衆議院

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第5号 令和4年3月9日(水曜日)

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令和四年三月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 阿部 知子君

   理事 秋葉 賢也君 理事 國場幸之助君

   理事 鈴木 隼人君 理事 堀井  学君

   理事 石川 香織君 理事 大島  敦君

   理事 杉本 和巳君 理事 稲津  久君

      東  国幹君    井野 俊郎君

      伊東 良孝君    小渕 優子君

      尾身 朝子君    島尻安伊子君

      高木 宏壽君    武井 俊輔君

      土田  慎君    野中  厚君

      宮崎 政久君    山口  晋君

      新垣 邦男君    山岸 一生君

      吉田 豊史君    金城 泰邦君

      長友 慎治君    赤嶺 政賢君

    …………………………………

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 西銘恒三郎君

   内閣府副大臣       黄川田仁志君

   内閣府大臣政務官     宗清 皇一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   原  宏彰君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  水野  敦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榎本健太郎君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            佐々木啓介君

   衆議院調査局第一特別調査室長           菅野  亨君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  高木 宏壽君     土田  慎君

  宮崎 政久君     野中  厚君

同日

 辞任         補欠選任

  土田  慎君     高木 宏壽君

  野中  厚君     宮崎 政久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)


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     ――――◇―――――

阿部委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官原宏彰さん、内閣府沖縄振興局長水野敦さん、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子さん、厚生労働省大臣官房審議官榎本健太郎さん、中小企業庁経営支援部長佐々木啓介さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

阿部委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助さん。

國場委員 質疑の機会をありがとうございます。

 西銘大臣には、県会議員の頃から、仰ぎ見る先輩として大変に尊敬しております。今日このように、復帰五十年の節目の沖縄北方特別委員会の場で西銘大臣に質疑ができること、大変に光栄に思っております。

 まず、大臣に三点お尋ねしたいと思います。

 沖縄振興の一つの達成した状態、ゴール、これをどのようにお考えでしょうか。

 そして二つ目に、沖縄は何年たっても変わらない構造的な不利性、そしてまた特殊性、さらに、優位性というものも存在していると思います。政府が引き続き沖縄振興にコミットする領域というものをどのように考えておりますか。

 また、三点目なんですけれども、昨日報道でもあります、今回三十年ぶりに東京と沖縄の方で復帰の記念式典を開催をする、そして、今回はオンラインで天皇皇后両陛下が御臨席をいただくという大変にありがたい場となっております。その場でどのようなメッセージを出していくのか。復帰の意義を確認し、我が国にとって沖縄というのは大変重要な存在である、こういったメッセージが大事だと思いますけれども、この三つについて、大臣の答弁をまずお願いします。

西銘国務大臣 まず、昭和四十七年の沖縄の復帰以降に、政府においては、社会資本の整備や各種産業振興など、沖縄振興に鋭意取り組んできたところであります。県民の努力もあり、県内総生産が全国を上回る伸びを見せるなど、沖縄の経済は着実に成長してきております。他方で、全国最下位の一人当たりの県民所得や子供の貧困問題など、まだ解決すべき課題は存在をしております。

 政府としては、これらの沖縄の特殊事情に起因する課題がなお存在することを踏まえ、本日御審議いただいている法律案を提出しているところであります。この十年の期限内に法が目的とする沖縄の自立的発展と豊かな住民生活が実現されるように、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 沖縄の抱える特殊事情、國場委員御案内のとおり、沖縄振興特別措置法は、歴史的事情、地理的事情、社会的事情といった沖縄の置かれた特殊な諸事情に鑑み、公共事業における高率補助や、内閣府への一括計上、そして沖縄独自の一括交付金、特区・地域等税制上の特例措置等、沖縄振興のための措置を講じているところであります。

 他方で、例えば本土から遠隔の地にあるという不利性も、視点を変えますと、成長するアジアの玄関口に位置するという優位性ともなります。このほかにも、日本一高い出生率も、他の都道府県にはない優位性、潜在力と考えられます。

 政府としては、様々な課題の解決に向けた沖縄の取組を支援するとともに、沖縄がその優位性と潜在力を生かして日本経済再生の牽引役となるよう、また県民の方々が暮らしの向上や豊かさを実感できるよう、総合的、積極的に沖縄振興策を推進してまいりたいと考えております。

 沖縄復帰五十年の式典についてのお話がありました。

 これは、国民全体で取り組んだ五十年前の沖縄復帰という意味では、歴史的な意義を国民全体で振り返っていただいたり、あるいは、沖縄の持つ魅力やよさを全国に、あるいは世界に発信していく立派な式典にしたいものだと考えております。

 昨今のテレビ報道、このコロナ禍の下で、ウクライナへの侵攻等が出てきた状況等を見ておりましても、沖縄の復帰というのは、全国民がこの復帰の歴史的な意義を考えるいい機会になるのではないかなというふうに思っております。

 以上です。

國場委員 大臣、ありがとうございます。

 私は、沖縄振興の一つのゴール、出口は、沖縄に寄り添うという言葉がなくなったときだと考えております。つまり、沖縄の発展というものを我が事のように国会議員が、国民が考えていただく、当事者意識を持っていただく、そして、沖縄選出の国会議員も、この沖縄北方特別委員会は北方領土問題を抱えておりますから、北方領土を我が事として考えていく、私は、このような主体性のある当事者意識を国民全体が共有できれば、沖縄振興というものは、一つの、達成できたと考えております。だからこそ、この法案というものも国民の理解と共感が大切だと思いますので、今日は、限られた時間でありますけれども、しっかりと審議を進めていきたいと思います。

 また、最後に大臣の自らのお言葉で本当に貴重な答弁、ありがとうございました。

 過去、衆議院では二回の決議をしているんですが、最初の決議は、佐藤栄作内閣のときの一九七一年の十一月二十四日、このときは、非核三原則の堅持と米軍基地の整理縮小に関する決議が行われておりました。二回目の決議は、橋本龍太郎内閣のときの一九九七年四月の二十二日、沖縄における基地問題並びに地域振興に関する決議が行われております。

 今大臣からもコロナやウクライナの問題が指摘されておりましたが、私は、沖縄の持つ役割として、今回決議をする、また沖縄の発展というものをこの式典も含めて考えるとすれば、私は二つあると考えております。一つは、沖縄らしさを生かした国家戦略としての沖縄の強い自立経済を達成していく。またもう一つは、平和創造拠点という概念を沖縄が持つべきだと考えております。

 国際交流という視点は長らく持っておりました。沖縄が大きく飛躍、発展してきたとき、それは二〇〇〇年の、当時の小渕総理が沖縄のサミット、首脳会議を決断していただいた、あれから沖縄は大きく自信を持ったと思います。また、その一年前の一九九九年の、沖縄尚学高校が春の選抜で初めて優勝をした。やはり沖縄が野球という一つのルールの中で全国制覇をしたということは、そしてまたその次の年のサミットというものは、沖縄の発展の大きな変わり目だったと思います。

 私は、このことは、多くの、本土を含む全国民の沖縄に対する支援があったからだと思いますので、私は、沖縄の祖国復帰を考えるときに、やはりまずは、その復帰に携わってきた多くの先人たちに対する感謝を忘れてはいけないと思います。また、その志というものを継承していって、次の五十年を見据えた発展というものをしっかりと考えていきたいと思いますので、また引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げます。

 また、大臣から冒頭にありました、沖縄振興が引き続き必要なのは、県民所得の低い今の現状と子供の貧困を解決することである、このことは全く同感であります。この子供の貧困は、当時の島尻安伊子沖縄担当大臣が大変に信念を持って、この問題こそ次の沖縄の発展に大事な問題なんだということを提案しております。

 二問お尋ねしたいと思います。

 この度の改正で子供の貧困対策が条文化されております。その法文については、沖縄の子供の貧困というものが括弧書きになっておりますけれども、どのような意味があるんでしょうか。

 そして二つ目に、そもそも子供の貧困対策は、既に施されている全国の対応策だけでは解決できない。今、子供の貧困、沖縄は深刻でありますので、特別な予算でもって十分の十の措置でスタートしております。それから、今後、貧困対策の事業の補助率が、現行は十分の九でありますが、今度また十分の八に変わるという中で、この子供の貧困に対する政府の取組が後退しているのではないのか、そういう指摘もありますけれども、この二問についての大臣の答弁をお願いします。

西銘国務大臣 國場委員にお答えいたします。

 沖縄子供の貧困緊急対策事業は、平成二十八年度に、厳しい沖縄の子供の貧困の現状を踏まえまして、全国制度による支援策ではその解決が図られないことから、沖縄振興予算で取り組むこととしたものと承知をしております。

 私としては、沖縄における子供の貧困対策は引き続き重要な課題であると認識をしております。令和四年度当初予算案におきましても、一億円増額し、約十六億円を計上しているところであります。

 なお、今回の改正沖縄振興特別措置法において沖縄の子供の貧困対策に係る努力義務規定を創設するに当たり、全国法である子どもの貧困対策法の定義を引用しましたのは、法制上の技術的な理由によるものであります。

 私も、昨年那覇市の子供の居場所を訪問いたしました。日々子供に向き合う職員の方の苦悩を直接お聞きをし、改めて子供の貧困への対応の難しさを痛感したところであります。

 今般創設する努力義務規定に基づいて、次年度以降も沖縄の子供の貧困対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 二点目の、補助率の御質問がありました。

 沖縄子供の貧困緊急対策事業の補助率につきましては、県及び市町村に事業を積極的に行っていただくため、平成二十八年度当時は、モデル事業として子供の居場所や支援員の配置を例外的に国十割の補助率で開始したものであります。その後、事業の進捗状況を踏まえつつ三年ごとに補助率を見直しており、県及び市町村においても主体的な意識が浸透してきたと思われることから、令和四年度から、子供の居場所や支援員に係る補助率はその多くを八割とするところであります。

 なお、県及び市町村においては、地域の実情を踏まえつつ、これまでの取組成果も踏まえ、事業の効果的かつ効率的な実施方法について検討をし、適切な予算措置を講じていただいていると考えております。国の補助率は八割に下がるものの、内閣府の令和四年度予算案においては、前年度比一億円増の十六億円を計上し、子供の貧困対策支援員の更なる増員や子供の居場所の設置増など、更なる充実に努めることとしており、取組の裾野を更に拡大することを目指しております。

 今般創設する努力義務規定に基づいて、次年度以降も沖縄の子供の貧困対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 一番住民に身近なところで仕事をしている市町村や県が、これまでの経験も踏まえて、国の負担は八割に減りますけれども、全体の予算は一億円増やしておりますので、確実に、市町村、県、国、連携しながら取組の裾野は広がっていくものを期待したいと思います。

國場委員 ありがとうございます。

 子供の貧困は大変に重要なテーマでありますので、引き続き大臣のリーダーシップを心から期待したいと思います。

 また、子供の貧困をなくしていくためには、大人の貧困をなくす、つまり県民所得を上げなければならないと思います。同時に、経済的な貧困だけではなく、私、沖縄はきずなの貧困というものも深刻だと考えておりまして、これは沖縄県の教育庁の資料を見て一つ気づいたことは、秋田県とか福井県、これは学力が非常に良好で不登校の割合が大変低いという県は、沖縄県の児童生徒より非常に自己肯定感や友人や先生から理解され支えられているという気持ちが強い数字がありました。

