衆議院

メインへスキップ



第11号 令和2年4月10日(金曜日)

会議録本文へ
令和二年四月十日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 田中 良生君

   理事 あかま二郎君 理事 井林 辰憲君

   理事 うえの賢一郎君 理事 津島  淳君

   理事 藤丸  敏君 理事 末松 義規君

   理事 古本伸一郎君 理事 伊佐 進一君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      井上 貴博君    石崎  徹君

      今枝宗一郎君    勝俣 孝明君

      門山 宏哲君    金子万寿夫君

      小泉 龍司君    國場幸之助君

      鈴木 隼人君    田野瀬太道君

      高木  啓君    武井 俊輔君

      辻  清人君    西田 昭二君

      古川 禎久君    本田 太郎君

      牧島かれん君    宮澤 博行君

      宗清 皇一君    山田 賢司君

      山田 美樹君    海江田万里君

      岸本 周平君    櫻井  周君

      階   猛君    野田 佳彦君

      日吉 雄太君    森田 俊和君

      石井 啓一君    清水 忠史君

      青山 雅幸君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   経済産業副大臣      牧原 秀樹君

   内閣府大臣政務官     神田 憲次君

   財務大臣政務官      井上 貴博君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  能登  靖君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  二宮 清治君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 黒田 岳士君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  原  宏彰君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局長)  森田 宗男君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  中島 淳一君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    栗田 照久君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  開出 英之君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 竹内  努君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 桑原  進君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           神田 眞人君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    矢野 康治君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    岡村 健司君

   政府参考人

   (国税庁次長)      田島 淳志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    藤木 俊光君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   財務金融委員会専門員   齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 委員谷畑孝君が退職された。

同月十日

 辞任         補欠選任

  門山 宏哲君     秋本 真利君

  高村 正大君     西田 昭二君

  武井 俊輔君     金子万寿夫君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     門山 宏哲君

  金子万寿夫君     武井 俊輔君

  西田 昭二君     高木  啓君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     高村 正大君

    ―――――――――――――

四月九日

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)

三月三十日

 消費税率を五%に引き下げ、複数税率・インボイス制度の即時廃止を求めることに関する請願(長谷川嘉一君紹介)(第三五八号)

 消費税率五%への引下げに関する請願(畑野君枝君紹介)(第三七五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)

 財政及び金融に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣審議官能登靖君、内閣審議官二宮清治君、内閣府大臣官房審議官黒田岳士君、沖縄振興局長原宏彰君、金融庁総合政策局長森田宗男君、企画市場局長中島淳一君、監督局長栗田照久君、総務省大臣官房総括審議官前田一浩君、自治税務局長開出英之君、法務省大臣官房審議官竹内努君、外務省大臣官房審議官桑原進君、財務省大臣官房総括審議官神田眞人君、主税局長矢野康治君、国際局長岡村健司君、国税庁次長田島淳志君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助君。

國場委員 貴重な質問の機会をありがとうございます。

 まず、新型コロナウイルスについて経済との関係についてお尋ねしたいと思います。

 新型コロナによりお亡くなりになった皆様方に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、感染された皆様にはお見舞いを申し上げます。そして、医療の最前線で活躍をされている皆様方に心から敬意と感謝を申し上げます。

 日々感染者がふえていき、緊急事態宣言も出され、多くの国民が先行きの見えない状況を不安に思っております。そういうときだからこそ、国民の心を一つにし、気持ちを高めるリーダーの言葉が大切だと思います。

 多くの政治経験と実績を重ねてきた、総理大臣も経験されております麻生大臣から、危機におけるリーダーのあるべき姿勢として、感染症拡大と経済に不安を抱いている国民へのメッセージをまずお願いします。

麻生国務大臣 国民各位がいろいろな、いわゆる初めてのことでもありますので、不安があるということから、緊急事態を発出するというような状況になっておるということに関しましては、いろいろ、いつどうなるのかということに関する不安というのは、これは皆さんお持ちなんだと思っております。

 外出自粛要請というのに対しての御協力をお願いしているとか、また、社会機能ですかね、そういったものの維持のために、事業の継続等々を、ぜひ雇用はそのまま維持していただきたいとかいろいろなお願いをさせていただいているような状況ですけれども、そうした状況の中にあって、総理がみずから直接、今回、記者会見を含めて三回ぐらいいろいろな形でのメッセージをやっておられるので、今週だけでもそういった会見を行っておられるというのは、これはそれなりに意義は持っているものだと思っております。

 よくリーマンと話が比べられますけれども、リーマンのとき、その前の九七年の通貨危機のとき、このときは金融自体が危機だったんですから。今回は金融は総じて安定をしておりまして、問題は、物と人が動かないということによって消費が、景気というのが落ちてきているという方が問題なんでして、そういった、いわゆるリスクのときにおける有権者、国民との間のコミュニケーションというものの重要性というものを頭に置きながら、あらゆるレベルで情報発信というのをタイミングよくわかりやすく説明していかないかぬというところが大事かなと思っております。

國場委員 ありがとうございます。

 リーマン、そしてまた九七年の通貨危機といったことに言及されておりました。

 いろいろな動きを見ていますと、今回の感染症というものはスペイン風邪以来の世界的な危機でもあり、そしてまた、経済の面におきましては、世界大恐慌以来の危機になるかもしれない、そういう不安の声も聞こえております。

 大恐慌というのは英語で言いますとザ・グレート・ディプレッション、そしてまた、ディプレッションという言葉は、心理学ではうつという意味も持っております。やはり経済と人間の心理というものは一体であると思っておりますし、勇気の出る、団結できる、そして国民の気持ちを鼓舞する言葉を発することも、私は重要な経済政策になり得ると思っております。

 いろいろな不安がありますけれども、特に国民から聞くのは、いつまでこの自粛が続くのか、経済の反転攻勢は時期はいつなのか、そういった声を聞きますけれども、大臣の見通しというものを教えてください。

麻生国務大臣 時期につきましては、これは先生、今までで答えが、まだ薬もない、ワクチンもないという状況でありますが、これはお医者さんによってもいろいろ言われることが皆違っておられますのでね。

 麻生さん、風邪が六月にはやったことなんかありますかとか言われて、いや、夏になったらこんなもの、風邪なんていうのはなくなるんですよと、もうえらい簡単にばっと言われる、切って捨てられるように言われる方もいらっしゃいますし、病院に入院している人、八割退院しておるんですよと、はあ、知っていますと。薬がないんですよ、二週間寝ていたら皆治って出ていったという話をしているんですよと言われるような方もいらっしゃれば、傍ら、アメリカ等々を見ますと、きのうだけでも何千人ふえておられる、六千人ぐらいふえていましたかね、きのう一日で。ニューヨークでも四千ぐらいふえておりますので。

 そういった状況で、死者数の数が日本のように百人ちょっとというところと、片一方のように万を超えている国と、やはり比較するとちょっとなかなか難しいので、海外の話の方が結構難しいような状況で、ウイルスの種類が違っているんじゃないのといったり、変異しちゃっているんじゃないのという御意見もあったり、なかなか意見の分かれているところなので、何ともお答えのしようがないところなんですけれども。

 少なくとも今、総理が言われましたように、人と人との接触を七割減らしてくれ、八割減らしてくれという話が功を奏すれば、少なくとも、半月、二週間ぐらいで一応のピークアウトというんですか、一番の状況からは落ちついてくるのではないかという話になってきて、中国でおさまってきた、ヨーロッパでも少しおさまってきたとか、いろいろな情報は飛び交ってはいますけれども、今、日本でも全然起きていない県もありますから、そういった意味では、地域によって随分差があることは確かなんだと思っておりますので、減少させるということに関しては、少なくとも、薬が開発されるとかワクチンが開発されるまでの間は、これはなかなか不安というのはそんな簡単に抜けないんだと思っております。

 私どもとしては、そういった薬等が開発されるまでの間、少なくとも、今、雇用を維持するとか会社の継続を維持するための資金繰り等々をやる部分と、それが一応おさまった段階で、はいと言って、そこから回復、経済的にはV字回復とかいろいろな表現をしますけれども、反転をしていかないかぬというときに底が抜けているともう反転のしようもありませんので、そこまでもたせるための対策と、それから後のあれとはちょっと二つ分けてやらないかぬところだと思いますので、政治姿勢としては準備をしておくというところはすごく大事なところだと思います。

 いずれにしても、この前、一応、閣議で、経済対策百八兆というのを考えておりますけれども、そういったものは、その後の部分と先の部分と二つをある程度分けて考えないかぬと思っておりますので、私どもとしては、準備を両方しておかないかぬ、薬開発とかそういったような対応とその後のV字回復のための対応と、二つ対応を考えておかねばならぬところだと思っております。

國場委員 私は、未来が予測できなければ、未来そのものをつくるという政治の意思も大切だと考えております。

 それは、来年、日本はオリンピック、パラリンピックを中止ではなく延期と決めております。そして、いろいろな評価はありますけれども、我が国は、国民の多くの理解もあって、この感染症の拡大に、医療危機も、今本当に危険な状態であるとは思いますが、よく協力をして団結をしていると思います。

 感染症対策専門家会議によるさまざまな分析、提言に耳を傾けるのは極めて重要でありますけれども、やはり私は、例えば、この五月の、一カ月間の行動自粛、八割の接触を避けてほしいという政府、総理の言葉、これを国民がみんな守り、そうすれば、六月から感染症に配慮しながら少しずつ日常生活を回復をし、七月、八月の夏には経済の反転攻勢の準備にかかりたい。そういう、予測はできないかもしれませんけれども、目標をつくって、だからこそ今、国民にこういう厳しい苦労を強いているし、なおかつ、生きていくだけの支援の経済対策は打っていく、こういう未来に対する意思というものを示すことが私は大切であると考えております。

 その上で、次の質問に移りたいわけでありますが、緊急事態宣言が今週出されました。これは、感染者が爆発的に拡大をし、医療崩壊を避けるためには重要なことであると考えております。しかし、目に見えない感染症拡大の危機というものが、現金が手元から急速になくなるという目に見える恐怖として多くの国民を不安に陥れております。

 そこで、まずお尋ねしたいんですけれども、本来は、緊急事態宣言とこれに伴う緊急経済補償、これはセットで国民に説明をしていくべきであると考えておりますけれども、答弁をお願いします。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の新型コロナウイルス感染症の影響によって、営業自粛にならなかった事業者の方々も含めて甚大な経済被害が生じているところでございます。そこで、営業自粛に御協力をいただいた事業者だけ自粛に伴う損失を補償するということは、公平性の観点から慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。

 一方で、今回、経済対策を取りまとめておりますが、売上げが大幅に減少した事業者に対して、資金の使途に制限がない現金の給付を行うということにしております。このことによって、営業自粛に伴う売上額の減少によって支払いが困難になる各種費用に充当いただくということができると考えております。

 また、都道府県の判断ではございますけれども、営業自粛に協力していただく事業者に対して協力金を支払う動きがあるというふうにも承知しております。

 今回の経済対策では、自治体と連携して、こうした協力金に使うことができる仕組みも御用意させていただいております。

國場委員 ありがとうございます。

 このような、緊急事態宣言に伴うさまざまな経済に対するダメージを受けた国民には、政策をパッケージでわかりやすく説明していくことが大切であると考えております。

 この中でも非常に問合せの多い持続化給付金と生活支援臨時給付金について、お尋ねをしたいと思います。

 それぞれ条件付で今給付の準備をしていると思いますけれども、スピードを重視すれば、一律に給付すべきではなかったのか、このような声が非常に強いんですけれども、この点に対する答弁をお願いします。

奈須野政府参考人 まず、私からは持続化給付金について御説明させていただきます。

 持続化給付金でございますけれども、年末までの間に売上高が前年同月比で五〇%以上減少している月が一月でもある場合に、該当月の売上げを十二倍した額と前年の売上げの差額について、中堅・中小法人に二百万円、個人事業者に百万円を上限として現金の給付を行うこととしております。

 これは、中堅・中小企業の皆様が置かれている厳しい状況に鑑みまして、売上高が大きく減少している事業者も多く出ているというふうにお聞きしておりますので、本当にお困りの皆様に支援をお届けする観点から検討しているものでございます。

黒田政府参考人 生活支援臨時給付金についてお答え申し上げます。

 昨今、感染拡大の防止に最優先に取り組む中で、さまざまな活動の自粛やインバウンドの落ち込みなどによりまして、飲食業、観光業などを中心に著しく収入の減少が見られます。例えば、ヒアリングなどを聞いておりましても、売上げの五割から八割とか、六割から八割とか、すなわち半減以上、著しく減少がされているというヒアリングの結果もございます。こうした中で、生活に困難を来している方々がいらっしゃいます。

 こうした状況を踏まえまして、この足元の二月から六月におきまして、甚大な影響を受け、収入が激減し困難に直面している世帯を対象とし、迅速に集中的に思い切った支援を行うこととしたところでございます。

 給付の手続については、対象世帯や市町村の事務負担を考慮してなるべく簡素なものとし、できるだけ早く円滑に給付が行えるようにしてまいりたいと考えております。

 なお、国民全員若しくは全世帯を対象に給付を行う場合は、過去の例に照らして考えますと、まず、給付に漏れがないようにしなきゃいけないということで、自治体においてシステム改修等を行った上で、まず、全世帯に申請のための案内を送付するとかいったことがございまして、給付の開始までに相当な程度の時間を要していたと承知しております。

國場委員 それぞれの給付金の御説明、ありがとうございます。

 そして、今答弁にもありましたように、今回、スピードが大切だと思います。総理も七日の記者会見で、一律給付は約三カ月かかるんだ、今回の三十万円の生活支援臨時給付金は来月にも、一カ月で支給可能であるという発言がありました。これは自治体の協力、さまざまなシステムの整備というものも必要とされていると思います。

 ですから、今回はあくまでもスピードを重視して、一日でも早く国民に、困っている方に届ける、そこに重きを置いたということが正確に伝わるようにしなければ、一律の方が早いのに何で一律にしなかったんだ、こういう見解もありますので、丁寧な御説明を引き続きよろしくお願いします。

 続きまして、持続化給付金の対象期間について質問をしたいと思います。

 生活支援臨時給付金は二月から六月までの月収の証明、フリーランスから中堅企業対象の持続化給付金は一月から三月までの事業収入の証明と、これは報道で私は理解しておりますけれども、なっておりますけれども、事業者によっては影響が四月以降に出てくると懸念している声もありますが、この時期も対象になるんでしょうか。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 持続化給付金については、感染症の拡大による事業の影響の発現が、その時期が業種や業態によって異なりますので、年末の十二月までを期間というふうにとっております。

國場委員 ありがとうございます。

 さまざまな給付金の支給に時間と手間がかかると言われております。それは一つの今後の課題として、マイナンバーをもっと有効に活用すればもっと早急に給付金の準備ができる、国民に届けることができるという声があります。

 新型コロナに関して、個人を対象にした各国の支給状況を見ていきますと、三月の十七日に支給を開始したニュージーランドを始め、既に実施中の国は、ドイツ、フランス、オーストラリア、タイ、フィリピン、インド、これは全て実施中であります。

 日本も、もっと、マイナンバー等を有効に活用すれば支給のスピードも増すと考えられますけれども、この点についての答弁をお願いします。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、今回の給付制度におけますマイナンバー制度のインフラ活用につきましては、先日閣議決定されました緊急経済対策におきまして、市町村の事務負担を考慮するとともに、申請者の事務負担を考慮して、可能な限り簡便な手続とする、あわせて、オンライン申請受け付け等のシステム整備を行う、その際、マイナンバーカードの活用等、迅速な給付システムについて検討を行うとされてございます。

 緊急経済対策を踏まえました具体的な対応については、給付金を所掌する総務省において検討が進められるものと承知しております。

 このような状況の中で、マイナンバーカードを活用しオンラインで支給申請を行うことにすることは非常に重要であると認識しておりまして、番号制度を担当する内閣府としましても、総務省とよく連携してまいりたいと考えてございます。

 なお、マイナンバー制度の中で、マイナンバーそのものにつきましては、マイナンバー法におきまして、法律、条例で規定された社会保障、税、災害分野の行政事務の処理に限定されておりますので、法律改正が必要になってくるものと考えております。

國場委員 ぜひ、このことも大きな課題として、体制づくり、検討に努めていただきたいと思います。

 続きまして、公庫の無利子無担保融資についてお尋ねをしたいと思います。

 これは新型コロナ対応によってつくられておりますけれども、無利子無担保の融資の条件というものは、最近一カ月の売上げが前年又は前々年と比較して五%の減少、又は業歴三カ月以上一年一カ月未満の場合は最近の一カ月の売上高が五%以上の減少が適用条件です。

 しかし、この新型コロナという感染症対応のものとしては、極めて時間がかかると思います、未来に対する予測が。ですから、今は減少していなくても、一カ月以内に明らかに五%以上減少すると判断される事業者に対しては対象とするべきであると私は考えておりますけれども、この点に対する答弁をお願いします。

神田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般、日本政策金融公庫などにおいて特別貸付制度を創設し、國場先生御指摘のとおり、現に売上げが急減したことを要件といたしまして、中小・小規模事業者に対する実質無利子無担保の融資などの強力な資金繰り支援を行っているところでございます。

 しかし、将来的に業況が悪化する見通しの企業に対し、仮に貸付要件を満たさない形で貸付けが行われるとすれば、ほかの事業者との公平性、妥当性の観点から望ましくないと考えられます。したがって、要件を確認の上、何よりも、先生おっしゃるとおり、迅速に、迅速に対応してまいりたいと考えております。

 ただし、しゃくし定規にやっているわけではございませんで、実際の現場におきましては、例えば、貸付要件である最近一カ月の売上げの減少について、単純に、申込みのあった月の直近月、つまり前月の売上げを基準として確認するだけじゃなくて、急に業況が悪化している場合もございますから、申込み時点からさかのぼって一カ月間の売上げもあわせて確認することで、足元の売上げ減少の状況も勘案するなど、柔軟に対応しているものと承知してございます。

 いずれにいたしましても、今一番大事なことは、資金ニーズに最大限のスピードで応えていくことでございまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

國場委員 この緊急事態宣言に伴いまして明らかに事業が苦しくなってくる業種、飲食店とかバス、タクシー、ホテル、旅館といったものは、一月たてば赤字になることは事業者はもうわかっているわけですよ。ですから、この切迫感と、融資担当者のまさに目ききだと思います。こういった洞察力を研ぎ澄ませば、私は明白だと思っております。

 今、答弁の中でも、これは柔軟に対応するということをおっしゃっておりましたから、やはりこの点は、減ったから来なさいという話じゃなくて、明らかに減ると見きわめれば対応できるような、柔軟な、一社も潰さない、そういう強い使命感でもって対応いただきたいと思います。

 次、公庫の中で、沖縄公庫についての今の体制、どのようになっておりますでしょうか。融資までの決定の迅速化は成果が出ているかについての答弁をお願いします。

原政府参考人 お答えいたします。

 沖縄振興開発金融公庫におきましては、一月二十七日に特別相談窓口を設置をいたしておりまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地元企業からの融資相談を受け付けております。その実績は、四月八日時点で、同窓口経由の融資申込件数が千五十八件、そのうち融資決定件数が六百六件となってございます。

 また、同公庫におきましては、処理迅速化のために、提出書類の簡素化、審査プロセスの簡素化、融資相談、審査要員の増員、審査決裁ラインの複線化などの取組を行ってございます。こうした取組を行うことによりまして、融資申込みから融資決定までの処理日数、土日を含めた日付ベースでございますけれども、昨年度実績が平均七・一日である一方、新型コロナウイルス関連融資については、四月八日時点でございますが、平均四・七日ということでございます。

 公庫におきましては、引き続き、沖縄における政策金融機関として地元企業に寄り添った対応の徹底を図るとともに、きめ細かな、迅速な資金繰り支援に努めていくことといたしております。

 以上でございます。

國場委員 ありがとうございます。

 質疑時間が終了したようでございますので、ありがとうございました。

田中委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 おととい発表になりました街角景気、三月の指数が一四・二ポイントまで下がった。これはもうリーマンよりも悪いし、東日本大震災よりも下回っている、過去最悪という状況になっています。

 こういう厳しい中で事業継続をどうやっていくか、経済をどう維持していくかという話、この緊急経済対策にも資金繰り対策というものが盛り込まれておりますので、ここを中心にきょうは質疑をやらせていただきたいというふうに思っております。

 まず、公庫、政策金融公庫について質問させていただきます。

 窓口は本当に今もう申請が殺到しておりまして、地域でもいろいろ話を聞いておりますと、そんな中でも、公庫の皆さん、現場、一生懸命対応していただいて、頑張っていただいている。

 今回の特別貸付制度というところが実質無利子無担保で融資がされる。これは中小企業の売上げが二〇%落ちた場合、個人事業主の場合は要件がなしで受けられるというもので、これを今回、もともと五千億円規模でやっていたものを十兆円規模に拡大していくということになりました。

 現場で聞いて、いろいろお話を伺っていますと、これは非常に助かる制度だというようなお声もあります。同時に、ただ、やはり、とにかく迅速に、とにかく早く出してほしいという声が強いです。

 中には、いろいろなケースがあるんでしょうが、例えば四月上旬に申請をした、受け取っていただいた、いつ入りますかと聞いたら、入金に一カ月かかるというふうに言われているような例もあるというふうに伺っております。

 また、審査を受けたら、今回の無利子の融資を受けようと思って、窓口に行って相談をしたら、最終的にはお金は出たんだけれども、無利子じゃなくて有利子で受けることになった、本当に柔軟な対応をしていただいているのかな、こういう声もあります。

 もちろんケース・バイ・ケースだろうと思いますし、受け付けたものを全て、無利子でどんどん審査もなく出すというわけではないというふうに当然思っております。

 ただ、こういう状況の中で、今回、大規模に補正予算でも資金拡大していくわけですから、とにかく早く、迅速に、できる限り柔軟にということで対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

井上大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、このたびの特別貸付制度というのは、今回の第二弾、そして次の補正予算の大きな柱になるというふうに思っています。

 そういう中で、この新型コロナウイルスの感染症に向けまして、言われるとおり、事業者が資金繰りについては本当に大変厳しい状況が続いているということは承知しております。

 そういう、特に年度末ということもありまして、先月の、三月の六日、十六日、官民の金融機関に対して、事業者の実情に応じた十分な対応を行っていくよう、麻生大臣から要請を行ったところでございます。

