衆議院

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第3号 令和5年12月11日(月曜日)

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令和五年十二月十一日(月曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松木けんこう君

   理事 伊東 良孝君 理事 島尻安伊子君

   理事 鈴木 貴子君 理事 西銘恒三郎君

   理事 神谷  裕君 理事 道下 大樹君

   理事 高橋 英明君 理事 金城 泰邦君

      東  国幹君    井野 俊郎君

      小渕 優子君    鈴木 英敬君

      鈴木 隼人君    高木  啓君

      武井 俊輔君    中谷 真一君

      宮内 秀樹君    山口  晋君

      小川 淳也君    屋良 朝博君

      藤巻 健太君    佐藤 英道君

      長友 慎治君    赤嶺 政賢君

    …………………………………

   外務大臣         上川 陽子君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 自見はなこ君

   内閣府副大臣       工藤 彰三君

   外務副大臣        辻  清人君

   外務副大臣        堀井  巌君

   経済産業副大臣      岩田 和親君

   内閣府大臣政務官     古賀友一郎君

   外務大臣政務官      高村 正大君

   外務大臣政務官      深澤 陽一君

   外務大臣政務官      穂坂  泰君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  室田 幸靖君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  門前 浩司君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   水野  敦君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  望月 明雄君

   政府参考人

   (内閣府北方対策本部審議官)           矢作 修己君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           今福 孝男君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    有馬  裕君

   政府参考人

   (外務省欧州局長)    中込 正志君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  魚谷 敏紀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           浦田 秀行君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           西海 重和君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         田中 知足君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局次長)         久保田秀暢君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            彼末 浩明君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 前田 光哉君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局次長) 山野  徹君

   衆議院調査局第一特別調査室長           菅野  亨君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十一日

 辞任         補欠選任

  尾身 朝子君     高木  啓君

  和田 義明君     鈴木 英敬君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 英敬君     和田 義明君

  高木  啓君     尾身 朝子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

松木委員長 これより会議を開きます。

 この際、堀井外務副大臣及び深澤外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。堀井外務副大臣。

堀井(巌)副大臣 外務副大臣の堀井巌でございます。

 沖縄及び北方問題について、上川外務大臣を補佐し、外務副大臣として真摯に職務に取り組んでまいります。

 松木委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)

松木委員長 次に、深澤外務大臣政務官。

深澤大臣政務官 おはようございます。

 沖縄及び北方問題につきまして、上川外務大臣を補佐し、外務大臣政務官として職責を全うすべく、尽力してまいります。

 松木委員長を始め、理事、委員各位の皆様の御支援と御協力をよろしくお願いいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

松木委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官室田幸靖さん、内閣官房内閣審議官門前浩司さん、内閣府政策統括官水野敦さん、内閣府沖縄振興局長望月明雄さん、内閣府北方対策本部審議官矢作修己さん、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文さん、外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官今福孝男さん、外務省北米局長有馬裕さん、外務省欧州局長中込正志さん、水産庁資源管理部長魚谷敏紀さん、経済産業省大臣官房審議官浦田秀行さん、国土交通省大臣官房審議官西海重和さん、国土交通省大臣官房技術審議官田中知足さん、国土交通省物流・自動車局次長久保田秀暢さん、海上保安庁警備救難部長彼末浩明さん、環境省大臣官房審議官前田光哉さん、防衛省地方協力局次長山野徹さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松木委員長 ありがとうございます。

 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松木委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。屋良朝博さん。

屋良委員 立憲民主党の屋良朝博でございます。

 十月の九州比例区で復活当選をさせていただきました。久しぶりの国会でございます。緊張もしております。よろしくお願いいたします。

 まず、これは質問通告はちょっとしていないんですけれども、土曜日の夕方でしたかね、報道がわっと入ってきておりまして、自見大臣の寄附の問題が報道されておりました。それについて、最初、冒頭少し質問をさせていただきたいと思います。

 さきの参議院選挙で、国取引のある業者から寄附金を受け取ったというふうに報道されました。大臣、その経緯とその対応策、よろしくお願いします。

自見国務大臣 お答えいたします。

 私の政治団体でございますひまわり会におきましては、お尋ねの法人から、令和四年六月二十二日に六十万円の寄附を受けていたところでございます。この法人からは、国との間で請負その他特別の利益を伴う契約の当事者とはなっていない旨を再三確認した上で寄附を受けたところでございまして、寄附を受けた当時は、この法人が国との契約当事者にあることは承知をしてございませんでした。

 また、この寄附は、日頃の政治活動の支援として定例的に、あくまで一般的な寄附として受けたものであり、参議院選挙に際して受けたものではなく、法的な問題はなかったと認識はしてございます。

 しかしながら、有権者の皆様の誤解を招くことが万が一にもあってはならないと思い、既に返金をしたところでございます。

屋良委員 自見大臣、これまでにもよく事務的な記載漏れとかというふうな報道がなされているということを言われておりますけれども、ざっと並べてみるだけで、結構たくさんあって、実は箇条書できなかったほどなんですけれどもね。そう言ったら失礼かもしれませんけれども。

 最近の問題でいうと、二階派の志帥会へのパーティー券の上限超えの問題、これは最近報道されているものなんですけれども、その報道の中で見る限り、収支報告書の記載漏れもあったんじゃないかというふうに言われておりますし、明細書の下の方に手書きで会費というふうな記述もあるにもかかわらず、支出項目には組織活動費、交際費と分類されているというふうな報道もなされております。

 そもそも、パーティー券というのは個々の参加者が支払わないといけないんだけれども、それをまとめて寄附という形でやっていいものかどうか、そして、それを組織活動費として分類することの処理のおかしさが指摘されている、そのための報道だったと思います。今注目を集めているというか問題視されているのが裏金づくりなんですね。このやり方でもしかしたら裏金がつくられていたのではないかというふうな問題提起もあるわけですよ。

 大臣、その辺について、何か御説明があればお願いします。

自見国務大臣 お答えいたします。

 御指摘、お尋ねの件でございますが、当時の担当者が既に退職をしているということがございまして、現在、弁護士を通じて事実関係を精査中でございます。

 なお、支払いがされた時期でございますが、パーティーの開催から相当期間を経過した後であったということ、また、志帥会側からは、パーティー券の買取りを求められたことはなく、あくまでパーティー券の購入者を募ることを託されたにすぎないなど、これまでに確認された事実関係などを踏まえますと、現時点では、志帥会よりパーティー券百枚分の参加者を募ることを託されたものの、コロナ禍の影響もあり十分な参加者数を募ることができなかったことから、事後に相応の財政支援をするために自発的に寄附したものと判断される旨の見解を弁護士からいただいているところでございます。

 必要な費目の記載については、選管などに相談の上、適切に対応してまいりたいと思ってございます。

 なお、一番最後にお尋ねをいただきました志帥会の対応につきましては、お答えする立場にはございません。

屋良委員 このパーティー券の問題ですけれども、百人分を真面目に売ると二百万円、そうすると、その段階で既に上限を超えてしまうというふうな。これは、私、余りこの世界は長くないので、それをよく理解できていなくて、何でこういうふうな仕組みになっているのかと。そもそも、最初から上限超えを想定したパーティー券の配分だったのかということもよく分からないということがあって。

 今本当に、政治と金の問題が取り沙汰され、国民の不安そして不信を買っているという状況でございますけれども、昨日の報道では、松野官房長官が更迭されるという前代未聞の政治資金疑惑が浮上して、官房長官だけではなく、西村経産大臣、萩生田政調会長、高木党国対委員長、世耕参議院幹事長が更迭されるというふうな報道もなされているわけですね。

 自見大臣がこれほど多くの、記載漏れも含めた問題が提起されている中、大臣も更迭のリストにラインアップされないことを私は願っているわけですけれども、大臣、ここで自らの潔白を明らかにしていただきたいんですけれども、どうか、御説明も含めて、今回の事態、どのように受け止めているのか、よろしくお願いします。

自見国務大臣 まず、お尋ねの件につきましては、これまでに確認された事実関係を踏まえますと寄附に当たるものと判断される旨の見解を弁護士からいただいており、パーティー券購入の代金の上限については関係しないものと考えてございます。

 現在、専門家にも依頼をいたしまして、再度点検を進めているところであり、点検作業が終わり次第、速やかに対応したいと思ってございます。

 いずれにいたしましても、過失ということもございますが、不明を恥じております。同様の誤りが起きないよう、適切な事務処理にしっかりと努めてまいりたいと思ってございます。

屋良委員 国民の信頼を失う、そうすると政治が動かなくなってしまうということなので、しっかりと御対応をお願いいたします。

 それでは、本来の質問に入らせていただきたいと思います。

 せっかくの北方委員会なので、沖縄の振興策とかいろいろ質問したいという気持ちはあるのですけれども、しかし、先月の終わりにオスプレイが落ちちゃった。これは、アメリカ兵が八人の人命を失ってしまったという大きな事故で、八人の方々には本当に御冥福をお祈りしたく、そして、御家族にはお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。

 このオスプレイですけれども、これまでも何度も何度も落ちている、墜落があって、大変多くの人命が失われ、これは製造過程、設計過程から構造上の問題が指摘されているものです。

 そして、八人の人命を失ったという今回の屋久島沖の事故がありましたけれども、上川大臣、今回なぜ飛行停止を求めなかったのかということを御説明いただきたいんです。二〇一六年の墜落事故がありました。名護市でありましたけれども、そのときには、当時の外務大臣、岸田現総理は、即刻飛行停止を当時のキャロライン・ケネディ駐日大使に求めているんですね。今回なぜ飛行停止を求めなかったのか、御説明ください。

上川国務大臣 米国東部時間で十二月五日でございますが、米軍は、捜索救助活動を終了することを決定し、乗員八名全員の死亡を認定したと承知をしております。

 日本政府と米国政府の協力の下、捜索救助に全力を尽くしてきましたけれども、全員が無事に御家族の元に帰ることができなかったことは誠に残念であります。今回死亡が確認された八名の乗員は、我が国及び地域の平和と安全を維持するため日夜任務に献身していただいた方々でありました。日本政府として、亡くなられた八名の方々に対し、心より哀悼の誠をささげ、生前の日米同盟への献身に感謝申し上げたいと存じます。

 二〇一六年の名護市沖のオスプレイの事故の際には、政府から米側に対しまして、安全が確認されるまでの飛行停止を要請をいたしたところであります。

 今般の事故におきましては、十一月三十日、私からエマニュエル駐日米国大使への働きかけの中で、オスプレイの飛行につきましては、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように求めたところでございます。これに対しまして、エマニュエル大使からは、米国にとりまして米軍人と日本国民の安全こそが最重要課題であり、現在、事実関係を捜査中でありますが、引き続き、日本政府と緊密に連携し、透明性を持って情報共有を行っていきたい、この旨の発言がございました。

 米軍は、日本時間十二月七日、十一月二十九日のこのCV22の墜落事故を受けまして、CV22及びMV22を含む全てのオスプレイにつきまして運用を停止する旨発表したところであります。

 いずれにいたしましても、政府としては、米側に対しまして原因究明と日本側への情報提供を求めております。引き続き、米側と緊密に連携してまいりたいと考えております。

屋良委員 今の御説明の中でも明らかなんですけれども、飛行停止という言葉が伝わっていないという現状があったというふうに思います。これは、外交上、一貫性が問われるんじゃないかなというようなこともあるんですけれども、安全性を確認して飛ばしてというのはごくごく当たり前の、常識的な話だと思うんですけれども、この飛行停止を求めなかった、岸田外務大臣が行った要請との差がある。

 この差がなぜ生じたのか、上川大臣、もし御見解があれば御説明ください。

上川国務大臣 繰り返しになるところでございますが、私からエマニュエル駐日米国大使に対しましては、オスプレイの飛行については、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように求めたところでございます。先ほど来御質問への回答で申し上げたとおり、エマニュエル大使からは、米国にとりまして米軍人と日本国民の安全こそが最重要事項である、現在事実関係捜査中、調査中でありますが、引き続き、日本政府と緊密に連携し、透明性を持って情報共有を行っていきたい旨の発言がございました。

 今申し上げた限りでございます。

屋良委員 答えがいただけていないというふうに私は今思っております。先ほども言いましたけれども、安全性の確認というのは当たり前の話で、乗り物に関しては。バスやタクシーの運転手も、運転、乗車する前に恐らく安全は確認した上で運行しているというふうに一般的には思われているわけで、今回の日本側の要請というのはアメリカにうまく伝わらなかった、だからワシントンでの記者会見で報道官の説明との間にそごが生まれていたというふうなことだったと思いますけれども。

 陸上自衛隊は、事故の翌日、十一月三十日にオスプレイの飛行を停止しております。そして、アメリカ空軍も、その翌日、十二月一日には東京・横田基地にあるオスプレイを飛行停止しました。

 事故の翌日、私、地元に帰ってびっくりしたのは、那覇市の市街地の上空をオスプレイが飛んでいたんですね。そして、高速道路で走っていると、今度は低空でこの高速道路を横切るオスプレイ、もう下から私、眺めたんですね。これはちょっとぞっとしましたよ。何で東京や千葉の飛行停止と沖縄の現状が違うのかというふうに心底思いました。

 アメリカ軍が全世界で飛行停止した今月六日までに、オスプレイが普天間飛行場で飛行したのは百二十回、嘉手納基地では二十八回離発着が確認されています。その全ては安全が確認されたから飛ばしたんだというふうに上川大臣はお考えなのでしょうか。もしそうであるなれば、その根拠をお示しください。

上川国務大臣 政府といたしましては、我が国における米軍機の運用に際しまして、安全性が最大限確保されることは当然のことと考えているところであります。

 十一月三十日、私からエマニュエル大使に申し上げたところでありますが、これを受けまして、米側からは一日に、今般事故を起こしたCV22の飛行を現在行っていないこと、そして、事故に関する可能な限り詳細な情報を透明性を持って日本政府に共有する旨の説明があったところであります。また、日本に配備されている全てのオスプレイにつきましては、徹底的かつ慎重な整備と安全点検を行った上で運用されていると説明を受けているところであります。

 さらに、四日でありますが、全てのオスプレイの部隊は、CV22の事故をしっかりと踏まえた上で、安全点検及び予防的な整備を継続的に行っているとの説明も受けたところであります。

 そして、米軍は十二月七日、これは日本時間でありますが、この十一月二十九日のCV22の墜落事故を受けまして、CV22及びMV22を含む全てのオスプレイについて運用停止する旨発表し、徹底的な調査を行うと。

 そうした状況で今に至っている状況でございます。

松木委員長 大臣、多分沖縄とその他の地域が違ったということに対しての質問だったと思うんですけれども。上川大臣、もう一度お願いします。

上川国務大臣 沖縄県の知事を始めといたしまして、複数の関係自治体の長などから、MV22を含みますオスプレイの飛行停止について要請があった状況の中でございます。政府としてのやり取りの中で、私が先ほど来申し上げてきた状況でございまして、その上で、我が国におきましては、米軍機の運用に際しましては、安全性が最大限確保される、こうしたことについて申入れをしてきたところでございます。

 今御紹介がありました、そうしたことにつきましては、米軍の状況でございますので、私の方からそれにつきましてお答えをするということは難しい状況でございます。

屋良委員 それなら、安全性を確保した上で飛ばしてくださいと言うのも、これはアメリカ軍の運用に関わることですよ。とは思いませんか、大臣。

 ですから、安全性を確保した上で飛ばしてくださいという言い方も、MV22が普天間で飛行しているということについて何も言えないというのであれば、その全体の運用について日本が何か言えるかというと、今の大臣のお話では、言えないということです。協力は求めるけれども、まあ、東京や木更津では飛行停止をした、しかし、沖縄で飛行が続いていることについて日本政府としては何らアクションを起こせないということだというようなことを今大臣はおっしゃったと思いますけれども。負担軽減とかいろいろ政府はおっしゃいますけれども、こういう危機的な状況、危機管理の上で、じゃ、沖縄は別扱いされていたということで受け止められるわけですね。それが今回の問題でもまた明らかになった。

 大臣、今おっしゃいましたけれども、全世界のオスプレイの飛行を停止したのは、初期調査で機材に問題があった可能性があるというふうなことが、可能性が明らかになった、だから安全性を確保するまで全世界で飛行を停止したということなんですよ。

