衆議院

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第16号 令和7年4月11日(金曜日)

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令和七年四月十一日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 井林 辰憲君

   理事 大野敬太郎君 理事 国光あやの君

   理事 小林 鷹之君 理事 阿久津幸彦君

   理事 稲富 修二君 理事 櫻井  周君

   理事 斎藤アレックス君 理事 田中  健君

      東  国幹君    石田 真敏君

      伊藤 達也君    上田 英俊君

      英利アルフィヤ君    勝目  康君

      高見 康裕君    田中 和徳君

      土田  慎君    長島 昭久君

      中西 健治君    根本 幸典君

      福原 淳嗣君    古川 禎久君

      牧島かれん君    松本 剛明君

      向山  淳君    吉田 真次君

      江田 憲司君    岡田  悟君

      海江田万里君    川内 博史君

      階   猛君    末松 義規君

      長谷川嘉一君    原口 一博君

      水沼 秀幸君    三角 創太君

      矢崎堅太郎君    黒田 征樹君

      萩原  佳君    村上 智信君

      岸田 光広君    中川 宏昌君

      山口 良治君    高井 崇志君

      田村 智子君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       加藤 勝信君

   内閣府副大臣       瀬戸 隆一君

   財務副大臣        斎藤 洋明君

   財務大臣政務官      東  国幹君

   財務大臣政務官      土田  慎君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    伊藤  豊君

   政府参考人

   (財務省大臣官房総括審議官)           寺岡 光博君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   前田  努君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    青木 孝徳君

   参考人

   (株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長)    地下 誠二君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十一日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     勝目  康君

  上田 英俊君     高見 康裕君

  田中 和徳君     英利アルフィヤ君

  土田  慎君     吉田 真次君

  牧島かれん君     向山  淳君

  萩原  佳君     黒田 征樹君

同日

 辞任         補欠選任

  英利アルフィヤ君   田中 和徳君

  勝目  康君     石田 真敏君

  高見 康裕君     上田 英俊君

  向山  淳君     牧島かれん君

  吉田 真次君     土田  慎君

  黒田 征樹君     萩原  佳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)


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     ――――◇―――――

井林委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長地下誠二君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、金融庁監督局長伊藤豊君外三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井林委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。萩原佳君。

萩原委員 日本維新の会、萩原佳でございます。

 本日は、質疑時間の調整をしていただき、ありがとうございました。感謝しております。

 早速ですが、質疑に入らせていただきます。

 DBJ法の質疑に入る前に、まず、現在政府で検討されていると言われている、所得制限なしで国民全員に現金五万円を配る案に関連してお伺いいたします。

 この話を聞いたとき、本当にお金を配るの好きだな、余り経済効果がないといういろいろなデータも出ていると思うんですけれども、どうなのかなというのが個人的な見解でございます。物価高騰対策というのであれば、物を買うお金を配るのではなくて、買うものそのものを下げる対策を取るべきだと考えております。

 お伺いいたします。

 実際、このような検討は進んでいるのか。また、仮にこれを実行する場合の予算、二〇二五年三月の見込み値ではありますけれども、人口が一億二千三百四十四万人であることを考えると、真水でも、五万円配ると六兆一千七百二十億円かかることになりますが、この場合の事務経費の見込みはどの程度を見込まれているのでしょうか。仮に、検討もしていないから見込んでいないということであれば、前回の配ったコロナの特別定額給付金の際に発生した経費額、これをお示しいただければと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の給付金につきまして、報道は承知してございますけれども、政府として新たな給付金について検討しているという事実はございません。

 その上で、一般論として申し上げれば、現金給付に係る事務経費でございますけれども、制度の設計ですとか給付の手法によって様々に異なりますことから、一概にお答えすることは困難であるということを御理解をいただければと存じます。

 なお、御指摘の令和二年度、コロナのときに実施をいたしました特別定額給付金の事務経費、これは、支出済額ベースで九百三十三億円となってございます。

萩原委員 今、制度設計次第ということは理解いたしました。ただ、コロナの令和二年、五年前のときでいうと、当時九百三十三億円かかったということですので、物価上昇が進んでいる現在の状況においては、同じような設計をしたとしたら、よりかかる、一千億弱はかかるのかなと思っております。

 また、これも制度設計次第という話かもしれませんけれども、最後は自治体に業務を丸投げするという形になると思っております。私は当時、市議会議員をしておりましたので、非常に市役所は混乱していたなという感想があるのですけれども、投げるにしても、自治体にかかる負担、これはどのように考えられているのか、お聞かせください。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 給付金、これを迅速かつ確実にお渡しをするためには、どうしても、基礎自治体の御協力、これをお願いせざるを得ないという状況でございます。もちろん、政府といたしましては、従来から、自治体に過大な業務負担が生じないように配慮をしてまいってきたところでございます。

 御指摘の、例えば令和二年度の特別定額給付金の給付に際しましては、例えば、オンライン申請のデータがデジタルデータのままでは処理できないとか、市区町村の職員が一々印刷をした上で申請者の氏名等の確認作業を行うといった大変大きな業務負担が発生をいたしました。政府といたしましても、その際につきましては、オンライン申請データの一括ダウンロードや一覧表の作成ができるツールの開発の提供といった御支援を行いまして、自治体の業務負担を可能な限り軽減するように努めたところでございます。

萩原委員 仮にそうなった場合、お金を配る、自治体に任せるということになった場合、そのような対応を取っていただきたいなと思っております。

 ただ、先ほども申しましたが、まずは、お金を配るのではなく、物価を、買うものそのものを下げる、消費税をどうするかというところなのかなとは思っております。

 これは私案という形にはなりますけれども、物価高騰対策という意味では、食料品に係る消費税、これをゼロ%課税にする方がより有用な物価高騰対策であると考えておりますが、仮に食料品の消費税をゼロ%課税にした場合にかかる財源額はどの程度になるのか、参考値でも結構です、お示しください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 消費税の申告におきまして、食料品に係る消費税額などの内訳までを申告いただく仕組みとはなっておりませんので、食料品に限定して税率をゼロ%にした場合の具体的な減収見込額についてお答えすることは難しゅうございますが、軽減税率の八%をゼロ%とした場合、軽減税率の対象というのは食料品だけじゃないものですから、その他のものも含みますが、軽減税率の八%をゼロ%とした場合の減収見込額を機械的に計算いたしますと、国、地方合計で五兆円程度となります。

萩原委員 五兆円程度と。軽減税率を受けているのはあと新聞とかそこら辺かなという気はしますが、全体に関わるインパクトというのは何パーかなというところだと思いますので、約五兆円かかるのかなという気はしております。

 もちろん、その五兆円、これをどう財源をつくってくるのかという話はあるとは思いますが、皆さんがよくおっしゃる理屈、スポットで実施する減税に関しては特に財源を求めないみたいな話をよくされておりますけれども、そういう意味でも、お金を五万円配って六兆円以上かけるよりも、まずは、軽減税率というのか、食料品に係る消費税率、ゼロ%課税を一年若しくは二年、スポットで実施しても、予算措置というのは、消費の喚起効果を考えたとしても、一定対応は取れるのかなと思いますし、予算感、単年度で見ると非常にコンパクトになるのかなと思っております。

 ただ、食料品のゼロ%課税に関しては、報道等で、今、自公さんの方で検討されているという話も、これもまた出てはおりますけれども、そういう意味で、ゼロ%課税の選択肢を今持たれているのかどうなのかというところを加藤大臣にお伺いいたします。

加藤国務大臣 ちょっと、与党の中で何が議論されているかは私が答える立場ではありませんが、与党の中で公式にそうした議論がなされているという報道には接してはいないというふうに承知はしております。

 その上で、政府としては、石破総理がおっしゃっておられるように、消費税の税率について引き下げることは適当でないということを申し上げているわけでございますので、その考え方には何ら変更はないということであります。

萩原委員 現状は変更はないということだと思いますけれども、非常に、トランプ関税も含めて、株価市場も、乱高下しているという言い方が正しいんですかね、そういう形でもありますし、状況というところは変わってくると思います。そして、国民の皆さんの生活が不安定になるというところは間違いないと思っておりますので、是非、意味ある物価高騰対策を、政府が決めて、財務省はそれを支えるという立場であると思いますけれども、御対応いただくことをお願いして、DBJ法の改正についてお伺いしたいと思います。

 今回、改正の対象となっている特定投資業務の役割に関しては、地域活性化そして企業の競争力向上の観点から、エクイティーとメザニンなどのリスクマネーの供給であると理解しております。また、事前にいただいた資料によると、令和六年九月末現在で、投融資決定については二百三十六件、一兆二千八百三十一億円、累積損益は六百六十四億円の黒字、そして誘発された民間資金額は七兆五千十億円ということで、一見、この数字だけ見ると、非常に効果があったようにも見受けられるんですけれども、これらについて、少々細かい話も含めてお聞きしたいと考えております。

 まずは、投融資決定額についてお伺いいたします。

 現在のDBJに対する産業投資計画額は、令和六年度までの累積で一兆一千五百四十億円となっていましたが、実際は、コロナ等で投融資計画が一旦増額され、後に不用になったということで返還した金額が二千五十億円程度あったとお聞きしておりますので、産業投資の計画額は、令和六年度末までで九千四百九十億円であると理解しております。そして、国五〇パー、DBJ五〇パー負担の下で行われる特定投資業務を前提とすると、本来、令和六年度末までの投融資額というのは一兆八千九百八十億円程度になっていてもしかるべきかなと思っております。

 ただ、先ほども申しましたし、ちょっと時期は半年ずれているんですけれども、二〇二四年九月までの投融資決定額は一兆二千八百三十一億円ということで、予実の対比という意味では、財政投融資計画は余りうまく機能していないようにも思えるのですが、これに関する見解とその要因をお聞かせください。

地下参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、業務開始から令和六年度末までの財源としては九千四百九十億。つまり、当行が同額すれば一兆八千九百八十億円、それが財源ということになります。それに対して六千億未達になっているのではないかという御指摘だと思いますけれども。

 理由といたしましては、私ども、資金の運用をする立場でございますので、事前にお金を預けていただく政府の方から若干枠取りをさせていただくという部分が一つございます。あと、特殊要因としては、まだ、コロナ明けで新規の事業展開を図られる方が多いだろうというので、それ向けに千五百億ぐらい想定しておりましたが、これは結局出ませんでした。それ以外に、実は、脱炭素の計画ということでかなり大規模なプロジェクトないしは企業の再編ということでかなり大きなプロジェクト、これは事前にいろいろ御相談いただいていた案件ですけれども、諸事情により年度をまたいで検討するとかそういうことがございましたので、今回は六千億がまだ財源として手元に残っているということでございます。

 いずれにしましても、今後、今もオンゴーイングで相談を受けている案件もございますので、年度は改まりますけれども、お預かりした資金を適切に運用させていただきたいと存じます。

萩原委員 ありがとうございます。

 枠取りしているところ、期ずれ等々もあるということで想定したものも少しずれてしまったのもあるというところは一定は理解しておるんですけれども、とはいえ、過去、投融資して、決定している二百三十六件、十年近くで行われていると思いますが、少し、数が非常に少ないのかなという気がしております。ある意味、投融資先の掘り起こしがうまくいっていないのかなというふうにも感じておるんですけれども、その数に対する評価、また、その前提として、投資先の選定プロセスはどのようになっているのか、この二点をお示しください。

地下参考人 お答えいたします。

 確かに、案件数二百三十六件、意外に少ないなと思われるかも分かりません。ただ、この中には、我々、やはり、いろいろな共同ファンド、地銀と共同するファンドであるとか事業者と共同しているファンド、それに対する出資も一件として数えております。そのファンドから更に細かい先を勘案すると、ほぼ六百件、多分五百九十数件だったと記憶しておりますけれども、そういう案件がございます。なので、私ども、組織的には人数も多くありませんので、なるべく地銀であるとかそういう共同投資を促進する形で、我々がリーチできない部分に対応していきたいというふうに考えてございます。

 二つ目の案件採択のプロセスですけれども、実は、私ども株式会社日本政策投資銀行というのは、元々金融業でございます。なので、顧客基盤が、取引社数は約三千ぐらいですが、実質は二千程度。そのうち、東京の大企業が半分、地域の中堅、中小が半分、そういう構成で、その顧客層からまず御相談をいただくというのがベースです。もちろん、既存の取引のないお客さんが飛び込みで御相談に来るケースもありますし、あとは、取引をやっているメインバンクが、どうしても資金が集まらないのでこの会社の話を聞いてくれないかということで、相談もあります。

 なので、特定投資として御相談いただくというよりは、こういうお金が集まらなくて困っているんだという御相談の中から、私どもが特定投資の要件を満たすものを運用者として選定させていただいている、そういうプロセスでございます。

萩原委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、投資の共同ファンド、それを入れると五百九十九件というところで、六百件ぐらいで、数が、二百三十六件じゃないよとは言われますけれども、やはり、十年というスパンで考えると、この件数というのは少ないのかなというふうに感じています。

 また、やみくもに数を追求すればいいわけではないというのは理解はしているんですけれども、おっしゃるとおり、間口が二千の顧客であったり、メインバンクからであったりというところで、割と待ちの姿勢というか、相談ベースで対応しているということなのかなと思っております。

 そういう意味では、もちろん、巨額の投資、脱炭素系のものとかであると、そういう期ずれとかも含めて分かるんですけれども、DBJにある国内支店というのは十店舗ぐらいしかない、間口としては非常に狭いかなと思っていて、お客さんの新規じゃないニーズを引き出すという意味では、本当にサイズ感の問題もありますが、あと、重点施策に上がっているDBJスタートアップ・イノベーションファンドなどは、おっしゃるような大企業を前提としているものばかりでもないと考えておりますので、過去、様々な経緯があったことは承知はしているんですけれども、そういう掘り起こし、数を、新規の元気なベンチャー企業を見つけるという意味では、百五十二の支店を持つ日本政策金融公庫に業務の一部というのを頼むというのもいいんじゃないのかなと思っておるんですが、どうなのかなと。

 私も、税理士として働いている中、スタートアップした資金需要がある人たちが、国金さんに行こうという話はしたりしますし、されたりしますけれども、政策投資銀行に行こうという人は全くいない。まあ、いるわけはないと思いますけれども。そう思うと、なかなか、特にスタートアップ、イノベーションとかになると、余り業務が合わないのかなという気もしているんですけれども、大臣、どのように考えているか、お示しいただければと思います。

加藤国務大臣 日本政策投資銀行と日本公庫自体の基本的な業務はかなり違っている、それはもう認識をされた上での御発言だと思います。

 ただ、その上で、今お話にありますように、地域地域における、例えばスタートアップ等々を拾ってきた、その案件をどう例えば政策投資銀行につなげていくのかとか、そういった連携、そういったことの重要性は御指摘のとおりだろうと思いますので、業態自体を一緒にすることは私は適切ではないと思いますけれども、両行というんですかね、その二つの組織間において、より緊密な連携を図っていく、こういったことは大変重要だと思っておりますし、財務省としても、それを念頭に置きながら、監督等を行っていきたいと考えております。

萩原委員 今、業務連携を高めていくというところで対応を取るということですけれども、それでも、ある意味、投融資額、リスクマネーの供給というところの広がりが少ないというのであれば、またその対応というのを考えていただければなと考えています。

 またちょっと質問を続けさせていただきます。

 令和六年十二月二十日に、DBJの特定投資業務に関する勉強会取りまとめ、これが公表されていて、これを受けて今回の法案変更もされていると思いますけれども、その中で、令和六年九月末までに、四十六件のエグジット済み案件に対して、約七割が想定どおりの政策効果を発現したとの評価を受けていますが、評価が非常に高過ぎるんじゃないのかなと考えています。

 投資の中にはいろいろあるということは理解しておりますし、そういう案件とは違うんだという話はあるかもしれませんが、エンジェル投資の成功率というと大体一%以下と言われる中、この自己評価七割というのは異常に高くないのかなと。非常に堅い投資ばかりしているように見えてしまいます。

 そういう意味で、このやり方を続けていて、PE市場とかスタートアップ市場を拡大することが本当にできるのかなと思ってしまうんですけれども、これに関する、大臣の取りまとめに関する御見解をお聞かせいただければと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、四十六のイグジット案件について政策評価を行っています。

 実は政策評価は当初の特定投資の時期はやっておりませんで、第二期目、延長する際に、国会での議論であるとか、私どものモニタリングボードという評価システムを持っておりますが、その先生方から、やはり政策評価もきっちりやるべきじゃないのということで、いろいろ考えまして、OECDの諸国で国が政府支援をした場合の評価、DAC六項目評価と言われるようなんですけれども、そちらの標準的手法を活用して、客観的、定性的評価をしているところでございます。なので、七割は高評価過ぎるんじゃないかというのは、これは政策趣旨とか、あと、件数での七割でございますので、金額ということにはなっておりません。

 一方で、スタートアップ投資に対する掘り起こしが不足しているんじゃないかというのは、真摯に受け止めます。

 ただ、一応、取組を説明させていただきますと、特定投資という名前なんですけれども、幅広く、メザニンのようなリスクマネーも対応するということになってございますので、全てがスタートアップに特化したメニューにはなっていないという点も併せて御説明させていただけたらと思います。

 いずれにしましても、先生御指摘の案件発掘の努力を鋭意続ける所存でございます。

萩原委員 ありがとうございます。

 数が七割の想定であるとか、内容に応じてというところは理解はいたしました。設定している項目、それが本当に達成できる目標を設定している場合が、役所というか、役所ではないんですけれども、皆さん、政府系も多いのかなという気もしておりますので、そのそもそもの目標値が正しいかというところもまた確認させていただければなと思っております。

