衆議院

メインへスキップ



第2号 令和元年11月7日(木曜日)

会議録本文へ
令和元年十一月七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大口 善徳君

   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君

   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君

   理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君

   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君

      井林 辰憲君    池田 道孝君

      石田 真敏君    泉田 裕彦君

      小倉 將信君    金子万寿夫君

      川崎 二郎君    木村 次郎君

      木村 弥生君    小林 史明君

      佐藤 明男君    斎藤 洋明君

      杉田 水脈君    高木  啓君

      津島  淳君    鳩山 二郎君

      百武 公親君    古川  康君

      穂坂  泰君    松野 博一君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山口 俊一君    岡島 一正君

      岡本あき子君    奥野総一郎君

      佐藤 公治君    重徳 和彦君

      長尾 秀樹君    西岡 秀子君

      緑川 貴士君    山花 郁夫君

      太田 昌孝君    本村 伸子君

      足立 康史君    井上 一徳君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   内閣府副大臣       平  将明君

   総務副大臣        長谷川 岳君

   総務副大臣        寺田  稔君

   内閣府大臣政務官     藤原  崇君

   総務大臣政務官      木村 弥生君

   総務大臣政務官      斎藤 洋明君

   総務大臣政務官      進藤金日子君

   厚生労働大臣政務官    自見はなこ君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 丸山 雅章君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   青柳 一郎君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        木村  聡君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            齋藤  馨君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           秋本 芳徳君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        境   勉君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高原  剛君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           赤松 俊彦君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       長塩 義樹君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            谷脇 康彦君

   政府参考人

   (消防庁次長)      米澤  健君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           度山  徹君

   政府参考人

   (気象庁予報部長)    長谷川直之君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         石原  進君

   参考人

   (日本放送協会会長)   上田 良一君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長)    長門 正貢君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役上級副社長) 鈴木 康雄君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役)            池田 憲人君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役)            横山 邦男君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役)            植平 光彦君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          小方 憲治君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月七日

 辞任         補欠選任

  小林 史明君     古川  康君

  松野 博一君     高木  啓君

  山口 泰明君     津島  淳君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     松野 博一君

  津島  淳君     百武 公親君

  古川  康君     泉田 裕彦君

同日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     杉田 水脈君

  百武 公親君     山口 泰明君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 水脈君     小林 史明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大口委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長石原進君、日本放送協会会長上田良一君、日本放送協会専務理事木田幸紀君、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長長門正貢君、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役上級副社長鈴木康雄君、日本郵政株式会社取締役池田憲人君、日本郵政株式会社取締役横山邦男君、日本郵政株式会社取締役植平光彦君及び日本郵政株式会社常務執行役小方憲治君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長丸山雅章君、内閣府政策統括官青柳一郎君、内閣府地方創生推進事務局審議官木村聡君、金融庁総合政策局参事官齋藤馨君、総務省大臣官房総括審議官秋本芳徳君、大臣官房地域力創造審議官境勉君、自治行政局長高原剛君、自治行政局公務員部長大村慎一君、自治行政局選挙部長赤松俊彦君、情報流通行政局長吉田眞人君、情報流通行政局郵政行政部長長塩義樹君、総合通信基盤局長谷脇康彦君、消防庁次長米澤健君、厚生労働省大臣官房審議官度山徹君及び気象庁予報部長長谷川直之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古賀篤君。

古賀委員 おはようございます。自由民主党の古賀篤でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。そして、二年ぶりの総務委員会に所属になりまして、また理事を仰せつかりました。委員長、各委員の皆様方、高市大臣を始め総務省の皆様方、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 時間も限りがありますので早速質疑に入りたいと思いますが、冒頭、この一連の台風、十九号を始め、被害に遭われた、特に亡くなられた方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞い申し上げたいというふうに思います。

 きょうは大きく三つ伺いたいと思いますが、大臣の所信を受けた一般質疑ということで、大臣の所信の中でも、第五番目で、持続可能な社会基盤、そしてその中で、行政評価・監視、行政相談についてという発言がございました。そのうちの行政評価・監視について伺いたいと思います。

 ことし二月の、この場ではないんですが、予算委員会の分科会におきましても、私は同様の質問をさせていただきました。それは、総務省の行政評価局によりまして昨年の十一月に勧告された、子育て支援に関する行政評価・監視の中の非常時における保育施設等の迅速かつ適切な臨時休園の判断の推進という指摘がありました。

 その内容でありますけれども、非常時、具体的には、自然災害が発生したとき、あるいは感染症の流行期において、臨時休園の実施基準が設定されていない保育施設が約八割あるということであります。

 台風が接近して小学校が臨時休校になります、あるいはこれからの季節ですと、インフルエンザが流行して、そのため臨時休校、こういったことを耳にするわけでありますが、小中学校、幼稚園には休校、休園の根拠となる法令がある、一方、保育施設にはそうした法令がないことから、制度的に臨時休園はできないと思っていた施設、あるいは臨時休園を行う具体的な基準を決められないとする施設があるということであります。

 特に、乳幼児の安全確保のために臨時休園を迅速かつ適切に判断できるように、臨時休園を行うための基準を設定しておくことは大変重要であると考えますし、この勧告においても、保育施設における臨時休園に関する国の考え方を整理し、地方公共団体に提示するとともに、臨時休園の実施基準の設定を検討することについて地方自治体に要請することを厚生労働省を始め関係府省に求めるとされているところであります。

 保育園というのは、家庭において必要な保育を受けがたい乳幼児を預かる施設でありまして、臨時休園の判断はより慎重にということは理解できますし、保護者の立場からしますと、急に仕事は休めない、なるべく子供を園に預けて仕事場へということは、私も子供を保育園に通わせていますので、状況というのは大変よくわかるところであります。

 一方で、保育園の先生方からよく伺うのは、こういった非常時に臨時休園の検討をしていると、保護者の方から開園してほしいという要望をいただいたり、あるいは自治体を通じて開園をするようにと指示があるということも聞くわけであります。特に災害時においては、保育士の方が園に来られるということも困難だという状況の中でどうやって開園をするのかと、大変、園の先生方も悩まれているということであります。

 今回のこのたび重なる災害を受けまして、保育関係者の方からも、改めて、災害時等における保育所の休園について国の考え方の整理、基準の設定の要望をいただいているところであります。

 総務省としましては、勧告後おおむね六カ月後に勧告に対する対応状況についてフォローアップするというふうに聞いておりますし、そろそろそれが行われるころだと伺っておりますが、また、先月末には、厚生労働省がこの臨時休園の具体的な基準を設けるといった新聞報道もあったところであります。

 なお、この当勧告では、平成三十年の七月に起こった西日本豪雨の際に、臨時休園に踏み切れずに乳幼児を受け入れた結果、乳幼児を連れて避難所まで移動した保育施設があったというような指摘もされているところです。

 ことしも、先ほど触れました災害時において、保育所の臨時休園が実施できていない保育園があるのではないかと思いますが、そういった把握も含めて、ぜひ厚生労働省における現在の検討状況を伺いたいと思いますが、きょうは自見はなこ政務官に参議院の厚生労働委員会がある中お越しいただいていますので、ぜひ答弁のほどよろしくお願いします。

自見大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、保育園における臨時休園については、昨年十一月に総務省から厚生労働省に対しまして、臨時休園の実施基準の設定に係る考え方を整理し、自治体に提示することとともに、臨時休園の実施基準の設定の検討について自治体に要請することを内容とする勧告をいただいたところでございます。

 今般の災害に対してあらかじめ休園を決定した園、あるいはしていなかった園の全体の数については把握はしていないものの、自治体によっては、当該自治体の判断により、あらかじめ休園を決定していた事例もあったというふうに承知をしております。

 厚生労働省としては、先般の総務省の勧告を踏まえ、臨時休園に対する課題や考え方について整理することを目的として、今年度から調査研究を実施しているところであります。

 この中で、既に臨時休園の基準を策定している自治体へのヒアリングにより個々の事例の詳細を把握するとともに、自治体や保育関連の有識者により臨時休園に関する考え方、判断基準や課題についての整理を行っており、今年度中に報告書を取りまとめることとしております。

 委員の問題意識を十分に踏まえて対応してまいりたいと思っております。

古賀委員 自見政務官、ありがとうございました。ぜひ早急の検討と適切な対応をお願いしたいと思います。

 総務省におかれましても、地方自治を所管している立場からもぜひ問題意識を共有いただきたいと思いますし、フォローアップの方もよろしくお願い申し上げます。

 自見政務官は、これでもう結構ですので、御退席いただければと思います。

 私の方も、この問題についてはまた引き続き、節目節目で状況を把握させていただきたいと思っております。

 次に、大きくまた二点伺いたいんですが、それは、来年、令和二年、二〇二〇年というキーワードでありまして、この点について二点、高市大臣に伺いたいと思います。

 大臣、御就任おめでとうございます。よろしくお願いします。

 来年、御存じのように、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。もう間近に迫ってきているところでありますが、前回、大臣が御就任時に立ち上げられた、二〇二〇年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会というのがございまして、これまでアクションプランですとか二〇二〇年東京大会に向けた提言等を取りまとめられているというふうに伺っておりますし、あしたも懇談会があるというふうにも伺っているところであります。

 そこで、総務省における二〇二〇年に向けた社会全体のICT化推進の取組状況、また、デジタル社会実現の基盤となるマイナンバー、このマイナンバーに関しても、二〇二〇年度に実施予定のマイナンバーカードを活用した消費活性化策について検討されていると大臣の所信でもございましたが、その検討状況について大臣に伺いたいと思います。よろしくお願いします。

高市国務大臣 二〇二〇年に向けた社会全体のICT化の推進につきましては、五年前の総務大臣就任時の安倍総理からの指示書を踏まえまして、有識者による懇談会において議論してまいりました。

 この懇談会では、二〇二〇年までに実現を図るべき施策を整理したアクションプランを策定するということで、今委員が御指摘になったとおりのことでございますが、目標を明確化いたしました。

 5Gにつきましては、ラグビーワールドカップにおいてプレサービスを開始して、来春の商用サービスの開始の準備が進んできております。

 テレワークにつきましては、ことしの夏、テレワーク・デイズ二〇一九に二千八百八十七団体、六十八万人に御参加をいただき、交通混雑の緩和に効果がございました。

 その他の項目につきましても、進捗状況をフォローアップして取り組んでおります。

 それから、マイナンバーカードを活用した消費活性策としてのマイナポイント事業につきましては、民間事業者にも御協力をいただきまして、官民連携タスクフォースにおいて検討を進めており、昨日、第二回を開催しました。

 これまで、民間決済サービスとの具体的な連携方法などについてはおおむねの合意が得られました。十二の決済サービスには、現段階で参加の意向を示していただいております。ただ、プレミアム率などにつきましては予算編成の中で決定していくことになりますので、引き続き、民間事業者と連携をしながら、できるだけわかりやすい仕組みとなるよう準備を進めてまいります。

古賀委員 御答弁ありがとうございました。

 ぜひ、大臣御答弁された方向でしっかり推進をお願いしたいと思います。

 我が党におきましても、岸田文雄政調会長のもとで経済成長戦略本部を立ち上げておりまして、今大臣の答弁にありましたマイナンバーカードの活用策、あるいはこれからのオリンピック、パラリンピック時に外国人観光客を対象としたICTの政策についても今検討中でございます。ぜひ、政府とも連携をさせていただいて、しっかりとした政策の実現を図っていきたいと考えているところでありますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、最後でありますが、同じく二〇二〇年ということであります。

 来年は五年に一度の国勢調査の年ということでありますが、同時に、二〇二〇年は国勢調査の制度創設百周年という節目の年となっております。さまざま、これまでの国勢調査においていろんな課題が把握され、そしてこれから対応されようとしていると思いますが、そういった今後の課題と対応、そして百周年に向けた取組について、高市大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

高市国務大臣 今、古賀委員から御指摘をいただきましたとおり、令和二年は大正九年の第一回国勢調査から百年の節目を迎えます。

 来年の調査につきましては、特に、インターネット回答のさらなる推進、若年単身世帯を中心とした不在世帯への対応、それから増加が見込まれる外国人の方々の的確な把握が重要課題と認識しております。

 総務省では、先月、私を本部長とする令和二年国勢調査実施本部を発足させて、全部局を挙げて調査の成功に向けた取組を進めることとしております。

 具体的には、便利で安価なインターネット回答の積極的推進、外国人や御高齢の方、障害をお持ちの方を含めて誰もが答えやすいバリアフリーの調査、企業や団体の活動、サポートとのコラボレーションに重点的に取り組んでまいります。

 また、百年を記念しまして、これまでの歴史をまとめた広報冊子を作成しましたほか、今後、シンポジウムの開催や統計資料館での企画展示を行う予定でございます。

 しっかりと円滑に、また確実に実施できるように頑張ってまいります。

古賀委員 ありがとうございました。

 大臣に今御発言いただきましたように、本当に、来年に向けていろいろな準備、そして実際の来年の実施、そして百周年というこの節目の対応がしっかりと行われることを期待しているところであります。

 先ほどパンフレットということも御発言ありましたけれども、本当に百年というのはさまざまな歴史があって、統計にかけるそれぞれの先人の方々の情熱があって、日本近代統計の祖と言われる杉亨二さんからスタートして、第一回目の国勢調査というのは原敬総理大臣のときに行われたということであります。

 そういった意味でも、また、統計資料館というお話もありましたが、新宿区の若松にあって、大変すばらしい展示がされているところであります。私も当時、政務官のときに統計担当をさせていただきました。そういう意味でも、百周年に向けてしっかりと国勢調査が実施されるように、いろんな立場からいろんな形で応援させていただきたいというふうに思っております。

 質問は以上でございますが、最後に、きょうは副大臣、政務官には質問をいたしませんでしたが、高市大臣、そして各副大臣、政務官、高市大臣を先頭に、ぜひ、ラグビーで例えるとスクラムをしっかり組んでいただきまして、職員ともあわせてワンチームで、ぜひ各政策を力強く推進いただきますことを心から御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。

 高市大臣、二度目の大臣御就任、まことにおめでとうございます。

 私にとって、きょうは総務委員会での初質疑となります。十五分という限られた時間となりますが、どうかよろしくお願いいたします。

 いよいよ来春、5Gの商用サービスがスタートいたします。超高速大容量、超低遅延、多数同時接続、この大きく三つの特徴を持つ5G、この導入によりまして、あらゆる物や人がネットにつながって、分野横断的な膨大なデータがリアルタイムに収集できるようになる、そしてそのビッグデータを人工知能、AIによって解析をして、その結果を実社会で活用することによって、新たな価値が生み出されて、またこれまで解決できなかったような社会課題が解決できるようになる、また、一人一人に寄り添う人間中心の社会が実現をされる、こういったことが期待をされております。大臣も所信で、5GやAIなどの技術をさまざまな分野で活用し、その恩恵を享受できる地域社会を実現する旨のことをおっしゃいました。

 こういったデジタル技術の進歩がもたらす新たな社会、これを一言で言いあらわす言葉がソサエティー五・〇であります。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上新たな第五の社会、ソサエティー五・〇。日本が独自に提唱し、本年の骨太の方針のサブタイトルにも使われました。また、G20でも、日本から世界に発信をし、共有をしたところであります。

 ただ、大臣所信におきまして、その中身、内容自体は私は入っていたと受けとめておりますけれども、ソサエティー五・〇という言葉それ自体は入っておりませんでした。もちろん、こういった概念的な言葉を裸のまま使ってくれと私は言っているわけではございません。未来を予測することが困難な中でどういう社会を目指していくのか、ビジョンや理念を示していくことは大切で、そのコンセプトを共有できる、共有する共通言語があるべきだと私は考えております。

 そういった意味で、やはり要所要所ではソサエティー五・〇という言葉を使っていく、また、世界に発信していく、こういったことが大事になってくると思いますので、ぜひまた今後御検討をいただければと思います。

 その上で、ソサエティー五・〇で重要になるのは、人とともにデータであります。データが価値創造の源泉となり、その利活用がこれからの肝になります。この点に関しまして、本年のG20では、日本が提唱しましたデータ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、信頼性のある自由なデータ流通のコンセプトに合意がされました。

 また、データと密接な関係にあるのがAIであります。データの利活用にはAIによる分析が有用であります。AIの精度を高めるためにもデータは欠かせません。そのAIについて、本年、G20として初めて議論をし、人間中心の考えを踏まえたAI原則が合意をされたところであります。

 このAI原則は、高市大臣が前回総務大臣に就任されていた折に、G7香川・高松情報通信大臣会合で初めて国際的な議論の必要性を提起されたものであります。これがもととなりまして、ことしのG20において、ここにも、私の左横にいらっしゃる石田前総務大臣が取りまとめをされました。

 このように、日本がリードをすることで、AI原則やデータの利活用に関する国際的なルールが議論をされるようになってきております。

 そこで、高市大臣にお伺いいたします。

 国際社会におけるAIの利活用、データの利活用、なかんずく信頼性ある自由なデータ流通の促進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、答弁を求めます。

高市国務大臣 國重委員から冒頭に御指摘がありましたソサエティー五・〇という言葉、これから発信もしっかりとしてまいりたいと思いますが、ただ、所信におきましては、IoT、AI、ビッグデータといった技術を医療、交通、農業、防災などあらゆる分野で展開して革新的な社会の実現を目指すものであるという本来のソサエティー五・〇の意味について、できるだけわかりやすく表現しようと思った次第でございます。

 それから、もう先ほど委員から、大方、これまでの流れについてはおっしゃっていただきましたが、AIや情報の自由な流通と、それからやはり安全性、セキュリティーを両立させていくという政策議論につきましては、私が前回総務大臣として議長を務めた二〇一六年のG7香川・高松情報通信大臣会合で初めて我が国の主導によって国際的な議論を開始することにしたものでございます。

 その後、諸外国との間で議論を重ねられ、前石田大臣のもとでは、ことしの六月に開催したG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合において、人間中心の未来社会を実現するため、AIの安全性や透明性、公平性を確保することなどを内容とするAI原則ですとか、それから、プライバシーやセキュリティーといった課題に対処することで人々の信頼を高めて自由なデータ流通を更に可能にする、これも委員が御指摘いただいたデータ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、この概念などについてG20という枠で合意するという非常に大きな成果につながり、またその成果が、その後開催されたG20大阪サミットでの首脳レベルにおける合意にも反映され、安倍総理のもとでの大阪トラックの立ち上げにもつながりました。

 せっかくここまで環境が整ってきましたので、今後も、G7、G20、OECD、それから二国間協議などの場を活用しながら、人間中心のAI原則の実装の推進ですとか、それから信頼性のある自由なデータ流通の実現に向けたルールを形成していくということに関する国際的な議論を引き続き日本として主導してまいりたいと考えております。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、先ほどは、これからの時代の肝となるデータの利活用について触れさせていただきました。その基盤となるのがネットワークであります。そういったことからも、5Gの早期の全国展開を図っていく必要があります。

 この点、諸外国を見ますと、アメリカ、韓国は本年四月から5Gの商用サービスを開始、中国、欧州も今年度から順次展開をしておりまして、日本はおくれているとの指摘がございます。スタート時期だけを見れば確かにそうでありますが、日本の場合は、5G普及の前提となる光ファイバーや4Gインフラといった基礎的インフラが世界で最も普及しているという強みがあります。

