衆議院

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第3号 令和元年5月20日(月曜日)

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令和元年五月二十日(月曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 海江田万里君

   理事 越智 隆雄君 理事 大野敬太郎君

   理事 神田 憲次君 理事 武部  新君

   理事 宮下 一郎君 理事 青柳陽一郎君

   理事 後藤 祐一君 理事 竹内  譲君

      秋本 真利君    安藤 高夫君

      江崎 鐵磨君    加藤 寛治君

      木村 哲也君    小林 史明君

      佐藤 明男君    櫻田 義孝君

      塩谷  立君    杉田 水脈君

      武村 展英君    西銘恒三郎君

      百武 公親君    船橋 利実君

      松本 文明君    三ッ林裕巳君

      務台 俊介君    盛山 正仁君

      山田 美樹君    安住  淳君

      荒井  聰君    岡島 一正君

      岡田 克也君    篠原  豪君

      階   猛君    谷田川 元君

      石田 祝稔君    宮本  徹君

      本村 伸子君    串田 誠一君

      馬淵 澄夫君    丸山 穂高君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         石田 真敏君

   外務大臣         河野 太郎君

   文部科学大臣       柴山 昌彦君

   厚生労働大臣       根本  匠君

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   環境大臣         原田 義昭君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)  宮腰 光寛君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   会計検査院事務総局事務総長官房総括審議官     内野 正博君

   会計検査院事務総局第一局長            三田  啓君

   会計検査院事務総局第二局長            原田 祐平君

   会計検査院事務総局第三局長            森   裕君

   会計検査院事務総局第四局長            山下 修弘君

   政府参考人

   (内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣審議官)           二宮 清治君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       植田  浩君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       長屋  聡君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  岩尾 信行君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   井野 靖久君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局次長)         森山 茂樹君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          清水  明君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         椿  泰文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高橋 俊之君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            坂口  卓君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            土屋 喜久君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  樽見 英樹君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            井上 宏司君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  正田  寛君

   決算行政監視委員会専門員 安齋 雄一君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十四日

 辞任         補欠選任

  岸本 周平君     階   猛君

  藤田 文武君     丸山 穂高君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  河井 克行君     杉田 水脈君

  国光あやの君     百武 公親君

  田畑 裕明君     山田 美樹君

  棚橋 泰文君     務台 俊介君

  津島  淳君     佐藤 明男君

  山本 公一君     西銘恒三郎君

  中村喜四郎君     篠原  豪君

  谷畑  孝君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤 明男君     津島  淳君

  杉田 水脈君     河井 克行君

  西銘恒三郎君     山本 公一君

  百武 公親君     国光あやの君

  務台 俊介君     秋本 真利君

  山田 美樹君     田畑 裕明君

  篠原  豪君     中村喜四郎君

  串田 誠一君     谷畑  孝君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     棚橋 泰文君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百九十六回国会、内閣提出)

 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百九十六回国会、内閣提出)


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     ――――◇―――――

海江田委員長 これより会議を開きます。

 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣審議官二宮清治君、内閣官房内閣審議官山内智生君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官植田浩君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官長屋聡君、内閣法制局第一部長岩尾信行君、内閣府大臣官房長井野靖久君、内閣府地方創生推進事務局次長森山茂樹君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、財務省主計局次長宇波弘貴君、文部科学省総合教育政策局長清水明君、厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官椿泰文君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官高橋俊之君、厚生労働省労働基準局長坂口卓君、厚生労働省職業安定局長土屋喜久君、厚生労働省保険局長樽見英樹君、経済産業省製造産業局長井上宏司君及び環境省自然環境局長正田寛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

海江田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。谷田川元君。

谷田川委員 おはようございます。国民民主党・無所属クラブの谷田川元でございます。

 きょうは、ホットな話題である衆議院解散についてぜひ官房長官にお尋ねしたいと思いまして、自民党の議員の皆さんに順番を入れかえていただきまして、本当にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。

 その前に、先週の決算委員会で私はちょっと耳を疑ったんです。総理主催の桜を見る会、平成二十五年度から三十一年までの予算とその執行額、数字を聞いたんですが、二十五年が千七百十八万円、二十六年から三十一年がずっと千七百六十六万円。実績はというと、二十六年から申し上げますと、三千五万円、三千八百四十一万円とどんどんふえているんですよね。

 普通であれば、予算と実績を比べて実績がふえたのであれば、次年度予算はその実績をベースにしてふやすのに、ずっと同じ数で計上している。これは非常に問題があるんじゃないかと思います。二割、三割の増減ならわかるんですけれども、二倍、三倍近い支出の開きがあるということでございますので、これはやはり予算計上の仕方や財務省の予算査定の仕方に問題があると思いますけれども、政府当局の答弁を求めます。

井野政府参考人 お答えいたします。

 桜を見る会につきましては、準備、設営に最低限必要となる経費を前提に予算を計上しているところでございます。

 他方、実際の開催に当たりましては、その時々の情勢を踏まえ必要な支出を行っておりますので、結果的に予算額を上回る経費がかかっているところでございます。

 来年度以降につきましては、これまでの予算計上の考え方、実際の支出状況などを踏まえつつ対応してまいりたいと考えております。

谷田川委員 開催要領というのを内閣府から頂戴いたしました。招待範囲というのが、皇族や国会議員とか、一番最後に、その他各界の代表等とあるんですね。この等がくせ者だと思います。約一万人招待すると書いてあるにもかかわらず、一万八千人以上が参加しているんですよね。

 この際、招待する人の基準を明確にして、国民から疑念が生じないよう対応することを強く要望します。

 それでは、衆議院解散について質問してまいります。

 私は、残念ながら、今、与党の方から、今やれば勝てるという解散風が吹いているという感じがいたしております。過去二回は、まさに今やれば勝てる解散であった。安倍総理は、アベノミクス解散、あるいは危機突破解散とおっしゃいましたけれども、かつて、民社党の委員長であられた春日一幸さんが、理屈は後から貨車でついてくる、そう言ったようであります。今やれば勝てるがまさに当時の与党の大義であった、そう言わざるを得ません。

 そこで、私は、よく官房長官を始め閣僚の皆さんが、解散は総理の専権事項という表現を用いますよね、それに対して非常に違和感を覚えております。衆議院解散は総理の専権事項という言葉やそれと読み取れる文言は憲法や法律に書いてあるのか、イエスかノーかで明確にお答えください。

岩尾政府参考人 衆議院の解散につきまして、総理の専権事項と一般に言われておりますが、衆議院の解散に関する憲法上の根拠ということでありますれば、衆議院の解散は、憲法第七条の規定により、天皇の国事に関する行為とされているところ、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う内閣でございます。

谷田川委員 私も憲法をずっと読みましたけれども、直接、衆議院の解散の表現があるのは、六十九条だけなんですよね。七条というのは、私は、ある意味ではこれはこじつけの言い方だと思います。

 というのは、七条、「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」とあって、一番目が「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。」二つ目が「国会を召集すること。」三番目に「衆議院を解散すること。」とあるんですけれども、もし今の解釈であるならば、内閣の助言と承認があれば、憲法改正、法律、できちゃうということじゃないですか。おかしいと思いませんか。

岩尾政府参考人 衆議院の解散につきましては、実質的には、先ほどもお答えしたとおり、内閣に与えられた権能でございまして、憲法上、これに関する制限は規定されておりません。

 御指摘のように、衆議院の解散について憲法六十九条に規定されておりまして、衆議院の解散は六十九条の場合に限定されるというような見解があることは承知しておりますが、同条は、衆議院で不信任の決議案が可決され、又は信任の決議案が否決された場合には、内閣は、衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならないことを規定するにとどまっておりまして、衆議院の解散権限について定めたものではないと解されているところでございます。

谷田川委員 私は、専権という言葉の意味を辞書で調べてみました。デジタル大辞泉、「好き勝手に権力をふるうこと。」「その物事を思いのままにできる権利。」広辞苑、「権力をほしいままにすること。思うままに権力をふるうこと。」

 ちょっとこれは、総理の専権事項という言葉を使うこと自体、私は、世論操作じゃないか、そう思うんです。

 憲法論争に発展した解散というのを振り返ってみますと、昭和二十三年十二月に吉田内閣によるなれ合い解散というのがありました。

 この背景を簡単に説明しますと、吉田内閣は二十三年十月に少数内閣で発足し、政権基盤を安定させるために、吉田さんは、すぐにでも解散したいということで、解散しようとしたんだけれども、しかし、当時はGHQの施政下でした。GHQは、当時、解散は憲法六十九条のみしか認められない、そういう見解だったんですね。七条解散でやるというのは、これは天皇制の復活になる、けしからぬ、そういう見解だったんです。しかし、当時、片山政権、芦田政権という、どちらかというと革新的な政権が短命に終わって、マッカーサー元帥は、もう吉田さんに頼るしかないと。そういう中で、救いの手を差し伸べました。それが、憲法六十九条に基づいて、野党から内閣不信任案を出しなさい、それを可決した上で衆議院解散にしましょうと。

 ですから、なれ合い解散と言うんですね。

 吉田さんは勝ちました。そして、ずっとずっと、GHQの見解どおり、任期は四年ですと言い続けてきたんです。

 当時の国会記録を見ると、おもしろいんですね。あの当時は金権選挙がはびこっていたんですね。このまま解散をほっておくと、どんどんどんどんお金が使われて、公明正大な選挙でなくなる、早く解散をしましょうという決議までやっている、そういう時代だったんですね。

 ところが、あの当時の新聞を見ますと、八月というのは、お盆が終わった後、一番金がないときだそうなんです、政治家にとって。ですから、お盆が終わった後、今やれば野党の準備が整っていないということで解散を断行した、それが抜き打ち解散と言われたんですね。

 それに対して、当時、改進党の苫米地義三さんが、これは憲法違反だと訴えたんですけれども、最高裁は憲法の是非を判断する立場にないといって、それで苫米地さんは、あと四カ月任期があったから歳費を四カ月損したと損害賠償を提起したんです。そして、何と一審は苫米地さん勝訴なんですよ、解散無効判決が出た。直ちに政府は控訴をしまして、逆転敗訴になって。最後は、昭和三十五年、最高裁判決で、高度の政治的判断が伴うので司法の審査になじまないということで、棄却されてしまいました。ですから、解散自体、合憲か違憲かの判断はされていない、そう私は思っています。

 私はこの質問を書いていて感じたんですけれども、よく、自民党政権が長く続いた、野党がだらしないからだと言われるんですけれども、考えてみれば、有利なときに選挙をやれるということを放置してきた、ここに野党の力不足があったんじゃないか、私はそう思っているんです。

 そこで、菅官房長官にお尋ねしたいんですが、三月三十一日放送のラジオ日本の番組で、長官はこうおっしゃっています。衆参同日選の可能性について、それは総理大臣の専権事項であり、私もないと一〇〇%は言えないが、九九%ないとは言えるかもしれない。これを聞いたとき、私は、勝手な推量で申しわけありませんが、菅長官は解散に反対なのかな、そう思いました。

 ところが、ついこの間の金曜日、記者会見で、記者から、不信任案提出は時の政権が衆議院解散を行う大義になるかとの質問に対して、それは当然なるんじゃないでしょうか、そうおっしゃったんですね。

 昔から、衆議院の解散と公定歩合はうそをついてもいいと言われたそうでございますけれども、ぜひここでは正直に、五月十七日の発言の真意をお聞かせいただき、長官自身は解散に反対か賛成なのか、教えていただきたいと思います。

菅国務大臣 私が先日申し上げたのは、不信任案が提出をされた場合に解散の大義になるかということでありました、ですから、私は、当然なり得るだろうということをお話をさせていただきました。