 大臣、先ほども玉城知事の要請があったということもありました。沖縄県議会でも、自民、公明を含めて全会一致で飛行停止を求める決議を可決しています。その決議の中には、県民に大きな不安と恐怖を与えているというような訴えもあるんですね。

 だから、どうも対応がまちまちだし、何年か前には飛行停止を求めて、今回はそれは文言に入れていない、それで安全性の確認を求めたんだけれども、その安全性の確認というのはごく当たり前の常識的な話であって、東京や千葉では飛行停止したけれども沖縄では飛び続けているというふうな事態なんですね。

 自見大臣は、外交、対米関係というか、交渉の担当者じゃないとは思いますけれども、大臣就任会見で沖縄の基地負担の軽減のために最善を尽くすということを約束されています。今回、地元のそういった不安、そして対応の違いがあるということに対する憤り、そういったものをお感じになっていたのかどうか。そして、もしお感じになっていたとするのであれば、大臣、就任会見のときにお話しされた言葉にのっとって、関係大臣とそういうお話、どうなっているんですかぐらいのアクションを起こされたんでしょうか。お答えください。

自見国務大臣 まずは、今般の事故でお亡くなりになられた米隊員の御冥福を心からお祈りするとともに、御遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げたいと思います。

 お尋ねのオスプレイの事故につきましては、防衛省は、米軍機の運用に当たっては安全確保が大前提であると考えており、今回の事故を受けた地元の御心配や御懸念の声を真摯に受け止めていると伺っているところでございます。

 本件については、所管外であり、私の立場から具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、沖縄振興を進める上で、住民の方々が安全、安心に暮らせることが大変重要であるということは言うまでもないと認識をしているところであります。

 オスプレイの飛行停止について県内の自治体から要請が防衛省にあったということは承知をしておりまして、私といたしましても、そのように地元の自治体から要請があれば、真摯に受け止め、速やかに関係省庁へ要請をお伝えする体制を取っていたところではございます。

屋良委員 能動的なアクションが今回はできなかったというようなことだと私は思いました。

 今、普天間の状況というのは大変厳しい。隣接する小学校では、ヘリコプターのドアが落ちてきて、グラウンドに。グラウンドでは、シェルターを造って、飛行機の機影を見ると子供たちはシェルターに逃げ込むということが常態化されているんですね。こんな状態を放置して、そして、政府が言うのは、一日も早い危険性の除去だ、そのために辺野古の埋立てが必要だとおっしゃいますけれども、地盤が緩い、軟弱地盤が見つかったために地盤改良しないといけない、いつこの工事が終わるか、今よく分からない状態であるということなんですよ。

 今回の事故について、徹底的な原因究明、そして再発防止策が講じられるというまで飛行停止を政府として求めていくべきだと私は思いますけれども、上川大臣、もしその意気込みがおありであれば、お示しいただきたい。よろしくお願いします。

上川国務大臣 まさに十一月三十日、直後でありますが、アメリカ政府に対しまして、駐日米国大使を通じまして、今、情報交換をしている状況でございます。先ほど申し上げたとおり、一連の動きの中で、当初申し上げた、捜索救助活動を除きまして、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように求めたところであります。

 駐日大使からも、飛行に係る安全が確認されてから求めるということに対しまして、アメリカからも、そのような状況の中で、今、やり取りが行われていると承知をしているところでございます。

 そして、米軍につきましては、この十二月七日に、CV22及びMV22を含め、全てのオスプレイにつきまして運用停止する旨の発表をしたところでございます。

 政府といたしましては、米軍に対しまして、様々なレベルにおきましてこの原因究明と日本側への情報提供を求めております。引き続き、米側とは緊密に連携してまいりたいと考えております。

屋良委員 運用に口出しできないという立場を大臣、表明された後だけに、飛行停止を求めていくということが非常に厳しいということを私たちは受け止めざるを得ないということなんですけれども。

 地位協定で云々という外務省の説明がありますけれども、地位協定というのは主権と主権のせめぎ合いなんですよ、基本は。どこまで自分たちの主権を削っていくかという、それを地位協定で定めているという内容なんですね。

 海上保安庁さんに質問しようと思っていたんですけれども、これまで現場検証も、それから、その証拠物、事故機の検証も一度も許されたことがない。これは主権国として、本当にこれでいいのかということですね。ちょっと短めにお答えいただきたいんですけれども、なぜ日本は事故機の差押え、そして検証、捜索ができないんでしょうか。

有馬政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生がおっしゃられました論点につきましてでございますが、日米地位協定第十七条10(a)及び10(b)に関する合意議事録で、日本の当局は、通常、米軍機の機体のような米軍財産について、捜索、差押え又は検証を行わない旨、定められております。この規定は、米軍財産にはその性質上、高度な軍事性や機密性を有する場合があることや、その捜索や検証が徹底的かつ綿密に行われるためには、当該財産を所有し、それを熟知した米軍が一義的に取り扱うことが適当であること等を踏まえたものでございます。

 いずれにいたしましても、今般の事故につきましては、事実関係の確認及び原因究明に向け、日米双方で緊密に連携し対応してきており、これまでの対応において特段問題が起きたとは承知しておりません。

屋良委員 日米地位協定合意議事録の中には、日本側が求めればということが前提だと思いますけれども、アメリカ側がそれを許せばできることというふうなただし書もある。それは御存じだと思います。ずっと地域の県警と海保はそれを求めてきているんですよ。それをちゃんと外交交渉の上に上げていないのは、皆さん、この地位協定とこの合意議事録はいつできたか、一九六〇年ですよ。もう半世紀以上も、同じ条文を基に主権を放棄している。この間、事前レクで伺いましたけれども、これは一般的な国際法なので、外国の軍隊の財産には、差押えも何も、捜索もできないんだというふうな説明を伺いました。しかし、これは一般的じゃないですよ。

 ちょっと時間も押しているんですけれども、私は昔、沖縄の、地元の新聞社で記者をしておりまして、地位協定を、いろんな国々に行って、現場で比較検証してまいりました。

 イタリアでは、事故機を差し押さえるんですね。

 一九九八年に、スキー場のスキー客を乗せたゴンドラが、ケーブルが切られて谷底に落ちちゃって、若者を含め二十人が即死したという事故があったんですね。このケーブルを切ったのはアメリカ軍のプラウラーという電子戦闘機で、機密性が物すごく高い飛行機なんですね。

 この飛行機、翼を少し損傷しましたけれども、自力で飛行場に戻ってきた。待ち受けたのが、イタリアの軍警察ですよ。軍警察がまず、これは証拠物件だということで差し押さえた。当然、アメリカ軍はその周りを囲って、これはアメリカの国防省の財産である、だから引き渡しなさいというふうなせめぎ合いがあったけれども、イタリアの軍警察は頑としてそれを譲らなかった。

 中まで調べているんですね、コックピットまで。コックピットの中を調べて分かったのは、パイロットがこの事故を起こす前後数分間のビデオ記録を消去していたという証拠隠滅が分かったんですよ。地域の検察はすぐさま基地を訪れて、パイロットをインタビューして、事情聴取して、地域の裁判所に、二十人の殺人罪と証拠隠滅罪で起訴しているんですね。起訴したんだけれども、地位協定によって第一次裁判権は放棄せざるを得なかった。

 だけれども、当時のイタリアの外務大臣、これもインタビューしたんですけれども、すぐさま電話でオルブライト国務長官に電話して、あれは事故じゃないぞ、いかれた操縦士の殺人事件だ、うちが裁判権を行使するからなというふうに言ったと、私に直接証言していただきました。

 これが主権を守るということじゃないですかね、大臣。相手の運用があるからということで、はっきり物を言わない。地域に格差が生まれているけれども、その現状、なぜそういう格差が生まれたのかも分からない。これをずっと、一九六〇年に締結した地位協定と合意議事録、合意議事録は国会承認を得ていません、それによってずっと拘束されて主権が奪われているという現状をそろそろ変えないといけない。

 もう時間が過ぎてしまって大変申し訳ないですけれども、大臣、主権の回復は、これは、基地に賛成とか反対とか、そんなものじゃないと思いますよ。この合意議事録だけでも変えていく努力をしていただけないでしょうか。最後にこれを質問したいと思います。よろしくお願いします。

上川国務大臣 日米の地位協定第十七条10の(a)及び10の(b)に関しまして、合意議事録、これにおきましては、日米地位協定に抵触するような内容が含まれているとは考えておりません。

 こうした関連規定に従いまして、これまでも、米側からの協力を得ながら、日本側当局におきまして所要の調査や捜査も行ってきているものと承知をしております。

 今回の事故に係る日本側の対応に当たりましても、海上保安庁等の関係機関によりまして、米側の協力を得つつ、適切に対応されているものと承知をしております。

 日米地位協定、その合意議事録が障害になっているという認識をしておりません。

屋良委員 ありがとうございます。

 海上保安庁さん、大変申し訳ございませんでした。皆さんの捜査権を是非とも守っていかないといけない、それが国家としてのありようだと思っておりますので、それだけ言わせていただいて、ちょっと時間超過してしまいまして大変申し訳ございません。

 ありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 次に、高橋英明さん。

高橋(英)委員 おはようございます。日本維新の会の高橋英明でございます。今日はよろしくお願いを申し上げます。

 今日は、沖縄の発展について質問をさせていただきたいと思います。

 実は、私、初めて沖縄へ行ったのは四十年前なんですね。今の女房と行ったんですけれども、今の女房って、後にも先にも一人だけですけれども、ちょっと言い方が変でしたけれども。四十年前、もう今と本当に比べられないですね。今の空港の前の空港ですし、飛行場から降りるとまさにもう米軍だらけみたいな感覚でしたけれども、本当にすごい変わったなとは思いますけれども、でも、やはりまだまだだなというふうに思えてなりません。それに、まだまだやはり発展の余地は全然あるんだというようにも感じていますし。

 今、北部地区でジャングリアですか、計画があると思いますけれども、あのジャングリア、実は、私の地元の業者が既にもう工事に行っているんですね。その業者は、余談ですけれども、議員会館は三つありますけれども、三つとも掘削工事はそこの業者がやっているという、だから、ゼネコン違えど、やる業者は一緒だということで、やれる業者というのは多分限られているんだろうというふうに思いますので、ここの方々にはまとめて大型工事の発注というのは避けた方がいいのかな、微妙に時期をずらした方がいいのかなという気がいたしますけれども、ちょっとこれは余談ですけれども。

 そこで、その業者が年がら年中言っているのが、とにかく渋滞がひどいと、沖縄は。そして、ジャングリアに行くには国道五十八号線で行くか、はたまた、高速道路で行って途中から横断するのか、車だとその二経路しかないと。モノレールに至っては、首里城で止まっているから、もうこれは話にもなりませんので。

 まずは、このジャングリアなんですけれども、年間来場者数と経済効果と、あと地域雇用、民間の事業ですけれども、これはやはり手をこまねいて見ているわけにはいかないと思いますので、まずは、その点、お聞かせください。

水野政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のジャングリアでございます。

 今帰仁村及び名護市において整備が進められている沖縄北部テーマパークにつきまして、先月二十七日、運営会社により、二〇二五年夏にジャングリアとして開業予定と発表されたと承知してございます。

 ジャングリアの経済効果等につきましては、報道では、運営会社は七百億円規模の投資を想定とか、あるいは、年間百五十万人から二百万人程度の集客を目指しているといった報道が地元新聞によってなされているところではございますが、当該テーマパークは一民間事業者が運営するものでございます。国の立場から年間来場者数等についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、新たなテーマパークを通じまして、人や物が集まり、新たな雇用が生まれ、それらの経済効果が地域全体に波及することや、北部地域の魅力等が我が国全体、ひいては世界に広く発信されていくことを期待しているところでございます。

高橋(英)委員 民間業者だからということでまだ何ら折衝等々はしないのかなというふうに思いますけれども、でも、やはり手をこまねいているわけには絶対いかないと思いますよ。だって、このジャングリアまで行くまでに、これは明らかに、今、工事の段階でもすごい渋滞をしている。那覇空港自体がもうひっちゃかめっちゃかだと言っていますから。

 実際に完成して、うまく来場者が来るようになったら、今の状態でいったら、車だけだったら五、六時間はかかるだろうという話ですよ、これは。実際に現場で工事をやっている者たちが言っているのでこれは間違いがないというふうに思いますから、これはもう、民間だから民間だからといって黙っていたら絶対駄目だというふうに思いますので、すぐにでもちょっと、打合せ等々を含めて、来場者の交通アクセスはどういうふうに考えているのかとか、是非これは早急にやっていただきたいというように思います。

 まずは、交通インフラに関してどのように今後を考えているのか、お聞かせください。

自見国務大臣 お答えいたします。

 ジャングリアについては、委員御指摘のとおり、今後、観光を始めとした北部地域、ひいては沖縄全体の産業の活性化を図る上で大きな起爆剤となり得るものでございまして、地元の皆様の大きな大きな期待を集めているものと感じているところでもございます。

 沖縄県の北部地域への交通事情の関係でございますが、現在、国としては、那覇空港から北部地域へ続く自動車専用道路に直接乗り入れができるように、小禄道路などを始めとした南北軸を強化する道路整備を進めているところでございます。

 沖縄県からは、地元自治体等との意見交換を通じまして、アクセス性の改善に向けて、必要となる対策について検討を開始したところと伺っております。

 これらの交通インフラがジャングリアを始めとする北部観光需要と有機的に結びつけば、県の経済の活性化に大いに寄与するものと考えてございます。

 今後、運営会社からお話があれば、沖縄県を始めとする関係者の皆様としっかりと御相談していきながら、関係省庁と連携の上、国としても必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

高橋(英)委員 大臣、運営会社から話があればじゃ困っちゃうんで、こっちからも積極的に投げかけていただかないとどうしようもないので。

 あと、南東部の道路という計画があるのは分かっていますけれども、これは大体いつ頃完成予定なんですか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄の全体の道路につきましては、いつまでという形での明確なものは、個々の道路についてはございますが、全体としては立っておりません。

 その上で、内閣府といたしましては、これまでも、沖縄の西岸の、西海岸ですね、こちらの方の道路につきまして、恩納南バイパスとか国道五十八号と並行する道路の整備を進めてきているというようなことでございます。

 また、観光全体とかを見たときに、那覇市など、これは非常に全国に比べてもまだ渋滞がひどいという状況、委員の御指摘のとおりでございますし、また、県民の生活を支えるという意味でも、港とか空港とかしっかりとネットワークを進めていくのは重要な課題だということで、道半ばの課題と認識した上で、引き続き、地元と連携を取ってしっかりと進めていくというふうな状況にございます。

高橋(英)委員 要は、道路の予定、いつ完成するか全然分からないということですから、これはもう、渋滞になるのは間違いないですよね。

 どこかの記事に載っていましたけれども、沖縄の渋滞で、現状ですよ、年間で一千四百五十五億円の経済損失が渋滞のおかげであるということが記事に載っていましたけれども、現状でそれなんだから、今後更に、せっかくこういった起爆剤ができたとしても、渋滞でその分経済損失があったら元も子もないので、これは早急に考えないといけないと思いますけれども。

 那覇港から本部港まで船が出ていると思うんですけれども、この便数を増やすとかそういったことは考えられないんでしょうか。

水野政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘の那覇港と本部港を結ぶ高速船が民間で就航しているということでございますが、北部地域への那覇からのアクセスを考えますと、やはり一つの手段として高速船を活用するということは非常に重要な観点であると認識してございます。

 内閣府におきましても、北部振興予算を活用して、経由地であるところの名護港の浮き桟橋を整備することで、那覇港から名護港を経由して本部港に向かう高速船の乗降の安全性、利便性の向上を図り、観光客や地域住民等への高速船利用の促進を図っているところでございます。

 このほか、内閣府では、一括交付金や推進費を活用いたしまして、自治体による沖縄の実情に即した取組、自立的発展に資する事業等を支援してございます。

 こうした地元からの要望があれば、丁寧にお伺いしてまいりたいと思っております。

高橋(英)委員 今の船は民間だけなんですか。今後行政でちょっと出すとか、そんな考えはないんですかね。

水野政府参考人 お答え申し上げます。

 元々の歴史をひもときますと、今まさに、那覇から本部まで民間会社によって船が就航しているということでございますが、元々、実証実験といたしまして、五、六年前だったかと思いますが、内閣府による、那覇と本部を結ぶ船でどれぐらいの需要があるかとか、そういった実証実験を行った上で、民間においてこれなら事業として手がけられるということで今始まっている経緯がございます。

