衆議院

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第3号 令和4年3月10日(木曜日)

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令和四年三月十日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 奥野 信亮君 理事 平井 卓也君

   理事 星野 剛士君 理事 吉川  赳君

   理事 篠原  孝君 理事 寺田  学君

   理事 浦野 靖人君 理事 伊藤  渉君

      石原 正敬君    尾崎 正直君

      大串 正樹君    加藤 竜祥君

      勝目  康君    川崎ひでと君

      神田 潤一君    木原  稔君

      国定 勇人君    塩崎 彰久君

      鈴木 憲和君    辻  清人君

      中西 健治君    長谷川淳二君

      藤井比早之君    古川 直季君

      山田 美樹君    青柳陽一郎君

      落合 貴之君    後藤 祐一君

      手塚 仁雄君    森山 浩行君

      湯原 俊二君    遠藤 良太君

      高橋 英明君    山本 剛正君

      河西 宏一君    日下 正喜君

      斎藤アレックス君    塩川 鉄也君

    …………………………………

   総務大臣         金子 恭之君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  木村 陽一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (総務省政治資金適正化委員会事務局長)      植村  哲君

   衆議院調査局第二特別調査室長           大泉 淳一君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  徳永 久志君     湯原 俊二君

同日

 辞任         補欠選任

  湯原 俊二君     徳永 久志君

    ―――――――――――――

三月九日

 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長木村陽一君、総務省自治行政局長吉川浩民君、総務省自治行政局選挙部長森源二君、総務省政治資金適正化委員会事務局長植村哲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 まず、衆議院の小選挙区の区割りの見直しについて伺いたいと思いますが、今回、区割り審の勧告の期限が六月二十五日となっております、これは大変微妙な日なんですけれども。五年前、前回は、五月二十七日が勧告期限だったんですが、実際には、四月十九日に勧告が行われて、五月の十六日に法案が閣議決定、同日に国会に提出されて、六月九日、通常国会中に前回は成立しました。つまり、区割り審の勧告が出て、割合すぐ国会で通ったんですね。

 ですが、今回、六月二十五日が区割り審の勧告の期限のために、これは下手すると、臨時国会まで、臨時国会があるかどうかはまだ分からないわけですから、かなり長い期間、法律が成立しないという状態になります。

 実際、この一票の格差訴訟については、昨日各高裁の判決が出そろって、合憲が九、違憲状態というのが七、ただ、東京高裁と広島高裁は同じ裁判所にかかっていますので、これは両方とも合憲ということでしたので、七対七と裁判所は割れている状態です。

 去年の秋の衆議院選挙は、確かに、区割り審がまだ答えを出していない状態ですから、なかなかこれは、政府としても国会としても、法律に基づいて直すのは難しい状態の中での解散だったという意味で、ある一定の合理性があったと思うんです。

 ですが、今や区割り審で議論がされていて、もう少したつと勧告が出る。そして、国会で法律が成立する前に総理が解散するということになった場合には、これは違憲の可能性が高くなるんじゃないかと思いますが、法制局、どう考えますか。

木村政府参考人 具体的な解散の時期を想定した御質問でございまして、仮定の御質問ということになろうかと思いますので、そのこと自体にはちょっとお答えは困難ではございますけれども、一般論としては、衆議院の解散権は、内閣が、国政上の重大な局面等において主権者たる国民の意思を確かめる必要があるというような場合に、国民に訴えて、その判定を求めるということを狙いとし、また、立法府と行政府の均衡を保つ見地から、憲法が行政府に与えた国政上の重要な権能でありまして、現行の公職選挙法等の規定の下で内閣が衆議院の解散を決定することは、否定されるものではないと考えております。

後藤(祐)委員 いや、解散権がないのではと聞いているつもりはなくて、解散した場合に違憲の可能性が、去年の衆院選ですら高裁は七対七で割れているわけですから、区割り審の勧告が出た後、法律を通さないで解散するというのは、これは、より違憲の可能性が高いと思うんですよね。少なくとも望ましくない状態だと思うんですが、総務大臣、どうお考えですか。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 もう御案内のとおり、令和二年国勢調査の結果に基づく衆議院小選挙区の区割り改定については、衆議院議員選挙区画定審議会において、法の規定による令和四年六月二十五日の勧告期限までに区割り画定案の審議が進められていくものと承知をしております。

 区割り画定案の勧告については、法の規定に基づき審議会の判断により行われるものであり、総務省としては議論を見守ってまいりたいと思います。

 なお、国会の運営については国会においてお決めいただくことと認識しておりますので、お答えは差し控えたいと思います。

後藤(祐)委員 いや、それはちょっとこの先の話の答弁で、そうではなくて、区割り審の勧告が出てから法律が通るまでの間というのは、非常に憲法上、統治機構上、不安定な状態にあると思うんですけれども、総務大臣の御見解を伺いたいと思います。

金子(恭)国務大臣 おっしゃっている趣旨は分かります。

 しかし、今、法律に基づいて動いている、それから、私の立場上、そのことに対する答弁は控えさせていただきたいと思います。

後藤(祐)委員 趣旨は分かるというお話でございましたが、総務省にもできることがあると思うんですね。

 六月二十五日が区割り審の勧告の期限なんですけれども、もちろん、区割り審では丁寧に御審議いただく必要がありますし、どうしても六月二十五日近くまでかかってしまうというのであれば、これはやむを得ないものもあるかもしれませんが、もし早くできるのであれば、前回、五年前と同じぐらいに早く進めていただいて、丁寧な審議をしていただくことは大前提とした上で、総務省から区割り審に対して、早く勧告を出していただくよう何らか促すといったことは、これは、大臣よりもむしろ役所側の方にお答えいただいた方がいいと思うんですが、そういった御努力を促してはいかがでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 審議会の事務局を務めておりますので、お答え申し上げさせていただきたいと存じます。

 平成二十九年の区割り改定につきましては、平成二十八年五月に議員立法で成立した衆議院選挙制度改革関連法の規定によりまして、見直しの検討対象選挙区が法定、限定をされておりまして、また、区割り改定案の勧告は、法の施行から一年以内、すなわち平成二十九年五月二十七日までにおいてできるだけ速やかに行うものとされておったところでございます。

 他方、今回の区割り改定は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法の規定により、全ての選挙区を見直しの検討対象とし、区割り改定案の勧告は、国勢調査の速報値の公表から一年以内、すなわち令和四年六月二十五日までに行うものとされているところでございまして、前回とは状況が異なっているというところは御理解いただければと存じます。

 いずれにいたしましても、区割り改定案の勧告につきましては、法の規定に基づきまして審議会の判断により行われるものというふうに承知をしておりますので、どうぞ御理解いただければと存じます。

後藤(祐)委員 もちろん丁寧にはやっていただく必要はあるんですが、六月二十日とかに出されても不安定な状態に置かれることは、趣旨は分かるという大臣のお話でもありましたから、無理に早くする必要はもちろんないんですよ、ですが、六月の二十何日までずるずる引っ張るという形ではなくて、もし、ある程度早く出せるのであれば早く進めていただくよう、事務方も務めていらっしゃるんでしょうから、そこのハンドリングはお願いしたいと思いますが。

 この区割り審の勧告が出た後、法律を出すというところについては、これはすぐ出していただきたいと思うんですね。

 前回は、四月十九日に勧告があって、五月十六日に法案を出しているんですけれども、これは一か月ぐらいかかっているんですが、前回は、この区割りが変わるところ以外の法改正部分があったので、少し時間がかかったという面もあったと思います。

 ですが、今回、今のところはそういうものはないと伺っていますので、比例の数を変えるのはもちろんありますけれども、もし、ほかに改正部分がなくて、こういった区割りを変える、比例の数を変えるというだけであれば、ほかの条文は一緒なはずですし、直ちに、勧告後、法案を提出する義務が政府にあるというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

金子(恭)国務大臣 衆議院議員選挙区画定審議会の勧告については先ほど述べましたとおりですが、総務省としては、審議会から区割り改定案の勧告があったときは、当該勧告に基づき速やかに、必要な法制上の措置を講ずることになるものと考えております。

 なお、繰り返しになりますが、国会の運営については国会においてお決めいただくことと認識しており、お答えを差し控えたいと思います。

後藤(祐)委員 もちろん、提出された後早くやるということについては、ここにおられる皆様方、特に理事の皆様方、委員の皆様方、委員長、是非、出てきたらすぐ通すべきではないかと思いますが、役所側でできることとしては、今、直ちにではなく、速やかにという御答弁がありましたけれども、そのために事務的にもう一つ工夫できるところがあって。

 それは、区割り審の勧告の選挙区の細かい書き方と実際の法律の別表第一というところの住所なんかの書き方が、前回のを見ると微妙に違うんですね。都道府県の名前が入っているところがあったりなかったりとか、ほかの選挙区に含まれない部分というところの書き方が若干違ったりするので、それをもう一回やり直すというのは時間的に無駄だと思いますので、指している内容が一緒なのであれば、法律の別表第一は、これに改めると全部まとめてどんと出る形の法律なので、是非区割り審も、改める文的な形ではなくて、法律と同じように、別表第一そのものが全くそのままコピー・アンド・ペーストみたいにできるような形で区割り審の改定勧告を書いていただくべきだというふうに思いますが、そういった申入れ、工夫をすべきだと思いますが、選挙部長、いかがでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣からも申し上げたとおり、総務省としては、審議会から区割り改定案の勧告があったときは、当該勧告に基づき速やかに、必要な法制上の措置を講ずることとなるものと考えておりますので、勧告後において速やかに、区割り改定法案を国会に提出することができるよう、委員御指摘のように、勧告と法案の表記をそろえるといったようなことなど、事務局としても工夫をしてまいりたいというふうに考えております。

 なお、衆議院選挙区画定審議会による改定案の勧告後、法案の国会への提出までには、通常の法案同様、法制局審査や法令協議、法案の閣議決定等の手続が必要となるところでございますので、勧告から一定の期間を要することとなることについては御理解をいただきたいとは存じます。

後藤(祐)委員 前向きな答弁をいただきました。そろえる工夫をされるということですので、それは是非お願いしたいと思います。

 そこがそろっていれば条文を作るのは簡単なはずですから、是非すぐ出していただいて、すぐ出てきたらこの委員会で審議いただけるよう、これは委員長というか議運なのかもしれませんが、是非国会側の取組、これは統治機構上の不安定な状態を回避するためのものでございますので、是非御理解を、与野党の先生方、御理解いただきたいというふうに思います。

 これに関連して、さて、この十増十減法案を本当にやるんですかというそもそも論のところに関しては、様々な報道で、若干揺らぎがあるような発言が繰り返されておりますけれども。自民党の遠藤選対委員長は、三月六日のテレビ番組で、ややあやふやな発言を、どっちとも取れるような御発言をされておられますが、同じ日の三月六日に、遠藤委員長は岸田総理とお会いされています。非常に心配になってしまうわけでございますが。

 これは総務大臣に伺いたいと思いますが、岸田総理に御確認の上で、区割り改定法案を、この国会かどうかはともかく、区割り審のとおり十増十減の形で法案を出すという覚悟でこれは揺らぎないということでよろしいでしょうか。総理に確認の上の答弁を求めます。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 後藤委員から通告がございましたので、事務方から確認しましたところ、十増十減については、これまでも総理が国会でお答えしているとおりでございまして、政府としては、審議会からの勧告に基づく区割り改定法案を粛々と国会に提出するというのが現行法に基づく対応であると認識しているとのことでございました。

