第14号 令和8年6月25日(木曜日)
令和八年六月二十五日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 古川 康君
理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君
理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君
理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋 要君
理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君
浅田眞澄美君 伊藤 聡君
今岡 植君 遠藤 寛明君
神田 潤一君 坂井 学君
坂本竜太郎君 島尻安伊子君
園崎 弘道君 谷 公一君
中野 英幸君 新田 章文君
古井 康介君 前川 恵君
松下 英樹君 向山 淳君
村上誠一郎君 森原紀代子君
吉田 有理君 米内 紘正君
神谷 裕君 中川 宏昌君
平林 晃君 うるま譲司君
高見 亮君 高沢 一基君
青木ひとみ君 武藤かず子君
…………………………………
総務大臣 林 芳正君
総務副大臣 堀内 詔子君
経済産業副大臣 井野 俊郎君
総務大臣政務官 中野 英幸君
総務大臣政務官 向山 淳君
国立国会図書館調査及び立法考査局政治議会調査室専門調査員 南 亮一君
会計検査院事務総局第五局長 長岡 尚志君
政府参考人
(総務省情報流通行政局長) 豊嶋 基暢君
政府参考人
(消防庁次長) 田辺 康彦君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 山崎 琢矢君
参考人
(日本放送協会会長) 井上 樹彦君
参考人
(日本放送協会副会長) 山名 啓雄君
参考人
(日本放送協会理事) 神田 真介君
参考人
(日本放送協会理事・技師長) 伊藤 寿浩君
参考人
(日本放送協会理事) 松村 勝康君
参考人
(日本放送協会理事) 東 孝子君
参考人
(日本放送協会理事) 小川 航君
総務委員会専門員 山本 麻美君
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委員の異動
六月十八日
辞任 補欠選任
神田 潤一君 国定 勇人君
同日
辞任 補欠選任
国定 勇人君 神田 潤一君
同月二十五日
辞任 補欠選任
谷 公一君 園崎 弘道君
同日
辞任 補欠選任
園崎 弘道君 坂本竜太郎君
同日
辞任 補欠選任
坂本竜太郎君 谷 公一君
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本日の会議に付した案件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
日本放送協会令和六年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書
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○古川委員長 これより会議を開きます。
日本放送協会令和六年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書を議題とし、審査に入ります。
この際、お諮りいたします。
本件審査のため、お手元に配付いたしておりますとおり、本日、参考人として日本放送協会会長井上樹彦君外六名の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として総務省情報流通行政局長豊嶋基暢君外二名の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長長岡尚志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○古川委員長 まず、総務大臣から説明を聴取いたします。林総務大臣。
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日本放送協会令和六年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○林国務大臣 日本放送協会令和六年度財務諸表等について、その内容の概要を御説明申し上げます。
本資料は、放送法第七十四条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
まず、令和六年度の貸借対照表の一般勘定については、令和七年三月三十一日現在、資産合計は一兆二千六百五十四億円、負債合計は四千三百六十八億円、純資産合計は八千二百八十六億円となっております。
損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千七十五億円、経常事業支出は六千五百二億円となっており、経常事業収支差金は四百二十六億円の欠損となっております。
何とぞ慎重御審議のほどお願いをいたします。
○古川委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長井上樹彦君。
○井上参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の令和六年度財務諸表等の概要につきまして御説明申し上げます。
貸借対照表における一般勘定の当年度末の資産総額は一兆二千六百五十四億円、一方、これに対する負債総額は四千三百六十八億円、また、純資産総額は八千二百八十六億円でございます。
続いて、損益計算書における一般勘定の経常事業収入は六千七十五億円、経常事業支出は六千五百二億円でございます。以上の結果、経常事業収支差金は四百二十六億円の不足となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加え又は差し引いた当期事業収支差金は四百四十九億円の不足となりました。
当期事業収支差金の不足につきましては、還元目的積立金を取り崩し、補填しました。
以上につきまして、令和六年度の財務諸表は、監査委員会の意見書では、会計監査人の監査意見は相当と認めるとされており、また、会計監査人の意見書では、財務諸表が、放送法、放送法施行規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、全ての重要な点において適正に表示しているものと認めるとされております。
これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、事実に基づく公平公正で正確、迅速な放送をお届けしてまいります。
また、役職員一丸となって、事業計画の一つ一つを着実に実行し、公共放送、公共メディアとしての使命や役割を果たし、視聴者の皆様の期待にお応えする所存です。
何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○古川委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を求めます。会計検査院事務総局第五局長長岡尚志君。
○長岡会計検査院当局者 日本放送協会の令和六年度の決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。
協会の令和六年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書等は、七年七月一日に内閣から送付を受け、その検査を行って、七年十一月五日に内閣に回付いたしました。
検査の結果、特定検査対象に関する検査状況といたしまして、日本放送協会における関連団体との取引及び関連団体の利益剰余金等の状況についてを令和六年度決算検査報告に掲記いたしました。
その概要を御説明いたしますと、次のとおりでございます。
日本放送協会と子会社、関連会社等の関連団体との取引について検査しましたところ、番組制作業務委託以外の随意契約について調達担当部局が競争性のある契約への移行の推進に向けた見直しを実施するよう画一的に周知するのみでは、各委託元部局等における競争性のある契約への移行の推進につながりにくい状況となっておりました。また、関連団体の利益剰余金及び協会に対する配当の状況について検査しましたところ、取崩し予定時期が明確になっていない特定目的積立金があり、特例配当を実施した際に、要請の要否や配当の額に関する判断について公表されていない状況が見受けられました。
したがって、協会において、関連団体との番組制作業務委託以外の随意契約について、競争性のある契約への移行をより積極的に進めていくこと、子会社の特定目的積立金について、その必要性等をより一層適切に検証できるようにするなど、引き続き、子会社に対する指導監督に取り組むことなどに留意して、関連団体との取引を適切に行い、関連団体の利益剰余金を配当等により協会の財政に寄与させるよう協会が指導監督し、また、視聴者等に対する情報提供を適切に行い、説明責任の向上を図る必要があるとしております。
以上をもって概要の説明を終わります。
○古川委員長 以上で説明は終わりました。
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○古川委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。浅田眞澄美君。
○浅田委員 自由民主党・無所属の会、浅田眞澄美でございます。
国会議員として初めての委員会質問に当たるに際し、多くの諸先輩方、そして同僚議員の皆様、それから何よりも地元長崎で応援をくださっている支援者の皆様方に、心から感謝を申し上げます。
さて、先ほど青森県の方で震度六強の地震があり、多くの皆さんが不安になっているかと思います。このようなときほど、正確な情報を基にしっかりとした行動をなさっていただければと存じます。
それでは、令和六年のNHKの決算について、質問に移らせていただきます。
NHKは、このような地震などの災害のとき、そしてまた、今まさにサッカーワールドカップが開幕中でございます。明日もスウェーデン戦がありますが、多くの国民が期待するようなスポーツの祭典のときなど、やはりどうしても、公共放送NHKで見たいという声が多いように感じます。WBCのときには残念だったの声が実際は多かったように感じますけれども、そして、昨今、インターネットの普及や動画配信などの、そういったものに代わりまして、国民の情報取得の在り方、そして視聴行動の変化などが著しく見られております。
しかしながら、公共放送というのは非常に重要なものであり、これから先の公共放送の重要性そして将来像というものを総務省はどのように捉えているか、まず教えていただければと存じます。
○林国務大臣 まずは、浅田委員におかれましては、初質問おめでとうございます。
昨今、国民の多くがインターネットを主な情報入手手段として利用しつつあるなど、放送を取り巻く環境が大きく変わってきていると承知しております。
そのような中で、NHKの公共放送としての機能が将来にわたって十分に発揮され、取材に裏打ちされた信頼性の高い情報や国民・視聴者の相互理解の促進に資する情報が届けられていくということが重要であると考えております。
こうした環境の変化を踏まえまして、時代に応じてNHKの在り方を適宜見直す観点から、情報通信審議会の下に先月設置されました放送政策委員会において、公共放送の将来像を含めた今後の放送の在り方について議論を始めていただいているところです。
いずれにいたしましても、NHKにおいては、視聴率にとらわれることなく、報道や教養を始めとする幅広く豊かでよい番組を放送すること等によりまして公共放送としての役割をしっかりと果たしていただきたい、そういうふうに考えております。
○浅田委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただきました放送政策委員会などで、これからまさに、どのようなものが公共放送で求められているか議論をしていくということでございました。非常に重要な点でございますので、しっかりと議論をしていただきたいと思っているんですが、やはりそこには、いかにNHKが持続可能な経営をしていくか、これが一番重要なのではないかと思っております。
先ほど、事業収入や支出の説明などもございました。これが、予算時からすると、事業収入は七十九億円、そして事業支出は四十二億円が減額をされ、百二十一億円が改善されていると伺っております。しかしながら、やはり、差金が四百四十九億円と非常に大きな額ではないかと存じております。
一月に就任したばかりの井上会長におかれましては、三月のこの総務委員会の予算質疑の際にも、経営計画の確実な達成に向けた事業運営というものが何よりも重要であるということを御答弁をいただいております。
そこで、まず、予算と決算の差が最初から非常に大きい点、そして四百四十九億円という収支不足、こういったところをどのように分析し、また、これらをどのように今後改善し、取り組んでいこうとなさっているのか、お聞かせいただければと思います。
○井上参考人 私から、冒頭、今朝の地震の対応についてお話しさせていただきます。
午前七時半頃、岩手県沖を震源とする地震がありまして、青森県で震度六強の揺れを観測しております。津波の被害は心配ないということであります。
NHKでは「おはよう日本」を放送中だったんですが、直ちに緊急地震速報を伝えまして、午前八時以降は朝の連続テレビ小説の時間を変更するなどしまして、現在も特設ニュースで被害状況などをお伝えしております。私からは、命と暮らしを守る報道に万全を期すよう指示しております。
決算の状況については、小川理事から答弁させていただきます。
