第2号 令和6年12月12日(木曜日)
令和六年十二月十二日(木曜日)午後一時三十分開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 あかま二郎君 理事 塩崎 彰久君
理事 島尻安伊子君 理事 おおつき紅葉君
理事 山花 郁夫君 理事 吉川 元君
理事 守島 正君 理事 向山 好一君
石橋林太郎君 大西 洋平君
加藤 竜祥君 川崎ひでと君
小寺 裕雄君 小森 卓郎君
佐藤 勉君 高市 早苗君
田所 嘉徳君 中野 英幸君
福原 淳嗣君 古川 直季君
山口 俊一君 若山 慎司君
池田 真紀君 おおたけりえ君
岡本あき子君 奥野総一郎君
神谷 裕君 川原田英世君
杉村 慎治君 高松 智之君
武正 公一君 西川 厚志君
福田 昭夫君 道下 大樹君
黒田 征樹君 杉本 和巳君
福田 玄君 沼崎 満子君
山川 仁君 辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 村上誠一郎君
総務副大臣 冨樫 博之君
総務大臣政務官 川崎ひでと君
総務大臣政務官 古川 直季君
財務大臣政務官 東 国幹君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局内閣審議官) 砂山 裕君
政府参考人
(人事院事務総局人材局審議官) 堀内 斉君
政府参考人
(総務省大臣官房長) 出口 和宏君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 阿部 知明君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 小池 信之君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 大沢 博君
政府参考人
(総務省自治税務局長) 寺崎 秀俊君
政府参考人
(財務省主税局国際租税総括官) 細田 修一君
総務委員会専門員 阿部 哲也君
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委員の異動
十二月十日
辞任 補欠選任
中川 康洋君 角田 秀穂君
同日
辞任 補欠選任
角田 秀穂君 中川 康洋君
同月十二日
辞任 補欠選任
岡島 一正君 池田 真紀君
岡本あき子君 神谷 裕君
松尾 明弘君 川原田英世君
中川 康洋君 沼崎 満子君
同日
辞任 補欠選任
池田 真紀君 岡島 一正君
神谷 裕君 岡本あき子君
川原田英世君 松尾 明弘君
沼崎 満子君 中川 康洋君
同日
理事岡島一正君同日理事辞任につき、その補欠として山花郁夫君が理事に当選した。
―――――――――――――
十二月十一日
地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
――――◇―――――
○竹内委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事岡島一正君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に山花郁夫君を指名いたします。
――――◇―――――
○竹内委員長 内閣提出、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。村上総務大臣。
―――――――――――――
地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○村上国務大臣 十二月五日に本委員会において所信的挨拶を述べさせていただいたところですが、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その内容に鑑みて緊急性が高いことから、所信的挨拶に対する質疑に先立ち、御審議をお願いするものであります。
ついては、同法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今回の補正予算により令和六年度分の地方交付税の額が二兆七百四十八億円増加することとなります。
本年度において、このうち一兆千九百二十六億円を交付することとし、これに対応して、令和六年度に限り、経済対策の事業を円滑に実施するため臨時経済対策費を、地方公務員の給与改定に対応するため給与改定費を、臨時財政対策債の償還に要する経費の財源を措置するため臨時財政対策債償還基金費を設けることとしております。また、令和六年能登半島地震による災害に係る財政需要に対応するため、令和六年度分の特別交付税の総額を増額することとしております。
さらに、令和六年度に活用することとしていた地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金二千億円について、その活用を取りやめるほか、六千八百二十二億円を令和七年度分の地方交付税の総額に加算して、同年度に交付することができるようにしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願いします。
以上です。
○竹内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――
○竹内委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局内閣審議官砂山裕君、人事院事務総局人材局審議官堀内斉君、総務省大臣官房長出口和宏君、自治行政局長阿部知明君、自治行政局公務員部長小池信之君、自治財政局長大沢博君、自治税務局長寺崎秀俊君及び財務省主税局国際租税総括官細田修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○竹内委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。小森卓郎君。
○小森委員 ありがとうございます。石川県金沢の選出の小森卓郎でございます。
今日は、新内閣、新大臣になってから初めての総務委員会での質疑ということでございます。地方交付税法等の改正法案に関して、私の持ち時間、十分でございますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
早速質問に入ります。
今、大臣からも御説明がありましたけれども、大変テクニカルな法案ということでございます。ざっくりとした概要を言いますと、今回の補正予算に関連いたしまして、一般会計から地方交付税特別会計への繰入れを約二・一兆円増額するとともに、そのおおよその使い道を決める、そういう法案でございます。
まず、この二・一兆円の繰入れの増額に関して伺います。
これは、令和六年度の税収、そしてまた令和五年度決算における税収につきまして、所得税などが当時の見積りよりも上振れたことによって、法で定められている率に応じて一般会計からの繰り入れる額が増えたというものでございます。今回のように、補正予算の際に繰入額が大きく増加するというのは、令和三年度以来四年連続のことでございます。
財務省に伺いますけれども、そもそも令和六年度の当初予算において税収の見積りが低かったということではないのでしょうか。この見積りの精度を上げる取組につきまして、答弁をお願いします。
○細田政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年度補正後の税収は、見積り時点において入手可能な情報を活用し、その時点における経済状況や経済見通し等を踏まえ、当初予算の六十九・六兆円から三・八兆円程度増加する七十三・四兆円程度と見込んでおります。
この見積りにおきましては、直近の課税実績の把握に加え、民間調査機関などからの情報収集や上場企業などへの個別ヒアリングを通じた収納見通しの把握、また、法人ごとに得られているデータを用いた繰越欠損金の影響の把握などを行い、見積りを行っているところです。
税収につきましては、年度中の景気の動向や外部の経済要因に応じて見積りから上振れたり下振れたりするところがございますが、引き続き、こうした取組を進めて、見積り精度の向上に努めてまいりたいと考えております。
○小森委員 ありがとうございます。
一定程度保守的に税収を見積もるということ自身については私は理解をするものであるんですけれども、今回のように二兆円を超えて繰入れが増加するというのは、余り例のないことでもございます。
令和六年度の税収につきましては、予算が組まれた昨年末の時点から、見積りが低いのではないかといったような声が聞かれたところでもございます。
主税局、そしてまた政府は、EBPMということでデータに基づいた政策決定について努力をしていただいているわけでありますけれども、歳入の見積りにつきましても正確性を今後も上げてもらうということが、国会での精緻な議論にもつながるものでありますし、国の政策を改善していく上でも大事なことだと思いますので、是非とも今後もしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
お忙しい中来られていると思いますので、財務省は退席していただいても結構でございます。
次に、使い道について今度は伺います。
二・一兆円のうち一・二兆円は、今年度、国から自治体に配られる地方交付税の増額に充てられ、地方公務員の給与改定、そしてまた今般の経済対策に伴う地方負担分の財源に使われるほか、能登半島地震による災害の対応のための特別交付税も九百八十億円増額されます。そしてまた、今年度配られる一・二兆円のほかにも、来年度の交付税財源として七千億円を繰り越すということでございます。
今回の補正予算におきましては、この能登半島地震や豪雨への取組については、法案に直接関係する九百八十億円の特別交付税のほかにも、災害復旧事業そしてまた廃棄物処理などのために二千六百八十四億円が措置されているところでございまして、また、今後も予備費の使用などで必要な支出がなされていくところでございます。
今回の九百八十億円という特別交付税は、東日本大震災以来の最高の額というふうに聞いておりますけれども、手厚い対応に感謝を申し上げたいというふうに思います。
その上で、改めてということでもあるんですけれども、奥能登では、地震で大変深い被害を受けたその地域やその集落が同じ年に大水害に遭ってしまったという、例のない二重被災の状況でございます。総務省を始め、政府全体として、こうした例のない状況に応じた手厚い対応というのを今後も続けていただきたいというふうに思っております。
総務省による能登復興支援につきまして、地方自治に長年携わってこられた私の敬愛する古川政務官に、是非その思いをお聞かせ願いたいと思います。
○古川大臣政務官 まず初めに、今般の能登半島地震及び豪雨により犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
能登半島地震からの復旧復興に当たってこられた中で、豪雨災害が発生し、二重の被災に遭われた住民の方のことを思うと、本当に言葉が見つかりません。私自身も、本年三月に被災地を訪問し、実際に被災地の厳しい状況を目の当たりにいたしました。私は、長年地方議員を務めてまいりましたので、やはり住民の皆様、そして自治体に寄り添って支援していくことがとても大切なことであるのではないかと認識をしております。
総務省では、発災直後から、緊急消防応援隊の派遣、通信・放送インフラの復旧、応援職員の派遣、特別行政相談活動の実施、そして財政的な支援など、被災地の支援に取り組んでまいりました。石川県を始め、被災自治体において復旧復興対策に相当な財政負担が生じていることから、本年六月に石川県の復興基金に特別交付税措置を講じるとともに、今回の法案においても特別交付税の増額を盛り込んでおります。
今もなお、能登地方は復旧復興の途上にあります。能登の復興をしっかり前に進めることができるよう、被災地のニーズをよく伺いながら、関係自治体、事業者の皆様と連携して取り組んでまいります。
○小森委員 どうもありがとうございました。
これまでの累次の特別交付税、復興基金、そしてまた今後も寄り添っていただけるというような御答弁だったと思います。
あと二十日で震災発生から一年が経過するというところでございます。被災者の方たちも、折れた心を抱えながらも日々を過ごしておられるところでございます。国も、政府もちゃんと分かっているんだ、今後もしっかり支援していくんだというメッセージを是非ともまた出し続けていただきたいというふうに思っております。
残りの時間、若干、この法案よりも少しスコープの広い話になりますけれども、来年度以降の国そしてまた地方の歳出について述べたいと思っております。
所信表明演説にもありましたけれども、我が国は、賃上げと投資が牽引する成長型の経済を目指しているところでありまして、賃上げについても政府から民間に強く働きかけを行っているところであります。しかしながら、民間にお願いするだけではなく、政府による支出も、例えば公務員の賃上げをしっかりと行うこと、今回の交付税の法案に入っておりますけれども、そしてまた歳出の総額につきましても、物価高の社会に合わせて増加させていかなければならないという局面に移行しているところでございます。
過去四半世紀にわたりましてしみついた頭を切り替えていくということが大事なところでございます。民間の方のみならず、政府にも当然そうした切替えというのは求められるところだと思いますので、しっかりと切り替えていただいて、来年度予算、そしてまたそれ以降でも対応していただくということを御要望申し上げたいというふうに思います。
