衆議院

メインへスキップ



第3号 令和8年3月6日(金曜日)

会議録本文へ
令和八年三月六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武村 展英君

   理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君

   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君

   理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君

   理事 萩原  佳君 理事 田中  健君

      浅田眞澄美君    石井  拓君

      稲葉 大輔君    井林 辰憲君

      岩崎 比菜君    上原 正裕君

      鹿嶋 祐介君    加藤 勝信君

      佐藤 主迪君    長澤 興祐君

      新田 章文君    藤田  誠君

      藤丸  敏君    古井 康介君

      松本  泉君    三反園 訓君

      三原 朝利君    森原紀代子君

      米内 紘正君    渡辺 勝幸君

      大島  敦君    大森江里子君

      岡本 三成君    一谷勇一郎君

      近藤 雅彦君    牧野 俊一君

      峰島 侑也君    河村たかし君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   復興副大臣        瀬戸 隆一君

   財務副大臣        中谷 真一君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   政府参考人

   (復興庁統括官付審議官) 大沢 元一君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   中山 光輝君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    青木 孝徳君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    寺岡 光博君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    井口 裕之君

   政府参考人

   (国税庁次長)      田原 芳幸君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            山崎 琢矢君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            長崎 敏志君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月六日

 辞任         補欠選任

  福原 淳嗣君     佐藤 主迪君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤 主迪君     藤田  誠君

同日

 辞任         補欠選任

  藤田  誠君     古井 康介君

同日

 辞任         補欠選任

  古井 康介君     福原 淳嗣君

    ―――――――――――――

三月五日

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

武村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣片山さつき君。

    ―――――――――――――

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案

 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案

 所得税法等の一部を改正する法律案

 関税定率法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

片山国務大臣 ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 政府は、責任ある積極財政の考え方の下、危機管理投資、成長投資といった投資すべき分野に大胆に投資するなど強い経済の実現に取り組むとともに、予算全体のめり張りづけ等を通じて、令和八年度予算では、国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させたほか、二十八年ぶりにプライマリーバランス黒字化を達成するなど、財政の持続可能性にも十分配慮してきました。しかしながら、日本の財政は、依然として歳出が税収を大きく上回る状況が続いており、今後も、特例公債の発行が必要な状況が続くことが見込まれます。

 この法律案は、こうした国の財政状況に鑑み、令和八年度から令和十二年度までの間の財政運営に必要な財源の確保を図るため、これらの年度における公債発行の特例に関する措置を定めるものであります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 令和八年度から令和十二年度までの間の各年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、当該各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができることとするとともに、経済・財政一体改革を推進する中で、行財政改革を徹底するものとする等の規定を整備することとしております。

 政府としては、引き続き、責任ある積極財政の考え方に基づき経済財政運営を行い、経済・財政新生計画の期間を通じて経済・財政一体改革の取組を進め、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。

 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 この法律案は、第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針を踏まえ、必要な法律上の手当てを講ずるものであります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 東日本大震災からの復興を図ることを目的として実施する施策に必要な財源の確保に関し、財源確保の対象となる復興施策の期間及び復興債の発行期間を令和十二年度まで延長する等の措置を講ずることとしております。

 次に、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 政府は、物価高への対応、強い経済の実現等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うため、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、物価高への対応の観点から、所得税の基礎控除の額等を引き上げるとともに、就業調整への対応及び中低所得者への配慮の観点から、所得税の基礎控除の特例の見直し等を行うこととしております。

 第二に、強い経済の実現に向けた対応として、大胆な設備投資の促進に向けた税制措置の創設を行うとともに、賃上げ促進税制の見直し、研究開発税制の強化、住宅ローン控除制度の拡充等の租税特別措置の見直しを行うこととしております。

 第三に、税負担の公平性を確保する観点から、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直しを行うこととしております。

 第四に、防衛特別所得税の創設を行うこととしております。

 このほか、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。

 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、令和八年三月末に適用期限が到来する暫定税率等について、その適用期限の延長等を行うこととしております。

 第二に、保税蔵置場の許可を受けた者等に対し、法令を遵守するために必要な業務の手順及び体制に係る規則の策定を義務づけるとともに、当該者等に対する業務改善命令等に係る規定を整備することとしております。

 第三に、輸入取引が小売取引の段階による貨物等であって、輸入者の個人的な使用に供されるものについて、その課税価格を当該貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格とする特例を廃止することとしております。

 第四に、不当廉売関税の課税の回避のために同関税の対象貨物の品目や供給国を変える迂回行為が行われる輸入貨物に対し、同等の割増し関税の課税を可能とするため所要の規定を整備することとしております。

 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、四法律案の提案の理由及びその内容であります。

 四法律案が現下の我が国の経済社会に果たす役割に御理解を賜り、何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

武村委員長 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、復興庁統括官付審議官大沢元一君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石井拓君。

石井(拓)委員 自民党の石井拓です。

 通告書のとおり質問をいたします。法案審査ということで、政府に法案提出の真意といいますか、提出するに至ったお考えをお聞きする質問ばかりですので、丁寧な回答をお願いいたします。

 それでは、早速質問に入ります。

 まず初めは、特例公債法改正法案についてであります。

 政府は、責任ある積極財政を掲げ、経済成長と財政の健全化の両立を図る姿勢を打ち出しておられます。財政運営については、従来のプライマリーバランス黒字化目標を維持しつつも、単年度の収支に過度に依存せず、複数年度でバランスを見るとの考え方を示し、経済状況に応じて柔軟な財政運営を行うとされております。

 令和八年度予算では、一般会計総額が百二十二・三兆円と過去最大規模となる一方、税収も八十三・七兆円と過去最高を見込んでおります。この結果、国の一般会計におけるプライマリーバランスは一・三兆円の黒字を見込んでおります。また、新規国債発行額は、前年当初予算に続き三十兆円を下回る二十九・六兆円とされておりますが、しかし、特例公債の発行自体は依然として必要な状況と言えます。そこで、現行の特例公債法の下で特例公債を発行できる期限が令和七年度までであることから、政府は、令和八年度から令和十二年度までの五年間、特例公債の発行を可能とすることの規定が本法律案であります。

 その際、市場の信認を確保するために、今後五年間の改革姿勢を明確に示す観点から、政府として、歳出歳入改革、社会保障制度の改革などの行財政改革を徹底すること、優遇税制などの租税特別措置や補助金などの適正化に取り組むことを同法第五条に定めております。

 昨日、本会議場で、我が党を代表して高村正大議員が質問をし、片山財務大臣から説明を受けたところでありますが、今の社会状況、経済状況を考えれば、輸入原材料やエネルギーなどの価格上昇や国際紛争などの外的要因も相まって、予想以上に財政支出が膨らむ可能性もあり、また、金利の上昇局面とも言え、国債の利払い費の増加が、財政の硬直化が過度に進んだり、歳入不足を特例公債で補うという悪循環が生じる可能性も否めません。

 そこで伺います。

 このような局面において財政運営の安全性、持続可能性を確保するための方策について、具体的なお考えがあればお聞かせください。お願いします。

片山国務大臣 まさに今委員が御指摘のように、昨今の世界経済情勢や国際金融情勢というのは不透明度を増しておりまして、困難な状態も当然予想される、こういう状況でございます。

 この中での財政運営でございますが、高市内閣では、責任ある積極財政という考え方の下、大きな変動要因を含むマーケットからの信認を決して損なうことなく、野方図な財政政策を取るということではなくて、きちっと、責任あるの方を維持していくということでございますから、その一番大きな例の一つとしては、私の下に租税特別措置・補助金見直し担当室が既に設置されております。これは内閣が発足してからそう時間を置かずに設置ができておりまして、関係閣僚会議、副大臣会議も既に一回目を開いておりますが、ここで行財政改革をしっかりと進めた上で、戦略的に財政出動ができるような状況をつくって、実際に、今御指摘のあったような様々なことがありますので、戦略的な財政出動を必要ならば断固として行ってまいりたいと考えております。

 日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えること、政府債務残高の対GDP比は安定的に引き下げていくことということを堅持する、この意味でマーケットを常に注視していくわけでございますが、財政の持続可能性を実現してマーケットからの信認を継続的に確保してまいる所存でございます。

石井(拓)委員 大臣、ありがとうございます。

 もう既に租税特別措置や補助金の見直し等に取り組まれているということも含めまして、さらにまた、この改正法案についても第五条にしっかりとそれを明記されている、同時に、この法案についての審議ということにもなりますけれども、まず御説明をいただいて、また、今後の財政運営の安全性、持続可能性の確保をしっかりとしていただいて、日本の国家の運営に当たっていただきたい、そう思っております。ありがとうございました。

 続きまして、復興財源確保法改正案について質問をいたします。

 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災、間もなく十五年を迎えることになりますが、その復興に必要な財源を確保するための特別措置を定めたもので、平成二十三年から五年ごとに復興債の発行期間が延長されてきました。今回、令和八年度から令和十二年度までの五年間の延長を行うというものであります。

 東北の復興、特に原発事故による帰還困難区域がまだ残る福島県において、まだまだ時間がかかると感じております。

 そこで、お伺いします。

 この復興債を活用した施策について、発災から十五年を迎えようとしている今、これまでの総括としての答弁を求めたいと思います。また、発災から二十年となる、この延長期間が終わる二十年となる最終年度においてどのような状態に復興がなされるのか、なされているのか、政府関係各位の決意と申しますか、思うところをお聞かせいただければ、ありがたく思います。今日は瀬戸復興副大臣さんもお見えになられておりますので、よろしくお願いします。

瀬戸副大臣 お答えさせていただきます。

 岩手、宮城などの地震、津波の被災地域におきましては、三陸沿岸道路の復興道路、復興支援道路や災害公営住宅の整備は完了しており、ハード整備等はおおむね完了しております。他方、心のケア等の中長期的な対応が必要な課題につきまして、必要な支援が行えるよう丁寧に取り組んでいくこととしております。

 一方で、福島の原子力災害の被災地域におきましては、避難指示の解除から数年しかたっていない、そういった地域もありまして、地域ごとに復興の状況が大きく異なっています。その中で、心のケアや教育の支援といったソフト支援の実施、営農再開支援により被災十二市町村の営農再開面積の割合は五割まで回復、企業立地補助金などの支援により福島の浜通りにおける四百を超える企業立地の実現といった取組を行っているところでもあります。帰還困難区域におきましても、復興再生拠点、特定帰還居住区域で除染を進め、順次帰還を促すため帰還環境整備に取り組んでおります。

 また、次の五年における決意についてお尋ねがありました。

 まず、岩手、宮城などの地震、津波の被災地域に関しましては、令和六年に政府として決定した復興の基本方針におきまして、次の五年間において復興事業がその役割を全うすることを目指すとしたところでもありまして、ハード整備等はおおむね完了し、心のケアなどの中長期的に取り組む課題について、関係自治体、関係省庁とともに引き続き取り組んでいく体制を整備しております。

 福島の原子力災害の被災地域は、昨年六月に政府として決定しました復興の基本方針におきまして、復興に向けた様々な課題について、まずは第三期復興・創生期間で何としても解決していく、そういう決意を示したところでもあります。引き続き、特定帰還居住区域の避難指示解除、避難指示が解除された地域における生活環境の整備、帰還、移住の促進、産業、なりわい、農業の再生、さらにイノベーション・コースト構想やF―REIといった創造的復興の取組、風評の払拭の取組などに取り組んでまいります。

 特に、住民の帰還につきましては、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある住民の方々が全員帰還できることを目指しており、除染やインフラ整備等を進めてまいります。

 さらに、F―REIにつきましては、令和十二年度までに順次、施設整備を進めていく予定でありまして、福島の産業に貢献し、我が国の科学技術力の強化を牽引する成果を出してまいりたいと考えています。

 こうした取組を通じまして、被災地の復興に総力を挙げてまいります。

石井(拓)委員 丁寧な御説明ありがとうございました。

 まだまだ時間がかかると申し上げましたけれども、一つ一つ確実にやられている、そして、十五年を迎える、そしてまた、さらにその五年後についても、ハード整備などはほぼほぼ完了させたい、そして心のケアなどのソフト面についてもしっかりと取り組んでいくというお話を、決意と申しますか、お話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

 では、次の質問に入りたいと思います。

 次の質問は、特定生産性向上設備投資促進税制、法人税関係でありますけれども、大胆な設備投資促進税制についてお聞きいたします。

 この制度は、政府の目指す、危機管理投資、成長投資による強い経済を実現する、そのために国内における民間企業に高付加価値型の設備投資を促す大胆な設備投資減税を行うというような制度と理解しております。政府の目標として、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という大規模な官民国内投資目標がありますが、それを力強く後押しするものだと思っております。

 本改正法案では、産業競争力強化法の改正が本国会で行われるのを前提に、法人が、特定生産性向上設備等のうち一定規模のもの、投資下限額は三十五億円ということになりますけれども、以上ということですね、中小企業者等については五億円、を取得し、一定期間内、令和十一年三月三十一日までに、これを国内にある法人の事業の用に供した場合には、即時償却又は取得価額の七%あるいは四%の税額控除、この税額控除についても法人税額の二〇%が上限とされておりますけれども、との選択適用を受けることができる、随分大胆な、相当なる節税効果といいますか、減税効果が見られることを創設されるということにもなります。

 ここで気になるのが、この制度を導入するに当たって、この制度を受けるに認められる特定生産性向上設備等についてであります。

 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の確認を受けたものとされておりますけれども、投資下限額は先ほど申し上げたとおりですけれども、導入に係る投資計画において年平均の投資利益率が一五%以上となることが見込まれることとなっております。この投資利益率、ROIとも説明書には書かれてありましたけれども、とはどのような内容になってくるものか。一五%以上を達成するものが厳しいものであれば、申請することを控えたり、達成できない場合に返金しなくてはならないのかというような心配もあります。もう少し詳細な説明を求めます。いかがでしょうか。お願いします。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ありました大胆な投資促進税制でございますけれども、これは、お話あったとおり、危機管理投資それから成長投資による強い経済を実現するために、全て、全業種を対象としまして、大規模で高付加価値な国内投資を促進するということを目的としてございます。