 ですから、こういった大人社会の経済的な支援だけではなく、コミュニティーの形成も含めて様々な配慮が総合的に必要なのかなということを感じております。

 続きまして、県民所得の向上についての今回の法改正の中身について何点かお尋ねしたいと思います。

 岸田政権も画期的な賃上げ促進税制をつくっております。これは、雇用者全体の給与等支給額を前年度比で上げれば、税額控除を一五%、三〇%と上げていく内容となっておりますけれども、やはり最大の肝というものは、教育訓練費を前年度比一〇%以上増加させれば、一〇%の税額控除をまた加えると。

 これはOECDのレポートでもありますけれども、日本の生産性の非常に低い、課題、弱点というものは、能力開発と労働生産性には深い相関関係があるにもかかわらず、教育訓練費といったいわゆる無形資産にほとんど投資がされていない、これが大変低いところが大きな課題だと思います。

 生産性の向上、所得の向上のためには、やはりこういった部分にも対応が必要なんですが、沖縄特区・地域制度の中身は、税額控除にしても、特別償却にしても、機械や建物といったいわゆる工業社会の概念に対するものが中心でありまして、やはり今後は、目には見えないけれども、付加価値やブランド力や生産性を向上させる無形資産への投資といったものも必要だと思います。これは一つの課題として指摘だけさせていただきたいと思います。

 そして、今回の特区・地域制度の課税の特例を受ける場合に、計画の記載事項に給与増等の条件が告示で規定されております。

 しかし、コロナで疲弊している沖縄の経済を見ていきますと、所得向上という目標は、当然これは賛成なんですけれども、余り過度な条件を付さない方がいいと思います。その点の配慮を求めたいと思います。

 また、今までは県知事の認定だけだったものが、事業者が措置実施計画を作る義務も課され、主務大臣の確認まで加えております。今までこの沖縄の特区・地域制度を活用している企業や税理士の方にヒアリングをしますと、とにかく事務手続の簡素化、申請の簡略化というものを一貫して要請がありました。紙ベースではなくてオンラインでもやってほしいという声がありました。

 そういった要請に逆行するのではないのかと思いますけれども、原統括官の答弁をお願いしたいと思います。

原政府参考人 お答えいたします。

 特区・地域制度の積極的な利活用を促す観点から、事業者の負担軽減を図ることは非常に重要だというふうに認識してございます。また、國場先生の御指摘によりますコロナの影響等々、沖縄県経済は厳しい状況にあるということも十分認識をしております。

 その上で、現行の特区・地域制度の申請、認定手続におきましては、御指摘のとおり、多くの申請書類について押印が必要とされているとか郵送や持込みでの提出が必要となっているところでございます。今般の改正に合わせまして、全ての申請書類について押印を廃止をするということ、メールによる提出を認めることを予定をしてございます。

 まず、こうした取組を通じて事業者の負担軽減を図ってまいりたいと思っております。

 以上でございます。

國場委員 ありがとうございます。

 原統括官の御指摘にもありましたように、様々な簡素化、押印の廃止といったものも積極的に進めていただきたいと思います。

 沖縄振興の過去の議論を振り返っていきますと、魚より釣り具が大事だという議論がよくありました。魚というものは予算であって、釣り具というものはいわゆる特区制度であります。そして、釣り具を利用する人、人材育成、こういったものが最大に大事だというふうに思います。

 いろいろな課題がありますけれども、引き続き衆知を集めて、沖縄の振興、そして、沖縄はかけがえのない、日本にとっての財産の地域であるように、今後とも取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

阿部委員長 次に、宮崎政久さん。

宮崎委員 自由民主党の宮崎政久です。

 今日は、沖縄振興特別措置法の改正法案、これからの沖縄をどういう方向にみんなでつくり上げていったらいいのか、そういう思いを胸に質問をさせていただきたいと思っています。

 私は、一つは、沖縄の明るい未来をつくるために、人材育成、沖縄の子供は普通英語しゃべれるんだよね、こんな社会をつくりたいと思っています。もう一つは、ちょっと厳しい言葉で言うと、貧乏の脱却、やはり、一人当たりの県民所得が全国最下位だ、この状態をもう終わりにしたい、こういう思いが強くあります。今日はこういったことを胸に質問をさせていただきます。

 まず最初に、大臣に一つ提案をさせていただきたいと思っています。

 強い沖縄経済を実現させるための具体的な戦略、西銘プロジェクト、大臣は謙虚な方でいらっしゃって、俺の名前をつけるなというふうなこともこの間おっしゃっていましたけれども、大臣らしいなと思って聞いていましたが、この具体的な戦略に一つ提案をしたいと思っております。

 私は、沖縄振興の柱はやはり人材育成でないといけないと。大臣も所信からずっとおっしゃっておられると理解をしております。そのために、将来に向けて、沖縄の子供というのはみんな普通英語しゃべれるんだよな、こんな社会をつくりたいなと思っています。

 沖縄には、基地の中、基地の外、いずれにおいても外国の方が、ファミリーで住んでいる方がたくさんいらっしゃいます。こういった方の協力をいただいて、基地の中であれ外であれ、外国の方の家庭に沖縄の子が義務教育の期間中であれば何回でも公費でホームステイができる、そして、その中で、まさに御家族で住んでいらっしゃいますから、英語には限らないと思いますけれども、例えば英語圏の国の方であればネイティブイングリッシュ、こういう言葉を何度も何度も沖縄の子供が浴びていく。そういったことを繰り返していく中で、中学終わると沖縄の子というのは普通英語しゃべれるんだよねみたいな形に持ち込みたい。私はそんな社会を構築したい。

 沖縄は、十四世紀、十五世紀、琉球王国の時代に、万国津梁の思いで旅立って、栄えてまいりました。現代における現代版の万国津梁プランをつくっていく、そんな思いで、教育の分野、人材育成の分野にこういったものを投資をしていきたいと考えています。

 実は、沖縄には、ハローワールドという名前で、まちなか留学と称した事業をやっている事業者の方がいらっしゃいます。広く県内の子供たちが利用できるような形で、全国にも展開するという、今ある資源を活用して、外国に行かなくても留学ができる、こういったことをやっていらっしゃる皆さんもいます。こういったものを活用していきたい、そう考えています。

 改正法の中に、七十六条二項というのが新設をされています。沖縄の振興に資する多様な人材を育成するために必要な教育に関する施策の充実に関する努力規定が新設されています。県内において費用をかけることなくホームステイができる環境、これを利用してネイティブな外国語を浴びてもらう。それが重なって、重なって、重なって、強い沖縄経済を支え得る人材をここでつくれるというふうに考えています。

 県内におけるホームステイ教育、また、現代版万国津梁プランと言っていますが、こういったことを、五月目途に定められる強い沖縄経済の実現に向けた具体的な戦略の一つの事業として位置づけていただきたいという提案であります。大臣の御見解を聞きたいと思っています。

西銘国務大臣 お答えいたします。

 沖縄県の更なる発展の鍵となるのは、それを支える人材であり、社会情勢が変化していく中でも各分野においてその変化に対応し、沖縄振興に資する多様な人材の育成が重要だと考えております。

 このため、宮崎委員御指摘のように、今般の改正案では、多様な人材を育成するための教育の充実について、第七十六条第二項に明記したところであります。

 その中で、委員御指摘の英語教育について申し上げますと、アジア太平洋地域の玄関口にあるという地理的優位性を生かし、国際交流の拠点として沖縄の多様な人材ネットワーク構築に一層寄与できるよう、英語教育の推進は意義ある取組だと考えております。県内に在留する外国人の御家庭にホームステイし、学びの機会を得ることは、英語教育に役立つとともに、県内外から様々な人が沖縄に訪れ、国際交流を進めることにもつながる取組であると考えております。

 こうした英語教育や人材育成の重要性に鑑み、強い沖縄経済に向けた重点検討分野の検討の切り口の一つとして、教育・人材育成を設定したところであります。

 この具体的戦略については、現在、有識者の方々へのヒアリング等により様々な知見をいただくとともに、内閣府ホームページにて、重点検討分野を中心に広くアイデア募集を行っているところであります。

 今後、様々な知見も踏まえながら、委員御指摘の点も踏まえて引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。

宮崎委員 大臣、ありがとうございます。是非、積極的な御検討をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。

 もう一つの課題、先ほど申し上げた、貧乏の脱却というふうに、私、あえて強く言いましたけれども、豊かな沖縄づくりをしていきたいとも言っていいと思います。一人当たりの県民所得が最下位であることを脱却したい。そのためにこそ沖縄振興が活用されるべきだと思っています。

 つまり、沖縄振興でいろいろな諸施策を実行するんですけれども、これをやって県のGDPが上がったというだけではやはり足りないと思うんです。それが県民一人一人の所得の向上というところまで落ち込んでいかないと、この振興政策をやったということの最終的な意義が一点欠いているというふうに私は考えております。

 今回、課税の特例というものを活用する場面において、付加価値の増加であるとか給与の増加、一定の要件を満たすことが特定区域内における課税の特例の活用において必要だと定められています。この内容は告示で定めると規定されておりますので、その時点で、沖縄の課題を深掘りした上で、本質をつかんだ指標を定めていただきたいと思っているんですが、私は、具体的な数値をKPIとして設けてはどうかと考えています。

 給与、付加価値と列挙されていますけれども、どういった要素をそこに入れようというふうに検討されているのかを教えていただきたいと思います。

西銘国務大臣 沖縄において、一人当たり県民所得の向上や従業員給与の増加は重要な課題だと認識をしております。こうした課題解決に向けて、今回、特区・地域制度における課税の特例の適用に当たり、主務大臣による確認の制度を設けたところであります。

 確認要件につきましては、今後制定する告示において付加価値額や給与の増加等を要件として規定することを想定しておりますが、宮崎委員御指摘のとおり、客観的な数値要件とすることで申請者にとって分かりやすい制度となるように、しっかり検討してまいりたいと考えております。

宮崎委員 ありがとうございます。

 今、最後の大臣の御答弁は非常に重要であったと思います。数値にすることによって、やはり申請をする側も、簡素化というか、きっちりと計画を取って数字に出せば、出せばいいという言い方は失礼ですけれども、そういうふうになっていくということになりますので、先ほど國場委員の方から、過重な負担になってはいけない、これはおっしゃるとおりだと思います、これも踏まえて考えてみると、KPI設定みたいな形で進めていくことが、私は、申請者にとってもいいし、結果としても判定ができると思っています。

 そこで、予算計上されている中に、沖縄型産業中核人材育成・活用事業、三億円で計上されているものがございます。これは専門家による伴走型の支援を行う制度というふうになるかと思うんですけれども、こういったものも課税の特例を申請する際に使って事業者の負担を軽減できると考えますけれども、こういうことでよろしいかどうか、内閣府の見解を聞かせてください。

原政府参考人 お答えいたします。

 令和四年度沖縄振興予算案において新たに計上いたしました、先ほど御指摘の沖縄型産業中核人材育成・活用事業における伴走型支援につきましては、県内の中小・中堅企業に対して官民共同の伴走型の支援を行い、域外競争力向上による販路拡大等を通じて県内中小・中堅企業の収益力の向上を目指すものでございます。

 具体的には、企業経営等の専門家が経営者とともに本質的な課題を整理、設定するとともに、計画の作成を支援し、能動的な経営改革を後押しするものでございます。事業計画の実践段階におきましては、委員御指摘の補助金申請や税制の活用に係る助言のほか、外部支援機関への橋渡しなどを行うことを想定してございます。

