第4号 令和6年12月19日(木曜日)
令和六年十二月十九日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 あかま二郎君 理事 塩崎 彰久君
理事 島尻安伊子君 理事 おおつき紅葉君
理事 岡島 一正君 理事 吉川 元君
理事 守島 正君 理事 向山 好一君
石橋林太郎君 大空 幸星君
加藤 竜祥君 小寺 裕雄君
小森 卓郎君 佐藤 勉君
高市 早苗君 田所 嘉徳君
中野 英幸君 西野 太亮君
平沼正二郎君 福原 淳嗣君
古川 直季君 森下 千里君
山口 俊一君 若山 慎司君
おおたけりえ君 岡本あき子君
奥野総一郎君 杉村 慎治君
高松 智之君 武正 公一君
西川 厚志君 福田 昭夫君
松尾 明弘君 松田 功君
道下 大樹君 宮川 伸君
山花 郁夫君 黒田 征樹君
杉本 和巳君 福田 玄君
中川 康洋君 山川 仁君
辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 村上誠一郎君
総務副大臣 冨樫 博之君
総務大臣政務官 古川 直季君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局内閣審議官) 横田 美香君
政府参考人
(警察庁長官官房総括審議官) 重松 弘教君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 竹林 悟史君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 阿部 知明君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 小池 信之君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 大沢 博君
政府参考人
(消防庁次長) 田辺 康彦君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
総務委員会専門員 阿部 哲也君
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委員の異動
十二月十九日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 森下 千里君
加藤 竜祥君 大空 幸星君
川崎ひでと君 平沼正二郎君
武正 公一君 宮川 伸君
山花 郁夫君 松田 功君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 加藤 竜祥君
平沼正二郎君 西野 太亮君
森下 千里君 大西 洋平君
松田 功君 山花 郁夫君
宮川 伸君 武正 公一君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 川崎ひでと君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
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○竹内委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局内閣審議官横田美香君、警察庁長官官房総括審議官重松弘教君、こども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君、総務省自治行政局長阿部知明君、自治行政局公務員部長小池信之君、自治財政局長大沢博君、消防庁次長田辺康彦君及び厚生労働省大臣官房審議官榊原毅君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○竹内委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。道下大樹君。
○道下委員 皆さん、おはようございます。立憲民主党・無所属の道下大樹でございます。質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。
村上大臣、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきます。
地方公務員育児休業法改正についてでありますが、皆様御存じのとおり、日本は非常に出生率が下がる傾向にあり、二〇二三年は約七十三万人、過去最少、しかも八年連続減少ということでございます。こうした中で、やはり少子化対策は待ったなしでございますので、その中で、職場でも育児しやすい、そして育児休業を取得しやすい環境づくりが官民関係なく必要だというふうに思っています。政府においては、二〇二二年の通常国会において育休法の改正により様々な措置がされましたけれども、それがうまく効果を上げているのか、今現状はどうなのか、そしてこれからの取組をどうされる予定なのか、伺いたいというふうに思います。
まず、皆様にお配りしている資料一を御覧いただきたいと思います。
これは、総務省が昨年の十二月二十五日に出しました地方公務員における働き方改革に係る状況、令和四年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要からでございますが、今の地方公務員における育児休業の男女別の取得状況については、都道府県、指定都市、それから市区町村合計で、女性は一〇〇・三%ということでございますが、男性職員はまだ三一・八%、まだ三分の一でございます。そして、よく見ていただくと、育児休業の承認期間は、男性は一か月以下というものが五〇%、約半数近くなんですが、女性の一年から二年が三割から四割の間と比べると非常にまだ短期間であるというところが象徴的かなというふうに思います。男性職員の育児休業の取得率は、前年度から比べると一二・三ポイント増加しております。
資料二を御覧いただきたいと思います。
資料二の男性職員の育児休業取得率、令和四年度、合計三一・八%。前年度と比べると一二・三ポイント増えているということでございますが、まだまだ不十分だというふうには思います。資料二の地方公務員の男性職員の育児休業について、一つは取得率、折れ線グラフを見ていただきたいと思いますが、一つ目には、取得率は国家公務員と比べて低水準であるということ、それから二番目に、地方自治体ごとまた団体間の格差が大きいということ、そして部門別の格差、つまり消防、警察、教育という部門もありますけれども、特に消防と教育委員会で低水準になっているということが課題であるというふうに思っております。総務省の政府参考人に伺いますが、これらの理由がどのようなことにあるのか、どのように認識しているのか、まず伺いたいと思います。
○小池政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、令和四年度の男性職員の育児休業の取得状況を見ますと、一般職の国家公務員よりも地方公務員の一般行政職員の方が低くなっております。
国家公務員については、令和元年に、男性職員による育児に伴う休暇、休業の取得促進の方針を打ち出し、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上を目途に育児に伴う休暇、休業を取得できることを目指して取組を進めており、自治体に先行して取得促進の取組をしたことが取得率の差につながっているものと認識しております。
自治体間の取得率の差に関して、取得率が高い自治体においては、首長の強力なリーダーシップの下で、取得目標の明確化、職員への意識啓発、職員の取得計画に上司である管理職が協力するなど、様々な取組が進められているものと承知をしております。
部門別に見ますと、消防部門が一六・四%、教育委員会が一九・二%となっており、他の部門と比較すると低水準となっております。
この理由については様々考えられるところではありますが、自治体に対するヒアリングにおいては、例えば消防部門では、交代制勤務のため部隊運用に当たっての一定の人員数の確保や救急救命士等の資格保持者の代替職員の確保が困難であること、教育委員会では、教科の専門性や学級担任など児童生徒との関係で業務が属人化する傾向があることや、免許職種であることに加え短い任用期間での臨時講師の確保が困難であるといった御意見があったと承知をしております。
○道下委員 トップの方のリーダーシップが大変重要だということと、あと、やはりこれまで人員を削減し続けてし過ぎてしまっているというのが私は大きな原因でもあるというふうに思っております。
資料四を御覧いただきたいと思います。
これは、内閣官房が二〇一九年十二月二十七日に発出したものでございます。国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針に基づいたものでございますが、その中で、先ほども国家公務員の方が先に進んでいる理由として、国家公務員が率先して男性職員の育児に伴う休暇、休業の取得について思い切った取組を進めることが必要であるというふうに書かれているんですね。これで国家公務員の男性職員の育児休業取得率が地方公務員よりも進んでいるというふうにいいますが、先ほど申し上げたとおり、やはり様々な組織のトップが決断して判断して強力に進めてきたこと、職場の意識改革、所属長がしっかりと育児休業を取得しやすい環境を率先して進めてきたとかということで取得率が向上したものと理解しますが、国家公務員の担当であります内閣官房、政府参考人から伺いたいと思います。
○横田政府参考人 お答えいたします。
我が国全体で男女共に仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりを進めるために、閣議で決定する男女共同参画基本計画などにおいて男性の育児休業取得率の目標値を定め、政府として推進しているところでございます。