 そこで、対象となる特定生産性向上設備等でございますけれども、これは、お話ございましたとおり、令和八年度税制改正の大綱によりますと、本日まさに閣議決定いただいた産業競争力強化法の改正案で規定されるものでございまして、具体的には、生産性向上設備等のうち、投資計画を構成する設備等の取得価額の合計額が三十五億円以上、中小企業の場合はこれは五億円以上であること、それから、投資計画の年平均の投資利益率が一五%以上となることが見込まれるもの、その他の、例えば、投資計画の実現に必要な資金調達手段が記載されていることなどの要件を満たし、経済産業大臣の確認を受けたものでございます。

 税制の目的とするところを踏まえますと、やはり、一定の要件を満たす設備投資に限り税のインセンティブを付与するということが必要ではないかというふうに考えるところでございます。

石井(拓)委員 もう少し詳しくお尋ねしたいんですけれども。

 投資計画を出して、もちろん金融的な裏づけも取って、経済産業大臣が確認をするということがまず前提で、導入されるものがこの設備投資減税に該当する設備投資であるというふうに認められてスタートするわけですけれども、その際にやはりどうしても気になるのが、投資利益率が一五%以上になるという点でありまして、これはなかなか厳しいものだなと私自身は感じております。特に、中小企業の場合も該当してきますからそうなんですけれども。

 あと、この一五%、設備期間の平均を取って一五%とするという条件になっておりますので、最初のうちはなかなか投資回収ができないという面もあって、いろいろな状況が変わってくると、経済環境が変わってくると、最終的にはできなかった場合、こんな心配もやはり経営者としてはリスクとして把握しなきゃいけないところでありますけれども、この一五%について、できれば多くの方たちに、意思がある人たちに使っていただきたいものでありますので、その点をもう少し詳しくお尋ねしたいと思います。お願いします。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたとおり、この投資収益率の一五%ということでございますけれども、やはり、一定の要件を満たしたもの、これをどういうふうに支援していくのかという観点から入れたものではございますけれども、特に今御指摘がございました中小企業を中心とした方々につきましては、中小企業については、実は、投資収益率が一五ではなくて七%以上で、さらに、基本的には投資規模などの要件もない中小企業経営強化税制という別の措置が既に手当てをされてございます。

 この制度は、今回提案させていただいている大胆な投資促進税制との選択も可能というふうになってございまして、中小企業の皆様のニーズに応じて活用いただくということが可能となっているところでございます。

石井(拓)委員 御答弁ありがとうございました。

 一五%の厳しさというのもまだまだ私も感じておるところでありますけれども、ただ、中小企業の場合は、中小企業強化税制の方でも、例えば五億円という規模も非常に厳しいもので、何もないかというとそうではなくて、中小企業に対する税制ももう既に用意されているところであります。

 いずれにしましても、成長投資において、大手の方は当然やっていくという意思があればやっていくんですけれども、やはりその下請の、物を作ったり作業をしたりしている中小企業においてもそれと一緒になってやっていかなきゃならないと思っておりまして。やはり、中小企業の方もこういった形で御支援をいただけるということで、是非お願いしたいところでもありますので、確認をさせていただきました。ありがとうございました。

 続きまして、自動車重量税のエコカー減税の見直しについてお聞きいたします。

 自動車関係諸税の総合的な見直しを行う方針の中で、環境性能割、これはまた別の委員会でも確認をしているところでもありますけれども、とともに、エコカー減税の二年間の延長が行われるということになります。

 二〇三五年までに、乗用車の新車販売に占める電動車、これはEV、FCV、PHV、HVの割合を一〇〇%とする政府目標を踏まえ、電動車の一層の普及促進を図る観点から、減免区分の基準となる二〇三〇年度燃費基準の達成度を引き上げた上でということでありますけれども、国民生活に必要な自動車であります、物価高で自動車価格も高くなっており、購入支援を行うことがやはり必要なことだなと思っております。

 また、国内自動車産業においては、トランプ関税の影響により減益に転じていると聞いております。これは、自動車産業を下支えするサプライチェーンを担う中小企業への影響も強く懸念されているところでもあります。自動車の国内生産台数を維持することによる業績の維持、サプライチェーンの経営環境を守る必要から、自動車関係諸税の減税施策は、自動車を購入しやすく、保有、維持しやすくすることになり、ひいては、国内自動車市場への呼び水、拡大促進につながるものだと考えております。

 そこで、お尋ねします。

 自動車産業あるいは自動車国内市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、例えば米国の関税措置や物価高による価格高騰、カーボンニュートラルへの対応など、自動車関係諸税全体の見直しがどうしても必要になってくると考えておりますが、それについては政府はいかがお考えなのでしょうか。今後政府としてどんな取組を行っていくのでしょうか。お聞かせください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車関係諸税の一つであります自動車税及び軽自動車税の環境性能割につきましては、米国関税措置が自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を速やかに図るなどの観点から、現在国会に提出されております地方税法改正法案において、令和八年三月三十一日をもって廃止する措置を講じているものと承知しております。

 また、今後の自動車関係諸税の見直しにつきましては、令和八年度税制改正大綱におきまして、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、さらには、カーボンニュートラル目標実現、こういった観点を踏まえまして、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、中長期的な観点から、公平、中立、簡素な課税の在り方を検討するとされておりまして、政府としては、これらの検討を踏まえて適切に対応してまいります。

石井(拓)委員 お答えありがとうございました。

 国内において自動車を造ること、そして自動車を売ること、そして自動車を買うこと、この三方それぞれよくしていかないと、国内の自動車産業は、対外的な環境において、トランプ関税、米国関税などで、現実、売上げが下がっておるところでもありますので、そういった意味では、国内の需要を高めていくに当たって、やはり、この自動車関係諸税の見直し、減税へ持っていく方向性も重要になってくると思っております。今、先ほど答弁のありましたとおり、全体としては検討されているということにもなっていますので、大きく期待しているところでもありますが、しかし、それについても、自動車においては国内の主要産業であると思っておりますので、是非これを進めていただきたい、そう思っておるところであります。ありがとうございました。

 最後の質問にさせていただきたいと思います。次に、国際観光旅客税の引上げについてお尋ねしたいと思います。

 国際観光旅客税の税率を、現行の出国一回につき千円から三千円に引き上げられます。訪日外国観光客だけでなく、アウトバウンドである邦人、日本人の海外旅行などにも、出国の際、三千円を、今は千円ですけれども、支払うということになりますけれども。

 この案を見たときに、やはり、千円から三千円と三倍になるということで、これについても、私の周りの人たちに聞いても、何で三倍なのとか、高いんじゃないのとか、何で日本人も適用されるのという話ですけれども、ただ、これはあくまで、お金を徴収して、いろいろな形で使っていって、国内をよりよく、海外の観光客も、そして日本人が海外へ旅客として観光するのもよりよくしていくための財源となる、そのように思っているわけでありまして、これを財源として行う観光施策として、オーバーツーリズム対策の強化、地方観光地の魅力向上、地方誘客、地方部への交通ネットワークの機能強化、日本人出国者への配慮として安全、安心な海外旅行環境の整備などが案としては挙げられておられると思います。

 そこで、お尋ねしたいんですが、国際観光旅客税を財源とした観光施策について御説明をお願いいたします。

長崎政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税につきましては、昨年十二月に閣議決定された令和八年度税制改正の大綱におきまして、税率を現行の一人一回当たり千円から三千円に引き上げることとされており、関連法案が今国会に提出されたところでございます。

 これにより、令和八年度の観光庁関係予算は、令和七年度の五百七十九億円から千三百八十三億円と大幅に増加となり、観光庁といたしましては、二〇三〇年の訪日外国人六千万人、消費額十五兆円の目標達成に向けて、必要となる施策を充実強化してまいりたいと考えております。

 御質問の施策でございますが、具体的には、過度な混雑やマナー違反等、地域が抱える課題に寄り添い、中長期的な視点に立ったオーバーツーリズム対策の実施、特定の都市、地域への集中是正、地方への需要の分散を促進するための交通ネットワークの機能強化や地域特性を生かしたコンテンツの造成、また、様々な国や地域からの誘客を一層促進するためのプロモーションの強化、さらには、廃旅館等の撤去、再生による温泉地等の町づくり支援などの施策に予算を重点的に充当してまいりたいと考えてございます。

 また、委員御指摘のとおり、国際観光旅客税は日本人の出国者にも負担いただく、こうしておりますものですから、在外公館施設の避難所機能の強化など安全、安心な海外旅行環境の整備のほか、円滑な出入国、通関等の環境整備、空港におけるファストトラベルの推進や空港機能の抜本強化、空港アクセス鉄道の整備、機能強化への支援など、日本人の出国者にも裨益する、アウトバウンドの推進につながる施策にも力を入れてまいりたいと考えてございます。

石井(拓)委員 ありがとうございました。

 御説明を受けて、財源としても大幅に増加して、より積極的にこれで手が打てるという御答弁だったと思いますけれども。

 特に、オーバーツーリズムの問題も本当に深刻になっていて、まだまだ直していかなきゃいけない点もありますし、先ほど、地方への誘客という言葉、もちろんこのテーマがありますけれども、これについてもまだまだ、例えば私の地元なんかもそうですけれども、観光地は観光地で元々あるんですけれども、もっと外国の方々によいところを見てもらいたいとか、そこでくつろいでもらいたいというところはたくさんあるんですけれども、なかなか交通の便が悪いとか、そういった意味では、やはりある意味、各地域から、交通ネットワークの状況、これをしっかりと聞いていただいて、それに取り組んでいっていただきたいな、そう思っております。

 あと、その財源をしっかりと活用していただいて、日本の観光産業、そして日本人の渡航者への安全確保についてもしっかりと取り組んでいただきたいとお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

武村委員長 次に、大森江里子君。

大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。

 昨日の本会議に続きまして、本日も、片山さつき財務大臣に対しまして連日の質問の機会を頂戴いたしまして、大変にありがとうございます。

 私、二期生でございますが、前職は税理士をしておりました。税理士としては二十三年ほど実務に就いておりまして、主に、大企業というよりは中小・小規模事業者の皆様、また個人事業主、本当に家族経営でされているような納税者の皆様と一緒にお仕事をさせていただいてまいりました。

 本日、税法の改正、所得税法等の改正など、大事な税制の改正もございますので、そういった質疑に携わらせていただけることにまず感謝を申し上げます。また、税理士制度にも片山大臣は深い御理解をいただいていると存じ上げておりますので、そういった大臣に対しまして質疑をさせていただけること、ありがたく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、所得税法等の一部の改正法案についてでございますが、消費税のインボイス制度の導入に伴います経過措置の見直しをしていただいていると思いますので、そちらについての質問をさせていただきます。昨日の本会議では、いわゆる八割控除、この件につきまして質疑をさせていただきましたが、本日は二割特例の方の質疑をさせていただきたいと思います。

 この特例措置、こちらに関しましては我々も延長の申出をしておりましたけれども、まず、特例措置を延長していただいたことということは大変ありがたいと思っております。

 その上で、二割特例でございますが、最初にインボイスの制度が導入されたときに、免税事業者がインボイスの発行事業者を選択した場合の負担軽減、そういったものを図るためにこの特例を導入をしていただきました。納税額につきましては、そういった対象者につきましては、売上税額の二割に軽減するという激変緩和措置というものを三年間講じていただいたところでございます。具体的な期間としましては、令和五年十月一日から令和八年、今年の九月末日までというような措置であったと思います。

 この度の改正におきまして、ここの二割特例、延長を検討をしていただきまして、少し形を変えてでございますけれども、二年間延長をまずしていただけるということの改正法案でございます。ただ、二年間延長でございますが、今まで二割特例だったものを、三割特例、三割に変えての延長ということでございます。ただ、これが二年間なので、令和九年、令和十年となりますけれども、ここの対象者に関しましては、今回もう少し絞られまして、個人事業者に限られるというような改正案になっていると思います。

 一応、今までは、免税事業者から課税事業者になった方たち、インボイス制度導入に伴ってなった方たちというようなくくりでございましたけれども、今回、個人事業者に限定されていった理由というのをお聞かせいただければと思います。お願いいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 御指摘をいただきました二割特例でございます。今回の見直しの考え方でございます。

 まず、いわゆる二割特例でございますが、法人による租税回避に利用されるケースが確認されております。こうしたことに加えまして、消費者が日々買物で消費税相当分として払ったものが、この特例によって、全て納税されずに事業者の手元に一部残る場合もございます。こういったことについて消費者の方々の理解が得られるのかといった課題もあったところでございます。

 こうした点を踏まえまして、与党の税制調査会におきまして幅広い観点から検討が行われました結果、制度の定着に向けて、引き続き事務負担への配慮が必要な個人事業者向けの三割特例として、更に二年措置をすることとされております。

 法人につきましては、二割特例の終了後は、簡易課税又は本則課税によって申告をいただくことになるわけでございますが、法人は、個人の事業者の方と比較いたしまして、複式簿記での記帳、それから、より多くの決算書類の作成が元々求められておりますので、相対的に高い事務処理能力が期待されておりまして、簡易課税制度などによって御対応いただくことを想定しておるところでございます。簡易課税制度での申告の準備などに関しまして事業者の方々から御相談がございましたら、国税当局などにおいてしっかり丁寧に対応していきたいというふうに考えておるところでございます。

大森委員 ありがとうございます。

 検討をされていく中で、一つは、報道などにもございましたけれども、租税回避行為、そういったスキームも使われるようなこともあったということで、検討の一つになったと思います。

 ただ、私も現場でいろいろ拝見する中では、法人といっても、個人事業者と余り変わらない、ただ、いろいろな法人としての義務というのもございますけれども、家族経営で小規模でやっていらっしゃるというところもございます。事務処理能力というところでいきますと、そういった本当に小規模な中小企業というのも、個人事業者と変わらないぐらいの大変さの中でやっているという部分もございますので、法人として一くくりで捉えられてしまうというところも、また、租税回避行為みたいなことが一部の法人であったとはいえ、なかなか不条理な部分もあるかなというような印象ではございました。できれば、法人の規模もいろいろ検討していただきながら、今後も、法人の中でもかなり小規模のような事業者に配慮できるような措置というのも様々検討をしていただければと思っております。

 続きまして、中小企業向けの少額減価償却資産の特例というのがございます。この特例に関しましても、今回の改正案で少し見直しをしていただいております。

 中小企業向けの少額減価償却資産でございますけれども、従来は、中小企業者等が、取得価額が三十万未満である、そういった減価償却資産を取得した場合、また、それを事業に供した場合には、取得価額に相当する金額を損金の額に算入をすることができるというような制度でございますが、ここの三十万円の基準を四十万円に今回引き上げていただける、そういった改正になると思いますが、まず、この引上げに至った経緯というか理由を教えていただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、中小企業などにつきまして、租税特別措置といたしまして、中小企業などの資産管理に係る事務負担への配慮という観点から、三十万円未満の減価償却資産は取得時に全額損金算入を可能としておりまして、今般、令和八年度税制改正におきましては、少額減価償却資産の主要な対象資産の最近の価格動向などを踏まえまして、基準を三十万円から四十万円未満に引き上げるということといたしておるところでございます。

