衆議院

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第4号 令和8年3月10日(火曜日)

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令和八年三月十日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武村 展英君

   理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君

   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君

   理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君

   理事 萩原  佳君 理事 田中  健君

      浅田眞澄美君    石井  拓君

      稲葉 大輔君    井林 辰憲君

      岩崎 比菜君    上原 正裕君

      衛藤 博昭君    鹿嶋 祐介君

      加藤 勝信君    園崎 弘道君

      高階恵美子君    土田  慎君

      中川こういち君    長澤 興祐君

      永田磨梨奈君    新田 章文君

      福原 淳嗣君    藤田 洋司君

      藤丸  敏君    文月  涼君

      星野 剛士君    松本  泉君

      水野よしひこ君    三反園 訓君

      三原 朝利君    山田 基靖君

      山本 裕三君    米内 紘正君

      渡辺 勝幸君    大島  敦君

      大森江里子君    岡本 三成君

      一谷勇一郎君    近藤 雅彦君

      牧野 俊一君    土橋 章宏君

      峰島 侑也君    河村たかし君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   財務副大臣        中谷 真一君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 茂呂 賢吾君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 貫名 功二君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        小山 和久君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            恒藤  晃君

   政府参考人

   (内閣府総合海洋政策推進事務局次長)       川崎  暁君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局長)  堀本 善雄君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局総括審議官)          柳瀬  護君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            岡田  大君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    石田 晋也君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          水田  功君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 福田  毅君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 竹林 俊憲君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   中山 光輝君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   吉沢浩二郎君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    青木 孝徳君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    寺岡 光博君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    井口 裕之君

   政府参考人

   (国税庁次長)      田原 芳幸君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       今村 聡子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           佐藤 大作君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           江浪 武志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           今村  亘君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            山崎 琢矢君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           井崎 信也君

   政府参考人

   (観光庁審議官)     田中 賢二君

   参考人

   (日本銀行理事)     中村 康治君

   参考人

   (日本銀行総務人事局長) 藤田 研二君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     園崎 弘道君

  加藤 勝信君     土田  慎君

  新田 章文君     文月  涼君

  福原 淳嗣君     山田 基靖君

  森原紀代子君     水野よしひこ君

  峰島 侑也君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  園崎 弘道君     山本 裕三君

  土田  慎君     高階恵美子君

  文月  涼君     新田 章文君

  水野よしひこ君    森原紀代子君

  山田 基靖君     中川こういち君

  土橋 章宏君     峰島 侑也君

同日

 辞任         補欠選任

  高階恵美子君     星野 剛士君

  中川こういち君    藤田 洋司君

  山本 裕三君     永田磨梨奈君

同日

 辞任         補欠選任

  永田磨梨奈君     衛藤 博昭君

  藤田 洋司君     福原 淳嗣君

  星野 剛士君     加藤 勝信君

同日

 辞任         補欠選任

  衛藤 博昭君     浅田眞澄美君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)


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     ――――◇―――――

武村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事中村康治君、日本銀行総務人事局長藤田研二君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官茂呂賢吾君外二十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。中道改革連合の伊佐進一です。

 大臣、冒頭、ちょっと一問、原油の質問だけさせていただきたいというふうに思っております。

 昨日夜半、大臣、G7の財務大臣会合が開催されたと伺っております。報道によりますと、各国が協調して原油を放出するというような報道がなされておりました。昨日、予算委員会の方で我々中道も質問させていただいた中で、経済産業大臣の発言は、具体的には指示していないということでした、はっきりとは放出について明言はされなかったことなんですが、昨日の財相会談を受けて日本政府として原油を放出するという方針が固まったという理解でよろしいでしょうか。

片山国務大臣 今日、朝、この御質問をいただいて、ありがとうございます。

 今日、閣議後で総理ともお話ししましたし、経済産業大臣ともお話ししましたし、そもそも昨日の夜半、連絡を取り合っておりますが。

 G7財務大臣クラスがオンラインで集まろうということは、その前の週にG7財務大臣代理の会合がありまして、国際金融情勢が余りにも混乱している、原因はこの問題ですが、ということについて何かをするとしたら財務大臣会合であろうということで、会合の招集を私ども日本からも強く働きかけましたし、ほかも何か国か言って、急遽、昨日やることになったんですが。

 普通は、IMFや世銀やOECDは絶対出てくるんですが、初めからIEAのトップが主役ということで、状況認識として、まず、ホルムズ海峡の早期再開、それから、保険の早期提供、これはアメリカとかロイズとかいろいろありますよね、それと、IEA加盟国による石油備蓄の協調放出、場合によってはその外まで働きかけてもいいというようなことを極めて強く、具体的な数字を全部掲げておっしゃって。当然、IEAですから加盟国全てにお話はしているわけですよね。ただ、その時点で別に決まったわけではないけれども、経済に関わる者としての共通認識ということが非常に強くありました。

 私どもの方からも、同じような認識をいたしまして、特にホルムズ海峡経由は、原油輸入の九〇%を中東に依存する我が国やアジア各国には極めて、安全保障、安定確保上、問題というか重要であるということと、例の保険の問題ですね、アメリカのDFCと、それから民間であれば英のロイズですか、というようなことも含めて、我々G7としては、財務相が、原油備蓄の協調放出を一つのてことして使うということをIEAのトップが言っている以上、エネルギー大臣に働きかけるべきでないか、こういう言い方をいたしました。それは打合せの上でございますが。

 ということで、結果的に、ほかの方が何を言ったかは私たちは普通言わないんですが、特に財務大臣会合では言わないんです、マーケットにいろいろ影響があるので。ということで、コミュニケがまとまりまして。

 まず、本日会合を行ったということと、現在の中東の紛争と、それが地域の安定、世界経済の状況及び金融市場に与える影響、金融は全ての金融を含みます、あえて列挙しませんが、そういうものは全部、全ての金融市場です、及び通商航路の保護の重要性について議論した。我々は、エネルギー市場の状況と動向への注視を続け、情報交換を行い、G7内で、また、国際的パートナーと協調するため、必要に応じて会合を開く、この一回じゃなくてやり続けるということとともに、我々は、備蓄放出などエネルギーの世界的供給を支援することを含め、必要な対応を講じる用意があると断決したということでございます。

 協調放出の具体的なことにつきましては、今日、同じような時間にエネルギー大臣の会合もまたオンラインでやりますから、今、かなり相場が下がってはいるようですが、これが十分な水準かについては我々はコメントしませんので、そこで、様々な現実的な問題、あるいは手法の問題、テクニカルな問題等々についての議論がなされるやに聞いております。

 以上が御報告でございます。

 大変、御質問いただいて、ありがとうございます。

伊佐委員 大臣、突然の質問なのに本当に丁寧に対応していただきまして、ありがとうございます。

 具体的に数字は大臣としておっしゃられないと思いますが、確かに、一時期、昨日は一バレル百十九ドルまで行ったのが、報道を見ておりますと、八十七ドルまで下がった。もちろん、この動きだけではないかもしれませんが、国際協調を続けていくことの重要性、国民生活を守るために国際社会が連携する重要性というのを私も非常に強く感じたところでありますので、引き続き、御尽力いただければというふうに思っております。

 では、質問に入らせていただきたいというふうに思いますが、特例公債法について質問させていただきます。

 先ほど、国民民主党と、今朝、一緒になりまして、共同提出という形で、特例公債法の閣法の対案として、議法の特例公債法案を提出をさせていただきました。

 我々の思いというのは、今、インフレ下にある、円安も進んでいるという状況の中で、やはりこれまでとは違うやり方をしなきゃいけないんじゃないか、責任ある積極財政という中で五年間授権をしてしまうとマーケットがどう反応するかというのは非常に私たちも懸念を示している、円安が加速するかもしれないという中で、毎年国会での議論をしっかりとかませていく、毎年度やっていくことがやはり重要なんじゃないか、これが市場に対して一番確実なメッセージではないかという思いで、今回、法案を提出させていただきました。

 まず、冒頭、閣法とそして議法のそれぞれ違いについて、様々質疑の中でお訴えをさせていただきたいと思いますが、まず、閣法について伺います。閣法では、今回、五条、財政規律を加えておられますが、なぜ、あえて今回は五条をつけ加えたのか伺いたいと思います。

片山国務大臣 今回の閣法、特例公債法の改正法案では新たに第五条を設けた、それは、歳出改革を含む行財政改革の徹底と、その一環として租税特別措置、補助金の適正化に取り組むことを条文上で明らかにしたということでございますが、このような行財政改革について盛り込む意義は、本法律の第三条までで複数年度の公債発行の授権を求めている中で、その前提として、第四条に規定する発行額抑制に向けた取組についてより具体的に政府の方針をお示しすることで市場の信認の確保にもつながるよう、授権期間における改革の姿勢を明確にするということがその趣旨と考えております。

