第2号 令和4年2月17日(木曜日)
令和四年二月十七日(木曜日)午前九時開議
出席分科員
主査 西村 康稔君
秋本 真利君 伊藤 達也君
石井 拓君 古屋 圭司君
山口 晋君 山下 貴司君
江田 憲司君 大西 健介君
落合 貴之君 金子 恵美君
早稲田ゆき君 金城 泰邦君
輿水 恵一君
兼務 赤木 正幸君 兼務 空本 誠喜君
…………………………………
経済産業大臣 萩生田光一君
内閣府副大臣 黄川田仁志君
農林水産副大臣 中村 裕之君
経済産業副大臣 石井 正弘君
国土交通副大臣 中山 展宏君
経済産業大臣政務官 岩田 和親君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 安藤 英樹君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 茨木 秀行君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 住友 一仁君
政府参考人
(金融庁総合政策局審議官) 屋敷 利紀君
政府参考人
(消費者庁審議官) 片桐 一幸君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 鈴木 信也君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 股野 元貞君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 堀内 義規君
政府参考人
(農林水産省農村振興局農村政策部長) 山口 靖君
政府参考人
(経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 江口 純一君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 龍崎 孝嗣君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 矢作 友良君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 福永 哲郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 門松 貴君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局地域経済産業グループ長) 濱野 幸一君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局地域経済産業政策統括調整官) 師田 晃彦君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 南 亮君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 茂木 正君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 定光 裕樹君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 松山 泰浩君
政府参考人
(中小企業庁次長) 新居 泰人君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 飯田 健太君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 塩見 英之君
政府参考人
(環境省地球環境局長) 小野 洋君
政府参考人
(原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 佐藤 暁君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
予算委員会専門員 小池 章子君
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分科員の異動
二月十七日
辞任 補欠選任
古屋 圭司君 石井 拓君
江田 憲司君 金子 恵美君
落合 貴之君 大西 健介君
輿水 恵一君 金城 泰邦君
同日
辞任 補欠選任
石井 拓君 秋本 真利君
大西 健介君 落合 貴之君
金子 恵美君 早稲田ゆき君
金城 泰邦君 大口 善徳君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 山口 晋君
早稲田ゆき君 江田 憲司君
大口 善徳君 吉田久美子君
同日
辞任 補欠選任
山口 晋君 山下 貴司君
吉田久美子君 輿水 恵一君
同日
辞任 補欠選任
山下 貴司君 古屋 圭司君
同日
第二分科員赤木正幸君及び空本誠喜君が本分科兼務となった。
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本日の会議に付した案件
令和四年度一般会計予算
令和四年度特別会計予算
令和四年度政府関係機関予算
(経済産業省所管)
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○西村主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。
令和四年度一般会計予算、令和四年度特別会計予算及び令和四年度政府関係機関予算中経済産業省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。金城泰邦君。
○金城分科員 おはようございます。本日、トップバッターを務めさせていただきます公明党の金城泰邦と申します。
今日は、萩生田大臣、そして石井副大臣にも御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。地元で受けている課題等も含めて三点ほど質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、海洋温度差発電と海洋深層水に関する地域産業活性化について質問いたします。
沖縄県久米島町において、平成二十四年から平成三十年まで、沖縄県が海洋温度差発電実証設備を設置し、再生可能エネルギーによる発電の実証事業を行いました。NEDOから補助金等の支援を受けたとのことです。
海洋温度差発電という言葉は聞き慣れない言葉だと思いますので、簡単に御説明、御紹介いたしますと、この発電は、太陽からの熱エネルギーにより温められた表層海水と海洋を循環する冷たい深層海水との温度差をタービン発電機により電力に変換する、再生可能エネルギーによる発電の一つです。低い温度域を利用するため、タービンを回す作動流体として、沸点の低い媒体、アンモニアや代替フロンが用いられます。表層海水も深層海水も水温が急激に変わらないため、発電出力が安定していて、発電量の予測も容易であることが特徴です。
一八八一年にフランスの物理学者ジャック・アルセーヌ・ダルソンバールが提唱したのが始まりとされ、近年、アメリカ、フランス、オランダ、韓国、中国などで実用化に向けた開発が進められているとのことです。
この発電は、表層海水と深層海水との温度差が年間平均で二十度以上ある亜熱帯や熱帯の地域で適用可能とされています。日本では、沖縄県周辺のほか、小笠原諸島などがその条件に該当します。
NEDOによりますと、沖縄でのこの発電のポテンシャル、つまり発電量の可能性は、離岸距離三十キロメートル以内で二千七百九十七メガワット、離岸距離制限なしでは何と七万九百九十二メガワットとのことです。沖縄電力の発電設備の認可最大出力は約二千百五十メガワットですので、沖縄の電力の全てをカバーするだけのポテンシャルがあるということです。
また、NEDOは、この発電の商用化時の発電コストについて、沖縄海域の海水温では、出力千キロワット級で三十一円から四十四・五円、出力一万キロワット級で二十・七円から二十六・三円との試算を行っています。
資源エネルギー庁が令和三年八月に発電コスト検証についてまとめた中で、二〇二〇年の電源別発電コスト試算の結果が示されています。その試算結果と比較しますと、石油火力発電と同等、あるいはそれよりも安いコストになっています。
現在の久米島の設備は百キロワット相当の発電能力ですが、取水能力の向上等のための設備改善、改修を行えば大幅な発電能力の向上となり、離島である久米島町の使用電力の一部を再生可能エネルギーの発電で賄うことができます。
経済産業省の第六次エネルギー基本計画において、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、電化の促進、電源の脱炭素化が鍵となる中で、再生可能エネルギーに関しては、SプラススリーEを前提に、二〇五〇年における主力電源として最優先の原則の下で最大限の導入に取り組むとあります。
沖縄電力は、沖縄県が離島県で、小規模で独立した電力供給を行うことを強いられ、これまで火力発電が主力となっているとともに、SプラススリーEから、電源構成は九〇%以上が化石燃料依存電源でした。条件不利地域である沖縄県の電源がこのようになっていることは致し方ないと言えます。
しかし、先ほど述べたように、経済産業省資源エネルギー庁は、二〇五〇年における主力電源として再生可能エネルギーを最優先の原則の下で最大限の導入に取り組むとされ、閣議決定されています。私は、この久米島の海洋温度差発電が実用化、商用化されれば多くの離島で同様の取組が始まり、将来、電力においては離島そして沖縄全体が条件不利地域でなくなると考えています。
そこで、経済産業省にお伺いいたします。
一点目は、この沖縄県の久米島の海洋温度差発電実証事業を国が支援を行い、二〇五〇年を視野に主力電源となり得るように支援を行い、実用化、商用化の実現を目指すべきと考えます。
二点目は、久米島町は、発電のため取水した海洋深層水で関連産業の成長推進や新地域産業創出に取り組んでいます。海洋深層水の水産分野での利活用はもちろんのこと、医療分野、食品工業分野等においても利活用が見込まれ、地元では、海洋深層水の大幅な供給増、そのための取水設備の大型化改修を要望しています。海洋深層水の利活用に特化した地域産業創出、育成に支援を行うべきと考えます。
以上二点について御答弁をお願いいたします。
○石井副大臣 金城議員の質問にお答えをいたします。
二点、御質問をいただきました。
まず、一点目でございます。
海洋温度差発電につきましては、天候、時間帯によらず安定した発電が可能でありまして、将来的な活用可能性が期待されているものと、議員の御指摘もございましたけれども、私もそのように承知をいたしております。また、お地元では、発電に使用した海洋深層水の水産業への活用など、地域経済の振興効果への期待もあるものとお聞きしているところであります。
経済産業省といたしましては、平成二十六年度から平成二十九年度までの間、NEDOを通じまして、沖縄県久米島の実証設備を活用いたしました海洋温度差発電の実現可能性調査に加えまして、熱交換器や発電性能の検証等を行うための実証事業を実施してまいりました。実証結果からは、実用化に向けては、引き続き機器、設備の低コスト化等の面において課題があるとの評価を受けたものと承知をいたしております。
経済産業省といたしましては、再エネの最大限導入に向けまして、御指摘の海洋温度差発電も含め、コスト低減や多様な新技術の実用化等に資する研究開発、実証等の取組を支援してまいりたい、このように考えております。
次に、二点目の御質問であります。
地域の特性を生かしました地域経済の活性化を図るため、経済産業省におきましては、地域未来投資促進法によります支援策を措置いたしているところであります。具体的には、都道府県と市町村が策定いたしました基本計画に基づいて企業が策定をいたしました事業計画を都道府県が承認した場合、当該企業に対しまして設備投資減税等の支援策を講じているところであります。
沖縄県と久米島町は、基本計画におきまして、海洋深層水を活用したクルマエビや海ブドウの養殖などを地域の重要産業として既に設定しておられるところでありまして、これに基づく企業の事業計画が沖縄県により承認され、所要の要件を満たせば、地域未来投資促進法に基づく支援策が利用可能となるところであります。
経済産業省といたしましては、県や町とともに、久米島町における海洋深層水を活用いたしました取組をしっかりと後押しをしてまいりたい、このように考えております。
○金城分科員 非常に前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
地元久米島におきましても、こういった海洋深層水を活用していろいろな、海ブドウ等とか水産物、様々な産業を興しております。今後、設備投資も必要だということも伺っておりますので、本日いただいた御答弁のように、地域の産業支援をしっかりと活用させていただいて、地域振興のために頑張っていただければと思っております。ありがとうございます。
次に、5Gの早期整備のための基地局整備についてお伺いいたします。
党の部会で、経済産業省より令和四年度予算、税制改正等の説明がありました。その中で、成長と分配の好循環に向けた税制改正の項目があり、更にその中に、デジタル前提の経済、社会において基盤インフラとなる5Gの早期社会実装の促進という項目があります。具体的には、5G投資促進税制で、5G基地局の整備を加速するため、その投資額の一五%を税額控除する制度を二年前に創設しましたが、二年間の進展、変化を踏まえ、必要な制度見直しを行った上で、来年度以降、必要な税制措置を講ずるということです。
5Gは、周知のとおり、国際電気通信連合が定める規定、IMT二〇二〇を満足する無線の第五世代移動通信システムです。経済産業省の説明では、5Gの特徴は、一、超高速大容量で現行4Gの十倍、二、超低遅延、リアルタイムで現行の4Gの十分の一、三、多数同時接続で現行の4Gの四十倍とのことです。この二年間でこれらの技術の開発、実用化に成功し、これを今後加速していくことが重要ということです。
具体的に言えば、自動農場管理、スマート工場、建設機械遠隔制御、河川の監視、救急搬送の高度化、また自動車等の自動運転の実用化、普及、ドローンやロボットによる自動配送の実現、遠隔医療等の技術です。
全国各自治体、各地域でも必要な技術でありますが、我が地元沖縄県は離島県です。このような技術を絶対的に必要としています。特に、ドローンによる自動配送や遠隔医療などは今すぐにでも本格的に実用化していただきたいと思います。
そこで、まず基本的なことを総務省にお尋ねいたします。
5Gの基地局整備推進ということですが、現行4Gは全国でどのくらいの基地局が設置されていますでしょうか。また、沖縄県内にはどのくらい基地局が設置されていますでしょうか。
また、5Gについては、この二年間、基地局整備を進めてきたと思いますが、全国並びに沖縄県での基地局設置数について、現状を御答弁ください。
さらに、5Gは4Gと電波の特性が違うと聞きますが、5G基地局は全国でどのくらいの設置数を目標としておられますでしょうか。
それぞれお答えいただければと思います。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。
まず、4Gの整備状況につきましては、二〇二〇年度末時点で、全国の基地局数は約六十五万局、そして沖縄県の基地局数は約六千五百局でございます。
また、5Gの整備状況につきましては、二〇二〇年度末時点で、全国の基地局数は約二万一千局、沖縄県の基地局数は約二百局でございます。
そして、もう一点のお尋ねでございます5G基地局は全国で何局設置することを目標としているかという点につきまして、総務省といたしましては、二〇二三年度末までに約二十八万局の5G基地局を整備することを目標としております。
○金城分科員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
それぞれ御答弁いただきましたけれども、我が沖縄県は、先ほども申し上げたとおり離島県で、5Gの恩恵を一日も早く与えていただきたいと思っておりまして、沖縄県の5G利用、活用に大臣のお力添えを是非いただきたいと強く思っております。本日御出席の萩生田大臣におかれましては、沖縄県の実情を御理解そして御賢察いただき、早期活用促進の御決意を是非伺いたいと思います。お願いいたします。
○萩生田国務大臣 5Gは、人手不足を始めとした地域の社会課題解決に資する重要な基盤インフラです。自動走行や救急搬送の高度化、農業や工場などのスマート化など、用途も極めて多岐にわたると思います。
例えば、観光分野では、5Gによる大容量高速通信を生かして、高画質の映像やARによる観光ナビゲーション、あるいは、位置情報に応じて旅行者に最適な観光コンテンツを配信するサービスなども提供が始まっております。観光業の盛んな沖縄県において、5Gを活用する可能性は十分にあると考えております。
沖縄県においてもこうした5Gの活用が進むよう、今般の令和四年度の税制改正では、5G導入促進税制を見直し、特に沖縄県を含む離島等の5G基地局の整備加速を図るため、条件不利地域の税率を最大一五%の税額控除の高水準で維持するとともに、適用期限も三年間の延長を行うこととしております。
引き続き、総務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携しながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○金城分科員 大臣、御答弁ありがとうございました。
沖縄は、やはり環境をしっかりと重視しながら、そして、今、観光業がコロナの中で非常に厳しい状況にありまして、是非、アフターコロナの中で、観光振興のためにも5Gの普及にしっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますし、離島県ということもございまして、陸続きであれば基地局設置も非常にスムーズにいくかなと思っているんですが、いかんせん海を隔てている状況もございまして、離島と離島間を移動する、飛行機もありますが、船など、そういった船舶を利用する方にもしっかりと支援をいただいて、5Gが活用できる環境づくりに是非お力添えをいただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
最後に、旧GoToイベント、現在のイベントワクワク割、旧GoTo商店街事業、現在のがんばろう!商店街事業、この両事業の事業開始について質問させていただきます。
GoToキャンペーンは、GoToトラベルとGoToイートがいろいろな面から有名になり、その二つしかないと思っている人も多いことと想像します。しかし、GoToイベントは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、イベント開催関係者に対して、新たな生活様式を取り入れたイベントの開催方法や楽しみ方、つまり、新たなイベントの在り方への認識や関心を促し、社会に普及、定着させるとともに、割引やクーポンといった需要喚起策を通じ、日本経済の活性化を目指す事業でした。昨年十二月三十一日でキャンペーン期間が終了しました。
新GoToイベントは、名称をイベントワクワク割と変更し、消費者が安心してイベントに参加できる環境を醸成することで、新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けたイベント業界における需要喚起を行う事業となりました。内容は、ワクチン接種歴又はPCR検査等の検査結果が陰性であることを確認することを条件に、キャンペーン期間中のイベント、エンターテインメントのチケットを購入した消費者に対し、二割相当分の割引等を実施するものです。
また、GoTo商店街事業は、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して商店街等がイベント等を実施することにより、地元や商店街のよさを再認識するきっかけとなる取組を支援するもので、商店街等より応募された提案を審査して、商店街等のイベントを決定、実施する事業です。
新GoTo商店街事業は、名称をがんばろう!商店街事業と変更し、イベント参加者の感染リスクを今まで以上に低減するため、期間、時間、場所の分散化に係る取組を重点的に支援するとともに、ワクチン・検査パッケージの導入を支援し、更なる感染症拡大防止対策を徹底しながら、ウィズコロナの状況に対応していくために商店街等が行うイベント事業、新たな商材開発やプロモーション制作などを支援する事業です。
イベントワクワク割も、がんばろう!商店街事業も、開始時期については、感染状況等を踏まえ調整中ということになっています。両方の事業とも補正予算に計上されております。
そこで、経済産業省にお伺いをいたします。
現在、イベントワクワク割、がんばろう!商店街事業、共に開始時期は調整中となっていますが、政府の経済対策によると、新GoToイートやイベントや商店街への需要喚起事業は、感染状況等を踏まえつつ、令和四年のゴールデンウィーク頃までを基本として実施するとなっています。二つの事業とも補正予算に計上されています。いつまでも開始時期を調整する状態のままで放置することはできないと思います。補正予算の執行期限があると思います。様々な状況について基準を定め、事業開始の目安を決めて、関係する方々に周知する必要があると思います。特に、がんばろう!商店街事業については、地域商業の活性化のために、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着いた地域は、ウィズコロナ社会として何らかの形で事業を開始することが必要と考えます。
イベントワクワク割、がんばろう!商店街事業の二つの事業の開始について、基準と目安を策定するとともに、開始に向けた準備を進めることが必要と思いますが、経済産業省の御答弁をお伺いいたします。よろしくお願いします。
○石井副大臣 お答えいたします。
経済産業省では、新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な影響を受けておられますイベント業界や商店街等の需要を喚起するために、イベントワクワク割及びがんばろう!商店街事業を措置をしているところでありますが、キャンペーンの実施時期につきましては、感染状況等を踏まえて判断することといたしております。
両事業の開始の目安等についてでございますが、まずは、現在の感染状況の収束に向けて、政府を挙げて取り組むことが重要であると認識をしております。
今後の事業開始に当たりましては、オミクロン株等の感染状況を見極めた上で、安全、安心な形でスタートできるように準備をしてまいりたい、このように考えております。
○金城分科員 今、開始の目安について、時期をしっかりと見極めるということでございました。
ちょうど、報道によりますと、新規感染者のピークが超えたということで、厚労省の専門家組織の発表がありました。新型コロナウイルスに関する厚生労働省の専門家組織、アドバイザリーボードは、二月十六日の会合で、全国の新規感染者数について減少の動きが見られると分析した、座長を務める国立感染症研究所の脇田所長は、二月上旬にピークを越えたと考えているとの見解を示したそうであります。
また、東京都におきましても八日間連続で前週よりも感染者数が減少した、私の地元沖縄でも感染者数は減少傾向でございまして、こういったことから、やはり早めの決断も必要だと私は感じております。
コロナの感染を防止する意味でのこういった時期の見極めということでありますが、一方で、動きが止まっている、人流が止まっていることを考慮して、民間事業者の方々に対して、現在、支援策が講じられていると思います。厚労省の雇用調整助成金もしかり、経済産業省におきましては事業復活支援金等も実施をしていただいている、申込みをしていただいておりますが、こういった止めることによる支援策というのは期限が打たれておりますね。雇用調整助成金は三月末まで、事業復活支援金は五月末まで、こういった形で支援金は期限が打たれているんですけれども、事業者の立場からしますと、いつ我々は人流が復活して開始できるのかというところがめどが立たないものですから、アフターコロナといいますか、支援金が切れた後のことを考えますと、いつ、どの時期でタイミングを打ってイベントを打ったり商店街の事業を再開させることができるのかというのは、本当に一日千秋の思いで見守っている状況だと思うんですね。
そういったことを勘案しますと、是非、経済産業省におきましても、GoTo関連の事業も早急な策定、開始の目安、これを決めていただきたいと思いますので、そこを、こういったことも踏まえて、是非とも大臣、副大臣から御答弁いただければと思っておりますが、再度よろしくお願いいたします。
○萩生田国務大臣 元々は、昨年、少し収束に向かいつつある中で、経済の回復期に商店街の皆さんに元気を出していただきたい、こんなことで企画したイベントでございました。
しかしながら、オミクロン株の感染拡大によって残念ながら年末や年始でスタートするきっかけを逸してしまいましたので、まだまだ予断は許せませんけれども、しかし、年度替わりなどのいい時期に使えるようによく見極めて、できるだけ早いスタートができるように関係団体の皆さんとも連携を取りながら、しっかり有効にそれぞれの商店街で使っていただきたい、こう思っております。
○金城分科員 大臣、最後に御答弁いただきまして、ありがとうございます。是非、民間事業者の皆さんが希望を持てるような取組を経済産業省としてもしっかりと後押ししていただきたいというふうに思います。
御答弁、どうもありがとうございました。以上で質問を終わります。
○西村主査 これにて金城泰邦君の質疑は終了いたしました。
次に、空本誠喜君。
○空本分科員 日本維新の会の空本誠喜でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日は、予算委員会の一月三十一日の集中審議、そこでお聞きできなかったエネルギー、半導体、そして、エネルギーでも原子力と石炭ガス火力、こういったことについて、大臣に、そして政府関係者の方々にお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、エネルギーにつきまして、まず石炭ガス火力でございます。
お配りしました資料一枚目でございます。
こちらは、石炭ガス化燃料電池複合発電というシステムを示しております。これは、ちょうど私が大学院生のときに、一九九〇年頃、エネルギー総合研究所の研究文献をたまたま読みまして、そのときに、すごく面白い、そして興味ある発電だなと思いました。併せて水素ガスを一緒に生成する。今、水素燃料が必要となりますが、この水素ガスを一緒に生成する発電であると。大変、原子力とともに有望な未来のエネルギーであるというふうに考えておりました。
一方で、イギリスで先般行われました気候変動に対する国連の会議、COP26、こちらで、ちょっと読み上げますが、温室効果ガスの排出削減対策が講じられていない非効率的な石炭火力発電所の廃止を盛り込んだ声明が発せられました。
ここで、今回のこの声明でございますが、廃止対象は排出削減対策の講じられていない石炭火力となっていますけれども、では、排出削減対策が取られている石炭火力というのはどういうものなのか。
例えば、今挙げました石炭ガス化燃料電池複合発電、そこにCO2を分離、回収する装置をつける、こういった総合的な発電システム、まさにこれは二酸化炭素を排出抑制するものであります。効率的であります。
こういったものについては、まず、このCOP26で示された排出削減対策が講じられているのか、講じられていないのか、それも含めまして、二酸化炭素を分離、回収して排出を抑えている、講じられている効率的な石炭火力発電としては、どういうものか、環境省の方からまず御説明をお願いします。
○小野政府参考人 お答えさせていただきます。
委員から御質問ございました、排出削減対策が講じられていない、講じられている、どういう線引きなのかということかと思いますけれども、この明確な線引きというのは、国内的にも国際的にも、詳細な線引きというのは明確に定まっているわけではございません。
ただ、現時点におきましては、二酸化炭素の排出を実質的に削減する対策が取られているものというのが排出削減対策が講じられているというふうに解釈しておりまして、例えば、高効率な石炭火力ということだけでは排出削減対策が講じられているとは言えないのではないかというふうに考えております。
申し上げましたように、国際的にも明確な線引きは現時点では存在しておりませんけれども、例えば、昨年のG7議長国である英国では、CCUSについては、その排出削減対策の例示として挙げているところでございます。
○空本分科員 ありがとうございます。
もう一度ここに資料をお見せしますけれども、こちらの、向かって左側ですか、今、NEDOと電源開発さん、そして中国電力さんが一緒に進めている大崎クールジェンの複合発電。これは広島県の大崎上島というところで行われているんですけれども、これはまさにCCSを組み込んだシステムであります。プラス、そこで石炭をガス化することによって水素ガスができます。水素ガスをまた水素燃料として使って、燃料電池で複合発電する。
こういったものはすごく効率的でありまして、また、効率も七割ぐらいいきます。CO2も九割以上回収します。すごく効率がよく、そして排出削減が講じられたシステム、CCSを組み込んだものだというふうに私は考えておりまして、こういったものは是非全国展開していただきたいなと思っております。
今、環境省さんの方から、CCSを組み込んだという御発言がございましたので、まさにこれがそれに相当するものだろう、ならば、これをアフターコロナの起爆剤的な、経済活性のための一手段として考えていただけないかなと。
例えば、今、広島県呉市、これは集中審議でもお話ししましたが、日鉄さん関係の製鉄所が百四十九万平米あります。これが全部廃止になります。まさにここは平地もありますし、すごく船卸しも簡単であります。こういったところにすぐにでもこういう発電システム、今、電力が足りなくなります、そういった意味で、五年、十年の計画を持って全国展開、また、こういうところに設置してみたらどうか。
これは本当に岸田政権における経済の起爆剤となると私も確信していますので、いかがでしょうか。経済産業大臣の方からお願いいたします。
○萩生田国務大臣 石炭ガス化燃料電池複合発電、いわゆるIGFCは、従来の超超臨界圧の石炭火力発電に比べCO2排出量を約三割削減できる、まさに最先端の技術だと思っております。
この技術の開発を加速すべく、現在、広島県大崎上島においてIGFCの基礎技術を開発しており、二〇三〇年代の実用化を目指しております。
今後は、この取組を土台として、IGFCの実用化を見据えた実機での実証試験を来年度に開始したいと思っております。
二〇五〇年に向けては、IGFCのような革新的な石炭火力を含め、水素、アンモニアやCCUSなどを活用し、石炭火力を脱炭素型の火力に置き換える取組を加速することで、カーボンニュートラル実現を目指してまいりたいと思います。
私も、先生の御指摘のとおり、非常に注目すべき技術だと思っておりますので、一日も早い実用化に向けて努力をしてまいりたいと思います。
○空本分科員 心強い御発言、ありがとうございます。
まさに、これは実用化段階にもう来ています。もうすぐにでも、石炭ガス化火力発電の方はすぐいきます。また、CO2を分離、回収することもできております。そういった意味で、政府の方で全国展開も含めて進めていただきたいと思います。
続きまして、半導体の方に移らせていただきます。
二枚目の配付しております資料でございます。上段でありますけれども、熊本の新工場についてちょっとお聞きしたいと思います。
熊本に新工場を建てる、これは、今不足する半導体をしっかり供給するという点では、私は本当に大切だと思っています。しかしながら、ここに造る半導体の工場が一世代、二世代もちょっと古いんじゃないかな、線幅二十ナノメーターという半導体工場で。今年、台湾では二ナノメーターの半導体工場を造ろうという計画があるというふうに聞いております。
