第12号 令和8年5月28日(木曜日)
令和八年五月二十八日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 古川 康君
理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君
理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君
理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋 要君
理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君
浅田眞澄美君 伊藤 聡君
今岡 植君 遠藤 寛明君
神田 潤一君 坂井 学君
島尻安伊子君 世古万美子君
谷 公一君 辻 秀樹君
中野 英幸君 新田 章文君
東田 淳平君 古井 康介君
前川 恵君 松下 英樹君
三原 朝利君 向山 淳君
村上誠一郎君 森原紀代子君
山本 深君 吉田 有理君
米内 紘正君 渡辺 勝幸君
神谷 裕君 中川 宏昌君
平林 晃君 うるま譲司君
高見 亮君 高沢 一基君
青木ひとみ君 武藤かず子君
…………………………………
総務大臣 林 芳正君
総務副大臣 堀内 詔子君
総務大臣政務官 中野 英幸君
総務大臣政務官 向山 淳君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 藤野 克君
政府参考人
(総務省国際戦略局長) 布施田英生君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
参考人
(日本郵政株式会社常務執行役) 西口 彰人君
参考人
(日本郵政株式会社執行役) 堀口 浩司君
参考人
(日本郵政株式会社執行役) 砂 孝治君
総務委員会専門員 山本 麻美君
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委員の異動
五月二十八日
辞任 補欠選任
今岡 植君 三原 朝利君
谷 公一君 世古万美子君
古井 康介君 東田 淳平君
前川 恵君 渡辺 勝幸君
森原紀代子君 辻 秀樹君
吉田 有理君 山本 深君
同日
辞任 補欠選任
世古万美子君 谷 公一君
辻 秀樹君 森原紀代子君
東田 淳平君 古井 康介君
三原 朝利君 今岡 植君
山本 深君 吉田 有理君
渡辺 勝幸君 前川 恵君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三四号)
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○古川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、お手元に配付いたしておりますとおり、本日、参考人として日本郵政株式会社常務執行役西口彰人君外二名の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤野克君外二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○古川委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。新田章文君。
○新田委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の新田章文です。
本日、総務委員会での初めての質問の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
まずは、郵政民営化について伺います。
郵政民営化は平成十九年十月にスタートいたしました。現在は、政府も株を保有する日本郵政を持ち株会社として、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命という経営形態で、ユニバーサルサービスの責務を果たすために日々業務に当たられていると承知をしております。
民営化開始から約十九年たった今の評価、特に郵便事業の現状をどのように認識されているか、お示しいただければと思います。
○向山大臣政務官 お答え申し上げます。
日本郵政グループは、郵政事業について、平成十九年の民営化以降、全国二万四千の郵便局ネットワークを維持いたしまして、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスの責務を果たしており、地域の基盤となるサービスの提供を行っております。
その中で、お尋ねの郵便事業につきましては、レターパックやはこぽす、そしてデジタルアドレスなどの新しいサービスの導入によりまして、国民の皆様の利便性が向上をしているというふうに認識をしております。
他方で、近年、人口減少やデジタル化の進展に伴いまして、郵便物数が減少するなど、郵便事業の経営環境に変化が生じており、ユニバーサルサービスを維持をするために、適正かつ効率的な経営の実施に向けた機動的な対応が必要になってくるというふうに考えております。
○新田委員 向山政務官、ありがとうございます。
今を踏まえまして、それでは次に、日本郵政にお伺いをしたいと思います。
日本郵政グループの令和七年度決算が先般発表されました。郵便・物流事業に特化いたしますと、営業損益は百十八億円赤字でございます。令和八年度の業績予想では千四十億円の赤字を見込まれております。
そして、そもそもの郵便物数の推移は、郵政民営化後、平成二十年が二百十一・六億通、そして令和七年度が百十七・三億通となっておりまして、約半分になっているという状況でございます。
向山政務官からもありましたとおり、そうした厳しい状況の中で先般発表されました新中期計画におきまして、郵便サービスの持続的な提供のために構造改革を進めていくとされております。
郵便事業の課題と今回の中期計画での取組方針について、日本郵政のお考えをお示しください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、日本郵便の郵便事業は大変厳しい状況にございまして、これは、収入面という意味では、デジタル化の進展に伴って郵便物が非常に減少してきてございます。一方で、コストを見ますと、昨今の物価高とか人件費の高騰等でコストアップ要因が続いてきております。
したがいまして、先ほど先生の方からもございましたように、今年度の郵便・物流事業、連結ベースでございますけれども、マイナス一千四十億の損失見込みを公表させていただいているところでございます。
こういった状況を踏まえまして、日本郵便としましては、今後三年間、二〇二八年度に向けて、損益を改善するために、コスト削減策とか収益拡大策をまとめた収支改善計画といったものを、先般、総務大臣の方に提出させていただいております。
内容といたしましては、まず、コスト面につきましては、集配拠点を集約化したり要員の効率的な配置といったことでコストを引き下げる一方で、郵便サービスの内容をよくすることによって、郵便物数は、減るというのを反転させるのは非常に困難でございますけれども、この減少傾向をできるだけ抑制するといった点、郵便、物流全体で見ますと、荷物分野の収益を伸ばして損益の改善につなげていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○新田委員 ありがとうございます。
今、民営化後の評価、そして郵便事業の現在地が大変厳しい状況、御答弁をいただきました。そうした状況の中で、今回の法改正ということであります。この法改正案の趣旨、目的についてお示しをいただければと思います。
○堀内副大臣 少子化に伴う人口減少や、インターネットやSNSの普及による郵便物数の継続的な減少などのいわゆる郵便離れといった課題によって、日本郵便における郵便事業の収支は今後も厳しい見通しであると認識しております。
今回の改正案は、そうした状況も踏まえ、郵便料金の設定に関し、郵便事業における収支相償の規定を見直し、郵便事業以外の事業の収支を勘案した料金設定を可能とするとともに、定形郵便物の料金の上限額を日本郵便の申請に基づき総務大臣が認可する制度に見直すこととしております。
これにより、日本郵便の経営判断の余地が拡大し、利用者が利用しやすい料金設定や、郵便事業を取り巻く環境の変化に応じた適切なタイミングでの料金設定などが可能となると考えております。
これが、更なる郵便離れへの対応や、それを通じた郵便事業収入の減少幅の抑制などにつながることによって、郵便事業の安定的な提供の確保に資することを期待しております。
将来にわたって郵便事業の安定的な提供を確保することは非常に重要であり、引き続き不断の検討を行ってまいりたいと思っております。
○新田委員 副大臣、ありがとうございます。
今御答弁にもありましたが、今回の法改正、主体的、機動的な郵便料金の改定を可能にし、郵便事業の安定的な提供を確保すること、その趣旨と目的は理解できるところであります。ですが、それは同時に、日本郵政の説明責任と信頼構築、これがますます重要になるものと考えます。不祥事も続いている中で信頼構築をおろそかにしてしまうと、今回の法改正の目的が逆効果にもなりかねないと考えます。
今回の法改正を踏まえて、日本郵政が信頼構築のために果たすべき責任をどう考えるか、監督官庁である総務省の見解をお示しください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、郵便事業の運営は国民の信頼の上に成り立っているものと認識してございます。
こうした認識の下、総務省では、これまで、日本郵便の事業計画の認可に際し、コンプライアンスの徹底について要請を行ってきておりまして、本年三月に行った令和八事業年度事業計画の認可におきましても同様の要請を行っております。また、個別の事案につきましても、行政指導や日本郵便株式会社法第十五条に基づく監督上の命令を行うなどの対応を行っているところでございます。
総務省といたしましては、日本郵便に対する国民の信頼の確保に向け、同社におけるガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底の取組が確実に進むよう、しっかりと監督してまいります。
○新田委員 御答弁ありがとうございます。
信頼、これが郵便事業そしてユニバーサルサービスの根幹でもあると思いますので、日本郵政にはその意識を持ってしっかりと取り組んでいただきたい、そしてまた、総務省としてもしっかりと監督をいただきたいと思います。
次の質問に移りたいと思います。
郵便局は、まさに国民の大事な生活基盤であると考えます。郵便局が我が町にあることは大変助かるという御意見も地域の方からもいただきますし、実際に、郵便局長さんたちも様々な地域活動に御協力をされており、地域の拠点としての郵便局の役割、私も、ふだん活動する中で実感するところであります。
郵便局がこれから地域の拠点としてますます機能を発揮していくためには、地域や自治体との連携強化、こうしたことも重要だと考えますが、地方創生、地域の拠点としての日本郵政、郵便の取組をお聞かせいただければと思います。
○西口参考人 お答えさせていただきます。
先生御指摘のように、郵便局というのは地方創生の担い手となるべき存在なんだろうと思っておりますし、郵便ネットワーク自体も、ユニバーサルサービスを提供するための基盤といいますか、インフラなんだろうというふうに理解しておりまして、そういった意味では、国民共有の重要な資産とも言えるようなものではないかと認識しております。
そういう中で、高齢化の加速とか人口減少といった事象が進む地域においては、郵便局はある意味最後のとりでといったような役割を担っているとも考えておりまして、地域生活を支えるサポート拠点としての機能を発揮することが郵便局のレゾンデートルにもつながるんだろうというふうに思っております。
そういった意味では、様々な自治体との連携施策も講じておりまして、具体的には、マイナンバーカードの関連事業とか、あと、オンライン診療や、昨今問題となっております空き家の調査、買物難民のための支援策とか、そういった、特に高齢者、シニア向けのサービスを、既存の郵便局ネットワークを利活用することによってしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、こういったところが郵便局の公共的な役割を果たしていく上で重要なんだろうなというふうに考えております。
例えば、横浜市などの都市部においても、市と連携いたしまして、最近ございました物価高騰対策としてのクーポン等の配付、横浜でいえばヨコハマ生活応援クーポンと呼ばれているようでございますけれども、給付事務とか、あと、横浜市内での福祉バスの乗車券の交付事務を郵便局の窓口でやっているといったような取組もしておりまして、こういった取組が今後も引き続き重要なんだろうというふうに認識しております。
○新田委員 御答弁ありがとうございます。また、私の地元の横浜の事業も御紹介をいただきまして、誠にありがとうございます。
是非、地域の皆様に愛される、そして必要とされる一員として、その機能を更に発揮していただきたいと思います。
先ほどからの答弁を踏まえますと、大変厳しい状況にある郵便であるということですが、地域のインフラ維持あるいは地域社会の持続可能性のために、ユニバーサルサービスたる郵便だからできることがあると思います。
例えば、同じく総務省所管の放送においても、テレビを見る世帯が減っているからといって、全てが通信、ネット配信で済むわけではないと思います。報道の役割、災害時の情報発信など、放送だからできることもあると思います。また、総務省所管の地方自治においても、副首都構想や大都市制度、広域連携など、これまでの枠組みのままでいいのかという認識の下、議論も行われていると承知をしております。
先ほどからの御答弁にありますとおり、これらは、人口減少という日本の根底にある課題、そしてデジタル化社会の多様化が進む中で、持続可能な社会づくりが問われている、そういう岐路に立っている。放送も、地方自治も、そして郵便も例外ではないということだと思います。
今回の法案、ただの料金設定の考え方を見直す法案として見るのではなく、私は、人口減少の中でのユニバーサルサービス、郵便行政の在り方を考えて、未来への選択肢を確保するための大きな意味を持った改正案だと思います。
今回の法改正案を踏まえて、人口減少の中での郵便行政の在り方、どう取り組んでいくか、最後に大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○林国務大臣 まずは、新田委員におかれましては、総務委員会での初質問、誠におめでとうございます。
人口減少やデジタル化が進展する中で、この郵便事業の在り方、こうした環境の変化を踏まえて、不断の見直しを行うということが重要であると思っております。
郵便法改正、今回のものについては、先ほど来お話がありますように、料金の設定、主体的、機動的なものができないという喫緊の課題に対処する上で必要な措置を講じるということでございます。
やはり、郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保するためには、今回の郵便料金に関する制度の見直しも踏まえまして、まずは経営の効率化や収益拡大を通じた日本郵便における経営の健全化を図ること、これも重要であると思っております。
総務省としても、そうした観点から、令和八事業年度事業計画認可の際の要請などを通じて、同社の収支の改善に向けて監督を行っているところでございます。
また、今月十五日に日本郵政グループの中期経営計画が公表されましたが、そこにおいても、利用者ニーズやコスト等を踏まえた各種郵便サービスの料金の見直しの検討ですとか、法令で求められている郵便サービスの水準の見直しに関する要望、これを行う旨が記載されていると承知しております。
今後、日本郵政グループを始めとする関係者の意見ですとか郵便事業を取り巻く環境の変化、こうしたことを踏まえて、郵便事業の安定的な提供の確保に向けて適切に対応してまいります。
○新田委員 大臣、心強い御答弁ありがとうございました。
これで時間が参りましたので、質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 中道改革連合の田嶋要でございます。
私も、初質問でございます、郵政に関しましてですね。(発言する者あり)初めて、初めて。初質問させていただきます。
いろいろ勉強してくると、やはり興味って湧いてくるものですね。これは何とかしたいなという気持ちが俄然出てきますので、是非与党の、特に新人の皆さんも、過去のいろいろな、忌まわしい記憶のある先生も多いんですけれども、そうじゃない方、勉強していただいて、郵政というのをどうやって日本の宝にするかというのを一緒に考えていきたいと思っております。
大臣、最初に、通告なしですが、DHLという会社を御存じですよね。DHL、これはどこの会社だと思いますか。
○林国務大臣 日本の会社ではないということまでは承知をしておりますが、ヨーロッパだったかなと、ちょっと記憶が曖昧でございます。
○田嶋委員 DHLは、確かに、国際配送というか、そういうことで、我々、もうみんな知っている、DHLという会社の名前を知っている人は多いと思うんですけれども。
私も、DHLのDはドイツかなと思っていたんですけれども、これは今、ドイツの会社なんですよ。ドイツ・ポストが所有している。ところが、調べたら、創業はカリフォルニアなんですね。DもHもLも三人の創業者の頭文字なんですって。だから、あり得べしなんですけれども、西海岸のスタートアップのメッカ、聖地で創業されて、それに対して、ドイツ・ポストが株を買って、最初四分の一ほど保有して、今は一〇〇%の子会社だそうです。
この会社が、世界最大の国際宅送の事業が大成功しているので、このドイツ・ポストに関しては、お金は、税金は一切入っていない、そういう話らしいんですね。勉強させていただきました。
私は、こういう、どこに成功の宝というか、そういうものをこれから郵政グループが見つけていくのかということが非常に大事ではないかなというふうに思います。
今日の日経新聞には、海外勢がゆうちょ銀行を再発見という記事がでかく載っておりました。つまり、ゆうちょ銀行というのは、金利ある世界で最も恩恵を受ける銘柄だということなんですね。そういう意味ではまだ眠れる宝物がいっぱいあるのかもしれないな、そんな思いをいたしておるわけでございます。
まず最初に、ちょっと積み残しの、JICT法案というのをこの間私たちは審議いたしました。海外にいろいろな事業、例えばJICTの場合には、総務省がつくった唯一の株式会社、国際的な投資を行って、通信、放送と並んで郵便事業の支援をしていく、海外進出の支援をしていく、こんな中身だったと思うんですが、私、ちょっと積み残しでお尋ねしたいんですが、配付資料を御覧ください。
配付資料の一番が議事録で、何と高市さんが当時総務大臣でやられました。二つ目は、後ほどやります簡易郵便局のリスト、一部ですね。そして三つ目が、郵便局というのはどのぐらい小まめに全国に広がっているかを距離で表している表でございます。最後が、うちの手作りでございますが、国会図書館の資料をベースに海外の郵便事業体との比較をさせていただきました。
最初の一の配付資料に戻りますが、私、びっくりしたのは、郵便事業というのは海外進出を相当現実のものにしようとしていたような、そんな答弁でございまして、まず、お尋ねしますけれども、この当時の高市総務大臣が、アジアを中心として成長を続けてきている郵便事業ということで、そうしたところに、左の方の赤いところですが、我が国の強みを生かして海外において郵便事業を行う者を支援する、そのためにこのJICT法の提案をしたということで、今から十年前に、この間初めての改正を行ったこのJICT法の法律の立法事実として、これだけ郵便事業が海外に出ていくんだというようなことがあったんですけれども、これは、結果的に幾つの出資案件になったのかということを改めて確認させてください。
