第3号 令和8年3月10日(火曜日)
令和八年三月十日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 古川 康君
理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君
理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君
理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋 要君
理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君
浅田眞澄美君 阿部 弘樹君
石坂 太君 伊藤 聡君
今岡 植君 遠藤 寛明君
岡本 康宏君 長田紘一郎君
加藤 大博君 神田 潤一君
坂井 学君 佐藤 主迪君
島尻安伊子君 谷 公一君
永田磨梨奈君 中野 英幸君
新田 章文君 古井 康介君
前川 恵君 松下 英樹君
丸田康一郎君 向山 淳君
村上誠一郎君 森原紀代子君
山本 裕三君 吉田 有理君
吉村 悠君 米内 紘正君
神谷 裕君 中川 宏昌君
平林 晃君 うるま譲司君
高見 亮君 原山 大亮君
高沢 一基君 青木ひとみ君
武藤かず子君
…………………………………
総務大臣 林 芳正君
総務副大臣 高橋 克法君
総務大臣政務官 中野 英幸君
総務大臣政務官 向山 淳君
総務大臣政務官 梶原 大介君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 小谷 敦君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 三橋 一彦君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 藤田清太郎君
政府参考人
(総務省大臣官房地域力創造審議官) 恩田 馨君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 小川 康則君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 加藤 主税君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 長谷川 孝君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 出口 和宏君
政府参考人
(総務省自治税務局長) 寺崎 秀俊君
政府参考人
(総務省サイバーセキュリティ統括官) 三田 一博君
政府参考人
(消防庁次長) 田辺 康彦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 今井 裕一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 河野 太志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 井崎 信也君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 高城 亮君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 大井 通博君
総務委員会専門員 山本 麻美君
―――――――――――――
委員の異動
三月十日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 丸田康一郎君
神田 潤一君 阿部 弘樹君
新田 章文君 石坂 太君
古井 康介君 山本 裕三君
米内 紘正君 吉村 悠君
うるま譲司君 原山 大亮君
同日
辞任 補欠選任
阿部 弘樹君 岡本 康宏君
石坂 太君 永田磨梨奈君
丸田康一郎君 伊藤 聡君
山本 裕三君 長田紘一郎君
吉村 悠君 米内 紘正君
原山 大亮君 うるま譲司君
同日
辞任 補欠選任
岡本 康宏君 加藤 大博君
長田紘一郎君 佐藤 主迪君
永田磨梨奈君 新田 章文君
同日
辞任 補欠選任
加藤 大博君 神田 潤一君
佐藤 主迪君 古井 康介君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
――――◇―――――
○古川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官小谷敦君外十八名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○古川委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木英敬君。
○鈴木(英)委員 皆さん、おはようございます。自民党の鈴木英敬です。
今国会、最初の質問になりますので、張り切って、思いを込めてやりたいと思いますので、林大臣始め答弁していただく方々、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
地方財政は国家統治の土台です。防災も、医療も、教育も、子育ても、成長戦略も、その実行は地方財政基盤に依存します。日本列島を強く豊かに、私たち自民党衆議院議員は、この実現をお約束して議席をいただいています。この言葉を実現するためには、地方財政の一層の充実を図っていくことが必須であります。そういう観点から今日は質疑を進めていきたいと思います。
まず、法案関連の質問の前に、一点大臣にお伺いをしたいのは、先般スタートしました社会保障の国民会議についてであります。
私の思いとしては、是非大臣に、国民会議における食料品の消費税減税や給付つき税額控除の検討に当たって、以下申し上げる二点についてリーダーシップを発揮していただきたいということであります。
一点目は、地方自治体の財源確保と事務負担に十分配慮した制度設計を行うこと、二点目は、国がプッシュ型で実行する迅速かつ公正な給付システムを構築することであります。
もちろん、国民会議全体の担当が城内大臣でいらっしゃるというのは承知の上で、地方自治をつかさどる総務大臣にお伺いするものであります。
軽減税率八%による消費税収のうち、地方分は約一・八兆円。そのうち約一・四兆円が地方における社会保障の財源に充てられています。地方自治体が必要な事業を引き続き実施できるよう、消費税減税に当たっては、財源確保に十分配慮を願いたい。また、給付つき税額控除の制度設計において、所得把握や給付事務において自治体への負担がかからないようにしてほしい。そのためにも、地方自治体に対して丁寧な対応、そして、なるべく簡素な制度設計に向けて十分配慮をいただきたいということです。
給付システムにつきましては、我が国として、困っている方に困っているタイミングで必要な手を差し伸べる給付、これを可能にするシステムを構築することが不可欠です。私たちは、コロナ禍におけるデジタル敗戦を決して繰り返してはなりません。大臣が総裁選で言及されましたイギリスのユニバーサルクレジットも、制度導入当初から徹底したデジタル化を進めております。
そのため、給付つき税額控除の制度設計と同時に、給付システムに関する議論を地方自治体等も巻き込んで行っていくべきだと考えます。制度ができてからシステムを検討ということでは、効率的かつ最適なシステム構築は極めて困難です。あわせて、そのようなシステム構築のために税法等の法令改正が必要であるなら、それもちゅうちょしてはならないと考えます。
そこで、以上二点、自治体の財源確保と事務負担への配慮、国が主導して迅速かつ公正な給付システムの構築、これらについて関係大臣と連携しながらリーダーシップを発揮していくことについて、私は林大臣に大変期待をしておりますので、改めて大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 鈴木委員は知事も御経験されて、地方の自治体の事務負担への配慮という大変大事な視点を御指摘いただいたと思っております。
食料品の消費税減税、そして給付つき税額控除の検討に当たっては、やはり何といっても、地方財政への影響、そして、今申し上げました地方自治体の事務負担への配慮、こうした諸課題についてしっかり国民会議で御議論をいただく、これが必要であるというふうに思っております。
今まさに御指摘いただいたように、地方消費税を含む消費税の四割、これが地方の貴重な税財源になっている、その中の大半が社会保障である、御指摘のあったとおりでございます。
御指摘いただきましたように、私も総裁選で、これはイギリスの例ですが、日本版ユニバーサルクレジットという導入を主張させていただきました。また、外務大臣になる前に、党の政調で、成長戦略、御一緒しました、ポイント制等々を議論するときも、最終的にプッシュ型でこのシステムをつくらないと完成とは言えないだろうという問題意識をずっと持って取り組んできたところでございます。
その都度その都度臨時的な対策でやると、なかなかシステムの設計までいかないうちに、結局は地方自治体にお願いする、今までそういうことでございましたので、しっかり恒久的な仕組みにしていこう、こういうことでありますから、そちらの方のシステム等と、どうやって給付をするのかというところにも意を用いていかなければならないと思っております。
国民会議の構成員として、地方自治を所管する立場から、積極的に議論に参画してまいりたいと考えております。
○鈴木(英)委員 ありがとうございました。
大臣の御経験を踏まえて、大変心強い、力強いお言葉を賜りました。是非リーダーシップを発揮をしていただきたいというふうに思っております。
それでは、法案関連の質問に入りたいと思います。
明日三月十一日で、東日本大震災から十五年を迎えます。改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、復興に尽力されてきました全ての皆様に心から深く敬意を表する次第であります。
高市政権は、国土強靱化につきましても国家戦略の中核に位置づけています。東日本大震災の教訓の一つは、備えを制度化することの重要性だと私は考えています。また、南海トラフ巨大地震や首都直下地震の切迫性、線状降水帯や今年猛威を振るった線状降雪帯の頻発、またインフラ老朽化の進行などを踏まえますと、防災に関する危機管理投資は将来世代への責任です。まさに責任ある積極財政の典型です。
そのような中、今回、緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債が拡充、延長されることは大いに評価をしています。地元の首長の皆さんも大変安堵をしていましたし、喜んでおられました。三重県でも、これらを活用し、河川改修、避難所整備、耐震化を進めてきました。
一方、各地での地域の実情に応じたインフラ整備は、引き続き待ったなしの状況です。加えて、物価高、人件費高も切迫し、地方自治体が必要とする備えにちゅうちょなく取り組めるよう、制度化や環境整備が求められています。
そこで、改めて、今回の緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債の拡充、延長について、その意義と内容をお伺いします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
地震や豪雨など、自然災害が激甚化、頻発化する中で、地方自治体が単独事業として実施する緊急的な防災・減災対策に取り組めるよう、緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債により措置を講じているところでございます。
これらの事業債は令和七年度までと期限を設けておりましたが、自治体から強い要望やニーズがあること、昨年六月に閣議決定された国の第一次国土強靱化実施中期計画が令和八年度から五年間を計画期間としていること、こういったことを踏まえまして、令和十二年度まで五年間の期間延長を行ったところであります。
また、期間延長に合わせまして、緊急防災・減災事業債につきましては、令和六年能登半島地震の教訓などを踏まえ、避難者の生活環境改善に資するキッチンカー、可搬型の入浴設備、ランドリーカーなどの整備を対象事業に追加するとともに、緊急自然災害防止対策事業債につきましては、老朽化した橋梁への対策を強化するために、災害の発生予防、拡大防止のために実施する橋梁の除却を対象事業に追加したところです。
地方自治体におかれましては、これらの事業債を積極的に活用して、喫緊の課題である防災・減災対策にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
以上でございます。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。
大変重要な事業です。先ほど、橋梁の除却と言っていただきましたけれども、ちょうど昨日も、三重県と和歌山県を結ぶ熊野大橋が、これは昭和十一年にできた橋で、それの除却のことを国交省にお願いに行ったところでありましたので、是非こういう事業も活用できるようにしていきたいと思います。
他方、今回、これらの制度の期限は令和十二年度までの五か年となっております。我が国や地方の防災・減災、国土強靱化は五年で終わるはずがありません。先ほど、東日本大震災の教訓の一つは備えを制度化することと私は申し上げました。本制度についても、延長、延長を繰り返すのが本当にいいのかと私は思います。
是非とも、この五年間の中で、恒久化を含め、今後の制度の在り方についてしっかりと議論をしていただきたいと思います。これは要望です。
続きまして、官公需における価格転嫁についてお伺いしたいと思います。
各地域において物価高を上回る賃上げを実現することは、我が国として強い経済を実現していくために必要不可欠です。企業数の九九%以上、従業者数の七〇%近くを占める中小企業を中心として、労務費や原材料費等が円滑に価格転嫁できる環境をつくらねばなりません。とりわけ、我が国GDP全体の約四分の一を占める公的需要は地方部ほど割合が高くなる傾向にありますので、各地方自治体において、官公需における適切な価格転嫁の徹底、これがなされることが不可欠です。
我が党におきましても、私が事務局長を務めます日本成長戦略本部や、その前身であります新しい資本主義実現本部において、精力的に本件を議論してきました。それらの議論も踏まえまして、今回の地財計画におきまして、官公需の価格転嫁の環境整備のために、五千八百五十億円の増額計上、新たに一千億円分の価格転嫁分の創設、地方団体における価格転嫁の取組状況の普通交付税算定への反映、これがなされたことは画期的な前進であり、大いに評価をしたいと考えます。
そこで、今後も、物価高等の状況を踏まえ、価格転嫁徹底のため、交付税措置を適切に手当てをし、地方公共団体が安心して単価引上げを実施できる環境を整えるべきと考えますが、総務省の今後の対応方針を伺います。
○出口政府参考人 お答えいたします。
御指摘ございましたように、物価上昇を上回る賃上げの実現のため、とりわけ地方部を中心に、官公需における適切な価格転嫁の取組の重要性が増しております。
総務省としましては、こうした状況を踏まえ、令和八年度の地方財政計画におきまして、委託料、維持補修費、投資的経費などを〇・六兆円増額計上し、これに対応して普通交付税の単位費用措置を引き上げております。
加えまして、令和八年度から、普通交付税の算定費目、地域の元気創造事業費におきまして、新たに一千億円程度の価格転嫁分を創設し、それぞれの自治体の価格転嫁の取組状況を反映することといたしております。
具体的には、令和八年四月一日時点の各自治体における低入札価格調査制度等の導入状況や民間委託契約額の増加率などを調査した上で、これに基づいて、価格転嫁に積極的に取り組む団体の財政需要を算定に反映する方向で検討しております。
こうした財政面での対応を講じつつ、地方自治体の入札や契約において価格転嫁が的確になされるよう、技術的な助言を行うとともに、地方自治体向けの説明会を開催するなど、あらゆる機会を通じて、地方自治体に対し、価格転嫁に積極的に取り組むよう要請をしているところでございます。
今後も、物価動向を注視しつつ、各自治体が価格転嫁の取組を安心して実施できるよう万全を期してまいります。
以上でございます。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。
今局長が答弁していただいたように、制度と風土、これは両方大事だと思います。制度として仕組みをちゃんとやるということと、それを徹底してもらう風土をつくっていくということで、財政課長会議とかでもいろいろ言っていただいていると思いますが、是非、自治体への徹底、お願いをしたいと思います。
高市総理は常々、責任ある積極財政の下、補正予算頼りにするんじゃなくて、なるべく当初予算で計画的、安定的に積むんだということをおっしゃっておられます。ですので、是非、その観点から、今後の地財計画における官公需の価格転嫁を進めるための財政措置は、今回で最後でなく、自治体における発注への反映の徹底も含めて、引き続き、今後も当初予算においてしっかりと取り組んでもらいたいというふうに思います。
続きまして、税収の偏在是正について、高橋副大臣にお伺いをしたいと思います。
東京都の財源超過額は近年増加基調にあり、令和七年度には過去最高の二兆円となっています。二兆円といいますと、私が知事をやらせていただいた三重県の予算は一兆円ですから、その二倍、二年分、一年だけで財源超過額があるということです。大企業の集積を背景に、法人事業税の資本割税収シェアは三三・六%と、他の都市圏と比べても突出をしています。
こうした中、特に近隣県における懸念が大きくなっています。
昨年八月、埼玉県、千葉県、神奈川県から税源偏在是正の要望がありました。東京都において、財源超過額も活用して、保育料無償化、水道基本料金無償化、○○無償化など独自施策を展開する一方、周辺自治体との間で提供できる行政サービスの格差が拡大しているとの強い危機感に基づく要望でありました。
電子商取引の進展等とも相まって、東京都への税収集中は一層進んでいます。偏在是正は、単なる再分配ではなく、全国で一定水準の行政サービスを確保するための国家の責任であるというふうに私は考えます。
地方税の偏在是正については、昨年末に策定されました与党税制大綱において、東京都の地方法人課税の地方配分を増やす方策を一年かけて検討し、本年末の令和九年度税制改正で結論を得るなどとしておられます。また、昨年の骨太の方針二〇二五においては、拡大しつつある自治体間の税収の偏在や財政力格差の状況についての原因、課題の分析を進めるとされております。
そこで、この原因、課題の分析をどのようにされたのか、また、その分析を踏まえ、地方税の偏在是正に今後どのように取り組むのか、首長の大先輩でいらっしゃいます高橋副大臣にお伺いしたいと思います。
○高橋副大臣 御質問ありがとうございます。
地方税の偏在是正につきましては、御指摘のありました骨太方針二〇二五における方針や、多くの首長の皆様方から偏在是正を進めるべきとの御意見を踏まえまして、総務省では、地方税制のあり方に関する検討会を設置をいたしました。そして議論を行いまして、税収偏在などに関する原因、課題の分析を行いました。昨年の十一月にこの結果が出ております。
同検討会で取りまとめられた報告書におきましては、人、物、金、情報の集中、都市開発の増加等によって経済活動が構造的に東京に集中している、そして、かつ拡大をしていること、東京都の財源超過額は、委員御指摘のとおり、既に過去最高となっており、財政力格差をこのまま放置をすれば、更に財政力格差が拡大する蓋然性が高いことなどが指摘をされております。
また、個別の税目に関して言えば、地方法人課税については、大法人の本社の集中、フランチャイズ事業、持ち株会社の伸長などにより、特に東京都のみに納税する法人の税収が増加、固定資産税については、人口、企業の集積等に伴う地価上昇により、東京都が課税する特別区の土地に係る税収の全国シェアが拡大しているなどと分析をされております。
令和八年度与党税制改正大綱では、具体的な対応として、税源の偏在を是正する追加的な措置として、法人事業税資本割などの措置の検討、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税に関する必要な措置の検討について盛り込まれたものと承知をしております。
総務省といたしましては、与党大綱で示された方針に沿って、偏在性が小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組について、鈴木委員の問題意識を共有しながら、検討を進めてまいります。
以上です。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。大変心強い、力強いお言葉を賜りました。
この問題は、東京対地方とかでは全くないんです。先ほど私が申し上げたとおり、全国で一定水準の行政サービスを確保するという国家の責任を果たすべきだという話なんですね。なので、東京対地方、メディアとかは面白おかしくそういうのを書くかもしれませんけれども、そうじゃなくて、一定水準の行政サービスを全国でできるようにやるという国家の責任を果たす、そういう意味で大変重要であるというふうに思っております。私自身も総務部会長を拝命しておりますので、党での議論、総務省と連携をしてしっかり進めてまいりたいと思います。
続きまして、今の話にちょっと近い話ですけれども、道府県民税の利子割についてお伺いしたいと思います。
金融のデジタル化が進展する中、道府県民税利子割の制度も時代に即した見直しが求められています。
現行制度は、金融機関等の営業所所在地を課税団体とする仕組みでありまして、制度創設時の想定を超えて、本来あるべき税収帰属地である納税義務者の住所地との間に構造的な乖離が生じています。その結果、東京都の人口シェアは一割程度、所得割や他の金融所得課税のシェアは二割程度であるにもかかわらず、利子割のシェアは引き続き四割を超える状態となっています。
この偏在を調整するために、今回の地方税法改正案では、都道府県間で税収偏在を是正する清算制度を導入することとされております。私自身も、昨年末の与党税制改正大綱策定に当たり、総務部会長としてこれらの必要性について意見を述べましたので、改正案に盛り込まれたことを大変評価をしたいと思います。
清算制度は、単なる再分配ではなく、あるべき帰属地へ税収を近づける制度的補正であるべきと考えます。そこで、利子割制度をデジタル時代にふさわしい公平かつ合理的な仕組みに再設計する意義や方向性についてお伺いしたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、道府県民税利子割につきましては、金融のデジタル化が進展する中、インターネット銀行等の利用拡大によりまして、制度創設時の想定を超えて、あるべき税収帰属との乖離が生ずる構造となっているところでございます。
近年、金利上昇などによりまして、この利子割税収が急増してきております。令和五年度は全国で二百二十二億円でしたが、令和六年度は三百九十二億円、令和七年度は八百億円を超える規模となる見込みとなっております。
あるべき税収帰属との乖離は構造的なものであると考えておりまして、今後も継続することが見込まれるものでございますので、利子割税収が急増する中において、税収帰属の適正化を早期に実現することの意義は大きいものと考えております。
また、地方団体からも、早期に清算制度を導入すべきとの声もいただいているところです。
総務省といたしましては、令和八年度から確実に清算制度を導入するため、適切に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。
地方財政が厳しい状況でありますので、清算制度をしっかり導入して対応を図っていただきたいと思います。
それでは続きまして、軽油等の暫定税率そして環境性能割、これらの廃止に伴う財源確保について、高橋副大臣にお伺いしたいと思います。
いわゆるガソリンの暫定税率につきましては、昨年十一月に与野党六党による合意で廃止が決まったところであり、既に揮発油税と地方揮発油税の当分の間税率については昨年十二月三十一日に廃止をされています。
一方で、地方税であります軽油引取税については、地方団体への影響等にも鑑みて、会計年度の切り替わりのタイミングである本年四月一日に廃止するということも与野党で合意をしており、まずは、与野党の垣根を越えて、今回の地方税法改正法案を年度内に確実に成立させることに全力を尽くすべきと考えておりまして、議員各位の御協力を切にお願いする次第であります。
これらの措置によりまして、地方揮発油税と軽油引取税の当分の間税率分の約五千億円の税収を地方団体は失うこととなります。道路や橋梁、トンネルなどの社会インフラの整備、更新、防災、減災など、住民の命と暮らしを守り地域経済を活性化させる国土強靱化の取組の財源は、幾らあっても足りないほど、地方の財政状況は深刻です。
また、環境性能割については、三月三十一日をもって廃止する措置が今回の地方税法改正案に盛り込まれておりますが、アメリカの関税措置の影響や自動車ユーザーの負担軽減等の観点から、特に私たちの地元なんかは車は生活必需品ですから、そういうユーザーの皆さんの負担軽減等の観点から、時宜を得た改正であると考えます。
一方で、環境性能割の廃止により約一千九百億円の税収を地方団体は失うこととなり、国としてしっかりと財源確保をする必要があります。
そこで、軽油引取税等の暫定税率と環境性能割の廃止に係る安定財源の確保に向けた政府の考えを高橋副大臣にお伺いをし、是非、地方団体の皆さんに安心を届ける答弁をお願いしたいと思います。
○高橋副大臣 御質問ありがとうございます。
軽油引取税等の当分の間税率及び自動車税、軽自動車税の環境性能割の廃止に伴う地方団体の税収減につきましては、まさに委員御指摘のとおり、令和八年度においては地方特例交付金によって全額を補填をするということとしております。
その上で、今後の安定財源の確保に向けて、軽油引取税等の当分の間税率に係る財源につきましては、令和七年十一月五日の与野党六党合意を踏まえまして、令和八年度与党税制改正大綱において、租税特別措置の見直し等による地方増収分を活用するほかに、具体的な方策を引き続き検討し、令和九年度税制改正において結論を得るとされております。
また、環境性能割に係る財源につきましては、同大綱において、安定財源を確保するための具体的な方策を検討するとされております。
大綱においては、今委員御質問の部分につきましては、これから安定財源を確保するための具体的な方策を検討する、それから、具体的な方策を引き続き検討して、令和九年度税制改正において結論を得るというような書きぶりになっておりますので、この大原則に基づいて私たちは作業を進めてまいりますけれども、これは非常に大事な部分でありますので、質問の鈴木委員は元三重県知事、そして当委員会の委員長は元佐賀県知事、こういう地方自治のエキスパートがそろっている総務委員会の先生方にしっかりと御指導いただきながら進めてまいりたい。よろしくお願い申し上げます。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。
大変ありがたい、首長御出身の高橋副大臣ならではの、本当にみんなを安心させていただくお言葉でした。是非、一緒にしっかり制度設計をやっていきたいと思います。
最後に一問、地域医療提供体制の確保についてお伺いしたいと思います。
近年の物価高騰や人件費の増加などで、公立病院、公的病院の経営環境は厳しさを増しています。私も、今回の選挙でも、人口減少の中でも暮らし続けることができる地域としていくための地域医療提供体制の確保を強く訴えてきましたし、有権者の方々からも切実な声をお聞きいたしました。
高市総理が施政方針演説でもおっしゃった、四十七都道府県のどこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療、福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所があるという中でも、医療はまさに命に関わるものであり、大変重要です。
そのような中、今回、不採算地区中核病院がその機能を維持できるよう特交の基準額を三〇%引き上げたこと、さらに、これらは公立病院だけじゃなくて、日赤や済生会やJA厚生連など公的病院にも同様の措置が講じられることは評価をしたいと思います。
そこで、これらの措置も含め、総務省として、持続可能な地域医療提供体制の確立に向け、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
総務省では、公立病院や公的病院等が不採算医療や特殊医療などの地域医療にとって重要な役割を担っていることを踏まえ、これまでも必要な地方財政措置を講じてまいりました。
令和八年度におきましては、公立病院が地域に必要な救急医療などを引き続き提供できるように、病院事業に対する繰り出し金として前年度比六%増の八千三百五十三億円を地方財政計画に計上するとともに、救急医療等の交付税措置を拡充することとしております。
また、御紹介ありましたように、周辺人口が少ない等の不採算地域におきまして、二次救急などの地域医療の中核的な役割を担っています不採算地区中核病院がその機能を維持できるように、特別交付税措置の基準額を三〇%引き上げるといった地方財政措置を講じることとしております。
また、公的病院等につきましても、公立病院における措置と同様に、不採算地区中核病院に対する特別交付税措置の基準額の引上げなどを行うことといたしております。
今後とも、公立病院や公的病院等の状況を踏まえつつ、持続可能な地域医療提供体制を確保するために、関係省庁と連携して必要な措置を講じてまいります。
以上でございます。
○鈴木(英)委員 ありがとうございます。
どの地域に暮らしていても命が守られる、そういう日本でなければならないというふうに思いますので、是非、総務省も取り組んでいただきたいと思います。
冒頭申し上げましたけれども、地方財政は国家統治の土台です。地方財政は国家統治の土台ですから、是非、その地方財政の一層の充実に向けて、林大臣を先頭に、総務省の皆さん、頑張っていただきたいと思いますし、我々もしっかり力を尽くしてまいりたいと思います。
以上で終結します。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 おはようございます。中道改革連合・無所属の田嶋要でございます。
林大臣ほか皆様、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
私からも、まずは明日の十五年ということで、東日本大震災、改めて、お亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様のお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
もう十五年ということでございます。私も、当時、政務官として、現地の本部長、福島に百日間駐在をした思い出がございます。原発事故との複合災害でございますが、それでも、やはり発端はあの大震災と大津波であったなということを改めて思い返しておるわけでございます。
質問通告ではございませんが、大臣に、私からも最初に一点だけお尋ねをしたいと思うんですね。
十五年前の大震災、そして、二年になります石川県の能登半島。私も震災後に能登半島に何度か通いましたけれども、石川県では、住宅の倒壊を防ぐためのいわゆる耐震リフォームに関して非常に手厚い支援策がありまして、私もそれを調べてみたところ、結局は、御本人の持ち出しが一切なく、言ってみれば一〇〇%公費でリフォームができる、そういう補助メニューが県として存在しておったということを私も知りました。しかしながら、実はそれがほとんど利用されていなかったという事実もありまして、私は、がっくり、愕然というか、非常に残念だなというふうに感じたわけでございます。
これからも、大きな地震がいつ起きないとも限りません。大臣に最初にお尋ねしたいのは、これからの日本として、私は、先ほども出たかと思うんですが、予防に勝るものはないということで、やはり防災が大事ということになると、耐震リフォームという形を少しでも財政的にも応援をして、特に南海トラフや首都直下型、非常に危険だと言われている密集地域がありますよね、そういうところに関しては、やはり総務省が持っている財政措置のようないろいろな仕組みを使って、今日も議論したいと思いますが、予防的な取組を強化をすべきだというふうに、能登半島のちょっと残念な状況をもう少し詳しく見ていただいて、検討すべきじゃないかなというふうに思っているのが私のふだんからの持論でございます。
やはり、その方が最終的には、大被害を被った後の巨額の予算措置に比べて、予防措置というのは、非常に軽くというか、数字的にはちっちゃくなるんじゃないか、そういう思いがあるので、そこは是非私は検証していただきたいというふうに考えておるんですが、大臣、いかがですか。
○林国務大臣 まず、私からも、あした、周年を迎える東日本大震災、また能登、多くの災害で亡くなられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、避難と、非常に厳しい状況にまだいらっしゃる皆様にお見舞い申し上げたいと思います。
三・一一のとき、私は野党の政調会長代理でございました。地域の党の組織からいろいろな御要望を承っておりましたので、当時、枝野官房長官でいらっしゃいましたけれども、お届けをしておったわけでございますが、枝野さんが、いつも持ってきてもらうのは申し訳ないので受け取りに伺いますとおっしゃって、党本部に来られたというのを覚えております。私、玄関までお迎えに行ったんですが。当時の枝野長官が、生まれて初めて自民党本部に入りますとおっしゃられていたのを、非常に記憶に新しいところであります。
また、能登は、官房長官時代でしたので、陣頭指揮を執らせていただきました。
いずれにしても、委員がおっしゃるように、予防的な措置を取る、この重要さは身にしみておるわけでございます。防災に加えて減災ということが言われるようになったのはまだ十年ぐらいかもしれませんが、まさに国土強靱化という文脈の中でなるべく予防的にいろいろなことをすることによって、災害が起きてしまったとしても、それをいかに被害を減らしていくか、こういうことが非常に大事なことであろうかというふうに思っております。
幸い、能登のときには防災担当大臣が熊本の地震を経験された松村大臣でございましたので、そのときの知識はかなり役に立ちましたけれども、しかし、やはり違うところもそれぞれの地域の状況等でございます。
今までの防災、減災とやってきた知識の集積をどうやって次に生かしていくか。こういう問題意識から、防災庁という組織をつくって、そこにそういうノウハウを集積して臨機応変に、かつ、そうしたノウハウの蓄積を生かしながらそういうことに当たれるように、こういう流れになってきておりますので、今の委員の御指摘を踏まえて、こうした流れの中で、災害の多い我が国でございますので、しっかりと対応していきたいと考えております。
○田嶋委員 神戸の震災のときも、一九八一年前に建てた、つまり、耐震ルールが強化される前に建てた住宅は三割倒壊した、しかし、それ以後に建てられた建物は一割しか倒壊しなかったという報告があるんですね。
私、シミュレーションをしてみたんですけれども、内閣府にお願いしてシミュレーションをしてみたところ、やはり予防的な措置をお金をかけて講ずると、実際にそういうものを講じずに後から被害に対する財政出動をするのに比べて、もう桁違いの、ある意味では安く上がるというか、そういうことにもなるわけでありますので、やはり予防というのは本当に大事だなと。
ただ、問題は、その地域に本当に大地震が起こる確率というのは大きくないわけなので、それを全国でやるのは不可能だろうというふうに思うので、やはりそこはピンポイントにということにもなろうかと思うんですが、能登半島のちょっと残念な、つまり、予算は積んであった、本人の、家を持っている所有者の持ち出しがなくても耐震リフォームができたのに、そのサービスを余り知られていなくて利用されていなかったという非常に残念な状況があったわけでございますので、是非、そうした予防的な観点から、総務省として更に何が取組ができるかの研究をお願いをしたいというふうに思っております。
それでは、法案の質問に入らせていただきます。
まず最初に、先ほどもお話が出ました道府県民税の利子割に関する清算制度の件でございますが、これはまず、どうしてこういう問題、そして、今回のような清算の制度による対策といいますか、そのことが表に出てきた、発見の端緒といいますか、なぜこういう問題が出てきて、こういう対応にすることになったのかということを御答弁いただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
私どもは様々な税制改正を行う際にデータを検証することがございますけれども、今般、東京の税収で道府県民税の利子割の税収が、令和四年度の税収シェアが四一・五%に達しているということで、その前年が二四・七%でございましたので、こういった異常な上昇を示しているということを発見いたしまして、その後、分析等を行った結果、今回の改正に結びついた、このような経緯でございます。
○田嶋委員 ネットバンキングという話は、これは世界共通というか、先進国ではどこでも当たり前ですから、相当昔からこういうような前兆というのはあったような気がするわけでございますが、私が一つ感じるのは、少し後追いになってはいないのかなというふうな問題意識を持っております。
こういった経済行動の変化ということに関して、海外の事情というのを常にウォッチをしながら、こういった税に与えるインパクトのようなものが、例えば欧米の国で起きているというようなことがフィードバックとして行政に返ってくるという、そんなような仕組みはできているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
外国税制につきましても私どもは常にウォッチをしているところでございますが、正直申し上げますと、外国の地方税制というものが非常に多岐に富むものでございますのと、私ども、正直申し上げますと、外国における税制の探求能力がそれほどたけておらぬというところもございますので、十分でないところもあろうかと考えておるところでございます。
○田嶋委員 インターネットの普及によるいろいろな変化というのは暮らしのいろいろなところに出てくるわけでありますが、このように根幹の地方税に影響が出てくるような問題でありますので、そこは今回、私は、改正、こういう清算制度を行うというのは少しタイミング的には遅過ぎるのではないのかなという印象を持っております。
そこで、次にお尋ねしたいんですが、これは言ってみれば、東京都は持っていかれるわけですね。それに関する、東京都はどのようにこの政策に関して問題意識を持っておられるかを御答弁いただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
東京都の方は、東京都に独自の税制調査会というのをお持ちでございまして、その中で、私どもがやろうとしている清算制度の導入について、本来の住所地課税を原則とすべきであって、それを追求すべきでないのかといったような御主張をされているものと承知しております。
○田嶋委員 ということは、東京都は納得していないということでいいですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
東京都なりの御意見をお持ちであるというふうに認識しております。
○田嶋委員 納得していないけれども、やるということだと理解をいたしました。
この清算制度というのは、簡単に言うとどういうことかというのもちょっと御答弁ください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
現行、清算制度が入っております税制は地方消費税がございます。地方消費税につきましては国が徴収することになっておりまして、本店で納付することになりますので、非常に、東京など本店所在の大きなところに税収が集中する傾向がございますが、これらを消費に関する指標で清算して税収を帰属させる仕組みが現行もございます。
これに倣いまして、今回は、道府県民税利子割につきまして清算制度を導入して税収帰属を適正化しようというようなことを導入するものの改正を今回の法案に入れさせていただいているところでございます。
○田嶋委員 今、先行事例として、消費のデータ、指標によって清算しているというふうにおっしゃいました。
今回のこちらに関しては、何の指標によって清算をしているかということをお知らせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法案の中におきましては、所得金額のシェアで清算するという内容の法案を出させていただいているところでございます。
○田嶋委員 事前の説明でも、その所得金額による清算は擬制である、フィクションだということを聞いておりますが、それはどういう意味ですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
本来、金利に関する利息によります税収でございますので、金利の状況又は利息の実際の額が分かれば、その額によって按分することが適当でございますけれども、今申しましたように、インターネット銀行等がございます。また、住所地が完全に捕捉されていない状況もございますので、預金利が発生する、預貯金が発生する原資は所得であろうということから、所得による清算を導入しようとする考え方でございます。
○田嶋委員 例えば、そうすると、全部東京に一旦は入るけれども、そのうちの千葉県の本来の取り分を計算するときに、千葉県民の総所得と東京都民の総所得を比較して按分する、そういうことですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
この利子割の税収は、金融機関が、現在、口座の所在地の道府県に納入する仕組みになっております。この仕組みを大きく変更いたしますと金融機関に大きな負担があるというようなお声を頂戴しております。このため、現行の納税の仕組み、例えば、東京にインターネット銀行の本店がありますれば、そこで東京分は全部入る、全国分が全て納められる仕組みはこのまま継続したままで、その後、一旦入ったものを各県の今申しました清算基準によりましてそれぞれが清算し合う、四十七県が清算し合うということで税収帰属を適正化する仕組みでございます。
○田嶋委員 聞いていることに答えていないんですが、私が申し上げているのは、東京と千葉県で、まず東京に全部入るけれども、それをどういう擬制で行うかは、総所得で見ているとおっしゃいましたよね。ということは、千葉県民の総所得と、本当はマルチかもしれませんけれども、一対一で見れば、東京都と千葉県のそれぞれの総所得の比率か何かを見て、清算の割合、按分の割合を決めていく、そういう仕組みだということでいいですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