 事業者の収益力向上に向けた取組を支援してまいりたいと思っております。

宮崎委員 ありがとうございます。

 次に、この法律の期限の問題について移りたいと思います。

 三月七日の質疑で、山岸委員の御質問の中で、沖縄に向けた国会議員の熱量が下がっているのではないかという趣旨の御指摘がありました。振興法の期限が十年で、その間の検討規定が前は設けられていなかったということから、言ってみると、法に関しては十年に一度しか議論ができない、国会議員の沖縄に向けた熱量の維持という面では、確かに、山岸委員御指摘のように、ちょっと工夫が足りなかったんじゃないかというふうに思っています。

 実は、これは、我が党においても、自民党の沖縄振興調査会というところで、昨年、もう一年前からずっと議論を重ねてまいりました。小渕優子衆議院議員が調査会長となって、私が事務局長をさせていただいて、ずっと議論を重ねていた中でも何度かこの御指摘があったところであります。これを踏まえて、期間の問題というものが大きく議論をされたというような経緯を経ております。

 例えば、先ほど國場委員から指摘があった子供の貧困対策の件、これは十年前の改正のときには法律上は見えていなかった問題、島尻安伊子議員が沖縄担当大臣となって立ち上げていったものであります。

 十年前の二十四年、今の大島筆頭理事が与党のお立場で大変な御尽力をされてこの今の法律ができ上がった、このときに見えていなかったものがあるのは当たり前なんです。世の中の動きというのはどんどん速い。例えばコロナの問題一つ取ってみたって十年前にはなかった問題であります。社会情勢というのは時々刻々変化をしている。

 私は、南北四百キロ、東西一千キロという広大な海域の中に島々が点在して、沖縄県民がその中で頑張って暮らしている、不利性の解消を今度は有利性に持っていく必要があると思うけれども、こういった変わらないものは、ある意味、沖縄振興として恒久的にやるべきだというふうに思っています。

 ただ、社会情勢の変化は激しいですから、十年に一度というスパンではこの時代の変化の速さにはついていけない部分がある。だからこそ国会議員の中で継続的に熱量を持って議論することが必要だ。そういったことを踏まえて、今回の附則の二条で五年以内の見直し規定というのができていると考えています。

 五年以内に社会情勢に大きな変化が生じた場合にはちゅうちょなく法律の見直しを行うこと、これが附則二条の意義だと理解をしてよいか、お尋ねをしたいと思っています。

西銘国務大臣 お答えいたします。

 沖縄を取り巻く環境、まあ、我が国を取り巻く環境といってもいいと思いますけれども、新型コロナウイルス感染症、あるいは世界的に拡大をしているデジタル化の進展、さらには毎日の報道にある国際情勢のエネルギー価格から物価がどういうふうになるか、まさに、沖縄本島から更に宮古・八重山地域の離島の島々では物価がどう展開するのかという意味では、世の中の変化がスピードがあるので、この五年見直しの議論は、私は好意的に、時代の変化がスピードがあるので五年の見直しはあってもいいというふうに私は受け止めております。しっかり沖縄に熱量を注ぐ議員の数がこの五年以内の見直し等々でも出てくるでしょうし、期待しているものでございます。

 時代のスピードは非常に速くなっております。

宮崎委員 大臣の今の、熱量を持った議論ができるようにという前向きなお言葉、これはしっかりとこの後に引き継いで、日々日々沖縄振興に努めてまいりたいと思っています。

 次に、沖縄振興開発金融公庫の話題に移りたいと思っております。

 小泉内閣の最後の平成十八年に行政改革推進法が成立をし、その際、沖縄公庫というのは日本政策金融公庫に統合する規定が設けられました。しかしながら、多くの沖縄関係者の思いを受けて、当時の第四次の沖縄振興の法律が終了する平成二十四年までは統合は延期とされたわけであります。そして、今からちょうど十年前の平成二十四年、先ほど大島筆頭理事のことに触れさせていただきましたが、民主党政権の下でありましたけれども、第五次のその振興法が議論される際にも、沖縄公庫は、もうこの行革推進法の規定にかかわらず、この第五次の振興法が終了するまでの間、統合延期ということにしていただいたわけであります。

 今議論しているこの法律においても、十年前と同様に、この沖縄公庫につきましては十年延長するという形で日本政策金融公庫への統合延長の規定が盛り込まれて、私たちはこの議論をしているわけであります。

 こういう経緯を踏まえますと、言ってみますと、与野党を超えて、共に、沖縄振興法が続く限りは沖縄公庫は単独の組織として存続するという共通認識があるというふうに私は受け止めておるんですけれども、西銘大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

西銘国務大臣 沖縄公庫の政策金融機能は、沖振法に規定する税制上、財政上の支援措置と並び、沖縄振興策における金融面、車の両輪の関係にあると認識をしております。沖縄振興に大きく貢献してきたものと考えております。

 このため、沖縄振興特別措置法の改正に際しても、引き続き、日本公庫への統合期限を沖縄振興法の期限に合わせて十年延長することとしたものであります。

 期限到来の際には改めて検討が行われ、関係省庁と調整が必要でありますが、私としましては、沖振法が延長される限り、沖縄公庫も単独の組織として存続することを望んでおります。

宮崎委員 この沖縄の振興をする政策を推進するに当たって、やはり経済の動脈である金融センター、これはハブ機能といってもいいかもしれません、これが持っている公庫の重要性というのは非常に高いわけであります。

 また、大臣の今のお言葉、そしてまた今日までの、先ほど触れさせていただいた歴史的な経緯、今回もまた延長させていただこうとしている、こういったことを総合されると、今の大臣の御答弁、大臣、望むという文末だったというふうに今は聞いたんですけれども、沖縄振興法が存続する限りは沖縄公庫も単独の組織で存続する、そういう考えだという理解でよろしいでしょうか。

西銘国務大臣 公庫の期待は、経済界各層から強いものを私も受けておりますし、私の思いは、望んでいるということで御理解をいただきたいと思います。

宮崎委員 同じ思いだということを理解いたしましたので、また今日から一緒に頑張ってまいりたいと思っています。この金融の重要性は共有させていただいたものと考えております。

 最後になります。

 跡地利用特別措置法について一点触れさせていただきます。

 今回、国が返還跡地を積極的に支援する拠点返還地の指定要件を二百ヘクタール未満でも可能としていただきました。私の地元浦添市にあります牧港補給地区を念頭に置かれていることは分かっております。地元の要望は非常に強いものがありましたので、もうこのことにつきましては、政府の取組に本当に心から感謝を申し上げるものであります。

 その上で、大規模返還地の跡地の開発整備に当たってお願いをしたいこと、一点だけ言います。

 今、那覇新都心となっている牧港住宅地区の返還跡地整備事業、これは、例えば、国交省だとか都市再生機構、URなんかがどんどん前面に出てきて、ある意味政府を挙げてやっていたというふうに記憶をしております。キンザーも同じであります。非常に広大な、二百八十ヘクタールに近づく面積であります。

 国の方針が策定されるに当たって、その後の実行をオール・ジャパンで、政府を挙げて跡地の振興をやっていただけると期待しておりますが、大臣の御決意を聞きたいと思っております。

西銘国務大臣 宮崎委員御指摘の、牧港補給地区、キャンプ・キンザーにつきましては、現在、浦添市、沖縄県、地権者等が中心となって、令和五年度末に現行の跡地利用計画を見直すことを目指して検討を進めているというところを承知しております。

 今後、政府では、地元における跡地利用計画の見直しや合同委員会における返還合意の状況を踏まえ、関係行政機関が協議の上、拠点返還地の指定や国の取組方針の策定について検討することとなります。

 内閣府としましては、まずは有効かつ適切な跡地利用に向け、地元における検討を支援してまいりたいと考えております。

宮崎委員 ありがとうございました。

 今日、与野党を超えてという言葉を何度か使わせていただきました。沖縄の振興に皆さんと力を合わせて、地元の県民の一人として、国民の一人として頑張ることをお誓いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

阿部委員長 次に、金城泰邦さん。

金城委員 おはようございます。公明党の金城泰邦でございます。

 昨年の十月三十一日の比例九州ブロックで、衆議院で初当選をさせていただきました。

 私も、先ほど宮崎先生がおっしゃったように、沖縄県の浦添市の在住でございまして、本日は、稲津理事の御配慮で、初めてこの沖縄北方委員会で質問をさせていただけることに感謝申し上げます。

 まず初めに、今勃発しておりますロシアのウクライナへの軍事侵攻によりまして亡くなった方々に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方、避難を余儀なくされている方にお見舞いを申し上げます。

 また、併せて、このロシアの軍事侵攻が停戦となることを心より祈っております。

 また、まだまだ高止まりの状態の新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方の御冥福と、罹患された方へのお見舞いを心より申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 この改正案につきまして、これまで様々な高所大所からの議論がありました。私自身は、これまで市議、県議ということで、地元を歩く中で皆様からいただいた声を基に、何点かピンポイントで質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、子供の貧困対策についてでございます。

 これまで様々な対策を実施していただいておりましたが、なかなか目に見えるようなはっきりとした効果は見えてこないような状況が続いているかと思っております。沖縄の貧困対策、特に、未来を担う子供の貧困対策は急務でございます。新たな対策を実施していく必要があると思っております。

 困っている子供たちにきめ細やかな支援を行うには、やはり、子供の貧困対策を実施している民間のNPOや団体の方々の力をかりていく必要があると思っておりまして、そのNPOや団体を通して子供たちに支援を行っていくことが必要ではないかと思っております。

 これまでも、先ほど来ありましたように、島尻安伊子先生も取り組んでこられた子供の貧困対策を始めとして、子供食堂や子供の居場所づくりの拡充、そういったことを通して、人件費や食材費、教材費等の金銭的支援、こういったものもしっかりと引き続き拡充に向けて取り組んでいただく必要があると思っておりますし、また、困った子供たちを志を持って支援していただいている人材の発掘また養成ということも必要だと思っています。

 また、支援を行う場所の提供、教育機会の拡充、そして、高校進学率が低い状況でございますから、高校進学率の向上などなど、質、量共に抜本的な拡充を実施すべきだと考えておりまして、これにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。お願いします。

西銘国務大臣 金城委員にお答えいたします。

 金城委員御指摘のとおり、子供の貧困対策を効果的に進めるには、地域の実情を把握したNPOなど、民間の方々のお力をおかりしながら対応していくことが重要であります。これらの方々の要望をより的確に把握しているのは、地元の県や市町村であると認識をしております。

 内閣府では、全国的な子供の貧困対策の取組に加えて、沖縄独自の追加支援として、平成二十八年度から、県及び市町村を通じて、食事の提供や学習支援などを受けながら子供が安心して過ごせる子供の居場所の運営や、子供を福祉等の支援につなげるための調整等を行う子供の貧困対策支援員の配置などの支援を行う、沖縄子供の貧困緊急対策事業を行ってきているところであります。

 この事業について、令和四年度予算案におきましては、前年度比一億円増の約十六億円を確保しております。

 引き続き、県及び市町村を通じて、子供の居場所を運営するNPO等の人件費や、子供の食事支援のための食料費、学習支援のための教材費、支援員の人件費、支援員の養成及び技術向上のための研修費などを補助していくところであります。

