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第12号 平成30年5月22日(火曜日)

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平成三十年五月二十二日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 古屋 範子君

   理事 井上 信治君 理事 池田 道孝君

   理事 橘 慶一郎君 理事 原田 憲治君

   理事 務台 俊介君 理事 武内 則男君

   理事 奥野総一郎君 理事 高木 陽介君

      井林 辰憲君    小倉 將信君

      大西 英男君    金子万寿夫君

      川崎 二郎君    菅家 一郎君

      木村 次郎君    小林 史明君

      佐藤 明男君    坂本 哲志君

      新藤 義孝君    谷  公一君

      冨樫 博之君    中谷 真一君

      長尾  敬君    鳩山 二郎君

      三浦  靖君    三谷 英弘君

      宗清 皇一君    山口 俊一君

      岡島 一正君    高井 崇志君

      長尾 秀樹君    山花 郁夫君

      原口 一博君    緑川 貴士君

      太田 昌孝君    本村 伸子君

      丸山 穂高君    照屋 寛徳君

      井上 一徳君    小川 淳也君

    …………………………………

   総務大臣         野田 聖子君

   総務大臣政務官      小倉 將信君

   総務大臣政務官      小林 史明君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       巻口 英司君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  左藤  章君     坂本 哲志君

  新藤 義孝君     長尾  敬君

  穂坂  泰君     三谷 英弘君

  山口 泰明君     中谷 真一君

  吉川  元君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  坂本 哲志君     左藤  章君

  中谷 真一君     山口 泰明君

  長尾  敬君     新藤 義孝君

  三谷 英弘君     穂坂  泰君

  照屋 寛徳君     吉川  元君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 郵政事業に関する件

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案起草の件

 郵政事業のユニバーサルサービス確保等に関する件


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     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。

 郵政事業に関する件について調査を進めます。

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局郵政行政部長巻口英司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 本件につきましては、各党間の協議の結果、坂本哲志君外七名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会、社会民主党・市民連合及び希望の党の七派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおりの独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。坂本哲志君。

坂本委員 おはようございます。

 提出者を代表いたしまして、本起草案の趣旨及び内容につきまして御説明申し上げます。

 まず、本起草案の趣旨について御説明申し上げます。

 郵政事業のユニバーサルサービスは国民生活に必要不可欠であり、法令上日本郵便株式会社にその提供を行う責務が課され、郵便局ネットワークにより提供されております。本起草案は、郵政事業のユニバーサルサービスの提供を安定的に確保するため、郵便局ネットワークの維持を支援するための交付金及び拠出金の制度を創設しようとするものであります。

 次に、本起草案の内容について御説明申し上げます。

 第一に、日本郵便株式会社に対し、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、基礎的な費用に充てるための交付金を交付するとともに、その費用を日本郵便株式会社、関連銀行及び関連保険会社の郵便局ネットワークの利用の度合いに応じて案分して得た額のうち、関連銀行及び関連保険会社に係るものを、拠出金として、関連銀行及び関連保険会社から徴収することとしております。

 第二に、この交付金の交付と拠出金の徴収に関する業務を、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の業務に追加するとともに、機構の名称を独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に改めることとしております。

 第三に、交付金の交付等に関する新法の規定につきましては、新法の施行状況等を勘案し、郵政事業のユニバーサルサービスの提供を確保するために、郵便局ネットワークを維持する観点からの検討条項を設けることとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備をすることとしております。

 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行し、交付金の交付及び拠出金の徴収の規定は、平成三十一年四月一日から適用することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 本件について発言を求められておりますので、これを許します。本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 郵政民営化から十年以上が経過をいたしました。そもそも何のための郵政民営化なのか、国民、利用者の皆様へのサービスはどうなるのか、こういう最も基本的な問題を曖昧にしたまま、郵貯、簡保を縮小、廃止せよという銀行や生保業界の要求に応える民営化に日本共産党は反対し、郵便事業のユニバーサルサービスが維持されなくなるということで一貫して主張してまいりました。

