衆議院

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第2号 平成29年2月23日(木曜日)

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平成二十九年二月二十三日(木曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 赤羽 一嘉君

      石川 昭政君    大見  正君

      門  博文君    瀬戸 隆一君

      平口  洋君    福田 昭夫君

      井上 英孝君

   兼務 大口 善徳君 兼務 高木美智代君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   国土交通副大臣      田中 良生君

   国土交通副大臣      末松 信介君

   国土交通大臣政務官    大野 泰正君

   国土交通大臣政務官    根本 幸典君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 進藤 秀夫君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   平井 興宣君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 大西 淳也君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           橋本 泰宏君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           星野 岳穂君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  栗田 卓也君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  由木 文彦君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  奥田 哲也君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 藤井 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  羽尾 一郎君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  菊地身智雄君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十三日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     大見  正君

  平口  洋君     石川 昭政君

  玉木雄一郎君     福田 昭夫君

  井上 英孝君     足立 康史君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     平口  洋君

  大見  正君     瀬戸 隆一君

  福田 昭夫君     玉木雄一郎君

  足立 康史君     井上 英孝君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     奥野 信亮君

  玉木雄一郎君     小山 展弘君

同日

 辞任         補欠選任

  小山 展弘君     玉木雄一郎君

同日

 第五分科員大口善徳君及び高木美智代君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十九年度一般会計予算

 平成二十九年度特別会計予算

 平成二十九年度政府関係機関予算

 (国土交通省所管)


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     ――――◇―――――

赤羽主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。

 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木美智代さん。

高木(美)分科員 公明党の高木美智代でございます。

 本日、どうぞよろしくお願いいたします。

 私は東京比例ブロック選出でございますので、地元東京からも多くの要請をいただいております。きょうは、そうした課題につきまして、石井大臣初め国土交通省の皆様に質問をさせていただきたいと思います。

 まず、バリアフリーにつきまして申し上げたいと思います。

 公明党は、人に優しいまちづくりを掲げながら、ハード、ソフト両面のバリアフリー実現に向けて、障害当事者の意見を踏まえながら、長年取り組んでまいりました。特に、二〇二〇年に向けて、ハード、ソフト両面にわたるバリアフリーの実現は次世代に受け継ぐべきレガシーとなることから、都議会公明党も力を入れてきたところでございます。

 三日前、ユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議におきまして、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画及び工程表が決定をいたしました。九つの障害者団体が参画して策定された内容と聞いておりまして、これが決定したことは、ユニバーサル社会実現への大きな一歩と言えると思っております。しっかりと実行をお願いするところでございます。

 まず、この決定を受けて、国土交通省としての取り組みにつきまして、石井大臣のお考えを伺います。

石井国務大臣 高齢者、障害者を含む全ての人が住みよいまちづくりを進める観点から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしまして、公共交通、道路、建築物等の国土交通分野におけるバリアフリーを推進していくことが大変重要と考えております。

 国土交通省といたしましては、今回決定されましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づき、東京大会に向けた重点的なバリアフリー化と全国各地における高い水準のバリアフリー化、さらには心のバリアフリーの推進に取り組んでまいります。

 まず、東京大会に向けた取り組みといたしましては、競技会場へのアクセス道路や主要都市公園における段差解消等の改修、大会関連駅のエレベーター増設やホームドアの整備などを進めていくこととしております。

 また、全国のバリアフリー水準の底上げを図るため、公共交通機関や建築物のバリアフリー化のための基準やガイドラインの見直しを行います。

 さらに、心のバリアフリーを積極的に推進するため、交通、観光分野における接遇ガイドライン等の策定など、ソフト面の取り組みも進めてまいります。

 これらに加えまして、バリアフリー法や関連施策のあり方につきましても、その見直しも視野に入れつつ、検討を進めてまいりたいと思っております。

 国土交通省といたしましては、これらの取り組みを通じ、東京大会のレガシーとすべく、高齢者、障害者を含む全ての方が住みよいまちづくりに精力的に取り組んでまいりたいと存じます。

高木(美)分科員 少し具体的に申し上げたいと思います。

 ただいま大臣から御答弁いただきましたとおり、地元の東京の議員たちから、競技会場周辺エリアのバリアフリー化を急いでほしいとの強い要請を受けております。これにつきまして、国交省の取り組みを伺いたいわけでございますが、きょうはお手元に写真のコピーを用意いたしました。

 例えば味の素スタジアム、これはラグビーワールドカップも開催され、その翌年、オリンピック・パラリンピックが行われるわけでございますが、この周辺エリアの整備促進の進め方についてはどのようにされる予定でしょうか。

 例えば、この写真をごらんいただきますと、一枚目の手前が京王線の飛田給駅になります。ここからずっとたどるわけですが、一枚めくっていただいて二枚目のところ、ここがまず飛田給駅の踏切の歩道になります。車は片側通行ですので、ここを拡幅しなければ、なかなか車の量の増加には耐えられないと言われております。

 また、もう一枚めくっていただきまして、歩道橋がありますが、ここは階段になっておりまして、この両端に細い自転車のスロープがある。したがいまして、車椅子の利用者はここは使えない。したがいまして、エレベーターに進むことになります。

 四枚目の、エレベーターが三基、国道、また今申し上げたところは市道、ここに三基設置されておりますが、このエレベーターは車椅子一台での利用がやっとというエレベーターになっておりまして、こうした経路のバリアフリー化につきましてぜひとも進めていただきたいという、これは一つの例示でございます。

 また、味の素スタジアム、こうしたところの経路のバリアフリー化につきましては、最初に申し上げた踏切の歩道拡幅も含めまして、重点整備区間に入れていただきたいということをここで要望いたします。各競技場周辺エリアの障害当事者の意見もぜひとも聞いていただきたいと思います。

 こうしたことにつきまして、国土交通省のお考えを伺います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づき、競技会場周辺エリア等の道路につきまして、連続的、面的なバリアフリー化を推進することが重要でございます。

 このため、東京大会のアクセシブルルートを含む競技会場などと周辺の駅を結ぶ道路について、東京大会までにバリアフリー化を進める重点整備区間として、国、東京都、関係区市と調整を進めているところでございます。

 議員お尋ねの味の素スタジアムの周辺では、飛田給駅の踏切の歩道幅や調布市が管理いたします歩道橋に設置されたエレベーターなどが、バリアフリー化を進める上で課題であると認識をしております。

 このような課題を認識した上で、重点整備区間を選定し、国、東京都、調布市等の各事業者が連携をいたしまして、障害者の方々の御意見も伺いながら、バリアフリー化を推進してまいります。

 以上です。

高木(美)分科員 そこで、課題は財政的支援でございます。

 やはり、例えば、重点的に支援するとおっしゃいましても、調布市という余り大きくない自治体、そこが、社会資本整備総合交付金とかそうしたものが使えるとしても、国五五%、また市が四五%、こうした負担に耐えられるとは私は思えません。財政が豊かではない自治体にとっては、借金という負のレガシーが残ってしまうわけでございまして、何らかのこうした自治体への財政的支援が必要であると思っております。

 こうした点につきましても、ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画におきましては、競技会場周辺エリア等における道路のバリアフリー化は、国内外より障害のある方、高齢者を含む全ての方々にとってアクセシブルな大会を実現する上で重要であり、バリアフリー化の必要性の高いものについて国は重点的に支援するとされているところでございます。

 国土交通省といたしましては、歩道拡幅や歩道橋のエレベーター設置などの歩行空間のバリアフリー化に対し、防災・安全交付金等により支援をしているところでございます。

 引き続き、歩行空間のバリアフリー化につきましては、地方公共団体の要望を踏まえて積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

 以上です。

高木(美)分科員 これは大臣に申し上げますが、重点整備区間とかこうした部分だけではなく、この行動計画を国土交通省として実行に移されていく上では、やはり財政的支援、また場合によっては税制上の措置等が必要になるかと思います。そうしたことも総合的に御検討をお願いしたいということをお願いさせていただきます。うなずいていただきましたので、よろしくお願いいたします。

 次に、ホームドアの設置につきまして申し上げます。

 視覚障害者の方々の転落死亡事故を受けまして、私からも石井大臣に申し入れをさせていただきました。大臣の御英断によりまして、設置計画も発表され、設置時期の前倒しも始まっておりますが、利用者十万人以上という条件をクリアしてもなお設置が決まっていない駅があり、私のところにも強い要望が届いております。駅名を挙げますと、中野、荻窪、新宿、千駄ケ谷、信濃町、王子、錦糸町駅などでございます。これらの駅についてどう対応をお考えなのか。

 また、なかなか進まない原因として、複数の路線が乗り入れているため、ドアの枚数や設置場所などが異なるなどの課題があることも承知しております。その解決のためには、研究開発費の助成の充実も含めまして、研究開発を加速し、さらなる設置の前倒しができることを求めたいと思います。

 いかがでしょうか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことが重要と認識をいたしております。

 昨年八月に発生をいたしました銀座線青山一丁目駅における視覚障害者の方の転落死亡事故を受けまして、国土交通省に駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置いたしまして、昨年末に、ハード、ソフト両面における総合的な転落防止対策を取りまとめたところでございます。

 この取りまとめにおきまして、ホームドアの普及促進に関しましては、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅のうち、車両扉位置が一定などによりホームドア整備が可能な駅について、原則として平成三十二年度までに整備を行うとともに、利用者数十万人未満の駅につきましても、駅の状況等を勘案した上で、必要と認められる場合には整備をするということにいたしております。

 また、このような取り組みの中で、御指摘がありました、車両の扉位置のふぞろいやコスト面の課題に対応可能な新型ホームドアについて技術開発を推進することは大変重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、国土交通省と鉄道事業者等によるワーキンググループを設置し、新型ホームドアの普及促進に向けた取り組みを進めているところであります。

 これは技術開発費についての補助もいたしておりますので、そういったものも活用しながら、この開発を加速したいというふうに思っております。

 さらに、既に整備中の駅や整備計画のある駅につきましては、工程を精査いたしまして、一日も早い完成を目指すということにいたしておりまして、国土交通省としては、こういった取り組みを進めることにより、ホームドアの整備の加速化を図ってまいります。

 各駅における具体的な整備計画や時期につきましては、鉄道事業者において検討しているところでございますが、国土交通省といたしましても、検討会を活用した進捗管理を行いまして、ホームドア整備を初めとする転落防止対策について、鉄道事業者の積極的な取り組みを促していくということにいたしております。

 なお、御指摘の各駅のうち、王子駅につきましては平成三十一年度末までの設置を予定しておりますが、可能な限り早期に整備を図るというふうに聞いております。また、千駄ケ谷駅、信濃町駅につきましては、新国立競技場の最寄り駅でございまして、平成三十二年のオリンピック・パラリンピック東京大会に合わせて駅改良工事を行い、ホームドアを設置する予定と聞いているところでございます。

高木(美)分科員 そうした駅につきましても、ぜひとも前倒しをお願いしたいと思います。

 次に、トイレのバリアフリー化について伺います。

 都議会公明党の提言を受けまして、東京都も予算を拡充し、積極的に取り組み始めております。

 いわゆる多機能トイレは普及しつつありますが、重度障害の方たちから、子供用のベビーシートはあっても、大人用のおむつがえベッドのある施設が少ないために困っているというお声をいただいております。

 私も、これまで、重度障害があっても社会参加できる共生社会を目指してまいりました。

 現在、国交省で、建築設計標準の見直しを検討中と伺っておりますが、大型ベッドつきトイレの設置についても明記するとともに、設置促進のため、改修の促進をお願いしたいと思います。

 御対応、いかがでしょうか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 高齢者、障害者等の方々の社会参加や外出等の機会をさらに促進するために、こうした方々が円滑に利用できるトイレの整備を図ることは大変重要でございます。

 このため、トイレ等の一層のバリアフリー化を進めることを目的といたしまして、バリアフリー設計のガイドラインでございます建築設計標準について、例えば、多機能トイレにおける利用者の集中を避けるために、個別機能のトイレの分散配置を促進するといったようなことなどを内容といたしまして、今、改正案をパブリックコメントにかけているところでございます。今年度中の改正を目指してまいりたいというふうに考えております。

 その中で、今委員から御指摘をいただきました大人用の介護ベッドにつきましては、これまでの設計標準の中では、建物内に複数の多機能トイレを設置する場合には、そのうち一以上を大型ベッドつきトイレとすることが望ましいとしていた内容を、今回は、建築物内に多機能トイレを設ける場合には、そのうち一以上を大型ベッドつきトイレとするという内容、すなわち、従来は複数の場合には一個以上そうしなさいというのを、今回は建物内に多機能トイレがあれば一以上そうしなさいということと、望ましいとしておりましたものを、トイレとするという形で改正をすることといたしまして、パブリックコメントの案をつくっているところでございます。

 また、法に基づきます基準に適合する建築物につきましては、大人用の介護ベッドの分も含めまして、そのトイレの整備に対して地方公共団体と連携して支援をしてまいります。

 今後もこうした設計標準や支援制度の活用を促進することによりまして、建築物全体のバリアフリー化を推進してまいります。

高木(美)分科員 それでは、また設置状況等もフォローアップをお願いしたいと思います。

 次に、無電柱化について伺います。

 無電柱化は、バリアフリーを初め、防災、安全、快適、また景観など、さまざまなメリットがありますが、東京都も都道におきましてこれまで毎年約二十数キロメートルを進め、平成二十七年度までに八百八十六キロを実施しました。国においても年約二百八十キロを進めてきたところと聞いております。

 整備率は、今、東京二十三区で約七%、ロンドン、パリ、香港では一〇〇%。我が国が進まない原因はコストにあると考えております。低コスト化のための研究開発を加速化して進めるべきと考えます。また、電柱の新設を認めないなどの具体策を講じることも必要かと思います。さらに、地域によりましては、トランスの地上設置場所が民間敷地に限られる場合があります。この際、設置がスムーズに進むよう、地権者へのインセンティブとなるような支援策の検討も求めたいと思います。

 見解、いかがでしょうか。

石川政府参考人 お答えいたします。

 無電柱化は、道路の防災性向上、安全性、快適性の確保、良好な景観の三つの観点から重要な施策でございます。

 委員御指摘のとおり、我が国では、欧米の主要都市のみならず、アジアの主要都市と比べても無電柱化が著しくおくれているという状況でございます。

 電柱の新設を禁止する取り組みにつきましては、道路法第三十七条に基づきまして、昨年四月から、直轄国道の緊急輸送道路において電柱の新設を禁止する措置を講じております。また、東京都や埼玉県、静岡県などの都道府県においても、電柱の新設を禁止する取り組みが実施されるというふうに伺っております。

 無電柱化が進まない主要な要因はコストが高いことでございまして、国土交通省といたしましては、関係省庁、関係事業者と連携をして、三つの低コスト手法の導入に向けて取り組んでいるところでございます。一点目は管路を浅く埋設する方法、二点目は小型ボックスを活用する方法、三点目はケーブルを直接埋設する方法でございます。

 管路を浅く埋設する手法につきましては、埋設の深さの基準を改定いたしまして、昨年四月から適用しているところでございます。

 また、小型ボックスを活用する手法につきましては、関係省庁で、電力ケーブルと通信ケーブルの離隔距離基準、どれだけ離すかということですけれども、これを平成二十八年九月に改定したところでございまして、今年度、モデル施工に着手し、その結果を踏まえて、年度内に全国に普及するための技術マニュアルを作成する予定でございます。

 さらには、ケーブルを直接地下に埋設する手法につきましては、関係省庁において、直接埋設用のケーブル開発に向けて、耐久性などの技術的な検証を行っているところでございまして、来年度、モデル施工に取り組む予定でございます。

 また、議員お尋ねのトランスの地上設置に関する件でございます。

 無電柱化に際しましては、沿道の協力を得てトランスを地上設置することは重要な課題でございまして、各地でさまざまな工夫が行われているところでございます。例えば、先日、京都市が工事着手をいたしました中京区先斗町地区では、地域住民も含めた協議会で合意形成を図り、狭隘な道路におきまして、民地を活用してトランスを設置することとしております。