最後になりますけれども、補正予算、そしてまた関連法案を円滑に成立させて、被災地、そしてまた物価高対策などが届くのを待っている皆さんに速やかにお届けするということが現下の政治の責任であるというふうに考えているところでございます。同僚議員各位とともに、私もこの法案に賛成する立場であることを申し上げまして、私の短い質疑を終えたいというふうに思います。
御清聴どうもありがとうございました。
○竹内委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 立憲民主党の吉川元です。
早速、法案の内容を質問させていただきたいというふうに思います。
今年度の地方交付税の法定率分、二・一兆円の上振れということで、一・二兆円が今年度の交付税に増額加算、そして〇・七兆円が来年度の交付税財源として繰り越されるという中身であります。他方で、交付税法を見ますと、その六条の三の第一項では、普通交付税の超過額については、当該超過額は、当該年度の特別交付税の総額に加算するもの、このように規定をされております。
ところが、今年度の〇・七兆円を含めて、平成になって以降、今年度までの三十五年間の約半分に当たる十六回が、翌年度の交付税財源として超過額が繰り越されているという状況になっております。そして、その総額は実に十四・四兆円に達しております。
今回のようなこの繰越しというのはあくまで私は特例だというふうに思うんですけれども、この特例のはずの超過額の次年度繰越しが恒例のように繰り返される現状、この点についての大臣の認識をまず伺いたいと思います。
○村上国務大臣 吉川委員の御質問にお答えします。
おっしゃるとおりで、年度途中における地方交付税の増収分については、地方交付税法第六条三の第一項において、当該年度の特別交付税の総額に加算することと規定されております。
しかしながら、近年では、地方財政において、巨額の財源不足が継続する状況になっております。国の補正予算に伴い年度途中の地方交付税が増加する場合には、補正予算において追加的に発生する財政需要等への対応に必要な財源を確保した上で、翌年度の地方交付税の財源として活用するために繰り越すことを基本としており、そのために必要な法律改正を行ってきております。
地方財政が巨額の財源不足を抱える中で、国税の増収に伴う地方交付税の増額が生じた場合の対応については、財源不足の状況、国の経済対策、災害対応の必要性など、その時点における地方財政の状況を踏まえ、適切と考える措置を法律を改正することによって講じることが適当であると考えております。
○吉川(元)委員 毎年巨額の財源不足ということでありますが、これはもう当委員会で何度も私以外の委員からも質疑があったというふうに思いますけれども、本来であれば、これは交付税、六条の三、今、一項の話ですが、二項にある法定率の変更、これで取り組むのが本来の交付税法の趣旨に沿った対応であろうと。先ほど言いましたとおり、平成以降、約半分の年で翌年に繰越しをしているということを考えれば、これは、恒常的な財源不足であれば、本来、法律にのっとって法定率をきちんと引き上げていく、そういう対応をすべきだということだけ指摘をさせていただきます。
さて、物価高は依然として続いておりますし、家計も直撃をし、そして自治体の行政にも大きな影響を与えております。
公立小中学校の給食無償化が進む一方で、物価高で食材の調達が困難となり、給食費の値上げの検討を余儀なくされている自治体も存在している、こうしたことも新聞等では報じられております。
今年四月から十月までの消費者物価指数、総合、これを見ますと、平均で、前年同月比で二・六七%の上昇。そして、企業物価指数の動向も踏まえれば、今後も物価高が続くというふうに思われます。
今年度は、自治体施設の光熱費対策として四百億円、委託費の増加への対応として三百億円、計七百億円が物価高対策として措置をされておりましたが、これで物価高が自治体行政に影響を与える事象全てに対応できると私は到底思えません。
今回の経済対策の一つの柱として、重点支援地方交付金として一・六兆円が予算化され、このうち、〇・六兆円の推進事業メニューの事例として、医療、介護、保育施設や学校施設での物価高に対応できる、このようにされているわけでありますが、経済対策の推進事業で物価高に十分対応可能なのかどうか、そして、なぜこの二・一兆円上振れをした交付税で物価高に対応する予算措置をしなかったのか、この点について伺います。
○村上国務大臣 御高承のように、近年の物価高は自治体を含め事業活動に大きな影響を与えており、引き続きその対策に万全を期す必要があるものと我々は認識しております。
令和六年度の地方財政計画においては、自治体の委託料の増加や施設の光熱費の高騰を踏まえ、一般行政経費に七百億円を計上し、普通交付税措置としたところであります。
その上で、今般の補正予算案では、内閣府の所管となりますが、自治体が地域の実情に合わせて行う物価高騰対策の取組を支援するために、重点支援地方交付金〇・六兆円を増額することにしております。
地方交付税に関しても、自治体が物価高対策を含む経済対策の事業を円滑に実施できるよう、令和六年度の地方交付税、〇・三兆円を増額することとしております。
また、学校等の自治体の施設の暖房費増加分や消防・救急車両等の燃料油代の増額など、自治体が独自に実施する原油価格高騰対策に対して特別交付税措置を講じることとしております。
今後とも、物価高騰により自治体の財政運営に支障が生じないように、関係省庁と連携して一生懸命頑張っていきたいと思います。
以上であります。
○吉川(元)委員 今日はちょっと時間がないので質問いたしませんが、来年度の地方交付税の概算要求で、総務省は、一般財源総額が今年度の地財計画の水準を下回らないよう、実質同水準ルールを確保する考えに立っております。これは駄目だとは言わないんですけれども、その際に、今の物価高も含めてきちんと対応できるような、同水準という、その中身ですね、具体的な、これをきちんと考えていただいた上で一般財源総額の確保に当たっていただきたいということを指摘をしておきます。
それでは、続きまして、先般、副大臣の方から各自治体の方に技術的助言ということで通知がなされております。国の人勧の取扱いについての閣議決定の後、毎年これは出されているわけですけれども、その内容について伺います。かねてから、本委員会や予算委員会の分科会でも、副大臣通知については質問を重ねてまいりました。
最初に、今年度の通知の解釈についてお尋ねをいたします。
今回の通知、地方公務員の給与改定の時期について、通知では、国における給与法の改正の措置を待って行うことを基本としつつ、地域の実情を踏まえ適切に判断すること、こういうふうにされているわけです。
例年でありますと少しこの表現が違っていまして、例年は、国における給与法の改正の措置を待って行うべきというような書き方だったわけですけれども、今回変わっているということであります。
その違いということでありますけれども、これは改正給与法の成立を待たずして、地方が、例えば、今、各自治体、十二月議会が開かれているところでありますけれども、給与改定分の予算措置を含めて条例化をすることを妨げるものではない、そういうふうな解釈をしてよいのかどうか尋ねます。
○冨樫副大臣 地方公共団体における職員の給与改定の実施は、地方公務員法に定める均衡の原則にのっとって行うものです。
その時期については、国における給与法の改正の措置を待って行うことを基本として、国における給与法の改正の動向を踏まえつつ、地方公共団体において地域の実情を踏まえ適切に判断していくものと考えております。
○吉川(元)委員 まあ、なかなか、そういう答弁になるということでありますけれども、私の理解では、つまり、この副大臣通知をもって各自治体は一斉に給与条例の改正を行ってもよい、そういう理解を私はしていますけれども、私の誤解ではないということを、じゃ、今、うなずいておられますので、確認させていただきます。
次に、もう一点確認なんですけれども、地方公務員の給与改定の時期について、従来の副大臣通知に盛られている、国の給与法の改正の措置を待って、こうやってわざわざ記述する理由、これはどういうことなのか、是非教えてください。
○小池政府参考人 地方公務員の給与は、地方公務員法第二十四条第二項に定める均衡の原則にのっとり決定されるべきものであり、国家公務員給与も考慮事項の一つとされております。
国家公務員の給与改定は、国会における審議を経て、法改正により、その取扱いが定まるものであり、総務省としては、これまで、地方公共団体における給与改定の実施について、地方公務員法の趣旨に沿うよう、国における給与法の改正の措置を待って行うことを助言してきたところでございます。
○吉川(元)委員 均衡の原則ということでありますけれども、その均衡の原則に関して言えば、当然、各自治体、県やあるいは政令市等は人事委員会を持っておりますし、当然、国の動向も見ながら、そういう中での勧告もなされているというふうに私は理解をしております。
国の給与法が成立をしなければできないという理由というのは、私はないだろうというふうに思いますし、そもそも国の改正と大きくかけ離れるような改正というのは、私はいまだ聞いたことがございません。逆に、国と自治体というのは対等、協力の関係にあって、上下関係ではない、主従関係ではない、これは当委員会でも、さきの通常国会の自治法の改正の際にも何度もただしてまいりましたけれども、そうした関係から考えると、何かまるで元請と下請みたいな関係で国を待てというのは、私はちょっと、いささか行き過ぎたことだろうというふうに思います。
実際の問題として、これは今回もそうなんですけれども、国の給与法の成立というのは、これは国会の、臨時国会がいつ開かれるのか、過去においては臨時国会が開かれなかったときもございました。それに一々各自治体が左右をされる、もう本当に右往左往させられる、そういう状況が続いておりますし、実際、議会による条例化という過程を経なければいけない地方にとっては大変大きな負担になっております。給与法改正が、今言ったとおり、いつになるのか分からない、その時期が遅れる、そもそも年内に決着できるのか、そういうような分からない状況に地域が振り回される、これはやはり私は大きな問題だというふうに思います。
今回の副大臣通知、地域の実情を踏まえてというこの表現ですけれども、改定の段取りを進めることについては、先ほど私が理解した上では了としているということでありますけれども、百点満点とはいきませんが、来年以降も当然、人事院勧告、そして地方の人事委員会の勧告、それに合わせて給与法あるいは給与条例の改正が行われるわけですけれども、次年度以降も今年の整理と同じような整理がされていくという理解でよろしいでしょうか。
○冨樫副大臣 来年度以降の総務副大臣通知の記載については、最終的にはそのときの状況によって判断することになりますが、現時点においては今年と同様の記載とすることを考えています。
○吉川(元)委員 是非お願いをしたいというふうに思います。
といいますのも、実は、二〇二一年度の給与改定、これは、月例給は据え置いて、期末手当の支給月数の引下げのマイナス勧告があったわけですけれども、三年前ですから皆さんも記憶にあると思いますが、総選挙の関係で、今回と同じです、国家公務員の給与法の扱いが越年をする、越年どころか年度を越える、そういう給与法の改正が行われました。
その際の副大臣通知というのは、国における給与法の改正の措置を待ってという文言がなく、今回と同じですね、地域の実情を踏まえつつ、国家公務員の取扱いを基本として対応することと。私は、このときは、これはいい、いいというか、ましな通知だと思っていたんですけれども、それ以降、また元どおりに戻ってしまった。
やはり、今回は来年以降も今年のことを基本とするということでありますので、是非そうした対応をお願いをしたいというふうに思います。
先ほど、地方公務員の給与改定が国家公務員給与法改正の国会審議の日程に振り回されてきたと指摘をいたしました。人事院勧告というのは、コロナのときの二〇二〇年を除いて、おおよそ八月の上旬、十日前後に出されてまいります。ところが、この人事院勧告の取扱方針、この閣議決定というのは、国家公務員の給与法改正案の閣議決定に近い時期まで引っ張られて、相当の期間、放置をされる、たなざらしにされているというのが今の現状であります。
取扱方針の閣議決定を人勧が出されてから遠くない時期に行い、その際に今回のような副大臣通知を出せば、地方は国家公務員の改正案の審議日程に振り回されることなく条例の改正ができる、そういうふうになるのではないかというふうに考えます。
そもそも、この取扱いの閣議決定の時期が余りにも遅過ぎる。人勧制度というのは、もう皆さん御存じのとおりで、労働基本権制約下における代償措置でありますし、これを速やかに勧告どおり実施するのは政府の責務だと私は考えておりますが、この閣議決定の時期について、今後どういうふうに考えていくのかという点について質問いたします。
○砂山政府参考人 お答えいたします。
本年に限って言いますと、令和六年の人事院勧告は約三十年ぶりの大幅な引上げ率、二・七六%でございまして、これに伴う給与改定所要額が三千億円超を見込まれました。そこで、補正予算の動きを見極める必要があった、こういう諸般の事情がございまして、取扱方針の決定が十一月になったものでございます。
政府といたしましては、今般、地方公共団体の声にも配慮いたしまして、改正給与法案から切り離して、前倒しで取扱方針を閣議決定するなどの措置を講じたところではございますけれども、今後とも、人事院勧告を尊重するとの基本姿勢に立ちまして、速やかな対応に尽力をしてまいります。
○吉川(元)委員 今の答弁というのは、先ほど申し上げましたとおり、人勧制度、これは代償措置であって、そのとおり上げるか上げないかなんということは考えることはおかしいというふうに私は思うんですよ。