国家公務員においては、国全体を率先するという考え方の下で、令和元年に、総理の指示を踏まえ、各省事務次官などで構成する協議会において御指摘の方針を定めまして、取得率の向上に努めてきておるところでございます。
このように組織のトップが推進していくことが重要であると認識しておりまして、今後も更に男性職員の育児休業の取得を促してまいります。
○道下委員 ありがとうございます。
そのように、一つは国家公務員の方は閣議決定がなされて率先して取り組んできたということでありますが、では地方公共団体はどうかというと、取得率は総じて合計すればまだまだ国家公務員の方には追いついていないんですけれども、しかし、それは地方自治体全部かというとそうではないんです。
資料三を御覧いただきたいというふうに思います。これも総務省の先ほどの令和四年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要なんですが、都道府県、指定都市の全部門、警察部門、教育委員会部門等の取得率なんですけれども、この時点で、指定都市の全部門、消防部門、教育委員会部門、千葉市が取得率が一位なんですね、全て。
報道によりますと、今、千葉県知事をされていらっしゃいますけれども、当時千葉市長をされていた熊谷千葉市長が、しっかりと、育児休業の取得を前提にして、例えば男性職員が所属長と育休の取得を前提として面談し計画書を作ることをルール化しているだとか、しっかりとしたリーダーが育児休業の取得の環境づくりに率先して取り組めば地方公共団体もしっかりと取り組める、私はそのように思っております。
要は組織トップの意識に課題があり、取得率の向上や格差の解消のためには組織トップの意識を改革することが私は最重要であるというふうに思うんですが、総務大臣に伺いたいと思います。
○村上国務大臣 道下委員の御認識どおり、先ほども説明がありましたけれども、男性の育休取得率が高い自治体においては、首長の強力なリーダーシップの下で、取得目標の明確化、職員への意識啓発、職員の取得計画に上司である管理職が協力するなど、様々な取組が進められているというふうに承知しております。
また、委員から言及があった千葉市の例のほかにも、市長を交えた育児中の男性を対象としたミーティングを開催して、男性職員の意識啓発を図っている自治体の例などもあります。そのような取組事例について自治体に対して情報提供を行っております。
今後も男性職員の育児休業の取得促進の取組が一層進んでいくよう必要な助言や情報提供を行ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○道下委員 今、村上大臣から御答弁をいただきましたけれども、組織のトップがしっかりとリーダーシップを発揮して取り組むことが重要であるという答弁でございます。これがまずもちろんそうだと私は思いますが、ただ、組織のトップがそうしたことをやってもなかなか、もう一つの理由で育休を取得しづらい環境でもあるのかなというふうに私は思います。
資料五を御覧いただきたいと思います。
例えば、こども家庭庁、こども未来戦略、先ほどは閣議決定されたということでありますけれども、政府が昨年十二月二十二日に閣議決定しているこども未来戦略、そこに書かれている「次元の異なる少子化対策の実現に向けて」というところから抜粋したものでありますが、こども未来戦略においては、これは民間の話ですけれども、正社員の男性について育児休業制度を利用しなかった理由を尋ねた調査では収入を減らしたくなかったが最も多かった、また、育児休業制度を取得しづらい職場の雰囲気、育児休業取得への職場の無理解、自分にしかできない仕事や担当している仕事があったなども多くて、制度はあっても利用しづらい職場環境が存在していることがうかがわれるというふうにここでは指摘しています。このような状況は、私はおおよそ地方公務員の男性職員にも同様のことが言えるのではないかというふうに思いますが、総務大臣の認識を伺いたいと思います。
○村上国務大臣 御指摘のとおり、地方公務員の男性職員が育児休業の取得をためらう要因については、今おっしゃられたように、こども未来戦略における指摘と同様に、取得しづらい雰囲気や周囲の理解を得にくい、また、周囲の職員の負担が増えるといったことなどがあると承知しております。
そういう中で、やはりこういった要因を解消して、安心して育児休業を取得できるよう職場全体として環境づくりを進めていくことが重要である、そういうふうに考えております。
以上であります。
○道下委員 取得しづらい環境というものは、所属長が、また組織のトップが取得するのが当然だというふうに働きかけて、そして育休取得者以外にもそういった働きかけをすればいいんですけれども、私は、収入を減らしたくなかったとか、自分にしかできない仕事や担当している仕事があったということの理由、これを解消することも大変重要であるというふうに思います。
男性の育児休業の取得を促進するためには、利用しなかった理由、利用しづらいんじゃなくてしなかった理由、利用しなかった理由が成り立たないというくらいの大胆な措置を検討すべきだと考えております。例えば、休業期間中の給与は減額しないだとか、特段の理由がない限り取得を前提とするとか、本当に義務のようなものですね、強制のような。また、休業中の業務を代替する人員を前年度の取得状況に応じて補充するなどの措置を検討すべきではないでしょうか。
先ほども政府参考人からお話がありましたが、いろいろと、免許があるだとか限られた人数しかいないとか、そういったことで利用しづらいわけです。また、給料が減らされるから休めないということもあるわけですから、そうしたところを是非解決するために、総務大臣、何か御意見、御見解をいただきたいと思います。
○村上国務大臣 御高承のように、育児休業をしている職員は、職務に従事しないことから、原則として給与は支給されません。
しかし、一方、地方公務員共済組合から育児休業手当金が支給されます。大体約八割ぐらいだと思います。これに加え、令和七年四月からは育児休業支援手当金も支給される予定であります。
育児休業中は共済の掛金等が免除になるため、これらを合わせるとほぼ手取り額と同額が支給されることとなります。
また、今委員から御質問いただきました、特段の理由がない限り取得を前提とした体制の準備や業務分担の見直しなどの業務運営の確保、育児休業を希望する者を早めに把握して代替職員を補充する計画を立てることなどの取組は効果的と考えておりまして、このような取組を行っている自治体の事例についても情報提供を行ってきているところであります。
これらの取組を含め、各自治体における男性の育児休業の取得が一層推進されるよう必要な取組を行っていきたい、そういうふうに考えております。
○道下委員 今、答弁では、共済からの八割ということでありました。私は、これは共済とかではなくてちゃんと給料として、自治体がしっかりと給与を満額支払う、そのために国が地方公共団体に交付税として下ろす、これが当たり前だというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。
それから、ちょっと一つ飛ばしまして、今度は警察と消防についてでありますけれども、先ほどの資料二においては、部門別の取得率の格差、前年度は消防に次いで一割に満たなかった警察がこの一年で一七ポイント上昇しています。具体的にどのような措置を講じたのか、警察庁の方から伺いたいと思います。
○重松政府参考人 お答えいたします。
都道府県警察におきましては、男性職員の育児参加を促進するために、職員、とりわけ警察署長などの幹部に対して育児休業の制度やその取得の重要性について教養を行うなどの各種取組を推進しております。
その結果、男性職員による育児参加の意識づけや育児休業を取得しやすい環境づくりを図っているところでございます。これらの取組の効果が徐々に浸透してきたということも男性職員の育児休業取得率が増加した理由ではないかというふうに考えております。
警察としては、引き続き、様々な取組を通じて男性職員の育児参加を含めた働きやすい職場づくりに努めてまいりたいと考えております。
○道下委員 ありがとうございます。
消防の方なんですけれども、なかなか大変かなと思いますが、資料六を御覧いただきたいと思います。
これは三年前の十二月二十四日付の総務省の公務員課長通知であります。ラインを引いていますが、関係省庁においても部門ごとに取組が進められているので各任命権者と連携した取組をと地方自治体に要請されていますけれども、具体的な対応が記載されておりません。消防庁において、男性消防職員の育児休業取得の促進のため、消防における業務の特性を踏まえて具体的にどのような取組を進めてきたのか、消防庁に伺いたいと思います。
ちなみに、今回の資料は令和三年度のものです。令和五年も同様なものの通知がありますが、ここの警察、消防、教育委員会部門における取組というのがないんです、三年間ないんです。どのように取り組んできたのか全く総務省としては分からないんですけれども、消防庁の方からお願いいたします。
○田辺政府参考人 昨年六月に閣議決定されたこども未来戦略方針、同年十二月に閣議決定されたこども未来戦略において、消防職員に係る男性の育児休業取得率の政府目標が令和七年までに五〇%、令和十二年までに八五%に引き上げられました。
このことを受けまして、消防庁から通知を発出し、各消防本部において昨年度中をめどに男性職員の育児休業取得率について政府目標を踏まえた新たな数値目標を設定する等、一層の取得促進に取り組んでいただくよう依頼しております。
また、男性の育児休業取得率の高い消防本部における取得促進の取組や育児休業の取得に伴う部隊運用上の工夫に関する優良取組事例集を作成し、各消防本部に情報提供をしており、これらを参考にして積極的に取り組むことも依頼しているところです。
