衆議院

メインへスキップ



第12号 令和2年4月2日(木曜日)

会議録本文へ
令和二年四月二日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大口 善徳君

   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君

   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君

   理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君

   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君

      安藤 高夫君    井林 辰憲君

      池田 道孝君    石田 真敏君

      小倉 將信君    金子万寿夫君

      神田  裕君    木村 次郎君

      木村 弥生君    小林 史明君

      高村 正大君    佐藤 明男君

      斎藤 洋明君    白須賀貴樹君

      出畑  実君    鳩山 二郎君

      穂坂  泰君    松野 博一君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山口 俊一君    山口 泰明君

      岡島 一正君    佐藤 公治君

      重徳 和彦君    長尾 秀樹君

      西岡 秀子君    緑川 貴士君

      山花 郁夫君    太田 昌孝君

      本村 伸子君    足立 康史君

      井上 一徳君    初鹿 明博君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   総務副大臣        寺田  稔君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   内閣府大臣政務官     神田 憲次君

   総務大臣政務官      木村 弥生君

   総務大臣政務官      斎藤 洋明君

   経済産業大臣政務官    宮本 周司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  杉中  淳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 伊藤  信君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 茨木 秀行君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村山  裕君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村手  聡君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        長谷川周夫君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        藤原 朋子君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            石田 晋也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           奈良 俊哉君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           秋本 芳徳君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  三宅 俊光君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高原  剛君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           赤松 俊彦君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       長塩 義樹君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長事務取扱)        谷脇 康彦君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    佐伯 修司君

   政府参考人

   (総務省行政不服審査会事務局長)         加瀬 徳幸君

   政府参考人

   (消防庁次長)      米澤  健君

   政府参考人

   (国税庁徴収部長)    新井 智男君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           森  晃憲君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       日原 知己君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           本多 則惠君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           辺見  聡君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           八神 敦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           依田  泰君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局下水道部長)    植松 龍二君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君

   参考人

   (日本放送協会理事)   松原 洋一君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  佐藤 明男君     神田  裕君

  斎藤 洋明君     高村 正大君

  鳩山 二郎君     出畑  実君

  松野 博一君     白須賀貴樹君

同日

 辞任         補欠選任

  神田  裕君     佐藤 明男君

  高村 正大君     安藤 高夫君

  白須賀貴樹君     松野 博一君

  出畑  実君     鳩山 二郎君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     斎藤 洋明君

    ―――――――――――――

四月一日

 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大口委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会理事松原洋一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官杉中淳君、内閣官房内閣審議官安居徹君、内閣府大臣官房審議官伊藤信君、内閣府大臣官房審議官茨木秀行君、内閣府大臣官房審議官村山裕君、内閣府大臣官房審議官村手聡君、内閣府地方創生推進事務局審議官長谷川周夫君、内閣府子ども・子育て本部審議官藤原朋子君、金融庁総合政策局参事官石田晋也君、総務省大臣官房総括審議官前田一浩君、大臣官房総括審議官奈良俊哉君、大臣官房総括審議官秋本芳徳君、行政管理局長三宅俊光君、自治行政局長高原剛君、自治行政局公務員部長大村慎一君、自治行政局選挙部長赤松俊彦君、自治財政局長内藤尚志君、情報流通行政局長吉田眞人君、情報流通行政局郵政行政部長長塩義樹君、総合通信基盤局長事務取扱谷脇康彦君、統計局長佐伯修司君、行政不服審査会事務局長加瀬徳幸君、消防庁次長米澤健君、国税庁徴収部長新井智男君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、文部科学省大臣官房審議官森晃憲君、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官日原知己君、厚生労働省大臣官房審議官吉永和生君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君、厚生労働省大臣官房審議官辺見聡君、厚生労働省大臣官房審議官諏訪園健司君、厚生労働省大臣官房審議官八神敦雄君、厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長依田泰君、中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君、国土交通省水管理・国土保全局下水道部長植松龍二君及び観光庁観光地域振興部長村田茂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。木村次郎君。

木村(次)委員 おはようございます。質問の機会をありがとうございます。

 新型コロナウイルスの感染拡大、残念ながら、私の地元でも、日本一を誇ると言われておる弘前の桜、桜祭りも中止ということになりました。これから国では経済対策を取りまとめ、そしてまた執行という流れになっていこうかと思います。どうぞ、高市大臣を始め総務省の皆様方、今まで以上に、地方に、そしてまた自治体に寄り添って御対応いただくことをお願い申し上げたいと思います。

 さて、二十六年余にわたる、私、青森県庁勤務において、その半分以上は、地方行財政、また地域活性化、あるいは北海道と北東北の四道県の連携、北東北三県というのは、いっとき、三県で合体しようじゃないか、そんな議論までいこうとした、そういう時代もありました、そしてまた、地方分権改革、地方創生などの業務に携わってまいりました。

 人口減少、少子高齢化という現下の社会情勢にあっては、特に基礎自治体は、一部において平成の市町村合併も経てきたものの、行政サービス全体を網羅して提供していくことがなかなかままならなくなってきている、そういった面は否めないというふうに思います。

 自助、共助、あるいは公助という言葉があるわけでございますが、言ってみれば行政版共助、広域連携の深化というものが時代の要請なのかもしれません。

 私の地元では、津軽圏域十四市町村によります弘前版DMO、観光地経営組織が一般社団法人クランピオニー津軽という名称として、きのう、一日に業務をスタートさせました。また、成年後見制度利用にかかわる支援体制の中核拠点として、同日、弘前圏域権利擁護支援センター、これは八市町村によりますが、これもスタートしたわけでございます。こういったものも、ある意味、広域連携の一つだというふうに考えております。

 きょうは、こうした観点に立ちまして、まずは、現在検討をされております第三十二次地方制度調査会から質問をさせていただきたいと思います。

 まず、この第三十二次地制調における諮問内容、そしてまた、今現在までの審議の状況についてお伺いいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 平成三十年七月に第三十二次地方制度調査会が発足し、安倍総理大臣より、「人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える二〇四〇年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制のあり方について、調査審議を求める。」との諮問がなされたところであります。

 そして、昨年七月の第三回総会において、二〇四〇年ごろから逆算し顕在化する諸課題等について分野横断的に整理された中間報告が取りまとめられました。また、合併特例法については、昨年度末で期限切れを迎えることから、その取扱いについて先行して審議を進め、昨年十月二十五日に答申を取りまとめていただきました。

 現在、残された諸課題に対応するために、広域連携、公共私の連携、行政のデジタル化、地方議会への多様な人材の参画促進など、具体的な地方行政体制のあり方としてどのようなものが求められることとなるかについて調査審議が進められているものと承知しております。

 以上でございます。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 二〇四〇年から逆算、人口減少、加速的にピークを迎える、そういったことを視点に置きながら検討されていること、非常に大事な着眼点だというふうに思っております。産学官金労なんという、よく行政ではいろいろな分野の方々を交えて会議があるわけでございますが、そうしたさまざまな分野、ともに手を携えていこうとする、そういう姿勢も大いに評価したいと思います。

 そうしますと、答申に向けての今後のスケジュール、また広域連携のあり方、先ほど冒頭申し上げましたが、この広域連携のあり方にかかわる議論の方向性についてお伺いいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 第三十二次地方制度調査会では、今後、これまでの調査審議についての総括的な論点整理を行い、地方の意見を丁寧にお伺いしながら、本年七月までに最終的な答申を取りまとめる予定となっております。

 広域連携に係る調査審議では、例えば、市町村間の広域連携については、定住自立圏や連携中枢都市圏の枠組み形成が進められているが、比較的連携しやすい取組が進められている状況にあるとの現状認識から、今後の資源制約のもとでも、資源、専門人材の共同活用や施設、インフラの再編など、合意形成は容易ではないが広域で対応する必要がある困難な課題にも対応し、取組の内容を深化させていくために必要な方策などについて議論をいただいております。

 また、都道府県による補完については、小規模市町村が多い県などにおいて、都道府県と市町村が一体となって行政サービスを提供する協働的な手法を用いて積極的かつ柔軟に補完が行われているとの現状認識を踏まえ、技術職員、ICT人材等の専門人材の確保など、今後、市町村間の広域連携では対応が困難な事案の増加が見込まれる中、個々の市町村の規模、能力等に応じて都道府県がきめ細やかに補完の役割を担うために必要な方策などについて御議論をいただいております。

 以上でございます。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 例えば、なかなか小さい町村であれば、本当にマンパワー的に厳しくなっている面が多々あろうかと思います。来年度の地財等において、たしか、技術職員とかもしっかり支援していく、そういった要素も盛り込まれているように承知しているところであります。

 大事なことは、その答申に向けて、既に、合併の部分でしょうか、地方六団体さんと意見交換とか、そういう場も経てきているように聞いておりますが、これからまた、必要に応じて、そうした関係地方六団体等々さまざまな方々の御意見も伺うなどしながら、丁寧なプロセスを経ていっていただきたいと思っております。

 そしてまた、今後半の方でお話ありました、AIとかさまざまな技術を駆使しながら、市町村、また県も含めて、お互い手を携えてやっていける、そういった土壌をつくっていただくよう願うところであります。

 最後、この地制調の質問になりますが、今般出される、これから、今後出されます答申を踏まえて、総務省としてどのように対応していくのか、その基本的なスタンス、あるいは大臣の思いといったものをお聞かせいただきたいと思います。

高市国務大臣 地方制度調査会では、今自治行政局長から答弁させていただきましたように、必要な地方行政体制のあり方について、現在精力的に御議論をいただいております。

 私は、我が国最大の危機であります人口減少に直面する中で、いつも申し上げていることではございますが、住民の皆様が安全な環境で暮らすことができて、質の高い教育や必要な福祉サービスを受けることができて、働く場所がある、そんな地方を全国各地につくっていく必要があると考えております。

 そのためにも、地方公共団体が自主性、主体性を発揮しながら、持続可能な形で行政サービスを提供し続けるための地方行政体制の実現に向けて、総務省としても支援をしていく必要があると思います。

 答申が取りまとめられました後は、総務省として、先ほど申し上げました問題意識や、また答申の御趣旨を踏まえて適切に対応してまいります。

木村(次)委員 大臣、ありがとうございました。

 今、大臣のお話にもありましたが、地方が主体的に、いろいろ答申内容を踏まえて制度化された暁には、やはり、自分たちの実情、地域の実情に応じて、そういった選択肢を主体的に選びながら進めていくことが何よりも肝要だと思います。

 そしてまた、小さくてもきらりと光る、そういった地域資源を生かしながら、それぞれの基礎自治体、特に基礎自治体が持続可能になっていくことを期待したいと思います。

 それでは、消防団関係の質問に移らせていただきます。

 団員の確保についてでございます。

 冒頭申し上げました人口減少、少子高齢化というものは、全国各市町村、地域の消防団の部分においても相応の影響を及ぼしているものと推察いたしております。そこで、消防団員に対する現状認識、また、団員確保に向けた取組についてお伺いいたします。

米澤政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、毎年のように大規模な災害が発生し、また火災も相次ぐ一方で、人口減少、少子高齢化によりまして、消防団の団員数は減少傾向にございます。

 こうした状況を踏まえまして、地域防災力の中核的な役割を果たします消防団員の確保など、消防団の充実強化を一層図る必要があると認識しております。

 このため、昨年十二月、通知を発出をいたしまして、地理的特性等地域の実情を踏まえた消防団の果たす将来的な役割等に関する早期の検討、また、団員数や装備の改善等に係る数値目標の設定等につきまして、関係自治体に要請をしたところでございます。

 さらに、女性や学生、企業にお勤めの方等の入団促進に向けまして、新たに期間を区切って全国的な数値目標を設定した上で、各地で取り組んでいただくこともお願いをいたしました。

 このほか、令和二年度政府予算におきまして、消防団員の確保に資する消防団の中期的な計画の策定を支援する事業を新たに計上するなどによりまして、消防団関連予算の拡充を行ってございます。

 今後とも、消防団員の確保に向けまして、全力で取り組んでまいります。

木村(次)委員 ありがとうございます。

 さまざまな観点からより細かく計画を設定していく、また自治体にも設定していただく、大変大事なことであろうと思います。その計画を進めていく、しっかりと、基礎自治体はもちろんでございますが、総務省、消防庁においてもフォローしていただきたいと思っております。

 今、女性あるいは学生の消防団というお話がありました。学生消防団活動の認証制度ということも設定されているようでございます。こうした、若い時分から関心を持って地域に貢献しようという、そういう気概のある若い学生たち、それがまた、いざ社会に出ようとするとき、就職活動なんかにおいても、会社が、こいつはなかなか気概のあるやつだなと、ひょっとしたそういう評価にも結びつくことにもなるのかもしれません。

 また、女性という視点で申し上げますと、昨年は、私の地元青森県におきまして、第二十五回全国女性消防団員活性化青森大会というのも開催していただきました。それぞれ参加した方々、認識を深めて、また知見を深めて現場に戻って活躍していただける、大変すばらしい取組だというふうに思っております。

 そうしましたら、最後の質問になります。

 団員というマンパワーとともに、やはりハード面、すなわち装備の充実というのは、消防団を維持、充実させていくためには、団員とともに、マンパワーとともに、車の両輪であります。

 ちなみに、私の地元弘前市の隣、黒石市、これは津軽藩の分家に当たるところでございますけれども、使用開始から丸五十年にもことしなりますボンネット型の日産FS780型消防ポンプ車というものがありまして、それをおさめているレトロな雰囲気があります屯所と相まって、黒石市内中心街の町歩きのコースにもなっているぐらいでございます。

 それはさておきまして、装備の充実に際しては、消防庁において、自治体向けにさまざまな支援策を講じていることは承知いたしております。

 その中でも、特に救助用資機材搭載型ポンプ自動車等の無償貸付事業、これについては、各自治体あるいは一部事務組合にとって大変ありがたく思われております。残念ながら、予算枠との兼ね合いもあり、なかなか要望しても採択、対応し切れていないというふうにも現場の方からお聞きしております。

 そこで、この救助用資機材搭載型ポンプ自動車等の無償貸付事業について、予算の拡充を御検討いただけないものか、お伺いいたします。

米澤政府参考人 お答え申し上げます。

 消防団向けの消防ポンプ自動車につきましては、平成二十年度以降、補正予算等によりまして市町村に無償で貸し出しまして、それを用いた訓練等の実施を通じまして、救助に関する消防団員の技術の向上などに役立てていただいてきたところでございます。

 令和元年度当初予算までの累計で、千百十六台を全国の市町村に貸与してございます。令和二年度当初予算におきましても、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策といたしまして、各都道府県に一台ずつ貸与することを予定してございます。

 今後とも、御指摘を踏まえまして、地方のニーズもしっかりと踏まえて、消防団の充実強化に向け取り組んでまいりたいと考えてございます。

木村(次)委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

大口委員長 次に、宗清皇一君。

宗清委員 おはようございます。自由民主党の宗清皇一です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず、高市大臣を始め総務省の皆様方には、新型コロナウイルスの対策に当たっていただいておりますこと、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 初めに、この新型コロナウイルスの問題が地方財政に与える影響について質問したいというように思います。

 先日、令和二年度の予算並びに関連法案が成立をしたところなんですけれども、今年度の地方財政が大きく不足をする可能性もあると思います。そして、予算編成当時の地方財政計画に大きな狂いが生じる可能性もあると思いますので質問したいと思います。