伊佐委員 この条文は、初めてつけ加えられた。五年前はなかったわけですよね。その前もなかった。だから、つまり、なぜ今回つけ加えたかというと、恐らく今の経済状況に対する認識だと思っています。つまり、今までとは違うんだという思いを政府も持っているので今回、五条をつけ加えたんじゃないか。我々もそう思っているわけですよ。デフレ経済からインフレ経済に変わり、そして円安が進んでいるという状況の中で、高市政権は、今、責任ある積極財政と。よりリスクを感じているところがあるから書き加えられたんじゃないかというふうに思っております。

 それであるなら、余計強く感じるのは、本当に今までと同じようなやり方でいいのかということでございます。どうやって日本経済に対する不安を打ち消していくのか、その手段として何が一番適切なのかというのが、今回の閣法か議法かという問題ではないかというふうに思っております。つまり、第五条として一条加えることでマーケットの信認を得ようとしているのか、あるいは、それとも、毎年立法府がチェックを今回からするんだと切り替えることで信認を得ようとしているのかという手法の違いかなというふうに私は理解をしております。

 では、五条を今回閣法でつけ加えることで財政に対してどれぐらい安心感を持っていただけるのか、具体的に何が変わるのかというところを伺いたいと思います。

片山国務大臣 御指摘いただきましたように、まさに、日本の財政に対する、安心感とおっしゃいました、安心感を確保するために、この第五条に定められた租税特別措置や補助金の見直しについて、この取組を進めていくわけですけれども、昨年十二月に開催した租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議におきまして、担当大臣である私から既に各府省の副大臣に対しまして、これまでの会計検査院や行政事業レビュー等における指摘を踏まえた自己点検などを含め、見直しに積極的に取り組んでいただくこと等について指示させていただいておりますので、次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスにおきましては、この夏の要求、要望の段階から一貫して見直しに取り組むこととなります。そうなりまして、既存の取組とも連携しながら、しっかりと進めていくという所存でございます。

 一月から先月末まで募集しておりました見直しの国民の皆様からの提案募集につきましては、本当に単純集計でございますが、約三万六千件以上のものを既に受け取らせていただいているという、非常に今までと違う重みもございます。少しお時間をいただいて、皆様の御提案は分類、整理が必要ですが、これは概要をまとめてお示ししたいと思います。

 そこで、何をどの程度見直すかについては、今はまだそういう事情なので確たることは申し上げないんですが、しっかりとリードして具体的に進めていくという意味では、それは前回までにはなかったスキームでございますので、そういう部分があるというふうに考えております。

伊佐委員 この五条がどれぐらい本当に実効性を持って形にできるかというのが重要だと思っておりまして、私は、ちょっとそこは、実はいろいろな越えなきゃいけないハードルがあるかなと思っております。

 行財政改革を徹底する、あるいは租特、補助金の適正化、これは第四条に書かれたことをより具体化していただいたわけですが、今いろいろ精査していただいているといいますが、本当にここからどれぐらい財源が出るのかという話です。

 例えば、私、資料一を配らせていただいております。これが租特の中身、毎年出されます適用実態調査報告書であります。

 大体、租税というのは法人税に関わるものが多いので、あくまでこれは法人税のものですが、一番上、大きいものは法人税率の特例、四兆七千二百六十七億円、これが一番大きい。これは中小企業の軽減税率ですね。その次が、税額控除が二兆少し。特別償却が〇・九兆円。

 ここをどこまで削減できるかという話なんですが、この一番上の四・七兆円というのを減らせるかというと、これは中小企業のいわゆる暫定税率、元々、企業は一九%なのが中小は今、一五%になっていますので、ここはさすがに手をつけれないだろうと思います。しかも、この数字は、ちなみに適用額ですので、つまり減収額じゃありません。減収額でいうと、全部合わせても大体三兆円ぐらいですので、そんなに大きな規模ではないんです。百二十二兆円という予算の規模の中で、本当にここからどれぐらい財源が出せるのかというのも少し、ちょっと疑問があります。

 そもそも、特例公債法で今回、五条を入れましたが、五条を入れるまでもなく、今までもずっと歳出改革努力はされてきたわけですよ。より具体的に申し上げると、例えば教育の無償化、ガソリン暫定税率の廃止、こういう中でも歳出改革努力。

 これは、資料の二を見ていただきますと一番上の部分、教育の無償化で、高校の無償化が〇・四兆円、給食が〇・三兆円で、合わせて〇・七兆円の財源が必要でした。その右、当分の間税率、いわゆるこれはガソリンとか軽油の暫定税率。ここの部分も財源が合わせて一・五兆円必要でした。合わせて二・二兆円必要だった中で、財源をどうするかというのをずっと議論してきたわけです。結論、どうなったかというと、歳出改革で〇・二四兆円出しましょう、租特の見直しで一・二兆円出しましょうと。

 ちなみに、まだ足らざる部分というのが、右の、継続検討となっています。これは八千億円。ここもまだ残っているわけですよ。宿題事項になっている。ここをどうやってまず見つけていくのか、財源を見つけていくのかという議論もありますが、まずちょっと伺いたい、これは参考人で結構ですので。このまだ継続検討となっている部分について今後どのように確保していくのか、伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘をいただきました、いわゆる教育の無償化やガソリン、軽油の当分の間税率の廃止に伴います財源については、与党の税制改正大綱におきまして、令和八年度税制改正における租税特別措置の見直しなどや令和八年度予算編成における歳出改革による財源捻出によってもなお不足する財源につきましては、与野党六党の合意などを踏まえまして、道路関連インフラ保全の重要性、物価動向などやCO2削減目標との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、令和九年度税制改正において結論を得るということとされております。

 政府といたしましては、与党の税制調査会における議論を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

伊佐委員 これはこれで本当に大きな課題だというふうに思っておりますが、ちょっと、今日の趣旨は、歳出改革の部分に触れたいと思うんですが、〇・二四兆円、歳出改革で捻出しますということになっています。この歳出改革で財源を捻出しますという言葉は、今まで我々はいろいろなところで聞いてきたわけですよ。

 例えば、防衛財源、防衛力強化のための財源についても、まあここは後でちょっと議論したいと思いますが、税制措置で一兆円強ということのほか、ここでも歳出改革で一兆円強出すんだということになっておりました。

 こども未来戦略、いわゆる加速化プランです。これは、歳出で全部で三・六兆円。子ども・子育て支援金が一・〇兆円、これは前回の財金委員会で私も質問させていただきました。この一・〇兆円の中身と、あとは既定予算の活用、事業主拠出金とか雇用保険の活用とか、これで一・五兆円。それ以外に、歳出改革が一・一兆円なんですよ。

 つまり、いろいろな、我々が新しいことをやろうと思った中で、今回、教育、ガソリンであれば〇・二四兆円、防衛財源であれば一兆円、子供、子育てプランであれば一・一兆円、常に歳出改革というのが入っているわけですよね。

 ちょっとまず確認したいのは、こうした歳出改革の財源というのは、具体的なめどはついているんでしょうか。

中谷副大臣 いわゆる教育無償化やガソリン、軽油の暫定税率の廃止に伴う財源の確保の取組については、先ほど主税局長から申し上げたとおりでございます。

 防衛力強化や子供、子育て政策のための財源確保に当たりましては、国民の皆様の御負担を可能な限り抑制するとの観点から、御指摘の歳出改革を始め、あらゆる行財政改革の努力を行うこととしております。

 防衛力強化に充てられる財源の確保をするための歳出改革については、現行の防衛力整備計画では、令和九年度時点において、令和四年度と比べまして一兆円強を確保することとしております。このうち、これまで、令和五年度から令和八年度までの予算編成におきまして、各年度〇・二一兆円程度の非社会保障関係費を対象とした歳出改革の取組を継続して、計〇・八兆円程度の財源を確保したというところでございます。

 また、子供、子育て政策の強化について充てられる財源を確保するための歳出改革につきましては、こども未来戦略におきまして、令和十年度までに一・一兆円程度の確保を図るとされております。このうち、これまで、令和五年度から令和八年度の予算編成におきまして、各年度〇・一八兆円程度の社会保障関係費を対象とした歳出改革を継続し、計〇・七兆円程度財源を確保しております。

 引き続き、必要な財源を確保されるよう取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員 歳出改革というのが常に財源で当てにされるわけです。もちろん、歳出については常に、不断に改革していくということが重要だというのはそのとおりなんですが、ただ、ずっと本当に出続けるのかという心配がある。

 今回、第五条の中で、社会保障を削ると書いてあるわけですよね、社会保障改革をすると。でも、元々、社会保障自体は、そもそも、自然増に対して歳出改革努力で伸ばして、いつも高齢化の伸びに抑えているわけですよ。もう既に歳出改革努力はやっているわけですよね。そこを更に、今回ここの第五条で書き込んで、上乗せでいけるのかどうか。

