衆議院

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第2号 令和8年3月4日(水曜日)

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令和八年三月四日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 武村 展英君

   理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君

   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君

   理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君

   理事 萩原  佳君 理事 田中  健君

      浅田眞澄美君    石井  拓君

      石坂  太君    伊藤  聡君

      稲葉 大輔君    井林 辰憲君

      岩崎 比菜君    上原 正裕君

      鹿嶋 祐介君    加藤 勝信君

      白坂 亜紀君    高橋 祐介君

      長澤 興祐君    新田 章文君

      福原 淳嗣君    藤丸  敏君

      松本  泉君    三反園 訓君

      三原 朝利君    森原紀代子君

      米内 紘正君    渡辺 勝幸君

      大島  敦君    大森江里子君

      岡本 三成君    一谷勇一郎君

      近藤 雅彦君    牧野 俊一君

      古川あおい君    峰島 侑也君

      河村たかし君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   財務副大臣        中谷 真一君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 茂呂 賢吾君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局長)  堀本 善雄君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            岡田  大君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  井上 俊剛君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 福田  毅君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    青木 孝徳君

   政府参考人

   (国税庁次長)      田原 芳幸君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         青山 桂子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           熊木 正人君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            山崎 琢矢君

   参考人

   (日本銀行総裁)     植田 和男君

   参考人

   (日本銀行理事)     中村 康治君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月四日

 辞任         補欠選任

  福原 淳嗣君     石坂  太君

  三反園 訓君     高橋 祐介君

  峰島 侑也君     古川あおい君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     白坂 亜紀君

  高橋 祐介君     三反園 訓君

  古川あおい君     峰島 侑也君

同日

 辞任         補欠選任

  白坂 亜紀君     伊藤  聡君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤  聡君     福原 淳嗣君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

武村委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁植田和男君、日本銀行理事中村康治君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官茂呂賢吾君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宗清皇一君。

宗清委員 自由民主党の宗清皇一でございます。

 本日は、片山財務大臣の所信に対する質疑ということで、質問の機会をいただきました。ありがとうございます。

 高市総理が施政方針演説で、日本の総合的な国力を徹底的に強くする、そして、これまでの政策の在り方を根本的に転換する、その本丸が責任ある積極財政であるということを言われていました。そして、その政策遂行の要となるのが、我が国の財政を預かる片山財務大臣であるというように思います。

 財政の基本は、入るを量る、そして出るを制す、この言葉に尽きるわけですけれども、片山大臣が所信で、責任ある積極財政とはいたずらに拡張的に規模を追求するものではないと。国民生活の下支え、これは、目下の物価高への対応はしっかり予算措置をするという意味だと思いますし、そして、経済成長に資することが期待される施策には大胆に重点化をする、これは、入るを量るという行為だというように思います。一方で、見込まれる効果が乏しい施策については、租税特別措置、補助金の見直しを徹底すると。まさにこれは出るを制すということの考え方であると思いますが。

 責任ある積極財政とは、財政の基本、これは徹底していくというように私は理解をしているわけであります。今までは、やや出るを制すということに視点を置いてやってきたかと思いますが、積極財政というのは、日本経済を力強く成長させていく、これは、複数年度で様々な経済対策もしっかり措置をしていただいていますし、結果として、経済成長の果実で、財政の健全性、これを経済成長と両立をよりさせていくという理解をしています。一部は、財政の拡張のみというような誤解もあるようですけれども、そうではないというように考えています。

 そして、私がちょっと確認をさせていただきたいのが、令和八年度予算の当初予算案の基本的な考え方についてなんですけれども、総理が、毎年の補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別して、必要な予算は当初予算で可能な限り措置をする、約二年がかりの大改革だとおっしゃっているんですね。これは予算編成の抜本的な改革であるというように捉えておりまして、期待をしています。

 私も従来から、補正予算が組まれることを前提とした当初予算の編成はやめるべきであって、財務省はそうではないと言うんでしょうけれども、本当に必要な予算であれば、予算額が幾らであろうとしっかり予算措置をすべきだというように思います。そういうことを私も申し上げてきました。こうした高市総理の予算編成に対する考え方を全面的に支持もしていますし、今までは、プライマリーバランスを意識して、当初予算を少なく見せたり、必要な経済対策費は補正予算でやったらいいじゃないかというような姿勢でやってくると、財政の本当の姿が見えにくくなるのではないかということの指摘もしてきました。

 また、令和元年以降、コロナ以降、大きな補正予算が組まれることが常態化をしていまして、コロナの対応として必要だったからですけれども、百五兆円以上のお金も、予算を使われていますし、この大きな補正予算ありきという財政運営は、財務省も平時に戻していくということを述べられてきましたけれども、実際にはそうはなっていないと思っています。

 昨年も一昨年も、物価高への対応、経済対策は必要だということで大型の補正予算が措置されています。ですから、このことを批判しているのではありませんけれども、大型の補正予算というのは、やっているというような政治的なメッセージにもなりますし、また、プライマリーバランスを意識した、そういうメッセージもあるんだろうというように思いますけれども、こうした考え方に私はやはり疑問を持っているわけであります。

 そこで、令和八年度の当初予算の概算要求の時点で、これはまだ高市総理ではなかったですから、だから二年かかるんだろうという理解を私はしていますが、この令和八年度の当初予算案は、補正予算を前提としない、一年で必要なものがしっかり当初予算で措置された予算となっているのか。また、大臣は、大型の補正予算ありきではなく、必要な予算を当初予算でこれからも措置をするというお考えなのか、見解をお聞かせをいただきたいと思います。

片山国務大臣 高市総理は、経済成長を実現するために必要な財政出動を行うに当たっては、特に、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするため、政府の予算の予見可能性を確保することが必要だと述べておられます。このため、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置していく考えです。

 御指摘の令和八年度予算、今は案を審議しているわけですが、につきましてはその第一歩であると考えておりまして、今年の夏の令和九年度予算の概算要求から本格的に取り組み、少なくとも約二年以上かかる大改革になると考えております。高市総理は、この約二年がかりの大改革を必ずやり抜いてまいりますと述べられているところであり、私も全く同じ思いであります。

 今後、今年の骨太の方針に向けて議論し、政府の予算のつくり方を改めてまいりたいと思います。

宗清委員 先ほど申し上げたように、これは二年がかりの大改革になるわけなんですけれども、片山大臣の下でしっかり、分かりやすい予算、必要なものは当初予算でしっかり措置をしていくということを徹底をしていただきたいと思います。

 片山大臣が所信で、ワイズスペンディングを徹底して、成長率を高め、政府の債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくということを述べられておりました。こうした指標も、非常に、財政の持続可能性、財政運営にとって大変重要な指標であるというように理解をしています。

 一方で、所信で、大臣は、一般会計のプライマリーバランスは今年度、予算としては二十八年ぶりの黒字であるということも申されておられました。一・三兆円程度の黒字を見込んでおられるようなんですが、プライマリーバランスだけを見ると黒字ということが言えるかと思いますが、こういう数字を取ってみると、例えば、今まで、昨年よりも緊縮なんじゃないかというような御意見も一方ではありました。そうではないんだろうと思うんですが。

 財政収支ということを見てみますと、実際は、今年の予算、積算金利は三%と想定されていますから、利払い費が今年の予算で十三兆円、利払い費を含めると財政収支赤字が十一・七兆円ということになりますから、財政というのは様々な角度で様々な指標を使って見ることができるというわけで、その一つを取って議論するというと間違いが起こるというふうに私は思っています。

 一方で、今後の財政運営の姿として、先ほど申された市場や国民の皆様に説明する指標ですね、様々な指標があるというように、見方があると思いますけれども、政府の債務残高対GDP比もその一つであると思いますが、財政の健全化の目標という意味では、今までプライマリーバランスということを重視されて御説明をされてきたと思うんですが、このプライマリーバランスについて大臣はどのようにお考えなのか。

 また、今までは金利が非常に低い時代が長く続きましたから、国債の、要するに予算のお金の調達コストというものは余り心配する必要がございませんでした。しかし、今後も金利が上がっていくことが予想される、そういう時代ですから、例えば、昨年度の当初予算の段階では、積算金利が二%、今年は三%になっていますから、利払い費というのは実は過去最高になっておりまして、一年で三兆円増えていますから、非常に利払い費はこれから気をつけなければならない、財政全体の中に利払い費というものも十分に見ていかなければならないと思うんです。そういう意味では、今後、プライマリーバランスだけではなくて、利払い費を含めた財政収支、こういう指標も財政の議論を考える中心の議論に据えておく必要があるのではないかと思いますけれども、大臣の見解をお聞かせください。

片山国務大臣 高市内閣では、日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行うことで、成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくという基本的な考えでございます。

 諮問会議、一月におきましても、高市総理から、これまでの取組の進捗、成果を後戻りさせることなく、成長率を高め、併せて金利上昇に目配りするということで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑えていくことが重要という御発言もありました。

 財政目標につきましては、これから骨太の方針等もありまして、いろいろと考え、検討している状況にまだあるわけですけれども、今後とも、債務残高の対GDP比の安定的な引下げに向けて、具体的な指標も明確化しつつ、今年の骨太の方針の策定に向けて検討を進めてまいるということです。

 総理も度々おっしゃっているように、来年度の予算案ではプライマリーバランスの黒字化を達成するに至って、また、新規国債発行額も二年連続で三十兆円未満に抑えております。こういったことも、総合的にマーケットからの信認の確保を図る上では重要でございますし、プライマリーバランスについても、その数字を計算することは可能でございますから、単年度にはもう拘泥しないとはっきり言っているわけですから、経済財政諮問会議の中では、数年間にわたった中期的なところである程度チェックしていくというようなお考えも出ておりますが、いずれにしても、まだ骨太の方針に向けて最善のものになるように検討していく段階かと思います。

宗清委員 御答弁ありがとうございました。

 当然、今大臣がおっしゃったことは私も是としているんですけれども、本当に財政の見方というのは様々な見方、指標がありますし、私は今後本当に、財政というのを考えるときに、一問目で申し上げたように、当初予算でしっかり全てのことをやはり必要、可能な限り措置をして、財政の姿を見せていくということ、それは先ほど言った政府の債務残高の対GDP比の引下げ、これは当然、経済成長を目標としているわけですから、それでしっかり引下げを行っていく。プライマリーバランスという数字も見ていくんですけれども、やはり、私は、ここに来て金利が上がってきていることに加えて、国債費が非常に大きくなってきている、こういう点にも留意して、全体で財政議論というのを深めていく必要があるというように思います。

 大臣も所信で述べられていますように、先ほどもおっしゃっていましたが、財政の持続可能性とマーケットの信認、これを確保するという御発言がございました。私が財政と金融の問題で最も関心を持っているのが、通貨、円の信認を得ていくということであります。円の信認を、価値、将来にわたってどのようにして守っていくのか、これは国家としての至上命題であるというように思います。

 為替の、例えばドル・円の相場等々について、今、私はここで、高いとか安いとか、そのメリット、デメリットについて議論しようとは思っておりません。ただ、やはり、海外から見たときに、今の円の為替の水準というのは全てが安くなってきていると思いますし、日本人が持っている金融資産という意味では、大きく目減りをしているという見方ができるわけであります。

 私の問題意識として、当然、我が国は、食料、エネルギー、原材料のみならず、あらゆるサービス、この多くを海外に依存しているわけでありますし、経済活動も、私たちの日常生活においても、多くの物資とか必要なサービスというものを海外に依存しているわけであります。為替が安くなると、当然、よく議論になります、輸入物価を押し上げて国内の物価を押し上げることになるとか、また、日本人が稼ぎ出した富がより多く海外に流出する、そういうことも意味をしています。現在の日本円の為替水準というのは、多くの金融商品があると思いますけれども、例えば、外貨建ての金融資産の保有、また、日本円をもってほかの為替を買っておこうというような選択をする方も私の周りにも非常に増えてきましたので、こういう影響もあるということも考えておかなければなりません。

 私は地元が東大阪市で、中小企業が非常に多い町なんですけれども、中小企業も今は本当に深刻な人手不足でありまして、中小企業で、いわゆる町工場ですね、働いている方々、また、飲食店も含むサービス業においても、外国人の人材に多く依存をしている。一方で、円の価値が下がってしまうと、外国人の方々が日本に来て働こうというインセンティブも失われつつあるという意見も、これも地元でやはり切実に聞きます。ましてや、高度なスキルを持って稼げる人材、こういう方は、日本は円が安いから稼げない、円をもらいたくないので来ないというような状況が生まれているとも聞いています。

 最近までは、円というのは安全通貨、逃避通貨とかというような表現もされてきました。円が安全通貨として信用されていたのは、円を保有しておこうというインセンティブがあったからでありまして、これは我が国の経済のファンダメンタルズが維持をされてきたからであります。

 しかし、ここ数年、円の信認が揺らいできたのではないかなというように心配をしています。これは、社会保障関係費がこれからどんどん伸びていくだろう、財政の健全性、また人口減少、急速に進む高齢化、貿易収支も決して今楽観できる数字ではないと思いますし、経済の成長率もここずっと低迷もしてきました。こうしたことを考えると、円が将来にわたって信認されていくかどうか、私は瀬戸際なのではないかというふうに受け止めております。

 円の価値というのは、例えば実質実効為替レートというもので一つ見れると思うんですが、このピークは、一九九五年四月がピークでありまして、そこから見ると約六割程度下落をしているわけであります。各国の通貨と比べても、円の相対的な価値というのは確実に低下をしてきたということが言えます。

 実質実効為替レートが一貫して下落をしている原因というのは、種々様々だと思いますが、各国に比べて物価が上がってこなかったこと、経済成長率がこの三十年低かったこと、様々本当に原因があると思うんですけれども、それでも、円の信認というのはここ三年、高かったというように思います。安全通貨として認めてきてもらっていたと思うんですね。

 そこで、通貨と円の信認について大臣にお尋ねをしたいと思いますが、現在、円が各国通貨と比較しても安くなってきた、また、安いことが固定化されてきたのではないかなというふうに思うんですけれども、我が国の経済、また物価動向や国民生活にどのような影響を与えていると認識をされているのか。また、将来にわたって円の価値を守らなければならないというように思いますが、財務大臣として、円の信認を守るのに今後どのような取組をしなければならないとお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。

片山国務大臣 円安なのか円高なのか、円・ドルレートが経済に与える影響につきましては、先般、総理が一般論として、輸入物価の上昇等の問題、それから逆に国内投資が進む問題と両方あるねということを自らツイッターというかXで発信されましたけれども、私は基本認識として、委員がおっしゃったように、円の信認を保つことはいついかなる局面においても非常に重要であるというふうに考えております。

 この円の信認とは何か、これも非常に難しいんですけれども、今おっしゃったような点、それから経常収支、貿易収支だけじゃない、経常収支、さらに様々な意味での国際競争力、ほかにもファンダメンタルズが数ありますが、そういったものに支えられておりまして。

 何度も繰り返しになりますが、私たちの立場ではレートについての言及ができませんので、それ以上なかなか申し上げることはできないんですけれども、ファンダメンタルズ、今申し上げたようなものを反映して安定的に推移することが望ましいというのは、これはG7の蔵相の間でも共通認識でございまして、日米間では、それから外れたら断固とした措置が取れると言っているわけですから、この断固とした措置には介入も含まれるということを日々、記者会見のたびに言っているわけですけれども、そのファンダメンタルズの中でも、私ども財務省が一番しっかりと守らなければいけないのは、財政の持続可能性であり、それが一つの重要な要素ではあると考えております。

 ですから、まさに日々の市場動向が昨今また非常に難しい状況になっておりますが、更に、いつも以上に十分注視しながら、今申し上げた責任ある積極財政の考え方に基づいてしっかりとした経済財政運営を行って、成長率の範囲内に債務残高の伸び率をしっかり抑えて、政府の債務残高のGDP比を安定的に引き下げていくということで、財政の持続可能性を守り、マーケットからの信認も確保するということではないかと思っております。

宗清委員 御答弁ありがとうございました。

 私は本当に、問題意識として、財政というのはやはり日本の信用力にもなりますし、為替の信認という意味でも非常に大きな意味を持ちますので、是非お願いを申し上げたいなというように思います。

 次に、物価高への対応について大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、ガソリンの暫定税率の廃止、これは当然、価格が下がりますから物価を抑えるという効果もあります。現金給付、ガス代や電気代の補助、また、今後議論される基礎控除額を引き上げる所得税の改正とか、様々な物価対策というものが打たれていると思います。高市内閣になってこれは本当にスピード感を持ってやっていただいている、まして、これが今もうどんどん実行中でありますので、こういうものの効果も出てきているというように思います。

 いわゆる手取りを増やすという意味では、予算措置というのは大きな効果、有効であるというように思います。一方で、物価の上昇に対して賃上げも随分進んできた、定着をしてきたとは思いますが、大企業は別にして、なかなか中小企業では物価を超えるような賃上げができていない。中小企業は大体、雇用の約七割を占めているわけですから、この中小企業、中小企業といいましても様々ですけれども、特に中小・小規模事業者の中ではなかなか価格転嫁も進まず、賃上げの原資がない、物価を上回る賃上げが難しいところも多いというように感じています。今後も、経営環境が厳しい中で中小・小規模事業者の方々が、このまま物価が今までのようなペースでいくと、それを上回る賃上げというのはなかなか難しいだろうというように思うんです。

 年金についても一緒で、年金の受給者の方々も少し上がったというお声も聞いていますけれども、今の制度で、現状で申し上げても、年金も物価を上回る上昇というのはなかなか追いつかないというのが現状なんだろうと思うんですね。

 ただ、こういう状況がずっと続いていくと、いつまでも給付であったり減税というお声がなかなかやまないというように思うんですね。

 そこで、非常に難しいことなんですけれども、上がっていく物価に対してお金を供給をしていくという考え方もそれは当然大事なんですけれども、物価対策として、物価上昇率に着目をして、そのものを、例えば財政という視点で、また税制という視点で、また金融、これは日銀を除くという意味で理解して、金融政策、片山大臣ができる全ての政策を総動員して、これは政府を挙げてということになるかと思いますけれども、物価対策という意味で、物価の上昇率をできるだけ抑えていくという視点を持って政策を是非打っていただきたい、やっていただきたい、そういう視点を持って取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣の見解をお聞かせください。

片山国務大臣 委員御指摘のように、今直面している課題の一番一つとして、やはり物価高への対応、物価高という痛みを乗り越えるということでございますから、この間の、先般、総合経済対策、補正予算としてつくりましたものの中で、内閣府の試算によりますと、需給ギャップと物価の関係、それから経済対策の規模、電気、都市ガス代支援とか、ガソリン税の当分の間税率廃止、それから軽油引取税等の補助金による引下げということで、個別物価押し下げ対策、これを踏まえますと、この間の経済対策は、物価上昇を加速させる影響というのは本当に限定的というか、プラス〇・〇〇幾つということで、需給ギャップがほぼなかったときにこれだけの対策を打ったにもかかわらず、それをカバーする、物価を押し下げる様々な対策を取ったものですから、総合的な、マクロ的な計算をしたらほとんど物価プラス効果がなかったということはきちっと積算で出ておりまして、そのように説明もしてきているところでございます。

 いずれにしても、今回の中東情勢もありまして、金融市場の状況がますます極めて変動的でございますので、マーケットからの信認の確保は更に重要でございまして、金利上昇、非常に目配りもしながら、債務残高対GDP比はしっかり安定的に引き下げてまいりたいというふうに思っております。

宗清委員 御答弁ありがとうございます。

 私、財政は余り単年度でこだわって見るべきではないというように思うんですね。やはり、肝というのは、本当に持続可能かどうか、将来にわたって我が国の財政が国際社会とか市場から信認を得ている状態をずっと保つことが当然できるかどうかであるというように思います。

 我が国を取り巻く内外の環境というのは本当に不透明感を増してきておりまして、コロナのときのような感染症、例えば不透明でいうと、急に感染症みたいなものが来る、よく、十年ぐらいのスパンで起こったりもするというのを言われていますけれども、コロナのときの感染症、大きな財政支出を伴ったんですけれども、これは百五兆七千億ですね、財務省に計算してもらったら、予算措置をしているんです。

 予測不可能なことでいうと、大規模な災害。例えば東日本大震災の対応として、これも三十四・九兆円ですから、こういう不測のことに大きな財政出動が伴います。

 今の軍事的な脅威への対応として、防衛力を抜本的に強化をしていく、防衛財源の確保としても四十三兆円程度、そのために所得税の一%、これは年間二千五百億程度になるんだと思いますけれども、国民の皆さんにお願いもして、今回の税制改正で、復興財源の確保を、本来だったら令和十九年で終わる予定であったものを二十九年まで延長してでも、お願いをして、将来のリスク等に備える、防衛費の財源の確保をするという取組、しっかり財源確保もやってくださっているわけですね。

 本当に何が起こるかは分からない。先ほど申し上げたように、有事が同時多発的に、大きな感染症と例えば大きな災害が同時多発的に、しかも財政出動が長期間にわたって起こる可能性だって私たちは考えておかなければならないわけです。しかし、どのような有事が長期にわたって同時多発的に起こったとしても、政府の責任というのは、国民の平和な暮らしを守り抜く、そして生命、財産、主権、そして領土、領海も守り切るということに尽きるわけであります。

 今後必ず起こるだろうと言われている巨大地震、南海トラフ巨大地震、これも発生の確率が高いと言われていますし、感染症も、先ほど申し上げたようにどんな感染症が起こるか分かりません。こういった様々なリスクに備えていくためにも、財政の持続可能性というものを高めて、私は、強い財政、財政力を持つこと、こうした議論をしていくことは必要だというように思うんですね。

 そして、例えば有事の際の継戦能力という意味でも、長期的な債務というのは国家の安全保障に対して最大の脅威になる。そして、過剰な国家債務というのは、防衛力、外交力の強化の妨げになるだけではなく、その時々に打つべき政策の選択肢の幅を狭めてしまう危険性もあります。

 また、高市内閣が今進めようとしている経済成長にとって重要な投資、今の経済というのは国と国の勝負、競争になってきていますから、こういったことに大きく国が投資していく必要性、こういったことも弱めてしまう可能性、また、外交力、国際社会でのリーダー的な役割、こういったことも弱めてしまう可能性も考えておかなければなりません。きれいごとでは済まないと思うんですね。

 そういう意味では、大きなリスク、有事に直面したときに、お金が要るからということで、国民の皆さんに、ちょっと御負担をお願いしますと言うわけにはなかなか、こういう有事のときに、いかないと思うんです。だからこそ、この財政問題というのは平時にしっかり備えて取り組んで、議論をやはり徹底していく必要があるというように思います。

 もう時間がそろそろ来ましたのでこれ以上申し上げませんけれども、これからも、与党の一員として、高市総理の掲げる責任ある積極財政、また財政議論について、議論をしっかり深めていきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 中道改革連合の岡本三成です。

 今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。片山財務大臣の所信に対する質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 また、今日は、植田日銀総裁にもお出ましをいただきまして、ありがとうございます。委員会が急に決まりましたので、こんな急なタイミングでお声がけをしてお呼び立てをして、本当に申し訳ないと思っております。様々な日程を御調整いただきましてお出ましいただきまして、本当にありがとうございます。

 私、今回の予算全般、そして片山財務大臣がお示しになった所信の一番の肝は、例えば、危機管理投資や経済成長の投資がしっかりと実現したとして、その結果、日本経済がよくなり企業業績も上がったとして、けれども、結果的にそれが賃金に反映できずに、そして国民生活は豊かにならなかったというようなことはあり得ると思っているんですね。特にコーポレートガバナンスが不十分だと、今までもそういうことがありました。けれども、今日は日銀総裁にお出ましいただいているので、来週の法案質疑にまた立たせていただきますので、それはちょっと脇に置きまして、今日は、様々な財政政策を実現するためには、もう片方の金融政策、このバランスが非常に大切ですので、片山財務大臣の所信に対する様々な日銀の植田総裁の所見をお伺いをしたいというふうに思っています。

 ちなみに、私が申し上げるまでもなく、植田総裁の評価は、国内のみならず、とりわけ国際社会において大変すばらしいことになっています。もちろん、今まで、日銀総裁というと、現実問題として日銀プロパーバンカーと財務省のたすきがけみたいな歴史があった中で、ほぼ初めてと言ってもいいぐらいに、アカデミアの世界、ただ単に理論派ではなくて、日銀の審議委員もお務めになった実務派である日銀総裁が誕生したということで、国際社会からの、市場に対する、市場からの信認が厚いんですね。

 私は、もう忘れもしない、総裁になられたばかりの二〇二三年に、ECBのフォーラムに出られまして、横にECB総裁、FRB議長、CNNの方がモデレーターをして、パネルディスカッションをやっていらっしゃいました。その中で、インフレターゲットの話題になったときに、そのモデレーターの方が、その結果として、金融緩和の結果、円安になっちゃっています、それはどういうふうにお考えになりますかというふうに聞かれたときに、植田総裁は流暢な英語で何とおっしゃったかというと、為替の相場というのは日銀の金融政策だけで決まるわけではありません、ここに座っているほかの様々な中央銀行のその戦略が円安をもたらしているんじゃないんですかといって爆笑を取っていました。

 というふうに、かなりフランクな物言いが実は本質をついていて、そして、笑いを取るぐらいの、参加者のラガルドさんも爆笑していたので、日本国内においてはなかなかフランクな物言いを、植田さん、英語でお話しになるときと日本語でお話しになるときにかなり力の入り方が違うように思っていまして、是非、フランクに、御自分の言葉でいろいろなことを今日は御教示いただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 まず初めに、済みません、ちょっと通告していないんですが、基本的な問題で、日銀と政府の関係性について確認をさせていただきたいんですけれども、日銀は政府の子会社ではないということを、改めて、日銀と政府の関係性の中で、総裁からどういう関係性かということをお伺いしてもよろしいでしょうか。

植田参考人 日本銀行は、政府と常に密な意見交換をしつつ、その上で、物価安定を実現し、それをもって日本経済の持続的な発展に資するということを目標として運営されるべき組織でございます。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 日銀法の中で具体的に明示されておりまして、日銀法では、政府と緊密に連絡を取ることや政策の整合性を確保することが求められているということですので、政府と協調する独立した機関である、そういう認識であります。

 その上で、日銀法の中で理念が規定されておりまして、物価の安定を図ることを通じて、それを手段として国民経済の健全な発展に資するということを理念とするというふうになっております。その観点から、国民経済に資するために、その大きな役割を担っている中央銀行として、政府の政策に対して意見する、その政策の意見がそのまま金融政策の効果にもつながり、この目的、理念である国民生活の健全な発展に資するということにもなりますので、政府でやることは政府でやるということをちょっと乗り越えていただいて、金融政策の責任者として、政府がやろうとしていることに対しての御評価についても今日は是非お伺いしたいというふうに思います。

 まず、賃上げ全般について日銀総裁にお伺いしたいと思うんですけれども、今、国民の皆さんの最大の政治に対する期待というのは物価高対策です。そして、物価高対策の最大の手段は賃金が上がることだというふうに私は思っています。