引き続き、各消防本部における男性消防職員の育児休業取得率の一層の促進に努めてまいります。
○道下委員 消防隊員、救急隊員、結構限られた職種でございますので、なかなかすぐに増員するというのは難しいかもしれませんが、一昨年の四月七日のこの委員会の質疑において当時の公務員部長も答弁されておりますが、多発する大規模災害への応援派遣等、極めて過酷な職場実態において、育児休業の取得を可能とする組織的な余力がなくて、そのことが取得率が低くなってしまっている最大の要因だと私は思いますが、総務大臣、絶対的な人員の不足を補う消防職員の人員増を図るべきだというふうに思います。消防も教育もそうなんですが、是非、総務大臣、力強い御答弁をお願いいたします。
○村上国務大臣 道下委員のおっしゃるとおりでございまして、近年増加している救急需要や激甚化、頻発化する災害等に対応するため、消防職員数の確保は大変重要であるというふうに考えております。
消防職員数については近年一貫して増加を続けており、こうした状況を踏まえて、地方財政計画においても適切に消防職員数を計上しているところであります。
引き続き、消防職員の確保に向けて支援を行うとともに、男性消防職員が育児休業を取得できるよう体制の確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、そういうふうに考えております。
以上であります。
○道下委員 ありがとうございます。終わります。
○竹内委員長 次に、岡本あき子君。
○岡本(あ)委員 立憲民主党・無所属の岡本あき子でございます。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
地方公務員育児休業法の改正について、男性の育休取得については今ほど道下議員が質問してくださいましたので、もし時間が最後に余ったら、改めて補足の追加の質問を私もさせていただきたいと思いますが、資料一を御覧ください。今ほど申し上げましたとおり、上の棒グラフ、警察、消防、教育委員会、男性の取得率が非常に低い課題があります。先ほど、強いリーダーシップもありましたけれども、やはり私は、定員管理の中で最小の職員数で最大の効果を上げるという言葉が余りにも大きなプレッシャーに地方自治体にとってはなり過ぎているんじゃないかということをまずは御指摘させていただきます。
さて、今回の法改正の中で、中身は評価いたします。ただ、まだまだ当事者の声をより反映して、更なる改正も必要なのではないかと私は思っております。
当事者の方々にお話を伺いました。今回、部分休業について会計年度任用職員が小学校が始まるまで対象を延長するというところ、歓迎をいたしますが、ただ、常勤の方も会計年度任用職員も小学校三年生ぐらいまでの子供を対象にしていただけないかという声をたくさん聞いております。保育所までは十一時間原則開所してくれていますけれども、小学校に子供が入学した途端に、朝、子供が登校するより早く親が出勤しなければいけない、あるいは子供が帰るよりも遅く帰宅せざるを得ない、そういう状況があります。小学校入学直後の方がより部分休業が必要ではないか。
それからもう一つ、多く御意見をいただいたのが、会計年度任用職員本人の病気休暇、今後、常勤と同様に有給になるんですが、本人も大事なんですが、子供の看護休暇、常勤職員は有給ですが、会計年度任用職員は無給のままです。
当事者の切実な希望がありますが、この二つを例にして更に改善を今後も求めていくべきではないでしょうか。まず、総務大臣にお考えをお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 岡本委員の御質問にお答えします。
部分休業は勤務条件に関わるものであることから、地方公務員法に定める均衡の原則の趣旨に鑑み、国家公務員と同様の制度としてきております。
国家公務員の育児時間制度においては、対象となる子の年齢は小学校就学の始期に達するまで、つまり就学前までとされております。
これは、民間の対応する制度の対象となる子の年齢と合わせているものであると承知しております。
また、子の看護休暇を始め会計年度任用職員の各種休暇について、常勤職員と同様に有給とすることの要望があるということは十分承知しております。
そういう中で、一方、会計年度任用職員の休暇制度については、これまで、国家公務員の非常勤職員の休暇制度との権衡を踏まえて適切な対応を行うよう助言してきているところであります。
国家公務員の非常勤職員の休暇制度については、業務の必要に応じ、その都度、任期や勤務時間が設定され任用されるという非常勤職員の性格を踏まえ、民間の状況などを考慮し、必要な措置が行われていると承知しております。
引き続き国家公務員の動向を注視しながら適正な勤務条件の確保を進めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○岡本(あ)委員 是非、村上大臣に御自身のお考えを伺いたいと思うんですが、今の御答弁でいくと、国家公務員の処遇、待遇が決まって変わると準拠して地方公務員が変わる、国家公務員の非常勤が変わると地方公務員の会計年度任用職員と非常勤の方々の処遇が変わる、御答弁もそういうものでした。本当に国と地方は対等なんだろうかと私は疑問を持たざるを得ません。いつも国が決まってから地方になる、順番がその流れになっているというところに対して、まず、総務大臣、御意見があるかというのが一点。
それから、石破総理は会計年度任用職員の待遇改善の考えを示してくださっております。本当に歓迎をするものです。
国家公務員の非常勤と地方公務員の会計年度任用職員、私は、多分、中身は随分違うんじゃないかと思っています。地方公務員は実に二割程度が会計年度任用職員で、そのうち四分の三、七六%が女性です。特に、市町村職員は、住民への直接の行政サービスをこの方々が担っている場合が多いです。いつまでも国家公務員に準拠というよりも、地方自治体の実態、特に住民サービスを直接持っている実態、会計年度任用職員が直接住民サービスに関わっている実態、それから数の多さ、ここら辺も含めて地方自治体に合った制度を柔軟にまず発想するということも推し進めるべきではないかと私は思っています。
御助言をいただいて、時差で常に地方公務員が後になる、この時差というところ、それから対等ではないんじゃないかというところについても、是非、村上総務大臣の御自身のお考えを伺わせていただければと思います。お答えください。
○村上国務大臣 岡本委員のお考えは、地方の実態に合った、地方ならではの制度をつくるべきじゃないかという御意見だと思います。
ただ、今、複雑化、多様化する行政需要に対応するために、常勤職員に加え会計年度任用職員も地方行政の重要な担い手となっているというふうに私どもは認識しております。
そのために、職業生活と家庭生活との両立を図ることは、常勤職員に限らず、会計年度任用職員についても重要だと考えております。
会計年度職員に関する仕事と育児との両立支援制度については、地方公務員法の規定を踏まえ、国家公務員の制度に準じたものとされております。
これまで、国家公務員の非常勤職員については、常勤職員とのバランスを踏まえ、休暇について夏季休暇や育児参加休暇の新設などの見直しを順次行ってきております。今般の法改正においても育児時間の対象となる子の年齢の要件を常勤職員と同様に引き上げる見直しをされているところであります。
総務省としましては、引き続きこういった動向を注視しながら会計年度職員の勤務条件についてなお一層検討や助言を行っていきたい、そういうふうに考えております。
○岡本(あ)委員 総務省としては助言ということになりますけれども、村上総務大臣には、地方自治体側の立場に立って思いをはせていただきたいなということをお伝えさせていただきます。
男性の育児休業については、後ほど時間があったらお伺いします。
次に、会計年度任用職員等から聞いたときに、今最も忙しい業務がマイナンバーカード、それからマイナ保険証の対応、十一月、十二月はとても繁忙なんだ、休むどころじゃないというお声を聞いておりますので、この点をちょっと確認させてください。
資料二を御覧ください。マイナンバーカードを紛失して、マイナ保険証を載せているのでどうしても医療にかかりたい、早く出してくれと言うと、赤線を引いておりますが、御本人が紛失した場合、紛失のマイナンバーカードで千円、特急発行で千円、二千円お金を取るという報道を目にして非常にびっくりしております。
紛失は確かに自己責任ですが、高齢者になればなるほど紛失率は高いです。行政の窓口に聞いたら、後期高齢者医療の保険証、やはり通常よりも高い率で再発行を求められていると。この方々は医療にかかる頻度も高いです。なくしたら毎回二千円取らないと出さないよというのは非常に酷ではないかと思います。落とした自己責任の千円は百歩譲って分かりますけれども、マイナ保険証を載せているので急いでくれという人に更に千円取るというのは酷ではないでしょうか。これは特急発行を無償で扱う合理的理由になりませんか。お答えください。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
今御指摘がございましたとおり、新規出生者、それからマイナンバーカードの紛失者など、特に速やかな交付が必要となる方を対象に交付までの期間を短縮しております。特急発行と呼んでおりますけれども、これを今月二日から開始してございます。
この場合、非常に本人確認のために重要なツールということですので、御指摘がございましたように、新規発行や更新の場合、天災その他本人の責めによらずに再発行する場合は、多くの場合に当たりますけれども、一般的な申請の場合については発行手数料を無料としてございます。特急発行の場合も無料ということでございます。