金城委員 ありがとうございます。

 一億円増で新たな取組をするということで、やはりこういったNPOの方々の声を聞いてみましても、地域地域でその地域を包括するチームとして取り組む必要があるという声をよく聞いておりますので、今後、今おっしゃったように、県や市町村の独自性を尊重しながら、そのネットワークにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、今国会にこども家庭庁の設置法案が提出されております。来年度のこども家庭庁の発足を目指しております。このこども家庭庁と沖縄総合事務局の関係性はどうなっていくのか、子供に関する行政サービスが混乱する、あるいは低下するのではないか等の懸念の声も聞いております。

 こども家庭庁は、内閣府に総理直轄の機関として設置されます。沖縄において子供の貧困対策というのは、特殊性もありますし、大きな課題であります。

 このこども家庭庁発足に合わせて組織、機能、権限の再構築が必要と考えておりまして、沖縄担当大臣の下に直轄機関として、仮称としては沖縄子供家庭対策局のような感じで設置していただいて、子供貧困対策を本格的に実施していただきたいと思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。

西銘国務大臣 金城委員御懸念されるように、こども家庭庁ができることで沖縄の子供の貧困対策がなおざりにならないよう、内閣府としましても、こども家庭庁と担当者間を含め、連携し、沖縄の子供の貧困問題にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

 委員御懸念の点が出ないように、しっかり取り組んでいかなければならないと考えております。

金城委員 こども家庭庁が設置されて、その法律を基に展開されると思うんですが、やはり、全国的な子供への対策と沖縄の独自の対策というのは課題も違っている状況もあると思います。

 地元でもいろいろな一人親家庭の方とお会いして、その子供たちともお会いして声を聞くんですが、ある高校生の子なんかも、本人は進学をしたい、大学などに行きたい、本土に行きたいと思っても、例えば、お母さんの一人親、母子家庭、兄弟も結構いる、そういったところから、お母さんが、例えば長男とか一番上のお兄ちゃん、お姉ちゃんに、働いておうちにお金を入れてちょうだいという状況が今日においてもあったりするんですね。

 そういった意味では、やはり、一人親家庭、特に母子家庭の多子の家庭における支援が非常に重要だと思っておりまして、沖縄県内でもそういった母子家庭を支えていく母子寮が今公設で二つほど設置されておりますが、今後は、そういった特に母子家庭の多子家庭を応援するような形で、母子寮の増設、拡充といった形で取組が望まれると思っておりますので、そこもしっかりと大臣にお力添えをいただきたいと思っておりまして、御決意があれば伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか。

西銘国務大臣 金城委員御指摘のように、教育に関しましても、沖縄県においてソフト一括交付金を活用して、生活困窮世帯の子供を対象に、学習の指導、あるいは奨学金などの情報提供、また進路相談等を行う無料塾を民間に委託して行うなど、その充実に努めております。

 私も昨年、車座対話において子供の居場所を実際に現場を訪ねました。職員との話合いもしました。県や市町村とも連携しながら、しっかり支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

金城委員 大臣、ありがとうございます。

 また、子供の貧困対策に関連しまして、渡航費の問題がございます。

 沖縄県の児童や生徒が他県に訪れ、様々な教育活動を行うに当たりまして、地理的社会条件が不利であると切実に私は感じておりまして、それは、受験や、あるいは各種大会への参加、ブロック大会、全国大会、そういった形、そして修学旅行等で、渡航費が他県の児童生徒よりも飛行機などで移動すると高額になる、かつ、予算づけがなかなか厳しいという状況から、国からの支援が必要ということになっておりまして、沖縄という離島県の子供たちに、渡航費を心配しないように、何らかの支援が必要だと考えております。

 担当者の説明をレクで伺いますと、国は一括交付金で渡航費の支援は地方自治体に任せているということを伺いました。私は一回限りしか支援できないのではないかと認識しておりましたが、県民にとって、一回限りという規制がある、撤廃してほしいというふうに受け止められているのではないかと思っています。

 渡航費一回限りの規制となっているのであれば、それを撤廃していただきたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。

西銘国務大臣 沖縄の未来を担う子供たちの成長を支援する取組は、今後、沖縄の一層の発展を考える上でも非常に重要であると考えております。

 金城委員御指摘の取組等により、沖縄の子供たちが島の外、島外あるいは県外の活動などを通じて様々な経験を重ねることは、子供たちの健やかな成長にとって大変貴重なものであると考えております。

 一括交付金は、地元の自治体が地域の実情に即して、自主的な選択に基づいて様々な事業を実施することが可能な予算であります。引き続き、児童生徒に対する支援も含めた沖縄の振興に資する施策展開を適切に図っていただきたいと考えております。

 一回限りのという点の御質問につきましては、地元の市町村が対応しますので、そういう国の方から条件を付しているということはありませんので、御理解いただきたいと思います。

金城委員 御答弁ありがとうございました。

 国としてはしっかりと一括交付金でもってそういった渡航費を対応している、一回限りという限定したものではなくして、渡航費、宿泊費もあると思うんですけれども、そういったものにしっかりと支援していただいているという御答弁でありました。

 やはり沖縄県としてもそういった判断をして市町村と連携を取って、渡航費の支援をより拡充していただく必要があると思っております。しっかりと地元とも連携を取ってまいりたいと思っていますし、私自身も石垣市の市議会からも離島の児童生徒が沖縄県代表となった場合の派遣費用補助を求める意見書というものもいただいているぐらい、現場としては切実な課題でありますので、しっかりと応援を引き続きやっていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 続きまして、首里城に関してでございます。

 首里城が、今、復元に向けて、国としても様々な取組をしていただいているところでございます。

 私も首里城の見学をつい最近やってまいりました。なぜかと申しますと、街頭をしているときに、車椅子の方が要望ということで来ていまして、是非、首里城復元に当たっては、車椅子の方が安心して見学できるようなものにしてほしいという声を聞いて、改めて、車椅子の視点で駐車場から入っていって、エレベーターで上って、そして正殿前までというルートを回ってまいりました。もし自分が手押しの車椅子で行くとなると、この坂道を上るのはなかなか厳しいなというのを私も実感してまいりました。

 この首里城の見学のためのバリアフリー対策、これは現在も取り組んでいるかと思いますが、ユニバーサルデザインを工夫して、全て復元された暁には万民が見学できるようにするべきだと考えておりまして、そういったものが今首里城の仕組みの中でちゃんと組み込まれているかどうか、ちょっと御見解をいただきたいと思います。

西銘国務大臣 首里城の復元に当たっては、全ての人々が安全、快適に利用できるよう、バリアフリー対策に取り組むこととしております。現在も首里城公園内の移動経路についてはバリアフリー法上の基準を満たしたコースが設けられていますが、車椅子利用者から、起伏があり、上りづらいとの声があると承知をしております。関係機関に改善策の検討を促してまいりたいと考えております。

金城委員 ありがとうございます。是非、自動のカート等も使って見学できるようにしていただければと思います。

 次に、沖縄の健康医療拠点に関してですが、これまで、沖縄県内医療機関に重粒子線治療に必要な設備と体制を整備しようと、沖縄県も二十一世紀ビジョンなどに盛り込んで検討してきたところでございますが、しかし、これまでのところ、様々な課題があり、実現の方向性が見えてきておりません。

 令和四年度の沖縄振興予算案には沖縄健康医療拠点整備経費が計上されておりまして、これは、返還基地西普天間住宅地区跡地において、琉大医学部及び大学病院の移設を中心とする沖縄健康医療拠点の整備を行うものとなっています。

 このような状況も鑑みまして、国として、沖縄県内の医療機関に重粒子線治療に必要な設備と体制をつくっていただきたいと考えておりますが、大臣の御答弁を伺いたいと思います。

西銘国務大臣 沖縄県内における重粒子線治療施設の導入に関しては、平成二十八年に沖縄県が取りまとめた報告書等において、一つ、県内の放射線治療関係の医師や技師などの専門家を確保することや、二、収支を賄うためには県内の患者では足りないため、県外及び海外からの患者で患者数全体の六割以上を確保することなどが課題として挙げられており、これらの課題に十分留意し、引き続き慎重に調査検討を行っていく必要があると報告書等においてされたところであります。

 その後、平成二十九年に取りまとめられた沖縄県、琉球大学、内閣府、文科省、宜野湾市により構成される沖縄健康医療拠点に係る協議会の報告書において、重粒子線治療施設については、沖縄健康医療拠点に導入するか否かも含め、沖縄県において引き続き検討することとされたところであります。

 今般、改めて内閣府より沖縄県に検討状況について問合せしましたところ、専門家の確保や収支の確保の面でなお課題が残っており、直ちに導入を行う段階にはなく、最新の動向について引き続き情報収集を行っているとの県からのお話でありました。

 内閣府としましては、直ちに沖縄県において導入を行う段階にないものと承知をしておりますが、引き続き沖縄県の検討を注視してまいりたいと思っております。

金城委員 是非、その課題の解決に向けては、国でできる部分は後押ししていただきたいと思いますし、やはり県がしっかり先頭に立ってやらないといけないと思っておりまして、しっかりと県の方にもその取組を頑張っていただくように我々も促していきたいと思っております。ありがとうございます。

 続いて、OISTについてでございますが、これまでも様々な議論がされておりました。

 このOISTにつきまして、まず一点目に、OISTが開学して十年たちました。この十年間のOISTの産学連携で、一般の国民がなるほどとうなずくような成果はどのようなものがあるか、一般国民が分かる表現で幾つか成果を披露していただければと思います。

西銘国務大臣 OISTは、二〇一二年に開学し、最先端の科学技術に関する教育研究を進める中で、産学連携を含む沖縄振興に係る取組を行っております。具体的には、沖縄の特性を生かした研究や、地元企業と連携した共同研究、大学の研究成果を事業化したスタートアップの創出等を行っております。

 県内産業界との連携については、例として、微生物を用いて排水を浄化しながら発電を行う排水処理技術を開発し、地元の泡盛酒造所等と連携して実証化を行うなどの取組を行ってきたところであります。

 また、県外の産業界とも連携を進めており、例として、大手住宅メーカーの研究所と連携し、再生可能エネルギーを利用したエコフレンドリーな住宅を共同開発するなどしてきております。

 このように、一定の成果は見られます。

金城委員 ありがとうございました。

 今回、泡盛の軽減税率の撤廃の話もありますが、今後は、軽減税率に頼る形じゃなくして、しっかりと、おいしい、売れる泡盛を造っていく、そこをまた応援していただければというふうに思っております。

 まだちょっと質問がありましたが、時間も参りましたので、また今度質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

阿部委員長 次に、新垣邦男さん。

新垣委員 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣です。よろしくお願いします。

 本日は、離島振興に焦点を当てて議論を深めてまいりたいと思っております。

 沖縄県は、四十七の有人島、そして百十三の無人島、大小合わせて百六十の島々から成る、御承知のとおり島嶼県であります。そのうち、沖縄本島と橋などで連結されている十一の島を除く百四十八の島が離島として位置づけられております。

 御承知のとおり、沖縄県の市町村の多くが有人離島を抱えております。宮古、石垣などの先島諸島や久高島を抱える、西銘大臣の地元であります沖縄第四区はその象徴的な選挙区でもありますので、どうか忌憚のない御答弁をよろしくお願いしたいと思います。