人勧というのは、あくまで、先ほど言ったとおり、労使で、労使自治に基づいて給与を決定する、これは民間の世界ですけれども、公務員の場合は、労働基本権が制約をされている、その代償措置としてあるからそれが許されるのであって、予算措置を待たないとできるできないなんというのは、それは政府の事情にすぎない。
きちんと、出たときに取扱いの閣議決定を行うというのは、これはやはり責任があるというふうに私は思いますし、今ほど、今回はかなり、三%程度の賃上げが見込まれるという中で、財源が云々というお話をされましたけれども、別段、それは今回だけじゃないんですよね、遅いのは。いつも遅いんですよ。いつも、八月に出ているのに、臨時国会に合わせて、十月の終わりとか、十一月だとかに閣議決定をする。
ですから、先ほど言われました、財源の手当てができないと云々かんかんというのは、あくまで言い訳にすぎないというふうに私は思いますし、そういう点から考えれば、きちんと、人勧が出れば一月待たずに取扱いを決める。これは実際に、コロナのときには人勧が十月の終わりに出て、その後、一月たたないうちに取扱いをもう決めているわけです。だから、できないわけはないわけで、その点、しっかりやっていただきたいと思いますし、それから、副大臣、取扱いの閣議決定が行われたら、直ちに通知が出されるという理解でよろしいですね。
○冨樫副大臣 先ほども申し上げましたけれども、国における給与法の改正の動向を踏まえつつ、地域の実情を踏まえ、適切に判断するということで、今年は特に、選挙もありましたし、時間的なかなりタイトな中での、今回、この臨時国会、そして今日のこの改正につながっていると思います。
そういうことも踏まえながら、地域の実情を踏まえて、しっかりと対応していきます。
○吉川(元)委員 時間が来ましたので、終わります。
○竹内委員長 次に、おおつき紅葉君。
○おおつき委員 立憲民主党のおおつき紅葉です。
村上大臣、就任されて初めての質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。
そして、大臣がこれまで、地方自治の尊重と地方分権の推進に強い思いを持たれている大臣だと思われますので、今日は是非、御自身の強い思いを御答弁で示していただきたいと思っております。
その中で、大臣のホームページを見ていてちょっと私、気になったことがありまして、ちょうど十二月二日からこれまでの健康保険証の新規発行が廃止されましたので、マイナ保険証について、まず冒頭、ちょっと一つお伺いしたいと思います。
大臣も、大臣になる前は、当面は現行の保険証と同時に進めるべきとの考えを示しておられましたが、十月十日の、例えば時事通信のインタビューの中では、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行すると述べておられまして、政府方針を踏襲する考えを示しております。考えは、どうして変わられたんでしょうか。
○村上国務大臣 多分、おおつき委員のおっしゃるのは、去年のテレビ放送でしたよね。私としては、まだそのときは一議員として自分の感想を述べたんですが、御高承のように、一応、政府の一員になりますと、自分の言いたいことの百分の一も言えないというのが現状でありまして。
それで、結論を言いますと、今月二日より、医療DXを進めるためにマイナ保険証を基本とする仕組みが開始されたというのは承知しております。
マイナ保険証は総務省の直接の所管ではありませんけれども、その取得は任意であり、取得しない方々に対しては、当分の間、申請によらず資格確認書が交付され、これまでどおりの保険診療の受診が可能であると承知しております。
そういうことでございますので、その上、健康保険証の新規発行が停止されることに伴う国民の不安に丁寧に対応することは大切であり、国民の皆様方の理解を得ていくための制度の周知等を図ることは重要であると考えています。
基本的には考えは変わっておりません。
○おおつき委員 言っていることが変わっていないとは思わないんですけれども。百分の一も話せなくなるとはいえ、ホームページを二回ぐらいスクロールしたらその動画が出てくるぐらい、大臣の思いというのはやはりあると思うんですよ。そういうのはやはり、地元の有権者の方から託された思いというのがあると思いますので、今回、選挙を経て。それなのに考えが変わってしまうというのは、がっかりさせてしまうんじゃないかなと思います。うちの地元の中でも、やはり大臣に期待する声というのはあるわけですよ。
ちょっと、その動画の中の一言だけ、私に先に紹介させてください。これは大臣の言葉です。
私であれば、今の保険証、これは去年の段階ですよ、今の保険証とマイナンバーカードの保険証をしばらく並行してやっておいて、ある程度、大部分の人が認知してやったときにはきちんとやればよかった、見通しが立たないまま突っ込んでしまった、このようにおっしゃっているんですね。私も同じ思いです。
大臣、例えば、今大臣になって、これから自分なら何ができるというのを考えているんですか。
○村上国務大臣 テレビではいいことを言っていますね、本当に。正直言って、気持ちは全く同じなんです。あのとき、多分、河野さんが担当大臣だったと思うんですよね。私が見ていて、もうちょっと丁寧に、やはり、激変緩和措置をやりながら、ゆっくりやった方がいいんじゃないかと申し上げたわけですよね。ただ、やはり、内閣の一員になってみると、内閣の方針としてはこういう方針でいってということになっていますので。
正直言って、その気持ちというか方向は変わっていません。だから、それは、残念ながら、今、私の所轄じゃないので、そこがどこまで言えるか分かりませんが、そういう方向でいってみたいというふうには考えております。
○おおつき委員 そのテレビ番組では自治体の負担についても触れられているので、期待は大きいと思います。是非、大臣、閣僚なので、閣議の中で一言申し上げていただきたいと思います。総理も同じ思いですから、是非、総理と大臣で、私は声を上げれば変わらないことはないと思うので、是非、最後にもう一度、一言お願いします。
○村上国務大臣 私も石破さんと一緒にやっていて思うんですけれども、石破さんは非常に愚直で正直なんですよ。だから、やはり、総裁選でぼんと言っちゃって、それで、後、いろいろ選挙の後言われていますけれども、私はちょっと心臓が小さいのでそこまではいかないけれども、今おっしゃるように、そういう方向について一緒に努力していきたい、そういうふうに考えています。
○おおつき委員 是非、努力だけではなく、実行していただきたいと思います。そして、心臓が小さいとおっしゃいますが、でしたら私たちに政権を譲っていただきたいと思っております。
では、早速、地方交付税の関係の法案に移らせていただきたいと思います。
今回の補正予算による交付税の増加額の取扱いについてです。
先ほど我が党の筆頭も申し上げましたが、今回の補正予算は、地方交付税が二・一兆円増額いたします。この中でですが、先ほど物価高にも触れられておりましたけれども、私は北海道が選挙区で、やはり雪国はここからすごく大変なんですよね。東政務官もそう思われますよね、北海道だと。これから雪国は本当に大変だと思うんですよ、物価高の影響を受けて。だからこそ、今回、これがこうした地方の財政需要に十分対応できているのかどうか、地方の納得が得られるのかどうか、これが心配なんです。
だからこそ、この交付税の二・一兆円の取扱いを決定するに当たって、地方の意向をどのように把握して、それをどう反映したんでしょうか。お答えください、大臣。
○村上国務大臣 今おっしゃるとおりでして、やはり、地方交付税の増額分の取扱いを決めるに当たっては、地方の意向を可能な限り反映することは重要であるというふうに考えております。
今回の補正予算の編成に当たっては、地方側より、経済対策の着実な実施のため、地方交付税など必要な財源を確保すること、また、地方公務員の給与改定のため、地方財政措置を確実に講じること、三番目は、臨時財政対策債の縮減、抑制に努めることなどの要望をいただいておりました。
こうした要望も踏まえて、令和六年度補正予算においては、地方交付税について、自治体が今般の経済対策の事業等を円滑に実施するための必要な財源、地方公務員の給与改定に必要な財源、地方から強い要望のある臨時財政対策債の縮減のための財源など、合わせて一・二兆円を交付する等の措置を講じることにしたところであります。
なお、地方の皆さんからは、今回の補正予算において地方交付税の増額を盛り込んだことについて、一定の評価をいただいていると思います。
○おおつき委員 まさに昨今の物価高、生活コストの増加だけじゃなく、日本の食を支えている一次産業の皆さんにも大きな打撃を与えておりますし、地方から都市への若い方々の人口の流出、そして頻発する自然災害への対応、そして防災インフラの整備、教育、子育て、介護、福祉、あとは未来を見据えた町づくりに関しても、やはり十分な対応ができないという声が今でも上がっておりますので、是非しっかりと地域の実情を反映させた算定になるように、改めて徹底していただきたいと思っております。
次の質問に、ちょっと飛ばして、先に東政務官に伺いたいと思います。経済対策と交付税増加額との関係について伺います。
例年、財務省は、補正予算の概算決定が行われますと、一般会計の補正予算のフレームという資料を公表いたします。こういったフレームなんですけれども。この中では、通常、補正予算による交付税の増加額のうち、地方法人税を除く一般会計分は、地方交付税交付金として歳出に記載されるんですけれども、これが、この三年間のをちょっと私、見てみたんですけれども、非常に分かりにくくて、そして迷走しているように感じるんですよ。
例えば、令和四年度の第二次補正予算のとき、これは、地方交付税交付金という枠がなくて、全てが経済対策関係経費として整理をされていました。その翌年は、そこに含まれているわけじゃなくて、地方交付税交付金という項目があって、また今回も、地方交付税交付金というフレームはあるんですよ。
毎年、何で書かれたり書かれていなかったりするのかなと思って、何でこういう違いが出るんでしょうか。東政務官、お答えください。
○東大臣政務官 おおつき委員の御質問にお答えをさせていただきます。
令和六年度の一般会計補正予算フレームにおいては、御承知のとおり、地方交付税の増額分一・八兆円のうち、国の補正予算における歳出の追加に伴う地方負担分、そして地方公務員の給与改定のために必要となる経費等を措置するために、〇・八兆円について経済対策関係費に計上しておりますけれども、これは、今回の経済対策において、新たな地方創生施策を始め、本経済対策の事業等を円滑に実施できるように令和六年度の地方交付税を増額すること、そして、公務員の給与については、人事院勧告を踏まえ適切に対応することといった内容が盛り込まれており、こうした施策に関連する経費は、経済対策に沿った地方公共団体の取組を国として後押しするために増額をされるものでありまして、そういったことを踏まえて、経済対策関係経費として計上をさせていただいたものであります。
このように、補正予算フレームにおける交付税増額分の取扱いについては、その時々の経済対策の内容を踏まえて対応しているところでございます。
以上でございます。
○おおつき委員 地方の取組を後押しするというのはとてもいい観点だと思うんですけれども、やはり毎年度異なる書きぶりがあるというのは分かりにくいと思います。できる限り統一した取扱いをしていただきたいということを要望させていただきます。
東政務官は退席していただいて結構でございます。
次に、今回の補正予算のフレームで経済対策関係経費として整理されている地方交付税交付金の範囲の妥当性について総務省に伺いたいんですけれども、今回のこの内訳、七千九百二十六億円の内訳のうち、調整戻し分、給与改定分、そして能登半島地震対応分は、今回の経済対策の中身に関係なく、交付税の増額交付によって措置すべきと考えるんですけれども、総務省はいかがでしょうか。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
今回の経済対策の関係経費として計上されました地方交付税、委員御指摘の七千九百二十六億円の内訳は、国の補正予算における歳出の追加に伴う地方負担分が二千七百六十四億円、地方公務員の給与改定を実施する場合に必要となる経費が三千八百六十三億円、能登半島地震における災害復旧等に対応するための経費が九百八十億円、それと、普通交付税の調整復活分が三百十九億円という内訳になります。
これらの地方交付税の増額につきましては、それぞれ、その必要性を踏まえて行っているものでございますけれども、今回の経済対策におきましては、給与改定あるいは災害対策等がこの経済対策の中に含まれているという取扱いになっておりまして、補正予算フレームにおいても、これらの地方交付税の増額分が経済対策関係費として計上されたというふうに承知をしているところであります。
○おおつき委員 何でもかんでもこの経済対策関係経費として整理するというのは、やはりちょっとおかしいんじゃないかなと思いますので、補正予算のフレームは、規模を膨らませるために地方交付税が利用されているとしか思えません。分かりやすく、そして丁寧にこれからも説明していただくようにお願いしたいと思います。
続きまして、ちょっと順序は変わりますが、給与改定費の創設について伺います。
今回の人事院勧告では、国家公務員の月例給が平均二・七六%、一万一千百八十三円の大幅な引上げとなります。これは約三十年ぶりとなる高水準のベースアップだそうです。
そこで伺いますが、今回の地方公務員の給与改定に係る一般財源の所要額が幾らなのか、そのうち会計年度任用職員の分が幾らなのか、教えてください。