○小川参考人 お答えします。
還元目的積立金を使うには、事業収支をマイナスにする、つまり赤字予算を組む必要がございます。
令和六年度決算では、事業収支差金が四百四十九億円の不足となり、還元目的積立金を取り崩して補填いたしました。これは、二〇二三年十月に実施しました受信料の値下げ等により事業収入が減少する中で、あらかじめ還元目的積立金を取り崩して視聴者に還元する計画としていたものでございまして、経営計画に沿った対応でございます。
今年度につきましては、経営計画の最終年度として、計画を確実に達成し、二〇二七年度の収支均衡に道筋をつけることとしております。
事業支出の削減だけではなく、増収を確保する取組を強化することで生み出した経営資源を質と生産性の向上に資する投資に充て、事業構造改革と新規領域の創造に同時に取り組んでいるところでございます。
受信料で成り立つNHKとして、視聴者の皆様からの負託に全力で応えてまいります。
以上でございます。
○浅田委員 しっかりとした事業構造、収支構造をやっていただけるものだと思います。
その中で、一つ、地元の方でも気になるニュースがございました。私は長崎出身でございまして、長崎放送局になるんですが、井上会長におかれましては、ここが初任地だったというふうに伺っております。この時期は、長崎大水害があったり、民放が二局増えたりといったニュースがあったかと存じますが、非常に思い出の多い長崎放送局、今、建て替えのニュースがございます。今、長崎だけではなく様々な地域で建て替えが検討をされているかと思うんですが、既にNHKの方では建設積立資金を取崩し中と聞いております。
今後、地方局の建て替えをどのようにスピード感を持ってなさっていくのか、地方局の位置づけとともにお聞かせください。
○井上参考人 お答えいたします。
今朝の報道もそうなんですけれども、視聴者・国民の皆様の命と暮らしを守る報道は公共放送の重要な役割であり、地域の放送会館は、その取材、制作、情報発信の重要な拠点だと考えております。
長崎でも移転先の協議を始めたところでありますが、老朽化した放送会館は順次建て替えなければなりません。しかし、二〇二一年頃からの急激な建設物価高騰の影響を受けまして、地域放送会館の入札で不落が続き、計画を進められていない状況が続いておりました。
一方で、放送をめぐるIP化、クラウド化、ソフトウェア化などの技術の革新が大きく進展しております。こうした最新のテクノロジーを活用することで、省スペースで低コストの新しい地域放送会館の見通しが立ってきましたことから、今後の整備の基準となる基本要件をまとめております。二〇二六年度予算において、地域放送会館の建て替えに備えた建設積立資金を新たに計上しておりまして、今後、二〇二七年度からの次期中期経営計画に向けて、できるだけ速やかに具体化を進めたいと考えております。その間、運用中の施設の放送機能が維持できなくなることがあってはならず、老朽化した設備の更新や補修等、必要な補完措置を取っていく考えであります。
○浅田委員 地方局というのは、今日のような災害時においても非常に重要な場所でございます。これからスピード感を持って取り組んでいただければと思います。
NHKの地方局というのは、地方の文化や地方創生にも非常に大きな影響を及ぼします。例えば、大河ドラマ「龍馬伝」で長崎でも大変盛り上がりを見せました。そんな中、昨日は、新しいドラマ、長崎県波佐見町を舞台にしたドラマがまた放送されるということで、非常に長崎県は盛り上がっております。
地域におけるNHKの期待感共々、そしてこれから、何よりも、NHKが持っている大きなコンテンツそしてアーカイブなどを活用し、強いNHK、公共放送としての矜持を持っていただきまして、コンテンツ立国日本をもっともっと牽引していただければと存じます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○古川委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 おはようございます。中道改革連合、田嶋要でございます。
まず、私からも、今朝起きました青森県中心の地震に関しまして、心からのお見舞いを申し上げます。被害に遭われた方々の暮らしが一日も早く復旧しますように、お祈り申し上げます。また、政府には迅速な対応をお願い申し上げたいというふうに思います。
今日は決算の審議でございますが、私からは、一点に絞りまして、国会審議のNHK中継ということを取り上げさせていただきたいと思います。
今日は決算の審議でございますが、残念ながらテレビが入っておりません。まず、NHK会長に、なぜNHKの予算審議にテレビを入れて決算はテレビが入らないのでしょうか。
○井上参考人 お答え申し上げます。
放送法の第一条において、放送が健全な民主主義の発達に資することと明記されております。国会中継を含め、国会審議の状況をお伝えしますことは、公共放送として、国民の知る権利に応え、健全な民主主義の発展に貢献するために重要であると考えております。このため、一定の原則の下、国会中継でお伝えしておりますほか、ニュースなどで適宜、国会審議の状況を放送、配信しているところであります。
健全な民主主義の発展に貢献することはNHKの使命であると認識しておりまして、今後とも、充実した放送、配信に努めてまいりたいと考えております。
○田嶋委員 会長、それは私の次の質問に対する御答弁のはずだったのでございますけれども、なぜNHK予算はテレビが入って決算がテレビに入らないのかは多分誰にもよく分からないと思うんですが、そういう仕切りにされているのかなというふうに思います。
しかし、今おっしゃっていただいたとおり、私の配付資料の一でございますが、放送法を大きい文字で掲げさせていただいて、今会長がおっしゃっていただきました健全な民主主義の発達に資するというのは、なるほど、本当に大事な役割を公共放送としてNHKが担っていただいていると本当に思います。
そういう意味では、私の問題意識は、今のNHKの予算、あるいは予算委員会のテレビ入りとかテレビなしとか、ああいうようなレベルでしか、国民に対して、国権の最高機関の議論が国民の前に放送されていない現状が果たしていいのだろうかという問題意識を常々持っておるところでございます。
そういう意味では、次の質問に入らせていただきますが、昨年の十一月二十七日に、稲葉会長、NHKの前会長でございますが、こういう御答弁をされております。それは国会中継に関するお話でございますけれども、NHKとしては万難を排して国会中継をやっていきたいと。国会でどういう議論がなされているかということは、国民にとって非常に大事なことなので、万難を排して国会中継をやっていきたいということでございます、こういうふうに当時の高井崇志さんの御質問に対して答弁なさっておるわけでございますが、このお考えは、井上会長も変わりない、言ってみればNHKの大方針であるという理解でよろしいですか。
○井上参考人 お答えいたします。
稲葉前会長が申し上げておりましたのは、国会でどういった議論がなされているかは国民にとって非常に大事なことだという認識だというふうに受け止めております。そうした議論をお伝えする意味で、国会中継は重要な番組だという認識において、私も変わりはありません。
同時に、前会長は、国会中継を含め、ニュースなどの報道番組、文化、娯楽、スポーツ、多彩な番組を編成しながら、国民の幅広い関心と期待に応えていきたいとも申し上げております。放送法で求められている、豊かで、かつ、よい放送番組をお届けするという点で、私は全く同じ認識であります。
○田嶋委員 ありがとうございます。
もちろん、国会は国権の最高機関とはいっても、国会中継だけNHKがやっていればいいという話ではないのはそのとおりでございます。WBCもサッカーも大事でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、今日は国会図書館さんにお越しいただいてございますが、果たして、ほかの国、よくベンチマークとして参考にするイギリスのBBCやお隣韓国はどのぐらい国会中継を放送しているのか、配信は、もちろんネット配信、日本もいろいろございます、しかし、放送というのがどういう役割を果たしているかということで、日本のNHKにおける国会中継は今年間何時間行われているのか、それに比較して、イギリス及び韓国における議会はどれぐらいテレビで中継されているかを御答弁ください。
○南国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。
日本につきましては、番組表を基に足し上げましたところ、令和七年の一年間におけるNHKの国会中継は、録画中継を含めて二百三十八時間十五分、日数にして約十日でした。
イギリスには公共放送BBCにBBCパーラメントという議会中継の専門チャンネルがあり、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド議会の中継や録画中継を含め、二十四時間、議会の審議を中継しております。こちらも番組表を基に足し上げましたところ、二〇二五年の一年間における録画中継を含む議会中継は七千九十四時間余り、日数に換算して約三百日でした。
次に、韓国ですけれども、韓国には国会放送という専門チャンネルがありまして、議会の審議等を中継しております。こちらも番組表を基に足し上げましたところ、二〇二五年の一年間における録画中継を含む議会中継は千七百三十時間余り、日数に換算して約七十日でした。
以上でございます。
○田嶋委員 意外と初めて、こんなに違うんだということを知った方も多いと思います、私も含めて。
私は、開かれた民主主義という意味では、国民の知る権利、よらしむべし知らしむべからずなんという言葉も聞いたことがありますけれども、その逆ですね、ちゃんと情報公開して、とりわけ、有権者の皆様から選んでいただいた代表者が集って議論しているこの場の議論がもうちょっといろいろなところで放送されていることは、極めて大事なのではないかと思います。
NHKさんにお尋ねします。
イギリスも韓国も専門チャンネルを持っているわけですね。そして、林大臣や私がワシントンにいた頃、C―SPANはもう当然ありましたね、同じような専門チャンネルであります。
NHK会長にお尋ねします。専門チャンネルを持つことは日本ではできますか。
○井上参考人 お答えいたします。
海外の専用チャンネルの事例につきましては、国によって制度それから視聴習慣なども異なっておりまして、一概に比較するのは難しいというふうに考えております。
繰り返しになりますけれども、国会中継を含め国会での審議の状況をお伝えすることは、公共放送として、国民の知る権利に応え、健全な民主主義の発達に貢献するために重要であるというふうに考えておりまして、国民的関心の高い重要案件を扱う委員会審議などは適宜放送しております。
さらに、今後も、ニュースでお伝えすることも含めて、国会での審議の状況をできる限り丁寧にお伝えしてまいりたいというふうに考えております。
○田嶋委員 会長は、先ほども御紹介があったとおり、新入社員からずっとNHKにいらっしゃるわけで、NHKの隅々まで御存じだと思います。
私がお尋ねしているのは、何か事情があって、日本は専門チャンネルを、NHKパーラメントみたいなものを持つことはできないということがあるのかどうか。それとも、決めの問題で、やろうと思えば、今のNHKのチャンネル以外に国会専用のチャンネルを、例えば衛星チャンネルとかBSとかそういうものを設けること、ケーブルかもしれませんし、地上波ということにはならないのかもしれませんが、そういう選択肢は物理的には可能なのかどうかを確認させてください。
○井上参考人 お答え申し上げます。
国会中継を放送する場合は、その重要性を考慮いたしまして、原則として、視聴者の皆様にあまねくお届けできる総合テレビとラジオのAMで放送しております。御指摘の例えば衛星放送については、必ずしも全ての視聴者が見ることができる放送波ではないことから、国会中継にはそぐわないと考えております。
その他、専用チャンネル等の整備については、NHKにおいては、今後の様々な制度上の議論を待つという形になります。
○田嶋委員 BBCパーラメントは、確認いたしましたが、地上波並びに衛星両方あるということのようでございますが、今のように全ての人に届かないからふさわしくないということなのかどうか、ほかの国でもそういうことではないかもしれない、いろいろと調べていただきたいし、もちろん、地上波で別チャンネルが設けられるなら、なお結構でございます。
配付資料の二を御覧いただきたいと思います。
裏側でございますが、BBC議会の番組表でございますけれども、朝から晩まで、本会議も委員会も、もちろん、いわゆるウェストミンスター方式といって、本会議も相当議論が行われるのがイギリス方式のようでございまして、日本の本会議のように一方的な演説会場ではないわけでございますが、朝から晩まで、様々な本会議、委員会、特別委員会がテレビで見られるわけでございまして、これこそ、日本でも、例えば、空港に行ったって、病院に行ったって、テレビがついていたら絶対NHKなんですよ。そう思いませんか。どこ行ったってNHKですよ。成田空港だって、羽田空港だって、ついているのはNHKですから。
多くの人が、好むと好まざるとにかかわらず、国民の代表者が何を議論しているかを何となく聞くことができる。私は、そういう環境をつくることが民主主義の深化にとって本当に大事だと思いますよ。関心がある人が配信を見に行くというだけじゃなくて、再審法の議論はどうなっているか、関心のある人だけが見に行くんじゃなくて、ぼんやりと日本全体に、国民の代表がこういう大事な議論をしている、物価高のいろいろな議論をしている、こういうことが国民に伝わることが、私は日本の民主主義にとって大事だと思います。是非、役割を果たしていただきたいと思います。