一ナノメートルって、皆さん、技術系の方は分かっていらっしゃると思うんですが、すごく慣れない単位でありますけれども、例えば、ちょっとここで、失礼ながら、一ナノメートルというのが十のマイナス九乗、一メートルの千分の一を三回繰り返す。一メーターの千分の一が一ミリメートル、一ミリメートルの千分の一が一マイクロメートル、一マイクロメートルの千分の一が一ナノメートルです。実際のところを言うと、原子間の距離というのが大体〇・数ナノメートルで、ほぼ数ナノメートルの線幅、これが、技術的には、物理的にはぎりぎりのところなんですね。
ですので、線幅のVLSI競争というんですけれども、こういった競争をするのはもう限界に来ているんですが、しかしながら、今回熊本に造るものは、一世代、二世代前の工場となっています。まあ、今要るんですが、次に、じゃ、政府は、この熊本そして全国の半導体工場を、半導体の開発企業をどう支えていこうとするのか、そこを是非ともまずお聞きしたいんです。
その点で、もう一度、資料の下の方に書いておるんですが、もう一点気になるのが、半導体を作る人材であります。半導体を開発する、そして半導体の人材を育成するその指導者、今、海外に流出している、これは皆さん御存じのとおりと思います。なぜか。やはり、一人当たり年間の収入が五千万とか六千万とか、ヘッドハンティングされていまして、日本から本当に半導体の最先端を開発しようとする方々がいなくなっている。すごくこれは大変、海外からそういう方々を戻してくるというのは厳しい状況です。けれども、これから日本がまた半導体立国にもう一度立ち直るためには、ここを何とか乗り切らなきゃいけない。
そこで、手短にお聞きしたいんですけれども、熊本に造る半導体工場、新設されます、この工場について、次にどういう支援をされるのか。今年ではありません、来年、再来年、五年、十年、どういう支援をされていこうとされているのか。また、今後どういう戦略で半導体を盛り上げていこうとするのか、その展開、まず教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○萩生田国務大臣 今回、台湾のTSMCが日本のソニーの半導体関連企業とともに新たな会社を設立をし、そして、新たに整備を計画している国内拠点で製造される半導体は、産業用の最先端の半導体であり、5G通信を行う自動車や産業機械など多岐にわたる領域で用いられることになります。
先端半導体の国内製造拠点について、政府として支援を行うかはまだ決まっておりませんが、現在、我が国はこうした半導体の製造能力を有していないため、その製造能力を獲得することで、国内製造業の需要に応じて、安定供給体制を構築する意義はまず大きいと思います。
その上で、一般的に、半導体製造拠点は、一兆円規模の初期投資を行った後、そこから上がる収益を使って追加投資に充てていくことで、その数倍の投資に拡大していくことが特徴です。
まずは、今回のこのTSMC関連の日本でのビジネスが順調に立ち上がり、しっかりと根づいた結果、二棟目以降に拠点が拡大していくことを期待をしております。そのためには、国内における先端半導体のユーザー企業の育成、アカデミアや地場産業との連携を深めることが重要であり、政府としても支援をしてまいりたいと思います。
他方、今回の国内製造拠点の整備は、あくまでも我が国の半導体産業の復活に向けた取組の第一歩でありまして、将来的に我が国が次世代の半導体製造基盤を獲得すべく、研究開発にも並行して取り組んでいく。具体的には、今回の補正予算において、日米連携による二ナノメートルよりも微細な次世代半導体の製造技術などの将来技術の研究開発のために、一千百億円を計上したところでございます。
先生が作っていただいた資料がまさに全てを言っていると思うんですけれども、ややもすると、何か、工場にお金を投じて、国内で使う半導体を確保するためにやっているんだという、非常に簡単に報道される記者もいらっしゃるんですけれども、よく考えて、今回、まさに、日本国内で半導体を当然作ることも大事です。
そして、今先生おっしゃったように、十ナノ台あるいは二十ナノ台というのはある意味一世代前じゃないかという御批判をいただくこともあるんですが、日本の基幹産業である自動車などは引き続きこの二十ナノ台をずっとしばらくは使っていくと思います。したがって、技術進歩によって、一ナノ台、すなわち一桁ナノ台の半導体もこれからは世の中に出ていくと思います。それは必要なんですけれども、今おっしゃったように、一九八八年にトップを走っていた日本が、その後、後退をしてしまって、この二十ナノ台でさえ、もう十年以上日本国内でワンチップも作れないという環境がずっと続いてきました。
したがって、一ナノ台の半導体にももちろんチャレンジしていくわけですけれども、じゃ、誰が作るんだ、誰がプログラミングをするんだ、こういうこともありますので、人づくりというものも一緒にセットでやっていくということが極めて大事だと思います。
先生のキャリアを見ますと、博士課程まで学ばれたと思います。いきなり博士になる人はいないんですね。やはり、修士も経て、あるいは学部でも勉強して、そしてやっていくわけですから、まずは、このミッシングピースになってしまっている二十ナノ台が作れる人たちをしっかりつくっていく。その上で、昨日幸いに発表がありましたけれども、十ナノ台もこの熊本では作ることを決定しましたので、二十ナノ台、十ナノ台、そして一桁ナノに向かって、国内できちんと作れる環境というのをつくっていきたいと思います。
同時に、半導体の前工程と後ろ工程では非常に日本が強みを持っていました。真ん中は作れなかったので、この前と後ろの工程についても、当然、人材や技術も磨いて、大げさに言えば、もう一度半導体で世界の先頭を走れるぐらいの戦略的な人材育成、技術革新、そして設備投資、こういったものをセットで行って、かつての日本が先頭を走った半導体、こういった環境を取り戻していきたいと思っております。
○空本分科員 大臣、ありがとうございます。明快なお答えで、本当に力強いと思います。
ただし、実は経済産業省の皆さんは優秀な方ばかりです、それは分かっていますが、約十年前、同じような質問をこの第七分科会でやりました。残念ながら、そのとき本当に半導体産業を盛り上げていれば変わっていた。
示しております資料の三番、四番。大変僭越ではありますが、私がちょうど十年前に経済産業省の当時の情報通信機器課長の吉本さんに提案させていただきました。また、元通産事務次官の児玉さんにも何とかこういうのも盛り上げてもらえないかと。プラス、東芝側としては、当時日商会頭の岡村さん、そして東芝の半導体のトップの室町さん、そのときは副社長でした、そういった方々に、東芝ならば、その当時、実は半導体、フラッシュメモリーですごく勢いがありましたので、何とか盛り上げる、守り立てることはできるんじゃないかなという構想を持って、見ていただいて、総合メモリーメーカーをつくる、そしてファウンドリーを造る、そして、それとファブレス・ファウンドリー、こういったものを一体的に日本で構築していくならば、日米同盟を含めながら、しっかり半導体産業を日本や米国と一緒に盛り上げることができるであろう。
その中には、中流や下流のエンジニアの方々をしっかり支えながら、そういった方を半導体のメーカーに、設計者も含めて一緒に技術移転するなり、また派遣するなり、いろいろな手があったんですよ。
しかしながら、約十年前、二〇一二年ですが、経済産業省の方々は、聞いてはいただいたと思うんですけれども、残念です、全く動かなかった。
私はこの分科会で次のような発言をさせてもらっています。「半導体は、今後も国際的に大量需要が見込まれるスマートフォンなど情報通信機器などにはなくてはならない極めて高い品質の技術製品であって、我が国にとって大変重要な戦略的な製品でもあります。」と、私はここで大臣に質問しています。意見させていただきました。そのときに、大臣からは、「世界の自動車やエレクトロニクス製品の生産に不可欠な国際的なサプライチェーン確保の観点からも、重要な産業であると考えております。」と発言されて、頑張るという意思を示してはいただきましたが、それ以降、全く動いていない。
ちょうどそのとき、私の選挙区の中にエルピーダメモリ、私の事務所から車で走って五分、十分のところに巨大なDRAMの半導体工場、今、エルピーダメモリが倒産しまして、そして、米国のマイクロンという会社が本社を置いて、今、開発、生産をしていただいています。何とかDRAMとフラッシュメモリーは日本にあります。ただし、韓国勢とか台湾勢とかに負けています。
そういった意味で、メモリー、そして、プラス半導体。昨日、自民党の山本議員からパワー半導体の話もありました。そういった半導体全体を見て、いろいろな半導体があります、いろいろな半導体をどうやってこれからこの国で作り、開発し、支えていくのか。金も要ります。人も要ります。そして開発拠点も必要になります。今、経済産業省、産総研、いろいろ立派なところはありますが、まだまだこれからかなと。そういった意味で、是非御支援をいただきたいと思っております。
先ほど、実際これから、数ナノオーダーの線幅のものが作られる、日本でも開発していくということをおっしゃっていただいた。それはすごく心強いです。
次に、じゃ、数ナノの後は何なのか。先ほど言いましたけれども、原子と原子の距離というのがありまして、これが大体〇・一数ナノメートル、十のマイナス十乗、オングストローム単位、技術系の方もいらっしゃるのでもちろん分かっていらっしゃる、そのオーダーになりますと、もうトンネル効果があって、簡単に電子的にやり取りはできない。
となると、今度は光です。私自身、大学の時代、学生時代に光関係、放射線をやっていたんですが、原子力をやっていたんですが、放射線、光というのは波です。波である一方、量子的に、今度は玉、光子でもあります。私も、フォトンカウンティングといいますが、一個一個、光をカウントしていた。そういった光電子増倍管とかフォトダイオードとか、そういったものを使ったり、光ファイバーを使ったり、レーザーダイオードを使ったり、いろいろなことをやってきました。
次なるものは、やはり光なんですね。この戦略をしっかり次の世代の半導体戦略に取り込んでいただきたい。
これは質問の通告はしていないんですが、これは是非一度お聞きしたいので、大臣の方から一言だけお願いします。
○萩生田国務大臣 まず、先生が十年前に国会でこのような議論をしていただいたにもかかわらず時計の針が止まってしまった、これは非常に残念だったと思います。
私、実は5Gの改正法案を提出する際に、なかなか政府は過ちを認めなかったんですけれども、これはもうおわびをして、失敗したことをしっかり認めた上で、国民の皆さんに御理解いただいて予算を使わせていただこうということを宣言して、国会の中でも何度も謝罪を申し上げました。これは大変なことで、当時判断をした歴代の大臣の決定が間違っていたということを言わなきゃならないわけですから。
しかし、振り返ってみて、やはりこの半導体分野について、私は、間違っていたと思います。
国内で物づくりができる、まさに物づくり日本といいながら、実は国内では何も作れなくて、海外のサプライチェーンに依存しなければ、最後、メイド・イン・ジャパンの製品を作れないということは、今回図らずもこのコロナを経験したことで全て露呈されてしまいました。
したがって、自立性の高い、自己完結できる物づくり国家に変わっていくためには、まさに米とも言える半導体を持っていなかったら、これは次へ絶対行けない、こういう決断の下で今回の判断をしました。
同時に、岸田内閣では新しい資本主義、今までは、政府は研究開発まではお金を出すけれども、民の企業にお金を出すというのは、これは越えちゃいけないウォールがある、そういう感覚だったんですけれども、もはや、世界を見てみると、民にも投資をする、しかし、その投資は国民にリターンをしてもらう、こういう新しい概念で資本主義を進めていこうというのが、その象徴的なまさに一つがこの半導体だと思っておりますので、そこは十年前のその失敗を繰り返さないようにしっかり頑張ってまいりたいと思いますし、先生も失敗しちゃったことも原因の一つかもしれません。続けてやはり我々国会議員が責任を持ってこういう事業をやっていくことが大事だと思っています。
その上で、光電融合についても、今回補正予算で開発研究を認めていただきました。一本足ではなくて、多層的に次の時代をしっかり見極めて、日本の科学技術を持って物づくりを進化させていく、こういったことは常に検討を加えていきたいと思っていますので、おっしゃるような新しい技術も含めて、まさに、光については日本は強いわけですから、これを最終的にどうやって使うかということも含めて、研究開発を更に進めていくことは、改めて力を入れて頑張っていきたい、こう思っております。
○空本分科員 ありがとうございます。
ナノフォトニクスというんですが、しっかりとお願いします。
そして、今から原子力、実は私の専門でございまして、岸田総理にちょっとお聞きできなかったんですが、まず簡単に、原子力の一番大事な問題、プルサーマルと核燃料サイクル、岸田政権においてはどういうふうに取組をされるか、推進されるか、大臣からお願いいたします。
○萩生田国務大臣 第六次エネルギー基本計画でも閣議決定されたとおり、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度の低減、資源の有効利用などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収したプルトニウムなどを原子力発電所において再利用する核燃料サイクルを推進することが政府の基本方針です。
この方針を踏まえ、関係自治体や国際社会の理解を得つつ、プルトニウムをMOX燃料として利用するプルサーマルや六ケ所再処理工場の竣工に向けた取組を推進するなど、引き続き核燃料サイクルを着実に進めていくことが基本方針でございます。
○空本分科員 ありがとうございます。
プルサーマル、核燃料サイクル、今止まっております。そうした意味で、プルトニウムがまだまだ余ってきています。こういった意味で、やはり核セキュリティーの観点からも大事でありますので、是非よろしくお願いいたします。
そして、五枚目の資料でございます。
小型原子炉、これから政府が開発を進めて推進していくとおっしゃっております。私自身、小型原子炉、東芝で技術開発しているときにもいろいろこういう話は聞いておりました。新型炉という形で聞いておりました。
これで一番難しいのは、小型になるとすると、核セキュリティーの問題、核物質防護、PP、安全審査、そして保障措置、こういったものが全く新しくなっていく、こういった意味で、まだまだこういう分野はこれからだと思いますけれども、原子力規制庁の方でこういったものに対する取組というのは今どうなっていますか。
○佐藤(暁)政府参考人 お答えいたします。
委員がただいま御指摘されましたように、新しく開発されています小型原子炉、こちらについては様々な課題があるというふうに認識しております。
その中でも、小型原子炉に対する安全規制についてでございますけれども、現在、国際機関や各国規制当局間で新しい規制上のアプローチを含めた議論が進められているところでございます。
私ども原子力規制委員会としては、こうした国際機関などの議論に参加するとともに、各国の規制動向の把握に努めているところでございます。
○空本分科員 小型原子炉というのは全く新しい概念でありまして、また、小型になると定期検査なんかもすごく難しくなります。というか、中は開けられない状況になって、私自身、溶接検査とか、実際の女川発電所、浜岡発電、また福島、柏崎、こういったところの定期検査、そういった機器設計的なものもやってまいりました。そういった意味で、すごく難しさがありますが、セキュリティーの観点からもしっかりと取組をお願いしたいと思います。
そして、もう一点、時間が余りありませんけれども、資料の方の中段、下段にございますが、日本において失われつつあるもの、それは何かというと、やはり人であります。こちらの、原子力の人材であります。
また、開発するもの、特に私が心配しているのは、実は放射線検出器なんですね。廃炉するに当たっても、サーベイメーター、放射線検出器が絶対必要になりますが、今、アレバさんとか日立さんとかありますけれども、だんだん国内生産が疎くなっていく。
研究開発するに当たって、人材を育成するに当たっても、研究炉というのがなくなって、私も、東京大学の弥生炉で原子炉実験をやったり臨界を体験したり、そういったことをやってきて、実際、育成するときにはそういう研究施設も必要になってきます。
そういった意味で、最後に、こういう人材育成の施設、人、研究機関、さらにはこういう体制、文科省と大臣の方から続けて、御回答といいますか御見解をいただきたいと思います。
まず、文科省さん、お願いいたします。
○堀内政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、近年、原子力分野の人材育成をめぐる状況は、大学における原子力関係学科、専攻や原子力専門科目の開講数の減少、それから原子力関係の大学教員数の減少、さらに、稼働している試験研究炉の減少などの課題に直面しておりまして、我が国の原子力分野を支える基盤の脆弱化が懸念されている状況にございます。
そのため、人材育成を効果的に進めつつ、基盤となる原子力施設の維持強化などに取り組むことが一層重要と考えております。
こうした状況も踏まえまして、文部科学省では、大学や高等専門学校が研究機関や企業等と連携をして、横断的に原子力分野の教育研究を行う体制を構築する取組を進めてございます。
さらに、大学や研究機関等が保有する試験研究炉は、研究及び実習、実験的教育を行う場として、我が国の原子力分野の研究開発や人材育成の基盤的な役割を担っております。
そのため、研究開発及び人材育成を支える基盤を中長期的に維持していく観点から、福井県「もんじゅ」の敷地内の活用をしました新たな試験研究炉について検討を進めてございます。
文科省としましては、引き続き、産学官の連携により、我が国全体の原子力基盤の維持と人材育成にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○西村主査 萩生田大臣、一言。
○萩生田国務大臣 じゃ、時間がないので詳しくは話しませんが、文科行政に最も詳しい経産大臣として、しっかり連携してやっていきます。
○空本分科員 ありがとうございました。
○西村主査 これにて空本誠喜君の質疑は終了いたしました。
次に、金子恵美君。
○金子(恵)分科員 立憲民主党の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
東日本大震災原発事故からもうすぐ丸十一年となります。しかし、復興は道半ばでございます。
昨年の十年で一区切りというふうになりまして、今年は政府主催の追悼式も開催されないということでございます。極めて残念なことでありますけれども、やはり、復興の課題がこの永田町で風化されないことを願うばかりでございます。
萩生田経産大臣におかれましては、まずは、十二日に福島市で開催されました福島復興再生協議会に御出席されました。そして、それに先立ちまして、楢葉町のJAEAの施設を十一日に訪れ、そして、燃料デブリを取り出すためのロボットアームの御視察もされたということでございます。
是非、被災地に寄り添うその姿勢というものを崩さずにお願いしたいというふうに思うんですが、今国会では、国際教育研究拠点の整備のための福島国際研究教育機構を設立するための福島復興再生特措法改正案も提出されたところでもございます。これは経産大臣も主務大臣の一人ということでございますので、よく御存じのとおりでありますが、このように光が当たっているところはいいと思います。
しかし一方で、実は、全てを進めるためには、まず、真のふるさとの復興再生を目指していく、そういう一つの目標がなくてはいけないわけなんですが、その前提となるのは、やはり東電の福島第一原発の廃炉ということになります。
廃炉の形がどのようなものなのかというのが明確に今まで示されてきていないということもありますし、是非、もう十年以上過ぎた、今申し上げましたように、この三月で丸十一年ということでございますので、やはり地元の、被災地の皆さん、福島県の皆さんの御意見も聞きながらいろいろと決めていかなくてはいけない重要な時期に来ていると思います。
中長期ロードマップに原子炉建屋の解体計画が、二回目の改定以降はもう記載されていないという状況であります。その理由をお聞かせいただけますでしょうか。
○萩生田国務大臣 二〇一一年の中長期ロードマップでは、「原子炉施設の解体計画」として、その概要と解体に向けたスケジュールに関する記載がございました。
二〇一三年以降の改定において、中長期ロードマップ全体の構成や表現ぶりを見直しましたが、廃炉の進捗状況を踏まえ、原子炉建屋の解体に関する計画について検討を行っていくという方針に変わりはなく、引き続き関連する記載が存在をしております。
具体的には、燃料デブリ取り出し等の廃炉作業や研究開発等の進捗状況を踏まえ、東京電力が、第一原発の廃止措置に関する事項、つまり、原子炉等規制法で定める発電用原子炉の解体、核燃料物質の譲渡、核燃料物質による汚染の除去などに関する事項を定めると、現在の中長期ロードマップに記載しているところでございます。
○金子(恵)分科員 確認いたしますけれども、そうしますと、原子炉建屋の解体計画の代わりに炉規法に基づく廃止措置という言葉を使い、そして、実際には計画はきちんと立てていくということでよろしいんですか。
○萩生田国務大臣 今後の廃炉の進捗状況を踏まえながら、原子炉建屋の解体を含めた廃止措置に関する事項についてしっかり検討してまいりたいと思っています。
原子炉建屋の解体については、建屋内にある使用済燃料ですとか燃料デブリを取り出した上で初めて着手できるものでありますので、将来どういう形がいいか、今の段階で決めるよりも、これから地元の皆さんの御意見などを聞きながら更に進めていきたいと思います。
少なくとも、残すことを前提にやっているのではないということは御理解いただきたいと思います。
○金子(恵)分科員 残すことは前提ではないということであれば、今のロードマップで目指している廃炉とはどのような状態なのかということは、大臣のお立場でおっしゃることはできないということかもしれません。今、実はそのことを質問しようと思っていましたが、しかし、やはり、では大臣としてはどのようなイメージを持たれているかということをお聞かせいただけますか。
○萩生田国務大臣 福島第一原発の廃止措置を終了した状態についてどうするのが一番理想かというのは、多分、いろいろな意見があると思うんです。事故を起こした原子炉の内部の状況や廃棄物の性状など、まだ明らかになっていない要素もございますので。アームを見に行きました。いよいよデブリの取り出しが始まるわけですから、具体的な絵姿を今の時点でお示しすることというのは難しいんじゃないかなと私は思っています。
廃止措置を終了した状態は、地域の将来像に関わることでもあるため、技術的観点に加えて、是非、先生含めて地元の皆様の思いというものをしっかり受け止めて検討していく必要があるのではないかと考えております。
○金子(恵)分科員 大臣が御視察されましたロボットアームについても、新型コロナウイルスの影響で開発が一年遅れたというふうに伺っております。やっと二月中旬から、今から約半年をかけて最終的な試験が行われるというふうにも伺っていまして、いろいろなことが私は遅れて進んでいるというふうに思っています。
でも、中長期ロードマップは、廃止措置終了までの期間というのは三十年から四十年後ということは堅持しているわけです。先ほど、改定がなされてきた、もう五回ですかね、改定されてきたということでありますけれども、その間、三十年から四十年後の廃止措置終了、ここは変わっていないんですね。これは大丈夫なのかなと。
いろいろな議論をしていかなくてはいけない、そして検討していかなくてはいけないと今大臣からお言葉がありました。地元の御意見も聞いてくださるということもおっしゃっていただいたと思いますが、そうであれば、例えば、昨年の二月にNHKが、福島県民、私も福島県民の一人でございますけれども、福島県民に対して、東電福島第一原発の廃炉の最終形についてアンケート調査を行ったということでございますが、建物や放射性廃棄物が完全に撤去され更地になっているというふうに答えた方というのは三八・二%、約四割ということでございます。かなり多くの県民の方が、更地にして、これが廃炉の最後の形だというふうに言っている。
廃止措置が終了と、最終形、違いますか。
○萩生田国務大臣 今の段階で皆さんが、更地が望ましい、こうおっしゃることについては重く受け止めておきたいと思いますけれども、じゃ、必ず更地にできるのかと言われると、これから、今、デブリの搬出がございますし、中もまだ実際に目視もできていない状況ですから、軽々に、終わったら更地にしますよと簡単に言う方が私は逆に無責任だと思います。
いずれにしましても、あの施設を残すということはあり得ないわけですから、最終形は、全てを終わらせるわけですから、その後の土地利用については、是非地元の皆さんの御意向を尊重しながら、東京電力ともきちんと話をしていきたいと思います。
○金子(恵)分科員 済みません、言葉足らずの質問だったかもしれません。ここで言っている廃止措置終了というゴールと、最終形を見るというところのゴールは、同じではないということですか。
○萩生田国務大臣 最後は同じにしないといけないと思いますね。
○金子(恵)分科員 ありがとうございます。
ということであれば、現段階で、中長期ロードマップにある三十年から四十年後というところは、本当に分からない。今の段階で言えることであって、恐らく、少しずつではありますけれども、いろいろなところの状況などを見ていただいて、やはりこの部分というのを変えていかなくてはいけない、現実味のある数字にしていかなくてはいけない時期が来るんだというふうに思うんです。
その理解をさせていただいていいというふうに思いますけれども、その上で、やはり廃炉までの道のりについては、地元の意見をしっかりと聞いていくということですので、そこのイメージづくりというのもちゃんとやっていただいた上でいろいろな調査をしていかなくてはいけないというふうに思うんですが、私は、最終形をしっかりと決定していただいて、できるだけ早く様々な検討をしていただいて、そしてまたさらにできるだけ早い時期に地元の意見を聞いていただいて、そして最終形というもの、いわゆる廃止措置終了の形、これが、今一緒であると大臣からは御答弁いただきましたので、そういうものをしっかりとゴールとして明確にしていただいて、そして、その上でこれからの廃炉を進めていただく、廃炉工程というのをしっかりと進めていただきたい、廃炉の道のりを歩んでいただきたい、そのように思っているんですけれども、大臣、もう一言、そのような誠意のある御対応をしていただけるということでよろしいでしょうか。
○萩生田国務大臣 今お話のあった中長期のロードマップ、三十年から四十年後の廃止措置完了を目標としとうたっています。これもすごく幅がありますよね。他方、確かにロボットアームの開発は一年遅れたんですけれども、これは運用面ではもしかするともっと迅速に作業ができる可能性も秘めていますので、三十年を待たずして最終形にたどり着けるということも期待もしたいと思います。
いずれにしましても、廃炉措置完了に向けて、炉内の状況ですとか廃棄物の状態、確認をして、一つずつこれから明らかにしていかなきゃならないことがありますから、軽々に、最後こうしましょうねということを国が言ってしまうのはかえって私は無責任だと思いますので、更なる調査分析や研究開発を進めながら、国が最後まで責任を持って、県民の皆さんに寄り添ってしっかり取り組んでいく、このことはお約束したいと思います。
○金子(恵)分科員 今のお約束、しっかりと受け止めさせていただきますが、そうであれば、早くそれをスタートさせていただきたいのです。
それとともに、今回のロボットアームの話もそうなんですけれども、これはイギリス製ですよね。やはり、国内でいろいろなことをきちんと開発、廃炉の技術を開発できる、そういう環境づくりを進めていただきたいというふうに思っていますし、それが国際教育研究拠点でできるのかどうかは現段階では全く分かりません。三月末までの基本構想策定を待たなければならない状況でもありますけれども、依然として、その具体的な研究内容など具体像は今出てきていませんけれども、そういうものも含めてしっかり御検討いただき、検討というか、もう、すぐ、もう目の前にあるものですから、これは是非やっていただきたいと思いますが、大臣、どうでしょう。
○萩生田国務大臣 せっかく福島につくる研究拠点ですから、特に御指摘の廃炉については、これは特化した技術研究をしていく、これは基本的な大きな方針は持っておりますので、逆に、国内だけじゃなくて世界に貢献できるような人材育成をしっかりしていきたい、技術を研究していきたいと思っています。
○金子(恵)分科員 是非よろしくお願いいたします。法案審議のときにも、またその辺のところをしっかりとただしていきたいと思います。
それでは次に、ALPS処理水について質問をしたいというふうに思います。
ALPS処理水については、国民的議論がしっかりとなされなければやはり海洋放出はすべきでないという見解を持ち、私たちは、国民的議論のないままで基本方針が決められてしまったことを、間違っている、これは見直しすべきだというふうに言い続けておりますが、大臣、今の段階で、国民的議論、そのような国民的議論形成の場をつくり上げてこられたというふうに言えるのでしょうか。お伺いします。
○萩生田国務大臣 ALPS処理水の処分に伴う風評を生じさせないためには、消費者を始めできるだけ多くの国民の皆様に、政府の方針決定の背景や議論の経緯、処理水の安全性や風評対策の進捗等について情報提供する機会を積極的に確保し、御理解を深めていただくことが大切だと思っています。
こうした認識の下、御指摘の、国民の皆さんに広く関心を持っていただくための様々な、新聞、テレビ、メディアなど、丁寧に情報提供を行うなどの努力を重ねてきているというふうに承知しております。
加えて、自治体ですとか農林水産業者などの団体、学校などに対しては、政府から説明の機会をいただくようお願いする場合や、相手から求められる場合がありますが、いずれにしても丁寧な対応はしてまいりました。
また、福島県内の住民を対象に、福島第一原子力発電所を視察いただき車座で意見交換を行う視察・座談会も行っています。
また、東京、大阪などの大消費地において、一般の方々にも参加いただき、福島県産品の魅力を紹介するとともに、処理水への理解を深めていただくシンポジウムなど、イベントも今後積極的に開催をしていく予定でございます。
〔主査退席、伊藤(達)主査代理着席〕
○金子(恵)分科員 イベントの開催もしていただく、風評被害対策ということで、もう既に基本方針が決定した段階で風評が広がっているから、やはり風評被害対策をしなくてはいけないということなんだと思います。
随分急がれまして、令和三年の補正予算では三百億円の基金を出していただいているということで、漁業者の方々、特に反対でいらっしゃいますので、例えば、お魚が売れないという状況であればそれを買い取る仕組みだというふうに伺っています。
ただ、これだけやって、もういいのか。実際に、なりわいがなりわいとして継続できなければ、持続可能なものでなければどうしようもないわけで、やはり、最後まで、漁業者の方々は、まだまだ御理解を得ることができないですし、また、違った方法や、トリチウムの分離技術開発、これも含めてしっかりと、先ほど申し上げました国際教育研究拠点でもいいです、しっかりと国を挙げてやっていくべきではないかなというふうに思っています。
こういう状況の中で、まだまだ、まだまだ国民の皆さんの国民的議論というものがない、理解が深まらない、そういう状況の中で、当然、今回の、子供たちに発出されようとしたチラシの問題というのは、私は、大きなことだ、大変重要なことで、懸念をしているところでもございます。
実際に、国民的議論が展開されることなく海洋放出の方針が決定したこと、これ自体が不当であるというふうに思っておりますけれども、昨年の十二月の十七日付で、経産省の資源エネルギー庁原子力発電所事故収束対応室が、このようなチラシ、大臣も見ていらっしゃると思いますけれども、このようなチラシを作りまして、放射線副読本の配付を希望する小学校に配付をするということをいたしました。
