衆議院

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第4号 平成30年2月28日(水曜日)

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平成三十年二月二十八日(水曜日)

    午後零時五十分開議

 出席委員

   委員長 古屋 範子君

   理事 井上 信治君 理事 池田 道孝君

   理事 橘 慶一郎君 理事 原田 憲治君

   理事 務台 俊介君 理事 武内 則男君

   理事 奥野総一郎君 理事 高木 陽介君

      井野 俊郎君    井林 辰憲君

      小倉 將信君    大西 英男君

      岡下 昌平君    金子万寿夫君

      川崎 二郎君    菅家 一郎君

      木村 次郎君    小林 史明君

      高村 正大君    左藤  章君

      佐藤 明男君    新藤 義孝君

      谷  公一君    冨樫 博之君

      鳩山 二郎君    穂坂  泰君

      三浦  靖君    宮路 拓馬君

      山口 俊一君    山口 泰明君

      岡島 一正君    高井 崇志君

      長尾 秀樹君    山花 郁夫君

      井上 一徳君    小川 淳也君

      寺田  学君    太田 昌孝君

      原口 一博君    本村 伸子君

      丸山 穂高君    吉川  元君

    …………………………………

   総務大臣         野田 聖子君

   総務副大臣        奥野 信亮君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   総務大臣政務官      小倉 將信君

   総務大臣政務官      小林 史明君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 松尾 泰樹君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        池田 憲治君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  黒田武一郎君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (消防庁次長)      緒方 俊則君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     高村 正大君

  金子万寿夫君     宮路 拓馬君

  宗清 皇一君     岡下 昌平君

  山口 泰明君     井野 俊郎君

同日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     山口 泰明君

  岡下 昌平君     宗清 皇一君

  高村 正大君     井林 辰憲君

  宮路 拓馬君     金子万寿夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 持続可能な地方税財政基盤の確立及び東日本大震災等への対応に関する件


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     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長松尾泰樹君、総務省大臣官房地域力創造審議官池田憲治君、自治財政局長黒田武一郎君、自治税務局長内藤尚志君及び消防庁次長緒方俊則君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。

務台委員 務台俊介でございます。

 二年ぶりの総務委員会での質問でございます。まとまった時間を与えていただいて、心から感謝を申し上げたいと思います。

 まず、総務省に、平成二十九年度の国税、地方税、そして、それを合わせた租税総額の見込みについて伺いたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十九年度の税収につきまして、現時点での実績見込みでございますが、国税が、特別会計分を含め六十一・三兆円、地方税が、超過課税等を含め三十九・六兆円、国税、地方税を合計いたしました租税総額は百・九兆円と見込んでいるところでございます。

務台委員 ただいま局長からお話しいただきましたが、総務省が公表している平成三十年度の地方税に関する参考計数資料によりますと、ことし、国税六十一・三兆円、地方税が三十九・六兆円、合わせて百・九兆円となりまして、これは初めて百兆円を超える租税総額となります。

 平成三年に一旦九十八・二兆となった額が、その後、民主党への政権交代が行われた平成二十一年度で七十四・五兆円にがくっと落ちた。その後、増加傾向があり、ようやく八年間かけて二十五兆円もの増収を果たして、今年度百・九兆円ということになるということでございます。

 よく総理も国税収入が六十兆円を超えたという話をするんですが、国税、地方税合わせて百兆円を超えたという話が全く新聞紙上にも出ない、マスコミでも取り上げられない。この点について、百兆円を超えるというのは画期的なことだと思いますが、大臣の御認識を伺いたいと思います。

野田国務大臣 務台委員にお答えしたいと思います。

 指摘のとおり、平成二十九年度の国、地方合わせた租税総額の実績見込みは百・九兆円となっておりまして、初めて百兆円を超える見込みであります。

 そして、今御指摘の地方税については、三十九・六兆円、過去最高であった平成十九年度に次ぐ水準ですけれども、全額が地方に譲与される地方法人特別税を含めると四十一・五兆円となり、過去最高となる見込みです。これは、これまでの経済再生に向けた施策が成果を上げていることが税収にあらわれてきているものだと考えています。

 今後とも、地域経済の好循環の拡大に向けた諸施策をより一層推進することにより、地方税のさらなる増収が図られるよう取り組んでまいります。

務台委員 私、資料を用意させていただきましたが、昭和三十一年、私が生まれた年なんですが、そのときは一兆五千億程度でございます。六十年ちょっとで百兆円を超えるということは画期的なことだというふうに思います。

 決算が確定してからでいいんですが、できれば租税総額百兆円突破記念式典か何かやっていただいてもいいんじゃないか、それぐらいのやはり大きな実績だというふうに思います。よく御検討いただきたいと思います。

 一方で、歳出の方なんですが、これは黒田局長に伺いたいんですが、平成に入ってからの国の歳出に対する地方歳出の割合、この推移について伺いたいと思います。

黒田政府参考人 お答えいたします。

 平成元年度から直近の平成二十八年度の決算におきまして、国の歳出に対する地方の歳出の割合につきましては、平成七年度の一三〇・三%をピークとして低下傾向にございます。

 それで、平成二十一年度の九五・二%を底として、その後ほぼ横ばいでありまして、平成二十八年度、直近では一〇〇・六%となっております。

務台委員 ありがとうございます。

 以前は、地方歳出の方が国の歳出よりも多かったという時代が続いておりました。今局長がおっしゃったように、平成七年度は地方の歳出が国よりも三割も多いという状況でございました。それが、二十八年度には一〇〇・六ということで、ほぼイコール。二十九年度見込みを見ますと、総務省の資料だと八八・八%になっているということで、このままになるかどうかはわかりませんが、大分減りそうだということでございます。

 こういう地方歳出の相対的な減少傾向というのはどのような理由に基づくものなのか、ちょっと伺いたいと思います。

 さまざまな要因はあると思いますが、私の肌感覚としては、最近、地方が歳出を非常に締めているという感じがします。地方では、特に公共事業に関しては、補助金がつかないと一切事業を行わない、そういう自治体も出ているように思います。地元の事業者の皆様も、地方の単独事業の仕事が出てこない、そういう声をつとに聞いております。

 アベノミクスの景気効果が地方に及んでいないという現象が地方自治体の歳出抑制によりもたらされているのではないか、こんな評価もございまして、これがこの数字にもあらわれているのではないかということも言われます。この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。

野田国務大臣 繰り返しになりますけれども、国の歳出に対する地方の歳出の割合は、平成元年度以降のピークである平成七年度決算では一三〇・三%であるのに対し、直近の平成二十八年度決算では一〇〇・六%となりました。

 国と地方では財政制度や経費構造が異なることに留意が必要ですが、この割合の低下は、地方の歳出がほぼ同水準であるのに対し、国の歳出は三割程度増加していることによるものです。

 具体的には、地方の歳出を平成七年度と平成二十八年度で比較しますと、扶助費や公債費が増加する一方、人件費や投資的経費が抑制されています。

 地方の歳出抑制の御指摘については、地方団体は、厳しい財政状況の中、地域の実情を踏まえ、さまざまな工夫を凝らしながら財政運営を行っているところです。

 また、昨年実施した基金の調査においても明らかになったように、地方団体は財政面で将来不安を抱えています。

 こうした将来不安を取り除くためには、できる限り臨時財政対策債を抑制するとともに、地方税財源を安定的に確保することが大切です。さらに、真に必要な事業を適時適切に実施できる環境の整備も重要だと思われます。

 こうした考えに基づきまして、平成三十年度地方財政対策では、前年度を上回る一般財源総額を確保するとともに、臨時財政対策債を抑制しています。また、公共施設等の老朽化対策についても、事業内容を拡充した上で事業費を増額しています。

 今後とも、地域の資源を最大限活用しながら、地域経済の好循環の拡大を進めることなどにより地方税等の増収を図る、そして地方団体が安定的に財政運営を行っていけるよう、しっかりと対応してまいります。

務台委員 やや具体的な使い道についてのお話になりますが、緊急防災・減災事業債というのが、平成三十年度も五千億円という規模を用意していただいております。消防の補助金もなかなか厳しい中で、地方の単独事業として一〇〇%充当、交付税算入率七〇%という非常に有利なこの地方債が有効に活用されているというふうに思います。

 一方で、先ほど申し上げたように、そうはいっても、なかなか地域で不可欠な事業が進まないという現状もあります。財政規律に留意しつつ、緊急防災・減災事業債のような事業費補正の仕組みを適切に有効活用するということは一つのアイデアではないかというふうに思います。

 ただいま大臣から、環境の整備、そして公共施設老朽化対策を拡充するというお話がございましたが、普通会計でなくても、例えば水道事業のような公営企業会計、水道事業のようなものが、地域密着性もあり計画的に実施できる事業だと思います。補助金を使わないで、単独事業でこうした分野への対応、これも可能ではないかというふうに思います。

 そこで、平成三十年度の措置で、公共施設等適正管理推進事業債の対象事業、交付税措置が一定程度拡充されている、この考え方を伺うとともに、今後、更に水道事業等についても対象にできないか、御検討をお伺いしたいと思います。

奥野副大臣 今の御質問、大変地方の苦しい財政事情を吐露されているんだろうと思うんですが、大分前に建設された公共施設が大量に更新時期を迎える中で、地方公共団体の財政は大変厳しいという認識は、ちゃんと私ども持っているわけであります。

 そんな中で、公共施設等の総合的な、かつ計画的な管理を推進することは極めて重要な課題でありまして、公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画を策定し、これらの計画に基づいた具体的な事業を進めていく段階に入っております。

 私どもでは、各地方公共団体におけるこれらの取組を一層推進するため、公共施設等の適正管理推進事業債について、できるだけ皆さん方の期待に応えようではないかということで、長寿命化事業の対象を拡充していきたい。

 具体的に言うと、例えば長寿命化事業というのは、公共用建物の改修とか、河川、港湾、砂防、治山、農道等の社会基盤施設の改修にしっかりと手を差し伸べていこうじゃないかとか、あるいは、ユニバーサルデザイン事業、具体的に言うと、公共施設等のユニバーサルデザイン化のための改修、そういったものにも手を差し伸べていこう、そして、そのウエートはできるだけ大きくしていこうじゃないか、こんなことを考えているわけであります。

 そんな中で、今お尋ねの水道事業でありますけれども、人口減少社会の到来や節水型社会への移行によって、施設等の老朽化に伴う更新投資の増大などによって経営環境が厳しさを増しつつあるということは認識している次第であります。

 そのため、水道事業の安定的な経営に向け、施設等の統廃合、民間活用、広域化等による合理化や、特にその中で最近よく耳にする話は、水道事業をPFIとかPPPといった民間活用を積極的に進めていくとコストが下がるではないかというようなことも指摘されるわけでありまして、そういったことは積極的に使っていっていただければな、こんなふうに考えているところであります。

 そうした中で、今後、必要な更新投資の実施に伴って、中長期を見通したときに、経営努力を行っても持続的な経営が困難な団体が出てくることが懸念されることから、私どもとしては、水道財政のあり方に関する研究会を設置し、必要な対応策を研究しているところであります。

 この研究会における有識者の御意見も伺いながら、水道事業の持続的な経営を確保していくための対応策等を検討してまいりたいと思っております。

 いずれにしても、市町村の長が基本的には私どもの方を向いていろいろなことを申していただく背景は、市町村民が満足をしてくれるような施策を実行できる体質を、あるいは体制をつくっていくことは大事なことでありますから、それは私どもとしても認識しておりまして、できるだけそういうリクエストに応えられるような手を打っていきたいと思っております。

務台委員 ありがとうございます。

 私、資料を用意させていただきましたが、四ページを見ていただくと、自治体が行う普通建設事業費の推移を書いてあります。補助事業は少しずつ戻ってきているんですが、単独事業は平成五年、六年、七年くらいの三分の一規模に縮小したままであるということがございます。

 一方で、七ページを見ていただきますと、地方公共団体の基金残高、一時は事業費の減少とともに基金残高も減っていたんですが、最近では、事業費が停滞する中で、基金残高はどんどんふえている、こんなことがあります。歳出を締めることで、歳入、基金が増加している、このようなコントラストのように思われないような、住民のためになる仕事をしっかり出していく、そういう観点も必要だと思います。

 その一つの蛇口として、水道事業を活用していただく、水道事業の研究会を総務省の中におつくりいただいている、ぜひ前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。

 次に、消防防災行政でございます。

 消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が平成二十五年末に成立しております。その法律の八条では、消防団の抜本的な強化を図るため、必要な措置を政府は講じるんだ、自治体は講じるんだ、このように書いてあります。

 この法律ができた後、消防団への加入の促進、処遇の改善、装備の改善という点について、どのように進捗度合いが図られているか、伺いたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 平成二十五年十二月に成立いたしました消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律に基づきまして、消防庁におきましては、消防団への加入促進や、消防団の処遇、装備の改善など、消防団の充実強化に向けた取組を、推進をやっております。

 消防団員の総数でございますけれども、年々減少が続いておりますけれども、一方で、女性や学生の消防団員は年々増加をいたしてきておりまして、平成二十五年四月と比較いたしますと、平成二十九年四月には、女性団員は約二〇%、学生団員は約六五%増加をいたしております。

