第13号 令和7年4月24日(木曜日)
令和七年四月二十四日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 あかま二郎君 理事 塩崎 彰久君
理事 島尻安伊子君 理事 おおつき紅葉君
理事 岡島 一正君 理事 吉川 元君
理事 黒田 征樹君 理事 向山 好一君
石橋林太郎君 大西 洋平君
加藤 竜祥君 川崎ひでと君
小寺 裕雄君 小森 卓郎君
佐藤 勉君 島田 智明君
鈴木 貴子君 田所 嘉徳君
中野 英幸君 西野 太亮君
福原 淳嗣君 古川 直季君
森下 千里君 山口 俊一君
吉田 真次君 若山 慎司君
おおたけりえ君 岡本あき子君
奥野総一郎君 杉村 慎治君
高松 智之君 武正 公一君
西川 厚志君 福田 昭夫君
松尾 明弘君 道下 大樹君
山花 郁夫君 藤巻 健太君
守島 正君 福田 玄君
中川 康洋君 山川 仁君
辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 村上誠一郎君
内閣府副大臣 辻 清人君
内閣府副大臣 鳩山 二郎君
総務副大臣 冨樫 博之君
総務副大臣 阿達 雅志君
総務大臣政務官 川崎ひでと君
総務大臣政務官 古川 直季君
農林水産大臣政務官 庄子 賢一君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 室田 幸靖君
政府参考人
(特定複合観光施設区域整備推進本部事務局参事官) 阿部 雄介君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 大濱 健志君
政府参考人
(警察庁刑事局長) 谷 滋行君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 玉田 康人君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 阿部 知明君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 小池 信之君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 大沢 博君
政府参考人
(総務省自治税務局長) 寺崎 秀俊君
政府参考人
(総務省情報流通行政局長) 豊嶋 基暢君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局長) 湯本 博信君
政府参考人
(消防庁次長) 田辺 康彦君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 内野 宗揮君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 熊谷 直樹君
政府参考人
(外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官) 斉田 幸雄君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 神ノ田昌博君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 関村 静雄君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 松原 英憲君
政府参考人
(防衛省大臣官房施設監) 茂籠 勇人君
参考人
(日本放送協会専務理事) 山名 啓雄君
参考人
(日本郵政株式会社専務執行役) 林 俊行君
参考人
(日本郵政株式会社常務執行役) 西口 彰人君
総務委員会専門員 阿部 哲也君
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委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 島田 智明君
川崎ひでと君 西野 太亮君
小森 卓郎君 吉田 真次君
福原 淳嗣君 鈴木 貴子君
若山 慎司君 森下 千里君
同日
辞任 補欠選任
島田 智明君 大西 洋平君
鈴木 貴子君 福原 淳嗣君
西野 太亮君 川崎ひでと君
森下 千里君 若山 慎司君
吉田 真次君 小森 卓郎君
―――――――――――――
四月二十三日
電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件
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○竹内委員長 これより会議を開きます。
行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会専務理事山名啓雄君、日本郵政株式会社専務執行役林俊行君及び日本郵政株式会社常務執行役西口彰人君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官室田幸靖君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○竹内委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳君。
○田所委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の田所嘉徳でございます。貴重な時間をいただきまして、ありがとうございました。
まず、情報通信技術の進展とその活用につきまして聞きたいというふうに思います。
いよいよ「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、大阪・関西万博が開幕をいたしました。百六十の国と地域の協力によってそれぞれに工夫されたパビリオンが非常に壮観でありまして、これをまとめたことは本当に大変だったろうというふうに思うのであります。
万博は、世界各国がその持てる技術を結集して世界に問うものであって、これまでも万博での様々な表明された技術が社会経済の発展に大きく寄与してきたんだろうというふうに思っております。
情報通信技術を所管する総務省の目から見ても、約百五十年前のフィラデルフィア万博で電話が出展をされました。そして、五十五年前、大阪万博でワイヤレスフォンですね。今の携帯電話やスマホの前身でありますが、僅か五十五年前ということでありました。そして、四十年前、一九八五年は私たちの地元のつくば万博が行われまして、AIとかロボットあるいは高精細な画像というようなものの紹介がされまして、まさに近未来が見えたということだろうというふうに思っております。
そういう中にあって、いろいろな欠点を見てこんなに金をかけて何をやっているんだみたいな批判もありますが、私は、万博というものはまさに夢があって、未来の大きな利益が得られるような、そういう方向性を示すものだろうというふうに思っております。しかも、そのスピードはますます速くなっておりまして、世の中が、急激な少子化、あるいは災害が多発する、そういう中で科学技術というものは大変重要なんだろうというふうに思っております。防災DXやあるいはAIとかロボットで人の労働に代替するようなことも必要でありますし、まさに情報通信技術によって様々な利便性を享受でき、経済効果もあるということであります。
そういう中にあって、新たな映像の時代、高精細な4K等の普及についてお聞きをしたいというふうに思っております。白黒テレビからカラーテレビへ、そして真空管から半導体、ブラウン管から液晶ディスプレー、アナログからデジタル、そして今IOWN等の光技術によって非常に進歩している映像技術でありますけれども、二〇一八年の十二月から高精細の4Kによる放送も始まりました。東京オリンピックを4Kで見ようというようなことで、この普及も促進してきたわけであります。
そこで、お聞きをしたいのは、4K対応の受像機はどのくらい普及しているのか。あるいは、例えば東京で受信可能なテレビ放送のうちで、4K、8Kの視聴が可能なチャンネルはどのくらいあるのか、お聞きしておきたいと思います。
○豊嶋政府参考人 お答えいたします。
まず、4K衛星放送を視聴することができる受信機ですが、出荷台数は、一般社団法人の放送サービス高度化協会の調べによりますと、本年二月末時点で累計で二千二百十八万台となっております。
また、同じ協会の調べによりますと、ちょっと古いんですが、二〇二三年二月現在で4K、8Kテレビの所有率は二一・八%となっております。
次に、チャンネル数の御質問がございました。地域によって異なりますけれども、例えば東京で視聴可能な地上テレビジョン放送とBS放送のうち4K、8K衛星放送のチャンネルの割合、これは二〇・九%になります。
○田所委員 いずれも二〇%程度ということでありますが、それでは、視聴実態として、4K、8K衛星放送で見ている時間の割合とか、視聴したことがある人はどのくらいいるのか、お聞きしたいと思います。
○豊嶋政府参考人 お答えいたします。
4K、8K衛星放送を視聴されている時間の割合に関するデータというのは持ち合わせておりませんけれども、一般社団法人放送サービス高度化推進協会による調査によりますと、昨年九月に実施した市場調査によりまして、4K、8K衛星放送を見たことがある人の割合は一〇・七%というデータがございます。
○田所委員 僅か一〇%程度ということでありますので、まさにスピードが遅いという感じがするのであって、もっとしっかりと人々に高精細なすばらしい情報提供というものができるようにしていくべきだというふうに思っております。
そこで、NHKにお聞きしたいと思います。
今度の法改正によりまして同時配信というものが必須業務化されたわけでありまして、私は、これによってネットでテレビを見る人も増えるだろう、まさに一般化につながるというふうに思っております。オンデマンド、ネット配信は時間を選ばないで好きなときに必要とする部分だけ、あるいは繰り返し見ることもできるということですから非常に便利でありまして、さらに大容量の映像情報等を高速で送れるということもありますので、4Kにも対応するような高精細なものであります。したがって、既に多くのネット配信事業者が生まれてヒット作品も出ておりまして、コンテンツの充実は目をみはるものがあります。まさにネット配信の大競争時代になってきているのではないかなというふうに思うのであります。
放送と通信の融合が進んでいるわけで、放送を見ているのか、あるいはネットで見ているのかを意識することのない時代になっている。そして、民間の広告媒体等についても放送とネット配信ではネットの方が多くなってきているというところにもその動きが表れております。それに対して、私は、NHKが放送と通信の融合が進んで高精細な映像をネットで見られる時代に積極的に対応しなければならないというふうに思っております。今後の情報発信の戦略をどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
○山名参考人 お答えいたします。
御承知のとおり、NHKでは、4K、8Kの高精細な映像コンテンツを制作し、衛星放送のBSプレミアム4KやBS8Kを通じて日々放送しております。
今年十月の改正放送法施行に伴い、インターネットを通じた放送番組の同時配信、見逃し配信がNHKの必須業務となりますが、当面は地上放送のコンテンツの配信となります。衛星放送のコンテンツは、配信の権利確保や設備整備で課題が多く、当面は必須業務としての配信は難しい状況であります。
一方、有料サービスのNHKオンデマンドでは、今年二月から4Kコンテンツの一部の配信を始めました。利用者の皆様から好評をいただいておりまして、利用者の要望も踏まえながら配信を拡充していくことにしております。
御指摘のとおり、高精細の優れた映像コンテンツをインターネットを通じて提供することは重要な課題であります。NHKオンデマンドを通じた4Kコンテンツの配信を行いながら、将来的な必須業務としての配信についても検討してまいります。
○田所委員 それでは、ソフトパワーの世界戦略について大臣にお聞きしたいというふうに思っております。
グローバルな配信プラットフォームを中心にしてネット配信事業者が多く生まれている、そして4K対応の優れた作品が制作されているわけであります。そういう中で我が国はソフトパワーに優れている、天然の資源は乏しい中で外貨を稼ぐ大きな力があるんだと言われたときもありましたが、今やそういうものと比べてみると後塵を拝しているというような感じもしないわけではありません。
そこで、海外のネット配信事業者に伍して、優れたコンテンツによる国際競争力の強いソフト産業育成の環境づくりを進めるべきであるというふうに考えております。4Kに対応した高品質なコンテンツ制作や、それを駆使する人材の育成などが必要だと考えますけれども、総務省の今後の取組につきまして大臣にお尋ねをしたいと思います。
○村上国務大臣 高品質なコンテンツ制作への支援との田所委員の御質問でございますが、コンテンツ産業は政府戦略におきまして我が国の基幹産業と位置づけておりまして、政府を挙げてコンテンツの競争力強化に取り組んでおります。
特に、御指摘の高精細な4Kコンテンツにつきましては、動画配信サービスの普及により世界的に流通が拡大しております。
こうした現状を踏まえまして、総務省におきましては、今年度、一、放送事業者や番組制作会社が4Kコンテンツを制作するための機材等に対して補助を行います。二つ目は、研修を開催し、制作技術に係る人材の育成に取り組むこととしております。
今後も、このような取組を通じまして、世界に通用する高品質なコンテンツの制作をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。
以上であります。
○田所委員 ありがとうございました。
官公需における物価高騰、賃上げへの対応につきまして、冨樫副大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
政府においては、賃上げの牽引する経済の好循環というものを目指しておりまして、コストカット型の経済からの脱却ということを進めているわけであります。そのような中で、官公需に頼っている民間の事業者が安定した経営ができるようにしなければならない、賃上げや物価高騰を適切に転嫁したものにならなければならないというふうに思っております。そこで、自治体の発注における価格転嫁の取組を進めるために総務省としてどのような取組を行おうとしているのか、お尋ねしたいと思います。
○冨樫副大臣 物価上昇を上回る賃上げを実現するためには、自治体の発注においても適切に価格転嫁が行われていることが重要です。
このため、総務省においては自治体に対し、実勢価格を踏まえた適切な予定価格の設定などの取組や、重点支援地方交付金を活用した価格転嫁の取組を依頼しています。
また、委託料の増加などへの対応として、令和七年度地方財政計画に一千億円を計上しています。
今後の取組としては、中小企業庁が設置している下請かけこみ寺において官公需に関する相談を新たに受け付ける予定であり、総務省においては自治体に対し、その相談に対応する窓口の設置を依頼したところであります。
引き続き、自治体において適切に価格転嫁が行われるよう取り組んでまいります。
○田所委員 ありがとうございました。
次に、地方自治体における入札、契約の適正化についてお伺いをしたいというふうに思っております。
工事の入札については、自治体の多くが低入札価格調査基準や最低制限価格を設定されていますけれども、問題は、市町村の工事以外の委託等で約七割、この制度が導入されていません。下限が設定されていないのでありますから、過当競争あるいはダンピングにつながってしまうということになります。その理由については、実態調査がありまして、体制、ノウハウの課題がある、必要性を認識していないということが挙げられております。そこで、公共工事以外の分野について、ダンピング防止等についてどうするのか。これから、ガイドを示したり、あるいはフォローアップすることが大変重要だろうというふうに思います。実効性のある対応についてどうするのか、お聞きしたいというふうに思います。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
総務省におきましては、今お話がございましたけれども、実態調査をやってございます。その結果を踏まえまして地方公共団体に対し制度の適切な活用を助言してございますけれども、更にこの助言を実効的なものにするためには、今後、関係省庁と連携しまして公共工事以外の分野でも低入札価格調査制度等の基準の算定モデルをお示しするなど、各地方公共団体において制度の導入の検討に資するよう取組を進めたいと考えてございます。
加えて、低入札価格調査制度等の地方公共団体ごとの活用状況をフォローアップしまして、その結果を公表することにより取組の見える化などを行ってまいりまして、地方団体における発注の適正化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○田所委員 ありがとうございました。
経済の大きな転換、賃上げが牽引する経済の好循環をつくるために様々な動きをしておりまして、民間もベースアップが実現している、あるいは公定価格もしっかりとしたものにしようとやっているわけでありますが、地方の官公需は非常に重要な意味がありますので、適切な運営をお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、山川仁君。
○山川委員 おはようございます。れいわ新選組の山川仁です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、各理事及び委員におかれましては、今回諸般の事情により質疑順を御配慮いただきまして、ありがとうございました。感謝申し上げます。
早速ですが、まず初めに政治団体登録届についてお伺いします。
沖縄県の先島諸島に住む県民の皆さん方は、政治団体等の申請手続を行う場合、初回はマイナンバーカードがなければオンライン登録ができず、多額の費用をかけて飛行機で移動するということになっています。飛行機で沖縄本島まで行って県庁に届けていく、この不平等をしっかりと是非見直していただきたいという趣旨の質疑でございます。
マイナンバーカードを持っていない多くの国民の皆さん方もまだいらっしゃると思いますが、政治団体等の申請手続の中では公正公平な立場から必要な措置を取っていただきたい。総務省がそのために、マイナンバーカードがもし取得できていない方がいるのであれば、ちゃんと担保して信頼性の高いID等を付与していただいて、誰でも、どこからでも日本国内に住んでいる日本国民には制度を公正公平に活用することが求められていると思いますが、総務省のこの辺りの見直しについて、制度の見直しについての見解を伺いたいと思います。お願いします。
○村上国務大臣 山川委員の御質問にお答えします。