○布施田政府参考人 お答えいたします。
平成二十七年のJICT法の立法時においては、日本郵便を含む我が国の様々な郵便関係企業によって郵便事業に係る海外需要の開拓が行われることを想定してございました。
その実績でございますが、これまでの十年間において、JICTは二十八件の支援決定を行ってございますが、郵便事業に係る案件への支援実績はございません。
○田嶋委員 ございませんなわけですね。
もう一つお尋ねします。
当時の西銘副大臣の御答弁、これがまた振るっているんですよね。日本の優れた郵便システムのノウハウを活用してミャンマー、ベトナムに支援する取組を進めている、そして、日本郵便を含む進出にもつながる、相手国の郵便事業体と共同事業の契約等によりまして、かくかくしかじか、最後は、機構の出資対象ともなる様々な案件が形成される可能性は極めて高いと考えておりますと。
これが、JICTという組織ができる大きな、いわゆる立法事実、こういうことがあるからJICTが必要なんだということで、まあ、だまされてとは言いませんけれども、そういう説明を私たちは当時受けていたらしいんですよ。
これは、実際には行われているんですか、こういう事実はあったんですか。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
JICT法制定当時、ミャンマー及びベトナムに対して、日本型の郵便システムを輸出するための取組を進めたところでございます。
ミャンマーにつきましては、平成二十六年四月、総務省とミャンマー通信・情報技術省の間で、郵便分野における協力覚書を締結いたしました。これを受けまして、平成二十八年六月から三年間、ODAの技術協力により、郵便事業における輸送ネットワークの改善、集配作業の改善、局内作業の改善等を実施したところでございます。
また、ベトナムにつきましては、平成二十七年一月、総務省とベトナム情報通信省の間で、郵便分野における協力覚書を締結いたしました。これを受けまして、平成二十七年六月から令和六年十一月の間、日本郵便がベトナム郵便に対するコンサルティングを実施いたしまして、郵便品質の改善、新郵便区分局の建設計画の策定、郵便ネットワークの再編の計画策定等を行ったところでございます。また、平成三十年十一月に開局したホーチミン新区分局には、日本企業の区分機が導入されたところでございます。
両国のこれらのプロジェクトにつきましては、いずれも完了しているところでございます。
○田嶋委員 お尋ねしているのは、JICTの出資対象となる様々な案件が形成される可能性は極めて高いと考えておりますと副大臣が答弁された結果、幾つの投資案件が実際に組成されたのか、教えてください。
○布施田政府参考人 お答えいたします。
先ほどの答弁の繰り返しになりますが、これまで十年間におきまして、JICTでは二十八件の支援決定が行われてきたところでございますが、今御指摘の郵便事業に関する案件への支援実績はないところでございます。
○田嶋委員 私は、当時総務委員会におりませんでしたけれども、こういう政府答弁があってJICTは誕生しているんですよ。全然事実と違う結果になってしまっているわけですね。
私は、前回の法改正は賛成した立場ではありますけれども、ちょっと大臣にお尋ねしますね、当時は大臣ではなかったわけでございますが、何とまあ、事実と違うことをいっぱいおっしゃったんだなと。当時はそういう期待もあったのかもしれませんけれども、一体、こうした答弁をどのように今振り返って考えるべきか。
この間の法改正のときに私の部屋にも説明に来られました、皆さんのところにも説明に来たと思いますよ、こういう理由で改正したいんだと。そもそも、最初の立法をしたときのこういう目的は相当部分が当てが外れた、だから、かなり現在の事情は違っていた、しかし、データセンターのように当時予期していなかったビジネスチャンスも生まれているから、引き続き、このJICTには役割、ミッションがあるんだということを、そうやって説明するのが誠意を持った対応だと私は思いますよ。
そういう過去の失敗や過去の誤算や、そうしたことを全然説明なく、延長させてほしいという説明に来たのは私は間違っていると思っております。郵政会社にとって何かプラスがあったんですかね、これまでのJICTの十年間というのは。
私は、時間の関係で飛ばしますけれども、大臣、是非、今、お話を聞いていてどう思いますか。こういう議事録を読まれたことは、多分今回が初めてだと思うんですけれども、高市総務大臣が当時こういうことを言っているんですよ。それは、聞いている皆さん、ああ、そうか、それは応援しなきゃという気持ちになりますよ。全部当てが外れているんですよ、この郵便に関しては。オーストラリアの会社に出資しているらしいですけれども、それ以外何もないでしょう、JICTと一緒にやった案件なんて。ないですよね。
こういう間違った事実はしっかりと、経済産業だったら、半導体の失敗とか電池産業の失敗とか、いろいろまとめてくれていますけれども、総務省もそういう都合の悪いことをきちんと認めて次に進むということが私は必要だと思いますが、大臣、この議事録を読み返すと愕然としますよ。ああ、こんなことを説明を受けて私たちはJICTをつくったんだなと。事実と違う。大臣、弁明いただきたいと思います。
○林国務大臣 JICTはそもそも、郵便と放送と幾つか、通信ということで当時も御説明していたと思いますが、特に今、田嶋委員からおっしゃったように、郵便については西銘副大臣の答弁があるわけでございます。
この当時、ベトナムやミャンマーとの間で、先ほど答弁させていただいたように、郵便分野における協力があったわけです。この協力関係が進展した先に、例えば、相手国の郵便事業体と共同で郵便区分センターの設置、運営を行う事業など、JICTによる出資の対象となる案件の組成、これを期待しておったわけでございます。
その後、ベトナムとの協力関係が進展して、日本郵便による郵便品質の改善ですとか新区分局の建設計画の策定などに関するコンサルティング、また日本企業による区分機の納入などを通じて、ベトナム郵便における配達率の改善などの成果が上がったわけですが、結果的に、相手方が期待する形態というのが出資を伴うものでなかった、こういうことになりまして、結果として、いろいろな事業は先ほどのような成果を上げたんですが、JICTによる支援案件の組成には至らなかったということでございます。
それから、ミャンマーですが、これは御案内のように、ミャンマー国軍によるクーデターがございましたので、取組の継続自体が困難になっているということである、こういうふうに承知しております。
こうした状況でございますが、昨年開催したJICTの在り方に関する検討会においても、政策的意義の観点から郵便分野の支援も追求すべきだ、こういう御提言はいただいておるわけでございますので、JICTにおいて、在外公館と連携した相手国のニーズに関する情報収集ですとか、地政学分野の専門家の顧問招聘による地政学リスクの管理体制の強化等に取り組んでいただいておりますが、今後、郵便分野の案件形成にも活用いただくということを期待しておるところでございます。
○田嶋委員 間違った見通しというか、出資を伴う郵便事業の可能性は極めて高いとまで副大臣に言わしめた状況の中でJICTがスタートしたということは是非御認識をいただいて、もちろん私は、海外進出なんかするなということを言っているわけではありません。ただ、今のミャンマーの例で分かるとおり、カントリーリスクというのは必ずあるわけでございまして、私も国際機関で出資案件をやっておりましたけれども、やはりその辺はよくよくリスクを見極めていかなければいけない。
先ほど、冒頭にDHLのお話をしましたけれども、九八年にドイツ・ポストは二二・五%の出資をしておるんですね。そしてそれを一〇〇%子会社化したのは二〇〇二年でありまして、郵政の民営化よりもはるかに前なわけでありまして、そのぐらいのファーストムーバーの動きをして、今や世界最大のそうした事業をやっておって、それがキャッシュを生み出すことで、ドイツの場合には国からお金を入れる必要のないようなドイツ・ポストになっている。学ぶ必要があるのかなというふうに考える次第でございます。
金融も含めて、可能性はいろいろあると思いますが、是非、これからはそうしたカントリーリスクも含めて考えていただきたいというふうに思っております。
それでは、次の質問に移りますけれども、順序を少し入れ替えたいと思うんです。
今回の法律で、先ほど御指摘があったとおり、中身的には非常に限定的な部分があるわけでございますが、私は、この際ということで、郵政事業、とりわけ郵便事業の全般に関していろいろと調べさせていただいて、素人ではございますけれども、私なりにいろいろな御提言も申し上げたいというふうに思っております。
配付資料の一番最後に海外と比較をしておる資料もつけさせていただきましたが、とりわけ私が興味を持ったのは、簡易郵便局という役割でございます。現在、二万四千の郵便局の中でどのぐらいの郵便局が簡易郵便局であるのか、直営の郵便局がほとんどで簡易郵便局が少ないのはなぜか、それを御答弁いただきたいと思います。
○西口参考人 お答え申し上げます。
簡易郵便局、直営郵便局の数と割合でございますけれども、簡易郵便局は全国で今、一時閉鎖しているところも含めてでございますけれども、四千二十二でございまして、直営局と簡易局を合わせますと二万四千百十五といった数字でございまして、簡易局の割合は一六・七%といった数字でございます。
これを少ないと見るか、どの程度と見るかというのは、いろいろな考え方がございますけれども、そもそも、簡易郵便局というのは昭和二十四年に制度導入をされたんですけれども、当時、ある意味、直営局の開局ニーズに積極的に応えるために、どちらかといいますとサービスを限定して、直営局の補完的な役割を簡易局の方に求めるといった形での制度のスタートを切っておりまして、そういった意味では、少し、この一六・七%という数字の一つの要因なのかなというふうにも考えております。
○田嶋委員 まだ聞いていないところまで先回りして御答弁ありがとうございます。
簡易郵便局は、今も御指摘がありましたが、かなり閉鎖中のところがあるわけでございますが、聞いたところ、十年以上閉鎖しているものもあるということでございますが、そうなってくると、地域社会にとっては非常に不便が続くわけでございます。
そうしたところは直営に戻すとか、そういうような動きというのはできないものでしょうか。
○西口参考人 お答えを申し上げます。
まず、スキームとしてはできます。簡易局で一時閉鎖、ないところにつきまして直営局を設置するということは、基本的なルールとしてはできるといったところでございます。
ただ、簡易局で一時閉鎖しているところは、受託者がいないとか、そういったような、住民も大きく減っているというようなところでございまして、例としましてはそんなに多くないというふうに記憶しております。
○田嶋委員 今、人材、人員不足ということで、なかなか直営の方でも継続が厳しいところもあるやに聞いておりますが、その辺の状況を教えてください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
先生おっしゃるように、非常に人手不足といいますか、なかなか人が採れない状況が、郵便事業、郵便局窓口事業共にございまして、そういった意味では、直営局も人手の確保をしっかりやっていかないといけない状況というところでございますけれども、一方で、業務の効率化を進めることによって、より少ない人でも業務を回せるような努力をしているといったところでございます。
○田嶋委員 配付資料の二に、そちらからいただきました簡易郵便局のリストの一部があるわけでございます。個人が行っている簡易郵便局は個人情報の関係で除くということと、企業名は空欄にするということで、そうすると、誰が簡易郵便局を担っているかというのが書いてあるところでは、農協さんとか自治体とか、そんなような記述があるわけでございますけれども。
ここの赤くラインマーカーを引いたところ、これは、受託業務の幅というのが簡易郵便局によって様々あるわけでございますが、この一番大きな例でいくと、後ろの方のカタログとか、歳入金、すなわち行政の役割を担っているということだと思うんですが、ここまでレンジの広い役割を担っているいわゆる簡易郵便局というのは、実際的には直営でやっている郵便局とほぼ同じような機能を地域で果たしている、そういう理解でいいんですか。
○西口参考人 お答えします。
先生御指摘の個別の法人の簡易局につきましては、詳細のところは承知しておりませんけれども、法人でやっていただいているところで幅広い業務を担っていただいている簡易局はございます。ただ、全体としましては、例えば、内容証明の取扱いはやっていないとか、保険の募集業務につきましては法人でやっていただいているところもございますけれども、全体としては一割程度の簡易局で募集業務をやっているとか、業務の限定的な制約、狭いといった側面は否めないとは思います。
○田嶋委員 私は、まず自分でいろいろと分析、数字を見させていただく中で、一つの仮説として、日本の場合、なぜこんなに直営が多いのかなという問題意識を持ちました。そのときにはほかの国の事情を知らずに、日本のセブンイレブンの状況を見てみると、圧倒的なものがいわゆるフランチャイズでありまして、直営というのは全国で本当に僅かであります。
コンビニと同列に比較できるかという問題はございますけれども、そうした問題意識の中で質問させていただきますが、直営を持つのと、受託契約に基づく簡易郵便局を持つのでは、いわゆるコストという意味ではどういうふうに比較がされるのか。物の資料によりますと、委託手数料というのがございまして、基本額は月々三十五万円ということでございますけれども。
まずお尋ねしたいのは、簡易郵便局の収入というのはどのぐらい全国平均であるのか、最も少ない収入の月額、最も多い収入だとどのぐらいの簡易郵便局の売上げが立っているのかということを御答弁できたら教えてください。
○西口参考人 お答えします。
簡易郵便局の委託手数料でございますけれども、大体平均が五百万強、五百五十万とか、そういった水準でございまして、一番大きい、多額の委託手数料を払っている簡易局が、大体千七百万から千八百万ぐらい払ってございます。最も少ないところは、ちょっと済みません、記憶が定かでございませんけれども、多分二百万とか、非常に少ない額になっているんだろうと想像しております。
○田嶋委員 それでは、先ほども指摘しましたが、損益というのは、直営郵便局と比べて、簡易郵便局はどのように比較されるかというのを教えてください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
簡易局につきましては、そこでの売上げと、払う委託手数料でございますし、直営も、そこでかかっている、社員でございますので、人件費なり物件費と、収入というのがございますけれども、先生御案内のように、郵便局で集めている貯金とかは、運用はゆうちょ銀行の方で行っておりまして、手数料でいただいているということでございますので、なかなか個々の郵便局で損益をはじくのは難しゅうございまして、直営の郵便局も、全国としてこういう収支になっているというのはありますけれども、個々の郵便局を見ますと、黒字のところもあれば赤字のところもあるといったところで、なかなか一概には比較がしづらいといった状況でございます。
○田嶋委員 昨日、おとといにもそうした情報が余りないという御報告をいただいて、私はびっくりしたんです。二万四千の郵便局の、最も収益の上がっているところからそうではないところまでずらっと並べることができるんじゃないか、それが普通の、それぞれの個社ごとを見ていく経営の状況じゃないかなと私は思いますが、そういうことをなさっていないという御答弁でございました。
もう一点確認なんですが、であれば、直営から簡易郵便局に切り替えると、同一の業務範囲としても固定費水準というのは下がる、そのように考えていいですか。
○西口参考人 お答えを申し上げます。
先ほど申し上げましたように、サービス水準が全く同じではないんですけれども、先生御指摘のとおり、固定費という意味では、もし全く同じスペックのものを受委託関係でやる場合には、簡易局といいますか、受委託でやる場合には店舗とか施設を受託者側が準備するといった観点からも、固定費部分というのは安くなるというのは事実でございます。
○田嶋委員 事前の報告と同じ御答弁をいただき、ありがとうございます。であれば、私はそういうことをやるのが民間企業の取組ではないかなというふうに思っております。
かつて、一九八五年、私もおりましたNTTが民営化されたとき、当時の社長になった真藤さんという方は、ぬれ雑巾という言い方をされていました。若干失礼な言い方かなという気もするんですが、ぬれ雑巾というのは、まだまだコストを減らすことができるという意味であって、私は、むしろそれよりも、宝の山と言う方が好きなんですが、アップサイドがすごくあるぞということ。しかし、本当の経営は、両方パラレルにやっていかなければいけないのではないかと思っております。
私が、一つ問題意識として今回持ったのは、この簡易郵便局の在り方、直営とのバランス、ベストミックスということをどう考えるか。
配付資料の四を御覧いただきたいと思うんですが、結果として、私がこの国会図書館の情報を見ると、イギリスもフランスもドイツも直営をどんどん減らしていくという流れの中で、日本のような、直営がそんなに六割も七割もあるような国は存在していないんですね。ドイツはゼロにしているということで、いろいろ調べてみると、コンビニとかクリーニング屋さんとか、いろいろなところで郵便事業の一部をやっているということも書かれておりましたね。
そういうことを考えると、今の固定費がやはり高いということを考えても、私は、検討に値する、当然ながらそれをやっていただかなければいけないのではないかというふうに感じておるところでございます。
ちなみにということで、試算をしていただきたいと事前にお願いをしました。今後、簡易郵便局の比率を上げていくことを私は一定程度進めなければいけないと思っておるんですが、例えば、簡易郵便局比率を五割とした場合に、全体、全社的なコストの圧縮額、すなわち収支改善インパクトはどのぐらいと試算されるかというのを、これは事前にお願いしてありましたので、数字を言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○西口参考人 お答え申し上げます。
事前に収支を、シミュレーションをという話はお聞きしていたんですけれども、先ほど来るる説明していますように、簡易局というのは大体平均で、来局者数が一局当たり十六人でございます。一方で、直営の場合は八十の後半から九十名ぐらいのものでございまして……(田嶋委員「一日」と呼ぶ)はい、そうでございます。
したがいまして、十六名の簡易局の集合体と九十名弱の直営局をにわかに比較するのが難しゅうございまして、済みません、今日の時点ではまだ収支なりシミュレーションの結果を持ち合わせていないというところで、本当に申し訳ございません。
○田嶋委員 急な御質問でございましたので、失礼をいたしましたけれども、しかし、世界のどの国も同じような事情でありまして、どの国へ行ったって、都市部の郵便局もあれば田舎の方の郵便局もあるわけで、日本だけが何か苦しい状況にあるわけではないと僕は思いますね。そういう意味では、普通の経営分析として、それは今後やっていただく必要があるのではないか。