実際には、これは、例えば福島県内であれば、今、教育委員会でいろいろ精査をしていて、福島市などでは、もう配付をしないようにということで、ストップしています。なぜならば、これは、放射線副読本自体は文科省から送られたわけなんですけれども、文科省からの情報を得て、副読本、どこに送りましたかという情報だけで、エネ庁から直接送られていたらしいということも、まず問題だというふうに思っています。
様々な子供たちの目に触れるものをチェックしていく、そういう機能も必要だというふうに思いますけれども、今までもやはりされてきたことが、今回はできない。これはまさか、萩生田大臣が文科大臣をされていたから、もう許可なしでも大丈夫ということではなかったはずだというふうに思いますが、これはどのようなものなんでしょうか。
教育の現場からは、やはり、これは本当に間違っていると。「復興のあと押しはまず知ることから」、これはタイトルは本当に私はすばらしいことだというふうに思うんですけれども、一方的な安全の概念の押しつけというものがなされているのではないかというふうに教育の現場からの声が上がっているという状況でございます。
どのようにお考えになられますか。
○萩生田国務大臣 ALPS処理水については、風評影響を最大限抑制すべく、科学的根拠に基づく正確な情報の発信や丁寧な説明を行うことが不可欠であり、これまでも、漁業者等の生産者、卸、小売店舗の販売員、さらには消費者に至るまで、幅広い方々に説明を重ねてきています。
そういった取組の一つとして、出前授業を始め、学生に向けた理解醸成にも取り組んでいるところでありまして、これまで、福島県内の皆様との意見交換の中で、地元自治体、関係団体から、ALPS処理水を含めた放射線教育を強化すべきとの御意見をいただきました。
こういった御意見を踏まえ、放射線副読本にALPS処理水の記載を追加をしました。また、更に分かりやすく説明できるよう、経済産業省及び復興庁において、ALPS処理水に関するチラシを説明資料として、全国の各学校へ放射線副読本と一緒に配付をいたしました。
ALPS処理水による風評影響を抑制するため、ALPS処理水の安全性を始め、放射線に関する正確な情報を幅広い方々に発信することは国としての重要な責務であります。引き続き、皆様の御不安、御懸念を払拭していくため、丁寧に理解醸成活動に取り組んでまいりたいと思います。
○金子(恵)分科員 現場では、副読本に同梱されていたというふうには言われていません。後から送りつけられたということなんですけれども、いろいろ精査していただいて、調べていただいて結構なんですが、もし、後で送りつけられた、そういう印象が現場の先生方からあるとしたら、やはりそれも問題だと思うんです。やはりせっかく、大臣先ほど来おっしゃっていただいているように、国民的議論を展開できるようにいろいろな努力をされてこられた、もしそうだとしたらば、ここも丁寧にすべきです。こういうことをされてしまうと、また不信感というのが募るじゃないですか、こういうものをただ送りつけられた。それで、復興庁の方からは中学校、高校に対してのチラシを送られているんですね。そういうことです。
文科大臣もされていて、やはり教育の現場ではどんな状況か、子供たちを守るためにどのように先生方が頑張っていらっしゃるかというのはよく御存じだと思いますので、是非ここは丁寧な対応をしていただきたかったと思いますが、いかがですか。
○萩生田国務大臣 先生、確認をしますけれども、送り先は、副読本を希望しているところに追加で送ったという判断をしたんですね。したがって、先生がおっしゃるように、副読本は希望したけれども追加のチラシは希望していないじゃないかという自治体が、もしかしたら中にはあるかもしれません。
それから、もっと言えば、学校現場はそのプロセスが分からなくて、特出しでこの一枚が後から送られてくると、何かこれは強調して子供たちにアピールしろと言わんばかりのものじゃないかという誤解を招くこともありますので、せっかくの御指摘ですから、丁寧に対応することは、文科省とも連携しながらしっかりやっていきたいと思います。
○金子(恵)分科員 ありがとうございます。
今、福島県の教育委員会でも調査中でございますので、是非連携を取っていただきながら、子供たちに政治的な意思というものを押しつけることがないようにお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
次に、申し訳ございませんが、一つ飛ばしまして、プラスチックの問題について質問させていただきたいと思います。
プラスチックの廃棄物削減の取組でございますが、実際にもう、今年四月施行されようとしているプラスチック資源循環法がございます。実は、私たち立憲民主党は、政府に先立ち、いろいろなプラスチック問題、プラスチックごみをゼロにしましょうということでの議論を続けてきまして、昨年の五月に、プラスチック廃棄物の削減を第一に考えたプラスチック廃棄物削減推進法案というものを衆議院に提出させていただきました。残念ながらこの法案は成立させることはできませんでしたけれども、政府から提出されたプラスチック資源循環法案は可決、成立しましたので、この四月から恐らくプラスチックの資源循環政策は変わっていくものだというふうに思います。
どのように変わりますか。
○萩生田国務大臣 プラスチック資源循環促進法では、プラスチックのライフサイクル全体を通じて包括的に資源循環を促進するための措置を講じており、本年四月一日から施行します。
具体的には、設計、製造段階で、製造事業者等が代替素材への転換などの環境配慮型の製品設計を促進することにより環境配慮製品を普及させること、また、販売、提供段階で、小売事業者等が提供するストローなどの使い捨てプラスチック製品の提供方法を工夫することなどにより過剰な使用を抑制させること、また、排出、回収、リサイクル段階で、市町村長、また製造、販売事業者、排出事業者の各回収ルートでのサイクルの円滑化によりリサイクルの取組を加速させることなどに必要な指針の策定や認定制度などの措置を講じています。
これらの措置を通じて、事業者、消費者、国、市区町村などが連携して、それぞれのステージで、社会全体でプラスチックの資源循環の高度化が進むとともに、更なる成長の機会となり得るものと期待をしております。
○金子(恵)分科員 ありがとうございます。
世の中は変わっていかなきゃいけない、プラスチックのごみをできるだけ削減していかなくてはいけない。そうすると、循環させるだけじゃなくて、出す段階でもいろいろと変えていかなくちゃいけない。作り上げる段階で、例えばバイオプラスチックの導入に向けた取組もしなくてはいけないということだと思います。
令和四年度の経産省の予算の中にはプラスチック有効利用高度化事業というものもある。これが十一・九億円。そしてまた、カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術開発事業に二十九・六億円が計上されているわけですけれども、このバイオプラスチックを実際に進めようとする、それを作り上げようとする中でも、実際には、例えばバイオプラスチックの原料にはトウモロコシとかサトウキビ、パームオイル等が使用されているわけなんですけれども、食料との競合が懸念されていたり、また、パームオイル等は農地の確保に当たって違法伐採が行われたり、これは海外からの輸入ということになりますけれども、そういう問題があったり、また児童労働の問題も発生したりということで、SDGsの観点から様々な実は課題もあるということでございますので、できれば、これも研究開発ということにはなりますけれども、国内で原料をしっかりと調達できるような仕組みづくりとか、そういうことを含めて、バイオプラスチックの導入に向けて進めていかなくてはいけません。
ロードマップも作られているわけです。もちろん、経産省も一緒にこのロードマップを作ってこられたわけですけれども、このような取組、どのようにされますでしょうか。お伺いしたいと思います。
○萩生田国務大臣 バイオプラスチックは、化石資源の使用削減や温室効果ガスの排出抑制のほか、海で分解される性質を持つものでは海洋汚染防止の効果も期待できるため、経産省としても積極的に普及拡大を図ってまいりたいと思っています。
一方、今先生御指摘がありましたように、原料の多くを海外からの輸入に依存していることや、国内事業者の育成といった課題もある、このことは十分承知をしております。
経産省としては、原料の国内での確保に向けて、これまで、食品や農林業から生じる廃棄物を利用するための研究開発を支援しています。また、今後の革新的な取組として、国内の工場などから排出されるCO2を直接原料として利用する取組も進めてまいりたいと思っています。
さらに、国内事業者の育成に向けては、新たな事業者による海で分解されるプラスチックのような革新的素材や技術の開発支援を行うとともに、海洋生分解性プラスチックの世界初の商用化に当たって、サプライチェーン補助金を活用した設備投資への支援も行っているところです。
引き続き、環境省を始めとする関係省庁と連携しつつ、経産省としてもバイオプラスチックの積極的な普及拡大に努めてまいりたいと思っています。
○金子(恵)分科員 ありがとうございます。
環境省と連携、よい言い方だと思うので、環境省が中心じゃなくて、経産省が新たな製品を作っていく、そういう思いで進めていただきたいと思います。
そうなりますと、プラスチック使用製品の設計指針、これを策定されているわけなんですが、もちろん、この法律の施行日からこちらも施行される、政省令ももうできていますが、同じように四月からということになりますけれども、この指針に沿って事業所に製造してもらうためには、認定製品を製造する事業者への財政支援等が必要なんだというふうに思うんです。それによって、やはり一層のインセンティブというものが働くというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○萩生田国務大臣 委員御指摘のとおり、国は、製造事業者等が取り組むべきプラスチック使用製品の環境配慮設計に関し、指針を定めることとしております。
具体的には、プラスチックの使用量の削減、解体の容易化、リサイクル容易化などの製品の製造の工夫、バイオプラスチックの利用などの材料の工夫などを促すための指針です。
また、こうした製品設計を促すために、経産省と環境省で連携して、令和三年度補正予算で、バイオプラスチック等の素材開発や環境配慮設計に取り組む事業者への設備投資への支援などを措置したところです。
加えて、指針に適合する特に優れた環境配慮設計がなされた製品については、国が認定を行って、グリーン購入法における率先調達の配慮などを行うことにしております。
こうした措置も活用し、製造事業者等による環境配慮設計をしっかり後押ししていきたいと思っています。
○金子(恵)分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、今おっしゃっていただいたように、予算措置、少しはしているけれども、設備投資だけ。そしてまた、なぜ補正予算なんだろう、本予算に何で入れていかないんですか。これは、毎回毎回補正予算で何となくつけ足しでやるような事業でしょうか。
それも含めまして指摘をさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤(達)主査代理 これにて金子恵美君の質疑は終了いたしました。
次に、石井拓君。
○石井(拓)分科員 自由民主党の石井拓です。
私の方からは、自動車産業におけるグリーン成長戦略についてお伺いをいたします。
昨日も、同じ愛知県の山本左近議員も同趣旨の質問をされましたが、地元愛知県は自動車産業の盛んなところであります。いわゆる産業集積地を成す数多くのサプライヤーが存在し、範囲も全県にわたっております。私たち議員も、地元に帰れば産業界の皆さんにしっかり説明し、また新たな御意見を頂戴してまいります。何とぞ丁寧な回答をよろしくお願いいたします。
人の移動、荷物の運搬に欠かせないのが自動車であります。カーボンニュートラルを目指す上で、自動車自体のCO2排出量を削減、ゼロにすること、これが重要でございます。我が国のCO2排出量の中で約二〇%の割合を運輸部門が占めており、そのうちの約八六%が自動車関連と言われております。
昨年、自動車産業のグリーン成長戦略として、自動車のライフサイクル全体で二〇五〇年までにカーボンニュートラル達成を目指すことになりました。自動車自体がCO2を出さないものに変えていかなければなりません。
具体的には、乗用車分野においては、二〇三五年までに電動車、これはEV、FCV、PHV、HVの四種を、新車販売で一〇〇%を実現する。商用車分野においては、八トン以下の小型車においては、二〇三〇年までに電動車を新車販売で二〇%から三〇%に、二〇四〇年までに、電動車と、合成燃料など脱炭素燃料ですね、この合成燃料車を、新車販売で一〇〇%実現する。八トンを超える大型車においては、二〇二〇年代に電動車を五千台先行投入し、二〇三〇年までに二〇四〇年の普及目標を設定するとしております。
そこでお聞きしたいのは、乗用車分野における合成燃料車、この位置づけであります。
合成燃料は、自動車の燃料としてガソリンや軽油、天然ガスに代わるもので、既存のエンジンやトランスミッションなど駆動系部品、ラジエーターなどの冷却部品などもそのまま活用されます。裾野の広い自動車産業のサプライチェーン、多くの中小企業、零細企業に至るまで、ストレスなしでカーボンニュートラルにシフトすることができます。国内の自動車産業をより活性化するためにも、合成燃料の商用化、合成燃料車の開発に力をもっと入れるべきだと思います。
そこで、お尋ねします。
グリーン成長戦略において、合成燃料車は商用車分野においては導入されるとしておりますが、台数も期待される乗用車部門で合成燃料車の位置づけはどのようになっておりますでしょうか、お願いします。
○福永政府参考人 御質問ありがとうございます。お答えさせていただきます。
先生御指摘の自動車のカーボンニュートラル、この実現に向けては、我々、現状、現時点では完全な技術は存在していないというふうに認識しておりまして、このため、当面は特定の技術に限定することなく多様な選択肢を追求するということとしております。
したがって、電気自動車のみならず、先生が今強調されました合成燃料や、さらに言えば水素の活用など、あらゆる技術の開発に戦略的に取り組み、イノベーションを促進していく、これが政府としての方針でございます。
御関心の乗用車については、昨年策定したグリーン成長戦略においては、先生から御紹介いただきましたように、二〇三五年までに新車販売で電動車一〇〇%を実現できるよう、包括的な措置を講じるというのが目標となっております。ここで目標とさせていただいた電動車ということでございますが、先生から御紹介いただきましたように、電気自動車、燃料電池自動車に加えて、プラグインハイブリッド、ハイブリッドを含んで設定させていただいております。
プラグインハイブリッドやハイブリッド車は、先生から御言及がありました、まさに内燃機関を搭載し、燃料を使用するものでございます。ここで、先生が御紹介くださいました合成燃料、これが研究開発が進んで、ガソリンではなく合成燃料などの脱炭素燃料を使用することが可能となれば、二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現するということに向けての可能性が出てくるというふうに認知して、研究開発を推進してまいりたいと思っております。
○石井(拓)分科員 答弁をいただきました。
ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、これで残すことによって、言い換えれば、残すことによって内燃機を維持し、極端な業態変換、これがないようにしていくというのもお考えだと理解をしております。そして、急激な電気自動車部品への転換を求めずに、自力による転換を中小企業さんたちに支援していくという方針も理解させていただきました。
加えまして、合成燃料、これの商用化についても、このグリーン成長戦略は記載されております。合成燃料の商用化の必要性については先ほど述べましたが、合成燃料というのは、二酸化炭素と水素、CO2とH2、この合成によってガソリンなどの燃料を作り出すというものであります。自動車、航空機、船舶の燃料となることも期待されています。昨日も同僚の山本左近議員からの質問に回答されましたが、大変重要なことで、自動車産業だけではなくて全ての産業、日本経済の未来がかかった大変重要な事業であります。
燃料、エネルギーを自国で作る。明治以降、近代化、産業化を遂げてきた我が国ですが、燃料となる資源は国外にずっと求めてきました。そのために、第二次世界大戦で敗戦国となりました。現在でもなお、産油国や海外の諸事情に右往左往している始末であります。
燃料、エネルギーを自国で作ることができる、国民の期待が強く寄せられているところですが、欧州諸国の資本によって、また商用化も海外で進められている、そのような話も聞いております。遅れているという話も聞いております。合成燃料は、我が国百年の憂いと百年の未来を一遍に同時に解決する重要なことであると思っております。
このグリーン成長戦略において、合成燃料については、技術開発や実証を今後十年で集中的に行い、二〇三〇年までに高効率かつ大規模な製造技術を確立する、二〇三〇年代には導入拡大、コスト低減を行い、二〇四〇年までに自立商用化を行うとしております。来年度にもグリーンイノベーション基金を活用し、約五百五十億円の予算で開発支援を行うとされております。
そこで、お尋ねします。
今年度あるいは今後十年で集中的に行う技術開発や実証について、どのような取組を行われるのか、内容をお聞かせください。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の合成燃料は、カーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献するだけでなく、内燃機関や既存のインフラを活用できるという利点があると認識してございます。
こうした合成燃料の早期商用化を実現するため、逆シフト反応やFT合成プロセスといった既存技術の高効率化に向けた技術開発に加えまして、産学官連携によってダイレクトFTなどの革新的新規技術の開発に取り組むこととしております。
具体的には、先ほど御質問にもありましたグリーンイノベーション基金、現在公募が始まっておりますけれども、これを活用することを通じまして、二〇二二年度からは小型試験装置による要素技術の性能確認、そして、二〇二五年度から日量三百バレル規模のパイロットプラントによる運転検証を行いまして、二〇三〇年までに日本勢による高効率かつ大規模な製造技術の確立を目指してまいりたいというふうに考えております。
このような技術開発や実証などを進めることにより、合成燃料の商用化をできるだけ早く実現してまいりたいというふうに考えてございます。
○石井(拓)分科員 御答弁ありがとうございました。この合成燃料、非常に重要なことだと思っております。
先ほど、百年の憂いを解決して百年の将来をつくり上げる、このような、いささか大げさな表現をしたかもしれませんが、この国、我が国においては本当に重要なことだと思っております。自国で燃料を作る、そして産業界をますます発展させていく、多くの国民が期待している、そう思っております。グリーンイノベーション基金を活用し進めることとありますけれども、必ず成功させていただきたいと思っております。
予算について、多い少ない、ここで判断することは、今から分かりませんが、極端にお金がかかってしまう、そのような話も出るかもしれません。そして、時間も早くしなきゃいけない。お金で解決することもあります。基金を活用する、もちろんですけれども、また更に予算を組んでいかないと私はいけないと思っております。そのような意味で、是非、この日本が長く抱いてきた念願をかなえていただきたい、そう思っております。要望をさせていただきます。
次の質問に移ります。
グリーン成長戦略に記載されているインフラ整備、これの目標についても示されております。充電器と、水素ステーションと申しますが、水素充填器、この設置は、自動車のカーボンニュートラルに必要不可欠であります。充電、充填する車が少ないのでインフラ整備が進まない。インフラ整備が進まないのでEV、FCV、PHVの販売台数が伸びない。このようなジレンマを早く解決しないといけません。
電動車普及と表裏一体で同時進行というよりも、私の考えは、自動車を購入する消費者意識を考えるならば、むしろ先行してインフラ整備が行われなければならない、そう思っております。このグリーン成長戦略に記載されている内容に戻りますが、充電器については、公共用の急速充電器三万基、普通充電器十二万基、合わせて十五万基を設置し、遅くとも二〇三〇年までにガソリン車並みの利便性を実現するとあります。ここで言う公共用とは、多数の方が利用できる充電設備で、高速道路やあるいは道の駅、商業施設や宿泊施設、集合住宅や職場などに設置することを予定されていると聞いております。
そして、FCV車用の水素ステーションの整備については、二〇三〇年までに千基程度を整備するとしております。
予算規模では、令和三年度の補正予算において、クリーンエネルギー車・インフラ導入補助金として三百七十五億円が予算成立しました。その内訳は、クリーンエネルギー自動車導入、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池車、FCVですね、この購入費用の一部を補助する、その事業に百二十五億円。そして、先ほどからのインフラ整備の部分として、充電インフラ整備として、設置費、工事費に対する補助事業に六十五億円。水素ステーション整備として、水素供給設備の整備、水素ステーションの運営費に対する補助事業に六十億円となっております。運営費に対しても補助対象になるということで、その意欲、そして前向きな姿勢は大変評価しておるところであります。
そして、令和四年度当初予算では、水素ステーション整備事業費補助金として九十億円が更に計上され、令和七年度、二〇二五年までに、現在の百六十九か所から累計で三百二十か所へ増加させるということになっております。
そこで、お尋ねします。
まず、公共用充電器の整備についてですけれども、国内の公共用充電器の設置数は、データとしては少し古いのですが、二〇二〇年三月末時点で、急速充電器で七千八百九十三基、普通充電器で二万一千三百四十基、合わせて二万九千二百三十三基となっております。設置目標が、急速充電器で三万基ということ、約三・八倍にする、普通充電器は十二万基にするということですから、約五・六倍にするということになります。数字の上ではなかなか難しい、厳しいものではないかと思っておりますが、どのように推進していくかをお尋ねいたします。いかがでしょうか。
○福永政府参考人 御質問ありがとうございます。
先生御指摘のとおり、電動化社会の実現に向けては、電動車の普及と両輪となるのが、不可欠なインフラとして充電器の設置を推進していくことだと思っております。このため、先生から御紹介いただきましたが、六月に策定したグリーン成長戦略において、ガソリン車並みの利便性を確保するということを念頭に置きながら、非常に野心的な、現状の五倍の十五万基と、公共用急速充電器三万基を含む十五万基の充電インフラを目標に掲げたところでございます。
この目標の実現に向けては、先生から予算の御紹介をいただきましたが、先生御指摘のとおり、表裏一体の関係にあります車両の普及とインフラ整備を同時に推進して好循環を生み出していくという考え方に立ちまして、今般の補正予算及び当初予算、令和四年度当初予算において、購入支援と充電インフラ整備の関連予算事業として、一体として総額四百五十五億円を盛り込んだところでございます。
充電インフラについては、これらの支援策も活用しながら、まさに最適な配置やビジネス性の向上を進めるということが非常に重要な考え方だと思っていまして、やはり我々としては、積極的に、今充電のニーズが高い高速道路のサービスエリアですとか、充電インフラが空白地帯になっている箇所への設置について、より補助率を上増しして支援するとか、あるいは、高速道路において活用が見込まれるような、同時に複数の車に充電することができる設備について補助上限を引き上げるとか、更に言えば集合住宅、これは非常に重要だと思っていますので、集合住宅の設置に当たって必要となる複数の充電設備をコントロールする機器についても補助対象に加えるといったような形で、補助住宅でより整備しやすい、これは、集合住宅だと充電インフラ設置へのハードルが高いものですから、ここにおいてより設置しやすいような形での支援策というものを講じていくことを推進してまいりたいというふうに思っております。
こうした取組によってインフラの設置目標を達成することで、今後普及が見込まれる電気自動車やプラグインハイブリッド自動車において、今のガソリン車で享受できる利便性と同水準で、まさに先生がおっしゃったように、ユーザーの方々の目線に立つとストレスフリーで移動できるということが大事だと思うので、そういったニーズをしっかり踏まえながら整備を図ってまいりたいと思っております。
○石井(拓)分科員 御答弁をいただきました。充電設備がないから買わない、車が売れないから充電設備を置かない、このジレンマはございます。
もう一つ質問させてください。
どのように具体的に声をかけていきましょうか。施設、あるいは集合住宅だったら建築関係、いかがでしょうか。何かお答えがありますか。
○福永政府参考人 実は、我々の製造局の自動車課という課があるんですが、そこのスタッフが、今いみじくもおっしゃいました集合住宅に関しては、マンションのディベロッパーの方々とかから、実際どういう形だったら設置が進むのかというのをかなり丁寧に、日参して話を聞いていたりもします。更に言えば、もちろん設置拠点の可能性があるいろいろな箇所の方々とも、実際に現場に出向いて、どういう問題があるのかということを議論しながら検討させていただいておりまして、現場感覚に基づいた形で進めていこうということを、今、事業者の方々と丁寧に対話しながら検討を進めさせていただいているところでございます。
御質問ありがとうございます。
○石井(拓)分科員 具体的に、そのようないわば広報活動といいますか、自ら国の方も、そして、もちろん地方行政もそうですけれども、いろいろな形で巻き込んで推進をしていただきたい、そう思っております。
次の質問をいたします。
水素ステーションの整備、これについてでございます。
二〇三〇年までに千基程度整備するとありますが、現在、百六十九か所でございます。これも相当数を増やさなければなりません。商業用車の保有台数の多い企業や、トラック、バスなど運輸会社では、FCVの大型車向けの水素充填器を自社で所有することも進むと思います。
しかし、多くの乗用車が利用している既存のガソリンスタンド、SS、サービスステーション、これは、社会的インフラとしても存在し、今後、水素ステーションとして充填器や、電動車向けの急速充電器が設置される総合エネルギー拠点として発展する、発展させなければならない、そのような期待が寄せられます。
しかし、それぞれのガソリンスタンド、SSは、敷地においての制約や厳しい保安規制など、そういった関係で経営的に困難である、そうではないか、そのような声も聞きます。
そこで、お尋ねします。
水素ステーションの整備において、既存のサービスステーションに対してどのようにアプローチをしていくのでしょうか。よろしくお願いします。
○茂木政府参考人 御質問ありがとうございます。
燃料電池自動車の普及に向けまして、やはり水素ステーションの整備というのは最重要課題でございまして、今御紹介ありましたとおり、二〇三〇年までに千基程度の水素ステーションを整備するという目標の下に、現在、整備中も含めて百六十九基というのが現状でございます。
こうした目標の達成に向けまして、まず、水素ステーションの整備と運営費の補助事業がございます。これは、令和三年度の補正予算と四年度の当初予算を合わせまして百五十億円計上しております。まず、これらを活用しながら、既存のステーションの方も含めてステーションの整備に取り組んでいただきたいというふうに考えています。
また、既存のサービスステーションの一種の業態転換ということになってくるかと思います。そういう意味では、石油製品の供給を継続しながら電動車へのエネルギー供給も担う、いわゆる総合エネルギー拠点として発展を支援していくということが肝要かと存じます。
EV向けの急速充電器ですとか、今申し上げました水素ステーションの補助事業というのを活用いただく。加えまして、例えば、事業再構築補助金のようなものを活用して新分野を取り込んでいくとか、それから、IT化や省力化の投資というのもしなければいけませんので、こうしたものも支援するような形で既存SSの経営力の向上を応援していく、こうした様々な予算がございます。
加えまして、ソフト的なことでございますが、やはり、今御指摘がありました、例えば保安規制に対してどうやって対処していくのか、あるいは、SSの中の配置をどうやって変えて、うまくステーションを組み込んでいくのか、それから、投入する機器について、どのぐらいのコストがかかって、どうやってオペレーションするのか、こうしたことも含めたSSの優良事例集みたいなものを作りまして、これも今、業界の方に周知をしております。
これらの取組を通じまして、事業者がSSを総合エネルギー拠点化していけるように応援をしてまいりたいというふうに存じます。
○石井(拓)分科員 お答えをいただきました。ありがとうございます。
これもまた、インフラ整備が先か、車が先かという問題もありまして、いろいろなことで、むしろ積極的に社会の考え方、そして、社会に必要とされているものだよということを、やはりサービスステーション、SS、今後は総合エネルギー拠点という言葉も、新しい言葉だと思いますけれども、防災についてもそうかもしれません、いろいろと地域の防災協定などにも協力していただいている販売店はたくさんあると思います。そういった意味では、総合エネルギー拠点、これをつくっていくということ、そして、インフラ整備を進めていく、しっかりと民間企業を応援していく形をつくっていただきたい、そう思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
最後の質問をさせていただきたいと思います。サプライチェーン、先ほどのSSのこともそうですけれども、サプライチェーンやバリューチェーン、この構造転換に対する支援事業についてお伺いいたします。
自動車産業において、いわゆるサプライチェーンを形成する関連企業には、中小企業、零細企業が多く存在します。これまでのガソリン車などに比べて電動車は部品点数も減り、多くのサプライヤー企業の事業が成り立たなくなる、そのような心配があります。自動車一台について部品点数が、ガソリン車などのこれまでは約三万点あったものが約二万点になるんじゃないかという話もあり、いや、モーターなどの共用部品は、もしかしたら、共用部品も多いから、十分の一になるのではないかという話も聞きます。
自動車の販売や整備業者を含め多くの自動車関連企業が構造転換を余儀なくされる、こういう時代が来る、そこに対処できるかということでございますが、そこで働く雇用も失われるなど、地域にとって重要な問題となっております。
私の地元の愛知県も、トヨタ自動車を始め三菱自動車、お隣の静岡県、この愛知県に隣接する浜松市には本田技研工業やスズキがありまして、自動車産業の大集積地、サプライチェーンを形成しております。愛知県で作った部品を浜松へ運ぶ、こんなこともやっている企業もございます。
自動車産業のグリーン戦略においては、関連企業の電動化への対応や新たな領域への挑戦、業態転換などを支援し、雇用を守ることを目的とした、中小企業等事業再構築促進事業が用意されております。令和三年度補正予算においては、六千百二十三億円で、補助金事業として、設備投資や広告宣伝、販売促進、人材育成まで、広範囲で対象経費とされております。
令和四年度予算においては、カーボンニュートラルに向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業として四億円余を新規事業として計上されております。
そこで、お尋ねします。