後藤(祐)委員 大変重要な答弁だと思います。総務大臣、御確認の上、ありがとうございました。

 それでは、法制局の方、ここまでで結構でございます。

 続きまして、ちょっと順番を入れ替えまして、選挙管理委員の政治活動についてお伺いしたいと思います。

 配付資料の四枚目に、滋賀県の選挙管理委員長に対して、その委員長の団体に滋賀県の自民党県連から六十万円の寄附があったという京都新聞の記事でございます。

 これは、最終的にお金を返金するというところまで至っているようでございますので、事実関係としては間違いないというふうに思うんですが、この選管委員長は、法的問題はないというふうに、その記事にもありますが、お答えになられているそうなんですね。

 果たしてそうなんでしょうかということを少し聞いてみたいと思いますが、これは選挙部長にお伺いしますけれども、地方自治法の百八十四条の二では、選挙管理委員は、職務上の義務違反があるときは、議会が議決により罷免することができるとされているんですね。

 この個別のケースではなくて一般論で結構なんですが、選挙管理委員が代表を務める政治団体が政党側から寄附を受けていたということを理由に、この百八十四条の二に基づいて、職務上の義務違反があったとして罷免したいと議会が議決することはできるのでしょうか。

吉川政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、地方自治法第百八十四条の二第一項に規定する職務上の義務違反として、例えば、正当な理由なく職務を遂行しない場合、職務上知り得た秘密を漏らした場合、選挙に際し選挙運動をした場合など、選挙管理委員として求められる職務上の義務に違反する場合が該当するということでございますが、いずれにいたしましても、選挙管理委員の職務の義務違反があるかどうかについては、各議会において御判断いただくべきものと考えております。

後藤(祐)委員 各議会において判断するということは、この百八十四条の二で罷免することも禁止はされていない、議会の判断だということは、該当し得るという答弁だと、私は今の答弁を理解しました。

 そうしますと、総務大臣、滋賀でこういうことが起きたということを、全国の市町村レベルまで含めた選挙管理委員が、皆さん全員御存じだとは思えないんですね。ですが、この選挙管理委員長自身、お金をお返しされているわけです。

 確かに、党籍を持ったまま選挙管理委員になることは普通のことですし、それは私、制度上、予定されていると思いますよ。政治団体を解散しろとまでは言いませんが、やはり、寄附を政党から受ける、あるいは政党の関連政治団体あたりから受けるというのは、これは問題だと思ったからお金を返したんだと思うんですね。

 こういうことがあった、あるいは、これは百八十四条の二の職務上の義務違反に議会として議決すればなり得るというようなことを通知をすべきじゃないですか、総務省として。いかがでしょうか、大臣。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 今、部長からもお話がありましたように、地方自治法第百八十四条の二第一項に基づいて先ほどの答弁はなされたわけでございますが、そのように制度として法律に書かれておりますので、それは各選挙管理委員会で判断されるものと思います。

後藤(祐)委員 いや、判断するのは議会なんですが。

 議会がこれを適用し得るということを、あるいはこういうことが起きたということを、総務省としてお伝えすべきじゃないですかと聞いているんですけれども、いかがでしょう。

金子(恭)国務大臣 重ねての答弁になりますが、これは各議会において判断いただくということでございますので、総務省から通達を出すとか、そういうことは今のところ考えておりません。

後藤(祐)委員 これは是非、選管委員長が政党から寄附を受けてそのお金をお返ししているという事実は広く知っていただく必要があって、選挙管理委員の方はそういうことはすべきでないということは、何らかの方法で知らせていただきたいなと思います。

 続きまして、来年、統一地方選挙でございますので、恐らく今年の秋の臨時国会あたりに統一地方選の臨時特例法というものが出てくるのではないかと思われることから、それに関連する質問をしたいと思います。

 配付資料の一枚目に、これは平成二十六年にこの場で私が質疑したときの議事録なんですが、統一地方選は、県知事と県議の選挙は前半にあって、市長選と市議選の選挙は後半にあって、政令市の場合は四つとも前半にあるんですけれども、例えば、県知事と市議会議員選挙は、その二つだけがあるのに、前半と後半に分かれてしまいます。逆に、市長選と県議会選挙があるようなところは、これも前半と後半に分かれてしまいます。これはもったいなくないですかね。

 そもそも統一地方選の、要は投票日をまとめる意義というのは、この議事録でもありますけれども、投票率の向上と経費の節減というのが目的であり効果であるという答弁をいただいているんですけれども、小さい自治体で四つ全部一遍になる、相模原市なんかは政令市でそうなんですけれども、県知事、市長、県議、市議、四つ全部一遍になるのはちょっと大変だとか、そういう事情は若干あるかもしれませんが、現行でも市長選と市議選というのは同日でやることが義務づけられているわけですから、二つの選挙、特に首長選と議会選挙が同日に行われるということは、どんな小さい市町村でも予定されていることなんですね。ですから、できないとは言えないと思うんです。

 ですから、三つ四つ重なる場合は市町村の判断でもいいかもしれませんが、少なくとも二つが重なる場合、特に首長選と議会選挙が重なる場合は同日にすべき、あるいは、もしかしたらその市町村の判断に委ねてもいいかもしれませんが、同日で行えるようにした方が、経費節減と投票率向上の意味があると思うんですね。

 まず、これはちょっと事実関係として確認しますが、都道府県の選挙と市町村の選挙、これも同日で行うことは今できないんですけれども、これを同日に行うということについても、投票率の向上、経費の節減という効果があるというふうに考えてよろしいでしょうか、選挙部長。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 総務省としては、投票率の向上や選挙執行に係る経費の節減を図ることについては重要な課題と認識をしておりまして、お尋ねのように、二つの選挙を同日に実施するということについては、選挙の種類にかかわらず、一般的にはでございますけれども、投票率の向上あるいは経費の節減の効果があるものというふうには考えておるところでございます。

後藤(祐)委員 選挙の種類にかかわらずと、大変明確な答弁をありがとうございました。

 つまり、県知事選と市議会選挙、あるいは市長選と県議会選挙も同日にやった方が、経費の節減と投票率向上の効果があるという御答弁だったんですが、これは総務大臣に伺います。

 そうしますと、今申し上げたような県知事選と市議会選、あるいは市長選と県議選、これを同日にできない理由というのは、今、法律に規定がないということ以外に、何かやっちゃいけない理由があるんでしょうか。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 お尋ねのような、県議選挙と一般市の市議選挙や、県知事の選挙と一般市の市長選挙などの二つの選挙を同時に実施することについては、国政選挙と地方選挙を同時に行った例があることを考えますと、可能であるとも考えられます。

 一方で、議会議員選挙のように候補者が多数となるような選挙を複数、同日に行うことについては、投票所における氏名等掲示やポスター掲示場の場所が確保できるかなどの課題があり得るものでございます。選挙の事務従事者の数などを始めとする各自治体の状況にもよるところもあると考えております。

後藤(祐)委員 可能であるとも考えられる、一方でポスターの場所ですとかの問題がある、非常に実務的な答弁だと思います。

 私、選挙区に相模原市というところがあって、先ほど申し上げたように、県知事、市長、県議、市議、全部一遍に政令市の場合は起きるんですけれども、まあ、確かにポスターがだあっと並ぶわけですね。何十人、百人ぐらいのポスターが並びます。それをよしと考えるかどうか。

 確かに、県議選と市議選両方一遍にやるとその面が若干あるのは分かるし、実際、有権者の方も、誰がどの選挙に出ているんだっけみたいなことに、実際、有権者側の利便からしてもここは議論の余地があると思うんですが、先ほど申し上げたような、首長選と議会選挙を同日にやることについてはほとんど問題ないということだと思うんですね。

 是非、今年の秋に恐らくこの統一地方選に向けた法案が出てくるんでしょうから、今申し上げたような市長選と県議選、あるいは県知事選と市議選、これは一緒にできるということを、あるいは市町村の判断でもいいです、ということを盛り込んだ法案を御検討いただくべきだと思いますが、いかがですか。

金子(恭)国務大臣 今御提案のあった形、従来の統一地方選挙の仕組みを変えることは、やはり、おっしゃることもよく分かります、選挙のルールに関わることでございますので、それぞれの市町村の状況もございますし、各党各会派で御議論いただくべき事柄であると考えます。

後藤(祐)委員 各党各会派で御議論をということなので、是非この場で議論しましょうよ。

 答弁の中では、問題点としては、ポスターの掲示場所ですとか、確かに議会選挙、県議選と市議選を両方やることの大変さというのは、私、相模原市で確かに感じているところもあるんです。

 ですから、全部やるかどうかの判断もあるし、市町村ごとに違ってもいいと思うんです、市町村ごとの判断にしてもいいと思うんですが、是非ここは与野党間で御議論をいただきたいというふうに思いますので、委員長、これは是非この委員会で議論すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

後藤(祐)委員 是非理事会でも御議論いただければと思います。

 残り時間、ネット投票についてお伺いしたいと思いますが、配付している資料の三ページ目に、在外投票のネット投票についてのこれまでの研究事業について、令和元年度、二年度とかなり進んできていて、この令和三年度に制度面、システム面、セキュリティー面の検討というものが整理されます。

 この話は、もうずっと前からやってきていますし、我々も法案を提出しております。そろそろ仕上げていかなきゃいけないと思いますが、この在外投票にまず限定した形でも、ネット投票を具体的に進めていくべきだと思うんですが、まず、この令和三年度の調査研究事業で、法律上、どこが変えなきゃいけないかとか、どういう新設の規定が必要かといったことは整理いただけるということでよろしいでしょうか。全て、この三月までに。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 在外選挙インターネット投票を導入する場合の法整備につきましては、そもそも、公職選挙法を改正するのか、新たに特例法を制定するのかといった法体系の論点もあるわけでございますけれども、仮に公職選挙法の改正で対応することとしましても、現行法においては、投票から開票に至るまで、全て紙の投票用紙を前提とした内容が規定されておりますので、各規定を精査した上で、在外選挙インターネット投票に対応した規定への抜本的な見直し、あるいは、インターネット投票特有の内容については、新たな規定の整備の検討というものが必要になってこようかと存じます。

 これはあくまで一例を申し上げるところでございますけれども、在外投票の方法について、在外公館投票や郵便、帰国投票といったものと別に、インターネット投票の具体的な投票方法について新たに規定を検討することだとか、あるいは、時差がある中でインターネット投票の投票時間や投票期間を設定することについての検討だとか、投票画面の表示事項、表示順等の規定を新たに整備すること、あるいは、何らかの事情によりインターネット投票ができなくなった場合の対応についての規定をすること、それから、二重投票の防止、投票の秘密の確保、セキュリティー対策など、システムが具備すべき要件や技術的条件等を規定すること、不正な投票が行われた場合等の罰則についての規定を整備することなど、大幅な手当てが必要になるというふうに考えているところでございます。

 調査研究は進めておるところではございますけれども、在外選挙インターネット投票を導入する場合には、法律の内容を十分精査した上での法制作業を着実に進めるということが必要になってこようかと存じます。

後藤(祐)委員 今部長がおっしゃったような論点は、この三月までに全部整理されるということでよろしいですか。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 今申し上げたような論点を全て整理し切るというと、これはとても、なかなかできるところではございませんので、来年度以降も引き続き、こうした論点の方向性、あるいはシステムに必要な機能、システム構成などについて検討を続けさせていただければと存じておるところでございます。

後藤(祐)委員 これはもう何年も前からやっているわけですよ。どこの条文がひっかかるかとか、それは考えれば分かる話なんですよね。令和三年度調査研究事業を税金をかけてやっているわけですから、三月までに、条文を見れば分かるはずですので、そこは、検討、整理、全部終了していただきたいと思います。