○大沢政府参考人 本年の地方公務員の給与改定に係ります一般財源所要額については、約七千億円程度と見込んでおります。
このうち、会計年度任用職員の給与改定所要額については、一千億円程度と見込んでいるところでございます。
○おおつき委員 さて、年度途中で生じた財政需要は、各年度の地方財政計画に計上されている追加財政需要額で措置することとなります。しかし、今年度の追加財政需要額は四千二百億円で、給与改定に必要な額に全く足りていないと思うんですけれども。
昨年度分は、臨時経済対策費で経済対策関連分と併せて地方公務員の給与改定分を算定していましたが、今回、臨時経済対策費や関係する既存費目の単位費用の改定ではなく、今年度に限って給与改定費を創設して算定することとした理由を伺わせてください。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
地方公務員の給与改定に必要となる経費を算定するために、今回、基準財政需要額に臨時費目として給与改定費を創設することとしております。
これは、算定の簡素化とか地方団体における算定事務の負担軽減という観点にも留意をしながら、昨年度と比較をいたしまして、給与改定所要額のうち普通交付税の増額により対応する規模が相当に大きい、昨年は百億円程度でございましたが、今年度は約四千億円ということでかなり大きくなっていること、それから、地方団体に対しましても、給与改定経費を措置しているということをより分かりやすい形で示すことが重要と考えたことから、普通交付税の臨時費目として給与改定費という一つの費目を創設をすることとしたということでございます。
○おおつき委員 この給与改定費については、ちょっと質問はしないんですけれども、時間がないので。単独の費目による算定で、様々な職員を抱える各自治体の給与改定に係る財政需要を正確に捕捉できるのかどうかという心配の声も出てくるので、是非、この算定については今後も注視していきたいと思っております。
最後に、特別交付税増額に係る災害への対応について質問させていただきます。
先ほど小森委員からも質問がありましたが、今回、特別交付税の総額に九百八十億円を加算して能登半島の地震の災害に充てることになっているんですけれども、今回、令和六年能登半島地震による災害に限定されておりまして、普通、こういうときは、令和六年能登半島地震等、などに係る災害。等、などが今回入っていないことによって、今回の九月の豪雨災害やその他の地域の災害は対象にならないんじゃないかという心配があるんですけれども、御答弁お願いいたします。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
今回の法案におきまして、令和六年能登半島地震による災害に係る財政需要に対応するため、特別交付税を九百八十億円増額するということとしております。
この増額の意味でございますけれども、能登半島地震以外の災害に係る財政需要は今年度、例年並みである一方で、能登半島地震に関連する財政需要がかなり多額に上っていることを鑑みまして、平年に比べて災害関連経費の算定見込額が多額となることが見込まれる分として九百八十億円を増額をしている。これはすなわち能登半島地震分ということになりますが、その分として必要な特別交付税の総額を増額をしたという趣旨であります。
したがいまして、特別交付税の総額全体としては、能登半島地震はもとより、九月の奥能登豪雨であるとか、七月の山形等での大雨など、他の災害に係る財政需要についても適切に対応していけるというふうに考えております。
○おおつき委員 つまり、今回は地震だけということで、九月以降の豪雨の災害などは対象になっていないということですよね。ということは、ふだんの、通常の特別交付税で対応されるということですか。
○大沢政府参考人 特別交付税については、能登半島地震とそれ以外を分けて対応するということではなくて、全体として総額を今回、九百八十億円増額をした。その増額をする根拠が、能登半島地震の災害対応分九百八十億円であるということでございまして、特別交付税を色を分けるということではなくて、九百八十億円増額した特別交付税総額全体の中で、能登半島地震も、あるいはそのほかの災害分もきちんと対応させていただく、こういう趣旨でございます。
○おおつき委員 時間が来たので終わりますが、しっかりと対応していただきたいと思います。
終わります。
○竹内委員長 次に、守島正君。
○守島委員 日本維新の会、守島です。
私、総務委員会には二年ぶりに戻ってまいりまして、二回目の理事、そして委員は三回目になりまして、過去においても、こうした補正予算で増額された交付税の措置に関しては質問していますし、その都度、配分に対する考え方を確認するとともに、交付税増加額の取扱いのルールを定めることであったり、繰越しするよりも、やはり当年度で臨財債の償還財源に充てるべきだというような要望をるるしてきた経緯があります。
そうした従来の考え方というのは変わっていないんですけれども、私が総務委員になるたびに大臣が替わっていて、こうした質疑で積み上げられた議論とか各委員の思いがどれほど伝わっているのかなというのがちょっと疑問なんですね。
私が初当選して国会に入り、総務委員会になったのが三年前で、第二次岸田内閣なんですけれども、今、村上大臣で、そこからもう六人目なんですよ。この間、大臣は五回替わっているということになるんですが、第二次岸田政権から総務大臣の平均在職日数というのはどうなっているんでしょうか。教えてください。
○出口政府参考人 お答えいたします。
お尋ねがございました第二次岸田内閣以降の総務大臣の平均在職日数でございますが、現村上大臣の本日までの在職日数も含めて平均を取りますと、百八十九日となっております。
○守島委員 そうなんです。二百日にも満たない在職日数ということで、本当にころころころころ替わっているというのが現状で、大臣人事は総理の専権事項というのは理解していますし、この間、政治と金の問題があったので、村上大臣が悪いわけではないですけれども、いろいろそうした特別の事情があったのは把握していますが、さすがに替わり過ぎというか、質疑者としても、本当にこれまでの議論が伝わっているのかということは不安ですし、職員におかれても、大臣との人間関係であったり、レクというのをちゃんとまたしていかないといけない。それも大変ですし、やはり何といっても、行政の一貫性が損なわれないかということを危惧しています。
実際に、私、地方議会で初めてオンライン委員会というのを実現した経緯があって、国会でもオンライン委員会の導入に強い思いを持って質問していたんですが、大臣によっても全然考え方が異なりますし、例えばインターネット投票なんかも、何か在外ネット投票も、やると言っていたのに、どんどんどんどん、大臣が替わるたびに温度感が低くなっているような気がしていまして、本当に過去の議論というのは踏襲されているのかなと、本当に疑問を持っています。
そうした中、やはり、政策を実現しようと思うと、しっかり目標を立ててロードマップというのを作って、腰を据えた改革というのが必要だと思っているんですけれども、大臣は、これまでの議論をどのように踏襲して、その上で、どのような目標を掲げて、任期中に何をなされようとしているのか。さっき、おおつき委員からもありましたけれども、大臣ならではの具体的にやりたいことというのがあれば教えてほしいと思います。
○村上国務大臣 守島委員の御質問に率直に答えたいと思います。
まず、私がこの大臣を拝命してから二か月ちょっとですけれども、何せ守備範囲が物すごい広いんですね、自治省、郵政省、総理府統計局、総務庁と。実は私、浅学非才なもので、一日四、五時間の睡眠でやっているんですが、まだまだ把握し切れないんですね。
私は、最初から言うと、大蔵政務次官、大蔵委員長、初代財務副大臣と、財政、金融、経済を中心にやってきたんですが、あちらの方はある程度基礎があれば類推が利くんですけれども、ここは全て各論なんですね。だから、それを一つ一つ、具体的にどう対応するかを学んでいかなきゃいけない。まず、そういう問題の難しさがあると思うんですね。
それからもう一点、私もこの四十年近く、財政再建と、金融緩和の出口戦略と、税と社会保障の一体改革をずっと叫び続けているんですが、トップがその気にならないと、なかなかならないんです。それが二番目の難しさです。
それから三番目は、先ほど委員がおっしゃられた任期ですね。もし私に四、五年やれと言われたら、やりますよ。ただ、やはりこのように政治が不安定になって、任命権が総理ですから、私があとどれだけやれるか分かりませんけれども、とにかく、今自分が与えられたことを一生懸命やりたいと思います。
そういう中で、総務省は国民生活の基盤となる重要な制度を幅広く所管しておりまして、国民の皆さんが安全で安心な生活を送るためにも、行政の継続性を確保することは重要であると認識しています。
それプラス、私がこの役所に来て思ったのは、この総務省というのは日本の最後のとりでじゃないかと思うんですね。もっと言えばゴールキーパーじゃないかと。この国が混乱したときに、最後とどまるようにできるのはこの総務省じゃないか、そういうふうに考えております。
そういう面において、政策の立案、実施に当たっては、総務委員会でのこれまでの御議論を適宜確認しつつ、行政の継続性が保たれるよう取り組んでまいります。
また、達成したい施策についての御質問でありますが、現在、我が国の人口が減少に転じる中、経済、財政などの様々な分野で難問が山積しております待ったなしの状況です。特に今私が一番危機感がありますのは、どんどん人口が減っていく、しかし借金は雪だるま式に増えていく、だけれども、それを、本当にこの国をどうしようかという、残念ながらなかなか指針が見出せない。昨日も予算委員会でいろいろな質問を聞いていましたけれども、例えば、消費税をゼロにとか、全く考えられていない。
そういうことで、国民や地方を守り、未来をつくるといった内閣の基本方針の下に、様々な施策を強力に推進する必要があると考えています。
具体的には、先日の所信において申し上げたように、能登半島地震の教訓を踏まえた国民、住民の安全、安心の確保、地方行財政の基盤の確立と地域経済、社会の活性化、信頼できる情報通信環境の整備、国際競争力の強化と国際連携の深化、国の土台となる社会基盤の確保といった一つ一つの重要課題について、総務省として着実に取り組めるように、一生懸命リーダーシップを発揮して、取り組んでいきたいと思います。
○守島委員 大臣、率直な意見、本当にありがとうございます。財政に対する考え方とか、人口が少なくなっていくことに対する危機感は共有しております。
総務省はおっしゃるように所管が多くて、どうしてもマクロ的な話とか総花的な話になってしまうというのは理解しているので、だからこそ、個別、各個、これはやりたい、やってくれるというのを腰を据えてやってほしいなというふうに思っていて、特に在外ネット投票なんか、何でこんなに温度感が下がって、こんなに遅くなっているんだと思ったりするので、そういう何か一つ、さっきのマイナンバーもそうですけれども、これをやろうというのをやはり決めてやってほしいなということを、ちょっと、是非腰を据えてやってほしいという思いで質問させていただきました。
それでは、地方交付税に関連するところで、昨日、自公国民で合意文書が交わされた百三万円の壁の解消に関する質問をしたいと思います。
国民民主党さんは、百三万円の壁を最賃の上昇率見合いで百七十八万円にすることを求めていて、そのハードルを変える予定はないとのことなので、その前提として、基礎控除と給与所得控除の額の合計が、単純に現状から最賃引上げ分に応じて百七十八万円になった際の地方財政への影響を教えてください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
仮に基礎控除の額を、国、地方においてそれぞれ七十五万円ずつ引き上げた場合につきまして、一定の仮定を置いて機械的に試算いたしますと、まず個人住民税の減収額は四兆円程度、所得税の減収額は四兆円弱程度と試算しております。
また、所得税収の三三・一%相当額は交付税原資であるため、減税により所得税が減収となれば、交付税原資も減少する影響が生じるということになります。
○守島委員 住民税減四兆円とか、所得税の法定率分も一兆円程度下がるという話なんですが、算定方式はいろいろ意見があるというふうに思っていますが、地方財政へのマイナス影響があるというのは事実だと思います。
とはいえ、地方交付税制度においては、基準財政需要額に基準財政収入が足りていない分は、交付税とか臨財債によって財政措置がなされることになっています。なので、地方で必要な需要額については、地方の独自財源で足りない分を補填するという概念自体は変わらないので、地方財政計画において一般財源総額が確保されるのであれば、交付税財源が足りない分は臨財債が発行されることになると思います。
これは、簡潔に言うと、年収の壁が引き上がったとしても、マクロの財源が担保されるなら、結果として交付税額と臨財債の割合が変わって、臨財債の比重が大きくなるだけという理解でよろしいでしょうか。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
具体的な百三万円の壁に関する減税の取扱いについては、今後、各党の間で更に議論を深めていただくということになると思いますが、その上で、一般論、また仮定の議論として申し上げますと、仮に、減税が行われた場合に、減税以外の歳入歳出が前年度から変動せず、また、財源補填ルールが前年度と変わらないというふうに仮定した場合には、臨時財政対策債が増加する関係にあると考えております。