 私どもといたしましては、船の便数を何か国で運用するとかそういうことではないかと思っておりますが、先ほどお答えしたように、例えば名護港の浮き桟橋を整備するといったことで高速船の利便性向上に資するような支援をしているところでございまして、またこれからもそういったことは取り組んでいきたいと考えてございます。

高橋(英)委員 是非これはもう一回実証実験をやってください。要は、ジャングリアが年間来場者はこのぐらいを見込めるという、もう具体的な数字が出てくるんだろうかというふうに思いますので、すぐに実証実験を再度やっていただいて、ちょっと検討していただきたいと思います。

 あと、これはやはり、那覇、あそこだけが玄関口なんだから、どうにも渋滞の解消ってできないような気がするんですよね。要は、出入口が一個しかないんだから。

 そうではなくて、もっと上の方にもどこか出入口をつくった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、これは例えですけれども、辺野古に民間の滑走路も併用させるだとか、そのほか、違うところでもいいですけれども、そのぐらい考えないと交通渋滞って多分無理だと思いますけれどもね。その点、いかがでしょうか。

望月政府参考人 空港をどこに設置するかとか、その後の二次交通をどのように結びつけていくかという、非常に多元的なことを考えなくちゃいけない要素だとは思っております。

 現在、おっしゃるように、那覇空港、これにつきましては、第二滑走路まで拡張いたしまして、空港のキャパとしては受け入れることが可能と。空港から北部への移動につきましては、先ほど大臣からもありましたが、小禄道路を今整備しておりまして、高速道路、自動車専用道、こちらの方に直接乗り入れる形にして、スムーズな連携を図っていくということで対応させていただいているところでございます。

高橋(英)委員 だって、小禄道路はいつできるか分からないんでしょう。

望月政府参考人 工事の進捗によりますので、明確な場合もありますが、目標として八年度を目標としているというふうな形でございます。工事の進みが当然進む中で実際に固まっていく要素があるというふうなことでございます。

高橋(英)委員 目標八年ですか。私は八年以内にはできないという気がしますけれども。

 そもそも令和六年の予算も、約三千億円ですか、沖縄の振興。これ、少ないと思うんですね、実は。私は沖縄が好きだから言うんじゃないですけれども、やはり沖縄の地理的な優位というのはすばらしいものがあるので、アジアのほかの主要都市に大体四時間圏内で行けますから、こんなのは羽田では無理ですし、これは特別扱いするわけにはいかないのかもしれないですけれども、私は特別扱いしてもいいと思うんですよ、沖縄は。だって、地理的優位というのは、これは絶対ですから。大体、東京都が、冬寒いから沖縄に行こうなんて移れるわけないし、夏は暑いから北海道へ行こうと東京が移れるわけないんだから、この地理的優位は絶対に変わるものではないので、是非、予算も上げていただきたいと思うんですけれども。

 これは両大臣にお聞きしたいんですけれども、是非、今後の沖縄の発展についてお聞かせください。

自見国務大臣 お答えいたします。

 令和六年度の沖縄振興予算概算要求につきましては、各事業の所要額を積み上げ、総額二千九百二十億円を要求しているところでございます。

 具体的には、強い沖縄経済の実現に向けて、沖縄観光の再生の後押しや沖縄発離島型のクリーンエネルギーの促進など、それぞれ、いろいろな施策がございますが、それらを拡充するとともに、一括交付金等も増額要求しているほか、北部振興、北部地域の振興、推進費等の予算についても、国として必要と考える所要額を計上し、現在、財務省と鋭意調整を行っているところでございます。

 なお、喫緊の課題に対応できるように、令和五年度の補正予算についても所要額を計上したところであり、私、担当大臣といたしましては、強い沖縄経済の実現に向けまして、こうした措置と併せまして、令和六年度の沖縄振興予算を最大限に活用できるよう、引き続き役割を果たしてまいりたいと思ってございます。

上川国務大臣 まず、インド太平洋地域の安全保障環境が大変厳しさを増している状況でございまして、日米同盟及び在日米軍は、この日本の防衛のみならず、インド太平洋地域の平和と安定のためにはなくてはならない存在であると考えております。そのような在日米軍の円滑な駐留のためには、国民の皆さんの御理解と御協力を得ることは極めて重要であるというふうに考えております。

 沖縄の基地負担につきましては、戦後七十五年以上たった今もなお、国土面積の本当に、非常に、〇・六%ということでありますが、そこに全国の七〇%の在日米軍専用施設や区域が依然として集中しているということでありまして、何といっても、沖縄の基地負担の軽減、これは極めて重要な課題であると認識をしております。

高橋(英)委員 今、なくてはならない場所と言っていましたから、それだけ重要な地理的な場所にあるんだというふうに思いますので、是非、三千億とかじゃなくて、もっともっと、倍増ぐらいの気持ちでやっていただきたいと思います。それぐらい魅力が絶対にある場所だと思いますので、それを生かし切っていないのは日本政府だと思うので、是非この点をお願いしたいと思います。

 そして、やはりどう考えてもアジアの拠点となり得るので、これは物流拠点としても最高にいい場所だというふうに思うんですけれども、これはちょっと通告していないので、アジアの主要空港の物流の取扱高みたいなのが、後で結構ですので、ちょっといただきたいなというふうに思います。

 これは何度も言いますけれども、やはり、物流拠点というのは、沖縄は最高だなというふうに思っていますので、そういった考えで、今後、アジアのハブ空港を沖縄、那覇空港が取っていくんだというような考え方を是非していただきたいんですけれども、自見大臣、いかがですか。

 あと、最後に、もう多分最後になってしまうので、さっきから気になるので、そのバッジは何なのかもお答えください。

自見国務大臣 お答えいたします。

 那覇空港におきましては、令和二年三月より第二滑走路を供用開始をいたしまして、滑走路の処理容量を大幅に拡大したところでございます。具体的には、年間を通じて安定的に運用できる発着回数といたしまして、十三・五万回から二十四万回になってございます。

 今後、航空事業者が那覇空港での接続機能を強化するなど、現在の処理容量を超える更なる需要の増加が見込まれる際においては、空港管理者である国土交通省とも連携し、適切に対応できるように努めてまいりたいと存じます。

 なお、私のつけているバッジでございますが、よく御案内かとは思いますけれども、拉致と、そして北方領土と万博と一八八(いやや)という消費者庁と、そしてこれは虐待とまたDVの防止のダブルリボンバッジでございます。いずれも所管に関連したものでございます。

 ありがとうございます。

高橋(英)委員 とにかくちょっと、沖縄の振興をしっかりとお願いをしたいというふうに思います。

 万博のバッジをつけていただきましてありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

 終わります。

松木委員長 次に、藤巻健太さん。

藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 時間も限られておりますので、早速質問の方に入らせていただきます。よろしくお願いします。

 沖縄における観光政策について質問させていただきます。まず、観光において非常に重要な要因である為替についてお尋ねいたします。

 ドル・円相場、今非常に大きく動いております。二、三年前は一ドル百円そこらの値だったんですけれども、今現在、先週、円高が結構進んだんですが、百四十五円とか百五十円ぐらいの間を行き来しているんですけれども、外国人観光客にとって為替とは値段そのものでございます。

 例えば、日本で十万円かかる旅行、外国人観光客にとっては、三年前は千ドルかかっていた日本での旅行が、今は七百ドル弱というような状況になっています。ホテル代も、レストラン代も、交通費も、施設入場料も、お土産代も、全部三割引きの大バーゲンセールというような状態になっているわけですけれども、沖縄旅行が事実上値下がりして外国人観光客が増えることが予想されるだけではなくて、日本人観光客も増加するのではないかということも考えられます。今まではハワイに行っていた日本人観光客が、円安でハワイでは余りに高いということで、では沖縄にしようというふうになるわけですからね。

 日本経済全体にとって、円安が望ましいのか、それとも円高が望ましいのか、適正為替水準がどこにあるのかここでは論じませんけれども、事沖縄の観光振興においては、円安は確実にプラスであるのではないかというふうに考えております。

 今まで申し上げてきたように、為替相場、沖縄の観光振興において最重要ファクターの一つかなというふうに考えているんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。やはり円安が望ましいというふうにお考えでしょうか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 為替相場については所管外でございますので、具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、円安については、一般論として申し上げれば、インバウンドの増加や受入れ側の外国人労働者の減少等の影響が指摘されていると承知しております。

 一方で、現下の沖縄観光についてでございますが、令和五年度の上半期、沖縄県の入域観光客統計概況におきましては、国内観光客は台風の影響のあった八月を除きましてコロナ禍前の水準まで回復していることに加えまして、外国人の観光客は国際航路便ですとかあるいはクルーズ船の再開といったことが段階的に回復しつつあるといったこともあり、上半期の傾向を踏まえまして、下半期もこのまま回復傾向が続くものと見込まれている旨の分析がされてございます。

 政府といたしましては、令和六年度の概算要求におきましても、沖縄の観光人材の確保に係る支援やあるいは国際観光地沖縄にふさわしい沿道の景観の整備といった新規の施策も盛り込んでおりまして、こういったトレンドを逃すことなく、しっかりと沖縄観光の再生を後押ししてまいりたいと考えているところでございます。

藤巻委員 今後円安が進んでいけば更に観光客が増えることも予想されて、そうすると、インフラ整備だったりオーバーツーリズム対策、こういった必要性が増してくるかもしれませんし、逆に、円高が進めば、もしかしたら外国人観光客等々が減ってしまうことも考えられて、そうすると、観光客を呼び込むような広報宣伝が重要になるかもしれません。

 いずれにせよ、為替相場が沖縄観光政策に及ぼす影響というのは非常に大きいというふうに考えているんですけれども、まあ、日々の細かい動きというのは所管外だとは思うんですけれども、今後、長期的に見て円安に行くのか円高に行くのか、そういったような、大きな方向性ぐらいというのはお持ちになっているでしょうか。

自見国務大臣 委員御指摘のとおりでございまして、繰り返しになって恐縮ですが、円安につきましてはインバウンドの増加というものも見込まれてくるというふうに承知をしておりますので、引き続き、沖縄観光の再生をしっかりと、そのトレンドに合わせて後押ししてまいりたいと考えてございます。

藤巻委員 本当に、何度も言うんですけれども、為替相場というのは値段そのもので、観光政策において最も重要な指標の一つだと思うんです。沖縄に限らず日本中の観光業関係者が非常に注目している数字ではあります。一ドル二百円になるのか、これが百円になるのか二百円になるのか、値段が違うわけですから、政策も大きく変わってくるはずです。

 そういった状況の中で、やはり見通しぐらいは示してあげる、方向性ぐらいは示すのが責務と思うんですけれども、まあ、そこはお答えいただけないということはちょっと残念に感じるんですけれども、いずれにせよ、為替相場の長期的な動向をしっかり分析して、観光政策の方向性をしっかりと出していっていただければと思っております。

 続いて、首里城についてお伺いいたします。

 先日の大臣の発言の中にも、首里城の復元については着実に工事を進めていくとありました。もちろん、復元、これをしっかり進めていただきたいと考えているんですけれども、一方で、ちょっと四年前の話にはなってしまうんですけれども、政府として、首里城が焼失した原因についてはどう考えられているのでしょうか。

 これは、那覇市消防局も沖縄県警も、原因不明と結論づけ、捜査を終えています。原因不明だから責任の所在も不明ということなのでしょうか。事態は、世界遺産が焼失したという事態です。そんなので本当にいいんでしょうか。なぜか分からないけれども首里城は燃えてなくなっちゃいました、何が悪かったとか何も分かりません、復元を頑張ります、そんなのでいいのでしょうか。

 原因の追求と管理責任の明確化があってこそ再発を防止できるのではないかというふうに考えているんですけれども、このまま、原因も、それから管理責任の所在も曖昧なままで本当にいいのでしょうか。原因と管理責任について、政府としてはどのように考えられているのでしょうか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 令和元年の首里城の火災の原因につきましては、令和二年一月に、沖縄県警察が出火原因の特定に至らなかったと発表しております。また、同年三月には、那覇市の消防局が本火災原因については不明とすると発表してございます。

 さらに、これらの調査結果も踏まえまして、沖縄県が設置をいたしました首里城火災に係る再発防止検討委員会が令和三年三月に取りまとめた報告書におきましても、出火原因を特定させるだけの根拠を見出すことは困難だったとされてございます。

 首里城につきましては、国営公園として整備、所有をしております沖縄総合事務局が、都市公園法に基づきまして沖縄県からの申請を受けて管理許可を行い、県が管理を行っているところでございます。今般の火災を踏まえまして、本年二月になりますが沖縄県への管理許可を更新する際に、許可の条件に防災そして防火対策の強化を追加するなど、県の責任を明確化したところであります。

 内閣府といたしましても、引き続き、関係機関と連携して再発防止に取り組んでまいりたいと考えております。

藤巻委員 原因が分からないのはまだしようがないかもしれないですけれども、やはり管理責任の明確化というのは必要だったんじゃないかな、もう少し具体的な管理責任、何が悪かったかというところは見直すべきだったんじゃないかなというふうに思えているんですけれども、これは、復元する首里城の火災防止対策、もう二度とああいう火災を起こさないというような対策はしっかりと打てているのでしょうか。もう少し具体的なお話をお聞かせ願えればと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 首里城正殿の復元に当たりましては、委員おっしゃるように、二度と火災による焼失を生じさせないという決意の下に、首里城復元に向けた技術検討委員会、こちらの方で検討等を重ねさせていただきまして、それを踏まえました実施設計、これによって必要な防火防災設備を盛り込んだところでございます。具体的には、早期発見ということで自動監視カメラ、初期消火ということでのスプリンクラー、また消火活動を容易にするということでの連結送水管などを新たに整備することとしているところでございます。

 また、発災時に関係者が連携して適切な行動をするということのために、沖縄県が令和四年に策定しました首里城公園管理体制構築計画、これを踏まえまして、管理許可を受けている沖縄県を中心に、一つは、国営公園の区域と県営公園の区域の連携体制の強化、これを図るために公園管理センターの機能強化を行うこと、また、公園の指定管理者と沖縄総合事務局、沖縄県、那覇市消防等の連携による避難誘導などの防災訓練の強化、これをしているところでございます。

 引き続き、しっかりと体制を組み、また責任を持って取り組んでまいりたいと思います。

藤巻委員 ありがとうございます。

 首里城は、沖縄だけではなく日本全体にとって大切な文化財でございます。本当に、あのような火災をもう起こさないように、あらゆる対策の方、よろしくお願いいたします。

 続いて、沖縄科学技術大学院大学について、OISTについてお伺いいたします。

 OISTは、先駆的大学院大学として科学的知見の最先端を切り開く研究を行い、次世代の科学研究をリードする研究者を育て、沖縄におけるイノベーションを促進する拠点としての役割を果たすミッションの下、二〇一二年九月から学生を受け入れた、特徴のある大学でございます。

 この十一年間の成果、実績をお答えください。また、この十一年間、どう総括されているのでしょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 OISTは、沖縄の振興及び自立的発展並びに世界の科学技術の発展に寄与すること、これを目的といたしまして、平成二十四年の開学以来、世界最高水準の教育研究を行ってきたというふうに考えております。

 その結果としまして、OISTは、質の高い論文数割合のランキング、これは国際的なランキングでございますが、我が国ではトップ、世界でも第九位の評価を得ているというところでございます。

 また、昨年、OISTのペーボ教授の方でノーベル生理学・医学賞を受賞しているところでございます。

 さらに、OISTにおきましてスタートアップ支援にも力を入れておりまして、今年度八月時点となりますが、大学発スタートアップ創出数は四十五社となっております。また、サンゴのゲノム解析など沖縄の資源も生かした形での研究も行われているところでございます。

 このように、総括になりますが、OISTは、沖縄の科学技術分野における世界的な知名度の向上、また、イノベーションエコシステムの形成、さらに、沖縄の科学技術人材の育成、地域活性化への貢献、こういった点におきまして沖縄の振興と自立的発展に寄与しているものというふうに考えているところでございます。