 また、緊急事態宣言を出した翌日八日にも、総理から、官民金融機関に対して、貸付条件の変更に係る迅速な、柔軟な対応、迅速な融資の実行などをお願いしたところであります。

 今御質問がありました日本政策金融公庫につきましては、先月の十日決定した緊急対応対策第二弾の中で実質無利子無担保を内容とする新貸付制度が導入されたことに伴いまして、融資申込件数が急増しております。

 これに対応するために、公庫としては、本店から支店への応援要員の派遣、そして、ちょうど三月のときに定期人事の異動の時期でありましたけれども、異動を延期してもらう、その場で対応してもらえるような状況をつくるということと、人員を拡張するということをやらせていただいて、融資の手続の迅速化に取り組んでいると承知しております。

 今後とも、事業者の資金繰りが、生じることのないように、適切に取り組んでいきたいというふうに思っております。

 融資の手続の迅速化には、調査の項目の絞り込み、それから支店への決裁権限の委譲、本店に決裁権限があったものを支店で決裁できるというような状況をつくっておりますので、先生御指摘のとおり、適時適切に、迅速に対応できるように、多くの人たちを救えるような状況をつくる、これは一番大きな柱ですので、一生懸命取り組んでいきたいというふうに思っています。

伊佐委員 ありがとうございます。

 もう本当に現場の皆さんも大車輪で頑張っていただいていると思いますが、企業の声をもうそのままお届けすると、とにかく迅速にということでございます。重ねて申し上げておきたいと思います。

 次に、民間金融に関する話です。

 今回、公庫も窓口が大変ですので、融資窓口を拡大するということで、地方公共団体の制度融資を活用して民間金融機関で実質無利子無担保の融資を受けることができる、こういう制度を盛り込んでおりますが、これは、どれぐらいの規模感で、どういう企業が対象になるのか、ちょっと制度の概要を説明いただければと思います。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の無利子融資ということでございますけれども、中小・小規模事業者への融資窓口を拡充するという観点から、地方公共団体の制度融資というのを活用いたしまして、売上高が減少した中小・小規模事業者が、民間の金融機関でも、実質無利子無担保、それから据置き最大五年間の融資を受けるということができる制度ということでございます。あわせて、売上高が減少している方に対しては、保証料についても減免させるといったものでございます。

 このため、事業規模としては約二十四・二兆円、それから予算規模としては二兆七千億円ということを措置しているというところでございます。

伊佐委員 これは本当に、民間金融機関、先ほど二十四・二兆円規模とおっしゃっていただきましたが、公庫が今回積むのが十二・六兆円規模なので、今回民間でやるのはその倍ぐらいということになります。かなり大きな措置だというふうに思っております。

 ここでもやはりスピード感が大事だというふうに思います。これは企業からすれば、民間金融機関は日ごろからおつき合いのあるメーンバンクさんであったりとかということですので、ある意味、一から審査が始まるわけじゃない。よりスピード感が期待されるわけですが、じゃ、この制度はいつから開始されるのか、また、手続はできるだけ簡素にという点、迅速性。もちろん審査というのは民間の金融機関だけではなくて、信用保証協会もこれは絡んできますので、信用保証協会の審査も必要になるわけです。この二つの審査があるわけなので、ここもあわせて審査も迅速にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 民間金融機関による実質無利子融資につきましては、各自治体と協議を進めながら制度の詳細を現在検討中でございます。必要な方に迅速かつ円滑な支援が行われるよう、補正予算成立後の速やかな実施を目指しているところでございます。

 また、制度の開始後も、申込みに係る書類を極力簡素なものとするとともに、保証協会の審査手続についても迅速な対応を徹底してまいりたいと考えております。

 このため、既に、経営支援とか回収業務といった保証部門以外の方から保証部門に人員を応援するといった柔軟な人事配置であるとか、あるいは、資金の出入りを記録した資金繰り表というのがあるんですけれども、こういったものを原則不要にするといった提出書類の簡素化、手続の簡素化、迅速化、事業者の負担の軽減に取り組んでいるというところでございます。

伊佐委員 一点確認をさせていただきたいと思います。

 実は、この都道府県による制度融資というのは、今既にほとんどの都道府県でやっています。現在制度を持っている。そこから実際に借りている方々、民間企業というのもありまして、その制度にもよりますが、利子の補給を受けているところもあれば、利子は企業が負担しているところも、いろいろあります。

 以前からこの制度融資を使っていて、民間金融機関から借りている会社、事業者、こういう方々は、今回のこの制度で、この無利子の制度に借りかえられるようにしてほしいと思いますが、どうでしょうか。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者の方には、既往の保証つき融資における月々の返済負担で苦しんでいる方もおられるというふうに承知しております。

 このため、制度開始前の既往の保証つき融資につきましても、売上高の減少などの要件を満たせば実質無利子融資への借りかえを可能とすることで、事業者の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 既に借りている方々は借りかえられるということです。

 ちょっとここは一点、大事な点だと思うのであえて発言させていただきますと、今回のこの融資制度というのは、まず自治体がお金を出して、そこに後で国から十分の十支援するということになります。つまり、これは地方の債務負担行為が発生するんです。予算化しなきゃいけないんです。

 だから、さっきできるだけ早期に制度を開始しますと言いましたが、恐らく五月の初旬ぐらいからという想定をしていると思いますが、五月の初旬で、我々は補正予算がもし国会で通過したとしても、地方議会にお願いしないとこれは使えません。だから、我々国会、それぞれ地域を持っていらっしゃると思いますので、地方議会でもしっかりとお願いをしていく必要があるということをあえて発言をさせていただきたいというふうに思います。

 次は、七日付で、民間金融機関に対して金融庁の方から具体的な形で要請があった。民間金融機関に対しての条件変更の要請です。企業からすると、一番望んでいるのは、よく聞くのは、支払いの一定期間猶予というものができないかというふうに望まれておりました。この条件変更の中で、本当に資金繰りが苦しいところは、何とかモラトリアムで、猶予してほしいというふうな声が一番多いんですが、金融庁はここのところはどういう対応を考えているでしょうか。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに、委員御指摘のとおり、事業者から資金繰りに関する不安の声が非常に多く寄せられてございます。

 こういうような状況を踏まえまして、去る三月六日に、大臣から金融機関に対しまして、既往債務について、事業者の状況を丁寧にフォローアップしつつ、元本、金利を含めた返済猶予等の条件変更について、迅速かつ柔軟に対応することを要請させていただいております。さらに、三月十六日には、大臣から直接全銀協会長にもお話をさせていただいております。

 こうした要請が確実に実行されますように、金融庁におきましては、事業者の資金繰り支援の促進を当面の検査監督の最重点事項としておりまして、特別ヒアリングを実施するほか、その際に把握した金融機関の対応事例のうち好事例と考えられるようなものは取りまとめて公表しております。

 さらに、金融機関に対しましては、銀行法第二十四条などに基づきまして、貸出しの条件変更等の取組状況の報告を求めておりまして、今後その状況も公表していきたいというふうに考えております。

 また、金融庁及び各地の財務局におきまして、新型コロナウイルスに関する専門の相談ダイヤルを設置しておりまして、事業者から寄せられた相談につきましては、金融機関に還元の上、その適切な対応を求めていくということでございまして、こうした取組を通じまして、資金繰りが厳しい事業者に対する資金繰り支援をより一層強力に促してまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員 銀行によっては、本当に、今回特別の措置ということで、例えば三カ月間は全部支払いを猶予するというような措置をとっていただいているようなところもあります。こういういろいろな事例をどんどん金融庁は横展開をしていただいて、こういう民間金融機関の取組を広めていただきたいというふうに思っております。

 その中でもう一点、企業の皆さんが心配しているのは、与信の低下です。今回、さまざまな形で金融庁からもいろいろな通達を出していただいて、この条件変更を柔軟に受けるようにというふうに言っていただいております。さっき申し上げた、一定期間猶予であるとか条件変更すると、企業からすれば、これをやることで与信が低下していくんじゃないかという心配のお声があります。

 もう経営の瑕疵というよりもコロナウイルスによる損失ということでありますので、今回のこうした条件変更、さまざまな、一定期間猶予も含めて、こういうものを申し出て対応していただいたとしても与信は低下しないということを金融庁に確認したいと思います。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 民間金融機関が返済猶予等の条件変更を行った場合におけます当該貸出債権の区分、正常債権にするか要管理債権等にするかということにつきましては、事業者の実情を踏まえた金融機関の判断を尊重することとしておりまして、これは要請文にも明示させていただいております。

 また、金融機関には、これを踏まえまして、新規融資を含む事業者に対する積極的な資金繰り支援に取り組んでいただくように求めているところでございます。

 我々の考え方といたしましては、支払い猶予がなされている場合であっても、そのことをもって一概に新しい与信を拒否するということではなくて、事業者の経営状況ですとか将来見通しなどを幅広く勘案して与信判断をしていただきたいというふうに考えてございます。

伊佐委員 そうですね、一概に与信は低下しないんだということであります。そこも、今回の緊急経済対策の中でも、はっきりとは書いていませんが、そういうような取扱いもあったと思いますので、ここも今答弁をいただいたところです。

 最後、もう一個確認です。

 四月七日の要請の中で、これまでも実は対応可能だったわけですが、余り世の中に認識されていないようなこともありました。それをあえて明示したものもありました。それが住宅ローンです。

 この住宅ローン、あるいは個人の事業性ローンもそうだと思いますが、この月々の返済が非常に難しくなってきた、困難になってきた、こういう方々に対しての猶予、あるいは条件変更についても少し御紹介いただければと思います。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁におきましては、二月七日に金融機関に要請を出しておりまして、そこでは、お客様から金融サービスに関する要望があった場合には、お客様の状況等を十分に勘案して柔軟な対応に努めることを求めております。

 そのような状況でございますけれども、このところ、まさに御指摘のように、住宅ローンですとか個人向けローンの返済に関する不満の声、不安の声がいろいろ寄せられてまいりました。それを踏まえまして、四月七日に金融機関に対して新たに要請文を出したわけでございますけれども、そこでは、住宅ローンや個人向けローンについて、これまでの要請も踏まえて、更に個人顧客のニーズを十分に踏まえた条件変更等について迅速かつ柔軟に対応することを要請しております。

 こうした取組を幅広く周知するために、資金繰りやローンの返済でお困りの方の支援に係るリーフレットを作成して、現在周知を行っているところでございます。

伊佐委員 この住宅ローン、個人のローンについても柔軟な対応をされるということは、恐らく余り皆さん知らないと思います。リーフレット等というふうに言っていただきました。幅広くこれも周知をお願いしたいというふうに思います。

 次に、世界経済について伺いたいと思います。先に大臣に伺いたいと思います。

 来週、IMF総会、そしてG20の財相・中央銀行総裁会議というものが開かれます。恐らく、こういう状況ですので、テレビ会議の開催になるというふうに思っておりますが、この会議に臨むに当たりまして、こういうコロナの中での世界経済、今の認識、あるいは、今後どういう方向に世界経済が向かっていくのかという点でありますとか、この会議に臨む大臣の思いというものをいただければというふうに思います。

麻生国務大臣 テレビ会議等々、このところ、電話によりますものやら何やら含めましていろいろやらせていただいておるんで、IMFで三回か、それからG20で三回、いろいろこの会議をやらせていただいておるんですけれども。

 いろいろな政策を今回出していくので、アメリカ等々がやりました、よく話題に出ます一兆ドルでしたっけね、等々出しておりますが、ああいったものが、ちょっとイタリアまではよくわかりませんけれども、アメリカが、これは額でいくと、その国の人口やらGDPがいろいろありますので、GDP比で約一〇%ぐらい、それからイギリスがやはり一八%ぐらい、それからフランスが一三、ドイツが二一、カナダが一一%ぐらいの対GDP比のいわゆる規模で我々やらせていただいているんですが、私どもの場合、百八兆ということは、五百五十兆でいきますと約二〇%ちょうどあたりぐらいになるんだと思います。

 我々もこれをやりますということを閣議決定して、四月にはこれを国会でも通しますという話等々、我々のやっていることをきちっと説明をしてやりませんと、日本の場合、まだ亡くなられた方が約百人ちょっと、アメリカはニューヨークだけで一万人とかなんとかいう騒ぎになっていますので、ちょっと、すごい大きな数字になってきているような気がしますけれども、各国でもいろいろ、担当しているG7の財務大臣等々、俺のところのやっていることは大丈夫かとか、いろいろなことを考えるんですよ、やはり。だから、そういった意味では、いや、俺のところはこうやって、ああやっているという話をみんな聞いて、ああ、これは使えるなとか、いろいろな話をみんなお互いに意見交換するというのは、これはすごく大事なところなので。

 いずれにしても、まだ薬ができていませんから何とも言えませんので、今、やはり、日本が百何人とか、この間のときは六十人ぐらいだったので、六十人というと、きのうは何人だった、いや、きのうってどういう意味だと言うから、いや、きのうって、おまえ、一日で六十人、いや、違う違う違う、これは一月から三月いっぱいで六十人というような話をすると、ほかの国から聞いたら、何か桁が一つ二つ違っていますから、おまえのところ薬があるのかとかなんとかいうような話になるほど、ほかの国との情報交換というのはしておかないと、日本だけの話になりますと、極めて閉鎖された状況なので、こういったものは広く交換をするというのは大事だと思っておりますので。

 このG7、今週がIMF、ゲオルギエバですからIMFCがあるんですかね、そういったのをやらせていただいておりますので、いろいろなところで対応をさせていただければと思って、こういった意見交換というのは極めて大事なものだと思っております。

伊佐委員 大臣、その中で、もう一問、これは最後の質問になると思いますが、ちょっと報道で、今回のその百八兆円の緊急経済対策の中に、IMFに、この支援のための資金提供が入っているという話。

 これ、SNSなんかいっぱい見ていますと、例えば、国内対策を最優先するべきなのに海外に支援するというのはどういう意味なのかというお声であったりとか、あるいは、百八兆円というこの緊急経済対策という中にこんなものまで紛れ込ませているのか、こういうようなお声もあります。

 この点について、これから表明されることであるかもしれませんので、詳細にはもしかすると言えないかもしれませんが、どういった趣旨でなされるのかということについて、改めて大臣から御発言いただければと思います。

麻生国務大臣 今回の感染症対策で、それは国内を優先的に取り扱うのは当然のことなんでして、今般の緊急経済対策の中でも、雇用の維持と事業の継続分というのは約十兆六千億のいわゆる国費を投じることにしておりますけれども、十分な規模の対策を講じることといたしております。

 一方で、人とか物とか金とかいうものが国際的というかグローバルにわあっと横断していく今の時代で、やはり感染症対策への貢献というのは、これも、うまくやると日本への流入、感染症の流入がとまることになりますし、それから、いわゆる今回サプライチェーンを再構築せないかぬということに意識がみんななってきておられると思いますので、一国に安いだけで傾斜したツケが回ってきたとかいろいろな表現がありますけれども、そういったことになっておりますので、我々としては、経済の回復ということを考えて、国際的なことをやることによって経済回復に資すると思っておりますので。

 感染しておられる国への緊急支援に対する拠出金の国際協力として約千三百億、千三百七十億ぐらいのものを計上することといたしておりますけれども、国内の十兆、感染症対策が千三百と、こうやって桁が二つぐらい違っておるとは思っております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 感染症対策は一国だけでできるものではなくて、やはり国際協調というものが大事だというふうに思っております。そういう意味で、来週、この協調をしっかりと構築して維持していく、そういう場にしていただければというふうに思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

田中委員長 次に、末松義規君。

末松委員 立国社の共同会派の末松義規でございます。

 きょうは、コロナの対策の関係を中心に言わせていただきたいと思います。

 まず、この短期間の間に本当にさまざまなメニューをそろえていただいたということで、本当に関係者の皆さんに、そこはお疲れさまですと申し上げたいと思います。

 まず、大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 大臣の方で、百八兆円の経済対策をおまとめになられたということで、そこは本当にお疲れさまですと申し上げたいんですけれども、百八兆円の中身をちょっと見てみると、これは私の感想を述べさせていただくのですけれども、そのうちの例えば二十六兆円が、これが納税猶予なんだと。納税猶予というと、結局、一年ぐらいですか、納税を猶予してあげているだけで、別にそれをまけている、あるいは免除するわけでもないので、百八兆円のうちの四分の一が納税猶予というのは、ちょっとこれは胸を張って言える状況じゃないのかな、誇れるものじゃないという気もするわけですね。

 さらに、その百八兆円のうちの九・八兆円、事業規模を合わせると十九・八兆円ということで、約二割とか、つまり十兆円と二十兆円を合わせて三十兆円ですか、三割近くが、これが一月に決まった昨年の補正予算、これをそのまま流用しているという状況でございます。これを考えると、先ほどの二十六兆円とさらに三十兆円近く、合わせると約半分ぐらいは、どうもそんなに誇れるものじゃないのかなという気がするわけなんですけれども。

 そして、真水と言われる新たな追加分ということで二十九・二兆ということを指摘しておられますけれども、これもよく見てみると、本当に真水というのは国の支出の十八・六兆円、これは新規の国債で賄っている。それと、あと地方の支出の〇・五兆円、これを合わせて約十九兆円ぐらいが本当の意味での真水かなということになるわけでございます。

 各国との並びがあって、もっと水増しをしなきゃいけない、そういうちょっと張りぼて感が強いんですけれども、それは私の感じたところでございまして、大臣もまた別途思いがあると思います。

 私の質問は、この納税猶予を含めて、あと景気が非常に落ち込んできている、更に落ち込む危険性があるということで、ことしの納税の見込み、これがかなり落ちるんじゃないかと思っていますけれども、大臣の御認識をお聞きしたいと思います。

麻生国務大臣 今二つ御質問をいただいているんだと存じますけれども、今の最初の部分で水増しという言葉を、何の基準で水増しだかよくわかりませんけれども、今まで、納税というか、延納していいというので、二十数兆円に及ぶようなことをやった例は過去にありません、日本の場合。リーマンのときにもその前のときの金融危機のときもやったことないと思いますね、あのとき。

 そういった意味では、今回、延納をしていいですよ、延滞金利要りませんよ等々の話は、これは経営者だった場合は、納税する額で用意した金を納税に充てることなく資金繰りに使えるというのは極めて大きな影響がありまして、しかも延滞金利は取らないという話ですから、そういった意味では、経営者の方からは、これは最も効果のあるやり方だったと言っていただいておりますので、その点に関しましてはそれなりの効果があるものですし、先ほど申し上げましたように各国同じことをやっておりますので、そういう国際ルールに基づきますと、同じことをやらせていただいておるということだと思って、水増しというような感覚は我々にはありません。

 それから、今の納税猶予制度で特例ということになった場合に、担保は不要で延滞税はなしとかいうような、納税を猶予するものなのであって、これは幅広い利用が見込まれると思いますけれども、御存じのように、令和二年度の税収について与える影響につきましては、これは切られる年度が、令和元年度分の税収が令和二年度の税収に入ってきますからね。

 そういった意味では、その点は増というようになりますけれども、令和二年度分の税収が令和三年度分の税収というようなものになるもの、こっちは減になりますので、そういったもので両方出てまいりますので、今の時点において、その影響がどれぐらいか挙げろというのはなかなか難しいんだと思っておりますので。

 いずれにいたしましても、令和二年度が今始まったばかりでもありますので、税収の動向については、ちょっと引き続き看視をしていかないかぬところだと思っておりますので、ちょっともうしばらく時間をいただかぬとこの額がどれくらいになってくるかまでは申し上げる段階にはありません。

末松委員 納税猶予が効果がないと言っているわけではないんですけれども、ただ、どうせ、ちょっと延ばして国民はまた納めるわけですから、そんなに何か、そこが免除するとか額を下げるとかそういう話であれば更にインパクトがあることができるのではないかという意味で、私も申し上げたわけでございます。

 ちょっと話題をかえまして、コロナウイルスの関係で、今、緊急事態の宣言がなされたということで言うんですけれども、西洋とは違ってロックダウンというものをするわけでもありません。ということは、かなりこれは、人の流通というか、そういった移動が、ある意味では強制力がないので、ある程度自由になされている、そういうことでもございますが、そうすると、感染者というのが、当然これからまた更にウナギ登りに上がっていくということは、これは強く、世界じゅうにも、ウナギ上がりに日本が上っていくんじゃないか、感染者が増大するという危険性があるねということが言われているわけでございます。

 そうなると、ここで危機管理上重要なのは、新型コロナウイルスの治療薬、これがかなり有効だということになれば、コロナウイルスに罹患してもかなり治るという希望がある。そういうことをやはり政治の面でもしっかりとやっていかなきゃいけない。

 ちょうど、そのウイルス、私も新型インフルエンザのときにかなり活動しまして、プレパンデミックワクチンとかパンデミックワクチンにかなり関与して、この前の緊急事態法もかなり貢献をさせていただいた経験から言わせていただければ、やはりこの治療薬があるという安心感が、これはかなり政治的にもいい効果を及ぼすし、国民の恐怖感が減って安心感が増す、これは非常に重要な危機管理だと思っています。

 ワクチンそのものは、大体半年から一年以上かかると言われているのでなかなか難しいし、この手のウイルスが突然変異をして効かないというようなことにもなってくる。

 特に日本の場合、かなりのお医者さんと話しますと、ヨーロッパに行ったL型のウイルス、これはかなり激しいウイルス、日本に来たのはS型のウイルスといって結構マイルドなウイルスという話がありますけれども、このL型の激しいウイルスが今度は日本にも来ているという状況にもあると言われておりますので、本当にこれから一番、この治療薬がある程度期待できるというようなことが本当に重要だと思います。

 その意味で、私、今回、政府の方で、このアビガンという薬、これが二百万人分の備蓄をするんだと。これはかなりの決断で、勇断であったと思いますし、私は評価しているわけでございます。さらに、今七十万人分の保管を、新型インフルエンザの薬として備蓄をしているということ、これは本当に重要なことだと思うんですけれども、私の方でちょっと問題だと思っているのは、実際に今このアビガンの使用の例といいますか、どのくらいの数のアビガンが使用されているんでしょうか。そこをちょっとお聞きしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたしますが、まず、その前に、委員から、今回の緊急宣言においても感染者数がウナギ登りになるのではないかというようなお話がございました。