 次に、呼び水効果についてお伺いします。

 呼び水効果に関しては、今回、七兆五千十億円生じているとされておりますけれども、それは投資決定額の六倍近くということになっています。一兆二千投資して七兆五千返ってきているというか波及しているということに対して、この呼び水効果が想定どおりだったのかどうかということをお伺いします。リスクマネーをある意味時限的、集中的に供給する仕組みとして特定投資業務をDBJに行わせていると理解しておるんですけれども、そもそもこういう今回の呼び水効果の数字をどのように考えられているのか、お示しください。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 日本政策投資銀行の特定投資業務につきましては、官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会というところで、政策性、収益性に関する数値目標、これを明確に定めた上で、その運営状況について評価、検証を行ってございます。

 お尋ねの呼び水効果に関するKPI、数値目標でございますが、これも、過去の実績などを踏まえ、令和六年三月末において誘発された民間の出融資額、これで六・八倍と設定しておりましたが、実績は六・二倍ということで未達成、一方、民間の出資額に絞りますと、こちらは、原則、出資比率はDBJが出資する額の同額以上ということとされておりますので、それを上回る四倍と設定していたところ、実績は四・一倍と、達成されたということでございます。

萩原委員 ありがとうございます。

 おおむね予定どおりということだったかと思います。そういう意味では、先ほどの話と少し矛盾するかもしれないですけれども、想定どおりの数字が出たというのはいいとは思うんですけれども、その設定方法、詳細はちょっと私は分からないんですけれども、それが本当に甘くないかというところは御検討いただければなと考えております。

 あと、最後、リスクマネー供給のところで少しだけ確認させていただきたいと思います。

 とはいえ、先ほどの十二月の取りまとめによると、いまだ日本経済においてリスクマネー供給に関しては不十分であるという見解が取りまとめられておりましたけれども、このリスクマネーの供給が足りないという指摘、これは二〇〇〇年に入るか入らないかぐらいから常にあって、四半世紀以上にわたり言われてきていると思うんですけれども、このリスクマネーの供給不足、今おっしゃったとおり、計画どおりにある程度DBJとしての対応が取れている中、なぜリスクマネーの供給不足の解消ができないのか、その根本的な原因はどこにあると大臣は考えられているのか、お聞かせください。

加藤国務大臣 まず、ボリューム感で申し上げると、特定投資業務が設置された二〇一五年以降、スタートアップによる資金調達は約四倍、プライベートエクイティーファンドの市場規模は約十五倍となるなど、民間を通じた資金供給の増加は着実に推移しているということは言えると思いますが、しかし、まだまだ、御指摘のように、普通株式や優先株式といったいわゆるリスクマネーの供給が十分に広がっていないというふうに認識をしております。

 その要因について、日本政策投資銀行の特定投資業務に関する勉強会では、米国と比べ、ベンチャーキャピタルファンドに対する機関投資家等からの出資が進んでいないこと、また、地域金融機関においては投資のノウハウや人材が不足しているといった課題が指摘をされているところであります。

 日本経済、地域経済の成長力を強化するためにも、官民を挙げて、リスクマネーの供給も含めた国内投資を促進することが重要であり、民間だけでは対応が難しい成長分野に対し、特定投資業務を通じて、積極的にリスクマネーを引き続き供給していく必要があるというふうに考えております。

萩原委員 なぜリスクマネーの供給不足ができないのかで、積極的にという落ちで、ちょっと私の理解不足かもしれないですけれども、おっしゃっている意味が分かりかねるところではありますが、お考えという意味では承知いたしました。

 あと、最後、ここに関連して、リスクマネーの供給という面で、より分かりやすく論点を絞るためにスタートアップに絞りますけれども、スタートアップへの投資というのは、先ほどのエンジェル投資でもそうなんですけれども、ある意味、このお金は溶けてもいいというか、百件投資して二、三件返ってくる、お金としては倍ぐらい返ってくればいいやぐらいのイメージで投資しないと、余りうまくいっていないと思っているんですけれども、そういう意味で、そういうリスクマネーの供給を政府系金融機関が公金を使って投資するというのは非常に相性が悪いとも思えるんですけれども、それに関する考えは、大臣はどのようにお考えになっているのか、お示しください。

加藤国務大臣 その前に、先ほど、ちょっと、いま一つ意味が分からないとおっしゃいましたが、同時に、先ほど、地域金融機関のノウハウ不足等々、こういったことはしっかり支援をしていく必要があるだろうと思っておりますが、ただ、現下はリスクマネー供給が相対的にまだまだ不十分だということで、今回、特定投資業務を通じた積極的な展開に向けて延長をお願いしている、こういうことでございます。

 その上で、公金投入についてのお話がございました。日本政策投資銀行の特定投資業務の財源、その半分は、国が保有する株式の配当などを原資とする産業投資により賄っているところであります。この産業投資については、従来から、政策的必要性が高く、リターンが期待できるものの、リスクが高いことなどから民間だけでは十分に資金が供給できない分野に対し、民間投資の呼び水としてのリスクマネーを供給するものであり、特定投資業務への出資もこうした趣旨に沿ったものでございます。

 その上で、特定投資業務に対しては、業務全体を通じては長期収益性を確保することを求めており、実際に、特定投資業務の令和六年九月末までの累積損益は六百六十四億円の黒字となっているところでございます。

 引き続き、日本政策投資銀行において、新規案件の厳格な審査、継続案件のモニタリングを通じた投資管理の徹底などを通じたリスク管理を行っていくことが重要であり、政府としても、そうした日本政策銀行における取組をしっかり注視していきたいと考えています。

萩原委員 大本が、株というか、そこの配当から来ているというところと、長期的には利益が出るというところで今の業務を見ていきたいということだったと思いますが、その反面、いつまでもリスクマネー市場というのが成熟しないというのは、こうやってDBJであるとかそういう政府系金融機関が半分出してくれるから、官がお金を入れてくれるからというところもあるのかなと思っていますし、元々、この手のお金は、リスクマネー供給は民に任せるべきという声もありますので、是非、その必要性、業務をいつまで続けるかというところは御検討いただければと思います。

 ちょっと時間が大分なくなってきたので、端的にお聞きします。

 二百三十六件、今投資していて、エグジットしたのが四十六件。この四十六件、回収元高は二千七十六億円となっていますけれども、このエグジットの内訳、全額、投資したやつを回収したのか、倒れたものもあるのか。そして、累積損益は六百六十四億円と言っていますけれども、この四十六件のうちの損益、これは幾らぐらいの損益が出ているのか、お示しいただければと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 イグジット四十六件のうち、失敗したものは四件ございます。トータルで、二千数百億の元本相当に対して、利益は、御指摘のとおり、数十億ということで、二%程度の利回りにとどまっているというのがございますので、今後、その辺りの説明力の向上とか、あと対処力、そういうのは対応していきたいと思います。

 ただ、一点ありますのは、まず、全般的に劣後ローンと投資というのを分散しながらやりますので、失敗、成功というのは一定限は、ある程度あるのかなと思っております。

 ただ、我々、資金を運用する立場からいうと、一骨一骨、トータルではきっちり勝ち越した上で政策効果を出していきたいというふうに、引き続き努力をいたします。

萩原委員 二%の利回りということですけれども、本当は、四十六件で、うち二パー出たということは……

井林委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

萩原委員 はい、分かりました。

 というところで、非常に利回りが低いですので、それで、リスクを取って投資しているのに利回りが出ないとなると、やはりそういうリスクマネーの供給をやめようというメッセージにもなりかねないと思っておりますので、しっかりと利益を確保していただくことと、あと、期間を決めて業務を行っていただくことをお願いして、私からの質疑とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

井林委員長 次に、水沼秀幸君。

水沼委員 市川、船橋からやってまいりました、立憲民主党の水沼秀幸です。

 本日も未来志向の対話ができればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まずは、特定投資準備金に関してお伺いします。

 DBJは、特定投資業務を適確に実施するため、政府が出資した金額及びDBJの自己資本による金額の合計額に相当する金額を特定投資準備金として計上しています。この特定投資準備金については、業務の実施状況及び財務状況を勘案し、同業務を適確に実施するために必要がないとDBJが認める場合は、DBJの株主総会の決議及び大臣の許可を経てその額を減少することができ、この場合、政府が出資した額の割合にする、相当額を国庫に返納する、納付するものとされています。

 今回、更なるリスクマネーの供給が不可欠として法案審議をしている中、DBJは、直近三年間の令和四年から六年度において特定投資準備金の額を減少させており、合計千五百億円を超える金額を国庫に戻しています。我が国のリスクマネー需要が増加している中で、DBJが特定投資準備金の額を減少させて三年連続で国庫にお金を戻していることについて、その理由をお答えください。

地下参考人 お答えいたします。

 特定投資準備金の制度については先生御指摘のとおりでございます。リスクマネーをどんどん出す立場が、何で返しているんだという御質問だと理解しております。

 一般的なファンドの場合は、所定の金額を決まった期間でやりますので、回収した元本を再投資に回すというのは一般的には行われていると理解しています。

 それに対比しまして、当方は毎年予算という形で政府に資金を要求していきます。なので、ある意味、専門用語で言うとオープンエンドといいますか、ずっと際限なくお金を集めていきますので、かつ、当初は五年間の期間限定ということが一回延びていますので、やはり、回収した元本相当は資金の拠出者である政府に適宜お戻ししていくという方が規律があると思います。

 例えば、コロナの間、コロナ禍で苦しんだんだけれども新しい成長モデルに投資するというもののためにコロナリバイバルファンドというものを設けておりましたけれども、こちらも、元本の回収等はちゃんと国にお戻しした方がいいだろうということで判断しておりますので、運用としては、新規に必要なものは予算要求という形で政府にお願いし、回収したものは適宜返していくということで、何か握り込んでいるんじゃないかという疑惑も招かないように対応してまいりたいと考えてございます。

水沼委員 ありがとうございます。

 当初計画で出資された資金はしっかりと適切に利用されており、エグジットにて回収した利益、役割を終えた今のコロナのリバイバルファンド等が、この余った額の千五百億円の対象だということを理解できました。

 その上で、財務大臣に産業投資計画額の見積りについてお伺いします。

 政府は、直近の令和六年度に百億円、令和五年度には五百億円の補正予算をDBJに出しています。補正予算についても、申し上げた今の金額は特定投資業務に必要だということで出されました。つまりは、使い道は同じなんです。

 そして、DBJの業務遂行に必要ないと判断した場合においてお金を返す、今御説明いただいた規定なんですけれども、これは、裏を返せば、必要があると判断した場合はお金を使えるという理解になると思います。つまり、必要があれば使えるお金はDBJにあったんだと思っています。回収した元本をできるだけお返しするといっても、株主総会がなければお返しできないので、少なくとも翌年の六月まではお金は保有しているはずなんです。それなのに、なぜ、補正予算という緊要性が求められる公的資金を特定投資業務に対して投入したんでしょうか。大臣、お答えください。

加藤国務大臣 今、政策投資銀行から説明させていただいたように、端的に言えば透明性を確保するためのスキームとして、しかも、これは、政策投資銀行自体のお金であれば、それはぐるぐるぐるぐる回ればいいんでしょうけれども、都度都度国からお金が入ってくるわけでありますから、やはりそこをしっかり見ていく必要があるという一つの原則というものの中で、では、別途補正予算が必要になったときにも、やはりその原則を踏まえて、新たなものを追加する以上は、それをきちんと政府の中、予算、そして投資銀行における会計上、そこがよく分かる仕組みにしていく、そういう観点から取られた措置だというふうに認識をしています。

水沼委員 ありがとうございます。

 これはこれまでやってきた処理方法だからやってきたというようにしか聞こえないので、納得のいく答えではありません。

 また、今は金利のある世界です。予算委員会において階委員からも繰り返し指摘があったんですけれども、ブタ積みして使わないお金にも、国民の財産から利子支払いが今後は生じていくことになります。

 これは、大臣からも社長からも御発言のとおり、今こういった決まりなんですということなんですけれども、今はエグジット案件が増えていて、昨日のレクでも確認したんですけれども、今、例えば令和六年の百億円はもう国庫に返したからないんですみたいな御説明があったかもしれないんですけれども、該当の二〇二四年六月から十二月に至るまで、DBJは百億円以上はエグジット回収できているので、昨年の補正予算の百億円とかは、もう既にお金は手元にあったと思ったんですね。御説明はあったんですけれども、なぜそれを、緊要性があるという形で積み上げたというところ。

 これはもちろん、予算積算金利の二・〇%を仮定に想定するのであれば、今回の補正予算、今の二年間は合計六百億円ですので、同じことをしたら十二億円の不要な利子支払いが今後は生じることになると思います。もちろん、産業投資に充てるお金が税収なのか国債なのかは一概に言えない側面があるかもしれませんが、重要なのは、お金には常に機会損失が、機会費用が発生しているという観点です。

 産業投資は、余れば一般会計に寄与するものだと考えています。この点いかがですか。国民の皆さんのお金を無駄にしていませんか。大臣、お答えください。

加藤国務大臣 したがって、補正予算で入れているお金自体の機会費用がどうなのか、ちょっと私も細かい、全部を承知しているわけではないのできちんと説明できませんが、委員のおっしゃるように、機会費用が常に発生しているという認識、これは非常に大事だと私は思っておりますし、これまでも申し上げてきているところでありますが。

 ただ、今、そこだけを見ているのではなくて、ではそこに入れているお金がどうなのか、トータルとして判断していく必要があるということ、機会費用の観点からいえば。それから、同時に、やはり先ほど説明させていただいた透明性というものをその中でどう堅持していくのか、そこのところの比較考量というのも一つあるんだろうと思いますが、一定のルールが決まれば、その中で機会費用を最小限化していく、あるいは、機会費用の反対、機会利益ですかね、利益を生み出していく、こういう努力はしていくというのは当然のことだろうと思います。

水沼委員 ありがとうございます。

 努力をしていくということであれば、もう既にDBJさんで同じ使い道に使いたいというお金があるわけですから、これは今までこうだったからという処理方法ではなくて、より努力をするというのであれば、これまでの処理方法を変えていただければと思います。

 繰り返しですが、DBJが国庫に納付するのは、株主総会での決議が必要なタイミングですので、毎年六月末だと考えます。対して、補正予算は秋口なので、国庫納付した後に緊要性が生じたということは、また六月に納めた後に秋口まで期間があるので、その間に回収した額は、使い道が同じなのであれば、是非ここは、わざわざ補正を出さずに、DBJ内で完結していただく、こういった新しい方法で運用していくべきかというふうに考えますが、大臣、お聞かせください。

加藤国務大臣 その辺、だから、先ほど申し上げております透明性というものをどう確保していくのか。戻ってきたお金だからどんどん融資していいですよという話になれば、じゃ、最初に融資額の設定というのはどうなのかという話にもつながっていくんだろうと思います。

 ですから、委員御指摘の点も一つの視点であることは私は否定するつもりはありませんけれども、トータルとして、透明性であり、こうした仕組みの中で国もお金を出し、それに対して一つ一つどういうことでそうしたお金が必要なのかということをチェックしながらやっているというスキームがあるわけですから、それを完全に向こうに任せて、じゃ、新しい案件が出ればそれをどんどん使っていいですよという話にもつながるんだろうと思いますので、その辺はどう整理していくのかという問題も含めて議論すべきだろうと思います。

水沼委員 ありがとうございます。

 どんどん使っていくというところ、限度としては、当初計画があって、エグジットで新たに利益を得たというところの範囲かなというふうに思うんですけれども、いずれにせよ、もし今年度も補正予算を出すのであれば、やはり緊要性という観点は絶対大切だと思います。是非緊張感を持った予算編成を引き続きお願いを申し上げて、次のテーマに移ろうと思います。

 次は、政府が保有するDBJの株式についてお伺いします。

 令和二年の改正時の、前回改正時の附帯決議には、政府の保有株式については、特定投資業務等の実行に伴い政府が保有すべき株式を除き、株式会社日本政策投資銀行の目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できるだけ早期の売却に努め、その売却益を増大している国債の償還財源に充当するように努めることと記されています。

 この五年の間に、日経平均は過去最高額を更新しました。もちろん、市場は水ものですから、難しい取組であるということは理解しています。しかし、売りどきを見定めていたらトランプ関税という予期せぬリスクに直面してしまった、これが今の現状だと思います。リーマン・ショックのときも東日本大震災のときもそうでした。今回で三回目なんです。この点は強く認識すべきだと考えています。

 現時点においてDBJの株式は全て政府が保有していますが、法律の規定上、その二分の一未満の範囲内であれば売却可能であると認識しています。将来的に全ての株式を売却する予定であり、また、DBJ法の、二分の一未満の範囲内であれば売却可能であるにもかかわらず、そして、異次元緩和によって日銀にあれだけ無理をさせて株価を底上げしていたにもかかわらず、なぜ今日まで一切売却してこなかったかについて、加えて、どのような基準を満たせば一部売却を実行しようと考えているかについて、大臣、お答えください。

加藤国務大臣 日銀の政策について私からちょっとコメントするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府としては、今委員御指摘のように、日本政策投資銀行法において株式売却の考え方が示されておりますので、それに従って対応していくということでありますが、ただ、現時点で具体的なスケジュールを持っているわけではございませんし、一方で、今日また御審議いただく特定投資業務等について、必要な業務をしっかりと遂行していくということに努めさせていただいているということでございます。

水沼委員 ありがとうございます。

 現時点で具体的なものはないということなんですけれども、前回の附帯決議で、可能な限りできるだけ早期の売却に努めというところの努力義務はあるかと思うんですね。その努力の痕跡についてお伺いしてよろしいですか。どれぐらい努力をしていたかということに関してです。

加藤国務大臣 痕跡という意味において、例えば、じゃ、具体的に、売却に向けた有識者会議を設定しているかということであれば、そうした会議を設定しているわけではございませんけれども、省内においては、もちろんこの法律にのっとって、引き続き必要な検討というんでしょうか、ことは常に行わせていただいているところであります。

水沼委員 ありがとうございます。

 元々、この完全民営化の部分についてもそうですけれども、当初は五年から七年という中で、それが、今、当分の間というふうになっているので、まさに、もちろん今は二分の一以上持つ必要がありますし、例えば今の環境下で売却するというのは難しいとは思うんですけれども、是非、前回の附帯決議ですとか今日協議するであろう附帯決議も踏まえた対応を、今後引き続きお願いをしたいと思います。