 そこで、大臣にお伺いします。

 各国が5G競争にしのぎを削っている中で、日本も独自の強みを生かして5Gの早期の全国展開を図っていくことが重要と考えますが、これに向けた今後の取組と大臣の決意について答弁を求めます。

高市国務大臣 5Gは地域の発展に不可欠な二十一世紀の基幹インフラでありますので、全国への速やかな展開が極めて重要だと考えております。

 本年四月の5Gに係る周波数の割当ての際に、各携帯電話事業者に対しまして、二年以内に全都道府県でのサービスを開始するということを義務づけるとともに、都市部、地方部を問わず、早期かつ広範に全国展開をするよう条件を付させていただいております。

 また、本年六月に総務省が策定しましたICTインフラ地域展開マスタープランでは、5G基地局やこれを支える光ファイバーなどのICTインフラの整備について、特に条件不利地域における整備を促進するということによって、都市部と地方部との隔たりなく整備を加速することにしております。

 今、マスタープランの具体化に向けた予算を盛り込んだ来年度予算の概算要求と、携帯電話事業者などによる5G基地局整備を促進する新規の税制改正要望を財務省に提出しているところでございます。

國重委員 重要なことですので、よろしくお願いいたします。

 今後、携帯電話事業者が5Gのエリア整備を進めていくことになりますが、全国津々浦々、全ての地域ですぐに5Gが使えるようになるわけではありません。やはりニーズのあるところから進んでいくと見込まれます。

 このような中で、今回、ローカル5Gという新たな取組がスタートいたします。地域の企業や自治体などのニーズがある場合には、たとえ小さなエリアであったとしても、そのニーズに応じて通信事業者以外のさまざまな主体がみずから5Gのシステムを構築できるようになるこのローカル5G、ドイツでも似たような取組がありますが、世界的に見ても革新的なこれは制度であります。

 ローカル5Gを使うことによって、例えば工場では、ケーブルを使わずに無線で産業用ロボットを制御したり、製造ラインのレイアウトが柔軟に変更できるようになります。スマート農業など、ほかにも使い方、工夫次第でさまざまな可能性が開かれます。

 ただ、一方で、単にローカル5G、ネットワークが使えますよ、こう言ったところで、多くの方にはわかりません。通信に精通している人たちだけが使えるのではなくて、潜在的なニーズがあるところにもしっかりと目を向けて、情報をわかりやすく届けて、本当の意味での普及を図っていくことが大事だと思います。

 そこで、今後、ローカル5Gをどのように普及させていくのか、お伺いいたします。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のローカル5Gでございますけれども、一部の周波数帯域、具体的には二十八ギガヘルツ帯を先行して本年の十二月に制度化をいたしまして、速やかに免許申請を受け付けたいというふうに考えております。

 その際、多くの方々にローカル5Gの制度について御理解していただけるように、ローカル5G導入ガイドラインを公表するほか、パンフレット等の策定を行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、地域のさまざまな企業や自治体等とも連携しながら、ローカル5Gの利活用を促進するため、5Gを活用してさまざまな地域課題を解決するいわゆるユースケースについて、開発実証事業を実施するための予算七十・一億円を来年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。

 さらに、ローカル5Gの利用をより拡大するため、使用周波数帯の拡大、具体的には四・五ギガヘルツ帯につきまして、現在、情報通信審議会で御審議をいただいているところでございます。

 総務省といたしましては、こうした取組を通じましてローカル5Gの普及を促進しまして、より多くの方々に利用していただけるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。

國重委員 今答弁されたように、より多くの方に使っていただけるようなローカル5Gの普及をぜひよろしくお願いいたします。

 5Gや光ファイバーなどのICTインフラの全国展開が進んでいく中で、地域の活力を維持強化していくために、そのインフラをどう活用していくのか、ICTをどのように利活用していくのか、こういった観点も大事であります。

 ただ、この利活用につきましては、地域間で大きな格差があります。その原因として、ICTの技術をそもそも知らない、その活用の仕方がわからない、あるいはコストや人材の問題、さまざまあるでしょうが、とりわけ、どんな課題がその地域にあって、それに対してどんな技術が活用できるのか、このニーズと技術をマッチングできるような地域における協議の場、これがないこと、このことも大きな要因の一つと考えます。

 そこで、高市大臣にお伺いいたします。

 こういった場づくりも含め、ICTの利活用の地域間格差をなくしていくためにどう取り組んでいくのか、答弁をよろしくお願いいたします。

高市国務大臣 地域間格差の是正には、ICTによる地域課題の解決や生産性の向上など、成功事例の横展開が重要でございます。その推進に当たりましては、國重委員おっしゃったとおり、人材面の支援が必要だと考えております。

 総務省では、希望する地方自治体に対しまして、ICTによる地域課題解決のために、ICTの利活用をするということで助言を行う地域情報化アドバイザーを派遣しております。ちなみに、令和元年度は、これまで二百八十四件の派遣を決定済みでございます。

 さらに、これも國重委員が御提案くださいましたが、人材面の支援に加えて、地域の産業界、地方自治体、大学、商工会議所、金融機関など、緊密な協力、推進をしていただく体制というのがとりわけ重要なので、各地の総合通信局を通じまして、こうした場の構築を積極的に支援しているところでございます。

國重委員 困っているところ、苦しんでいるところ、深刻な社会課題に直面する地域でこそICTは威力を発揮するでしょうし、そういうところにこそデジタル技術を活用していくべきだと私は思います。

 技術革新の光が社会の隅々まで行き渡るよう、ぜひ高市大臣の力強いリーダーシップを発揮していただきたい、このことを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 今国会から新たに結成されました共同会派に参加をしております社民党の吉川です。

 本日は、かんぽ、ゆうちょをめぐる不正事案、そして、NHKのテレビ番組を発端とした会長への厳重注意、この案件について中心に質問をさせていただきたいと思います。

 最初に、ゆうちょ、かんぽでの不正事案について質問いたします。

 まだ入っておられないですよね。よろしいですか。

大口委員長 速やかに着席してください。

吉川(元)委員 それでは、質問を続けますが、ことし六月半ばに、ゆうちょ銀行が投資信託を不適切販売しているとの新聞報道がありました。続けて、六月の後半には、かんぽ生命での契約乗りかえで不適切販売が行われていたと報じられました。以後、現在まで、その原因、違法行為の数に至るまで、全容が明らかになっているとは到底言えない状況です。

 まずお聞きしたいのは、ゆうちょとかんぽでの不正事案。両社とも新聞報道等で報道される以前から社内調査が実施されていたものと承知をしておりますが、社内調査を実施する、あるいはしなければならないと判断をするに至った契機と、それから、いつから社内調査を実施したのかを教えてください。

池田参考人 池田でございます。

 お答え申し上げます。

 今回の事象につきましては、御高齢のお客様に投資信託を販売する際には、社内規則で、勧誘をする前と申込み受け付け前の二回、管理者による承認を行うということをしております。今回は、前者を行っていなかったということが今回の事象でございます。

 本件により、数多くのお客様に御心配をおかけしてしまったことについて……(吉川(元)委員「聞いたことに答えてください。いつから調査を始めたのか、契機は何だったのか」と呼ぶ)わかりました。はい。

 発覚の契機は、お客様の苦情を受け、個別の販売状況を調査している過程で、昨年十一月に本件不適切取扱いが判明したことが契機となっております。その後、本年二月に、ゆうちょ銀行の直営店全店を対象として、コンプライアンス部署による社内調査を本格化したところでございます。

 以上、お答え申し上げました。

吉川(元)委員 今はゆうちょですけれども、かんぽはどうですか。

植平参考人 かんぽ生命の植平でございます。

 お尋ねにお答えを申し上げます。

 その前に、今般、かんぽ商品に係る契約乗りかえの問題につきましては、お客様を始め多くの皆様に大変御心配をおかけしておりますことを、まず、心からおわび申し上げます。

 募集品質の向上の具体的な取組について、監督当局、金融庁との間で継続的なコミュニケーションをとる中で、契約乗りかえに関しては、サンプル調査三百件を行うこととし、この二〇一九年の一月に実施をしております。このサンプル調査においては、全てのお客様に書面により新と旧の契約の比較及び不利益事項の説明を行い、お客様から契約乗りかえの内容について認識をしているとの御回答を頂戴しておりまして、その時点では、重大性の認識についてはございませんでした。

 その後、本年六月下旬に契約乗りかえにかかわるマスコミ等の一部報道がなされたことを踏まえ、外形的にお客様の御意向に沿わず不利益を生じさせた可能性のある契約類型を認識をいたしました。過去の契約データから該当する契約を抽出をし、本年七月の三十一日に、五年にさかのぼって約十八・三万件を調査対象とし、現在、鋭意調査を進めているところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 つまり、ゆうちょの方は十一月にスタートして二月から本格的に行った、かんぽの方はことしの一月から実施をされたということで答弁を確認をしたいと思います。

 九月二十七日の高市大臣の記者会見を拝見いたしますと、昨年の四月二十四日にNHKの「クローズアップ現代+」、これでかんぽの問題が取り上げられ、翌日には日本郵政に対して口頭での指導を行った、当時は当然高市大臣ではございませんでしたが、前大臣がそういうことを行ったということを記者会見でおっしゃっておられます。

 そうしますと、今言ったのは十一月、そして一月。ということは、四月に口頭で指導されているにもかかわらず、その間何もされなかったということでよろしいんですか。

鈴木参考人 お答えを申し上げます。

 昨年四月にNHKの番組が放送されまして、総務省から口頭による行政指導を受けました。

 ただ、そのときには、私どもとしては、その前年から募集品質向上総合対策というものを打って、各種の指標を確認しておりましたので、徐々にそういった苦情も減っておりますし、指標も改善しておりましたし、あの番組で指摘されたような事項は、残念ながら、私どもはそういう施策をとっておりましたが、それにもかかわらず、幾つかの不適正な事案あるいは望ましくない募集の事案が散見されましたので、そういったものを、いわば、べからず集というような形で、研修の際に、こういうことをしてはいけないということで使っておりました。その内容とほとんど変わることのなかったものでございますので、従来どおりこの対策をきっちり進めていけば募集品質が改善できるものだと考えておりました。

 そのような旨を口頭指導に対して私どもは考えておった次第でございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 総務省、もちろん大臣ですけれども、口頭で指導する、口頭ではありますけれども、非常に重いことだというふうに思います。

 今の答弁を聞かれて、大臣、どのようにお感じですか。

高市国務大臣 一言で申し上げて、危機感がまだ足りないと感じさせていただきました。

 これまでの指導、総務省から行った数次の指導に対して報告を定期的に受けていたということ、それから、九月三十日締切りで日本郵政グループから改善策というものの提出を受けましたけれども、しかしながら、調査が十分に進んでいないということで、更に加速化、そして抜本的な改善策を出していただくように要請をいたしております。

 本当に、被害を受けられた顧客の皆様のまず権利の回復、特定がそれ以前ですが、権利の回復も含めてしっかりとやっていただく、二度とこのようなことが起きないように抜本的な改善策を示していただくということに力を入れていただきたいと思います。

吉川(元)委員 今大臣もおっしゃられましたが、私も危機感が全く欠如しているのではないかと。

 口頭での行政指導ということではありますけれども、指導を受けたのに、それに対して具体的な、今の鈴木上級副社長のお話ですと、それを受けて具体的な行動はとっていない、以前からやっていることをそのまま続けただけだという、これでは全く、問題の深刻さ、あるいはそれをどうやって解決していくのか、なぜ口頭ではあるけれども指導を受けたのか、その認識が私は欠如していると言わざるを得ないというふうに思います。

 次に、営業目標についてですけれども、今回の不正事案の原因に関して、野党のヒアリングやあるいは部会等々で質問しても、特別調査委員会が年内に予定する調査結果を待ってという話になっております。

 一方、新聞報道等を見ますと、非常に過大なノルマが、そして高い営業目標、あるいは歩合給の拡大、これが不正の一つの大きな要因であった、こうしたことが報じられております。特別委員会の中間報告でも、現場の営業の実力に見合わない目標金額が課されていたことが今回の事案の要因になっている可能性がある、こういうふうな指摘がされております。

 そこで、この営業目標、ノルマについて尋ねます。

 新聞記事では、販売目標、例えば今年度は新契約の月額保険料ベースで三百四十億円ということですが、この全体の数字をかんぽと日本郵政で決め、各郵便局ごとに割り振る、郵便局は局員に最低限の達成目標と個人の特性に応じた目標を示す、こういうふうに報じられておりますけれども、このような手順で個別の社員におろされていく、そういう理解でよろしいんでしょうか。

横山参考人 日本郵便の横山でございます。

 お答え申し上げます。

 郵便局の営業目標につきましては、日本郵便の本社から各支社を通じまして、既存契約の状況、そしてマーケットの要素等を加味いたしまして設定をいたしております。

 そして、郵便局におきましては、人事評価等も行いますために、個々の社員に個人目標を設定しているということでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 非常に過大なノルマだったというふうな御認識はおありでしょうか。

 個別の、現場で働く人のお話を聞きますと、例えば、これはかんぽ生命のみならず、ゆうちょも含めてですけれども、一人当たり、かんぽ生命の目標が二百万、投資信託一人当たり二千万、自動車保険一人当たり八十万、がん保険七十万、変額年金五百万、医療保険五十万、こういう目標が具体的に局員に割り振られている。これは非常に、現場からすると過剰な営業目標だという認識があるんですけれども、この点についてはどのような認識をされていますか。

横山参考人 金融目標につきまして、いろんな種類がございますので、かんぽにつきましてちょっと申し上げますけれども、この営業目標につきましては、かんぽ生命と日本郵便との間で協議をして決めておりまして、御指摘ございましたとおり、直近の営業目標は三百四十億円ということでございます。

 これは、民営・分社化いたした後の二〇〇八年度が三百億円ということでございまして、その後、新商品の発売効果等もありまして徐々にふやしてまいりまして、ピークが二〇一六年度四百七十億円になっております。その後は、低金利環境の長期化、これによります主力商品の貯蓄性商品の魅力が低下したこと等も受けまして、全体の見直しを図りまして、今年度の営業目標は三百四十億円ということでございまして、民営・分社化後の数字に近い形までには落としてきておりますけれども、ただし、今申し上げましたとおり、当時は貯蓄性商品が主力であった。もうその魅力がなくなったということで、やはり、営業目標としては依然として高どまりしているという感じは私も受けておりますので、もうちょっと実態を見ながら、あるいは新契約の保険料という形ではなく、お客様の契約を長く保有していただくというような形での目標の切りかえというものを今検討をしているところでございます。

吉川(元)委員 まあ、そうやって切りかえて目標を現実に合わせるのは結構なんですが、今回の不正事案の温床となった、直接的な原因と言えるかどうかわかりませんけれども、少なくとも、この高いノルマ、これが今回の不正事案の一つの温床といいますか、その大きな大もとにあるという認識はございますか。

横山参考人 本件につきましては、一つだけではございませんで、特定調査委員会におきましても、数々の項目を御提示になっておられます。私もそういう認識についてはそごはございません。

 先生御指摘のとおり、本件営業目標が実態に合っているかどうかということについては、今回の不適正販売の一つの要因にはなっているということにつきましては認識はいたしております。

吉川(元)委員 次に、今回の、私は現場からすると過大なノルマだというふうに思うんですが、このノルマについて、それを達成した人と達成できなかった人、非常に、ちょっと私もこれは新聞で読んでびっくりしたんですけれども、かんぽマイスター制度、これはかんぽですが、というのをつくって、販売実績に応じて星一つから星五つまで区分をしている。それで、星が四つ、五つ、いわゆる販売実績の高い方についてはパーティーに招かれる一方、星が一つや二つの人は研修の受講を求められる。

 こういう制度というのは全国的に存在をするということでよろしいんでしょうか。

横山参考人 御指摘のマイスター制度につきましては、一部の支社におきまして使われているようだということでございまして、社員が目指す姿、これをわかりやすくするために、二〇一八年の十月から、マイスターという名称によりまして、この段階に応じて育成、研修方法を変えているということでございます。

 これにつきましては、お客様に対してよりよい商品、サービスの提供を行うという観点から、きめやかな社員育成に応じたいという形での導入をしたというふうに当該支社からは聞いているところでございます。

吉川(元)委員 いや、ようだという答弁は、私はないと思いますよ。

 今回の、やはり事案の大きな問題点というのは、過大なノルマ、また、手当も含めて、かつて八対二だったものを七、三で手当の部分をふやして、そういう中で不正な販売が行われたということであれば、一つ一つの問題についてしっかりと調査をしなければいけないと思いますし、把握をしなければいけない。だけれども、今聞いていると、何か人ごとのように、何々のようだなんというような答弁というのは、私はちょっと当事者意識が薄いのではないかというふうに言わざるを得ないと思います。

 今の関係で、これもちょっと、新聞報道等を見てびっくりしたんですけれども、年間目標の半分を達成した郵便局については、かんぽ生命担当者が、慰労パーティー、赤道突破パーティーというのを、何でこんな名前がついているのかと思いますが、これが存在をしていて、東京ではかんぽ生命の不正事案が報道された直後にもこの赤道突破パーティーなるものが実施をされていた。

 これは事実なのかどうか。そして、このパーティーの原資というのは何でしょうか。

横山参考人 お答え申し上げます。

 郵便局に与えられました年間の営業目標に対しまして、推進率が五〇%を超えた場合が赤道突破というふうに表現をしておりまして、これは社員の士気高揚を目的とした意見交換会を行っているところでございます。

 この意見交換会につきましては、会社の、日本郵便と、そしてかんぽ生命、共同の経費予算から支出をしておるところでございますけれども、この士気高揚の会を実施いたす場合でも、華美とならないものとなるように注意をいたしておるところでございます。

 先生御指摘の件につきましても、実際にこの会が行われたというのは私も確認をいたしておりますが、一人当たりの支出額が数千円規模ということで、社内規程に照らしますとそんなに華美なものではなかったというふうに聞いておりますけれども、この辺につきましては引き続き指導をしてまいりたいというふうに考えております。

吉川(元)委員 いわゆる意見交換会という名前ですけれども、パーティーだというふうに報じられておりますし、そういうものだろうというふうに思いますが、その一方で、成績が目標に達していない社員については、個別に、あなた、成績が悪いから、例えば土日出勤して、それでもって営業に回りなさい、こうした指導が行われているという話も聞きますが、これは事実ですか。

横山参考人 今の御指摘につきましては、そういった、先ほども申し上げたような、いろんなレベルの社員がおりますので、時間外にこういった指導、教育を行うということが行われているのは確かでございます。

吉川(元)委員 時間外にそうした指導が行われているという今答弁がございました。ちょっとこれは、なかなか問題なんじゃないかと思いますが。

 あわせて、先ほど言った、土日に、あなた、出てきて、いわゆる営業をやりなさいということも行われているんですか。

横山参考人 土日につきましては、お客様が、土日に対応してほしいというようなお声も多々ございますので、そうしたときに、いろんなレベルの者も出ていって、そうした対応を行っているということは事実でございます。

吉川(元)委員 いやいや、聞いているところでは、成績が悪いんだから土日に出てでも営業をやりなさいという話だというふうに聞いております。

 ちょっと、余りもう時間がありませんので、次、ほかにも何点かこの点に関して聞きたいことがあるんですけれども、それはとりあえずおいて、いわゆる乗りかえについてお聞きをしたいと思います。