一方、お話がありましたように、本人の責めによる紛失等の場合は、再発行につきましてはカード発行経費相当として手数料が設定されているということでございます。
今お話がございましたように、通常の場合は千円、自分の責による場合ですけれども千円、特急発行の場合には二千円ということになって、差異があるじゃないかというお話だと思います。特急発行の場合、カードの特に速やかな発行のためにシステムを組みましてサーバーを運営している、それから速達で送るとか送付に要する経費もあるものですから、この辺りの経費も加算して二千円ということで設定されているところでございまして、御理解を賜りたいというふうに思っております。
○岡本(あ)委員 私はちょっと納得できません。
報道で、岩手県の宮古市というところが、後期高齢医療者の紛失による再発行が年間二百件を超えている。後期高齢者の人口は一万人なんですね。そうすると、二、三%の方が一年間で再発行を求めていらっしゃるんです。
どうしてもお年寄りの方というのは、なくす、紛失する率が高い。それを本人の責にする。百歩譲ってマイナンバーカードは本人の紛失ですねというのは分かるんですが、マイナ保険証を載せているために急いでくれと言ったら更に千円下さいというのは私は非常に酷だと思っています。マイナンバーカードを使っていただきたい、マイナ保険証をより使っていただきたいと思うのであれば、高齢者の方々のマイナ保険証を載せているために急いでくれというのは私は合理的な理由になると思います。是非これも発行している総務大臣としては心に留めておいていただきたいと思います。
そして、もう一つ、マイナンバーカードのパスワード。本人に代わって他人がパスワードを入力する場合というのは私は基本あってはならないと思うんですが、誰に認められているのかというところ。
時間が限られているので、もう一個まとめて聞きます。実は、薬局は、本人じゃなくても代わりの人が薬を受け取ることができるんです。このときに、処方箋を持ってきてください、ほかに保険証を持ってきてください、代理でも本人の保険証を持ってきてくださいという案内をしているところが非常に多くあるんです。マイナ保険証の場合、パスワードがないと保険証確認できませんので、これは処方箋だけにするべきで、他人のマイナ保険証を代理といえども本人がいないところで入力させるということはやめさせるべきだと思います。
パスワードの入力の権限は総務省に。それから、薬局に対して他人のマイナ保険証を持ってくるよう促すのはやめさせていただきたい、この点、厚労省にお答えいただきたいと思います。
○阿部政府参考人 前段部分についてお答えいたします。
御指摘がございましたように、本人確認に使えるツールということでございますので、暗証番号につきましては法令上みだりに他人に知らせない旨定めが置かれておりまして、本人又はその代理人以外の者は他人に該当すると解されることから、本人又はその代理人以外は入力を行うことはできないというふうな規定になってございます。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
薬局における資格確認の方法につきましては、マイナ保険証のほかに、保険医などが交付した処方箋などによるものも認められてございます。
お尋ねの事例の場合であれば、マイナ保険証を提示せずとも、例えば処方箋を薬局において確認することで、現に親の看護に当たっている子が従来どおり親の薬を代理で受領することが可能と考えられます。
引き続き、こうした点を周知しまして、不安解消に向けた取組を進めてまいりたいと思います。
○岡本(あ)委員 他人のマイナ保険証を持ってきて、代わりに他人が、親子とか親族といえども他人がパスワードを入れさせる、それを薬局とかが促すということは絶対やめていただきたいと思います。
あと、資格確認書について伺います。今マイナ保険証にしていない方には、職権で資格確認書が今後発行されます。ただ、一年とか五年とかといううわさが飛び交っていて、五年しか持てないんじゃないかという不安の声があります。職権による発行は、時限ではなくて、ずっと永久に発行し続けていただけますよね。その点を確認させてください。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
資格確認書は、マイナ保険証を保有しない方などオンライン資格確認を受けることができない状態にある方がこれまでどおりの保険診療を受けられるよう交付するものであり、資格確認の仕組み自体については法律上の期限は設けられてございません。
また、高齢者や障害者等のマイナ保険証による受診が困難な方については、マイナ保険証をお持ちであっても、申請に基づき資格確認書を交付するというふうにしているところでございます。
○岡本(あ)委員 今、法律上の期限がないと聞いて安心をしました。
一方で、マイナ保険証を持っているけれども資格確認書も欲しいという方、最初は希望かもしれませんが、一番聞かれているのが、介護施設の経営者から、マイナ保険証は怖くて預かれない、是非資格確認書で持たせていただきたい、でも一々全員にマイナ保険証を解約してくれというのも大変なので、是非資格確認書発行を認めてほしいし、永久に住まわれる意思がある方については今後は職権で発行する対象に拡大をしていただきたいという要望があります。この点もお答えください。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
今お話にありました、例えば施設に入所されている高齢者の方あるいは障害者の方など、マイナ保険証による受診が困難な方については、マイナ保険証をお持ちであっても申請に基づいて資格確認書を交付するということにしております。
また、このほか、マイナ保険証につきましても、こうした方々につきましては、パスワード、四PINがないマイナンバーカードを交付することもできるという取扱いとしているところでございます。
○岡本(あ)委員 高齢者の方々はなかなか顔認証が厳しいという声もいただいておりますので、実態に即した対応を求めたいと思います。
時間が来ましたので、質問を終了させていただきます。
マイナンバーカード発行、更新、総務省の皆さんにも行政の皆さんにも御協力いただいていること、大変感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 おはようございます。日本維新の会、黒田征樹でございます。
現在、少子化、高齢化、人口減少、様々進んでいく中で、二人の先んじた質問でありました、もっと総務省としても後押しを、ワーク・ライフ・バランスの拡充とかそういったことに向けて総務省としても後押しするべきだということは、私もそのとおりだというふうに思います。
その上で、今議題となっております地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案についてお聞きしていきたいというふうに思います。まずは、この法案を提出するに至った背景と趣旨についてお聞かせいただきたいと思います。
○小池政府参考人 育児を行う職員の職業生活と家庭生活の両立は、官民共通の重要な課題となっております。
本法案は、この両立を一層容易にする観点から、地方公務員の部分休業制度について国家公務員に準じた改正を行うものです。
部分休業制度を拡充することによって子の年齢に応じた柔軟な働き方を選択できるようにするものであり、これにより職員の希望や事情に対応した勤務を可能とすることを意図したものでございます。
○黒田委員 この法案によって範囲が拡大するということでありますけれども、そもそも、この制度、拡大された範囲の対象となる、そういった職員というのはどれぐらいを見込んでいるのかとか、あと期待する声、ここを期待していたという声がどれぐらいあったんですかということをお聞きしたところ、それは余りいないんじゃないかというところではありました。
現在、地方公共団体でも職員の働き方の改革、そしてまたワーク・ライフ・バランスの充実が進められておりますけれども、まだまだ不十分だというふうに考えております。そこで、お聞きいたしますけれども、地方公共団体における男性職員の現状の取得率と目標についてお聞かせいただきたいと思います。
○小池政府参考人 地方公務員の男性の育児休業の取得率について、令和五年十二月に閣議決定されたこども未来戦略では、一般行政部門の常勤職員に係る育児休業取得率の政府目標として、令和七年までに一週間以上の取得率を八五%、令和十二年までに二週間以上の取得率を八五%とすることとしています。
これに対し、令和四年度の地方公務員の男性職員の育児休業取得については、一般行政部門で、一週間以上の取得率が四六・四%、二週間以上の取得率が四二・二%となってございます。
○黒田委員 この法改正をもって目的達成に即効性があるというものではないかも分かりませんけれども、育休取得者が選択できる幅が広がるということは、これで幾分か利便性が向上するというふうには考えております。
それでは、現状の数値にとどまる理由について総務省はどのように分析をされているでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○小池政府参考人 地方公務員の男性育休取得率は五年前と比べて約七倍と大きく伸びてきており、二〇二五年度までの取得率三〇%というこれまでの政府目標を超えているところですが、一方、先ほど答弁いたしましたこども未来戦略における新たな政府目標との関係では一層の取組が必要となっている状況でございます。
男性職員が取得をためらう要因については、公務員に限ったことではありませんが、例えば、取得しづらい雰囲気や周囲の理解を得にくい、周囲の職員の負担が増えるといったことなどがあるものと承知をしており、安心して育児休業を取得できるよう、職場全体としての環境の整備を進めていくことが重要であると考えております。