 全国の参考になるように、このような先進事例を取りまとめまして地方自治体に情報提供するとともに、さらに民地を活用したトランスの設置が進むような方策を検討してまいります。

 国土交通省といたしましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を三年後に控え、インバウンド観光の受け入れや首都直下地震などの災害に備え、これまで以上に無電柱化の推進に努めてまいります。

 以上でございます。

高木(美)分科員 ぜひとも地権者へのインセンティブとなる政策の検討をよろしくお願いいたします。

 大規模長屋につきまして、規制について伺います。

 足立の件は、太田公明党議員団会議議長を初め公明党が足立区と国交省の間に入りまして詰めてきた話でございます。

 足立区におきましても、最近、道路や避難経路の安全性を考慮しない大規模長屋建設がふえつつあります。現行の東京都建築安全条例では、準耐火建築物とした場合の長屋の住戸数に制限がなく、二メートルの敷地内通路に面して多数の狭小住戸を建設することが可能となっております。

 しかし、現在、非常時において二方向避難が確保できないだけでなく、道路への避難が遮断される住戸が存在しております。居住者の中には、避難に時間がかかる高齢者、障害者が含まれる可能性もあることから、非常時の混乱が予想されます。このような危険な状況にありながら、建築確認がなされる現状を改善する必要があります。

 そこで、足立区としては、都に都条例改正を働きかけるとともに、区の条例改正を速やかに行いたいと思うが、次のような趣旨を盛り込むことについて国交省の見解を求めたいとしております。

 長屋の各戸の主要な出入り口は道路に面して設けなければならない。ただし、幅員二メートル以上の敷地内の道路のみにその出入り口が面する住戸の数が三以内のものまたは耐火建築物もしくは準耐火建築物であり、かつ、土地及び周囲の状況により安全上支障がないものについてはこの限りでないということですが、いかがでしょうか。簡潔に御答弁をお願いします。

由木政府参考人 お答えいたします。

 建築基準法四十条では、地方の気候や風土の特殊性を踏まえまして、条例で安全性の確保に必要な制限を付加することができることになっております。

 お尋ねいただきましたように、足立区あるいは東京都が、この条例に従いまして、例えば密集地域の密集を再生産しないという観点から、大規模な長屋について、この四十条に基づく条例で必要な制限を付加することは可能でございます。

 これまでも、複数の自治体で、今委員が御指摘になられましたような同様の条例が制定をされております。例えば各戸の主要な出入り口は道路に面すること等の規制を課している例があるというふうに承知をいたしております。

 このような条例の制定につきましては、地域の状況を熟知している地方公共団体が、地域に合った規制の内容を検討し、適切に進めていただくことが重要であると考えております。

高木(美)分科員 ありがとうございました。

 次に、石井大臣にお伺いします。

 昨年、交通政策審議会におきまして、東京圏の都市交通が目指すべき姿を実現する上で意義のあるプロジェクトとして位置づけられたもののうち、その実現に向けて、どれも強い要望があるわけですが、特に強い要望がある二つの路線につきまして伺っておきたいと思います。

 国際競争力の強化に資するということで二つです。一つは、新空港線、いわゆる蒲蒲線、京急蒲田と東急蒲田を結ぶ線の新設。あと八百メートルということで、三十年がかりで検討してきたと聞いております。あわせて、私が住んでおります江東区の、南北交通アクセス改善のための有楽町線豊洲―住吉間の延伸につきまして、国交省としての今後のお取り組みを伺います。

石井国務大臣 新空港線、蒲蒲線の新設及び東京八号線の延伸、豊洲から住吉間につきましては、昨年四月に取りまとめられました交通政策審議会答申で示されておりますように、いずれも空港や臨海副都心へのアクセス向上を通じて国際競争力の強化に資する有意義なものであると認識をしてございます。

 一方、答申でも指摘されておりますように、これらのプロジェクトの実現に向けましては、費用負担のあり方等の課題があると認識をしております。

 現在、両プロジェクトにつきましては、こういった課題の解決に向けて、関係地方公共団体、鉄道事業者等関係者において具体的な検討が進められていると承知をしております。

 国土交通省といたしましては、地域における検討状況を踏まえつつ、必要に応じて各プロジェクトにおける議論に参画をし、事業スキーム等について専門的な観点からアドバイスを行うとともに、事業化に当たってどのような支援が可能か検討してまいりたいと存じます。

高木(美)分科員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

 最後に、都市計画法に浄化槽を明記することについて伺いたいと思います。

 都市計画法第十一条第一項三に、都市計画区域については、都市計画に、水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設または処理施設で必要なものを定めるものとされるとあります。

 浄化槽はその他の処理施設というところで読めると承知しておりますが、浄化槽というふうに明記されていないことから、地方自治体におきまして、都市計画区域内については公共下水道以外はできないことになっている、こうした誤解が生じております。

 浄化槽につきましては、もう既に御承知のとおり、東日本大震災におきましても全損率三・八%、また、工事費、維持管理コストが下水道に比べ安価なことから、人口が少ない地域におきましては普及をむしろ推進した方が効率的であると言われております。

 例えば、人口五万人未満の市町村で、下水道事業では一世帯当たりの汚水処理費十四万二千九百四十八円、そのうち使用料金として回収できるのは約三割の四万三千七百八十九円、差し引き不足額が約十万円となるわけで、当然そこに血税が補填されるわけでございまして、とても小さな地方では財政はもたないということが考えられます。一方、浄化槽におきましては、一世帯当たりの維持費につきましては年間三万円から五万円、税金投入もゼロという状況でございます。

 浄化槽につきましては、平成十七年、全国規模の規制改革及び市場化テストを含む民間開放要望に対する各省庁からの回答の中で、「都市計画法第十一条は、都市計画において定めることができる施設を列挙しているものであり、都市施設以外の施設についての設置を排除しているものではないことから、都市施設として位置付けられていない浄化槽を、都市計画区域に設置することは可能である。」という見解が国交省から出されております。

 であるならば、現場で間違った解釈をされないためにも、都市計画法の条文の中に下水道または浄化槽と明記をして、その選択は市町村に任せるとした方がいいのではないかと考えます。

 御見解を伺います。

栗田政府参考人 お答えいたします。

 委員既にお尋ねの中で条文につきましてもお触れいただきました。下水道と浄化槽との選択は都市計画法において制限されているものではございませんで、市町村が自由に選択することが可能でございます。

 若干、条文の趣旨を御説明させていただきますと、都市計画法第十一条の都市施設は、これを都市計画に位置づけることによりまして、施設区域内での建築制限がかかります。また、都市計画事業における土地収用の対象ともなります。

 都市計画法の第十一条は、こうした一定の強制力を伴う公共事業として整備され得る施設を例示しておりまして、都市内に設置される施設を限定する趣旨ではございません。その点、既に委員からもお触れいただきました。

 浄化槽につきましては、地方公共団体により整備されることがあることも承知しておりますが、通常は個々の宅地に設けられるものということでございますので、十一条の例示としては浄化槽を明記しておりません。ただ、御趣旨が、下水道と浄化槽とを市町村が自由に選択できるということと思いますので、現行の都市計画法においても、下水道と同じく浄化槽を都市計画に位置づけることは可能ということを改めて答弁させていただきたいと思います。

高木(美)分科員 細かい話のようですが、特に下水道につきましては、青森の一つの町でしたけれども、そこがやはり、これ以上、下水道がもたない、それで、撤去をするとなったときに、撤去するだけでも六千万円かかる、これに驚いた、こうした報道も伺っております。

 したがいまして、最初から、両方を我が町はどう選択すればいいのか、ここを明確にするためにも、私は、やはり都市計画法に明記を重ねてお願いしたいと思います。また、大臣の御英断をお願いするものでございます。

 このように、地方財政も厳しい状況がありますので、そうしたところにも私たちは柔軟に対応しながら、今後検討していくことが必要であろうかと思っております。ぜひとも、重ねての御検討をお願い申し上げます。

 時間になりましたので、以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

赤羽主査 これにて高木美智代さんの質疑は終了いたしました。

 次に、福田昭夫君。

福田(昭)分科員 民進党の福田昭夫でございます。

 きのうの第二分科会で高市総務大臣から驚くべき回答がありました。総務大臣の答弁がどうして間違っているのか、きょうはそれをただしていきたいと考えておりますので、政府関係者は簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 なお、石井大臣には、下からは上がっていかないと思いますので、ぜひきょうの私の政府参考人とのやりとりをよく聞いておいていただきまして、きょうになるかどうかわかりません、次の機会になるかどうかわかりませんが、行政改革の党の公明党から国土交通大臣になられている石井大臣でありますから、最終的にお答えをいずれかの機会にお聞きしたい、こう思っておりますので、よく聞いていただきたいと思います。

 なお、本日の質問は国交省と総務省にお聞きしますが、順番を大胆に変えて、少し理詰めに追及していきますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、まず最初に、三番目の、宇都宮市と芳賀町が進めるLRT事業の問題点についてであります。

 一つ目は、LRT事業の必要性と位置づけについてであります。

 これは国交省でも総務省でもどちらでもいいですから、ぜひ簡潔に答えてください。三つまとめてまず質問いたします。

 LRT事業が必要だとして計画を立てたのは誰ですか、宇都宮市と芳賀町ですか。LRTは地方公営企業法に定める法定七事業の一つでありますが、地方公営企業として経営しないと決めたのは宇都宮市と芳賀町ですか。三点目、企業会計としての特別会計の設置と減価償却費を計上しないと決めたのは宇都宮市と芳賀町ですか。どちらでもいいですから答えてください。

栗田政府参考人 まず、宇都宮市のLRT計画につきまして、都市計画決定をしているという観点からの主体ということでございますと、昨年五月に宇都宮市、それから芳賀町、ここにおきまして都市計画決定がなされたものでございます。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 LRT事業につきましてですけれども、現時点で宇都宮市及び芳賀町、こちらの両市町は地方公営企業として実施しておらず……(福田(昭)分科員「だから、決めたのは宇都宮市か芳賀町か」と呼ぶ)はい、さようでございます。失礼しました。

福田(昭)分科員 次に、三点目、企業会計としての特別会計の設置と減価償却費を計上しないと決めたのも宇都宮市と芳賀町か。イエスかノーかでいいですよ。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 宇都宮市、芳賀町、こちらの方が地方公営企業として実施しないと判断しておりますことから、特別会計の設置、減価償却費の計上を行う予定はないというふうに伺っております。

福田(昭)分科員 それでは、全て宇都宮市と芳賀町が決めたということですね。

 これは、直接経営か間接経営か、その違いだけですよ。LRT事業を直接に経営するか、直接経営しないで委託をして間接的に経営するか。LRT事業を決めたのは宇都宮市と芳賀町ですよ。ですから、LRT事業をやると決めたのは宇都宮市と芳賀町、そこに責任があるということですね。それを確認しておきたいと思います。

 二つ目の、一日当たりの乗降客数については、これは要望だけしておきます。きのうはなかなか公表できないという話でありましたが、一日当たり一万六千三百十八人、平均すると一万三千人ということだそうでありますが、今度のLRTの高度化計画を認可するに当たってしっかり検証したでしょうから、ぜひその計算式を全て明らかにしてください。資料要求をしておきます。

 それでは次に、前の方に戻りまして、二番目の、地方公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく上下分離スキームの問題点について確認をしたいと思います。

 一つ目は、減価償却費の取り扱いであります。

 一つ目は、これは聞きませんけれども、きのうは簡単に答えが出てきませんでしたけれども、この法律の目的は持続可能な地域公共交通網の形成を図ることだ、そのように書いてありますけれども、これで間違いございませんか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘の点につきましては、地域公共交通活性化再生法第一条に目的規定がございます。そこには、地方公共団体……(福田(昭)分科員「長くは要らないよ」と呼ぶ)今先生がおっしゃった部分を引用しますと、その中に「持続可能な地域公共交通網の形成に資するよう地域公共交通の活性化及び再生のための地域における主体的な取組及び創意工夫を推進し、もって個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に寄与することを目的とする。」というふうにございます。

福田(昭)分科員 この法律の趣旨は持続可能な地方公共交通をつくることですよね。持続可能じゃないとだめだということですよ。

 では、二つ目の質問ですが、この法律で、公共事業として下の部分を整備すると減価償却費を見込まないでよいとこの法律の何条に書いてあるんですか、書いてありますか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点については、特に地域公共交通活性化再生法には規定はございません。

福田(昭)分科員 この法律には減価償却費を見込まないでよいと書いてないんですよ。それなのに見込まないというのはおかしな話なんです。

 三番目、減価償却費を見込んでおかないと、例えば、三十年、四十年後に全ての施設が償却したときに、新しく買いかえるというときに、では、その財源はどうするんですか。持続可能な公共交通にならないんじゃないですか。それはどう考えているんですか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の事業につきましては、自治体の判断によりまして、軌道運送事業者から軌道施設等の建設に要する経費に相当する使用料を収受せず、自治体がみずからの財政の中からこれを拠出して、一般会計で公共事業として行うとしているものでございまして、建設投資等を減価償却によって費用化して、それを料金等の収入で回収するものではないということから、減価償却費を計上していないと承知をしているところです。

 この事業につきましては、一般会計からの拠出等により自治体が施設を適切に維持更新することにより、事業を持続可能なものにしていると認識しているものでありまして、将来にわたってもそのスキームの中で適切な対応が図られるのではないかというふうに考えております。

福田(昭)分科員 ということは、新たに更新するときには、宇都宮市、芳賀町の持ち出しで、全て税金で更新する費用は出す、こういうことですね。

奥田政府参考人 いわゆる公共事業方式でございますから、もう釈迦に説法でございますが、空港なり港湾なりと同じように、自治体が維持更新の費用を予算で賄っていくということかと存じます。

福田(昭)分科員 そのことが宇都宮市議会にも市民の皆さんにも発表されておりません。

 それでは、二つ目、地方公営企業法との整合性についてであります。

 LRT事業は軌道事業ですか。軌道事業は地方公営企業法に定める法定七事業と指定されているんですが、これは軌道事業ですか、軌道事業じゃないんですか、どうなんですか。

奥田政府参考人 今回の事業は軌道法上の軌道事業でございます。

福田(昭)分科員 そうすると、地方公共交通の活性化及び再生に関する法律は平成十九年十月に施行されたようでありますが、地方公営企業法との整合性を考えたのかどうかという話なんです。

 地方公営企業法第五条では、「地方公営企業に関する法令並びに条例、規則及びその他の規程は、すべて第三条に規定する基本原則」つまり、経済性を発揮する「に合致するものでなければならない。」とありますが、地方公共交通の活性化及び再生に関する法律は、まさにこの経済性を無視しているんじゃないですか。これはちゃんと整合性はとったんですか、総務省と。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日そういった議論があったと承知をいたしておりまして、宇都宮市、芳賀町の事業につきましては、いわゆる地方公営企業の経営する企業には当たらないということで、地方公営企業ではないということだったと承知をいたしておりますけれども、地域公共交通活性化再生法に基づきます軌道整備事業につきましては、これを地方公営企業として実施する場合であっても、一般会計で公共事業として実施する場合であっても、いずれも同法に規定する軌道整備事業に該当するものと考えておりますので、矛盾ということはないというふうに考えております。

福田(昭)分科員 それが間違っている。これからその間違いを指摘します。

 それでは、最初に戻って、一番目の、地方公営企業法の適用についてであります。

 地方公営企業法が全部適用される法定七事業についてであります。

 地方公共団体が軌道事業を初め法定七事業を経営する場合には、その事業の規模の大小を問わず、この法律の規定の全部、組織、財務、職員の身分取り扱い等、全部の規定が当然に適用される。この場合、当然にとは、地方公共団体の意思にかかわらずだよ、意思の有無にかかわらず、かつ、何らの手続を要せず効果を適用するというふうに、これは法律を当時改正した、昭和四十一年に地方公営企業法を改正した当時の、当時の自治省の地方公営企業課の第一課長、第二課長補佐がそう執筆して書いている。