大森委員 ありがとうございます。

 この中小企業者等の少額減価償却資産の特例でございますけれども、一つちょっと制限がありまして、今までは一単位当たりは三十万円未満、それが今回四十万円になりましたが、従来、三十万円未満だったときも、年間の総額が三百万円までの上限がございまして、合計で年間三百万円まではこの特例が使える、そういった制度でございました。

 今回、一単位当たりの金額は四十万円に引き上がってはおりますけれども、この年間の上限額というのは三百万円から特に変更がないようでございますが、そこについての理由をお聞かせいただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、少額減価償却資産につきましては、各事業年度におきまして全額損金算入できる金額は合計三百万円を上限といたしております。

 この上限額につきまして、今回、一品目当たりは先ほど申し上げましたように四十万に引き上げたわけでございますが、上限額自体は、現在、多くの企業が三百万円の上限を使い切れていないという状況もございました。また、適切な課税ベースの確保というそもそもの税制の面からの観点も踏まえる必要があることから、今般の改正では見直しを行わないということとしております。

 この三百万円という基準の今後の在り方でございますが、対象資産の基準額を四十万円未満へと引き上げた後の適用状況でございますとか、事務負担の軽減といった、そもそもの制度趣旨を踏まえまして検討を進めていくということが重要だというふうに考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 それで、事業者が資産を購入した場合の損金の計上の方法なんですが、基本的には資産を購入したら資産計上なんですが、損金に落とせるいろいろな制度がございます。

 一つは、もう本当の少額の資産の場合には、そのまま即時で損金に落とせる。それは金額だけじゃなくて、使用可能期間が一年未満のものとかというものもありますけれども、金額でいいますと取得価額が十万円未満のもの、これについては法人の大小問わず損金に落とせるという制度があると思います。

 もう一つ、即時ではありませんが、一括償却資産の損金算入という制度もございまして、こちらは、取得価額が二十万円未満の減価償却資産を取得した場合には、全額とか一部、いろいろありますけれども、取得価額の合計額を三年間で償却をして、損金に計上をしていくという方法がございます。

 そのように、十万円ですとか、一括償却資産が二十万円という金額の基準の制度もございますけれども、こういったものに関しての引上げの御検討というのはございましたでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘をいただきました、取得時に全額損金算入が可能な十万円未満の資産でございますとか、三年間での償却を可能としております二十万円未満の資産でございますが、これは、資産を取得した企業が資産管理をしていく場合の事務負担を軽減するという観点から、減価償却の例外として、大企業を含む全法人を対象に可能としている制度でございます。

 これらの制度につきましては、繰り返しになりますが、大企業も対象としたものであることから、今後、大企業などの実態も把握した上で、事務負担の軽減という制度趣旨を踏まえつつ検討を進めていくということが重要であるというふうに考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 もし可能であればなんですが、中小企業は、先ほどの改正をしていただく少額の減価償却資産の特例だけでなく、あえて一括償却資産の制度を採用するということもございますので、今の物価の上昇とかもあったりもしますので、そういった金額基準というのも御検討をいただけるとありがたく思います。

 続きまして、研究開発税制についてお伺いをしたいと思います。

 今回の改正案で、この研究開発税制、かなりいろいろと拡充をされているという印象でございます。改めてにはなりますけれども、まず、この法案のポイント、概要などを教えていただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の税制改正におきまして、研究開発税制につきましては、的を絞って、めり張りづけとインセンティブの強化を図る形で、制度を抜本的に強化することとしております。

 具体的に申しますと、AIでございますとか量子、バイオといった国家戦略として重要な分野における企業の研究開発を促すために、新たに戦略技術領域型というものを創設いたしまして、より高い控除率などを設定いたしました。

 また、これまでの効果検証などを踏まえまして、試験研究費を増加させるインセンティブを強化する観点から、一般型の控除率のカーブの見直しを行っております。

 また、中小企業向けでございますが、一時的な赤字などであっても継続的な研究開発を促す観点から、新たに三年間の繰越控除制度を導入することとしております。

大森委員 ありがとうございました。この中小企業向けの繰越控除、三年間、とてもありがたいと思っております。

 その上で、研究開発税制の利用数をまず伺いたいんですけれども、例えば法人の利用者で、大企業と中小企業、特に中小企業の利用件数などをもし教えていただけるとありがたく思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、直近の取れる数字といたしましては令和六年度の租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書でございまして、それによりますると、研究開発税制の適用件数は、まず全体で約一万八千件となっております。そのうち、中小企業の適用件数は約一万三千件という形になっております。

大森委員 ありがとうございます。

 多分、税額控除の額で見ますと大企業と中小企業では大きな違いがあると思いますが、利用者の中でいいますと、中小企業の利用数というのは多いということが分かりました。

 この研究開発税制でございますが、対象になる試験研究費でございますが、様々ありますけれども、例えば、試験研究費に入れられるものといたしまして、試験研究を行うために要する原材料費ですとか、研究員の方又は研究に携わる方の人件費及び経費などが対象にもなってまいります。

 この研究開発税制の対象となる人件費でございますが、試験研究の業務に専ら従事する者に係るものであることが求められています。例えば、一人の従業員が試験研究とそれ以外の業務を兼務する場合には、その従業員の人件費というのは対象外になってしまうのか、そこのところを教えていただけますか。

田原政府参考人 お答えいたします。

 研究開発税制の対象となります人件費についてのお尋ねでございますが、法令上、専門的知識をもって試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限られておりまして、試験研究を専属業務とする者や、研究プロジェクトの全期間にわたって試験研究に従事する者の人件費は、研究開発税制の対象となるわけでございます。

 お尋ねの試験研究以外の業務を兼務している従業員でございますが、その従業員が研究プロジェクトの全期間にわたって従事しなくても、相当する期間に専属的に試験研究業務に従事し、その期間がおおむね一か月以上であること、その担当する試験研究業務が試験研究プロセスに欠かせないものでありまして、かつ専門的知識が不可欠であること、その担当する試験研究業務の人件費が適正に計算されていること、こうした条件を満たせば、その従業員の人件費は研究開発税制の対象となるという取扱いとなってございます。

大森委員 そうしましたら、この専ら従事するというところの考え方でございますけれども、研究開発税制の対象になる人件費なんですが、中小企業の場合には、なかなか人手が足りなくて、専属的に研究に従事するというようなことができない場合がございます。その場合に、研究以外の業務に従事する従業員が多い中小企業において、なかなか専ら要件をクリアするというのは難しいと思いますが、このところに関しましてどういった御認識であるのか、中小企業庁に御意見をお伺いしたいと思っております。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘の研究開発税制の中小企業でございますけれども、そもそも企業が取り組む研究開発の成果の最大化に当たりまして、従業員が専門的知見をもって従事することが重要だ、こういう原則だと思いますけれども、中小企業においては、全ての時間、試験研究に従事する従業員を配置することが困難な企業が存在するものというふうに認識をしてございます。

 その上で、委員御指摘の専ら要件につきましては、先ほど国税庁の次長の方からも御答弁ございましたけれども、試験研究以外の業務と兼務する従業員の人件費を控除対象として計上し得る事例というものを、我々、平成十五年十二月に照会を申し上げまして、国税庁より回答を得ておりまして、その中において、先ほどもありましたように、専門的知見をもっておおむね一か月以上その研究プロジェクトの過程において従事をしているといったようなことなど、一定の要件の下で兼務者の人件費の控除の対象たり得ることを中小企業庁として確認をしているところでございます。

 この中小企業の研究開発を後押しするということが極めて重要でございまして、現場で判断に迷う専ら要件を分かりやすくお示しするとか、あとは、今般の改正内容を周知するといったような対応を国税庁ともよく相談しながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

大森委員 ありがとうございました。

 先ほどおっしゃっていた研究の従事期間、おおむね一か月というところでございますが、なかなか中小企業は、先ほどもお話ししましたけれども、人手が足りない。その中で、研究員の方が従事した期間とか日にちとか時間も、記録していけばいいということなのかもしれないんですけれども、いろいろなことをやる中でそれをずっと積算していくというのはなかなか大変な作業でありまして、その後、人件費を適正に計算をしていかなきゃいけないという、これが結構大変な思いをされている現場を多く見てまいりました。

 ちょっと制度が違いますけれども、賃上げ促進税制というのがございます。この賃上げ促進税制は、大企業向けと中小企業向け、いろいろございまして、条件も様々違いますけれども、中小企業向けの賃上げ促進税制、ここに関しましては、過去から遡りますと、ずっといろいろ制度改正をしていただきまして、中小企業にとってより利用しやすいように改正をしていただいております。

 例えば、賃金が前年よりも上昇しているかというのを見た中で賃上げ促進税制の対象だと決めるんですけれども、過去は継続雇用者の適用要件というのがございました。一年前の会社に所属していた期間、また今年の所属した期間、一人ずつ継続しているかどうかというのを拾い上げながらしていかなければいけなかった昔の制度からどんどん改良されまして、前年の総額と今年の総額を比較していけば利用しやすい、本当に中小企業にとってはよりよい制度になったなというふうに思っております。

 同じように、研究開発税制も、大企業はもう本当にいろいろな体制も整っておりますので、研究員の方たちの従事期間、また、それに見合う人件費の計算もできるような体制があるかもしれませんが、日本の経済を本当に下支えしていただいている、またそこからイノベーションが起こる、そういった中小企業をいろいろな意味で支えていただきたい、また、より新しい技術を開発していきたい、そういった意欲を持っていただくためにも、この研究開発税制を是非とも中小企業に活用していただけるようにもっと進めていただきたいなというふうに思っております。

 その上で、人件費の集計というのは結構大変でございますので、もしも可能であれば、ここが、中小企業が利用できるような更なる工夫を是非とも政府に強く進めていただきたいと思っておりますが、この点に関しまして大臣の御見解をお伺いできますでしょうか。

片山国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まさに税理士として、町の税理士さんとして、中小企業、個人事業主の味方を長年されている委員の先ほどからの視点は、まさに制度をつくるときに細部に魂が宿っておりますので、そのことこそ価値でございますので、それを実践しておられる御質問をいただいて大変ありがたいと思います。

 この中小向けの研究開発税制につきましては、今参考人からもお答えしていますが、全体の一万八千件のうち一万三千件で、これは六年度の実績で、そこそこ件数はあるんですが、今おっしゃったように、実際にはなかなか細かい計算ができないで諦めている方がいらっしゃるという可能性は、これは十分にあると思います。

 赤字が多い中小企業についてより考えようということで、今回、三年間の繰越税額控除というのを入れまして、これは、私がまだこの職に就く前からこの導入の必要性を非常に強く言っておりまして、結果的に、こちらに来て、自分の投げたボールを自分で受けたに近い形になっておりますが。

 繰越税額控除というのは、中小企業の方々にとっての配慮の一つではありますが、今委員がるる御指摘をいただいたように、この専ら要件、経産省、中小企業庁と国税庁の間でもいろいろキャッチボールをして、お答えをさせていただいた話はちょっと古い照会でございますから、また最近、近年、こちらにおいて拡充をするという高市政権の強い意思をもって実現しておりますので、また、この専ら要件に関する点も含めて、もちろん、今の、これからお願いしようとしている制度の周知、広報もございますが、より使いやすくなっていくような方向についての取組も引き続きさせていただきたい、かように思っております。

大森委員 大変にありがとうございます。力強い御答弁をいただきまして、感謝申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、住宅ローン控除の改正についてお伺いをしたいと思います。

 住宅ローン控除の見直しがありまして、より拡充を今回の改正ではされる、一部よりよくなると思っております。

 その中で、住宅ローン控除、私が前職に就いたときから見ますと、前職に就いた当初よりも近年のローン控除というのはとても複雑になったなという印象でございます。もうちょっとシンプルだったと思いますけれども、いろいろな住宅の要件などもありまして、より環境によい、そういった住宅を進めていくという方針であるということもあるとは思いますけれども。

 その中で、住宅ローン控除の計算をする際に利用する控除率でございますけれども、今、〇・七%でございます。私が以前前職にいた頃は、昔は一%という時代もございまして、〇・七%に控除率がなった部分を伺いたいと思っております。ちょっと済みません、一問飛ばしましたが、この控除率についての引下げについて、前は一%だったと思いますが、〇・七%に引き下げられた、そこの背景をお伺いをしたいと思います。

 また、現下の金利情勢を見ますと、少し金利が上がってきている情勢でもありますので、現行の〇・七%というのが妥当なものなのか、もう少し今の金利の状況に合わせるべきではないのかという思いも持っておりまして、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 住宅ローン控除における控除率の御質問でございます。

 令和四年度の税制改正におきまして、御指摘のとおり、一%から〇・七%に引き下げられております。

 この見直しでございますが、会計検査院による平成三十年度の決算検査報告におきまして、住宅ローン利用者の大半の借入金利が一%未満となっており、こうした方々につきましては、毎年の住宅ローン控除額が住宅ローン支払い利息額を上回ることから、いわゆる逆ざやの状態が生じており、住宅ローンを組む必要がないのに住宅ローンを組む動機づけになったり、適用期間が終了するまで住宅ローンの繰上げ返済をしない動機づけになったりすることがあるという指摘があったことを受けたものでございます。

 足下では住宅ローン金利は上昇傾向でございますが、住宅ローン控除を通じた住宅取得の支援には、御指摘をいただきました控除率の見直しのほかに、控除期間、今回も十年から十三年に中古の部分について上げておりますが、令和四年度の改正におきましても、一から〇・七に下げる一方で控除期間を逆に延ばすというようなことをやっておりましたが、控除率の見直しのほかにこういった控除期間の延長といった措置、また、今回も中古住宅でやっておりますが、借入限度額を引き上げるといった様々な観点から見直しをしておるところでございまして、租税特別措置としてめり張りづけをしながら制度を見直していくということが重要なのかなというふうに考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 多分いろいろな目的があって住宅ローン控除があるとは思いますが、やはり金利の上昇というのも是非御検討の中に入れていただきたいということと、十年が十三年に延びたというふうになりますけれども、それよりは、やはり借入金なので返済をどんどんしていますので、ローン控除というのは、年末の残高に対して〇・七%、昔であれば一%というのを掛けていきますので、やはり初めに、残高が高いうちに高い控除率を掛けていただける方が、減税効果としては、納税者の皆様が受ける効果は高いと思いますので、少しそこの部分も、金利情勢というのも御検討いただきたい。金利が下がっていて、逆ざやだったから下げたのであれば今はという、そういう思いもございますので、是非よろしくお願いいたします。

