衆議院

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第2号 令和5年2月21日(火曜日)

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令和五年二月二十一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 熊田 裕通君

      奥野 信亮君    鈴木 隼人君

      瀬戸 隆一君    田畑 裕明君

      三反園 訓君    森山 浩行君

      輿水 恵一君    中野 洋昌君

      斎藤アレックス君

   兼務 田所 嘉徳君 兼務 山本 剛正君

   兼務 吉田とも代君

    …………………………………

   総務大臣         松本 剛明君

   デジタル副大臣      大串 正樹君

   総務副大臣        尾身 朝子君

   総務副大臣        柘植 芳文君

   農林水産副大臣      勝俣 孝明君

   環境副大臣        山田 美樹君

   総務大臣政務官      国光あやの君

   総務大臣政務官      中川 貴元君

   厚生労働大臣政務官    本田 顕子君

   国土交通大臣政務官    清水 真人君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  吉川 徹志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 五味 裕一君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 親家 和仁君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   阿部 知明君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   内山 博之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           鈴木 信也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大沢  博君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  原  邦彰君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  池田 達雄君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            小笠原陽一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            竹村 晃一君

   政府参考人

   (総務省サイバーセキュリティ統括官)       山内 智生君

   政府参考人

   (消防庁次長)      澤田 史朗君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 松尾 裕敬君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       寺門 成真君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            城  克文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森光 敬子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       安岡 澄人君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           吉田 幸三君

   政府参考人

   (環境省大臣官房政策立案総括審議官)       角倉 一郎君

   総務委員会専門員     阿部 哲也君

   予算委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十一日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     瀬戸 隆一君

  森山 浩行君     櫻井  周君

  中野 洋昌君     輿水 恵一君

  斎藤アレックス君   浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     三反園 訓君

  櫻井  周君     森山 浩行君

  輿水 恵一君     中野 洋昌君

  浅野  哲君     長友 慎治君

同日

 辞任         補欠選任

  三反園 訓君     田畑 裕明君

  長友 慎治君     田中  健君

同日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     奥野 信亮君

  田中  健君     斎藤アレックス君

同日

 第六分科員山本剛正君、第七分科員吉田とも代君及び第八分科員田所嘉徳君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 令和五年度一般会計予算

 令和五年度特別会計予算

 令和五年度政府関係機関予算

 (総務省所管)


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     ――――◇―――――

熊田主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。

 令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算及び令和五年度政府関係機関予算中総務省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 この際、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。瀬戸隆一君。

瀬戸分科員 おはようございます。自由民主党の瀬戸隆一です。

 この度は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。関係者の皆様に感謝いたします。

 さて、新型コロナの三年間で、デジタル化は大きく進展しました。また、環境問題も、誰もが関わらざるを得ない、そういった状況になってきました。そのような環境変化の中で、都市と地方で経済的に明暗も分かれ、また、新たな課題も出てきました。私の郷里香川出身の大平元総理は、田園都市構想を通じまして、地方の活力の重要性を唱えられました。都市も地方もの発展、そういった観点から今日は質問させていただきたい、そのように思っております。

 まず最初に、地方局の経営基盤強化についてです。

 テレビ離れの流れが大きく加速しています。若者で、テレビを見ないという人が結構出てきている。ユーチューブやネットフリックス等を見て時間を過ごすようであります。

 しかし、動画配信サービス等を見ていますと、同じような内容のコンテンツばかりを見るようになってしまいがちです。つまり、フィルターバブルという状態になってしまうということだと思います。そうすると、偏った考えを持つようになってしまうことが起きてしまいます。

 これは、民主主義の発展にとっても、私は非常に危険なことだというふうに考えております。民主主義の健全な発展のためにも、テレビ局が、テレビがしっかり残っていくべきと考えておりまして、そういった観点から、地方の放送局の経営基盤強化についてお伺いします。

 地方の放送局は、人口減少等を背景としまして、経営の揺らぎが従来から指摘されてきたところです。近年では、新型コロナウイルスの影響により、更なる広告収入の減少によりまして、収益力が低下しています。経営上、苦しい立場に置かれることとなっております。

 放送業界においては、かねてから、在京五社と地方局との経営体力の差が指摘されてきました。放送業界全体の売上高におけるキー局の割合と地方局の割合はどのようになっているか、お尋ねします。同様に、営業損益の割合についてもお尋ねします。

小笠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 令和三年度決算の数字でございますが、地上民放テレビ百二十七社全体の売上高は二兆五百七十九億円でありまして、そのうち、在京キー局五社の占める割合は五三%、在阪、在名広域局八社が一六%、その他ローカル局百十四社で三一%となっています。

 また、地上民放テレビ社全体の営業損益につきましては千五百七十四億円でありまして、そのうち、在京キー局の占める割合は五九%、在阪、在名広域局は一七%、ローカル局は二四%となっております。

瀬戸分科員 聞いておりますと、売上高の減少率はキー局と変わらないようなんでありますけれども、しかし、地方局において営業損益が大きく減少しておるということをお聞きしております。

 地方局の営業損益の減少には、送信設備の維持費が大きな影響を与えているとの指摘もありますが、実際、何が最も大きな影響を与えているんでしょうか。

小笠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 インターネットメディアの広告費の大幅な伸長に伴い、放送メディアにおける広告収入は減少傾向となっておりまして、放送事業全体における売上規模が年々縮小してきているところでございます。

 加えまして、番組制作費、人件費、設備の維持費などのコスト削減が年々困難になっていることや、マスター設備更新等に伴い発生する減価償却費が営業利益の確保に大きな影響を与えているものというふうに認識しております。

瀬戸分科員 この地方局について、平時のニュース提供、そして災害時の正確な情報の伝達手段としての重要なインフラの一部を担っているというふうに認識しておりまして、地方の放送局の経営基盤を強化するための予算を確保し、具体的な支援策を展開する必要があると思いますが、総務省としての見解をお聞かせください。

松本国務大臣 分科員御指摘の課題、私どもも取り組んでまいらなければいけないと考えております。

 御案内のとおり、我が国の放送は、各地域において、受信料収入を財源とする公共放送であるNHKと、主として広告料収入を財源とする民間放送との、いわゆる二元体制の下で切磋琢磨することで、国民生活や経済活動に欠かせない情報の基盤として機能を果たしてまいりました。ローカル局についても、この二元体制の下で、地域情報や災害情報の発信などの、社会に不可欠な情報を広く国民に伝えるという非常に重要な役割を担ってまいりました。

 一方、これも分科員御指摘のとおり、近年、インターネット動画配信の普及や若者のテレビ離れなど、放送を取り巻く環境が大きく変化している中において、地域情報の発信の機能も含めて、放送の情報基盤としての機能が将来にわたっても十分に発揮され、国民に必要な情報がしっかり行き届くよう、ローカル局の経営基盤の強化が必要と考えております。

 こうした課題認識の下、総務省では、有識者検討会を通じて、放送の将来像について検討を進めておりまして、昨年八月には、中継局の共同利用やマスター設備の効率化などの、放送インフラに係るコスト負担軽減、放送コンテンツのインターネット配信の推進、資本規制の見直しなどの経営基盤強化を柱とする第一次取りまとめを公表いたしたところでございます。

 本取りまとめの内容を踏まえた制度見直しを順次進めており、今国会では、放送法及び電波法の改正案を提出いたしたいと考えております。引き続き、放送事業者の経営基盤を強化する方策について検討してまいりたいと思っております。

瀬戸分科員 ローカル局は本当に厳しくなってきております。是非、今度、放送法を提出するということでございますけれども、また前に進めていっていただきたいというふうに思います。

 民主主義の健全な発展という観点からも、極めて重要な社会インフラであります。そのコンテンツ制作にしっかりと注力できるようにすることが重要であります。コスト負担の軽減、インターネット配信等へのサポート、資本力の強化等について、引き続き支援をお願いいたします。

 それでは、大臣、御退室いただいて結構でございます。

 続きまして、自治体のDX推進についてお伺いいたします。

 現在、国と自治体が連携し、自治体DXを急速に推進しようとしているところです。しかし、特に地方では、デジタル人材の不足もありまして、なかなか効率的なDX推進ができない状態であると認識しております。

 私も、よく地元でデジタル人材の紹介を頼まれるんですね、自治体から。全体のグランドデザインまで描いてほしいという、そういった要望もあったりしまして、ただ、このような虎の子人材は民間でも探すのが難しい、そういった状況でもあります。

 DXを円滑に推進するためのデジタル人材の確保、育成が急務と考えております。総務省でも、都道府県等による市町村支援のための財政措置等、いろいろと取り組んでいただいているところと存じます。

 そこで、CIO補佐官を置いている都道府県や市町村はどれぐらいあるのか、お尋ねします。

大村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、自治体DXを着実に推進するためには、CIOのマネジメントを専門的見地から全般に補佐するCIO補佐官等の確保が重要でございますが、特に、内部に専門的な知見を有する人材が不足しがちな市町村において、外部からの任用等によりCIO補佐官等を確保する取組を、総務省として令和三年度から推進をしております。

 令和四年九月一日時点では、CIO補佐官等として外部人材を活用している団体は、都道府県で十七団体、市区町村で百五十五団体でございまして、現在、各団体において取組を進めているところでございます。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 都道府県で十七団体ということです。また、市町村でも百五十五ということで、これからも、まだまだ伸ばしていっていただきたいというふうに思っておりますけれども、このCIO補佐官の任用といいましても、高度デジタル人材は全国的にも限られておりまして、全ての基礎自治体に配置することはなかなか困難ではないかというふうには思います。

 そのような課題に対しまして、総務省として、今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。

大村政府参考人 お答えをいたします。

 瀬戸分科員御指摘のとおり、自治体DXの推進のためにはデジタル人材の確保が急務でございますけれども、我が国では、官民を問わず、デジタル人材の需給が逼迫しているものと認識をしております。

 そこで、総務省では、地方公共団体におけるデジタル人材の確保、育成を推進する取組を大幅に強化することといたしまして、昨年十二月には、松本総務大臣から、全国の都道府県知事、市区町村長に対しまして、デジタル人材の確保、育成に向けた積極的な取組を要請する書簡を発出いたしました。

 その上で、具体的な取組としては、都道府県等における市町村支援のためのデジタル人材の確保に要する経費について、新たに特別交付税措置を講ずることとしておりまして、広域的な人材の確保にも取り組むほか、地方公共団体におけるDXの取組を支援するための専門アドバイザーの派遣を、新たな仕組みにより、充実強化してまいります。

 また、中長期的な観点からは、地方公共団体におけるDXの取組の中核を担う職員の育成にも取り組むことが重要と考えておりまして、こうした職員の育成に要する経費について、新たに特別交付税措置を講ずるとともに、関係機関における地方公務員向けの研修の充実などにも取り組みます。

 こうした取組によりまして、デジタル人材の確保、育成の取組が着実に進むよう、総務省として、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

瀬戸分科員 この人材確保の問題というのは、給与の問題も多分あるんだというふうに思っていまして、地方で、いわゆる公務員並みの給与でいくと、なかなか集まらないという問題もあるのかもしれませんが、ただ、もう一つ、地方自治体の勤務体制についても検討する必要があるんじゃないかというふうに思っております。

 実際、リモートと現地勤務を組み合わせていいのであれば、地方に行って支援、仕事をしてもいいというDX人材の方もいらっしゃいます。ただ、地方の自治体では、常駐で仕事をしてほしい、そういった希望が多くて、なかなかそのマッチングが進まないというのが現状じゃないかというふうに思っております。

 自治体が柔軟な勤務体制を取ることも必要かもしれないというふうに思っておりまして、地方に寄り添った、きめ細やかな対策をこれからもお願いいたします。

 続きまして、医療機関のサイバーセキュリティーについてお尋ねしたいと思います。

 近年、病院を狙ったランサムウェア攻撃の被害が相次いで発生し、外来診療や一部の手術を一時的に停止せざるを得なくなるなどの被害が生じております。医療サービスは、まさに国民の生命に直結するサービスでありまして、病院はいわゆる重要インフラ事業者に指定されている事業者でもあることから、抜本的な対策が急務であるというふうに考えております。

 厚生労働省においては、近年の病院におけるサイバー攻撃被害の発生を受けて、様々な対策を行われてきたことと存じます。サイバーセキュリティー対策においては、事業者間の連携や、担当者や一般職への訓練、教育といった形で、効果的な予防の対策を進めていくことも重要であります。

 そこで、昨年十月末に大阪急性期・総合医療センターに対するサイバー攻撃がありましたが、その際の対応を通じてどのような知見を得られたか、お尋ねします。そして、今後、その知見を踏まえつつ、どのように医療機関へのサイバーセキュリティーインシデントへの対策を強化していくのか、お伺いします。

城政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省では、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインというものを設けておりますが、これを昨年三月に改定いたしまして、医療機関に対しまして、バックアップデータの保存、サイバー攻撃を想定した訓練の実施などの対策を強化するように求めているところでございます。この対応を行うに当たりまして、医療機関に必要な人材を育成するために、医療機関の経営層や医療従事者向けの、サイバーセキュリティー対策に関する研修、また研修資材の提供を行っております。

 また、診療報酬におきましても、令和四年度の改定におきまして、診療録体制加算の要件として、四百床以上の医療機関において、医療情報システム安全管理責任者を配置し、職員に対する情報セキュリティーに関する研修を行うこと、医療情報システムのバックアップ体制を確保することが望ましいこととして、医療機関の体制の評価を行っているほか、昨年九月には、更なる強化策を取りまとめまして、医療機関では対応が困難な初動対応に直接支援をする仕組みを構築したところでございます。

 昨年十月に発生しました大阪急性期・総合医療センターへのサイバー攻撃事案に対しましては、この仕組みを活用いたしまして、速やかに専門家を派遣して、感染原因の特定、対応の指示といった初動対応の支援を行ったところでございます。

 この事案を踏まえまして、昨年十一月には、全国の医療機関に対しまして、リスク低減のための措置、インシデントの早期検知、発生時の適切な対処といったサイバーセキュリティー対策が適切に講じられているかどうかについての注意喚起を行っております。

 特に、本事案では、委託先事業者を経由した攻撃であったということがございますので、これを含む関係事業者のセキュリティーの管理体制を確認した上で、関係事業者とのネットワークの接続点、特にインターネットの接続点を全て管理下に置いて、脆弱性への対策を実施することを求めたところでございます。

 これらにつきましては、私ども、医療機関等情報支援システム、いわゆるG―MISを用いまして、対策強化の対応状況の調査を行っているところでございます。この結果を踏まえまして、さらに、必要なセキュリティー対策について検討をしていきたいと思っています。

 引き続き、サイバーセキュリティー対策が医療機関でしっかり取られるように、関係省庁とも連絡して連携しながら、必要な対策を行ってまいりたいと考えております。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 診療報酬も出るようになってきたということですし、また、G―MISを使っての調査も行ってきているということでもあります。

 まず、病院の方は、まだまだサイバーセキュリティーについて観点が非常に薄いという病院が多いと思います。まずは、医療機関の実態調査を行うということが大切だというふうに思っておりまして、まだ調査を行っているということでありますけれども、しっかりとした実効性のある調査をお願いいたします。

 また、初動対応としまして、今回、ソフトウェア協会の方ですかね、人員をすぐに送って病院の支援をしたということは、病院にとっても非常に心強かったのではないかというふうにも思っております。ずっとこれをこれからもやっていくのかという問題はありますが、現段階では、国の一歩前に出る姿勢も大切だというふうに思っておるところであります。

 医療分野におけるサイバーセキュリティーの確保は極めて重要な課題と考えておりますし、また、初動対応の支援等も通じて得られた知見などを分野をまたいで共有することも、国全体のサイバーセキュリティーを考える上で重要と考えております。分野横断的な取組となりますと、厚生労働省だけではなかなか難しいところがあります。先ほどの初動対応の関係では、支援をする段階で、個人情報委員会や警察にも情報共有をしながら対応したというふうにも聞いております。

 そこで、サイバーセキュリティーについて、重要インフラ間の分野をまたいだ連携も重要と考えますが、NISCにおける分野横断的な取組についてお伺いします。

吉川(徹)政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の経済社会は、先生御指摘のとおり、医療分野を始め、電力、情報通信、金融等、様々な重要インフラサービスの継続的な提供に依存しており、安心で安全な社会の実現には、脅威が年々高まっているこれらの重要インフラのサイバーセキュリティーを確保し、強靱性を高めることが不可欠だというふうに認識をしているところでございます。

 このため、政府は、政府と重要インフラ事業者等とのサイバーセキュリティーに係る共通の行動計画を策定をし、重要インフラ十四分野が参加する分野横断的演習の実施や、官民の情報共有体制の構築などの取組を進めているところでございます。

 分野横断的演習は、重要インフラ事業者の障害対応体制が有効に機能するかを確認し、改善につなげることを目的に、毎年度実施しているものでございまして、今年度は、重要インフラ全十四分野から五千五百名を超える者が参加しているところでございます。

 また、重要インフラ事業者がサイバー攻撃を受けた際には、内閣サイバーセキュリティセンターでは、速やかに情報収集を行うとともに、平素を含め、適切な防御策を講ぜられるよう、サービス障害や脅威、脆弱性などに関する情報を重要インフラ事業者や関係省庁等と共有することとしているところでございます。

 政府といたしましては、引き続き、重要インフラ事業者のサイバーセキュリティーの確保のため、官民一体で取組を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 分野横断的に演習を行っている、また、情報提供もこれからもしていっているということであります。今、ちょうどNISCの在り方について検討されておりますけれども、今後とも、各省との連携というのを密にやっていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、光ファイバーの整備についてお伺いします。

 地方では、今も光ファイバーが未整備の地域が多く残っております。私の地元、三木町という町があるんですけれども、山間部において未整備地域を抱えており、町長や住民の方々から整備の要望が寄せられております。しかし、地方では、設備投資に対して十分な加入が見込めないという採算性の問題から、民間事業者によるブロードバンドの接続環境が整備されにくいという実情があります。

 総務省が策定したデジタル田園都市国家インフラ整備計画では、元々、二〇三〇年までに光ファイバーの世帯カバー率を、九九・九%を予定していたところ、前倒しで二〇二七年度末までにこれを目指すとのことですけれども、現在、どのような状況となっているか、お伺いします。

竹村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の光ファイバーの世帯カバー率につきましては、二〇二〇年度末時点で九九・三%となっており、二〇二一年度末時点では九九・七%となる見込みでございます。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 九九・七%まで二一年度末でいっているということで、順調に進んでいるのではないかと思いますが、これから、逆に言うと、難しいところが残ってきているのかというふうにも思います。

 例えば、私の地元三木町の山間部などの一部未整備地域について、こうした地域が残されないようにしていただきたいというふうに考えておりますけれども、国として、どのように支援して整備を進めていくのか、お伺いします。

柘植副大臣 瀬戸先生御指摘のとおり、光ファイバー未整備地域の整備を推進することで、デジタル環境における地域間の格差をなくすことが重要であると考えております。

 総務省では、昨年三月にデジタル田園都市国家インフラ整備計画を策定し、例えば、光ファイバーについては、二〇二七年度末までに世帯率九九・九%などの整備目標を掲げるなど、デジタル基盤の整備の加速化に取り組んでおります。

 特に、山間部での、地理的に条件が不利益な地域での光ファイバーの整備については、補助金による支援を行うとともに、自治体や通信事業者等で構成される地域協議会を開催し、個々の地域の実情を踏まえた整備を進めてまいります。

 引き続き、地域の声を丁寧にお伺いしながら、国民の誰もがデジタル化の恩恵を実感できる社会の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

瀬戸分科員 ありがとうございます。是非、推進力を持って進めていただきたいというふうに思います。

 ただ、山間部においては、ランニングコストが後々負担になるということで、なかなか、どうしても整備が進まないというところもあるかもしれません。今後どのような対応を考えているか、お伺いします。

竹村政府参考人 御指摘のとおり、山間部などの地域においては、光ファイバーの整備後に予想されるランニングコストの負担が障害となって、整備がこれまで進みづらかったところでございます。

 このため、昨年の電気通信事業法の改正により、不採算地域における光ファイバー等のブロードバンドサービスのランニングコストに支援する、新たなユニバーサルサービス制度を創設いたしました。これを受けて、総務省では、現在、法律の施行に向けた省令などの具体的な制度整備に取り組んでおります。

 この制度整備に当たりましては、効率性の観点から、光ファイバーなどの有線ブロードバンドに加えて、地域BWAやローカル5Gなどの無線を用いた固定ブロードバンドも、ユニバーサルサービスの範囲に含めていきたいと考えております。

 総務省としては、引き続き、地域の声を丁寧にお伺いしながら、光ファイバーなどの整備を促進してまいりたいと考えております。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 いろんな手段があると思います。そういった手段をなるべくユニバーサルサービスにも含めていって、地域の整備に御尽力いただきたいというふうに思います。地域の実情に沿った、きめ細やかな支援をお願いいたします。

 最後に、データセンターの国内立地、再エネ関係についてお伺いします。

 経済安全保障の観点からも、データセンターの国内立地化が進められているところでもあります。令和三年度には、総務省と経産省による、データセンター・海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業が開始されました。

 今後五年間で十か所の地方データセンター拠点を整備することとされておりますけれども、どのような支援策を考えているのか、また、この進捗状況についてお尋ねします。

竹村政府参考人 御指摘のとおり、総務省は、岸田内閣が掲げるデジタル田園都市国家構想の実現に向けて、経済産業省と連携して、データセンターの分散立地を進めてございます。

 具体的には、令和四年三月に策定したデジタル田園都市国家インフラ整備計画の中で、十数か所の地方のデータセンター拠点の整備を行うこととしてございます。その実現に向けて、令和三年度補正予算によりデジタルインフラ整備基金を設置しまして、令和四年六月に、公募を通じ、七か所のデータセンター事業を採択したところでございます。

 総務省としては、引き続き、関係省庁とも連携し、データセンターを始めとするデジタルインフラの整備に取り組んでまいります。

瀬戸分科員 データセンターは非常に初期投資が巨額であるため、補助制度を使って数十億円の支援がなされることは、国内立地化にも大きく貢献することと思いますので、しっかりと前に進めていただきますようにお願い申し上げます。

 また、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略では、二〇四〇年までにデータセンターのカーボンニュートラル化を目指すとされております。データセンターは多くの電力を消費するため、再エネ化は非常に優先度の高い、重要な政策であるとも考えております。その点、一部の事業者からは、再エネ由来の電気調達の支援があるとありがたい、そういった声も聞かれます。