○守島委員 いろいろそういう考えがあるんですが、今のルールの中でいくと、かつ、一般財源総額が確保されるのであれば、結局は臨財債の割合が増えるだけですし、かつ、臨財債の元利償還金の相当額は後年度の基準財政需要額に算入されるというのが交付税の制度なので、あくまでマクロの財源が担保されるのであれば、百三万円の壁を引き上げても、それが直ちに地方の行財政運営に影響を及ぼすものではないというふうに考えています。
とはいえ、このマクロ財源を担保できるかが問題で、臨財債という地方債が積み上がることで、国においてもその元利償還に必要なお金というのが増えてくるので、そうした地方の一般財源の総額が確保されるかというのが不透明ということもあって、地方が、臨財債の発行を抑制的に、声を上げるというのは当然のことと理解しています。
とはいえ、これは結局、地方の財源不足に対して、当座の間、地方債として起債する割合がかなり高まったとしても、問題は、それを国が、元利償還金含めて、将来的にちゃんと補填し続けるか否かの問題だと思っているんですね。
つまり、百三万円の壁の落としどころが今後どのようになるか分からないんですけれども、控除額が上がった分、地方の税収減が起こったとしても、地方からすると、基準財政需要額分の財源を確保してもらえればいいわけで、交付税の法定率を上げて臨財債の発行を抑えれば、地方的には不安も問題もなくなるわけなんです。要は、法定率の引上げなどにより臨財債の発行を抑制すれば、百三万円の壁の問題というのは国の財源問題ということに収れんできると思うんですね。
地方公共団体はそれぞれ考えもあったり懐事情もあったりするので、そこを踏まえると、折り合いをつけていくのはめちゃくちゃ難しいと思うんです。だから、壁の議論は国の財政問題としてフォーカスした方が、落としどころ、国家財政でどこまでいけるかという落としどころが分かりやすくなりますし、結論も得やすいと思うんですね。
この際、年収の壁議論が旺盛なタイミングであり、政府も前向きに検討している今だからこそ、地方の財政問題としないためにも、落としどころも含めて、国の財政問題に収れんするよう、今こそ大臣が、法定率引上げなど、臨財債に頼らない地方財政制度の構築を進めていくべきではないでしょうか。
○村上国務大臣 正直言って、私からすると非常に難しい問題だと思うんですね。
だけれども、まず、百三万円の壁について、地方の首長さんから、個人住民税の税収減など、地方財源や行政サービスへの影響を懸念する声が上がっているというのは当然のことだと思うんですよね。だから、先ほど言ったように、簡単に言えば、地方が四兆円減って、トリガーで五千億で、四兆五千億穴が空くわけですよね。これを補填するというのは、かなり大変なことなんですよね。
ですから、地方財政への影響やその対応を含めた様々な論点について、先ほど、私がなぜ百分の一しか言えないかというと、今、各党の税調、税制調査会長などで議論が進められているわけですよね。その議論を待って判断しないと、今ここの場で私がどうこうとなかなか言いづらいということと、また、法定率の引上げについても、令和七年度の当初予算の概算要求において、巨額な財源不足が見込まれているから、そういうふうに、約一・九兆円ぐらい足りないんじゃないか。
現在のところ、国、地方とともに厳しい財政状況にありますので、先ほども言われたんですけれども、法定率の引上げは容易ではありません。そういうこともありますが、今後とも粘り強く主張し、地方交付税総額を安定的に確保できるよう政府部内で十分に議論していきたい、今はそう考えております。
○守島委員 大臣、ありがとうございます。
法定率の話は、先ほど来、吉川委員からも出ていましたし、これまで各党言っていましたし、簡単じゃないという話は重々分かっているんですけれども、地方財政にとってピンチな年収の壁の議論、このピンチをチャンスに変えるというのが非常に重要じゃないかなと思って、百三万円をどこにするかというのは、地方の問題と含めると解決しないし、落としどころはないと思うんですね。だから、これを逆に、チャンスじゃないかということで大臣には訴えてほしいというお願いでした。よろしくお願いします。
壁の議論に関してもう一つ、ちょっと気になるのが不交付団体についてです。
例えば、自助努力で財政健全化している団体も数多くあるのに、減収が起きた場合、基準財政収入が基準財政需要を超えている分に関しては減収の補填が利かないんですよね。これはちょっと不公平だと思っていて、自治体の自助努力を踏みにじる制度で、財政改革を行うインセンティブが損なわれるというふうに感じているんですけれども、不交付団体に対して、国の税制改正とかで減収が起きたときに、現状の交付税のメカニズムで対応するというのは制度上困難というのは理解するので、例えば、特例交付金みたいに何かしらの財源措置みたいなインセンティブの制度の構築というのは考えることはできないでしょうか。
○大沢政府参考人 議論になっております基礎控除の額の引上げ等につきましては、交付団体、不交付団体共に、地方税の減収による影響が生じることとなり、また、所得税が減収となれば、地方交付税の原資が減少する影響も生じます。したがいまして、減税の影響は、交付団体、不交付団体、いずれにも生じるものと考えております。
いずれにしても、減税の検討に際しては、様々な論点について、各党の税制調査会長間などで更に議論を深めていかれるものと承知をしているところでございます。
○守島委員 その超過財源分は、やはりダメージを直で食らうというのは、不交付団体は僕は不利、元々財政がいいから不利という言い方は正しくないかもしれないけれども、ダメージは大きいと思うので、やはりそこに対する何かしら補填というかは、僕はつくってほしいというふうに思っているので、それはちょっと検討してほしいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
るる話してきましたが、ちょっと質問も割愛させてもらいますが、もう時間ですので、最後に、この年収の壁の問題を含めた昨今の状況を鑑みた上で、来年度の地方財政計画策定に向けてどのように取り組まれるのか、大臣の見解をお聞かせください。
○村上国務大臣 いわゆる百三万円の壁については、先ほど申し上げたように、今後、各党の税制調査会長間の議論が深められていくというふうに考えております。
令和七年度の地方財政については、社会保障関係費や人件費の増加が見込まれる中でも、自治体が様々な行政課題に取り組みつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう対応していくことが必要であると考えております。
委員の御指摘どおり、現段階では地方税収の動向等が非常に不透明な部分もありますが、いずれにしても、地方交付税を含めた必要な一般財源総額をしっかりと確保できるように一生懸命頑張っていきたい、そういうふうに考えております。
○守島委員 大臣、ありがとうございます。
是非、地方財政の安定化のために努めていただきたいというふうに思っておりますし、今日大臣とお話しさせていただいて、本当に正直な思いを伝えていただけたなというふうに思っているので、総花的でなかなかドラスチックな改革が進まなかった総務省も変わるんじゃないかなという期待感を少し抱いた次第ですので、これから、総務行政、どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、福田玄君。
○福田(玄)委員 国民民主党・無所属クラブ、この度、第五十回衆議院選挙で初当選させていただきました。大臣、お向かいの広島二区、宮島がございます広島から立候補しまして、中国ブロックで国民民主党初の一議席を頂戴して、本日質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
先ほど守島委員から百三万の壁をやっていただきまして、ありがとうございます。やはり、私、国民民主党ということでございますので、まさにこの百三万の壁の議論をさせていただきたいと思って通告もさせていただいておりますが、かなりの部分、ちょっと重複するところもあるかもしれませんが、是非お答えをまずいただければと思います。
この度の総選挙でございました、私ども国民民主党は、衆議院七議席あったところから二十八議席へ四倍増ということで、その中で、手取りを増やすというこの政策を大きく掲げさせていただきました。
その内訳は、百三万の壁のこともありました。ガソリン税のトリガー条項凍結解除のこともあった。消費税のこともあった。様々なメニューをそろえてお訴えをさせていただいたわけでございますが、やはり今、国民生活が非常に疲弊をしている。物価高である。そして、少子高齢化もあり、様々な現場で人手が足りない。様々なその課題の中で、それぞれの政策がまさに有権者に刺さったんだろうなということだと思っておるわけでございます。
その中で、この百三万円の壁を百七十八万円へという、これは私たち国民民主党が訴えていることでございますが、これを行った場合に、先ほどの御答弁の中にもありました、四兆、八兆というような形で大きく財政に穴が空くのではないかという議論が、まさに起こっております。
この議論の中で、ただ、私たちが考えるのは、確かにマイナスの影響というのはあると思います。しかし、マイナスの影響だけではなく、今まで百三万円までしか働けなかった人が百七十八万円まで働けるなら、いや、それじゃ余り手取りは増えないとか様々議論はあるんですが、それでも、それだけ働けたら、やはり手取りが全く増えないという話ではないんです。そして、その皆さんが仕事をされる、そして経済が拡大するという、そういったファクターもあると思います。
そういった意味では、しっかりとバランスの取れた議論をする必要があるんじゃないか。お化けが出る、お化けが出るじゃないですけれども、これだけ危ない、危ないという話じゃなくて、ある程度のプラスの面も織り込んで、そういったバランスのある議論をする必要があるのではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申しましたように、仮に七十五万円引き上げた場合の影響額については、先ほど答弁しましたとおり、個人住民税の減収額四兆円程度、所得税の減収額は四兆円弱程度と試算しているところでございます。
その上で、御指摘のございました経済や税収への影響という観点におきましては、先日、これは十一月の二十八日でございますが、自公国の税制協議におきまして、内閣府が公表しております短期のマクロモデルを用いて、一般的な所得減税が及ぼす影響の推計結果を財務省の方からお示しされたというふうに承知をいたしております。
委員御指摘の経済や地方税収への影響のほか、専門的な観点も含めて、様々考えなければならない論点があるものと認識しております。今後、各党の税制調査会長間などで更に議論を深めていかれるものと承知いたしております。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
まさに、昨日、三党合意ということもございました。これから更に詰まった各党の議論をしていくということでございますが、先ほど統計の話がございましたけれども、やはり国民の皆さんは何を期待しているか、官僚の皆さん、そして政府、政治に何を期待しているかというと、いや、私たちが知っていること以上のやはり詳しい数字をもって様々なシミュレーションをしてくれているんだろうなということを期待されていると思いますので、やはりその意味では、ちょっと各党の議論が落ち着かないと分からないとか、いや、例えばこの金額だったらこれぐらいの妥当性があるとか、これぐらいの規模感になりそうだとか影響があるというのを、もう少ししっかりとシミュレーションをして、足の引っ張り合いのような議論ではなくて、前向きな議論になるようにしていただきたいなというふうに思っております。
そして、あわせて、百三万円の壁の次に、トリガー条項凍結解除についてお伺いをしたいと思います。
昨日も、ガソリンの暫定税率を廃止するということで三党合意が行われました。その意味では、この二十五・一円の暫定税率、もう五十年続いた、暫定、暫定といって、暫定というのはいつまでなんだというお話もさせていただきましたが、このガソリン税、特に、今日は北海道の先生からも御質問がありましたが、燃料の価格等々、非常に影響がある。もう車がないと生活できないし、暖房をたかないと生きていけない、そういう地域があるわけですが、やはりこの部分で、ガソリン税が安くなったら必ずプラスの影響もあるということではございますが、やはりこちらも、あわせて、地方税への影響がどれくらいというふうに見込まれているのか、お答えください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるガソリン税といいますと、揮発油税という税になりまして、地方税は、実は軽油引取税という軽油にかかる税を持っております。
いずれにいたしましても、それらを合わせまして、暫定税率を全て廃止した場合の地方への影響額は、軽油引取税と地方の揮発油譲与税という税がございますが、これらの合計で年間五千億円程度の減収と見込んでいるところでございます。
○福田(玄)委員 減収分は五千億ということでございますが、先ほどの百三万円の壁のところでも申し上げましたが、まさにこの両方を合わせて五千億減るけれども、こういうプラスの効果もあるんじゃないかということもしっかりと織り込んでいただいて対応を考えていく、その計算を出していただきたいというふうに思います。
まとめて百三万の壁、そしてトリガー条項について、先ほど委員からもありましたけれども、やはり対応できるんじゃないかというような考えもございます。その辺りの、全般的に地方財政として穴が空くかもしれない、しかし空かないかもしれない、対応できるんじゃないかという議論もございました。その点についての見解をお教えください。