本事業では、相談窓口事業と専門家派遣事業とありますが、その事業概要と成果目標についてお尋ねいたします。また、相談件数などが増えて予算枠を超えても対応できますでしょうか。お願いいたします。
○福永政府参考人 現場の声を含めて御指摘いただき、ありがとうございます。
まさに自動車の電動化を進めていくに当たっては、まさに地域の自動車産業を支える部品サプライヤーの方々を含めて、カーボンニュートラルという目標に向かって前向きに取り組んでいただくことが大変重要だと思っております。
例えば、エンジン部品の中小サプライヤーの方が、今御紹介いただいたようなモーターとかを始めとした新たな電動部品の製造に挑戦するといった事業転換の取組について、伴走型で積極的に支援していきたいというのが政府の考え方でございます。
そこで活用させていただくのが、今御紹介いただきました、来年度当初予算に盛り込まれたカーボンニュートラルに向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業、こちらでございます。
こちらは、部品サプライヤーが事業転換を進めるに当たって抱える、戦略の策定や技術開発、あるいは経営上のいろいろな論点といったものに関して、まず相談窓口を設置させていただいて、そこで相談を受ける、そこで伴走型の支援に対してどういうことができるか考える、その上で、サプライヤーの経営課題に応じて、きめ細やかに課題解決をする能力を持った最適な専門家の方々を派遣するといった事業を盛り込んでおります。
今御質問いただきました、目標とかということでございますが、これらの取組によって、来年度は、専門家派遣百社以上に加えて、相談受付や実地研修等も通じて合計一千社への支援を目指すということを目標としております。
加えまして、先ほど先生から御質問がありましたが、仮に相談件数が増加した場合でも臨機応変に対応できるように、中小基盤整備機構ですとか地方自治体の中小企業支援機関、地域金融機関等とも連携して、まさに自動車産業集積地域、先生から御紹介していただいたような、地域を中心とした自律的な支援ネットワークの構築も同時に推進していくことによって、いろいろな対応を柔軟にできるように推進してまいりたいと思っております。
〔伊藤(達)主査代理退席、主査着席〕
○石井(拓)分科員 ありがとうございました。これで質問を終わります。
○西村主査 これにて石井拓君の質疑は終了いたしました。
次に、大西健介君。
○大西(健)分科員 立憲民主党、大西健介でございます。
用意した質問に入る前に、一問、大臣にお伺いしたいと思います。
八日付で経済産業大臣官房付に異動した藤井敏彦前内閣審議官が過去十年間に届出を行わずに受け取っていた講師料や講演料等の報酬を、本人に御確認の上、今日ここで答弁してくださいということで昨日質問通告してありますが、まず、大臣から御答弁いただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 藤井元審議官については、出向していた国家安全保障局によれば、処分につながる可能性のある行為が把握されたということで、大変遺憾だと思っております。
現在、国家安全保障局において事実関係の確認、調査中の段階であるため、御指摘の講師料、講演料について、今日の時点でお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、なお、当該職員は経済産業省の職員であるので、国家安全保障局の確認、調査結果を踏まえて、当省在籍期間中の本人の行為に関しては、当省においても必要な事実確認を行っているところです。
○大西(健)分科員 調査はやっていただける、経産省に在籍した期間についてはやっていただけるということですけれども、これはいつ出していただけるんでしょうか。資質を欠いた人物を経済安保の責任者に据えたという、まさに任命責任に関わる重要な問題でありますし、予算委員会も来週には出口をというような話もありますけれども、少なくともそれまでに、最終的な報告と言わずとも、一定の報告をしっかり、国会、特にこの予算委員会の場にお願いしたいというふうに思いますが、この点についての大臣のお考え、お願いいたしたいと思います。
○萩生田国務大臣 経産省としても、国家安全保障局の調査、確認に協力をするとともに、当省在籍期間中の本人の行為に関しては、当省において必要な事実確認を行っているところです。
国家安全保障局における確認結果と併せて、できるだけ速やかに公表できるように対処したいと思います。
○大西(健)分科員 御本人はお分かりなわけですから、しっかり聞いていただければ、そんなに何週間もかかるような話ではないと思いますので、これはしっかり予算審議中に国会に報告をしていただきたいというふうに思います。
それでは、用意した質問に移りたいと思いますが、まず、昨年十一月に英国で行われましたCOP26においても、石炭火力発電所をどうするのかというのが一つの焦点になりました。
私の地元は製造業の盛んな愛知県でありますけれども、その電力需要の約半分を賄うことができる日本最大級の石炭火力、碧南火力発電所がございます。
この碧南火力においては、現在、CO2を削減するために、アンモニアを石炭に混ぜて燃やす実証実験を行っています。二四年度には二〇%のアンモニア混焼を目指しているということで伺っておりますけれども、そして、将来はアンモニア一〇〇%専焼というのも視野に置いているというふうに聞いております。
私は、アンモニア混焼というのは、既存の火力発電設備を利用しつつ脱炭素化を図っていく上で大変有効な選択肢になり得るというふうに思っていますが、政府として、これをどのように評価をされており、また支援をしていこうと考えておられるのか、まず大臣にお聞きしたいと思います。
○萩生田国務大臣 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素型の火力への転換が重要ですが、その鍵となるのがアンモニアの活用です。
そのため、石炭火力発電所におけるアンモニア混焼技術の開発を進めており、大型の一万キロワットの燃焼試験炉での実証試験を通じて、既に混焼の基礎技術は確立をしているところでございます。
その上で、早期の実用化に向けて、本年度から碧南火力発電所における実機実証を開始をし、二〇二四年度には百万キロワットの実証燃料炉での二〇%混焼試験を行うべく取組を進めているところです。
今後は、石炭火力のゼロエミッション化を見据え、二〇%混焼の実証試験を進めるとともに、グリーンイノベーション基金を通じて、二〇三〇年までに、高い混焼率や、今先生御指摘いただいた専焼化を可能とするための技術開発を進めてまいりたいと思います。
○大西(健)分科員 すぐに石炭火力をなくせればそれはいいんでしょうけれども、そういうわけにはいかない中で、これは有効な選択肢と思われますので、是非政府としてもしっかり支援をしていただきたいというふうに思っています。
ただ、今大臣からも御答弁があったように、この混焼率を上げていくという中で、例えばですけれども、碧南の四号機、五号機で二〇%混焼を行おうとすると、アンモニアは年間で百万トン必要になります。この百万トンという数字は、現在、主に肥料用として国内で使用されているアンモニアの量と同量ということでありますので、この大量のアンモニアをどうやって確保していくのか。
アンモニアを製造する過程でまたCO2を出してしまっては、これは意味がないので、この大量のアンモニアを製造、供給する体制をいかに構築していくか、これが課題になってくるというふうに思いますが、この点について、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、アンモニアにつきましては、現在、肥料や化学原料用途の市場が既に存在してございます。ただし、アンモニア混焼による将来の大きな燃料需要に対応していくためには、安定的に安価なアンモニアを確保していくことが極めて重要な課題でございます。
今後、ファイナンス支援などや、大規模化、コスト削減、CO2排出量低減に資する製造方法の開発、実証を通じまして、安定的かつコスト競争力のあるアンモニアのサプライチェーン構築を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、CO2との関わりでございますけれども、当面は化石燃料由来のアンモニアがその中心となってまいりますけれども、CCSなどの二酸化炭素を削減、除去する技術との併用を推進してまいります。加えて、将来的には、再生可能エネルギー由来のアンモニアの利用も、コスト低下とともに拡大するよう目指してまいります。
今後とも、技術開発など多面的な政策支援を行い、よりクリーンな燃料アンモニアの確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○大西(健)分科員 今、御答弁の中にも、再生可能エネルギーを使ったアンモニアという話がありましたけれども、水素やアンモニアを作る過程でCO2を出さないということで、ブルー水素とかブルーアンモニアと言いますけれども、こういう観点も必要だと思います。例えば、再生可能エネルギーの余剰電力、これを使ってアンモニアや水素を製造するというようなことも是非進めていただきたいなというふうに思います。
欧州と違って、東南アジア諸国を始めとした途上国においては、先ほどもちょっと言いましたけれども、すぐには脱火力というわけにはいかないということで、そこで、このアンモニアの混焼の技術が私は有効な選択肢になり得るというふうに思います。
既に、IHIが、マレーシアの石炭火力発電所で、アンモニアの製造、混焼の可否を検討しているというふうに聞いておりますけれども、このアンモニア混焼技術を我が国のインフラ技術の一つの柱に据えていくということについて、政府がどう考えておられるか、御答弁いただきたいと思います。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
脱炭素社会の実現に向け、今後も経済成長に伴いエネルギー需要の拡大が見込まれるアジアの新興国に対して、現実的かつ多様なエネルギートランジションを支援する取組が重要であります。政府としても、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブに基づいて、アンモニアなどのゼロエミッション火力への転換を支援しております。
石炭火力へのアンモニアの混焼につきましては、先ほど御指摘いただきましたとおり、アジアを中心に、例えば、お話にありましたマレーシア、加えましてインドネシアなどでも、具体的に支援の要請などの引き合いが増えてきてございます。アンモニアを含むエネルギートランジションに関するノウハウの提供でありますとか、実際の石炭火力発電所での事業可能性調査の実施などを通じて、我が国のインフラ輸出の有力分野としていくことも目指しまして、アンモニアの利用技術の海外展開を推進してまいりたいと考えております。
○大西(健)分科員 是非前向きに検討していただきたいというふうに思います。
次に、菅内閣は、二〇三〇年代半ばまでに乗用車の新車販売でガソリン車をゼロにするということを掲げられました。さらに、欧米や中国では、ガソリン車の販売禁止目標まで打ち出しているということでございます。
ガソリン車廃止の最大の問題というのは、約三万点ある部品のうち、一万点は内燃機関、エンジンに関わるものだというふうに言われています。ですから、これは雇用に直結する問題だということであります。この点、先ほどの火力発電設備を生かしながら脱炭素化を図るということと同様に、内燃機関を活用しつつ脱炭素を図る道というのを私は模索すべきだというふうに考えております。
そこで注目されているのが、発電所や工場などから排出されたCO2と再生可能エネルギーで作った水素を合成して製造される合成燃料、Eフュエルです。
合成燃料のメリットは、ガソリンなどの化石燃料同様に、液体でエネルギー密度が高くて、そして輸送や備蓄が容易で、何よりガソリンエンジンやガソリンスタンドなど既存のインフラが活用できる点が大変大きいというふうに思っております。雇用を守るためにも、燃料の脱炭素化、合成燃料の研究開発に我が国は力を集中すべきじゃないかというふうに考えております。
先ほど、別の質問者からこの合成燃料の話が出て、政府参考人からも、グリーンイノベーション基金を活用して産官学で革新的な技術開発に取り組んでいくんだというお話もいただきましたけれども、改めて大臣からも、この合成燃料の研究開発、これは本当に、自動車のカーボンニュートラルと雇用を守っていくということの両立を図る上で私は大変キーになる技術ではないかというふうに思いますが、この点についての大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○萩生田国務大臣 御指摘のように、我が国が目指す自動車のいわゆる電動化というのは、電気自動車を唯一造るということじゃなくて、既存の例えばハイブリッドなどの技術も生かしていきたいと思いますし、今先生の御指摘のあった合成燃料は、まさにCO2と水素を合成して製造される燃料であり、原料としてCO2を用いることから脱炭素燃料とみなすことができるため、経産省としても、高効率かつ大規模な製造技術を早期に確立することが重要と認識しております。
これがうまくいけば、おっしゃるように、今の自動車部品をそのまま使いながら新しい時代を迎えることもできますし、また、ガソリンスタンドなどの有効利用もできると思います。
昨年六月に閣議決定された成長戦略実行計画において、「CO2と水素の合成燃料について、技術開発・実証を今後十年間で集中的に行い、二〇四〇年までの自立商用化を目指す。」とされています。この目標に向けて、本年一月からグリーンイノベーション基金を活用したプロジェクトの実施者の公募を開始したところであり、商用化に向け着実に推進してまいりたいと思います。
なお、自動車産業においては、現在、脱炭素化という大きな環境変化に直面しておりますが、引き続き、我が国自動車産業の国際競争力を維持強化し、雇用を守っていくことが重要です。そのためには、電気自動車や燃料電池自動車だけでなく、合成燃料の活用可能性も含め、多様な技術の選択肢を引き続き追求してまいりたいと思います。
○大西(健)分科員 欧州や中国がEV、EVと言うのは、彼らがEVでゲームチェンジを図ろうとしているということだというふうに思いますので、それにみすみす乗せられるというのもいかがなものか。我々としては、やはり、大臣の御答弁にもあったように、合成燃料を含む多様な選択肢、これをしっかり打ち立てていく必要があるというふうに思っております。
一方で、この脱炭素化による自動車業界の急激な構造変化の中で、内燃機関の関連部品を製造する中小企業に一定の影響が出ることは、これは避けられないというふうに思います。
そこで、自動車で培った技術、ノウハウを生かすことができて、自動車産業と比較して部品点数が多くて技術波及効果も高い航空宇宙産業、これを新たな産業の柱とすべく、愛知県でも国際戦略総合特区の指定も受けてこれまで取組を進めてきました。
ところが、足下では、新型コロナの影響で航空需要が激減したことによって、民間航空機の製造サプライヤーは大きな打撃を受けています。そして、一昨年には、大変残念ですけれども、三菱重工業が国産初のジェット旅客機、スペースジェットの事業の凍結を発表いたしました。
凍結による空白期間に人材や培った技術が散逸してしまえば、事業再開は困難になってしまいます。また、部品製造を請け負うために先行投資をして量産を待っていた多くの部品メーカーからすると、はしごを外された状態になっているということでございます。
経産省も、航空産業を自動車に次ぐ基幹産業に育てたいと約五百億円の補助を行い、支援をしてきました。政府にも日の丸ジェットの開発を強く後押しした責任があるというふうに思います。培った技術の維持や、コロナ後を見据えた支援をお願いしたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 航空機産業は、足下では新型コロナの影響により大きな影響を受けておりますが、新興国の成長などを背景に、中長期的には持続的な成長が見込まれるとともに、裾野が広く、地域経済の発展にも貢献する重要な産業だと思っております。
委員御指摘の三菱スペースジェットについては、民間において機体開発、政府において要素技術開発や安全審査体制の整備などの環境整備という役割分担の下、その実現に向けて取り組んできたところです。
現在、航空需要の激減など航空機産業を取り巻く厳しい経営環境の中で、三菱重工による開発活動は一旦立ち止まっている状況でありますが、完成機事業は、我が国の航空機産業を部品供給から機体全体のシステム設計、開発へと展開させていく重要な取組です。
政府としては、事業者とも連携しながら、引き続き、開発再開に向けた事業環境整備を支援してまいりたいと思います。
また、それと並行し、現在の厳しい環境に置かれた中小企業の事業再構築に対する支援を通じ、航空機産業全体のサプライチェーン維持強化を図るとともに、グリーンイノベーション基金なども活用し、複合材料、水素エンジン、電動化技術といった次世代航空機開発に必要な技術分野に対する積極的な支援を行うなど、コロナ後も見据え、航空機産業の成長に向けた取組をしっかり進めてまいりたいと思います。
○大西(健)分科員 大臣からも力強い御答弁をいただきましたけれども、やはり、コロナが終息すれば航空機需要というのも復活してくるということが言われていますけれども、問題は、それまでに、今までせっかく培ってきた技術だとか人材が散逸してしまって、再開しようと思っても、そのときにはもう、せっかく蓄積してきたものがどこかへ行ってしまっているということでは大変もったいないことだというふうに思いますので、そこは是非しっかりと支援をしていただきたいと思いますし、あくまでこれは凍結であって、いずれは再開するんだということを是非確認していただきたいというふうに思います。
次に、半導体不足。
非常に、足下でも、半導体が入ってこないことによって生産ラインが停止をするというようなことも起きています。政府も半導体不足には支援に乗り出したということでありますけれども、経産省が設けた二千億円の基金、大変申し訳ないんですけれども、巨額の投資が必要なこの分野では、これではスズメの涙だという声もあります。また、他の国、米国や中国でも半導体の支援をやっていますけれども、比べると桁が二桁違うんじゃないかという話もあります。
この点について、確かに、日の丸半導体復活とできればいいんですけれども、今更、先端技術開発で返り咲こうといっても、それはもうなかなか厳しいんじゃないか。一方で、日本の企業が圧倒的なシェアを誇っている半導体の製造装置であったりとか材料、ここは本当に日本の強みがあります。ここにリソースを集中することでその強みを守り抜き、更にその強みをより強くしていく、これが日本が取るべき道ではないかという意見がありますけれども、この点について、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○萩生田国務大臣 特定の半導体製造装置や素材は、国際的に見て日本企業が高いシェアを誇るなど、世界的に高い競争力を有しております。
将来的に我が国が半導体製造技術において世界をリードし、半導体産業基盤の復活につなげていくためには、この製造装置、材料分野の強みを生かすことが重要です。
このため、今年度からは、製造装置や材料など、我が国の半導体関連企業が海外の半導体トップメーカーと共同で次世代半導体の製造技術開発に取り組んでおり、昨年成立した補正予算において、こうした取組を促進するための更なる支援策を措置したところです。
一方で、これらの企業の顧客は既に海外が中心となっていることに加え、主要国では、先端半導体工場の誘致のみならず、チョークポイントとなる製造装置や材料を国内回帰させる政策も展開しており、我が国は、製造装置、素材産業の空洞化リスクにさらされています。
このため、製造装置や材料の需要家となる先端半導体製造拠点の整備に併せて取り組むことで、我が国において半導体関連産業の集積、エコシステムの形成を進めていくことが必要です。
こうした観点からも、国策として大胆かつ総合的な支援を講じることが重要であり、製造装置や材料を含めた我が国の半導体関連産業全体の国際競争力の維持強化に取り組んでまいりたいと思います。
○大西(健)分科員 我が国の強みである製造装置であったりとか材料の部分については、しっかり考えてはいただいているというふうには思いますけれども、結局、あれもこれもというわけにもいかないし、今大臣の御答弁にもあったように、ほかの国も製造装置やあるいは材料の分野も取り返していこうというふうに動いているわけですから、やはり限られた資源、リソースを、私は、この強みを守り抜く、そして更に強くするというところに集中すべきではないか、そうじゃないと、結局、この日本の強みも失いかねないという大変強い懸念を持っておりますので、是非ともそこは更によく考えてやっていただきたいなというふうに思っております。
次に、今年の冬は大変、寒冷地では大雪で、そして寒い冬になっておりますけれども、暖房等に使用する灯油、これは生活に、特に寒冷地においては欠かせないものであります。地下タンクの規制強化の消防法改正を機に、ガソリン、軽油、灯油等の複数の油種を扱うSSには、灯油用を含めた配送用のタンクローリーや貯蔵タンクへの補助というのが行われています。
しかし、寒冷地においては、灯油を主に扱う家庭燃料業者というのがいるんですけれども、この人たちは支援の対象になっておりません。大手事業者が配送しない僻地であったりとか、高所であったりとか、独り暮らしの高齢者への安定供給を担っているのがまさにこの家庭燃料業界の方々です。こうした業者がいなくなってしまったら、寒冷地では生活ができないということでございます。
以前、この問題については、平成三十年の五月十六日、経済産業委員会でやはり指摘があって、そのときの御答弁を見ますと、「過疎地対策、これは大変大事でございまして、御指摘のとおり、SSに限らず、灯油販売事業者を含め、地域の燃料供給を担う事業者と自治体、住民などの関係者が広く連携して対策を検討する、これが重要だというふうに考えておりまして、これをあわせて我々は支援していくという方針でございます。」というふうに答弁をされています。
この答弁に従って、まさに地域の燃料供給を担う事業者、自治体、住民などの関係者が連携して対策を検討すると言っていますけれども、この検討、もう三年がたとうとしていますけれども、具体的には何をされていて、今どういう状況にあるのか、教えていただきたいと思います。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
灯油を扱います、いわゆるSSではない燃料販売事業者の方々が、平時、有事を問わず地域の燃料安定供給に貢献してくださっていることは私どもも承知してございまして、委員の問題意識はしっかり受け止めさせていただいているところでございます。
特に、御指摘の灯油販売事業者は、地域の拠点病院や避難所などへの暖房用の燃料供給などを行う重要な役割を担っております。したがいまして、災害時に医療機関や避難所などに対する燃料供給を行う、自家発電設備を備えた小口燃料配送拠点を全国で四百七十か所整備してございまして、ここにはいわゆるSSではない石油販売事業者の方も含まれてございます。こうした小口燃料配送拠点に対しましては、これまでも配送用ローリーの導入支援を行っておりまして、災害時の燃料の安定供給を担っていただいております。
また、令和三年度補正予算で百八十億円措置いたしました脱炭素社会における燃料安定供給対策事業におきましては、ガソリンを扱う揮発油販売事業者、いわゆるSSに加えまして、小口燃料配送拠点を運営する灯油販売事業者の方々も配送用ローリーの購入支援の対象に加えることを検討してございます。
さらに、小規模な燃料販売事業者が更なる経営の多角化を図れるよう、現在第五回目の公募中であります総額一・八兆円の事業再構築補助金も活用しながら、新たな取組への挑戦を応援することで、今後の石油製品の需要に対する安定供給の確保に取り組んでいきたいと考えてございます。
加えまして、地域の灯油販売事業者の声もお伺いする観点から、灯油の流通などに関する諸問題について意見交換をすることを目的としました灯油懇談会の開催や、全国燃料協会との意見交換など、連携を密にしているところでございます。
また、過疎地における灯油配送を含めた地域の不可欠なインフラとしての燃料供給体制の在り方についても研究会を行いまして、持続的、安定的な燃料供給を検討しているところでございます。
○大西(健)分科員 補助金の対象の拡大を検討しているというお話もいただいて、大変心強く思っております。
燃料協会の皆さん、一度、大臣が難しければ副大臣や政務官でも結構なんですけれども、是非実情を聞いていただきたいという声がありますので、是非またお願いしたいと思いますので、是非お会いして、実態を、今、灯油懇談会という話もありましたけれども、政務三役にも直接お声を聞いていただきたいと思いますが、御検討いただけますでしょうか、大臣。
○萩生田国務大臣 多分、先生がイメージしている灯油業者の人たちというのは、ほかに参入したいというライバルがたくさんいてそれを守るんだじゃなくて、もうやめたいという人に、やめないでくれ、何とか続けてくれという皆さんでありますから、先ほど部長が答弁したとおり、様々な付加価値をつけて、そして支援策を講じております。
そうはいっても、そこに漏れてしまう人たちが更にやめていく心配があるわけですから、どういったことができるか、これからしっかり考えていかなくちゃいけないと思っておりますので、意見交換の機会を望んでいるのであれば、それはしっかりお受けしたいと思います。
○大西(健)分科員 こういう小口の事業者というのは、遡れば、炭とかまきとかそういうのを扱っていた業者さんなんですね。是非また、そういう小さい業者さんの皆さんのお声も聞いていただく機会をつくっていただければと思います。
最後に、鍋のおいしい季節ですけれども、土鍋には、耐熱性を高めるために、ジンバブエ産のペタライトという鉱石が使われています。ところが、このペタライトが、新型コロナウイルスの影響もあって、価格が三倍から四倍に高騰している、業界からは悲鳴が上がっています。この点について政府の御支援を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○福永政府参考人 委員御指摘の土鍋の耐熱性を高めるペタライト、こちらは素地や上薬の主要原料なわけでございますが、先生御指摘のとおり、鉱石の品位低下、現地労働力の不足、世界的なコンテナ不足などが原因で、価格が上昇の可能性があるとの声が我々にも寄せられております。
ペタライトは土鍋などの工芸品にも利用されておりますが、そのうち生産量が多い四日市万古焼については、伝統的工芸品として国から指定を受けております。
このため、伝統的工芸品に対する伝統工芸品産業支援の対象でありますから、例えば、原材料確保対策を活用して四日市万古焼等の陶磁器の産地を支援してまいりたいと思っておりますし、また、伝統的工芸品産地を支援する一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会においても、各産地で実施する産地の現状や課題を把握するための調査研究事業を行っております。
こうした協会とも連携しながら、伝統的工芸品の原材料の安定確保に向けて、経済産業省としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○大西(健)分科員 西村先生の地元も瓦があるんですが、私の地元も瓦がありまして、その関係で、私、焼き物の議連というのをやっていて、瓦に限らず、陶磁器だとかタイルだとか、それかられんがとかなんですけれども、まさに今御答弁にあった万古焼の皆さんから大変、何とかしてほしいというお声が上がっていますので、是非ともまた、重要な伝統工芸品ですので、御支援の方も賜れればというふうに思います。
時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○西村主査 これにて大西健介君の質疑は終了いたしました。
次に、秋本真利君。
○秋本分科員 自民党の秋本真利でございます。
早速質問をさせていただきます。
洋上風力の入札が昨年末開札されまして、結果が出ました。そのことについていろいろと大臣と議論をしていきたいというふうに思っています。
結論ですけれども、結論は、私、この質問を通じて、大臣に是非問題を御理解いただいて、二回目の、もう今公示している二回目の公募から評価の仕方というのをちょっと見直していただきたいというのが私の中での結論でございまして、一通り議論した後に、最後にまたそこの部分について大臣に、どのようにお考えになるかということをお聞きしたいというふうに思って、質問を組み立てていきますけれども。
まず、この一回目の入札の結果についてなんですが、これは省庁以外、今知り得ない状況になっています。
先週なのかな、少し点数について情報の開示をしたようですが、これは、大臣、去年の早い、春ぐらいに公示をかけて、半年以上ずっとこれは公募していて、年末に開札。つまり、もうそこで数か月、半年以上時間があって、公募占用指針には最初から、これが終わった後に、選ばれた人も選ばれなかった人も、あなたたちが求めてくれば情報を開示するぜということが書いてあるんですよね。
しかも、ちょっと言い方はあれですけれども、何か、そういうことを開示してほしいんだったら、七日以内に、開札してから七営業日以内に開示をしてほしいということを出してよねということを書いてあるんですよ。そうすると、十二月の末に開札した後に、一月の頭なんですよね。それだけのスピードを求めていながら、今の時点で完璧に情報の開示がまだされていない。これはちょっと私は余りにも遅いんじゃないかと。
二回目の公募がスタートしちゃっていて、当然、この一回目の結果で二回目をアジャストしていくということが必要なんだろうと思いますが、そういう意味でも、情報の開示というのはスピーディーにされるべきだというふうに思います。それがなければ、誰も外から、この入札がどうだったよねということが評価できない、当事者ですら判断ができないという状況なわけであります。
一刻も早く情報を開示するべきだというふうに思いますけれども、大臣、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
〔主査退席、伊藤(達)主査代理着席〕
○萩生田国務大臣 御指摘の洋上風力の公募制度において、事業実現性に関する得点の内訳を含む評価結果の概要について、事業者からの要請に応じて開示することとなっております。
既に、全ての事業者から要請があり、各事業者に対しては、まずは事業実現性に関する得点の内訳を開示したところであります。今後は、各事業者の評価の概要についても速やかに開示する予定であり、事業者の皆様におかれましては、こうした情報も踏まえ、将来の公募案件への更なるチャレンジにつなげていただきたいと考えています。
○秋本分科員 茂木部長にお伺いをします。
今回、三海域に対して札を入れたところが幾つか当然あるわけですけれども、各事業者が札を入れて、価格と定性面で評価されたと思いますが、運転開始時期について、各事業者が何年で運転開始をするというふうにして札を入れたのか、教えてください。
○茂木政府参考人 運転開始時期でございますが、こちらは個社情報の公表ということになります。これについては、やはり、プロセスの透明性の確保と個社情報の秘密保全の必要性とのバランスを配慮する必要があるというふうに考えています。
こちらについては、公表可能な範囲をどうするかということについては、これは過去の審議会において整理をして、選定事業者にも確認の上、情報を公表していくことになりますが、この運転開始時期につきましては、今、個社に確認をしておるところですが、複数者から非開示を望む声も出ておりますので、この点を踏まえまして、この点についてはこの場で御答弁することは差し控えたいと思います。
○秋本分科員 大臣、こういうふうに、運転開始時期が見えないんですよね。