谷田川委員 まあ、うそをつきたくないというお気持ちが伝わりましたので。

 私は、かつて自民党にもかなりの良識者がいたことを最近発見したんです。

 お手元の資料、配られていますよね、資料一。保利茂衆議院議長、あるいは水田三喜男政調会長。

 保利茂さんという方は、保利耕輔さんの肖像画がそこにありますけれども、そのお父様、佐賀県出身の立派な方ですね。昭和五十三年七月に執筆されました。

 この時代的背景はというと、福田赳夫さんが昭和五十一年十二月に、三木内閣を引き継ぐ形で、大平正芳さんと協力して福田政権が発足しました。福田さんは、すぐにでも解散を打って政権基盤を安定させて、そして昭和五十三年の十一月に予定されている自民党の総裁選で何とか有利に運びたい、そういう思惑で、昭和五十三年の夏に解散しようと。解散風もかなりあのときはあったんですね。麻生総理は多分、五十四年初当選でいらっしゃいますから、そのときのことは覚えていらっしゃると思いますけれども。ところが、保利さんも反対、それから大平さんも反対ということで、解散を封じられました。

 そのアンダーラインの部分だけちょっと読ませていただきますと、「現行憲法下で内閣が勝手に助言と承認をすることによって“七条解散”を行うことには問題がある。それは憲法の精神を歪曲するものだからである。」「従って“七条解散”は憲法上容認されるべきであるが、ただその発動は内閣の恣意によるものではなく、あくまで国会が混乱し、国政に重大な支障を与えるような場合に、立法府と行政府の関係を正常化するためのものでなければならない。」「特別の理由もないのに、行政府が一方的に解散しようということであれば、それは憲法上の権利の濫用ということになる。衆議院を解散するに当たっては、三権分立、議院内閣制のもとにおいてそうせざるを得ないような十分客観的な理由が必要なはずである。」こうすばらしい意見を述べていらっしゃいます。

 そして、下の2の水田三喜男さんの代表質問です。これは、昭和四十五年二月、佐藤栄作総理大臣が沖縄解散で勝利して、その直後の与党を代表する質問なんですね。「国会議員の任期が保障されない限り、議員は常に選挙運動に追われて落ちつかず、国会の公正な審議と採決が常に選挙用のゼスチュアによって妨げられる実情も、決してゆえなしとは思われないのであります。」と。「(拍手)」とありますけれども、恐らく与党、野党から両方拍手があったんじゃないかな、私はそう解釈しておるんです。

 残念ながら、今、自民党の中から公然と今回解散するのは反対だという声が上がってこないのが不思議なんですよ。立法府と行政、司法、三権分立です。何か今は行政の下請機関になってしまったんじゃないか、そんな気がしてならないんです。

 二階幹事長は、どのぐらい前でしたでしょうか、国会は政府の下請機関じゃない、そうおっしゃって政府に猛省を促したという話が、新聞紙上で私は目にしましたけれども、しかし、今やその二階幹事長も、解散については、バックアップすると。どういう立場なのかよくわからないんですけれども。

 いずれにしても、解散については、反対するという声が公然と上がらない、非常に残念です。

 そこで、官房長官、当時の保利茂衆議院議長や水田三喜男氏が指摘するように、衆議院の解散は内閣の恣意によって行われるべきじゃないと思いますが、どう思われますか。

菅国務大臣 先ほど内閣法制局政府参考人から答弁がありましたけれども、衆議院の解散は、憲法第七条の規定により、天皇の国事に関する行為とされておりますが、実質的には、衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である、また、内閣が衆議院の解散を決定することについて憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すものである、このように考えています。

 また、この衆議院の解散権は、立法府と行政府の均衡を保つ見地から、憲法が行政府に与えた国政上の重要な権能であり、恣意的に解散することは考えられないものであります。

 先ほど来お話ありますけれども、私が、解散は総理の専権事項である、こう述べておりますのは、内閣総理大臣が、内閣を構成する国務大臣の任免権を有し、内閣を代表するものであることなども踏まえ、内閣における実態について申し上げたものであります。

谷田川委員 内閣の専権事項という言葉までは、私はそうなのかな、そう言わざるを得ないのかなと思っていますが、総理大臣の専権事項と私は言えないと思っているんです。

 というのは、閣議決定をしますよね、解散というのは。閣議というのは全会一致が原則でよろしいですよね。ここに島村農林大臣、当時、郵政解散のときに、私は解散反対だと言って署名を拒否したんですね。それで小泉さんは罷免しました。一人だけだったから罷免できたけれども、恐らく閣僚の半分以上が反対だ反対だと言ったら、私は、総理は全員首にできないんじゃないかと思っています。もしそれをやったら、大変なことになるのかなと思いますが。

 いずれにしても、私は、総理の専権事項と言うこと自体、もう総理が勝手にやってもいいんだ、もうほかの人間はそれについては何も口を挟んじゃいけないんだ、そういうようなニュアンスが全国民に浸透してしまっている、そんな気がしてならないんです。

 今、ちまたで、安倍総理は解散するけれども、じゃ、今度はどういう解散なのかなと。中にはこういうことを言った人がいました。令和解散だ、新しい時代には新しい民意を聞くんだと。なるほどなとも思いますけれどもね。

 だけれども、大義があるんでしょうか。私は、残念ながら、与党の皆さん、勝てればいい、それが大義、そうとしか思えないんです。

 ぜひ、三権分立、内閣と立法府はある意味で対等だ、そういう考えで、慎重が上にも慎重に解散は判断すべきだということをぜひ、直接、安倍総理に言いたいんですが、安倍総理はきょういらっしゃいませんので、官房長官から総理にお伝えいただければありがたく思います。

 官房長官、ありがとうございました。お時間、どうぞ。

海江田委員長 官房長官、お引き取りください。

谷田川委員 麻生副総理、一つだけ。

 麻生総理在任中、二〇〇九年八月三十日に衆議院選挙投票日が設定されました。このとき、任期満了日は九月十日だったので、これは実質任期満了するのと変わらないんですよ。どうして衆議院解散にこだわったのか。もし任期満了であれば、当時の自民党議員、落選された方々、少なくともあと二カ月の歳費はもらえたんですよね。なぜそこまでして解散させる必要があったのか、ちょっとお答えいただければと思います。

麻生国務大臣 二〇〇八年に内閣総理大臣を拝命することになったんですけれども、この当時は、御記憶かと思いますが、リーマン・ブラザーズの破綻というのがありまして、世界は恐慌という状況に陥られておりましたので、それがなければ、間違いなく就任直後に多分解散していたと思いますね。それであれば、もう少し席次やら議席数は変わっていたんだと思っておりますが。

 いずれにいたしましても、当時、リーマン・ブラザーズのバンクラプシー、アメリカもそのときの大統領がかわるという年でもありましたので、そういった意味では、この段階で日本も解散すると、とにかく、世界じゅうできちんとした国内でリーダーをとれるのがいなくなるから、何としても日本だけはとヨーロッパからいろいろ要望もありまして、結果として、G7をG20にすることをアメリカに納得させ、ヨーロッパとの間に欧州アジア会議をやった上で、いわゆる経済対策をやるということで、日本としては国際金融機関に約十兆円の金を融資するといって、それで経済金融、経済のクランチというものを、収縮というものを避けるというようなことをさせて、景気対策、経済対策を最優先しなきゃならぬというので、考えてきておりましたので、私どもとしては、予算関連を、あのときは補正予算を三回やったと記憶していますけれども、そういったことで景気の底が抜けないようにした段階までいきましたので、結果として、その段階で、我々としては対応ができるということで解散をさせていただいたということでありますので、あのとき、就任直後であればまた……

海江田委員長 大臣、なるべく手短に。

麻生国務大臣 済みません。

 時間が来ておりますので、この話を今の段階でどうだったなんて聞かれるのは、たやすいような話じゃありませんから、真面目にお聞きになりたければ、別の時間をおつくりになられたらいかがでしょう。

谷田川委員 時間がないので、総務大臣に今度は質問いたします。

 過去二回の選挙、どうも、かなり切迫した時期にやりました。当初は十二月二十一日だったのが十四日、あるいは十月二十九が二十二日と、新聞報道ではもうとにかく、期間がない間、地方の選管は大慌てだったんですね。

 ですから、もし衆議院解散あるいは衆参ダブル選挙になるというようなことになったときは、極力やはり地元選挙管理委員会の意向を踏まえて、十分な準備期間が必要だという認識をお持ちかどうか、お答えいただきたいと思います。

石田国務大臣 解散から選挙期日等につきましては、既に定められておりますので、その基準に基づいて行われるものと考えております。

谷田川委員 時間がないので手短に今申し上げますけれども、選挙はがきの件なんです。

 私が県会議員をやっていたときは、地元の郵便局で受け付けてくれたんですよ。ところが、衆議院選挙の場合、千葉県十区内に受け付けるところがないんです。千葉市まで行かなきゃいかぬ。都道府県によっていろいろ違うかもしらぬけれども、これはやはり各小選挙区ごとに受け付ける窓口をつくってもらいたい、そのことを強く要望いたします。これは答弁は結構です、もう時間がないので。

 それで、お待たせしました、柴山文科大臣。

 私は、地元、香取市立佐原小学校の卒業でございまして、私が小学校五年生、六年生のときに、文科省が、当時、教科担任制の実験校を指定してくれまして、私は、体育、音楽以外にも、理科と社会の専門の先生に教わりまして、非常にいろいろな先生から教わっていいな、これはどんどんどんどん広げるべきだなと思ったんですが、ようやっとここに来て、文科大臣が教科担任制の充実について諮問したとお聞きしまして、これは柴山文科大臣の肝いりと聞いておりますので、その思いをちょっと聞かせていただきたいと思います。

柴山国務大臣 現在においても、今委員から御指摘のとおり、子供の興味や関心あるいは能力が多様化する小学校の高学年を中心として、一部教科において教科担任制を実施している小学校があります。

 私も、ことしの一月に横浜市の北山田小学校を訪問して授業を見てまいりましたけれども、そういった小学校における教科担任制の充実は、より質の高い授業の実現や小学校から中学校への円滑な接続、また学校における働き方改革、こういった観点から効果的ということがわかりましたので、今後、中央教育審議会においてしっかりと議論を深めていただきたいと考えております。

谷田川委員 そうすると、教育審議会で今これから議論されるということでございますが、今後、本格的に導入するとか、いろいろなスケジュール感があろうかと思うんですが、それについてちょっとお答えいただければと思います。

柴山国務大臣 二〇二〇年末ごろまでに検討結果を取りまとめていただきたいと今考えているところですけれども、その中央教育審議会の検討結果を踏まえて必要な取組を進めてまいりたいと思います。

 審議の状況については、適宜、皆様にお伝えしたいと思います。

谷田川委員 働き改革の一環だということで、導入する時代の流れだというふうに私は理解しておりますけれども、もちろん、教職員の方が働きやすい、これも大切だとは思いますけれども、やはり一番大事なのは児童生徒だと思います。

 児童生徒への教育力が向上するにはどうしたらいいのか。やはりそれを第一の優先な課題としてしっかり御検討いただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

海江田委員長 柴山文科大臣、時間が過ぎていますので、短くお答えください。

柴山国務大臣 しっかりと検討させていただきたいと思います。

谷田川委員 では、時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

海江田委員長 次に、篠原豪君。

篠原(豪)委員 おはようございます。篠原豪でございます。

 きょうは、まず、ちょっとITについてこの国はどうなっているのかということと、それとあと、職員さんが民間からどういうふうにこの国の霞が関で働いているかというこの二つ、お伺いをさせていただきたいと思います。

 お配りさせていただきました一枚目の資料ですけれども、ここに、四月十六日付の朝日新聞、マイナンバー制度とハローワーク事業をつなぐ中間サーバーを厚生労働省の職業安定局が約八十億円かけて整備をしていながら、その利用率が最大想定の〇・一%にとどまっていることがわかりました。このサーバーには年間十億円の維持費がかかっています。

 国のITシステムで、今、投資が大変大きな支出要素となっているのは御承知のとおりかもしれません。どのぐらいの規模かというと、平成二十七年度の財政制度審議会での国のIT予算を取り上げた資料では、約一兆円程度の年間の規模。実際に二〇一七年は八千億円を使っています。ですので、非常に大きなお金がITに使われている。