私の問題意識は、直営がちょっと偏り過ぎているのではないか。二万四千の中で二万以上、若干、この表の数字は古い数字かもしれませんけれども、そういう問題意識を持っておりますので、是非これから、簡易郵便局をもっと広げるという方向性の経営改革が全体としてより郵便事業を筋肉質なものにするかもしれないということの観点から御検討をいただきたいというふうに思っております。
もう一点、私は問題意識として持ちましたのは、ユニバーサルサービスというのは果たしてどこまでやるのがユニバーサルサービスかという、これは永遠の課題なのかもしれません。
配付資料の三を御覧ください。
これは、総務省がお作りになったのかよく分かりませんが、分かりやすいポンチ絵がありまして、これを見ていると、私が地元千葉一区を回っているときの実感と一緒ですね。一番出会うのはコンビニ、その次は郵便局。もう一個言えば、美容室も多いですね、最近。美容室がやたら多いよね、過当競争のような。こういう感じなので、なるほどなと私は感じるわけでございます。
それで、資料の四を御覧ください。
私の問題意識にやはり合致していますね。では、どのぐらい国土面積に対して郵便局はあるのかなと思って、国土面積は、日本よりも大きいのはフランスだけなんですよ。農業大国、農地がたくさんある。イギリスもドイツもちっちゃい。ところが、平地にしか多分郵便局は置かないわけでしょうから、平地にこそ人が住んでいらっしゃる、可住地域といいますか、平地面積で比較すると、どの国も日本より大きいんですね。よく言うじゃないですか、日本は森林が七割と。そういうことで、平地面積だとイギリスは日本の二倍の面積を持っているんですよ。
それだけ住宅が広がっているから、郵便局をどこに設置するかということは、そういう観点で考えるときに、一体全体、なぜ日本の郵便局はフランスやイギリスやドイツの一・五倍ぐらいあるのかな、私はそういうふうに感じるわけでございます。
つまり、郵便局を置くべきは、住宅があって人がそこにアクセスしなきゃいけないからではないのかなというふうに感じるわけでございまして、最後に、一局当たりの今の人口を割り算すると、日本は約五千人なんですよ、一局。先ほど、簡易郵便局でない直営の方でも一日に百人以下という数字がありましたね。しかし、日本の一局当たりの担当といいますか、国会議員の一選挙区みたいな話ですけれども、五千人ぐらい。これは大体レンジに入っているなという、ほかの三つの国と比較して。しかし、仮にこれを、もう少し全体の数字を縮小させていくと、それぞれの郵便局における収益は高まっていくのではないかなというふうに私は感じるわけであります。
若干不便は増えますよ、不便は増えるけれども、では、ほかの国と比べてどうかというと、先ほど申し上げたとおり、平地面積において二倍の広い国々で、日本よりもはるかに少ない郵便局を持って、これでユニバーサルサービスだということになっているんだったら、私は今改めて、これから議員立法で国民のお金を入れるという話も出てくるわけでございますので、そうした中で、ユニバーサルサービスというのはどこまでがユニバーサルサービスとして受け入れられるのと。
資料の三に戻っていただきたいと思います。
私は、一つの仮説として、どうですか、皆さんも地域を回られていて、公民館ぐらいの頻度でいいと思いませんか、皆さん。公民館は市役所の出先ですよね。公民館ぐらいの頻度で造っておけば、私は十分だと思いますよ。郵便局が平均で六百三十メートルの距離であるということ自体が、私は過剰スペックだと思っています。多過ぎる。だから大変な状況になっているのじゃないかというのが一つの私の仮説です。
仮にそれを、公民館、八百十メートル、それでも銀行よりは近いですよ。これは十メートル短くなるとどのぐらい数が減るのか私にはイメージができませんが、一次元と二次元の話のような感じもするんですけれども。
では、全国で郵便局を公民館程度の粗さにすると一体どのぐらいの体制に縮小できるのかということを考えておるんですけれども、例えば、二万四千体制を公民館と同じような密度に減らしていくと、そのことによって収支のインパクトは定量的にどのぐらいと見積もられるか。これに関しても事前に通告していますので、御答弁をいただきたいと思います。
○西口参考人 お答え申し上げます。
済みません、まだ収支インパクトというのが定量的にどれくらいかというのは、今日時点でちょっと持ち合わせておりませんで、申し訳ございません。
公民館と同程度といいますと大体一万五千局程度だというふうに考えておりまして、それを前提にして収支インパクトをいろいろな仮定を置いて考えることはできるんだろうと思っていますけれども、そもそも郵便局と公民館というのが一緒の役割期待ではないものですから、そういった点も踏まえて検討する必要があるのではないかと思います。
○田嶋委員 ありがとうございます。
結構ですけれども、現場からも、経営陣は少し危機感がなさ過ぎるのではないかという声もいただいております。
そういう数字が即座に出てこないということは、日頃からシミュレーションはしていないということですよね。私は、それが不思議なんですよ。別に、私が、素人がこうやって言っているだけじゃなくて、そんなことはシミュレーションとして、こういう場合はどうなるのかということを考えていなかったら、何が最適か、進むべき方向として、簡易郵便局を増やすのか減らすのか、全体数字をこのままの二万四千で維持できるのか。かつて増田社長も同じようなトーンのことをおっしゃいましたし、郵便局長会の会長だって、このまま維持できるわけはないというようなことをおっしゃっていたと聞いております。
これはやはり考えるべきだと思いますよ。私は、仮定として、二万四千をまず第一段階として二万郵便局に減らすとどのぐらい収支改善ができるのか、そういう努力を、もちろん雇用は大事ですから、雇用を切るということは、当時の電電公社も同じことを言っていました、雇用を一切切ることなく、しっかりと雇用を守りながら、どうやって筋肉質の郵便事業にできるか、そのことをまず考えることが、税金を入れるということよりも、私は本来先に来るべきが民営化ということではないかというふうに思っております。
時間が来ておりますけれども、大臣、今日は二つの仮説の話、一つは、全体の数字がちょっとでか過ぎるのではないか、そして、直営比率がでか過ぎるのではないか、それによって固定費が非常に高い経営形態になっているのではないか。
冒頭申し上げたDHLのような宝の山が見つかれば結構ですよ、不動産事業も大いにこれから利益を出していただきたいと思います。そして、金融もマーケットから大きな期待があるようでございます。にもかかわらず、郵便事業が大変だ大変だ、これは世界共通なんですよ。世界共通だけれども、必ずしも税金を入れているところばかりではないということを考えると、やはり大臣、最後に一言いただきたいんですが、こうした経営分析をもう少しやって、どうやったら一番筋肉質の経営体制がつくれるか、そして、いわゆるユニバーサルサービスというのは、どこまでいったらユニバーサルサービスなのか、どこまでだったら減らせるのか、こうした議論を私はやってもらわなきゃいけないというふうに思っておりますが、大臣、最後に一言お願いします。
○林国務大臣 電電公社からNTTへの経験をされた田嶋委員ならではの大変傾聴に値する御議論を日本郵便とやっていただいたと思っております。
我々は監督する立場でございますので、やはり、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない、いわゆるユニバーサルサービスということがあるわけですので、こうした責務を日本郵便に果たしていただく上でどのような形で経営の効率化に取り組んでいくか、これは一義的に同社において判断されるべきものと考えておりますので、今日のやり取りも含めて、日本郵便が郵便局の設置に係る責務を果たしていくように適切に監督してまいります。
○田嶋委員 現場は少し元気がないという報告も聞いておりまして、やはり、これからどういうところに希望を持ってもうかる事業体にしていくか、そのことに全力を挙げて御検討いただいて。少し危機感が足りないと私も思いますよ。そういう数字をふだんから持って、こういうふうに聞かれたら、いつでもそれを説明できるようになっていただきたいと思っております。
私も、俄然郵政事業全体に興味が湧きましたので、引き続きしっかりとモニターしていきたいと思います。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。
引き続き、よろしくお願いを申し上げます。
全国津々浦々、離島や中山間地、過疎地域といった条件不利地域においても、一通を届けるべく地域に寄り添い、そして職務に励んでおられる日本郵便の皆様に、まずは心からの敬意を申し上げたいというふうに思います。
郵便局は、我が国が明治以来百五十年以上にわたって築き上げてきた誇るべき社会的資産であります。特に、地方の過疎地におきましては、郵便局は単なる手紙を出す場所のみならず、ゆうちょ、かんぽなどの金融・保険サービスといった生活インフラはもちろん、高齢者への声がけや、また人の気配を感じられる場所、いわば地域コミュニティーにおける最後のとりででありまして、安心の拠点そのものだと私自身も思っているところであります。
しかし、現在、郵便事業を取り巻く経営環境は深刻でありまして、SNSの普及や電子商取引の進展といった構造変化によりまして、国内郵便の数は、平成十三年度のピーク時から五二・二%も減少をしているところであります。これに伴い、郵便事業は、二〇二二年度に民営化後初の赤字に転落をしまして、二〇二三年度には赤字額が八百億円を超える規模となっているところであります。
令和六年十月には、消費税対応を除けば、大幅な本格改定としては約三十年ぶりとなる封書百十円への全面的な料金改定が断行されましたけれども、それをもってしても、一時的な収支改善が見込まれる一方で、令和八年度には再度赤字化するとの厳しい見通しも示されております。
今回の改正案は、定形郵便物の料金上限を総務省令による固定から会社の申請に基づく総務大臣の認可制へと移行し、さらには郵便事業単体での収支相償という大原則を緩和し、日本郵便株式会社の内部における荷物事業や不動産事業などの他事業収益を活用しながら郵便ネットワークを維持する方向へかじを切るという、民営化以来の在り方を再定義をする転換を含んでいるところであります。
これが、単なる安易な値上げを機動的に行うものではなく、地方のネットワークを将来にわたって守り、同時に国民の皆様や中小企業の納得感を得られる持続可能な公共サービスの進化であるか、こういった点につきまして、今日は質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、今回の改正案の大きな柱の一つが、郵便料金の一般的要件である郵便事業における収支相償規定の緩和であります。会社全体の経営状況を踏まえて、郵便料金の設定に一定の柔軟性を持たせる方向へ見直す内容であります。
これまで郵便料金は、郵便法第三条に基づき、郵便の役務全体について、能動的な経営の下で、適正な原価と適正な利潤を賄うたてつけが基本とされてきました。しかし、物数が半減をしまして、世帯数増加により配達箇所数のみが横ばいで維持されているという効率悪化の中で、この原則に固執し過ぎれば、赤字解消のために、国民へ度重なる大幅な値上げを強いることになりかねません。これが郵便離れを加速させる負のスパイラルを招くという審議会でも示された懸念は、私も理解をするところであります。
元々この規定は、郵便事業が調子よく、独占が問題とされていた時代に、もうけ過ぎるなという趣旨で設けられたものでありますけれども、物数が激減した現在では、逆に、これを厳格に適用すれば、赤字解消のために度重なる過度な値上げを強いられることになりまして、利用者の郵便離れを加速させる硬直的な経営を招かざるを得ないというふうに思っております。
他方で、ゆうちょ銀行やかんぽ生命は上場企業でありまして、法令上、株主法上、会社間での直接的な利益の融通や補填が不可能な前提があるからこそ、日本郵便内部での他事業収益を勘案できる柔軟な仕組みへの見直しが不可欠となっております。
一方で、郵便という公共性の高いユニバーサルサービスが競争の激しい荷物市場や不動産市場の浮き沈みに翻弄されるリスク、これもはらんでいるというふうに思っております。この民営化の根幹を揺るがすとも言える今回の方針転換は、将来的に地方の、特に条件不利地域の郵便ネットワークを将来にわたって守り抜くという政府の決意の表れと受け止めてよろしいでしょうか。
そこで、この制度変更が、日々不安を抱える過疎地の住民の皆様にとって、どのような具体的で確かな安心材料になるのか、大臣の御見解と御決意をお伺いさせていただきます。
○林国務大臣 現行の郵便法第三条に規定いたしますいわゆる郵便事業における収支相償の下では、郵便事業の継続的な赤字が見込まれる場合には、制度上更なる値上げが求められる、委員がおっしゃったとおりでございます。こうした硬直的な仕組みの下では、郵便物の数が減る、そうするとまた値上げをする、また減る、こうした郵便事業の収支の更なる悪化につながるおそれがあるわけでございまして、これを踏まえて、今回の法案では、郵便事業における収支相償の規定を見直しまして、現行の郵便料金に求められる一般的要件である収支相償の料金水準を上回らない範囲内で、郵便事業以外の事業の収支、これも勘案した料金設定を可能とすることにいたしました。
こうした見直しによりまして、日本郵便の経営判断の余地、これが拡大をして、郵便事業を取り巻く環境の変化に応じた主体的、機動的な料金設定が可能となることで、郵便事業の安定的な提供などにつながることが期待をされるところでございます。
過疎地を含む条件不利地域においても郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保する、これが非常に重要であると認識をしております。引き続き、郵便のユニバーサルサービスの安定的な確保をしっかりと図ってまいります。
○中川(宏)委員 大臣、ありがとうございます。
硬直的な仕組みを改めて、他事業の収益も視野に入れながら、過度な負担を抑制してネットワークを維持していく、こういった御答弁をいただいたところであります。
しかしながら、郵便という極めて公共性の高いサービスが競争の激しい他の市場の浮き沈みに翻弄されているというリスク、これも表裏一体であるというふうに思っております。仮に物流や不動産市場が冷え込んだ際に、そのしわ寄せが、郵便ユニバーサルサービスの低下や過疎地の郵便局の維持に影響を与えるようなことはあってはならないと考えております。
仕組みが柔軟になるからこそ、その運用状況を国がガバナンスとしてどう担保していくか、この点が問われると思いますので、いかなる環境の変化があろうとも、過疎地や条件不利地域の安心の拠点である郵便ネットワークが揺らぐことがないよう、総務省といたしましては、強い関与と責任ある指導をこれからもお願いしたいというふうに思っております。
次に、拠点網の維持についてお伺いをいたします。
日本郵便は、全国に約二万四千の郵便局、十七万本を超える郵便ポストを有しております。これは、世界に冠たる我が国の社会的基盤でありますし、地域住民にとっての頼みの綱だというふうに思います。
定形郵便物の上限料金制度が、日本郵便の申請に基づく許可方式へ見直され、経営の自主性が高まることで、効率性や収益性を重視する余り、結果として不採算な過疎地の郵便局の統廃合が加速されるのではないかという不安の声が地方からも聞こえてまいります。投資家の一部からは、安全資産の幻想が崩れているとの厳しい御指摘も出ているところであります。
来局者数がピーク時から約七割弱まで減少をして、金融のデジタル化が進展する中、日本郵便では、現在、昼の時間帯の窓口業務休止ですとか半日営業の拡大の試行をするなど、地域事情に応じた柔軟な窓口営業体制の見直しを模索せざるを得ない状況にあります。
市場や株主からの資本効率向上の還元強化への要望も強まる中で、こうした効率化施策が地方における不採算局の安易な統廃合へと直結しないよう、都市部の集約と地方の維持という役割分担の明確化やネットワークの長期的な将来のシナリオの提示を地方社会から強く要望されているのが実態であるというふうに思っております。
郵便法第一条には、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供すること」、これが明記をされております。過疎地においても現行のネットワーク水準を維持することを旨とする姿勢に変わりはないでしょうか。
そこで、交付金、拠出金制度の活用はもとより、地域住民が最も懸念をしている生活圏からの窓口の消失だけは阻止していくという、この決意を大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○林国務大臣 郵便局は、今まさに委員がおっしゃっていただいたように、地域における最後のとりでとして、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスの提供に加えまして、地域の実情やニーズを踏まえたサービスを提供する拠点、顔が見えるということですね、こうした役割を担っております。この水準を維持することは大変重要であると考えております。
関係法令においては、日本郵便は、「あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない。」とされておりまして、特に、過疎地においては、平成二十四年の改正郵政民営化法により、郵便局ネットワークの水準を維持すること、こういうふうにされておるところでございまして、総務省といたしましては、平成三十一年四月に施行されております、今お触れになっていただいた交付金、拠出金制度を確実に運用する、そして、日本郵便が郵便局の設置義務を確実に履行するよう適切に監督することで、郵便局ネットワークの水準が維持されるように取り組んでまいります。
○中川(宏)委員 大臣、ありがとうございます。
日本郵便は、民間企業であると同時に、ユニバーサルサービスを義務づけられた特殊会社でありますので、経営の効率化を追求する余り、地域に暮らす人々の利便性が置き去りにされることがないよう、交付金、拠出金制度の厳格な運用とともに、総務省としての不断の監視と適切なコミットメントを是非お願いさせていただきたいと思います。
続きまして、今回の改正案では、定形郵便物の料金上限について、総務大臣による認可制度へ改めるとともに、料金の一般的要件についても、適正な原価と適正な利潤を基礎とする従来の考え方から、会社の経営状況も踏まえた仕組みへと見直しをされます。そこで重要となるのが、今後の認可審査におきまして、何をもって能率的な経営と定義するかという点であります。
日本郵便の郵便事業は、営業費用の約七五・二%を人件費が占める、労働集約的な構造にあります。一方で、点検業務や安全管理をめぐる不適切事案に伴う行政処分といった管理体制の不備も指摘をされておりまして、こうした経営の非効率やガバナンス上の問題から生じたコストがそのまま原価として認められ、料金に転嫁されることはあってはならないというふうに思っております。
そこで、総務省として、具体的にどのような透明性のあるプロセスで能率的な経営を査定されていくのか。鉄道等の他分野の認可事例、これを参考にされるとのことでありますけれども、算定基準の公表の在り方や、特に、国民の皆様、また第三者が検証可能なレベルでのデータ開示について、この点についてお伺いをさせていただきます。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
定形郵便物の料金の上限額に係る算定基準等につきましては、今回の改正案をお認めいただきましたら、改正法の施行までの間に、パブリックコメントを経た上で公表してまいりたいと考えており、現在、総務省の有識者会議において作成に向けた検討を行っているところでございます。