 大臣、よろしければここで御退席いただいて構いませんので。

井林委員長 加藤財務大臣は御退席ください。

水沼委員 ありがとうございました。

 続いて、重要な投資項目をお伺いしようと思います。

 特定投資業務の資金、これらのお金の資金の一部だけでも社会課題を解決する事業に使おうというのがインパクト投資であります。単に経済的リターンだけを求めて投資をするのではなくて、その事業が社会全体に与えるよい影響、すなわちインパクトの大きさに着目をして投資先を決める手法です。世界のインパクト投資残高は、二〇二四年に二百三十九兆円に拡大をしており、日本でも、二〇二二年には六兆円、二〇二三年には十一兆円、そして二〇二四年は十七兆円と、どんどん急拡大をしている状況です。

 公的機関にそぐわないという御意見があるかもしれません。しかし、これは、GPIFについても年金積立金を減らすわけにはいかないから経済的利益以外は考えちゃ駄目なんだというふうに言われていたことと同じです。しかし、先日公表されたGPIFの中期経営計画は、ついにインパクト投資の解禁が盛り込まれました。今後は、世界最大の機関投資家と言われるGPIFからも巨額のお金がインパクト市場に流れ込んでくることが明らかとなっています。

 インパクト投資をするプレーヤーですとか投資総額は増えていますが、インパクト投資を受ける企業やプロジェクトは果たして国内で増えているでしょうか。課題は山積みで、課題解決の資金も増えてきている。しかし、課題解決を行うプレーヤーですとかそういったプロジェクトがなければ、このインパクト投資というものは海外に流れ出ていってしまうというリスクがあると思います。

 そこで、地下社長にお伺いするんですけれども、インパクトスタートアップやNPO法人を始めとするインパクト産業の規模を大きくして日本経済の主軸に育てていただけないかという点について、そのためにも、このインパクト投資を特定投資業務の重点分野に位置づけて、インパクト投資ファンドを組成してもらえないでしょうか。御見解をお願いします。

地下参考人 お答えいたします。

 当行のまず一般業務においても、社会的価値と経済的価値の両立というのをうたっております。なので、特定投資ということにこだわらず、我々はインパクト投資に対しては並々ならぬ関心を持ってございますし、現に、金融庁で検討されているインパクトコンソーシアムの主要メンバーとしても活動しております。一方で、我が国はまだインパクトの評価方法とかその辺りが確立していないというふうに思っておりますので、我々も試行的に、もう既に公表している統合報告書で、ある一件のスタートアップ投資に対してこういうインパクトがあるというのを開示もしております。これも一つのたたき台になればということで出しております。

 したがいまして、先生御指摘のとおり、特定投資の求める競争力の強化と地域の活性化という目的で拾えるのであれば、インパクト投資というのも、ファンドとかを設けなくても、案件があれば取り上げていきます。

 先ほど案件のフローを御説明しましたが、私ども、やはりチェリーピッキングというか、いいとこ取りにならないように、御相談があった案件で、それがインパクト投資か否かにかかわらず、特定投資の要件に見合うものはそちらで対応するという形にしておりますので、今後、我々としても、インパクト投資に関する案件の掘り起こし、それで、可能であれば、特定投資の要件に合致すれば、当然ながら特定投資での採択、そういうのに努力してまいりたいと思います。

水沼委員 ありがとうございます。

 このインパクト投資の部分で、もちろん、例えば地球温暖化対策ですとか気候変動ですとか、そういった大きなものはあると思うんですけれども、インパクトの投資の部類の中にも、より、どちらかというと社会性の方に重きを置いた、例えばNPO法人の活動ですとかが、様々な地域で様々な取組によってなされていると思います。そういったところというのは、私自身もNPO法人の地元の理事として民間図書館などを運営していたみたいなところはあるんですけれども、やはりどうしても、足下の、地域で頑張っている方というのはなかなか財務知識が豊富ではない可能性があるというところがありまして、是非そういった点も、DBJさんがお持ちの金融力ですとか様々なノウハウを地域銀行の皆さんのところに共有すると同時に、そういったインパクト投資の先にいる社会起業家の卵といいますか、そういった方々への支援や、そういった財務知識の共有というところも是非していただきたいなと思うんですけれども、社長、いかがでしょうか。

地下参考人 お答えいたします。

 この答弁は特定投資にかかわらずということでございますが、先ほども申し上げました、一般業務として、私ども、投資と融資を一体でやるということと、やはり社会的価値と経済価値の両立、株式の売却に当たっても、そういうものを許容していただける株主に買っていただきたいと思ってございますので、今回、御指摘も踏まえて、いま一層以上に立ち入ろうと思います。

 NPO、NGOにつきましては、なかなか従来のお取引先網ではありませんけれども、いろいろ、コミュニティーの、地方創生の文脈の中で、私自身も具体の御相談を受けて財務的なアドバイスを事実上やったりもしておりますので、そういう中から、特定投資にかかわらず、幅広い盛り上げといいますか、そういうものに寄与していきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

水沼委員 ありがとうございます。

 大変心強いお言葉ですので、しっかりとお取り組みいただけますと幸いです。

 ここで、続いて政府の参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、今のお話を聞いて、やはりここは是非、規模が至ればというところなんですけれども、特定投資指針に加えることによって、今までの三分野というのが加わってきたと思います、特定投資指針の七のその他のところに加えることによって。是非、現在の重点三分野と同様に、インパクト投資も特定投資指針の中に加えていただけないかなと今のお話などを聞いて思うんですけれども、その部分についての御見解をお聞かせください。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 特定投資業務は、今回法律を出させていただいていますように、地域経済の活性化、それから我が国企業の競争力向上、こうしたものを目的としてございます。そして、それを具体化するものとして特定投資指針がございます。

 今、インパクト投資のお話がありました。我々としても、少しどういったものか検討させていただいて、どういった今後対応ができるのか、少し幅広く勉強させていただきたいと思います。

水沼委員 ありがとうございます。

 インパクト投資の定義というところも、是非、金融庁さんなどとも連携して深めていただければと思います。是非、このインパクト投資を日本の国力にすべく、財務省の皆さん、そしてDBJの皆さんの取組を進めていただきたく存じます。

 時間が迫ってまいりました。日本の発展、そして金融力で未来をデザインする社会の実現に向け、現役当事者としての声もお届けしながら、私自身も精力的に活動していく所存です。

 以上で質問を終えます。どうもありがとうございました。

井林委員長 次に、国光あやの君。

国光委員 自民党の国光あやのでございます。

 先ほど来ちょっと厳しい御質問も続いたので、私の方からは、やはり与党として応援をする立場、是非、DBJの皆様の取組を始め政府の皆様の取組を応援する立場で御質問をさせていただきたいと思います。

 私も、本法案を提出されるに当たって、改めて、DBJそして特定投資業務の様相を勉強させていただきました。やはり、いろいろ考えると、本当に重要な取組をたくさんされていらっしゃるということを改めて感じております。

 先ほど来お話にありますように、やはり今、官民挙げての投資の促進は非常に重要でございます。まさにこれが一丁目一番地ということと、水沼委員からも先ほど御質問がありましたとおり、やはり経済価値と社会価値を両立していく、サステーナブル経営に取り組んでいくんだということ、今日いらっしゃる地下社長様、インタビューでも何度も拝見をいたしました。非常にこれは私も深く共鳴するところであって、まさに政策や政治はそのためにあるのではないかと思う部分でございます。是非これは体現をいただきたいと更に思いますし、全力で応援をさせていただきたいと思います。

 私からは幾つか、議論を深めるに当たり、今まではちょっとマクロな課題もいろいろございましたけれども、実際に資金を提供された先、ユーザーはどうお考えなのか、どういう評価をされているのかというところも少し深掘って調べてみました。

 この特定投資業務は、言わずもがなでありますけれども、十年前に始まり、この十年間、主に日本の競争力強化と、そしてもう一つ、地域の活性化、この二つの両兎を追うということを目的とされております。私も身近に、特定投資業務で救われた、本当に応援をいただいたと感謝をしているユーザーの声、非常に伺っております。

 代表的なもの、スペースワン。日本のまさにキラーコンテンツの一つ、これからグローバルで競争が一番激化する分野の一つ、我が国が慎重に伸ばしていかねばならない一つである宇宙分野、その宇宙分野の代表格のスタートアップであるスペースワン、ございます。昨年ロケットを二回打ち上げました。残念ながら途中で中断ということがありましたけれども。このスペースワンさん、DBJさんの特定投資業務を利用されて、初めはなかなか民間の支援がいただけなかった、非常に困っておられた、そのときに手を差し伸べていただいて、それで、呼び水になって、今、実際にほかの金融機関さんの支援もつき、そして、本当に宇宙分野でリーディングなカンパニーになっておられます。

 そしてもう一つ、例えば、競争力といえばヘルスケア分野もございます。これは私の専門、元々医療現場で働いておりましたので、専門でもありますが、横浜市立大学のスタートアップで、クロスシンクというスタートアップがございます。こちらもすばらしい取組で、ICUを、なかなか今、人手不足で大変ですけれども、どの病床でも、デジタル、AIを使って、いろいろな患者様のバイタル、血圧とか脈拍を含めてモニター、管理をするというベンチャーでございます。これも、初め、非常に資金提供に苦労されていたところ、手を差し伸べていただいて、今や本当に我が国の医療スタートアップを代表するスタートアップになっておられます。

 そしてもう一つ、地域活性化です。

 これは、ちょうど斎藤副大臣、御地元が新潟です。佐渡金山、昨年の夏、おめでとうございます、世界遺産に登録されました。

 実は、その佐渡金山が登録される前から、この佐渡では、相川車座という、今日も資料をつけさせていただいておりますけれども、四ページ目でございます。ちょうど佐渡金山がある相川という地域、やはり佐渡金山は非常に有名なコンテンツであります。ただ、一方で、ホテルがほとんどなかった。宿泊する滞在時間、非常に短かった。その地域課題を、町おこしをやりたいと地域のステークホルダーが集まって町づくりをされ、これも、非常に当初、資金繰りに苦労されました。そのときに手を差し伸べていただいたのが、まさにこの特定投資業務でございます。今や、何と、タイム誌で世界で一番訪れたいところ百の場所に入るぐらい、そのようなすばらしい町づくりによって、分散型のホテルが形成されております。

 このように、やはり個別に見ると著しく成果を出されたものがあります。

 是非ここで改めてお伺いをしたいと思いますけれども、その成果の中で、やはり、民業を補完、奨励に徹しながら取り組んできたものと思いますけれども、改めてお伺いさせてください、この十年間で民間のリスクマネー供給はどれほど伸びたのかということと、そして、今般の法改正、先ほど議論がずっとありますけれども、特定投資業務の期限を延長するということは、まだ民間のリスクマネー供給が不十分であり、それを伸ばしていかねばならないという認識なのか、この二点についてお伺いさせていただければと思います。これは斎藤副大臣にお願いしたいと思います。

斎藤副大臣 国光委員の御質問にお答えいたします。

 新潟県の相川車座のことを触れていただきまして、ありがとうございます。

 民間における普通株式や優先株式といったいわゆるリスクマネーの供給につきましては、日本政策投資銀行に特定投資業務が設置された二〇一五年以降、例えば、スタートアップによる資金調達は約四倍、プライベートエクイティーファンドの市場規模は約十五倍となるなど、着実に増加をしてきております。他方で、対GDP比で見ますと、スタートアップによる資金調達は米国の約六分の一、プライベートエクイティーファンドの市場規模は米国の約三分の一と、諸外国に比べていまだ小規模にとどまっておるのが現状でございます。

 また、昨年財務省で開催した日本政策投資銀行の特定投資業務に関する勉強会においては、長期間の研究開発や社会実装等を要するディープテックやGXなどの分野で資金需要が拡大する中、民間の資金供給が追いついていないといった指摘がなされているところです。

 我が国が成長型経済に移行していくためには、官民を挙げて国内投資を促進していくことが重要であり、引き続き、特定投資業務を通じて、民間だけでは対応が難しい成長分野に対して、普通株式や優先株式などの資本性資金を積極的に供給していく必要があると考えております。

国光委員 ありがとうございます。

 是非、更なるチャレンジを応援させていただきたいと思います。

 その中で、今度は財務省にお伺いしたいと思います。

 改めて、特定投資業務は、先ほど斎藤副大臣からありましたとおり、我が国経済の成長に向けて、民間では対応が難しい分野へのリスクマネー供給ということを第一とされておられます。その政策効果、この検証は非常に重要でございます。先ほど地下社長からも、別の御答弁の中で、特定投資のモニタリングボードの政策評価という話がありました。このような取組を通して政策効果の検証を十分にしていくというのは非常に重要だと思います。

 その上で、今回、延長がやはり二回目になるということがございます。やはり、これは国益の観点に照らしても、確かに、漫然と延長をするというのではなくて、今後の五年間、こうした政策目的に照らして、個別の投融資案件はもちろんのこと、業務全体をしっかりと検証、評価していくということ、非常に重要だと思います。改めて、これは財務省の参考人からお答えいただきたいと思います。

寺岡政府参考人 漫然と事業を行うのではなくということ、御指摘のとおりと思います。

 特定投資業務全体の評価として、我が国におけるリスクマネーの供給状況を含め、より深度のある検証を実施していくことが肝要と考えてございます。

 その際、これまで、成果指標としては、民間からの誘発資金額などを設定し、外部有識者による確認などを行ってまいりましたが、的確な指標と評価の方法の両方の強化が必要だと考えてございます。リスクマネーの供給でありますとか地方経済の活性化、これはなかなか簡単に評価するのは難しい項目だと考えておりますが、リスクマネー供給に当たり、様々な手法や担い手が存在する中、諸外国における状況も参考にしながら、まずは、検証に当たってどのような指標を把握、確認していくべきであるか、具体的に検討してまいります。

 また、引き続き、民間有識者や金融機関など第三者の目も入れた上で議論を行うことが望ましいと考えており、今後、速やかに、財務省において、外部有識者の意見も踏まえながら、深度のある検証に向けてしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

 また、日本政策投資銀行においては、従前から個別案件の政策評価を実施していただいておりますが、これまでの実績や経験などを踏まえ、よりよい評価に向けて努力を重ねていただきたい、このように考えてございます。

国光委員 ありがとうございます。

 非常に重要な取組である一方で、やはり二回目の延長ということもありますので、今御答弁いただきましたとおり、しっかりと、国民の信頼にかなう、説明責任を果たせるような取組、早速立ち上げるというお話もありましたので、是非お願いを申し上げればと思います。

 続きまして、DBJの地下社長にお伺いさせていただきます。

 改めて、この特定投資業務を通じてリスクマネーを供給していくに当たりまして、産業投資という形でやはり国費を投じているわけでございます。投じていらっしゃるという以上、先ほど御指摘もありましたけれども、一定の収益性、しっかり確保はしていくということは、いつもおっしゃっておられる経済価値と社会価値の両立の一番目ですね、こちらはやはり絶対的な条件だと思います。

 特定投資業務の投融資判断はまさにDBJさんに委ねられているということでありますけれども、改めて、投融資業務におけるDBJさんの強みについて、地下社長の思いを、パッションも含めてお伺いをできればと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 御評価いただきまして、ありがとうございます。

 先ほども申し上げましたが、私ども、特定投資業務をやるためにできた金融機関というよりは、元々、投資と融資を一体的にやるという我が国ではユニークな方法で産業金融、地域金融をやっていこう、これをビジネスとしてやっていこうという決意を固めているところでございます。したがいまして、実は、二〇〇八年までは長期融資が中心でしたが、それ以降投資に力を入れてまいりました。

 全体の決算でいいますと、融資の粗利が千億程度、投資の粗利は、イグジットがあるとき、ないときでぶれますけれども、好成績のときは融資と同じぐらいの粗利を出すというところまでは来ております。不振のときは融資の半分ぐらいになることもあるんですけれども、全般的に、投融資一体のビジネスの、かなり手応えを感じているところでございます。

 その上で、そこの仕組みを応用して特定投資を対応させていただいております。先ほど、イグジット案件の利回りは二%と低いという御評価をいただいている一方で、そこは真摯に受け止めますけれども、一方で、配当であるとかそういう収益全体は六百数十億、一兆二千に対して約五%ぐらいでは運用成績を出せているかと思いますけれども、これも、全体の投融資一体のビジネスの顧客層であるとか審査能力であるとか、あと、外部で監査を受けているとか、そういうのをトータルで活用させていただいておりますので、やはり、従来の顧客層及び通常のビジネスの体制を適宜応用させていただいているという部分が、今まで何とか御評価いただいているところではないかと思います。

 一方で、先ほどから諸先生に指摘された、人数が少ないのに小さい案件まで広げるのかという部分については、全ての人間が相川車座の相談に応じられるほど充実した体制ではありませんけれども、地域金融機関の共同ファンドを通じたりそこのノウハウを移転ということで、推進してまいりたいと思います。

 冗長になりました。

国光委員 ありがとうございます。

 是非、我が国の新しいステージに入っている経済の牽引と、そして、最後おっしゃった、第二、第三の相川車座が全国にできるような、そんな地域活性化も是非是非お手伝いをいただければと思います。

 最後に、恐れ入ります、インパクト投資について、私からも水沼委員に続いて是非お尋ねをさせていただきたいと思います。

 インパクト投資は、我が党でも、今いらっしゃる大野理事や、そして、今はいらっしゃいませんが伊藤委員含めて、非常に関心を持つ議員は多く、今まで、自民党の中小企業調査会や、また、新しい資本主義実行本部の中でも様々議論をして積み重ねてきたものでございます。

 私も、個人的には、やはり政治を志した原点自体が、社会価値と経済価値の両立、同じでございます。やはり、全ての投資が行く行くはインパクト投資であってほしい、それぐらいの心がけで、是非グローバルにもローカルにも取り組んでいきたいと思っております。