前の会長が、お相撲の番組とかを潰すので機会費用が高過ぎるみたいな御答弁もあるんですけれども、国会というのは夕方じゃないんですよ。朝九時から三時で大体多くの議論が行われますので、いろいろ考えていただければ、別チャンネルを設けずとも、私はやれる道はたくさんあると思いますよ。
改めて、その検討をしていただくということをNHK会長に御答弁いただきたいと思います。
○井上参考人 お答えいたします。
今後、ネットの必須業務化の開始もありまして、様々な伝送路がこれから広がっていくものと見られます。今の御意見も参考にしつつ、自主自律を堅持しながらも、総合的に判断してまいりたいと思っております。
ネット配信については、地上波と同じ内容であれば、同時配信、あるいはその中でも見逃し等の配信が規定されております。こうした形で国会中継が、更にネット空間においても配信によって国民への視聴が広がるということになれば、更に国会の状況が国民に周知されていくのではないかというふうに期待しているところもあります。
○田嶋委員 それを言ったら、放送の役割を自己否定しているようなところもあるかなと思いますよ。そうしたら、野球だってサッカーだって、全部ネット配信でいいじゃないかという話になりますよね。だからやはり、ユニバーサルアクセスの話もいたしました。放送にはリアルタイムで一番生の部分を、同時配信できる、同時に送り出すことができる、ブロードキャストですから、その役割を是非、政治という民主主義の基本の部分でも担っていただきたいというのが改めてのお願いです。
前会長は、国会中継は、形式的にそれを中継するコストというのはそんなに高くないです、ただ、相撲中継とか定時のニュースというのは、それを見られなくなってしまうから、国会中継の機会費用が高くなっている、私に言わせればこういう変な答弁でございますけれども、もう少し時間の割当てなんかも工夫して、必ずしも専用チャンネルじゃなくても、先ほどの韓国との比較を見ていただければ何倍も違うんですよね。
やはり日本は、多くの国民が、国会議員って何をしているかよく分からない、こういうふうに言われたこと、皆さん、ありませんか。どうですか。大臣は何をしているかよく分かると思いますよ。行政に入れば、よく分かります。でも、与党でも野党でも、大体、皆さん地元に帰ると言われませんか、国会議員って何をしているかよく分からないと言われますよね。私は先週も言われましたよ。二十三年間やっていても言われますから。そうでしょう。
それは何でかと考えて、それを僕らが、百万、二百万の金をかけて全戸ビラを入れるとか、あるいはネット配信で頑張るとか、そういう個別の努力だけじゃなくて、放送が頑張るべきですよ。そう思いませんか、皆さん。それをもっと国としてやらないと、日本の民主主義は劣化しますよ。是非それを考えていただきたい。
最後に、林大臣、長く国会議員をやっていらっしゃいまして、今は有名人ですけれども、かつての無名の時代に、国会議員は何をやっているか分からない、よく言われたと思いますよ、祭りに行ったりしますと。地元の市長や知事は顔がよく見える。国会議員は何をやっているか見えない。それをやはり克服するためにも、是非、せめてお隣の韓国、イギリスまではいかなくても、お隣の韓国がやっているぐらいのことはやりましょうよ。
是非検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○林国務大臣 確かに、ワシントン時代にはC―SPANというのがございまして、一と二があったかなと思っております。
健全な民主主義の発達に資する、今条文をお示しいただきましたが、やはりそうした観点で、国会中継を増やすべきという御意見は承知をしております。
放送法上、NHKを始めとする放送事業者は、自らの責任において番組を編集し、放送を行うこととされておりますので、総務大臣としてコメントすることは差し控えさせていただきますが、NHKの国会中継については、国会からの要請などを踏まえて、NHKにおいて総合的に判断しているもの、そういうふうに承知をしております。
○田嶋委員 これは、与党、野党関係なく、日本の民主主義を高めていくという本当に大事なテーマだと思っておりますので、政治側もいろいろ制約もあろうかと思いますが、是非、NHKが中心となって考えていただきたい。テレビ入りの予算委員会、そんなふうに言っているうちは、日本の民主主義は私はレベルが低いと思いますよ。もっと公開しないと。大事な議論をたくさんやっているんですから、この総務委員会だって、いい議論をいっぱいやってきた。だけれども、それを国民は知らないんですよ。残念なことですよ、ふるさと納税も、地方財政も。
是非それが国民に届くような議会にしていただきたいというふうに申し上げて、終わりとさせていただきます。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 中道改革連合の中川宏昌でございます。
今朝、青森県で震度六強の地震が発生をいたしました。私の方からも心からお見舞いを申し上げます。
質問に入らせていただきます。
初めに、NHKが保有する高い技術力の社会還元と、現代のメディア空間における課題である偽情報対策への活用についてお伺いをさせていただきます。
先日、NHK放送技術研究所の技研公開二〇二六内覧会に足を運ばせていただきました。最先端の研究技術成果を拝見しまして、メディア技術の進化を力強くリードするNHKの底力を実感したところでございます。
二〇二四年度の決算におきましては、技術関係の調査研究費として五十億円が計上、執行されまして、新たな課題解決に向けたステップが読み取れるというふうに思っております。
私が特に注目いたしましたのは、社会的混乱をもたらすフェイクニュースや偽情報への対策技術であります。信頼性を向上させる来歴情報技術ですとか、NHK独自のニュースデータを活用したマルチモーダル大規模言語モデル、LLMなど、直近の課題解決に貢献する研究が進められておりました。
総務大臣の意見書におきましても、正確で信頼できる基本的な情報の提供や偽・誤情報対策に係る技術の研究開発が明確に強調されておりますけれども、これらの最先端技術は、NHK内部の効率化にとどめるだけではなく、受信料という公的財源に支えられた研究成果だからこそ、その優れた成果は、広く社会インフラですとか、また、技術力、体力の限られた民間の地方メディア、報道機関等にも迅速に共有、還元するべきであるというふうに私は思っております。
そこで、二〇二四年度決算における技術関係の調査研究成果として技研公開二〇二六で発表された来歴情報技術や独自LLMといった情報空間の健全性を守るための最先端技術について、今後どのように実用化を進めまして、社会全体の情報空間の防波堤として、民間事業者や広く社会インフラへの還元、共有をしていくお考えでしょうか。技術開発のロードマップ、また、今後の共存共栄を見据えた技術還元の在り方について見解をお伺いさせていただきます。
○伊藤参考人 お答えいたします。
まず、先月下旬に開催いたしましたNHK技研公開二〇二六にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。
多くの方に御来場いただきまして、十年、二十年先を見据えた最先端の研究成果から、直近の課題解決に向けた研究開発の状況というのを御紹介することができました。今お話しいただきました来歴情報技術あるいはマルチモーダルな大規模言語モデルの実現を目指す独自LLMなどにつきましては、これも今回の技研公開で御紹介をいたしました。
来歴情報技術につきましては、メディアの信頼性向上のために、コンテンツの制作者あるいは編集履歴などの来歴情報を利用者に提示する技術であります。コンテンツの出どころと、それから認証に関する国際的な標準規格に準拠した来歴情報を付与、検証するシステムにつきまして、研究成果として御覧をいただいております。この技術につきましては、映像素材の出どころあるいは改ざんの有無を自動的に判別する映像管理システムとして放送現場で活用を始めたところでございます。引き続き、メディア業界全体での活用に向けまして、制作ワークフローに適した技術開発あるいは検証を行ってまいりたいというふうに思っております。
大規模言語モデルの研究開発につきましては、これまでテキストを対象に研究を進めてまいりましたけれども、番組の映像、音声、字幕も対象に加えました。これらを学習することで、放送コンテンツに適応したマルチモーダルな大規模言語モデルの実現を目指しております。この研究の取組を始めたところでありまして、今後とも、課題を解決しながら、実用化に向けた研究開発に挑戦してまいりたいと思います。
NHK放送技術研究所は、民間の研究所とは異なりまして、放送法に基づいて、放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うための公共放送の研究機関でございまして、これまでも、開発した技術で社会貢献に資すると判断したものにつきましては社会に還元してまいりました。今後も、放送技術研究所での研究成果を広く社会に還元できるよう取り組んでまいりたいと思います。
○中川(宏)委員 御答弁ありがとうございます。
真偽不明な情報がネット空間で瞬時に拡散をして社会的混乱を招く中で、偽情報を後追いするのではなくて、NHKの技術基盤によってファクトチェックにより鎮静化をさせていく、こういう能動的なアプローチが極めて重要だというふうに思っております。
どれほどAIのこういったテクノロジーが進化しましても、真実性を見極めるのは、最後は人であります。その判断を支えてメディア空間の信頼性を高めるためにも、出せる技術はしっかり出していく、進めていく、こういったスピード感が求められるというふうに思っております。NHKの独占にとどめず、民間事業者ですとかまた地方メディアとも今後しっかり迅速に手を携えて、我が国全体の情報空間を守る防波堤の役割を是非とも務めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、近年、戸別訪問営業を全面的に見直しまして、デジタルや書面、郵便等を主軸とする新たな営業アプローチへの転換を進めてこられました。巡回型訪問の削減によりまして、対前年度比四十二億円の営業経費削減を達成された点は、効率化と経費削減の成果として評価をいたします。
一方で、訪問による丁寧な説明がなくなった反動か、契約を結びながらも長期間支払いが滞っている未収者、未払い者への対策が大きな課題となっております。令和六年度末の受信料支払い率は七七・五%にとどまりまして、依然として、全体の二割以上の方からお支払いをいただけていない、こういう現状があります。
こうした中で、受信料特別対策センターを設置しまして、支払い督促による民事手続を全都道府県で強化されまして、未契約者への民事訴訟提起など、法的手段による回収も始めておられます。
公平負担の徹底という観点から、厳格な対処は当然ですけれども、訪問という手間のコストを削った反動が支払い率の低迷を招いているとしましたら、それを裁判や法的督促という強硬手段で補填していく手法は、視聴者との間に不必要な摩擦を生んで、公共放送への親近感を損ないかねない、このように危惧をしているところでございます。
総務大臣の意見書でも、契約・収納活動の効率化と公平負担の徹底の双方の観点から効果の検証を早急に行い、営業活動を随時見直すことが強く求められております。
そこで、コスト削減を目的とした新たな営業アプローチの導入が結果として支払い率の低迷を固定化させ、法的督促の強化に頼らざるを得なくなっている現状について、どのように分析をされているのでしょうか。総務大臣の意見書でも、現状を容認することなくと指摘をされているところでありますが、裁判という最後の手段に頼り過ぎない、視聴者の納得感ある収納活動の在り方について見解をお伺いさせていただきます。
○松村参考人 お答えします。
新たな営業アプローチとは、デジタル、書面、対面、外部企業との連携など様々な施策を組み合わせて、より多くの方に受信料制度への理解を深めていただき、納得して受信料をお支払いいただく方を増やしていく取組でございます。
こうした取組は途上にあるものの、お客様から自主的に契約を申し出ていただく形を主体として、様々な施策を組み合わせることで受信料収入が改善する等の効果も出てきております。二〇二五年度は、支払い数が、年度当初に四十六万件減少する計画としておりましたけれども、結果として三十四万件の減少にとどめ、減少幅を縮小することができました。
一方で、支払い数の減少が続いている点は重く受け止めておりまして、一層の改善に取り組んでいるところでございます。
現在、受信契約を結んでいるにもかかわらず、長期にわたって受信料をお支払いいただけていない方に対して、支払い督促による民事手続を含む未収対策を強化しております。民事手続は、何か基準を設けて一律に行うものではなく、誠心誠意、丁寧に御説明してもなお御理解いただけない場合の最後の方法として実施しておりまして、受信料制度について理解を得るために最大限努力するということが大前提という方針に変わりはございません。
放送に加え、インターネットも含めたNHKのサービス全体の公共的価値や受信料制度に御理解をいただき、継続して受信料をお支払いいただけるよう、不断に検討を重ねながら取り組んでまいりたいと考えております。
○中川(宏)委員 では、次の質問に移ります。
令和六年度末の受信料支払い率七七・五%は、高知県を除く四十六都道府県全てで低下トレンドであります。これは、単なる一部のテレビ離れではなく、テレビ設置に対し一律で支払い義務が生じる現行の受信料制度そのものへの国民の皆様の構造的な疑問や不満、制度疲労を示しているかというふうに考えられます。見たい人だけが契約をして視聴する、スクランブル放送方式の導入を求める世論も根強く存在しているところであります。
