。

 以上で、令和二年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部関係予算の説明を終わります。

 よろしくお願いいたします。

菊田委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時四十八分散会


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