料金の上限額の認可に当たりましては、今後公表する算定基準等に基づきまして、上限額算定の根拠となる原価及び利潤の適正性を厳格に審査することや、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問やパブリックコメントを行うことなどにより、手続の透明性を確保しつつ認可を行ってまいります。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
公共料金の認可制度におきましては、事業者が提出する原価データの不透明さが懸念されがちであります。ここは、まず総務省にお願いさせていただきたいと思うんですけれども、鉄道などの先行事例を参考にしつつ、こうした組織の課題に起因するコストを厳格に見られて適切に精査、こういったことも是非やっていただきたいというふうに思っております。
そして、その上で、国民、中小企業、また第三者の有識者が客観的に検証、納得できるレベルでの詳細なデータの開示、また説明責任の履行、これを強く求めておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に、他事業収益の勘案について、より具体的なルールをお伺いさせていただきます。
日本郵便は、不動産事業の開発を加速させ、中期経営計画におきまして、二〇二五年度の営業利益目標を百八十億円程度まで引き上げる計画を掲げておられました。荷物事業におきましても、ヤマトグループや楽天グループとの協業を通じた収益拡大を目指しておられるというふうに思っております。
郵便事業におきましては、二〇二五年二月に、法人向けの新商品となる、厚さ最大七センチまでのゆうパケットパフを投入し、本社にビジネスソリューション室を新設して法人営業組織を大幅に強化するなど、競争領域での増加に注力をされているというふうに思っております。
また、不動産事業におきましても、集配拠点の再編に伴い、銀座や京橋などの都市部、好立地を活用いたしまして、将来的に大きな利益の創出、これはディベロッパー業界トップテン入りを目指す。一方で、昨今の建設費高騰や賃貸市場の冷え込みを踏まえまして、分譲住宅中心へポートフォリオを見直すなど、マクロ環境の変化に直面をしております。これら競争領域の利益創出の取組と、郵便事業の構造赤字のバランスを適正に評価する仕組みが問われているというふうに思っております。
しかし、これら他事業の利益が、具体的にどのような計算式をもって郵便料金の抑制に振り向けられているのか、その按分ルールが不透明でありますと、民間信書便事業者との公平な競争条件、いわゆるイコールフッティングに疑念が生じかねません。
そこで、活動基準原価計算も含めまして、郵便と荷物の共通経費をどう配賦し、どれだけの利益をユニバーサルサービスの維持に充当するのか、その配分状況について透明性の高い事後公表を行うべきと私は考えますが、政府の見解をお伺いさせていただきます。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便と荷物の共通経費につきましては、総務省の有識者会議におきまして、活動基準原価計算による現在の配賦方法を維持する方向で議論を行っておりまして、これを踏まえ、今後、パブリックコメントを経た上で、算定基準等を作成、公表してまいります。
また、日本郵便が郵便料金の改定を行うに当たりまして、郵便事業以外の事業の収益をどのように郵便ユニバーサルサービスの維持に充当したかにつきましては、会社の経営の状況に照らして適切なものであることを総務省において確認してまいります。
このようなプロセスを通じまして、郵便料金の設定に関し、透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
他事業の利益がどのような計算式でユニバーサルサービスの維持や料金抑制に振り向けられたのか、そのプロセスが不透明でありますと、国民の皆様の納得も得られず、これは市場の信頼も失うというふうに思っております。
特に懸念されるのが、日本郵便のゆうパックなどの荷物事業や不動産事業、これは一切の公的支援を受けずに自助努力で戦っている、完全な民間企業との激しい競争市場にあるという点であります。もし、郵便事業の赤字を穴埋めするために、共通経費の配賦ルールが日本郵便の都合のいいようにゆがめられて荷物事業や不動産事業のコストが不当に低く見積もられるようなことがあれば、民間事業者とのイコールフッティングは根本から崩れていくというふうに思っております。
したがいまして、他事業の収益を勘案する際の配分ルールにつきましては、単なる社内調整に終わらせず、民間事業者が納得できる、客観的で、第三者検証の仕組みを導入するなど厳格な規律が必要だと考えますので、活動基準原価計算などの厳格な運用とともに、誰もが検証可能な高い透明性を持った配分ルールの構築、これと事後公表を確実に実行していただくよう要望をさせていただきたいというふうに思っております。
次に、値上げの前に自社の合理化努力が尽くされているかどうか、この点について確認をさせていただきたいというふうに思っております。
日本郵便は、スマートフォンアプリやGPSを活用した配達ルートの自動作成ですとか、AIによる輸送ダイヤの最適化、また区分作業の機械化などを進めまして、生産性向上に取り組んでおられます。
他方で、ドローン配送の実証実験でありますけれども、二〇一六年度から、日本初となる補助者なしでの目視外飛行に成功しましたけれども、実際の収支改善への本格的な寄与はこれからだというふうに思っております。
こうした最新技術への投資が、特に配達効率の悪い地方部におきまして、具体的に、いつ、どの程度のコスト削減効果をもたらすと予想していらっしゃるのか、また、貨物軽自動車運送事業での行政処分を受けた事案など、組織のガバナンス不全が経営に与えたマイナスの影響をどう総括して再発防止を徹底されているのか、併せてお伺いをさせていただきます。
○西口参考人 お答えさせていただきます。
先生の御指摘にございましたように、日本郵便としまして、生産性向上のために、AI技術も活用してできるだけ経営の効率化を目指しているというところでございまして、具体的な数字といたしましては、二〇二八年度、中期経営計画の最終年度でございますけれども、この段階で約六百八十億円程度の、ITとかAIとか、そういった先端的な技術を導入することを始めとした効率化効果によってコスト削減を図ろうとしております。
また、御質問にありましたドローンにつきましても、積極的な活用ができないかと継続的な実証実験を行っておりますけれども、まだ、この中計期間中に、経費削減に、コスト削減に貢献できるところまでの見通しは立っていないといったところでございます。
その上で、後段の点呼不備事案についての御指摘でございますけれども、この点呼不備事案につきましては、本当に大変な大きな事件といいますか、問題でございまして、事業許可取消しといった大きな行政処分を受けておりまして、そういった意味では大変重大な問題だというふうに重く受け止めておりまして、本当に、利用者の方々を含めて申し訳なく思っておるところでございます。
点呼の問題による経営への影響でございますけれども、当然、事業許可取消しでございますので、自分たちでトラック運送ができなくなりますので、他社にいろいろ委託をするといったところからコストアップになる面、また、点呼が今までできていないので、できるようにするための遠隔の点呼システムとか、デジタル点呼システム等を導入するような経費もかかります。
それらもろもろを合わせて、コストとしては約九十億円ほどのアップにつながっているというふうに考えておりますし、また、利用者の方々、ゆうパックを使ってみようかなといった方々も、ああいう事案があったものですから、やはり、なかなか日本郵便さんは使えないかもしれないねといったような収益面での顧客離れといった影響も、数字としてなかなかつかめませんけれども、あったんだろうと思っております。
そういった意味で、先ほども申し上げましたけれども、証跡が残るデジタル点呼システムを全面的に導入してきておりますし、また、貨物軽自動車安全管理者といった者の早期の選任もしてございまして、ある意味、非常にきめ細かく、点呼の不備が起きないような体制づくりをしてきているところでございます。それは二輪も含めてなんですけれども。
こういった取組で、現時点においては、法令違反となるような重大な不備事案はないような状況をつくり出しているといったところでございます。
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
値上げを申請、容認する前に、まず、様々、先ほどお話をいただきましたけれども、やれるべき合理化、また適正な労務管理、これは全てやり尽くした、そうした姿勢を示していくことが、これが私は、国民の皆様、また利用者の皆様から信頼を得る近道だというふうに思っておりますので、是非この点につきましてはしっかりとこれからもやっていただきたいというふうに思っております。
また、総務省におかれましても、是非、適切に、こうしたことを促して、しっかりとした指導をしていただきたいということを申し添えておきたいというふうに思っております。
次に、過疎地の郵便局の持続可能性を高める切り札といたしまして私が期待をしているのが、自治体事務の受託であります。
現在、マイナンバー関連事務また証明書交付などで実績がありますけれども、これを更に踏み込んで、自治体の支所、出張所そのものの機能の代替、また、買物支援ですとか、遠隔技術を活用したオンライン診療支援といった地域の生活サポート拠点へと進化させるべきだ、私はこのように思っているところでございます。
現に、一部の先進的な地方公共団体におきましては、マイナンバーカードや運転免許証の情報を活用した書かない窓口、申請書作成支援システムの導入によりまして住民の皆様の利便性向上と自治体の負担軽減を両立させている事例、また、プレミアム商品券ですとか電子マネーのチャージ窓口業務を一括受託するパッケージ型の行政支援ですとか、さらには、空き家情報バンクのウェブ入力支援など、対面によるリアルな安心感を生かしてデジタル弱者をケアする多角的な地域課題解決の受託実績、これが確実に積み上がりつつあるところであります。
二〇二五年度からは、事務委託をする市町村に対し初期費用を支援する特別交付税措置も創設されたところでありますけれども、まだ自治体側には、どこまで郵便局の皆様に頼めるか、こういった迷いもあるかというふうに思っております。
そこで、総務省といたしまして、単なる法的許容にとどまらず、自治体の行政コスト削減と郵便局の収益改善を両立させる地方創生のインフラとして、より強力に全国の自治体へ受託拡大を働きかけていくべきだと思いますけれども、この点につきまして見解をお伺いさせていただきます。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便局は地域の重要な生活インフラとしての役割を担っており、自治体窓口事務の取扱いなど、地域課題の解決に向け、地域の実情やニーズに合わせた取組を進めていくことは大変重要であると考えております。
特に、マイナンバーカード関連事務につきましては、今後、電子証明書等の更新も増加することから、引き続き、日本郵便とも連携しつつ、市町村への意向調査等を通じた市町村と郵便局とのマッチング支援、委託に関心のある市町村への丁寧な個別相談や委託経費に対する財政支援などに取り組んでいるところでございます。
また、総務省が予算措置として行っております郵便局の利活用に係る実証事業につきましては、オンライン診療や買物支援などの実証事業を行い、その成果や好事例について自治体に共有をしているところでございます。
今後とも、日本郵便とも連携をいたしながら、全国の自治体から、マイナンバーカード関連事務等の自治体窓口事務や、住民生活支援サービスの郵便局への委託が拡大するよう取り組んでまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
総務省といたしまして、単に自治体からの申請を待つ受け身の姿勢にとどまらず、自治体側が抱く不安ですとか、また法的な障壁を取り除くため、国として、標準的な受託モデルですとか情報セキュリティーのガイドライン、これをしっかり明示していただいて、より強力なプッシュ型の支援をしていただきますようお願いをさせていただきたいというふうに思います。
次に、急激な制度変更は、影響を受ける層を生みます。
手紙、はがきの物数が減少する一方で、企業間取引の請求書発送など、いまだ郵便に頼らざるを得ない中小企業や商社の文化は色濃く残っております。
二〇二一年の土曜配達休止また送達日数繰下げの際も、請求書業務へのリードタイム遅延が大きな懸念材料となりました。
当時の総務省アンケートの結果を見ましても、普通扱い郵便物の週五日配達化や翌日配達の見直しにつきまして、差し出す側の企業の約六割から七割がやむを得ないと理解を示していただく一方で、大事を取って今までよりは早めに出すという実務的な対応変更を迫られた企業が四七・五%に達するなど、全国の中小企業の経理現場における業務スケジュール、またリードタイム管理に多大な実務的負担を強いた現実があるところであります。
今後、大臣認可制への移行に伴って、封書、はがき、年賀、また特殊扱いなどの区分間の料金差の再設計が検討される場合、単なる会社の収益最大化の論理が優先されるべきではないというふうに思っております。
大臣認可制の移行に伴い、将来的な再値上げが検討される場合、こうした小規模事業者の経営を圧迫しないよう、広告郵便等の対象拡大、また激変緩和措置、さらには社会的、教育的な意義を持つ第三種、第四種郵便の低廉な料金維持についてどのような配慮を審査基準に盛り込むおつもりか、国民の負担能力や社会的役割をどう勘案するのか、この点につきましてお伺いをさせていただきます。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
今回の郵便法改正案による認可の対象は、定形郵便物の料金の上限額でございまして、今後定めます算定基準等もこれを対象にしておるところでございます。
他方で、本年五月十五日に公表された日本郵政グループの中期計画には、利用者ニーズやコスト等を踏まえて各種郵便サービスの料金の見直しを検討する旨が記載されていると承知をしております。
委員御指摘の、国民の負担能力や郵便の社会的役割、郵便料金の見直しに当たって、これらは重要な観点であると認識しておりまして、今後、日本郵便から具体的な要望等があった場合には、そうした観点も踏まえながら、その要望等の内容や関係者の意見をよく聞きつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 ありがとうございます。
利便性の変更、また料金改定の審査に当たりましては、形式的な原価計算だけでなく、郵便が担ってきた社会的、文化的な役割、そして国民の皆様の負担能力という公の視点を常に重視していただき、やっていただきたいということをお願い申し上げ、以上で質問を終わります。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、岩谷良平君。
○岩谷委員 日本維新の会の岩谷良平です。よろしくお願いをいたします。
まず、デジタル社会における郵便ユニバーサルサービスの存在意義についてお伺いをいたします。
社会全体のデジタル化を進めることは我が国の喫緊の課題でありまして、政府もそれを強力に推進していると認識しております。
一方で、物理的な送達が法的効力や原本性を担保する場面はまだ多く残っているというのが現実であります。しかし、それらの多くは社会全体で乗り越えるべき過渡期の課題であり、更なるデジタル化を推進していくべきものだと考えております。
その観点からしますと、これだけデジタル化が進みまして、そして郵便物数がピーク時から半減している、そんな今の時代に、莫大なコストをかけてまで、これまでと同じ規模で、郵便を全国一律のユニバーサルサービスとして残さなければならない理由、必要性、意義というのは一体何なのかという根本的な確認をまずさせていただきたいと思います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便は、国民の基本的通信手段であり、令和七年度におきましても百十七億通の取扱いがあるなど、郵便事業は国民生活や経済活動にとって引き続き重要なものでございまして、その安定的な提供を将来にわたって確保する必要があると認識しております。
そのため、日本郵便株式会社法などにおきまして、日本郵便などに対し、郵便サービスをあまねく全国において公平に利用できるようにすること、いわゆる郵便のユニバーサルサービスの提供の確保を義務づけているところでございます。
○岩谷委員 確かに、今、デジタル化が進んだとはいえ、例えばクレジットカードを申し込むと、それはやはり本人、受取人限定の郵便で届く、そういった物理的なものの配送とか、あるいは、先ほど申し上げたとおり、公的通知とか法的書面の送達などもやはり残っているわけであります。
しかし、考えてみれば、クレジットカード等も今はもうスマホ等に統合されていくような時代になっておりますし、そして、カード類自体が廃止されていっている。さらに、公的通知とか法的書面についても、例えばマイナポータルをしっかり活用して、国を挙げてデジタル化、ペーパーレス化に移行すれば、やはり減っていくんだろうというふうに思っております。
巨大なアナログインフラであります郵便事業を延命させることが目的化して、行政を含めたデジタル化の推進が鈍るというような事態は避けなければならないと考えております。行政、民間を含めた社会のデジタル化の更なる推進が目標であり、私は、現在の郵便のユニバーサルサービスは、そこへ至るまでのいわば過渡的なインフラであると認識しています。
したがって、私は、今回の法改正も、従来のシステムを無批判に延命させるものではなくて、あくまでもデジタル化への移行期間をソフトランディングで乗り切るための過渡的な措置であるというふうに私は認識しておるわけですが、この点、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○林国務大臣 郵便は国民の基本的な通信手段でございまして、また、デジタル化の進展などに伴い、郵便物数、これは継続的に減少しておりますが、先ほど答弁があったように、そうした中でも、約百十七億通、これは令和七年度時点でございますが、取扱いがございます。郵便事業は国民生活や経済活動にとって引き続き重要なものでありまして、その安定的な提供を将来にわたって確保する必要があると認識しております。
今回の法案では、郵便料金の設定に関しまして、日本郵便による主体的、機動的な料金設定を可能とすることで、社会全体のデジタル化の進展など、現時点での郵便事業を取り巻く環境の変化に対応しようとするものでございまして、引き続き、こうした制度見直しを含めて、国民生活や経済活動にとって重要な役割を担う郵便事業の安定的な提供の確保、これをしっかりと図ってまいります。
○岩谷委員 繰り返しになりますけれども、社会全体のデジタル化を進めていくということ自体は政府の目標でもあると思いますし、私も、もちろん推進する立場であります。
しかし、その目標に向かって進めば進むほど、人口減少とも相まって、必然的に郵便物の数は減少していきますし、そうすると、郵便事業はますます不採算になっていくということは必然であるというふうに思います。固定費の重い郵便事業において、郵便物の数が減れば、単価である料金を上げざるを得ない、しかし、料金が上がれば、国民や企業の郵便離れは更に加速し、ますます郵便物の数が減る、これはまさに完全なる負のスパイラルであろうというふうに思います。ゆえに、今の現状を過渡期と捉えて、ユニバーサルサービスというものを一体いつまで維持するのかという議論を開始すべきだというのが私の考えであります。