 既に総務省と環境省が連携し、再エネ導入の設備の新設や改修等への補助事業も展開されるところと存じておりますけれども、こうした再エネ由来の電気は通常の電気よりも更に高額になってしまう。その差額分でも支援があれば、再エネ化推進に役立つというところかと思いますが、いかがでしょうか。

山田(美)副大臣 お答え申し上げます。

 二〇五〇年カーボンニュートラル達成に向けては、今後予想されるデジタル化の進展に伴う電力消費量の増加に対応することが大変重要でございます。

 環境省では、再エネ調達に要する費用に対する直接の支援は行っていないものの、徹底した省エネを行いながら、地域再エネを最大限活用することでゼロエミッション化を目指す、データセンターのモデル創出を支援しております。

 具体的には、データセンターを新設する際の再エネ設備、省エネ設備、蓄電池等の導入支援を行っておりますし、また、既存のデータセンターにおいて再エネ設備を導入する際にも、当該再エネ設備の導入や省エネ設備の改修への支援を行っております。また、企業向けには、再エネ調達手法について解説したガイドを作成し、多様な調達方法を周知しております。

 再エネの大量導入に向けては、再エネの価格自体を低下させていくことが重要でございまして、こうした取組を通じて、脱炭素とデジタル化の両立を図ってまいります。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 現段階のところは、設備に対する補助ということでありまして、なかなか、電力自体に対してということはないようでありますけれども、再エネ由来の電気料金を下げること、そしてまた、その差額がどうしても埋まらない場合には、また今後とも御検討いただければ幸いでございます。

 以上、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

熊田主査 これにて瀬戸隆一君の質疑は終了いたしました。

 次に、森山浩行君。

森山(浩)分科員 おはようございます。森山浩行、立憲民主党でございます。

 予算委員会の総務費ということで、総務費の部分でいいますと、災害時のそれぞれの現場での更なる連携、あるいは政令指定都市への更なる権限移譲、また、郵便局ネットワークの有効活用やデジタルの進展に伴う個人情報保護の問題など、様々な問題、お聞きしたいことはあるんですけれども、今日は、まずは交付税の問題からさせていただきたいと思います。

 令和三年度会計検査院報告で指摘をされました特別交付税の重複算定について、この概要と対応についてまずお聞きをしたいと思います。

原政府参考人 お答えいたします。

 委員からお話のございました会計検査院の御指摘は、特別交付税の算定に用いる基礎数値について自治体からの報告に誤りがあり、特別交付税が過大に算定された事案だと承知しております。

森山(浩)分科員 移住定住経費、それから地方創生推進交付金というようなものが重複で算定をされていたということなんですよね。

 交付税というのは、そもそもどういう趣旨のものでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 地方交付税は、地方交付税法第三条において、その使途を制限してはならないと規定されている一般財源でありまして、交付される地方交付税をどのように活用するかは各地方自治体の判断に委ねられているところでございます。

森山(浩)分科員 地方交付税は一般財源ということなんですね。交付税の九四%、これについては普通交付税という形で機械的に明確に割り振られるということになっておりますけれども、残りの六%が特別交付税というような形で、こんな形の計算式だ、これが毎年変わる、あるいは特別な事情によって割り振っていくということになっております。

 でも、これは、特別な事情によって割り振る、でも使途は一般財源であるというようなところにグレーゾーンがあるわけでして、もし一般財源だということであるのであれば、使途をこの分この分というような形で足し算をするのではない形でやるということもあるでしょうし、今すぐできることとしては、まず、どういう計算式でやるのかというのが、横横、担当担当によってきちんと共有をされていないのではないか。特に、小さな市役所などとなってくると、今年は何と何を足せばいいのだろうかということで戸惑うという声も聞きます。

 これについてはどのようにお考えでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ありましたとおり、普通交付税は全て客観的な指標によって算定されることになっております。一方、特別交付税は、災害ですとか除雪費ですとか、算式だけではなかなか全て算定できない、こういうものもございまして、需要を積み上げるということもやっております。

 ただ、いずれにしましても、今おっしゃったとおり、なるべく地方団体には、今年は例えばこういうのが対象になりますよとか、あるいは、なるべく算式化してルール化するとか、こういった取組はこれまでもやっておりますし、今後とも続けてまいりたいと思っております。

森山(浩)分科員 まあまあ、これまでもやっているということなんですが、重複をして計算をされてしまった、そしてまた庁内でそれを気づくことができなかった、そして、総務省に上がってきたけれども、会計検査院の報告までは総務省の方も気づくことができなかったということですけれども、これについてはどのようにお考えですか。

原政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のありました会計検査院からの指摘を受けまして、私ども、今年度も、自治体に対して基礎数値を照会する際に、今御指摘の特に誤りやすい項目、こうしたものについては基礎数値報告に当たってちゃんとしっかり確認してくださいと通知を行いまして、また、いろいろな説明会の場がございますので、今回、例えば、今、定住の話とか過疎の問題とか、これまで指摘されたり重複が見られたものについてはしっかりとよくチェックしてくださいね、こういったことも注意喚起も行っております。

 今後とも、自治体の皆様の協力をいただきながら、正確な算定に努めてまいりたいと存じます。

森山(浩)分科員 説明に努める、そして透明化をするというようなことで、目の前のできることはやっていただいているということなんですけれども。

 この特別交付税の問題というのは、例えば、総務省から副知事あるいは副市長が来ているからあそこは多いんじゃないかとか、あるいは、どこかの政治家がいるからここに引っ張ってきたんじゃないかとか、こういう不信感の源になっているという部分もあるかと思います。隣の町とうちが違うよ、何でなんだとかというようなことが、いわゆる市役所なりの庁内でも会話がされるというようなこともありまして、多くの人が分からない、特に、関わっている人たちでさえ分からないというような部分が不信感の源になっているのかと思います。

 どういう計算式でやるのかということを、きちんと徹底をして、説明をしていただくとともに、基本的には、計算できるものは補助金という形で、これに使ってくださいねというふうに振り分けていくという努力も必要かと思いますが、透明化、そして特別交付税というやり方自体の見直し、これも含めて大臣の御所見を伺います。

松本国務大臣 今、会計検査院の御指摘については、局長から申し上げたとおり、私どもとしても承知をいたしているところでございます。

 その上で、今、特別交付税のお話もございましたが、やはり、自治体が多様な本当に幅広い住民の皆様からの行政ニーズに応えていく、これを地方の行財政を所管する総務省としては後押しをするという意味で、特別交付税の制度をもって様々な形での自治体の財政需要にお応えをさせていただいている。その意味では、おっしゃったように、透明化であるとか、また様々な算定方式があるということについての御指摘かというふうに思いますが、行政ニーズが多様であるということから、それにしっかりと財政需要の面で支えていくという意味では、この制度そのものも必要なのではないかというふうに思っておるところでございます。

 その上で、これまでも、算定ミスを防止するために、基礎数値の報告様式において、算定対象となる経費や計算方法について明確に分かりやすくお示しするよう努めてきたところでございますが、会計検査院からの指摘を受けまして、加えて、今年度、自治体に対して基礎数値を照会する際に、特に誤りやすい項目などについて、基礎数値報告に当たって確認をいただくように通知を行うとともに、説明会の場などを通じた注意喚起も行っておるところでございます。

 自治体の皆様の協力をいただきながら、今後とも、一層、特別交付税の正確な算定に努めてまいりたいと考えております。

森山(浩)分科員 これは、BトゥーC、いわゆる国民の皆さんに物事をお願いをする、あるいは申請をしてもらうというときもそうなのですが、書類が多いということが間違いの原因にもなりますし、また、制度が細かく細かくあるということ自身が、お金は欲しいけれどもその対応が大変というようなことで、かえって自治体に負担をかけてしまうということがあってもなりません。

 こういったこと、できるだけシンプルに、また説明がつくようにというような形で、更に御努力をいただきたいと思いますし、この特別交付税については、やはり間違いが多いという指摘になっているかと思います。間違いが多いと会計検査院に指摘をされているということを前提としながら、制度の見直しにも着手をいただきたいというふうに思います。

 その会計検査院の報告については受け止めて、制度についてもやはり見直すべきは見直すということでよろしいですか。

松本国務大臣 先ほども申しましたけれども、おっしゃったようにシンプルにということでありますけれども、多様な行政ニーズに応えようとされている自治体の皆様を行財政で後押しをするという意味では、その多様なニーズに特別交付税の面からもお応えをしなければいけないという点があるということ、また、簡素な形での書類という話でしたけれども、私どもがこのようにお届けをしているものも国民の皆様の負担に基づく財政の資金でもありますので、やはり正確性も必要であるということで、その両者を、今いただいたお話も含めてしっかりと両立できるように、制度の運用を含めて、努めてまいりたいと思っております。

森山(浩)分科員 どうぞよろしくお願いします。

 さて、ふるさと納税の問題です。

 二月十六日の読売新聞でありますけれども、ふるさと納税の返礼品経費、百三十八市町村が基準を超過、寄附の五割以下守られずという記事があります。先日予算委員会でも、ふるさと納税、これは上限を設けてやっているんだというようなお話があっての検証だと思いますけれども、これについての御説明をお願いいたします。

池田政府参考人 お答えいたします。

 ふるさと納税については、令和元年度から対象地方団体を国が指定する制度が導入されまして、御承知のとおり、返礼割合を三割以下かつ地場産品とすることのほかに、指定対象期間における募集費用の総額を寄附金受入額の五割以下とすることなどの基準が定められているところでございます。

 令和三年度の募集費用の割合が五割を超過した団体、マスコミの報道にもございましたが、百三十六団体あると承知しております。昨年十月の指定に際しましては、超過した理由及び次期指定対象期間に向けた改善策の提出を求めた上で指定を行っているところでございます。

森山(浩)分科員 三割、五割というのは一つの目安でこのルールを作っていただいたかと思うのですが、このルールを作ったところで、今までぐっとアクセルを吹かしていたのを急に止めることができなかったというような部分もあるのかと思いますけれども。

 この経費をどう使っているかというところの中で、ふるさと納税の広告のサイト、これへの支出というものもかなり大きな額になっているかと思います。民間の会社からすると、ふるさと納税という税金を使ったシステムを紹介をするというようなことによって多額の利益を得ることができる。逆に、これに国民の税金が使われているという部分については、これはちょっと、そこで競争されても困るなという思いがあります。

 例えば、この寄附のサイトを総務省の直営にするとかいうような形で、コストカットをしつつ、税金の使い方というような部分で、あるべき姿に戻していくべきかと思いますが、いかがですか。

池田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御紹介いたしました募集経費五割以下という基準でございますけれども、この中には当然、ポータルサイト事業者に対する手数料等も含まれております。

 ポータルサイト事業者においては、ポータルサイト上での寄附金募集のほか、この手数料の中には、地方団体を紹介するページの作成、運営でありますとか、寄附の受付、決済、寄附金受領証明書の作成、寄附者からの問合せ対応、返礼品の管理、発送など様々な業務を担っていると承知しております。

 こうした事業者については、全国のふるさと納税先団体の情報を求める寄附者のニーズというのは当然あるわけでございますけれども、一方で、地方団体におきましても、職員が限られている中で、ふるさと納税の募集や受入れに関する業務を委託したい、こういう地方団体のニーズに応える形で普及、定着してきたものと承知しております。

 先ほど申し上げましたとおりに、事業者が担っている業務が、単にポータルサイト上の各地方団体に係る寄附の募集や返礼品等の紹介にとどまらず多岐にわたっている、こういうことを考えますと、ポータルサイトの運営を総務省が直営で行うというのは、なかなか現実的には難しいのではないかなと考えてございます。

 その上ででございますけれども、令和三年に、ふるさと納税の健全な発展を目的といたしまして、主要ポータルサイト事業者が入った一般社団法人ふるさと納税協会というものが設立されております。総務省といたしまして、この協会と定期的に意見交換を行いまして、ふるさと納税の制度趣旨や法令に定める基準を十分に踏まえた節度ある取組をしていただくよう協力要請しているところでございます。

 今後とも、指定制度の下で、このふるさと納税制度が本来の趣旨に沿って適正に運営されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

森山(浩)分科員 節度ある運営って、どこまででしょうね。テレビのCMをやっているんですよ、ふるさと納税やってくださいと。結構著名なタレントさんを使っていますよね、かなり高いですよ、テレビのCM。こういうようなことを考えると、節度を持ってやってくださいねということで十分なのかというようなことも含めてのことがあるかと思います。

 この部分、先ほどのお話でもありました、元が税金ということで、きちんとやっていただきたいと思いますし、東京五輪の汚職の問題でも、やはり、広告とかあるいはイベント管理とか、そういった部分については、建物を建てるのと違って積算が難しいんですね。積算が難しいというところに税金を使うという部分についての緊張感、どうチェックをするのかというようなところも含めて、是非、気をつけて運営をいただく、また、本当に直営できる部分はないのかといったことも検討いただきたいと思います。

 さらに、先日の予算委員会の方でも少し触れましたけれども、ふるさと納税のそもそもの在り方というところでいいますと、政策経費をしっかりと取るために、わざわざ、まあまあ、ばくっと言うと、大都市部の人たちの税金を地方部に回すというような機能があるんだというのが実態かと思います。

 その分を削った分がきちんと政策に使える、地方の特産品を売るにしても、こっちの店の分がふるさと納税の返礼品になっている、同じ業種だけれどもこっちの店のは使われていないとかいうようなことでもめごとになったりとかというようなことも含めて、行政としてもなかなか、苦労していろいろなことをやられていると思います。

 返礼品というものについて、やはり、本来は政策経費だというところに重点を置いた形での運営をしていただきたいと思いますが、このふるさと納税の制度について、大臣、いかがでしょうか。

松本国務大臣 ふるさと納税を地方団体の政策に活用すべきとの点は、大切な指摘だというふうに思っております。

 募集費用五割以下基準と申しますのも、地域を応援したいという納税者の思いに応えるためには、寄附金のうち少なくとも半分以上が寄附先の地域のために活用されるべきという考え方に基づくものでございます。

 指定制度の導入前後で比較すると、寄附金受入額に占める募集費用の割合は一割程度減少しているところで、総務省としては、地方団体に対し、指定制度におけるルールの遵守を徹底するとともに、関係する事業者に対しても、制度の趣旨や法令に定める基準を十分に踏まえた節度ある取組を求めていくことが重要であると考えており、引き続き、制度の適正な運用に努めてまいる所存でございます。局長からも今御答弁申し上げたとおりでございます。

 なお、各地方団体においては、クラウドファンディング型のふるさと納税を始め、寄附金の使い道をあらかじめ明示して募集を行う事例も増えておりまして、例えば、子供食堂等の子育て分野や遠距離通学支援等の教育分野などの取組が行われております。こうした取組は地域の課題解決や魅力発信にもつながっているものと考えております。総務省としても、こうした優良事例の横展開に取り組んでまいりたいと思っております。

 返礼品についての調達については、それぞれの自治体でお考えになっていることですのでコメントは差し控えたいと思いますが、地域の特産品の紹介ということも含めて地域の活性化の側面も有しているかというふうに思っておりまして、その活用の方法や、それについても、それぞれ各自治体でお考えをいただいて御利用いただいているのではないかというふうに考えております。

森山(浩)分科員 ありがとうございます。

 このふるさと納税、スタートのときには、寄附文化の醸成というような部分もあるというふうにおっしゃったかと思います。寄附文化の醸成というところでいいますと、災害であるとかあるいはNGOの活動といったところについてもこれは横並びになっていくわけで、ふるさと納税だけ返礼品があるという形になると、寄附文化自体に関する、じゃ、やはり単なるボランティアよりもこっちの方がいいかなというようなことの選び方にならないようにということも含めての部分で、政策経費への後押し、是非お願いをしたいと思います。

 さて、私、民放テレビ局の出身でして、スポットCMの料金が下がる、また、テレビのCMがどんどんインターネットに流れているというこの業界の状況については非常に心を痛めておる一人でございますけれども、放送において、現在、TVerなどの通信の網を使ってのテレビ番組の配信などということも始まっています。

 放送を、これは、最初に法律ができたときには、電波は希少なものである、だから、公的に管理をし、そして一部のテレビ局に免許を与え、そこで情報の共有をしていくのだということでスタートをしておりますけれども、放送と通信の境目というのがどんどんどんどん低くなってきているという中において、放送において電波を使うことの今日的な意義というのはどういうところにあるでしょうか。

小笠原政府参考人 お答え申し上げます。

 放送は、不特定多数の者に対して、放送事業者によって編集されたコンテンツを同時に提供することができるという特性を有しております。このような特性を有する放送においては、災害情報や地域情報を含めた国民生活や経済活動に不可欠な社会の基本情報を国民に届けるという公共的役割が求められております。

 こうした放送の役割を果たす上で、電波により情報の伝送を行うことは、一斉に大多数に対して容易に受信できる形で情報を届けることができる、そういう意味において、現段階でもなお有効な伝送方法であると認識をしております。

 なお、今御指摘のとおり、こうした伝送技術の分野においては、技術の進展が非常に速いスピードで進んでいるところでございます。総務省といたしましては、こうした技術革新の動向も踏まえながら、放送における国民・視聴者への情報伝達の在り方について、適切に検討してまいりたいというふうに考えております。

森山(浩)分科員 ちょっと今の答弁では今日的な意義になっていなくて、放送というメディアで、例えばCMを流すと、メディアとしての側面でいうと、それは双方向の方がいいわけで、お客さんを直接つかむことができます。あるいは、TVer等の配信サービスあるいはアマゾンプライムやネットフリックス、こういったもので作品を見ることはできます。

 災害については、NHKは災害のときに義務として災害情報を発信することになっていますが、民放については努力義務という形になっています。

 こういう、状況がどんどん変わってきている中で、それでも民放のある意義というのはどこにあるのかということも含めて、現在、デジタル時代における放送制度の在り方に関する研究会、これが、第一次でしょうか、取りまとめが令和四年の八月五日に出されております。NHKを含めまして、小規模中継局の共同利用型モデルなどというのも入っていますので、これにおいてどのようにお話がされているのか、また、民放についての固有の価値というのはどういうことか、教えてください。

小笠原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘のとおり、近年、若者を中心とするテレビ離れ、あるいはインターネット動画配信サービスの普及など、放送を取り巻く環境は大きく変化をしております。

 このような環境を踏まえまして、今の御指摘の有識者検討会ということを総務省では開催して、八月に第一次の取りまとめを公表いたしました。

 取りまとめにおきましては、放送が引き続きその社会的役割を果たすことができるという観点から、今御指摘の中継局の共同利用あるいは放送設備の外部利用、こういった放送インフラの設備コストの抑制、あるいは放送コンテンツのインターネット配信の推進、あるいは放送事業者間の資本規制に係るマスメディア集中排除原則の見直しなどの経営基盤強化、こういった放送事業者の経営の選択肢を増やすという観点から具体的な提言が示されているところでございます。

森山(浩)分科員 これは大事なところなんですけれども、マスメディアの集中排除原則の見直しというような形については、先ほど瀬戸さんの御質問でもありました。

 ローカル局と準キー局、キー局、体力が全然違います。集中排除原則、これを廃止をしてそのままほっておくと、当然、資本力の大きなキー局が、準キーだ、あるいは地方局だ、これをのみ込んでいくという形、いわゆる垂直的な統合というのが進んでいく。でも、それも、進めたいと思っているわけではなく、今の、TVerとキー局だけでいいかなというような状況の中で、それでも地方局を救わなきゃいけないというような理由でそれをのみ込むというようなことが起こっていく可能性が一番高いと思います。それでいいのか。

 若しくは、水平統合といいますか、同一地域内で各チャンネル、まあ、四波ある、最高五波あるんですかね、というようなところで、横横で連携をし、統合をし、地域情報というところにしっかり重心を置いていくという形でのローカル局の将来の在り方というようなことも選択肢ということではあり得るかと思いますけれども、そういった部分を含めて、こういうふうな未来像というのはありますか。

小笠原政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のマスメディア集中排除原則でございますが、放送の多元性、多様性、地域性、こういった確保をするために設けられているものでございまして、先ほどの有識者検討会の取りまとめで見直しが提言されました。

 これについて、今分科員が御指摘をされました放送事業者の垂直統合あるいは水平統合といった特定の方向に誘導しようとする趣旨ではないのではないかというふうに認識をしているところでございます。

 具体的には、放送事業者さんからの要望も踏まえまして、認定放送持ち株会社が傘下に置くことができる基幹放送事業者の地域数の制限の撤廃、あるいは、隣接、非隣接にかかわらず、地上基幹放送事業者の兼営、支配を可能とする制度の創設、この二点が見直すべき項目として示されたところであります。

 これを踏まえて、現在、総務省におきまして、このマスメディア集中排除原則のルールの見直しということを行っておりますが、引き続き、放送事業者さんからの要望をお聞きしながら、マスメディア集中排除原則について必要な見直しを行ってまいります。

森山(浩)分科員 放送事業者さんに任せますよ、ほっておきますよというふうに聞こえます。

 ローカル局あるいは民放というようなもののコアコンピタンス、固有の領域という部分が掘り崩されているんですよ。新聞は朝夕刊しかないから、その間の速報性についてはテレビは強かった。でも、今や、インターネットを使えば、新聞も速報性の高い報道ができていますし、動画もそこに上げることもできている。ですから、動画が瞬時に上げられるという、今までの放送のコアコンピタンスというのは崩れている上に、新聞には監督官庁がありません。監督官庁がない、自由な中でのジャーナリズムというのに対して、放送局については、これは政治的な中立を含めて放送法で定められ、そして総務省が管理をしているという状況にある。管理をしている総務省は、好きにしてくれというようなことでいいのかということがあるかと思います。これを解いていくのか。

 あるいは、NHK、公共放送との違いという部分。公共放送については、これは国民が放送用にお金を別に払っていますから、これと民放との違い。あるいは、通信あるいはコンテンツの事業、地域のケーブルテレビ、いろいろな形でコアの部分が掘り崩されているという認識を持って民放の在り方というものをしっかり考えていただかないと、これはのみ込まれて消えてしまうだけだと思いますけれども、大臣の見解、中長期的な部分も含めた大臣の見解をお伺いします。

松本国務大臣 もう委員はよく御案内のとおりかというふうに思いますが、我が国の放送は、受信料収入を財源とする公共放送であるNHKと、主に広告料収入を財源とする民間放送が切磋琢磨することで、国民生活や経済活動に欠かせない情報の基盤としての機能を果たしてきております。

 このいわゆる二元体制というのは、自由で多様な社会、民主主義にも大きな役割を果たしているものと考えられ、この二元体制、各地域において引き続き確保されることが大事ではないかというふうに考えております。