 改めて、地下社長、今、DBJは、インパクト投資、我が国はまだ規模は小さいですけれども、その定義であるとか評価指標だとか、さらに、ローカルでいうところの例えばゼブラ企業、収益事業とそして課題解決を両立していく、いろいろな若いリーダーが育っています。そのような若いステークホルダーも含めて、温かい資金を流していくために、このインパクト投資、しっかりと支援する中で、今、DBJさんは金融庁のインパクト投資コンソーシアムにも入られていて、今、ちょうどこの取りまとめが六月末に予定もされているということであります。

 改めて、そのように現場とそして政策のど真ん中でDBJとして関わっていらっしゃる中で、インパクト投資に対するDBJの現状の取組と、そして、特定投資を含めて社会課題の解決に向けた投融資に対する今後の取組姿勢を是非お伺いできればと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたように、私ども、機関の特性上、成り立ち上、元々政策金融をやっておったのが、民営化ビジネスで頑張りなさいと言われたような経緯もございますので、役職員全体が、やはり社会価値の実現というのには並々ならぬ意欲があります。インパクト投資についても主要な関心事項の一つでございます。

 ただ、先ほども申し上げましたように、何をもってインパクト投資というかというのが、割に定義が曖昧でございますし、あと、割に、社会を変革する、ディスラプションのようなインパクトがいいのか、あとは、地道に地域を守り立てるようなインパクトがいいのか、いろいろな評価があると思いますけれども、私ども、経営上のマテリアルとして、持続可能なインフラの形成であるとか社会のイノベーション……

井林委員長 申合せの時間が経過していますので、簡潔にお願いします。

地下参考人 失礼いたしました。

 そういうものをやっておりますので、心底、真摯に取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

国光委員 ありがとうございました。引き続き応援団として頑張りたいと思います。

 以上です。

井林委員長 次に、中川宏昌君。

中川(宏)委員 公明党の中川宏昌でございます。よろしくお願いいたします。

 今回の改正は、日本政策投資銀行が行っております特定投資業務につきまして、その投資決定期限と政府による出資期限をそれぞれ延長する内容となっております。

 特定投資業務は、国の産業投資出資を活用しまして、民間資金の呼び水となる形で、企業の競争力強化や地域経済の活性化に向けた成長資金を供給する、いわばリスクマネーの供給機能を担う制度でありまして、先ほどからもございますとおり、制度開始以来、令和六年九月末までに二百三十六件、総額およそ一兆二千八百三十一億円の投融資が決定をされており、これに呼応する形で約七兆五千十億円の民間投融資が誘発されたと伺っております。この呼び水効果は官民連携の好事例と言えるかと思います。

 この特定投資業務の政策目標として、三つの重点分野を挙げております。その一つが、サプライチェーンの強靱化、インフラの高度化となっております。

 今、トランプ大統領の自動車関税や相互関税によりまして、日本の自動車産業を始めといたします日本経済に大きな影響が出ると予想されておりまして、先日の財務金融委員会でも、経産省に対しまして、トランプ関税が決定した場合には日本の中小企業への強い支援策を講じることを想定していくようお願いをさせていただいたところでありますが、石破総理も、アメリカの関税に備え、中小企業支援に全力を挙げる方針を示しているところであります。

 特定投資業務は着実に実績を積み上げてきたところでございますが、現在の日本の置かれている状況を鑑みて、今回の期限延長を通じて、どの分野や課題に重点的に取り組んでいこうとお考えでいらっしゃるのか、その具体的な狙いについてお伺いをさせていただきたいと思います。

寺岡政府参考人 まず、御指摘のあった米国の追加関税措置につきましては、石破総理の御指示を踏まえ、政府系金融機関を通じた資金繰り支援など、必要な支援に万全を期すことが重要であり、既に日本公庫等においては、セーフティーネット貸付けの要件を緩和するなど、対応を開始しているというところでございます。

 一方、内外の経済状況が大きく変化し、足下で国内産業、雇用への影響も懸念される中、やはり、我が国経済を成長型経済に移行していく、そういった取組が極めて重要だと考えてございまして、資金繰り支援のみならず、成長分野への投資促進が必要である、このように認識してございます。

 日本政策投資銀行の特定投資業務は、地域活性化や我が国企業の競争力強化といった、いわば前向きな資金需要に対してリスクマネー供給を行うものであり、今般の法改正では、GXやディープテックといった投資回収に時間のかかる分野にも対応できるよう、業務完了期限を十年延長することをお願いしてございます。

 こうした中、法改正後においては、長期かつ大規模な資金需要にも対応しながら、現在重点分野として掲げているGX、サプライチェーン強靱化、スタートアップ、イノベーションといった民間だけでは対応が難しい成長分野を中心としつつ、また、幅広いニーズを勘案しながら積極的にリスクマネーを供給してまいりたい、このように考えてございます。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 地域経済発展に向けての前向きな取組を進めていくというお話でございましたけれども、これが、地方や中小企業の現場にとりまして、これらの大きな枠組みが自分事として実感できるかということがこれから重要ではないかと思っておりますので、現場に届く制度設計や情報提供、また見える化に一層力を入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、日本政策投資銀行の地下社長にお伺いをさせていただきたいと思います。

 特定投資業務につきましては、単に資金を供給するのでなく、対象企業の経営資源の有効活用や経営の革新を促すことが求められております。これまでの特定投資業務の実績におきまして、資金供給を受けた企業がどのような経営革新やイノベーションを実現してきたのか、その成果につきましてお伺いをさせていただければと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 どういう経営革新とかが内部で内発されたかということですが、まず、何種類かのカテゴリーがあるかと思っております。

 まず、提供しようとしているもの、開発しようとしているもの、サービスそれ自体に革新性があるものといたしましては、例えば、大阪万博でもデモフライトした空飛ぶ車、あのスカイドライブも出資対象になってございます。また、新しい、壁に貼り付けるような太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、あちらも先頃、社会実装に向けた投資をやったところでございます。これはむしろ、対象プロダクト、サービスが革新性を持つというものでございます。

 あと、経営の革新という辺りに当たっては、まだイグジットはしておりませんけれども、旧昭和電工さんが日立化成さんを統合されて、まあ昭和電工さんというのは従来は総花的な化学とかそういう位置づけだったんですけれども、日立化成と一緒になって、今、レゾナックという会社になり、まさに半導体に特化したような化成品の産業ですね、なので、経営改革を今進められている。これは大きな産業の再編の好事例だと思ってございますけれども、そういう経営体制全般、ビジネスモデルが変革したというのもございます。

 あと、最後のカテゴリーが、先ほどから話題になっている、地域の比較的小さい案件で、経営力も不十分なところを、私どももお手伝いして、事業展開としては世の中に通常に見られるんだけれどもその企業にとっては新しい挑戦、そういうのを対応してございます。先ほどの相川車座以外でも、北海道の酪農のスタートアップとか、そういう取組も地道にやらせていただいているところでございます。

 また、こういう部分については、投融資の評価ではなく、今まではイグジット時点で評価していたんですが、先ほど寺岡総括審議官のところも、これからもう少しそういうのを深度を深めろということで、途中経過でどういう評価ができるか、その辺りもちょっといろいろ知恵を絞っていきたいと思ってございます。

 以上でございます。

    〔委員長退席、大野委員長代理着席〕

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 引き続き、地下社長にお伺いさせていただきます。

 特定投資業務では、国の出資金を特別勘定で管理をしまして、日本政策投資銀行が自己勘定も繰り入れた上で、資本性資金などを供給をしております。また、外部有識者によります特定投資業務モニタリング・ボードによって評価、検証も行われております。一方で、公的資金を活用する以上、民間金融機関との役割分担や補完性の確保、これが不可欠であるとともに、ガバナンスの強化と国民への説明責任も求められるかと思っております。

 民間金融との補完性をこれまでどのように確保してきたかという点と、また、今後のモニタリングやガバナンス体制の強化について、お伺いをさせていただきたいと思います。

地下参考人 お答えいたします。

 民間金融機関、我々も心の中では民間のつもりでいるんですけれども、政府が保有していただいている金融機関として、あと、国のお金をある意味特権的にお預かりして、別に公募じゃなくて特定投資の財源というのをいただいて運用しますので、我々が過剰にそれを濫用してはいけないというふうに考えてございます。

 したがいまして、金融界といっても、どこと対話するかというのは難しいんですけれども、具体的には、都銀懇という、昔の都銀、メガバンクにりそな銀行さんが加わったような会合、ないしは、地銀協、第二地銀協、ここは代表的な団体だと心得てございますので、そことは年に二回、我々の業務が特定投資以外にも、いわゆるのりを越えていないか、民業圧迫をしていないかというのは、詳細にざっくばらんな意見交換をします。

 それを、特定投資についてはモニタリングボードに報告し、そこで精査を受けて、更にアドバイザリーボードに報告する。特定投資以外の業務につきましても、そこの協議会での議論をアドバイザリーボードに集約する。それを、DBJ法上、財務大臣に提出を求められています事業報告書というものにそういう経緯と議論を記載しまして、財務大臣に提出するとともに、私どものホームページでも公開をする。

 そういう形できめ細やかな対応をしておりますし、随時、それ以外の業態のファンドであるとか、プライベートエクイティー、あと、ベンチャーキャピタル、そういう協会とも適宜、意見交換をしているというのが現況でございます。

    〔大野委員長代理退席、委員長着席〕

中川(宏)委員 地下社長、ありがとうございました。

 次に、地方への具体的な投資方針について伺います。

 現在、日本政策投資銀行では、スタートアップ・イノベーションファンドや、グリーン投資促進ファンド、さらに、サプライチェーン強靱化・インフラ高度化ファンドといった取組を通じまして、成長分野への資金提供を行っております。これらの取組は、スタートアップ企業の育成、また、再生可能エネルギーの推進、サプライチェーンの強靱化やインフラの高度化といった我が国の持続可能な成長に直結する重要な分野であります。先ほどもお話があったところであります。特に地方におきましては、人口減少、産業構造の変化が進む中で、こうした成長分野への投資が地域経済の持続可能性を高める大きな鍵となっていることは言えることだと思っております。

 そこで、財務省として、特にこの大事な地域経済の観点から、今後どのような投資の取組を進めていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

寺岡政府参考人 我が国経済を成長型経済に移行していくためには、地域経済の活性化に資するものを始め、官民を挙げて国内投資を促進する必要があると考えてございます。

 昨年秋、財務省で有識者を交えて開催した勉強会においては、特定投資業務の地域への浸透度はいまだ道半ばであり、委員の御指摘のとおり、地域においても三つの重点分野を通じた取組強化を図るべきとの指摘を頂戴したところでございます。

 こうした指摘も踏まえ、今後、地域活性化に向けた取組を一層強化するため、規模の面のみならず運用面の改善を図り、地域金融機関や自治体等との連携、協働、そして、能動的な情報発信、好事例の横展開といった点を強く意識した枠組みを整備することで、地域向けのリスクマネー供給を更に加速してまいりたいと考えてございます。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 地域の可能性を引き出していくためには、地域の文脈を踏まえた現場発の投資が不可欠であると思っております。単に全国一律の基準ではなくて、地域ごとに課題がありますけれども、この課題と資源を生かす柔軟性のある制度の運用が大事ではないかと思っておりますので、その点も踏まえてお願いしたいと思います。

 それでは、最後になりますけれども、災害時の資金供給の取組についてもお伺いさせていただきます。

 私は災害対応の観点も重視するべきではないかと思っております。能登半島地震では、地域産業また経済基盤が甚大な被害を受けたわけですけれども、事業者への迅速な資金供給が求められました。今後も、南海トラフ地震、また首都直下地震、首都圏における広域降灰など、大規模災害の発生が懸念をされておりますけれども、特定投資業務においても、災害からの復旧復興に対しまして積極的な取組を進めることが必要であると考えますが、この点につきまして、お考えがあればお伺いをさせていただきたいと思います。

寺岡政府参考人 災害からの復旧復興に当たりましては、事業者の資金繰り支援に万全を期すことはもちろんのこと、委員の御指摘のとおり、経済への影響が懸念される中、被災地の復興を持続的な成長につなげていくためにも、成長分野への投資促進が必要であると認識してございます。

 日本政策投資銀行の特定投資業務は、民間だけでは対応が難しい成長分野における前向きな資金需要に対応するものであり、災害からの復旧復興に当たって積極的にリスクマネーを供給し、被災地における事業者の復興のニーズ、こういったものも踏まえながら、地域活性化、我が国企業の競争力強化を図ることで我が国経済の成長に貢献していくことが必要である、このように考えてございます。

中川(宏)委員 ありがとうございました。そのように引き続きお願いしたいと思います。

 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

井林委員長 次に、階猛君。

階委員 立憲民主党の階猛です。

 本日は、日本政策投資銀行法改正案ということで、日本政策投資銀行、以下、DBJと呼ばせていただきますが、DBJの特定投資業務を再延長するための法案の審議ということであります。

 様々な論点はありますが、議論の出発点、これは、政府の中では、特定投資業務という名称からは分かりにくいんですが、特定投資業務というのは官民ファンドなんですね。特定投資業務は官民ファンドであるという認識、これに間違いがないかどうか、通告していませんが、大臣の見解をお願いします。もし答弁が難しいようでしたら、寺岡審議官でも結構です。

加藤国務大臣 官民ファンドという定義というのがあるのかないのか、ちょっと私は承知しておりませんが、この特定投資業務においては、半分が国から、そして半分は政策投資銀行の資金を使ってやっているものと承知をしております。

階委員 じゃ、官民ファンドなんですよ。これは、政府の会議体で、私は資料を入手していますけれども、官民ファンドの一覧表という中にこの特定投資業務を位置づけられているんですよ。

 大臣も構成員かどうか分かりませんが、官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議というのがありまして、第一回、平成二十五年、大分前ですけれども、当時は麻生財務大臣がメンバーでした。今、そういうものはないんですか。審議官でも結構ですよ。

寺岡政府参考人 御指摘の官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議でございますが、こちらは、閣僚会議の方も開催され、具体的には、幹事会において、先ほども申し上げましたが、各官民ファンドがそれぞれの成果、KPIなどを設定し、そうしたものが外部有識者も交えた検証が行われているという仕組みで進められているということでございます。その中に、政策投資銀行の特定投資業務、これも中に入っているということでございます。

階委員 確認させていただきました。官民ファンドに入っているんですよ。ですから、官民ファンドとして我々はこれを議論しなくちゃいけないと思っています。特定投資業務は官民ファンドであるということは、本法案は官民ファンドの設置期限延長法案というべきものなんですね。

 それで、この官民ファンド、財投特会投資勘定からこれまで累計で九千五百九十億円、今年度の計画が実行されると一兆円を上回る公的資金がこのファンドに投入されるわけです。この膨大な公的資金が適正に使用されてきたかどうかにつき、我々は国政調査権を行使して監視する責任があります。

 そこで、立憲民主党の財政金融部門の責任者でもあります私から、特定投資業務でどういった先に幾ら出資したのか、これは、政投銀の側に何度も依頼してようやく出てきたのが一ページと二ページ目の資料でございます。皆さんのお手元にある資料を御覧になってください。

 一ページ目は、特定投資業務で投資した全件のリスト、これの一枚目だけ抜粋したものです。二枚目は、特定投資業務の投資先で、イグジット、すなわち資金回収まで終わった先のリスト、これは四十六件です。

 そこで、私としては、これを見ていただければ分かるんですが、さんざん苦労して出てきたのがこの金額だけの資料なんですね。金額の大きい順から並んでいます。これを見て、私は租特のときの適用実態調査を思い出しました。あれも金額だけで社名が明らかになっていない、これでは政策がゆがんでいるかどうか分からないじゃないかといった経緯もありました。同じことが政投銀でも行われている。

 官民ファンドで公的資金が注入される。そして我々はそれを監視する責任がある。私たちの求めに応えて全ての社名を公表する責任があると思いますよ。地下社長、お答えください。

地下参考人 お答えいたします。

 実は、内容、社名については、案件ごとに公表させていただいています。ただ、金額につきましては、確かに扱いとしては官民ファンド協議会で扱われておりますけれども、ほかの専業の株式会社と違いまして、私どもは金融機関としての顧客網をベースに対応させていただいておりますので、従来、慣行上、やはり、お取引先から情報をいただくときに守秘義務契約を結び、ただ、これは、特定投資の場合に名前は出させてくださいねということで対応させていただいております。守秘義務が外れますのは、監督権限を確かに行使されるときとか捜査を受けたときというのは例外規定になってございますけれども、やはり、ビジネスマナーとしまして、なかなか個別の金額はお答えしづらいところがあります。

 ただ一方で、資料でお配りいただきましたように、何も出さないと何か隠蔽しているんじゃないかということなので、こういう一骨一骨の粒度の分かるような資料、こういうものはお求めに応じて適宜開示してまいりたいというふうに考えてございます。

階委員 最初に確認させていただいたとおり、官民ファンドなんですよ。先日ちょうど業務を完了したINCJという官民ファンドがありますね。そのホームページを見ると、全て、投資先名だけではなくて、投資金額まで開示されていますよ。政投銀も、官民ファンドの業務をするんだったら、それは開示すべきでしょう。当たり前のことを私たちは求めているんですよ。なぜそれができないんですか。

 そして、守秘義務契約のことをおっしゃっていましたけれども、私、政投銀の方からそのひな形を入手しました。三ページにつけておりますので、見てください。

 第二条は、守秘義務契約、秘密保持義務ともいいますけれども、秘密保持義務の例外ということで、(2)「法令の定め又は監督官庁、裁判所その他の公的機関若しくは自主規制機関の命令等に従い、必要最小限度において開示する場合。」

 私は、国会はもちろん公的機関に当たりますし、自主規制機関の命令等、命令等となっていますね、この等の中には当然、我々、国権の最高機関である国会の国政調査権、これに基づく資料提出要求も含まれると考えております。含まれないというのでしょうか。私は納得できませんので、その点の見解をお尋ねします。