東京と千葉だけではなく、全国四十七都道府県の所得金額のシェアを出しまして、そのシェアで東京は残りの四十六都道府県と清算を行う。全国で四十七県がやり合うという関係でございます。
○田嶋委員 了解しました。
そうすると、結局それは擬制でありますから、擬制というのは、何かフィクションという言い方も政府の方はおっしゃった。つまり、フィクションだから、それが本当に実態にある絶対の保証はないわけですよね。一種こういうことじゃないかという想定の下に、その物差しで按分するわけですけれども、それは後ほど、事後に、じゃあ千葉に渡った金額あるいはほかの県に渡った金額と東京に残った金額、それが過去のデータから見ても極端にまた変なことになっていないか、そういう検証というのは行うんですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
税制の検証は常日頃から行うべきものと考えておりますけれども、今回の法案では、所得金額と預貯金総額が相関関係があるという前提の下に立ちまして、清算基準で所得金額を使わせていただくという法案の内容になっております。
その後、様々な指標が新たに生まれるとか、又は本当の住所地課税が可能になるという時代が来ましたら、また必要な見直しがされるものというように考えております。
○田嶋委員 当面の解決策というふうに理解をいたしました。
もう一つお尋ねしたいのは、今起きている事態は、東京に全部お金が入っちゃうわけで、それを、このルールが実現した後、過去に遡って東京からもらうことはできないんだろうというふうに思うんですが、一応数字を教えていただけませんか。
僕は遅過ぎると今回申し上げましたけれども、もし海外の動きを察知して十年前にこういう手を打っていたら、恐らくこういう問題は全く顕在化しなかったと思うんですが、この数年間、膨大なお金が東京都にたまっているけれども、僕らは指をくわえて見ているだけという感じもするわけですね。ある意味、取り戻せないというか。
このゆがんだ状況が、これは東京が悪いんじゃないですよ、先ほどの鈴木委員と同じで、東京と対立する問題じゃありませんから、国の施策として遅過ぎるというふうに私は思うんですが、総額幾らぐらいが東京都に行ってしまっている、あるいは、この制度が実現しても施行されるまでには時間もかかる、その間にどのぐらいが東京に行くんですか。
○寺崎政府参考人 お答えを申し上げます。
税でございますので遡及適用はなかなか難しいということと、あくまでも仮の機械的な試算でございますけれども、東京都の利子割のシェアが急増いたしましたのは、実は令和四年からでございます。
データがございます。令和四年、五年、六年が四〇%を超えております。それ以前は二〇%台又は一〇%台でございましたので、この三年間に限って申しますと、仮に個人の所得金額のシェアを一七%と置いて、その差額をざっくり計算しますと、単年度当たりですが、五十億円から九十億円程度の差が生じるという試算になろうかと考えております。(田嶋委員「一年で」と呼ぶ)はい、一年間で。
○田嶋委員 分かりました。
私は少し遅過ぎるとは思うんですが、これは現時点での最善の道ということで、アンバランス、インバランスを是正していただく手法として、この清算制度というのは、関心も持ち、そしていいのではないのかなというふうなのが私自身の考えであります。しかし、残念ながら遡及したものに関しては今難しいという御答弁がありましたけれども、これは理論的には遡及もできるということをおっしゃっているんですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
税でございまして、既に税収が帰属して確定しておりますので、これを行うことは基本的には極めて困難であると考えております。
○田嶋委員 極めて困難というか、さっきなかなか難しいとおっしゃったので、一〇〇%じゃないという理解でいいですか、その点は。これは、ほかの部分でもたくさんあるんですね。遡及させたいなと思ってもいろいろな壁があったりすることが多いんですが、原発に関しては、事故のときの、バックフィットといって、遡及させて事業者に負担をさせるということはできているんですよ。そこだけが例外なんです、日本の。どうなんですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
法制的観点からどこまでお答えできるかでございますが、私ども税制を預かっている者といたしましては、税制の不利益遡及はできないというふうに私どもの中で教えられている考えでございますので、これは不利益遡及になる可能性がございますので、できないものと考えているところでございます。
○田嶋委員 教科書にはそう書いてあるということだと理解をいたしました。
続きまして、先ほどの鈴木委員からも同じ問題意識で出たと思いますが、この地方税の偏在の問題に入らせていただきたいと思います。
これは、この地方税の偏在の問題は、今申し上げたネットバンクの話と問題の本質は同じと理解していいんでしょうか、いかがでしょうか。
○林国務大臣 まさに今委員がおっしゃられていたとおり、ネットで取引するようになる、そうすると、経済活動が、我々が下関で買物をしていたのが、ネットでショッピングをすると東京で買ったことになっちゃうということと、今回は所得で擬制するということですが、私が例えば山口銀行に入れていたのが、ネットバンキングを利用して、本社が東京にあるという意味では、似たところがあるんじゃないかなというふうに思います。
○田嶋委員 そこで、この地方法人二税と、それから固定資産税に関して、今日、配付資料がございますが、これは政府・与党の税制改正大綱を抜粋。一番下のところに、地方法人課税は令和九年、固定資産税は令和九年度以降と、以降がついていますが、これも私は拝見して、ちょっと当事者としての危機意識は薄いんじゃないのかなという感覚を持ちました。なぜ固定資産税だけは以降がついているのかということで、九年にはやらないというにおいがするわけでございますけれども、これはどちらも、林大臣はよく分かっていただいていると思うんですが、これは本当に、地元に行くとこればかりなんですよ、話題が。
それで、どうですか、鈴木委員もおっしゃっていた、これは、東京とけんかする話じゃないですから。新聞の記事なんかで、東京がこう反論しているとかと言いますけれども、それは僕はおかしいと思うんですよ。東京は、一生懸命東京都民のために頑張ってくれているんだから。それを非難するのは筋違いだと、私はやはり同じに感じるんですね。これは、日本の国の政府としての今までの対応が、後追い、不十分な結果としてここまで深刻なことになっていると思います。
それから、税制を触るという話は入口の議論であって、私たち国民が怒っているのは出口側なんです。出口側というのは、行政サービスですよ。資料の次のページを御覧ください。これは、千葉市の方から出していただいた資料でございますけれども。
要は、どっちにどれだけ税金を寄せるとかそんな話は、プロの世界というか、役所の中で考えてもらえばいい話であって、だけれども、問題は、国民が怒っているのは、千葉市民が怒っているのは、浦安市民が怒っているのは、相模原の市民が怒っているのは、当たり前の東京のサービスが有料だということなんですよ、そういう地域では。これはおかしい。おかしいし、放置できませんよ、それは。
だけれども、私は、この税制大綱、九年あるいは九年以降というのは、ちょっとスピード感が遅いとこれも思います。ネットバンクの清算制が始まったんだったら、例えば、こういう仕組みを使って、なぜ今回は同じ改正で出してこれないのか。もう怒りが爆発寸前ですよ。林大臣、山口にいて、どうですか、聞こえてきませんか。
これは、千葉に引っ越してきて、新しい家で生活が始まった途端に、子育てで愕然とするんですよ。えっ、まだ給食代を払っているのと言われるというわけですよ。新聞にも書いてありましたよね。そういうふうに唖然とされると。えっ、まだ給食代を払っているのと。これは、本当に何とも言えない屈辱感を感じますよね。
私もびっくりしたのは、これはちょっと端っこに書いています、黄色いところでハイライトしていますね。これはテレビで報道していましたよ。東京都民は、子供たちの留学に一人最大三百十五万円出すんですよ。大臣、知っていましたか、これ。私はこれはテレビで見たとき、本当に悲しくなった。うちはもう留学の年は過ぎているからいいかもしれないけれども、そういうことじゃないよね。これは東京から千葉に引っ越してきた人、その瞬間に、子供が三人いたら一千万円ぐらいもらい損ねたということですよ。あり得ますか。こういう現実を、大臣、どのぐらい細かいところまで知っていただいているか。
私はかつて、年齢とともに帯状疱疹ワクチンを接種しました。二回打って四万四千円ですよ、千葉は。東京はただですから。このぐらいは私は我慢しますよ。いろいろ違いがあるのも、それぞれの自治体だから。こっちの方が教育に頑張っている、こっちの方が医療に頑張っている、その程度の話だったら私は受忍しますけれども、今、日本で起きている問題、特にこの間、NHKで相模原の問題をやっていましたね。相模原から子連れがどんどんどんどん移っていって、お隣の町田に入っている。町田が人口急増、子育て、子供の数がすごく増えたとニュースになったじゃないですか。あの理由はこれですよ。NHKで報道していましたよね。隣同士で、こんなに悲しいことはないですよ。
そして、うちの首長からも嘆きの声ですよ。どうしようもないですよ、ない袖は振れないんだから。嘆き、諦め、こういう今状況です。家族で引っ越してきた皆さん、千葉に来て失敗したなと思われたら私は本当に悲しいですよ。
こんなの、じゃ、もう今更、今から、令和九年から、先ほどの話で、分析するとか研究するとか、こんなことを言っていて、一体いつになったら行政サービスのこの信じられない不平等は是正されるんですか。これは、早く東京に引っ越すか、海外に引っ越した方がいい、そういう判断にもなりかねないですよ。千葉にいたらばかばかしい、子供を三人育てて一千万もらい損ねる、こんなことが許されるんですかね。本当にそういう怒りの声を毎日聞くんですよ。首長は嘆いていますよ、どうしようもないから、首長には。国が悪いんです、国が。何とかしてください、大臣。
○林国務大臣 いろいろな問題が関わってくる問題だと、今委員がおっしゃったように、税、そして財政、いろいろなところがあると思いますが、山口県でどう感じているかというお問合せもありましたので、恐らく、先ほどちょっとおっしゃったように、川を越えると、隣の町でそれがあって、こちら側に来るとというお話がありましたが、山口県ですと、例えば下関ですと、関門海峡を越えると福岡県にはなるんですが、ある意味で、東京の周りのところというか、今、委員がおっしゃったように、そこほどの格差が福岡と山口では顕在化していないというか、あるにはあるんですけれども、そういうところはあるのかなと。これはあくまで印象論ですが。
実際に、地方税の偏在是正についても、埼玉、千葉、神奈川を始め多くの知事の皆様から、やはり地域間格差、これが顕在化している、したがって偏在是正の取組を進めていただきたいと、大変切実な、今、委員がおっしゃったような意見を聞いておるところでございます。
こういうことも背景に、今、与党の税制調査会、昨年その議論をしたわけでございますが、先ほど、東京はどうなんだというお尋ねもあって、東京の方は必ずしも、いや、それはいい話ですからやりましょう、こういうことでもない、こういうことでございます。
まさに先ほど鈴木委員の御質問の中にもありましたが、東京とその他の対立ではなくて、それぞれの地域がしっかりと必要な行政サービスができるようにする。これだけの東京一極集中が起きている中でどうやっていくのか、これをしっかりと模索をし、そして、できることをしっかりやっていくということではないかというふうに思っております。
○田嶋委員 政務の皆さんの中でも、東京のお隣選出の方が二名いらっしゃいますね。ここの委員の中にもかなりの方がそういう方で、東京関係の方が二名というふうに、私が確認したところ、おいででございます。
これは本当に対立する問題じゃないし、東京は面白くないと思いますよ、それはもちろん、お金を取っていかれるんだから。だけれども、それは国が決めているルールに時代適応力がなかったということだと思うんですね。
先ほど、震災の話を冒頭しました。予防的に行えば出ていくお金が圧倒的に少ないと内閣府からシミュレーションしていただいた。大災害の後でそれを片づけたり、建て直したりということ、あるいは人命が多く失われる。それと、耐震補強のリフォームをすれば、そのときは金がかかるけれども一桁違う。こういう話をしましたけれども、同じですよ、これ。なぜ十年前からアクションを取っていられないのか。法人二税で少しやっておられるようでありますが、常に後追いになっている。
今回、インターネットバンキングの清算方式を導入されるということですけれども、私はその辺のインプットに関わる、どういう仕組みでやるかは国民は知る必要もないし、関心もないですよ。要は、先ほど鈴木さんがおっしゃったのと同じ、私たちがこだわるのは、最後に出てくるアウトプットの行政サービスが余りにも違う、もうこれは受忍限度をはるかに超えています。はるかに超えている。もう先送りできませんよ。
これは、ひょっとしたら、何かゆっくりやった方がいいと思っているような声があるんですか、政府の中には。そういうことではないと私は信じたいんですが、これ、本当に爆発しますよ、地域が。特に、おっしゃるとおり、山口県よりも、私も埼玉や千葉の方が深刻だと思います。先ほどの神奈川の例も同じです、NHKでやっておりました。
こんな、以降なんてオープンエンドでいつまでかかるか分からないような話じゃなくて、もう来年にでも決着をして、しかも、先ほどと同じです、遡及的に何かカバーする方法はないんですか。当面、この国の責任でもって、今年、来年の財政措置を行って格差をなくしていく。
私の意見は、少なくとも子育て、教育に関しての差をなくしてほしいんです。帯状疱疹はいいですよ、帯状疱疹は仕方がない。四万円、私は払いましたけれども。だけれども、子育てと教育に関してこんなに格差があったら、千葉県民は絶望しますよ。新しい家に引っ越してきた途端に、給食費、まだ払っているのと東京の人から言われたら絶望しますよ。何とか考えていただけませんか、これ、問題意識を持って、もう一度。
○林国務大臣 それぞれの課題について、これは、給食費はちょっと今手元に詳しいものがございませんが、この国で負担軽減をやっていこう、こういうものも政党間の合意があったところでございますし、もう少し遡りますと、こういう問題もあって道州制の議論というのが一時ございました。
あの頃から、当時は東京とそれから大阪、名古屋、福岡ぐらいでしょうか、そちらに集中をしていくので、そういうところも踏まえてということでしたが、なかなかいろいろな課題が全て解決できないということで、ちょっと沙汰やみというか、議論がそれほど当時より盛り上がっておりませんが、いろいろなことを考えながらここまで来ているわけですけれども、まさに委員がおっしゃったように、大都市問題というよりかは、東京とその周辺の間の問題が非常に今顕在化してきているということだと思います。
固定資産税についてもお尋ねがありましたので。
地方法人課税、これはまさに委員がおっしゃったように、既に現行の特別法人事業税・譲与税の仕組みがございます。それに加えてどうするか。一方で、固定資産税の方はこれまで特段の措置がないということでございますので、そういう違いも踏まえて、与党の税制調査会で、与党としてそういうふうに取りまとめられたのではないか、そういうふうに考えております。
○田嶋委員 法人税の関係は既にやったことがあるということですけれども、更にやるということですよね。だから、常に制度改正が後追い後追いになるから、今回のネットバンクと同じですよ。仮に実現したって、今、七十億、八十億が追加で東京に行ってしまっていると先ほどおっしゃった、そういう状況がずうっと続くんですよね。
だから、改正を後追い後追いじゃなくて、この清算制度というのがどのように働くか。全部は分かりませんけれども、一回新しいルールを作ったら後追いしなくても常に毎年きちんと配分されるような、是正されるような仕組みというのを考えていただきたいと思いますよ。
私は、この現状をこのようにして、放置とは言いませんけれども、追認しているような状況というのは、地域の過疎化と東京の集中の政策を推進しているようなものだと思いますよ。もうみんな千葉にいられない、こんな損をするんだったら東京に戻ろう、そういうふうに私はなっていくと思いますね。あるいは、日本から海外に出ていく、今日の日経新聞にも教育移住みたいな記事がありましたけれども、そういうような状況を加速させることになるのではないかと大変憂慮しております。
それで、もう一点確認ですけれども、これは、インフレの局面で不交付団体と交付団体の間の格差が拡大する制度になっているんじゃないかということですね。
地方税は、今もちろん税収が増えているわけでありますが、不交付団体は交付税は関係ないわけでありますが、交付団体、多くの自治体というのは、税収が増えた局面ではその七五%は交付税が減らされる仕組みになっているわけですから、実質二五%しかネットで増えないわけですけれども、東京都のような不交付団体は、上がった分だけ丸もうけと言ったら語弊があるかもしれませんが、上がった分丸々がその東京都の追加的な財政、財源になるという理解でいるんですが、それが正しいか。
そして、それに対しては、つまり、だからこそ、デフレからインフレに切り替わってきている今、本当に放置できない深刻な問題にこれもなってきているというふうに思うんですが、その点、いかがですか。
○林国務大臣 基本的に委員のおっしゃるとおりでございまして、不交付団体には地方交付税の財源調整機能が及ばないということですから、地方税収が増加しますと財源超過額等が増大して、交付団体との財政力格差や行政サービスの格差、これが更に拡大していくということが想定されるということでございまして、これは、実は、地方財政審議会の下に設置をされた有識者による検討会報告書において指摘がなされているところでございます。
この報告書で、東京都の財源超過額、これは令和七年度ですが、約二兆円ということで、既に過去最高となっております。現状の自治体間の財政力格差を放置すれば、更に財政力格差が拡大する蓋然性が高い、こういう分析がなされておりまして、こうした点も含めて、昨年末、与党税制調査会で議論が行われて、令和八年度与党税制改正大綱が取りまとめられたものと承知をしております。
この大綱について今御議論いただいたわけでございまして、こうした大綱を踏まえて、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組について検討を進めてまいりたいと考えております。
○田嶋委員 検討します、頑張りますはいいんですけれども、先ほど言ったように、タイムラグが生じると、それは、現状で得をしている自治体がますます得をする。これは、今のこの問題もそうですし、先ほどの問題も一緒ですね。だから、ネットバンクで一年で八十億という、さっき八十か七十とありました。
これは、先ほど私が聞いたのは、じゃ、応急措置としての対処、つまり、本質的な改善策は何年か後になるという場合でも、応急措置としての何か財源措置みたいなことは考えられますか。総務省はどうですか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
利子割につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、本来は住所地課税によるべきところを、金利が上がってきている、税収が増えてきていると鑑みまして、緊急的にこの対応をする必要があるということから今回の清算制度導入となったものでございます。
地方法人課税につきましては、既に仕組みがございますので、与党の大綱には資本割などの組入れについて検討せよということになっておりますので、それに向けて検討してまいる、このような考え方でございます。
○田嶋委員 大臣しか答弁できないと私は思うんですけれどもね。
今のは、今やろうとしていることなんですけれども、私が申し上げているのは、それにタイムラグがあればあるほど結局は東京都の独り勝ちになっちゃうわけですよ。五年かけて検討してこの固定資産税改正、何かフェアなルールが新しくできるにしたって、その五年間はずっと東京都にお金がたまっていくという仕組みなので、その間の応急措置的な政策というのも考えていただけないかということを私は申し上げているんです。
○林国務大臣 恐らくは、自治財政局等々に聞いていただければということだと思いますが、税にかかわらずという御趣旨だと思います。
したがって、地域によっていろいろなニーズがございますので、いろいろな種類の仕組みをつくって、その都度行政需要に応じて対応してきているわけでございますので、それが今、東京一極集中によって格差が生じているということをどう捉えて、どこにどういうふうに応急的にやっていくのかということと、それから、税で結果がここまで出てきたので対応したということですが、事前に、例えば委員がおっしゃるように、ネットバンキングが来年からスタートいたしますという時点で清算制度の検討に入るというのが、いわば委員がおっしゃる理想型なのではないか、こういうふうに聞いておりました。その時点でどれぐらいの乖離というのが出てくるのか、実際に乖離が出てくる前に制度をつくって、いわば乖離が生じなければ空振りになる、こういうようなことではないかというふうに聞いておりましたけれども、なかなか、観念的というか理念的には分かるんですが、実際にそういうものを先ほどの耐震改修のように予防的にやって必ず効き目があるというような仕組みがつくれるかどうか、よく勉強してみたいと思います。
○田嶋委員 さっきの千葉市からの資料の左下、東京都並みの子育て支援策を千葉市独自で実施する場合は追加的に二百十六億円要ると書いてありますよね。こういう世界ですから、もう許容し難いですよ。日本全国、千葉市は大体百万弱の人口ですから、だから全国で同じことをやろうとしたら二兆円かかるということですよね。それだけのことを東京はどんどんやれているということなんです。耐え難いですよ、耐え難い。生活者としても耐え難いし、住んでいる方から言われることが苦しいですよ。だって、答えようがないもの、これは本当に。あっちに行ってくれと言うしかないけれども。本当に国がやってくれなきゃ、これはお願いします。厳しいです。
それで、ちょっと時間がなくなりました。一点だけ。官公需の価格転嫁に関わる話。
前回、林大臣と面白いやり取りができました。私が思っていたのは、これもインセンティブだけれども、地方債を発行するやり方も別の意味でのインセンティブ制度だという御答弁を林大臣からいただきました。
私はなるほどなと思ったわけでありますが、私があのとき申し上げた自然エネルギーを広げるような自治体の取組、これも非常に遅れてしまっておりますし、頑張っている自治体もある。それをやはり、頑張っている自治体を、きちんと財政需要に手当てをするような、いわば今回の官公需の価格転嫁の仕組み、これはどちらかというとハードではなくてソフトのインセンティブですね。そして、地方債を発行するというのは、ソーラーパネルを導入するみたいな、ハードに関してはそういう債券発行で、後で交付税措置という形のインセンティブ制度だというふうに大臣から御答弁がありましたので、私は、前者の、いわば価格転嫁に類するようなソフト施策を、自然エネルギーを広げていく政策のようなときに同じように導入すべきではないかということを、この話を聞いていてひらめいた、思いついたわけでございますので、是非、経産委からこっちに来た者としてこういう提案もさせていただきたいものですから、環境省、重要な客観的な統計指標というのは用意できますか、それをやるに際して。
○大井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自治体におきます再生可能エネルギーの導入などにしっかり支援していくこと、これは大事だと思ってございます。
環境省におきましては、地方公共団体が主導します地域脱炭素の取組に対しまして、地域脱炭素推進交付金などによりますハード面での支援、また、自治体の計画策定や人材育成支援といったソフト面での支援を行ってきております。
あわせまして、自治体の取組を後押しする観点から、地域における脱炭素施策の取組状況、これを毎年度調査をいたしまして、取りまとめて公表しているところでございますが、委員御指摘のいわゆる客観的な統計指標といいますか、そういうものについては、どういうものが適切であるか、これは総務省ともよく相談をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○田嶋委員 環境省は環境省で、脱炭素先行地域、千葉市もですが、全国に数百あろうかと思います。しかし、残りの千五百前後の自治体というのは脱炭素先行地域には選ばれませんので、だから、そういうところに、私は、総務省独自のツールをお持ちなわけだから、是非今回のこの価格転嫁という、非常に日本が大事に掲げる政策を推進するために導入されるソフトに関するインセンティブ制度を、同じように、自然エネルギーのソーラーパネルを導入するとか、そういうハードではなくて、例えば、どこがそういうソーラーをやるのに適地か、私はそれをゾーニングと呼ぶんですけれども、ポジティブゾーニングは今環境省は導入していますが、ネガティブゾーニングの研究はちょっと足りない。しかし、やっている自治体は、白馬村というところがやっています。
そういうように、それぞれ自治体が頑張っているところに、もっと応援して、頑張っているところには交付税措置を増やすというような、全く同じ仕組みが導入可能だと思いますので、今、環境省が、材料はいろいろありそうなニュアンスの御答弁がございました。
大臣、最後に、これもやっていただけませんか。これは、ほかの補助金政策とかをやっている経産省、環境省とかとはまた違って、交付税措置でインセンティブを使うということで、面白い取組になるんじゃないかな、私がずっと経産省ではなかなかできないと悶々としていたことが、ひょっとしたら総務省だったらできるんじゃないかと私は思ったんですよ。是非御答弁いただきたいと思います。
○林国務大臣 私の答弁が少しはみ出て、いろいろなことを思いつかれたのかなと思って今聞いておりましたが、まさに、事業者の脱炭素化支援等に要する経費についても、普通交付税措置を講じております。
今まさに委員から御指摘があって、環境省からも言っていただいて、何かえこひいきとか不公平だなと思われないような、全国一律の合理的な指標、それが地方自治体ごとにちゃんとデータがある、こういうことが非常に大事であるということと、普通交付税、それでなくても非常に難しい仕組みになっておりますので、税ではありませんが、中立、公平、簡素とよく言っておりますが、なるべく簡素にしなきゃいけないというようなことはあるということでありますので、環境省、よく相談するということで、今答弁がありましたので、制度を所管する環境省と連携して、地域における脱炭素化の取組、適切な算定に努めていきたいと思っております。
○田嶋委員 じゃ、やっていただけるというふうに理解をいたしましたので、本当に。
全然はみ出た答弁じゃないと思いますよ、僕は、政治家らしい、いい答弁をしていただいた、だから私の想像力も広がったというふうに感じておるんですね。
こっちもインセンティブ制度だけれども、いやいや、こっちもインセンティブ制度だというふうに私は勉強させていただいたので、だったら両方、こっちはハード、こっちはソフトですから、ソフトの拡充をやる。地方債の発行だけじゃなくて、ソフトの方でやらなきゃいけないこと、いっぱい自治体はあると思うんです。自然エネルギーを広げるために調査をする、人を雇ったり、そういうことに関して、是非、この同じスキームが導入し得るんじゃないかという方向性で考えていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。
今日も質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
まず初めに、国際情勢の不確実性が高まる中での地方財政運営についてお伺いをさせていただきます。
現在、御承知のとおり、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を契機といたしまして中東情勢が緊迫化しておりまして、仮にエネルギー供給の混乱が生じれば、世界的なエネルギー価格の高騰を通じて日本経済にも大きな影響が及ぶ可能性があります。これは、ここ連日、報道でも様々報じられているところであります。
特に日本はエネルギー輸入依存度が高く、原油、ガス価格の上昇は、物価全体を押し上げるプッシュ型インフレにつながりやすい構造にあります。加えて、政府が積極的な財政出動を行う局面におきましては、為替市場におきまして円安圧力が強まり、輸入物価の更なる上昇を招く懸念も指摘をされているところであります。
こうした外的ショックは、地方経済、また地方財政にも直接的な影響を及ぼすと考えます。エネルギー価格や物価の上昇は、自治体の公共施設の光熱費ですとか、公共事業費、福祉サービスの運営コストを押し上げる一方で、地域経済の停滞による税収減少を同時に招く可能性がございます。
そのような観点から、令和八年度の地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案との関係では、幾つか留意が必要な点があるというふうに考えております。
まず第一ですが、今回の地方税法改正による地方税体系の見直しが、エネルギー価格の高騰や急激な物価上昇といった外的ショックが発生した場合であっても地方税収の安定性を十分に確保できる構造になっているかという点であります。景気後退や地域経済の停滞が生じた場合には地方税収が急減するリスクも想定されますけれども、こうした状況に対する備えの面で更なる検証が待たれるところであります。
そして、二番目といたしましては、地方交付税法改正では、地方財政の安定的運営、これを図るとされておりますけれども、エネルギー価格の急騰などによって自治体の歳出が急増する局面におきまして、地方交付税制度の調整機能がどこまで十分に働くかという点であります。現行制度の枠内で対応が可能なのか、それとも特例加算など追加措置を前提とした運用にならざるを得ないのか、判然としない部分が見受けられます。
そして、第三に、今回、財源不足に対する国、地方の折半ルールや臨時財政対策債の延長が行われなかった中で、仮にエネルギー危機や世界経済の減速によって地方経済に大きなショックが生じた場合、どの制度を用いまして地方財政を下支えしていくかという点であります。こうした局面を想定した制度的な備えや具体的な対応の枠組みが十分に示されているのか、議論の余地があるように感じております。
まず、今三点申し上げましたけれども、これらの点についての見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○出口政府参考人 お答え申し上げます。
一般論として現行制度の御説明を申し上げますと、景気の動向によって税収が大きく変動する法人関係税などにつきましては、税収が実際に大きく減少した場合に減収補填債によって補填するという仕組みがあり、自治体の減収はこれによって適切に措置されることになっております。
また、あらかじめ予見し難い年度途中に生じる財政需要につきましては、これに備えるため、地方財政計画において追加財政需要額を計上しており、普通交付税の算定に反映することとしています。令和八年度の地方財政計画における追加財政需要額の計上額は四千二百億円でございます。
現時点で、中東情勢が地方財政にどの程度の影響を与えるかを見通すことは困難でございますけれども、仮に地方財政に大きな影響が生じるような場合には、国における対応などを踏まえながら、地方自治体の財政運営に支障が生じないように対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
危機対応が毎回の地方財政対策、また臨時交付金の積み上げによって行われる現状では、先ほどもありましたけれども、制度の予見可能性が低くて、自治体の財政運営にも不確実性、これをもたらすと思っております。中東情勢を含む国際環境の不確実性やエネルギー価格高騰などの外的ショックが高まる中で、今回の地方税法、また地方交付税法改正を踏まえて、こうしたリスクに備えた平時からの制度的な財源調整ルールを整備する必要があるのではないかと私は考えるところであります。
総務省といたしまして、こうした地政学リスク等も見据えた今後の地方財政制度の在り方について、どのように考えるのかということについてお聞きをしたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘の非常時における地方財政の対応につきましては、先ほど申し上げました減収補填債による地方税の大幅な減収への補填措置や、追加財政需要額の地方財政計画への計上と普通交付税算定への反映によって一定程度の対応は可能であると考えております。
また、地方自治体は、それぞれが、災害により生じた経費や急激な減収などに対応できるように財政調整基金を積み立てており、各地方自治体ではこれを活用することによる対応も可能であると考えております。
その上で、更に異常事態が生じたことによって特例的な対応が必要な場合は、例えば、令和二年度におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響によってこれまでにない地方税等の大幅な減収が生じる中で、地方財政法を改正して、減収補填債の対象税目を拡大する措置を講じたようなこともございます。
総務省におきましては、地方自治体の財政運営に支障が生じないように、国における対応などを踏まえながら、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
昨今の地政学リスクによる様々な価格の高騰でありますけれども、今、見てみますと、もはや一時的なショックではなくて常態化しつつある、このような背景だというふうに思っております。毎回の補正予算等による特例的な対応だけでなくて、地方自治体が中長期的な視点でしっかり安定的な財政運営を行えるように、平時から有事に備える構造的な財源調整ルールの整備についても今後しっかりと議論をしていっていただきたい、このように要望をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、令和八年度の地方財政計画は、一般財源総額が前年比で三・七兆円増の六十七・五兆円、地方交付税総額も一・二兆円増の二十・二兆円が確保されまして、また、先ほど申し述べましたけれども、臨時財政対策債の新規発行額をゼロとしたところにつきましては、地方の安定的な財政運営の観点から評価をさせていただきたいというふうに思っております。
現在、地方自治体が直面しているのは、単なる単年度の収支のやりくりではなくて、急激な人口減少、そして長引く物価高騰という構造的な危機であるというふうに思っております。
こうした中、今回新たに、普通交付税の算定において、単年度の措置として四千億円の地域未来基金費、これが創設をされます。都道府県における産業クラスターの形成や地場産業の付加価値向上を推進するための財源だと聞いております。
これ自体は前向きな取組であるというふうに思っておりますけれども、地方創生の名の下に過去に行われた様々な交付金事業の中には、例えば箱物行政であるとか、一過性のイベントで終わってしまった、真に自立につながらなかったのも少なくはありません。
そこでお尋ねをしたいと思うんですが、地域未来基金費につきまして、都道府県が複数年度にわたる計画的な取組を行えるよう基金の設置に要する経費を算定するとのことでありますけれども、これが、過去の事例を見て、そういった失敗を繰り返さずに、真に地方から日本を成長軌道に押し上げていく、こういった生きた投資になるように国としてしっかりと対応をしていっていただきたいと思いますけれども、この点につきましての見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
地域未来基金費は、地方自治体において、地域未来戦略を踏まえ、産業クラスターの形成、拡大や地場産業の付加価値向上、販路開拓にしっかりと取り組んでいただけるよう、所要の財源を確保するものでございます。
地域未来戦略の推進に当たって、今後、各都道府県においては知事主導で地域産業の成長プランを策定することとされておりますが、各省庁がきめ細やかに支援を行うとされているところでございます。こうした支援の下に、各地方自治体がプランの策定やプランに基づく取組の実施にしっかりと取り組んでいただくことが重要であると考えています。
また、総務省におきましては、地方自治体に対しまして、機会を捉えて積極的に地域未来基金費を活用いただきたいと依頼を申し上げております。また、その効果的な活用について、地方議会を始め、各地域でしっかりと御議論をいただけますように、地域未来基金費の措置に対応して新たに基金を設置するなど適切に対応いただきたいことや、地域未来基金費の活用に当たっては、基金の積立状況や活用状況などについて公表情報の充実を図るよう努めていただきたいことを周知しているところでございます。
都道府県において地域未来基金費を活用し、地域における強い経済の実現にしっかりと取り組んでいただけるよう、総務省としても引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 私は、ここで非常に大事になってくるのが、しっかりと寄り添った支援だというふうに思っております。
地方の自主性を尊重していくのは非常に重要でありますけれども、単に基金を積み増して、活用は自由、頑張ってくださいとするだけでは、ノウハウ豊富な大都市が先行してしまって、地方間格差が更に拡大する、持てる者と持たざる者の差、これが生じてしまうのではないかということを私自身は危惧をしているところであります。特に、人材獲得、また販路拡大といった課題につきましては、小規模自治体単独の努力では限界があるというふうに思っております。
そうした中で、是非総務省にお願いしたいことでございますけれども、例えば、総務省のほかにも、経産省ですとか農水省ですとか、専門的な知見を持つ、そういったネットワークと地方自治体を結びつける、総務省としては、省庁間のハブ機能を、是非とも機能していただいて、しっかりと事業が進むように、そういった立場でやってもらいたいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○出口政府参考人 地域未来戦略の推進は、政府全体を挙げて各地方自治体を支援していこうという方針の下に取り組むものでございます。
既に、地域産業クラスター計画の策定を支援するために、関係府省庁の地方支分部局が連携した上で、できればワンストップ相談窓口を設けるなどしつつ、各府省庁の支援メニューを紹介するなどして、きめ細やかな相談支援を行うという方針で議論を進めているところでございまして、しっかりと地方自治体を支援して取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○中川(宏)委員 そのとおりに、是非とも力強い支援をお願いしたいというふうに思っております。
これは、複数年度の取組を後押しする意欲的な制度でありまして、私も評価をしております。地方の自主性を重んじつつも、やはりノウハウが不足している、こういった自治体が取り残されないように、総務省には実効性ある取組を是非ともお願いしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
次に、先ほど田嶋委員からも議論がありましたけれども、地方税の偏在是正についてお伺いをさせていただきます。
地方法人課税における偏在是正につきまして、地方税法及び関連法制との関係でお伺いをさせていただきたいと思います。
現在、地方税法第七十二条の二以下に規定をされております法人事業税につきましては、大都市圏に本社機能や企業活動が集中していることから、税収の地域偏在が大きな課題となっております。
このため、平成三十一年度税制改正におきましては、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律に基づき、法人事業税の一部を国税として徴収した上で、人口等に応じて譲与をする仕組みが創設をされまして、偏在是正の措置が講じられてきたところであります。
さらに、与党税制大綱におきましては、法人事業税資本割の一部を特別法人事業税の対象とすることなど、地方法人課税の偏在是正について、先ほど田嶋委員は、遅いのではないか、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、令和九年度以降の税制改正で結論を得ると明記をされているところであります。
一方で、令和六年度、七年度の東京都の財源超過額は過去最高を更新しておりまして、都市と地方の財政力格差、また先ほどからもお話がありましたが、行政サービスの格差、これは依然として大きい状況にあります。
林大臣は、所信表明におきまして、都市も地方もお互いに支え合うという基本的な考えに立ち、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組について検討を進める、このように力強く宣言をされたところでありますけれども、地方税法に基づく法人事業税制度と、特別法人事業税、特別法人事業譲与税制度の在り方をどのように見直して偏在性の小さい地方税体系を構築されていくのか、特に、与党税制大綱で示されました法人事業税資本割の見直しを含む抜本的な偏在是正措置について今後どのような方向性で検討を進めていくのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 地方法人課税につきましては、今委員からも、今の仕組みの沿革についてもお触れいただきましたけれども、まさにおっしゃられたように、平成二十年度以降、数度にわたり偏在是正措置を講じてきました。
近年の法人の事業活動、組織形態が更に変化をしてきておりまして、例えば、経営体制の効率化等によって支店の統廃合が行われている、それから、法人業務の高度化による本社の従業者数の増加、そして先ほども話題になりましたECの拡大、さらにはフランチャイズ事業、持ち株会社化の伸長、こういうことが更に進んできておりまして、結果として地方法人課税の税収が東京都に集中する状況にある、こういう指摘があるわけでございます。
その中でも、東京都に大法人の本社が集中をしておりまして、特に資本金規模の大きい法人が集中している。そういうことを背景として、法人事業税の資本割における東京都の税収シェア、これがもう三〇%を超える高い水準で、かつ増加基調で推移をしておる、そういうことでございます。