 その上で、特に問題となるのが第三者の介入による投票。これに対して、投票干渉に対する罰則、投票干渉罪だけで防げる、在外投票に関してはそういう整理になっているそうなんですが、これは在外投票だけじゃなくて一般的なネット投票になった場合に、我々はそれだけだと無理だと考えて、エストニアで実施されている再投票方式というものを我々の法案の中では盛り込んでおりますが、これは本当に、第三者による介入の投票を罰則だけで今後防げるとお考えでしょうか。もしそうでないとすると再投票方式が必要だと思いますが、この再投票方式、技術的に可能だと考えますが、いかがでしょうか。

浜田委員長 森選挙部長、時間が来ておりますので、簡潔にお答え願います。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘の投票の上書き、再投票を認めるということについては、インターネット投票の投票情報と投票人情報をひもづけた状態でシステムの中に保存し続ける必要がありまして、投票の秘密保持の観点から適当ではないこと、現行の郵便等投票や不在者投票において再度投票することは認められておらず、バランスを欠くこと、また、再度投票を認めることとした場合には、例えば選挙情勢の報道等によりまして投票先を変更するおそれがあることなど、問題があるものと承知をしているところでございます。

後藤(祐)委員 これは是非与野党でも協議していただきたいと思います。

 終わります。

浜田委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。

 本日は、金子大臣に、大臣のリーダーシップを期待したい基本的な重要な問題について、幾つか取り上げていきたいと思います。

 まず、最近よく言われるようになったことなんですけれども、前回の選挙もそうなんですけれども、町で選挙中に私も演説をしていて言われました。うちの子が十八歳になって、うちの子があなたに投票したいと言っていて、投票所に行きたいので、お母さん、一緒に行こうよというふうに子供に誘われた。しかし、その親は、一回も選挙に行ったことがなくて、恥ずかしくて今更行けない、そもそもどうやって、投票所に行って何をしていいかも分からないし、分からないといったことを投票所で言えないというようなことを今回の選挙でも言われました。十八歳選挙権が導入されたぐらいから、私はそういう人が増えたんじゃないかなというふうに思います。

 これは、よく考えてみると、発展途上国とかですと、私も見に行きましたけれども、壁に絵で、投票所に行ったらこれをやって、これをやってとか説明が描いてあったりですとか、投票をどうやってしていいか分からない人向けに説明がしっかり分かりやすくあるわけです。

 今、ユーチューブの動画ですとかそういうものも簡単に作れるようになっていますので、何年か前から、私も総務省に、動画ぐらい作ったらどうか、各選管のホームページから見られるようにして、選挙というのはこうやってやるんですよというのを、子供向けではなくて大人向けにもやるべきであるというふうに何回も言っているんですが、なかなか、全くやるそぶりが見られないんです。

 これはそんなに予算もかからないですので、是非、漫画ですとかそれからユーチューブの動画ですとかで、選挙というのは簡単にできるんですよ、こうやればいいんですよということをしっかりと総務省が出すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

金子(恭)国務大臣 落合委員には御期待をいただきまして、ありがとうございます。しっかり応えるように頑張っていきたいと思います。

 また、現場の声を聞いていただいて、投票の仕方についてのアドバイスも頂戴しておりまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 総務省におきましては、主権者教育の取組として、全ての高校生に副教材を配付しております。この副教材は、選挙の意義や投票の仕組み等に関する解説、あるいは模擬選挙などの実践的な学習活動、投票と選挙運動等についてのQアンドAの三部構成となっております。委員御指摘の投票のやり方についても、イラストなどを用いて説明しているところでございます。

 この副教材などを活用して、学校現場、選挙管理委員会、地域の啓発団体等、連携して、模擬選挙などの主権者教育を実施していただいております。

落合委員 高校生とか未成年者向けというか、これから選挙権を得る人向けに行うことも、これはかなり重要だと思います。

 ただ、大人になってから急に選挙に、今までは行っていなくて、関心がなくて、副教材も読んでいないけれども、選挙に行きたい。でも、ちょっと尻込みして行けない。今、それなりの年代の投票率も下がってしまっていますので、そこら辺を底上げするには、今までやってきた子供向けの教育だけではなくて、大人向けにもやる必要があると思うんです。

 これはそんなに予算もかからないですし、副教材の内容を大人向けに載せればいい。選挙中に総務省のツイッターで流せばいいですし、各選挙管理委員会のホームページにも分かりやすく貼り付ければいい。それだけでできるわけですから、大人向けにもやるべきじゃないでしょうか。

金子(恭)国務大臣 今お話のあった件、今は作っておりませんが、今の御要望も踏まえた上で取り組んでいきたいと思います。

落合委員 我々、一生懸命選挙をやっている身だと気づかないことなんですが、恐らくそれなりの国民が思っていることだと思いますので、是非前向きに御検討いただければと思います。次に私が質問に立つことがありましたら確認させていただきますので、是非よろしくお願いします。

 その次なんですが、投票所の数が物すごく急激に減少している件です。

 これも総務省から資料をいただきましたら、郵政選挙あたりが、投票所の全国の数というのは五万三千か所ありました。前回の衆議院選挙のときは四万六千か所、四万六千四百四十四か所まで減っています。七千近く十数年間で減ってしまっているわけです。

 例えば、大阪大学の松林教授が調べているのは、投票所を有権者一万人当たり一か所減らすと、投票率は〇・一七%下落しますと。投票所を減らすと残念ながら投票率は下がるということは、科学的にも証明がされているわけです。

 それなのに、全国の投票所がどんどん減ってきている。これは現状、減らし過ぎの状況だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

金子(恭)国務大臣 御指摘のとおり、総務省では、国政選挙や統一地方選挙に際し、投票所からの距離や選挙人の数を踏まえた投票所の設置について、市町村の選挙管理委員会に対して要請してきているところでございますが、御指摘のとおり、投票所数については、過疎化による選挙人数の減少や、市町村合併などを契機とした投票区の見直しなどで減少してきているものと承知をしております。

 このため、総務省としては、かつて投票所があった地域での期日前投票所や移動期日前投票所の設置、あるいは投票所等への移動支援の取組など、選挙人の投票機会の確保に向けて取り組んでいただくよう要請をし、これらの取組は増えてきているところでございます。

 引き続き、各市町村に対し、投票所や期日前投票所の設置を始め、移動支援など、投票機会の確保につながる施策を積極的に設置するよう要請していきたいと思っております。

落合委員 以前、青森県が、ある参議院選挙で急に投票率がどんと下がりました。それを調べている研究がありまして、やはり、その回の参議院選挙のときに一気にその県が投票所を減らしていたわけです。

 これはいろいろな役所に、何で投票所を減らしちゃうんですかというのを、アンケートというか、聞いているものもあるんですが、やはりほとんどの自治体が言っているのは、マンパワー不足なんですと。今回のコロナの件で保健所もマンパワー不足ですということですけれども、やはりこれは、交付金等、自治体向けに、主要な人も減らさなきゃいけないくらい削減してきてしまったということもあると思います。

 これは通告はしていないんですが、総務大臣ですので、自治体の主要な仕事までマンパワー不足で減らさなきゃいけない、それによって、投票所さえも、民主主義の基本である投票所さえも自治体が抱え切れなくなって減らしているわけです。こういった地方自治体へのお金の振り分け方、これはやはり見直すべきだと思うんですが、大臣として、いかがですか。

金子(恭)国務大臣 過疎地でもそうであるし、また都会でもそうでありますし、マンパワー不足というのは今どの地域でも起きていることでございます。

 これまでも、総務省としては、各自治体と連携をしながら、マンパワー不足を解消するための協議をしたり、あるいはアドバイスをしたり、いろいろな支援をしているところでございますので、その認識はしっかりと持ちながら努力をしていきたいと思います。

落合委員 いろいろな点で、地方自治体の人不足、人員不足というのが表面化してき始めてしまっている時代になってしまったと思います。

 それで、例えば投票所が減らされたときに、先ほどもありましたが、移動投票所、これは特に地方では有効だと思います。ただ、この移動投票所、投票所が減った地域をカバーしようとはしているんですが、どうしても何月何日だけとか限定されますので、投票所があったときよりも今の方が、移動投票所があったとしても、投票の機会は減ってしまっているわけです。

 これは資金的に、予算的には投票所の設置に関わるコストはしっかり国が面倒を見るということになっているわけですけれども、移動投票所を設置したらプラスして交付されるというぐらいの予算をつけるべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

金子(恭)国務大臣 今お話がありましたように、私の選挙区でも、山奥の本当に限界集落に近いようなところにおいても、いわゆる移動期日前投票所ということで車で来ていただいて、非常に感謝をされているところでございます。

 自動車を活用した移動期日前投票所の設置というのは、投票所までの距離が遠い選挙人などの投票機会の確保の観点から有効な取組と考えられます。

 このため、総務省では、国政選挙や統一地方選挙に際し、各選挙管理委員会に対して積極的に設置を検討するよう通知をしており、各団体における設置が進んでいるところでございます。

 また、先ほどお話がありましたように、今国会に提出をしております選挙執行経費基準法の改正法案においても、国政選挙における移動期日前投票所の設置に要する経費を国費で措置することにつき法律に明記することにより、更なる設置を促したいと考えております。

 加えて、現在、各選挙管理委員会における移動期日前投票所の取組事例を調査しているところでございます。調査結果については、総務省のウェブサイトに掲載するとともに、全国の選挙管理委員会に周知することで、非常にいい取組をしている事例もございますので、取組事例の横展開を図り、新たな設置の検討が進むよう、積極的な取組を促してまいりたいと思います。

落合委員 それには、予算的にもっとプラスして、やったらコスト以上に予算がもらえるような、そんな仕組みも考えていく必要が、プッシュする上では必要だと思います。

 それで、高齢化がやはり進んでいます。そうすると、投票所を減らさなくても、選挙、その距離が、歩いていきづらいというような事例も多々あるわけです。

 例えば二〇一七年の衆議院選挙、七十代前半の投票率は七四%です。しかし、八十代以上は四六%なんです、投票率が。投票率が下がってきているのは若者だけの問題ではなくて、シニアの問題にもなってきている。これは、選挙に行きたくても行けていない人もいるはずです。そういった人たちに投票の機会をより多く提供することは重要だと思います。

 しかし、そういう高齢化している町ほど、投票所がどんどん遠くなっているのが実態なんです。しっかり民主主義を機能させるためには重要な問題ですので、大臣、今の投票所を減らしていく方向から増やしていく方向に転換をするべきだと思いますので、御検討いただければと思います。

 都市部は、移動投票所よりも期日前投票所が重宝されているわけです。

 資料をお配りさせていただきました。前回の選挙も、二千万人が期日前投票をしています。平成十七年、郵政選挙の頃は八百九十六万人でした。八百九十六万人が期日前投票していたときの期日前投票所の数は四千四百五十一です。二千万人以上が期日前投票をするようになった四年前ぐらいからそうなっているわけですけれども、頑張って増やしていますけれども、まだ五千九百か所ということで、期日前投票を政府も、コロナだからということで奨励もしてきましたし、四年前は、台風が投票日に直撃するということで、このときも期日前投票を呼びかけました。

 こういった中で、期日前投票所自体はまだ増加が追いついていないわけです。四年前にも問題になっていましたが、二時間以上待ってやっと投票できたという投票所もそれなりの数ありました。今回も、期日前投票所が混み過ぎて投票するのをその日はやめたという声もかなり、直接いただいています。これは全部の期日前投票所が混んでいるのではなくて、駅前ですとか一部の期日前投票所、しかし利用者の割合はかなり多い投票所が大混雑してしまっている状況です。