地下参考人 お答えいたします。

 INCJの場合は全件、金額を開示されているということでございますが、INCJと私どもの違いとしましては、私どもは、INCJさんのように官民ファンドのみをやる機関として設立されたわけではなくて、本来であればビジネスをやりながら、今、政府は株を保有していただいておりますけれども、いずれ将来はそれを売っていくというビジネスモデルを同時に展開していると思います。

 なので、特定投資以外の通常業務というのも非常に重要だと思っておりますので、その場合、金額まで出してしまうと、やはり、従来のお取引先との関係がかなり毀損するというふうに考えてございますので、私ども自体はなるべく開示の努力を進める一方で、どの会社さんも、やはり我々、特定投資の場合、劣後ローンという形態もありますし、様々な形態があります。それと、INCJさんとの違いとしては、同業他社をいろいろ抱えておりまして、それぞれライバル関係にあるんですね。そういうところはやはり、ここの会社がこういう金額をDBJから調達しているというのは、競争上、機微に触れるというのは、非常に気にされますので、通常のビジネスと併せてもってやらせていただいているというところで、その辺りの事情を勘案いただけないかと思ってございます。

 その代わり、国政調査権……(階委員「質問に答えて。守秘義務契約の解釈がおかしいんじゃないか」と呼ぶ)守秘義務契約の解釈は、これは恐縮ですが、私どもの認識としては、これは特定投資以外の案件もこういう契約でやっております。

 その場合、私どもが説明しておりますのは、ここの自主規制機関云々は、例えば、インサイダー取引で証券等監視委員会から資料開示を求められたときとか、まさに不祥事を起こして捜査を求められたとき、それぞれ守秘義務を持っていらっしゃる官署に対しては開示しますよと。なので、世間一般には開示はされませんのでということで運用しておりますので、そういう契約慣行だということで、決して国政調査権を無視しているわけではございません。

階委員 やはり納得できなくて、まず、そもそも、情報開示ができないのに官民ファンドを担う資格はあるのかということですよ。やめたらどうですか。公的資金を入れている以上は、さっき言った、行政を我々は国政調査する責任があるんですよ。それに応えられないんだったら、こんな情報も出せないんだったら、もはや、特定投資業務を担う資格がないということで、やめられるのが筋だと思いますよ。いかがですか。

地下参考人 お答えいたします。

 大変厳しい指摘と思います。ただ、私どもとしては、やはり、従来の業務の中で我々の機能を国にうまく活用していただくというのが役に立つすべだと思ってございますので、できればこの特定投資業務を適正に運営してまいりたいですし、その代わり、先ほど、機微に触れる情報以外は極力明らかにしてまいりたいと思います。

階委員 我々、政府系金融機関が過去に不祥事を起こした例というのも目の当たりにしていますよ。商工中金、あそこは融資の書類を改ざんして、そして融資を実行していたというのがありましたね。日本政策金融公庫、こちらは与党議員が口利きをしてコロナ融資を実行していたというのもありますね。そういう事例もあるから、私は、同じ政府系金融機関である政投銀がちゃんと業務をしているかどうか、しっかりチェックしていきたいんですよ。

 その上で、具体的な例を一つ、二つ挙げていきますね。

 お手元の資料の一ページ目、これは全件リスト。一番上の企業、金額が大きい順に並んでいますが、この一番目の企業は二番目以下を大きく引き離して断トツに大きい金額ですよ、二倍ぐらいの金額、千八百億あるわけですよ。これはどこなのか教えてください。

 そしてもう一つ。二枚目です。これは先ほど申し上げましたエグジット済みのリスト。これは、金額が一番大きいものが上なんですが、損失も一番大きくなっているんですよ。ほぼ全額損失ですよ。三百四十億投資して、三百三十三億、損が出ている。これはどこなのか。

 今は時間がないので、取りあえずこの二つ、どこなのか開示してください。

地下参考人 二点御質問をいただきました。

 ちょっとそれぞれについて答えぶりが変わることをお許しいただきたいんですけれども、まず一点目は、まさにオンゴーイングでございますので、属性について御説明させていただきます。

 半導体関係の会社で、資金使途は北上工場の新設といったようなものになってございます。半導体関係でございますので巨額の投資が必要でございますので、必然的に金額が最も大きくなったということでございます。

 二点目については、これは、実は、破綻した、一旦破綻して今再建中の会社でございますので、確かに先生としても非常に気になるところだと思いますので、個別に協議をしてまいりました。

 これは今、マレリという会社でございます。埼玉に本拠を置く会社で、旧カルソニックカンセイという部品メーカーが、ヨーロッパのマニエッティ・マレリを統合することによって世界有数の部品会社になろう、そういう壮大な志に、我々も種類株ということで応援したものでございます。

 以上でございます。

階委員 なぜ急に個別名を明かしたんですか。どうせ隠しても、私が調べて分かっていると思ったから答えたんでしょう。

 一つ目の半導体は、キオクシアといって、私の地元の企業で、知っていますよ、私は。

 もう一つは、今日の資料の四枚目に、DBJニュース、これを見ると特定できたので、私はもう知っていて聞いているというのは当然察して、言われる前に答えようということだったんだと思うんですけれども、ここで答えられることは、ほかの企業も含めて個別名を明かしてもいいということなんじゃないんですか、ここで答えられるということは。どうですか。

地下参考人 お答えいたします。

 実際、ちょっと私も踏み越えたお答えをしてしまったのかも分からないんですけれども、やはり通常、業務においてお客様との信頼関係の維持というのは最も重要だと思っておりますので、その際に、金額については機微に触れるのでお出ししないというのが我々のビジネス上の慣行となってございます。

 何というんでしょうか。これも、会社の方が自ら開示されているという話は対応できますので、マレリの件につきましては、資料があるというのはちょっと目に入っておりませんでしたけれども、会社側の資料で種類株を全額消却したということがございますので、もう事実上開示しているものということで、念のために御了解を取って、社名をお話ししたというものでございます。

 以上でございます。(階委員「質問に答えてください。全部開示していいじゃないかと」と呼ぶ)いや、それはちょっと、しかねると考えてございます。

階委員 議論の出発点は官民ファンドだと申し上げましたよ。同じ官民ファンドなのに、INCJのところは全部開示している、ところが、政投銀の方はほかに取引があるから開示できない。果たして整合性は取れているんでしょうか。

 私は、官民ファンドをやるのであれば、官民ファンドについてはちゃんと情報を開示すべきだということを言っているわけですよ。ほかの取引まで開示しろとは言っていないんです。それが間接的にであれ本業に影響を与えるというのであれば、むしろ官民ファンドをやめるべきなんですよ、政投銀は。INCJみたいに特別な会社をつくって、この目的に沿う官民ファンドをつくればいいだけの話なんですよ。

 大臣、この点、どう考えられますか。

加藤国務大臣 委員の今の質疑の中で、この官民ファンド部分だけを開示をおっしゃっておられるのか、いやいや、政策銀行、過去こういう問題があったからというおっしゃり方もしたので、どこがターゲットなのかという思いで聞かせていただきましたが、今の御質問では官民ファンド、いわゆる今回の特定投資業務部門ということを限定されているというふうに思います。

 その上で、この半分は国から財政、産業投資勘定を介して出しているお金でありますから、そういった意味において、できる限り透明性を確保しろというのは十分理解するところでございます。

 ただ、他方で、委員も法律の専門家でいらっしゃいますから、やはり、二者間でこうした契約を結んできている、これは民民の契約だと思います、そこは信義則として尊重しなきゃならない、そういった意味で、それを踏まえて政策投資銀行からお話があったものだと思います。

 その上で、じゃ、これから先の話として、それをどうするんだ。一つあるのは、特定投資業務の目的であるリスクマネーの供給が、現状、民間に任せていたのでは十分なされていない、これは共通の認識をしていただき、それは、何らかの形で進めていこうとすれば、やはり国が何かの形で関与しなければならない。じゃ、そのときにどこを使うのか。おっしゃるように新たなものをつくる、これに対してもいろいろな御批判は相当いただいています。そして、今、いろいろな、特に金融としてやるべきノウハウがあるところを活用するというのは、それは一つの手であろうかと思います。

 したがって、その中で、今委員おっしゃったような透明性の確保というものを一方で求められている、しかし、それをいかに効率的に、有効的に、そして、我々の立場からいえば、新たな公的なものはできるだけつくらないという観点も含めて、そこのバランスがどう取れていくのか、ここの部分なんだろうなと思って、お聞かせをいただきました。

 したがって、ポイントは、特定投資業務を全部、官民ファンドと同じように全部オープンにしますよ、金額もオープンにしますよといったときに、じゃ、今融資を受けているところあるいはこれから融資を受けていかれるところの行動にどういう影響があるのかないのか、そういったところはしっかり見ていかないと、結果的に、政策目的と、おっしゃる透明性の両立というのはなかなか図れないんじゃないのかな、そんな思いを持ちながら聞かせていただきました。

階委員 じゃ、地下社長、守秘義務契約を盾に取って開示できないと言うわけですけれども、官民ファンドを担っている責任として、取引先に対して了解を求めて、その上で開示する、つまり、守秘義務契約の変更契約を結ぶといったことによって開示可能になるわけです。そういった努力をするつもりはないですか。

地下参考人 お答えいたします。

 プロセスとしては先生御指摘のとおりのことはあり得ると思いますけれども、私ども、従来、そういうことを想定しない中で特定投資を既にやらせていただいておりますので、後づけで開示を求めるというのは極めて難しいと思います。

 先ほどのような破綻事例等で先方の開示によって事実上そこが公知の事実になっている部分は、適切にやりますけれども、既存の部分の開示は、やはり我々のビジネス慣行上、極めて難しいというふうに考えてございます。

階委員 努力はしないという結論だったと思いますね。それでいいですね。努力はしないんですね。もう一回答弁をお願いします。

地下参考人 ちょっと、へ理屈のように聞こえてしまって恐縮ですけれども……(階委員「結論だけで結構です」と呼ぶ)はい。個別のやつの努力はしません。それに代わる開示の方法をいろいろ検討してまいりたいというふうに考えてございます。

階委員 これでは、同じ官民ファンドなのに情報開示が著しく違って、国会の行政監視機能が果たせないということを申し上げておきます。

 その上で、わざわざ例外的に開示していただいたマレリ、こちらの会社ですけれども、今日お手元の資料で、五ページ目ですか、分野別の実績というのが上の方に書いていますね。地域活性化、競争力強化、共同ファンドということで、それぞれ金額だったり社数だったりまとめられた表が載っています。マレリの案件というのは、この三つのカテゴリーのうちどこに属するんでしょうか。お答えください。

地下参考人 地域活性化でございます。

階委員 もう一度、四ページを見てください。これはDBJのプレスリリースですよ。見出しを見てください。

 CKホールディングスによる、ちょっと横文字なので読みづらいのでマレリと略します、マレリの買収に関連し、優先株式の引受け、取得を実施。MアンドAに関するお金を出しています。そして、その下に、特定投資業務を活用し、自動車部品サプライヤーの国際競争力強化をサポートというふうにあります。

 さっきのカテゴリーで二番目に競争力強化というのがありますね。こっちじゃなくて、何で地域活性化なんですか。

 私は、そもそも、この競争力強化が著しく金額及び社数において地域活性化を上回っている、地域活性化をちゃんとやれよというのが、この場でも委員の中から出ていましたけれども、この地域活性化の数字を水膨れさせるために無理やり地域活性化に押し込んだんじゃないですか。お答えください。

地下参考人 お答えいたします。

 マレリといいますか、当時のカルソニックカンセイですね、それを地域活性化で取り上げましたのは、やはり、本社が埼玉であり、主要工場が北関東及び神奈川に所在する、そういう日本の地域の企業が世界に飛躍する、そこに着目したというので、地域活性化ということで取り上げたものでございます。

階委員 競争力強化に当たると言っても過言じゃないような気がするんですけれども、なぜ、競争力強化じゃなくて、あえて、どちらかといえば地域活性化に入れているのかというのを聞いています。

地下参考人 お答えいたします。

 地域活性化と競争力強化、両方が求められておりますので、あえて言うと、本件については両方満たしているという評価もできると考えてございます。その中で、我々、従来は、本社所在地ベースというのを大切にしておりまして、東京所在の会社よりも、やはり地域を守り立てたいという思いで、地域本社のところで着目させていただいて、そういう扱いにさせていただいたという経緯でございます。

階委員 そうしたら、トヨタに特定業務で出資とかをした場合、これは地域活性化になるということでいいですか、仮にの話ですけれども。豊田市が本社ですよね。

地下参考人 お答えいたします。

 カルソニックカンセイの場合は、実質、本社が地方で、実質、地域に工場を持っていたと。トヨタの場合は、実際はもう既にグローバルカンパニーでございますので、そこをあえて地域扱いするというのは、ちょっと従来の運用からは違和感があるところでございます。

階委員 いや、さっき、所在地ベースと言ったから応えたんですけれども。

 本当にDBJは説明責任を果たす気がないんですか。矛盾ばかりじゃないですか。官民ファンドを担う資格は全くないと思いますよ。少なくともここで答弁するような内容じゃないですよ、今のは。社長がそういう状況で本当に責任を果たせるんですかね。甚だ疑問ですよ。

 結局、地域活性化に入るか、競争力強化に入るかは、胸先三寸じゃないですか。御都合主義じゃないですか。その中で、多分、地域活性化に力を入れろとこういう場でも言われるから、精いっぱい努力して地域活性化の数字がこれなんですよ。金額ベースだと全体の一〇%しかないんですよ。

 しかも、さっきのマレリは大企業ですからね。我々がイメージする地域活性化は、中小企業で、地場企業、こういったところに成長資金を投入して、世界に羽ばたいてもらうとか、もっと成長してもらうとか、それが地域活性化だと思いますよ、地域に貢献してもらうとかね。全くイメージと違ったものを地域活性化に盛り込んで、そして、社名が出ないからばれないだろうという意図も感じ取れます。

 こんないいかげんな情報開示で、社長、このまま続けるつもりですか。お答えください。

地下参考人 お答えいたします。

 いささか分類が恣意的ではないかという御指摘だと思います。

 ただ、これは私どもとして恣意的に考えたとか隠蔽の意図は全くありませんで、特にこれは第一期の事業でございましたので、競争力強化と、やはり地域を守り立てて、やはり我々にとっては実はカルソニックカンセイは地方企業という認識でございます。透明性が不透明だとか、もし取上げの指針を明確化というのであれば、主務省である財務省とも協議しながら、そういう部分を運用にどう盛り込めるかというのを検討してまいりたいと思います。

階委員 結局、社名も金額も明らかにしていないのに、そこを運用を変えましたと言っても、検証するすべがないんですよ。無意味なことは言わないでください。

 それで、特定投資業務には、先ほど来議論があるとおり、公的資金とDBJさんの資金が一対一で使われるということになっていますが、一対一で使われるというのは法的な規定に基づくものでしょうか、どうか。これは、寺岡さん、お答えください。

寺岡政府参考人 特定投資業務の特徴として、産投からお金を受け入れることで財務基盤を強化してございます。その際のルールは、事業量のうち、いわば半分それを入れるというルールになっているということでございます。

階委員 そのルールは法律の規定に基づくものかどうかということを聞いているんです。お答えください。

寺岡政府参考人 指針で定めてございます。

階委員 財務省令なんですよ。ですから、別に一対一にこだわる理由はなくて、いつでも変えられる、変えようと思えば変えられるんですよ、財務省において。

 それで、先ほど来言っている情報開示の不透明性とか、あるいは区分の恣意性とか、今指摘しただけでもいろいろな問題が出てくる中で、ほかの官民ファンドと違う扱いを私どもはしなくちゃいけない。普通の官民ファンドだったら一対一でいいかもしれませんが、ここについては、DBJも金融機関として資金調達力も運用力もあるわけですから、一対一ではなくて、これを、大幅に公的資金の割合を減らすということを検討していいのではないかと思います。

 大臣、この点についてのお考えを伺いたいと思います。

加藤国務大臣 まさにリスクマネーの供給というのはどのくらいのことが必要なのかということなんだろうと思います。端的に言えば、やはりあるべき姿は、それも含めて、民間において、民間金融機関あるいは民間投資家等においてなされる、これを我々は目指していかなきゃならない。そういった意味で、今回も時限でお願いをさせていただいているわけであります。

 その上で、今御指摘のあった、どのぐらいの割合にしていくのかというのは、まさにそれはリスクマネーの供給としてどういったものが求められていくのか、それとの関わりの中で、現時点では、たしか原則としてなっていたと思いますけれども、五対五ということをベースに運用がなされているものと承知しています。

階委員 まず押さえておくべきは、法律上は一対一などとはどこにも書いていない。その上で、財務省令の中では、おおむね一対一というふうにもなっています。これは可変的なものであって、私は、今日の答弁を聞いていると、一対一にこだわる理由は全くない、これは即座に見直しを検討すべきだと思います。大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 おっしゃるように、五対五とか、絶対それでなければならないということはないんだろうと思います。ただ、五割を超えるということになると、やはり民間との問題があるということで、おおむね五割ということを考えているんではないかと私自身は理解をしているところであります。

 その上で、先ほど申し上げた、現下におけるリスクマネーの供給といった観点から、どのぐらい国がそれを支援していくべきなのか、こういった観点から議論されるべきものと認識をしています。

階委員 見直す気は今のところないということで伺ってよろしいですか。

加藤国務大臣 今回の議論の前提としてお願いしているのは、現行の、今、財務省令とお話がありましたが、それをベースとして運用すること、これを前提に今回の法案もお願いしているということでございますが、ただ、未来永劫こうでなきゃならないというものではないというのは、御指摘のとおりだと思います。

階委員 現時点では見直す気がないという趣旨の答弁でした。

 その上で、私は、この特定投資業務、さっきも、商工中金の例とか日本政策金融公庫の例を挙げましたけれども、様々なモラルハザードが起こり得るんではないかと思っています。

 さっきのマレリですけれども、破綻していますが、まだ企業としては民事再生手続によって事業を継続中なんですよ。事業継続中のマレリとDBJさんは取引していますよね。その取引はどのようなものか、そして、その取引はどういう経緯で始まったのか、お答えいただけますか。