 御指摘いただきましたように、確かに強制力が余り強いものではありません。というか、ほぼ個人の行動についてはないと言っても差し支えはないぐらいの法的根拠しかございません。ただ、人と人との接触を八割方減らすということで感染を防げるというのは、数理的にそのように出ているものですから、そういうお呼びかけをしております。

 その上で、罰則に頼るということではなく、国民の皆様の御協力をいただいて、その意識に頼ってそれを実現をするということが、もともとの特措法の意味、あるいは今回の緊急宣言の意味だと思っておりますので、この緊急宣言によってもなお感染者数がウナギ登りになるなどということを私たちは思っておりません。そして、そうならないように努めてまいりたいと思っております。まずそのことは申し上げます。

 その上で、アビガンの投与につきましてですけれども、国立国際医療研究センターを中心とした研究班で、観察研究において同意をされた患者に対しまして、四月二日時点で約百二十例の投与例がございます。

末松委員 ちょっと厚労省の関係者に聞くと、治験として、更に四月、五月、六月の三カ月間ぐらいは治験として使うというお話がありますけれども、これは事実ですか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 三月三十一日から、アビガンについては企業治験も実施をされておりまして、今お話をいただいたようなスケジュールで治験を行うというふうに承知をしております。

末松委員 これは、今、四月、五月、六月という話になると、本当に感染が、先ほど私の方で、増大していくというふうな見方があるという話を御紹介させていただきましたけれども、本当に、そこで治る、あるいは、ある程度厳しい状況の重症化した中でアビガンを使って治るという人が、結局まだ治験の段階だということで、非常に少ない例でやるのであれば、これはそれこそ問題で、むしろ、今、そういった観察研究というのをどんどん広げていかないといけない。

 この場合は、どうせこのまま、ひょっとしたら死んでしまうかどうかの瀬戸際のときにアビガンを使ってここで治ったという例、こういうのも、中国で二百例ぐらいの中でかなり有効だったという話もあったり、ヨーロッパでも、かなり高齢の方がアビガンを使って治ったという話もありますので、そういう例なんかを見ていくと、本人の事前同意、それから、まさしくアビガンの添付文書に書いてあるように、特に病院の倫理委員会とかあるいは本人の同意、そういったことをしっかりとやっていけば後で医療的に訴追されるようなことはないと思うんですけれども、まず、百二十例という話ですけれども、更に、かなりの人を助けていくという意味で、どんどんこれは使っていくべきじゃないか。特に感染症指定病院なんか、それはどんどん使っていくべきじゃないかと思うんです。

 私の方で、医者の友達とか医療機関に聞いたら、ここは、我々として、何か非常に、町医者さんの方は一切それは使われていないし、また制限的に使われているので、ここはもっともっと使うべきじゃないかという意見があるというのを私も何人かから聞いて、そういうふうなことを思っておりますので、ぜひそこはどんどん使っていただきたいということをお願いをしたいと思いますが、いかがですか。

橋本副大臣 アビガンにつきましてですけれども、もともと抗インフルエンザ薬として備蓄をされていたものでございますが、新型コロナウイルス感染症につきましては、確かにその投与をして回復をされたという例があるというような報告がございます。

 ただ、要するに、科学的に厳密にそれが有効性が確立をしていると言えるような状況にあるかというと、まだそういう状況にはないという認識をしております。論文が提出されたけれども取り下げられたみたいな話も正直ございます。そういう意味で、有効性、安全性の確認、あるいは一定の品質を担保しつつ大量生産が必要であれば可能であるかどうかといった確認を現在行っているところではございます。

 その上で、もっとどんどん投与すべきではないのかという御指摘ではございます。

 これにつきましては、患者さんが入院をしておられる医療機関が、国立国際医療研究センターを中心とした研究班で観察研究を行っておりますので、そちらの方に御登録をいただく、また、その同意等々の手続をとっていただくということで投与ができるということでございますので、もちろん、そうした御希望をいただく患者の方に投与ができるようにということは取り組んでまいりたいと思っておりますし、また、治験の結果によって、更にこれを拡大をしていく、そうしたことも視野に入れて今治験に取り組んでいるところでございます。

末松委員 今、橋本副大臣の話を聞いていて、私が言いたいのは、今が本当に分水嶺だと。だから、そういった死亡者をとにかく減らすためにがんがんやらなきゃいけないときに、今、観察研究とか治験の結果を見ているので科学的にまだ確立されていないと言うんだけれども、だったら何で政府は二百万人分の備蓄なんかを発表しているんですか。

橋本副大臣 先ほど申し上げましたように、これを投与した患者さんが回復をしたという報告はございます。ですから、私たちも多くの方々が期待をしておられるということについては十分承知をしておりますし、効くということがあれば、もともと抗インフルエンザ薬として備蓄をしていたわけでございますから、そういう意味でも備蓄はされるべきだと思いますが、今回の新型コロナウイルス感染症に効くということが仮に決まれば、それが私たちとして確かに自信を持ってそうだと言えることになれば、それはしっかり投与していける、その準備として、まず、今回その備蓄をするということを決めさせていただいたものでございます。

 ただし、補足をいたしましたらば、催奇形性等々の副作用等もある、それなりに注意の要る薬だということも認識をしておりますので、そういう意味でもきちんとした治験は必要だと思っているところです。

末松委員 確かに妊婦とかあるいは精子にもそれがちょっと問題があるというような話はあるんですけれども、むしろ、高齢者とかそういう心配のない方に、特に死亡例がかなり上がってきているわけですよね。そこをしっかりと今やっていかないとまずいじゃないかという、特にこの感染のピークが更に今後、四月から五月とかいう目測もあるわけですから、だから、そこを早くやっていくべきだということですね。そこで本人の同意とか医院の倫理委員会とか手続を踏んでやっていけば、そこはそんなに、もう生きるか生きないかの瀬戸際なので、何とかそこは出してくださいよ。そこは強くお願いしておきます。

 あと、それから、このアビガンについては、五十カ国から、世界的にも有望視されているものですから、そうなると、例えばドイツなんかがこのアビガンについて購入を希望して契約をしたんじゃないか、あるいはしているかしていないかとか、そういう話もあるんですけれども、そこは、もし御存じだったら述べてください。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 ドイツ連邦の保健省において、重症者の治療を想定して、ファビピラビルを、これはアビガンですね、調達する動きがあるということは承知をしております。

末松委員 これは厚労省として、海外の国が、富山化学というんですかね、今は富士フイルムという形になるかもしれませんけれども、その開発の企業と勝手に契約を結んでやっていくという例というのは把握はしているんですか。

 例えば、アメリカなんかは、トランプ大統領のイニシアチブによって、ドイツ企業がアメリカからその治療薬ということで輸送しようとしたところをとめてアメリカに引き戻したという例があるんですけれども、海外にもかなりそこは引き合いの中で購入希望があるということを聞いていて、まずは、会社のそういう商談とか、その辺については管理していますか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 ファビピラビル、アビガンにつきましてですけれども、こちらの方、基本的には民間企業のベースで行われて売買をされているものでございますので、根拠があって管理をしているというものではございません。

 ただ、当然ながら、治験等々を行うに当たり、どのぐらい在庫があるのかとか、そうしたことについて相談をしながら行っているという状況でございます。

末松委員 二百万人分を備蓄するということであれば、海外にもまた無償供与するとかなんか言っているのを聞くと、日本人の命を守るときに本当にそれで十分なのか、量として。そういうのも私なんかは心配に思うわけですよ。そういうことのために、商談をやられているから我々はタッチしませんという話で本当に大丈夫なのかということが懸念されているわけです。そこはきちんと管理しておいてくださいよ、これは非常事態なんだから。

 あと、ちょっと外務省に聞きますけれども、各国からの購入希望とかそういったものについて、簡単に、それがわかれば言ってください。

桑原政府参考人 お答え申し上げます。

 アビガンはウイルスの増殖を防ぐ薬として海外の多くの国から関心が寄せられており、我が国はこれまで、議員御指摘のとおり、五十カ国以上から外交ルートでアビガンの提供要請を受けております。

 そのような中で、政府としては、希望する国々に対して一定の枠内でアビガンを無償供与する方向で調整を行っております。

 また、アビガンの売買は民間ベースで行われており、外務省として、その売買について網羅的に把握しているわけではございません。

末松委員 だから、二百万人分備蓄するという、これが十分かどうかもよくわからない中で、どのくらい海外に輸出するか、こういうのも管理しておいてくれと言っているわけですよ。つまり、民間なので私たちは知りませんというのはそれはおかしいでしょう、無責任でしょう。そこは十分にきちんとやってほしいと思うんですね。

 橋本副大臣、もしそこについて何かコメントがあれば言ってください。あれはあくまでも民間の商取引だからうちは管理しませんとアメリカとちょっと真逆のようなことを言うのかどうか。重要なところなので、これは。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 先ほど申し上げましたように、法律に基づいて管理をするというような物品にはなっておりません。

 その上で、これからも臨床研究あるいは観察研究等を行っていくために、私たちももちろん、あるいは今後の備蓄に備えて緊急経済対策での備蓄を行うということを決めているわけでございますから、それをきちんと達成をするために、メーカーの方とは随時相談等をさせていただいて、その中で情報を把握をしているということでございます。

 例えば、ドイツから数百万錠単位という伺い方をしておりますが、数百万錠というとすごく多いです、人数としていうと約四万人分程度、仮に五百万錠とすると約四万人分程度ということになります。

 現在、国内の備蓄が既に、抗インフルエンザのためということでございますが、七十万人分ございます。その中で、きちんとほかの国からも、いろいろな御要望等々も外務省から経由して承りながら、ただ、当然ながら国内で、これが効く、みんなで使おうということになったときに不足することがないようにということはしっかり私たちも注意をしてまいりたいと思っておりますし、同時に、海外でもこれを使っていただくことで症例がふえていく、その中でまたさまざまな知見が出てくるということも期待もされますので、そうした中でしっかりと、不足をすることのないように取り組んでまいりたいと考えております。

末松委員 そこの管理は本当によろしくお願いしますね。治験であれば別にそんなに多くの症例という話じゃないでしょうから。アビガンというものは、大体五日間の常用の投与で三十二錠ぐらい必要で、更にこれが二週間となると百錠以上になってきますので、かなりそこは備蓄が本当に必要だと思うんですね。よろしくお願いします。

 あと、それから、最後アビガンについて、これは、今、四日間三十七・五度の熱が続かないと来るなと、病院に、あるいは保健所とかですね。そうして、PCRを受けるかどうかによって結構たらい回しをされた例があって、まあ、かなりの例があるんですね。そうなると、五日、六日とかどんどんたっていくわけですよ。そして、例えばアビガンを投与しようとそのときに言ったとしても、大体これは増殖を抑える薬なんで、ウイルスを殺す薬じゃないんですよ。だから、わっと体の中に広まったら、もう対処のしようがないわけですよ。

 そういった意味で、医療崩壊を避けるために、四日、三十七・五度、様子見てねというのもわかるんだけれども、アビガンのことなんか頭に入れると、そんなに悠長にやっていることはできないと思うんですね。そこは何とか、ちょっと条件を緩めていくか、早急に対応するような形をやってください。そこは、ぜひお願いしますよ。

橋本副大臣 今、熱三十七・五度以上で四日後に云々というのは、私どもとしてお示しをしております新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安に沿ってお話しいただいているんだろうと思います。

 まず、この目安につきましても、状況に応じて柔軟に判断をしていただくでありますとか、例えば、強いだるさ、息苦しさのある方につきましては、四日じゃなくて、そういうものを感じたら来てくださいというような形にしておりますなどなど、必ずしもみんな四日待てと言っているわけではないということはまず、ちょっとそこを誤解されている向きもあるので、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。

 その上で、今、アビガンにつきまして、先ほど来答弁をしておりますように治験をしているというところでございますけれども、この中で、軽症者から無症者の方へ投与をしてみるというような研究も行っております。この結果ということが、仮に大変良好な成績であって問題ないということであれば、それは軽症、無症の方に投与をするべきだということになりますので、そのときに、その相談・受診の目安というものをどうするのかということは考えなければならないかとは思っておりますが、まずはその結果を見て判断したいと考えております。

末松委員 とにかく、これは、ひょっとして感染者が例えばオーバーシュートぎみになってきたら間に合わなくなるので、そこのところは余り悠長に構えないでくださいね。

 あと、それから、ちょっとアビガンに時間をとっちゃったんですけれども、ワンストップで、いろいろなメニューもワンストップでやはり相談所がないとわからないよねということで、このワンストップはどういうふうな、いろいろな対策ですね、経済対策、企業から見たら、あるいは個人から見たらちょっとわからない、余りにメニューが多過ぎて。これは、ワンストップでやるということの発想というか、仕組みとして組み込まれているんですか。

能登政府参考人 お答えさせていただきます。

 政府におきましては、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するとともに、内外経済や国民生活への影響を注意深く見きわめながら、機動的に必要かつ十分な経済財政政策をちゅうちょなく行うこととしております。

 これまでも、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策、第一弾が二月十三日に決定されました。またさらに、第二弾につきましても三月十三日に決定されまして、支援を実行してきております。また、七日には、新たな支援策といたしまして、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策が取りまとめられたところでございます。

 中小企業、小規模事業者の資金繰り等につきましては、中小企業庁による中小企業金融相談窓口、労働者の方の雇用、労働につきましては……(末松委員「委員長、ちょっと、ワンストップについて聞いているので。それ以外のことは言わないでくれよ」と呼ぶ)はい、済みません。

 こういった相談窓口が、わかりやすく、ホームページですとか、それからソーシャルメディアなどのさまざまな媒体を通じまして、政府を挙げて、迅速かつ積極的な情報提供に努めております。また、できるだけ多くの方に御閲覧いただきますよう、必要な方に必要な情報が届くように、ホームページの改定などにも取り組んでおります。

 また、新しい広報手法といたしまして……(末松委員「ワンストップはどうなの、ワンストップ。設置するのしないの、それだけ言ってくれよ」と呼ぶ)はい。

 ホームページを設定いたしまして、非常にたくさんの方がたくさんの御質問をされますので、そういった方にもわかりやすく、必要な情報にアクセスできるように、新しい仕組みを取り入れて、AIなども活用しまして、さまざまな情報やさまざまな疑問に答えていけるような……(末松委員「委員長、もう答弁は結構です」と呼ぶ)ありがとうございます。

末松委員 ワンストップは設置するかどうかを聞いているのに、あなたは、いろいろな背景情報を言って私の質問時間を奪っているんだよ、言っておくけれども。もういいよ、あなた。いいから。

 私は、なぜこれを質問するかというと、私はきょう、時間がなくなったんだけれども、本当は、ケーススタディーとして、実は、一番、小池都知事が、コロナウイルス感染防止の観点から、宿泊とか飲食業界とともに、夜の、ナイトクラブとかバーとかキャバレーとか、こういったところがもうどしゃ降りで、ほとんど客が来ないということで、大打撃で悲鳴を上げているわけですよ。

 これはもともとは救済の対象にならないと言っていたのが、菅官房長官の発言で、政府によって救済の対象にもなるような形の、今そういう話があるということで、ちょっと私は、ケーススタディーとして、本当に自分が、私が、困り果てたそういったバーとかキャバレーとかナイトクラブの例えば経営者としてワンストップに行ったらどういうふうなことを言われるのかということで、皆さんに、その中でどんな救済という形に私が聞くことになるのかというのを想定をしてきょう質問する予定だったんですよ。

 だから、ちょっと具体的に言えば、例えば債務の繰延べは何とかならないかとか、あるいは、資金繰りの救済とか緊急融資とか、これを何とかしてほしいとか、あるいは、従業員、例えばキャバレーだったらホステスさんの失業を何とか、どうすればいいんだとか、あるいは、公共料金、支払いを何とか猶予してもらえないかとか、税金の支払いを猶予してもらえないかという話、あるいは、家賃の補助とか家賃の低減化はできないんですかと、さまざまに考えるわけね。

 さらに、従業員を解雇しないといったときには、何かいろいろなスキームがあって救済されるようだとか、それはどうなんだとか、あるいは、社会保障料の支払いをちょっと猶予してもらうとか減額してくれないかとか、私が行ったらそういうことを聞くわけですね。

 それに対して、どういうふうに皆さんは対応してもらえるのというのを、きょうは、時間が余りないんですけれども、なくなったんですけれども、本当に一言ずつでいいから、簡単に、一言ずつしか言えないと思いますけれども、ちょっと各省の方で、こういうふうに、私のところはこうなりますよというのを、一言でいいから言ってくれませんか。

奈須野政府参考人 私ども経済産業省におきましては、経済産業省の所管にかかわらず、全ての分野に対して、事業者の方々の御相談事に回答できるようにパンフレットを御用意しております。また、これを使って、全国の商工会、商工会議所に相談窓口を設けておりまして、事業者の皆様の御支援に役立てたいと考えております。

橋本副大臣 てきぱきとお答えをしますが、ナイトクラブ、バーの事業主又は従業員に対する支援ということで、雇用維持の取組の支援として雇用調整助成金がございまして、ナイトクラブ、バー等も助成対象となります。

 また、従業員が仮に失業してしまった場合は、これは、雇用保険の基本手当の支給、求職者支援制度による再就職支援などがございますし、ハローワークにおける支援等もございます。

 小学校のお子さんがおられて休みになったという場合は、小学校休業等対応助成金によりまして、休暇中に払った賃金相当額の全額の支給をするということがございます。

 厚生年金保険等の適用を受ける事業所の保険料の納付猶予でございますが、これは、既存の納付猶予等の仕組みを活用していただくとともに、今般の、収入に相当の減少があった事業者につきましては、税制措置の対応同様に、無担保かつ延滞金なしで一年間納付を猶予する特例を設けることを検討しておりまして、こうした仕組みを活用していただきたいと思っております。

矢野政府参考人 国税の納税の猶予につきましては、業種を限定するということは考えておりませんので、売上げの減少など所要の要件を満たせば特例を適用させていただくというつもりでおります。

開出政府参考人 地方税におきましても、国税と同様、徴収猶予できる特例措置を講ずることとしております。

 また、売上高が大幅に減少した中小企業者等に対し、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税等の軽減措置を講じることとしており、そのような資産を所有し、要件を満たす場合には、当該措置の対象になることとなります。

末松委員 私が相談所に行っても、いろいろなそういったものが全部、申請書を書いてやらなきゃいけないという話になるわけで、こうなったらちょっと大変だよねという負担も当然あるわけですよ。

 だから、一番負担が少ないような形で、よく経済対策にも書いていますよね、負担を軽減するような形でと言っているけれども、実際に経営者から見たら、いろいろなメニューの中で活用していかなきゃいけないので、これも本当に大変だということを、ワンストップというのを、今私が行ったという前提のもとで、想定のもとでやりましたけれども、皆さん、さらっと答えられたし、何か、パンフレットがあるからそれを読めというような回答もありましたけれども、むしろ具体的に、そういうふうにしてくれ、こういうふうなものがあるよ、だからこういうふうに申請してくれという話をしてもらわないと困るということなので、本当にそこは申請者の身になってぜひ考えていただきたいと思います。

 あと、最後、時間がなくなってきましたけれども、ちょっと私の方で、マスクの配付について、四百六十六億円で全世帯に二枚配ると。私がいろいろと聞いて、民間の会社にも聞いて、何かミャンマーで五千万枚ぐらいつくるんじゃないかとか、あと、いろいろと、そこはあるところで確認したところもあるんですけれども、ミャンマーなんかは大体月百ドルか二百ドルぐらいの人たちがやっていて、これで一枚当たり四百円ぐらいかかるのかな、四百円前後、これを一世帯に二枚ということで、これは、マスクそのものが、ガーゼの関係でウイルスがかなりすかすかで入ってくる。

 こういうのは、私なんか見たら、ちょっとこれは意味がないのかなという気もするわけですね。いろいろな方に聞いても、ちょっとやめてくれよ、それよりは、国民に対してしっかりとマスクのつくり方を、政府も推奨してもらって、日本人だと器用な方が多いから、そういう女性とか主婦の方も使って、何とかマスクを国民の皆さんつくってくださいと言った方がいいんじゃないかという御意見もあったり。あるいは、むしろ医療従事者とかいうふうな方々に完全防護の防護服とかあるいは器材とか、そういったものに、その四百六十六億円を使うんだったらそっちの方に回すべきじゃないかと思いますけれども、それについてコメントはありますか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 布マスクにつきまして、今幾つかの御指摘をいただきましたけれども、まず予算がたくさんかかるねと。これは、マスクの単価につきまして、介護施設への配付の際の実績から、一枚二百六十円という単価がございまして、また、それに対して、配付をしないといけませんから、日本郵便に対しての六千五百万カ所にという配送料がかかる、こうしたことを積算をして、しっかりとお配りをしていきたいということでございます。

 そして、その布マスク、なぜ布マスクなのかというお話がございます。また、医療機関等々のことをすべきではないのかということも言われました。

 まず、医療機関等に向けてのマスク、防護具、これは確かに不足をしておりまして、私たちも、課題である、しっかり調達をしてそうした方々にお届けをするということは大事だと思っております。これは、緊急経済対策におきまして、そうした物品について確保して調達をするということにしております。

 ただ、何せ需要に対して供給が追いついていない部分がありまして、これは予算の問題というよりも、まず、いかにして調達を確保していくのかというところにかなりネックがあります。最善の努力を尽くします。

 それから、布製マスクをつくる、自作をするということにつきましては、厚生労働省と経済産業省などで動画などをつくって、その周知啓発等も行っているところではあります。そして、その上で布製マスクをお配りをするということで、まずは医療機関等々に、本来、医療機関にはサージカルマスクを使っていただけるようにしていただきたいということ、また、マスクが足りなくなって並んでおられるような現状も今あります。そうした方を緩和をするということにぜひ使っていただきたい。

 また、WHOの方の御発言でも、要するに、感染を防ぐというよりも、感染をした方、せきをする方がその飛沫をわっと拡散するのを防ぐ効果はあるのではないかというような御発言もありまして、そうしたことを考慮して、今回布マスクを配付するということとしたことと承知をしております。

末松委員 終わりますけれども、本当に今の時期が一番重要なので、スピード感を持ってぜひお願いします。

 終わります。

田中委員長 次に、海江田万里君。

海江田委員 共同会派の海江田万里です。よろしくお願い申し上げます。

 きょうは、この財金の委員会では、与党のお二方が質問をされまして、私はちょっと、もうかなり高齢ですから余り密集したところより、部屋でしっかりとテレビを見ておりましたけれども、やはり思いは同じなんだな、本当にお二方とも政府に対していい意見を、お話をしておりました。