 今、日銀と政府のアコード、デフレからの脱却と持続的な経済成長を目的として、二%の物価安定目標を達成するために強力な金融緩和をするというこの政策協定ですけれども、別の言い方をすると、実質賃金をプラスに上げていくことを努力していくということにも読めます。

 普通の国民感覚からすれば、デフレの方がいいです。この水が百円とすると、来年九十円になった方がみんなハッピーです。けれども、デフレの時代には、その物価下落のスピード以上に賃金が下がっているので、生活は苦しくなっていくというのが経済理論の基本だというふうに思っています。

 そして、この日銀と政府のアコード、始まって既に十三年目になろうとしていますけれども、残念ながらベースアップはほとんど進んでいません。ベアがないことが国内景気の最大のネガティブな要因になっているという学者の分析もありますけれども、この日銀のアコードの下、頑張っていらっしゃるにもかかわらず、ベアがほとんど上がらなかった、ベースアップができなかったということに関しまして、どのような分析をしていらっしゃるかということを教えてください。

植田参考人 委員御指摘のように、私ども、二〇一三年からですか、大規模な金融緩和を実施しましたし、政府の様々な取組もありまして、それは我が国経済に強い刺激効果をもたらしたわけでございますけれども、特に二〇一〇年代においては、ベースアップは十分には進まなかったということでございます。

 この背景としては、幾つかあると思いますが、一つは、女性やシニア層等に潜在的な労働供給の余地がまだ残っていたということがあるかと思います。それから、長い間、現実の賃金、物価上昇率がゼロ近辺、あるいは場合によってはマイナスにとどまる中で、賃金、物価が上がりにくいということを前提とした慣行や考え方が定着してしまい、その転換に時間を要したということがあるように思います。

 ただ、ここ数年は、追加的な労働供給の余地がだんだん縮小してきているほか、賃金と物価が共に緩やかに上昇するというメカニズムが定着してきていますので、春季労使交渉においても高いベースアップ率が実現しているところでございます。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 総裁がおっしゃるとおり、日銀、政府のアコードの後、じゃ、働いてみようという女性の方や高齢者の方々がいらっしゃって、こういう方々は残念ながら賃金が比較的安いですので、労働供給が増えたということによって全体を押し上げたというところはやはり大きいというふうに私も思っています。

 その上で、賃金が上がらない状況の中で、日銀が今追い求めている物価安定というのは、総裁御自身もいろいろなところで発言していらっしゃいますが、賃金上昇を伴う物価安定を目標にしていらっしゃるということになっておりますので、実は、物価の安定そのものもそうですけれども、その手段として、賃金上昇が伴っていないということは、日銀の目的は、現状、残念ながら果たすことができていないというふうに認識をしています。

 その上で、日銀は、この状況を金融政策を手段として改善できるというふうに考えていらっしゃるのかどうかということをお伺いしたいと思います。

植田参考人 私ども、金融政策を緩和的に、もちろん今、緩和の度合いは調整しているところでありますが、維持することを通じて、インフレ率が二%の目標に持続的、安定的に到達することを目指しています。もちろん、それが持続的、安定的に実現されるためには、賃金も相応の伸びである必要がございます。

 ただ、私どもが賃金に直接働きかけるという手段を持っているわけではございませんので、全般的なインフレ率の上昇の中で賃金も共に上昇していくという状態をつくり出したいなということでございます。

岡本(三)委員 ということは、金融緩和という手段を通じてインフレに適切に働きかけて、ただ、手段として、直接的に賃金に働きかける手段というのは日銀金融政策の中では持ち合わせていないと。

 ですから、それがアコードのパートナーである政府に期待をすることで、政府が、ただ単に企業業績やGDP全体ではなくて、例えば、労働分配率の上昇であったり、又は他国がやっているような様々なインセンティブであったりというようなことを通じて、日銀がやっていることだけでは賃金上昇ということは実現しないけれども、政府がしっかり機能することを期待していらっしゃるというような認識でよろしいんでしょうか。

植田参考人 実質賃金ということで申し上げれば、やはり、それの中長期における一番大事な決定要因は労働生産性の上昇率ということだと思います。労働生産性はイノベーション等を含む技術進歩で中身は決まってまいりますので、申し上げましたとおり、金融政策では直接に働きかけるということはなかなか難しいものでございます。

 ただ、それでは、そこを政府がということになりますと、もちろん政府は様々な財政政策等で労働生産性の上昇率に影響を与えるということがあり得るとは思いますけれども、基本的には、市場経済の動きに沿って労働生産性上昇率が決まってくるということでありますし、もう少し申し上げれば、私どもとしては、物価安定という環境を維持することによって、それが、民間の方々、国民の方々が生産性を向上させる努力をサポートする基盤になるというふうに考えております。

岡本(三)委員 総裁、ありがとうございます。

 私は先日、予算委員会に立たせていただきまして、総理、あと片山財務大臣にいろいろなことを御提案申し上げたんですが、実は、厚生労働省がOECD統計を基に出しているデータがあります。そのデータを見ますと、一九九五年を出発点として過去三十年間を分析すると、労働生産性が一番上がっているのはアメリカ、九五年が一〇〇とすると一五〇なんですね。フランス、イギリスが大体三〇パーぐらい。そして、それより低いところもありますが、日本は何と三八パーです。労働生産性は、OECDのデータを基に厚労省、政府の発表で、決して低くない。

 その中で、財務省の法人統計でいうと、これは中小企業も入っていますけれども、経常利益は、この間、五倍になっています。そして、その間、株主優待としての配当は八倍になっています。設備投資は二八%、実質賃金は一・〇八倍、八%なんですね。ですから、やはりここに、政府に、様々な提案を今させていただいているところなんですけれども。

 その上で、これはいろいろなところで、日銀審議委員の皆さんも、安定的な物価にもうちょっとしたら確認、達成できるかもしれないというところまで来ているというふうなお話を伺いますけれども、そろそろアコードを見直す時期ではないかというふうに思って、総裁にちょっと御提案申し上げたいと思っているんですけれども。

 それは何かというと、元々、先ほど申し上げたように、日銀法の理念というのは国民生活の健全な発展に資することですから、物価安定を通じて国民生活の安定に資するということは、賃金が上がらなければ物価も安定しません、ちゃんとした需給バランスが整いませんので。なので、FRBのようにデュアルマンデートがないことはよくよく存じ上げておりますけれども、新しいアコードの中に実質賃金が安定的にプラスになっていくというようなことをうたってもいい時期だというふうに思うんですけれども、総裁はどうお感じになりますでしょうか。

植田参考人 アコードの扱いそのものについて私から具体的に今日コメントを差し上げるのは差し控えさせていただければと思います。

 ただ、その上で、御指摘のあった、実質賃金の上昇率を目標みたいなものにということでございますが、先ほどのやり取りにもございましたように、私ども、金融政策で実質賃金に強い影響を及ぼす労働生産性のところに大きな働きかけをすることは必ずしもできないなと思っておりますので、実質賃金を、あるいはその上昇率を金融政策の目標とすることはなかなか難しいというふうに考えております。

 ただ、もちろん、賃金の上昇を伴う形での二%の物価安定目標の持続的、安定的達成、これに資するように政策を運営してまいる方針でございます。

岡本(三)委員 片山財務大臣にお伺いいたします。

 アコードというのは政府と日銀が同じ目標を共有する、その中で役割分担があります。現状の役割分担も、政府は、財政政策、そして成長戦略。財政政策は、ある意味、景気の足腰を支える。成長戦略というのは潜在成長率を上げていく。そして、金融緩和のところは日銀にお願いをしているという役割分担があります。

 今、日銀総裁がおっしゃったように、実質賃金自体をどうこうするのは、全てのファクターが日銀でコントロールできないので、日銀だけではできません。けれども、その目標を共に掲げて、政府がやる責任を明確にすると、政府と日銀が一緒に取り組めば、目標とする実質賃金を継続的にプラスにしていくということは十分実現可能だというふうに思っているんですけれども。

 アコードを見直す際に実質賃金を継続的にプラスにしていくということを書き込んで、国民の皆さんが政府が取り組んでいることに心から共感できる、だから自分自身も労働に意欲が湧いてくるというような環境をつくることが大切だと思うんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 政府と日銀が、政府、日銀の共同声明に基づいて政策の目標や方向性を共有して、それぞれの役割の下で必要な政策を遂行するということが非常に有用ということで、二〇一三年の御指摘のアコードができておりまして、新総理が誕生した十月に、私も総理とこの辺についてのいろいろお話もしましたけれども、いずれにしても、現時点においてこのアコードを見直す状況にはなっていないという判断をしております。

 賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇の実現というのが、先ほど委員の方から、もう少しだという声もいろいろ聞こえている、確かにそれは聞こえています。そういうデータもありますが、いずれにしても、まだ実現し切っていないということではあるんですけれども、今の日銀法の四条のたてつけということを考えますと、総裁が先ほどおっしゃったように、この中に明記できることとして、賃金上昇及び労働政策、生産性というのはなかなか難しいかな、そこがかえって、そのことによって誤解を与える部分もあるのかなと今お話を聞いていて思いました。

 また、予算委員会での委員の御審議を聞いておりまして、私も全くそのとおりだと思いますのは、確かに、労働生産性は日本はそこそこ頑張っている、そのとおりなんですよ。にしても、余りにも、給与というか、人件費というか、労働分配率というか、それと、実は投資もそうなんですけれども、何をやってきたのかということは、今日も午前中、予算委員会でもありましたけれども、失われた二十年、三十年論も含めまして、これは一律の理由ではないですが、我々の政権が今目指しているのは、抜本的に切り替えて、今まで全然駄目だったと言われている国内投資を、いかなる手段を用いても、総合的に、とにかく徹底的にやっていくということで一つの大きなブレークスルーができるんじゃないかということの中で責任ある積極財政を掲げている。

 その中で、労働政策をどうするかということも当然出てまいりますが、まずは投資ということで、今、政策を立ててお願いをしておるわけで、その大きな枠組みの中では、政府は、競争力と成長力強化の取組、そして財政運営の安定と信認ということをやって、日本銀行の方は物価安定目標の下の金融対策で、金融対策の、金融政策の具体的な執行につきましては、日銀法の下、日銀にお任せする。その大きな路線は、今のところそこを変えるまでの大きな確信はないのかなと思いますが、委員が御指摘されている点については大きく問題意識を共有するものであります。

岡本(三)委員 大臣、ありがとうございます。なので、今のアコードが実現できることを、今年中にあり得ると私は思っていますので、その後ということを申し上げたいんですが。

 何を申し上げたいかというと、もちろん日銀には物価安定のマンデートはありますけれども、雇用や賃金のマンデートはありません。なので、賃金という言葉を使うこと自体がなかなか難しいと思うんですけれども、普通の国民からして、デフレからの脱却というのは、物は安い方がいいわけです、わくわくしないんですよ。なので、その本質である実質賃金が上がっていくという言葉に置き換えることで、政府や日銀がやろうとしていることが自分の生活に直結してくるわけです。なので、言葉遣い、目標も含めて、適切な、今あるところから、その趣旨を踏まえた上で、可能な遊びの部分というか、遊びというのは遊ぶということではなくて、余裕のある部分を踏まえた上でのアコードということを是非次回は御検討いただきたいと思います。

 次に、物価高対策についてお伺いしたいと思います。

 植田総裁にお伺いします。

 今、アメリカとイスラエルのイランに対する攻撃、そしてイランからの反撃の下、ホルムズ海峡も実質封鎖状態になりまして、このままでいくと物価高と景気後退が一緒に起こるいわゆるスタグフレーションのリスクはかなり高まってきているというふうな経済評論家等の分析、金融機関の分析が出てきています。

 現状におきまして、今後の日本の経済環境を考えたときに、起こり得るリスクファクター、そして、そのリスクファクターにちゃんと備える意味で、どういう準備をしておくことが適切なのかということにつきまして、御所見があれば是非伺いたいと思います。

植田参考人 中東情勢が緊迫化しておりまして、足下では原油価格が大きく上がっております。今後の情勢の展開次第では、原油を始めとしたエネルギー価格やあるいは国際金融市場への影響などを介して、世界経済あるいは我が国経済に大きな影響を与える可能性がございます。

 その上で、一般論として我が国経済への影響をもう少し考えてみますと、原油価格の上昇は資源の輸入国である我が国にとっては交易条件の悪化という影響をもたらしまして、それは、景気、あるいはさらには一時的な要因を除いた基調的な物価にも下押し圧力となる可能性がございます。他方で、原油価格の上昇、これが続きますと、家計や企業の中長期的な予想インフレ率の上昇につながる可能性もあります。この場合は基調的な物価上昇率を押し上げる可能性もございます。

 こうした点、現時点で確たることは申し上げられませんが、中東情勢の帰趨や内外経済、市場に及ぼす影響について引き続き注意深く見てまいりたいと思っております。

岡本(三)委員 要は、今の時点ではなかなか判断できない、ですから、あらゆる状況を想定しながら準備をしていくことが肝要だということをおっしゃっているという理解ですけれども、本当にそうだと思うんですよ。だからこそ、今審議中の予算においても、この状況の中で、今確定してしまってその後に動きが取れないよりは、どういうふうなバッファーを新たに入れ込むかということが大切な時期なのに、今あるまま、中東情勢が安定的だったときのままの予算をそのまま勢いで通そうとしていることに物すごく違和感があります。

 そういうことも含めまして、是非、日銀総裁としても今後も様々発信をしていただければありがたいと思っているんですが、ちょっと関連をして、物価高対策をしっかりと日銀と政府が一緒になってやっていくという観点からお伺いしたいことがあります。

 一昨日、氷見野副総裁が講演で、一昨日ですから、もう既に中東情勢は悪化していました。けれども、利上げの方針自体に変更があるわけではないというふうにおっしゃっています。私は適切だと思います。やはり、予期せぬ物価高が起こってしまうことは最大のリスク要因の一つで、それは実質賃金を下げてしまいますから、適切だというふうに思います。

 その上で、新聞の報道等によりますと、二月十六日に植田総裁が高市総理と面談をされた際に、高市総理から追加利上げに難色を示されたというふうに新聞報道でありますけれども、実際にそういうふうな会話があったんでしょうか。

植田参考人 委員御指摘の二月十六日の総理との懇談でございますけれども、その直後の会見でも申し上げましたとおり、総理とは経済金融情勢について一般的な意見交換をさせていただいたところでございます。

岡本(三)委員 総裁、本当に更問いで大変恐縮なんですが、ということは、総理は利上げに対しては難色を示されたという新聞報道は誤報ということでよろしいんでしょうか。

植田参考人 経済金融情勢について一般的な意見交換をさせていただきました。

岡本(三)委員 いろいろ含みおいた上で精いっぱいの御答弁をいただいておりまして、本当にありがとうございます。

 私は何が申し上げたいかというと、利下げでも利上げでも何でもいいんです。けれども、総理や政府関係者が、独立した日銀の手段において、しっかりとその権利が担保されている金融調整の手段を、ああした方がいいとかこうした方がいいとか言うことがもしあったとすると、それ自体が日銀の独立性をゆがめて、ひいては日本の経済成長にマイナスだと思っているんですね。ビジョンは共有してもいいです。けれども、その手段は日銀に任せているというのがこれまでの一貫した総理答弁でありましたので、そのことは、大切な今後もしっかりとした関係性だということを委員会の中で確認させていただきたいというふうに思います。

 その上で、総裁、もう一つだけ。

 物価と賃金、賃金は今、春闘の交渉を行っていますけれども、好循環を確認すれば追加利上げの可能性もあるということをいろいろなところで総裁御自身発言していらっしゃいますけれども、現状の経済状況は、利上げに向けた条件についてどの程度整っているというふうに感じていらっしゃいますでしょうか。

植田参考人 定量的に申し上げるのは大変難しいわけですが、先ほども申し上げましたとおり、足下の中東情勢、その影響については引き続き注視してまいりたいと思っておりますが、その上で、今後の政策運営については、経済、物価情勢が改善し、私どもが三か月ごとに発表しております見通し、その中心的な見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことが適当と考えております。

岡本(三)委員 次に、円安対策についてお伺いしたいというふうに思います。

 まず、片山大臣にお伺いしたいんですけれども、過去二十五年間、厚労省がOECDのデータを分析したものを私は見ております。昨日、財務省の方にもそのものを御覧になっていただいて、写真も撮っていただきましたけれども。

 それは何かというと、実質為替レートが、今の水準ですと一九七〇年とほぼ同じ実質為替レートになっています。円安は一般的に輸入物価が上がるので、お買物に行ったときに物価が上がっているので、円安インフレが最大の課題だということは、これは事実だと認識しています。けれども、この厚労省のデータは何だったかというと、労働生産性は上がっています、上がっている上で、なぜ、にもかかわらず賃金が上がらなかったというファクター分析をOECDデータを基に他国と比較してやっているんですね。十分に賃金上昇ができた、その余力があったにもかかわらず、やらなかった最大の理由が円安だということになっています。

 その円安が、ひいては、エピソードでは円安が非常によかったという企業もありますけれども、日本全体にとってみると、輸入物価の上昇、資材の上昇、エネルギーの上昇で、日本経済全体にとっては、ただ単に食料品等の輸入物価が上がっているだけではなくて、賃上げができなかった、生産性が上がっているにもかかわらず賃上げができなかった最大の要因が円安だというのが厚労省の正式見解です。

 これを考えたときに、片山大臣に是非お伺いしたいんですけれども、円安、為替の水準を大臣がお答えすることができないことはよく分かっています。その上で、やはり構造的な円安になってしまっているようなところがあると思っているんです。そして、その構造的な円安の要因をどういうふうに埋めていくかということは政府の大切な役割でありますけれども、この構造的な円安改善のために政府が今取り組もうとしていること、また、大臣としてこういうことに取り組みたいと思っていらっしゃることがあれば、是非御教示をいただきたいと思います。

片山国務大臣 御配慮いただいたように、為替相場が非常に多様な要因を背景に市場で決まっておりますので、特定の事項のみが為替相場に与える影響については私の立場では余り一概に申し上げるということはしていないし、また、特にこの状況でございますので、市場動向について、極めて高い緊張感と注視という言葉を使っております。これは市場においては一定の意味を持つ言葉で、万全の対応を取るべく、海外当局等とも更に緊密かつ機動的に連携をしてまいりますという状況の下でございますが。

 その上で申し上げますと、大体九五年からの統計が多いんです。この頃は実は私は労働省担当の主査をしておりまして、非常に大変な対策をいろいろ取らざるを得なくなったのは極端に円高だったんですよね。そのときに、労働法制についても、今ではあのときが一つの大きな節目だったよなというような合意がいろいろあって、日経連、経団連、そして連合ですよ、ということの中で、今、一部には、賃金がこういう構造になった一つの転換点とも呼ばれておりますが、様々な対応をすることによって、やはり、かなり海外に生産現場は、一次的に、そのときに第一回目の移転がありましたよ。

 その後、二〇〇〇年前後、さらに、その間の幾つかの超円高、超円高がそれから二回ぐらいありましたからね、この間に製造過程自身が各企業において大分変容した。それを私、その御指摘の統計を見させていただいて、それを取り込めているのかなというのはちょっと気になったところではあります。

 つまり、それを取り込めている、さらに、よく指摘されているのは、今なかなか、製造現場を日本に戻したい、戻してもいい、あるいはそういう政府の新しい補助、つまり、我々の新しい政権が投資を国内に戻すということで徹底的に、税制も、即時一括償却も今提言させていただき、数々の補助も出てくるということであるということになると、それは潮どきだなと思われる企業も多いんですが、いろいろな要因で戻すに戻せない、そこに置いてしまったものは。特に、中国の場合は持ち出しもできないんですよ。

 これは、まさに御指摘の、通常の自由市場を前提としたところでは、それが起きるはずのときも起き得ないような制約もあるので、この辺も含めて、全て含めた上で、そういう理由だけなのかなということについて、私はちょっと、特に全国区の参議院議員でございますが、極めて製造業の強い地域に私も立地しているものですから、あちこちで、ちょっと違うのかなという気はしますけれども、御指摘のような面も確かにあるんだと思いますね。

 そこは、ですから、今、最初の問いでも申し上げましたように、労働生産性や様々な日本独自の労働制約、この三十年間のですね、こういったものも一緒に考えながら、労働分配率も上げ、実質賃金をプラスにしていくということを、産業政策、それからマクロ政策と一緒に合わせ技でやらないと効果はない、そこまで我々も追い詰められているという認識はしております。

岡本(三)委員 大臣、消費税を社会保障の重要な財源として位置づけて、私もそう思います。けれども、その総消費税収とほぼ同じ金額が毎年、化石燃料の輸入のために海外に流出しています。多分、それが最大の構造的な円安要因の一つだと思います。同様に、最近ですとデジタル赤字、これももう既に八兆円ぐらい毎年払っていますので、どのように構造的に毎年円売り・ドル買いが起こっているかということを変えていくことも大事だと思っていまして、産業政策、是非、共に取り組ませていただきたいというふうに思っています。

 この円安について、日銀総裁にもお伺いしたいんですけれども、物価を安定させることが日銀の最大のミッションですけれども、円安による物価高が国民経済を直撃しています。ということは、円安はそのまま、物価を安定させる日銀の目的を達成するハードル、足かせになっていますけれども、現在の円安の状況を日銀総裁としてどのように認識、評価していらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

植田参考人 私ども、まず、金融政策の目的としては、あくまで物価の安定でありまして、為替相場のコントロールではございません。為替相場の水準やその評価について具体的にコメントするのは差し控えさせていただいております。

 ただし、当然のことながら、物価の安定を達成する上において、為替レートの変動が現在から将来の物価に与える影響という点には、極めて注意深い分析をしつつ、注意を払っておるところでございます。

 その中で、一つ注意しておりますのは、最近、為替レートが変化する、例えば円安になったときに、それが国内の価格に転嫁される可能性があるわけですが、その転嫁されるような率がしばらく前に比べると上昇しているということに分析で気づいております。こうしたことにも注意しながら、円安の物価目標への影響について様々な分析を積み重ね、適切な政策を行ってまいりたいと思っております。

岡本(三)委員 総裁、ありがとうございます。

 今おっしゃったことはそのとおりだともちろんよく納得しておりまして、あくまでも金融政策において物価の安定を目標としているわけで、為替水準そのものには日銀は別に何のミッションもないわけですけれども、ただ、結果的に、その為替水準が物価安定に大きなファクターとしてのしかかってくるわけです。

 そして、様々な発言、財務大臣の発言は、ある意味、口先介入としてよく機能しておりますけれども、日銀総裁の口先介入はより機能する可能性も十分ありまして、別に介入してくださいということではなくて、基本的なスタンスとして日本の物価を安定させるために適切な為替水準みたいなイメージをちゃんと持っていらっしゃること自体が、要は、市場の、スペキュレーションをやっている方々の、投機家の方々の過度な売り買いを抑制していきますので、そういうことも頭の片隅に置いていただけたらありがたいなというふうに思います。

 次に、責任ある積極財政について片山大臣にお伺いしたいというふうに思います。

 責任ある積極財政の中身につきましては、総理の所信でも、また片山財務大臣の所信でもお伺いしましたけれども、これまでとは何が違うんでしょうか。これまでの財政政策はこうで、今回の高市政権の責任ある積極財政は具体的に何が違うのかということを教えてください。

片山国務大臣 まさに委員の今の御質問における問題意識と極めて共通するところが多いのかなと思うんですけれども、我が国の潜在成長率ですよね、この潜在成長率が主要先進国と比べても低迷をしておりますが、圧倒的に足りないのは資本投入量、すなわち国内投資であります。高市内閣では、その促進に徹底的なてこ入れをいたしたい、そのための責任ある積極財政でございます。こういう国内投資のてこ入れのための財政フレームというようなことは今までやったことがありませんので、その意味では完全に転換だと考えております。

 また同時に、マーケットからの信認を損なうようではむしろ経済にマイナスですから、マーケットからの信認を損なうような野方図な財政政策を取るわけでは決してなくて、私の下に、総理の御下命で、租税特別措置・補助金見直し担当室も既に設置し、第一回の会合は十二月に、官房長官にも入っていただき、連立を組んでおります維新からの総理補佐官にも入っていただき、開いております。このように、財政規律にも十分配慮して財政政策を行うということがこの高市政権の責任ある積極財政であります。

 本当に長年、未来への投資不足が続いてまいりましたので、その流れを断ち切るためにはよほどはっきりした変化がないといけないということで、令和八年度予算案につきましては、既に概算要求基準が前政権においてできておりましたので、何もかも完璧に転換はできておらないわけですけれども、これから骨太の方針の策定に向けて様々な議論を重ねて、この責任ある積極財政の方向性に、また国内投資への徹底的なてこ入れができるように組んでいかなければならないというところでございます。

 それで、さらに、目配りとしては、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えて、政府の債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくこと、これをしっかり守って財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保し続けていくということ、こういう強い経済の実現と財政の持続可能性の両立というのが今回の責任ある積極財政の特徴といえば特徴であります。

岡本(三)委員 今大臣がおっしゃったことを私なりにちょっと要約をすると、要は、アベノミクスの三本の矢に置き換えて考えると、一本目の大胆な金融緩和は日銀が今も頑張ってくださっている、二本目の機動的な財政政策もまあまあちゃんと予算は積み上がってきた、けれども、三本目の民間投資を促す成長戦略にまだ改善の余地があるので、ここにアクセルを踏んでいきたいというふうなことかなというふうに理解をいたしましたけれども。

 そこで、それを共に成し遂げようとしていらっしゃる日銀総裁にお伺いしますけれども、初めに申し上げたように、同じ国民生活に資するというミッションを持って違う守備範囲を守っていらっしゃるので、政府の方向性というものがしっかりと、日銀からもどう見えるかという御評価は私はすごく大切だと思っているんですが、この責任ある積極財政につきまして、日銀総裁としてはどういうふうに評価していらっしゃるか、教えてください。

植田参考人 恐縮ですが、財政運営は政府、国会の判断において行われるものと私どもは認識しておりますので、具体的にコメントすることは差し控えさせていただけたらと思います。

 ただ、一般論としていつも申し上げていることでございますが、政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することは重要であると考えております。

岡本(三)委員 分かりました。

 是非、総裁、もっと自由にいろいろな御発言をいただけるように、何なら英語で御答弁いただいても大丈夫です、英語で御発言いただくような気持ちでまたお願いしたいと思います。

 ちょっと総裁にお伺いしたいんですけれども、今、政府は強い経済をつくりたいとおっしゃっています。私も大切だと思っているんです。一般的に、経済を測る指標はGDPで、そうすると、今、世界で日本はIMFの数字だと第四位、世界的には日本は大変強い経済の国だというふうに評価されています。けれども、生活水準、そして豊かさを象徴する一人当たりGDP、これは直近のIMFの評価ですと第三十八位です。

 国としては経済は強いけれども、生活水準は相対的に厳しいというこの状況を改善したいと思っているんです。これがどうしてこういう状況になってしまったのか、また、一人当たりのGDPも増えていくような経済政策は具体的にどういうことがあるのか、もし何かアイデアがあれば是非教えてください。

植田参考人 経済の長期的な成長力は、申し上げるまでもないかもしれませんが、労働投入や資本ストックの伸びとイノベーション等を通じた生産性の向上によってもたらされます。