 いいですか、自治体の当然にとは、地方公共団体の意思いかんにかかわらず、かつ、何らの手続を要せずに効果として適用関係が生じるという意味だ、こう解説している。ですから、法定七事業である限りは、これは、どんな経営をしようと、直接経営しようと間接経営しようと、軌道事業は法定七事業の一つですから、地方公営企業法の適用を受けるんです。宇都宮市、芳賀町が選択しないというその決断はできない。法律の縛りがある。

 このことについて、総務省は、きのうは地方自治体が決めたことですと言っていますけれども、総務省、何と答えますか。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、地方公営企業法の適用を受ける企業は、地方公共団体の経営する企業であることが前提であります。

 その上で、同法第二条第一項の規定により、地方公共団体の経営する企業のうち先生御指摘の七事業におきましては、同法の規定の全部が適用されるとするというふうにされております。

 以上であります。

福田(昭)分科員 そういうことでしょう。

 そうすると、地方公営企業法は昭和四十一年に抜本的な改正をしています。昭和二十七年にまず地方公営企業法をつくったんですけれども、それから十三年後の昭和四十一年に抜本的な改正をしておりますけれども、それはどういう理由があって抜本的に改正したんですか、説明してください。

大西政府参考人 今の点ですけれども、当時の状況におきまして、公営企業法の改正がなされたというふうに承知しております。

福田(昭)分科員 それでは、皆さん方の先輩が執筆した本を、きのうは半分しか読まなかったので、全部読みますからね。

 「第二章 地方公営企業法の適用」「第二款 法定事業に対する全部適用(当然適用)」これは先ほど読みました。「その事業の規模の大小を問わずこの法律の規定の全部が当然に適用される。この場合、「当然に」とは、地方公共団体の意思如何にかかわらず、かつ、なんらの手続を要せずに法律の規定の効果として適用関係が生じる」、こう言っております。

 そして、「全部適用の理由」、こういうふうに書いてあります。「昭和四一年の地方公営企業制度の改正以前においては、事業の規模(常時雇用される職員数)の大小に応じ、法の適用に区別が設けられていた」。例えば、当然全部適用したり、当然財務適用だけしたり、任意適用したり、公営企業はそうした三種類あったと。しかし、「改正後は、法定事業に該当する事業であれば、すべて一律に適用されることとなった。」と。

 その理由は、「このように法定事業について、地方公営企業法の組織、財務、職員の身分取扱い等すべての規定を適用することとされているのは、」理由を二つ書いてあります。「これらの事業は、受益者負担の原則の下に、企業として能率的、機動的に運営されることが望ましいのであるが、そのためには、その管理組織、会計処理方式、職員の身分取扱い等について企業にふさわしいものとする必要があること、」なぜかというと、鉄道事業とかガス事業とか電気事業とか水道事業、これは民間企業もやっているんですよ。だから、民間企業と等しくなるような形で、独立採算制で企業が経営できるようにということで、この地方公営企業法の改正がなされたんです。

 したがって、「昭和二七年に地方公営企業法が制定され、企業会計方式が導入されて以来昭和四一年の制度改正時まで一三年を経て、地方公共団体が企業会計方式になじんできたため、小規模な事業についても、このような会計方式をとらせることが無理でなくなった」ためだ、こう皆さん方の先輩は説明しています。

 ですから、こうしたことから考えると、これは、地方自治体の意思のいかんにかかわらず、しっかり適用させなくちゃだめなんです。直接経営であれ、間接経営であれ。

 よく考えてみてください。もしこの会社が破綻して、LRT事業の会社が破綻したときの破綻処理は誰がやるんですか。宇都宮市、芳賀町がやるんじゃないですか。線路の撤去、車両の売却、全て破綻処理、第三セクターにやらせられるんですか。やらせられないでしょう。これは宇都宮市、芳賀町がやるんでしょう。そうしたら、企業会計として、条例を設置して、特別会計を設置して、減価償却費も見込んでやっていかないと、最終処理ができないじゃないですか。上下分離方式で、それは下の整備は国交省が補助金をくれてもいいよ。くれてもいいけれども、地方公営企業としてやらなかったら最終処理ができないじゃないですか。

 そういう指摘をして、だんだん時間もなくなってきましたので、四番目、最後はまた後ろへ戻って、宇都宮市と芳賀町が進めるLRT事業のところに書いてありますが、地方公営企業法違反のLRT事業についてということで質問をしてまいります。

 まず一つ目、改めて整理をしてみると、地方公営企業法を昭和四十一年に抜本改正して、法定七事業を決めました、今まで指摘したように。そして二つ目、LRT事業はその法定七事業の一つの軌道事業であるということは今国交省も認めました。そして三点目、地方公営企業法は、「地方公営企業に関する法令並びに条例、規則及びその他の規程は、すべて第三条に規定する基本原則」つまり、経済性を発揮する「に合致するものでなければならない。」と規定しております。

 つまり、この地域公共交通の活性化及び再生に関する法律は、この経済性の原則を外している。それは自治体が苦しいから補助金を出してやろうということにしたんだろうと思うけれども、そのことに対して何ら法的措置がない、法的対応がないということ。

 しかも、軌道事業も含めた法定七事業は、規模の大小にかかわらず、かつ、地方公共団体の意思いかんにかかわらず、かつ、何らの手続を要せずに効果として適用関係が生じると言っている。ということは、宇都宮市、芳賀町が選択できないんですよ。地方公営企業としてやらないという選択はできないんです。総務省も国交省も、宇都宮市と芳賀町が判断したことですと言いましたけれども、判断できないんだ。これは法律で縛られているんですよ。

 だから、ちゃんと条例を制定して、しっかり特別会計も設置して、減価償却費も見込む。でないと、全く継続性のない事業になっちゃいますよ。どうですか、このことについてどう思いますか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のLRT事業におけます宇都宮市と芳賀町が行う軌道整備事業につきましては、繰り返しになりますが、運行事業者から、維持管理費相当分のみを収受し、軌道施設等の建設に要する経費に相当する使用料を収受せず、市町がみずからの財政の中からこれを拠出し、一般会計で公共事業として行うとしているものでございまして、建設投資等を減価償却によって費用化し、それを料金等の収入で回収するものではないということでありますので、地方公共団体の経営する企業、地方公営企業法は、私が解釈を申し上げるのもちょっと変なんですけれども、先生、定義のところで、「この法律は、地方公共団体の経営する企業のうち」、こう適用対象を書いています。ということで、それに該当しないということであるということがきのう総務大臣なり自治財政局長から答弁があったところでありますが、かつ、そういった公共事業であっても、軌道運送高度化事業の基盤を持つ整備事業者たり得るということでありますので、今回認定を行ったことは何ら不当ではないというふうに考えております。

福田(昭)分科員 だから、さっき言ったでしょう。地方公共団体が直接経営するか間接経営するか、それだけの話じゃないですか。審議官、いいですか。

 では、最後の処理は誰がやるんですか。最後の処理は、破綻処理は。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 計画の認定の段階で、今回の事業スキームについても検証を行い、それについて運輸審議会での議を経た上で認定を行っておりますので、私ども、今後破綻が起こるということは考えておりませんが、万が一そういうことになれば、それはそのときに関係者で考えていくということかと思います。

福田(昭)分科員 そんな無責任なやり方しちゃならないでしょう。国交省、国は幾ら補助金を出すんですか。二百三十億、約半分出すんですよ、大臣。後で承知しておいてください。

 いいですか、破綻したら、国税も二百三十億損するんですよ。損害を与えるんですよ、国に。破綻するのは明らかなんだから。五年、十年たったとき、あなたはもう勤めていないかもしれない。誰も責任をとらないかもしれない。名古屋の桃花台交通と同じになる。そのことは多くの人が指摘をしている。それを指摘しておきたいと思います。

 それから、一方、地域交通の活性化及び再生に関する法律は上下分離で整備することを認めているが、地方公営企業法に定める経済性の発揮と全く真逆です。経済性の発揮など考えていない。一般会計で補填するというんだから、経済性なんか全く考えていない。減価償却費も計上しないんだから、全く経済性を考えないでLRT事業、軌道事業をやるということであります。

 したがって、この法律の目的である持続可能な地域交通網の形成にならないんじゃないですか。どうなんですか。これが五年、十年で破綻したときに継続性があると言えるんですか。そのとき誰が責任をとるんですか。あなたはもう勤めていないんだよ、ここに。誰が責任をとるんですか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今の点につきましては、認定をいたします際に、軌道法の特許の基準に適合すること、すなわち、輸送需要でありますとか、今後の収支でありますとか、そういったものをチェックして認定をしたところでありまして、開業二年目以降、継続的に利益を生ずるとともに、開業九年目に累積赤字の解消が図られるということでありますので、そういったスキームで事業の継続性が確保されていくというふうに考えております。

福田(昭)分科員 そこで、実は、平日ですけれども、一日一万六千三百十八人乗るという話ですが、その積算の根拠が公表されていないんですよ。だから、みんな疑っている。そんなに乗りっこないと。だから、それは早急に公表してください。きのう言ったら、何か少し枚数が多いから、すぐ簡単になんと言っていましたけれども、これで検証したんでしょう、あなたたちもしっかりと。だから、それをちゃんと公表してください。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 宇都宮市の平日一日当たり約一万六千人という算出につきましては、宇都宮市及び芳賀町による宇都宮LRTの需要予測につきまして、私どもも用いておりますが、一般的な交通需要予測の手法である四段階推計法を用いて実施をしているということ、これは先生御案内かもしれませんけれども……(福田(昭)分科員「もういいです。公表するか、しないかだけ言って」と呼ぶ)よろしいですか。

 内容については、また御説明に伺いたいというふうに思います。

福田(昭)分科員 だから、その計算方法だけ聞いたってしようがないので、具体的な計算式、数字を出してください。そうしないと検証できないから、基本的に。

 実は、今、全国に、国土交通省が所管している軌道事業を経営している会社が十九社ありますね。それは全部、ちゃんと減価償却費を見込んでいるんですね。これは公営であれ、私営であれ、全部見込んでいる。見込んでいないのは富山ぐらいかな、きっと。これは新しい新法でやったから見込んでいないんでしょうけれども、全部これは見込んでいるんですよ。

 ほかの会社がみんな、既存の会社十九社は全て減価償却費を見込んで、そのうち六社が黒字。これは戦前からやっていますからね。十三社が赤字なんですよ。赤字の原因というのは減価償却費なんですよ。ですから、皆さん方がこれで減価償却費を見込まないでいいということになると、宇都宮、芳賀町のライトレールが赤字になっても、結局、一般会計で補填するという話なんですよ。ですから、こんな全く経営の原則を無視した事業というのはありませんよ。

 直接経営するか間接経営するかだけの話であって、全部十九社とも減価償却費を見ているんですよ。そのことについて、こういう既存の会社との整合性というのはどうとるんですか。簡潔でいいですよ。

奥田政府参考人 減価償却を行っている事業者につきましては、民間事業者、株式会社、または地方公営企業であろうかと思います。

 富山市及びこの宇都宮の例につきましていうと、これは公共事業でございますので、そういったものの計上がなされないということかと思います。

福田(昭)分科員 何度もそういう答弁ですけれども。

 だから、言っているでしょう。直接経営するか間接経営するかだけの違いで、宇都宮市と芳賀町が地方公営企業法に定めた法定七事業の軌道事業をやるということは間違いないことでしょう。そうしたら、全体を総括して、企業会計としての特別会計を設置して、減価償却費も見込んでおかなかったらだめじゃないですか。

 地方公営企業法という大枠があって、その中でたまたまこの上下分離方式があって、国が、整備する費用だけは補助するよ、多額の補助をするよというだけのことであって、整備しやすくなったということは確か。でも、全体のLRT事業を総括したらば、それをしっかり認めなくちゃ、経理しておかなくちゃだめじゃないですか。

 最後の質問になりますが、国は、総務省も国交省も、宇都宮市と芳賀町が企業会計として経営しないと決めた、こう言うわけですね。今まで指摘したように、上下分離スキームを採用し間接経営をするにしても、地方公営企業法に基づき、条例を設置し、特別会計を設置して、減価償却費を見込まないということは、私が解釈をすれば、これは地方公営企業法違反であります。

 これは必ず裁判になります。まず、宇都宮市が訴えられます。もう既に県内の市民オンブズパーソン栃木が、昨年十一月と十二月にシンポジウムをやっています。その中で、税理士の方から、何で減価償却費を見込まないんだという質問が出ています。ですから、これは必ず裁判になります。裁判になったら、宇都宮市、芳賀町は負けますよ。もし補助金を出したりしていれば、国も負けますよ。負けますよ、基本的に。

 ですから、最後に、それでは区切りがいいからここでやめにしますが、そういう指摘をしておきたいと思います。

 いずれこの問題は、さらに国交、総務、両方でしっかり追及させていただきますが、本当にこうしたものを避けるためには、地方公営企業法を改正するとか、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を改正するとか、しっかり法的担保を持たせておかないと、税金の無駄遣いを重ねていくということにつながっていきますよ。こんな安易な認可をするわけですから。

 多くの市民が宇都宮市、芳賀町のライトレールは倒産すると言っていますよ。単に出てきた計算は、いつだって鉛筆をなめて出てくるでしょう。それこそ、私も見たけれども、あの桃花台交通もそうだし、沖縄のモノレールだって最初に申請したときの人数だけ乗っていないでしょう。全く、それこそ半分以下でしょう。

 ですから、こんな鉛筆をなめた計算で税金を無駄遣いしちゃだめですよ。そのことを指摘して、質問を終わります。

赤羽主査 これにて福田昭夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、大見正君。

大見分科員 おはようございます。自由民主党の大見正と申します。

 きょうは、国土交通大臣を初め関係の皆さん方に、地元の話も含めて数点質問をさせていただきます。よろしくお願いいたしたいと思います。

 初めに、ライフジャケットについて御質問をさせていただこうというふうに思います。

 船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令が本年二月一日に公布され、原則、全ての小型船舶乗船者にライフジャケットの着用が義務づけられることになったと伺っております。

 テレビを見ましても、一人で漁をやっておられる方などでは、以前の番組ではライフジャケットをつけておらない方もおられたような気もしますけれども、最近は、割とつけておられる番組を目にすることもあります。

 ただ一方で、ニュース等で、特に最近は風が強いということで船の転覆の事故もあるようでありますけれども、海中へ投げ出されてそうした方が行方不明になるという事故も起こっておるようでありますので、そうした際に、ライフジャケットをつけていたのかななんということも少し気になるところであります。

 これまでの事故の中で、漁船やプレジャーボート、こうした小型船舶からの海中転落による死亡事故の件数だとか、その中で、ライフジャケットをつけていたのかつけていなかったのか、あるいは、どんなことをやっているときにそうした事故が起こったのかというような事故の詳細について、まずお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

羽尾政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年、平成二十八年におきましては、小型船舶からの海中転落者は百七人いらっしゃいます。そのうち六十七人が死亡あるいは行方不明となりました。海中転落者のライフジャケットの着用率は約三四%でございます。

 また、海中転落時の状況といたしましては、過去十年のデータから見ますと、プレジャーボートにおきましては釣りの最中の転落が多く、漁船におきましては漁労作業中の転落が多くなっております。

大見分科員 百七件のうち六十七件が死亡もしくは不明ということになりますと、一旦事故が起こると相当重大な結果に結びつくということではないかなというふうに思います。そういう意味で、ライフジャケットの着用によってそうした事故を防ぐということが期待をしていかれるわけであります。

 前の規制のときには、着用義務というのはあったわけでありますけれども、それも、十二歳未満の子供であるとか、水上バイクであるとか、一人で漁労を行っておられる方だとか、そうしたかなり限定をした中での着用義務だったというふうに思います。