 もっと具体的に言いますと、今回の行財政改革として、第五条で租特と補助金の適正化というのが書かれているわけですが、じゃ、租特から本当にどれぐらい出るかということですが、さっき申し上げたように、既に、教育無償化とガソリン、軽油の暫定税率では租特から一・二兆円出しているわけですよ。この一・二兆円、どうやって出したのと。

 この一枚目、これは令和六年の実態調査です。令和六年にはこれぐらいの適用額がありましたが、ちょっと伺いたいのは、このガソリンと教育のために一・二兆円、どこからどう出したか伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる教育の無償化、ガソリン、軽油の当分の間税率廃止に係る安定財源の確保につきましては、八年度税制改正において、租特等の見直しによりまして、国、地方合わせまして、平年度ベースで一・二兆円の財源を確保しております。

 その主な内容といたしましては、まず、賃上げ促進税制の見直しに係る増収見込額として、地方法人税などの税収を含めまして、平年度で七千七百八十億円、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直しに係る増収見込額として、現行制度の税収一千百三十億円を含めまして、平年度ベースで計四千億円を見込んでおります。

伊佐委員 局長おっしゃったとおりで、賃上げ促進税制、この税額控除の二つ目のところですね、九千五百六十億円ありますが、ここからもう既に八千億円出したわけですよね、今回。この数字そのまま比較はできないんですけれども、大体の規模感で申し上げると、八千億円出した。あとは、ここの法人税以外から、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化、要は、かなり高額所得に対しての、方々の財政負担で四千億円ということですが。

 この表、一枚目を見ていただいたら分かるとおり、さっき申し上げたように、一番上の四・七兆円は、多分手を出せないんですよ、中小企業のためのお金ですので。今が中小企業が一九%かかっているところが法人税一五%になっている、ここは多分使えない。使える大玉は、見ていただいたら分かるとおり、賃上げ促進税制か研究開発税制ぐらいなんです。

 さっきの話、局長の答弁のとおり、賃上げ促進税制は、もうほとんど使われてしまった、財源として捻出されてしまったということです。だから、租特のこの表だけ見ていても、今回、公債特例法第五条で、これを改革しますと言っていますけれども、もう既にぎゅっと絞った後なわけですよ。これ以上、租特の改革とかで本当に、マーケットが安心できるようなメッセージ、こういうところが変わっていくんだな、こういうところから財源が出せるんだなというイメージができるかというと、私はイメージできないんですよね。ここは、財務大臣、どう思われるでしょうか。

片山国務大臣 今お答えいたしましたが、確かに、政策効果の低い租特や補助金についての不断の見直しというのをやってまいりまして、委員もお詳しいことですけれども、それが非常に一つ一つ難しいということはかねてから申し上げております。というのは、今現在生きている租特及び補助金というのは、国会での議論を経てそれが認められているからそこにあるのでありまして。

 ただ、今回、やはり、この状況におきまして、さらに、租特の見直しや補助金について意義があるということは、よりめり張りによって集中化するということでないと、とても財政における持続可能性という意味からはもたないだろうし、信認を得るという意味でもそうだし、高市政権が抱えている様々な政策目的との関連であってもこのようにしていくべきであるということでございまして、重要かつ大規模な施策を実施したいということになっては、今までも常に安定財源を何らかの形で確保してまいりましたので、まあ非常に小さいものは別ですけれども、重要かつ大規模なものについては、その原則を崩してしまったらやはり財政の持続可能性というのは疑われてしまうと思うんですよ。

 だから、そこを押さえながら、今回、見直しを始めとした行財政改革をより以上、歳入歳出全般について行って、必要な財源の確保に取り組んでいくという形で全体の戦略を立てていくということでないといけないというふうに考えて、このように申し上げているところでございます。

伊佐委員 大臣もおっしゃっていただいたとおり、本当にこれは難しい作業だと思います。だから、やはり、難しいがゆえに、マーケットがこの五条を見て、これで安心だとなると私は思えなくて。やはり一番はっきりしたメッセージは、財政規律に対する日本としてのメッセージというのは、公債発行については毎年ちゃんと国会で審議するんだというのが、私は一番はっきりしたメッセージじゃないかというふうに思っております。

 では、逆に、政府の意見として、複数年度授権をやめて毎年やります、審議しますとなったデメリット、これも当然あると思います、そこについても大臣の方から是非答弁いただければと思います。

片山国務大臣 特例公債法につきましては、継続的な発行を開始した当時、特例公債脱却というのを財政健全化目標にして掲げ、できる限り早期に特例公債から脱却すべく取り組んできたことを踏まえて、毎年、新規立法を行ってきたところでございます。

 しかし、その後、財政構造が大きく変化いたしまして、特例公債の発行額が単年度の取組では解消が困難な水準となってきた中で、法案が成立しないということになりますと、執行抑制まで至ってしまい、国民生活に多大な影響が出かねない状況となった、この経緯がございます。そこで、平成二十四年度に、議員修正によって、特例公債の発行期間において、政府として財政健全化に取り組み、公債発行額の抑制に努めることを前提に、安定的な財政運営を確保する観点から、複数年度の発行根拠を設ける枠組みに改められたところで、これは議員修正でございます。

 当時の国会審議においても、少なくとも向こう数年はどのような政権であっても特例公債なしでは財政運営ができないという状況でございましたから、それがまた常態化、残念ながら、しております中で、毎回法案の成立が遅れるかもしれない、あるいは遅れる、この悪弊を断ち切る必要があるという御意見、それから、特例公債の発行を政治的な駆け引きの材料とすることは避けるべきといった御意見の議論がなされてきたものと承知しております。

 今回の改正法案につきましても、こうした経緯、枠組みを引き継いでいるということに加えまして、これまでどおり、各年度の特例公債発行額につきましては毎年度、予算案として御議論いただくこと、さらに、今回、政府の改革の姿勢を明確にすべく、今御議論をさせていただきました第五条を創設することといったことを併せて、五年間の発行期間を、発行根拠をお認めいただきたいという内容にしてございます。

伊佐委員 大臣のおっしゃったとおりで、やはり経緯があったわけです、五年間授権にした。政治的な駆け引きはやはりやめるべきだという点、さっき引用していただいた、どんな政権でも特例公債なしで財政運営はできないんだ、毎回毎回すぐに成立できない、これは当時の野田総理の発言でした。当時の民主党の賛成討論でも、特例公債の発行を政治的な駆け引きの材料にすることはもうやめなければ、あるいは、特例公債の発行を政局に巻き込むことはしないと。本当に政治的な駆け引きに使われることがあってはならないというところから五年間にした。

 だから、そこは私、今回議法がもし成立するのであれば、附帯決議にはしっかり書き込むべきだと思っておりますし、与野党合意を、そこのところで改めてもう一回、合意文書を作ってもいいと思っております。そもそも、この五年間の授権が始まったときも、三党合意から始まっていますので。

 ただ、るる申し上げているとおり、そのリスクよりも今々の大きなリスクは、私は、日本経済に対するマーケットの見方、こっちの方が大きなリスクだと思っております。今また円安に振れてきておりますし、昨日、一時百五十八円まで下がりました。株価も、昨日は過去三番目の下げ幅となりました。今、やはりマーケットリスクというのは、本当にしっかり我々は向き合っていかないと大変なことになるんじゃないかというふうに思っております。

 ちょっとだけ、ちょっと異なる観点から質問なんですが、予算は衆議院の優越です。つまり、これは憲法に定められているとおりでして、参議院で否決されたり、参議院で結論が出なかったとしても、結局は衆議院の議決が優先されるということになります。ただ、思いますのは、参議院の任期というのは六年間、つまり、より中長期な視点で物事を判断していくのが参議院の特徴だと思いますが、この財政の議論、衆議院で私たちがしっかり議論するのも大事ですし、やはり参議院の観点でも議論してもらうのが私は大事だと思っておりまして、そういう意味では、この特例公債法というのは、衆議院の優越は、法案ですのでありませんので、参議院の判断も重視されるということが私は重要だと思っていますが、そこはいかがでしょうか。

片山国務大臣 ただいま委員がおっしゃいましたとおり、この特例公債法は法律でございまして、予算とは成立の要件が制度的に異なるということでございます。

 中長期的な視点からの財政についての御議論は、特例公債法の審議に限らず、まさに政府の中長期的な財政運営の方針に基づいて編成されております予算の方の審議においても、既に衆参両院でいろいろな意見がというか、いろいろな議論がされているわけで、予算審議は今、衆ですけれども、いろいろな議論がされているということで、また、これからもいろいろな議論をしていただけるものと考えております。また、法案そのものではなくても、特例公債法におきまして、複数年度授権の前提とされている政府の取組についても、特例公債の発行額を計上する各年度の予算の御審議を通じて、その進捗や成果を御確認いただくこともできるものと考えております。