 特に、都道府県の収入の柱であります法人二税は、景気変動のリスクを受けやすいので、相当減るのではないかなというように見込んでおりますけれども、この景気変動のリスクを受けやすい税目に関しては、年度途中であっても、減収補填債若しくは次年度以降の交付税で調整するような対応を従来されてきたと思いますが、過去にどのような手法で地方自治体の財源を確保してきたのか、確認をしたいと思います。

 もう一つ、地方交付税の原資であります国税の五税、これも相当な落ち込みが予想されるわけでございますが、そのような場合、国が全額を補償するのか、これは自治体の首長さん並びに議会の皆さんも心配をしているところでございます。一部でも臨財債に頼っていくのか、交付税はしっかり措置してやりますということなのか、これは総務省の考え方を聞かせていただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、地方税でございます法人関係税等が減収になった場合でございます。

 普通交付税の算定におきまして、景気の動向が反映されやすく、基準財政収入額と収入実績との乖離が起こりやすい法人関係税等につきましては、翌年度以降の三年度間の算定で精算を行うこととしております。また、収入実績が基準財政収入額を下回る場合につきましては、手元の資金を確保し、円滑な財政運営を確保する観点から、先ほど申し上げました翌年度以降の精算にかえて、当該年度に地方債、減収補填債でございますけれども、これを発行した上で、その元利償還金について、その七五%を後年度の基準財政需要額に算入することとしているところでございます。各地方公共団体は、このいずれかを選択して対応していただくということでございます。

 それから、地方交付税原資でございます国税五税が減額補正となった場合の対応でございますけれども、平成二十年度以降、四回ございますけれども、いずれも、一般会計からその全額を加算した上で、当初予算における財源不足の補填ルールに基づき、後年度精算をしているということでございまして、今後、そのような事態が生じた場合には、財政当局とも協議の上、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、適切な補填措置を講じてまいりたいと考えております。

宗清委員 今御答弁にございましたように、地方団体の財政に支障が出ないように、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 そして、この新型コロナウイルスの問題で、自治体の方に新たな行政需要が出てきていると思うんですね。例えば、マスクや消毒液の確保だけではなく、感染者の医療ケア、そして病床の確保。これは、民間病院にお願いするときには、仮に、例えば、風評被害とかスタッフの方々が感染した場合には、これは閉鎖に追い込まれる可能性もあるわけで、そういったリスクに対して補償という話にもなってくるだろうと思いますし、感染者数が著しく増加した場合、軽症者の方々には、病院に入ることがなかなか難しい場合は、例えば民間の施設を借りて、そこで医療的ケアを受けていただく。この借り上げのお金であったり施設の改修のお金、こういったことも地方の行政需要で出てくるのではないかというように思います。

 そして、例えば固定資産税、これは自治体の柱となる収入源ですけれども、支払いが困難な方々も出てくると思います。例えば減免や支払いの猶予など、さまざまなことが今議論されていると承知していますけれども、そうなれば、基礎自治体の大きな収入源に大きな穴があくことになります。

 また、全国で、これはうちの東大阪市、地元もそうなんですが、七十七団体に課せられている事業所税というのがございます。この事業所税は、一定の規模があれば、必ず、赤字でも支払いの義務がございます。仮にリーマン・ショックを超えるような不況になれば、その税収はそもそも、景気変動のリスクを受けないとされている税目でございますので、減収補填債の対象にもならないわけでございます。

 さらに、国民健康保険が当初の見込みよりも例えば収入が少なくなった場合は、自治体の方でその赤字の方を埋めていくというようなことの可能性も出てくるわけでございます。

 コロナの問題が長引けば、地方自治体の財政状況が今まで経験したことのないような状況に陥る可能性もありますので、総務省として、今からしっかり対策を検討していただきたいというように思います。

 仮に、自治体の財政運営に支障を来すようなことがあれば、住民生活に影響が出るだけではなくて、本来予定をしていた大切な事業がおくれたり、できなくなる可能性もあるわけです。特に減災・防災事業は、人命を守る、国民経済を守る待ったなしの事業ですので、その観点から、次の質問に移りたいと思います。

 高市大臣には、先日、緊急防災・減災事業債の期間延長並びに充実強化について要望させていただきました。お忙しいところ、御対応いただきました。ありがとうございます。

 この緊防債につきましては、各自治体が大規模災害の備えとして、さまざまな施設整備等で活用していただいております。この制度のおかげで、避難所となる学校体育館へのエアコンの設置、トイレの改修、そして防災無線の整備など、各自治体でさまざまな対策が進められておりますけれども、今後、非常に高い確率で発生すると言われております南海トラフ巨大地震や、その他の大規模災害を想定した対策を積極的に推進する意味でも、この緊防債は各自治体にとって大変ありがたい制度となっております。

 安倍総理も、これは必要な予算を確保してオール・ジャパンで取り組むというような御答弁をいただいております。私自身も、自治体のみずからの努力を促すという意味でもこの制度は大変ありがたいというように思いますので、これは令和二年で切れますけれども、三年度以上の延長若しくは何らかの財政措置をお願いしたいと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。

高市国務大臣 緊急防災・減災事業債につきましては、宗清委員おっしゃるとおり、令和二年度までを事業期間といたしておりますが、地方団体から事業期間の延長を求める非常に強い御要望をいただいております。

 まずは、地方団体が今年度の整備予定の事業に安心して取り組んでいただけますように、今年度末までに建設工事に着手した事業については、今回、令和三年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずることといたしました。

 その上で、令和三年度以降の本事業のあり方につきましては、地方団体の取組状況や御意見も十分お聞きして適切に対応してまいります。

宗清委員 ぜひ、各自治体の取組を積極的に応援する意味でも、前向きに御検討いただきたいと思います。

 次に、国民健康保険のことについてお尋ねをしたいと思いますが、コロナの問題で国民健康保険が払えない方々も出てくる可能性はあると承知をしています。しかし、このような方々には、先ほども申し上げた、保険料を減免していくとか、猶予という制度もあると思います。

 他方で、この国民健康保険の将来不安、持続可能性を維持していくためにも、そして不公平感を是正する意味でも、国保の改革というのは私は待ったなしだというふうに思います。そして、高齢者の皆様方にも、負担できる能力のある方々にはやはり原則窓口で二割の御負担もお願いをしていくようなことも、私は国の方でしていくべきだというような考え方を持っております。

 他方で、国民健康保険は、自治体の財政の健全化、財政の機動性を高めるという観点からも、一般会計からの法定外の繰入れを早期に解消しなければならないというように思います。

 そして、都道府県による保険料の統一、先ほど申し上げた法定外の繰入れの解消、この解消によって国保財政の見える化、そして、見える化によって、県内の医療費が上がれば保険料に反映するような民主的統制の必要性について議論を進めていきたいというように思います。

 国保というのは、当然、保険制度でありながら、実際には多くの税が投入されています。この税が投入されているのが問題ではなくて、自治体の判断で法定外のお金が入っていることが問題の本質を見えなくさせていると感じます。ですから、将来世代の方々にも大きなツケを回しているんだろうと思いますが、高齢化の進展によって、医療費の伸びはこれを賄う雇用者報酬の伸びを大きく上回っておりますので、保険料引上げの原因となっておりますし、急速に減少していく現役世代の大きな負担になっていると思います。

 本来、保険制度とは、みんながお金を出し合って、病気やけがをしたときに大きな支出があるわけで、そのリスクを分かち合うもので、全体の支出額を、そのエリアに住んでいる住民が保険料という形で負担能力に応じて負担すべきものなんですけれども、実際には多くの税、私が先ほどから問題視しております法定外の税の支出によって、なかなか中身が見えない、そして民主的な統制が働いていないのが現状だと思います。

 法定外の繰入れをやっている自治体は、財政規模が小さくて本当に困っている自治体もありますけれども、他方で、財政に余力があって、保険料を引き下げるためにやっている自治体もあるわけでございます。

 平成三十年から国保の財政の運営主体が都道府県になったわけですけれども、医療費の水準は、医師数や病床数と大きな相関関係があると思います。そして、その二つを担っているのが都道府県なんですけれども、まさに都道府県が、県内の医療体制の確保と医療費の適正化の主役に今なっているわけでございます。

 そして、保険料を例えば県内で統一しようと思えば、県内のどこに住んでいても同じような水準の医療が受けられるようなやはり体制整備が必要だと思います。不公平感が生じないように、同じ保険料を払っているんだからどこに住んでいても同じ医療が受けられるような権利を保障していくというのが、これからの都道府県のこれはもう責務になるだろうと思います。

 こういった取組の先進事例が、高市大臣のお地元であります奈良県だというように思います。

 私は、奈良県のように、保険料の統一という課題解決のために、県内の医療体制の均一化といいますかレベルアップ、こういうことを一生懸命やっている都道府県を総務省としても全面的に応援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 あわせて、保険財政の健全化には保険料の統一というのが前提だと思いますが、法定外の繰入れの解消と、この解消によって保険財政の見える化ができるわけです。この見える化によって保険財政の民主的統制を働かせることが何よりも必要だと思います。

 こういった問題に対して、この国保改革を総務省と厚労省と連携をして積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の御所見を伺います。

高市国務大臣 国民健康保険の健全な財政運営というのは重要なことでございます。市町村が行う一般会計からの決算補填を目的とする法定外繰入れなどについては、厚生労働省から地方団体に対して、赤字削減・解消計画を策定した上で計画的な削減、解消を進めるよう求めていると伺っております。

 加えまして、平成三十年度から、都道府県が財政運営の責任主体となる新制度が施行されましたので、毎年約三千四百億円の財政支援の拡充が行われるといったことで、保険者の財政基盤が強化されたところでございます。

 受益と負担の均衡を図って、国民健康保険の健全な財政運営のためには、この法定外繰入れなどの計画的な解消は必要だと考えております。

 私の奈良県のことも御紹介いただきましたが、大阪府でも取組が進められております。保険料水準の統一に向けて、医療費適正化や赤字解消などの取組をしているわけですけれども、厚生労働省では、都道府県と市町村の間でよく議論しながらこういう取組が進むように、先進、優良事例の横展開を進めていると聞いております。

 総務省としましても、今、見える化の御指摘もございましたが、厚生労働省と連携しながら、地方団体向けの説明会において法定外繰入れの解消について要請するなど、しっかりと地方団体の取組を応援してまいります。

宗清委員 それぞれの都道府県にはそれぞれの事情があるというように思います。しかし、奈良県や私の地元の大阪府も、大変厳しい状況にあっても、そこの都道府県と市町村、一生懸命力を合わせて頑張ってもらっています。そういった先進事例の横展開をしっかり図っていただくことと、総務省の積極的な取組をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党、立国社、衆議院西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず冒頭、全国各地の医療現場でコロナウイルス感染症と最前線で闘っていただいている医療関係の皆様、そして、国民、住民と一番近いところで本当に日々頑張っていただいている地方自治体の職員の皆様、また、日々御尽力いただいている各省庁の皆様に、心から敬意と感謝を申し上げたいと思っております。

 現在、我が国は新型コロナ感染症によりまして、国民の健康、生命が危機に直面をしていると同時に、今まで、かつてない状況で、我が国の経済が深刻な、国難とも言える状況に直面をいたしております。

 昨日、専門家会議の会見の中の現状認識としては、オーバーシュートは見られないが、クラスターが多数発生して、数カ所の地域で医療が逼迫してきている状況にあって、一日も早く、それもきょうあすにでもというお言葉がありましたけれども、取組が必要であるという指摘がございました。

 アメリカにおいても大変感染が拡大をしておりまして、医療体制が大変逼迫をして、憂慮する状況となっております。日本においても亡くなられた方が五十七名ということで、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げ、そして、罹患された方には一日も早い回復をお祈りしたいと思います。

 きのうの専門家会議の記者会見では、地域を三つに分けてそれぞれの対応をという方針が示されました。感染拡大警戒地域においては、外出自粛要請、十人以上の集会、イベントや多数での会食を避けること、そして一斉臨時休校も検討するという指針が示されました。

 総務省としては、これまで、私も前回質問をさせていただきましたけれども、地方自治体と一対一の関係で、さまざまな要望に関しまして、各省庁とつないで、一対一の大変親密な連携をとりながら取り組んでおられる、すばらしいお取組を続けていただいているというふうにお聞きをいたしております。特に、感染拡大地域においては、限られた人員の中で大変な状況と対峙をしている地方自治体にとっては、本当に重要な、有効な体制であると思っておりますけれども、この一カ月で大変状況も大きく変わったというふうに思っております。

 感染が拡大した地域においては、さまざまな、また新しい、いろいろ困難な問題に直面いたしているというふうに思いますけれども、この間の一カ月の取組状況について大臣より御説明をいただくと同時に、もし緊急事態宣言が発出された場合には、この体制について、新しい変化といいますか、新しいお取組がある可能性も考えられるというふうに思いますけれども、これまでのお取組について、また今の状況を踏まえてのお取組について、大臣より御説明をいただきたいと思います。

高市国務大臣 新型コロナウイルス感染症の対策におきましては、現場の地方公共団体の役割が極めて重要でございます。

 今、西岡委員から御紹介いただきましたとおり、総務省では、都道府県、指定都市の幹部と総務省職員との一対一の連絡体制を通じて、ずっと政府の施策を、地方公共団体に最新の情報をお伝えするとともに、地方公共団体の御要望を伺って、関係省庁に迅速にフィードバックをしてまいりました。

 最初のころは、やはり地方公共団体から非常に強い御要望が多かったのはマスク不足でございました。医療機関や介護施設へのマスク供給につきましては、総務省、厚生労働省及び経済産業省が協力して、政府が一括して購入したマスクを都道府県などを通じて優先配布する取組を行っております。また、市町村が防災用に備蓄しておられたマスクを配布する場合にも、できるだけ医療機関や御高齢の方の施設、また障害者のおられる施設などに優先的に配布をお願いし、大変な御協力をいただきました。

 それから、地方公共団体からこのほかに強い御要望がありましたのは、PCR検査体制の強化や学校給食費の保護者負担軽減への支援、雇用調整助成金の特例措置の拡大でございましたが、これらにつきましても、三月十日に取りまとめられた緊急対応策第二弾に盛り込まれ、要望は具体化されてきております。

 今も毎日のように新たな要望が来ておりますので、これからも地方公共団体と連携しながら、その思いを関係省庁にフィードバックして施策の具体化につなげるという形でしっかり取り組んでまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 日々刻々と変わる状況もございますし、大変地方自治体にとっては心強い体制だと思いますので、引き続き地方の声を政策の中でしっかり生かしていただきますように、大臣には心からお願いをしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 先般、総務省ほか省庁から、IT大手六社に対する保有ビッグデータの提供要請をしたということが報道をされております。総務省、内閣官房IT総合戦略室、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室、厚生労働省、経済産業省と連名で、プラットフォーム事業者、移動通信事業者宛てに、新型コロナウイルス感染拡大防止に資する統計データ等の提供についての要請という内容で要請が発出をされております。提供を要請するデータにつきましては、地域での人の流れの把握やクラスター早期発見等の感染拡大防止に資するデータというふうになっております。

 当然、個人情報法を遵守した上での要請であるというふうに考えますけれども、総務省から要請の内容について御説明をお願いいたします。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、各地での感染状況やそのリスクなどを的確に把握し、蔓延対策を効果的に講じることが極めて重要でございます。

 そこで、三月三十一日、内閣官房、総務省、厚生労働省、経済産業省の連名によりまして、政府として、プラットフォーム事業者及び移動通信事業者等に対しまして、感染拡大防止に資する統計データの提供を要請したところでございます。