 加えて、ローカル局、コンテンツを制作する能力を有しているかというふうに思いますが、地域情報や災害情報の発信など、社会に不可欠な情報を広く国民に伝えるという大変重要な役割も担ってきております。

 一方、御案内のとおり、近年、インターネット動画配信の普及、若者のテレビ離れ、放送を取り巻く環境が大きく変化をしている中で、地域情報の発信の機能も含めて、放送の情報基盤としての機能が将来にわたって十分に発揮され、国民に必要な情報がしっかり行き届くよう、放送の将来像を描くことは大変重要だというふうに考えておりまして、こうした認識の下、先ほどもお話がありました総務省の有識者検討会を通じて、放送の将来像については随時検討を進めているところでございます。

 先ほどもお取り上げいただきました一次の取りまとめなどを踏まえて、議論の結果を踏まえた制度見直しとして、今国会で、放送法、電波法の改正案を提出したいと考えているところでございますが、総務省としては、ローカル局が自らの将来像を描くことができるよう、引き続き、放送事業者や有識者の声に耳を傾け、有識者検討会の場などで検討を進めてまいりたいと思っております。

 電波を御利用いただくということで、放送に一定の規制がかかっているということについての御指摘もございましたけれども、私どもとしては、地方のローカル局の意義をしっかり認識をした上で、この形についてしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

森山(浩)分科員 中長期的な広い視野でもって検討を続けていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

熊田主査 これにて森山浩行君の質疑は終了いたしました。

 次に、山本剛正君。

山本(剛)分科員 日本維新の会の山本剛正でございます。

 今日は、総務委員会所管の分科会ということで、いろいろお尋ねをしたいんですが、お伺いすることがちょっと多岐にわたりますので、いろいろな省庁の方に来ていただきまして今日は本当にありがとうございます。

 まず、マイナンバーカードのことについてお尋ねをいたします。

 現状、マイナンバーカードを国民の皆さんに作ってくれ、作ってくれと、手練手管と言ってはなんですが、いろいろな手段を用いて作っていただくように今行っていただいていると思いますが、これが、在外邦人、外国に住まわれている方についてもやはり作っていただかなければいけないという。でも、なかなかそれが、海外に住んでいる方に伺うと、行き届いていないような私は印象を受けております。実際、作るに当たって、作るのであればやはり日本に帰ってきてくださいみたいな話もあって、利便性が非常に悪いというような印象を受けております。

 せっかく便利になるためのマイナンバーカードであるならば、やはり取得に関しても利便性が高くなければいけないのかなという思いもしておりますし、今現状、在外邦人への発行についてどのようになっているのかということをまず御説明をいただきたいと思います。

吉川(浩)政府参考人 お答えいたします。

 現在、マイナンバーカードは住民票を基礎として発行されており、国外に転出し住民票が消除された方はマイナンバーカードを取得することができなくなります。また、国内でマイナンバーカードを取得している場合にも、国外転出に伴い、利用することができなくなります。

 このため、令和元年五月に成立いたしましたデジタル手続法によるマイナンバー法等の一部改正によりまして、市区町村の戸籍の付票を基礎とすることで国外転出者についてもマイナンバーカードを取得、利用できることとしたところでございます。これは令和六年五月三十日までに施行することとされております。

 なお、この改正の施行後におきましても、マイナンバーカードの交付等の手続については、国外転出者は、御指摘のとおり、一時帰国して本籍地市町村の窓口で行う必要がございます。

山本(剛)分科員 そうなんですよね。今までは認められていなかったものが認められるようになったということは非常に喜ばしいことでありますが、残念ながら、やはりその周知がまだまだちょっと行き渡っていない印象がございまして、また、国に帰って作ってくれというのは、やはり遠方におられる方からすると非常に大きな負担になるわけでございますから、せっかくの制度でございますから、いかにして、マイナンバーカードを利用したらこれだけ利便性が上がるんだというところをやはり一つ一つ検証をしながら、できることをやっていただきたいなというふうに思いますし、マイナンバーカードを、利便性が高いにもかかわらず、その利便性が全く国民側が享受できないというのであれば、これは本末転倒だというふうに思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。

 例えば、大使館や領事館というものもあって、そこで発行できるようにすることができるのか、できないのか。もし、やはり、いろいろな手続を海外におられる方は大使館、領事館でやられるわけでございますが、そういった中で、マイナンバーカードの発行もできるようにするべきなのではないかなというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

中川大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 国外に転出した方もマイナンバーカードを引き続き利用できることとしたデジタル手続法の附帯決議におきましては、在外公館でカード交付等の事務を行うことについて検討を行い、関係府省が連携して体制の整備に取り組むこととされております。

 総務省におきましては、この附帯決議を踏まえ、関係省庁と連携をしながら検討を進めてきたところでありまして、マイナンバーカードの海外継続利用の開始に合わせて在外公館におけるカード交付等を可能とする法改正を、今通常国会において提出予定のマイナンバー法等の一部を改正する法律案に盛り込めるよう作業を進めているところでございます。

 具体的には、国外転出者につきまして、一時帰国することなく、カードの受取を希望する在外公館におきまして、必要な本人確認等を経てカードの交付等を受けられる仕組みを設けることを考えているところでございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

山本(剛)分科員 政務官、ありがとうございます。

 今国会で出していただけるようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、在外邦人の方も、もう相当日本に実は帰ってこられていないという方もいらっしゃって、大変な、高齢の方もいらっしゃるわけでございまして、負担になるというところから、やはり、現地で取れるような、そういった状況をつくっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 このマイナンバーカード、じゃ、海外の方が取得をした後の話をさせていただきたいんですが、戸籍や申請書などの証明書を大使館や領事館で発行することができないのか。例えば、戸籍抄本とか謄本が必要なときに、大使館や領事館は今のところは取り合っては当然いただけないわけでございまして、日本にいる身内の方に委任状を送って、その身内の方が本籍地のある役所に行って取って、またそれを郵送して返すというようなことを今やられていて、非常に時間がかかっているという現実がございます。

 また、申請書でいうと、死亡届ですね。死亡届は、死亡したことを知った日から七日以内に届出を出すということがありまして、これはしょっちゅう書くものではありませんから、なかなか手間もかかるのも事実でございます。

 そういった中で、申請書自体はダウンロードできるんですけれども、それを郵送などをして結局やらなければいけないというふうになると、やはり手間も時間もかかるということで、オンラインで申請ができるようになれば、それは一つありなのかなという思いも私はいたしております。

 特に死亡届は、やはり人が亡くなられた後というのは様々なことがありまして、非常に煩雑な事務作業が多いわけでございますから、そういったことも考えますと、やはり、マイナンバーカードがあるからこそできるというものをやっていただければなというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。

松井政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、戸籍謄本等の交付の請求についてでございますが、この請求は本籍地の市区町村長に対して行うこととされております。

 在外公館については、外国にある日本人が、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事に戸籍の届出をすることができることとされておりますが、在外公館においては戸籍簿を管理していないことから、外国に駐在する日本の大使等に対して戸籍謄本等の交付の請求をすることができないということとなってございます。

 もう一点、死亡届などのオンライン申請についてお話がございました。

 法務省といたしましては、オンラインによる戸籍の届出について、これまでに、法令の整備や通達による標準仕様書、オンラインシステム構築のための標準仕様書の整備などを行っておりまして、平成十六年四月から、戸籍制度上は行うことが可能となってございます。

 もっとも、戸籍事務は市区町村長が管掌するとされておりますので、オンラインシステムの導入は市区町村長において判断される事項でございまして、現在、導入している市区町村はないというふうに承知をしております。

 幾つかの市区町村に戸籍の届出のオンライン化を導入しない理由を聞いたところ、オンラインによる届出と書面による届出が混在して処理が複雑になることや、届出人の電子署名が必要であり、利用が想定されないということが挙げられているという現状でございます。

山本(剛)分科員 一つは、やはり縦割りだなと思うことが一点と、どちらの都合で仕事をしているのかということですよね。オンラインと手書きが並行してあるから煩雑になりますみたいな、それは役所の都合であって、利用者の都合ではないんですよね。

 だから、利用者の利便性を高くするというのであれば、そこをどういうふうにしたらできるのかということをやはり考えていただきたいなと思いますし、これは自治体に言わなければいけない話ですけれども、是非そういった指導をしていただかないといけないなというふうに思います。

 申請書というか、戸籍謄本とかの話でいうと、イメージしているのは、今コンビニで、私は居住地が福岡ですけれども、東京でもコンビニに行けばマイナンバーカードで取れるわけですよね。それをイメージしているわけですよ。だから、実際そういったことができるのであれば、海外でもオンラインで、今では地球の裏側の情報まで手に入れられるわけでありまして、コンビニのシステムと同じものでできるんじゃないのかなと単純に思うんですよ。

 だから、先ほどの説明では、市区町村が出すことになっていますから在外公館ではできないと。在外公館を窓口にということを言っているのであって、在外公館、外務省でそれを管理しろなんということは一言も言っていないわけであって、窓口となって、例えばコンビニのあの機械を置いて取れる制度が、要するに、東京と福岡で取れるわけですから、オンラインだったら別に国内じゃなければいけないということはないわけですから。

 それをイメージして言っているんですけれども、いかがでございましょうか。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 コンビニ交付の仕組みを用いることについては、令和元年に改正された戸籍法施行により、関係行政機関間で戸籍データが共有される戸籍情報連携システムが稼働することも踏まえ、関係省庁と緊密に連携しつつ、国民の利便性向上のためにどのような方策が可能か、引き続き検討してまいりたいと思っております。

山本(剛)分科員 そうなんですよね。取れる自治体と取れない自治体があるんですよね。

 そういったこともあるからというのもあるのかもしれませんが、ここはひとつ、利便性というもの、海外に居住されているというそういった事情も考えていただいて、前向きに検討を進めていただきたいなというふうに思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。

 今後、マイナンバーカードを運用していって、様々なところでその活用を進めていこうという中で、在外におけるマイナンバーカードの利便性の向上についての今後の見通しとか所見というものをちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。

大串副大臣 マイナンバーカードは、対面に加え、オンラインでも確実な本人確認ができる安全、安心なデジタル社会のパスポートであるというふうに言われておりますが、累計有効申請件数が八千七百万枚を超えておりまして、日本国内において最も普及した本人確認のためのツールでもございます。

 カードの利便性の向上は大変重要であることから、これまで、健康保険証としての利用、ワクチン接種アプリ、各種行政手続の本人確認など、カードの利活用シーンを拡大してきたところでございます。

 デジタル化の進展によりまして官民のオンライン手続が多様化している中、先ほど総務省からの答弁もございましたが、国外での継続利用の開始により、国外転出者についても、例えばマイナポータルの利用を始め、オンラインで確実な本人確認を行う際などにマイナンバーカードを活用できるようになり、利便性が向上するものと考えております。

 まずは、国外に転出しても引き続きマイナンバーカードが利用できるよう、マイナンバーカードの国外継続利用の令和六年度までの実現に向けて、関係省庁と連携していきたいというふうに考えております。

山本(剛)分科員 ありがとうございます。

 やはり、具体的に利便性が向上するんだということが見えてこないと、じゃ、作ろうというような意欲にはつながらないと思うんですね。

 今の感じでいうと、何となくこういう方向性はありますよというのはありますけれども、もうちょっと具体的に、今までこういったことができなかったけれども、できるようになりましたと。

 これは、やはり皆さんが思われるのは、オンライン化とか、いわゆるデジタルの技術によって社会が大きく変わったなというのは、多分、多くの皆様が実感をされていることだと思います。実際、地球の裏側の話をしましたが、地球の裏側と瞬時にして取引ができるようになったのは、まさにこのインターネット社会のおかげでもありますし、どこにいても、今、例えば、スマートフォンであったりとかそういったもので買物だって何だってできる。要するに、今までは自分の身をどこかに持っていかなければいけないのを、その場にいてできるというだけでも非常に負担も減って、その分、ほかのことに時間を使ったり、様々な、生活の多様性が生まれてきたわけであります。

 これだけ大きく社会が変わったという実感のあるデジタル化に対して、マイナンバーカードもそれの一環だとするのであれば、マイナンバーカードを持ってよかったな、これで、社会が変わったことに対していろいろなことができるようになったなということが容易に想像できる状況をつくらない限りは、やはり、これ以上のマイナンバーカードの普及はなかなか、もしかしたら難しいのかもしれません。

 これは、聞く話では、個人情報の取扱いはどうなるんだと。例えば、新聞を見てみますと、電力会社がまた何か不正閲覧をやっていたとか、そういうことがデジタルの社会の中では簡単にできてしまうというところから二の足を踏まれている方もたくさんいらっしゃるわけでございまして、そういうことを考えると、私はやはり、できること、できないことはしっかりと区別をしなければなりませんが、これだけ大きく変わった社会に対応できるマイナンバーカードの在り方、そして、そのプロテクトの在り方というものは、もっと大きく宣伝をして、アピールをして、皆さんにその実感をしていただくというのが私は一番なのではないかなというふうに思っておりますので、是非、今の御答弁で構いませんので、それをより具体化して、より大きく広く、そして、国民の皆さんに分かりやすくしていただくことを要望させていただきたいと思います。

 今日はちょっと大臣がいらっしゃるので、せっかくですから要望を一つだけ、全く別の話なんですけれども。

 先ほど森山議員がふるさと納税の話をされておられましたが、いわゆる自治体の経費五〇%以内という中に送料が入っているんですね。これは、前の大臣、金子大臣のときにも実はちょっと要望させていただいたんですけれども、その送料を除外していただきたいんですよ。

 何かというと、私、九州で、やはり、東京に送ろうとすると、それだけ運賃が高くなります。離島の方はもっと運賃が高くなるわけで、その運賃が経費の中に入ってしまうと、やはり商品をどうしてももう少し縮めざるを得ないという状況があります。

 ですから、これはお答えは要りませんので、是非、送料の除外というものを、せっかく地方の創生といっている中で、地方の最たる、例えば、離島であったりそういったところが負担増になっているというのは私はちょっと本末転倒だなという思いもしておりますので、是非、送料の除外というものを引き続き考えていただきたいな、これは要望でございますので、是非よろしく松本大臣にお願いをしたいというふうに思っております。

 先ほど、マイナンバーカードで保険証で使えます、いろいろなことを言っていただきました。それで、その保険証について、これは先日、予算委員会でも話させていただいたんですけれども、ちょっと私の認識も甘かったところもありましたが、一方で、ちょっとどうなっているんだというところもあったので、そこをちょっと整理をさせていただきたいなと思うんです。

 まず、カードリーダーですね。私が質問をしたときに、そんな答えは求めていないよと、聞いてもいないことをせっせと答えてくれるわけでありますけれども、いわゆるカードリーダーの申込みが九十何%になりましたと。申込みが九十何%あったところで、導入されていなければくその役にも立たないわけで、簡単に言うと、申込みが増えたことは省庁としては喜ばしいことかもしれませんが、利用者からしたら、申込みが増えたって、いつになったらそれが導入されるんだというところになるわけですよ。その導入の目途、大体どれぐらいまでにそれが完了するのかというのを、ちょっと教えていただきたいと思います。

本田大臣政務官 山本委員にお答え申し上げます。

 まず、医療保険のオンライン資格確認につきましては、本年四月の原則義務化に向けて、現在、保険医療機関、薬局で導入を進めているところでございまして、二月十二日現在、義務化対象施設の九八%以上が申込みを済ませておられます。また、オンライン資格確認の運用を実際に開始した施設は義務化対象施設の五割を超えており、残りの施設についても順次システム改修が行われ、稼働していくものと考えております。

 一方、やむを得ない事情でございますけれども、導入義務の経過措置を設けまして、導入支援のための財政措置の期限も延長させていただき、進めております。

 具体的に申しますと、システム整備が間に合わない医療機関等については、遅くとも本年九月末までの経過措置を設けまして、そこまでに何とか義務化対象としている施設への導入が十分可能としておりまして、九月末日までの経過措置というのを設けているところでございまして、厚生労働省としても、引き続き、医療機関等及びシステム事業者に対して丁寧かつ強力に導入を呼びかけてまいりたいと考えております。

山本(剛)分科員 本田政務官、何か、いじめるわけではないんですけれども、今の前半の答弁、要りますか。僕は、いわゆる申込みが九十何%という話をしましたよね。その話は意味がないという話をしているのに、その話、要るんですか。申し訳ないけれども、何か、ごまかしているように聞こえちゃうんですよ、九十何%あるからいいだろうと。この間の局長の答弁もそうでしたよ。聞いてもいないことを答えるというのは、私は不誠実だと思いますよ。私は導入の目途はいつですかと聞いているんです。

 今の、経過措置で九月までには行けるように努力します、強力に推し進めていきます、それはいわゆる目標ですよね。いつまでに終わるんですかとはまたちょっと違う。でも、いつまでに終わると言えないのであれば目標でも構わないけれども、少なくとも、申込率が九十何%とかというのは、九八・六%と言いましたか、逆に、導入は五割以上という言い方をしました。申込みについては数字がばちっと出るからそういうふうになるのかもしれませんが、やはり五割ちょっとぐらいしかないんですよ。五割以上といったら、どれなのかといったら、多分、五割ちょっと超えているから五割以上という言い方をされているんだと思います。

 私は何か、国が強力に推し進めていこうというものに対して、そこに対して本当にやろうという気概をやはり今の答弁だったら感じないんですよ、政務官が悪いわけじゃないけれども。やはりそういうごまかしの姿勢みたいなものが僕は国民を欺いているんじゃないかなというふうに、厳しい言葉を言うとそういうふうにも捉えてしまうので、やはり聞いたことに対してきちっと答えていただきたいなというふうに思います。

 これも予算委員会でやりました、交付金の消化率がやはり悪い。交付金、それを消化するのは、導入してからそれが行きますのでというのは当然のことではあるんですけれども、私がここで聞きたいのは、交付金が消化率が悪いな、ということは導入が進んでいないなというのは当然見えるわけでございまして、そうしたら、どうやったらこれが導入が進むかということをどれぐらい努力してやってきたんですか。

 実際、グラフを見てみると、ずっと横ばいなんですよ、横ばい。交付金はもう今一千二百億、ちょっと記憶で申し訳ないんですけれども、間違っていたら全然指摘していただいて構わないんですが、一千二百億ぐらい交付金を出していて、四百八十億とか、半分も使っていないのが現状だったんですよね。これからどんどん、もちろん、それは申込みがあって、導入が進めば使うんでしょうけれども、令和二年からですよ、もう大分時間がたっている中でなかなか進まなかったら、これは進むようにやっていこう、やっていこうとするのが私は民間企業とかだったら普通だと思うんです。民間と比べても仕方がないけれども、そういった努力を本当にしていたのかというのは、やはりあの数字を見るとどうしても疑問を感じざるを得ないんです。

 結局、何が申込率が高くなったんですかといったら、義務化にしたからですね。だから、皆さん、慌てて、義務化になるんだったらやらなきゃと。それで、申し込む人が増えました。でも、それは皆さん方の努力じゃない。義務化というものを設定したからであって、努力で生まれた結果でないということ。だから、何をされていたのかということ。消化が進まなかった、導入が進まなかった理由は何ですか。お答えください。

本田大臣政務官 山本委員にお答え申し上げます。

 まず、多くの施設に入れていただくことは大切だということでお願いをさせていただきまして、その中で、ちょっと先ほどの私の答弁の内容が不足であったかもしれないんですけれども、申し込んでもなかなか、システム改修のベンダーさんが人材不足等でシステム設備が間に合わないといったやむを得ない現状が、事情があるところで、それがなかなか進まなかった経緯というのを聞いております。

 それで、遅くとも本年九月までの経過措置を設けるとして、現場の方からも、導入を進めたいけれどもなかなか進まないという、現場間の負担が非常に大きいので経過措置を設けてほしいという現場からの要望もありまして、そうしたことでなかなか導入が、少し遅れていたという経緯をちょっと申し上げさせていただきます。

山本(剛)分科員 いやいや、当初、令和二年から始めて、最初の頃はもう選び放題だったんですよ、仕様もメーカーも。これも予算委員会で言いましたが、議事録を追っていますかね。

 要は、メーカーさんだって注文が入らなかったらラインをしかないんですよ。これはイロハのイですよ。要は、注文があるから、今まで違うものを作っていたものを、やはりこれをじゃ、やりましょうと。でも、要するに注文が入らないから、要するに申込みがないからシフトできなかった。ベンダーさんのせいにしちゃ駄目なんです、それは。やはり、ちゃんと計画を持ってやっていればベンダーさんだって計画をするし、そういった逃げの答弁はやはりよくないと思うし。実は、私の妻は、医療機関の人間というか、歯科医院を経営しています。カードリーダーも導入しています。うちのに聞いても、全然、いや、そのときはそんなことないよ、ベンダーさんも困っていた、全然申込みがないからという話なんですよ。現場の意見を聞きましょうよ、やはりそこは。

 次に行きますが、導入をしているところは今、加算二点です。導入してマイナンバーカードを使ってやると初診とかで二点加算。ないと、普通の保険証でやると四点。差がある。驚いたのは、導入をしていないところは零点だというんですよ。加算がない。医療機関にとっては収入がなくなるけれども、点数が加算されると患者の負担なんですよ、患者さんの。

 確かに少ない金額かもしれないけれども、だったら、マイナンバーカードなんか持たないで、導入していない医療機関に行った方が窓口負担が少ないから、導入していないところに行こうとなっちゃうじゃないですか。制度がやはりおかしいですよ。おかしいと思いませんか。言っている意味は分かりますか。

 要は、導入しているところだと二点、要するに、マイナンバーカードを使うと二点加算、二点分の窓口負担が増えます。導入しているところで普通の保険証でやると四点。そこは分かります、マイナンバーカードを持っているインセンティブみたいなものです。

 だけれども、導入をしていないところだと零点。つまり、窓口の負担もその分ないというのは何かおかしくないか。マイナンバーカードを持っている方が高いのはおかしいじゃないかと、窓口で負担される人はそう思いますよ。医療機関の人は、導入したんだから点数をもらえるの当たり前、それはそうでしょう。

 ここのところをどう考えておられますか。

本田大臣政務官 御指摘の加算の部分につきましてでございますけれども、導入を進めているところにあって、活用して診療を行うことで算定できる加算でありまして、患者にとっては質の高い医療が受けられるということを評価しているものでありますので、それが、点数があることで質の高い医療を受けているというところで整理ができるのではないかと考えます。