NHKは、これまで、社会的価値を平等に届ける使命があるためなじまないと、このことについて御説明をされてきたところでありますけれども、決算数値を見るに、従来の説明だけでは幅広い納得を得ることが難しくなりつつあるのではないかと思うところであります。
そこで、高知県を除く全四十六都道府県で支払い率が低下したという今回の事象は、現行の受信料制度の維持が限界に来ていることを示唆しているとも考えられますが、この全県的な低下をどう受け止めているのか。公共放送としての重要な役割を将来にわたって維持発展させていくためにも、見ていないのにお金を払う不公平感を根本から解消して、安易に現状を容認することなく、将来の選択肢としてスクランブル化を含めた本質的な制度改革の議論に耳を傾ける、こういった段階に来ているというふうに思いますけれども、現時点での見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○井上参考人 お答えいたします。
受信料の公平負担の観点から、支払い率は重要な指標だと認識しております。
二〇二四年度の推計世帯支払い率が高知県を除く全ての都道府県で低下しまして、全体で、二〇二三年度に比べて一・〇ポイント低下したことは大変重く受け止めております。
二〇二五年度なんですけれども、これは、未収対策を強化したことなどによりまして、世帯支払い率の低下は〇・四ポイントにとどまりました。都道府県別に見ましても、十県において世帯支払い率が向上するなど、改善しております。
引き続き、NHKの公共的価値に共感し、継続して受信料をお支払いいただける方を増やすよう、全力で取り組んでいく所存であります。
NHKは、公共放送として、特定の利益や視聴率に左右されず、正確な情報や多様な番組を全国に届けていくことが期待されております。見られるかどうかという対価性の価値だけではなく、社会にとって必要な情報や、受信料が財源だからこそ放送できる番組を伝えていくことも大切であります。そうした役割を果たし続けていくためにも、その財源として、広く視聴者の皆様に負担していただく受信料制度がふさわしいと考えております。
ただ、制度の詳細につきましては、メディア環境や視聴スタイルが変化する中で、時代状況に合わせて柔軟に考える姿勢も必要だと思っております。外部の有識者で構成した受信料制度等検討委員会の知見もかりながら、不断の検討、検証を行っていく考えであります。
○中川(宏)委員 時間が参りましたので、終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、平林晃君。
○平林委員 中道改革連合・無所属の平林晃です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、NHK令和六年度決算の審議ではございますが、冒頭、一点だけ、地元の中小企業の苦境についてお聞きさせていただきたく存じます。
お忙しい中、井野副大臣にもお越しをいただきまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
この土曜日に、メッキ中心の業務をしておられます金属加工会社をお訪ねいたしました。ここは、メッキの塗装前に洗浄工程で使用する溶剤、ホワイトガソリンとおっしゃるそうですけれども、以前は五万円だったのが十五万円に跳ね上がっているということをお聞きをしてまいりました。その上、取引先企業の業績悪化等により、自分のところも大変だけれども、周りも大変なので、結局、受注も減少しているということも言っておられまして、現状、仕事がない状況になってしまって、従業員の皆様は連日工場の清掃をしていらっしゃる、こういうことを言っておられまして、社長が従業員の方に、社長、大丈夫ですか、こういうことを声をかけられてしまう、こんなようなことも言っておられました。
追い打ちをかけるように、コロナ禍で利用した融資の元本返済が、この方の場合は九月から始まるということもあるそうで、最近は金融機関の融資姿勢も以前より厳しくなっている、こんな話も伺ったところでございます。
当然、賃上げ、設備投資をしたいと考えているんだけれども、とても手が回らないということがございまして、政府も様々な支援制度を講じていただいているのはよく存じ上げているんだけれども、例えば賃上げとか設備投資が要件になっていたりするものもあるのでなかなかそういったものも利用できない、こういったお話でございました。
原材料高騰、受注減少、返済負担、融資困難、補助金不可、こういう様々な負の要素が同時に押し寄せるという複合的な経営危機に陥っておられます。別れ際に社長は、何とか助けてもらいたいと涙ながらに私に訴えてこられまして、本当に私も何とかしなければと思ったところでございます。
こうした苦境に立たされた中小零細企業の社長の方はお一人ではないのではないかなと今思っているところでございまして、地域の産業と雇用を守ってきた、こうした事業者をお支えしてこそ政治なのではないか、こういった思いで副大臣にお聞かせいただけたらと思うんです。
こういうマイナス要因が複合的に重なる中小企業の危機的状況を政府はどのように認識をしておられるのか。また、既存制度では対応し切れない事業者も出てきている中で、必要に応じて、この度の補正予算でも積み上げになりました予備費、これも含めた機動的な対応も今後検討すべきではないかと考えておりまして、御見解を伺えたらと存じます。
○井野副大臣 今般の中東情勢の影響についてですけれども、当然、私の地元からも、いろいろな、様々な企業からの声をいただいております。そういった中で、様々な複合的な要因によって、中小企業や小規模事業者を取り巻く事業環境は本当に厳しいというふうに認識をしております。
中東情勢の影響を受ける中小企業への支援として、これまで、特別相談窓口の設置であったり、セーフティーネット貸付けの金利引下げ、また、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請などを実施してまいりました。
また、セーフティーネット保証五号に中東情勢影響を受ける業種を、七月に追加指定をするに先立つ事前相談であったり、取引Gメンなどによって影響を重点調査を行っているところでございます。
さらには、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金において、中東情勢の影響を克服しようとする事業者に対して加点を行うなどの支援を強化してまいります。
また、金融支援としては、コロナ融資の返済に苦しむ事業者への支援として、累次にわたる官民金融機関に対する事業者の実情に応じた対応徹底の要請であったり、特に業況が厳しい事業者向けの保証料を引き下げる経営改善サポート保証などの支援策を講じているところでございます。
経済産業省としては、まずは既存の制度の利活用を推進するとともに、今後、中小企業を取り巻く状況を注視しながら、具体的な対応について万全を期してまいりたいと思っているところでございます。
○平林委員 ありがとうございます。
今まで様々な手を打ってきていただいているということでございまして、それはもう本当におっしゃるとおりで、そこは本当に心から感謝を申し上げるものです。その上で、危機的状況というのは、本当に危機的状況だと思っております。その意味におきましては、機動的対応ということも必要になってくるのではないかと思います。
経産省の皆様とお話をさせていただいていて、もちろん、現場に状況を聞いていただいているということはよく存じ上げているんですけれども、それでもまだ、行っていない、聞き取り切れていないところもやはりあるのではないかなと。そういう意味では我々もしっかり頑張らなきゃいけないと思っているんですけれども、更に丁寧に現場の状況を聞き取りをしていただいて、御対応をお願いできたらと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
副大臣、お忙しい中来ていただきまして、ありがとうございました。
副大臣への質問は以上になりますので、委員長、取り計らいをお願いいたします。
○古川委員長 どうぞ。
○平林委員 それでは、本題のNHK令和六年度決算について伺ってまいります。
この令和六年度決算、そもそもの予算は、二年前、年度明け直前の令和六年三月に、当時の稲葉会長と私もここで審議をさせていただきましたその一人でございます。
二〇二四年度から二〇二六年度の三か年経営計画において、情報空間の参照点の提供や信頼できる多元性確保への貢献を掲げられ、それらの項目をどのように実現する予算になっているのか、こんな問いを立てさせていただきまして、建設や設備の整備なども含め頑健性を高めて、災害時も含めて情報空間の参照点を提供していく、こういったことでありますとか、あるいは、ネット空間の確認も二十四時間、監視と言ってもいいのかもしれません、常にウォッチしていくという意味ですね、二十四時間体制で行っていくこと、また、新聞や民放などと切磋琢磨しながらコンテンツの提供にも取り組んでいく、こういった御答弁がございました。
今朝の地震の件も、皆様言っておられましたけれども、報道を拝見しておりまして、非常に語りかけるようにアナウンサーの方が話をしておられて、すごく姿勢が変わってきておられるなということは感じているところでございます。
その上で、決算を拝見しますと、収入に関しましては、受信料は想定ほど落ち込まず、予算プラス九十億円、このようになっておりまして、一方、支出は、国内放送費が四十四億円の予算オーバーに対して、給与、退職手当等でそれぞれ二十二億円あるいは五十七億円がまだ余っている、こんなことが書いてございます。
そこで伺いますが、当初予定した資源配分はどの程度実現できたと評価しておられるのか。また、結果としてどんな成果が得られたと考えておられるのか。さらに、想定と異なった点、今後見直しが必要と考えている点があるのかどうか。以上、お聞きいたします。
○小川参考人 お答えします。
NHKは、経営計画で掲げています情報空間の参照点の提供及び信頼できる多元性確保への貢献という二つの基軸に基づき、必要な分野への重点配分と既存業務の効率化を両立させる取組を進めております。
経営計画初年度の令和六年度におきましても、番組経費や営業経費の見直し、設備投資の抑制など、全体のコスト削減を進める一方で、教育、報道、国際発信など公共的価値の高い分野や、コンテンツの質の向上や、業務効率化につながる技術活用への投資を重点的に実施いたしました。災害報道や選挙報道、国際情勢への対応において、正確で信頼できる情報を発信いたしました。また、教育、次世代向けコンテンツなどにおいては多様な視点を提供したほか、パリ・オリンピック・パラリンピック放送に際してユニバーサルサービスの充実を図りました。公共放送としての役割は一定程度果たせているものと認識しております。
御指摘の令和六年度決算において国内放送費が当初予算に比べて四十四億円増加したのは、バーチャルセットを活用した番組収録などにより、コンテンツの質と量の確保に取り組んだほか、第五十回衆議院選挙放送の実施などによるものでございます。給与費が二十二億円減となったのは基準外賃金の減少など、退職手当・厚生費が五十七億円の減となったのは割引率見直しによる退職給付費の減などによるものでございます。
一方、協会を取り巻く環境の厳しさを踏まえれば、資源配分の在り方については不断の見直しが必要であります。予実管理を徹底しながら、今後は、既存業務の見直しや設備投資の更なる精査を進め、質と生産性向上に資する分野への重点投資を一層明確にしてまいります。引き続き、経営計画の進捗状況を検証しながら、環境変化に応じて柔軟に見直しを行ってまいります。
執行する中で想定と異なった点などについては、その見直しの中で逐次修正し、次期経営計画における対応も含めて、公共放送としての役割を最大限発揮できる資源配分の在り方を検討してまいります。
以上です。
○平林委員 ありがとうございます。
例えば四十四億円は、バーチャルセットであったり衆議院選挙であったり、突発、バーチャルセットはどうか分かりませんけれども、そういった事象もあったりして増えているようなこと、その他あったかもしれないが、おおむね予定どおり執行されてきた、こういうことの御答弁であったかというふうに思います。
その上で、元々おっしゃっておられる情報空間の参照点の提供、信頼できる多元性確保への貢献、特に情報空間の参照点の提供、これがなかなか簡単ではない時代により一層なってきているのではないかなと認識をさせていただいております。
参照点の提供は、単に正しい情報を発信するだけではなくて、どこまでそれを届けられたのかという意味において、より一層、SNS等が勢いを増して、エコーチェンバーやフィルターバブルのような状態の中、多様な情報が届きにくくなっている、こんなことも認識をさせていただいております。
そこで、会長にお聞きさせていただけたらと思います。
情報空間の参照点の提供及び信頼できる多元性確保への貢献という役割をより力強く果たしていくことは極めて重要と考えています。そのために今後どのような取組が必要と考えているのでしょうか。会長の御見解を伺います。
○井上参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、インターネットやSNSの急速な普及によりまして、利便性が高まる一方で、真偽の不確かな情報があふれるなど、情報の信頼性が揺らいでいると認識しております。
現在の中期経営計画では、正確で信頼できる情報を提供する情報空間の参照点、それと信頼できる多元性の確保への貢献を経営の基軸にして取り組んでおります。
今後も、正確で公正な報道を届けることはもちろん、自然災害、国際情勢、生活情報など、人々の安全と安心に直結する情報を提供しまして、国民の知る権利に応えていくことが重要だと考えております。