 今回の改正では、そうした今の事故の状況も踏まえて、どういった改正のポイントになってくるのかだとか、あるいは改正のスケジュールがどんなふうになるのか、あるいはまた、逆に、適用除外だとか努力義務というものもどういうふうになるのか、少し詳細についてもお知らせいただきたいというふうに思います。

羽尾政府参考人 お答えいたします。

 今回の省令、船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の改正は、ライフジャケットの着用によりまして海中転落時の生存率が二倍以上に高まる、こういう実態を踏まえまして、平成三十年二月一日から、原則としまして船室外にいる全ての小型船舶乗船者のライフジャケット着用を船長の義務とし、一層の安全の確保を図ることといたしました。

 なお、お尋ねの適用除外につきましては、船室内にいて海中転落のおそれが少ない場合、船外でダイビングや水上スキーをするため、専用の装備を着ていることによりまして、ライフジャケットを重ね着できない場合、さらに、ライフジャケットに相当する安全機能を有する装備等を講じている場合などを適用除外というふうにいたしております。

 また、お尋ねの努力義務にとどめているものにつきましては、防波堤内に係留された船に乗船している場合、あるいは船長が責任を持って指定した安全な場所にいる場合、こういった場合には、できる限りライフジャケットの着用に努めていただくことといたしております。

大見分科員 かなり広範囲にわたって努力義務が課せられるところだというふうに思いますけれども、そのことによってまた救命率が向上するというところは、大変評価をしていきたいなというふうに思います。

 ただ、今お話の中にもありましたけれども、相当細かなところで、具体の現場で周知をしていくということも必要だろうと思います。例えば、今お話の中にありました、船長が安全と認められるというような場所でも、船長の目ぞろいというか、やはり基準というのがそろっていないと、この船長はいいだろうけれどもこの船長はだめだとかいうところもきっとあるのではないかなというふうに思います。

 そういう意味では、どういうふうにこのライフジャケットの着用義務化というのを周知していくのかというところも大変大事だというふうに思っておりますので、まず、その周知の部分についてどんなふうに行っていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。

羽尾政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省としましては、ライフジャケットの着用徹底のため、法令による義務づけとあわせまして周知啓発活動を重視し、平成二十九年度政府予算においても周知啓発費を計上しているところでございます。

 具体的には、海上保安庁、水産庁、警察やボートスクールなどの関係者と連携いたしまして、リーフレットやポスターを使った周知啓発、さらに、ボートショーなどのイベントを通じた安全意識の向上、そして取り締まりも含めた総合的な対策を図ってまいりたいと考えております。

 安心して小型船舶を利用していただけるよう、今回の改正内容の周知に努めるとともに、着用の徹底にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

大見分科員 ありがとうございました。しっかりと各場面での周知をお願いしたいと思います。

 また同時に、ライフジャケットには、相当安い外国製のものもあって、粗悪品というものもあろうかと思います。今回の改正の中では、ちゃんと桜マークがついたものを着用するようにというようなことも事前の打ち合わせの中で伺っておりますけれども、そうしたことも含めてしっかりと御周知をいただきますように、私からもお願いを申し上げたいというふうに思います。

 最後に、取り締まりについても少しお伺いをしたいというふうに思います。

 というのは、今、事故の発生件数の中で漁労あるいは釣りが多いということでありましたけれども、そうした現場では、もう網を入れているとか、あるいはさおを出しているとか、そうしたところに行って取り締まるというのは、正直なかなか難しいのではないかなというふうに思います。

 昨日も実はダイビング業界の集まりがありまして、少しそんな話もさせていただいたんですけれども、実際、ダイビングでありますと、潜っているということもありますので、そのときに臨検の船がぱっと入って横づけするということになりますと、もしかしたら、浮上しようとしている方にプロペラが当たってしまうというようなことになりますと相当な大事故になってしまうということもありますので、近づき方も実は相当慎重にやっていかないといけないというような事情もあると伺いました。

 そういう意味では、実際やっているところの取り締まりというのは、正直申し上げて事実上できないのではないかなと。港を出たときに停船を求めるとか、そういったところであれば大丈夫かなというふうに思いますけれども。

 余り手のうちを出すようなことはなかなか難しいのかなというふうにも思いますけれども、どんな考え方で取り締まりをしていくのかということも含めて、少し触れていただければ大変ありがたいというふうに思います。

羽尾政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど少し触れましたが、取り締まりも含めた総合的な対策としましては、海上保安庁あるいは警察などともよく連携して取り組んでまいりたいと思っておりますし、先生御指摘のとおり、こういう関係者に、まず、今回の改正内容、そしてライフジャケット義務化の内容の周知というのが極めて重要だと思っております。

 また、出港前にそういうことを意識していただくということも大事だと思っておりますので、ボートスクールあるいは関係の団体などを使いまして、出港前にはそういうことが必要なんだという、いわゆる習慣としての義務づけ、そういったことが徹底されていくように、いろいろな周知活動に力を注いでまいりたいというふうに思っております。

大見分科員 ありがとうございました。

 なかなか言えないところもあろうかというふうに思いますので、今おっしゃるとおり、出港前、まずそうしたところの徹底を図るというところに重点を置く、よく理解ができましたので、しっかりと取り組んで事故の防止に努めていただくようにお願いをさせていただきたいというふうに思います。

 続いて、連続立体事業の補助金による事業促進についてという観点からお伺いをいたしたいというふうに思います。

 国土交通省では、先月一月に、いわゆるあかずの踏切の改善を目的に、全国五百二十九カ所の踏切を指定して、さらに、二〇二〇年までに千カ所以上の指定を追加して、鉄道会社や自治体に義務づける方針が示されました。愛知県では、実は最も多く、六十九カ所の踏切が指定をされたということであります。

 今回、鉄道会社や自治体にどのような改善を求めていくのか、具体的に少し触れていただきたいというふうに思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、本年一月、改正後の踏切道改良促進法に基づく本格的な指定といたしまして、いわゆるあかずの踏切等、今後改良すべき踏切道として、全国五百二十九カ所の踏切道について指定を行いました。そのうち、愛知県内では六十九カ所でございます。

 指定された踏切道につきましては、平成三十二年度までに、改良の実施または改良計画の策定が求められます。

 改正法におきましては、そのために必要な協議の場といたしまして、鉄道事業者、道路管理者のみならず、地域の関係者も含めた踏切道改良協議会において、地域一体となって協議する仕組みを取り入れております。

 また、改良の方法につきましても、立体交差等に加えまして、カラー舗装等の当面の対策や踏切周辺対策等を位置づけることができることといたしまして、踏切対策の一層の促進を図ることとしたところでございます。

 今般指定された踏切道につきましては、こうした制度を活用して、地域の実情を踏まえた踏切対策の検討が進められることが期待されまして、国といたしましても、こうした取り組みをしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

大見分科員 地元の選挙区の自治体の中にも、実は、あかずの踏切等々に指定をされたところが結構たくさんありまして、首長さんの御意見も伺いますと、簡単にできるところもきっとあるんでしょうけれども、多くのところは相当な事業費と期間がかかる、財源がねえというのがまず正直返ってくる言葉の第一でありました。

 そういう中で、実際取り組んでいるところも実はあるわけでありますけれども、その取り組んでいるところの一つの例として、地元の知立市というところでは、あかずの踏切と、自動車と歩行者の事故を誘発しやすいボトルネック踏切の解消を目的として、連続立体交差事業が、総事業費六百十億円、平成三十五年の完成を目標に今進められておりまして、約十カ所ぐらいの踏切除去を目指して今工事が進められているところがあります。

 知立市からは、大変大きな財源ということもありますので、財源確保のために、国土交通省にも、例えば根本政務官のところにもお邪魔をさせていただいて、たびたび、年数回、要望活動をさせていただいているところであります。

 やはり、実際の踏切の改良工事を行うためには相当多額の財源を確保することが必要だというふうに思いますけれども、例えばこの知立市の場合も含めて、どう確保していくのか、そうした点のお考えをお伺いいたしたいというふうに思います。

栗田政府参考人 お答えいたします。

 連続立体交差事業は、鉄道を連続的に高架化もしくは地下化して、複数の踏切を一挙に除却する事業でございます。委員お触れいただきましたとおり、知立では、十カ所の踏切、うち一つがボトルネック踏切、これの除却が図られる事業と承知しております。

 交通の円滑化、踏切事故の解消、分断市街地の解消など多面的な効果を発揮する重要な事業と認識しておりまして、国土交通省としましては、これまでも、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金によりまして重点的に支援しております。

 特に、平成二十八年度予算におきましては、公共事業関係予算が横ばいで推移する中で、連続立体交差事業を含む計画につきまして、当初予算の配分額を大きく伸ばし、また、第二次補正予算の中でも重点項目として相当額の予算を配分するなど、その重要性を踏まえた配分を行ってきております。

 今後も、事業効果の早期発現を図るために、引き続き重点的な支援をしてまいりたいと考えております。

大見分科員 いろいろと御配慮いただいて、本当にありがとうございます。感謝を申し上げたいと思います。また引き続きよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 知立市の連続立体交差事業の事業主体というのは、実は愛知県になっております。事業の流れとしては、国から県へ、いわゆる今の各種の交付金として交付されて、県が事業の必要性を考慮して予算配分を行って決定するというふうに承知をしております。

 踏切の改良、中でも連続立体交差事業のような長い工期と多額の工費が必要な事業については、実は、国が主導して、重点的にここをぐっとやっていくんだというようなことで事業を促進させていかないと、先ほど、三十二年までにあかずの踏切の改良を実施する、もしくは計画を立案してもらうということで進めていくんだというお話も伺ったところでありますけれども、なかなかその解消というのは進まないのではないかというふうに危惧をいたします。

 そこで、交付金は、前政権のときに、国から地方へのひもつき補助金を廃止して、地方が自由に使える交付金としてスタートしたもので、地方創生の観点からは一定の意義があるものだというふうに認識できる部分もあるわけでありますけれども、国として重点に取り組むべき事業については、交付金というよりは、むしろ補助金として交付をして事業の促進をしっかり図っていくというような、めり張りのある財源の使い方もこれからは必要ではないかというふうに考えております。

 連続立体交差事業などの重点かつ大規模事業について交付金から補助金へ転換するというお考え、この件についての御所見をお伺いいたしたいと思います。

栗田政府参考人 連続立体交差事業は、事業規模が大きく複雑な工事となるほか、関係者が多数存在することなどによりまして、長期の事業期間を要するものでございます。

 そのため、工事の施行に必要な詳細設計、あるいは、地方公共団体、鉄道事業者間での綿密な協議、調整などを行います、いわゆる着工準備の段階における検討が特に重要と考えております。

 これまでは、この着工準備の段階につきましても、先ほど申し上げました交付金による支援をしてきたところでございますが、その重要性に鑑みまして、平成二十九年度予算では、検討の熟度を国としても見きわめて、着工準備に対してめり張りをつけた集中的な支援を行うため、事業箇所ごとに補助金により支援をする新規制度を盛り込ませていただいております。

 これによりまして、着工準備段階における検討について、優先度が高いと判断される箇所については、従来以上にスピード感を持って、より熟度の高い検討が図られるというように考えておるところでございます。

大見分科員 一部補助金化して、国としても直接この事業の推進、計画の立案等々について支援をしていくという姿勢をお示しいただきました。大変すばらしいことだというふうに思います。

 知立の場合も、実は、建設の期成同盟会ができてから着工までに三十年ぐらいかかっているんじゃないか、恐らく、地元で話が出てからと考えると四十年以上はかかっているような話だろうというふうに思います。その間、熱意を持ってそうした運動を続けていただいていた地元の皆さんというのは、それほどぜひ改良してもらいたいということだというふうに思いますけれども、そこをしっかりと、事業の面、また補助金を使いながらの研究の面でお支えをいただくということは、とても大事なことだというふうに思っております。

 そうしたことで熟度が上がって、事業に対する住民の皆さん方の理解が深まることで、事業が始まった際には一気呵成に進んでいくものだというふうに思っておりますので、こうした補助金化の取り組みをできれば少しずつ広げていただいて、国としての重点化の意思、そうしたものも地元にしっかり直接伝わるような形で制度も考えていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。

 大変ありがとうございました。

 次に、同じ地元の話でありますけれども、今度は道路の話でありまして、愛知県刈谷市の伊勢湾岸道路の刈谷ハイウェイオアシスというのがあるんです。そこは、全国でも有数な大変集客力のあるレジャー施設というか道の駅でありまして、例えば東京ディズニーランドであるとか大阪のユニバーサルスタジオの、その次の次ぐらいだったと思いますけれども、四位か五位ぐらいには入っているということで、とてもたくさん人が来るところであります。

 また同時に、その周辺というのは自動車関連産業が非常に多く立地いたしておりまして、完成車や部品を積載したトラックなどの物流が非常に多いところもある場所であります。

 このことから、刈谷ハイウェイオアシスを挟んだ伊勢湾岸道路の豊明インターと豊田南インターは、朝夕を中心として、実はいつも渋滞が発生いたしております。特に両インターの上り車線の出口渋滞というのはとてもひどくありまして、本線上にも渋滞の車が並ぶことがあるほどであります。

 下に走っております道路の構造、信号の設置だとか、そうしたところにも問題があるのかもしれませんけれども、いずれにしろ、それを除いたとしても、相当量の交通量があるというところであります。

 そうした点から、事故防止と交通の円滑化などの視点を踏まえて、刈谷ハイウェイオアシスにスマートインターチェンジを設置してその周辺の渋滞解消などの課題に努めていくということで、スマートインターチェンジの計画的かつ効率的な準備、検討を進めることを目的に、刈谷スマートインターチェンジ準備会が設置をされたと聞いております。

 現在のその準備会の開催状況と検討内容について、まずお知らせをいただきたいというふうに思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 伊勢湾岸道の刈谷スマートインターチェンジにつきましては、国としてインターチェンジの必要性が確認できたことから、平成二十七年度より、国による準備段階調査を実施してきているところでございます。

 準備段階調査では、中部地方整備局、刈谷市、豊田市、豊明市、愛知県、警察、高速道路会社をメンバーといたしまして、これまで計四回にわたり準備会を開催してまいりました。

 これまでに開催した準備会におきましては、スマートインターチェンジの必要性、位置、構造、整備効果、アクセス道路の整備計画などについて関係者間で検討を進めてきたところでございます。

 以上です。

大見分科員 ありがとうございます。

 刈谷ハイウェイオアシス周辺の交通状況というのは、今後、国道二十三号線の全線供用開始などによりまして、実は、ますます交通量がふえるということが予想されております。特に豊明インター周辺では相当交通量が一気にふえていくということも考えられておりますので、そういう意味で、ぜひともスマートインターチェンジの事業というのを一層進捗していただいて、ステップアップを図っていくことが望まれるというふうに思っております。

 周辺は、自動車産業が今活発に動いておりまして、物流が盛んでありますけれども、渋滞による損失時間等も企業経営の中では相当課題になってきております。そういう意味で、ぜひ物流の円滑化というものを図ることが望まれるというふうに思っておりますので、そのことに対して大きく寄与する刈谷スマートインターチェンジの進捗を図ることが望まれるわけであります。

 最後に国としての意気込みを伺いたいというふうに思います。よろしくお願いします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 スマートインターチェンジは、既存の高速道路の有効活用や地域の活性化に重要な施策でございまして、平成二十九年一月末時点で、八十七カ所で開通済み、七十一カ所で事業中となっております。

 刈谷スマートインターチェンジにつきましては、委員御指摘のとおり、予定地周辺に大規模な自動車関連工場が集積しており、物流の効率化による生産性向上が図られるとともに、周辺道路の混雑緩和に寄与するものと認識をしております。