 また、消防団員の年額報酬でございますけれども、全国の条例平均額は三万円を超えまして、少しずつ改善をしてきておりまして、無報酬団体は平成二十七年度中に全て解消となっております。

 さらに、平成二十六年二月に消防団の装備の基準の改正を行いまして、以降、消防団の装備に対します交付税措置を大幅に引き上げてまいりました。

 最近の調査によりますと、消防団に係ります装備の予算措置状況につきましては、全国の自治体の合計で平成二十九年度は約七十二億円となりまして、対平成二十五年度比で約二十六億円増加をいたしており、この予算のもとで装備の充実が進められてきております。

 今後とも、消防団への加入促進を進めていくと同時に、年額報酬の改善、装備の集中的、計画的な改善につきましても引き続き進めてまいりまして、消防団の充実強化につきまして全力で取り組んでまいります。

務台委員 現場の消防団の方がこの法律に大変期待しております。

 ただ、私も先週末に地元に帰りましたところ、消防団の、例えば出動手当が頭打ちになって、なかなか上げてもらえない、そんな話も聞こえてきます。ぜひ、この法律の施行後の改善について、これまで以上の取組をお願いしたいというふうに思います。

 さて、昨年の三月五日に松本市の山中に長野県消防防災ヘリが墜落し、九名もの貴重な命が失われました。それから一年が経過しようとしております。私の知人の御子息も犠牲になられまして、遺族のショック、地元の落胆は想像を超えるものがございます。

 県では、借り上げ機体納入前の研修、ヘリによる訓練再開、そして活動再開に向け、再建に全力を尽くしているところでございます。消防庁としても、その再建に向けて最大の支援をお願いしたいと考えておりますが、現時点の進捗状況、そしてそれに向けての支援について伺いたいと思います。

野田国務大臣 お答え申し上げる前に、昨年三月五日のこの長野県消防防災ヘリコプター墜落事故、亡くなられた九名の皆様方に改めて哀悼の意を表し、そして御家族の皆様方にお悔やみを申し上げたい。

 まず、長野県では、事故を受けて、消防防災航空体制のあり方検討会が設置されました。二人操縦体制の導入などのさらなる安全対策や、運航再開に向けた方向性が示されました。

 また、新機体購入までの借り上げ機体が配備され、運航再開に向けて、三月上旬から飛行訓練を開始する予定と聞いております。

 消防庁においても、消防防災ヘリコプターの安全性向上、充実強化に向けて、昨年八月に外部有識者及び関係機関から成る検討会を設置いたし、二人操縦体制の導入、安全運航に係るチーム力向上策、操縦士の養成確保策などについて幅広く検討を行い、今後の消防防災ヘリコプターの安全運航の指針となるものを今年度内に取りまとめる予定です。

 そして、地方公共団体が緊急消防援助隊として登録されるヘリコプターの機体を整備する場合には、元利償還金に交付税措置のある緊急防災・減災事業債の対象となります。また、操縦士の資格取得に要する経費についても、平成二十九年度より地方交付税措置を講じています。

 このような取組で、消防防災ヘリコプターの安全性の向上及び長野県消防防災ヘリコプターの再建が円滑に行われるよう、必要な支援をしっかり進めてまいります。

務台委員 ありがとうございます。

 長野県としても大変期待しておりますので、よろしくお願いします。

 次に、日本の消防防災システムの海外展開について伺わせていただきたいと思います。

 日本の消防防災システムの水準は、先進国の中でも相当高い水準にあるというふうに評価されております。これも消防庁の予防行政の成果、それから業界の皆様の努力のたまものであると、高く評価させていただきたいと思います。

 一方で、そのすぐれたシステムが、なぜか海外展開の面においてはおくれをとっているというのが、大方の思いではないでしょうか。我が国の防災技術を世界展開する上で一つのボトルネックになっているというのが、日本の機器、製品が世界水準、世界基準上位置づけられていないという課題があります。

 資料で、六ページに用意させていただいておりますが、アメリカではNFPA、これは全米防火協会の基準でございます。欧州にはENというものがある。そして、最近、中国ではCCCという基準を持ち出して世界展開を図っている。これらが事実上の国際基準となっております。その基準に適合した欧米、中国の防災機器が外国で売られている、日本は指をくわえて見ているというのが状況でございます。

 日本には、日本消防検定協会やJISなどがありますが、消防機器に関しては、どちらかというと国際展開できていない、網羅的なものではない。企業の方に聞くと、日本の製品の品質は高いのに、日本の検定の国際通用力がないので世界で戦えない、こういう声が聞こえてきます。

 防災分野での世界貢献を本格化する中で、この面の取組も我が国がこれから強化する必要があるのではないか、私もそう思っております。

 ほかの省庁では既にそれぞれが所管する社会インフラの海外展開を進め、今回、国交省では、担当分野の海外インフラ事業展開推進に向けて大きく踏み出すなどの措置が講じられようとしております。

 消防庁としても大きく踏み込んだ対応を考えていただきたいと思うんですが、考え方を伺いたいと思います。

小倉大臣政務官 日本の消防防災システムが特にアフターメンテナンスの観点から世界じゅうで高い評価をいただいているというのは、務台委員の御指摘のとおりでありますし、また、日本と気候とか建物の形状、そして町並みが似通っている東南アジアの地域を中心に、日本の消防防災システムが高い期待を寄せられているというのもお聞きをいたしております。

 その上で、消防庁といたしましては、日本規格に適合し、すぐれた品質を有する消防用機器等につきまして、諸外国の消防防災関係者に御理解をいただくことで日本企業による海外販売を促進するように環境整備に取り組んでまいります。

 まず、日本規格の英語版を消防庁のホームページで公表するなど、日本の消防用機器等の品質や、規格、認証制度を海外へ発信しているほか、関係機関と協力をして貿易支援のセミナーを開催するなど、これから海外進出を目指す日本企業に対する支援を行っています。

 アジア諸国を主たる対象として、我が国の消防制度や消防防災技術を紹介をする国際消防防災フォーラムにおきましては、平成二十五年度から民間事業者にも御参加をいただきまして、相手国の消防防災関係者や代理店候補となり得る企業に対しまして、自社製品を紹介できる場を提供しております。参加事業者の中には、カンボジアやマレーシアで営業活動につながったものもあると聞いております。

 さらに、個別の国に対する取組といたしましては、ベトナム当局が消防用機器等の規格の更新、制定に取り組もうとしていることから、日本規格に適合する消防用機器等の販売、設置が円滑に行われるよう、補正予算を活用した先方政府関係者の招聘を提案するなど、ベトナム当局に対して働きかけを行っているところであります。

 務台委員御指摘のとおり、他省庁の先行的な取組、あるいは総務省内も、テレコムでありましたり電波あるいは地デジの関係で先行して取組を進めておりますので、そういった取組も参考にしながら、消防関係の海外展開に関しましても取組の強化を図ってまいりたいと考えております。

 まず、相手国の規格に働きかけるに当たっては、ハイレベルでの働きかけも必要となりますことから、私も先頭に立って取り組んでまいります。

 また、消防用機器等の海外展開をより一層推進していくに当たりまして、官民双方の体制を整備していくことは重要であると認識しております。現在、民間事業者団体や日本消防検定協会等との懇談会を立ち上げて海外展開に関する情報交換を行っておりまして、このような場を通じて、しっかりと連携して取り組んでまいります。

 また、務台委員にも御指導いただきながら、より踏み込んだ対応を総務省消防庁としても行ってまいります。

 以上です。

務台委員 大変前向きで、これまでにない対応をいただいているというふうに思います。

 一方で、日本の国の歩み方として、ルールの中で戦うというのは得意なんですが、自分でルールをつくって踏み出すということがこれまでは不得意だったように思います。ルールメークの面でもどんどん出ていっていただきたい。日本の立派な基準が世界基準として通用する、そんなことをやっていただきたいと思います。

 そして、消防庁の中でも、こういう海外展開を行うためのスタッフとか組織体制もしっかり整備していただきたい、こんなことも申し上げたいと思います。

 さて、税の世界に入りたいと思います。

 平成三十年度の税制改正では、かねてからの課題であった森林環境税、そしてインバウンドに備えた観光振興税も実現する見通しとなっております。税収は大きくなくても、使途が明示された新税が創設されるということは画期的だと思います。

 財政が厳しい状況にある中で、特定の政策分野を大幅に拡充するためには、一般財源に頼るというのはなかなか厳しい。目的税を導入することが財政当局の理解も得られやすいという事情はあるとは思いますが、林野庁、観光庁といった特定の行政目的に特化した官庁が税制導入に汗をかくという姿は、これはこれで大変頼もしいというふうに思います。数年前に地球温暖化対策のための税も導入されましたが、それもその一端であるというふうに思います。

 一方で、消費税の導入時、引上げ時に、それまで存在した地方固有のユニークな税であった電気税、ガス税、娯楽施設利用税、木材引取税、こういった地方の間接税が大幅に整理された経緯がございます。現在は、どうしても税を入れると偏在という事実があるものですから、地方税ではなく国税として入れてこれを地方に分ける、そんなやり方が最近一般化しているというふうに思います。

 私、昔役所で地方税の仕事をしていたこともあり、そういう立場からすると少し残念な傾向だとも思うんですが、こういう傾向について、税を所管する立場としてどのようにお考えか、伺いたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができますよう地方税の充実確保を図ることは大変重要だと考えております。

 その際には、税源には偏在性があること、地方団体間の財政力格差の動向などにも配慮していく必要があると考えております。

 これまでも、地方税体系の中で、地方税の充実と税源の偏在是正の両立を図る観点から、個人住民税の一〇%比例税率化による税源移譲、地方消費税の創設及び拡充などに取り組んできたところでございます。

 一方で、地方税による対応のみでは、税源偏在という課題に対しましては一定の限界があることも事実でございます。

 こうしたことを踏まえまして、地方税を充実していくこととあわせて、補完的に、偏在を是正するという観点から、地方譲与税や地方交付税の原資とするために、国税として地方法人特別税や地方法人税の仕組みも取り入れてきたところでございます。

 また、森林環境税、仮称でございますけれども、これにつきましては、財政需要に合わせて適切に財源が確保されますよう、国税にした上で譲与する制度とすることが最も適切であるということから、国税として制度設計するという仕組みをとったところでございます。

 ただ、いずれも交付税及び譲与税配付金特別会計に直入をいたしまして、その全額を譲与、交付することとするなど、地方の固有財源であるということは明確にしているところでございます。

 今後とも、地方税の充実確保を基本といたしまして、地方税の税財源の確保に努めてまいりたいと考えております。

務台委員 ありがとうございます。

 局長からは、補完的手法として国税化というお話もございました。地方自治体が課税を強化すればするほど税源の偏在度合いが増すということが本当に地方税充実の際の最大の悩みであることは、私も重々存じ上げております。

 全国知事会などにおいては、偏在度の小さい地方消費税を充実し、偏在度の大きい地方法人二税を逆に国に移すといった税源交換の検討も行われていると承知しております。

 一方で、大西先生もいらっしゃいますが、東京都、愛知県等の大都市の団体は偏在の是正自身を懸念しており、団体ごとの利害が対立する問題だというふうに認識しております。

 今回の地方消費税の清算基準の見直しにおいて結果として税収配分が減る東京都などは大変反発しております。私も「都民の税金が奪われる!」という東京都作成の文書を見ましたが、なかなか役所作成の文書としては過激だと思われるような中身が並んでおりました。この十年間で、法人事業税の分割基準の見直し、法人事業税の暫定措置、ふるさと納税、法人住民税の一部国税化、そして、地方消費税の清算基準の見直しで東京都は大打撃だという主張が書かれております。

 この間の税源偏在是正の動きについての経緯を少し振り返って概説し、結果として都の税収がどのように推移しているのか、お示しいただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、地方税収が全体として増加いたしますと、税源の偏在を背景に地域間の財政力格差が拡大いたしますため、偏在是正の必要性が高まってまいります。

 平成二十年度には、急速な税収回復等を背景といたしました地域間の財政力格差拡大に対応いたしますため、税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の暫定措置として地方法人特別税・譲与税を創設したところでございます。

 また、この偏在是正効果を維持しつつ、地方消費税の充実により生ずる地域間の財政力格差の縮小を図りますため、消費税率八パー段階におきましては、法人住民税法人税割の交付税原資化を行いますとともに、地方法人特別税・譲与税の規模が三分の二に縮小されたところでございます。

 また、消費税率一〇%段階におきましては、法人住民税法人税割の交付税原資化を拡大いたしますとともに、地方法人特別税・譲与税は廃止することとなっているところでございます。

 なお、法人事業税の分割基準の見直し及び地方消費税の清算基準の見直しは、税源帰属の適正化を図る観点からのものでございますし、ふるさと納税制度は、ふるさとや地方団体を応援する気持ちを橋渡しする仕組みでございまして、いずれも偏在是正を目的とするものではございませんけれども、結果として東京都の税収が減少することとなっております。