個社で開示してくれるなということもあるようなので、まあ一回目については、私は、もう既に決められたルールに基づいて行われた札入れですから、この結果についてどうこう言うつもりはありません。ここについて開示するというふうにルールにもなっていなかったわけですから、開示してくれるなというところがあるのであれば、これは当然そういう意見も尊重されるべきだろうと思いますが、今後は、この運転開始時期というのはやはり見えるべきだというふうに思います。
今回、少なくとも、落とした落札業者が何年で運転するかというのは見えています。二〇二八年から三〇年であります。
一方で、大臣、今回、その評価というのは定性面の方に入っていて、私が事前に確認したところ、ある項目の中、十一項目に対して二十点の配点がされている中の一項目でしかないんですよね。そうすると、仮に何年も何年も前に前倒ししたとしても、ほとんど点数がつかないわけですよね。これは決められたルールで今回やったので、それはそれで結果ですから、それについて意見をするつもりはありませんが、やはり次回以降は、運転開始時期というのは私は非常に大きなファクターだというふうに思います。
例えば、私は中を見ていませんから言えませんけれども、今回、エネ庁が、二〇二八年、三〇年で運開するところを、価格に点数をつけて、定性面に点数をつけて選んだわけですけれども、一方で、もし四年も五年も前に運開しますよというところがあって、それが若干高かったとしても、それはかなり手前になるわけだから、高いのは当たり前だと思うんですよね。
ですから、それがイコールフッティングで評価されるというところが、あるいはウェートの置き方がどうなんだろうというところについて、私はかなり強い疑問を持っておりまして、やはりここは、二回目以降は価格と運開時期というのは重きを置いて評価するべきだし、情報の開示としても、運転開始時期というのは表にオープンにするべきだというふうに思っています。
大臣、一つ、私すごく思っているのが、今回ここまで運転開始時期にウェートを置かない評価方法をこのまま続けていくと、必ず次回以降は、今の制度で八年、おおよそですけれども、開札して八年後ぐらいまでに運開すれば大体制度上間に合うんですよね。そうすると、基本的には後ろにした方が安くなるわけですから、多分、今後札を入れてくるところは、全部八年後で入れてくることになってしまいます。期限を前倒ししようというインセンティブがほとんど働かないわけですよね。
そうすると、第一ラウンドで二〇二八年から三〇年ということは、第二ラウンドは、多分、二〇二九年から三一年あるいは三二年というところで札を入れてくることになるんだろうというふうに思います。
その中で、我が国が掲げているエネルギー基本計画における洋上風力あるいは再生可能エネルギー全体の数字というのは、この間、つい先日定めたエネルギー基本計画で、洋上風力というのは、野心的な目標で、五・七ギガ、大臣、入れるということで数字を掲げているんですよね。
今回、このラウンドを越えて二〇三〇年までに導入される、運開する洋上風力というのは多分二ギガか三ギガです、このままだと。だから、やはり、第二ラウンド以降、早く運開しようというところにインセンティブをもう少しきちっと与えないと、政府が掲げている再生可能エネルギーの比率だったりカーボンニュートラルの数字を達成できない可能性が私は高いんじゃないかというふうに思っています。
ですから、運転開始時期というのは非常に大事なファクターなので、この運転開始時期に対するウェートづけを私はもうちょっと見直すべきだろうというふうに思っております。
第二ラウンド以降と私は先ほど何度も言っているのは、エネ庁と事務的な話をすると、いや、もう第二ラウンドは、秋本さん、公示しちゃっているんだから、第三ラウンド以降でしょうということを言うんですけれども、公示は半年間するんですよね。札を入れて、閉めているわけではありません。
一回、じゃ、やり直すということになると半年から一年遅れますよということを言いますが、運転開始を一年、二年、三年早くすることに対するインセンティブをそこにつければ、当然、運転開始時期を前倒ししようということになりますから、半年遅れても、結果として札が三年早く、あるいは四年早く運開するぜということになっていれば、結果としては、政府が掲げているターゲットに対して、そこはプラスの作用になるんだろうというふうに思います。
また、当然、運転開始が早まれば、それに伴う経済波及効果もより早くこの国の中に還元するわけですから、私は、第三ラウンドではなく、是非、萩生田大臣の英断で、第二ラウンドからこの制度の見直しというものをしていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、どのようにお考えになるでしょうか。
○萩生田国務大臣 委員御指摘のように、運転開始時期を明確にルールを決めて競争していただいた方が、それは評価もしやすくなると私も思います。そこに幅があれば、運転開始時期を遅くすれば、その分売電を安く抑えることができるわけですから、そういう意味では、今回は初めての公募だったので、いろいろな反省点をいろいろ持ちながら、見直しはしていこうということは省内でも今議論しているところなんです。
ところが、第二ラウンドから直ちにやらないのか、こう言われますと、御指摘の、今回、第二ラウンドは秋田県の八峰町と能代市沖における発電所、発電事業者の選定なんですけれども、審議会における議論やパブリックコメントを経て、公募占用指針を策定して、昨年の十二月、まさに第一ラウンドと重なるような形でスタートしちゃっていますので、この公募占用指針に明記されている配点の枠組みを今から見直すということになりますと、おっしゃるように、札は入れていないんだからいいじゃないかという御意見ももちろんあるんですけれども、他方、試合のルールを決めて公示をしちゃって、そこに参加している人たちがいらっしゃる以上は、やはり途中でルールを変えるというのはどうかなと私は思っているんです。
したがって、第二ラウンドにおける審査を進めるに当たって、第一ラウンドの公募結果を総括していく中で、例えば重点的に評価する項目を明らかにしていくなど、何らかの工夫をする余地がないかどうかを検討したいと思っています。
そして、今後の評価の在り方については、国民負担の抑制、事業の確実な実施、地域との共生をしっかりと確保しつつ、運転開始時期の迅速さも高く評価すべきではないかという御指摘には、私も賛同するところです。
今回、たまたま同一事業者が三か所を落札したんですね。やはり地元の皆さんとの信頼関係というのもすごく大事だと思うんです。早くから地元に入って顔の見える形で事業の内容を説明した人と、最後に札を入れるときだけ来た人とでは、これはもうおのずと濃淡が違うわけですから、長い事業を進めていく上ではやはり地元の協力というのもすごく必要なので。
今回、初めての入札でありましたので、いろいろ改善、検討することはたくさんあると思いますので、是非、御指摘いただいたことも含めてしっかり検討していきたいと思っています。
○秋本分科員 大臣、もう一つちょっと議論をしたいのが安全審査なんですけれども、普通、こういう公募が行われて札が入っていれば、当然、安全性の審査というのはされているんだよねと思うんですよね。でも、大臣、安全性の審査というのはウィンドファーム認証を取るときということになっているので、このウィンドファーム認証、FIT認定を取るときというのは札の開札よりも後ろなんですよね。そうすると、どういうことが起きるかというと、これは安全性の審査、しっかりしたそういう意味での審査、ウィンドファームとして堪え得るだけの審査というのはしていないんです、今の時点で。
それで、どういうことが起きるかというと、例えば、その海域を物すごく徹底的に調査している会社というのは、ある一定以上の風車じゃないと建てられないよねということは気づいちゃうわけですよね。しかし、今大臣が答弁してくださったみたいに、開札して結果が出てから初めて来ました、あるいはほとんど調査をしていないというところは、当然、それは見込みで札を入れるわけですよ。
事前に事務方とやり取りしたときは、いや、そのリスクも取って、そのリスクは事業者が取るんですと。だから、もしそれで安全性をしっかりともっと担保するために追加的費用がかかったとしたら、それは事業者が払ってきちっと事業を遂行するんだよ、それを我々はモニタリングするんだ、ちゃんとやらせますと。
これはこれで、私は、今回はそれで決められたルールに基づいてやったわけですから、それについてどうこうはありません。しかし、二回目以降、大臣、普通にこれを許すとどういうことが起きるかというと、じゃ、例えば、追加的費用をかけて、トータルで事業を見返したときに、価格が二番手、三番手の人よりも高くなっていましたということになって、結果として、三年後、五年後に振り返って、今の配点を同じように採点してみたら一番じゃなかったよねということになったら、これは大変な話ですよね。海域を徹底して調査して、地元に入って、一定程度、この風車じゃなきゃ建てられないよねと気づいた業者は、当然、それを無視して札を入れてくるということはあり得ないだろうと思うんです。
そういう意味でも、やはり札を入れる時点で、一定程度やはり同じ情報あるいは同じ条件に基づいて札を入れるという公平性が私は求められるんじゃないかなというふうに思います。
そのためには、日本も、セントラル方式といって、事前に国がしっかりとその海域を調べて、この条件で、あと発電はいつできますか、運開はいつからできますかと、そこだけできちっと定量面で札を入れるということが最も望ましくて、私は自分の中ではそこが最終理想形だと思っているんですが、残念ながらそれは準備が間に合わないので、今すぐ、第二ラウンドから、あしたからやれというのは無理だというのは私も十分分かっているんですけれども、大臣に是非ちょっと御理解いただきたかったのは、今回の札というのは、そういう意味でも、ちょっとその情報量によって入れてくる札というのは変わっちゃうんですよね。
後できちっと事業遂行を我々がさせられるからいいじゃないかというのは、それは、今回は決まったルールでそういうふうになっていて、そうやって結果が出ているわけだから、しっかりエネ庁さん、国交省さん、頑張ってモニタリングして、しっかり事業を完遂してねということになるんだけれども、じゃ、これを、二回目以降もこれで同じでいいのかというところについては、私は、同じじゃいかぬだろう、スタートラインが公平じゃないと思うんですよね。
それで、大臣が今、二ラウンド目から見直すのはちょっとねというお話でしたが、もうスタートしてルールが決まっているんだからといっても、そこに札を入れてきて、札を閉じて、審査の段階に入っているわけではありません。ましてや、冒頭申し上げたとおり、情報開示が遅れていて、一回目のラウンドの情報がまだ全然開示されていないという中では、第二ラウンドの見直しというのは、私はこれは政治判断だと思うんですよ。事務方にどうだと言ったら、できませんと言うんだと思うので、私は、やはりここは政治判断なんだろうというふうに思います。
冒頭申し上げたとおり、やはり政府が掲げたターゲット、安倍政権、菅政権、そして岸田政権と、脈々と受け継がれて継続しているこの政府のターゲットが、今のエネ庁のやり方では、これは運転開始時期を前に持ってくるというインセンティブは働きませんから、達成できないんですよね。
やはり政治家として、我々が掲げている、政府・与党が掲げているターゲットを達成できないじゃないかと、これは政治的に私は判断をして、第二ラウンド、別に、誰も、もう札を入れて、始まっているという意味では本格的にスタートしているわけじゃありませんから、もう一度地元とも、一回やり直すよというところで話をつけて、私は第二ラウンドもしっかりと見直す必要があるんだろうというふうに思っております。
今、その安全性の審査で、入口がちょっとイコールじゃないよねというところと、それでもやはり二回目から見直していただきたい、政治判断をしていただきたいというところについて、この二点、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○萩生田国務大臣 まず、安全性の検討の土台となる調査、複数の事業者が同種の調査をそれぞれ行うことは、案件の形成の迅速性、効率性の観点から課題があることに加え、公募参加者による競争上のイコールフッティングの観点からも課題があるという声があることは承知しております。
このため、開発の初期段階から政府が関与し、より迅速、効率的に風況等の調査などを行う、いわゆる日本版セントラル方式について、現在、実証事業を進めているところでありまして、この結果も踏まえて早期の確立を目指したいと思います。
それから、第二ラウンドを公示したとはいえ、政治的な判断で一度立ち止まったらどうかという御提案でございますので、今日、ちょっと私、つまびらかに詳細まで、どこがどう検討に時間がかかるのかということまでちょっとお答えする知見を持っていませんので、今後の見直しの方向性については、まずは、今回の公募結果について総括した上で、引き続き多くのプレーヤーに参加していただくためにも、選定の基準や開示情報の在り方も含め、外部有識者の知見もいただきながら検討してまいりたいと思います。
おっしゃるように、稼働時期を早めるというインセンティブは、これは国民にとって利益を与えるわけでありますから、そのことで、例えば初期コストが違う、しかし、早めに運用ができて、そして発電ができるということであれば、それは二次的な利益を得るわけですから、そういうことも含めて、先生の御提案をよく踏まえて検討してみたいと思います。
○秋本分科員 大変ありがたいというか、力強い答弁だったなというふうに感謝を申し上げたいと思います。
ちょっと誤解があっちゃいかぬので言っておこうと思うんですけれども、今回の結果については、私は、これは決められたルールに基づいて行われた札入れですから、これはこれでもう終わった話だというふうに思っています。三菱商事さんが三海域全て取ったわけですけれども、私は、三菱さんにはしっかり、鋭意努力していただいて、事業を完遂していただきたいというふうに思っていますので、それは政府を挙げて、やはり最大限、できることはサポートしていく必要があるだろうと思っております。
しかし、第二ラウンド以降については、私は、いろいろな観点から見直す点があるんじゃないかというふうに思っているんですよね。
それで、蛇足かもしれませんが、大臣にちょっと背景を話をしておこうと思うんですが、私は、安倍政権の頃に、それこそ、安倍総理そして菅官房長官にお願いをして、この洋上風力の法律を作るために国交省に政務官として行かせていただいたというところが実際あるんですよ。私は、この法律を作って、まさにこの札入れが行われるまでの間、法律が成立するのを、政務官の間に成立しなかったので見届けられなかったんですけれども、まさにこの法案を作っているときの国交省の責任者の一人だったんですね。
大臣が先ほどから少しにじませていただいている、その評価の仕方、実際終わっちゃった話だけれども、でもどうだったんだろうねというところについては、これは作成時から私はさんざん言っていたんです、こうなるよということを。だけれども、当時から経産省は、価格にウェートを置いて見るんだ、私は国交省側から、いやいや、定性面もしっかり見ないといけないよねと。ましてや、この法律というのは、先行事業者がいるところに、県条例でやっているところに、後ろから追いかけていって法律で網をかけたんですよね。
ですから、第一ラウンドについては、別に私は第二ラウンドも第三ラウンドもずっとそれを続けろということではなくて、第一ラウンドについては一定程度そういうところの配慮があってもいいんじゃないか、それがないと、第二ラウンド、第三ラウンド以降、第一ラウンドのときに余り地元が鑑みられないということになると、これは次から次へと手が挙がってくるという状況にならないんじゃないか、海というのはいろいろ利権が絡んでいるので、難しいところなので、第一ラウンドについてはもう少し定性面にウェートを置いてもいいんじゃないかと言ったんですが、結果として、両省で話し合った結果が第一ラウンドのルールだったんですよね。
決まったことにはもちろん従います。しかし、その策定段階に関わっていた人間としては、自分が主張していたところが通らなかったわけなので、じくじたる思いがあって、結果が出た後に、やはり第二ラウンド以降については見直していただきたいという強い思いが私にはあるというところを是非大臣には御理解をいただければ幸いでございます。
是非、ちょっと第一ラウンドでアジャストしていこうというところについては、やはり第二ラウンドから私はやっていただきたい。それこそが政治判断でありますし、政府が掲げているターゲットをより達成しやすくなるわけであります。
多分、事務方は、いやいや、第三ラウンドからやったって、そんなもの目標達成絶対できるぜと言うと思うんですが、より早く、より安易に、政府の目標を確実に達成するためには、第二ラウンドから私はルールの変更をしていくべきだろうと。そこも、とにかく運転開始時期に私はすごく個人的には関心が強くて、ウェートを置くべきだというふうに思っています。大臣がおっしゃってくれたとおり、やはり、運転が早くなるということは国民の利益であります。
例えば、四年、五年早かったところが幾らで札を入れていたのかというのが見えないんですよね。当然、四、五年前に運開すれば四、五年後に運開するより高くなるのは当然なんですけれども、そこがどのくらいなのかというところが許容の範囲かどうかというのをやはり検証できないようだと、これはやはり、ちゃんとやっていますねというふうに言ったとしても、それは外から見たときに分からないじゃないかよということになっちゃうと思うんですよね。
だから、運転開始時期というのは、私は、第一ラウンドは、嫌だよというところがあれば、そういうルールに基づいてやったので無理に開示するということはできないのかなと思いますけれども、第二ラウンドは、やはり運転開始時期については、少なくともそこだけでも見直して、開示するぜというルールに私は変えるべきだろう、それこそが国民の利益だというふうに思っておりますので、是非、萩生田大臣にはお力添えを賜りたくお願いを申し上げたいというふうに思います。
そして、もうほとんど全ての時間をここで使ってしまったんですが、あと五、六分あるので、先に進みたいというふうに思います。
電力市場の価格が、残念ながら、去年に続いて今年もかなり上がってしまっています。このことについて事前にやり取りをしたときに、大臣、こまで数えるんですけれども、去年は何百というこまが、玉が切れちゃったけれども、今年は九十六こまだから結構頑張ったよね、やっているぜということは、ざっくり言うとそういう話だったんですけれども、それは私もそのとおりだと思います。
だけれども、一方で、それでも、九十六こまもこういうことが発生しちゃっていていいのかというところは、まだまだ、もうちょっと突き詰めていかなきゃいかぬだろうというふうに思っております。
そのことについて、電取委に、もっとやっていこうぜと私は思っているんですけれども、今冬のこの状況、九十六こまだからいいよねというふうに思っているのか、それとも、やはり私が言ったとおり、もっと改善していかなきゃいかぬというふうに思っているのかについてお伺いをしますけれども、それと、大臣に併せてお伺いしたいのは、戦略的予備力についてであります。
この間、二月十日に、関東、東京エリアは大雪が降って、電力需給が逼迫しているということが起きました。しかし、そのとき、それでも九六%なので四%余剰がありました。そのときの中身を詳しく見ていくと、HJKSという、こういうものが、どの発電所がどういうふうに発電していたかということを見たりとかする、数値を見られるところがあるんですけれども、いろいろ調べてみると、石油火力発電所が三分の一ぐらいしか動いていないんですよね。三分の二は施設が稼働していません。
日本には、LNGは非常に備蓄がしにくいですけれども、石油は国家備蓄も法律上しっかりしようぜということになっていまして、しっかりこの国には石油の備蓄があります。石油というのは、ふだん高くて余りたかないわけですよね。でも、まさにこういうときこそ、たこうよ、というか、このときのためにまさにあるんじゃないのということだと思うんです。
昨年、容量市場という制度を始めて、四年後、ですから今からいうと三年後になるんですけれども、そのときに、ちゃんと施設設備として残しておいて、稼働しろと言ったらしてよねということで、その代わり少しインセンティブでお金を上げるからさというような、簡単に言うとそういうシステムをつくったわけですけれども、それで、じゃ、分かりました、エネ庁さん、石油の設備残しますよといって、石油の設備、一千四百万から五百万ぐらい設備として札が入っているんですよね。でも、今回、今言った二月の十日に稼働したのはたった八百万ぐらいなんです。そうすると、その容量市場で札を入れたところとも整合性が取れないんですよね。
これは、いや、それは秋本さん、三年後の話じゃないかと言うのは簡単なんですけれども、でも、今だけで切り取ってみても、持っているものが動いていない、それであっぷあっぷでございますというふうになっているのは、市場に玉が出てこない、その玉を買いたい人たちが買えないことによって右往左往している。いや、できることもっとあるんじゃないのと私は思うんです。
これは、イギリスなんかは、こういう石油火力発電所なんかに、戦略的にそれは残しておけよ、国が面倒見るからさということになっていて、日本はちょっとそういうところがイギリスのようにはなっていないんですけれども、私は、今回のこの状況を鑑みても、もうちょっとやりようがあるんじゃないかなというふうに思っています。
具体的に言うと、イギリスのように戦略的予備力としてこういうものをしっかりと持って、こういう動いていないということについてやはりもうちょっと重きを置いて考えて、まさにこういうときのためにあるんじゃないですか。私は、こういうものをしっかりと使っていくというふうに制度をいろいろと考えて、つくり直していくという必要があるんだろうと思いますが、電取委と大臣にそれぞれお答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。
○佐藤(悦)政府参考人 お答え申し上げます。
まず、評価という御質問をいただきました。
まず、玉切れが、先生御指摘のように、昨年一月は三百五十四こまで、今回九十六こまになりましたが、これは、去年の一月、相当寒くて需要が大きかったんですが、今年の一月も、実は需要は、電力需要ですが、昨年の一月よりも多かったのにもかかわらず、こまが減少しているというので、こま不足はありましたけれども、ある程度の評価ができるのではないかという御説明をさせていただいたというふうに承知をしております。
ただ、先生おっしゃるように、玉切れが九十六こまあったというのは、玉切れのときこそ先生御指摘のように高騰しますので、これは少なくとも、少なければ少ない方がいいというのは、当然、私どももそのように認識をしております。
それで、何をするかということでありますが、今でも供給力の余剰は全量市場に供出をしておりますし、それと、昨年の冬の経験を踏まえまして、結局は、最終的には、キロワット及びキロワットアワー、両面から供給力を確保するしかないと思っておりまして、このような観点からは、キロワットの確保に向けては、先ほども御指摘ございましたが、容量市場の導入による将来の供給力確保や、その間のつなぐものといたしまして初めて供給力の追加公募もいたしましたし、キロワットアワーの確保に向けましては、燃料在庫のモニタリングでありますとか、燃料調達ガイドラインの策定、さらには、これも、世界的に見ても類例のない、キロワット公募といった取組もやらせていただきました。
特に、キロワット公募、キロワットアワー、この二つの公募は、お金がかかることでございます。例えば、キロワットの供給力の公募に関しましては九十億かかりましたし、キロワットアワーに関しましては、冬季の高需要期における十日分の電力需要の約一%に相当する三億キロワットアワーを募集しまして、結果は四・二億キロワットアワーの供給力を確保したんですが……
○伊藤(達)主査代理 時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
○佐藤(悦)政府参考人 百五十億かかったということもありまして、こういうコストとかも考えながら、さらに、市場の売り玉確保に貢献する施策をどうするかということを、公開の審議会等でも御議論を深めていただければというふうに思っております。
○萩生田国務大臣 SプラススリーEを満たす単一の完璧なエネルギーがないことから、石油やLNGを含め、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが我が国は重要だと思っています。
今年の冬は、電力の需給バランスが厳しくなることが想定されたため、発電事業者に対しては適正なLNG在庫の確保を求め、その状況をモニタリングするとともに、燃料の追加調達にも取り組んでまいりました。こうした取組の結果、足下では二、三週間分のLNG在庫を確保しており、電力の安定供給を確保しております。
委員御指摘の戦略的予備力という制度は、需給逼迫時にのみ稼働させる、ごく一部の電源を確保するための制度であるものと承知しております。
目くじら立ててそれは反対だと言うつもりはないんですけれども、我が国では、需給の逼迫時のみならず、平時も含めて稼働する電源を対象とした容量市場を導入しておりまして、これによって、国全体で必要な供給力を確保しております。
今日、こうして国会の中で御提案があったことは受け止めて、また検討に加えていきたいと思います。
○秋本分科員 大臣、本当にありがとうございました。
また、質問が全部、最後まで行かなかったので、準備してくれた役人の皆様方におわび申し上げて、終わりにしたいと思います。
どうもありがとうございました。
○伊藤(達)主査代理 これにて秋本真利君の質疑は終了いたしました。
午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時二分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○西村主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。山口晋君。
○山口(晋)分科員 こんにちは。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、自民党衆議院議員の山口晋です。昨年十月の総選挙で初当選をさせていただき、本日このような質問の場に立てることは、地元有権者の方々の御支援、そしてまた先輩議員のおかげであり、心から感謝を申し上げます。
また、本日は、大臣を始め、また金融庁の方にも多数御出席をいただいておりまして、誠にありがとうございます。
さて、私は、衆議院議員になる前、約七年間、都市ガス会社にてサラリーマンをしておりました。いわゆる本家ガス屋でございます。本日は、ガスに焦点を当てて質問をさせていただければと思います。
皆様も御存じのとおり、都市ガスの原料であるLNGは、一九六九年十一月に初めてアラスカから輸入された三万トンが始まりです。日本は、一九八〇年代から九〇年代半ばまで世界のLNG総輸入量の六〇%を占めるなど、長きにわたって世界のLNGマーケットを牽引し、経済発展著しい中国に抜かれはしたものの、現在では年間七千五百万トンを輸入するLNG輸入大国となっております。
また、天然ガスの導入時には、ガス事業者の皆様方が、熱い思いの下で、長年かけて御家庭や工場を一軒一軒回り、全てのガス機器の調整を行い、供給するガス熱量の高カロリー化を実現したことで、今日の便利な生活につながっております。
日本におけるLNGの輸入は一九六九年のことでありますが、日本におけるガス事業の歴史は古く、何と今年は、二〇二二年は、ガス事業の始まりから百五十年の節目に当たる年であります。脱炭素化といった潮流の中で、日本の更なる発展を支えるエネルギーとしてのガスにも引き続き期待をしていただきたいと思っております。
確かに、政府が掲げる二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては決して簡単な道ではないと思いますが、日本の総力を結集して、民学官が一体となって推し進めていけば、私は、必ずできるものと確信をしております。
本日は、二〇三〇年温室効果ガス四六%削減、そして二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するには欠かせないエネルギーであるLNG、天然ガスについて質問をさせていただきます。LNGバリューチェーン全体を俯瞰をしつつ、トランジションに向けた現実的な対応も含め、政府の見解について御質問をさせていただきます。限られた時間でありますが、深い議論をできることをとても楽しみにしております。
まずはLNGバリューチェーンの上流でありますが、御存じのように、自前の資源が少ない我が国において、安定的かつ安価にエネルギーを確保することは、安全保障上の観点でも、経済活動を支えるという観点でも、非常に重要であります。昨今、ウクライナをめぐるロシアと西側諸国の対峙によるエネルギー安定供給に対する不安や、世界的な化石燃料からの脱却の動きがある中で、米国のシェールガスに代表されるように、上流投資が減少傾向にあると言われております。
質問に移らせていただきます。
このような情勢の中で、日本としてどのように天然ガスの安定供給を図っていくのか、基本的な戦略について政府の御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○定光政府参考人 お答え申し上げます。
我が国は、石油、天然ガスのほぼ全量を輸入に依存してございます。そうした中、昨年冬のLNG在庫の低下などによる電力需給の逼迫ですとか、昨今の脱炭素化の流れを受けました委員御指摘のとおりの上流投資の減少など、エネルギー安定供給をめぐる国内外の情勢が大きく変化してございます。直近では、ウクライナ情勢など地政学リスクも高まり、石油や天然ガス、LNGの安定供給確保に対する影響も懸念されているところでございます。
こうした中でも、化石燃料は我が国の一次エネルギー供給の約七割を占めており、エネルギー基本計画におきましても、石油は災害時におけるエネルギーの最後のとりでとして、また、天然ガスは、カーボンニュートラル社会への移行期に加え、カーボンニュートラル社会の実現後も、メタネーション技術の活用でありますとか、水素、アンモニアといった脱炭素燃料の原料として、カーボンニュートラル社会の実現後も引き続き重要なエネルギー源というふうに考えてございます。
こうした観点から、まず、積極的な資源外交や、JOGMECによるリスクマネー供給などによる天然ガスを含む資源自主開発の推進、そして、G7などと連携した、カーボンニュートラルへの移行期においても必要な石油、天然ガス開発への安定的な投資確保の重要性について国際的理解を獲得する、さらには、アジアのゼロエミッション化に向けたアジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブの推進といった取組を重層的に展開しながら、我が国の石油、天然ガスなどの安定供給確保に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。
LNGバリューチェーンにおいて、やはり上流は非常に重要でございますので、引き続き安定供給に向けて政府としてしっかりと民間の後押しをしていただければと思います。
次に、LNGのバリューチェーンの下流側に話を移らせていただきます。
現在、日本の民生・産業部門におけるエネルギー消費量の約六割が熱需要となっており、電力向け消費量に比べて大きなウェートを占めております。特に産業分野においては、例えば鉄鋼、化学分野など、電化による対応が難しい分野もあり、これからもガスが熱需要を支えていく必要があると考えております。
また、民生部門においても、脱炭素化の観点に加えて、SプラススリーEの観点から、特にエネルギーの安定供給は国民生活を支える根幹であると考えております。近年の自然災害の激甚化や、昨年来の電力需給の逼迫が現実としてあったことを踏まえれば、災害に強く、ほかの化石燃料に比べて温室効果ガスの排出が少ない都市ガスを活用しながら、将来のイノベーションによって達成される脱炭素化されたガスへの移行を着実に実現していくことが重要だと考えております。