地下参考人 お答えいたします。

 マレリに投資したのは、ちょっと正確な記憶があれですけれども、二〇一五年の五月ぐらいだったと思います。

 実際として、統合が始まる前にコロナが起きまして、コロナショックになりました。したがいまして、将来想定していた人の行き来ですね、カルソニックの方が生産能力をヨーロッパのマレリに伝えて生産力の向上を図る、そこがまず頓挫してございます。あと、ひいては、車の売行きが世界的に冷え込みましたので、部品メーカーであるマレリも非常に売上げが減り、一般的にコロナで苦しんでいた企業と同じ状況の資金繰りの問題が生じました。なので、その資金繰りを支えるために私どもが融資をしたという経緯がございます。

 その後、一旦回復したんですけれども、今度は半導体不足というものに対する、車の生産台数が減りまして、売上げがまた減ってしまい、結果、私的整理をトライしましたけれども、外資系金融機関の反対等により法的整理に至ったというものでございます。

 なので、法的整理でございますので、あとは裁判所の手続の中で、まず株式の方から消却されていきますので、特定投資で出した株式は消却し、融資の方は、いわゆるほかの協調融資行との、均等ですね、へんぱ弁済にならない均等な扱いの中で一部が残存した、そういう経緯でございます。

階委員 いろいろ御説明をいただきましたけれども、二〇一五年五月から取引を開始されているということですから、特定投資業務で出資する前から取引があったということですよね。

 その上で、先ほど指摘したとおり、特定投資業務によって三百三十二億、損が出た。半分、百六、七十億は公的資金です。国民の負担です。その損は出ているにもかかわらず、自らが、政投銀、DBJが行ってきた取引については、債権カットはあったでしょうけれども、なお取引は続いている。これは利益相反のような気がするんですよね。

 私は、公的資金を犠牲にして、自分たちのプロパーの取引の利益を図ったと言われてもしようがないんじゃないかと思うんですが、この点、いかがですか。

地下参考人 先ほどの答弁の修正で、マレリへの投資は二〇一九年の五月でございました。一五年と申し上げたようで、修正いたします。

 実は、融資が先にあったわけではなくて、一遍、カルソニックカンセイという会社は、昔々は取引がありましたけれども、その投資の段階では融資の残高はございませんでした。その後、むしろ、どちらかというと、我々の融資は、会社を継続させるために融資をしましたので、金融行為としては、特定投資を守るために融資をした。あわせて、毀損しておりますので、むしろ、追加の融資分としては、我々としては元本を毀損して損をしているというふうに考えてございますので、我々が融資の便益を図るために特定投資を犠牲にしたのではなくて、特定投資を生かすために融資をし、それが手続の中で減債して、損失も生じてしまったと。

 何か、金融機関としては追い銭を出したのではないかというそしりはあるかもしれませんけれども、かように、私どもとしては、特定投資の持続性というものを重視した取組であったと考えてございます。

階委員 最初、二〇一五年五月というふうに聞いたものですから。ちょっと議論の前提が変わってしまいました。そこはちゃんとした答弁をしてください。

 その上で、今回の官民ファンドの最大のモラルハザード、これは、要は、資料でいいますと、六ページ目を見てください。特定投資業務、下線を引いているところ、会社は、というのはDBJのことですよね、その目的を達成するため特定投資業務を行うということで、目的が達成されない限り、特定投資業務は続け得るということが書かれているわけです。

 今回も、この法案を提出する前に、何か、勉強会で、特定投資業務を続けるべきかどうか有識者に議論してもらったということなんですが、そこで言われていることというのは、要は、一定の成果は出ているけれども、まだまだ道半ばだから続けるということなんですよ。成果が中途半端であれば、いつまでも続けられるんですね。

 元々、この特定投資業務は二〇一五年に始まって、時限的なものだ、五年間だと言って始まったものが、二〇二〇年、コロナということもあり、延長がされました。そして、そのときも、時限性だから五年間と言っていたわけですね。今回は、時限性と言っていたものが再延長ですよ。しかも、業務完了の期間は二〇四一年の三月末です。相当先ですよね、時限性と言いながら。

 これが二〇四一年まで延びることによって、もう一つのモラルハザード、その間は完全民営化は先送りできるということなんです。なぜそうかといえば、特定投資業務をしている間は政府はDBJの株を五〇%以上持たなくてはいけないという規定があるからです。

 非常に、DBJにとっては一粒で二度おいしい。サボればサボるほど、特定投資業務で公的資金は入ってくる。そして、サボればサボるほど、完全民営化の時期は遅れて、市場競争にさらされないで済む。こんなモラルハザードがこの特定投資業務の延長によって生じている。

 私は、このことについてもっと真摯な反省をして、本来だったら時限的でもうとっくに目的を達成して終えていかなくてはいけないものをこれからも続ける、そして、それによって完全民営化の時期もうんと先送りされる、このことについての真摯な反省があってしかるべきだと思いますよ。地下社長、いかがですか。

地下参考人 お答えいたします。

 完全民営化ないし民営化の方向性というのは重々承知しております。私も、社長として、法に基づき、定款に基づき、執行責任が十分あると思っております。

 ただ、一点、特定投資が未達だから延びたというのは、多分、恐らく、私どものパフォーマンスが悪ければ、逆に、こういう場で、もう延長しない方がいいんじゃないかということで認識しておりますので、私どもとしては、与えられた期間の中で、皆様の御評価に堪える実績を出すというのが仕事で、同時に、呼び水効果等で、ないしは共同ファンドを通じてそういう市場をつくることに寄与していくということだと思います。そういうところが評価されなくなった場合は、あなたはもう特定投資はやらない方がいいよというふうに認識してございますので、そういう意味で、特に、サボタージュして完全民営化の時期を延ばすという意図はございません。

階委員 ですから、この勉強会でも指摘するとおり、ほどほどの成果を上げて、一方では成果が出ないからやめろと言われないようにしつつ、一方ではまだ道半ばだと言って先送りするというようなモラルハザードになるんじゃないですかということを言っているわけですよ。DBJさんは優秀な人が多いから、その辺のさじ加減は上手でしょう。幾らでもそのような経営はできるでしょう。私はそれがモラルハザードだと思いますよ。

 金輪際、再延長をお願いすることはないということをこの場で言えますか。地下社長、いかがですか。

地下参考人 お答えいたします。

 決してそういうさじ加減をやっているものではなくて、我々としては、法律、定款、あと求められる完全民営化の方法、あとはその中に定められた特定投資の期限を切った目的、それを一生懸命果たしているつもりでございますので、そんなに絶妙なさじ加減はやっておりませんし、先ほど、冒頭説明したように、一般の案件の相談の中で特定投資の要件を満たすものは全てそちらに振るという運用をしてございますので、全力を尽くしているということで御認識いただければと思います。

階委員 結局答えていないじゃないですか。これからも再延長、再々延長か、起こり得る、あり得る、それをDBJとしては否定しないということですね。よろしいですか。

地下参考人 私どもDBJとしては、国からの委託に応えられる組織でありたいと思っておりますので、委託に値するかどうかは、御判断いただくのは先生方だと認識してございます。

階委員 我々は、時限的なものだから、すぐ、もうとっくに終わるべきものだと思っているんですよ。それが延長のみならず、再延長になっている。このことについてDBJ側としてはこれからどうしようと考えているのかということを聞いているわけです。再々延長は絶対に起きないように、ちゃんと特定投資業務、目的を果たせるように全力を尽くす、そして、それに対して責任を負うというふうに言えますか。

地下参考人 お答えいたします。

 私としては、日本政策投資銀行がそういう実績を出して、むしろ、そういうリスクマネーができたのでDBJの特定投資は要らないよと言われるようなのはもちろん念頭に置いてやりますけれども、私どもが制度設計をする立場ではないですし、我々としてはできればいろいろな方に運用の機会をいただきたいという立場ですし、国の特定投資の財源があれば、先ほど言いました競争力の強化とか地域の活性化、地域の活性化をサボっているという御指摘ですけれども、やはりそれに踏み込みやすくなっているというのは間違いありませんので、なので、ともかく、終わることを目的とするというよりは、その時々の政府からのニーズを適宜受託していけるような体制を果たしていきたいというふうに考えてございます。

階委員 全く覚悟がないことが明らかになった。覚悟がないというのは、完全民営化に対する覚悟がないということが明らかになっているわけですよ。いいですか。本当に完全民営化を目指す、民間金融機関と同じ土俵で戦うというんだったら、一刻も早くこの特定投資業務は終わらせなくちゃいけないんですよ。それをうやむやにしようとしているということは、そもそも完全民営化はやる気がないということなんですよ。そのことを指摘させていただきます。

 そして、完全民営化の手前に、現段階でも五〇%までは株が売れるという状況にあるわけです。先ほど水沼委員も指摘したとおりなんですが、私、大臣の答弁を聞いていると、まだ五〇%までを売ることについても体制はできていないようなお話でしたけれども、これはちょっと、余りにも悠長過ぎるんじゃないですか。

 前回の延長法案の附帯決議のときに、二番ですね、政府の保有株式については、特定投資業務で保有すべき株式を除き、目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できるだけ早期の売却に努めとか書いていますよね。

 五年近く前の附帯決議、これを守るのであれば、もうその五〇%までの部分は売る体制を整えていないとおかしいでしょう。なぜ何もしてこなかったんですか。お答えください。

加藤国務大臣 そのことに対してもお答えさせていただきたいんですが、その前提として、今回、期限の延長をお願いしているのはむしろ私ども政府であり、政府からDBJに特定投資業務という形でリスクマネーの供給をいわば促す、委託をお願いをしている、そういう関係でありますから、DBJはDBJとして努力をしていただくとともに、我々としては、こうした形、要するに国が関与する形ではなく民間ベースにおいてしっかりリスクマネーが供給できる状況、環境をつくっていく、それに向けてまずは全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。

 その上で、今委員御指摘の株式売却の話であります。

 法律上、この期間であっても、二分の一以上持てということでありますから、それに近いところまで売却することは可能であるというのは、法文上、解釈であるんだろうと思います。

 その上で、売却に当たっての考え方がそこに示されているわけでありますので、我々は、それも踏まえながら、国会での附帯決議をいただきましたので、それに向けて引き続き努力をしていきたいと考えております。

階委員 是非努力をしていただきたいのと、七ページ目を御覧になってください。

 完全民営化を目指すのであれば、この代表取締役の変遷、見ていただくと分かるとおり、民間出身者が、二〇〇八年、今のDBJができたときの社長さんは民間でした。その次も民間の社長さんでした。その後、プロパーになった。これはいいと思うんですが、プロパーになった後、財務省の出身者が入ってきて、会長というポストが新たに平成三十年から設けられ、副社長で入った元財務事務次官の方が会長に昇進しているというのが二代続けて行われているわけです。これは完全民営化の方針と整合するんでしょうか。地下社長、お答えください。

地下参考人 お答えいたします。

 人事につきましての原案は、現在というか、歴代、社長が原案を作成し、人事評価委員会という、アドバイザリーボードのメンバーを主たるメンバーとする外部の有識者にお諮りして選定をしております。したがいまして、完全民営化の方向の中で有為な人材の方に取締役に就任していただいているというふうに認識しておりますので、民営化に逆行するとは考えてございません。

階委員 人事が完全民営化の方向性と逆行しているというふうに私は捉えます。

 今日はこれで質問を終わりますけれども、要するに、特定投資業務をいつまでも延ばして完全民営化を先送りしようとしているんじゃないかという疑念も拭えませんでしたし、そもそも官民ファンドをDBJに任せていいのかという疑念も深まる一方でした。そのことを最後に申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

井林委員長 次に、岸田光広君。

岸田(光)委員 国民民主党の岸田光広です。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。

 時間もありませんので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。

 日本政策投資銀行では、以下、DBJと呼ばせていただきます、民間による投融資を誘発する形で時限的、集中的にリスクマネーを供給しているかと思いますが、まず、リスクマネーの供給に関する政府の問題意識と対応についてお伺いしたいと思います。

 政府は、リスクマネーの供給が極めて重要であると繰り返し強調していますが、その背景や理由を具体的にお聞かせください。例えば、経済成長を加速させるためになぜリスクマネーが欠かせないと考えるのか、特に、賃上げや企業の積極的な投資を通じて成長型経済を実現する上でどのような役割を果たすと考えているのか、お答えください。単に資金を増やすだけではなく、イノベーションや産業の活性化にどう結びつくのか、財務省としての見解を伺いたいと思います。

 また、DBJが特定投資業務で担ってきた役割について、これまでの実績を具体的に振り返っていただきたいと思います。成功事例としてどのようなプロジェクトが成果を上げたのか、逆に失敗事例としてはどのようなケースで課題が明らかになったのか、実例を挙げて、その背景、教訓も含めて御説明をお願いします。

寺岡政府参考人 リスクマネーと成長産業ということだと思いますが、昨年末に開催した勉強会では、今後の経済成長を担う分野には、知見が十分に蓄積されておらず投資家による事業性の評価が困難なことや、資金規模や具体的な市場形成時期に対する不確実性が高いこと、さらには投資額が大規模で回収に時間を要するといった特徴があるといったことが指摘されてございます。

 すなわち、今後の成長と投資が牽引する経済を実現するために必要とされるサプライチェーン強靱化やGX、スタートアップの支援といった分野においては、将来の高いリターンが見込まれる一方、不確実性も高く、投資の回収に非常に時間がかかるといった問題があるので、なかなか民間企業だけでは単独では入りにくいといった特性があるのでリスクマネーとされ、また、そうしたものを加速し、こうした成長産業を育てていくことは、我が国の将来の成長を支えるとともに、幅広い様々な課題の解決にもつながっていくものだと考えてございます。

地下参考人 先ほど先生から、いい事例と失敗した事例、御指摘ありましたので、私の方から答えさせていただきます。

 例えば、好事例につきましては、これは名前を公表しておりますが、セイコーグループの半導体事業を切り出して市場に出した、分社化したエイブリックというものがございます。これは、セイコーグループの中では若干、本業ど真ん中じゃなかったものを市場に出して、同業者の方に買い取っていただいて、ベストオーナーシップを特定投資でつないだということで、イグジットまで含めて成果が出たと考えてございます。

 あと、損失を計上した案件は、先ほどの階先生のときに話題になったマレリもありますが、そのほかにも、やはり時代が早過ぎたスタートアップといいますか、例えば、人工衛星で地上のデータを取って自動走行に生かそうというプロジェクトをやったんだけれども、自動走行がなかなか社会実装されないので残念ながら力尽きてしまったところというのもございますので、やはり、全体として、ポートフォリオとしてきっちり勝ち越していけるように対応していきたいと考えてございます。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 次に、日本におけるリスクマネー供給の現状につきまして、先ほど来これについても質問があったかと思うんですけれども、確認のためお伺いしたいと思います。

 よく指摘されるように、日本では、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティーファンドを通じたリスクマネーの投資額は欧米諸国と比べて著しく少ないと言われています。

 欧米と比較しながら、その点について、分かりやすく状況の方を御説明ください。

斎藤副大臣 お答えいたします。

 民間における普通株式や優先株式といったいわゆるリスクマネーの供給につきましては、政策投資銀行に特定投資業務が設置されました二〇一五年以降、例えば、スタートアップにおける資金調達は約四倍、プライベートエクイティーファンドの市場規模は約十五倍となるなど、民間を通じた資金供給は着実に増加をしてきております。他方、対GDPで見ますと、委員御指摘のとおり、先ほども答弁したとおりでございますが、スタートアップにおける資金調達は米国の約六分の一、プライベートエクイティーファンドの市場規模は米国の約三分の一と、諸外国と比べると、いまだ小規模にとどまっております。

 背景でございますが、欧米と比較しまして機関投資家や海外投資家からの出資が進んでおらず、ファンド規模が大型化し切れていないといった課題が指摘されていると認識しております。

 引き続き、特定投資業務を通じて、民間だけでは対応が難しい成長分野に対して積極的にリスクマネーを供給していく必要があると考えております。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 アメリカとの比較はあったんですけれども、もうちょっと世界の中でどうかというのをお聞きしたかったんですが。

 日本でリスクマネー供給が欧米に比べて少ない原因、これを政府としてどのように分析しているのか、お聞かせください。例えば、金融機関がリスクを避ける傾向にあるのか、投資家自身がリスクを取る意識が低いのか、また、法制度や規制が投資を妨げているのか、具体的な要因を挙げて詳しく御説明ください。

斎藤副大臣 リスクマネー供給が小規模にとどまっている背景についてでございますが、リスクマネー供給は我が国の成長のためには不可欠なものであり、政府としては、喫緊の課題として力強くこれを促進していく必要があると考えております。

 一方で、我が国におきましてリスクマネー供給が小規模にとどまっている背景としましては、先ほど述べましたようなファンド規模が大型化し切れていないなどの課題のほか、特に地域における成長資金の担い手でありますとか、またノウハウが不足しているといった課題の指摘もあると認識をしております。

 このため、日本政策投資銀行におきまして、引き続き、特定投資業務を通じまして積極的にリスクマネーを供給するとともに、地域における投資人材の育成でありますとかナレッジの共有を通じて、リスクマネーの担い手やリスクマネーの供給量の増加に貢献していく必要があると考えております。

岸田(光)委員 リスクマネー供給不足に対して、今もちょっと、喫緊の問題であるというふうなお話もあったんですけれども、この政府の問題意識について伺いたいと思います。

 御説明にあったとおり、リスクマネー供給で日本は非常に後れを取っています。新興企業の成長、産業の革新が他国に比べて遅れることで、日本の経済全体が競争力を失うリスクがあると思います。

 国際競争力の観点から、日本がリスクマネーの供給で欧米に後れを取っている現状、こちらに大変危機感を感じているんですけれども、その点につきまして、受け止めをお聞かせください。