 皆様方は、本当に党の中での発言が政府にすぐ伝わりますが、私たちは野党ですから、どうしてもやはり国会の場ということになりますが、国会の委員会の場を通じて、よりよい経済対策、特に、やはりこのコロナの問題では、本当に与党、野党、全くなしですから、ぜひこの委員会での議論を活性化していっていただきたい。その意味では、きょう二人の委員の方々が質問をしてもらったこと、それから理事の皆さんがちゃんと時間配分を適切にやっていただいたこと、心から感謝を申し上げます。

 さて、その上で、麻生大臣に最初にお尋ねをしますが、麻生大臣は、まさに十二年前のあのリーマン・ショックのときに内閣総理大臣という本当に、まさに政権の中枢におられて、あれから十二年たちましたから、政権の中枢におられた方というのは、今は余りもう国会で議席を持っておられる方というのは少なくなったわけでありますが、そういう貴重な存在であるということ、そして、その麻生さんが今、財務大臣とそれから金融庁の担当大臣ということで、極めて経済に対して重要なかじ取りをしているということで、まず、麻生大臣が今回のコロナウイルスの経済的なダメージといいますか、これがどういうふうなものであるというふうな認識を持っておられるか。

 IMFの専務理事は、いや、リーマン・ショックの比ではない、一九三〇年代の、二九年に端を発しました世界恐慌と同じくらいのダメージをやはり世界経済に与えているのではないだろうか、こういう発言もあったわけでございますが、どういう認識を持っておられるのかということをまずお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 一九三〇年のときは私はちょっと生まれていないので知らないんですが、物の本によると、一九二九年九月のウォールストリートの株の大暴落に伴ういわゆる破産、これは金融からスタートしていると思いますね。それから九七年のアジア通貨危機も、これはもちろん、銀行がばたばた潰れましたので、金融。それから二〇〇八年のリーマン・ブラザーズの話のときも、これも金融。いずれも事は金融というキャッシュフローの話からスタートしているんですが、今回のこれはいわゆる病気でスタートしておりますので、金融機関がこれによってぐあいが悪くなっているわけではありません。

 それが証拠に、金融機関の自己資本比率、リーマン・ブラザーズのときで大手で一一%ぐらい、今が平均で一八、一九ぐらいあると思いますので、そういった意味では極めて高いところにあると思っておりますので、金融が総体的に危ないというわけではないということが、まず第一点、違うんだとは思いますけれども。

 あのときと違うのは、あのときは、金融がぐあいが悪いので、金融にある程度余裕のある企業は何の関係もなかったという人もいっぱいいらっしゃいますが、今回は、金は別に、マーケットからキャッシュがなくなったというわけでもありませんし、一晩の金利が五%、五・五%にはね上がったなんということも全くありませんが、人と物の動きがとまったということによって、物流と人の動きがなくなるということは、全体として経済の消費がどんと落ちますので、そういった意味では今までになかったタイプのいわゆる経済不況、景気悪化ということになるんだと思います。個人消費の低迷というのは、GDPの約七〇%を占めます個人消費が低迷するということは、イコール景気が縮小するということになりますので、それが結果としていろいろなところに影響が出てくる。

 もう一点は、今回、意外と、東北のときも同じようなことが起きましたけれども、東北の一自動車工場が津波で流されたらゼネラル・モーターズのシカゴがとまったという話がありましたけれども、今回も同じように、サプライチェーンの一角が、中国のこれによって、安いというだけで中国にかなりの部分傾斜していた企業、自動車に限りませんけれども、そういったところはいわゆるパーツが一つ、二つ入ってこないというだけで、例えば自動車だったら三万点ぐらい部品が要りますけれども、それが全く入ってこなくなったというだけでばたっと工場をとめないかぬということになっているというような事態というのは、別の意味で、これまでの、サプライチェーンというものを構築するに当たって安い等々以外のことを考えないかぬという機会を与えたという意味においては、景気が直ったから今のままでいけるかといったら、いや、ちょっと待て、もう一回、こういったことはたびたび起こり得るかもしれぬということを考えて、企業側もサプライサイドの場所を分散化するとか多角化するとか、いろいろなことをされるんだと思います。

 私どもとしては、そういったものを広く考えないと、今回は一概に、これがちょいと、何となく五月、六月が終わったらまた簡単に戻るかって、そんな簡単にいくかねというような意識がありますので。

 今、幸いにして低金利なところもありますので、そういった意味では、私どもとしては、今の間にやれるべきことはさっさと、今回のあれをいい、災い転じて福じゃありませんけれども、そういった形でいろいろな形のものを、これだけが直ったから、薬が出たから、はい、よかったという話だけにしないで、きちんといろいろなものをやって、今いろいろな形で、遠隔医療の話に始まり、AIの話に始まり、いろいろなものが出勤しないでもできるようになるとかいろいろな形になってきているという部分、これからの部分に大きな影響を与える部分だとも思いますので、そういったこともあわせて、みんなでちょっとそういったものを全部含めて総合的に考えていくというのが大事じゃないかなとは思っております。

海江田委員 貴重な意見、ありがとうございました。

 確かに、おっしゃるように、これまでの大きな金融危機というのはまさに金融機関から発したということがあるわけですが、今回は金融機関から発していないということは事実であります。それからあともう一つ、例えばリーマン・ショックのころと比べると銀行の自己資本の比率が高まっている、これも全く事実であります。

 しかし、だからといって、私は、金融システムの危機といいますか、これをやはり余り楽観視してはいけない。もちろん麻生大臣の話が楽観視していたという話ではありませんけれども、ただ、金融機関から、金融システムから発した大きな経済的な危機ではないということは事実でありますけれども、だからといって、やはりこの金融システムの危機に対する目くばせは常にしておかなければいけないと思うわけであります。

 特に今回、やはりまずこの中小の事業者、あるいは大きな企業もそうですけれども、資金繰りに困りますから、まずお金が出ていくのをストップをして、これは納税猶予なんかがそうでしょう、それから緊急で回転資金、運転資金を融資をするということ。先ほど来私どもも主張しておりますが、与野党ともに、やはりできるだけ早く、できるだけ多くこれは金融機関は融資しなきゃいけない。政府系金融機関もしかりですし、民間の金融機関もしかりである。実際入ってきている声は、まだまだ遅いという声があります、これは。やはり直してもらわなきゃいけない。

 ただ、こういう形で、やはりその意味では、金融機関に対してかなり貸出しをしなさい、しなさいということを言っているわけですから、それがいつの間にか本当にその中に後で不良債権化という、この債権の基準というのはやはり厳としてあるわけですから、これが時がたつにつれてこの不良債権が、貸せ、貸せと言ったその結果、やはり不良債権としてたまってしまう、それによる金融機関の痛みというのも一つあるでしょう、これは。もちろんその債権の基準というのは、この間、七日に金融庁が出したような形で評価していただければいいわけです。

 もう一つ、前になかった制度として、やはり金融機関はこの間ずっとこれはゼロ金利あるいはマイナス金利で貸出先がなかったわけですから、それから国債だってああいう形でもうほとんど日銀がファイナンスをしているわけですから、どういう形で利益を上げてきたかというと、やはりアメリカなんかがやっておりますハイリスク・ハイリターンのローンですね、これは。実は航空機のリースなんかもそうですし、それからあと、最近原油価格が安くなりましたけれども、アメリカのシェールの会社に対する融資のローンを担保にしたローン担保証券というのを、CLOですか、これが結構ふえているわけですよ。これはやはり今回の危機に対して、航空機のリースなんかしかり、もうそういうニーズがなくなる。それからシェールのあれも、今、ロシアとそれからあとサウジの間で原油価格がぐっと下がって、倒産した企業もふえています。

 こういうものがやはり火種になってこの金融システムに不安が出るということも考えられるわけですから、そういうことに対する認識といいますか、確かに発端はそうじゃないけれども、やはり金融機関というのはまさに経済の心臓、循環器系ですから、ここがおかしくなったら、そこから立ち直るのは、それこそ本当に一九三〇年代と同じ、あるいはそれ以上になってしまいますので、そういう危機意識というのをもちろんお持ちでしょうけれども、改めて、やはりそれは、金融システムを絶対守っていくんだということをおっしゃっていただきたい。そして、そのための手当てもしていただきたいと思います。

麻生国務大臣 金融というのは、今、海江田先生おっしゃるとおり、やはりこのところ、人口減によって、結果として、その地域のいわゆる銀行に対して、我々から見て、日本じゅう地方銀行が幾つもありますけれども、そんなに数が要るのかよという話は前から出ている話ではありますけれども、その地方に地銀が二つ三つ存在し続けられるだけの人口が、仕事があるかと言われりゃ、ないんだったらもう統合せえ、そうしないともう生きられませんよという話をして、そうすると、それがいわゆる独占禁止法にひっかかるというので、長崎でやらせていただきましたけれども、そのときも随分ごちゃごちゃごちゃごちゃしました。

 ほかのところにもいろいろございますけれども、今そういったものを考えますと、やはり地方の、地域の第二地銀等々含めまして、こういうところのものをまず大事にせないかぬ。これは、今、このコロナと関係なく一つ起きている話として我々は認識をいたしております。

 その上で、今、更にもう一つ出てきたのが今回の話ですけれども、これにつきましても、貸出しをやった場合に取りっぱぐれが出てくる可能性が出てくることはもうある程度覚悟せないかぬところだと思いますので、信用保証協会等々、また地方の公共団体等々が一緒に組んでやらないと、とてもじゃない、できませんので、ということをやらせていただくことにしておりますので、ある程度の危険負担が出てきても、とにかく目先の資金繰りというのは、これはストックの話じゃなくてフローの話ですから、このフローをきちんとやらないかぬということに関しましては、私ども、全く海江田先生と同じ危機意識がありますので、ここのところは積極的にやらせていただかねばならぬところだと思っております。

 特に政策投資銀行等々が出てきておりますけれども、とても今、窓口、もう大混雑の一歩手前という、まあ、大混雑、通常に比べれば大混雑ですけれども、そういった形になっております中で、結構、事はどんどん進めさせていただいておりますので、審査に昔は一月、今回二週間から十日ぐらいまで短縮できるところまでやらせていただいております分だけ審査が手薄になっているのかもしれませんから、そこのところは、それよりスピードをというのをやっておりますので、ちょっとそういったところもある程度考えてやらねばならぬところだと思っております。

 目先は、やはり資金繰りによって事業を継続させないと雇用の確保ができないということになろうかと思いますので、そちらを優先して、目先はそちらの方の、金融庁の監査もそちらの方が優先順位は高くしますよという、監査基準もそちらの方に比重を移してやらせていただいておりますので、金融機関に対する配慮、目配りは大事にしておけというのは、全くそう思います。

海江田委員 やはり時々はそういう発信もしていかなければいけないと思います。私たちは金融危機のときの知見もありますので、そういうものも含めて、やはり、金融システムが一番大事なんだから、ここをしっかり守るためにありとあらゆる手だても講じていくということを同時に発信をしていただきたいと思います。

 それから、今は金融機関の話ですが、今度、これを借りた企業の側の問題も、とにかく当座資金の融資を受けなさいと私なんかも言っていますけれども、受けた資金、やはり、それはまさにバランスシートの上でいえば負債の方に立っちゃうわけですよ、いかに無利子であっても無担保であっても一応これは負債の方に立つわけですから。

 そうすると、じゃ、先ほど、自己資本比率が十何%、一〇%の上の方ですよね、金融機関、何とかそこまで来たけれども、民間の中小企業というのはそれほどでも、決してそういうわけじゃないです。やはり資本の部分が薄いケースがあるわけですよ。片一方の方で負債ばかり立っちゃうと、じゃ、本当に、決算になってみたら、いや、実はこれはマイナスになっちゃいましたよ、負債が、債務超過になっちゃいましたよということがあってはいけないので、やはりここに対しても何らかの工夫が、手当てが必要なんじゃないだろうかと。

 そんな思いをずっと持っておりましたら、日経新聞で、前に三井住友信託銀行の、これは住友信託銀行の会頭ですかね、高橋さんという方が、「コロナ危機 私の提言」で、そういう中小企業の自己資本を高めるために、劣後ローン、しかも、一応、永久、返すのはいつでもいいですよと、永久劣後ローンを導入してはどうだろうかと。もちろん政府系金融機関が一枚かみます。それからもう一つは、やはり地域の金融機関がかみます。この二つがかんで、そして、例えば地域の金融機関がその中小企業に対して永久劣後ローンでお金を、これは貸す形になるけれども、自己資本です。資本になる、返さなくていいわけだから。そういう形で資本を強化しておいて、決算の時期に、幾ら借入れをしても債務超過にならないような手だてをやはりちゃんとすべきじゃないだろうか、そういう備えもすべきじゃないだろうかという大変貴重な、この方は実務家ですから、そんな空理空論を言っているわけじゃないわけですよ。

 そういうことにもぜひ耳を傾けていただいて、それはもう本当に麻生金融担当大臣として、私はぜひそういうことも検討してみるということをおっしゃっていただきたいと思います。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 永久劣後ローンという御提案をいただきました。

 ちょっと私どもからは、現在の劣後ローンの仕組みをまず御紹介させていただきたいんですけれども、昨年十二月に廃止された旧金融検査マニュアルなどにおきまして、貸出条件が資本に準じた借入金ということについては、この金融検査マニュアル廃止後も、金融機関が貸出金の自己査定を行う際に資本とみなすことができるとされております。

 日本政策金融公庫におきましては、元金の返済負担が長期間発生しない、例えば五年から十五年、期限の一括返済、最後に丸ごと返す、こういう仕組みで再生局面での資金繰り支援に活用されているということでございます。

 永久ということになりますと、これはローンというよりかは株式が近いんじゃないかと思いますけれども、中小機構が出資したり組成したりいたします事業再生ファンドにおきまして株式の取得をするということにより、資本の増強を図るということは可能だと考えております。

麻生国務大臣 これは、政策金融公庫がいわゆる資本性ローンですかね、そういったものをやっているということは知らないわけじゃありませんけれども、今ちょっと突然の御質問だったのであれですけれども、こういうのも一つの考え方としてないわけではないとは思いますけれども、ちょっと今、中小で永久にというと、永久劣後ローンという、その永久という言葉は何となくちょっとひっかからないこともないなという感じはします。

海江田委員 ぜひこれは検討していただきたいんですけれども、永久ですからね、もちろん返したいときはいつ返したっていいわけですよ。ただ、最初から、五年ですよとか、あるいは十年ですよとか、結構短い期間があるから、そこはなかなか難しいでしょうと。だけれども、ちゃんと立ち直ったら返してくださいということで、それでとりあえず期限はなしですよということで永久にしているわけです。

 株式とあったけれども、株式はやはり議決権が生じますからね。この議決権が、やはり中小企業の経営者なんかにとってはなるべくフリーハンドを持ちたいということがありますので、それでこの永久劣後ローンというものになったわけですから、ぜひ御検討をいただきたい。幾つか今の枠で問題があるようだったら、それは直せばいい話でありますから、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 いいですね、麻生大臣、御検討いただくということで。

 それで、あと少し、もう時間も大分たってしまいましたけれども、緊急経済対策についてお尋ねをしたいと思います。

 末松委員からもお話がありました。国税、地方税及び社会保険料について、無担保かつ延滞税なしで一年間納税を猶予する特例をつくると。これは私たち野党も実は提案をしておりまして、それを与党の皆さんも提案をして、政府もそう考えてこれが盛り込まれるということになったんだろうと思いますから、これは悪いことじゃありません。悪いことじゃありませんよ。

 それから、さっき二十六兆という話があって、私も最初そうだと思ったら、国税とそれから地方税と社会保険料、これを全部ひっくるめて二十六兆という話ですから、国税だけでいうと十兆だそうですね、これは。まあそんなものかなというふうに思いますけれども、やはりこれを納税猶予するわけですから、どこかではやはり手当てを、手当てというのは、今度の同時に出してくる補正予算の国債発行の中には入っていませんよね、これは、念のため。事業費としては計上していますけれども、これが何兆実際にかけるかわからないけれども、あの表の中には入っていません。それだけちょっと確認で、まず。

矢野政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆる真水というところには入っておりません。事業規模の中に入ってございます。

海江田委員 これは本当に実際に、払える人はもちろん払えばいいわけですけれども、どうしても払えない人たちのために、やはり企業を破綻させないためにはまず止血をする、止血の作業としてはこれでいいと思うんですよ。

 ただ、問題は、私たちも、与野党・政府の連絡会議のところでも提案をしていますけれども、延納して、その先どうなるんですかと。

 政府はやはり、所得が、稼ぎが落ち込んだら、そのほかのところではいろいろな意味で減額をしましょう、減免をしましょうということを、私たちは全部の世帯にお金を配りなさいということを言っていますけれども、これは政府の側だろうと思う、与党もそう言っていると思いますけれども、政府が、それはやはり被害、被害というよりマイナスがはっきりしないとなかなかそこには払えないよということを言っているんなら、それはそれでいいんですけれども。

 まさにこの制度を使って、一年間の猶予ですから、一年たったところで、やはりそれでその前の年の、ことしのまさに所得がわかるわけですから、稼ぎがわかるわけですから、これが大きくへこんだら、やはりこれはこの納付の先に減免もありますよということがセットにならないと、それは延納だ、猶予だと言われるけれども、確かに利子はつかない、利息はつかないけれども、丸々払わなきゃいけないんじゃないかということで、やはりためらう人もいると思うんですね。

 だから、更に一歩踏み込んで、半歩でもいいですよ、踏み込んだ措置がとれないものなのかどうだろうか。大臣でも参考人でもいいですから、お答え願います。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 納税の猶予につきましては、仮に、猶予した後の納税の際にも資金繰りが苦しいということがありました場合には、既に今回御提案しているもの以前の現行の猶予制度というものも活用いただくことが可能というのが一つございます。それから、個々の事業者の方々の置かれた状況に配慮した上で、分割納付ということも制度上仕組みがございます。そういったものを御活用いただくということができるというのが一つ。

 それから、一方で、法人税は所得が発生しなければそもそも課税が生じません上に、中小企業に加えまして、今回の対策の御提案の中に、資本金十億円以下のいわゆる中堅企業につきましても過年度の黒字と通算するという欠損金の繰戻し還付というものを可能にするという仕組みが入りますことと、それから、消費税や被用者の給与に係る源泉所得税等につきましては、預り金的性格を有するものでありますということなどを踏まえますと、納税の義務を減免することの必要性あるいは妥当性につきましては、納税を既に行っていただいている方も多くいらっしゃる中で、公平性の観点からは慎重に考える必要があると思っております。

海江田委員 消費税がこの中に、全ての国税ということですから、入っているということは、私はこれは一歩前進かなと。これまで消費税は、とにかく、預り金ですから、預かったものをちゃんと納めるのは当たり前じゃないですかという理屈がずっと先行、先行というか貫徹していたわけですけれども、私は消費税が入ったことは一歩前進だなと思っています。

 そうであるなら、一歩、その意味では財務省が後退したのかもしれないけれども、だけれども、そこは更に、従来の猶予制度というのはありますけれども、これを見ると、これの場合はもちろん延滞税もかかるわけでありますから、やはりそういうことも含めて、せっかくここまでやるんですから、今後の検討の課題でよろしゅうございますから、ぜひこれは減免の制度もセットにすると、本当にこれはいい制度をやってくれたな、緊急、やはりなかなかこれは本当に危機意識を持っているなということがよくわかるのではないだろうかというふうに思います。

 それから、あと、やはり私なんかのところにも問合せが一番多いのは、生活支援の臨時給付金、一世帯三十万円という話ですね。これはどうなんですかという話で来るんですけれども、これはなかなかわかりにくいんですよ、はっきり言って。

 ただ、一つだけはっきりしているのは、予算の規模で割戻しをしていくと、一世帯三十万円ですから大体千三百万世帯ということになりますか、これは。三兆九千億円、事業費三兆九千億円ですから。それで、三十万円で計算すると千三百万世帯。今、単身者も全部入れますから世帯数は七千万ぐらいあるわけで、全世帯の二割しか給付金が届かないというんですよ。

 こうすると、皆さん方がやったわけじゃないと言うけれども、新聞なんかが大きく書いて、一世帯三十万円と。幾つか条件が書いてありますけれども、とにかく市町村の窓口へ来てくださいということで、報道があります。そうすると、市町村の窓口へ行ったはいいけれども、いや、あなたはだめです、あなたはだめですということになって、結局二割の世帯しかこの恩恵をこうむれない。実際に三十万円を手にする人たちがいないというのは、これはやはり余りにも少な過ぎる。やはりそこは制度の設計に、私は、ミスがあるのではないだろうか。

 本当は全員に配った方がいいというのは私たちの考え方でありますが、それが無理ならば、やはり少なくとも半分ぐらいの人たちがその制度を利用できるようにしなければいけないのではないだろうかと思いますが、どうでしょうか、これは、財務大臣、どちらでもよろしゅうございます。

黒田政府参考人 今回の生活支援臨時給付金についての考え方をお答え申し上げます。

 まず、今回の感染拡大の影響によりまして、著しく収入が減少し生活に困難を来している方々もいらっしゃいますし、収入という面で見れば、収入そのものにはまだ影響はないという方、むしろ、行動変容によって需要が増しているという分野ですらあろうかと思います。すなわち、今回の感染拡大による影響というのは国民全員が一律ではないということでございます。そういった中で、甚大な影響を受けて収入が激減し困難に直面している世帯を対象とする、迅速に集中的に思い切った支援を行うという考え方でございます。

 ただし、その給付対象者、すなわち、収入が激減し困難に直面している世帯の方々というものを見積もるということは、率直に申し上げて容易ではないという中で、まずはこの十分な予算を確保するという観点から、全国おおむね四分の一から五分の一の間ぐらいの千三百万世帯の申請に応じることができるという意味での予算を確保したところでございます。

海江田委員 みんな一様でないということはそのとおりですけれども、だけれども、これは世帯ですから、家の中にはいろいろな人たちが、例えばパートの奥さんがいる、それから、子供が学校へ行っているはずが行かなくなったから奥さんがパートをやめなきゃいけないとか、だけれども、これは世帯主という考え方だからいいけれども、一律じゃないというようなことは、我々国会議員だとかあるいは国家公務員は給料同じでいいかもしれないけれども、やはり余り言わない方がいいですよ、はっきり言って。