政治資金規正法におきまして、政治団体の設立に当たっては郵便等によることなく文書により届け出ることとされております。そのため、都道府県選挙管理委員会に出向いていただくか、オンラインにより届け出ていただくこととされています。
オンラインで設立届を提出する場合には、代表者の厳格な本人確認を行うため、マイナンバーカードを用いた公的個人認証を必要としております。
マイナンバーカードは、オンラインで安全、確実に本人の確認を行えるデジタル社会の基盤となるツールであります。御提案のように、これに代わる新たな本人確認の仕組みを設けることは今の段階では考えておりません。
○山川委員 そういう意味ではマイナンバーカードを必ず取ってくださいという強制的な見解はやはり時代遅れだと言わざるを得ません、総務大臣。国民のためにそれぞれが求められている制度をしっかりと、難しい話じゃないと思うんですよ、見直しをする、初回に限り特例でその措置を取って、その次からはマイナンバーカードをお願いしますとか、様々なことが見直せることだと思いますけれども、今の見解の中ではなかなかいい答弁をいただけませんでした。しっかりとこの辺り、総務省、国民のために、広く、幅広い活用を求めて、そういった制度の見直しを求めていきたいと思います。
次に、三月十一日の総務委員会の続きの質問をさせていただきます。
与那国島の特定利用港湾について、内閣官房審議官が、新たな動き、決定はないと答弁していました。この間、与那国島について、空港や港湾に特定利用への調整があるのかどうか、お伺いします。
○室田政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、三月十一日、私の方から、沖縄県におきます特定利用港湾に関する調整については、現時点で特に新たな動きはない、新しい決定等はないという答弁をさせていただきました。
その後、本日までの動きとしては、沖縄県全体との関係で申しますと、四月の一日に平良港が特定利用港湾に新たになっているということでございますが……(山川委員「与那国島についてです」と呼ぶ)与那国島につきましては、本日までの間で新たな状況はございません。
○山川委員 ありがとうございます。
総務大臣に伺います。平時と有事を混在させるような国策ですが、島民にリスクを負わせるような政治、台湾有事を想定した避難訓練、自治を守るため有事を起こさせない、過度な防衛強化を行わない、国民の生命財産を保護する立場の大臣として、きな臭い相手でも平和外交を行うべきだと考えますが、閣僚の一人としてどのような認識をお持ちなのか、伺います。
○村上国務大臣 我が国の外交防衛政策は総務省の所管外でありますので、一応、お答えは差し控えさせていただきます。
その上で、政府としましては、当然のこととして、武力攻撃の発生が回避されるよう、外交を中心とした様々な努力を重ねる方針であるというふうに考えております。
総務省としましては、住民の安全を確保するため、国民保護の体制を整備することが大変重要だと考えております。
このため、国民保護計画に基づきまして、平素からの備えとして、自治体を始めとする関係機関との連絡体制の整備、自治体が実施する国民保護訓練の支援、通信の確保等を行うこととしております。
以上であります。
○山川委員 ありがとうございます。
四月十八日金曜日になりますが、沖縄県沖縄市という自治体において日米合同のパトロールが行われたと報道されています。沖縄県知事や沖縄市の市長、そして県警、米軍関係者ら約百十名が、コザという町で米軍基地周辺のパトロールをしたという記事があります。
まず、それぞれの大事な時間を割いて行動していただいたことには敬意を表するところです。しかしながら、やるべきことはパトロールではなくて、事件、事故を起こさせないための実効性ある再発防止策を具体的に示し、約束をさせ、これまでの事件、事故をなかったことにさせないということです。
憲兵隊も今回一緒であった中で、そのパトロールの中で、リバティー制度、その違反があったと現認されていても、結局何も遵守されず、誰のためのパフォーマンスだったのかと言わざるを得ません。
本日の沖縄県内の地元紙でも大きく取り上げていましたが、大臣、この記事、お読みになりましたか。
速記を止めてください、時間を止めて。
○竹内委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○竹内委員長 速記を起こしてください。
○村上国務大臣 本件につきましては、報道があったことは承知しておりますが、事件の詳細は把握しておりませんで、総務省の所管外でありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、外務省において米側への働きかけや再発防止の徹底が図られているものというふうに承知しております。
以上であります。
○山川委員 もうでたらめな答弁。
今日、私の手元に新聞記事がありますけれども、これですよ、これだけすごい記事が並んでいて、沖縄タイムス、琉球新報さんの地元の記事では全く皆さん方の対応ができていないという状況、こんな情けない話で、今の大臣が、トップとして自治を守る総務大臣がこのような答弁でいいんですか、本当に。
皆さん方は毎回、沖縄県の質問をさせていただくときに、必ず当たり前のように努めているような話をしますけれども、本当に大変ですよ。
一部抜粋してお話をさせていただきますけれども、暴力や脅迫を用いて人を殺傷したり社会に恐怖や不安を与える行為、それがテロ行為。特定秘密保護に関する法律第十二条第二項では、その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、重要な施設その他のものを破壊するための活動と規定されています。
この要件にこれまでの米軍属の行いは合致していると思いませんか、皆さん。まさに同盟という名の下に国民の生活を破壊しているんですよ。そして、人を殺傷して、何度も何度も事件、事故を繰り返して、毎年そういった多くの国民を恐怖に陥れている。その中で、米軍の一部の皆さん方が性欲と暴力も抑え切れない。守礼の心がある沖縄県の中で、沖縄県の教育をしっかりと徹底するべきじゃないですか、皆さん。
同盟国と言われている隣人の皆さん方がずかずかと毎回事件、事故を起こしても、パトロールで現認されて、駄目なことを何も検挙できない。憲兵隊や沖縄県警、外務省、防衛省、自治をつかさどる総務省、内閣府、何をやっているんですか、皆さん方。大丈夫ですか、本当に。
沖縄の守礼の心って分かりますか、大臣。お伺いします。
○村上国務大臣 今その記事を読んだんですが、今の御質問については通告がありませんので、ちょっとお答えは控えさせてもらいます。
○山川委員 ありがとうございます。
沖縄の守礼の心とは、ネットで調べてみれば分かると思います。単に礼儀正しいことではなくて、心の底から相手を敬う、そして気持ちを持つこと、平和を愛し、他人を尊重する気持ちを大切にする精神です。また、琉球空手においては、空手に先手なしと、皆さん方もよく聞いておると思いますけれども、幾ら強くてもむやみに人を攻撃しない、自戒の精神を表す言葉です。
それを、先手先手で攻撃態勢をつくり、他国をあおり、また、沖縄県以外は、責任を押しつけながら、日米同盟や安全保障、国防だったり防衛上ときれいごとだけ言って、オフショアバランシング、バックパッシング。沖縄県を捨て石にされるおつもりですか、皆さん方。
台湾有事を想定したものではないと前回もおっしゃっていましたけれども、ごまかしています。そうでなければどこの有事なのか、なぜ南西シフトなのか。大事な土地や住まいを離れ、近くの台湾に避難するよりも、二、三倍も離れた九州、そこに避難をしなければいけない。疎開じゃないですかと言う地元の方々もいますよ、言っている方々が。
つまり、今の政府機関は徹底した平和外交の能力が欠落している、その政治であることをこれから単純な質問でより分かると思いますので、是非真摯にお答えいただきたいと思います。
二〇二四年十二月二十二日に開かれた、米兵による少女暴行事件に対する抗議と再発防止策を求める県民大会より、少女暴行事件の抗議要請を政府は受け取っていますが、その四つの項目について、進捗状況を去る二月二十七日の予算委員会において私が確認しました。その一から四の項目、被害者への謝罪と丁寧な精神的なケア及び完全な補償を求めること、被害者のプライバシーの保護と二次被害の防止を徹底すること、事件発生時の県、市町村等自治体への速やかな情報提供を確実に行うこと、米軍構成員等を特権的に扱う日米地位協定の抜本的改定を求めること。
その後、この要請、沖縄県民の声をどのように米国に伝え、実効性のある結果を残したのか、伺います。
○熊谷政府参考人 お答え申し上げます。
まずもって、米軍関係者による事件、事故でございますが、これは地元の皆様方に大きな不安を与えるものでありまして、あってはならないものでございます。
その上で、御指摘の県民大会決議、これを受領した後も含めまして、米側とは様々な機会を通じてあらゆるレベルでやり取りしております。このような機会を通じまして、在日米軍の綱紀粛正、再発防止の徹底というのを働きかけております。
直近でございますが、四月の二十二日、石破総理から、着任表敬いたしましたグラス次期駐日米国大使に対しまして、事件、事故の再発防止を含む地元の負担軽減というのを求めております。また、四月二十一日には岩屋外務大臣から同次期大使に対しまして、地元の負担軽減に係る立場というものをしっかり伝達しております。
重要なことは、これまで米国が発表しました一連の再発防止策、これが実効性のある形で実施され、実際に事件、事故の再発防止につながることでございます。引き続き努力を重ねてまいります。
○山川委員 ありがとうございます。
石破総理大臣、何の言葉の重みもないんですね。皆さん、見てくださいよ、お話をされた後に事件、事故が起こっているんですよ。何ですか、国のトップは。こんな実効性のない話をされて、恥ずかしくないですか、こちらに立って。結果を残してくださいよ、皆さん方。記事にならないように、事件、事故が起こらないように。言ったからどうなんですか、誰か戻ってくるんですか、やられた方々が、被害が起こった方々が。毎回ですよ、だからテロ行為じゃないかと言われているんですよ、大臣。沖縄に来て見てくださいよ、その状況を。全然来もしない、選挙の話ばかりして。本当に真摯に取り組む姿勢はあるんですか、皆さん方は。すぐにでも来てくださいよ、沖縄のこの現状、外務省や防衛大臣とも一緒に。
中谷防衛大臣が沖縄県が努力しないから辺野古が進まないんだと言っていましたけれども、皆さん方は努力していませんよ、全然、沖縄のために。一九九〇年の海部元総理から今現在、二〇二五年の石破総理まで、十七名の総理が替わって三十五年間、沖縄の負担軽減に努める、沖縄県民の声に寄り添う、ずっと言い続けて、何ですか、このでたらめな対応は、環境は。いつになったら変わるんですか、沖縄は。ずっと私たちは負担ばかり押しつけられて、後ほど防衛大臣に防衛の関係でも、ちょっと自衛隊の話もしたかったんですけれども、時間がありませんので、なかなかこの質問へ行けませんけれども。
この状況ですよ、総務大臣。所管外とか言っている話ですか。自治を守りましょうよ。お願いしますよ。
○竹内委員長 山川君に申し上げますが、時間が参っておりますので、そろそろおまとめください。
○山川委員 時間が来たようなので質問を終わりますけれども、是非とも継続して取り組んでいきたいと思います。
防衛省の皆さん方、済みません、質問できなくて。また今度お願いします。
ありがとうございました。
○竹内委員長 また、山川君に申し上げますが、物品の提示は理事会にて委員長の許可を得て行うようにお願いいたします。(山川委員「失礼しました、気をつけます」と呼ぶ)
次に、西川厚志君。
○西川(厚)委員 立憲民主党の西川厚志でございます。どうぞよろしくお願いします。
今日は、持ち時間全てオンラインカジノ対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。前半は、国内カジノ解禁の影響についてどう考えていらっしゃるのか、このことをお聞きさせていただきたいと思います。
先月の十三日、警察庁によるオンラインカジノの実態調査の詳細が公表されました。この調査結果によれば、全国のアンケート調査対象二万七千人のうち、オンラインカジノ利用経験者の割合が三・五%、そして一人当たりの年間の賭け金が平均六十三万円と示されまして、これを人口規模に照らしたところ、国内全体での利用経験者が約三百三十七万人、賭け金は年間で一兆二千四百二十三億円と推計されたところであります。
ちなみに、公営ギャンブルの年間売上高は、中央競馬で三兆三千億円強、ボートレースが二兆四千億円強、競輪が一兆二千億円弱、そして地方競馬は一兆一千億強、オートレースは一千億強となっておりまして、既に地方競馬や競輪の売上げをしのぐ規模にまでオンラインカジノを通じた違法賭博が蔓延する現状にあります。
さらには、利用経験者のうち六割は依存症の自覚があり、四六%が借金があるとの回答が寄せられておりまして、捜査当局も、こうした賭博に引き込まれ困窮した若年層が強盗や詐欺等の犯罪に向かうおそれを強く懸念すると語っておられます。
そこで、まずは村上大臣にお伺いいたします。
私自身は、オンラインカジノがここまで急速に蔓延した大きな原因の一つは、国内カジノの解禁だと思っております。実際、今回の実態調査の報告書でも、オンラインカジノを初めてプレーした理由、きっかけは何かとの質問に対して最も多かった回答が、ギャンブル好きが三五%、次いで、カジノに興味があったが三〇%との結果となっております。
現在、先ほど紹介いたしました公営ギャンブルの売上げの多くは今日インターネット経由であり、オンラインカジノデビューの言い訳としても、国内カジノが解禁になって合法になるんだ、合法ギャンブル、すなわち公営ギャンブルはオンラインで賭けられるんだ、ならばオンラインカジノも合法なんだ、こうした理屈も成り立ってしまうのではないかという思いがいたします。
そこで、ここまでオンラインカジノが蔓延した背景として国内カジノ解禁の影響をどのように考えていらっしゃるのか、特に、この後話も出てまいりますが、ブロッキングを扱う総務大臣としての見解を是非お聞かせいただきたいと思います。
○村上国務大臣 西川委員の御質問にお答えします。
私個人としては、実はこの年まで競輪も競馬も競艇もやったことがないので、正直言ってそういうものにはまる人の気持ちがちょっと理解できないので、答えられないんですけれども。
ただ、国内カジノについては所管外ですので、その影響も含め、総務大臣としてはなかなかお答えするのは難しいんですが。
その上で、オンラインカジノについて申し上げれば、その対策は重要な課題であると認識しておりまして、総務省としましても、実効性のある対応が必要であると考えております。今後、有識者検討会におきまして法的、技術的な課題、論点を整理しながらスピード感を持って対応していきたい、そのように考えております。
○西川(厚)委員 大臣がギャンブルは一切やらない方だということは分かりましたが、ただ、私といたしましては、国内カジノの解禁によってオンラインカジノにデビューする皆さんが心理的にハードルが下がることがあっても上がることはないというふうに思っておりまして、その上で、今回、警察による実態調査の報告書の中でどうしても腑に落ちない箇所が実はあります。
オンラインカジノの違法性の知識に関する質問・意識調査として三つの質問項目があるんですけれども、そのうち、オンラインカジノが違法だと認識していなかった理由(きっかけ)について当てはまるものを全て答えてくださいという質問項目があるんですけれども、その回答の選択肢として挙げられていたのは、一つ、ニュースで見たから、二つ、友人・知人・家族から聞いたから、三つ、有名人・インフルエンサーが言っていたから、四つ、ホームページ・SNS・動画サイトなどで見たから、五つ、オンラインカジノのサイトに書いてあったから、六つ、広告で見たから、七つ、パチンコや公営ギャンブルなどがあるから、八つ、その他。以上、八つの選択肢でありました。
そこで、警察庁にお伺いするんですけれども、なぜ、今回、違法だと認識していなかった理由を問う質問に対して、国内カジノが解禁された、合法になるからという選択肢が設けられなかったその理由について教えていただきたいと思います。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
令和六年度警察庁委託調査として実施したオンラインカジノの実態把握のための調査研究の調査項目は、警察庁が示した仕様書を基に委託業者において設定されたものでございまして、お尋ねの回答の選択肢については検討されなかったところでございます。
○西川(厚)委員 じゃ、そうしましたら、警察といたしましては、私が申し上げたように、国内カジノの解禁と、今これだけオンラインカジノが蔓延しているこの因果関係について警察としてはどう思っているのか、お答えいただけますでしょうか。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
委員お尋ねの件につきましては、限られた数の選択肢を設定する中で判断されたものでございまして、実態調査の目的を達成する上で適切であったものと認識しております。
○西川(厚)委員 だとすれば、相当、警察として、今これだけオンラインカジノがはびこった現状の認識が、余りにもそれは欠如しているんだということを言わざるを得ないと思っております。そのことは指摘をさせていただきたいと思います。
そこで、ここまで私がカジノの解禁にこだわるのは一つ大きな理由がございまして、これは少し個人的な話にもなるんですが、実は私の政治の師というのは私を愛知五区の後継に指名をいただいた赤松広隆代議士です。
かつて、国会でカジノ解禁について大論争が繰り広げられていた当時、立憲民主党にとってカジノ問題というのは原発問題と同じぐらい重い位置づけなんだ、これが赤松代議士が繰り返された論でありまして、当時県会議員であった私にとっては守るべき教えの一つとなりました。
結果、強行採決の末、カジノ解禁が決定してしまうんですけれども、それ以降、私の仕事は少なくとも地元へのカジノ誘致の阻止ということになったわけでして、全国各地で誘致に向けて首長が数々名のりを上げる中、再三愛知県知事には念を押してまいりましたし、議会でも何度もこの問題を取り上げてきたところです。
ただ、それでもある日突然、愛知県も、中部国際空港が位置する知多半島沖の空港島へのカジノ誘致構想が降って湧くことになりました。表立って断固反対を唱える仲間は数人ほどでありましたけれども、このときばかりはコロナ禍がこの上ない味方となり、まさに災い転じて福となって、愛知県内への誘致構想も見事に葬り去ることができたところでございます。
そしてまた、同様に有力候補地の一つとされた和歌山でも、コロナの影響を受けて世界経済の先行きが不透明との理由によりまして香港系企業が撤退、代わるカナダ系企業が後を引き取ったものの、資金計画への不安が払拭されず、誘致を進めてきた自民党が多数を占める県議会でありながらも、自ら国への誘致計画の申請を取り下げた英断、これには率直に敬意を表したいと思います。