 ここもしっかり予算をつけて、二時間も並ぶことがないように、三十分以内ぐらいで投票できるようにするべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

金子(恭)国務大臣 投票率を上げるために、人が集まりやすいところに期日前投票所を設置するということは、それぞれの市区町村で御努力をいただいていると思います。

 期日前投票所の混雑に対しましては、混雑が見込まれる日に期日前投票所を増設することとか、あるいは、受付で迅速に選挙人名簿との確認ができるよう、期日前投票管理システムを導入することとか、あるいは、SNS等を活用して混雑状況を情報提供し、選挙人の分散を図ることなどが有効な対策であると考えております。

 総務省では、国政選挙におけるこれらの取組に要する経費を従前から国費で措置しておりますが、この財政措置に加え、各選挙管理委員会において選挙のたびにこれらの取組の実施を要請しているところでございます。

 引き続き、各選挙管理委員会における混雑対策の積極的な取組が進むよう取り組んでまいりたいと思います。

落合委員 投票率を上げるためには、主権者教育も重要な要素なんですが、この十年ぐらいは、行政側の原因というのも、今まで申し上げたように、あると思います。行政側の原因は極力なくしていくべきだ、投票率を下げるような選挙のやり方を行政側はやるべきではないと私は思いますので、是非、大臣として厳しくリーダーシップを取っていただければ、今年も参議院選挙がありますので、具体的に行動をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 その次は、選挙に出る側の話です。

 統一選で特に言われていますけれども、候補者が不足をしている。例えば、来年統一選がありますが、三年前の統一地方選挙、都道府県議会議員のうち二七%が選挙を経ないで無投票で当選しています。全国の都道府県議会議員の二七%が選挙の洗礼を受けていないわけです。それから、町村議会議員も二三・三%が無投票で選ばれています。これも民主主義の危機だと思います。

 これは大臣、いかがでしょうか。どう思いますでしょうか。

金子(恭)国務大臣 それぞれ、全国、いろいろな事情がありますし、何で無投票になるかということも含めて、一律には言えないと思いますけれども、しっかりと選挙公示をして、選挙制度をしっかり守っていくということだと思います。

 ですから、無投票がいいとか選挙をやった方がいいとかということよりも、しっかりと選挙に出ていただけるような体制を整える、このことが重要だと思っております。

落合委員 そのためには、選挙に出ていただくようにするためには、現行が、都道府県議会議員の二七%もが選挙を経ないでバッジをつけているわけですから、やはり抜本的なことをやっていかないといけないと思います。

 我々は、もう一回出し直しますけれども、何本か議員立法を出しています。例えば、産休、育休と同じように、会社を選挙に出るために休める立候補休暇制度、これも議員立法で提出をしています。それから、候補者の裾野を広げるために、被選挙権年齢の引下げの法案も提出をしました。

 ヨーロッパの例なども見ますと、これは候補者が増えるだけではなくて、若い人たちの投票率も、被選挙権年齢を下げることで上がっているんですよね。今回、韓国も二十五歳から十八歳に下げました。

 二枚目の資料をつけさせていただきましたが、私がマジックで線を引いているところが、日本よりか被選挙権年齢が高い国です。百九十か国ぐらいの中で十二か国しか被選挙権年齢が日本よりか高い国はありません、割とイスラム系の国が多いような感じもしますけれども。

 各国、被選挙権年齢は、日本が二十五歳ですとか三十歳に決めた頃は、そんなに世界と遜色がない水準でした。しかし、戦後何十年かたって、どんどんどんどん引き下げ始めているわけです。そういった中で、日本は年齢を変えていない。選挙権は二歳下げましたけれども、そろそろ、民主主義の発展に合わせて検討をする段階だと思います。

 こういった具体的な施策をそろそろ打ち出していく、背中を押していくべきだと思います。政党間の話合いでのあれというのも、それが基本ではありますが、総務省としてもしっかり、実証研究などで前向きな答申等を出していく必要があると思うんですが、いかがですか。

金子(恭)国務大臣 選挙制度の問題については私がここで発言することは差し控えたいと思いますけれども、住民の多様な声を聞き、広い見地から地域社会の在り方を議論する地方議会の役割は大変重要なものと考えております。

 令和二年に答申がなされた地方制度調査会では、地方議会における課題について審議をされました。この中では、多様な層の議会への参画を促進し、議員のなり手不足の解消を図っていくため、議会運営上の工夫や、住民の理解を促進する取組の重要性の指摘とともに、議員報酬の在り方、立候補しやすい環境の整備などの事項について論点等が示されております。

 総務省としては、これまでも、地方議会活性化のためのシンポジウムを行うなど、議論の促進に努めるとともに、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会と連携をいたしまして、議会における旧姓の使用や、あるいは育児、介護などによる欠席を可能とする制度の普及などにも取り組んできております。

 今後とも、三議長会とも連携をしながら、引き続き、必要な対応に取り組んでまいりたいと思います。

落合委員 被選挙権年齢についても前向きにあれしていただければと思いますけれども、反対意見もあるというのであれば、基礎自治体の選挙は一番身近な選挙ですので、そこから先行して下げるというのも一つの案であると思います。

 それでは、もう時間があと四分ぐらいですので、二問まとめて伺えればと思います。

 まず、選挙公営についてなんですが、我々、衆議院選挙も、供託金を払うことで、一部選挙運動が公費で行うことができるわけです。ただ、この公費の使い方というのは何十年も変わっていません。

 例えば、新聞広告に候補者一人当たり二百八十万も公費が出ているわけです。ただ、今、新聞を読む方は半分ぐらいになってしまっています。テレビの政見放送とかも、もうテレビを見るという人の割合もだんだん減ってきている。一方で、公営のネット動画とかはないわけです。

 ですから、私は、新聞とかテレビの業界は反対するかもしれないですけれども、そこら辺で使っているお金を一部、ネットとかに使えるように中身を変えていくべきだと思います。これは、総務省が公営のポータルサイトを作って、全国の候補者がだあっと一覧で出ていて、自分の選挙区をクリックすれば、この人が出ていて、この人の政見放送もクリックすれば見られる。それから、選挙公報で出すような経歴ですとか訴えもその人をクリックすれば見られて、同じ条件でほかの候補者も見ることができる。そういったポータルサイトを、公営ポータルサイトを作るというのも一つの重要な案だと思います。

 それから、今、ポータルサイトは民間企業が運営しています。選挙のポータルサイトを民間が幾つかやっていますけれども、そこでは、ボートマッチといって、幾つか質問に答えると、あなたに向いている政党はこれですというふうに出てくるんです。最近、それを参考にして投票する人が多い。ただ、これは意図的に世論誘導していたらどうするんですかというリスクがあると思います。

 公営のポータルサイトを作るべきだということと、民間のこういったボートマッチとかを今のまま自由にやらせていて大丈夫なのかな、リスクはありませんか。この二問、大臣、お願いします。

浜田委員長 金子総務大臣、時間が来ておりますので、簡潔に願います。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 政見放送とか経歴放送とか新聞広告については、選挙管理委員会が主体となって行うものではなくて、これらを選挙管理委員会のホームページに掲載することについては、全ての候補者等の平等、公正な取扱いをどのように確保するかや、政見放送の放送回数や新聞広告の掲載回数等の制限を設けている現行法との関係をどのように考えるかといった論点があり、また、選挙運動に関する事柄であることから、各党各会派において御議論いただくべきものと考えている。

 なお、現行においても、候補者等は、立候補届出の際に御自身のウェブサイト等のアドレスを届け出ることができ、それらは選挙管理委員会においてホームページに一覧として掲載することとされておりますので、皆さんがそこを見ていただければウェブサイトに行けるということでございます。

 また、お尋ねのボートマッチのウェブサイトを設けることについては、その内容等によっては選挙運動と認められる可能性がありますが、ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動については、電子メールアドレス等の表示義務を果たせば、選挙運動期間中、直ちに制限されるものではありません。

 なお、当選を得させない目的をもって、公職の候補者等に関し、虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にすることについては、虚偽事項の公表罪の規定が公職選挙法にあります。

 ボートマッチのウェブサイトに関して何らかの対応を行うということであれば、各党各会派において御議論いただく必要があると考えております。

落合委員 新しい時代の論点があると思いますので、また取り上げさせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今日は、選挙買収と政党助成金の問題について質問をいたします。

 河井元法務大臣が有罪となった選挙買収事件について、河井夫妻の陣営に対し、自民党本部から一億五千万円が提供され、そのうち一億二千万円が政党助成金でした。これが買収の原資になったのではないかという疑惑はいまだに明らかになっておりません。

 二月二十八日の参議院の予算委員会で、我が党の井上哲士議員が、公判での供述調書を示して、運動員買収の原資が、克行氏の自民党広島県第三選挙区支部から案里氏の広島県参議院選挙区第七支部に振り込まれた四千五百万円であり、この四千五百万円は党本部からの政党助成金であることを指摘をしました。

 その際、岸田総理は、政党助成金からは支払われてはいないという昨年九月の自民党本部の説明を引用して答弁しました。そして、公認会計士、税理士等の監査を経てこうした報告書が出されているわけでありますので、説明が果たされていると認識しておりますと述べました。

 監査を経ているというのが説明責任を果たしているという指摘をしておるわけですが、そこで、総務省に確認します。政党助成金における使途等報告書の監査について、政党助成法施行規則では、監査事項はどういうふうに規定しておりますか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 政党交付金使途等報告書に係る監査事項について、政党助成法施行規則第二十条は、会計帳簿、領収書等及び残高証明等が保存されていること、会計帳簿には政党交付金に係る収支の状況が記載され、政党の会計責任者が当該会計帳簿を備えていること、使途等報告書は、会計帳簿等に基づいて収支の状況が表示されていること、領収書等を徴し難かった支出の明細書は、会計帳簿に基づいて記載されていることと規定をしております。

塩川委員 今お答えがあったように、会計帳簿や領収書などが保存されているか、収支が報告書に表示をされているかといった外形的なことを確認しているにすぎません。これで説明が果たされているとはとても言えないものです。

 この政党助成金の使途等報告書の監査の問題だけではありません。河井夫妻が代表を務めた自民党の支部は国会議員関係政治団体でもありますので、政治資金監査も行われておりました。

 二〇〇七年の法改定で国会議員関係政治団体がつくられた際、プロの目を通すといって、弁護士、公認会計士、税理士の登録政治資金監査人によって政治資金監査を受ける制度が設けられました。この監査のマニュアルを作ったり、監査人の登録や研修を行っているのが政治資金適正化委員会であります。

 この政治資金適正化委員会が作った政治資金監査マニュアル、政治資金監査に関するQアンドAでは、記載漏れ、領収書などの改ざん、収入の監査や使途の妥当性の判断についての記載もあります。

 この政治資金監査に関するQアンドAでは、収入の記載漏れが発見され、支出についても記載漏れがあり、会計責任者は収支報告書を訂正しなかった場合、政治資金監査報告書ではどのように記載すべきかという問いに対して、このQアンドAではどのように答えておりますか。

植村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のQアンドAの記述、7―三「収入・支出の記載漏れ」になります。

 収支報告書に支出の記載漏れがあり、会計責任者に指摘したにもかかわらず、収支報告書を訂正しなかった場合、法定の監査事項を確認できなかったものとして、別記にその旨を記載することが考えられますとあり、さらに、なお、政治資金監査は支出のみを対象とし、収入はその対象としてはいませんと記述しております。