 いずれにしても、国会の御審議につきましては国会においてお決めになることでございますので、私どもとしてはひたすらお願いをするということしかないわけですが、御指摘のような見方も当然ございますでしょうし、今回、我々の方としては、この改正案をお出しして、安定性、予見性ということで財政運営を確保してまいりたいという考えでお願いをしているということでございます。

伊佐委員 もちろん、おっしゃるとおり、いろいろなところで財政の議論はできるわけです。いろいろなところでできるんですが、やはりこの特例公債法というのは、まさしくそのものの議論だと思っております。そういう意味では、衆参でしっかりした議論があってもいいんじゃないかというふうに思っております。

 ちょっと、政府参考人で結構ですので、五年間の延長ですけれども、何で五年間なんでしょうか。

中山政府参考人 お答えいたします。

 授権期間につきましては、初めて複数年度化された平成二十四年度におきまして、当時の財政健全化目標であった平成二十七年度のプライマリーバランス半減目標までの四年間とされ、それ以降の平成二十八年、令和三年の二回の改正時におきましても、その当時の財政健全化の取組、目標を踏まえまして、五年間ずつ延長してきたところでございます。

 今回につきましても、第四条に基づき、複数年度授権の前提として経済・財政一体改革を推進することとしている中で、閣議決定された骨太の方針に明記されている現行の経済・財政新生計画では、令和十二年度までの期間を通じて、債務残高対GDP比を安定的に引き下げるなど、経済再生と財政健全化の両立に取り組むこととしているところでございます。

 今回の法案では、これまでの枠組みを引き継ぎつつ、こうした今後の財政運営の方向性の下で、令和十二年度までの特例公債の発行権限を求めるものでございます。

伊佐委員 昔は、おっしゃっていただいたとおり、PBの、プライマリーバランスの半減を四年後に達成するのが目標だったりとか、PBの黒字化だったりとか、ある意味、すごい定量的な目標だったわけですよね。ところが、今回、五年後、何かというと、さっきおっしゃったとおり、五年後じゃないんですよ。経済・財政新生計画の計画期間が五年間で、この五年間の間に債務残高対GDP比を安定的に引き下げるという話なので、別に五年後という話じゃないんですよね。だから、この五年間も私は非常に曖昧だなというふうに思っております。

 ちょっと、るるずっとこれを一時間の質疑のうち半分以上やってしまいましたが、五年間の授権をするというのであれば、こういうきちんとした議論がやはり必要だと思っています。五年間授権というか、この特例公債法については。

 今回の五条は、同僚の大島議員も非常に違和感を感じると言ったとおり、私もすごい違和感を感じました。本当に、閣法にないような、議法のような書きぶりがされていて、そこに、社会保障制度の改革というのが、保険料の負担とかというのが名指しで書かれておりました。何か、公債の発行の法律に、社会保障改革、そこから財源を出すんですとかというのを書くというのは非常に違和感も感じております。その違和感を是非、同僚の議員の皆さんとも共有できたらというふうに思っております。

 ということで、ちょっと次の話題に行きたいと思いますが、基礎控除の質問に行きたいと思います。

 手取りを増やす、基礎控除、所得控除をいかに拡大するかという点で、百三万の壁が百七十八万までいきました。昨年、まあ一旦、百六十万まで一昨年いって、今回の法案で百七十八万までなりましたと。

 資料をおつけしています。資料の五ですね。基礎控除等の引上げという資料です。

 一昨年の決断、つまり百六十万まで上げたときは、必死で理屈を考えたわけですよ。国民民主党の皆さんから提案していただいた、これは本当に、手取りを増やす、基礎控除あるいは所得控除に目をつけたというのはすばらしい提案だったと思います。きっかけをつくっていただいて。そこを百六十万まで、当時、我々も、公明党も与党にいましたので、どうやって制度設計するかというのは相当悩んでやらせていただいて。

 当初の、基礎控除を上げるときの一つの理屈としては、生きるための生存権なんだ、だからそこまで必要なんだ、上げるべきだという中で、最低賃金というのを例に出されていたわけですが、そこも相当悩んで、最低賃金で見ると、最低賃金というのは、別に生存権の話だけじゃなくて、中小企業の余力だったりとか、あるいは各地方による格差とか、いろいろなものがあるので、そこだけではやはり見れないと思って、最終的な基準としたのが生活保護の水準、ここを比較してどこまで引き上げるかという議論をさせていただいた。

 さらには、今後、インフレ経済で物価がどんどん上がっていく中で、物価高騰分というのはちゃんと二年ごとに自然に上がるようにしましょうというのが、この右の図の、一番下に入っている薄いブルーと濃いブルーのところですね。

 ここのところで、こういう理屈を立てて、後世の議論にも堪え得るように大分精緻に議論を重ねてきたのが百六十万でした。

 では、今回の百七十八万について趣旨がしっかりしているのかどうかちょっと確認をしたいと思うんですが、まず、なぜ百七十八万だったのか、どのような趣旨で百六十万から百七十八万に引き上がったのか、伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 まず、所得税の課税最低限については、令和七年度の税制改正で、まず、自民党それから当時の公明党による法案修正を経て、百六十万円まで引き上げられているところでございました。その上で、令和八年度の税制改正におきましては、与党の税制改正大綱などにおきまして、直近の物価上昇に応じて課税最低限を百六十八万円までまず引き上げた上で、令和六年十二月の自民党、公明党、国民民主党による三党合意の趣旨を踏まえて、百七十八万円まで更に引き上げることとされております。

 具体的には、百六十八万円までまず引上げを行ってもなお不足するこの十万円について、物価上昇を先取りした特例的な対応として、給与収入二百万円相当までの納税者に対する基礎控除の上乗せ特例を更に五万円引き上げるとともに、給与所得控除の最低保障額についても五万円上乗せ特例を創設することで対応したところでございます。

 その際、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図る観点から、所得階層に応じて四区分に分かれていた仕組みを簡素化することや、低所得者の方だけではなく中間層についても負担軽減を図ることを重視し、中低所得者に対して基礎控除の上乗せ特例を政策的に拡充することとしているところでございます。

伊佐委員 物価連動の部分で、まず百六十万から百六十八万に上がりました。あとは、更に百七十八万まで持っていった理屈で今おっしゃったのは、三党合意ですよね、三党の合意があったからだということなんですが、これはもちろん、しっかりと今、物価高の中で国民生活を守るという観点でそうした決断をされたということは必ずしも否定される話じゃないし、そういう政策決断があったんだろうというふうに思っておりますが、ただ、税の理屈としてちょっとしっかり議論させていただきたいのは、いずれにしても、百七十八万を目指すというのは、百七十八万、最終的にはここに持っていくべきだという当然当時の三党の思いがあったわけです。それは、だからこそ物価高騰のために連動してしっかりと上がるような仕組みというのを入れてきたというふうに思っております。

 今、例えばおっしゃったような壁の話ですが、昨年、我々、百三万の壁というのを議論したときに、百六十万になったときによく批判もされたのは、壁を壊すどころか、壁をいっぱいつくったじゃないかというふうに言われたわけですよね。確かにこの右のグラフを見ていただいたら、二百万、四百七十五万、六百六十五万、八百五十万、いろいろな壁ができたじゃないかというふうに言われたわけですが、でも、その趣旨は、そもそも所得税というのは累進課税なので、それぞれの所得に合わせて税率が変わってくるわけですよ。そういう意味では、高額所得の人により優遇するような政策よりも、そこは公平にやりましょうということで調整した結果、こういう壁ができたということです。

 今回は、この壁をさっき、減らしましたと言いました、四つにしましたと。そうすると、六百六十五万のところに、ずっと、二百万と四百七十五万の壁を取っ払って六百六十五万まで同じ控除額にそろえたわけですよね。そうすると、さっき政策意図としておっしゃっていただいたとおり、中間層は一番しっかりと支援ができる。それは理解できなくもないです。つまり、四百七十五万から六百六十五万の人は、一番ある意味得をするわけですね。

 ただ、大きな問題は何かというと、この六百六十五万の壁が高くなり過ぎてしまった。つまり、前回、大森委員も質問されたと思いますが、収入の逆転現象がここで起こっているわけです。

 六百六十五万前後で逆転現象が起こっている、手取りの変化はどれぐらい生じるでしょうか。

青木政府参考人 お答えします。

 まず、世帯構成など個々の納税者の事情によって金額が異なるものですが、給与収入六百六十五万円相当を境に、基礎控除の特例の額が四十二万円から五万円に減少することなどによりまして、給与収入六百六十五万円の前後では手取りに三・六万円程度の逆転が生じます。