 これは、IoT時代なので、今国会もデジタルファースト法案とかもありましたけれども、より拍車がかかっていくということになるんだと思います。

 しかし、当たり前の話だけれども、IoT時代だからといって、ITには、幾らでも、どんなお金でもかけられるというわけでは全くありません。我が国の財政状況はそんなに余裕はないというのが実態だからであります。

 その中で、これが、今取り上げられましたけれども、まず最初にお伺いしますが、この八十億円を使って、そして年間十億円の維持費がかかるこのサーバー、なぜこのようなことが、なぜ利用率が〇・一%しか実績が上がっていないのかを教えてください。

土屋政府参考人 お答え申し上げます。

 ハローワークにおきましては、各種申請等の書類の省略による国民の利便性の向上や公平公正な社会の実現といったことを目的といたしまして、他の行政機関とのマイナンバー制度に基づく情報連携を行うためのサーバーを整備しておりまして、このサーバーの設計上の月当たり最大件数を約三百八万件としているところでございます。

 この三百八万件につきましては、システム上、安定的に処理できる上限数でございまして、情報連携件数の目標として設定した数値ではないということから、利用率というような観点、先ほど〇・一%というお話がございましたが、こういった観点から議論をすることは必ずしも適切ではないものと考えておりますけれども、一方で、全体としてマイナンバーの利用が低調になっていることは事実でございまして、マイナンバー制度に基づく情報連携の環境を整えて国民の利便性の向上を図っていくということはこれから重要だというふうに考えております。

 このため、ハローワークにおけるマイナンバーの取得も徹底をすることとしておりまして、各種申請の際にも、記載がない際には再度の提出を求めるとか、あるいは、求職者給付の関係手続におきましても、住基ネットに照会を行ってマイナンバーを取得するなどによって、マイナンバーの取得に努めているところでございます。

 今後とも取得の徹底に努めるとともに、今後、年金機構との情報連携の本格開始もございますので、これに向けて必要な調整を進めていきたいと考えております。

篠原(豪)委員 今、委員の皆さんが聞かれていて、何かそれなりに答えていると思って、何かそんな感じかなと思いますけれども、全然違うんです。

 これは、いいですか、三百八万件の処理ができるのにもかかわらず、システムの安定のために必要ですか、実際、この資料のとおり何件ですか、三千五百件ですよ、三千五百件。

 私も伺いました。今、最後、ごにょごにょっとおっしゃったところで、年金との連携が始まれば大丈夫だということを要するに言っているんです。しかし、その年金との連携が行われたとしても、年金関係は三十二万件です。だから、マックスでも三十二万件しかいかないんです、全部やったって。それが、三百八万件で、八十億円をかけて、これは一者入札ですか、どうですか、まあそこはちょっと後ほど話しますけれども、こういうふうになっている。

 すると、今、どんなに言いわけしたって、十分の一の言いわけしかできなくて、そもそも、業務量の見積り、設計が過大だったというのはもう明らかなんですよ。

 これは、こういったものが、国の公共事業もそうなんですけれども、過大計画に基づいてじゃんじゃん道路やダムをつくってきた時代がありました。今は、ITだから、よくわからないから、とりあえず、これはどうしたらいいんですか、中間サーバー、いっぱいいいのをつくったらいいですよといって、実際にこんなことが、公共事業全盛期と何ら変わらないようなことが起きているんだとしたら、これはとんでもない話だと思いますよ。何を見てやっているんだという話。

 実際にこういったことが起きていて、システムの調達面でも、これは納得できないこともいろいろとあります。

 今、このハローワーク、そして三百八万件と言っていましたけれども、もう一つ、労働基準局には、この中間サーバーというやつが、月間二十三万四千百三人をこの設計上限として、さっきの三百八万件のやつは、利用実績を事前に聞いたところ教えてもらったものでありますけれども、労働基準局にある中間サーバーというのもあるんですけれども、これは資料をいただきましたら、ちょっと時間がなくて皆様のお手元にはお配りはできなかったんですが、この中間サーバーというのが、運用開始以降の利用実績というものを聞いたところ、これは別のサーバーなんですけれども、月ごとの利用件数、日ごとの利用件数、ピーク時の利用件数とお伺いしたところ、稼働率、棒線で、教えてくれないんです。ない。

 これは、まさかと思いますけれども、労働基準局の中間サーバーについては、利用ゼロということはないですよね。なければ、どのぐらいか教えてください。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員の方から御質問がございました労働基準局が所管する中間サーバーでございますけれども、こちらの方は、労災年金の支払いに関しまして日本年金機構等との間でマイナンバーの情報連携を実施するために構築しているものでございます。

 それで、日本年金機構との情報連携につきましては、当初の、平成二十九年の一月から行う予定でございましたけれども、これが延期されてきたところでございまして、先月の十五日から日本年金機構等への情報提供については試行運用を開始したところでございますが、まだ、日本年金機構等への情報照会につきましては、来月から試行運用を開始するということを予定しておるところでございます。

 そういった関係で、現在は利用実績が取りまとまっていないというところでございます。

篠原(豪)委員 これも最大利用が二十三万四千件とか言っていて、じゃ、どのぐらいの見込みになるかというのは、どのぐらいと考えていらっしゃるんですか、全然わからないんですか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げました労働基準局が所管しております労災年金に係ります中間サーバーでございますけれども、内容的には、来月から試行的な運用を開始したいと考えております労災年金と厚生年金等との併給調整の関係の照会をするという、情報提供の関係ということが主な内容となっております。

 というような関係で、現実、議員の方にも資料として提出させていただきましたけれども、月ごとの利用件数としまして、一カ月当たりの最大利用件数につきましては二十三万四千百三件ということで、これにつきましては年金受給者の平均値をもとにそういった算定をしておるものでございます。

篠原(豪)委員 では、角度を変えてお伺いしますけれども、この中間サーバーは、労働基準局情報整備システムにおける共通番号に係る中間サーバーの導入、このハードウエア、ソフトウエア等の構築及び保守業務一式という業務なんですけれども、これは何で一者入札になったんでしょうか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のございましたこの基準行政システムの中間サーバー導入業務一式につきましてでございますけれども、こちらにつきましては、政府で定めました調達ルールに従いまして一般競争入札、総合評価落札方式において実施したところでございますけれども、結果として一者応札になったものでございます。

 私どもとしましては、入札説明会に出席をされたにもかかわらず入札しなかった業者の声を聞きましたところ、当該業務を委託するマンパワーがない、あるいは価格面で他社と競争することができないということで、説明会を受けてそういった理由で参加を見送ったということで聞いております。

篠原(豪)委員 では、このケースだけが特別に一者入札だったということだったらそうなのかなと思うんですが、調べてみました。

 調べてみたところ、今回、他局にも中間サーバー関係の入札の結果などについて情報を出していただきましたけれども、保険局の医療保険向けの中間サーバーでは、十件あるシステムの関係の入札があって、半分の五件が一者入札でした。百億円の業務で落札率が、百億円の業務ですよ、落札率が九九・九八%とか九九・九九%となっていて、これを見ていただければ、いただいた資料なんですが、ちょっとお配りできなかったので、後で委員の皆様にはお配りさせていただきたいと思うんですけれども、これは、例えばこの落札率九九・九八%。ああ、一者入札なんだと思ったら違うんですよ、二者入札なんです。この次の、これはちょっと額がちっちゃいんですけれども、一億七千万ぐらいのサーバー、下のところですね、次のやつ、九九・九九%で、入札者三なんですよ。

 こういうことがあるというのは、これは何なのかなと。こういう、保険局が一者だらけの入札とか、非常に不思議なものがあるというふうに見ているんですけれども、入札のシステムは適切に行われているというふうに今お考えでしょうか。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 医療保険者向けの中間サーバーに係ります調達でございますけれども、これは、運営主体でございます社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が共同で行っております。

 入札によって行われた調達が十一件ございまして、十一件中六件が一者入札というふうになっているというところでございます。

 今御紹介あったものについてもその中に含まれているということでございますけれども、こうした調達については、政府調達の手続にのっとって行ったものでございまして、適切に実施されているものというふうに認識をしてございます。

篠原(豪)委員 九九・九九%と九九・九八%が、二者と三者が入札して、大きな金額で、適切であるということで、十一件のうちの六件は一者入札であって、本当にこんなものが適切かというのは私は疑問だと思います。

 厚労大臣にお伺いします。

 今回のサーバー、たった三千五百件のサーバーに八十億円かけているんですよ。今、世界で、サーバーの利用量の全世界の一五%と言われているネットフリックスというものがあります。ここのサーバーの整備費は四百五十億円ですよ。

 まあ一概には比べられないかもしれないですけれども、全世界の一五%の中間サーバーの金額と、こっちの、今、日本がやっている、我が国のサーバーの組み方を考えたときに、中間サーバー整備のコストの妥当性について、今お話をした中でどのように考えていらっしゃるのか。国以外で、海外などとの比較も含めて、整備コストの妥当性についてもちゃんと見ているのかどうかですよ。じゃないと、言われたままになっているんじゃないかと思っているので、その辺をちょっと教えていただければと思います。

根本国務大臣 今の現行のやり方、これはマイナンバー制度においては、内閣官房の統一した方針のもとで、各行政機関等の情報システムとマイナンバーによる情報提供ネットワークシステムとの間に情報照会、提供の対象となる個人情報を格納した中間サーバーを設置して、情報連携を行っております。

 この中間サーバー方式は、各行政機関等の情報システムを直接マイナンバーによる情報提供ネットワークシステムに接続する方式と比べて、コストが抑えられて、またセキュリティー面からもすぐれている方式であると考えております。

 行政機関等の中で複数の情報システムを持っている場合に、情報連携機能の導入や追加を行う際、中間サーバーの設置や改修などで済むためコストが抑えられている、こういう仕組みになっております。

 また、セキュリティー面では、中間サーバーの設置によって、仮にマイナンバーによる情報提供ネットワークシステムで何らかの障害等があった場合でも、中間サーバーに影響をとどめられることになり、各行政機関などの情報システムの安定的な運用や、各行政機関等が保有している個人情報データの安全性を確保できるということで……(篠原(豪)委員「もう大臣、いいですよ、妥当かどうかと聞いているんですから」と呼ぶ)

 妥当かどうかということでありますが、それは今、私が、中間サーバー方式で、どうしてこういう方式を採用しているかということで申し上げたところであります。

 海外との比較ということでありますが、マイナンバー制度全体の制度設計、これは内閣官房で行われておりますので、厚生労働省においては、海外の番号制度におけるシステムとの比較等については行っておりません。(発言する者あり)

海江田委員長 ちょっと静かに。

篠原(豪)委員 いや、妥当かどうかのお考えを。

海江田委員長 では、妥当かどうかということについて一言答弁をお願いします。

根本国務大臣 今局長が、それぞれの、今議員の御指摘のことについて、厚労省の対応について御答弁がありました。

 それぞれに私は理由があると思っておりますので、妥当かどうかということで聞かれれば、総合評価方式等々の入札方式で客観的にやっておりますので、私は、まだ利用率が高まる、これから利用率が高まる段階であると思っておりますが、それは妥当かどうかと聞かれれば、妥当な入札方式でやって、その結果だと思っております。

篠原(豪)委員 今のお話を伺っていてちょっと残念だと思うのは、高まらないんですよ、設計の上限まで、全く高まる見込みがないんです。だから、妥当じゃないんです。そのことは検証してください。それはよろしいですね。答えは、もう一問聞いてから。

 そもそもこういうものは、IT調達を適正に行うためにCIO補佐官というのがいらっしゃるんですよね。このCIO補佐官は、制度が設置されているんだけれども、中間サーバーの問題について、これをどういうふうに見ているのかということがあるんですが、これは妥当かどうかということを、これでいいというふうに、だらだら答えていただかなくても結構ですので、CIO補佐官はどう考えているかということだけ教えてください。