 普通、いろいろな意味で、家庭でみんながそれぞれやはり痛みを抱えて、みんながそれぞれ苦しみを持っているんだから、余りそんな、一部の人はせいぜい二割から三割だということにとれちゃうじゃないですか、今のを黙って聞いていれば。そういうことはやはり言っちゃだめですよ、ここでは。

 予算の面があるというのはわかる。それから、今、仮置きの数字、予算でこれだけ枠をとったけれども、だけれども、それで計算すれば千三百万世帯になるけれども、本当にそれだけ来るかどうかわからない。もっと来るかもしれない。もっと来た場合は、消費税を上げる前のあのポイント還元じゃないけれども、やはりそのときは予算をまたふやすとかしなきゃだめですよ、これは。

 それから、できたらやはりもう少し実態に即して制度設計をもう一回し直して、そして、本当にもう少し多くの人がこれを利用できるようにしなければいけない、私はそう思っていますから、これは大いに改良の、改善の余地がある。ああ、よくやってくれたねとみんなが思うような施策にしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。

 それから次は、持続化の給付金。

 これもちょっと、これはもう本当に端的に、これを聞かれて僕、困ったんだけれども、対前年比で五〇%減ったとか減らないとかいう話なわけですけれども、これはスタートアップした会社の場合、これは前年比がないわけですよ、当然のことながら。

 それから、例えば美容院とか理容の人で、僕は慌てて行ってきたんですけれども、今までは店に雇われていたけれども、今度自分で、フリーランスって最近あるらしいですね、そういう人が、私はどうしたらいいの、前の給料はあるけれども、その給料と比べて、それはかなり安く、個別のことは言っちゃいかぬけれども、安く使われていたので自分で自立する気になったんだけれども、そういう場合どういうふうにすればいいんですかということを、この場合、法人の二百万なのか、個人の百万なのか、これは個人だから、個人事業主だから百万だと私は言ったんですけれども、前の持っていく資料がないんですけれども、どうすればいいのかとか、こういうような疑問もあるんですよ。

 こういう人たちにはどういうふうにお答えをしますか。

奈須野政府参考人 お答え申し上げます。

 持続化給付金でございますけれども、前年度より特定の月が五〇%以上売上げが減ったということが一つの要件になっております。

 これを証明するためということで、例えばスタートアップの方がどうすればいいかということになりますと、前年の例えば確定申告の書面などを参照しながら、前年の平均の例えば月の売上げというものは計算可能なのではないのかなというふうに考えております。

 また、フリーランスの方につきましても、個人事業主として確定申告をされていると思いますので、そういったものを使いながら、前年度の売上げとことしの、当該年度の売上げを比較するというようなことを考えております。

 詳細については、今検討中でございます。

海江田委員 雇用者であれば、給与所得者であれば確定申告をしていない人もたくさんいるわけですよ、していればいいけれども。源泉徴収票を持っていけばわかるとか、いろいろあるから、そこはやはりかなり柔軟にというか、そういう人に対しては。

 医療費控除だって、最初はすごい厳格だったけれども、だんだんだんだんそれが、そういう事実がわかるような何らかの書類があればそれでいいですよという話だったから、ここもやはり、そういう意味ではかなり柔軟に。それこそ、組織的に何か悪いことをやろうと思う人は出てくるかもしれないですよ、これははっきり言って。そういうのに対しては厳格にやはり排除しなければいけないわけですけれども、善意の人で本当に困っている人がいたら、それに対しては、やはり、そうですかと。

 例えば、今まで学生だった、では、学生であってスタートアップならば、その学校の学生、卒業証明書でもいいし、そのころあった学生の何とかでもいいし、専門学校に行っていたら専門学校のときの定期の写しでも何でもいいから、とにかく、今まで所得が、ああ、だけれども、なかったんだからだめなんだ、これは。利用できないんだよな、なかった人が出てきたんじゃな、これは。だから、そういう面もあるわけです。矛盾もあるわけですよ。

 少なくとも、五〇%以上減少しているものというあれを変えることができないのなら、それならば、前年の所得がどれくらいだったのかということは、ある程度やはり類推される書類でもっていいですよということにしていただきたいと思います。

 あと、もう一つだけ。これもちょっと細かい話ですけれども、文化、スポーツイベントの中止等に係る所得税の寄附金控除の特例ということで、寄附金控除とやったところがなかなか苦労の跡がわかるなということなんですけれども。

 ただ、これは寄附金控除ですから、まず一つは納税していなきゃいけないね。所得控除になるか税額控除になるかはそのケースによってどちらかを選べばいいわけですけれども、まず納税していなきゃいけない。そうすると、イベントなんかに、よくライブなんかに行く人たちというのは、余り納税していないんですよね、学生だとか何だとかで。それが、やはりこれを、とにかく、イベントの主催者に対して払戻しをしないで、だから手元にチケットか何かがあるんでしょうね、それを持って税務署に行けば自分が納めた税金の何がしかが返ってくるよということであるわけですから。

 それから、寄附金控除は、基礎控除が二千円ですか。二千円を超える部分ですから、たしか二千円以下はだめなんですから。そうすると、例えば大枚はたいて一万円のを持っていったけれども、何だ、戻ってくるお金がないじゃないかとか、あるいは戻ってきても何千円じゃないかというようなケースもあるので、これはかなり苦肉の策でこういうことをやったんだろうと思いますけれども、これは何と言えばいいんですかね、もう少し拡充する方法があるのかどうなのかということもお聞かせいただきたいと思います。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の対策に盛り込ませていただきました、今委員御指摘の寄附金控除の仕組みでございますけれども、もう委員先刻御承知のとおり、寄附金控除と申しますものは、一定の社会福祉法人ですとか学校法人といった方に寄附をされた方の所得税あるいは個人住民税について特別に控除をするという仕組みが現在あるわけでございます。

 これに対しまして、今回の話は、キャンセルになったコンサートのあらかじめ払い込んだお代を、もう払戻しはいいですといった方について、その分について寄附控除を適用するという特例を認めるという話でございますので、御指摘のとおり、そもそも所得税納税額がない方については効果はございませんし、また、寄附控除というところに入れるという特例をいたしますので、更に、その払戻金額に相当するような、あるいはそれに近いような経済効果を及ぼすということは、ちょっと寄附控除の領域をはるかに超えるものだと思っています。所得税制において、一定の支援をするということだと考えております。

海江田委員 もう時間も来ましたので、またいずれこれは法案にしてここで議論することになろうかと思いますから、そこでもまた議論をさせていただきたいと思います。

 ただ、麻生財務大臣、金融担当大臣、私は、今回のこのコロナ対策の、特にこの経済の問題で、安倍総理は記者会見を何度もやっていますけれども、麻生大臣が私はもう事実上の司令塔だと思うんですよ、リーマン・ショックのときの経験もあるし。それからあと、麻生大臣はいろいろな若手の経営者から、生声というのは大事で、結構聞いているでしょう、生声も、若手だけじゃないけれども、お年寄りの人たちも含めた。やはりそういう企業の経営者なんかの生声もたくさん聞いて、役所から上がってくる資料だけを見てどうこうと言っているわけじゃないわけだから。だから、ここはぜひ、御自分が司令塔だという意識をこれまで以上に持っていただいて、そして、間違いのないようにこの日本の国の経済を持っていっていただきたい、こう思います。

 何か一言あれば伺いたいし、なくてもよろしゅうございます。

麻生国務大臣 これは、今、西村担当大臣をもってこれは充てるということになっていますので、組織は頭が二つも三つも出てくると大体おかしなことになりますので、努めて、公然の前で、二人でしゃべることはしょっちゅうありますけれども、少なくとも前に出てきてしゃべるということはまず、この七年間、総理の前でしゃべったことはないと記憶しますので、それぐらい、どこの会合に行っても、総理がおられるときに何か、経済について発言されたときに私が発言したことは一回もないと思っておりますので、そこのところはちょいと、態度がただでさえでかく見えますので、控え目にしております。

海江田委員 ありがとうございました。

田中委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立国社共同会派の森田俊和でございます。

 三十五分質問の時間をいただいております。よろしくお願いいたします。

 本当に日々状況が変わる中で、いろいろと経済対策を出していただいておりまして、まずは、私たちの最優先課題としては、命を守るということが一つと、そして私たちの生活を守っていくというこの大きな二本柱でいろいろと対応をしていただいているというところだと思っております。

 百八兆円という本当に大規模な経済対策をやっていただいている中で、雇用の維持だとか事業継続については、いろいろなことを含めると八十兆円ぐらいの大きな予算を用意していただいているということでございまして、私も、今回、こういうことがあって、いろいろと地元の、企業さんからももちろんいろいろなお話を聞きますけれども、財務金融委員会ですから、金融部門の、実際に相談を受けている立場の金融関係の友人、知人等含めて、いろいろと話を聞いてまいりました。

 ぜひ、私たちがこれからこのコロナウイルスに立ち向かって、そして絶対に克服するとは思いますけれども、そういった中で、きちんと将来のまた見取り図を描けるような、そういう対策をやっていきたいなということで、きょうはその辺のところを、中小企業対策を中心に、主に金融機関の立場からということで話を進めさせていただければと思っております。

 まず、いろいろと二月あたりからずっとこのコロナ対策の話が出てきているわけでございますけれども、政府として、数字として、融資の変更、契約の変更であるとか、いろいろな御相談があると思います、そういった相談件数をどのように把握していらっしゃるか、お答えいただければと思います。

森田政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁におきましては、二月二十八日に新型コロナウイルスに関する金融庁相談ダイヤルを設置し、受け付けた御相談等につきましては、金融機関に還元の上、その適切な対応を求めているところでございます。

 当相談ダイヤルに寄せられました相談件数は、二月二十八日から三月六日まで三十一件、三月九日から十三日まで二百十三件、三月十六日から十九日まで二百九十四件、三月二十三日から二十七日まで三百九十四件、三月三十日から四月三日まで六百六十件となっております。

 また、金融機関に寄せられております相談件数につきましては、ヒアリングによる速報値でございますけれども、二月一日から四月三日までの相談件数は全体で約三十九万七千件であるというふうに承知しております。

森田委員 ありがとうございます。

 相談ダイヤルというものを設けていただいているということと、あと、金融機関がそれぞれ相談に対応していただいているということで、最後の数字ですと、一週間でダイヤルが六百六十件とおっしゃいましたかね。それから、金融機関は、これは累計ということだと思いますが、三十九万七千件と今お話をいただいております。

 私がいろいろと聞いた中ですと、私のところは埼玉、牧原副大臣のところも同じ埼玉県ですけれども、恐らく、もしかすると東京あるいは大都市そのものとは若干違うのかなという気がしますけれども、何となく、幾つか金融機関のお話を聞いていると、相談件数は多いし、もちろんこれは大変だという話は聞くんだけれども、もしかするともうちょっと先に行ったときの方がきつくなってくるのかなという印象を金融機関の担当者は持っているというような話でございました。

 そういう意味では、これから、とりあえずのところ、いろいろな事業者さんが手持ちの資金を、例えば二カ月とか三カ月ぐらいは、収入も少ないけれども出るものも抑えることができれば二、三カ月ぐらいは何とか手持ちの資金で持ちこたえることができるだろうという見通しもあると思います。そうすると、じゃ、二月、三月あたりから厳しくなってきたとして、五月とか六月ぐらいの支払いのときにどうかという話が恐らくはこれからメーンの話になってくるんだろうなというふうに思っております。

 労務士さんにも聞いてみたんですけれども、雇用調整の助成金の話もありますけれども、これはまだ申請はこれからという段階であります。そうすると、申請をしてから、さらに審査がまた入って、例えば、これで五月ぐらいに申請を出して、六月ぐらいにその手続が済んで、実際にお金が手元に来るのは例えば六月とか七月とか、こういう段階になっていくということを考えますと、これからむしろ相談件数というのは、飛躍的にという言い方がいいのかどうかわかりませんが、いずれにしてもふえていくんだろうなと思っておりますが、それの見通しについていかがお考えでしょうか。

森田政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁の当相談ダイヤルに寄せられました相談件数は、先ほど申し上げましたとおり、足元で増加傾向にございます。

 金融庁といたしましては、そうしたことから、引き続き、当相談ダイヤルに寄せられた御相談に丁寧に対応し、また、その内容等も活用しつつ、事業者の資金繰りに支障が生じることがないように適切に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 また、金融庁におきましては、三月六日、金融機関に対し、事業者訪問や緊急相談窓口等を通じたきめ細かな実態把握を行うよう、大臣名で要請をさせていただいてございます。

 金融庁といたしましては、民間金融機関における事業者の資金繰りの支援の促進を当面の検査、監督の最重要事項というふうにしておるところでございますけれども、特別ヒアリングを実施しますとともに、貸出しの条件変更等の取組の状況の報告を求め、その状況を公表するなど、引き続き、各金融機関の取組状況を適時適切に確認してまいりたいというふうに考えてございます。

森田委員 ありがとうございます。

 いずれにしても、これから事態は更に、今回の宣言の発令ということもありましたし、経済の流れとしてはもっとぎゅっと絞った形での動きになってくると思います。そうすると、困る事業者さんもますますふえてくるということも予想されますので、ぜひそのあたりの対応をお願いいたします。

 それから、いろいろと補助金とか助成とか融資の制度ということになりますと、新しいものを借りるという話がどうしても目につきがちですけれども、やはり、事業者の方ですと、いろいろな資金をもう既に抱えている方が多いんだろうと思います。

 という意味では、新たな資金を求めていくということよりも、既に事業を継続されていらっしゃる方においては、今の支払いをとめるということをまずは優先課題として設定をして、例えば、今まで設備にお金をかけている、あるいは運転資金で借りているというこの支払いを、一旦何らかの形でとめるとか猶予するとかということをやる方が優先順位が高いのではないかなというふうに思っておりますが、大臣、このあたりについていかがお考えでしょうか。

麻生国務大臣 既往条件の変更の話をしておられるんですね、そういうことね。(森田委員「そうです」と呼ぶ)金融用語で済みません。借りている、今払っている制度のあれをちょっと変えてもらいたい、例えば手形のジャンプとか、そういう話をしておられるのね。

 この話ですけれども、三月の六日及び三月の十六日でしたか、私の方から金融機関に対しまして、いわゆる返済猶予等々、条件変更、既往債務の変更の話について、これは柔軟に対応するように既に要請をして、これで文書も出ておりますので。

 参議院で、共産党の大門さんだったかな、よう調べている人がいるので、多分あれは京都の信用金庫の話だったと思ったけれども、出た紙をちゃんと配って、こういうのがちゃんと今回出ておるから、意外ときめ細かくやっておるというお褒めにあずかりましたので。共産党の方に褒められたので、ちょっとどうかなと思ったんですけれども、共産党でも、大門さん、あんたが言うのなら間違いないんだなと言って、ぐちゃぐちゃ話をさせていただいたところですけれども。

 おっしゃるとおり、商売しておられたらおわかりだと思いますけれども、今回は、やはり、新しく金を借りるという話より、ばたっと金が入ってこなくなってきていますから、だから、そういった意味では資金繰りという話になりますので、いろいろな意味で、例えば、先ほど御質問があっていましたけれども、いわゆる税金の繰延べができるということは、その分だけ納税を三月で納めなくていいというと、その分、千万なら千万、五百万なら五百万の金が浮きますので、その金を延滞金利なし何なしでそのまま使える、それは、そのまま資金繰りに使えることになりますので、新たに銀行に借入れをやる必要がなくなるということになろうと思いますので、そういった意味では、結構これは効果があったんだと思っているんですけれども。

 いずれにいたしましても、貸出条件の変更等々、詳細な報告というのを、どれぐらいやりましたという話を我々金融庁が聞きますよと、今後。そういう話で、私どもとしては、この間も、おとといか、総理の方から、官民の金融機関の、銀行協会とか信用組合とかいうのの長の方々に、改めて要請をさせていただいたところでもありますので、業者の資金繰りの支援というのが、まずは目先これが一番最初だろうと思いますので、その後の景気回復より目先これと思っておりますので、今言われましたようなことに関しまして、私どもとしては、金融庁として、そこのところが優先順位一番ということで指導させていただいていると思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 ちょっと順番を変えて、民間の金融機関が行う実質無利子無担保の制度融資のところについてお伺いしたいと思っております。

 まずは最初に対策として出てきたのは、日本政策金融公庫だとか商工中金だとか、いわゆる政府系の金融機関が実質無利子無担保の制度融資を行いますということで、大分混雑をしているというお話が既に出ておりますけれども、私が地元で話を聞いてきましたのは、相談をするにも大体一週間、十日ぐらいは待つような話が出ているというようなお話でございました。

 当然、そういう状態で、一週間、十日なりの間にもう既に事態も動いていくということも想定をしますと、やはり、政府系の金融機関だけではなくて、民間の金融機関でも同じような話を受けられるような制度的な枠組みを用意しておくというのは、これは当然そうなる話だろうと思っております。

 ということでいいんだと思いますが、その辺の、新たな、民間でもそういった無利子無担保の融資をやれるような枠組みについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

麻生国務大臣 これは、四月の七日でしたか、緊急経済対策で、今言われたように、業者の資金繰りというものを、金融公庫だけじゃなくて、更に強烈に支援していくためには、いわゆる民間の金融機関でも、政策金融公庫と同じように、実質無利子無担保、五年間据置きで融資をするということを可能にということで、私どもとしては、民間金融機関に対してこれをやってもらいたいという話をしているんですが。

 当然、貸す側に立ちましたら、返してくれるのかよというのが一番の問題ですわね。目先の話だけで、この金返ってくるんだろうねと。だってそれは、無審査でぼんぼん貸したら、いきなり倒れたらその分だけ、自分のところとしては、債権が、それがひっくり返って債務になりますので。

 そういったことを考えると、やはり地方公共団体とかまた信用保証協会、そういったところと連携を図ってやらないと、いわゆる業務上のフローの方が確立しませんから。そういった意味では、人員の配置もやらないかぬし、システムの整備もやらないかぬしというような、体制整備を進めるということが必要になりますので、これをした上で信用保証協会がちゃんとという話もさせていただいております。これは当然、取りっぱぐれとか、こっちは推薦していますので、その分だけこっちが後で担保せないかぬということになりますので。

 そういった意味では、金融機関と極めて綿密に、密にとる。現場をやっているのは信用金庫の何々支店の誰々さんですから、その人だけに責任をおっかぶせるというわけにいきませんので、そういったところを考えて対応していかねばならぬというところだと思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 今、信用保証協会のお話が出てきましたので、そのあたりのお話を聞いていきたいと思います。

 きょうは、牧原経産副大臣にもお越しをいただいております。

 埼玉県の信用保証協会のお話を聞きますと、大体二百名ぐらいのスタッフ、職員の方でやっていただいているということでございまして、いろいろな様子を聞いておりますと、まだ混雑してもうあっぷあっぷでギブアップだというところまではいっていないようなお話だということでありますけれども、やはりこの時期ですから、コロナに対する備え、感染を予防しながら、いろいろな来るお客様に、融資の案件に対応していかなければいけないということでございまして、きょうはたまたま委員長も牧原先生も埼玉なので、別に埼玉の話だけをするつもりはないんですけれども、多分、全国的にそういう話が、埼玉に限らず出ているんだろうと思っております。

 ただ、先ほど大臣がおっしゃったように、保証協会も、自分の組織としての規律であったりだとか、やはり組織を守っていくというようなこともございますので、そうそう適当なことはできないというような、もともと職員さんの意識というのもあるんだろうなと思います。

 二億八千万円の枠ということで、二億分は担保があれば二億、無担保であれば八千万円ということでこの融資の枠を用意していただいているのを、さらに今回のでダブルでつけるということで、枠をかなり広くとっていただいているということではあるんですけれども、例えば私が聞いたバス会社のお話ですと、既に一月の段階でバスの増車の手配のために資金を制度融資でもう調達をしていたという背景がありまして、それで今回、バス会社なんかは今回の影響が一番早く出た事業者だと思いますけれども、五千万の融資の申込みをしたんだというところに対して、保証協会から言われたのが二千五百万とか二千万ぐらいですかねと。もちろん間に金融機関を挟んでということになりますけれども、そういうことで言われたということがございました。

 もちろん、先ほど大臣お話しのとおり、何でもいいから貸しちゃえばいいんだとかというなかなか無責任なことも言えないとは思うんですけれども、やはり事業者の側としては、手持ちの資金を、特にこれから人件費その他の支払いに向けて確保しておきたいというような、そういう意思があるんだろうなと思っております。

 こういった保証協会に対する指導というか指示というか、そういったものが今どうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

牧原副大臣 大変、現場も見ておられた的確な御質問をありがとうございます。

 お答えしますが、先生御指摘のとおり、中小企業の事業継続にとっての資金繰りの確保というのは何よりも重要だと認識をして、経済産業省としては支援策を講じているところでございます。

 そのため、新型コロナウイルスの影響で売上げが急減した中小そして小規模事業者に対して、制度創設後、信用保証のところで初めて危機関連保証という制度も発動し、強力な資金繰り支援を講じてきたところではございます。

 そして、三月六日には、梶山経済産業大臣から各信用保証協会と政府系金融機関に対しまして、保証、融資審査に対して、赤字や債務超過、貸出条件の変更といった形式的な事象のみで判断するのではなくて、事業者の実情に応じて最大限の配慮を行うことなどについて要請をさせていただきました。次いで三月十六日には、同じく梶山大臣の方から、信用保証協会連合会と政府系金融機関のトップと面談し、改めて最大限の対応を直接要請させていただいているところでございます。

 先ほど麻生大臣からもありました、四月七日に取りまとめました緊急経済対策におきましては、地方公共団体の制度融資を活用する形で、信用保証を使った民間金融機関の融資に対しても実質無利子そして無担保融資になるように利子補填を拡大し、このための保証料の減免も行うこととしております。これは予算額とすると約二・七兆円、事業規模では二十四・二兆円ということで、当初よりは大幅に拡大をさせていただいているところでございます。