政府として、このような構造的要因による郵便事業の不採算化と、それに伴う継続的な郵便料金の値上げは、ある種やむを得ないものとして容認せざるを得ないという基本認識にお立ちなのでしょうか。
また、郵便物がピーク時から半減しているにもかかわらず、配達箇所は横ばいであって、一か所当たりの配達物数が減って極めて非効率になっているという、これはもう構造的欠陥であると思いますが、このままでは、今回の法改正をもっても抜本的な解決にはなりません。この負のスパイラルを断ち切る具体的な処方箋を政府はお持ちなのか、お伺いいたします。
この点、私はもはや、「なるべく安い料金で、あまねく、公平に」という郵便法第一条の目的と現在のサービスレベルを両立させることは非常に難しい、困難であるという時代に入ってきておりまして、ユニバーサルサービスの内容そのものをやはり見直していく必要があるというふうに考えております。
昨年の七月三十一日付の情報通信審議会郵政政策部会の答申にも、委員の先生だとかヒアリング事業者等から同様の意見が多く上がっております。例えば、不断のユニバーサルサービスの見直しや公的負担の検討をしなければならないとか、郵便ユニバーサルサービスとして本当に全てのサービスが必要なのかどうか、配達回数等の議論を含めてやっていく必要があるだろう、あるいは、何らかの形でサービスレベルの見直しの議論に踏み込まないといけないのではないかと思う、また、ドローンの実装や、コンビニと連携し受取人に取りに来てもらうシステムといったことも考えなければいけない、ただ単に郵便料金を上げればいいという段階ではないのではないかと思うといった意見が出されております。
料金改定のルールを変えて、利用者に負担を転嫁するという、今回の、ある意味そうとも思えるような法改正でありますが、現在の週五日、原則四日以内配達といったサービス要件を緩和するとか、あるいは、ドローンや外部リソースを活用するといった、先ほど、審議会の答申にもあったようなサービスレベルの見直しというものに踏み込む時期に来ていると考えますが、御見解をお伺いをいたします。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
多様な通信手段が普及している近年の状況に鑑みれば、収支相償の料金水準を厳格に満たすような硬直的な値上げを行った場合、かえって郵便事業の収支を悪化させることが懸念されるところでございます。
こうした点を踏まえまして、今回の郵便法改正案では、郵便事業における収支相償の規定を見直しまして、収支相償の料金水準を上回らない範囲内で郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した料金設定を許容し、利用者が利用しやすい料金設定を可能とすることにしているところでございます。
これに加えまして、郵便料金の継続的な値上げを抑制するためには、日本郵便における経営の効率化や収益拡大を通じた経営健全化を図ることも重要であると認識しておりまして、同社の令和八事業年度事業計画の認可の際には、要請などを通じまして、収支の改善に向けた監督を行っているところでございます。
また、本年五月十五日に公表された日本郵政グループの中期経営計画には、法令で求められております郵便のサービス水準について見直しを要望する旨が記載されておるものと承知してございます。
今後、日本郵政グループを始めとする関係者の意見や、郵便事業を取り巻く環境の変化などを踏まえながら、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○岩谷委員 今御答弁いただいたとおり、やはり、ユニバーサルサービスの内容自体を見直すというところまで是非進めていただきたいと思いますし、そうしなければ、なかなか維持していくのは難しいんだろうというふうに思っております。
さて、先ほど来質問も出ておりますが、日本郵政グループの不祥事についてお伺いしたいと思います。
かねてから不祥事が相次いでおります。ガバナンス欠如というものも何度も指摘をされてきていると思います。私も、数年前、四年ほど前からガバナンスの強化を求めてまいりました。顧客情報の政治活動への流用であるとか、カレンダー等の物品配布を通じた不適切な政治関与等がありました。しかし、ガバナンスが強化され、状況が改善しているどころか、むしろ悪化しているのではないかと思えるような状況にあると思います。
例えば、令和六年九月には、ゆうちょ銀行の口座残高などの情報をかんぽの営業に不正流用しているということが明らかになり、流用された情報は延べ一千万人分に上る。
さらに、翌七年には、先ほども話が出ました、二千三百九十一か所の郵便局で酒気帯び確認の不適切点呼、これはトラックとかバンとかが、約二千五百台の貨物運送事業の許可が取り消されるという異常な事態が起きています。
それから、今年に入っても、複数の郵便局で顧客の口座から現金を盗んだり横領したり、もう十件以上の不祥事が発覚をしているわけであります。
さらに、約一週間ほど前でありますけれども、今月二十日に収賄事件が起きています。これは見込額として四年間で七億二千万円の契約額になるかもしれなかった、これが防がれなければですね。それは応札額の倍以上の価格に跳ね上がるところだったと。深刻なことは、今回逮捕された日本郵便の社員の方のその前任者も業者から接待を受けていたとされています。だから、長年にわたって続いていたということですね。さらに、この契約を決裁する、今回逮捕された方の上司の方三人のチェックが機能していなかったということが説明をされているわけであります。
これは、本当に不祥事が多過ぎるんじゃないでしょうか。もういいかげんにしていただきたいというふうに思います。これは当然、公共インフラとして、それを担う組織として許されるものではありませんし、日本郵政さんはいつも謝罪をされ、ガバナンスを強化するというふうに言われるんですけれども、こういう状況が続いている。政府の方の監督責任というのも問われてくるんじゃないかというふうに思います。
今回の法改正というのは、いわば日本郵便の裁量を拡大するものであるというふうに思っております。しかし、この裁量拡大の前提として、先ほど申し上げた、不祥事を起こさない、ガバナンスの強化というのは不可欠だというふうに考えますが、政府としての御認識と対応、しっかりと御答弁いただきたいと思います。
○林国務大臣 日本郵政グループにおいて、今委員から御指摘のあったように、不祥事が相次いで発生しているということは大変遺憾でございます。郵便事業の運営は国民の信頼の上に成り立っている、そういうふうに認識をしておりまして、同グループにおいて、ガバナンスの強化、そしてコンプライアンスの徹底、これが図られることが必要である、そういうふうに考えております。
こうした認識の下で、総務省では、これまで、日本郵政及び日本郵便の事業計画の認可に際しまして、ガバナンスの強化やコンプライアンスの徹底について要請を行ってきておりまして、また、個別の事案についても、行政指導ですとか監督上の命令を行うなどの対応を行っております。
引き続き、日本郵政グループに対する国民の信頼の確保に向けまして、同グループにおけるガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底の取組が確実に進みますように、しっかりと監督をしてまいります。
○岩谷委員 我々も与党の一員として、これは引き続きしっかりと監視をさせていただきたいというふうに思います。
最後に一問だけ。
今回の法改正で、上限額が総務大臣認可へと変更することになりました。私も経営者をしておりましたが、売上げが落ちたからといって単価を上げるということはやはり通常はないことだと思うんですね。ですから、安易な値下げとか、あるいは経営効率化が鈍化するといったことを誘発するおそれもなしとはしないわけですが、政府としてはどのようにチェックをしていくのかというのをお伺いしたいと思います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正をお認めいただきましたら、改正法の施行までの間に、定形郵便物の料金の上限額に係る算定基準等を公表してまいりたいと考えておりまして、現在、総務省の有識者会議におきまして、作成に向けた検討を行っております。
これまでの議論におきまして、構成員からは、料金の上限額の認可に当たって、日本郵便の経営効率化についても適切に勘案すべきといった御意見を頂戴しておるところでございます。
料金の上限額の認可につきましては、こうした経営効率化の要素を勘案する算定基準等を作成した上で、これに基づき、原価算定において日本郵便の経営効率化の取組が適切に反映されているか審査することや、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問やパブリックコメントを行うことなどにより、日本郵便の申請内容をしっかり確認した上で対応してまいりたいと考えております。
○岩谷委員 今日は日本郵政さんにはお伺いしませんでしたが、ガバナンスの強化をしっかりと求めて、そして、引き続きしっかりとチェックをさせていただくことを申し添えて、質疑を終わります。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、許斐亮太郎君。
○許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。
本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
これまでの議論にもありましたが、郵便事業を取り巻く環境は、デジタル化の急速な進展や労働力不足、人件費、物流コストの高騰など、極めて厳しい状況にあると思います。日本の重要なインフラである郵便網をどのように維持していくのか、郵便サービスをなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供するということが郵便事業における重要な理念であり、実はこれが課題だと思います。
今日は、若干保守的と思われるかもしれませんが、私は、郵便のユニバーサルサービスの維持の観点から質問を行っていきたいと思います。
質問の内容によっては、これまでの委員の皆様とかぶる点も多いと思いますが、改めて確認させていただきたいと思っております。
まず最初に、今回の法改正を目指す背景について、総務省に改めてお伺いしたいと思います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便物数の減少や物価の高騰などの影響により、令和四年度の郵便事業の収支が民営化以降初めての赤字となったことなどを受け、日本郵便は、令和六年十月に、消費増税に伴うものを除けばおよそ三十年ぶりとなる郵便料金の全面的な改定を行いました。
しかし、この料金改定を行ったとしても、継続的な郵便物数の減少などの影響により、日本郵便における郵便事業の収支は引き続き厳しい見通しであったことを受け、総務省の情報通信審議会におきまして、郵便事業を取り巻く経営環境等の変化を踏まえた郵便料金に係る制度の在り方について御議論をいただいたところでございます。
そこでの御議論を踏まえて昨年七月に取りまとめいただいた答申におきまして、郵便事業における収支相償の規定を見直し、日本郵便の経営判断の余地を拡大し、上限認可制度のような日本郵便の発意に基づき上限料金設定の手続を行う制度へ見直すなどの方向性が示されたことを踏まえまして、今回の郵便法改正案の検討を行ったところでございます。
○許斐委員 ありがとうございます。
今回の法改正は、日本郵便に対して、経営判断の余地、つまり経営の自由度を与えるものであると思っております。郵便事業の持続可能性を高める極めて前向きな一歩であると評価しております。
そこで、大臣にお伺いいたします。
今回の日本郵便の経営判断の余地を広げるこの改正を行う最大の目的はどこにあるのでしょうか、大臣にお伺いいたします。
○林国務大臣 今回の郵便法等改正案でございますが、郵便料金の設定に関し、郵便事業における収支相償の規定を見直して、郵便事業以外の事業の収支を勘案した料金設定を可能とするとともに、定形郵便物の料金の上限額を日本郵便の申請に基づき認可する制度に見直すことなどを行うものということでございます。
これによりまして、日本郵便の経営判断の余地が拡大をいたしまして、利用者が利用しやすい料金設定ですとか、郵便事業を取り巻く環境の変化に応じた適切なタイミングで料金を設定するなど、そういうことができるようになるということでございまして、いわゆる郵便離れへの対応ですとか、それを通じた郵便事業収入の減少幅の抑制、こうしたことにつながることで、郵便事業の安定的な提供の確保、これを図ることとしておるところでございます。
○許斐委員 大臣、御答弁ありがとうございます。私が今の答弁を要約いたしますと、日本郵便頑張れという大臣の激励だと私は勝手に解釈しております。
その点において、日本郵便においては、本改正案によって経営の幅が広がり、自由度が増すということになります。
そこで質問です。
今後、会社として、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供するという理念、サービスを維持していくためにも、どのように経営改善、発展させていくのか、その覚悟を、今度は日本郵政にお伺いいたします。
○西口参考人 お答え申し上げます。
日本郵便としまして、郵便サービスの提供というのは、あまねく、公平に提供するということが郵便法に定められているといっただけではなくて、日本郵便としての会社のレゾンデートルにも値するものだと思っていまして、当社が、社会的使命だという位置づけで、しっかり守っていかないといけないというふうに思っております。
その上で、御指摘もこれまでいただいているように、郵便事業につきましては、物数の削減という非常に厳しい状況に直面し、また、コストアップの状況にもあるということで、経営は非常に厳しい状況にございます。
まずは、民間企業として、そういった厳しい経営状況にあって取るべく施策といたしましては、やはりコストの削減を徹底的にやるということで、先般発表させていただいた中期経営計画でも、集配拠点の集約とか要員配置の最適化といった経営努力をしっかりと図って、一方で郵便サービスの利便向上も図って、物数減少の抑制にも取り組み、損益の改善にもつなげていきたいというのが現時点での会社の方針でございます。
○許斐委員 ありがとうございます。今度は私からも、日本郵便頑張れとエールを送らせていただきたいと思います。
その一方で、やはり残念な報道がありました。日本郵便で、またもや不祥事が明らかになりました。先ほど岩谷委員からの指摘もありましたが、日本郵便東京支社の元社員の男が、郵便物の回収をめぐる入札で便宜を図って、見返りに現金やテーマパークの宿泊代金等を受け取ったとして、加重収賄などの容疑で先週逮捕されたとの報道がありました。
働いていた部署が、まさに今回の法改正にも関わってくる、郵便・物流オペレーション部、容疑も、郵便物をポストから回収して郵便局に届ける取集業務の委託契約の入札が舞台であったと承知しています。
この事案について、コスト削減のための入札が今回このような事件の舞台になったことについての受け止めと今後の対策について、先ほどは大臣の御答弁がありました、私は日本郵政のお考えをお伺いいたします。
○砂参考人 お答え申し上げます。
まずは、このような事案を発生させてしまい、関係の皆様に御心配と御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。
会社として損益改善の取組を確実に図る必要があるという認識ではございますが、そのような中、本来公平であるべき契約事務において社員が不正行為を行ったことにつきまして、社会的、公的役割を担う弊社として、深く反省をしているところでございます。
再発防止策としては、電子入札を採用することにより入札手続の透明化を図るなどの取組を開始しているほか、既に実施しておりますシェアード業務への委託を進め、今年度中をめどに集配関係の契約についても移管してまいる予定でございます。
また、集配関係の契約に限らず、全国の入札関連データ及び契約書類に基づき、過去の取扱いに不審な点がないかを調査し、速やかに公表してまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。改めまして、ガバナンスの強化、そしてコンプライアンスの徹底、よろしくお願い申し上げます。
それでは、具体的にこれまでの郵便事業の収支について確認をさせていただきたいと思います。
郵便事業の収支を見ると、令和三年度までは黒字を維持していましたが、令和四年度に郵政民営化後初めて赤字となって、以降は三年連続で赤字になっています。
赤字に転じてしまった理由、そしてその原因をどのように分析をされているのか、総務省の見解を伺います。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
日本郵便における郵便事業の収支は、令和四年度に民営化以降初めての赤字となり、それ以降は赤字の状態が続いております。
この点につきましては、人口減少やデジタル化の進展などによる郵便物数の減少に伴い営業収益も減少していることに加えまして、賃上げや物価高騰の価格転嫁などによる人件費や集配運送委託費などの増加に伴いまして営業費用も増加していることなどが原因であると考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
続けて伺います。
そこで、令和六年十月に郵便料金の値上げをされました。しかし、当時の想定と比べて、経営状況が大体二百二十億円余り悪くなっています。試算に比べて実際の令和六年度の郵便事業の収支が悪化した理由というのをお聞かせください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年十月の料金改定に際しまして総務省が行いました試算では、同月に今回の値上げが行われた場合、令和六年度に四百九億円の赤字となり、令和七年度に六十七億円の黒字となった後、令和八年度以降に再び四百億円の赤字となる見通しとなっていた一方、同年中に値上げが行われなかった場合、令和六年度に千七百七十六億円、令和七年度に二千三百七十六億円、令和八年度に二千七百三十六億円と、赤字が徐々に拡大していく見通しとなっておりました。
一方で、令和六年度の郵便事業の収支は、令和六年十月の料金改定に際して行った試算での赤字額を上回る六百三十億円の赤字となっていたところでございます。
この理由といたしましては、郵便料金の値上げに伴う郵便物数の落ち込みが当初の想定を上回ったことなどが挙げられます。
○許斐委員 ありがとうございます。
要因については理解できました。しかし、先ほど来御答弁にもありました物価高騰や人件費上昇というのは今後も継続する可能性が高くて、その場しのぎの郵便料金の値上げだけでは再び同様の赤字に陥る、負のスパイラルに陥る懸念があります。
そこで、法改正、郵便料金に求められる一般要件にテーマを移したいと思っております。
改正によって、第三条関係で、郵便料金は、日本郵便の経営の状況に照らして適切なものであることとされ、郵便事業の収支相償が緩和されて、必ずしもとんとんでなくてもよい、柔軟な対応が可能となりますが、ここで言う、会社の経営の状況の判断について質問いたします。
具体的にどのような事業の収益や資産までを考慮に含めることになるのでしょうか。会社の経営の状況が指し示す範囲について、総務省の明確な御答弁をお願いいたします。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
今回の郵便法改正案では、郵便料金に求められる一般的要件を規定した第三条を改正し、収支相償の料金水準を上回らないものであって、会社の経営の状況に照らして適切なものであることを新たな要件とすることとしております。