塩川委員 収入は対象とはしていないということで、収入に記載漏れがあったとしても、監査の対象ではないということであります。

 同じくQアンドAでは、「翌年への繰越額と現金預金残高とが一致しているかを確認する必要があるか。」との問いに対し、どのように答えておりますか。

植村政府参考人 お答えいたします。

 同じくQアンドAの1―三「繰越額と現金預金残高」でございますが、「政治資金監査は支出のみを対象としていますので、翌年への繰越額の確認は求められていません。」と記述をしております。

塩川委員 翌年の繰越額も監査の対象ではないということであります。

 同じくQアンドAでは、「明らかに記載が訂正又は消去された痕跡のある領収書等がある場合は、政治資金監査上、どのように取り扱えばよいのか。」との問いに、何と答えておりますか。

植村政府参考人 お答えいたします。

 QアンドAの5―二十八「領収書等の改ざんの形跡」になりますが、「政治資金監査は、外形的・定型的に行われるものであり、登録政治資金監査人は、第三者に対する調査や資料要求を行う権限を付与されていません。そのような中で、明らかに記載が訂正又は消去された痕跡のある領収書等がある場合は、政治資金監査の信頼性を確保する観点から、当該領収書等が真正なものであることを会計責任者等に確認することとなります。」と記述をしております。

塩川委員 外形的、定型的に行われるという政治資金監査であって、改ざんの形跡があっても、会計責任者に確認をするだけで、調査権限はないという仕組みであります。

 同じく、QアンドAでは、「政治資金監査の結果、政治団体に係る支出とは判断できない支出が分類されている場合、どのように対処すればよいのか。」との問いには、どのように答えておりますか。

植村政府参考人 お答えいたします。

 同じく、QアンドAの1―五「使途の妥当性の判断」でございますけれども、「政治資金監査は、政治資金の使途の妥当性を評価するものではありません。これは、政治資金の透明性の向上を図りつつ、同時に、政治活動の自由の確保の要請にも応えるべく、国会における議論の結果、外形的・定型的な監査とすることで合意されたものです。」と記述をしております。

塩川委員 政治資金監査は、政治資金の使途の妥当性を評価するものじゃないんだというふうに述べているわけです。

 今読み上げてもらいましたように、収入、繰越残高についても監査の対象外で、権限はない。領収書が改ざんされていても、調査する権限はない。調査対象の支出でも、おかしな支出、違法な支出であっても、使途の妥当性を評価するものではない。

 大臣にお尋ねしますが、こういった国会議員関係政治団体の政治資金監査制度は監査と言えるものなのかと率直に思いますが、大臣の認識を伺います。

金子(恭)国務大臣 塩川委員にお答え申し上げます。

 今お答えしておりますとおり、政治資金監査は、支出の状況について外形的、定型的に確認を行うものですが、これは、政治資金の透明性の向上を図りつつ、同時に政治活動の自由の確保の要請にも応えるべく、与野党間の大変真摯な御議論の結果、今の制度になったものと承知をしております。

 いずれにしましても、政治資金監査の在り方に関することについては、各政党、各政治団体の政治活動の自由と密接に関連していることから、各党各会派において御議論いただくべき問題と考えております。

塩川委員 今言ったような監査を踏まえて報告書が出されているので、説明が果たされていると言ったのが岸田総理なんですよ。

 でも、今言ったようなやり方で、本当に説明責任が果たされていると言えるのか。こういった監査をもって、適正に処理されているとか、ましてや説明はされているということは言えないんじゃないですか。疑惑は全く晴れていないと思いますが。

金子(恭)国務大臣 先ほども申し上げましたように、与野党間の大変真摯な御議論の結果、今の制度になっております。現状の制度として、しっかりと対応しているものだと思います。

塩川委員 岸田首相、自民党としてのこの問題についての説明責任は全く果たされていないということを改めて強調しておきます。

 しかも、河井夫妻の選挙買収事件だけではありません。自民党京都府連によるマネーロンダリングの疑惑の問題もあります。国会議員が、自らの選挙前に、京都府連を迂回して区議、市議に一人当たり五十万円を渡していたという疑惑であります。

 政治と金をめぐる重要な問題は、入りの問題であります。企業・団体献金の全面禁止、政党助成制度の廃止が、国民の政治不信を払拭する上で不可欠だと我が党は述べてまいりました。

 数字を確認します。一九九五年、政党助成制度導入以降、二〇二一年まで、政党交付金の総額は幾らになっているでしょうか。また、これまでに交付金を受け取った政党の数は幾つになるでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 政党助成制度が創設をされました平成七年分から令和三年分までの二十七年間の政党交付金の交付総額、一千万円以下を四捨五入いたしますと、八千五百四十億円となっております。

 また、政党助成制度が創設された平成七年分から令和三年分までに政党交付金を受け取った政党は、四十五政党でございます。

塩川委員 これまでに、八千五百四十億円、四十五政党ということでした。

 二〇二一年に政党交付金を受け取っている政党、そして、各党がこれまでに受け取った政党交付金額は幾らになるでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 各党、二〇二一年に政党交付金を受け取っている政党がこれまでに受け取った政党交付金の総額、交付累計額につきましては、一千万円以下を四捨五入いたしますと、自由民主党四千八十九億円、公明党六百八十三億円、社会民主党三百七十四億円、立憲民主党百八億円、日本維新の会八十四億円、国民民主党二十九億円、れいわ新選組四億円、NHK受信料を支払わない国民を守る党四億円となっておるところでございます。

塩川委員 自民党は、制度導入以来、これまでに四千八十九億円を受け取っているということで、全体の半分近くを占めております。この八千五百億円という巨額の税金を四十五の政党で山分けをしてきました。しかも、この間に消えていった政党が三十七もあるわけであります。

 日本共産党は、政党助成金を受け取っておりません。それは、支持する政党を持たない国民にも一律に献金を強制するものであり、思想信条の自由を侵すものだからであります。

 この政党助成金制度の導入をめぐって、当時、そもそも政党が税金に依存していいのかという議論が、導入を進めた側からもありました。政党助成金を入れるとしても、税金なのだから過度に依存しないようにしよう、上限を決めようという議論があり、細川総理と河野自民党総裁の合意では、上限は四割とすることになりましたが、法制化する際になって、この歯止めも、三分の二を上限ということで後退をいたしました。ところが、さらに、制度が施行された九五年十二月には、この歯止めさえも完全に削除する法改正が行われました。

 こうして、政党が幾ら税金に依存しようとも問わないという内容に変えてしまったという経緯があります。

 現状はどうか、お尋ねします。直近の二〇二〇年分で、各党の収入に占める政党交付金の依存率は何%でしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 直近の令和二年における各政党本部収入総額に占める政党交付金の割合を割合の高い順に申し上げますと、令和二年九月十一日に分割により解散した国民民主党八七・二%、日本維新の会八〇・二%、令和二年九月十四日に合併により解散した立憲民主党七七・〇%、自由民主党七一・七%、令和二年九月十五日に設立された立憲民主党五五・一%、NHK受信料を支払わない国民を守る党五三・五%、社会民主党四六・九%、令和二年九月十一日に設立された国民民主党三七・五%、れいわ新選組三六・一%、公明党二四・八%となっております。

塩川委員 今お示しいただきましたように、各党とも政党助成金の依存の割合が高い。資金のうち、政党助成金が七割、八割を占める。まさに国営政党、官営政党と言われても仕方がありません。

 当初は、政党助成金の総額について五年後に見直しという規定もありましたが、何らの見直しもないまま、制度導入以降、一度も総額が減らされたことはありません。

 大臣にお尋ねしますが、元々、税金に過度に依存しないようにしようという趣旨というのが、政党助成金を導入する側の中でも議論がされてきた問題であったわけであります。今の現状というのは、率直に言って、これでいいのか、余りにも依存し過ぎる事態ではないのか、このことが問われていると思うんですが、大臣の認識を伺います。

金子(恭)国務大臣 お答え申し上げます。

 政党助成制度は、政治改革について議論を積み重ねた結果、政策主体、政党本位の政治を目指すとの理念の下、政党の政治活動の経費を国民全体で負担していただくものであり、民主主義の発展に重要な意義を持つ制度であると認識をしております。

 一方で、政党の運営の当否は、最終的には選挙を通じた国民の審判に委ねるべきところであることから、政党がその運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択については、政党の自主性に委ねるのが適当であると思います。

 以上です。

塩川委員 政党とはどうあるべきかというのが問われていると思います。

 政党は、憲法に保障された結社の自由、そして資金の上でも自前、自立してこそ成り立つものと言えます。自立しないで政党と言えるのか。その点でも、やはり、主権者の国民にその財政も依拠する、これが結社の自由を踏まえた政党の活動の基本だということが問われていると思います。

 そういう点でも、税金で党財政を賄うということになれば、やはり次第に国民の感覚、市民の感覚から離れていく、麻痺をして庶民の痛みが分からなくなる、こういうことも問われてくるのではないのかということを指摘をしなければなりません。

 もう一つ指摘をしなければいけないのが、四半世紀前に、リクルート疑獄などで金権腐敗政治の横行に国民的批判が高まり、企業・団体献金を禁止しようというのが国民の要求でした。

 当時、細川総理は、政党助成金の導入を求めつつ、政治腐敗事件が起きるたびに問題となる企業・団体献金については、腐敗のおそれのない中立的な公費による助成を導入することなどにより廃止の方向に踏み切ると、企業・団体献金の廃止を述べておりました。ところが、廃止するとしていた企業・団体献金はどうなったのか。

 確認しますが、政界全体の政治資金収入のうち企業・団体献金額、政治資金パーティーの収入額は、直近でそれぞれ幾らでしょうか。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 令和二年分の総務大臣届出分と都道府県選挙管理委員会届出分を合計した全国分の収入額のうち、法人その他の団体からの寄附は八十億八千九百万円、政治資金パーティー収入額は百二十七億四百万円となっておるところでございます。

塩川委員 政治資金パーティーも多くは企業、団体という実情もありますので、いわば二百億円に上るような金額が今なお行われている。このほかにも、政治団体からの寄附などもある。コロナ禍で減ったとはいっても、大変な金額であります。

 政治改革によって、政治家個人に対する企業・団体献金を禁止をしましたが、政党と、党の財布である政治資金団体が受け取るのは禁止をしませんでした。党支部は、政治家個人のいわば財布のように使われることになりました。これが今のような事態を招いております。

 大臣にお尋ねしますが、政党助成金も受け取る、企業・団体献金も受け取る、こういう二重取りが行われているような状況というのは、国民から厳しい批判が寄せられても仕方がない事態ではありませんか。これこそ改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

浜田委員長 金子総務大臣、時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。

金子(恭)国務大臣 先ほどから申し上げているように、政党助成制度とかあるいは政治資金の問題については、これまでも与野党、各党各会派で御議論いただいております。しっかりと、そういう意味では、今後とも御議論いただきたいというふうに思います。

塩川委員 企業・団体献金はきっぱり禁止をする。我が党は、参議院に、政党助成法の廃止法案も提出をしております。是非とも、こういった問題を是正をする、広く各党にも呼びかけて取り組んでいきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。

浜田委員長 次に、山本剛正君。

山本(剛)委員 日本維新の会の山本剛正でございます。

 見た目は倫理のかけらもないような私でございますけれども、倫理のリは山本剛正の剛でございますので、しっかりと倫理の確立に向けて努力をしてまいりたいというふうに思います。