また、ハウステンボスでのIRの展開を計画し、あと一歩のところで、これもやはり資金計画を理由に観光庁から不認定を受けながらも、それでも不服申立ての審査請求を行わなかった長崎県の姿勢に対しましても、個人的には大いに好感を持っております。
ただ、しかしながら、思いますに、和歌山、長崎共に確かにこうした最終判断は表面上、資金計画の不透明性、不確実性によるとされておりますが、私自身はやはり何よりも、国民の多くの皆さんがカジノそのものに対して反対しているという事実をそれぞれの両県が真摯に考慮されたものと受け止めたいと思っております。
実際に、四年前の二〇二一年八月に行われた横浜の市長選挙ではカジノ誘致の是非が最大の争点となり、圧倒的大差で反対派の市長が誕生しており、この際の選挙結果がその数年後のこうした和歌山、長崎、これらの賢明な判断につながったのではないでしょうか。
そして、もっと言えば、そもそも国内カジノ解禁の端緒を開いたきっかけは、二〇一六年のアメリカ大統領選挙で初当選を果たしたトランプ大統領及びその大支援者であるカジノ企業への余りにも過剰な配慮でありました。このときの不謹慎、不健全極まりない安倍内閣の誤った判断こそが今日のオンラインカジノの蔓延に少なからず影響を与えていると考えられるのではないでしょうか。
ここで改めて村上大臣に御認識をお伺いいたしますが、やはり我が国においてカジノ解禁はすべきではなかった、誤った政治判断ではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
○村上国務大臣 国内のカジノについては所管外ですので、その判断については総務大臣としてはお答えすることはできません。
なお、国内カジノの解禁につきましては、有識者会議での議論を踏まえまして、国会での審議の結果、平成二十年に関連法が可決、成立したものと認識しております。
以上であります。
○西川(厚)委員 分かりました。
それでは、国内カジノについて、最後に一つだけ確認したいと思います。
二〇一八年一月に成立したいわゆるIR実施法によれば、カジノは当面全国で三か所、日本人客のカジノの入場料は一回六千円などなどが規定されており、国内では現在唯一、大阪において二〇三〇年秋のオープンを目指してまさに本日、四月の二十四日、大安吉日、着工式を執り行うとの記事もありました。
ここで大阪カジノの件についてあれこれ言うことはいたしませんけれども、結局のところ、今回、国の公募に対して、コロナ禍等の想定不可能な要因があったこともありまして、一か所のみの認定ということになりました。国として、今後、第二期の公募の計画についてどのように考えているのか、また全国の各自治体からはそのような問合せが来ているのかどうか、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○阿部(雄)政府参考人 お答えいたします。
IR整備法では、三つを上限といたしましてIRの区域整備計画を認定することができることとなっておりますが、認定の申請につきましては政令で定める期間内にしなければならないというふうに定められております。
今後の申請期間についての政令を定めるに当たりましては、IR整備法の附帯決議におきまして、各地方公共団体による申請を公平に受けられる期間とするというふうにされております。このため、認定の申請期間を定めるに当たりましては、公平性を確保する観点から、申請主体である自治体の状況をよく見極めた上で判断する必要がありまして、引き続き自治体の状況を注視してまいります。
その上で、国土交通省におきまして、自治体の状況に関する情報収集というのは継続的に行っておりますが、個別の自治体の具体的な状況についてはお答えは差し控えさせていただきます。
○西川(厚)委員 分かりました。
私といたしましては、未来永劫こうした公募については行われないということを要望させていただきたいと思います。
それでは、ここからオンラインカジノ対策について幾つかお伺いいたします。
今年三月十四日の朝日新聞によりますと、兵庫県の三十代の男性が、スマートフォンの広告に引かれ、数分で決済代行業者に五万円を送金し、当初の数日間はバカラやルーレットで勝ちが続き、五万円が百万円になって云々とありまして、ただ、最終的には、預金を次々とつぎ込み、家族、両親にうそを重ねて七百万円を借り、さらには消費者金融にも五百万円の借金ができてしまった、そんな記事がありました。そもそも、違法、合法は別として、今回の記事のように、オンラインカジノの世界では、意図的に初心者やあるいは初心者だと思われる相手に対してしばらくの間勝ちを提供し続け、はまり込んだ頃合いを見計らって搾り取っていくという、そんなプログラムが、言ってみれば例えば一昔前の対コンピューターマージャンゲームのような、そんなイカサマが許されていると考えるべきか否か。それについてはどうでしょうか、警察庁にお聞きしたいと思います。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
警察庁におきましては、お尋ねのような事実は把握しておりません。
○西川(厚)委員 分かりました。詐欺的要素としての違法性が内在しているかどうか、それはちょっと分からないという答弁だったかと思いますが。
ただ、私もつい先日、この件について詳しい後輩に聞いてみたんですけれども、その後輩いわく、先輩、そういったことはないと考えた方がいいですよと言っておりました。そのことは申し添えさせていただければと思います。
次に、考えられる有効な対策の一つとして、オンラインカジノ事業者の胴元本体及びライセンスを発行する国々への直接的な交渉の可否について、警察ルート、外交ルート、それぞれでお尋ねをしたいと思います。
まず、警察庁の実態調査によれば、日本語の説明文がある四十のサイトを調べたところ、七割に当たる二十八のサイトのライセンス国が中南米オランダ王国キュラソー島となっており、以下、アフリカコモロ連合アンジュアン島が五サイト、欧州マルタ共和国、中南米コスタリカ共和国、これらが二サイト、そして、欧州イギリス海外領土ジブラルタル、欧州イギリス王室属領マン島、欧州ジョージアが一つずつとなっております。また、四十のサイトのうち日本からの利用禁止を明示しているのは僅か二つのサイトのみで、八つのサイトでは日本語のみに対応し、六つのサイトでは日本からのアクセスしかない有様で、もはやこれらは悪質な日本狙いだと断定できるんだと思います。
しかしながら、一部新聞報道によれば、収益を得る胴元の取締りには壁がある、オンラインカジノの多くは海外でライセンスを取得し合法的に運営されているため日本の賭博開張図利罪などに問うことは難しいと、いささか弱腰な警察の姿勢が見て取れるのも事実です。
そこで、お尋ねするのは、今紹介した四十のサイトのうち、例えば日本語のみに対応する八つのサイト、ないしは日本からのアクセス率が一〇〇%の六つのサイト、こうした明らかに日本人狙いの悪質なサイトに対する取締りの可否についてはどう考えられるか。御説明いただけたらと思います。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの日本語で利用可能なオンラインカジノサイトであっても海外で運営されているサイトにつきましては、御指摘のとおり、我が国の法により取り締まることは困難でございます。
警察といたしましては、オンラインカジノで賭博を行うことは犯罪であることの周知徹底を行うとともに、国内にいる決済代行業者やアフィリエイター等については厳正に取り締まっていく考えでございます。また、日本語利用可能なオンラインカジノにつきましては、外務省等関係省庁と対応を協議してまいりたいと考えております。
○西川(厚)委員 分かりました。是非厳しくやっていただきたいと思います。
それでは、同時に、外交ルートではどうでしょうか。例えば、日本では違法業者であっても、イギリスでは親会社は立派な上場企業だそうです。海を越えて違法行為に手を染めていることが明らかになれば、信用問題にもなりかねないのでないでしょうか。
イギリスのカジノ管理委員会や親会社に日本国から正式に抗議をすること、あわせて、特に今回の調査のうち二十八ものサイトにライセンスを与えるキュラソー及び本国オランダに対してライセンスの乱発について是正を要請することについて、その可否をどう考えたらよいか。御説明いただきたいと思います。
○斉田政府参考人 お答え申し上げます。
警察庁の報告書で判明しました実態を踏まえまして、外務省としても、日本での違法行為を誘発する問題として深刻に受け止めております。
外務省といたしましては、警察庁など関係府省庁と連携しつつ、例えば、在外公館を通じた現地の関連制度についての更なる調査や、外交ルートを通じた関係国政府等に対する働きかけなど、適切に対応していきたい考えでございます。
○西川(厚)委員 分かりました。是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次に、この問題について根本的な対策として最も期待のかかる、いわゆるブロッキングについて幾つかお尋ねしたいと思います。
ちょうど昨日、この件を含む第一回の有識者会議が行われ、年内に規制の方向性を打ち出すとのニュースもありました。
まず、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会からいただいた資料によりますと、現在既にオンラインカジノに対して何らかのブロッキング対策を実施している国は、マカオ、カナダ、オーストラリア、マレーシア、ギリシャ、デンマーク、キプロス共和国、ドイツ、スイス、エストニア、スペイン、ポーランド、また条件付でフランス、ノルウェーなどと示されておりまして、日本の対応は余りにも遅過ぎると指摘をされております。
一方で、オンラインカジノを合法とする国々もあるようですが、そうした国々では政府や規制機関がオンラインカジノ運営会社に対してライセンスを交付し、運営に対する厳格な監視や規制の下で、公正かつ安全な環境の整備によって消費者保護も強化され、さらには税金を徴収し、経済成長にも寄与する、そんな解説も見受けられました。
ここで最初にお尋ねするのは、ギャンブル依存症問題を考える会からの指摘にもありますが、こうしたブロッキングを実施できた国々と日本とではその背景にどんな違いがあるのか。これについてお尋ねしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の諸外国におけるオンラインカジノサイトへのブロッキングの実施状況につきましては各国様々でございまして、現時点で把握している限り、委員からもお話がありましたが、例えば、フランスなどの国については実施している一方で、ドイツみたいな国においては実施していないというふうに承知しているところでございます。
現在、私どもの方では、諸外国のブロッキングを実施している主要国における実施主体、根拠、具体的な手法等の詳細について、その背景も含めて深掘りして調査をしている段階にございます。
○西川(厚)委員 分かりました。これについても是非よろしくお願いしたいと思います。
また、今月十三日の読売新聞によりますと、「ネットカジノ遮断制度化 総務省検討 月内に有識者会議」昨日の会議のことですけれども、こうした見出しが大きく躍りました。続く記事では、ただ、ブロッキングを実施するには通信会社が全ての利用者の通信先を確認する必要があり、これは通信の秘密に抵触する。閲覧できる情報が必要以上に遮断されると国民の知る権利が阻害されるとの懸念もある。そこで、総務省は、通信の秘密などへの影響に配慮しつつ、ブロッキングの条件や範囲を明確に定めた制度整備を検討することにした。ブロッキングには通信の秘密などの観点から慎重な意見も多い。政府は二〇一八年、漫画を無断掲載する漫画村など海賊版サイトのブロッキングを目指して制度整備を検討したが、反対の声が上がり頓挫した。現在、実施対象は児童ポルノサイトだけで、法解釈に基づいて例外的に実施している。こういう記事がありました。
そこで、まずは、現在我が国で唯一ブロッキングが認められております児童ポルノについてお聞きいたします。
この問題については、民主党政権時代、二〇一〇年に本格的に対策が進められ、警察庁が導入に強い意気込みを示す一方で、通信の秘密の侵害を唱える総務省が消極的な姿勢を崩さず、当時の原口大臣の、被害児童の重大な権利侵害、いつまでも議論してはいられない、こうした鶴の一声で事態が打開されたとあります。そして、通信の秘密の侵害に当たるとしても刑法の緊急避難として違法性阻却事由になるとの解釈によって、翌年度からブロッキングが導入されることになりました。
その二年後の記事によりますと、捜査関係者のコメントとして、数え切れないほど存在していた児童ポルノがほとんど見当たらなくなったとありますし、同様に、導入直後と比べてネット上の児童ポルノ画像の情報が一月二千二百件から二百件へ十分の一以下まで減ったと、ブロッキングの効果を大いに評価するとの声も見受けられております。
そこで、警察庁にお聞きいたします。ブロッキング導入から今年で十五年目となりましたけれども、ネット上の児童ポルノの現状について教えていただきたいと思います。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの児童ポルノのブロッキングにつきましては、一般社団法人インターネットコンテンツセーフティー協会、いわゆるICSAが、ブロッキングのための児童ポルノ掲載アドレスリストを作成、管理しており、それに基づきまして、ICSAやプロバイダー事業者等によるブロッキングの取組が行われているものと承知しております。
警察庁といたしましても、都道府県警察による児童ポルノの削除要請に速やかに応じないサイト管理者等がいる場合には、ICSAに対しまして、児童ポルノが掲載されたウェブサイト、URL等の情報を提供しているところでございます。こうしたブロッキングにつきましては、御指摘のとおり、児童ポルノ対策にとって重要かつ有効なものであると認識しております。
いずれにいたしましても、子供を守るための児童ポルノ対策につきましては、関係省庁や関係機関、団体等と緊密に連携をいたしまして、ブロッキングや厳正な取締りを始めとした総合的な取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○西川(厚)委員 分かりました。ブロッキングが大きな効果を上げているんだということが分かったと思います。
それでは、次に、ブロッキングの導入を目指しながら最終的に御破算となってしまった海賊版サイトについても少し触れたいと思います。
この結末につきましては、確かに被害総額が四千億円とも言われた著作権の侵害ですが、人格権が損なわれる児童ポルノと違って、緊急避難の要件を満たすものではなく、通信の秘密や検閲の禁止に抵触する懸念が勝った結果だと言われております。
当時、クールジャパン戦略の司令塔とも言われた菅官房長官のブロッキング構想でありましたけれども、政府の一員である当時総務省の担当課長からも監視社会への警鐘が鳴らされるほど異例なケースでありまして、遡ってこうした新聞報道を読み返すだけでも、児童ポルノの際とは違って、導入派、反対派の衝突は明らかに激しく、感情的な論争にまで発展していたさまが読み取れます。
また、いかにもブロッキングありきの魂胆が見え見えで、慎重な議論を待たずに、緊急的対応として三つの海賊版サイトを名指しして、プロバイダーに実質ブロッキングを要請するなど、こうした姿勢は極めて拙速、拙劣だとの指摘を受けても仕方がないものと考えるところです。
そこで、最後、村上大臣にお伺いしたいと思いますが、オンラインカジノのブロッキングについては、私自身は十分機は熟したものと考えております。また、法解釈についても、今年二月二十日の予算委員会において、我が党の本庄知史議員から、憲法十二条、十三条の規定からして、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度において通信の秘密は一定の制約に服すべきとの内閣法制局長官の見解が紹介もされております。かつて原口一博総務大臣が放った鶴の一声を是非いま一度、村上大臣にも期待するわけでありますが、海賊版のときの反省も踏まえながら、是非ブロッキング導入に向けた意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○村上国務大臣 まず、先ほどの答弁で、本来、平成三十年に関連法が可決と言うところを、二十年と誤って言いましたので、平成三十年に訂正させていただきます。
オンラインカジノへの対策は重要な課題であると認識しております。総務省としましても、実効性のある対応が必要であると考えております。
ブロッキングをめぐっては、御指摘の海賊版サイトに関する検討において様々な意見がありました。そのため、取りまとめをすることができずにブロッキング以外の対策を進めることになったと承知しております。
オンラインカジノのサイトへのアクセス抑止の在り方については、御存じのように、昨日、有識者会議であるオンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会の第一回会合を開催し、検討を開始いたしました。
総務省におきましては、これまでのブロッキングの検討経緯も踏まえまして、事業者を始めとする関係者の意見を聴取し、法的、技術的な課題や論点を整理しながらスピード感を持って早く対応したい、検討していきたいと考えております。
以上であります。
○西川(厚)委員 是非、大臣、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○竹内委員長 次に、おおつき紅葉君。
○おおつき委員 立憲民主党のおおつき紅葉です。
早速質問に入らせていただきたいと思います。まずは、偽基地局による違法な電波発信について伺いたいと思います。この問題、今、偽基地局のスマホ妨害とも言われているんですけれども。
いわゆる偽基地局というのは、携帯電話の基地局を装った装置でスマートフォンを誤って接続させて、フィッシングSMSを送信したり又は個人情報を抜き取ったりする可能性があると言われておりまして、大臣御自身も十五日の会見で、事案発生は把握している、関係機関と連携して対応に当たっていると発していると思います。
そこで、会見で回答されたとおり、この偽基地局の問題というのは調査中だと思われるんですけれども、こちら、個々のユーザーに発生した被害について現状をどこまで把握しているのか。また、今後どのような被害が生じ得ると想定しているのか。そして、基地局を用いて電波を発信した場合、電波法のほかどのような法令違反に該当するのか、お伺いいたします。
○村上国務大臣 おおつき委員の御質問にお答えします。
御指摘の四月十五日の会見でも述べましたけれども、都内周辺等における携帯電話サービスへの混信事案については把握しております。また、偽基地局を通じて携帯電話の利用者にもSMSが送られているとの報道も承知しております。