山本(剛)分科員 そんな実感を持っている人はいませんよ。それだったら、全てがそろったときにそういうふうにすればいいだけの話ですよ。実際問題、誰の責任ですか、導入ができていないところというのは。患者さんの責任でも何でもないじゃないですか。今、導入していないところの方が安いんだったら、やはりみんな、そんな質の高い医療とかいうよりも、値段が安い方がいいとなりますよ、それは。ただ患者さんが知らないだけです、はっきり言って。

 役所が作った答弁書を、今も差し込まれているけれども、そんなのはどうでもいいんですよ。政務官、あなた政治家でしょう。政治家としておかしいことはおかしいと言わなきゃ。誰が聞いても、私、これはおかしいと思いますよ。

 確かに、そういう理念の下にやっているというのは、教科書どおりですよ。だけれども、先にマイナンバーを作った人が高い負担を強いられているのは事実じゃないですか。患者負担にしなくたっていいじゃないですか。質の高い医療を受ける、それは取りあえず、経過措置の中で、じゃ国で負担しましょうでもいいじゃないですか。なぜ患者さんの負担にするのかがよく分かりません。

 導入をしていないと質が低いんですね、じゃ。僕は、それを聞いたらお医者さんは結構怒ると思いますよ。国で勝手にやれと言われているのに、何でそれを質が低いなんて言われなきゃいけないんだと。

 ちょっと、もう質疑時間が終わってしまったので、本当は資格確認書もやりたかったんですが、是非、厚労省には、政治家を今日呼んで、政治の答弁をしていただきたいと思います。おかしいことはおかしいと言えなければ、政治は何の機能もしませんので。

 以上です。ありがとうございます。

熊田主査 これにて山本剛正君の質疑は終了いたしました。

 それでは、次に、輿水恵一君。

輿水分科員 公明党の輿水恵一でございます。

 本日は、質疑の機会を与えていただきましたことを心より感謝を申し上げます。

 大臣は退席していただいて結構でございます。よろしくお願いいたします。

 さて、早速質問に入らせていただきます。

 安全で安心で、誰も取り残されないデジタル社会の構築について伺います。

 行政のデジタル化が進む中で、情報通信ネットワークの活用により私たちの日常はより便利で効率的になるものと思います。一方で、サイバー攻撃等により情報通信ネットワークの機能停止や情報の漏えい等が発生すれば、国民の生活や我が国の経済社会に甚大な被害が発生するおそれがあります。

 そこで、国民生活を支える安全で安心なデジタルサービスの提供体制の構築について伺います。

 初めに、NICT、国立研究開発法人情報通信研究機構でのサイバーセキュリティー技術等の研究開発の現状と現場への実装について伺います。

 NICTでは、巧妙かつ複雑化したサイバー攻撃への対処能力向上に貢献するための、サイバーセキュリティー技術の研究開発に取り組んでいると伺っております。私は、この研究成果を国や地方のサイバーセキュリティーの強化のために活用することが重要である、このように考えております。

 そこで、NICTでの最先端のサイバーセキュリティー技術等の研究開発の成果と現場への実装について、現状と今後の計画をお聞かせください。

    〔主査退席、鈴木(隼)主査代理着席〕

山内政府参考人 お答えさせていただきます。

 総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構、NICTでございますが、こちらでは、世界最大規模のサイバー攻撃観測・分析システムなど、サイバーセキュリティー分野における最先端の研究開発を実施をしております。

 このNICTの研究開発成果は、地方公共団体におけるマルウェアの感染端末、サイバー攻撃の検知等にも役立てられておりまして、地方のサイバーセキュリティー強化にも貢献をしております。

 また、これまでNICTが培ってまいりました膨大なサイバー攻撃関連情報、サイバーセキュリティーに関する知見を活用した産学官による連携基盤、これを令和三年度に設立をいたしました。このCYNEXによりまして、日本発の脅威情報を生成、発信をすることで、社会全体のサイバーセキュリティー対処能力の向上に寄与することを目指しております。

 総務省としては、引き続き、NICTと連携をして、我が国のサイバーセキュリティーの更なる向上に貢献してまいります。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 結構前から研究開発が進められて、いろいろな知見も蓄積をされて、そろそろ積極的に現場への実装をしていただきながら、人とともに、それと技術でのセキュリティー対策もしっかりと固めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、ナショナルサイバートレーニングセンターにおけるサイバー人材の育成について伺います。

 巧妙化、複雑化するサイバー攻撃に対し、国の機関や地方公共団体、また独立行政法人や重要インフラ事業者等において、最先端のサイバーセキュリティー技術の導入とともに、実践的な対処能力を持つセキュリティー人材を配置することも必要であります。

 そこで、NICTのナショナルサイバートレーニングセンターにおいて、どのような人材を育成するためにどのような訓練がなされ、どれくらいの人々にその訓練が行われているのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

山内政府参考人 お答えさせていただきます。

 今分科員御指摘のとおり、まず、サイバー攻撃に対応するためには、そのためのセキュリティーの人材を組織内に配置をするということが非常に重要でございます。

 この組織内のセキュリティー人材は、いわゆる関連する知識を有していることはもちろんでございますが、実際にサイバー攻撃を受けた際に迅速かつ的確に行動ができるという必要がございます。

 このようなセキュリティー人材を育成をするために、総務省では二〇一七年度から、NICTのナショナルサイバートレーニングセンターにおきまして、国の機関、地方公共団体、独立行政法人、重要インフラ事業者の情報システム担当者を対象にいたしまして、実践的なサイバー防御演習、CYDERと申します、このCYDERを実施をしております。

 CYDERにつきましては、先ほど分科員の方から御指摘をいただきましたNICTの研究開発成果を活用しております。組織のネットワークの環境を模擬した仮想環境で、最新のサイバー攻撃についての知見に基づいて、攻撃への一連の対処方法を体験する演習でございます。この研究開発を活用することによりまして、受講者のレベルに応じた複数のコースを提供しております。今年度は約三千三百名の方に受講いただきました。

 総務省といたしましては、引き続き、CYDERによる実践的なセキュリティー人材の育成を通じまして、我が国のサイバーセキュリティーの更なる向上に貢献をしてまいります。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 まさに実践的なということで、そういったCYDERを使って、攻撃される、また場合によっては攻撃する側になりながらお互いの技術を学び合って、それを現場に生かせるような取組を是非進めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 続きまして、サイバーセキュリティー被害情報の共有と対策の徹底について伺います。

 サイバー攻撃の脅威が高まる中で、攻撃を受けた被害組織がサイバーセキュリティー関係組織と被害に係る情報を共有することは、攻撃の全容解明や対策強化を図る上で大変に重要であります。一方で、実際に被害を公表した場合には自組織の信頼低下につながる場合もあり、その情報共有には慎重にならざるを得ない場合もあるかと思います。

 そこで、この問題に適切に対処し、官民の多様な主体がサイバー攻撃や被害を受けた際の被害情報を共有し、迅速かつ適切に対処するためにどのような取組が進められているのか伺います。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 サイバー攻撃の被害に関する情報の共有は、今分科員の方から御指摘もあったとおり、攻撃の全容の解明、対策強化を図る意味で、被害に遭った組織、社会全体にとって有益であるというふうに考えてございますが、実際には、共有、公表による組織の評判への影響、こういうものを懸念をすることなどにより、必ずしも共有が積極的に行われていないという現状がございます。

 したがいまして、官民の多様な主体が連携する協議体でございますサイバーセキュリティ協議会の下に、総務省も事務局として参加をいたしました、サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンス検討会、この会合を開催をいたしまして、被害に遭った組織が情報共有をする際に参考となるガイダンスの策定に向けて検討を行いました。

 本検討会では、昨年の十二月にガイダンスの案をまとめて、本年一月三十日までパブリックコメントを行ったところでございます。この結果を踏まえて、年度内に策定、公表を予定をしてございます。

 このガイダンスを幅広い主体の方に御参照いただくことによりまして、関係省庁、それから業界における情報共有組織の活動を通じまして、社会全体で円滑かつ効果的にサイバー攻撃の被害に関する情報共有が一層進むということを期待をしております。今後、関係者への普及啓発を進めてまいります。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 このガイダンスによってそれぞれの業界ごととか関係省庁がその情報を共有をしていく、そういった仕組みができ上がって、そして対策もより早く、スピーディーに打てるようになるということは分かったんですけれども、その上で、業界ごととか関係省庁とかそういったものも全て一元的に取りまとめて、情報をしっかりと掌握をして対策を打てるような、そんなこともあってもいいのかなということで、今後是非検討をしていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、次に移らせていただきます。

 行政書士による、デジタルに不慣れな住民のマイナポータルの利用におけるサポート体制の構築について伺います。

 市民生活が多様化し、自治体の担い手不足も懸念される中で、行政のデジタル化の重要性が増しています。行政窓口で申請書類を記入しなくても簡単に手続ができる書かない窓口は、その第一歩だと思います。さらに、窓口に行かなくてもオンライン上で様々な手続ができる行かない窓口まで発展させることが必要であると思います。

 この書かない窓口、行かない窓口は、公的個人認証を入口とするマイナポータルの利用が必要になります。ここで大切なことは、高齢者などデジタルに不慣れな住民一人一人に寄り添った、きめ細かなサービスを実現することであると思います。そのためには、マイナポータルの操作をサポートする人員体制の整備が必要です。

 書かない窓口では、行政窓口で職員がサポートするので、誰がいつ何をサポートしたのか履歴も残り、安全で安心なマイナポータルの利用が可能であります。一方で、行かない窓口において、デジタルに不慣れな住民には誰かにサポートしてもらう場合があるかと思いますが、この場合、現状のシステムでは、誰がいつ何をサポートしたのか履歴が残らず、場合によっては成り済ましによる不正なアクセスの発生が懸念をされるところでございます。

 そこで、行かない窓口を安全で安心なものにするためには、今日、行政相談や様々な行政手続を通して地域住民に寄り添ったサービスを実施している行政書士による、デジタルに不慣れな住民のマイナポータルの利用におけるサポート体制を整備することは大変有意義である、このように考えておりますが、見解をお聞かせ願えますでしょうか。

内山政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきました現行のマイナポータルでは、地方自治体が登録をした手続について、地方自治体宛ての電子申請ができる機能を提供しているところでございます。これらの手続の中には、それぞれの地方自治体の設定にもよりますけれども、本人からの委任状を申請の添付書類として、行政書士等の代理人が自己のマイナンバーカードで電子署名を行うことにより代理申請ができるものもありまして、行政書士等からのサポートを受けることができるというふうに承知をしております。

 なお、この代理申請では、現状、紙の委任状を画像として添付する必要があるなどの課題があるというふうに認識してございます。

 こうした課題への対応を含めて、行政書士の方々を始めとする国民の皆様の声に耳を傾けながら、利用者に安心してマイナポータルを利用していただけるよう、サポート体制の整備やシステムの在り方を検討させていただきたいというふうに思ってございます。

輿水分科員 どうもありがとうございます。

 例えば、サポートする際の行政書士の資格を確認をし、そして、その方だったら大丈夫ですよと。そして、その操作履歴を保存できる環境なんかが整備できれば、ちょっとしたことでもサポートする、安心してサポートさせてもらえ、ちゃんと履歴が残る。そしてそういう方以外はサポートができない。それでまた安全が担保できる。このようなことで、より安全で安心な行かない窓口なんかもできるのではないか、このように思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。

 続きまして、マイナポータルの基盤であるLGWANの安全性と冗長性について伺います。

 LGWANは、地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し、地方公共団体と国の各省との、また住民等との間の情報交換手段を確保するものであります。これは先ほどのマイナポータルの基盤でもあります。

 そこで、書かない窓口、行かない窓口を安全に安心して活用するためには、その基盤であるLGWANの安全性と冗長性の強化が必要であると考えますが、その現状についてお聞かせください。

吉川(浩)政府参考人 お答えいたします。

 LGWANは、自治体間及び自治体と政府間を相互に接続した行政専用の閉域ネットワークでありまして、ファイアウォールの設置や通信経路におけるデータの暗号化、また専門家による二十四時間三百六十五日のセキュリティー監視などにより、高度な安全性を確保しております。また、二つの異なる通信キャリア網でネットワークを二重化することで冗長化を図っております。

 このように、LGWANは、自治体間及び自治体、政府間の安全な通信の確保において極めて重要な役割を果たしているところでございますが、最新のサイバー攻撃の脅威や最新のセキュリティー技術の動向も踏まえまして、引き続きネットワークの安全性と冗長性の確保に努めてまいります。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 それでは、次の質問に移らせていただきますが、大規模災害に備える、救命と医療の広域連携について伺います。

 初めに、本日発生したトルコ南部の地震、また今月六日に発生したトルコ・シリア大地震により犠牲になられた方々に深く哀悼の意をささげるとともに、被災された方々、また支援に当たられている方々の安全と無事、心よりお祈りを申し上げます。

 さて、日本においては、現在、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの発生が予想されているところでございますが、大規模災害では救助や支援の遅れや、電気、水道、通信などのインフラの復旧に時間を要することが想定され、被害の予防や発災後の迅速で効果的な対応が求められます。

 そこで、大規模災害に備える消防や医療の広域連携について伺います。

 初めに、緊急消防隊は、被災地の消防力のみでは対応が困難な大規模な災害の発生に対して、消防庁の要請により出動し、市町村の消防本部との連携の下、被災周辺地域の拠点において部隊が編成され、現場での救援活動を展開するというふうに伺っております。この緊急消防隊が迅速かつ的確に現場での救援活動を展開するためには、様々な機材の整備とともに、高度な情報収集能力や指揮、連携能力が求められます。

 そこで、首都直下地震や南海トラフ地震のような大規模災害が発生した場合、どんな指揮系統の下で、具体的にどんな地域の消防隊がどのような装備でどんなタイミングでどんな場所に集結するのか、また、集結した拠点においてどのように情報を収集し、整理し、どのように被災地での救援活動が展開されるのか、具体的にお聞かせ願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。

澤田政府参考人 お答えいたします。

 緊急消防援助隊、緊援隊につきましては、基本的に、被災地の都道府県知事から消防庁長官に応援要請し、消防庁長官から被災地外の都道府県知事に出動の求め又は指示を行い、被災地に部隊が出動することになってございます。

 出動の際には、被災地の近くに進出拠点を消防庁が決定いたしまして、緊援隊は、決定後直ちに進出拠点に一時的に集結した後に、被災地に向かうことになります。

 また、具体的に緊援隊としまして出動する隊についてでございますが、消火小隊を始め、救助用資機材を装備します救助小隊、必要な食料やテントなどを備え、輸送、補給活動を行う後方支援小隊などとなりまして、これらが都道府県大隊を構成し、出動いたします。

 また、それに先立ちまして、各都道府県大隊が円滑に活動できることが重要でございますが、指揮支援部隊及び統合機動部隊が、出動の求め又は指示後一時間以内に迅速に出動することとなってございます。その中でも統合機動部隊につきましては、ドローンなどを用いまして被災地の情報を収集し、また航空小隊に属する消防防災ヘリにより収集されました上空からの情報とともに、後続する部隊に共有をいたしております。

 緊援隊が被災地に到着した後につきましては、被災地に関する情報が集約される被災地の市町村長の指揮の下で、消火、救助等の活動が行われることになります。

 今後とも、引き続き、緊急消防援助隊が迅速かつ的確に活動できるよう、消防本部や自治体からの意見を丁寧に聞きまして、基本計画の見直しや、無償使用制度による特殊車両等の整備、補助金や地方財政措置による消防力維持のための財政支援などによりまして、体制整備に万全を期してまいります。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 まさに、情報収集については、ドローンを活用していただいて上空から現場の実態を確認して、それを本部で整理をしていく、そして、どこに何が必要なのか、そんなことも是非進めていただければと思います。

 また、今きっとドローンにはカメラしかついていないと思うんですけれども、場合によっては、現場の人を励ますために、スピーカーをつけて、ここで頑張ってくださいねとか、こうですよとか、今状況はこうなんですなんということも伝えられるような、そんな装備も検討していただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、大規模災害により医療が逼迫した都道府県に対する全国規模でのDMAT、災害派遣医療チーム等の派遣体制の整備について伺います。

 首都直下型や南海トラフ地震などの大災害での消防による救援活動は、今のそういった特別な計画によって全国規模で迅速かつ適切な対応がなされることは確認されましたが、医療の提供においては、まさに、都道府県では、大規模災害に備えて、病院機能を維持するための施設の耐震化の促進や、EMIS、広域災害救急医療情報システムによる情報連携体制を維持するために衛星回線への接続とか、あるいは通常の六割程度の発電容量を備えた自家発電体制の整備など、災害対策を着実に進められていることは伺っております。

 また、災害発生時の現場への迅速な医療の提供のために、指定医療機関の医師や看護師で構成されるDMATを編成し、都道府県保健医療調整本部の要請に応じて現場への医療が展開される体制も整えられていると伺っておりますが、ここで、首都直下地震や南海トラフ地震のように広域、広範囲に及ぶ被害が想定される場合には、都道府県だけでは対応することが困難な場合もあるかと思います。

 そこで、大規模災害により医療が逼迫した都道府県に対して、全国的な規模でのDMAT等の派遣における指揮系統や手順の整備の現状と今後についてお聞かせ願えますでしょうか。

森光政府参考人 災害派遣医療チーム、DMATにつきましては、都道府県がDMATを派遣することができる医療機関をDMAT指定医療機関として指定をいたしまして、災害発生時には、DMAT指定医療機関に所属しますDMATが、都道府県からの要請に応じて医療活動を行っているということでございます。

 議員から御指摘をいただきました広域の派遣、これのスキームでございますけれども、被災都道府県において、管内のDMATだけでは対応が困難である、更なる支援が必要と判断した場合には、被災をしていない都道府県に対して災害対策基本法に基づきまして応援を求め、当該都道府県が管内のDMAT指定医療機関に対しDMATの派遣を要請するということが行われます。派遣をされましたDMATは、被災都道府県のDMAT調整本部、ここにおいてその活動が統括されるという仕組みになってございます。

 なお、DMATは、派遣先であります被災した都道府県の負担にならないよう、DMATの活動に必要な医療資器材、医薬品、これだけのみならず、食料や燃料、そして宿泊場所等については自ら確保しながら継続した活動を行うということを基本としております。

 引き続き、厚生労働省といたしましては、都道府県と連携し、必要な災害医療の人材の育成、これを含めました災害医療提供体制の拡充に努めていきたいと考えております。

 以上でございます。

輿水分科員 どうもありがとうございます。

 まさに災害が発生し、そして、自分のところのDMATだけ、医療だけではもう間に合わない、いろいろな病院も被害を受けてしまった、そのときにはまず手を挙げて、そしてどこかの都道府県にお願いをする、そしてお願いをされたところは、その地元のDMATの皆さんに、今日こういう応援の要請が来ました、どうですか、大丈夫です、うちで行かせていただきますということで、それでは行きましょう、そういう流れになるということでよろしいですね。よく分かりました。

 としたら、今度は、事前に都道府県同士の連携も、もしこういうことがあったらこんな連携で、こことこうやって連携をしながらというそういったこともうまく調整をしながら、いざというときにその連携がスムーズにいくような、そんな取組もしっかりと進めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 また、DMATの皆さんも、自給自足で、全て、資器材も持って、薬も持って、そうやってできるということで、その辺のきちっとそれを更新したり維持をしていくことも大変なのかなと思いますので、その辺に対しての適切な対策もよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、最後の質問に入らせていただきますが、被災現場での緊急消防隊やDMAT、災害派遣医療チームの連携について伺います。

 ここで、被災地の緊急消防隊とDMATの情報連携は、被災者の救援や救護を迅速かつ適切に進める上で非常に重要と考えます。先ほどのドローンの情報なんかも、こういうところにけが人がいるがこういう状況になっている、だったらこういうメンバーが行っていただいた方がいいとか、ちょっと近寄れないのでまずこういう態勢で道を開けますとか、そんな情報連携があった方がいいのかな、このように思うんですけれども、その現状と今後についてお聞かせ願えますでしょうか。

澤田政府参考人 緊急消防援助隊、緊援隊を始めとします消防機関とDMATの情報共有、そして活動調整につきましては、被災者の救援、救護を迅速かつ的確に進める上で非常に重要でございます。被災都道府県や被災市町村の災害対策本部に設置されます活動調整会議でこれが行われることとなってございます。

 活動調整会議におきましては、各機関の活動や要救助者に係る情報、救急搬送と搬送先病院に係る情報などの共有や調整が行われておりまして、緊急消防援助隊を始めとする消防機関やDMATが連携を図りながら効果的に活動を行える体制となっております。

 また、被災現場におきましても、必要に応じて現地の合同調整所を設置をいたしまして、緊援隊やDMAT等の活動主体が円滑に連携、調整しながら活動することができるよう取り組んでおります。

 消防庁といたしましては、DMATを始め関係行政機関との連携につきまして、更に効果的に行えるよう、大規模災害時の救助・捜索活動における関係機関連携要領を今年度作成をいたしまして、具体的な連携項目あるいはトゥー・ドゥー・リストをお示ししております。今後は、この要領に基づきまして全国各ブロックの訓練や各自治体での訓練を行うことなどによりまして、関係機関との更なる連携能力向上に努めてまいりたいと存じます。

輿水分科員 どうもありがとうございました。

 まさに、消防庁の、自治体の消防との連携とか、あるいはドローンを活用してのそういった情報だとか、あるいは消防庁の庁舎ごとで通信が途絶えたときも、そういった連携を取りながら遠距離の現場の確認をするとか、消防のそういういざというときの情報というのは結構重要なのかなと。そういった情報を関係者としっかりと連携をしていただきながら、いざというときに迅速で的確な対応が取れる、こういった体制を是非整えていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

鈴木(隼)主査代理 これにて輿水恵一君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉田とも代君。

吉田(と)分科員 日本維新の会、徳島一区の吉田とも代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速質問に移らせていただきます。

 政府は、自治体情報システムの標準化、共通化について、令和七年度までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行を目指しています。一方で、各自治体は、システム標準化に対応するための費用面で不安を抱えていると伺っています。

 国が示したデジタル基盤改革支援補助金事務処理要領では、補助率十分の十となっていますが、地方六団体が令和四年十二月二十日に公表した「令和五年度予算編成及び地方財政対策について」によると、移行に伴う費用の増大について、私の地元徳島市でも同じですが、市町村から非常に大きな懸念が示されているとしております。