 続きまして、基礎控除等の引上げについて、関連する御質問をさせていただきたいと思います。

 基礎控除等、令和七年度も改正がございましたけれども、令和八年の引上げにつきましてのまずは適用時期についてお伺いをいたします。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の基礎控除額、令和八年度改正における引上げなどにつきましては、令和八年の十二月一日から施行することとしておりまして、同日以後に行う同年分の年末調整や確定申告から適用するということとしております。

大森委員 ありがとうございます。十二月一日から施行ということでございます。

 この適用でございますけれども、ちょうど今、確定申告時期でもございますけれども、通常、確定申告時期というのは、十二月の年末が終わってから、翌年の二月十六日から三日十五日までに申告をするようになりますけれども、基礎控除等の引上げの適用時期は十二月一日なので、会社にお勤めの方たちは、年末調整で税額の精算ができますのでそこに間に合う、確定申告される方たちに関しましても、十二月一日の適用であれば、翌年の確定申告できちんとその控除が反映されるということになると思いますが、準確定申告というのがございまして、例えば、お亡くなりになった方がいた場合に、その方が確定申告が必要な方であった場合は、亡くなったことを知った日の翌日から四か月以内に原則は申告納税をするという制度がございます。

 仮に、十二月一日前に準確定申告、ほかにも出国前とかいろいろありますけれども、準確定申告を行う必要がある方がいた場合に、施行前にそういう準確定申告を提出する必要がある方の場合には改正の適用が受けられないということになるのか、そこのところを教えていただきたいんですが。

青木政府参考人 お答えいたします。

 令和八年度の税制改正による基礎控除の引上げなどは、まさに御指摘のありました、年の途中で亡くなられた方又は出国された方については、本年十一月三十日以前に準確定申告書を提出する場合におきまして、適用されないということになります。

 ただ、本年十一月三十日以前に準確定申告書を提出した方は、同年十二月一日から五年以内に更正の請求を行うことによりまして、令和八年度税制改正における基礎控除の引上げなどの適用を受けるということができるということとしております。

大森委員 ありがとうございます。

 これは、令和七年も同じように基礎控除の引上げというのがございましたけれども、令和七年に関しても、令和七年十一月三十日以前に令和七年分の準確定申告をした方についても、同じような形にというか、令和七年度の税制改正後の基礎控除の適用というのは受けられるのかどうかというのをお伺いできますか。

田原政府参考人 お答えいたします。

 先ほど令和八年度改正の適用関係につきまして主税局長の方から答弁がございましたけれども、令和七年度改正で措置いたしました基礎控除の引上げに関しましても、同様に、令和七年十一月三十日以前に令和七年度税制改正前の基礎控除の適用を受けた準確定申告書を提出した場合には、令和七年十二月一日から五年以内に更正の請求を行うことで、令和七年度税制改正後の基礎控除の適用を受けることができることとされております。

大森委員 ありがとうございました。いずれにしても二度手間になるような形になるかと思いますが、一度出して、また更正の請求をすると。

 この基礎控除の見直しでございますけれども、これに関しましては、今回の改正の附則ですかね、今後も令和十年分以降の所得税の基礎控除の額についても二年ごとに見直していくというようなことになると思いますが、これはちょっと通告に入っていないかもしれないんですけれども、同じようなことになっていく、見直しのたびに同じ手続になっていくということになりますでしょうか。もし可能であれば。

青木政府参考人 お答えします。

 令和七年度そして令和八年度の措置、これは十二月一日以降の年末調整、確定申告からというふうにいたしましたのは、その準備のために特に源泉徴収義務者の方に様々事務負担があるということで、始まった年、最初の年は年末調整からということで改正をさせていただいております。

 今後、まさに今御指摘いただきましたとおり、二年ごとに物価調整という形で見直しをしていきますが、基本的には、そういう形で、源泉徴収義務者の事務負担に配慮しながら具体的な方法については考えていくということになろうかというふうに考えております。

大森委員 御答弁ありがとうございました。

 続きまして、その基礎控除の引上げによる件でございますけれども、基礎控除の特例が引き上げられまして、よく現場から今お声をいただくのが、所得階層ごとに特例の上乗せの額に差がありますので、今回の改正でいきますと、給与収入六百六十五万円前後で手取りの逆転現象というのが生じてしまうということをいろいろな方から御意見を伺うところでございます。ここに関しての御見解をお伺いできますか。

青木政府参考人 お答えします。

 先ほどの質問と答弁にも関係いたしますが、今回の基礎控除の見直し、引上げ等につきましては、まず、物価上昇局面における対応といたしまして、今後二年ごとに物価上昇に応じて基礎控除の引上げを行うこととしておりまして、これは、ごく一部の高所得者を除きまして全ての納税者を対象としたものでございまして、物価上昇に応じて適切に負担軽減を図るものとなっておるところでございます。今回も、基礎控除につきまして、この物価連動部分で措置したものが、去年が十万円で今回は四万円引き上げさせていただいておるところでございます。

 その上で、さらに今回は、政党間の合意そして与党税制改正大綱を踏まえまして、所得控除という税制の仕組み上、一部に御指摘のとおり減税額のばらつきが生ずるものではございますが、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図る観点から、見直しを行っております。

 具体的に申し上げますと、所得階層ごとに七年度改正では四区分に分かれていた仕組みを簡素化させていただくことや、低所得者の方だけではなくて、先ほど御指摘のありました六百六十五万円前後までの中間層まで負担軽減を図ることを重視して、今回の上乗せ特例を政策的に拡充したものでございます。

大森委員 ありがとうございました。

 所得税法等の改正はちょっと一度離れまして、特例公債法案についてお伺いをしたいと思います。

 特例公債法でございますけれども、過去からずっと改正で来ていると思いますが、どういった経緯を経て現行の制度になっているのかというのをまず教えていただけますか。

中山政府参考人 お答えさせていただきます。

 特例公債法は、昭和五十年度から、特例公債発行から脱却した平成二年度から五年度の期間を除きまして継続的に措置してきており、平成二十三年度までは毎年度、発行権限を授権する形となってきておりました。この毎年度授権をする形を取った背景といたしましては、特例公債の発行を開始した当時、特例国債発行脱却を財政健全化目標として掲げて取り組んできたことがあると認識しております。

 ただ、その後、財政構造が大きく変化いたしまして、特例公債の発行額が単年度の取組では解消が困難な水準となる中で、法案が成立しないことにより執行抑制を実施するに至りまして、国民生活に多大な影響が出かねない状況になった経緯から、平成二十四年度に、当時の民主党、自民党、公明党の三党の合意に基づく議員修正により、特例公債の発行の授権を受ける期間、政府において財政健全化に取り組み、公債発行額の抑制に努めることを前提に、安定的な財政運営を確保する観点から、複数年度の発行根拠を設ける枠組みに改められた経緯がございます。

 それ以降、平成二十八年度、令和三年度におきまして、期限到来に際し、この枠組みを引き継ぎ、政府提出法案としてそれぞれ五年間の授権をいただいてきているところでございます。

 今回、現行法の期限が令和七年度末に到来することから、これまでの枠組みを引き継ぎ、五年間の特例公債の発行を可能とするよう、改正法案を提出させていただいているところでございます。

大森委員 ありがとうございます。

 片山大臣は、財政演説におきまして、責任ある積極財政の考え方の下、引き続き、ワイズスペンディングを徹底しながら、成長率を高めていくことと相まって、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性とマーケットからの信認を確保していくというような旨のことを述べていらっしゃいますが、マーケットからの信認を確保するという観点でいきますと、今般の特例公債法の改正法案におきましても、公債の発行の授権期間というのを五年ではなくて一年とか、適時適切にチェックを受けていくということが大事なのではないかなというふうに思っております。大臣のお考えをお伺いできますか。

片山国務大臣 特例公債法につきましては、先ほど政府参考人からも御答弁申し上げたとおり、平成二十四年度に、議員修正によって、安定的な財政運営を確保するという観点から、授権期間中、政府として財政健全化に取り組み、公債発行額の抑制に努めることを前提に複数年度の発行根拠を設ける枠組みに改められたということでございまして、今回の改正法案においてもこうした枠組みを引き継いでおります。

 当時の国会審議においては、これでお互い、要するに、複数回、この国では近年政権交代が起きておりますので、少なくとも向こう数年は、政権がどういうふうに移っても移らなくても、特例公債なしでは財政運営ができないという状況が常態化している中で、毎回法案の成立が遅れる悪弊を断ち切ることができるというか、断ち切る必要があるという議論が行われておりました。そして、特例公債の発行を政治的な駆け引きの材料にすることは避けるべきといった議論も双方からなされたということを承知しております。

 その上で、今般の改正に当たりましては、授権期間における改革の姿勢を更に明確に示し、市場の信認を確保する観点から、経済・財政一体改革を推進する中で、行財政改革を徹底する旨の新たな条文を設けることとさせていただいたところであります。

 このように、財政規律にも十分に配慮して複数年度の授権をいただくことで、安定的かつ市場から見ても予見性が高い財政運営を確保できるのではないか、確保してまいりたい、こういう考え方でございますので、複数年度の発行、この根拠を設けさせていただいても、各年度の具体的な特例公債の発行額は、各年度、このように予算案として国会で御審議をいただくことになりますので、そういったことも含めて、財政の持続可能性には十分配意できているのではないかと考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 マーケットの信認というところでいきますと、やはり適時適切なチェックというのは大切ではないかというふうには思っております。

 続きまして、関税定率法等の一部を改正する法律案、こちらについてお伺いをさせていただきたいと思いますが、この改正案を検討するに当たりましてAEO制度というものがあるということをいろいろと学ばせていただきましたが、改めまして、AEO制度の概要ですとか、その数を教えていただけますでしょうか。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 AEO制度と申しますのは、貿易実務を行う事業者に関しまして、貨物のセキュリティー管理と法令遵守の体制が整備された事業者を税関が承認、認定いたしまして、それに対しまして、事業者のメリットとして、税関手続の緩和ですとか簡素化策を提供する制度でありまして、全体として、国際物流におけるセキュリティーの確保と貿易の円滑化の両立を図ることを目的としてございます。

 制度の対象となる事業者の数ですが、令和八年三月一日現在でございますが、全体では七百五十七者ございます。そのうち、貨物の保税管理を行うAEO倉庫業者、こちらは百五十一者となってございます。

大森委員 ありがとうございました。

 あわせまして、保税事業者の数もお伺いできますでしょうか。

寺岡政府参考人 ただいま申し上げたAEO倉庫業者が含まれている保税蔵置場及び保税工場、この全体の数は合わせて四千七百九十二、いわば地域を指定してございます。その認可を受けている事業者の数ということでございますので、令和八年一月一日現在で二千三百九者となってございます。

大森委員 ありがとうございます。

 先ほどお話があったAEO倉庫業者に対しましては、現行制度の下で、税関長による業務改善の求めが可能であるということを承知をしております。今回、一般的な保税業者に対して業務改善命令を設けることとした内容になっていると思いますけれども、その趣旨についてお伺いできますか。

寺岡政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、AEO倉庫事業者、こちらにつきましては、これまでも高いレベルでのセキュリティー管理と法令遵守の体制が既に整備されており、今後とも業務を行っていただきたいと考えてございます。

 他方、近年、少額輸入貨物の急増等によりまして、保税業者が取り扱う貨物が膨大となる中で、保税業者の法令遵守や適正な業務運営を確保することが極めて重要な課題となっておりまして、税関としましては、広く一般的に事業者の業務実態等に応じたきめ細かな監督を行う必要が生じていると考えてございます。

 このため、本法律案におきましては、税関の監督の実効性を高める新たな行政措置として、広く一般的に保税業者に対する業務改善命令を導入することといたしてございます。

大森委員 ありがとうございました。

 続きまして、ちょっとまた所得税に関連する質疑としてお伺いをしたいと思います。

 ちょうど今まさに確定申告時期でございまして、その中で、ちょっと現場からもお声をいただいておりましてお伺いをしたいのですが、今、広く納税者の皆様にe―Taxを利用していただいているところであると思います。

 このe―Taxでございますが、最近ちょっと不具合がありまして、今年は、本当は三月十五日なんですけれども、土日の関係がありますので三月十六日の月曜日が申告期限でございますけれども、今e―Taxを利用して申告する方がかなり多い中で、例えば、最近でいいますと、三月三日にe―Taxがつながりにくくなる事象が起きたということでございました。その前でいいますと、二月二十五日も少しやはりログインしづらい、そういったような事象があったと伺っておりますが、過去もこういった事象があったかどうかも含めまして、国税庁の御所見をお伺いできますでしょうか。

田原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、三月三日の日中でございますが、e―Taxでログインや送信がしづらい事象が発生いたしました。e―Taxを御利用された納税者の皆様には、御不便をおかけいたしまして、おわび申し上げたいと思います。

 過去の確定申告におきましても、同様に、e―Taxがつながりにくくなる事象というのは発生してございます。

 今回の送信等がしづらくなった事象の原因でございますが、サイバー攻撃によるものではございませんで、確定申告でアクセスが集中する中で処理が遅延したということと考えてございまして、現在は通常に御利用いただける状態となってございます。

 いずれにいたしましても、今後このような事象が発生しないように、しっかりと対応してまいりたいと思います。

大森委員 ありがとうございました。

 このe―Taxでございますけれども、かなり今利用者も増えております。あと、確定申告なんですけれども、皆様、期限は頭にはあるんですけれども、やろうやろうと思って、なかなか手がつけられなくて、申告期限ぎりぎりに駆け込みで申告をする方というのも結構いらっしゃいます。

 不具合なんですが、今回だと三月三日とかそういうのもありますけれども、もしも申告期限当日にそういった事象が起きまして、ログインできない、送信できなかったというような現象が起きた場合、どういった御対応を取られるのか、教えていただけますか。