 まず、大臣、地元紙の報道によると、自民党が二月二十五日に取りまとめた二〇二二年の運動方針案で、沖縄の日本復帰五十年について触れられております。安全保障上においても重要な役割を担う沖縄の更なる発展に向けて全力で取り組むとの文言が明記をされているようでありますが、ここで国境離島を抱える沖縄の安全保障面での重要性を強調した格好なんですが、私は少し、違和感を強く覚えているところであります。

 一九七二年の日本復帰以降、国が責務として取り組んできた沖縄振興の起点は沖縄の持つ特殊事情にあると理解をしておりますが、政府は、これら沖縄の持つ特殊事情、特に地理的事情には、安全保障上の役割の期待も含まれているとの認識なんでしょうか。

 そして、さらに、去る三月三日の当委員会で、西銘大臣は、基地問題と沖縄振興策は直接関連しないんだ、さらには、直接リンクしていないとの認識を示されました。

 そこで、大臣にもお聞きしますが、離島振興と我が国の安全保障上の役割というのはリンクするのだろうか、どうなんだろうかという大臣の御認識をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

西銘国務大臣 戦後四半世紀余りにわたり我が国の施政権の外にあったこと等の沖縄の歴史的な事情、また、広大な海域に多数の離島が散在し、本土から遠隔にあること等の地理的な事情、また、我が国における在日米軍専用施設・区域が集中していること等の社会的事情、これらの沖縄の置かれた様々な特殊事情に鑑み、沖縄の昭和四十七年の復帰以降、社会資本の整備や各種産業の振興など、様々な振興策を講じてきたところであります。しっかりと取り組んでいかなければならないと思います。

 安全保障の点の御質問でございますけれども、沖縄は、本土から遠隔の地に位置するとともに、多数の島々から構成されておりまして、このそれぞれの島々が我が国の領海や排他的経済水域の保全等に重要な役割を果たしていると認識をしております。

 政府においては、これまでも、離島振興を沖縄振興における重要課題の一つと位置づけ、沖縄の離島において住民の方々が安心して安全に生活ができるように、各種の施策を進めてきたところであります。

 私も、離島にルーツを持つ政治家の一人として、これまでも離島振興に取り組んできたところであります。

 リンク論につきましては、基地が返還された跡地を沖縄振興に施策を展開していかなければならないという意味でこの両方が関連しているという認識はありますが、新垣委員御指摘のように、基地問題と沖縄振興策がリンクしているという考えには立っておりません。

新垣委員 ありがとうございます。

 なぜこのような質問をしたかというと、台湾有事を想定した日米共同訓練、そして先島地方への陸上自衛隊配備は急ピッチで進んでおります。こういう状況の中で、沖縄の離島がひょっとしたら戦場になるんじゃないかという不安も県民にあるものですから、今、大臣からそういうリンクはないんだということで、安心をしております。よろしくお願いいたします。

 続いて、この離島問題は様々な課題を抱えているんですが、私は、これまでも、離島の振興なくして沖縄の発展はないということを常々言ってきました。

 その中で、離島航路の話ですが、沖縄本島と離島間、役所や役場がある比較的大きな島々を起点にした航路は整備をされておりますが、小中学校が併設されているような小さな島同士を結ぶ航路は十分に整備されているとは言えないのではないかというような認識を持っております。

 私は、大小の島々を結びつけ、網の目状に航路を整備していくことによって離島間の人や物の往来が活性化し、有機的なネットワークが構築されることこそが離島振興だと考えております。しかし、小さな町村の自主財源だけでは非常に厳しい現実があるだろうと思っております。

 是非、小規模離島で運航するための船舶の造船、さらには購入等についても国の方で支援をしてもらいたいと思っておりますが、これは内閣府の皆さんに是非お願いします。

原政府参考人 お答えいたします。

 これまで、沖縄県においては、一括交付金を活用し、離島の住民生活の安定に不可欠な生活物資の輸送を最低限確保する観点から、住民のライフラインであるフェリー等の貨客船の建造、購入に対する支援を行ってきたところでございます。

 他方、先生御指摘のような生活物資の輸送を主な目的としていない小型船につきましては、これまで同事業の支援対象には含まれていないものと承知をしております。

 一括交付金につきましては、地元自治体が地域の実情に即して、自主的な選択に基づいて様々な事業を実施するということが可能な予算でございます。今後、御指摘のような小型船も含めた船舶の建造、購入につきまして地元自治体からの具体的な御相談等々がありますれば、内容を丁寧にお伺いしつつ、地元の取組を支援できないかどうか、ちょっとお聞きしたいと思っています。

新垣委員 是非その点もよろしくお願いしたいと思っております。

 大型船は確かに一括交付金で計画的に対応なさっているということで安心をしているんですが、小さな離島間は、今、恐らく民間事業者がやっていると思うんです。ただ、コロナでかなり落ち込んでいるというような状況もありますので、是非、地元から声があれば御支援をいただきたいと思っております。

 次に、離島の教育環境の整備についてなんですが、先日も出ましたが、いわゆる十五の春問題への対応策として、県立離島児童生徒センター、群星寮の開所や、部活動の島外派遣費の九割補助、そして学習支援センターの受講料の無料化等の家庭教育支援など、国や県においては大変な御努力をいただいております。それでもなお、離島の親御さんからは、仕送りが厳しいので島に高校をつくってほしいとか、毎日朝夕に定期便が出れば自宅から通わせられるのにねというような声が多く寄せられております。

 最近では、教育におけるデジタルトランスフォーメーションが進むなど、技術革新によって離島における教育環境の不利性を解消しようとの動きも盛んになっております。ICTを活用し、島の小中学校の教室に通いながら、オンラインで県立高校の授業を受け、単位取得ができる、あるいは、離島間の航路の充実によって、寮に入らずとも高校のある島への通学を可能にするといったことを是非政府として検討してもらいたいと思うんですが、検討していますよということなのか、是非その辺の見解をお聞きしたいと思います。

水野政府参考人 お答え申し上げます。

 離島におけるICT教育につきましては、平成二十九年六月に取りまとめられた沖縄振興審議会の報告に基づきまして、沖縄の将来を担う人材育成事業の一環として取り組んでまいりました。

 具体的には、平成二十九年度から、離島自治体を対象にICT教育の実証実験を行うとともに、令和元年度からは、県や琉大、文科省も含めた検討会を設置し、ICTを活用した離島における高校教育に関する課題、方向性を整理したところでございます。

 その中で、文科省によるGIGAスクール構想の推進等によりまして、沖縄県内では、令和二年度内に全ての小中学校におけるICT環境の整備が完了するよう準備が進められているということで、今後は、こうした設備を十分に活用した取組を推進するという方向性が示されているところでございます。

 そこで、今年度、令和三年度には、小中学校におけるICT環境を活用した教育手法の一つといたしまして、離島の小中学校におけるAI教材を活用した教育手法等の調査研究を実は実施してございます。今年度末には、実施した離島自治体、具体的には伊平屋村と伊江村でございますが、から調査研究報告が提出される予定となってございます。

 内閣府といたしましては、この調査研究報告を踏まえ、来年度、令和四年度におきましては、離島も含めた県内の全ての市町村を対象に、AI教材活用等支援事業として対応してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

新垣委員 実は、離島の皆さんの感覚も、寮があればいいよという方もいらっしゃいます。そして、本島から離れて遠隔地にある離島の皆さんは、財政的に大変だということの声も聞いておりますので、是非引き続きその強化はお願いをしたいなと思っております。

 次に、離島での医療の問題ですが、小規模離島では、近い将来、医師や看護師不足の問題が深刻化するのではないだろうかということで、非常に心配をしております。離島過疎地域では、地理的特殊事情に起因する制約もあって、常勤医師の確保が困難な状況になるだろうと思っております。一時的であっても無医地区とならないように、医師と医療従事者の安定的な確保への支援は、これは国の責務だろうと考えております。

 沖縄では、県立診療所、町村立の診療所の二通りの診療所体制が取られておりますが、ほとんどの診療所が医師一人体制なんですね。そのために、その勤務環境や診療所運営は大変厳しい状況にあります。その上、診療所施設や医療機器等の設備についても十分とは言えず、医師らは多くの不安を抱えたまま医療サービスの提供を行っているのが実情であります。

 ですから、医師及び医療従事者の安定的な確保を図るためには、労働環境や生活環境の整備、診療所運営の支援及び施設や医療機器の設備支援についても強化が必要だと私は考えているんですが、政府の見解としてはどうなんでしょうか。よろしくお願いします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 離島を含みます僻地医療全般ということで、医療提供体制の確保は極めて重要だというふうに考えております。

 その確保に当たりましては、一義的には都道府県が地域の実情に応じて医療計画を策定し、これに基づいた医療従事者の派遣などの取組を行っていただいています。

 厚生労働省といたしましては、こうした各都道府県の取組を御支援する意味で、へき地診療所に対する医師、看護師等の派遣調整を行うなど僻地医療対策の総合的な企画調整を行っております、都道府県に設置されているへき地医療支援機構の運営、また、へき地医療拠点病院からへき地診療所への医療従事者の派遣、こうした様々な財政支援を行っているところでございます。

 引き続き、厚生労働省といたしましても、僻地における医療提供体制の確保に努めてまいりたいと考えております。

新垣委員 特に、人口の少ない離島では、非常に医療が不安な状況を毎日抱えております。是非とも引き続き、離島に対する思いやりというんですかね、お力添えをいただきたいとお願いをし、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

阿部委員長 次に、長友慎治さん。

長友委員 国民民主党の長友慎治です。

 私は、一昨日のこの委員会、最後の方で、沖縄のポジティブな面、強みを是非注目していきたいということもお話をさせていただきましたけれども、本日は、その沖縄の強みにつきまして、まず入らせていただきたいと思います。

 沖縄の振興について、起業、創業、スタートアップとかに着目すると、沖縄の開業率は全国で一位というように聞いております。その要因につきまして、まず、どのように分析しているかを伺いたいと思います。

 また、内閣府として、沖縄の起業、開業にどう取り組んでいるのかについても教えてください。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、例えば厚生労働省の雇用保険事業年報によりますと、令和二年の開業率は、全国平均が四・二%に対し、沖縄は八・八%、全国一位でございます。やはり全国的に見て沖縄の開業率は高くなっているところでございます。

 この背景には、これはなかなか分析が難しいところでございますけれども、やはり、沖縄において起業家精神が旺盛であること、失敗を受け止めて再起しやすい文化的な土壌があるんじゃないかなという点、それから、今般も議論になっております沖縄振興開発金融公庫による出融資を始めとする沖縄振興施策の影響などがあるものと考えております。

 このほかにも、第二次産業、御存じのとおり、特に製造業の割合が低うございまして、第三次産業の割合が高いという産業構造にございます。そうしますと、安定した魅力的な就職先というものがやはり本州等々に比べれば限定されているということも開業率の高さに影響している可能性があるものというふうに考えてございます。

 その上で、沖縄における起業、開業の支援に関しましてお答えいたします。

 内閣府では、沖縄の産業中核を担う人材を育成する事業、沖縄型産業中核人材育成事業によるスタートアップ企業の中核となる人材の育成を行っている事例がございます。沖縄における新規事業の立ち上げを後押しすべく、設立十年以内の企業については四〇%の所得控除が受けられる課税の特例制度も設けているところでございます。

 また、沖縄県内で製造した製品を県外へ搬出する新たな取組を支援する事業といたしまして沖縄国際物流拠点活用推進事業がありますけれども、こういうものを通じまして、中小企業を含めた沖縄の事業者における新事業の開発なども支援しているところでございます。