現在、関係機関と連携しまして対応に当たっておりますが、事柄の性質上、被害状況も含め、個別具体的な内容につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
また、お尋ねの将来的な被害につきましては現時点で予想することは困難でありますけれども、被害の防止は重要であると考えておりまして、引き続き状況把握を継続してまいりたいと考えております。
電波法以外の法令違反の可能性については、事案の個別具体的な内容に即して適切に判断していくべきものと考えております。
委員の御指摘どおり、大阪・関西万博が始まり、訪日外国人の更なる増加が見込まれている中で、良好な電波利用環境の維持は重要であるというふうに考えております。
総務省では、引き続き電波監視等を通じて誰もが安心して電波を利用できる環境の確保にしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○おおつき委員 コメントし切れないところがあるところの中で、一つ確認をさせていただきたいんです。というのは、私たちはやはり携帯電話は欠かせないですよね。皆さん一人一台持っていると思うんですよ。例えば、携帯の端っこに知らない色のぽちっというのとかが出てきたら、これ、何なんだろうと不安になる人が多いと思うし、今お子さんたちも始めだんだん低年齢化しているという状況もあるので、一つだけ確認させてください。これって情報が盗み取られる可能性があるんでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま大臣の方からも御答弁がございましたとおり、個々の内容につきましては、この事柄の性質上、具体的な内容については回答を差し控えさせていただければと思います。
その上で、一般論として申し上げれば、いろいろな可能性がございまして、そういった今委員御指摘の点も含めまして様々な懸念に対しましては、今後とも警察庁また関係事業者とも協力してしっかりと必要な対応をしていきたいと考えているところでございます。
○おおつき委員 こういった事案を把握したのも、実は元々はSNSの間で偽基地局が疑われた事案があったことを受けて大臣は会見で発したと私は思うんですけれども、こういった事案、十五日の会見で言って今日は二十四日、九日たっているわけですね。九日前の発信と変わらないと日本は結局デジタル後進国で、今、万博もやっていて多くの方々が来られております、海外からも来られております、こういったユーザーの方々に、注意喚起も含めて、どういったことに気をつけてくださいとかは言えないんじゃないんですか。もう既にされていることも含めて確認をさせてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
この混信の事案に関しましては、繰り返しになりますが、私どもの方でも以前から把握をしておりまして、必要な対応を行ってきたところでございます。
私どもといたしましては、委員からも御指摘がありましたとおり、国民の方々に対して不安を持たれないような情報発信、そういった周知も含めまして、引き続き誰もが安心して電波を利用できる環境の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○おおつき委員 済みません、では今どういう情報発信をしているんですか。大臣の会見から九日たっていますけれども。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
現在、様々な関係機関と連携して調査等もしているところでございまして、特に具体的に何かを発信しているということではございませんが、何かそういった進展等がございましたら、そこは適切に行っていきたいと考えているところでございます。
○おおつき委員 今おっしゃっていることを整理させていただくと、これまでずっと把握しておりました、十五日に会見では言いました、今まだ精査しています。やはりこれは遅いです、大臣。早急にこの対応策を練っていただく必要があるので、進めていただくという決意、一言お願いいたします。
○村上国務大臣 私の聞いている範囲だと、その発信した人がどうも潜ったみたいなんですね。潜ったというか、要するに発信を止めて捕まらないような感じなので、今なかなか把握ができない状況だと思うんですね。ただ、そういう問題についてはこれから報道を通じて喚起していきたいとは思っております。
○おおつき委員 潜ったという表現ということで、捜査機関と連携をしてやっていくことだということで、言えないことがあるとは思うんですけれども、一人だけじゃなく、例えば大阪や東京も含めていろいろな事案が発しているということで伺っておりますので、早急な対応を是非求めていきたいと思います。
そして、一つ答えていただけなかったのが、電波法を始めどのような法令違反かというと、私の調べたところですと、例えば電波法だとしても通信内容の傍受に当たるかどうかの判断が難しいというところだとか、例えば不正アクセス禁止法だとどの程度カバーできるのかということが、今現在の法律だと該当するものが不明瞭だということだというように伺っておりますので、新たにこういった偽基地局を、IMSIキャッチャーとも言われているんですけれども、偽基地局自体を実際に罰則とか直接禁止する法整備が必要ではないかと思うんですけれども、この認識、どう思われておりますか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しの答弁になりますが、今回の個別の事案につきましては、個別具体的な内容についてはなかなか回答するのは難しい面がございますが、委員の御指摘があった点も含めて実際に問題になった場合につきましては、今後、関係事業者とも協力連携しつつ、必要な対策については適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○おおつき委員 是非、今、世界に日本のいいところをアピールしているイベントの最中でもございます。そういう中で日本がデジタル後進国と思われないように、早急な対応を求めたいと思います。
では、次の二問目の質問に行きます。上下水道の耐震化対策について伺います。
昨年発生した能登半島地震では、上下水道施設に甚大な被害が発生して、最大約十五万軒で断水、そして一部地域では水道本管復旧まで約五か月を要するなど、住民の生活に大きな影響を与えたことは皆さんも御存じだと思います。
上下水道は住民生活や社会経済活動に不可欠の重要なライフラインでありまして、地震の多い我が国においては上下水道の耐震化を進めることは極めて重要であります。しかし、全国の耐震化の状況はというと、令和四年度末時点で水道の基幹管路の耐震適合率が約四二%、半分以下ですね、下水道の重要な幹線等は約五六%などと、途上段階であると言えます。
この水道施設の耐震化整備を効果的、効率的に進めるためには、耐震化計画の策定が重要となるため、政府は各団体に対して耐震化計画の策定を促してきたと承知しております。しかし、令和六年三月末時点において、水道事業を営む千三百八十の自治体、広域自治体のうち二七%の三百七十四団体が主要な水道管の耐震化計画を策定していないという報道がありました。計画を策定していない理由としては、作成に必要な体制のめどが立っていない、又は日常的な補修作業などほかの整備を優先しているなど、人員不足を背景としたものが多い状況となっております。
そこで、昨年九月には国土交通省が上下水道耐震化計画を令和七年一月末までに策定することを改めて求めておりますが、計画策定を始めとする上下水道の耐震化を更に進めるためには国による人的支援や財政的支援が不可欠だと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
○松原政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年能登半島地震では、浄水場などの水道システムの急所、すなわち、その施設が機能を失えばシステム全体が機能を失う最重要施設や避難所など重要施設に接続する管路の耐震化の重要性が改めて明らかになったところでございます。
このため、これらの施設の耐震化状況について緊急点検を実施した上で、委員御指摘のとおり、全ての水道事業者等に対しまして昨年九月に上下水道耐震化計画の策定を要請し、令和七年三月末時点で水道関係については策定率は約九四%にまでなっております。
この計画に基づきまして、水道施設の耐震化を計画的、集中的に推進できるように、令和六年度補正予算で耐震化の取組を加速する水道事業体を支援対象に追加したほか、補助率を四分の一から三分の一へ引き上げております。また、令和七年度予算では、上下水道システムの急所に関する個別補助制度を創設するなど、支援制度を大幅に拡充しております。
さらに、職員の技術力の確保の観点も含めまして水道事業者間での広域連携を推進するとともに、日本水道協会と連携した研修の実施などの技術支援も行っているところでございます。
これらの支援を着実に実施いたしまして、強靱で持続可能な水道システムの構築に向けて取り組んでまいります。
○おおつき委員 是非、人への支援は大切になってきます。それには財政支援は欠かせないので、北海道も地震の切迫性も指摘されておりますので、上下水道の耐震化へ向けて更なる御支援の必要性を改めてお伝えさせていただきたいと思います。
次に、地域医療に資する公立病院の経営状況と課題について伺います。
総務省によれば、令和五年度における赤字の公立病院の割合は七割にも及んでおりまして、赤字の合計額は二千四百四十八億円にも上っております。さらに、自治労の調査によりますと、令和六年度には赤字病院の割合は八割から九割にもなって、赤字額も更に増加する見込みであるということです。
また、昨今の物価高騰によりましてエネルギーコストや医療材料費がかさみ、昨年度に実施された診療報酬の改定だけでは経営の改善は到底見込めないのが現状です。さらに、慢性的な医師、看護師不足が続く中、少ないスタッフで膨大な量の業務を行わざるを得ないため、医療従事者の離職が相次いでいると現場からも伺っております。実際に、こんなに働いたのに赤字なのかという医療現場の必死に働く人たちの切実な嘆きを聞いておりますので、是非この問題に取り組んでいただきたいんですけれども。
改めて、公立病院は地域の医療を支えて地域住民の命を守る大変重要な役割を担っていますから、たとえ不採算であっても簡単に縮小や廃止を決めることはできません。しかし、多くの自治体が厳しい財政状況に直面しておりまして、今のままでは病院経営の悪化や人材の流出により地域医療の提供体制は崩壊してしまいます。
地域の医療崩壊を防ぐには国からの財政的支援が不可欠で、厚労省は緊急支援パッケージに加え内閣府所管の重点支援地方交付金を活用するようにと言いますけれども、この交付金による支援の内容は都道府県によってばらばらですし、金額も不十分です。そこで、公立病院に係る地方交付税の算定の見直しや拡充が必要だと考えるんですけれども、総務省として今後どのような支援を行っていく考えがあるか、伺います。
○大沢政府参考人 お答え申し上げます。
総務省では、今委員から御指摘がありましたように、公立病院は大変厳しい経営環境にあると承知をしております。その中でも、公立病院が不採算医療あるいは特殊医療などの地域医療にとって大変重要な役割を担っていることを踏まえまして、必要な地方財政措置を講じてきましたし、今後も適切に講じていきたいと考えております。
令和七年度でございますが、不採算地域における医療提供体制を確保するために、令和三年度から行っています不採算地区病院等への特別交付税措置の基準額の三〇%引上げ、これを継続しております。
また、僻地医療拠点病院である公的病院が行います訪問看護、遠隔医療に要する経費を今年度から新たに特別交付税措置に追加することとしております。
今後とも、公立病院や公的病院の状況も踏まえながら、持続可能な地域医療提供体制を確保するために、関係省庁と連携して必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○おおつき委員 地域医療への財政支援というのは、今御答弁いただいたとおり、医療従事者の処遇改善も同時に必要ですから、それ相応の措置がなければ地域医療を維持することはなかなかできません。是非とも住民が必要とする地域医療と公立病院の維持のために積極的かつ機動的な見直しが必要であるということを、改めてお伝えさせていただきます。
そして、関連して伺うんですけれども、私の地元北海道では、広大な土地という地域特性から公立病院が地域における全ての医療を担っているケースが多いんですけれども、小規模で多機能を担うわけですから、経営的に収益を上げることはかなり厳しい状況でございます。このような中で、政府は、経営状況が厳しくなった病院を支援するため、病床を削減した場合の補助を拡大しました。北海道でも多くの病床削減が進められる見込みです。医療需要の低下に伴う病床削減はやむを得ないと思うんですけれども、赤字だから病床削減というのはちょっと違うんじゃないかなと思っております。
病床削減の予算を拡充するのであれば、例えば診療報酬の更なる改定や医療従事者のベースアップ、物価高騰分や人件費上昇分の経費を国が支援する制度の検討など、もっとほかに講ずべき措置があると考えるんですけれども、政府の見解をお伺いいたします。
○神ノ田政府参考人 お答えいたします。
医療機関の経営状況につきましては、委員御指摘のとおり、物価高騰や賃金上昇、医療需要の急激な変化などに直面していると認識をしております。
令和六年度の診療報酬改定では一定の措置を講じておりますが、依然として物価高騰等の影響が続いていることを踏まえ、令和六年度補正予算におきまして経営状況の急変に対応する緊急的な支援として約一千三百億円の予算措置や重点支援地方交付金の積み増しを行うとともに、令和七年度予算では入院時の食費基準の引上げを行っており、さらに今月八日からは福祉医療機構による資金繰り支援の融資の特例を開始するなど、支援の充実を図ってきたところであります。まずはこうした措置を着実に実施し、現場に行き届かせることが重要と認識をしております。
その上で、引き続き、物価等の動向や経営状況など、足下の情勢変化もよく把握しながら必要な対応を検討してまいりたいと存じます。
○おおつき委員 是非、地域を支える制度、一体として考えていただきたいと思っております。例えば地域の公立病院の経営安定化基金の創設なんかもあると思いますので、これからの地域の在り方、是非、厚労省、総務省、横串を入れながら連携して行っていただきたいということをお願いしたいと思います。
次に、ちょっと質問の順番を変えて、五番の防災行政無線について伺います。
私の地元小樽市では、地震、津波などの災害情報をより多くの住民へ迅速に一斉に知らせるために、令和二年四月からMCA無線という無線システムを活用した同報系防災行政無線を運用しておりまして、このMCA無線によって市役所から災害情報を発信して、屋外拡声子局で受信して放送する仕組みになっております。
しかし、MCA無線の通信サービスについては、令和五年十一月にサービス提供事業者である一般財団法人移動無線センターから、無線設備等のシステムが導入から二十年を経過して今後の更新やメンテナンスを行う上で維持継続が困難となっているとして、令和十一年五月三十一日をもって終了する旨が公表されておりまして、地元自治体そして業者も困っております。住民は、令和二年に始めたばかりなのにはしごを外された感じと。この後、令和十一年度以降はどうやって災害情報を得たらいいのかと困惑も広がっております。
令和十一年六月以降はMCA無線を同報系システムとして活用することができなくなるため、このサービスを活用している自治体では、防災行政無線又はほかの代替手段、例えば特別な支援メニューを整備する必要があると考えているんですけれども、現在、MCA無線を活用した同報系システムを整備している自治体がどのぐらいあるのか。また、それらの自治体が令和十一年五月末のサービス終了までに防災行政無線やほかの代替手段を整備するために、消防庁として今後どのように支援をしていくのか、財政措置などがありましたらそれも含めてお答えいただけたらと思います。
○田辺政府参考人 防災行政無線等を整備している自治体の割合は令和六年三月三十一日現在で九六・一%ですが、そのうち五・七%の九十五自治体がMCA陸上移動通信システムを利用しています。
消防庁では、これらの自治体に対して、引き続き住民に向けて迅速かつ確実に災害情報を伝達できるよう、技術的な知見を有するアドバイザーを派遣するなどの取組を行っています。
また、防災行政無線等の整備については、緊急防災・減災事業債の対象とされています。
今後も、委員御指摘の小樽市を始め自治体の状況等をよく踏まえつつ、必要な助言を行うなど、防災行政無線等の整備を推進してまいります。
○おおつき委員 是非、防災行政無線というのは災害情報を住民に伝える重要な手段です。そして、いつどこで何があるか分からないものだと重々承知だと思いますが、事業者がサービスを終了したからといって大事な情報が住民に届かなくなるということは絶対にあってはなりません。是非とも国として積極的な支援に取り組んでいただきたいと思います。
次に、林野火災に係る消防防災対策について伺います。
私、この週末も街宣で各地域を回らせていただいたら、地元の消防団員が春の火災予防運動のチラシを持って歩いておりました。やはり火の用心と言いながら皆さんたちに歩いていただけるのはありがたい活動だなと思って、日々敬意を表しておるところでございます。
ただ、今年に入ってから、岩手県、岡山県、愛媛県、宮崎県など、全国各地域で林野火災が相次いでおるというのは皆さん御存じかと思います。まずは、これらの火災によって被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、危険の中、消火活動に当たられた地元の消防隊員の方々、そして消防団員の方々、また各地から派遣された緊急消防援助隊等の隊員の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。
そして、例年二月から四月は空気が乾燥し、強風が吹く時期ですので、林野火災が多く発生する傾向にあります。それでも、今年の火災は規模が大きいことに特徴があるように思います。令和六年消防白書によりますと、令和五年中の林野火災の出火件数は千二百九十九件、焼損面積は約八百四十四ヘクタールで、これは対前年比で二百三十九ヘクタール増となっています。
これに比べて今年の火災でも特に規模が大きかったのが二月の岩手県大船渡市の火災で、二月二十六日の発生から四十一日目の今月七日にやっと鎮火が宣言されましたが、その間の焼損面積は約三千三百七十ヘクタールとなっておりまして、焼損面積の大きさでは過去六十年で最大だそうです。その他の火災でも、岡山県岡山市では約五百六十五ヘクタール、愛媛県今治市では約四百五十二ヘクタールがそれぞれ焼損しておりまして、これら三件を足し合わせただけでも約四千四百ヘクタールに被害が及んでおりまして、令和五年の焼損面積が八百四十四ヘクタールだったことを考えると、今年の林野火災の規模の大きさが分かるかと思います。