 これらを踏まえまして、東京都の税収の推移でございますけれども、これらの措置を講じる前の平成十九年度は、それまでの最高の約五・五兆円でございました。その後、リーマン・ショック等の影響により一時的に税収が落ち込みましたが、その後、経済再生の取組等によりまして、これらの偏在是正措置を講じた後の地方法人特別譲与税を含む東京都の税収は、平成二十八年度には約五・六兆円まで増加をしているところでございまして、これは偏在是正措置が行われる前の水準を更に超えるものとなっているところでございます。

務台委員 さすが東京都で、偏在是正を加えてもなお、それ以上の税収を上げている。大西先生も余り心配したことはない、そういうふうに思いますので、どうか自信を持っていただきたいというふうに思います。

 地方消費税の清算基準の見直しについては、制度創設二十年を経て初めて抜本的な改革が行われたということで、私もその努力を評価したいと思います。一方で、今回の見直しで人口基準のウエートが五〇%に高まっております。清算の制度を前提とすると、本来であれば統計データの比率が高いことが望まれると思います。統計のさらなる拡充、そういう観点の考え方を伺いたいと思います。

 そして、統計データのカバー外の代替指標として人口を用いざるを得なかったという事情はわかりますが、その趣旨を改めて伺いたいと思います。

 そして、税源帰属の適正化を目指したという御説明もございましたが、偏在効果の是正も意図したという指摘には改めてどう答えるのか。

 そして、私も地方消費税導入のときに担当の課長補佐をしておりました。この当時は、制度導入時、地元の消費を喚起することで地方消費税の税収が地元に入るんだ、そういう言い方をしてきたものでございます。そういう意味でいうと、人口基準がウエートがふえた結果、地元の努力が税収帰属に結びつかない、報いられないという意見も出ようかと思いますが、この点についての総務省の考え方を伺いたいと思います。

小倉大臣政務官 務台委員から四点について御質問をいただきました。

 まず、統計のさらなる拡充につきまして、地方消費税の清算基準については、地方財政審議会のもとに設置をした学識経験者を交えた検討会におきまして、できる限り統計を活用して最終消費の額を把握するという観点に立ちまして、新たに清算基準として利用可能な統計データがないかどうかの検証を行いました。しかしながら、いずれの統計データも都道府県別の金額が把握されておらず、清算基準に用いるためには一定の推計が必要となりますことから、現時点では見当たらないという結論に達したところであります。

 ただし、務台委員御指摘のとおりでございます、現在進行中の統計改革などを踏まえながら、清算基準として利用可能な統計データがないかどうかにつきましては引き続き検討してまいりたい、このように考えております。

 続きまして、統計データのカバー外の代替指標として人口を用いることの是非についてでございます。今回の見直しによりまして統計データのカバー外が五割となったところでありますが、その代替指標につきましては、同じく検討会におきまして、まず、代替指標は、地方公共団体にも地方消費税の最終負担者である住民にもわかりやすい、簡素なものであることが必要、それに加えまして、電気、水道、情報通信業など、カバー外に存在すると推定される消費につきましては人口との相関関係が強いことなどから、人口が最も適当であると考えられるとされたことを踏まえ、人口を用いることといたしました。御理解を賜れればと思います。

 三番目といたしまして、偏在是正の効果も意図したという指摘に対しましては、今回の見直しは、平成九年度に地方消費税が導入されて以来、二十年が経過をしておりまして、その間の社会経済情勢や統計制度の変化などを踏まえて、地方消費税の税収を最終消費地の都道府県により適切に帰属させるため、清算基準の抜本的な見直しを行うものでありまして、偏在是正を目的として行うものではございません。

 四点目、最後でございます、自治体の努力が報われないのではないかという指摘に対してでございます。今回の見直しの後におきましても、できる限り統計を活用して最終消費の額を把握するという観点に立ち、例えば日常的な消費や飲食サービスなどについては、引き続き商業統計及び経済センサス活動調査を活用することといたしておりまして、消費活動を活性化させれば税収に反映されるという基本は維持されていると承知をいたしております。

 以上です。

務台委員 ありがとうございます。

 車体課税についてちょっとお伺いさせていただきたいと思います。

 今、新車登録から十三年を経過したガソリン車等については車体課税が重課されております。この政策目的は私は正しいというふうに思っております。一方で、一律にこれを適用する結果、例えば、年に一回か二回しか乗らないような、ノスタルジックカーと呼ばれる文化的価値の高い、歴史的価値のある車に対しても公道を走るという理由だけで重課される、これは少し行き過ぎではないかというふうに思います。諸外国では、ヒストリックカーというような形で、税の軽減措置、減免措置がある国もあるというふうに承知しております。

 車体課税、今年度の税制改正ではございませんが、平成三十一年度の税制改正では車体課税の議論も見込まれているところでございますが、この点についての総務省の御検討をぜひお願いしたいと思います。二年前の質疑でも、当時の高市大臣に、ちょっと検討してみたいというお話を伺いまして、ぜひそういう方向でやっていただきたい。ぜひお願いします。

奥野副大臣 まず最初に、さっき大臣と話したんですが、我々はクラシックカーという言葉は知っているけれども、ノスタルジックカーなんて知らないね、こんなことから始まりまして、私は自動車屋さんだというのは知っていますね。

 ですから、どういうふうに答えようかというのを考えたんですが、いずれにしても、外国ではヨーロッパ中心に、三十年たった車、四十年たった車は軽課されているという事実があることは知っております。

 日本では、燃費のいい車、排気がいい車については五〇%から七五%の軽課があるわけですが、逆に、古い車というか燃費の悪い車等々は一五%ほどの重課がされているわけであります。これは皆さん方御案内だろうと思いますけれども。

 しかしながら、そのノスタルジックカーというのがどのくらいのボリュームで存在しているかというのが、一番その価値のところにひっかかってくると思うんです。ですから、つくった量、そして廃車された量、今残っている車の量、そういったものを見ることも必要だろうと思います。

 それから、あるいは現行制度の趣旨とどう適合させるかということも考えなくちゃいけないし、文化財保護法との関係などの、歴史的な、あるいは文化的価値の評価のあり方も考えなくちゃいけないし、それから、投資目的で投資している方もたくさんいると思いますから、そういうのは保有者の担税力というのも見なくちゃいけない。

 そういった非常に広範囲の検討をしなくちゃいけないというふうに考えておりますけれども、前に、高市大臣のときにそういうことを申し上げたようでありますから、これから具体的に研究してまいりますけれども。

 私は、自分の感覚から言うと、私が自動車屋に入ったときは今から五十年前なんですけれども、五十年前につくった車は今ノスタルジックカーかというと、いや、クエスチョンマーク、こういう感じがしております。やはり、七十年、百年前の車はノスタルジックカーでいいなという感じがしておりますけれども、これは全く個人の感覚であります。

務台委員 ただいま、さまざまな論点があるというお話を伺いましたが、こういう点についてもしっかり詰めて、御要請をさせていただきたい、そんなふうに思います。

 合併算定がえについて伺いたいというふうに思います。

 平成の大合併で合併した市町村、これは本当に大変な努力で合併されたと思います。一方で、合併算定がえ期間が終了した後の財政措置については、総務省の努力で六千七百億円もの交付税の需要額の積み増しをしていただいた、これはありがたいと思います。

 一方で、地元で合併した旧町村部の話を聞くと、それでもなお、やはり衰退がとまらない、人口減少ということに加えて、合併したために地域の衰退が加速されている、そんな声をよく受けることが多いわけでございます。

 特に深刻なのは、合併市町村の周辺部の小中学校が本当になくなりかけている、これを何とかしなければいけない、そういう切実な声があります。今、学校選択制あるいは小規模特認校の制度があるんですが、それで実際に、例えば田舎の、地方の周辺部の小中学校に行くといった場合、財源措置がしっかりしていない、そういう実態があります。

 どうかこの合併算定がえ後の財源措置の中でこういう仕組みがしっかり導入できないか、そのことを伺いたいと思います。

奥野副大臣 平成の大合併というのが十年ちょっと前に行われたわけでありますが、それはそれぞれ賛否両論あったということは認識しておりますけれども、基本的には合併をしたわけでありますから、そういったところについては、行財政基盤の確立というのに積極的に協力していこうということで、今も我々は努力をしているところであります。

 ただ、私も、身近なところにそういうのがあったものですから、聞いていると、文化の違いがあるところが一緒になろうといっても、なかなかなじまないんだよねという声も聞こえてくるわけであります。それはそれとして、一旦合併してしまったんだから、それなりに我々も手をかさなくちゃいけない、それから、それぞれの地域も頑張って努力をしてもらわなくちゃいけない、こういったことでありますけれども、具体的にはいろいろな手を打っております。

 例えば、三市が一緒になったとするならば、もとの市に、それぞれに、例えば地域審議会とか地域自治区というようなものを設立して、よく話し合ってくれやというようなことも進めておりますし、うまく市民の納得を得るために、コミュニティーバスの運行とか、あるいは過去の市役所を分庁舎として使うとか、いろいろな手を打っておりますけれども、まだまだその成果が一〇〇%あらわれているというところは数えるほどしかないのかなという気がします。

 お尋ねの小中学校の話でありますけれども、これは面積との関係もあるんですよね。とんでもなく大きい地域にしてしまった場合に、それぞれ人がどんどん減っていく過程で、小学校、中学校へ行く人たちの数が減ってしまう。減ってしまうと、学童の、あるいは生徒の数も減ってしまう。そうした中で、親御さんたちの心配というのは、団体行動ができなくなるとか、あるいは競争関係を維持するのが非常に難しいとか、こんなような声も出ておるわけでありまして、実は、私のところは、合併しているわけじゃないんですが、大きな市で、小学校が二つも三つもあったところで、今現在、子供の数が減ってしまったので合体しようというような話を市民も賛成してくれたので、そういう方向にも走っております。

 いろいろな手があると思うんですけれども、そういったことをよく考えつつ、市民の意見を聞きながら、地方がしっかりとした判断をしてくれるということが必要だろうと思うし、それに対して我々がちゃんとサジェスチョンができるような体制をつくっていくことも必要だろうと思います。

 今の務台先生のおっしゃる学校制度については、地域を超えて行かせてくれというようなのも出てくると思いますけれども、そういった場合には、文部科学省の意見も聞きながら、きっちりと対応させていきたいな、こういうふうに思っております。

務台委員 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、木村次郎君。

木村(次)委員 自由民主党、青森県選出の木村次郎であります。

 昨年十月の初当選から四カ月たったところでございますが、きょうは、こうした質問をさせていただく機会をいただき、感謝申し上げたいと思います。

 私は、つい昨年八月末まで、青森県職員でございました。今は亡き兄、太郎が県議会議員で二十五歳で初当選したのが平成三年四月でございます。時を同じくして私も青森県職員となり、以来二十六年八カ月勤務したわけでございますが、この間、このうち十一年五カ月は、県財政あるいは市町村の行財政運営、そして地方創生を始めとする地域の活性化、市町村振興などに取り組んでまいりました。必然的に、国の省庁でいきますと、当時は自治省でございましたが、総務省さんとのかかわり、御縁を最も深くいただいてきたところでございます。今、こうして総務委員会委員としていろいろな議論にかかわらせていただいていることに、運命的なものを感じております。

 前置きが長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まずは、地方税に関してでございます。

 地方税制は、社会に大きな影響を与える重要な制度でございます。私の地元青森県の場合、青森市では、市内に住む個人の方が、二十億円もの寄附があり、大きなニュースとなったところでございます。青森県は残念ながら平均寿命ワーストワンでございますが、青森市は、この資金を、短命市返上を目指す取組、具体的にはアリーナの建設などでございますが、こういったものに充てることを検討し始めたところでございます。

 また、私が住む弘前市では、単に返礼品を充実させる取組ではなく、弘前城の百年ぶりの大改修を応援するプロジェクトに取り組むなど、ふるさと納税を活用したソフトの取組に注力しており、地域のにぎわい創出にも寄与しているところでございます。ふるさと納税は、地域の活性化に大きく貢献する大変すばらしい取組であり、私自身もぜひ応援していきたいと思っております。

 ふるさと納税を見るまでもなく、地方税制のあり方は、国民生活や地域の活性化などに密接に関連しております。地方税制は、政治と行政、それぞれ不断の努力を重ねることで、よりよい制度となり、それが適切に運用されていくことが極めて重要であります。

 こうした認識に立ち、今回の地方税法改正法案に盛り込まれております内容について、幾つか質問したいと思います。

 最初に、生産性革命の実現に向けた償却資産課税の特例措置についてでございます。

 自民、公明が政権を奪還し、安倍内閣が発足してから五年余り経過したわけでございますが、アベノミクスによる経済の成長軌道を確かなものとし、持続的な経済成長をなし遂げることが極めて重要であります。そのためにも、生産性革命を推し進めていくことが大切であります。

 この生産性革命を実現するためには、大企業だけでなく、事業継承など厳しい経営環境にある中小企業、また小規模事業者などの設備投資を後押ししていくことが、特に地方においては必要であります。

 こうした観点から、償却資産に係る固定資産税の特例措置は、大変意味があるものと考えております。また、地方、現場を最もよく知る市町村の主体性に委ねる仕組みとしたことについても、地域経済を活性化させるという観点から、大いに評価するものであります。