 具体的には、委員御指摘のとおり、地域での人流把握やクラスターの早期発見等の感染拡大防止に資するデータとして、例えば、各事業者が保有するユーザーの移動やサービスの利用履歴を統計的に集計、解析したデータ等の提供を想定をしているところでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 次に、直接事業者と協定を結びまして運用されることとなる厚生労働省にお尋ねをいたします。

 実は、昨日の専門家会議においても、このビッグデータの利活用が感染拡大防止に資する可能性について言及が、きのうの会見でもなされたところでございますけれども、今後の運用の方針、どういう形でどんなデータが提供され、利用されるのか、また、現状の利用から、感染拡大の状況や、例えば緊急事態宣言が出されたなど局面が変わったときにどこまでのデータを要請する可能性があるのか。極めて個人的なデータが本人が知らないうちに利用されるということにつながらないかの懸念があると思いますけれども、どのような運用をされるのかにつきまして、厚生労働省より御説明をお願いいたします。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 今ほど総務省からも御説明がございましたとおり、現時点におきまして活用を行う予定としていますデータにつきましては、地域の人流把握やクラスターの早期発見等の感染拡大防止に資するような統計データということで、ユーザーの移動やサービス履歴を統計的に集計、解析したものを予定してございます。

 これらを用いまして、今後実施するクラスター対策の精度の向上でありますとか外出自粛要請等の社会的距離確保施策の実効性の検証、クラスター対策として実施した施策の実効性の検証などができるものと考えてございます。

 現時点におきましては、そういう個人情報保護法等の関係のないようなデータを徴取するということでございますが、感染拡大防止策のより効果的な実施につなげるために、今後、データの提供を追加的に要請する可能性もあるかとは思ってございます。

 そのような場合ではございましても、個人情報保護法等の関係法令を踏まえて適法に提供いただくことを予定しているものでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 やはり、緊急事態宣言が出されるという、局面が変わった場合に、今は統計データで、個人保護法に該当する個人のデータではなくて統計データという位置づけでございますけれども、状況の変化では個人データについての収集という可能性もゼロではないというふうに今の御説明で受け取りましたので、しっかり個人情報保護法の原則に基づきまして運用をしていただきますように、心よりお願いを申し上げたいと思います。

 次の質問に移ります。

 緊急事態宣言についてでございますけれども、もうこれはさまざま議論があっておりますけれども、東京都知事においても政府の決断を待っているという状況でございますし、大阪府知事も同じ判断をされているように、私マスコミ等で発言を聞かせていただいております。また、日本医師会会長からも、感染爆発が起きてからでは遅いという、発令を促す厳しい発言がございましたし、医療危機的状況宣言というものを発出されまして、早く緊急事態宣言を出すべきだと明言をされております。

 これはひとえに、医療供給体制に対しまして大変不安な状況が今あるということの認識の上でであるというふうに思いますけれども、今、まだ発出するような状況ではないという総理の御判断がありますけれども、政府として、今どういう認識でおられるのか、また、発出については、どういう状況においてその宣言を発出されるのか、また、そのもととなる根拠といいますか、発出される状況の目安、根拠というものが、どのようなことで判断をされるのかにつきまして、御説明をお願いしたいと思います。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 政府対策本部長たる内閣総理大臣は、全国的かつ急速な蔓延によりまして、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるとき、緊急事態宣言をすることとされております。

 昨日専門家会議も開かれましたけれども、現在の状況認識といたしましては、緊急事態宣言との関係におきましては、ぎりぎり持ちこたえている状況にあるという認識でございます。

 緊急事態宣言につきましては、国民生活に重大な影響を与えることから、多方面からのさらなる専門的な知見に基づいて慎重に判断することが必要と考えております。

 また、医師会の方から、緊急事態宣言をしたらよいという意見がございましたけれども、医療体制に対する強い危機管理意識のあらわれ、その表明がなされたものと考えております。

西岡委員 大変、医療体制、地域的なものもあると思いますけれども、今拡大している地域においてはこの医療体制というのが本当に危機的な状況にあるという認識のもとに、いろいろな施策につきましてスピード感を持って取り組んでいかなければいけないというふうに考えます。

 緊急事態宣言が発令する可能性というものが大変目の前に迫っている中で、現在、都道府県の体制整備といいますか、そのことがもし起きたときのための取組というものがどのような形で進んでいるのかにつきましてお尋ねをいたします。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 三月二十六日にいわゆる特措法に基づく政府対策本部が設置されたわけでございますけれども、これによりまして、三月二十七日までには、全ての都道府県において、特措法に基づく都道府県における対策本部が設置されたところでございます。

 他方、先ほど申し上げましたとおり、現在はぎりぎり持ちこたえている状況でございまして、緊急事態宣言が必要な状況ではないと認識しております。

 また、都道府県の行う措置等の法的根拠、万が一、緊急事態における対応等に関する問合せ、既に当室にも多く来ておりまして、これまで以上に都道府県との連携を密にしながら、一体となって感染の拡大防止に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 そのときの主体となるのは都道府県でございますけれども、やはり政府が、一体となった取組と申しますか、政府の役割というものが大変大きいというふうに思いますので、政府がしっかりと連携をして、一体となって、さまざまな取組について、今からそういう場合も想定して、取組をぜひ進めていただきたいと思います。

 私が質問をいたしまして、答弁していただいた場合は、もう退席をしていただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。

 私としては、この緊急事態宣言の発令ということがもし起こった場合は、イベントの自粛ですとか外出を制限するということが今までと違ったフェーズで発出されることになります。そのときは、さまざまな行動制限をすることによって生じるさまざまな事業者の方の損失については、やはり緊急事態宣言の発出とセットでこの補償というものをしっかりとお示しをいただくということが大変重要ではないかと思っております。

 今も、いろいろな自粛要請の中で事業者の皆さんが大変な状況に置かれておりますので、緊急事態宣言が発令されるということがもしあるとすれば、その補償というものを、ぜひ損失補償をセットで取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

 次に、PCRを含めた検査体制についてお尋ねをいたします。

 私も地元の医師の先生方のお話をいろいろずっとお伺いをいたしておりますけれども、感染症との闘いというのは、感染者をどれだけ多く見つけられて、その方からの感染拡大をいかに防止することができるかということに尽きるというふうに言われております。PCR検査やほかの検査方法も含めまして、今、大分検査する数とか体制が整備をされてきましたけれども、各国と比べて検査の要件が厳格で、検査数がなかなかふえないという状況もあるというふうに考えております。

 検査体制の充実、拡大というものが今本当に必要だと思いますけれども、その前提としては、先ほど質問させていただいた中で申し上げましたけれども、医療崩壊とならない医療体制の整備というものが担保されなければいけないというふうに思います。

 大都市において医療体制が逼迫をしているという状況は専門家会議の記者会見でも言及がありましたけれども、やはり、入院をされて、もう大分よくなられている方がそのまま入院を続けていらっしゃるという、自宅に帰ることができないので、家族への感染も含め、退院できないという状況の方も多くいらっしゃると思いますので、軽症の方の健康観察のための隔離施設というものの確保が本当に今喫緊の課題として急がれるというふうに思います。

 国や地方自治体の施設のほかにも、民間の協力をいただかなければ確保するのは大変難しいと思います。また、そのときには、やはり政府が主体となって、さまざまな要請ですとか、国が民間の施設を借り上げた場合にしっかりと最後まで責任を持つということも確約をしてお願いすることがなければ大変難しい状況だと思います。

 また、中核病院の一般病棟の受入れ体制の整備、これも大変不可欠なことでございます。厚労省から、最悪の場合の感染者数と入院者数の数字が各地方自治体に提供されておりますけれども、今、このような取組がどのように進められているのか、このことについてお尋ねをさせていただきたいと思います。

大口委員長 ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

大口委員長 では、速記を起こしてください。

 西岡君。

西岡委員 恐れ入ります。それでは、次の質問をさせていただきます。

 今の質問とも関連をいたしますけれども、これも同じ、帰国者、入国者の水際対策の強化のことについて、同じ方……

大口委員長 どうぞ。

西岡委員 はい。それでは、厚労省の御担当ではない質問から、順番を変えてさせていただきます。

 今、中小・小規模事業者の方が、全国各地でございますけれども、本当にいろいろな業種で大変厳しい状況に直面をされております。全く人の動きや物の動きがないために、本当に全ての業種で大変な状況になっていると言ってもいいような状況だというふうに思います。事業の減収分についてはしっかりと補填をする、補償をするという制度を一日も早く確立しなければ大変な状況になるのではないかと本当に危惧をいたしております。

 資金繰り支援などのさまざまなメニューは政府が用意をしていただいておりますけれども、なかなか、やはり無利子無担保であっても、融資ということについては大変厳しい状況がございます。

 今、まさに政府でいろいろな対策をまとめておられるところだというふうに思いますけれども、この事業減収分の補償につきましての政府の政策方針についてお尋ねをいたします。

渡邉政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響につきましては、三月十九日以降、経済産業大臣も出席して、個人事業主やフリーランス、飲食業や小売業、観光業の経営者、中小企業団体のトップの方々などから集中ヒアリングを行ってきたところでございます。

 このヒアリングにおきましては、大規模イベントの中止によって会場借り上げなどの先行投資を回収できないという直接の影響のみならず、移動販売車の売上げ減など間接的な経済的影響が広がっていること、フィットネスクラブで退会、休会する会員がふえていることにより、フリーランスの指導員が働く場を失っていることなど、御意見が出されているところでございます。

 今回のこのコロナウイルス拡大を踏まえた事業者の方々の損失は、非常に多様で、広がりのあるものだと認識してございます。また、委員から御指摘がございましたように、収束の見通しが立たない中、たとえ無利子無担保でも、資金の借入れには慎重にならざるを得ないという声が数多く出されていると認識してございます。

 こうした声も踏まえつつ、融資だけではなく、事業を継続するための給付金につきましても、これからしっかりと検討してまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 引き続き、地元の状況をしっかり踏まえていただきまして、お取組をお願いしたいと思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 ちょっと順番が変わりますけれども、今の新型コロナウイルスの関係で、大変、児童虐待ですとかDVリスクが高まっているという状況がございます。この児童虐待につきましても、やはり学校の休校ということの中で、家庭にいる時間が多いということと、経済的な環境も大きく変化をしている中で、大変リスクが高くなって心配されるところでございますけれども、このことについては、大変きめ細やかなサポートが大切だというふうに思います。

 このことについてお尋ねをさせていただきます。

依田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の新型コロナウイルス感染症の発生と対応に伴いまして、子供や家族をめぐる生活環境が変化していることが想定されるところでございます。

 このため、三月四日に、地方自治体に対しまして、学校関係者、関係機関と緊密に連携いたしまして、支援対象児童等の状況の変化の把握に努めるとともに、要保護児童地域対策協議会の実務者会議や個別ケース検討会議を適宜開催いたしまして、主たる支援機関の見直しも含めまして、支援対象児童等に必要な支援が講じられるよう取組を行っていただく旨の依頼を行ったところでございます。

 また、本年四月一日に、体罰の禁止等を含む児童虐待防止法等の改正法が施行されたところでございまして、これも踏まえまして、体罰等によらない子育てを社会全体で推進するため、子育ての工夫等とともに、その周知啓発に取り組んでいるところでございます。

 引き続き、今後の状況を注視しながら、支援が必要な子供に適切な対応が行われるよう、関係省庁や地方自治体等とも連携して取り組んでまいりたいと存じます。

西岡委員 ありがとうございます。

 続きまして、DVについては、先日、全国女性シェルターネットの皆様が政府の方に要望をされておりますけれども、DVの関係についてもいただければと思います。

伊藤政府参考人 お答えをいたします。

 新型コロナウイルス問題に起因します外出自粛ですとか休業といったことが行われる中、生活不安、ストレス等から、DV等が増加したり深刻化するというふうなことが懸念をされているところでございます。

 内閣府といたしましては、まずはDV相談窓口について内閣府のSNS等で情報発信したところでございます。さらに、今年度におきましては、民間シェルター等におけますDV被害者支援の取組を促進するために、新たに予算を計上してパイロット事業を実施することとしてございまして、被害者支援の充実を進めていく予定でございます。

 今後、更に必要となる取組の検討を行いまして、できることから速やかに取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

西岡委員 いろいろな、今の状況の中でございますけれども、従来からの窓口ですとか、しっかりと行政とつながるような状況を、しっかりサポートを続けていただきたいと思います。

 時間的なものもございますので、大臣にお伺いをいたします。

 先般、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、令和二年度事業計画を認可をされました。この間、さまざまなことがございました。事業改善計画等も提出をされておりますけれども、また新たに、かんぽ生命の不正販売問題で、法令、規定違反というものが三千件になったという発表もございました。

 この認可に当たりまして、大臣の見解ですとか、認可を受けられるときに、大臣が発言をされたような内容がございましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

高市国務大臣 去る三月三十日付で、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社の令和二事業年度の事業計画について認可をいたしました。

 今、西岡委員が御指摘くださったように、日本郵政グループにおいては、かんぽ生命保険の不適正募集問題を受けて、国民の皆様の信頼回復に向けて、もう全役職員が一丸となって全力で取り組んでいただく必要があると考えております。

 そのため、事業計画の認可に当たりましては、両社に対して、ガバナンス体制の構築を始め、かんぽ生命保険の不適正募集に関する業務改善計画を着実に実施することにより、国民の信頼の着実な回復に努めることを要請しております。

 また、今般の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえまして、両社に対しまして、ユニバーサルサービスの安定的な提供を行うとともに、災害時や感染症発生時の対応を適切に行うことも要請いたしました。

 また、日本郵政株式会社に対しては、経営の健全化に向けて、宿泊事業の抜本的な見直しを進めることも求めました。

 日本郵便株式会社及び日本郵政株式会社においては、認可した事業計画に沿って着実に業務を実施していただきたいと存じます。

西岡委員 さまざまなことがございました。やはり国民の信頼というものが大変大切だと思いますので、引き続きまして、大臣、いろいろ、大臣からの発言も含めて、大変重いものがあると思いますので、しっかりとお取組をぜひ進めていただきたいと思います。

 もう一問、お時間が許せば。

 先般、かんぽ生命の不正販売報道をめぐる、NHK前会長が厳重注意を受けたときの発言についての報道がございました。

 その厳重注意を受けたときに、NHK前会長が、経緯が公になれば、NHKは存亡の危機に立たされることになりかねないという強い危機感を発せられたということが、先般の参議院総務委員会で森下現会長からの御発言で確認をされました。

 このことにつきまして、高市大臣から一言、こういうことの報道を受けての大臣の見解というものをお聞かせいただければと思います。

高市国務大臣 NHKの経営委員会においては、これまでの国会での御質疑などを踏まえまして、先月二十四日に一連の経緯を説明する資料を取りまとめ、公表されました。私も隅から隅まで拝読をいたしました。

 その内容につきましては、恐らく、読まれた方々でさまざまな評価があると思います。しかし、経営委員会が先月の十日及び二十四日に時間をかけて議論をしてまとめていただいたと思っておりますので、私は、まず経営委員会の判断を尊重したいと思っております。

 ただし、NHKは国民・視聴者の皆様の受信料で成り立つ公共放送でございますので、今後、放送法の趣旨を踏まえて、より高い透明性を確保していただきたいと考えております。

西岡委員 時間となりましたけれども、この前会長の発言というものは大変重いものがあるというふうに思いますので、しっかり信頼回復に向けて取組を進めていただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

大口委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 共同会派立国社の吉川元です。

 私からも新型コロナについて何点かお聞きをしたいというふうに思います。

 まず、三月十九日に専門家会議が取りまとめた提言、これについて何点かお聞きしようと思ったんですが、昨日、専門家会議がまた新たに次の会議が開催をされて、そこで新たな状況の分析、そして提言が四月一日付で出されております。ですから、通告したものと少し、若干質問内容が変わりますけれども、何点かまず確認をさせていただきたいというふうに思います。