このような中、男性育休取得率は自治体間で大きな差が見られるところであり、自治体によっては積極的な取組により取得率が高水準となっている団体もあると承知をしております。
○黒田委員 私自身も、堺市議会議員時代に堺市の職員さんから育休の取得についてお聞きをいたしました。
先ほど来話がありますけれども、まずは収入が減るということについて抵抗があるということで、先ほど大臣のお答えでも共済会からの補填が令和七年度から始まるということもお聞きしましたけれども、私自身もこれはしっかりと国が措置するべきじゃないかなというふうにも思っております。ただ、国がどんどん措置をしていくことに対して借金をするとか増税をするとか、そういったことではなくて、しっかりと改革、成長によってお金を生み出して、住民サービスの拡充に努めていただきたいというふうに思います。
次に、これも先ほど来話があります、育児休業中に職場に迷惑をかけるということに対する抵抗であります。代替職員ということですけれども、実際には単純作業だけではないので臨時的な任用職員がいても余り意味がない場合も多々あるそうで、堺市でもこういった同様のケースにおいて任用もせずに欠員のまま対応したということも多々あるということもお聞きをしております。ただ、その場合に何かインセンティブを与えることはできないのかなという話も当時したのも自分は記憶しているんですけれども。
調べてみると、愛媛県では勤勉手当で加算する取組というものを開始しているということであります。そしてまた、同様の取組を福岡県、山梨県でも実施されて成果を上げているということもお聞きしておりますので、こういった取組も是非事例集に記載して横展開を図っていただきたいというふうに考えております。
三つ目は、自分のキャリアに対する不安というものがあります。育児休業期間が将来の昇進や異動に影響しないかということで、地方公務員の育児休業に関する法律第九条では職員は育児休業を理由として不利益な取扱いを受けることはないと規定されてはいるものの、このことによってそれがどれだけ担保されているのかというところが、まあ人事というのはどこまでいっても不透明でありますので、この辺、具体的な対応策、すぐには困難かと考えますけれども、そもそもの取得率自体がしっかりと上がっていけば、要はこれが当たり前にもっとなっていけばそういった心理的な不安というものは和らぐものだというふうに考えておりますので、育休の意義そのものを周知と併せて浸透させていただければというふうに考えております。
そういった複合的な課題がある中で、来年、二〇二五年までに一週間以上の休暇を八五%という目標を先ほどお答えいただきましたけれども、現時点で国家公務員の一般職の取得率で七二%、そして地方公務員全体としては三一%、まだまだ低い水準にあると思いますけれども、目の前に迫った二〇二五年取得率八五%、この目的達成に向けて今後どのような取組を進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○小池政府参考人 先ほど答弁いたしました取得率が高い自治体においては、首長の強力なリーダーシップの下で、取得目標の明確化、職員への意識啓発、職員の取得計画に上司である管理職が協力するなど、様々な取組が進められているものと承知をしております。
総務省においては、こうした自治体の優れた取組について、ヒアリングを行った上で取りまとめ、好事例として自治体に情報提供するなどの助言を行ってまいりました。
さらに、今年五月には、男性職員の育児休業取得率向上につながった事例について、事例集として取りまとめて自治体に助言を行ったところであります。その中では、自治体の規模にも目配りしつつ、各自治体が取り入れやすいよう、具体的な事務の流れだけでなく、取組を行った要因、課題や背景、留意点などの取組のポイントについてもお示ししたほか、取得率が高い自治体が実際に活用している育児休業等取得計画書などの資料も掲載をしているところでございます。
今後とも、政府目標の達成に向けて、男性職員の育児休業取得促進の取組が進んでいくよう、必要な助言や情報提供を行ってまいります。
○黒田委員 ありがとうございます。
先ほど述べました国家公務員自体の一般の取得率が令和四年度七二・五%ということでありますけれども、では総務省全体はどれぐらいになっているんですかと聞くと、最新の数字でいうと七〇%ということで少し全体よりも低いというような状況なので、大臣、ここはしっかりとイクボス宣言をしていただいて、取得率の向上にも努めていただきたいというふうに思います。
自分自身も堺市議会議員として、堺市の職員さんとワーク・ライフ・バランスの充実、そしてまた職場の環境改善、そういったことを幾度となく議論もしてまいりました。
今回の地方公務員の育児休業の改正、これは部分休業の拡大ということで当然反対するものではありませんが、近年、社会経済環境そして市民ニーズの変化、地方分権の進展による多様化、高度化する行政需要に地方公務員は応えていかないといけないということで、年々職員さんの確保が非常に困難になってきている現状があります。そしてまた、二十代から四十代の中途退職者も増加をしてきているというような状況がある中で、働く環境を改善していかないといけない。
その中で、堺市では、行政情報のデータベース化、ネットワークを構築、そういったことであるとか行政手続の電子化、行かなくてもいい役所、そういったものを目指して市民サービスを向上させているということと、あと事務処理の効率化を進めて職員さんの負担を減らしている、こういったことも進めて、要はデジタル化というものをどんどん推進していかないと将来自治体全体が非常に運営が困難になるということが考えられます。
こういったことを踏まえた上でお聞きいたしますけれども、現在の地方自治体において、人材確保に向けた課題の解決、職場環境の改善、ライフ・ワーク・バランスの充実、これは欠かせないというふうに思いますけれども、総務省としてどのように認識しているのか、そしてまたどのように取り組んでいくのか、村上大臣にお答えをいただきたいと思います。
○村上国務大臣 黒田委員の御質問にお答えしたいと思います。
各自治体が、複雑化、多様化する行政課題に的確に対応しつつ、効率的で質の高い行政の実現を図る上で、各自治体を支える人材の確保や業務の見直し、テレワークなどの柔軟な働き方の促進といった働き方改革の観点は大変重要であるというふうに考えております。
その点を踏まえながら、総務省では、昨年十二月に、自治体が人材育成、確保を戦略的に進めるための指針として、人材育成・確保基本方針策定指針を策定したところであります。特に専門人材の確保が課題となる中、小規模市町村を中心に配置が困難な専門人材を都道府県等が確保し派遣する取組を進めるなど、人材確保の取組を支援しているところであります。
また、適切な職場マネジメントや働き方改革といった取組について、これまで、ガイドブックや事例集を作成して自治体に周知してきたほか、大学教授等の専門家を希望する自治体へ派遣し、専門的な立場から助言、情報提供を行うことで取組を支援する専門家派遣事業を実施してきたところであります。
その上に、これからは、総務省としては、各自治体における人材確保や働き方改革の取組が着実に進むよう、必要な助言、情報提供をしっかりと行っていきたい、そういうふうに考えております。
○黒田委員 少子高齢化も働き方の改革も待ったなしだというふうに思いますので、しっかりと総務省として取り組んでいただきたいと思います。
以上です。終わります。
○竹内委員長 次に、福田玄君。
○福田(玄)委員 国民民主党・無所属クラブの福田玄でございます。
今回、地方公務員の育児休業法の改正について質問の時間をいただき、ありがとうございます。
今回の改正について、元をたどれば、厚生労働省の育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法の改正に端を発していると承知しております。こういった法律ができる、改正を含めて議論される根底にあるのは、やはり人口減少、少子高齢化の影響で雇用者の労働環境が悪化をしているということが根本にあるということであると思いますが、この根本についてお伺いをしたいと思います。
人口減少への対応方針についてでございます。
人口減少は日本の最重要課題の一つであり、特に地方における若者の流出と経済の衰退は深刻な問題です。総務省は、地方行政の司令塔として、人口減少の問題にどのように立ち向かおうとされているのでしょうか。これまでの取組と今後の戦略、具体的な見解をお聞かせください。地方創生、若者の地域定着、そして持続可能な地域社会の実現に向けてどのようなビジョンをお持ちであるか、お知らせください。
○冨樫副大臣 急激な人口減少や若者の流出などが進む中で、地方が置かれている状況は非常に厳しいものだと認識をしております。
総務省としては、これまでも、地域の実情に応じた行政サービスの提供が行われるよう、自治体の自主性、自立性を高めるとともに、地方への人の流れの創出、拡大、自治体DXの推進、他の自治体や地域の多様な主体との連携等の取組を進めてきたところであります。
しかしながら、引き続き自治体の体制確保が大きな課題となっていることから、先月、対策を検討するため、研究会を立ち上げたところです。
今後とも、自治体の行財政を持続可能なものにしていくため、自治体DXや連携の更なる推進、国、都道府県、市町村の役割の在り方も含めて、どのような方法が考えられるか、自治体の皆様の声を伺いながら検討してまいります。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
研究会を立ち上げられたということなんですけれども、どれくらいのスパンで結論を得るというようなことをお考えか、お分かりになりますか。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