 ただ、せっかくいい仕組みをつくったわけでありますから、この特例措置が、上手に活用され、成果を上げていくようにすべきであります。まさに、仏つくって魂入れずとはなってはならないわけであります。この特例措置が成立した暁には、経産省などにおいても、さまざまな取組により後押しすることと思いますが、総務省としても、最大限効果が出るよう取り組んでいくべきであると考えます。

 そこで、大臣にお伺いしますが、この特例措置による効果がきちんと出るよう、総務省としてどのように取り組んでいくおつもりでしょうか。

野田国務大臣 木村委員にお答えいたします。

 その前に、亡くなられたお兄様に声をかけていただきまして、御地元に行ったことがあります。お兄様の御夫人と、そしてお兄様を応援される地元の皆さんとで、大変楽しいひとときを過ごさせていただきました。ぜひ、志を継いでいただきまして、しっかり地元の発展のために頑張っていただきますことを御期待申し上げます。

 そしてまた、ふるさと納税についての御地元の好事例をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。そういうことを手本にしていただいて、多くの地方が元気になっていただけるよう、また働きかけのほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、お答えいたします。

 今回創設する特例は、市町村の現場の強みや課題を踏まえて計画を作成するなど、市町村が主体性を発揮することができる仕組みとしています。市町村の計画に基づく地域の中小企業の投資を生産性向上に資する実効性あるものとするため、市町村や事業者、経済界などが、地域の関係者が一体となって取り組むことが不可欠なんです。

 総務省では、経済産業省と連携して、特例措置の制度内容についてしっかりと周知を図るとともに、特例措置の活用が円滑に進むよう、市町村と商工会議所等の支援機関との十分な連携をさまざまな機会でお願いをしているところです。

 引き続き、制度理解の促進にしっかり努めてまいります。

 生産性革命・集中投資期間中における、臨時、異例の措置であるこの特例を積極的に活用していただき、地域経済が大いに活性することを期待しているところです。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 次に、土地に係る固定資産税の負担調整措置であります。

 今回の改正においては、平成三十年度の評価がえに伴い、土地に係る固定資産税の負担調整措置をどうするかを検討したところでございます。その結果、今回の法案には三年間の継続が盛り込まれております。デフレからの脱却を確実なものにするという観点から、今のこの局面における負担調整措置の継続は評価するところであります。

 一方で、かねてから指摘されてきたところでございますが、評価額と税額の高低が逆転する事例が生じるなどの課題もあり、負担の公平性の観点からは、さらなる均衡化に向けた取組が必要であると考えます。固定資産税は毎年多くの住民の方に納税いただくものであり、税負担の公平性確保、あるいは納得感が得られる制度となっているかは、極めて重要であります。

 また、言うまでもなく、固定資産税は市町村の基幹税であり、固定資産税を充実確保していくことも重要であります。

 そこで、大臣にお伺いします。

 固定資産税を充実確保しつつ、三年後の次の評価がえに向けて、税負担公平性の観点から負担調整措置のあり方について検討していくことが重要と考えますが、いかがですか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 木村委員御指摘のとおり、今回、土地に係る負担調整措置の仕組みを三年間延長することとします。

 これは、商業地等の負担水準を六〇%から七〇%までの据置ゾーン内に再び収れんさせることに優先的に取り組むべき状況であるということ、そして、現下の最優先の政策課題はデフレからの脱却を確実なものにすることであり、納税者に対して一定の配慮を行う必要があること、さらに、固定資産税は市町村財政を支える基幹税でありますから、その税収の安定的な確保が必要であること等を総合的に勘案したものです。

 一方、まさに御指摘のとおり、据置特例が存在することで評価額と税額の高低が逆転する現象が生じるなど、据置ゾーン内における負担水準の不均衡が解消されないという課題があります。税負担の公平性の観点からは、さらなる均衡化に向けた取組が求められます。

 平成三十年度与党税制改正大綱においても、「税負担の公平性や市町村の基幹税である固定資産税の充実確保の観点から、固定資産税の負担調整措置のあり方について引き続き検討を行う。」とされたところであり、今後、地価の動向等を踏まえつつ、税負担の公平性の観点から十分な検討を行ってまいりたいと考えています。

木村(次)委員 ありがとうございました。

 前向きな答弁をありがとうございます。ぜひ、公平性を確保しつつも、より実態に合わせたものとなるよう、総務省当局におかれましては、早い段階からいろんな研究をされていくことを御期待したいと思います。

 引き続き、固定資産税についてでございます。

 先ほど申し上げたとおり、市町村の基幹税である固定資産税の税収確保という観点は極めて重要であります。

 一方、課税の現場では、所有者が死亡していたり不明になっていることにより、事務に困難を来すこともあると伺っております。我が国全体の社会問題と考えておりますが、とりわけ少子高齢化が進んでいる地方においては、より深刻な問題となっております。市町村の課税現場では、真の所有者探索のため、日夜懸命な努力がされていると伺っており、総務省としても、そうした市町村を後押ししていくべきと考えます。

 現在、政府においても、野田大臣もメンバーとなっております関係閣僚会議を開催するなど、所有者不明土地問題に懸命に取り組んでいるものと認識しております。

 そこで、お伺いします。

 現在、市町村の課税現場においては、真の所有者探索のためにどのような取組が行われていると総務省では認識していらっしゃいますか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 固定資産税は登記簿上の所有者に課されるものでございますけれども、登記簿上の所有者が死亡しております場合には、現実の所有者を市町村が調査して、課税することとなります。

 市町村におきましては、登記簿上の所有者が死亡していたり不明となっていることが判明いたしました場合には、所有者の住民票や、あるいは戸籍をたどって相続人を調査するなど、真の所有者を確定させるため、日ごろから、所有者の特定に向けて地道な取組を行っているものと認識をしております。

 また、そもそも、そうした事態が生じることを防ぐために、死亡届の提出のため役所を訪れた方に相続登記の必要性や手続について案内を行う、あるいは、毎年送付いたします納税通知書に、死亡による所有者の変更が生じた場合には市町村へ連絡することをお願いする文書を同封するといった取組を行っている市町村もあると聞いておりまして、それぞれの市町村において工夫を重ねているものと承知いたしております。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 それでは、固定資産税の課税との関係で、総務省は所有者不明問題にどのように取り組んでいくつもりでしょうか、大臣にお伺いします。

野田国務大臣 所有者不明土地の問題は、地方公共団体の関心も高く、重要な課題であると承知しています。

 局長から答弁がありましたが、固定資産税は登記簿上の所有者に課せられるものですが、登記簿上の所有者が死亡している場合には、現実の所有者に対して課税することとなります。そのため、相続登記が行われることが、固定資産税の円滑な課税を行うために極めて重要です。

 私も、今、お話ししていただいた、所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議のメンバーとなっておりまして、総務省として、長期間相続登記が未了の土地の解消に向けた取組を関係省庁と連携して行うなど、所有者不明土地問題には積極的に取り組んでまいります。

木村(次)委員 ありがとうございました。

 なかなかこれは、農地なども含めて、これから非常に、ほっておいては深刻な問題になってくると思います。ぜひ省庁横断で、よりよい策となっていくことを期待したいと思います。

 次に、共通電子納税システムについてでございます。

 地方税における申告納税の手続は、企業が複数の自治体に行う場合があり、共通電子納税システムの導入により、企業、自治体双方にとって手続の効率化、合理化が実現したところであります。税務手続の電子化はこれからますます重要になってくると認識しており、共通電子納税システムの導入は、私も大いに期待するところでございます。

 この仕組みが、予定している平成三十一年十月にきちんと稼働していくためには、eLTAXシステムの整備だけでなく、税基幹システムの改修も含めた自治体側の接続の準備がきちんと進むことが大事でありますが、自治体の初期投資については、自治体側の財政負担に不安の声もあるやに聞いております。また一方で、利用者となる企業への十分な周知など、導入効果を最大限に発揮するための取組も必要と考えます。

 総務省として、共通電子納税システムへの自治体の接続について、どのような財政措置を考えておられるのか。また、あわせて、導入効果を最大限発揮するために、どのような推進方策を考えているのか、お伺いします。

奥野副大臣 共通電子納税システムといっても、なかなかぴんとこないかもしれないんですが、今お話がありましたように、法人住民税あるいは天引き個人住民税といったものは、関係する自治体へ配分しなくちゃいけない。私も企業の社長をやっているときには、その分配だけで、全部企業の方がやっていたわけでありますけれども、それが今度は、トータルで出せば、あとは分配してくれるという仕掛けになるわけでありまして、大変利便性の高いシステムだろうと思います。

 今の御質問の中では、そのときに財政措置をどのように考えているかということだろうと思いますが、各地方団体が行う税務システムの改修という仕事が発生するわけであります。一時的な費用でありますけれども、これについては、できるだけ、地方交付税の徴税費に係る基準財政需要額に所要のシステム改修費を盛り込む形で対処させていただきたいと思います。

 そして、これは、やれば、後は、地方団体においては仕事をする人の数が減ってきたり、また効果も見えるわけでありますけれども、それは期待していただいていいかと思います。

 また、単純にそれだけやればいいというわけじゃなくて、地方団体や税理士会や金融機関などにもしっかり我々の方から説明をして、皆さん方に、地方団体に御迷惑のかからないように手は打っていきたいと思いますし、特に、電子申告の利用が進むことによって、先ほどちょっと触れましたけれども、地方自治体の必要な工数というんですか、仕事量が減っていきますから、そういったことも期待をしていただきたいな、こう思うわけであります。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 普通交付税の基準財政需要額に算入を検討するということだと受けとめました。私も、県庁時代、県の普通交付税そしてまた市町村の交付税も算定した経験がございます。しっかりと需要、ニーズを把握した上で反映されることを期待したいと思います。

 次に、公共施設等の老朽化対策についてでございます。

 全国の公共施設等は、一斉に老朽化を迎えております。厳しい財政状況にある地方公共団体にとっては、その対策が大きな課題となっております。このため、各地方公共団体においては、計画的に取組を進めていかなくてはなりません。

 各地方公共団体においては、公共施設等総合管理計画を策定されるなど、既に取組に着手されているところでございますが、今後は、公共施設の集約化、複合化事業や長寿命化事業等を対象とする公共施設等適正管理推進事業債をぜひ積極的に活用して、公共施設等の老朽化対策を着実に進めていただきたいと願っておるところでございます。

 一方、総務省が昨年行いました地方公共団体の基金の積立状況等に関する調査によりますと、公共施設等の老朽化対策への備えが基金残高が増加している大きな要因の一つとなっており、特に町村ではその傾向が強いことが判明しております。

 このような状況を踏まえまして、地方公共団体が公共施設等の老朽化対策を着実に進めていくためには、国として一層の支援が必要であると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

野田国務大臣 おっしゃるとおり、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進することは、地方公共団体にとって極めて重要な課題です。

 総務省では、各地方公共団体に対しまして公共施設等総合管理計画の策定を要請し、集約化、複合化事業等を対象とした公共施設等適正管理推進事業債を創設、そして各団体の取組を後押ししてきました。

 公共施設等総合管理計画は、ほぼ全ての団体において策定されました。現在は、個別施設計画を策定して、これらの計画に基づいた具体的な取組を進めていく段階に入っております。

 一方、お話がありました、昨年行いました地方公共団体の基金の積立状況等に関する調査、この結果を踏まえ、公共施設等の老朽化対策に取り組む地方公共団体が適時適切に対策を実施できる環境整備を図る必要がございます。

 総務省では、各地方公共団体におけるこれらの取組を一層推進するため、公共施設等適正管理推進事業債、これについて、来年度からは、長寿命化事業の対象を拡充、そしてユニバーサルデザイン化事業を追加することとしています。

 あわせて、財政力が弱い団体にあっても必要な取組を着実に推進できるように、長寿命化事業等については、財政力に応じて交付税措置率を引き上げることとしています。

 各地方公共団体においては、これらの措置をしっかり活用して、公共施設の老朽化対策等に着実に取り組んでいただきたいなと考えています。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 相応の条件等の緩和がなされたということで受けとめさせていただきました。

 消防庁が実施している調査によりますと、公共施設等の耐震化率は年々向上してきてはおるものの、庁舎については、他の公共施設全般に比べますと、まだ耐震率が低い状況にあります。参考まで、平成二十九年三月末現在で、公共施設等の耐震率が九割程度であるのに対して、庁舎の耐震率は八割程度となっております。熊本地震におきましては、不幸にも未耐震の庁舎が被災しまして、一時的に庁舎が機能不全になったのは記憶に新しいところでございます。

 そこで、お伺いします。

 庁舎の耐震化に活用可能な措置としてどのようなものがあるのか、改めてお伺いします。

黒田政府参考人 お答えいたします。

 公用施設の基本ともいうべき庁舎の整備につきましては、それぞれ市町村の判断と責任で行われるものでございます。

 これまで自己財源により実施することを基本としてまいりましたが、その例外的な措置であります庁舎の耐震化に活用可能な地方財政措置としましては、緊急防災・減災事業債及び公共施設等適正管理推進事業債などの措置を講じております。