○寺崎政府参考人 今般の経済対策におきまして、自由民主党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、いわゆる暫定税率の廃止を含むガソリン減税については、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る、これらに伴う諸課題については、今後検討を進め、その解決策について結論を得るとされているところでございます。
また、昨日には、三党間において更に別の合意もされたというふうに伺っております。
いずれにしましても、委員御指摘の検討に際しましては、経済や地方税収への影響のほか、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識いたしております。今後、各党の税制調査会長間などで更に議論が進められるものと承知いたしております。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
しっかりとそのことも含んで、地方が不安にならないようにということをお願いしたいと思っております。
大臣にお聞きしたいと思います。
今の議論を通じてではございますが、国民の手取りを増やすということを私たちは訴えております。本当に今、庶民が苦しんでいる、そんな状況にあるんだと思いますが、この手取りを増やすということ、まさに御専門でいらっしゃいますから、もう様々な政策の部分はお詳しいと思いますが、お気持ちとして、国民の手取りを増やして経済を強くしていく、そのことについてどのようにお考えか、御所見をお願いいたします。
○村上国務大臣 福田委員の御指摘、よく分かります。
だから、委員の御指摘のように、国民の手取りを増やすということについては、今般の経済対策について、国民お一人お一人が実際の賃金、所得の増加という形で手取りが増え、豊かさが実感できるように更に政策を前進させなければならないということは、我々もそうだと思います。
昨日、自民党、公明党、国民民主党の幹事長間で、いわゆる百三万円の壁、国民民主党の主張する百七十八万円を目指して来年から引き上げる、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止する、各項目の具体的実施方法については引き続き関係者の間で誠実に協議を進めるとの合意がなされたと承知しております。
先ほど来申し上げているように、今後の三党の税調会長間での協議が進められるものと考えており、その合意に基づく協議を受け止めて対応していきたいと思います。
ただ、先ほど来話したように、福田さんは聡明なフレッシュマンで、率直に話したいことがあります。
実は、大学の後輩と話すんですけれども、先輩、我々はやはり就活も忙しい、はっきり言って本来である勉強も忙しいと。だから、それはもう、このことも大事だけれども、もっと考えていただきたいのは、我々が学生のときは授業料は一月一千円だったんですけれども、今、六十二万なんですよね。結論を言うと、授業料を安くしたり免除の話は、給付制の奨学金制度を考えていただけたらありがたいなというのが、最近の若い学生さんの気持ちだったなという気がします。
もちろん、これも大事なんですけれども、そういう方において、例えば大学生さんの百三万の問題についてもそういう方向で対応できることもあるんじゃないかということを、玉木代表や古川さんによろしくお伝えいただきたいと思います。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。率直な御忠言をいただいて、大変ありがたいと思います。
ただ、実は百三万の壁というのは、学生がバイトできなくて学費に困っているという話、実は国民民主党は学費のことも、これは別のことで訴えています。それだけで全部学生に何とかしろということは言っていなくて、その法案は法案できちんと選挙公約にも盛り込んでいました。
私は、それこそ選挙戦の中を通じていろいろな方にお話をさせていただく中で、百三万の壁が一番誰に刺さったかというと、パートをされている奥さん方なんですね、本当に。時給は上がる、でも壁が変わらないから、まさにもう十二月ですよ、働く時間を抑制しなきゃいけない、そんな状況にあるので、やはりこのことは本当に、三十年間数字を変えないで来たわけですから、やらなきゃいけない。ふだん選挙に行かなかったけれども、選挙中、コンビニで休憩して、御挨拶して、私、百三万の壁を何とかしようと思っているんですと言うと、選挙行くわみたいな。やはりそういう人たちが、今回、国民民主党に風を吹かせてくれたのかなというふうに思っていますが、まさにそういった国民の生活に密着したところでしっかり頑張っていきたいと思っております。
ちょっと時間がなくなってきましたので、少し走りながらやっていきます。
今、百三万の壁で、拡大するような話ばかりしていて、先ほども臨財債の話がございました。実は、私は元々地方議員、市議会議員をさせていただいておりました。その中で、やはりいつも思っていたのは、臨財債で対応すると、これももう二十年以上、臨財債、臨財債と言っているわけでありますが、これも暫定税率と一緒で、臨時、臨時というのが本当にいつまで続くんだろうなというふうに思っています。
臨財債が常態化している状態というのを今後なくしていく気があるのかどうか、そのことについてお聞きしたいと思いますが、いかがでしょう。
○冨樫副大臣 地方財政の健全化のためには、本来的には臨時財政対策債になるべく頼らない財務体質を確立することが重要と考えています。
令和六年度地方財政計画においては、前年度を上回る一般財源総額と交付税総額を確保しつつ、臨時財政対策債の発行額を前年度から〇・五兆円抑制し、制度創設以来の最低額となる〇・五兆円としております。
また、臨時財政対策債の残高については、平成三十年度の五十四兆円をピークに近年減少を続けており、令和六年度末の残高見込みは補正予算編成前で四十六兆円となっております。
今後とも、地域経済の好循環の実現を通じ、地方税の歳入の増加に努めるとともに、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うことにより、臨時財政対策債の発行の抑制に努めてまいります。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。やはり出と入りという話だと思うんですけれども。
私は何でこの質問をセットにしたかというと、先ほど大臣の御答弁の中にもありました、まさにこの国の今指針が、どうやって示せばいいのかというのがもう分からなくなってしまっている、なかなか答えが出てこないというようなお話だと思うんです。まさに百三万円の壁の議論もそうですし、臨財債のこともそうですけれども、いろいろなこと、暫定税率のこともそうなんですけれども、本当にもう一度どこかで、国家百年、これだけ移り変わりが速いので、なかなか百年の計というのは難しいかもしれないんですけれども、やはり三十年、五十年を見据えて、少し、本当に地方と国の在り方、そして財政の在り方をどこかで考え直していく。
今までの議論のずっと積み重ねでいろいろな計算式ができていると思うんです。地方交付税にしても、様々なことを、皆さん、先人の努力でやっていただいているとは思うんですけれども、やはりこれから人口が急激に減っていく、高齢化がどんどん進んで、本当に働き手がいなくなっていく、そしてお給料がなかなか上がらない、年金だけで食えない人がいる、そんな状況がこの日本にはもう目の前に迫っているわけですから、その議論をさせていただきたくて。やはり、臨財債、臨財債といってやり続けるかどうかということよりもう一歩根本に立ち返って、そういった議論をまさにしていく必要があるのではないかという問題意識から、この質問をさせていただきました。
あと、ごめんなさい、七つ通告していますが、少し走りながらになります。
先ほど、おおつき議員も吉川議員も触れていただきました給与改定のことでございます。
給与改定費のことは先ほどもう御答弁をいただきましたので軽くにさせていただきたいと思いますが、これから、賃金上昇を目指して、デフレからの脱却、給料も上がって物価も上がって、そういった経済を目指しているという中で、やはり、人勧が出て、そこから、民間の給与が上がっているから、じゃ、これからはどんどんどんどん給与が上がるから、毎年給与改定費だということになるのかどうかということがあるかと思うんです。
その部分で、やはりこれから、AIがこれだけ発達しています。そういったAIのモデルというのは、やはりそういう計算をするのが一番適している部分はあると思います。そういった計数のモデルを使って、もう少し予算を立てること自体、これは人件費だけじゃない、全体のことも通してですけれども、しっかりと事務の簡素化を図る。
そして、若い官僚の方がどんどん辞める、官僚になりたがらないという声も聞こえます。そういった単純な事務的な負担というのは減らしていって、ほかの政策に資源を振り向けていくということが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
今般の地方交付税の増額に係る算定のほかにも、地方団体は様々な事務を負っていますので、これからデジタル化によって公務の生産性を上げて、それによって、人間がどうしてもやらなきゃいけない部分を減らしていくというのは本当に必要なことだろうと思っております。
今回の補正予算の関係でいうと、普通交付税の新しい費目をつくって、自治体の皆様にも事務負担を伴って算定をしていただくわけですが、我々もデジタル化を順次進めてきておりまして、例えば、数値を報告する際にはオンラインで行うとか、あるいは、説明会、会議も、昔は東京に来てもらって会議をやっていたわけですけれども、全部オンラインにする、様々なデジタル化の関係に努めておりまして、今後もできるだけそういった事務負担を軽減するためのデジタル化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福田(玄)委員 もしかしたら若手がいまだにエクセルをしっかり打ち込みながらやっているんじゃないかな、そういう危惧もしていますので、しっかりとその部分からデジタル化を図っていただきたいというふうに要望させていただきます。
最後に、手短にお願いいたします。人と人材のことです。会計年度任用職員についてでございます。
私も市議会議員をやっているときに、会計年度任用職員、たくさん働いていらっしゃいましたが、小さい自治体でした、総人口が三万五千も割るような小さな自治体でしたが、職員の半数以上が会計年度任用職員というような現場もあります。
一年で仕事を辞めちゃう、辞めるかもしれない、そんな状況の中で、特に困っているのが福祉担当の現場です。やはりフェース・トゥー・フェースで福祉というのはやっていって、そして人間関係ができてきて、ようやくできた頃に会計年度さんだから替わっちゃったとか辞めちゃったとか、そういう状況があります。
まさに、これだけ人手不足だと言っている中、そして公務員のなり手不足ということもあります。会計年度任用職員さんを正規化するというような、その先進的な手法がある自治体もあると聞きます。どうかそういった手法を広く知らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内委員長 総務省小池自治行政局公務員部長、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○小池政府参考人 複雑多様化する行政需要に対応するために、常勤職員に加えて、非常勤職員も地方行政の重要な担い手となっていると認識をしております。
会計年度任用職員については、期末手当に加え、今年度から勤勉手当の支給を可能とする法改正を行うなど、適正な処遇の確保、改善に取り組んできております。
非常勤職員を常勤職員として任用するには、地方公務員法に基づき、採用試験などにより常勤職員としての能力の実証を行う必要がありますが、職務経験を要件とした採用を行う際、会計年度任用職員としての経験を含むこととしている事例もあるものと承知をしております。
会計年度任用職員の適切な任用が確保されるよう、引き続き必要な対応をしてまいりますとともに、各自治体の実態などを丁寧に把握し、会計年度任用職員を含む自治体職員に十分力を発揮していただけるよう、環境、制度の整備に取り組んでまいります。
○福田(玄)委員 詰め込んで早口になりましたが、どうもありがとうございました。
○竹内委員長 次に、山川仁君。
○山川委員 れいわ新選組、沖縄代表の山川仁と申します。
まず初めに、今回、この総務委員会に所属できたこと、竹内委員長始め、あかま筆頭理事そして吉川筆頭理事始め理事の皆さん、そして各委員の皆さん方に、理事会のオブにも参加させていただいたことに感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
そして、今回、総務委員会におきましては、私は二〇一八年から二〇二二年まで沖縄県の豊見城市というところで首長をさせていただいておりましたので、本当に、地方自治の問題だったり、災害対策だったりとか、そういった幅広い観点でこの委員会の中で役割を果たせることに感謝しております。
それでは、まず、皆さん方に、時間も限られておりますので、順次質疑を行いたいと思いますので、どうぞ、大臣始め官僚の皆さん方、よろしくお願いしたいと思います。
まず初めに、地方交付税の中の特別交付税の中の災害対応九百八十億円についてお話をしたいと思います。