 また、デジタル庁と全国知事会による意見交換の場、デジタル車座対話が令和四年十月十八日に開催されましたが、全国知事会からは、情報システムの標準化に当たって、既存システムを解約した際に生じる違約金について、国に対応できないか要望したところ、違約金は国が負担しないといけないと言及がなされたとの報道があったと承知をしております。

 報道にあったように、システム標準化に係る経費は、移行経費はもちろんのこと、違約金を含めて全て国が負担すると考えてよいのでしょうか。

 また、地方から、補助上限額を引き上げてもらわなければ移行経費全体を到底賄えないとの声もありますが、このような地方からの声にどのように対応していただけるのでしょうか。

尾身副大臣 お答えいたします。

 デジタル基盤改革支援補助金は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律を踏まえ、ガバメントクラウド上の標準準拠システムへ各自治体のシステムを移行させるために必要となる経費を計上したものでございます。

 具体的な補助対象は、移行計画策定などの準備経費やシステム移行に要する経費等でございますが、分科員御指摘の違約金など、リース残債等の現行契約期間の変更等を行う場合に不可避的に発生する追加的な経費についても対象に含めることとしております。

 また、システムの移行経費につきましては、自治体から様々な声を伺っているところであり、昨年十月に閣議決定された標準化基本方針を踏まえ、現在、全自治体に対しまして、移行経費に関する調査を実施しているところでございます。

 総務省といたしましては、当該調査も踏まえ、標準化への移行目標である令和七年度に向けて、各自治体が円滑に移行できるよう、引き続き、自治体の実情や御意見を丁寧に伺いながら、必要な検討を行ってまいります。

吉田(と)分科員 尾身副大臣、ありがとうございます。

 地方からは、厳しいスケジュールの中、かなり膨大な作業があると伺っております。それに伴う担当職員の負担が大きいということで、職員の増加なども必要だと聞いております。このような視点からも、先ほど大変心強い御答弁をいただいたんですけれども、調査の方もしっかり、このような視点も含めて対応していただけたらなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 では、続きまして、次に、維持管理費、いわゆるランニングコストについてです。

 政府は、システム標準化により運用コストの三割減を目指すとしておりますが、デジタル庁が昨年九月に公表した資料によりますと、基幹業務システムのガバメントクラウド先行事業における投資対効果の机上検証の結果、ガバメントクラウドを先行して利用している八団体のうち、既にハードが共用化されている三団体については、ガバメントクラウドへの単純移行を行った場合、ランニングコストが大きく増加するという試算になったと承知しております。

 また、報道によれば、この三団体のうち、埼玉県美里町では、運用コストが一・九倍に膨らむという予想外の試算がされております。

 このような状況下で、デジタル庁は、情報システムの運用経費等について、基本方針における平成三十年度比で少なくとも三割削減という目標をどのように達成していくおつもりか、お答えをお願いいたします。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 地方自治体の基幹業務システムの統一、標準化につきましては、昨年十月に閣議決定しました地方公共団体情報システム標準化基本方針におきまして、標準準拠システムへの移行完了後に、運用経費等は、平成三十年度、二〇一八年度比で少なくとも三割の削減を目指すこととされてございます。

 投資対効果等を検証するガバメントクラウド先行事業の中間報告では、御指摘ございましたように、ランニングコストについて、八件中五件がガバメントクラウドへの移行により削減が見込まれる一方、三件はコスト増加と分析してございます。

 中間報告につきましては、あくまで現行システムをそのままガバメントクラウドに移行した場合の試算でございまして、御指摘のございました美里町の例のように、既に複数団体でシステムを共同利用している場合、試算においては、単独でのシステム構築、運用としていることや、既存の回線に加えましてガバメントクラウドへの接続回線を新設すること等によりコスト増になっていると分析してございます。

 今後、運用経費等の三割削減の目標達成に向けましては、クラウド化によるコスト削減に加えまして、技術的に推奨されるシステム構成とすることによるコストの抑制、具体的には、サーバーの機能でありますとかデータベース容量の見直し、それから、ガバメントクラウド上で提供します様々なサービスでございますマネージドサービスの採用等によるコストの抑制、それから、複数自治体による標準準拠システムの共同利用でございますとか、従来個別に構築してございました自治体共通のアプリケーションの提供による運用コストの抑制などによるコスト削減を進めていきたいと考えているところでございます。

吉田(と)分科員 ありがとうございます。

 この三割削減の目標など、地方自治体は初めての事態に大変戸惑っておりまして、標準化すればコストダウンでバラ色かと思ったら、そうでもないと。先ほど御答弁いただいたように、それぞれの自治体は、これまでのシステム導入状況などもございますので、今後の利便性のためにシステムの標準化はまさに必要だと考えますが、一方で、大きな不安を抱いている自治体の皆様にしっかり寄り添っていただくということも重要で、その強い決意を持って進めてくださるようにお願いいたします。

 また、デジタル庁も総務省も地方の声に耳を傾けていただき、こぼれることなく皆さんがしっかりその便益を享受できるようにお願いしたいと思います。

 それでは、続きまして、インターネット投票について質問をさせていただきます。

 二〇〇二年に、我が国において初めて、岡山県新見市が電子投票を市長選挙、市議会議員選挙で導入しました。当時は非常に注目されましたが、今現在、電子投票を導入している市町村はなくなっていると聞いています。

 そこで、確認しますが、我が国の電子投票に関する経緯と、実施団体がなくなった理由について、教えてください。

森政府参考人 お答えいたします。

 電子投票については、これまでに十団体で二十五回実施されたところですが、専用の投票機を用いる必要があったこと、機器のトラブルが発生し選挙争訟に発展した事案や選挙無効となった事案があったことなどにより、電子投票を実施する自治体が増えず、電子投票機を供給していた事業者が採算性等の面から機器の更新ができなくなり、機器の供給が行われなくなったことから、実質的に電子投票が実施できない状況となり、電子投票を実施すると定めていた自治体の条例も廃止、凍結をされているところです。

 このような状況を踏まえ、総務省としては、電子投票システムが備えるべき技術的条件に関し、これまでのトラブル事例や電子機器の技術の進展を踏まえて、タブレット端末などの汎用機を用いた電子投票が実施できるようにするなどの改定を令和二年に行ったところです。

 また、全国の選挙管理委員会に対し、開票の迅速化や疑問票、無効票がなくなることなどの電子投票のメリットや技術的条件の改定内容などについて説明会を開催し、その周知を図ってきたところです。

 電子投票システムの開発を検討している事業者に対しても必要な助言を行っており、引き続き、地方公共団体における電子投票の導入ができるように促してまいりたいと存じます。

吉田(と)分科員 疑問票の解消や開票時間の短縮、また、音声案内による視覚障害者等への対応も可能であることなどの利点もありまして、これまでの専用機だけでなく、タブレット端末などの汎用機を用いた電子投票の導入を引き続き検討していただきたいと思います。また、事業者や地方公共団体に開発、導入、こちらも促していくことが必要かと思います。

 今、メールというのはもうポピュラーなものですけれども、例えば、メールが立ち上がったとき、私も会社員でしたけれども、メールが届きましたかとか、確認作業というのをしっかり行っていたかと思うんですね。そういう失敗もありながら、繰り返していくことで電子投票の導入が可能になるかと思いますし、また、電子投票というのは、これをまずしっかり実施して成功させていくことがインターネット投票につながっていくと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして質問させていただきます。

 このインターネット投票についてなんですが、投票の利便性の向上や投票率の向上にインターネット投票は有効であると考えます。

 海外のインターネット導入状況ですが、エストニアで一件導入していると承知をしておりますが、このコロナ禍でテレワークも普及する中、日本ではネット投票が実施できておりません。

 一方、我が国のインターネット投票について、政府は、まず在外国民の投票にインターネット投票を実施する方向であると聞いていますが、実現に向けた具体的な日程はいまだ示されてはいません。

 なお、地方公共団体五団体の協力を得て実証実験をしたとのことですが、その結果、実現に向けて克服すべき課題と現行の在外国民投票制度の問題点を、併せてお答えください。

尾身副大臣 お答えいたします。

 まず、在外選挙インターネット投票の導入に向けた課題といたしましては、マイナンバーカードを利用した確実な本人確認や二重投票の防止、投票の秘密保持、システムのセキュリティー対策などの論点について確実な対応を行う必要がございます。

 また、現行の在外投票制度における問題点といたしましては、平成三十年八月の総務省の研究会において、在外公館投票では、投票期間が国内に比べ短くなっていることや在外公館の遠方に居住する者が在外公館へ赴くことは困難であること、郵便等投票では、投票用紙等の請求、郵送に時間を要することやその請求に係る費用負担について、指摘がなされております。

 その上で、インターネット投票という新たな投票方法を導入することは選挙制度の根幹にも関わることから、各党各会派においても十分御議論いただきたいと考えております。

 在外選挙のインターネット投票については、導入時期を明らかにできるものではありませんが、先ほどの課題や論点について調査研究を実施し、制度面、運用面の方向性について整理を進めてきており、引き続き検討を進めることとしております。

吉田(と)分科員 ありがとうございます。

 今、課題をるるお知らせいただいたんですけれども、例えば、本人確認という部分で、本人確認が困難なことということですが、公職選挙法の四十四条で、「選挙人は、選挙の当日、自ら投票所に行き、投票をしなければならない。」と定められています。

 投票所に出向いて投票日に投票するのが原則ということですけれども、投票所での投票を求めるのは、確実に本人確認ができ、また、誰に投票したのかの秘密を守りやすいからだといいますけれども、現行の紙による投票でも本人確認というのは不十分ではないかと私は思っておりまして、例えば手ぶらで投票に来られた有権者の方の本人確認の状況についてお伺いしたいと思います。

森政府参考人 お答えをいたします。

 選挙の投票においては、選挙の公正を確保するため、本人確認を確実に行うことが重要であると考えております。

 具体的には、選挙人が投票所入場券を持参した場合には、投票所入場券の情報を選挙人名簿と対照することにより本人確認を実施をしているものと承知をしております。また、投票所入場券を持参しない場合などには、身分証明書の提示を求めることや氏名、住所等を確認することなどにより本人確認を実施しているものと承知をしております。

吉田(と)分科員 今御答弁いただいたんですけれども、場合によっては成り済ましということも可能ではないかと思うんですが、御見解をお聞かせください。

森政府参考人 お答えをいたします。

 繰り返しになりますが、投票所においては、投票所入場券の情報を選挙人名簿により確認し、必要に応じて、氏名、生年月日等の確認も組み合わせることにより本人確認が実施をされております。

 そして、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならないとされておりまして、その宣言をしない者は投票をすることができない等の仕組みとなっております。

 また、他人に投票所入場券を譲渡する等により成り済ましによる投票を行うことは、公職選挙法第二百三十七条に規定する詐偽投票罪に当たるものでございまして、例えば、投票所入場券等に本人以外が使用できない旨の注意喚起の文面を記載するなど、違法行為の防止を図るように要請をしております。

 引き続き、投票所等における適切な本人確認の徹底につきまして、各選挙管理委員会に対し要請をしてまいります。

吉田(と)分科員 ありがとうございます。

 厳格に今徹底して確認を行っているということでしたけれども、例えば、その身分証明書につきましても、顔写真が掲載されているものなどで確認を徹底する必要があるかと思います。それに、技術の進歩によりまして、指紋認証ですとか虹彩認証、顔認証、静脈認証などの機械的な生体認証の方が、人間による確認よりも確かだと言われる時代が来るかもしれません。

 現行の選挙制度におきましても不十分な点があるかと思いますので、今後、現状の投票所の在り方というものも再検討していただきたいと思います。

 さて、投票率の低迷が問題視される中、平成三十年八月に公表された投票環境の向上方策等に関する研究会報告、この報告書では、マイナンバーカードの海外利用を前提に公的個人認証機能により本人確認を確実に行うなど、一定の対応方策を講じることにより、在外選挙インターネット投票の実現に向けた技術面、運用面の大きな課題、ハードルはクリアできるとされ、その後も総務省は技術的な課題への検討や対応を着実に進めていただいていると認識をしております。

 政府は、当面、海外に住む有権者を対象とした在外投票で実用化を目指す方針ですが、一方、松本総務大臣は令和五年二月十四日の衆議院総務委員会で、在外選挙インターネット投票について、選挙制度の根本的な形に関わるというふうに考えておりますので、是非、各党各会派で御議論いただければというふうに考えていると御答弁されています。

 総務省に確認ですが、各党各会派での議論が調えば、技術的に在外選挙インターネット投票の導入は早期に可能な状況なのか、伺いたいと思います。

松本国務大臣 私の御答弁についての御質問ですのでお答え申し上げたいと思いますが、まず、在外選挙に関連しましては、総務省で、在外選挙人名簿への登録申請について、ビデオ通話を通じて本人確認を行うことにより、在外公館に出向いていただくことなく登録申請できるよう、外務省と連携し、昨年見直しを行ったところでありまして、引き続き、選挙の公正を確保しつつ、在外選挙人の投票環境の向上に努めてまいりたいと考えております。

 今御質問いただきました在外選挙インターネット投票については、本人確認についてはマイナンバーカードを利用することで確実性を増すことは一つの御示唆のとおりだというふうに思っておりますが、さらに、二重投票の防止や投票の秘密保持、システムのセキュリティー対策などの課題もありまして、このような課題、論点について調査研究を実施し、制度面、運用面の方向性について整理を進めてきているところで、引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。

 投票の秘密の保持や二重投票の防止といった選挙特有の課題に対して、限られた選挙期間で投開票が適切に行われる必要があるほか、仮に不具合があってもやり直しができない、在外選挙インターネット投票の実施に当たっては、法律改正のほかに、システムを構築しつつ、制度設計の詳細や運用の確認に一定期間が必要となるものというふうに考えております。

 総務省としては、在外選挙インターネット投票について、引き続き検討し、課題の整理、対応など調査研究を進めてまいりたいと思いますが、先日も答弁を申し上げたように、インターネット投票という新たな投票方法を導入することは選挙制度の根幹に関わる、このように考えて、各党会派で十分御議論をいただいた上でのことだというふうに申し上げたところでございます。

吉田(と)分科員 松本大臣、ありがとうございます。

 まだ課題もある中、また、各党各会派で、在外投票について、インターネット導入について検討が必要だということですけれども、例えば、人口規模の小さい自治体、私の地元徳島でも、佐那河内村という村がありますけれども、人口は二千人程度なんですね、二千二百人程度です。例えば、こういった地方選挙において、総務省が全面的に協力をしてインターネット投票を試行して、地方選挙でも成功事例を積み上げてあげれば、国政選挙でもこのインターネット投票というものが導入できてくるのではないかなと思います。

 また、国内で実施をすれば、IT機器を使い慣れた若者の投票率を上げる効果が期待できます。また、過疎地に住む方、また外出が難しい高齢者にとっても便利になります。人手不足という自治体においても、開票作業の迅速化であったり事務的なミスの減少にもつながってまいります。

 マイナンバーカードの普及の促進とともに、課題の早期解決に力を注いでいただきたいと思います。これができれば、本当に、まさにデジタル立国の面目躍如だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 では、続きまして、次の質問に移らせていただきます。

 さきの報告書の中で、国内におけるインターネット投票について、「投票立会人不在の投票を特段の要件なしに広く認めることとなる国内のインターネット投票については、選挙の公正確保や投票当日投票所投票主義との関係から広く議論することが必要」としています。

 選挙における投票立会人がどのような経緯で制度化されてきたのかとともに、現在における存在意義についても改めて総務省にお伺いします。

 その上で、投票立会人は、現在においてもなお必要不可欠の存在と総務省は考えているのか、それとも、各党各会派の議論の結果、投票立会人がいなくても差し支えないとの結論が仮に得られれば、総務省としては投票立会人がいない形式での投票も差し支えないと考えているのか、御見解をお伺いします。

森政府参考人 お答えをいたします。

 投票立会人は、投票管理者の下において、何人にも干渉されずに、独立した立場において投票事務の一部に参与し、主として投票事務の執行を監視をし、選挙の公正を確保しようとする重要な役割を担うものでございまして、昭和二十五年の公職選挙法制定当初から、投票所等における投票手続に際し、立会人が立ち会うこととされております。

 投票立会人は、公職選挙法上、正当な理由がなければその職を辞することができませんし、この立会い義務を欠くときは罰金を科すということで選挙の公正を確保する仕組みとなっているものと承知をしております。

 そして、現行制度上、立会人が不在の投票は、一定の重度障害者などを対象とした郵便等投票や在外選挙における郵便等投票など、投票所等で投票することが困難で、投票機会の確保のためにやむを得ない場合に限り認められております。

 こうした立会人不在の投票を一般的な制度として認めるかどうかというようなことは、選挙制度の根幹にも関わることでございますので、選挙の公正確保の論点も含めまして、各党各会派で十分御議論いただきたいと考えておるところでございます。

吉田(と)分科員 こちらも先ほどの本人確認の話と同じでございまして、制度ができた当初の背景と、それから今の背景が同じとは限りません。今の制度のメリットと、それから別の制度のメリットと、比較をした上で、デメリットの克服手段を考えた上で、国民のためによりよい制度にしていかなければならないと考えます。各党各会派での合意、こちらももちろん必要でございますが、皆様方のような専門家の方々の研究も必要だと考えておりますので、是非よろしくお願いいたします。

 では、続きまして、次の質問に移らせていただきます。

 これまでオンライン投票について取り上げさせていただきましたけれども、るる課題があることは承知しておりますが、一歩ずつ前進をしていくことは時代の要請であります。

 さて、インターネット投票とも関係をしますけれども、デジタルインフラについてお伺いいたします。

 デジタル社会において、通信は神経網の役割を果たしています。通信サービスに障害が発生すると、先ほどのインターネット投票も利用ができなくなり、デジタル社会は致命的な機能不全に陥ります。また、消防や警察などの緊急通報も利用できなくなるなど、命に関わる問題となります。

 そのような中、昨年七月の参議院選挙期間中に、KDDIの携帯電話に大規模な通信障害が発生しました。その後も各社で通信障害が発生しています。このKDDIの通信障害を踏まえ、各社が点検を実施したと聞いております。それにもかかわらず、その後も各社で事故が続いています。通信サービスが安定的に確実につながることが前提で社会経済が成り立っており、通信は最重要インフラです。

 総務省では、頻発する通信障害に対して、電気通信事故検証会議において検証を行っているとのことですが、通信障害が頻発する背景にはどのような問題があったのか、また、その問題にどう取り組んでいくのか、教えてください。

竹村政府参考人 主要な電気通信事業者において通信障害が続いて発生していることは、総務省として大変重く受け止めております。設備故障や人為的ミスといった個別の事故の原因を踏まえて、事故を起こした各事業者に対しては、再発防止の徹底に努めるよう指導してきたところでございます。

 さらに、個別の事故の対応にとどまらず、事故の背景にある構造的問題として、電気通信事故検証会議においては、委託先を含む保守運用体制に対するガバナンスの不足、第三者による監査、モニタリングの不足、設備におけるリスクの洗い出しが不十分など、九つの論点が指摘されているところでございます。今後、同会議での議論を踏まえて、今年度内に方向性を取りまとめたいと考えております。

 総務省としては、当該検証の結果を踏まえまして、技術基準のほか、保守管理体制について定める管理規程の内容の見直しなどを行うことによりまして、情報通信ネットワークの安全、信頼性の更なる向上を図っていきたいと考えております。

吉田(と)分科員 ありがとうございます。

 通信分野、情報システムというのは、人間の目では見えない部分が多いです。ですから、予想外の挙動によって予見しないトラブルなども起こってしまいます。

 先ほどの報告書にもございましたけれども、各事業者で既知のリスクは洗い出せますけれども、未知のリスクが残る可能性が高く、他社のリスク情報が共有されていないために、結果として、他社が知っているリスクに対応できていないこともあると聞いています。ほかの重要インフラのように、定期的な点検と、それからリスク管理を業界横断的に行うことが大事だと思いますので、総務省としてもしっかりと管理をしていく必要があると考えます。

 そして、最後の質問でございます。

 また、今回の通信障害のような事態で気になることですが、特に緊急通報は人の命に関わる重要な連絡手段です。緊急通報のような特に重要な通信については、説明している通信事業者のサービスに障害が発生した場合でも他社の携帯電話サービスを利用できる仕組みを検討するべきではないでしょうか。

竹村政府参考人 総務省では、自然災害や通信障害などの発生により携帯電話が長時間利用できなくなるような事態が生じないよう、事業者間のネットワークを相互利用するローミングの実現に向けて取り組んでおります。

 昨年十二月に総務省の有識者検討会において、一般の通話やデータ通信、緊急通報からの呼び返しが可能なフルローミング方式をできる限り早期に導入すること等の基本方針を取りまとめていただきました。

 総務省としては、本年春に具体的な導入スケジュールを策定するとともに、技術基準の改正等、必要な制度整備を進め、できる限り事業者間ローミングを導入できるよう取り組んでまいります。

 さらに、通信障害の内容によっては事業者間ローミングが実施できない場合もありますことから、複数SIM対応端末や公衆WiFi、衛星通信等、ローミング以外の通信手段の利用を含め、総合的に対応を進めてまいります。

吉田(と)分科員 ありがとうございます。

 今後のデジタル社会の健全な発展のためにも、信頼あるサービスとなるように取り組んでいただきたいと思います。

 それでは、時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

鈴木(隼)主査代理 これにて吉田とも代君の質疑は終了いたしました。

 次に、三反園訓君。

三反園分科員 自由民主党・無所属の会の三反園訓でございます。

 今回は、質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。理事の皆様、関係者の皆様方に心から御礼申し上げます。

 松本大臣とは、政治記者をやっていたとき、遠い昔に取材させていただきまして、また今回、大臣におなりになり、そして質問ができることを光栄に思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まずは、地方交付税、地方交付税交付金について質問させていただきたいと思っております。

 私も県政運営をするに当たりまして、この地方交付税交付金につきましては、本当に要であり、大変重要であり、重いものでありました。こうした中で、今回、地方が自由に使えます一般財源総額を〇・二兆円増額し六十二・二兆円、そしてまた、地方の借金を抑制するために、〇・八兆円の抑制に努められました。多くの方が今回のことについては評価しております。大臣のリーダーシップ、そして総務省の皆様方の御努力に心から敬意を表させていただきます。

 その上で、大臣に質問させていただきますけれども、この地方交付税交付金の果たしている役割についてどのように御所見を持っているか、質問させていただきたいと思います。

松本国務大臣 知事をお務めもいただき、自治のまさに最前線で御活躍をされた三反園分科員に私から交付税の意義を御説明申し上げるまでもないかというふうにも思うところでございますが、御案内のとおり、地方交付税は、標準的な行政サービスを住民に提供するために必要な財源を、条件不利地域にある地方自治体や財政力指数が低い地方自治体を含む全国の地方自治体に保障する役割を有しているというふうに考えております。