今お尋ねがありました研究会は、持続可能な地方行財政のあり方に関する研究会というものでございます。十一月二十一日に立ち上げておりまして、おおむね月に一回のペースで開催したいと思っております。夏頃までに取りまとめを行えればというふうに考えているところでございます。
○福田(玄)委員 夏頃までにということで、持続可能な行財政は本当に大切なことであると思いますが、やはり人口減少、少子高齢化にこの国としてどうやって立ち向かっていくのかという、その中で総務省の役割があると思いますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
先ほど来各委員から御質問がございますが、やはり大体、今回の法案に対して思っているところは一緒なのかなというふうに思っています。育児休暇の取得であるとか皆さんの働きやすさをどうやって実現していくのか、そのことで少子高齢化にどうあらがっていくのかということだと思います。
重なる部分があるかと思いますが、お聞きをいたします。まず、有休消化の現状と部分休暇制度の関係についてお伺いしたいと思います。
今回の部分休暇の制度ですが、これを使用するとお給料が出ないんですよね、部分休暇を使うと。しかし、日本の今の課題、まずは有給休暇の消化率の低さ、これが民間も含めて本当に大切なことなんじゃないかなと思っています。年間二十日間の有給休暇があるのに、大体平均して、多いところでは十五日ぐらい休んでいるところもありますけれども、地方自治体なんかは十日弱というようなところが多くあるというふうに伺っております。
そういった部分では、今回の部分休業制度は一体どの程度の実効性があり、どれほどの職員が活用できると見込まれているのか、そして、まずは部分休暇よりも有給休暇促進の仕組みづくりが不可欠だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○小池政府参考人 職員が希望に応じて部分休業を取得するためには、日頃からの業務の見直しや効率化の実施、管理職による適切な職場マネジメント、時間外勤務の縮減に向けた取組などが重要であり、これらは、年次有給休暇の取得など、職員が働きやすい、休みやすい職場環境づくりのための取組と共通であると考えております。
令和四年の地方公務員の年次有給休暇については、平均取得日数は十二・六日ですが、自治体の規模が小さいほど取得日数も少ない傾向が見られます。
総務省としてはこれまで自治体に対して、適切な職場マネジメントや働き方改革といった取組についてのガイドブックを作成、周知するほか、時間外勤務の上限規制制度の実効的な運用に関する助言、働き方改革などの取組に係る専門家派遣事業などの取組を実施してきたところです。
今般の地方公務員育児休業法の改正は、部分休業制度を拡充することによって子の年齢に応じた柔軟な働き方を選択できるようにするものです。これにより職員の希望や事情に対応した勤務を一層しやすくすることを意図しています。
改正後の具体的な利用人数を正確に見込むことは困難ですが、各自治体においては職員が年次有給休暇や新たな形態の部分休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組んでいただきたいと考えており、総務省としても自治体への支援を行ってまいります。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
平均取得日数が十二・六日ということです。マックスで二十日取れるわけですから、まずは有休をちゃんと消化してもらって、その上でこの制度も使っていくというようなことが必要なのではないかというふうに思います。
そして、これは有休もそうですが、育児休業に関してもそうです。令和四年に総務省としては大臣書簡を送るなどして一定の効果を上げているというふうに承知しておりますが、やはり男性職員の育児休業の取得率の五四・六%、半数以上は一か月未満と短い期間なんです。よくママ友なんかに話を聞くと、一か月ぐらい休んだぐらいで育児を手伝ったというふうに言わないでくれという話がありますが、しかし、休む方も別に、一か月だけしかというのは、それだけ休みたいという希望じゃないと思う、本当はもっと長く休めれば休みたいと思うんですよね。その意味では、やはり日本の職場の雰囲気、男性に限りません、育児休業を取るのに依然として強い無言の圧力、空気があるんじゃないか。休むと仕事に穴が空くよ、そんな声が聞こえてきています。
そのような中、各自治体レベルでは努力をされています。大阪市では二〇二三年度から、長期の育児休業を取る職員がいる課を対象に、正規職員を配置するため、事務の採用者数を増やしている。例えば定数が百だとして、でも今はメンタルのこともあります、実際は八十ぐらいしか稼働できていない。ただ、そこに百の予算措置を算定するというところを、枠を広げてその百にちゃんと実情が合うように取り組んでいるというようなことがあります。
また、富山県では二〇二四年度に、育児休暇を取得した男性職員の代替要員となる会計年度任用職員を配置することで男性育休の取得促進を図っています。私、会計年度任用職員は賛成する立場ではありませんが、しかし、そのことによって育休の取得が増えているということでございます。
このような先進的な自治体の取組をどのように評価し、また全国に展開しようとしているのか。単なる好事例の紹介にとどまらず、具体的な横展開の戦略をお示しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○小池政府参考人 総務省といたしましては、男性職員の育児休業取得促進の取組を推進するため、育児休業の取得率向上につながった取組を事例集として取りまとめ、自治体に情報提供しております。
その事例集において、トップメッセージの発信、管理職を対象とした意識啓発、行動変容の促進といった男性職員が育児休業を取得しやすい職場風土の醸成につながる取組のほか、育児休業を請求する職員が一定数見込まれる場合には、その分、任期の定めのない常勤職員を確保した上で代替職員として配置するといった取組なども紹介しております。
委員から大阪市や富山県の取組を御紹介いただきました。事例集に掲載している取組もそうですが、育児休業の取得促進を阻害している要因、課題を分析した上で、課題解決につながる取組を行うことが重要であると考えております。
総務省としては、自治体が参考となるような取組を収集し、今後も、各種会議等の機会を捉えて参考となる取組について周知してまいりたいと考えております。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
人をちょっと減らし過ぎたというのは本当にあると思います。三十年前は三百二十八万人いたのが今は二百八十万人ということでありますから、やはりその部分の穴を埋めるような予算措置も含めて総務省としてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして、先ほど岡本あき子議員からもございました部分休業の対象年齢に関する件でございます。
今回の法改正で非常勤職員の部分休業対象年齢を小学校入学まで引き上げるということは評価いたします。しかし、私は、更に進めて、実は我々はルールメーカーなわけですから、何で小学校入学までなのか、もっと言うと、小学校三年生までといいますけれども、公務員の皆さんというのは比較的、民間企業に比べると、民間の後を追って、給料はちょっとしんどいけれども、ただ、やはり地域にずっと根づいていることができる、地方公務員の方は特にそういう性質があると思います。
だったら、例えば、今回も子供の行事が想定されていますけれども、子供の行事というんだったら、小学校の卒業式ぐらいまでは出たいよというようなこともあると思います。これを抜本的に、三年生とか言わずに、例えば小学校卒業とか中学校卒業とか、親として子供の行事に立ち会いたいというのは心情だと思いますので、そういった先行事例をまずは公が率先する、そして民間が、民間と比べても公務員はちょっと給料が安いかもしれないけれども、でもちょっと休みが多くて子供の行事に出られるんだよなみたいな、そんな事例をつくっていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○小池政府参考人 部分休業は勤務条件に関わるものでありますことから、地方公務員法第二十四条四項に定める均衡の原則の趣旨を踏まえ、国家公務員と同様の制度としてきているところでございます。
国家公務員の育児時間制度においては、対象となる子の年齢は小学校就学の始期に達するまでとされておりまして、これは、民間労働法制における所定労働時間の短縮措置の対象となる子の年齢と合わせたものであると承知をしております。
地方公務員の部分休業制度に関しましては、引き続き国家公務員の動向も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
○福田(玄)委員 是非、国家公務員のということでありますが、やはり地方は地方なわけですから、国とは違うわけです。なので、どうしても地方に帰って就職したいよ、役場へ入りたいよというような人を増やすために先進的な事例をつくっていく、そのことが重要ではないかと思います。
時間が短くなりましたので、最後の質問に入らせていただきます。
DXとAIの活用による働き方改革、これも先ほど黒田議員が触れられましたけれども、今回の部分休業というのは、一日二時間から取れるというものをもうちょっと拡大するという話であります。