 まず、緊急防災・減災事業債につきましては、災害対策の拠点となります公共施設等の耐震改修事業や津波浸水想定区域からの移転事業などを対象事業としておりまして、庁舎にも活用が可能でございます。

 この事業債につきましては、東日本大震災を教訓として平成二十三年度に創設したものでありまして、東日本大震災に係る復興・創生期間であります平成三十二年度まで継続することとしております。

 また、公共施設等適正管理推進事業債における市町村役場機能緊急保全事業につきましては、平成二十九年度に創設いたしました。これは、先ほど御指摘のように、熊本地震の教訓によりまして、窓口サービスを始めとした業務継続が確実に行われるためには、業務を行う場であります行政の中枢拠点とも言える庁舎が発災時においても有効に機能しなければならないことが再認識されたことを踏まえまして、未耐震の本庁舎の建てかえ等を対象とした、極めて例外的な地方財政措置としてこの事業を創設したものでございます。

 事業期間につきましては、緊急防災・減災事業債に合わせまして、平成三十二年度までとしているところでございます。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 今御答弁にあったとおり、昨年度創設された市町村役場機能緊急保全事業は、熊本地震などの状況を踏まえますと大変重要な取組であると思います。いざ災害が発生した際には、その司令塔となる役場庁舎が倒壊してしまっては復旧事業に多大な影響が出るため、地方公共団体も積極的かつ速やかに取り組む必要があります。そうした意味において、一定の年限を設定していることもまた理解できるものであります。

 ただ、一方で、庁舎建てかえ事業は、特に、私の経験から申し上げますと、平成の市町村合併を経た市町村において、住民との調整などに相当の期間を要し、現在は事業がスムーズに進まないケースも散見されるわけでございます。

 そこで、お伺いをします。市町村緊急保全事業の事業期間については延長すべきと考えますが、いかがですか。

小倉大臣政務官 お答えを申し上げます。

 先ほど黒田局長が答弁しましたとおり、公共施設等適正管理推進事業債におけます市町村役場機能緊急保全事業の事業期間につきましては、本事業が未耐震の本庁舎の建てかえ等を緊急に実施するための措置でありますことから、東日本大震災の復興・創生期間まで継続することとしている緊急防災・減災事業債の期限と合わせまして、平成三十二年度までの四年間といたしております。

 御質問のございました事業期間終了後の本事業のあり方につきましては、期間終了時の市町村の取組状況や緊急防災・減災事業債の対応等を踏まえまして、その時点において判断をすべきもの、このように考えております。

 木村委員御指摘のさまざまな事情につきましては承知をしておりますけれども、未耐震の庁舎の建てかえなどに取り組む市町村におかれましては、本事業が緊急的に実施するための財政措置でありますことを踏まえ御活用いただきたいと考えておりますので、何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

 以上です。

木村(次)委員 ありがとうございました。

 今御答弁いただいたとおり、事業期間終期に合わせて、市町村のニーズを的確に、丁寧に吸い上げて、積極的に、前向きに御検討されることをお願い申し上げたいと思います。

 次に、地方大学の振興についてであります。

 安倍総理は施政方針で、「地方への若者の流れを生み出す。先端科学、観光、農業など特定の分野で世界レベルの研究を行う、キラリと光る地方大学づくりを、新たな交付金により応援します。学びの場としても、そして働く場としても、若者が地方にこそチャンスがあると飛び込んでいける。こうした地方創生を進めてまいります。」と力強く演説されました。

 このきらりと光る地方大学づくりのための新たな交付金については、今般、平成三十年度当初予算案において、地方大学・地域産業創生事業、仮称でございますが、トータルの予算で百億円と承知しております、これが創設され、内閣府の交付金分としては七十億円が計上されたところでございます。

 一方で、地方創生の取組については、従前より、同じく内閣府の地方創生推進交付金、これについては、平成三十年度当初予算案で一千億円による支援が行われております。

 そこで、お伺いします。今般、地方創生推進交付金とは別に、新たにこの地方大学・地域産業創生事業を創設した趣旨、目的、また狙いについて改めてお伺いします。

長坂大臣政務官 お答え申し上げます。

 この十五年間で地方の若者が五百万人減少いたしました。また、東京圏への転入超過数は、近年、毎年十万人を超える規模で推移し、そのほとんどが進学時や就職時の若者であると考えられております。地方創生の開始から三年がたちますが、一定の成果は出ているものの、この流れにいまだ歯どめをかけられていない現実がございます。

 昨年、梶山大臣のもとに開催されました地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議の最終報告におきまして、地方大学がいわゆる総花主義から脱却し、特色を出すことによりまして、地域のニーズに応じた人材の育成や研究成果の創出を行うことが必要との提言をいただいたところでございます。

 これを受けまして、新たに、首長のリーダーシップのもとで、地方大学と産業界が連携をして、地域の中核的産業の振興や専門人材育成などを行うすぐれた取組を重点的に支援することとし、地方創生推進交付金とは別に、新たな交付金を創設することといたしております。

 これによりまして、日本全国や世界じゅうから学生が集まるような、きらりと光る地方大学づくりを進め、地域における若者の修学及び就業の促進を図ることにより、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 私の地元にあります弘前大学においても、短命県、青森県でございますけれども、いろんな地域に根差した課題を的確に捉えて幅広に展開しておるところでございますが、こういった交付金がさらに充実することでいろんな取組ができるということになろうかと思いますので、御期待申し上げたいと思っております。

 また、この新たな交付金につきましては、補助率が二分の一から四分の三になると聞いており、交付を受ける地方公共団体には地方負担が、当然その残分が生じることになります。

 各自治体がこの新たな交付金を積極的に活用して、学生の地方大学への進学が推進され、そして東京一極集中の是正が図られるようにするためには、この交付金の地方負担に対してしっかりと地方財政措置を講じていく必要があると考えます。総務省としてどのように対応する方針か、お伺いします。

奥野副大臣 今、内閣府からの御説明があったとおりでありますが、もう皆さん方御案内のとおり、日本の国の人口が減少する中で、そして少子化がどんどん進んでいく、なおかつ、若い人たちが全部東京へと東京へと来る、そういった中で、地方の大学をもっとクローズアップしてうまく使っていこうじゃないか、こういうことが、地方大学・地域産業創生交付金が生まれた理由だということはおわかりいただいたと思うんですが、これも、今木村先生おっしゃったとおり、かなりの投資を呼ぶものですから、それに対する財政措置を我々としてもしっかりとやっていこうじゃないか、こういう考え方であります。

 もっと言えば、東京一極集中を歯どめをかけるには、やはり地方に立派な大学をもっともっとつくっていくということも必要なんだろうと思います。

 いずれにしても、内閣挙げて、こういった方向性をしっかりと考えていきたいと思っておりまして、我々総務省としては、交付金の趣旨を踏まえて、交付金に係る地方負担について、地方交付税や地方債により地方財政措置を積極的に講じていこうじゃないかということを考えておるということであります。

 総務省としても、関係省庁と連携するということが一番大事なことですから、そういったことで地域への人の流れの創出にも努めていきたい、こういうふうに考えております。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 東京の大学に行かなくても、地方できちんと、そんな大学自体がこういった交付金を活用しながらスキルアップをしていく、そしてまた、課題解決能力を学生も身につけていく。そうすることで、学生さん方も、地域に根差して、何も東京に出なくても、学生生活そしてまた就職もやっていけるんだ、そういった思いになってくれる学生が一人でも多くなれば、それはまた地方の定住にもつながるというふうに確信しております。ありがとうございます。

 次に、移住、交流の推進についてでございます。

 先ほど申し上げたとおり、私、青森県庁に在籍しておりましたが、最後の二年五カ月というのは、まさにこの移住、交流や、先ほど申し上げたとおり、地方創生推進交付金などの地方創生に携わっていたところでございます。

 先月末に公表されました住民基本台帳移動報告の平成二十九年結果によれば、東京圏への転入超過が二十二年連続となるなど、残念ながら、東京一極集中に歯どめがかかっていない状況にあります。我が青森県も六千七十五人の転出超過であり、これは全国でも五番目に多い転出超過数となっております。

 地域活性化のためには、その地域を担う、まさに人が重要でございます。地方へ人の流れをつくることが不可欠と考えます。

 私の地元、青森県や弘前市も、都内に移住相談窓口を開設するなど、移住促進に向けた情報発信など地道な取組を進めているところでございます。

 総務省におかれましても、平成二十七年三月に、東京駅八重洲口に移住関連情報の提供や相談支援の一元的な窓口として移住・交流情報ガーデンを開設していただき、地方自治体の移住相談会などの会場として御提供いただいているところであります。また、私自身も何度か、この移住・交流情報ガーデンを使わせていただいたり、また、総務省が主催されるイベントに参加させていただきました。青森県や県内市町村も、今年度現在で七回イベントを開催したやに伺っております。

 ちょっと通告にはなかったんですが、大臣、また副大臣、政務官、この移住のガーデン、現場はごらんになったことはございますか。お伺いします。

野田国務大臣 残念ながら、まだ行けていません。

木村(次)委員 大変多忙な中でございますが、ぜひ、政務、皆様方、時間があらば御見学いただければと思います。また、JR有楽町駅のすぐ隣の建物にも、NPOが主催する形で各自治体のブースが入って、相談窓口が多数設置されております。機会があれば、ぜひ、見学、視察されることをお願いしたいと思います。

 この移住・交流情報ガーデンの来場者数あるいはあっせん件数等について、最近の状況はいかがでしょうか。また、あわせて、我々、青森県、弘前市のように、移住促進に取り組む地方自治体への支援など、地方移住を推進するため、総務省としてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

池田政府参考人 お答えいたします。

 総務省におきまして、地方への移住、交流関連の情報提供や相談についての一元的な窓口として、御紹介いただきました移住・交流情報ガーデンを二十七年三月に開設したところでございますが、本年度、二十九年度の来場者数、一月末までに約一万二千人、移住あっせん件数は約八千三百件となっておりまして、それぞれ前の年を上回っております。

 この移住・交流情報ガーデンにおきましては、一般的な移住相談に加えまして、地方での就職や就農に関してワンストップで相談に対応しているほか、地方団体による移住相談会や移住セミナー、地域おこし協力隊募集説明会などの会場としても御利用いただいておりまして、これも本年度一月末までに約二百回のイベントが開催されています。

 このガーデンにおきまして、二十九年度からは、夜間におきます移住相談会やセミナーなどの開催が可能となりますよう、平日の開館時間を二時間延長しまして午後九時までとして、情報提供体制を強化しているところでございます。

 一方、御紹介がございましたけれども、これまでも、青森県を始め、それぞれの自治体におきましては、地方団体が単独であるいは地方団体が連携して、移住相談窓口の設置ですとか相談会の開催、さまざまな移住支援制度を設けるなど、積極的な移住促進に取り組んできておられるというふうに承知しておりまして、こうした地方団体の取組につきまして、二十七年度より、情報発信、移住体験、住居支援、移住コーディネーターの配置などの多岐にわたる移住、定住に係る取組につきまして特別交付税措置を講じているところでございます。

 農山漁村への定住意向が各年代で増加傾向にある、また最近では若い世代を中心に過疎地域などに移住したいと考える人がふえているといった調査の結果も出ておりまして、引き続き、移住者の受皿となります地方団体がそれぞれの地域の特徴を生かした移住促進の取組を進めていただきますよう、支援してまいりたいと考えております。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 ガーデンの使い勝手も非常によろしくなった、そしてまた地方への支援も手厚くなったということで、評価したいと思います。

 次に、地域おこし協力隊についてでございます。

 地方へ人の流れをつくる施策であります地域おこし協力隊制度が、間もなく十年目を迎えようとしております。平成二十八年に三千人、そして平成三十二年に四千人という目標を四年間前倒しで達成し、平成二十八年度に活動した隊員は全国で四千九十名となりました。青森県で活動する隊員もふえてきており、本年一月一日現在で、三十名の隊員が、漁業、農業など、さまざまな活動に取り組んでいるところでございます。

 このような隊員が任期終了後も地域に定住していただくことは、地域にとってとても大きな力になると期待するところであります。総務省が行った調査では、約六割の隊員が任期終了後も同じ地域に定住しているとのことでございます。

 そこでお伺いします。

 今後、任期を終了する地域おこし協力隊員が大幅にふえていくこととなりますが、引き続き、地域に定住、定着して地域の担い手として活躍していただくため、総務省としてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

小倉大臣政務官 お答えを申し上げます。

 木村委員御指摘のとおり、地域おこし協力隊員は既に四千名を超えておりまして、定住率も六割ほどということで、大変御評価をいただいております。

 ただ一方で、最長三年間の中で、見知らぬ土地に赴き、そして人と知り合い、新しい仕事をつくっていくというのは、非常に大変なことでございまして、私もそれぞれの地域の隊員の皆様方とお会いしまして、御苦労されている方も多数おりますのも事実でございます。