 三月十九日の日の提言では、地域ごとの対応ということで、三つの地域、いわゆる状況を出しながら、こういう場合はこういうふうにすることが必要だろうということが非常にざっくりと書かれておりました。昨日の専門家会議の方では、よりこれは詳細に、さまざまな指針等も示しながら書かれているということで、少し前進したのかなというふうに思います。

 この点に関して一つまずお聞きしたいのは、三月十九日の専門家会議の提言では、地域を三つに区分をして、感染状況が拡大傾向にある地域、感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度おさまってきている地域、そして、感染状況が確認されていない地域、こういうふうに三つに分類をされております。

 一方、昨日の専門家会議の提言によりますと、地域区分は三つなんですけれども、名称が少し異なっております。一つ目、感染拡大警戒地域、それから三つ目の感染未確認地域、これはほぼ三月十九日の取りまとめの提言と同じというか、言葉をより漢字だけにしたといいますか、平仮名を除いて、ほぼ同じ意味合いなんだというふうに思いますが、二つ目の、四月一日の提言では感染確認地域というふうに書かれております。

 これは、三月十九日の感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度おさまってきている地域というものとニュアンスが若干違うようにも感じられるんですが、これは同じものだという理解でよろしいんでしょうか。

吉永政府参考人 お答え申します。

 三月十九日の提言におきまして、地域ごとの対応に関する基本的な考え方は、クラスターの連鎖の防止を図っていくための対策を、地域の感染状況について整理したものでございます。

 これにつきまして、地方自治体などから、みずからの地域が三分類のどこに当たるのか教えてほしいといった要望があることや、また、前提となる地域の蔓延状況等の判断をする際の国、都道府県共通のフォーマットとなる考え方が対外的に示されていないなどの課題が指摘されたところでございます。

 このため、四月一日の提言では、地域ごとの蔓延の状況を判断する際に考慮すべき指標といたしまして、新規確定患者数、リンクが不明な新規確定患者数、帰国者・接触者外来の受診者数、帰国者・接触者相談センターの相談票の数項目、PCR検査等の件数及び陽性率の各項目を掲げるとともに、地域区分につきましては、これらの各種指標や近隣県の状況などを勘案して判断されるものとしたものでございます。

 委員御指摘のとおり、名称につきまして若干の変更はございますけれども、これは、もともとの三月十九日の提言につきましては、基本的に、どこかの地域が蔓延状態になったときにその三区分という形で記載していたものでございます。日本国の全体として蔓延している状況がありながらその地域についてどうするかということを基本的な考え方としているものでございましたが、その地域区分の考え方を具体的に当てはめたときにどうなるのかということで改めて記載してきたものでございまして、基本的な考え方については同様のものというふうに考えているところでございます。

吉川(元)委員 いや、私が聞いたのは、二つ目の区分。一つ目と三つ目はいいんですよ。漢字だけで書くのか、そこに平仮名をまぜて書くのかというぐらいの差で、それほど違和感はないんですけれども、二つ目のやつが、十九日の段階では、収束に向かい始めている、あるいは一定程度におさまってきている、つまり傾向なんですよね。一方で、今回の四月一日のやつは、確認をされているということになると、これは意味合いが少し違うのかなというふうにも感じるんですが、ちょっともうきょうは時間がないので、また改めて別の機会にその点については聞きたいというふうに思います。

 それで、より詳細な、いろいろな指針といいますか指標みたいなものを今回、四月一日に出していただいたということで、自治体も、より判断をする基準というものが明確になって、前回よりはなってきているんだろうというふうに思います。

 ただ、一方で、例えば感染拡大警戒地域というところには、一週間前と比較して大幅な増加が確認されている、大幅なという、非常にこれは、人によっては、何をもって大幅と言うのか、率なのか数なのか。例えば、前の週が三人だったのが八人にふえたらこれは大幅と言うのか。あるいは、百人だったのが累計で百五十人になった、五十人ふえた、だけれども率ではそこまで、率は低いわけですから、これは大幅と言わないのか。ここら辺が、非常にわかりにくい部分もまだ残っているというふうに思います。

 この点については、よりわかりやすい形で、問合せ等々も出てくると思いますので、厚生労働省としても、より詳しい内容を、中身について、ぜひ、各地方自治体に、こうですよということも含めてお示しいただければ、より助かるのではないかというふうに思います。

 もう一点、今回かなり詳細に提言は地域区分について書かれております。前は半ページ程度だったんですけれども、今回は、二ページ半にわたって、いろいろな指針、指標のことから、こういう状況になればこうですというのを書かれていますが、これは基本的に地方自治体が判断をすることなのか。

 なぜかといいますと、何ができるかということが、かなり今回明確に書かれています。例えば、感染拡大警戒地域では、十名以上が集まる集会、イベントへの参加を避けることというふうになっておりますけれども、確認地域では、五十名以上が集まる集会、イベントへの参加は控えることというふうになっています。

 そうしますと、うちの地域は拡大警戒地域なのかあるいは確認地域なのかによって、例えば自治会等々でいろいろな、今、自治会の総会をどんどんどんどん先送りといいますか延期しているところもたくさんありますけれども、この区分によって各地方自治体も含めた対応が異なってくると思うんです。

 この場合、例えば、全県を一つとして考えて、うちの県はこうですと言うのか、あるいは、例えば、西部はこうですとか、この市はこうですとか、こういう判断というのは基本的にどこが行うことになるんでしょうか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しました、地域ごとに蔓延の状況に関する判断をする際に考慮すべき指標といたしまして五項目御説明させていただきましたが、各項目を考慮し、また、近隣県の状況などを総合的に勘案して、各都道府県においてその状況、どの区分に入るのかということは判断していただくということだろうと思っております。もちろん厚生労働省としても相談に乗るということではございますけれども。

 その際の具体的な対象範囲でございますけれども、都道府県知事の判断によるところはございますけれども、必ずしも都道府県の単位に限るものではございませんので、これも地域の実情に応じて御判断いただけるものというふうに考えているところでございます。

吉川(元)委員 そうしますと、今の答弁によりますと、都道府県のみならず、例えば市町村において、うちの市はこうだというふうに設定といいますか、それはできるという理解でよろしいんでしょうか。

吉永政府参考人 感染症の関係ですので、ある程度広域的に人の移動などがございますので、特定の地域、市町村ということになるかどうかということはございますけれども、一定の範囲において、都道府県全体、一つの都道府県ということではなくて、ある程度まとまった区域ごとに定めていくということはあり得るだろうというふうに思っております。

吉川(元)委員 それに関連してなんですけれども、これも学校の関係です。

 これも、ガイドライン、もともとは、三月の二十四日に出されていた教育活動の再開等についての通知で、きのうの専門家会議を受けてだと思うんですけれども、新たにこの文書が発出されて、ガイドラインが発出をされております。

 きのう通告した際にはまだ四月一日は出ていなかったので、出ているということで、それを前提に、四月一日が出たということで、また質問が少し変わると思うんですが、三月二十四日の通知、それから一日の通知、一番最後のところに、参考資料という形でポンチ絵が示されております。

 それで、感染者が判明した学校、三月二十四日の段階ではそれだけだったんですけれども、感染者がいない学校も含めて、地域でどうするのかというのが新たにつけ加えられているんですが、同じAという学校の中で感染者が生徒あるいは教職員の中で発生した場合の書きぶりが少し変わっておりまして、古い方は、設置者は、当該感染者の症状の有無等々を総合的に考慮し、都道府県等の衛生主管部局と十分に相談をして、学校を臨時休業にするのか、あるいは出席停止にするのかを判断をするというふうに書かれております。新しい方では、設置者は、都道府県等の衛生主管部局と、今言った、学校内における活動の態様等々を確認しつつ、これらの点を総合的に考慮しと。

 つまり、まずお聞きしたいのは、設置者は、古い通知のときには、まず自分たちでいろいろな、接触者の多寡だとかそういうものを考慮して、その上で都道府県の衛生主管部局と十分に相談をするというふうになっている。新しい方は、確認をまず衛生主管部局と行った上で、これらの点について総合的に考慮しというふうになっている。

 つまり、現状をどのように理解するのか、どのように考えるのかということについて、最初から衛生主管部局と相談をする、そういう理解で、そこの点が変わっているという理解でよろしいんでしょうか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 臨時休業を行うかどうかについては、感染の事実や感染者の人数のみで判断するのではなく、個別の事案を見ながら、校内で既に感染が拡大しているおそれや今後拡大するおそれについて都道府県等の衛生主管部局と十分に相談し、臨時休業を行うかどうかを判断していただくことになります。

 具体的には、先ほど委員が御指摘になりましたが、感染者が学校内でどのような活動を行っていたか、感染者が不特定多数との接触があったかどうか、地域における感染拡大の状況、感染経路が明らかであるかどうか、そういったものを参考に感染リスクを判断することが必要だと考えておりまして、昨日の通知の趣旨は、三月二十四日に発表した臨時休業のガイドラインを改定し、当該学校における臨時休業実施の有無を判断するに際しての具体的なポイント、すなわち、例えば、当該感染者の症状の有無とだけ三月二十四日の段階では書いておりましたが、それが、症状が出た状態で登校したか否かなど、より具体的にガイドラインを改定したということと考えておりまして、特段その考え方に変更はない、これを参考に、学校の設置者におかれては、地域の衛生主管部局と相談し、適切に御判断いただきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 いやいや、そもそも、今の答弁、僕がちょっと最初の質問で、間違って最初言っちゃったんですけれども、当該感染者の症状の有無というのは三月二十四日には書いてあるんです。四月一日には書いてないんです、そのことは。四月一日、きのう出された通知では、ほぼ同じ文言で、違いがあるとすると、今言った、三月二十四日には、当該感染者の症状の有無というのがまず一番最初に書かれているんですけれども、それがすっぽり四月一日は落ちているというふうになっているんです。ですから、これは、当該感染者の症状の有無については確認する必要はないということで、これは違いが出ているわけです。

 先ほど私が聞いたのは、都道府県等の衛生主管部局のかかわり方なんです。

 古い通知では、今言ったような、当該感染者の症状の有無、学校内における活動の態様等々、五つぐらい書かれているんですけれども、これを設置者は総合的に考慮し、そしてその上で、都道府県等の衛生主管部局と十分相談をして、学校をどうするのかというふうに読めるんですよね。

 新しい通知は、設置者は、都道府県等の衛生主管部局と、今度は四つ、五つから四つに減っていますけれども、学校内における活動の態様等々について確認をしつつ、これらの点を総合的に考慮し、そして学校を休みにするかどうかというのを決めていくというふうに書かれていて、この都道府県等の衛生主管部局のかかわり方が変わっているんですけれども、これは変わっているという理解でいいんですか。

矢野政府参考人 今御指摘のガイドラインの冒頭部分に、児童生徒等又は教職員の感染が判明した場合には、都道府県衛生部局と当該感染者の症状の有無、学校内における活動の態様等々、書かれておりまして、この部分について、特段の記述の変更があったというふうには私ども考えていないところでございます。

吉川(元)委員 じゃ、ポンチ絵がその文字が抜けているということなんですか。まず、当該感染者の症状の有無というのがなくなっているというのは、ただ単にポンチ絵の方には書いてないだけだということでいいんですか。

矢野政府参考人 参考資料のところには確かにその部分が抜けているんですが、本文を読むと、その趣旨は入っておりますので。

吉川(元)委員 それともう一点、私が何度も確認しているのは、都道府県等の衛生主管部局との、いわゆるいろいろなことを確認をする、そのタイミングはいつなのか、これも変わっていないということでいいんですか。だとすれば、なぜこういう書きぶりが変わったのかというのは非常に疑問に感じるんですけれども。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの理解といたしましては、設置者は、都道府県等の衛生主管部局と、今御指摘の件も含めて、学校内における活動の態様、接触者の多寡、地域における感染拡大の状況、感染経路の明否等を確認しつつ、これらの点を総合的に考慮し、臨時休業の必要性について十分相談していただく、こういうふうに理解しております。

吉川(元)委員 ほかにもっと聞かなきゃいけないことがあるのでまた別の機会に聞きますけれども、私が聞いているのは、県の衛生主管部局と何を確認をするのか。学校を休みにするかどうかを確認するのか、それとも、その前段のさまざまな、今言った四つ、五つの指標を、新しい通知ではそうなっているんですよ。古い通知では、この五つのことについては、学校設置者が総合的に考慮し、都道府県等の衛生部局と十分に相談をして、学校をどうするかというふうに書いている。だから、明らかに書き方が変わっているんですよ。

 もう、ちょっと時間がないので、これはまた別の機会でお聞きしたいと思います。

 それで、次にお聞きしたいのはPCR検査についてであります。

 今現在、一番新しい数字、きのう聞いたところでは、PCR検査は一日当たり九千件の調査能力があると。ところが、実際には二千件程度、二千件を超えた日はないわけですけれども、もともと、最初に聞いたころは一日当たり二千件の能力しかなかったものが九千件にふえてきたというのは、これはよいことだというふうに思うんですが、ふえた内訳、これは一体どうなっているでしょうか。

 いただいた資料を見ますと、六つに分けています。国立感染症研究所、二つ目は検疫所、三つ目は地方衛生研究所・保健所、四つ目が民間検査機関、五つ目が大学、六つ目が医療機関。それで、五、六、七の、三つは主に保険対応ができる機関ですけれども、これはどこがどのぐらいふえているんでしょうか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 国の機関、あるいは地方衛生研究所・保健所、民間検査機関、大学、医療機関という分類でとっておりますけれども、一番大きくふえておりますのは地方衛生研究所・保健所で、二月十八日時点、千八百でございましたものが三月三十一日で四千三百ということで、約二千五百ふえてございます。

 また、民間検査機関につきましても、二月十八日時点で約九百だったものが三月三十一日時点で二千七百四十六ということで、千八百五十ほどふえてございます。

 あと、国の機関、大学、医療機関についてもそれぞれふえているという状況でございます。

吉川(元)委員 地方衛生研究所・保健所が二千五百ぐらいふえているということなんですが、そうしますと、検査件数を見ていますと、民間の方も約千九百ほどふえたということで今御答弁ありましたが、実際の検査件数、ここまで伸びていないんですね。

 いわゆる保険適用、三月六日からスタートしたんですが、これはほとんどふえていない。全体でわずか、保険適用の検査部分は五・五%。それから民間、大学、医療機関の検査も、三月六日以降でいいますと一〇%程度しか占めていない。この点については、どういうふうな理由があってこうなっているのか。また、この点、どのように受けとめておられますか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 PCR検査につきましては、三月六日に保険適用がなされておりまして、医師が検査を必要と判断した場合につきましては、保健所を経由することなく、医療機関が民間の検査機関に直接依頼を行うことが可能となったという状況でございます。

 ただ、一方、民間の検査に関しましては、検査費用の自己負担分を補助することに伴いまして、医療機関は行政との委託契約が必要になるという部分で、契約の事務手続が若干滞っている部分があるということと、あと、また、検体を民間検査会社まで搬送する際に、コロナウイルスは危険なものでございますので三重の梱包が必要になるものでございますが、その器材がすぐ入手できない場合がある等々の状況があるものでございます。こういった課題につきましては、一つ一つ解決してまいりたいというふうに考えてございます。