具体的には、第三条に規定する会社は日本郵便を指しておりまして、収支相償の料金水準を上回らない範囲内で、日本郵便が営む物流や不動産などといった郵便事業以外の事業の収益などの会社の経営の状況も勘案した郵便料金の設定を可能とすることとしております。
○許斐委員 ありがとうございます。
不動産や物流、承知いたしました。経営状況の合算対象というのは非常に大切な、これはいろいろな境界線になると思うので、確認をさせていただきました。
次に、経営の透明化の必要性について質問いたします。
郵便料金に求められる一般要件の緩和によって、他事業の収益を考慮できるようになりました。結果として、国民が最も懸念している大幅な値上げというのを回避、抑制ができるという趣旨自体は理解いたします。しかし、この仕組みは、一歩間違えば日本郵便の経営を更に危うくしかねない、私はそう思っています。
今後、ほかの事業の稼ぎを考慮して郵便料金を低く据え置くことが可能になれば、組織内に、郵便事業以外からお金が入るから大丈夫だという、甘えのような、抜本的な業務効率化やコスト削減の努力をそいでしまう懸念が生じるのではないかと思います。また、他事業の支えがなければ本来幾らの郵便料金の値上げが必要だったのか、そして、具体的にどれくらいのコストカットができたのかなど、国民に対しての料金の水準についての説明責任がおろそかになるおそれがあります。
質問です。
今後、日本郵便が、経営の内容を明確に国民に示して、経営の透明化をどのように図っていくのか、また、ガバナンス強化を図ることも含めて、今後、所管省庁として、どのように日本郵政及び日本郵便の経営健全化に向けて関わっていくのか、総務省にお伺いいたします。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
日本郵政及び日本郵便は、法令に基づき、毎年度、事業計画を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、また、認可を受けた場合は、その旨を公表することとなっております。こうした制度によりまして、両社の業務運営の方針が明らかにされ、経営の透明性が確保されるものと考えております。
また、両社の事業計画の認可の際には、事業計画の実施に当たって取り組むべき事項として、ガバナンスの強化などを要請しているところでございます。
総務省といたしましては、今後とも、日本郵政及び日本郵便の毎年度の事業計画の認可などを通じ、両社の経営の透明性を確保するとともに、ガバナンスの強化を含め、両社の経営の健全化が図られるよう、しっかりと監督してまいります。
○許斐委員 ありがとうございます。
ここで、将来のビジョンについて、日本郵便にストレートに質問いたします。
五年後、十年後の郵便料金は、今と比べてどのようになっているのでしょうか。据置きなのか、何%ほどの増減があるのか、見通し、ビジョンを是非お聞かせください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
世の中の経済状況の変化は非常に激しゅうございますので、五年後、十年後の郵便料金の姿というのを今現在において持ち合わすのもなかなか難しいのかなというふうに感じておりますけれども、ただ、安易な料金値上げというのはできるだけ回避していくべきだ、経営の努力でもって回避していくべきだというふうに考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
仮定への質問、誠にありがとうございます。言葉の端々に厳しい経営環境が待っているというのがにじんで聞こえました。ありがとうございます。
そこで、郵便料金を上げないための今後の取組について、郵便事業以外の事業の収支を勘案する、つまり、ほかで補填するやり方についてお伺いいたします。特に、さきの答弁でもありました、保有する不動産の利活用等が考えられます。
質問です。
これまで、郵便局や社宅敷地等を活用して、JPタワーやKITTE、保育園や高齢者施設の整備を行ってきたと伺っていますが、今後は、そのような過去の事例の効果も踏まえて、どのように土地の売却や再開発など、保有する不動産の利活用を進めていくのか、日本郵政にお伺いいたします。
○堀口参考人 お答えを申し上げます。
民営化以降、日本郵政グループが全国に保有しております有望な不動産を活用しまして、東京駅前のJPタワー、KITTEを始めとする賃貸事業用の不動産開発を中心に事業を行ってきたところです。
先般発表した新しい中期経営計画、JPプラン二〇二八でございますが、こちらにも掲げておりますけれども、昨今の建設費高騰や金利上昇傾向など事業環境の変化を踏まえまして、今後は、分譲マンション事業の強化やいわゆる回転型事業の展開など事業領域の拡大を図るとともに、集配拠点の再編等と連動した更なる開発事業化にも注力し、将来的には総合ディベロッパーとして業界トップテン入りを目指すということとしております。
なお、日本郵政グループは全国各地に不動産を有しておりますので、不動産開発が難しい物件も多くございます。こうした物件につきましては原則一般競争入札で売却を順次進めておりまして、売却により得た資金も活用することとしております。
○許斐委員 ありがとうございます。
不動産の活用、承知いたしました。しかし、その資産は限りがあると思いますので、やはり郵便自体の効率化を当然図っていくべきだと私は思います。
関連して、郵便局の統廃合について質問いたします。
先ほど質問した不動産の利活用は、郵便局、特に集配局の統廃合、つまり再編につながると思います。コストカットにつながる一方で、国民へのサービスの維持、利便性の確保がやはり重要になってきます。特に、郵便局の統廃合が地方に住む国民の不便を招くことが絶対にあってはならないと思います。都市部では、いい立地の集配局の不動産を売却して不動産開発を行って、集配拠点を分散化していくことが考えられる。その一方で、地方はその逆で、大きな郵便局で郵便や荷物を集中させることになると思います。
そこで質問です。
郵便局、特に集配局の統廃合による効率化と、都市部、地方も含めた全国津々浦々における郵便のユニバーサルサービスの維持とをどのように両立していくつもりなのか、日本郵政の考えをお聞かせください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
先生もおっしゃられるとおりに、都市部におきましては、好立地の、いわゆる単独マネジメント局と我々呼んでおりますけれども、少し大きめの集配局を再編して不動産の開発に充てていきたいというふうに思っておりますし、一方で、地方部におきましては、これまで非常に数多く集配拠点が分散していたので、これがガバナンスが利かない理由の一つにもなっているだろうということで、より効率的な配送網の構築とガバナンス強化の観点から、集約はしていこうと思っています。
ただ、これは集配機能でございまして、地元の方に使っていただきます窓口は、統廃合というのはこれとは切り離して考えておりまして、そういった意味では、窓口はこれまでどおり維持していくといった方針でございます。
いずれにいたしましても、都市部も地方部も含めて、郵便のユニバーサルサービスの確保は当然でございますし、郵便局窓口につきましても、地域住民の方々がしっかりと利便性を持って使っていただけるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○許斐委員 どうもありがとうございました。
時間になりましたので、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○古川委員長 次に、高沢一基君。
○高沢委員 国民民主党の高沢一基です。
私も二月に初当選をさせていただいた新人ですが、七回目の質疑ということでやらせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
先般、日本郵便さん、去る五月十五日に経営計画を発表されたということで、報道を見させていただいております。
その中で、郵便サービスの料金見直しを検討するということも計画の中に明記されたということを報道されていて、郵便の数が減ってきている、取扱いの数が減ってきている中で、そういった見直しというようなお話が出ております。
報道の中では、令和九年度中にも値上げかみたいな、そういった臆測の報道もされておりますし、私も地元で地域団体、いろいろ活動させていただいているんですが、会報の発送等を郵便でやっているところですと、また値上げになるのかなみたいな、私の周りでも会話の中で出てきているような状況であります。
そういった中で、今回、郵便法等の改正案が提案をされているわけでありますが、今回の改正、大きく二つあるというふうに御説明をいただいております。
まず一点目が、郵便事業における収支相償の規定を、郵便事業だけではなくて、物流、ゆうパックであるとか、それから不動産、そういったものにも広げて、収支相償の範囲を広げることによって郵便料金を設定していこうと。これはどちらかというと、郵便料金を抑制する、値下げをする方向の改正になるのかなという気がいたします。
もう一点、二点目の改正については、今度は、日本郵便さんの方の郵便料金を決めることの自由度を上げていこうということで、定形郵便物の料金の上限額を日本郵便の申請に基づいて総務大臣が認可する制度にしていくということで、上限認可制の導入ということが今提案をされているわけであります。
まずお聞きしますが、今回の改正で、郵便料金は値上がりの方向に進むのか、あるいは値下げの方向に進むのか、どのような方向性をお持ちで今回提案をされているのか、大臣の御所見をお聞かせください。
○林国務大臣 七回目の御質問、御苦労さまでございます。
今回の郵便法改正案でございますが、郵便事業を取り巻く環境の変化に応じた主体的、機動的な料金設定、これが困難となっているという喫緊の課題に対処する上で必要な措置を講ずるものでありまして、郵便料金の値上げ又は値下げのいずれにも対応できるもの、そういうことでございます。
今月十五日に日本郵政グループの中期経営計画が公表されておりますが、ここにおいて、各種郵便サービスの料金の見直しを検討する旨が記載されている、このことは承知をしておるところでございます。
現時点で、日本郵便から料金改定に関する具体的な要望等はございませんが、今後、具体的な要望等があった場合には、ここでいろいろと御審議いただいたその内容などを踏まえつつ、法律の規定に従って適切に対応してまいります。
○高沢委員 御答弁ありがとうございます。
値上がりか値下げかとお聞きしておいて大変恐縮でありますが、もちろんそう簡単なことではなくて、値上がりであっても、値上げ幅を抑制していくことも考えられるというふうに思いますので、柔軟な対応をされていくんだろうというふうに思っております。
今回の、収支相償の範囲を郵便以外の物流であったり不動産に広げて緩和をしていくという話でありますけれども、その方向性は私も是とさせていただくところではあるんですけれども、現状では、別会社でありますけれども銀行や保険の業務もされていて、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険ということでされています。
将来的な話でありますけれども、郵便事業を維持していくために、こういった銀行や保険の事業にも収支相償の範囲を広げていく、そのようなお考えはあるかどうか、大臣の御所見をお聞かせください。
○林国務大臣 今回の郵便法改正案におきましては、現行の郵便料金に求められる一般的要件である収支相償の料金水準を上回らない範囲内で、郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した郵便料金の設定を可能とすることとしております。
ここで勘案することとしている郵便事業以外の事業としては、制度上、物流ですとか不動産などといった日本郵便が営む事業が対象でございまして、別法人であるゆうちょ銀行やかんぽ生命が営む銀行業や生命保険業、これを対象とすることは現時点では想定していないところでございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
先ほども、郵便の事業のことで、デジタル化が進んでいってというようなお話もありましたけれども、信書を扱う郵便の事業を維持していくのかどうかということで今後の経営の判断というものをしていかなくちゃいけない、そのための法律の整備ということも考えないといけないのかなと思うんです。
そうはいっても、通信手段と考えると、メールであったりとかSNSであったりというのが非常に便利ですし、迅速性もありますし、料金的にも安く、経済性もあるということでありますけれども、一方では、手書きで、あるいは手書きじゃなくても、文書で信書として手紙やはがきを出すということは、やはり文化として、非常に重要な文化で、思いを伝える手段として大事なのかなというふうに思うんです。
こういった手書きを含む郵便文化を守っていくべきだと思いますが、林総務大臣の御所見とか、あるいは思いをお聞かせいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
○林国務大臣 郵便は国民の基本的通信手段でございまして、令和七年度でも百十七億通、一人百通になるんでしょうか、法人もございますけれども、まだそれだけの取扱いがございます。国民生活や経済活動にとって引き続き重要なものであると認識しております。
また、今委員もおっしゃっていただきましたように、単なる通信手段ということではなくて、やはり、人と人とのきずなを結び、心を通わせることができる大切な文化である。特に年賀状なんというのは、新年のお喜びを申し上げるということなんでしょうけれども、ああ、この人はまだ元気なんだなとか、そういうことがやはり分かるわけでございます。
そうした大切な文化、これはやはり後世に受け継いでいくべきもの、そういうふうに考えております。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
今回の法改正も、実現した暁には、経営というだけではなくて、こういった文化を守っていくという視点も、もう当然お持ちなんだと思いますけれども、是非これからも頑張っていただければありがたいなと思っております。
今回の上限認可制の導入に当たりまして、事前の説明の資料でも、主体的、機動的な郵便料金の改定を可能とするということで示されています。ということは、料金改定が容易になるのかなと。
先ほどもお話がありましたけれども、令和六年の、封筒、二十五グラム以下の定形郵便物だけでいきますと百十円に値上げされましたけれども、これは平成六年の値上げから三十年ぶり。途中は、消費税の改定等で若干の値上げ、料金改定はあったというふうに承知をしているわけでありますけれども、今回のこの上限認可制度の導入で、郵便料金というのは頻繁に変わっていくという認識でよろしいのか、お聞かせいただきたいと思います。
○西口参考人 お答えさせていただきます。
今回の郵便法の改正の趣旨に、先生おっしゃられるように、日本郵便の方が主体的に料金設定をできるようにするというのが趣旨の一つでございますので、我々としましては、主体的に料金水準なり料金体系を考えていきたいと思っております。
ただ、今回の制度改正でもって、それでもって料金改定が頻繁に行われるかどうかというのは、今後の推移なのかなというふうに考えております。
その上で、今後の料金改定につきましては、先般、我々の方で公表させていただきました中期経営計画で、各種の郵便サービスの料金の見直しを検討するといったような内容を公表させていただいていまして、そういった意味では、ある意味、主体的にも料金の見直しを検討してまいりたいといったところでございます。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
この郵便料金の変更なんですけれども、消費税でも変わっていたということがあったので、個人的には、期間限定で消費税が減税された場合はどうなるのかなとか、そういった興味もあるんですが、まあ、それはおいておきまして。
報道でも、令和九年度中に変わるんじゃないかという報道もされていて、やはりかなり頻度は上がるのかなという印象があります。頻度が上がると、切手やはがきを変えないといけないわけでありますから、その差額分の新しい切手等が発売されて、それに貼るというようなことになるのかなというふうに思うんですけれども、一方で、やはりそれだけでは手間がかかるので、やはり新しく切手やはがきを交換したいという方も多くいらっしゃると思います。
交換手数料は、現在、基本的に、郵便切手や通常はがきで一枚につき六円の交換手数料にされているわけでありますけれども、もし頻繁にそういった料金が変わるとすると、そこで手数料がかかるのは、なかなか負担が増えるのかな。そうすると、利用者がやはり減ってくる要因にもなる。
この料金変更時の交換手数料の免除制度というのは、過去には、郵政民営化後はなかったというふうにお聞きしておりますけれども、それ以前にはありましたので、三か月限定とか、料金変更のときに期間を限定して交換手数料の免除制度を導入するべきかと考えますけれども、そういった検討はどのようになされているか、お聞かせください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
先生今御指摘のとおり、民営化前、一九九四年の料金改定の際には、切手類の交換手数料の免除制度を入れておりました。
したがって、今後、料金改定をする場合にどういうふうに考えるのかという御質問なんですけれども、まずもって、繰り返しですけれども、現時点で料金改定をどのようにするかというのは社内的にしっかりと決定したものはございません。
その上での答弁になりますけれども、交換手数料の免除制度については、民営化以降のはがきや封書の料金改定時にはやっておりません。これは窓口の煩瑣な、業務の繁忙とか、いろいろ要因がございますけれども、そういったような影響も、もし仮に料金改定をする場合には勘案して、ある意味慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○高沢委員 郵便料金が変わっていくという中で、しかも郵便の文化を残していこうということも考えると、私はやはり利用者の方の負担を軽減していくというのは大事なのかなというふうに思いますので、引き続き御検討をいただければと思います。
今回の改正で、収支相償の範囲が郵便だけではなくて物流や不動産に広がるというお話を先ほども伺いました。
そうなりますと、郵便事業自体の収支というものが見えなくなってきちゃう、損益が見えなくなってきちゃうという部分があるのかなということも考えられますので、郵便や物流、不動産など各種事業の原価や利潤を示すことというのは、今後も、法改正後も担保されているのか、確認をさせてください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
日本郵便は、法令に基づき、毎年、郵便事業の収支や業務区分別収支を総務大臣に対して報告、提出するとともに公表しており、今回の郵便法等の改正後におきましても、これらは継続して行われます。
また、定形郵便物の料金の上限額の認可申請がございましたら、新たに作成、公表する算定基準等に基づきまして、上限額算定の根拠となる原価及び利潤の適正性を厳格に審査し、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問などを経た上で認可を行うこととしておりまして、認可の過程におきまして、郵便事業に係る原価及び利潤も明らかになっていくものと考えております。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