 なお、この手取りの逆転は、六百六十九万円で解消することとなります。

伊佐委員 ここで逆転現象が起こっている、一気に手取りが減る、三・六万円。

 もっと大きい次の話なんですけれども、だから、今回のこの措置というのは二年間の臨時措置なわけです。物価高騰を先食いをしたといいますけれども、どうなるかというと、この上乗せの一番上の赤い濃い部分というのはなくなるんですよね、二年後に、先食いですので。更に言えば、この下の赤い部分も二百万円以上のところはなくなるわけですよ。

 なくなったとしても、その分、物価と賃金が上がれば別に手取りを下げなくて済むんですが、つまり、今回一番優遇された、一番支援が厚かった四百七十五万から六百六十五万の層は、ここの人たちは、二年後、この特例措置がなくなったらどれぐらい手取りの減になるのか。さらには、さっき申し上げたように賃金と物価が上がればいいわけですけれども、手取りをもし減らさないとしたら、どれぐらいの物価上昇率が必要か、伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 委員おっしゃりますように、二年間の時限措置である基礎控除の特例について、適用期限が到来し、上乗せの控除額四十二万円が仮に剥落した場合は、所得階層によって限界税率が異なりますが、所得税額は約二万円程度から最大四・二万円増加することとなります。

 その上で、仮に控除額の減少を物価連動による基礎控除の引上げで埋め合わせるような場合についてのお尋ねでございますが、基礎控除の特例四十二万円が廃止されても手取りの水準を維持するためには、基礎控除の本則部分が百四万円である必要がございますので、仮に物価連動だけで基礎控除の額が百四万円になるために必要な消費者物価上昇率を機械的に計算いたしますと、約六八%となります。

伊佐委員 このままもし剥落してしまえば、手取りは四・二万円減る、それを回復するためにはどれぐらいの物価上昇率が必要かというと、六八%です。つまり、物価が六八%上がらないと、この人たちは収入が減るんです、手取りが減るんですね。結構大きな話だと思っておりまして。

 だから、私が申し上げたいことは、国民生活をいかに守るか、多分これは議場にいる皆さん全員一致するところだと思っておりますが、ただ、税の世界はやはり理屈あるいは制度の一貫性というのが非常に重要だというふうに思っておりまして、この合理性が今回の法案では大分説明がつかないようなことをやってしまったんじゃないかというふうに思っております。

 これまでの議論、是非、大臣の所感を伺いたいと思います。

片山国務大臣 ただいま事務方から何問か御答弁をさせていただきましたが、今回の見直しでは、あくまで政党間の合意等を踏まえさせていただいて、働き控えへの対応と、物価上昇の中で足下厳しい状況にある中低所得者の手取りの増加を図るという観点から、所得階層に応じて四区分に分かれていた仕組みを簡素化することですとか、あるいは低所得の方々だけではなく中間層について負担軽減を図ることを重視した結果、御指摘いただいたように、一部に減税額のばらつきも生じます。

 この基礎控除の上乗せ特例について、物価上昇を上回る特例的な対応として、令和八、九年の二年間に限って措置するという制度ですから、委員がおっしゃったように、適用期限が到来して本特例が終了した場合には、何もしなければ、その特例が適用されていた所得階級の納税者さんには、さっき言ったような、手取りで平均で四万二千円ですとかといった減少が生じ得ることになります。

 この特例につきましては、令和八年度の与党の税制改正大綱におきまして、物価高で厳しい状況にある中低所得者に配慮したものであることや、給付つき税額控除の議論の中で中低所得者層の給付、負担の在り方を検討していくということを踏まえまして、物価上昇を先取りした二年間の時限措置として行うこととされたものでございますので、今後の給付つき税額控除の議論ということも当然ありますし、そういったことも含めて、全体的に政党間の合意でお決めいただいたものと承知しております。

伊佐委員 これは本当に、政党間の合意でそうなったからだと、多分政府としても言わざるを得ないと思っています。だからこそ、政党間の合意というのは非常に当然重いものですし、それを受けて、各役所、いろいろな、具体的にその実現に向けて努力をしてくださっているわけですから、その政党間の合意が、しっかりと、税の一貫性であるとか合理性をゆがめないような形で、我々も、立法府に属する我々一人一人がしっかりそこは胸に手を置いて取り組んでいかなきゃいけないということを最後に申し上げたいというふうに思っております。

 ちょっと防衛力強化の財源確保の話をしたいと思います。

 これは予算委員会でも私、やらせていただきました。ちょっとその続きをやらせていただきますが、防衛力強化のために財源として令和五年から九年まで四十三兆円が必要だと。これは賛成です。私も賛成です。私たちも賛成。法人税、たばこ税、所得税という大枠で、この三つでその財源を賄いましょうと決めたのは令和四年の与党税調でした。それから法人税とたばこ税は決まったんですが、所得税はなかなか決まらなかったわけですよね。その間どういう議論があったのか、伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 令和七年度のまず税制改正におきまして、防衛特別法人税とたばこ税の見直しは法制化することとなりました。一方で、年末の与党税制改正大綱の決定時点では、与党として所得税の基礎控除などの引上げについて引き続き真摯に政党間協議を行うというふうにされておりました。このため、与党税制改正大綱では、防衛特別所得税につきまして、いわゆる百三万円の壁の引上げなどの影響も勘案しながら、引き続き検討するということとされております。

 今般、令和八年度税制改正では、基礎控除などの引上げにつきまして、自由民主党と国民民主党との政党間合意に基づき、百七十八万円まで課税最低限を引き上げることを含め、見直すこととしております。当該引上げが所得税収さらにはその付加税である復興特別所得税や防衛特別所得税の税収に与える影響について、一定の見通しを立てることができるようになりました。

 こうした点も踏まえまして与党税制調査会において防衛特別所得税の創設について改めて議論がなされ、厳しい安全保障環境に鑑み、令和五年度税制改正大綱などで示されてきた既定の方針に沿って、防衛特別所得税を法制化することとされたと承知しております。

伊佐委員 当分の間、毎年の与党税調の中で、所得税については引き続き真摯に議論するということだったわけですよね。ところが、去年の年末はそれを決断されたということです。つまり、所得税に対しては相当慎重な議論がずっと続いていたと私は認識をしております。本当に所得税、やる必要があるのかどうかというのは、まあさっき見通しの話を局長はされましたので、ちょっと見通しを伺いますけれども、令和九年度以降で、税制措置で、防衛力の強化で必要な財源というのは一兆円強と言われていますけれども、このうち、今既に決まっている法人税とたばこ税の増税で一兆円強をどの程度賄うことができるか、具体的な数字で示していただきたいというふうに思います。

青木政府参考人 お答えします。

 防衛力強化に係る財源確保のための防衛特別法人税の創設及びたばこ税の見直しによる増収額でございますが、まず令和八年度で、それぞれ、五千七百六十億円、四百四十億円、合わせて六千二百億円でございます。また、令和九年度の時点では、それぞれ、九千二百三十億円、一千百六十億円、合わせまして一兆三百九十億円と見込んでおります。

伊佐委員 そうなんですよね。所得税がなくてももう一兆円を超えているわけですよ。

 資料三をつけました。令和九年の法人税収、九千二百三十億円、たばこ税で上がるのが一千百六十億円、もう既に一兆は超えるわけですよ。平年度化したとしても、さっき答弁いただいた、八千六百九十億円、たばこ税二千百二十億円、一兆円は超える、必要な財源は賄えている。その状況で本当に更に所得税に、国民生活に付加税をかける必要があるのか。

 資料の四を見ていただくと、これは税収の推移ですけれども、一番下です、法人税はずっと右肩上がりなんですよね。インフレ経済の中で過去最高の税収になっています。バブル期も超えました。

 この中で、今、国民生活自体は本当に物価高、インフレ経済が続く、その中で先の先まで増税が本当に今必要なのかと思っております。所得税の増税は実はする必要がないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

片山国務大臣 既にお答えをさせていただいていることでもあるんですが、令和八年度から適用が開始される防衛特別法人税及びたばこ税の措置によりまして、令和九年度で一兆円程度の税収が見込まれるということを今お話ししたわけで、これはもう御指摘のとおりで。

 他方、現行の防衛力整備計画においては、五年間で四十三兆円程度を措置するということでございまして、追加の歳出分が十四・六兆円になりますが、この財源として、税制措置により三兆円程度の確保を見込んでいる、こういうプランでございますね。この点、防衛特別所得税の創設を織り込んだとしても、税制措置による財源確保額は、令和八年度、九年度では、計二兆円弱の見込みでございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛力の強化は必須でございまして、その実現に向けた安定的な財政基盤の確保のため、防衛特別所得税の創設は必要と考えて、このようにお出しさせていただいているという考え方でございます。