 日本経済について、一九九〇年代以降を考えてみますと、一つは、少子高齢化などによりまして労働投入が減少したこと、それから、デフレの下で設備投資が先送りされまして資本ストックの伸び率も低下したこと、また、様々な理由でイノベーションの停滞によって生産性の伸びが低下した、こういうことがありまして、長期的な成長力が弱まったというふうに考えられます。

 ただ、ここ数年、先ほど来御議論がありました賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが少しずつ復活してきていること、また、政府による成長力強化に向けた取組も進められつつあるという中で、企業による生産性向上に向けた取組などが高まりまして、我が国の成長力が高まっていく方向にあるというふうに期待されます。

 私どもとしても、物価安定目標の持続的、安定的な達成、実現を通じて、企業の前向きな行動を支えていきたいと思っております。

岡本(三)委員 総裁、ありがとうございます。

 ちょっと更問いさせてください。

 私、結局、賃金が上がっていないことが最大のここでも要因になってしまっているのではないかなというふうに思っているんです。

 つまり、一つ一つの企業は、個別最適として、分配可能な利益というのをいろいろなものに回してきたけれども、結果的に賃金にはなかなか回らなかった。もし、賃金に仮に回っていれば、それが消費性向を押し上げ、消費につながり、国内消費が上がっていく。国内消費は、サービス業も含めてほとんどは国内でされますので、その設備投資も国内に回っていき、乗数効果も上がっていく。であるがゆえに、賃金を起点とした経済成長ができれば、一人一人の生活を起点として、国内産業が設備投資等を含めて大きくなるがゆえに、一人当たりのGDPも上がっていく。

 個別企業は個別最適になっているんですが、マクロ政策としては全く全体最適になっていないんですね。過去十年間、大体、剰余金、内部留保になったのは一年平均二十七兆円です。一昨年は一年で五十兆円内部留保になっているのに、ベアが一%上がると幾らになるか。ベア一%で三兆円です。私、大企業はとんでもないとか言うつもりは全くありません。マクロ経済政策として、内部留保に積み上がった一割から二割ぐらいがベアに回れば、ベア一パー、二パーに回って、それが実はマクロ経済政策として日本のGDPを上げていき、乗数を上げていき、国内の経済をよくしていき、その結果として、一人当たりGDPに関して大きな寄与を持つという考え方を持っているんですが、どう思われますか。

植田参考人 確かに委員おっしゃいますように、賃金が何らかの要因で前よりも上がるということになりますと、それを起点としまして消費が刺激され、またそれが様々な経済のほかのセクターを刺激するという好循環が生まれる可能性はございます。

 ただ一方で、賃金自体は、先ほど来御議論がありましたように、生産性上昇率によって規定される面も強くありまして、そこは両方の因果関係があるというふうに捉えざるを得ないかなと思っております。

岡本(三)委員 これはまた別の委員会等で、又はこの委員会の中で、是非財務大臣にも、どのようにマクロ経済政策として、別に大企業をいじようとかじゃなくて、マクロ経済政策としてどういうふうに所得、賃金を上げていくかということは議論させていただきたいと思います。

 時間が迫ってきたので、最後に、財務省と日銀の海外のカウンターパートとの人事交流について御提案させていただきたいというふうに思います。

 過去には、財務省は、海外の主要な国の財務省との人事交流もやっていたこともあります。今もたまにやっているというふうに聞いています。日銀もやっています。送っているところもあります。けれども、他国と比べると人数的に圧倒的に少ないというのが私の理解です。特に日銀の金融政策なんというのはグローバルトランザクションですから、例えば、日銀のバンカーの方が、バンク・オブ・イングランド、FRB、カナダ等に行って三年ぐらいされると、そこの人間関係が、五年後、十年後、こっちが向こうのカウンターパートとつながっていれば様々な情報共有をすることができますし、同じようなことが財務省でも起こり得るというふうに思っているんですね。

 私、二〇一六年ですか、外務大臣政務官をやらせていただいていたときに、ニューヨークに行って、外務省の方と日銀のニューヨーク駐在員事務所の方をお呼びしてニューヨーク連銀に伺いました。ニューヨーク連銀の当時の総裁が、議員になる前の同僚だったんですね。いろいろお話をしてびっくりしたんですが、外国の中央銀行からの出向者はいっぱいです、日本からは誰もいませんでした、リクエストがないからだというふうに言っていました。財務省も全く一緒で。

 私、日銀総裁に植田総裁がなられる前に、ある日銀の方にお伺いしたことがあるんですね。なぜお呼びしないんですか、お呼びすればそこで様々な人間関係ができて、その人が母国で中央銀行に帰ったときもまたコミュニケーションチャネルができると。その方は、ちょっと自戒も含めて、いやいや、言葉の問題でコミュニケーションができないんですと言われていまして、いやいや、天下のセントラル・バンク・オブ・ジャパンでしょうと。金融の用語なんて哲学を議論するわけでも何でもないので、言葉さえ覚えれば非常に簡単で。

 要は、今、なかなか若い有能な方が中央銀行や官僚にもなってくださりづらいような時代になってきました。その方々に来ていただいて、そして、その方々のスキルアップとしても海外の財務省や中央銀行で学んで、こちらも迎え入れて、そして、ネットワークをつくることで、将来の財政政策の情報共有、交換ができるようなパートナーを他の財務省につくっていく。そして、金融政策を実際にやっていくときには、ネットワークと一緒にやっていくことが必要ですから、セントラルバンクとしてほかの銀行ともつながっていくということを物すごい勢いでやることが今大切だというふうに思っているんですが、人材交流について今後どういうふうにお取り組みいただけるかということを、財務大臣、日銀総裁、それぞれ御答弁いただければと思います。

片山国務大臣 十月に着任してから頻繁に、G7のオンラインやワシントンにも一月に行きましたし、まさに主要国間交流の大切さを非常に痛感しております。

 私は、他国の財務省に行ったことはないんですけれども、国際会議の総務代理というんですか、ちゃんと外務省から辞令をいただいてサミットやG7に出る役を九〇年代にやっておりましたので、そういうチームというのに参加していると、おのずとそのときのG7の仲間とは随分仲よくなります。その人脈は、場合によってはまだ続いているので。

 やはり、今、採用人数が絞られている中で、どこかの国になかなか二年、三年優秀な人を送るということが率直に難しいので、別に忌避しているわけでも何でもなくて、そういうところに置けないということがあるんだと思います。例えば、パリ・クラブのようなところへの交渉代表を若い人に充てて、チームの中で責任を持たせてそこで人脈をつくるというようなことをしていけば、国際的な人脈というのはかなり構築できます。

 また、財務省の場合はおかげさまでかなりの割合が留学しておりますが、その留学先が問題なんですよね。やはり、そういうところに行くような人が行くところに、大変かもしれないし、なかなか受からないかもしれないけれども、送り込まないと。ただ単にどこでもいいというわけではなくて、アメリカや欧米においても、そういう政府高官なりビジネス界の高官になるようなところに送らなくちゃいけないということはあるので。

 全体的な人事戦略として、海外と対等に渡り合える、あるいは友情を持って接することができるような人材を職業訓練の中でいかに養成するかということは非常に大事だと思っていて、私は留学先がフランスなんですけれども、これは一択なんですよ、ENAしかないので。今の大統領が廃止しちゃいましたけれども、全く同じものを隣に造っていますから。まあ、似て非なる。それは国によっては非常に簡単なこともありますが、どの国でもそういう場というのは必ずありますので、御指摘も踏まえて、できるだけ人脈を構築するように頑張ってまいりたいと思います。

植田参考人 委員御指摘のように、グローバル人材の重要性は一段と高まっていると思います。私ども、もちろん、例えば、IMFであったり、BISであったり、各国の中央銀行にかなりの人数を出向させております。ただ、一段と努力したいと思っております。

岡本(三)委員 時間が来ました。最後に、委員長に是非理事会で御協議いただきたいことがありまして。

 今日、日銀総裁に来ていただきました。それは、私は五十四分お時間を頂戴していまして、いろいろなことをお伺いできると思ったんですね。今日もいろいろな方が呼ばれていて、それぞれ、もちろん国権の最高機関ですから、お呼びになると、日銀総裁はたった一問でもいらっしゃるんですけれども、やはり、日銀総裁をたった一問、二問のために、済みません、変な意味じゃなくて、というよりは、例えばアメリカとかヨーロッパの公聴会みたいな形で、この委員会は朝から晩まで全部日銀総裁の日として、私たち一人一人が、やはり、総裁の御予定も考えながら、しっかりとした議論ができるようなことをどうしていくかということを是非理事会で御議論いただければと思いますので、お取り計らいをよろしくお願いいたします。

武村委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

岡本(三)委員 ありがとうございました。

 終わります。

武村委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 中道改革連合の伊佐進一です。

 本日、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず、冒頭ちょっと申し上げたいのは、今、予算委員会が行われております。省庁別審査が行われております。その裏で、今、大臣はこちらに来ていただいて財政金融委員会を開かせていただいておりますが、省庁別審査、これは去年もそうでしたけれども、一般質疑の一環なので、本来であれば、予算を提出された政府側、その責任者の大臣は、やはり予算委員会でしっかりと同席していただいて審議に臨んでいただきたいというのが我々野党の思いでありました。

 ここは、予算委員会の委員会の運びの話ではありますが、そういう意味では、職権で今回立てられて、予算委員会については財務大臣が出席されずという裏で、そういう事情があって今回ここで財政金融委員会を開催しているんだという事情は是非御承知していただきたいというふうに思っております。私自身も予算委員会のメンバーでありますので、本来あっちにいなきゃいけないんですが、ちょっと差し替えをお願いをしてこっちに来ているという状況です。

 我々の思いは、いかなる状況であっても、やはり、国民生活に大事な予算、そしてまた、今回この財政金融委員会での様々な法案については、しっかりとした審議を行っていくことが重要だというふうに思っております。そういう意味では、今回、こういう状況でありましても、国会がある意味不正常な状況でありましても、財金の与党の理事の皆さんにしっかりと御理解をいただいて、例年と同じように五時間の所信の質疑を、お時間をいただいたということは、まず感謝を申し上げたい。そして、大臣にも、御出席いただいていることを感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 私も実は、今日、質問通告した中で、日銀と政府のアコードについて質問をするつもりでおりました。その中で、観点としては、さっきも議論があったように、このアコードというのは二〇一三年から変わっておりません。一言、文句だけ、ちょっと一言だけ表現ぶりが変わったところがあるだけで、そのままなんですよね。二〇一三年と比べて、もちろんデフレを完全に脱却し切ったと自信を持って言えない、もしかしたら何かあったら戻るかもしれないという理屈は分かるんですが、ただ、余りにも経済状況も違うし、余りにも財政状況も違うし、ここはやはり私は見直していくべきじゃないかと。

 さっき、賃金の観点でと岡本委員は言いましたけれども、私は、賃金とやはり円安、この観点で見直していくべきじゃないかと思いますが、今日、いろいろ、質疑の中で様々、私自身も新しい発見がありましたし、日銀総裁も、また片山大臣も答弁いただいた中で、ちょっとこれをもう一回私自身の中で精査をして、いま一度ここは質問をさせていただきたい。後日、この財金委員会か、あるいは、私は予算委員でもありますので、予算委員会かでまた議論させていただきたいというふうに思っておりますので、今日のところはこの質問はおいておきたいというふうに思っております。

 ということで、植田総裁、いろいろ御公務もあるでしょうから、ここで御退席いただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。

武村委員長 植田総裁、御退席いただいて結構です。

伊佐委員 このアコードを含め岡本さんの大所高所の話から、私がいきなり最初取り上げるのは、サナエトークンの話をさせていただきたいというふうに思っております。

 これは私、基本的には政府参考人と議論をやらせていただこうと思っているんですが、ただ、この議論を聞いていただいた上で、もし大臣の方から最後に何か御所感があればいただければというふうに思っております。

 このサナエトークンについてなんですが、高市総理の名前が入っている暗号資産、昔でいう仮想通貨ですね、このサナエトークンについて、主宰者側は、高市総理にお墨つきをもらっているかのような広告宣伝をした、実際に高市さんサイドとはコミュニケーションを取らせてもらっているというような発言も、私も拝見をいたしました。それで、暗号資産を発行した。発行後、値段が上がり続けた、何十億と。私も持っていないのでもちろん分かりませんけれども、いろいろ報道を見ていますと、何十億にも価値が上がったというふうに言われています。その後、高市総理から、全く知らない、承認を与えたものじゃないというふうにXでポストをされました。

 高市さんサイドと主宰者が言っているのは、チームサナエが日本を変えるという後援会組織であります。その後援会からはどういう声明が出ているかといいますと、主宰者側からあった話というのは、あくまで、民意を広く聞いて政策に反映させる、いわゆるブロードリスニング、このブロードリスニングをデジタルでやるという話を聞いて、ああ、それはいいじゃないかと。いい意見を出した人にはポイントを与える、それがこのトークンの意味ですというふうにこの後援会の皆さんは聞いていたと。だから、ああ、いいねということを言ったわけですが、ところが、そういうブロードリスニングが始まる前に暗号資産、仮想通貨として発行されたので、こんなのは聞いていないということになったわけです。無関係と言われたので、一気に値崩れを起こしました。今、金融庁が実態把握に乗り出しているというのが今の現状です。

 その上で、まだ調査に乗り出したばかりですので、また、更にもっと言えば、さっき言った後援会、高市総理の後援会、高市事務所がどう関与していたかとか、あるいは後援会がどう関与していたか、これは総理御本人に聞く以外には当然分からないわけですし、片山大臣に伺っても仕方がないというふうに思っております。ただ、今、政府の詳細の把握というのもこれからだと思いますが、今ある情報の中でちょっとファクトをチェックしていきたいなというふうに思っております。

 まず、新しいコインの発行にはルールがあります。それは、自主規制団体、JVCEAというんだそうですが、ここがまず新しいコインの適格性をチェックする。例えば、匿名性がちゃんと担保されているかどうか、あるいは投資家保護がきちんとなされているかどうか、また反社会団体との関係がないかどうか、いろいろな専門的な観点でこのJVCEAという団体がチェックをした上で、これが大丈夫だとなったら登録をするということなんですが。

 まず最初の質問は、このサナエトークンについて、主宰者は暗号資産交換業として、さっき私が申し上げた登録をしているのかどうか、伺いたいと思います。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁が登録を行っております暗号資産交換業者二十八社の中で、当該トークンを取り扱っている事業者はございません。

伊佐委員 まず、暗号資産交換業として本来登録をしなきゃいけないところを登録していないということです。

 そもそも登録する必要があるかどうかというところも一つ、恐らくポイントがあるんだろうと思っておりますが。つまり、業として行っていれば登録するという観点。今回、このサナエトークンの発行、運用というのが業として行っているかどうかということがポイントだと思いますが、どういう要件を満たせば業として行っているというふうに言えるんでしょうか。

岡田政府参考人 我が国では、一般的に、自社が発行している暗号資産につきましても、日本の居住者を相手方として販売を行う場合には、暗号資産交換業に該当するものと解されております。

 その上で、私ども、暗号資産交換業者に対する事務ガイドラインにおきまして、今の暗号資産交換業の業として行っているということの判断におきましては、反復継続性でありましたり対公衆性でありましたりといったことを踏まえて、個別事例ごとに判断をする、そういうようにされております。

伊佐委員 失礼いたしました。日銀の中村理事も今御同席いただいているということなので、さっき申し上げたアコード等の質問以外に多分通告していないんじゃないかと思いますので、御退席いただいて結構です。

武村委員長 御退席ください。

伊佐委員 業として行っているかどうか、今答弁いただきましたとおり、不特定多数に対して行っているかどうか、あるいは繰り返し反復継続を行っているかどうか。ただ、外形的な条件だけ見ますと、実際に、仲間内だけでやっていて価格が数十億円になりましたとかというのは、なかなか想像しづらいなと思っております。そういう意味では業としての可能性も私は高いんじゃないかと思っておりますが。

 その上で、やはり問題は、もし総理サイドと言われる方々の言い方が正しいのであるとすれば、ある意味総理と関係があるように見せかけた、さらに、実際にばんと上がってばんと下がったわけで、ここで被害を被ったということになれば、当然、詐欺罪に当たる可能性もあるというふうに思っておりますが、今回のこのサナエトークンの一件で主宰者あるいは関係者を罪に問うことができるのかどうか、伺いたいと思います。

岡田政府参考人 お答えします。

 個別の事例につきましては回答を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論といたしまして、金融庁といたしまして、各種事案に対して、実態把握に基づき、利用者保護の観点から、必要に応じて適切に対応していきたいと考えております。

伊佐委員 まだ詳細な把握に乗り出したという段階ですので、今この段階ではなかなか判断するのは難しいというふうに思います。

 金融庁の立場としては、様々なこういうトークン、コインであったりこういう商品に対して、金融監督の立場から、違法性があるかどうかという観点で判断されると思いますし、さっき私が申し上げた、例えば、これによって実際に被害を受けられた方々、虚偽の情報に基づいて投資を行って被害を受けた方がいらっしゃるのであれば、これはある意味、警察庁、警察の観点で、詐欺罪の観点で、構成要件に当たるかどうかということになるんじゃないかというふうに思っております。

 ちなみに、金融庁の金融監督の観点でいうと、さっきの無登録を含めて、罰則というのはどういう形になっているでしょうか。

岡田政府参考人 お答えします。

 無登録で暗号資産交換業を行った場合は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金、又はこれが併科されるということでございます。

伊佐委員 冒頭取り上げたのは、いろいろな、金融の世界でも様々な投資商品というのが出ております。コインについて申し上げると、日本で今、百を超えるコインというのが存在する。日本では比較的厳格にやっているとは言われておりますが、世界では数千のコインが取引をされている。これがもし、一定のルールはあるものの、本当に適切な、投資家としてルールに基づいて、もちろん損をする、得をするというのは当然あるとは思いますが、そのリスク見合いでそれぞれの投資家が判断されると思うんですが、例えば、さっき申し上げたような虚偽の情報であったりとか、あるいはいいかげんな体制で、そこに投資家が入って損をするというようなことがあって金融資産を失うというようなことは、これはちょっとあってはならないというふうに思っております。

 ここまで、もし、大臣、何か御所感があれば、いただければと思います。

片山国務大臣 この点で昨日、定例の記者会見でも聞かれまして、その時点で、もう総理からは、御自分とは一切関係ないし、御自分が承認を付与したものではないということをその前日にXで発信されて、私もそれを聞いておりましたので、それをリツイートいたしまして、何千万人かが見ておられると思います。

 その時点で、具体的な告発、被害者が名のり出て、よくあるんですけれども、金融庁の方にそういうのがあったということがなかったので、その点では、仮に、今金融庁の事務方が申し上げましたように、利用者保護で何らかの違反があるというような、必要があるのであれば当然適切に対応しますというような言い方をしたところでございます。

 本日の昼に、サナエトークン関連企業とされるノーボーダーDAOのXのアカウントで以下のような内容が公表されたというのを聞いておりまして、それは、一、トークン保有者への補償の実施、二、トークンの名称変更、プロジェクト見直し、三、有識者による検証委員会の設置、再発防止策の構築ということだそうでございますが、私どもに相談があったということではないんですが、このようなことをされているようであります。

伊佐委員 ありがとうございました。

 利用者保護の観点でもし問題があるようであれば、しっかりと金融庁としても対応するということでしたので、よろしくお願いしたいというように思います。

 その次は、ちょっと大分飛ばしまして、問い十五から行きたいと思います。

 今回、衆議院選挙を通じて、私たち中道改革連合でも様々な公約を掲げさせていただきました。その中で、財政金融委員会に関係するところについて少し議論させていただきたいというふうに思っております。

 まず一つ目は、百三十万の崖の話です。

 手取りを増やすというのが、近年、大きなテーマの一つに、政治のテーマになっておりますが、百三万の壁については、基礎控除をどうするか、基礎控除を含めて控除の在り方はどうかという議論も、ここのところ国会でも議論がなされてきた。最終的には、今、百七十八万円となりました。だから、ここは、百三万の壁は、ある意味大きな動きがあった。

 百六万の壁については、これは実質なくなりました。つまり、百六万の壁というのは、厚生年金、健康保険、この年収を超えると厚生年金を払わなきゃいけない、健康保険に加入しなきゃいけない、これもなくなりました。なくなったというか、今までは百六万か週二十時間かというのが一つの目安だったわけですが、最低賃金が今どんどん上がっていますので、週二十時間働くと自然と年収は百六万を超えてきていますので、特に今年からは、全ての都道府県の最賃の状況を見てみますと、週二十時間になったらどの都道府県でも百六万を超えるということになりました。だから、百六万の必要性がなくなって、今、週二十時間だけが厚生年金の適用条件になっているということです。

 資料の七をお配りしておりますが、見ていただくと、年収の壁をめぐる現状ということで、この右のところを見ていただくと、就業調整、例えば、本当はもっと働きたいけれども働くのを控えるという就業調整について、これは厚労省の資料ですが、実は、このアンケートの結果を見ても、配偶者がいる女性のパートタイム労働者のうち、就業調整をしていると言った理由ナンバーワンは、やはり百三十万の壁です。五七・三%、六割近くが百三十万の壁で就業調整をしているということです。

 これは、我々だけじゃなくて、恐らくどの党も、今回の公約を見させていただくと、百三十万の壁は何とかしなきゃいけないというような思い、認識を共有している党が多いというふうに思っております。

 この壁が何で一番きついかというと、百六万の壁、健康保険の壁というのは、超えると、保険料負担はもちろん生じるんですけれども、もらえるものは増えるわけですよ。例えば、年金も増えます。病気になったときの傷病手当金も増えます。ところが、百三十万の壁については、これは国民年金、基礎年金なので、ここは超えて支払いだけが生じて、もらえるものは何も変わらないというところが一番きついということです。

 更に言えば、小さな会社というのは、厚生年金がそもそもありませんので、元々、百六万の壁がないんですよね。百三十万しか存在しないわけです。

 百三十万の壁でこれだけ就業調整が行われている現状に対して、政府はこれまでどのような対応を行ってきたか、伺いたいと思います。

熊木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、百三十万のいわゆる壁の課題等については御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、できる限り被用者保険への移行を促していくということが重要であるという認識の下、この適用拡大を着実に行ってきているところでございます。

 また、働く方々に壁を意識せず働いていただける環境づくり、これを一層支援するということが必要でございますので、まず、令和五年十月からは、いわゆる年収の壁・支援強化パッケージを実施してございます。さらに、令和七年七月から、キャリアアップ助成金という助成金を拡充いたしまして、最大七十五万円まで支給額を引き上げる、加えて、本年四月からは、被扶養者認定方法の見直しを行う、こういった取組を実施してきたところでございます。

 これらの取組を通じまして、誰もが希望する働き方の実現に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 今、政府としても本当にいろいろ御努力をいただいて、いろいろな取組をやっていただきました、キャリアアップ助成金の活用であるとか、被扶養者認定の円滑化の恒久化。

 ちょっと、もう一個だけつけ加えて言っていただきたいのは、令和八年四月から、この四月から始まる雇用契約の話も、これも新しく手当てしていただいていると思うんですが、そこも言及していただければと思います。

熊木政府参考人 御指摘のとおりでございまして、この四月から、雇用契約を最初に結ぶときに、もう契約上で分かりますので、そういった方につきましては、その時点で被扶養者認定をする、雇用契約上で百三十万円未満であることが明らかな場合には被扶養者認定をするということをしたいと考えてございます。

伊佐委員 例えば、さっきもおっしゃっていただいた被扶養者認定の円滑化の恒久化、これはどういう意味かというと、要は、例えば、事業者側が、年末で忙しいからちょっと出てよと言って百三十万を超えたけれども、あくまで、それを超えたのは今たまたま忙しいから一時的に超えただけなんですよというふうに事業者が申告をすれば大目に見る、超えていなかったことにある意味するというか、そういう制度。これは二年間の限定だったんですが、これを恒久的にやりますと。事業者が、たまたま一時的に超えただけなんですと言えば、百三十万を超えたとしても一応大目に見られるのが一つ目。

 もう一個、令和八年四月から始まるのは、雇用契約の内容を基に判断する。つまり、雇用契約上、例えば、週何時間働きます、年収は大体それで幾らですと決まっているんだけれども、残業部分というのは幾ら発生するか分からないので、そこを除いて判断しますというのがこの四月から始まるということです。

 私の問題意識は、いろいろやってはいただいているんですが、今の賃上げ局面でどれも難しくなってくるという話なんです。

 さっき答弁いただいたとおり、基本的には、政府の立場としては、被用者保険の適用拡大、つまり、厚生年金とか健康保険に入ってくれる人をどんどん増やしていきましょうという政策なわけですよね。だから、百三十万の壁というのは、あくまで、国民年金の壁なので、ここは小規模事業者で働く人の壁なわけですよ。厚生年金であれば、さっき申し上げたように、百三十万よりも百六万が先に来ますので、週二十時間の方が先に来ますので、余り、厚生年金を持っている会社というのは関係ないわけですよね。

 今、政府が、さっき申し上げた被用者保険の適用拡大というのは、厚生年金をできるだけ広めましょう、小規模の事業者にも厚生年金を義務化していきましょうという動きがある。現状、従業員数が五十人を超えたところには、今全て厚生年金、健康保険適用が義務化されています。これも徐々に、二〇二七年十月からは三十六人以上の事業者に適用される、二〇二九年十月からは二十一人以上に適用される、二〇三二年は十一人以上、最後、二〇三五年十月からは全ての事業者に段階的に適用されます。だから、最後、二〇三五年までいくと、ほぼ全ての会社、事業者が厚生年金の世界になるわけですよね。

 そうなったら百三十万の壁もなくなるということになるんですが、問題は、最賃がどんどん上がっていっています。最低賃金がどんどん上がる。そうすると、二〇三五年まで、さっき申し上げたような、いやいや、これは一時的なんですという理屈が立つかどうか、あるいは、契約上で残業代は除いています、基本給だけなんですと言ったとしても、恐らく百三十万円をこれからどんどん超えてきます。今せっかくやっていただいたことが、使えなくなってくるんですよ。

 実際に、東京都の最賃、最低賃金を見ると、百三十万を既に超えていますという状況なんですよ。だから、二〇三五年まではもたないんです。どこかで何かまた新しいことをやらなきゃ、この百三十万の壁、就業調整というのは解消されません。

 という観点で是非政府に伺いたいのは、この百三十万の壁の今の対応では、賃上げ、上昇する中で、最終段階まで十分とは言えない、何らかのものを考える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

熊木政府参考人 御指摘ありがとうございます。

 この課題についてのポイントは幾つかございますけれども、まず、二〇三五年十月以降、企業規模十人以下の企業が被用者保険の適用拡大の対象に入ってくる、これが遅いということが一つある御指摘かと思います。

 それにつきましては、先生がおっしゃっておられたように、二〇二七、二〇二九、二〇三二と段階的に徐々に増やしていく、その過程において被用者保険の適用拡大が着実に進んでいくということがまず第一点。

 その上で、施行の前でも、実は、希望する企業におきましては、任意で適用事業所となること、すなわち、被用者保険の適用拡大の枠の中に入ってくることが可能としてございます。この事業所単位の任意加入の仕組み、これはより周知、広報を進めて、被用者保険がより適用されるという方を増やしていくということは重要だとまず考えてございます。