椿政府参考人 厚生労働省では、中間サーバーの設計、構築、運用について重要と認識しておりまして、それぞれのシステムの計画段階から厚生労働省CIO補佐官が参画するとともに、設計、開発段階においても、情報連携の機能や申請数のピークを把握した上でシステムのスペックやサーバーの容量などについて詳細に確認し、運用コストを注視しながらCIO補佐官が助言指導を行っております。

 なお、マイナンバーによる情報連携の運用開始に当たっては、構築されたシステムが適切に利用されることが重要ですので、担当部局に対してCIO補佐官から、各企業や自治体への利用促進の重要性などについてもあわせて助言しております。

篠原(豪)委員 その助言でこの結果だったら、もうどうしようもないです、機能していないですね。考え直した方がいいですよ、本当に。入札だって、九九・九九%、九九・九八%で、全然使われる見込みもないですね、三百八万件もの上限で、幾らやったってその十分の一ぐらいしかいかないかもしれない。そういう過大な設計をやって無駄遣いして、もう一回言いますよ、ネットフリックスは四百五十億円なんですよ、世界の一五%のサーバーの負荷で。何ですか、この八十億円って。

 そういうことが多々起きているというので、これは会計検査院さんにお伺いしたいんですけれども、会計検査院さんとしては、中間サーバーの整備コストについてどう考えているのか、そして、国以外との比較についてもどういうふうに見ていらっしゃるのか、端的に教えてください。ほかにも質問がありますので。

原田会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 会計検査院は、これまで、厚生労働省を含む国等のシステムの調達が適切に行われているかなどに着眼して検査を行い、不適切な事態が見受けられた場合には、その結果を検査報告に掲記しております。

 お尋ねの、個別具体的な事案に係る検査の具体的な手法等についてお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、システムの整備に当たり、仕様書の記載内容が適切なものとなっているか、契約における予定価格の算定が適切なものとなっているかなどに着眼して検査を実施しております。

 いずれにいたしましても、委員お尋ねの点も踏まえ、厚生労働省のシステムの整備に係る支出等につきまして、引き続き厳正に検査を実施してまいりたいと考えております。

篠原(豪)委員 これは言いたくないんですけれども、マイナンバー制度のときには、CIO補佐官が、二〇一六年に、出身者が自社に有利な誘導をしているという疑惑が月刊誌で報じられていて、室長補佐はマイナンバー制度汚職で逮捕されて、そして利益誘導疑惑、むちゃくちゃな話が多かったんですよね。この厚労省のCIO補佐官が適切に業務に当たっているかどうかというのをちゃんと確認してもらわなきゃいけないし、今のお話は、これは大事な話なので、やはり一回検証していただきたいと思います。そして、この検証と、やはりその報告というのをいただきたいと思います。

 これは財務大臣にもお伺いしたいんですが、財務大臣、よろしいでしょうか。非常に公共事業の無駄遣いの全盛期みたいなのがこのITの業界で行われている。ITの、今、我が国が、業者さんが、本当にそれが必要かどうかもわからないものに、これは、言われたらわからないかもしれない、霞が関の役人の皆様は。だから、そういったところがこういうふうに今指摘されていますので、このことについて見解をいただければと思います。

麻生国務大臣 これは労働省に限りませんけれども、いろいろ政府の情報システムについて、予算や調達の合理化というのに関しては、今御指摘になっておりましたとおり、システムの利用率といった論点以外にも、いろいろ無駄を排除していくということは、これは歳出改革の観点からも重要な課題だというのは当たり前の話なんだと思っております。

 こうした観点から、現在、情報システムの予算と調達の合理化に向けて、これは内閣官房だったかな、を中心として、関係省庁が連携して具体的な手法というものを検討を進めているところだと承知をいたしておりますので、新しいシステムが入ってきて、これまでのものと違って、いろいろな意味で、その機械がどれだけ、使えるものがあっても利用する人がいないとどうにもならぬし、利用する人の意識がそこまで伝わっているかとか、いろいろなものがまだ経過途中なんだとは思っているんですけれども。

 いずれにしても、人手が足りなくなってくる中にあって、こういったもので機械で置きかわっていって、より正確なものができるというのであれば、それはその方向にしていくのは当然のことだと思っておりますので、引き続き関係省庁と連携をいたしまして、このシステムというもの、いわゆる情報システム関連の予算というものをかなり効率のいいものに更にしていくには少々時間をいただかなきゃいかぬのかなとは思っているんですけれども、意識がないとこれはどうにもならぬのですよと思っております。

篠原(豪)委員 明らかに過大設計であったり、明らかにお金を払い過ぎたりすると、これはよくなくて、一社だとどうしようもないので、根本大臣、これは検証していただきたいと思いますが、そこだけお約束していただけないでしょうか。見ていただくのは簡単な話なので、一回、ちょっとチェックしていただければと思います。

根本国務大臣 私は、こういう新たな情報システム、これは非常に、業務の効率化にとっても、あるいは利用者の利便にとっても大事だと思っております。

 その意味では、委員がいろいろ今御指摘がありましたが、厚生労働省としても、常に、費用対効果も含めた効率的な調達として効率的な執行にしっかり努めていきたいと思います。

篠原(豪)委員 済みません、それは、検証して、皆さんにもう一度伝えてください、今やっていることも含めて。それはよろしいですか、皆さんに通達していただいて。済みません、大臣、これは政治判断ですから、そんな、役人の皆さんに聞かれなくても大丈夫ですよ。大臣がしっかり見せると言えばいいんですから、伝えると。

根本国務大臣 検証も含めて、しっかり見ていきたいと思います。

篠原(豪)委員 ありがとうございます。

 これで、今、老後のお金も、本当に財源がない中で、困っている方々がいっぱいいらっしゃいます。そちらの方に、無駄を徹底的に省いて、省いたものを、生活重視、皆さんに充てていただければありがたいと思っています。よろしくお願いします。

 もう一つ、次のテーマへ行かせていただきますけれども、霞が関への民間人の皆様の出向ということでございます。

 配付資料の二枚目、お配りをいたしました。これは、五月十三日付で、内閣府が地方創生推進事務局政策調査員の非常勤の一般職員の公務員さんを募集しているというのを見つけました。

 霞が関では、今、麻生大臣もおっしゃっていましたけれども、人が足りない、専門家が。専門性が高まっているということで、これが急増しているというふうに認識をしていまして、内閣人事局のデータでは、民間出向者が平成二十三年には千二百三十六人だったんですけれども、三十年には二千二百二十七人ということになっています。

 さっきのCIO補佐官の問題も紹介しましたけれども、こういった方々も、いい意味で、ちゃんとやってくださる方には、これは、役人の皆様の知識だけでは立案が難しい専門的政策が多くなっている現状があるので、その意味では、適切に登用をし、そして知見や知識を生かして取り入れていくことは、大切なことであるし、いいと思います。しかし、機能しないようなものは全く必要がないんだろうと思っています。更に言えば、国の機密や安全保障にも関与すること、行政官としての公平性についても考えなければいけないんだと思っています。

 この募集についてお伺いをしたいんですけれども、これはどんな職員やどんな業務をするのかということをまず期待しているのかを聞きたいのと、何でこれは日給が九千百円なのかという、募集のお給料が九千百円なんです、一日九千百円。九千百円で二十日勤務して、ざっくり計算すると額面で十八万円で、新卒の給与並みかそれ以下じゃないかということでありまして、「健康保険、厚生年金保険、雇用保険及び介護保険は加入要件に従う」と書いてあるんですね。この「加入要件に従う」というのも、これは国が各種保険などを提供するという意味なのか、その辺の意味を教えていただければと思います。

 もう一度申し上げますと、何を期待し、なぜ九千百円で、保険についてはどうなっているのかということです。端的にお願いします。

森山政府参考人 お答え申し上げます。

 地方創生推進事務局政策調査員の期待する任務でございますけれども、地方創生推進事務局政策調査員は、同事務局の所掌に係る専門的事項の調査及び分析に関する事務に従事することとしております。具体的には、構造改革特区、地域再生、中心市街地活性化、総合特区、国家戦略特区、都市再生といった分野に関して、地方創生推進事務局が所管する行政事務に係る専門事項でございます。

 また、委員御質問ございました日給の設定根拠でございますが、地方創生推進事務局の政策調査員の給与につきましては、一般職の職員の給与に関する法律、いわゆる給与法第二十二条第二項において、常勤の職員の給与との権衡を考慮するとされており、これに基づき支給しているものと承知しております。

 また、募集要項にございます「加入要件に従う」の意味でございますが、当該職員が健康保険、厚生年金保険、雇用保険又は介護保険に加入している場合、当該保険の加入要件に従うということを意味してございます。

 以上でございます。

篠原(豪)委員 ちょっと時間がないので、また細かい話は次回したいと思いますけれども、経済産業省も、新型の大型ドローンプロジェクトというか開発プロジェクトの「空飛ぶクルマ」プロジェクトというのをつくっていて、その政策の推進のために、民間転職求人サイトで、副業、兼業の限定ということで、週一勤務する週一官僚というものの募集を二つのポストで行ったところ、千三百三十八名も応募があったそうです。

 この週一官僚ですけれども、これは日給は一万五千三十円と募集に書いてあっておりまして、これも保険とかはどういうふうになっているのか、どういう人たちをこの週一官僚に雇おうとしているのか。そもそも、ここを一番答えていただきたいんですけれども、週一日分のアドバイスを受けるということをなぜ業務委託とかではなくて非常勤で採用するという形をとるのか、教えてください。

井上政府参考人 今回の「空飛ぶクルマ」プロジェクトで採用しようとしております専門人材は、週一日の勤務を予定しております。

 したがいまして、経産省での勤務時間は週二十時間未満となりますことから、健康保険法、厚生年金保険法等を踏まえまして、健康保険や年金については経済産業省が手当てをすることは想定をしてございません。

 選考状況でございますけれども、ことしの三月七日から四月三日の間、人材二名の公募を行いまして、御指摘のとおり、千三百三十八名から応募をいただきまして、現在、書類選考や面接によって選考を行っている状況でございます。

 最後に、業務委託等でなぜ行えないのかということでございますけれども、今回採用を予定しております専門人材の方につきましては、単なるアドバイスや一部の調査を行うということではなく、プロジェクトのチームメンバーとして参画をしていただき、政府の立場で多数の関係者との調整にも参画をしていただくことを想定してございまして、したがいまして、業務委託等ではなく、国家公務員という身分を持って業務に当たっていただきたいということで、このような形で公募をさせていただいているところでございます。

篠原(豪)委員 採用される方が国家公務員ということでございますと、公平性や守秘義務を確保し、そして活動することというのを担保していかなきゃいけないんですけれども、何でこの話をしているかというと、最後に、世耕大臣と、また麻生財務大臣に一問ずつ同じことをお伺いしたいんですけれども。

 世耕大臣にお伺いしたいのは、今いろいろな民間の方々が、例えば内閣官房付にボーイングとか、いろいろ会社があるんですけれども、事実上の利害関係先ばかりなんじゃないかというような指摘もあります。

 そういった中で、週一で公務員の身分でやっていくということに対して、どういうふうにこの辺の活動をきちっと担保してやっていくのか、それが本当に必要なのかどうかということをお伺いしたいと思います。

世耕国務大臣 今、行政が直面するテーマというのは極めて複雑化していますし、足も速くなっている。そういう中で、政策立案にやはり最先端の知見のある民間の方の経験を取り込むことというのは極めて重要になっているわけであります。

 そういう意味で、さまざまな形で民間からの職員の受入れを、これは経産省だけではなくて、政府全体として進めているところであります。

 「空飛ぶクルマ」プロジェクトも、これは、前例のないプロジェクトでありますので、政府職員の知見だけではなくて、民間からの多様な知見を取り込むことが不可欠だというふうに思っています。