 なお、防衛特別所得税の創設に当たりましては、足下で家庭の御負担が増加しないように、復興特別所得税の税率を引き下げることとしておりまして、現下の家計を取り巻く状況にも配慮をさせていただいているという形でございます。

伊佐委員 大臣、私、予算委員会でも聞いて、本当はもっと深掘りしたかったところをここからちょっと議論なんですけれども、さっきおっしゃった、三兆円本来必要なのに二兆円しかないというのは令和八年、九年の話であって、平年度化した際には、基本的には一兆円強の財源は賄えるという理解でいいんでしたっけ。参考人でもいいですよ。

吉沢政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申しました平年度ベースの税収については、今後も視野に入れた数字でございます。

 一方で、今後、防衛力整備計画を含む三文書につきまして令和八年中の改定を目指すこととしておりまして、令和九年度以降に必要となる防衛力強化や関連経費の内容を改めて積み上げた上で、その安定財源の確保についても検討していくということになるかと考えておりますので、御指摘の防衛特別所得税を含めまして、これまで決定した税制措置により確保される財源も、新たな計画の中で適切に活用されるということになると考えております。

伊佐委員 でも、防衛三文書の話はこれから議論する話じゃないですか。この四十三兆円の話は、例えばスタンドオフミサイルだったりとか、こういうことをやるからこれぐらい必要ですねと積み上げたのが四十三兆円。その財源で必要なのが、税制措置として一兆円。だから、いやいや、これから防衛三文書を改定するともっと必要になりますからという話であれば、それは、新しくこれをしたいからこういう財源を議論させてくださいというふうに新たに提出するのが私は筋だと思っています。今までやってきたもので、これでいいんだと言ってきたものの上乗せの議論に私はならないというふうに思っています。

 もう一点、ちょっと、大島委員が前回質問して、当時の復興に携わられた立場でおっしゃっていただいて、非常に重要な質問をされました。

 当時の復興財源、今回、復興財源、復興税を一部減らしてということで、より長時間復興税を払わなきゃいけないということになるわけですが、復興財源の当時の考え方は、今いる世代でみんなで分かち合おう、将来世代にツケを残さないというのが復興財源の考え方だったんだということなんですが、これを将来世代に転嫁するというのは、やはり本来の趣旨じゃないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

片山国務大臣 今回、今般の税制改正では、防衛特別所得税の創設を受けまして、復興特別所得税については令和九年から税率を一%引き下げ、これに伴い、課税期間を令和二十九年まで十年間延長することとしております。

 復興債の償還期間の十年間の延長は、こうした復興特別所得税の課税期間の延長に対応して、延長後の期間においても復興特別所得税による償還を可能とするために行うものでございます。

 御指摘のありました、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うことを基本とするとの基本的な考え方自体に政府として変わりは、当然のことながらございませんで、今回の復興特別所得税の課税期間の延長は、税率を引き下げる中でも復興事業の着実な実施に影響を与えないよう、復興財源の総額を確実に確保する目的で行うものでありまして、東日本大震災からの復旧復興に要する財源については、引き続き、責任を持って確保してまいる、こういうスキームでございますので、御理解を賜りたいと思います。

伊佐委員 私は、でも、今いる世代で分かち合うのを超えて、将来世代に負担をお願いする形になると思います。

 具体的に言うと、例えば、二〇一一年、震災がありました。私の娘は二〇一二年に生まれているんですよ。震災のときにいなかった。その長女が、中学校二年生ですけれども、二〇四七年まで払うわけですよ。そのとき娘は三十五歳なんですよ。まさしく払うど真ん中の世代だと思っています。全然、今いる世代で分かち合うという趣旨を超えてしまっているなというふうに思っております。

 あとは、復興債への借金返しで税を使うわけですけれども、その分金利もかさんでくると思うので、より負担も私は大きくなるというふうに思っています。ちょっと時間が来ましたので、是非ここは、私たちとしてはしっかり再考するべきじゃないかということを最後申し上げたい。

 最後、是非これだけ言いたかったんですが、国税と税関については、毎年事業量もやることも様々増えております。是非、最後に、ここの人員確保、体制の強化、そして処遇の改善もお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

武村委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 皆さん、おはようございます。中道改革連合の岡本三成です。

 質問の機会をいただきまして、委員長始め皆様、本当にありがとうございます。

 片山財務大臣にまず質問させていただきます。

 大臣は、学校を出られた後に当時の大蔵省に入省されて、大蔵官僚としてキャリアを始めていらっしゃいます。どういう志で大蔵官僚になられたかということを初めに教えてください。

片山国務大臣 大分前のことになりますが、ですから、入省のときに面接を回ったのが一九八一年ですから、まあ、どのぐらいになるかは計算すれば分かるんですけれども。

 一番聞かれる質問でもあったんですけれども、やはり、国の土台をつくるような仕事をしている官庁を一つ選ぶとしたら、当時においては大蔵省だったなと、私は訪問していろいろな方に会って思いましたので、そういうふうにして決めましたし、そういう志を持って、国の全体のフレームワークというんですかね。

 そうしたら、それと似たようなことを、昔でいうと、議員さんも何とか族というふうに分かれていて、小泉元総理が大蔵政務次官、大蔵委員長だったのかな、その世界では大蔵族と言われていた方なんですけれども、どうしてそちらを選ばれたんですかと言ったら、何か一つ勉強するんだったらお金の流れを見ていれば全部分かるわと。そういった部分もあったのかなというふうに思っております。

岡本(三)委員 初めに大臣にこの質問をさせていただいたのは、私は議員として議席をお預りして十三年になりますけれども、いろいろなことを感じたんですが、今日も財務省の青木主税局長以下多くの職員の皆さんにお越しいただいていますが、財務省を始めとして官僚の方が、ここまで志の高い方々で、寝食を忘れて国の未来のために、国民の生活のために全力で働いていただいていることに本当に感激をして、いつも敬意を払ってきました。

 財務副大臣をやらせていただいたときも更にその思いを強くして、政治家も絶対ベクトルを間違えてはいけないんですけれども、多分、役人の皆さんの中には、万々が一いろいろなことで政治家が道を間違いそうになることがあったとしても、私たちが国を支えていくんだという思いで官僚になっていただいた方がほとんどだと思います。

 ここ数年来、財務省の悪口、官僚の悪口、残念ながらよく聞かれます。残念ながら、昨年は財務省の前で解体のためのデモとかも起こってしまいました。それぐらいに国民の皆さんの生活が厳しいということの裏返しだというふうに思いますけれども、私たち国民の代表である政治家が官僚を小ばかにするようなことを公に言うことは、私自身、本当に慎まなければいけないことだというふうに思っているんですね。

 今、若い方々で、官僚を目指す方々の人数が残念ながら減ってきています。財務省におきましても、途中で退職される方の数、いろいろな理由はありますけれども、以前よりも増えています。

 官僚の皆さんは本当に優秀なので、退職した瞬間に引く手あまたでして、給料が二倍になる方がたくさんいらっしゃいます。その中でも、国の未来のために、国民生活に役に立ちたいと思って頑張っていらっしゃる方々を、私たち同僚議員の皆さんとともにたたえて、そして、背中を押すことがあっても、何か悪口を言うようなことは本当に慎んでいきたいというふうに思っていますけれども、改めて、大臣の口から、財務大臣として官僚の皆さんと働く中で、どういうふうな志をお一人お一人がお持ちだとお感じになっているかということを御答弁ください。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 デモの方は、金曜日にまだやっていますよ。

 私も、十月に着任をいたしましたときに就任挨拶で申し上げましたのは、その時点では本予算の当初予算額は百十五兆円で、今回は百二十二兆円ですが、これだけの大きな予算を組んで、様々なところに予算づけをしていて、これだけ批判されるのはそもそも何かおかしいというふうに思いませんかと申し上げたんですよね。ですから、向き合い方を変えれば、もうコペルニクス的にこの評価は変わり得るんじゃないでしょうかと。

 だから、細かい予算をちまちま切って恨まれるんじゃなくて、感謝されるような財務省になるべきではないですかということを申し上げて、その後、ホームページへの情報の出し方とか、財政上のデータの出し方とか、いろいろなことが非常に変わってきたなと思いましたし、私も省を出てから丸二十年で戻ったものですから、どうなのかなと思っていましたけれども、職員の皆様は非常に優秀で、やはり高市政権においては財政のやり方とか急に変えている部分も多いんですが、そこにちゃんと適応していっていただいているということは申し上げたいと思います。

 それで、財務省の組織理念というのをつくりまして、これはもう私が省を出た後なんですけれども、元々私が省におりましたときには、初代の政策評価室長として、納税者としての国民の視点に立って云々という目標像があったんですが、更にそれに加えて、使命をそのときの年代の人たちが考えて、国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐということを大きく掲げて出して、この組織理念のペーパーが各部屋に貼ってあるんですよ。大臣室、政務三役の部屋にも貼ってありますし。