 その上で、パッケージを実施した話、そしてキャリアアップ助成金の拡充といったことを申し上げましたので、これらの取組をしっかりと通じまして、引き続き、希望する働き方の実現に向けた取組を進めていくことが重要だというふうに考えてございます。

伊佐委員 私は別に適用が遅いということは申し上げていなくて、これはやはり丁寧に進めないといけないので、小規模な事業者は、一気に厚生年金の世界に行くと、会社負担も当然大きくなります、ここは丁寧に進めるべきだと思っておりまして、二〇三五年の時間が遅い早いというよりも、それまでの間、何らかの手を打たないといけないんじゃないですかという問題意識です。

 ちょっと是非、財務省にも伺いたいんですが、資料七を見ていただいて、壁というのは、ずっと、本来であれば、収入が増えたら手取りが増えます。ところが、百六万、百三十万を超えた瞬間、どんと落ちるわけですよね。これが手取り減になります。ここを公費で埋めるということに対しての、まあ相当抵抗があると思いますが、財務省の見解を伺いたいと思います。

中谷副大臣 先生が詳しく御説明していただいたので、収入増加に伴い、被扶養者から外れる人に対して、ここで就業調整を行ってしまう、これを防止する観点から公費で給付を行うといった施策を念頭に置いておられるというふうに思います。

 先日、参議院本会議において高市総理からも申し上げたとおり、これについて政府といたしましては、社会保険制度における給付と負担のバランスの関係、さらには所得把握など、実務上の課題や財源といった課題がある、これについて整理が必要と考えております。

 その上で、いわゆる百三十万円の壁については、被用者保険の適用拡大を着実に実施することで働く方々の被用者保険への移行を促していくことが重要というふうに考えているところでありまして、あわせて、壁を意識せず働いていただける環境づくりを支援する観点から、厚生労働省において行われております年収の壁・支援強化パッケージやキャリアアップ助成金の拡充などの取組が進められておると承知しております。

 誰もが希望する働き方を実現することができるよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員 今の中谷副大臣がおっしゃったこと、私も非常に理解をいたします。被扶養者に対する適用拡大というのをしっかりとやっていくという観点について着実に実施するんだというような話というのは当然今申し上げたとおりで、だから、それがちょっと間に合わないんじゃないかという話であって、やはり大きな観点、もちろん財源の話はあるんですが、恐らく、給付と負担のバランスとおっしゃいました、これは保険で賄っているところに公費が入ってくるということに対してどう整理するかということだと思うんです。

 ただ、実際は、例えば協会けんぽ、これは公費が一六・四%入っています、保険以外から。もちろん工夫しているんですよ。財布は分けています。給付費の一六・四%は公費からといって、同じ財布には入れていないんですよね。ミシン目はちゃんと入っているわけですよ。もちろん、もっと言えば、年金なんて、国民年金は、半分、公費投入というような状況でもあります。

 だからここは、私も決して保険財源と公費をごちゃ混ぜにするのは好ましくないというふうに思っておりますが、ここは何らかの形で工夫しながら、さっき申し上げたように、二〇三五年、いずれ最賃全て百三十万を超えてくるような世界になってしまうのであれば、ちょっと時限的にも検討する余地はあるんじゃないかというふうに思っております。

 もちろん、人によっては、百五十とか、百三十万をもっと後ろに倒せばいいじゃないかと言う方もいらっしゃいますが、私はそれは余りよくないなと思っています。それをやると、さっき申し上げた被用者保険の適用拡大とちょっと逆行することになりますので、そこはよくないと思っているんですが、是非ちょっとこの辺は引き続きまた政府の皆さんと議論させていただきたいというふうに思っております。

 次に、これもちょっと難しい話なんですが、インボイスの廃止も、私たち中道で、実は今回、公約で掲げさせていただきました。相当悩みながら決めました。

 ここまでインボイスは一歩一歩前に進めてきた、相当前向きに様々な工夫をしながらやってきたわけです。簡易課税制度を使ったりとか、あるいは、たとえ免税事業者から課税事業者になられたとしても二割特例を設けて、まあ今回、三割特例になりましたけれども、というのを使いながら、いろいろと対応して一歩ずつ前に進めてきた状況です。

 相当悩んだのは、やはり、依然多くの中小企業、零細企業の皆さんから、インボイスが本当に負担だというのが相変わらず耳に入ってくる。これは恐らくここの議場にいる皆さんも同じじゃないかと私は思うんですが。

 ちょっと財務省、もし政府参考人で答えられるのであれば。中小企業の皆さんは大きな負担だとずっとおっしゃっているんですけれども、何が大変だと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 インボイスを導入した際に、様々アンケート調査、私ども又は関係省庁、それから民間の事業者さん、いろいろ、そういったものでどういうところが負担なのかということをお聞きしました。

 その当時一番大きかったのは、やはり、新しい制度ということで、最初はまず、そういう新しい制度に習熟するための勉強期間というか、そういったものにそれなりに時間がかかるし、負担もあると。それから、やはり最初のうちは間違えみたいなものもあって、そういったものを訂正しなきゃいけないとか、そういったことも割と大変だというお声を伺っていたところでございます。

伊佐委員 これも、現場で聞いているのとちょっと私は何か違うなと思っていまして。新しいから慣れれば大丈夫なんだというのが本当にそうかどうかですね。恐らく、私が感じているのは、免税事業者でい続けることによるインボイス導入による取引からの排除というのが、実は思った以上に結構強力に利いてしまっているというところがあるんじゃないかというふうに思っています。

 ちょっと伺いたいのは、今、食料品の軽減税率は八%になっております。これは、当時、三党の合意で、当時の民主党政権、民主党と自民党と公明党で、軽減税率を法律に書き込み、最終的には自民党、自公政権で実現したわけですが、その際に、複数税率であればインボイスは必要なんだというのを財務省はずっとおっしゃっているわけですが、ちょっと端的に伺いたいのは、複数税率だったら何でインボイスが必要になるんでしたっけ。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、消費税の場合、仕入れ税額控除を事業者さんでされるわけなんですけれども、これを正しく適用して消費税の適正な課税を確保するためには、買手側で仕入れ税額控除を行う際の適用税率が売手側で売上げに対して適用された税率と一致しているということが確認できるような仕組みが必要でございます。

 この点、我が国では、税率が単一であれば、適用税率の誤りを防ぐという観点では、特別な仕組みを設けることは必ずしも必要ではないという考え方の下で、複数税率を導入する前は、帳簿及び請求書などによりまして確認する仕組みが採用されていたところでございますが、複数税率になったことによりまして、売手と買手側で適用税率の認識を一致させるための仕組みが必要となりまして、インボイス制度が導入されたところでございます。

 なお、諸外国の状況を見ますと、消費税に相当する税制を有する国、地域が全世界で百七十以上あるわけでございますが、それらにおいては、仕入れ先において課税されていることの証明が必要であるという理由から、単一税率の場合であってもインボイス制度が導入されている例はございます。

 このように、インボイス制度は消費税の仕組みを適正、公平に運用するために本来必要な仕組みであるというふうに考えております。

伊佐委員 軽減税率が導入されたのは二〇一九年でした。インボイスが導入されたのは二〇二三年でした。この四年間はインボイスはなかったんですが、ただ、軽減税率、複数税率の日本の税制になっていた。この間どうしていたかというと、いわゆる区分記載方式、区分記載請求書等保存方式という形でやりましょうとなって、実際にはここで課税業務が行われていた、徴税業務が行われていたということなんですが、インボイスと区分記載請求書等保存方式、何が違うんでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねのありましたインボイスと区分記載請求書は、どちらも、複数税率の下で適正な課税を確保するために、複数税率の導入前からやり取りをされてまいりました請求書などに適用税率等の一定の事項が追記されているというものでございます。

 ただし、インボイスにつきましては、区分記載請求書とは異なりまして、売手は買手の求めに応じてインボイスを交付し、その写しを保存することが義務づけられております。また、買手において適用税率や消費税額を追記、後から記載することは認められておりません。

 こうしたことによりまして、インボイス制度の下では、売手と買手の間で適用税率、税額の認識が意図せず相違することが防がれる仕組みとなっておりまして、区分記載請求書方式に比べまして、複数税率の下で消費税の適正な課税を確保する上で、より効果的な仕組みというふうになっているというふうに考えております。

伊佐委員 インボイスは保存するものなんだということがまず一点おっしゃったんですが、そもそも帳簿というのがあるわけで、ある意味、帳簿も保存するものですと義務化すれば、多分一緒になると思うんですよね。

 あとは、ちょっと追記というのが私はよく分からなかったんですが、追記漏れがあったらもう一回発行し直してというのは多分どっちも同じのような気もするんですが。

 もっと言えば、よく言われるのは、書き直したりできるんだと、インボイスは書き直せないんだと言われるんですけれども、でも、意図を持って書き直したら当然どの方式であれ脱税なわけで、あるいは間違ったらそれは当然税務署に指摘されるわけで、そこも私は余りすっと落ちていないんです。

 答弁の中でさっきおっしゃったような、単一税率の国でもやっているんですというのは、逆に言えば、単一税率でもある、複数税率だから必要なんじゃなくて、単一税率だろうが複数税率だろうが、適正な税制のことを考えると必要だという観点であって、複数税率だから必要なんだというのは、私はここは理屈的には実は必ずしも正しいと言えないんじゃないかというふうに思っております。

 だから、一番大きな違いは、私の理解では、インボイスと何が一番違うかというと、結局のところ、さっき、冒頭申し上げたとおり、インボイスがないと仕入れ税額控除ができないという制度なわけです。だから、ある意味、免税事業者は排除されるということで、つまり、益税をなくすということが、一番の眼目がこのインボイスの、私は趣旨だと理解するのが一番分かりやすくて。

 ちなみに、もうインボイスは今導入されているわけですが、今回、インボイスの導入でどれほど税収が上がったか、つまり益税が解消されたか、伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 インボイス制度の導入に伴いまして免税事業者の方が課税事業者に転換されることによります増収額は、平年度において、国、地方合わせまして約二千億円というふうに見込んでおります。

伊佐委員 益税を最小化するという必要性は私も認めます。それが必ずしも間違っていると思いません。ただ、さっき申し上げたとおり、これをやると、まあ悩みながら多分我々は前に進んできたわけですが、今の経済状況でやると、様々、三割特例だったりやってはいただいているものの、やはり中小は苦しいというのが、私が今現場で聞いているお声ですので、今日はちょっとファクトについて様々質問させていただきました。引き続きここも議論させていただきたいというふうに思っております。

 次に、子ども・子育て支援金について伺いたいと思うんですが、これは、よくちまたでは独身税と言われていまして、この四月から始まる子ども・子育て支援金。私、この必要性とかこの意味するものが国民の皆さんにきちんと我々は伝え切れていないんじゃないかと常に思っております。

 そこで、ちょっとこれを取り上げたいんですが、この四月から始まる子ども・子育て支援金は医療保険を活用して徴収されるわけですが、どれぐらいの負担感になるか、具体的に教えていただければと思います。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 子ども・子育て支援金の加入者一人当たりの平均月額につきましては、令和八年度の被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療の全制度の平均では約二百五十円と試算しております。制度別では、被用者保険は約三百円、国民健康保険は約二百円、後期高齢者医療は約二百円と試算しております。

 これが、支援金が完成する予定の令和十年度になりますと、全制度の平均では約四百五十円、制度別では、被用者保険は約五百円、国民健康保険は約四百円、後期高齢者医療は約三百五十円になるものと見込んでおります。

伊佐委員 さっきお示しいただいたとおり、令和八年でいえば、今働いている方々で平均大体月々二百五十円を負担していただくということになります。

 これで何ができるか。この資料の八を見ていただくと、右側にいろいろな支援の拡充。これを使ってやることというのは、例えば、児童手当の拡充。所得制限も撤廃されました。高校三年生まで延長されました。第三子以降は三万円になりました。妊娠、出産時に十万円給付されるというのも始まった。育休を取ったときの手取りが賃金そのまま、十割という制度も始まった。時短勤務をしたときに給料が減ってしまうので、その分、保険で上乗せしましょうというような制度も始まる。こども誰でも通園制度というのも始まる。

 この支援金をやることで、私が初当選したのは二〇一二年ですが、二〇一二年のときに、日本の世界における子供、子育て支援、OECDの家庭向け支出の公費支出は、OECDで最下位でした。ところが、この十年間、様々な子供、子育て支援を取り組んできたことで、これをやったことで、トップのスウェーデンについに日本も並びました。世界のトップになった。だから、子供、子育て、皆さんに令和八年は二百五十円御負担いただくことで、世界トップの子育ての充実した国に実はなったということです。

 さっきの独身税の話になりますが、確かに、十八歳まで子供を育てた場合に、当然、働く世代が、令和八年は二百五十円ですが、令和十年、最終形は四百五十円です。月々四百五十円負担すると、十八年間での負担増は十万円です。それによって子育て世帯は、実は給付は百四十六万円もらえることになります。だから、子育て世帯だけ得するじゃないかということなんですが、独身税と言われているわけですが、これについての見解を伺いたいと思います。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 先生に今御紹介いただいたとおり、子ども・子育て支援金によって支えられる児童手当の抜本的な拡充とか、あるいはこども誰でも通園制度などの給付の対象は、子育て世帯に限られることは事実でございます。

 他方で、この拡充された給付により育った子供は、成長し、やがて我が国の社会保障の担い手になります。現在の現役世代が将来高齢者になられたときに社会を支える若い世代を育むという支え合いの循環を維持する観点から、支援金制度は、独身の方や高齢者の方も含め、全ての方にメリットがあるものと考えております。

 子供や子育て世帯を全世代、全経済主体で支援するという子ども・子育て支援金の趣旨につきまして、引き続き説明を尽くしてまいりたいと考えております。

伊佐委員 おっしゃるとおりで、この瞬間、給付を受けるのは子育て世帯なんですが、子供を支援することで、この子供たちが将来、社会保障制度の担い手になっていく、だから、独身の方であったとしても結婚している方であったとしても、自分が高齢者になったときに必要な医療だったり介護だったりを支えてくれるのは結局今の子供たちになるんだ、だから社会全体で子供たちを支えていこう、守っていこうというものです。

 今、年金の所得代替率、毎回健康診断をやっていますが、下がっていくのは間違いない、医療や介護、社会保障財政も苦しいという中で、当然今の人口動態を見ているとそうなるわけですが、だからこそ、働く世代、子供たちがしっかり元気になることで日本の社会保障というのを強化することにつながるんだ、みんなが裨益するんだということをしっかりと政府としてもアピールしていただきたいというふうに思っております。

 あと多分二分ぐらいなので、ちょっと最後にNISA減税について。

 これも我々の公約なんですが、NISAは今現在、投資枠が大分拡大をしてきました。つみたて投資枠が年間百二十万円、成長投資枠が年間二百四十万円、合わせて非課税は千八百万円なんですが、この非課税の意味というのは、あくまで、そのときに得られる売却益とか配当とか分配金が非課税になっていますという趣旨ですよね。私たちが今提案しているのは、将来得られる利益に対する非課税じゃなくて、今々の減税はできないのか。

 つまり、今、NISAに投資をすると、当然その分、手取りが減るわけですよね。将来の投資のためにもちろんやっているんですが、今々生活が大変なんだ、それであれば、その投資分については例えば所得税から控除できるとか、そういう意味でのNISAの減税みたいなものもあっていいんじゃないかというのが私たちの提案なんですが、これについて財務省の見解を伺いたいと思います。

中谷副大臣 現行のNISA制度は、NISA口座で運用する株式、投資信託から得られる配当等や、それらを売却した際の譲渡益を非課税とするものであります。

 令和五年度税制改正においては、非課税保有期間を無期限とするとともに、非課税保有限度額を一千八百万円まで引き上げるなど、抜本的な拡充を行っております。

 こうした措置に加えて、委員御提案のように、投資段階においてもその投資額の一部を税額控除化することは、相対的に投資余力の大きい高所得者に有利なものとなってしまうといった観点から、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

伊佐委員 終わりますが、でも、それは、今回、こどもNISAでゼロ歳から十八歳、拡大したのも、子供のためというけれども、実際お金を出すのは親なので、ある意味それも同じですよねと私は思っています。そういう意味では、ちょっと、法人税でも、投資をすれば減税というのがあるので、個人の投資というのも一定の上限を設けながら議論してもいいんじゃないかというふうに思っております。

 終わります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、萩原佳君。

萩原委員 日本維新の会の萩原佳です。

 本日は、委員会の貴重な時間をいただき、ありがとうございます。

 では、まず、大臣所信に関連して、租税特別措置、補助金の見直しに関してお伺いいたします。

 昨年の予算委員会で、私が、歳出削減に向けた総理の意気込み、これをお伺いしたところ、高市総理からは、必要な見直しを実施して、直ちに見直し可能な項目を反映するように取り組む、片山大臣には、幅広く国民の皆様の声をお聞きすることが重要だと思っておりますので、その取組の運用を年内にも是非始められるように準備を進めると、スピード感ある非常に前向きな御答弁をいただいております。

 この租税特別措置、補助金の見直しに関して、その後の進捗状況をお伺いできればと思っております。よろしくお願いします。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 いわゆる租特と補助金の見直しにつきましては、日本維新の会と自民党の連立政策合意書におきまして、総点検を行い、政策効果の低いものは廃止するとされているところでございます。

 既に昨年十二月二日には、内閣官房長官や関係大臣、そして維新の遠藤補佐官、総理補佐官ですね、それから各府省庁の副大臣に御参加をいただいて、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議を開催いたしました。担当大臣として総理から命を受けておりますのは私でございます。

 その際、各府省庁の副大臣には、国民の皆様に対し、政策効果の説明責任を十分に果たすため、これまでの会計検査院や行政事業レビュー等における指摘全て、各省庁いっぱいあるわけですから、全て踏まえた自己点検を進めていただき、見直しに積極的に取り組んでいただくこと、今後の取組は政務レベルから強力にリードをしていただくこと等をお願いいたしました。

 令和八年度予算、税制改正では、直ちに見直しの可能なものから早速行いまして、十二月二十六日の予算案ができたときにこの内容を公表したんですが、租特については、経済情勢の変化やデータに基づく分析などを踏まえて、的を絞り、めり張りづけ、インセンティブ強化の観点から、賃上げ促進税制の適用対象を絞ること、それから、研究開発税制についても税額控除率などめり張りをつけること等の見直しとともに、補助金についても、歳出改革徹底、予算のめり張りづけの観点から、地域未来交付金や地域脱炭素推進交付金等について予算額の削減等の見直しを行ったところです。

 また、先週二月二十六日まで国民の皆様から見直しの提案を募集しておりましたが、全く文章の意味がちょっと分からないとかいうものの精査はできていないんですが、単純集計では三万六千件以上の御意見をいただいております。

 次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスでは、要求、要望段階から一貫して対応を行っていくこととしておりまして、皆様の御提案を見直し検討の参考にしつつ、与党ともよく御相談しながらこの取組をしっかりと進めてまいりたいと存じます。

萩原委員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたとおり、様々な対応を取っていただいている、また、税制改正の方でも、賃上げ税制の廃止等々、今まで補助額を乗せるような改正というのはよく行われていたと思いますけれども、それを前もって削減していくようなものというのは非常に少なかった中で、賃上げ税制、大企業向けのやつに関しては廃止をしていった等々、素早く動いていただいていることは感謝しております。

 また、今おっしゃっていただいた租税特別措置、補助金に関する意見募集、これが約二か月弱の間にそれほどの意見が集まったということは、かなり多くの国民の方々が本当に意見若しくは関心を持って今回の見直しを注目しているものと考えております。

 ただ、その中で、様々な課題、いただいたアイデアをどう実行していくのかに関しては、なかなかハードルが高いようなものというのも含まれているとは思うんですけれども、改めまして、我々の連立合意の十二項目も含めてですけれども、片山大臣が昨年の会見でおっしゃっていた、物によっては大胆に、政府効率化局等を運営していくという考え、これは今も変わりないのか、見直しに向けた大臣の決意をお伺いできればと思っておりますが、よろしくお願いします。

片山国務大臣 やはり、国民からの御意見を拝見していても、お望みになっていることは、必要なものは必要なんですけれども無駄は無駄ということで、私ども、責任ある積極財政と申し上げておりますが、国民の中で無駄感が強いものが様々な分野にあるということは、これは否めないことでございます。

 政府も、行政事業レビューですとか、ある意味、政策評価ですとか、あるいは、財務省でも査定を行っている部局内でもいろいろなことをやっておりますし、元々、日本維新の会においては、大阪府や大阪市でもいろいろなことをされていて、また、国の予算や制度にとても大事な部分の見直しを多く指摘されていて、特に医療等も含めまして、昨年の暮れは、いわゆるOTCの問題ですとか高額医療の問題ですとか。

 これは痛みが伴うんですけれども、痛みが余りにもひどくなるとやはり改革というのはできないところもあるので、その辺を丁寧に、弱い方に余りにもしわが寄らないようにということも考えながらも、結論を一つ一つ御一緒に出させていただいた、このように思料しておりますので、これからも一線を絶対に崩さず、断固としてきちっとめり張り対応ということで頑張ってまいりたい、かように思っております。

萩原委員 ありがとうございます。

 今、大臣の方からもありましたけれども、必要なものは必要、無駄なものは無駄だ、その無駄感の話、非常にそれは感じておるところではあると思います。

 次に、ちょっと先ほども申しましたけれども、アイデアは本当によくても、いろいろなしがらみ、若しくは省庁間の調整等々、困難なことも多く生じると思っておりますし、そもそも、では、政府効率化局等、どういう人材、陣営でやっていくのかというのも重要ですし、それをどうしていこうかというところは判断を迷われることも多いと思います。その際は、是非、我々日本維新の会をいい意味で利用していただければと考えております。

 先ほど大臣の言葉でもございましたけれども、規模感、これは異なりますが、我々日本維新の会には、火の車だった大阪府政、これを立て直した経験がございます。その中には、当然、痛みが伴うもの、若しくは大きな抵抗を受けたものも多々ありましたが、しがらみのない立場から、特定の組織、団体のためではなくて、未来の大阪府政ということで、大阪のために必要な改革をやり遂げ、やり遂げたからこそ、今の大阪府、非常に財政の健全化が図られていると思いますけれども、この健全化ができたと考えており、是非我々の経験というものを利用していただきたいと考えております。

 本当に、政治において大事なのは実行力、何を言ったかではなくて何をやったかが大事だと考えております。困難なこともあるとは思いますけれども、是非、お互い協力してやり遂げていきたいなと思っておりますので、我々としても協力していきますし、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げようと思っております。

 というふうにしゃべっていると、大分一問目で時間がたってしまいまして、何問か用意していたんですけれども、ちょっと飛ばしまして、今回の令和八年の税制改正大綱における大きな柱の一つに、租税特別措置の適用実態調査、これの企業名の公表に向けた具体的検討というものがあったかと思います。

 ちょっとこれも釈迦に説法にはなるんですけれども、租特は、研究開発の促進若しくは賃上げの奨励など、特定の政策目的、これを達成するためのものではあるものの、一部の特定大企業や業界に恩恵が偏っているのではないかという批判が絶えません。

 この点、企業名を公表すれば、どの業界、どの企業がどれだけの税の優遇を受けているのか、これが国民の目に明らかになります。透明化により、特定の業界団体、政治家、官僚間のいわゆる癒着を防いで、一般の納税者、優遇を受けていない中小企業が不公平感、これを抱かないよう、制度の公平性、妥当性を確保できるという効果、これが期待できますし、この点を重視して、野党時代の我々もそうですし、ほかの野党の方々もそうだと思いますけれども、常々企業名の公表を求めてきていて、その結果、令和八年度の税制改正大綱に具体的検討という文言が載ったということは極めて大きな一歩であると考えております。

 ここで大臣にお伺いいたしますが、企業名の具体的検討に向けた、これもまた思いばかり聞いて申し訳ないんですけれども、大臣の思い、考え等がございましたらお伺いできればと思います。

片山国務大臣 これは、私も租特・補助金見直し担当大臣の立場でもあり、具体化に向けた検討を行い、令和九年度税制改正において結論を得るというふうに与党でお決めになりましたので、この方向性を踏まえてきっちりと検討を進めさせていただきたいと思います。

萩原委員 是非、そのスケジュールをしっかりと進めていただきたいと考えております。

 企業名、これが公表されれば、租税の公平性、これが確保されて、また、租税特別措置の特定の政策目的、これが本当に達成されているのか、減税措置が本来の目的に寄与しているのかを、ある意味、外部からも客観的に評価されやすくなります。

 今、政府では、各種EBPM等々、評価会議がされていますけれども、やはり、ちょっと成果がはっきりしないんじゃないのかとか、そういう指摘が専門家の方々から出ておりますし、また、それに対して対応を取っていくという話はしているものの、やはりまだクローズドな情報、もう少し情報を開示してほしいという話もあったかと思っております。

 また、この企業名の公表に関しては、税金の使い方という意味では、政府側の説明責任、これに寄与するだけではなくて、減税を受けている企業というのは、ある意味、レピュテーションリスクが生じて、投資家への情報提供の促進なども進むものと考えています。

 つまり、企業名の公表は、多額の税優遇を受けている企業はそれに見合う社会的な付加価値を生み出しているのか、そういう点を国民がチェックするための仕組みであるとも言えると思います。これによって、既得権益化した不要な減税措置、これが整理されて、より成長に資する分野へ税源を振り分けるための健全なサイクルが生まれるものと期待されますので、その第一歩となるこの透明化法を進めていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、租特についてもう一点だけお伺いいたします。

 昨年の通常国会の財務金融委員会にて、私は、所得税の基礎控除にインフレ調整をする仕組みの導入や少額減価償却資産の金額基準の見直し、これを提案させていただきましたが、八年の税制改正において、物価上昇において連動した基礎控除等の引上げや、少額減価償却資産の基準額、これの三十万未満から四十万未満への引上げ等が行われる予定となっています。これらの引上げ、もちろん、私自身提案していたということもありますけれども、いわゆるブラケットクリープの状態になっている国民、事業者にとっては非常に好ましい改正であると考えています。

 ただ、今回の改正でもう一歩できれば踏み込んでいただきたかったなと思っているのが、少額減価償却資産の償却限度額の引上げ、これが三百万円のまま据え置かれてしまったことであると思っています。

 事務負担の軽減という改正趣旨からは三十万円から四十万円に引き上げた点で一見十分であるとは思われるんですけれども、見方を変えると、インフレ下において、限度額、これが変わらない場合、事務負担の軽減はおのずと限界がありますし、実質増税の状態というのは依然続くとも言えますので、今年度の改正でどれだけ利用が増えていくのかという利用度合いとの兼ね合いにもなりますけれども、かかる限度額についても、例えば四百万円等への引上げの検討が必要だと考えておりますけれども、大臣の考えをお伺いいたします。

片山国務大臣 今般、インフレを念頭に置いた調整ということで、官公需及び様々ないわゆるシーリング額について引き上げて、委員の、そして御党の御意見も踏まえて、三十万円未満の少額減価償却資産の問題は四十万未満に引き上げる、これは非常にいろいろなところから反響がございます。