政府は、令和六年能登半島地震による災害に係る財政需要に対応するため、特別交付税の総額に九百八十億円を加算をし、今年度交付することとしております。
そこで伺いますが、今回の加算額九百八十億円というものは、先ほど来お話がありましたように、東日本大震災以降で最高額となりました。その九百八十億円の算定根拠となるものをお示しいただきたいと思います。まずそこからお願いします。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
令和六年度能登半島地震による災害に係る財政需要に対応するために、特別交付税を九百八十億円増額をいたしました。
この九百八十億円の積算でございますけれども、能登半島地震関係で、既に六月に復興基金の財源として交付をしています五百二十億円がございます。この五百二十億円に加えまして、被災自治体への調査等を踏まえまして、災害応急や復旧対応に要する経費、災害廃棄物処理に要する経費、被災地に対する職員の短期応援や中長期派遣に要する経費などの財政需要を見込みまして、これを加えて九百八十億円という積算としておるものでございます。
○山川委員 ありがとうございます。
そこで、また二つ目の質問にすぐに移りたいと思いますが、今回の特別交付税加算額九百八十億円につきましては、令和六年の能登半島地震による災害に限定をしたものなのかということでお伺いしたいと思います。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
今般加算した九百八十億円というのは、先ほど申し上げたように、能登半島地震に係る財政需要として積算をしたものということになります。
また一方で、じゃ、それ以外の災害の分が積算に入っていないのかということですが、この九百八十億円には入っていないわけでございますけれども、特別交付税の元々の額というのは一兆一千億円程度ございます。その中で、通常、災害分を見ていくわけですけれども、能登半島地震以外の災害は今年度においては例年並みだということでございますので、その当初に計上していた一兆一千億円程度の額の中で、通常、その他の災害については対応していくということになろうかと思います。
○山川委員 今るる説明がありましたが、この九百八十億について、各都道府県の災害派遣があったり、もちろん、近隣の県の方々が少し被害を受けたり被災をしたりとかいう状況もあるかと思いますが、そういった場合でも、この九百八十億円の特別交付税を有効に配分をされるというような考えでよろしいのか、お聞かせください。
○大沢政府参考人 九百八十億円を加えた全体としての特別交付税総額の中で、被害のありました石川県とか富山県、新潟県以外で、例えば石川等に対して応援派遣に行った団体はその三県以外のところにもございますから、そういった団体に対しても適切に特別交付税措置をしていくということになろうかと思います。
○山川委員 ありがとうございます。
そして、今の答弁でいえば、例えば能登において九月に豪雨災害がありました。そして、地震被害にも追い打ちをかけている状況。同じように、本年十一月八日には沖縄県北部においても大規模な豪雨被害に見舞われ、こちらについても、能登と同じように避難生活を送っている国民がいるということは、当然、状況として把握をされているかと思います。現在、総務省消防庁の令和六年災害情報一覧を確認をさせていただいても、本日時点でも三十件以上の災害件数が記載されているというふうに認識しています。
そこで質問をさせていただきたいんですが、能登はもちろんのこと、これらの災害についても特別交付税の交付は検討されたのか。また、仮にされていないのであれば、災害の状況に応じて必ず検討することを求めていきたいと思いますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
本年度は、九月の奥能登豪雨であるとか、十一月の沖縄の大雨のほか、七月の山形や秋田での大雨など、自然災害が全国各地で発生をしておりまして、被災自治体においては、災害復旧等に相当な財政負担が生じているものと承知をしております。
今般の特別交付税の増額によりまして、能登半島以外の他の災害に係る財政需要も含めまして、必要な特別交付税の総額が確保されると考えております。令和六年能登半島地震はもとより、九月の奥能登豪雨、七月の山形等での大雨など、他の災害に係る財政需要についても適切に対応してまいりたいと考えております。
○山川委員 ありがとうございます。
今、能登以外、主に沖縄県北部の豪雨災害についても少しお話をさせていただきましたが、今後の対応についての特別交付税の取扱いについて、またさらに少し踏み込んでお話しさせていただきたいと思います。
地方自治体は財政難であることは、ほとんどの自治体が共通認識として持っているところだと思います。今回、十一月八日に沖縄県北部豪雨災害の被害に遭われた住民が、多くの床上浸水、若しくは畑や農機具、トラクターなど、自家用車なども流されてしまいました。そのような置かれた状況の中で、県や自治体任せでは余りにも国家としてあるべき姿ではないと私も考えております。総務大臣も同じ気持ちだと思います。
総理の所信表明でも、財政的にも厳しい地域で災害が発生したとしても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということは、国家としてあるべき姿ではありませんと。また、続きに、避難所での生活環境を改善し、災害関連死を防ぐためにも、避難所の満たすべき基準を定めたスフィア基準を発災後早急に全ての避難所で満たすことができるよう、事前防災を進めてまいりますと、国民へ表明をしているところです。
是非とも、住民や自治体が安心して復旧復興に対応し得る財政措置、いわゆる今回の特別交付税も最大限の考慮を求めますが、総務大臣の見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○村上国務大臣 山川委員のおっしゃるとおりでして、まず、令和六年十一月九日からの大雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げたいと思います。
住民の皆様の生活が早く元どおりになるように、被災自治体が財政的に心配することなく、安心して災害復旧に取り組んでいただくことが重要であると私どもは考えております。
総務省としましては、災害復旧対策等に要する経費や、沖縄県や被災市町村の実情を丁寧にお伺いしまして、そして、特別交付税措置などによる地方財政措置を講じて、その財政運営に支障が生じないように一生懸命適切に対応していきたい、そういうふうに考えております。
○山川委員 大臣、答弁ありがとうございました。
少し聞きたいんですが、先ほど少し、私の紹介の中でスフィア基準という話をしましたけれども、そのスフィア基準というのが今現在履行されているのかどうか、お話を聞きたいと思います。
○大沢政府参考人 スフィア基準の適用状況については、所管が内閣府防災ということになろうかと思いますので、我々、今手元に数値等を持っておりませんので、また改めて委員のところに資料等をお届けしたいと思います。
○山川委員 ありがとうございます。それではよろしくお願いします。
それで、特別交付税の支援だけでは、やはり支援額が足りていないと私は認識しているところですが、そのほかの財政面での支援策を皆さん方、総務省の方で考えがあるのかどうか、お聞かせください。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
特別交付税は主にソフト関係の経費の災害関係の経費に対応する財政措置として行っておりますけれども、ハード面については、総務省では、地方債措置を講じて、地方団体が地方債を発行して、その元利償還金が生じるときに地方交付税で措置をする、そういうやり方もございます。そういった様々な財政措置を組み合わせて、地方団体の財政支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○山川委員 ありがとうございます。
大臣始め局長の答弁を聞いて、少しほっとしている地元の方々もいるかと思いますが、再三お伝えして大変恐縮なんですが、総理の言葉にうそがなければ、財政的にも厳しい地域で災害が発生したとしても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということは、国家としてあるべき姿でありませんと、この表明は、今現時点でも苦難の中にいる災害に見舞われた石川県の方や沖縄県民、そして多くの国民がいるということを重く受け止めていただいて、しっかりとこのスフィア基準、国際基準を高めていきながら、災害に強い防災、減災の在り方を示してほしいんですが、もう一度、総務大臣の少し所見、見解をお伺いしたいと思います。どうぞお願いします。
○村上国務大臣 本当におっしゃるとおりだと思います。
我々としましては、先ほど来申し上げているように、日本の財政状況が本当に厳しいんですが、今委員がおっしゃったようなことに関しては、やはりやれる範囲においてできる限りやっていきたい、そういうふうに考えております。
○山川委員 こういった防災、減災に対しては猶予がありませんので、是非いち早く、迅速、丁寧に対応していただければと思います。
最後の質問になりますが、約七千億円の繰越措置について少しお話をしたいと思います。
地方交付税の本則として、年度途中に増額となった地方交付税は、その全額を地方自治体に特別交付税として交付すると定めている。毎年のように次年度への繰越しを行っているところでありますが、なぜ今年度に交付をせずに次年度への繰越しとなるのか。先ほどそういった答弁がありましたけれども、しっかりと地方自治体が必要な財源を確保できるように、繰越しではなくて交付することが必要な、今、現社会情勢だと私は認識しております。総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 最初にもその問題についてお答えしたと思うんですけれども、本当になかなか国も地方も厳しい財政状況でして、一定のあれを措置しながらやる。ただ、さっきから委員が言われているように、喫緊の課題でどうしても、今の時期にやらないことについては、もっと果断にやらなきゃいけないな、そういうふうには感じておりますので、今後一生懸命、検討、努力したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山川委員 済みません、締めの話になりますが、今回、総務大臣と、私もこの総務委員会、初当選ですので初めて質疑をさせていただきました。本当にありがとうございました、いろいろと。
その中で、総務大臣の本当に心意気というか思いを受け止めて、その動きが、百分の一しか自分の気持ちが伝え切れないというような、省庁の在り方、多分苦しい立場と思いますけれども、そういった中でも、是非、やはり国民を向いた大臣であるべきことを私もしっかり期待をしながら、これからまた質疑応答させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎です。
二〇二〇年から始まった会計年度任用制度について聞きます。
これまで人事院は、期間業務職員の適切な採用については広く公募を行うことが望ましいとして、例えば国の期間業務職員については、平等扱いの原則及び成果主義を踏まえ、公募によらず、従前の勤務実績に基づく能力の実証により再度の任用を行うことができるのは連続二回までが限度とわざわざ示しました。つまり、事実上、三年で雇い止めというのを原則としたんですね。
そこで人事院に聞きますけれども、二〇二四年六月二十八日の通知において、このいわゆる公募三年ルールの撤廃を決めました。その理由についてお聞かせください。
○堀内政府参考人 お答え申し上げます。
期間業務職員の制度につきましては平成二十二年に創設されましたが、その際、職員を採用するに当たっては、公募を行うことを原則としつつ、ただいま委員からもお話ございましたように、公募によらずに再び採用を行う場合には連続二回を限度とするよう努めるものとすることと、人事院人材局長通知に記載しておりました。
期間業務職員制度の導入から十年以上が経過しましたが、この人材局長通知の記載がいわゆる公募三年ルールと認識され、任期があたかも三年であるかのように扱われ、期間業務職員としての高い適性を有する人材が三年を区切りに公務外に流出するなどの弊害が生じておりました。
こうした状況に鑑みまして、人材獲得競争が熾烈となる中、行政サービスの提供を支える有為な人材の安定的な確保に向け、それぞれの職場において人材確保の実情に応じた方法で柔軟に採用を行うことが可能となるよう、委員からお話ございましたように、今年の六月、公募によらずに再び採用を行う上限回数に関わります人材局長通知の記載を削除したところでございます。
○辰巳委員 ただ、弊害とおっしゃいましたけれども、これは現在進行形なんですね。
現場の実態を告発したいと思います。政府が創設した制度の下で何が起こっているのか、大臣もよく聞いていただきたいんですね。
今年度末で名古屋市の会計年度任用職員である保育士、保育者千二百人が雇い止めされようとしています。彼女、彼らは、会計年度任用職員として五年目の勤務を今年度末に迎える人たちです。三年、五年の違いはありますけれども、この間の国の方針に従って、会計年度任用職員の雇い止めを名古屋市では一斉に行おうとするものであります。
私は、雇い止めに遭う可能性のある保育士を含めた会計年度任用職員の方々に話をじかに聞いてきました。名古屋市は約千八百人の会計年度任用職員が保育士として働いているんですが、そのうち、今言いました千二百人が今回雇い止めに遭う。中には三十年以上働いている方も対象になっています。市内に全十八園ある地域子育て支援センターでは、現在、三十六名が勤務して、保護者からの様々な子育てに関する相談を受けています。今回、そのうち二十三名が五年で公募の選考対象となりました。しかし、採用の予定人数は全園で八名です。つまり、十五名が雇い止めされるということになっているんですね。