藤巻委員 ありがとうございます。

 優れた研究成果を残すためには、やはり海外からも含めて優秀な研究者に来てもらうということが最も重要な課題であるというふうに考えております。研究環境はもちろん、医療や住居など生活環境の整備も重要かと考えますが、優秀な研究者を招聘するために今後どのような方策を考えておるでしょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 OISTが世界最高水準の研究を行う上で、その中核となるのはまさに研究者でございます。世界中から優れた人材を確保するということは、本当に、OISTにとりまして極めて重要な課題だというふうに考えているところでございます。

 研究者、現在、世界二十二の国、地域から採用されているところでございますが、OISTにおきまして、優秀な研究者に相応の処遇を行うということとともに、一つ目としましては、学内に住宅を確保するということ、また、日本語と英語のバイリンガル環境で保育を行います保育園の設置、そういったことを行っております。

 また、研究面でいいますと、厳格な評価システムを前提としつつも、長期に安定した研究費を各教員の方に与えていくというハイトラストファンドと呼ばれる仕組みを採用していること、さらには、機材そのものが、高度な研究機器として整備をしておりまして、また、専門性の高い支援員が教員をしっかりとサポートするというふうな体制を取らせていただいているところでございます。

 こういった形で安心して研究に専念できる環境を整えることで、優秀な人材の確保を図っていくというふうに考えているところでございます。

藤巻委員 入学者の外国人比率が八〇%を超えるなど、特色のあるOISTの設立が今後成功するかどうか、次の十年が非常に大きな分岐点であると思います。様々な可能性を模索していただければと考えております。

 時間が参りましたので、私の質問を終わります。本日はありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 次に、赤嶺政賢さん。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 今日は、まず、沖縄振興予算について質問をします。

 沖縄振興予算は、二〇一五年度以降、年々減額をされ、中でも一括交付金はこの十年間で一千億円も減らされてしまいました。その結果、沖縄の地域経済に大きな影響が出ています。

 一括交付金を使った事業に農林水産物条件不利性解消事業があります。沖縄県産の農林水産物を県外に出荷する際に、鹿児島までの距離に当たる輸送費を補助するものです。農家にとても喜ばれ、沖縄の農業を支えてきた事業の一つでした。

 ところが、沖縄振興予算が大幅に減額される下で、沖縄県は予算の削減や補助単価の見直しなどの制度の変更を余儀なくされました。農家からは、いつかなくなってしまうのではないかと心配している、輸送補助がなくなれば花農家をやめるなど、悲痛な声が上がっています。

 一括交付金を増額して県が十分な予算を充てられるようにすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 沖縄の農林水産業は、亜熱帯の地域特性を生かしたサトウキビやあるいは園芸作物などの重要な供給機能を果たすとともに、離島地域の基幹産業として、雇用の創出や移住、定住条件の確保にも寄与してございまして、地域振興や国土の保全にも大きく貢献していることから、農林水産物の輸送条件の不利性解消は重要な課題であると認識をしてございます。

 御指摘の農林水産物条件不利性解消事業は、沖縄県が、一括交付金を活用して、沖縄県の地理的不利性から生じる流通コストの軽減のため、農林水産物の輸送費の一部補助や、あるいは持続可能な流通ネットワーク構築のための取組を支援する事業であります。

 一括交付金は、沖縄県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄振興に資する事業に充てておりまして、その事業の選択、内容等については沖縄県の自主的な判断を尊重すべきであると考えてございます。

 内閣府といたしましては、御地元のお声をしっかりと幅広く頂戴しているところではございますが、県とも引き続き相談しながら、県が実施する沖縄振興に資する事業について、一括交付金を通じて支援してまいりたいと考えてございます。

赤嶺委員 強い沖縄経済ということがよく言われますが、その根幹は農業だというのは、もう誰の目にもはっきりしております。今大臣は、予算を減らしたのはあたかも予算の優先順位を決める沖縄県の方だと言っておりましたが、この事業は一括交付金で行われていて、一括交付金は一千億円も減らしているんですよ。国が、一千億円も減らした上に、順番は沖縄県で決めなさいということは、ちょっと政府の立場としては私は言い過ぎじゃないかと思うんですよ。減らした責任も問われるべきだと思いますよ。

 今年の七月四日の沖縄県議会では、農業団体を参考人として招致し、この事業について議論されています。そこで県の担当者は、国との協議の中で総合物流施策大綱等を踏まえた新たな枠組みを求められたと答弁しています。これは、国の圧力の下で制度の見直しに追い込まれたことは明らかじゃないか、このように私は思います。

 予算を削っておいて全ての責任を県に押しつけるようなやり方はこそくだと言わざるを得ません。元どおりの条件不利性事業の予算に戻るように、一括交付金も一千億円減らすんじゃなくて増やしていく方向で、強い沖縄経済と言うならそれをやるべきだと思います。

 もう一つあります。その一括交付金が減らされたことによって影響を受けているのは、輸送費の補助だけではありません。南北の大東島では、今年の年間降雨量が記録史上最少となる見込みで、サトウキビの収穫量の減少が報告されています。干ばつ対策として求められているのが水源施設の整備です。

 南大東村の旧東第二地区では、二〇一一年に事業採択された水源整備事業、これは一括交付金のハード交付金です。これが、当初二〇一八年の供用開始を目指していたところ、一括交付金の減額の影響を受けて二〇二五年以降となっています。農家の皆さん、この間も上京し、キビ農家を支えなければ島から人がいなくなる、大臣がおっしゃった離島農業の逆行が起きてくるわけです、農業ができなければ島の存続に関わると切実に訴えられておりました。

 大臣は先ほどから強い沖縄経済を繰り返していますけれども、その柱の一つは農林水産業です。そうであるならば、一括交付金、ソフト、ハードも含めて、やはり減らし続けるのではなくて増額が必要だと思いますが、いかがですか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 お尋ねの南大東村においては、サトウキビ等の生産性の向上と安定的な生産を確保するため、ハード交付金を活用し、旧東第二地区等で貯水池の整備を行っているところであります。

 旧東第二地区につきましては、現地の地盤が想定以上に悪かったというところがございまして、対策工、対策工とは地盤の置き換え工事を指しますが、対策工の検討、実施などにより、令和七年度の貯水池の完成に向けて事業の管理を行っていると伺ってございまして、引き続き進捗状況を内閣府としても注視してまいりたいと考えてございます。

 なお、加えて、お尋ねのハード交付金でございますが、県や市町村が第六次沖縄振興計画の開始後に当たる昨年度及び今年度と同水準の事業を引き続き実施できるようにする観点から、昨今の物価高等も勘案いたしまして、所要額を増額して要求しているところでございます。

 また、ハード交付金につきましては、県や市町村の声もしっかりと踏まえまして、先般成立をいたしました令和五年度の補正予算において、令和四年度第二次補正予算よりも十億円の増となる、三十九億円を計上しているところでございます。

 いずれにいたしましても、強い沖縄経済に向けてしっかりと努力してまいりたいと思います。

赤嶺委員 最近の物価高に呼応して増やすような要求をしているだけじゃ駄目なんです。一千億円も減らし始めたその出発点で、いろいろな制度設計が行われました。南大東の干ばつ対策事業だってそうです。遅れは地盤だ、地盤改良だと言っておりますが、そこに見合うような沖縄の農林水産部の予算要求は、ハード交付金の減額によって満たされておりません。

 新しい沖縄振興計画の柱は農業です。輸送費の補助でもあります。大体、飛行機便から船便に変えろということも要求しているようですが、船便というのは、海がしけたら定期便も行きません。東京の市場の要求に応えられない、そういう状態です。

 一括交付金の減額によって受けている影響はこの事例だけにとどまりませんが、事ほどさように、今政府が一括交付金を減らし続けてきたこの政策が、どんなに弱い沖縄経済に向かっているのか。強い沖縄経済と言うのであれば、そういう一括交付金を元に戻すべきだということを強く申し上げておきたいと思います。

 沖縄振興予算をめぐって、もう一点、ただしておかなければならない重大な問題があります。それは、安保三文書に基づく公共インフラ整備、つまり軍事目的の空港、港湾の整備を、事もあろうに沖縄振興予算を使って進めようとしていることです。

 沖縄担当大臣に確認をしますが、政府は、一九七二年の沖縄の本土復帰に当たって、沖縄県民の多年にわたる忍耐と苦難に対する償いの心を強調しました。この沖縄県民の忍耐と苦難は、全てが破壊し尽くされた地上戦と、広大な米軍基地群が構築された二十七年間の米軍占領支配によるものであります。これらによって、社会インフラの立ち遅れや構造的な貧困問題など、戦後の沖縄社会のゆがみがもたらされました。

 ところが、今政府は、安保三文書に基づいて、沖縄に再び戦火を呼び込む軍事要塞化を進めています。しかも、沖縄振興予算まで動員して、軍事利用を拡大するための空港、港湾の整備を進めようとしています。こうした軍事要塞化は沖縄振興の原点に真っ向から反するものだと思いますが、大臣、いかがですか。

自見国務大臣 お答えをいたします。

 総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の具体的な内容や場所については、検討、調整を丁寧に進めていくこととしており、現時点で何ら決まっているものではございません。

 その上で、一般論として申し上げれば、こうした公共インフラ整備の一環として整備をする空港、港湾等につきましては、民生利用を主とするものでありまして、現行法規にのっとり利用等が行われるものと承知してございます。

 仮に沖縄におきましてこうした公共インフラ整備を実施することとなった場合に、その経費を沖縄振興予算に計上することをもって、政府としてこれまで取り組んできた沖縄振興の趣旨に反することにはならないものと考えてございます。

 いずれにいたしましても、政府としては、公共インフラ整備の意義を民生の観点から丁寧に説明するように努めてまいりたいと考えてございます。

赤嶺委員 大臣、よく考えてみてください。空港、港湾は、民生利用のみを目的にこれまで沖縄振興で使ってきました。今度は、そもそも最初から軍事利用と併用ということが求められているわけですよ。軍事利用をすれば予算もつきやすいですよということで誘いをかけているわけですよ。これが沖縄振興予算の原点に逆行するのは当然じゃないですか。あの戦場になった沖縄で、また軍事要塞化を進めるための公共インフラを進めるなんてとんでもないですよ。

 外務大臣に伺いますが、政府は、公共インフラ整備について、米軍の使用は念頭に置いていない、このように説明をしています。しかし、そもそも米軍は、日米地位協定第五条によって日本の空港、港湾に自由に出入りする権利が保障されています。この点は整備後の空港、港湾も変わりないと思いますが、いかがですか。

上川国務大臣 委員御指摘のとおり、日米地位協定第五条におきましては、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。」と規定されているところであります。

 このことにつきましては、新たに整備される空港及び港湾におきましても同様であると認識しております。

赤嶺委員 そうすると、自衛隊の軍用機や艦船が使えるように滑走路の延長や港湾のしゅんせつ、拡張などを行えば、当然米軍にとっても使用できる環境が整うことになります。そして、整備された空港、港湾を日米地位協定五条を根拠に米軍が使用することは当然想定されるのだと思いますが、外務大臣、いかがですか。

上川国務大臣 日米地位協定第五条でありますこの規定につきましては、米軍の航空機及び船舶は我が国の空港及び港湾に出入りすることが認められておりまして、また、米軍の航空機及び船舶が我が国の民間空港及び港湾を使用する場合におきましては、同条に基づいて行われることになると考えられるところであります。

 ただし、実際の使用に当たりましては、米軍は、民間機や民間船舶等による使用への影響が最小限にとどめられるよう、関係当局と所要の調整を行うことになっているということでございます。

赤嶺委員 米軍の運用を最大限に認めている日本の外交政策で、米軍の運用は最小限にとどめるというのは、これは絵に描いた餅であります。

 攻撃を避けるための兵力の分散化が今の米軍の戦略です。既に米軍は、日米共同訓練で先島諸島の自衛隊基地に展開するようになっています。整備後の空港、港湾を米軍の戦闘機や艦船が日米地位協定を盾に使用するようになる危険は重大であります。このようなことを絶対に認めてはなりません。

 沖縄振興は、先ほども取り上げましたが、ただでさえ予算が削られて、様々な事業に遅れや支障が出ているのが現状です。その下で、これまでになかった軍事目的の公共事業まで入り込んでくることになれば、他の必要な事業に一層しわ寄せが行くことになることは明らかです。自見大臣、そのようなことはないと断言できますか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 公共インフラ整備の具体的な内容や場所については、検討、調整を丁寧に進めていくこととしており、現時点で何ら決まっているものではありません。

 その上ででありますけれども、一般論として申し上げれば、沖縄において民生利用に供される公共インフラ整備を実施することになった場合には、その経費については沖縄振興予算に計上することが想定されております。沖縄振興予算については、総額ありきで各事業の額を決めているわけではなく、毎年度ごとに各事業の必要額を積み上げるものでありまして、他の事業にしわ寄せが行くとの御指摘は必ずしも当たらないと考えてございます。

 いずれにいたしましても、沖縄振興予算につきましては、引き続き沖縄振興に必要な額の確保にしっかりと努めてまいりたいと思います。

赤嶺委員 もっとたくさん申し上げたいことがいっぱいあるんですが、今でも明確な根拠もなく予算が削られています。その上に、軍事利用目的の公共事業、これが優先されたら、沖縄振興策が今まで以上に削減されていく不安が広がるのは当然だと思います。

 大臣の答弁は何の保証もないということを申し上げて、質問を終わります。

松木委員長 お疲れさまでした。

 それでは、上川大臣、どうもお疲れさまでした。

 次に、神谷裕さん。

神谷委員 立憲民主党・無所属の神谷裕でございます。

 本日は、質疑の時間を頂戴しましたこと、本当にありがとうございます。

 まず、伺いたいと思います。

 昨今、毎日、新聞紙上を見ておりますと、いろいろ政治とお金についての疑惑が騒がれているところでございます。改めて、この委員会でも確認をさせていただきたいと思います。

 大臣、副大臣、政務官について、いわゆる派閥等の政治資金パーティー等開催収入からのいわゆるキックバック、こういったものがあったのかどうか、まずは、それぞれお答えをいただきたいと思います。いかがでしょうか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 委員のおっしゃっているものに相当するものはございません。

工藤副大臣 お答え申し上げます。

 私の事務所では、委員おっしゃっているようなものはございません。

辻副大臣 お答えします。

 個々の政治団体の活動について、政府の立場としてお答えすることは差し控えたいと思います。

堀井(巌)副大臣 お答え申し上げます。

 個々の政治団体の活動について、政府の立場としてお答えすることは差し控えたいと存じますが、私の政治団体については、法令に従い適正に処理をしていると報告を受けております。

古賀大臣政務官 お答えいたします。

 派閥がいわゆるキックバックを行っているか否かということについて、私は派閥の当局ではございませんのでお答えする立場にはございませんけれども、私自身、派閥の間の政治資金のやり取りにつきましては、全て収支報告書に記載をいたしております。

 以上です。

高村大臣政務官 お答えいたします。

 個々の政治団体の活動について、政府の立場としてお答えを控えるべきだと考えておりますが、その上で、私の政治団体においては、法令に従い適切に処理をしていると報告を受けております。

穂坂大臣政務官 個々の政治団体の活動については、政府の立場としてお答えすることは差し控えさせていただきますが、私の政治団体については、法令に従い適正に処理をしていると報告を受けております。

深澤大臣政務官 個々の政治団体の活動につきましては、政府の立場としてはお答えは差し控えさせていただきます。

神谷委員 今るる皆様方からお話を伺って、明らかにやはり温度差というのか、問題があるとは言いませんが、大丈夫なのかなと思う方がいらっしゃいました。

 辻副大臣、もう一回お伺いしますが、やはりこの場は、一つには、政府の立場はおありになると思いますけれども、外務副大臣として、その支出が適正なのか否かというのをやはりしっかりと確認をしなければいけない、そういう場でございます。あくまで、国民の皆さん、御覧になっています。そういった開かれた委員会でございます。

 そういった中で、きちっと御自身のことを説明する義務というか、理由が十分にあると思います。もう一度伺います。いかがでしょう。

辻副大臣 委員の質問に答えます。

 個々の政治団体の活動については、政府の立場としてお答えすることは差し控えたいんですが、私の政治団体については、法令に従い適正に処理をしていると報告を受けています。