 引き続き、これらの取組を通じまして、起業や開業を含め、新たな取組を支援してまいりたいと思ってございます。

長友委員 ありがとうございます。

 御答弁の中に、沖縄の皆様は起業家精神が旺盛だということであったり、地元の企業に就職するのだけではなくて、魅力的な事業を自分たちでつくり出そう、そういう気概が強いと。非常に私はこれからの日本が持つべき姿勢だというふうに思っているわけであります。

 そこで、中小企業支援ということになってくると、経済産業省の施策で、全国四十七都道府県に経営に関する何でも相談できるよろず支援拠点というものがございます。沖縄にもよろず支援拠点があると思うんですけれども、そこに寄せられている経営相談の中身について、全国の傾向と比較したときに、沖縄ならでは、どのような違い、特徴があるのかを把握されているかにつきまして教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、よろず支援拠点でございますけれども、中小企業や小規模事業者が抱える売上げ拡大等の様々な経営課題に対して地域の支援機関と連携しながら対応するワンストップ相談窓口として、平成二十六年六月に四十七都道府県に一か所ずつ整備をしたものでございます。全国本部も設置いたしまして、拠点の能力向上、活動支援、拠点間の連携等を図っているところでございます。

 その中で、沖縄県よろず支援拠点における相談内容の傾向を全国平均と比較いたしますと、例えば、大きく三点ほど申し上げたいと思うんですけれども、一点目は、まず相談者数の規模ということで申し上げますと、従業員数五名以下の割合が、全国平均ですと五一・五%が従業員五名以下なんですけれども、沖縄県の場合にはこれが約一一ポイント高い六二・七%ということでございます。

 それから二点目、相談者の業種につきましては、製造業や小売業の割合が低く、宿泊・飲食業、その他サービス業の割合が僅かに高い。

 それから三点目でございますけれども、相談内容の内訳、内容の内訳でございますけれども、全国平均と比べまして、経営改善、事業再生の相談の割合が、全国が平均で二〇・九%に比べまして、約二二ポイント高い四二・六%の御相談を受けているといった特徴があると承知をしてございます。

長友委員 ありがとうございます。

 規模で見たときには小さい企業からの相談が多い、また、個人事業主、小規模事業主が多いということで、小商いについての相談が多いのかということは私も想像しているところなんですけれども。

 先ほど、起業について、創業ですね、全国に先駆けて非常に大きい、四・二ポイントのところが八・八ポイントだということで沖縄のことを御説明いただきましたけれども、それでは、起業、いわゆる創業については、沖縄で起業されるという方の業種ということについてもデータはございますでしょうか。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業庁では、日本は全国的に諸外国と比べまして開業率が低いというデータに基づきまして、国内の開業率を高めるために、創業に向けての専門家支援、創業時の投資、融資等の資金調達支援、創業人口を増やすための起業家教育といった施策を、各地の自治体と連携して全国規模で取組を進めてきてございます。

 こうした中で、我々の支援対象となっております案件、例えば、我々、起業に当たりまして、産業競争力強化法に基づいて自治体の創業支援を受けたという証明書の発行を受けた事業者の業種ごとの割合は、沖縄につきましては、全国と比較いたしますと、教育、学習支援業、それからその他サービス業といった業種が多い傾向にあるということでございます。

長友委員 ありがとうございます。

 それでは、起業する方の内訳なんですけれども、沖縄県内の御出身者と県外の方で割合があるかと思うんですけれども、把握されていますでしょうか。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 若干繰り返しで大変恐縮でございますけれども、中小企業庁は、全国規模での創業支援策に取り組むということで様々な施策を講じてきているところでございまして、沖縄県のみに着目をした状況分析は行っていないということでございます。

長友委員 ありがとうございます。

 昨日は世界国際女性デーでございました。女性の活躍についての新聞記事等もたくさん出たんですけれども、沖縄県は女性の社長の割合についても、女性社長の割合が一一・四%ということで、全国トップというふうになっております。その要因は分析されているかにつきまして教えてください。

原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の調査については、報道は承知しているものの、手法でありますとか結果の詳細はちょっと分かっていませんので、なかなか難しいわけでございますけれども、その上で定性的にお答えさせていただきますとすると、女性社長の割合が高い背景といたしましては、沖縄においては、観光業、小売業など、やはり女性が起業しやすい業種が盛んであるのであろうかなという点が一個。それから、民間団体によって女性起業家に対する支援が行われているというようなことが影響しているのではないかと考えております。

長友委員 ありがとうございます。

 私、実は地元で中小企業支援をしてきた人間です。私のところにも、シングルマザーであったり、宮崎ですけれども、子育て中のお母さんからの御相談というのをたくさん受けておりました。

 そこの背景にあるのは、子育てを、小さいお子さんと一緒に、例えばシングル、一人親の家庭のお母さんたちが働こうと思うと、たくさんのことが起きてしまうわけですね。子供が急に熱を出してしまったら会社に御迷惑をかけてしまう、また、自分の手元、そばに置いて幼少期はきちんと子育てしたいということで、起業を選ぶという選択肢は、当然ニーズとしてあり得るわけなんですね。

 女性が、いわゆる既存の会社で働くのではなく、自分の得意や趣味、強みを生かして稼ぐ、そのような傾向が沖縄にもあると思うんです。

 所得が低いということがずっとこの委員会を通してテーマになってきておりますけれども、例えば、子育て中のシングルのお母さんが自分の子育てをして、そして自分が納得いくライフスタイル、働き方で暮らしができるというところを後押しすることで、もっと、生活困窮の中にあったとしても満足する、豊かな生活を感じられる、そういうお母さんたちも増えると思いますので、そういう部分についても是非施策を講じていただきたいなと思っております。

 その女性の活躍を推進していくことが必要だと思うんですけれども、社会制度の見直しということも考えていかなければいけないのかなと思っております。例えば、国民健康保険、国民年金制度について、よく女性の活躍を阻害する要因として、第三号被保険者、百三十万円の壁の問題等、全国的に指摘されたりします。

 沖縄についても、このような要因につきまして、例えば沖縄の第三号被保険者、百三十万円の壁について地元若しくは有識者の間で議論になったりしたことはないのか、把握されていますでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のいわゆる百三十万円の壁につきましては、沖縄固有の問題というよりは、全国的に様々な御意見があるものというふうに理解をしております。御議論もあるものと思っております。

 沖縄においても様々な御議論があるんだろうとは思っておりますけれども、内閣府沖縄担当として、いわゆるこの百三十万円の壁に関して、沖縄における議論と全国的な議論との間で特に顕著な違いがあるということは把握しておりません。

長友委員 ありがとうございます。

 西銘大臣に是非お伺いしたいなと思うんですけれども、やはり、沖縄の特殊な事情、いろいろな要因があって、なかなか、貧困等、解決できないものがずっと目の前にあります。それについてやはり思い切った施策を打たなければ、沖縄の問題は解決できないことがたくさんあると思うんですね。

 だからこそ特区等を活用してやられているところがあるんですけれども、この百三十万円の壁につきましても、構造改革特区制度などを利用して、何かしら女性の活躍を推進するということを、是非僕は内閣府として取り組むべきだと思うんですけれども、御見解を伺いたいと思います。

西銘国務大臣 長友委員御指摘の、構造改革の特区制度を利用して、沖縄においていわゆる百三十万円の壁を撤廃することにつきましては、構造改革特区制度の趣旨や社会保険制度の趣旨に鑑み様々な問題があるものと考えますが、沖縄における女性活躍を推進する観点から、様々な議論が行われることは大切であると認識をしております。

長友委員 もちろん制度上でいろいろと問題があるということは承知の上で質問をしております。でも、それを調整しようと前向きに努力するのが内閣府の役割だと私は思うんですね。

 今、内閣府、時間が来ましたけれども、様々な問題に対して、沖縄の日本復帰五十年という節目でございます。是非、この沖北の委員会の存在感というのをしっかりと出していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

阿部委員長 次に、赤嶺政賢さん。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 一括交付金について質問をいたします。

 大臣は、昨年十二月の記者会見で、来年度の一括交付金について、県と市町村の配分割合をそれぞれ三百八十一億円の一対一と想定した上で財務大臣との折衝に臨み、予算を計上したと述べられました。大臣は、玉城デニー知事にもそのように説明したとしています。

 しかし、元々、一括交付金、ソフト交付金の配分額は、当初から、県と市町村の話合いで五対三と決まっておりました。その経過を無視して、あたかも一対一にしろと言わんばかりに頭越しに発言するなど、これは許されないと思います。

 一体、何の権限があってこんな発言をしたんですか。

西銘国務大臣 当初示された予算額がかなり、極めて低い数字であったというところから、大臣折衝の場においての基本的な考え方としまして、その前に様々な要請、要望等を聞いている中で、市町村、市長会、町村会の方々から、一括交付金がなくなったら市町村の事業ができなくなって非常に困るという強い要望を受けておりました。内示の数字は極めて低かったものですから、これは最低限、市町村の三百八十一億円、令和三年度の実績の額を何としても確保しないといけないのではないかという思いで大臣折衝に臨み、それと同額の県分の三百八十一億円という形で大臣折衝した経緯を今思い起こしております。

 今、赤嶺委員御指摘の、県と市町村がその配分を決めるという点につきましては、私はそこまでの中身までは踏み込んでおりません。ただ、大臣折衝の過程で極めて内示額が少なかったものですから、どう予算を回復していくかというときの考え方の一つとして、最低限、市町村が令和三年度に使った一括交付金の金額は確保すべきであるという思いで大臣折衝に臨み、その市町村の分と同額の県分も確保していかないといけないという思いでやりました。

 形としては一対一になっておりますが、記者会見でも申し上げましたが、あくまでも、県と市町村の割合を決めるのは県と市町村が話し合って決めるものであるということも併せて話しておりますので、赤嶺委員御指摘の点は、少し認識が違うのかなという思いで今聞いておりました。

 あくまでも、県と市町村の割合の決め方は、地元、県と市町村、町村会、市長会が相談をして決めるべきものであるという認識はしっかりと踏まえておりましたので、御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 大臣の発言が大きな騒ぎになったんですね。配分額まで決めるような、そしてその後、市長会長や町村会長と一緒に、一対一になったぞと。じゃ、今度は配分額も一対一になるんだな、そういう騒ぎにまでなっていったわけです。やはり、一つ一つの問題についての発言の慎重さ、思慮深さ、こういうのが求められると思います。

 大臣は、市町村の事業への影響を避けるためだと市町村分として今年度と同額を確保し、同じ額を県分として上乗せし、必要な予算を確保できた、このように言っています。

 しかし、市町村分を確保できたからよいという問題ではないと思います。道路工事一つ取っても、国道、県道、市道が一体となって整備されることで県民の利便性向上につながるのであり、一部の整備が進まなければ、効果は発揮されません。国道と市町村道は整備された、県道は計画どおり工事が進まない、一括交付金を使ってのもので、進まない。

 大臣の考え方ではこういういびつな問題、事態を引き起こしてしまうのではないかと思いますが、いかがですか。

西銘国務大臣 一括交付金につきましては、今後も様々な政策課題に沖縄が主体的に対応していく必要があることなどから、令和四年度政府予算案においても、トータルとして七百六十二億円を計上しているところであります。政府としては所要額を確保していると考えており、引き続き、一括交付金も含む様々な財源の活用を図りながら、地域の実情に即して事業の優先度を判断し、自主的な選択に基づいて沖縄の振興に資する事業を実施していただきたいと考えております。