 そういった中で、隊員の皆様方が地域に定住、定着して地域の担い手として活躍をしてもらうためには、地方自治体の皆様方が主体的に、地域の実情に応じて受入れ体制をしっかりと構築をしていただくことが大切だと思っております。この点、制度ももう十年目に入りますので、どの自治体の皆様方も、それぞれ工夫される中で、大分、制度の理解と活用の仕方も進んできているのかな、このような印象を持っております。

 こうした自治体の取組を総務省としても更に進めるためには、まずは、隊員を受け入れる際の留意点等をまとめました手引を作成しておりますほか、地方自治体の担当者に具体的な受入れ体制の整備に係る留意点や活動支援のあり方を学んでもらうブロック研修会を全国十カ所で実施をしているところでございます。

 さらに、地域おこし協力隊サポートデスクを開設しておりまして、平成二十八年九月から平成三十年の一月末までに約七百九十件の地方自治体の担当者からの相談に対応しております。

 また、多くの隊員が定住に際して起業したいと考えておりまして、そうした希望をかなえ、任期終了後に地域で起業を実現できるプロセスを構築をしていくことが重要であります。そのため、総務省では、隊員向けの起業、事業化研修のほか、ふるさと納税を活用して隊員の起業を応援する仕組みであります協力隊クラウドファンディング官民連携事業を実施しております。

 こうした取組を通じまして、今後も隊員が地域に定住、定着して地域の担い手として活躍をしていただけるよう、重層的に支援をしてまいりたいと思います。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 最後に、集落機能の維持についてお伺いします。

 過疎地域においては、人口減少と高齢化により、個々の集落では生活機能の維持が困難な集落が今後ますます増加するのではないかと懸念されております。なかなか、買物の場所がなくなったりとか、いろんな不自由が生じておるところでございます。

 また、自治会など地縁組織の構成員であります地域住民の減少、高齢化に伴い、これまで地縁組織が担ってきた生活支援機能も低下しております。一方、空き家、里山などの財産管理、高齢者の見守りなど、生活支援に係るニーズはふえ続けております。

 こうした状況の中、集落機能の維持について、総務省としてどのように支援していくのでしょうか。お伺いします。

池田政府参考人 委員御指摘のとおり、人口減少や高齢化が著しい中山間地域などにおきまして、集落機能の維持が困難な集落が増加してきている、住民の安心、安全にかかわる問題が深刻化しているというふうに認識しております。

 こうした地域におきます集落機能の維持につきましては、基幹集落を中心に、周辺の複数の集落を一つのまとまりとして捉えて、日常生活に必要な機能を集約、確保し、交通ネットワークで結ぶことで圏域全体の活性化を図る集落ネットワーク圏を形成することが重要だと考えております。

 また、将来にわたって地域で暮らし続けることができるよう、地域住民が中心となって、さまざまな主体が参画して、高齢者の見守りや買物支援などの多様化する地域課題の解決に向けた取組を行います地域運営組織を形成することも重要であると思っております。

 総務省といたしまして、関係省庁と連携しながら、過疎交付金の活用、地方財政措置を講じまして、集落ネットワーク圏や地域運営組織の推進に努めてまいります。

 また、これからの取組としまして、住民がお互いに助け合う共助の仕組みを再構築することで地域課題の解決につなげる、シェアリングエコノミーの活用の取組を推進してまいりたいと考えております。

 引き続き、それぞれの地域がその実情に応じて実効性のある対策を行えるよう、積極的に支援してまいります。

木村(次)委員 ありがとうございました。

 以上で終わらせてもらいます。どうもありがとうございました。

古屋委員長 次に、太田昌孝君。

太田(昌)委員 公明党北陸信越ブロックの太田昌孝でございます。

 地方税法改正につきまして、最後ということになりました。やや総花的、あるいは、最後でもありますが、基礎的なところを質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 今も、三月の議会に向けて、地方においては議会が始まり、あるいはそれに向けて準備がなされていることというふうに思います。今回の改正の中でも、地方の条例改正まで必要なものも入っております。そのような意味では、早期の成立、早くこれは地方に示すということ、大切なことだというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 初めに、共通電子納税システムの導入について伺います。

 改正案におきましては、法人の事業税その他地方税のうち、一定の方法で納付又は納入されるものの収納事務について、納税義務者等がeLTAXの運営主体が運営する共通電子納税システムを利用して納付又は納入を行う場合において、その事務は地方税共同機構に行わせるものというふうにしております。

 地方税の電子申告につきましては、全ての地方団体に対して法人関係税の電子申告が可能になっている中で、電子申告利用率が六〇・九%となっております。また、電子納税について、法人向けの電子納税に対応しているのは二十二団体にとどまっているとも伺っております。

 このことが法人向け電子納税の利用率の低いことの理由でもあったわけですけれども、今後は、全地方公共団体が加入、運営をしているeLTAXを活用することによって、企業は全地方公共団体に対して電子納税が可能となります。

 こういう中で、企業におけるICT化についてでございますが、大企業に対して中小企業、割合として随分と進んでいないというふうにされておりますが、こうした中小企業における電子申告、電子納税の利用率の向上、目標値の達成のため、どのような手順で今後促進を図っていくものか、まずは伺います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 共同収納を行います共通電子納税システムでございますけれども、平成三十一年十月からの導入を予定をしておりまして、予定どおり運用開始できますよう、その基本システムとなりますeLTAXシステムの改修を進めていくこととしているところでございます。

 共通電子納税システムの導入を行いましたときに、その効果を最も活用していただくためには、その利用促進のための取組というのも非常に重要となってまいります。

 そういう観点で、総務省といたしましては、地方団体あるいは税理士会、金融機関などと協力をいたしまして、企業や税理士への周知にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、今おっしゃられました内容で申しますと、電子申告の利便性を向上させるということも大変重要でございますので、電子申告のシステムも簡素、簡易になるべくするように努めてまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 ありがとうございます。

 できるだけ効果の上がるように、よろしくお願いをいたします。

 また、このたびの税制改正では、地方税に関する収納事務において、延滞金について私人への収納委託の対象とするというふうにされております。

 とりわけ小規模事業者、地元でも随分とちっちゃな事業者があるわけでございまして、実は私も滞納整理等々を行ったことがございます。そんな担当もしてございました。

 そういう中で、滞納が生じた場合、例えば災害に遭ったとか取引先が倒産したので資金繰りが悪くなった、こんなことが原因で大変に苦しむ、猶予や分割納付のような対応を認める、そんな対応、これまでも行っていただいてきたわけでございますけれども、こうした対応についても、いわゆる私人に対しての収納委託について、引き続き行われるということでよろしいのでしょうか。

 地方自治体の税収納担当や、近年は滞納整理機構というような滞納処分専門の組織もつくられておりますが、こうした組織との関係がどうなるものかもあわせてお伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地方税法第十五条の規定によりまして、地方団体の長は、納税者の方々のさまざまな御相談に応じて、事業について著しく損失を受けるなどにより一時的に納税をすることができない場合におきまして、一定期間、徴収猶予をすることができるところでございます。

 この場合には、納税者の事情を踏まえて、複数回に分割して納付するということも可能でございまして、この点は共通電子納税システム導入後も変わらないわけでございまして、今御指摘がございました地方税滞納整理機構等ございますけれども、そこも含めて従来どおりの対応をしてまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 ありがとうございます。

 これは結構、地方はかわいそうなんですよね。そういうところで払えなくなった方に対して、しかし、中には悪質な方もいらっしゃって、差押え等をすると、なかなか公務員は、守秘義務もあるわけですから、あたかも病人の布団を剥ぐかのようなことを言われてしまうようなこともあるわけで、現実にはそのような、大変な取組をしていただいているというようなことも、これからも引き続き行われるということで安心もいたしました。

 さて、次は、個人所得課税改正についてちょっと伺いたいと思います。

 平成二十九年度改正で、就業調整を意識しなくても済む仕組みを構築をするという観点から、配偶者控除、配偶者特別控除に見直しが行われました。また、今回の改正の中では、給与所得控除及び基礎控除の見直しを行うこととなっております。

 これは、多様化した働き方への対応とともに、所得再分配機能の回復の観点が盛り込まれたと認識をしておりますけれども、具体的にどのような改正であるのか、再度でありますが、わかりやすく御説明をお願いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の個人所得課税の見直しの内容でございますけれども、まず第一点目は、お話にもございましたが、働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から、どのような所得にでも適用される基礎控除に控除額の一部を振りかえるものでございます。

 二点目は、給与所得控除や公的年金等控除、基礎控除について、制度の適正化を図るということでございます。

 まず、給与所得控除の見直しにつきましては、給与所得控除が給与所得者の勤務関連支出や主要国の概算控除額と比べて過大となっていることを踏まえて、子育て世帯等には負担増が生じないよう措置を講じつつ、控除が上限となる給与収入を八百五十万円超に引き下げるものでございます。

 次に、公的年金等控除の見直しにつきましては、世代内、世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入が一千万円を超える場合に控除額に上限を設けるなどとするものでございます。

 最後に、基礎控除の見直しにつきましては、所得再分配機能の回復の観点から、高所得者にまで税負担の軽減効果を及ぼす必要性は乏しいとの指摘を踏まえまして、所得が一定額を超えると控除額が逓減、消失する仕組みを導入するものでございます。

 これらの見直しは、所得再分配機能の回復に資するとともに、働き方やライフスタイルに左右されない税制に向けた見直しだと考えております。

太田(昌)委員 今、とりわけ子育て世帯に対する配慮というようなお話も頂戴をいたしました。

 今回の三十年度与党税制大綱の中では、所得再分配機能の回復、税負担のあり方の観点から、引き続き見直しを継続していくとあり、今後さらなる改正も見込まれるところでございますけれども、比較的短期間の改正でもあり、まず国民への周知は最も肝要なことだというふうに思います。

 また、今おっしゃっていただきましたとおり、給与所得控除が上限となる給与の収入額、一千万円から八百五十万円に引き下げ、給与所得控除の上限を現行の二百二十万から百九十五万とすること、給与所得控除、八百五十万円超の方は実質的な増税となりますが、この方に、もし年齢二十三歳未満の扶養親族がいる場合、所得金額の調整控除として一定額を給与所得の金額から控除する制度の導入が図られております。ちょうどお子さんが大学生となる世代でありまして、一般家庭の子育て総仕上げの時期に、このような税制措置は大変に助かる制度であるというふうに思います。

 政府においても、一九九〇年代から少子化対策に取り組んできておりまして、総理を議長とする一億総活躍国民会議においても、ニッポン一億総活躍プランの中でも、希望出生率一・八の実現に向けてさまざまな対策がとられているところでもあります。

 ただ、ここで、例えば子供を産まない選択や産めない状況の方々に対しまして、政府始め厚生労働省においては、さまざまな施策が講じられている不妊治療中の世帯などについて、より丁寧な説明が求められると思いますけれども、今回の税制改正についてどのように国民へ周知していくのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 今回の個人所得課税の見直しは、所得税については平成三十二年分から、個人住民税については平成三十三年度分から適用することとしており、総務省としては、改正の趣旨や内容について、既に各地方団体に対する説明会等を実施するとともに、ホームページなどを活用し、広く周知を行っております。

 また、課税を行う各地方団体においても、税制改正が行われた場合にはどのような方々に今回の改正の影響が及ぶのかなど、具体の改正内容について説明用のリーフレットを作成するなど各団体において工夫し、納税義務者に対してわかりやすい説明や周知に努めていただいています。

 法案成立後、今回の改正が円滑に施行されるよう、総務省として、国税当局と連携しつつ、各種広報媒体を活用しながら周知、広報に努めるとともに、地方団体に対して、納税義務者から御理解、御協力をいただくために、税制改正の趣旨や内容について丁寧にかつ十分な周知が行われるよう要請してまいります。

太田(昌)委員 今回、我々も要請をしました若い世代、とりわけ子育て世代に対して配慮をいただいたということ、一方で、そういう恩恵にかかわれない、希望すれどもできない方々もやはりいらっしゃるということで、丁寧な説明とまた周知に努めていただきたいというふうに思います。

 次に、法人事業税の付加価値割、所得促進税制の要件の見直しについて伺います。

 法人税におきましては、平成二十五年度から、企業の賃上げを促進する観点から、一定の要件を満たす場合には税額控除を受けられる所得拡大促進税制が講じられております。また、地方税法におきましても、平成二十七年度より、同様に、一定の要件を満たす場合には、法人税付加価値割の課税標準から一定額を控除できる付加価値割の所得拡大促進税制が講じられております。さらには、平成二十九年度税制改正でもこの要件の見直しが行われているところでもあります。

 また、平成三十年度与党税制大綱では、企業の自己収益を生産性向上のための設備投資や人材投資に振り向け、持続的な賃上げが可能となる環境をつくり出すことが、成長と分配の好循環をつくり出すためには重要であるとしておりまして、今回の税制改正では、設備投資や人材投資を増加させつつ、賃上げを行っている企業にこれまで以上に支援を強化するために要件の見直しをしているところと認識をしておりますが、従前の要件等の見直し点、また税制上の優遇面を御説明いただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 お話ございましたように、今般の税制改正では、持続的な賃金引上げや生産性の向上のための設備投資を強力に後押しをするという観点から、所得拡大促進税制につきまして、国税の法人税と同様の要件の見直しを行うこととしているところでございます。