そこで、質問に移らせていただきます。
政府として、熱需要を中心とした産業分野と民生分野の現状と、SプラススリーE、強調させていただきますが、安全性、経済性、環境性、安定供給の観点から今後の戦略をどのように考えておられるのか、御意見を伺わせていただければと思います。お願いいたします。
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、熱需要というものは我が国の産業・民生部門の消費エネルギーの約六割を占めるものでございまして、エネルギー政策を考えていく上でも非常に重要な分野でございます。
例えば、工業用に使われる溶解炉など、製造のプロセスにおける高温域での利用、また、産業用の中でも蒸気ボイラーですとか低温域のお話、さらには、委員御指摘のございましたように、家庭用給湯器、空調など、我々の国民生活に直結するような、こういったエネルギー需要に対して安定供給をいかにしていくかということを、温暖化対応を含めた様々な諸課題の中でどう対応していくかについては、我々も、電気の話がよく焦点が当たるところではあるわけですけれども、我々は真剣にここに取り組んでいかなければならない、このように考えております。
この熱需要、熱エネルギーの供給ということを考えていくに当たりまして、天然ガスというものは、カロリーと申しますか熱量が非常に大きく、様々な用途で使っていけるということとともに、カーボンニュートラルという要請が随分高まっている中で、他の化石燃料、化石原料と比較した場合に、相対的にCO2の排出が少ない、含有が少ないということを考えた場合の意義は非常に大きいかと思っております。
また、昨今のレジリエンスの要請ということを考えた際に、ガス導管の耐震性の取組、若しくは保安面での現場での御努力、こういったことを通じました、都市ガス業界、さらにはこれを含めたガス供給業といったものの現状を踏まえますと、この安定供給をいかに実現していくかということは、これからも引き続き重要な課題、若しくは政策的に取り組まなければならないところだと考えているところでございます。
一方で、カーボンニュートラルということについて、二〇五〇年の実現を目指して取り組んでいかなければならないわけでございますが、この安定供給面、産業の実態ということをよく踏まえつつ、脱炭素化というものを現実に即しながら取り組んでいくことが非常に重要だと考えてございます。
まず、産業分野で考えますと、高温域の熱エネルギー源として使われることが多い石炭とか石油というところがあるわけでございますが、電化ということももちろんあるわけですけれども、こういった領域を考えますと、一つにはトランジショナルな意味で、天然ガスの利用という、燃料転換ということも非常に重要なアプローチかなと考えてございます。
また、現在は天然ガスが主要なガス体エネルギーであるわけでございますが、今後、水素とCO2を合成した形での、メタネーションというプロセスを経た合成メタンの活用というのも重要でございますし、また、将来のことを考えていきますと、大気中からCO2の分離、回収をしていくといったDAC等の技術も視野に入れた取組も必要かと存じております。
産業界の中におきまして、日本ガス協会、都市ガス事業者の方々、様々な形でこういったプラン、ビジョン、いろいろとお示しをいただき、取り組んでいらっしゃるというふうに存じております。
政府といたしましても、産業界の声をしっかりと伺いながら、こうした取組を後押ししてまいりたいと考えてございます。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。
今参考人からもありましたとおり、是非、産業界の声をしっかり聞いて、この二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けて、政府の後押し、お願いしたいと思います。
今お話にも触れていただきました、ちょっとメタネーションについてお話しさせていただきます。
政府においては、第六次エネルギー基本計画を策定をしており、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、メタネーションなどにより脱炭素化することを表明していると承知をしております。
ただ、こういった産業界のメタネーションの取組を加速度的に促進するには、やはり積極的な政府の支援が必要だと考えております。
政府としてどのように支援をしていくのか、御見解、また、その意気込みをお伺いさせていただければと思います。お願いいたします。
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたけれども、現実に即しながら、実態を踏まえながら、産業界の声を聞きながら、同時に世の中を変えていく、次の時代をつくり出すということに取り組んでいかなければならない。これについては、政府も産業界とともに一緒になって取り組んでいかなければならないと考えてございます。
その中で、今委員から御指摘がありましたメタネーション、合成メタンの生成、利用ということでございますが、既存の都市ガスインフラの設備への注入、混合ということが容易であるわけですので、切れ目ない形で柔軟に、コストを最小化しつつ転換していくということが可能な一つの有力なアプローチかと考えてございます。
政府といたしましても、グリーン成長戦略ですとか第六次エネルギー基本計画の中におきまして、現在の都市ガス利用について、合成メタンを二〇三〇年に一%、二〇五〇年に九〇%導入するという目標を立てているわけでございます。もちろん、その実用化に対しては、技術的、経済的、制度的課題の解決が必要になります。
技術的課題につきましては、製造の大規模化、製造コストの低減ということが重要でございまして、現在、NEDO事業において世界最大規模の実証プラントを開発中でございますし、グリーンイノベーション基金を活用した、効率化に向けた技術開発も進めるところとしているところでございます。
制度的課題、経済的課題についても、供給側と需要側を含めた民間企業、また関係省庁を含めた、ステークホルダー全てが参画する官民での協議会ということも進めているところでございまして、水素、CO2のサプライチェーンの構築、インフラ整備も含めまして、政府も一体となり、産業界共々取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。
一説には、やはり、水素を制する者は次世代のエネルギーを制すると言われております。是非、松山部長もお話あったとおり、基金を有効に活用させていただき、研究開発支援のみならず、やはり、着実に実用化していくところの、息の長い、大胆な後押しを是非政府にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、エネルギーを使うお客様の観点から、少し質問をさせていただきます。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、将来的には合成メタンの導入が期待されているところでありますが、足下の即効性ある取組として、中小企業を含め、企業が既存の燃料から環境負荷の少ない天然ガスへ燃料転換することを促進していくことが重要だと私は考えております。
ただ、私も、サラリーマン時代、営業をしておりまして、なかなかこの燃料転換は難しいところもありました。そういう中において、燃料転換にはやはり多大な設備投資に伴うコストも要するため、企業の燃料転換に対する取組に対して、政府として支援をしていく必要があると私は考えております。もう既に様々な補助金があることも私は理解しておりますが、それを含めた上で、政府のこの燃料転換の取組への御支援について見解を伺わせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御質問頂戴しました、需要側の面で燃料種を替えていくということについては、当然、これは設備投資を伴うところでございますので、短期的な目線ではなく、長期的な視点に立ちながらこの取組を後押ししていくということが非常に重要になってくるところでございます。
まず、その方針、エネルギー転換の重要性ということを私どももよく認識しているところではございまして、昨年策定しました第六次エネルギー基本計画におきましては、燃料は、熱エネルギーの低炭素化、脱炭素化に向けた手段の一つとして、需要サイドにおける天然ガスへの燃料転換を進めることが重要である、この旨記載しているところでございます。
その上で、これを支援する具体的な制度、現在では、いわゆる省エネ補助金のような形で、燃料転換等を行う場合の省エネ設備の導入支援ですとか、基礎素材産業の石炭火力自家発電所の燃料転換等に向けた実現可能性調査に対する支援などの制度を用いながら、燃料転換の促進を図っているところでございます。
ただ、これで十分かどうかというところももちろんあるところでございますし、どのような形を取れば需要家の方々にその状況を認識していただき、未来に向けた投資をしていただけるかということについては検討を深めていく必要があろうかと思っております。
現在、審議会におきまして、クリーンエネルギー戦略策定に向けまして、特に需要の視点ということをよく考えて検討する議論を進めているところでございまして、その中でも、天然ガスへの燃料転換も含めて、産業の置かれた状況に応じたトランジション戦略の在り方について検討を進めているところでございまして、委員の御指摘も踏まえながら、産業界の実態をよく踏まえ、その声に耳を傾けながら、しっかり検討を進めていきたい、このように考えてございます。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。
全国には本当に、約二百社の都市ガス事業者もありますし、やはりそれぞれ、工場主さんもいろいろな事情があります。是非、使い勝手のよいものを、やる気のある企業に大胆に後押しをしていただける補助金を創設していただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
少し視点を変えて、産業界のカーボンニュートラルの実現へ向けた取組をどのように金融面から支えていただけるかという観点で御質問をさせていただきます。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現には、大企業だけでなく、中小企業であっても新しい技術開発を進めるなど、思い切った投資ができるようにすることが重要だと考えております。そのためには金融機関によるサポートも不可欠となりますが、ネットゼロの環境配慮を過度に求めると、中小企業が資金を借りられないといったことが起こってしまわないか心配する声も聞こえてまいります。
昨今のESG投資促進の流れはございますが、やはり、地域の企業を支えるのは地域の金融機関であると思います。そういう中において、こういった企業の取組を金融面からどう支えるか、金融政策上の方針はどのように考えておられるか、金融庁の御見解をお聞かせください。お願いいたします。
○屋敷政府参考人 お答えいたします。
世界で脱炭素化の動きが加速する中、金融機関におきましては、委員御指摘の中小企業を含む顧客企業との間で積極的に対話を進め、委員御指摘のとおり、顧客企業の気候変動対応や新たなビジネス機会の創出等に貢献していくことが重要であると考えております。
金融庁では、こうした金融機関の取組を後押しする観点から、金融機関の顧客企業に対する支援や、金融機関の気候関連リスクの管理に関するガイダンスを本年春頃を目途に公表するよう作業を進めているところでございます。
ガイダンスの中では、金融庁と金融機関の対話の基本的な着眼点を示しつつ、顧客企業の気候変動対応や、新たなビジネス機会の創出等への支援に係る参考事例を紹介するなど、金融機関の取組に資する情報も提供する予定としております。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。今、参考人から、今年の春頃までにガイダンスをということ、本当に貴重な情報だと思います。ありがとうございます。
是非、産業界と金融界がしっかりと対話をしていただき、特に地方においては地域金融機関の役割は本当に重要でありますので、繰り返しになりますが、やる気のある企業への後押しを是非ともよろしくお願いを申し上げます。また、経産省ともしっかりと連携をしていただくことを重ねてお願いを申し上げます。
金融庁からお越しいただいた参考人の方、本当にありがとうございます。御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○西村主査 審議官、退席して結構です。
○山口(晋)分科員 少しグローバルな視点からお話をさせていただきます。
やはり、気候変動問題は、日本だけではなく世界各国が取り組んでいかなければならない問題だと思います。そういう中において、とりわけ成長が著しいアジアにおいて、日本の脱炭素化技術は大きく貢献できると私は確信をしております。
御省においても、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブを表明していることは承知をしております。昨日の林外務大臣も、この岸田内閣において、しっかりとこのインフラ投資、進めていくという力強いお言葉もいただきました。是非それを踏まえて、この具体的な内容、また現段階の進捗状況、今後の見通しなど、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
アジアの脱炭素化ですが、目指すべき頂点は、これはカーボンニュートラルとして共通でありますが、その上り方には違いがありまして、やはり各国の事情を踏まえた現実的な取組を進めることが重要だと考えております。
とりわけ、依然として火力発電が重要な電源となるアジアでは、国ごとの事情を踏まえた幅広いエネルギー源や技術を活用した支援が不可欠である、そのように考えております。
こうした観点から、我が国は、先生御指摘のとおりのアジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブを提唱しまして、アジアの国々に対して、カーボンニュートラルに向けたロードマップの策定支援、各国のカーボンニュートラルに資するプロジェクトへのファイナンス、さらには、アジアCCUSネットワークによる知見共有や事業環境整備などを通じまして、アジアの現実的なトランジションを支援しているところでございます。
本年一月には、萩生田大臣がインドネシア、シンガポール、タイの三か国を訪問しまして、その具体化に向けた議論を行って、エネルギートランジションに向けた各国との協力覚書に署名をしたところでございます。今後も、これら覚書に基づきまして、具体的なプロジェクトを各国とともに推進してまいりたいと思っております。
引き続き、再生可能エネルギー、エネルギーマネジメント技術、クリーンな天然ガス利用、さらには、アンモニア、水素、CCUSを活用した火力発電のゼロエミッション化など、こうした技術や、またさらに、インフラ輸出の活用も通じまして、アジア各国の脱炭素化に貢献してまいりたい、そのように考えております。
○山口(晋)分科員 ありがとうございます。
私自身、本当に大変期待しているイニシアチブでありますので、是非世界に日本の技術を売り込んでいただき、発信していただければと思います。よろしくお願いいたします。
最後に、二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年度の温室効果ガス四六%削減の実現には、やはり最後は民間の投資を最大限に引き出すことが必要だと考えております。
そのために、岸田政権としても六月までにクリーンエネルギー戦略を取りまとめるということを聞いておりますが、今後どのような議論を進めていくのか、是非、経済産業省様の御見解、またこのビジョンに向けた思いをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○石井副大臣 二〇五〇年カーボンニュートラル、また二〇三〇年度四六%削減、この目標、これを実現するということは簡単なことではないところでありまして、脱炭素に向けた投資のみならず、多額の資金を使うエネルギー転換を乗り越える企業の体力、これを確保するための投資など、民間の投資を最大限に引き出すことが重要であると認識をいたしております。
特に、クリーンエネルギー分野は世界が注目する成長分野でありまして、日本におきましても、この分野への投資を倍増させ、脱炭素の実現と新しい時代の成長を生み出すエンジンとすることが重要であると考えております。クリーンエネルギー戦略におきまして、水素、アンモニア、原子力、蓄電池などの分野ごとに、新たな技術開発や将来の具体的な市場規模の見通しなどを示して、企業投資を後押しをしていきたいと考えております。
また、水素やアンモニアなど日本の技術、制度、ノウハウを生かしまして、世界、特にアジアの脱炭素化に貢献することも重要であります。新たな市場創出など、従来の戦略を深掘りをしまして、経済と環境の好循環の実現につなげていきたいと考えております。
岸田総理からは、エネルギー供給構造の変革だけではなく、産業構造、国民の暮らし、地域の在り方全般にわたる幅広い取組が必要でありまして、経済産業大臣が司令塔となって、多くの論点に方向性を見出すように指示があったところでございます。
引き続き、関係省庁の協力も得ながら、経済産業省といたしまして集中的に議論を深めてまいりたい、このように考えております。
○山口(晋)分科員 ありがとうございました。
大変に力強いお言葉をいただき、本当に、産業界も勇気を持ってこのカーボンニュートラル実現に邁進していくものだと思います。是非、お話しいただいたとおり、地域の声、また産業界の声をしっかりと聞いていただいて、カーボンニュートラル実現に向けて日本一丸となってやっていけるように、私自身も議員として活動していきたいと思います。
本日は、本当に貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○西村主査 これにて山口晋君の質疑は終了いたしました。
次に、赤木正幸君。
○赤木分科員 よろしくお願いいたします。日本維新の会、兵庫四区選出の赤木正幸です。
本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。私は、こういった政治の世界は実は初めての世界なので、こういう場での質問はまだまだ不慣れですので、何とぞよろしくお願いいたします。
本日は、新型コロナウイルス感染症に関する支援策、これを中心に質問させていただきます。
私のちょっと簡単なバックグラウンドを御説明すると、ビジネスの実務家として活動してまいりました。特に、不動産や投資、あとスタートアップ経営にかなり深く関与していましたので、こういった経営者とか投資家との接点も多かったですし、今も多いんですけれども、彼らの、日本のこれからの成長に対する、当然、期待、その裏側にある不安というものを直接私は受け止めながらここに立たせていただいております。
特に、今回の中心テーマである新型コロナウイルス感染症に対する支援策に関しても、まさに私が経営していた会社、渦中でこのコロナの影響を直接受けた身であり、なおかつ、コロナ対策支援の一部を自ら私の会社に適用しながら事業を継続してきた経験があります。同じように、同業のそういった経営者仲間とか、当然私の選挙区の地元の事業者とも同じ目線で、ある意味痛みを感じながら、ただ、やはりこの日本をどうやって盛り上げて復活していこうかという、そういった視点で、いろいろな相談を受けながら進んでいく状態です。
ちょっと簡単に、現場のイメージを持っていただくために、少し参考としてお話しさせていただくと、実際、どんな感覚で皆さん動かれているかというイメージなんですが、まず最初に、困るんですね、わあ参ったな、さあどうしよう、せっかく落ち着いてきたのに、またコロナ来たよと。次は、何か支援策があるか、どんな支援策があるんだろうと、どきどきしながら、ある意味期待と不安を持って内容を見て、何とか落ち着きを取り戻して、どんな支援策が使えるかというのを分析しながら、あとは、もう粛々とそれを活用しながら、頑張って事業を継続していくという、こんな、言い方が正しいかどうか分からないんですが、まさに綱渡りの生き方そのものをこの二年間やっているというのが、本当に現場の状態です。
ですので、かなり私の質問自体が現場に近い、言い換えれば手触り感のある質問となっていますので、そこは御了承いただければなと考えております。
あと、今回の質問に際して、久しぶりといってはおかしいんですけれども、かなり徹底的に経済産業省さんのホームページをまた見させていただきました。すごく内容も増えていますし、パンフレットも八十ページぐらいになっていて、事の重大さを改めて認識したところです。
前置きはちょっとこの辺りにして、そろそろ質問に入らせていただきますが、まず、今日の質問全体の大前提にもなるんですけれども、新型コロナウイルス感染症による経済全般に対する影響を政府としてどのように捉えられているか、若しくはどのように評価されているか。これは、政治家としてだけではなくて、世の中として非常に重要だと考えています。
どういった捉え方をしているからこういった制度が出てくるんだという部分が分かれば、当然、評価もできますし、一方、今後の施策がどんなものが出てくるのかとか、予測もできるようになります。この予測というか予見可能性が、非常に、事業者にとっては当たり前なんですが、国民の皆様にとってもとても重要です。将来の見通しがないと、結局守りに入らざるを得なくて、今まさにその状況だと思うんですけれども、全ての活動が萎縮してしまうという部分があると私は考えております。
そこで、質問となりますが、この新型コロナウイルス感染症による経済全般への影響について、どのように捉えるとともに、どのように評価されていますでしょうか。御見解をお願いいたします。
○茨木政府参考人 お答え申し上げます。
景気の動向につきましては、企業の生産や収益が改善する中で持ち直しの動きが見られておりますけれども、足下では、オミクロン株の感染拡大等を背景に、消費者マインドは低下をしておりまして、こうした中で、外食や旅行、そういったサービス消費など、個人消費の一部に弱さが見られている状況と考えております。
今後の感染症の状況や、世界的な供給制約、資源、原材料価格の高騰による景気の下振れリスクに十分注意する必要があるというふうに考えておりまして、引き続きこうした景気の動向を注視してまいりたいと考えております。
○赤木分科員 ありがとうございます。
実際に、私も結構町中を歩いたりすると、イメージとしてどんよりした状態になっているという、そこも含めて御認識していただいた上で、次の対策を計画しながら取られていくということを聞いて、現状としては憂うべき状態だと思うんですけれども、期待を込めて次の質問に移らせていただきます。
今回の新型コロナウイルスの感染症支援対策というのは、関係省庁が非常に多いということも私自身も承知しております。ただ、この第七分科会は経済産業省所管でもありますので、特に経済産業省として、この新型コロナウイルス感染症の対策支援について、更に焦点を絞って、深掘りした質問を続けさせていただければと考えております。
冒頭でも経済産業省のホームページに少し触れさせていただきましたが、とにかくたくさんのメニューがあることを私も当然知っていますし、事業者の方たちとか私の地元の有権者の方たちも認識しています。
ただ、一方で、多いんですね。多いというのはすごくいいことなんですけれども、自分がどれを活用できるのか、そして、日々新しい制度が始まったり、若しくは日々制度が終わったりしているので、今現在何が使えるかというのを、個別具体的な適用段階になると、このメニューの多さが難易度の高さに変わっているというのが現状ですね。
この新型コロナウイルス感染症でまさに影響を受けて困窮されている方は、もう本当に目先の対応で精いっぱいな状態ですので、情報収集に十分な時間を割けていないというのが現実だと思います。
私も実際、まさに二年前、渦中にいたときというのは、日々訪れてくる、資金繰りもそうですし、新たな問題について対応するだけでもう精いっぱいですね。なので、ましてや、これまでどういう制度があったかとか整理する余裕なんというものはほぼないですし、それを踏まえて今後どうなるかというところまで考える余裕というのはもう恐らく全くないと言ってもいいぐらいの状態かと考えております。
そこで、質問となるんですけれども、経済産業省として、新型コロナウイルス感染症対策の支援策全般について、改めて御説明いただきたいと考えています。
できれば時系列に沿って、二年前、始まった頃はこんなことがあったけれども、今はこうだよとか、あとは、対象、こういった事業者さんに対してはこういったことがあったということを教えていただけると、これはここの質問で済む話ではなくて、この質問を後ほど、例えばウェブで見たりとか議事録を読んだ方にも、すごく、非常に有益な情報源となりますので、ちょっとそういった観点から詳しめに御説明いただければと考えています。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたように、これまでコロナの対策で、経済産業省といたしましても非常に様々な支援策を講じてきております。ちょっと今、時系列に、補助金とか含めて様々ございます中で、どれがどうしたということをここで全部つまびらかに御説明することは大変難しいわけでございますが、代表的なものをちょっと御紹介させていただきたいと思います。
まず初めに、新型コロナが、感染が始まったときに、事業者向けに給付金ということでございまして、二〇二〇年には、売上げが減少した事業者に対しまして、最大二百万円を給付する持続化給付金というものを措置いたしました。こちら、四百二十四万の法人、個人事業主の皆様方にお届けをしたところでございます。
それから、その給付金の関係でございますと、持続化給付金は二〇二〇年の十二月まででございましたので、二〇二一年の一月以降は、一時支援金、これは一月から三月までが対象でしたが、それから四月以降は月次支援金という形で措置をしてまいりました。それが終わりまして、二二年の、今年の一月からは、地域、業種を限定せず、事業規模に応じた、最大二百五十万円を給付する事業復活支援金を開始しているところでございます。
それから、時系列的にいえばもう少し前になるわけでございますけれども、中小企業のやはり大事なポイントとして、資金繰りということでございまして、資金繰り支援といたしまして、据置期間を最大五年とする政府系の金融機関及び民間金融機関による実質無利子無担保融資などを措置してきております。
それから、構造転換を進めるという観点から、事業再構築補助金とか、それから生産性革命、ものづくり補助金の関係でも、補助金なども累次措置して、加点などもしながらやってきているところでございます。
なかなかまとまって御説明できないかもしれませんけれども、こうした中小企業、小規模事業者を取り巻く経営環境などを注視しながら、引き続き、新型コロナの影響で苦しむ事業者の皆様をしっかりと支援してまいりたいと思っておりますし、御指摘がありましたように、広報活動でございますとか、それから中小企業の皆さんに寄り添った支援機関、商工会、商工会議所、あるいは組合ですとか金融機関、税理士の皆さん、様々いらっしゃいますけれども、皆さんと連携しながら、できるだけ分かりやすくお届けできるように努めてまいりたいと思っております。
○赤木分科員 ありがとうございます。
時間がない中でこの二年間を振り返れという、かなり難易度の高いことを要求しているんですけれども、今、すごくかいつまんで重要なところを御説明いただき、本当にありがとうございました。判断状況が、まずその現状がどうなっているか判断することすら難しい中で、こういった、世の中の状況を踏まえて適宜支援策を推移してきたことを理解させていただきました。
私も、経済産業省さんのホームページを見るたびに、内容がどんどん変わっていったりとか、ホームページもかなり構成を変えていただいて、見やすくなっていっているというのは、非常に大変な工夫と苦労をされているということは理解しております。
一方で、制度、支援策というのは、まさにつくってからがある意味始まりですので、周知に加えて、どういったことがあったかというところを国民の皆様含めて知りたがっているというのも事実ですね。これは、実際どういう実績があったかというのは、なかなか政府としてもそれを全面的に出す場面というのは余りないと思うので、私自身、正直もったいないなと考えています。
国民の皆様も、こういった実際の支援実績がこれぐらいあるんだというのが分かれば、例えば、そもそも税金の活用に対して納得性が上がる、これは基本的なこととしてはあるんですが、これだけたくさんの支援実績があるのであれば、自分たちも支援されるんじゃないかとか、自分が困窮に陥った場合の安心にもつながると考えています。まさに先ほど私がお話しした、予見可能性が高まることで安心して次の第一歩を踏み出せるというふうに考えております。
そこで、次の質問になるんですけれども、経済産業省として、この新型コロナウイルス感染症関連の支援策について、実績としてどういったことをされてきたか、可能であれば、例えば金額の実績、これも、直接行き渡った金額がどれぐらいで、中間的な事務でどれぐらいかかっているかみたいなところも、もしお伝えいただければ、リアルな実績として非常に有益な情報になりますので、御説明をお願いいたします。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
少し細かくなりますけれども、お話しさせていただきます。
先ほど私から御説明申し上げた幾つか給付金がございますので、時系列に御説明します。
まず、持続化給付金、一番最初にやったやつでございますが、四百二十四万件、先ほど申し上げましたが、これには約五・五兆円お届けしております。
それから、同じような時期に、ちょっと遅れたんですが、家賃支援給付金というのもございました。こちらは約百四万件、約九千億円支出してございます。
それから、一月以降に始まりました一時支援金、約五十五万件、約二千二百二十一億円。
それから、月次支援金、これはまだやっているんですけれども、二月十五日時点で、約二百三十四万件、約三千四十億円お届けをしてございます。
それから、一月三十一日に申請受付を始めました、今やっております事業復活支援金でございますが、こちら、二月の十六日時点で、約二十六・一万件の申請に対しまして、約五・七万件、約三百九十五億円をお届けしている状況でございます。
それから、資金繰りについてもお話を申し上げました。
資金繰り支援でございますけれども、政府系の金融機関それから民間の金融機関による実質無利子無担保融資などを、二月の十三日時点で約二百九十七万件、約五十六兆円決定してございます。
それから、補助金についても一つだけ、事業再構築補助金につきましてでございますけれども、三回採択いたしましたけれども、約二万六千者、約六千六百億円採択してございます。
それから、事務経費についてのお問合せもございましたので、簡単にお話しさせていただきます。
事務経費でございますけれども、持続化給付金でございますけれども、これは事業が二つに分かれておりまして、最初のサービスデザイン推進協議会が実施した分の事務費につきましては、事業がもう終了しておりまして、六百六十九億円を支払っております。
それから、家賃支援給付金、こちらも事業は終了しておりまして、八百六十九億円を支払ってございます。
それから、事業が継続中のものがございますので、これはまだ終わっていないので、事業金額は確定しておりませんけれども、契約時点での金額を御説明いたしますと、持続化給付金、後段の方、二回分けたうちの二回目の方は現在も継続しておりまして、約四百二十八億円でございます。
それから、一時金、月次金につきましては八十五億円、事業復活支援金は五百一億円ということでございます。
それから、事業再構築補助金でございますけれども、事務局経費は四百二十一億円ということになってございます。
○赤木分科員 ありがとうございます。
非常に、恐ろしいぐらいの件数と金額ということを理解させていただきました。