 特定事案、これは契約の乗りかえのケースですが、全部で十八万三千件。このかんぽの乗りかえ、これは非常に問題のある、問題が起こり得る、例えば、無保険状態になり得るであるとか、保険料の二重払いが発生をするであるとか、こういうリスクのあるやり方であります。

 ところが、無保険になるリスク、これがありながら、かんぽでは、乗りかえ契約による販売実績の二分の一を、営業目標の、いわゆるノルマの達成度に組み入れたというふうに聞いておりますが、これは事実でしょうか。

植平参考人 植平でございます。

 お答え申し上げます。

 今、契約乗りかえの御質問でございました。

 一般的に、お客様に保障見直しのニーズがある場合には、保険料負担等の観点も含めまして、既に御加入の契約を解約をして新しい契約に御加入いただく、これを乗りかえと呼んでおります。

 かんぽ生命においては、契約乗りかえについては、既に、御加入の契約を解約するために、二〇一〇年度から、書面により、必要な新と旧の、解約をする契約と新しく入る契約の比較及び解約することについての不利益事項についてお客様に御説明をし、十分に御理解をいただいた上でお申込みをいただくという仕組みをとっております。

 こうした募集プロセスにより御契約者様の乗りかえの御意向がきちんと確認されているという前提でありますので、販売実績については、それまで一のカウントをしていたものを二分の一のカウントに減らした上で、そういった実績を評価するという形にしたものでございます。このとき、同時に、募集手当、募集人に払う募集手当についても二分の一にしております。

 これは、既契約の解約を伴うことから、丁寧に御説明する募集プロセスを通じてお客様の御意向が確認できたものに限り、通常の新規契約よりも少ない額が成績に反映されるということでございまして、こうした仕組みによって契約乗りかえを奨励するものではないというふうに認識をしております。

吉川(元)委員 いやいや、営業目標の達成の、まあ一〇〇%ではないけれども五〇%はそれに組み入れるとなれば、それは奨励していることになるんじゃないんですか。

 通常、この乗りかえというのは、先ほどおっしゃったとおり、お客さんの方がニーズがある。どうしてもこれは保険解約して、今お金が必要だから保険解約をしたい、乗りかえるというふうに言われた場合に、こちらの方が、いや、だけれどもそうした場合にはこういうリスクがありますよ、それでもよろしいですかということでやる。つまり、保険の世界では、これは非常にレアなケースなわけです。それを営業目標の中に二分の一とはいえ組み込めば、当然そこには、このやり方であれば、営業目標を達成するために、これも使えるということになるんじゃないんですか。

 ちょっと、次の質問。

 あわせて、この件に関して、アフラックのがん保険、アフラックを今販売をしておりますけれども、これについても、実は、アフラックの方から、乗りかえ時の解約方法ですけれども、通常、がん保険、例えば、加入後に三カ月間はいわゆる保障が受けられない。入ってから三カ月の間にがんになったとしても、それは保障が受けられない。乗りかえをやったときにはこの三カ月が発生するということで、アフラックの場合は、この負担を避けるために、旧契約を継続して二重払いにして、だけれども三カ月でがんにならなかったということであれば、この古い保険料の三カ月分を払い戻す条件付解約という制度がある。そういうふうに聞いています。

 これを、アフラックは再三、この仕組みを導入するようにというふうに、要望があったんですけれども、かんぽの方ではこれを入れなかった。これは一体、理由は何なんですか。

横山参考人 お答え申し上げます。

 この条件付解約制度につきましては、おっしゃるとおり、アフラック社から導入の御提案がございましたけれども、当時はまだ、私どもとしては、新しい商品、がん商品をお客様に新規に御案内していくという途上であったということで、新しい商品への乗りかえのニーズが少ないということを踏まえまして、導入を見送った経緯でございます。

 ただし、二〇一八年の四月にアフラックの新商品が導入されて、この乗りかえのニーズを認識したということでございますので、このときから導入の検討を開始いたしまして、本年九月、御案内を開始しているところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 少ないからつくらなくていいという話じゃないと思いますよ。それは、顧客にとってみれば、今言ったように無保険になる危険性もある。とすれば、いわゆるその三カ月間は重ならなきゃいけない、その間保険料を二重払いをするというのは、これは、そういう人が少ないからいいとか、多いからやらなきゃいけないとか、そういうレベルの話じゃないというふうに私は思いますけれども。

 そういう意味でいうと、顧客の利益よりも、そういう、恐らくいろんなシステムの投資が必要なんだろうと思いますが、それをけちることを優先したと言われたとしても、まさにその指摘、私は当たっているというふうに言わざるを得ないと思います。

 ちょっと、もう時間が余りありません。本来であればもっといろいろ聞きたいことがあったんですが、またこれは別の機会に聞かせていただくこととして、NHKの報道をめぐる事案について少しお聞きしたいと思います。

 まず、経営委員会の方にお聞きしたいというふうに思いますが、今回、この問題が発覚して以降、我々野党としてもヒアリングを行ってまいりました。その際に、一つ大きな焦点といいますか、議論の的になったのが、経営委員会がつくる議事録についてであります。

 これ、放送法の四十一条もそうですし、また、経営委員会の議事運営規則の第五条を見ましても、議事録というのは会議の都度作成するものというふうに記入をされております。ただし、それを公開するかどうかは個別の、議事録を作成した後に、これは公開できるよね、あるいは、これはちょっと機微に触れるものがあるから公開はできないよねということは判断されるとしても、議事録はつくるというふうになっていると我々は理解をしております。

 ところが、ヒアリング等々を聞いておりますと、最初から、非公開だから議事録をつくらないというようなことを委員長の代行の方がおっしゃっておられましたけれども、これは本来あり得ない話なのではないか。どのような認識をお持ちでしょうか。

石原参考人 お答え申し上げます。

 公表、非公表にかかわらず、議事録は作成しております。非公表部分についても、公表する形で整理、精査されたものではありませんが、議事の経過を記録した議事録は存在します。

 非公表を前提とした議題を公表することになりますと、自由な意見交換を妨げるおそれがあるなど、今後の経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、開示することは控えさせていただいております。

 以上です。

吉川(元)委員 ちょっと一つ確認なんですけれども、非公開を前提とした場合、議事録はつくられているという認識でよろしいんですね、それは公開していないと。もともと議事録は非公開だからつくらないということはない、必ず議事録はつくられているんだということで、そういう答弁だというふうに私は理解します。

 その上で、非公開を前提にした会議というものは頻繁に開かれているんですか。

石原参考人 経営委員会の委員が自由に議論できるということは非常に大事でございまして、個人の情報にかかわるものとかあるいは契約とか、いろんな、部外の方に関係することについて、初めから、これは非公表でやりましょうということを申合せの上において、そういったことについては会議を、議論をしているということでございます。

吉川(元)委員 一体、どのぐらいあるんですか、それは。

石原参考人 要するに、非公表でやる会議というのは、また、どうしてもやはりそれをやらなければ経営委員会としての役割が果たせないということでございますので、非公表にして、非公表というその前提のもとに議論をしているということでございます。(吉川(元)委員「数の話を聞いているんです。どのぐらいあるのか」と呼ぶ)

大口委員長 手を挙げて質問してください。

吉川(元)委員 私が聞いているのは、どのぐらいあるのかと聞いているんです。

石原参考人 どうでしょうね。そんなにたくさんはないと思っております。

吉川(元)委員 そのぐらい、どのぐらいあるかもわからずに、その非公開の会議をやられているんですか。(石原参考人「いや、最初に……」と呼ぶ)

大口委員長 座ってください。それで、手を挙げてください。

 では、吉川君、もう一度。

吉川(元)委員 もう一度聞きます。

 大体、年間を通じて、この非公開で行われる、あらかじめ、これは非公開だ、だから議事録は公表しないと決めてやる経営委員会の数はどのぐらいあるんですか。

石原参考人 経営委員会の、先ほど先生がおっしゃいました規則のもとに、こういった事柄については非公開にしましょうということで書いているわけでございまして、非公表を前提とした議題を公表することになりますと、やはり自由な意見交換を妨げるおそれがあります。そこで、今後の経営委員会の運営に支障を来すおそれがあるということで、開示することを控えさせていただいているということでございます。(吉川(元)委員「委員長、ちょっと、答えていない」と呼ぶ)

大口委員長 回数を答えていただけますか。

石原参考人 回数は、そんなにたくさんはないと思います。

吉川(元)委員 昨日も通告しておりますので、大体、年間どのぐらいの件数があるのか。

 なぜこれを聞くかというと、経営委員会というのは、いわゆる公共放送、受信料で成り立っている公共放送であるNHKの、そこでの議論が国民に広く公開をされること、これは、公共の福祉を含めて、それに資するという立場で、公開が原則となっているわけです。

 非公表というのは、例えば本当に、人事の話でありますとか、あるいは具体的な契約の話でありますとか、数字の話がその契約の中で出てきたりした場合に、これは確かに非公表とすべきものだろうというふうに思いますけれども、自由な意見を言えなくなるから非公表にするということになれば、何でもかんでも非公表にできてしまうじゃないですか。

 だから、それがどのぐらいあるのか。レアケース、そんなに数はありませんと言うけれども、一体、何件ぐらいあるのかを聞いているんです。

石原参考人 やはり経営委員会の役割を果たすために自由な議論をしたいということでございますので、規定を見ながら、この会議は非公表にしようということで議論をしているところでございます。(発言する者あり)

大口委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

大口委員長 では、速記を起こしてください。

 石原経営委員会委員長。

石原参考人 現在、今のところどのぐらいかというのはなかなか申し上げられないのでございますけれども、ぜひ、そこのところを引き続き持ち帰らせていただいて、また別の御質問の機会をいただければ、また説明したいと思います。

吉川(元)委員 通告をして、どのぐらいやっているんですかという話をきのう通告しているわけですよ。それについて、この場で答えられないから別の機会、いいですよ、別の機会。

 ぜひ、委員長、別の機会というふうにおっしゃられましたので、きょうこれが答えられないということであれば、次回、しっかりと集中審議も含めてやっていただいて、その場にもう一度来ていただいて、そして報告を受けないと、これはこのままでは終われないというふうに思いますし、ぜひそのようにお取り計らいをお願いします。

大口委員長 筆頭間で協議をしておりますし、理事会においても協議してみたいと思います。

吉川(元)委員 もう余り時間がないんですが、ちょっと、やはりぜひ明らかにしていただきたいのは、年間何回ぐらいあって、そして、その運営規則の中に、この場合は非公表とするという項目がありますから、これについて、これが何回、これが何回というところまで明らかにしていただかないと、自由な意見を、自由闊達な議論をするために非公表とすると言ってしまえば、あらゆるものが非公表になってしまう。それではNHKが果たすべき役割は果たせないし、経営委員会が課せられたその責務を果たしたことに私はならないというふうに思いますので、その点、ぜひしっかり今度は準備をして答弁をお願いしたいと思います。

 それで、もう一点だけお聞きします。

 実は、これは報道なんですけれども、毎日新聞だったと思いますが、今回の厳重注意をめぐって、委員長は上田会長に、番組責任者の発言、これは、七月二十三日のNHKチーフプロデューサーによる番組制作に会長は関与していないとする郵政広報への説明、これは間違いで、立派な会社の三社長連名の抗議文だから軽々しく扱うのはよくない、会長としてきちんと対応すべきだ、このように述べたというふうに報じられております。

 それから、あわせまして、これは御本人ではありませんけれども、森下代行が同じ記事の中で、ネットで情報を集める手法がおかしい、このように発言したというふうに報じられておりますけれども、これは事実ですか。

石原参考人 さまざまな意見が出ましたけれども、郵政グループだから対応したという事実はないと考えております。

 会長への注意は、会長と現場の間でガバナンスが正しく機能していることが重要であるということで、その観点から、今回の職員の発言には見逃せない問題が含まれていると考えたからであります。

 また、郵政三社の書状については、八月に会長宛てに質問の文書を送ったのに、二カ月近くたっても回答がなかったために経営委員会に文書を出したとの趣旨でありましたので、協会側の業務執行が視聴者の目線に立っていないと考えたからであります。

 以上です。(吉川(元)委員「委員長、ちょっと答弁漏れなんで」と呼ぶ)

大口委員長 時間が来ておりますので、簡潔に。

吉川(元)委員 これは、今質問したもので答弁されなかったことですから。

 ネットで情報を集める手法はおかしいというふうに森下さんが言われたということですが、これは事実ですか。

石原参考人 この問題につきましても、自由なやはり意見交換の中でいろいろな意見が出ました。郵政三社が執行部へ「クローズアップ現代+」のSNS動画掲載の中止を申し入れたことが発端なので、「クローズアップ現代+」やSNS動画に関する発言はあったものと記憶しております。

 ただし、繰り返しになりますが、本件はあくまでガバナンスの問題として検討、対応したということでございます。

大口委員長 吉川君、時間が参っております。

吉川(元)委員 終わりますが、石原会長、もしこの発言が本当だったとすれば、郵政だからやった、一般の視聴者だったらやらないというふうに受け取られる中身でありますし、それから、森下さんの発言、これは明らかに放送法三十二条に抵触する発言であります。これがあったのかなかったのかも含めて明らかにしなきゃいけないんですよ。契約の機微に触れる問題だとかそういうことではなくて、経営委員会がきちんと経営委員会として仕事をしているのか、放送法に適してちゃんとやっているのかということを見ていくために必要なことなんですよ。

 ですから、ぜひ議事録、今、議事経過ということでは出ておりますけれども、議事録をきちんと公開していただくこと、これは委員長、ぜひ公開をまた諮っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

大口委員長 理事会において協議いたします。

吉川(元)委員 これで終わります。

大口委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 岡山から参りました高井崇志です。

 ちょっと最後の点、NHK経営委員長に申し上げておきたいと思いますが、今、吉川委員からの質疑にもあったとおり、我々は、経営委員会というのは、議事録というのは当然作成しているものだと思っておったわけですけれども、そうじゃない集まりもあるということなので、それがいいかどうかも含めて、これはやはりちゃんと国会で議論しなきゃいけませんので、となれば、じゃ、その会というのは何回ぐらいあるんだということが当然わからないと議論のしようもないわけでございますから、次回なのか、あるいは理事会に出していただくなり説明に来ていただくということで必ず、これは近いうちに、今、経営委員長はわからないということですけれども、調べればすぐわかることですから、報告を求めたいと思います。

 それと、ちょっと与党の皆さんに苦言を申し上げたいと思いますが、このかんぽ生命の問題にとどまらず、ゆうちょあるいは郵便の問題、この日本郵政全般の問題が大きく今国民の関心事になっている。そしてまた、それに対するNHKの報道、これもまた揺るがしがたい大きな問題でございます。

 我々は、ずっと以前から、閉会中も予算委員会を求めて、この問題をやりたいと言い続けてきた。そして国会が始まって、ようやく予算委員会がありました。しかし、余りにも課題山積なので、この問題は、一日、予算委員会、十月の十一日でしたけれども、小川委員が聞いて、そして、全く政府の答弁は不十分でありまして、これは総務委員会で引き続きしっかり議論したいと三回か四回言っているんですね。

 にもかかわらず、またそこから、きょうでもう一カ月近くたとうとしているという中で、実は、筆頭間協議をやってまいりまして、なかなか質疑時間が折り合わない。私は、坂井筆頭は大変誠実に務めていただいていると思いますが、しかし、与党全体として、この問題はそんな大きな問題じゃない、だから通常の総務委員会の時間で十分なんだと。

 そういうことでは到底我々は承服できないし、今回、まずは開くことが大事だということで与党の要求をのみましたけれども、しかし、今の質疑でも明らかなとおり、全然、多分吉川さんの通告の半分もできていないわけですよ。この後、私、そして同じ会派の奥野さんもこの問題を、ほとんど全てこの問題をやる。本来、大臣所信ですから、もっといっぱいやりたいことはあるんですよ。

 この問題は、与党だって本来なら追及しなきゃいけないことじゃないですか。ですから与党も、きょうもやっていませんし、それは三十分しかないからとおっしゃるなら、何時間でも差し上げますよ。別に、我々の時間を確保していただいたら、与党に何時間やっていただいても構わないので、これはぜひ、きょうにとどまらず、しっかりやって、この原因究明、真相を解明をしていただきたいということをまず冒頭申し上げます。

 その上で、私もきょうは、通告はこの問題に限ってやろうと思っていたんですけれども、実はおととい、総務大臣からちょっと看過できない記者会見での発言がありましたので、冒頭、そのことを申し上げたいと思います。

 河井法務大臣の辞任について公職選挙法のことを記者に問われて、記者会見で高市大臣はこのように答えています。ウグイス嬢などの報酬の基準額のあり方についてはさまざまな御議論があることは承知しておりますけれども、お金のかからない選挙の実現という観点からも検討されるべき事柄でございますと。その後をちょっと中略しますが、最後に、まずは各党各会派で御議論いただきたいと思いますと。

 これは、議員立法でこういった罰則つきのものは変えてきたという経緯があるので各党会派というふうに言っていますけれども、しかし、大臣として公職選挙法に、検討されるべき事柄だというふうに言っている。これはやはり、所管大臣としてそういう意思を示したと私には受け取れます。

 これは、身内の大臣が違反をしたから、いや、それは基準の方が厳しいんだ、もっと基準を緩めた方がいいというふうに、内閣の中からそういうふうに発言されたというふうに世間は受けとめておりますけれども、大臣、そういうことなんでしょうか。

高市国務大臣 十一月五日の大臣記者会見ですが、記者の方からの御質問で、確かに河井法務大臣がやめたことに触れられましたけれども、その関係で、議員の方から、ウグイス嬢、いわゆる車上運動員の報酬が現状の一万五千円ではなかなか人が集まりづらいという指摘が出ています、この公職選挙法の施行令で決まっていることですが、この決まりの改正など、どのように大臣はお考えかという御質問がありました。だから、まずは、国会議員の間でそういう指摘が出ているということを前提にした御質問です。

 それに対して私は、法律をしっかり守って選挙をやるべきであることは言うまでもございません、つまり、現行法をしっかり守ってくださいということで、これは選挙の公正公平を確保するという観点でございます、まずそうお答えをいたしております。それで、ウグイス嬢などの報酬の基準額のあり方についてはさまざまな御議論があることは承知しておりますけれども、お金のかからない選挙の実現という観点からも検討されるべき事柄だということでございます。

 だから、各党各会派の先生方に積極的にこの基準額の見直しを促す発言ではなくて、お金のかからない選挙の実現という観点からもということを強調したつもりでございました。

 この根拠となります公職選挙法第百九十七条の二は、制定時から議員立法で創設された条文でございます。確かに、百九十七条の二に従って政令を定める準備をするのは総務省でございますけれども、もともとが議員立法でございますから、各党各会派で御議論いただき、その意思を受けて私どもが対応をするべきものですので、まずは各党各会派で御議論いただきたいと思います、こう述べました。

 ただ、質問そのものが、議員の方から出ている、そういう報酬が安いのではないかといった御意見が出ているということを前提にした御質問ですので、このような答えぶりになりました。

高井委員 議員から出ているから検討をすべきだというようなことでいいんでしょうかね。やはり、公職選挙法を所管する大臣としては、きっぱりと、現行のルールを守ってくださいと私は言うべきだったんじゃないかなと思います。