 そもそも、郵政事業を分社化せず、一体のものであれば、郵政事業のユニバーサルサービスの維持については問題が生じないということになってまいりますし、消費税の賦課の問題も発生しないわけでございます。民営化、分社化の矛盾がさまざま浮き彫りになっているというふうに思います。

 今回のこの議員立法では、新たな交付金、拠出金制度をつくるというふうにしております。改定案では、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、あまねく全国において郵便局で郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用できるようにすることを確保するために不可欠な費用の額、これを基礎的費用として総務省令で定めるというふうにしております。

 この総務省令の中身はどういうものなのかということをお伺いしますと、郵便局の社員二人分、管理者と窓口社員の人件費、そして郵便局舎の費用だというふうにお聞きをしております。なぜ郵便局社員二人分の人件費と局舎費用なのか、お答えを提案者の方にお願いしたいと思います。

坂本委員 この法案は、将来にわたり郵政事業のユニバーサルサービスの安定的な提供を確保する観点から、その基礎となる郵便局ネットワークの維持に要する基礎的費用につきまして、日本郵便に対しまして交付金を交付する制度を創設するものでございます。先生言われたとおりでございます。

 この基礎的費用につきましては、郵便局の業務の多寡にかかわらず発生する、郵便局を運営する上で必要不可欠な経費を想定しております。

 その具体的な算定方法は、将来にわたり郵政事業のユニバーサルサービスの安定的な提供を確保する観点から、その基礎となる郵便局ネットワーク維持に資するというこの法案の目的を踏まえて、総務省令で定めることとしております。

 以上でございます。

本村委員 議員立法の目的なんですけれども、郵便局ネットワークの維持のためというふうにされて、今も御答弁あったと思いますけれども、民営化される中でも現在の全国約二万四千の郵便局を維持していくということを目的とするということを確認させていただきたいと思います、提案者の方に。

橘委員 お答え申し上げます。

 今回の法律案の目的は、本村委員御指摘のように、将来にわたり郵政事業のユニバーサルサービスの安定的な提供を確保する観点から、その基礎となる郵便局ネットワークの維持を図る点にございます。

 この郵便局ネットワークの維持ということは、総体としての郵便局ネットワークを、平成二十四年、郵政民営化法改正の際に現に存したものと同水準に維持することであると考えております。

 なお、本法案に基づく交付金の交付は、今御説明いたしました全国の郵便局ネットワーク二万四千局、約二万四千局でありますが、この維持に資するものと考えております。

本村委員 ありがとうございます。

 次に、大臣にお伺いをしたいんですけれども、郵便のユニバーサルサービスの維持に必要な経費という場合に、単に郵便局の維持だけではないというふうに思うんです。集配業務ですとか、あるいは郵便ポストが地域の中に適切な数量あるということや、さまざまな経費が当然必要であるというふうに思います。それがあって郵便のユニバーサルサービスが維持されるというふうに思いますけれども、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

野田国務大臣 本村委員にお答えいたします。

 郵便のユニバーサルサービスの提供に当たっては、郵便局窓口の維持のための経費だけでなく、集配業務などさまざまな業務に係る経費が必要と認識しています。

 郵便のユニバーサルサービスは、日本郵便が収益力の強化やコスト削減などの経営努力により提供していくことが基本と考えています。総務省としても、引き続き日本郵便の取組状況をしっかり注視してまいります。

本村委員 法案の説明では、郵便局ネットワークの維持に要する基礎的費用は交付金、拠出金制度で賄い、それ以外の費用については従来どおり民民の契約で決定するというふうにされております。

 この窓口業務委託契約の方で手数料を引き下げられてしまっては、結局、郵便局ネットワークもまた郵便のユニバーサルサービスの維持もできなくなってしまうのではないかという大きな懸念があるわけですけれども、金融二社に対して、基礎的費用を負担しているのだから、今後、窓口業務委託契約では手数料を下げても当然だろうというような発想が絶対に許されないということが必要なのではないかというふうに思います。

 金融二社が機構への基礎的費用を負担するということを理由に手数料を引き下げるということにはならないという具体的な根拠について、この法案の中には書いてあるんでしょうか。