現在、次の中期経営計画の策定に向けて、五年先、十年先のNHKの将来像を視野に入れまして、検討や議論を進めているところであります。正確な情報や豊かなコンテンツをお届けするという変わらぬ使命を果たし続けていくためには、今後、計画の具体化を進めまして、適切なタイミングでお示ししたいと考えております。
○平林委員 僕の時計ではまだ十二分台なんですけれども、もう時間がないということになってしまって、済みません、この後、大臣質問と消防庁さんにも来ていただいて質問する予定だったんですけれども、ちょっと時間がなくなってしまったそうですので、私の質問はこれで終わりにさせていただきたいというふうに、また別の機会に聞かせていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
大変にありがとうございました。
○古川委員長 次に、高見亮君。
○高見(亮)委員 日本維新の会の高見亮です。よろしくお願いします。
NHK決算なんですが、私は会計士もやっていたので、そもそもの決算審議の、ちょっと何か若干違和感があるなというお話もさせてもらえたらなと思っています。
というのも、今は令和八年六月でございまして、決算の締め日から一年以上たってから決算審議をするというのは、これはどうなんだろうなと。
もちろん、放送法上は何の問題もありません。ただ、地方議会の公営企業の決算とかでも半年もすればやりますし、上場企業でしたら当然、終わったら三か月以内に株主総会をやりますので、やはり若干違和感があるなというのと、連結決算が、これは法制上、決算対象になっていない。だから、決算の資料をいただいても、連結部分はあくまで参考資料となっております。今の時代、当然、子会社に全部飛ばせば、いろいろな、単体だけ見ても意味がないというのはある種常識でございますので、一々法律を変えるのも大変だなというのも分かるんですけれども、考えるべきところはあるんじゃないのかなというのをお話しさせていただきます。ちょっと細かい話で申し訳ございません。
ということで、決算の中身、済みません、その前にもう一つ。
今いろいろな人がお話しさせてもらっていったと思うんですけれども、ワールドカップが今絶賛盛り上がっているところかと思います。やはりNHKでしっかり放送していただくというのはすごく大事なことだなと思っています。以前のWBCのように地上波で放送されないというのは、いろいろなところでハレーションを起こすんだろうなというのは思っております。
とはいえ、こういったワールドカップみたいな国際催事を放送するのには本当に巨額のお金がかかります。私、質疑調整をしているときに、放映権料は幾らなんだと聞いたんですけれども、そこはやはり守秘義務みたいでお答えいただけなかったんですが、でも、これは決算書を見ると大体の予想はつきます。五十六ページぐらいに国際催事放送権料引当金の内訳を書いているので、毎年大体百億ぐらい積み上げて、年度末三百六十一億とあるので、恐らくこの前後ぐらいの金額なんだろうなと勝手に予想しているところでございます。
こうしたコストがかかるものの、先ほど、いろいろ、ユニバーサルアクセスの話がありましたけれども、イギリスや韓国とかではこれを法制化して、しっかり国民が見られるような権利という形にしているというところもありまして、この議論に関する林大臣の所見と議論の状況について教えていただけますでしょうか。
○林国務大臣 スポーツ放映権につきましては、権利保有者と放送事業者のビジネス上の契約交渉によって取得されるものでございまして、個別のスポーツ番組の放送につきましては放送事業者が判断するもの、そういうふうに考えております。
一方、EUの一部加盟国ですとかイギリス等において、オリンピックやサッカーのワールドカップなど特定のスポーツイベントについて、有料放送事業者による生放送の独占を制限する制度が設けられているということは承知をしております。
スポーツの国際大会におけます放映権料の高騰といった昨今の状況も踏まえまして、スポーツを見る機会の確保に向けた方策等について、スポーツ庁とともに本年五月から開催をしております有識者検討会において、まさに今議論いただいているところでございます。
この検討会の第一回会合に、日本オリンピック委員会、日本サッカー協会、日本野球機構、そして第二回会合には、NHKと民放連、日本民間放送連盟からヒアリングを行っておりまして、その結果を踏まえて幅広く御議論いただいたと伺っております。引き続き、本年の秋頃目途の論点整理に向けた検討に取り組んでいただきたい、そういうふうに考えております。
○高見(亮)委員 ありがとうございます。
是非検討いただければと。結局、でも、やはり放映権料がかかるわけなので、その利益を捻出するための経営というのもしっかりしていかなければならないというので、しっかり期待するところでございます。
というところで、本筋の決算の内容についてちょっとお聞きしたいんですが、決算書の方にあるんですが、特別支出というのがございまして、その内訳を見ると、百二十八億あるうちの百十八億がその他の特別支出とあります。四十九ページぐらいに、注記の方には、菖蒲久喜ラジオ放送所の一部とシステムレガシーマイグレーションのソフトウェア、これがそれぞれ、現用資産ということで使用価値相当額と、正味売却価額に置き換えられ、いわゆる減損、価値がないみたいな形になっているんですが、これは具体的にどういう判断で減損に至ったのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○小川参考人 お答えします。
令和六年度決算において、主に二つの固定資産の減損を行っております。
一つは、音声波を一波削減することにより、将来使用する見込みがなくなった建物、放送設備、空中線などの固定資産を減損し、特別支出に八十九億円を計上しました。減損する時点で現用資産であったため、使用価値相当額で減損額を算出しております。
もう一つは、営業基幹システムの開発中止による減損でございまして、特別支出に二十八億円計上しました。減損する時点では事業の用に供しておりませんので、非現用資産であり、帳簿価額を減損額としております。このシステム開発に係る業務委託契約の解除に伴い、委託業者に対して既に支払った金額及び損害賠償を求める民事訴訟を起こしておりまして、現在係争中でございます。
以上です。
○高見(亮)委員 営業の基幹システムの開発で、こうやって訴訟になるみたいな話が出ております。二十八億、これはしっかりNHKとしては頑張っていただきたい。経営の基幹を成すようなところですごく巨額のお金を突っ込んでいるのに、形にならず放り出されるみたいな、これは本当にあってはならない話でございますので、これに関してもしっかり見ていただきたいと思います。
次に、連結決算に関しては、いわゆる放送法上は審議事項ではないんですが、今となっては、本当にこのNHKの経営に関して非常に重要な影響を及ぼすところだと思っております。
そこで、参考資料ではあるんですが、決算説明資料の四十五ページにあるんですけれども、今、放送事業、いわゆる受信料収入はメインとしてもちろんあるんですけれども、それ以外に約七百億ほど、その他収入としてございます。その内容について、大体の金額と、事業の内容と、その事業における利益、将来的な目標額等について教えていただけますでしょうか。
○井上参考人 お答えいたします。
二〇二四年度連結決算の経常事業収入は六千六百五十九億円でありまして、このうち受信料以外の経常事業収入は七百一億円であります。
この七百一億円のうち子会社分が五百七十二億円でありまして、内容は、映像ソフト制作、販売、イベント企画実施などの放送展開事業や、通信ネットワーク設備構築、システム開発等による収入であります。
子会社の利益につきましては、連結決算で算定はしておりませんが、単純な概算では四十億程度と推定しております。
グループ全体で受信料外収入の拡大に取り組んでいくことは重要だと考えております。現在、次期中期経営計画の策定に向けて検討や議論を進めているところでありまして、将来的な目標額については、現時点で具体的な内容は申し上げられませんが、財源の多様化を図りつつ、視聴者負担の抑制につながるよう、計画の具体化を進めてまいりたいと考えております。
○高見(亮)委員 七百億近くの中で利益が約五十億、これが利益率として高いのか高くないのか、なかなかちょっと思うところはあるんですが、ただ、このフィールドで戦っていくなら、目標をしっかり設定した上で、どれぐらい伸ばしていくというところもきっちり中長期で定めていただきたいということをお願いいたしまして、私の質疑は終わります。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、高沢一基君。
○高沢委員 国民民主党の高沢一基です。本日もよろしくお願いいたします。
今朝、青森県におきまして震度六強の地震が発生したということで、発災した地域の皆様にお見舞い申し上げますとともに、その旨を一生懸命、懸命に報道していただいているNHKの皆様にも敬意を表させていただきたいと思います。
それでは、質疑に入ります。
まず初めに、衛星放送の今後についてお伺いをしたいというふうに思います。
事前に資料をいただきまして、衛星放送に係る収入と経費ということでいただきました。決算ということなので、令和六年度の数字で紹介をさせていただきますと、衛星放送に係る収入としては一千六百五十七億円の収入があった、経費については一千五百四億円の経費で、収支を差し引きますと百五十二億円の黒字が出ているというような資料もいただいています。
ちょっと経緯で、見させていただいたところによると、令和二年には衛星付加受信料が一千九百十八億円であったのが、令和六年度は一千六百五十七億円なので、受信料はかなり減ってしまっている。だけれども、事業運営費、令和二年度一千六百五十九億円だったものが、令和六年度には一千四百四億円ということで、かなり縮減をされていて、縮減の努力や、あるいは衛星波の再編のこともあって、効果が出て黒字になっているのかなというふうに思っているところであります。
一方、同じく事前にいただきました資料で、いわゆる視聴率、衛星放送の接触者率ということで、一週間に一回以上それを利用した方というものをネット調査で今取っておられるそうなんですけれども、直近の令和七年度第四・四半期の接触者率で見ますと、総合テレビは六二・七ということで、Eテレが二八・九、NHKBSが二七・二、BSの4Kが六・七、8Kが一・二という数字が出ております。
この数字も、どういうふうに解釈していいのかというのはなかなか言えないところではあると思うんですが、衛星波を、2Kの衛星放送を二チャンネルから一チャンネルに再編したのが令和五年の十二月ということで、その前後の接触者率、当時調査の仕方が違ったんですけれども、三期分の平均で見ますと、再編の前はBS1の接触者率は二一・四%、再編後は二六・一%ということで、若干増えていると。その後横ばいのような状況になっているんですけれども、この衛星放送に関します接触者率の今後の見通しについて、NHKはどのようにお考えか、お聞かせください。
○山名参考人 お答えいたします。
今、NHKでは、NHKの国内放送やインターネットサービスをそれぞれ一週間に一回以上視聴した人の割合を接触者率というふうに定義いたしまして、年に四回インターネット調査を実施しております。
直近で公表していますのは、先ほどありましたとおり、二〇二五年度第四・四半期のデータでございますけれども、NHKBSは前年度同期から一・五ポイント増加の二七・二%、BSプレミアム4Kは〇・三ポイント増加の六・七%、BS8Kは〇・三ポイント減の一・二%となっておりまして、視聴者から一定の評価をいただいているのではないかと考えております。
今後の見通しをお示しするということは非常に難しいのですけれども、NHKBSでは視聴者の関心が高いMLB中継などを放送しているほか、BSプレミアム4Kでは現在開催中のサッカーワールドカップの全百四試合を放送するなど、高精細映像による臨場感を提供しているところでございます。
今後も、エキサイティングなスポーツから、世界の今を伝える国際情報、そして大自然、紀行、歴史、ドラマなど、多彩で見応えのあるコンテンツを取りそろえて、衛星放送の魅力を発信し、接触者率の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高沢委員 ありがとうございます。
魅力向上に努力されているというところは理解もしているところなんですが、衛星放送について、令和七年の第四・四半期ですけれども、NHKBS、2Kで二七・二ですけれども、4Kは六・七、8Kに至っては一・二ということで、受信の機械の問題もあるというふうに思うんですけれども、衛星放送全体として細かく見ていくと、またいろいろ課題があるのかなというふうに思うところであります。
そういった中、先ほどもお話しした令和五年十二月一日に、2Kの衛星放送を、二チャンネルあったものを一チャンネル、新BS2K、NHKBSに、一チャンネルに再編をしたと。それ以外にBS4KとBS8Kで、今三チャンネルの衛星放送の体制を取られていると言っています。
この再編について、NHKの資料によると、業務、受信料、ガバナンスの三位一体の改革を進め、既存業務について一層の合理化、効率化を図ることが求められている、そういった中、限られた資源を合理的コストで質の高いコンテンツに集中させるため、2Kを二チャンネルから一チャンネルにしますということを説明して実施をされたということで伺っています。