郵便だけ単独のそういった収支状況等をしっかりと見るということも、先ほど許斐委員も質疑されていましたが、やはり経営努力をしっかりと促していくということで大切なことであろうというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
今回、不動産のことも広がっていくということでありますが、これも先ほど質疑でありましたが、日本郵便さんはいろいろ不動産事業をされているということで、特に、丸の内のJPタワー、やはり場所がいいということもありますけれども、それだけではなくて、旧東京中央郵便局等の歴史的な建造物も一部残されて町の景観にも御配慮されていますし、商業施設のKITTEも楽しい場所として示されているので、非常にすばらしい事業を展開されているなというふうに思っております。
これらは賃貸の事業ということもあると思いましたので、私は単純に、JPさんの不動産事業というとやはり賃貸が中心なのかなというふうに思ったんですが、事前に資料をお願いしまして、不動産の売却それから賃貸、分譲の状況はどうなのかなということでお願いをしました。金額の面は、お願いしたんですが間に合わなかったので、件数しかないので正確なあれにはならないかもしれないんですけれども、件数で過去五年間を言わせていただきますと、賃貸の物件数を開発したのは三件と伺いました。分譲については同じく三件。売却については二百九十六件ということで、金額が示せていないので規模が何とも言えないんですが、件数だけいくとやはり圧倒的に売却が多いという状況であろうかと思います。
その場所によって違うというのはもちろん当然なことだというふうに思うんですけれども、ただ、売却といっても、私の地元とかでも、郵政の社宅ですかね、宿舎が大きなものがあったんですが、今は閉鎖管理をされていて、地域でも、これは将来どうなるのかな、そういったような話がよく出ています。
そういった中で、例えばなんですけれども、行政利用をしたい、その自治体が、公園を造りたいとか、あるいは特別養護老人ホームを造りたい、だからその跡地を売ってくださいといった場合にどのようになるのか。
先ほどの許斐委員の質疑の中でも、一般競争入札で不動産を売却していくというお話をいただきましたけれども、やはり行政の需要があった場合には、元々のJPさんの資産というのは、国であり国民の資産でありますので、それを行政で利用するというのは非常に大切なことかなというふうに思うんですけれども、不動産売却について行政利用を優先するべきだというふうに考えますが、現状どうなっているかと、今後をお聞かせください。
○堀口参考人 お答え申し上げます。
日本郵政グループでは、全国に保有している有望な不動産を活用しまして不動産開発を行っておるところでございますが、郵便、物流などの各種事業等で使用せず、また不動産開発も難しいという物件につきましては、先ほど委員の御指摘がありましたけれども、原則として一般競争入札で売却を順次進めているところです。
この売却に当たってなんですけれども、元々国から承継した資産、国民共有の財産だというふうなことも認識をしまして、原則としまして、事前に関係地方公共団体にも連絡をしまして、取得の要望があれば協議に応じるなどして御理解を得るように努めているところでございます。
以上でございます。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
もう事前に自治体に連絡していただいているということで、本当にありがとうございます。是非引き続き行っていただいて、無理やりやる必要はないわけでありますけれども、もし需要がある場合には考えていただいて、日本郵便さんとか、日本郵政全体のこともあるんでしょうけれども、日本郵便さんとしての経営としてはやはり高く売った方がもちろんいいわけでありますから、一般競争入札で売りたいというのはもちろんだと思うんですけれども、行政需要については、今御答弁があったようにやはり別な視点が、歴史的な背景もありますので、そこについては、適正な価格というのはもちろん必要だとは思うんですが、適正な価格の範囲内で行政にも御配慮をいただいて、もし話があった場合には協議していただけたら非常にありがたいなと思っております。
いろいろお話をさせていただいてまいりましたが、もう分かり切った話でありますけれども、日本郵便さんというのは、単なる民間会社ではなくて、法律にも規定されていますけれども、やはり社会的使命のある会社、それから、先ほど申し上げた郵便の文化等を守るという意味もあるかというふうに思っておりますので、引き続き御努力を賜って発展をしていただければありがたいと思います。
以上で質問を終わりにさせていただきます。
○古川委員長 次に、青木ひとみ君。
○青木委員 本日、私も新人議員ではございますが、八回目の質問に立たせていただきます。毎回勉強させていただきまして、とてもありがたく思っております。本日もよろしくお願いします。
名前を述べるのを忘れました。参政党の青木ひとみです。
では、早速質問に入らせていただきます。
平成十九年の郵政民営化以降、郵便事業を取り巻く環境は大きく変わってまいりました。デジタル化で郵便物が減る一方、エネルギー価格の高騰や人口減少など、日本郵便の経営が厳しさを増していることは重々理解しております。
しかし、郵便は、デジタル機器に不慣れな高齢者や中小企業、行政にとっては今なお不可欠な生活インフラでございます。それを理由にサービスの低下や国民負担の増加が進むのであれば、これまでの経営努力や説明責任の在り方が問われるのではないのでしょうか。諸外国の見直し事例も参考にしつつ、今回の制度改正が本当に国民の皆様の利益にかなっているのか、丁寧に検証していく必要があると考えます。
そこで、まずは日本郵便の現在の経営状況についてお聞かせください。
○西口参考人 お答え申し上げます。
日本郵便の経営状況はどうなっているのかという御質問で、先ほど来、るる説明といいますか、答弁もさせていただいているんですけれども、二〇二五年度決算におきましては、日本郵便、これは連結ベースでございますけれども、営業利益は二百二十二億円の黒字を何とか確保しましたが、郵便物数の減少の加速化や人件費、コストの上昇によって、郵便・物流事業自体はセグメントとして百十八億円の損失ということで、三期連続の赤字となってしまったというところでございます。
今年度の業績予想におきましても、郵便物数の一層の減少やコストの高止まりを要因といたしまして、これも日本郵便連結ベースの営業利益は七百九十億円の赤字、特に郵便・物流事業は一千四十億円の赤字を計上するという見込みでございまして、非常に厳しい状況にあるというふうに受け止めております。
このために、先般公表しました中期経営計画では、また、総務大臣の方に提出させていただきました収支改善計画におきましても、様々な、集配拠点の集約や生産性の向上とか、要員のある意味適正化といったことでコスト削減を図るといったことと、荷物分野を中心として収益の拡大を図って、ある意味、構造的な問題に対してメスを入れて構造改革をしていく所存であるというところでございます。
○青木委員 御答弁ありがとうございました。
郵便事業が多くの課題を抱えて、そして努力なさっていることがよく伝わってまいりました。
郵便物の数がこの二十年でほぼ半分に減って、郵便・物流事業の収支が厳しい状況にあるという現実、これに対して私たちは真剣に向き合っていかなければならないと考えます。
しかし、繰り返しますが、経営環境が厳しいこと、その対応として料金の引上げを直ちに進めることの間には、丁寧に検討すべき点があると考えております。
今回の改正では、日本郵便が定形郵便物の料金の上限額を申請して、総務大臣が認可する制度に見直されるとのことです。ほかの議員の方々も御質問されていらっしゃいましたが、認可、不認可の判断基準は具体的にどのように定め、物価動向、利用者負担の水準、日本郵便の経営改善努力について、それぞれ何をもって適切と評価するのか、お聞かせください。また、認可審査の過程や判断理由をどこまで公開するのか、透明性の確保の観点から、併せて御答弁をお願いいたします。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
今回の郵便法改正案では、定形郵便物の料金の上限額について、総務省令で定める制度から、日本郵便の申請に基づき認可する制度に見直すこととしており、認可に当たっての基準は、郵便事業における能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含む定形郵便物の料金の水準を超えないこととしております。
具体的には、総務省におきまして定形郵便物の料金の上限額に係る算定基準等を作成し、改正法の施行までの間にパブリックコメントを経た上で公表してまいりたいと考えており、現在、総務省の有識者会議において作成に向けた検討を行っております。
これまでの議論におきまして、構成員からは、物価動向や日本郵便の経営努力などにつきましても、算定基準等に基づく原価や利潤の適正性の審査の中で適切に勘案すべきといった御意見をいただいておるところでございます。
今回の改正をお認めいただきましたら、今後公表する算定基準等に基づきまして厳格な審査を行うとともに、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問やパブリックコメントを行うことなどにより、手続の透明性を確保しつつ、認可を行ってまいります。
○青木委員 ありがとうございます。
透明性を確保してくださるということでした。
さきの令和六年の料金の改定では、八十四円から百十円と二十六円もの値上げが行われておりまして、これは余りにも負担が大きいのではないかという声が、国民の皆様、そして地方自治体や中小企業からも多く上がったことは記憶に新しいところではございます。
行政にとっても企業にとっても、急激な負担増は厳しい状況にございます。ですから、今後の改定に当たっては、なし崩し的な大幅な値上げにならないよう、その必要性と根拠、そしてプロセスの透明性をしっかりと確保した上で慎重に進めていただくことを強くお願い申し上げます。
では、質問の三番を飛ばしまして、質問の四番の配達に関してお伺いさせていただきます。
日本郵便には、全国あまねく公平に利用できることを保障するユニバーサルサービスの責務がございます。しかし、令和六年の料金の値上げは、その理念が実質的に機能していたのか、疑問を抱かせるものでした。利用者にとっても、決して軽い負担増ではなかったと考えます。
さらに、毎日の配達を支える現場の職員の皆様は、人手不足の中で大変過重な負担を担い続けておられます。暑い日も、雨の日も、毎日届けてくださる皆様に関しまして、本当に感謝の気持ちでいっぱいでおります。ですから、サービス水準を語るのであれば、現場の労働環境にも正面から向き合う必要があるのではないのでしょうか。
私たち参政党は、郵政の再公営化を掲げており、国民の皆様に負担を強いる値上げ、いわば実質的な増税には反対でございます。人手不足やコスト高の中で、サービス水準をどうしても、本当にどうしても維持しなければならないのであれば、値上げの前に、あらゆる選択肢について議論と検証を考える必要があるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。
英国を始め諸外国では、郵便配達頻度の見直しが進んでおります。岩谷委員からも御質問がございましたが、我が国においても、これら諸外国の事例を柔軟に参照しつつ、国民負担を回避するための予防策として、地域の実情や郵便需要に応じた配達頻度の見直しを検討されるお考えは今後あるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便事業を取り巻く環境が大きく変化する中で、郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保するためには、郵便サービスの在り方につきましても不断の見直しを行っていくことが重要であると考えております。
今月十五日に公表された日本郵政グループの中期経営計画におきましては、法令で求められている郵便サービスの水準の見直しに関する要望を行う旨が記載されているものと承知してございます。
総務省といたしましては、郵便事業の安定的な提供を確保していくため、日本郵政グループの意見を始めとする関係者の御意見や地域の実情、さらには郵便事業を取り巻く環境の変化などを踏まえながら、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○青木委員 具体的な御答弁、ありがとうございました。中長期的なビジョンを考えて、今検討されているというところではございました。
しかし、現在の経営形態を今後も維持していくのであれば、値上げで国民の皆様に負担を強いるのか、それとも、英国を始めとする諸外国のように、配達頻度の見直しという現実的な妥協案を選ぶのか、あらゆる選択肢をオープンにして、皆さんで議論をしていく必要があると考えます。
そして、この議論を突き詰めますとたどり着くのが、そもそも、郵便事業を民間企業に任せたままでよいのでしょうかというような根本的な問いにたどり着くわけでございます。
先人たちが百五十年かけて築いたこの全国二万四千の郵便網は、我が国日本が誇るべき大切なインフラではないでしょうか。しかし、上場企業となった日本郵政は、株主への利益還元を意識せざるを得ません。民間企業に公共の責任を全て背負わせることには、構造的な限界があるのではないのでしょうか。
そこで、お伺いいたします。
政府は、この二万四千の郵便局網を単なる民間企業の資産であると考えているのか、そうではなくて、国民共通の公共財と認識しておられるのでしょうか。また、株主の利益と国民の利益が衝突したとき、株主でない一般国民の利益を一体誰がどのように守るのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
郵便局は、地域の重要な生活インフラとして、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスの提供に加えまして、自治体窓口業務の取扱いなど、地域の実情やニーズを踏まえたサービスを提供する拠点としての役割を担っており、郵便局ネットワークの水準を維持していくことは重要であると考えております。
関係法令におきましては、日本郵便は、「総務省令で定めるところにより、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない。」とされており、具体的には、総務省令におきましては、いずれの市町村におきましても、一以上の郵便局を設置しなければならないこと、過疎地におきましては、平成二十四年の改正郵政民営化法施行時の郵便局ネットワークの水準を維持すること等が定められているところでございます。
総務省といたしましては、日本郵便が郵便局の設置義務を確実に履行するよう適切に監督してまいるとともに、また、平成三十一年四月に施行されてございます交付金、拠出金制度、こちらを確実に運用することで、郵便局ネットワークの水準、これは維持されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○青木委員 御答弁ありがとうございました。
郵便局網を社会のインフラとして位置づけるのであれば、やはり、株主利益よりは国民の利益が優先される仕組みが必要ではないかと考えております。やはり、郵便局網、公共性を認めていただけるのであれば、民間企業としての経営判断に委ねるという整理、これに対しては私は疑問を持っております。
現在、日本郵政の政府の株の保有率、これは約三八%にとどまっておりまして、外国法人の株主が現在十数%を占めている現状でございます。過半数を握っていない以上、株主総会において幾ら公共性を訴えても、思いどおりの経営ができる保証はございません。このままでは、赤字を補うための値上げ、それによる利用者離れ、そして更なる赤字と値上げという、この負の循環、スパイラルから抜け出せなくなってしまうのではないかと大変危惧しております。
郵政民営化から間もなく二十年がたとうとしております。当時掲げた民間の効率性という理想と現実の間には大きな開きがあると考えます。民間としての自由な経営もできず、公共としての手厚いサービスも難しい、この板挟みのしわ寄せは現場の働く方々の皆さんに及んでいるのではないでしょうか。今こそ、この仕組み全体を一から問い直す時期ではありませんか。
私たち参政党は、大切な郵便インフラを守るために、国が責任を持って支える再公営化というこの選択肢を、今こそ正面から議論のテーブルにのせるべきだと考えます。
そこで、林大臣にお伺いいたします。
この二十年間の郵政民営化について、政府としてどのように評価されているのか、お聞かせください。また、再公営化を含めた幅広い選択肢を視野に入れた議論を進めるお考えがあるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○林国務大臣 まず、青木委員におかれましては、八回目の御質疑、本当に御苦労さまでございます。
この二十年間の郵政民営化の評価としては、郵政民営化以降、全国約二万四千の郵便局ネットワークを維持し、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスの提供に加えて、地域の基盤となるサービス提供を行っておりまして、レターパックですとか、郵便局とほかの金融機関との間の相互送金拡大の実現など、国民の皆様の利便性は総じて向上している、そういうふうに認識をしております。
政府としては、再公営化ということを考えているわけではございませんが、人口減少やデジタル化の進展などの社会経済状況の変化を受けまして、郵便物数が減少し、郵便事業が厳しい状況にある中においても、ユニバーサルサービスである郵便事業が日本郵便によって安定的、持続的に運営されていきますように、国としても、今般まさに御提案しております郵便法の改正を含めて、取り組んでまいります。
○青木委員 御答弁ありがとうございました。
利便性は向上していて、再公営化は考えてはいないですが、このまま維持していくことには御尽力してくださるという心強い御決意をいただきました。
私たち参政党は、繰り返しますが、郵政の再公営化を公約に掲げております。昨年、令和七年の五月二十七日の財政金融委員会における質疑においても、民営化前の郵政事業には税金の負担がなかったという趣旨の御答弁をいただいております。郵政民営化から二十年の節目を迎える今、私たちは、再公営化という選択肢も視野に入れて、これまでの歩みのどこが間違っていたのか、何が失敗であったのかを検証し、議論を深めていくべきだと強く要望いたします。
郵便とは、単なる手紙を届けるサービスではありません。日本のどこに生まれてどこで暮らしていてもひとしく社会とつながることができる、それこそが我が国が長い時間をかけて築き上げてきた社会のきずなそのものでございます。私たちが民営化の是非を問うのは、過去の政策を批判するためではございません。二十年後、五十年後も、この日本において、離島の子供たちにも山奥で暮らすお年寄りにも変わらず手紙が届く、先ほど林大臣もおっしゃっていましたけれども、年賀状で自筆で書く手紙の文化の温かさ、それがずっと続く国であり続けるために、今の仕組みのままで本当によいのかということを正直に問い直したいから、この郵政再公営化を掲げております。
先人たちが税金と信頼で百五十年かけて築いてきました郵便、強固なネットワークを、短期的な株式市場の論理だけで切り崩すことがあっては決していけません。参政党は、郵便を国民の共有財産として守り抜いていくために、これからもこの問題に真正面から向き合って国会での議論を深めていくことをお誓い申し上げて、本日の私の質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、武藤かず子君。