 信用保証協会においても、中小企業、小規模事業者における迅速かつ円滑な資金調達の実現を至上命題と位置づけて総力を挙げて取り組んでいくというふうに聞いております。こうしたことを最大限対応を行っていくよう、しっかりと経済産業省としても指導してまいりたいと思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 拓銀、山一証券のあのときには三十兆円ぐらいの保証規模、それからリーマン・ショックのときには二十兆円ぐらいの保証規模、それに多分準ずるかあるいはそれを上回るような保証の規模になってくるのだろうと思っております。

 先ほど申し上げたとおりなんですけれども、これから恐らくは手元の資金が危なくなってきて、五月、六月、七月、こういったところに向けてだんだんと、余裕のあったところも今度は危なくなってくるというような、そういう時期に入ってくるんだろうなと思っております。

 私は、そういう金融機関でいろいろ融資を受けて、あるいは審査に立ち会ってという知人にも聞いてみたんですけれども、今、どんな感じの資金の出方なのかということを聞いてみたら、中には余裕を持って一年分ぐらいの何かを用意しておきたいなという人もいる。ただ、一年分は正直貸せないよという話ですよね。

 確かに、売上げと同じだけの運転資金を貸すなんということは、金融機関からしてみればそれはもうあり得ない、保証協会としてもあり得ないことだと思いますが、じゃ、どのくらいなのかと考えたときに、せいぜい二、三カ月ぐらいかなというのが、何となくの相場観というか、現場の、保証協会もそうだし金融機関もそうだ、まあ金融機関は保証をつけられればもっと貸していいよと、もしかしたら担当者の方は言っているかもしれませんけれども、いずれにしてもそのぐらいの感覚だと。ただ、二、三カ月でおさまりますかと今聞かれたときに、多分二、三カ月で収束すると、この場にいらっしゃる方も誰も言えないんじゃないかなと思います。

 今までの運転資金の融資であれば、そのぐらいの感覚で、その後は売上げをもっと持ち直して頑張っていきましょうよみたいな話ができたのかもしれませんが、これはいつまで続くかわかりませんけれども、当面、半年なら半年の運転資金の確保をするんだというような、保証協会の目安というよりは、どっちかというと経済対策の中での資金繰りの目安みたいなものをある程度設ける中で、このぐらいのところは何とか金融機関を含めて対応できるようにしましょうというような、何となくそういう相場をつくっていただくというのが、地元の金融機関の担当者もそうだし、それから保証協会の担当者もそうだと思うんですが、そういった方たちの意識を合わせるということにつながっていくのではないかなというふうに考えております。

 そんな、半年分、運転資金なんて貸せないよといったときに何が必要かといえば、最後はちゃんと政府が責任を持つからということなんだと思いますが、公庫が保険を引き受けてくれて、貸倒れになったときには八割はその保険の方から補填をされて、その保険に対してはいずれは政府からちゃんとその分の補填があるということさえはっきりしていれば、保証協会の方も、いつものことよりは若干範囲を広くとってもらえるということもできるのではないかなと思っておりますので、なかなか言うのは難しいけれども、例えば半年なら半年、それ以上続くようだったらそれ以上はまた再度ある程度の期間を設定して取り組んでいきましょう、こんな経済対策の中での事業者への融資の支援、こういうところの枠組みをぜひ設定をしていただければなというふうに思っております。

 それから、いろいろとやはり金融機関を回っておりますと、亀井先生のされたいわゆる金融円滑化法ということがございまして、あのときにやったことというのが、例えばリスケをしたりすると、正常の貸付先だったものがランクが落ちてその他要注意先になって、それが要管理先になって、行く行くは実質破綻先や破綻先とランクがどんどん落ちていくのを、リスケをしてもランクが落ちないようにしましょうよ、ただ、そのためには抜本的な業務改善計画をちゃんと出してくださいね、こういうことでやっていたということでありました。

 そういう踏み込んだ対策というのをやはり求める声というのも多いとは思いますけれども、このあたりについての政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。大臣、お願いします。

麻生国務大臣 あれは二〇〇九年かな、亀井さんが金融担当大臣かな、金融わかるのかよなんと言ってからかった記憶が今でも、この部屋でしたかね、思い出しますけれども。

 中小企業金融円滑化法という法律というのは、早い話が、中小企業から申込みがあった場合はできる限り貸付条件の変更など適切な措置をとるよう努めるものとすることに加えて、条件変更等の取組について報告を求め、その報告を公表することということが当時の内容だったんだということであります。

 その上で、私の方から三月の六日の日に金融機関へ要請いたした内容というのは、先ほど言われた既往の債務、既にやっております債務につきましては、返済猶予の条件変更に迅速かつ柔軟に対応することということを最初に言っておりまして、新規の融資についても、事業者の要請に従って迅速かつ適切に対応するということで、これは、金融庁としては、銀行法の第二十四条によって、金融機関による条件変更等の取組状況というものの報告を私どもからも金融機関に対して求めますよということを言っておりますので、これは中小企業金融円滑化法のあのときのやつとほぼ同じ内容の形になっておるというように御理解いただいてよろしいんだと思っております。

 したがって、この法律を復活させるという必要もなく、今後、金融庁において、金融機関によります事業者のいわゆる資金繰り支援の取組というものを、当面、検査とか監督の最重点課題はこれが一番ですということを、もうこれも通達が終わっておりますので、三月六日の要請させていただいた内容を、これは実効性のあるようなものにきちんと仕上げるというところが、今、私どもとして当面やっていかねばいかぬところだと思っております。

森田委員 当時と同じような形の枠組みがもう既にでき上がっている、そういうことでございました。

 確かに、金融検査マニュアルから、このいわゆる貸出先のランクづけみたいなものはもう既に廃止をされているということでしたけれども、その辺どうなんだろうねということで、金融機関の知人に聞いたところ、もちろん検査マニュアルからはなくなっているんだけれども、じゃ、その先に何が出てくるかというと、今度はそれぞれの金融機関で、それに準ずるものというか、やはり際限なく融資もできるわけではないですから、金融機関なりの、ランクづけという言い方が正しいのかどうかわかりませんが、いずれにしても、いろいろな事業者を金融機関なりにやはり評価をして、その評価に基づいていろいろと取引をしていくということになるんだろうなと思います。

 残念ながら、やはり中小の金融機関なんかになりますと、その辺の、自分の金融機関なりの枠組みの整理というのがまだまだなかなかできていない。そういう中で、マニュアルは確かに廃止になりましたといっても、やはりかつてのこのやり方に大体のっとった形でやらざるを得ないというのが多くの中小の金融機関の現状なのではないかなというふうに思っております。

 という意味では、頭の中が、特に今までずっとその検査マニュアルの中でやってこられた今の経営陣の方であったりだとか、あるいはその銀行なり金融機関を監査をする法人、監査法人の方たちの頭の中を変えていただかないと、おまえ、こんな適当なことをやっているのか、いや、これは特別事態じゃないですかと、そこで話をするようなことになってしまっては、なかなか金融機関に協力をお願いするといっても難しい状況なのではないかなというふうに考えております。

 ぜひ、先ほどお話しになった内容を、中小の金融機関、あるいは監査法人等も含めて徹底できるような形での対応をお願いできればなというふうに考えております。

 それから、なかなか、短期的にやるべきことがある中で、今から将来のことを考えるのはちょっと心苦しいところもあるんですけれども、事業者の方にも貸した金は返済しろよということがあるのと同じように、私たちにも、いつかのときにやはり備えておかなくてはいけないというような、将来に対する私たちの考え方もある程度の腹づもりは持っておかなければいけないんだろうなと思っております。

 簡単に言うと、今、支出をするその支援だとか助成だとかこういうものをどんと出した、では、それをどういう計画でこれからまた返済というか、また回収していくというか、そういった国としての収支のバランスということもありますので、そのあたりをどうやっていくかということの中での考え方をいろいろと整理していきたいなと思うんですが。

 この委員会でも、実効税率のグラフを出していただいていた委員がおられましたけれども、高額所得者になればなるほど、給与所得なんかの税率は、所得税ですけれども、四五%で、そこから先に行くと今度は下がっていってしまう。これは、金融所得等に対しての税率が、国税でいうと一五%なので、そこから下がっていってしまうというような、こういう、何というんでしょう、矛盾というわけではありませんけれども、高額所得者なのに税率が下がっていく、これがどうなんだろうというお話がございました。

 せめて、ほかの所得と同じように、一体化する中で、最後、確定申告をして、ある程度の、例えば四五%なら四五%の税率までは払っていただきましょうということが、これからやはり検討していく段階に入ってきているんじゃないかなと思いますけれども、ぜひ、このあたりについて、大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは先生、いわゆる上場株式の売買、譲渡等々によって得た配当の課税というものが、早い話が金融所得は分離課税になっていますということに関して、いわゆる所得が一億円を超えたような方々は総じて株式を扱っておられる比率が高いので、その分だけ二〇%ということになると、その分だけ、早い話が、ほかのは四〇だ、四五だという、所得税は五〇ぐらいありますから、そういったようなものに比べて安いから、結果として高額所得者はその分だけの税率が下がってくるという話なんですよね、これは。

 これは、間違いなく二〇%の分離課税ということになっておるんですけれども、いろいろな目的というか背景がありまして、もともと、税制が金融市場というものに対して変にゆがまないようにするために考えてあるので、他の所得と一緒に合算にしてこれも中に入れるということになりますと、損益の発生時期を選べるんですよね、当然のこととして。いつ売るか、いつ買うかでできますから。そうすると、税負担の調整というのがこの株でできるようになるということになりますと、これはいわゆる租税の、納税を回避できる手口としては最も簡単な方法で、損した形にすればいい、そういうことになりますので。

 したがって、総合課税の方がいわゆる申告手続を行う必要があるんですけれども、分離課税だという場合になると、これは特定口座制度というのがありますので、一律ぼんと決まっておりますので、納税者自身は、自分でやらなくていいこともありますけれども、間違いなく一律ごそっと来ますから、調整する余地が全くなくなるということになりますので、これについては、ちょっと、いろいろな、申告することなく簡単に徴税もできますので、いろいろな形で優位、私どもの方もですし、納める側の方もそれで手間暇がかからぬというところもありますし、さっきみたいに出し入れを調整するということもできなくなりますので、そういった意味であれなんですが。

 いわゆる金融分離課税というものだけがちょっと安過ぎるのではないか、もうちょっとというのは、かつて一〇%だったものを二〇%に上げておりますんですが、更に上げろというお話なんだと思いますけれども、これは自民党の中でもいろいろ意見の分かれているところなので、ちょっと、この件に関しましては今後の検討課題としなきゃいかぬところだと思っております。

森田委員 時間が限られておりますので、もうこれで終わりにしたいと思いますが、やはり、私たちがずっと長い間生きていくということを考えると、出るときもあれば入れなければいけないときもあるということでございまして、ぜひこれから、これは、すぐこれをやるというわけではありませんけれども、収支のバランスを見た中での対応をお願いできればなと思っております。

 この前、ゾゾタウンの創業者の前沢さんが、高額所得者にはもっと税金をかけてもいいんじゃないかというお話をされていて、やはりもうけさせてもらっていた国に恩返しをするのは当然の話だ、こういうこともありました。

 税金が高いと逃げていくという話も確かにあるんですけれども、でも、日本に暮らすということ、日本で国籍を持っているということに対して、自分自身もそこに誇りを感じて、あるいは、そこでいろいろな方にお世話になって、やはりここに暮らしてというので、この安全な国でやっていきたいという方をやはり私たちは大事にしていきたいという思いもありますし、そこに対して帰属意識を持っていきたいという意味で、納税というのも一つの考え方としてあるんじゃないかなと思っております。

 それを、高額所得者は寄附してくれとか、そういうことも一つなのかもしれませんが、やはりある程度そこをきちんと、特に、先ほど出てきましたけれども、一億円以上稼いでやっているような方にはぜひお願いをして、国に貢献していただく、あるいは、いろいろな形で支出をするための資金を提供していただくということで、こういった負担をお願いしていくというのも必要なことじゃないかなと思っております。

 こういった厳しいときにももうけていらっしゃる方も実際いらっしゃるということも含めて、やはり収支のバランスというものをこれからとっていかなければいけないというふうに考えておりますので、これは中長期的な話としてぜひ御検討していただければと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

田中委員長 次に、日吉雄太君。

日吉委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの日吉雄太です。

 本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 時間が余りないので、早速始めさせていただきます。

 本日は、企業の開示制度、新型コロナウイルス感染症の影響下における企業の開示制度における対応、会計基準や監査基準、これの適用についての対応、これについて主としてお伺いさせていただきたいと思います。

 四月の三日の日経新聞の朝刊の一面に「店舗・工場の減損見送り」「会計ルール弾力化」という記事が出ておりました。この中で、「会計ルールの適用を弾力化することでコロナに伴う業績悪化を和らげる。」、こういう記載がございます。

 会計基準そのものは見直さないがというようなくだりもありますが、まず最初に質問させていただきます。この会計基準そのもの、また監査基準そのもの、これは見直さないということでよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 はい、見直しません。答えはそれだけなんですけれども、もうちょっと丁寧に言わないかぬところなんでしょうけれども。

 金融庁、会計ルール弾力化というのは、これは日本経済新聞の四月の三日の金曜日の記事を言っておられるんだと思いますけれども、閣議後の記者会見でもそれと似たような質問があったので。

 現行の会計基準を変更したという事実は、これは全くありません。その上で、会計基準が変更されたのではなくて、今回のコロナ感染症の影響だけじゃなくて、いわゆる政府の緊急経済対策が今後実施されていくなども考慮に入れた上で、現行のいわゆる会計基準のもとで柔軟な判断を行ってもらいたいというので。

 私どもとしては、いわゆる変更とかいうのではなくて、いろいろな形で、例えば東京証券取引所とか公認会計士協会とか経団連等々の関係者で連絡協議会というのを設けさせてもらって、認識や対応のあり方を共有するということにさせていただいて、そうした取組の中で決算とか監査とかいうものに対して適切な対応がとられるように努めてまいりたい、そういうことを申し上げさせていただいたということであります。

日吉委員 今、大臣のお話の中で、柔軟な対応というお話でございました。

 同じように、日経新聞にも、例えば工場とかホテル、店舗が休止すると将来の資金が生み出されないということで、減損処理をして損失を計上しなければいけない、こういった処理があります。それについて、「本来ならば減損処理が必要になりかねないが、機械的にルールを適用せず柔軟に対応することを認める方向だ。」というような、こういう書き方をされておりますが、この記事、これはそのとおりということでよろしいですか。

中島政府参考人 お答えいたします。

 まさに今大臣から答弁したとおりでございますけれども、工場や店舗の減損処理、こうしたものについて、現行の会計基準を変更しないという前提のもとで、現下の状況を踏まえれば、企業の決算や監査を行うに際し、新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく、政府の緊急経済対策が今後実施されていくということなども考慮に入れた上で柔軟な判断を行っていただくことが重要、そういう趣旨でございます。

日吉委員 それは、柔軟な判断を行うと損失計上が全体として減る、こういう方向になる、そういうことを意図した意味合いでの柔軟な判断、こういうことでしょうか。

中島政府参考人 まさに今議員御指摘のとおり、例えばコロナウイルスの影響で売上げが減るということだけ考えることに対して、仮に今後経済対策を実施していく中で将来的な売上げがふえるということも想定されるのであれば、そうしたことも踏まえて柔軟に判断をしていただくということになるかと思います。

日吉委員 売上げが減る、その一方で経済対策の影響を見ていく、これは当然のことかなというふうに思っております。

 もう一つ、ゴーイングコンサーン、継続企業の前提についての注記というのが求められております。今後一年間企業が継続することに疑義が生じた場合には、それを財務諸表に注記をしなければなりません。

 これについても、日経新聞で書いてあるんですけれども、「画一的に運用すると多くの企業がこのルールに抵触する懸念が出てくる。このためコロナの拡大に伴う不透明感が漂うあいだは、すぐに適用しなくてよいようにする。」という記載があるんですけれども、これは事実ですか。

中島政府参考人 ゴーイングコンサーンについてのお尋ねですけれども、まず、企業は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在し、それらを改善、解消するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合には、財務諸表に所定の注記をする必要があるということになっております。

 こうした所定の注記をするかどうかについては個々の企業の判断ということになりますけれども、この際にも、企業は、新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく、政府の対策などを考慮に入れた上で、実態に応じた適切な判断をしていただくということを期待しているというものでございます。

日吉委員 ということは、経済対策があれば当然それを事業計画に織り込んでいくということになると思うんですけれども、そういう意味では、不透明感が漂う間だけはすぐに適用しなくてよいようにするという、何か、この記事を読みますと、画一的にこの注記、コロナの影響についての継続企業の前提の注記はしなくてもいいというふうに読めるんですけれども、これは間違いということでよろしいですね。

中島政府参考人 新聞記事について、合っているとか間違っているということについて申し上げることは差し控えますけれども、いずれにいたしましても、個別企業ごとに実態に応じた適切な判断をしていただくということを期待をいたしております。

日吉委員 判断をされないということなんですけれども、私の問題意識としては、この新型コロナのウイルスの影響で、決算の作業というのも遅延していますし、監査においても大きな制約がある中で、本当に大変な状況だと思います。そういった意味では、さまざまな配慮というのを、これは、実施する上での配慮というのが必要かなと思っています。

 しかし、会計基準の尺度自体を変えてしまうということには、非常にそれはまずいんじゃないかと思っております。例えば、壊れた体温計で熱をはかって、熱はなかったですといって、それで過ごしていたら病気が悪化したとかということになるわけで、まずしっかりとした生の数字、実態を把握するということは非常に大事なので、その実態がどうなのか、今までの基準どおりでそれは測定をした上で、それで悪いんだったら、じゃあどうしようかということで、政府が休業を要請しているのであれば、それに対して補償をするとか、そういった適切な判断をする、その事実、これを認定する、そこの尺度、物差しを変えてはいけないのではないのかなというふうに強く思っております。

 そんな中で、多分これは会計基準自体は変えない、監査基準自体は変えないということなんですけれども、減損であれゴーイングコンサーンであれ、将来の事業計画、どれだけ利益を生み出すのかという、これを企業は見積もらなければならないんですけれども、その見積りの仕方、これをどういうふうに見積もっていくのかということが非常に今問われているのではないのかなと思っております。

 この見積りの精度、これを今よりも緩和するということを前提にしているのか、その見積りの精度は今までと同じなのかどうか、このあたり、教えてください。

中島政府参考人 まさに、議員御指摘のとおり、会計の基準あるいは基本的な考え方自体を変更するものではないといった上で、また、御指摘のとおり、例えば固定資産の減損などに関しては、さまざまな会計上の見積りを行うことが必要となってまいります。

 こうした会計上の見積りを含む会計基準、会計上の見積りを行う上での基本的な考え方を変更することは考えていない一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた実務上のあり方というものについては、先ほど大臣から御説明いたしました、関係者による連絡協議会の場などにおいても議論をしてまいりたいというふうに考えております。

日吉委員 その関係者による連絡協議会というのも、この日経の記事によると、会計基準そのものは見直さないが、現行のルールを弾力的に適用できるよう関係者で認識をすり合わせる、こういう書き方をされていますけれども、これがもし、見積りの精度をこれまでよりもレベルを落としていくというようなことを行うというのであれば、これは、みんなである意味粉飾決算しましょうというようなことにつながりかねないわけですね。だからこそ、ここのところは非常に注意深く対応していかなければいけないなというふうに思っております。

 この見積りというのも、例えば、人に例えて言うなら、PCR検査をして陰性だったというんだったら、まあ陰性だろうと思う、これまではそうでした。しかし、PCR検査をできないときに、問診だけで陰性だ、こういうふうに判断してしまうというような、こういった精度を落とすようなことというのはしてはいけなくて、たとえPCR検査ができなかったとしても、問診だけではなく、熱をはかったり、さまざまなことを行った上で、PCR検査と同じぐらいの精度をもって診断する、こういうようなことが求められるのかなと。

 これも、企業においても同じことが言えるんじゃないのかなということで、ここの見積りの精度を落とさないようにしなければいけないなというふうに思うんですけれども、麻生大臣、この点、どう考えられますか。

中島政府参考人 見積りの精度、どういった定義かによるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、適切な開示を行っていく、適切な監査を行っていただく、これは非常に重要であるというふうに考えております。

 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく、例えば、政府の緊急経済対策が今後実施されていくということも考慮に入れた上で柔軟な判断を行っていく、こういうことを求めていきたいというふうに考えております。

日吉委員 政府の緊急対策は、金額をふやしていただければ、多分、ゴーイングコンサーンの注記をする企業も減るとは思うんですけれども、そういった中で、やはり基準とか、会計の適用を変えてしまうと、こういった中でも業績のいい企業はあるわけですね、そういった企業は、自分たちまでも緩和した基準で会計をしていると思われたくないわけですね。そういった不公平も生じてしまいますし、仮に、会計士としての立場から申し上げますと、ここで監査の対応を柔軟にしてしまったことによると、今後、では、コロナが終わったときに、終息したときに、あのときは柔軟な対応をしてもらえたのになぜ今柔軟な対応ができないんですかとか、こういったことにもつながってきまして、将来に禍根を残すということになります。

 そうではなくて、今、決算がおくれている、そういった監査が重大な制約があるという意味では、そこの決算の手続を延ばしてもらうとか、そういった対応というのがやはり大きく必要になると思うので、今は個々でそういった対応ができているという状況ではありますけれども。

 先日、会計士協会から会長の声明が出ておりました。その中で、ちょっと読ませていただきますと、金融商品取引法に基づく有価証券報告書の提出等について、その期限を一律に延長することが可能となる対応及び会社法に基づく定時株主総会の開催時期についても、特に計算関係書類の報告期限についても一律に延期することが可能となる対応が必要と考えます、こういった声明が出ていますが、一律に延長する、こういった手続を行い得るかどうか、こういった点について金融庁と法務省にお伺いします。

中島政府参考人 お答えいたします。

 有価証券報告書の提出期限については、今般の新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、やむを得ない理由により期限までに提出できない場合は、財務局長の承認により提出期限を延長することを認めることとし、その旨を金融庁及び各財務局のウエブサイトにおいて二月十日に公表をしているところでございます。

 これらの対応については、先ほど来申し上げております連絡協議会においても情報を共有しているところでございますけれども、さらに、今御指摘の、有価証券報告書等について企業側が個別の申請を行わずに一律に提出期限を延長するといったことについては、これも、今後、この連絡協議会においてよく議論をしてまいりたいというふうに考えております。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 会社法上、取締役は、計算書類を定時株主総会に提出し又は提供した上で、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならないなどとされております。