 これが余り知られていないんですが、この希望ある社会を次世代に引き継ぐというのは、限りなく高市政権のいろいろなリマークに似ていまして、これを見たときに、政治家としては、ああ、いけるなと思いまして。それは、私以外の方々も、これを知った方はそのように皆申されておりますが、希望ある社会を次世代に引き継ぐということは、まさに未来への投資そのものでございますから、そういった観点で牽引していっていただけるような形の財務省になってほしいというふうに思っております。

岡本(三)委員 仮に、財務省のみならず、ほかの役所に関しても、その施策について国民の皆さんの不満がたまるようなことがあるとしたら、それは官僚の皆さんの責任ではなくて、その戦略を決めている大臣や、そして政務三役の責任であり、もっと言うと、この委員会でそれを監督する私たち議員一人一人の責任という思いで、今日は質問させていただきたいと思います。

 まず初めに、前回三月四日に、この場で所信に対する質問をさせていただいたときに、植田日銀総裁にお越しいただきました。私、そのときに総裁にこのことをお伺いしまして、そのことについて大臣の所見をお伺いしたいと思うんですけれども、こういうふうにお伺いしているんですね。

 二月十六日に植田総裁が高市総理と面談をされた際に、高市総理から追加利上げに難色を示されたという新聞報道がありますけれども、実際にそのような会話があったんでしょうかというふうに伺いましたら、植田総裁は、委員御指摘の二月十六日の総理との懇談でございますけれども、その直後の会見でも申し上げましたとおり、総理とは経済金融情勢について一般的な意見交換をさせていただいたところでございますというふうにおっしゃいましたので、私、こう言っています。総裁、本当に失礼ですが更問いさせてください、ということは、総理は利上げに対して難色を示したという新聞報道は誤報ということでよろしいでしょうかというふうにお伺いしました。そうすると、植田総裁はこうおっしゃっているんですね、経済金融情勢について一般的な意見交換をさせていただきました。大変苦しい御答弁をされて、植田総裁らしい非常に誠実な御答弁でもあったんですけれども。

 私、思ったんです。総理も日銀総裁も日本経済をよりよくして国民生活を前に進めるためのある意味パートナーですから、会談をするときにどんな意見があってもいいと思っております。総理が御自分の個人的な意見として、総裁に利上げを期待しているとか利下げを期待しているとか、いろいろな意見があって当然いいと思っています。

 その上で、財務大臣にお答えを求めたいんですけれども、仮に総理、総裁が、どちらの方向でも、例えば、利上げを期待していますとか、利下げを期待していますとか、それには懸念を示すと、仮に日銀総裁に総理がおっしゃったとします。そのときに、日銀総裁というのは、その総理の御意見を考慮すべきだと思いますか、それとも考慮するべきではないと思いますか。お答えをお願いいたします。

片山国務大臣 御指摘の報道については承知しておりますけれども、高市総理と植田日銀総裁の会談の内容につきましては、会談後、植田日銀総裁から、一般的な意見交換としてお会いした、高市総理から政策についての御要望は特になかったという御説明があったということですから、これはそれ以上でもそれ以下でもない、そういうことだったということだと思います。

 あと、仮定の御質問には私の立場ではお答えはできないので差し控えさせていただきますが、その上で、一般論として申し上げますと、従来から総理もおっしゃっておられるように、金融政策の具体的な手法については日本銀行に委ねられておりますし、そうあるべきと私も考えております。それは、日銀法の第三条の日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保で、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。」と書いてございます。

 日銀には、引き続き、政府と密接に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、コストプッシュではなく賃金上昇も伴った二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行うことを私も期待しております。当然、総理もそうだと思います。

 それは、日銀法四条の政府との関係に、「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」ということを四条で決めておりまして、総理もよくこれをおっしゃるので、これに尽きるのではないかと思っております。

岡本(三)委員 ということは、意見交換では当然いろいろな意見交換をするんだけれども、総理のおっしゃる意見というのは、あくまでもお一人の意見ということで、その範疇にとどめて、その総理の御意見を殊更に深く考慮して金融判断、金融調整判断をする必要はないというふうに今大臣はおっしゃったというふうに理解しましたが、それでよろしいでしょうか。

片山国務大臣 この問題は非常に微妙な言葉でございますので、何度も繰り返すようでございますけれども、今おっしゃったような仮定の御質問に私が答えたというわけではありません。

 それから、一般論として申し上げますと、今私が読み上げさせていただいたように、日銀法の三条における自主性の尊重と透明性の確保、それから第四条における政府との関係、このバランスということでございますので、それ以上のことを申し上げることはちょっとこういう状況ではできませんし、それだけでもマーケットに影響が出ることでございますので、御理解を賜ればと思います。

岡本(三)委員 承りました。

 次に、所得税法の一部を改正する法律案の中身についてお伺いをいたします。

 先ほど伊佐議員からも御質問がありましたけれども、百三万円の壁が話題になった後に、昨年度の税制改正においてこれを百六十万円にまで上げていくというのは、当時の公明党、私も政調会長でしたけれども、深く関わりまして、そしてそれが百七十八万円にいったときには、そのたびごとに最低保障額について決めていくというのは非常に手間もかかるし非効率的なので、その後は、例えばCPI、消費者物価等に対応する形で自動的に上げていきましょうということを議論して決めておりますので、今回の税制改正はまず評価をしております。

 その上で、百三万から百六十万にするときに、使える財源が一兆二千億だったんですね。財務省の皆さんとともに議論をして、かき集めて、やっとかき集めたのが一兆二千億円でした。なので、この一兆二千億円を、物価高の中で全ての国民の皆様に同様に恩恵を受けていただきたいという思いで、手段として壁をつくりました。壁をつくったのは手段だったんですね。目的は、ほぼ同じ金額、どの所得世帯であっても、働いて納税されている方の九九%以上が大体二万円から四万円の所得税減税を受けていただきたいということで、昨年の年末調整、今、確定申告もありますけれども、受けていただけます。

 その結果、今回でいうと、年収五百万円の方は約二万円の所得税減税となりますし、年収二千万円の方は三万三千円。もし壁をつくっていなければ、年収五百万円と年収二千万円の方では受け取っていただける所得税減税の金額は多分五倍ぐらい違っています。もっと違っているかもしれません。なので、金持ち優遇にならないように壁をつくったので、目的は、金持ち優遇にならずに多くの方々に恩恵を受け取っていただけるということです。

 今回もその趣旨に鑑みていただき、若干今後改善しなければいけない、所得層で手取りの逆転現象が起きてしまいますけれども、ただ、このように壁をつくることによって、金持ちだけが圧倒的に優遇されないように、今回のこの形を導入したとしても、年収五百万円の方は四万七千円の所得税減税、そして二千万円の方は四万六千円、ほぼ一緒なんですね。

 予算委員会で総理が国民民主の方に、ちょっと失礼な物言いだったと思いますが、壁をつくることがお好きな皆さんというふうにおっしゃいましたけれども、ただ、ポイントは、壁をつくるというのは手段だったんです。目的は先ほど申し上げたとおりで、この物価高の状況の中で、去年は一兆二千億見つけました。今年、プラス七千億円です。限られているんですね。その限られた財源を多くの皆さんに恩恵を受けていただくためには、手段として壁をつくっていくというのは私は必要だと思っていますし、今後も必要な局面は出てくると思っていますけれども、財務大臣はどのようにお感じでしょうか。

片山国務大臣 所得税の基礎控除につきまして、一律の控除額の引上げでは限界税率が高い高所得者ほど減税額が大きくなりますということは、今御説明がるるあったとおりでございますが、委員も大変御苦労されておつくりいただいた令和七年度の税制改正の議論に当たりましては、給与収入八百五十万円相当までの方々を対象に所得に応じた控除額の設定を行い、中所得者層までのそれぞれの階層で減税額を二万円から四万円の範囲内に平準することというような制度になりました。

 これは、公平、中立、簡素という税制の基本原則が、時にお互いが相反することもある中で、高所得者への過度な優遇とならないよう、税負担の軽減効果を平準化する観点から、当時の公明党と自民党による法案修正を経て取りまとめられたというふうに承知をしております。これは税負担の公平性の確保に資する仕組みであると考えております。

 なお、この大きな考え方は、今般の令和八年度税制改正における基礎控除等の引上げにおいても基本的には引き継がれていると考えておりまして、今回の八年度税制改正の基礎控除等の引上げにつきましては、当時の公明党を含む四党、自民党、日本維新の会、国民民主党、公明党の税調会長間合意ということで成り立ったものというふうに承知をしております。