だからこそ、近年の状況と比較して今年の林野火災の件数や規模についてどのように認識しているのか、また、規模拡大の要因を現状でどのように分析しているのか、消防庁に伺います。
○田辺政府参考人 今年の林野火災の件数につきましては統計上のデータがなくお答えできませんが、今年二月以降、大船渡市や岡山市、今治市を始めとして、例年に比べ大規模な林野火災が発生しているものと認識しています。
林野火災における延焼拡大の要因は、一般的には、乾燥や強風などの要因が相互に関係することに加え、地形や落ち葉などの堆積状況なども関係してきます。また、樹木の葉、枝の火災である樹冠火や飛び火の発生なども延焼拡大の要因と考えているところでございます。
○おおつき委員 そういった検証も含めて、しっかりとこれからの予防や対応に生かしていただきたいというところでございます。
時間がなくなってまいりましたので、質問から要望に変えたいと思うんですけれども、火災に向けて全国各地から応援の方々が来られていたと思いますし、ヘリコプターやドローンでも空中からの消火活動や情報収集が必要不可欠であったと思います。そして、多くの防災ヘリや自衛隊のヘリも活用されて、例えば私の地元北海道や札幌市の消防局からも緊急消防援助隊として派遣をされておりまして、ヘリによる消火活動などに当たったということも伺っております。だからこそこういった役割分担や連携が必要となってきますので、今言った課題も含めて、今後の検討会、開かれてまいりますと思いますが、効果的な役割分担や連携の在り方について引き続き議論をお願いしたいということをまずもって申し上げたいと思います。
そして、最後に大臣に伺いたいと思います。
これら大きな被害が発生している林野火災ですけれども、日本の場合、やはり人的要因による場合が多いと実はされているところでございます。今年各地で起こっている火災の出火原因についてはこれから調査が進められていくことと思いますけれども、出火原因の多くが人的要因であるということは、林野火災は意識次第で未然に防げる火災なんじゃないのでしょうか。こういったことも踏まえて、大規模な林野火災が相次いで発生している現状も踏まえて一層の予防意識の向上、啓発に努める必要があると思いますが、大臣の現場視察や啓発活動、例えば火の用心の活動を始め、大臣の御所見を伺って、最後の質問とさせていただきたいと思います。
○村上国務大臣 林野火災につきましては、たき火や火入れなど、人為的な要因による火災の割合が高いことから、総務省消防庁では、例年、林野火災の増加が始まる一月頃から予防の徹底を求めるなどの注意喚起を行ってきたところでございます。
今回の大船渡市等の林野火災を受けまして、自治体に向けて林野火災の予防の徹底を求める通知を発出したほか、政府広報も含め各種媒体による啓発活動を行っているところであります。
先ほど政府参考人から答弁がありましたとおり、現在、総務省消防庁としましては、林野庁と共同で大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策の在り方に関する検討会を開催しております。この検討会では火災予防についても検討対象としており、啓発を含めたより効果的な火災予防の在り方についても検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
○おおつき委員 是非、大臣も春の火災予防運動に一緒に行って回っていただけたらと思いますので、お願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
今日は、日本郵政についてということで通告をさせていただいております。今の日本郵政の在り方について議論をしていきたいというふうに思うんですけれども。
先日、報道ベースではありますけれども、自民党さんの議連の方で、郵政お助け法案というか、そういったことが議論されているということも仄聞をしております。当然、郵政のユニバーサルサービスを維持していかないといけない、それは当然なんですけれども、今、自民党さんの案では、本来国に入るべき配当金の中から六百五十億円という大金をお助け法で郵政を支援するという案が報道ベースであります。
我々は、そういったユニバーサルサービスを維持していくために一定の支援、何らかの支援がもしかしたら必要かもしれませんけれども、その前にまずは自分たちでしっかりと努力をしていく、そして、様々な不祥事、これも止まりませんので、こういった体質も改善をしていく、そういったことを前提にまずはやっていくべきであろうというふうに考えております。
不祥事が余りにも多過ぎて何からどう説明していこうかなというところではありますけれども、先日は情報流用の問題、そして保険の不正販売、昨日なんかでいいますと、点呼をやっていない。現場で様々な問題が起こったことが取締役会にも上がっていない、若しくは虚偽の報告をしている、そういう事案が余りにも多過ぎて、この状況をどうやって打開していくのかというところをお聞きしていきたいと思いますけれども、様々な不祥事について、再発防止、そして組織のガバナンス、この辺が一体どうなっているのかなというところがありますので、そこをまずお答えいただきたいというふうに思います。
〔委員長退席、あかま委員長代理着席〕
○林参考人 日本郵政グループのガバナンスについてお尋ねがありました。お答えを申し上げます。
まず、かんぽの不適正募集問題発生以降、その再発防止に取り組んでいる中ではありますけれども、非公開金融情報等の不適切な取扱い、また委員御指摘の点呼業務の未実施の事案など不祥事が相次いで発生をしておりまして、日常的に郵便局を御利用いただいておりますお客様を始め関係者の皆様に御不安、御心配をおかけしておりますことについて、改めて心よりおわびを申し上げます。
その上で、かんぽの不適正募集問題以降、日本郵政におきましてはグループガバナンスの確立とその浸透に注力をしてきたところではありますけれども、今回の一連の不祥事の発生はそのことが不十分であったことを示すものであると受け止めております。日本郵政におきましても、このことを大変重く受け止め、再発防止にはグループを挙げて改めて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
具体的には、先ほど御指摘のありました非公開金融情報の不適切な取扱いの問題につきましては、数字での競争意識が強い組織風土であったこと、あるいはガバナンスの未成熟さといったことがその主因の一つとして挙げられておることから、お客様本位の活動につながる評価方法の確立や、コンプライアンス部門等、二線部署の権限強化等によりましてグループガバナンスの強化を図っていく、こういった取組を進めてまいることとしております。
また、点呼業務の未実施事案、これにつきましては、法定事項である点呼を確実に実施するという意識の欠如、あるいは実態は隠して書面上だけ整えておけばよいといった組織風土がその要因として見られますことから、研修等を通じまして改めて意識改革を徹底して行いますとともに、点呼の確実な実施を図る、こういった観点から、まずは点呼のカメラ映像による確認とモニタリングに取り組んでまいりたいと考えております。さらに、点呼関連のシステムの導入を進めてまいりたいと考えております。このように、指示文書による指示ということにとどまらず、現場で確実に点呼が実施されるように、デジタル技術なども積極的に活用しながら、不祥事が構造的に発生し得ないような持続性ある環境整備を進めてまいりたいと考えております。
今後とも、監督官庁の御指導もいただきながら、法令等の遵守を徹底するための効果的な再発防止策を策定、実施し、お客様を始めとする関係者の皆様の信頼確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〔あかま委員長代理退席、委員長着席〕
○黒田委員 ありがとうございます。
今お答えいただいた中で、点呼のことについては撮影をしてどうのこうのというお話もありましたけれども、五年前に今の増田社長が就任したときも不祥事への対応から始まりました。その間も様々取り組んでいただいていると思うんですけれども、それでも一向に不祥事が減らないというような状況です。
今の点呼の話以外で、増田社長が就任してから取り組まれたことと、これからやっていきますということの差が、僕は聞いていても全く分からなくてですね。どうやってなくしていくのかなというところの具体的な手法、そこら辺が何かこう頑張っていきますみたいなのでは、僕はもう駄目な状況にあると思いますので。これまでやってきたことと、これからやっていくこと、点呼の話は分かりましたけれども、ほかの部分で具体的にどうするのかというところをもう一度お答えいただきたいというふうに思います。
○林参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のかんぽの不適正募集問題の発生につきましては、その再発防止のために、当時は、御契約者様にとっては不利益な乗換えを話法でもって誘導して、保険商品の買換えをさせるといったような手法が横行しておりました。このことの防止を徹底するために、いわゆるお客様本位の募集活動というものを確立させて、研修を通じて徹底させる。その前には行政処分もいただきましたので、一切の営業行為というものを一時停止して、募集人の再教育をしながらそういった募集活動に転換していくという取組をさせていただきました。
しかしながら、今回の事案、特に委員から御指摘をいただきました非公開金融情報の不適正使用の問題などは同根につながっている部分もありまして、いわゆる研修の実施やその趣旨の徹底だけではなかなか組織の末端までの遵法意識の徹底というのが十分ではなかったのではないかという反省もございます。
例えば、先ほどの点呼の問題に加えて非公開金融情報の不正使用については、そもそも私どもはグループ各社で銀行業務を営んでおりますので、お客様個人個人の金融情報についてアクセスができないようなシステム上の停止措置をさせていただいて、いわゆるクロスセル同意と呼んでおりますけれども、お客様が持っている個人情報を我々が活動を通じて提供しておりますいろいろな金融サービスの御案内に使わせていただくための同意を取らせていただく、その同意のある方だけにお声がけをするといったような、単純に意識の問題だけではなくて、システム上も不可能な形に一旦仕組みをつくり変えて、その同意をまずいただくということに注力するということで、再発防止を徹底させていただきたいというふうに思っております。
委員御指摘のように、単に気持ちだけでは措置が徹底されないということは今回の事案ではっきりしておりますので、そういった遵法意識の徹底と同時に、再発が起こらないような仕組みの導入ということも併せて徹底をしてまいりたいと考えております。
○黒田委員 今、名簿の取扱い等についてもお答えいただいたところでありますけれども、まさに今朝、西日本新聞というところで、郵便局長会が顧客狙いで後援会員を集めているというような記事も出てまいりました。だから、商品を売るとかそれだけじゃなくて、こういったところで参議院選挙に向けてそういう活動をしているというようなことも記事として出てきています、そういう状況がありますので、いま一度しっかりと徹底をしていただくというところも取り組んでいただきたいなというふうに思います。名前等も出ていますけれども、あえて出しませんけれどもね。余りにもひど過ぎるというところを認識していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
時間が余りありませんけれども、お助け法、六百五十億円、どのような形で出てくるのか分かりませんけれども、郵便事業のそもそもの収益構造、運営上の課題、どのように認識しているのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
○西口参考人 お答え申し上げます。
郵便事業の収益構造についての課題と対応という御質問だと理解しております。
郵便事業につきましては、昨年十月にも郵便料金を値上げさせていただきました。郵便物自体はやはりデジタル化の進展等で、配達物数等、量的な減少傾向にあるのは事実でございます。したがいまして、郵便事業につきましては、ユニバーサルサービスでございますので、しっかり安定的に提供していくために、業務の効率化、具体的には配達効率の向上とかオペレーションの自動化等をしっかりやって、抜本的な構造改革、だらだらとやっていくのではなくて、しっかりとした取組を今後続けていき、安定的な郵便の配達業務がしっかり行われるよう確保してまいりたいというふうに思っております。
○黒田委員 今おっしゃられたように、社会的な変化というのが非常に郵便事業にとって大きいのかなというふうに思っております。人口は減少していく、年賀状もそうですけれどもだんだんとそういったニーズも下がっていくというような中で、一方では配達する方の人員の確保も苦労しているというような状況で、一年中、平日は郵便局を朝から晩まで開けて来るお客さんを待っているというような経営形態が、今非常にこの在り方自体が僕は重くなってきているんじゃないかなというふうに思っております。
先日、群馬県でしたかね、午前中は窓口の方が集配を手伝って、要は午前中は閉めて昼から通常の窓口業務をやるというような対応をしているという記事も拝見しましたけれども、今までの在り方自体をやはり見直していく時期に入ってきているんじゃないかなというふうに思っています。今までずっと例えば市役所でやっていたような、そういう窓口業務の一部を郵便局が担っていくというような、仕事の拡大も図っているようではありますけれども。
僕自身も地方議会出身で、いろいろ地方議会の窓口について議論もしてまいりましたけれども、今、地方自治体の方では行かなくてもいい市役所というものを目指してやっていっているんですね。今、様々なサービスを一部コンビニでも担っていく、そういう状況にもなってきているというような中で、郵便局自体の在り方そのものをいま一度抜本的に見直していく、様々な改革をまずやった上で、要は雑巾を絞り切って、もう水が一滴も出ませんというところぐらいまでしっかりと改革を行った上で、国の予算をどういうふうにし、国の予算としてどういうふうに支援をしていくのかというところ、まず順番があると思いますので。まずは不祥事を徹底してなくしていく、そして改革を徹底的に進める、その上で様々な支援についての議論が始まるのかなというふうに思っていますので、その順番をしっかりと徹底していただくというところをお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、オンラインカジノの問題であったり賭け事について質問させていただきます。
まず初めに申し上げさせていただきたいんですけれども、私は、賭け事を推奨していくべきとも禁止すべきとも考えておりません。あくまで国民的議論の先に、実態に即したあるべき法体系を築いていく必要があるというふうに考えております。その立場から質問させていただきます。
総務省は昨日、オンラインカジノについて、サイトへのアクセス抑止の在り方を話し合う検討会を立ち上げました。接続を強制的に遮断するブロッキングの可否についても議論する場ということ、先ほども答弁がありましたので、ちょっとこの質問は飛ばさせていただきます。
政府が先月二十一日に決定したギャンブル依存症対策基本計画の中では、時間や場所を選ばずにアクセスできることからオンラインで行われるギャンブルはギャンブル依存症につながりやすいとの指摘がありました。オンラインカジノはそもそも違法ではありますが、オンラインで行われ依存性が高いことからもブロッキングの検討がなされているということと承知しております。
その一方で、競馬は馬券購入がオンラインでどんどん行われ、今や売上げの八、九割はネットからというふうな話も聞いております。オンラインで行われるギャンブルはギャンブル依存症につながりやすいとの指摘がある中で、オンラインカジノのブロッキングが検討されている一方、オンライン競馬はどんどん拡大している。
繰り返しますけれども、オンラインで行われるギャンブルはギャンブル依存症につながりやすいという中で、総務省がオンライン賭博をなくすために検討会を開いたりいろいろ頑張っているその横で、農水省はオンライン賭博を拡大すべく、CMを打ったりいろいろしかけているわけです。この状況はおかしくないでしょうか。オンライン競馬は何で認められているんでしょうか。
○庄子大臣政務官 お答えを申し上げます。
競馬につきましては、競馬法等によりまして特に認められた賭け事でございます。法令に基づいて、その公正な実施を監督官庁によって監督しているところでございます。
今委員御指摘のインターネット馬券の発売につきましては二〇〇二年から始まっていると承知をしておりますけれども、馬券の売上げを通じまして地方財政に貢献をしているという点、そして畜産振興、例えば民間事業者が行います研究開発への支援、あるいは生産者向けに重種馬の支援など、一定の公益の増進につながるということがありますので、これまで認めてきているところでございます。
一方で、御指摘のとおり、ギャンブル依存症対策も重要でございますので、令和七年三月に新たに改正されましたギャンブル等依存症対策推進基本計画におきましても、インターネット投票におけます購入制限、これは例えば、本人若しくは家族の申出に基づきまして、サイト利用の制限でございます、加えて購入限度額の設定の活用の促進を行っています。また、インターネットの投票データを分析しまして効果的なギャンブル等依存症対策につなげることなどを盛り込んだところでございまして、今後とも公営競技全体で取組を進めることといたしております。
○藤巻委員 競馬が地方収益に貢献しているということで大丈夫というロジックが通じてしまうならば、オンラインカジノも国が管理して地方収益に貢献すれば大丈夫というロジックが成り立ってしまうので、今の答弁はちょっと疑問が残るところではありますけれども。
かつて、最高裁は賭博行為に関してこう判示しました。賭博行為は、暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがある。
最高裁はここまで言っているんですけれども、農水省としてはこれは大丈夫なんでしょうかね。最高裁がここまで言っているのに、その忠告を聞かずに、最高裁が競馬は賭博行為であり凶悪犯罪を誘発して国民経済に重大な障害を与えるおそれがあるとか言っているけれども、俺たち農水省が管理監督すれば何ら問題はない、農水省さんはそういう認識で競馬を所管しているということでよろしいのでしょうか。
○庄子大臣政務官 我々農水省としても、野放しに依存症の方々が増えるということをよしとしているわけではもちろんございませんので、先ほど申し上げたような対策を講じているわけでございます。
繰り返しになりますけれども、競馬法という法律に基づきまして、畜産振興や地方財政に貢献するということを前提に、刑法に規定する富くじ発売等は違法性の阻却が認められているわけであります。