神谷委員 もう一回、深澤政務官についても、もう一度、同じような趣旨でお願いいたします。

深澤大臣政務官 個々の政治団体の活動については、政府の立場としてお答えは差し控えさせていただきますが、私の政治団体につきましては、法令に従いまして適正に処理をしていると確認をできております。

神谷委員 政治資金というのは、御案内のとおり、公明正大というか、しっかりと出と入りを皆さんにお示しをする、その上で、問題点が何かあれば、あるいは聞かれたらしっかりと答えるという趣旨でできております。ですので、ここで隠してしまうと、何もその先に行かないということになりますので、やはりしっかり説明をしていただかなきゃいけないということでございます。

 そういった意味において、皆様からは、今、適正に処理をしているというお言葉がございました。ここは、それを一旦、一旦というか、これは信じたいというか、皆さんの言葉ですから信じようと思います。

 ただ、その上で、先ほど屋良同僚議員からもお話ありましたが、自見大臣、残念でございますけれども、いろいろなお話が出ております。そういった中で、先ほどいろいろと経緯の説明等もございましたようでございますが、ただ、いかにもちょっと数が多い。

 そういった意味において、自見大臣そのものが、この間ちゃんと適切に処理をされていたのかなというところ、ここをもう一回、ちょっと心配になってきました。というのは、件数が多いのと、いろいろなことを言われているということでございますので、それは今までもそうなんですけれども、きちんと、なぜこういったことがたくさん出てくるのか、そういったことについて、改めて御説明願えますでしょうか。

自見国務大臣 お答えをいたします。

 現在、専門家にも依頼をして、再度点検を進めているところがございまして、点検作業が終わり次第、速やかに対応するものもございますが、いずれにいたしましても、事務的ミスなど、転記ミス等もございました。不明を恥じているところでございます。

 同様の誤りを起こさないよう、適切な事務体制やあるいは体制の在り方についてもしっかりと見直しをして、対応してまいりたいと思ってございます。

神谷委員 念のため確認ですが、そういった自見大臣のところのミス、この件について、大臣はこれまで御承知なかったのか、その辺のところ、報告は受けていなかったのか、その辺については御確認をいただけますでしょうか。

自見国務大臣 お答え申し上げます。

 私からは、関係法令にのっとり適切に処理をするようにということは事務所のスタッフにも当然ながら申し上げておりますが、個々の、数千件に及ぶ処理の一つ一つについて存じ上げてはいなかったということでございます。

 いずれにいたしましても、不明を恥じておりまして、同様の誤りを起こさないような適切な事務処理や体制の在り方、しっかりと見直してまいりたいと思ってございます。

神谷委員 この場では当然ながら限界もございますし、あとはしっかりと自見大臣そのものが御説明をいただく、これが政治資金規正法の趣旨でございますから、そこは是非逃げないで、これからも是非国民の皆さんに御説明をいただきたいと思いますし、この後またいろいろなところで聞かれると思いますが、そういったことにも適切に御対応いただけたらと思うところでございます。

 それでは、次の質問をさせていただきます。

 私は、北方領土問題についてちょっとお伺いをしたいと思っています。

 先般、北対協融資の対象の拡大について御要請をいただいております。もちろん、元島民の高齢化が言われている中で、御案内のとおり、いかにしてこの北方領土の問題について運動を継続、拡大していくのか、これは大変大きな課題となっているところでございます。

 そのような中では、運動に参加する関係者を増やしていくことは大変に重要なことだと私は思っているんですけれども、そういった観点からも、この融資対象の拡大というのは是非考えるべきではないかな、非常に合理的ではないかなというふうに思うんですけれども、この辺について、自見大臣の所感をお伺いをさせていただきたいと思います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 北対協の融資の事業でございますが、旧漁業権者法に基づきまして、北方四島の旧漁業権者、元居住者等の事業の経営と、またその生活の安定を図ることを目的として実施をしているものでございます。この融資事業の資格対象者につきましては、過去三回にわたりまして、議員立法により、根拠法を改正する形で拡大されたところでございます。

 対象者の拡大につきましては、ただいま申し上げたような特定の政策目的を持った本融資事業を、本来の対象者である旧漁業権者等からどこまで拡大することが適切かについて、現行法の趣旨、目的との関係も含め、慎重に検討する必要があると考えてございます。

 いずれにいたしましても、こうした経緯等に照らし、対象者の拡大につきましては、まずは立法府において引き続きしっかりと御議論いただくことが重要であると認識をしてございます。

 なお、後継者の育成支援につきましては、その重要性を内閣府としても認識を当然ながらしておりまして、どのような支援策が望ましいかについて、引き続き、関係団体の皆様の御意見を丁寧に伺いながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

松木委員長 神谷さん、副大臣に……(神谷委員「関係のない、先ほどの答弁で終わった方は退席いただいて」と呼ぶ)そうですね。

 では、どうぞ、お帰りいただいて結構ですので。御苦労さまでした。

神谷委員 今ほど自見大臣から御答弁をいただきました。

 御案内のとおり、先ほどお話しいただいたように、昭和三十六年の旧漁業権者法からスタートをしているのは事実でございますが、平成八年には改正もされているところでございますし、そういった意味では、逐次、そういった意味での拡大というか、承継というものはなされていると実は思っております。

 この上で、この北方領土という問題をしっかりと考えていかなきゃいけないときに、やはり対象者を増やしていくということは私は重要なことだと思います。もちろん、国会で議論をするということは大事なことだと思いますけれども、だからといって、お任せでいいということにもならないと思います。是非内閣府においても積極的にお考えをいただきたいなと思いますし、そういった要望があるということ自体を我々はしっかりやはり重く見なきゃいけないんじゃないかなと思います。

 そういった意味で、是非前向きに考えていただきたいと思うんですが、自見大臣、もう少しお答えいただけませんか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 内閣府といたしましては、後継者の育成支援について非常に重要だと思ってございます。また、今委員が御指摘いただきましたような地元の皆様のお声というものも大変重要だと思ってございます。

 どのような支援策が望ましいのかということについて、私も、十月十二日に現地を伺いましたときにも、北対協の皆様あるいは千島連盟の皆様にもいろいろなお声も聞いたところでございます。引き続き、関係団体の御意見を伺いながら、丁寧に対応してまいりたいと思います。

神谷委員 これは非常に大事な問題だと私は思っています。やはり、ここで記憶の風化も激しくなっている、また、元島民の方もどんどんいなくなっているというところでございますので、そういったところで、どうやってこれを継承していくのか。今本気で考えなきゃいけない問題だと思いますので、是非前向きに御検討をお願いをしたいと思います。

 次に、北方墓参について伺いたいと思います。

 上川大臣の所感でも、強い思いを持ってとか、特に重点を置いてという御発言をいただきました。そういう意味では、私もちょっと安心をしたところでございますけれども、実際のところ、それでは、上川大臣就任以降、ロシア側との接触、これについてはどんな状況なのか、外務省の所感を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 北方墓参を始めとする四島交流等事業の再開でございますけれども、日ロ関係における最優先事項の一つというふうに考えているところでございます。

 こういう強い思いを持ちまして、これらの事業について、ロシア側との間で、上川大臣就任以降も含め、ハイレベルのものも含めまして、外交上のやり取りを行ってきているところでございますが、現時点で、残念ながら、ロシア側から北方墓参の再開に向けた肯定的な反応を得られていないというのが現状でございます。

 御高齢になられました元島民の方々の切実なるお気持ちに何とか応えたいとの強い思いを持って、ロシア側に対し、特に北方墓参に重点を置いて、事業の再開を引き続き求めてまいりたい、このように考えている次第でございます。

神谷委員 本当に前にしっかり進めていただきたいと思います。もちろん、思いはあるのは当然分かっているんですが、問題は戦略だと思っています。もちろん、言えないこともたくさんあると思いますが、ただ一方で、やはりきちんと関係者の方には是非御説明をいただきたいと思いまして、どんな状況なのか、あるいは、いつ再開できるのかも含めて、是非逐次つまびらかに情報を開示していただき、そして、その上で、対ロシアの交渉をしっかり外務省は頑張っているんだという姿勢を是非見せていただきたいと思います。

 そういった意味では、今お話にあったように、やっていただいているとは思いますが、ただ、それが余り見えてこないという現状。もちろん、ほかの外交上の問題がたくさんあって、それで埋没している面がないとは言いませんが、ただ、やはりここは大事なお話でございますし、是非そういったニュースも含めて流していただけるように御尽力をいただきたい。これは要望とさせていただきます。

 その上で、北方墓参も大変重要なんですけれども、北方、北海道におけるあの水域を利用している漁業等の経済活動、これも非常に大事な問題でございます。ましてや、日本船がロシアの艦船に拿捕されるようなことがあってはいけないわけでございますから、海上の安全についても非常に重要な問題だと思います。

 外務大臣も、所信の中で適切に対応というふうにおっしゃっておられましたけれども、どう適切に対応していくのか、この辺についてもう少しお答えをいただきたいと思いますが、外務省さん、いかがでしょうか。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおりでございます。漁業などの経済活動あるいは海洋における安全に係る問題のように、日ロが隣国として対処する必要のある事項につきましては、我が国外交全体におきまして、何が国益に資するかという観点から対応することが重要、このように考えている次第でございます。

 このうち、御指摘ありました漁業でございますけれども、日ロ間では、御承知のとおりでございますけれども、三つの政府間協定及び一つの民間取決めがございます。

 このうち、北方四島周辺水域漁業枠組み協定に基づく操業については、残念ながら実施できておりませんけれども、昨年二月のロシアによるウクライナ侵略以降も、関連の協定等に基づく操業ができるように、ロシア側と協議を行ってきているところでございます。例えばですけれども、本年の日ロの地先沖合漁業につきましては、昨年の交渉により妥結した操業条件に基づき操業ができているところでございます。

 外務省といたしましては、我が国の漁業活動に関する権益を維持、確保し、漁業者が安全に操業できるよう、引き続き、水産庁と連携しながらロシア側に働きかけていきたいというふうに考えるところでございます。

 また、海洋における安全でございますけれども、例えば、昨年四月に北海道知床沖で発生しました観光船事故がございましたけれども、関係省庁と連携しつつ、捜索救助の相互協力を定めた二国間協定等に基づきまして、捜索救助に関し、ロシア側とやり取りを行った次第でございます。

 このような人道的な案件に関しましても、何が国益に資するかという観点からしっかり取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。

 以上でございます。

神谷委員 一部には、交渉をちゃんとできているというような部分もあるというふうに承知をしておりますけれども、直ちにこれはなりわいに関わってくる問題でございますので、ここもしっかりやっていただかなきゃいけないというふうに思います。

 この漁業についての話でいいますと、漁業ということばかりではなくて、あの地域は、水産業、漁業が基幹産業でございます。そういった意味において、漁業ができなくなるということは非常に地域経済にとっても大変に大きな影響があるということは、もう御案内のとおりだと思います。

 そういった意味において、こういった日ロ間の話、本来、あれは我が国の水域でございますから、我々はロシアに対して事前に自由に使っていいですよという許可なんかは必要ない話でございますけれども、そうはいっても、今現状で、しっかり安全を担保する上でやっていただかなきゃいけないと思います。

 ただ、その上で、やはりそういったことで、かなり日ロ間の交渉に経済活動というのか地域の経済が影響を受けるというような状況は、ちょっと簡単には看過できないというふうに思うところでございますので、こういった地域の振興についても、やはり、この沖縄北方委員会としてというか、自見大臣としては心を砕いていただきたいと思うところでございますが、所感についてお伺いできますでしょうか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 北方領土隣接地域は返還運動の拠点であり、水産業を始めとする地場産業の振興など、この地域の振興と住民生活の安定を図ることは大切な課題であると考えてございます。

 例えば、北特法に基づきまして北海道が設置をする基金は、隣接地域の振興や住民生活の安定のための事業等に充てることができ、この基金も活用いただいていると承知をしてございます。また、平成三十一年四月施行の北特法改正によりまして、基金の取崩しが可能とされ、改正をする直前に比べまして、毎年の拠出額は増加していると認識をしてございます。

 北海道において、隣接地域自治体や元島民などの関係者の御意見もよくよく吸い上げた上で、毎年度の支出の計画の事前の協議の段階で御相談いただければ、内閣府としても丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。

 引き続き、隣接地域の振興が図られるよう、関係省庁としかるべく連携をしてまいりたいと存じます。

神谷委員 是非、心を砕いていただけたらと思います。

 次に、オスプレイの問題を聞こうと思っていたのでございますが、先ほど同僚の屋良議員からもお話ありましたので、ちょっと順番を変えさせていただいて、私、沖縄に先般この委員会でも派遣をいただいて、その派遣をいただいた案件について、ちょっと先に聞かせていただけたらと思います。

 非常に、委員長のお計らいもあって、多くの視察先を見せていただくことができました。関係の皆様にも御礼を申し上げたいと思いますが、その中で、特に、先般参考人としてもお話を伺いましたけれども、前泊沖縄国際大学教授からもお話あったんですが、沖縄の交通の問題、特に移動のコスト等の問題、これについて非常に大きなお話もいただいていたところでございます。やはり、移動にかかる県民負担の問題やバスの運転手不足等の問題など様々な問題もありますけれども、学生に対する移動のコストの問題も過重ではないかという御指摘をいただいていたところでございます。

 そういった沖縄における交通の問題について、大臣の所感を伺えたらと思います。いかがでございましょうか。

自見国務大臣 お答えいたします。

 観光需要が回復していく中で、委員御指摘のとおり、沖縄の県民の暮らしや産業の向上の観点からも、バス、タクシー等の公共交通機関における人材不足の解消や移動負担の軽減は重要な課題であると認識してございます。

 内閣府といたしましては、那覇空港第二滑走路の供用に伴う乗客数の増加等に対応するためのモノレールの三両編成化、また、地元経済界も巻き込んだ公共交通の利用環境改善の検討、そして、ソフト交付金を活用いたしまして沖縄県が実施する、低所得者世帯の中高生を対象とした通学時のバス、モノレール利用の無料化への支援などに取り組んでいるところであります。

 また、観光人材の確保の観点から、令和六年度の概算要求におきまして、バス事業者等への人材確保支援を含みます沖縄観光人材不足緊急対策事業を要求しているところであります。

 さらに、国土交通省におきましても、バス、タクシー事業者に対する人材確保、養成の取組への支援など、必要な対策が講じられているものと伺ってございます。

 引き続き、関係省庁の動向もよく注視しつつ、県や市町村など地元の要望を丁寧に伺いながら、住民の皆様などにとって快適な交通環境を実現できるよう、全力で取り組んでまいりたいと存じます。

神谷委員 今るるいろいろな御紹介もいただきました。

 やはりここは、もう少し総合的に、沖縄県民の皆さんの足をどうしていこうか、あるいはインバウンドも含めて移動をどうしていこうかということを広範にもう少し考えるべきときに来ているんじゃないかなと正直思っています。

 道路にしても従前たる感じがいたしておりますし、そういう中で多くのバスが走るというような状況でございますので、このままでいくと、やがてはパンクするんじゃないか。もちろん、移動のコストだけではなくて、そういったところも含めて、総合交通体系の在り方、もう一回ここでグランドデザインを描き直すような、そんなようなことも必要なんじゃないかと思いますので、この辺は提案とさせていただきたいと思います。

 引き続き、沖縄の視察に行ったときに、航空機のメンテナンスの専門会社、MROJapanにお邪魔することができました。その際に、御指摘というか、御要望というか、お話をいただいたのですが、旅客を乗せた航空便に対しては着陸料等の様々な減免措置が実施されているんですけれども、このメンテナンスを専門としているMROJapanにおいては、同じ航空機であっても減免の恩恵が少ないようなお話でございました。

 もちろん、これは沖縄経済の振興策としてスタートした経過を踏まえますと、このMROJapanに対しても、こういった同様の措置が必要なんじゃないかというふうに思うところでございますけれども、これについてはいかがでございましょうか。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 国土交通省では、航空ネットワークの維持、充実を図る観点から、有償の旅客便に対して着陸料等の割引を実施してきているところであります。そのため、メンテナンス目的などの無償での飛行は、着陸料のネットワーク割引の対象外となっております。