 この問題、実は、私の地元岡山でも市議会議員が全く同じ事案で逮捕されて、失職いたしております。それから、調べましたら、ことしの四月の統一地方選でも、大阪の市議会議員の方が全く同じ事案で、これは失職しているのかな、という事案なんですね。ですから、地方議員だと議員辞職あるいは失職するのに、国会議員だと大臣をやめるだけでいいのかということでもあるんですよ。

 しかも、まさに立法府で、国会議員がこういう公職選挙法に抵触したから、じゃ、次からはより甘くしようと。厳しくしようというならわかりますよ。

 今大臣、いや、お金の観点からと、たしかそうですよね。お金のかからない選挙の実現ということは、じゃ、これはもっと引き下げるということを、大臣、おっしゃりたかったんですかね。

高市国務大臣 まず、十一月五日の記者会見でも、私は冒頭に、法律をしっかり守って選挙をやるべきであることは言うまでもございません、これは選挙の公正公平を確保するという観点でございますということを真っ先に答えております。ですから、現行法を守っていただくのは当たり前ということです。

 それから、ウグイス嬢の報酬が一万五千円では人が集まりづらいという議員の方からの指摘が出ているという記者の質問でございましたので、お金のかからない選挙の実現という観点を述べさせていただきました。もう、現行の金額より引き下げるべきだとか引き上げるべきだとか、そういう私の考え方を示したものではありません。

 これまでも、累次議員立法で、ウグイス嬢をこの対象に加えるということも議員立法で決められてきておりますし、その時々の情勢に応じて政令改正もなされてきております。今回のことを受けて引き上げるべきだとか引き下げるべきだとか、そういったことを私は申し上げる立場にはございません。

高井委員 私は、大臣の記者会見をそのまま引用したのでウグイス嬢と言いましたけれども、これは車上運動員というのが適切だと、今岡本委員からも、私も本当にそのとおりだと思います。

 やはり、立法府、まさに法律をつくっている我々が、与党の大臣がこれで辞職に追い込まれたから法改正だというのは、国民の皆さん、特に先ほどの市会議員で失職した方々に対しても、私はちょっと示しがつかないんじゃないかなと思います。

 もう一つ大臣にお聞きしたいんですけれども、これは大臣の個人のお話ですけれども、公職選挙法に抵触する企業から献金を、しかも二回受け取っていたということで、大臣は記者会見で、これは、献金を受けたときにはその事実を知らなかったから、法律上は全く問題ないんだということを言って、ただし、道義的には返金はしましたという、非常にこれは、公職選挙法を所管する大臣がこれでいいのかと非常に疑問に思わざるを得ないんですけれども、この点はいかがですか。

高市国務大臣 公職選挙法が禁じているのは、選挙に係る寄附ということでございます。私どもは、自民党支部で一般寄附としてこれを扱っており、公職選挙法に抵触する事実はございません。

 さらに、その会社が、例えば国の地方の出先から調達を受けているとか受けていないとか、こういうことについては、その時点で知り得る方法がまずございません。そのことにも触れましたけれども、私は、あくまでも公職選挙法には違反をしていないということを申し上げました。返金をする必要も全くないと考えましたけれども、私は公職選挙法や政治資金規正法を所管する省の大臣でありますから、余計な疑義を持たれるのは大変困ることだと思いまして、道義上返金をさせていただいたということでございます。

高井委員 いや、知り得る方法がないという規定が公職選挙法に入っていることが、じゃ、おかしいんじゃないですかね。

 何か、知らなかったからもらって、知った時点で返せばいいとか、あるいは、よくほかの事例でもありますよね、政治資金の届出なんかも、後から訂正をするとそれで済む。公職選挙法を変えるのであれば、こういったことの方を私はむしろ変えていくべきだというふうに思います。

 済みません。もうこの話だけやっていると、ほかにもっと重要、もっとということはない、これも極めて重要なんですが、本来やろうと思っていたことができなくなりますので、ちょっと移りたいと思います。ぜひ、高市大臣には、公職選挙法を所管している大臣として、やはりより一層襟を正していただく必要があると思いますので、ぜひそこはお願いいたします。

 それでは、ちょっと通告の順番と変わるんですけれども、先ほど吉川委員がNHKの問題をほとんど、五分もできなかったので、ちょっと私はNHKのこの問題について取り上げたいと思いますが。

 今回のかんぽの不正営業問題をクローズアップ現代で取り上げることに対して、さまざまな、日本郵政とやりとりがあったわけですけれども、日本郵政の方は抗議をしているわけですね。しかも、それは経営委員長に抗議が行っているということで、この問題、かなり事が大きくなっているんですが、我々が、野党合同ヒアリングということで、十月三日にNHKから紙をいただいています。そこには、この取材が正当だったというようなことがこういうふうに書かれています。

 去年八月三日、番組を所管する大型企画開発センター長から日本郵政の広報部長に対し、電話で以下の趣旨を伝えた、NHKの番組制作、編集の最終責任者は会長であり、実際の業務運営は放送総局長に分掌されている、その上で、個別の番組に関しては各番組の責任者が判断している、口頭での説明が舌足らずの部分があったかもしれないが、御理解いただきたいと。

 私はこれで十分だと思いますけれども、NHK会長、これじゃだめなんですか、NHKは間違っているんですか。

上田参考人 お答えいたします。

 私は、それで大丈夫だというふうに理解していました。

高井委員 じゃ、経営委員長、何で注意したんですか。

石原参考人 お答えいたします。

 執行部の対応としては、非常にしっかりやっていただいていると思っております。

高井委員 厳重注意した理由を教えてください。

石原参考人 厳重注意しましたのは、郵政の文書の中に、チーフプロデューサーの発言として、番組制作と経営は分離しているため、番組制作について会長は関与しないという表現がありまして、これについては、ガバナンスの問題として極めて重要であるという指摘が複数名の委員の皆さんからありました。そこで、会長を含めた議論の中で、それについて改めて確認したわけでございます。

高井委員 まあ、どうぞお座りください。

 委員長、ちょっと、今の私のこれ、聞いていなかったんじゃないかと思われるんですけれども、もう一回読むかな、ちょっと長い。要するに、NHKは、NHKの番組制作、編集の責任者は会長で、実際の業務運営は放送局長に分掌されているというふうに説明しているんですね、電話で。

 今、NHK会長は、それでNHKとしては全く問題ないと言っているのに、なぜ経営委員会が厳重注意という、これは重いんですよね、厳重注意というのは、そんな簡単に何回も出しているものじゃないじゃないですか。それをなぜ、NHKは全く問題ないと言っているのに、なぜ出したんですか。

石原参考人 NHKは、会長が全て最終的には権限を持っているということであります。放送法で、会長がNHKの業務を総理するという言葉でそれがあらわされているわけでございまして、分掌、したがって、会長が全ての番組の制作に、最終的に権限者ではあるけれども、個々の番組について会長が全部関与することは当然できないわけでありまして、したがって分掌している。それは、私は当然のことだと思っています。

 ただ、今回の問題に関しては、現場のチーフプロデューサーが、これは現場の最高責任者、番組づくりの最高責任者ですが、会長は経営権はあるけれども編集権はないということを言ったということでございまして、それについて私どもは確認させていただきました。それは確かであるということの中で、それはだめだ、それは問題があるんじゃないかということで、今回、ガバナンスの問題として、会長、もっと考えてくださいよということを申し上げたわけでございます。

高井委員 その後に、チーフプロデューサーがどう言ったかは、私は真実はわかりませんけれども、これも言った言わない論になっていますけれども、その後にNHKは、電話がだめだということなんですかね、大型企画開発センター長、多分上司ですよ、が日本郵政の広報部長に、今先ほど申し上げた、NHKも全く問題ない、多分、経営委員長も問題ないと今おっしゃったことを電話で伝えているのに、それじゃ不十分ということで厳重注意までしたんですか。

石原参考人 私どもは、今先生がおっしゃったような、そういったいきさつについては全然知りません。

 私どもが知っているのは、十月の五日付の文書が来たということですね。その前に、九月二十五日に郵政の幹部の方が私どもの代行のところに来た、そこで事柄を知ったわけでございまして、その中にガバナンスの問題と、もう一つは視聴者対応の問題があった、これは経営委員会として無視できない事柄であるということであります。

高井委員 いや、これはびっくりしましたね。この経緯を知らずに厳重注意までしていたと。この後、だから議事録を公開してくれと私は申し上げるんですけれども、きょうは本当に監査委員に来てもらえばよかった。監査委員がやはり実際に聞き取っているんですよね。だから、監査委員が何を聞き取って、どういう報告を経営委員長にしたのかと思いますが、これは会長に今度聞きます。

 じゃ、会長、納得していないわけですね、この厳重注意については。NHKは正しかったと今おっしゃったから、納得できていないわけですね。

上田参考人 先ほど先生がおっしゃいましたように、私どもは、電話の方で担当の責任者が連絡をとって、私は郵政側に対しては十分対応ができたものと了解していましたし、また、その後、郵政側から反応がなかったために、NHKとしての見解を理解いただいたものと考えています。

 それから、経営委員会に関しましては、私、経営委員会の発言に関しまして内容をここで申し上げるよりも、これは経営委員会のマターなので、私がどういう議論をしたかということに関しましては、議事経過ということで五点ほど……(高井委員「もういいです、それは。きょう配っていますからいいです」と呼ぶ)はい。ということで対応させていただいています。

高井委員 だから議事録が要るんですよ。

 つまり、もう明らかに、会長は納得していないだろうなと思われることが、きょう、資料を皆さんにお配りしていますけれども、十月三十日付、NHK経営委員会から出てきた資料の、経緯と書いた紙の裏に四角で囲って、十月二十三日、千三百十六回経営委員会の、これは一時間半やっているんですよ。一時間半の議論をたった何か二十行ぐらいにまとめられていて、経営委員会がなぜ厳重注意を行ったかって、極めて国民の皆さんは知りたいんですよ。だけれども、五つのポツしか書いていない。でも、これに尽きていると経営委員会は説明しているんですよ、我々野党に対して。

 上田会長も今言いかけた五つ、これだとおっしゃるんですけれども、これだけ見ると何か、不服なんだろうなということはわかりますが、最終的に不服だと言っているかどうかはわかりませんから、会長、もう一度答えてください。

 別に、経営委員会で発言したことを会長の責任で今言ったって構わないじゃないですか。会長の考えを国民の皆さんに今話してください。

上田参考人 お答えいたします。

 経営委員会からの厳重注意に対して私が発言いたしました主な内容は今のとおりですけれども、私といたしましては、経営委員会から監督される立場であり、経営委員会の厳重注意は重く受けとめたという次第です。

高井委員 一言で言えば、不服だけれども、監督される立場だから受けとめたということなんですよ。そうとしかとれないと思いますよ。

 しかし、そういう厳重注意、まあ、でも、あるかもしれません、そういうことも。だから、どういう理由なのか知りたいんですよ。これは、経営委員長、この五点だけの理由で、NHKが不服なのに無理やり厳重注意しちゃったんですか。反対意見もあったと、この中にもそれらしきことは書いていますけれども、もうちょっと、やはりここは、というか、議事録を公開してくださいよ。全部じゃなくていいので、もう少し公開してください。

石原参考人 先ほど、私ども知らないと申し上げた意味は、ちょっと誤解があるとあれなんですが、十月の五日の文書で初めて知った、その前の九月二十五日には幹部の方の話でも知ったわけでありますけれども、NHKの経営委員会の委員全員が知ったのは十月の九日ですね、実際には、文書を見てそこで知ったわけで。したがって、事実関係は、当然、こういったことをやるには確認する必要がありますので、共有する必要があります。そういったことで、どういうことがあったんだろうかということを議論している中でいろんな意見が出ましたということでございます。

高井委員 経営委員長、これは、多分NHKは言ったと思いますよ、わざわざ野党に紙で出してくるぐらいですから。番組は会長が所掌しているけれども分掌されているんだ、その旨もちゃんとNHKに説明していますよと、そういう説明をしているんですよね、上田会長。(発言する者あり)郵政に、ごめんなさい、日本郵政に説明しているということを、していると思うんですよ。

 そういう、今、NHK会長はこれで正しかったと思っていると言っているのに、なぜこれでは正しくないと経営委員会は判断したのかということが、この何か要約された議事録では全くわからないので、きょうわざわざ経営委員長に来ていただいて、そのときの議論を教えていただきたいし、覚えていなければもう委員長の考えでもいいですよ。なぜ、NHKはこれで正しいと思っていることをだめだとおっしゃるんですか。

石原参考人 繰り返し申し上げますけれども、現場の責任者であるチーフプロデューサーが、会長に経営権はあるけれども編集権はないということを言ったということは、これは極めて重要な問題である、ガバナンス上の問題である。会長はもっと部下職員を教育すべきであるということを私どもは申し上げて、注意をさせていただいたわけでございます。

高井委員 これは本当に水かけ論というか、でも、これがやはり一番肝だと思うんですよ。

 国民が知りたい、あるいはNHKの、私も現場の職員あるいは労働組合の皆さんとかお聞きすると、やはり経営委員長から厳重注意というのは、これは極めて重い、まあ、籾井会長のときはありました。それは、籾井会長に相当ないろんな問題があって厳重注意をした。しかし、この問題は、どう考えてもその厳重注意に値するとは思えない。

 そして、NHK側も自分たちは正しかったと言っている中であえてしたのは、それは考え過ぎと言われるかもしれないけれども、やはり日本郵政が、大会社からだとか……(発言する者あり)今出ましたけれども、元総務事務次官から言われたとか、そういうことが、やはり皆さん疑念を持つので、だからちゃんと議事録を公開して、その理由を説明していただかないと困ると申し上げているんです。

 これは、きょう、資料、ちょっと厚いのを配りました。これは第千二百三十六回、平成二十七年の議事録です。

 これは開くと、ちょっと読みづらいんですけれども、右肩にページ数というのを書いて、ページ四というのがあって、この二の真ん中から下、会長報告というところで、籾井会長から、ここから約四ページにわたって厳重注意についてのやりとりが書いています。誰々委員が何を言ったかもほぼ多分全部そのまま出ているんですよ。それで、八ページで一旦終わります。

 その後も、そのほかもちょっと参考までにつけましたけれども、このくらい議事録って公開しているんですよ、ふだんは。ふだんはこんなに細かく公開して、一番最後、二十二ページですよ、二十二ページの真ん中から籾井会長が不満をおっしゃっているわけですよ、先ほどの厳重注意とはどういうことでしょうかと。そこのやりとりがまた一ページにわたってあって、最後に浜田委員長が、会長に対する厳重注意は経営委員会の総意です、これ以上は議論しません。わかりましたと。ここまであればわかるんですよ。

 なぜこれを出せないんですか。なぜ経営委員会は出せないんですか。

石原参考人 郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関するやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応については慎重に対応する必要がある、それと、自由な意見交換を妨げるおそれが考えられるということから非公表とさせていただきました。

 前会長への厳重注意の場合は、公表を前提に議論をしましたので、詳細を議事録に掲載しておりますが、上田会長への注意につきましては、先ほど申し上げた理由から、非公表を前提に議論いたしました。

 経営委員会で意見交換をした結果、経営委員会が会長に注意を申し入れることの重要性、それと経営委員会の透明性という観点から、経営委員会の総意として、議事経過を公表し、議事録に掲載することとしたわけでございます。

高井委員 厳重注意という極めて重いことが、何か委員の自由闊達な意見で決めていいんですか。公開できないような、何か委員の発言を妨げないために非公開を前提にとおっしゃいましたけれども、そもそも非公開を前提に議論するのがおかしいし、百歩譲ってそうやったとしても、記録は残っているんですから、今からでも出すべきじゃないですか。

石原参考人 経営委員が情報を共有して、自由に物を言うことによって正しい判断ができるということだと思っています。

 したがって、こういった問題につきましては、原則非公開でやるということが私は普通であろうと考えるわけでありますが、そういった中で、今回、こういった問題になりましたので、議事経過を公表させていただきました。

 以上です。

高井委員 これは、厳重注意というのは自由な議論で非公開でやっていい、総務大臣、そうなんですか、放送法上それでいいんですか。

高市国務大臣 放送法第四十一条についての御指摘かと思いますが、経営委員会の議事録については、経営の透明性を確保する観点から、第四十一条に基づき、経営委員会の定めるところにより、作成、公表するということになっております。

 本件について、ことしの十月十五日、それから十月二十九日の経営委員会において議論が行われて、議事経過を公表し、その内容を議事録に反映されたものだと承知しておりますので、放送法第四十一条の趣旨に照らしては、特段の問題はないと考えております。

高井委員 いや、それでいいんですか、本当に。これだけの、きょうの議論を聞いていただいた上で、恐らくこの議論になる前は、官僚の皆さんがそういう答弁で乗り切れると思ったかもしれませんけれども、今経営委員長は、厳重注意という処分を下すに当たって、公開しちゃうと自由な意見が言えなくなるからとおっしゃったんですよ。そんなことで厳重注意が下されて、NHKの職員はみんな萎縮するわけですよ、それは、経営委員長から厳重注意って重いですから。それで本当に、公共放送、いいんですかね。

 民放ならまだ、民放だって本当はこういうことはあっちゃいけないけれども、例えばスポンサーが、大口スポンサーから言われてどうのこうのというのはあるかもしれません。だけれども、NHKは公共放送、受信料を払っているのは、日本郵政だって一視聴者、みんな同じ受信料を払っているんですよ。

 それで、日本郵政から言われたから厳重注意になったんじゃないかとみんな思うのに、そういう重たい厳重注意を、放送法第四十一条は、確かに、「経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、」と。経営委員会の定めるところというのは、もう一つ配りました経営委員会の議事運営規則、これはどう読んでも、これで議事録をつくらなくてもいいと書いていないですよ。本当に、さっき経営委員長がおっしゃったように、自由な意見交換ができなくなるみたいな理由、まあ、そういうのはあってもいいですよ、その回数は後で教えてほしいけれども、あってもいいけれども、何でこんな重要な決定を経営委員の自由闊達な意見で決めていいんですか。

 総務大臣、もう一度答えてください。

高市国務大臣 そもそも、経営委員会というのが最高意思決定機関でございます。

 その中で、経営委員会において個人情報や企業などの機密情報が議事の内容となることもあるかと思います。それからまた、日本郵政との間に信書のやりとりなどもあったやに聞いておりまして、それが、経営委員会の方にも手紙が来たというようなことで、それも扱われたんでしょうから、そういうことから、議事録の公表については、第三者に不測の損害を与える、若しくは個人情報というものが外に出てしまうというような判断があったんだろう、私はそのように解釈をいたしました。

 この問題が報道されてから、すぐに情報流通行政局長に指示をしまして、NHKからも、また経営委員会からも聞き取りをいたしました。でも、あくまでも役員の職務の執行に関するものであった、注意そのものが放送内容に踏み込むものではなかったということも確認をさせていただきました。

 ただ、先ほど来、日本郵政グループのような大きなところから抗議があったからなんじゃないかという話が出ていますけれども、放送法二十七条で、「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。」と定められています。それを協会がやらずに、経営委員会にまで手紙が来た、抗議が日本郵政側から来たということを経営委員会の方で重く受けとめたというように聞いております。

 ですから、先ほど来委員の御指摘もさまざまございましたけれども、私は、現時点において、放送法第四十一条の趣旨に違反している状況だとは考えておりません。

高井委員 今大臣がおっしゃったプライバシーとか相手方があることというのは、私は今回それは、どうしてもというなら黒塗りするなり、何ならもうちょっと要約してもらってもいいですよ。そういう発言は除いてもらってもいいですよ。