今審議をしております六年度決算でありますけれども、令和六年度のNHKに関する業務報告書に対する総務大臣の意見を拝見しますと、「令和五年度末に行われた衛星波の削減については、事業支出の削減等の経営上の効果や国民・視聴者への影響等の検証・明確化を行い、結果についての説明責任を果たすこと。」という意見が付されております。
本日は、令和八年度になりますけれども、今までにNHKがこの大臣意見についてどのような対応をされてきたか、状況をお聞かせください。
○小川参考人 お答えいたします。
衛星波の再編について、事業支出の削減等の経営上の効果や国民・視聴者への影響等の検証、明確化を行い、結果についての説明責任を果たすよう求める総務大臣意見は重く受け止めております。公共放送、公共メディアとして経営効果や影響をしっかり検証し、透明性を持って説明することが何より重要だと認識しております。
NHKでは、衛星波の再編を行った結果、衛星放送の番組制作費や制作設備の維持運用経費などで事業支出の削減効果が表れていると認識しております。例えば、二〇二六年度予算では、衛星放送の番組費は、再編前の二〇二三年度予算に対して百五十九億減の四百四十億円とするなど、具体的な削減効果をお示ししております。
また、国民・視聴者皆様への影響等の検証については、再編の前後を含めて接触者率や質に対する評価等について調査し、四半期業務報告において結果をお示ししております。
さらに、一般の方も傍聴できる総務省の有識者会議の場で、複数回にわたり、衛星波の再編の概要、経営上の狙いや効果について資料を用いて説明したほか、再編後の視聴者の視聴動向なども説明いたしました。
今後も、再編による視聴状況の変化や寄せられる御意見などを不断に検証し、視聴者の皆様に丁寧に御説明しながら説明責任を果たしてまいります。
以上でございます。
○高沢委員 対応状況を御説明いただいて、ありがとうございます。
日常的な報告だけではなくて、再編というのは非常に大きなことでありますので、それに関してやはりしっかりと調査して、焦点を当てて報告していくというのは重要かと思いますので、引き続きお努めいただければありがたいと思います。
そういった中で、今報道でも言われておりますけれども、4K放送で、民放の五局、キー局である五局が来年一月からの放送免許の更新をせずに撤退をするということが発表されております。
報道を見ますと、かなり辛辣な報道がされておりまして、毎日新聞さんの見出しだと、「採算合わず「国策の失敗」」だと、それから、朝日新聞さんですと、「キー局の本音「国策の失敗」「大金ドブに捨てた」」とか、あと、読売新聞さんですと、ちょっと控えめで、「コスト重荷、配信に活路」ということで評価がされております。
こういった中で、民放としては、なかなか視聴率が上がらずに、広告収入も上がらない、制作にお金がかけられない、そうなると撤退するしかないということで、もう将来的な採算の回収も難しいということで、今回、撤退、放送免許の更新をしないという決断を五局全てがされたということであろうかと思います。
そういった中、NHKは4K放送のみならず8K放送も継続してやっていくという状況になっておりますけれども、民放がこういう状況なのに、なぜNHKは継続してできるのか、御説明をお願いしたいと思います。
○小川参考人 お答えいたします。
NHKは、令和八年度予算、事業計画に付された総務大臣意見にもございますように、4K、8K衛星放送の普及に向け、公共放送としての役割を果たすことを期待されていると認識しております。
受信料を財源とするNHKは、4K、8Kの放送に当たっては、2K、4Kの一体制作や外部制作事業者との連携などにより、コストを抑え、効率的な制作手法の徹底を進めながら、質の高いコンテンツを制作することを基本としております。
昨年十二月に取りまとめられました総務省の有識者会議、衛星放送ワーキンググループの報告書では、NHKのBS4K放送が民放に比べ一定の視聴者への接触率を確保しているとした上で、その要因の一つとして、NHKは4Kで制作された番組を独自に編成して放送していることが考えられるなどとされています。これらのことから、NHKの4K放送には視聴者からの一定の期待があるものと受け止めております。
メディア環境の動きなどを引き続き注視していきますが、NHKは、これまで同様に、4Kコンテンツの制作、BS4K放送に取り組んでいきたいと考えております。
NHKは、4K放送を充実させることで、今後も視聴者・国民の皆様の期待に応えてまいる所存でございます。
以上でございます。
○高沢委員 ありがとうございます。
NHKの番組作成における経費節減の御努力というのは一定の評価をさせていただきますし、一体制作についてもいいと思うんですが、この件では、民間の識者の表現で、4Kを民放が撤退するのは、視聴者へのリーチ力の弱さからCM収入が不足し、制作費が不足するという悪循環が続いてしまっていると指摘されています。これは、裏返って言うと、NHKさんはやはり受信料があるから、地上契約の受信料は月額千百円ですけれども、衛星契約は千九百五十円いただいているわけでありますから、それがあるので安定してできるとも言えるかというふうに思います。
そういった中、国においては、平成二十七年に、4K・8K推進のためのロードマップを総務省が発表されまして、4K放送、8K放送を推進しようということで旗振りをされました。平成三十年の実用放送のときには4KのBS、CS合わせて十六チャンネルあったものが、来年民放が撤収しますと、NHKの4Kと、あとは通販チャンネル二チャンネル、計三チャンネルに来年一月以降はなってしまうという見込みになっております。
こういった中で、様々識者の方には、この民放の採算性については当初から懸念されることで、明らかに国策の失敗だという指摘をいただいたりとか、あるいは、総務省はテレビ局に一律的な推進を促したのだから何らかの総括を行うべきというような意見まで出ております。
そういった中で、予算としても、今年度予算を見ますと、衛星放送は四百四十億円計上されていて、NHKBSが三百八十億円、4Kは五十四・四億円、8Kは五・五億円ということで、見ていただける方がいる限り放送するということはもちろんあるわけでありますけれども、経費の面についても費用対効果というのはやはり考えていかなくちゃいけない部分もあるのかなというふうに思っております。
そういった中で、令和六年度の大臣意見においては、4K、8K衛星放送については、普及に向けて引き続き行っていって、公共放送の担い手として先導的役割を果たすべきだとNHKに意見を言っておられるんですが、来年一月からは決定的に状況が変わってしまう、普及するどころじゃなく、民放が全て撤退という話なんですが、そういう状況の中、今後のNHKの4K、8K放送及び衛星放送全般も含めて、総務省として、総務大臣として御所見を、どのようなお考えがあるか、お聞かせいただきたいと思います。
○林国務大臣 NHKの4K、8K放送につきましては、超高精細度映像ならではのコンテンツの制作等の取組を積極的に行うことなどを通じて公共放送の役割を果たしていただきたいと考えておりまして、令和八年度NHK予算に付した総務大臣意見においてもその旨を示しているところでございます。
今御指摘もあったように、衛星放送全般について、近年、テレビ離れなど放送分野を取り巻く社会環境の変化を受けまして、厳しい経営状況にあると認識しております。
こうした状況の中、衛星放送のインフラコストの低減を図る、これが喫緊の課題であると考えておりまして、総務省では、次期放送用衛星の免許につきまして、BSとCSの共同衛星、これを条件とする方針でございます。
また、先月、情報通信審議会の下に放送政策委員会が設置されまして、衛星放送を含む今後の放送事業の成長と持続可能性を確保していく総合的な方策について議論を始めていただいているところでございます。その際、衛星放送は一波で全国をカバーできる、こういった衛星放送の特性も踏まえた議論、これを行っていただくことを期待をしているところでございます。
○高沢委員 どうもありがとうございます。
ネット環境が広まって配信という世界が広がり、衛星も必要かと思いますが、放送だけではなくて衛星通信という見方もあるかと思いますので、それはやはり是非総合的に御検討いただいて、近い将来も含めて、是非道筋を示していただければと思います。
時間がなくなってしまいましたので、北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」については、またの機会に質問をさせていただきたいと思います。御準備いただいた方には本当に申し訳ありません。
以上で終わります。
○古川委員長 次に、許斐亮太郎君。
○許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。
私からも、まず、今朝発生いたしました青森の地震、それに被災された方にお見舞い申し上げますとともに、自民党の浅田眞澄美委員からも質問がありまして、井上会長の御答弁がありました。「おはよう日本」を断して、災害報道、地震報道に切り替えたというお話がありました。
私の地元の九州、沖縄の方からも、台風のL字放送に加えて、更に地震のL字放送が加わって、画面がすごいことになっているよというお話がありました。まさにこれは、災害のときにはNHKを見るという信頼のあかしでもあると思いますので、引き続き国民の生命と財産を守る報道に全力を尽くしていただきたいと心よりお願い申し上げます。
そして、質問に移りたいと思います。
受信料の使い方についての観点から質問させていただきます。
私は、今国会のNHK予算の審議におきまして、不祥事に関わることに受信料を使うというのは、これは受信料の毀損に当たるのではないかという指摘をさせていただきました。
そんな中で、大きな不祥事が明らかになりました。NHK報道局スポーツ情報番組部のチーフディレクターが一月四日に渋谷区内で起こした不同意性交容疑で逮捕された事件です。これは三月六日に公表されました。
まずは、このことに対して、会長の御見解をお伺いいたします。
○井上参考人 お答え申し上げます。
今回の事案は、公共放送に対する視聴者の信頼を著しく損なうものであり、視聴者、関係者の皆様に深くおわび申し上げます。
本事案は、職員が自宅で勤務打刻後、放送センターへの移動中に、渋谷区の路上で女性に声をかけてわいせつな行為に及び、トラブルになったものであります。
捜査の結果、事案は不起訴処分となりましたけれども、ほかにも勤務時間中の私的な行為が多数発覚しまして、公共メディアであるNHKの職員としてふさわしくないと判断しまして、諭旨免職の懲戒処分としました。
NHKでは、全役職員が、NHK倫理・行動憲章、行動指針にのっとって、人権を第一に考え、公私において、法令を遵守するとともに、高い倫理性に基づく、責任ある行動を取ることを視聴者の皆様に約束してきております。そうした中での本事案の発生を重く受け止めております。
事案を受けまして、報道局では、全職員を対象とするリスク、コンプライアンス研修等を実施しております。
改めて、協会を挙げてコンプライアンスを徹底し、再発防止に努めていく考えであります。
○許斐委員 今回の処分は諭旨免職ということでした。
そこで質問です。
なぜ懲戒免職ではなくて諭旨免職になったのでしょうか。基準も含めてお答えください。また、退職金は払われるのでしょうか。元職員は勤続二十年以上で五十歳ですので、終身のNHK退職年金の受給資格もあるように思われます。その年金も、今後支払われるのでしょうか。重ねて御回答をお願い申し上げます。
○東参考人 お答えいたします。
本事案に関しましては、不起訴処分になったということも踏まえ、事実関係を確認した上で、外部の弁護士の意見を聞くなどして、総合的に判断いたしました。
退職金につきましては、就業規則に基づいて、減額の上、支給しております。
退職年金につきましては、在職が二十五年以上、また、委員が御指摘されましたように在職二十年以上で退職時の年齢が五十歳以上の職員が退職した場合、支給することとしております。
受給資格の有無も含めてなのですが、プライバシーに関わるということもあり、お答えを差し控えさせてください。
○許斐委員 私も勤続二十五年で五十歳で退職したので、全く同じなんですよね。
やはり、だから、不祥事を起こした職員を必要以上に守ることは、真面目に一生懸命に協会の使命を全うしようとして頑張っている職員やスタッフ、そして外部委託の皆さんの努力が、これは報われないと思います。
また、このような身内に大甘と思われかねない処分は、視聴者・国民の理解を得ることができずに、受信料の不払いにつながって、NHKの経営にも影響を与えると思います。
引き続き、不祥事をなくすこと、そして、不祥事に関わることには受信料を使わないということを強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
これに使ってほしい受信料の使い方として、NHKの価格転嫁への姿勢について伺います。
二〇二四年度決算では、番組制作費三千七十九億円、そのうち、出演料、著作権料、放送権料などで五百八十億円、委託要員費で四百四億円となっています。
あらゆる業界で賃上げの原資の確保に向けた価格転嫁は待ったなしの重要な課題の中で、去年十一月に中小企業庁が価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果を公表いたしました。
その中で、業種別調査で、放送コンテンツという業種は、全三十業種のうち、価格交渉実施は二十一位、それから価格転嫁は二十八位という厳しい業種になっています。何とか交渉は行われたけれども転嫁ができなかったという事例が多いということです。発注者別の集計結果でも、NHKは、交渉は行うけれども価格転嫁の状況が悪いとの傾向が出ています。
質問です。
放送コンテンツ業界をリードするNHKの会長として、原因をどう受け止めて、どのように改善を進めていくのか、ビジョンを伺いたいと思います。