 他方で、定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないと定められておりますが、事業年度の終了後三カ月以内など、特定の時期に定時株主総会を開催することが求められているものではありません。

 定時株主総会の開催時期に関する定款の定めがある場合でも、今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じたときは、その状況が解消された後、合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りると考えられます。

 また、定款において、定時株主総会における議決権行使のための基準日を事業年度の末日と定めている会社もあるものと承知をしております。会社法上、基準日株主が行使することができる権利は当該基準日から三カ月以内に行使するものに限られておりますが、定款で定められた基準日から三カ月以内に定時株主総会を開催することができない状況が生じたという場合には、会社は新たに議決権行使のための基準日を定めて、所定の公告をすることによって、後の時期に定時株主総会を開催することができると考えられます。

 したがって、定款で定めた時期に定時株主総会を開催するか否かにつきましては、基本的には、今後の新型コロナウイルス感染症の影響等も踏まえ、各会社において御検討いただくべき事柄であると考えておりますが、法務省におきましては、これらの検討をする際の参考にしていただくため、定時株主総会の開催についてのこれらの考え方をホームページに掲載して、公表しているところでございます。

日吉委員 法務省さんにもう一度確認なんですけれども、この手続を行わないで、一律に何か認められる方法、こういったことは何か検討されていますか。

田中委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 もともと株主総会の時期が一律に定まっているものではございませんで、仮に定款で定めた時期に定時株主総会を開催するか否かにつきましては、基本的には、今後の感染症の影響等も踏まえていただいて、各会社において御検討いただくべき事柄であると考えております。

日吉委員 時間が参りましたので終わりますが、最後に一言だけ。

 やはり、新型コロナウイルスの感染症の対策として丁寧に対応していただきたいのと、それともう一方で、公正性を保つ対応もしっかりと行っていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

田中委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十五分開議

田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。野田佳彦君。

野田(佳)委員 共同会派立国社の野田佳彦でございます。

 どうやらお肉券とかお魚券は入らなかったみたいでよかったなと思うんですけれども、きょうは、緊急経済対策に絞って、余り細かい具体的な政策の中身よりも、構えとか基本的な姿勢について大臣にお尋ねをしたいと思います。

 午前中の質疑の中で、末松さんが、納税猶予を何で事業規模に入れたんだというようなお話がございまして、それに対して大臣のお答えがございました。

 私のこれまで抱いていた事業規模というのは、政府が財政支出しますよね、それに付随して民間のお金も動くじゃないですか、そういうマネーも含めて事業規模とカウントをするというのがこれまで一般的だったと思うんですけれども、納税猶予、社会保険料を猶予する、私は賛成なんですよ、これは即効性があっていい政策だと思います。困っていらっしゃる方は、とにかく手元資金がショートすることが一番怖いわけじゃないですか。手元資金が減らないで済むということは、これは即効性のある政策でいいことだと思うんですが、それを事業規模とカウントをするということが、本当にグローバルスタンダードになっているのかなと。アメリカもイギリスもスウェーデンもやっていますよ。だけれども、そこまでグローバルスタンダードになり切っているかどうかというと、私は疑問なんです。

 加えて、去年つくった経済対策の未執行分を入れるとか、あえて言うと、ゴートゥー何とかというのをやりますでしょう、インバウンドの対策か何か。あれは、感染が収束をしてから本格的にやるべき施策ですね。そういうものを含めて緊急経済対策を膨らませてしまっていて、何かやたら規模を誇示している感があるんですが、それが本当にいいことなのかどうかというところに疑問があるんです。

 それについての大臣のお答えをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 これは、リーマンのときも、それから九七年の金融危機のときも、野田先生御記憶のように、税とか社会保障の延期というのはあのときやっておりませんので。

 しかし、現実問題として、今回いわゆるこのコロナに対しての話が出ましたときに、各国は勇ましく、アメリカの一兆ドルに始まって、各国わたわたわたっと出て、電話会談のときも物すごい額の話も出てきたので、いや日本はまだちょっときょうは出していないので、来週まで待ってもらった上で返事をするからといって、各国のを調べてみたところですけれども、今御指摘のありましたいわゆる納税の猶予とか社会保障の支援で、英国で三百億ポンド、フランスで三百二十五億ユーロ、カナダ、八百五十億カナダドル等々、まあ日本は二十六兆円なんですけれども、そういったようなことをやっておりますので、これが何となく、かさだけ増しているのじゃないかというようなあれでしょうけれども、各国もこれを入れて一兆ドル、GDP比で二〇%とか一六%とか言っておりますので、日本だけがこれをやっているというわけではないということだけは申し上げられると思っております。

 今言っていただきましたように、企業にとりましては、目先、納税する額に積んであった千万なり千五百万がそのまま、納税金をそのまま運転資金に流用できますので、これは物すごく企業にとりましては、運転資金対策上、目先にとってはこれが一番ありがたかった、三月、四月決算のところは特にそういうことを言っておりますので、そこのところはよかったんだと思っておりますけれども。

 いずれにしても、手元の金を持っていないと事業継続が一番難しくなりますし、事業の継続ができないと従業員の解雇という話につながっていきますので、私どもとしては、これはちょっと効果としては非常にあるなと思いましたので、今度納税をさせるときにはこれを入れるべきということを申し上げて、やらせていただいたというのが背景であります。

野田(佳)委員 私は、規模よりも何よりも一番問われているのは、緊急性に対応できるかのスピード感だと思うんですね。

 そこでいくと、今回の緊急経済対策の中で、例えば、直接給付をする、世帯にも中小企業にもフリーランスにも。これは、一つの政策だと思います。大事な柱だと思うんですが、ただ、世帯給付の場合は、ちょっとわかりにくくて、理解するのに苦しむ。結局、公平感に欠けるのではないかというところもある。それから、中小向けあるいはフリーランス向け、上限二百万、百万ありますけれども、これも手続が煩雑になりそうだ。結局、補正予算が国会で通って、連休明けて、五月に入ってから、困っている人たちの手元に届くということになるわけですね。中には、市町村の予算編成も必要なものもあります。

 などなど考えると、五月どころか、夏にならないと困っている人たちの手元にお金が届かないということにもなりかねないんですよね、なりかねない。それが本当に緊急と言えるのかどうか。緊急という冠がついているけれども、私は、緊急性という冠に間違いがあると思うんです。

 私は、本来ならば、これだけ感染症が広がれば、自粛要請とか、まあ今は緊急事態宣言です。要は、人が集まっちゃいけない、人が移動しちゃいけないということは、経済活動ができないということじゃないですか。経済活動ができなくなっているときの経済対策じゃなくて、そうじゃなくて、困っている人たちを救済する政策がまず何よりも緊急じゃないですか。緊急事態宣言が五月六日まで宣言されている間に届かなかったら緊急対策じゃないんですよ。

 だとすると、本来ならばです、これはもう今言ってもしようがないんだけれども、本来なら、先般成立をした令和二年度の予算を組み替えてでも、倒産したり、失業したり、自殺したりすることのないように、直接お金が届くように、四月の間には届くようにするというのがあるべき姿だったと思います。その後に、感染が収束した後の経済対策はよく練ってつくっていくという二段構えで臨むべきだったと思うんですが、これは結局、困っている人に五月以降にお金が届くというのでは私は緊急対策とは言えないと思いますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは御指摘のとおりなんですけれども、少なくとも、今回の補正予算が四月末までに成立をさせていただくという前提でやらせていただきますので、この後、市町村、まあ市によって小さなところ大きなところといろいろ違いがありますけれども、準備をそこそこしていただいているとは思っておりますので、五月にはそういったものというのを考えないといかぬところだ、できるようにしておかないかぬというところで、これは、各市町村に重ねて、総務省の方から要請をしたり、私どもの方からも直接要請をさせていただいております。

 いずれにしても、緊急性を要するという点に関しましては、もっと早目にできないか、私どもも、一番そこが望んでいるところなんですが、マイナンバーカードなんというものが普及していればもっと早くぱっということができるようになるんだとは思いますけれども、いずれにしても、市町村への申請やら何やらそこそこ手間がかかるということになりますので、一部のものは今年度の予備費から使わせていただくということにさせていただいておりますので、なるべく早くやらないかぬという点に関しましては、私どもも同じ気持ちであります。

野田(佳)委員 こういう感染症に端を発した危機と例えば災害対策とは性格が違うかもしれませんけれども、ただ、イメージとしては、大きな災害が発災した場合には、人命救助が七十二時間以内じゃないですか、これは鉄則じゃないですか。それが終わって、復旧復興と入っていきますね。

 私は、今、人命救助の段階だと思うんですね。特にこの緊急事態宣言、七都府県ですけれども、これはもっと広がる可能性もあります。この間、やはり経済はとまらざるを得ないんです。そこで困っている人たちをどう助けるかに間に合わなかったら、人命救助の意味がないんですからね。という意味で申させていただきました。できることはどんどん迅速にやっていただきたいというふうに思います。

 その上で、何をやるにしたってこれは財源が必要ですが、今回は、補正予算としては、規模としては十六・八兆ですか、一般会計で。財源はどうするのかと思ったら、結局、これは国債発行せざるを得ないわけですね。その中でも、異例でありますけれども、経済対策として十四・五兆、本来は財政法で認められていない赤字国債を発行せざるを得ない。

 私は、これは万やむを得ないと思いますが、万やむを得ないと思いますけれども、この赤字国債を十四・五兆発行せざるを得ない財務大臣としての考えをお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは、残念ながら、今回の中で非常に大きな影響が出ますので、少々な金で対応できる額ではありませんので、今回、百八兆というか、二十六兆円の総合経済対策等々を含めまして、私どもとしては、この緊急経済対策を実行するために、いわゆる医療体制等々に一・八兆円、そして、資金繰り支援等々に六兆円等々の給付などをやらせていただいて、雇用の維持と事業の継続のために十兆六千億を計上させていただくこととさせていただいておりますが、トータル十六・八兆円というもの、これを一般会計に計上をしたところでありますが、財源につきましては、今回は、私どもとしては、公共工事等々は極めて限られておりますので、建設国債としては二兆三千億、特例公債十四兆五千億の発行でやらざるを得ぬと思っております。

 残念ながら、これは財政健全化というところとは逆の方向を走ることになりますけれども、少なくとも、今回のこのコロナの話に端を発した話は、これまでの金融によります経済の縮小と違って、人と物が動かないということによる景気の減退でありますので、そういった意味では、まずはこれは景気をよくしてということで、景気対策というか、経済再生をまずはやらないと財政健全化にいかないと私どもも前から申し上げてきているとおりなので、私どもとしては、きちんとこの経済再生をやらせていただいた上で、財政健全化という方向は、これはもうこれまで申し上げてきたとおりなので、少しおくれることになろうかとは思いますけれども、引き続き財政健全化という話をしていかないといかぬところだと思っております。

野田(佳)委員 財政健全化も念頭にあるということをお聞きしましたので、それ以上この話は突っ込みませんけれども、ちまたでは、あのドイツですら新たに借金するんだからやむを得ないみたいな話があるんですよ。いや、そうなんです、やむを得ないんですよ。これは赤字国債しか、今回、財源はないんですよ。

 だけれども、ドイツと日本は全然違うんですね。ドイツはずっと財政均衡を保ってきて、七年ぶりじゃないですか、今回、こういう新たな国債発行というのは。そういう国だから、こんなときのために財政出動して、国債発行してもいいんですよ。でも、野方図に財政が緩んでいた国が安直に赤字国債を発行するというのは、それは今しようがないんだけれども、将来は相当厳しくこの問題は影響が出てくるという覚悟を持ってやっていかなければ私はいけないと思うんです。

 例えは悪いんですけれども、きゃしゃな締まった体の麻生大臣が十キロふえたって別に何ということはないですよ。でも、メタボな私みたいなのが十キロふえたら、これは本当は大問題なんですよ。そのことは、財政も同じだと私思っていまして、同列に、みんな借金、借金でいいと言うけれども、日本の場合はかなりリスクを伴っているということを考えた上で、だからこそ、使うお金はよく精査していかなければいけないというふうに思います。

 ドイツの七年ぶりの国債発行についてはどういう評価をされていますか。

麻生国務大臣 これは、この七年間、G7等々で、ヨーロッパの中でドイツに対して、財政出動をドイツがしない限りはという話をたびたびG7の財務大臣・中央銀行総裁会議で各国が幾ら言っても、全くドイツは応じず、ドイツのおかげでという話をフランスが幾ら言えども絶対動かなかったドイツが、今回、電話会談でいきなり財政出動という話を最初に言いましたので、電話会談で言いましたから、各国の財務大臣が、おおという声が響くぐらい、みんなおったまげて、えっ、ドイツもやるのかといって、もう一回、私の方から、本当にやるんだろうなと重ねて念を押したらみんながげらげら笑っていましたけれども、私どもも、ちょっと正直、今回は、それほどドイツは深刻になったんだなと思っておりました。

 なぜなら、その十日、二週間ぐらい前のリヤドの会議では、全然俺たちには関係ない、全くそんなものは俺たちは知ったこっちゃないみたいな顔をしていたドイツが、二週間したら、多分、患者が一挙にふえたんだと思いますけれども、ドイツは乗ってきましたので、これで各国全部足並みがそろって、せえのでやろうと。これはみんなで組まなきゃだめよという話をして、きちんとしてやるということを決めてスタートさせていただいて、ドイツがGDP比の二〇%を超えるぐらい、二一%ぐらいの対策費を出しますので。

 そういった意味では、ドイツが出したのが一番驚きでしたけれども、その背景には、野田先生がおっしゃるように、財政は、少なくとも、例の三%以下というマーストリヒト条約を守っているのはヨーロッパではあそこぐらいなものですから、その意味では、そのドイツが出てくるというのは意味が大きいし、波及効果も大きいんだとは思います。

 いずれにいたしましても、ドイツとほかの国との与えるインパクトはすごい違うというのは正直なところですし、実態としても、これが非常に大きなインパクトになると同時に、ドイツにとりましては、やはりあそこは、第一次欧州大戦以来の一千三百二十億マルクという例のあの天文学的な賠償金のおかげでインフレを、ハイパーインフレをきわめた国だという思い出がある国でもありますので、極めてこの種の話に厳しい国なのではありますけれども、そのドイツをしても今回はということになってきたというのが正直な印象です。

 いずれにしても、こういった財政というものをきちんとしておかないと、いざというときに、今回、イタリアはほとんど何にもできない形になっておるという事態等々を踏まえますと、極めて財政のあれは大事なところであって、最近よく、モダン・マネタリー・セオリーとか、わけのわからぬセオリーをいろいろ言っている方もいらっしゃるのは知らないわけではありませんけれども、私どもとしては、国際社会の中においてきちんと、信頼の置ける、そういった財政をやるという心構えはきちんと持ち続けなければならぬところだと思っております。

野田(佳)委員 ドイツは、平時に戻れば、もともと憲法で財政均衡をうたっているわけですから、そのルールに戻ると思います。EUも、あの三%ルールに戻ると思います。戻るべきルールがありますね。日本はないんですよ、残念ながら。そこが心配なんです。このまま野方図に財政規律が緩んだままになっていくのではないか。

 今回の国債発行は、日銀の財政ファイナンスが前提であるかのように、何となくマーケットも不感症になっていますね。私は、政府も不感症になっているのではないか心配なんです。

 このことについてお聞きしたいのと、もう時間がないので、私は、今回はやはり財政出動はすべきでありますし、赤字国債はやむを得ないんです。一方で、日本のような国は、その後の、財政がおかしくなったときの警報装置をあわせてつくるということをやっておかなきゃいけないなと思います。

 その一つは、これはもう私のざんげですけれども、二〇一二年に、当時は私ども与党だったんですが、野党自民党の強烈な抵抗で、特例公債法がずっと成立しないまま十一月までいったんですよ。あのとき、予算では赤字国債が三十八兆入っていたので、三十八兆を使えないで地方交付税も出せないと行き詰まりました。こんなことを毎年やっていたら、この国はだめだし、総理は一年交代だと思いましたから、最後は三党で、特例公債、毎年審議するやつを三年間は猶予すると。その後、五年になりましたね。これは、財政規律をその後の政権も守ってくれるという前提だったんですよ。古本さんなんて多分反対しました、あのころは。だけれども、残念ながら、これがとれた分、それで二〇二〇年度まで続いているわけです、これ。

 特例公債は従来どおりに戻して、少なくとも、今、マーケットが不感症になっています、日本の国債市場は。せめて国会が警報装置を鳴らすためにも、特例公債発行のたびに国会で審議するというルールに私は戻すべきだと、ざんげを込めて申し上げたいと思いますが、いかがでしょう。

麻生国務大臣 これはおっしゃるとおり、あのときは十月か十一月ぐらいまでいわゆるこの法案が通りませんでしたので、えらい騒ぎになった、おっしゃるとおりになっているんですが。

 少なくともあれで、地方公共団体を含めましていろいろな支障が出てきたので、三党合意で、平成二十四年から二十七年度までの四年間ということにさせていただいたんですが、現行の特例公債法においても、引き続き特例公債を発行せざるを得ないという状況にあることを踏まえまして、これは、三党でお決めいただいた枠組みを引き続いて、授権期間を平成二十八年度から二〇二〇年度までに、二〇一六年から二〇年度までの五年間にさせていただいたんだと思ってはおります。

 いずれにしても、こういったような期限が切れる来年度以降の取扱いを考えないかぬということになっているんだと思いますけれども、現時点で、今方針を決めているわけではありませんけれども、いろいろな言われたような経緯は間違いない、そういう経緯でこうなってきたというのがこれまでのあれですので、今後ともこれは検討していかねばならぬ、大事な歯どめの一つにはなり得るものだと思っております。

野田(佳)委員 時間が来ました。質問を終わります。ありがとうございました。

田中委員長 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。

 四月七日に閣議決定されました政府の緊急経済対策の考え方について確認をさせていただきたいと思います。

 経済対策の考え方に示されているのは、「感染症拡大の収束までの間、雇用・事業活動・生活を守り抜き、危機をしのぎ切る」と書かれております。この意味は、世界経済が直面している戦後最大ともいうべき危機で、中小・小規模事業者やフリーランスを含む個人事業主などを決して破綻させない、倒産させない、そのためにあらゆる手だてを尽くすということなんでしょうか。

麻生国務大臣 これは、先日、四月の七日に決定をさせていただいた緊急経済対策におきまして、事業の継続を強力に支援すべく、中小・小規模事業者の資金繰りに万全を期すこととしている、これは書いてあるとおりであります。

 具体的にはということだと思いますが、これは、金融機関によります融資についても実質無利子無担保とすることができる制度を創設するということに加えて、これまであります日本政策金融公庫等々の特別貸付制度などの融資枠を拡充する、また、同じく公庫などの保証つきというものの民間融資の既往の債務、今やっております債務の借りかえを可能とする、また、総額四十五兆円規模の金額になります金融支援等々によって質、量ともに万全の金融措置をとるなんということをさせていただいた上で、肝心なことは、資金繰りが今一番問題になっておりますので、これまでの政策が行き渡るようにすることを考えるということであります。

 これをもとにして、三月の六日と十六日に二度にわたって、官民の金融機関に対して、事業者の実情に応じた対応に万全を期すようにということで要請をさせていただき、先日、総理からも、官民の金融機関に対して、支援策の積極的な活用、貸付条件の変更に係る迅速かつ柔軟な対応、迅速な融資実行などをお願いをさせていただいたところであります。

 基本は、事業者の資金繰りに支障が生じることがないよう、これが一番。これがありませんと、そこに雇われておられる雇用者の生活がとまりますので、まずは事業者をきちんと、維持ということを目先に置きませんと、これが終わった後、V字回復をやるとき、底が抜けていたら話になりませんから、ここはきちんとした形で事業を継続できるようにする、それに伴って雇用を確保する、この二点が優先順位の一番、二番だと思っております。

清水委員 その中で、中小・小規模事業者や個人事業主、またフリーランスの支援について伺いたいんですけれども、緊急事態宣言が発出されて、営業の自粛を求められても、例えば事業主からは、収入がなくなって生きていけない、こういう声がありますし、今月の家賃など固定費すら払えないといった悲鳴が上がっております。

 実は、現在も営業を続けている東京都内の立ち飲み店の経営者がこう言っております。緊急事態宣言が出されているのに何をしているんだとお叱りの言葉を受けることもあるが、補償がないまま店を閉めるわけにはいかない、こっちにも生活がある、日銭がなければ家族を養えない、こういう苦しい心情を吐露されておられます。

 七都府県の知事も、イベント中止や事業活動の休止で損失をこうむった事業者に対して、やはり国が補償するべきだと、休業補償を求めています。

 それで、大臣にお伺いしたいんですが、なぜ安心して休業できるだけの補償をする、この措置が今回できなかったんでしょうか。御説明いただけますか。

麻生国務大臣 事業者への自粛要請ということによって生じますいわゆる個別の損失というのをそれぞれ補償するという考えについては、これは、自粛要請の対象になっている事業者が仮に支援できたとしますよ。しかし、その取引先とか、そこに売上げが、発注をしている人たちの減について、これは甚大な影響が生じているんだと思いますけれども、その他の事業者に対しては支援が全く届かないということになりますわね、これはわかりませんから。

 商売をしているとこういうのはすぐわかってもらえるんだけれども、商売をしていると、物を買ったり売ったりする、この売る手前のこっち、物を仕入れて売るわけですから、この仕入れに対して、それをとめることになりますから、そちらで被害が出るということに対して、それを補償するということを意味しますので、幾らというのは、これはなかなかはかれないということだと思っておりますので。

 また、一般論としても、損失補償という考え方を多分先生は言っておられるんだと思うんですけれども、この損失補償という観点からいきますと、これはなかなかそんな簡単な話ではないので。

 普通、損失補償というと、一番簡単に出てくるのは多分土地の収用法だと思うんですね。これが損失補償が一番よくはっきりした形で出てくるんだと思うんです。法律で定められた基準によって、例えば県のためにとか市のためにという公共の利益のために、いわゆる特定の財産、清水さんなら清水さんの持っている土地の一部ということを強制的にとられるという、侵略される、侵される、いろいろな表現がありますけれども、そういう場合に、それが特定の財産がとられるということに関して、これは営業等に対して、それだけ土地がなくなりますので、その損失補償というのは、これまで土地収用法等でよく理解できるところですけれども。