 だけれども、余りにも、この五つのポツだけで厳重注意。しかも、一時間半やっているって経営委員会は認めているわけですから。それをたった五つの点で集約されましたというのは余りにも乱暴だし、総務省はヒアリングしたというなら、じゃ、総務省は聞いているのかもしれません、詳しいことを。

 だけれども、だったら総務省が出すのでもいいですけれども、もうちょっとこの中身を説明していただかないと、これは本当に、今経営委員会に直接行ったことが問題だって大臣おっしゃいましたけれども、経営委員会にお手紙なんていっぱい行っているんですよ。そんなこと言ったら、視聴者はみんなこれから経営委員長に手紙出しますよ。

 それから、取材先が文句言うのも、それはあるでしょう。別に私は日本郵政が抗議したことをそんなに問題視していません。それは、自分たちは不当だと思ったから抗議したんでしょう。別に誰に抗議したっていいですよ。経営委員長に直談判したっていいですよ。

 だけれども、それを受けちゃうからいけないんですよ。なぜ経営委員長がそれを受けて、しかも公開もしないで厳重注意をしたのか。このことがこの問題の本質なんです。

 ぜひ、このことは引き続きやらないと、到底、ますます疑惑は深まったと言わざるを得ませんので、ぜひこのことは引き続き質問させてください。

 それで、もうあと二分しかないのかな。最後に、もう日本郵政、こんなにたくさん来ていただいたのに申しわけありません。最後に、今回、ゆうちょ、かんぽ、そして実は郵便切手の問題も取り上げたかったけれども、きょう時間ありません。

 これだけ日本郵政がいろんな問題があるのは、いろいろ特別報告なんかも出ていますけれども、やはりガバナンスの問題であります。なかなか縦割りで、私は、民営化そして分社化ということも大きな影響がある、これについても本当に議論したかったんですが、もう時間ありませんから、最後に、長門社長と、それから郵便、貯金、かんぽのそれぞれの社長に伺います。

 報道によると、九月の非公開の自民党の会議で長門社長は、しかるべきときに責任はとると発言された。これは、非公開の場じゃなくて公開の場で言ってくださいよ。経営責任をとらないと、国民は納得しませんから。

 四社長、それぞれの決意を最後に述べてください。

長門参考人 ただいまの高井委員の御質問にお答え申し上げます。

 私ども、本当に今般このような、百四十九年の歴史があって、二万四千局で支えている郵便局への信頼を大きく損なうような事件を起こしてしまいまして、大変重い経営責任を感じてございます。一刻も早く、不利益を生ぜしめてしまいましたお客様に早くその不利益をお返しする、再発防止策をきっちりつくって二度とこのようなことが起こらないようにする、そして、時間がかかるかもしれませんけれども、一旦失った郵便局への信頼をきっちり回復できるように、役職員全員で全身全霊で取り組むというのが私どもの経営責任と今は考えてございます。

横山参考人 まずは、このたびのかんぽ商品、この募集品質に係る諸問題につきまして、お客様を始め、そして関係の皆様に大変な御迷惑を、御心配をおかけしておりますことを深くおわびを申し上げます。

 御迷惑をおかけいたしましたお客様に対しまして、その復旧に対しまして、全力を挙げて対応していくということ、そして、今後につきまして、二度とこういうような事案が起こらない再発防止策、今あらゆる分野で検討して実行している最中でございますので、これを陣頭指揮をとって会社全体に浸透させていくということが私の経営責任だというふうに考えております。

 以上でございます。

植平参考人 お答え申し上げます。

 募集品質につきましては、これまでも真摯に取り組んでまいりましたが、更に改善すべき点があったというふうに深く認識をしております。日本郵便とともに、今後もお客様本位に向けてしっかりと取組を徹底してまいりたいと思います。

 私としては、こうした状況に至った責任を深く認識をしております。現在進めております御契約調査に全社を挙げて全力で取り組み、しっかりこれをやり切るとともに、抜本的な改善策について確実に実行することで経営責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

池田参考人 お答え申し上げます。

 本件の投資信託の問題については、ゆうちょ銀行として大変重く受けとめております。改めて、お客様本位の販売体制の構築に努めてまいりたいと思います。それをきちっとしていきたい、こう思っております。

 以上です。

高井委員 多少何か濃淡があったような気もしますけれども、私は、やはり四社とも、これは長門会長が自民党の部会で言われたという、しかるべきときに責任はとる、これが必須だと思っていますので、今後もこの問題、質問してまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 まず、災害被災者支援の問題で質問をさせていただきたいと思います。

 台風や大雨によって亡くなられたお一人お一人に心からの哀悼の意を申し上げます。そして、被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 私も、三重県伊勢市、そして静岡県伊豆の国市、函南町、小山町へ行き、被災者の方々にお見舞いを申し上げ、御要望もお伺いをしてまいりました。伊勢市では、二年前にも床上浸水をし、そして昨年は風で屋根が飛んでしまい、そしてことしも台風十九号の被害で床上浸水、たび重なる被害を受けた被災者の方がいらっしゃいました。

 災害救助法が適用されれば、応急修理などの支援で最大五十九万五千円の現物支給ができるわけですけれども、そしてまた、床下浸水についても応急修理、柔軟に対応すると内閣府は言っております。しかし、三重県の、この伊勢市の場合も志摩市の場合も、同じ台風十九号の被害なのに災害救助法は適用されておりません。被災者の方々が救われておりません。志摩市では、床上浸水で見舞金三万円だけということでございます。余りにも差があり過ぎるというふうに思います。

 静岡県でも、伊豆の国市と函南町は災害救助法そして被災者生活再建支援法が適用されましたけれども、ほかの自治体でも被害があるのに、小山町でも深刻な住宅の被害がございましたけれども、災害救助法も被災者生活再建支援法も適用されておりません。そして、被災者の方が救われておりません。同じ浸水被害そして土砂災害にもかかわらず、国の制度で救われる被災者と救われない被災者があってはならないというふうに思います。

 三重県では、被災をされた世帯の数を気にしているようですけれども、しかし、ここは柔軟に対応ができるはずです。過去の事例を見ても、柔軟に対応してきた事例があるはずです。適用して救済できるはずですが、いかがでしょうか。

 そして、一世帯からでも救済できる制度をつくるべきだと思いますけれども、きょうは副大臣に来ていただいております。御答弁をお願いしたいと思います。

平副大臣 お答え申し上げます。

 災害対策基本法の基本理念においては、被害者による主体的な取組を阻害することのないように配慮しつつ、被災者の年齢、性別、障害の有無その他の被災者の事情を踏まえ、その時期に応じて適切に被災者を援護することと定められており、これに従って国、県、市町村は被災者の支援に努めなければならないとしています。

 また、災害救助法の適用については、これまでの災害と同様に、各都道府県に対して、多数の方が生命、身体に危害を受け、又は受けるおそれの生じる場合等において、ちゅうちょすることなく適切に指定がなされるように周知を図っており、今般の台風第十九号による災害においては、被災した十四都県三百九十市区町村に災害救助法の適用が決定をされたところであります。

 引き続き、災害救助法の救助の適切な運用を図るとともに、被災をされた方々の適時適切な援護に努めてまいりたいと思います。

 なお、委員の御指摘は災害救助法が適用されていないというところをどうするのかというお話でございますが、御承知のとおり、災害救助法はやはり一定の被害が生じたところを基準に応じてやっておりますので、災害救助法が適用されない場合は、市町村が救助の実施主体として被災された方々の救助を行うことになっております。

本村委員 しかし、柔軟にやっていただいている実績はありますよね、佐賀県の例とか。

 副大臣、お答えいただきたいと思います。

平副大臣 委員、災害救助法に関する御質問でございましたので、災害救助法の仕組みについては、今御説明をしたとおりでございます。

 災害救助法は、何が変わってくるかというと、実際に、その主体が市町村から都道府県に変わるということと、その財政支援、費用の負担のところが、国の負担が百分の五十にふえていくということでありますので、主体自体が市町村であることには変わりがございません。

本村委員 救済される被災者と救済されない被災者が、いつもこういう問題が起こるわけでございます。安倍首相は、国としてできることは全てやるというふうに言っておられますので、救われない被災者の方がいるということを重く受けとめていただきたいというふうに思います。

 平等に被災者の方が救われる制度、内閣府、総務省そして国交省など、検討していただきたいと思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。

平副大臣 災害の救助につきましては、御承知のとおり、五つの原則などがございまして、それに応じてやっていくということでありますが、災害救助法に関しましては一定の基準がありますので、それによって主体が市町村から都道府県に変更なり、また費用の負担の仕組みが違うということであります。(本村委員「新しい制度です」と呼ぶ)

 新しい仕組みにつきましては、今、例えば被災者再建支援チームをつくってさまざまな検討がなされておりますし、特に今、委員の御指摘は、応急救助のところではなくて、じゃ、復旧復興のお話でしょうか。復旧復興であれば、今……(本村委員「住宅再建。とりわけ住宅再建です」と呼ぶ)

 住宅再建におきましては、先般の台風十五号の際も、大変な強風で千葉で屋根が飛ばされるケースが多発をしました。従来のやり方におきましては、それは全壊、半壊にはならず、一部損壊ということで適用にならないということでありましたが、今回、柔軟な運用をした結果、それも補助金が出る仕組みとしたところであります。

 今、非災対本部なども含めて、なりわいの再建とか生活の再建、また、その住家についても、その状況に応じてさまざまな検討がなされているところでございます。

本村委員 ぜひ、今災害救助法を適用されていない被災者の方の住宅再建もできるように、早急に検討していただきたいというふうに思います。

 次に、かんぽ不正、NHKの問題に質問を移りたいというふうに思います。

 かんぽ生命の不正販売問題は、国民、住民の皆様に不利益をもたらし、信頼を失墜させた重大な問題でございます。九月三十日、日本郵政グループにおける御契約調査の中間報告が出されました。不正販売の被害の可能性がある人は十五万六千人、件数では十八万三千件を調査をし、まだ三七%しか当たれ切れていないという中で、わかっているだけでも六千三百二十七件に法令違反又は社内ルール違反の可能性があるという重大な状況でございます。

 この問題は、NHKが昨年四月二十四日、「クローズアップ現代+」で「郵便局が保険を“押し売り”!? 〜郵便局員たちの告白〜」というタイトルで放送をし、大きな反響がございました。

 日本郵便は、改善しているというふうに言っていますけれども、現場が、変わっていない、こういう告発の声を受けて、このままではいけないということで第二弾をNHKは企画したわけでございます。

 ここで、まず総務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

 「クローズアップ現代+」では、昨年四月にかんぽ不正の問題が明らかになったのに、日本郵便株式会社法に基づく総務大臣の報告徴収命令の発出はことしの六月十九日、日本郵政株式会社法に基づく総務大臣の報告徴収命令の発出はことしの八月八日でございます。

 監督官庁として対応が余りにも遅過ぎたのではないかと思いますけれども、大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 まず、議員御指摘の番組の放送の翌日であります昨年の四月二十五日に、高齢者募集における不適切な営業に関する報道や、それまでのヒアリングから、高齢者に対する営業活動について適切な対応を要請する必要があるという判断があり、日本郵便株式会社に対して、利用者目線に立った適正な営業を行うよう行政指導を行っております。それとともに、改善策などについて定期的な報告を求めております。

 その結果、ことしの六月十三日、顧客に不利益な可能性のある契約乗りかえが多数発生しているという報告がありましたため、六月十九日には、日本郵政株式会社に対して、コンプライアンス遵守と営業活動の適正化について行政指導を行うとともに、日本郵便株式会社に対して、日本郵便株式会社法に基づき、改善策などについての報告を求めました。

 さらに、委員がおっしゃった八月八日ですが、不利益を受けたかんぽ生命の契約者の特定及び権利回復とともに、顧客本位のサービスの提供に向けて抜本的な改善策の早急な検討を求めるために、日本郵政株式会社に対し、日本郵政株式会社法に基づく報告を求め、九月末に報告を受けました。

 この報告では、不利益を受けた可能性のある顧客の意向確認が、これも委員の御指摘にありましたが、四割弱しか終了していないということから、十月四日に、調査のさらなる加速化について、日本郵政株式会社に対して口頭で行政指導を行っております。

 このように、昨年以来、何度も対応をしてきているところであります。

本村委員 行政指導をしたにもかかわらず、日本郵便、日本郵政、変わらなかったということだというふうに思います。

 NHKは、第二弾の放送のために、昨年七月七日、七月十日に、情報を集めるための、ツイッター、ホームページに動画を掲載をいたしました。それに対して日本郵政の三社から、内容が一方的で事実誤認があるなど削除の要求がございました。NHKは、事実誤認がないか改めて内容を精査した上で、七月十三日、二本の動画を改めて掲載をしております。

 NHKに確認をいたしますけれども、事実誤認があったんでしょうか。

木田参考人 お答えいたします。

 取材対象となる当事者からの指摘でもあり、担当部局で事実誤認がないか改めて内容を精査しました。その結果、訂正すべき事実の誤りはなかったが、字幕によって、情報提供を呼びかけるものであるということをより明確にした上で、情報の客観性を高めた更新版を掲載いたしました。

本村委員 事実誤認はなかったというふうにおっしゃったわけでございます。

 日本郵政の社長にお伺いをいたしますけれども、日本郵政が削除要求をした動画で、詐欺まがいの契約の仕方で怖いとか、お客さんに悪いが換算率を考えるとノルマの方をとってしまうなどの発信をしているのは誰だと御認識されていますでしょうか。

鈴木参考人 お答え申し上げます。

 今お尋ねの発言というのは、NHKの公式ツイッターとして、そのSNS動画に掲載されたものでございましょうが、当方としては、どなたがこの発言をされていらっしゃるのか、投稿されていらっしゃるのかはもちろん承知しておりませんけれども、それを公式ツイッターという名前をつけて、NHKがクレジットをつけて流している以上、NHKの責任において流しているものと観念しておりました。

 以上でございます。

本村委員 誰かはわからないというお答えでしたけれども、かんぽ生命、日本郵便の方に契約をさせられたお客様、その御家族、そして郵便局員のみずからの告発でございます。

 NHKに動画削除の圧力をかける前に、第三者の調査委員会をつくって、事実を究明して、謝罪をし、被害を回復し、再発防止策を徹底的にやることこそ必要だったんじゃないかと思いますけれども、日本郵政の社長、お答えをいただきたいと思います。

鈴木参考人 お答え申し上げます。

 当グループでは、二〇一五年、二〇一八年に、三カ年の経営方針を示す中期経営計画をつくっておりますが、その中で、かんぽ生命の募集につきましては、募集品質向上というのをまず第一に挙げているところでございます。

 これに基づきまして、具体的には、御契約をいただいたお客様に対して、ありがとうコールと称して郵便局の方から契約内容の御確認をさせていただいたり、御高齢の方には家族同席をお願いしてまいりました。

 また、二〇一七年には、お客様本位の募集に係る基本方針というものを策定、公表いたしまして、さらに、募集品質向上総合対策というものをつくって、各種の指標を確認をするようにしてまいりました。

 こうした対策の効果といたしまして、私どもが指標として着目していた項目については、それぞれに皆改善が見られまして、苦情の数も減少していたということから、この総合対策を着実に実行していくことが何よりも大事であるというふうに考えておりました。

 また、先ほどお話のありました総務省からの口頭による行政指導についても、現に行っておりました募集品質向上のための総合対策に基づく具体的な施策を着実に実行していくことでそれが達成できるというふうに思っておりました。

 以上でございます。

本村委員 NHKの報道の後も、指導を受けても何も変わらないといった投稿やメールがふえ続けたこと、これも重大でございます。

 番組作成者たちの圧力の先頭に立ってきたのが、今御答弁をされた、放送行政に携わってきた、総務省の元事務次官である鈴木康雄日本郵政上級副社長でございます。放送行政に携わってきたというなら、国民、住民の皆様の知る権利を保障していくこと、そして不正を暴くNHKの公共的使命こそ重視するべきだったんじゃないでしょうか。番組で自分たちを取り上げたのはけしからぬ、第二弾の放映をやめさせようと自分たちに都合の悪い事実を暴いたNHKの番組作成者に圧力をかけたと言われても仕方ない態度だったというふうに思います。

 NHKが第一弾の放送をした後も現場が変わらないと告発が相次ぐ日本郵政グループこそが問題なのであって、ノルマ、パワハラ体質、つらい思いをしている働く現場の皆さんが変えたいからこそ告発が続いたわけでございます。

 昨年五月十四日のNHK中央放送番組審議会では、この昨年四月二十四日のNHKの「クローズアップ現代+」について、一通のメールをきっかけに、厳しいノルマや上司からの圧力に追い詰められた現場の実態を明らかにしており、気迫を感じる報道だったというふうに高く評価されているということも御紹介をしたいと思います。

 確認ですけれども、日本郵政の長門社長は、九月三十日の記者会見の場で、NHK側から二回目の放送はしないという話があったというふうに述べておられます。それはいつ、NHKあるいは経営委員会の誰から、日本郵政の誰に対して、どのような形で伝えられたのか、長門社長にはどのような形で伝わったのか、いつなのかということをお答えいただきたいと思います。

 記者会見で、後で御報告する、調べるというふうに述べておりますので、御回答をお願いしたいと思います。

長門参考人 ただいまの本村委員の御質問にお答え申し上げます。

 お尋ねの連絡でございますけれども、八月の三日、NHK大型企画開発センター長から、私どもの日本郵政持ち株会社広報担当者宛てにあったものでございます。私自身は、同日その部下からその旨の報告を受けてございます。

本村委員 今改めて、そういう事実が明らかになったわけでございます。

 もともと、この「クローズアップ現代+」の第二弾は、去年の八月十日の夏の特集の予定でしたけれども、結局ことしの七月三十一日になったわけでございます。不自然なほど間があいている。なぜなのかという点も、私は大変疑問に思うわけですけれども、この点について、それにかかわってお伺いをしたいというふうに思います。

 日本郵政の社長にお伺いをしたいと思いますけれども、毎日新聞は、昨年七月十一日付で日本郵政三社の社長名でNHK会長宛てに郵送された申入れ書面の全文を入手して、掲載をしております。その書面には、動画について、お客様に過度な不安を抱かせ、グループの経営に重大な支障を来すおそれがあるというふうにしております。経営に重大な支障というのは、具体的に何だとお考えなのでしょうか。

 昨年四月二十四日のクローズアップ現代の放映があった以降、二〇一八年五月から八月にかけて、日本郵政が持っているかんぽの株価が大きく値下がりをしているように見えます。もし八月十日の夏の特集で再びかんぽ生命の不正販売の問題が第二弾で放送されれば更に株価が崩れていくのではないか、そういう懸念が日本郵政にはあったのではないかと思いますけれども、社長、お答えをいただきたいと思います。

 社長、お答えをいただきたいと思います。社長に通告をさせていただいております。

長門参考人 お答え申し上げます。

 七月十一日に、私ども郵政グループ三社長で、NHKの会長にレターを出状いたしました。これは、先刻来お話しになっていらっしゃいますように、四月二十四日、第一弾のNHKクローズアップ現代が放送されまして、その後、七月ですけれども、第二弾を制作されるということで、ツイッターを立ち上げられました。