事務経費に関しても、その金額だけ見ると結構高く感じられる方は多いと思うんですが、やはり、そもそもの、全体の金額が大きいので、それぐらい大きくなっているというところも理解させていただきました。
こういった相当な件数と額の実績がある中で、まさに未曽有という言葉では言い表せられないくらい不確実かつ不明瞭な中で、一方で、最大級のスピードを要求されてきたということも理解しております。想定外のこともたくさんあったでしょうし、正しい言葉かどうか分からないんですが、性善説で、見切り発車も必要だったかと考えております。
しかしながら、一方、度々こういった不正利用がニュースに取り上げられて、私自身は、結構いろいろな意味で残念だと考えています。
少し私のスタンスを補足説明させていただきますと、不正利用について取り上げるといったら、何か責任追及がしたいわけでは全然なくて、実際に政策意図をきっちりと実現しやすい環境、国民の皆様とか事業者の方たちが頼りがいがあるセーフティーネットだというところを理解して、安心材料になる情報だと考えて、この質問をさせていただいています。こんなことがあったからこんな対策を取りましたよと聞けば、真面目にやっていればきっと報われる部分があるんだというふうに皆さん感じますので、ちょっとそういった意味でも、答えづらい部分はあるかと思いますが、あくまでも日本をどうやって復活させていくかという未来志向の一環の質問として、次の質問をさせていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症対策に関する不正利用について、どんな不正利用があったと認識されているか、そして、それに対してどのような対策を講じられたかについて御説明をいただけますでしょうか。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
不正の事案ということでございまして、これもつまびらかにいたしますと、いろいろな手口みたいなものがということになりますので、なかなか難しいわけでございますけれども、例えば、持続化給付金で不正が大変に問題になりましたので、持続化給付金につきまして御説明をいたします。
御指摘のとおり、簡素な申請手続でやっておりまして、迅速な給付を実現してきた反面、多くの不正受給も発生をいたしました。
不正が疑われる事案の内容は様々なんですけれども、主な事例を申し上げますと、事業を実際にはやっていないような方々があたかもその事業を営んでいるかのようにして申請をいただくケースでございますとか、あるいは、昨年とか今年の売上げ減少幅で見るものですから、売上げを偽るといったような不正が行われたところでございます。
こうした観点から、持続化給付金以降の、例えば一時支援金あるいは月次支援金などにつきましては、商工会議所などによる申請書類の事前確認というものを行う、ある種身近な方々がいろいろ事前に確認をされるといったような対策を取りました。
それから、申請者が給付要件を満たすということを宣誓、同意するといったようなことを取り入れるといったことでございますとか、様々やっておりまして、今やっております事業復活支援金でもこうした仕組みを入れておりまして、改善点などもございます。やはり、先ほど申し上げました宣誓・同意事項の中で重要事項についてちゃんと強調するですとか、申請画面上で虚偽申請に対する注意喚起をポップアップで表示するですとか、そういったようなシステムでの対応も行っているところでございます。
ただ、こうした不正対策を講じてはおりますけれども、やはり不正受給というのは引き続きございますので、不正な場合には、年三%の割合で算定した延滞金に加えて、元本と延滞金の合計金額の二割に相当する加算金を含めた返納を求めるといったような形も取っておりまして、不正の抑止に努めておるところでございます。
不正受給に対しましては、引き続き、警察とも緊密に連携しながら、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○赤木分科員 ありがとうございます。
答えづらい内容で、先ほどおっしゃられたみたいに、余りにも細かく言うと手口が逆に広まってしまうという中でも、詳細に御説明いただき、ありがとうございました。引き続き、頼りがいがあるセーフティーネットの構築に力を注いでいただくことを信頼しながら、私も頼りにしております。
次に、経済産業省として、新型コロナウイルス感染症対策について多くの情報をいただき、ありがとうございました。
このコロナ対策は、国だけじゃなくて、自治体、あと各種団体に同様に様々なものがあると認識しております。例えば、融資だけでもそうですね、国の対策、東京であれば都の対策、さらに、区の対策、日本政策金融公庫の対策、あとは信用保証協会の対策、かなり重層的に対策を講じられていると認識しています。
これも、先ほどの、制度を利用する側からすると、ありがたい反面、一方で、何がどう起こっているか分からない、選択肢が多過ぎて複雑になり過ぎて困ると。これが、結構深刻な場合は、思考停止に陥って、何か分からないからもういいやみたいなところにもやはり行き着いてしまっているパターンを私も何度か目にして、いや、いろいろあるよという話をさせていただいた経緯があります。
ということで、そこで質問となりますが、新型コロナウイルス感染症に関する支援策について、国以外の、自治体等の取組の把握状況、あとは、国と自治体等との連携状況の御説明をいただけますでしょうか。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
自治体との連携についての御質問でございます。
御指摘のとおり、自治体も独自の様々な支援策を講じているということは承知をしてございます。
前になりますけれども、月次支援金、昨年でございますけれども、緊急事態宣言がずっと出ておりましたけれども、これに伴い影響を受ける事業者への支援といたしまして、私どもでは売上高五〇%減を月次支援金で要件としたわけでございますけれども、自治体の中には、地方創生臨時交付金を活用いたしまして、売上げが五〇%落ちていない事業者の皆さんへの支援でございますとか、あるいは月次支援金の金額を上乗せするですとか、あるいは特定の業種に絞って手厚い支援を行うですとか、そういったような、地域の実情に応じた独自の支援策を講じていただいておりまして、これは政府の方からもいろいろ要請をして、そのような対策が取られてございます。
例えば、東京都などでは、酒類の販売事業者、非常に売上げが落ち込んでおりましたので、こういった方々への月次支援金の上乗せなども行われていたと承知をしております。
それから、今やっております、一月三十一日から申請受付を開始いたしました事業復活支援金につきましても、個々の事業実態を把握できるという強みを生かして、事業復活支援金の受給者に対する上乗せ措置等を検討している地方自治体も出てきているというふうに承知をしております。
それから、復活支援金の申請サポートを自治体が独自に実施されているということも聞いております。
それから、資金繰り支援につきましても、先ほど御説明しましたけれども、自治体の側で、地域の実情に応じて、利子や信用保証料の補助を行っているという例もあると承知しております。
もちろん、新型コロナウイルス対策は広範に及びますので、政府だけでなく地方自治体とも連携して各種の対策を効率的に実施していくことが大事だと思っております。
政府といたしましては、過去の実績を踏まえながら、事業復活支援金など、地域、業種を限定せず全国一律に措置する、こういう政策を政府としては実施するわけでございますけれども、地域の実情に合わせたきめの細かい対応につきましては、これは各自治体さんの方で、御判断で進めていただきたいというふうに期待をしておりまして、私どもとしても、情報提供などを含めて、密接に連携してまいりたいと思っております。
○赤木分科員 ありがとうございます。
かなり私も、そういった資金繰り支援とかに関しては複雑な制度を実際活用させていただいたりとか、私はどちらかというとスタートアップ型の会社を経営していた経緯があるので、結構そこは、私だけじゃなくて、周りのスタートアップの同業者の、経営者というか創業者はなかなか結構苦しい現実があったということをちょっと簡単に紹介させていただきます。
スタートアップというのは、基本的に出資がメインでお金を調達して、いわゆるPL、赤字がずっと掘り下がっていく世界ですね。例えばアマゾンなんかもずっと赤字が続いていましたけれども、そうなると、やはり融資の世界は赤字イコール悪とされていて、そこら辺の、出資と融資の区別みたいな部分で結構はざまに落ちていた部分なんかもあるので、そこに関しても、いろいろと今、出資の支援策も出始めていますので、そういったところを含めて、非常に広範囲にはなると思いますが、いろいろと支援していただければすごく心強いと考えております。
もうそろそろ時間も迫ってきましたので、最後の質問とさせていただきます。
まさに足下で猛威を振るっているオミクロン株による第六波に関して、まずは、亡くなられた方々について御冥福をお祈りするとともに、私の周りにもいますが、治療中、療養中の方に一刻も早い回復をお祈りさせていただきます。
今、高齢者をいかに守っていくかに重点を置いた基本的な対処方法が迫られているとは思いますが、実際に経済に関しても相当深刻な影響があると捉えております。
地元の方々のお話もそうですし、事業者の方々もかなりコロナ疲れと言える状況に陥って、次の第七波、八波が来るんじゃないか、そういったおそれが蔓延しているなと思います。
私自身、やはり、不動産をやっていたということもあって、とにかくよく町を歩くんですね。これは、私がどうこうじゃなくて、先輩の指導ですね、とにかく物件を見に行けと。見に行って、今グーグルのストリートビューなんかで写真は見られるんですけれども、やはり、雰囲気を感じたりとか、音とか、もっと言うと、においとかを感じないと不動産は分からないよと言われるので、その教えを今でも守って、とにかく暇さえあれば町を歩くんですけれども、結論を言うたら、暗いんですね。これは、私がこういった発言すること自体が暗いムードを引き寄せるので絶対駄目だということは分かっているんですが、どうやってこれを、この雰囲気を打ち壊すか、若しくは打ち返すかを考えたいがゆえに、ちょっとこういったお話をさせていただいております。
これを打ち返す、打ち壊すには、明るい未来若しくは希望がやはり必要です。ですので、安心につながって、国民の皆様の活動が再開されるような、言い方はあれですけれども、わくわく、まあ、わくわくという言葉自体がちょっと、今の御時世、駄目かもしれないんですが、希望を持てる情報を少しでもお伝えいただければと考えております。
そこで、最後の質問となりますが、オミクロン株で落ち込んだ、第六波で落ち込んだ消費ムードの回復策、例えばGoToキャンペーンなどの対策はどのような方針で考えられていますでしょうか。もちろん、いろいろな条件がつくのは理解しているんですけれども、そういった、今後のプラス材料として情報をいただければと考えております。
○黄川田副大臣 御質問ありがとうございます。
旅行、イベント参加等への消費喚起を行うGoToキャンペーン等は、安心、安全の確保が必要でありまして、感染状況、その時点で落ち着いていることが実施の大前提になるということが一点ございます。
そして、現在、国内各地において感染が拡大している状況にあるため、その実施や運用については、今後、感染状況を見極めつつ、専門家の意見も踏まえて、関係省庁と連携して、慎重な検討が必要ということであります。
また、GoToキャンペーン等は、御指摘のとおり、これまで長期間自粛を強いられた国民の皆さんの旅行やイベント参加等を後押しをするということと、厳しい環境下にある関係業界の事業継続や雇用維持を図っていく上で効果を発揮する、そういう施策でもありますので、いずれにせよ、感染状況を見極めながら、適時適切に対応できるよう、関係省庁と連携して実施を考えていきたいというふうに思っております。
○赤木分科員 ありがとうございます。
もちろん、感染状況を見極めながらということは理解しておりますので、是非前向きに進めていただければと思います。
それでは、時間も参りましたので、質問を終了させていただきます。お時間いただきましてありがとうございました。
○西村主査 これにて赤木正幸君の質疑は終了いたしました。
次に、早稲田ゆき君。
○早稲田分科員 皆様、こんにちは。立憲民主党、早稲田ゆきでございます。
今日は、経済産業省所管の第七分科会で議論をさせていただけますことを感謝申し上げます。
それでは、本題に入りたいと思います。
ただいま、コロナの、特にオミクロン株の終息、こうしたところが見えない中で、大変地元の事業者の方々は苦しみが続いていらっしゃいます。二年、三年ということになっておりまして、その中でいろいろ政府もやってきてはいただいておりますし、また、一月三十一日からは、事業復活支援金、これの申請が始まりました。
私は、今回は、中小企業、小規模企業、そして観光地の支援ということ、これを中心に伺ってまいりたいと思います。
まず、事業復活支援金でございますが、これにつきましては、私たちは昨年の三月に持続化給付金の再支給法案を出しております。これについては再三お願いをしておりましたが成立せず、そしてまた、今回は事業復活支援金という形で、私どもの内容を入れていただいた復活支援金ができたと思っておりますが、その内容につきましても、実は、オミクロン株拡大がまだ想定されていない十二月時点での予算化でありますので、本年の三月末までの一回限りであります。
しかも、大臣の方では、五か月分を一括給付で、固定費の半分を目安としているということでございますが、地元を歩いておりましても、大変これは金額が少な過ぎるんじゃないか、持続化給付金はよかったし、あれで本当に一息も二息もついたんだけれどもというお声をいただいております。給付額が個人で最大五十万円、売上げ一億円以下の大部分の法人でも百万円ということでありまして、これは事業復活という看板の名折れではないかと思っております。是非再検討していただきたい。
そして、私たちは、この度、昨年の法案を更にバージョンアップをいたしまして、給付上限額を倍増いたします法案を出しました。事業復活支援金・給付額倍増法案でありまして、これは同様の事業を更に四月以降も複数回できるようにするものであります。山岡達丸経産部会長が中心となって地元の声を聞いた、その法案であります。
私は、こうしたことを是非、経産大臣にはまた、今の事業復活支援金からバージョンアップをしていただきたい、考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣 まず、事業復活支援金は、新型コロナの影響により厳しい経営状況が続く事業者の皆様が、三月までの見通しを立てていただけるように、固定費の約半分を目安として、昨年十一月から三月までの五か月分を一括給付するものです。
この支援金は、売上高の減少割合が五〇%以上の事業者に加えて、三〇%以上の事業者も新たに支援対象となり得るものでありまして、足下のオミクロン株の感染拡大の影響により困難な状況に置かれている事業者の皆様も活用できるように、この三月までの売上高を対象としております。
先生からは給付額が低過ぎるという御指摘でございましたが、持続化給付金と比較をしてみても、例えば売上高が五〇%減少の個人事業者に対する月単位の給付額で比較した場合、持続化給付金が八・三万円であるのに対して事業復活支援金は十万円です。事業復活支援金の方が充実した支援措置となっております。
加えて、事業復活支援金のほか、実質無利子無担保融資や、新分野展開を後押しする事業再構築補助金も拡充するなど、事業者のニーズに合わせた、様々な、きめの細かい支援措置を講じているところです。
事業復活支援金については、一月末から申請を開始し、一週間後である七日には入金が始まっておりまして、引き続き、新型コロナの影響による事業者の状況を注視しつつ、まずは事業復活支援金の給付に全力を尽くしてまいりたいと思います。
御党から改正法案等が提出されている動きは承知はしておりますが、まずは足下の事業復活支援金に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
また、四月以降の給付については、現時点では、コロナの感染状況や、これによる事業者への影響を見通すことが困難であるため、予断を持って申し上げることはできませんが、いずれにしても、新型コロナの影響による事業者の状況をしっかり注視し、厳しい状況に置かれている事業者の皆様を支えてまいりたいと思っています。
○早稲田分科員 済みません、大臣、簡潔にお願いいたします。済みません、時間もなくて。
資料の三にございますとおり、給付額倍増法案を出しております。そして、ここ、今大臣からるる御説明がありましたが、月額で見ればということですけれども、それだけの金額では足りないんですね。一括でこれをやっていただくといっても足りません。そして、今回、飲食業以外では初めてのものでございますから大変不十分だということ。それからまた、オミクロン株がオミクロン2というものも言われている中で、本当にこれだけの、一回きりでいいのかということは是非大臣もお考えをいただきたい。私たちの給付額倍増法案についても、更にこれからも強く要望をさせていただきたいと思います。
その中で、いろいろ大臣からおっしゃった重層的支援ということで倒産件数は抑えられていても、一方で、商工リサーチ、二〇二〇年の休廃業、解散については、一番、二番の資料にございますとおり非常に増えております。四万九千六百九十八件、前年比で一四・六%増でありまして、倒産件数と見ても七倍ということになっています。これを見ても、それからまた、その後、過剰債務と回答したところは三二%以上、飲食業、旅行業、それから小売業。飲食には協力金などがありましたけれども、小売業、物販業は大変厳しい状況であります。観光施設も同じです。
そういう中でありますので、私は、無利子無担保のゼロゼロ融資、三年間利子補給をしていただいている、それからまた最長で五年間元本の返済も据置きということでございますが、是非これを延長をしていただきたいという思いでありまして、これについて大臣から御答弁をお願いします。簡潔に、よろしくお願いします。
○萩生田国務大臣 実質無利子融資については、制度上、借入れから三年間を無利子期間としております。
二〇二〇年三月から制度が開始したことを踏まえると、実際に利子負担が発生するのは来年三月以降であり、現時点で事業者に利子負担が発生しているわけではございません。
無利子融資は、当初三年間は実質的な金利負担が発生しないという異例な措置であることから、無利子期間の延長には慎重な判断が必要だと思います。いずれにせよ、コロナ禍において厳しい状況に置かれている事業者の皆様の資金繰り支援にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
先生がおっしゃるように、制度がスタートしたときと今とで状況が変わっているじゃないかというのは、十分検討を続けていきたいと思っています。
○早稲田分科員 検討を続けたいということでございますので。
本当に変わっております、とにかく長期にわたっているということが。特に、小規模事業者の皆様には悲痛な思いで毎日を過ごされていると思います。ほかの支援もあるとはいっても、なかなか、直接的な資金繰り融資というものは一番大切な、重要なものでございますので、是非引き続き御検討を、無利子についても元金据置きについても考えていただくということをよろしくお願いしたいと思います。
次の、がんばろう!商店街、観光地支援について。今日は、国交省の中山大臣にも来ていただきました。少し順番を変えたいと思います、済みません。また経産大臣にもお答えいただきますが、中山大臣、よろしくお願いいたします。
令和二年度の一次補正の一兆一千二百四十八億円と予備費の三千百十九億円から成るGoToトラベル事業です。私の地元でも、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」、これが始まりまして、非常にこのGoToトラベルも期待をされているんです。しかしながら、残念ながら、政府のコロナ対策の後手後手、こうしたことで感染拡大が収まらず、今、執行が停止されていると承知しています。
このGoToキャンペーンの最大の目玉でありますGoToトラベル、これまでにどのくらい使ったのか、そしてまた四月以降はどうなるのか、伺います。
○中山副大臣 GoToトラベル事業給付金については、令和二年度第一次補正予算でも、先ほどおっしゃったように一兆一千二百四十八億円、予備費でも三千百十九億円を計上しており、このうち、既に六千二百九十二億円を執行し、また、取消し料対応費用として八百七十六億円を活用しているため、これらを差し引いた七千二百億円が令和二年度第一次補正予算と予備費の残額となっております。
この予算の令和四年度への繰越しは、年度内に支出負担行為が完了したものの、避けがたい事故のため年度内に支出を終わらなかったもの、いわゆる事故繰越しにより可能であるものと承知しております。
他方、GoToトラベル事業給付金は実際に旅行した旅行者に対して給付するものであり、仮に本事業が再開できなければ、国として給付決定が行えないため支出負担行為が完了せず、いわゆる事故繰越しの要件を満たさないため、残額である七千二百億円は令和四年度への繰越しは困難であるものと認識しています。
なお、今後のGoTo事業でありますが、令和二年度第三次補正予算で計上されたGoToトラベル給付金予算九千三百七十四億円については、県民割支援等を実施するため地域観光事業支援に流用しており、既に交付決定したもの及び今年度中に交付決定するものについては事故繰越しの要件の一つである支出負担行為を満たすことができるものと承知しており、令和三年度補正予算で計上したGoToトラベル予算二千六百八十五億円と合わせて、当分の間、需要喚起策に活用させていただきたいと考えております。
○早稲田分科員 自治体がやっているもの、これの九千億のお話をされたんだと思いますけれども、びっくりいたしました。四年度、一円もこの事業は予算化されていないわけですけれども、七千億円が次年度に繰り越されないということなんですね。地元鎌倉でもこれを知ったら本当にびっくりするし、全国の観光地も、これをいつコロナの終息とともにできるんだということで期待をされているだけに、本当に苦しいと思います。
この残額をそっくり国庫に返すということですよね。副大臣、これ、まずいんじゃないんでしょうか。中山大臣の、私も同じ神奈川でありますけれども、観光県として知事も力を入れていらっしゃるこのGoToトラベル等の事業ができないということになれば、さっき残額をおっしゃいましたけれども、それだけでは到底できないし、三月中に七千億円使い切れないですよね。そういう意味においても、積み残しを全部返さなければならないということは大変問題だと思います。
立憲民主党としては、議員立法で、小宮山泰子国交部会長を先頭に、この資料にもございます、四番でございます観光事業継続支援金支給法案を二月十四日に提出をいたしました。内容を見ていただくと分かるとおり、減少額の百分の十相当額を基本としておりまして、GoToトラベル事業の一兆三千億円相当であります。GoToトラベルで七千億円も財務省に返すなら、副大臣、是非これを全国の観光地に、苦しんでいるところに、経済を回すために必要ではないでしょうか。もう一度そこを御答弁いただきたい。お願いします。
○中山副大臣 年明けからのオミクロン株の急激な感染拡大等により、観光関連事業者は大変厳しい状況にありますが、この先も、地域活性化の重要な担い手であり、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化、深刻化している中で、観光関連事業者の皆様をしっかりと支援していく必要があると考えております。
このため、政府として、昨年十一月に公表した新たな経済対策において、雇用調整助成金の特例措置や実質無利子無担保融資の延長を盛り込んだほか、事業者への直接的な支援として事業復活支援金を支給することになっております。
また、新たな経済対策や令和四年度当初予算案において、地域一体となった宿や観光地の再生、高付加価値化、デジタル技術を活用した宿泊施設による顧客管理の高度化、そして地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出などの支援を盛り込んでおり、観光産業を多面的に支援していくこととしております。
また、直接給付を実施すべきとの御指摘については、観光関連事業者に特化した直接給付については、事業復活支援金等の業種横断的な支援制度や、休業要請を前提とした飲食事業者への協力金との関係をどう整理するか、また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている産業は幅広い中で、観光に関わる産業についても、影響を受けている業種は宿泊や旅行業等に限定されず、業種を限定した支援では不公平が生じることが懸念される、このような課題があると認識しております。
国交省としましては、直接給付に比べ需要喚起策の方が、宿泊事業者や小売店、そしてそれらを支える農業、漁業の一次産業を含む、地域経済を支える産業全体にその効果が広範に行き渡る点において効果的であると考えております。
○早稲田分科員 需要喚起策が今できないから、そして七千億円を返納しなければならないから、これをどうぞやってくださいとお願いをしているんです。それは大臣はよくお分かりじゃないですか。
それから、神奈川県内の南足柄でも、アサヒビールの工場が閉鎖となります。こういう大きなところもそうですから、事業復活支援金では到底どうにもならない話なんです。
だから、重層的とおっしゃるんだったらこういう観光事業に、一番大打撃を受けている、まあ、飲食業の方には少し協力金がございますが、それがない方たちに是非届けていただきたいという思いでありますので、是非引き続きお考えをいただきたい。強く要望させていただきます。
続きまして、配付資料の最後のページであります。
調べましたところ、ほかにも、令和二年度補正で積んだ経済対策予算、かなりの事業、金額が、三月までに使い切れなければ財政法四十二条の事故繰越しの要件を満たさず、国庫に返納となっております。経産省所管のGoToイベントも九百十七億円あるわけでございまして、これは深刻な事態だと、大臣、受け止めていただきたい。これについて、今日は時間がないので、後ほどまた政府に問うてまいりますが。
その中で、一つ、商店街の活性化を支援する、がんばろう!商店街、これは来年度に繰り越せる手順を踏んでいただいたと聞いております。これについては、まだ募集要項も公開されておりませんので、非常に情報が少ないんですね。いきなり三月に開始されても、年度内、大変対応が困難になりますので、地元を回って聞いているお声を二つ、御質問したいと思います。
まずは、申請主体です。法人格のない任意団体、それから振興組合、協同組合といった団体でも申請ができるかということを大臣からお答えいただきたい。
それからもう一つは、観光客の激減で体力が非常に落ちています。その中で、商店街の会費も払えないという方たちが何割もいらっしゃる。その中で、イベントをするにしても自腹で先払いできないんだ、国から補助はいただいても、後払いということだとやりにくいと。是非ここも酌み取っていただきまして、GoTo商店街の初期は概算払いができなかったと思いますけれども、これについては、大臣、是非前向きにお答えいただきたいと思います。
二点、お願いします。
○萩生田国務大臣 まず、がんばろう!商店街事業では、商店会やテナント会といった法人格を持たない組織についても、まちづくりや商業活性化の担い手としての活動実績を有しているなど、一定の要件を満たす場合は応募対象としております。
ただし、既存の商店街があって、そこに入りたくないという人たちが別のグループを組んで、そして対抗的にやるというのはちょっと趣旨が違いますので、そこは地元とも慎重に対応していただきたいと思います。
また、GoTo商店街事業では一申請当たり三百万円を補助金の上限にしていましたが、今度の事業では、感染リスクを今まで以上に低減する取組を後押しするため、例えばワクチン・検査パッケージなどの導入に必要な費用を支援対象に追加した上で、四百万円に拡充しました。
さらに、事業費の支払いは、原則、事業終了後の精算払いでありますが、本事業では、事業者の利便性を考慮して、最大で事業費の七割を先にお支払いする概算払いを認めております。
○早稲田分科員 ありがとうございます。上限額の拡充をしていただきました。また、一定の要件はあるけれどもこういう任意団体、振興組合などにもお支払いをするということでありますし、更に言えば、概算払い、これも大変ありがたいお話だと思います。
そして、これについて、どちらもなかなか周知がされておりません。私も地元に帰りましたらこれを皆さんにお知らせいたしますが、是非、経産省としても一層の周知徹底をお願いしたいと思います。商工会議所等々を含めやっていただけますよう、強くお願いをしたいと思います。
それでは、中山副大臣、ありがとうございました。
○西村主査 中山副大臣、退席して結構です。
○早稲田分科員 少し時間がございますので、前の質問に戻りたいと思います。
事業復活支援金等々ですけれども、非常にこの不備ループということの問題も出ておりまして、昨日も分科会で質疑があったところで、大臣もお答えになっていらっしゃいます。
私は、中小企業がとにかくこの時期、大変苦しい思いを二年間している間に、経済産業省では大変あってはならない不祥事が続いております。そして、二人のキャリアの官僚が、制度をつくっている方たちが家賃支援金などの詐欺事件を起こしているということもありますし、更に言えば、今起こっているのが、岸田政権の目玉政策である経済安保推進法案、これを仕切る経済安保法制準備室室長の藤井審議官が突然の更迭ということでありまして、派遣元である経産省に戻っておられると思います。
これについて、この辞令、それから任命権者、これはどなたであるのか、大臣に伺います。
○萩生田国務大臣 藤井元審議官について、処分につながる可能性のある行為を把握し、事実関係の確認、調査を行っており、このような事態が起きたことは極めて遺憾だと思っております。同氏に経済安全保障法制準備室長の職務を続けさせることは困難と判断したとの説明が国家安全保障局よりあったところであります。
事案の性質上お答えは差し控えたいと思いますが、国家安全保障局からも必要な情報を提供されており、経済産業省としても、大臣官房付とした上で、国家安全保障局の確認、調査に協力をしているところでございます。
現在は私の下で官房付でございますから私が任命権者になりますが、内閣官房にいたときには、当然、内閣官房の組織の下で仕事をしていました。
○早稲田分科員 辞令を出されたのは大臣ということでよろしいですか。
○萩生田国務大臣 国家安全保障局からの異動については、内閣総理大臣名で交付されています。また、経済産業省における大臣官房付の辞令については、任命権者である私の名前で交付しております。
○早稲田分科員 任命権者であられるわけですから、当然、内閣の方と協力をして今調査をされていると思いますが、とにかく責任者であることに変わりはありません、萩生田大臣が。そして、この方のいろいろ報道等も見ておりますと、防衛省、装備庁にも出向、それから通商政策課長、大変要職を歴任をされておりまして、さぞかしお忙しい身であったろうと思います。
そして、経済産業省で働いていらっしゃるわけですから、当然ながら遡ってそうした中でのことも調べていただいているとは思いますが、非常に、報道等によれば、ポストと深いリンクをした企業と親しい関係にあったとか、それからまた、業務に影響がなかったのか、あるいは、倫理法に基づいて贈与等の報告書にきちんと記載がされているのかどうか、こうしたことも当然大臣の方でもお調べをいただいていると思いますが、こうしたことについて調査をされているかどうか、お聞かせください。
○萩生田国務大臣 まずは、審議官を務めた内閣官房時代のことについて、今、経済安全保障法制準備室の方で、国家安全保障局の方で調査をしています。そして、遡って、その前は当然経済産業省で役職を務めていましたし、一時期は防衛省に出向していた時代もありますので、その期間の全ての調査を今しているところです。