 条件不利地域などの厳しい状況に置かれている地方自治体に対しては、財政需要を的確に捕捉するために各種の補正措置などを講じているところでございます。

 普通交付税算定においては、例えば、地域の元気創造事業費、人口減少等特別対策事業費の算定における条件不利地域の地方自治体への割増し、条件不利地域を含む小規模団体の人口一人当たりの行政経費が標準団体に比べ割高となることを踏まえた段階補正による割増しなどを行っているところでございます。

 また、このような形で捕捉できない財政需要に対応するために、特別交付税の制度も設けて対応させていただいているところでございまして、地方を元気にするのが私どもの役目であるという考えの下に、今後とも、地方交付税の持つ機能が適切に発揮されるように、地方自治体のお声もしっかりと伺いながら、適切な算定に努めてまいりたいと考えているところでございます。

    〔鈴木(隼)主査代理退席、主査着席〕

三反園分科員 ありがとうございました。大臣から心温まる答弁をいただきました。

 私が知事を務めておりました鹿児島県におきましては、離島があり、そしてまた過疎地域があり、そして財政力指数が低いという極めて厳しい中での予算、そしてまた県政運営に当たってきたわけであります。前例のないことに取り組もう、そしてまた常識にとらわれない発想に従っていこう、勇気を持っていこうという形で進めてまいりましたけれども、そのたびに、知事、予算がと。

 予算がありませんとかそういうことを言われながら、どういう形で取り組んできたかといいますと、時代は変化して、ニーズもどんどん変化してきております。だからこそ、これまでやってきた中で時代に合わなくなったものもあるだろう、それはもうスクラップをどんどんしていこう、ただ、スクラップするだけではどんどん衰退していくから、スクラップしている分、そしてニーズに合った分をビルドしていこうと。スクラップ・アンド・ビルドの精神でやってきまして、政府の御支援もありまして、鹿児島県は観光と農業が基幹産業でありますけれども、農業においては、官民が連携して、生産額五千億円を突破して全国二位になり、また観光消費額も三千億円を突破するという形の中で、懸命にこれまで取り組んでまいりました。

 しかし、コロナがあって、また一からすごく努力しなければならないという状況の中で、今回〇・二兆円の増額をしていただいたことはまさしく的を射た政策ではないかな、そういうふうに思っております。

 また、大臣も、今御答弁をいただきましたけれども、地方交付税というのは、皆さん御存じのとおり、地方自治体間の不均衡を調整して、そして、どこに住んでいても住民が同じ行政サービスを受けられる、だからこそ財政状況を考慮して交付するというものであるというふうに認識しております。だからこそ、条件不利性、そしてまた財政力指数が低い、だから自治体にも本当に体力に差があるわけでありますので、そこを勘案しながら、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思っております。

 改めて、こういうことに対しまして最大限配慮していただきたいと思いますけれども、御答弁いただければと思っております。

松本国務大臣 おっしゃるように、各自治体は、住民の皆様の多様なニーズに応えながら、また時代に合わせてということで、今回も、基準財政需要額の算定に当たっては、これまでもありましたデジタル社会推進の事業費も、従来の二千億円を延長するとともに五百億円積み増すという形を取らせていただきましたし、また、現下の課題ということで、光熱水費の高騰の対応策も増額の中に入れさせていただいているところでございます。

 その上で、まさに今分科員おっしゃったように、私どもも各地方を元気にすることが本当に大切だというふうに思っておりますし、よく誰も取り残されないということを言いますが、私はそれに加えて、どこも取り残されないということが大変大切なことではないか、その思いで努めてまいりたいと思っており、それにおいて、交付税の果たす役割というものもしっかり肝に銘じて取り組んでまいりたいと思っております。

三反園分科員 大臣、本当にありがとうございました。その言葉を聞いて、地方の方々も本当に一生懸命また取り組んでいくことになるというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 大臣、もう一問だけ、ひとつお願いいたします。

 一月からずっと、出初め式とかいろいろなことに参加させていただきました。消防団員の皆さんというのは、火事があったらすぐ駆けつけて、防災があったら駆けつけて、本当に一生懸命取り組んでおりますので、その消防団員の皆様方に一言だけ言葉をかけていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

松本国務大臣 おっしゃったように、地域の防災力という意味でも、消防職員、常備消防の皆さんも頑張っていただいていますが、私の地元も含めて、やはり、地域にあっては、消防団員があって本当に地域の防災力が確保されている面というのが多々ございます。

 他方で、今、これも分科員おっしゃったように、消防団員の皆様は、お仕事を持ちながら、ある意味ではボランティア精神でお務めをいただいている部分が多々あるわけでございまして、私自身も、消防団員の皆様にお話をする機会があるときには、本当に崇高な志、使命感を持ってお取り組みいただいていることに感謝を申し上げながら、改めて、私を始め住民の皆様は、口に出していないところがあっても多くの感謝の気持ちを持っていることをしっかり受け止めて、誇りに思って御活躍をいただきたいと申し上げてまいりました。

 改めて、全国の消防団員の皆様には、日頃からの御尽力に心から敬意と感謝を申し上げるとともに、私どもの気持ちを是非受け止めていただき、同時にまた、本当に崇高な使命を果たしているという誇りを持って御活動いただくようにお願いを申し上げたいと思います。

三反園分科員 どうもありがとうございました。大臣のその言葉を胸に、消防団員の方々も頑張っていけるというふうに思っております。

 大臣、御退席いただいても大丈夫でございますので、本当にありがとうございました。

 引き続き、消防団の活動について御質問させていただきたいと思うんですけれども、消防団員の方々とお話をしていると、やはり消防団員が不足していて危機感を持っているということであります。これまでも処遇改善に努めていただいているわけでありますけれども、更なる処遇改善と環境整備について努めていただきたいというふうに思っております。

 人口減少、そして若者がなかなか就かないという状況の中で、それを改善するためにどのように今後努力されていくのか、御所見をお伺いできればと思います。

澤田政府参考人 お答えいたします。

 消防団員数は年々減少が続いておりまして、令和四年四月一日現在で約七十八万四千人と、前年から二万人以上減少しまして、初めて八十万人を下回る危機的な状況であると認識をいたしております。

 こうした状況を踏まえまして、総務省消防庁では、消防団員確保のための消防団員の報酬等の基準に沿った処遇の改善を令和四年度から実施するよう、お願いをしてきているところでございます。

 今後、女性、若者を始めとします幅広い住民の更なる入団促進に向けまして、広報の充実に加えまして、機能別団員制度、協力事業所表示制度などの活用や全国の先進事例の周知を行うとともに、社会環境の変化に対応した消防団運営を促進するための消防団の力向上モデル事業につきましても、令和五年度当初予算案におきまして、対前年度比一億円増の三・五億円を計上いたしております。

 このほか、消防団員の災害対応能力を向上させるため、救助用資機材の整備に係る補助金の拡充を始めとした装備の充実や準中型自動車免許等の取得支援、ドローンを活用した災害対応のための技術講習の実施などによる活動環境の整備を一層推進しているところでございます。

 こうした取組を地方公共団体と連携しながらスピード感を持ってより一層推進することによって、消防団員の確保に全力を挙げてまいる所存でございます。

三反園分科員 ありがとうございました。

 消防団員の、頑張っておりますので、立場に立って、更なる御支援をよろしくお願い申し上げます。

 次に、奄美群島振興開発特別措置法について質問させていただきたいというふうに思います。

 私も、今年一月から奄美群島を毎週のように訪問させていただきまして、知事のとき二十七回、そして国会議員になって二十四回、訪問させていただいております。

 行くたびに感じることがあります。それは何かというと、本当に物価が高いです。本当に牛乳も高い。スーパーに行くとよく分かるわけであります。それはなぜかというと、輸送コストが高いからであります。本当に全て高い。ガソリンも、私もびっくりしたんですけれども、令和四年八月の段階で、全国が百六十八・五円だったんですけれども、奄美群島は百九十六・六円。

 そしてまた、与論島があるんですけれども、本当にきれいなところなんですけれども、奄美群島は車でしかできないわけですね、電車がないわけですから。そして、町長さんが、代議士、幾らか知っていますかと言われたんですけれども、二百九円だったですよね。これは補助があってもそれぐらいの、いわゆるガソリンが高いということでもありますし。

 また、生鮮食料品についても、船で、フェリーで来るわけでありますけれども、台風のときはもちろんでありますけれども、ちょっと風が強いとフェリーが着かない。そうすると、スーパーから生鮮食料品がずっとなくなってしまうわけであります。だからこそ、冷蔵施設が必要でありますし、また、風が吹いても港に入れるぐらいの港湾の整備というのは本当に必要なんです。これは生きていく上で本当に必要であります。

 また、道路に関して言いましても、海岸を通ると防災上本当に危ないところもあるわけでありまして、山越えをすると、カーブで相当時間がかかる。奄美群島において道路といえばトンネルなんですね。トンネルを掘ることによって利便性が高まり、そして、物流の面からも、観光の面からも、生活の面からも非常にいい。これまでもトンネルがすごく役割を果たしてきました。

 しかし、まだまだなんですよ。行くと分かりますけれども、まだまだトンネルを掘らなきゃいけない、港湾も整備をしなければいけない、輸送費コストの援助もしなければいけない。

 そしてまた、世界自然遺産に登録されました。これからなんですよ、本当に。これから十年、この自然を守りながら観光にどうやって生かしていくか、これから一生懸命、今奄美の方々は頑張ろうというときであります。

 こうした中で、令和五年末に奄振法の期限が切れるわけであります。これは本当に奄美の皆様方の思いであります。これからどうやって生きていくか、本当に、生き残るためにこの奄振法というのは重要な役割を果たしてきましたし、ここの十年はもっと役割が大きくなるというふうに思っておりますので、是非、ここらあたりを勘案しながら、延長とそして予算の確保をお願いしたいと思っておりますけれども、この辺についての御答弁をお願い申し上げます。

清水大臣政務官 お答えいたします。

 奄美群島の振興につきましては、昭和二十八年の本土復帰以来、国による特別の措置を講じてまいりました。

 具体的には、道路や港湾を始めとした社会資本の整備を着実に進めるとともに、奄美群島振興交付金による支援を通じ、奄美群島の特性に応じた産業の振興や住民の生活の利便性の向上に貢献をしてきたところであります。

 しかしながら、奄美群島は、先ほど御指摘があったとおり、厳しい地理的条件による不利性や歴史的な特殊事情があり、経済面、生活面における本土との格差が今なお存在をしております。

 国土交通省といたしましては、奄美群島の振興開発を継続的に支援することが重要であると考えておりまして、予算につきましては、引き続き、奄美群島振興開発関係予算の確保に努めるとともに、法の延長に関しましては、地元の要望や奄美群島振興開発審議会における議論なども踏まえながら、奄美群島振興開発特別措置法の令和五年度末の期限を見据え、検討を進めてまいりたいと考えております。

三反園分科員 ありがとうございました。

 清水政務官から、本当に温かい前向きな発言をいただきました。奄美の方々も、今の答弁を聞いて、これからまた頑張ろうという気持ちになっていただいていると思っております。そしてまた、訪問するたびに、現場の人の声を聞いてきました。やっぱり、現場の声を聞いて、それを政策に反映させるのが政治ではないかなというふうに思っております。

 今、奄美の方々も一生懸命頑張っておりますけれども、基幹産業が農業と観光であるわけでありますけれども、私が知事のときに現場に行って声を聞いたのは、農産物を作っても、輸送費がかかるので競争力がつかない、すごく条件不利があるということだったので、農産物の輸送費補助をやりました。それで、加工品もやりました。ただし、今五十五品目でありますけれども、これを拡大してほしいという声がすごく強いです。

 特に、鹿児島県は、皆さん御存じのとおり、和牛能力共進会、五年に一度の、この間、昨年鹿児島で開かれましたけれども、総理大臣賞をつくったりとかして、若い人たちが、一生懸命畜産農家は頑張っております。そうした若い畜産農家の方々の要望がありますので、この畜産というものを柱にして加えていただきたい。

 そしてまた、世界自然遺産に登録されました。これは、奄美大島と徳之島と沖縄が一緒に登録されたわけでありますので、要望が強いのは、沖縄との交流を促進しながら観光振興につなげていきたい。そのためには、航路、航空路運賃に関して沖縄との間を軽減してほしいとか、そういう本当に具体的な要望、そして前向きな、今後、本当に努力して、奄美を復興、発展させていきたいと。

 今、復帰七十年でありますけれども、これを節目にして皆さん頑張ろうとしているわけでありますので、こうした皆さんの頑張ろうという声に応えていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

清水大臣政務官 お答えいたします。

 奄美群島における農林水産物の輸送費につきましては、奄美群島振興交付金を通じまして、奄美群島外に出荷する企業や団体に対し、奄美群島と鹿児島県本土間の輸送費に相当する額の支援を行っております。これまでも、地元の要望を踏まえながら、原材料の移入や加工品の移出を対象に加えるなど、制度を拡充してきたところであります。

 農林水産物等の輸送コスト支援の対象品目につきましては、鹿児島県の事業実施要綱において定められているところでありますが、国土交通省といたしましても、必要に応じて更なる制度の拡充を検討してまいりたいと考えております。

 また、奄美と沖縄は、地理的、自然的、文化的に密接な関係性を有しておりまして、奄美群島南部を中心に、日常生活においても深いつながりがございます。また、令和三年には両地域が共に世界自然遺産に登録されたところでもありまして、結びつきがより一層強まっていると考えております。

 特に、奄美の主要産業である観光につきましては、多くの観光客を呼び込んでいる沖縄と連携した取組が重要であると考えられることから、令和五年度は、奄美群島振興交付金におきまして、鹿児島、沖縄両県の連携による観光客誘客のためのプロモーションや、奄美群島―沖縄間の運賃割引を支援することといたしております。

 引き続き、地元の要望を踏まえながら、沖縄との結びつきに着目した支援策の拡充を検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

三反園分科員 清水政務官、ありがとうございました。

 様々な面で条件不利性がある中で、奄美群島の皆様は必死に今頑張っているわけでございますので、是非、奄振法の延長、予算確保、そして、先ほど申し上げましたけれども、一生懸命自立性を高めようとしたときに、それに対する支援というのは非常に大事であります。若い畜産農家の方々とこの間も話をしましたけれども、本当に皆さん、前向きに捉えながら、懸命に頑張っていこうというふうに思っております。

 また、奄美に移住して住みたいという人もたくさん増えてきておりますけれども、その定住の促進、空き家対策とか、そういうものも自治体が進めることに関しましても、是非、この奄振法の交付金も含めて、政府と要するに自治体が一緒になって、そして現場の皆さん方と一緒になって取り組んでいただくような、そういう環境整備に、これまでも一生懸命取り組んでいただいておることに関しても感謝しております。そしてまた、奄美の皆様方も、引き続き、この十年に向けて頑張っていこうと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思っております。

 ありがとうございました。

 次に、さきの、これまでにない冷害が発生してきております。寒気に伴って全国で、霜の被害も含めて大きな農産物の被害が出ているわけでございます。私の地元の鹿児島県でも二十四億円の被害が発生しております。

 私も現場に行ってきました。そうしたところ、メモを取ってきたんですけれども、若い人たちが、来年への夢がつなげない、もう少しで出荷のところだった、これからというときにつらい、生産者が四、五十人いたけれども今は十人程度になってしまった、今後やる気がなくなってしまったということであります。

 私の地元指宿では、ソラマメとかスナップエンドウが日本一の生産をやっておりまして、それで生計を立てている方もたくさん実はいらっしゃるんですけれども、本当に、今、出荷するときに全滅、どうしたらいいのかと。特に若い人たちが今後農業を続けていく気力がなくなってしまう、これは非常に重大なことではないかなというふうに思っております。

 今回の冷害による、霜の被害などによる支援策についてお聞きしたいと思います。

勝俣副大臣 ありがとうございます。

 本年一月の冷害につきましては、まずは、農林水産関係の被害状況を把握する必要がありまして、現在、全国の被害状況の調査を進めているところであります。

 三反園先生から御指摘のありました鹿児島県におきましては、ソラマメやスナップエンドウ生産者が生育回復に向けて作業を進めていると聞いておりまして、今後の回復状況をしっかりと注視してまいりたいと考えております。

 農水省としましては、こうした被害状況や復旧作業の状況、現場の要望等をしっかりと踏まえつつ、関係自治体と連携しながら、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。

三反園分科員 ありがとうございました。

 是非とも、必要な支援が若い農家の皆さん方の心に届くような支援となるようにお願いしたいと思います。

 というのは、私は農業は宝だというふうに思っておりますし、人間は食べていかなければなりません。そして、今、ウクライナ情勢もありますけれども、世界が今後どういう状況になっていくのか、そのときに、食料安保というのが非常に重要であります。今、農業をやっていただいている方は高齢化がどんどん進んでおりまして、若い人たちが農業をやっていく、そういうふうにしていかなきゃならない。これは非常に私は重要なことだというふうに思っております。

 若い人たちに聞くと、今回もそうでありますけれども、何かあったときに、政府の人たちも自分たちの思いと一緒になって考えてくれている、自分たちの思いになって対応してくれている、そういうふうに思うだけでもやっていけますということでありました。

 若い人たちは、将来が不安であると農業を続けていくことができないと言っております。私もそのとおりだと思っております。将来が不安な農業であってはならないわけであります。

 こういうときほど、七年前もありましたけれども、そのときにも農水省の方に支援をしていただきました。是非、そういう若い人たちが営農を続けていただけるような、温かい支援というものが今求められているというふうに思います。

 今後の農業の在り方も含めて、是非、副大臣に御答弁を願えればと思います。よろしくお願いいたします。

勝俣副大臣 ありがとうございます。本当にそのとおりだというふうに思います。

 平成二十八年一月の冷害のときの支援策は、降雪に伴う過去に例のない甚大な被害であったということを踏まえて講じたものであります。このため、今般の冷害についても、しっかりと被害規模に応じた判断が必要であるというふうに考えております。

 まずは全国的な被害状況の把握をしっかりと進めてまいり、そして、三反園先生おっしゃるように、本当に寄り添った政策をしっかりと行ってまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

三反園分科員 副大臣、ありがとうございます。

 その言葉を、是非、地元に帰って、農業を営んでいる若い人たちに伝えたいと思います。政府の方も一生懸命皆様方を支えていくよ、皆様方の身になって対応するよ、そういう思いを帰って伝えていければと思います。

 今後、やはり農業は大事でありますので、国としても、すぐに農業をやれと言っても、なかなかできるものでは実はないんですよね。だからこそ、若い人たちを、農業をやっている方をいかにして営農を続けさせていくかということが大事であり、国としても予算面を含めて支援をしていくよということが非常に今後重要だというふうに認識しておりますので、引き続き、またよろしくお願い申し上げます。

 やはり、農業をやるというのは自然との闘いでありますので、厳しいことがあることもまた事実であります。そのときに、やはり、収入保険も含めて、いろいろな形で入っていただきたいということを言っているわけでありますけれども、なかなかその周知が徹底していないんです、実は。入っていない人が悪いということではなくて、やはり周知して、入ることの重要性をもっともっと広めていくことも必要だと思いますけれども、その点に関しましてどうかということを御質問させていただきます。どなたでも結構でございます。

安岡政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、農業は、様々な意味で自然を舞台にした産業でございますので、気象の影響だとか、大きな影響はあるところでございます。そういった様々な農業が受ける影響に対して、先生御指摘のような収入保険であるとか共済であるとか、そういったセーフティーネットを準備しているところでございます。

 もちろん、こういった制度を使っていただいて、やはり現場で役に立っているということでございますので、今日の御指摘もございますので、やはり、しっかり現場にこういった制度を使っていただけるよう、改めて周知を図り、取り組んでいきたいというふうに思っております。

三反園分科員 どうもありがとうございました。農水省の皆様方の更なる御支援をお願いしたいと思っております。

 先ほどもありましたけれども、奄美が復帰七十年でございます。そして、世界自然遺産も登録されましたので、是非、清水政務官も含めて、柘植副大臣も含めて奄美を訪問していただいて、現場の雰囲気を、ちゃんと行っていただいて、また今後の政策に御支援をお願いできればと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 もう一つだけ、済みません、農水省にお伺いしたいと思うんですけれども、サツマイモの基腐れ病が非常に厳しい状況でありましたけれども、これに対する対策について、最後、一問だけお願いします。

勝俣副大臣 ありがとうございます。

 鹿児島県において近年発生しているサツマイモ基腐れ病については、予防対策の徹底など現場関係者の取組により、令和四年産は発生面積が抑えられているものの、依然、作付面積の三割以上で発生が見られている状況でございます。

 このため、農水省におきましては、令和五年産の基腐れ病の被害軽減に向けて、今年度の補正予算等により、圃場に菌を持ち込まない、増やさない、残さない対策を徹底して行うため、被害軽減対策の実証、薬剤や健全苗等の資材の購入、育苗施設や種芋の蒸熱処理装置の導入等に対する支援を行っているところでございます。

 引き続き、こうした支援をしっかりと行い、基腐れ病の被害軽減に取り組んでまいりたいと考えております。

三反園分科員 どうもありがとうございました。前向きな答弁をいただきました。

 私は、常に現場に飛んでいって、現場の声を政治に反映させよう、そういう思いで取り組んでまいりました。引き続き、現場の声を届けて、皆様方も含めて、この日本がよくなるように懸命に努力していきたいと思いますので、またよろしくお願い申し上げます。

 そして、最後に、こうやって質問をする機会を与えていただきました自民党の関係者の皆様、理事の皆様、多くの皆様方に心から御礼を申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 今日は、皆さん、本当にありがとうございました。

熊田主査 これにて三反園訓君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

熊田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。田畑裕明君。

田畑分科員 自民党の田畑裕明でございます。

 第二分科会で質問する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。大臣、副大臣も本当にありがとうございます。

 それでは、時間が限られておりますから、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。

 まず一問は、今日は厚労省の大坪審議官にもお越しをいただいておりまして、ちょっと一問だけ別に、総務関係ではございませんが、質問させていただきます。季節性インフルエンザのワクチンについてであります。

 去年の秋からこの冬が流行するといういろいろな懸念、報道もあって、ワクチンの供給量は過去最大の供給量が市場に出回っているというふうに承知をしております。反面、接種者の率、接種数は、国が予想していたよりも少ないという結果だというふうに聞いております。余ったワクチンはメーカーの責任において廃棄になるというふうに承知をしてございます。