 そのときに、三百万円上限となっていた部分がほとんどの企業が使い切れていないという問題、あるいは、今回の課税ベースの確保の問題を含めてどのぐらい必要があるのかというような御意見があって、与党の方からは今回見送ったということを私どもは聞いておりますが、この三百万円につきましては、今回四十万円未満に引き上げた後にどのぐらい適用が増えてどうなるかということがあり、あとは変更の事務負担の軽減という制度趣旨を踏まえつつ、検討はもちろん当然進めていくことになるかと思いますが、そういった要素があるということであります。

萩原委員 ありがとうございます。

 検討を引き続きしていただけるということですけれども、是非、あらかじめ枠が三百万円に設定されているからこのような結果になっているのではないかという視点をお持ちいただきたいと考えています。

 中小企業を始めとする企業は、まず、枠が幾らかということを意識して、その枠を超えないように企業活動を行っていきます。三百万の枠のうち百万しか使わなかったではなくて、三百万しか枠がなかったんだから百万しか使わなかった。これは、ある意味、別論点ですけれども、交際費も、損金算入額は八百万円と言っているけれども、八百万円に枠を設定しているから、多くの場合、枠全般を使っていないという話と同様のことだと思っています。

 枠が基準になっていく、この視点を是非お持ちいただければと考えておりますので、この点をお願いいたしまして、私からの質疑とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

武村委員長 次に、一谷勇一郎君。

一谷委員 日本維新の会の一谷勇一郎です。どうぞよろしくお願いいたします。

 質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。

 本当に、委員の皆様を見ると、ほほ笑んでいただいている方もいらっしゃり、非常にありがたいなと思いますが、一年三か月ぶりに帰ってきました。どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。

 片山大臣が、先ほど萩原議員の日本版DOGEの質問の際に、やはり、行財政改革、OTC類似薬や高額医療費、これはなかなか痛みを伴うので、余りやり過ぎたら改革ができないということをおっしゃいました。私もそれはそうだというふうに思いますが、私は兵庫ですけれども、大阪維新を見ていると、これを乗り越えてきたのは、やはり議員定数の削減をしてきたからだというふうに思っています。やはり、議員が身分にとらわれず、自らの決意を見せる、そういった意味でも、この議員定数の削減、是非、片山大臣には後押しをしていただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 今回、私も選挙を戦わせていただく中で、十二本の矢というのを日本維新の会が掲げ、そして、その中で四つ看板政策として挙げた中に、政府効率化局の本格稼働というのがありました。萩原議員からもありましたが、この日本版DOGEに対する考え、租税特別措置・補助金見直し担当室の目指すべき成果と取組について、目指すべき成果をいま一度、片山大臣にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

片山国務大臣 おっしゃるとおりで、これは非常に日本維新の会と自民党の政策合意の中で重要だと思います。

 御党の大阪における様々な姿勢はよく存じ上げているつもりでございまして、まだ早い時期に、まだ橋下徹さんが市長でいらっしゃったときに、幾つかの改革、特に生活保護の改革というのを御一緒に取り組んだことがありました。生活扶助の方は、むしろ、今こうやって、引き下げられたことに対して違憲判決も出ておりますから、そちらじゃなくて、むしろ医療だったんですよ。医療について、どう考えても絶対使用していないよねとか、あと、病院による偏りとかが具体的に指摘されたことがありまして、そういうことについて、まさに、私がある役所の政務官だったときに市長でいらして、担当局長もお連れになって、具体的に政府の中でも改革ができないかということで、それが結果的に幾つかの問題に生かされたということを記憶しておりますので。

 やはり、これから担当副大臣会議等も立ち上がって、今までに指摘されたもの、それに加えて、これから整理をいたしますが、約二か月の間に出てきた約三万六千件の国民の御指摘、これを整理して、なぜこういうことが起きて、このうち、どうやって適用ができるんだろう、お声をどうやって生かせるんだろう、そういうことをやっていくという姿勢も重要だし、今まで存続している補助金なりなんなりだということは、存続を望む方がいらっしゃるんですよ。国民は無駄だとおっしゃっても、必要だという方もいらっしゃるんですよ。我々もそれを予算に入れて、閣議決定してお出しして、国会の方もそれを議決してきたという揺るがない事実がある。それを乗り越えるというのはこれは大変なことなので、場合によっては、プロセスの公開とかいろいろなことを含めて、国民のインボルブメントというんですか、共感が得られないと、なかなかこの壁は越えられないんじゃないかと思っておりますので。

 私どもは、御一緒にお仕事をさせていただくようになってから、連立でもう五か月目になりますが、国民の皆様が、特に大阪においてどういう反応をされるかみたいなことについての御意見というのは、ちょっと我々にはない、非常に捉え方が鋭いなみたいなところがありますので、その辺も、遠藤補佐官にまさに常設メンバーで入っていただいておりますし、それから、党の中でプロジェクトチームもできているというふうに伺っておりますので、しっかりそのノウハウをいただいて、国民にとって、これはよかったなと思っていただけるような、これは別に与党だけではなくて、野党にこういう場でお話をしても思っていただけるような形に持っていけるかというのが勝負じゃないかな、かように思っております。

一谷委員 ありがとうございます。

 私も実際、関西で大阪の改革を見て、自分が議員になりたいと思ったんですが、やはり、痛みを伴う改革をしたときは、最初はかなり反発がありますけれども、その成果が出てきたとき、成果が出てきて納得してもらったときには本当に市民の皆さんが後押しをしてくれるようになりますので、それまで私たちも一緒に頑張らせていただきたいと思いますし、社会保障の改革に関しては、現役世代の手取りを増やすというところで、私たち日本維新の会も党を懸けてこれに取り組んでいると思いますので、成果が出なければ次の選挙では大変なことになるというぐらいの気持ちでやっていますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 続きましては、大臣の所信の中で、診療報酬改定、介護報酬改定について触れていただきましたので、質問させていただきたいというふうに思います。

 現在、医療も介護も、非常に働く方々の待遇の問題というのは取り沙汰されておりますし、特に介護に至っては、二〇二五年、従事者の方が調査をしてから初めて減少したということもありまして、何とか私は、二〇四〇年の、私たち第二次ベビーブームも高齢化になり、働く世代が減っていくこの山場を越えていくために、医療、介護、そして障害分野の従事者の方は非常に重要だというふうに思います。

 その中で、今回、医療、介護分野の物価対策と賃金について大幅な予算をつけていただいたということなんですが、それに対する考えを片山大臣の方からお聞きしたいというふうに思います。

片山国務大臣 物価上昇を上回る賃上げの実現というのが、このところずっと政府の最大目標でございまして、高市内閣もそうでございまして、そのために大胆な改革を次々やらなきゃいけないということで、先ほど野党さんの方からもそのことにターゲットを絞っての御質問がありましたが、その中で、医療、介護分野は、大きく見ると七百万人働いていらっしゃるんですよ。

 昔、この手の問題では、よく公共事業関係の建設、建築、これが今六百万人を恐らく割っているんですよね。自動車も同じように言われましたよ。これもやはり五百万人内外かなと。今はジャンル別でこちらが最大でございます。前からそういう状況にもうなっておりましたが、この分野の賃上げ、物価上昇を上回る対応になれるのかどうかというのは、全く非常に重要でございます。

 そこで、令和八年度診療報酬改定におきまして、医療機関に勤務する幅広い職種の賃上げに向けて、八、九年度にそれぞれ三・二%のベースアップを実現するための措置や、施設類型ごとの費用構造に応じたきめ細かな物価対応のための措置を講ずることとしております。この中には、予算委員会でも御議論がありましたが、救急を受けてくれるのかくれないのか、これはまさに命に直結する問題でございまして、そういったところも非常に細かく見て、丸投げということではなくて対応をするということで、今そのようにされていると思います。

 介護分野につきましても、令和九年度の定例改定を待たずに八年度の介護報酬改定を行って、介護職員のみならず、介護従事者も対象に、幅広く月一・〇万円、三・三%の賃上げを実現する措置に加え、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月〇・七万円、二・四%の上乗せ措置等を実施することで、介護職員については定昇込みで最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現し得る措置を実施することとしているわけでございまして、まさにこういった考えで、確かにまだまだ足りないかもしれませんが、今までよりはより細かく、よりきめ細かく、より責任ある積極財政にふさわしい形で頑張らせていただいたという自負はございます。

一谷委員 ありがとうございます。

 まさに大臣がおっしゃっていただいたとおり、もう精いっぱいだというふうに思いますし、余り上げ過ぎても、これは社会保障費に跳ね返ったり窓口負担に跳ね返りますので、本当にしっかりとした調整をしながらやっていかなければならないというふうに思っています。

 一つお願いをしたいのは、今回、この介護報酬改定、来年の、二〇二七年の改定を待たずに臨時で改定をしていただいたということなんですが、このプラス一・九五%に更に〇・〇九%上乗せして月一万九千円の、〇・〇九%に至っては、これはデジタル化であったりとか、あとは協働、小さな施設が多いですから、いろいろな施設と一緒になって物品購入したりとか、働く方の資格をうまく活用していきましょうということだと思うんですが、なかなかやはり小規模事業所に対しては厳しい要件になると思いますので、財務委員会で話す内容ではないかも分かりませんが、そこも少し酌み取っていただき、そして処遇改善は、これで働く方に対してはいいですけれども、やはり本体部分の報酬というところも是非次の改定では、今回医療はかなり上がりましたので、考えていただけたらというふうに思います。

 それでは、次はちょっと話題がかなり変わるんですが、かつて老後二千万円問題が言われ、資産形成の重要性が言われていますが、生活を支えるために老後の資産を減らさないことも大事であると私は考えます。高齢者の方にも金融リテラシーを身につけていただくことが必要でありますが、幅広い世代の金融リテラシーの向上のために金融庁はどういった取組をされているのか、まずは大臣にお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 全国的に金融経済教育を推進しないと今おっしゃったような老後の資産形成についての十分な知識が養われないということで、二〇二四年の四月に金融経済教育推進機構、J―FLECというものを設立いたしまして、若年層から高齢者に至るまで幅広い世代を対象とした金融経済教育を推進すべく、年齢層別の講義の資料の作成や企業や学校等への講師派遣、様々なイベント、セミナーの実施に取り組んでおりまして、特に高齢者向けにつきましては、家計資産がなくなるまでの期間である資産寿命を延ばすことの重要性や、資産寿命の延伸には資産を運用しながら取り崩すことも有効な選択肢の一つであるといった様々な具体策が盛り込まれておりますので、これからも、金融庁としては、幅広い世代の方々がお一人お一人のライフプランに応じた金融経済教育を受けられるように、必要な取組を推進してまいります。

一谷委員 ありがとうございます。

 特に、高齢者の方の詐欺の被害というのは、三千二百四十一億円、二〇二五年、過去最悪を更新しているということですので、金融リテラシーの向上は非常に重要だと思いますが、恥ずかしながら、J―FLECというのを私は初めて今回お聞きしまして、始まってまだ期間が短いということもあるんですが、どうやってこれを市民、国民の皆さんに知っていただくようにするのかというところを政府参考人の方に最後お伺いしたいと思います。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 J―FLECは、これまでも広報活動に取り組んできたところではございますが、その認知度が必ずしも十分に高まっていないということが課題であるということを認識しております。

 こうした点を踏まえまして、J―FLECにおきましては、各地域で企業それから学校といった団体とネットワークを有する地域金融機関を中心とした金融機関と連携して、地域におけるJ―FLECによる教育をお届けする、そういうことを更に促してまいりたいと思っています。

 具体的には、J―FLECの講師派遣における、金融機関と具体的にどのように連携するかという考え方を最近整理いたしまして、金融機関にも周知して、J―FLECの活用をお願いしております。

 また、幅広いニーズがございますので、今申し上げたような対面での講師派遣に加えまして、受講者が場所や時間を選ばずに講座を受けられるようなオンラインの講義動画を昨年十一月に公開し、企業、地方公共団体、それから労働組合などに周知をしているところでございます。

 引き続き、幅広い層に質の高い金融経済教育が提供できるよう、この取組を後押ししてまいります。

一谷委員 是非そこに、医療機関や介護施設や障害施設、そんなものも入れていただけたらと思いますので。

 時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党の田中健です。

 本日は、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 私からは、成長前提の強い経済の整合性と、また、金利上昇と財政のリスクについて、まず伺いたいと思います。

 総理は、責任ある積極財政の名の下に、税率を上げずとも税収が自然増に向かう強い経済を構築する、また、成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくと述べています。

 その上で、まず、令和八年度予算における前提である実質の成長率、また名目の成長率、GDPデフレーターと長期の金利の想定値を明示をしていただければと思います。

中谷副大臣 お答えいたします。

 令和八年度予算編成の前提となる経済情勢について、一月に閣議決定されました政府経済見通しを踏まえまして、令和八年度のGDP成長率は実質でプラス一・三程度、名目でプラス三・四程度、GDPデフレーターの変化率はプラス二・〇%程度と見込んでおります。

 また、利払い費の積算に用いる積算金利については、将来の金利動向を正確に見通すことが困難な中、かねてより、国債の利払い財源が万が一にも不足することがないように十分な予算計上を行うという考えの下、設定しており、令和八年度は三・〇%としております。

 以上です。

田中(健)委員 民間の予測では、人口減やまた労働力不足等の懸念があり、また、海外情勢も見ますと、実質の成長率は一%を割り込むという保守的な見方が占めています。政府は強気な試算だなというふうに思わせていただきましたけれども、私たちも、日本経済の成長とともに、賃金を上げる経済を実現するということでありますから、是非この予想を、成長率を実現していきたいと思っているんですが。

 一方で、懸念点は、最後、利払い、三%と言っていただきましたが、十年物の国債流通利回りである長期の金利であります。日銀の金融政策の正常化、いわゆる利上げによりまして、二〇二五年の後半、昨年後半から急速に長期金利が上昇しておりまして、二十六年ぶりに高水準を更新する動きを見せています。昨日も、三月三日時点の長期金利は、二・一二〇で取引を終えまして、インフレの懸念やアメリカの金利の上昇の影響で二・一二五%まで上昇する場面もありました。

 ここで、植田日銀総裁においでいただいておりますのでお聞きをしますが、そんな中、日銀は、一月の展望レポートにおける先行きの金融政策運営方針の中で、経済、物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになることを掲げています。短期金利を上げていけば長期金利に影響してくるものと考えますが、長期金利の上昇のリスクというのをどのように見ていらっしゃるでしょうか。

植田参考人 お答えいたします。

 長期金利ですけれども、これは、先行きの経済、物価情勢あるいは金融政策、財政政策等に対する市場の見方を反映して変動するものであります。

 さて、先行き二%の物価安定の目標が達成される確度が高まることに応じて私どもが短期金利を引き上げていけば、長期金利もそうした動きと整合的な形で安定的に形成されていくと考えております。一方で、適切なペースで短期金利が調整されずに物価が上振れる可能性があるというふうに市場が認識した場合には、長期金利も上振れるリスクがあると考えます。

 長期金利が安定的に形成されるよう、日本銀行としては、経済、物価に対する見方や金融政策運営の考え方について、市場との間で丁寧なコミュニケーションに努めてまいりたいと思っております。

田中(健)委員 金融政策の正常化が進めば、長期金利が上昇する可能性は否定できないという私の理解でよろしいでしょうか。

植田参考人 適切に物価を持続的、安定的な二%の領域にうまく着地させるという方向で金融政策が適時適切に調整されていけば、長期債の市場に大きな混乱はないだろうということを申し上げました。

 これに対して、そういうところからずれるという期待が発生してしまうと大きな動きが出るリスクもあるというふうに見ております。

田中(健)委員 もちろん大きな急遽の上昇リスクがあるとしても、金融政策の正常化、短期金利が上げていくことで、同時に、長期金利が安定的に上昇する可能性があるということかと思います。

 これについては一般論としても否定されるものではないかと思いますが、その中で、先ほど他の委員の質問で財政と金融の話がありましたので、ちょっとお聞きをしたいんですけれども、金融政策の正常化が進む中で、長期金利が上がってきますと、政府の国債費にも影響が出てくると思います。ちょっとこれは追加の質問でありますが、そうしますと、金融政策の正常化を今目指しておりますが、財政への影響というのは日銀としてはどのように考えているか、もしお考えがあればお願いいたします。

植田参考人 金融政策の正常化は、簡単に申し上げれば、インフレ率が上昇していく中で少しずつ短期金利を引き上げるという形で進んでおります。したがって、財政への影響ということであれば、利払い費への影響もありますし、他方で、インフレ率が上昇する中で、賃金も上昇し、様々な利潤が上昇する、それから税収が増えるということもあります。これらを総合して決まってくるものだと思いますが、これは財政政策の領域ですので、具体的なコメントは差し控えさせていただければと思います。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 断定的には言えないということではあるかと思いますけれども、金融政策の正常化が進めば長期金利が穏やかに上昇する可能性がある、また、その場合は、国債費などにも、財政にも影響が、もちろん連動しますからあるということを確認をさせていただきました。

 その中で、イランへの攻撃などにより国際情勢が大変不安定となっておりまして、エネルギー価格や為替の動きなどを通じて日本経済にも大きな不確実性が高まっています。

 現在、日本銀行は、物価安定目標二%の持続的、安定的な実現を目指して金融政策の正常化を進めている局面にあるかと思いますが、しかしながら、物価目標の二%達成前に、この混乱によって実質金利が再び前年比マイナスに転じる可能性も否定できません。そのような状況になった場合、現在進めています正常化に向ける金融政策のスタンスというのを見直す可能性はあるのかということ、また、このような国際情勢の変化によって、先ほどもありましたが、市場が急に変動して、急激になった場合に日銀としてはどのように対応をすると考えていらっしゃるのか、総裁の見解をお伺いします。

植田参考人 中東情勢の今後についてですが、これは、現時点で確たることは申し上げられないと思います。ただ、それが内外経済、国際金融市場に及ぼす影響を含めて、引き続き注視してまいりたいと思っております。

 その上で、今後の金融政策運営でございますが、経済、物価情勢が改善し、私どもの中心的な見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していくことが適当と考えております。

 もちろん、私どもは、毎回の金融政策決定会合において、その時点で利用可能なデータやその他の情報を精査しながら適切に政策を判断していく所存でございます。

田中(健)委員 具体的に実質金利の成長率が下がった場合ということへの言及がなかったので、まあ総合的に判断をするということではあろうかと思いますが。

 先ほど岡本委員が話していました賃金と物価の話でありますけれども、ちょうど日銀自体が、金融政策の正常化の前提として、賃金と物価の好循環ということが重要であるというふうに説明をされています。ですので、仮に、今言った実質賃金が再び前年比マイナスになるということは、賃金がマイナスになりますから、そうしますと賃金と物価の好循環が崩れているということになりまして、そうしますと、今の金融政策のスタンスをまた見直すという可能性はあるという今の私の理解でよろしいでしょうか。

植田参考人 私どもの中心的な見通しでは、物価と賃金がバランスよく上昇して、その中で実質賃金もある程度の上昇をするということを見通していますので、それから大きくずれるということであれば話はまた変わってくるということでございます。

田中(健)委員 今の答弁で、経済や賃金の状況によっては金融政策の運営については柔軟に対応するということかと思います。そういう認識でよいかと思いますので、是非、国際情勢の不確実性がすごい高まる中で、金融政策が日本経済や家計に与える影響というのは大きくなっていると思いますので、今後の政策運営についても引き続き丁寧な説明をお願いをしたいと思います。

 総裁の方は、こちらで、ありがとうございました。

武村委員長 御退席いただいて結構です。

田中(健)委員 その上で、冒頭申しました利払い費の件なんですけれども、利払い費の増加というのは財政運営を大変に難しくしていきます。二〇二五年の当初予算では、国債の元本償還と利払い費を合わせた国債費は二十八・二兆円でありまして、歳出の総額の百十五・二兆円の四分の一を占めました。利払い費だけでも十・五兆円。防衛関係費がこの年は八・七兆円ですから、それを上回る規模になっています。

 そこで伺いますが、長期金利が一%また二%と上昇した場合、国債費というのは年度ごとでどの程度増加をしていくのかということをお示しください。

中谷副大臣 お答えいたします。

 先般、二月二十六日、財務省より国会に提出いたしました後年度影響試算では、金利が一%上昇した場合の利払い費を含む国債費への影響額について、令和九年度にはプラス〇・八兆円の増加、以降、高金利の国債に置き換わっていくに従って、令和十年度にはプラス二・一兆円、令和十一年度にはプラス三・八兆円へと増加するという試算になっております。

 同様に、金利が二%上昇した場合の影響額については、令和九年度にはプラス一・六兆円の増加、令和十年度にはプラス四・二兆円の増加、令和十一年度にはプラス七・六兆円への増加という試算になっております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 大変すごい額ですよね。毎年借換えがどんどん進んでいきますので、一%であっても、〇・八、二・一、三・八と、右肩上がりに増えていきます。

 その中で、大臣にお聞きしたいんですが、日銀が国債の買入れを段階的に縮小をしている中で、国債市場の需給の構造というのは変化をしていまして、その結果として、需給ギャップの拡大によって長期金利の上振れのリスクというのも指摘をされているところです。政府としてこのリスクをどのように評価し、また対応していくのでしょうか。

片山国務大臣 日銀のいわゆる国債買入れの調整というかテーパリング、これにつきましては当然、マーケットの需給ということを私どもも考えないわけではございません。

 まず第一に、金利自体につきましては、今までお話がるる出ておりますが、金融政策の動向とか、今申し上げた国債の需給環境以外にも、国内の経済、物価情勢に加えて、財政事情そのものとか、今般起きているような海外も含めた金融市場の動向など、相当様々な要因で決まってくるので、一概に申し上げることは困難だということは最初に申し上げて、その上であえて申し上げますと、こういった需給ギャップの拡大等の問題について、市場の動向を常に注視して、市場参加者との丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策に努めるということに尽きるんですけれども、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えて、政府の債務残高の対GDP比を引き下げていくということが我々の財政の持続可能性実現の基本になっておりますので、常にそこから逆算してというか、そこを考えながら、こういった国債管理政策に努めているということでございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 まさに今出ました債務残高対GDP比なんですけれども、もちろん、成長を前提として計算をしておりますので、どんどんと比が下がっていくんですけれども、仮に、名目成長率が政府想定を例えば一%でも下回って、今言いました長期金利がこれから上がっていくと仮定した場合、一%上振れした場合、この債務残高の対GDP比というのは何ポイント悪化をするかというような、こういう試算というのは財務省の中では考えていらっしゃるんでしょうか。

片山国務大臣 恐らく委員、お手元にお持ちと思いますが、経済状況が変化した場合の債務残高の対GDP比の変化の試算ということですと、一月に内閣府が公表したというか、長いことやっているんですが、この中長期試算、中長期試算ですから我々じゃなくて内閣府さんではありますが、これで潜在成長率が〇・五%ポイント低下した場合には、令和九年度の公債等残高対GDP比は〇・六%ポイント程度上昇し、長期金利が〇・五%ポイント上昇した場合、令和九年度の公債等残高の対GDP比は〇・二%ポイント程度上昇する、こういったものは出ております。

 私どもではなくて、内閣府でございます。

田中(健)委員 その中で、今言っていました成長率の件なんですけれども、これも予算委員会で何度もいろいろな議員が指摘をしておりますが、成長率は様々な要素によって構成されていますので予測することが難しい、その中でどうやって成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑えるのか。それを是非、何度も説明されているかもしれないんですが、具体的な方策について改めて、大臣、ちょっと更問いになってしまいますが、お願いできればと思います。

片山国務大臣 まさに、逆から考えますと、責任ある積極財政として今回この委員会でも皆様にお答えしているように、今までの潜在成長率が低かった理由の最大の原因の一つというのは投資がないということですから、投資が伸びるような形で全ての政策を導入していく、その中に予算のつくり方の抜本的な改革もあって、ですから相当な投資の国内における増加を見込んでいく。これは非常にGDP比に利きますから、それがドライビングフォースであるわけでございますし。

 他方、それだけで無制限、無定量に財政の規模を増やすという政策ではないということは、これも今日、先ほど、午後からずっと申し上げておりますように、きっちりと、責任あるの方では、今回の八年度予算案につきましても公債依存度を実質下げておりますし、それから、プライマリーバランスが当初においては二十八年ぶりにできているといったところとか、めり張りをつけている。

 つまり、張りの部分でいろいろな、危機管理投資とか、新たに、今までずっと増やせなかった部分で、科学技術の関係とかも増やして様々なことをやりつつも、抑えるべきところは抑えて、めり張りのめりの方で切った補助金があるとか、そういうことをずっと今るる御説明してきたことなんですけれども。

 これで責任ある積極財政予算を続けて、それが今度の九年度予算になれば、今から我々がつくるシーリング目標も今までとは全然違うものですから、まさに投資がドライビングフォースになるようなものでございますので、これで実質成長率を上げていくというか、しっかりとさせていく。こういう戦略が、責任ある積極財政の下での、サナエノミクスというか、我々の戦略でございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 一問飛ばさせてもらいまして、金利が上がりますと、じゃ、私たち、生活にどのような関係があるのかということで、住宅ローンについて、関連して伺いたいと思います。

 この三月に、大手二行は、〇・二五%、住宅ローン、変動を上げました。固定も、合わせて上がるということであります。そこで、仮に住宅ローン金利が〇・五%上がった場合、家計負担というのはどの程度増加するかということであります。

 今回の税制改正では、百七十八万円の課税最低限の引上げが盛り込まれ、少し手取りが増えるということが実現を、これが通りますと、します。が、この課税最低限の引上げの減税効果と住宅ローン金利の上昇によって、比較すると、純効果はプラスなのかマイナスなのかということがありまして、せっかく減税して皆さんに返したとしても、金利の上昇によって大きく負担が増えてしまうのでは、国民生活、手取りが増えるどころか負担が多くなってしまいますが、これについて大臣のお考えを伺います。

片山国務大臣 金利が、いろいろな要因がありますけれども、どういうスピードがいいのか分かりませんけれども、じわじわ上がる状況というのがもうこのところ生じているわけですが、これはまさに、御家庭でいえば一番多い負債が主に住宅ローンでございまして、平均が、手元の家計調査だと一千八百七十七万円ということでございます。

 他方、こういった、全くベースが合っているわけではないんですけれども、日本の家計資産の半分が、一生懸命、貯蓄から投資と言っても、半分が預貯金なんですよ。その預貯金の金利が今まで限りなくゼロだったのが、大分ばらつきはありますけれども、さすがに上がっているんですよね。これのプラス効果というのもあるというのが今だんだん出ていて、このプラス、マイナスはまだ出ていないんですが、御質問があったのがマイナス効果の方だけなので、千八百七十七万円に適用される金利が仮に年利で〇・五ポイント上がるんだったら、九万円から十万円ぐらい上がってしまうんですね。