働き方改革の中でAIであるとかリモートワークを活用することによって、例えば、子供が具合を崩しても、午前中は家でリモートワークをして、午後からこの制度を使って半日は休もう、そうしたら午後は子供のケアがゆっくりできるよとか、病院が大体昼ぐらいまでで午後は三時からとか、そういうところもあると思います。そういった使い方が可能なんじゃないかなと思います。そのためには、しっかりとDXとAIを推進して、自宅でもリモートでも仕事ができて家庭が円滑に回っていくというような、そういった取組が重要ではないかと思います。こういった働き方シフトを進めるためにしっかりと後押しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小池政府参考人 育児や介護など様々な事情を抱える職員を含め、全ての職員が柔軟な働き方を実現するためには、テレワークを導入、活用していくことが重要と考えております。
自治体のテレワークの導入状況は、令和五年十月一日現在、都道府県、指定都市では全て導入済みとなっているものの、市区町村では六〇・一%となっており、特に小規模自治体での導入が課題となっております。
このため、総務省では、比較的小規模な自治体における導入事例をまとめた市町村における導入事例集、テレワークの導入手順や活用方法を紹介する地方公共団体におけるテレワーク推進のための手引、導入経費に係る特別交付税措置などによる支援を行ってきたところでございます。引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○福田(玄)委員 時間が参りましたのでまとめますが、DX、AIのことも含めてそうなんですが、結局小さい自治体は人がいないということですから、そこの手当てがしっかりできるようにお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、山川仁君。
○山川委員 れいわ新選組の山川仁です。
この法案が本日採決を迎え、無事に前に進むことがありましたら、育休の環境が整備をされます。当然、深掘りされていくわけですけれども。それでも、それぞれがこの制度を活用しようと試みても、その自治体の意識だったり雰囲気、業務量など、上司や部下また同僚などが様々な環境で取りづらいこともあるだろう、先ほど来各委員からもそのような指摘があったと思います。また、制度として、権利もしっかり取得していただきたいんですが、職場の雰囲気の意識とは全く違うものがあるのではないかなというふうに懸念しているところです。また、そういったところもお互い共通認識を持ちながら、一歩ずつ課題を解消できるように取り組んでいただければと思います。
そこで、まず総務大臣にお聞きしたいんですが、地方公務員の育児と仕事の両立についてどのようなお考えを持っているのか、お聞かせください。
○村上国務大臣 先ほど来申し上げているように、これを両立させるということは本当に大変だと思いますけれども、国としては、それがやはりきちっとできるように一生懸命努力すべきじゃないか、そういうふうに考えております。
○山川委員 ありがとうございます。
今回のように、この休業制度を拡充することにより、例えば対象となる保育士、介護士、看護師、学校教員など人材不足と言われているような職種に就いている地方公務員は、その育児休暇、勤務時間短縮、変更などを容易に取得できる環境であるのか疑問が多く残り、結局取りづらいということの課題が残ったままだと法改正の意味がないと思います。それで、自治体ごとの課題をどのように支援するのか、併せてお答えをしていただきたいと思います。
○小池政府参考人 育児を行う職員の仕事と家庭の両立は官民共通の重要な課題であり、地方公務員においても、職員が部分休業などを取得しやすい職場環境を整備することが重要と認識しております。
職員が育児休業や部分休業を取得することは、本人にとってのみならず、組織にとっても、多様な人材を生かすマネジメント力の向上や子育てに理解のある職場風土の形成などの観点から重要と考えております。
自治体の採用試験の競争率が長らく減少傾向にある中、公務を支える有為な人材に選ばれ、働き続けてもらう職場となるためには、共働き、共育てが可能となる職場環境の整備が不可欠であると考えられます。
このため、各自治体においては、職員が職種にかかわらず希望に応じて部分休業などを取得できる職場環境の整備に取り組んでいただきたいと考えております。
また、支援策というお尋ねでございました。
職員が希望に応じて部分休業を取得するためには、日頃からの業務の見直しや効率化の実施、管理職による適切な職場マネジメント、時間外勤務の縮減に向けた取組などが重要であり、これらは、年次有給休暇の取得など、職員が働きやすい、休みやすい職場環境づくりのための取組と共通であると考えております。
総務省としてはこれまで自治体に対して、適切な職場マネジメントや働き方改革といった取組についてのガイドブックを作成し周知しているほか、時間外勤務の上限規制制度の実効的な運用に関し助言するなどの取組を実施してきたところです。
これに加えて、自治体の要請に応じ、例えば、働き方改革を進める上で自治体が抱える個別課題に対して、専門家を現地へ派遣し、専門的な立場から助言や情報提供などを行っていただいております。
引き続き、自治体の職員が仕事と生活を両立できる職場環境づくりに取り組んでまいります。
○山川委員 ありがとうございました。
地方格差についてどのように考えているかという視点で少しお話ししたいと思いますが、例えば沖縄は全国でも出生率が高く、未来ある子供たちが多く誕生しているところです。その中で、育児休業制度をよくしたとしても、それを受け入れる保育士、今お話をさせていただきたいんですが、保育士が特に地方においては少ないです。また、厚労省の今回の発表では合計特殊出生率が全国ナンバーワンの沖縄となっております。
逆を返せば、こども家庭庁の発表では全国ワーストの待機児童数でもあるということを踏まえてお聞きしたいことがありますが、その子供たちに日頃愛情を込めて接しているエッセンシャルワーカーの皆さん、主に保育士の処遇改善は、七十六年ぶりにようやく四、五歳児保育の基準が三十名の一人保育士から二十五名の一人というふうに若干の改善が見受けられたところですが、育休を取りたくてもぎりぎりまで働き、出産後はすぐに現場に復帰しなければならないという、低い所得の中で子供に愛情を注ぎながらも子供の笑顔を守ってくれているような職業があります。
そこで、この育児休業法について、どの職種においても誰でも取得できる環境をつくるため、例えば保育士の人材確保など処遇改善は必要であり、全産業の平均より大分所得の低い保育士等の公定価格の見直しはセットだと私は考えております。人事院勧告を受けて保育士等の公定価格の見直しがあったとしても、同じように全産業も同じく底上げされた状態であれば、いつまでたっても現状、変わらないままであり、今回の人事院勧告を受けて公定価格の見直しとプラスで月額十万円アップぐらいは、それぐらい大胆な公定価格の見直しまた支援を求めていきたいと思いますが、見解をお伺いします。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
保育人材の確保は大変重要と考えております。それに当たりまして、働きやすい職場環境づくりは大変重要な課題だと考えております。
このため、保育士を希望する方への資格取得の支援でありますとか、保育所等におけるICT化の推進による就業継続のための職場環境づくりでありますとか、潜在保育士のマッチングによる復帰支援、あるいは保育の現場や職業の魅力向上、発信など、総合的な取組を進めているところでございます。
また、今先生が御指摘いただいたように、保育士等の処遇改善につきましても大変重要な課題であると認識しておりまして、今般の補正予算に一〇・七%の人件費の改定という大幅な処遇改善を盛り込んだところでございます。
これまでのこういう累次の取組によりまして、平成二十四年度と比較いたしまして保育士と全産業の平均賃金との差はかなり縮まってきてはおりますが、昨年末に取りまとめましたこども未来戦略に基づきまして、民間給与動向等を踏まえた更なる処遇改善の対応を引き続き行ってまいります。
○山川委員 ありがとうございます。
ちょっと時間もありませんので、駆け足で。
通常時も緊急時も保育士が子供たちを安全に保護できるような配置基準の見直しも早急に進めてもらいたいと思いますが、見解を伺います。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
こども家庭庁といたしましては、安心して子供が通園できる体制を整備するため、保育士の配置基準につきまして、昨年取りまとめましたこども未来戦略に基づき、四、五歳児の配置基準を、先ほど先生からも御指摘がございましたように、今年度から三十対一から二十五対一へと改善をいたしました。
また、一歳児の職員配置基準につきましても、こども未来戦略におきまして、七年度以降、保育人材の確保等の関連する施策との関係を踏まえながら加速化プラン期間中の早期に六対一から五対一への改善を進めるとされているところでございます。
こども家庭庁としては、早期に実現できるよう七年度の概算要求にも盛り込んでいるところでございまして、現在の七年度予算編成において調整を進めてまいりたいと考えております。
○山川委員 ありがとうございます。
総務大臣にお聞きしますが、今、保育士のものを例えてお話をさせてもらいましたが、育児休業をより取得するための環境整備はまず地方創生、また地域が活性化してもらうためのマンパワーであると私は考えています。今こども家庭庁から様々な取組への前向きな答弁だというふうに受け止めておりますが、そこで、人的支援に必要な地方財政措置がやはり必要だと思います。しっかりと拡充してもらいたいと思いますが、人への投資で地方に活力を、前向きな御答弁をいただきたいと思いますが、総務大臣、よろしくお願いします。
○村上国務大臣 山川委員の御質問にお答えしたいと思います。