 現在は四社の会社がワクチンを製造しているというふうに承知をしてございますが、在庫の取扱い等を改めて、これまでもメーカーとも協議をしているというふうには承知をしてございますが、相当数廃棄をされるということ、それはメーカーの責任、メーカーの負担でというふうに承知をしているところでありますが、当該関係企業と引き続きしっかりいろいろ協議をして、来年以降も当然作っていただかなければならないということでありますので、ちょっとその辺の懸念について、どう厚労省として対処しているのかをお聞かせをいただきたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御案内のとおりでございますけれども、季節性インフルエンザのワクチン、これは、六十五歳以上の方と、六十歳以上で六十四歳以下であって一定の障害を有する方、これが定期接種のB類という位置づけになっておりまして、それ以外の方は全て任意で接種を行っていただいております。そうしたことから、国として、接種の勧奨、いわゆるお勧めということをしてはいないという状況でございます。

 ただ一方で、これらのワクチン、前年度のワクチンの収率が悪くて供給が低下した場合ですとか、今年のようにコロナとインフルエンザの同時流行、こういったことが疑われる場合には、企業に対して増産の要請などを行っているというところでもありまして、数度にわたりまして昨年末から製薬企業四社と意見交換の場を様々持たせていただいております。

 その中で、いろいろな御意見をいただいているわけですけれども、厚生労働省といたしましては、まずは、流行状況が不確実である中ではありますが、在庫が過剰になることがないように、その製造の予見性、こういったものが高められるよう、企業とも引き続きよく御相談させていただきたいと思っております。

田畑分科員 答弁ありがとうございました。ここは引き続きしっかり向き合って対応していただくことを要請させていただきたいと思います。

 大坪さんの方はお帰りいただいて結構でございます。

 それでは、今日は、済みません、大臣も御参加をいただいておりますが、地方公務員について少し議論させていただきたいというふうに思います。

 その前に、令和五年度の財政についての、地方財政の姿でございますが、様々な行政課題ですとか財政需要に応えるため、非常に総務省としても前向きな地方財政に対する手当てをしていただいているというふうに評価をしたいというふうに思います。地方交付税、一般財源総額においては令和四年度を上回る六十二兆一千六百三十五億円、臨財債も引き続き圧縮傾向という流れを出していただいているということには、これは地方自治体からも評価があるのではないかなというふうに思います。

 一方、そこで働く公務員の皆様方、地方公務員の方々、様々な職種がございますけれども、しっかりとした公共心のある人材ですとか、当然、業務が複雑化、高度化をするわけでありますので、そうしたことを属人化しないようにですとか、非常に見える化をしたりですとか、合理化をして、何とか各地域の自治体運営を回していくということが引き続き大事なことであろうかと思います。

 総務省としてもいろいろコミットすることが多いのではないかと思いますし、一義的には首長ですとか議会、地方自治体の活動を尊重しつつ、しっかりサポートしていただきたいという観点からちょっとお話をしたいと思います。

 一つ目は、人材の確保でございます。

 地方自治体も民間の企業との競合というのも当然あるわけでございますが、その中でも、とりわけ今、デジタル対応、デジタル人材、いろいろな行政システムの標準化ということが進められているところでありますが、大きな自治体は、手前でいろいろな対応ができたりですとか財政力があるということでそんなに心配は少ないとは思いますが、小規模自治体において、とりわけ自治体DXの推進のための、そうした自治体における人材の確保、こうしたことについて総務省としてどうサポートしていくのかお聞かせをいただきたいと思います。

 あわせて、今、民間企業も、いわゆる経験者採用と言われる、いろいろな専門分野を持った方々をいわゆる中途採用しているということも実態としてはあるというふうには思いますが、多様な人材を確保する観点から経験者採用というのも大変大事な観点でありますが、その取組について、まず政府参考人に、公務員部長にお聞きをしたいと思います。

大沢政府参考人 お答え申し上げます。

 まず第一点目の件でございます。

 地方公共団体におけるDXの推進、これは、デジタル社会実現のために喫緊の課題であると認識しています。

 一方で、先ほど御指摘がありましたように、官民を問わず、デジタル人材の需給が非常に逼迫をしておりまして、今後着実に自治体DXを推進していくために、デジタル人材を地方公共団体でどう確保していくのかというのが非常に大きな課題だと思っております。

 特に市町村における人材の確保につきましては、ノウハウであるとか財政面での課題がありますので、こうした面で、相対的に人材を確保しやすい都道府県がデジタル人材を確保して、市町村への支援を行う、こういったことを強化をする必要があると思います。

 このため、都道府県におきます市町村支援に従事する職員の人件費であるとか都道府県の民間事業者への委託費であるとか、先ほどの人材の募集経費、あるいはこういった都道府県に対する市町村の負担金、こういったものに対して、令和五年度から新たに特別交付税措置を講ずることとしております。

 こうした取組によりまして、デジタル人材の確保が着実に進むように、総務省としてもしっかり支援をしていきたいと思います。

 それから、第二点目の件であります、経験者採用の件です。

 自治体における経験者採用を含む中途採用試験による採用者数というのを総務省では把握をしております。令和元年度が六千三百四十人、令和二年度が八千三百三十一人、令和三年度は九千百六人となっておりまして、徐々に増加傾向にあると思っております。

 また、総務省では、地方公務員の採用試験の実施方法に関する調査も最近行ったところでありまして、この調査からは、経験者採用試験につきまして、デジタル人材の確保であるとか児童福祉人材の確保であるとか、こういった試験区分を新たに設けるといったようなことに取り組んでいる、そういう自治体も出てきているというふうに把握しております。

 総務省としても、自治体が経験者採用に積極的に取り組んでいただけるように、情報提供等を行ってまいりたいと考えております。

田畑分科員 答弁ありがとうございます。

 御説明もありましたが、都道府県を中心に、各市町村にしっかり、あまねくデジタル人材支援を行うということ、そして、新たに地財措置もしっかり行うということ、特別交付税での手当てという答弁がございました。

 是非、しっかりそれが機能するように点検、チェックしていただきたいと思いますし、当然、地方自治体の役所の中のDXのみならず、役所とつながっているいろいろな様々な、いわゆる経済団体とかを含めた地域全体のDXというのも同時にしっかり進めていただきたいと思いますし、その先にはもちろん、住民のDX、マイナンバーも含めた形でのデジタル社会が津々浦々しっかり浸透すること、また、過疎地、山村僻地で、行けば行くほどデジタルの恩恵を住民の皆さんがお感じをいただいて、引き続き住み慣れたところでしっかりサービスの供給を受けて、地に足をつけて生活ができるそのサイクル、これをしっかり総務省として点検、チェックをしていく必要があるのではないかなというふうに思います。

 経験者採用についても、ここも、いろいろな方々の意見というか、改めて、ふるさとで働きたいですとかそのようなときに、Uターンするときに、地方自治体というのも当然大きな選択肢の一つだというふうに思いますし、専門的な能力、知識のある方が公の仕事をやりたいという、こうした崇高な思いを持つ方々の受皿としても、地方自治体の在り方というのは、大変私は、しっかり支えていくべきだなというふうに思いますので、是非、引き続きお願いをしたいと思います。

 複数の自治体でそのようなデジタル人材をシェアをしていくということも、大事な視点ではないかなというふうに思います。

 そうしたら、その確保ですとか採用と併せて、当然、既存の職員の方の育成、しっかりとした質の担保というのが問われるわけでありますが、ちょっと尾身副大臣にお聞きをしたいと思います。

 今、政府全体で新しい資本主義という旗を掲げて、それこそ、いわゆる日本版のジョブ型の、職務をしっかり評価をするような、そうした働き方改革を進めようということが、旗印を掲げています。

 よく言われるリスキリングということを、いわゆる民間の勤労世代の方々に、しっかり、いわゆるスキルアップ、また自己研さんという形で進めていこうということでありますが、今回の施政方針で総理からは、いわゆる公的なセクターで働く方々、そうした方々の賃上げもしっかり行いますということを明確に明言をされました。

 これは、地方公務員の皆さんも当然含まれるというふうには思いますし、いわゆる公共事業の労務単価も引上げということにも、そこは足並みがそろっていく話ではないかなというふうに思いますが。

 総務省として、改めて、地方公務員のいわゆるリスキリングですとか、職場のOJTを含めた研修体制ですとか、政府全体の動き、流れともやはり平仄をしっかり合わせて、地方公務員の皆さんの中間年代の方々の更なるスキルアップ、こうしたことについて、特段今何かやっているということは多分ないというふうにも承知をしているんですが、やっている自治体の好事例を横展開をされたりですとか、むしろ、もっと一歩先に言えば総務省内で検討会みたいなものをつくって、やはり、地方自治体の方々、地方公務員の皆さん方のスキルアップを何らか全体的に国として支援をするといったことについて、一歩踏み出されたらいかがかなと思いますが、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。

尾身副大臣 お答えいたします。

 デジタル化を始めとする新たな行政課題に的確に対応するためには、各自治体においてリスキリングを推進することで、課題解決に必要となる知識や技能を職員に習得させ、組織力を向上させることが必要であるというふうに認識しております。

 特に、近年、自治体行政においてもデジタル技術の活用が求められている中で、総務省といたしましては、自治体におけるデジタル化の取組の中核を担う職員、いわゆるDX推進リーダーを育成するため、研修に要する経費や民間講座の受講料等の経費について新たに地方交付税措置を講ずるとともに、J―LIS、地方公共団体情報システム機構などにおける自治体職員向けの研修の充実や、デジタル人材に係る人材確保・育成参考事例集の作成による先進的な事例の横展開等に取り組むこととしております。

 また、自治体の人材確保、育成につきましては、デジタル分野を始めとする地方公務員のリスキリングを推進する方策も含めて、検討を深めてまいりたいと思っております。

田畑分科員 ありがとうございます。

 ここでも、新たにしっかり地財措置で人材育成に手当てをしますという力強いお答えがございました。ありがとうございます。

 地方公務員の皆さんも、モチベーション高い方は、自らいろいろなセミナーですとか、場合によっては、地方公務員同士の横の連携の中でいろいろな勉強会をされたりですとか、各地域の自治体の好事例を自らウォッチをして、また吸収をされているという方々もいらっしゃるというふうに仄聞をしているところであります。

 もちろん、総務省として、きちっとした正規の枠をしっかりつくるということ、支えるということも大事でありますし、いろいろな事例を、当然、ネットワークをお持ちでありますから、丁寧にお聞き取りをしながら、ブラッシュアップをして、前に進めていただきたいなというふうに思います。

 ようやく、少しこの狭さに慣れてきたところでございますが、次に、定年延長の職員の方々について、少しお聞きをさせていただきたいと思います。

 いわゆる公務員の定年延長というのが、いよいよ令和五年度から、二年ごとに一歳ずつ上がっていくというのが進められていくわけであります。

 いわゆる役職定年制の下で、新たな年齢の新定年まで働くのか、また、退職金をもらって定年前だけれども再任用の短時間勤務をするのかですとか、幾つか選択肢の中で当該の該当者の方々は選んでいくということになるんだというふうに思います。

 私も、地元の公務員の方とお話しすると、いよいよ該当の年齢に近い方々は、自分の職場から、こういう形が選べますよというか、自分のキャリアについて、今後どうしますかというような研修会もいよいよ始まっているというふうにもお聞きをしているところであります。

 高年齢者であっても、公共心を持って奉職された方々が引き続き力が発揮できたりとか、また、変な意味で、新たに、上司だった人が今度は部下になったりとか、非常に、頭では分かっているけれども、なかなか心でうまくつながらないとか、いろいろなことが懸念もされるわけであります。

 いろいろな職種の方、公務員の方、いらっしゃいます。この高年齢者の活躍の場であったりとか、まさに役職が降格された後の働き方等について、これは一定の支援というか、やはりサポートを総務省としても、ガイドライン的な提示を含めて行っていくべきだというふうに思いますが、改めて、現状の取組について、公務員部長にお聞かせをいただきたいと思います。

大沢政府参考人 お答え申し上げます。

 定年引上げによりまして高齢期の職員が増加をするということに伴いまして、自治体において高齢期職員の幅広い職務における活躍を促して、その多様な知識や経験を公務内で活用するということが大変重要になってまいります。

 このため、総務省では、昨年度、地方公務員の定年引上げに伴う高齢期職員の活用に関する検討会というのを開催をいたしまして、この中で、現行の再任用制度において、再任用の前に管理職だった方が再任用後に非管理職で活躍している、こういう事例は幾つかもう出てきておりますので、こういった高齢期職員の活躍事例というものをかなりたくさん集めまして、これを収集をして、各自治体に情報提供を行っております。

 また、文書としても、これまでの経験や知見、能力を踏まえた高齢期職員の職務の検討であるとか、高齢期職員向けの研修などを実施することによるモチベーションの維持であるとか、周囲の職員の理解促進を進めることによる職場環境の整備であるとか、こういったことについても文書の形で助言等も行っております。

 本年四月に施行を間近に控えまして、自治体において適切な対応が図られますよう、先ほど申し上げました活躍事例などの横展開も含めて、引き続き情報提供などの支援を行ってまいりたいと考えております。

田畑分科員 答弁ありがとうございます。

 やはり、高年齢者になればなるほど、公務上の災害というか、いわゆる俗に言う労災的なことであったりですとか、おけがも含め、これはメンタルも含めてでありますが、予想していたよりも更にいろいろな憂いやリスクがあるのではないかなというふうに思いますので、もちろん好事例の展開をしっかり支えるですとか、一義的にはやはりその職場で、それぞれ現場現場がありますから、そうしたところを尊重しなければいけないと思いますが、相当ドラスチックな改革でもあるのではないかなと思います。

 元々、入庁というか入ったときに、もう六十歳で自分はちゃんとゴールして違ったことをやろうと思って最初から公的な仕事をされている方もいらっしゃるのかもしれませんし、それぞれの生き方に応じた活躍ができるということをしっかりサポートできるようにお願いをしたいと思います。

 当然、現業職の方々についても、延びる部分があったりですとかあろうかと思いますから、とにかく地方公務員はもう様々な職種の方々がいらっしゃいますので、その職種によって何か公平、不公平感があるとか、そうしたことがないようにもしっかり整えていただきますことをお願いをしたいというふうに思います。

 あわせて、続いては、兼業、副業。これも、民間の勤労者において、一部大手企業ではもう堂々と兼業や副業を認める、そうした事業所も増えてきているところであります。

 働き方改革の中で、労務時間をしっかり管理をして、余暇を、むしろ兼業というよりも自分の能力アップのために自己研さんするという時間の使い方というのも、もちろんあるんだというふうには思います。

 ここで、地方公務員について、いわゆる兼業については、国家公務員と同様、許可制であるというふうに認識をしてございます。そして、許可基準について、各自治体への総務省として実態調査を行い、現状把握と適切な運用がなされるように総務省として努力を行っているというふうにも承知をしているところであります。

 また、一部の自治体の事例からは、柔軟な働き方の一つとして、所掌外の業務に一定期間従事できるような人事制度を使っている自治体もあるというふうにも聞くわけであります。役所はどうしても、縦割りというか、担当課ごとがあって、仮に自身が少し意見があったりとか精通をしていたとしても、所管外についてはなかなか口を挟めないというのは、それは一つの規律であり、いろいろ物事を前に進めていくには一つの効果はもちろんあるのではないかなというふうには思いますが、これから公務員の世界においても労働力が不足をしていったりですとか、質の高い公務員をしっかり確保するという観点からは、やはり、いろいろな人事制度ですとか、柔らかいそうした労務環境をつくっていくのも大変大事だというふうに思います。

 明確ないわゆる許可基準をしっかり作って、公務外で地域活動ですとか自身のスキルを生かした社会貢献活動、人口減少地域での地域を維持する活動、こうしたところにもしっかり活躍をできるような、従事する取組を明確に総務省としても私は示していく必要があるのではないかと思います。

 今、定年延長の話もありましたが、まさに六十代のそうした公務員の方々が、あえて言いますと、短時間勤務を選択をして、その残りの時間を、まさにこのような形で兼業的に地場の地域の貢献をするような部分にも進出をされていくというのを、むしろ私は総務省が旗を振ってもいいのではないかなというふうには思いますが、地方公務員の兼業、副業とかの支援について、尾身副大臣の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。

尾身副大臣 地方公務員法では、第三十八条において、常勤の職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員等の地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならないこととされております。

 近年、民間部門で兼業、副業が促進されており、地方公務員についても公務以外での活躍も期待されるようになってございます。その中で、自治体におきましても、神戸市の地域貢献応援制度など、任命権者による許可の基準を明確にして、地域社会のコーディネーター等の活躍を期待するなど、社会貢献のための兼業を促進している例などがございます。

 総務省といたしましても、こうした事例を情報提供し、各自治体で許可基準を設定し公表を行うよう助言しているところでございます。引き続き、国家公務員制度における取扱いや各自治体の事例を情報提供することなどにより、各自治体における許可手続が適正かつ円滑に運用され、地方公務員が公務以外の場でも活躍しやすくなるように応援してまいりたいというふうに思っております。

田畑分科員 ありがとうございます。

 当然、職員組合さんとかあろうかというふうには思いますし、いろいろ、首長の皆さんでも、制度がうまく理解されずにそうしたことが運用されていない事例もあるのではないかと思いますから、是非そこは、働きやすい、公務員の皆さんの目線に立った制度の周知徹底、これをしっかりお願いを申し上げたいと思います。

 それで、大臣、済みません、お待たせをいたしましたが、ちょっと地方自治体の人事交流の切り口で質問をさせていただきたいと思います。

 現状も、中央省庁と地方自治体であったりですとか、地方自治体と民間企業の人的な人のやり取りというのはすっかり定着をしているのではないかなというふうに思います。さらに、私は、地方自治体同士の横の展開での人事交流をもう少し仕組みとしてしっかりビルトインする必要があるのではないかと思います。

 現状は、首長同士の人間的な関係で、じゃ、自分の地域の若手職員を少し、御市、相手の市の職員さんと人事交流しようかというのはあるというふうには思いますが、これは非常に属人的に、首長の人間関係で動いている事例がどちらかといえば多いのではないかなというふうには思います。

 そのほか、私の問題意識としては、どこかの市、仮に中核市ですとかそれなりの人口規模の市があったとした場合に、その役場、市役所等で数十年に一度しか行われないと言われるようなプロジェクトがあったとしますね。例えば、公設の青果市場ですとか魚市場みたいなところは、昭和四十年代ですとか五十年代に整備をされて、ちょうど五十年ぐらいで、今まさに改築をしなければいけないという事例がどんどんこれから出てくるというふうに聞いてございます。そうした場ですとか、公立の病院の建て替え、これももちろん数十年に一度ということになりますし、また、斎場の整備、これも非常に、数十年に一度ということにはなります。

 そんなときに、その自治体で業務に中核的に関わった人材が他の自治体でもちゃんと助言できるような、こういったプラットフォームの枠づくり、あえて人材プールと言えばいいのか、なかなか表現は難しいところでありますが、そのプロジェクトが終わればその市役所のその職務の方は当然外れるわけでありますが、仮に他市で同じようなプロジェクトがあっても、当然同じ、ゼロからこういうことを立ち上げていくわけでありますが、各自治体の、もちろん、それは成り立ちがあったりですとか、尊重すべきことは大いに尊重していかなければなりませんが、せっかく、そうしたいわゆるゼネラリストとしての地方公務員の能力を他の自治体にも生かすというような仕組みを、総務省が旗を振っていただいたらいかがかなと思いますが、大臣の見解、お聞かせいただきたいと思います。

松本国務大臣 田畑分科員に御答弁申し上げたいと思います。

 御指摘がありましたように、そういった大規模な施設というのは、地方にとっては大切な施設でもあるというふうに思ってもおります。

 実は私の選挙区の姫路市は、昨年、県立病院を新しく建てて、実はこの先週の週末に中央卸売市場の新しい開場式を行ったところでありまして、そんな状況でありますが。

 御指摘のように、それぞれの自治体内では得難い人材やその人材が持つ知識経験等を自治体の垣根を越えて共有することは、今後、複雑高度化する行政需要に対応していく上で有効な手段になり得るというふうに考えております。

 例えば、今後大きな行政需要が見込まれるデジタルの分野では、自治体での経験を有する人材を都道府県が確保して市町村に携わらせるなどの事例が既に見られるところでありまして、これらの事例を含めて、市町村支援のためのデジタル人材確保を推進するために、今回、新たな地方財政措置を講ずることとしたところでございます。

 このほか、総務省においては、地方公共団体金融機構と共同して、公営企業や公共施設マネジメントなどの分野について、自治体の経験者等の専門アドバイザーを派遣する事業を行っているほか、それぞれの政策分野を所管する各府省においても、分野ごとに様々な取組を行っているものと承知をいたしております。

 総務省としては、今回の地方財政措置や専門アドバイザー派遣について、その有効活用が図られるよう対応するとともに、ただいまの御提案も踏まえまして、各府省とも連携して取り組んでまいりたいと思っております。

田畑分科員 大臣、ありがとうございます。

 お時間ですから御退席いただいて結構でございますが、しっかりこの辺、人の動かし方も含めて、総務省としてイニシアチブを取って、また大臣としてリーダーシップを発揮されることを御期待申し上げたいと思います。

 それでは、ちょっと時間の関係で、地域おこし協力隊については私もこれからもしっかりウォッチをしていきたいと思いますし、一万人の目標ということでありますので、これは更に巻き込む方々を増やしてしっかり前進をしていくこと、また、我々も、党側からも含めて応援することをまずお伝えをさせていただきたいと思います。

 教員のメンタルヘルスだけ、これはちょっと是非確認したかったので。

 問題意識は、私は、教員のメンタルヘルスで休職されている方、もう本当に人が、ずっと五千人台ですか、減ってございませんし、大変ゆゆしき問題だと思います。

 もう十数年、メンタルヘルスの対策を行っているところでありますが、新年度においても幾つか新しい新規事業を文科省が行うということでありますが、これは産業医とのマッチングも含めて、非常に地域ではミスマッチも起こっているというふうに思いますし、リワークを含めた、復職しても更にまた休職をしてしまうという方も増えているというふうには承知をしているところであります。

 これは、文科省と都道府県教委の役割分担、改めて聞かせていただきたいというふうに思いますし、リワークへの取組、今後も更にもう少し深掘りをして支援をしていかなければいけないと思いますが、文科省、政府参考人、お聞かせをいただきたいと思います。