 それで、今我々がお出ししている七年度、八年度税制改正、あの壁が引き上がったやつです、国民民主党さんの御定番でございますが、収入階層によってばらつきがあるけれども、いわゆる三万円から六万円というふうに言っているわけでございますが、ただ、何度も申し上げましたように、預貯金利子の影響が非常に大きい国だというのは、これは間違いがないんですよ。二千兆円の半分が預金ですからね。それを考えると、その比較だけではないんだろうなと思いますが、住宅ローンや金利上昇が国民生活等に与える影響というのはもちろん非常に気にしなくてはいけないところですし、また、貸出金利というのもございますから、そういうところに十分に注視しつつ、痛みが出ないように、運営に万全を期してまいりたいと思います。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 この間の質問で、金利の上昇リスクはあるということでありますし、国債費も増える可能性はあると。また、一般の家庭にも増える負担はあるかもしれないけれども、やはり成長をしていかなきゃならないということでありますから、しっかり成長戦略、これは与野党を超えて力を合わせていきたいと思っています。同時に、やはり金利上昇も見据えた財政運営の議論というのも積極的に行っていきたいと思っています。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後、税関行政についてもお聞きをしたいと思います。

 大臣が所信の中で税関行政についても述べられておりました。少額の貨物の輸入件数、入国が急増する中、特に金の密輸の摘発が続いているということで資料をいただきました。これを見ますと、摘発数が令和五年以来再び増加傾向にあります。さらに、輸出額は過去最高水準に達する一方、輸入量や国内生産が大きな変動がない。これは今何が起こっているのかということを大臣にお聞きをしたいと思いますし、あわせて、昨年の末に、臨時で、税関長を集めて、大臣自らこの対策の指示があったということもお聞きをしています。どのような対策を取ったのかも併せてお願いします。

片山国務大臣 まさに御指摘のように、我が国からの金の輸出が大幅に増加して、昨年、何と二百二十八トン、金の価格も上がっていますから、三・八兆円と過去最高水準になって、密輸の摘発も非常に増えておりますが、輸入の水準は十トン以下。二百二十八トン輸出して輸入が十トン以下。やはりこれは何かが起きているというふうに考えるのが普通でございましたので、昨年の十一月に臨時の税関長会議を開催しまして、私から各税関長に対して、金の密輸に対する総合的な対策を講じるよう指示いたしました。

 これにおきまして、税関における審査、検査を強化し、税関長の通告処分による没収や、罰金相当額の算定基準の大幅な引上げ、情報収集や分析や、内外関係機関との連携の強化など、実効性の高い措置を講ずることとしたところでございます。

 これを踏まえまして、関税局、税関、一体となって、もちろん関係機関とも連携しながら、金の密輸の対策に向けて、必要な人員を重点的に投入し、一層力を入れて対処してまいりたいということで、まさに今、本当に取り組んでおります。

田中(健)委員 金の価格が上がりまして、また、脱税にもつながって、また、マネーロンダリングにもつながるということで、大変様々な、金の取引、また密輸というのは課題をはらんでいるんだと思っていますので、大臣自らこれに取り組むという決意を示していただきましたし、もう実際にこれが進んでいるということなので、これからの対応を更に望みたいと思っています。

 あわせて、昨年通りました、出国の旅客に対して、輸出物品の販売場制度に基づく免税販売手続の完全電子化が実現しました。これによって、制度の利用状態が一層可視化されて、更なる不正の事案の確認や把握が可能となったんですが、一方、持ち出し確認方式の検査というのが税関でこれから行われるという中で、どのような体制で行われるのかという詳細はこれからということでございます。今年の十一月からスタートするということでありますので、これは新しい取組でもありますし、今多くの旅客者が、訪日外国人も含めて、いる中でありますので、十分な人員配置と、また、出国旅客に対する更なる取締りの強化というのが求められているかと思いますが、大臣の見解を伺います。

片山国務大臣 御指摘の問題につきましては、輸出物品の販売場制度というものになりまして、免税購入品の国内での横流し等の制度の不正利用に対応するために、今年の十一月から、出国時に税関で購入品の持ち出しを確認した場合に消費税相当額を返金するリファンド方式に移行することとなっております。

 この移行に向けて、必要十分な台数のキオスク端末というのを設置した上で、利用者の誘導を適切に行う。特に利用者の多い主要空港、羽田等含めて、利用者のスマートフォン等でも手続できるようにするなど混雑防止の取組を進めるとともに、必要な人員を配置して、免税購入品の持ち出しの確認もきちっと行うということにしておりまして、昨年十二月に羽田空港でこの準備状況等を私も視察してまいったところでございます。

 これは非常に重要でございますが、着々と進んでおりますので、引き続き、関係省庁、それから事業者の方々とも連携しながら、この制度を円滑に実施して、不正利用の防止もしますが、きちっと利便性あって使っていただけるようにということで進めているところでございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 最後に、税関において、先ほどの金のみならず、危険ドラッグやテロ対策の水際の取締りや、また、航空、海上貨物輸入の件数が急増している対応や、また、知的財産の侵害対策等、様々な、本当に、聞けば聞くほど、対策の強化というのが求められています。

 一方、訪日外国人の旅客者数は、昨年、四千二百六十万人と右肩上がりの一方であります。その中で、税関定員の推移ということで、資料を裏につけさせていただきましたが、一万三百二人ということで、過去五年では毎年八十人ほどの増員にとどまっています。

 やはり、これだけ様々な対応が求められる中、税関の体制整備に必要な定員の確保と更なる機構の充実というのが必要だと考えますが、大臣の御見解を伺います。

片山国務大臣 御指摘、御理解をいただいて、ありがとうございます。

 まさに税関を取り巻く環境が非常に大きく変化して、先般も羽田で見ましたときに、余りにも次々と降りてくる飛行機からの旅客が多く、これで、人数は大分増やしてはおりますけれども、大変だということも実感して、きちっと要求を行っているところでございますが。

 少額貨物の輸入件数も非常に増えました。入国者だけではございません。また、不正薬物や先ほどの金などの密輸リスクも高まっておりまして、まさに我が国の安全、安心を揺るがしかねない状況となっておりますので、円滑な物流と人流を確保しながら厳格に水際取締りを遂行しようとしたら、当然、これが必要不可欠な重要責務なんですけれども、もっと体制が要るということで、このために、高性能な取締り検査機器の整備とともに、税関職員の定員確保、機構の充実が喫緊の課題と考えておりまして、今後とも、質、量両面で体制強化に取り組んでまいりたいと存じますので、応援をよろしくお願いいたします。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 税関の皆さん、まさに私たちの国民の生活を守っていただいておりますので、共に力を合わせて、充実確保に努めていきたいと思っています。

 ありがとうございました。

    〔委員長退席、若林委員長代理着席〕

若林委員長代理 次に、近藤雅彦君。

近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦でございます。

 さきの総選挙で九州ブロックから初当選をさせていただきました。皆様、どうぞ御指導よろしくお願い申し上げます。

 冒頭、イラク情勢を受けまして、原油価格や株式市場を始め、マーケットが大きく動いております。今後予想される物価高や内外情勢の変化を十分に注視をいただきまして、経済運営を進めていただきますよう、改めてお願いを申し上げます。

 その上で、私からは、今国会提出の各法案の中身を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。

 まず、今回の所得税法等の一部を改正する法律案についてでございます。

 その中に、一人親控除の拡充がお示しされています。基本的には子育て世帯の経済的な支援であり、控除額の拡大をするものと承知しております。この中身については大変評価をさせていただいております。所得税で三十八万円、そして住民税で三十三万円の所得控除と存じます。既存の配偶者控除あるいは扶養控除などと控除の額を合わせる、そういった措置であると理解してよろしいでしょうか。今回の改定の背景をお聞かせください。

中谷副大臣 お答えいたします。

 所得税の人的控除の控除額につきましては、その時々の税制改正における検討の結果、見直されてきており、一人親控除につきましては、一人親の子育てに係る負担の状況を踏まえ、三十五万円の控除額を、配偶者控除や扶養控除の三十八万円に合わせる形で、三万円引き上げることとしております。

近藤(雅)委員 いろいろな御家族の状況に応じていろいろ控除があるかと思いますが、今回の措置は同額ということで理解いたしました。

 私の地元のシングルマザーの方からいただいた御指摘でありますが、年収が約二百四万円を超えると住民税の課税対象となる、働き方を制限しなくてはならないとのことでございます。一人親世帯の住民税の制度設計の現状について御説明いただきたいと思います。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 住民税の非課税措置についての御説明を申し上げます。

 住民税につきましては、一人親等の一定の事由に該当する方につきましては非課税とする措置を講じております。具体的に申し上げますと、一人親等の方が前年の合計所得金額百三十五万円以下、先ほど委員が二百四万円という御指摘をいただきましたけれども、それは給与収入ベースに置き換えたものとなりますけれども、そういった以下の場合には個人住民税が非課税となるというものとなっております。

 この非課税措置の趣旨でございますけれども、担税力がない又は著しく小さいといった特別な事情にある方に負担を求めることは適当ではないという趣旨から設けられているものでございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 住民税の非課税世帯につきましては、例えば、近年ですと、コロナ禍では、非課税世帯のみを対象とした給付金が国や地方から様々ございました。それから、物価高騰対策としての給付金又は医療費等の負担軽減の措置もございます。決して、こういった世帯の方は、給付金を目的としたり、あるいは税金を負担したくないということではないのですが、働き方を制限せざるを得ない、そのような現状があると感じております。

 同じシングルマザーの方からこういった御意見も頂戴しております。子育てをしながら正社員として一定の責任を負って働くことはそもそも現実的に難しい、事実上、フルタイムに近いパートのような状態で頑張っています、ただし、時給も上がっており、働き方を根本的に見直さなくてはいけないとのお声をいただいております。

 どんなに一生懸命働いても、あるラインを超えると負担がかかり始めたり、かえって手取りが減ってしまう、様々な行政サービス等を受けるその資格も失ってしまう、そういった現状がございます。税控除が有効な手段であることは認識しておりますけれども、税控除だけでは多くの一人親家庭の現状に沿って機能していない、そんな面も感じております。

 そこで、お尋ねですが、一つの考え方として、控除だけではなく、給付等の面から一人親世帯への経済支援をもっと行うべきではないかと考えますが、所見をお尋ねいたします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 一人親家庭の経済的支援につきましては、児童扶養手当という制度がございます。これにつきましては、こども未来戦略加速化プランに基づき、令和六年十一月から、児童扶養手当の全部支給、一部支給の対象となる所得制限限度額の引上げや多子加算の増額を行うなど、強化を図ってきたところでございます。

 他方で、一人親家庭は、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人で担い、様々な困難に直面し得るものであるため、世帯の状況に応じて、この経済的支援のみではなく、子育て・生活支援や自立支援などを多面的に強化していくことが重要であるというふうに考えております。

近藤(雅)委員 御回答ありがとうございます。

 このように、児童扶養手当等、様々な制度を組み合わせて頑張って子育てをされている方を支援できればと考えます。

 次に、財務大臣にお伺いいたします。

 このような経済環境にある方が制限を気にせず就労できるよう、給付の側面から税制を補完すべきと考えますが、税の控除と給付のバランスについて所見をお尋ねいたします。

    〔若林委員長代理退席、委員長着席〕

片山国務大臣 御質問ありがとうございます。

 一人親家庭では、子育てと生計の担い手という二重のお役割を一人親の方が一人で担われているというわけでございまして、御指摘があったような非常に多様な困難に御直面なさっているということで、これらの困難を乗り越えていただけるための支援を行っていくということが、これが本質でございまして、これが重要でございます。

 そのために、経済的な支援を充実するという観点から、税制面において一人親控除の控除額を引き上げるということをやろうとしているわけで、また、給付面におきましては、こども未来戦略の加速化プランに基づいて児童扶養手当の拡充を行うということをやっております。

 加えまして、一人親御家庭の置かれたそれぞれの環境はかなりやはり多様でございますし、お子様の成長の年齢によっても違ってまいりますので、相談支援や生活支援を含めて、多面的で、しかも融通の利く、本当にきめ細かく融通の利くような支援の充実を図っていくことが重要で、そのようにできるだけ努力はしております。まだ十分ではないところもあると思いますが。

 このように、税や給付それから個別の支援など、それぞれの特徴を生かして必要な支援がお届けできるようになっていくということが非常に重要と考えておりまして、こども家庭庁という役所ができたわけでございまして、そちらに対する期待はこの面でも大きいわけでございますが、こども家庭庁を始めとする関係省庁と私どももしっかり連携して、委員の御指摘のように、本当に求めているものがきちっと届くような形で組んでいけるように努力してまいりたいと思います。

近藤(雅)委員 丁寧に思いを込めてお答えいただきました。ありがとうございます。

 続いて、金融政策についてお尋ねをさせていただきます。日銀総裁にお願いしたいところでございます。

 本日のこれまでの議論の中でも、岡本委員からもありましたように、実質賃金と金融政策の兼ね合いについてのお尋ねもございました。そこで、賃金に関して申し上げると、昨年一月から十二か月連続で実質賃金がマイナスになっています。この三月、これからですが、まず大手企業から春闘の回答がございまして、それを受けて中小企業が回答を続けてまいります。今後の経済動向を占う重要な時期と考えています。

 近年の賃上げの状況を見ますと、大手企業は五%を上回る賃上げが続いております。一方で、中小零細企業はその水準に届いておらず、差が開いているのではないか、このような認識を持っています。

 そこで、三月でございます。特に二年前にも同じようなシーン、状況がありましたけれども、ちょうどマイナス金利を解除された時期です。この時期、そういった政策判断の直後に中小企業の回答が続きました。若干、昨年あるいはそれ以前の歴年とを比べますと、中小企業の賃上げの勢いがなかったというふうに認識をしております。

 ちょっとそういった賃金のお話ばかりを前段であえてさせていただきましたが、この観点を踏まえて、足下の金融政策について総裁はどのようにお考えか、御所見を頂戴したいと思います。

植田参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、このところ、実質賃金は、特に食料品価格の上昇を主因に消費者物価が強めの動きとなっていることから、前年比マイナスとなっています。

 ただ、先行きを見てみますと、食料品価格上昇の影響が減衰していくというふうに見られますし、政府による物価高対策の効果もあって、当面、消費者物価の前年比伸び率は縮小していくと見込まれます。

 他方で、これまで明らかとなった労使の対応方針等を踏まえますと、本年の春闘では幅広い企業でしっかりとした賃上げが実施される可能性が高いと見ております。したがって、名目賃金は高めの伸びが続き、こうした下で実質賃金の前年比は徐々にプラスに転化していくことを見込んでおります。

 私どもとしては、賃金や物価の動向を含め、私どもの中心的な見通しが実現していくとすれば、経済、物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになろうと考えています。

 こうした方針の下で、データや情報を丹念に点検しながら、適切に金融政策を運営してまいりたいと思っております。

近藤(雅)委員 丁寧に御説明、ありがとうございます。

 総裁におかれましては、私からの質問は以上でございますので、御退室をいただいて結構でございます。ありがとうございました。

武村委員長 御退席いただいて結構です。

近藤(雅)委員 続きまして、金融取引の証拠金規制についてお尋ねをさせていただきます。

 まず一点目は、確認でございます。

 おととい、二日の衆議院予算委員会で、国民民主党浅野議員からの質問に対しまして、金融担当大臣から、FXに係る証拠金倍率が二倍であると御説明がございました。現状の倍率は二十五倍と認識をしております。その私の認識に相違がないか、確認をさせていただきます。

片山国務大臣 この間の御質問につきまして、現在、個人向けの暗号資産のデリバティブ取引における証拠金倍率が上限二倍とされていることに関する私の答えの中で、FXのところを引いていたんですけれども、FXのところで、その元となっている、算定のところでFXを引いているというのを、その二倍というのと誤認して私が申し上げてしまって、これは後で直さなきゃと思っておりまして、これはもちろん、当然、現状、上限二十五倍でございまして、これは、価格変動の最も激しい時期の日次変動率の最大値の割合からいきまして、これが大体四%なので、その変動をカバーとして二十五倍ということにしているということで、この計算方法については生かしている部分がございます。

 ということで、きっちりと訂正をさせていただきます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 改めて、二十五倍ということで確認をさせていただきました。

 次に、暗号資産そのものについて幾つかお尋ねをさせていただきます。

 暗号資産については、昨年の税制改正大綱で、申告分離課税二〇%への見直しの方向性となりました。これまでの御尽力、誠にありがとうございます。

 その上で、暗号資産についても、今、FXについて二十五倍というお話をさせていただきましたが、同様に、十倍程度ということで、浅野議員からも、まずは十倍ということで私どもとしては考えておりますけれども、二十五倍と比較すると十分にこの倍率は低い水準というふうに認識をしております。投資家の視点に立ちまして、一定の投資家保護のために、商品性の一層の周知、あるいは自主規制団体の必要な取組、こういった前提が必要となりますけれども、十倍程度の証拠金での取引が可能になる、そういった商品設計についても可能ではないかなというふうに考えておりますが、大臣の所見をお尋ねいたします。

片山国務大臣 現在、個人向け暗号資産のデリバティブ取引に係る証拠金倍率、いわゆるレバレッジ倍率は上限二倍と設定されておりますが、これは、対象資産の価格変動の状況、さっき価格変動状況からの割戻しをFXについて申し上げましたが、それと似たような考え方で設定いたしました。

 十倍にしたらどうかというお話は、内外からまだよく来られますよ。ただ、そのときにお答えして、この間、御党委員の御質問にもお答えしたのは、米国は確かに上限規制がないので相当大きな変動を認めている形でございます。それについて、そもそも個人向けの取引を禁止しているかなりの金融立国がありまして、イギリスとシンガポールなんですね。えっと言うんですけれども、そうなんですよ。それで、ドイツは、個人向けはやっているんですけれども、これが上限二倍なんです。

 ということを考えますと、昨今、またいろいろなことが起きておりますが、安心には安心、それから自主規制機関の対応能力とかいろいろなことも考えた上で、今、二倍というところを、高い投資効率を急に可能にするということで不測の被害を被ることになるところに対して十分な利用者保護、投資家保護ができるのかどうかというのは、我々としては非常に胃の痛い問題なんでございまして、これからも、きちっと御要望を得て、また様子を見ながら検討はしてまいりますが、慎重な物言いになっているのはまさにこういう事情であるということを是非御理解いただきたいと思います。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 商品性の在り方については、今後も引き続き議論をさせていただければと思います。

 次に、インサイダー規制についてお尋ねをさせていただきます。

 今回の金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、この中に、インサイダー取引規制の対象者の範囲拡大がうたわれております。ここで言う対象者の拡大とは具体的にどのような方を想定されているか、お尋ねをさせていただきます。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、公開買い付けの対象企業のアドバイザーから情報を受領した者がインサイダー取引を行う事案が発生したこと等を踏まえまして、公開買い付けに係るインサイダー取引規制の対象者の範囲について、昨年九月以降、金融審議会において検討を行っていただきました。その結果として取りまとめられた報告書では、公開買い付けの対象企業と契約を締結、交渉している者等について公開買い付けに係るインサイダー取引の規制の対象に追加することが適当であるとされたところでございます。

 金融庁といたしましては、我が国の市場の公正性、透明性に対する投資家の信頼を確保する観点から、金融審議会の議論を踏まえた検討を進めておりまして、準備が整いましたら金融商品取引法等の改正案を今国会に提出したいと考えております。

 以上でございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 公開買い付けにいわゆる関与していらっしゃる方を対象とするということで認識をしました。

 次に、一般的なインサイダー取引を防止する観点から質問をさせていただきたいと思います。

 インサイダー取引となり得るものとして、例えば、上場企業の社員、その会社関係者ほか、状況によっては国や地方の公務員なども対象となり得ます。ここでは、公務員のインサイダー取引防止のための取組について、現状をお尋ねしたいと思います。

 職務上知り得た重要事実に基づいて株式等の売買を行った場合、組織内で懲戒免職等の重い処分が当然あると考えられますが、このほか、金商法に基づく刑事罰もございます。しかし、こうしたインサイダー取引については、事後的な罰則があるだけで、事前の対策が十分でないように考えております。インサイダー取引を防止するために、職員に株式等の保有状況を確認するなどの調査、あるいは不公正な取引を行わない旨を宣誓させるですとか、事前の対策を一定程度講ずる必要があると考えます。

 こうした公的機関内部での取組の現状についてお尋ねをいたします。

堀本政府参考人 お答え申し上げます。

 国、地方全体での取組については承知をしておりませんけれども、金融庁としましては、インサイダー事案を抑制するため、全ての職員に対してインサイダー取引規制及び法令等遵守に関する研修を実施しております。

 それで、こうした研修を踏まえまして、インサイダー取引も含めた金融庁職員として遵守すべきその他の法令について理解をしたこと、それから、インサイダー取引に限らず他の法令等に違反した場合も同様に懲戒処分の対象となり、刑事罰の対象となり得ることを理解したこと、さらに、そうしたことを踏まえて法令等を遵守すること、この旨の誓約書、これは全ての職員に提出を求めております。

 さらに、全ての職員に対して、株式等の取引の状況を確認の上、その内容を踏まえまして、必要に応じて法令等遵守を指導する、こういうふうな取組を行っているところでございます。

近藤(雅)委員 御回答ありがとうございます。

 金融庁におかれましては、そういった、もちろん研修の充実等は当然のこととしまして、職員各位から文書の徴求を行っているという現状でありますが、私、現時点での個人的な意見としましては、今後も、基本的に、公務員であれば、いろいろな開発案件を知っている土木関係の部署にいる方ですとか、一例で申し上げるとそういったところであるとインサイダーの可能性とかが発生し得るという状況にあるかと思いますので、今後インサイダー取引の規制を具体化するに当たっては、そのような視点も携えていただきたいと考えますが、これはちょっと通告はしておりませんけれども、現時点で何か御所感があれば教えていただければと思いますが、難しいでしょうか。

堀本政府参考人 繰り返しの答弁になりますけれども、国や地方全体の取組については当方、承知をしておりませんけれども、少なくとも金融庁のこれらの取組については、金融庁の行政が市場を監督する立場にある、そういうふうな行政の性格がございますし、やはり他の公務員に比べてインサイダー取引に関係する情報等について知り得る機会が多いというふうな業務環境がございますので、そうしたことも踏まえながら取っている措置でございます。

近藤(雅)委員 済みません、なかなか難しいところ、答弁いただき、ありがとうございます。

 是非、官公庁の職務に当たっていらっしゃる方には、従来の法律でもいろいろな、公務員倫理法等もございまして、その中でいろいろうたわれている措置というのもあると思いますけれども、余りにも性善説に立ち過ぎている部分、あるいは事後に、発生してからいろいろな刑事罰があったりというような状況をお見受けしますし、現にそういった取引が官公庁職員の中で行われている可能性も否めないというふうに個人的には考えます。ですので、今後そういった観点からも研究を進めていただければ、このように思います。

 先ほど来、金融市場に関しまして、証拠金規制やインサイダー規制等について幾つか御質問をさせていただきました。その理由は、まさに私自身も、この日本を資産運用立国にもう一度押し上げていって、いま一度金融投資の盛んな国にしたい、そういった強い思いからでございます。投資家保護に関する必要な範囲での様々な施策に取り組みつつ、フリー、フェア、グローバル、強い国際金融市場を東京を始め日本につくっていきたい、このように考えています。私も、財務金融委員の立場から、微力ではありますけれども、そういった姿勢でこれから職務に邁進してまいりたいと思います。

 そのことをお伝え申し上げまして、私の質問を閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。

武村委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 こんにちは。参政党の比例九州ブロックからこの度初当選させていただきまして、今日が初めての質問の機会ということで、発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 私たち参政党は、国民負担率というものを、現在、税と社会保険料を合わせた負担率の合計が約四六%ということでかなり重たい負担になっているというところを、どうにかして三五%程度、日本の経済がまだ元気だった昭和の終わり頃、およそ三五%でありましたので、それぐらいを目指して上限を設定できないかということを訴えております。

 その中で、今日はまず、現在、片山財務大臣の所信にもありましたけれども、債務残高の対名目GDP比、これを安定して引き下げていくということを重要な財政指標としていくということは伺っております。一方で、プラス、私たちとしては、そこにもう一つ、ネットの資金需要という観点から、これを新たな財政指標に加えた方がいいのではないかということを提案したいというふうに考えております。

 まず、質問に入るに当たりまして、昨年の十二月二日、参議院の方の国土交通委員会にて、我が党の安藤裕議員の質疑にて日銀から回答がございましたように、民間銀行が貸付けを行う際には信用創造によって貸し借りが生じた瞬間に無から新たな預金通貨が生じる、このことは政府による国債発行においても全く同様でありまして、政府が国債発行を通じて支出を行うと、それと同額の預金通貨が民間部門に発生するということは日銀から答弁をいただいたとおりでございます。

 このことに関して、本質疑の時間を短縮するために、この点については既に答弁をいただいた自明のことであるという前提に立ちまして、以下、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、資料一を御覧ください。

 こちらの図は、流通している貨幣は全て誰かの負債であって、借入れと同時に無から発生して、返済によって消失する存在であるということを前提として、我が国のマクロ経済の全体像を模式的に表したものになります。

 まず、GDPというもの、これについては、マネーストック、すなわち世の中に出回っている貨幣の総量に流動性を掛け算したものがGDPとして表記されますので、この図においては、マネーストック、青いお金ですね、これを水槽の水位、そして、流動性というのを水分子の運動、すなわち温度として表現しております。また、実体経済の成長というのは、時代が求める物やサービスの供給能力をどれだけ高めることができるかということによってもたらされますが、この図においては水槽の容積の拡大として実体経済の成長というものを表現しております。

 民間銀行が貸出しを行うときには、信用創造によって貸し借りが生じた瞬間に無から新たな預金通貨が発生します。これが、この右側に書いております民間借入れ、銀行によるマネーストックの発行という、右側の、民間の蛇口になります。これは政府による国債発行においても全く同様であって、新規国債発行によって財政支出を行いますと、市中銀行は保有する日銀当座預金で国債を買い入れ、そして政府は調達した日銀当座預金を使って必要な公共投資などの支払いを行います。すると、この緑のお金、マネタリーベース、日銀当座預金ですね、こちらが直接マネーストックとして、市中の新たな民間預金通貨としてマネーストックが増えていくというふうな仕組みになっています。これが左側、政府の蛇口の方になります。

 ここでポイントは、これが民間であろうと政府であろうと、誰かが新規の資金需要によって借入れをした瞬間にこの世の中に新たな預金通貨という形で貨幣、マネーストックの水位が増えて、逆に、市中銀行に返済を行う又は徴税による国債償還を行った瞬間に世の中から貨幣が消失して水槽の水位が下がるということがポイントです。このプロセスにおいて、新たに借り入れられた資金は支払いを通じて誰かの所得になって、そして次々と水槽の中を循環していきますから、借りたての資金は流動性が特に高い資金、すなわち、この図においては熱いお湯が注がれているというところで表現されております。

 ここから具体的な質問の内容に入っていくんですけれども、二〇一二年からアベノミクスにおいては異次元金融緩和という政策が取られまして、日銀が市中銀行から大量の国債の買いオペレーションを行いました。結果、市中銀行が保有する日銀当座預金、マネタリーベース、緑のお金は、四百兆円を超えて大幅に増加いたしました。しかし、ここで問題だったことは、幾らこのマネタリーベースが増えたところで、デフレ経済下において民間の方に新たな借入れをして資金調達をしようというふうなプレーヤーがいなければ、実体経済に影響を与えるマネーストック、青いお金の量は増えてはいかない、すなわち民間の蛇口は閉まったままになってしまうということです。