その上で、法律に基づきまして、払戻し率等を法律で規制しておりますとともに、馬の出走の停止、騎手の乗馬停止あるいは処分、こうしたことも確保させていただいております。
さらに、競馬の売上げの一部は先ほど申し上げました地方財政に寄与するとともに畜産振興や社会福祉に貢献をしておりますので、主催者等を指導しながら競馬の公正確保を図ってまいりたいというふうに理解しております。
○藤巻委員 そもそも、賭け事とかギャンブルに対する我が国のスタンス、これはもう、矛盾だらけというか複雑怪奇、めちゃくちゃだと思います。
競馬でお金を賭けるのはオーケーだけれども、ポーカーでお金を賭けたら捕まる、サッカーの試合の勝敗にお金を賭けるのはいいけれども、野球の試合の勝敗にお金を賭けたら捕まる。何でなのと子供たちに聞かれたら、大臣だったらどう答えますか。
○村上国務大臣 先ほどもお答えしたように、私個人としては競馬も競輪も競艇もやったことがないので全くその感覚が分からないんですけれども、賭け事に関しては欧米と日本は歴史が違うと思うんですね。特に競馬なんかはイギリスから始まって、欧米の感覚と日本の感覚が違うんだけれども、先ほど農水省さんが答えているように、場合によっては地方の財源だとかそういうことで名目を立てているんじゃないかなという気がします。
ただ、先ほど藤巻委員からも御質問があったとおり、賭博等には公営競技やパチンコ等様々な形態があるんですが、こうした賭博をどこまで合法とするかについては、それぞれの法令で整理がなされているものというふうに考えております。
ですから、総務省としましては、違法なオンラインカジノへの対策については重要な課題であると認識しておりまして、実効性のある対応が必要であると考えております。
今後、有識者検討会において法的、技術的な課題や論点を整理しながら、スピード感を持って早く対応していきたいと考えております。
○藤巻委員 関連して、パチンコについても聞かせていただきたいんですけれども。
私も過去の国会答弁を読ませていただきましたけれども、政府の法的見解はこうです。パチンコは遊技であってギャンブルではない。ただ、パチンコは景品を、これは何か小さな金のチップとからしいんですけれども、パチンコは景品を出すことは認めている、その景品を売却して換金している人たちがいるらしいんだけれども、それは違法ではない。
これはいわゆる三店方式なんですけれども、このロジックはちょっと無理があるんじゃないかな。これがまかり通るなら、ギャンブルは事実上オーケーということになってしまわないでしょうか。これは無理筋なへ理屈かなというふうに感じておりまして、答弁している人たちも自分自身でそう思っているんじゃないかなというふうにも感じてしまうところです。
以前、とあるパチンコホールがジャスダック証券取引所に上場を申請した際、パチンコ業界が行っている換金行為は合法とは言えず、刑法の賭博禁止に抵触する法令違反の疑いがある等の理由で上場を却下されたということがありました。
パチンコはギャンブルだ、国民のほとんどがそう思っていますし、さっき言ったいわゆる三店方式のこと、これはみんな知っているわけです。私は、別にパチンコが駄目だというふうに言っているわけではありません。ただ、パチンコをオーケーとするなら、競馬と同じように法的に明確に合法として、国のしっかりとした管理の下で税金をしっかり納めてもらって、裏社会にお金が流れたりしないようにする。駄目なら駄目で、景品を交換所で換金するのは事実上の賭博行為であるのでそれは駄目ですとすべきだと思うんですけれども、今のようにグレーゾーンで政府の謎の法解釈の下に漫然と黙認されているというような状況は法治国家として望ましくないというふうに思います。
ここまで公然と政府の無理筋の法解釈がまかり通っている現状は、法の支配という法治国家としての理念を毀損させ得るものだというふうに私は考えているんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○大濱政府参考人 お答えいたします。
風営適正化法におきましては、パチンコ営業者が現金等を賞品として提供することや、客に提供した賞品を買い取ることを禁止しております。
他方で、客がパチンコ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、パチンコ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあるとは承知しております。パチンコ営業者以外の第三者が賞品を買い取ることは直ちに風営適正化法違反となるものではございませんが、営業者と実質的に同一であると認められる者による賞品の買取りにつきましては、これが営業者による賞品の買取りとして評価される場合は同法違反となり得るものと認識しております。
いずれにいたしましても、こうした違法行為が発生した場合、引き続き厳正に取締りを行っていくこととしております。
○藤巻委員 質問に答えられていないというか、そう答えるかなとは思ったんですけれども、いわゆる三店方式の、私が言うところの政府の謎解釈を述べられただけというところで、なかなか納得はできないところはあるんですけれども、時間も限られていますので、次の質問に移らさせていただきます。
質問というか、先ほども申し上げたんですけれども、我が国の賭け事に対するスタンス、これはもうむちゃくちゃかなと。事賭け事に関しては、もはや法治国家の体を成していないとまで言えると私は考えております。競馬はオーケーだけれどもポーカーは駄目、サッカー賭博はオーケーだけれども野球賭博は駄目、オンライン競馬はオーケーだけれどもオンラインカジノは駄目、パチンコは本当は駄目なんだけれども、まあ特別にいいよ、これはもうむちゃくちゃだと思うんですよね。
賭け事を合法化するなら、それぞれしっかりと国の管理下に置いて税金も納めてもらって、透明性の高いクリーンなものにする。禁止ならちゃんと禁止する。あの賭け事はいいけれどもこの賭け事は駄目、あれは本当は駄目なんだけれども特別にいいよ、こんなことをやっているからオンラインカジノの件でもこうして混乱が起きて、多くの若者が違法性を認識していなかったというようなことになると思います。実際、警察の実態調査でも、オンラインカジノを違法と認識していなかった人の三六%は、その理由にパチンコや競馬があるからというふうに述べています。
オンラインカジノ、今や我が国における最大規模の違法賭博です。まさに違法賭博対策の先頭に立つのが総務大臣であると思いますけれども、その立場から、今の日本の賭け事に対するめちゃくちゃなスタンス、これはおかし過ぎるだろう、ちゃんと明確な法的線引きをしろと最後に政府全体にしっかりと活を入れていただければと思いますけれども、大臣、お願いします。
○村上国務大臣 先ほど来申し上げているように、賭博は私の所管外でありますので。
個人的見解を申し上げますと、先ほど申し上げたように、欧米は何でもビッグになるんですね。だから、藤巻さんが言われるように、野球でもポーカーでも何でもオーケーと。ただ、日本の場合はそういう中で賭博依存症の人がどんどん増えると非常に国家としては大変なことになるということで、ある程度法によって規制しているんじゃないかという気がします。ただ、全てを合法にするとか全てを駄目にするというのは、人間社会においては余りにもしゃくし定規で面白くない社会になるわけで、そこら辺はお互いに考えていく必要があるんじゃないかという気がします。
○藤巻委員 ありがとうございます。
賭け事に関しては様々な観点から様々な意見があると思いますけれども、やはり法的に明確な線引きが必要なのではないかとの観点から本日は質疑させていただきました。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、福田玄君。
○福田(玄)委員 国民民主党・無所属クラブ、福田玄でございます。
本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速質疑に入らせていただきますが、本日は四月の二十四日ということでございまして、ちょうど二年前の四月が統一地方選挙ということでございます。統一地方選に向けての折り返しの二年がたったということでございますが、地方議員のなり手不足についてお伺いをいたしたいと思います。
近年、地方議員のなり手がいないというのはずっと言われている話ではあるんですが、無投票の自治体も多く、このままでは本当に地方の民主主義が弱っていくのではないかという危機感を持っております。
以前、平成二十九年から三十年にかけて行われた町村議会の在り方に関する研究会では、小規模の小さな自治体において、現行型の議会のままでもよいということを前提として、新たに集中専門型と多数選択型という異なるタイプの地方議員、地方議会の在り方も選択できるよう提案がなされております。私、これはかなり画期的な提案だなと思いましたが、その後この新しいタイプが選択され実行されたというようなお話を聞いたことがありません。
これに対して、そもそも集中専門型と多数選択型というような形も選択できるということの評価がどうであったのか、その後実際に進んでいないとするとなぜそうなったのか、総務省の御見解をお聞かせください。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
お話がございましたように、総務省では、小規模市町村における将来の議員のなり手不足の深刻化を見据えまして、平成二十九年度に町村議会の在り方に関する研究会を開催しました。その後、報告書が取りまとめられたということでございます。
この報告書では、お話がございましたけれども、特に議員のなり手不足が懸念されます小規模市町村におきまして考えられる将来の議会像として、現行議会において自主的な議会活性化の取組を進めることを第一の選択としつつ、条例で多数参画型と集中専門型という議会の在り方についても選択できることなどが提言されました。
一方、報告書の提言につきましては、当時、各方面から、議会制度を検討する場合に人口によって差を設けること等に反対である、少数の議員による集中専門型では多様な民意を反映できないおそれがある、非専業的な議員による多数参画型では長への監視機能等の機能低下が懸念される等、様々な意見があったというところでございます。
このため、この提言につきましては制度改正につながるものではありませんでしたけれども、小規模市町村における議員のなり手不足に対する制度的解決策を提示する必要性から検討を行ったものでございまして、その対策の方向性を示したものとして、一つの問題提起となったものと考えてございます。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
多方面から様々な意見が寄せられたということであると思いますが、私、集中専門型、多数選択型というものが出てきたときに、前向きにいろいろな地域の課題を解決するのに、議会の改革につながるんじゃないかなという期待をしたところではありましたが、それがなかなか形にならなかったということで、残念な思いをしているわけであります。
結局、町村だけじゃなくて、平成の大合併でかなり無理して合併をして、町村に近い規模の市も多数存在しているというような状況があると思っております。そういった地方自治体でもなかなか、議員報酬を上げて議員を増やそうとか、ほかに仕事を持っていても兼業できるようにしようとか、幾つか改革は行われているんですが、徐々に徐々にということではあると思います。しかし、残念ながらこれが一気に地方議員のなり手不足を解消するには至っていないという印象を持っております。
しかし、この徐々に徐々にというのが多分問題なんだろうなと思っていまして、これから十年、二十年、急激な人口減少に直面するわけであると思います。急激な人口減少が起こったときに、我々国会議員もそうかもしれませんが、議会は民意を、そして市民の、町民の、村民の声を集めてどちらかというと厳しい判断もしていかなければいけないという中で、なり手がいなくて、今まで何とか、辞めたいんだけれどもやってくださっているような先輩方もたくさんいらっしゃいます。そういった状況で、やはり新しい人材をしっかりと送り込んでいって議会を成り立たせていくということが必要だと思いますが、その意味ではそもそも、地方議会の役割、それから今後は地方議会をこのままの形で続けていいのかという抜本的な議論をそろそろ始めなければいけないのではないかと思いますが、大臣、御見解はいかがでしょうか。
○村上国務大臣 福田委員の問題意識は非常に重要だと考えております。
今後、人口減少が見込まれる中であっても、住民の皆様方の多様な声を聞き、広い見地から地域社会の在り方を議論する地方議会の役割は大変重要で、ますます必要であると考えております。
地方議会の在り方等につきましては、第三十三次地方制度調査会において議論され、調査会の答申に基づき、令和五年に地方自治法の改正を行っております。内容としましては、議会が自治体の重要な意思決定に関する事件を議決することを規定する等、議会の役割や議員の職務の明確化を図っております。
また、答申におきましては、多様な人材の参画を前提とした議会運営、住民に開かれた議会のための取組の重要性が指摘されております。全国の議会において、法改正を契機に、議員のなり手不足への対策として主権者教育等の様々な取組が行われていると認識しております。
地方議会の在り方につきましては、こうした取組の成果を踏まえつつ、三議長会を始めとする関係者の御意見や各党各会派における幅広い御議論を踏まえて今後とも議論してまいりたい、そのように考えております。
○福田(玄)委員 地制調の答申にもあったということではあるんですけれども、今折り返しで、二年後にはまた統一地方選挙がやってくるわけでありますから、やはりなり手不足が解消していないというようなことを言われるのではないかという、そんな危惧もございますが、そうならないように抜本的にどこかで本当の議論をしなければいけないのではないかなというふうに思っております。
それに関連してというか、その延長線ではありますが、地方議員のなり手不足の話をするときに、そもそも地方自治の仕組み、組織はどのようにあるべきかという、その議論にたどり着くと思います。また、従前、総務大臣の御発言にもあったように、今後人口が大きく減っていく中で地方自治の仕組みが今の形のまま存続するのかについても議論が必要であるというふうに思います。
過去を見ると、例えば第二次地方分権改革で大胆に改革を推進した時期がありました、事例がありました。その際に、改革に入る前段階、第二次地方分権改革をやる前段階に総務大臣の私的諮問機関として地方分権二十一世紀ビジョン懇談会というものを設けられて、かなり根本的なところから議論が行われた方向性がある、こういった経緯があるというふうに思っております。
そこで、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会がどのように機能したのかについて伺いたいと思います。この懇談会において、まず長期を見据えた根本的な議論がなされ、そこで出された提言や方針に従って、その後具体的な政策に落とし込まれていったという認識ですが、この認識が正しいのかどうか、総務省のお考えをお聞かせください。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
地方分権二十一世紀ビジョン懇談会は、平成十八年に当時の竹中総務大臣の下で開催をされた懇談会でございまして、三位一体の改革後の将来の地方分権の具体的な姿を描き、それを実現する抜本的な改革案を議論することを目的としていたものでございます。
懇談会では、簡素な新しい基準による交付税算定でありますとか、自治体財政の再建法制等の見直しなどについて議論をされ、これらについては当時の骨太方針である基本方針二〇〇六にも盛り込まれて実施してきたほか、懇談会で取り上げられた分権改革につきましては、その後、地方分権改革推進委員会において議論をされ、累次の一括法につながったというふうに承知をしております。
○福田(玄)委員 この懇談会が果たした役割というのは非常に大きいものがあるんだろうというふうに思いますが、なぜこのような問いをするかというと、やはり地方にとって急激な人口減少がまさに目の前に迫っているということがあるからであります。
そう思うと、昨年十一月から、総務省では持続可能な地方行財政の在り方に関する研究会が立ち上がって、毎月一回という速いペースで議論をしていただいているということがございます。
そこで、お聞きしたいんですが、現時点から人口減少に対応した地方自治の仕組みの在り方を議論していくことが重要であると考えます。また、持続可能な地方行財政の在り方に関する研究会については、先ほど申し上げました地方分権二十一世紀ビジョン懇談会のような位置づけで、根本的な議論を行う場として位置づけられているのか。若しくは、もしそうでないとすれば、まさに大臣の問題意識を持ってもう一度このような私的な懇談会を立ち上げるべきではないか、その必要性があるのではないかと思いますが、御見解をお聞かせください。
○村上国務大臣 まさにこの前申し上げたことは、福田委員と問題意識は一緒でありまして、二〇四〇年問題やら二〇五〇年問題が顕在化する頃に対応しても間に合わないんじゃないか、そういうことで、私としましては、今指摘されたことについては、かなり深掘りの答申というか研究をしてもらいたいということを今お願いしております。
急激な人口減少が進む中で、地方行政においても、技術職やIT人材などの専門人材を始めとする資源の不足や偏在化が非常に深刻化しております。
このような中でも将来にわたって住民に必要な行政サービスを提供していくためには、自治体の行財政を持続可能なものにしていくことが重要であります。
このため、現在、総務省の研究会におきまして、個別分野における事務執行の課題を分析した上で、どのような対応が考えられるか検討をいただいているところであります。
具体的には、小規模団体では件数が少なくノウハウが蓄積されていない事務は広域で処理する、また、事務の内容が類似するものについては国、都道府県が市町村に代わって処理するなど、国、都道府県、市町村の役割の見直し等を含め、今後の地方行政の在り方について根本的な議論をしていただいているところであります。
総務省としては、こうした議論を踏まえ、関係省庁と連携して持続可能な地方行財政の構築に向けて取り組んでいきたい、そのように考えております。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
是非、後から振り返ったときに、持続可能な地方行財政の在り方に関するあの研究会が未来の形につながったと振り返られるような、そういった研究会にしていただきたいと思います。
今大臣の御答弁の中にありましたが、そういった中長期のスパンのことは確かにありますが、まず目の前のことをやらなければいけないということで、広域連携のお言葉がございました。