寺岡政府参考人 先ほど来、リスクマネー供給の重要性については繰り返し御答弁をさせていただいているところであります。

 なぜ遅れているのかという理由につきましては、単に一つの問題ではなく、金融機関における、例えば国際的な規制の問題でありますとか、どういった収益性を求め、どういった安全性を求めていくといった金融の実務の環境もあると思いますし、また、日本経済全体のマクロ経済環境でありますとか内外の経済動向、こういったものが影響を与えるといったこともあり、いわば資金の供給、そういったものに影響を与えるのだと思ってございます。

 政府といたしましては、やはり、総合的に検討いたしまして、そういったリスクマネーの供給が進み、我が国の成長産業が促進されていくように努めてまいりたいと考えてございます。

岸田(光)委員 DBJの株式会社化を定めた行政改革推進法では、民間にできることは民間に委ね、政策金融は必要最低限に限定し、民間金融の補完と、評価、監視体制の整備、貸出残高の縮小を求めています。

 しかし、成長型経済への転換には、民間が主体的にリスクを取れる環境整備が急務です。民間によるリスクマネーの供給を拡大するための現状分析、対策、またこのロードマップを含む総合計画を早急に策定していくべきだと考えますが、加藤大臣、お答えをお聞かせください。

加藤国務大臣 成長資金、いわゆるリスクマネーの供給拡大が重要であることは今までも申し上げてきたところでございます。

 政府としては、スタートアップ育成五か年計画において、スタートアップへの投資額を二〇二七年度に十兆円規模、将来においてはスタートアップを十万社創出するなど、我が国が世界有数のスタートアップの集積地となることを目指しているところであります。

 こうした目標を実現するためには、民間によるリスクマネーの供給を拡大していくこと、これが基本だと思いますが、今後の経済成長を担う分野において知見が集積されておらず、投資家によるリスク評価が困難である、投資額が大規模で回収に時間を要するなど、民間資金のみでリスクテイクすることが難しい領域があるのも事実、現実であります。

 このような中で、我が国のリスクマネー供給は不十分という御指摘もあり、日本政策投資銀行の特定投資業務が引き続き質的、量的補完機能を発揮していくことが必要と考えております。

 他方で、その役割は、あくまでも民間資金の補完であります。本法案においては、特定投資業務の投資決定期限を二〇三〇年度末、業務完了期限を二〇四〇年度末と設定しております。日本政策投資銀行の持つノウハウの共有などを通じてリスクマネー供給の担い手育成にも貢献をしているところであり、将来的に民間による自立的な資金供給が行われるよう、引き続き取組を進めていきたいと考えております。

岸田(光)委員 先ほどからDBJの完全民営化という話もありますけれども、先ほどから、このリスクマネーの民間による供給について、理由とか、今それができていないところについて御説明いただいているんですけれども、それと、あと、スタートアップ五か年計画の話もありましたが、そもそも民間がまだリスクマネーを供給できていないというところに、やはり分析がちょっときっちりできていないんじゃないかというふうに私は考えております。

 やはり今の現状分析をしっかりして、これに対していかに対策していくか、それも、しかもロードマップをしっかり作った総合計画というのが必要だと思うんですけれども、その点について、加藤大臣、答弁に入っていなかったので、お答えください。

加藤国務大臣 これまでも、先ほど申し上げましたように、日本政策投資銀行の持つノウハウの共有など、リスクマネー供給の担い手の育成などを進めることによって、民間ベースにおけるリスクマネーがより供給されていく環境をつくっていく、このことは非常に大事だと認識をしておりますし、引き続き、そういった意味における取組も我々としても進めていきたいと考えております。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 DBJが完全民営化するには、政府がその環境整備をしないと進まないということでもありますので、是非とも、その点、お願いしたいと思います。

 次に、DBJのガバナンス体制について伺いたいと思います。

 DBJは、国の政策金融機関として、リスクマネー供給で経済、産業の成長を支える重要な役割を担われています。リスクの高いプロジェクトや長期投資では、適切な意思決定プロセスが不可欠となっております。現在のガバナンス体制、これを十分に支えているとお考えでしょうか。まず、投資判断での内部チェック、牽制の仕組み、意思決定の透明性、客観性を担保するプロセス等を具体的にお聞かせください。

 また、外部監視の強化の仕組み、国民、ステークホルダーへの説明責任の取組はどうなっていますでしょうか。DBJが体制を見直し、強化した具体的な改善点等ありましたら、こちらをお聞かせください。

地下参考人 お答えいたします。

 私ども、二〇〇八年に株式会社になった当初は、例えば、内部管理上もまだ上場基準を十分満たしていないというような状況でございました。なので、内部管理も上場に堪え得るような体制を整備して、おおむねそういうものは整備し終わったと思っておりますし、全体が金融機関でございますので、今はもうなくなったと聞いていますが、いわゆる金融庁の金融検査マニュアル、そういうものに応えられる牽制関係、意思決定の仕組みというのを有しております。

 また、全体、特定投資業務と、あとそれ以外の通常業務を含めて、独立監査法人でありますトーマツさんの監査を受けて、適正監査意見というのを得て対応しておりますので、そういう金融機関としての牽制の利くガバナンス、審査部門、調査部門、併せ持った対応というのを特定投資にそのまま応用しておりますので、特定投資だから超特急でいくとかそういうことはありませんで、それぞれ、案件区分、リスク区分に応じた、支店長決定、経営会議決定、委員会決定、そういうようなところで内部的には統制を図ってございます。J―SOXの適合性というものもきっちり図っておりますので、そういう体を使って特定投資業務を遂行しているということでございます。

 あと、説明性につきましては、これは当然のことですが、会社法に定められました決算の説明であるとか統合報告書、そういったものは積極的に出しておりますし、一般業務と併せて特定業務の遂行についてもホームページ等で適宜開示しています。

 民業圧迫のところは先ほど御説明しましたので、時間の関係で省略させていただきます。

 以上でございます。

岸田(光)委員 ありがとうございます。

 今もお話ありましたが、民業圧迫については先ほど中川委員からも質問ありましたので、一問飛ばさせていただきます。

 次に、DBJは民業圧迫防止のために融資比率五〇%を超えない、先ほど階委員からもお話ありましたけれども、超えない原則を設けられていると思います。原則ということは、当然例外の可能性もあるわけです。五〇%を原則として柔軟性を持たせている意図は何でしょうか。また、この五〇%という数字、加藤大臣からも先ほど少しありましたけれども、こちらの具体的な根拠について教えてください。さらに、例外が必要なケースを挙げて御説明いただければと思います。

 よろしくお願いします。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 特定投資業務は、DBJ法に基づき、民業の補完、奨励が義務づけられておりまして、特定投資指針上も、原則五〇%以下の出資比率を要件としてございます。

 原則としている理由は、成長資金市場においては、先端領域や地域の案件など、政策的な重要性が高いものの収益化まで時間を要すること等により、民間だけでは十分なリスクマネー供給を、供給することが難しいケースが想定されるためであり、具体的には、当該事業の開始に当たり一時的に超過する場合や事業遂行に必要不可欠と認められる場合に限り、五〇%を超過することを許容しているというルールでございます。

 いわゆる出資額に対して呼び水として幾ら出資が出るかという点におきましては、過去の実績におきましては、約四倍程度出資が引き出されているというふうに認識してございます。

岸田(光)委員 DBJの融資方針とリスク管理の透明性、説明責任の観点から伺います。

 融資比率五〇%超の原則を超える場合のプロセス、判断基準を具体的に御説明ください。過去、民間ファンドで、事業継続困難なプロジェクトへ融資拡大で損失を増やした事例があり、歯止めの仕組みが機能しているのか懸念があります。国会がしっかりチェックできる仕組みがあるのか、お聞かせください。

地下参考人 お答えいたします。

 投融資の指針において、私どもが出した資金といわゆる民間資金、五〇%ずつというのが原則で、割に厳密に適用しています。今まで超過したのは二百三十六件中十件でございますが、認識としては、出資時点ではまだ民間金融機関がついてこられなかったというケースがございます。例えば宇宙の案件とか、やはり、ほかに声をかけても誰も出してくれないんだけれども、DBJが先に出して、次のラウンドでは考えてくれるよというのもございますので、そういう限定した事情について、場合によっては、必要に応じて主務省とも相談しながら、極めて限定的に対応しているところでございます。

岸田(光)委員 時間となりましたので、終わります。

 客観的基準、ルール、仕組みをしっかりつくって、恣意的にならないようにしっかりお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

井林委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 れいわ新選組の高井でございます。

 まず、政策投資銀行の社長にお伺いいたします。

 先ほど階委員からもかなり厳しい質疑がありましたけれども、この特定投資業務の企業の競争力強化、これが資金、金額全体の八割以上を占めている、一兆二千八百三十一億円、これに対して、地域経済の活性化は僅か一千三百五十億円、一割ちょっとということでありますが、私は、この地域経済の活性化をむしろ増やすべきだと思いますが、いかがですか。

地下参考人 お答えいたします。

 私どもも、志としては、やはり地方創生の観点から地域活性化案件を増やしたいと思います。なので、件数は、六十件直接やっておりますほか、地域金融機関との共同ファンドから八十九件という形になっております。なので、金額ベースだと、御指摘のとおり、全体の競争力強化に対して一割程度にとどまるんですが、件数はかなり、ほぼほぼ匹敵する形になっていると思います。

 私どもの現場の取組感からいうと、例えば、一件五十億の案件よりも、一件一億ないしはそれを割る案件の方が、実際の手間暇は非常にかけてございます。例えば、いろいろ御相談に応じる現場の人間でも、東京に大体三百人置いていますが、支店、十か所しかありませんが、そこに二百数十名置いて、いわゆる労働投入量としては地方活性化に相当手間暇かけているという認識でございますので、今後とも、金額がなるべく出るようには努力もしますし、一方で、きめ細かい、金額にこだわらないサポートというのも力を尽くしてまいりたいと存じます。

高井委員 是非こちらの分野により多くの人、物、金、投資を、やはり国のお金を使っている以上、私は、地域経済活性化、非常に重要だと思いますので、力を入れていただきたいと思います。

 これも先ほど階委員から指摘がありましたけれども、財務省からの天下りの問題です。

 私、調べたら、政策投資銀行の前身は日本開発銀行ですけれども、開銀は、実に一九八一年から二〇〇七年まで二十六年間、財務省の事務次官が二十六年間で五人、ずっと続けて総裁をやってきました。さすがにまずいと思ったのか、二〇〇八年から二〇一八年までの十年間は民間の方、一時プロパーの方も一人だけなりましたが、また二〇一八年から、ほとぼりが冷めたと思ったのか、会長という職を置いて、二代続けていまだに事務次官が天下っている。まさに、財務省事務次官の指定席のようなことになっているわけですが。

 地下社長はプロパーで開銀から入られて、開銀って本当に優秀な方が集まる、私の大学の同期も、開銀、優秀なのが行きましたよ。そういうプロパーの人から見ると、一生懸命頑張っても最後は財務省の事務次官が天下ってくるというのは、やはり何かモチベーションが下がるんじゃないですか、プロパーの方。どうですか、プロパーの代表として、社長。

地下参考人 お答えいたします。

 実は、二〇〇八年の前は特殊法人でございましたので、現状のガバナンスとは全く違って、まさに政府が総裁を任命するという形でございました。

 二〇〇八年以降は、先ほども御説明しましたように、民営化を目指す株式会社として自律的経営をというのが法定されてございますので、実質は、社長が原案を作成して役員を選定させていただいて、それを人事評価委員会とかで選ばせていただきます。

 会長というポストも、慌ててつくったわけではなくて、実は、株式会社になるときに、既に定款の中で、会長であるとか、あと、現在は置いていませんが専務とか、そういうものは置くことができる規定がございましたので、今の、会長というのはまさにガバナンス、取締役会の議長ということでガバナンス対応、私が社長ということで執行の最高責任者、実際の判断とか人事は私がやっておりますので、今は特に、プロパーの意気がそがれるとかそういうことはないと認識しております。

高井委員 何で会長なる職がまた出てきたのか、これは財務省からのごり押しじゃないかとかいろいろ追及したいですけれども、私は十五分しかないので社長にはこれ以上聞きませんが。

 これは政策投資銀行だけじゃなくて、財務省の全体の体質として、調べたら、人事院の調べで、令和五年度の天下り、再就職の数、政府全体で千五百四十四のうち三百八十二、実に四分の一が財務省。断トツトップですよ。二十六府省庁あって、四分の一が財務省ですからね。そして、これはダイヤモンドという雑誌の調べですけれども、財務省出身の社外取締役報酬ランキング、一位の方、あえて名前は言いませんけれども、四千四百七十一万円、二位の方、財務官、三千三百二十五万円、三位の方、財務事務次官、三千二百九十九万円。この方は民主党政権のときに財務省解体のマニフェストを葬り去った方ですよ。こういった天下りの実態。

 それから、もう一つ私が驚いたのは、国税庁出身ランキングというのも出ていて、一位の方、日本橋税務署長だった方が二千三百五十万円、二位、芝税務署長、二千万円、三位、また芝税務署長、千九百二十九万円という。これは多分ノンキャリアの方ですよね、税務署長をやる方。しかも、日本橋税務署とか芝税務署って、思い切りピンポイントですよね。その会社がある税務署長だった人を天下りで採用している。

 これは別に、天下りというか再就職だから民民の関係だと言いますけれども、やはりちょっとおかしいですよね。やはり、国民の皆さんの疑念を招くようなこういう再就職は、大臣、控えるべきじゃないですか。これは、大臣、この機に、ちょっとここは大臣のリーダーシップで、もうやめるなり控えるということにしませんか。いかがですか。

加藤国務大臣 おっしゃるように、では、再就職しなければ、その方々はどうやって老後を設計していかれるのか。

 そういった意味で、やはり大事なことは透明性ということで、これまでも様々な法律によってそれを担保してきているところでございますので、今言われた方も、そうした法律にのっとって、法律、再就職の規定がありますから、それに反しないようにする。そして、該当する場合にはそういった形で公表する。こういった仕組みの中で、透明性のある中で、再就職等を含めて、そして、その方から見れば再就職でありますし、企業等から見れば有為な人材を活用していただく、こういうことが重要じゃないかと考えています。

高井委員 確かに法には触れていないんですよ。だけれども、倫理的にというか、あと、国民の皆さんから見てどうか。四千四百七十一万円も、社外取締役になって何日出勤しているのか分かりませんけれども、こういうものをやはり天下りというわけで、私はやはり財務省が率先して控えていただきたいと思います。

 時間がありませんので次に行きますが、この政策投資銀行は、実は、特定投資指針という中で、地域金融機関等への積極的なノウハウの提供というのが求められています。地域金融機関といえば、おととい私が取り上げたスルガ銀行、これもまさに入るわけなので、政策投資銀行がどういうノウハウの提供をしているのか社長に聞こうと思ったんですが、あと五分しかありませんのでこの質問は飛ばしまして、スルガ銀行の話をおとといに続いてちょっとしたいと思うんですが。金融機関つながりということで聞きたいと思います。

 金融庁は、スルガ銀行に二〇一八年に業務改善命令を発出して以来、具体的にどういう改善指導をやってきたんですか。モニタリングみたいな抽象的な表現じゃなくて、具体的な指導内容をはっきりお聞かせください。また、今後どう行うのか、それから、いつまでにこの問題を解決するつもりなのか。金融庁、お答えください。

伊藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 金融庁といたしましては、スルガ銀行に対して二〇一八年に発出した業務改善命令に基づき、現在も、四半期ごとに、投資用不動産融資の個々の債務者に対する金利引下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、債務者の方々への対応の進捗状況について報告を受けているところでございます。

 また、こうした定期的報告のみならず、経営会議等における議論状況等を確認し、同行内の本事案における議論や対応状況について確認をしていますほか、民事調停の進捗状況に関して、スルガ銀行から同行の主張と被害者側の弁護団の主張などを聞き取るなど、調停の進捗状況や今後の対応方針について逐次報告を受けているところでございます。

 このように、随時、スルガ銀行に直接ヒアリングをして対応状況を確認をしております。

 加えまして、被害者側の弁護団などからも、先方からの御要請に応じまして、被害者に対するスルガ銀行の対応について意見聴取をするなど、同行だけでなく債務者側の意見もお聞きしているところでございます。

 その上で、いつまでにと具体の時期をお答えすることは難しゅうございますけれども、金融庁といたしましては、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要だと考えておりまして、引き続き、先ほど申しましたような進捗状況の確認等を行うとともに、スルガ銀行の経営陣に対して、債務者との協議に真摯に応じるなど適切な対応を求め、その進捗を確認していくとともに、必要な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。

高井委員 もう六年半ですからね。いつまでにとは言えないみたいな答弁じゃなくて、伊藤監督局長のときにこれは解決するぐらいの、そういう決意を是非聞かせてくださいよ。

 私がこれを質問したら、いろいろな反響がありましたけれども、多かったのが、金融庁の答えは、何かもう毎回同じ、オウムの繰り返しみたいな、壊れたテープレコーダーを聞いているようだ、そういう批判でした。

 私、前回間違ったことを言ったんですけれども、自民党以外はほぼみんな聞いていると言ったけれども、自民党さんも聞いているんですよ、過去、議事録を調べたら。ほぼ全部の政党が聞いている。これに対して毎回同じ答えを金融庁は答えているというのは、少なくとも我々れいわ新選組みたいに小さな党にはそうかもしれないけれども、自民党とか与党公明党が聞いてもこんな同じような答えで、これはさすがにちょっと考えた方がいいと思いますよ。本気でやはりやるという姿勢がないと、何かスルガ銀行に忖度しているんじゃないかというふうに世間は見ますから、是非、これだけ言っているんですから、金融庁、本腰を入れて、伊藤監督局長のときに解決する、そういう決意で臨んでいただきたいと思います。

 これは大臣にも聞きますが、スルガ銀行は、業務改善命令期間中にもかかわらず、証拠の白塗り隠蔽、それから小田原支店での着服事案、それから被害者に対する不適切な催促行為など、深刻な不正がずっと続いているんですよ。そもそも、支払い催促なんかで被害者の期限の利益を喪失させようとする、そういうやり方で被害者を追い込む行為そのものを慎むべきじゃないですか。