 当時、アベノミクスの第二の矢として機動的財政出動というものが掲げられていましたけれども、実際には、後の質問で触れます骨太の方針の中にプライマリーバランス黒字化目標というものが書き込まれ、さらに予算増額のシーリング規定が盛り込まれていたために、政府の蛇口を開く十分な財政出動がなされなかったものと認識しております。結果、民間企業から見れば、政府支出による投資予見性を確保することができず、設備投資は伸び悩んで、政府と民間の蛇口が両方とも閉まった状態になってしまいました。

 こうして、マネーストックが十分に増えず、賃金上昇が起こりにくい状況がつくられておきながら、更にそこに追い打ちをかけたのが二度にわたる消費税の増税と社会保険料の増大による手取りの減少です。可処分所得の減少によってGDPの六割を占める個人消費は減退し、需要の減少が更なるデフレ圧力となってしまいました。

 民間人、民間企業は、日銀に直接口座を持っておりませんので、この緑のお金、マネタリーベースに直接触ることはできません。デフレで民間の蛇口が閉まっている状況においては、政府こそがこの大量に蓄積したマネタリーベースを財政赤字を通じて直接マネーストックに変換できる唯一のプレーヤーです。

 そうであったにもかかわらず、このプライマリーバランス規律というものに縛られて政府の蛇口を十分に開けることができず、マネーストックが適切に増えなかったことが、日銀がずっと目指していた二%のインフレ目標というものに幾ら時間がたっても到達できなかったことの一因であるというふうに考えております。

 次に、資料の二枚目を御覧ください。

 こちらのグラフは、青線で表した非金融法人企業、そしてオレンジで表しました一般政府、それぞれの資金過不足の推移、左軸の何兆円ですね。それと、その合計であるところのネットの資金需要、先ほどの水槽の絵でいいますところのマネーストック、青いお金の推移ですね。その年度ごとの増減幅、これが右軸の対名目GDP比、パーセントで、一九九四年度以降についてまとめられたものになります。

 このグラフが真ん中のゼロより上のプラスの領域にあれば、借入金を返済してマネーストックを消している状態、逆にマイナスの領域にあれば、新たな借入れが発生してマネーストックが増えている状態というふうに見ることができます。

 このグラフを見ますと、日本経済が安定して成長していた一九九〇年代後半までは、マネーストックが年間でGDP比のおよそマイナス五%程度、当時の金額にしましておよそ二十から三十兆円ほど安定して増えていたということが分かります。

 しかし、バブルの崩壊後、民間企業は一気に借入れの返済に走り、この青い線がずっと上の方に増えていますね。そして、反対側で政府の赤字も増えはしましたが、トータルで見たネットの資金需要はGDP比でマイナス二・五%程度まで落ち込みました。特にアベノミクスが始まった二〇一二年度以降、政府は赤字の幅を減らし続けて、このオレンジの線がずっとゼロに向かって上がっていますね。そして、コロナ前の二〇一八年度には、ネットの資金需要、このグレーのバーはほぼゼロ%にまで落ち込んでしまいました。これが、先ほどの図で私が説明していた政府と民間の蛇口が両方閉まってしまったという状態です。

 その後、コロナ禍で一時的に財政支出が増えましたけれども、コロナ後は民間部門のゼロゼロ融資の返済なども始まりまして、二〇二四年度にはネットの資金需要はプラス三%、名目GDPを約六百兆円と試算しますと、一年間で世の中から約十八兆円もの貨幣が消失したというふうな計算になっております。

 財務大臣は、昨日の所信の中でも、政府債務残高対名目GDP比を安定して引き下げることを重要な財政指標として掲げられておりますけれども、それだけでは、先ほどの水槽の図において、政府の蛇口の状況にのみ目を向けているという状態になってしまいます。

 そこで、財務大臣にお聞きします。

 我が党は、この右側の民間の蛇口の開き具合を含めてトータルで経済状況を把握し、そして成長に必要なマネーストックが安定して増えていける環境をつくること、そして同時に、民間部門の投資が過熱しているような状況においては適切に政府支出を絞って経済のバブル化を防ぐということも必要です。そのために、ネットの資金需要というもの、これを財政指標の一部として導入して、そして、名目GDP比でマイナス五から七%程度、マネーストックが年間およそ三十から四十兆円程度増えていくということを目指して財政支出の範囲を柔軟にコントロールしていくということを提案したいというふうに考えておりますけれども、この案に対する財務大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

片山国務大臣 我が党にも積極財政の議員連盟というのがありまして、この資金過不足の表はよく拝見しておりますし、私自身も、これが、やはり非金融法人企業においてこれだけため込んでいるということは、様々な要因、中でも、金融破綻以降、ある程度ずっとですわね、ということに非常に関係があるということの説明で使わせていただいたりするんですが、一般論として、民間部門の資金需要が弱くなる景気後退局面等において政府が必要な財政支出を行って経済を支えるということは、おっしゃるように重要でありますし、そのようなことをやろうとしてきたわけではあります。

 他方、高市政権では、責任ある積極財政の考え方の下、日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくということに非常に重きを置いておりまして、それはここではちょっと見えない部分があるわけですね。

 単純に財政支出の規模で民間投資不足を補うという考え方では、マーケットは、債券の需給というのも非常に大きな状況でもありまして、こういったことで動いているだけということではないものですから、戦略的に財政出動ができるようにして、戦略的に財政出動をして企業の積極的な投資につなげる、何といっても投資が足りなかった、ここに重きを置いておりまして、ここに前向きな資金需要が生まれるような環境を醸成し、国内投資をとにかく促進するということが中心になっておりますので、全く違うことを言っているわけじゃないんですけれども、そこの視点があるということで。

 出すという意味では、ワイズスペンディングで、先ほどからるる申し上げておりますように、このめり張りもありますし、無駄撲滅もありますし、いろいろなことをやった上で、かつ経済政策のマクロ経済という意味では、当然量が必要な経済対策というのも状況によっては出てくるということは当然でございます。

 それで、ネットの資金需要を目標として設定するということに関しては、企業部門の貯蓄・投資バランスというのは、これは元々政府によるコントロールというのは非常に困難なものでありまして、政府と企業部門を合計したネットの資金需要というのは各部門の行動の結果であって、この統計は割と早く出てくるんですけれども、それでも何か月後に出てくるもので、事後的にしか確認できないという問題がありまして、実際にそれが実行できているところはないものですから、拡大して、考え方としてこういうものを取り入れて発言する方が我々の政府の委員にもおりますし、いろいろな政策議論の中には当然入ってきますが、財政運営の目標そのものということはなかなか難しいのかなというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 確かに、今おっしゃったとおり、このネットの資金需要というものは、実際にその年度が終わってみて、それで計算してどうでしたということが後から分かってくるという性質のものなので、事前に予測することは困難ではあるとは思いますけれども、一つの考え方として持っておいてもいいのではないかなというふうに考えております。

 そして、加えて、高市総理は、所信表明の中でも、行き過ぎた緊縮志向からの脱却と、市場から見た政府の投資予見性を確保するために、補正予算を組むことを前提とした当初予算編成から脱却するという方針を示されております。政府の骨太の方針、これは二〇二六ですね、これからつくっていく骨太二〇二六というところからいわゆるプライマリーバランス黒字化目標というものを削除したり、あるいは、骨太の方針二〇一五年から附則として引き継がれてきた、社会保障費以外の予算増額幅を三年間で一千億円以内に抑えるというふうなシーリング規定もあったというふうに認識していますが、こういったものを今度の骨太二〇二六において削除するつもりがあるのかどうかということについて伺いたいと思います。

 骨太二〇一五年の本文の中には、社会保障関係費の伸びは過去三年で一・五兆円、そして、別ページの附則五十八番というところに、一般歳出総額の伸びが過去三年で一・六兆円というふうに書いてあって、いずれも、この水準を二〇一八年までの三年間、同程度の増額に抑えるというふうに目標が記載されております。

 したがって、この二か所を総合して考えますと、社会保障関係費以外の伸びは、三年間で一・六兆円引く一・五兆円の差額〇・一兆円、一千億円ですね。これを三年で割ると、年間三百三十三億円しか社会保障関係費以外の予算を増やすことができないというふうなシーリングキャップがはめられているというふうな状態となって、これが骨太二〇一六年以降ずっと、前年に閣議決定した骨太の方針に基づきという文言によって、少なくとも骨太二〇二一年までは引き継がれていたものというふうに認識しております。

 骨太二〇二二年においても同様の表現を引き継いではおりましたが、ここで初めて、ただし、重要な政策の幅を狭めるものであってはならないという文言がつけ足されました。しかし、その後も、前年度の骨太方針の枠組みの中でといったふうな表記が残存しておりまして、このシーリング規定について、いまいち、今どうなったのか、やや曖昧な状態のままでずっと何となく引き継がれているのかなというふうに認識しております。

 高市総理は、給付つきの税額控除というものを改革の本丸だというふうにおっしゃっていましたけれども、このプライマリーバランス目標撤廃とシーリング規定の削除ができなければ、幾ら減税や積極財政というものをやろうとしても、従来どおり、どこかを削ってどこかを増やすということに終始することになってしまいます。そして、事実上、目標が骨抜きにされてしまうことになりかねませんので、この観点から、これから策定する骨太二〇二六こそ、本当の意味での改革の本丸ではないかというふうに考えております。

 高市総理も二年がかりの大改革になるというふうにおっしゃっていましたが、そういうふうにおっしゃっていたというからには、当然、この二〇二六年の骨太においては、PB黒字化目標、そしてシーリング規定の削除に手をつけるつもりなのかなというふうに解釈しておりますが、そこについての財務大臣の認識はいかがでしょうか。

片山国務大臣 高市内閣では、市場動向や経済動向を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくという方針を取っております。

 このPBの黒字化目標についてでございますが、高市総理は、単年度ごとのPB黒字化目標の達成状況を見ていく方針というのを、数年単位でバランスを確認する方向に見直したいなどといった取組をおっしゃっておりまして、一年一年でプライマリーバランスが幾らかというところに拘泥するのは、これはやらないということでございます。

 他方、今回の当初予算におきまして、あのプライマリーバランスが一般会計において達成してしまったと。これは、私もG7の蔵相会談なんかで言いますと、そうなんだという話と、それから、世界経済フォーラム、ダボスでも、財政収支差が今、この年度において、何とG7国の中で日本が一番いいということを言えたものですから、一時ちょっと、ダボスの世界経済フォーラム前後において我々の政策が誤解されまして、大変、売り浴びせじゃないですけれども、その危険があったときがあったんですが、これはもう全くそうなんだと、数字はうそをつかないのでね、非常に効果がありまして、そこは収まったということもあるので、プライマリーバランスも役に立つことも当然あるんですけれども。

 今言ったようなことが総理の今までのお述べになった方針でございますので、今後とも、やはり、債務残高対GDP比の安定的な引下げ路線を中心にしながら、具体的な指標も明確化しつつ、今年の骨太の方針の策定に向けて鋭意検討を進めている、そういうことでございます。

 また、御指摘の非社保ですね、骨太の方針二〇二五において、骨太の方針二〇二四で示された歳出改革努力は継続することになると思いますが、経済や物価動向等を踏まえ、各年度の予算の編成において適切に反映するとされておりまして、若干修正というか、大分変わってきたところがあるんですが、これを踏まえて編成した、今、国会にお出ししている令和八年度予算案におきましては、非社保費は、経済、物価動向等を適切に反映するとともに、複数年度の取組、歳出構造の平時化に向けた取組などを通じて、対前年度当初予算比で一兆三千億円、一・三兆円程度増額したということでございます。

 令和九年度予算に向けては、民間事業者や地方自治体の取組を後押しするため、政府の予算の予見可能性を確保する観点から、毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置するなど、概算要求の段階から政府の予算のつくり方を改めていく方針でございまして、この目標と同様に、骨太の方針の策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただきましたプライマリーバランス黒字化、市場からの信認ということを財務省の方々はいつもおっしゃいますけれども、我々も決して野方図に幾らでも増やせばいいと言っているわけではございませんで、やはり、先ほど水槽のパネルで示しましたとおり、信用創造、信用貨幣論というものに基づく、実際のオペレーションがそうなっているとしても、市場の参加者の多くが商品貨幣論を中心として、政府が国債を発行すると民間のマネーストックからお金を持っていっているんだというふうな、ある種勘違いではあるんですけれども、そういった考えをしている方が世界中に多くいる場合、日本政府が思い切った積極財政、減税といったことを打ち上げたときに市場がパニック的な反応を起こしてしまう、このリスクがやはり非常にあるのかなというふうには認識はしております。

 そして、今回の選挙におきまして、自民党、日本維新の会を含めた与党が三分の二をはるかに上回る大勝ということになっておりますけれども、昨年の参議院の財金委員会で我が党の松田学議員からも行った質問とも重複しますけれども、与党が圧倒的な多数の議席を得た今こそ、ずっとできなかった思い切った改革を行う本当にチャンスじゃないかというふうにも考えております。

 今回、これから三月三十一日までの日切れ法案として特例公債法の改正というものも上がっておりますけれども、それをずっと特例で出し続けるということがもはや常態化していますので、財政法四条の赤字国債の発行を禁じる条項というものを根本的なところから削除して、特例公債法に頼らずとも必要な予算を確保できるような状況をつくっていくべきではないかというふうに考えますが、この点について財務大臣のお考えはいかがでしょうか。

片山国務大臣 財政法四条につきましてはそういった御意見も多々伺うんですが、国の歳出は租税等をもって賄うといういわゆる非募債主義の原則を取っている条文でございまして、公共事業費等の財源として建設国債を発行する以外の公債発行を禁じている条文でございます。

 一方、実際には歳出が税収を大きく上回る財政状況の中で特例公債の発行が続いているわけですけれども、特例公債法については、あくまで財政法の特例措置として期限を設けた上で、その背景となる財政状況や特例公債の必要性、授権期間における財政の持続性確保に向けた取組について国会で議論し、議決をいただいた上で財政運営を進めるということをずっとやっているわけでございますが、このプロセスがどうかということですね。

 このようなプロセスが我が国の財政に対する信頼の基礎を維持する一助となっているという面は私は否めないのではないかと思っておりまして、特例公債法による措置が確かに振り返ってみれば常態化しておりますが、だからといって財政法四条が単純に不要だということにはならないのではないかと考えております。

 いずれにいたしましても、高市内閣においては、責任ある積極財政という今御説明してまいりました考え方に基づいて財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく方針としておりまして、今、財政法四条の削除をどうしてもしなければいけないということは、そういうことではないし、またそれも適当ではないのではないかと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 これはちょっと通告にはございませんが、日本政府は国債の償還期限についていわゆる六十年償還ルールというものをしいているというふうに認識しています。諸外国では、こういったルール、何十年というルールの設定はないというふうに認識していますが、この六十年償還ルールというものがあることによって、毎年の予算の中に国債費というものが必ず一定入ってこざるを得ない、そして、それを踏まえた上での歳出費の計算になってしまうというところがございますが、この六十年償還ルールというものについても柔軟に見直しをしていっていいんじゃないかなというふうに考えますが、この点については財務大臣はどのようにお考えでしょうか。

片山国務大臣 私も主計局で法規課というところで管理職をしておりまして、まさにこういうことをやる課の企画官というか管理職をしておりましたんですが、六十年ルールを考えて、まさに今委員がおっしゃったように、その仕組みとして、国債費になって、それが計上されるということを長くやっておりますが、今この瞬間でこれを見直すということになると、市場の衝撃というか市場の受け止めがどうかということはまずあります。

 だから、現実的に今この状況でどうなのというとなかなかコメントし難いことがありますが、各々の財政についての指標の在り方とか財政秩序の守り方については、全く何の法令も、憲法上のものがある国もありますし、全く何の制約も課していない国というのはむしろ非常にまれなんですよね。

 また、我が国の場合は、確かに、昭和二十二年という時期ではありましたけれども、財政法を作ってこの形でやってきたということで、何らかの財政規律があるということが、さほどそれが異常ということではないんですが、それよりも、高市総理がいつも申し上げているのは、さっき委員がおっしゃったことの一部もありますが、それが責任ある積極財政としてそこまで必要だったかという部分があって、しかも、長年続いたデフレがインフレに転じたときに適正に対応したのかということがあって、そういうことはもう間髪を入れずに八年度予算案から見直せるところは見直して、今このような形にしておりますが、その今の問題につきましては一考以上の一考が必要かなということは考えております。

牧野委員 御答弁ありがとうございました。

 ここからちょっと話が変わりますけれども、生命保険業界の在り方について御質問をしたいかなと思っております。

 参政党は、行き過ぎたグローバリズムから日本人と日本の国益を守るということを一貫して訴えておりますけれども、今回は、生命保険業界を通じた国富の流出について質問をさせていただきます。

 先日明らかになりましたプルデンシャル生命の詐欺的行為は記憶に新しいところではあるかと思いますけれども、今、この生保あるいは損保にかかわらず、出向者による情報漏えい、あるいは架空契約とか詐取、こういった不祥事が相次いで、業務改善命令が多発しているというふうな状況と認識しております。

 こうした事案について、政府そして監督機関である金融庁の責任は極めて重いというふうに考えておりますが、まず、この点について、金融庁はどのように現状を受け止めていらっしゃるか、お願い申し上げます。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 昨今、委員御指摘のように、保険業界で不祥事が頻発しているということについては大変遺憾に思っております。我々としては、適正な監督を通じてこの問題が是正されるよう努めてまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 今、こうした不祥事といった事案が多発しているという状況にございますが、我々としては、それ以前に、この保険業界の既存の産業構造自体に大きな問題があるのでないかというふうに考えております。

 こちらは、金融庁の二〇二五年保険モニタリングレポートから抜粋いたしました主要生命保険会社の利益構造の推移になります。資料の三枚目を御覧ください。

 保険会社の収益は、利差損益、死差損益、費差損益の三つに分類することができます。このグラフにおいては、費差損益というのは青い網かけのところですけれども、事業費の支出予定額と実際に支出した額の差、ここは非常に規模が小さいので無視していただいて結構です。

 主に生命保険業界の利益に関しては、利差損益、予定利率に基づく運用の収益と実際の運用収益の差、そして死差損益、赤い部分ですけれども、保険金、給付金の支払い予想額と実際に支払った額の差から構成されていて、特に主要な生命保険会社の利益は死差益が多くを占めております。

 直近二〇二四年では、四兆円弱の利益のうち、三兆円弱を死差益が占めております。二〇一四年頃までは、御覧のとおり、バブル崩壊後の利差損益の逆ざや問題というものが発生しておりまして、この時期には死差益で利差益の穴を埋めるということも許容されたかもしれませんが、コロナ後の二〇二二年以降は、金利上昇局面に入って、利差損益もプラスに転じております。

 結論から申しますと、この死差益というものは、本来契約者が受け取るべきものであって、保護法益であるということを明確にするべきだというふうに考えます。このために、保険業法五十五の二の余剰金の分配に関する保険業法施行規則三十条の二、余剰金の分配の計算方法等で、死差益の一定比率の分配を義務づけ、株式会社についてもそれを準用するべきであるというふうに考えております。また、無配当保険についても、死差益が過大になる場合には、保険料の相殺等によって契約者負担の減額を義務づけるべきであるというふうに考えます。

 海外に目を向けますと、ドイツやイギリスでは死差益の約九割、その他の国でも死差益の半分以上を返還するという明文化したルール、あるいは慣習がございます。一方、日本では、医療アクセスが非常に容易で、衛生環境や治安が良好ということもあって、世界的に見ても、契約者が亡くなることなく満期を迎える割合が高く、死差益が非常に拡大しやすい、いわば保険会社から見ればおいしい市場である。にもかかわらず、死差益返還に関する明確なルールがありません。とりわけ、株式会社の場合は、第一に保護されるべき契約者ではなくて、株主が優先されるケースが散見されます。

 パネルはございませんが、四枚目にお配りしました表の資料を御覧ください。

 こちらは、実際に二〇二五年度三月の決算の数値を確認したものですが、第一生命の利益四千八十億円のうち五百五十億円、かんぽ生命の利益千二百三十四億円のうち八十億円が配当として海外に流出しております。

 また、外資系生命保険会社におきましては、アフラック四千二十九億円、マニュライフ九十四億円、プルデンシャル五百八十九億円と、この三社だけで四千七百十二億円が海外に流出しております。

 この数値は純利益とイコールになっていますけれども、これは、彼らの日本法人が向こうの本国から見ると一〇〇%子会社ということになっていますので、その利益の配当性向一〇〇%、外国人比率一〇〇%ということでこの計算になっております。これらは、利差益や費差益ではなく、日本の規制の不備をついた死差損益が大半を占めております。実際に、これらの外資三社にとっては、日本が収益ドライバーとして大きな役割を果たしています。

 以上の五社だけでも、株主配当で約五千億円超の流出が実際に発生していて、これらの例えば半分、二千五百億円が契約者配当などの形で国民に還元されていれば、毎年かなりの経済効果が見込めるとともに、多くの人の可処分所得向上に寄与できるというふうに考えます。

 こうした過大な利益が生じる構造が放置されていることを背景として、フルコミッション型の完全歩合制給与形態という下で、無理をしてでも契約を取らないと生き残れないというふうな心理的圧力が保険会社の営業社員に強く重くのしかかった結果、プルデンシャルで見られたような架空取引であるとか名義貸しといったことが横行するような状況につながったものというふうに考えております。

 保険業法というものは、保険は相互扶助のもので、利益は加入者みんなのものだという思想の上に成立した法律だというふうに理解しています。いま一度、この死差益は本来契約者が受け取るべき保護法益であるという観点から、規制の在り方を見直すべきではないかというふうに考えておりますが、金融庁、そして財務大臣のお考えはいかがでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 保険会社は、契約者への配当を支払う場合には、保険業法上、公正かつ衡平な分配を行わなければならないこととされております。金融庁は、配当が契約者に対して不当な差別的取扱いをするものでないことや保険料率について、保険商品審査等を通じて確認しております。

 契約者に対する還元の在り方につきましては、保険商品の設計に当たり、配当として還元するか、あるいは無配当とする代わりに保険料を下げるか、いずれかを優先するということについては、各保険会社の創意工夫の下、経営判断に委ねられることが重要だと考えております。

 我が国の外資系保険会社は、一般に無配当の商品が多いと認識しております。その背景としては、無配当商品の特性として、さきに申し上げたとおり、死差益が生じた場合には保険会社の利益となり契約者配当が得られないものの、逆に当初保険料の払込額を抑制したいといったようなニーズを踏まえた商品販売が行われてきたものと認識しております。

 いずれにいたしましても、生命保険会社の適切な商品設計の中で発生した死差益については、一義的には保険会社に帰属するものでございます。その分配については、株式会社や相互会社といった会社形態に応じて、株主や契約者に適切に分配されるべきものと考えております。

 金融庁といたしましては、現時点で直ちに死差益について還元率規制を設ける必要があるとは考えておりませんけれども、保険契約者の保護や保険会社の健全性と競争を確保する観点から、引き続き適切な制度運営に努めてまいります。

片山国務大臣 大臣にもというお話があったので。

 制度の整理としてはこういうことでございますが、今般プルデンシャル生命保険の営業者に対して非常に遺憾な事件が起きておりまして、今後こういうことが起きないようにどうするかということをやっているわけですから、様々な状況をきちっと調べて、適正な制度運用、国民から見て納得できるような制度運用に努めてまいりたいと思っております。

牧野委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、峰島侑也君。

峰島委員 チームみらいの峰島侑也です。

 本日は、財務金融委員会において質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、やや個別の政策に踏み込みまして、中小企業支援の在り方、設備投資促進税制、そして賃上げ促進税制、確定申告の自動化という四点について順次お伺いしてまいりたいというふうに考えております。いずれも、日本の財政、経済について重要な論点だというふうに考えております。是非、答弁のほどをお願いいたします。

 まず最初に、成長を目指す中小企業に対する支援についてお伺いをします。

 政府は今般、売上高百億円超えを目指す中小企業を重点的に支援する方針を打ち出していると理解をしております。日本の中小企業は全企業数の中の九九%以上を占め、そして雇用の約七割を担う大切な存在であり、その成長を後押しすること自体は私も重要な政策課題だと認識をしております。

 日本経済の底上げには、中小企業が規模を拡大し、生産性を高めていくことが不可欠です。私自身も中小企業で勤務をしておりました。そして、まさしく売上高百億円を目指す会社、そして結果的には百億円を突破してきました。こういった会社が伸びていく、こういったテーマを取り扱うこと自体、非常に私自身も評価をしております。

 ただ、その上で確認させていただきたい点としては、売上高百億円、そういう数字が政策の起点になることの理由でございます。現状、日本の中小企業の多くは、事業承継の問題、人手不足、資金調達の困難など、様々な構造的な問題を抱えていると理解をしております。こうした中で売上高百億円を支援の基準とした理由をお聞かせいただければというふうに考えております。

 また、この支援策によってどの程度の企業が中堅企業へと成長し、結果として日本経済全体にどのような波及効果をもたらすと試算されているか、そういった点についてもお伺いできればと思います。

 この点については政府参考人の方に御回答いただければというふうに考えております。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御言及のとおり、経済産業省におきまして、現在、売上げ百億円を目指す企業、中小企業を創出するという事業を行っているところでございます。

 売上高百億円超を目指します中小企業は、一般的な中小企業と比べまして、まず賃金水準が高い、そして輸出による外需獲得をしている、さらには、域内の仕入れ、そういったようなものもやりながら、サプライチェーン全体への波及効果が大きい、こうしたことで非常に支援をする意義があるというふうに考えてございます。地域にこうした成長志向の中小企業を数多く創出するということで、地域経済の活性化、ひいては日本経済への成長につながる、こういうのが基本的な考え方でございます。

 なぜ百億にしたのかという委員の御指摘の点でございますけれども、この政策の検討に当たりまして、多くの経営者の方々からお話をお聞きしました。その中で、やはり企業の成長とともに課題が変化するということ、一つの目安としまして、例えば、売上げ二億円から三億円の企業が十億円を目指す、そこに一つの壁がある、さらには、売上げ二十億円から三十億円の企業が百億円を目指していくところにまた壁がある、こうした共通項が認識をされたところでございます。こうした壁をうまく克服していく、そういう中で政策を実現をするということで百億を設定をしました。

 具体的には、百億円を目指す上では、MアンドAを通じた経営資源の獲得、さらには、成長型の組織づくり、非連続の成長をさせる資金の調達、こういったものがその以前の段階に比べて必要になる、こういったような課題があるということが注視されたところでございます。こうした中で、百億円へ向かう壁、ここを克服するという政策を実現することが重要である、こういう趣旨で政策を立てさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

峰島委員 詳細に御回答いただきまして、ありがとうございます。

 百億円を目指す会社、これが、サプライチェーン上も、また賃金水準、輸出の面から見ても重要であるということを理解いたしました。

 この点について少し質問を追加させていただきますと、お伺いしたい点としては、例えば百億円を下回るような規模の会社さん、例えば今名前が出ましたような、十億円を目指す、二、三億円程度の売上げの会社さん、こういった会社さんが、逆に言えば、賃金水準等でも、また販路の面でもまだまだ課題がある、こういった会社さんを支援していくということも可能性としてはあったかと思います。