 選考や業務の実施に当たっては公務員の公平性や守秘義務が確保される、これは当たり前のことでありまして、例えば、直接の利害関係団体から採用はしない、あるいはフォルダによってアクセス制限を行うといった必要な措置を講じていきたいと思っています。

篠原(豪)委員 大事なことをお願いするときに、それなりの方じゃないといけないから、こういうふうに中で一日入っていただいてやっていただくということになっているんですけれども、そうだとすると、さっきの九千円もそうですし、この一万五千円もそうなんですけれども、やはりちょっと、金額もちゃんとした金額になっているかというと、何か逆に安く使い倒して、都合のいい、保険の問題もそうなんですけれども、やっていくんじゃないかということが心配されるのが一点。

 あと、それと、昔はよくあったんですけれども、民間人が霞が関に入るときに、親元にいるんだけれども、それが終わった後には自分のところの会社へ帰って、霞が関にいたときの足らない給料を親元の会社が補填しますみたいなのが報道されたこともありましたけれども、そういったことであって、やはりこの辺はしっかりと、きちっと整理していかなきゃいけないと思うんです。

 民間のすぐれた人材を適材適所で活用するには、きちんと報酬を払って公務に専念してもらうことも必要だと思います。

 民間でのこういう経験をきちっと生かしていく、生かしていかないというのがどの辺で分かれているのかというところがよくわからないので、この辺について、財務大臣も民間でビジネスをやられていましたから、今どのように、大きな話なんです、国の全体の支出にもつながっていくし、副総理でもあられますし、民間の方々を登用していかなければいけないし。

 きょうお話しさせていただいたように、かといって、一者入札で逮捕者が出たようなところのCIO補佐官の部局のところであるとかというのも含めると、ちゃんと全部きれいに見ていかないと、ちょっときょうは時間が短いのでちゃんとお話が全部うまくし切れませんけれども、そういったところも含めて、どのようにやはり整理をしていって、この国の方向としてやっていくのが適切かと考えていることを、きょうのお話全体を聞いていただいて、最後にいただければと思います。

海江田委員長 財務大臣、要領よくまとめてください。

麻生国務大臣 有能な放送関係の経営者だった人が有能さを買われてNHKに行って、行きますかね。NHKの給料って幾らだか知っていますか。総理大臣の給料より安いというルールになっているわけでしょう。総理大臣の給料は閣僚の給料並み。そうしたら、どこかの建設会社の大手の支店長ぐらいでもそれぐらい取っているんじゃないか、今。民間にいたことがあるんだろう。調べてごらんなさいよ。それで来たやつが優秀じゃないって、それは優秀じゃない給料しか払っていないんだから、来るわけないじゃないか、はっきり言えばそういうことになっちゃうんですよ。

 だから、そこのところは、よほど志が高くて、私、給料は四分の一になってもいいです、お国のために頑張りますというような優秀な人が文部省の教育によって出てきたであろうか。なかなか難しいと思っていますね。したがって、そこのところは、今おっしゃる点はよくわかりますけれども、現実問題としてはこれはなかなか難しいのが現実なんじゃないでしょうか。

 だから、これをどうするかという問題は、これは役所もみんな悩んで、いろいろな話で、今、特定任期つき職員、そういった制度やら何やらいろいろやらせていただいて、目下検討中なんですけれども。

 新しいシステムが入ってきたのに合わせて、それへの対応ができるのは、民間の方が先に進んだりしておりますから、そういった意味では、なかなか現実としては、それに対応できるだけのものがシステムとしてまだでき上がっていないので、あっちゃこっちゃいろいろ努力をしながら、現実、とにかくそこに対応できるようにするという努力を役所の方も今目下やらせていただいているというのが現実だと思っております。

篠原(豪)委員 整理をしっかりしていっていただいて、短期的にどこも一つの事業を見るのか、中長期的にどういうふうに大局も見ていくのか、その後の将来的な設計も含めて、財政見通しも含めて、どういうふうに全体を組んでいくのかというのはやはり行政の仕事ですので、しっかりとやっていただきたいと思っていますので、どうぞ、そのことを申し上げまして、きょうの質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

海江田委員長 次に、小林史明君。

小林(史)委員 自由民主党の小林史明です。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 質問に先立って、先ほどの篠原委員の質疑というのは私はとても重要だと思っていますし、本当に共感をいたしました。こういうふうに問題をやはりつまびらかにする必要があると思いますし、もう一歩踏み込んで、構造的な問題解決を我々は提案していく必要があると思っていまして、特に、先ほどのシステム調達は、やはり調達の一元管理というものをやらなければ、これは問題解決しません。

 先ほど、政府CIOそして副CIOの話がありましたが、現状のCIOの権限というのは、各省から問合せがあったら相談に乗るということになっているんですね。ですから、本来はCIO側から手を突っ込んでいけるような権限を与えて、そして、それを全省庁、そしてできれば全国の千七百十八自治体の情報システムの調達についても一元的にやらなければ、この国のデジタル化は一気に進まないんだろうと思っています。

 ここは与野党問わず問題意識を共有できるということなので、ぜひ一緒に、またこの場でも議論させていただきたいと思いますし、別の場でもぜひ連携して進められれば、こういうふうに思っています。

 この問題をやはり構造的に解決するというのが我々の仕事だと思っていまして、きょうは公務員制度について議論をさせていただきたいと思っています。その背景は、統計不正であったりとか、さまざま不祥事が続きました。これはおかしいじゃないかと言うのはいいんですけれども、やはりこれも構造的な問題を解決しなきゃいけないというふうに思っています。

 今回の統計の話を見ていても、やはり要因は公務員制度にあるんじゃないかなと思うんですね。まず、統計の調査について、現場職員がどんなことをやっているかというのを幹部職員が知らなかった。統計調査のあり方を見てみれば、この統計は要るのかという統計までいまだにとっている、つまり、やめるべきものをやめられないという状態がある。更に言えば、このやり方、本当に紙でやり続けるんですか、民間にも相当な負担がかかる、間違いなくデジタル化すれば数秒で済むような話を何時間も何カ月もかけてやっているという実態がありました。

 この問題は、それはやり方がおかしい、発想しないのがおかしい、これは簡単ですけれども、その根本的なところには、やはり業務の見直しをするというモチベーションが湧かない人事制度になっていることが私は問題だと思うんです。今ある仕組みをやめること、これが評価されるのか、若しくは業務の効率化をすれば評価されるのか、そういう人事制度には残念ながらなっていません。

 私自身、総務省の政務官を昨年一年間務めさせていただいて、現場職員と幹部と話をしながら働き方改革を進めてきました。実際に、現場職員は物すごく問題意識を持っています。でも、これは先輩が脈々と続けてきたから、若しくは法令で定められているから仕方なくやっているというのが現実です。

 一方で、幹部職員はその現実を見えているかというと、見えていません。本来であれば、それを把握して幹部職員が決めてしまう、若しくは私たちのように政務に入った人間が意思決定をしてさしあげれば、それは一発で変えられます。私も働き方改革をやってみて、よくわかりました。こういうものをやはり公務員制度の中にビルトインして、ずっと回る仕組みにする必要が私はあると思うんですね。

 ですから、例えば、まず、幹部職員のポストにはミッションというのが必ず定められるようになっています。そのときに、既存業務の見直しであったりとか業務の効率化、これを明確にミッションとして位置づける、そして第二に、これを人事評価として、評価項目として重要視をするというふうな人事制度にしなければ、これはずっと続かないんじゃないかと思っています。

 まず、この公務員制度の中でさまざまな不祥事が起こってきたというものを含めて、これはやはり行政改革の担当大臣としていろいろな問題意識を持っていらっしゃると思うので、宮腰大臣の問題意識を伺いたいと思います。

宮腰国務大臣 委員の御指摘につきましては、行政のあり方を考える上で極めて重要なことだと考えております。

 昨年、委員が総務大臣政務官を務めておいでになったときに、官邸で業務の見直しに関する提言を発表しておいでになりまして、私もたまたまその場に総理大臣補佐官として出席をいたしておりまして、極めて現場の実態を踏まえた非常にいい御提言であるというふうに受けとめたことを今もよく覚えております。

 平成二十六年に閣議決定した採用昇任等基本方針におきまして、各府省等が人事評価を行うに当たりましては、行政のスリム化、自主的な事業の改善、働き方の改革など、時代に即した合理的かつ効率的な行政を実現する取組の成果等を適切に評価するように努めることといたしております。

 これを踏まえまして、内閣人事局から各府省等に対しまして通知を発出しておりますが、御指摘を踏まえ、今後、関係者と相談しながら、更に具体的にどのようなことができるのか検討してまいりたいというふうに考えております。

 幹部職員、管理職員のミッションとして、現場業務の実態把握、あるいはそれを踏まえた現場職員の負担軽減、業務の縮小、廃止も含めた負担軽減、これをやはりずっと回していくということは、委員の御指摘のとおり極めて重要であると思っておりますので、これから具体的に何ができるか、省庁横断でしっかり頑張ってまいりたいというふうに考えております。

小林(史)委員 ありがとうございます。

 現場意識の強い大臣だからこそ、ぜひそういう思いも取り上げて改革を進めていただきたいと思いますし、加えて、行革担当大臣としてぜひお願いしたいのは、既存業務の廃止で、この業務やめてもいいよねというものについては、現場若しくは職員、幹部で判断できると思うんですが、やはり政治的に判断しないとやめられないもの、場合によっては、これは行政でやらずに民に任せた方がいいんじゃないかという大きな判断は、これはやはり政治じゃないとできないと思います。

 そういう意味では、そこは行革本部でしっかり議論していただきたいと思っていまして、今、行革本部の活動を見ていると、行政事業レビューが中心になっていて、予算の査定をやっているみたいな感じになっているわけですね。そもそものこの官と民の線引きの見直し、こういう大きなところからぜひ行革本部で議論をしていただきたいと思っています。

 続いてもう一つ、仕組みの問題点としては、やはり人員配置が私は大きいと思っているんですね。

 内閣人事局が行っているこの人事、人員の査定の仕組みを見てみると、五年間で一〇%ずつ削減をし、そして再配置をするという仕組みになっています。これを見ていると、結局、自動的に毎年二%ずつ減っていくと、五年で一〇%ということです。自動的に減ることが決まっているので、そうすると、何か新しいことをやりますと言わないと、その抜けていった分を再度配置することができない仕組みになっているわけですね。

 そうすると、フローの部分だけ見ていて、既存の業務そもそもを見直したときに、いや、実はこれは忙しくなっているので人が欲しいですという話は残念ながらできていないというふうに見えています。今回の統計の話も、統計人材だけががんがん減っているんですね。

 ここだけ見ても、ちょっと極論かもしれませんが、毎年人員が減らされちゃうので、掘りやすいところからとにかく掘っていくということが各所で起こっていて、それを流れだけ見て、数が合っているからいいですよというふうに回しているようにしか見えないんですね。

 これから、先ほど大臣がおっしゃっていただいたように、人事制度が入って、業務の見直しが始まれば、本当に必要なところには大幅につける必要があるし、逆に効率化できているところについては別のところに張りつけていく、こういう柔軟な運用ができるようにした方がいいじゃないか、こういうふうに思いますけれども、今の人事制度、この人員配置について、内閣人事局、どのように問題意識を持っていらっしゃるか、お伺いします。

長屋政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと委員のお話と重複しますけれども、国家公務員の定員につきましては、国の行政機関の機構・定員に関する方針に基づきまして、まず増員面では、内閣の重要施策の対応に重点的に増員を措置するということでございますが、これについて委員の方から、更にめり張りをつけて柔軟にやるべきではないか、これは一つの大きな課題であろうかと思っております。

 また、その一方で、増員の原資を確保するために、毎年二%、五年で一〇%以上の定員合理化を取り組んでいるところでございます。

 定員の合理化あるいは業務の見直し等の関係から申し上げますと、ちょっとさかのぼりますが、省庁再編以降、独法化あるいは民営化を始めとしまして行革を強力に進めてまいりまして、国の定員は、平成十三年八十四万人が令和元年には二十九・九万人、五十四万人余り減っているところでございます。