 先刻来お話ございますように、当時の私どもの理解は、募集品質、積年の大事なテーマでございまして、るる、保険契約の製造がかんぽ生命で、販売が日本郵便、こういう立ち位置なんですけれども、両者でいろいろ努力をして、手応えも感じて、クレーム案件も減ってきているというような手応えを感じているときに、このツイッターの言葉の中に、詐欺とか、押し売りとか、元本割れとか、やや聞き捨てならない刺激的な言葉が数多くありました。一万六千人のかんぽ生命の営業販売人、募集人と申しますけれども、募集人の中には誠実に一生懸命働いている同僚たちも多くございます。あたかも全員そういう募集人であるかのようなツイッターでございまして、これは問題ということで、私どもいろいろ協議をいたしまして、NHKさんの方にクレームをしたということでございます。

 株価等々の問題についての配慮は、もちろんそのときはございません。

 以上、お答え申し上げました。

本村委員 まずはお客様のことを心配するべきだったというふうに思います。

 日本郵政が持っているかんぽの株は、ことし四月、第二売却が行われております。このときの売却価格は二千三百七十五円。日本郵政が手にした売却総額は約四千億円と言われていますけれども、それでよろしいでしょうか。

小方参考人 お答え申し上げます。

 本年四月に実施いたしましたかんぽ生命保険の第二次売出しにおきましては、同時に実施いたしましたかんぽ生命保険の自己株式取得に応じた分を含めまして、約四千百七十億円の売却収入を得ております。

大口委員長 本村君、時間が来ておりますので。

本村委員 はい。時間がありませんので、最後に一問お伺いしたいんですけれども、まとめてお伺いをいたします。

 このかんぽ株の第二次売却の証券会社を決めたのはいつかということと、私、二つに疑問を持っておりました。一つは、なぜNHKが第二弾の放送、ことし七月になったのか。そして、なぜ総務省の法に基づく大臣の報告徴収命令がことし六月になったのか。

 この二つの疑問に対しまして、結局、日本郵政が持っているかんぽの株を売却してからNHKは第二弾を放映した。そして総務省も本格的な指導に入った。この経過を見ますと、NHKも総務省もそんたくしたんじゃないかと言われても仕方がない、特に総務省は結託してやったんじゃないかと言われてもしようがないというふうに思います。

大口委員長 本村委員、もう時間が来ておりますので。

本村委員 責任は重大でございます。ぜひ、NHK会長、総務大臣、最後に御答弁をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 大変心外でございます。株の売却については金融庁で判断を、財務省で判断をされることでございます。

 総務省としては、これまで不適切営業問題について、適時報告を受け、指導も行って、適切に対応してきたと考えております。

 この報告内容などを踏まえて、今後も厳正に対処するということで監督責任を果たしてまいりとうございます。

大口委員長 では、上田会長、簡潔に。

上田参考人 お答えいたします。

 第二弾として取り上げたからには、郵政の組織的な問題などをより深く掘り下げる必要があるという考えを持っていまして、取材を尽くして、ことしの七月に放送したという次第です。

本村委員 ぜひ、この問題、集中審議、そして資料の全ての提出を求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 今国会、初めて質問に立たせていただく、ようやくそういう時期が来たということで、しっかり議論をさせていただきたいと思います。

 冒頭、一つ委員の皆様にもお願いをしておきたいのは、今、質問通告が話題になっています。発端は、参議院の方で森ゆうこ議員が台風十九号の前夜に遅くまで官僚を張りつけたということで問題になっています。

 日本維新の会は、とにかく、申合せで二日前というのがあるんですが、それはできればそういうふうにしていきたいんですが、現実的にまず、前日の昼までに通告をするということを、遠藤国対委員長が議運の場で、我々はやるよということを申し上げました。

 ぜひ、総務委員の皆様におかれましては、理事会でも議論していますが、その委員会だけでも、少なくとも前日の昼までには通告をする。それで、問合せ不可は不可。問合せ不可って意味わかりませんよね、皆さん。問合せ不可ってわかる人いる、ちょっと手を挙げて。問合せ不可っておかしいよね、重徳さん。だから、問合せ不可はこの国会からはもうなしにする。それで、どうしても何か資料が出てこないために通告がおくれるとかいうときは、理事会でしっかりとその理由とそして時間、内容をシェアするということを今お願いをしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そういうことをしっかりやっていかないと、特に森議員の件は、まあ、きょうはやめておきましょう。あした経産委でしっかりやりますので、また御注目をいただきたいと思います。

 きょうは、地方議員年金です。

 まず、これは事務方で結構ですが、厚生年金への地方議会議員の加入について、全国の議会から意見書が出てきていると思いますが、大体どんな感じですか。

大村政府参考人 お答えいたします。

 地方議会の意見書の採択状況についてでございますけれども、各議長会から報告のあった件数で、まず、賛成の立場の議会の意見書の数は、平成二十九年一月時点におきましては二十九道県七百八十八市区町村であるのに対しまして、令和元年九月時点におきましては三十三道府県千二十八市区町村となっておりまして、四府県二百四十市区町村、この間に増加をいたしております。

 また、反対又は慎重な立場の議会の意見書の数は、平成二十九年一月時点におきましては一市であるのに対しまして、令和元年九月時点におきましては一府十五市町となっておりまして、十五府市町増加しているところでございます。

足立委員 これはちょっと明確に事前に申し上げていなかったかもしれないので、わかればでいいんですが、十月三十一日に全国都道府県議長会というのがあって、大阪府からは大阪維新の会の三田勝久府議会議長が参加をし、とにかく議論があって、反対は大阪府の三田議長だけ。それは聞いていない、聞いていない。ちょっとごめんね、事前に言っておけばよかったんだけれども、そういうことでした。

 私も何度かこれを議論してきていますが、地方議員だけは、いずれ国会議員も入れてくれということになるんでしょう、地方議員だけは厚生年金に入れてやってくれと。例えば、これはちょっと理事会で言っていないから見せちゃいけないかもしれないけれども、令和元年の八月に、全国市議会議長会が「厚生年金への地方議会議員の加入について」というパンフレットをばらまいているんですね。全国の地方議員、何万人というところにこれは配られています。

 ここに何て書いてあるかというと、要すれば、安倍政権は、自公政権は、パートに対する適用拡大、厚生年金の適用拡大というのを今やっていますね。やっています。だから、厚生年金の適用拡大を政府として推進しているんだから、地方議会議員だって厚生年金に入れてくれよと言っているんですよ。

 さらに、もし地方議会議員が厚生年金に入れば、労使折半の使用者側の負担は誰が払うんですか。地方公共団体、地方税、地方の税金ですよ。ところが、このパンフレットには、その問題を取り上げて、これまでの厚生年金だって、会社、法人等の事業主負担があるんだから、今までの制度と一緒ですと書いてあるんですよ。おかしくないですか、ちょっと。

 これは大臣に振ってあるのかな。まあ、事務方で結構です。まず厚生省だ、厚生省。

 地方議員のような個人事業主に、例えばサラリーマンが個人事業主に脱サラをして転身します。この冊子には、サラリーマンが地方議員になりやすいように厚生年金を維持したるべきだと書いてあるんですよ。サラリーマンが脱サラをして個人事業主になるときに、厚生年金の適用を受け続けるケースというのはあるんですか。

度山政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生年金に適用される人はどういう対象かということに関しては……(足立委員「ちょっと、有無だけでいいよ」と呼ぶ)はい。法律上、適用事業所に使用されるということになっているということなので、脱サラして起業されたサラリーマンは、法人に属していれば適用は続くんですけれども、個人で事業を営むということになると、これは使用される者には該当しませんので、厚生年金の適用を受けることはない、こういう整理になっております。

足立委員 わかりますか、皆さん。

 今、いろいろおっしゃりたかったことは、例えば兼業とかいろいろなケースがあるから、いろいろな個人事業主だって、個人事業をやりながら、それはサラリーマンをやっている、サラリーウーマンをやっている人もいますよ。

 私が言っているのは、まあ、仕事は一つだとしましょう。脱サラして地方議員に立候補する、脱サラしてベンチャー企業というか会社、自分で個人事業を立ち上げる。ちょっと、もう一回言ってくださいよ。一言でいい。いや、いいんです、いいんです。後でこの動画を編集してユーチューブに上げないといけないから。

 要すれば、この今の全国の四十七都道府県議長会の、大阪府の三田議長以外、大阪維新以外の全ての政党が、大阪維新以外の全ての地域の政治グループが、そして国会にあっても、日本維新の会以外の全ての政党は、これ、賛成しているんですよ。(発言する者あり)じゃ、反対してよ、ちゃんと。だって、全国の議長会、全国議長会で四十七人のうち一人ですよ、大阪だけ。(発言する者あり)

大口委員長 不規則発言はやめてください。

足立委員 ちょっと厚生省、度山さん、もう一回ちゃんと言ってよ。

 だから、個人事業主が、サラリーマンが脱サラして個人事業主になる、そういうケースにあって、その人が脱サラしやすいように厚生年金の適用を続けてくれなんという議論が、事例もないだろうし、政府の中にもそういう議論はないね。はっきり、ちょっとそれを。

度山政府参考人 今御指摘のあった、パートの適用拡大の議論を進めるときに……(足立委員「もうつべこべ言わなくていい」と呼ぶ)いやいや、あわせて、要は個人事業主の方の適用範囲の議論というのもしていまして、そのときに、個人事業主の方から、人を雇っていればその人を入れなきゃいけないわけですけれども、自分は入れないと。自分も入れるようにならぬものだろうかというようなお話をされた団体があることはございます。

 ただ、今、整理上、適用拡大の議論は、先ほど申し上げましたように、基本的には適用事業所に使用される方を入れるという観点で進めておりますので、ちょっとそれは次元の違う話というふうに整理をしております。

足立委員 そういう団体があったと。しかし、当面、政府として、あるいは政府・与党として、与党はまあいいや。当面、政府として個人事業主に厚生年金の適用をする考えはありますか、ないですか。

度山政府参考人 お答えを申し上げます。

 個人事業主の方でもいろんな意見がございます。それで、制度としては強制適用ということにしなきゃいけませんので、基本的には、今適用拡大の議論は、繰り返しになりますが、適用事業所に使用される方で、まだ適用を受けていない方がいろんな要件でいらっしゃるということについてどうするかという、そういう問題を立てて議論をしているというふうに御理解いただけますでしょうか。

足立委員 今まさにおっしゃったように、あくまでも厚生年金というのは被用者年金なんです。被用者年金と国民年金を統合してやろうという議論はないよね。自民党の中にある、ないでしょう。

 自民党本部の中にさえない議論を全国の地方議会でやっているんですよ、今。とめてくださいよ、みんな。何で全国の、大阪維新の会以外の議長はみんな賛成なんですか。(発言する者あり)ちゃんと指導しろよ、指導。

 さて、とにかく……(発言する者あり)えっ、じゃ、地方の年金は、じゃ、ちょっと答弁してよ。国会議員はないね、国会議員、ちょっと答弁。

大口委員長 いや、足立委員、委員間では。きょうはやめてください。

足立委員 ちょっと一回これは自由討議しませんか、自由討議。

 委員長、ちょっとこれは自由討議の場をつくっていただくよう、ぜひ理事会で検討してください。

大口委員長 理事会で協議します。

足立委員 いや、皆さん、だって、皆さん政党政治をやっているんでしょう。自民党の議員が全国にいっぱいいる。公明党さんなんかたくさんいる、公明党さん。みんな、政党として、この年金制度はどうあるべきかって議論していないんですか。これは自民党と公明党だけじゃありません。私以外の全員、これは関係ありますよ。井上先生はね、ちょっと、友達だから、まあいいですけれども。とにかく、これはちゃんとやりましょうよ、ちゃんと、自由討議。

 それで、これは、なぜ我々がこの議論をしているかというと、れいわの例の参議院の介助費の話がありましたね、あれも一緒です。参議院の二人の方は個人事業主なんです。個人事業主については、いわゆる移動支援、介助費、これは出ていないんですよ、出ていない。それは使用者が面倒を見ることになっているんですよ、法体系の中で。何でそれを参議院は、ここは衆議院だから仕方ないけれども、何でそれを参議院は認めるの。それに反対しているのは日本維新の会の東さんだけですよ。

 僕らは別に、障害者の皆さんに必要な支援を提供すべきじゃないと言っているんじゃないんです。何でそれを議員だけが享受するんだと言っているんです。僕たちは、先憂後楽といって、政治家たるもの、楽しいことは国民に先に、憂い、心配なことは政治家が引き取り、楽しいことは国民に先に享受していただく、これが政治でしょうと言っているんです。でも、参議院で実際にこの介助費でやっていることは、真逆のことをやっているんですよね。

 それで、大阪では吉村知事、松井市長がリーダーシップをとって、大阪では、この二人の参議院議員だけじゃなくて、大阪の重度障害の方は移動支援で税金がちゃんと支援に入るように今検討していますよ。多分、来春から取り組みます。こういう政治をやりましょうよ、皆さん。

 NHKの追及とか、もうどうでもいいから。だって、追及している方が説明責任を果たしていないんでしょう、ふだん。与党筆頭もそう思っていると思いますよ。まあ、でも、僕も今度、議員立法をちょっと通さなあかんので、もう野党の批判はしませんが。

 それで、きょうちょっと明らかにしておきたいことは、公費負担です、公費負担。今申し上げた、地方議員が厚生年金の対象になると公費負担が発生します。

 ちょっと時間がもったいないので、もう既に総務省が試算を出してくださっています。詳細はまたここで御説明していただこうかと思いましたが、もう割愛をしますが、年金部分で百六十億円から二百億円、年間ですよ、それから医療で百億円、そういう数字が出ています。

 ただ、私はそれだけじゃないと思うんです。かつて地方議員年金というのがありました。そのときの過去債務がいまだにいっぱいあるんですよ。平成二十三年に、あるいは平成二十二年かもしれませんが、議員年金を廃止したときに、債務があるわけですよ。だから、いまだに、当時地方議員だった人はじゃぶじゃぶお金をもらっているんですよ、税金から。その金額、総額一兆一千四百億円ですよ。まだ半分以上残っています。

 これは大臣、通告させていただいています。石田前大臣もいらっしゃいますが、僕、歴代大臣の中で一番高市大臣を尊敬しますので、ちょっとぜひ、あ、石田大臣もそれなりに尊敬させていただきます。

 この一兆円、数千億円かもしれません、残っている債務は。賦課方式でしょう。もし現役の地方議員を厚生年金の対象に入れるんだったら、あ、大体、皆さん、これは法律事項だからね。自治体に任せておいたらだめですよ、国会が責任を負っているんだから。

 それで、大臣、過去債務も一緒に厚生年金財政に入れてもらわないとおかしくないですか。それをちゃんと総務大臣として、当たり前だと言っておいてくださいよ、ちょっと。

高市国務大臣 この過去債務でございますけれども、地方議員年金制度、廃止されて、平成二十三年一月以降の退職者のうち、年金受給資格を有する在職十二年以上だった方が全員一時金を選択された場合に約一兆一千四百億円、全員が年金を選択された場合は約一兆三千六百億円ということになります。

 そもそもですけれども、廃止前の地方議会議員年金制度というのは、政策的に設けられた公的な互助年金制度ですから、厚生年金のような公的年金制度とは性格が異なります。

 ですから、今委員がおっしゃったように、仮に過去債務を厚生年金で引き受けるようなことにした場合には、厚生年金とは全然別の制度で、その性格も異なる地方議会議員年金制度の廃止に伴う経過措置に係る費用を厚生年金の保険料収入などで負担するということになってしまいますので、そうすると、厚生年金の被保険者、受給権者を始めとした国民の皆様の理解が得られるかどうかという問題、もう一つは厚生年金財政への影響といった論点も出てくると考えております。

足立委員 大変正確な御答弁をいただきましたが、そのとおりだと思います。

 これはよく議論しましょうよ、議論。僕は、もちろん厚生年金の方は嫌ですよ。だって、過去債務は切り離して、それはそれぞれの自治体でこれからも負担してくれ、ぴちぴちの、若い、保険料を払う地方議員だけみんなこっちに来てくれ、そうしたら厚生年金財政がよくなるからというと、厚生省、うれしいよね。厚生省はうれしいよ。

 でも、納税者は、国税を払うのも、地方税を払うのも、保険料を払うのも一緒ですよ。全部国民負担ですよ。その国民の目線に立ってみたときに、いや、厚生年金財政にはプラスになりますから、いや、パートを入れるのはプラスになります、それはまあ入れたらいいですよ。でも、個人事業主は、自民党本部の中で検討さえしていない個人事業主について、参議院がれいわの二人だけ特別扱いする、そして、この国会が、全国の地方議会が厚生年金に入れてくれと言っているのを傍観をしている。最後、法律が出てきたら、それを皆さん審議するんですよ。

 だから、私は、総務大臣、地方財政を所管する総務大臣として、厚生省が何かおいしいところだけ持っていって、そして負担は国民だけにツケ回しされるというおかしな政治だけはないように十分注意をして、この地方議会の動きを見ていただきたいと思います。

 きょう、ちょっと何か時間がずれていてよくわからないんだけれども、もう一つ申し上げておきたいんですが、なぜかつての地方議員年金が廃止になったか御存じですか、皆さん。小林さんはうなずいていますけれども、これは常識ですよ。平成の大合併で地方議員の数が減ったからですよ。では、皆さん、これから、少子高齢化のこの時代、全国の地方議員の数はこれからも維持するんですか。私は多過ぎると思いますよ。

 大阪は今どんどん減らしています。そもそも大阪維新の会が生まれたときに、二〇一一年四月の統一地方選挙で、大阪府議会で過半数をとらせていただいて、維新の会がのろしを上げたときに、その翌月かにすぐにやったことが、大阪府議会の定数百九を八十八に二割削減です。大体、市議会とか町議会とか村議会とか、あんなに人要りますか、高給取って。だから、僕たちは、場合によっては、町村部なんかはもうボランティアでいいと思いますよ。区長さんとか、地域の、自治会の人たちがみんな議員をやったらいいじゃないですか、ボランティアで。

 そういう、地方議会議員制度というのはこれから変わるんです。これから抜本改革をしていくんです。同じことが起こりますよ。もう一回破綻しますよ。もし、この地方議員を厚生年金の枠内に突っ込んだら、この地方議会議員改革をやって議員の数が減ったら、その負担は全て、厚生年金の加入者に全部行くんですよ。大変な債務を厚生年金財政は背負うことになる。

 度山さん、そういうことは困りますよね。ちょっと、困ると言っておいてください。

度山政府参考人 お答え申し上げます。

 特定の産業とか一定の職域に限定をした議論をするとそういうことになるわけでございますけれども、結局、国の歴史を振り返りますと、産業にはそれぞれの産業で栄枯盛衰があるということでございますので、年金制度は基本的には社会全体で支えるということで、例えば、かつて国鉄共済のようなものがあって、非常に財政的な危機になったわけですけれども、やはりそういうことではなくて、社会全体で社会全体を支える仕組みということで年金制度を、何といいますか、制度を整理をしてきたという歴史がありますので、それはそういう問題として考えることだと思います。