 一方で、沖縄の経済振興を図る観点から、沖縄を離発着する航空機に対して、それが無償での飛行であったとしても、機材の重量に応じて、六分の五等の着陸料の減免を講じております。また、着陸料以外では、航行援助施設利用料や航空機燃料税について、有償、無償の航空機に関係なく軽減措置を講じております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、沖縄振興に資するよう、施策を実施してまいりたいと考えております。

神谷委員 是非多くの航空機を呼び込んで沖縄で整備をしていただく、そのことが、技術も当然上がっていくわけですし、先ほど高橋委員からもありましたとおり、沖縄は交通の要衝でございますから、もう世界各国の航空機、アジアを中心としてでしょうけれども、も期待できるところだと思います。そういった意味において、できる限り、先ほど旅客との比較の話もいただきましたけれども、同程度かあるいはそれを超えるような優遇というのか、そういったことも是非お考えをいただきたいと思います。

 これは、あくまで目的は沖縄の振興に資するというところでございますから、その目的にかなうという意味で、是非これを前に進めていただきたいと思いますが、その辺、前に進める意思はありますでしょうか。もう一度御答弁いただけますか。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 有償旅客便の着陸料のネットワーク割引については、航空ネットワークの維持、充実を図るために講じているものであります。メンテナンス目的で訪れるような無償での飛行に対する軽減については、航空ネットワークの維持、充実に資するものであるか、又は着陸料等の空港使用料が空港整備等の重要な財源であるということを踏まえて、慎重に検討する必要があります。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、引き続き、沖縄振興に資するように施策をしっかり実施してまいりたいと存じます。

神谷委員 ちょっと前半は寂しい御答弁でございましたけれども、後段の部分、沖縄振興に資するというところ、これを是非前に出していただいて、御検討をお進めいただきたいと思います。

 次に、沖縄の名産品である泡盛について、現在、外国産米、タイ米を使うことが主流であると聞いておりますけれども、一方で、国産米を使っての製品も出てきているということでございます。

 私自身、農林水産に非常に関心の深い、関心がある議員として、この国産米を使っての取組というのは是非進めていただきたいと思うんですけれども、所感をお伺いをしたいと思いますが、いかがでございますか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 琉球泡盛は沖縄の伝統産品であるとともに、泡盛産業は貴重な地場産業であるというふうに認識しております。それはやはり、雇用の確保とか地域経済に非常に重要な役割を果たしているというふうに認識をしております。

 現状、今委員からもありましたように、一つは価格面、もう一つは米の質が泡盛に向いているというこの米の質を理由にしまして、主にタイからの輸入米を用いて製造されているところでございます。

 それに対しまして、琉球泡盛のブランド価値を高めまして、その魅力を国内外に最大限にPRしていくため、地域に根差した原料調達、いわゆるテロワールという言葉で表現しておりますが、これを実現することが極めて重要だというふうに考えているところでございます。

 そのような観点から、平成三十一年の一月でございますが、内閣府沖縄総合事務局におきまして、沖縄県や地元JAさん等とともに琉球泡盛テロワールプロジェクトを立ち上げておりまして、琉球泡盛の原料となる長い粒の米、長粒種米を沖縄県内で生産をいたしまして、県内の水田農業の活性化を図るとともに、県内の酒造所とのマッチングなどを推進しているところでございまして、令和四年度から国内での販売が始められたところでございます。

 委員御指摘のとおり、今後とも、沖縄における伝統産業であります琉球泡盛のブランド価値向上のために、引き続き、このプロジェクトをしっかりと推進してまいりたいと存じます。

神谷委員 実は、この話は、自民党の宮腰光寛先生から、私、随分何回も頼むぞというふうに言われていた案件でございまして、党派はこの際関係ないというか、そういった意味で、党派関係なく、これは沖縄の大切なものを前に進めたいという思いでございますので、是非強力に政府におかれましても後押しをしていただきたいということを申し上げさせていただいて、時間が参りましたので、私の質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 次に、長友慎治さん。

長友委員 国民民主党の長友慎治でございます。

 本日は、大きく二つ、台湾有事への対応について、それからオスプレイの問題について質問をさせていただきます。

 昨年の十二月、日本は、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の防衛三文書を改定し、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応すべく、防衛力の抜本的強化を実施していくこととなっているわけでございますけれども、日本の安全保障にとり最大の懸案事項が、中国による台湾の武力統一というふうに見られております。

 米国のシンクタンクや軍の関係者などが最も可能性が高いとしているのが二〇二七年という声も聞こえてきていたりします。それは、習主席が四期目をうかがうタイミングでもあり、また人民解放軍の強軍化目標達成時期、そして人民解放軍創設百周年にも当たる年だからなどと言われているわけでございます。

 台湾と沖縄県の与那国島との海峡幅は約百十キロほどしかなく、日本と台湾の位置関係は極めて近いわけでして、東シナ海から太平洋に出るためには、この海峡を含めて日本の南西諸島周辺海域を通過する必要があり、同諸島は、中国の軍事戦略上、重要な第一列島線の一部となっています。

 さらに、沖縄県の在日米軍基地は台湾支援の作戦基盤でもあります。台湾有事の際、中国は台湾を海上封鎖し、周辺海域で海上優勢を確保しようとした際、特に宮古列島、八重山列島を始めとする先島諸島の海域は、中国軍や米軍の作戦海域となることが想定されます。

 沖縄の方々にとっては大変心中穏やかではないことを申し上げてしまいましたけれども、現実的に直視しなければならないと思い、質問をさせていただきます。

 そのような台湾有事への懸念が高まる中、政府は、九州、山口八県に対する沖縄の避難民の受入れ要請を十一月中に終えたということを確認しました。今後は、各県と連携し、避難計画の策定を加速させる方針だと伺っていますが、まず、今回、政府側から具体的にどのようなことを要請したのか、また、それを受けた各八県の反応、さらには、今後どのようなマイルストーンの設定になるのかについて教えてください。

門前政府参考人 お答えいたします。

 沖縄県の離島からの住民避難に係る検討につきましては、特定の事態を想定したものではございませんけれども、武力攻撃予測事態に至った場合の避難先として九州及び山口県を想定し、各県において避難住民の受入れ検討に取り組んでいただくよう、具体的な検討体制の立ち上げによる検討の推進、収容施設の受入れ能力など受入れ検討の前提として必要なバックデータの整備、受入れ地域の候補となる市町村との協力体制の構築などについて、十月から十一月にかけて要請を行ったところであります。

 各県からは、国からの説明を踏まえ、前向きに取り組んでいきたいとの反応があったところであります。また、十月末に開催されました九州地方知事会におきましても、蒲島知事から各県知事に報告がなされ、九州全体として取り組んでいこうということで一致したと伺っております。

 今後、令和六年度に、各県におきまして、避難住民の受入れ施設や施設までの輸送手段の確保、食品や生活必需品の調達、配送等を内容とする初期的計画を作成していただくことを目指して、関係省庁が連携し、積極的に支援することにより、取組を進めてまいりたいと存じます。

長友委員 ありがとうございます。

 各県、前向きに取り組んでいただけるという反応だったということで、よかったなというふうに思うんですが、沖縄県と九州、山口各県、二〇〇六年に武力攻撃災害等時相互応援協定というものを結んでおります。その中に、有事の際には、食料や水、生活必需品や住宅の提供、緊急輸送路の確保などを円滑に行うというようなことが規定されているわけですけれども、この二〇〇六年に結んでいる協定の内容と、今回の要請などに新たに加わったことなどがありましたら教えてください。

門前政府参考人 沖縄県を含む九州、山口九県で締結されている武力攻撃災害等時相互応援協定におきましては、県独自では十分に救援などの国民保護措置が実施できない場合に、九県相互間の応援を円滑に行うために必要な事項が定められていると承知をいたしております。

 避難住民の受入れ検討に当たりましては、同協定に基づく協力関係を土台にしながら、各県が連携して、先島諸島五市町村の約十二万人という多くの住民の避難への対応を検討していただきたいと考えてございます。

 これに今回加わることがあるかということでございますけれども、今回の要請は、既存の応援協定が対象としております、県独自では十分に国民保護措置が実施できない場合の対応とは、その射程を異にすることから、当該応援協定の見直しを必要とするものではないというように存じております。

長友委員 元々九州と山口各県で応援協定を結んでいる中で対応していくということだというふうに理解をしましたし、その中で踏み込んだ初期計画の策定をお願いしているということだと理解をいたしました。

 その先の、では、各都道府県で足並みをそろえて計画を作ってもらうための取組状況はどのように把握していくのか、政府として、どういうふうに見守っていくというか、フォローしていくのかについても教えてください。

門前政府参考人 お答えいたします。

 政府におきましては、国も参加をさせていただいております九州ブロック検討会というものがございますけれども、こうした検討会の機会などを用いて、定期的に各県の取組状況を各県間で共有を図るほか、直接各県や関係市町村へ足を運び、プッシュ型で支援を行うなど、取組状況をきめ細やかに把握をしながら、各県の計画作成を支援してまいりたいと存じております。

長友委員 政府がしっかりプッシュ型で把握をしていただけるということですので、是非取り組んでいただきたいと思います。

 その際に、一応確認をしておきたいなということがあります。避難を受け入れる九州、山口各県の各自治体でいろいろ様々なものを提供することになると思うんですが、例えば、住宅を提供したり、食品や生活必需品を提供したりする際の費用というものはどこが負担することになるか、その想定を伺います。

門前政府参考人 お答えいたします。

 国民保護法百六十八条におきまして、避難住民等の救援に関する措置に要する費用のうち、地方公共団体が支弁したもので政令で定めるものにつきましては、国が負担をすると規定しております。

 これは、武力攻撃事態等におきましては、国が主要な役割を担い、地方公共団体は国の方針に基づき措置の実施を担うという国と地方の役割分担に鑑み、武力攻撃事態への対処に要する経費につきましては、原則として国が負担をするという趣旨でございます。

長友委員 当然ですけれども、避難される沖縄の方々、沖縄県の負担もありませんし、受け入れる側の自治体の負担もないということで、是非、九州各県も前向きに体制を整えていただけるというふうに思っております。

 私たち政治家として努めるべきところは、戦争をさせないということでございます。しかし、ロシアがウクライナに侵攻し、いまだにその戦争をやめさせることができない事実に直面をしております。私たち日本人としては、国民保護、邦人保護の備えを、国民の理解を得ながら万全な体制にしていかなければならないというふうに考えております。

 ですので、今後も情報提供は速やかに広く行っていただくことが必要ですし、有事になる前から、避難が想定される方々と受け入れる自治体との交流や関係構築が重要と考えますので、私も九州比例選出の議員としまして汗をかいてまいりたいと思いますし、政府としましても、九州各県の受入れ自治体と先島諸島の皆様とのきずなや信頼関係の醸成に是非努めていただきたいというふうに思います。

 続きまして、オスプレイの問題に関しまして質問をいたします。

 十一月二十九日に、沖縄の嘉手納基地に飛行を予定していたオスプレイが墜落する事故がありました。この事故では、二十代から三十代の乗組員八人のうち、今日までに七人が遺体で収容され、残る一人の捜索が鹿児島屋久島沖で続いています。我が国及び地域の平和と安全を維持するために日夜任務に献身いただいた乗員の皆様には、心より哀悼の誠をささげたいと思います。

 私の地元宮崎の新富町の航空自衛隊新田原基地からも救難隊が出動しまして、乗組員の捜索救援活動に当たったところでございます。

 その上で、十二月二日、琉球新報の朝刊で、このような記事が載っておりました。見出しとして、「漁師ら無防備捜索 大丈夫?」という見出しがついた記事になります。地元の漁師の皆様に捜索活動に当たってもらったということが記事になっているんですが、その中で、オスプレイの機体に放射性物質が使われていることが指摘されています。オスプレイの機体の放射線リスクについて、改めて政府の見解を伺います。

山野政府参考人 お答えを申し上げます。

 十一月二十九日の事故発生後、海上保安庁から地方水難救済会の屋久島町救難所を含む関係機関等に対し、本件事故に係る情報共有を行ったと承知をしております。これを受けまして、現場海域では、屋久島町救難所に所属する漁業関係者の方々にも捜索救難活動に当たっていただいたところでございます。

 一般に、航空機のエンジン点火装置等に放射性物質は広く使用されているところであり、オスプレイのエンジン点火装置にも、他の航空機と同様に放射性物質のクリプトンが使用されております。

 その上で申し上げますと、航空機のエンジン点火装置に使用されている放射性物質であるクリプトンは希ガスであることから、水や食品の中に蓄積されることはなく、装置中のクリプトンから放出される放射線量も極めて小さいことから、人体や環境への影響について、問題ないレベルであると承知をしているところでございます。

長友委員 人体や環境に影響のないレベルというふうに今御説明があったわけなんですが、記事の紙面に使われている写真を見ると、ちょっとぎょっとするんですね。漁師の皆さん、善意で、ふだんのとおりに捜索に当たっていただいたと思うんですが、折れた黒いプロペラとか灰色の機体の壁面のような部品を海上から回収をしていただいております。その写真を見ると、素手で触っておられました。

 一方で、二〇一六年十二月にアメリカ海兵隊のMV22オスプレイが名護市安部海岸で墜落した際は、米軍の関係者が防護服を着込んで機体の回収作業に当たっているわけですね。その写真を比較したときに違和感を覚えざるを得ないというのは、誰が見ても思うわけなんですけれども。

 この当日、人命救助優先で捜索に当たっていただいたということは理解はしておりますが、いわゆる機体の回収までを民間の漁師さんたちにお願いしたのか、若しくは、なぜ漁師さんたちが回収されたのか、この点に関して非常に問題を感じるわけですが、私の考えとしましては、民間の漁師さんたちが搭乗員の救助活動だったり捜索活動をするということはいいとしましても、漂流する機体そのものを回収することなどは是非避けた方がよかったのではないかというふうに考えますが、見解を伺います。

山野政府参考人 お答えを申し上げます。

 防衛省といたしましては、地元住民の方々が事故で発生したと思われる漂流物を発見した場合には、手で触れずに警察等に通報いただきたいと考えておりますけれども、事故発生直後にはこの周知がなされていなかったと認識をしております。

 その上で、十二月六日以降は、屋久島町の防災無線やホームページを通じまして、地元住民の方々に対する周知を行ってきたところであり、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

長友委員 今の御答弁からすると、そもそもあってはならない事故ですし、想定として、その機体の回収に民間の方に当たっていただくことに対するガイドラインというか、対応が決まっていなかったのかなというふうに感じ取れるわけです。

 今回は海に墜落したわけですけれども、これは、陸、若しくは中山間部などに墜落することも今後あり得るんじゃないか、そういうことを危機感を覚えます。

 実は、私の地元宮崎の上空でも、これまで、移動中と見られるオスプレイの機体や低空飛行訓練をしている機体の目撃情報が多数あります。いずれも国などからの事前連絡はないわけなんですね。

 熊本県の阿蘇山を周回するイエロールートと呼ばれる低空飛行訓練ルートは、宮崎、熊本、大分、福岡の四県にまたがりまして、私の地元の宮崎の日之影町では、十月頭に中学校の校長先生から、地元の町議さんを通じて私に問合せがありました。こんなに学校に近い場所を飛行するのはなぜなのか、恐怖を感じる、子供たちに危険が及ばないエリアを飛行してもらうことはできないかと。そういうことで、すぐ九州防衛局に問合せをしまして、要請をしたところでございます。

 米軍がオスプレイを配置する普天間飛行場付近、また、事故機が配備されていた米軍横田基地周辺の住民同様に、低空飛行訓練が行われるルート上にある自治体も、大変、今回の事故を目の当たりにして不安に思っております。改めて、徹底した事故防止対策と墜落事故が起きた場合の地元住民への対応を定めて、ガイドラインの策定を切にお願いしたいと思います。

 重ねて、低空飛行訓練については事前情報提供を行い、関係自治体や地域住民の不安払拭に努めること、これは全国知事会も要請していることだというふうに承知しておりますので、政府としましても、緊密な連携を求めるとともに、地元住民の理解が得られるように、米軍に対する要請を毅然と行っていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 それでは次に、鈴木貴子さん。