本来、まさに中長期的なことをやると同時に、今目の前でやらなければいけないこと、それを広域でやるということで、連携中枢都市圏、これを今活用されているところも多くあると思います。令和六年四月一日現在、三十八圏域が形成され、近隣市町村を含めると三百七十六の自治体が参加されているということでございます。八戸、熊本、播磨の圏域、私の地元でいえば、備後、広島の圏域等も示されておりますが、これはかなり進展しているように見えているんですが、全体としての進捗について教えていただきたいんです。全体で見ると連携中枢都市圏を含んだ広域連携はどの程度進んでいると総務省は考えられているのか、若しくは今後の更に望ましい形というものがもしあるのであればお教えください。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
お話がございましたように、総務省といたしましては、連携中枢都市圏等それから都道府県による補完なども含めまして、自治体間の多様な広域連携を推進してございます。
連携中枢都市圏等の形成につきましては、相当程度進捗し、広域的な産業政策、観光振興等の取組を中心に実績が積み上げられており、また、都道府県による補完についても、事務の共同処理制度なども活用して、地域の実情に応じた取組が見られる状況でございます。
一方で、連携中枢都市圏等におきましても、公共施設の集約化でありますとか専門人材の確保など、合意形成が容易でない課題にも積極的に対応し、取組の内容を深化させていく必要があると考えてございます。また、比較的広域連携が進みにくい核となる都市が存在しない地域や三大都市圏における取組なども進めていく必要があると考えてございまして、広域連携に更に地域的な広がりを進めていくとともに、各地域における連携の内容が充実したものになるように努めてまいりたいと考えてございます。
○福田(玄)委員 御答弁ありがとうございます。
今御答弁いただいた中にありましたけれども、核となる市町がないところと町村の小さな自治体では、特に土木分野とか福祉分野の人材が本当に枯渇をしている状況があるというふうに思っています。例えば広島では、これはデジタルの部分ですが、デジシップ広島で不足しがちなデジタル人材を、市町村同士だけじゃなくて県と市町村の間で情報に加えデジタル人材のプールを共有しているという成功例がありますが、土木や福祉の分野でも更に一層これを推進して、例えば県であるとか中核市であるとか、こういったところが更に行政事務の連携をやっていくことを推進してほしいと思いますけれども、もう一度御答弁いただいてよろしいでしょうか。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
お話がございましたように、持続可能な行政サービスを提供していくためには、市町村間の水平連携とともに、都道府県が広域自治体として市町村の補完、支援の役割を果たしていく必要があると考えてございまして、総務省におきましても、市町村が必要とする専門人材を都道府県等が確保し派遣する取組に対しまして特別交付税措置を講じているほか、広域での実施が効果的な行政分野につきまして、都道府県等との連携による市町村事務の共同実施を行うモデル事業を実施してございます。
また、先ほどお話がございました研究会を今開催しておりまして、介護、保育、インフラ管理等の個別分野におきます事務執行の具体的な課題に照らして、水平連携や補完など、どのような対応が考えられるかという観点から検討をいただいておりますけれども、事務執行上の課題を抱える市町村ほど検討する余裕すらないという声もあることから、地域の実情を踏まえ、都道府県が市町村における検討を支援していくことが必要ではないかといったことも議論をいただいております。
引き続き、本年夏頃の取りまとめを目指して更に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○福田(玄)委員 本年夏頃ということでございますが、是非しっかり背中を押してやっていただきたいというふうに思います。
その中で、やはり人の問題でございます。会計年度任用職員の正規化のことについてお伺いをしたいと思います。
人材不足の関連では、地方自治体の会計年度任用職員のこと、これは、専門人材を活用する一形態としてのメリットはあるものの、逆にその不安定さなどから問題点も指摘をされているところでございます。単純に言うと、いつ職がなくなるかもしれない中で不安を抱えながら仕事をしているということでございます。しかし、近年では人材獲得競争で地方自治体が民間に競り負けてしまうというようなことも言われており、人手不足感が本当に大きくなっていると思います。このような単年度の雇用はデフレ期には人材の効率活用の手段として有効だと言えますが、現在のような人手不足の状態では優秀でやる気のある人材が集まらない原因になってしまうと思います。
この状態では、会計年度任用職員の任期について、民間と同様の五年で無期雇用に転換する、あるいは五年を待たずしても希望する方には正規職員としての雇用に切り替えるなども検討すべきではないかと思いますが、総務省の御見解をお聞かせください。
○古川大臣政務官 お答えいたします。
自治体の定員については、各自治体において、行政の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよう、地域の実情を踏まえつつ、適正な定員管理に努めていただくことが重要と考えています。
その中で、近年、一般行政部門の常勤職員数は増加傾向にあり、総務省としても、自治体の職員数の実態などを勘案して、地方財政計画に必要な職員数を計上しております。
また、様々な行政需要が発生し、個々人の働き方も多様化する中、常勤職員を希望する方々もいれば、会計年度任用職員を希望する方々もおり、いずれも地方行政の重要な担い手となっております。
このため、会計年度任用職員については、期末手当に加え、勤勉手当の支給を可能とする法改正を行うなど、これまでも適正な処遇の確保、改善に取り組んでまいりました。
非常勤職員を常勤職員として任用するには、地方公務員法に基づき、採用試験などにより常勤職員としての能力の実証を行う必要があります。
今後とも、会計年度任用職員を含む地方公務員が十分力を発揮できる環境や制度の整備に取り組んでまいります。
○福田(玄)委員 五年で無期雇用に転換を是非してほしいなということであるんですが、要は三十年かけて四十万人公務員を減らしていって、そのひずみが今噴出をしているという状況だと思っています。是非正規化をしっかりと進めていただきたいということをもう一度肝に銘じていただければというふうに思いますので、是非そこを前向きにお考えいただければと思います。
最後の質問に移ります。
戸籍のコンビニでの交付についてお聞かせいただきたいんですが、最近では住民票や印鑑登録はコンビニエンスストアでほぼ問題なく取得ができるようになっていますが、自治体によっては戸籍謄本、戸籍抄本がコンビニで取得できないケースがあります。相続の際など、一々遠くの本籍に郵送でやり取りして、取り寄せに一週間かかることもあり、非常に不便を感じているという声がございます。
現在コンビニエンスストアで取得可能な比率を伺いたいんですが、住民票と印鑑証明は全国の自治体のうち何%がコンビニエンスストアでできるのか、また、同じように戸籍謄本、抄本については何%が取得することができるのか。加えて、そもそもDXを推進しているわけですから比率を一〇〇%を目指すべきだと思うんですけれども、総務省としてはどのような御認識か、お聞かせください。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
コンビニ交付サービスでございますけれども、現在、全市区町村のうち約八割の自治体で導入がなされ、人口ベースで約九六%の方が利用可能となってございます。
このうち、住民票と印鑑証明につきましてはいずれも導入団体のうち一〇〇%の自治体で対応してございますけれども、戸籍証明書については導入団体のうち約五八%の自治体で対応しているということでございます。
このように、一部未導入の団体や、対応する証明書の種類に差がありますことから、今後も多くの方々にメリットを享受していただけるよう、サービスの導入団体や対応する証明書の種類の拡大を図ることは重要であると考えてございます。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
御答弁を伺うと今五八%ということですから、半分弱ということなんですけれども、これは是非便利にしてほしい。せっかくシステムを導入しているんですから、そうやっていただきたいなと思っておるんですが。総務省さんとしても既に予算措置や人的支援の配置も行っているというふうにお伺いをしております。それでも、まだこれだけ、四二%残っている、コンビニ取得ができない状況があるのは何が原因と考えられているのか、認識をお聞かせください。
○阿部(知)政府参考人 お答えいたします。
コンビニ交付サービスを未導入の団体につきまして、地方公共団体情報システム機構、J―LISが主な未導入理由の調査を行ってございます。その理由ですけれども、幾つか御紹介しますと、費用対効果が見込めない、人口が少なく導入メリットが見込めない、近隣市区町村を含めて利用できる店舗が少ないといった回答のほか、予算のめどが立たないといった回答なども多くあると承知してございます。
このため、総務省では、コンビニ交付サービスの導入経費等につきまして、発行可能な証明書の種類を拡充する場合を含めまして特別交付税による支援の対象としてございます。さらに、令和七年度以降はデジタル活用推進事業債の対象とし、支援することとしてございまして、引き続きコンビニ交付サービスの普及に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○福田(玄)委員 引き続き取り組まれるということでありますが、まず一〇〇%を目指していただきたい。日本全国、どこでもマイナンバーカードがあればコンビニでそういった関係書類が発行できるよと。DXと言っているので、紙を発行することがDXなのかという疑問も一つはあるんですが、しっかりそのことをプッシュして進めていただきたいと思います。
御答弁いただきましてありがとうございました。終わります。
○竹内委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。
今日も御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日は一般質疑ということで、是非大臣にお伺いさせていただきたい。また、後半は消防庁にお伺いさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
最初に、地方税の偏在是正について大臣にお伺いいたします。
昨年閣議決定されました骨太の方針二〇二四においては、中長期の経済財政運営に当たり、経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を確保するため税体系全般の見直しを推進するとされたほか、地方税体系の構築に向けては、地方公共団体間の税収の偏在状況や財政力格差の調整状況を踏まえつつ税源の偏在是正に取り組むとの明記がなされております。
また、昨年四月に開催されました財政制度審議会の財政制度分科会においては、この税源の偏在是正に関し、東京都の豊かな財政力を背景にした手厚い行政サービスは自治体間の行政サービス格差の拡大を招いており、更なる一極集中を是正するためにも偏在性が小さい地方税体系の構築が重要との意見が出たところであります。
また、加えて、地方を代表する立場での全国知事会が提出いたしました令和七年度税財政等に関する提案の中では、地方が責任を持って地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを十分に担っていく上で地方税は最も重要な基盤であり、地方税の充実とともに税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築を目指すべきであるとの主張がなされているところでございます。
そのような意見が出される中、昨年十二月に決定されました令和七年度与党税制大綱では、大変に重要な主張がされているわけですけれども、こういった主張を酌む中で、行政サービスの地域間格差が顕在化する中、拡大しつつある地方公共団体間の税収の偏在や財政力格差の状況について原因、課題の分析を進め、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組むとの内容が明記をされており、地方税の偏在是正に向けての一歩踏み込んだ意見が出されたと私は認識をいたしております。
そこで、大臣に伺います。私は、この大綱に示された税収の偏在や財政力格差の状況についての原因、課題の分析については今後総務省において具体的かつ着実に進めていくことが重要と考えますが、その点も含め、大臣は、税の偏在是正も含めた都市、地方の持続可能な発展のための地方税体系のあるべき姿についてどのようなお考えを持っているのか。そういった大臣のお考えを是非ともお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 中川委員の御指摘、非常に重要だと考えております。
お尋ねの地方税体系のあるべき姿につきましては、自治体が地域の実情に応じた行政サービスをできるよう、できるだけ自らの財源である地方税によって必要となる財源を賄うことが理想であります。また、地方税の充実確保とともに、地方税源の偏在是正を行っていくことが非常に重要であり必要であると考えております。
御高承のように、埼玉、千葉、神奈川の知事さんからは、東京都と周辺自治体の地域間格差が拡大しており、行政サービスの地域間格差が過度に生じないよう取組を早急に行うことといった御意見を賜っているところであります。
こうした御意見や与党税制大綱を踏まえまして、総務省としましては、拡大しつつある自治体間の税収の偏在や財政力格差の状況について、まずは原因、課題の分析を進めているところであります。
具体的には、東京一極集中の例として人口や法人の本社機能の集中が挙げられておりますが、その動向や背景等をまず分析することが必要だと思います。また、インターネット取引などが拡大している中で、電子商取引、いわゆるEコマースの運営会社が東京に集中していることから、法人に係る業態別の動向を分析する必要があると考えております。
総務省としましては、こうした原因、課題の分析を進めまして、先ほど言われましたように、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。大臣のこの一言をいただくと、今後も力強く偏在是正の取組は進んでいくんじゃないかというふうに思っております。
特に、与党税制大綱の中で「原因・課題の分析を進め、」という一文が入ったというのは一歩前進だと思っておりまして、そこに対して具体的な、東京一極集中の様々な原因のお話を具体的にいただきました。地方のところからの意見ならいいんですが、埼玉、千葉、神奈川からも出ておるというところ、ここがやはりポイントだと思っておりますので、引き続き総務省の方で原因、課題の分析を進めまして、本年末の税制の協議の中でそこを生かしていきたい、こんなふうにも思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、消防団について幾つかお伺いをいたします。
まず初めに、消防団の報酬等について伺います。
まず、年額報酬の支給額についてですが、近年、地震や台風、さらには林野火災など自然災害が頻発する中、消防団の担う役割は非常に重要でございまして、加えて、この団員の確保、定着は重要な課題でございます。
また、この消防団員の報酬については、年額報酬と出動報酬の二種類があり、各々の市町村の条例によりその額が決定をされておる状況でございますけれども、しかし、この支給額とか支給方法が必ずしも同一ではない状況がございます。
ちなみに、団員の年額報酬が地方交付税単価で示されている三万六千五百円を上回っている市町村の割合は令和二年の段階でも僅か二八・三%と、大変に低い状況がございます。
消防庁としては、令和三年にこの消防団員の報酬等についての検討会を開くとともに、支給額の低い市町村においては早急にその引上げを行うよう要請をいただいておりますが、消防団の地域における役割の重要性や更なる団員の確保、定着を考えた場合、いまだ標準額以下の市町村については早急にその是正を図る必要があると私は考えております。
そこで、まず初めに、現在もこの年額報酬の団員の標準額である三万六千五百円及び出動報酬の標準額である八千円をいまだ下回っている市町村はどれだけあるのか、この点、お答えください。
○田辺政府参考人 消防庁では、消防団員の確保に向け、消防団員の処遇改善を進めるため、有識者会議での議論を経て、令和三年四月に消防団員の報酬等の基準を定め、団員階級の年額報酬は三万六千五百円、災害に関する出動報酬は一日当たり八千円を標準額とするとともに、年額報酬及び出動報酬の支給方法は直接支給とすることとし、この基準に沿った処遇改善が実施されるよう全国の市町村に働きかけを行ってまいりました。
その結果、令和六年四月一日現在で委員御指摘の基準を満たしていない市町村は、団員階級の年額報酬については九・五%、災害に関する出動報酬については九・七%となってございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。本当に御努力をいただいて、相当に引上げをしてきているというふうに思います。
次に、今少し触れていただきましたが、支給方法についてもお伺いをします。
消防団員の身分は非常勤の地方公務員であるために、報酬等の支払いは直接支払いが原則でございます。しかし、この直接支払いの原則が守られていない状況が結構散見されました。ちなみに、令和四年段階での直接支払いの割合は七割程度でございます。
消防庁としては、令和三年四月十三日付で消防庁長官通知を出しておりまして、報酬及び費用弁償については団員個人に直接支給することが明記されておりますが、現在までにこの直接支払いの状況はどこまで改善してきているのか、この点についても御答弁ください。
○田辺政府参考人 先ほど御答弁させていただきました消防団員の報酬等の基準において、消防団員の年額報酬や出動報酬といった報酬等については、報酬等が消防団員の労務に対する反対給付等であること、支給事務の透明性や消防団員間の公平性の確保などの理由から、団員個人に対し、その団員の活動記録等に基づき市町村から直接支給することとされたところです。
全国の市町村に働きかけを行った結果、令和六年四月一日現在で、両方の報酬について約九割の市町村で直接支給がなされております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