 また、今後でございますけれども、地域において必要な患者にPCR検査を適切に実施するために、都道府県におきまして、医師会、病院団体、医療機関、地方衛生研究所、衛生検査所協会等をメンバーとする会議体を設けること等によりましてPCR検査の実施体制の把握、調整を図ることとしておりまして、適切に民間検査会社等を活用していただくことを考えているところでございます。

 引き続き、医師が必要と判断した方が確実にPCR検査を受けることができるよう、検査体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 もう時間がないのであれなんですけれども、非常に保健所が今疲弊をしております。いろいろな電話がかかってくるんですけれども、クレームを含めて電話がかかってくる。体制を含めて整備が必要だ、補充が必要だ、予算が必要だということですけれども、この点、どのように考えていらっしゃいますか。

吉永政府参考人 委員御指摘のとおり、今般の新型コロナウイルス感染症の対応では、保健所が住民の相談対応や積極的疫学調査等におきまして重要な役割を担っていただいているところでございます。これに伴いまして、これらの業務増大に対しまして、対応する人員、必要な人員体制の確保というものが重要であると考えてございます。

 このため、先般、各自治体に対しまして、帰国者・接触者相談センターや積極的疫学調査等に必要となる人員につきまして、退職者の再雇用も含めた非常勤職員の雇用に係る経費の助成を行っているところでございます。また、職員の拡充に関する取組例といたしまして、管内市町村や教育関係機関、医療機関等の協力を得て、専門職員の応援派遣等による体制整備が考えられることでございます。こういったものを示しまして、必要な体制整備を促しているところでございます。

 このような取組を通じまして、新型コロナウイルス感染症への対応につきまして各保健所が必要な体制整備を行うことができるよう、今後とも支援をしてまいりたいと考えてございます。

吉川(元)委員 本来は大臣にも聞きたかったんですけれども、地方の保健所、本当にもう疲弊しています。電話も受け付けて、地方衛生研に送るための検体の確保も保健所がやっています。電話の中には、本当にクレーム、あるいはマスクはないのかというような、こういう話まで来ているわけで、ぜひこの点、総務省としても十分配慮をいただいて、対応をお願いしたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。

大口委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 共同会派の重徳和彦です。

 コロナからちょっと話題はかわりまして、私の地元の愛知県の岡崎市の特産品であります八丁味噌というのがあるんですけれども、これに係る問題と総務省の行政不服審査会とのかかわりについて質問をさせていただきたいと思います。

 八丁味噌というのは、語源は、岡崎城から西へ八丁、八百七十メートル行ったところで長年、何百年もつくられてきたということでありまして、巨大な木のおけに石を山積みにして、水も熱も加えずに丸二年かけて熟成されるみそでございます。

 農水省にGI、地理的表示保護制度という制度がありまして、ブランドを国際的に保護するような趣旨の制度なんですが、これをめぐってちょっとトラブルが起こっているところであります。

 というのも、岡崎には二社、八丁味噌をつくる会社があるんですが、このほかに、近年、ここ数十年ですが、愛知県内に、類似品といいましょうか、八丁味噌という名称で売り出しているみそもあるものですから、この間でGIのとり合いになった、こういうことであります。

 経緯はいろいろあるんですが、結論が完全にあべこべな登録になっておりまして、これは、私は世紀の失政だというふうに申し上げておりますけれども、要するに、元祖岡崎の二社だけが登録が外れて、その他の県内のみそメーカーの組合が登録されたということでありまして、これは法的な効力も結構あります。既にEUとの間では協定が発効しておりますので、EUでは元祖の二社は八丁味噌という名前を使えない。それから、これも数年、あと六年ぐらいしますと国内でもこの効力が効いてきて、国内でも元祖二社は八丁味噌を名乗れなくなるというような懸念があるわけであります。

 このことに対しましては、当然ながら、元祖二社から不服審査請求が出まして、農水省はそれに対して、不服審査請求を棄却するという方針だったんですが、これを総務省の行政不服審査会にかけたところ、農水省の判断については現時点で妥当でないという答申が出されたということであります。

 この答申の趣旨について、総務省から御説明ください。

加瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の答申書の該当部分につきまして、一部要約しながら読み上げさせていただきます。

 答申では、八丁味噌との名称が付された豆みそに対する社会的評価が、そのまま本件の登録申請に係る豆みそに対する社会的評価であり確立した特性であるとした審査庁の認定、評価は、社会的評価の観点からの検討としては不十分と言うべきであるといたしまして、本件審査請求については、確立した特性がない場合に該当しないか、更に調査検討を尽くす必要があるから、棄却すべきであるとの判断は、現時点においては妥当とは言えないとしているところでございます。

重徳委員 このような答申だったわけですが、総務省の行政不服審査会というのは第三者機関なんですよね。第三者機関たる審査会が答申を出した。それを受けて、実は、つい先日、三月二十五日、農水省にも今度は第三者委員会というのがつくられて、そこで改めて検討するなんという話になっているんですが、この第三者性について問いたいと思います。

 その前提として、審査会が答申をしたことに対して、また当該処分庁なり審査庁が、つまり今回でいうと農水省が第三者委員会というのを設置する、こういうケースというのはあるんですか。あるいは想定されているんですか。

三宅政府参考人 お答えいたします。

 総務省といたしましては、個々の審査請求への対応については把握をしておりません。したがって、御指摘のような事例は承知しておらないというところでございます。

重徳委員 では、農水省に聞きますけれども、こういう形で第三者委員会を置いた例というのはあるんですか。

杉中政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省行政不服審査会の答申を受けて、農林水産省として第三者委員会を置いた例はないと承知しております。

 八丁味噌に関する第三者委員会につきましては、愛知県味噌溜醤油工業協同組合の登録申請の内容につきまして、更に調査検討を尽くす必要があるという御指摘を行政不服審査会からの答申でいただきましたので、この指摘を受けた点について、各分野の専門的な見地から更に調査検討するために設置したものでございます。

重徳委員 いや、今図らずも杉中さんがおっしゃったんですけれども、調査検討はする必要はあるでしょう、専門的な立場からする必要はあると思いますよ。だけれども、これは第三者じゃないじゃないか。それから、名前も、第三者委員会なんという名前に、格好いいというか、いかにも第三者的に、客観的な委員会ですということを標榜するような、そんな名称にする必要はないじゃないかというふうに思うんです。

 もうちょっと第三者性というものにこだわってみたいと思うんですけれども、総務省に置かれている行政不服審査会、これは平成二十八年の四月から、割と新しいんですね、設置されているんですけれども、なぜ第三者機関が必要とされて、今不服審査会が設置されているんでしょうか。

三宅政府参考人 行政不服審査法に定めます不服申立て制度、こちらは、行政庁の違法又は不当な処分によりまして侵害された国民の権利利益の救済を目的とするというものでございまして、不服申立てに対する判断も、公正かつ慎重に行うことが求められるということでございます。

 こうしたことから、従来の制度を見直しまして、平成二十八年四月に施行されました新行政不服審査法、こちらにおきまして、審査請求に対する審査庁の判断である裁決の妥当性を第三者の立場からチェックすることによりまして、裁決の客観性、公正性を高めるために、行政不服審査会等への諮問手続が設けられたところでございます。

重徳委員 公正性とか透明性とか、こういったものを高めるためには、やはり第三者的な機関が必要であるという趣旨であると。

 これは、各省庁に不服審査会を置くということではなく、総務省に置いたわけですよね。これはどういう経緯だったんでしょうか。

三宅政府参考人 行政不服審査会は、特定の行政分野に限られることなく行政庁の行った処分一般に対する審査請求事件につきまして、審査庁である大臣等からの諮問を受けまして調査審議する一般的な不服審査機関であるということでございます。

 こうしたことから、行政の基本的な制度の管理運営を通じた行政の総合的かつ効率的な実施の確保、これを任務といたします、また、行政不服審査法を所管する総務省に設置するということにしたところでございます。

重徳委員 ちょっと更問いをしますが、各省庁に不服審査会を置くという選択肢も議論としてはあり得たと思うんですけれども、やはり各省庁に置くということじゃいけなかったんですか。

三宅政府参考人 そうした議論もあり得るところでありますけれども、行政の効率性といった点に鑑みますれば、一つにして集中的にやった方がいいのではないかということだと思います。

重徳委員 さて、第三者機関たる行政不服審査会なんですけれども、これは、単に第三者、第三者というだけじゃなくて、それを担保する仕組みがちゃんと法律上位置づけられていますね。この仕組みについて御説明いただけますか。

三宅政府参考人 お答えいたします。

 不服審査会は、第三者の立場から、審査庁である大臣等の判断の適否、これを審査する機関であるということでございまして、その委員は、行政不服審査法第六十九条第一項、こちらにおきまして、高い独立性、中立性を担保するために、審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は行政に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得た上で任命するということにされております。

 また、運用上も、委員が利害関係のある事件に関与することがないよう、委員会の運営規則におきまして、除斥の手続が定められているということでございます。

重徳委員 今、ちょっとよく聞こえなかったんですが、除斥の手続ですか。要するに、何かおかしなことがあったり、おかしなことをしたら、その人は排除する、その除斥ですか。

三宅政府参考人 失礼しました。

 委員が、事件に関して利害関係があるといったような場合につきましてはその委員が関与しないというようなことで、排除をするということでございます。

重徳委員 その他、私の方から紹介しますけれども、法律上、行政不服審査会の委員には守秘義務がかかっています。ここには罰則もかかりますね。それから、政治的な中立性も法律上規定されている。それから、ほかの業務と兼ねちゃいけないよ、これも中立性でしょうか。そういった規定がありまして、全体として、今御答弁いただいた高い独立性とか中立性が担保されているという、じゃ、一応確認します。そういうことでよろしいですか。

三宅政府参考人 お答えいたします。

 委員の御指摘のような総合的な規定をもって、そのようなことが担保されていると思います。

重徳委員 言いたいのは、このたび農水省に設置された第三者委員会というのは、名ばかりの第三者委員会であって、実際の第三者性を担保する仕組みというのはおよそないんじゃないかということであります。

 三月二十四日、農水委員会でも私は局長答弁で確認させていただいたわけですけれども、農水省のこのたびの第三者委員会は五人で構成されているんですけれども、その中には、これまでも農水省のGI制度のガイドラインの作成をされた、そういう、もちろん有識者ですし、専門性の高い方だと思いますが、農水省の立場から独立しているとは、これは言いがたい、そういう先生も入っておられます。

 また、八丁味噌のGI登録の審査にかかわった委員会の委員に非常に近い、所属も非常に近い、客観的に見れば、非常に親密というか、先輩後輩関係でしょうか、同じ大学の同じ学科の同じ教室に所属していると見受けられるような方もいらっしゃいます。そういう方々が客観的に第三者とは、これは言いがたいんじゃないか、そういう議論を農水委員会でもさせていただきました。

 つまり、専門家だとは思うんですよ、専門家だと思う。だけれども、第三者ではないんじゃないか。そして、それを担保する仕組みもないんじゃないかと思うんですけれども、農水省のこの第三者委員会の委員は、どなたがどのように選定をされたのでしょうか。そしてまた、第三者性を担保するような行政不服審査法のような仕組みというのはあるんでしょうか。

杉中政府参考人 お答え申し上げます。

 第三者委員会の委員につきましては、知的財産法、地域ブランド、醸造学など、八丁味噌のGI登録に関連する各分野について専門性を有する者であって、かつ、客観的な議論をしていただくために、愛知県味噌溜醤油工業協同組合及び八丁味噌協同組合、いずれとも利害関係のない者から農林水産省が選定をしたものであって、そういう意味での客観性、第三者性は担保されていると思います。

 なお、第三者委員会という名称につきましては、八丁味噌の行政不服審査についての当事者以外の委員によって構成される委員会であることから付したものでございます。

 あと、議員御指摘の委員につきましても、そういった専門性及び客観性の観点から、委員として公正な立場で御議論をいただけるというふうに考えております。

重徳委員 それは農水省の思いであって、やはり第三者と言う以上は、客観的に見て、この方は、いや、その両組合との利害関係がないのは当たり前の話であります。今回は、やはり農水省の判断について総務省行政不服審査会からいかがなものかという側面もあるわけですから、やはり農水省の判断についても、農水省がこれまでとってきた、行ってきた検討についても客観的に見ることのできる、そういう方でなければ第三者とは言いがたい。

 別に、第三者委員会という名前をつける必要もなければ、第三者的である必要もないと思うんですよ。だって、農水省が判断しようとしていることに対して、いろいろと補足的にアドバイス、意見をもらいながら進めるというわけですから。これが専門家委員会とかいう名前だったら、それは専門家の集まりですねということになるんですが、わざわざ第三者委員会なんという名前をつけると、その第三者性がまた逆に問われて、委員会の言っていることがどうなんだ、その名に反してえらく農水省の主張に近いことを言っているじゃないかとか、いろんな指摘を逆に受けかねないと思うんですよ。

 そういう意味で、この名前を変えるべきじゃないかなんという議論を農水委員会でもやりました。

 改めて、きょうは、その答申というものについても質問したいんですが、ちょっと時間の関係で、農水省だけ聞きます。農水省の第三者委員会、これは行政不服審査会のように答申のようなものを出す予定はあるんですか。

杉中政府参考人 お答え申し上げます。

 第三者委員会におきましては、総務省行政不服審査会から指摘のあった事項について、複数回の会合で調査検討した上で、最終的な取りまとめをいただくというふうにしております。

 なお、その調査検討の取りまとめに関する具体的な方法、内容については、今後、第三者委員会においてお決めいただくことになるというふうに承知しております。

重徳委員 取りまとめの文書はつくる方針なんですか、どうなんですか。ちょっとはっきりしなかったんですが。

杉中政府参考人 お答え申し上げます。

 第三者委員会で取りまとめを行うということになると思いますけれども、文書の形で取りまとめるのかを含めて、その方法については第三者委員会で決定することになります。

重徳委員 第三者委員会で検討するということですが、この事務局はどこがやっているんですか。

杉中政府参考人 お答え申し上げます。

 第三者委員会の事務局につきましては、設置要領において、農林水産省の食料産業局が行うとなっておりまして、具体的には、知的財産課が担当しております。

重徳委員 知的財産課ということであります。

 非常に、ちょっと語尾が聞き取りにくいぐらい歯切れの悪い答弁でございます。やはりきちっと、第三者委員会じゃないんですから、はっきり言って。ちょっと、そういう建前だけの第三者委員会、第三者が言ったんだなんというたてつけだけを言うようなことのないようにしていただきたいと思います。

 大臣に、一言、今のやりとりを聞いてコメントをいただきたいと思います。

高市国務大臣 地場産品は、地域活性化に資する役割が非常に大きいものだと認識しております。

 第三者機関であります行政不服審査会の答申そのものについて私はコメントする立場にはございませんが、農林水産省におかれましては、答申を踏まえて適切に御対応いただきたいと考えます。

重徳委員 ぜひ、高市大臣から江藤大臣にも、私にだけじゃなくて大臣にも言っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず、地域経済について大臣の認識を伺いたいというふうに思います。

 全国知事会会長、全国市長会会長、全国町村会会長の皆様方が、新型コロナウイルス感染症の影響について、以下のように述べられておられます。

 国内に目を向けると、イベントの自粛要請等に伴う消費の落ち込みや国内外の観光客の減少、従業員等の休業に伴う工場の操業停止、サプライチェーンへの影響による生産や工事のおくれなどにより、特に、中小企業、小規模企業者や農林漁業者にとっては、事業存続にもかかわる重大な事態が生じ、実体経済への影響も深刻化しており、さらに日経平均株価もリーマン・ショック以来の下落率を記録するなど、経済を取り巻く環境は、急激に悪化をしている状況である。国外においても、中国や韓国に加え、欧米における新型コロナウイルス感染症の急激な拡大、アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国の入国規制などに伴う人や物流の停滞が避けられず、株価が乱高下を繰り返すなど、世界経済は混迷の度合いを深めている状況にあるというふうにおっしゃられております。