 準備会におけるこれまでの検討は順調に進んでいると伺っており、今後、刈谷スマートインターチェンジを事業化するまでには、詳細設計を完了させた上で、その事業費等の負担区分について関係者間で合意する必要がございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、準備会を通じ、地元地方公共団体や関係機関と連携しながら、詳細設計や負担区分などについて必要な検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

大見分科員 事業の進捗のほど、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 最後の質問になります。

 私の地元に三州瓦という瓦をつくっている産地がございます。全国の瓦の生産の多分七割ぐらいをつくっているところであります。

 残念ながら、地震が起きるたびに瓦の評判というのが非常に落ちてきているわけでありますけれども、それは実はちょっと誤解に基づくものでありまして、瓦が乗っているから地震に弱いということではなくて、建物の構造の方に若干問題があるのではないかなと。現に熊本地震でも、瓦がきれいに乗ったまま倒れたうちがありますので、これは瓦がずり落ちたとかそういうことではないというところでありますけれども、そういったところで、産地の皆さん方は非常に今苦労されているというところがございます。

 瓦の製造のときに、実は不良品も相当出ます。瓦が割れてしまったり、規格より大きかったり小さかったりする。それを破砕していろいろなものに使っていこうという取り組みを相当前から進めているところであります。

 そうした中、国土交通省でも、港湾・空港等整備におけるリサイクルガイドラインというのを取りまとめられて、新たなリサイクル材として、破砕瓦、私どもの地元ではシャモットというふうに呼んでおりますけれども、この破砕瓦が追加をされました。現在、その破砕瓦の実用化の可能性に向けて、愛知県の衣浦港で実証実験をしていると承知しております。

 実証実験で得られた現時点での評価にはどんなものがあるのか、まずお伺いをいたしたいというふうに思います。

菊地政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省中部地方整備局港湾空港部におきましては、平成二十七年度から二十八年度の二カ年にわたりまして、愛知県陶器瓦工業会にもオブザーバーとして御参加をいただきまして、破砕瓦の港湾工事等への利活用検討委員会を開催いたしまして、愛知県衣浦港における破砕瓦の実証実験や材料特性を確認するための室内実験を実施してきたところでございます。

 具体的には、平成二十七年度に、実験計画を立案いたしまして、破砕瓦を用いて実証実験のための盛り土を築造いたしました。二十八年度には、築造いたしました盛り土の上を車両が通行した場合の土圧等を計測するとともに、破砕瓦を水中に沈降、堆積させる室内実験を実施したところでございます。

 これらの実験の結果、破砕瓦には、水中に投下した際、濁りが発生する等の課題も見られる一方で、軽量であり内部摩擦角が大きいことから土圧を軽減できること、圧縮性が低いことから使用する土量を軽減できること、これらの利点が確認をされたところでございます。

大見分科員 課題もある一方で、利点もあるということでありました。したがいまして、利点の方をしっかりと踏まえながら、課題が発生しないような使い道というのが考えられるのではないかなというふうに思います。

 そういう意味で、利点と課題、特性を踏まえて、今後どのようなところで実用化していくのかもあわせてお伺いをしておきたいというふうに思います。

菊地政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省におきましては、港湾、空港等整備におけるリサイクル材料の利活用を促進するため、平成二十七年十二月に港湾・空港等整備におけるリサイクルガイドラインを改正し、リサイクル材料の一つとして新たに破砕瓦を追加したところでございます。

 その後、先ほど御答弁申し上げましたとおり、衣浦港での実証実験や室内実験を実施し、破砕瓦の港湾工事への利活用に向けた技術的検討を進めてきております。

 今後は、今回の実証実験の結果を踏まえまして、港湾工事等における破砕瓦の利活用のための技術資料、マニュアル等を取りまとめる予定としております。破砕瓦の材料特性を生かすことができる岸壁背後の裏込め材や陸上部の盛り土材、こうしたものの港湾工事への適用について積極的に検討してまいりたいと考えております。

大見分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、道路等の骨材、そうしたものも含めて、いろいろな使い道というのを今後御検討いただきたいというふうに思います。

 また、瓦については、インバウンドが非常に多い中、日本の美を象徴するものだというふうに思っております。産地の方が非常に苦しんでおりますので、そうした面もこれからいろいろと御配慮いただいてお助けいただけるようお願いをさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

赤羽主査 これにて大見正君の質疑は終了いたしました。

 次に、石川昭政君。

石川分科員 自由民主党の石川昭政でございます。

 きょうは、平成二十九年度予算の国土交通省所管事業に関しまして質問をさせていただきます。

 まず冒頭、お礼を申し上げたいと思います。

 平成二十七年の九月に発生いたしました関東・東北集中豪雨の際には、鬼怒川緊急対策プロジェクトということをすぐに立ち上げていただきまして、五年間で実に六百億円を集中投下して、工事に着手していただきました。

 そしてまた、これは都市局関係でございますけれども、震災で使用不可能となりました日立市の中央体育館、これがことしの一月二十一日、池の川さくらアリーナということで生まれ変わりまして、無事に開所式を迎えることができました。

 そして、今月の二月二十六日には、茨城県内の圏央道が全線開通を迎えることができます。

 この間、石井大臣には、多くの事業に際しましてリーダーシップをとっていただきまして、本当にありがとうございます。

 それでは、質問通告に従いましてお伺いしていきたいと思います。

 私は、今、自由民主党の原子力規制プロジェクトチーム事務局として、全国の原子力発電所を視察しております。

 原発の立地というのは、半島であるとか人里離れた場所に立地をしていることが非常に多いわけです。そこに行き着くためには、町道や県道、市道というのは非常に狭く、対面二車線というところがほとんどでございます。必ず立地の首長さんと意見交換をするわけですけれども、その中身というのは、道路整備の陳情というのが非常に多いわけでございます。

 今、政府においては、原子力の再稼働に向けた新規制基準の適合性審査が進んでおります。その一方で、立地自治体としては、住民の避難計画の立案というものに今取り組んでいる最中でございまして、その計画の基礎となるのが道路の整備でございます。これは、政府一体となってこの整備に取り組んでいただきたい、そういうところが今課題であるという認識を持っております。

 そこで、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、茨城県には、東海第二原子力発電所の立地であります東海村を通過する国道六号線がございます。ここは、いまだ二車線の対面通行でございます。東海村の南に隣接いたしますひたちなか市まではもう既に四車線化がされております。大臣も御存じのとおり、この東海村から北の日立市にかけて、渋滞頻発エリアでございます。

 国道六号線の渋滞対策としても、あるいは避難道路としても、東海村の六号線というのが四車線化が必要だと考えておりますけれども、石井大臣の御見解をお伺いします。

    〔主査退席、門主査代理着席〕

石井国務大臣 国道六号の東海村石神外宿から那珂市向山間の延長三・一キロメートルの区間におきましては、二車線の道路に一日当たり約三万台の車両が通行しておりまして、二カ所の交差点において、平日の朝夕を中心に渋滞が発生していると認識をしております。

 また、東海村において検討が進められております広域避難計画の中で、常磐自動車道や東水戸道路等の幹線道路とあわせて、国道六号につきましても避難経路の一つとして位置づける予定と聞いているところでございます。

 一方、現在、茨城県の県北地域におきましては、最も渋滞が著しい日立市域の渋滞緩和を図るため、まずは国道六号の大和田拡幅や日立バイパス二期の事業を重点的に推進しているところでございます。

 今後、東海村を通過する国道六号の交通状況や東海村における広域避難計画の検討状況等を踏まえ、四車線化を含む渋滞対策について検討を進めてまいりたいと存じます。

石川分科員 誠実な御答弁、まことにありがとうございます。

 道路を事業化して一本通す、あるいは拡幅するというのは、非常に手続が複雑でございます。県それから市、自治体ですね、それから国が計画してから、事業を評価して、さらにその用地買収に着手していくわけでございます。

 そこでお伺いいたしますけれども、道路を事業化するプロセスにおいて、国民の生命と財産を守る避難道路がどうしてこれまで優先されなかったのか。優先順位、さまざま手続はあろうと思いますけれども、これについて国土交通省の御見解をお伺いします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 道路の果たす役割は、地域経済の活性化や救急医療の支援、防災対応の改善など非常に多岐にわたっております。ただ、国直轄道路の事業化に際しましては、費用便益分析や、自動車や歩行者、社会全体に与える事業の影響、事業実施環境を考慮して事業箇所を選定して進めておるところでございます。

 委員御指摘の避難道路につきましては、社会全体に与える事業の影響において、住民生活や地域経済、環境等への影響とともに、災害への影響として考慮されているところでございます。

 新規事業化に当たりましては、都道府県知事等への意見照会や、学識経験者等の第三者から構成される委員会における審議など、必要な手続を経て事業化をしているところでございます。

 避難道路としての機能については、道路整備に当たっての重要な視点の一つであると認識をしておりまして、引き続き、評価手続において当該視点も踏まえながら、必要な道路の整備を推進してまいります。

 以上でございます。

石川分科員 ありがとうございます。

 避難道路の整備につきましては、やはり道路予算では限りがございます。いわゆる電源立地対策交付金というものが原発の立地自治体には交付をされているわけでございます。こういった交付金の使途拡大で道路をつくったり、あるいは、避難道路につきましては別枠で対応すべきだと私は考えておりますけれども、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

平井政府参考人 お答えいたします。

 道路整備を初め避難経路の多重化整備は、住民の皆様の安全、安心の観点から、非常に重要だと考えております。

 そのため、内閣府では、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金に地域防災計画に位置づけられた避難経路の課題等を調査するためのメニューを新たに追加し、平成二十九年度の予算案に盛り込んでいるところでございます。

 国や自治体等が行う訓練や本調査などを通じて抽出された課題については、内閣府が原発の立地地域ごとに設置しております地域原子力防災協議会の枠組みにおいて、地元自治体や国土交通省、経済産業省などの関係省庁と一体となって改善策を検討を行っております。

 今後とも、地域住民の皆様の安全、安心を第一に、避難経路の整備と避難計画の具体化、充実化に政府一丸となって取り組んでいきたいと思っております。

石川分科員 今、内閣府のお答えですと、調査費を計上いたしまして、避難経路でどういったものが課題かということを抽出する、それを各省で共有して、解消に取り組んでいくというお話でございました。

 私は、原子力の再稼働を進めている政府において、原子力災害に係る避難道路というのは、優先順位は高めるべきだろうと考えております。これについて、石井大臣の御見解をお伺いします。

石井国務大臣 一般論で申し上げれば、道路整備につきましては、交通の円滑化や交通安全の確保、また防災の観点等、多様な観点からその必要性について総合的に検討した上で、事業を実施しているところでございます。

 避難道路の整備につきましても、特に原子力災害に係る避難道路につきましては、重大な原発事故等の災害が発生した際に住民の安全確保や広域的な緊急活動の経路となることから、防災上重要な視点の一つであると認識をしてございます。

 避難道路につきましては、経済産業省等の関係省庁と連携をしつつ、地方自治体における避難計画等の策定状況も踏まえながら、国土交通省としても、必要な道路整備についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

石川分科員 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいただくとお約束をいただきました。

 それでは、次の質問に移りたいと思います。

 茨城県を南北に縦断いたしまして福島県につなぐ主要幹線道路六号線についてお伺いいたします。

 それと並行して走っております国道四号線に比較しまして、この六号線、若干整備がおくれているのではないかと私は考えております。

 そこでお伺いいたしますが、国道四号線の四車線化率、それと国道六号線の四車線化率、全体の割合と茨城県内での四車線化率、それぞれお伺いしたいと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 まず四車線化率、これは現道プラスバイパスで四車線確保されている延長ということで定義をさせていただきます。

 国道四号線は、東京都中央区日本橋を起点としまして、青森県の青森市に至る約七百四十キロメートルの路線でございまして、全体の四車線化以上の区間の割合というのは五割となっております。そのうち、茨城県内は四車線化が全て完了しております。

 一方、国道六号線、これは東京都中央区日本橋を起点といたしまして、仙台市に至る延長約三百三十キロの路線でございまして、全体では四車線化率約四割となっておりまして、茨城県内では約三割となっているところでございます。

 以上でございます。

石川分科員 ありがとうございます。

 やはり、残念ながら、国道六号線は四車線化率が全体で四割、茨城県内に限ってはまだ三割程度であるということで、非常にこの整備がおくれているということが明らかになったと思います。

 そこで、ちょっとお伺いいたしますが、さきの震災によりまして津波で被災した国道六号線北茨城でございますけれども、緊急時の代替道路として事業化を決定していただきました国道六号線勿来バイパス、この工事の進捗状況をお伺いしたいと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 国道六号勿来バイパスは、茨城県北茨城市関本町から福島県いわき市勿来町までの茨城県と福島県の県境を結ぶ主要幹線道路でございまして、災害時の代替路の確保や交通混雑の緩和、交通安全の確保を目的とする延長約四・四キロのバイパス事業でございます。

 本事業は、平成二十七年度に事業化をいたしまして、これまで、測量、地質調査、道路設計を進めてまいりました。

 来月には、地元の方々を対象に設計説明会を開催する予定でございまして、今後、用地買収のために必要な幅ぐい設置や用地調査を推進してまいります。

石川分科員 ありがとうございます。

 次に、お配りした資料をごらんいただきたいと思います。

 国道六号線日立市内の今の状況でございます。

 日立市内の旅行速度というものを測定しますと、国道六号線でいうと茨城県内で一番悪い、ワーストワンでございます。

 二枚目の資料をごらんいただきたいと思います。

 その渋滞による損失というのは、県の平均でいうと四倍以上でございます。その損失金額を算出しますと、年間で百二十億円でございます。これがなぜ起きているかというと、その(3)の道路の容量が不足している。これは、例えば多賀から東海までで見ると、道路の持つ容量二十六に対して実際に通行しているのが八十三台ということで、約三倍も車が走っている、こういうデータがございます。渋滞は日立市の代名詞となってしまっている、特にひどい地域でございます。

 そこで、国道六号線日立バイパスというものを事業化しているわけでございますけれども、この日立バイパス二期工事の事業の進捗状況についてお伺いいたします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 国道六号日立バイパス二期工事、これは、日立市内の交通混雑緩和と交通安全の確保を目的とした、茨城県日立市国分町から同市旭町までの約三キロメートルのバイパス事業でございます。

 本事業は、平成二十四年度に事業化をいたしまして、これまで測量及び陸上部の地質調査や海岸部における道路構造物の設計条件の検討等を実施してきたところでございます。

 今年度は、海上部の地質調査を進めるとともに、国分町地区の用地買収及び橋梁設計を実施しているところでございます。

 今後、用地買収及び橋梁設計に引き続き取り組むとともに、会瀬町地区の用地買収のために必要な協議等を推進してまいります。

 以上です。

石川分科員 ありがとうございます。

 地元の皆さんは、おおむね了解をし、事業の進展を期待しておりますので、ぜひ御協力の方をよろしくお願い申し上げます。

 それでは最後に、両事業に対しまして、大臣の意気込みをお伺いしたいと思います。

石井国務大臣 茨城県内の国道六号は、県庁所在地の水戸市や国内有数の電機産業地である日立市を結ぶ欠かせない道路でございます。特に日立市やひたちなか市については、工業地域を沿線に抱えておりまして、茨城県内の製造業における生産性向上に資する重要な道路であると認識をしております。

 しかしながら、交通量も多く、渋滞が発生するなどの課題があり、交通混雑の緩和や交通安全の確保等のために実施しております国道六号勿来バイパス、日立バイパス二期につきましては、引き続き、関係自治体の御協力をいただきながら、一日も早い開通を目指して事業を推進してまいります。

石川分科員 ありがとうございます。

 両事業そして大和田拡幅事業に対しまして、また御協力をお願いしたいと思います。

 次に、JR常磐線の輸送力の向上についてお伺いします。

 常磐線ですが、上野東京ラインの開通によりまして、都内へのアクセスが非常に向上をいたしました。

 今後の課題といたしまして、安全対策、それと、けさほども風が強かったわけですけれども、強風対策、始発時間の繰り上げ、最終電車の時間の繰り下げ、こういった課題がございます。そして、将来的には高速化についても取り組んでいきたいなというふうに考えております。