○井上参考人 お答えいたします。
NHKでは、価格交渉、価格転嫁の推進については、適切な価格交渉、価格転嫁を行うよう、全局的な説明会を繰り返し行うなど、取組を進めております。
二〇二四年八月には、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針に対する取組方針をホームページに掲載し、グループ全体で発注者としての表明を行っております。
御指摘の中小企業庁による価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果も直ちに協会内で共有し、改めて適切な価格交渉、価格転嫁を進めることを指示しているところであります。
調査結果は受託事業者へのアンケートに基づいておりまして、理由までは明らかにされていないために明確な原因は不明ではありますけれども、NHKでは、毎年定期的に価格転嫁の状況に関する自主点検を行い、課題が確認された場合には、その都度改善に向けた対応を徹底しているところであります。結果については真摯に受け止め、今後も定期的に取組状況を確認し、対応に万全を期す所存です。
番組制作会社を始め、全ての取引先は公共放送を共に支える大切なパートナーであり、今後もNHKグループとして適正な取引を進めていきたいと考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
関連して、芸能従事者の契約方法、働き方についてお伺いします。
NHKと俳優の出演交渉の場で、俳優の名前を出す代わりにノーギャラでお願いしますと言われたという事案や、今年度の厚労省の協議会、個人事業者等安全衛生推進協議会の委員でもある一般社団法人日本芸能従事者協会の最近の聞き取り調査では、子役を出演させる際に、条件として地方ロケに三か月の拘束を求められたという事案の報告もあったと代表理事から伺いました。これは契約の主従関係において極めて不適切だと思いますが、NHKの見解を求めます。
○山名参考人 お答えいたします。
御質問いただいた聞き取り調査の内容につきましては、確認に努めたところ、現時点では把握していないということでございます。
NHKでは、業務を依頼する際に、全ての実演家の方に対し、業務内容、拘束時間、報酬、支払い条件といった具体的な契約条件を明示しておりまして、質問や要望等には丁寧に対応して、必要な交渉に応じるなど、適正な取引を行うよう徹底しているところでございます。
また、実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針、これの公表を受けまして、優越的地位の濫用とならないよう、直ちに局内への周知を行い、その後も継続的に局内での勉強会などで取り上げるなどしているところでございます。
今後もこうした取組を徹底していきたいというふうに考えております。
○許斐委員 ありがとうございます。
御答弁にありましたまさに指針、その内容に沿った契約をNHKが率先して遵守していただいて、芸能従事者の働き方向上に向き合っていただきたいと強くお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。
○古川委員長 次に、青木ひとみ君。
○青木委員 参政党の青木ひとみです。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私からも、質問に先立ちまして、今朝方の地震によって被害に見舞われた方へ心よりお見舞いを申し上げます。
では、質問に入らせていただきます。
質問の一番はちょっと飛ばしまして、質問の二番から入らせていただきます。
先日発表されました放送文化研究所の調査におきましても、テレビのリアルタイムの視聴をしない割合が二十代で約七割、三十代で約六割、そして高齢層でもテレビ離れが進んでいるとの発表がございました。その一方で、視聴方法の変化、ネット配信、テレビからネット配信に移行していて、NHKも、昨年十月からNHK ONEへの配信が開始されましたが、テレビ離れが進む今日、NHKがいかなる価値を重んじ、どのような番組を制作するのかという点が、受信料制度の意義を左右する重要な論点ではないかと考えております。
グローバル化が進む中で、我が国の伝統文化や地域の歴史、精神性を次の世代や世界へ伝えていくことは、公共放送本来の使命ではないでしょうか。民間では採算上取り上げにくい分野にこそ、その存在意義があります。
また、少子化という国難に向き合う上でも、ドキュメンタリーやドラマを通じて家族のきずなや命の貴さを発信すること、子供たちの夢を育む番組を届けること、そして、先ほど田嶋委員も国会中継の重要さをおっしゃっておりましたけれども、楽しみにしているよという声が地域の皆様から寄せられる、この国会中継を継続すること、そういったことも、公共放送だからこそ担える役割があると考えます。
国民の皆様に寄り添うコンテンツの方向性が明確であってこそ、千七百億円を投じて二〇四三年に全面的に完成される新放送センターへの大規模な投資の必要性も、国民の皆様から理解を得られるものと考えております。
そこで、お伺いさせていただきます。
NHKは、今後、どの分野の番組制作に重点を置くのでしょうか。公共放送として、民間では代替し得ないコンテンツをどのように位置づけて強化していくのか、御見解をお聞かせください。また、そのコンテンツ戦略と新放送センター計画はどのように連動しているのか、併せてお伺いいたします。
○山名参考人 お答えいたします。
視聴環境が変化する中、確かな取材に裏打ちされた信頼できる情報に基づいて良質なコンテンツを提供する公共メディアの役割というのは、むしろ重要性を増しているというふうに認識しております。
そうした役割を果たしていくために重要なのが放送そしてデジタルの更なる連携でございまして、災害報道を始めとするニュースやスポーツなど即時性そして同時共有に価値のあるコンテンツ、そして、教育、教養、ドラマ、ドキュメンタリーなど、時間やデバイスを超えて価値を持つストック型のコンテンツの両輪で強化していきたいというふうに考えております。
このような方針に沿って、必要なコンテンツを確実に制作、発信できる建て替え計画を今進めており、今後の技術革新や環境変化にも柔軟に対応できるよう、工夫を重ねているところでございます。
○青木委員 御答弁ありがとうございます。
新しく川口の方でも放送センターができ上がるということで、先端技術を活用しながら、NHKの番組が、より一層面白く、そして、ためになるものとして国民の皆様に受け入れられることは、受信料制度の理解を広げる上でも極めて重要だと考えております。
とりわけ報道の分野におきましては、政治的な背景や法令違反などが複雑に絡み合う事件や事故であっても、公共放送だからこそ丁寧な取材を幾度も重ねていただいて、その問題を顕在化して、いかなる事実も忖度せずに伝えることが果たすべき真の使命であるのではないのでしょうか。
同時に、大河ドラマのように、我が国の歴史や先人に光を当てて日本への誇りや次の世代に希望を育む番組、これはまさにNHKならではの公共的価値の高いコンテンツだと考えております。民放にはまねのできない、こうした独自の強みや発信力を今後更に強化していただきたく、要望いたします。
続いて、今月二十二日から開始されたNHKとネットフリックスとの連携についてお伺いさせてください。
今回の連携により、大河ドラマやテレビ小説など、計十九作品が百九十以上の国や地域で配信されることとなりました。ドラマを通じて日本の文化や社会の魅力を広く世界へ発信していくことは、大変意義深い取組であると考えております。
一方で、受信料によって制作された番組を民間の外資のプラットフォームに提供して収益化すること、これに対しては、受信料の二重取りではないかという厳しい批判の声も上がっているのは確かでございます。しかしながら、少子化、人口減少が進む日本において、今後の受信料収入の減少が見込まれる状況下で副次収入を確保して公共放送を持続していく、その取組は重要な視点であるとも考えております。
そこで、二点お伺いします。
第一に、ネトフリとの連携によって得られる収益、これは今後どのような形で国民の皆様に、還元に充てられる御方針でしょうか。
第二に、海外展開を進める中で、外資系プラットフォームの意向や編集方針、あるいは政治的圧力等に左右されることなく、公共放送として日本の歴史、文化を正確に世界へ発信していくことができるのか、御見解をお聞かせください。
○井上参考人 お答えいたします。
受信料で制作したコンテンツの外部事業者等への提供については、放送法に基づいて事業者からの求めに応じて行うものでありまして、利益を上げること自体を目的としているものではありません。
得られた収入については、アーカイブス番組の配信に必要な費用に充てるほか、差額が出た場合には副次的な収入として一般勘定に繰り入れて、NHK全体の事業運営原資の一部として活用されております。ネットフリックスへの番組提供もこの枠組みの中で実施しておりまして、差額が出た場合には番組制作やサービスの充実に活用していく、そういったことで視聴者にしっかりと還元していくという好循環につなげていきたいというふうに考えております。
その上で、二点目の質問なんですけれども、今回の取組の目的は、日本で制作されたNHKの優れたコンテンツをより広く世界の視聴者に届けることで、公共メディアとして、日本の伝統、文化、歴史などへの理解が広がっていくことであります。NHKのコンテンツがどこまで世界で受け入れられるのかを検証したいと考えておりまして、外資の意向に左右することは考えておりません。
○青木委員 御答弁ありがとうございました。
受信料契約者数の総数が、報告書を見ますと、前年度よりも三十四万件減少していて、これは七年連続で減少する厳しい状況下ですから、副次収入を確保して持続可能性を高める挑戦はとても評価いたします。
日本の歴史、文化を正しく伝えることは、文化外交の観点からも極めて有意義であると考えておりますし、今回の連携を、単なる放映権の売渡し、放映権の切り売りに終わらせてはならないと思います。
今年三月からは、タイでNTTドコモによるNHKと民放各局による配信の実証実験も始まっていると聞きました。しかし、個別の取組にとどまらず、これは林大臣にもお願い申し上げますけれども、真に目指すべきは、日本独自の強力な配信プラットフォームの構築、そして、そこから直接世界へ発信していく未来像ではないでしょうか。それこそが、中長期的な国益であって、映像産業が自立を果たす鍵となりますので、今回の試みがその壮大なビジョンの確かな第一歩となることを強く期待いたします。
次に、番組制作における随意契約についてお伺いいたします。
冒頭、会計検査院からの御報告もございましたが、NHKの関連団体との取引における随意契約の割合、これは平成二十六年度以降増加しているとされていて、直近、金額ベースでは、令和六年度九六・五%と極めて高い水準にございます。令和六年度の業務報告書に対する総務大臣の意見においても、調達に係る取引の透明性及び経費削減に取り組むよう御指摘されているところです。
NHKの説明では、随意契約の理由として、契約の性質又は目的が競争に適しない場合が多いと承知しておりますけれども、一般論としましては、随意契約は競争性が働きにくく、コストが高止まりするおそれがございます。受信料によって成り立つ公共放送である以上、入札や企画競争、公募など、より競争性の高い調達手法を積極的に活用して、コスト削減と透明性の向上を図るべきと考えます。
そこで、お伺いいたします。
なぜこれほど随意契約の比率が高いまま推移しているのか、その理由をお聞かせください。
○小川参考人 お答えいたします。
NHKの関連団体は、公共放送にふさわしい番組の制作や長年培った技術力による安定的な送出などを効率的に実現することが目的であり、独自のノウハウが必要なものなどについて随意契約をしております。
随意契約を見直していくことは重要な課題であると認識しており、二〇二三年度から、随意契約比率の引下げを目的として、調達改革の部局横断プロジェクトを立ち上げ、競争契約化を進めております。
具体的には、二〇二四年度は放送設備、修繕工事などの競争契約化を実施し、さらに、二〇二五年度は人事、総務業務や、楽器、スタジオ用品の管理運用業務などを新たに競争契約に移行いたしました。こうした取組により随意契約の割合を、段階的にではございますが、改善を図ってきております。
以上でございます。
○青木委員 御答弁ありがとうございます。
二〇二三年から、比率の引下げを目標として見直ししているということですけれども、数値目標というのは設定されているのでしょうか。お伺いいたします。
○小川参考人 お答えいたします。
随意契約の見直しは重要な課題と認識しております。二〇二三年度から、部局横断のプロジェクトを立ち上げまして、競争契約化を進めております。
目標につきましてでございますが、二〇二六年度は競争契約化を更に加速させてまいります。随意契約比率を二〇二四年度の九六・五%から八〇%台にまで引き下げることを目指しております。ただ、単に数値を下げることが目的ではございませんで、個々の契約について、専門性、特殊性、秘匿性など、随意契約とする必要性を精査し、競争契約化を着実に進めてまいります。
以上でございます。
○青木委員 ありがとうございます。
目指すところが八〇%台という御回答をいただきました。
行政においても会社においても、構造改革においては、数値目標というのは定めるのが基本であると考えます。番組の質や特殊性を理由に掲げておられましたけれども、現在、映像のコンテンツ市場というのは制作を支える優秀な民間企業とか高い技術を持ったクリエーターの皆様が数多く存在しておりますから、最初から関連団体でなければできないというふうに決めるのではなくて、市場の健全な競争を目指して、これがずっと続いていると身内へのお金の還流を温存していると国民の皆様から受け取られかねませんので、NHKの財源が国民の皆様からいただく受信料である以上は、是非、真に国民の目線に立って調達改革が行われるように、強く見直しを引き続き要望いたします。