 こうした地方三団体の会長の皆様方の現状認識、地域経済への危機意識、総務大臣も共有されていると思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。

高市国務大臣 今般の新型コロナウイルス感染症に係る国内外の経済の状況、また影響というものについては、地方三団体の長のお考えと私も認識を一にいたします。

本村委員 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響で、観光業への打撃というのが相当なものになっております。政府はどのようにつかんでいるのかということ、そして、今後の見通しを考えているのであれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の新型コロナウイルスの影響で、世界じゅうで旅行控えが発生しており、本年二月の訪日外国人旅行者数は対前年同月比マイナス五八・三%となり、さらに、今般の水際対策の強化もございまして、世界各国からの訪日旅行者数は大幅に減少しております。また、国内におきましても旅行のキャンセルや予約控えが生じておりまして、全国の観光産業は大変厳しい状況に置かれているものと認識しております。

 また、観光産業は、旅行業や宿泊業のほか、貸切りバス、ハイヤー・タクシー業や、飲食業、物品販売業など裾野が広く、地域経済全体に深刻な影響が出ているものと認識しております。

本村委員 旅行会社の方から次のようなお声をいただきました。九・一一、リーマン・ショック、SARSのときと比べても本当に深刻なんだ、海外旅行の予約は全てキャンセル、国内旅行も九割がキャンセル、小さな会社だが、人件費や家賃、車、リースなど、ランニングコストは月二百五十万は必要だ、雇用調整助成金も申請するが、実際にお金が来るのは二カ月後という、今後経済がよくなる見通しもないのに借金は難しいというお声です。

 また、日本共産党の地方議員団、聞き取りをさせていただいておりますけれども、三重県の地方議員団からは、バスの会社からも、インバウンド向け、国内向けの貸しバス、夜行の深夜バスでやっているが、インバウンドは中国の出国規制後利用者はなし、国内向けも自粛要請以来キャンセルで、四月は全くなくなった、夜行バスもイベントの自粛で利用者が激減した、無利子無担保融資について、融資まで時間がかかるので早くできるようにしてほしいというお声等、また、動いていないのにバスのリース代が多額にかかるというお声でございました。

 また、三重県の別のバス会社は、二月下旬から仕事がなくなり、キャンセルで四月末まで仕事がない、五月からキャンセルが出始めている、このままではバス会社の半分は潰れるのではないか、キャンセル料への補填を行ってほしい、仕事の再開が予想されるので、従業員は解雇せずに雇用を維持している、休業手当の助成は平均賃金の六〇%とされているが、助成率を引き上げてほしいというお声でした。

 また、岐阜県の観光協会では、ホテルの宿泊者数は十分の一に減っている、観光客、特に外国人が減っている、外国に頼っていたところは悲惨な状況だ、利子補給などもあるが、借りてもどこまで払えるのかわからない、四月、五月でおさまるのかが一つの山場、仕事をやめるかどうかの瀬戸際だというお声です。

 観光協会では、来てくださいというふうに言っていましたけれども、言えなくなった、来てくださいと言うといろんなところから抗議に遭う、消費税を五%、ゼロ%、早くやってもらいたい、消費税を下げれば回り出すというお声でした。

 また、雇用調整助成金、十割にしてほしい、そうしないと、特にホテル、旅館はパートが多い、首を切ったとき、回復したときに人がおらぬようになってしまう、首は切れぬ、全部自分らの資金で出すのは無理だ、十分の十の補償をしてほしいというお声でございました。

 また、商工会議所でも、先行き不安で困っている、飲食やお土産屋、四月、五月が乗り越えられなければ廃業、倒産、この際早くという声も出ているということでございました。既に、愛知県、静岡県、岐阜県では、ホテル、旅館の廃業、閉館が出ております。一刻も早く対策をとらなければならないというふうに思います。

 先ほど来御議論がありましたけれども、大変な産業は観光業だけではございません。廃業の危機にあるのは、ライブハウスですとか、カラオケですとか、バー、ナイトクラブ、飲食など、イベント関連ですとか、名指しをされたところも大変な状況になっております。フリーランスの方々も大変な状況になっております。これは皆様方と共通認識をしているというふうに思います。

 やはり、感染拡大防止のためにも、要請、自粛と補償はセットでなければならないというふうに思います。

 一刻も早く支援をしなければいけないということで、家賃とか、地代とか、水光熱費、リース代、通信費などの固定費、観光にかかわる中小企業を始め、中小・小規模企業者の方々への支援、フリーランスの方々への直接支援、ぜひこの声に早急に応えていくべきだというのをまず経産省にお伺いしたいのと、あと、厚生労働省にも、雇用調整助成金を十分の十にすること、二カ月も待たなくてもいいように早急に支給することと体制強化、また、フリーランス、雇用保険未加入の非正規労働者も一般労働者と同程度の所得補償を行うこと、社会保険料の減免を行うこと。

 こういう切迫した状況の観光業、中小・小規模事業者、フリーランス、労働者を一刻も早く支援するべきだというふうに思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。

宮本大臣政務官 本村委員から今御指摘ございました。

 委員の御発言の中にもございましたが、さまざまな業種、またさまざまな規模、中小、小規模、また個人事業者やフリーランスの方々から多くの声が寄せられているのは経産省としても把握をしております。

 そして、先ほど西岡委員からの御質問に対して中小企業庁からも類似の御答弁があったかとは思いますが、今回、無利子無担保、これを政府系、金融公庫等でやっておりますが、更に民間にも延ばしていく。ただし、これから先の見通しが立たない中で、借りたくても、そこはやはりちゅうちょする、これが本音の声だとも認識をしております。

 これから、しっかりと事業を持続、継続させる、そして雇用も維持をしていただくために、中小企業、小規模事業者、フリーランスの方々にも迅速に届くような給付金、これを検討しておりますので、一日も早く具現化できるように、鋭意専心努力をしてまいりたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 厚生労働省といたしましても、雇用を守っていくということは大きな課題だ、そして果たさなければならないことだというふうに思っております。

 その上で、委員から御指摘をいただきました雇用調整助成金につきましてですけれども、本来は中小企業三分の二、大企業二分の一という助成率でございますが、これにつきまして、四月から、雇用調整助成金の助成率について、解雇等を行わず雇用を維持する企業に対して、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、中小企業では九〇%、大企業でも七五%に引き上げるというところにしたところでございます。

 また、二カ月もかからないようにというお話がございましたが、その事務処理体制の強化、手続のさらなる簡素化などを進めるということで、迅速にできるように、そうしたことを取り組んでいきたいというふうに思っております。

 また、フリーランスの方などへの支援ということでございますけれども、小学校などの臨時休業などに伴いまして、子供の世話を行うために仕事を休まざるを得ない保護者を支援するため、正規雇用、非正規雇用の方だけではなく、個人で委託を受けて仕事をする予定であった方、これは個人事業主あるいはフリーランスと呼ばれる方も当たる方はおられると思いますが、そうした方々に対しても支援を広げるということにしておりまして、申請の受け付けを開始しております。

 今後、対象となる休暇取得の期限を延長いたしまして、令和二年六月三十日までの間に取得した休暇等についても支援をしていくということを考えております。

 また、収入の減少等によりまして当面の生活費が必要な方については、生活福祉資金貸付制度に特例を設けまして、従来の低所得世帯の要件を緩和し、償還時に所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる、このようにしております。

 また、厚生年金保険料等の納付を猶予する仕組みにつきましてですけれども、これは現場で柔軟かつ適切な対応が行われるように、原則として一年は納付を猶予するとともに、担保を提供できることが明らかな場合を除き担保を不要とするなど、審査の簡素化、迅速化などを行っているところでございます。

 こうした支援によりまして、国民生活にとって最も重要な雇用をしっかり守ってまいりたいと考えております。

本村委員 ぜひ、力強く一層支援を強めていただきたい、そして早急に出していただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。

 観光業でいろんな声を聞いているんですけれども、先ほど挙げましたところとは別の県なんですけれども、あるホテルでは、客室九〇%から二〇%台になってしまった、レストランは一日平均百二十人だったのが十人になってしまった、会場、会議室はゼロになってしまった、ゴールデンウイークもほとんど予約はないと。

 あるホテル旅館生活衛生同業組合さんがアンケートをとられたんですけれども、昨年三月と比べ、売上げが六〇%以上減少、ここには八〇%以上減少のホテル、旅館も入っているんですけれども、そこが七三・九%にも上っております。先が見えない中で、売上げがないのに固定資産税などを払わないといけない、やってほしいのは固定資産税の減免だ、猶予ではなく減免だというお声でございます。

 固定資産税というのは自治体の基幹税でございますので、判断は自治体ということになってまいりますけれども、固定資産税の減免に踏み切れるように、国が税収の大穴があかないように財政措置、財政支援をして、固定資産税の減免に踏み切れるようにするべきだというふうに思います。

 補正予算などにも盛り込んで、ぜひ早急にやっていただきたいと思いますけれども、総務大臣、お願いしたいと思います。

高市国務大臣 まずは、三月十八日に、地方税法に基づく徴収猶予などの措置を、納税者の置かれた状況に十分配慮して、適切に対応していただくよう、通知を発出して各地方団体に要請をいたしました。

 それから、固定資産税の減免については、これも官邸で業種別にヒアリングをずっと続けておりました中で、特に旅館、ホテル業の皆様から強い御要望がございました。この事業継続支援などの観点からの御要望でございますが、現在、与党の税制改正プロセスにおいて検討中であるという状況でございます。

 総務省としましては、この固定資産税は、おっしゃるとおり地方の基幹税でございますので、仮に減免といった場合にも、地方団体の財政運営には支障が生じないように、適切に対応させていただきます。

本村委員 ぜひこれも早急に減免できるように支援をしていただきたいというふうに思います。

 沖縄県でも、平均稼働率三〇%以下にまで落ち込んでしまった、今までにこんなことはなかったという宿泊業の方のお声も出ております。猶予はいいのですけれども、その先の見通しが本当に見えない中で、払えていない、猶予してもらっても払えていないということは大変重い気持ちになるというふうに思いますので、負担を軽くして、応援をしていただきたいというふうに思います。ぜひとも観光業の損失に対する支援をするべきだというふうに思います。

 温泉関係の方からは、上下水道の料金の減免を求める声も出ております。

 災害の被災者の方の減免をできるようにということで、私は従来も求めておりましたけれども、そのときは、水道事業者の判断という冷たい答弁でございました。

 やはりこういう危機ですから、水道事業者が減免に踏み切れるように、温泉関係の方々を含め、事業継続できるように財政支援をするべきだというふうに思います。これは、厚生労働省と国土交通省、お願いしたいと思います。副大臣、お願いいたします。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 今、水道事業についてのお尋ねでございますけれども、水道事業というのは、地方公営企業として、独立採算で経営されているものでございます。そのため、先ほどの、以前のお尋ねについても、それを前提としたお答えをしましたが、今回もそれを前提とした答弁をせざるを得ません。

 厚生労働省としては、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえまして、水道事業者に対して、水道料金の支払いが困難な事情がある方に対して支払い猶予等、柔軟な対応をするように要請をしているところでございます。水道事業者ごとに、その必要性と内容を判断した上で対応いただいておるわけであります。

 厚生労働省として、経常的経費に対する財政的支援はこれまでも実施をしていないところでございまして、今後、ただ、支払い猶予等に関する各水道事業者における取組の実施状況を把握し、情報共有を図るなどの技術的支援につきましてしっかり行って、対応を働きかけてまいりたい、このように考えておるところでございます。

植松政府参考人 お答えいたします。

 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、国土交通省では、下水道管理者に対して、下水道使用料の支払いが困難な事情がある方に対しては支払い猶予等、柔軟な対応をしていただくよう要請しておりまして、各下水道管理者が、その必要性と内容を判断した上で対応いただいているところでございます。

 また、下水道事業の費用負担については、下水道法では、下水道の設置、改築、修繕、維持管理のうち、設置又は改築に対して国が補助できるとされております。

 このため、下水道管理者が使用料を減免した場合の補填については国の補助対象となっていないところでございますが、下水道管理者による支払い猶予や減免の状況などを踏まえて、引き続き注視し、適切な対応に努めてまいりたいと思っております。

本村委員 もう既に温泉の旅館などが潰れておりますので、ぜひこうした点も、早急な対応をとっていただいて、支援をしていただきたいというふうに思います。

 ホテルや旅館の客室にはテレビがあり、受信料の負担も大変でございます。NHKの受信料も緊急に減免措置をとるべきだというふうに思います。

 NHKの免除基準の中に、「非常災害があった場合において、免除すべき放送受信契約の範囲および免除の期間につき、あらかじめ総務大臣の承認を受けたもの」とございます。ホテル、旅館は緊急事態だというふうに考えております。

 総務大臣そしてNHK、両方にお伺いをしたいんですけれども、お客さんが急減をし収入が激減をしているホテル、旅館業のNHKの受信料は減免するべきだと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。

高市国務大臣 三月三十日に、NHKの前田会長にお目にかかりまして、ホテル、旅館などの中小企業に関しまして受信料の減免を御検討いただけないかというお願いをいたしました。

 この受信料の減免につきましては、放送法の規定により、NHKが免除基準を定め、総務大臣の認可を受けることとされておりますので、NHKから変更認可申請がなされた場合には、迅速に対応したいと存じます。

松原参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、多くの世帯や事業所が影響を受けていることは十分承知をしています。

 NHKでは、新型コロナウイルスにより影響を受けた皆様から受信料のお支払いに関する御相談を受け付ける窓口を開設し、支払い期限の延期などに関する御相談をお受けしているところであります。例えば、旅館、ホテルなどが結んでいる事業所契約については、一年間支払いがないと割引を受けられないというふうになっていますが、この割引の解除期間の緩和などはもう既に実施をしているところです。

 新型コロナウイルスの感染が急速に進み、未曽有の状況になっていることから、先ほど総務大臣から答弁ありましたけれども、三月三十日に要請がありました旅館やホテルなどの中小事業者向けの受信料の負担については、検討の要請がなされたことを踏まえて前向きに検討してまいりたいというふうに思います。

本村委員 一刻も早く受信料の減免で事業が継続できるようにしていただきたい、そして働く人を守るようにしていただきたいというふうに思います。

 次に、学童保育なんですけれども、新型コロナウイルス感染症の関係で、学童保育の追加的経費の補助の申請で、申請できなかったという学童さんが出ております。

 そもそも、国の急な一斉休校の要請があり、学童さんは原則開くようにということで国の連絡があり、そして自治体も人が少ない中でばたばたして、そして周知が不十分であった。学童保育の現場では、事務の人もなかなかいないという中で、手いっぱいで子供たちを支援してきた。そういう状況が重なって、今回の補助の申請が間に合わない事態が発生をしております。

 三月十日の事務連絡には、事業者に過度の負担をかけないようにということが書かれております。人手がいない中で必死に子供たちを保育している学童保育さんの申請が間に合わなかった、そういう学童さんへの救済措置を国としてもとるべきだというふうに思います。

 少なくとも、自治体が交付申請をした中で救済するということは可能ですねということ、また、マスクや消毒液で申請したけれども人件費も必要だったという場合、交付された額の中で柔軟に運用して救済するということはできますねということを確認させていただきたいと思います。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 放課後児童クラブに係る今回の三月の特例措置でございますけれども、小学校の臨時休業によりまして、平日の午前中から開所いただいた場合の加算、それから、マスクや消毒液等の購入費用の助成について、子ども・子育て支援交付金のメニュー事業といたしまして措置をしたところでございます。