 せっかく総務大臣に質問できるチャンスでございますので、ちょっと趣旨とは違う要望を一つさせていただきたいんですが、ふるさと納税制度で、返礼品の経費総額が五割以下と定まっているんですが、この経費の中から送料を除外していただきたいんですね。

 ふるさと納税の返礼品を発送するのは圧倒的にやはり大都市圏が多くて、私たちの、大臣もそうですけれども、熊本ですけれども、九州は離島も多くて、東京などに送るのに送料の負担が非常に大きいんですね。大都市圏近隣であればもちろん送料も安くて、様々な企業努力を施しても、やはりどうしてもこれは地域間格差が生まれてしまいますので、せっかく地方を元気にする制度に水を差す状況と今なってしまっております。

 これは九州に限らず、大都市圏から離れた自治体の方々も同様にお考えになられていることと思いますので、大臣におかれましては、是非省内で御検討いただいて実行していただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

 さて、本題に入ります。

 まず、金子大臣が先日の就任の御挨拶で述べられた公正で明るい選挙でございますけれども、私も全く同感でございます。ただ、明るい選挙というのは、イメージは湧くんですけれども、抽象的で、様々な皆さんがその明るい選挙というものにいろいろなイメージを持たれてしまって、選挙の啓発においては、せっかくのいいイメージがちょっとぼやけてしまうのかなという感じもいたします。

 ですから、この明るい選挙のイメージが国民の皆様に対して訴求力の高い言葉になっていけば、選挙そのものに重みが増して、ひいては投票率の向上に資するものだというふうに考えますけれども、まず、大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 山本委員にお答え申し上げます。

 非常に、明るい選挙のところに注目していただきまして、御答弁をさせていただきたいと思います。

 国民一人一人が選挙制度を正しく理解し、身近な問題を始めとして政治や選挙に十分に関心を持ち、大切な御自身の一票を進んで投票することが、民主主義においては大変重要であると考えております。

 明るい選挙につきましては、昭和四十年、国民の誰にも分かりやすく親しまれる名称を公募して、明るく正しい選挙と呼ぶこととし、さらに、昭和四十九年には、簡潔で誰からも親しまれる名称として、現在の明るい選挙という呼び名に変え、現在に至っているところでございます。

 三月三日に本委員会の挨拶の中で述べた公正かつ明るい選挙とは、有権者が主権者としての自覚を持って進んで投票に参加し、選挙が選挙違反なく公明かつ公正に行われる、私たちの意思が正しく政治に反映される選挙を申し上げたものでございます。

 引き続き、総務省としても、公正かつ明るい選挙の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 選挙違反がないというのはもう当然のことでございますが、やはり公平公正、先ほど落合委員も投票所のことを述べられておられましたけれども、そういったことも公平公正に私は大きく資する問題だというふうに思いますので、こういった問題はもう本当に党派を超えて論じていくものだというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。

 まず、では最初に、政治団体の在り方についてちょっとお尋ねをさせていただきます。

 二〇一五年二月に発覚した日本歯科医師連盟の迂回献金事件は、ちょっと覚えていらっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、当時の日本歯科医師連盟の元会長二人と会計責任者であった副理事長が逮捕されて、二〇二〇年に有罪が確定された事件でございます。立件の内容は、五千万円の上限ルールを知りながら、ルールに触れていないと見せかけるために迂回献金をしたというものでございます。

 非常に悪質な事件ではあるんですけれども、この中に、事件化されていない事件の本質、政治団体の在り方について、私は大きな問題があるというふうに思っております。

 そういう意味では、この事件でやり玉に上がったというよりも、完全に被害者なんですが、これは当時の日本歯科医師連盟の組織内候補であった自民党の石井みどり先生と、当時民主党だった西村正美参議院議員でございます。西村正美は実は私の妻ではあるんですけれども、当時、私も傍らにいて、こんなことが本当に許されるのかなという思いを持っておりました。

 まず、迂回献金に使われたのは石井みどり中央後援会と西村まさみ中央後援会という政治団体なわけでありますけれども、この両団体は、名前は冠してあるんですけれども、完全に本人から切り離された、日本歯科医師連盟が管理する政治団体であり、運営は全て日本歯科医師連盟が行っていたんです。

 ちなみに、両団体とも、当時の日本歯科医師連盟の会長が代表者であり、会計責任者は団体の副理事長でございました。

 この両団体、石井、西村の名前を冠しているんですけれども、日本歯科医師連盟のダミー団体と呼べるようなものであって、それを利用して資金のやり取りをすること自体が政治団体制度そのものを愚弄するものであり、私はもうこれは倫理のかけらも感じないんですけれども、ここで考えられるのは、日本歯科医師連盟はなぜこのようなことをしたのかということであります。

 日本歯科医師会は公益団体なんですけれども、日本歯科医師連盟というのは、実は公益団体ではなくて政治団体なんですね。ですから、れっきとした政治団体でございますので、そういう議員を抱えての政治活動は日本歯科医師連盟というものが主体となって、母体となってやればいいにもかかわらず、わざわざ候補者の名前、議員の名前を冠した団体をつくって運営していたのかという疑問がちょっと生じます。

 日本歯科医師連盟は、全国の歯科医師の会員の皆さんから会費を募って、その会費をもって運営されていることから、総会とか会計報告というのは会員の皆さんになされています。

 一方、その会計報告の中で、組織内候補の名前を冠した政治団体であれば、会計報告のときに、西村まさみ中央後援会に五千万円渡しましたとか、石井みどり中央後援会に渡しましたのでということで、それでもう会計報告義務は終わるんですね。その資金の会計報告の詳細は、そちらの団体に義務が移るわけでございます。

 つまり、その両団体は、日本歯科医師連盟の一部の幹部の方々が自由に使える財布代わりになっていたのではないか。実際、ダミー団体、ダミー団体と言っちゃっていますけれども、この両団体は、当時の国会議員の名前を冠しているにもかかわらず、国会議員関係団体としては登録されていなかったんですね。会計基準が緩い、そして監査もない、いわゆるその他の政治団体として登録をされていたわけであります。

 この事件が明るみに出たときに、西村、石井両氏は、全くあずかり知らないところで行われた資金の流れについて、報道とか週刊誌とかいろいろなもので追及されて、一部ではさも両名がその資金を受け取ったかのように言われて、その名誉を大きく傷つけられてしまったわけであります。しかし一方で、事件を起こしたのが自分が支援を受けている団体ということで、異議を唱えたり反論したりするということもなかなか難しかったというのも事実でございます。

 これはまた、真面目に会費を納入されていた全国の歯科医師の皆さん、日本の歯科医療の根幹を支えてくれている歯科医師の皆さんを欺く行為であるというふうに私は思いますし、許されるものではないと思うんです。

 そこで、政治家の名を冠した政治団体の制度、これは、その団体の名前のある政治家の活動を支える重要なものです。この運用を的確に行うことができなければ、これはもう政治家の政治生命にも私は関わると思うんですね。

 この中におられる皆さんはもう倫理の塊のような方たちでございますから、恨みを買うようなことはないかもしれませんが、例えば、政治団体は日本全国どこでも無料で設立することができるんですよ。そうすると、全く知らないところで自分の名前を使われて政治団体を運用されて、でたらめな会計で、それで、それを勝手にまた週刊誌なんかに言って、こいつはこんなことをやっているんだみたいなことをやられる、悪意を持ってやられるということができてしまうんですよ。ですから、やはりここはちょっと制度を変えていかなきゃいけないんじゃないかなと私は思うんですね。

 こういったダミー団体みたいなものを禁止するには、どのように制度を改めていかなければならないのか。これは議員立法で進めていかなければいけないんですけれども、この委員会に籍を置く皆さんが、真剣に、是非議論をしていただきたいというふうに思います。

 こういった個人名を冠した政治団体の設立、運用には当該個人の承諾がなければならないとか、運営に参加することを義務づけるとか、政治団体の悪用を防止する規制を私は設けるべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、政治資金規正法においては、政治団体の名称は、公表された既存の政党又は政治資金団体の名称及びこれに類似する名称以外の名称であれば、他の法令に違反をしない限り、制限はされていないところでございます。

 政治団体の名称など政治団体の在り方については、各政党、各政治団体の政治活動の自由と密接に関連している事柄でございますので、各党各会派において御議論いただくべき問題と考えているところでございます。

山本(剛)委員 お答えはそうなるというふうに思っておりましたし、各党会派でということでございますので、是非、皆さん、これは政治家の身分に関わることでもございます。国会議員に限らず、各級議員の皆さん方、首長の皆さん方ですね。

 ですから、是非、名前を冠した政治団体というものがどこでも誰でもつくれるということに危機感を持っていただいて、ここに対する規制をかける、そういった法整備というものをしてまいりたいというふうに思っておりますし、特定の政治家のイメージを損ねるために勝手にそういったものをつくって、事件に発展した場合は、その損失というのは計り知れないものがあります。いまだに、私の妻も、多分、石井みどりさんもそうだと思います、あのときお金を受け取ったんだろうとか、いまだに言われていると思うんですよ。

 やはりそういうことというのはあってはならないと思うんです。全く一銭ももらっていなければ、例えば、私の妻の政治団体のお金なんて、即日そのまま寄附されているようなものでございますから。

 是非、各党会派の皆様方、ここにおられる皆様方、真摯に御議論いただいて、立法を進めてまいりたいと思いますし、委員長、是非よろしくお願いしたいと思います。

浜田委員長 理事会で協議いたします。

山本(剛)委員 次に、郵便投票制度についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 まず、今回の選挙、コロナの関係があって、特例郵便等投票制度というものが導入されました。まずは、その投票総数がどれぐらいあったのかということと、対象者数とか無効票などの、そういった内訳をちょっと教えていただきたいと思います。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨年十月の衆議院議員総選挙における新型コロナウイルス感染症患者等の特例郵便等投票の実績、これは少々収まってきた時期かとも存じますけれども、小選挙区選挙、比例代表選挙共に、請求者が三百三十八人、投票用紙の交付者は三百二十九人、投票者数が三百二十四人ということでございました。

 なお、十八歳未満の者等も含みますけれども、厚生労働省の発表資料によりますと、請求期限である昨年十月二十七日時点での感染症法による自宅療養者数と宿泊療養者数の合計は千六百五十三人。また、同様に十八歳未満の者等も含みますけれども、同省の発表資料によると、昨年十月十七日から三十日までの間での検疫法による入国時の検査を行った日本国籍者の合計というのは、約一万九千人ということでございました。

山本(剛)委員 相当数おられたということなんですけれども、ちょっと資料を今日お手元に御用意をしているんですが、四枚ぐらい、特例郵便投票ができますとか、その手続とかというのがあるんですが、コロナで熱に冒されて本当に苦しい思いをされていた方が、これを読んで、よし、投票しようと思うかなと思ったら、ちょっとなかなか、私は難しいと思うんですよね。

 やはり投票はしていただきたいし、投票していただくことが民主主義をつくっていくわけでございますから、こういったものをしっかりと活用していただけるような状況をつくるということは、私は非常に重要だというふうに思っております。

 今回、特定患者等に該当する選挙人が対象となったわけでございますけれども、そもそも、現行の郵便投票がどの程度機能しているのかというのがちょっと私、気になりました。これを、やはりそういう制度があるのであれば、活用をもっとしていかなければならないというふうに思っておりますので、その視点からちょっと質問をさせていただきます。

 我が国の郵便投票の対象者は、令和二年度末で、身体障害者福祉法における身体障害者のうち公職選挙法施行令で定める一定の障害を有する方が約百六十七万四千人でございます。これも資料をつけております。戦傷病者特別援護法における戦傷病者のうち公職選挙法施行令で定める一定の障害を有する方が約五、六十人、介護保険法における要介護者のうち要介護状態区分が要介護五の方々が約五十九万一千人というふうになっておりました。