 一方で、近年では、これに対しまして各府省では、むしろその見直しというのは現場の実情に応じて、ICTの活用とか組織の集約化、民間委託などの業務改革を通じて定員合理化を進めてきた。これにつきましては、各年度、いわば不断の地道な合理化努力の積み重ねといいましょうか、そういったレベルで業務の見直しを進めているところでございます。

 他方、委員から御指摘いただきましたように、こうした定員合理化に関連するような取組だけではなくて、例えば、働き方改革による仕事のやり方の見直しとか、デジタル化による業務効率化などの取組も新たに手がけられてきているところでございます。

 本日いただきました委員の御指摘、問題意識も踏まえまして、今後、関連部局の取組と連携を図りながら、より実効が上がるような定員管理のあり方を模索してまいりたい、このように考えているところでございます。

小林(史)委員 ありがとうございます。

 前向きに各省と検討いただけるということで、ぜひ抜本的な人員配置の仕組みを、見直しをやっていただきたいと思います。

 これは野党の皆さんにも御協力をお願いしたいと思いますが、厚労省のこの問題を解決しようと思うと、多分、一時的に人員をふやしてあげないと、恐らく回らないんだと思うんですね。既存の業務はもう既に回っていないという状況で、デジタル化しよう、仕事のやり方を見直そうと思ったら、これは皆さん、働いたらわかることだと思いますけれども、働き方の見直しというのは、実は余計な業務が一時的に発生するんです。

 そういう意味では、ある程度一回ふやしてあげて、業務の見直しがしっかりできたらもう一度再配置をする、こういう柔軟な運用も考えてさしあげないと、ただ官僚の数を減らせば何とかなるということでもないと思いますから、その辺をちょっと御配慮もいただきたいと思います。

 その上で、ちょっと質問が入れかわっちゃうかもしれませんが、先ほど人事局からの答弁で、働き方改革について触れていただきました。これはまたちょっと大臣にお伺いをしたいと思いますが、これは意見というかお願いですけれども、これは総務省で、先ほど褒めていただきましたが、働き方改革、全省庁でやろうということで、政務官会議で提案をさせていただいて、各省で取り組んでいただいています。

 各省で働き方改革チームというのが立ち上がっていまして、いろいろ、全政務官のところをそのとき回ったんですけれども、うまくいっているところというのは大体政務がコミットしているんですね。大体、うまくいかずに進まなくなっている、やる気がなくなっちゃっているところというのは、役所だけで、役所メンバーだけでやっていて、なかなか意思決定がされないという状態になっています。

 そういう意味では、やはり全省庁の政務がちゃんとこの働き方改革にコミットして、現場発の業務改革を支援してあげる必要があると私は思います。そういう意味で、それを改めて、ぜひ行革担当大臣から各省に指示をしていただきたいと思います。

 加えて、省庁横断でやらなければ解決できない問題というのもあります。例えば、先ほどの調達の話もそうなんですけれども、ちょっと後で具体的な話を取り上げますが、こういったものについては、やはり、省庁横断チームというのを今内閣人事局の下で取り組まれていますけれども、ここについては大臣が時々顔を出してあげて、やれるものは、もうそれでやっていいよとその場で一言言うだけで物すごく変わりますから、それだけでモチベーションも変わりますので、ぜひ、そこは現場を大事にする宮腰大臣だからこそコミットをお願いしたいと思いますが、いかがですか。

宮腰国務大臣 国家公務員の働き方改革の推進に関しましては、総務省のほか、内閣府や経済産業省など多くの府省等において有志の若手職員等によるチームが設けられ、業務上の課題の洗い出しや課題解決に向けた議論がなされているものと承知をいたしております。

 内閣人事局におきましては、各府省等の中堅、若手職員で構成される霞が関働き方改革推進チームを開催いたしまして、霞が関における働き方改革の課題について具体的な改善策の検討を行っております。

 その取組の一環として、昨年度は、各府省等の働き方改革チームの活動状況について発表いただくなど、府省を超えた情報の共有を行ったところであります。

 その上で、今年度は、引き続き各府省等の取組状況について共有を図りつつ、府省横断的に検討すべきテーマについて議論を行うこととしております。

 今後とも、このような場を活用して、政府全体の働き方改革をより一層推進してまいりたいと考えておりますが、政務としてのかかわり方については、これから少し勉強させていただきたいというふうに考えております。

小林(史)委員 ぜひ、検討をお願いしたいと思います。

 今まで申し上げたように、やはりこの公務員制度、人事制度、人員配置、さまざま、我々のパートナーである官僚の皆さんが全力を発揮できるようにするというのはとても大事ですし、一方で、国民から見て適正な行政が運営されているのかという意味でも非常に重要なんですね。

 先ほどのような話というのは、実は、今皆さんのお手元にお配りをした公務員制度改革基本法にも書いてあったんですよね。より官僚の皆さんに能力を発揮いただけるように、実力ベースの人事評価をやろうであったりとか、場合によっては抜てき人事も必要だであったり、幹部職員のミッションを明確化し、それぞれのポストのミッションに伴ってちゃんと人事評価をする。加えて、省内外から公募で優秀な人材を募る、さらには官民の人材の流動性を高める、こういうことも書いてあります。この中に、内閣人事局の設置も書いてありますし、将来議論されるであろう公務員の定年の延長についても書いてあります。

 この公務員制度改革基本法が全部一体的にやられていればかなりの問題は解決したんだろうと思いますけれども、残念ながら、今見返してみれば、一部分しかやられていないんですね。その結果、内閣人事局のせいで、例えば、みんな上を見るようになっちゃっているんじゃないか、こういう問題意識がありますけれども、これは確かに、政治主導をやればそうなるのは事実だと思います。

 でも、それをカバーするために、官民で流動性が高まって、場合によっては、アメリカじゃないですけれども、各国でも、このリーダーのもとでは自分は国家公務員として働きたくないと言えば、民間に一度出て、そして、またこのリーダーのもとで働きたい、またこの組織で働きたいと思えば官に戻ってくる。こういうこともセットであれば、そういう弊害ももしあるとするならば、私は防げるんだろうと思っています。

 でも、それが今ないがしろになって忘れられたまま、この法律は、つまり改革がやられていないんですよ。これは与野党ともに、ちゃんとチェックしないとまずいですよ。

 当時、民主党の皆さんにも手を入れていただいてこれはつくられています。これ、ちゃんとやられているかどうか、もう一度検証する必要があると思っていまして、現状、この取組状況、どのように思っていらっしゃるか、担当部局にお伺いしたいと思います。

植田政府参考人 お答えいたします。

 行政運営を行う国家公務員に関する制度については、社会経済情勢の変化に対応したものとし、職員一人一人がその能力を高めつつ、国民の立場に立ち、責任を自覚し、誇りを持って職務を遂行できるようにしていくことが重要と考えております。

 このため、平成二十年に成立しました、委員御指摘の公務員制度改革基本法に沿って、これまで、人事評価制度の構築や幹部人事の一元管理の導入、内閣人事局の設置、官民の人材交流の推進などの取組を進めてまいりました。

 本年三月には、自民党から公務員制度改革の徹底について御提言もいただいたところでございますけれども、内閣人事局としては、各府省とも議論をしつつ、能力・実績主義の徹底や多様かつ優秀な人材の登用の推進などに向けて、更にどういった方策があり得るか、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

小林(史)委員 この場でこれ以上細かいことは突っ込みませんが、でも、まさにこの委員会こそチェックしていかないといけない場所なんですね。

 我々、自民党本部の行政改革推進本部で、ずっとチェックするということを決めました。引き続きやりとりをしながら、ちゃんと改革を進めていただいて、やはり国民の納得のある行政運営と、そして我々の大事なパートナーである皆さんに全力で働いていただけるような環境をつくれるように、ぜひ一緒につくっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 最後、二つ、ちょっと細かい話をしますが、こんな話ですら、やはり働き方改革で政務がコミットしないと現場から上がってこないという事例として、ちょっと取り上げさせていただきたいと思います。

 一つは、多分、役所の皆さんと政治家で資料のやりとりをしたら、皆さん感じたと思うんですが、必ずジップファイルで送られてくるんです、添付が。それで、パスワードがついているんですね。これを解凍しようとすると、パソコンなら操作できるんですけれども、タブレットとかスマホで見ようとすると、これはパスワードが入力できないし、解凍できないんですよ。物すごい不便なんですね。

 実際に、送っている側も一手間かかっていて、確かに、パスワードをつけるということでセキュリティーは高まっているというふうに思っているんですけれども、実際には、同じメールに連続してパスワードが送られてくるので、余りセキュリティー上も高まっているとも言えない。つまり、手間だけかかっていて誰も得していないというような状況になっているんですね。

 これは、実はよく調べてみると、各省によって運用状況が違ったり、システムが違ったりするんですね。これは、資料のセキュリティーレベルというのは決まっているので、必要ないものは必要ないし、必要あるものにはセキュリティーをかけるというふうに、もう一度運用を整理して、全省庁的にやればみんな楽になると思いますが、いかがですか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、セキュリティーの対策という観点から申し上げますと、政府機関等において遵守すべきセキュリティー対策を定めております統一基準群、政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群というのがございます。ここの中では、保護すべき情報がある電磁的記録を電子メール等で送る場合には、安全確保に留意をして送信の手段を決定して、格付、取扱いの制限に応じて、安全確保のための適切な措置を講じてくださいというふうにしてございます。

 具体的に申し上げますと、要機密情報を自府省の外に接続する通信回線を使用して送信する場合、今委員の御指摘の場合で申し上げますと、例えば委員に職員から送るといった場合が起こりますと、情報漏えいを防止するためには、情報暗号化の対策を講じてくださいというふうに言っております。

 これを踏まえて、各府省においてしかるべき対策を推進しているものと承知をしておりますが、これは委員御指摘のとおりですが、各府省によって実際のシステムが異なります。具体的には、実際に職員が操作をする場合もあれば、自動的に暗号がかかる場合もございます。でございますので、今後とも各府省、各職員が、情報の格付、それから取扱いの制限、このメールがどうなっているか、この辺の実情を踏まえて適切に判断して対応できるように研修等も行っておりますので、このようなものを通じて実際の取扱いを徹底してまいりたいというふうに存じ上げます。

小林(史)委員 こんな細かい話ですけれども、でも、ここで取り上げないと上がってこないんですよ。でも、みんなストレスに感じているし、あれを受け取っている側もストレスなんですね。こういうのをどんどん潰していった方がいいと思います。

 もう一つ行きたいと思っていまして、総務省の行政管理局、これは、視察に行っていただくと、すばらしいオフィス改革が実現をされています。完全にペーパーレスがされていて、フリーアドレスになり、その結果、打合せスペースがふえて、かなり業務の効率化、質も上がっている、こういう状況になっています。それを環境省の職員さんが視察に来られて、ちょうど環境省が移転をするので、そのタイミングでまたオフィス改革が進んでいます。これはどんどん広げていった方がいいと思うんですね。

 それに際して、かなり役所の皆さんがノートパソコンを持って動いているのが結構見えるようになってきました。でも、これは、仕事上使おうとすると、ネットワークに接続しなきゃいけないんですけれども、総務省の人間が例えば経産省に行って経産省のWiFiにつながるかというと、これはつながらないんですね。それはセキュリティー上の問題もあれば、調達のルールが違うからということが起こっていて、これはつながらないんですよ。せっかくモバイルワークをやると言っているのに、こういうことをちゃんと整理しないと、結局働きづらいですね。