 その中で、ハード交付金は、他県にはない高率補助の予算として、沖縄県が自主的な選択に基づいて実施する社会資本の整備に活用されているものと認識をしております。

 先ほどのお話でありますが、県と市町村が一括交付金の配分を決めるということは十二分に認識した上で私は発言をしたつもりであります。ただ、大臣折衝の過程での大臣とのやり取り含めて、考え方として、市町村の分をまず、一括交付金、令和三年度並みの三百八十一億円を確保しなければならないという悲壮感漂う思いで交渉したことを覚えております。

 財務大臣からは、効率的に、効果的に予算を使ってほしいという御指摘も受けましたが、県と市町村が配分を決めるという分については、私は、認識としても踏み込んでいない、いなかったという認識でおります。

赤嶺委員 世間に、踏み込んでいると思われて、報道もそのような報道が広がっていって、その上で更に、市長会長や町村会長と一緒に、一対一になったぞと言って。現に市長会長なんか、一対一になったじゃないかといって配分を決めるところでの発言もありますからね。

 これは、政治家として何が大事かというようなことをよく考えて発言なさらないと、何か政治的に事を引っ張っていこうとすると間違いが起こりますから、強く指摘しておきたいと思います。

 それで、十年前の一括交付金の総額は、ソフト、ハードを合わせて千五百七十五億円でした。来年度は七百六十二億円です。これは先ほど西銘大臣がおっしゃったように、九百八十一億円から七百六十二億円、どんどんどんどん削られた中で、自由に使い道を決めなさいと言われても、いろいろな制限があると思います。

 この間の一括交付金の削減により、実際に県の事業に大きな影響が出ています。例えば、八重瀬町の報得川水系では、降雨時に水量が増加し、度々水難事故、子供が亡くなる事故もありました。そして、道路の冠水も起きています。

 県は河川の改修を進めていますが、一括交付金が減額されたために、来年度予定していた事業を先送りせざるを得ませんでした。

 離島の粟国港でも、湾内の安全のため護岸の改修が必要ですが、進んでおりません。

 あるいは、沖縄県の学校は、一九七〇年代に建てられたものが多くありますが、今、老朽化が進んでいます。今回の一括交付金の減額によって、県は計画していた百五十八の改修事業のうち二十六事業を見送らざるを得ませんでした。その中には、コンクリートの剥離、あるいは危険校舎の危険箇所の改修、あるいはクーラーなどの空調整備、あるいはトイレを和式から洋式に移す、そういう工事、事業がどんどんどんどん遅れているわけですよ、一括交付金でやってきたものが。いずれも県民の安全に関わる問題です。

 こうした影響について大臣は認識されていますか。

西銘国務大臣 政府としましては、所要額を確保していると考えております。引き続き、一括交付金も含む様々な財源の活用を図りながら、地域の実情に即して事業の優先度を判断し、自主的な選択に基づいて沖縄の振興に資する事業を実施していただきたいと考えております。

 赤嶺委員御指摘の県立高校、学校の施設の整備につきましても、県におけるハード交付金の優先順位の中で決定されるものであると考えております。

赤嶺委員 一括交付金を半分近く削っておいて、優先順位は県で決めろとか、できっこないじゃないですか。

 八重瀬町の報得川なんて、大臣の選挙区じゃないですか。そこで子供が溺れて亡くなったところの整備事業が途中で予算が削られて止まってしまう、こんなことが起きているんですよ。県道の整備が進まない。

 所要の額を満たしたと言うけれども、現にこれだけの工事が停滞しているのに、それでも所要額を満たすという認識であるならば、内閣府や大臣の認識と我々との間には乖離があるということを指摘せざるを得ません。

 最後に、第三十二軍司令部ごうの保存、公開について伺います。

 二〇二二年度は首里城正殿の復元工事の着工が予定されており、一つの節目を迎えます。首里城の地下には旧日本軍の第三十二軍司令部ごうが存在しています。市民の間からは、首里城の復元工事と一体のものとして、第三十二軍ごうの保存、公開を求める声が広がっています。当時の第三十二軍司令部は、既に敗戦が明らかになっていたにもかかわらず、本土決戦を一日でも遅らせるとして大勢の住民を巻き込んだ悲惨な沖縄戦を起こした歴史的責任が問われています。沖縄県は、昨年一月から、有識者らでつくる第三十二軍保存・公開検討委員会もつくって、その在り方を検討しております。

 第三十二軍司令部ごう、沖縄県民も一体となって保存、公開を求めているわけですが、そのことについて、受け止めと、それから、戦争体験者の間には、三十二軍の司令部ごう公開は本来県がやることではなくて、あれだけの犠牲を起こした国が率先して取り組むべきだという強い意見も上がっています。受け止めをお願いします。

西銘国務大臣 先ほど赤嶺委員御指摘の報得川の氾濫によって子供が亡くなった事例は、私も現場を見させていただいております。そういう意味では、安全、安心は全てに最優先する事項であるということを認識しているということを申し添えておきたいと思います。

 三十二軍司令部ごうにつきましては、首里城の地下にある第三十二軍司令部ごうを保存、公開すべきとの意見があることは承知をしております。司令部ごうにつきましては、沖縄県において有識者から意見聴取をするため、第三十二軍司令部壕保存・公開検討委員会を設置をしており、これまでに四回の会合を開催し、検討を進めているところであります。

 当該委員会における議論を踏まえ、坑道の未発掘区間の把握を優先的に行うとともに、既に発掘されている区間については、デジタル技術を活用して坑道内部を公開、発信することとしていると承知をしております。

 ちなみに、この三十二軍司令部ごう、昔あった琉大の女子寮の近くに、私も県議の頃に友人と二人で中に入って視察をしたことがあります。もう当時、少ししか開いていなかった場所から入っていったのでありますが、そこで、かつて三十代の頃にウートートゥしたことを思い出しながら今答弁しております。

 内閣府としましては、現に司令部ごうを管理している沖縄県の検討状況を注視してまいりたいと考えております。

赤嶺委員 三十代にウートートゥ、拝んだなら、その保存、公開についても、しっかり国の責任も自覚して前に進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

阿部委員長 次に、吉田豊史さん。

吉田(豊)委員 日本維新の会の吉田です。よろしくお願いいたします。

 今日は、会派の皆さんの御配慮をいただいて質問時間を調整いただきまして、ありがとうございます。

 前回の質問の後に、びっくりしたんですけれども、琉球新報のところにも私の質問したところが載っておりまして、それで、ほかの皆さんももちろん載っているんですけれども、その中で、私が質問しました一括交付金のところについて、五十年間という間違った認識の下にお聞きしてしまって、それで、実際にはこの十年間の一括交付金の制度ということで。

 実は私は前回も下地といろいろなことを話をしながら質問を作っているということはお伝えしたと思うんですけれども、そのときに下地が一番最初に私に渡しましたのは、山中貞則先生の、さかしらに沖縄の心語るなり、栄光と苦難の歴史は知らず、これを私に言ってから、とにかく質問について一緒に作っていきたいんだということをおっしゃったんですね。

 それからすると、まさに私がこのさかしらになってしまって、それで、沖縄の皆さんの思いを全く背負えていないままで質問をしてしまったということについて、まずおわびしたいなと思います。

 その上で、よくよく、短い時間ですけれども二日ほど勉強しまして、私は、その一括というところが実は物すごいキーワードになっていることではないかなと思うんです。

 交付金についてはそうでしたけれども、沖縄の振興というものそのもの自身が、全てパッケージ的というか、一括という形で様々なものを進めてきた、これが本当に振興計画そのものであって、これは本当にこの方向でいいのかというところを第五次から六次に進んでいくときに一番考えなくてはいけないことじゃないかというふうに思いました。その観点から幾つかお聞きしたいなと思います。

 それで、前回の質問のときに、人材というところについて大臣が非常に力強いメッセージと言えばいいか、思いを持っていらっしゃるということを感じましたので、その上で、人材というと、沖縄にとって沖縄の人たちがどのような人材になっていくのかという内側からの観点と、それから、沖縄にどのような人材、人たちが来ていただくと振興につながるのか、この二つの両面があると思うわけですけれども、大臣はこの人材の育成ということについてどのようにお考えか、そしてこの六次について進めていきたいかということについてもう一度お聞きしたいと思います。振興局長、お願いします。

水野政府参考人 お答えいたします。

 人材育成についての御質問をいただきました。

 沖縄県の更なる発展の鍵となるのは、当然ながら、それを支える人材であります。社会情勢がいろいろと変化していく中でも、各分野においてそうした変化に対応して沖縄振興に資する多様な人材の育成が重要であると考えてございます。

 このため、今御審議いただいています沖縄振興特別措置法改正案では、多様な人材を育成するための教育の充実について、第七十六条第二項に明記させていただいているところでございます。

 その中で、例えば、国際的な人材育成のための教育につきましては、沖縄がアジア太平洋地域の玄関口にあるという地理的な優位性を生かして、沖縄が国際交流の拠点として多様な人材のネットワーク構築に一層寄与できる取組として意義のあるものと考えてございます。

 現在の取組ということでございますが、沖縄県におきましては、一括交付金を活用いたしまして、一つは、外国人の観光客に対応する地域通訳案内士の育成や、有資格者の就業率向上に向けたスキルアップ研修の実施でありますとか、国内外の観光客が安心、満足する高いサービスを提供できる観光人材の育成、そういった事業が実施されているところでございます。

 今後とも、沖縄県におきまして、沖縄振興予算を活用しながら、例えば国際的な人材育成の取組が行われることを期待したいと考えてございます。

 以上でございます。

吉田(豊)委員 振興局長のお話は、私が申し上げました内側と外側と両方が混ざった形での答弁だったと思うんですけれども、地域ということでいうと、前回お伝えしましたように私自身が富山県の出身なわけです。そして、富山は富山でやはり発展していきたい、こう思いながらやるわけなんですけれども、そのときに、富山県からどのような人材を育てていけば富山の発展に、地域の発展に、郷土の発展につながるのかということを考えたときに、やはり、しっかりとした勉強をさせて、そしていろいろなチャレンジができる環境に子供たちを育てていくということだと思うんです。

 今日、委員会の中で國場委員がおっしゃっておりましたけれども、教育県として秋田県、福井県を出されたんですね。ついこの間までは富山県が日本一の教育県だなと思っていたのが、もう実際に抜かれてしまっています。これは、それぞれの地域が人材教育ということについてどれだけ力を入れなくちゃいけないかというところを真剣に考えているということの表れだと思うわけです。

 ですから、富山県がずっと教育県だったときに、富山県で高学歴を得た子供たちは、やはり官庁に行く、あるいはトップ企業に行く、そういう形から富山に様々なことを還元してこよう、これは一つの作戦だと思うんですね、地域としての。

 この観点からすると、沖縄という地域が自分たちの力でその方向で人材育成の努力をしてきたのか、あるいは、もしそうでなかったとしたら、次に今こそどうしなくてはいけないのか、ここについて大臣がどうお考えか、お聞きしたいと思います。

西銘国務大臣 私の高校生頃までの人生経験からすると、家庭内に富山に関連する薬箱がいつもあって、なくなったらという意味では接点があったのかなと思いますが、富山のああいう遠いところから沖縄まで来て薬を運んでいたのかなという思いを今でも思い出すことができます。