鈴木(貴)委員 質疑の機会を与えていただきまして、まずもって感謝申し上げます。

 今日は、墓参そして安全操業、こういった運動の担い手確保策について質問させていただきたいと思います。

 先ほど来から、墓参の話題、取り上げていただいております。十二月の一日でありましたが、北方領土隣接地域の首長の皆さん方、また議長の皆さん方が北方領土返還要求中央アピール行動で上京されておりまして、官邸にて、本来であれば、岸田総理に表敬させていただくところでありますが、COPでドバイに外遊中ということでありましたので、松野官房長官、そしてまた自見大臣にも御臨席を賜ったところであります。

 その際に、松野官房長官からも、北方四島交流等事業の再開は今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つであること、そして、特に墓参に重点を置いて事業再開を求めていきたいというお話をいただいたところであります。

 今、二国間の中で交渉が可能なのは、これらの事業、これは三枠あるわけでありますけれども、唯一墓参だけであります。ロシア側が効力停止と言ってきているのは四島交流と自由訪問でありまして、墓参というのは、裏を返せば、生きているわけであります。

 であるならば、ここは日本政府として、特に墓参に重点を置いてではなくて、とにもかくにも、今は墓参の再開だ、今は墓参なんだと強く打ち出していく、それが内外に対して、またロシアに対しての強いメッセージにもなると私は思っておりますが、外務省の見解をお伺いさせていただきます。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 北方墓参を始めとする四島交流等事業の再開、日ロ関係における最優先事項の一つでございます。御高齢となられた元島民の方々の切実なるお気持ちに何とか応えたいとの強い思いを持って、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き求めていく、こういう立場でございます。

鈴木(貴)委員 中込局長、「今は」を入れていただきましたけれども、今は特にじゃなくて、特に今はじゃないですかね。細かい話かもしれませんけれども、元島民の皆さんにとっては、現状を一番よく分かっていらっしゃるんですよ、今、非常に日ロ関係、外交関係、厳しい状況だ、簡単な話じゃないということは分かっているけれども、平均年齢ももう八十八歳になってくる、正直言って、時間との闘いなんです。

 そして、なぜこの点を細かく指摘させていただくかというと、十月の五日、バルダイ会議がありまして、ロシアのプーチン大統領が、笹川平和財団の畔蒜主任研究員の質問の回答の中で、日ロ関係について、我々は対話に応じる用意があると述べているんです。これは、プーチン大統領が公の場において、日ロの二国間関係の今後について言及したのは初めてであると言われております。つまり、これは、ボールはある意味日本にある。プーチン大統領は続けて、日本側が、対話に意味があるときが訪れた、イニシアチブを取ることが可能だと考えるのであれば、対話は常によいことだとおっしゃっている。

 であるならば、まさにこの墓参は人道的観点からもしっかりと取り組むということが必要である、こういった観点から述べさせていただきました。

 局長、もう一回行きましょうか。墓参、乾坤一擲の決意、今は墓参をやるんだ、ブレークスルーするんだという決意、中込局長、お願いします。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生からるる御指摘ございましたとおり、ロシア側の方は、三つあります北方墓参、自由訪問、四島交流のうち、墓参のみはまだ生きているという言い方をしているということでございますので、我々としては、引き続き、自由訪問、四島交流についても、これができないのは不当だと思っておりますけれども、可能性が高いのは墓参であるという御指摘、全くそういう御指摘のとおりでございますので、まさにそういう観点から、特に今は北方墓参に重点を置きまして、しっかりと再開を求めていきたい、このように思っている次第でございます。

鈴木(貴)委員 中込局長、是非、このやり取り、そして今はとしっかり言ったことも、局長からも外務大臣にも上げていただきたいと思います。

 安全操業の点について質問させていただきます。

 先ほども出たところでありますが、改めて、外務省、あと水産庁にも今日来ていただいておりますが、外務省からは、この安全操業の枠組みの意義、そして、維持するということ、この枠組みを維持するということの重要性、意義について是非とも、ここは端的で結構です。

 そして、水産庁からは、まさに、来年の操業もどうなんだと、これは現場漁業者の皆さんは大変大変不安を感じていらっしゃいますので、この漁業者に対しての支援、今後について、是非ともお聞かせいただきたいと思います。

中込政府参考人 お答え申し上げます。

 枠組み協定でございますけれども、先生御指摘のとおり、非常に意義が大きいというふうに考えております。

 日ロ間の懸案である北方領土周辺水域における我が国漁船による安全操業を実現する枠組みでございまして、一九九八年の締結以来二十年以上の長きにわたり、枠組み協定の下での操業を互恵的な形で維持発展させてきた、こういう重要な意義を有する協定でございます。

 政府としては、こうした協定の意義等もしっかり踏まえながら、枠組み協定の下での操業を早期に実施できるよう、ロシア側に引き続き働きかけてまいりたいと考えているところでございます。

魚谷政府参考人 お答えいたします。

 水産庁といたしましては、操業機会の確保が重要と考えており、一日も早く我が国漁船の操業が実施できるよう、引き続き外務省と連携しながら対応してまいります。

 その上で、関係する漁業者に対しては、枠組み協定に基づく安全操業ができない間も漁業経営が維持できるよう、漁場転換等の取組に必要な経費を支援してまいります。

鈴木(貴)委員 今も支援もいただいておりますので、引き続き、丁寧な、現場の実態に即した対応をお願いをしたいと思っております。

 今ここで、私から外務省に、特にこの枠組みの意義について述べていただいたわけでありますけれども、私は、この重要性というのは、一番大事なのは、本当だったらあり得ない、特例的なこれは枠組みなわけですよね。

 ただ、裏を返せば、ロシア側も日本と、日ロ間の間には、両国で解決をしないといけない問題がある、すなわち領土問題が存在をしているという認識があるからこそ、この特別な枠組みが維持をされているんだ。もし、領土問題なんて日本との間に我が国は有していないんだというスタンスであれば、この枠組みというのはそもそも存在をしない。

 是非ともこれは委員の先生方も、そしてまた国民の皆さん方にも御理解をいただきたいのは、両国が領土問題を認識して初めて領土問題交渉というものは動き始めることができる。つまり、領土問題があるということは、厳しい、苦しい課題であるものの、この枠組みを維持をするということが、領土問題、存在をしているという共通認識があるという、これは裏返し、紙一重の関係でありますので、是非ともこの枠組みというものを、国益、権益、そして領土問題解決の観点からも、ここの意義というものは、外務省においても様々な形でしっかりと国民に対しても説明をしていただきたいと強くお願いを申し上げさせていただきます。

 先ほど神谷先生からも、融資制度の対象拡充のお話があったところであります。これは、後継者支援というものの重要性は私も共通認識を持っておりますが、一方で、自見大臣の御答弁にもあったように、現行法の趣旨や目的に照らすこと、若しくは、いわゆる補償に関連する他の法律との公平性みたいなところ、これも大事なんだと思っております。

 自見大臣もそうでありますし、大臣が替わられるたびに北方四島隣接地域にも入っていただいて、直接の対話もしていただいています。ただ、問取りのレクで、私も驚いたんですけれども、元島民二世、三世、四世、こういった皆さんが活動に参画が難しい、その理由、その背景といったもの、障壁、課題を洗い出すためのデータというものがあるのかという話をしたところ、内閣府としてはそういったデータは持ち合わせていないという話でありました。大変これはお粗末な話ではないでしょうか。何のためにわざわざ大臣に地元にまで足を運んでいただいているのか。大臣が替わるたびに北方四島隣接地域に訪れることが、単なるルーティンへと形骸化してきてはいないかと私は大変憂慮しているところであります。

 そういった上で、これは実態に即した対応というものが必要だと思います。先ほどのその融資の拡充というところも、対象の拡充もありますが、じゃ、それが難しい、他の法律との兼ね合い、公平性を担保する上でも難しいというのであれば、内閣府として、北方四島元島民の皆さんであるとか居住者連盟の皆さんとしっかりとヒアリングなど、現状を酌み取った上で内閣府の側から代替案、法の改正は難しいならば新しく支援策を創設したって構わないわけですから、代替案を是非とも提示すべきではないでしょうか。内閣府から。

矢作政府参考人 お答えいたします。

 北対協の融資事業につきましては、旧漁業権者法に基づきまして、北方四島の旧漁業権者、元居住者等の事業の経営とその生活の安定を図ることを目的として実施しております。

 この融資事業の資格対象者につきましては、御承知のとおり、過去三回にわたり議員立法により根拠法を改正する形で拡大されたところでございます。こうした経緯も踏まえまして、対象者の拡大につきましては、現行法の趣旨、目的等の関係も含め慎重に検討する必要があると考えております。

 他方で、今委員から御提案のありましたようなことを踏まえまして、後継者の育成支援につきましては、その重要性を内閣府としても認識しておりまして、どのような支援策が望ましいかにつきましては、引き続き、千島歯舞諸島居住者連盟等、関係団体の御意見を伺いながら丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。

鈴木(貴)委員 審議官、ちょっと足りないと思うんですよ。これまで毎年毎年、大臣にも行っていただいて、審議官も地元に入ってきていただいている。しかしながら、何が課題、この障壁であるかというデータを持ち合わせていない。データなくしてどうやって対応を取るんですか。

 ここで、しっかりとデータ、この具体的なアプローチを取っていくためにデータを収集するんだと、しっかりと連携していく、一言お願いします。

矢作政府参考人 今御指摘ございましたけれども、後継者の育成支援につきまして、どのような支援策が望ましいかにつきましてアンケートを行うことも含めまして、引き続き、元島民の方々の団体であります千島連盟の方々と丁寧に意見交換を行いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

鈴木(貴)委員 データという言葉はありませんでしたが、アンケートということでありますので、そこはしっかりと進めていただきたいと思いますし、それがあるからこそ政策検証というものもできるんだと思っております。

 最後に、これは審議官にお願いをしたいんですけれども、よく、北方領土の全国大会、委員の先生方の御地元でも、都道府県の県民会議さんとか主催で、二月の七日であるとか八月の強化月間のときに大会が開かれると思うんです。式次第を改めて確認をしていただきたいんですね。来賓で先生方も呼ばれると思うんですけれども、時々あるのは、来賓祝辞なんですよ。

 皆さん、おかしいと思いませんか。一日でも早く我々はこの要求運動、大会を終わらせたいんです、領土問題を解決したいんです。それが時々、知事の方や来賓の方々が、今日のこの運動、大会の御盛会、誠におめでとうございます、今年も御盛会おめでとうございますと。これは本末転倒だと思うんです。

 内閣府、この実態調査も是非していただきたい。そして、これらで、来賓祝辞というのは、根室のように、来賓挨拶に直していただきたい。これは一斉点検をしていただいて、しかるべき指示を下ろしていただきたいと思いますが、審議官、いかがでしょうか。

矢作政府参考人 今委員御指摘の点につきましては、事実関係を確認した上で、関係団体ともよく連携しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

鈴木(貴)委員 時間が来ましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。

 しっかりと私も取り組んでまいりますので、よろしくお願いをいたします。

 ありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 それでは次に、島尻安伊子さん。

島尻委員 自由民主党、島尻安伊子でございます。

 本日も、質疑の時間をいただきましたことを、誠にありがとうございます。

 本日は、三問、通告に基づいて進めさせていただきたいと思います。

 まず初めに、沖縄における米軍基地の跡地利用についての質疑をさせていただきたいと思います。

 具体的に入る前に、大臣に、この度の補正予算において、西普天間住宅地区の基地跡地利用について、沖縄健康医療拠点、琉球大学医学部と病院の移転について、いろいろな昨今の資材高騰からの予算の追加をお認めいただいたことを、感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 事ほどさように、こういった基地の跡地利用、今後も、具体的な基地の返還が期待されているところでございまして、もちろん、条件が整えばではありますけれども、これから沖縄市におきますロウワー地区とか普天間飛行場、そしてキャンプ・キンザーと、広大な土地が戻ってまいります。

 基地の跡地利用計画がもちろんこれは重要なわけでありますけれども、今日は、そういったところも考えて、おさらいをさせていただこうというふうに思います。

 基地跡地の振興については、いわゆる跡地利用法という法律が作成されておりまして、具体的に国の責務で振興開発を行っていくということが明記されてあります。そのほかにも、市町村が土地を先行取得しやすいような税制についても、しっかり策定されているところでございます。

 まず大臣にお伺いをいたしますけれども、この跡地利用法の策定に係る趣旨と、同趣旨を踏まえた西普天間住宅地区跡地における国の取組状況をお聞かせいただきたいと思います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 跡地利用特措法は、特別立法に係る沖縄県の強い要望も考慮し、駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化をより一層強化するため、旧返還特措法を改定をいたしまして、駐留軍用地跡地関係規定を一元的に定めたものであります。

 同法では、委員御指摘のとおり、駐留軍用地跡地の利用の促進に関する国の責務が定められており、委員御指摘の西普天間住宅地区跡地においては、沖縄健康医療拠点の整備を始め、地元の自治体と密に連携しながら取組を進めているところであります。

島尻委員 大臣、ありがとうございます。

 お話にありました工事中の西普天間住宅地区は、全体で五十八ヘクタールございます。いよいよ返還が見えてくる普天間飛行場は、四百八十ヘクタールともうスケールが全く違います。しかも、位置しているところが沖縄本島の中部地区のど真ん中にあって、これまで県民生活は極めて不便で、先ほど他の委員からの御指摘もありますように、しかも危険なわけでありまして、いよいよこれが返還となったらもう直ちに行動するということが必要、そのためにきちっとした計画を今から着手しておくことがもう何よりも大事だというふうに考えております。

 引き続いて大臣にお聞きをしたいと思っておりますけれども、今後このような大規模な返還を迎える普天間基地、それから視野にも入っておりますけれども、那覇軍港そしてキャンプ・キンザーにおいて、例えば道路をどういうふうに通していくかとかいう社会基盤の整備ですね、まず。こういった青写真とか、具体的な跡地開発に不可欠なまとまった土地の収得、これは何が大事かというと、地主さんたちのコンセンサスが極めて大事であります、その協力が大切でありますけれども、こういった全体的な協力体制をつくり上げる必要があると思っておりますけれども、ここに対しての大臣の御見解をいただきたいと思います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 委員御指摘の普天間飛行場、那覇港湾施設及び牧港補給地区の地元でございます宜野湾市、那覇市及び浦添市と政府が協議する体制といたしましては、普天間飛行場負担軽減推進会議、また県都那覇市の振興に関する協議会、那覇港湾施設移転に関する協議会等がございます。

 政府としては、これらの協議会や様々な機会を通じて、基地負担の軽減や基地跡地利用を円滑に進めるための諸措置につきまして地元の皆様と協議をしているところでございます。

 委員御指摘のとおり、今後返還が予定されている普天間飛行場、那覇港湾施設及び牧港補給地区における跡地利用において、地元の皆様と将来のビジョンを共有することは非常に重要でありまして、今後も、関係市町村の皆様と密に連携しながら、地元の皆様の合意が得られるようしっかり対応してまいりたいと考えております。

島尻委員 既存の会議体というのがあるということを御披露いただいておりますけれども、なかなか、まだまだ先じゃないか、例えば普天間飛行場については工事がいつになるか分からないからまだ先じゃないかということも実際ありはしますけれども、でも、先ほどからお話をしておりますように、この協力体制、地元の皆さんのコンセンサスを得る協力体制が必要だということで、もちろん基地の所在市が中心になるとは思いますけれども、県も含めて、近隣の市町村も一体となって取り組むということが本当に何よりも大事だというふうに思っております。

 このことによって、県民の将来に対しての夢だとか、ああ、こんなことになるんだ、基地が返還されたらこんなふうになるんだとか、こういったものから、いろいろな意味で将来ビジョンを県民に御披露するというのは大事だというふうに思いますし、あるいは、先ほどから言う社会基盤の整備となると、やはり、タカの目でこの周辺を見て、例えば、先ほどから出ている、渋滞をどうするんだとか、そういうところもありますので、交通環境を整えたり、あるいは観光に資する跡地利用というものを前に進めていくことができるかというふうに思っております。

 先ほどからお話をしております跡地利用法ですけれども、そういったその協力体制を話し合う場から、場合によってはこの跡地法に手を加えていく必要があるのであれば、次の沖縄振興法の見直しは三年後になりますので、そのタイムスケジュール感で、もちろん、この予算措置も含めて先を見通していくということが、これから内閣府の沖縄部局には求められていくんだというふうに思っております。