田原政府参考人 お答えいたします。

 先ほど答弁いたしましたが、まずは、そのような事態が発生しないよう、しっかりと対応してまいりたいと思います。

 仮に確定申告期限に今回と同様の事象が発生した場合には、例えば、申告会場の体制の整備でございますとか、納税者の皆様が安心して申告できるような対応を適切に取ってまいりたいと思います。

大森委員 ありがとうございました。

 御対応いただけるということでございますが、これは、e―Taxの送信、ログインがしづらい、そういったことだけではなくて、ちょっとこれも通告に入っていないかもしれないので答えられる範囲で結構なんですけれども、最近、マイナポータルの連携というのも、ちょっと不具合がありましてできなかったというような事象があったと伺っております。このマイナポータルの連携の不具合も、そういった対象、御対応いただける対象になるということでよろしいでしょうか。

田原政府参考人 お答えいたします。

 マイナポータル連携、これはe―Taxで申告をいただく際の重要な要素となってございます。関係省庁と適切に連携をしながら、納税者の皆様が安心して申告できるように対応してまいりたいと思います。

大森委員 ありがとうございました。

 是非とも、国税庁としてもe―Taxを進めていらっしゃると思いますので、国民の皆様が不安なく利用できるように、また、更なる利用しやすいような改定も進めていただきながら御検討いただきたいと思っております。

 時間が参りましたので、私の質問は以上とさせていただきます。通告させていただきました質問に関しましては、また後日、改めてさせていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

武村委員長 次に、大島敦君。

大島委員 ただいま大森委員の発言を聞いておりまして、今、確定申告の期間になっていて、先日も、上尾税務署を税理士会の支部の皆さんと一緒に視察をさせていただきました。毎年視察をしていて、税務署として、毎年毎年改善点があります。前は、結構寒い中、外でお待ちいただく方が多かったんですけれども、今は、まず、LINEで予約できること、あるいは、早めにいれば、それぞれの先着順に、何時から何時までということで、それぞれ受付の用紙をいただけるので、大分改善をされております。

 その風景を見ながら、前は、e―Taxでも、PCでの申告が多かったんです。今、皆さん、スマホでの申告が増えていて、先ほど大森委員の発言もありましたけれども、より使いやすくすることも非常に大切だと思います。ただ、e―Taxがないと多分、税務署は大変なことになっていると思いまして。e―Taxが増えることによって相当、税務署の職員の皆さんの仕事も軽減されるという実感を持っています。

 それで、税務執行体制強化の必要性について質問をいたします。

 最近の税務行政を取り巻く環境は、経済取引のデジタル化やグローバル化の市場拡大に伴い、調査、徴収事務の複雑困難化が顕著となるなど、大きく変化しております。加えて、高水準で推移する申告件数や新規発生滞納税額、インボイス制度の円滑な実施と制度定着に伴う事務量の増加、消費税不正還付事案への厳正な対応、複雑困難化する租税回避スキーム事案への対応など、社会情勢の変化により事務量が増大していることも確かです。このような状況に鑑みれば、調査事務拡充による税務コンプライアンス向上が必要不可欠ではないでしょうか。

 そこで、国税職員が今後ともこれらの諸課題に的確に対応し、歳入確保のために適正、公平な課税と徴収の実現を図り、国民から負託された税務行政に対する信頼と期待を持続させていくためには、国税職員の定員の確保、職務の困難性、特殊性を適正に評価した給与水準の確保などの処遇の改善、機構の充実など、従来にも増した税務執行体制の強化が必要と考えられますが、財務大臣の見解をお願いします。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 適正、公平な課税、徴収の実現のためには、御指摘のとおりに、税務の執行体制の強化を図っていくことが必要不可欠で、非常に重要でございます。

 今般の令和八年度の予算案では、消費税の不正還付への対応とインボイス制度の円滑な実施への対応などを図るために、国税庁の方は定員を二十三名純増させるような内容となっております。また、消費税の不正還付事案などを専門的に担当する消費税専門官、それから国際課税に係る調査などを専門的に担当する国際税務専門官など、所要の機構も設置することとしております。

 引き続き、御指摘のありましたとおり、国税職員の定員の確保、機構の充実、またさらに処遇の改善など、これらの税務の執行体制の強化にはしっかり努めてまいりたいと存じます。

大島委員 よろしくお願いします。

 税務署長の方とお会いすると、マル査出身の方はそれなりの雰囲気を持っていたり、今回の税務署長の方は徴税が仕事だったと伺っているので、やはり真面目な方でした。特に今回、税務署、確定申告を視察をする中で、やはり日本人は、私たちの国民は物すごく真面目な人たちだと実感をしました。ほぼほぼ皆さん、多くの方が納税義務に応じられていて、その姿を見ると安心をしました。ただ、一部の方はなかなか税務申告されない方もいらっしゃるということで、徴税の仕事も必要だと思うので、是非、大臣におかれましては、様々複雑化していますので、職員の増強を図っていただければと思います。

 続きまして、税関職員についての質問をさせてください。

 数年前に横浜税関を一人で視察をしたことがありまして。行ってみると、小さな荷物から大きな荷物まで、職員の皆さん、結構、ノウハウを持っていらっしゃっていて、長年の勘でこの辺が怪しいというのが分かると言うんですよ。やはり今の税関についても時代の変化によって大きく変わっているかと思いますので、その点について、水際で国民の安全、安心を守っている税関についても質問させてください。

 税関業務を取り巻く環境について申し上げれば、物流、人流共に増加基調にある中で、税関職員の負担が増加していると伺っております。

 令和七年の訪日外国人旅行者数は、およそ四千二百万人と初めて四千万人を突破した一方で、令和七年における不正薬物の押収量は、令和元年以来六年ぶりに三トンを超え、過去二番目を記録し、極めて深刻な状況となっています。

 また、金の密輸に関しては、令和七年の摘発件数は百九十二件と前年比で六一%減と、足下の摘発件数は減少しましたが、小口貨物や訪日外国人旅行者数の急増、金価格高騰を始めとして、密輸入のリスクは高まっています。金の国内生産量に大きな変動がない中で輸出量は顕著に増加していることから、税関での摘発は氷山の一角とも言われております。

 このように、税関を取り巻く経済社会情勢が急速に変化する中で、水際において国民の安全、安心を確保するため、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の定員の確保、処遇の改善、機構、職場環境の充実、取締り検査機器等を含む業務処理体制の整備、安全管理の徹底などを図る必要があると考えますが、財務大臣の見解をお聞かせください。

片山国務大臣 委員におかれましては、横浜税関を御視察いただいたということで、ありがとうございます。一九九八年から九九年まで私は横浜税関の総務部長を務めておりまして、今でも横浜税関OBの会は必ず出ておりまして、先日、先月、つい最近ですが、私の秘書官だった若手の職員が今、業務部長をしておりまして、二十七年たつとそうなるんだなと思ったんですけれども。

 まさに御指摘のとおり、非常に忙しくなっております。少額貨物の輸入件数や入国者数が非常に増えております中で、不正薬物とか御指摘の金などの密輸、これも様々な事案も増えておりますし、リスクも一段と高まっておりますので、税関を取り巻く環境が極めて厳しいものとなっております。

 こうした中で、円滑な物流、人流を確保しつつ、厳格な水際取締りを遂行するという税関の責務を確実に果たしていくために、高性能な取締り検査機器の整備、機構・定員の充実といった質と量の両面で体制強化を図るとともに、優秀な人材を確保して、その能力を最大限発揮いただく、この観点から、職員の処遇改善や安全管理の徹底を含めまして、職場環境の充実にも引き続き取り組んでまいります。

 昨年には、十二月に入ってだと思いますが、羽田の方の現場を私も見させていただいて、まさに二十何年ぶりの税関の現場なわけですけれども、人と物の流れがもう比較にならないぐらい増しているということを改めて実感いたしましたので、委員御指摘のとおり、こういった問題に引き続き可及的速やかに取り組んでまいりたいと考えております。

大島委員 積極的な御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。

 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。

 まず、複数年度の特例公債発行権限と財政規律の関係についてお聞きします。

 我が国の財政は、歳出が税収を大きく上回る構造が長年続いています。提出されている令和八年度一般会計予算の政府案においても、歳出総額は百二十二・三兆円ですが、税収は八十三・七兆円、その他収入は九兆円で、合わせて九十二・七兆円にとどまっています。また、公債金による収入として、財政法第四条ただし書で認められている建設国債の発行は、六・七兆円が予定されています。それでも足りない二十二・九兆円を確保するため、特例公債の発行が必要となっている状況です。

 特例公債法については、平成二十三年度までは、一定期間を除き、毎年、財源不足を補うための特例公債法を制定する方式が取られてきました。しかし、政党間協議を経て、平成二十四年度以降は、複数年度にわたり特例公債の発行を可能とする枠組みへと移行しました。これは、予算編成、執行の安定性を確保し、特例公債法の成立をめぐる政治的停滞が財政運営に与える影響を軽減する趣旨もあると承知をしております。

 しかし、この複数年度方式には、財政規律の緩みにつながるのではないかという懸念が指摘されています。単年度立法の下では、特例公債の発行可否が毎年度国会で審議されるため、政府は財政状況や財政運営方針について国会に説明する機会を持ち、国会も行政監視機能を果たすことができました。ところが、複数年度の発行権限が与えられることで、こうした毎年度のチェック機能が弱まり、財政規律が緩むことが懸念されています。

 今回の特例公債法改正案も、令和三年の改正と同じ長さとなる令和八年度から令和十二年度までの五年間にわたり、特例公債の発行を認める内容となっています。現在の財政状況は、財政赤字が慢性化し、国債残高が膨張する中で、複数年度の発行権限を与えることは、国会の監視機能を弱め、財政規律の緩みを助長するのではないでしょうか。

 複数年度にわたる特例公債の発行権限の授与が財政規律の緩みに直結するとの懸念について大臣はどのように受け止めておられるのか。また、国会の行政監視機能を確保しつつ、財政規律を維持するために、政府は政府としてどのような仕組みや説明責任を果たす考えなのか。財務大臣の答弁を求めます。

片山国務大臣 今般の特例公債法改正法案におきましては、令和八年度から令和十二年度までの五年間の特例公債の発行を可能としているという内容でございますが、平成二十四年度に複数年度の授権となった際の枠組みを引き継ぎました。

 先ほどの委員への私の答弁もありましたが、また、参考人もお答えしておりますが、当時の議論の中としては、やはり、この問題が政争の具になって、結果的に国民生活に多大な影響が出るということが、余りよろしくないというか、避けられるべきではないかという意見があったということも踏まえまして、また、委員御自身の御指摘のような背景もございまして、この枠組み、この授権期間中、政府が経済・財政一体改革を推進して、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として国債発行額の抑制に努めるということをしっかりとした上、今回、授権期間における改革の姿勢も明確にして市場の信認を確保する観点から、行財政改革を徹底する旨を定めた新たな条文を追加することとさせていただくことによって、財政規律に十分配慮した内容とさせていただいていると思料しております。

 さらに、毎年度の特例公債の発行額につきましては、御承知のことながら、各年度の予算をもって国会において議決をいただくということは、これはもう当然でございまして、この審議に当たりましては、発行額の妥当性はもとより、今申し上げましたように、特例公債法で複数年度授権の前提とされている政府の取組について、その進捗や成果を御確認いただく機会を確保しているわけであります。

 こうした国会での御議論が充実したものになるように、政府といたしましても、我が国の財政状況等につきまして、適時適切にしっかりと情報発信し、御説明に努めてまいります。

大島委員 ただいま答弁がありました新設される行財政改革の機能の規定の趣旨についてお聞きをいたします。

 財務省の職員の方のレクを伺っているときに、何か財務省らしくない法案だなという感想を述べさせていただきました、議会人が作る議員立法に近いのかなという印象を持ちまして。それで、大臣に御所見を伺わせてください。

 本法律案では、第五条第一項として、「政府は、経済・財政一体改革を推進する中で、歳出及び歳入の改革、持続可能な社会保障制度を構築するための改革その他の行財政改革を徹底するものとする。」との規定を新設しています。

 一方、現行法は、第一条から第四条まで規定があり、特例公債の発行に関する規定と、その発行額の抑制に関する努力義務のみを定めており、いずれも特例公債発行に直接関係する条文となっています。

 今回、行財政改革という広範なテーマについてこの特例公債法に書き込む趣旨は何なのか。私の考えとしては、特例公債法は、あくまでも財政法第四条ただし書の例外措置を定める法律であり、行財政改革全般を規定する場として適切なのか、疑問を持っております。

 そこで、特例公債法に行財政改革の徹底を規定する立法上の意義について、財務大臣にお伺いいたします。

片山国務大臣 先ほど御説明をいたしました今回新たに加えることとした第五条ですが、御指摘のように、第一項で行財政改革を徹底すること、第二項で、その一環として租税特別措置、補助金の適正化に取り組むことを法律の条文上で明記しております。

 この特例公債法においてこのような行財政改革について盛り込む意義は、この法律の第三条までで複数年度の国債発行の授権を求めている中で、その前提として、第四条に規定する発行額抑制に向けた取組についてより具体的に政府の方針をお示しすることによって市場の信認の確保にもつながるよう、授権期間において改革の姿勢を明確にすることがあるということで、そういう考え方によってこのようにさせていただいているということでございます。

大島委員 更にお聞きします。

 第五条二項では、「政府は、前項に規定する行財政改革の一環として、租税特別措置及び補助金等の適正化について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と規定しています。

 しかし、政府は、自由民主党と日本維新の会の連立政権合意を踏まえる形で、内閣官房に租税特別措置・補助金見直し担当室を設置し、既に総点検を進めています。政府内で取組が進められている施策に関し、後追いで法律に改めて規定を置く必要性は必ずしも明らかではありません。

 租税特別措置や補助金等の適正化を特別公債法に規定する理由について、財務大臣に具体的な説明をお願いをいたします。

片山国務大臣 今回新設する第五条の第二項では、御指摘のように、租税特別措置及び補助金等の適正化について規定しており、私自身が担当大臣として、自民党と日本維新の会の連立合意書に基づきまして、租税特別措置、補助金の見直しとして、昨年から既に取組を始めております。

 今回、特例公債法において規定することで、租税特別措置、補助金の見直しが特例公債の発行の前提となる取組という位置づけになりますので、この位置づけの下で、今後五年間、特例公債発行の授権期間を通じて進められるということになります。