 つまり、郵便投票の対象者数は約二百二十六万五千人となるわけでございますが、昨年の衆議院選挙における郵便投票者数は、小選挙区で一万九千三百二十二人、比例代表で一万九千三百三十八人でありました。無論、対象者の中には、投票所に足を運んで投票された方とか不在者投票とかでされた方が相当数いらっしゃるとは思うんですが、郵便投票制度自体が大いに活用されているのかといえば、ちょっとこの数字では心もとないのかなというふうに思います。

 これは選挙のときに、投票に行きましょう、期日前投票もありますとか不在者投票もできますと言うんですけれども、郵便投票もできますとは言わないんですね。ですから、そういったことが周知の遅れにつながっているのかなというふうにも思いますし、確かに対象者が少ないからということがあるのかもしれませんが、やはり、せっかくある制度ですから、しっかりと活用していくべきだというふうに思います。

 今年から、日本で一番人口の多い団塊の世代の方々が七十五歳、後期高齢者をお迎えになられているわけでございます。そうすると、当然、介護を受けられる方もどんどん増えてきて、日本の社会保障も厳しくなると言われている中で、この郵便投票の重要性はますます私は増えてくるんだろうというふうに考えますが、そのためには、今までとは全く違う郵便投票の周知のやり方というものが不可欠だというふうに考えています。

 そこでお尋ねなんですけれども、今後の郵便投票制度の在り方、周知の方法、制度の活用の推進についてどのようにお考えなのか、ちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 郵便等投票につきましては、現行のやり方としては、総務省として、国政選挙や統一地方選挙の都度、郵便等投票に当たっては、あらかじめ郵便等投票証明書の交付を受ける必要があることだとか、選挙の期日の四日前までに投票用紙等の交付を請求しなければならないなど、期日の制約があるため、早めの投票用紙の請求と投票を促し、関係機関とも十分連携を図ることなど、管理、執行に万全を期すように各選挙管理委員会に対し要請を行っているところでございます。

 また、総務省のホームページにおいても制度や手続の案内をしている。あるいは、各選挙管理委員会において、市町村が作成する障害福祉のしおりに制度内容を掲載し配布することや、広報誌やホームページを通じた制度周知などの取組が行われているものと承知をしております。

 なるべく工夫をしながら、対象者にきちんと情報が行き渡るようにというおただしだと存じます。郵便等投票が公正円滑に、ただし、きちんと対象者に行き届くように、現場の御意見を伺いながら、選挙管理委員会に対する情報提供、選挙人に対する啓発なども活用しながら、適切に対応してまいりたいと存じます。

山本(剛)委員 済みません、今こんなことをやっているとかいうことを別に聞いているわけじゃないんですよ。今後の郵便投票の在り方、周知の方法、制度の活用の推進についてというふうに聞いているんです。通告もしているんです。それでその答弁では、ちょっとどうなのと思いますよ。

 どうですか。いかがですか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 郵便等投票、先ほど委員もおっしゃったとおり、不在者投票だとか、あるいは施設に既に入っておられる方とか、そういういろいろな状況の方がおる中で、きちんと、本当にやりたい人ができているのかどうかという観点からのお話かと存じます。

 郵便等投票だけが投票できる手段ということではございませんので、いろいろな投票手段があるということも含めましての周知はもちろんやってまいりますし、また、先ほどのお話にもございました、例えば動画みたいなものも活用したりだとか、いろいろな工夫をしながら、そこは周知啓発を徹底してまいりたいと存じますので、御理解いただければと存じます。

山本(剛)委員 余りやる気がないということですかね。

 例えば、期日前投票とかだったら、もう選挙のたびに何か最高記録ぐらいの期日前投票が行われているわけですよ。それはやはり、周知が上手にいっている、上手にいっているというよりも、選挙そのもので、皆さんも多分、期日前投票というお言葉を使われるからだと思うんです。

 では、この中で、選挙をやっているときに郵便投票もできますからと言った人、僕は、実は恥ずかしながら、選挙で言ったことはないです。これからはちゃんと言おうというふうに思います。

 それはなぜかといったら、先ほども言ったとおり、郵便投票という制度があるんですから、それをやはり活用するべきだという視点が一つ。もう一つは、これから、先ほども申しましたとおり、今年から後期高齢者、要するに団塊の世代の方々が後期高齢者を迎えると言いました。つまり、高齢化社会がどんどん進んでいって、介護の必要性のあられる方がやはりたくさん出てこられる、今まで以上に。そういうふうになったときに、郵便投票の対象者をどうするのかという議論もしていかなければならなくなるというふうに私は思っております。

 その中で、そんな答弁で、ああ、そうですか、では、これからみんなで一緒に頑張っていきましょうなんて、私は到底言えるものではありません。

 せっかく設けている制度なんですよ。いろいろな制度がある中で、この制度は大事だけれどもこの制度は大事じゃないとかというんだったら、その制度をやめたらいいんですよ。

 だけれども、その制度も大事だからそこに残しているわけで、対象者が少ないといっても、大事な大事な国民の権利でありますから、そこをそんな軽く見られているというふうに思うのは、私は非常に心外ですし、そういうふうに思っていないと、今首をかしげられましたけれども、でも、今の答弁を聞いて、いや、何か余り、そんな、ちゃんとやろうとしていないなと思われている方は多いと思いますよ、はっきり言って。

 実際、だって通告しているわけですから。通告してその程度の答えしか出てこないということに、私はちょっと興奮を隠し切れないというところでございます。

 何か大臣、ございますか。

金子(恭)国務大臣 山本委員から、現状のことも含めて御示唆をいただいたわけであります。

 この制度がなければ投票に行けなかった方が実際おられるわけであります。この制度がいいとかこの制度が悪いとかということはございません。

 しっかりと、今御提案いただいたことも含めて、やはり広報というのは重要だと思っておりますので、しっかりと受け止めさせていただきたいと思います。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 特例郵便制度の活用が進まなかったのも、郵便制度がやはりなかなか機能していないところで、こういった周知の仕方になってしまったんじゃないかなと僕は思っているんです。

 だから、ちょっと強く申し上げましたが、是非、本当に、先ほど来から申し上げておりますけれども、せっかくの制度ですから、しっかりと活用していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 次に、選挙における車上運動員の報酬についてお尋ねをいたします。

 二〇一九年の参議院選広島選挙区の陣営で、法定上限の二倍の報酬を支払ったということがちょっと問題になりましたが、この議論が出たときに、週刊誌等々では、いや、実質そういうものだろうとかと、いろいろな意見が出たと思うんですね。そもそも、この上限がやはり現在の時代に見合ったものなのかということを、ちょっと様々な観点から論じてみたいと思います。

 まず、ちょっと資料をおつけしています。選挙における実費弁償及び報酬額の推移は資料のとおりなんですが、平成十二年から手話通訳者、平成二十八年から要約筆記者への報酬が認められた以外は、平成四年から三十年間にわたって変わっておりません。

 次の資料を御覧いただきますと、まず、消費者物価指数が、平成四年から令和二年では若干、六ぐらい上がっているんですね。平成四年の改定では、昭和五十八年から一四ぐらい上がっている中で、車上運動員の報酬は九千円も実は上昇しております。最低賃金については、平成四年の平均額は五百六十五円ですが、令和二年では九百二円に跳ね上がっているんです、この三十年間で。車上運動員の報酬はやはり据え置かれたままということになっております。

 様々な物価や時給が上がっている中で、実費弁償や報酬額が据え置かれている現状をどのようにお考えか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 選挙運動は原則として無報酬で行われるものとされている中で、車上等運動員への報酬の支給については、昭和五十三年に議員立法による法改正で規定が設けられたものですが、このときの基準額は事務員等と同じく四千五百円とされ、その後、昭和五十八年に、当時の賃金や物価の実情等を考慮して、六千円に引き上げられた。そして、平成四年に、各党の議論を踏まえて報酬の基準額の見直しが行われ、労務者及び事務員については一万円、車上等運動員については一万五千円とされ、現在に至っているというところでございます。

 過去に引上げを行ったときと比べて、最近の賃金や物価の実情等が落ち着いた動向を示しているということもございまして、具体的には、平成四年から令和元年までの間で賃金指数の伸び率は一・一一倍、あるいは消費者物価指数の伸び率は一・〇八倍というふうに承知をしておりますけれども、そういった動向を示していることもあり、平成四年改正後の額のままとされているものと承知をしております。

山本(剛)委員 ちょっと平成四年の改定の資料は見つけ切らなかったんですけれども、昭和五十八年の改定においては、最近における賃金、物価の実情等を考慮して引き上げられたということが、公職選挙法及び同法施行令等の一部改正について、当時の自治省選挙部小笠原選挙課長の論説で述べられていることを私は見つけたわけでございます。

 確かに、二十一世紀に入ってから日本は賃金が上がっていないとは言われております。しかしながら、平成四年からの三十年を考えれば、最低賃金の上昇とか若干の消費者物価指数の上昇、社会状況の変化などを考えれば、この問題を論じないということは、私は、民主主義の根幹を支える選挙制度に対して不誠実だというふうに感じておりますし、時代に見合う制度の構築は立法府に籍を置く私たちの責務であるというふうに考えております。

 また、車上運動員さんは、普通の一般職とは違って、特別な技能を有する専門職とも私は言えると思うんです。ですから、車上運動員さんが、例えば、では特殊な能力を持っている人しかできないかといったらそんなことはないんですけれども、先ほどおっしゃられたとおり、選挙はお金をかけないでやることがまず第一義だということもありますし。

 ただ、実態は、そういったお話をされることをなりわいとしている方を登用することも非常に多いんですね。そういった人たちの活躍の場でも選挙はあるというふうに私は思っております。

 だから、選挙でマイクを使える時間は八時から二十時までです、ちょっと皆さんには釈迦に説法で申し訳ないんですけれども。休憩時間もございますし、長い方で十二時間も、でも、やはり拘束されてしまうんですよね。交代すればいいじゃないか、そんなに長い時間拘束しないで交代すればいいじゃないかとおっしゃられる方、都会の方で特によくおられます。しかし、狭い選挙区ならともかく、広大な選挙区や離島を有しているような選挙区を抱えている人だと、やはり交代というのはなかなか難しいんですよね。

 ですから、そういった意味で、現実的でないことを論じてもしようがないなと思いますので、やはり十二時間拘束ということで考えてみると、例えば単純に、これは本当に単純にで申し訳ないんですが、専門職の方を十二時間拘束して、八時間勤務の一時間休憩、三時間を残業と位置づけた場合、一万五千円の報酬では、時給換算で約千三百円弱になるんですね。計算は、千三百円掛ける八時間で一万四百円でございます。残業時間は一・二五を掛けるわけですから、千三百円に一・二五を掛ける。千六百二十五円掛ける三時間で四千八百七十五円、合計で一万五千二百七十五円ということになるわけであります。

 例えば、お話をされる方のなりわいということを言いましたけれども、結婚式の司会者とかがそうなのということを考えられると思うんですが、結婚式の司会者の報酬の相場が三万円とか五万円とかと言われているそうでございます。これでも、結婚式は三時間ぐらいしかないから一時間一万円か、これはすごいなと思われる方もいらっしゃいますが、実はそんなことはなくて、結婚式のために、準備とか新郎新婦への聞き取りとかがありますから、一概に時給換算は実はできないんですね。