足立委員 時間が来ましたので終わりますが、総務大臣、一言。

 きょう申し上げた、大体これが地方議員年金問題です。大臣、よくこれを総務大臣として注視していくということでお願いします。

高市国務大臣 そもそも昭和三十六年に地方議会議員互助年金法、制定されましたが、これは議員立法でございます。地方議員の身分の根幹にかかわることでもありますので、各党各会派での御議論を注視させていただきます。

足立委員 終わります。ありがとうございます。

大口委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。

 まず、何回も質問をしているんですけれども、東京一極集中是正、これについて質問したいと思います。

 高市大臣の所信の中にも、一番最初に、東京一極集中是正とありました。

 これは資料で配っておりますとおり、二〇一一年からどんどん右肩上がりで東京圏への人口集中が進んでいます。二〇一五年、この年にまち・ひと・しごと創生総合戦略、二〇一四年ですね、につくって、二〇一五年からこの戦略が開始されたわけですけれども、そのときのまち・ひと・しごと総合戦略にこう書いてあるわけです。「地方は、人口減少を契機に、「人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させる」という負のスパイラルに陥るリスクが高い。」こういうリスクがあるから、まち・ひと・しごと創生総合戦略を用いて東京一極集中を是正しようという取組を政府としてはやってきた。

 にもかかわらず、二〇一五年から二〇一八年に右肩上がりでふえ、二〇一八年には十三万五千人と加速化しているわけですね、東京一極集中が。これは、やはり政府の政策が功を奏していないということだと思うんです。やはり大きな政治力を用いてこの方向性を変えていかないと、もう東京一極集中が是正されないという状況だと思います。

 そこで、高市大臣も所信で述べられておりますけれども、この東京一極集中是正にかける思いというのをちょっと聞かせていただきたいと思います。

高市国務大臣 井上委員おっしゃいましたとおり、これまで政府を挙げて地方創生に取り組んできたにもかかわらず、依然として東京圏への転入超過に歯どめはかかっておりません。

 この過度な東京一極集中というのは、災害のリスク管理という点でも、それから地方の担い手不足という点でも非常に問題があり、是正は喫緊の課題だと考えております。

 総務省でも、これまで、地域の活性化を担う立場から、地域おこし協力隊の推進ですとか、また移住関心層への情報提供など、人の流れを地方に向けてつくっていく施策ですとか、それから地域の雇用創出という意味ではローカル一万プロジェクトなどを推進してまいりました。しかし、更に力を入れていかなければいけないと思っております。

 確かに、地域おこし協力隊では、任期を終えた隊員の方々の多くがそのまま地域に住み続けてくださっておりますので、一定の効果が出ているんですが、来年度から、第二期まち・ひと・しごと総合戦略に向けた新たな視点として、地方への人、資金の流れの強化というものが打ち出されていますので、ここにしっかり着目をしながら、新しい技術の活用、それから、いかに資金というもの、お金、それからまた人というもの、関係人口の拡大も含めて、地方に流していくか、こういった取組を始めていきたいと思っております。

井上(一)委員 石田前総務大臣にも、私はやはり、東京一極集中を是正していただきたいということで、石田前総務大臣もやはり強い問題意識を持っておられました。もう本当に、役所の仕事ではなくて、やはり政治で大きな方向性をつけないと、これは本当に直らないんだと思います。

 その中で、これも前回も指摘したんですけれども、やはり因果関係ですね。なぜこれだけ東京一極集中が続くのか、これは徹底的に分析しないといけないと思っているんですけれども、この点についてはどういう分析をされているでしょうか。

藤原大臣政務官 お答えをいたします。

 東京圏への転入超過数は、日本人移動者で見ますと、先生の資料一のとおり、二〇一八年は約十三万六千人程度となっております。

 この転入超過については、従来からその大半を十代後半や二十代の若者が占めており、進学、就職が大きなきっかけになっていると考えられてきたところであります。

 この二〇一八年の転入超過数は前年と比べまして増加しましたが、内訳を見ますと、おおむね全ての年齢階級で転入超過数が増加、特に二十代の若者の超過数が大きく増加、そして女性の転入者数が男性に比べて大きく増加、そして愛知県や大阪府といった大都市や東京圏近郊からの転入超過数が増加となっていることから、二十代や女性の転入超過の増大、大都市や東京近郊からの転入超過が多いといった、ここ数年見られてきた傾向が更に強まったものと分析をしております。

井上(一)委員 要因分析は更にしていただきたいと思うんですけれども、これはまち・ひと・しごと創生総合戦略に関する検証会中間整理で出されているんですけれども、この中で指摘されているのが、大企業の東京圏集中率、これが二〇〇五年から二〇一五年にかけて上昇している点に注目する必要があるということで、私自身は、やはり大企業の東京圏集中、これが大きな要因になっているのではないかと思っているんです。

 政府の方としても、地方拠点強化税制というのをつくりまして、できる限りオフィスとかを東京圏から地方に移してもらいたいということでやっています。

 この地方拠点強化の件数を、当時の総合戦略では、二〇二〇年までの五年間で七千五百件増加させるというふうになっていましたけれども、実際、今は七十四件、一%ということで、目標とはほど遠い数字です。これからまた大企業の地方移転、これはやはりぜひ進めていってもらいたいと思うんですけれども、これについて、やはり大胆な政策をぜひ打ち出してほしいと思うんです。

 さっき言ったように、七千五百件の目標について七十四件しかないということは、この税制に全く魅力がないということだと思うんです。もっと大胆な魅力ある税制を、大企業の経営者が、やはり地方に移さないと、地方に移した方が経営的にもこれは得するというか、そういう判断ができるような税制をぜひ検討してもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

藤原大臣政務官 お答えいたします。

 先生おっしゃるように、企業本社の移転に係るコストについては、地方拠点強化税制等により支援を行っているところであります。

 また、この税制以外にも、施設整備に係る低利融資等の支援、あるいは、自治体によっては独自の助成金や税制優遇措置を設けておりまして、全体として企業の地方移転を後押しすることが期待をされているところであります。

 政府としては、そうした支援措置について周知、広報に努めるとともに、引き続き、企業のニーズを踏まえつつ、地方自治体とも連携しながら、本社機能の地方移転に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

井上(一)委員 この東京から地方への企業の本社機能移転、これについては、政府としても、さまざまな施策を総動員した総合的かつ抜本的な方策について検討し、年内に成果を得るということになっていますので、ぜひこの点については、いろいろ聞いてみると、やはり財務省との調整が大変だとかいうふうな話は聞きますけれども、そういうことだと絶対前に進まないわけです。ぜひ、高市大臣、それから石田前総務大臣も、やはり政治力で大胆な税制を実現していただきたいというふうにお願いいたします。

 この点については、また引き続き議論をさせていただきたいと思います。

 次に、台風十九号についてです。

 特に、お亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表したいと思います。

 この台風十九号については、被害が甚大だということで、今、気象庁の方でも、台風十九号、これによる被害を後世に伝承するために命名するということで検討されると聞いていますけれども、どういう状況でしょうか。

長谷川政府参考人 お答えいたします。

 気象庁では、顕著な災害を起こした自然現象につきまして、応急復旧活動の円滑化と災害における経験、教訓の後世への伝承を目的として名称を定めることとしております。

 このうち、台風の名称を定める基準につきましては、一定程度以上の家屋への被害や相当の人的被害といった顕著な被害が発生し、かつ後世への伝承の観点から特に名称を定める必要があると認められる場合と定めているところでございます。

 また、台風の名称につきましては、遅くとも翌年の五月までに定めることとしております。これは、災害発生後の応急活動に関しましては台風第十九号などの台風番号が使われておりますので、応急活動が一段落し、被災自治体等の御意見も伺った上で名称を定めることとしているためでございます。

 今後、気象庁において、このような考えに基づきまして、台風第十九号の名称設定について急ぎ検討を進めてまいります。

井上(一)委員 私としては、やはり記憶に残っているうちにふさわしい名前をぜひ命名していただきたいと思いますけれども、検討の方をよろしくお願いしたいと思います。

 災害時に、消防署や消防団、さまざまな活動を行っておられ、この台風十九号を始め、災害でも尽力されておられます。

 特に台風十九号に関してどういうような活動が行われたか、簡単に御紹介していただければと思います。

米澤政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の台風十九号に際しましては、地元消防本部及び消防庁長官の指示により出動いたしました十四都道県の緊急消防援助隊等が、浸水によって孤立した住民の救助、また、被災した病院からの転院搬送、消防防災ヘリコプターによる被害情報の収集、救助等を行っております。

 また、地元消防団も多岐にわたる活動を行っておりますが、例えば、発災前に危険箇所の警戒や避難勧告、指示等の伝達、住民の避難誘導等を行ったほか、発災後においても、浸水被害の大きい地域で、安否確認のための戸別訪問、いわゆるローラー作戦等を行ったと承知しております。

井上(一)委員 やはり災害時には消防団の活躍というのは欠かせませんので、ぜひ消防庁としても支援をしていただきたいと思います。

 それで、この消防団の処遇についても以前も質問をしたんですが、消防団の処遇というのは、交付税の算入額では一人当たり三万六千五百円になっているんですけれども、都道府県、市町村で格差がありまして、都道府県で見ても、一番高い埼玉県では六万一千円、一番低い山梨県だと一万二千円、市町村によっては一万円を切っているところもあるということで、ぜひこの格差をなくすために、消防団の処遇についても消防庁としても積極的に取り組んでほしいというお願いをしているんですが、今どういう取組状況か、教えていただきたいと思います。

米澤政府参考人 お答えいたします。

 消防団の報酬につきましては、るる消防庁からの通知等によりまして各地方公共団体に働きかけをさせていただいているところでございます。

 また、本年五月以降は、年額報酬が極めて低額な市町村に対しまして、消防庁から市町村の首長に対して直接引上げのお願いをするなど、働きかけをしてまいったところでございます。

井上(一)委員 最後の一問であります。

 資料をつけておりますけれども、これは朝日新聞の記事です。「郵便局 残る物販ノルマ」「自爆営業も」ということで、聞いてみると、もうこういうノルマは課していないということなんですが、やはり、聞いてみると、郵便局の職員の間では依然としてこういったノルマがあるんだということも仄聞しております。

 やはり、こういうノルマについては必ずなくすということで取り組んでいただきたいと思うんですけれども、その点について質問して終わりたいと思います。

横山参考人 お答え申し上げます。

 今回のかんぽの問題につきましても、営業目標のあり方が要因の一つであったというふうに考えております。

 現在、全ての、金融商品だけではなくて、御指摘のございました物販の商品につきましても、営業実態の把握等から含めてゼロベースで見直しをしているところでございますので、先生の御指摘のとおりの形での見直しを更に進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

井上(一)委員 その動きを見守っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

大口委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時三十九分開議

大口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、石原参考人から発言を求められておりますので、これを許します。石原参考人。

石原参考人 先ほど、吉川委員の質問に対するお答えを申し上げます。

 二〇一八年度の経営委員会の議題、百八十七件でございます。そのうち、非公表事案は二十三件。

 内訳として、労務、人事に関する事案として五件でございまして、これは職員の処分などでございます。

 それから、契約に関する事案が二件、経営委員の服務準則などでございます。

 それから、審議検討中の事案、十三件でございまして、放送法の改正、ポスト二〇二〇、二〇一九年度経営委員会日程案などでございます。

 次に、他の団体等に関する事案として三件でございまして、日本郵政関連でございました。

 先ほどはお答えできず、申しわけございませんでした。

大口委員長 質疑を続行いたします。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立国社の奥野でございます。

 よろしくお願いいたします。

 ちょっと順番が、この話があるので狂ってしまうんですが、まず、じゃ、せっかくですから、この非公表事案についてから入りたいと思います。

 これは、非公表といったときにタイトルも出ないんですか。例えば、検討中の事案、放送法改正について議論したということはホームページ上に公表されるんですか。それとも、議論があったことすら公表されないんですか。その非公表の意味合いですね。

 よくわかるのは、処分について個人名を出しちゃいかぬというのはわかるんですが、処分について議論をしたということは、やはり視聴者のために頭出しはすべきだと思うんですね。

 当然、じゃ、それは頭出しはされている、ホームページを見ると頭出しはされているということでよろしいんでしょうか。

石原参考人 お答え申し上げます。

 非公表でありますので、議事録には掲載されません。

奥野(総)委員 ということは、視聴者・国民から見て、全く話し合われた事実がわからないということですね。中身もわからなければ、そういうことがあったということもわからない。現に、この日本郵政に関する件はそうだったわけですよ。じゃ、本当にそれでいいんですかと思います。

 というのは、会長の注意という大事なことが一切頭出しもされず、これは報道があったからこそ大騒ぎになっているんですが、誰も知らない。誰も知らないで会長の注意ということが決まってしまって、注意されたことすら公にならなかった可能性があるんですね。これは公共放送のあり方としていいんでしょうか。

石原参考人 郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関するやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応について慎重に対応する必要がある、あるいは自由な意見交換を妨げるおそれが考えられる、そういったことから非公表といたしました。

 前会長への厳重注意の場合は、公表を前提に議論しましたので、詳細を議事録に掲載しておりますが、上田会長への注意は、先ほど申し上げた理由から、非公表を前提に議論いたしました。

 経営委員会で意見交換した結果、経営委員会が会長に注意を申し入れたことの重要性、そして経営委員会の透明性という観点から、経営委員会の総意として、議事経過を公表し、議事録に記載することとしたわけでございます。

奥野(総)委員 おかしいですよね。会長注意、経営委員会が会長に注意というのはよっぽどのことでしょう。それを頭出しもしない。

 いや、おかしいと思いますよ。自由な議論を妨げるから載せないというのもおかしいと思うけれども、さらに、あったことすら、ないのと一緒ですよね、何も載っていないんだから。そんなことってあるんですか。

 経営委員会が会長を注意するという大事なことを誰にもお知らせしない。受信料を払っている視聴者の皆さんに一切お知らせしない。いいんですか、それで。一体どういう基準で非公表にしているんですか。

 そして、中身は百歩譲って、例えば処分の案件で個人名を出すのは忍びないというのはわからないではない。だけれども、少なくともタイトルには、ホームページを見ればこういうことがあったというのはわかるべき。会長が注意された、あるいは人事の処分が何件あったというのはわかるようにすべきではないですか。受信料を払っている皆さんに、国民の皆さんにわかるようにすべきではないんですか。経営委員会として、そのやり方はいいと思いますか。どうですか。

 もう一度聞きます。

 なぜ、注意という重要な案件があったにもかかわらず、そのことを公表しなかったんですか。

石原参考人 繰り返し申し上げますけれども、外部からいただく手紙やそれに関する対応については慎重に対応したいということであります。それから、自由な意見交換を妨げるおそれが考えられるということから非公表としたわけでございまして、今回の問題につきましては、重要性あるいは透明性という観点から、経営委員会の総意として、議事経過を公表し、議事録に記載することにしたということでございます。

奥野(総)委員 閣議前の懇談会って、大臣、ありますよね。あれはフリートークなんですね。でも、閣議とは違うわけですよ。それと同じじゃないですか。自由な議論をするんだったら、経営委員会の前に、事前にやればいいんですよ。経営委員会と言っている以上は、非公表なんてあっちゃいけないんじゃないですか。法の運用を間違えているんじゃないですか、これは。

 経営委員会の定めるところによりと言って、あったことすらわからない。あったことすらわからないというのは、これは法が求めている趣旨なんですか。大臣、どうですか、それは。四十一条。

高市国務大臣 議事録につきましては、経営の透明性を確保する観点から、放送法第四十一条に基づき、経営委員会の定めるところにより、作成、公表を行うこととなっています。

 経営委員会議事運営規則というものがあって、ここに、議事録を非公表とするようなものについても列記されていると承知をしております。ですから、今回の件、会長への御注意の件について、そのどの部分に該当したから公表しなかったのか、こういった判断は経営委員会から御説明があるべきだと考えます。

奥野(総)委員 あるべきだということは、まだ聞いていないということですか。それを聞いていないとして、必要に応じて、議事録の公表を法の趣旨にのっとって求めていくお考えはありますか。

高市国務大臣 これが報道されましてから、情報流通局長から経営委員長にも聞き取りをいたしております。その結果、十月十五日及び十月二十九日の経営委員会で議論が行われて、議事経過を公表し、その内容を議事録に反映したということでございます。

 ですから、放送法四十一条の趣旨に照らして、きちっと議事録はとられていた、それで、議事経過を公表された、内容を議事録に反映したということについては特段の問題がないと考えております。

 ただ、委員が御指摘の点について、最初、頭出しをしなかった、これはなぜかということについては、経営委員会にお聞きいただきたいと考えております。

奥野(総)委員 いや、お聞きいただきたいって、聞いているんですが、答えがないわけですよね。こんな大事な話、籾井会長のときは、本当に詳細に書かれていたわけですよね、経営委員会議事録が。あれが続くのかなと思ったんですが、全然そんなこともない。わからないと、ないと一緒なんですよ。これ、二十三件も、公表というか、隠していると言われてもおかしくないんじゃないですか。頭出しすらしていないんだから、隠していると言われてもやむを得ないんじゃないですか。

 ぜひ運用を改めていただきたいんですが、約束してくださいよ。経営委員会の場で議論したことについては、必ず議事録の中に項目としての頭出しは最低限していく。まず、そこから行きましょう。どうぞ。

石原参考人 経営委員会議事運営規則というのがございまして、そこで、対外的に非常に大きな当たりがあるとか、個人のプライバシーの問題だとか、交渉の経緯にさわるとか、そういったことについては、やはり、頭出しというのも私はいかがかと思います。

 頭出しをしますと、そこで、それは何だと必ず聞かれるわけで、そこがまた大事だとおっしゃることだろうと思いますが、それが非常に、正直なところ、判断しかねるところでございまして、私、先ほど申し上げた数字でも、全体の数字の中の、議事件数が百八十七件のうちの二十三件、私、少ないと先ほど申し上げましたけれども、比較的全体としては少ないと思います。

 ただ、今回の件につきましては、やはり、郵政の、相手がいるという話でございましたので、これにつきましては非公表ということで議事を進めましたが、こういった状況になって、大変お騒がせしておりますので、議事経過を議事録として公表させていただいたということでございます。

奥野(総)委員 結果として判断を誤ったということですよね。少なくとも、注意をした段階で公表しておくべきだったんじゃないですか。今、後になって議事録を継ぎ足しているわけですけれども、その判断が間違っていた。

 もし経営委員長の言っていることが正しいのであれば、今だって公表する必要はないわけですよね。結果的に公表に追い込まれたということは、その時点の判断が間違っていたということになりはしませんか。そこをまず、国民・視聴者に向かって、私はおわびをしてほしいと思うんですね。いかがですか。判断を間違えた。

石原参考人 経営委員会といたしましては、昨年の十月に郵政三社から書状を受領し、十月の九日、二十三日に経営委員で情報共有及び意見交換を行った結果、経営委員会の総意として、ガバナンスの観点から、会長に注意を申し入れたということでございます。

 十月十五日の経営委員会で本件を取り上げ、この申入れを行ったことを改めて確認し、意見交換を行いました。その結果、経営委員会が会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から、経営委員会の総意として、議事経過を公表することといたしたわけでございます。

 経営委員会では、説明責任を果たすことは重要と認識しております。視聴者・国民の御理解をいただけるよう、より一層透明性を確保していきたいと考えております。

奥野(総)委員 そのとおりなんですが、説明責任を果たすというのであれば、最初から会長の注意という重要案件を公表すべきだったんじゃないですか。なぜ公表しなかったんですか。そこは誤りだったと認めてください。