坂本委員 今おっしゃいましたとおり、現在、日本郵便株式会社は、日本郵便株式会社法の規定に基づきまして、関連銀行である株式会社ゆうちょ銀行との間で銀行窓口業務契約を、関連保険会社である株式会社かんぽ生命保険との間で保険窓口業務契約を締結しているところでございます。これらの業務契約に係る手数料の額につきましては、法令上の規制は存在せず、あくまでも民民の契約に委ねられております。

 もっとも、現行の日本郵便株式会社法におきまして、銀行、保険窓口業務契約の届出制、第七条でございます、や、日本郵便株式会社の事業計画の認可制、第十条でございます、それと事業の収支の状況の報告、第十四条でございますが、それらが定められております。

 法改正後も、委託手数料が適切かどうか、委託手数料が過剰に引き下げられていないかにつきましては、行政として必要に応じてチェックすることが期待されております。

本村委員 ありがとうございます。

 ユニバーサルサービスが維持できなくなるような状況にならないように、ぜひ総務省としてもしていただきたいというふうに思います。

 現在、日本郵便にはユニバーサルサービスの義務が課せられている一方で、金融二社には課せられておりません。郵便局ネットワークは、契約による窓口業務委託手数料で維持する形となっております。

 こういう中で、今後、金融二社の株式売却が進めば進むほど、株式会社としての利益追求と郵便局のユニバーサルサービス維持というものは対立してくることになるのではないかという制度的な矛盾が、どんどん売却すればするほど大きくならざるを得ないのではないかというふうに思いますけれども、大臣は、この制度的な問題として、こうした基本的認識をお持ちかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 平成二十四年の改正郵政民営化法において、貯金、保険を含めた郵政事業のユニバーサルサービスの提供が日本郵政及び日本郵便に義務づけられました。

 一方で、金融二社の株式処分については、その全部を処分することを目指し、金融二社の経営状況、ユニバーサルサービス提供責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものと規定されました。

 この規定は、郵政民営化を進める上で、ユニバーサルサービスの維持と株式処分が両立できるよう、制度的な仕組みとして設けられているものと認識しています。

 なお、今回の法案については、金融二社の株式処分の状況にかかわらず、郵便局ネットワーク維持に要する基礎的な費用を制度的に担保しようとするものであり、郵政事業のユニバーサルサービス確保に資するものと考えています。

本村委員 郵便事業が公共の福祉の増進を目的とする公的事業体であるということを明確にして、郵便貯金、簡易生命保険にユニバーサルサービスを義務づけることなど、分社化をやめて、一体的に、一社体制にすることなど抜本的な見直しが必要であるということを申し述べまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古屋委員長 これにて発言は終わりました。

 お諮りいたします。

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古屋委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 この際、橘慶一郎君外七名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、日本維新の会、社会民主党・市民連合及び希望の党の八派共同提案による郵政事業のユニバーサルサービス確保等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    郵政事業のユニバーサルサービス確保等に関する決議(案)

  政府及び日本郵政グループは、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案が、郵政事業のユニバーサルサービスの安定的な提供を確保するため、郵便局ネットワークの維持を支援するための交付金及び拠出金の制度を創設しようとするものであることに鑑み、次の事項について配慮すべきである。

 一 国民生活に必要不可欠な郵政三事業を一体的に利用できるようにするとともに、そのサービスを充実させるため、郵便局ネットワークは現在の水準を維持し、国民が将来にわたり、あまねく全国において公平な恩恵を受けられるよう、努めること。

 二 日本郵政グループは郵便局ネットワークを維持してユニバーサルサービスを図り、国民生活に貢献することを目的とし、健全経営に努めること。

 三 この法律案は、郵便局ネットワークを維持し、ユニバーサルサービスを図ることを目的としていることから、日本郵政グループはその事業が国民により活用し易いものとなるよう努めること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

古屋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古屋委員長 起立総員。よって、本動議のとおり、郵政事業のユニバーサルサービス確保等に関する件を本委員会の決議とするに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田総務大臣。

野田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

古屋委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時十八分散会


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