こうしたことを踏まえまして、令和八年度与党税制改正大綱では、新たに法人事業税資本割を特別法人事業税・譲与税の対象とする、そして、所得割、収入割に係る特別法人事業税・譲与税の割合を高める、こういう措置を検討し、これは、固定資産税の方は令和九年度以降でございますが、こちらについては令和九年度税制改正において結論を得る、こういうふうにされております。
私自身、先ほども申し上げましたけれども、多くの知事の皆様から、行政サービスの地域間格差が顕在化する中、偏在是正の取組を進めていただきたいと切実な御意見を伺っておるところでございますので、総務省としても、この与党大綱で示された方針に沿って、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けまして、具体的な取組について更に検討を進めてまいりたいと思っております。
○中川(宏)委員 大臣、ありがとうございます。
法人事業税資本割の対象化という抜本的措置でありますけれども、当然、大都市圏からの反発も予想されるというふうに思っております。そしてまた、非常に丁寧な調整を求められる難しいテーマだというふうに思っております。
しかしながら、先ほどから話があるとおり、地方が真に自立をしまして、そして行政サービスの格差の是正をしていくためには避けては通れない課題だというふうに思っております。各所との対話を本当に綿密に行っていきながら、是非、林大臣のリーダーシップの下に、確固たる成果、議論が出るように進めていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。
そして、先ほどからも議論がされておりますけれども、道府県民税利子割制度についても、私からもお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。
今回の地方税法の改正によりまして、地方税法第七十一条の二十六以下に規定される道府県民税利子割制度につきまして、金融機関の本店所在地に税収が偏在をする問題を是正するために、各都道府県の個人の所得金額を基準といたしまして税収を再分配する清算制度が新たに導入をされる予定であります。
私は長野県でございまして、長野県知事が全国知事会会長でありますので、この点については強くこれまで要望を受けてきたところでございます。
先ほどからも話があるとおり、近年、インターネット銀行等の拡大によりまして、預金口座の所在地が東京都など一部の都道府県に集中する結果、利子割の税収が実際の居住者の分布とは異なる形で偏在する状況が起きているところであります。こうした状況を踏まえまして、地方税法において税収帰属を実態に合わせて調整する仕組みを制度化したこと、これにつきましては、地方税法が本来予定する応益性、また地域帰属性の観点からも極めて合理的な制度改正であるというふうに考えております。
今回、地方税法の利子割の清算制度、これを位置づけたことにつきまして、地方税の地域帰属性の確保という観点からどのような制度的意味を持つと認識しているのか。これについては改めてかと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
個人住民税は住所地課税が原則とされておりますけれども、道府県民税利子割につきましては、この例外として、金融機関の口座所在地の都道府県が課税することとなっております。これは、預金者の住所地に近い金融機関に預金は預けられるであろうという想定に立ったものでございましたけれども、現在、インターネット銀行等の利用拡大によりまして、こういった制度創設時の想定を超えまして、あるべき税収帰属との乖離が生じる状況となっているところでございます。
このため、今回の税制改正におきましては、金融機関が口座所在地の都道府県に税を納入する現行の仕組みは維持したままで、都道府県間で個人に係る所得金額を基準に税収帰属を調整する清算制度を令和八年度分から導入したいと考えております。
近年、この利子割税収は急増しております。地方団体からも早期に清算制度の導入を求める声がございまして、今回の清算制度の導入によりまして利子割の税収帰属の適正化が図られる意義は大きいものと考えております。
○中川(宏)委員 その上で、済みません、ちょっと細かい話になっていくんですけれども、制度が導入された後のこと、テクニカルな話になりますけれども、確認をさせていただきたいというふうに思っております。
この利子割交付金の交付でありますけれども、現行制度では、都道府県を通じまして、各自治体につきましては、たしか年三回交付をされていたというふうに思っております。そして、今回新たに制度を導入されるとなりますと、これは年一回ということになるのでしょうか。その点につきましてお伺いをさせてください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま議員御指摘のとおり、清算制度の導入によりまして、利子割交付金の交付回数、現行三回でございますけれども、一回となります。これは、地方団体の事務負担を考慮いたしまして、清算回数を一回にしております。このため、交付回数についても一回としたものでございます。
なお、この利子割より税収規模の大きい株式等譲渡所得割交付金につきましても、現行交付回数は一回でございまして、このことによりまして市町村の財政運営に影響は生じていないものと考えているところでございます。
○中川(宏)委員 今、影響はないということでございましたけれども、当然、今度、地方におきましては税収が増えるという形でありますので、多分、予算編成におきましても、途中、三回が一回になりましても影響はない、地方には影響ない、こういった判断でよろしいでしょうか。再度確認させてください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
市町村の財政運営に対する影響は生じないものと考えております。
○中川(宏)委員 確認をさせていただきました。
デジタル化によります経済実態の変化に合わせて税制を柔軟に見直して、地方税本来の地域帰属性を取り戻す仕組みを制度化したことは、実務的かつ合理的な対応だというふうに評価をさせていただきたいというふうに思っております。
先ほど大臣にも答弁をいただいたところでございましたけれども、地方法人課税の偏在是正につきましても、今回の利子割清算制度というこの体験、これを一つの足がかりといたしまして、実態に即した税収帰属への適正化につなげていただきますよう、私からも要望をさせていただきたいと思います。
次に、物流、地域交通支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。
国民生活や産業活動を支える物流、まさにこれは社会インフラそのものでありまして、その最前線で輸送を担っているのがトラック事業者の皆様であります。食料品、また生活必需品、医薬品などの輸送の大部分、これはトラック輸送が担っておりまして、物流の安定は国民の皆様の生活の安定にそのまま直結をしているところであります。
一方で、トラック事業者の経営は、ドライバー不足ですとか、また、いわゆる二〇二四年問題への対応、人件費や車両費の高騰など、厳しい状況が続いているところであります。その中でも、軽油価格の変動は経営に直結する大きな要因でありまして、燃料に係る税制の在り方はまさに死活問題であるというふうに思っております。
これまでは、軽油引取税の枠組みの中でトラック事業者への支援金が措置をされてきたところであります。今回の税制見直しに当たりまして、令和八年度は現行と同等の地方交付税措置を講ずるとされているところでありますけれども、令和九年度以降の新体系におきましても、このトラック物流業界を支えるための支援水準を絶対に後退させてはならないと考えるところでございますが、この点につきまして見解を求めたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
現在御審議をいただいております地方税法改正法案におきまして、軽油引取税の当分の間税率については令和八年四月一日に廃止をするということになっております。
この軽油引取税の当分の間税率廃止に伴う減収につきまして、令和八年度においては地方特例交付金によって全額を補填することになっております。あわせて、運輸事業振興助成交付金に係る経費につきまして、現行と同等の地方財政措置を講ずることといたしております。
この交付金の今後の取扱いにつきましては、運輸事業の振興の助成に関する法律をめぐる御議論を踏まえつつ、トラック物流業界の所管省庁であります国土交通省と連携をして、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
そして、今はトラックについてお伺いしたんですけれども、自動車関連で、もう一つ地方にとって大事なことは、路線バスであります。
通告していないんですが、この点につきましてもお伺いさせていただきたいと思いますけれども、今回の改正で、地域住民の足を守るための特例、これも盛り込まれております。
そうした中で、総務省として、今回の税制上の配慮に加えまして、地方交付税等を通じた、赤字路線を維持する自治体、事業者への直接的な財政支援を是非とも拡充していっていただきたいというふうに思っておりますけれども、その点につきまして、済みません、お答えをいただきたいと思います。
○出口政府参考人 お答えいたします。
地域住民の方にとりまして大変貴重な移動手段でございますバス路線の維持に、現在地方自治体は多額の補助等を行っているところでございます。そうした路線維持の補助に要する経費につきましては、現在特別交付税で手当てをするという仕組みになっております。
近年、人件費や資材費の高騰によりましてその助成額も大きくなっているところでございますけれども、そうした実態も踏まえながら、算定方法の見直しをしまして、しっかりとバス路線が維持できるような措置を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 よろしくお願いいたします。
次に、地方自治体にとって喫緊の課題であります公営企業とインフラ老朽化についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回の地方財政法改正によりまして、当分の間の措置といたしまして、公営企業経営改善特例債が新たに創設をされる予定であります。これは、人口減少が進む中で、上下水道事業の広域化ですとか、事業統合に伴う施設の撤去、また原状回復等に要する経費に地方債を充てられるようにするというものであります。
これまで、前向きな建設事業につきましては起債ができましても、いわゆる施設を畳んでいく、撤退する、こういった国の支援につきましては非常に手薄だったかなというふうに思っております。自治体が将来の負担を見据えて勇気ある決断をした際、撤去費用等が一般会計の重荷になっておりましたので、私はこの制度を高く評価したいというふうに思っております。
一方で、懸念もあるところであります。
この統廃合によりまして、周辺部の集落では、水道や下水道のインフラが切り捨てられてしまって住民生活が脅かされるのではないか、こういった不安を抱く方々も多くいらっしゃいますので、この点につきまして、政府の丁寧な答弁をお願いしたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
人口減少が続くことが想定される中、これまで公営企業が提供してきたサービスを将来にわたって持続的に地域において確保していくためには、上下水道の広域化などの経営改善の取組を進めることが重要になってまいります。
しかしながら、広域化等の取組に当たりましては、地方自治体において、不要な施設の撤去費など、一時的に多額の経費支出が必要になることがございます。
本特例債は、こうした負担を平準化して、経営改善の取組を円滑化することを目的としております。
お尋ねございました上下水道事業に関して申し上げますと、いずれも住民生活に不可欠なサービスでございます。このため、サービスの提供の在り方を見直すことによってその提供を持続可能なものとする場合に本特例債を活用できるものでございまして、御指摘のようなインフラの切捨てにはならないものと考えております。
また、本特例債の発行に当たりましては、サービスの提供をどのように継続していくのかを明らかにした上で議会の議決を経ることとしておりまして、地方自治体において十分な議論が行われるものと考えております。
以上でございます。
○中川(宏)委員 そういったところを丁寧に説明していっていただきたいというふうに思っております。大事な事業だと思いますので、お願いしたいと思います。
そうした中で、自治体では、実際、今どういった状況になっているかといいますと、今日、冒頭から言っているとおり、やはり技術職員がいなかったり、人手不足というのがかなり深刻なんですね。そういったところで、老朽化対策における、例えば、こういった人手不足に対応していくためにはDXなんかを活用していかなければいけないんですけれども、そもそもの、老朽化の調査ですとか、国交省が推進する新たなDX技術を使いこなす技術職員とかが決定的に不足をしているわけでございます。
総務省にお願いさせていただきたいことなんですけれども、財政的な枠組みはこれで新たに創設をしていただくことになりますけれども、この仕組みを整えていただくと同時に、やはり技術面につきましては、各省との連携が非常に重要になってくると思っております。特に、上下水道につきましては、今国交省が全部やっておりますので、国交省、また都道府県と連携した広域的なサポート体制の構築、こういったことも総務省から是非とも提案をしていただいて、総務省が実施している地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業による専門アドバイザーの派遣、こういったものも積極的に活用していただくというか、呼びかけていただきまして、専門人材が直接現場に入り込んでいっていただけるような、こういった実効性のあるソフト事業に対しましても、是非総務省から呼びかけていただきたいと思います。これは要望でございますけれども、是非お願いしたいというふうに思っております。
次に、地域の基幹産業である農業の支援についてお伺いをさせていただきます。
食料安全保障の観点から、国におきまして農業構造転換集中対策が進められていくことに連動しまして、今回、新たに農業構造転換集中対策事業債、これが創設をされるところであります。農地の大区画化、また共同利用施設の再編、集約に係る地方負担を手厚く支援するものでありまして、農業の生産基盤を強化するハード面の対策といたしまして大変重要な取組であるというふうに私は認識をしております。
一方で、これは今日、人材ということでずっと言わせてもらっているんですけれども、地方の現場では、整備された農地、施設がありましても、農業を担う人材が不足している、こういった課題も深刻なところであります。
そして、とりわけ地方におきましては、農業ですとか伝統工芸品の地場産業の担い手不足でこれが先細りしている現状でありまして、地域活性化を進めていくためには、こうした地域産業をいかに持続、また発展させていくか、これが大きな課題であるかというふうに思っております。
その意味で、都市部などから人材を呼び込みまして、地域課題の解決や地域産業の担い手づくりに取り組む地域おこし協力隊の役割、これはますます重要であるというふうに考えております。農業分野だけではなくて、伝統工芸、また地域企業の多様な分野、こういったものに深く関わりながら、地域に新しい人材の流れを生み出していって、それが将来担い手として定着していくことが期待をされているところでございます。
そこでお伺いをさせていただきたいと思いますが、農業ですとか伝統工芸といった地域産業が先細りしている地域の現状を踏まえまして、地域おこし協力隊の皆さんが、こうした分野にしっかりと関わっていただきまして、地域産業の担い手としてその維持発展につながるようにするために、国としてどのような支援や制度、こういったものの充実を図られていくんでしょうか。特に、任期中の研修、地域とのマッチング、任期終了後の定着や事業承継につなげる取組について見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○恩田政府参考人 お答えいたします。
地域おこし協力隊は、最終的には過疎地域等に定住、定着をしていただくことが目標でございまして、任期中に地域での起業等のノウハウを伝える起業・事業化研修を実施しておるところでございます。
また、地域とのマッチングを図るため、地域おこし協力隊の任用を検討いたします自治体へのアドバイザー派遣、こういったものも実施しておるところでございます。
さらに、任期中の隊員や自治体からの相談に対応するサポートデスクを設置しておりまして、隊員の地域での定着に向けてしっかりとフォローをしているところでございます。
令和八年度からは、地域協力活動といたしまして地場産業等に従事する隊員が、任期終了後に起業、事業承継を行おうとする場合、任期を最長五年とする特例を導入いたしますとともに、起業、事業承継に要する経費に対する特別交付税措置につきまして、対象期間の拡大、上限額の引上げを行うことといたしております。
これらの支援施策を積極的に活用いただけるように、地方自治体への周知を進めまして、農業、伝統工芸などの地場産業等の担い手として地域おこし協力隊が一層力を発揮できるよう、しっかりと後押しをしてまいります。
○中川(宏)委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
今日、冒頭で、農業の基盤整備から質問させていただきましたけれども、やはりお願いしたいことは、ハードと人をセットにした優良事例を、国からも積極的に提案、横展開していってもらいたい、そうした優良事例を是非とも展開していってもらいたいなというふうに思っております。やはり全国で優良事例がありますと、そこで、うちの自治体もこうやってやっていこうという、一つの気づきになるかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
最後の質問になりますけれども、DX、GX推進と自治体の実行力確保についてお伺いをさせていただきます。
令和八年度の地方財政計画では、DX、GXの推進に関する地方財政措置が拡充をされます。
GX分野につきましては、脱炭素化推進事業費におきまして、次世代技術であるペロブスカイト太陽電池の公共施設等への導入が新たに対象とされております。小規模市町村からは、耐久性や維持管理コストの見通しが十分でない中で、自治体単独で導入判断を行うことの不安ですとか、技術評価を担う専門人材の不足といった課題も指摘をされております。
また、DXにつきましても、デジタル活用推進事業費が増額をされまして、サイバーセキュリティー対策に必要なシステム整備が対象に追加をされますけれども、小規模自治体では、導入後の運用、また監視を担う専門人材の確保、これが大きな課題になっております。
こうした推進は、地方公共団体の行政運営の高度化だけでなく、地域における新技術の普及、また関連産業の立地促進にもつながる可能性があります。その際、設備投資を促すための固定資産税の特例措置ですとか、また地方税法に基づく課税標準の特例など、地方税制上の支援措置が自治体のGX、DX導入や民間投資の促進にどう活用できるかが重要な論点となります。
当該制度の導入や関連投資を地域で促進していくためには、自治体が主体的に取り組める環境整備が重要でありまして、地方財政計画との関係も踏まえつつ、固定資産税など資産課税における特例率の設定など、地方税法上の特例措置を通じて自治体の取組を後押しすること、これが有効ではないかというふうに考えております。
そこで、最後にお尋ねさせていただきたいと思いますが、今回の税制改正におきまして、こうした地方税制上の措置をどのように位置づけているのか、また、自治体の取組を支援する観点から、総務省の考えをお伺いさせていただきます。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
まず、地方税は、住民に身近な自治体の行政サービスを支える貴重な自主財源でございますことから、特例措置は、政策目的などを十分勘案し、真に必要なものに限るべきと考えているところでございます。その上で、地方税法上必要な見直しを行った上で、GX、DX導入や民間投資の促進に資する様々な特例措置を講じてまいったところでございます。
今回の令和八年度税制改正におきましては、再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の特例措置につきまして、御指摘のペロブスカイト太陽電池を使用した設備や洋上風力発電設備に係る特例率を拡充いたしまして、支援の重点化を図ることといたしております。
今後とも、市町村の基幹税でございます固定資産税の安定的な確保に配慮しつつ、必要な特例措置については、関係省庁とも議論しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 税制上の特例措置、また財政措置の両輪で是非とも進めていただきたいというふうに思っております。
これは一つ提案で、要望させていただきたいと思いますけれども、人材不足の中で新技術の導入に不安なく取り組めるように、例えば都道府県単位での専門人材のシェアリングですとか、そういったことも総務省としては検討して、現場が安心して取り組める環境を是非ともつくっていただきたいというふうに思っております。
それでは、時間になりましたので、以上で終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 中道改革連合、平林晃です。本日もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
私からも、冒頭、明日でちょうど十五年となります東日本大震災で亡くなられた方全てに対しましてお悔やみを申し上げまして、被災をされ、中にはいまだに故郷に戻れない多くの皆様がおられることに思いを致しまして、心からのお見舞いを申し上げるところでございます。
本日は、この後、私も委員であります東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会も開かれますけれども、そこでは黙祷もささげさせていただくことになってございます。復興をしっかりと後押しをさせていただきまして、また、原子力政策の監視と、これも本当に大事なことだと思っておりますので、このことにも一層取り組んでいくことを申し上げまして、質問に入らせていただきたいというふうに思います。
まず初めに、地方財政計画に関して伺いたいというふうに思います。
先ほど、田嶋委員の質問も脇で聞いておりました。私も地方選出議員でございますので、東京都の施策、こんなすごいものがあったのかということで、驚きの念を持って聞いておりましたけれども、それはそれとして、本当に地方の疲弊、中国地方、私は中国ブロックの選出で、五県を動き回るわけですけれども、本当にその疲弊というのは深刻な状況にあるということでございまして、その認識は共有をさせていただきながら、まずはこの交付金制度、現行制度をしっかりと行き渡らせていく、働かせていく、このことは当然大事なことだというふうに思っておりまして、その観点で質問させていただきます。
まず、この度の一般財源総額、前年度比三・七兆円という大幅な増額となっているということでございます。いわゆる実質同水準ルール、これは平成二十三年に設定されているということですけれども、それ以降で、一般財源総額が、交付団体ベースですかね、一兆円以上増額されたのは過去二回ということで伺っておりますので、今回は三・七兆円という数字がいかに大きなものかということを改めて認識をするところでございます。
インフレ局面という状況ももちろんあるわけですけれども、様々な重要政策を実施しつつ、地方税制を健全化させていくためにこれだけの財源総額を確保いただいたということで、この点に関しましては評価をさせていただいているところでございます。
その上で、幾つかの個別項目について質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず一つ目ですけれども、当該地方財政計画におきましては、地域未来基金費、これは四千億円を創設をされて、都道府県分の普通交付税により措置されることとなっております。配分ルールは、半額二千億円を人口ベースで、残りを均等割でということでお伺いしているところでございます。各都道府県におきましては、この地域未来基金費を活用して、基金を創設した上で、例えば、広域リージョンの連携ビジョンに基づくプロジェクトを含め、企業立地の推進でありますとか、研究開発の推進、人材育成、確保のほか、地場産業の付加価値向上、販路開拓等、本当に何とかして地域を盛り上げていこう、こういう思いで、複数年度にわたってしかも取り組むことができる、このように認識をさせていただいております。
一方で、地域未来戦略に沿った取組に対しましては、交付金、地域未来交付金が支援されることにもなっている。こちらは、今次予算案では一千六百億円となっている。
これは内閣府の御担当と思いますけれども、このように、地域未来交付金という補助金に加えまして、地域未来基金費によって交付金も別途措置されることに関しまして、ある意味、重ねての措置となっている制度設計、このようにされている趣旨や狙いに関しまして、総務大臣の御見解を伺います。
○林国務大臣 地域未来交付金でございますが、これは従来の地方創生に資する取組のみならず、各自治体による産業クラスター計画や地場産業の成長戦略が真に地方の活力を最大化することにつながるような取組を推進するものということで新たに設けられたものでございます。これは自治体からの個別の申請に基づいて交付されるものであると承知をしております。
一方で、地域未来基金費の方でございますが、これは地方自治体が地域未来戦略の推進に向けて、独自に、地域の実情に応じたきめ細かな施策に複数年度にわたって計画的に取り組むことができるように、令和八年度地方財政計画に基金の設置に要する経費として四千億円を計上し、地方交付税により措置するものでございます。
地方自治体においては、これらを有効に活用していただきまして、地域における強い経済、これの実現に向けてしっかりと取り組んでいただくということを期待をしておるところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。
続きまして、地域デジタル社会推進費とデジタル活用推進事業費について伺わせていただきます。
まず、前者の地域デジタル社会推進費ですけれども、地域社会のデジタル化を集中的に進めるため、これは令和三年度に創設をされたということでございますけれども、当初、令和四年度までとされていたのが、当時のデジタル田園都市国家構想基本方針等を踏まえて、事業期間が令和七年度、今年度まで延長されて、毎年二千億円計上されてきたと認識をしております。
本件に関しましては、地方六団体からの要望書の中で、地方創生の取組に必要な経費であるため、大幅に拡充し、継続することと要望がなされているところでございます。
その上で、令和八年度地方財政対策におきまして、事業期間については令和十一年度まで四年間延長することとされている、これは要望どおり継続する。その一方で、事業費は五百億円減額の一千五百億円とされているということでございまして、これは要望とは異なっているかと存じます。全額の縮小に伴いまして単位費用も縮減されるとされており、一人当たり、都道府県では五百二十円が三百三十円、市町村では七百六十円が六百三十円に見直されることとなっているということで認識をしております。
一方で、もう一方のデジタル活用推進事業費に関しましては、地方団体の情報システム等の整備の取組状況を踏まえまして、五百億円増額をして一千五百億円とするとされているということで、これは六団体からの要望が拡充ということになっておりましたので、まさに要望どおりになっているということでございます。
結局、五百億円を地域デジタル社会推進費からデジタル活用推進事業費に移し替える、こんな対応になっているということになるわけですけれども、六団体の要望書では共に拡充が求められている中で、それとは異なりまして片方を減らして片方を増やす、こういう対応となっているこの趣旨に関しまして、総務省の御見解を伺います。
○出口政府参考人 お答えいたします。
令和八年度地方財政計画におきましては、令和七年度までとなっておりました地域デジタル社会推進費につきまして、地方からの要望を踏まえ、令和十一年度まで四年間延長することといたしました。
計上額につきましては、御紹介ございましたように、地域デジタル社会推進費を五百億円減額し一千五百億円とする一方で、デジタル活用推進事業費を五百億円増額することといたしております。これは、デジタル活用推進事業費の対象となります今後の情報システム、情報通信機器等の導入等の見込みなどを踏まえまして、デジタル活用推進事業費を五百億円増額する一方で、地域デジタル社会推進費の方を同額減額したものでございます。
地方自治体の現在の取組状況を踏まえますと、これらの措置によりまして、地方自治体のデジタル化の取組の推進に必要な財源は確保できているものと考えております。
以上でございます。
○平林委員 実態に即して確保できているという御説明でありました。新たなことをやっていく可能性もあったのかなという気もいたしますので、まずは様子を見させていただいてということになろうかというふうに思います。
次に、脱炭素化推進事業について伺います。
先ほど中川委員もお話しされていた部分にも関係しますけれども、言うまでもなく、地球温暖化は人類共通の課題でありまして、その対策を進めることは、地方公共団体等においても当然重要なことであります。
既に、地球温暖化対策の推進に関する法律、いわゆる温対法に規定される地方公共団体実行計画に基づいて、公共施設等の脱炭素化に係る地方単独事業が実施されてきている。令和七年度は事業費ベースで一千億円とされて、再生可能エネルギー設備の設置、公共施設等のZEB化、電気自動車導入等が進められてきていると認識をしております。
この脱炭素化推進事業債に関しましては、地方財政審議会の意見において、まず、活用実績が年々増加しているという受け止めがされており、さらに、令和七年二月に閣議決定された地球温暖化対策計画において、温室効果ガスの二〇五〇年ネットゼロ、これを大きな目標と掲げているわけですけれども、それに向けて当面の五年間、二〇三〇年度までのこの五年間が新たに実行集中期間として位置づけられたことからも、この地域脱炭素の取組が加速化していくとも指摘をされているところでございます。このため、地方自治体が脱炭素化の取組を一層推進できるよう、同事業債について対象事業の拡充も検討した上で、事業期間を延長すべきである、このようにされているところでございます。
この意見に対しまして、この度の地方財政計画でどのように対応されているのか、総務省の御見解を伺います。
〔委員長退席、鈴木(英)委員長代理着席〕
○出口政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、脱炭素化推進事業債につきましては、昨年十二月、地方財政審議会より、地方自治体が地域脱炭素の取組を一層推進できるよう、同事業債について対象事業の拡充も検討した上で、事業期間を延長するべきであるとの御意見をいただいております。
このような地方財政審議会の意見や地方自治体からいただいた御要望を踏まえまして、例えば、公共施設等における空調などの各設備が個別に省エネルギー基準を満たす場合の改修ですとか、公用車におけるハイブリッド車の導入などを対象事業に追加した上で、事業期間を令和十二年度まで延長することといたしました。
各地方自治体におかれましては、これらの措置を活用して、引き続き地域の脱炭素化に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
以上でございます。
○平林委員 拡充、延長ということで対応いただいているということで、自治体が本当に取り組んでいけるように、いろいろな意味でも後押しをしていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、ふるさと納税についてお伺いをさせていただきます。
この度の改正案におけるふるさと納税制度の改正に関しましては、特例控除額を、百九十三万円を上限として新たに設定すること、あるいは、寄附金活用可能額の割合を段階的に六〇%としていくことなどが盛り込まれており、一定評価をさせていただいております。
返礼品の過度な競い合いを抑制する、この観点は本当に私も大事と思っておりますけれども、現状、制度において、その返礼品の調達費を寄附額の三割以下に抑える、かつ、送料や事務費などを含む総経費を五割以下に抑えることとされていると認識をしております。二〇二三年十月の改正では、ワンストップ特例事務等の、いわゆる隠れ経費と言われているんですかね、これも五割の枠に含めることが義務化をされているということでございます。
その上で、こうした規定に違反した場合には、自治体側はふるさと納税対象からの指定取消しという厳しいペナルティーを受けるということになるわけでありまして、その取消しの期間は、違反の内容にかかわらず一律に二年間とされてきたところです。
この規定を、今次改正案においては三年以内の期間に変更することとされております。違反の内容に応じて取消し期間を調整するという改正の趣旨に理解をしておりますけれども、その期間の決め方、これには客観性が必要になるのではないかというふうに考えております。基準などをどのように考えておられるのでしょうか。総務省の見解を伺います。
〔鈴木(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
ふるさと納税は、税制を使った公的な寄附金税制でございますことから、制度的な信頼性や公平性を確保する観点からも、地方税法等で定めるルールを遵守して寄附金の募集等を行っていただく必要がございますが、今年度だけで、残念ながら六件の取消し事案が発生しているところでございます。
このように、取消し事案が増加する中で、例えばでございますが、地方団体側が故意に経費等を偽るなど帰責性が高い事案が発生した場合には二年を超える取消し期間を適用するなど、指定取消し制度をより柔軟かつ適切に運営する必要が生じているものと承知しております。
個々の事案に即した指定取消し期間の定め方は、地方財政審議会から聴取する意見なども踏まえまして、議員御指摘のとおり、客観的かつ適正な運用になるように努めてまいりたいと考えております。
○平林委員 ありがとうございます。
帰責性をしっかりと評価をしながら、二年じゃ足りない自治体もあるというようなお話でしたけれども、そこもしっかり取消し期間を定めていくということで理解をさせていただいたところでございます。
今のお話のように、罰則を強化しなければならないような事態が生じているということも含めまして、やはり、今のふるさと納税制度というものが少し本来の趣旨からずれてきている、こういう懸念もあると認識をしているところでございます。
ふるさと納税制度は、そもそもが、ふるさと、どこか地方都市を想定しているのかもしれませんが、そこで生まれ、その自治体から医療や教育等、様々な住民サービスを受けて育っていくわけであります。やがて進学や就職を機に、生活の場を、多くの場合、都会に移ることが多いのかもしれません。そして、そこで働いて納税を行っていく、こういう人生を歩む方が一定数おられることを背景としている。
若い頃は自治体から、そこの税金を使ったサポートを受けていくわけですけれども、しかし、その恩返しとしての納税をするのは別の自治体になってしまう。私自身も正直、そんな人生を歩んでいるところではございますけれども、元の自治体への恩返しがあってもいいのではないか、こういう問題意識の下に生まれた制度と理解をさせていただいております。
であるにもかかわらず、現在の制度では、魅力的な返礼品を競い合って、税収を自治体が奪い合うような状況になっていると危惧をしているところでございます。今次改正案もそのような状況を踏まえたものと理解しているところではありますが、改めて、その趣旨と今後の取組の方向性に関しまして、総務大臣の御見解を伺えたらと存じます。
○林国務大臣 今回の見直しでございますが、現行のまず特例控除額でございますけれども、所得に応じて上限なく増加していくということで、高所得者の優遇ではないか、こういう御指摘もあったわけでございますので、こうしたことも踏まえて、特例控除額に定額の上限を設けるということになっております。
また、受け入れた寄附金について、今委員がおっしゃっていただいたように、この制度の趣旨に即して、やはり自治体における行政サービスの充実とか、その地域の振興のために活用されるべきでございまして、区域外に流出する、例えばポータルサイト事業者などに支払う手数料、これは税制大綱にも、千六百五十六億円と、寄附受入額の一三%にも達している、こういう記述もあるところでございまして、こうしたものはできる限り縮減していく必要がある、こういうことでございまして、自治体が実施する事業に活用できる寄附金の割合を、御説明いただいたように、順次引き上げていって、その割合を六割といたしましたところでございます。
まさに、このふるさと納税の趣旨は、委員からお話があったように、お世話になった自治体への感謝の気持ちを伝える、そして税の使い道を自分の意思で決めるということを可能とする、こうした経緯で創設された制度でございますので、今般の改正によりまして、この制度の健全性を高めつつ、引き続き、全国の自治体と納税者の皆様の御理解をいただきながら、本来の趣旨に沿って制度が適正に運用されるように取り組んでまいりたいと考えております。
○平林委員 今回この質問を、地元の業者の方とも、声を聞かせていただきながら、参考にさせていただいて、質問させていただいているところでございます。地域地域に頑張っている人たちがたくさんいらっしゃいますので、そういった人たちを応援するという意味も込めて、趣旨に沿った改正を引き続き、大臣におかれましてはリーダーシップを発揮して進めていただけたらと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。ありがとうございます。
それでは、続きまして、三点目の質問に入らせていただきたいというふうに思います。
自治体情報システムの標準準拠システムへの移行に関しまして、お伺いをさせていただきます。
本件に関しましては、もう何年も取組を進めてこられているところでありまして、昨年度の予算委員会の分科会でも確認をさせていただいたところでもございます。この標準システムへの移行そのものにまず経費がかかるということもあるわけですけれども、移行後の運用費用、これが従来システムの運用費用を大きく上回るとの声が自治体から多々寄せられているということでございます。とりわけ小規模自治体ほどその思いを強く持たれているというのも感じております。
私の地元、中国地方の広島県に関しましては、町村会におきまして、移行後の運用費用が、移行前に比べますと、九つ町があるんですけれども、約二・九五倍、三倍弱というふうに伺っているところでございます。町村の平均でいえば二・二五倍ということだそうでありまして、全体の平均は一・八倍とかそのぐらいだというふうに伺いましたので、やはり小さな町村の自治体の方が移行後の運用費用は従前よりも大きく倍にされている、こういう実態を確認することができるわけでございます。
これはそもそもは、当初の目標、平成三十年度比で少なくとも三割のコスト削減とされていたわけですけれども、町村会の方と話をしたときにも、三割削減じゃなくて三倍ですよということで話をされてしまったところなわけでございますけれども、本当に現状は目標とはかなりの乖離がある、こういう状況でございます。
こうした声に基づく、何とかしてほしい、この要望への対応は現在どのようになっていますでしょうか。デジタル庁に伺います。
○三橋政府参考人 お答えいたします。
自治体情報システムの標準化、ガバメントクラウド移行後の運用経費の増加につきまして、多くの自治体から御懸念や財政支援を求める声をいただいてきたところでございます。
デジタル庁では、この問題に対しまして、昨年六月に策定いたしました運用経費の増加に係る総合的な対策に基づきまして、運用経費の抑制、適正化に向けた当面の対策として、各自治体が行う見積精査への支援の強化を行いますとともに、クラウド利用料の更なる割引等の交渉などを行っております。さらに、システム運用管理の省力化、自動化の推進など、構造的な要因等に対する対策も進めているところでございます。
その上で、各種施策を講じてもなお一時的に増加する運用経費につきましては、国と地方が協力して計画的に抑制、適正化するための国庫補助事業として、令和七年度補正予算におきまして、地方公共団体情報システム運用最適化支援事業費補助金を創設したところであり、現在、その執行に向けた準備を進めているところでございます。また、あわせまして、人件費、物価の増加等の外的な要因などによります恒常的な経費の増加につきましては、令和八年度の普通交付税で措置を講じることとされております。
これらの措置によりまして、令和八年度の移行後の運用経費の増加分に対しまして、必要な財政措置を講じているところでございます。引き続き、国と自治体が協力して、移行後のシステム運用の最適化に取り組んでまいります。
○平林委員 ありがとうございます。
増えた分に関しまして、昨年の補正予算と今回の当初予算を併せてきちんと対応されているということで認識をさせていただいたところでございます。
そもそも、なぜこのような状況になっているのかということ、それも今お話もあったところではありますけれども、外的には、物価高もそうですし、賃上げもそうですし、円安もそうですし、人が足りない、こういったこともあったのだというふうに認識をしております。
これが外的要因であれば、内側、構造的な要因としては、システムそのものが高度化をしているということもあるというふうに思いますし、災害、これもしっかりと対策をしていかなくてはいけない。あるいは、災害対策の延長になるかもしれませんけれども、基盤、ネットワークを二重化して冗長化をしていく、こういった対応もしていかなくちゃいけない。ガバクラにシステムを載っけているわけですけれども、なかなかそこに最適化がしっかりと行われていかない、こういったような状況もあるというふうに思うわけでございます。
こうした本当に様々な要因がある中で、今後どうなっていくのかということを心配に思うところでございます。当初目標のように、三割削減というところに持っていけたら一番いいわけですけれども、せめて、まずは今までどおりのところにまで持っていくということも、まず当面の目標として持たなくてはいけないのではないかなというふうに思いますけれども。
そういった目標に対しまして、そこまでちゃんと行けるのかどうか、また、どの程度の時間を見通せばそうなっていけるのか、こういった見通しに関しまして、デジタル庁の見解を伺います。
○三橋政府参考人 お答えいたします。