 営業自粛というような損失補償については、今申し上げたような理由で、結構これはなかなか難しいんだと思っておりますので、私どもとしては、少なくとも、そういった事業者の世帯を対象として、大胆な支援策等々によって支援をさせていただくという方法でやらせていただこうと思っております。

清水委員 恐らく、今の麻生大臣がおっしゃったのは、例えば居酒屋ならば、そこにお酒を納品している酒屋さんとかあるいはおしぼりのリースをしている業者だとか、そういうところの被害までなかなか補償できないじゃないかという意味でおっしゃられたと思うんですけれども、私はそういうところに対してもしっかり補償していくということが大事だと思うんです。

 実は、国内でも、静岡県の御殿場市が、市内の自営業者、スナック、バー、クラブ、約二百店舗あるそうなんですが、自粛要請と同時に最高で百万円までの補償を市独自で行うと発表したことがえらい話題になっているんですよね。事業者からも、これなら安心して休業できる、感染拡大防止にも役立つ、こういう声が上がって、歓迎されております。

 やはりこのままでは、休まないといけないとは思うが生活の糧がなくなるということで、結局、雇用、事業活動、生活を守り抜き、危機をしのぎ切るというんですが、しのぐことができなくなってしまう。資金繰りのお話もされましたが、実際、日本政策金融公庫、例えば大阪の窓口では、申請してから面談ができるのは二週間後なんです。貸付けの決定には一カ月かかるということで、現場も努力されているんですけれども、その間どうやって生活しようかということで苦しんでおられるわけなんですね。

 自粛と補償はセットで、この声が大きく上がっております。そのことが感染拡大防止にもつながるということは先ほど述べました。改めまして、休業補償、損失補償等、大胆に、そして迅速に、この御殿場市のように頑張っているところもある、自治体に任せるんじゃなくてやはり国がしっかりとこれを補填していただくということを求めて、次の質問に移りたいと思います。

 緊急経済対策の税制措置の項目について、国税庁に伺いたいと思います。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、無担保かつ延滞税なしで一年間納税を猶予する特例を設けるということですが、その制度の目的について簡単に説明していただけるでしょうか。

矢野政府参考人 お答えを申し上げます。

 現在、イベントの自粛要請ですとか、あるいは入国制限措置など、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための措置に起因して多くの事業者の方々の収入が減少しているという状況にございます。

 こうした状況を踏まえまして、手元資金を事業継続のために回していただけるように、足元の収入が前年に比べて二〇%以上減少した事業者を対象として、御指摘のとおり、無担保そして延滞税なしで一年間納税を猶予するという特例を設けることとするものでございます。

清水委員 実は、三月二十四日の当委員会でも、私は、この納税猶予について思い切って延滞税を免除するなどの措置が必要ではないか、こう求めたわけですが、そういう施策を今回とっていただくということですね。午前中の質疑で麻生大臣も、今回の税制措置で当面の資金繰りが支援につながると答弁されておられましたが、そのとおりだと思います。

 先ほど、大門先生に褒められたというお話もされておられたと思うんですが、大門先生からも、批判ばっかりしたらだめだ、麻生大臣がしっかり頑張ってくれたらちゃんと評価するように、こういうふうにも言われておりますので、そのことも申し述べておきたいというふうに思います。

 とりわけ、中小零細業者にとって有効な対策だと思うんですよ。やはり資金繰りに困っている事業者は、法人税はもとより消費税などの納税の資金をとりあえず運転資金として使うことができれば、新たな制度融資の借入れが始まるまでの間、回していくということができると思うんです。

 確認したいんですが、法人税や所得税のほか、消費税、それから社会保険料などもこうした納税の猶予の特例の対象となっていると思うんですが、その対象について紹介していただけますでしょうか。

矢野政府参考人 お答えいたします。

 今般の納税猶予の特例につきましては、委員御指摘のとおり、法人税や所得税のほか、消費税、相続税など、ほぼ全ての国税が猶予の対象となると考えております。

 なお、所管外でございますけれども、今御指摘ありましたのでついでに申しますと、地方税につきましては、総務省の所管でございますし、条例というものがございますけれども、結果的には、国税と同様の措置を講じられることになると承知しております。

 それから、社会保険料につきましては、法制上、国税徴収の例によるということで、自動的に国税と同じことになるという扱いになってございますので、その法体系のもとでは、直結した形で猶予が行われると承知しております。

清水委員 納税猶予の特例の条件について確認したいんですよね。

 令和二年二月から納付期限までの一定の期間において収入が大幅に減少した場合の適用を条件としている。前年同月比、同期比おおむね二〇%以上の減、こういうふうにこの特例の条件はなっていると思うんですが、例えば、一七%減ったとか一八%減ったとか、こういう場合は、この特例の対象にならないんでしょうか。何とかそこをちょっと検討していただけたらと思うんですが。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 まだ法案を提出しておりませんので、詳細をお答えするのもなんですけれども、今委員がおっしゃいましたとおり、前年同月比でおおむね二〇%以上の収入の減少ということを一つの要件にしようと考えております。要件はそれだけではございませんけれども、おおむね二〇%ということですので、リジッドに二〇、しゃくし定規に二〇ということは考えておりません。

 基本的に、二〇はどこから来たかといえば、政策金融におきましての中小企業向けの実質無利子無担保融資の条件が売上高が二〇%減少という考え方がございますのと、それから、リーマン・ショック直後の企業の四半期別の売上高が最大で二〇・四%減ったという実績がある、このあたりを捉まえての数字でございます。

 これから制度設計でございますけれども、実際の基準の適用につきましては、現に収入の減少が二〇%に満たないことのみをもって一概に特例の適用が否定されるものではなく、個々の納税者の置かれた状況を踏まえつつ、適切な運用が行われるものと考えております。

清水委員 ぜひ柔軟な対応をお願いしたいんです。

 それで、今ちょうど矢野さんが、特別利子補給制度の適用条件についても答えられました。この特別利子補給制度の適用条件、個人事業主、これはフリーランスも含むんですが、これは要件がない。借入れ時のときの条件が五%マイナスのため、実質売上高は五%減少しているということが条件になろうかと思いますが、小規模事業者の場合は売上高が一五%減少していること、そして、今、矢野さんおっしゃられましたように、中小企業の場合は売上げが二〇%減少、こういうふうになっているんですね。中小企業庁は、規模の小さい事業者に対してもきめ細かい対策をこのようにとっておられるわけです、五パー、一五パー、二〇パーあるいは要件なしという形でですね。

 また、現場の経営者や税理士などの皆さんのお話を聞きますと、それぞれの条件について同じようにしてもらえれば、書類をつくるための申請者の負担も大幅に軽くなるというメリットも考えられる、こういうふうな声が上がっております。

 この際、緊急事態でございますので、この納税猶予の特例も特別利子補給制度に倣って同じ条件にして、申請の手続を簡単にするということ、まあこれから法案が出るということですけれども、検討していただけないでしょうか。

矢野政府参考人 お答えいたします。

 納税の猶予につきましては、御指摘のとおり、特別利子補給制度というのが別途ございますけれども、これとは異なって、大企業も含めまして、全ての納税者を対象にしたものとなっておりまして、課税の公平性ということにも配慮し、また、申請や審査手続の簡略化を図るという観点からも、一律おおむね二〇%減少という基準を置くことを今のところ考えております。

 一方、今委員御指摘のように、さまざまな支援制度がある中で、申請に係る国民の負担を極力軽減すべきという点は政府・与党の中でも議論があったところでございまして、そうした観点から、納税の猶予の特例の申請に当たりまして、融資の申込みの際に利用された書類で収入の減少割合が確認できるものがあれば、そのコピーを活用するなど、柔軟な対応が図られるように工夫をしてまいりたいと考えております。

清水委員 最後に質問したいと思います。

 今SNS上では、やはり自粛と補償はセットだろというハッシュタグがたくさんリツイートされているわけです。その点では、資金繰りとあわせて、今質疑をさせていただいた納税猶予の特例、これをより、希望する事業者の方々が柔軟に円滑に活用することができるように、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思うわけです。

 そのSNSの中でこうした投稿を読みました。収入がゼロになったのでコロナ収束のめどがつくまで去年の所得税を分納することができないか税務署に相談に行った、そうしたら何と言われたか。職員から、それはお勧めしません、先延ばしするとほかの納税と重なってきつくなりますよ、あなたはイベント業の発注がないようですが、家に閉じこもらず外に出れば仕事たくさんありますよ、こういうふうに言われたと。外出を自粛をしている中で外へ出て仕事を探せ、イベント業者さんがこう言われたということなんです。

 これはSNSの投稿ですから、これがこのまま事実かどうかはわかりませんが、今回の納税猶予の特例措置に従えば、税務署が、納税の猶予をためらわず、話をして、あなたの場合は納税猶予の特例を活用することができるんじゃないですか、こういうふうにやはり丁寧に対応することが必要で、納税できないんだったら働け、猶予はするなというような、こういうちょっとしゃくし定規な対応というのはしないということで確認できますかね。

田島政府参考人 お答え申し上げます。

 この場でも御答弁申し上げておりますが、現在でも、この猶予制度の適用に当たりましては、納税者の置かれた状況や心情に十分配意し、迅速かつ柔軟に対応するように、全国の税務署に指示をしているところでございます。

 そういった取扱いにつきまして、今後も徹底してまいりたいと考えてございます。

清水委員 ぜひ、多くの中小企業、小規模事業者、飲食業、フリーランスの皆さんの暮らしを守り切っていただく、そういう強い決意で臨んでいただくことを求めまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、青山雅幸君。

青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。

 本日も貴重な質問の機会をありがとうございます。

 早速です。私は、コロナ対策関連の政策というのは、基本的には全てが終息するまでの間は感染拡大防止策だと思っているんですね。

 イギリスのジョンソン首相が、幸いにして病気が大分回復されてこられたようですけれども、イギリスの全家庭に手紙をお書きになって、その内容は、要は感染拡大防止のために家にいてくださいということを真摯に訴えられるものでございました。非常に胸を打つものであったわけですけれども。

 なぜこの話をするかというと、私は、政府の今までおとりになっている対策というのは、非常に的を得ているものだと思っているんです。ところが、これが余り評判がよくない。それはなぜかというと、感染拡大防止のためにやっているんだよと、国民の皆様にそれをきちんと伝え切れていない。言ってみれば、仏つくって魂入れずのようなことになっているものですから、誤解が多かったり、あるいはわかりにくかったりして、せっかくの政策が生きていない、そういうふうに思っております。

 ですから、その観点でお伺いいたします。

 まず、例えば、検疫についても一つの例なんですけれども、自宅待機あるいは施設での待機をお願いする。そのときに、お願いするだけで何の支援もない。なので、公共交通機関が使えない、迎えもいない人は歩いていかなきゃいけない、ホテルまで歩いていかなきゃいけない、あるいはホテルも自分で探さなきゃいけない。本当に待機してもらいたいと思ったら、こんな扱い、絶対するわけないですよね。同じことが布マスク配付にも言えると思います。

 私、これは非常にいい政策だと思っていまして、ちょうど布マスクを配付すると発表されたころに、アメリカのCDCでもそれまでの見解を改めて、布マスク、感染拡大、飛沫拡散の防止効果があってお勧めであると。それまで非常に否定的だったトランプ大統領でさえも、自分はつけないけれども国民には勧める、こういうようなことまで言って、世界の動きが、それまで布マスクなんか何の効果もないんだというのが、非常に効果があるんだ、こういうふうに、ちょうど布マスク配付を発表された次の日あたりから大きく報道され始めているわけです。

 ところが、今回、ひどいものなど、SNSの声を見ると、布マスク二枚が経済対策であると。諸外国の政策と比べて、日本は布マスク二枚だけだというふうに、やゆというか、ばかにされるような、そういう書き方をしている。

 私、それがすごく残念なのは、せっかく政府が心を込めて、感染拡大に非常に効果があるであろう、こういう政策をやったのに、国民からやゆされるようでは、その気持ちが伝わらないわけですね。私、一生懸命、一人でというか、この政策を擁護するというか、その意義をブログなどで訴えさせていただくと、十万を超えるアクセス、合計ですけれども、あったりするわけです。つまり、そう思っている国民も多いわけですね。

 お手元にお配りしたこれですけれども、これはまさに本当に布マスクがなぜ二枚なのか、そしてなぜ二枚だけれども効果があるのかと。中には郵送料までいろいろと言われる方がいるわけですけれども、郵送というのもとてもいいわけですね、感染拡大防止になりますから。これは誰がつくったかというと、SNS上で非常に今回のことが誤解されているのを残念に思った個人の方がシェアフリーで出されている。私、これはすごくいいと思って、これを見ると、ほとんどの人の誤解は解けるんじゃないかと。

 こういうことをきちんと政府にやっていただきたい。できるならば、別にこれじゃなくてもいいんですけれども、今度、各家庭に配るときに誤解を解くようにこういうわかりやすいものをおつけになったらいかがかと思うんですけれども、きょうは政務官においでいただいております。御意見をお聞かせください。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの布マスクの配付ということでございますが、厚労省におきまして、せきやくしゃみなどの飛散を防ぐ効果があることなどをホームページで周知しているとともに、配付の際に、感染拡大防止を図るための配付であることや外出する場合には飛沫を飛ばさないようにマスクを着用することなどを記載した説明文を同封することを検討しているところでございます。

 今後とも、関係省庁で連携しつつ、新型コロナウイルス感染症に係る情報を国民に対しましてわかりやすく、わかりやすく発信してまいりたいと考えておるところでございます。

青山(雅)委員 ぜひお願いいたします。

 広報というのも政策の一つであって、本当に国難とも言えるこれを乗り切るには、国民の理解が何より大切です。その理解が得られるようなことを本当に心がけていただきたい。

 同じことが経済政策にも言えます。

 先ほども言ったように、ここまで、今の段階までのところでは、必要なことが実は非常にきめ細かくやられている。ところが、わかりにくいものだから全然それが理解されていなくて、経済対策は布マスク二枚なんて言われているんですね。

 お手元にお配りした資料の、このカラフルなやつですけれども、これは誰がつくったかというと、私の知人の静岡県弁護士会の政治的にニュートラルな弁護士が、きちんとせっかくいいものがありながら余り活用されていないというので、これをつくったんです。これを見ると一目で、今自分が困っているときに何が使えるかとわかるわけです。

 本来こういったものは政府がつくるべきであって、ホームページなどを見ても、何か難しいことが細かくいっぱい書いてあって、一体自分は何を使えばいいのか全然わからないわけですね。そう思っていたら、七日までは内閣府のホームページ、すごいわかりにくかったのが、八日、かなり改善されているんですね。

 こういうわかりやすさをぜひ心がけていただきたいと思うんですが、これについても政務官の御意見をお伺いしたいと思います。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の状況や政府の取組につきましては、国民の皆様に御理解、御協力をいただくために、正確でわかりやすい、おっしゃるような情報発信が重要だと考えておるところでございます。

 そのため、昨日九日、新型コロナウイルス感染症についての特設サイトを設けまして、政府の各種取組や、それから国民の皆様への注意喚起、各種相談窓口等の情報を一覧性を持って掲載をいたしまして、必要な情報にアクセスしやすくなるようにしたところでございます。

 また、新たな広報手法といたしまして、人間が入力するテキスト等に対して自動的に回答を行うチャットボットを四月中旬をめどに立ち上げまして、各府省が保有する情報等を知識ベース化いたしまして、AI等を活用してさまざまな疑問や質問に対して即時に回答ができるようにする予定でございます。

 引き続き、御指摘のその広報という部分ですが、関係省庁と連携いたしまして、ソーシャルネットワークサービス等も活用しつつ、新型コロナウイルス感染症に係る情報のわかりやすい発信に努めてまいる所存でございます。

青山(雅)委員 できるだけワンストップで、ほかの省庁のホームページに飛ぶとかいうやり方ではなくて、今おっしゃったようなわかりやすいものをぜひつくっていただくとともに、そういうものがあるんだよということを、それ自体も広報をお願いしたいと思います。

 それから、三十万円の給付、これは国民が期待した割に非常に評判が悪い。なぜかというと、よくわからないんですね、適用になるかどうか。これは、できればホームページで自分がこうだよというふうに、イエス、ノーでも答えていけば給付されるかどうかわかるような、あるいはそういったスマホ用のアプリですね、そういったものをするという工夫も要ると思うんですけれども、総務省にお伺いしたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 生活支援臨時給付金につきましては、感染症拡大を防ぐことに配慮しつつ、休業等により収入が減少し生活に困っておられる世帯に迅速にお届けするため、できるだけ申請のための手続を簡便なものといたしますとともに、給付対象世帯の範囲や申請に必要な書類等をわかりやすく周知することが重要であると考えております。

 昨日、給付対象世帯の判断に当たりまして必要となる住民税非課税水準について、同水準であるとみなします具体的な月間収入の基準額を総務大臣通知において地方公共団体にお示ししたところでございます。

 そのほか、申請のための手続ができるだけ簡便かつ迅速なものとなりますよう、時間的制約もある中ではありますが、アプリの利用も含め、オンライン申請についても検討を行うとともに、ホームページ等の広報手段を活用し、十分周知、広報してまいりたいと考えているところでございます。

青山(雅)委員 せっかくの政策も国民がわからなければ使いようがないわけで、ぜひ今の点、お願いしたいと思います。

 最後に麻生大臣に二問ほどお伺いしたいと思っております。

 大臣の方が、今回、このコロナの対策について、経済対策という言葉をよくお使いになる。それはそれで当然ではあるんですけれども、私は、先ほども申し上げたと思うんですけれども、これは国民の危機を救うエマージェンシー、緊急な感染の防止のための対策の一つだと思っております。

 先ほど例に出しましたジョンソン首相の手紙にこういう言葉がございます。あなたやあなたの御家族に対する経済的な影響を深く心配されているだろう方が多くいらっしゃることは承知しています、政府は、あなたが家計のやりくりをし、食卓に食べ物を並べるのを助けるために必要なことは何でもするでしょうと。何でもするということです。こう言われれば、安心して家から出ないで済む、ステイホームできるわけですね。実際に、今イギリスは八〇%の休業補償を行うというふうにしております。国民は安心して家にいられると思います。

 そこでお伺いするんですけれども、例えばアメリカでも、大人に十三万円、子供に五万五千円くらいの小切手を全国民に送付するとか、ドイツの方では、三カ月、各月、中小企業、個人事業主に百万円内外の補償をする、そういうことをやっておられます。それに比べて、ステイホーム、安心して休んで家にいてくださいというのについては、日本の対策は少な過ぎる、あるいは要件が厳し過ぎると思うんですが、まずこれについてお伺いします。

麻生国務大臣 これは、各国、今いろいろな施策をしておられますので、ちょっとそれに関するコメントとか評価というのは、他国の話なので差し控えさせていただきますが。

 その上で、今回の感染症の影響が広がる中で、仕事が減るなど、いわゆる収入が減少して生活に困窮を来している家庭に対して、御指摘のとおり、一人当たり三十万のいわゆる現金給付というものを行うことに加えて、一部世帯の緊急小口資金というものの貸付上限を二十万円に引き上げさせていただいて、一定の要件下において償還の免除を認めるとか、また、児童手当、これは本則の給付ですけれども、その受給世帯に対する児童一人当たり一万円というものの追加給付を行うなどなどさせていただいておるところなので。

 今般の影響の程度は、これは事業者で千差万別ということになろうと思いますので、御指摘のいわゆる持続化給付金というようなものに加えまして、雇用調整助成金の特例とか、各種の補助制度などの多様な支援策を準備しておるところなので、事業者の実情に応じた適切な支援というものをぜひ活用いただきたいところだと思っております。

 その上で、この四月末に補正予算というものを、これはできるだけ早く成立させていただくということになろうかと思いますけれども、まず予算を編成、そして審議していただいて成立ということになりますけれども、早期に成立かつ執行してもらわないかぬので、これができた後も、各地方自治体においてそれをきちっとやるためには、地方自治体の制度もきちんと、取り組む姿勢というものを迅速にやっていくというのが大切なんだと思っております。これまでにないことをやらせていただきますので、それなりに各地方自治体においていろんな対応に差が出てくるとは思いますけれども、できるだけ迅速に対応してもらいたいものだと思っております。

青山(雅)委員 最後、では、短く一問だけお聞きしたいと思います。

 三十万円給付、要件が厳しいものですから、国民の間に分断を呼んでいるんじゃないかという心配が非常にございます。所得制限を設けるにしても、後から精算するとかそういうやり方もあろうかと思います。私は、この点についてはぜひ御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは、御指摘のとおり、一般的に、家計への支援については、これはもうさまざまな方法があり得るんだと思っておりますが、他方、給付を行う段階で支援を要する人かどうかというものを審査した上で必要な範囲だけの給付を行うという仕組みにさせていただいた方が、御指摘のように、後から例えば適正配分を図るという仕組みも、これはいろいろあるんですけれども、支給された現金などを安心して生活に充てるということができるようにするといった利点もありますので。

 私どもとしては、今回、緊急経済対策においては、個々の家計によって支援というものの必要性が異なっていますので、そういった意味では、新型コロナ感染症の影響によって、仕事が減る、収入が減る等々、生活に困窮しておられるという方々がいることを踏まえて、これは国民全員一律というのは、それは一人頭でばあっとやれば早いかもしれませんけれども、そうではなくて、特に厳しい状況にある世帯を対象とさせていただく、それに集中的にやらせていただくという支援をさせていただこうというように考えた次第です。

青山(雅)委員 いろいろと工夫を凝らして、国民の間に不平不満ばかりたまるというようなことはぜひお避けいただけるよう、お考えいただければと思います。

 本日は、ありがとうございました。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、内閣提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣麻生太郎君。

    ―――――――――――――

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

麻生国務大臣 ただいま議題となりました株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。

 地域活性化や企業の競争力の強化等につながる成長資金の供給を引き続き促進することは重要な課題であります。このため、政府は、こうした成長資金の供給に貢献してきた日本政策投資銀行の特定投資業務について、投資決定期限等を延長することとし、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、日本政策投資銀行の特定投資業務について、投資決定期限及び政府による出資期限を令和三年三月三十一日から令和八年三月三十一日まで延長することとしております。

 第二に、特定投資業務の完了期限を令和八年三月三十一日から令和十三年三月三十一日まで延長することといたしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.