 大企業につきましては、所得拡大促進税制を賃上げ及び投資の促進に係る税制に改組いたしました上で、賃金の引上げにつきまして、平成二十四年度に比べて一定以上増加という要件にかえて、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げることを要件とするとともに、国内設備投資額が当期の減価償却費の九割以上であることを要件とすることといたしております。

 また、中小企業につきましては、前年度から一・五%以上の賃金引上げで足りることとし、設備投資の要件は設けないなど、大企業と比べて一定の配慮をしているところでございます。

 こうした改正を契機といたしまして、企業におけます賃金引上げ、設備投資が一層進み、経済の好循環に寄与することを期待しているところでございます。

太田(昌)委員 これも御説明いただきましたけれども、この要件の変更、ここ近年、頻繁に見直されているという認識でございます。利用者側の混乱も予想されますが、今後、先ほどと同様でございますが、改正の趣旨や内容の周知、どのように行っていくのか、この点につきましても御所見をお伺いいたします。

野田国務大臣 今般の税制改正では、過去最高の企業収益を賃上げや設備投資につなげていくため、賃上げや投資に積極的な企業や革新的なイノベーションに挑戦する企業の税負担を引き下げることにしています。

 所得拡大促進税制の要件見直しはその重要な要素であることから、中小企業を含め、十分な周知を図ることが必要であり、そのために、経団連、日本商工会議所などの経済団体の協力も得ながら進めることが重要であると考えています。

 法案の成立後、これらの団体を所管する経済産業省や国税当局などとも連携しながら、速やかに周知が図られるよう努めてまいります。

太田(昌)委員 地方の中小企業が元気になりますように、またそれが日本の活力につながってくると思います。今回の税制改正があまねくそうした中小企業にとって活用できるように、周知徹底、よろしくお願いをいたします。

 次に、固定資産税の課税標準の特例措置にかかわる減収ということについてちょっと伺いたいというふうに思います。

 生産性革命を実現するために、固定資産税の課税標準の特例措置、生産性革命・集中投資期間である平成三十年度から三十二年度にかけて、中小企業の臨時異例の措置として、生産性向上特別措置法の規定によって、市町村が主体的に作成をした計画に基づいて行われた中小企業の一定の設備投資について、固定資産税の特例措置、すなわち、課税標準を価格にゼロ以上二分の一以下で市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とすることを三年間講じるとされております。

 当然、このことによりまして固定資産税が減収となるわけですが、この減収分についてということでございます。地方交付税により補填されるということにされております。

 そこで伺いますが、現在、市町村においては三月議会が開催又は開催に向けて準備されているところでもあります。特例措置を希望する市町村については全て地方交付税の補填の対象となるという理解でよろしいでしょうか。不交付団体は当然除きますが、特例措置を希望する市町村については、全てきちんと地方交付税で補填をされるという理解でよろしいでしょうか。

 また、今、地方の議会においても、早いところは条例改正について説明が行われているところもあり、あるいは全く情報が入っていないところも議会においてはあるというようなことも聞いておりますが、この特例措置導入に向けてのスケジュールについても、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 今回創設する特例については、市町村が条例で定める減免の割合を用いて地方交付税の基準財政収入額を算定することとしています。このため、交付団体の場合、特例の適用によって減少した基準財政収入額は、地方交付税で補填されることとなります。

 こうした地方交付税の取扱いを含めた特例措置の制度内容や、商工会議所等との十分な連携の必要性など留意すべき点を市町村に周知するため、本年一月、全都道府県の市町村財政や税制の担当課が集まる会議において説明を行っております。

 特例措置の活用が円滑に行われるよう、今後とも、さまざまな機会を捉えて、制度理解の促進に積極的に努めてまいります。

太田(昌)委員 済みません、これは、つまり、先ほどちょっと申し上げたんですが、この特例措置については、ゼロにする場合のその固定資産税の減収については、手を挙げた市町村については、これはすべからく対象になるという理解でよろしいでしょうか。もう一度お願いします。

野田国務大臣 はい、そのとおりです。

太田(昌)委員 重ねて、せっかくだから、いらっしゃるので、もう一回ちょっと伺いたい。

 というのは、若干、何度も何度もしつこいようで申しわけありません。いわゆる財政力指数によって、ある程度の税収が、当然交付団体ではあるんですけれども、見込めるところについては、もしかしたら対象にならないんじゃないかなんという懸念をするところがあるんですよ。

 間違いなく対象になりますということだけを、ちょっとお答えをもう一度お願いできますか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣がお答え申し上げましたとおり、全ての手を挙げた団体が、そういう基準財政収入額の算定となります。

太田(昌)委員 大臣にお答えいただいたのに、まことに失礼な話で申しわけありませんでした。安心して地元に帰ることができます。どうかよろしくお願いをいたします。

 森林環境税についてお伺いをさせていただきます。

 森林環境税、森林環境譲与税、これは税率を、税額、年額千円として、個人住民税均等割の枠組みを活用して、市町村が個人住民税均等割とあわせて賦課徴収し、都道府県を経由して全額を国の譲与税特別会計に払い込む仕組みが予定をされておりまして、森林環境譲与税として、間伐や人材育成あるいは担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てるために譲与総額の九割を市町村へ、市町村支援のための費用として一割を都道府県へと譲渡することが予定をされております。

 森林は、地球温暖化防止機能、土砂災害防止機能、土壌保全機能、水源の涵養機能など多面な機能を有し、国民生活に恩恵をもたらしておりますが、しかし、その一方での課題もございます。

 我が国の森林面積は国土面積の三分の二に当たる二千五百万ヘクタールであり、うち六九%が民有林となっております。山村地域では人口減少が進み、所有者が相続しても登記がなされないことから、所有者が不明であったり境界が不明な森林がふえていること、何より、市町村の森林・林業担当職員が少なくて、体制が不十分な市町村が多いことも大変な課題でございます。

 そこで、伺います。

 森林環境税の使途については、与党税制改正大綱に、市町村においては、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てることとされ、都道府県においては、市町村の支援に関する費用とされていますが、こうした使途については限定的なものなのでしょうか。それとも、例示的に挙げられたものでしょうか。都道府県、市町村が迷うことのないように示していただきたいと思います。

 使途については、もし限定的でないとするならば、人の育成ということもあります。森林、観光、あるいは健康、教育の分野と結びつけて活用してもらいたいと思いますし、自然教育や野外教育を推進する教育プログラムの開発なども対象としていただければと思いますが、いかがでしょうか。あわせて伺います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林環境税は、都市、地方を通じて、国民一人一人がひとしく負担を分かち合って、国民皆で温室効果ガス吸収源などの重要な役割を担います森林を支える仕組みとして創設するものでございます。

 このことから、市町村分の森林環境譲与税の使途につきましては、都市部の住民を含めた国民全体の理解を得ていく必要がございますので、平成三十年度税制改正の大綱におきまして、お話ございましたように、「森林整備及びその促進に関する費用」ということでされているところでございまして、この点を、法令に使途を明記してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 その促進というのはそれなりに多義的な部分がございますけれども、いずれにいたしましても、各地方団体におきましては、こうした使途の範囲内で、それぞれの地域の実情に応じて、森林整備そのもののほか、木材利用の促進ですとか森林環境教育、あるいは森林の有する公益的機能に関する普及啓発などにも取り組んでいただけるものと考えております。

太田(昌)委員 ありがとうございます。

 広く網をかけることは大事だと思うんですね。地方自治体では、こうした課税自主権を活用して森林環境、水源環境の保全を目的とした超過課税を行っています。都道府県で三十七団体、市では横浜市が行っていると承知しておりますが、これら自治体においては、超過課税が継続されたまま森林環境税が創設されると、これは二重に環境を守るための税を負担することになります。これら地方自治体の超過課税との事業のすみ分け、又は整理についての御見解もお聞かせいただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 お話ございましたように、現在、森林整備等を目的といたしまして、都道府県を中心として、三十七府県一政令市において独自に超過課税が行われていると承知をいたしております。

 一方で、国の森林環境税につきましては、農林水産省が今国会に提出予定の森林経営管理法案を踏まえまして、主に市町村が行う森林の公的な管理を始めとする森林整備等の財源として創設をするものでございます。

 したがいまして、両者、基本的には、都道府県の財源になるものと主に市町村の財源になるものという、財源が帰属する主体という意味で異なるものでございますけれども、一方で、府県等が行う超過課税につきましては、その使途がさまざまでございますので、使途という面では両者が重複する可能性もございます。

 その点、国の森林環境税は平成三十六年度から課税することといたしておりまして、それまでの間に全ての超過課税の期限、あるいは見直し時期が到来をいたしますので、関係府県等におきまして、必要に応じて超過課税の取扱いを検討いただけるものと考えております。

 総務省といたしましては、森林環境税との関係の整理が円滑に進みますよう、林野庁とも連携しながら、関係府県等の相談に応じ、助言を行ってまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 私の居住しております長野県においても、森林税、徴収をしております。最初のうちは割と順調に進むんですけれども、一定のところ以上になりますと、やはり今は使途の拡大というようなことを行っていかないと、今、例えば路網の整備なんか行えなかったんですね。そうすると、奥深い山の間伐なんかはとてもたどり着けないというようなことになって、そのようなことで、なかなか進まないということ、問題であろうというふうに思います。

 更に言うと、担い手不足が大変に深刻でございまして、今なかなか、市町村においては担当者が一人ないし二人、若しくはゼロというような状況のところもたくさんあろうかというふうに思います。そんな中で、例えば長野県においては、昭和五十四年開校ということで、全国で十府県で林業大学校というのがあるんですね、あるいは林業を目的とするところがございますが、そんな中で大変にすぐれた教育を行い、そして今、人を育てている。しかし、年間わずか二十名でございますので、やはり、そういう意味ではまだまだ人材育成、これから取り組んでいかなければならないというふうに思いますので、どうか、その点につきましても、活用ができますよう期待をするものでございます。

 最後に、こうした森林環境税については、その税の成果あるいは効果についての検証も行わなければなりませんし、それが公表をすることも求められると思いますが、この点についての御見解をお伺いいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林環境税は、都市部の住民を含めた国民の皆様の理解を得ていく必要がございますので、使途の内容を明らかにするとともに、その成果を対外的に示す必要があるものと認識をいたしております。

 この点につきまして、地方財政審議会に設置いたしました森林吸収源対策税制に関する検討会からの報告等を踏まえまして、譲与を受ける地方団体に対しまして、使途をインターネットの利用等の方法により公表することを義務づけることとしたいと考えております。

 また、同検討会からは、国におきましても、地方団体が公表した使途に係る内容等を取りまとめて公表することや、その結果として森林整備がどの程度進捗したかを把握し、その効果を分析すること等の取組が必要との報告もなされているところでございます。

 このことを踏まえまして、林野庁とも協力しながら、森林環境税による全体の成果を明らかにいたしまして、国民の皆様に御理解いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 本当に森林の整備、喫緊の課題でございます。これから検討が更に進むことと思います。その第一歩としての質問をさせていただきました。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

古屋委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。武内則男君。

武内委員 立憲民主党・市民クラブを代表して、討論をさせていただきたいというふうに思います。

 まず初めに、総務委員会のそもそも果たす役割として、それは、地方自治におけるいわゆる住民の福祉の向上に向けて、あるいは国家行政、総務行政が担う全般をしっかりとこの委員会の場で議論しながら、よりよい公務、公共サービスを提供していく上で、どうあるべきかということの議論をしっかりとしていって、それを国民に、あるいは地方に発信をしていくという大事な役割を持ったのが総務委員会だというふうに私は思っています。

 ですから、いろいろあっても、しっかりと協議をさせていただきながら、与野党合意のもとに、これまで一般質疑始めこの法案の質疑をやってまいりました。

 しかし、今回、委員長の職権でもってこの委員会がセットされた。それは、委員長が就任のときに御挨拶された、公平で中立でそして円満な委員会運営に努めるということにおいて、私は、このことを、非常に遺憾であるということをまず申し上げたいというふうに思います。

 同時に、委員長には、引き続き就任時のその思いと、そしてこれからの今後の総務委員会の運営に対して、不断の努力を要請したいというふうに思います。

 それでは、まず、地方税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 地方税法等の一部を改正する法律案については、本格的な人口減少あるいは超高齢少子化社会を迎えている中で、地方自治体が果たす住民サービスの需要というのはますます増加が見込まれています。しかし、一方で巨額の財源不足が生じている。所得税やあるいは消費税、資産課税など、税制全体を抜本的に見直し、税による再配分機能を強化するという考えから見て、今回、不十分であり、反対をいたします。

 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。

 地域の責任と創意工夫による自律を可能とする真の地方自治を目指すための具体的な政策として、当然、財源保障の機能を強化した持続可能性の高い地方財政制度を実現させ、地域独自の判断で投資事業の実施が可能となる一括交付金化を復活をさせなければならないというふうに考えています。

 同時に、地方交付税の充実は、地域主権を推進していく観点からは大変重要であります。本会議でも大臣と討論をさせていただきました。これまでの一般財源総額確保や、あるいは臨財債等の問題等、その議論を踏まえて、地方交付税については賛成をいたしたいと思います。