政府が策定しております地方公共団体情報システム標準化基本方針では、標準化対象事務に関する情報システム運用経費等については、標準準拠システムへの移行完了後に、平成三十年度比で少なくとも三割の削減を目指すこととし、国は、その目標の実現に向けた環境を整備することとしています。また、この達成に向けましては、令和七年度までの達成状況及び移行支援期間における実証等を踏まえるとともに、為替や物価などのコスト変動の外部要因も勘案する必要があることから、必要に応じた見直しの検討と達成状況の段階的な検証を行うこととしております。
委員御指摘のとおり、移行後の運用経費が増加する主な要因といたしましては、第一に、デジタル人材の逼迫や賃上げに伴います人件費の増加や物価高等の外的な要因に加えまして、第二に、機能やセキュリティーの高度化、標準準拠システムやガバメントクラウドにシステムが最適化されていないこと、あるいは、ガバメントクラウドに移行するシステムと移行しないシステムによる基盤の重複、ネットワーク管理費用の発生などの構造的な要因などもあるというふうに分析をしておりますが、その実態は各自治体におきまして様々でございまして、各自治体における十分な精査も必要だというふうに考えております。
このため、デジタル庁では、先ほども御答弁いたしましたとおり、昨年六月に策定いたしました運用経費の増加に係る総合的な対策に基づきまして、運用経費の抑制、適正化に向けました各市区町村が行います見積精査に対しまして、都道府県と連携した支援を行うなどの当面の対策や、システム運用管理の省力化、自動化の推進などの構造的な要因等に対する対策を進めてきておりまして、所期の効果が早期に発現できるよう、引き続き自治体と協力しながら取り組んでまいります。
○平林委員 当面の対策、これをしっかりやっていただいて、本当にその効果を早期に発現していただきたいというふうに思います。
とにかく自治体は人がおられませんので、そこのサポートもしっかりとやっていって、これは当然御認識されていると思いますけれども、御期待を申し上げたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、先週木曜日の委員会で少し時間切れでお聞きできなかった質問に関しまして、改めて聞かせていただけたらと思っております。
インターネット上の偽情報、誤情報、そして権利侵害に関してでございます。
情報流通プラットフォーム対処法が施行されて今月末でちょうど一年となるということでございます。前回の質問では、法の対象となる大規模事業者の取組状況を確認した上で、法の対象ではないものの小規模事業者への取組、これを確認させていただいたところでございました。
その上で、ここからがお聞きできなかった部分なんですけれども、権利侵害事案が起こらないようにするためには、こうしたプラットフォーム側の取組を強化していくということとともに、ユーザー側がリテラシーを向上することも重要であるということも私も認識をしております。まさに大臣が所信で述べられました、幅広いリテラシー向上に関する取組、このことが重要でございまして、昨年の予算委員会分科会でも、私、このことも確認をさせていただいておりました。
総務省におかれましては、この一年継続してお取組を進めてきておられまして、その中では、官民連携プロジェクト、デジタルポジティブアクション、こういった取組も立ち上げられたということも伺っているところでございます。こうした動きが現在どのようになっているのか、どんな成果が見えてきているのか、こういった点に関しまして、総務省の御見解を伺います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
インターネットやSNSは、国民生活や社会経済活動の利便性を飛躍的に向上させる一方で、様々なトラブルも生じており、国民一人一人のICTリテラシーの向上が必要不可欠であると考えております。
このため、委員御指摘のように、総務省では、プラットフォーム事業者、それから通信事業者等の関係事業者と連携しまして、昨年一月に立ち上げたICTリテラシー向上に係る意識啓発プロジェクト、デジタルポジティブアクションに取り組んでおります。
このプロジェクトでは、これまで、インターネット上の様々な課題をテーマとした啓発教材の作成、それから関係事業者等が作成した教材を世代、目的、レベル別に整理した教材マップの公開やそれらの利活用促進を目的とした教材の表彰式の開催、テレビ、SNS広告やシンポジウムの開催、また各地域におけるセミナー、ワークショップ等地域での意識啓発の推進、こういったことに取り組んできております。
総務省としましては、引き続き、国民一人一人がICTリテラシーを高め、安心してSNSを利用できる環境の整備に、関係事業者と連携しまして取り組んでまいります。
○平林委員 本当に大事な取組であると考えております。
是非学校にも展開をしていただいて、こういったことの意識啓発を若い世代からやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、災害時における個人情報の取扱いに関しまして、ちょっと地元から出た話がございましたので、確認をさせていただけたらというふうに思います。
災害時にボランティア団体が活動されることはよくあるかと思います。そのときに、地域住民に支援の手を差し伸べたいものの、個人情報保護の壁によって難しい状況がある、こんな声を伺ったところでございます。
本年一月六日火曜日の午前十時十八分でしたけれども、島根県東部を震源とするマグニチュード六・四、深さ十一キロと推定される地震が発生をいたしました。島根県の松江市と安来市、鳥取県の境港市、日野町、江府町等で最大震度五強が観測をされたというところでございます。その周辺でも震度三以上の揺れを観測しているということでございます。
私は、翌々日の八日木曜日に時間を確保できまして、朝一の飛行機に飛び乗って現地に入らせていただいて、鳥取県西部にあります南部町というところに行かせていただきました。地震のために水源が濁り、現地入りしたその時点で約一千百世帯が断水をしているということでございました。町で約四千世帯ですので、およそ三割に当たるということになります。雪が降る中、庁舎前には給水車が出て飲料水が配布されていまして、住民の方がプラ容器のようなものに水を入れて持ち帰られる姿を見させていただきました。
また、庁舎内ではボランティアの方が集まっておられ、対策を協議しておられました。そのお一人からお申出いただいたことでしたけれども、町では高齢者が多く、給水にしても取りに来ることができない人も多い、そういう人たちに我々が届けてあげたいと思うが、でも、個人情報は行政に下りてくるのみで我々ボランティアには渡してもらえない、だから、どこに行っていいか分からず、何とかならないものか、こういうお話をいただいたところでございました。
取水制限を陶山町長が解除されたのはちょうど一週間後の一月十三日でしたので、一週間不自由な思いをされた方も多々おられたのではないかというふうに思います。
そこで、伺います。
災害時における個人情報の取扱いに関しまして、現行制度ではどのようになっているのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小谷政府参考人 災害時の個人情報の取扱いについての御質問にお答えをいたします。
災害時にボランティア団体が活動する際についても、一般的に個人情報保護法の規定が適用されるところです。委員御指摘のとおり、過去の災害対応において、地方公共団体が災害に係る業務を実施する中で、個人情報の取扱いの判断に迷う事例があったと承知しているところです。
災害発生時に市町村が作成する被災者台帳については、市町村の区域内の生活環境が安定しないことから被災者の生命又は身体を害するおそれがあり、かつ、被災者の生命又は身体を保護するために特に必要があると認める場合には、登録被災者援護協力団体の求めに応じて、必要な限度で台帳情報を提供できる旨の規定が昨年の災害対策基本法の改正で創設されたところでございます。
内閣府においては、引き続き、この被災者援護協力団体登録制度を適切に運用することなどにより、発災時には円滑な被災者支援が行われるように努めてまいります。
○平林委員 昨年の法改正でまさにこのことが対応されたということでございます。住民の台帳があり、それを登録された団体に対しまして渡すことができる、こういう規定になっているということでございました。
だから、これは渡すことができるということなので、自治体側も渡せるか渡せないか、渡すか渡さないか、そのことを判断をしてやっていかなくてはいけないということになるわけでございまして、そういった意味におきましては、そのときに判断できるかどうかというのは、やはり従前からの信頼関係がなくてはならないというふうに思いますので、先ほど田嶋委員が防災ということの重要性を訴えられましたけれども、こういった意味におきまして、信頼性を確保していく、確立していくという意味におきましても、やはり従前から取組を進めていくということも大事になるのかな、こんなことも感じさせていただいたところでございまして、でも、そういった意味ではしっかり進められているということも理解をさせていただきまして、ありがとうございました。
続きまして、災害に関係する話といたしまして、地域にあります消防団に関しまして少しお尋ねもさせていただきたいというふうに思います。
これも地元で伺ってまいりましたお話でございます。消防団、消防団員の皆様におかれましては、災害発生時における消火活動を始め、地震や風水害といった大規模災害発生時の救助でありますとか救出、あるいはふだんからの警戒巡視でありますとか、本当に様々な現場で御活躍をいただいており、地域防災の中核としての多大なる御貢献に心から感謝と敬意を表するものでございます。
御周知のとおり、消防団は現在、深刻な担い手不足と高齢化に直面をしておられます。結構訓練が過酷である、こんなことも伺っておりますし、また、当然、ふだんは仕事をしていらっしゃる方が団員になっておられるわけで、仕事との、本業と言えばいいんですかね、本業との両立などがなかなか難しく、若手の新規入団が激減をしている、そういった要因にもなっていると言われておりまして、時代に合わせた組織の改革が急務、このようにも考えられていると認識をしております。
地元の消防団関係者によれば、消防団員が高齢化をして、また人数も減ってきておられるので、出動に備えた班編成が難しくなっている、こんな組織もあるということも伺ったところでございます。団員募集、恒常的に取り組んではいるんだけれども、これまでの地縁、血縁、こういったものによる勧誘ではなかなか入団に至らない、こういった認識だそうです。
その上、こういう難しい状況であるにもかかわらず、ネットでは、消防団に対するネガティブ情報、例えば報酬に関する話でありますとか、あるいは、本当に訓練が厳しいぞみたいな、こういったような話でありますとか、マイナスイメージに拍車をかけるような動画等が広められている、こういったことも伺いました。
そこで、御質問申し上げる内容ですけれども、こうしたネガティブ情報の拡散に関しまして、現状をどのように認識をしておられて、またどのように対応しようとされているのか、消防庁に伺います。
○田辺政府参考人 消防団に対して様々な御意見があることは承知しておりますが、大規模災害になればなるほど地域に密着した消防団の力が重要とされる中、消防団員の更なる確保を図る上でも、消防団の魅力発信やイメージアップが極めて重要と考えております。
このため、消防庁では、消防団入団促進広報事業において、女性や若者に人気のある芸能人を起用したポスターやPR動画の作成、女性や若者をターゲットにした入団促進イベントの開催、若者が触れる機会の多いSNSを活用した効果的なPRなどの広報を推進してきたところです。
引き続き、幅広い住民に向けた積極的な広報活動を展開し、消防団の魅力発信に努めてまいります。
○平林委員 時間が押してまいりまして、ちょっと飛ばさせていただいて、四番の質問をさせていただけたらというふうに思います。
先ほど、少し報酬に関することということも申し上げましたけれども、消防団員に対する報酬は、団員個人に対して直接支給する、これが原則とされていますけれども、これまでの慣例の中で、実際には直接支給がなされていなかったり、支給されていても、報酬の全部又は一部を消防団や分団に支払うように求めることや、あるいは消防団の幹部が、団員の預金通帳、キャッシュカード、印鑑等を預かって預金を引き出す行為があったようにもお聞きをしているところでございます。こういったことは消防庁のホームページにも記載がございますけれども、こうした行為は、基準の趣旨を大きく逸脱するものであるため、早急に是正することが望ましいと同ホームページにも記載されているところでございます。
このような行為、現状をどのように把握をしておられ、どのように対応しておられるのか、消防庁の見解を伺います。
○田辺政府参考人 消防団員に対する報酬については、令和三年四月に定めた消防団員の報酬等の基準において、報酬等が消防団員の労務に対する反対給付であることや、支給事務の透明性や消防団員間の公平性の確保などの理由から、団員個人に対し、その団員の活動記録に基づき市町村から直接支給することとし、全国の市町村に働きかけを行った結果、令和七年四月一日現在で、年額報酬及び出動報酬について九割以上の市町村で直接支給がなされております。
御指摘のような、報酬の一部や全部を消防団運営に充てるため消防団や分団に支払うよう求めることなどは、これまでも各市町村への通知において是正するよう求めてきたところであり、あわせて、このような取扱いを把握した場合には、その内容を消防庁に報告することをお願いしているところです。
引き続き、消防庁としては、報酬の個人への直接支給を徹底するなど、消防団の適切な運営が行われるよう、市町村等に対して助言等をしてまいります。
○平林委員 直接支払いが九割以上なされている、こういう御認識でございました。
いろいろな経緯がありますので、なかなかすぐにはいかないのだろうというふうには思います。そういった意味におきましても、引き続きしっかり現場を御指導いただいて、やはり時代に即して、できれば一〇〇%、これを実現いただけるように御努力を続けていただけたらというふうに思います。
様々、いろいろな課題がありますけれども、やはり消防団も非常に大事な、地域の安全、安心を守っていただく役割を担っていただいておりますので、私もしっかり応援をさせていただくということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
大変にありがとうございました。
○古川委員長 次に、神谷裕君。
○神谷委員 中道改革連合・無所属の神谷裕でございます。
本日は、質問の機会をいただきましたことを、まずもって感謝を申し上げたいと思います。
また、私からも、あしたで、三・一一東日本大震災、本当に、亡くなられた方に改めて心からの弔意を、そして被害に遭われた方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず最初に、自治体の財政、やはりしっかり考えていかなきゃいけないなと思っておりまして、交付税、地方税、地財計画、これを考えていく上で、まず、地方の自治体の現在の財政の状況をしっかり見ておくべきだと思います。
そういった意味において、現在の自治体の財政の状況についてどのような認識にあるのか。また、更に考えますと、交付税、あるいはその在り方を考えていくときに、どういう状況であれば、いわば十分と言えるような状況なのか。
当然、皆様方、それぞれ首長さん方あるいは地方の皆さん方にお会いになると、いや、財政厳しいんだよね、いや、厳しいんだという話ばかりを聞くと思うんですが、私も聞いているその一人として、果たしてどういったところを目指していけばいいのか、示唆というか、そういったことがあればお知らせをいただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○林国務大臣 大変根源的な御質問だというふうに思っております。
この令和八年度の地方財政計画においては、臨時財政対策債の新規発行額、これは昨年度に引き続きゼロとしておりまして、地方財政は特例的な地方債に依存せずに運営できる状況となっておるわけでございます。
一方で、地方財政は、巨額の特例的な債務残高を抱えておりますので、引き続き厳しい状況にある、そういうふうに認識しております。
今後を見通しますと、やはり、社会保障関係費ですとか人件費の増、また物価高などによる歳出の増加圧力、こういうものが大きくなっていくと考えられますので、税財政基盤が脆弱な地方自治体も多く、厳しい財政運営はまさに続くと見込まれるわけでございます。
どういう状況になったら十分なのかということでございますが、それぞれの自治体でいろいろ御事情はあるとは思いますけれども、どういうような自治体であっても一定水準の行政サービスを提供できる、そのための財源を保障する、これが国の責務でございまして、地方財源をしっかりと確保した上で、特例的な地方債に頼らない財務体質を確立するということ、そして、先ほど申し上げたような、特例的な債務残高、これを縮減をしていく、このことが重要であるというふうに考えております。
○神谷委員 まさに大臣のおっしゃるとおりだと思います。
長期的に見たときと、短期、当該年というか単年度というか今年一年を見たときとやはりあるんだと思います。長期的に見たときに、今おっしゃっていただいたような、社会保障であるとか、あるいはこれまでのたまっている債務のところであるとか、あるのかなと思います。
ただ、当然ながら、この地方交付税で考えたときには、単年度、今年の経費はどうなのかということを見なきゃいけないと思います。
そういった意味において、今年の、増額をしていただいているということ、これについては率直に評価を申し上げたいと思いますが、果たしてこれで十分と言えるのか。今回出している金額で、確かに増えたことはよしとしながらも、これで果たして足りていると言えるのか。それについての御認識はいかがでしょうか。
○林国務大臣 先ほど申し上げましたように、臨時財政対策債の新規発行額、昨年度に引き続きゼロとしている一方で、今委員にもお触れいただいたような増額を実現をしたところでございまして、地方団体からも評価をいただいているところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
地方から、自治体からも評価があるということは本当にすばらしいことだと思います。
ただ、本当にこれで足りているかどうかということは、逆に言うと、しっかり見なきゃいけない。増えたからよしとしない、むしろ、増えていたとしても足りない、その可能性もあるんじゃないかというふうに実は心配をしております。なぜならば、自治体の首長さん方は口をそろえて厳しい厳しいとおっしゃるからです。
だとするならば、当然ながら、この地方交付税、単位算定というのか、そういったものを積み上げた上で基準財政需要額というものを作っていく、そのことは十分に承知をしておりますけれども、果たして基準財政需要額、これが本当に妥当な数字なのかどうか。ここについてはいかがでしょうか。
○出口政府参考人 お答えいたします。
地方交付税の単位費用でありますけれども、地方財政計画を通じて確保した一般財源に基づきまして、各地方自治体の行政運営に必要な経費というものを算定するために設けていくものでございますけれども、そういう意味では、まず、全体としての一般財源総額がしっかり確保できたかどうかということが、単位費用としては十分であるかどうかということにつながってくるのであろうかと思っております。
令和八年度の地方財政計画につきましては、先ほど大臣から答弁申し上げましたとおり、物価高ですとか、人件費の上昇、それから社会保障関係費の増加といったものを地方歳出に計上した上で、それに必要な一般財源総額を確保するという観点で策定したものでございまして、結果といたしまして、前年度を三・七兆円上回る六十七・五兆円の一般財源総額を確保したところでございます。
この地方財政計画については、先ほども答弁いたしましたように、地方側から評価をいただいているところでございまして、その財源総額を公平に配分するという観点から、しっかりと単位費用の積算を行ったところでございます。
以上でございます。
○神谷委員 局長、今御答弁いただいたとおり、総額を確保して、それからということになると思うんですけれども、本来の順序でいえば、やはり単位算定が先に来ていて、そこの積み上げの中で最終的に総額が決まっていくということが本来の在り方じゃないかなと思っていまして、更に言えば、そこで過不足があれば、当然不足があるのであれば法定税率を変えていくみたいな判断になっていくと思うんですけれども、少なくとも、単位算定の考え方、ここにおいては、やはりしっかりとしたニーズというか、これくらいかかるんだというものをしっかり算定していただいていると思うんですけれども、そういった考え方でいいのかどうか、念のため確認させてください。
○出口政府参考人 お答えいたします。
普通交付税の算定に用います単位費用につきましては、都道府県、市町村とも標準的な団体を想定いたしまして、その標準的な団体が標準的な行政運営に必要となる経費を、いわば標準予算をつくるような形で積み上げを行って、それに基づいて単位当たりの費用を求めているものでございます。
この単位費用の積算に当たりましては、地方財政計画、マクロベースで作るのと同様でございますけれども、物件費や人件費の増加といったもの、そしてまた、社会保障制度の改革や、令和八年度に関して申し上げますと、いわゆる教育の無償化といった制度改正に伴う地方負担の増加といったものをきちんと織り込んだ上で、必要な額が措置されるように額の積算を行ったものでございまして、各地方団体の財政運営に必要な財源が保障される水準になっているものと考えております。
○神谷委員 局長、ありがとうございます。
その上で、今おっしゃっていただいたように、標準的な自治体ということになっていると思うんです。じゃ、標準的な自治体と考えたときに、当然、財政力の強い自治体と財政力の弱い自治体があるんだと思います。当然ながら、強い自治体であれば標準的な経費というか単位算定で十分だと思うんですけれども、逆な言い方をすれば、財政力の極めて弱い地域においては、この標準的な部分ではやはり賄い切れないんじゃないかなと思うんです。その辺については何か工夫はされているんでしょうか。
○出口政府参考人 お答えいたします。
先ほど申しましたように、単位費用の積算は、あくまで標準的な団体が標準的な行政運営を行う場合に必要となる経費というものを見込むものでございますけれども、当然ながら、各地方団体が置かれている社会的、経済的な条件は様々でございまして、厳しい地方団体の状況というものは算定に反映しなければいけないと考えております。
例えば、人口が少ない団体は一人当たりの行政コストが比較的高くなるという傾向がございまして、そういうふうな、人口が少ないほど経費が割増しになるといったことは、別途補正によって反映をするということになっております。
そのほかにも、寒冷地でありますと、積雪があり、道路の除排雪経費などが必要になってまいりますけれども、こうした要素は標準的な単位費用の中には入っておりませんでして、積雪度に応じた級地を設けた上で、補正を講ずることによって必要な経費を加算するということにしております。
こうした、それぞれの地域が置かれた状況を適切に反映をした上で普通交付税の基準財政需要額を算定する、このようにしているところでございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
いろいろと補正、係数を掛けたり、いろいろやっていただいているとは思うんですけれども、やはりここを、しっかり見なきゃいけないのは、一番厳しい財政力の自治体がしっかりと行政運営ができるように配慮していかなきゃいけないと思うんです。
その上で、あえて最初に大臣にも申し上げましたけれども、地方の財政状況は十分と言える状況なのかどうか、今回の交付税で十分と言える状況なのか、やはりそこは見ていかなきゃいけないと思うので、そういう意味において、単位算定の工夫であるとか、あるいは基準財政需要額の考え方であるとか、ここはやはり不断に見直していかなきゃいけないと思いますし、特に財政力が弱い自治体にしっかり配慮しながらやる必要があると思うんですけれども、これについて、大臣、いかがですか。
○林国務大臣 今局長から申し上げましたように、いろいろな補正をしたり、それから特殊な事情、積雪ですとかいろいろなものを加味して算定を行う、こういうことでございます。
実際にかかる費用というのを全部積み上げて、それから、地方自治でございますから、それぞれ首長さんがおやりになりたいことも千差万別だと思いますけれども、そういうことの中で、まあまあ、全ての地方公共団体が例えば不交付団体であればこんなことはしなくていいわけでございますけれども、ほとんどの団体が交付団体であるということでこういうことをやっているわけでございますので、不断の見直しは必要であるというのは当然のことだと思いますが、地方公共団体の御意見もよくお聞きしながらやってまいりたいと思っております。
○神谷委員 大臣のおっしゃるとおりだと思うんです。もちろん、全てを国が支援する形には当然ならないと思います。そういう意味では、自治体にも当然頑張っていただかなきゃいけないというふうに思います。
そういった意味で、いわば、地方の行政を運営していく、最低限ここが必要なんだというところを十二分に担保していただければ、それで、ある種国の責任は全うできるんだろうというふうに思うんです。その国の責任を全うできる上で、果たして現在の交付税の単価が十分なのか、単位算定の在り方がこれでいいのかということについて、しっかりと見ていただきたいという思いで質問をさせていただきました。
是非また、不断の見直しと今おっしゃっていただきましたけれども、そういったことでお進めをいただきたいのと、あえて申し上げますが、特に財政力の弱い自治体をしっかり見ていただいた上で、標準的だとどうしても、なかなか、半分より下が全部厳しくなってまいりますので、そういったところをいかにして、もちろん、先ほど言っていただいたように、いろいろなものを掛けて、いろいろな状況に合わせて考えてはいただいていると思うんですけれども、その際に一番考えなきゃいけないのは、やはり一番財政力の弱い自治体だと思いますので、この点のところを是非御配慮いただきますように、改めて、これはお願いという形ですが、お願いをしたい、このように思います。
続きまして、交付税の大きな役割は、やはり税源の偏在だと思います、税源の偏在を是正するための交付税でございますが、本来、自治体行政運営の経費補償の意味合いであると思いますので、本来は全ての交付税が純粋に、いわば自治体の判断の下に使われるべきということだ、これが原則だというふうに思います。
そういう意味においては、極力国において政策誘導に使うということは慎むべきではないかなと思うわけでございますが、この考え方でよいのか、大臣の所感はいかがでしょうか。
○林国務大臣 神谷委員おっしゃるとおりでございまして、この地方交付税、これは地方の固有財源でございます。地方交付税法にもこう書いてございまして、交付に当たって、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない、こう規定がございますので、使途の定めのない一般財源でございます。
したがって、当然のことでございますが、国が特定の施策を奨励する国庫補助金とは性格が異なっておりますので、国の政策誘導のために用いるものではないということでございます。
○神谷委員 私は本当に大臣の考えに同意をさせていただくんですが、ただ、その上で現状の使われ方を見ていますと、どうしても一部、政策誘導的、あるいは、いわば裏負担みたいな形で使われている面もあるのかなというふうに率直に思っています。これが数年にわたると、当然、地方財政の固定化を招くというようなことも懸念されるところでございますので、是非、こういう使い方は極力避けるのがやはり妥当なんだろうというふうに思います。
そういった意味では、現在の在り方というのは必ずしも、ちょっと疑問符がつくところでございますけれども、そんな状況についてやはり今後変えていかなきゃいけないという認識があるんですが、これについてはいかがでしょうか。
○出口政府参考人 お答えいたします。
先ほど大臣から答弁いたしましたように、地方交付税につきましては、国が特定の施策を奨励する国庫補助金とは性格が異なっておりまして、国の政策誘導のために用いるものではございません。
私ども、基準財政需要額の算定の際に様々な指標を用いまして各団体の財政需要を捕捉するように努めているところでございますけれども、私どもとしましては、標準的な行政運営を行う地方自治体の財源がきちんと確保できますように、その財政需要を適切に捕捉するにはどういう指標を用いるべきかという観点で算定方法の検討を行っているところでございまして、それが結果として、各団体、積極的に取り組もうとする自治体にとって安心につながっていった側面もあろうかと思いますけれども、あくまで、適切な財政需要の捕捉に立って制度を設計するんだという考え方に基づきまして今後も制度運用を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○神谷委員 局長、その考え方は私も是とさせていただきたいと思います。
そういった意味においては、もしも政策誘導に使う部分があるのであれば、この基準財政需要額を超えた上乗せ部分としての措置みたいなことができればいいのかなと思っていますし、ただ、総額が決まっている中だとなかなか難しいのかなとは思うんですけれども、できることであれば、これは別枠でつくってくださいというのが率直なお願いです。これはお願いです。
その上で、税源の偏在是正の意味では、今回の利子割については大変評価をさせていただきたいと思います。
昨今は、東京というのか、首都というか、地方でも、私は北海道でございますが、札幌に集中するとか、大都会に集中する傾向がございます。今回の金融機関ばかりでなくて、例えば、支店や事業所を持たず、ネット等で販売や営業などを賄う事例が散見されるわけでございますけれども、こういった事例がほかにもたくさんあるんじゃないかと思いますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
総務省では、地方税制のあり方に関する検討会を設置し、税収偏在などに関する原因、課題の分析を行ったところでございますが、この分析におきまして、近年の法人の事業活動、組織形態の変化といたしまして、大法人の本社集中、ECの拡大、フランチャイズ事業、持ち株会社化の伸長などが進み、地方法人課税の税収が東京都に集中する状況にあると指摘されているところでございます。
その中でも、特に、東京都以外に事務所を持たず、東京都のみに納税する法人の税収が増加しているところでございます。これは、地方に支店等を持たずに事業を行う事例でございまして、大変重要な課題であると認識しているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、令和八年度与党税制改正大綱におきましては、特に偏在度の高い地方法人課税における税源の偏在を是正する追加的な措置を検討し、令和九年度税制改正において結論を得るとされたところでございまして、総務省といたしましては、この方針に沿って具体的な取組について検討を進めてまいりたいと考えております。
○神谷委員 先ほども田嶋先生からお話しありましたけれども、やはりこれは早急に是正をしなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。
今ほど、いろいろな事例があることを総務省も認識をされていたというふうに思いました。だとするならば、これはやはり一刻も早く是正をしていただきたいというふうに思うところでございます。その是正について、是非早急にやっていただきたいんですけれども、お考えはいかがでしょうか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま申しました与党の大綱におきましては、新たに法人事業税資本割を特別法人事業税・譲与税の対象とするとともに、所得割、収入割に係る特別法人事業税・譲与税の割合を高めるなどの措置を検討しという形で、具体的な方向について明記されているところでございます。
総務省といたしましては、この方針にのっとりまして、令和九年度税制改正において結論を得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○神谷委員 今、与党においてという言葉だったものですから、あくまで総務省がということで考えたときには、是非、与党の考え方もまとめていただかなければなりませんけれども、政府もしっかりと後押しというか、むしろ前向きに取り組んでいただきたいという思いでございますので、その点もよろしくお願いをしたいと思います。
次の質問なんですけれども、私の選挙区は三十二の自治体がございます。かなり多い方じゃないかなと思っています。これについては、実は渡辺委員と全く同じなんです。というのは、同じ選挙区なものですから。なんですけれども、その中には、老朽化の進んだ自治体の役場がたくさんございます。そういった自治体の皆さんからは、緊防債の延長、これは本当に、非常に、大変に歓迎をされております。
今、地方自治体の財政力は決して高くはございませんが、そういった老朽化した公共施設などの集約、再編、更新などが非常に、大変悩ましい問題となっております。建てる方の支援についてはこれまで様々お考えをいただいていたと思いますけれども、除却についての支援、先ほども質問にありましたけれども、実は余り充実をしているとは思えないと私は思っています。
一方で言いますと、私の選挙区ばかりではなく、この国全体が人口減という中で、いわば縮小、再編というか、そういったことも必要になってくるんじゃないかなと思います。
これから持続的な町をつくっていく上でも、こういった、縮小、再編というのかコンパクトシティーというのか、一種の集約みたいなものが必要であると思いますし、その際に、ある意味、前向きな意味での除却みたいなものが必要なんじゃないかと私は思うんです。
先ほど橋の話もありましたけれども、こういった除却費用について、今後、総務省として面倒を見るというか、支援をしていく考えはないのか、これについて伺います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
公共施設等の老朽化に対し、長期的な視点を持って適正化に取り組むことが重要でありますので、総務省におきましては、公共施設の集約化、複合化といった取組につきまして、公共施設等適正管理推進事業債による措置を講じております。
令和七年度からは、自治体からの要望を踏まえまして、公共施設の集約化、複合化等に伴って施設の除却を行う場合に、この除却事業を対象に追加し、その元利償還金への交付税措置を講じるようにいたしております。令和八年度におきましては、この除却事業の対象に公営住宅等も加えることといたしました。
また、さきに答弁いたしましたが、老朽化した橋梁への対策を強化するため、令和八年度から、緊急自然災害防止対策事業債につきまして、災害の発生予防、拡大防止のために実施する橋梁の除却を対象事業に追加することといたしております。
総務省としましては、各自治体におかれまして、これらの措置を活用し、公共施設等の適正管理に一層取り組んでいただくことを期待いたしております。
以上でございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
しかしながら、本当にもう大分厳しい状況にあるというふうに思います。
私の選挙区でも、橋なんですが、実際にもう大変厳しい橋なんです。しかしながら、反対側に住人がほぼいないというようなこともあって、いわば通行止めみたいな形でしのいでいる。実際に崩落するのを待つわけではないのですけれども、そうならなきゃとてもとても、除却できないみたいな、そんな話も聞いてまいりました。
これは多分、うちの選挙区だけではなく、全ての、全国津々浦々にある事例だと私は思います。そういった意味においては、縮小、再編とはあえて言いません。ただ、適正化ということで、是非こういった、除却費用というのか再編費用というのか、あえて除却費用の方にこだわりたいと思いますが、これを充実させていただきたいと思います。
大臣、この考え方はいかがでしょうか。
○林国務大臣 かつて私、農水大臣のときに、棚田をやる人がいなくなった、一体どうしていくのか、こういうのを随分中で議論したときに、結局、これはたしか大臣として答弁したと思いますが、米の需給にも配意をしながら、最後は森に返していくということはあってもいいのではないかということを、検討の結果、答弁したことがございます。
同じことだと言うつもりはございませんが、まさに、いろいろな人口の対策を打ちながらも人口減少局面が続いていくと、私の地元は、市町村、村はございませんが、合併していますから六個ぐらいしかないんですけれども、しかし、そういうところがございますので、やはり、そういったところはその地域地域の御判断に応じてしっかりと、御判断が下された場合はその推進についてできることをしっかり後押しをしていく、こういうことになろうかと思います。
○神谷委員 大臣、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
大臣が農林水産大臣だったということは私もよく覚えておりまして、それに触れるわけではないんですが、森林環境譲与税について伺わせてください。
譲与基準の見直しが実施されましたが、文字どおり、森林の有する公益的機能を維持向上させ、また、パリ協定での約束を遵守するための森林整備予算は極めて重要だと考えています。基準の見直しは本当にありがたかったんですけれども、依然として、まだ都市における譲与額が大きいのではないかということを課題として持っております。
残念ながら、森林の多い山村地域には相対的に低い配分額しかまだ行っていないというのが現実だと思います。負担は、当然、環境をよくしたことによって利益を得る人口に応じる、これはそのとおりだと思いますが、一方で、出していく方については、人よりも、やはり森というのか林というか、木に対して、割合に対して配分すべきではないかと思います。
そういった意味において、基準をもう少し変えていく必要があるのではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○林国務大臣 これは、実はずっと自民党の税調で、私も長いものですから、大変思い出深い税でございます。まさに森の立場からいえば、森のためなんだからと、こういうことを言って、ただ、御負担いただいているのは全国の皆様ということになりますので、森が必ずしも多くない自治体からは、森だけにというわけにいかぬだろう、こういうかんかんがくがくの議論をしてスタートさせて、先にサービスが出て後から森林環境税を徴収するというようないい仕組みも、当時の総務省の御協力も得てスタートしたわけでございます。
そういった経緯の中で、実は六年度の税制改正で、譲与基準について、それまでの活用実績等を踏まえて五〇から五五にすると。そんな細かく刻むなということかもしれませんけれども、何とかそういう見直しを行うことができた、こういうことでございまして、各自治体における森林整備を始めとする必要な政策の推進につながると考えております。
令和六年度の与党大綱で、譲与税の一層の有効活用を促していく、こういうふうに書いておりますので、総務省としても、この方針に沿って、林野庁など関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思っております。
○神谷委員 是非、私としては、森にいっぱい使っていただけるようにお願いをしたい、このように思います。
次に、地方財政を考えたときに、先ほど、国からの仕送りとしての交付税ということについてお話をしましたけれども、それとは別に、やはり地方独自でも税収を上げる努力というのが絶対必要なんだろうというふうに思います。
国に徴収してもらってそれを、分配を受ける、これもある種必要なことでありますけれども、地方もやはり汗をかいていただく、この部分が必要だと思いますけれども、大臣、この考え方はいかがでしょうか。
○林国務大臣 まさに委員がおっしゃったとおりでございまして、地方団体が地域の実情に即した行政サービスを提供して自立した自治体運営を行うということ、そのためには、やはり地方団体が自らの財源により財政運営を行う、これが理想でございます。
このため、全国の各地方団体においては様々な工夫をされておられまして、徴収率の向上の取組を行っているものと承知をしております。
さらに、地方団体が自主性を発揮して行財政運営を行うために、自らの判断と責任において法定外税の新設や超過課税といった課税自主権を活用して財源確保を図ることも大変重要である、こういうふうに認識をしております。
近年、宿泊税を導入する団体が全国的に増えているところでございまして、各地方団体がこうしたような、地域の実情に応じて課税自主権の活用を進めていただいているものと考えておりまして、しっかり後押しをしていきたいと思っております。
○神谷委員 ありがとうございます。
地方にも、ある意味、稼いでいただくというわけではないのですけれども、しっかりつくっていただくということも大事だろうと思いますので、まさに大臣の発言は、我が意を得たりという思いでございます。
その上で、いわば風聞の類いかもしれませんが、よく言われるのが、地方税において、自治体の独自上乗せ分は、税収増にはなるものの、増額分は次年度以降交付税の減額につながったという言い方をされる方が実はおられました。あるいは、昨年の実績を基に、今年度雑収入として、総額としてですけれども、二千四百五十一億円見込まれておりますけれども、この部分を基準財政収入額に算入された結果として、交付税引下げの要因になるのではないかとか、いわば、そういったお話を聞いたんですけれども。
確かに、雑収入の中には、地方自治体の皆さんが一生懸命汗をかいて、例えば、駐車場の係員の方を、いわば、一生懸命リストラしたというか、説得をして、機械に変えた。努力の結果として多少のお金が生まれて、その部分が雑収入に入っているんだから、自分たちが汗をかいた分が、結果として収入が減るなんということにつながっているんじゃないかみたいなことを言われたんですけれども、そういったことが事実なのか。
あるいは、そういった、地方の皆さんが独自で頑張った部分については、交付税としてはまた別の世界なんだよということを、そういうことであるならば、しっかりと言っていただきたいんですけれども。
これはもう事実関係の話でございますから、政府委員にお願いします。
○出口政府参考人 お答えいたします。
地方交付税の算定で用います基準財政収入額は、各地方自治体の標準的な税収見込額などを合理的に測定するものでありまして、算定の対象となるのは、法定普通税を主体とした標準的な地方税等の収入見込額となっております。