 また、第五条一項と同様、政府の改革の姿勢が明確になることで、市場の信認の確保にもつながるという意義があると考えております。

大島委員 財政健全化目標と高市内閣の財政運営方針についてお聞きします。

 政府は、経済財政運営と改革の基本方針二〇二五において、二〇二五から二六年度を通じて、可能な限り早期のプライマリーバランス黒字化を目指すとしています。しかし、高市内閣は、責任ある積極財政の下で、単年度のプライマリーバランス黒字化にこだわらず、数年単位でバランスを確認する方針を示しています。

 ただ、政府が直接コントロールできるのは毎年度の基礎的財政収支であり、この位置づけを下げることは、財政の無駄を助長し、財政規律を弱めるとの懸念が強くあります。また、債務残高対GDP比の低下はインフレ局面の一般的な現象にすぎず、今後は、物価上昇に伴う歳出増や、金利上昇による利払い費の増加が避けられないとの指摘もあります。

 令和八年度末の国債残高は一千百四十五兆円に達する見込みであり、予算積算金利は三%と上昇しました。利払い費は、前年度比二・五兆円増の十三兆円に拡大しています。さらに、長期金利が一%上昇すれば、国債費は令和十一年度には四十五兆円規模に達すると試算されています。

 こうした中で、特例公債の発行を五年認める本法案は、金利上昇局面で財政の柔軟性を大きく損なう可能性があると考えます。

 金利上昇リスクが現実味を増す中で、利払い費の急増にどう備えるのか。特例公債の発行額を抑制するとしながら、金利上昇が歳出全体を圧迫する局面でも財政の持続可能性を確保できるのか。債務管理の具体的な方策と併せて、財務大臣の見解をお願いいたします。

片山国務大臣 高市内閣では、責任ある積極財政という考え方の下、マーケットからの信認を損なう野方図な財政政策ではなくて、私の下に、先ほど申し上げましたように、租税特別措置・補助金見直し担当室を設置するなど、行財政改革をしっかり進めた上で戦略的な財政出動を行っていくという方針でございます。

 結局、過去様々な、国で財政再建とか財政の信認とか財政の持続可能性等々、いわゆるこういった戦略を取っていく上で景気、経済が引っ張らないと財政が改善するということはほとんどないという前提でございまして、この問題についての根源、どこから始めるかという考え方が、委員のお話を今伺っていて、そこが違うのかなと思ったんですが。

 長年続いてきた投資不足、特に未来への投資不足の流れをここで断ち切らなければならない。つまり、成長率を高めて、そのことによって当然いろいろとマーケットに影響がいい意味でも及んできますが、併せて金利上昇に目配りをするということで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えて、政府の債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくということで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく、このような戦略でございます。

 一般論として申し上げれば、御指摘のように、債務残高の対GDP比がかなり高くなっている我が国においては、金利が仮に、仮置きでこのぐらいになったら利払い費が増加するよというような試算は出ているわけですから、そういうことが政策的な経費を圧迫する、そういう図柄もこういう仮定を置けば出てまいりますが、こういうことにならないように、債務残高対GDP比の安定的な引下げ自体が金利上昇によるリスクを低減させますので、低減させるとともに、それがさらにマーケットの信認の確保につながっていく、こういう考え方であります。

大島委員 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、質問いたします。

 復興庁を設置する際に、私、与党側の筆頭理事であり、政策担当責任者だったんです。実は、当時の法案は、大臣一、副大臣一、政務官三人だった。それを見て、私、変えまして。政務官三人は削りまして、その代わり、副大臣をもう一人増やして二にした。副大臣を二人にしたのは、東京と東北、被災地に一人ずつ置く必要があると思ったから二人に変えさせていただいた。政務官ですと、役所の責任者にはなれないんですよ、大臣政務官なので。やはり認証官たる副大臣を二人置いて、東京と現地に一人ずつ置くことによって復興が進むのかなと思って、そういうふうに、与党側なんですけれども、額賀さんに、筆頭に大分お願いをしまして、それで変えさせていただいた。ですから、十五年になるので、復興庁の在り方、あるいはどういう体制がいいかについては、今後議論が進んでいくかと思うんですけれども、今日は財源法について質問をいたします。

 平成二十三年三月十一日の東日本大震災の発災から間もなく十五年を迎えます。復興施策に関し、政府は、平成二十七年度までの集中復興期間、続く平成二十八年度から令和二年度までの第一復興・創生期間、そして令和三年から令和七年度までの第二復興・創生期間を通じて、様々な復興施策を講じていると思います。

 昨年六月二十日に閣議決定された第二期復興・創生期間以降における東日本大震災からの復興の基本方針では、令和八年度からの五年間である第三期復興・創生期間についての復興の基本姿勢及び各分野における取組や復興を支える仕組みについて定めています。

 この基本方針の復興を支える仕組みの中には、復旧復興事業の財源等という項目があります。

 その中には、次の五年間は復興に向けた課題を解決していく極めて重要な期間であり、本基本方針に沿って今の五年間以上に力強く復興施策を推進していくための財源を確保することが記載され、現時点で、令和八年度から五年間の復旧復興の規模は一・九兆円程度と見込まれ、令和七年度までの事業規模が三十三兆円程度と見込まれていることを踏まえると、令和十二年度までの二十年間の事業規模については、三十四・九兆円程度となると見込まれているとの記載があります。

 そして、平成二十三年度から令和七年度までの十五年間における復旧復興事業に充てることとした三十二・九兆円程度の財源について、復興特別所得税収や税外収入の実績等を踏まえると、三十四・九兆円程度となり、事業規模と見合うものと見込まれるとして、財源規模については順調な見通しであることが記載されています。

 ただし、この項目の最後には、今後、更なる物価高騰や新たな政策課題が生じた場合には柔軟に対応するとの記載があります。

 そこでお聞きしますが、現在、物価上昇が見られており、復興施策の費用についても増加の圧力が高まっていると思います。今後、更なる財源の確保が必要となることも当然想定されます。また、財源については、今回、復興特別所得税の税率引下げも予定されており、一年当たりの復興特別税による収入も減るのではないかと思われます。毎年の復興予算をしっかり確保しなければならないと考えますが、どのように対応できるのか、財務大臣の御見解についてお答えください。

片山国務大臣 委員におかれましては、まさに創生期において与党側で御苦労なさって、私も最初の二年で百回、現地に入っておりまして、二重ローン救済法、瓦れき法などは議員立法者の一人でございますので、よく存じております。

 また、今御指摘になりましたように、「「第二期復興・創生期間」以降における東日本大震災からの復興の基本方針の変更について」という昨年六月の閣議決定におきまして、先ほど御指摘のあったような、今後、更なる物価高騰や新たな政策課題が生じた場合には柔軟に対応すると書いてあるのは、それは非常に重要な意味があるわけで、まさに、復興の基本方針に基づいた事業が様々な状況においてできなくなるということは決してあってはならないので、そういうことが起きないようにするんです。

 ということで、事業の実施に支障がないように、臨機応変に対応ができるようにということで、具体的には、資金繰り等については復興債が活用できますし、また、歳出権につきましては、今国会にお出ししている令和八年度予算案の復興特会におきましても予備費も計上しておりますし、あらゆる事態に十分に適用できるようにということを考えながら、令和十二年度までの間というスパンで臨機応変に対応することも、もちろん、当然視野に入った形でしっかりと組ませていただいている、かように考えております。

大島委員 続きまして、復興債の償還期間の延長についてお聞きします。

 復興債は、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため、将来世代に負担を先送りしないという理念の下で、建設国債や特例公債に適用される六十年償還ルールを採用せず、復興特別税等によって短期間で償還する仕組みとして設計されていると承知しております。現行の償還期間は令和十九年度までの二十五年間とされていますが、今国会に提出されている所得税法等改正案が成立した場合、償還期間は令和二十九年度までに十年間延長されることになります。これは、制度創設時の理念であった、今に生きる世代が連帯して負担するという考え方が後退して、将来世代への負担転嫁につながるのではないかとの懸念は避けられません。

 そこで、復興債の償還期間を十年延長することは制度創設時の理念と矛盾することではないのか。また、復興のためとはいえ、将来に負担を先送りする可能性が高まることへの説明責任をどのように果たすのか。今回の延長の必要性を含め、財務大臣に明確な答弁をお願いします。

片山国務大臣 今般の税制改正では、防衛特別所得税の創設を受け、復興特別所得税につきまして令和九年から税率を一%引き下げ、これに伴い課税期間を令和二十九年まで十年間延長することとしております。復興債の償還期間の十年間の延長は、こうした復興特別所得税の課税期間の延長に対応し、延長後の期間においても復興特別所得税による償還を可能とするために行うものです。

 御指摘のあった、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うことを基本とするとの基本的な考え方自体には変わりはなく、今回の復興特別所得税の課税期間の延長は、税率を引き下げる中でも復興事業の着実な実施に影響を与えないよう、復興財源の総額を確実に確保する目的で行うものであります。

 東日本大震災からの復旧復興に要する財源について、引き続き責任を持って確保するとともに、その考え方を御説明をしてまいります。

大島委員 復興債の償還財源である政府保有株式についてお聞きします。

 復興財源確保法第七十二条三項では、国債整理基金特別会計が保有する日本たばこ産業株式会社、東京地下鉄株式会社、日本郵政株式会社の株式の処分による収入について、復興債と復興債に係る借換国債の償還に要する費用に充てるものとする旨が規定されています。そのうち、日本たばこ産業株式会社と日本郵政株式会社の株式については、売却可能な部分がほぼ売却されていると承知しております。しかし、東京地下鉄株式会社、いわゆる東京メトロ株式については、令和六年度に一部売却されたものの、依然として政府は、発行済株式のうち二六・七%を保有したままです。

 東京地下鉄株式会社法附則第二条は、政府ができる限り速やかに株式を売却することを求めています。売却が遅れれば、復興債の償還が遅れ、利払い負担が増加する可能性があります。

 東京メトロ株式の売却が進まない理由は何なのか、復興債の償還財源として確実に活用するため同株式の売却の見通しをどのように描いているのか、政府参考人の見解をお示しください。

井口政府参考人 お答え申し上げます。

 東京メトロ株式の売却につきましては、令和三年七月の国土交通省の交通政策審議会及び令和四年三月の財務省の財政制度等審議会におきまして、売却は段階的に進めていくこと、具体的には、東京八号線の延伸及び都心部・品川地下鉄構想、すなわち東京メトロ有楽町線及び南北線の延伸に係る整備期間中には、両路線の整備を確実なものとする観点から、当面、国と東京都が株式の二分の一を保有することが適切であることとの答申をいただいております。

 これを受けまして、令和六年十月に、政府、東京都の保有株式のそれぞれ二分の一を売却いたしました。

 今後につきましては、東京メトロの両路線の整備完了予定が二〇三〇年代半ばの予定と承知しておりますことから、それを待っての判断となると承知しております。

 その上で、東日本大震災からの復旧復興に要する財源につきましては、復興特別所得税収や、日本郵政株式など他の政府保有株式の配当金収入、売却収入の確保を含め、政府として適切に対応してまいりたいと考えております。

大島委員 続きまして、所得税法等一部改正案について質問をいたします。

 所得税の基礎控除の引上げについて質問します。

 令和七年度税制改正においては、基礎控除の特例が創設されまして、基礎控除五十八万円に特例で三十七万円の上乗せ、それに給与所得控除の最低保障額六十五万円を合計して、所得税の課税最低限は百六十万円に引き上げられました。

 そして、今回の令和八年度税制改正では、課税最低限を百七十八万円に先取りして引き上げることとされています。百七十八万円に引き上げる理由は、働き控えに対応するとともに、物価上昇の中で厳しい状況にある中低所得者に配慮するためと伺っております。

 本改正案により、令和八年及び九年において、給与収入が六百六十五万円以下の方については、基礎控除額を、本則六十二万円に特例四十二万円上乗せして、一律百四万円まで引き上げることとされています。特に年収五百万から六百万円ぐらいの方にとっては、令和七年度と比べると四十万円近く引き上げられています。このように、いわゆる中所得層まで基礎控除額を大幅に引き上げることは、物価上昇への対応として一定の評価はできるでしょう。

 一方、給与収入が六百六十五万円を超えると、基礎控除額は、一気に三十七万円減って六十七万円となります。年収六百六十五万円前後で基礎控除に三十七万円もの差が出るのは、公平性の観点から問題があるのではないでしょうか。政府参考人の答弁を求めます。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今回の所得税の基礎控除等の引上げでございます。

 まず最初に、二年ごとに物価上昇に応じて基礎控除本則の引上げを行うことといたしておりまして、今回も四万円プラス。これは、ごく一部の高所得者を除きまして全ての納税者を対象としたものでありまして、物価上昇に応じて適切な負担軽減を図るものでございます。

 その上で、御指摘もございましたが、基礎控除の特例の上乗せも講じてございます。これは、政党間の合意や与党の税制改正を踏まえたものでございます。

 所得控除という税制の仕組み上、御指摘のとおり、一部に減税額のばらつきが生ずることは事実でございますが、これは、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図るという観点から、所得階層に応じて四区分に分かれておりました仕組みを簡素化することや、低所得者の方だけではなくて中間層にも負担軽減を図るということを重視して、中低所得者に対して基礎控除の上乗せ特例を政策的に拡充することとしたものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。

大島委員 ありがとうございます。

 また、政府が年収階級別の減税額を試算していますが、単身者の場合、年収六百万円の方は、令和七年度税制改正込みで五・六万円の減税を受けられるのに対しまして、年収二百万円の方はその半分の二・七万円しか減税されず、年収階級別で最も少ない減税額となっております。これは制度設計として妥当なのでしょうか。むしろ、物価高の影響を一番ひどく受けている低所得者の減税額を最も大きくすべきだったのではないでしょうか。財務大臣に、この点についてのお考えをお聞かせください。

片山国務大臣 今回の見直しは、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図るという観点から、所得階層に応じて四区分に分かれていた仕組みを簡素化することや、低所得の方々だけでなくて中間層についても負担軽減を図ることも重視した結果、御指摘のように、一部に減税額のばらつきが生じております。

 なお、今御指摘のあった給与収入二百万円のケースでございますが、今回の見直しにより給与収入に各種の控除を適用した結果、課税所得がゼロとなりまして、仮に見直しがない場合に生じていた所得税負担については、その全額が減額されるということになるのではないかと思います。