 今回の措置では、概算払いでの申請ができるということにしたとともに、申請期限をぎりぎりまでに延長するといった配慮をいたしまして、市町村等の事務負担の軽減を図りながら適切な申請を促してきたところでございます。あくまでも令和元年度予算の措置でございますので、年度内に交付決定、それから市町村への執行といったことを行うことが必要であるということでございます。

 一方、御指摘のございました、もう少し柔軟な運用ができるのかという御指摘でございますけれども、子ども・子育て支援交付金における今回の放課後児童クラブの特例措置につきましては、交付決定額の枠内で、先ほど申し上げました二つのメニューにつきまして、事業実績を踏まえて、当初の申請内容と異なる配分で事業所にお支払いをするということも可能となってございます。

 したがいまして、御質問にありましたようなケースにつきましても、交付決定額の枠内であれば、市町村の御判断によりまして、午前中から放課後児童クラブをあけていただいた場合の人件費等に充てるということは差し支えないというふうに考えております。

本村委員 改めて救済できることを周知するべきだということも申し述べておきたいというふうに思います。

 次に、名古屋市が、デイサービスをやっている方々に休業要請をいたしました。名古屋市からは、次のような緊急要望が来ております。厚生労働省の方にも届いているというふうに思いますけれども、次のように要望されております。

 通所介護事業所等は中小規模の事業所が多く、休業等に伴い事業の継続が困難となる事業所が出てくることが予見され、介護保険制度の安定的な運営に支障を来すのではないかと危惧するところです。国におかれましては、今回の本市における対応及び今後のほかの自治体による介護保険指定事業者の休業要請に対し、介護保険指定事業者への補償制度の創設とそれに必要な財政措置を講じていただきたく、特段の御高配をということで緊急要望が来ております。

 地域的には風評被害も出ており、利用者さんの減少ということも懸念をされる中で、ぜひ休業補償をしてデイサービスを守っていただきたいというふうに思いますけれども、副大臣、お願いしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 介護サービスの提供を継続をしていただくということは大事なことでございまして、そのための支援策としていろいろな取組は行っているところでございます。

 例えば、介護報酬の特例として、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも介護報酬を減額しないという取扱い、あるいは、デイサービス事業所が利用者の希望に応じてその居宅を訪問してサービスを提供した場合における介護報酬の算定を可能にしているなど、あるいは、先ほど答弁申し上げました雇用調整助成金、あるいは、これは答弁ありました、無利子無担保を内容とする経営資金融資などの活用ということも可能ということではあります。

 こうした特例や支援も活用していただきつつ、さらなる支援策について、現場の御意見、あるいは先生の御意見等も踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。

本村委員 ぜひ、現場で踏ん張っているデイサービスの皆さん方が潰れることのないように、事業が継続できるように、さらなる支援をしていただきたいというふうに思います。

 今度は愛知県の一時生活施設なんですけれども、新型コロナウイルスの患者さんで症状があらわれていない方、あるいは軽症の方向けのベッドを、県有の施設、医療機関ではない県有の施設で百床用意するという施策を愛知県は発表いたしました。ところが、そうしたものに対する財政支援は今のところないというふうに聞いております。

 感染拡大防止に有効な施策と厚労省も考えているというふうに聞いておりますので、財政措置をしていただくということと、こういう措置でやりますと、訪問診療ということになって、診療報酬となると、患者さんの負担が出てまいります。

 岡崎医療センターで受けたときは患者さんは無料だったわけで、当然ながら、感染防止のためにも患者さんの負担はゼロにするべきだというふうに思いますけれども、これもお願いしたいと思います。

橋本副大臣 愛知県さんの方で、医療機関が重症患者を治療する機能を維持をするために、症状がない感染者、軽症者の方などを対象に、一時的に生活が可能な入所施設を開設する、こういう発表をされたことは承知をしております。

 そもそも、今は、感染症法によりまして、陽性であるということがあれば、症状が重かろうと、あるいは無症状の方もおられます、どの方も入院をするということになっております。これはなぜかというと、要するに、病院に入院していただくことで必要な医療を提供するとともに、医療が要らなくても、感染拡大を防ぐというためにやっている目的です。

 そういう意味で、入院は、しかし、重症の方がふえていけば、そちらの方を優先したい、なので、無症状の方は宿泊施設ということも私たちは考えているところでございますし、感染を拡大しないという目的に沿った話でございますので、それを地方自治体が行う場合について、どうそれについて支援をしていくのかということ。あるいは、その患者の方が、今の定義でいうと入院ではないので往診という話になる、そうすると診療報酬がかかるね、御指摘のとおりです。

 ただ、先ほど申しましたような目的に沿ってそうしたことを行うということですから、どう取扱いをするのかしっかり考えて、御指摘も踏まえて考えてまいりたいと思っております。

本村委員 大臣に最後一問やりたいと思ったんですけれども、時間がございませんので、ぜひ地方のさまざまな財政需要に対して財政支援していただきますよう強く求めまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 まず、きょうはもう厚労省抜きで、厚労省には通告していませんが、新型コロナに係る経済対策を中心に、総務省の皆様と議論していきたいと思います。

 その前に一点、選挙ですね。公選法、倫選特等もあるわけでありますが、きょうは選挙部長にもお越しをいただいていますが、できれば大臣から教えていただけたらありがたいです。

 要するに、私の地元でも、今週末、四月五日告示で市長選挙がとり行われます。実は、現職の方に対して、私たち大阪維新の会が公認決定をさせていただいている方が、一騎打ちみたいな構図になりそうなことで、今準備を進めておりますが、とにかくこういう事態ですので、ほとんど準備が、準備ですよ、準備ができません。まあ頑張っていますが。

 選挙は、被選挙権も選挙権も大変重要な権利でありますので、よほどのことがなければ、これは執行していくというのは当然であると思っていますので、全力で今準備をしているところでありますが、例えば、私ども大阪維新の会が公認している新人の方からすれば、選挙、五日に告示をされても握手もできない、集会もできない、何もできないという中で、本当にこの被選挙権、選挙権を行使いただけるのかということについて、不安が広がっています。

 足元で公職選挙法の改正の議論はないと承知して、私はいろいろ議論はしているんですが、今のところ、政府の中にはないということでありますが、一方で、東日本大震災のときには特別立法もしたわけでありますから、どういう事態に今後なれば公職選挙法の改正を視野に入れなければならないと政府はお考えになっているのか、御紹介をいただければと思います。

高市国務大臣 これまで、選挙期日及び任期を延長する特例法が制定されたのは、阪神・淡路大震災及び東日本大震災の二例のみでございます。

 これは、有権者の把握や施設の確保などの観点から、選挙の管理執行が物理的に困難であったということでありまして、その制定に関しては、選挙の管理執行機関たる被災地の選挙管理委員会からの御要請もございました。

 選挙の管理執行が物理的に困難であるという理由以外の理由で選挙を延期するか否かということにつきましては、これはもう選挙権の行使にかかわる大きな問題でございますので、各党各会派で御議論いただきたいと存じます。

足立委員 ありがとうございます。

 おっしゃるように大変重要な権利でありますから、今大臣がおっしゃったことに違和感はありません。

 ただ、私の地元なんかでは、現職の方が何か意見書を出されたりしている向きもあるようでありますが、しっかりと今大臣がおっしゃったラインを私どもみんながよく理解して、できるだけ、被選挙権を有する者は、自分たちを、投票していただくわけですから、最低限というか、工夫をして、しっかりと必要な情報を届けていく。また、有権者の皆様におかれても、選挙の重要性ということを踏まえつつも、一方で健康も大事ですから、投票所の工夫、これをとにかく、いろいろ総務省からも通知を幾たびにもわたって出していただいていると承知していますので、そういう通知を踏まえて、それぞれの選挙管理委員会が十分な対策がとれるように、また引き続き国からも御支援をいただきたい、こう思います。

 さて、新型コロナでございますが、今、安倍総理が、生活に困っていらっしゃる方々に給付金を支給するという、生活支援のための直接給付のようなことをおっしゃっています。これは、いずれにせよ、お金を配るとすれば、今、少なくとも政府・与党が検討しているこの給付金というのは、申請を起点にしなければ給付はできないと私は理解をしていますが、御認識、いかがでしょうか。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 先般、三月二十八日に総理より取りまとめの御指示があった緊急経済対策におきましては、感染症収束までの間、雇用の維持と事業の継続に全力を尽くす観点から、休業等により収入が減少し、生活に困っている方々に対して、新たに直接の現金給付を行うこととしておるところでございます。

 先生お尋ねの、その具体的な方法ですが、現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと考えておりますが、これまでに行ってまいりました商品券事業ないしは現金給付事業については、御指摘のとおり、対象者の方に実際に申請をいただいた上で支給してきたところでございます。

足立委員 現金給付をする、その現金給付の申請書を送る、それを飛ばすこともできるという意見が与党内にはあると聞いています。

 すなわち、普通に考えれば、直接給付の給付申請書を住民の方、国民の皆さんにお送りする、振り込み希望口座を書いてもらってそれを返送してもらう、そして、その振り込み指定口座に振り込みを実施する。こういうふうに、郵送して、申請をしてもらって、そしてアクションする、給付をする、こういう三段階が普通あるんですね。

 これは余り、これも予断を持って私が申し上げると怒られますが、仄聞するところによると、政府・与党は、手挙げ方式というか、最初に給付申請書を送るところをすっ飛ばして、困っている人は手を挙げてくださいというようなことも議論しているやにちょっと承知をしています。

 ちょっと飛びましたね。いずれにせよ、今、神田政務官から、申請主義みたいな形が基本、少なくとも過去は基本だったという話がありましたが、総務省にちょっと伺いたいんですけれども、そうしたときに、実は、三日ほど前に自民党の小野田紀美参議院議員が七つの連続ツイートをされています。これはすごいですね、リツイート一万二千。七つのそれぞれのツイートが、リツイート三千ぐらいいっています。すごい拡散力ですね。

 これを見ると、そういう手続、今申し上げたように、住民あるいは国民にアプローチするときに住民基本台帳を使うことになるんだけれども、住民基本台帳を使って何かしようとすると、とても大変で、二カ月、三カ月かかるのよということが書いてあるんです。

 総務省、事務方で結構です。これ、そんな大変なんですか、この手続は。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 住民基本台帳の活用については、そもそも住民基本台帳が、各種行政サービスの提供など住民に関する事務の処理の基礎となるものでございますので、地方公共団体の事務ということであれば、市町村は住民基本台帳に基づいていろいろな事務処理をすることは可能でございます。

 以上でございます。

足立委員 この小野田紀美さんのツイートを見ると、いやいや、何かとにかく大変なのであると。大変なのであるからどうするかということは、実はよくわからないんですよ。よくわからないんだけれども、とにかく大変だと書いてある。

 ただ、私は、現金を給付する事務を一部、自治体の仕事であるというふうに整理をして、市町村がやる事務であるということをしっかりと国で整理をして、そして、もちろん必要な手続、もし議会にかける必要があれば地方議会にかければいい。でも、私は、それ自体がそんな大変じゃないと思うんですよ。

 要すれば、きょう一応、もう一回総務省に確認したいことは、住民基本台帳はどうせ使わないといけないんですよ。だって、今、国民に政府が、あるいは自治体が国民にアプローチしようと思ったら、住民基本台帳しかないんだから。全ての基礎、マイナンバーの基礎だって住民基本台帳なんだから。だから、住民基本台帳、これは使うことになるわけですよ。そのときに、こういう使い方をしたら、何か時間がかえってたくさんかかって大変だとかいうことは僕はないと思っていて、住民基本台帳を使うには、内閣がしっかりと、これこれの給付制度のしかじかの事務については市町村の事務と位置づけて、しっかりと交付税措置等で手当てしていけば迅速にできると思います。

 ところが、これは、事前にレクで申し上げているこの小野田紀美さんのツイートを見ると、例えば一律に現金を給付しようとすると、自治体の議会に諮る必要がある、議会の承認を得て、申請書類を送付し、記載し返送してもらう等経ていくと、三カ月程度かかってしまうという見込みとのことですと、誰からレクを受けておっしゃっているかはちょっとよくわからないんだけれども。

 事務方にもう一度ちょっとあれしていただきたいのは、住民基本台帳を使うのは市町村の事務であると位置づければ足りることであり、予算が必要であればそれは交付税措置をすればいいので、私は、何も問題ない、こう思いますが、ちょっと、どうですか。これ、読んでいると思うけれども、ここで言っているような議論を考慮する、これは考慮しろと書いてあるんですよ。僕は考慮する必要はないと思うんですが、どうですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 委員御指摘のように、住民基本台帳を活用して事務をやることになると思われますが、ちょっとちなみに、私ども総務省がかつて実施いたしました定額給付金事業、それから地域振興券交付事業につきましても、まず、基本的に、国の予算が成立いたしまして、それから国の方から補助金交付要綱の決定等通知がございまして、その後、市町村が補正予算案を可決をする、市町村の方で直ちに住民基本台帳から給付リストを作成して、それをその後、住民の方に御案内などを送って、それから住民から申請していただくという、どうしてもそういう流れになりますので、かつての例でいきますと、地域振興券事業だと予算成立から全市町村の交付開始までやはり四カ月ぐらいはかかっております。定額給付金もそのくらいかかっているという状況でございます。

 以上でございます。

足立委員 ありがとうございます。私が伺いたかったことは答えていただきました。

 つまり、自民党の皆さんもぜひよく議論してほしいんですけれども、いわゆる一律給付、国民に広く何とか券とか、現金を口座に振り込む、これをやろうと思ったら四カ月かかるというんですよ、四カ月。今国民が求めていることは、そういうことじゃないですよね。

 それからもう一つ、そもそも現金給付、だって現金給付だったら皆さんだって給付を受けるんですよ、一律なら。意味ないですよ。

 だから、もし一律に配るのであれば、何か、マスク二枚配るんでしょう、政府・与党。相談を受けていないかもしれないけれども。マスク二枚配るんですよ。そうしたら、再び神田政務官にお答えいただきたいんだけれども、それだったら、もう政府小切手を、いや、もし一律に配るんだったら、四カ月かけていたら意味ないから、もう即座に、住民基本台帳、住民基本台帳も使わなくていいんだ。マスク二枚はどうやって送るかといったら、郵便局の何制度というの、何かあるんですよ、ポストにひたすら入れていくというやつ。まあ、しかし、政府小切手をマスクと一緒にポストに放り込むというのもちょっと問題あるね。

 問題あるけれども、じゃ、例えば住民基本台帳に載っている最新のこの住所、ここに政府小切手を送る、要は申請主義じゃなくて。きょう冒頭から議論したように、政府は基本的には申請主義を想定しています、政府・与党は。でも、申請主義は四カ月かかるんです。だから、もうわかった、もう手を挙げなくていいですと。ひたすら、とにかく、住民の皆様には広く、外国人はどうするかとかは議論がありますが、十万円の政府小切手を配る、これが一番迅速だと思いませんか。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたとおり、休業等により収入が減少いたしまして生活に困っている方々に対しましては、新たに直接の現金給付を行うということとしておりまして、今、その具体的な方法については、現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと存じます。

 その上で、先生が今御紹介になられました、アメリカの例ですね、小切手を用いた現金給付というお話なんですが、小切手の送付等については、一般論として、対象者を特定いたしまして発送するという手続の時間がかかるという点には留意が必要かと思っております。