時間になってしまいましたので最後にまとめますと、本日いろいろお伺いさせていただきました。国民の皆様にとって、災害時に国民が最も頼りにしているのがNHKの重要性だと思います。これは揺るぎのない事実でございます。受信料の減少とか公平性への厳しい目があるのは事実ですが、公共放送の使命を胸に国益に資する番組制作により一層取り組んでいただくことを強く要望して、私の質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○古川委員長 次に、武藤かず子君。
○武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。
今朝発生をいたしました青森県沖の地震に際しまして、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。
本日は、NHK令和六年度決算について質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
私からは、NHKのAIビジョン、国際的な潮流と日本の公共放送の在り方、そしてアーカイブの国家的位置づけという三つのテーマについてお伺いをしてまいります。
まず、一点目です。
NHKは、本年四月にAI原則を公表されました。そこで、AIを使命達成のための手段と位置づけられておられます。私は、その考え方自体は大変重要だと思っています。
昨年十月にはAI事務局を発足させ、放送データ四十年分、二千万文という膨大な蓄積を活用した独自言語モデルの学習、NICTとの共同研究等、着実に歩みを進めていらっしゃいます。
このAI時代は、産業革命以来の大改革であると言われています。単なる業務効率化の技術にとどまらず、情報空間そのものを塗り替えつつある。フェイクニュースが氾濫し、アルゴリズムが人々の見る世界をより分けるこの時代だからこそ、正確で公正な情報の参照点として公共放送の存在意義はむしろ高まっているのではないでしょうか。
BBCでは、AI時代における公共放送の役割を戦略として示しております。ドイツでも公共放送メディアがデータ基盤整備に取り組んでおられます。こうした時代に、NHKは公共放送として何者になろうとされているのか、会長のお考えをお聞かせください。
○井上参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、この四月に新たにNHK AI原則を決定して発表いたしました。
このAI原則は、NHKが公共放送としての責任を果たしつつ、AI技術を安全かつ倫理的に利用、開発するための基本姿勢を示したものであります。AI時代において、より一層情報空間の健全性を確保するなどの役割を果たしていきたいというふうに考えております。
どんな時代においても、放送法第一条に明記された健全な民主主義の発達に資するという究極の目標の達成のために、変わることなく努力を続けていきたいと考えております。
これに合わせて、従来からありますAI利用指針も改定しました。例えば、制作や取材における生成AIの利用指針は、従来はリスク回避に重点を置いた内容としておりましたけれども、今回、いかに安全に使いこなしていくかにシフトした内容に改めております。
具体的には、情報の整理や職場の資料作成などの様々な作業を効率化することや、番組などのコンテンツにおいて新たな表現手法を生み出していくことなどが期待されているところであります。
今後のAI技術の進展や社会の受け止めなどを注視しながら、不断に、柔軟かつ慎重に判断してまいります。
○武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。
紹介ですが、イギリスのBBCではコンテンツ戦略を策定しておられ、生産性向上、コンテンツ再フォーマット、ジャーナリズム拡張、そしてユーザー体験革新という四つの柱のAI戦略を持っておられます。その配下で動いている取組といたしましては、大規模翻訳、文字起こし、また調査報道ツール、合成音声実験などを進めておられるとのことでございます。
一方で、ドイツの事例も御紹介いたしますと、こちらはBBCよりももっと構造的、インフラ的でございまして、ARDという公共放送がございますが、ここが二〇二五年三月に公表された戦略文書で、ドイツの人々のデジタルホームになるという目標を掲げられておられます。
特に注目されるのは、AIへの対応として、信頼できるコンテンツのAI向け提供者になると自身を定義されておられます。それを実現するために、パートナーとともにトラステッド・コンテント・プールというものを構築して、AIアプリがそのデータにアクセスをしに行くという仕組みを目指すとしています。
こちらは、インフラ面では、ARDと、もう一つ公共放送がございますがZDF、その他民間放送が共同でメディアデータ空間というものを構築しておりまして、ビッグテックへの依存を減らして、データ主権を確保しながらAIイノベーションを可能にする分散型データエコシステムを目指しておられます。
具体的な用途としましては、ニュースの真偽検証、また共有AIモデルによるディープフェイクの検出、また視聴データの統合、コンテンツのパーソナライズ、そして共同でのAI言語モデルのファインチューニングが挙げられております。
データ主権といいますのは、データをどこかに持っていく、集約するわけではなく、データそのものを各メディアのところにとどまる設計にして、AIがそのデータを見に行くという設計でございますので、データは各局のものとして保有できるという考え方で設計しております。
こうした国際的な潮流を踏まえて、日本の公共放送はどのように応えていくか、目指していくか、まず林大臣にお伺いしたいと思っております。
各国が文化、制度に合った形で公共放送とAIの関係を模索している中、海外の事例をそのまま倣うというのではなく、日本ならではの公共放送のAI活用の在り方を総務省としてどのように描いていらっしゃるか、是非お聞かせください。
○林国務大臣 先ほどNHK会長からも御答弁がありましたが、NHKでは、今年の四月にNHK AI原則を策定してAIの活用を進めているもの、そういうふうに承知をしております。
NHKは、放送法に基づきまして、自主自律を基本として公共放送としての役割を果たしていただくということが重要でありまして、NHKの番組制作等におけるAIの活用の在り方については、諸外国の事例も踏まえつつ、NHKにおいて検討するべきものと考えております。
総務省といたしましては、令和八年度のNHK予算に付しました総務大臣意見において、「AIを活用したコンテンツ制作等の技術の研究開発を行い、その成果をスタートアップ等を含め広く社会に還元すること。」それを求めております。
引き続き、NHKの業務におかれましてもこうした研究開発の成果の活用に取り組んでいただきたい、そういうふうに考えております。
○武藤(か)委員 次に、NHKにお伺いをさせてください。
NHKにおいても、AIを活用した取組を様々実行されておるというふうに認識をしております。今のそれぞれの取組を統括して、どのような成果が生まれているのか、どのように評価されているのか、是非お聞かせいただけますでしょうか。また、今後どのような可能性を見据えているのか。
加えて、令和六年度の技術関係経費が五十億円であったうち、AI関連への投資規模はどの程度であったか。AI時代の公共放送としてのビジョンの実現という観点から、今の投資規模、配分をどのように評価されているのか、お聞かせください。
○山名参考人 お答えいたします。
AIは、公共放送として正確で信頼できる情報を届けるとともに、業務の効率化、生産性向上、コンテンツ制作の高度化、これを進める上で重要な技術であるというふうに認識しております。
しかしながら、現時点では、AI関連投資のみを独立した予算項目として切り出して管理をしておりません。そのため、今、AI関連投資額としてお示しできる数字はございません。
また、海外の公共放送との比較につきましては、各国で制度、財源、業務範囲、研究開発体制が異なるため、投資額などで単純に比較することは適切ではないと考えております。
重要なのは、投資額の多寡ではなくて、AIを公共放送の使命に沿って有効に活用し、視聴者・国民へのサービス向上や業務改革につなげていくということだと思っております。
NHKとしましては、AIの重要性を十分認識しておりまして、今後も、正確性、信頼性の確保、そして、著作権や個人情報への配慮、透明性の確保などに留意しながら、必要な領域に経営資源を重点的に配分し、AIを活用してコンテンツサービスの充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
私自身がお聞きしたかったのは、海外との比較という観点よりも、今の投資規模、配分がNHK御自身が達成したいビジョンの実現のために十分かどうかということがございます。是非、今後も予算を確保されていくことになると思いますけれども、御自身のビジョンを実現するためにどういった金額が必要なのか、そして、どこまで実現できているのかといった観点で評価していただければと思います。
続きまして、アーカイブの国家位置づけについて質問を進めてまいります。
昨年十一月、参議院総務委員会で林大臣から、NHKアーカイブは高品質な日本語データとして貴重な資産であり、AI開発に活用されることは意義深いという御発言をいただきました。
一方で、英国BBCは、公共放送としての使命の下、膨大なアーカイブデータを、AI学習、また活用のため公共財として位置づけ、独自のAI戦略を実行に移しており、政府が主体的に関与している点が日本と大きく異なります。
同様に、ドイツでも、ARDとZDFのアーカイブを公的AIインフラとして活用するプロジェクトが政府主導で推進されております。
これがなぜ英国やドイツでは政府が主導できるのか、様々な理由があるかと存じますが、その一つに、これらの国では、放送アーカイブのAI活用に関わる利権処理や個人情報保護の制度的障壁を政府が整備しているからであると考えております。
翻って日本を見ますと、NHKのアーカイブには多重の権利構造がございます。出演者、脚本家、音楽著作権など、複数の権利者全員の許諾が必要で、NHKが単独で動かすにはかなりのリソースが必要となると推測をしております。
さらに、個人情報保護法上の問題もございます。報道目的で収集された情報は、AI学習に用いること自体は一定可能だとされております。しかし、その情報をAIから出力することは、目的外利用、第三者提供に当たる可能性があり、現行制度の下では容易ではございません。学習はできても出力ができない、この非対称性がアーカイブ活用の制度的な障壁になっていると考えております。
そこで、総務省にお伺いをいたします。
総務省として、NHKアーカイブをAI時代の知的資産、国家資産として位置づけ、AI学習データとしての活用をNHKに対してどのように要請、促進をしていくお考えか、林大臣、是非お聞かせください。
○林国務大臣 NHKが保有をしております放送番組等のデータ、これは受信料によって制作された貴重な資産でございまして、安全、安心で信頼できるAIの開発においても活用されるということは意義のあることと考えております。
NHKによるこのデータの提供に当たりましては、利用の目的及び範囲を検討した上で、今ちょっとお触れになっていただきましたが、当該コンテンツに関わる権利の保護、これに留意しつつ、モデルケースとなる事例を創出いただきたいと考えております。令和八年度NHK予算に付した総務大臣意見においてもその旨を示しております。
なお、具体的にどのようなデータをどのような条件で外部に提供するかにつきましては、NHKにおいて適切に判断をしていただきたい、そういうふうに考えております。
○武藤(か)委員 ありがとうございます。
一つ質問があったんですけれども、時間になりますのでスキップさせていただきまして、まとめに入りたいと思っております。
NHKのアーカイブですけれども、先ほど林大臣からもおっしゃっていただきましたとおり、国民の共有の財産であるというふうに思います。AIによる活用を実現するためには、著作権処理の問題に加えて、個人情報の出力の規制という制度的課題にも向き合う必要がございます。一つの方向性として、既に報道、また放送されたコンテンツに含まれる情報については、AI出力を可能にするといった制度的な手当てが検討できるのではないかなというふうに思います。
是非、林大臣のリーダーシップの下で、デジタル庁ですとか個人情報保護委員会とも連携しまして、省庁横断で検討の場を設けることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○古川委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
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○古川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
日本放送協会令和六年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書について採決いたします。
本件について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本件は異議がないものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時十三分散会