 こういう細かいことからやはりしっかりやって、役所というのはとても働きやすくてやりがいがあるんだというふうにしなければ、やはり新しい人材も採れないと思います。

 このWiFiの問題についても早期にやはり解決すべきだと思いますが、いかがですか。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、デジタルガバメントの推進を図っておるところでございますけれども、これに当たりましては、行政サービスのフロント部分だけでなく、行政内部の業務やワークスタイルにつきましても、従来の紙中心から脱却をいたしまして、デジタルに対応したものに変革をしていく必要があると考えてございます。

 このような働き方のデジタル化が進みますと、みずからの席や職場に限らず、どこでも仕事ができるということであるほか、職員同士のコミュニケーションの向上や新たなアイデアの創発も促進されるということで、各府省におきまして、業務の特性を踏まえつつ、必要な環境整備を進めているところでございます。

 委員御指摘の、霞が関の庁舎で職員が所属省庁に関係なくネットワークに接続できるようにするべきという点につきましては、こうした環境整備の一つであると考えてございまして、費用対効果を踏まえつつ、政府横断的な見地から検討すべき事項であると考えてございます。

 現在、政府情報システムの全体最適を図るために、予算の要求から執行の各段階における一元的なプロジェクト管理を強化することを検討しておりますので、この具体化の中で適切に対応してまいりたいと考えてございます。

小林(史)委員 やはりここも、調達の一元化が構造的な問題解決の手法なんだと思っています。

 もう一つ事例で挙げれば、省庁横断でウエブ会議もできないですね。省庁ごとに採用しているウエブ会議のシステムが違うからです。これも早く一元化した方がいいと思います。

 残り五分ということで、もう私、質問が終わりましたので終わりますから、次の方、準備をいただきたいと思います。

 最後に、委員の皆さんに問題意識を共有して終わりたいと思います。

 もう一つ、今度は国会側でやらなきゃいけない話というのがあると思っていまして、国会改革はもちろんなんですけれども、もう少し細かい話で、国会や議員会館に官僚の皆さんが入るときの入館証、これも、幹部職員は今つけているもので入れるんです。あのマイナンバーカードの身分証ですね。でも、それ以外の職員はみんな、入館証をわざわざ借りに行かないといけないですね。これを紙で書いて、借りて、入館して、持って帰って、また紙にサインをする。

 しかも、予算説明の時期なんかは大変数が必要なので、場合によっては数が足りないとか、これを国家公務員がやっているんですよ。これはやめさせた方がいいですね。そういうことよりも、もっと生産的なものに力を使わせてさしあげた方が、我々にとってもいいし、国民にとってもいいし、本人たちにとってもいいんです。でも、これは議運なんですよ。

 先ほどマイナンバーの話がありましたが、もう全官僚の皆さんはマイナンバーカードをここに持っています。議員会館に入館するときはこれをかざせば、ログも残りますから、そっちの方がセキュリティーも高い。これもぜひ与野党を問わず一緒に議論して、やはり早くこういうのを変えていきましょう。(発言する者あり)議運です。

 目の前の景色が変われば、もっと私たちの意識は変えられるというふうに思っていますので、ぜひ一緒にこの国の組織を変えていけるように御協力いただくことをお願い申し上げて、そして決意申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

海江田委員長 それでは、次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず、日米地位協定にかかわって質問をさせていただきたいというふうに思います。

 二〇一七年度、二〇一六年度の予備費で、米軍基地爆音訴訟の関係で、国側控訴に係る支出が続いております。日米地位協定第十八条第五項(e)は、米国側に起因するものは、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、その金額の七五%を米国が負担するというふうになっております。

 日本共産党の宮本徹議員が、昨年もおととしも、この委員会の中で、岸田外務大臣そして河野外務大臣に対して、日本政府は米国政府に対して損害賠償金の負担を強く求めるよう質問をいたしました。これに対して、河野外務大臣は、「日本政府としては、米国政府に対して損害賠償金の分担を求めるとの立場で、今後とも適切な形で協議を重ねてまいりたい」というふうに答弁をしております。

 河野大臣にお伺いをいたします。アメリカに負担を求める日米協議、何が進展したんでしょうか。

河野国務大臣 この件につきましては、日本政府と米国政府の立場が異なっており、いまだ妥結を見ておりません。

本村委員 米国側が一円も応じず、日米地位協定さえ守られていない状況が続いていることは重大だというふうに思います。

 河野大臣、要するに交渉が進展しているのかしていないのか、端的にお示しをいただきたいと思います。

河野国務大臣 繰り返しで恐縮でございますが、この問題はいまだ妥結を見ておりません。

本村委員 全く進展していないのだと。この間の答弁とも変わりませんので、進展していないということだというふうに思いますけれども、例えば、第三次の普天間飛行場爆音訴訟では、原告の住民の皆様が勝って、九億五千万円の賠償が認められたわけですけれども、米国が一円も応じていないということでございます。

 異常な特権、日米地位協定に関しては、抜本的な見直しを求める声が高まっておりますけれども、その日米地位協定すら守られていない。協議も交渉も進展が見られないというのは、やはりおかしいと思いますし、許されないということだというふうに思います。

 予備費にかかわってそのことを強調させていただいて、時間がございませんので、次の質問をさせていただきたいというふうに思います。

 河野大臣、もう結構でございます。ありがとうございました。

 次に、外国にルーツを持つ子供たちの教育保障の問題について質問をしたいというふうに思います。

 二〇一八年度の在留外国人の数は二百七十三万千九十三人で、前年比で十六万九千二百四十五人、六・六%増加となっており、過去最高となっております。二〇一八年六月末の在留外国人数のうち、ゼロ歳から十八歳の人数は約三十万人となっており、子供さんの数もふえております。

 まず、大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、国策として外国人労働者をふやす政策をとっている中で、外国にルーツを持つ子供たちがふえているわけでございます。その子供たちが犠牲になるようなことがあってはならない、子どもの権利条約や国際人権規約などに沿って教育もしっかりとやっていくんだという文部科学大臣の決意をまずお伺いしたいと思います。

柴山国務大臣 外国の子供たちが日本における生活の基礎を身につけ、その能力を伸ばすことができるようにするために適切な教育の機会が確保されるということは、共生社会の実現という観点からも大変重要であると考えております。

 文部科学省といたしましては、昨年十二月に取りまとめられた外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策に基づきまして、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法の規定に基づく着実な改善、また、日本語指導の補助者及び母語での支援員の学校への派遣、こういった地方自治体が行う支援に対する補助事業などを実施しているところでありまして、今年度予算においては、これらのさらなる充実を図っております。

 さらに、ことしの一月に私ども文部科学省内に設置をいたしました外国人材の受入れ・共生のための教育推進検討チームにおきましては、外国人児童生徒に対する教育の充実を含めた議論を行うとともに、今後、中央教育審議会においても、増加する外国人児童生徒などへの教育のあり方について検討を深めることといたしております。

 引き続き、外国人児童生徒に対する教育の充実をしっかりと図っていく決意であります。

本村委員 決意を伺いました。

 私の地元愛知県は、柴山大臣もお生まれが愛知だというふうに思いますけれども、この愛知県は、日本語指導を必要とする外国人児童生徒数の全国に占める割合が二〇%を超えて、全国最多となっておりまして、年々ふえております。

 愛知県は、御存じのとおり、トヨタ自動車の本社や工場があり、また、関連企業、下請企業が集中をしております。家族が帯同できる技術・人文知識・国際業務の在留資格の外国人の労働者が前年比二五・四%にふえておりまして、また、家族が帯同できる日系の方もいらっしゃるということで、子供たちがふえております。

 私は、五月七日ですけれども、知立市に伺いました。知立市というのは、周りの市にトヨタさんとかデンソーさんとか大きな企業がある自治体でございます。この知立市は、住民の皆様の七%が、外国人の方がお住まいでございます。知立市立知立東小学校、今年度、私が伺った時点なんですけれども、一年生五十二人のうち四十四人が外国にルーツを持った子供たちが過ごしているわけでございます。ほぼ毎週、一人とか二人とか転入、転出があるということで、就学援助も多いという中で、それに伴う対応や事務もふえております。

 知立市では、まず最初に、日本に初めて来られた子供たちは、市内の全ての小中学校から、知立東小学校内にございます早期適応教室、杜若教室というところに三カ月間通います。この杜若教室では、あいうえおから、初期の日本語教育や日本の生活習慣を学ぶということをやっています。子供たちが入ってくる時期というのは本当にばらばらで、しかも、小学校一年生から中学校三年生までが一緒の教室ということで、私が伺ったときは、一つの教室で三グループが学んでおりました。

 日本語が理解できないと、コミュニケーションもできない、そして学ぶことも難しくなってしまいます。そういう意味でも、この早期適応教室というのは非常に重要な取組だというふうに思います。

 知立市だけではなくほかの自治体でもこうした取組をやっておりまして、これを制度化してほしいという強いお声を現場からお伺いいたしました。

 文部科学省の職員の方にお伺いをいたしますと、学校内で行う早期適応教室なら、文部科学省の予算の帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業の日本語の指導を含むきめ細かな支援の充実の予算、今年度でいいますと二億八千九百万円予算がありますけれども、この補助金が使えますと言われます。

 また、学校外の早期適応教室なら、定住外国人の子供の就学促進事業の予算、今年度でいうと、たった八千万円しかないんですけれども、全国でこの補助金が使えますというふうに言われます。

 さらに、幼稚園、保育園、両方入っていない就学前の子供さん、親御さんを含めて、日本語教育も含めたプレスクール、この両方の予算、これが使えますというふうに言われます。

 しかし、帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業の日本語の指導を含むきめ細かな支援の充実の予算というのは、都道府県、政令市、中核市が補助の対象で、知立市が使いたくても愛知県が申請しなければ使えないという実態となっておりまして、今年度、愛知県が申請しなかったので知立市は使えていないわけでございます。

 柴山大臣に三点申し上げたいというふうに思いますけれども、一点目、早期適応教室のような重要な取組をしっかりと制度化し、予算を抜本的にふやしていくということ。

 二点目、早期適応教室の先生からは、年齢によって理解度に違いがあり、中学生は進学も視野に入れるとスピードを上げてあげたいんだ、せめて小学校と中学校を分けてほしいと御要望をお伺いいたしました。知立市全域から来られるわけですから、親御さんが送り迎えを毎日しないといけないという問題もございます。自治体全域に一つではなくて、学校ごとですとか複数箇所できるように、財政的な裏づけを国としてしっかりとするということ。

 そして、三つ目、知立市さんのような基礎自治体が手を挙げれば使えるようにすること。そのときには国の負担割合をふやすなどするべきだというふうに思いますけれども、充実していくと先ほど御決意を伺いました。

 ぜひこの点をやっていただきたいと思いますけれども、大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

柴山国務大臣 御紹介をいただきました知立市の早期適応教室のように、初期の日本語や小中学校への適応指導を集中的に行う取組、これはきめ細かな指導を行うという観点からも大変すぐれた取組だというように思います。

 今委員からも御紹介をいただきました、特に帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業、このプログラムは、こうした取組を含む地方自治体の日本語指導に関する支援に対する補助を内容とするものでありまして、今年度予算においても、これらのさらなる充実を図っているところであります。

 その内容につきまして御要望いただきましたけれども、基本的には、自治体においてしっかりとメニューをつくっていただければ国がそれに対する補助を行っていきますので、国として何か特定のメニュー立てをするという性質のものではないというように思います。

 ただ、今おっしゃった、県が申請しなくてはいけないということが問題ではないかというこの部分につきましては、国、都道府県、市町村がまさしく役割分担をして、相互に連携協力をして分担をするということが私は必要だというように考えておりまして、都道府県には域内の外国人児童生徒などに関する基本的な分布に基づく方針をぜひ策定してほしいと思っておりますし、そして、それを踏まえた各市町村への支援を的確に行うということが期待されることから、本事業におきましては、直接な補助対象としては都道府県としているところなんですけれども、今まさしくおっしゃったように、各自治体、特に基礎自治体のニーズをきちんと踏まえた形で県が国にぜひ要望してほしいなというように考えております。