 いずれにせよ、給付にいたしましては、感染症の影響を受け、本当に苦しい方々に支援が直接、可能な限り速やかに行き届くことが大事でございまして、過去の経験等踏まえて、今回の事態に即応した給付を可能にするための仕組みについて、先ほど来先生も同様の思いであるかと存じますが、可能な限り速やかに支援を直接お届けできる方法について検討を急ぎたいと考えておるところでございます。

足立委員 政府・与党は、一律給付はもう捨てています、捨てていると僕は報道で承知しています。

 一律給付であれば、政府小切手を住民登録されているところにどんと送れば、ワンアクションで国民の皆様の手元に、すぐ換金できる、どこの窓口でも、郵便局でも、信金、信組でも、都市銀行でも、地銀でも換金できる小切手を送ることは、僕はできると思うんですよ。できると思うけれども、今御答弁あったように、今、政府・与党は一律に配るのは考えていないんです。困っている人に配る、でしょう。そうなんです、困っている人に配るんです。私も、いいですよ、それは。賛成です。一律は簡単にできるけれども、一律に配るのは適切ではないということで。ただ、申し上げたいことは、一律に配るんだったら、政府小切手を住民登録されているところに送ればワンアクションで済むから一週間でできる、私はこう指摘をしておきたいと思います。

 さて、それは置いておいて、じゃ、困っている人、神田政務官、困っている人というのはどうやって審査するんですか。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 これも先ほど来先生のお言葉にあるように、手を挙げていただく、みずから手を挙げていただくということになるかと思いますけれども、おっしゃっている意味は生活福祉の給付金の関係なんだと思いますが、そういう形の、手を挙げていただく形になるかと存じます。

足立委員 いやいや、生活福祉資金制度、これは貸付けですね、今政府は給付金の話をされているから、それは全く別なんだけれども。

 その給付金について、困っている人に給付金なんでしょう。本当に困窮されている方は、今御紹介があった生活福祉資金制度を今拡充しています。でも、これは窓口が市町村の社会福祉協議会です。担当者はそんなにいないですよ。せいぜい一日に処理できても十人か、私の三十万都市でも担当者はもともと一人か二人です。今それをがっと寄せ集めて五人の体制で、三十万都市で五人ですよ。一日に処理できるのが二十件ぐらいでしょう、せいぜい。その体制でどこまでこのパンデミックに対応するんですか。

 だから、私は、この生活福祉資金制度は、やればいいですよ、いや、今もうやっている。既にそれでお金を借りることができた方々がいらっしゃいます。それはすばらしい。でも、やりと竹論というのがあるけれども、社会福祉協議会だってそういう事態に向けてつくられている制度ではもともとないわけです。

 そのときに、この貸付制度とは別の給付金制度、僕は、政府・与党、これは小倉先生とか小林先生もいろいろ奔走されているかもしれませんが、これは結構みんな混迷を深めていますよ、混迷を深めている。どうやって給付金を配るんだというので、もう大混乱ですよ、今。

 なぜ困っている人にお金を配るのがこんなに苦労するかといったら、小倉先生もツイッターに書かれていた、マイナンバーが使える状態にないからです。これは、いや、カードなしで使うんだとか、あるいは後で使うんだとか、いろいろな議論がある。だから、僕は事後的に使ったらいいと思うんですよ。でも、たちまち来週使えないですよ。何か、カードなしで使うとかいう議論があるんですか、それはいろいろ議論したらいい。

 私たち維新の会は、きょうの政府・与党野党協議会、きょうの衆議院の本散後に行われる協議会で緊急特別提言を出します。私たちが出す緊急特別提言の内容は、まず貸付けをする、金融機関を使って。まず、無利子無担保、一〇〇%政府保証、事業資金じゃないですよ、生活資金です。無利子無担保、一〇〇%政府保証の生活資金を毎月十万円を上限に貸付けをします。それでしのいでくださいと。生活福祉資金制度の金融機関版ですね、これをやろうと提案します。

 ただ、ポイントは、三年間据置き。パンデミックが収束した後に、この三年間の間にマイナンバーと資産と収入をひもづけていただく。ひもづけた方が、それを全部ひもづけた上で審査を受けて、通ったら給付に切りかえる、すなわち免除する。こういう、事後マイナンバーひもづけ審査給付切りかえ貸付制度というのをきょう提案しますので、ぜひ、政府・与党、しっかり御協議をいただいて実現をさせていただきたいと思いますので、御指導をよろしくお願いします。

 以上です。

大口委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 井上一徳です。

 私も、新型コロナウイルス感染に伴う、特に地方経済、これの悪影響が本当に日々日々拡大しておりますので、これに対応する対策について質問をしたいと思います。

 私の地元京都北部を回っても、本当に日に日に状況は悪化しておりまして、本当に深刻な声が聞こえてまいります。それで、総理もこの間、来週に緊急経済対策を取りまとめて、前例にとらわれることなく思い切った措置を講じていく、こういうふうに言われていますので、地方の経済対策についても思い切った経済措置をとってほしいということで質問をさせていただきます。

 その前に、まず、特に今の地方の経済の状況、これについて簡潔に御説明していただきたいと思います。

茨木政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症は経済全般にわたって甚大な影響を及ぼしておりまして、我が国の景気は急速に厳しい状況になってございます。特に、人の移動が縮小する中、地域経済にも多大な影響が生じているということでございます。

 各地域におきまして、景気に敏感な職場で働いている方々の景気判断について調査をしております内閣府の景気ウオッチャー調査というのがございますけれども、これで見ますと、景況判断がリーマン・ショック時並みの低い水準ということになっておりまして、特に飲食業、小売業、ホテル、旅行代理店等の方々からは、非常に厳しい状況であるというようなコメントが多数寄せられてございます。

 また、先行きにつきましても、感染症の影響による厳しい状況が続くというふうに見込まれておりまして、まずは感染拡大を防止し、その流行を早期に収束させるということとともに、事業、雇用の維持、生活を守るということに全力を挙げてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 今、リーマン・ショック並みということでしたけれども、私はもうはるかにリーマン・ショックをも凌駕する悪影響になっていると思います。

 それを踏まえた上で、今、政府として思い切った経済対策を策定中だと認識しておりますけれども、どのような方針で今取りまとめを行われておられるか。特に、地方対策についてどのような方針で取りまとめを行われているか、御説明ください。

茨木政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の甚大な経済的な影響が見られる中で、先般、総理から新たな緊急経済対策の御指示があったところでございます。

 日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させていくために、甚大な影響のマグニチュードに見合う強大な経済政策を打っていくということとしておりまして、来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく、財政、金融、税制を総動員して、思い切った措置を講じてまいりたいと考えております。

 その際、これまでいただいたさまざまな御意見、御提案を受けとめつつ、地域経済の実情も十分踏まえながら、取りまとめを進めてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 私の認識は、もう今の状況というのは、江戸時代でいうと歴史的な大凶作、そういうことだと思うんです。歴史的な大凶作のときに、人々は、年貢は当然払うことはできないし、あすの生活もどうなるかわからない、そういうような状況だと思うんです。そういうときに年貢を取るのかということなんです。

 私は、もうこういう危機的状況であれば、まず税金、こういったものは支払い猶予にする、あるいは免除にする、それから生活給付金を支給する、こういうことで、新型コロナウイルス感染が収束するまでは、私自身は、消費税をゼロにする、そして、特に生活に困っている方を対象に、一時金で十万円ということではなく、毎月十万円程度支給する、それぐらいの思い切った措置が必要じゃないかと思っています。

 それで、資料を配っておりますけれども、リーマン・ショック後の経済対策と主な地方関連施策ということで、リーマン・ショックの後も政府の方としていろいろな施策がとられております。

 平成二十年の九月にリーマン・ショックは起こりましたが、その後の十月三十日には、地域活性化・生活対策臨時交付金として六千億円。そして、平成二十年の十二月十九日に決定し、これは当初予算ですから、三月二十七日に成立した予算、この中では、雇用創出等のための地方交付税増額、特別加算、別枠加算ということで一兆円。そして、平成二十一年の四月十日には、経済危機対策として、地域活性化・公共投資臨時交付金一兆三千七百九十億円、プラスして、地域活性化・経済危機対策臨時交付金として一兆円。これを単純に足しても、四兆円、それぐらいの規模になるわけです。

 私は、総理が思い切った措置を講じるというふうに言われているのであれば、今時点でこれぐらい、四兆円規模の経済対策を打ち出すべきだと思うんですけれども、この辺は高市大臣、いかがお考えでしょうか。

高市国務大臣 リーマン・ショックのときには、もう今委員が御紹介くださったような大胆な対策が次々と講じられました。

 まさに経済対策、今取りまとめの最中でございますので、そのときにはやはり地方公共団体のお声もしっかりと伺いながら、関係府省とも連携しながら、ベストなものをつくっていくという意気込みで頑張ってまいります。

井上(一)委員 地方自治を熟知しておられる高市大臣の政治的手腕に大いに期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、前回の総務委員会でも、資金繰り、これに関する質問をいたしました。中小企業庁と金融庁にさせていただきました。

 今、報道を見ますと、中小企業庁の関係ですと、これは三月末時点ですので、現在変わっていると思いますが、中小企業からは、相談、九万件が来ている。そのうち、実際に融資等が行われたのは三万八千件、約四割だったということですけれども、これは今、現時点でどのような状況になっているでしょうか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 融資等相談件数につきましては約二十九万件、それに対しまして申込件数が約十四万件というところでございます。

井上(一)委員 二十九万件あって、申込みが十四万件。私も、地元で、政策金融公庫の人、休みも出て対応されているのは聞いていますけれども、多分、全国いろいろなところでこの相談はふえていると思いますので、この相談窓口の体制の強化、これは引き続きやっていただきたいと思います。

 続いて、金融庁にも質問をいたしまして、貸付条件の変更など、柔軟に対応してほしいということを言っておりましたけれども、現在、金融庁として金融機関に指導、報告していると思いますけれども、今どういう状況になっているのか教えていただけますか。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 事業者の皆様から資金繰りに関する不安の声が非常に多く寄せられてきたことを踏まえまして、三月六日及び十六日に、大臣から金融機関に対しまして、返済猶予などの条件変更について迅速かつ柔軟に対応するなどの事業者の資金繰り支援等のための要請を行ったところでございます。

 金融庁では、この要請に基づきまして、民間金融機関の資金繰り支援に関する特別ヒアリングを実施するとともに、条件変更の状況につきまして銀行法に基づく報告徴求も行っております。

 さらに、二十七日でございますけれども、このヒアリングの中で、他の金融機関においても参考になると思われる金融機関の対応事例を取りまとめて、金融機関がより迅速に事業者支援を行えるように促しているところでございます。

 また、こうした支援策が事業者に周知されることが重要であると考えておりまして、現在、金融庁及び民間金融機関の取組に関するリーフレットを作成いたしまして、金融庁のホームページに公表の上、全国の自治体、商工団体等にも広く配布し、説明を行っております。

 こうしたさまざまな取組を通じまして、全国の金融機関において積極的な事業者支援がなされるよう、金融庁として引き続きしっかりフォローしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

井上(一)委員 中小企業の皆さんが廃業したり倒産にならないように、引き続き金融庁においても金融機関を指導していただきたいと思います。

 それから、三月決算企業の消費税、法人税の納付が五月末に迫っているわけです。これについては猶予をするというような報道もありますけれども、現在どのような状況になっているのか、国税庁の方から教えていただきたいと思います。

新井政府参考人 お答え申し上げます。

 納税をしていただくに当たりましては、納税者個々の実情を十分に伺いながら対応させていただいているところでございます。

 その際、個人、法人を問わず、国税を一時に納付することが困難な場合には、申請により納税の猶予が可能となっております。

 国税庁としましては、この猶予制度の適用に当たりまして積極的な周知、広報を行うとともに、納税者の置かれた状況に配慮しまして、例えば猶予の申請に当たりまして、納税者からの資料の提供が困難な場合には聞き取りにより審査を行うことで資料のやりとりを簡略化するなど、迅速かつ柔軟に対応するように、全国の国税局、税務署に指示を行っているところでございます。

 納税者におかれましては、御不明な点等がございましたら、最寄りの税務署に御相談いただければと思っております。

井上(一)委員 残りの時間で避難所について質問をしたいと思います。

 台風十九号とか一昨年の七月豪雨、これについてはまだ記憶は新しいところですけれども、そういう大きな災害があったら避難所に避難しないといけないわけです。

 今、避難所というのは、密閉空間、密集場所、密接場面の、まさにもう三つがそろった場所になるわけです。無症状の新型コロナウイルスの感染者の方が避難所に避難されれば、そこが一挙にクラスター化するというおそれもあるわけです。

 現時点で、やはりこういった避難所対策についても十分考えておかないといけないと思うんですが、今政府としてどういうような検討をされているか、お聞かせいただきたいと思います。

村手政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、現在、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を定め、政府を挙げて取り組んでおるところでございますが、仮に、現状で災害が発生した場合には、この方針を踏まえて、避難所における感染症対策を徹底する必要があると考えてございます。

 従来からの取組として、政府では、避難所に係る各種ガイドライン等を定めまして、さまざまな必要な感染症対策を講じるよう、市町村に対して周知をしてきたところでございます。

 さらに、昨日付で、災害発生時に可能な限り多くの避難所の開設を図っていく、また、ホテルや旅館の活用等も検討していただくとともに、避難者に対する手洗い、せきエチケットなどの基本的な感染対策の徹底、避難所内の換気や十分なスペースの確保について留意するよう、関係省庁連名で自治体宛てに通知を発出したところでございます。

 発災後には、避難所における感染症対策を支援するために必要となる物資についてのプッシュ型支援など、必要な支援についてもしっかり努めていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

井上(一)委員 マスクの準備とかいろいろ必要だと思いますし、専門家の意見を聞いて、ぜひ避難所がクラスター化しないように万全の措置をとっていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。

     ――――◇―――――

大口委員長 次に、内閣提出、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。高市総務大臣。

    ―――――――――――――

 電波法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高市国務大臣 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 ソサエティー五・〇の実現に向けて、我が国のあらゆる社会経済活動の基盤となる電波の有効利用を促進するため、電波有効利用促進センターの業務の追加、特定基地局開設料に関する制度の対象となる特定基地局の追加、技術基準に適合しない無線設備に関する勧告等に関する制度の整備及び衛星基幹放送の受信環境の整備に関する電波利用料の使途の特例に係る期限の延長の措置を講ずる必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、電波有効利用促進センターの業務として、他の無線局と周波数を共用する無線局を当該他の無線局に妨害を与えずに運用するために必要な事項について照会に応ずる業務を追加することとしております。

 第二に、特定基地局開設料の額を開設計画に記載しなければならない特定基地局として、移動受信用地上基幹放送をする特定基地局を追加することとしております。

 第三に、電波法に定める技術基準に適合しない設計に基づき製造又は改造された無線設備が、他の無線局に対して妨害を与えた場合に加え、妨害を与えるおそれがあると認められるときも、総務大臣が、その無線設備の製造業者、輸入業者又は販売業者に対して勧告を行うことができるなどの規定を整備することとしております。

 第四に、衛星基幹放送の受信環境の整備に関する電波利用料の使途の特例について、平成三十二年三月末までとされている期限を令和四年三月末まで延長することとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、特定基地局開設料に関する制度の対象となる特定基地局の追加及び衛星基幹放送の受信環境の整備に関する電波利用料の使途の特例に係る期限の延長は公布の日から、電波有効利用促進センターの業務の追加は令和三年四月一日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。

大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る七日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.