 以上で討論を終わります。(拍手)

古屋委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 奥野総一郎でございます。

 希望の党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に反対、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の立場から討論したいと思います。

 まず、私も武内理事と同様、冒頭、職権でこの委員会が立てられたことに強く抗議をいたしたいと思います。

 この議題となっております法案の審議に際しても、我々野党側は昨年に比べて一割以上も質疑時間が減らされるなど、与党の強引な運営が目立ったと言っていいと思います。数におごることなく、審議を尽くした上での採決を改めて求めたいと思います。

 それから、地方税法等の一部を改正する法律案について、反対の理由を申し上げたいと思います。

 給与所得控除等所得控除制度の見直しによって、国、地方合わせて二千八百億円の増税と今回なります。当初は、給与収入八百万円を超える方から増税との報道もありました。要するに、取りやすい、働いている方、サラリーマンから取ろうとしただけではないのでしょうか。

 また、この増税分のお金は一体どこに使われるのか、所得の再分配に本当につながるのか、使われるのかということも明らかではありません。何のためにどれだけの増税をするのかが、昨年の総選挙でも説明はなかったんですね。

 取りやすいところから取れるだけ取るのではなく、使い道や規模、税収の必要性を国民にはっきり説明をして財政の健全化に努めていくべきであります。

 よって、本法案については反対をいたします。

 次に、交付税法について、賛成の理由を申し上げます。

 来年度の地財計画、地方財政計画は、まち・ひと・しごと創生事業費などに一兆円確保など、一般財源総額を確保しつつ、臨時財政対策債を抑制するなど、厳しい財政環境の中、一応の評価ができるものと考えていますので、本案は賛成をいたしますが、問題はあります。

 質疑でも申し上げましたけれども、幼児教育、保育の無償化に地方負担が検討されるなど、地方財政の持続可能性には疑問符がついています。地方財政を持続可能なものとするため、政府に対し抜本的な改革を求めていきたいと思います。

 以上、討論といたします。ありがとうございます。(拍手)

古屋委員長 次に、原口一博君。

原口委員 無所属の会の原口一博です。

 私は、民進党と無所属の衆議院議員十四名から成る会派、無所属の会を代表し、ただいま議題となりました、政府提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に、地域主権改革の立場から反対ということを表明して、その立場からの討論を行います。

 その前に、まず、今二人の委員がお話をなさいましたけれども、この総務委員会は対立委員会ではありません。与野党の信義のもと、粛々と進めてこられたのを職権立てし、しかも、きょうは定例日でもない。この日に採決が予定されていることを強く抗議をいたします。

 今回の給与所得控除の見直しについては、働き方改革に名をかりた、理念なき増税策にすぎません。

 働き方改革、まさに働く者の命がかかっているにもかかわらず、いわゆる二十五年調査の誤りが次々と明らかになり、きょうはついに安倍総理みずからが、実態把握をしないと前に進めない、こういう重い答弁があった日でございます。

 今、並行して平成三十年度予算案を審議していますけれども、この予算案には、働き方改革関連の予算が含まれます。撤回の上、提出し直すことを強く求めます。

 これまで、政府税制調査会では、幾度となく公平、中立、簡素という税制の大原則が強調されてきましたが、このたびの見直しは、所得税制をいたずらに複雑にするものであり、大原則とは正反対の内容になっています。

 フリーランスの方々など自営業者の負担軽減をうたっていますけれども、サラリーマンの方が軽い税負担であるというデータをどこかお示しになったことがございますでしょうか。逆に、サラリーマンと自営業者などの所得捕捉率の相違、いわゆるクロヨン問題の存在が、これまで幾度となく指摘されたところでございます。

 安倍政権は、地方自治体にとって自由度が高く創意工夫を生かしやすい一括交付金を廃止し、ひもつき補助金を復活させました。その裏負担を見ることに地方交付税を利用しており、自治体の固有財源であるはずの地方交付税を差配の道具に使っています。

 かつて、バブル崩壊直後の一時期に、自民党政権が景気対策の名のもと、公共事業を乱発し、負担を押しつけられた地方自治体が青息吐息となった光景をほうふつとさせる状況です。

 これでは、地域の知恵を最大限に引き出し、地域活性化をなし遂げることはできません。

 最後に、地域主権改革の旗のもと、広く野党勢力を結集し、地域の声を無視し活力を奪う、依存と分配の政治に真っ向から対抗していくことを国民の皆様にお約束し、私の討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

古屋委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 私は、日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法等の改定案に対し反対の討論を行います。

 冒頭、野党の合意のないまま、委員長職権でこの委員会が設定されたことに、強く抗議をいたします。

 反対の理由を申し述べます。

 反対理由の第一は、交付税算定へのトップランナー方式を継続していることです。基準財政需要額に対する来年度の影響額は、新たに四百七十三億円、累計では千三百八十七億円にも及びます。また、徴収率の見直しによる影響額は七百五十億円程度になります。

 住民サービスの低下、雇用の不安定化と低賃金化、地方交付税の削減につながり、人権を踏みにじる徴収強化になりかねず、到底認めることはできません。

 第二は、まち・ひと・しごと創生事業費の人口減少等特別対策事業費の算定について、取組の必要度から取組の成果度に更に三百三十億円をシフトすることです。交付税を自治体間の競争をあおるために利用する点でも、町村など財政力が弱い自治体の基準財政需要額が減らされ、財源の削減につながる点でも重大です。

 第三は、地域経済基盤強化・雇用等対策費の全廃です。住民生活に欠かせない分野の大幅な費用削減につながるものです。

 また、公共施設等の縮小、統廃合や、公共サービスを民間営利企業に投げ、労働者を不安定雇用に追いやるPPP、PFI等の推進に地方税財政を利用することはやめるべきです。

 地方財源不足は二十三年連続であり、地方交付税の法定率を引き上げ、財源調整機能と財源保障機能を発揮させるべきです。

 地方税法の改定については、地域経済の牽引を名目に固定資産税の減免を導入しますが、一部の企業のみに支援を特化するやり方ではなく、三百八十万の中小企業全体の底上げこそ、地域経済の活性化に必要です。

 また、個人所得課税の見直しは、勤労世帯、中間層への増税であり、反対です。

 以上を申し述べ、討論とさせていただきます。(拍手)

古屋委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました両法案に賛成の立場から討論いたします。

 我が党は、当初より、地方分権を旗印にしてきました。

 今回の地方交付税については、地方の実情に沿った行政サービスの提供に必要な一般財源総額十六兆円を確保しつつ、臨時財政対策債を対前年度〇・一兆円減まで抑制したことについて一定の評価ができるものです。

 臨財債は五十兆円を超える金額が積み上がっており、導入以前の交付税特別会計借入金も三十二兆円積まれたままの中、国の説明では、後に元利償還金の全額について交付税措置がなされるということですが、地方からは、巨額の負債を国から押しつけられるのではないかと不安の声が上がっております。臨財債について国が責任を持つという姿勢と償還のロードマップについて、明確な回答が必要不可欠です。

 なお、行財政改革を実施した上での備えである財政調整基金等の増加を理由として地方交付税の削減措置がとられなかったことは評価できますし、中小企業の設備投資促進に向けた固定資産税の軽減について、地方の裁量を拡大した上で継続することは、重要かつ適切な措置と考えます。

 また、共通電子納税システムの導入や、大企業への法人住民税等電子申告の義務づけによる地方税の徴収における効率化は、民間企業や地方自治体の生産性向上につながるものであり、このような取組にも、我が党は賛同いたします。

 最後に、我が党は、憲法改正項目の一つにも統治機構改革を掲げています。財源とともに権限を地方へ移譲することで、地方の、地方による、地方のための、真の地方活性化と地方分権を目指して、引き続き議論を前に進めていく決意を申し述べ、今回指摘しました点における政府の真摯な対応を求めて、本法案に対する賛成討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

古屋委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党・市民連合を代表し、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部改正案並びに地方税法等の一部改正案に対し、反対の立場から討論を行います。

 まず、討論に入る前に、この委員会が委員長職権において立てられたことに強く抗議をいたします。

 委員長におかれましては、少数会派の質問時間の確保も含めて、今後、円満な委員会運営をお願いしたいというふうに思います。

 さて、来年度の地方財政計画の一般財源総額は、ほぼ今年度の水準が維持されました。しかし、巨額の財源不足が生じる構造に変わりはなく、臨財債の元利償還額も膨れ上がっています。これらの問題を解決するには、まず、地方法人税を除く、交付税原資としての国税四税の法定率引上げが必要であり、法定率の引上げが見送られたことは極めて残念です。

 また、地財計画上の計画人員で一般職員数が純増としたことは評価をいたしますが、他方、地方創生関連枠の地域の元気創造事業費の行革努力分において、算定項目に依然として職員数削減率を置くことは、明らかに矛盾です。

 同様に、地域活性化分や人口減少等特別対策事業費の取組の成果の指標に、当初はなかった女性就業率や日本人、外国人の延べ宿泊数などの項目が後から付加されたことは、交付税を利用して、時の政権が掲げる政策実現に誘導しかねないものとして、強く危惧をいたします。

 さらに、ことし四月に解禁となる窓口業務の包括的委託について、二〇一九年度のトップランナー方式導入を視野に入れて検討を進めることも、公共サービスの民間、外部委託化をやみくもに進めることになりかねず、検討開始は余りに拙速と言わざるを得ません。

 税制改正でも、安倍内閣が掲げる生産性革命に基づき、地方の重要財源である固定資産税を減免することになりますが、国の施策である以上、国税で対応するのが筋であります。

 同様に、地方の固有財源である地方法人税を交付税の原資としていることも問題であり、財源の偏在性を是正するのであれば、地方税を召し上げるようなことはせず、財源を確保すべきと指摘させていただきます。

 以上を反対の理由として、討論といたします。(拍手)

古屋委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 これより両案について順次採決に入ります。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。

 この際、橘慶一郎君外六名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、公明党、無所属の会、日本維新の会及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による持続可能な地方税財政基盤の確立及び東日本大震災等への対応に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。武内則男君。

武内委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    持続可能な地方税財政基盤の確立及び東日本大震災等への対応に関する件(案)

  厳しい地方財政の現状を踏まえ、地方公共団体が必要な行政サービスを安定的かつ効果的に提供していくためには、持続可能な地方税財政基盤の確立が不可欠であることに鑑み、政府は、次の諸点について措置すべきである。

 一 地方公共団体が、人口減少の克服、地域経済の活性化、公共施設等の老朽化対策等の重要課題に取り組んでいくためには、地域の実情に応じた自主的かつ主体的な取組を長期間にわたって実施していく必要があることに鑑み、平成三十一年度以降も地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が、予見可能性を持って安定的に確保されるよう、全力を尽くすこと。

 二 地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ必要な総額の充実確保を図るとともに、法定率の引上げを含めた抜本的な見直しを検討し、臨時財政対策債等の特例措置に依存しない持続的な制度の確立を目指すこと。また、基準財政需要額の算定については、地域の実情に十分配慮するとともに、地方交付税の財源保障機能を適切に確保すること。

 三 地方公共団体の基金については、それぞれの団体が、将来の歳入減少や歳出増加への備えとして積立てを行っており、その財源は行政改革や経費削減等により捻出されているものであることに鑑み、その残高が増加していることをもって、地方交付税等の財源を一方的に減額しないこと。また、住民への説明責任を果たす観点から、基金の考え方、増減の理由、今後の方針を含め、各団体に財政状況に関する公表内容の充実を要請し、公表内容の「見える化」の促進について検討を進めること。

 四 地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。また、減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等の創設や拡充に当たっては、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう、慎重な対処を行うこと。

 五 個人住民税における控除の在り方については、住民が公平感を持って納税することができるような税体系の構築を目指して不断の見直しを進めること。

 六 地域の実情に応じた行政サービスを地方公共団体が将来にわたり提供することができるよう、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築のために、一層の検討を進めること。

 七 ふるさと納税制度に関しては、制度の趣旨に沿った「ふるさと」への寄附となるよう、引き続き検討を行うこと。

 八 巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることも踏まえ、臨時財政対策債を始め、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。

 九 地方債については、財政力の弱い市町村が円滑に資金を調達できるよう、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど円滑な起債と流通、保有の安全性の確保を図ること。また、地方債の発行に関する国等の関与の在り方については、協議不要基準の緩和等による地方財政の健全性への影響に留意しつつ、地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、運用を含め、更なる検討を進めること。

 十 東日本大震災の被災地方公共団体に対しては、その復旧・復興事業の更なる加速化を図るため、引き続き、所要の震災復興特別交付税額を確保する等万全の支援措置を講ずること。また、近年、熊本地震を始め、台風、集中豪雨、火山噴火、豪雪等の住民生活の安全・安心を脅かす自然災害が多発している状況を踏まえ、消防・防災体制を充実・強化するための十分な財源を確保すること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。

古屋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古屋委員長 起立多数。よって、本動議のとおり、持続可能な地方税財政基盤の確立及び東日本大震災等への対応に関する件を本委員会の決議とするに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田総務大臣。

野田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。

古屋委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十七分散会


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