寺門政府参考人 御答弁を申し上げます。

 まず、役割分担について申し上げますと、基本的には、任命権者である都道府県、指定都市の教育委員会において復職支援については適切に行われてございまして、全ての当該教育委員会において復職支援プログラム等は実施されてございます。

 その上で、文科省におきましても、当該プログラムの概要を調査いたしまして、その優良事例等につきまして文科省としてホームページに掲載し、各教育委員会に周知する等の取組を行ってございます。

 また、委員御紹介くださいましたとおり、来年度の概算要求におきまして、新たに事業といたしまして、各教育委員会が専門家等と協力しながら、原因分析、メンタルヘルス対策等に関するモデル事業を実施いたしまして、この中で、復職支援に関する取組、再発防止についての取組というものも行うこととしています。

 引き続き、教育委員会と連携を取りながら、教員のメンタルヘルス問題について十全を期してまいりたいと考えておるところでございます。

田畑分科員 ありがとうございます。

 最後ですけれども、産業医が機能していない事例が非常に多いというふうに、私は問題意識を持っています。もちろん、在校時間をしっかり縮減したりですとか、業務の多寡に対する教員の精神的な負担、これをしっかり軽減をしながら、予防に力を入れていただきたいなというふうに思います。

 そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

熊田主査 これにて田畑裕明君の質疑は終了いたしました。

 次に、田所嘉徳君。

田所分科員 茨城県の田所でございます。よろしくお願いをいたします。

 マイナンバー普及の意義についてお聞きをしたいと思います。

 私は、マイナンバーカードの普及にかける総務省の皆さんの熱意を高く評価をしております。カード取得で五千円分のポイント、保険証との一体化で七千五百円、公金受取口座のひもづけで七千五百円、合計二万円分のポイントがもらえるこの事業は、私は、大変カード申請の大きな推進力になると考えたと思うんですね。また、何と一・八兆円の予算を獲得したことも、これは簡単じゃなかっただろうというふうに思うのであります。

 しかし、開けてみますと、あめをちらつかせているとか、総務省の強引な手法とか、強制になるとか、使わない自由、これはとか、落としたらどうなるんだとか、様々な批判が待ち受けているというのですから、これは非常に皮肉なものだなというふうに思っております。

 クレジットカードなんて、最近は番号もPINコードも書いていないものが出回っておりますけれども、あれこれ書いたものを落とせば大変ですよね。非接触のカードだってたちまち使われてしまう。心配することはたくさんあるんじゃないかなと思いますが、いずれにしても、そういった、様々言われております。

 しかし、私は、総務省は純粋に、コロナ禍における給付金の交付で遅れたり、ワクチン接種における混乱などで我が国のデジタル化の遅れが露呈したわけでありまして、何とかそれを、効率的な社会をつくらなければならない、そういった使命感、これがしっかりとこのカードを普及させる力になっているんだろうというふうに解釈をしているわけでございます。

 行政手続を含む多様な社会経済活動上の手続において、行為の相手が本当にその対象たる人なのか、これを確認できるようにしなければならない、これは最も基本的なことであります。その点、マイナンバーカードは、現にカードを所持していること、そして暗証番号を入力することができる、このことで、リアルのみならずオンラインでも本人確認が行えることであります。まさにデジタル社会のパスポートとも言えるんだろうと思っています。

 もし全国民がマイナンバーカードを所持していたなら、コロナ禍における十万円の定額給付金も自宅にいながらオンラインで申請ができたわけですし、ワクチン接種の予約、管理も同様で、デジタルを活用した利便性の高い社会実現のために大変有用なもので、大きな活用の広がりが期待できるというふうに思っております。

 総務省は、批判にさらされてつらいでしょうけれども、信念に基づいて、ひるまないで、力強くカードの普及のために力を尽くしてもらいたいというふうに思います。

 そこで、改めて、マイナンバーカード普及の意義と今後の取組につきまして、松本総務大臣にお尋ねをしたいと思います。

松本国務大臣 田所分科員、ありがとうございます。私たちも、しっかりとやるべきことに取り組んでまいりたいと思っております。

 対面でもオンラインでも安全、確実な本人確認ができるマイナンバーカードは、安全、安心で利便性の高いデジタル社会を実現していくための基盤となるツールでございます。

 マイナンバーカードの普及と利活用促進を図り、地方のDXを推進していくことは、住民の方々の利便性向上や地域の活性化に資するものであるとともに、自治体職員の事務負担を軽減し、職員が、地域の実情を踏まえた企画立案など、創意工夫をより発揮すべき業務に注力できる環境の整備にもつながるものと考えております。

 例えば、幾つかの自治体が取り入れている、書かないワンストップ窓口は、マイナンバーカードの活用やデータの連携により、住民の皆様には、早い、易しい、サインするだけで行政手続を行うことができ、職員の方々にとっては業務の削減にもつながっております。

 総務省では、それぞれの自治体における現状や課題をよく伺った上で普及促進の取組を後押しするとともに、国民の皆様にデジタルのメリットを享受していただけるよう、好事例の横展開に努めてまいりたいと思っております。

 今後も、こうした取組を着実に進め、地方のDXを通じた住民の利便性向上と地域の活性化を目指すデジタル田園都市国家構想の推進に取り組んでまいります。

田所分科員 大臣、ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。

 大臣の質問はこれだけでございますので、御退席をいただいて結構でございます。

 続きまして、マイナンバーカードの駆け込み申請対策についてお伺いをしたいと思います。

 マイナポイント事業がカードの普及にとって強力な後押しになったわけですが、そのカードの申請期限がいよいよ二月末に迫っております。ポイントの付与がカード取得のインセンティブとして効果が大きかっただけに、残り一週間、駆け込み申請が急増することが考えられます。駆け込み申請を混乱なく受け付けるとともに、一人でも多くの方にカードを申請してもらえるようにすべきですが、総務省としてどのように取り組んでいくのか。

 続けて、交付体制についてお尋ねをいたします。

 カードを受け取っても、ポイントをもらうためには更にマイナポイントの申請が必要であるところ、先週の金曜日に、申込期限が五月末になると発表されました。したがって、カードを申請した人から早期のカード交付を求められます。それに応えるためには市町村の交付体制の整備が重要だろうと思いますけれども、総務省としてどのようにするのか、お伺いをいたします。

吉川(浩)政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードの累計の申請件数は、二月十九日時点で八千七百八十四万件となっております。マイナポイントの対象となるカードの申請期限は二月末までとなっており、この機会に一人でも多くの方にカードを申請していただけるよう、総務省におきましては、現在、マイナポイントの広報に力を入れるとともに、円滑に申請いただける環境の整備を図っております。

 これまでも、カード未取得者に対し、オンラインで簡単に申請ができるQRコードつき交付申請書の送付や、携帯ショップ、郵便局における全国規模での申請サポート事業、また、カードの安全性、利便性についての周知、広報などに取り組みますとともに、市町村窓口で混乱が生じないよう申請受付の対応に万全を期すことについて、今月、要請を行いました。また、それぞれの自治体における現状や課題をよく伺うとともに、先進的取組についての情報提供を行い、企業や地域、希望する個人宅への出張申請受付など、自治体による普及促進の取組に対して国費による支援を行っているところでございます。

 一方で、マイナンバーカードの申請や交付、マイナポイントの申込みなどのため、市町村の窓口が混雑している状況にあるものと承知しております。総務省では、マイナンバーカードの申請件数が急増したことを踏まえまして、昨年十二月及び今月、市町村に対し通知を発出いたしまして、カードの交付体制が万全なものとなるよう、一つには、交付窓口や人員の増強、民間委託が可能な業務の委託を実施すること、また、土日祝日・夜間開庁を拡大し、特に土日開庁については当面毎週行うことなどに取り組んでいただくよう要請をいたしました。

 一人でも多くの方に円滑に申請また取得していただけるよう、引き続き、関係省庁や自治体と連携して、申請及び交付体制の確保にしっかりと取り組んでまいります。

田所分科員 続きまして、マイナンバーカード発行の迅速化につきましてお尋ねをいたします。

 マイナンバーカードによる利便性向上の一つとして、マイナンバーカードと健康保険証の一体化が進められています。患者本人の医療に関するデータに基づいたよりよい医療が提供されることに加えて、マイナポータルで自らの薬剤情報などが簡単に確認できるようになります。

 このような効果が得られることを目指しまして、政府は、令和六年秋には健康保険証を廃止することとしています。マイナ保険証の利用が基本となりますと、生まれたばかりの赤ちゃんやカードを紛失してしまった人などに速やかにカードを交付できるようにすることが重要であります。

 総務省において、より速やかなカード交付を検討されていると聞いておりますが、具体的にどのように取り組むことで、現在一から二か月程度の期間を要しているカード交付までの期間をどの程度短縮できると見込んでいるのか、お伺いをいたします。

吉川(浩)政府参考人 マイナンバーカードは、申請いただいてから、通常、まず、発行機関であります地方公共団体情報システム機構、J―LISにおいてカードを作成し、市町村に送付され、次に、市町村から申請者に交付通知書が発送され、その後、市町村の窓口において、本人確認を行った上でカードをお受け取りいただいておりまして、申請状況などにもよりますが、申請から交付まで一か月から二か月程度の期間を要しているということは御指摘のとおりでございます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に当たりましては、新生児や紛失した場合、また海外からの転入時などに、特に速やかにカードを交付することが重要になると考えております。

 そこで、このような場合を対象に、申請については、出生届等と併せて市町村の窓口で本人確認とともに行っていただき、また、通常、市町村が行っておりますカードの交付につきましては、J―LISから住民に直接送付することによりまして、申請から一週間以内、最短五日で交付できる新たな特急発行交付の仕組みを創設することとしております。

 健康保険証の廃止を目指すこととしております令和六年秋までに、特急発行の仕組みを構築できますよう、引き続き、関係省庁と連携して、必要な準備を進めてまいります。

田所分科員 郵便局におけるマイナンバーカード申請受付についてお伺いをいたします。

 令和六年秋の保険証の廃止を目指して、マイナンバーカードを全ての国民に行き渡らせるためには、市町村によるマイナンバーカードの申請受付や交付体制の強化が必要であります。

 マイナンバーカードを取得するために、申請時又は交付時のどちらか一度は本人確認のために市町村役場に行く必要がありますが、支所や出張所がない市町村では本庁まで出向く必要があり、マイナンバーカードの申請をためらう要因にもなりかねません。

 ついては、マイナンバーカードの交付申請受付や引渡しについても、住民にとって身近な場所である郵便局を活用することが有効と考えますが、総務省としての御意見をお伺いいたします。

尾身副大臣 お答えいたします。

 分科員御指摘のとおり、郵便局は、地域に身近で公共的な存在として、あまねく全国に設置されておりまして、これまでも、住民票の交付申請の受付など、市町村の事務を郵便局事務取扱法に基づき実施をしており、郵便局を活用してマイナンバーカードの交付を推進することは有用な方策と考えております。

 総務省では、国民の皆様に円滑にカードを取得していただけるよう、こうした郵便局のネットワークを生かし、郵便局における全国規模での申請サポート事業に取り組んでまいりました。さらに、昨年十月に、省内に部局横断的に、郵便局を活用した地方活性化方策を検討するプロジェクトチームを創設いたしまして、ここでの議論を踏まえて、市町村が指定する郵便局と市町村をオンラインでつなぐことにより、郵便局において市町村による本人確認を行えるように、郵便局事務取扱法の改正をマイナンバー法等の一部改正法案に盛り込むことを目指しております。

 引き続き、日本郵便、郵便局や市町村と連携し、申請促進及び利便性の向上に取り組み、マイナンバーカードの普及の加速化を図ってまいりたいと存じます。

田所分科員 そこで、一つ意見を申し上げたいと思いますけれども、この方法をお聞きしますと、どうも役所とネットで結んで、そこで確認をしてもらうというようなことであります。本人確認するのにそのようにやることは非常に迂遠でありますし、それがDXなのかなという感じもいたします。

 今、実証実験として、郵便局で行政のサービスを代替するということで、住民票とか納税証明書、戸籍等をファクスで送ってもらって、それを交付するというふうなことをやっていて、デジタル化するというのが実証実験だというふうに思っておりますけれども、そういうことも考えている中で、もっとしっかりとデジタル化を生かした進め方、言うならば、例えば公金業務、公金の取扱事務を私人に委託するような、そういった緩和もしている中で、郵便局も、しっかりとこれまで実績もありますので、局員がそういった行為ができるような、そういう在り方も考えていいのではないかなというふうに思っております。

 地域のユニバーサルサービスの拠点としての郵便局の活用の可能性を広げるということを、是非考えてもらいたいというふうに思っています。

 続きまして、5Gの積極的な利活用による利便性の高い社会づくりについてお伺いをいたします。

 田園都市国家構想が打ち出されている中で、アフターコロナの豊かな新時代を開くために、5Gの果たす役割は大変大きいと思っています。

 まず、より多くの国民や企業が5Gを利用できることが重要であり、そして、国民が5Gのメリットを十分に実感されていると言えない中で、やはり活用できるような方策というのをどうするのかということを考えているのであります。

 私は、5Gを利便性の高い社会のために活用するためには、どういうイメージが描けるのかということが大変重要なのであって、それによって5Gを活用したコンテンツやサービスの開発が進むんだろうというふうに思っておりますので、しっかりとこれを外に示していく必要があると思います。

 そこで、5Gの特徴を最大限生かした利活用によってどのような未来が実現できるのか、しっかりと国民に示した上で、5Gインフラ整備を推進していくということについて総務省はどう考えているのか、お伺いをいたします。

国光大臣政務官 お答え申し上げます。

 田所委員御指摘のとおり、5Gは、デジタル田園都市構想を実現するために必要不可欠な基盤でございます。

 今後、5Gの特徴、強み、つまり、低遅延である、そしてまた超高速であるというような強みを生かして、まさにこの5Gの分野、世界がしのぎを削っている分野でございますので、日本もしっかりと、遠隔医療や例えばドローン、さらには農業や、あるいは工場や、様々な産業用途も含めたビジネスチャンスをしっかりとつかんでいくということが重要だと考えております。

 そのために、総務省では、今年一月から5Gビジネスワーキンググループを開催しており、今年の夏頃を目途に、5Gビジネスの将来像や実現方法等について取りまとめを行いたいと考えております。

 総務省としましても、5Gで実現する未来を国民に分かりやすく丁寧に示すとともに、インフラ整備を強力に推進することにより、5Gによる利便性の高い社会を明確に示してまいりたいと思います。

田所分科員 ありがとうございます。分かりました。

 ローカル5Gについてお伺いをしたいと思います。

 経済合理性から人口カバー率が考慮されて、都市部から離れていると、基盤の整備がなかなか及ばないということもあるんだろうと思います。そういった基盤の整備を待つことなく、地域課題の解決のために、各分野においてローカル5Gを活用していくことが大変私は有効だろうと思っております。

 とりわけ、i―ConstructionやインフラDX、スマート農業など、デジタル化による省力化のためには、積極的にローカル5Gの導入を進めるべきだというふうに考えております。

 ローカル5Gの普及に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 分科員御指摘のとおり、地域や産業の個別のニーズに応じて独自の5Gシステムを柔軟に構築することができるローカル5Gは、地域の課題を解決する手段として重要なインフラでございます。

 総務省では、ローカル5Gを地域課題の解決に活用していくため、令和二年度からの三年間、主に現実の利活用場面を想定した技術検証を目的とした開発実証に取り組んでまいりました。

 さらに、今後、地域におけるローカル5Gの実装を加速化していくため、補助事業を通じてローカル5G等の地域のインフラ整備を支援するとともに、ローカル5G等を活用した新たな地域課題解決モデルを創出するための実証を行うなど、地域のニーズに応じた総合的な支援を展開していくこととしております。

 こうした取組を通じまして、引き続き、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地域の重要なデジタル基盤であるローカル5Gの普及にしっかりと取り組んでまいります。

田所分科員 続きまして、ちょっと飛びますが、通信障害の対策についてお伺いをいたします。

 昨年七月に発生したKDDI及び沖縄セルラー電話の通信障害では、緊急通報を取り扱う音声通話やデータ通信が約二日半にわたって利用しづらい事象を生じさせてきました。一般の利用者に加え、物流、交通、金融、公共等の分野のサービスに多大な影響が発生したわけであります。

 さらに、昨年七月以降も、八月にはNTT西日本、九月には楽天モバイル、十二月にはNTTドコモが、立て続けに大規模な障害を発生させております。

 同社からは、障害期間中に契約していた全ての利用者へ一律二百円を返金する対応が取られましたが、それは本当に妥当だったんでしょうか。それで免れるというような問題だったのかという疑問を私は持っております。社会経済活動に大変影響が大きく、社会インフラの役割を損なう大問題だというふうに思っております。

 このように、主要な電気通信事業者において大規模な通信障害が相次いで発生していることへの対応をどのようにするのか、お伺いをいたします。

竹村政府参考人 主要な電気通信事業者において通信障害が続いて発生していることについては、総務省として大変重く受け止めております。設備故障や人為的ミスといった個別の事故の原因を踏まえて、事故を起こした各事業者に対しては、再発防止の徹底に努めるよう指導をしてきたところでございます。

 さらに、個別の事故の対応にとどまらず、リスク管理や保守運用の体制などの業界に共通する構造的問題についても、現在、電気通信事故検証会議において検証を進めており、今年度内に方向性を取りまとめる予定です。

 総務省としては、当該検証の結果を踏まえ、技術基準のほか、保守管理体制について定める管理規程の内容の見直しなどを行うことにより、情報通信ネットワークの安全、信頼性の更なる向上を図っていきたいと考えております。

田所分科員 消防力強化のための広域化、連携についてお伺いをいたします。

 近年、気象変動等により、自然災害は激甚化、頻発化、大規模化しております。そのような場合に、被災県知事からの応援要請を受け、全国各地の消防本部から編成された緊急消防援助隊が出動し、被災現場の最前線で住民の捜索や救助、情報収集等の活動に当たっております。

 この緊急消防援助隊が十日以上の活動を行った大規模な災害が大幅に増加しておりますが、多くが小規模の消防本部で、そして災害対応に限界が見えているわけであります。

 そのような中で、消防の広域化や連携協力により消防力を維持強化していく必要があると思いますけれども、消防庁としての広域化、連携協力をどのように進めていくのか。

 続けて、協力関係にある消防団についてお伺いをいたします。

 消防団は地域防災力の要でありますが、令和四年四月時点での消防団員数は八十万人を切ったと聞いております。消防団員確保が喫緊の課題となっており、真剣に取り組む必要があります。

 そこで、消防団員の処遇改善の対応状況、消防団員の確保に向けた取組についてお伺いをいたします。

澤田政府参考人 大規模災害が頻発している現状を踏まえますと、消防本部の更なる体制強化が重要でありまして、消防の広域化、消防の連携協力をこれまで以上に推進していく必要があると考えております。

 これまでも、広域化等に伴い、必要となる経費に対する財政措置、また、広域化推進アドバイザーの派遣などを通じて、必要な支援に取り組んできたところでございます。

 令和五年度につきましては、地方公共団体の声を踏まえまして、これまでの取組に加え、広域化を前提として、指令共同運用に参画する消防本部が、現行システムの更新時期がまちまちである各団体のシステムを統一するために延長して運用する場合に生じる割増し経費についても、特別交付税措置の対象とすることとしております。

 今後とも、消防の広域化、連携協力を積極的に進めてまいりたいと存じます。

 また、消防団の確保におきましては、処遇の改善ということが大変重要でございまして、消防団員の報酬等の基準に沿った処遇の改善を令和四年度から実施するようお願いしてきたところでございますが、令和四年四月一日現在では、基準を満たす市町村が約七割となり、処遇改善が前進したものと認識をしております。

 今後、広報の充実に加えまして、機能別団員制度、協力事業所表示制度などの活用や、全国の先進事例の周知を行うとともに、消防団の力向上モデル事業についてもしっかり取り組んでまいりたいと存じます。

 こうした取組を、地方公共団体と連携しながら、スピード感を持ってより一層推進することにより、消防団員の確保に全力を挙げてまいります。

田所分科員 消防団員の処遇等につきましては、地域によって大きな格差がございます。そういったことの解消も必要でありますし、資機材等もしっかりと充実をさせていく必要があると思いますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。

 最後になりますが、地区防災計画による住民本位の災害対策についてお伺いをいたします。

 我が国では、災害対策基本法に基づき、国、都道府県、市町村が、それぞれ防災基本計画や地域防災計画を作成することとなっています。しかし、災害による被害を軽減するためには、行政だけではなく、国民一人一人や地域で備えることが重要であります。東日本大震災を踏まえ、自治会やPTA、防災士など地域住民が主体となって防災計画を作る地区防災計画制度が創設され、内閣府によりますと、これまで、全国三十七都道府県において、二千を超える地区で既に計画が作られていると聞いております。

 今後、更にこの地区防災計画策定の取組を全国で普及させていくことが重要だと思っておりますけれども、地区防災計画の策定促進に向けた取組を内閣府にお伺いいたします。

五味政府参考人 災害の多い我が国におきましては、自らの命は自らが守るという意識を持って、国民一人一人が主体的に取り組む自助、地域でお互いに助け合う共助、公的支援等の公助を組み合わせ、地域全体で防災に備えていくことが重要でございます。内閣府といたしましては、地域住民等がふだんから地域のリスクを把握し避難計画を立てる地区防災計画が、自助、共助による自主的な避難行動を推進するために有効であると考えております。

 このため、地区防災計画の作成が一層進むように、ガイドラインの作成、周知、住民や事業者等の作成主体や自治体職員等の作成支援者への研修や、事例や経験を共有するためのフォーラムの開催、内閣府ホームページにおける優良事例の紹介、地区へのアドバイザー派遣などの取組によりまして、計画の策定支援を行っているところです。

 地区防災計画につきましては、平成二十六年四月に制度が創設されて以来、令和三年四月時点で御指摘のように全国三十七都道府県において二千三十地区で計画が策定されておりますが、さらに全国四十七都道府県におきまして五千を超える地区で計画の作成に向けた取組が進められております。

 引き続き、より一層普及促進を図り、地域の防災力が向上するように取り組んでまいります。

田所分科員 ありがとうございました。

 自助、共助、公助、非常に重要なことだろうと思います。また、災害対策には、ハードとともにソフトの対策、とりわけそこに住む住民が主体となった対応というふうなものが大変重要だろうと思いますので、そういったものをしっかりと喚起するような政策を進めてもらいたいと思います。

 ありがとうございました。

熊田主査 これにて田所嘉徳君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後二時一分散会


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