御指摘ございました、地方自治体の超過課税や法定外税、あるいは雑収入につきましては、基準財政収入額の算定には反映をされません。これらの収入を確保したとしても、普通交付税の減少にはつながらないということになっております。
このように、地方交付税制度は、自治体の自助努力による収入増が財源の確保につながる仕組みとなっております。
以上でございます。
○神谷委員 ありがとうございます。
結構いろいろな方に言われるんです。努力した部分で、結果として交付税を減らされるんじゃないか。それが間違いなんだということはしっかり言っていただきたいと思いますし、そういう意味では、独自で財源を稼ぐこと、これは大事だと思っていますので、そういったことでストップがかかってもいけないと思いますので、そういったところは是非、誤解のないような周知、広報というのか、それをお願いをしたいと思います。
何せ複雑な制度ですから、中には間違える方もいらっしゃると思うんですけれども、そういった誤解は解いていただきたいと思いますので、これはよろしくお願いをしたいと思います。
その上で、次の質問ですが、地方自治体の財源確保の自助努力の一つとして、ふるさと納税制度があると思います。
先ほども、様々同僚議員からも質問ございましたけれども、今回、ポータルサイト事業者への手数料部分についてこれから縮減する努力をされるということについては評価をしたい、このように思いますけれども、これでもまだ多額であることは間違いない事実だと思います。実に千六百五十億円という多額の金額がまだそういった事業者のところに入っている。
しかし、本来、これは地方に、自治体に入らなければいけないお金であると思います。もちろん、百歩譲って、返礼品については地方の地場産業の振興につながるからいいかなという部分はあるかもしれませんけれども、やはりこのふるさと納税制度そのものの根本が、地方税の中では異質なものというか、違和感があるものだというふうに私は正直感じているところでございます。
その上で、やはり、自治体の取り分というのか、収納部分をできるだけ多くする努力はしていただかなければいけないと思うんですけれども、更なる縮減というのか、今回はこの方向で実際に事業者の方と当たっていただくとして、この先も同じ方向で、更に縮減をする努力、いわばこの千六百五十億円を極力自治体の懐に入れていく、その方向で進めていただきたいと思うんですけれども、これについてはいかがでございましょうか。
○林国務大臣 令和六年度におけるふるさと納税の受入額ですが、一兆二千七百二十八億円まで拡大をしておるところでございます。
一方、先ほども申し上げましたけれども、ポータルサイト運営事業者への手数料等が千六百五十六億円ということで、受入額の一三%にも達しておる、こういう状況でございます。
まさに委員おっしゃっていただいたように、受け入れられた寄附金というのは、ふるさと納税制度の趣旨に即して、自治体における行政サービスの充実ですとか地域振興のために活用されるべきでございまして、この区域外に流出するポータルサイト事業者等に支払う手数料等については、できる限り縮減していく必要がある、そういうふうに考えております。
ポータルサイトの手数料ですが、現在、各ポータルサイト事業者に支払った手数料等の詳細、これを把握するために、全国の自治体に対して調査を行っております。この調査結果をよく分析しまして、自治体の御意見も伺いながら、総務省として具体的な対応を検討してまいりたいと考えております。
○神谷委員 是非よろしくお願いをしたいと思います。
若干総務省になじまない質問かもしれないんですけれども一問お願いをしたいんですけれども、消費税についてです。
地方独自の課税としては、先ほどお話しいただきましたように、宿泊税、観光税など様々取り組んでいただいておりますけれども、こういった、外国から来られる方に対してどうやって課税していくかというのも一つ大きなポイントだろうと実は思っています。
消費税そのものが必ずしも地方税、地方に、自治体財政に寄与しないかというと寄与するわけでございますから、消費税の税収もやはり着実に上げていくことが私は必要だと実は思っています。
その意味において、今外国から来られている方について、一時的に観光で来られている方について、免税部分がそれなりにあるということを認識しておりまして、昨年の予算委員会でも、外国から一時的に来られている方に対する消費税の課税は行うべきではないかということが議論になっていたと思います。
私は、地方に財源というか、財政をよくするためにもこういった部分はやはり必要なんじゃないかと思うんですけれども、そういった部分において、総務省というか、地方にも関連があるということで、この辺についてどのように考えるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
大変恐縮でございますが、消費税制度そのものは財務省の所管でございまして、ただいま御質問ございました外国人の旅行向けの免税制度等につきまして答弁する立場にないことを御理解いただければと思いますが、地方消費税自体は、消費税同様に非常に重要な財源となっております。この消費税の税源の涵養は大変重要な課題であるというふうに認識しております。
○神谷委員 当然ながら消費税は財務の所管かもしれませんけれども、やはり、地方においてお土産もいっぱい買っていただくみたいなこともあると思いますし、その際にできれば課税しておいた方がいいのではないかなというふうにも思ったりもするものですから、是非今後検討いただきたいと思います。
御案内のとおり、日本の消費がなかなか厳しい中で、外国の方々は、いっとき爆買いみたいなこともありました。そういった方々に課税をしていくことは決して法外なことではないと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思いますし、大臣には、そういった方向で是非御検討いただけないかなということ、併せてお願いをさせていただきたいと思います。
次の質問でございます。
三・一一、明日でございます、先ほどその話もさせていただきましたけれども、能登地域においては、今、官民を挙げて必死に復興のための努力をしているというふうに拝察をしています。
一方で、三十年が過ぎようとしている阪神・淡路震災、この県債が実はまだ、兵庫県の県債ですが、償還が終わっておりません。要するに、阪神・淡路のものがまだ残っているということ、これだけ長期になっても、三十年たってもまだ残っているということ、これはやはりしっかり見ておかなきゃいけないんだろうと思います。
やはり長期にわたる支援というのが改めて必要なんじゃないかということも思いましたし、能登地震の場合、特に能登の先の方、財政力が極めて弱い自治体が多数ございます。ですので、復興を遂げても、復興するのにも相当しっかりとした支援も必要だと思いますし、短期間的な、一時的な復興が相なったとしても、その後の支援というのが、結構長いことしっかりやっていかなければ、自治体を維持発展、発展どころか維持させていくこともかなり困難ではないかなというふうに考えております。
やはりこういった災害復興について、息の長い支援、しっかりやっていただかなきゃいけないなと思うんですけれども、これについての大臣のお考えを伺います。
○林国務大臣 能登も、私も視察をしてまいりましたけれども、復旧復興、できる限り被災自治体の財政負担を軽減しなければならないということを、行くたびに目の当たりにするということでございまして、様々な措置を講じてきております。
例えば、災害復旧事業でございますが、地方債の発行を可能としておりまして、この元利償還金に対して、国庫補助事業については九五%、地単は財政力に応じて八五・五%まで交付税措置を講じておりまして、特例的に、能登半島地震については償還年限の延長も行っております。通常十年のところを二十年まで延長したところでございます。
それから、災害廃棄物の処理、中小企業の復旧支援等に要する費用の財源として発行することのできる地方債、これも、発行可能年度を令和八年度まで一年延長する政令を先週閣議決定いたしました。
また、地震からの復興に向けまして、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間といいますか、ぽてんヒットが出ないように、年度を超えて長期にわたって弾力的に対処できる資金ということで地元からも御要望がございましたので、石川県が創設した復興基金に対しまして、令和六年六月でございましたが、五百二十億円の特交措置を行ったところでございます。
こうしたいろいろな措置をしっかりと使って後押しをしてまいりたい、こういうふうに思っておりますし、引き続き、被災地の実情を丁寧にお伺いして、関係省庁とも連携して、被災自治体の財政運営に支障が生じないように適切に対応してまいりたいと考えております。
○神谷委員 おっしゃっていただいたとおり、支援は本当にありがたいところでございますし、やっていただかなければいけませんけれども、注目を浴びているというか、震災が起こった数年、いわば病気でいうところの急性期の頃は手厚い支援があるけれども、回復期になると途端に減るよねなんということがあると、そもそも財政力が弱いところでは厳しいというのが実情だと思いますし、下手をすれば、もう人が帰ってこない、人が住めなくなる、そんな危機意識も持っているものですから、できることであれば、今の時点でも、長い支援をやっていくんだということ、先ほど阪神・淡路の話もしましたけれども、三十年たってもまだ県債が残っているというような現状があるわけでございますから、先ほど十年を二十年にしたというお話もありましたけれども、ひょっとするとそれでも足りないのかもしれないということも是非お含みをいただいて、今後も復興のために汗をかいていただくことを心から御要望申し上げます。よろしくお願いいたします。
最後の質問でございますが、さきの代表質問の際、先般の総選挙について伺ったと思います。そんな中、解散表明から非常に短期での選挙となったため、在外投票や洋上投票など、投票することができない場合があったのではないかということを大臣に伺いました。大臣からは、周知啓発の実施や投票用紙の迅速な送付に努めるなどの取組について御紹介をいただいたわけでございますけれども、実際に投票権が行使できなかった方がいなかったのか、そのことについて直接御答弁がいただけなかったということでございます。改めて、その事実がなかったのか伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○林国務大臣 在外投票や洋上投票については、そもそも選挙人が投票しにくい状況にあるということで、今回の総選挙に限らず、これまでも、投票する意思を持ちながら投票できなかった方がいらっしゃるということは承知をしております。総務省として、今回の総選挙においても有権者の投票機会の確保に努めたところでございます。
これはもう本会議の答弁にも少し触れさせていただいたとおりでございますが、在外投票について、できる限り多くの在外選挙人に参加いただけるよう、総務省や外務省から在外選挙人に対して、解散日や公示日にかかわらずいつでも郵便等投票の投票用紙を請求できることを周知啓発をしております。
また、総務省から各選挙管理委員会に対して、衆議院の解散の日よりも前に投票用紙等を発送することとしても差し支えないという旨を周知するとともに、在外選挙人への投票用紙を最も迅速な方法で送付をするということを要請をしたところでございます。
洋上投票についても、船員は時期を問わず投票の申出ができるものでございまして、事前に総選挙の日程が分からない場合でも手続が可能となっております。この旨を総務省ホームページにおいて、制度の説明、リーフレットの掲載を行うなど、周知啓発を行ってまいりました。
海外在留邦人の皆様や船員の皆様に積極的かつ適正に選挙に参加いただくことは重要だと考えておりまして、今後とも、各選挙管理委員会等と連携して、有権者の投票機会の確保、これに努めてまいりたいと考えております。
○神谷委員 是非、総務大臣、実態を調べるというか、調査をいただきたいと思います。
要するに、印刷にも日数がかかりますし、いわゆる投票用紙、ユポ紙ですから、乾かすのにも一定の時間がかかるということを承知をしています。ですので、短期に準備をしようとしても限界があるというか、物理的な困難があるというふうに思っています。
もちろん、そのことが解散権の制約になるかどうか、その議論はしたいとは思いません。ただ、実際の、実務上のことを考えたときに、これくらいのリードタイムがないとできないんだということはあらかじめ総務省あるいは選挙部において認識をしていただきたいと思いますし、適切なそういった助言というものを総理に上げていただく必要が私はあるというふうに思います。
ましてや、選挙区においてもそうですけれども、要は、裁判官の国民審査、これについても当然数日遅れたというふうに聞いています。これは印刷の関係もあると思いますし、順番の関係もあったと思いますけれども。
やはり投票環境は、最低限国の責任においてしっかりやっていかなきゃいけない大事な大事な事項だと思いますので、そこに是非御留意をいただいて、せめて、組織の中で持っていただいても結構ですから、どれくらいの日数は最低限かかるんだ、そのためにはどれくらいのリードタイムが最低限必要なんだということはあらかじめ内部で持っていていただきたい、そのことを思いますし、その上で、今回のことはいい事案になると思いますので、是非検証いただいて、総理にも上げていただきたいと思います。
そのことは御要望とさせていただいて、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○古川委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時三十二分休憩
――――◇―――――
午後一時三十分開議
○古川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。岩谷良平君。
○岩谷委員 日本維新の会の岩谷良平です。よろしくお願いいたします。
まず、公営企業経営改善特例債に関連しまして、水道事業の広域化についてお伺いをいたします。
私の地元であります大阪では、広域水道企業団による浄水場の統廃合や、スケールメリットを出して、効率化と安定化を今達成しつつあります。そして、今回、充当率一〇〇%の公営企業経営改善特例債が創設され、広域化の出口コストをカバーできるということは一歩前進だというふうに歓迎をしております。
しかし、全国では、広域化は遅々として進んでおりません。実は、今、大阪は先進地だと申し上げましたけれども、しかし、私の選挙区であります東大阪市でも、二年前に、市長が進める水道事業を大阪広域水道企業団に統合するという案が市議会の反対により否決をされたということがございました。首長が推進をしていても、議会がノーを突きつけたという形になっております。
ちなみに、賛成は維新の会で、反対は自民党さん、公明党さん、共産党さん、参政党さんなど、多くの会派の皆さんが反対をされた。反対の理由は、一つは、決定権が市議会から企業団に移ってしまうと水道自治権がなくなってしまうんじゃないかというような懸念とか、経営シミュレーションが甘くて、将来的な府域一水道になったときに他市の赤字を東大阪の負担で補填させられるのではないかというような懸念とか、あるいは、職員の皆さんの身分が移管されることになりますので、技術的な弱体化が起こったり、モチベーションが下がったりするんじゃないかといった様々な反対理由が挙げられたということでございます。
やはり、今回のように、財政支援策など、いわゆるあめが提示をされても、なかなか議会側で、周辺自治体との利害調整であるとか、あるいは、独自の財産だと捉えている皆さんからすれば、それを手放すことに対して非常に慎重になるということかなというふうに思います。まさに、全国的に水道広域化をしていくための最大のハードルを象徴する出来事が私の地元で起こったんではないかというふうに思っております。
広域化が全国的に進まない原因は、こうした財政面以外の壁にもあると考えておりますが、まずは、政府としては、水道を含む公営企業の広域化を進める立場で間違いないかということを確認をさせていただいた上で、その推進に当たっての最大のボトルネックはどういうことだと認識をしておられて、そして、それをどのように解消されていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
水道事業につきましては、人口減少等による料金収入の減少や、施設の老朽化に伴う更新需要の増大、技術職員の不足などによりまして、経営環境が厳しさを増しております。
将来にわたり持続可能な経営を確保するためには、スケールメリットによる経費削減や組織体制の強化等の幅広い効果が期待できる広域化の取組などによって、経営基盤の強化を図っていくことが重要であると考えております。
そのために、総務省におきましては、広域化等に係る施設整備に対して地方財政措置を講じるほか、広域化等の取組を技術的に支援する専門アドバイザーを派遣するなど、自治体の取組を推進してまいりました。
広域化に取り組むに当たってどのような課題があるかということでございますけれども、自治体からは、広域化の検討に関する人材やノウハウの不足、中核となる都市の参画の難しさ、水道料金格差から住民合意を得ることの難しさなどの課題があると伺っております。
総務省としましては、こうした意見を踏まえながら、引き続き、関係省庁とも連携して、自治体の広域化等の推進が図られますように取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○岩谷委員 総務省としても御努力をいただいているということでありますが、やはり、この人口減少社会の中において、こういった水道事業を含む公営企業の広域化というのは不可欠であると思いますので、一層の、先行事例の横展開であるとか、あるいは調整機能の発揮等で、合意形成に向けました支援というものをお願いをしたいというふうに思います。
続きまして、交付税特別会計の支払い利子が急増しているということの問題についてお伺いしたいと思います。
交付税特別会計の借入金残高は、令和八年度末見込みで二十二・六兆円。今回、当初計画の七千億円から二兆二千億円に償還を前倒しし、さらに七千億円を国の一般会計に振り替えることで、交付税特別会計の借入金残高の圧縮に努めておられるということは評価をさせていただきたいと思います。
しかし、借入金残高が、令和四年度から比較しますと、二十九・六兆円から二十二・六兆円に減少したにもかかわらず、金利上昇の影響を受けて、支払い利子予算額は七百九億円から三千七百七十三億円と五倍以上に膨れ上がっております。この利子は交付税総額から減額されるため、金利が上がれば、実質的に交付税が目減りするということになります。自治体側から見れば、見えない減額が進行していると言えるのではないかと思います。
利子が急激に膨れ上がっていること、この現状認識と対応についてお伺いしたいと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
令和八年度の地方財政計画におきましては、足下の金利水準の上昇を適切に反映する観点から、交付税特別会計借入金の利払い費につきましては、国の令和八年度予算金利の引上げを踏まえて金利を設定し、三千七百七十三億円と見込んでおります。
交付税特別会計借入金につきましては、その着実な償還に取り組む必要があると考えておりまして、令和八年度におきましては、交付税特別会計借入金の残高について、償還計画で予定していた七千億円に加えて二兆二千億円を前倒しし、二兆九千億円縮減することとしております。この結果、御紹介ありましたように、令和八年度末の交付税特別会計借入金の残高は二十二・六兆円となり、この残高を令和三十一年度までかけて償還するという計画になっております。
引き続き、交付税特別会計借入金の利払い費につきましては、毎年度の地方財政計画の策定の際に、その時々の金利水準を踏まえて、適切な額を計上してまいります。また、安定的な行政運営に必要な地方財源を確保した上で、交付税特別会計借入金の償還に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○岩谷委員 やはり、利子が五倍に膨れ上がるというのは異常な事態だと思っていますが、この傾向は今後も続くであろうというふうに思います。
借入金の償還計画については、平成二十三年度では令和三十二年度を終期とする償還計画が定められておりました。その後、平成二十九年以降は、また繰延べ等が行われて、令和三年の当初の償還計画の終期は令和三十八年、三十二年から三十八年に後ろになった。それからまた、今回様々あって、その前に、現行の償還計画そのものは令和三十四年度とまた前に来た。そして、今回更に償還計画の終期を令和三十一年度に前倒しということで、終期が後ろに行ったり前に来たり、かなり動きがあるわけなんですね。
これはまさに、国の側の、ある意味で裁量のさじ加減によって終期を後ろにずらしたり前倒ししたりということだと思いますので、利子の急増という事態を受けて、やはり前倒しというものを今まで以上に進めていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
続きまして、交付税算定における行革に対する考え方をお伺いしたいと思います。
今回の交付税算定の見直しでは、地域の元気創造事業費において大きな転換が行われることになります。
行革努力分の算定額が二千億円程度から一千億程度と半減することになり、逆に、新たに価格転嫁分一千億円程度が創設されることとなります。行革努力分からは、人件費に関わるラスパイレス指数であるとか、あるいは経常的経費削減率、クラウド導入率の三指標が廃止をされるということであります。
我々が大阪の地で行ってきました改革の本質というのは、まさに単なる人件費等を切り詰めていくということではなくて、二重行政の解消であるとか、あるいは民営化等を通じて、仕組みを改革することで生産性を高めていくということに我々の改革の本質があります。
今回の交付税算定の転換を見ると、政府も、単なる削減ということではなくて、効率性とか、あるいは適正な対価と経済循環の取組を評価するという方向へ転換したと理解してよいのかを、確認をさせていただきたいと思います。
また、価格転嫁分の算定に用いる低入札価格調査制度の導入率について、工事関係以外の契約では市区町村の約六五%、千百二十四団体が未導入でありまして、またその九割が導入予定なしと回答している、この低入札価格調査制度、この状況をどう考えるかということもお伺いします。
さらに、中小企業庁が今年一月に、二〇二五年価格交渉促進月間を踏まえた発注者リストというものを公表されておられます。この中で、官公需の価格交渉や価格転嫁についても調査が行われております。
ちなみに、私の地元の東大阪市、この価格交渉に関して最低ランクのエの評価を受けておりまして、これは昨日の東大阪市議会でも質問が出ておりまして、市長、市議会議員の皆さんとともに改善を取り組んでいきたいと私も思いますが、総務省が行う官公需の価格転嫁促進策の効果測定の一つの参考指標として、中小企業庁としっかりと連携した上で、この調査を制度運用面での改善等の取組にしっかりと生かしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○出口政府参考人 まず私から、普通交付税の算定に関連するお答えをしたいと思います。
地域の元気創造事業費の行革努力分におきましては、これまで、各自治体が行革努力により捻出した財源を活用して地域経済活性化の取組を行っていると考えられることを踏まえまして、行革努力を反映する指標を用いた算定を行ってまいりました。
経済財政運営と改革の基本方針二〇二五におきまして、コストカット型経済からの脱却とともに、官公需における価格転嫁の徹底が掲げられていることを踏まえまして、行革努力分の算定に用いる指標を見直した上で、その算定額を減額するとともに、新たに価格転嫁分を創設するということといたしております。
御指摘の行革努力分の算定方法の見直しにつきましては、経常的経費削減率やラスパイレス指数といった指標を廃止した上で、新たにデジタルの活用や公共施設の適正管理といった政府の行政運営目標に合致した指標へと見直しを行うことといたしております。
お尋ねございました地方自治体の行財政運営につきましては、官公需の適切な価格転嫁を行いつつ、めり張りのある歳出の実現などによりまして、効率的な行政運営に努めていただきたいと考えております。
○小川政府参考人 価格転嫁分につきましてお答えをいたします。
御質問いただきました低入札価格調査制度等の活用は、契約内容の適正な履行はもとより、適切な価格転嫁を担保する上でも重要なことと考えてございます。
総務省が昨年実施した制度の導入状況調査によりますと、市区町村における工事以外の請負契約、すなわち、サービス等の請負契約について、制度の導入が進んでいない状況が明らかとなりました。
このため、総務省におきましては、市区町村への制度導入が進みますように、関係省庁とも連携しまして、例えばビルメンテナンス業務などの低入札価格調査制度の価格基準、これをお示しするなどしております。今後、自治体の取組状況のフォローアップを行いまして、その結果を公表してまいりたいと考えてございます。
また、御指摘いただきました発注者リストにつきましては、自治体においても、こうした受注者からの直接の声を真摯に受け止めることが重要であろうと考えてございます。
総務省といたしましては、全自治体に対しまして、この発注者リストを明示した通知を発出しております。今後、適切な価格転嫁のための取組がなされているかどうか全庁的な調査を行うなど、必要な対応を行うような助言をしておるところでございます。
中小企業庁とも連携しまして、地方の官公需における価格転嫁の取組を今後強力に推進してまいりたい、このように考えてございます。
○岩谷委員 ありがとうございます。
先ほど申し上げたとおり、私の地元自治体であります東大阪市を含めて、価格転嫁の取組が不十分な自治体であるとか、あるいは未導入の自治体等につきまして、今御答弁のとおり、強力に助言そして支援を、フォローをお願いしたいというふうに思います。
続きまして、大臣にお伺いしたいと思いますが、消費税の地方税化等、交付税制度の将来像についてお伺いをさせていただきたいと思います。
現行の地方財政制度は、国が地方の歳出規模を決めて、足りなければ交付税で措置するという極めて中央集権型の構造になっているというふうに考えております。今回の法改正を見ても、暫定税率廃止の地方の減収分を特例交付金で補填するなど、やはり地方の財源を国に頼るという構造になっているかと思います。
二〇一〇年に大阪維新の会ができました。そのとき、私とか、今知事をやっている吉村さんとか、大阪市長をやっている横山さん、我々がまだ地方議員にもなる前の候補予定者の段階で、大阪維新の会の、そういう勉強会に参加したんですね。
そのときに、当時の橋下知事が代表でしたから、橋下代表から、基準財政需要額というのがあると。正直に申し上げて、そういうこともまだよく分かっていない段階でした。今から十六年前です。基準財政需要額というのを国が計算をして、そして、その額があって、足りない分を交付税で措置されるというような仕組みを教えていただきました上で、そして、これがまさに、ある意味で地方自治体にとって甘えにつながっている、ぬるい行政運営につながっているんだというようなお話がありました。そして、自立する地域を達成していくためにはやはり自主財源が必要である、そして、財源、権限を、移譲を受けていくためには統治機構をしっかりと整えなければならない、その第一歩が大阪都構想なんだというような、まさに話を聞いたのを、一番最初、十六年前、今でも鮮明に覚えております。
我々維新の会は、個人の自立、地域の自立、国家の自立という理念を掲げております。これはやはり、個人が自立しなければ地域は自立できない、地域が自立できなければ国というものも自立できないんだという理念であります。繰り返しになりますが、そのためには、地方の財政も自立をしなければならないと考えております。
将来的には、消費税を地方の基幹財源と位置づけて、今の中央集権的な交付税制度を抜本的に見直し、地方間の水平的な財政調整に移行することで、自ら稼ぎ、自ら責任を負う地方分権型の国家をつくるべきだというふうに考えております。もちろん、午前中の質疑で中道の神谷委員がおっしゃったとおり、基準財政需要額の算定自体が本当に正しく行われているのかというような問題はあるかもしれませんが、やはり、本来はそういうことだと思います。
この大きな方向性という意味での考え方について、大臣の所見を伺いたいと思います。
○林国務大臣 大変貴重なお話を聞かせていただいたと思っております。橋下イズムを十六年前にお聞きをされたということであろうかと思いますが、今、岩谷委員から御指摘があったように、この地方団体、これが地域の実情に即した行政サービスを提供して自立した自治体運営を行う、そのために地方団体が自らの財源によって財政運営を行う、これはまさに理想であり、その基盤となる地方税の充実確保が不可欠である、言うまでもないことだと思います。
これまでも、個人住民税における三兆円の税源移譲や、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充、着実に取り組んできたところでございます。
その一方で、例えば消費税を地方税化する、こういうことになりますと、消費税が国、地方それぞれの社会保障の財源とされているということで、国の方の、では社会保障財源をどうするのか、こういうような課題も出てくるわけでございますのと、もう一つは、国、地方とも厳しい財政状況にある、こういうことがあるのに加えて、元々の税源、消費税の場合は消費額、これが税源で、そこに消費税がかかる、こういうことですが、ここに偏在があると、国税から地方税に税源を移譲いたしますと、結果として自治体間の財政力格差が拡大する、こういうことも考えなければいけないわけでございまして、いろいろと検討をする場合に配慮をするべきことがあるだろう、こういうふうに思っております。
もとより、どのような地域でも一定水準の行政サービスを提供できるような地方税財政制度、これを確立することは大変重要であると思っておりまして、地方税そして地方交付税などの一般財源総額の確保や、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築、これに取り組んでまいりたいと考えております。
○岩谷委員 ありがとうございます。
様々課題があることは事実であろうと思いますが、やはり、大きな方向性、理想としては、地方が財政的にも自立することであることは、大臣とも共通認識なのかなというふうに受け止めました。
今、大阪ではまた大阪都構想という話も議論され始めておりますし、また、国の方では、副首都等についても、今自民党さんと議論させていただいております。やはり、こうした真の地方分権改革というものをこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。
いわゆる大阪都構想、大都市における特別区設置につきましてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
臨財債が二年連続で発行ゼロということになりました。先ほど申し上げたとおり、私は元々大阪府議会に二〇一五年までおりましたが、やはり当時も、大阪府議会で、臨財債の問題が毎日のように議会で議論されていたなというふうに思います。それが今回、大阪も含めて発行ゼロとなったというのは、非常に大きな転換期を迎えているのかなというふうに感じております。
特に、大阪府は当時、十年連続の赤字と、そして巨額の借金というものにあえいでおりました。その大きな原因は、やはり大阪府と大阪市が二重行政で、弊害が出た結果だというふうに我々は分析をして取り組んできたわけであります。現在は、大阪府知事は我が党の吉村代表、それから市長は横山さんということで、いわば制度的ではなくて人的関係によって大阪の二重行政というのが解消されているという状況であります。
ただ、これはあくまでも、制度的なものではなくて人間関係に基づく運用レベルの話で、今、二重行政が解消されているわけなんですね。やはり、制度的に、いわゆる特別区設置法に基づいて二重行政が解消されるということが、地方財政面においても、あるいは地方の経済成長という面においても、よい影響をもたらすんだろうと私は考えておりますが、大臣のこの件についての所感をお伺いできればと思います。
○林国務大臣 まさに今御指摘があったように、大阪府と大阪市の間で、いわゆる二重行政の解消、そして、地域の成長や発展を図る観点から、都市計画、成長戦略の策定、また大学の設置等、様々な分野で事務の共同処理、またそれぞれが所管する法人の統合といった取組を進めてきたものと承知をしております。
この間、高知へ視察に行ったときも、図書館を、元々県立と市立があったのを一つにした、こういう事例を見てまいりました。最初は物すごい反対があったということでしたが、何とか一つになったら非常に便利になった、こういう事例でございましたけれども、まさに二重行政が生じやすいとされる指定都市と都道府県の間で、やはり積極的に連携を進める取組であった、大阪府と大阪市の間の場合は、そういうふうに考えておるわけでございます。
今委員がお触れになったいわゆる大阪都構想ですが、これは、大都市地域特別区設置法に基づいて大阪市を廃止して特別区を設置しよう、そういうものであると承知しておりますので、その経済的な効果は、まだ始まっておりませんので一概に定量的に申し上げるということは困難でございますが、府と市の間の連携を超えて行政体制そのものを変更するということで、二重行政の解消、いわば委員がおっしゃった、制度的に解消を図っていこうとするものだ、そういうふうに受け止めております。
○岩谷委員 高知で図書館が統合されたという話は知りませんでした。尾崎知事の頃ですかね。さすが尾崎副長官ということかもしれません。
まさにそういったところ、人の能力とか人間関係に頼るんじゃなくて、やはり制度的にしっかり担保していこうというのがこの都構想であり、これは大阪だけではなくて特別区設置法に基づくものでありますから、日本全国共通する二重行政の課題についての一つの解決策であろうというふうに思っておりますので、これも、今後も大阪で、維新の同志の皆さんやあるいは他党の皆さんとしっかり議論をさせていただきたいというふうに思います。
続きまして、不交付団体を増やす制度設計についてお伺いしたいと思います。
交付税の不交付団体は、当然よいことだ、不交付の団体が増えることはよいことだということは、言うまでもないと思います。しかし、現行制度の中には、交付団体であり続ける方がむしろメリットがある、不交付団体になれば、例えば、臨財債の元利償還金の交付税算入であるとか、各種特別交付税措置などの恩恵を失うという実態があります。
自治体がしっかりと稼ぐ力を高めて、自主財源で運営できるようになることは、先ほど申し上げた地域の自立、地方自治の理想型であるはずです。にもかかわらず、現状は、不交付団体になることが見方によっては損になるという構造があるのではないか、そうすると、自治体が大胆な施策とか改革を断行して、不交付団体を目指そうというその意欲をそぐような制度になっている可能性があるんじゃないかというふうに思います。
そこで、不交付団体を目指すことへのインセンティブを与えていくとか、不交付団体を増やすための具体的な制度とか、あるいはビジョンについて、お伺いできればと思います。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
それぞれの地方自治体においては、地方交付税にできる限り依存することなく、自らの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想的であると考えております。
一方で、不交付団体数が大きく増えるなどして、財源超過額が増加することは、地方自治体間の財政力格差が拡大するものであり、このことをどう考えるかという課題はございます。
また、近年、財政力の高い都市部の自治体において、高齢化が進展し、基準財政需要額が増加傾向にあることから、不交付団体が増加しにくい財政環境にあるというのも実情としてございます。
このため、現在、不交付団体の数について、数値目標などを示した上での取組は行っておりませんが、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるように、地方税の充実確保が必要であると考えております。
以上でございます。
○岩谷委員 ですから、やはり、税源移譲も含めて、課題はあろうと思いますが、大きな方向性としては、やはり自立をしていく地方自治体というのを目指していくべきだろうというふうに思います。
最後に、ちょっと時間がなくなってきましたが、一問だけ、短くお答えいただければと思います。
今回、ガソリン暫定税率や環境性能割の廃止については、我々も進めてきた立場でありますから、大変評価しております。ただ、安定財源の確保というところにつきましては、やはり、国が今回のように補填するという構造を繰り返すのではなくて、地方が自ら使える財源というものを確保していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
御案内のとおり、委員御指摘のとおり、今回の軽油引取税の当分の間税率及び自動車税等の環境性能割の廃止に伴う減収額につきましては、令和八年度において、特例交付金において全額補填することとしておりますけれども、既に、六党の合意を踏まえまして、租税特別措置の見直し等による地方増収分を活用するほか、具体的な方策を引き続き検討し、令和九年度税制改正において結論を得るとされております。
地方特例交付金はつなぎの措置でございまして、御指摘のとおり、地方団体の自主財源の確保は重要な課題であると考えております。
総務省といたしましては、御指摘の点にも留意しつつ、地方の安定財源の確保に向けてしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○岩谷委員 ありがとうございます。
これは、我が党を含む各党の皆さんにも責任を負っていただいていることだと思いますので、しっかりと我々も真摯に議論をさせていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、許斐亮太郎君。
○許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。
会派を代表いたしまして、質問させていただきます。
やはり、明日は三月十一日、東日本大震災から十五年です。改めて、犠牲になられた方、そして被災された方にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
私も、当時、NHKのカメラマンとして、NHKの本部にいました。発災と同時に仙台に向かって、それから十泊十一日、仙台局に寝泊まりをしながら初動、取材したことを思い出します。その後、被災地各地を回りました。その中で行動を共にしたのが自衛隊の皆様であり、警察や消防の皆様でもあります。本日は、後ほど質問で緊急消防援助隊の質問もさせていただきたいと思っております。
早速質問に移らせていただきます。
まずは、令和八年度地方税法等の一部改正案に関連して、ひとり親控除について、先日の本会議に続いて改めてお伺いいたします。
今、一人親世帯は、母子家庭で、日本で約百二十万人、父子家庭で約十五万人、合わせて百三十五万人ほどです。
そこで質問です。
その中でひとり親控除が適用されているのはどの程度の数なのか、お伺いします。また、今回の改正により、実際どの程度の減収になるのか、お伺いいたします。よろしくお願いします。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
ひとり親控除の適用を受けた納税義務者数につきましては、令和五年度の市町村税課税状況等の調におきましては、約七十九万人程度となっております。
また、今般のひとり親控除の見直しに係る個人住民税の減収額につきましては、平年度ベースでございますが、二十四億円程度と見込んでいるところでございます。
○許斐委員 御説明ありがとうございます。七十九万人、二十四億円、分かりました。
重ねてお伺いいたします。
今回、ひとり親控除の控除額を三万円ほど引き上げることとしていますが、これはなぜ三万円なのか、その数字の根拠は何か、お示しください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
今般のひとり親控除の引上げにつきまして、まず、所得税におきましては、一人親の子育てに係る負担の状況を踏まえまして、配偶者控除や扶養控除の額に合わせる形で引き上げるものと承知しております。これに合わせまして、個人住民税におきましても、所得税における改正の趣旨や内容を踏まえまして、現行三十万円の控除額を、配偶者控除や扶養控除の三十三万円に合わせる形で三万円引き上げるものでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
引上げはすばらしいのですが、規模としてはまだまだ足りないと思います。物価上昇も続くと予想されていますので、控除額の不断の見直し、そして様々な手当の拡充など、一人親家庭に対しての多角的な支援を改めて求めまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、地方交付税法等改正案に関連して、国と地方の税財源配分について伺います。
平成二十一年十一月の地方分権改革推進委員会第四次勧告では、国と地方の税源配分を五対五とすることを今後の改革の当初目標とすることが適当であるとされました。当時の国と地方の税源配分は五四対四六でありましたが、令和五年度は六四対三六と、むしろこの勧告当時から大いに後退して、国の税源の比率が高まっています。
今後、地方の自主財源を強化する観点から税源配分の見直しが必要だと思いますが、国と地方の税源配分の見直しについて政府はどのように検討していくのか、政府の方針を大臣にお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 今許斐委員から御指摘がありましたように、国と地方の税源配分の割合、平成二十年当時は五四対四六ということでした。近年は、国税が六割前後、地方税が四割前後で推移しておりますが、地方税収については着実に充実が図られてきたもの、そういうふうに認識をしております。
総務省では、これまでも、個人住民税における三兆円の税源移譲、また消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充など、着実に取り組んできたところでございます。
他方、先ほども申し上げたんですが、国から地方への税源移譲につきましては、国、地方とも大変厳しい財政状況にあること、そして、税源に偏在がありますと、地方税を充実すると自治体間の財政力格差が拡大するといったことにも配慮する必要がある、こうしたことを踏まえて検討する必要があると考えております。