本村委員 補助金を申請したいと知立市が要望をして、補助金申請しなかったということについて愛知県教育委員会にも伺ったんですけれども、文部科学省さんから、語学相談員の派遣の事業で補習等のための指導員等派遣事業の補助を申請しているので、さっき申し上げました帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業の補助金は使えないんだという説明を受けたんだと。

 新一年生五十二人中四十四人が外国にルーツを持つ子供たちである知立東小学校の現場からすると、愛知県の語学相談員の派遣というのは月に数回しか来ない事業なんだ、毎日子供たちにきめ細かな支援をする早期適応教室や日本語指導補助者や母語支援員などの事業は、同じ事業とはとても言えないんだと。

 知立市が帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業の補助を使えるようにするべきだと思いますけれども、大臣、答弁をお願いしたいと思います。

海江田委員長 清水総合教育政策局長、時間がもう過ぎておりますので、手短にお願いします。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のこの帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業でございますけれども、日本語指導補助者及び母語指導員の活用など、そういう教育支援事業を行う自治体に対して経費の一部を補助する事業でございますので、愛知県知立市が実施している支援の内容がこの要件に該当する場合には、この補助金を活用するのが基本的には可能でございます。

 ただ、別途の補助金等、補助対象経費において、同一の経費を補助金で重複して受給することは認められないといった一定の制約はございますので、ちょっとそのあたりは、今のお聞きしたところにつきましては、お伝えの仕方で誤解があったかと思いますので、今年度の補助金の交付決定は終わっているところでございますけれども、今後、愛知県知立市が実施している支援内容について文部科学省に御相談していただければ、本事業の趣旨や内容、また、そういう一定の制約等について丁寧に御説明をさせていただきまして、できるだけ使いやすいような工夫も御相談をしながら対応してまいりたいと考えております。

海江田委員長 本村伸子君、まとめてくださいね。

本村委員 はい。

 ありがとうございます。

 教員の基礎定数の問題も、十八人に一人、十年かけてというのではなくて、前倒しをして、そして、知立市からは十人に一人にしてくれという御要望もございますので、そうしたこともぜひ充実をさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

海江田委員長 次に、串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田でございます。

 最後の質疑となりますが、きょうは、環境省の動物愛護管理法の改正というのが、今度議法で、今、成立を目指しておりまして、改正のタイミングからいたしますと昨年本当は改正していなければならなかったのが、なかなかできなくて、今国会においてはぜひとも成立をさせたいところなんです。

 この動物愛護管理法の改正の中には、全部数値規制が法律に定められたらいいんですけれども、なかなかそういうわけにはいかなくて、政省令に任せるという部分も非常に多いものですから、ぜひとも環境省においては、その政省令を動物愛護という方向性で決定していただきたいという思いがあるんですが、環境省においては、動物愛護に関連する部署というのは何という名前で運営されているんでしょうか。

正田政府参考人 お答えいたします。

 環境省におきましては、人と動物の共生する社会の実現を図るという観点から、自然環境局総務課動物愛護管理室が動物愛護管理行政を担当しているところでございます。

串田委員 その動物愛護管理室の職員の数、あるいは予算とか、そういった使途というものをお聞きしたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 動物愛護管理室のまず体制でございますが、室長以下、現在、職員九名の体制でございまして、これは、課題に応じまして、必要に応じて体制強化等を図ってきたところでございます。

 また、予算についてでございますが、今年度の動物愛護関連予算につきましては、環境省が直接執行いたします各種の調査検討、普及啓発事業が、およそ一億五千万となってございます。

 この中におきましては、総合的な普及啓発事業といたしまして、動物愛護週間の中央行事の実施でございますとか、自治体職員を対象といたしました動物虐待防止に関する研修会の開催等を予定してございます。さらには、適正な飼養管理を推進するための飼養管理基準の明確化でございますとか、こういった調査を進めていくこととしてございます。

 あわせまして、自治体の動物愛護センター等の整備を補助する事業が、およそ二億円でございます。

 以上、二つ合計いたしまして、およそ三億五千万、これが本年度の予算となっているところでございます。

串田委員 動物は今、家族同然というようなこともありますので、そういう意味で、動物に対する予算という部分が、果たしてそれで十分なのか。

 今、人員を聞きますと九名ということでございますが、地方自治体との連携というのは非常に重要であるというのは大臣も御存じだと思うんですけれども、地方自治体が、動物に対する対応が非常にまちまちなんですね。特に、迷子になった犬や猫に関する遺失物法上の扱い方というのも、地方自治体によってもう本当にまちまちになってしまっていて、今、年間四万頭の動物が殺処分されている。

 これに対して、地方自治体との連携というのは非常に、極めて重要なんですが、今聞いたところによると九名が担当しているということなんですけれども、九名で、今、職員としては十分だと思っているんでしょうか。その点ちょっと確認させてください。

正田政府参考人 お答えいたします。

 現在の体制につきましては先ほど御答弁したとおりでございまして、この当該室の体制につきましては、各課題に応じまして、それぞれこれまでも体制の強化を図ってきたところでございます。

 あわせまして、まさに委員御指摘のとおり、地方自治体、都道府県、政令市、中核市が動物取扱業の指導監督、犬、猫の引取りや譲渡など、さまざまな取組を自治事務として実施しているところでございまして、しっかりと連携する上で、研修事業の実施でございますとか普及啓発資料の作成、こういったことをあわせまして、連携することとあわせまして、体制の強化を図りながら、動物愛護管理の充実を図ってまいりたいと考えております。

串田委員 今ちょっとお答えもなかったんですけれども、地方自治体との連携をするに当たって、九名という形で体制として足りるのかどうかという点なんですね。そういう意味では、殺処分が非常に行われているということの中で、地方自治体の扱いが非常にばらばらであるということに関しては、やはり国としてもある程度連携というのをもうちょっと深めていかなければいけないんじゃないかと思うんです。

 そういう中で、三月七日、環境省が、今、議法で問題となっていることに対する、七週齢と八週齢とか、いろいろな意味での数値規制などがあるんですが、そういう中で、環境省が動物に関連する資料というのを発表しているんですけれども、決定係数に関する資料等で訂正が行われたということなんですが、これは事実なんでしょうか。

正田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘あった点につきましては、環境省が平成二十九年度に取りまとめました幼齢犬猫の販売等の制限に係る調査評価検討会報告書におきまして、参考にした文献を記載する箇所について、直接的な引用でないものを「出典」と表記したものでございます。この点につきまして、環境省では、三月七日にホームページにおいて、おわびとともに正誤表を掲載し、報告書を訂正させていただいたところでございます。

 具体的に申し上げますと、当初、「出典」と表記した文献には、統計の判断に使用される相関係数に基づく相関関係の説明が掲載されていたところ、報告書におきましては、相関関係を説明する際に用いられる決定係数、これは相関係数を二乗したものでございますが、これを使用したことによりまして、記載が文献の直接的な引用とならなくなったため、表記の方法を改めたというものでございます。

串田委員 今、細かな話がありましたが、犬、猫を販売するに当たって、七週齢か八週齢かというのは非常に今、議法においても議論をされている中で、〇・〇四という係数は「ほとんど相関がない」という表示をしているんですが、これに関して、学者の中で、ほとんど相関がないという〇・〇四という数字を出すということ自体に、学問的にはそういうようなことは取り決められていないんだという指摘もあるんですが、その点、環境省はどういうふうに考えているんですか、このほとんどという言葉がここに使われたことに関して。

正田政府参考人 一つは、今回の検討会の報告書をまとめるに際して当たりました出典とした文書、これを参考にして記載したものでございます。

 あわせまして、検討結果の資料において記載された〇・〇四という数値でございますが、これを、結論を導くための実際の判断に当たって目安として参照した値であると認識してございます。

 その上で申し上げますと、当該検討会におけます幼齢犬猫を親兄弟から引き離す日齢と問題行動の発生との関係性は証明されなかったとする結論でございますが、調査対象になりました全個体の解析におきまして、この決定係数の値が、犬におきましては〇・〇〇九、猫におきましては〇・〇一五から〇・〇一七と非常に小さい値であったということ。さらには、他の解析結果、例えば、問題行動のスコアが高い個体におきましては有意差そのものがなかった。こういったことを踏まえまして、専門家の方々において、検討会において総合的に判断をいただいたものと考えてございます。

串田委員 今の回答も、非常に小さい数字だったというわけですけれども、きのう、桐生選手が十・〇一ですか、オリンピックの出場に、超えたという話もありますし、九・九八で日本で一番最初の十秒を切った。〇・〇一とか〇・〇二が非常に大きな日本における歴史であるわけでしょう。〇・〇四だから、何で小さいということを、環境省がそれに形容詞を入れるのかということを私としては主張しているわけです。

 学問的には、七週と八週、わずか七日の間の中で、小さな数字でも変化があったということは非常に重要なんだという指摘をしている学者もいるわけですから、環境省がわざわざ、ほとんどとか小さな数字だというようなことを挙げるのはおかしいと思うんですが、一言だけ、大臣、この点について、もう時間なので短くで結構ですけれども、こういったような形容詞をつけていただきたくないんです。大臣、いかがでしょうか。

原田国務大臣 委員が日ごろ動物愛護に対して大変な情熱を持っておられることに、心から敬意を申し上げたいと思います。

 人間にとって動物が私たち人間と同様に命あるものであるという基本的な認識、そういうものに立ちまして、その命を尊重するという観点からこの法律の運用がなされているところでありますし、また、その運用については、自治体等としっかり連携しながら、人と動物の共生する社会の実現、これを図っていきたい、こういうふうに思っているところであります。

 ただいまお申し越しの質問につきましても、まさにそういう基本認識に基づいて、私ども行政として、しっかりそのことが実現できるようにこれからも努力していきたいな、委員の御意見もしっかりと尊重して、私もこれから行っていきたい、こう思っております。

串田委員 環境省は動物愛護ということですので、殺処分ゼロに向けて一緒に協力し合ってやっていきたいと思います。

 ありがとうございました。

海江田委員長 これにて両件についての質疑は終局いたしました。

 環境大臣、御退席いただいて結構です。

    ―――――――――――――

海江田委員長 これより平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)外一件について、一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 二〇一七年度予備費に反対の討論を行います。

 反対の理由の第一は、建設アスベスト訴訟の訟務費の支出です。

 建設アスベスト訴訟は、二〇〇八年に首都圏で約四百人が提訴したのを皮切りに、全国で次々新たな集団提訴が行われました。二〇一二年に東京地裁判決で、国の責任が断じられ、原告が勝訴いたしました。

 しかし、国は、責任を認め謝罪することもなく、早期解決に応じることもなく、原告が求める補償基金による救済制度をつくることもなく、控訴し、さらに上告し、今日に至るまで裁判を争い続けております。その間に多くの原告が、解決を見ることなく、中皮腫、肺がんなどで命を落としております。

 既に、高裁判決も含め、十度連続で国の責任が断じられております。国は、訴訟で争い続けるのはやめ、早期解決を図るべきであります。

 反対理由の第二は、米軍横田基地騒音訴訟の訟務費の支出です。

 横田基地周辺の住民は、飛行差止めと騒音被害の賠償を求め、繰り返し裁判を闘ってきました。累次の判決も、横田基地の騒音は違法状態であるとして、繰り返し国に賠償を命じてきました。国がやるべきは、控訴して争うことではなく、騒音が違法状態であることを認め、違法な騒音をまき散らす米軍機の飛行を差止めすることです。

 昨年のオスプレイの配備により、横田基地の周辺の騒音は大きく増加し、昨年度は二〇〇四年以来の騒音回数を記録しています。耐えがたい夜間騒音もふえております。住民の上に米軍を置くのはやめるべきであります。

 以上の理由から、二〇一七年度予備費は承諾できません。

 終わります。(拍手)

海江田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

海江田委員長 これより採決に入ります。

 平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成二十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件について採決いたします。

 両件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

海江田委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

海江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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