育児を行う職員の職業生活と家庭生活の両立は官民共通の重要な課題となっておりまして、今般の部分休業の拡充は職員の希望や事情に対応した勤務を可能とするための見直しであります。
これを意味あるものとするために、各自治体において部分休業や育児休業を安心して取得できるような環境づくりを進めていきたいと考えております。先ほど来先生が御指摘する保育士の問題も含めて総務省としてもしっかりサポートしていきたい、そういうふうに考えております。
以上であります。
○山川委員 ありがとうございました。
○竹内委員長 山川委員、時間が参っておりますので、短くお願いします。
○山川委員 分かりました。
今回の制度によって育児休業法が推進され、働き方改革がより向上されることを期待して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
早速質問に行きたいと思います。
総務省の調査では、男性職員の取得率がやはり女性と比べて低くなっております。三一・八%と前年に比べては増えているんですけれども、国家公務員と比べても低いということなんですね。これについて総務省の見解をお願いします。
○小池政府参考人 国家公務員につきましては、自治体の取組に先行して、令和元年に男性職員による育児に伴う休暇、休業の取得促進の方針を打ち出し、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上を目途に育児に伴う休暇、休業を取得できることを目指して取組を進めてきていると承知しております。
国家公務員におけるこうした取組を踏まえ、総務省においては、自治体に対して、同様の取組を積極的に取り入れていくよう助言しているほか、大臣からのメッセージを発信するなど、自治体における取組を促進してまいりました。
その後、各自治体における取得促進に向けた取組も加速し、近年は、国家公務員と地方公務員の男性育児休業取得率の差は縮小傾向にあるものと考えております。
○辰巳委員 続けて聞くんですけれども、教員ですね。先ほど資料でも、他の委員からもありましたけれども、男性の取得率というのがやはり教員の中で低い、一九・二%という調査なんですけれども、これはどういうふうに考えたらいいですか。
○小池政府参考人 令和四年度の地方公務員の男性職員の育児休業取得については、全体が三一・八%であるのに対し、教育委員会では一九・二%と低水準となっております。
自治体に対してヒアリングを行ったところでは、教育委員会における男性の育児休業取得の課題として、例えば、教科の専門性や学級担任など児童生徒との関係で業務が属人化する傾向があることや、免許職種であることに加え短い任用期間での臨時講師の確保が困難であるといった意見があったところでございます。
○辰巳委員 そうなんですよね。とにかく教育現場というのは人手不足なんです。
全日本教職員組合の調査では、代替職員の未配置問題、やはりこれが大きいんだと。これは教員だけでなく消防職員もそうですよね。男性職員の取得率というのは非常に低い。結局、代わりがいない、業務の引継ぎの不安、職場に迷惑をかけてしまう、そういった職員の職場環境にあるというふうに思うんです。
それと同時に、今日は、ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、るる、男性の取得率が低いんだ、男性がやはりもっと取らなきゃならないんだ、こういう話をしているんですけれども、そもそも論で、大臣の考えで、なぜ男性が長く育休を取ることが大事なのか、そこをちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
○村上国務大臣 私の個人的見解ですけれども、やはり夫婦がお互いに協力して円満に生活できるということが私は大きいんじゃないかなという気がしております。これは個人的見解です。
また、職員が育児休業を取得することは、本人のみならず、組織にとっても、多様な人材を生かすマネジメント力の向上や子育てに理解のある職場風土の形成などの観点から私も重要だと考えております。
公務を支える有為な人材に選ばれ、働き続けてもらう職場となるためには、先ほど申し上げましたように、共働き、共育てが可能となる職場環境の整備が不可欠だというふうに考えております。
ある程度まとまった期間育児休業を取得できることが、男性が家庭内で育児や家事に参画するためには重要であると考えております。それぞれの家庭の事情などを踏まえて、仕事と育児を両立するため、希望する期間取得できるようにしておくことが大切じゃないかというふうに考えております。
以上であります。
○辰巳委員 家族間ということ、夫婦間ということもありましたけれども、やはり子供との間の関係というのも非常に男性の育休取得が増えることでよりよいものになっていくというふうに思うんですね。
スウェーデンという国があって、皆さんも御承知のとおり、ここは男性の育休取得率が九割ということなんですね。ただ、スウェーデンも元々昔からそういうことだったわけではないということで、男性育休を世界で初めて導入したのが一九七四年のこのスウェーデンだったということなんですね。
スウェーデン政府がこの間導入してきたのがパパクオータ制という制度でございまして、ここでは、子供が八歳になるまで両親合わせて四百八十日間の育休を取れるということなんですが、そのうち九十日間は父親のみに割り当てられるんだ、それを取得しなければその部分の給付金を受け取る権利を失うということで、半ば義務化とまではいかないかもしれませんが、そういうインセンティブをつけて男性の育休取得を促してきたということなんですね。
九十日、結局これでとどまらずに、スウェーデンでは今、どんどんどんどんそれが長くなっていって百六十日、男性の育休、取得する人が三割ということなんですね。日本の場合でいうと、百六十日いうたら一割に絶対満たないと思うんですけれども、そういう意識改革そのものを政府が働きかけることによって男性の中で進めてきたということがあると思います。
それと、日本の場合はそこまではなかなかいきませんけれども、やはりまだまだ古い価値観といいますか、ジェンダー観の問題もあるんじゃないかと。つまり、男性は仕事でばりばり働くんだという側面ですよね。収入が減るとか上司に言いにくいとか、もちろんそれもあるかもしれませんけれども、それだってジェンダー観に基づいたものであるかもしれないので、ここの部分もやはり日本では一歩、二歩進めていくことが必要ではないかなというふうに思っております。
さて、新制度なんですけれども、新しい制度で今回部分休業の選択肢を増やしたわけですね。これまで二時間を超えない範囲で一日取得の申出ができるとしていた仕組みに加えて、十日程度の取得を想定して、二時間を超えても一日単位で取れるという取得形態というのを追加しました。年度の初めにいずれかの形態を選択可能にするとしているんですけれども、年度途中での取得形態の変更も可能ということなんですが、一体どういうときを想定しているのか、お答えいただけますか。
○小池政府参考人 改正法において、職員はあらかじめ部分休業の形態の申出を行うものとし、一度申出を行った後は、条例で定める特別の事情がある場合に限り、途中で部分休業の形態を変更することができることとしております。
条例で定める特別の事情としては、変更が認められなければ子の養育が困難となるものであって、当初の部分休業の形態の申出をした際には予測できなかった事情を想定しています。
具体的には、例えば、当初の申出の後に人事異動により官署から保育園までの距離が離れたことにより送り迎えに当たって一日二時間以内の部分休業を取得する必要が生じたなど、人事異動によって仕事と育児の両立に必要な勤務形態が変わった場合を想定しています。
○辰巳委員 その辺りをちょっと柔軟に考えていただきたいというふうに思うのと、あと一点、就学前に拡大するということなんですが、先ほどもあったように、就学後、小学校一年生、二年生、三年生、やはりここくらいまでは拡大してほしい。私も子供を三人育てていて、五年生、一年生、年長なんですけれども、やはり小一の壁というのがあるんですよ。小学校一年生になったら、二時半とか三時ぐらいに帰ってくるんですよ。両親どちらかがやはり家にいたい。あるいは、学童保育に預けても、今問題になっているのは学童保育の待機児童でしょう。やはりここを柔軟に拡大するということも考えてほしいと思います。
もう一点、今回の制度で、夫婦の場合、一方を二時間の部分休業で対応して、もう一方をこの新設された形態で対応することで、一日丸ごと休まなければならないような急な事態に対応することも夫婦間では可能になると思うんですね。ただ、一人親家庭であればそうはいかないわけですよ。一人ですから、どっちかを選ばなあかん。一人親家庭には更にかつ充実して柔軟な制度設計が必要だと思うんですけれども、いかがでしょう。
○小池政府参考人 今般の改正は、国家公務員に準じて、現行の部分休業制度の枠組みを拡大し、新たな形態の部分休業を措置したものです。
この改正により、一人親の職員を含め、育児のために新たな形態の部分休業を取得するという選択肢が増えるものと考えています。
一方、一人親の職員についてのみ異なる休業制度とすることは、国家公務員との均衡の観点や現場の業務負担、体制確保等の観点から困難と考えています。ただし、一人親の職員も含め、子を養育する職員は、それぞれの事情に応じて、早出遅出勤務や子の看護休暇といった他の両立支援制度を活用することが可能であると考えております。
○辰巳委員 更に制度を前進させていくために頑張りたいと思います。
以上です。終わります。
○竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○竹内委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時三十六分散会