 是非ともこの点、よろしくお願いを申し上げます。

 次の質問に移ります。

 沖縄の子供の貧困対策です。

 本年四月にこども家庭庁が設置されておりまして、全国制度として子供の貧困対策が実施されております。大臣ももうよく御存じだと思いますが、沖縄では先んじて沖縄の子供の貧困対策事業が実施されてきております。

 先んじてやったということは、全国と沖縄の子供の貧困、このもの自体、この環境自体が違うんだということ、改めて大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 沖縄の子供の貧困対策につきましては、沖縄独自の追加支援として、島尻委員が沖縄及び北方対策担当大臣のときでございますが、すばらしいリーダーシップによって、平成二十八年より開始されたものでございます。子供の貧困対策支援員の各市町村への配置ですとか、あるいは子供の居場所の運営の支援等を行う沖縄こどもの貧困緊急対策事業を行ってございます。

 平成二十八年度と、また令和四年度でございますが、事業を開始したときと現在ということで比較いたしますと、子供の貧困対策支援員は百五人から百十七人に、また子供の居場所は百二十二か所から百七十三か所にそれぞれ増加をしています。また、子供の居場所の延べ利用者数も、年度当たり約十七万人から約三十四万人に増加をしているところであります。

 このように、沖縄県や市町村の理解が進み、支援の輪も大きく広がっていると認識してございます。さらに、沖縄県の子育て世帯に占める困窮世帯の割合も、二九・九%から二三・二%に改善するなど、着実な成果が表れていると感じております。

 ただその一方で、委員と問題意識は共通していると思いますが、沖縄の子供を取り巻く状態は、全国と比べて依然として厳しい状況にあると認識してございます。その根本の原因としては、昭和四十七年の沖縄復帰以来、一人当たりの県民所得は、向上しているものの、依然として全国最低水準であることですとか、あるいは、十代の女性の出生率が高く、母子世帯の出現率も高いことなどにより、所得水準の低い家庭の割合が高いことが挙げられると考えてございます。

 引き続き、委員始め現場の皆様のお声、また子供たちの声も大事だと思っております。しっかりと地元自治体とも緊密に連携しながら、必要な対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

島尻委員 今大臣がおっしゃったとおり、やはり、沖縄の子供の貧困の状況と全国とはやはり毛色が違うんだということを改めて御認識をいただいているというふうに思っておりますけれども、是非、こども家庭庁も沖縄には注目をしているというふうに聞いておりますけれども、これは、よもや予算とかこの事業を一本化などということがないように、今後も是非内閣府沖縄担当部局がしっかりやっていただきたいと思っておりますが、その意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

自見国務大臣 委員御指摘のとおり、沖縄こどもの貧困緊急対策事業につきましては、これまで三年ごとに事業の見直しを行ってきた経緯があり、次回の見直しは、令和七年度に向けて今後検討していくこととなります。

 その際、例えば、昨年の沖縄振興特別措置法の改正の際に子供の貧困対策の実施に係る努力義務が新たに位置づけられたこと、また、現在実施されている事業が沖縄県内の子供を支える重要な役割を果たしていること、加えて、こども家庭庁において実施する全国事業の内容を踏まえ沖縄独自の課題への対応を検討することといった点について留意しながら検討を行うことになるということでございます。

 沖縄の子供の貧困は全国と比べても深刻な状態であり、内閣府としては、委員の御指摘も踏まえまして、貧困の連鎖など沖縄独自の課題に対応した事業内容を検討しつつ必要な予算を確保し、沖縄県の子供の貧困対策に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

島尻委員 是非よろしくお願いしたいと思います。

 もう一つ通告しておりましたけれども、時間が参りましたので、ここで終了させていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

松木委員長 お疲れさまでした。

 それでは次に、金城泰邦さん。

金城委員 こんにちは。本日最後でございます。どうぞよろしくお願いします。公明党、金城泰邦でございます。

 初めに、自見大臣にお伺いいたします。

 前回、当委員会におきまして、新たに沖縄北方担当大臣に就任された自見大臣から所信表明がございました。所信表明にもありましたとおり、沖縄は、歴史や地理的不利性などの特殊事情に起因する本土との格差の是正や経済の振興について、道半ばでございます。加えて、先ほど来ありましたように、ハード交付金につきましては、二〇一四年の九百三十二億円をピークに減少傾向が続いておりまして、地元からは、ハード交付金の増額を希望する声が日に日に増している状況でございます。

 このような事情を鑑みた上で、この度の沖北大臣就任に当たっての自見大臣の決意をお伺いしたいと思います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 着任をする前でございますが、沖縄担当の大臣政務官を担わせていただきまして、次の時代の沖縄振興に向けての基礎を築く非常に重要な時期に引き続き沖縄政策の担当大臣を拝命できたということは大変うれしく感じるとともに、身の本当に引き締まる思いでございます。これまでの経験も生かし、また、地元の皆様の御意見も伺いながら、沖縄の発展に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 委員御指摘のハード交付金につきましては、沖縄県や市町村が第六次沖縄振興計画開始後の昨年度及び今年度と同水準の事業を引き続き実施できるようにする観点から、昨今の急激な物価上昇等の事情を踏まえ、令和六年度要求において増額要求をしているところであります。

 それに先立って、先日成立をいたしました令和五年度補正予算においても、県や市町村よりハード交付金を活用した事業についての要請があったことも踏まえまして、令和四年度補正予算より十億円増の三十九億円を措置しており、これを加味すれば、令和五年度予算は令和四年度予算を上回る額になってございます。

 いずれにいたしましても、沖縄担当大臣としては、強い沖縄経済の実現に向け、令和六年度沖縄振興予算を最大限に活用できるよう、引き続き、地元の皆様の声を丁寧に伺いながら、関係者との調整に尽くしてまいりたいと思います。

 また、着任をさせていただいてから一番初めに沖縄を訪問した際になりますが、平和祈念公園で竹富小中の子供たちの平和教育の場面にも遭遇をいたしました。平和の教育も非常に大切だと思っておりますので、併せてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

金城委員 御答弁ありがとうございます。是非頑張っていただきたいと思います。

 質問が変わります。

 首里城正殿の焼失から四年がたちました。首里城公園では、見せる復興をテーマに、二〇二六年秋の完成に向けて着々と正殿の復元工事が進んでおります。政府や国民の皆様からは、沖縄振興予算や寄附金等で温かい御支援をいただいており、大変感謝いたしております。

 そこで、首里城正殿の復元について質問いたします。

 二〇二六年秋の完成まで残りおよそ三年、竣工式までの具体的なスケジュールについては、いつ頃提示されるのでしょうか。また、昨年、当委員会において、首里城見学コースのバリアフリー化について質問いたしました。それらの進捗についてお伺いいたします。

自見国務大臣 首里城正殿の復元につきましては、令和八年秋の完成に向けた取組を着実に進めているところであります。

 具体的には、令和二年三月に首里城復元のための関係閣僚会議で決定された首里城正殿等の復元に向けた工程表に基づき、昨年十一月には私自身も出席をさせていただきまして起工式を行い、本体の工事に着手したところであります。また、本年度は九月に木工事に着手しておりまして、引き続き、来年度は屋根工事や塗装工事等に着手をいたしまして、令和七年度には素屋根を解体し、令和八年度には外構工事を行うことを見込んでいるところであります。

 復元に当たりましては、全ての人々が安全、快適に利用できるよう、関係団体の御意見もお聞きしつつ、バリアフリー対策に取り組んでございます。例えば、見せる復興の一環として、本年八月に一般公開した素屋根見学エリアでもエレベーターを設置しており、また正殿本体においてもエレベーターを設けるなど、車椅子のままで建物内部を見学できるようにすることとしております。

 さらに、公園内の移動経路につきましても、バリアフリー法等の基準を満たしたコースが設けられているところではありますが、本委員会での金城委員からの御指摘も踏まえまして、本年三月に木曳門周辺の急なスロープを含む区間で移動を援護する自動運転車両の試験運用を行ったところでございます。この試験運用の結果も踏まえつつ、全ての人々が安全、快適に利用できるよう、引き続き関係機関と連携してバリアフリー対策に取り組んでまいりたいと存じます。

金城委員 御尽力いただきまして、ありがとうございます。しっかりとバリアフリー対策をよろしくお願いいたします。

 質問が変わります。

 今年三月に国内の処分期限を過ぎた強毒性のポリ塩化ビフェニル、PCBについて質問です。

 今年六月の地元紙において、在日米軍施設・区域に保管していたPCB廃棄物の処理費用について、これまで防衛省が負担しており、二〇一八年度から二〇二二年度の間、返還地を含め、約四千九百万に上っているとの報道がありました。環境省からは、米軍基地内のPCB廃棄物の処理については、基本的に米軍によって本国に輸送され、本国の処理場で処分していると伺っておりましたが、防衛省が処理費用を負担したとされているPCB廃棄物はどのように処理したのか、お答えください。また、今後、廃棄物が発生した場合の対応についても答弁をお願いいたします。

山野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の報道にあるとおり、防衛省が二〇一八年度から二〇二二年度までの間に、返還地を含む全国の在日米軍施設・区域から発生したPCB廃棄物の処理に要した費用は約四千九百万円であり、総量は約八十九トンでございます。

 当該廃棄物は、防衛省が実施しております返還事業、提供施設整備事業及び米軍再編事業に伴い発生したものであり、これまでJESCOや民間の無害化処理認定施設において処理を行ってきているところでございます。費用の内訳は、収集運搬費及び処分費でございます。

 今後、これらの事業から生じたPCB廃棄物につきましては、関係省庁で連携し、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

金城委員 今年の七月、世界自然遺産に登録された沖縄本島北部の自然環境保全に向けて、日米両国が協力して取り組むことを定めた共同声明が発表され、自然環境保全の重要性について共通認識が確認されました。

 一方で、沖縄本島北部にある米軍北部訓練場返還跡地では、米軍が訓練場として使用した後に放置されたと見られる大量の廃棄物が見つかっております。

 今回の共同声明を受けて、北部地域の廃棄物の撤去や処理、原状回復に対して、政府として具体的にどのように取り組むのか、説明をお願いします。

山野政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄県における米軍施設・区域の返還に際しては、跡地利用特措法の規定に基づき、返還地の有効かつ適切な利用が図られるよう、防衛省において、返還地を土地所有者等に引き渡す前に、土壌汚染調査等の支障除去措置を講じているところでございます。

 御指摘の北部訓練場の返還に際しましては、国立公園への編入や、世界自然遺産登録を目指す地元の御意向等を踏まえ、希少動植物の生態系に配慮しつつ、速やかな跡地利用が可能となるよう、廃棄物等が存在する蓋然性が高い範囲で支障除去措置を実施いたしました。

 なお、当該支障除去を実施するに当たりましては、土壌汚染対策法に定める手順を基に、外部有識者の監修の下、返還地全域を対象とした汚染等の蓋然性を把握するための資料等調査を実施したほか、事前に土地所有者や関係機関に対する説明も行っているところでございます。

 さらに、土地の引渡し後も返還地から新たに廃棄物等が発見された場合には、土地所有者や関係機関と調整の上、防衛省において回収し、適切に処分をしているところでございます。

 防衛省といたしましては、引き続き、新たに廃棄物等が確認された場合には、土地所有者や関係機関と調整の上、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

金城委員 基地返還跡地の廃棄物の放置や化学物質等による環境汚染は、北部訓練場返還跡地だけの問題ではありません。これまで過去に返還されてきた全ての地域から、汚染物質や廃棄物が確認されております。

 環境補足協定では、基地返還百五十日前からの基地内立入調査が可能となっておりますが、それでは返還後の跡地利用開始までかなりの年月がかかってしまいます。

 今回の共同声明を足がかりに、政府としては、米軍側に対し、基地返還前のもっと早い段階から環境保全や再生に向けた取組を求める、踏み込んだ交渉を行っていただきたいと考えております。政府の見解をお伺いします。

穂坂大臣政務官 お答えさせていただきます。

 環境分野においては、日米地位協定の環境補足協定を二〇一五年九月に締結をして、環境基準や立入りについて法的拘束力のある国際約束という形式で規定を設けました。

 また、二〇一五年九月の日米合同委員会合意では、返還前の在日米軍施設・区域においても、返還日の百五十労働日前を超えない範囲で調査のための立入りが認められており、かつ、日米間で別途合意すれば、百五十労働日よりも前の段階からも立入りが可能となっています。

 政府といたしましては、地元の方々の関心に応えられるよう、これらの枠組みが運用されていくことが重要であると考えております。

 引き続き、日米合同委員会の下に設置された環境分科委員会の枠組みなどを活用して、米側と協議し、対処することで、適切な環境保全を図っていきたいと思っております。

金城委員 ありがとうございます。

 北部地域はこれから非常にポテンシャルの高い様々なプロジェクトもありますから、是非丁寧に対応していただきたいと思います。

 また、今回新たに、PFASの一種であるPFHxS、ペルフルオロヘキサンスルホン酸が、輸入や製造、使用を原則禁止する物質に追加されました。

 これに伴い、PFOS及びPFOA同様に、暫定指針値を設定した上で、今後、PFHxSも含む検査を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

前田政府参考人 お答えいたします。

 PFHxSにつきましては、令和二年度に水質の要調査項目に位置づけ、水環境中のモニタリング等を進めているところでございます。

 水環境中の目標値等につきましては、専門家会議によるPFASに関する今後の対応の方向性を踏まえ、引き続き、環境中の存在状況を把握し、毒性評価など必要な知見の集積を進め、対応を検討してまいります。

 以上でございます。

金城委員 しっかりと取り組んでください。

 質問が変わります。

 沖縄の学童の問題でございますが、これまでも、沖縄の学童、児童クラブは、利用料に関する格差の問題、また指導員の処遇の改善、そういった課題が残っております。

 今後は、内閣府に併せ、またこども家庭庁におきましても更なる支援が必要だと考えておりますが、こども家庭庁の御所見をお伺いしたいと思います。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 放課後児童クラブの利用料についてでございますけれども、事業の実施主体において、地域の実情を踏まえて設定をしていただいているところですが、御指摘のとおり、沖縄県では、民立民営の事業所が多いことから、施設整備費の負担ですとか、あと賃借料といったものが利用料に反映されているのではないかといった御指摘もいただいております。

 そんな中で、こども家庭庁では、施設整備費、賃借料の負担を軽減するために財政支援を行っておりますが、特に待機児童が発生している自治体に対しては補助率のかさ上げをするといったこともやっておりまして、また、今回の補正予算では更なるかさ上げも実施をしているところでございます。また、民間物件等の賃借料の補助も継続して実施しているところでございまして、今後も必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

 また、職員の処遇改善についても三つの支援事業でやっておるのでございますけれども、具体的な内容については割愛をさせていただきますけれども、こういった支援事業を通じて、しっかりと支援してまいりたいと思います。

 ちなみに、沖縄県は、全国平均と比べても、この事業の活用をしていただいている割合が高いという状況になってございますので、我々としては、引き続き、積極的に御活用いただきたいと思っておりますし、周知も図ってまいりたいと考えております。

 また、本年六月のこども未来戦略方針におきまして常勤職員配置の改善を盛り込んでいるところでもございますので、その早期の実現も図ってまいります。

 いずれにしましても、内閣府、自治体と連携を図りまして、放課後児童クラブの安定した運営を支援してまいりたいと考えております。

金城委員 答弁、ありがとうございました。

 残余の質問、ありましたが、時間が過ぎましたので、以上で質問を終わります。

 ありがとうございました。

松木委員長 お疲れさまでした。

 この際、先ほどの高橋英明さんの質疑に関して、政府より発言を求められておりますので、これを許します。内閣府沖縄振興局長望月明雄君。

望月政府参考人 先ほど、高橋英明委員から小禄道路の完成目標につきまして御質問いただいた際に、私の方から、八年度を目標にしておりますという形で答弁させていただきました。

 ここにつきまして、正確な表現ということでありますと、令和三年四月に公表されておりますが、その際に、関係機関協議等が順調に進んだ場合には今後五年程度で開通見込みと公表されているということでございまして、私の方は言い切りになっておりましたので、正確な形で訂正させていただきたいと思います。

 以上でございます。

松木委員長 お疲れさまでした。

 それでは、次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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