 例えばですが、東京から日立まで、距離的にいうと約百五十キロございます。同じような距離でいいますと東京―軽井沢間、これは北陸新幹線で、百四十六キロだそうですが、一時間十五分で結んでいるということでございます。

 これに関しまして鉄道局にお伺いいたしますが、常磐線のこういった課題について、対策はどのようになっているでしょうか、お伺いしたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、常磐線は、東京・日暮里から宮城・岩沼を結ぶ重要な幹線鉄道でありまして、上野東京ラインの開通で利便性が一層増しております。

 この常磐線の利便性向上等について御質問いただきましたので、順次簡潔にお答えをいたします。

 一つは、安全の確保。これは、先生からは駅ホームの安全性確保、特にそれについてというふうに認識をしておりますけれども、こちらにつきましては、ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落等防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことが重要と認識をいたしております。

 ホームドアの整備につきましては、バリアフリー化の推進等の観点から、事業者と国、地方公共団体が連携して実施をしております。

 こうした観点から、ホームドアを含む鉄道駅のバリアフリー化設備の整備に対して、JR東日本を含みます鉄道事業者に対して整備費用の三分の一を補助しているということでございます。

 それから二点目、強風対策でございます。

 鉄道の安全、安定輸送を確保しつつ利用者利便の向上を図るためには、風による遅延でありますとか運休といった輸送障害を極力少なくする取り組みが必要であります。

 この強風対策につきましては、平成十七年十二月のJR羽越線で発生をしました脱線事故を踏まえまして、国交省、気象庁、事業者、研究機関などから成る鉄道強風対策協議会というのを設置いたしまして、風観測の考え方でありますとか防風設備の設置についての検討が行われました。

 これを受けまして、常磐線においても各種の対策が講じられておりまして、具体的には、強風の影響により列車の運転規制が生じやすい五カ所の橋梁におきまして、強風を緩和するための防風柵を設置いたしました。このうち、平成二十七年二月に防風柵が設置された水戸―勝田間の那珂川橋梁では、年間累計の運転中止時間が九七%、速度規制時間が七三%減少したとの報告も受けております。

 国交省といたしましては、これらの対策が適切に進められ、安全かつ安定した輸送を確保するよう事業者に求めてまいりたいと考えております。

 それから、特急列車の始発時刻繰り上げ、終電時刻繰り下げでございます。

 こういった特急列車の始発、終発の時刻は、他線や普通電車との乗り継ぎも踏まえ、沿線利用者のニーズを十分に踏まえて設定すべきものと考えておりますけれども、国交省といたしましては、鉄道事業者に対しまして、地元の声に耳を傾けながら、適切なダイヤを設定するよう伝えてまいりたいというふうに考えております。

 あと、高速化でございます。

 常磐線の高速化につきましては、平成元年にJR東日本により高速化事業が行われまして、上野―水戸間について速達性が向上したところでございます。

 一般的に、在来線の高速化につきましては、基本的に鉄道事業者が路線の利用状況等を勘案し検討を行うべきものでございますけれども、在来線の高速化によって、高速輸送体系の形成が促進され、広域的な地域間の連携の強化や地域の活性化が図られております。

 国としても、このため、幹線鉄道等活性化事業費補助として、高速化のために路線の線形改良等を行う際の費用の一部を自治体とともに支援する制度を設けさせていただいております。

 いずれにいたしましても、まずは、地元の皆様と鉄道事業者の間で、線区ごとにニーズを踏まえた整備のあり方について十分な検討を行っていただきたいというふうに考えております。

 お尋ねに対するお答えは、以上でございます。

石川分科員 ありがとうございます。

 丁寧に取り組んでいただいているということがよくわかりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 次に、茨城空港の利活用についてお伺いいたします。

 茨城空港は、地方空港として、特にLCCに特化をした空港でございます。東関道水戸線で成田と東京と今後つながる計画ですが、現時点では単なる通過地点となっているような課題がございます。

 東京オリンピックに向けまして、これから需要が拡大する成田、羽田空港に次ぐ首都圏第三空港として、インバウンド、あるいは全国二位の実力のある農産物産出の輸出拠点、こういったものに活用できるのではないかというふうに期待をしているところでございます。

 政府における今後の整備方針についてお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、インバウンド四千万人を目指しまして、国土交通省といたしましては、羽田、成田以外のいわゆる地方空港におけるインバウンドの旅客の受け入れの拡大というものを期待しているところでございます。

 茨城空港につきましては、低コストでコンパクトで使いやすい空港といたしまして利用者数が順調に伸びてきておりまして、国土交通省では、拡大する需要に対応するため、昨年八月より、航空機の駐機場を三スポットから四スポットに拡張したところでございます。

 茨城空港の利用促進につきましては、地元の茨城県が積極的に取り組んでおられるところであり、具体的には、茨城空港を利用する旅行商品の造成費用や団体送迎バス費用に対する助成、県内宿泊者を対象としたレンタカー費用の助成などの取り組みを実施しておられると承知しております。

 また、航空貨物につきましては、現在、主に衣類や雑貨の輸入が行われているところでございますけれども、今委員御指摘のように、茨城県におきましても、輸出が可能となるような環境整備を進めておられるというふうに聞いているところでございます。

 国土交通省といたしましても、茨城空港の利用促進や、茨城空港の利用者の利便の向上に向けまして、地元自治体等の関係者の御意見も踏まえながら、必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。

石川分科員 ありがとうございます。

 県の取り組みに対しましても、御協力、御支援の方をよろしくお願い申し上げます。

 最後の質問に移ります。

 国土交通省においては、車のICT革命という事業に取り組んでいるというふうに承知をしております。

 自動運転の社会実装に向けた常磐道を活用した実験について、今、国において計画が進んでいるというふうに聞いております。つくば市には、日本自動車研究所というのがございまして、ここがそういったものの拠点になるのではないかなというふうに期待しております。こうした夢のあるプロジェクト、ぜひ茨城県を御活用いただきたいと思っております。

 現時点の政府の取り組み方針をお伺いしたいと思います。

進藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム、いわゆるSIPでは、本年九月から、自動運転技術に関する大規模実証実験を実施する予定でございます。

 このSIP自動走行システムプロジェクトは、高性能なデジタル地図や通信利用技術など、各社共通の技術課題につきまして、産学官連携による集中的な研究開発等を推進しているものでございます。

 この大規模実証実験では、国内外の自動車メーカー等に広く参加を呼びかけ、常磐自動車道などの高速道路、東京臨海地域の一般道のほか、茨城県つくば市の一般財団法人日本自動車研究所のテストコースも利用しまして、高度な自動運転の実現に向けた技術検証等を行う予定でございます。

 自動運転につきましては、交通事故の低減のほか、地方や高齢者の移動手段の確保への貢献も期待されるところでございまして、内閣府としましても、関係省庁とともに、その実現を目指して積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

石川分科員 ありがとうございました。

 ぜひともこのプロジェクト、茨城県、協力いたしますので、成功に導いていただきたいというふうに思っております。

 それでは、私の質問は以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。

門主査代理 これにて石川昭政君の質疑は終了いたしました。

 次に、瀬戸隆一君。

瀬戸分科員 おはようございます。香川県の衆議院議員、瀬戸隆一でございます。

 本日は、まず、都市公園法についてお聞きしたいというふうに思っております。

 本年一月に、これは報道でありましたけれども、日比谷公園にある松本楼というレストランで安倍総理が会食されたという報道がありました。私も松本楼でランチを食べるということが今まで何回かありましたけれども、緑に囲まれた公園の中で食事をとるというのは、本当に格別なものがあるというふうに思っています。日比谷公園の松本楼のある空間は非常にすばらしい空間だと思いますし、また、私の大好きな空間でもあります。

 昨年、四国新幹線の導入を目指す自民党の四国の議員団というのがありまして、北陸新幹線の視察に石川県や富山県に行ってまいりました。

 富山環水公園というところに行きまして、そこには運河があって、その周りに広い芝生の緑地帯がある、そういう公園でした。そこに、川のほとりにスターバックスコーヒーがありまして、このスターバックスコーヒーは、世界一美しいスターバックスコーヒーと言われているらしいんですね。確かに、スターバックスコーヒーというのは大体町中にあることが多くて、芝生の公園の真ん中にある、また運河のほとりにあるということはほとんどありません。そういった意味で、非常に美しいスターバックスではないかというふうに私も思いました。

 ただ、この運河ですけれども、もともとは、木が流れたりとか、木材置き場だったんですかね、ごみ捨て場のような場所でもあったそうです。それが、今は遊覧船も運航し、そしてまた、憩いの場ともなっているということであります。地域がやはり公園の開発に力を発揮してきた、その成果があらわれたんだということだと思います。

 また、そこにカフェができるということで、市民の憩いの場になったということなんだと思います。都市公園法によってできたカフェだそうであります。今回、その法案の改正が国会に提出されたということであります。それに絡んで御質問させていただきたい、そのように思っています。

 私の地元、香川県なんですけれども、坂出市というところがありまして、ここに県管理の公園があります。緑地帯なんですけれども、番の州工業地帯があるということで、工場立地法により緩衝緑地帯が必要とされて設置された緑地帯だそうです。

 番の州工業地帯は、かつての塩田地帯と埋立地にできた工業地帯でありまして、高度成長期の香川の経済を支える工業地帯でありました。高度成長期ですから、公害対策ということで多くの木が植樹され、工場の煙を防ぐ役割を果たしてきたんだというふうに思います。

 しかし、現在、工場地帯からの公害は、企業の努力もあり、非常に少なくなりました。ほとんど、公害の煙というのは余り見られません。ただ、緑地帯の木がうっそうと茂ってしまって、今は逆に、工業地帯と市街地を分断する緑地帯にもなってしまっているんじゃないかという話もあります。

 この緑地帯がこれからの坂出市の市民の憩いの場にならないかというふうに私もちょっと考えているところであります。この件につきまして、坂出市においても、この緩衝緑地帯の有効活用について検討しているということであります。坂出市は、健康増進を進めるためにも、この地域をいろいろ利用したいというふうに考えています。そこに例えばカフェがあって、市民が憩える場になれば、これまたその場所がさらに活性化するんじゃないかということであります。

 そこで、御質問させていただきます。

 坂出市の緩衝緑地帯なんですけれども、都市公園法に基づく都市公園にカフェ等を設置した場合、工場立地法に基づく緑地規制との関係はいかがでしょうか、経産省の皆さん。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの工場立地法でございますけれども、周辺生活環境の保持の観点から、一定規模以上の工場等につきまして、工場の敷地面積に対して一定割合以上の緑地等の面積を確保することが義務づけられているものでございます。

 この法律、工場立地法の事務処理権限につきましては、現在、市、あるいは町村については都道府県、都道府県及び市へ権限の移譲がなされてございまして、同法の具体的な運用については、それぞれの自治体において判断をするとされております。

 御指摘のありました坂出市の案件でございますけれども、坂出市におきましては、こうした工場に隣接する都市公園については、公園内の便益施設も含めて緑地とみなしていると承知しております。都市公園法におきましては、便益施設にカフェ等も含まれると聞いておりまして、本件につきましては、カフェも工場立地法における緑地とみなされる可能性が高いのではないかと考えられます。

 ただ、いずれにしましても、工場立地法の事務処理権限はそれぞれの市、都道府県、本件の場合には坂出市が有しておりますことから、個別の事例あるいは個々の運用につきましては市の判断を確認することが必要となります。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 今の話によりますと、工場立地法に基づく坂出市の緩衝緑地なんですが、これは都市公園法に基づくカフェ等が設置できる可能性が高いということかと思います。都市公園法を利用してカフェ等の設置をさらに広めることは、やはりにぎわいづくりにつながっていくんだというふうに思っています。

 今まで、緩衝緑地帯については、工場立地法の制限があるんじゃないかということで、この緑地を削る、何かいじることがなかなか難しいんじゃないかということで、ずっとそのままにしてきたという歴史があります。そういった中で、カフェ等ができるんじゃないかというお話が今あったということ、これはまた、市の今後の緑地の有効活用にとっても非常に大きなことではないかというふうに思っています。

 さらに、今ちょうど都市公園法の法改正を準備しているということでございます。これは本当に、にぎわいづくりにとって非常に大切なものであって、使いやすいものにすることが大切だというふうに思っています。

 そこで、御質問させていただきます。

 都市公園に公園管理者以外の者がカフェ等を設置する場合の制限はどのようになっているでしょうか。また、今般の都市公園法の改正の内容及び法案成立に向けての取り組み意欲を伺いたいと思います。

末松副大臣 お答えさせていただきます。

 都市公園におきましては、民間事業者がカフェ等の収益施設を設置する場合は、公園管理者の許可を受けることとされております。現行法上、この設置許可の期間は十年、建ぺい率は原則二%以下に制限されております。

 これに対し、近年、民間投資の誘導を通じた利用者サービスの向上に対する期待が高まってきております。このため、今次国会に提出をいたしました都市緑地法等の一部を改正する法律案におきまして、公共還元型の収益施設の設置管理制度を創設することといたしております。

 この制度は、公園内にカフェ等の収益施設を設置する民間事業者を公募し、選定するものであります。本制度により設置許可を受ける民間事業者は、周辺の広場等の整備が求められる一方で、最長で二十年間の設置許可や建ぺい率の緩和等を受けることができます。

 本制度を通じまして、それぞれの公園の特性を踏まえつつ、民間事業者ならではの創意工夫を生かした取り組みがふえることにより、都市公園の活性化、魅力向上や周辺地域のにぎわい創出が期待されます。

 同法律案の早期成立に向けまして、しっかりと取り組んでまいりますので、また先生の御指導、よろしくお願い申し上げます。

瀬戸分科員 ありがとうございます。

 建ぺい率の方が一二%まで広がる、そしてまた、二十年に期間が延長されるということでございます。ただ、その場合には広場の整備も必要になってくるということなのかというふうに思いますが。本当に、にぎわいづくりにとって非常に大きな意義のある法案だと思いますので、ぜひまた、大臣また副大臣のさらなる御尽力をお願いしたいというふうに思っています。

 もちろん、これは、実際やるに当たっては、坂出市の方も地元住民との関係を調整したりとかいろいろ計画があると思いますので、これからだというふうに思っています。ただ、市民の憩いの場が生まれて、健康増進の場も活性化し、地域の活性化につながればというふうに考えているところであります。

 ありがとうございました。

 それでは、次の質問に行きたいと思います。災害協定というものについてちょっと質問させていただきたいと思います。

 香川県にも、南海トラフ地震が近い将来に発生し、津波が来るというふうに言われています。徳島、高知がよく言われているんですけれども、香川県も被災地というふうになっていまして、また、それと同時に、高知、徳島に対して支援をするという立場にも立つんじゃないかというふうに考えています。

 そういった中で、東日本大震災とか熊本大震災では、建築業とか土木業において、県と災害協定を結んでいたということがありまして、実際、災害が起きた後、業者の方々が現場に行って、そしていろいろな瓦れきの撤去を手伝っていただいたりとかそういったことがあって、その結果、災害復旧のスピードアップができたという話も聞いております。

 このように、やはりいろいろな業界に協力をもらっていくということ、これが非常に大切なことなのではないかと思っています。それがやはり平時からの準備ということにつながっていくんじゃないかというふうに思っています。

 香川県において、これは一昨年になりますか、中古車自動車販売協会が県と災害協定を結ぶということがありました。内容なんですけれども、災害が発生した場合は、車両保管場所を提供する、また、緊急車両、機械の貸し出しをする、故障車両の応急処置及び運搬を提供するというものでありました。