今回対象となった女性は、子育て支援には継続が必要で、それでこそ保護者との信頼もつくれると語っています。まさに業務に必要な職員であり、住民にとってもなくてはならない公共サービスを提供してくれている方々であります。
大臣、まず、この雇い止めに直面している会計年度任用職員に対する実態、この受け止めをお聞かせください。
○村上国務大臣 辰巳委員の御指摘は、非常に重要だなとは思います。
御承知のように、複雑化、多様化する行政需要に対応するために、常勤職員に加え、非常勤職員も地方行政に重要な担い手になっている、そういうふうに認識しております。
このため、会計年度任用職員については、期末手当に加え、勤勉手当等の支給を可能とする法改正を行うなど、適正な処遇確保、改善に取り組んできたところでございます。
このような問題に対して、適切な任用が確保されるよう、引き続き必要な対応を努力していきたい、そういうふうに考えております。
○辰巳委員 私が聞いたのは、期末手当が今回支給されるという話ではないんです。業務に必要なそういう職員が、それこそこの会計年度任用制度の下で無慈悲に雇い止めされようとしているということなんですね。そのことを大臣に聞いているんです。
ある保育士さんは、十二月に結果が出るんですね、雇い止めが決まれば来年の三月末までどういう気持ちで職場で働けばいいのか分からないと、悲痛な声を聞かせていただきました。また、別の保育士は、やりがいのある仕事で、しかし、いつ雇い止めになるか分からない不安があり、このまま続けることができるか悩むんだと。また、ある方は、現場の先生からはパートあってのと大事にされていますが、現場の働き方は一年雇用、毎年履歴書提出等、一生懸命働いているつもりでも心はむなしさを感じますと。
公務非正規女性全国ネットワーク、はむねっとが行った調査によりますと、約四割が主たる生計維持者であり、五二%が、自分の就労収入がなくなると家計が非常に苦しいと答えています。そして、六一%が、雇用が不安定であることが問題だと答えているんです。
もう一度大臣に聞くんですけれども、この任用制度、雇用の安定面で問題、課題があるという御認識はありますでしょうか。
○村上国務大臣 会計年度の任用職員として任用する場合には、制度上、一会計年度を超えない範囲で任用するという必要があって、その任用に当たっては、地方公務員法に定める平等取扱いの原則や成績主義を踏まえ、できる限り広く募集を行うことが望ましいと考えております。
自治体に対して、公募を行う場合であっても、客観的な能力の実証を経て再度任用されることがあり得ること、選考においても前の任期における勤務実績を考慮することも可能であることなどについて、これまでも通知しており、丁寧な情報提供に努めているつもりであります。
本年六月に、国のいわゆる公募三年ルールが廃止されたことを踏まえ、総務省においても、会計年度任用職員に関する事務処理マニュアルを改正し、自治体に向けて通知するとともに、会議においても周知しています。
その上で、具体的な取扱いについては、各自治体において、地域の実情などに応じて適切に対応していただくべきものと考えております。
そういうことで、なるべくそういう継続的な雇用を続けられるように努力させていきたいと考えております。
○辰巳委員 大臣、前半部分はほとんど制度の話なんですね。制度は分かるんですよ。今おっしゃったとおりなんですね。
ただ、私が聞いたのは、この会計年度任用制度そのものは、雇用の安定面、これは働く人たちの側に立った意見を私は聞きたいんです、雇用の安定面では課題がある、これは事実だと思うんですよ。大臣、もう一度答弁をお願いします。
○村上国務大臣 確かに委員の指摘の問題点はあると思います。
ただ、制度上、これをもう一回、どういうふうにするかは、もう一回ちょっと時間をかけて考えていきたいなというふうには考えております。
○辰巳委員 問題があるという答弁なんですね。
法改正時ですけれども、二〇一七年ですね、総務省が通知を出しているんですね。どういう通知かといいますと、職の中に常勤職員が行うべき業務に従事する職が存在することが明らかになった場合は、臨時、非常勤職員ではなく、任期の定めのない常勤職員や任期付職員についての活用について検討することが必要と。これは重要な通知だと思うんですよ。
大臣、もう一回聞きたいんですね。今、公務現場は、任期の定めのない常勤職員を中心とするというのが原則です。期限付任用というのはあくまで例外になっているんですね。ところが、この臨時的であるはずの会計年度任用職員が、実態としては現場で恒常的な業務に従事しているわけなんですよ。先ほど、三十年働いているという職員もいたという話をしましたけれども、そういう職員は少なくないんです。大臣、その事実は認めていただけますか。
○村上国務大臣 繰り返しになりますけれども、各自治体において、対象となる職の職務の内容や責任などに応じては、任期の定めのない常勤職員や臨時、非常勤職員などの中から適切な職員を任用することが大事だと思います。
相当の期間任用される職員を就けるべき業務に従事する職に該当するかどうかについては、具体的には個々の事例に即して各自治体で御判断いただきたい、そういうふうに考えております。
○辰巳委員 いや、個々の現場ではなくて、その個々の現場を総務省は実態調査するべきだと思いますよ。大臣、地方に任せずに、現場で恒常的な職に臨時的な会計年度職員が充てられている、この実態、是非、総務省として調査してください。ちょっと約束してください。大臣、お願いします。
○竹内委員長 まず、大臣の前に、総務省小池自治行政局公務員部長。
○小池政府参考人 今、大臣が答弁したことをもう一度正確に答弁いたしますと、対象となる職が、相当の期間任用される職員を就けるべき業務に従事する職であり、フルタイム勤務とすべき標準的な業務の量がある職である場合には、任期の定めのない常勤職員等をその職に就ける必要がある旨を通知しておるところでございまして、その運用は、あくまでもこれは各自治体で判断していただくことだと思っておりますので、調査することは考えてございません。(辰巳委員「大臣。大臣を飛び越して何であなたから答弁するの」と呼ぶ)
○竹内委員長 委員に申し上げます。
まず、委員長の指名を受けてから発言してください。
辰巳君。
○辰巳委員 はい。
大臣、もう御存じだと思いますよ。保育士さんも担任を持っている。あるいは、教員だって担任も持っている。責任ある職をやっている。ところが、会計年度であれば一年ごとの契約になっちゃう、雇い止めがされてしまう。そういうことが現場では起こっている。
やはり総務省としては、地方が地方がではなくて、実態の調査、やってください。お願いします。
○村上国務大臣 その点については、少しお時間をいただきたいと思います。それで、ちょっといろいろなケースを見てみたいと思います。
○辰巳委員 是非やる必要があると思うんですね。
私があえて指摘したいのは、先ほど人事院の話がありました。人材獲得競争が熾烈となって人材確保が困難になったということで、三年ルールの撤廃と。でも、この理屈であれば、例えば、仮に今後、人材獲得競争が熾烈でなくなれば、元の運用に戻すということにもなりかねないわけなんですよ。この論理では、会計年度任用職員を雇用の調整弁として任用していくということに変わりがないと思うんですね。そこには、やはり、生活者が生きるために働かなければならない、あるいは家族を養わなければならない、そして人として尊厳を持って公共サービスを提供したい、働きたいという職員の持つ当然の思いや誇りを酌み取る姿勢は、やはりこの国の姿勢としてはないと思うんですよね。会計年度任用職員というのはロボットじゃないと思います。
我が党は、二〇一七年にこの制度が創設がされる際には反対しました。それはやはり、政府がこれまでつくり出してきた官製ワーキングプアの反省もなく、改善のための根本的な策が講じられないからであります。大体、民間労働者であれば、労契法十八条、五年を超えれば無期転換、あるいは、十九条でも、雇い止め、解雇権の濫用法理が適用されるわけですね。ところが、こういう公務現場で働く非正規雇用には適用されないわけですよ。国民の需要に応えるための公共サービスが会計年度任用職員の多大なる犠牲の上に成り立っている。これでええのかということが私は問われると思います。
大臣、この今の地公法の趣旨と実態との乖離を是正して、行政需要の増大に対応するためには、非正規の固定化ではなくて、正規雇用への転換が図られるべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
○竹内委員長 村上総務大臣、時間が参りました。
○村上国務大臣 正規で、市役所の役人だったらば市の試験があるわけですよね。また、この制度でいくと、何年かで雇っていくという。それをやはりどういうふうに調和していくか、これからの課題だと思いますので、ちょっと検討させていただけたらと思います。お気持ちはよく分かりました。
○辰巳委員 終わります。よろしく。
○竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○竹内委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。山川仁君。
○山川委員 れいわ新選組の山川仁です。
私は、今回議題となりました、令和六年度補正予算関連であります、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論させていただきます。
まず、今回の改正案では、約七千億円もの金額を、地方自治体へ交付することなく、来年度に繰り越すことになっております。地方交付税法の本則に沿っていないことを指摘を申し上げたいと思います。
また、地方交付税法第六条の三では、年度途中に増額となった地方交付税は、その全額を地方自治体に特別交付税として交付すると定められておりますが、今回の補正額二・一兆円のうち〇・七兆円は、今年度、地方自治体に交付されないことになりました。
れいわ新選組は、地方に通貨発行権がない以上は、地方交付税や地方一括交付金を地方爆上げ費と称して、地方への支援を大胆に行うことで、疲弊した地方財政を底上げ、人や物へ未来への投資を進めることを訴えてきております。
今、日本国内、大なり小なり災害が多く起こっておりますが、その多くの国民が一日も早い財政支援を望んでおります。それなのに、今年度の税収も過去最高を更新しているにもかかわらず地方自治体への還元もしないことには、理解が到底苦しいことであります。
また、人事院勧告、経済対策への対応として〇・七兆円も計上されておりますが、その理由が、今般の経済対策に伴う地方負担において、地方交付税を増額とあります。その中で、現在までの経済不安要素はそもそも政府が招いたものであり、それを地方自治体へ尻拭いさせるのはおかしいと思っているところです。
災害への対応九百八十億円の特別交付税は能登に限定であり、その関連する自治体への交付措置と、沖縄県など、全国ニュースになるような大規模な災害へは、迅速、丁寧に、これから国際基準の避難支援と国民が安心できる財政支援をしっかりと進めていくことが、認識として皆さん方一緒に共有をしていただきたいと思います。
今後もなお、同じ制度を進めるのではなく、踏襲するのではなく、もっと地方へは積極的に財政支援を行い、地方を活性化させる、そして地方から経済を底上げしていく、災害に強い真の国土強靱化を目指していけるように要望しながら、今回は反対討論とさせていただきます。
よろしくお願いします。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法及び特別会計法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
地方交付税法は、年度途中に増額となった地方交付税は、その全額を地方自治体に特別交付税として交付すると定めています。地方の固有財源であり貴重な一般財源は、現行法に基づき、その全額を地方自治体に交付すべきです。
ところが、本法案は、二〇二四年度の国税収入の増額と二〇二三年度の国税決算によって増額となった地方交付税二兆七百四十八億円のうち、三割以上に当たる六千八百二十二億円を翌年度に繰り越すものです。
物価高騰の影響は深刻です。住民の命と暮らし、営業を守るために、地方自治体にはその役割を果たすことが求められており、そのための財源が必要です。しかしながら、交付する地方交付税一兆一千九百二十六億円のうち、臨時財政対策債の元利償還のために充てる基金分四千億円を除けば、調整額の復活分を合わせても七千九百二十六億円程度にとどまっています。
政府は、二〇二一年度補正、二〇二二年度第二次補正で算定していた地方単独事業分を、昨年度に続き、この二〇二四年度補正も算定していません。地方自治体が地域の実情に応じたきめ細やかな独自の施策を進めるためにも、地方単独事業分を算定することが重要です。
本法案は、地方自治体の財政需要には十分に応えず、地方交付税増額分の三割以上を翌年度の地方交付税総額に繰り越すことを優先するものであり、反対とするものです。
以上を述べて、討論とします。
○竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○竹内委員長 これより採決に入ります。
地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時三十九分散会