今後とも、総務省としては、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに、地方税の充実確保に努めてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
地方税を充実させると財政力格差が拡大する懸念があるとの答弁、確かにいただきました。格差が拡大しないように配慮しつつ、税源配分の見直し、地方が自由に使える財源を増やしていっていただきたいと思います。
次に、物価高への対応について質問いたします。
令和八年度地方財政計画では、物価高の中で、自治体のサービス、施設管理等の委託料、道路や河川等の維持補修費、改修費など、様々な分野における地方団体のコスト増に対応するため、五千八百五十億円を増額計上しています。前年度は、物価高への対応として一千億円が計上されて、その後、補正予算時に二千億円の交付税の増額交付が行われました。それでも合計は三千億円です。これに比べれば、今回の五千八百五十億円の増額は、物価高に苦しむ地方への大規模な財政支援として一定の評価をいたします。
しかし、自治体からは、それでも足りぬか、負担増の方が大きいのではないかという心配の声もやはり聞かれます。
そこで、今回物価高への対応として増額することとした五千八百五十億円の算定根拠をお伺いいたします。加えまして、これは、補正予算で更に積み増す必要はないよう、今後の物価高も見据えて算定したものなのか、林大臣の答弁を求めたいと思います。
○林国務大臣 令和八年度地方財政計画におきましては、物価高対応として五千八百五十億円の増額計上をしておりますが、その内訳でございますけれども、今御指摘もありましたが、ごみ収集や学校給食などのサービス、施設管理等の委託料八百億円、それから、道路や河川等の点検、補修に係る維持補修費七百五十億円、道路や施設の改修等に係る地方単独事業の投資的経費三千億円、民間事業者への補助等や消耗品、備品等八百億円、公営企業における物価高対応五百億円となっておるところでございます。
私どもといたしましては、予算編成時点でできる限りの対応を行ったということで、地方からも評価をいただいているところでございます。
今後の物価動向ということですが、現時点で確たることを申し上げられませんけれども、引き続き、物価動向を注視しながら、国における対応、これも踏まえながら、各自治体の財政運営に支障が生じないように適切に対応してまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
これは要望にとどめておきますけれども、物価高や官公需の価格転嫁の対応については、単年度だけでは財源を措置しても意味がありませんので、今後も、経済、物価動向を踏まえて、十分な規模で断続的な財政措置をお願いしたいと思います。また、必要があれば年度途中でも追加的な財政措置を講じていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次に、地域未来基金についてお伺いいたします。
令和八年度の地方財政計画では、地域未来戦略を踏まえて、知事主導で計画される地域ごとの産業クラスターを全国各地に形成するとともに、地場産業の付加価値向上と販路開拓を推進するため、単年度の措置として地域未来基金が創設されて、四千億円が計上されています。
一方で、これらの取組の前提となるはずの地域未来戦略は、令和八年夏を目途に取りまとめをされるとされており、現時点ではその内容は明らかになっていません。地域未来戦略が策定されていない中、どのようにして四千億円という計上額を積算したのでしょうか。答弁をお願いします。
また、普通交付税による措置であるために、使途の制限をしてはいけないことになっています。だからこそ、基金設置の趣旨が各都道府県に正しく伝わらなくて貴重な財源が無駄な事業に使われるようなことがあってはなりません。政府として、都道府県に対して、基金費創設の趣旨をどのように周知して、地域産業の活性化に取り組んでもらおうと考えているのか、併せて答弁を求めます。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
地域未来基金費は、地方自治体において、産業クラスターの形成、拡大や地場産業の付加価値向上、販路開拓にしっかり取り組んでいただけるように所要の財源を確保するものであります。既に産業クラスターの形成といった取組が進んでいる地方自治体の実態などを踏まえまして、複数年度で計画的に取り組むことを想定し、令和八年度地方財政計画に〇・四兆円を計上しております。
総務省としましては、地方自治体に対して、機会を捉えて地域未来基金費を積極的に活用いただきたいと依頼いたしますとともに、その効果的な活用については、地方議会を始め、地域においてしっかりと御議論いただきたいということで、地域未来基金費の措置に対応して、新たに基金を設置するなど適切に対応いただきたいことや、地域未来基金費の活用に当たっては、基金の積立状況や活用状況等について公表情報の充実を図るよう努めていただきたいことについて周知を行っております。
各都道府県において地域未来基金費を活用し、地域における強い経済の実現にしっかりと取り組んでいただけるよう、総務省としても引き続き適切に対応してまいります。
以上でございます。
○許斐委員 四千億円です。地域産業の活性化につながるように使っていただきたいと思います。だからこそ、まさに公表が大事だと思っております。いわゆる目的外使用と思われないように、有効に使われるように、内容や事例のフィードバック、継承される仕組みづくりを検討されるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、折半ルールと臨時財政対策債の取扱いについてお伺いいたします。
平成十三年度以降の地方財政対策では、財源不足への対応として、財源対策債の増発等除いた残余について国と地方が折半して補填する、いわゆる折半ルールが、当初、平成十三年度から三年間の臨時措置として導入されて、その後、令和七年度まで延長されていました。しかし、この三年間は折半対象となる財源不足がなく、令和八年度地方財政対策では、ついに折半ルールが延長されないことになりました。
そこでお伺いします。
今回、折半ルールを延長しないこととしたのはなぜでしょうか。答弁をお願いします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
ただいま折半ルールについて御紹介をいただきましたけれども、財源不足が建設地方債の増発などによってもなお残る場合に、この残余分を折半対象財源不足とし、この額を国と地方が折半して補填をするというルールでございまして、国負担分につきましては国の一般会計からの加算、臨時財政対策特例加算によりまして補填をし、地方負担分につきましては臨時財政対策債により補填措置を講ずる、このような内容になっておりました。
この折半ルールにつきましては、地方交付税法第六条の三第二項に基づく制度の改正として、直近では令和五年度から令和七年度までの間に適用する特例措置として定めておりました。
令和七年度及び令和八年度におきましては大幅な財源不足が生じず、地方交付税法第六条の三第二項に該当しない状態であることから、今回延長しないということとしたものでございます。
以上でございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
交付税法第六条の三第二項、巨額の財源不足が断続的に生じている状況ではなくなったと理解いたしました。地方財政は、バブル崩壊以降、ずっと巨額の財源不足に苦しめられてきましたが、ついにそこから脱出できたということで、評価いたします。
関連して、次に臨時財政対策債についてお伺いします。
今回、折半ルールが延長されなかったことに伴い、地方交付税法改正案でも臨時財政対策債の根拠規定を延長しないこととされています。これにより、平成十三年度の制度創設以来、初めて法律上も臨時財政対策債が発行されないこととなります。これは、地方が長年耐え忍んできた将来へのツケ回しという財政構造に終止符を打ち、本来あるべき地方交付税による財源保障へと立ち返る大きな一歩であると、こちらも評価いたします。
ただ、これが一年や二年で終わってしまっては余り意味がありません。今後とも臨時財政対策債に頼らない財政運営を進めることが必要です。
そこでお伺いしますが、今後、財政収支が悪化して巨額の財源不足が生じた場合、どのように補填措置を講じる予定なのでしょうか。私は、臨時財政対策債に頼るのではなくて、交付税率の引上げを行って、安定的に交付税総額を確保すべきだと思うのですが、林総務大臣の答弁をお願いいたします。
○林国務大臣 総務省といたしましては、どのような地域でも一定水準の行政サービスを提供できるよう財源を保障するということが国の責務である、そういうふうに考えております。
今後、巨額の財源不足が生じた場合どうするかということでございましたが、その時点での国と地方の財政状況等を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、地方の財政運営に支障が生じないように政府部内で議論をしてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
大幅な財源不足が生じた場合は、是非、交付税の引上げを実現していただきたいと要求をいたします。
次の質問に移りたいと思います。
今回、令和八年度は、地方税や交付税法定率分の大幅な増収によって、例年に比べて地方財源にゆとりのある年となりました。しかし、帳簿上の数字がいいからといって、地方の現場に余裕が生まれたわけではありません。むしろ、投資抑制によって地域の安全を支える基盤は限界に達していると思います。
このうち、本日は、先ほど申し上げました、今や日本の災害対策の要であり、派遣回数も任務の困難度も増している消防防災体制、とりわけ緊急消防援助隊、いわゆる緊援隊についてお伺いしたいと思います。
緊援隊は、日本各地で頻発する大規模災害で目覚ましい活躍を見せています。多くの国民から期待と信頼も寄せられています。現場で働く隊員の懸命な努力によって消防力を発揮していますが、様々な課題があります。
まずは、後方支援体制の強化です。
これまで、高機能テントや自炊の資機材などが強化されてきましたが、能登地震ではトイレの重要性が浮き彫りとなっています。本来、隊員は、体力保持のために十分な食事を取る必要がありますが、何と、被災地でのトイレ不足のために飲食を控えていたという話も聞きました。隊員が食事や水分補給もできない状況では、救助のパフォーマンスも下がってしまいます。
そのため、例えば、各県一台ずつトイレカーを導入できるような予算措置が必要と考えますが、このトイレカーの設置について、全国の消防本部における配置状況と、導入を支援するための消防庁における予算措置の検討状況をお伺いいたします。
○田辺政府参考人 トイレカーにつきましては、消防本部では東京消防庁が二台配備していると承知しております。
なお、総務省消防庁においては、緊急消防援助隊の無償使用車両、資機材として、トイレやシャワー、キッチンなどが備え付けられた後方支援車両を全国に六十四台配備しているほか、仮設のパネル式やテント式のトイレを四百四十二式配備しております。
また、自治体が独自に緊急消防援助隊の車両としてトイレカーを整備する場合は、緊急防災・減災事業債の対象としております。
今後も、トイレも含めた緊急消防援助隊の後方支援体制について、消防本部の意見を伺いながら、その充実に取り組んでまいります。
○許斐委員 前向きな御答弁ありがとうございます。
その中にありました地方債だけでなくて、補助金などにより積極的に更に支援していくことについても検討いただくようお願い申し上げます。
あと、加えて、被災地には当然、被災者用のトイレができます。被災者のためのトイレだからといって、消防隊員は実は使用を遠慮しているということもあります。気兼ねなく隊員が使える環境づくり、例えばトイレの入口に、消防隊員の皆様も御自由にお使いくださいといった張り紙を貼ることも非常に有効な手段だと思いますので、ちょっとした意識改革、啓発活動も必要だと思いますので、すぐできることから取り組んでいただきたいと思います。
それでは質問を続けます。
また、各消防本部の消防隊員を緊援隊として被災地に長期間派遣することは、その引換えに、派遣元の消防本部の消防力が脆弱になることにもつながっています。緊援隊で行って、残された人はその分一生懸命働かなければいけない、一生懸命働いた後に、またその人たちが緊援隊として現地に行かなきゃいけない、こういう状況が起こっているわけです。
そのため、派遣元の消防本部では、人員不足のために連続勤務が長期間となったり、その連続勤務後にまた緊援隊に派遣されるというケースも見られて、公務災害の発生のリスクが危惧されています。
そこで質問です。
毎年のように大規模災害が発生して、緊援隊の派遣が恒常化する中で、派遣元の消防力の確保に関して、消防庁の見解をお伺いいたします。
○田辺政府参考人 緊急消防援助隊を派遣した消防本部では、派遣人員を除いた人員で地元の消防業務に当たる必要があります。
このため、消防庁としては、緊急消防援助隊の派遣に当たって、各都道府県に出動可能隊数をあらかじめ確認し、その範囲内で出動の求めや指示を行っているほか、緊急消防援助隊の出動が長期にわたる場合は、各都道府県の消防力を踏まえて、必要に応じて都道府県単位のローテーションを行うことで負担の平準化を図っているところでございます。
また、各消防本部においても、一時的に人員が通常より少なくなりますが、職員の週休の時期調整などの工夫をすることで消防力が低下しないよう取り組んでいると承知しているところです。
さらに、このような緊急消防援助隊の派遣時における派遣元消防本部の勤務人員の確保とともに消防職員数の確保も大変重要であることから、近年、消防職員数が一貫して増加を続けている状況を踏まえて、地方財政計画において適切に所要額を計上しているところです。
引き続き、災害時においても消防業務を適切に遂行するために必要な消防職員の確保に向け、しっかり取り組んでまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
まさに地元の消防本部の人員確保がやはり大切だと思います。そもそもとして充足率が足りていない消防本部もたくさんありますので、その消防体制の確保についてもしっかりと対応していただければと思います。
続けます。
緊援隊は各消防本部の隊員から構成されて、同じ被災地で同じ業務に当たりますが、給料は各消防本部の条例、規則に基づき支給されるために、災害派遣手当の金額に消防本部間で格差があります。これに関して消防庁が、緊急消防援助隊として出動した職員に対する手当の支給についてという通知において、国家公務員や警察職員との待遇を勘案して、手当額の引上げなど、各地方公共団体において適切に対応するように促しています。しかし、二〇二五年一月の消防庁の調査時点では、全体の七割の消防本部で条例改正が進んでいるものの、三割弱の消防本部では条例改正は未定又は検討されていないという結果となっています。
そこで、消防庁に現在の条例化の状況をお伺いいたします。また、全ての消防本部において緊援隊の派遣手当が条例化されるよう、改めて取組を促していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田辺政府参考人 緊急消防援助隊として派遣された隊員も含めた消防職員の手当は、地方公務員法に基づき、国家公務員や他の自治体の状況を考慮して各団体の条例で定めることとされております。
その上で、消防庁として、緊急消防援助隊の出動に係る手当については、国家公務員や警察職員との待遇の均衡を図るよう、できるだけ速やかに検討することを各消防本部に対して要請しているところです。
各消防本部の対応状況については適宜フォローアップ調査を実施しているところであり、令和七年十一月一日現在で改めて調査を行ったところ、全体の八割超の消防本部において国家公務員等との待遇の均衡が既に図られており、又は図られる予定となっており、各消防本部において着実に対応が進められております。
消防庁としては、この調査結果も踏まえ、引き続き、各消防本部において適切な対応をしていただくよう、助言等を行ってまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
改善が図られていること、承知いたしました。同一労働同一賃金の観点からも、やはり不公平感の払拭というのを、何としても解消していただきたいと思います。全ての消防本部で条例化が実現するまで、引き続き取組をお願いしたいと思います。
続きまして、これはもう消防そのものの給与体系の見直しについてお伺いいたします。
現在、八割の消防本部では一般行政職員と同じ行政職給料表を適用していますが、消防における特殊な勤務への対価を反映するためには、行政職給料表よりも水準の高い公安職給料表を適用するべきではないでしょうか。
消防庁は、昭和二十六年国家消防庁管理局長通知において、消防職員の給料について、その職務の危険度及び勤務の態様の特殊性等を踏まえ、一般職員と異なる特別給料表、つまり現在の国の公安職俸給表を適用することとしていますが、八割の消防本部ではまだ行政職と同じ給料表の適用となっています。
各地方公共団体の判断であるとはいえ、この状況をそのまま放置していいのでしょうか。昭和二十六年からこれは指摘されていることです。自衛隊、警察などと連携体制が進んでいる中にあっては、これもやはり、同一労働同一賃金の考えから見ても、消防においてもほかの公安職と同様に、もうやはりいいかげんに公安職給料表の完全適用を進めるべきだと考えます。
国がリーダーシップを取らないと、財政上の理由から、いつまでたってもこの問題が解消されることはないと私は思います。これに関して、消防庁の考えをお伺いしたいと思います。
○田辺政府参考人 消防職員を含む地方公務員の給与は、地方公務員法に基づき、国家公務員や他の自治体の状況を考慮して、各団体の条例で定めることとされております。
その上で、消防庁としては、消防職員の給与について、昭和二十六年の国家消防庁管理局長通知により、その職務の危険度並びに勤務の態様の特殊性等に鑑み、一般職員と異なる特別給料表を適用することをお示ししており、本通知の発出から長い年月が経過しているところでございますが、その考え方は現在でも変わっておりません。
一方で、消防職員の数が少なく、一般行政職の給料表とは別の給料表を定めて運用することが多大な事務負担となる場合などは、一般行政職の給料表を適用した上で、職務の特殊性を考慮した対応を行うことも一つの方法と考えられます。
こうしたことを踏まえ、消防職員に適用すべき給料表については、各団体において、消防職員の職務の特殊性を考慮し、適切に対応していただきたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
でも、やはり、昭和二十六年にこういうことが促されて、更に様々な業務が増えている中においては、今まさに、すぐにでも変えなきゃいけないと私は思っております。
命を守る最前線の現場がやはり任務を全うできるように、総務省消防庁の責務として、財政面の支援もしっかりと環境整備を行っていただくよう、改めて求めたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次のテーマに移りたいと思います。
続いて、公立高校の教育環境の整備と魅力向上についてお伺いいたします。
現在、都市部を中心に、私立高校の実質無償化の動きが加速化していますが、一方で、公立高校は、老朽化した校舎、遅れるDX環境など、ハード、ソフトの両面で私立に大きく差をつけられているのが実態です。いわば公立高校の魅力低下です。
まさに、今日の朝日新聞でも、二〇二六年度の入学試験において、公立高校の志願倍率が三十三の道府県で一倍を切った、さらに、四十都道府県で倍率が去年を下回ったと報道されています。
公立高校を所管しているのは文部科学省だとは思いますが、私は、総務省においても、地方自治体が公立高校の魅力を維持するために必要な財源を地方財政計画において十分に措置すべきだと思っています。
この観点で、今回注目しているのは、令和八年度地方財政計画において、新たに高等学校教育改革等推進事業費を計上して事業債を創設したことです。これらを措置した理由は何でしょうか。改めまして、総務省にお伺いいたします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
いわゆる高校無償化の検討に当たりまして、地方と協議を重ねる中で、地方側から、公立高校等への支援について、教育環境の整備を計画的に進めるために、元利償還金に対して交付税措置のある地方債の創設が必要だという御意見をいただきました。
こうした御意見を踏まえまして、先般、文部科学省が公表した高校教育改革に関するグランドデザインを踏まえ、各都道府県において策定される高校改革の実行計画が着実に実施できますように、新たに高等学校教育改革等推進事業債を創設することとしたものであります。
総務省としましては、この事業債の活用を通じまして、各地域において、今後の社会経済の発展を支える人材の育成が図られていくことを期待しております。
○許斐委員 ありがとうございます。
この事業は、改革を行う自治体にはあめとなると思うんですけれども、財政力の弱い自治体ほど、やはり新たな借金を恐れて改革をちゅうちょする可能性があります。結果として、公立高校の間でも地域格差が広がるのではないかと懸念しています。私立と公立だけではなくて、公立間でも格差が広がるのではないかということです。
借金をさせる施策だけではなくて、公立高校の魅力向上等の取組を推進するために、一般財源を増額確保して、こうした取組に要する経費を各地方団体の交付税の算定に反映して、財政措置の底上げをすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。総務省にお伺いいたします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
公立高校は、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると認識をしております。
そのため、いわゆる高校無償化により公立高校に影響が生じるのではないか、こういう懸念がなされる中で、公立高校等においてしっかりと人材育成に取り組めるように、先ほど御答弁申し上げましたとおり、令和八年度から新たに高等学校教育改革等推進事業債を創設することとしております。
このほか、公立高校の振興に向けましては、文部科学省におきまして、令和七年度補正予算で設けた高校教育改革促進基金により、先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むとともに、安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築について検討するとなっているものと承知をしております。
総務省におきましては、公立高校の運営費に対しまして引き続き適切な交付税措置を講じますとともに、公立高校の振興に向けまして、文部科学省と連携しながら対応してまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
私は、この公私間の教育環境の格差が、結果として、住む場所や家庭の経済力による教育格差を助長するおそれがあると懸念しています。公立高校に至っては、農業高校ですとか工業高校とか、やはり実験をするとか実習をする、そこで魅力ある実験や実習をするためには、やはりお金がかかると思います。そのために、各自治体による創意工夫に基づく教育環境の整備の取組を財政面から支援する、攻めていく財源措置の拡充が今後必要であると考えております。
その観点で、続きまして、学習環境についてお伺いいたします。
今、時代に合った教育環境の整備や維持ができているのか、それが疑問に思っています。その課題の一つに、学校施設のランニングコスト、特に体育館の冷暖房費の問題があります。
文部科学省の補助金によって公立高校への体育館の冷暖房設置が進んでいます。しかし一方で、設置後の膨大な電気代やメンテナンス費用といったランニングコストは、地方自治体の持ち出しとなっています。エアコンは設置されたけれども、電気代が高過ぎて使用時間に制限をかけているという現場の声も聞きます。このように、現状では、ランニングコストが自治体の重い負担となっています。
そこで、今後、普通交付税の算定において、物価高騰分を反映した光熱水費の基準財政需要額への算入を実態に合わせて抜本的に引き上げる考えはあるのでしょうか。お答えください。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
御指摘の学校の体育館の空調設備に係る光熱費のうち、小中学校及び特別支援学校につきましては、令和七年度より、各地方自治体の体育館の空調設備の設置状況に応じた普通交付税措置を講じているところでございまして、設置が進むほど算定額が大きくなるという算定を行っております。
また、高等学校における光熱費につきましては、体育館の空調設備に係る光熱費を含めまして、各自治体における経費実態を踏まえて、標準的な経費を普通交付税の単位費用において措置をしております。
また、地方財政計画におきましては、自治体の施設の光熱費の高騰に対応するために四百億円を引き続き計上しておりまして、光熱費の高騰分につきましては、包括算定経費において一括して措置をすることとしております。
引き続き、物価動向を踏まえまして、適切な財政措置に努めてまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
御案内のとおり、中東情勢も非常に不安定な状況になっています。エネルギー価格の更なる高騰を懸念する中で、交付税の算定においても物価の動向を逐次、適時適切に反映していくようお願いしたいと思います。
電気代が払えないからエアコンを切る、部活動の予算も削っていく、そんな削り合いの果てに、公立高校の魅力も、地域の子供たちの笑顔もだんだんと消えていく、失われていっているような気がします。これまでのやり方では、一つの自治体が一つの学校や一つの施設を当たり前に維持していくことすらいずれ不可能になってしまうのではないかなと私は懸念しています。
そのようなことを踏まえて、最後に、広域連携と市町村合併についてお伺いしたいと思います。
人口減少が進む中で、地方の持続可能性の確保が重要な課題となっています。
国民民主党としては、特別市法案を準備する一方で、広域や圏域連携、そして、様々なインフラの地域公共サービス企業体の議論を進めています。地方では既に人材不足が深刻化しており、一つの自治体で全ての行政サービスを提供することが困難となってきました。このため、新たな市町村合併を推進することや、広域、圏域での、自治体が連携しながら行政サービスを提供することが必要になってきていると考えています。
政府におきまして、今後、自治体間の広域連携や市町村合併の重要性をどのように考えているのでしょうか。また、地方の持続可能性の確保に向けて、どのような方針で取り組んでいくのでしょうか。林総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 我が国が人口減少局面に入る中で、総務省においては、地方自治体の多様な広域連携、これを推進してきたところでございます。
特にこの十年間でございますが、核となる都市と近隣市町村が連携する連携中枢都市圏などの形成が進むなど、地域の実情に応じた取組が見られる状況となっております。
他方で、今許斐委員からも御指摘がありましたが、人材不足がより深刻化する中、行政サービスの提供を持続可能なものとするためには、やはりデジタル技術の活用等に加えて、例えば、より合意形成が難しいとされておりますけれども、事務の広域連携ですとか、都道府県による補完、支援と市町村間の水平連携を組み合わせた広域連携、こういったものにも取り組んでいく必要がある、こういうふうに考えております。
今年一月に第三十四次地方制度調査会が立ち上げられましたが、ここにおいて、将来にわたって持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくための国、都道府県、市町村の役割分担の在り方などについて諮問が行われております。広域連携の議論もここで進められていくもの、そういうふうに見込んでおるところでございます。
なお、市町村合併でございますが、これは平成二十一年の第二十九次地方制度調査会の答申によりまして、全国的な合併推進運動は一区切り、こういうふうにされております。それ以降は、自主的に合併を選択する市町村に対して合併の円滑化のために必要な支援措置を講じておるところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
地方制度調査会など、国と地方の役割分担の見直しなど、地方にとってよりよい方向性が示されるように、今後の政府の議論について私も注目していきたいと思います。
ここまで、財政計画や様々な施設の維持などを質問してきましたが、それら全ての施策を動かして住民の暮らしを支えているのは、やはり、ほかならぬ人、つまりは地方公務員の方々です。しかし今、地方自治体の現場は、これもやはり危機的な状況になっています。若手職員の離職が相次いで、採用試験の倍率は全国的に過去最低水準まで落ち込んでいます。金、財源も足りないけれども、それを扱う人、人材も足りていません。これが地方の現状です。
激甚化する災害への対応、複雑化する広域連携の調整、そして物価高騰に苦しむ住民へのきめ細やかな支援など、現場の負担は増え続ける一方で、やはりこれは給与水準や労働環境が見合っていないという多くの不満の声が上がっています。このような状況を、大臣として真正面から取り組む覚悟があるのか、お聞かせください。
○林国務大臣 地方公共団体の職員の皆様におかれては、今御指摘があったような様々な公務の現場において日々献身的な御努力をいただいております。
こうした職員の皆様と接する機会を捉えて、私からも感謝の気持ちをその都度伝えさせていただいているところでございます。
地方公共団体の職員の皆様は、地域の住民サービスを支える重要な担い手でございまして、やはり働きがいを持って活躍していただく、これが大事なことだと思っておりまして、そのためにも、適正な処遇の確保ですとか職場環境の整備、こういうことに努めることが重要だと考えております。
給与でございますが、民間給与等を踏まえて適切に決定するように助言はしておるところでございますが、近年、人事委員会勧告においては給与を引き上げる勧告が出されておりまして、この勧告等を踏まえて給与の引上げ改定がなされていると承知をしております。
また、職場環境の整備でございますが、早出遅出勤務、フレックスタイム制の活用等ですとか、年次有給休暇の取得促進、さらにはテレワークの導入などによる多様で柔軟な働き方の推進、さらには育児休業等の取得の促進、こうした取組を推進しているところでございます。
こうした取組を通じまして、引き続き、地方公共団体における職員の適正な処遇確保や職場環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
処遇に関して、給料だけでなく、働き方への答弁、誠にありがとうございます。総務省には、単なる予算の管理役ではなくて、地方自治の最大の理解者、そして伴走者として、現場の苦境を制度の改定につなげる勇気を持っていただくことを強く求めたいと思います。
地方が元気でなければ日本が元気になりませんし、地方に住む人が未来を感じなければこの国に未来はないと思っています。そのことを改めて深く刻んでいただきたいとお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
○古川委員長 次に、高沢一基君。
○高沢委員 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、軽油引取税等の当分の間税率及び環境性能割の廃止について質問をさせていただきたいと思います。
今日もずっと議論もありましたし、御承知のとおり、自動車取得時の車体課税の中の環境性能割の部分が、今回廃止しようということで御提案をされているところであります。
今回の提案に至るまでに、与党の税制改正や政府の税制改正大綱の閣議決定もいただいて提出されているというふうに理解をしておりますが、この令和八年度の税制改正の議論におきましては様々な議論が行われていた。廃止をしようという意見もあれば、慎重に考えるべきだというような意見もあった。その中で、経済産業省からは、米国追加関税等による国内自動車産業への影響を踏まえて、市場の活性化に寄与させるために環境性能割の廃止をするべきだという意見があったというふうに承知をしております。
今回、廃止の御提案をされているわけでありますが、この環境性能割の廃止の目的については、何を狙って今回御提案をされているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
令和八年度与党税制改正大綱におきましては、自動車税及び軽自動車税の環境性能割については、米国関税措置が我が国の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を速やかに図るとともに、自動車ユーザーの取得時の負担を軽減、簡素化するため、令和八年三月三十一日をもって廃止する、地方税の減収分については、安定財源を確保するための具体的な方策を検討し、それまでの間、国の責任で手当てするとされているところでございます。
これを受けまして、今国会に提出しております地方税法改正法案におきまして、環境性能割を廃止する規定を盛り込んでいるところでございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
今御答弁いただいた内容につきましては、この法律案の説明の文書や概要にも記されているところで、改めて確認をさせていただいたところでありますけれども。先ほど申し上げた国内自動車市場の活性化を図るとともに、自動車ユーザーの取得時における負担を軽減、簡素化することも目的というか、そのためでもあるというふうに記されております。
自動車を購入するという方々の負担が軽減するということとともに、その影響もあって、国内自動車市場への活性化という影響も出てくるんだろうと思います。それに関しまして、この環境性能割を廃止した場合、この法案が成立して廃止した場合の国内自動車市場への影響について、どのような期待を政府としてお持ちなのか、お聞かせください。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の自動車関連産業、これは我が国の雇用の約一割、輸出の約二割を支える基幹産業でありまして、我が国の経済、雇用の大黒柱でございます。
経済産業省としましては、昨年の税制改正要望におきまして、委員御指摘の米国追加関税の国内自動車産業への影響も踏まえつつ、国内市場を活性化をするため、自動車税及び軽自動車税の環境性能割の廃止など、車体課税の見直しを要望いたしました。
総務省から答弁があったとおり、環境性能割は、現在、国会に提出されている地方税法改正法案において廃止する措置を講じているものと承知しておりますが、それが実現すれば、自動車ユーザーの取得時における負担が軽減され、国内市場の活性化に資するものと考えております。
定量的に効果をお示しすることは困難でございますけれども、既に多くの自動車ユーザーや自動車販売業者が、環境性能割の廃止を見込みまして購入、販売の計画を立てていると承知しております。
○高沢委員 この環境性能割の廃止で自動車産業が拡大して、それによって自動車を買えることができる方が増えるというのも、国民の幸せにもつながっていくのかなというふうに感じているところであります。
自動車産業は、言うまでもありませんけれども、我が国の基幹産業の一つでありますし、ここがしっかりと経済が活性化をして動いていけば、企業の収益だけではなくて、そこで働いている皆様方の給料を上げることにもつながっていくであろうというふうにも考えます。そういった意味においては、国内自動車市場の活性化というのは重要な視点であるというふうに私としても考えているところであります。
あと、もう一点付言させていただくと、自動車という商品については、自動車課税については様々な課税があって、ほかの商品と比べてやはり過重に課税されている部分も多々あるのかなと思っております。そういったものも、財政金融の部分でありますけれども、是非議論をしていただきながら、よりこの産業を発展させていく手助けをできればいいのかなというふうに考えているところであります。
今の国内自動車産業の活性化等というのは、経済産業省さんが税制改正議論の中で主張していただいて、今回、政府の閣議決定にも受け入れられたわけでありますが、その一方で慎重論といいましょうか、反対論といいましょうか、後ろ向き論といいましょうか、そういった意見もいろいろ出ていたと。財源確保もしなくちゃいけないとか、あるいは環境配慮もしていかなくちゃいけないというようなこともあって、国交省さんや環境省さんにおいては慎重に考えるべきだという御意見もあったというふうに聞いております。
そういった中でありましたけれども、最終的には政治判断で決まったというふうに承知をしておりますが、その経緯を含めて、林大臣につきまして、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○林国務大臣 まだ私が党で税制調査会におった頃から、今まさに委員がおっしゃっていただいたような両論が常にある議論でございましたが、まさにそれに加えて、今回は米国関税措置、こういうのものが入ってきまして、この措置が我が国の自動車産業に及ぼす影響を緩和する、自動車ユーザーの取得時における負担を軽減、簡素化する、そして、地方税の減収分、これは、要するに慎重論の方が、この財源確保ということがあったわけですが、安定財源を確保するまでの間、国の責任で手当てする、こうしたことで、高市総理が政治決断をしたということでございます。昨年十二月十八日に御党の玉木代表との間で合意をされた、こういう経緯でございます。
なお、八年度の与党大綱ですが、今後の自動車税及び軽自動車税の在り方については、その課税趣旨を踏まえつつ、自動車の重量及び環境性能に応じた公平、中立、簡素な税負担の仕組み等について検討し、その際、脱炭素化等の環境対策に向けた取組に対する積極的な貢献などに留意した上で、令和九年度税制改正において結論を得ること、そういうふうにもされておるところでございます。
こうしたことも踏まえて、同大綱において、令和八年三月三十一日をもって自動車税及び軽自動車税の環境性能割を廃止する、そういうことになったところでございます。
○高沢委員 林大臣、どうもありがとうございます。
今御答弁いただいたように、国民民主党も関わらせていただく中で、政党間の合意を経て、そして政府でも決定をいただいて今回提案をされているというふうに理解もさせていただいております。
そういった中で、様々な党の御理解もいただいて今回に至っているわけでありますけれども、国民民主党としては、この環境性能割の廃止につきましては、令和三年の時点で、国民民主党の税制調査会の文書で廃止についても提案をさせていただいておりますし、その同じ令和三年の衆議院選挙でも公約として掲げさせていただいた政策であります。国民の皆様に約束させていただいた政策が、他の党やあるいは政府の理解もいただいて実現に向かって動いているというのは、私としては感慨深いところがあるところであります。
そういった中におきまして、今大臣の御答弁にもございましたが、環境性能割の廃止を行うことによって約六千億円ほどの税収減が地方に対して生じてしまうというところで、安定的な財源を確保するまでの間、政府としてはその財源を確保して減収分を補填をしていくということを示されているわけでありますけれども、再来年度、令和九年度の税制改正で安定財源を確保するとしていますけれども、現在として、この軽油引取税の当分の間税率及び環境性能割の廃止に伴う減収分について、令和八年度の財源の確保について、今もお話もありましたけれども、いま一度どのように政府として考えているのか、確認をお聞かせください。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
当分の間税率及び環境性能割の廃止に伴う令和八年度の減収につきましては、地方特例交付金によりまして全額を補填することといたしております。
具体的な影響額でございますけれども、当分の間税率の廃止による影響額、軽油引取税が四千二百九十七億円、地方揮発油譲与税が二百九十六億円となっており、環境性能割廃止による影響額、自動車税が千六百八十五億円、軽自動車税が二百七億円となっております。
これらの合計六千四百八十六億円につきまして、令和八年度においては、一般会計から同額の地方特例交付金を繰り入れまして、これにより減収額の全額を補填することとしているものでございます。
以上でございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
一般会計からも入れて、特例交付金ということで今回創設をされて、地方に減収分をあてがわれるというお話もいただきました。
この減税とか手取りを増やす政策、国民民主党が様々御提案をさせていただく中で、やはり、財源の問題でありますとか、様々な御指摘や御批判をいただいているのも事実であるかと思います。そういった中であっても、税収の上振れ分等も含めながら、こういった一般会計を使って交付金を創設をして、地方にあてがって、地方の税収減をカバーするということについては、そういった形を考えていただいていることには、本当に感謝をしたいところであります。
ただ、これは令和八年度の暫定的な措置であるということで、合意の中や閣議決定のところによりますと、令和九年度の税制改正で安定財源を確保しなくちゃいけないというようなことが今書かれております。これが、令和九年度以降がやはり重要なところであると思いますけれども、現時点として、この安定財源の確保について、政府としてどのような準備で安定財源を確保していこうというふうにお考えになっているのか、林大臣、御見解をお聞かせください。
○林国務大臣 八年度については、今やり取りをしていただいたとおりでございます。
その上で、その先ということですが、これは令和七年十一月五日の与野党六党合意というのがございまして、令和八年度与党税制改正大綱においても、その合意を踏まえまして、租税特別措置の見直し等による地方増収分を活用するほか、具体的な方策を引き続き検討し、令和九年度税制改正において結論を得る、こういうふうにされております。
また、環境性能割に係る財源につきましては、同じ大綱でございますが、安定財源を確保するための具体的な方策を検討する、こういうふうになっております。