 実際、災害が起きた場合には、瓦れきはもちろんなんですけれども、その場に車を放置していく方、これは雪の場合もありましたけれども、車を放置していって復旧の妨げになる、交通の妨げになる、これが非常に大きな問題になるというふうに言われています。そういったことから、こういった同様の協定を広く全国に広げることは非常に意義のあることじゃないかというふうに思っているところであります。

 ただ、これをいろいろ広めようとしていくと、県によっては、これは中古車販売の業界なんですけれども、ほかの業界との並びがあるからちょっと待ってほしいとかいろいろありまして、また、これは余り例がないのでちょっとよくわからないからとかいうこともあるのかもしれませんが、なかなか進まないという状況もあるようであります。

 そこで、御質問したいと思います。

 現段階で、中古車自動車販売協会と災害協定を結んだ県というのはどういった県がありますでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 都道府県の中古自動車の販売協会が当該都道府県との間で災害における被災車両の運搬あるいは緊急車両の貸し渡し、保管場所の提供などにつきまして協定を締結している例としましては、香川県以外に群馬県と広島県があると聞いております。

瀬戸分科員 まだまだこれは三つなんですね、全国で。三つしかないということで、逆に言うと、中古車自動車販売協会の方も、連盟の方もまだ力が入っていないのかもしれませんけれども、まだそういった状況であります。

 ぜひこれは本当に広めていく必要があるというふうに考えているんですけれども、そこで、御質問させていただきます。

 中古車自動車販売協会と県との災害協定を全国に広めていくことは意義があると考えますが、いかがでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のような災害協定でございますけれども、こういった協定を締結することによりまして、発災直後から中古車自動車販売協会と都道府県が連携をして被災車両の処置等に関して迅速かつ円滑に応急対応をすることが可能になるということでございまして、災害対策の円滑化を図るのに非常に意味があるものだというふうに考えているところでございます。

 災害対策基本法におきましても、地方公共団体等は、災害応急対策または災害復旧の実施に際し民間団体の協力を得ることを必要とする事態に備えまして、協定の締結等の措置を講じるように努めなければならないとされているところでございますので、御趣旨も体しまして、今委員が御指摘のような点、非常に大事なものだと考えているところでございます。

瀬戸分科員 本当に意義のあるものだと思っています。

 また、例えば中古車販売の方々が集まったときとかそんなときに、こんな協定もあるんだよというところを、こういうこともできるんだということを国交省の方から皆さんにお話を差し上げる、それも一つの普及の広がる意味がある活動にもなると思いますので、ぜひまたそこのところをお願いしたらというふうに思っているところでございます。

 よりスピーディーに復旧作業をするために、平時よりこういったいろいろな業界と連携していく、それは非常に大切なことだと思いますので、ぜひまた、これは本当に国交省全体としてもこれからも取り組んでいただきたいというふうに思っています。

 それでは、次の質問をさせていただきます。

 ちょっと介護の話に行かせていただきたいというふうに思います。

 香川県の有効求人倍率というのは一・五倍を超えているということなんです。ただ、一・五倍を超えているといっても、人材不足であるのは介護人材、そしてまた、もちろん建設土木の分野、ここで大きく足りないということなんですが、実際、事務職については一を切って〇・八ぐらいなんじゃないかというふうにも言われています。足りない部分は本当に足りないんだけれども、足りている部分は、もう本当に、仕事を探そうにも仕事もないという状況であります。

 その中で、介護分野は非常に大きな人材不足がこれからもふえるんじゃないかというふうに言われています。二〇二五年問題と言われておりますけれども、こういった中で、私は、ICTを使った効率化というのをこれからしていく必要があるんじゃないかと思っています。

 ただ、介護の現場は、今までICTとか、ロボットもそうなんですけれども、そういった機械化を余りやってこなかった世界でもあるようでして、ICTの導入に、アレルギーとは言わないまでも、何かちょっとというところが現場ではあるようです。ただ、そういった中でも、人材不足を何とか解消していかなきゃならない。一つの手として、ICTを活用することはあるんじゃないかというふうに思っています。

 そこで、御質問させていただきます。

 平成二十七年度補正予算で、居宅サービス事業所における業務効率化、これはペーパーレス化ですけれども、の促進モデル事業が行われました。また、二十八年度予算でも、これを横展開ということで、先進的事業所の先行実証も行ったということであります。その実証実験を見てみて、どのような効果が得られたのか、その分析の結果はどうだったか、教えていただけたらと思います。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省におきましては、今御指摘がございましたけれども、介護サービスの生産性向上等を図るために、平成二十七年度補正予算におきまして、ICTに係る、今御指摘の調査研究を実施したところでございます。具体的には、訪問介護と通所介護それぞれにつきまして、ICTを導入している事業所と導入していない事業所の業務プロセスの実態の把握、それから事務処理時間等の比較検証を行ったところでございます。

 その結果でございますけれども、ICTの活用によりまして、例えば訪問介護の事業所におきましては、サービス提供記録の情報共有が行えることによりまして、同種の書類の作成時間等が短縮されるといった効果や、ヘルパーさんの移動距離等をもとに最適な勤務シフトが自動的に作成されることによりまして、事務処理時間が短縮されるなどの効果が把握されたところでございます。

瀬戸分科員 ICTの効果があったということでよろしいんでしょうか。

 それで、私、聞くところによると、例えば、ヘルパーさんと介護を受ける方の関係で、相性も入力していくと、自動的に、この人とこの人は合わないからシフトが組まれないとか、そういったこともできるそうなんです。いろいろな、効率化だけじゃない、サービスの向上、きめ細かいサービスもできるという話でございますので、こういったことをぜひこれから進めていただけたらということであります。

 ただ、こういったことを導入していくに当たって、システムを導入するとお金がかかってしまう、コストがかかってしまう、通信費がかかってしまうということで、二の足を踏む事業所というのはやはり多いんですね。

 そこで、御質問させていただきます。

 ICTシステムの導入にはコストがかかるということなんですが、それでも介護現場に導入したいと思えるような仕組みを、介護費用全体の引き下げのためにも、国の財政の問題のためにもつくることが必要と考えます。介護現場におけるICTシステム導入に対して、介護報酬によるインセンティブ付与についてどのように考えているか、教えていただきたいと思います。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 介護分野におけます職員の負担軽減等の観点から、ICTの導入による業務効率化等の取り組みは、先生御指摘のとおり、極めて重要であると考えております。

 これまでも、例えば平成二十七年度の介護報酬改定におきましては、ICTの活用によりまして業務の効率化が図られている場合に、訪問介護のサービス提供責任者の配置基準の緩和を実施しているところでございます。

 また、昨年の社会保障審議会介護保険部会の報告書におきましては、ICT化に関する実証事業の成果を十分に踏まえた上で、ICTを活用している介護サービス事業所に対する介護報酬や人員基準等の見直しを平成三十年度の介護報酬改定の際に検討することが適当であるといった内容が取りまとめられているところでございます。

 今後、こうした審議会の報告書も踏まえまして、ICTの活用に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会におきまして、介護報酬等について議論し、検討を進めてまいりたいと考えております。

瀬戸分科員 平成三十年度の介護報酬に向けて検討していくというお話をいただきました。

 先ほどお話しいただいた配置基準、介護士当たり四十人が五十人に変わったという話がありましたけれども、なかなかそれだけでは、まだまだインセンティブとしては弱い部分があると思いますので、そこをまたしっかり検討していただけたらというふうに思うところでございます。

 続きまして、今度は一億総活躍に絡むお話でございます。慢性の痛みというものについて質問させていただけたらというふうに思います。

 最近、慢性痛について研究が進んでいます。腰がずっと痛いとか体がずっと痛いとか、そういった慢性的な痛みを持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。そういったことについて、例えば腰であれば、必ずしも手術をするのがいいとは限らないんじゃないか、また、痛いからといって体を動かさないでいると逆に症状が固定してしまうんじゃないかという話が言われてきております。体を動かすことによって痛みとつき合っていくということをやれば、より痛みが和らぐんじゃないかということが言われてきているそうです。

 オーストラリアなどでは、痛みを恐れずに積極的に、しかしゆっくりなんですが、体を動かすことで痛みとつき合っていくすべを身につけるためのトレーニング場といいますか、慢性の痛みセンターと呼んでいるらしいんですけれども、そういったところが出てきているそうです。

 認知行動療法が効果があるということなんじゃないかと思いますけれども、これが海外において言われてきている。また、それに対して政府も財政支援をしているということであります。そうすると、働けなかった人が働き出すので、国としてプラスになる、また、医療費が削減になるということなんだそうです。

 ただ、日本では、この認知行動療法を受けたいと思っても、今は全額負担となってしまって、なかなか手が届かない、せっかくの治療が受けられないという人が出てきているという状況です。

 そういった中、平成二十八年、一億総活躍プランにも、慢性疼痛対策等に取り組むということとされたところであります。

 そこで、質問をさせていただきます。

 現在、慢性疼痛によって仕事に支障を来している人というのは日本でどれぐらいいるのか、教えていただけたらと思います。

    〔門主査代理退席、主査着席〕

橋本政府参考人 お答えいたします。

 平成二十三年度と平成二十四年度に厚生労働科学研究において行われた調査によりますと、調査対象者二千七百十名のうちで慢性の痛みを抱える方、この調査の中では、慢性の痛みというのは、週に二回以上強い痛みを感じるということが六カ月以上続く状態というふうに定義をしまして調査をいたしております。そういう方が一七・二%おり、慢性の痛みを理由として一年間に一週間以上仕事を休んだ方の人数は二・一%というふうに報告されているところでございます。

瀬戸分科員 二・一%ということですので、大体、アバウトですけれども、一億人と考えたときに二百万人ぐらい日本にもいるんじゃないかということでございます。また、これによって、日本においてどれぐらい経済ロスがあるかというと、一億八千万円ぐらいの経済ロスがあるんじゃないかとも言われているそうです。

 そういった中で、これらの方々が少しでも働けるようになるということは、もちろん個々の人たちにとっても、そしてまた日本の経済にとっても、一億総活躍という意味でも非常に大きなことだというふうに思っています。

 平成二十八年に、うつ病等の精神病治療については認知行動療法の対象が新たに加えられて、そして、それらについて診療報酬が認められるということがありました。

 そこで、御質問です。

 慢性疼痛対策として認知行動療法の意義が認められてきているところです。そういった中、診療報酬によるインセンティブ付与についてどのように考えているのか、教えてください。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、認知行動療法につきましては、うつ病等の気分障害の患者に対しまして標準的な方法を実施した場合に、診療報酬においても評価しておりまして、平成二十八年度の診療報酬改定では、対象疾患に強迫性障害等の不安障害を追加したところでございます。

 慢性疼痛患者への医療につきましては、その医療の質の向上を目指しまして、厚生労働省と日本医療研究開発機構におきまして、慢性の痛み対策研究事業といたしまして、認知行動療法を含めた治療法の有効性等に関する研究に取り組んでいるところでございます。

 慢性疼痛患者への認知行動療法に係る診療報酬上の取り扱いにつきましては、今後、こうした研究によります有効性等のデータやエビデンスに基づきまして、関係者の意見も伺いながら、中医協におきまして検討してまいりたいというふうに考えております。

瀬戸分科員 これから、研究班のエビデンスとかそういった結果を見ながらということでございました。

 もう既に、外国の方ではその有効性も言われております。なかなかエビデンスが得やすい部門でもあります。そういったことをまた考慮しながら、またこれからも、診療報酬の付与、インセンティブ付与について検討していただけたらというふうに思っています。真の意味での一億総活躍実現のためにも、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、終わります。

赤羽主査 これにて瀬戸隆一君の質疑は終了いたしました。

 次に、大口善徳君。

大口分科員 公明党の大口でございます。

 石井大臣、昨日、本日と分科会、大変お疲れさまでございます。私の方から質問をさせていただきます。

 一月二十九日、静岡市の方を石井大臣に御視察いただきました。その中で、まず、清水港を中心とした物流ネットワークの整備促進ということ等についてお伺いさせていただきたいと思います。

 政府は、二〇二〇年に訪日クルーズ旅客数五百万人を目標に掲げて、また、二〇一七年度、来年度の予算では、クルーズ船の受け入れ環境の整備に関する予算百三十七億円が計上され、そして、機能を高度化するための関連費用十億円が計上されているわけであります。この機能高度化の補助事業の対象は、クルーズ船の乗降時に使用するボーディングブリッジの整備や、外国人客に対しCIQ業務を行う専門設備の設置、駐車場、バス乗り場の建設等が入っているわけでございます。

 一月三十一日、石井大臣より、官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾として六港湾が選定されました。その中に清水港も選定されたわけでございます。この通常国会では港湾法の改正があります。そしてその中で、国土交通大臣が指定した港湾における、官民の連携による旅客の受け入れの促進を図るための協定制度を創設する、こういうことになっているわけでございます。

 静岡市も、国、県と連携しながら、清水港を中心とした物流ネットワークを構築し、ストック効果を高める戦略的インフラ整備を進め、また、国際海洋文化都市へと大きく発展しようとしております。

 まず、問いといたしましては、この国際拠点港湾清水港は、アジア最大のクルーズ会社ゲンティン香港と連携して港湾の整備を進め、ゲンティン香港の母港化、北東アジア・クルーズの拠点化で、他社を含めた寄港回数を、二〇一六年は十八回でありましたが、二〇二〇年には九十回、二〇三〇年には百七十五回へと、大幅にふやすことを目標にしております。

 石井大臣にも御視察いただいたわけでございますが、日の出埠頭につきまして、東日本におけるクルーズ拠点を目指し、大型クルーズ船を二隻同時接岸できるように、受け入れ環境の整備が必要であります。国際クルーズ拠点としての正式な決定と今後の清水港の取り組みについて、石井大臣の御答弁を願います。

石井国務大臣 一月の二十九日に清水港を視察させていただきました。富士山や三保の松原などの観光資源に恵まれているだけでなく、地元の芸妓がクルーズ旅客をもてなしたり、地元の食材を船社に売り込むなど、地域がクルーズ船の受け入れに積極的に取り組んでいると感じたところであります。

 この視察の後、一月三十一日に、清水港を含む全国六つの港を、官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾として選定したところであります。これらの港湾では、旅客施設等に投資を行うクルーズ船社に岸壁の優先使用を認める新しい制度によりまして、官民の連携による国際クルーズ拠点の形成を図りたいと考えております。

 この新しい制度を創設するため、今国会に港湾法の改正案を提出する予定としております。法案を成立させていただければ、まずは今回選定した六港を念頭に、法律に基づき、官民連携による国際クルーズ拠点の形成を図る港湾の指定を考えております。

 また、港湾整備につきましては、現在、日の出地区において世界最大級のクルーズ船の寄港に対応するため、今年度末の完成を目指し、係船柱や防舷材の改良工事を実施しております。

 国土交通省といたしましては、清水港を官民連携による国際クルーズ拠点として形成していくため、旅客施設等の受け入れ環境整備や将来の二隻同時接岸への対応など、港湾管理者やクルーズ船社と連携しながら、引き続き必要な取り組みを進めてまいります。

大口分科員 大変力強い御答弁、ありがとうございます。

 大臣には新興津地区も見ていただきました。人工海浜、緑地整備事業、海釣り公園などの整備も進めておりますので、引き続き御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 次に、国道一号線静清バイパスについてお伺いします。

 石井大臣も御視察いただきましたように、静清バイパスは、静岡県の中心である静清都市圏の交通混雑の緩和や、清水港へのアクセス向上を目的とした道路であります。東名、新東名ともネットワークを結び、経済の好循環、災害時の救援活動、救急搬送等の医療活動など、さまざまなストック効果を生み出す社会的基盤であります。

 昨年、清水立体化の工事に着手していただき、感謝をしておるわけでございますけれども、この区間は一日に五万台が通過する慢性的な交通渋滞箇所であり、一日も早い開通が望まれております。