大島委員 やはり、一人でお子さんを育てられていらっしゃる方とか、今後、政治としては、低所得者に対する対応が必要になってくると思います。

 続きまして、基礎控除の引上げについてお伺いします。

 令和七年度改正法の附則第八十一条では、政府は、所得税の抜本的な改革について検討し、必要な法制上の措置を講ずるものとされ、その検討に当たっては、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げるという基本的な方向性により具体的な方策を検討するとされていました。

 物価上昇等を踏まえた基礎控除等の額の適時の引上げの具体的な方策の検討に当たりましては、政府の税制調査会に設置されている活力ある長寿社会に向けたライフコースに中立的な税制に関する専門家会合において、考えられる具体的な物価調整のイメージとしては、一、毎年物価調整を実施、二、定期的に、例えば三年置きに物価調整を実施、三、毎年点検し、一定の物価上昇率となった際に調整を実施の三案が挙げられていたかと思います。

 今般創設しようとしている仕組みでは、二年に一回の頻度で調整して基礎控除等を見直すこととしているようですが、この調整の方法を採用することとした経緯や理由、専門家会合で挙げた他の調整方法と比べた場合におけるメリット、デメリットについて財務大臣に説明を求めます。

片山国務大臣 所得税の基礎控除等については、定額でありますので、物価が上昇すると控除の実質的な価値が減少し、結果として実質的な税負担が増加するという課題が従前よりあったところでございます。

 このため、令和八年度税制改正では、基礎控除等について、今後、二年ごとに物価の上昇率に連動して見直すことを基本とするというルールを定めております。

 御指摘のように、この案の検討の途上では、政府税制調査会の専門家会合において、毎年物価動向を踏まえて見直しを行う、事前に定めた間隔で定期的に見直しを行う、物価上昇の累積が一定の値を上回った際に見直しを行うという三つの案の御議論をいただいたところでございます。

 その上で、与党でも御議論をいただいた結果として、二年に一度の見直しという御結論を得たところでございますが、この背景には、物価上昇の動向をできるだけ早期に反映させることは、それができるなら望ましいということがある、一方で、源泉徴収義務者等の事務負担に配慮する必要がある、この二つの要請に対して、このバランスをどう取るかという問題で、バランスよく対応できる仕組みだということでお決めになっていただいたのではないかというふうに考えております。

大島委員 また、令和七年度与党大綱においては、生活必需品を多く含む基礎的支出項目の消費者物価は平成七年から令和五年にかけて二〇%程度上昇しているという物価動向を踏まえて、基礎控除本則を十万円引き上げるとされました。そして、令和七年度税制改正において、その指標として、消費者物価指数の基礎的支出項目を用いて基礎控除の引上げ金額を決定していましたが、今般創設される仕組みでは、令和七年度税制改正で用いられた基礎的支出項目の指数ではなく、消費者物価指数で扱う全ての指数項目の値動きを反映した総合指数を用いて調整することとされています。

 そこで、総合指数を用いることとした理由、また、物価が下がった場合の基礎控除の扱いについて、政府参考人に見解を求めます。

青木政府参考人 お答えいたします。

 令和八年度税制改正では、基礎控除などについて、今後二年ごとに物価の上昇率に連動して見直すことを基本としているところでございますが、その際に参照する指標につきましては、基礎控除が一部の高所得者を除きましてほぼ全ての納税者に適用されるということを踏まえまして、対象を特定の品目に絞った指数ではなく、消費者物価の総合指数を用いるということとしております。

 また、こうした基礎控除等の物価連動につきましては、令和八年度与党税制改正大綱で示されている考え方は、足下のような物価上昇局面における実質的な税負担の調整を念頭にしたものと承知しておりまして、物価の下落局面でも同様に基礎控除等を調整するかどうかにつきましては、その時々の経済情勢や税負担の状況などを踏まえまして、丁寧に議論、判断する必要があるものと考えております。

大島委員 次に、住宅ローン控除制度における控除率について、質問をさせていただきます。

 住宅ローン控除制度は、持家の住宅ローンの年末残高の〇・七%を、入居した年以後、最大十三年間の各年分の所得税額から控除することができる制度でございます。

 この控除率〇・七%については、会計検査院の平成三十年度決算検査報告において、当時の住宅ローン控除の控除率一%を下回る借入金利で住宅ローンを借り入れているケースが多く、毎年の控除額が支払い利息額を上回る、いわゆる逆ざやが生じており、適用状況から見て国民の納得ができる必要最小限のものになっているかなどの検討が望まれるなどの指摘がなされていたことを受けて、令和四年度税制改正において、控除率が現行のコンマ七%へと引き下げられたと理解しております。

 一方で、住宅ローンの金利に関しては、令和六年七月からの日本銀行による政策金利の引上げ等により上昇しており、今後も上昇傾向が続く可能性がございます。例えば、大手銀行は、令和八年一月時点で同年二月からの十年固定型住宅ローンの金利の引上げを公表しており、最優遇金利は、大手五社平均でコンマ二〇四%高い、二・九三八%となったそうです。また、変動型住宅ローンの金利は据え置かれたものの、令和七年十二月の日銀の利上げを受け、各行の短期プライムレート、これを基に変動金利が決定されるわけですが、短期プライムレートを引き上げる発表をしており、今後は変動型も引き上げる見込みとのことです。

 このような状況を踏まえ、今般の改正に際し控除率の見直しについての検討を行ったのか、また、今後、控除率を引き上げる可能性があるかについて、財務大臣にお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 委員御指摘のとおり、足下では住宅ローン金利は上昇傾向にあるわけでございますが、住宅ローンの控除を通じた住宅取得の支援には、この控除率の見直しのほか、控除期間の延長ですとか、借入限度額の引上げですとか、様々、いろいろなやり方というか観点もありまして、これはめり張りをつけながら制度を見直していくということが適当というか重要ではないかと考えております。

 こうした考えの下、今般の令和八年度の税制改正では、住宅ローン控除につきまして、既存ストックの利活用の促進や子育て支援の充実、これらに重点を置きまして、一定の省エネ性能を満たす既存住宅を対象として借入限度額を引き上げるとともに、子育て世帯などへの上乗せ措置の対象とする、そして、控除の期間は十三年に拡充するということをしております。

 いずれにしても、金利の上昇が国民生活等に与える影響としてはいろいろございますが、住宅ローンの支払い利子の増加だけではなくて、預貯金をお持ちの御家庭が多いですから、その利子も、確かに今のところまだ若干かもしれませんが、増加に転じているわけでございまして、引き続き、これらも注視しつつ、適切なタイミングで経済財政運営を、万全を図ってまいりたいと思っております。

大島委員 ありがとうございました。

 終わります。

武村委員長 次に、一谷勇一郎君。

一谷委員 日本維新の会の一谷勇一郎です。

 与党の一員として質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まずは、特例公債、特例公債法改正法案についてお伺いをしたいと思います。

 本法案では、特例公債、赤字国債の発行根拠を令和十二年度まで五年間延長しますが、同時に、日本維新の会が強く要望させていただきました行財政改革の徹底や補助金等の適正化が新たに条文に盛り込まれました。

 これは、安易な、安易なと言うと言葉がちょっと間違いかも分かりませんが、借金に頼るのではなく、歳出改革を前提とした責任ある行政運営を行うという強いメッセージと受け止めておりますが、大臣のお考えをお伺いいたします。

片山国務大臣 まさに御指摘のとおりでございます。

 まず、今回の特例公債法の改正法案では、新たに第五条を設け、歳出改革を含む行財政改革の徹底と、その一環として租税特別措置、補助金の適正化に取り組むことを法律の条文上で明らかにしていることは、本日何度もお答えをしているところでございますが、まさに、この五条の規定は、御党、日本維新の会からのお申入れを受けて、特例公債発行の授権期間における政府の改革姿勢を明確に示すという趣旨で設けたものであります。

 特例公債法では、これまで、複数年度の授権の前提として、経済・財政一体改革を推進し、公債発行額の抑制に努めるということとはされてきましたけれども、今回のこの第五条の創設によって、歳出改革も含めて、政府が進めるべき取組がより明確化されるものと考えておりまして、こうした規定も通じて、財政規律にも十分配慮した財政政策こそが高市内閣の責任ある積極財政であるという強いメッセージになるものと考えております。

 なお、租特、補助金の見直しにつきましては、以前もお答えいたしましたように、この総点検を行うということで、既に見直しの取組を始めておりまして、昨年十二月の、官房長官や関係大臣、各府省庁の副大臣に御参加いただいた第一回の会議が既に開催されている上、令和八年度の予算、税制改正でも、直ちに見直し可能なものについては早速見直しを行って、その内容を昨年末に公表しておりますし、今年の一月から二月末にかけては、国民の皆様からの御提案、これが三万六千件を超えるわけですが、もいただいておりますので、これらを分析、整理の上、しっかりと対応をして、令和九年度予算編成、税制改正プロセスでは、こういうことを全て参考とさせていただいて、各府省庁、つまり、要求官庁側にも全面協力をいただいて、要求、要望段階から一貫して生かして取り組ませていただきたいと思っております。

一谷委員 そういった行財政改革を行うことによって市場の信頼を得るということだと思います。

 この四月から社会保険料の納付が始まる子ども・子育て支援金、五月から納付になるんですけれども、これは令和六年四月から五月に議論されました。私は、当時、子育て、少子化対策にどれぐらいの予算がかかっているのか、自分で調べてみたんですが、いろいろな省庁にまたがって、本当に調べ切れませんでした。そして、これとこれの予算は政策内容からしたら一緒でいいんじゃないかなというのも強く思ったんですが、是非そういったことを、行財政改革をやったことが難しく説明されるのではなく、国民の皆さんに、見てぱっと分かるような、そういった形で是非公表をしていただきたいと強く要望いたしますし、私もそれに力を注いでまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、次に行かせていただきます。

 復興ですね、復興財源確保法案の改正案についてお伺いをさせていただきます。

 復興債の発行期限を令和十二年度まで延長し、令和十二年度までの二十年間の事業規模を三十四・九兆円程度と見込んでいます。東日本大震災から、復興について、復興の総仕上げに向け、被災地のニーズに柔軟に対応し、最後まで責任を持ってやり遂げるための財源を確保すべきと考えますが、政府の意見を改めて伺いたいと思います。大臣、お願いいたします。

片山国務大臣 御指摘のように、東日本大震災からの復興、創生というのは、日本の未来に向けた挑戦でもありまして、第三期復興・創生期間の五年間も、被災地の復興に向け、政府として総力を挙げて取り組んでまいるという決意でございます。

 この点、特に、被災者の方々の心のケア、被災した子供に対する支援など、被災地のニーズに応じたきめ細やかな被災者支援に取り組んでいくことが特に重要ではないかと考えております。

 復興財源確保法の改正法案につきましては、仮に年度内に成立しないで復興施策の期間が延長されないということが起きますと、本年四月から復興事業に対して支出を行うことができないというたてつけになってしまいます。ですから、令和八年度以降も力強く復興を推進していくため、この改正法案につきまして、年度内の成立を是非に是非にお願いしたいと考えており、必要な復興財源については、引き続き、責任を持って確保していくという所存でございます。

一谷委員 先ほどの質問の中でもありました、ハード面、インフラ面は大分整っているが、心のケアという問題があります。

 私は、神戸ですから、阪神・淡路大震災を経験し、そして、兵庫県には、兵庫こころのケアセンターというのが神戸の中央区にあります。これは形を変えながら三十一年続いておりますが、いまだにやはり心のケアを続けているのです。本当に形を変えながらだと思いますが、東日本の心のケア、私も医療側の人間としていますので、力強く進めてまいりたいと思いますので、どうぞ財源の確保をよろしくお願いをいたします。

 それでは、次は、所得税法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。

 令和七年度税制改正においては、消費者物価指数の基礎的支出項目を用いて基礎控除の引上げ金額を決定していたが、今般創設される仕組みでは、消費者物価指数で扱う全ての指数品目の値動きを反映した総合指数を用いて調整することとされています。

 そこで、総合指数を用いるとした理由、また、物価が下がった場合の基礎控除の取扱いについて、政府の見解を政府参考人の方にお伺いいたします。

青木政府参考人 お答えいたします。

 基礎控除等の物価連動の参照指標でございますが、基礎控除がほぼ全ての納税者に適用されることを踏まえまして、対象を特定品目に絞った指数ではなくて、消費者物価の総合指数を用いることとしております。

 また、物価連動につきまして、与党税制改正大綱で示されている考え方は、足下のような物価上昇局面における実質的な税負担の調整を念頭にしたものと承知しておりまして、物価の下落局面でも同様に調整するかどうかにつきましては、その時々の経済情勢や税負担の状況などを踏まえまして、丁寧に議論、判断する必要があるものと考えております。

一谷委員 それでは、物価が下がったときは下がったときにまた考えるという形だというふうに認識をいたしました。

 続いて、今回の基礎控除等の引上げによる減税効果は所得階層によって控除額や減税額に偏りがある点について、政府の見解をお伺いいたします。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、基礎控除等の引上げにつきまして、二年ごとに物価上昇に応じて基礎控除の引上げを行うこととしておりまして、こちらは、ごく一部の高所得者を除く全ての納税者を対象とし、物価上昇に応じて適切に負担軽減を図るものとなっております。

 その上で、さらに今回は、政党間の合意や与党税制改正大綱を踏まえまして、一部に減税額のばらつきが生ずるものではございますが、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図る観点から、四区分に分かれておりました仕組みを簡素化することや、低所得者の方々だけでなく中間層についても負担軽減を図ることを重視いたしまして、中低所得者に対して基礎控除の上乗せ特例を政策的に拡充することとしたものでございます。

一谷委員 今の質疑のポイントというのは、中所得者の方までしっかりフォローしたということだと思います。

 次は、大臣に質問させていただきたいんですが、基礎控除等引上げの対応については、物価上昇が定着しつつある中で、経済状況に応じた適切な対応であると評価をしております。他方で、年収階級によって減税額にばらつきがあるという課題があります。

 さらに、家計への負担という面でいえば、所得税だけではなく住民税や社会保険料もあり、負担面のみならず、各種の給付による支援も行われている。こうした施策について、省庁横断的に共同して負担と給付のバランスを総合的に図る必要があると思うのですが、大臣のお考えをお聞かせください。

片山国務大臣 今ほど事務方からもお答えを申し上げたように、今回の見直し、これによって一部に減税額のばらつきが生じておりますが、これは、各般の政党間合意や与党の税制改正大綱を踏まえまして、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図るという観点から、所得階層に応じて四区分に分かれていた仕組みを簡素化することや、低所得の方々だけではなくて中間層について負担の軽減を図ること、これは御指摘のあったところ、これを重視した結果でこのようになっているものと理解をしております。