総務省といたしましては、こうした大綱の記載を踏まえて、地方の安定財源の確保に向けて適切に対応してまいります。
○高沢委員 ありがとうございます。
今お話しいただいた令和九年度以降の安定的な財源確保というのは、もちろんしっかり国会の場においても議論をして考えていかなくちゃいけないところであろうというふうに思いますが、今回のところでいきますと、減収になってしまうのは事実でありますけれども、その政策の目的として、先ほども御答弁いただいたように、国内自動車市場の活性化を図ることによって産業を盛り上げていこうというような意図もある。あと、手取りを増やすということを私ども言っておりますけれども、国民の給料を増やすことによって消費が広がれば、それによって経済も動いていくだろうという考えもあります。
そういった全体的な流れの中で、減収であっても最終的には経済発展につながっていくんだというような視点というものもやはり大事であるのかな、今回そういった御提案がされているというふうに理解をしておりますけれども、この問題に限らず、こういった財源確保の考え方についても、今までのものにとらわれるのではなくて、しっかり経済発展につなげた発想に変えていく必要もあるのかなというふうに考えているところであります。御答弁ありがとうございました。
引き続きまして、道府県民税の利子割に係る清算制度について、移らせていただきたいと思います。
これも午前中から様々質疑がされていますけれども、インターネット銀行等の利用拡大を踏まえ、金融機関が口座所在地の都道府県に税を納入する現行の仕組みは維持しつつ、都道府県間で個人に係る所得金額を基準に清算制度を導入しようということで今回御提案をされているわけでありますけれども、そもそもこの清算制度を導入をしようとした目的、どのような考えの下にこの制度を導入しようというふうにお考えになっているのか、政府の御見解をお聞かせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
個人住民税は住所地課税が原則とされているところでございますが、道府県民税利子割につきましては、住所地課税の例外として、金融機関の口座所在地の都道府県が課税することとされております。
これは、利子割の制度創設時におきましては、都道府県単位で考えた場合、ほとんどの納税義務者の住所地とその利用する金融機関等の営業所の所在地は一致するものと考えられていたことによるものでございます。
一方、利子割につきましては、現在、インターネット銀行等の利用拡大によりまして、こういった制度創設時の想定を超えて、あるべき税収帰属との乖離が生ずる構造となっているところでございます。
また、近年、金利のある世界になったということもございまして、利子割税収が急増しております。地方団体から早期に清算制度を導入すべきとの声もいただいているところでございます。
こうした中、与党税制調査会などで御議論いただきまして、この大綱におきまして、金融機関が口座所在地の都道府県に税を納入する現行の仕組みは維持しつつ、都道府県間で個人に係る所得金額を基準に税収帰属を調整する清算制度を令和八年度分から導入することとされたところでございます。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
今回の利子割の清算制度につきましては、今お話しいただきまして、住所地課税が原則ではあるけれども、あるべき税収帰属との乖離があるので、今回そういった清算制度を今の制度の枠組みの中で入れていくというふうに御答弁いただいたというふうに理解をいたしました。
そういった中で、一方、東京都は、この制度導入に関しましても、非常に強く反発を示しているかというふうに思います。
ちょうど、令和七年の十二月に発表された、令和八年度与党税制改正大綱に対する都の見解というのが公表されております。
その中に様々書かれているんですが、国があるべき税収帰属との乖離があるというふうに根拠を言っておられるんですが、その根拠のサンプルにつきましても、世帯の調査につきまして、東京では七百四十五万世帯あるにもかかわらず、その中の二百十世帯のみのサンプルで数字を国は説明をしている、〇・〇〇二八%と極めて少ないサンプルに基づくものであり、東京都の税制調査会においても、有識者から信頼性が低いと言わざるを得ないと指摘をされているということが述べられています。
また、それ以外にも、国が見直す根拠としています利子割税収の全体の都のシェアにつきましても、令和四年、令和五年度の二年を言われているわけでありますが、この二年間は大幅に増加をしていた時期であって、令和六年度には、今度、逆に大幅に低下をしている。シェアについても、東京都は四〇%を超えていると言われているんですが、昨年の九月時点ではもう約三〇%という試算が、東京都は言っております。
こういった、そのシェアについても、どのような形になるのかというのが見えないという中で、不十分なデータによる拙速な議論に基づいてこういった清算制度が導入されることについては理解ができないというようなことが見解として述べられております。
その一方で、その中で、東京都は、この問題についても、国地方係争処理委員会の申出も含めて検討するというかなり強硬なことを言っているという事態であるかというふうに思います。
こういった中で、今年の一月二十二日には、高市首相と小池東京都知事が会談をいたしまして、この問題に関します協議体を設置をするということも合意したというふうに報道されております。
こういった一連の動きについて、総務省としては、どういった認識をお持ちで、お考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの国と東京都との協議会につきまして、現時点で総務省が関与しているものではございませんが、先般の官房長官の記者会見におきまして、国側は、官房長官をトップとしての協議会になる予定ですが、お尋ねの枠組み、また、具体的に議論するテーマ、またスケジュール、そういった点については今後検討していくことになりますというふうな会見があったものと承知しております。
○高沢委員 高市首相と小池都知事の会談の後に選挙も入りましたので、また状況も変わっているというところであろうと思いますし、これからどのようになるか、あるいは、東京都はどういった主張や行動をしていくのかによっても変わってくるのかなというふうに思うところでありますけれども、地方の、いろいろな他の自治体の意見というものもありますけれども、東京都も日本の国の中の一自治体ではありますので、その自治体の意見というものも聞いていただきながら、あるべき姿というものをやはり議論していくというのは重要なところであろうというふうに思っております。
今回の利子割の清算制度が、導入しようということでありますけれども、その導入の目的、先ほども少しお話を聞かせていただいたんですけれども、それについては、税収帰属の適正化を目的とするというふうに御答弁をいただいているわけでありますけれども、その税収帰属の適正化というのは、税の偏在の適正化を意味をしているのか、あるいは、それとも課税の適正化、課税をしっかりやっていくということを意味しているのか、その両者であるのかどうかを含めまして、総務大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○林国務大臣 道府県民税利子割につきましては、インターネット銀行等の利用拡大によりまして、制度創設時の想定を超えて、あるべき税収帰属との乖離が生じる構造となっておるわけでございます。
こうした状況の中で、清算制度については、課税団体とあるべき税収帰属地との間の乖離、これを地方団体間で調整する地方税制上の仕組みとして導入されるものと承知しておりまして、偏在是正措置ではなく、税収帰属の適正化のための方策、そういうふうに認識をしております。
○高沢委員 ありがとうございます。
今御答弁いただきまして、偏在是正ではなく税収帰属の適正化だというお話もいただきました。
そうであるならばこそなんですが、やはり課税の適正化という言葉を私は使わせていただいたんですけれども、住所地課税、これが原則だと最初に御答弁もいただきました。この利子割についても、やはり住所地課税を目指すのが本来の地方税である、この利子割をしっかりと適用していくことによって適正になっていくところであると。
それが、東京都の取り分が多くなるのか減るのか、そういう話ではなくて、税の目的として住所地課税を目指すべきだというふうに思うんですけれども、やはり、銀行や金融機関の負担が増えるとか、急には変えられないというお話で、今の枠組みを維持した中での清算制度と言われているわけでありますが、今御答弁いただいた大臣の御答弁も踏まえて申し上げると、やはりこれは住所地課税を目指して変えていかなければ、本質的には改善することはできないんだろうなというふうに私自身として思います。
現時点においての住所地課税についての検討状況についてはどのようになっているか、お聞かせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
本件につきましては、地方財政審議会の下に設けられました地方税制のあり方に関する検討会で議論、又は金融機関等からのヒアリングなどを行ったところでございます。
その報告書におきましても、個人住民税の一つであります利子割のあるべき課税方式は住所地課税であるとの基本的考え方は維持するものとされているところでございます。
一方、金融機関等からのヒアリングによりましても、仮に住所地課税とした場合の課題につきまして、利子割の特別徴収義務者において大規模なシステム改修が必要となり、それに伴うコストが大きいこと、事務フローも大幅に見直す必要があることなどの課題があるとされております。
また、地方団体側におきましても、利子割の徴収を担う金融機関等が区域外に広がることに伴う事務負担やシステム改修等の課題があることから、直ちに実現することは現実的に困難と取りまとめいただいたところでございまして、この住所地課税につきましては、中長期的な視点から引き続き、所得税も含めた金融所得に対する課税の在り方に係る議論や税務行政のデジタル化の動向も踏まえ、検討されるべきとされているところでございます。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
今、システムの問題だとか事務負担というお話もいただきましたけれども、課税を適正にしていくためには、そういった事務というものがやはり必要なところでありますし、それをお願いしたりとか、あるいはそれに支援をするというのも国の務めであろうかというふうに思います。
話はずれますけれども、消費税のインボイスだって一緒かと思います。複数税率の中で適正に課税していくためにはインボイスが必要だと。そうすると、事業者の負担が増える、大変だと。だけれども、それはお願いしたいということで今制度があるのであろうと思いますので、この利子割に関します住所地課税を目指していくためにも、そのシステムの導入が大変だということで終わるのではなくて、やはりそこは、導入に対する支援がどのようにできるかとか、システム開発として国がどういうふうに関われるか、事務負担軽減についてはどうしたらできるのかというような、そういったことを考えるということが必要なのかなというふうに思うんですけれども、今後のことでありますから言えないとは思うんですが、今言った、一般論的に、そういった納税をしていただく事業者さんや個人に対する支援の在り方について、今、総務省として、この問題に絡めて、お答えできるところがあればお聞かせください。
○林国務大臣 この検討会の報告書に、やはり、個人住民税の一つである利子割のあるべき課税方式、これは住所地課税であるという基本的考え方は維持すると書いてございます。その上で、その実現については、中長期的な視点から引き続き、所得税も含めた金融所得に対する課税の在り方に係る議論、そして税務行政のデジタル化の動向を踏まえて検討されるべきもの、こういうふうになってございますので、我々としても、この内容を踏まえてしっかり対応してまいりたいと思います。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
是非検討を深めていただいて、中長期的と先ほど参考人がおっしゃっていましたけれども、そこはやはり政治の中の判断として、しっかりこの住所地課税ができるように準備を進めていただくことが必要なのかなというふうに感じさせていただきました。
その中で、今回の道府県民税の利子割の清算制度については、先ほどの林大臣の御答弁でも、税収帰属の適正化が目的だというふうに明確におっしゃっていただいたんですが、ただ、今日の午前中の質疑でも、どうしても偏在是正の話につながってくる部分もありまして、それを、指摘をよくされているのが現実であります。
そういった中で、本当にその偏在自体はあるのかという議論も様々専門家の中においてもされている部分があります。先ほども、午前中もありましたが、地方か東京かという二軸対立という話ではなくて、ここはやはり冷静に、しっかりと税制として考えて議論をしていく必要があるのかなというふうに思います。
一つの学説でありますけれども、研究者の発表によりますと、例えば税収につきましても、一人当たりの税収格差というのは確かにあります。令和五年度におきましては、東京都が一人当たり一番税収が多いところで、一番少ないのが令和五年は長崎県だそうなんですけれども、その差は二・三倍、一人当たりの税収格差があると。これを見れば、もちろん、東京だけ、どれだけ税収がいっぱいあるんだよということが言えるかというふうに思います。
その中で、地方と都市の間の税収の格差というのは日本はすごく特殊なのか、東京ばかりが異常に多くて地方がすごく脆弱になっているのかということを世界で見てみると、OECD諸国の中でデータが取れる、三十一か国データが取れるそうなんですが、その国々の中で地域間の格差があるところを比較したものがあって、日本は三十一か国中下から二番目、格差が少ない方と言われています。一番少ないのはスイスということで、一番多いのはスロバキアで日本の約五倍強地方と都市の格差が大きいというふうに言われています。アメリカは四倍ほど、四倍弱の差があると言われていて、そういう意味においては、日本は格差があると言われていても、それなりの、世界的な中ではそれほど大きな格差ではないというふうにも言われています。
ただ、そうはいっても、二・三倍一人当たりの税収の格差があるじゃないかということを言われるかと思うんですが、これは一人当たりの一般財源という視点で見ると、決して、東京が大きくほかの道府県に対しまして財源をいっぱい持っているというものではなくて、要は、東京都というのは、自主財源である地方税、それが圧倒的に多い。地方交付金については不交付団体ですからそれがないわけでありますけれども、一人当たりの一般財源を令和五年度決算で比較すると、東京は四十七都道府県のうち三十番目に多いところです。一番一人当たりの一般財源が多いのは島根県です。人口は少ないですけれども、独自財源は少ないですけれども、その分地方交付金が多くあって、人口で割り返すと一人当たりに自由に使える財源というのが一番多いと。少ないところは千葉県、埼玉県、神奈川県。神奈川県が一番少ない。これは三県が、東京都のことにつきましても、午前中も紹介されましたが様々申入れをされているわけでありますけれども、地方交付金がある中であっても、景気が上がって独自財源が増えてくると交付金が減ってきますから、そうすると差が更に広まって、こういった東京周辺の自治体は苦労されているというのが実態であるかと思います。
こういった研究を聞いていきますと、東京においても、人口が多いから、施策を、何かを行うにしても様々な財源が必要であるという中で、独自の財源としてある地方税を使っていくものを、偏在是正だということでそれを東京から違うところに移されるというのは、東京都がいろいろ言うのももっともなのかなと。私も特別区の板橋区の議員を務めておりましたから、そういった考えは持っているところであります。
そういった中で、総務省のホームページをちょっと拝見させていただくと、地方税と地方交付税というのはそもそも何なのかということがホームページに書いてあります。総務省のホームページの地方税については、「皆さんの身の周りの上下水道やゴミ収集、警察、消防などの活動は、都道府県や市町村などの地方団体が担っています。そして、その活動は住民である皆さんが納める「地方税」により運営されています。 地方税とは、住民生活に欠かせない様々な行政サービスにかかる費用を、皆さんで分かち合いながら負担するものなのです。」と。つまり、地方税は、自分たちの行うべきサービスについて、そこに住んでいる方から税金をいただいて、それをその地域のサービスに充てていくと。先般の高市首相の、代表質問に対する御答弁の中でも、住民税の話でしたけれども、地域の会費的な役割があるというふうにおっしゃっていましたけれども、そういった意味合いというのが地方税のものだと思います。
一方、地方交付税というのはどういうものか。
総務省のホームページには、地方交付税の制度の性格として、「地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」(固有財源)という性格をもっています。」というふうに書かれております。
つまり、地方税は独自のものでありますから、そこから偏在是正をするのではなくて、偏在というのは、やはり、この地方交付税制度の中で、困っている地方に対してしっかりと財源を示していくということが筋であろうというふうに私自身は思っております。
こういった、偏在是正については地方交付税で考えるべきだという意見がありますけれども、そういったものに対します林大臣の御見解についてお聞かせください。
○林国務大臣 午前中の質疑とはまた違った方向からいろいろと御議論を賜っておるわけでございまして、この偏在是正につきましては、今、高沢委員もお触れになったように、埼玉、千葉、神奈川を始め多く知事の皆様から、行政サービスの地域間格差が顕在化する中、偏在是正の取組を進めていただきたいと切実な御意見を伺っているところでございます。
こうした点も含めて、昨年末の与党税制調査会において議論が行われまして、令和八年度与党税制改正大綱が取りまとめられたものと承知をしております。
この与党大綱では、都市、地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築として、税源の偏在を是正する追加的な措置として法人事業税資本割などの措置の検討、東京都が課税する特別区の土地に係る固定資産税に関する必要な措置の検討について盛り込まれたものと承知をしております。
総務省としては、こうした与党大綱を踏まえて、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組について検討を進めてまいります。
また、先ほど諸外国の数字もお示しになっていただきました。大変興味深い数字ですので我々も更に勉強したいと思っておりますが、例えば連邦制の国であるとか、国と地方の関係がどうなっているのかというようなこと、そして、今ホームページを御紹介いただきましたが、そもそもそういう仕組み等々を持っているのかいないのか、いろいろなことを見ていかなければいけないのかなと思いながら聞かせていただきました。
全国の自治体で標準的に行う行政サービス、これは、地方財政制度、地方交付税制度を通じてその財源を保障しているわけでございまして、例えば令和八年度では、新たにいわゆる教育無償化について安定財源を確保することを前提に、全国的に行う標準的な行政サービスとして地方財政計画に所要額を計上して、その財源を確保しているところでございます。
子育て、教育施策を始め、国としてどのような施策を標準的な行政サービスと位置づけるか、これは、総務省のみならず、制度所管省庁を始め関係省庁において、安定財源の確保、そして、国と地方との役割分担等を踏まえて検討する必要があるもの、そういうふうに考えております。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
林大臣の最後の部分の御答弁は、私も全くそのとおりだというふうに思います。地方によってできる事業が分かれてしまうというのは、自由度ではなくて、必要なものなのに、できること、できないことがあるということはあってはいけないわけでありますから、それはやはり国会において議論をして、これは全国一律で行うべきサービスであるというふうに考えるならば、そのサービスについては国が責任を持って行うというのは、今御答弁があったとおりだと私自身も思います。
それとともに、やはり、自治体が自らの努力においてしっかりと財源を確保しつつ施策を展開をするということは応援していく必要があると思います。なので、地方交付税制度の改革については、やはりこれは、今回の利子割から離れてしまいましたけれども、しっかりと議論を深めて、より自治体が自治体としての独自の行動ができる交付金の在り方というものをつくっていかないといけないと思いますので、そういった中で、困っている地方の自治体に手を差し伸べるという言い方は失礼かもしれませんが、国が責任を持つということを行っていく必要があるのかなというふうに感じております。
今後も、私も少しずつ勉強をさせていただいて、議論させていただければありがたいと思っております。
続いて、大胆な設備投資の促進に向けた税制についてお聞かせをさせていただきたいと思います。
今、提案されております大胆な投資税制についてなんですけれども、大胆とついているので、何が大胆なのかというところでちょっと調べさせていただきました。
ちょうど平成二十六年に生産性向上設備投資促進税制というのがありまして、それが似通った施策でありまして、そことの違いでいきますと、まず、全業種を対象にするというのは二十六年時と一緒です。ただ、対象の企業については、二十六年時は中小企業のみだったのが、今回は大企業も含まれている。それから、税額控除のパーセントについても、前回五%だったのが今回七%ということで拡充をされている。措置の期間も前回三年間だったものが八年間というふうに講じられて長くなっておりまして、それが大胆なものなのかなというふうに感じさせていただいているところであります。
この大胆な投資促進制度の創設の御提案に至るものについては、昨年十二月の自民党さんと国民民主党との合意文書の中で規定をされております。その文言を読み上げますと、「いわゆる「ハイパー償却税制」を求める国民民主党の主張を容れ、全ての業種に対し、建物を含む広範な設備を対象とする即時償却・税額控除に加えて、繰越控除を認める大胆な設備投資減税を導入する。」と。ここにも「大胆」というふうに書いてあるんですが。
では、ここの合意で書かれております、国民民主党の主張を入れるとありますけれども、その盛り込まれた点というのは、今回の御提案の中でどこにあるか、お聞かせください。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
今先生御指摘いただいたとおり、自由民主党と国民民主党の合意書において、そういった記載が盛り込まれたと承知してございます。
その後、与党の令和八年度税制改正大綱におきましては、危機管理投資、それから成長投資による強い経済を実現するべく、国内の高付加価値な設備投資を促進することを目的とした大胆な投資促進税制の創設が盛り込まれた、そういったことになってございます。
それで、大胆な投資促進税制でございますが、今御指摘ございましたとおり、原則として全業種を対象にする、それから、建物も含めた一定規模以上の高付加価値な設備投資に対して、経済産業大臣の確認を受けた場合には、即時償却又は税額控除を利用可能とする制度となってございます。
具体的なポイントということでございますが、過去の、大企業も活用可能な設備投資減税と比較した場合、御指摘にもございましたけれども、建物を含む設備投資に対して、即時償却が可能であるということに加えまして、ごく一部の措置を除けば、最も高い水準である税額控除七%、建物等が四%という高い控除率の税額措置を講じております。それから、三年の間に投資計画の確認を受ければ、そこから五年を経過する日までの間に事業の用に供されれば、税制の優遇措置を受けられるため、より長期にわたる設備投資も対象になっているということでございまして、このような措置で、本制度は果敢な設備投資に対して、より強いインセンティブを付与する措置というふうになっていると考えているところでございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
大胆なところは御説明いただいたというふうにお聞きしましたけれども、その一方、これでやはり地方税収、法人住民税や法人事業税が減収になってしまうのが事実であると思います。ただ、減収にはなっても、今回の御提案の税制によって効果があるから、それだから提案をされているんだと思うんですが、地方の税収は減収になるけれども、本税制にはどのような効果があるというふうに期待をされているのか、林大臣の御見解をお聞かせください。
○林国務大臣 今経済産業省から答弁もございましたが、中小企業は別として、投資の下限額が三十五億円以上と、かなり大規模な設備投資を対象にしているということと、それから、これは総務省としてというよりは、元税調として申し上げますと、ROI水準というのが入っていまして、これは一五%以上ということでございます。今までのにROIを入れてやってきたのは余りなかったような記憶もございますが、そういう非常に絞った大きいものということもあって、高い水準、即時償却又は高い水準の税額控除ですから、効き目も大きい、こういうふうに思っております。
地方税収において、まさに一定の減収が見込まれるわけでございますけれども、高市内閣が強い経済ということを掲げておりますので、この実現に向けまして、本税制が企業の設備投資の後押しになるもの、そういうふうに考えております。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
私自身としても、これで経済成長の原動力の一つになることは期待をしたいなというふうに思っているところではあります。
次に、時間もあれなんですが、最後、震災復興特別交付税について少し質問させていただきたいと思います。
いただいている資料によりますと、震災復興特別交付税については、昨年度よりも三百三十二億円減で、パーセントにして三八・一%減の五百三十九億円が計上されていることでありますけれども、東日本大震災から十五年がたちまして、復興が進んできた。減少になるということは、それだけ復興が進んでいるということでありますので、それについてを否定するものではもちろんありません。ただ、その分、そうであっても、やはりしっかりと支援をして、続けていかなくちゃいけない部分もあるのかなと。
この減少の内訳を見させていただくと、直轄・補助事業の地方負担分というのが、これは各省庁が窓口になっていて、その分補助を出していて、その地方負担分を今回の予算でやっているようなんですけれども、これについては、昨年度、二百七十億円減の四六・六%という、大幅な減になっている。地方単独事業分、これは総務省さんが直接の、地方単独事業分については四億円の減で、三・四%減ということで、それほど減っていない。
ほかの省庁が窓口になっている部分が減っているという状況ではあるんですけれども、そういった中で、被災自治体の要望等は、ほかの省庁の分も含めてなんですけれども、そういったものはちゃんと聞かれた上で今回の予算に反映されているのか、御認識をお聞かせください。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
令和八年度の震災復興特別交付税につきましては、国の予算における補助事業の地方負担額や地方自治体から御報告をいただきました地方単独事業の必要額を基に積算をし、令和八年度地方財政計画に五百三十九億円を計上いたしました。
被災地において、復旧復興事業に係る直轄・補助事業の地方負担が減少することなどに伴って、震災復興特別交付税の総額は減少しておりますけれども、被災自治体が復旧復興事業を行うために必要な額はしっかりと確保しているものと考えております。
引き続き、被災自治体が必要な復旧復興事業を確実に実施できるよう、被災自治体の支援に万全を期してまいります。
以上でございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
ちょうど令和八年からは第三期復興・創生期間に入るということで、五年間に入るということで聞いております。福島の復興を進める、岩手、宮城については、特にインフラ系は一区切りがついたので、そこよりも福島に重点をやって第三期復興・創生期間に入るというような御説明をいただいているんですが、ハード面は見えてくる部分があるかと思いますが、ソフト面についてはまだまだ支援をしなければならないところがたくさんあると思います。
新聞報道で大変恐縮ですが、読売新聞の報道によると、今回の復興第三期に入ったことによって様々な事業が廃止になっていると。被災者の見守りや相談の支援をしておりますもりおか復興支援センターというものがあったんですが、これは国の被災者支援総合交付金が打ち切られて、年間五千万円の運営費が確保できなくて廃止になったというような報道もされています。
やはり、ソフト面における支援というのはしっかり行っていかないといけないというふうに思いますので、そういった地域の要望が一方的に切られることのないように、被災自治体に寄り添った対応というものを求めたいと思いますが、総務大臣の御見解を最後にお聞かせください。
○古川委員長 簡潔に願います。
○林国務大臣 総務省といたしましては、令和八年度以降の第三期復興・創生期間においても、被災自治体が必要な復旧復興事業を確実に実施できるように、東日本大震災からの復興の基本方針、昨年六月に閣議決定されておりますが、これに基づいて震災復興特別交付税による支援を継続することとしております。
引き続き、被災地の実情を丁寧にお伺いしながら、被災自治体の財政運営に支障が生じないよう、支援に万全を期してまいります。
○高沢委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、青木ひとみ君。
○青木委員 参政党の青木ひとみです。
本日も御質問の御機会をいただきまして、ありがとうございます。
では、まず初めに、教育無償化への対応についてお伺いさせていただきます。
現在進められている高校の無償化は、各家庭の経済状況にかかわらず、教育の機会均等を推進する仕組みとなっております。しかし、その一方で、公立高校が元気を失うという深刻な事態が起きております。
かつて、公立高校が幅広い家庭に選ばれてきた大きな理由は、学費の安さでした。しかし、無償化によってその差がなくなると、多くの子供たちが、豪華な校舎、独自の授業を持つ私立高校へと流れています。大阪では、公立高校の半分以上が定員割れとなって、この二十年で四十校もの学校が消えてしまったそうです。私立は自由な経営ができますが、公立は予算やルールに縛られて新しい挑戦がしにくい、これでは余りにも不公平な競争ではないでしょうか。
特に心配しているのは、将来地元の工場とか農家を支える力となる若者が通う工業高校、農業高校のことです。こうした専門高校が定員割れでなくなってしまえば、地域の担い手がいなくなってしまいます。学校が消えることはその町の活気が消えることと同じと考えます。
そこで、大臣にお伺いいたします。
先ほど許斐委員より御質問がございましたが、今回の無償化に係る措置、高等学校教育改革等推進事業、これは地域を支える公立高校を守るための位置づけとしてよろしいのでしょうか、御見解をお聞かせください。
〔委員長退席、鈴木(英)委員長代理着席〕
○林国務大臣 いわゆる高校無償化の検討に当たりまして、地方と協議を重ねていく中で、地方側からは、公立高校等への支援について、教育環境の整備を計画的に進めるため、元利償還金に対して交付税措置のある地方債の創設が必要だという意見がありました。そもそもの発端が、要するに、公立高校等への支援ということであったわけでございます。
こうした声を踏まえて、先般、文部科学省が公表いたしました高校教育改革に関するグランドデザインを踏まえて、各都道府県において策定される高校改革の実行計画、これが着実に実施できるように、新たに高等学校教育改革等推進事業債を創設することといたしました。
公立高校は、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在である、そういうふうに認識しておりまして、先ほど委員から御指摘があったとおりでございます。
総務省としては、この事業債の活用を通じまして、公立高校において、今後の社会経済の発展を支える人材の育成、これが図られることを期待をしておるところでございます。
○青木委員 ありがとうございます。
林大臣より御答弁いただきましたが、今回のこの措置は、公立高等学校を、選ばれる学校、魅力ある学校にするための措置ということでして、その点は私も評価したいと思います。
しかし、手放しでは賛成できません。なぜなら、今回の無償化に伴い、教育の自由度が高い私立が選ばれて公立高校の志願者が減る、そこで、公立高校に人を集めるために追加支援をする、このような構図になっているのではないでしょうか。これは、自ら招いた問題に対して更なる税金で穴埋めをしているという、どこか矛盾を感じてなりません。
教育の無償化には想像以上に大きな副作用が伴う可能性がございます。その影響を十分に吟味せずに教育無償化を急いだ結果、大切な公教育を弱らせてしまう、私はそこに大きな疑問を持っていることをお伝えさせていただきます。
今回の高等学校教育改革等推進事業の創設に伴って、各公立高校における施設整備が促進されるものと思いますが、それは、数年おきに更新が必要なものだったり、日常的なメンテナンスを要するものが多く含まれていると思います。その維持管理費が結果的に自治体や地域住民の負担となってしまわないか、そこが懸念点でございます。
そこで、施設整備に係るその後の維持管理費について十分な財政措置がなされるのか、お聞かせください。
〔鈴木(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○出口政府参考人 お答えをいたします。
高等学校の施設設備に係る維持補修費につきましては、各自治体における経費の実態を踏まえて、標準的な経費を普通交付税の単位費用において措置をしております。
その上で、令和八年度の地方財政計画におきましては、物価高への対応として、維持補修費を七百五十億円増額計上しておりまして、これに対応して、高等学校の施設設備に係る維持補修費につきましても、普通交付税の単位費用措置を五%程度引上げをしております。
今後も、物価の動向に加えまして、高等学校における施設設備の整備状況や高等学校の運営費の状況を踏まえて、適切な財政措置に努めてまいります。
○青木委員 ありがとうございました。
是非、子供たちが毎日を過ごす学校にぬくもりのある財政措置をお願い申し上げます。
次に、教育に使われる公費が将来どのように社会に役立てられるかという、還元の在り方についてお伺いいたします。
近年、東京大学を始めとする国内屈指の優秀な学生の進路として、外資系コンサルティング会社が非常に高い人気を集めております。もちろん、個人の職業選択の自由は尊重されるべきですが、一方で、多額の公費を投じて育成された高度な知見が国内産業の発展や地域課題の解決に直接結びつきにくい現状に対して、教育投資としての意義を問う声も少なくありません。
地方財源という限られた予算を教育に充てている以上は、その成果が地域社会へ着実に還元されることは、住民の納得感を得るためにも不可欠な視点だと考えております。
また、在留資格のある外国人学生への就学支援金については、令和八年度の制度改正で一定の整理はなされたものの、将来日本に定着する意思があるという主観的な要件に基づいているのは設計として曖昧であるとの批判も聞かれております。
国民の税金で育てた人材の貢献が見えにくいまま、その能力が外資や海外へと流出していく現状、これは教育投資としての妥当性が問われるのではないのでしょうか。公費で学んだ方々が、その高い専門性を生かして、将来的に日本や地元の維持発展に寄与できるような明確な仕組みが必要なのではないでしょうか。
こうした観点から、公費による教育を受けた人材が地域社会で活躍し、その恩恵を社会に還元できるような仕組みづくりについて御見解をお聞かせください。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員より御指摘いただきましたとおり、専門高校を含む公立高校は、地域産業の発展を支え、地域社会に根差した重要な存在であると認識をしております。
このため、文部科学省といたしましては、先月、高校教育改革に関するグランドデザインを公表し、社会状況の大きな変化が見込まれる二〇四〇年を見据えた高校教育改革の方向性として、AIに代替されない能力や個性の伸長、我が国や地域の経済社会の発展を支える人材育成、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保の三つの視点を示した上で、高校から大学、大学院に至るまでの一貫した改革に、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成することとしております。
具体的には、今後、国のグランドデザインを踏まえ、都道府県において高校改革の実行計画を策定することを予定しておりますが、その際、教育委員会が、知事や関係部局、地域の関係者、産業界に加え、大学等の高等教育機関とも十分に連携、協働して、地域別産業構造の推計や人口の将来推計等を踏まえた議論を行い、地域の人材育成方針や課題を共有しながら、専門高校の機能強化、高度化を通じたアドバンストエッセンシャルワーカーの育成、普通科改革を通じた高校の特色化、魅力化による文理の双方の素養を有する人材の育成などに取り組むこととしておるところであります。
文部科学省としては、こうした取組を通じて、引き続き、我が国社会や地域の経済社会の発展を支える人材育成に、推進してまいりたいと考えております。
○青木委員 人材育成に、前向きに御検討いただいているということでした。ありがとうございます。
一見、無償化というと、言葉の響きは全ての家庭にとって喜ばしいもののように聞こえます。しかし、その裏側で、公立高校が減少して地域の専門高校が姿を消し、結果として、塾などに資金を投じられる家庭のお子様が有利になる格差が生まれるのだとしたら、それは果たして本当に子供たちのための政策と言えるのでしょうか。
教育とは、数年で結果が出るものではありません。十年、二十年という長い年月を経て、地域で働き、社会を支える人材を育むことこそが教育の本質であると私は信じております。高校の無償化が子供たちの未来を本当に豊かにしていくのか、そして、真によりよい教育環境につながっていくのか、今こそその是非を問い直すときだと考えます。
特に、地方や郊外の公立高校は、単なる教育機関にとどまらずに、地域人材を育成して定着させるための社会基盤としての役割を担っております。先ほども申し上げましたが、地域経済を支える専門高校、地域拠点の廃校は、地域の中核を担う人材の土台が失われることを意味しております。
ですから、総務省のみならず、文部科学省、財務省、そして地方自治体も含め、省庁の壁を越えて、いま一度立ち止まり、子供たちの笑顔のために、そして、若々しいエネルギーにあふれる豊かな地域を守るために、目先の結果ではなくて、未来を見据えた教育の在り方について、是非、丁寧に検証していただきたいことを切にお願い申し上げ、次の質問に移らせていただきます。
続いて、メガソーラーと地域を守る地方税制についてお伺いいたします。
今、全国の山々や田畑が次々とメガソーラーに覆われていっております。昔の美しい景色が変わってしまった、土砂崩れが心配、そのような住民の方々の切実な声は私の元にも届いております。事業者が倒産、撤退した場合は、高額な撤去費用、処分費用を確保できないまま設備が放置されてしまえば、危険な老朽設備が残って、その負担が最終的には自治体や住民に押しつけられるリスクも考えられます。
また、納得がいかないのは、お金の流れです。メガソーラーの設備に係る固定資産税、これは年々価値が下がるものとして計算されます。数年もすれば、自治体に入る税額はどんどん減っていく仕組みでございます。
一方で、削られた山の斜面とか、崩落のリスク、景観の悪化といった地域の負担は、事業が終わるまで、あるいは終わった後もずっと続いていきます。リスクは増え続けるのに税収だけは減り続ける、これでは地域は全く割に合いません。
また、運営しているのが海外の会社である場合、日本の豊かな自然を使い、電気を売って得た利益は、地元の商店や雇用に回ることはなく、そのまま海外へ吸い上げられていきます。日本の国土を海外のもうけの道具にさせてよいのでしょうか。
そこで伺います。
税収は減ってリスクだけが残る、この状況を国としてどう認識されていらっしゃるのか、お聞かせください。
○小林政府参考人 お答えいたします。
まず、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーの導入拡大においては、地域の理解や環境への配慮が大前提でございます。
太陽光発電事業については、他の開発事業と同様に、土地造成の安全性を確保する森林法、また盛土規制法等の関係法令に基づいて規制がなされております。
その上で、いわゆるFIT、FIP制度においては、こうした関係法令の遵守を求め、違反する事業者にはFIT、FIP交付金の一時停止や認定取消しを行うなど、厳格に対応することとしてございます。
さらに、経済産業省としては、太陽光発電の安全な設計、施工に関するガイドラインの策定、事業規律違反や関係法令違反が疑われる不適切案件の洗い出し調査や、発電事業者に対する指導の実施といった対策を講じているところでございます。
また、事業を終了した後の適切な設備の廃棄につきましても、二〇二二年七月以降、再エネ特措法に基づき、FIT、FIP制度の認定事業者に対しては太陽光発電設備の解体撤去や適切な処理のための費用の積立てを求めているところでございます。
それから、昨年の十二月には、いわゆるメガソーラーの地域との共生等をしっかり確保すべく、政府全体としてメガソーラー対策パッケージを取りまとめたところでございます。
引き続き、これらの取組を通じて、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら、太陽光発電の導入拡大を適切に進めていきたいと考えているところでございます。
○青木委員 ありがとうございました。
先ほども申し上げたんですが、崩落のリスクとか景観の悪化といった地域の負担は今後も長きにわたって続いていきます。太陽光パネルの設置は、例えば学校とか公共施設の屋上に限定するなど規制の下で進めるのであれば理解もできますが、やはり、美しい日本の国土が変貌していく、その現状をこれ以上見ることは、私は看過できません。