 今後の整備促進について、石井大臣の御答弁をいただきます。

石井国務大臣 国道一号静清バイパスの清水立体区間につきましては、静清バイパスの中で唯一立体化が完了していない区間でありまして、前後の区間と比べ速度低下が著しく、国際拠点港湾である清水港へのアクセスにも支障となっているなど、早期の立体化が必要であると認識をしております。私も、先月二十九日に現地を視察した際、改めて立体化の必要性を実感したところでございます。

 平成二十年の都市計画決定以降、用地買収や埋蔵文化財調査等を進めてきておりまして、昨年十一月には現道の切り回し工事に着手し、平成二十八年度補正予算を活用して、今後、橋梁下部工工事に着手する予定でございます。

 引き続き、地域の皆様の御協力をいただきながら、早期完成を目指して整備を進めてまいります。

大口分科員 ありがとうございます。

 次に、国道一号藤枝バイパスについてお伺いします。

 藤枝バイパスは、地域高規格道路の静岡東西道路の一部を構成し、清水港ともネットワークを結ぶ重要な道路であります。朝夕の通勤時間は激しい渋滞が発生するため、バイパス本線だけでなく市内各所でも渋滞し、さらに、それを迂回する車が通学路など生活道路に流入するため、安全面でも大きな問題になっております。

 藤枝バイパスの四車線化は、交通渋滞を解消し、市民生活の安全を確保するだけでなく、近接する富士山静岡空港を利用して急増するインバウンド観光客の誘客促進、アクセス機能強化による救急医療体制の拡充やバイパス沿線への企業誘致など、ストック効果を高めるインフラ整備でもあります。

 藤枝バイパスの四車線化を新規事業に採択していただいたわけでございますけれども、この藤枝バイパスの一日も早い全線四車線化へ向け、力強い御支援を賜りたい。国交省の取り組みについてお伺いします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 国道一号藤枝バイパスにおきましては、平日の朝夕を中心に発生している渋滞が企業立地やインバウンド観光の促進の支障になっており、解決すべき課題であると認識をしております。

 このうち、暫定二車線となっております広幡インターから野田インター間の延長十・七キロメートルの区間におきましては、渋滞の激しい区間から四車線化事業を進めることとしておりまして、今年度は、まず、重点整備区間としております広幡インターから藪田西インター間、二・二キロメートルの測量、地質調査、本線の道路設計を進めているところでございます。

 来年度は、引き続き、渋滞の激しい区間を対象に、工事実施に必要となる道路設計を行い、今度、早期に効果が発現されるよう、事業推進に努めてまいります。

大口分科員 よろしくお願いいたします。

 次に、国道一号線島田金谷バイパスについてお伺いします。

 島田金谷バイパスは、増加する東西軸の交通事情に対して不足する交通容量を補完し、物流の効率化を図るとともに、市街地や大井川渡河部の交通混雑の緩和、交通の安全性の向上、生活環境の改善に寄与する重要な道路でございます。

 また、東西軸の役割のみならず、東名、新東名や御前崎港、富士山静岡空港との連携軸として、陸海空のネットワークを強化する道路であります。

 平成二十四年度に事業化され、順次事業を進めていただいておるわけでありますが、朝夕の通勤時間を中心としたピーク時に激しい交通渋滞が発生しており、一日も早い開通を望んでおります。国交省の取り組みについてお伺いします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 国道一号島田金谷バイパスにおきましては、平日の朝夕に新大井川橋を中心に発生している交通渋滞、これは、先ほどの藤枝バイパス同様、解決すべき課題であると認識をしております。

 渋滞の激しい区間から四車線化事業を進めることとしておりまして、平成二十六年度より、重点整備区間に含まれております新大井川橋の橋梁下部工工事を進めているところでございまして、全十五基のうち七基が完成、現在、四基の施工を行っているところでございます。

 来年度は、引き続き、渋滞の激しい新大井川橋の橋梁下部工工事を進め、今後、橋梁上部工工事に着手し、早期に効果が発現されるよう、四車線化工事を進めてまいります。

大口分科員 次に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでは自転車競技が開催される伊豆半島の道路整備についてお伺いをいたします。

 伊豆縦貫自動車道は、東名、新東名と接続し、静岡県沼津市から伊豆半島南端の下田市までをつなぐ延長約六十キロメートルの高規格道路であります。既に伊豆半島中央部の伊豆市修善寺までは高規格の道路でつながっており、伊豆地域北部では、新規企業の進出、雇用機会の増加や、分譲住宅数も増加しております。さらに、観光客また宿泊客の増加など、さまざまなストック効果があらわれております。

 二〇一三年の富士山世界文化遺産登録に続き、二〇一五年には伊豆の国市の韮山反射炉が明治の産業革命遺産として世界文化遺産に登録されたこともあり、伊豆への来訪客が飛躍的に伸びております。

 富士、箱根、伊豆という一大観光圏を構成する交通基盤軸として、さらに、地域の活性化や人命救助の命の道として重要な機能を担うことから、早期の全線開通が切望されております。

 そこで、天城峠を越える(仮称)天城湯ケ島インターチェンジから(仮称)河津インターチェンジの区間、いわゆる天城越えの区間について、二月九日に、具体的ルート案を示す国交省の中部地方小委員会が三月下旬に開かれる、こういうお話をお伺いしております。ルート決定までのプロセスを含め、今後の取り組みについて石井大臣に答弁をいただきたいと思います。

石井国務大臣 伊豆縦貫自動車道は、静岡県沼津市から下田市に至る延長約六十キロの高規格幹線道路であります。観光を通した伊豆半島全体の地域振興、災害時の救助活動や緊急物資の輸送等の観点から、大変重要な路線と認識をしております。

 御指摘の天城峠を越える区間につきましては、平成二十七年十一月に中部地方小委員会を開催いたしまして、概略ルート、構造を決定する計画段階評価に着手いたしました。

 現在は、昨年九月に実施いたしました地域意見聴取の結果等に基づきルートの複数案を検討中でありまして、三月下旬に中部地方小委員会を開催し、案を提示できるよう準備を進めているところでございます。

 引き続き、地域の意見をお聞きしながら、静岡県のアクセス道路の事業計画との連携も図り、早期に概略ルート、構造を決定できるよう調査を推進してまいります。

大口分科員 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。

 この路線においては、天城北道路も平成三十年度の開通に向けてあと一歩、そして河津下田道路の一期、二期につきましても地域の悲願でございます。予算を拡大して御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。

 次に、この伊豆縦貫自動車道の一部を構成する東駿河湾環状道路についてお伺いをいたします。

 東駿河湾環状道路は、現在、函南塚本インターチェンジから沼津岡宮インターチェンジ間、十六・八キロメートルが開通しておりますが、その半分の区間は暫定二車線での供用となっております。伊豆半島へのゲートウエーで、一日三万台以上が利用しており、特に休日を中心に極めて厳しい渋滞が発生しております。

 当該区間の四車線化の整備が必要と考えますが、国交省の今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 東駿河湾環状道路につきましては、委員御指摘のとおり、これまで約十三キロの区間が開通しておりますが、その半分が暫定二車線となっております。

 このうち、三島市大場付近は、沼津市方面に向かって上り坂となっていることから、平日の朝及び休日の夕方を中心として、速度低下による渋滞が発生している状況でございます。

 このため、まず、速度低下抑制のための短期対策といたしまして、昨年七月に、速度履歴のビッグデータを用いまして速度が低下する位置等を特定し、その手前に速度回復を促す大型看板を設置した結果、混雑時のピーク時速度が約一割向上しております。

 また、昨年八月より伊豆地域全体における混雑実績状況の提供を開始するとともに、本年二月には主要路線における所要時間の情報を追加するなど、交通分散による渋滞対策にも取り組んでいるところでございます。

 引き続き、短期対策の効果を検証しつつ、付加車線の設置等も含めた抜本的な渋滞対策についても検討を進めてまいります。

 以上でございます。

大口分科員 さらに、東駿河湾環状道路の西区間の沼津岡宮インターチェンジから愛鷹インターチェンジの二・六キロの整備が、これもおかげさまで平成二十七年度事業化され、本年一月下旬に、関係地区の連合自治会長さんらを対象とした基本設計案の説明会が開催されました。これまでの御尽力に感謝を申し上げますとともに、早期開通への期待が大変高まっております。

 この区間の今後の取り組みについて国交省にお伺いをいたします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 国道一号東駿河湾環状沼津岡宮インターチェンジから愛鷹インターチェンジ間、延長二・六キロメートルの区間につきましては、国道一号の渋滞緩和や第三次救急医療施設へのアクセス向上のために重要な道路であると認識をしております。

 この事業につきましては、委員御指摘のとおり、平成二十七年度に事業着手いたしまして、路線測量などを行いまして、現在、地質調査や道路設計を進めるとともに、今年一月には、用地幅ぐい設置のための地元説明会を開始したところでございます。

 引き続き、早期に用地幅ぐいの設置や用地調査ができるよう進めてまいります。

 以上です。

大口分科員 ありがとうございます。

 愛鷹インターチェンジからさらに西へ向けての整備に向けて、我々もまたしっかり臨んでまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技が伊豆市で開催されることになりました。夏の観光シーズンと重なるため、伊豆半島では至るところで渋滞が予想されます。

 オリンピック・ルート・ネットワークの設置、運用等については大会組織委員会から今後発表があると思われますが、静岡県は先行して、大会関係車両がスムーズに移動できるよう、県道熱海大仁線などアクセス道路の整備で、三路線、五カ所にポイントを絞り、九億一千万円を計上いたしました。この三路線、五カ所以外にも、渋滞箇所、狭隘な道路、センターラインを引けない区間が多くあります。

 そういう点で、静岡県から整備計画が出ましたら力強い御支援を賜りたい、こう考えておりますが、国交省のお考えをお伺いしたいと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック自転車競技の一部を伊豆市内の会場で円滑に運営されるためには、大会関係者や観客の円滑な輸送経路を確保することが重要でございます。

 このため、静岡県では、会場へのアクセス道路につきまして整備実施計画を策定し、交差点改良や現道拡幅並びに譲り車線の設置を行っているというふうに伺っております。

 今後、静岡県からこの計画に基づいて御要望がございますれば、社会資本整備総合交付金等について積極的に支援をしてまいります。

 以上です。

大口分科員 前向きな答弁、局長、ありがとうございます。

 次に、三遠南信自動車道についてお伺いをいたします。

 三遠南信自動車道は、静岡、愛知、長野を結ぶ地域連携の軸であり、三遠南信地域二百五十万都市圏の一体的な振興、発展に寄与する高規格道路であります。

 三遠南信地域を一体的に振興するため、地域住民、大学、研究機関が一堂に会し議論を深めるため、第二十四回三遠南信サミットが二月十五日に開催され、「「みち」がはぐくむ三遠南信の未来」をテーマに積極的な意見が交わされたと伺っております。

 静岡県西部地域は物づくり産業が集積する地域で、浜名湖を初め美しい自然景観も多く、文化、歴史、観光面でもポテンシャルが高い地域でございます。今、直虎で大変なブームになっておるわけであります。さらに、リニア中央新幹線とも連携し、物づくりを基軸に世界規模で対流する地域を目指しています。

 そこで、佐久間道路・三遠道路の(仮称)佐久間インターチェンジから(仮称)東栄インターチェンジ間の平成三十年度開通について、また、(仮称)東栄インターチェンジから鳳来峡インターチェンジの今後の方針について、地元のことを大変よく御存じの石井大臣にお伺いしたいと思います。

石井国務大臣 三遠南信自動車道、長野県飯田市から静岡県浜松市までの全体約百キロのうち、これまでに、約三割、約二十六キロが開通しておりまして、現在、約三十五キロの区間において事業を推進しております。

 このうち、佐久間インターチェンジから東栄インターチェンジ間につきましては、平成三十年度の開通を目指して、現在、橋梁下部工及びトンネル等の工事を推進しております。

 東栄インターチェンジから鳳来峡インターチェンジ間につきましては、ことし一月から、中央構造線に並行する約三・六キロの長大トンネル工事に着手したところでございます。

 開通時期につきましては、隣接区間のトンネル施工におきまして、破砕帯からの突発湧水が発生するなど難工事となったことから、トンネル区間の掘削状況を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。

 引き続き、地域の皆様の御協力をいただきながら、三遠南信自動車道の早期開通に向けて努力をしてまいりたいと存じます。

大口分科員 ありがとうございます。

 次に、浜松三ケ日・豊橋道路についてお伺いをいたします。

 浜松三ケ日・豊橋道路は、東名、新東名、国道一号、国道二十三号バイパスの名豊道路など東西軸に対して南北で連結し、愛知県東三河地域と静岡県西遠地域の連携を強化する縦軸の道路であります。この地域を当時の太田大臣が視察されたわけですが、ポテンシャルの高い地域と高速道路ネットワークを連結する計画として極めて重要だ、そういう御認識をいただきました。

 平成二十七年度から、愛知県、静岡県、浜松市により、新たな連携軸の具体化についての課題整理や、おおむねのルートの位置、道路の規格などについて検討が進められてまいりました。本年度内には、第五回となる静岡・愛知県境道路に関する連絡会を開催し、広域ネットワークの必要性について調整を進めるなど、国も積極的にサポートしていただき、感謝をしております。

 つきましては、今後の取り組みにつきまして、石井大臣に御答弁をいただきたいと思います。

石井国務大臣 浜松三ケ日・豊橋道路につきましては、ルートの具体化に向けまして、静岡県、愛知県、浜松市が調査を進めるとともに、平成二十四年度から静岡・愛知県境道路に関する連絡会を設置し、情報共有を行っております。平成二十六年度からは、国も広域的な観点から交通課題を調査するとともに、連絡会に参加をし、連携しているところでございます。

 昨年九月に開催されました第四回の連絡会では、三河港等と高速道路とのアクセスの現状等を共有し、課題を議論したところであります。

 今後は、国の調査結果も含めまして、広域的な道路ネットワークの必要性を取りまとめるため、第五回の連絡会を三月に開催できるよう調整したいと考えております。

 その上で、引き続き、浜松三ケ日・豊橋道路の早期具体化に向けまして、国としても必要な調査を推進するなど、県、市の取り組みに協力してまいります。

大口分科員 広域化の必要性について精力的に調査していただいております。私は、広域ネットワークの必要性は十分あると考えておりまして、国の積極的な御支援を賜りたい、こう思う次第でございます。

 次に、南海トラフ地震への取り組みについてお伺いします。

 東日本大震災や熊本地震の発生により、大規模自然災害等から国民の生命と財産を守り、国土強靱化、防災・減災を推進することの重要性が改めて強く認識されるわけでございます。激甚化する気象災害や切迫する巨大地震等に備えるための防災・減災、老朽化対策は喫緊の課題であります。

 南海トラフ巨大地震により被害が想定される静岡県から宮崎県までの府、県、市や経済団体から成る南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進実行委員会は、昨年、南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進大会を開催し、国に対して提言等を行うなど、支援を求める動きを活発化させております。

 そこで、国は、これらの状況を踏まえ、南海トラフ地震に対応した河川・海岸堤防等の整備や耐震化などの堤防構造の強化に最低限必要な対策を短期集中的に推進するため、社会資本整備の予算を十分に確保することが大事である、こう考えております。国交省の答弁を求めます。

山田政府参考人 御指摘のとおり、南海トラフ地震等の大規模地震に対します防災・減災対策は、極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。

 切迫します南海トラフ地震等に備えるため、東日本大震災の教訓を生かした津波防災地域づくりを進めるとともに、河川・海岸堤防等の整備を重点的に実施しているところでございます。具体的には、河川・海岸堤防のかさ上げですとか、あるいは耐震、液状化対策等について、防災・安全交付金による財政的支援を重点的に行っているところでございます。

 引き続き、先生御指摘の南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進大会における提言ですとか、あるいは地域におけます要望等も踏まえまして、大規模地震に対する防災・減災対策を推進してまいりたいというふうに考えてございます。

大口分科員 以上で質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

赤羽主査 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午前十一時五十八分散会


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