○早稲田分科員 審議官のときは確かに国家安全保障局でありますが、その前から、報道がされているとおり、不識塾という、年間の塾代が五百五十万円もする、普通の人ではなかなか行かれない、大企業の方ばかりが行っているんでしょうか、分かりませんが、そういうところにずっと講師として、毎週のように、しかも終日、朝から晩まで、講師をしていらしたのか、参加か、分かりませんが、とにかくそういう大企業とおつき合いをしている、しかもポストと非常に深いつながりのあるようなところですね。
そういうことでありますから、ここは経済産業大臣がしっかりとリーダーシップを取っていただきまして、そして、国民に説明のできる、そうした調査を萩生田大臣が責任を持ってやっていただけるとお約束していただけますでしょうか。お願いします。
○萩生田国務大臣 現在は経済産業省の職員でございますので、私が責任を持って最終的な調査のまとめはしたいと思います。
○早稲田分科員 国民に説明のできる調査をしていただきたいと、強く要望をさせていただきます。
その上で、不備ループについてであります。
こうした、お二人の詐欺の事件もありました。その中で、実はいろいろなことが、不備になった場合のですね、そのときに書類が大変増えるというようなこともあるのではないかと私は地元から聞いているんですね、そういう感想を市民の方たちはお持ちなわけです。経産省さんが自分たちでつくっておいて、そこで詐欺をして、また私たちに過重な資料提供を要請するのかというような不満も聞かれます。
そして、昨日の答弁でもありましたけれども、大臣は、事務局から直接電話をかける、そして積極的なサポートを行う、追加書類の審査体制を拡充するともお答えされておりますが、是非、実効性のある、そして、こんなに、何センチにもなるような資料を提出させるというのを素人に対して、なかなかこれはできないです。商工会議所の皆さんもおっしゃっていました、心が折れると。もういいや、じゃ、これは申請するのをやめようと言って諦めてしまう、そんなことがないように。
そしてまた、これを仕切っているデロイトトーマツグループでありますけれども、こんなことで書類申請が大変だからといって、追加書類の審査体制の契約をもっと拡充して、人を増やしますなどということは絶対にないようにしていただきたい。八五%という再委託率でもありますし、デロイトの様々なニュースは入っておりますけれども、こうしたことでどんどんどんどん委託の人にはお金を出すけれども、国民には、本当に届くべき方たちに届かないということがないように、強く要望をさせていただきたいと思います。
最後の質問になります。地域住民から裁判まで起こされながら強引に進めている横須賀石炭火力発電計画と、アンモニア混焼の技術開発についてであります。
世界が脱石炭に進む中、昨年のCOP26でも、岸田総理は、一・五度目標や脱石炭・化石に言及をせず、アジア諸国への支援として火力発電の水素・アンモニア混焼を強調して化石賞を受賞するなど、国際的な批判にさらされています。大臣、大変日本の若者たちもがっかりしています。
カーボンニュートラルを実現するには、石炭の代わりに燃やすアンモニアを本来ならばグリーンアンモニアにする必要がありますけれども、今回、二月十四日に、英国のシンクタンク、トランジションゼロが発表した報告書によりますと、日本の石炭火力発電政策に対する評価です、これについては、石炭の十五倍の製造コストがかかる上に、日本の混焼二〇%だけでも二千万トン必要だと。そうすると、これは全世界の輸出入量に匹敵する、そういう大きな二千万トンでありますから、本当に現実的ではないわけですね。
そこで、大臣に伺います。
これは本当は、アンモニア製造時のCO2の排出量には目をつぶる、そういうようなことを経産省は説明を私にはしておりましたけれども、目をつぶるという表現はしていません、直接的には。でも、意味合いではそういうことです。国費を七百億円も投じて構築したサプライチェーンが、結局海外からの輸入に頼るなら、製造国で大量のCO2を出すことになります。大臣はこれについて、日本でさえ排出しなければよいと考えておられるのか、イエスかノーでお答えいただきたい。
それからもう一つ、昨年ゼロカーボンシティーを宣言した私の近くの横須賀市、この横須賀市の温暖化対策実行計画は、まさにこの石炭火力発電所のCO2排出分を含めていないことを大臣は御存じでしょうか。
この二点、恐れ入ります、まとめてお答えください。
○萩生田国務大臣 アンモニアは、化石燃料を使用しない脱炭素型火力への転換の鍵を握っています。アンモニア混焼による将来的な需要拡大に対応するためには、安価なアンモニアを安定的に確保していくことは極めて重要です。
その上で、まず、再エネ由来のアンモニアについて国内で振興していくことは、エネルギー安全保障の観点からも当然です。一方で、太陽光、風力などの再エネ資源に恵まれない我が国では、再エネ由来のアンモニアだけで国内エネルギー需要を満たすことは困難です。
したがって、当面は化石燃料由来の輸入アンモニアが中心とならざるを得ないが、将来的には再エネ由来のアンモニアもコスト低下とともに利用拡大していきたいと思っています。
そのために、技術開発など多面的な政策支援を行い、将来的には、製造段階でCO2の排出をできる限り抑制した、よりクリーンな燃料アンモニアの確保に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
御指摘の横須賀の発電所で、アンモニアの種類については私は承知をしておりません。(早稲田分科員「アンモニアの種類じゃないです、CO2排出分」と呼ぶ)
横須賀の火力発電所を運営する株式会社JERAは二〇五〇年時点のCO2ゼロエミッションを目指す方針を示したロードマップを公表しておりまして、このロードマップにおいて、二〇三〇年までに石炭火力へのアンモニア混焼実証を進め、本格運用を開始するとともに、超臨界以下の石炭火力を全て停止し、二〇五〇年において国内外においてCO2ゼロエミッションを目指すこととしております。
○早稲田分科員 残念です、お答えいただいておりません。
これが稼働すれば、市全体の三・八倍ものCO2排出となります。ごみ分別などで市民が苦労をしているものが全て水泡に帰すということになります。是非、大臣にはこの後トランジションゼロのレポートをお渡ししたいと思いますので、お読みをいただきまして、私は、やはり安定的な自然エネルギーにもっと国費を集中投入すべきだということを申し上げまして、この質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○西村主査 これにて早稲田ゆき君の質疑は終了いたしました。
次に、山下貴司君。
○山下分科員 自由民主党の山下貴司でございます。
私は予算委分科会の最後の質問者でございます。萩生田大臣ほか、皆様におかれましては本当にお疲れさまでございました。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、まず、企業の内部留保の状況、これをもっと国内投資に向けられないかという問題意識から御質問申し上げます。
配付させていただいた資料の一と二を見ていただければということなんですが、企業の内部留保は、二〇二〇年度には四百八十四兆円に達しました。すごい右肩上がりでございます。内部留保自体は、利益剰余金ということで、赤字にならない限り増えるというのは理解はしているんですけれども、増加している資産というのが、実は中身を見ると、海外投資あるいは現預金残高なんですね。
海外投資は、日本は、対外直接投資は実は世界で三位なんです。そういったところで、海外投資ばかり。特に、現預金資産は、一九九六年からの二十五年間で、当時の百三十兆円から今は二百五十九兆円にまでなっている。この二つの年度、実は、GDP、一緒なんです、ほぼ。五百三十五兆円と五百三十八兆円なんです。GDPは変わらないにもかかわらず、現預金が倍増しているということでございます。
ちなみに、先ほど、日本の、我が国の対外直接投資、日本からの対外直接投資は世界第三位というぐらい有数なんですけれども、日本に対する対内直接投資はGDP比で約四・四%で、これは、経済産業省の附属機関であるRIETIの方が去年書かれた文書によると、二百一か国中二百一位だそうです。一つ上の二百位は北朝鮮だそうです。日本は北朝鮮よりも対内直接投資がない。つまり、国内投資ができない国になっている。だから伸びないのではないかというふうな問題意識を持っております。こういったことは、企業がお金を持っているにもかかわらず、日本では国内投資が行われない、そういったことで成長しないのではないかということであります。
そういった問題意識の中で、私は、萩生田大臣のリーダーシップで、是非、萩生田改革をやっていただいて、日本の経済を活性化していただきたいんですね。アベノミクスの三本の矢は、規制改革が三本目の矢でありました。それを是非、萩生田大臣の下で完成させていただきたいということで、幾つかの論点について御質問申し上げます。
まず、全体像として、こういった内部留保、特に現預金を国内設備投資等に振り向ける方策として、経済産業省としてはどういうふうな施策を取っているのか教えてください。
○龍崎政府参考人 お答え申し上げます。
日本企業の国内での投資、それから、先生おっしゃったように、海外からの直接投資を含めて、促進するために、現在御審議いただいています当初予算においても、先進的な省エネルギー投資、それから産業全体のデジタル化を加速するための投資を呼び込むための予算を盛り込ませていただいております。
それから、税制改革においても、民間企業の賃上げを促進する賃上げ促進税制の抜本強化、それからオープンイノベーション促進税制、5G導入促進税制の延長などを御審議いただいております。
また、今後につきましては、デジタル化、それから気候変動問題への対応、経済安全保障といった社会課題に対しまして、民間企業の投資を更に引き出すための大規模、長期、計画的な政府の支援、これを実現していくための方策を、経済産業政策の新機軸として検討しております。
具体的には、5Gインフラなどの整備の全体像を示したデジタル日本改造ロードマップを策定し、民間のデジタル投資を促すこと、それから、二兆円のグリーンイノベーション基金などを活用して、気候変動分野における民間企業の野心的な研究開発投資を促進する、それから、今年をスタートアップ創出元年とする総理からの御指示も踏まえながら、スタートアップへの投資を強力に後押しをする、それから、不確実性の高い量子分野への民間投資を引き出すために、技術開発、人材育成、標準策定までの一体的な機能を産総研に集約すること、それから、対内直投の一層の拡大、こうしたことを検討しておりました。
これらの政策を総動員しながら、企業の投資を積極的に引き出して、日本経済の成長につなげてまいりたいと考えてございます。
○山下分科員 今おっしゃった、メニューは豊富なんですよ。でも、結果を出さないと全く意味がなくて、また、企業の方もやはりシビアに見ていて、それだけのメニューをそろえながら、使われなくて、結局また現預金が積もっていく。海外に対する投資はやるんだけれども国内投資はなされないというのは数字できちっと出ますから、そこはやはりきちっと検証していただきたいし、効果的な政策を取っていただきたいと思います。
私は、今日は、企業による投資として進めるべき柱の一つというのが、これが地方による投資ではないかと思っております。私が法務大臣当時、所有者不明土地問題、これに切り込ませていただいたのは、しこっている土地を流動化して、いろいろな産業に役立てていただきたいという思いもあったからなんです。そういったところで、やはり厳しい土地規制が企業投資の妨げになっている、そういった例が散見されます。
例えば、私は岡山ですけれども、岡山のような都市でも、企業団地の周囲に農地があります。元々農地だったところに企業団地を誘致したんですね。そして、企業が発展した。その企業が発展したから、農地の周辺部を買って、そして更に拡張したい。農地の所有者は売りたいんです。もう合意ができている。ところが、厳しい農地規制が邪魔になって、結局それができない。結局、企業が成長し、企業用地を拡張して、農地所有者が売りたいにもかかわらず、農地転用ができないということで、更なる企業誘致ができないということばかりか、拡張を断念して、拡張できるよその土地に行ってしまう、そういうことがあるんですね。
これは、企業のみならず、農村地帯を有する地域にとっても私は大損失だと思います。そうした場合に調整する法律として、安倍政権下におきまして、地域未来投資促進法あるいは農村産業法、そういった法律ができたはずなんですね。これには農地や市街化調整土地の利用調整規定があります。これで、農村地帯であるとか、あるいは地方における設備投資、これが進むのではないかというふうに期待しておったところなんですが、その実績というのが資料三と資料四であります。
資料三を見ていただくと、これは地域未来法に基づく土地利用調整の完了案件で、合計で日本全国で僅か百五十二ヘクタールなんですね。農村産業法による企業立地の推移ということで、これは法改正、これは農村地帯に対する、工業のみならず産業も含めたということで、画期的な改正だったということだったんですが、結局、法改正の前後を見ると、令和二年の数字ではあるんですけれども、僅か百三十一ヘクタールなんですよ。この数年、耕作放棄地自体はもう数万ヘクタールのオーダーでどんどん増えているわけですね。
私は、もちろん農地は大事だと思います。ただ、農村地帯に一定の企業がないと、産業がないと、その農村地帯に、例えばお父さん、お母さんは農地、田んぼをやっているけれども子供はそうとは限らない、働く場所があればいられるのにということなのに、いられないからどんどん外に出ていってしまう、農地を守って農村を滅ぼしているんじゃないか、そういう部分もあります。
そういったことから考えると、ちょっとこの地域未来法であるとか農村産業法による企業立地、少な過ぎるんじゃないかと思うんですが、これについて経産省そして農林水産省のお考え、政務の方から、副大臣から伺いたいと思います。
○岩田大臣政務官 お答えをいたします。
まずもって山下委員の、特に地方での投資を促進をして地方経済を活性化すべきという課題意識には、大いに賛同をするところであります。地方経済の活性化にとって、限りある土地を有効に活用し、企業の積極的な投資を促していくということは極めて重要なことでございます。
その中で、地域未来投資促進法においては、地域の特性を生かした事業の実施に必要な用地の確保を支援するべく、農地等を企業が利活用する際の調整規定を措置いたしまして、農林水産省や自治体等とも連携をしながら、これまでに約三十件の、先ほど面積の御指摘もありましたが、約三十件の農地転用等を促進をしてきたところであります。
例えば、山下委員の関係の岡山県におきますと、総社市での中国横断自動車道のインターチェンジ近くの農地を転用いたしまして、生産機械の製造、研究開発拠点を整備をしたという事例がございます。
今後とも、優良農地の確保等にも十分配慮をしつつ、更なる農地の活用等も促しながら、関係省庁等とともに地域経済の活性化に向けた企業の投資を促してまいりたいと考えております。
○中村副大臣 山下議員から、地域活性化のために、農村産業法の積極的活用について御質問をいただきました。
農村産業法は、優良農地を確保しつつも、農村地域への産業の導入による就業機会を増大をして、農業構造の改善を促進するものであります。産業の導入に当たっては、地域農業の発展を阻害することのないよう、優良農地と導入産業の施設用地との土地利用調整がバランスよく適切に行われる仕組みとなっているところです。
農村産業法を活用した全国の優良事例集の周知や、各地方農政局に設置している相談窓口を通じた支援などにより、農村産業法の活用を促進し、活力ある農村の実現に向け、農業の振興と農村地域の活性化の両立を図ってまいる所存であります。
さらに、個別の事案、岡山県における事案等については、他の法律も含めてまた御相談をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
○山下分科員 ありがとうございます。政務官、副大臣の本当に積極的な御説明でありました。
でも、やはり百数十ヘクタールというのは、余りにもちょっと少な過ぎるんじゃないかと思います。ですから、これについては、是非経産省も関係省庁と相談しながら、例えばインターチェンジの周り、あるいは幹線道路の横ですね、こういったものについては、しっかりと考えてもどうかというような部分も含めて、是非、国から基準を示す、好事例を示す、ベストプラクティスを見せる、これが大事なんだろうと思います。
というのは、自治体の首長に判断が委ねられているんです。ただ、自治体の首長は、実際は、ここを外そうとしても、じゃ、なぜほかは外さないんだということで、一つ外すとほかも外せと言われるから、結局両すくみになって、すくんだ状態になって、外せないということがあります。
だとすれば、国の方から、こういったことについては積極的に転用について考えてはどうだという基準というかガイドライン、あるいは好事例、そういうのをお示しいただきたいと思っておりますし、また、二〇二五年だと思われますけれども、土地利用について、十年に一度の国土利用計画、これが改定されると考えております。国土形成計画、国土利用計画、両方ですよね。ここにおいて、やはりこういったこともしっかりと考えていただきたい。
それの前段階として、せっかくアベノミクスの一環としてしっかり作ったこの法律についても、農村地帯に産業を導入して、あるいは地方にも産業が行き渡るように、しっかりと御活用いただきたいというふうに思っております。
本当は大臣のお考えも聞きたいんですけれども、通告していないので、是非それはお願いしておきたいというふうに思っております。
次にお願いしたいのが、一つはライブエンタメの問題であります。
副大臣、結構でございます、農水に関しましては。ありがとうございます。
○西村主査 副大臣、退席して結構です。
○山下分科員 中村副大臣、ありがとうございました。
ライブエンタメ業界に関しては、資料五を御覧のとおり、順調にアベノミクスの中で伸びておりました。六千三百億円、市場規模。海外からの伸びを考えれば、もっともっと伸びるはずだった。それが、コロナの中で相当、八割も減少しているという状況になりました。
これに対して、資料五のとおり、経産省あるいは文化庁、本当に全力で支援いただきまして、大体ざっくり約五千億円の支援、これは内閣府の取りまとめでありますけれども、支援をしていただいたということがあります。これに加えて、雇用調整助成金など、こういったものも含めると、相当な、諸外国を見ても本当に胸を張れる、しっかりとした文化に対する支援が我が国で行われているということになっております。これについては本当に感謝申し上げます。
特に、イベントについても、蔓延防止等重点措置の中においても、例えば、感染防止安全計画を策定して自治体の確認を受けた場合には、イベント収容者は上限二万人まで認められているということであります。
これは、今までイベントがクラスターじゃないかと言われていたところではあるんですが、しっかりとした計画に基づけばこういったイベントをやってもクラスターが生じないというふうなことで、エビデンスに基づいて、こうしたきちっとした形を取ってくださったということで、業界からも非常に感謝されているところであります。
ただ、一つここで御指摘したいのが、ライブエンタメ業界もそうなんですけれども、入国制限の在り方でございます。
先ほど、イベント制限については、エビデンスや検証に基づいて合理的な規制緩和をしていったということがございます。ただ、今の入国制限につきまして、水際対策ということで、外国人の入国が非常に規制されている。まだ正式になっていないからあれですが、現状を言うと三千五百人ということになっているということであります。
ちょっと外務省にお伺いしたいんですけれども、やはり、グローバル社会において、この外国からの入国規制というのは経済にもすごく大きなダメージだと思います。ほかのG7、日本以外のG7諸国において、日本のような厳しい入国規制を取っているところ、そういったところはあるんでしょうか。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
オミクロン株への対応に当たりましては、委員御指摘のとおり、現時点において、ほかのG7諸国では、外国人の新規入国停止対象国を設けている国、こういった国はございません。このように、我が国はG7で最も厳しい水際対策を講じているところでございます。
○山下分科員 ほかの国も、やはりオミクロン株の蔓延はかなりあります。ドイツあるいはフランスでも十万人規模であるとか、イギリスでもそうですよね。ほかの国はなぜそういった規制を、日本と比べて、しいていないのかという点について、分かる範囲で、外務省、お願いします。
○股野政府参考人 お答え申し上げます。
各国の措置につきまして、つぶさにどのような基準でというところについてお答えすることは困難でございますが、例えば、経済の活性化の観点はもちろんでございますし、あるいはワクチン接種をしたかどうかといった基準を設けておる、そういうことを総合的に判断して、各国はそのような措置を取っているものと理解しております。
○山下分科員 確かに、オミクロン株、非常に手ごおうございます。ただ、一方で、この水際対策というのは、国内における蔓延について、時間を稼いで、そのための体制を整えるためだという部分もありました。そして、今や国内において、今下がっているとはいえ、相当蔓延しているような状態のときに、鎖国のような水際規制を取り続ける合理性が、経済を犠牲にしてもあるのかというのは、ほかのG7の取組も参考にしながら、合理的に私は緩和すべきではないかと思っております。
そして、ほかの国が、要するにワクチンの接種履歴も参考にしながらというふうなお話もありました。水際対策を取る理由は、国内蔓延防止もさることながら、入った人がコロナにかかって、それが重症化して、医療資源が大変なことになったら困るという部分もあるんですが、ワクチンを二回打っているのであれば重症化も非常にリスクが少ないというふうな知見も得られております。
オミクロン株についても知見が重なった今、経済活性化の意味においても、やはりこの厳し過ぎる水際規制、私も法務大臣当時、入国管理をやっておりましたけれども、それから見ても厳し過ぎると思うんですね。これについて、今後、是非合理的に緩和していただきたいと思うのですが、これについて政府の見解を伺います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの今後の水際対策でございますが、委員御指摘のとおり状況が変化しておるという中で、変異種を含めたオミクロン株に対する科学的な知見の蓄積、内外の感染状況の変化、海外の水際対策のありようなどを総合的に勘案し、新型コロナウイルス感染症対策全体の流れの中で、緩和に向けた検討を現在進めておるところでございます。
○山下分科員 これは、木原官房副長官がテレビで五千人にまで上げるというようなこともおっしゃっていましたけれども、やはりそれよりも、諸外国は規制がないわけですから、合理的にG7の中できちっとやっていただきたいというふうに思いますので、今後、是非合理的な検証をお願いしたいと思います。
次に、eスポーツについて伺います。
eスポーツというのは、非常に今、各国で物すごい勢いではやっております。そのマーケットが非常に拡張していて、eスポーツ大会、これは観客を含めて非常な産業になっています。eスポーツプレーヤーについても、例えばアジア大会の正式種目の中に入るんじゃないかというふうにも言われている。日本としては、このeスポーツについて、実は遅れている。それはなぜかというと、eスポーツ大会の開催に関する法的整理がなかなかできていなかったという部分がございました。
そこで、eスポーツ大会ということについて、今日はちょっと、消費者庁と警察庁、来ていただいております。法的整理について、幾つかの法律について伺いたいと思っております。経産省が作成した資料に基づいて聞かせていただきます。
まずは、eスポーツ大会について。
eスポーツ大会の賞金について、不当景品類及び不当表示防止法に基づいて、賞金最高額が十万円に限られるんじゃないか、大会の高額賞金が景品表示法の規制を受けるんじゃないかというふうな懸念がありますが、これについて消費者庁はどのように考えているんでしょうか。
○片桐政府参考人 お答えいたします。
一般に、現在広く行われているeスポーツ大会では、多数の観客、視聴者が各ゲームの参加者の競技を見て楽しんでいるという実態があるというふうに承知をしております。
例えば、このような興行性のある大会における上位者に対する賞金は、仕事の報酬と見ることのできるものであるということから、景品表示法の景品類に該当しないものというふうに考えられるところでございます。
○山下分科員 景品表示法上は問題ない取扱いができるということであります。
そして、次に警察庁に伺いますが、風俗営業等の適正化等に関する法律において、eスポーツ大会が風適法上のゲームセンター等に該当する可能性があるんじゃないかという懸念がありますが、この大会、eスポーツ大会、これが風適法の規制を受ける、遊技をさせる営業に該当するのかというような疑問があるわけですが、これについていかがでしょう。
○住友政府参考人 お答え申し上げます。
eスポーツ大会についてでございますけれども、この大会の主催者が、例えばですが、大会参加者から徴収する参加料の合計額、これが大会設営費用を上回らないようにするなどの条件を満たす場合におきましては、これは風営適正化法上のゲームセンター等営業には該当しないという整理が可能であると考えております。
また、そのような理解の下、令和二年九月には、日本eスポーツ連合、JeSUがガイドラインを策定しておりまして、このガイドラインに則して開催されるeスポーツ大会、これについては風俗適正化法におけるゲームセンター等営業には該当しないという整理が可能であると考えております。
○山下分科員 あとは、eスポーツ大会で競技の参加者から徴収した参加料の一部を賞金とした場合に、賭博罪の定義に該当するんじゃないかと言われています。
私は法律家でもありますし、私から考えて、競技参加者からの参加料の一部を賞金提供しない大会については、参加料徴収と賞金提供の関係が切り離されているのであれば賭博に当たらないというふうに考えておりますが、これについてJeSUとして整理したということがあるというふうに聞いておるんですが、それについて所管の経産省から伺いたいと思います。
○門松政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおりでございまして、賭博罪の成否に関しては、一般社団法人日本eスポーツ連合と関係省庁によって、賞金が参加者や主催者以外の第三者から提供されること、また、選手の参加料が大会運営費用にのみ充当され賞金に充当されていないこと等を満たす場合には、法的に問題のない形で大会を運営することが可能との整理がなされているものと承知をしております。
○山下分科員 これは、経産省が作成した資料に基づいて言っているんですが、経産省としても同じ認識だということでよろしいでしょうか。
○門松政府参考人 お答えいたします。
そのとおりでございまして、経産省としては、日本におけるeスポーツの多方面への発展に向けて、eスポーツ大会を健全に開催できるよう、引き続き環境整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山下分科員 このように、eスポーツ大会の開催については、景品表示法や風適法、賭博罪についても反しないような形で開催できるのだということでございます。
大会が許されるのであれば、eスポーツの練習施設、これはもう世界中で認められておりますけれども、こういったeスポーツの裾野拡大やトップアスリートの育成においては、こうした施設の開設、運営について、風適法上の課題を整理する必要があります。
現在、JeSUが、eスポーツ練習場を開設するための認定ジム制度や関連する諸制度を整備中で、例えば指導者の常駐とか指導体制の整備であるとか地域の健全性の確保といった諸条件を満たしたものを、風適法上のゲームセンター等の営業規制の対象としないものとして扱われるということで、eスポーツ練習施設を開設、運営することが可能となるようなガイドラインを整備しているということでありますが、これについて警察庁は協力していただいているんでしょうか。
○住友政府参考人 お答え申し上げます。
今、先生お話しになりましたとおり、今、我々の方としても、このJeSUが、一般社団法人日本eスポーツ連合ですが、こちらがそのようなガイドラインの策定に向けて今作業を進めているというふうに承知しておりますし、我々もこれについて対応しているところでございます。
今、JeSUにおいては、この運用面の課題を検証するためにパイロット事業というのを準備しているというふうに、これも承知しておりまして、この取組については、引き続き、当庁として必要な協力をしっかり行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山下分科員 違法なものに警察が協力するわけはございませんので、こういった形であれば合法的にできるのだということを示していただいたものと受け止めました。
このように、eスポーツ、大会については合法的に、また練習場についても法に反しないような形でできるのだということ、これをしっかりと経産省としても推し進めていただきたいと思います。
また、昨今は、ノンファンジブルトークンということと、それをコンテンツに結びつけたNFT、これで大きな市場規模が拡大している。これもやはり、私は、萩生田大臣の下で、こういったコンテンツ産業も是非進めていっていただきたいと思っております。
最後に、ちょっと角度を変えて、最近、国際社会においては、人権問題の関心が高まる中、人権デューデリジェンスということが着目されております。これに関して、大臣の強いリーダーシップで、人権デューデリジェンスの対応と、一方で、企業の予見可能性を高める国際協調がなされているということでございますが、こうした国際的な取組に関しても、是非、決意を伺いたいと思います。
○萩生田国務大臣 近年、国際社会において人権問題への関心が高まる中、企業がサプライチェーンも含めた人権尊重の取組をしっかりと行わない場合、不買運動ですとか投資の引揚げ、既存顧客との取引停止などの多くのリスクに直面することがあると承知しております。
このため、これまで経済産業省では、セミナー等による産業界への周知啓発活動などを通じて、サプライチェーンにおける人権尊重の取組を促してきたところです。
一方で、昨年十一月に公表した企業調査においては、日本企業の取組がいまだ不十分であることが明らかになるとともに、ガイドライン整備を望む要望が多く寄せられたことから、今般、業種横断的なガイドライン作りに取り組むことといたしました。日本企業にとっても、予見可能性が高く、国際競争力強化につながるものにしてまいりたいと思います。
また、世界的には、人権尊重を理由とする法規制の導入が進み、企業のビジネス上の不透明感が高まっているものと承知しております。
このため、こうしたガイドラインの整備と併せて、企業が公平な競争条件の下で積極的に人権尊重に取り組むことができる環境を整備する観点から、国際協調により、各国の措置の予見可能性を高めるための取組についてもしっかりと進めてまいりたいと思います。
○山下分科員 このほか、下請取引の適正化など、あるいはエネルギー問題、様々な難しい課題に取り組んでおられると思います。
どうか、萩生田大臣の強いリーダーシップで、日本の国内投資の活性化を含め、日本経済の活性化、是非実現していただきたいと思います。
ありがとうございました。
○西村主査 これにて山下貴司君の質疑は終了いたしました。
以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。
これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
分科員各位の御協力により、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
これにて散会いたします。
午後三時三分散会