高市総理はメガソーラーの環境規制強化を明言されておりますが、地域にしっかりと税収が落ちるように、また税率の調整によって身勝手なメガソーラー開発を抑制するために、設備の価値が年々低下しても、パネルの面積とか発電量に応じた安定した税収を確保できる仕組みを整え、地方自治体が地域の自然を守るために独自の課税ができるよう制度を整える必要があると考えているんですが、御見解をお聞かせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるメガソーラーを含む再生可能エネルギーの発電設備につきましては、当該資産が所在する市町村において一般的に固定資産税が課税されることになりますが、委員が今おっしゃいましたように、パネルの面積や発電量に応じて課税する仕組みは、現在の地方税法の規定によります法定税としてはございません。
他方で、再生可能エネルギー発電につきましては、例えば、宮城県の再生可能エネルギー地域共生促進税という税がございますけれども、こちらの方は再生可能エネルギー発電事業と地域との共生の促進を図る目的で導入されたものでございまして、課税標準として再エネ発電設備の発電出力を用いておるところでございます。こういった例が、ほかにも青森県などございます。地方団体が独自に法定外税を課すといった動きもございます。
総務省といたしましては、このほかの地方自治体におきましても、こういった導入を検討することがございましたら、その相談に応じたり、必要な情報を提供するなどの支援を行ってまいりたいと考えております。
○青木委員 ありがとうございました。
日本の土地と税収を守ることは、国の基盤を守ることにほかなりません。
近年は、海外の居住者が投資目的で日本の不動産を取得して、海外で売買するケースが増えておりますが、納税管理人と連絡が取れなくて、譲渡所得税などの徴収が困難になる徴収漏れが課題となっています。地域の住民の皆様が適正に納税している一方で、海外居住者が納税を免れる現状は、税の公平性の観点から極めて不当ではないでしょうか。
これまで申し上げましたメガソーラーの問題、そして外国人による不動産取得の問題、これらは別々の事象ではなく、根っこは同じ構造をしています。日本の土地から生まれた富が地域に戻ってこないという極めて無防備な状態が放置されていると考えます。なぜ日本の土地が守られてこなかったか、その根っこに切り込まなければ本当の解決にはなりません。
日本の山や田畑は、先人たちが汗を流して、長い時間をかけて守り育ててきたものでございます。地域で懸命に生き、毎年きちんと税金を納めている方々がいらっしゃいます。御先祖様から受け継いだ土地を守り続けている方々がいらっしゃいます。その方々の思いに私たちは応えなければなりません。
日本の富は日本のために、地域の恵みは地域の人々のために。日本の土地を守り、地域の暮らしを守り、そして次の世代に誇れる日本を残す、その決意を持って、是非、総務省として一歩を踏み出していただくことを強くお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、水道事業に係る地方財政措置の拡充についてお伺いさせていただきます。
今回の地方財政措置において、修繕や耐震化への支援が拡充されました。水道は、国民の命を守り経済を支える最も重要な社会基盤でございます。
しかし今、昭和三十年から四十年代の高度成長期に整備された管路の多くが耐用年数を超えていると言われております。昨年、埼玉県八潮市の道路陥没事故や、行田市で発生した下水道管点検中の痛ましい事故は、老朽化が放置された場合の恐ろしさを強く国民に印象づけました。
そこで、まず、全国における耐用年数を超えた管路の現在の割合と二十年後の老朽化率、そして今後の更新計画について教えていただけますでしょうか。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
国土交通省の資料によりますと、令和五年度末の法定耐用年数を経過した水道管路の割合、すなわち管路経年化率は二五・三%となっており、二十年後には管路経年化率が七一%になると見込まれているところでございます。
総務省としましては、計画的な管路の老朽化対策を進めることができますよう、中長期的な経営の基本計画である経営戦略を各自治体において策定、改定するように助言をいたしております。
その上で、全国的に漏水事故が発生している状況を踏まえまして、国庫補助事業と歩調を合わせ、事故発生時に社会的影響が大きい大規模管路等の耐震化事業について、その推進を図るため地方財政措置を拡充することといたしました。
地方六団体からは、この水道事業に係る地方財政措置の拡充について評価をいただいているところでございます。
○青木委員 ありがとうございます。
現在、老朽化率が二五・三%、二十年後は七一%ということでした。このような状況を踏まえまして、インフラ老朽化に対応するため、今回、水道事業に係る地方財政措置を拡充されたと理解しておりますが、果たして今回の財政措置は国民の安全な暮らしを守るために十分な措置なのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○出口政府参考人 先ほど申しましたように、全国で漏水事故が発生をしておりまして、緊急的に対応しなければいけない重要管路につきましては、国土強靱化の観点から、一定の目標を定めまして取組を進めることといたしております。
その目標を達成するために国庫補助事業の拡充が図られたわけでございますけれども、それと歩調を合わせまして、必要な地方財政措置の拡充に努めたところでございまして、この計画達成に向けた取組を全国で進めていただきたい、このように考えているところでございます。
○青木委員 ありがとうございました。
住民の皆さんの立場からすると、財政が厳しいから耐震化が遅れました、でも大地震が来てしまいました、これでは余りにもつら過ぎますので、住民の皆さんにとって、蛇口をひねれば水が出る、これは当たり前のことですから、その当たり前が崩れてしまうかもしれないという、その危機感を是非多くの方々に共有していただきたいと思います。
今回、水道管路の耐震化事業における措置が今までの四分の一から二分の一に拡充したということですけれども、そもそも、なぜ今まで四分の一だったのでしょうか。
これまでの震災で、断水が長期化して住民の皆さんが大変な御苦労をされておられました。この教訓を踏まえれば、水道管路の耐震化は待ったなしのはずですが、それがなぜ今まで低い支援水準に抑えられてきたのでしょうか。
私としましては、二分の一の拡充にとどまらず、必要であれば今後更なる引上げも視野に入れていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
水道事業につきましては、独立採算を原則とする公営企業として運営をされております。このため、地方財政措置については、水道管路の更新事業については、水道料金によって事業費を賄うということをまず基本といたしております。
その上で、通常の事業費を上回って実施する事業につきましては、事業費の四分の一を一般会計、公費が原則負担することとし、措置率を四分の一としております。
さらに、防災対策など緊急に実施する必要のある事業につきましては、事業費の二分の一を一般会計が原則負担するものとして、措置率を二分の一としております。
今回の水道管路耐震化事業の見直しにつきましては、先ほども申しましたが、国土強靱化実施中期計画において大規模管路等の更新について整備目標が定められまして、集中的に取り組む必要があるとされましたので、国庫補助事業の拡充等と歩調を合わせ、地方財政措置率を二分の一に拡充したものでございます。
総務省としましては、関係省庁とも連携して、必要な耐震化事業の推進が図られるように適切に対応してまいりたいと考えております。
○青木委員 適切に考えてくださるということでした。ありがとうございます。
この度、高市総理は責任ある積極財政を掲げておられますが、この責任あるという言葉が、プライマリーバランス黒字化などの緊縮財政のことではなくて、国民の命と日常を根底から守り抜くという国家の力強い決意であることを心より願っております。
半導体やAI、防衛といった先端分野への投資も、もちろん国家の競争力や安全保障においてはとても大事です。しかし、水道が止まってしまえば、どんなに優れたAIがあっても、国民生活は成り立ちません。公共インフラの更新を計画的に進めることは、地域に安定した雇用を生み出し、内需を拡大させて、日本経済を内側から支える力になります。これこそが、社会全体で豊かさを分かち合う公益資本主義の実現につながる道であると私は期待しております。
総務省におかれましては、予算委員会や、国土交通省などほかの省庁の皆様とも連携を図っていただき、国民の生存に直結するインフラ整備を、先端技術と同等あるいはそれ以上に重要な国家の課題として位置づけていただき、水道事業における更なる地方財政措置の拡大につなげていただきたいと考えておりますが、大臣の決意をお聞かせください。
○林国務大臣 水道事業は、住民の生活に必要不可欠なライフラインとして大変重要な役割を担っている、そういうふうに認識をしております。
一方で、人口減少等による料金収入の減少ですとか、施設、管路等の老朽化に伴う更新需要の増大、こうしたことによって、その経営環境が厳しさを増しておるところでございます。
総務省としては、これまでも、水道管路の老朽化の状況等を踏まえて、必要な地方財政措置を講じてまいったところでございます。
今、局長からも答弁がありましたが、令和八年度からは、第一次国土強靱化実施中期計画の中で大規模管路等の更新が位置づけられた、このことも踏まえまして、地方財政措置を拡充したところでございます。
総務省といたしましては、引き続き、関係する省庁と連携をいたしまして、水道管路の耐震化など水道の経営基盤の強化、これが図られますように適切に対応してまいります。
○青木委員 ありがとうございました。心強いお言葉をいただきました。
明日、三月十一日は、東日本大震災から十五年を迎えます。あの未曽有の災害において犠牲となられた多くの方々に謹んで哀悼の意を表します。
自然災害そのものを防ぐことは困難ではありますが、被害を最小限に抑えるための備えと制度の整備は、私どもに課せられた重大な責務でございます。二十年後、五十年後の日本を生きる子供たちが、どの地域においても安心して健やかに暮らせる土台を今このときから築き上げていただいて、未来を見据えた決断をお願い申し上げるとともに、安心な暮らしを守るための継続的な取組を心よりお願い申し上げます。
では、最後に、ふるさと納税制度についてお伺いさせていただきます。本日、多くの委員が質問されてこられましたが、最後に私からもお伺いさせていただきます。
ふるさと納税の本来の思いというものは、生まれ育った地域へ恩返しや、応援したい自治体への支援など、元々は温かい気持ちから生まれた制度です。財政的に厳しい地方自治体にとっては、財源を確保できるという点において大変意義のある制度と考えます。しかし、現実には、返礼品をめぐって自治体同士が競い合う構図になってしまい、ふるさとへの思いという本来の気持ちが薄れてしまっているのではないでしょうか。
そこで、今回、ポータルサイトの手数料について、寄附額全体の一三・〇%、千六百五十六億円、これがポータルサイトに流れているということで、見直しが入ります。段階的に自治体の活用財源を六割以上に増やす方針となって、それは私としても評価できる点ではございます。
しかし、特にサイト運営に外国資本が参入している現状は、日本の税金が実質的に国外へ流出していく構造になっておりますから、そこは、地域の活力はやはり地域の人々のために使われるべきだと考えます。本来の地方再生とは、返礼品の豪華さを競うことではなくて、自治体が掲げる独自の教育や守りたい文化に共感した方々が未来へ投資することだと思います。
そこで、具体的に、ポータルサイトの手数料そのものに上限を設けるべきだと考えておるのですが、ポータルサイトの手数料の上限規制の導入について御意見をお聞かせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、ふるさと納税制度は、ふるさとやお世話になった地方公共団体へ感謝や応援の気持ちを伝えるため、公的な税制上の仕組みとして創設されたものでございます。
受け入れられた寄附金につきましては、この趣旨に即しまして、自治体における行政サービスの充実や地域振興のために活用されるべきでございまして、区域外に流出するポータルサイト事業者等に支払う手数料等については、できる限り縮減していく必要があると考えております。
一方、委員今御指摘のように、手数料の上限規制を導入すべきではないかという御指摘をいただきました。
現在、各ポータルサイト事業者に支払った手数料等の詳細を把握するために、全国の自治体に対して調査を行っております。その調査結果を分析しますとともに、自治体の御意見などを伺いながら、総務省として具体的な対応を検討してまいりたいと考えております。
○青木委員 今現在、調査をしていただくということなのですが、是非、全国の調査実態を基に、余りにも多く取っているサイトがあるのであれば、今後やはり、六割以上返礼品に使うというふうに設けますと、損を受けてしまうのが、自治体の返礼品を作ってくださっている方々の御負担にもなってしまいますので、そこは是非、上限を設けた方がよいのかどうかということを検討をしていただきたいと思います。
私たち日本人は、目先の得を求めること以上に、ふるさとへの誇りや先人への感謝を大切にしてまいりました。そんな豊かな心が長い歴史の中でこの国を支えてきたのだと感じております。ですから、現状のふるさと納税が物のやり取りの競争になってしまっている、これはやはり私としましても少し寂しい気がします。
地域が誇りを持って、それを応援したい人が応える、そんな温かいきずなを取り戻すために、是非、このふるさと納税の制度が、日本人が古来より本来持っているふるさとを思う心を優しく呼び覚ますようなすばらしい仕組みへと育て上げていただきたいことを強くお伝えして、少し時間が早いのですが、私からの質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、武藤かず子君。
○武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。
本日も質問の機会をいただき、どうもありがとうございます。
質問に入る前に、東日本大震災から明日で十五年、亡くなられた方々へ心より御冥福をお祈り申し上げるとともに、今もなお被災されておられます皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私たちチームみらいは、未来を軸に政治に取り組む政党です。今この瞬間も大切ではございますが、十年、二十年、また五十年先、日本がどうあるべきかを一番に考え、それを起点に政策を考える政党でございます。
本日もその姿勢で、地方税改正に関連して三つ質問をしていきたいというふうに思っております。
一点目に関しまして、地方住民税控除の在り方についてでございます。
令和八年度与党税制改正大綱において、所得税の課税最低額百七十八万円とし、生活保護基準額が百七十八万円に達するまで維持すると明記されておられます。最低限度の生活を営むために必要な水準は課税しないという考え方が示されているものだと受け止めております。しかし、今回の改正において、住民税の基礎控除は据え置かれたままでございます。
所得税の課税最低額が百七十八万円であるのに対し、住民税は年収約百十九万円を超えた時点で課税対象となります。同じ所得に対して、国は課税しないと水準を認めながら、地方は課税するという不一致が生じております。このような不一致がなぜ生じているのか、御説明をお願いいたします。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきました百七十八万円につきましては、あくまで所得税の課税最低限として定められたものでございます。私ども、個人住民税の基礎控除額につきましてまず申しますと、地域の行政サービスのための費用をできるだけ多くの住民が広く負担を分かち合う、これを私ども、地域社会の会費的性格と申しておりますけれども、こういったことを踏まえまして、従前より、所得税より低く、独自に個人住民税を設定しているものでございますので、必ずしも一致するものではございませんで、このため、今回の所得税と個人住民税の課税最低限は異なっておるという状況となっておるものでございます。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
住民税そのものに、地域社会の会費という、応益性の性格があるということを重々承知をいたしました。
しかし、応益課税といえども、最低限度の生活を営むために必要な所得として、所得税の課税最低ラインに満たない水準の所得について住民税が課せられるということは、税金を納める国民としては納得しづらいのではないでしょうか。
公平、中立、簡素といった租税の原則も踏まえ、生活保護基準以下の所得に課税しないという原則は、所得税と住民税を問わず、ひとしく適用されるべきなのではないでしょうか。是非、政府の見解をお聞かせいただけますと幸いです。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
税の性格それぞれにございます。
実は、所得税と個人住民税、かつては同じ制度を取っておりました。それが、昭和三十五年でございますけれども、政府税調答申でございますが、所得税の改正がそのまま住民税に影響を及ぼさないように、各種の控除の金額に地方税独自の金額を定めることとしたというものでございます。
これは、先ほどから申し上げているとおり、地域社会の会費、また、地方税の持っております応益性の課税の原則、負担分任の原則、こういったものを反映してこのような制度が取られているものでございまして、御理解を賜れればと考えております。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
一つ、海外の事例としまして、ドイツにエクシステンツミニムムという、生存最低限という憲法の原則の下に、制度として、一貫して、国税、地方税を問わず、最低生活水準以下へ課税を禁じるということがなされております。
しかしながら、日本にはそのような統一原則が存在しないということと、先ほど御説明いただいたとおり、過去には同じ、両税、標準的に連動させる設計となっていましたけれども、住民税また所得税、また別々に管理をしていこうという流れが過去にあったということも重々承知をしております。
しかしながら、国税と地方税、双方に十分に一貫して適用されていなかった構造的な課題だということも言えなくはないのではないかというふうに思っております。
地方税と国税、別々に性格を分けて、最低生活水準以下には課税しないという原則がそれぞれで一貫して適用されないというところのこの構造的な課題に関して、過去これが決められたのが六十五年以上前ということもございます。今日にそのまま至っているというところもございますので、今からここを合わせるべきかどうかというところの議論を一度なされてみてもよいのではないかなというふうに個人的には思います。
所得税と住民税、この統一した課税最低限の原則を制度として整備をするお考えがないかどうか、是非、大臣の見解をお伺いできれば幸いです。お願いいたします。
○林国務大臣 憲法二十五条の趣旨に応えて具体的にどのような立法措置を講ずるか、これについては立法府の広い裁量に委ねられておりまして、ある施策単独のみによって健康で文化的な最低限度の生活を保障しなければならないと要請しているものでは必ずしもないと考えております。
健康で文化的な最低限度の生活については、課税最低限のみによって保障しなければならないものではなく、国及び地方公共団体等の他の施策とともに実現すべきもの、そういうふうに承知をしております。
その上で、先ほど局長からも答弁いたしましたが、この個人住民税、地域社会の会費的な性格等も踏まえまして、所得税よりも低く、独自に設定してきておりまして、したがって、課税最低限も低い水準になってきております。
そして、個人住民税の基礎控除等については、令和八年度与党税制改正大綱におきまして、地域社会の会費的な性格や地方税財源への影響等を総合的に勘案し、自治体の皆様の意見を踏まえつつ、必要な対応を検討する、こういうふうになってございますので、令和八年度改正においては、所得税と同様の措置として、給与所得控除の見直しについて対応する一方で、基礎控除額は据え置くこととされたところでございますが、政府としては、先ほど申し上げた大綱を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
是非、租税の原則である公平、中立、簡素、特に簡素のところですけれども、そこに立ち返り、制度設計を今こそ見直すというところ、また、国民の納得を得やすい制度設計というところを築いていただくことを強く期待をしております。
続きまして、次のトピック、質問に参ります。
デジタル活用推進事業におけるサイバーセキュリティーについてお伺いをいたします。
この事業計画において、自治体DX推進の対象事業として、新たにサイバーセキュリティー対策の強化に必要なシステムの導入が加えられたことは、これは、住民の安全、安心を守る上で非常に重要な事業であると高く評価をしております。この財政措置は、デジタル活用推進事業債によるものであり、対象団体の制限なく、あらゆる地方公共団体が活用できるものと認識をしております。
近年、現実に発生している危機として挙げられますのは様々ございますけれども、特に、公立病院や地方独立行政法人を含む医療機関へのサイバー攻撃でございます。もはや想定上のリスクではなく、少し古くございますが、二〇一八年の奈良県宇陀市立病院、また二〇二一年徳島つるぎ町立半田病院、二〇二二年の大阪急性期・総合医療センター、また二〇二四年の岡山県精神科医療センター、ここに挙げました四つの病院がそれぞれランサムウェアによる攻撃を受け、電子カルテの停止、また患者の情報の流出、それによって診療の制限ということ、深刻な被害が生じました。原因調査やまた復旧の費用で、数千万から、また二十億に上ったという事例もございます。
公立病院は、自治体が設置し、その運営費は自治体会計から支出されているものと認識をしております。住民の命を守ることは自治体の最も根本的な責務であり、その最前線に立つ公立病院がサイバー攻撃で機能を失うということは、地域医療の安全保障が著しく脅かされることを意味しております。公立病院のサイバーセキュリティー対策は、業務効率化という、そういった話ではなく、住民の命を守る安全保障の問題でもあるというふうに私自身思っております。
そこで、確認をさせてください。デジタル活用推進事業の対象に、公立病院は含まれていらっしゃいますでしょうか。また、その事業の内容も併せてお示しをいただけますでしょうか。お願いいたします。
○出口政府参考人 お答えをいたします。
デジタル活用推進事業債につきましては、令和八年度からサイバーセキュリティー対策の強化に必要なシステム、具体的には、業務端末やシステムへの不正アクセスを常時監視するシステムの整備を対象に追加することといたしております。
この事業債につきましては、対象事業の要件を満たせば、全ての自治体において活用が可能であります。お尋ねがございました公立病院を含む公営企業におきましても、公営企業デジタル活用推進事業債を活用できるという扱いになっております。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
また、厚生労働省でも同様の取組があるというふうに認識をしております。厚労省側の現状も確認させていただきたく存じます。
既に医療機関におけるサイバーセキュリティ確保事業を実施されているというふうに認識しており、令和六、七年度それぞれ約二千施設を支援対象として事業を推進されてこられたというふうに認識をしております。また、令和八年度も公募によりこの事業を実施されるとお伺いをいたしました。
令和八年度支援対象の施設数の見込みと、またその支援内容、並びに令和九年度以降の事業計画の見込みについてお示しをください。お願いいたします。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
医療機関におけるサイバーセキュリティー対策に関しましては、お話にもありましたとおり、令和六年度から七年度にかけて全国二千以上の病院に対しましてネットワークの外部接続点の状況を把握するための調査を実施してきたところでございます。調査結果からは、多くの病院において外部接続点が多数存在し、管理が困難となっている実情が明らかとなったところでございます。
この調査結果を踏まえまして、令和七年度補正予算において、外部接続点が多数存在した医療機関を支援するため、ネットワークの集約等による適正化を行うための予算を確保しているところでございます。その上で、令和八年度においては、この外部接続点の適正化に取り組む三百施設程度の医療機関の支援を行うことと考えております。
また、今後とも医療機関のサイバーセキュリティー対策の取組をしっかりと支援してまいりたいと考えておるところでございます。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
そもそも、社会インフラへのサイバー攻撃は、単なる情報システムの障害ではありません。医療機関であれば、救急、分娩、手術といった生命に直結する機能が止まってしまいます。交通インフラであれば、物流、移動が麻痺してしまいます。エネルギーインフラであれば、社会全体が機能不全に陥ります。もはやこれは個別省庁の行政課題ではなく、国家的な危機管理の問題であるというふうに思っております。
この認識に立った上で、医療は厚生労働省、交通は国土交通省、産業、エネルギーは経済産業省と、各省がそれぞれ主幹インフラのサイバーセキュリティーを縦割りで管理する、また推進していく現状には、根本的な限界があるのではないかというふうに考えております。だからこそ、既に設置がされておられます国家サイバー統括室、NCOが政府全体のベースラインを設定し、各省がそれを所管分野で徹底をしていくという横断的な枠組みの構築が急務であるというふうに思います。
総務省のデジタル活用推進事業に公立病院が含まれるとすれば、そこで蓄積される知見、モデル、実績をNCO及び関係省庁と共有、連携をし、全国標準モデルの構築につなげることも一つかと存じます。
総務省は既に情報通信行政と地方自治行政、双方を所管する立場であられます。それは他省にもない立場でございます。NCOが定めるベースラインを、全国の自治体、また地方公共団体、公立病院に浸透させる役割を担えるのは、私は総務省にあられるというふうに思います。
社会インフラを守っていくことを国家安全保障の最優先課題と位置づけて、NCOを中心とした政府横断的な危機管理の枠組みの中で、総務省として、情報通信また地方行政の両面からどのような横連携を果たしていかれるか、是非、林大臣の御見解をお聞かせください。
○林国務大臣 このサイバー攻撃は、重要なシステムの停止ですとか、今ちょっとお触れになられましたけれども、機微な情報の流出、こうしたことを引き起こして、私たちの暮らしや経済社会、そして国家の安全保障に大きな影響を与える深刻な問題でございます。先ほどの公立病院であれば、厚労省など関係府省庁が連携をして対策に取り組む必要があると考えております。
今御指摘いただいたようなNCOですが、昨年七月に、サイバーセキュリティ戦略本部を内閣総理大臣を本部長として全閣僚で構成する新たな体制に改組をして体制を強化したところでございまして、その中でNCOということも位置づけられておるわけでございます。私は当時官房長官でございましたので、直接これに関わらせていただいたところでございまして、やはり横串、縦串をしっかり刺して連携をしなければいけない、そういう思いで携わらせていただいたところでございます。
総務省は、例えばCYDERというのがございまして、実践的サイバー防御演習というものの略称でございますが、これを、NICTという独立行政法人の研究機関がございますが、そこで国、地方公共団体、また重要インフラ事業者等における人材育成ということで、そういう方々に対する実践的なサイバー防御演習を行っておるところでございまして、分野の垣根を越えて取組を進めているところでございます。
今後とも、関係府省庁と緊密に連携をして、我が国のサイバーセキュリティーの強化、これに引き続き取り組んでまいります。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
サイバー攻撃は、今この瞬間にも起こり得る脅威であるというふうに思っております。特に、医療関係につきましては、二〇二四年、イギリスNHSへのサイバー攻撃で、治療の遅延によって患者が死亡されたということが翌年の調査結果で明らかになっております。これは日本にも起こる事故であるというふうに思っておりますので、各省庁、これまで築いてこられておりますセキュリティー戦略ですとかガイドライン、そういったものを総動員して、是非スピード感を持った対応を強く求めます。
続きまして、自動車関連税制改正についてでございます。
環境性能割は、これまで燃料性能に応じた税負担の差によって消費者の購買行動を誘導し、電動車の普及を後押ししてこられました。政府としてこの制度が果たしてきた環境誘導機能をどのように評価されているか、まずはお聞かせください。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘ございました自動車税及び軽自動車税の環境性能割でございますが、これは自動車の燃費などの環境性能に応じまして、一番いいものは非課税、そして一%、二%、三%ということで段階的に税率が決定される環境税制として、令和元年の十月に導入されたものでございます。新車販売における電動車の割合、ちょうど令和元年度のデータでは三五%程度であったと承知しておりますけれども、これが令和六年度には五五%になっているところでございます。
もちろん、この税制だけの効果かは分かりかねるところでございますが、この環境性能割がより環境性能の優れた自動車の普及を一定程度後押ししてきたものと認識しているところでございます。
○武藤(か)委員 今お答えいただいたように、本制度のみならずかもしれませんが、本制度も環境誘導機能があったとするのであれば、今回、この廃止によってCO2削減にマイナスの影響を与えることになるのではないかと思っております。
環境省が委託したシンクタンクの調査結果によれば、二〇三〇年時点で百から百三十万トンのCO2増加を試算されておられます。この試算結果を踏まえて、二〇五〇年のカーボンニュートラルという国際公約の達成に向けて、この廃止がどのような影響を与え得ると認識されておられるか、お答えをお願いいたします。
○高城政府参考人 お答え申し上げます。
昨年環境省が民間のシンクタンクに委託した試算では、自動車税、軽自動車税の環境性能割を廃止した場合、二〇三〇年には乗用車からのCO2排出量が約百万トンから百三十万トン増加すると結果が示されているところでございます。このため、令和八年度与党税制改正大綱を踏まえた今後の税制の議論につきましては、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向け、関係省庁と連携してしっかりと取り組んでいくとともに、税制に限らない各種施策を通じまして、運輸部門の脱炭素化を強力に進めていく必要があるものと認識しているところでございます。
○武藤(か)委員 廃止を進めるということでございますと、これまでの環境誘導機能を担う代替手段が必要ではないでしょうか。例えば、購入補助金の拡充ですとか車体課税の再設計などによって同等の誘導効果を確保する方向性もあり得るのではないかと考えております。
政府として、廃止後、環境誘導機能をどのような形で代替するのか。既にもし議論されておられましたら、その制度名、導入時期など、また、想定される効果等をお示しいただけたらと思っております。
また、そもそも、こうした環境誘導機能を持つ制度を廃止するときには、やはりその廃止の時期と代替策の整備の時期と連動させる方がよろしいのではないかというふうにも思いますが、こちらについても是非お聞かせいただければと思います。お願いします。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
令和八年度の与党の税制改正大綱におきましては、米国関税措置が我が国自動車産業に及ぼす影響の緩和や自動車ユーザーの取得時における負担の軽減等を目的として、環境性能割は令和八年三月三十一日をもって廃止することとされたところでございます。
この同じ大綱におきまして、その上で、今委員から車体課税の再設計といったような御指摘もございましたけれども、この大綱におきまして、令和十年度以後の自動車税及び軽自動車税の在り方について、その課税趣旨を踏まえつつ、自動車の重量及び環境性能に応じた公平、中立、簡素な税負担の仕組み等について検討し、令和九年度、今年の暮れでございますが、税制改正において結論を得ることとされているところでございます。
その際、二〇五〇年カーボンニュートラル目標や二〇三五年までに自動車の新車販売に占める電動車の割合を一〇〇%とすることを目指す政府目標など、脱炭素化等の環境対策に向けた取組に対する積極的な貢献などに留意することとされているところでございます。
総務省といたしましては、関係省庁としっかり連携をした上で、同大綱の記載を踏まえて適切に検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
二〇五〇年のカーボンニュートラル、これは次世代への約束でもあるというふうに思っております。是非その実現に向けて、税制もまた時代に合わせて進化させていくことが求められているというふうに思います。
環境性能割の廃止をきっかけに、環境誘導機能をより実効性の高い形に組み替えるという発想で、是非建設的な議論が進むことを望みます。
続きまして、次の質問でございます。
環境性能割廃止による年間千八百九十二億円の減収、並びに軽油引取税等の当分の間税率廃止による約五千億円の減収に対して、令和八年度は地方特例交付金で補填する方針になっているというふうに認識をしております。
そして、令和九年度以降の恒久財源に関しても、本日のこの委員会で数名の委員が質問されているというふうに思っております。私自身も、この問題、非常に重要だと思っておりまして、質問をさせていただきたいと考えておりました。また、回答自体は既にいただいているものでもございますので、通告外となることを重々承知の上で、私の要望も踏まえた形で改めて質問させていただきたいなというふうに思っております。
地方自治体が令和九年度以降の予算編成に責任を持って臨むためにも、国としての方向性がどのように示されるかというところ、早期にこれを示していくということが前提になるというふうに思っています。検討状況を随時明らかにしていただくということを強く求めたく、令和九年度以降の恒久財源の確保に関してどんな検討状況になっているのか、その状況並びに検討の結果というところを随時に明らかにしていただくことができ得るのかどうか、その検討余地も含めて、是非大臣に見解をお伺いできますと幸いです。
○林国務大臣 なかなか難しい御質問だと思いますけれども、通常、政府税調というのは随時開かれておりますが、年度改正については、恐らく夏過ぎぐらいから開かれるということでございます。
一方、最終的に政治的な決定をいたします与党の税調、自民党の場合でございますと、大体例年十一月ぐらいから、我々は平場とよく申しておりますが、自民党税制調査会、それから小委員会という多くの皆様が参加する場がありますが、そういう会合が開かれていく、こういうことでございまして、そして、最終的には、自民党として、そして与党として改正大綱をまとめて、それを政府としても決定プロセスに入っていき、来年度の経済見通しを併せた上で、最終的に歳出の方の予算を確定する、それが政府の予算案決定、こういうことになっていく、そういうスケジュールでございますので、例えば、自民党の税調の中身を逐一公開するというのはなかなか難しいことであろうと思います。
いろいろな意見が収束していくのがどれぐらいになるのかというのも、いろいろな事柄によって、私がおりました頃は、大きなものはマル政、政治が決めるというふうな意味でマル政とか、事務的に折衝して大体まとまるものですとか、あと、たくさんの租税特別措置等についてはマル・バツというような記号で審議をするとか、いろいろなやり方がございますので、恐らく、このことについては大きなことではあろうかと思いますが、それぞれ、この税制調査会、自民党でどういう扱いをされるかというのは大まかには決まっておりますけれども、その年々の状況によって変わってくるということもございますので、やはり、途中でいろいろな意見が出ている段階ではなくて、正式に決まったことをいち早くお伝えをする、このことが大事なことではないか、そういうふうに考えております。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
是非、検討の結果というところを早期のタイミングで発信していただくことをお願いできますと幸いでございます。ありがとうございます。
最後の質問でございますが、軽油引取税等の当分の間税率の廃止によって、燃料コストが低下し自動車利用が増加すれば、道路の損耗が加速し、維持補修費用が増大するという形になるかと思います。税収が減り支出が増えるという構造に陥りますが、この制度改正が道路の維持補修費用などにどのような影響を与えるというふうに政府としては見ておられるか。試算や評価があれば、是非お示しいただけますと幸いです。
○寺崎政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるガソリン等の暫定税率の廃止につきましては、国民の皆様が直面している物価高への対応といたしまして、与野党六党の合意に基づき行われるものと承知しておりますが、軽油引取税の当分の間税率につきましては、本年四月一日の廃止を今回御審議賜っております地方税法等の改正案に盛り込んでいるところでございます。
御指摘のように、燃料コストの低下と道路の損傷加速、維持補修費に関する定量的分析、私も残念ながら持ち合わせておりません。ただ、トータルで申しますと、地方団体が、道路の関係で、今おっしゃいましたような維持補修、交通安全対策等に使っている経費の合計額は約六兆円となっております。一方、特定財源ではございませんが、自動車関係の税収で上がっておりますのは三・四兆円となっておりますことから、現時点でもこういった維持補修等に十分な財源が確保できていないという状況があるというのは、私ども問題意識は持っているところでございます。
こういったことから、道路関係インフラ維持管理の財源の在り方、これは検討課題の一つとされているものと承知しております。
昨年十一月の与野党六党の合意におきましては、ガソリン、軽油の暫定税率廃止のための安定財源の確保につきまして、道路関連インフラ保全の重要性、物価動向等やCO2削減目標との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、今後一年程度を目途に結論を得るとされたところと承知しております。
一点、恐縮でございますが、先ほど、私の答弁の修正をさせていただきたいと思っております。二〇三五年までに、私、自動車の新車販売と申しましたが、正しくは、二〇三五年までに乗用車の新車販売に占める電動車の割合を一〇〇%にするというのが正しゅうございました。おわびして訂正させていただきます。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
道路を利用される方々がその費用を負担するという考え方は、道路財源制度の基本的な考え方であるとも思います。今後、財源が先細る可能性がある中で、道路インフラの維持可能性をどのように確保していくか、特に、維持費用の増大の対応について、政府の考え方をお聞かせください。
○林国務大臣 応益負担と申し上げますか、そういう考え方というのは、委員御存じだとは思いますけれども、田中角栄元首相が、これを議員立法で、まだ日本に道路が余りない頃に作って、道路を、しっかり財源を確保する、そういうところから始まったわけでございますが、平成二十一年度に、この道路特定財源、そこから一般財源化された経緯があるわけでございます。そのとき、私、実は、自民党の方でこれをどうするかということを検討する委員会、当時、谷垣先生が委員長で、私は事務局長でございましたが、非常に苦労をした覚えを、思い出しております。
一般財源化されたんだからもう関係ないだろう、こういう意見もある中で、やはり道路の財源は必要だ、こういう中で、受益者負担、それから、正確には道路損傷等に対する原因者負担ですね、こういうものをしっかりと考えていかなければならない、こういう議論をした記憶があるわけでございまして、まさにそういう性格を有した税である、こういうことでございます。
こうした課税趣旨等も踏まえて、先ほど局長から答弁いたしましたが、与野党六党合意で、道路関連インフラ保全の重要性、また、物価動向等やCO2削減目標との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、今後一年程度を目途に結論を得る、こういうふうにされておるわけでございます。
地方団体からも、このガソリンの暫定税率による税収、これは地方の道路整備や維持管理、老朽化対策等にも充てられる重要な財源である、地方の減収に対しては代替となる恒久財源を措置するなど、国、地方を通じた安定的な財源を確保すること、そういう御要請もいただいておるところでございます。
我々としては、こうした御指摘、与野党合意等に基づきまして、令和九年度税制改正に向けて、地方の道路関連インフラ保全等に係る安定財源の確保に向けまして、適切に取り組んでまいります。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
今回の改正の趣旨であられる国内自動車市場の活性化や自動車ユーザー負担の軽減は重要だというふうに考えております。その上で、こうした税が担ってきた環境誘導性能と地方財源、この二つを損なわない大胆策を併せて設計してこそ、責任ある税制改正と言えるというふうに思っております。
また、二〇五〇年のカーボンニュートラルと持続可能な地方財政、その両立を次世代への責任として我々も考えていきたいというふうに思っております。
済みません、私もせっかく時間を調整いただいたのに、本当に恐縮なんですけれども、以上で私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
○古川委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
次回は、来る十二日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時四十六分散会