石原参考人 それはやはり、経営委員会議事運営規則というのがございまして、そこで、相手のある話であるということの中で、公表をしないという前提で議論いたしましたので、非公表とさせていただきました。

奥野(総)委員 いや、でも、会長の注意となると違うでしょう、会長の注意となると。百歩譲って、そこで上田会長がはねつけた、あるいは経営委員会の中で注意すべきでないという議論になったということになっていれば、またともかくも、実際、注意してしまったわけだから、注意したことについては視聴者にきちんと示すべきじゃないですか。

 まして、ガバナンスの問題と言うのであれば、NHKの体制にかかわる重要な問題ですよね。私は、決して今の話、いや、そちらがガバナンスの問題と言うから、そういうふうに言っているんですけれども、もし本当にガバナンス上の、注意するほどの大問題であれば、当然、公表すべきじゃないですか。中身を細かくというのは、私は中身を細かくというのも必要だと思いますが、内規に従ってとおっしゃるんだったら、注意というような重要なことについてまで隠す必要はなかったんじゃないですか。そこは判断の誤りだったと思いませんか。

石原参考人 経営委員会のいろいろ議論については、私が勝手にやれるものではない。非公表ということで今回の審議を行ったわけでございまして、それを公表するには、経営委員会でのまた議論と決議が必要です。

 そういったことで、十月の十五日に経営委員会の皆さん方と議論をして、総意で、これを公表しようじゃないかと議事経過を議事録へ載せたということでございます。

奥野(総)委員 かつて、支払い率が七割を切ったことがありましたよね。あのときは、たしか受信料の、ちょっと記憶が定かでないので言葉遣いが乱暴かもしれませんが、受信料の流用とか不適切な使用が問題になって、国民から、もう払わない、こういう話になったわけですよね。あのときの教訓は、きちんと公表していく、透明性を確保していく、お客様にきちんと説明していくということだったはずなんですよ。

 今の話ですと、例えば内部で何か事件が起きたときに、それも一切公表できない、しない、皆さんの判断で、一切公表できない、しない、それも、総務省にも伝わらないということが可能なんですよね。こういう経営委員会の運用でいいんですか。きちんと、あったことについては公表すべきなんじゃないですか。

 大臣、どう思われますか。四十一条にのっとって、やはり国民に説明責任を果たすべきじゃないですか。あったことについてはきちんと公表すべきだと思いますが、いかがですか。

高市国務大臣 放送法四十一条に基づき、経営委員会の定めるところにより、作成、公表を行うとされていますので、これは、先ほど申し上げた経営委員会議事運営規則の中の議事録の公表をしない場合、幾つか列挙されている、その中での御判断であったんだろうと思います。

 しかし、四十一条の意義というのは経営の透明性を確保する観点であるというのも確かでございます。

 個別具体の案件について、これを、そのとき経営委員会が公表しないと決めたことの是非について、私が申し上げる立場にはございません。

 放送法違反の事項があったかないかということを確認するために、情報流通行政局長からのヒアリングはさせ、報告も受けております。

奥野(総)委員 でも、これはおかしいですよね。会長に、ガバナンスがおかしいと言って経営委員会が注意したことが非公表になってしまう、その事実すら誰も知らなかった。それを本当に監督官庁として是とするんですかね。

 だから、今申し上げたように、いろんな事案で、自由に公表しないこともできるわけですよね。これで、視聴者の皆さん、本当に納得しますかね。皆さん、どっち向いて仕事していますか。視聴者の方を向いてすべきじゃないでしょうか。特定の力の強い方ばかり見て仕事しているんじゃないですか。そういう懸念を本当にこの件は招きますよね。

 で、なぜ注意したかもよくわからないわけですよ。

 会長は、危機管理上、監査委員も瑕疵は認められないと言っている、こうおっしゃって、注意を受けても、持ち帰ります、こうおっしゃっているわけですよ。

 きょう、会長、いらしているかな。

大口委員長 はい、いらっしゃっています。

奥野(総)委員 伺いたいんですが、今回の注意は納得していますか。少なくとも、最初、議事録を見ている限りは、納得されていない。あのときおっしゃったことは正しいと思うんですよ。こんな手紙がいっぱい会長宛てに来るわけだから、一々取り合っていたら切りがないわけですよ。そのたびに報道の中身について謝罪していたら、報道の中身というか、放送に関する部分で謝罪をしていたら、本当に組織はもちませんよ。だから、おっしゃっていることは正しいと思うんですね。

 今、注意についてどう思われますか。おかしいと思いませんか。

上田参考人 お答えいたします。

 去年の十月二十三日の経営委員会では、郵政三社からの経営委員会宛ての書状で協会のガバナンス体制に関する指摘があったことについて、監査委員会から、協会の対応に瑕疵があったとは言えない旨の報告がありました。

 しかし、経営委員会から厳重注意を受けましたので、私はその場で、監査委員会が協会の対応には瑕疵がなかったと判断していることなどを指摘した上で、持ち帰って扱いを検討しますとお伝えしました。

 会長の職務執行を監督する立場である経営委員会からの厳重注意であり、重く受けとめました。

奥野(総)委員 ちょっと、きょうは日本郵政の皆さんを呼んでいるから、こればかりできないんですが、今、結構重要な話で、瑕疵がないと言われた、悪いとは思っていないとはっきりおっしゃっているわけですよ。

 じゃ、なぜ謝りに行ったのかというところは問いたいところで、時間がないので、謝りに行ったのはおかしい、力の強い第三者から圧力を、圧力というか要求を受けて謝りに行ったのは、私は中立公正なNHKの姿を曲げるものだと思います。とりわけ、放送総局長がわび状を持って行くなんというのは、あってはならないことだと思います。そこは指摘をしておきます。

 が、石原委員長、今、会長は納得していないとおっしゃっているんですよ。監査委員会は瑕疵がないと言ったとおっしゃっているわけですよ。経営委員会は何と言っているかというと、危機管理上の瑕疵はないんだと言われたといって、あたかもほかに瑕疵があるんだ、ガバナンス上の瑕疵があった、こう言っているわけですが、そこは結局会長は認めておられないんですよ、今の話だと。

 じゃ、ガバナンス上の瑕疵があったというのは、一体誰が判断したんですか。今までの経緯を見る限りは、監査委員は危機管理上の瑕疵を見ているのであって、ガバナンス上の瑕疵は見ていないということになっているわけですね、今の経営委員会側の説明だと。じゃ、ガバナンス上の瑕疵があったというのは、一体誰がヒアリングをして、どういう判断があったんですか。経営委員会。

石原参考人 監査委員会は協会の対応に組織の危機管理上の瑕疵があったか否かについて確認しておりまして、瑕疵があったとは認められないという報告を受けました。

 しかし、郵政の文書の中には、チーフプロデューサーの発言として、番組制作と経営は分離しているため、番組制作について会長は関与しないとありました。ガバナンスの問題についての指摘があったわけでございます。会長を含めた議論の中で、それについて改めて確認いたしました。こうした発言は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないというガバナンス上の問題があると考えたわけであります。

 そうした観点から、今回の職員の発言には見逃してはいけない問題が含まれていると考え、経営委員会として会長に対して注意を申し入れました。

奥野(総)委員 もうやめにしたいところなんですが、もう一回確認しますが、じゃ、チーフプロデューサーの聞き取りは一体誰がやったんですか。監査の対象は、今の話を聞くと、危機管理上の瑕疵があるかないかということだったんだけれども、ガバナンスの瑕疵があるかないかについてはあたかも判断していないかのような口ぶりですよね。そうすると、じゃ、ガバナンス上の瑕疵があったというのは、一体誰が調査をして、誰が判断したんですか。

 会長は少なくとも違う受けとめ方をしていますよね。監査委員の報告は、全体として瑕疵がなかったと言っていると会長は受けとめているわけですよ。一方で、経営委員会の皆さんは、危機管理上の瑕疵に限定をし、ガバナンス上の瑕疵があったと違うことを言っているんですけれども、じゃ、誰が調査をして、どういう判断、もう一回聞きますが、それは誰が判断したんですか、どういう調査をして、誰が聞き取りをしたんですか。

石原参考人 会長から、監査委員会が瑕疵がなかったと言っているのは、あくまでも危機管理上の問題で、会長それからチーフプロデューサー、この辺の意思の、意見の交換がちゃんとできていたということを調べたわけでありまして、私どもが監査委員会に郵政からいただいた文書を渡して、これについてちょっと調査してくれ、こう申し上げた。

 その中には、そういった意思統一ができていたかどうかということと、もっと大きな課題として、NHKの中における編集権の問題が取り上げられていたわけです。もう一つ、編集権と、あと二カ月間まだ答えがないという問題も、合わせて二つあったわけでございますけれども、編集権の問題、会長に編集権がないよというのは、現場の、番組をつくるチーフプロデューサーが、責任者がそう言うというのは大変な問題だと私は思います。

 したがって、今回のような措置をとらせていただいたということであります。

奥野(総)委員 じゃ、何ですか、監査はガバナンスの瑕疵があるという報告をしたんですか。

石原参考人 ですから、監査委員会は、危機管理上の意思、意見交換といいますか、報告とかそういったことがきちっとあったということを調べたわけでございまして、具体的には、ガバナンスの問題としての編集権の問題については、監査は触れておりませんでした。

奥野(総)委員 だから、重大なそごがあって、会長は瑕疵が一切なかった、経営側の瑕疵はなかったと受けとめたわけですよ。それはとりもなおさず、ガバナンスの瑕疵も指摘がなかったと受けとめたわけです。

 私が言いたいのは、じゃ、一体誰がガバナンスの瑕疵があったと判断したんですか。今の話だと、監査委員会はそれも調べていない。ちゃんと聞き取りも、じゃ、行われていないんじゃないですか。誰が判断したのか。そもそも、この件、誰が主導して注意まで持ち込んだのか。

 きょうは森下代行に来ていただこうと思ったんですよ。鈴木上級副社長もお見えでありますが、事前に接触したりしているので、森下さんにその辺も伺いたかったんですが、きょうは所用があって来られないというので非常に残念ですけれども。

 ここで求めたいのが、時間が終わるので求めますが、もうちょっと詳細な議事録を出していただきたい。監査委員が一体何を報告したのか、どこが問題ないといって報告をしたのか、それから、どういう経緯、どういう理由で注意をしたのか、その辺の議事録、きちんと公開すべきじゃないでしょうか。

 委員長に求めたいんですが、議事録、詳細を、籾井さんのときも出してもらった例はありますし、これだけ問題、まさにこれはNHKのガバナンスの危機だと思うんですよ。あったことを隠してしまう、それが公然とまかり通るような組織で、私は大問題だと思います。まして、皆さんから受信料を集めている組織ですから、今回の件についてきちんと跡づけができるように、詳細な議事録の提出を理事会に求めます。

大口委員長 理事会で協議いたします。

奥野(総)委員 というわけで、時間が大分なくなってしまって、配分を間違えてしまいましたが、日本郵政の皆さんお見えでありますが、一つ、私が今回の件で非常に疑問に思っているのは、鈴木副社長のお手紙の中身なんですよね。

 普通はですよ、普通は、事実無根だ、なぜこういう事実無根の番組を流すんだ、なぜこういう取材をするんだというところにお手紙で書くべきだと思うんですけれども、なぜガバナンスの問題を取り上げたのかというのが非常に疑問であります。

 もしかすると、そういう事実があるというのを薄々わかっていて、だから反論はしなかった、別のところから攻めていった、報道されると困るから、そういうお手紙、ガバナンスの方から攻めていったんじゃないかという疑念も湧くわけでありますが、なぜ表から抗議をしなかったのか。

 今となってはそういう事実があったということは明らかですが、当時、そういう認識がなかったとすれば、当然そういうお手紙を、反論すべきだと思うんですが、なぜそういう反論をしなかったんでしょうか。

鈴木参考人 お答え申し上げます。

 まず、今の委員の御質問の中で、番組についてはというお話でございましたが、私どもは、四月二十五日に放送された番組について苦情を申し上げているのではありません。その後、NHKが公式ツイッターと称するSNS番組で、具体的な事実の摘示もなく、一方的な文言で、あるいはテロップで私どものことを変なふうに書いているという点でおかしいとまず申し上げた。これはすなわち、番組の予備行為とでもいいましょうか、それに当たりますが。その後、NHKに対しては、そういうことはおかしいんじゃないですか、ですからそれは削除してくださいということを申し上げた。

 あわせて、そういうことを申し上げているうちに、NHKのディレクターとかそういった制作側の人から、そもそも、そういうつくり方をしているのはみんなが知った上でやっているんでしょうかという話をしたところ、会長は制作とは関係ないんだ、経営と制作が全く分離しているから必要ない、そういうふうな発言が二度三度、同じようなことがありました。

 これは、今何度か委員も御指摘があったように、NHKの体制としておかしいんじゃないか、番組をつくるとすれば、番組の編成会議というんでしょうか、編集会議というんでしょうか、そういったものを何度も重ねてつくっていくべきものだろう、そして、最終的には番組の編集責任は会長にあるということは明らかでございますから、それを無視するようなつくり方をしていいんだろうかというふうに思って、そのことも含めて会長に、二回目のレターになります、八月二日付だったと思いますが、レターを出して、会長の御認識を承りたいということを申し上げたわけです。

 それについても、二カ月近く、ほとんど何ら回答もないまま過ぎましたので、先ほど高市大臣からの御指摘もありましたような、視聴者の意見に対して真摯に向き合うのが放送法の条文に書かれているということでございましょうから、二カ月も放っておいて、それでいいんでしょうかということと、今申し上げたガバナンス上の問題は、これは、NHKの会長に幾らお尋ねをしてもお答えがないものですから、経営委員会に御判断をいただきたい、必要な御判断をいただいた上で御指導いただきたいというふうなお願いをしたわけでございます。

 くどいようですが、最初に委員から御指摘のあった、番組について反論するのはどうかということについては、四月二十五日に放送された番組については、私どもの事務所でありますサービスセンターの取材ですとかあるいは現地の取材ですとか、かんぽ生命、日本郵便の役付、役員もインタビューに答えて自分たちの説明はさせていただいておりますが、そのことについて苦情を申し上げているのではございません。

 以上でございます。

奥野(総)委員 私はこれを申し上げているのは、べからず集のようなものが最初、これは二〇一七年当時からあり、それから、きょう、金融庁、時間がないのであれですが、金融庁も来ていただいていますが、金融庁ともやりとりをかなり早い段階から、うなずいておられますが、しておられたはずなんですよ。なおかつ、このNHKの番組の取材があって、世間的にも注目を集め話題になった。このタイミングでどうして大規模な調査、全契約者への聞き取り、今やっていますが、なぜこの時点で行われなかったのか。まさにそこに組織の危機があるというふうに思うんですね。

 NHKにお手紙を書くんだったら、私は、もし本当にその時点で事実無根だと思うんだったら、そのことをきちんと述べるべきだったと思いますし、そうじゃなくて、もし、取材に応じ、番組の内容が、真実があると思うのであれば、その時点できちんと対応すべきだったと思います。

 時間がなくなってきました。

 きょう、かんぽ、日本郵便、日本郵政、それぞれ社長がお見えでありますが、一つ伺いたいのは、今回の件のそれぞれの社長としての見方、なぜこうなってしまったのか、そして、それぞれの社の立場での経営責任のあり方、経営責任があるのかないのか。

 まず、それぞれの社について経営責任があるのかないのかということをそれぞれ伺い、じゃ、それに対してどう今後対処していくのかという、多分これで時間がなくなってしまうと思いますが、三名の社長に伺いたいと思います。

長門参考人 ただいまの奥野委員の御質問にお答え申し上げます。

 私、日本郵政、持ち株会社の立場でございますけれども、このような、かんぽ案件でございますけれども、状況となりました責任、大変深く認識しておりまして、大変重く反省してございます。

 本件につきましては、まず、お客様の不利益を確実に解消する、二つ目、再発を防止するための改善策を講ずる、三番目に、お客様の信頼を回復するべく、なるべく早く回復するべく、これらの対応を陣頭指揮をとって確実に実行していくということで自身の経営責任を果たしてまいりたいと考えてございます。

横山参考人 今回の問題の背景とそして責任について申し上げますけれども、もともと主力でございました貯蓄性商品、これが低金利情勢下で魅力が低下してきた、そういう中で保障性商品へのビジネスの転換というものがうまく図られなかったということ、それから、高齢者の方へのビジネスというものが比較的比重がかかっていたということ、また、そういう中で、先ほども申し上げましたけれども、営業目標につきまして、この三年、下げてきたとはいえ、まだ若干の高どまりがあったというようなこと等々、いろんな要因が複雑に絡み合って起きたことだというふうに私としては認識しておりますが、いずれにいたしましても、御迷惑をおかけいたしましたお客様に対する不利益の解消、それに加えまして、こういった事態が起こらないようにする再発防止策の徹底、こういったものをしっかり浸透させていくということで私の責任を果たしたいというふうに考えております。

 以上でございます。

植平参考人 御質問の点についてお答えを申し上げます。

 かんぽ生命では、現在、御契約調査を進めております。お客様からいただいた声を分析をし、また、法令、社内ルールに違反をしている可能性のある事案、その募集人の調査も行っております。

 こうした取組を通じまして、不適正となった個々の募集の原因を含めて明らかにし、独立した第三者による特別調査委員会において抜本的な原因究明を行っていただけるものと考えております。

 既に九月末には、特別調査委員会の方から、中間報告として、現時点での本問題の要因となっている可能性について御指摘をいただいております。かんぽ生命の保険商品が少ない、ラインナップが十分でないこと、あるいは新規に偏った営業目標の設定等を行って、その評価をしてきたこと、組織風土、組織体制、業務運営の態勢、あるいは保険募集に関するコンプライアンス体制、こうしたものの複合的な要因がお示しをいただいておりますが、引き続き、根本原因についての徹底した調査が行われておりますので、同委員会の調査に全面的に協力をして、その結果を真摯に受けとめて改善策に反映をさせてまいりたいというふうに思います。

 経営責任の問題でございます。

 募集品質につきましては、大変痛恨のきわみでございますけれども、これまでも真摯に取り組んで総合対策等を打ってまいりましたが、更に改善すべき点があったという点を深く認識をしております。

 日本郵便とともに、今後もお客様本位に向けてしっかりと取組を徹底してまいりたいと思います。

 私としましては、こうした状況に至った責任を深く認識をしております。現在進めております御契約調査に全社を挙げて全力で取り組み、しっかりとこれをやり切るとともに、抜本的な改善策について確実に実行することで経営責任を果たしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

奥野(総)委員 大分時間が超過してしまいましたが、今のお話ですと、皆さん全員が職責を全うして頑張るんだとおっしゃっておられますが、今の体制で一月のかんぽ営業再開というのは、ちょっと時間が過ぎていますが、大臣、このままお認めになられますか。

大口委員長 申合せ時間がもう経過しています。

 じゃ、高市大臣、簡潔に答えてください。

高市国務大臣 しっかりと被害の回復ができる、そして全ての実態が明らかになる、それが重要なことだと思っております。

 もともとはもっと早く再開をされる予定だったようですが、延期に至ったのは、まだ調査が十分ではない、権利の回復が十分ではないということだと思っております。

奥野(総)委員 以上で終わります。

大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十八分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.