 また、百億円を目指される企業、こういった会社さんは、現在の株式市場では上場が可能な水準にあるというふうに私は理解をしております。既にそういった経営リソースへのアクセスがある会社さんを更に支援するというような意思決定をされた、その背景についても簡単にお伺いできますでしょうか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。二点に分けてお答え申し上げます。

 まず、委員御指摘の十億円未満の会社にもそのような可能性があるのではないかという点でございます。

 その点につきましては、おっしゃるとおりだと思ってございます。したがいまして、現在、百億円企業を目指すという創出事業に加えまして、次に十億円、先ほど申し上げましたように、二億円、三億円の企業が十億円を目指すところにまた一つの壁がある、この壁に着目した政策を現在検討中であるということでございます。

 したがいまして、まずは百億円企業を目指すというところをしっかりと打ち出した上で、十億円企業といったようなところも併せて成長志向型ということで支援をしていきたい、こういうことを考えているというのが一点目でございます。

 二点目、なぜ、成長している、上場が可能なような、そういったような企業に支援をするのかということでございます。

 この点は、先ほど申し上げましたように、我々が経営者の方々からヒアリング等をさせていただいていく中で、やはり乗り越えられない壁があると。更に言うと、金融機関との関係でも、事業性の融資がなかなか得られないとか、やはり大幅な設備投資をするときに、例えば、二十億円の企業が十億円の設備投資をするときになかなかそこでファイナンスがつかない、このような課題をお聞きしてきたところでございます。そうしたことで、政府として政策を打ちながらそうした百億円を目指す企業を応援する意義があるというふうに考えたところでございます。

 以上でございます。

峰島委員 ありがとうございます。

 そういたしましたら、次に、百億円自体の妥当性と代替基準の可能性についてもお伺いしていきたいと思います。

 これは、百億円宣言というものを百億円を目指す会社さんがしているというふうに理解をしております。例えば、百億円を目指す上でどのような設備投資を行っていくか、そのようなロードマップを示すということが支援対象になる一つの要件だというふうに理解をしております。

 しかし、この基準について私が懸念している点を幾つか申し上げます。

 第一に、ある種、目標の達成を目指すロードマップの作成をすること自体が支援を受けられる仕組みであれば、支援を目的として形式的にこのようなロードマップを作成するという企業が現れる可能性はございませんでしょうか。また、第二に、この百億円という目標自体が、業種であったりとか地域、そういったものによって達成難易度が異なるというふうに理解をしております。また、第三に、代替となる基準も検討に値するんじゃないかなというふうに考えております。具体的には、売上げの実績の成長率又は雇用の増加率、そういった指標も検討できるというふうに考えております。

 政府として、百億円を目指していく、百億円宣言を基準として採用した理由と、ほかの基準との代替可能性についてお伺いします。

山崎政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、前提といたしまして、先ほど御答弁いたしましたとおり、百億円というものを一つの基準として考えた大きな理由は、売上げ二十億円、三十億円、そういうところから百億円を目指すところに対して、共通のやはり乗り越えなきゃいけない課題があるというところが浮かび上がったからというところが大前提でございまして、それを前提としまして今の委員の御指摘についてお答えをさせていただきますと、まず、そもそも支援を目的とするか、こういったようなことでありますけれども、現在、我々、売上高百億円を目指す宣言をまずしていただくというフェーズと、その宣言をしていただいた方が、例えば我々の設備投資を補助する補助金に申請をしていただく、この段階は分かれてございます。

 この百億円を目指すということは、まず、経営者の強い意思とリーダーシップ、ここが不可欠であり、それを示していただくというところがまず根本として必要だということを考えてございまして、したがいまして、主観でもよい、不確実でもよいけれども、まず、経営者が売上高百億円の実現に向けたビジョンや課題を従業員、取引先、地域社会に対して宣言することそのものが極めて重要である、こういう前提に立ってございます。

 さらに、先ほど申し上げたように、例えば百億円宣言をされた方が補助金の申請をされる際には、我々、中小企業成長加速化補助金というものを現在執行してございますが、この審査プロセスにおきましては、成長率や賃上げなどのいわゆる成長経営に不可欠な数値目標、こちらを評価する、そういったことに加えまして、投資の専門家である第三者委員が、経営者自らから、さらにその投資計画を評価した金融機関から直接説明を受けて評価をするといった、定量、定性両面からの総合的な評価を行ってございまして、そうした不確実性について、より確実である実現可能性を確認する、こうしたことを車の両輪としてやらせていただいているところでございます。

峰島委員 ありがとうございます。

 百億円宣言の部分はあくまでも必要条件であって、それ以外の指標の方でも改めて審査をしているということで理解をいたしました。ありがとうございます。

 そういたしましたら、二つ目のテーマについてお伺いしていきたいと思います。こちらは財務大臣にお伺いできればというふうに考えております。

 第二のテーマは、大胆な設備投資促進税制についてお伺いしたいと思います。

 今回提案されている大胆な設備投資促進税制について確認をすると、二〇一四年に成立した生産性向上設備投資促進税制と類似した構造が見られるかと思います。二〇一四年の制度は、最新モデルの機械設備など、一定の先端設備に対して即時償却又は税額控除を認めるものでした。

 まず確認したいのは、具体的に、制度を利用した企業の設備投資額は利用しなかった企業と比較してどの程度増加したのか、この設備投資が実際に生産性向上や売上げ増加につながったのかという、二〇一四年制度の評価をどのように行っているかという点でございます。まずはこの点について御回答いただければと思います。

片山国務大臣 委員御指摘のとおり、平成二十六年度の税制改正におきまして、これは消費税率八%への引上げに際しての経済対策といたしまして、企業が生産性向上に資する設備などの取得をした場合に即時償却又は税額控除の適用が可能となる制度、生産性向上設備投資促進税制、これを創設いたしました。

 企業の投資行動というのは、この税制のみならず、様々な経済環境等、影響要因が多いので、なかなか税制のみの効果のみの抜き出しというのは難しいというかできてはいないんですが、参考的な数字があるとしたら、平成二十五年度には設備投資は八十一兆円でございましたが、二十八年度には八十七兆円になっておりますので、少なくともプラスの効果は、一定促進の効果はあったのではないかと考えております。

峰島委員 ありがとうございます。

 ちなみに、ちょっと更に追加して御質問させていただきたいと思いまして、こちらは政府参考人の方でも可能でございます。

 先ほど、二〇一四年の制度につきまして、税制単体についての評価が難しいというような御趣旨の御発言があったかなというふうに思われますが、一旦、今回の、今年出しているこの設備投資促進税制につきまして、二〇一四年に実施された類似の制度、これをどのように生かしながら制度設計をされているか、もしそのような工夫があれば是非お伺いできればというふうに考えております。じゃ、大臣。

片山国務大臣 恐らく、これの租特は一遍やめているわけですから、そういう意味もあっての御質問かなと思うんですけれども。

 これは、やめましたのは、投資が増えなかったからやめたというようなことというよりは、いわゆる財源ですね。責任ある積極財政になっていたらどうだったか分かりませんが、財源ということで、法人税を下げるので財源に使ったというような趣旨だったと記憶しておりますが。

 今に比べて、この生産性向上設備投資促進税制は、経産省の方の確認を受けなくてもいい制度で、日本産業機械工業会とかその他の団体で、旧モデル比で年平均生産性が一%以上向上されるというふうに認めていただいた設備であれば、これを導入したらこの制度が適用できる、こういう仕組みだったというふうに聞いております。

 今般は、大胆な設備投資促進税制ですから、投資計画におけるROI、投資収益率ですね、これが一五%以上であること等について、今度は経済産業省の確認を受けることが要件として定められておりまして、効果の見込まれるような設備投資の実行が見込まれるようになるであろう、そういうような設計というか、また、事後的な効果検証も、委員がよく御指摘になるように、数字がはっきりと出ておりますので、こういう仕組みに改善といえば向上しているのかなというふうには思っております。

峰島委員 ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたように、私自身も、今回、税制の変更を見ますと、この税制がかなり、減収の割合としては金額が基礎控除の引上げに次いで大きくなっているというところで、今後の効果検証というところについては、是非、引き続き御協力させていただければというふうに考えております。

 三つ目に、賃上げ促進税制についてもお伺いしたいと思います。こちらについても、大変恐縮ですけれども、効果検証についてお伺いをしたいというふうに考えております。

 この賃上げ促進税制、一定以上の賃金引上げを行った企業について税額控除を認めていく、そういった制度であり、近年、継続的に拡充されてきたものだというふうに考えております。しかしながら、実質賃金がなかなか上昇しないという状況が続いていることを踏まえたときに、この税制が本当に賃上げに貢献してきたのかどうか、冷静に検証する必要はあるというふうに考えております。

 以下の点についてお伺いしたいと思います。

 従来の賃上げ促進税制の効果について、政府はどのように検証して、どのように評価をしているのか、このような点についてお答えいただければと思います。こちら、政府参考人の方に御質問できればと思います。済みません。財務大臣です。大変失礼しました。よろしくお願いします。

片山国務大臣 お答えをさせていただきます。

 令和八年度税制改正案における賃上げ促進税制でございますが、今回、大企業向けの措置、これを令和八年度に廃止するとともに、中堅企業向け措置は、要件を強化した上で、適用期限をもって令和九年度に廃止するということの見直しをしているわけですが、この背景は、足下の賃金上昇率がバブル期以来の水準となる高い伸び率を示しておりまして、ある意味、防衛的賃上げというんですか、これをしないとそもそも人が来ないとか、そういう状況が続いて定着しているということになると、この措置の要件としている賃上げ率はそれより低かったものですから、それを大きく超えているものを条件として、どうなんだという御意見というか御議論がございました。

 このほかに、コーポレートガバナンス改革というのを今度やるわけですが、人的資本への投資促進が企業の責任として求められるようになるような方向で、これは金融担当大臣として申し上げますが、金融庁の方ではそういう形で、今、座会を持っているということでございまして、また、中小企業の人手不足感が大企業よりも強いという状況にあるということ等の事情がございました。

 また、賃上げは、企業収益の動向や雇用情勢等、税制以外の要因による影響も受けるため、税制の効果だけを取り出すことも非常に困難ではありますが、それを踏まえましても、適用企業の賃上げ率と本措置の賃上げ要件との間に必ずしも関連性が見られない部分があって、本措置がインセンティブ措置として十分に機能していないおそれが、先ほど申し上げた点についてはあったということで、今回の税制改正においては、与党でこういった御議論をいただきまして、大企業向け措置の廃止など、今申し上げたような抜本的な見直しを行うこととしたところです。

 租税特別措置については、今回見直しも行うので、そこでEBPM的な客観的なデータがどこまで出せるか、これは本当に難しいんですよ。各国いろいろやっておりますが、絶対的正解はない世界ではありますが、何といってもAIの世界がこれだけ広がっておりますので、いろいろと駆使して、できるだけ客観的な分析ができるようになるようにしていくことが重要であると考えております。

峰島委員 ありがとうございます。

 こういった税制の効果検証というところの難しさ、そういったところは私も推し量るところではございます。こういったところでも、与野党一体となって、進められるところは進めていければというふうに考えております。

 そういたしましたら、最後のテーマに移ります。確定申告の自動化についてお伺いしていきたいというふうに思います。

 政府は従来より、税務行政のDX、これを重要課題として位置づけていたというふうに理解をしております。また、国税庁も、納税者利便の向上と、そして、適正、公平な課税、徴収の実現を目標に掲げていらっしゃったというふうに理解をしています。そして、この方向性は大変私自身も重要だと考えており、積極的に推進すべきというふうに考えております。

 そして、元来、多くの納税者、特に副業収入があるようなフリーランスの方であるとか会社員の方、そういった方々は、確定申告の手続が大変煩雑だという意見が多かったかと思います。しかし、直近、確定申告はe―Tax等の普及により一定のデジタル化が進んでおり、これは私が個人的に観察する範囲においても、その普及を喜ぶ声というのが非常に多く見られるかと思います。そして、私個人もこの取組をより前に進めていくべきだというふうに考えております。

 そこで、伺います。政府として、確定申告の利便性向上に向けた今後のロードマップはどのような姿を目指しているのか、可能であればタイムラインも含めてお聞かせ願えればと思います。

 少しつけ足させていただくと、例えばエストニア等では、既に、税務当局が事前に申告書を作成し、納税者が確認するだけで納税ができるようになるといった事前記入の仕組みが導入されており、また、イギリスでも、これに至るためのロードマップを作成済みだというふうに聞いております。日本においてもこうした方向性が検討されているのか、そういったところも含めてお願いできればと思います。

田原政府参考人 お答えいたします。

 国税庁では、納税者利便の向上を目的といたしまして、数回のクリックやタップで確定申告が完了する仕組みであります日本版の記入済み申告書の実現を目指すこととしております。

 具体的に申しますと、令和二年分の確定申告から、e―Tax等とマイナポータルを連携することで、申告手続に必要な控除証明書等のデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力する仕組みを既に構築しているところでございます。加えまして、令和八年一月からでございますが、生命保険や損害保険に係る支払い調書でありますとか、一部の寄附金控除に係る情報につきましても、新たに自動入力の対象としたところであります。

 国税庁といたしましては、更なる利便性向上に向けまして、厚生労働省やデジタル庁とも連携いたしまして、医療、介護保険料の社会保険料控除につきましても自動入力の対象とすべく検討を進めておりまして、引き続きマイナポータル連携がより多くの方に利用されるよう積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。

峰島委員 ありがとうございます。

 このような日本版の記入済み申告書の実現をしていく上で、税務当局が正確な所得情報を事前に把握できる仕組み、これをより広げていくこと、これが不可欠だというふうに感じております。

 そして、今、マイナポータルを通じた情報連携、これは任意となっているかと思いますが、一定の条件の下、義務化することによって、この普及を急速に進めていくことも可能ではないかというふうに考えております。政府とされては、どのようにこういった義務化の論点についてはお考えになられているのか、お伺いできればと思います。

田原政府参考人 お答えいたします。

 今ほど委員がおっしゃいましたマイナポータル連携を義務化することでありますとか、支払い調書の提出をより広範な事業者に義務化していくということに関しましては、デジタルに不慣れな納税者に対してのサポートでありますとか、証明書や法定調書等の情報を保有するための事業者側のシステム開発等の負担が生じることなどを踏まえながら、その必要性等について検討していく必要があろうか、このように考えてございます。

 国税庁といたしましては、確定申告に必要な情報がマイナポータル等の活用によりまして自動入力されることで納税者の利便性向上につながると考えておりまして、引き続き、連携対象の拡大など、マイナポータル連携について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

峰島委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 私からの質問は以上になります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、河村たかし君。

河村委員 減税こどもの河村たかしでございます。

 総理を狙う七十七歳、アゲインがアローンになりまして、どうも一分しか時間がないというところでございましたが、野党の皆さんのありがたい御配慮によりまして十五分ということで、サンキュー・ベリー・マッチと言っておきます。

 まず一つは、ちょっと国家の在り方の基本についてちゃんと言わぬといかぬなと思って。

 普通、私は民主党国会Gメンでスキャンダルの追及なんかを物すごいやっておったんですけれども、こういう根本問題、何が日本国を引っ張っていっておるのか、役人なのかラーメン屋のおやじなのか、それは根本的に考え方が違うんですよ。私は、御承知のように零細企業をやってきましたので、商売を盛んにさせる国をつくらずに、議員とか役人を盛んにさせたって何にもならぬですよ、言っておきますけれども、こんなの。

 ということで、何を問題にしたいかというと、先ほどちょっと答弁であったけれども、片山大臣の話を聞いておって、財政法四条というのがあるわけです。これは、初めてテレビ、見ておる人があるかも分かりませんけれども、とんでもない法律で、四条本則は、要するに、行政とか政治とかそういうものは銀行の金は使ってはいかぬと書いてあるんです。使ってはいけないと書いてあるわけです。例外としていわゆる建設国債が書いてあるということで。地方財政法五条というのも、これも最低ですよ。地方財政においても要するに税金でやりなさいと書いてあるわけです。

 だけれども、税金だけでやれるわけないじゃないですか、国というのは。だから、当然、民間にあるお金を使っていくわけですよ、銀行に。それをやってはいかぬと書いてあるのが財政法四条で、もう廃止せないかぬといって今ちょこっと議論が出たんだけれども、片山大臣、財務省と同じことを言っておってどうするの、あんた、本当に。

 私は、高市さんも新進党で仲がよかったんです。あのときは自民党をノックアウトしようといってやっておったんだで、一緒に。有名な、第一委員室で座り込んでおる写真がありますが、ネットに出ておるけれども。高市さんが前におって、次に私がおります、そこでは。

 やっておったんだけれども、責任ある積極財政と言うんだったら、財務省と同じことを言っておったら本当に国は潰れますよ。役人は栄えますわ、役人と議員は、ここにおられる方は。税金を払う方の、肝腎な商売をやっておる人がどえらい苦労して、税金で食っとる方の役人や議員が極楽の社会でどうするんですか。ぼんぼんばかりだし、役人ばかりだし、議員も。これは地方でもそうですよ。

 そういう中で、これはちょっと励ましで言うんだけれども、片山大臣、また後で聞きますけれども、是非、財務省と同じような、要するに、財政法四条は廃止する、税金だけでやれという国はできるわけないわけですよ。だから実際は特例法でやっておるわけです。それはええじゃないかと。本音と建前を分けろと。

 これは戦後日本の弱体化二大法制といいまして、一個は憲法九条です。これで、戦争が終わった、どうしてもGHQは、人間がおらぬもんで、役人にやってもらおうという国にしたんですよ。だけれども、余り強くなるといかぬので、憲法九条で軍備は駄目よ、それから財政法四条でお金も駄目よとしたわけですよ。

 それはずっと、もう変わらないかぬのだけれども、それを変えずに積極財政なんて言っておったら、できるわけないし、これだけ自民党もようけ国民の皆さんの支援を得たんだから、それだけの、片山さんぐらいの人だったら、度胸を出して、変えますと、財政法四条。ないし、少なくとも、検討しますは言わないかぬと思うが、どうだね。

片山国務大臣 河村たかし元名古屋市長と愛知のテレビ番組やいろいろなところで何度も対談させていただいて、減税日本、それからコーヒー一杯五百円減税、あの強烈な勢いを我々は本当に、一時は自民党の市会議員がいなくなりそうになりましたけれども、何とか応援して、何とか踏みとどまってやってきたその中で、河村節がいかに強いかというのは私はよく分かっておりますが。

 この問題をずっと、衆議院に復帰されてから鈴木俊一大臣にも加藤大臣にもお聞きいただいているということで、まさに今おっしゃったGHQとの関係ということだと、財政法が制定された当時、確かにそのときは昭和二十二年ですから独立しておりませんから、当然、全ての法令はGHQとの間で議論が、なかったということはないからあるんでしょうけれども、あくまでもその内容は日本政府の立案によって草案を作成して、司令部の議論の上、経た上で国会に提出して通ったというのが鈴木元大臣のお答えであり、加藤大臣からは、あくまでも日本政府の立案により素案を作成し、国会での審議を得て成立したということでございまして、これが我々の公式見解であります。

 地方財政法についてもここで条文を配っていただいているんですが、地方もひどいといえば使う側から見ればそうかもしれませんが、いわゆる公共というか、交通、ガス、水道等、それから出資金、貸付金、借換債、災害対策、学校等と、かなり地方債が元々財源となれるものについての列挙もありますし、名古屋においては、比較的財政規模の大きいところで、皆さん、なかなかの財政やりくりをやっておられるのを、私も名古屋に地盤も後援会もありますので、拝見をしております。

 また、財政法四条の問題につきましては、確かに特例公債が恒常化しているという話は先ほどからずっと出ておりますが、そんな中で、特例公債法を国会で都度都度御審議いただき、そこで様々なガバナンスもつけていただいてということがあったわけで、こういう考え方自体が、今我々が言っている強い経済と財政の持続可能性の両立を図る責任ある積極財政と相反する、そういうことではないというふうに考えております。

河村委員 これでは駄目だ。せっかく国民の皆さんが高市それから片山さんたちに期待して。やはり商売を盛んにさせないかぬですよ。商売を盛んにさせるような、今日、日銀の総裁も来てもらっておるけれども、日銀の総裁も名古屋で毎年一遍ずつ会いますので、いろいろわあわあ言っていましたけれども。

 先ほどの話で、それじゃ、今ここに加藤大臣がおるもんで、加藤大臣の答弁のときは、昭和二十二年ですけれども、GHQの指示があったかどうかについては財政学上議論がある、指示はないかもしれぬけれども、話し合ったというところまでは書いてあるんですよ、日本政府とGHQと。だけれども、加藤大臣の答弁は、その話し合ったというところも消えておるわけです。今、どうも、聞いておると、話し合ったというところまでも消したいと、この際。本当に日本政府だけで独自にこういう、税金だけで国をやりなさい、原則、そういう国を目指していくというふうで、そちらの方の解釈を維持するわけね、大臣、ほんなら。

片山国務大臣 財政法の制定の経緯でございますが、昭和二十一年七月に臨時法制調査会というのが設置されて、これは新憲法制定に伴う附属法案を審議するための設置でございますが、その後の経緯の中で、昭和二十一年十一月末頃、GHQ司令部との折衝があったのではないかということは、こちらの資料にございますが、二十二年三月に財政法が国会に提出されたので、折衝があったのではないか、十一月末ぐらいですか、ということまで別に完全に否定しているわけではないし、そのときに我が国は占領状態ですから、独立していないわけですから、そのこと自体を否定しても仕方がないし。

 いろいろと我が党の議員も何回か、この辺については質問をしておりますが、基本としては、これは、政府の考えとして、政府の、国会を通した法案として成立しているというのは、これは事実でございます。

河村委員 あと五分しかありませんので、取りあえず、日銀総裁が来てみえますので、今、日本銀行当座に幾ら金が余っておって、実は、そこへ驚くべき金利を払っておるわけですよ。その事実についてまず言っていただいて、それについてどう評価されておるのか。

 要するに、金は、国民負担率の四六%で、政府にもありますけれども、社会保険料。もう一つ、銀行にあるんですよ、金融機関に。余って困っているんですよ。その銀行が今、もうかってしゃあないんですよ。ここのお金を使っていかぬというルールは、日本国は、昭和二十二年、GHQの指示があったかどうかは論議があるところだけれども、によって作ったやつは、漫然と使い続けておるわけです。こんなふうで、それこそ、商売が栄えるわけないでしょうということで、総裁、せっかくおいでになったので、お願いします。

植田参考人 河村先生御指摘のとおり、私どもの、日本銀行の当座預金残高は、一月末時点で約四百七十兆円でございます。

 このうち、所要準備というものがありますが、それを除いた残高につきましては、これは超過準備と呼んだりしますが、〇・七五%の金利、付利金利が適用されております。

河村委員 役人の方から、せっかく総裁が来てもらって数字を言うだけではいかぬので、その評価を聞いてくれと言われましたので、一言お願いします。

植田参考人 やや技術的になって恐縮でございますけれども、日銀の当座預金に対する付利、利子を払うことですが、これは、多額の超過準備が存在する下で、短期の金融市場において、政策金利の誘導目標、政策金利ですね、これを実現するために行っているものでございます。

 仮にこれをしないとしますと、金融機関は、超過準備を短期金融市場に放出いたします。そうしますと、短期金利が低下しまして、政策金利が目標水準に誘導されない、実現されないという事態になります。こうした付利の取扱いは、アメリカやヨーロッパ、あるいはイギリス等でも同じでございます。

 ただ、その上で、委員御指摘のとおり、金融機関が成長投資に積極的に取り組み、企業の成長を支える役割を果たしていくことは経済の活性化につながると考えます。

 金融機関がどういう貸出しや投資を行うかはそれぞれの経営判断でありますが、信用創造機能を発揮し、経済に前向きな動きが広がることを期待しております。

河村委員 そういうことですけれども、それをなしにしますと銀行は貸し出し競争を始めるもんで、まずいので、最低の〇・七五をつけて、何もせぬでも、金融仲介機能を果たさぬでも、日銀に預けておくだけでめちゃくちゃもうかるようになっておるわけですね、今。だけれども、今言われたように、日本だけじゃないです。ドイツなんかも困っておるらしいですわ、これで、どうするかと。大規模な、要するに、お金を出しましたものですから。

 ということはええんだけれども、そうしましたら、そういうことで、これも言っておかなきゃいかぬのだけれども、よく言われるけれども、省エネの賦課金なんかでも、今や、太陽光発電、風力とか、ああいうのは駄目じゃないかと言われておるんだけれども、ちょこちょこは変えておるようだけれども、結局、一旦役所で決めたことをよう変えぬのですよ、大臣。

 だで、私らは、国民の皆さん、物すごい議席、ようけ自民党はおるけれども、みんな、そういうことを変えてくれるんじゃないかと。役人が決まった金だけ使っておるのから、商売を盛んにさせるように日銀にある金ももっと使ったらどうだ。例えば、片山大臣だって、UFJ銀行の頭取に会って、是非お金を百億でも貸してくださいと。民間はみんなやっているんだから。金融機関からお金を借りるのに頭を下げるわけですよ。

 そういうことがあなたは分からないのか、分かっておって、それを言うと党内で出世できぬのか、どっちですか。

片山国務大臣 高市内閣は、強い経済をつくるために国内投資をとにかく増やす、強くするということ、このためには民間がリスクを取って融資をしなければなりません。民間に全てのリスクを取らせるということをやってくると、過去のように投資が出てこないということがもう分かっておりますので、官民ファンドですとか、官によるかなりの出資をしておりますが、今年のテーマは、三メガバンクの方々もおっしゃるようになりましたが、金融機関が久しぶりにリスクを取って踏み出すと。これができるかどうかが強い経済に移行できるかどうかに懸かっておるという認識で金融担当大臣として努めております。

河村委員 そんなことになりゃせぬのですわ。民間が、要するに銀行が貸せないから役所がやはり思い切ってやらにゃいかぬの、本当は。

 だで、地方財政法の問題も最後に聞きますけれども、首長もそこにおるけれども、みんな、どうなっておるかいうと、市長をやったって、財務担当者が来て、これだけしかお金がありませんから、それで終わりなんですよ。地方自治体が進んで、こういうことで投資するから金を貸してくれと。お金はどこにあるか、銀行に幾らでも余っておるわけです。そっちは使っていけないということになっておるわけですよ。そういうところに踏み込まないと、あなたたちが言っておるようなことはできませんよということで。

 一言だけ。それじゃ、財政法四条、検討するぐらい言ったらどうだね、最後。

武村委員長 申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

片山国務大臣 時間が来ておりますので。

 いずれにしても、地方における、資金を導入、資金をうまく動かしていかないと今回の強い経済はできませんので、河村元市長のお知恵もおかりして、しっかりと資金が回るような対策を取ってまいりたいと思います。

河村委員 それでは、ありがとうございます。これで終わります。

武村委員長 以上で、大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。

 次回は、来る六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時三分散会


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