 私は、県内の企業をしている方、あるいは働いている方々が、例えば、沖縄で生まれ育っている私たちですら富山県のことは、行って友人ができて交流していけば理解も深まっていくんでしょうけれども、他府県のことを実際に行って知っていないのと同じように、他府県の人も、沖縄に来て実際に友人が広がっていくほど理解は深まらないというのは、同じ土俵で認識をしております。

 私は、アジアへ向かっていこうが、人間という意味では、沖縄県の方々も、他府県の人たちと交流をしながらビジネスをやっていくなり、もちろん沖縄の地域のコミュニティー、集落は強いところでありますので、その辺と他府県との共通する部分もあると思いますので、交流をしながらやっていかないと事業にしても伸びていかないのかなという認識ではおります。

 いずれにしても、教育は百年の大計でありますので、地道に人材育成は取り組んでいかぬといけないなという思いでおります。

吉田(豊)委員 大臣としてのお立場ではそういうお答えになるというのは分かるんですけれども、沖縄の方々のチームということの発想で言うならば、私は、またさかしらになってしまうかもしれませんけれども、外から見ていたときに、やはり作戦というか戦略というものは人材育成においても必要で、そして、私が学んだ範囲では、やはり沖縄が抱えた歴史的な様々な状況があるからこその内閣府あるいは国のサポートという形が取られているわけなんですね、予算を一つ取るにしても。

 ですから、予算を取っていくときにやはり何が一番力強いかといえば、地元の方々の積み上げていくロジックであり、そして現場の力であり、思いであり、こういうことを、じゃ、どうやって実現するかというときに、今、相手は、例えば財務省であったりいろいろなところだというのが現実だと思うわけです。

 このときに、じゃ、作戦として、財務省の中に沖縄の人たちがどんどんどんどん入っていく。あるいは、もっと簡単に言えば、振興局の方々に沖縄の方々がどれだけいらっしゃるのか。そういう努力を何十年も前から続けてくれば、当然そのことが、自然に、やはり心から沖縄のことをやらなくちゃいけないなとなっていく。そして、そのうちに、今度は、そういう内閣府という振興局の力をかりなくても、先ほどおっしゃっていました、寄り添うじゃなくて、自分たちでという、それは沖縄の皆さんが自分たちでやっていくための準備を始めなくちゃいけない。

 これをずっとやってきたはずなのに、やはり今そこに、もし目標に到達していないとするならば、今回の五次から六次へというのは、私は、もう本当に言葉が過ぎるかもしれませんけれども、もうとにかくこの計画自身を六次で終わらせる、あるいは、六次で、とにかく、寄り添うじゃなくて、自分たちが自分たちでなさる、そういう体制をつくっていくための最後のモラトリアムだという位置づけでの振興計画にしないと、今と同じことを続けてきて、五次に行って、三次、四次、五次は到達していない。そして、同じ中身の中に六次をやっていく。これに本当に何の意味があるんだろう。

 私は、この振興計画を五年で一度見直す、状況を見る、そして、十年計画ですから、十年後にはもうこれは必要なくなりました、そういうふうにするための準備の最後の期間じゃないかなというふうに感じるんですけれども、大臣は、私のこの生意気な考えですけれども、どのようにお聞きでしょうか。

西銘国務大臣 吉田委員のお話をお聞きしながら頭を巡っていたのでありますが、先ほどの病院の開業率の話等々も絡んできますので、少し思いを述べさせていただきたいと思いますが、私が昭和二十年代、赤嶺先輩委員も二十年代のお生まれでありますけれども、復帰前に国費制度というのがありまして、沖縄の高校生だけで選抜をして東京大学か国立大学に派遣をするという制度がありまして、あの当時、終戦直後、沖縄はお医者さんの数が極端に少なかったものですから、私が身の周りで見ているいわゆる優秀な人は全部医学部に行ったという記憶があります。今頃になって振り返ってみると、あの当時、優秀な人が官僚になっていくという発想はなかったように、間違っているかもしれませんけれども、感じます。

 そういう意味では、全ての優秀な人たちが全国の医学部に行ってお医者さんになって帰ってきている、その辺が開業医とつながっているのかなという思いでおりましたが、そういう視点からすると、国家公務員になっていくというのは少なかったのかなという思いはあります。

 ですから、人材の育成という意味では、お医者さんになった人の次の世代ぐらいの子供たちは、また優秀になって国家公務員になっているという点もありますけれども、その辺は、戦略的にといいますか、一つの視点ではあるのかなという思いで聞いておりました。

 今、沖縄振興法の法案を十年延長ということで提案をしておりますので、その十年の期間内に、豊かな住民生活とありますが、私は、この豊かなというのを読むときに、心豊かな、前に心を入れて読み込んでおりますが、そういうふうに、しっかりとした、十年延長していただいて、法の目的を達成できるように全力で取り組んでいきたい。

 その先のことを言うとちょっと所管外になりますので、御理解いただきたいと思います。

吉田(豊)委員 沖縄がやはり次のステージに入っていくというために、どうしても解決できていない基地負担の問題、様々なことが現実に今もあるわけです。

 私が富山にいて、例えば地位協定のことを子供たちに聞いても大人に聞いても分からないと思います。それが何でそんなに重たいことなのか、大変なことなのか、それが実感できないんですね。寄り添うという言葉は本当に実は重たい言葉で、寄り添えていないというのが現実だと思います。

 でも、前回の委員会でもありましたヤマトンチュという言葉であれば、もちろん沖縄もヤマトンチュ、一緒なんです。

 ですから、それをどうやって、往々に国防という意味でのしっかりとした負担をしていくかというところは、今の枠組みで政府と直接のやり取りをしていく中に予算とセットで話をすると、私はやはり同じ形にはまると思います。

 そうではなくて、もう一度きちっと都道府県全体がいろいろな形でこれについてどういうふうに考えていくのかという機会もやはり発信していかなくちゃいけないですし、私もその努力をしようと思います。そういう中で、基地の問題と沖縄の予算の問題をきちっと分離していくという方向性を出していく。

 そして、そのためには、沖縄の方々は、自分たちの地域の予算については、例えば、この沖北委員会で私が沖縄の予算のことをしゃべることはもう明らかにおかしいんです。何でこんなことが現実に起こっているのというそれ自身も仕組みとして変えていかなくてはいけない、こういうふうに私は考えております。

 その上で、この委員会でまた今回勉強させていただきました振興法が、きちっとこの計画が、今回の次の六次というものは、本当に大きな沖縄のこれからの発展のためのターニングポイントになるんだ、そういうような御認識の上での進め方をしていただきたいということを心から思います。

 そして、五月十五日にイベントがあるわけですけれども、お聞きしましたら、沖北委員会の理事の皆さんも、やはりきちっとここに向けてのいろいろなメッセージを出していこうという思いをお聞きしておりますので、そこにきちっと、みんなで一緒にという思いを出させていただく。

 そして、その上で、僭越ですけれども、私が三十年間沖縄に通わせていただいて、十五年目ぐらいでした、教えてもらったことが本当に遅かったんですけれども、六月二十三日、慰霊の日、それがどんなにこの国にとって大きな意味を持つかということを、やっと十五年、沖縄に海から遊んでばかりおった私が気づかせていただいたんですけれども、沖縄に行けばいろいろな各都道府県の慰霊の塔があります。富山県は立山の塔という塔ですけれども、そういうこと一つを取っても、沖縄に戦後のいろいろなことを含めて都道府県が力を合わせてやっていくという部分もきちっとありますので、それも含めてこれから今年の五月十五日を迎えていきたいなということを思います。

 このことを私自身頑張りますということをお伝え申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

阿部委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

阿部委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

阿部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

阿部委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、國場幸之助さん外五名から、自由民主党、立憲民主党・無所属、日本維新の会、公明党、国民民主党・無所属クラブ及び日本共産党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。新垣邦男さん。

新垣委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に十分配慮し、沖縄県と連携を図りつつ、今後の沖縄振興の推進に遺漏なきを期すべきである。

 一 沖縄振興一括交付金制度が沖縄の自立的経済の発展に極めて重要な役割を担っていることを踏まえ、安定的な制度運用及び必要な予算額の確保を図るとともに、さらに効率的・効果的に活用できるよう、沖縄の実情に即した運用を図るなど一層の充実に努めること。

 二 特区・地域制度の十分な活用により産業集積が一層促進され、もって沖縄の自立的経済の発展が図られるよう、広く制度の周知に努めるとともに、必要に応じ課税の特例その他の制度の改善を検討すること。その際、「措置実施計画」の作成など課税の特例等の要件が、事業者の過大な負担や産業集積の進展の阻害とならないよう、企業活動の実情等を的確に把握した上で制度設計を行うこと。

 三 北部地域及び離島において、地方公共団体による産業の振興や移住・定住の促進、雇用機会の拡充等に資する取組への支援を強化するとともに、離島が我が国の領海及び排他的経済水域の保全に果たしている重要な役割を踏まえ、離島住民の生活にとって欠かせない生命線である離島航路・航空路の維持及び充実を図ること。

 四 沖縄において長年、子どもの貧困問題が解消されていない状況を踏まえて、子どもの貧困対策の推進に資するため、子どもの教育・生活安定の支援、保護者の就労支援、子どもに対する経済的支援、担い手の人材育成・確保等について、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずるとともに、沖縄振興に資する多様な人材の育成に必要な教育の充実についても、県及び市町村の要望を踏まえた形での支援を行うよう努めること。

 五 沖縄振興特別措置法の施行後五年以内の見直しについては、法の期限が十年間延長されることを踏まえ、計画期間全体を通じた取組を念頭に置いて設定される施策の成果指標等について適切に評価すること。

 六 県及び市町村が駐留軍用地跡地の利用推進のために公共用地を取得する際には、過大な負担を生じさせることのないよう十分に配慮し、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずること。

 七 沖縄振興開発金融公庫については、沖縄の政策金融を総合的・一元的に担っていることを踏まえ、引き続き、沖縄振興策の展開において大きな役割を担うとともに、新事業創出促進業務の範囲の拡大に当たっては、民間金融を補完して民間主導の自立型経済の構築等に貢献するとの役割を踏まえて、民業を圧迫することのないよう十分配慮すること。

 八 泡盛製造業が沖縄の伝統文化や風土を現代に伝えるとともに、特に、離島地域において重要な雇用の基盤を提供してきたことを踏まえ、今後十年間において泡盛の販路拡大や製造場の創意工夫を支援する取組を強力に展開すること。

 九 沖縄科学技術大学院大学(以下「OIST」という。)については、世界最高水準の教育研究を推進していくための規模の拡充等の取組を支援するとともに、県や市町村と連携して沖縄の特性や資源を活かした研究を推進し、OISTの教育研究が沖縄の振興及び自立的発展に貢献するよう促すこと。

 十 戦没者の遺骨収集、不発弾処理対策等地元からも強い要望のある戦後処理問題等の諸問題について、政府が県及び市町村の協力を得て対応を加速すること。

 十一 沖縄の深刻化する交通渋滞を解消するため、道路等の整備に努めつつ、総合的な交通体系の整備を促進するとともに、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に向け、公共交通機関に関連する技術の進歩の状況その他の事情を踏まえて、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

阿部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

阿部委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。西銘沖縄及び北方対策担当大臣。

西銘国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

阿部委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

阿部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十二分散会


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