 この拡充が物価上昇を上回る特例的な対応として二年間の時限措置とされており、その後の在り方については今後検討されていくものとなっておりますのも、そういうことなのかなと思っております。

 その上で、確かに、御指摘のように、住民税もありますし、社会保険料もありますし、様々な各種の給付措置もあります。こういったものを含めて、給付と負担の在り方がどのように調整されるかが重要だということは、これはもうみんな前提としておりまして、ですから、今回、社会保障国民会議も設けられまして、かなりの党が御参加の方向になっていただいているものと理解して喜んでおりますが、この議論を進めていく中で、こういったことも含めて当然御検討をしていただくのかな、かように思っております。

一谷委員 ありがとうございます。

 国民の皆さんから見れば、所得税も住民税もそして社会保険料も、同じ家計からの支出であります。複雑化する給付制度がその全体像を見にくくしている側面もあるのではないかというふうに思っております。政府におかれましては、本法案による負担軽減の効果を確実に国民に届けるとともに、常に家計全体の収支という俯瞰的な視点に立ち、真に効果的で温かい行政運営を行っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、時間が押し迫ってまいっておりますので、所得税法の一部を改正する法律案について、政府参考人の方にお伺いする質問は少しおいておかせていただいて、大臣に最後質問させていただきたいと思います。

 研究開発税の減収額は年々増加している中で、拡充も必要だが、一方で、効果検証を行うことも重要であると考えます。今後、研究開発税制だけでなく、租税特別措置の見直しを進めるべきと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

片山国務大臣 おっしゃるとおりで、補助金と並んでというか、補助金より前に租税特別措置の見直しという担務を私は高市総理よりいただいているんですが、元々、租税原則は、公平、中立、簡素でございますから、租税特別措置はその例外として、特定の政策目的を実現するために必要で有効だからということで、一つ一つ精査をいただいてお認めいただいているということですが、当然、御指摘のあったようなゆがみとかいろいろな面も出てくるので、真に必要なものに限定していくことが重要だということがまさにこの大所高所の方針でございます。

 法人だけで、最近の統計というか数字で三・二兆円ぐらいの減収がございます。これは、ほかの減収も多いんですよ。法人税以外も結構ありますが、専ら見直しで話題になるのは法人関係が多いんですけれども。連立合意にもございます租特の見直し総点検については、めり張りをはっきりさせる、国民の視点でめり張りをはっきりさせて、皆様に御理解いただけるような形になっていくように取り組んでまいりたい、かように思っております。

一谷委員 今回の研究開発税の見直しで、本当に研究に力を入れていくというところと、少し研究に力を入れていくのはやめようかなというふうな企業に分かれてくるんだろうというふうに思いますが、より研究開発を進めていただいて、稼げる日本というところを目指してまいりたいと思いますので、私も与党の一員として頑張ってまいりたいと思います。

 それでは、質疑の時間が終わりましたので、これで終わらせていただきます。皆さん、どうもありがとうございました。

武村委員長 次に、萩原佳君。

萩原委員 日本維新の会の萩原佳です。本日もよろしくお願いいたします。

 本日は、税法全般に関する質疑として、今、全国の多くの中小企業、小規模事業者の皆さんが直面している消費税の実務的課題、具体的には、簡易課税制度選択届出書の提出期限の在り方に関して質問をさせていただきたいと思っております。

 現在、基準期間の課税売上高が五千万円以下の事業者は、実際の仕入れ税額を計算する本則課税、売上げに対する消費税から実際の仕入れや経費などにかかった消費税を差し引いて計算する方法に代えて、みなし仕入れ率を用いて納税額を計算する簡易課税制度を選択することができます。

 本則課税が、日々全ての仕入れについて、消費税額を正確に記録、計算して、適格請求書、インボイスですね、これを保存する必要があるため、事務負担が大きくなる一方、売上高のみから納税金額を計算できるのがこの簡易課税ですので、仕入れ税額控除を行うに当たってのインボイス等の保存が不要となり、事業者の事務負担が大幅に軽減されて、数多くの中小企業者にとって事務負担を軽減する極めて重要な制度であると考えています。

 ただ、この制度を受けるためには、原則として、その適用を受けようとする課税期間の開始の日の前日までに、選択届出書、これを提出しなければいけません。つまり、事業年度が開始する前に、これから一年間の自社の経営状況、これを予測して、税制の選択、これを確定させることが求められています。

 これはまず政府参考人にお伺いいたしますが、この選択届出書、これを課税期間の開始前に提出しなければならないとした趣旨、これを御説明ください。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 消費税の簡易課税制度でございますが、中小事業者の事務負担への配慮という観点から、課税売上高と事業、業種の種類ごとに定められましたみなし仕入れ率によりまして納税額を計算できる制度でございまして、その適用を受けるためには課税期間が開始する前に届出を行う必要がございます。

 これは、日々の仕入れに関するインボイスの保存は、簡易課税の適用を受ける場合には不要となる一方で、簡易課税ではない本来の計算方法、一般課税と申しますが、こちらで申告する場合には必要となるために、日々の仕入れが行われる時点で簡易課税の適用の有無を確定しておかなければ、結果として全ての仕入れについてインボイスを保存しておく必要がございますので、中小事業者の事務負担への配慮という簡易課税制度の本来の目的を果たせなくなるというおそれがあることを踏まえたものでございます。

萩原委員 ありがとうございます。

 本来の目的、事務負担の軽減というところから、開始する前年度までに用意しようということでありますけれども、それを前年までに確定させるということが本当に中小企業のためになるのかなというのを少々考えております。

 現在のビジネス環境において、一年先の仕入れ状況、設備投資の必要性等、完全に予測するということは大企業であっても非常に難しいです。ましてや、資金力に乏しい中小企業は、期中に突然主要取引先が倒産したりとか、それで仕入れルートが変更になるとか、あるいは、突発的な機械の故障等で、多額の修繕、課税仕入れが発生するようなケースは多々起こり得るかと思います。

 事前に簡易課税を選択していたがゆえに、期中の予期せぬ大型投資に対して、消費税の還付、これが受けられないであるとか、資金繰りがショートして黒字倒産に追い込まれるみたいな状況、こういう状況も起こり得ますし、例えば、たった一日届出が遅れただけで、膨大な事務負担と、本来払わなくていいレベルの税負担、これが強いられる可能性もある、これは本当に中小企業のためになるのかという意味は考えるべきじゃないのかなと考えています。

 また、この簡易課税制度、最初に申し上げましたが、課税売上高が五千万円以下という、中小企業といいながらも非常に小規模の事業者、これに対して適用されている制度で、その判断というのはやはりなかなか難しいものじゃないのかなと考えています。

 そういう意味では、同届出の提出期限、これを、事業開始年度前から、いわゆる消費税の確定申告、これの提出期限と同一に変えるという方法も、中小企業救済、若しくは中小企業のためを思うと必要じゃないのかなとも考えておるんですけれども、大臣のお考えをお伺いできればと思います。

片山国務大臣 先ほどの大森委員もそうでいらっしゃいますが、萩原委員におかれましても、まさに地域で中小企業、零細企業、個人事業主に寄り添っておられて、まさにこれら一連の制度において、細部というか、実際の適用状況においてその本質があるということがよく起きまして、私もそういった問題に非常に頻繁に立ち会ってきた政治家の一人でございますが、基本は、中小企業を活性化する、中小企業に元気になってもらうというのは、もちろん高市政権においても、恐らくどの政権においても、圧倒的に優遇というか、重要な命題なんですよ。

 ただ、税制の延長となると、先ほどの公平、中立、簡素ですとか、税制の適正な執行とか、そういうことがありますので、これとどういうバランスが取られるかということは常にあるなというふうに、私は税務署長も若い頃やっていたので、そのときに消費税が初めて入ったんですけれども、当時は五千万円までなかったので、自分のことだと思っていた方は商工会や青色申告会にほとんどいなかったという中で、一年間、それでもいろいろな疑問点にお答えしながらやってまいりましたが。

 この制度がいかにして入ったかというと、仕入れ税額控除の額が本来の方法で計算することが困難な中小事業者というのはたくさんいるという前提で、事務負担に配慮するという趣旨でございます。

 御指摘の適用を受けるための届出の提出期間が課税期間の開始前とされていることの理由は、日々の仕入れに関するインボイスの保存が簡易課税の適用を受ける場合には不要となる、不要である一方、簡易課税ではない本来の計算方法で申告する場合には必要という違いがある中で、いずれの方法によって申告するのかを日々の仕入れが行われる時点までに確定しておく必要があるということで、この時点においては、納税者側からのいろいろな御意見もあって、お話を伺った上でこういうふうにしたということでございます。

 仮に確定申告書の提出期限までとした場合に、簡易課税による場合と一般課税による場合を比較、計算し、有利な方を選択するということが確かに可能になって、それがそれでいいんだという考えもあるかもしれませんが、仕入れ税額控除の額を本来の一般課税による方法で計算できる事業者も簡易課税の方に行くだろうなということを考えると、私は、最初に申し上げた趣旨とどうなのということは当然出てくるので、中小事業者の事務負担への配慮という制度本来の趣旨と比べて合わないんじゃないかということがあるので。今までこういう声というのはたくさん出てきたと思います、長年。今まで検討が慎重になっている理由はこういうことではないかと考えております。

萩原委員 御回答ありがとうございます。

 大臣おっしゃるとおり、選択できて、この場合の方が税額が有利だねというようなケースも当然起こり得ると思いますし、そのような、ある意味、制度、用意しているというか国が法律で準備している選択肢、これがある中でどれを選ぶのかというところを、選ばせてあげる自由というのも、より、特に簡易課税の場合は中小企業者というか小規模事業者ですから、そういう彼らに対してそういう機会を提供するというのもありじゃないのかなというのは思っております。

 もちろん、日々の取引をしていて、それを細かくつけている方が有利な方を選択する。よく、簡易課税を選ぶかどうかというのは、どちらかというと手間の問題も大きいですけれども、こっちの方が結果として、第一種事業の方とかは仕入れ率が非常に高いですので、有利だからそっちにしようという意味で、本来の事務負担軽減というところだけではなくて、やはりこっちの方が税制は有利だなというところで選択している事業者も数多くあるというのは承知しておりますので、そのような実態を踏まえて考えてみると、やはり、最終最後の提出期限まで、その時点で判断をしていただくというのも一つの方法としてありじゃないのかなというのは思っております。

 ある意味、役員給与の損金不算入に関する定期同額もそうですけれども、後で利益調整、これをできるようにするのはよくないよねという形で、日本の場合、規定しておりますけれども、海外はそういう規定はたしかなかったところが多いと思いますので、そういう日々の事業者の選択、これを税制で、足かせにならないような形で構築していくというところの見方というのも大事かなと思っておりますので、そこも、ちょっと今、最初の消費税の簡易課税の話からは少しずれてはいますけれども、検討していただければなと思っております。

 今回、話をすごくシンプルにするために消費税の簡易課税選択届の提出期限に絞って話をしましたけれども、最初の、開始事業年度前までに出さないといけない、そういうものに関しては、例えば、棚卸資産の評価方法の変更であったりとか、あと減価償却の償却方法の変更、これも事業年度開始前までにしてくださいねというルールになっていると思いますが、これらも、最終最後、一年先どうなるか分からない中で、最も有利な、若しくは企業実態に合った償却方法を選ぶ、選択をさせるという意味でも、緩和してもいいんじゃないのかなと思っております。

 やはり、一年前、今、国会の状況はこうなっていると予測している人がいなかったように、事業者にとっても同じような話、一年先のことを見通すのはなかなか難しいと思いますので、是非、そういう選択の幅を広げられるようにしていただくように御検討いただくことをお願いしたいと思っております。

 二点目、質問させていただきます。複数年度予算の進め方についてです。

 高市政権において、経済成長、そして財政規律の両立を目指す観点から、複数年度予算の導入と、補正予算、これを前提とした予算編成からの脱却、これが提起されています。

 このうち、複数年度予算については、中長期的な視点での計画的な事業実施、これが可能である点、これにより、政府による財政支出の予見可能性が担保されてクラウディングイン効果が期待できる点、基金等を利用する場合と比較して、財政の透明化の確保や事後変更リスクの低下など、メリットが存在する一方、予算の硬直化や財政規律の緩みが生じる点や、議会のチェック機能、これが低下するおそれがある点、また、これまでの単年度主義の原則、これを変更することによる行政の意思決定プロセスの変更や、これまで以上に厳格な事業評価体制の構築が必要となること、また、憲法、財政法との整合性等々、様々なデメリットも生じると考えております。

 私としては、デメリットよりもメリットの方が大きく、積極的に進めるべきだとは考えていますが、大臣のこの複数年度予算に関する意気込みや想定する課題等がございましたらお示しいただければと思います。

片山国務大臣 まさに、未来への投資、強い経済をつくるということが眼目の高市政権でございますから、これが一部やりにくくなっていた部分、単年度予算の弊害ですとか、そういった部分を抜本的に予算改革するということで、複数年度予算につきましては、今までにもGXやAI、半導体等において取組をやってはきましたが、予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入するということにしておりまして、またそれから、できるだけ当初予算で計画的に計上していくということにもなりますので、これはかなり大きな変革です。ただ、これは確かに、官が民を引っ張るという意味で、投資立国になっていく意味では非常に重要で大きな変化ですから、これをやり遂げないと成功はないなと思っております。

 また、これが野方図にならないためには、成果管理の徹底が当然であるということは、各委員からの御質問も既にいろいろな委員会でいただいておりますし、また、政策の効果検証についての取組というのもきちっとある程度つくっていかなきゃいけないので、行政事業レビューもそうですが、今回の租特、補助金見直しの取組はそういうものにしなければいけませんので、事業の進捗や成果の適切な管理、必要な見直しがビルトインされているようにしていかなければいけないということで、よりよい予見可能性と機動性が図られ、かつ財政放漫的なものではないということを両立させてまいりたい、かように思っております。

萩原委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、本当に検証をどうしていくのかというのがより大切になっていくと思いますし、それに関しては、様々過去からも課題が示されている中、解決までは至っていないと思っておりますので、是非、片山大臣のリーダーシップの下、実行していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ということで、時間も過ぎておりますので、私の質問は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

武村委員長 次回は、来る十日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.