 現行の処分で不十分なのは明らかなので、この際、思い切って、免許停止あるいは取消し、そういった、より重い、厳しい処分が必要だと思いますけれども、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 まず、スルガ銀行については、今委員御指摘のように、国会においても様々な委員からも御指摘を頂戴をしております。そして、業務改善命令から六年以上が経過したにもかかわらず、いまだ最終的な解決に至っていない債務者の方がおられること、また、行政処分後も、今委員お話がありましたが、行員による着服事案といった不祥事案が発生していることは大変遺憾であります。

 金融庁としては、これまでの民事調停の状況を含め、債務者の方々への対応の進捗などを随時確認するなど、スルガ銀行に対し適切な対応を求めているところであり、こうした取組を更に強化して、継続していきたいと考えております。

 また、昨年末から、スルガ銀行が一部の債務者に対し、弁済遅延分について支払い督促の申立てを開始したことは事実と承知しております。対話に応じる債務者には支払い督促の申立てを取り下げ、個別に対話するなどの対応を進めているものと聞いており、金融庁としても、投資用不動産から十分な収益が得られていない債務者に対し、同行により無理な支払い督促が行われていないかについてはしっかり確認してまいります。

 今後の追加的な行政処分の可能性について、今の時点で予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、金融庁としては、スルガ銀行が債務者に寄り添った対応を取ることを通じて、債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られることが重要と考えており、こうした観点から、また、国会でもこうした御指摘を頂戴しておりますので、同行の対応に問題がなかったか虚心坦懐に改めて検討した上で、今後の行政上の対応について考えていきたいというふうに思っております。

高井委員 時間になったのでまとめますけれども、大臣、結構語気強く言ってくれていると思うので、本当にちょっとここは大臣のリーダーシップを発揮すべきところだと思いますので、監督局長と連携して、あと、警察庁も昨日こんな答弁を言っていたんですよ、重大で複雑な事案が発生した場合にはプロジェクトチームをつくりますと。こんな重大で複雑な事案、ないじゃないですか。これだけ国会で、何回取り上げているんですか。こんなのないですよ、めったに。

 これは本当に、警察とも連携して、大臣のリーダーシップで必ず解決して、大臣の任期中に解決してください。よろしくお願いします。

 ありがとうございます。

井林委員長 次に、田村智子君。

田村(智)委員 日本共産党の田村智子です。

 本法案は、日本政策投資銀行の特定投資業務の出資期限を再延長するものです。特定投資業務は二〇一五年に開始され、二四年九月末までに二百三十六件、出資総額一兆二千八百三十一億円、リスクマネーを民間企業に拠出してきました。回収までおよそ十年間というスキームのため、終了した事業はまだ多くはなく、総合的な検証はこれからになりますが、既に失敗した事例もあります。

 そもそも、公的な金融機関が民間企業に対してリスクマネーを供給する必要性、これはどこにあるのか、まず大臣にお聞きしたいと思います。

加藤国務大臣 日本経済、地域経済の成長力を強化するためには、資金ニーズの増加が見込まれるものの不確実性も高い新たな投資領域に資金を供給することが重要と考えております。民間で対応できればそれで十分でありますが、現下、そういう状況でもないということで、官民を挙げたリスクマネーの供給も含めて国内投資を促進していきたいと考えております。

 こうした中で、日本政策投資銀行は、特定投資業務を通じてリスクマネーの強化をしてまいりました。

 また、財務省で開催した日本政策投資銀行の特定投資業務に関する勉強会において、長期間の研究開発や社会実装などを要するディープテック、GXなどの分野で資金需要が拡大する中、民間の資金供給が追いついていないといった指摘もいただいたところでございます。こうした指摘も踏まえて、民間だけでは対応が難しい成長分野に対して、特定投資業務を通じて積極的にリスクマネーを供給していくことが必要と判断をし、今回法案を提出させていただいているところでございます。

田村(智)委員 政策投資銀行の前身の日本開発銀行のときも、同じような理由で大企業による大型開発に出資し、大失敗した歴史があります。苫小牧東部地域開発、むつ小川原開発など、多額の国費による穴埋め、事実上の国民負担が発生しています。

 過去の失敗に学ぶならば、国民や国会がその出資の妥当性を監視し、検証できるような情報公開と透明性が求められます。まず、公的資金が原資である以上、少なくとも国民生活に必要な社会インフラ整備や社会福祉事業など、社会政策上意味がある事業に限定すべきです。

 出資の判断基準、特定投資業務の政策目的、これを簡潔に説明いただきたいと思います。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 特定投資業務の目的につきましては、まず、DBJ法において、地域経済の自立的発展又は我が国の企業競争力強化並びに成長資金市場の発展と規定してございます。

 その上で、その案件の採択に当たっては、まず、法令上の要件として、事業者が十分に活用されていない経営資源を有効に活用し、新たな事業の開拓を行うこと、事業の分野を異にする事業者と有機的に連携し、経営資源を有効に組み合わせることを主とする経営の革新を行うことを確認する必要がある、そのようにされてございます。

田村(智)委員 今日、階議員の質問とダブるんですけれども、お配りいただいた資料が、本当に私も驚きました、出資額の多いのは圧倒的に競争力強化だと。

 資本主義経済では、独自の企業努力と技術力で競争力を企業がつけていくというのは基本の活動だと思うんです。大企業は多額の内部留保をため込んでいます。低金利で市場から多額の資金を調達できる環境にも長年置かれてきました。競争力強化という投資目的を立てておけば、結局、どのような投資に対しても資金提供できることになってしまうんじゃないかというふうにも思いますが、いかがですか。

寺岡政府参考人 特定投資業務につきましては、先ほど申し上げましたように、案件の採択に当たっては、法令上の要件として、経営資源の有効な活用、そういったものをまず確認する必要がある。その上で、地域経済の自立的発展又は我が国企業の競争力向上といった政策目的を満たしているかを確認しつつ、DBJにおいて、案件の事業性も含めて、最終的な投融資決定を行うものと承知してございます。

田村(智)委員 先ほどの階議員の質問で、地域活性化案件も実態は競争力強化だったということも明らかになって、本当に公的資金による投資として適切なんだろうかと大変疑問に思わざるを得ないんです。

 私も、マニエッティ・マレリCKホールディングスの問題について取り上げたいんですけれども、CKホールディングスによるイタリアの自動車部品メーカー、マニエッティ・マレリの買収に対して政策投資銀行からの出資があった、このことは既に先ほどの質問で確認されました。二〇一九年四月十八日に特定投資業務による支援決定をしましたが、二二年六月に民事再生法の適用となった。負債総額一・二兆円、製造業として戦後最大規模の経営破綻となりました。

 改めて確認しますが、出資金額と、それがどうなったのか、御説明ください。

地下参考人 お答えいたします。

 金額につきましては、階先生が御用意された二ページ目の三百三十億、ちょっと端数まで覚えておりませんが、そういう金額を種類株という形で提供しております。残念ながら法的整理となりましたので、その再生手続の中で、その金額は全額消却ということになってございます。

田村(智)委員 全額消却なんですよ。

 ちょっと、この案件、どういうものなのかを少し詳しく言いたいんですけれども、CKホールディングスはアメリカの大手投資ファンドKKR傘下の持ち株会社です。まず、二〇一七年、カルロス・ゴーン時代の日産が、系列会社、日産に自動車部品を供給するカルソニックカンセイの株を全て売却したことによって、CKホールディングスの傘下に入りました。カルソニックカンセイの生き残りを懸けた戦略によって、CKホールディングスが、イタリアの自動車部品メーカー、マニエッティ・マレリを六十二億ユーロ、当時の為替レートで約八千億円で買収したという案件なんですよ。

 ですから、カルロス・ゴーンのコストカット、これによって売却された企業の生き残り戦略なんですよ。これがどうして、先ほどの質問でびっくりしたんですけれども、地域活性化案件になってしまうのか。しかも、米国最大手のファンドの傘下にある株式会社なんですよ。本来責任を持つべきはそのファンドの持ち株会社ではないのか。

 果たして公的な資金で支援するに値する社会的、政策的意義がどこにあったのか、御説明いただきたいと思います。いかがでしょうか。

地下参考人 お答えいたします。

 確かに、委員御指摘のとおり、大株主はアメリカのファンドでございます。ただ、私どもの任務としては、やはり、アメリカの資本力をかりて、ある企業が更に成長するということ自体は悪いとは思いませんで、それが日本の国土に根づいていただけるか、日本の国土にプラスの影響を与えるか。逆に、アメリカのファンドというのは必ず売りますので、その際、日本で上場してもらうよう、日本企業としての目線というのを持った上で取り組んでございます。

 なので、これも、どうしても金額が大きくて、ちょっと何かごまかしているんじゃないかという疑念を持たれたのは反省しておりますけれども、我々としては、真摯に、やはり、北関東、神奈川、そういったところでの雇用を適切に守り、彼らが誇りを持って成長できる、いずれは日本で上場していただく、そういうシナリオの下で対応したものでございます。

田村(智)委員 本来そういう雇用を守る役割は日産にあったはずなんですよ、まずは。ところが、カルロス・ゴーンのあのコストカットですよね。コストカット、コストカット、これで自動車部品メーカーが犠牲にされた。その尻拭いに政策投資銀行がいわば使われたようなものですよね。加えて言えば、アメリカのファンドですよ、最大手ファンド。ここの責任逃れ、これにも手をかしているということにもなると思います。

 加藤大臣、今の案件をどう思いますか。果たして、これが、法律で定める地域活性化の案件、これに照らしたときに適正と言えるのかどうか。そういうことを財務省の中では検討がされているんでしょうか。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 今の件については、特に地域案件ということでありますが、地域経済の自立的発展に資する事業、具体的には、特色ある地域産業の活性化、交流人口の拡大、持続的な発展に必要となる基盤整備支援といった目的に資する事業を採択しているものと承知をしております。

 今の御指摘の件に関しては、今も説明がありましたが、地場の部品メーカーとしての競争力の強化のため、海外メーカーの買収を支援することによって、サプライチェーンの再構築を通じて、地域に有する生産拠点、これは埼玉、栃木、群馬、神奈川にあると聞いておりますが、の設備投資により、地域の自立的発展に寄与することが期待されたというふうに聞いているところでございます。

 残念ながら、その後、いろいろな事情があって大きな損失を計上する結果となったところではありますけれども、特定投資業務全体としては、全ての個別案件で一切の毀損を認めないというものではないので、全体としての収益性を確保していくことが重要だと考えております。

田村(智)委員 今回、昨日、質問通告のときには、この案件についてどれだけ出資をしたのか、マレリの買収というのは約八千億円で買収されているんですけれども、そのうちどれだけを出したのかということを質問通告で求めても、それはお答えできないということだったんですね。今日、大変、階議員が頑張っていただいて、ですから初めてそういう金額が明らかになったんですよ。八千億円のうち、三百四十億円を超えてですか、これは政策投資銀行がお金を出していたということが明らかになったんです。

 こう考えますと、私もやはり、企業名と出資額、少なくとも失敗したものについては国会にちゃんと報告すべきだというふうにも思うんですけれども、この点、いかがでしょうかね。

地下参考人 お答えいたします。

 マレリについては、質問通告の段階では会社の開示資料というのを十分確認できておりませんでしたので対応できかねましたけれども、その後、公表資料というので、毀損の部分は報告できるという判断をしました。

 失敗した案件については、なるべく開示したいんですけれども、ただ、失敗した企業でも、その後事業を継続しているものとか、所期の目的が果たせないので投資額には満たないけれども売却をしているという場合、購入された企業にとっては幾らで購入されたというのも若干機微情報に触れますので、そういうものとバランスを取りながら対応を考えていきたいというふうに思います。

田村(智)委員 とにかく今では闇の中なんですよ。

 この投資の元手は、国が保有するNTT株とJT株の配当と売却益、つまり国民の財産です。大企業の経営危機回避のために巨額の出資が行われ、挙げ句失敗した、こういう案件がほかにもあると思われるわけですよね。特定投資業務の目的には、大企業の経営危機の救済というものはありません。しかし、こうした事案、ほかにもあるのではないかと強く疑われます。是非、これまでの出資の案件の総括、これを行うことが特定投資業務を延長する前にやるべきことだと思いますが、最後に、大臣、見解をお聞きしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、大企業への投融資においても、地域活性化や我が国企業の競争力の向上の観点から実施をしているものでありますし、その際には、事業者の債務の健全性などについても審査されているものと承知をしております。

 今後とも、日本政策投資銀行において、新規案件について、事業者の財務健全性を含めて厳格な審査等を徹底して特定投資業務を適切に実施していくこと、重要と考えておりますし、そのために私どもとしても適切な監督等を行っていきたいと考えております。

田村(智)委員 そういう厳格な投資が行われているのか、国会でもチェックができない、国民の目に全く明らかになっていない。だから、ずさんな投資も含めて行われているのではないのか、こう指摘せざるを得ないわけです。

 こうした透明性の確保、これは絶対に必要だ、このことを求めまして、質問を終わります。

井林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

井林委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 立憲民主党会派を代表して討論いたします。

 日本政策投資銀行は、長期のリスクマネーを供給する、専門性を有する政府系金融機関であります。企業の成長と日本経済の発展にとって欠くべからざる組織だと私は考えております。今後も、プロパー業務においては、その能力、役割を存分に果たしていただきたいと思います。

 他方で、この法案は、日本政策投資銀行法改正案となっておりますが、プロパー業務とは関係のない官民ファンドの設置期限の再延長法案であります。

 官民ファンドは、既に一兆円近くの公的資金、この特定投資業務にも投入されております。この業務が適正に行われているかどうか、国権の最高機関である国会において厳しく監視しなくてはなりません。

 しかしながら、本日の質疑で明らかになったとおり、他の官民ファンドでは開示されている投資先名と投資金額すら開示しようとせず、開示の障害となっている秘密保持契約を見直そうともしておりません。また、本来の設置期限を再延長することへの反省も、次は延長しないという覚悟も見られませんでした。このままいくと、国民に必要な情報が開示されないまま、際限なく特定投資業務が継続されかねません。

 これは、同時に、政府が五〇%以上の政策投資銀行株式を保有する、このことが継続することを意味します。すなわち、当初の予定では遅くとも二〇一五年頃の予定だった政策投資銀行の完全民営化の時期が際限なく遅れていくことを意味するわけです。これでは、現在の政策投資銀行が設置された趣旨が大きく損なわれてしまいます。

 以上により、苦渋の決断として、本法案に対し、我が会派として反対せざるを得ないということを表明しまして、討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

井林委員長 次に、田村智子君。

田村(智)委員 日本共産党を代表して、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 日本政策投資銀行など政府系金融機関は国民の財産を原資としており、民間金融機関では対応が困難かつ公益性の高い分野への投融資に限定するべきです。ところが、本法案の特定投資業務の対象は大半が大企業向けであり、その内容も、三菱重工など軍事大手の設備投資、ソフトバンクによる海外企業の買収など、十分な資金力がある大企業に対して、より収益を上げるための投資が多くを占めています。

 日産の子会社であったカルソニックカンセイが米国の投資ファンドに売却された後に、イタリアの自動車部品会社を買収するための資金に出資しましたが、二年もたたずして民事再生法の適用を受けることとなり、出資全額が損失となりました。企業買収のための出資であったことは明らかであり、公益性が乏しい上に、出資に対する審査が正しかったのかも疑われます。

 委員会質疑で出資額、負債額が明らかになりましたが、これは例外的に明らかになったものであり、事実上、どの企業にどれだけの出資をしているのかは全く明らかにしていません。国民と国会に対し、説明責任さえ果たしていません。

 そのほかにも、大企業の経営危機の救済と推測される出資も散見されます。特定投資業務に対する客観的な監視の仕組みもなく、これまでの投資の検証、総括もないままに、存続、拡充は到底認めることができません。

 以上、本法案に反対の理由とし、討論を終わります。(拍手)

井林委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

井林委員長 これより採決に入ります。

 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井林委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

井林委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、大野敬太郎君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。三角創太君。

三角委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 株式会社日本政策投資銀行ができる限り早期に完全民営化することとされていること及び特定投資業務が時限を定めて導入されたことを踏まえ、期間延長が際限なく繰り返されることがないよう特定投資業務の法定期限到来までの間に、同業務の継続の是非と国の関与のあり方について十分に検討すること。

 二 政府の保有株式については、特定投資業務等の実行に伴い政府が保有すべき株式を除き、株式会社日本政策投資銀行の目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できるだけ早期の売却に努め、その売却益を増大している国債の償還財源に充当するよう努めること。

 三 特定投資業務が民業の補完又は奨励に徹することとされていることを踏まえ、民業を圧迫することがなく適切な運営がなされるよう注視すること。また、いわゆる呼び水効果が民間金融機関に与える経営上の影響について、定量的な計測や検証に努めるよう促し、もって呼び水効果が最大となるよう配慮すること。

 四 株式会社日本政策投資銀行の株主として同行の業務の事業実績及び経営状況を十分監視すること。

 五 民間金融機関による資金供給を公的観点から支援するという株式会社日本政策投資銀行の役割に応じた適切なリスクを取ることが可能となるよう、同行の経営状況について、その投資損益等が適正なものとなるよう十分注視すること。

 六 多額の公的資金が投入される特定投資業務に対し、国会の行政監視機能が十分に果たされるよう政府と株式会社日本政策投資銀行は取引内容に関して積極的に情報開示を行うこと。

 七 地域経済の自立的発展を実現するためには、地域金融機関等の人材の育成が急務であることに鑑み、株式会社日本政策投資銀行から地域金融機関に対する先進的な金融ノウハウの提供や同行と地域金融機関等の協働等により、地域における人材育成が同行によって図られるよう適切な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

井林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井林委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣加藤勝信君。

加藤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

井林委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

井林委員長 次回は、来る十五日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十五分散会


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