先ほどの御答弁をいただく中で、この標準額への達成状況、さらには支給の方法において直接支給の割合、これは本当に消防庁の皆様の努力があり、おおよそ九割を超えている、こういったところまで来ております。大変に評価をするところでございます。しかし、いまだ改善されていないところもまだあるというのも事実でございます。
そこで、消防庁としては、いまだ達成できていない自治体、ほぼあと一割ですけれども、更にどのように具体的な要請を図り、これを満たすようなところに改善していくのか。ここのところを御答弁ください。
○田辺政府参考人 これまでも、消防団員の報酬等の基準を満たしていない市町村に対し、毎年度発出している消防庁長官通知等により働きかけを行ってきたところです。
引き続き、未実施の市町村に対しては、基準に沿った処遇改善を早急に実施していただくよう、説明会や個別の働きかけ等の様々な機会を通じて強く要請してまいります。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
消防団員の確保、定着というのは非常に大事な問題でありまして、そういった意味においては報酬の額それから支給方法は非常に大事な問題であると思います。非常勤の地方公務員で地方交付税措置もされていますので、それが各地方において差があるということはやはり私はあってはならないと思いますので、残り一割、しっかりと要請をしていただきたいと思います。
最後に、林野火災における消防団の役割と課題についてもお伺いをいたします。
本年は、二月下旬に発生した大船渡市での林野火災を始め、その後も今治や岡山など、林野火災が全国において発生をした年でございました。
この大船渡市や今治市の林野火災においては、近隣の消防防災ヘリや緊急消防援助隊が出動し対応に当たったと承知をしておりますが、こうした林野火災において現場にいち早く駆けつけ活動しているのは地域の状況をよく知る消防団であり、今回の林野火災においても、地域住民の命を守るため、昼夜を分かたず懸命に消火活動に当たったと聞いております。
また、火災が鎮圧された後の広範囲にわたる残火処理についても消防団のマンパワーが発揮されたというふうにも伺っております。
しかし、同時に、今回の林野火災への消防団の対応として、今後更に精度を高め改善しなければならない課題、こういったものも新たに見えてきたのではないか、このようにも考えるところでございます。
そこで、消防庁に伺いますが、今回の大船渡市を始め今治市や岡山市での林野火災において、地域に日頃より根を張る消防団の役割や活動状況はどのようなものがあったのか、ここをまず答弁いただきたいと思いますし、また、あわせて、今回の林野火災への対応の中で新たに見えてきた課題等について消防庁はどのような認識を持っているのか、この点も御答弁いただきたいと思います。
○田辺政府参考人 大船渡市等において発生した林野火災では、消防団は、地域住民の生命財産を守るため、避難の呼びかけや避難誘導、消防隊と連携した消火や残火の処理、夜間の見回り、被害状況の情報収集などの活動に懸命に従事いただいたところです。
今般の林野火災における消防機関の活動等を踏まえ、消防庁では、今後の消防行政に生かすべく、大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策の在り方に関する検討会を立ち上げ、御議論いただいているところです。
昨日開催した第二回検討会では、大船渡市の林野火災における消防団の活動を振り返り、消防隊等と連携できる情報伝達体制の構築、大規模火災に的確に対処できる体制の強化、火災対応に必要な資機材の整備、自主防災組織等と連携した避難訓練等の実施による地域住民の防火意識の向上などの課題等が挙げられたところです。
引き続き、検討会において委員の皆様からの御意見も伺いながら、更なる消防団の充実方策について検討を進めてまいります。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
この林野火災においての取組というのは、先ほどおおつき委員も御質問していただいて、やはりこの問題意識というのは非常に高いと思っています。その中で、一番身近な消防団の活躍、さらには取組というのは住民にも安心感を与えると思いますし、ここをいかに充実させていくのか、その検討会もお開きいただいているということを聞きましたので、検討会で出た成果が現場に生きるようなこと、こういったところをお願い申し上げまして、今回の質問を終わりたいと思います。
大変にありがとうございました。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎です。
ネットでの誹謗中傷、犬笛による人権侵害と暴力についてただします。
四月九日、みんなでつくる党でボランティアをされていた岩井清隆さんが自ら命を絶ちました。NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏が本年一月二十六日に発信したXにおいて岩井さんのものだと分かる形で彼の住所をさらし、そして、実際にその支持者によって岩井さんの自宅の写真がさらされたり、近くに訪問したことを脅しのような文句をつけて公開するということが起き、警察は岩井さんの自宅周りを警備する事態にもなりました。
電話番号や住所といった個人情報は、私生活の平穏、いわゆる平穏な生活を営む権利を保護する上で、みだりに知られたくない情報であります。一九八九年十二月二十一日、最高裁の判決、いわゆる長崎教師批判ビラ事件の判決では、批判にさらされた教師たちの氏名、住所、電話番号等を個別に記載したビラが無差別に配布されたことをきっかけに、電話、はがき、スピーカーによる嫌がらせが繰り返しなされ、家族にまで被害が及んだということであります。この判決の中身を紹介していただけますか。
○内野政府参考人 委員御指摘の最高裁の平成元年十二月二十一日の判決は、住所等が記載されたビラの配布により委員御指摘のような被害が生じた事案について不法行為責任を認めたものと承知しております。
御指摘の箇所をそのまま申し上げますと、被上告人らの氏名、住所、電話番号等を個別的に記載した本件ビラを大量に配布すれば右のような事態が発生することを上告人において予見していたか又は予見しなかったことに過失がある、というのであるから、被上告人らは上告人の本件配布行為に起因して私生活の平穏などの人格的利益を違法に侵害されたものというべきであり、上告人はこれにつき不法行為責任を免れないと言わざるを得ないというものでございます。
○辰巳委員 つまり、ここで指摘をしているのは、今で言うならばSNSなどを使って氏名、住所、電話番号をさらし、その個人のものと分かるような書き込みをしたことで私生活の平穏などが脅かされるようなことが起きれば、人格的利益を違法に侵害したとして、書き込みを行った人物には不法行為の責任があるということでよろしいでしょうか。
○内野政府参考人 先ほど申し上げた最高裁判決の判示によれば、不法行為について委員のお尋ねのとおり理解することができると考えております。
○辰巳委員 確認をいたしました。
昨年、齋藤元彦氏の当選を目的として兵庫県知事選挙に立候補した立花氏は、奥谷謙一兵庫県議、百条委員会委員長の自宅前で街頭演説を行い、引きこもっていないで出てこいよ、これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておくと述べました。竹内英明兵庫県議の自宅にも行くと宣言もしました。元県民局長の自死の黒幕は竹内だと、根拠のない事実無根のデマをSNSで流し、竹内県議の家族の平穏も脅かされ、昨年、竹内さんは県議を辞職しました。そして、今年一月十八日、竹内さんは自死をいたしました。その一週間後に立花氏は岩井さんの住所をさらしました。岩井さんも、一番の被害者は妻なんだと言いました。
立花氏は、自身の言動が招く事態を十分過ぎるほど理解して、今回も氏名や住所をSNSでさらせば具体的な指示をしなくても立花氏を取り巻く人々が勝手に行動することを経験上知っていたと言える。つまり、犬笛であり、人格的利益を違法に侵害する不法行為と私は言わなければならないと思います。
立花氏の所業はこれだけではありません。批判する者への裁判を連発してきました。その中で、立花氏や同党がどのような人物、政党であるのかを示す判決も出されています。二〇二四年十一月二十七日に判決が下った、原告、NHKから国民を守る党、被告、選挙ウォッチャーちだい氏との損害賠償請求事件では、何が争われ、どのような認定がされ、判決となったのか。事案の要旨、判決文第三の三の(三)イ及びウ、そして小括を、少し長いですけれども、重要なものですので、読み上げていただけますか。
○内野政府参考人 委員御指摘の東京地裁の令和六年十一月二十七日の判決中の事案の要旨は、一部仮名で申し上げますが、本件は、原告が、被告に対し、被告は、政治団体である原告について、情報ネットワーキングサービスに反社会的カルト集団との文言を投稿し、動画配信サイトにおいて配信した動画内でサリンをまかないBみたいなもんなどと発言したことによって、原告の名誉を毀損したと主張して、不法行為に基づき、無形の損害金百六十万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和六年七月一日から支払い済みまで民法所定の年三%の割合による遅延損害金の支払いを求めた事案であるというものであります。
次に、第三の三(三)イ及びウ並びに四は、イ、前記二に説示のとおり、本件各表現行為は、原告の政治活動を批判して、原告について、犯罪行為や違法な行為を平然かつ盲目的に次々と行う危険な集団又は団体であるとの意見あるいは論評を表明するものと言える。そして、上記意見あるいは論評は、上記アに説示のとおり、原告代表者が遅くとも平成二十五年から政治団体を組織するなどして政治活動を行い、原告代表者やその関係者、支持者らにおいて、上記政治活動の過程において犯罪行為や不法行為を繰り返し、かつ、原告代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていたとの事実を前提としたものと認められ、かつ、前記一に認定のとおり、同事実は、その主要な部分につき真実であると認められるものである。
そして、本件各表現行為は、上記アに掲げたとおり、原告代表者やその関係者や支持者において犯罪行為や不法行為を次々と行い、原告代表者が法律を遵守しない意思を明確にしていたことなどを踏まえて、原告について、これを違法な行為を平然と繰り返す盲目的な集団又は団体と評価して反社会的カルト集団と表現し、また、犯罪行為等を平然かつ盲目的に繰り返す集団又は団体としてBと一緒、Bみたいなもんと表現したものであって、このような表現行為について、原告代表者等による上記行為等に対する意見及び論評としての論旨から逸脱し、主題を離れて人身攻撃のように原告を攻撃するような表現であったとまでは言えない。
ウ、したがって、本件各表現行為は、いずれも意見あるいは論評としての域を逸脱したものとは認められない。
四、以上によれば、本件各表現行為は、いずれも原告の社会的評価を低下させる意見あるいは論評の表明であり、原告の名誉を毀損するものであるが、公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図ることにあり、その前提としている事実が重要な部分について真実であると認められるものであり、かつ、意見あるいは論評としての域を逸脱したものとは言えないことから、違法性を欠くものと認められるというものでございます。
○辰巳委員 Bというのはオウムですね。反社会的カルト集団との指摘をしても名誉毀損には当たらないという判決でありました。
そのような団体や支援者から、みんなでつくる党の大津綾香党首は執拗な嫌がらせ、人身、人格攻撃を受け続けています。彼女も、彼女の住所や部屋の間取りまでさらされました。ちだいさんもそうですが、彼女らの受けてきた攻撃というのは想像を絶します。
そして、昨年の東京都知事選において、性的な内容を興じた政治資金パーティーを開催し、同内容をユーチューブ動画を通じて不特定多数に公開した、虚偽のアニメーションを公開したとして、大津さんは立花孝志氏ほか一名を名誉毀損罪で刑事告訴しております。二〇二四年九月、麹町警察署がこれを受理しております。警察庁に確認をします。受理したものは厳正に捜査を行い、送致をされるということでよろしいですね。
○谷政府参考人 お答えをいたします。
お尋ねの事案につきましては、警視庁において昨年九月に告訴を受理したものと承知しております。
個別事案の捜査状況についてはお答えを差し控えますけれども、一般論として申し上げれば、警察では、告訴を受理した場合には、所要の捜査を遂げ、検察官に送付することになるものと承知しております。
○辰巳委員 個別の案件を受理したと国会でお認めになったわけで、これは異例のことではないかというふうに私は思います。そういう姿勢で臨むという表明だと私は受け止めたいというふうに思います。
同時に、この立法府の場でこのような質問をやらなければならないことに怒りを私は覚えざるを得ません。大臣、さらし行為、犬笛という行為は、誹謗中傷がネット空間で完結せずに、現実、リアルな生活空間にまで実害が及ぶものであります。立花氏は、相手の家族を攻撃するのは当たり前とも言っています。亡くなった岩井さんは、一番の被害者は妻なんだ、こう言っておられました。私は、こういうやり方は余りにも卑劣、非道、邪悪だと言わなければなりません。大臣、こんなことは絶対に許せないと思いますけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 この間の委員の質問にもお答えしましたが、こういうことは絶対にあってはならないと思いますし、深刻な問題であるというふうに感じております。
SNS上の誹謗中傷といった違法、有害情報は、短時間で広範に流通、拡散し、辰巳委員御指摘のように、現実の国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得ると考えております。深刻な課題であるというふうに認識しております。
表現の自由の下、意見表明は自由に行われるべきものでありますが、インターネット上か現実の生活空間かを問わず、人を傷つけるような誹謗中傷を行うことは絶対に許されないと考えております。
総務省では、今月一日に施行された情報流通プラットフォーム対処法の適切な運用を始め、利用者のリテラシーの向上や相談対応の充実などの取組を進めているところであります。
総務省として引き続きインターネット上の誹謗中傷等の違法、有害情報対策にしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えております。
以上であります。
○辰巳委員 人権が、平穏な社会が、生活がじゅうりんされることを黙って見過ごすわけにはいかないと思います。どこまで犠牲者が出れば断罪されるのか、捜査機関は何をしているのか、立法府は何をしているのか、今、これが問われていると思います。
引き続き戦う決意を述べて、私の質問といたします。以上です。
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○竹内委員長 次に、内閣提出、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。村上総務大臣。
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電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○村上国務大臣 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年の社会経済情勢の変化を踏まえ、基礎的電気通信役務のあまねく全国における提供及び電気通信事業者間の適正な競争関係を確保しつつ、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の経営の自由度の向上等を図るため、基礎的電気通信役務について他の電気通信事業者が提供しない区域における提供の義務を負う最終保障電気通信事業者について規定するほか、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の地域電気通信業務の範囲を見直す等の措置を講ずる必要があります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、最終保障電気通信事業者は、その最終保障業務区域において、基礎的電気通信役務の提供の求めがあった場合において、区域内電気通信事業者がいないときは最終保障電気通信役務を提供しなければならないこととするほか、基礎的電気通信役務支援機関は、最終保障電気通信役務の提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する業務等を行うこととしております。
第二に、第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者等の禁止行為等に関する規定を整備することとしております。
第三に、電気通信番号使用計画の認定の欠格事由として、詐欺罪等により刑に処せられた者等を追加することとしております。
第四に、鉄塔等提供事業を営む者等は、土地等の使用に関する総務大臣の裁定等の規定の適用を受けようとする場合には、その鉄塔等提供事業について総務大臣の認定を受けることができることとしております。
第五に、総務大臣は、毎年、電気通信事業者間の適正な競争関係の確保に関する評価等を行うこととしております。
第六に、電報の事業について、電気通信事業とみなすこと等とする規定を削除することとしております。
第七に、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社について、地域電気通信業務は、同一の都道府県の区域内における通信を媒介する業務から、目的業務区域内における通信を媒介する業務に見直すほか、保有する設備等を活用して行う業務は、業務ごとの届出を不要とし、届け出た実施基準に従って営むことができるとしております。
第八に、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社について、特定の合併又は分割の決議に係る総務大臣の認可を不要とするほか、電気通信設備の設置に必要な建物その他の工作物及び土地の譲渡等に総務大臣の認可を要することとしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、一部の規定を除き、最終保障電気通信事業者に関する制度の整備に関する規定等は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
以上であります。
○竹内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る五月八日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時六分散会