 でも、ちょっとインターネットとかで僕も調べてみたら、イベントの司会とかだと、最低でもやはり二千円ぐらい。高いものだと五千円というものもあったりするんですけれども、そういうものを先ほどの計算に当てはめますと、時給二千円だと二万三千五百円、二千五百円だと二万九千三百七十五円、三千円だと三万五千二百五十円になってしまいます。

 この金額の大小は、いい悪いはここでは論じることはしませんけれども、こうして見ると、約三十年間据え置かれている状況も、私はちょっと、余りいい状況ではないのかな、少なくとも、やはり議論はしていくべきなんじゃないのかなというふうに思いますし、特殊な専門職である車上運動員の現在の上限一万五千円というのは、ちょっと低い水準なのかなということも個人的には感じております。

 上限ですから、必ず上限いっぱい払わなければいけないということではありません。これは雇用契約の中で話し合って、あなたの能力だったらこれぐらいということができるわけですから。私は、やはり上限の議論というのは別にしてもいいのかなというふうに思っておりますし、こういったものを考えていくことは極めて重要だというふうに思っております。

 この問題も、これも各党でやはり協議をしなければいけない問題だというふうに思いますし、議員立法で是正していく問題だと思いますので、ここにおられる、特に理事、委員の皆さん方には、是非前向きに議論を進めていただきたいなというふうに思っております。

 こういう問題を解決していくことが、冒頭の明るい選挙に非常に通じることだと思いますし、是非、この問題、解決するべきなんじゃないかどうかということをちょっとお伺いしたいというふうに思います。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 車上等運動員などの選挙運動員に対し支給することができる報酬の基準額については、御指摘のように様々な御意見があることを承知しております。

 報酬の基準額の在り方については、選挙運動員への報酬の支給等について定めた公職選挙法第百九十七条の二の規定が議員立法により創設されたものであること、また、報酬の基準額については、金のかからない選挙の実現という観点も踏まえる必要があることなどから、これは従来から国会で答弁しているとおりでございますけれども、各党各会派において御議論いただいて、その意思を受けて総務省として対応することになるものと考えてございます。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 先ほどの政治団体の、名前を冠した政治団体の話もそうですし、この車上運動員の報酬の上限の引上げについてもそうですが、やはり公平公正な選挙、そして明るい選挙という観点で見れば、きちっと取り組んでいかなければならない問題だというふうに私自身は考えておりますので、是非、各党会派の皆様方の御協力をお願いしたいというふうに思います。

 最後に、一票の格差における民意の捉え方についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。

 私は個人的には、衆議院も参議院も大体同じような選挙制度で、選出方法であることが、それがいろいろな、国民の皆さんから、例えば参議院不要論とかいう方もいらっしゃいますけれども、やはりちょっとそこに問題があるのかなという認識がございます。

 もちろん、人口で考える民意が非常に重要だということはもう言うまでもないわけでありますが、これが今の一票の格差とかにもつながっているわけですけれども、これを放置することはやはり政治の怠慢であろうというふうに思いますから、何とかここは是正をしていかなければいけないなと思う中で、ただ一方で、民意は人の意思でございますから、私は、様々な形の民意があるというふうに思っております。日本国民の、個人としての民意もあります。職業を持たれている方で、その業種の方々が持つ特有の民意というものもあるでしょう。文化芸術に関わる方々の、こんなものがあったらいいんじゃないのかという、そういった民意もあると思います。

 同じ日本国民でも、立場や居住する場所、いろいろなものが違う中で、こういう考え方を持っている、こういう考え方を持っている、その自分の暮らす環境の中で捉えられる民意というものも、やはり反映される制度が私はあってもいいのではないかなというふうに思っております。

 有権者数にとらわれない地域代表というような考え方、例えばアメリカの上院みたいな、そういったことは憲法改正とかが当然必要になってきますから、国民の理解を進めていかなければならないんですね。でも、そういった制度上の、制度をどういうふうにしていかなければいけないという前に、民意というものの考え方そのものをやはり整理して共有をしていくことも、私は重要なのではないかなというふうに思っております。選挙によって様々な民意が反映されることは、民主主義において、私は歓迎されるべきことだというふうに思っております。

 どうやったら世の中にある民意を反映できるのかということを、当選八回を数える大先輩で、経験豊富な、選挙では無類の、他を寄せつけない強さを誇る金子大臣の御所見を伺いたいというふうに思います。

浜田委員長 金子総務大臣、時間が来ておりますので、簡潔に願います。

金子(恭)国務大臣 済みません、時間の関係で、いっぱいお答えしたいところでありますが、民意の在り方というのはそれぞれあると思います、海外を見ても、国内においても。

 いずれにしても、衆議院及び参議院の選挙制度の在り方については、議会政治の根幹に関わる重要な問題であることから、各党各会派において御議論いただく事柄と考えております。

 申し訳ありません、時間の関係で、この程度とさせていただきます。

山本(剛)委員 委員長、ありがとうございました。

 時間になりましたので、終わらせていただきます。

浜田委員長 次に、斎藤アレックス君。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。国民民主党の斎藤アレックスでございます。

 本日は、投票率に関し、投票率を上げるためという観点で、インターネット投票についてということで通告をさせていただいておりますので、そのことについて少し質問させていただきたいと思います。

 まず、やはり、民主主義をしっかりと確立していくということは、今のロシアの状況を見ていても、健全な民主主義を育てて、皆様に、しっかりと有権者の方に参画をしていただく、そういった政治体制を守っていく、強くしていくことが改めて重要だなということを私も感じております。

 そういった意味で、やはり、皆様に政治参画をしていただくためには、まず何よりも大事なのは、政治に希望を持っていただくこと、一票投票をすれば、また参画をすれば、自分たちの意見は反映されて政治が変わるということを、皆様にもう一度政治に対して希望を持っていただくことがまず何よりも重要だと考えておりますので、私たち国民民主党も、公約でお約束をしたことを一つでも実現をするために全力を尽くしているところでございます。

 それと同時に、やはり、テクニカルな面でも、投票しやすい環境をつくっていくこともとても重要だと考えております。そういった中で、究極的にはインターネットで投票することができるようにするべきではないかという議論もありまして、私たち国民民主党も、さきの国会で超党派で、インターネット投票の推進に関する法案を提出をさせていただいたりなどしております。

 現在の政府のインターネット投票に関するお考え方、取組状況について、まずお伺いできればと思います。

金子(恭)国務大臣 斎藤委員御指摘いただきましたが、インターネット投票は、投票しにくい状況にある選挙人の投票環境向上にとって有用と考えられておりますが、一方で、投票管理者や投票立会人が不在の投票となることから、選挙の公平公正の確保を図ることは大変重要なことと認識をしております。

 現在、総務省において検討を進めております在外選挙におけるインターネット投票については、例えば、遠方から在外公館に赴く必要がなくなること、郵便等投票において投票用紙の郵送に要する時間や費用が軽減されることなどのメリットがあるものと考えておりますが、確実な本人確認、投票の秘密の確保、システムのセキュリティー対策など解決すべき重要な課題もありますことから、現在検討を進めているところでございます。

斎藤(ア)委員 大変技術的な問題であったりとか、乗り越えなければならないハードルもたくさんあると思うんですけれども、是非とも検討を進めていただきたいと思います。

 こういったインターネット投票が実現できるようなデジタル化が進むということは、それだけ日本政府のデジタル化が進んだということの証左にもなると思いますので、サイバーセキュリティー対策なども含めて、是非積極的に検討していただきたいというふうに思います。

 こういったインターネット投票をする際に、マイナンバーカードを活用したりということが想定をされると思うんですけれども、現状、実証試験なども行われていると思いますけれども、どういった本人確認の方法などが考えられるというか、御検討されているのか、お伺いをしてもよろしいでしょうか。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 在外選挙におけるインターネット投票についての検討を進めている中で、本人確認手段としては、マイナンバーカードの公的個人認証の仕組みを用いるということを想定をしておりまして、投票手続においては、マイナンバーカードを利用し、本人が設定をした二種類のパスワードを入力することになるために、所有物認証と知識認証によって成り済ましの防止が図られるものと考えているところでございます。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 インターネット投票というのを究極の目標にしながらも、マイナンバーカードの活用が進めば、不在者投票であったりとか、そういったものの利便性も向上できるのではないかなというふうに考えております。

 私の選挙区の近くの話で恐縮なんですけれども、例えば私の選挙区には大津市というところがあって、その選挙区の境のところに、隣の草津市に、関西で一番大きなイオンのショッピングセンターがあって、そこでは草津市の不在者投票が行われていますので、大変利便性が高いんですけれども、大津市の方は、お客さんは大津市のお客さんが多いんじゃないかぐらいなんですけれども、そこでは不在者投票はできないということで、不便だという声がよく上がるわけでございます。

 こういったお話を地方自治体にしても、そういった投票所を設置するのにも人も必要で、なかなか、しかも、市域外にそういったことを設置するのは、いろいろ支障があってできないということになってくるんですけれども。

 ただ、マイナンバーカードを使えば、自分が住んでいる市ではなくても同じ県であれば、例えば投票できる、不在者投票ができるようになるとか、そういったことの可能性も広がってくるのではないかなというふうに思っておりますけれども、そういったお話、御検討というのは、省内でされたことというのはあるんでしょうか。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 今ほどのお話は、滞在地における不在者投票のことかと存じますけれども、今でも、マイナポータルなどを活用して、不在者投票用紙の請求をして、届けられたその投票用紙を持って滞在地に出向くというようなことは可能となっておるところでございまして、こういったものの活用だとか、あるいは、より滞在地における不在者投票がやりやすいように、どのようなことが引き続き更に考えられるのかというような検討だとか、そういったことについては進めておるところでございます。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 もう時間ですのであれですけれども、やはり投票に皆様に行っていただく、投票だけではなくて、やはり政治に参画をしていただくということが、この国の自由と民主主義を守っていく上で極めて重要だと思いますので、何よりも、政策とか政治家の発言とかで、有権者に対する参画を、意識を高めていただくことが重要だと思いますけれども。

 それに加えて、こういった技術的な面でも利便性を高めていくということがとても大事だと思いますので、改めてインターネット投票の推進を、実現を最終目標として、いろいろな取組に是非とも総務省としても取り組んでいただきたいと思いますし、また、これまで行ってきたような議員立法での提案なども続けさせていただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 本日はありがとうございました。

     ――――◇―――――

浜田委員長 次に、内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。金子総務大臣。

    ―――――――――――――

 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子(恭)国務大臣 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 この法律案は、最近における物価の変動、選挙等の執行状況などを考慮し、選挙等の円滑な執行を図るため、国会議員の選挙等の執行について国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定するとともに、基幹放送事業者における中波放送の超短波放送への転換に伴い、超短波放送の放送設備により政見放送をすることができることとするなどの措置を講ずるものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律に関する事項であります。

 最近における選挙等の執行状況を踏まえ、移動期日前投票所の設置に要する経費を措置するための規定及び災害の発生や感染症の蔓延等により生じた経費のうち基準額を超えるものを措置するための規定を整備するとともに、事務費などの基準額を改定することとしております。

 また、最近における物価の変動などを踏まえ、投票所経費、開票所経費などの基準額を改定することとしております。

 第二に、公職選挙法に関する事項であります。

 現在、中波放送の放送設備により行うこととされているラジオ放送による政見放送について、基幹放送事業者における中波放送の超短波放送への転換に伴い、超短波放送の放送設備により行うことができることとしております。

 なお、この法律は公布の日から施行することとしておりますが、公職選挙法の改正に係る部分については公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

浜田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時六分散会


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