○武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
今調べていただいて、私、十一回目の質問をさせていただきます。ありがとうございます。本日もよろしくお願いします。
本日、私どもチームみらいが実施をしておりますAIインタビューでいただきました様々な視点の御意見をいただき、本日は五つのテーマをお伺いしてまいりたいと思います。
まず、今回の法案の一つですけれども、料金の上限規制の仕組みを見直して、実質的に日本郵便が柔軟に料金を設定できる余地を広げるものであります。その目的として、政府はユニバーサルサービスの維持を挙げていらっしゃいます。しかし、ここには根本的な矛盾があるのではないかと私自身感じております。一つに、不安と懸念の声をいただいておりますので、御紹介させてください。
はがきが今後百円、封書が二百円を超えるとなると、どうしても出す相手を絞らざるを得ない、また、年賀状をやめざるを得ないという行動変容の複数の声をいただいております。大切な文化が失われてしまうリスクが非常に高いというふうに感じました。
また、中小事業者からは、十円上がったとしても非常に厳しい、請求書が欲しいというふうに言われたら、百十円払ってくださいと、相手に、取引先に案内しなければならなくなるかもしれないといった切実な声もいただいております。
また、デジタル移行へのハードルが高い傾向にあるお年寄りや障害者の方々、福祉利用者の方々は、郵便の利用の頻度が高いであろう方々にとって、どうしても、更なる値上げがされますと、そのしわ寄せを背負わせてしまうことになるのではないかといった懸念の声もございました。
郵便物数が既に二〇〇一年の比較で五二%減少しているという状況、また、今後、人口減少やデジタル化といった情勢からも、減少が進むことは避けられない状況でございます。値上げを可能にする仕組みを整備するだけではどうしても出口が見えません。
そこで、林大臣にお伺いをいたします。
今回の料金改定の仕組みによって、利用者の負担が増加する可能性を高めてしまうことについて、どのように認識されておられますでしょうか。また、特に郵便利用頻度が高い傾向にある高齢者、福祉利用者への影響について、どのような手当てをお考えでしょうか。
○林国務大臣 武藤委員はもう十一回目ということで、大変御苦労さまでございます。
今回の郵便法改正案では、郵便事業における収支相償の規定を見直しまして、収支相償の料金水準を上回らない範囲内で郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した料金設定を許容し、利用者が利用しやすい料金設定を可能とすることとしておるところでございます。
先ほどもお答えしましたように、一定の方向性を持っているわけではないということは先ほど申し上げたとおりでございます。
また、後段のお尋ねですが、心身障害者団体の発行する定期刊行物や盲人用の点字郵便物などにつきましては、その料金の額が総務大臣の認可の対象となる第三種、第四種郵便物として低廉な料金による提供が求められるものでございまして、その料金制度、これは今回の改正後も維持をされるということでございます。
○武藤(か)委員 福祉利用者への考慮がなされているというふうにお聞きできましたこと、大変ありがたく存じます。
続きまして、多く上がった声といたしまして、日本郵便の裁量拡大による癒着、不透明な支出への不安感、また、この対策案として、原価公開、収支の定期報告や第三者監査の義務化といった声もいただいております。
今回、日本郵便の料金設定の裁量が拡大することに対して、透明性と説明責任をどう担保するお考えか、お聞かせください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正案をお認めいただきましたら、改正法の施行までの間に、パブリックコメントを経た上で、定形郵便物の料金の上限額に係る算定基準等を公表してまいりたいと考えており、現在、総務省の有識者会議におきまして作成に向けた検討を行っているところでございます。
料金の上限額の認可に当たりましては、今後公表する算定基準等に基づきまして、上限額算定の根拠となる原価及び利潤の適正性を厳格に審査することや、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問や、パブリックコメントを行うことなどにより、手続の透明性を確保しつつ、説明責任を果たしながら認可を行ってまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 裁量を広げるのであれば、透明性と影響を受ける方々への説明、手当てということがセットでなければならないと考えておりました。その手当てを既になされているということをお聞きできまして、とても安心をしております。
続きまして、長期的ビジョンについてお伺いをさせてください。
値上げの悪循環が容易に想像できるという状況下でございますが、ここからの脱却を念頭に置いた長期ビジョン、また、ロードマップをお聞かせいただきたいと考えています。その一つのアイデアとして、デジタル化という構造転換を御提案したいと思います。
デンマークの事例でございますが、デンマークは、二〇一四年に、政府、自治体等の公的機関からの国民への全ての通知をデジタルポストで送ることを義務化いたしました。認証はCPR番号とひもづいたNemIDという共通システムで、国民は一種類のワンタイムパスワードカードで行政も銀行も使える設定になっています。デジタルに不慣れな方々には、紙への免除ではなく、市役所、また図書館に専門スタッフを配置して、対面でサポートしながらデジタルポストにアクセスをしてもらうという方針を貫き通しました。
コスト面でも、窓口対応一件当たり十四ユーロに対して、電子サービスは四・二ユーロ、三分の一までコストを抑え込んでおります。その結果としまして、郵便物数は、二〇〇〇年に十四億通だった取扱い数が、二〇二四年には僅か一億千万通まで減少しまして、二〇二五年十二月には、政府出資で運営されていたポストノルドが四百年以上続いた手紙配送事業から撤退をしまして、民間業者に引継ぎをするということをしております。
私がここで申し上げたいのは、デンマークが、値上げを繰り返すという選択をせずに、構造転換という道を選んだところです。
翻って日本は、マイナンバーカードの保有率が既に全国で八〇%に達しております。また、マイナンバーポータルという基盤もございます。あと必要なのは、こういった構造転換への移行の意思と設計であると考えています。
そこで、お伺いをいたします。
公的文書のデジタル送達を段階的に推進し、郵便局をデジタルへの移行に取り残される方々の対面サポートの拠点として活用する、そのような長期的な構造転換のビジョンを総務省として描くお考えはございますでしょうか。林大臣の見解をお聞かせください。
○林国務大臣 委員が前段でおっしゃられましたように、多様な通信手段が普及している近年の状況に鑑みますと、収支相償の料金水準を厳格に満たすような硬直的な値上げを行った場合には、かえって郵便事業の収支を悪化させることが懸念をされるわけでございます。
こうした点を踏まえまして、今回の郵便法改正案では、郵便事業における収支相償の規定を見直して、収支相償の料金水準を上回らない範囲内で、郵便事業以外の事業の収支の状況も勘案した料金設定を許容し、利用者が利用しやすい料金設定を可能とすることとしております。
これに加えて、郵便料金の継続的な値上げを抑制するためには、日本郵便における経営の効率化や収益拡大を通じた経営健全化を図ることも重要であると認識をしておりまして、同社の令和八事業年度事業計画の認可の際に、要請などを通じて収支の改善に向けた監督を行っているところでございます。
また、今年の五月十五日に公表されました日本郵政グループの中期経営計画には、法令で求められている郵便のサービス水準について見直しを要望する旨が記載されている、そういうふうに承知をしております。
今御紹介いただきましたデンマークにおけるデジタル化の取組、これについては承知をしておるところでございますが、今後、日本郵政グループを始めとする関係者の意見ですとか、デジタル化の一層の進展を含む郵便事業を取り巻く環境の変化なども踏まえながら必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
郵便局という物理的インフラをどう転換していくかというのは、やはり総務省の責任領域であるというふうに考えます。今後、構造転換というところを推進していくためにも、やはりロードマップを描く主体は総務省でなければなし得ないというふうに思っておりますし、デジタル化、DX化は、やはり所管をしている方の強いコミットメントがなければ成功がなかなかできないということも、自治体のDXを所管されている総務省さんであれば、既に御認識のとおりというふうに思っております。是非、大臣のリーダーシップによって、郵便局という物理インフラの転換も含めた公的文書のデジタル送達に主体的に取り組んでいただくことを期待しております。
続きまして、今申し上げた郵便局を対面サポート拠点として活用するという方向性に関連して、一点、具体的にお伺いをさせてください。
一部の自治体では、郵便局でマイナンバーカードの申請、更新サポートが実施されておりますが、対応内容は自治体によってばらばらで、電子証明書の更新まで対応しているところもあれば、申請サポートのみ行うところもあります。全国一律の制度的な担保は今のところないというふうに認識をしております。
政府が推進しておりますマイナンバーカードの普及のために、郵便局という全国の対面のインフラを活用しない手はないのではないでしょうか。郵便局を、マイナンバーカード申請、更新サポートの常設拠点として制度的に位置づける構想について検討の余地があるのか、また、その検討の状況をお聞かせください。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
マイナンバーカード関連事務につきましては、郵便局事務取扱法の改正によりまして、令和三年にカードの電子証明書の更新等を、また令和五年にカードの交付申請の受付等を郵便局に委託できる措置を講じているところでございまして、令和八年三月時点で約九十団体が関連事務を郵便局に委託をしているところでございます。
総務省におきましては、今後、マイナンバーカードの電子証明書等の更新も増加することから、日本郵便とも連携しつつ、市町村への意向調査等を通じた市町村と郵便局とのマッチング支援、委託に関心のある市町村への丁寧な個別相談や、委託経費に対する財政支援などに取り組んでいるところでございます。
今後とも、引き続き、全国の自治体からマイナンバーカード関連事務の郵便局への委託が拡大してまいるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 取り組んでいただけるというところ、大変ありがたく思います。
一方で、全国一律の制度として位置づけるところも有効かと思いますので、是非検討いただけますと幸いでございます。
続きまして、次の質問に移ります。
郵便料金が値上げされることになりますと、地方自治体は、どうしても納税通知書や各種行政通知の送付コストが増加いたします。ある自治体の職員からも、このコストが膨れ上がっていることで、財政は非常に厳しい状況、逼迫しているという状況、そういった声が私の耳にも届いております。
これを解決するために、内容基準、特定の受取人に対して差出人の意思を表示する又は事実を通知する文書、いわゆる信書から、外形基準、誰もが客観的に判断できるように、重量ですとかサイズですとか、信書の範囲を規定すること、これは過去にヤマト運輸からあった提案でございますが、これに切り替えることで、民間企業、民間業者も郵便事業に参入しやすくなることができて、地方自治体が郵便サービスを提供する業者を選ぶことができるようになるのではないかという意見をAIインタビューでいただきました。
この外形基準への見直しがされているかどうかを総務省、日本郵便に確認しましたところ、郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書市場の活用化方策の在り方第千二百十八号において、信書の秘密が侵される危険性があるため、大きさ、重さといった外形基準はそぐわないという検討結果に至ったと回答をいただきました。
この回答を踏まえ、なぜ地方自治体が納税通知書や各種行政通知書を紙で送る必要があるのかをひもときましたところ、その背景に二重の構造的問題があることが分かりました。
一点目は、地方税法第二十条の送達規定が紙、郵便を前提とした書きぶりになっており、デジタルに移行しにくいという制度的制約があることです。
二点目は、はがきや手紙などは一般信書として区分され、この一般信書事業への参入要件として、日本郵便と同等に配達範囲やサービスレベルを有しているという非常に高いハードルの要件が定められております。実態として、平成十五年四月に施行された制度でありつつ、これまで参入した民間業者はゼロであります。つまり、はがきや手紙は、日本郵便以外の代替競争が事実上生まれにくい、生まれていないという状況です。
この二重の制約があることで、自治体は値上げという財政負担を受け入れざるを得ない状況ですし、最終的にその負担は住民の肩に重くのしかかっております。
そこで、お伺いいたします。
この構造的な問題について、総務省はどのように認識されておられますでしょうか。また、地方税法の送達規定の見直し、あるいは一般信書便事業への参入要件の緩和を、今後、課題として位置づけ、検討いただけますでしょうか。
○牛山政府参考人 お答え申し上げます。
地方団体が送付する納税通知書等につきましては、令和九年度以降、副本が電子的に送付されることとなりますが、電子納税通知書の将来的な正本化に向けては、副本での運用実績を積み重ねて検証しつつ、検討が行われるものと承知をしております。
また、信書便事業に参入する事業者が増加すれば、競争を通じて、地方自治体を含めた利用者にとって、低廉で多様なサービスの提供を受ける機会が増加すると考えております。
これまで、郵便と同様に全国でサービスを提供する一般信書便事業への参入はございませんが、大型、高付加価値等の特定のサービスを提供する特定信書便事業につきましては、六百者を超える参入がございます。創意工夫を凝らした様々なサービスが提供されているところでございます。
総務省といたしましては、引き続き、信書便事業に係る制度周知などを通じまして新規参入の促進を図り、利用者の選択の機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
特定に関しては六百者ほど参入しているということは私も把握をしておりますが、私が論点としたいのは、一般信書事業でございます。一刻も早く住民の負担を取り除いていただきたいです。この構造的問題の解決に向けた検討を具体的なスケジュールとともに進めていただきたく、強くお願いを申し上げます。
最後に、過疎地の郵便インフラに対する対応についてお伺いをいたします。
郵便局の設置基準等は、日本郵便株式会社法施行規則の第四条第二項第三号において、「過疎地においては、郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行の際現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすること。」と規定されており、この法律の施行後も過疎地の郵便局が一時閉鎖、再開未定という事態が生じております。
例えば、熊本県上天草市の樋合簡易郵便局、長野県上田市の石井簡易郵便局、これらは令和八年に一時閉鎖し、再開のめどが立っておりません。
施行規則でネットワーク基準の維持を定めながら、実態として廃止、長期閉鎖が相次いでおり、住民の利便性に影響し得る状態でございます。
そこで、お伺いをいたします。
過疎地での郵便機能を維持するため、コンビニ等の民間企業、また農協、行政施設等との統合、連携によって維持をしていく方向性について、検討の余地があるのかどうか、お聞かせください。
あわせて、現在、コンビニ等では定形郵便物の重量計測ができないため、利用者が郵便局まで出向かなければいけないという問題について、郵便局以外での重量計測等を含む郵便業務開放の検討余地があるかどうか、また、ほかにどのような施策をお考えか、あるいは現在取り組まれている施策があればお示しいただきたいです。お願いします。
○林国務大臣 日本郵便が業務を委託して運営しております簡易郵便局の中には、民間企業、農協、自治体が受託者となっている事例がある一方で、直営郵便局が自治体からの委託を受けて自治体窓口業務を行うなどの取組も進んでおりますので、地域住民の生活を支えるため、こうした様々な連携が進んでいくことは重要であるというふうに考えております。
重量計測等の郵便窓口業務を含め、郵便の業務の一部を外部に委託すること、これは制度上可能でございます。今後、具体的な委託の在り方について、利用者のニーズ等も踏まえながら、日本郵便などの関係者と連携しつつ、不断の検討を行ってまいりたいと考えております。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
以上で私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○古川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○古川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○古川委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、鈴木英敬君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。中川宏昌君。
○中川(宏)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一 郵便法第六十七条第三項の認可の申請に係る定形郵便物の料金に関する算定基準等の策定・公表等を行うこと等により郵便料金の設定手続に係る透明性を確保すること。
二 前項の算定基準等の策定において適正な原価の算定方法を検討するに当たっては、不必要な郵便料金の値上げを抑制するため日本郵便株式会社に対し郵便事業の一定の効率化を促す仕組みを組み込む一方、合理的に説明が可能な範囲内で人件費・物価等の上昇等を適切に原価に反映することができるようにすること。
三 郵便局を、マイナンバーカードの新規発行・更新の申請・交付を受け付けるとともに、地域の実情を踏まえた支援を行う拠点として、一層の活用を図ること。
四 利用者の利便性向上及び過疎地におけるアクセスを確保するため定形郵便物の重量計測業務を含め郵便物の引受業務をコンビニエンスストアに委託することの可否について、日本郵便株式会社及び関係事業者と連携して検討を行うこと。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○古川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林総務大臣。
○林国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
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○古川委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時七分散会