岡本(三)委員 したがって、改めて確認させていただきたいんですが、確かに壁をなくすというのはすっきりして気持ちのいい言葉ではありますけれども、仮に壁をなくしていたら、年収五百万円と二千万円の方では受け取っていただく所得税減税の金額が五倍から十倍違ったということだけは事実として共有をさせていただきながら、今後も、目的はあくまでも国民生活をなるべくフェアに支えていくことだということを確認させていただきたいと思います。

 その上で、非常にすばらしい言葉として誕生した手取りを増やすですけれども、そういう発想に至った国民民主党の皆さんや玉木代表の先見の明というのはすばらしいなというふうに思っています。その上で、私は、手取りを増やすことは大切なんだけれども、額面を増やすことは、同様、それ以上に大切だということを是非今日は確認させていただきたいと思っているんですね。

 それは単純に、手取りがどんなに増えても、額面以上に増えることはないんですね。手取りを増やすというのは、究極は所得税減税をどれだけやるかということですから、額面が増えていかなければ、将来不安が消えていくということはなかなか難しいと思っています。なので、どういうふうに額面を増やしていくかということが一人一人の生活の豊かさを追求する上では非常に大切だと思っているんです。

 よく申し上げますけれども、強い経済というのを高市政権は志向されていて、私も大切だと思っています。そして、その強い経済を象徴する経済指標はGDP、現在、日本は世界第四位、間違いなく国際的には我が国は強い経済の国であります。けれども、一人一人の生活水準、もっと言うと賃金や豊かさ、これが直結する指標は一人当たりGDPでありまして、GDP総額が世界第四位の我が日本の一人当たりGDPは、世界第三十八位です。国は物すごく豊かなのに一人一人の生活は相対的には厳しいというのが、現実の今、社会になっているんですね。なので、どうやってこの額面を増やしていくか、一人当たりGDPを増やしていくかということが今後の経済運営の中でより重要な時代に入ってきたというふうに思います。

 先日、三月四日に、植田総裁にお越しいただいたときに同じ問題提起をさせていただきました。そして、植田総裁からは、実は賃金を起点とした経済成長がすごく大切だと。賃金が増えて、額面が増えて、その結果手取りも増えていくようなことになれば、個人消費に回っていく。国内個人消費の多くは、それをカバーする産業の設備投資は、国内で行われています。サービス業も国内で消費がされます。であるがゆえに、乗数効果が回って、結局、GDP寄与度も圧倒的に多いというのが植田総裁の御答弁だったんですけれども。

 大臣に改めてお伺いしたいんですけれども、この強い経済が今既に存在している日本の状況の中で、一人当たりGDP、生活の豊かさを追求していくために、どういう解決策が必要で、実際にそれが実現可能かというふうにお考えになっているかということを教えていただきたいと思います。

片山国務大臣 昨日、たまたま来日中のIMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事と御一緒いたしまして、お互いG7蔵相オンラインにも出たんですが、その前に食事会をしておりましたが、IMFの直近の統計によりますと、二〇〇〇年から二〇二四年にかけて、日本の名目GDPは世界二位から四位に、一人当たりGDPは世界三位から、委員の二〇二五年の統計では三十八位というふうにおっしゃっていましたが、直近の二五年十月だと四十位なんですけれども、どっちにしてもちょっと本当にさえない順位にはなっている、このことはもう重々承知をしております。

 これは様々な要因があるわけですが、一九九〇年代のバブル崩壊以降、不良債権と金融システム問題などの困難に直面した中で、企業が足下の収益の確保のために賃金や成長の源泉である投資を抑制いたしまして、消費者も将来不安などから消費を抑制、こういう結果、日本経済全体が低物価、低賃金といったデフレの悪循環に陥り、それが非常に長く続いて、他国と比べて相対的な低成長が非常に長く続いてきたこと等によるもの、こういう面は皆さん誰でもおっしゃるわけですが、この面を認識をしております。

 こうした現状を打破したいからこそ、高市内閣では、責任ある積極財政という考え方の下に、戦略的に財政出動を行うことによって家計の所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がるというこの好循環を実現することで、今の暮らしや未来への不安を希望に変える強い経済をつくってまいりたい、特に鍵は投資であるというふうに考えております。

岡本(三)委員 委員の皆さん、お手元にお配りさせていただいた資料を御覧ください。朝の理事会で御承認をいただきまして、ありがとうございました。

 これは財務省の法人企業統計年報を基に私が作りましたもので、よく失われた三十年と言われますけれども、何が失われたかということを確認させていただきたいんですね。これは財務省の法人企業統計ですから、大企業のみならず、中堅、中小も一部入っておりますけれども。

 一九九八年から過去三十年間、とりわけ二十一世紀に入ってから、日本の企業の経常利益、五倍伸びています。結構もうかっているんですね。この期間に、配当を中心とした株主還元、八倍伸びています。めちゃくちゃ伸びているんですね。将来の飯の種、設備投資、一・三倍、具体的には二八%伸びています。そして、唯一ほとんど伸びていないのが賃金で、一・〇八倍。

 この間、私、よく言う、大企業はとんでもないとか言うつもりは全くありません、企業経営者の方々も雇用を守るためになるべく内部留保に回していった、そういう経緯だと思うんですね。欧米と違って、例えば、株主配当を多くして株価を上げたからといって、日本の企業経営者の方々のボーナスが何億円出たり普通はしません。なので、経営者の方々も個別最適で、企業の未来のために、その企業の社員のためにやった結果なんですが、その個別最適がマクロ経済政策的には全体最適に全くなっていないということが問題だと思っているんですね。

 この間、直近の十年間、配当だけではなくて、大企業を中心として、内部留保、一年平均二十七兆円です。一昨年は何と一年間で五十兆円も内部留保しているんですね。

 実質賃金がプラスになるときに物価以上に上がらなければいけないんですが、ベースアップ、ベアがほとんど上がりませんで、定昇だけでした。ベアが一%上がったら経済状況は全く変わってきていて、その状況がまた所得に回ってくるというのがほとんどの経済学者の見立てなんですが、もし仮に年間一%、一パー上がると物すごく経済はいいと言うんですが、一%ベアを上げるとすると幾らかかるか、約三兆円です。二%上げても六兆円です。二十七兆円の内部留保は失礼だけれども平気でするのに、三兆円から六兆円のベアが上げられないということの、この個別最適と思った結果がマクロ経済政策的に全体最適に全くなっていないことが問題だと思っているんですね。

 これまでは太陽政策を全力で頑張ってきました。いわゆる今回の法案にもなっています賃上げ税制、今回一部縮小しますけれども、要は、賃上げ税制、このグラフにあるとおり、ほとんど利いていないんです、マクロ的に。個別のエピソードではいいところはありますけれども、エピソードベースではなくてエビデンスベースではほとんど利いていないんですね。太陽政策が利かないんだったら、本当に申し訳ないんですが、若干北風政策も入れるときではないかと私は思っていまして、東証と金融庁でやっていただいているガバナンスコードの強化でも結構です。フランスは労働分配率の目標が法律になっています。

 というふうに、しっかりマクロ経済政策として賃金を上げることがGDPを増やしていく、それがまた賃金に返ってくるという好循環をつくるように、今後、財務大臣、金融庁の担当大臣でもいらっしゃいますので、コーポレートガバナンス・コードを見直して、実質賃金を向上させるのに是非最大の御尽力をいただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 まさに委員の御指摘を図表とともに伺っていて、おっしゃるとおりだと思いまして、一人当たりのGDPを増やすには、コーポレートガバナンス・コードを見直して、実質賃金の向上を促すべきだということは、全くそのとおりだと思います。

 企業も、自社の成長段階を考慮した上で、成長によって得た利益を、株主への還元とともに、人的投資等の成長投資に適切に振り向けていかなければならない、これは重要な課題であるということは認識しておられると思います。

 我が国のコーポレートガバナンス改革は、中長期的な企業価値の向上を図る観点から推進してきたものであり、必ずしも賃上げや労働分配率の向上自体を直接の政策目的としてきたものではありませんが、適切な人的投資等の成長投資は、中長期的な企業価値の向上に非常に資するものと考えております。

 現在、金融庁では、コーポレートガバナンス・コードの改定に向けた検討も進めているところですが、政府としても、この考え方に立って、企業の長期的な成長に資するような人的投資とか新事業投資がより積極的に行われるように、株主への還元も含めて、企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させていくべきだと強く認識しておりまして、今、成長戦略本部の方でも、私が座長となった座会をそこで持っておりますし、そういった方向で、成長志向型への変容の方向で議論をリードしてまいりたいと思っております。

岡本(三)委員 私、日本の法人税は上げる余地が十分あると思っているんですね。これは、日本と経済構造が近いような国、例えばドイツであったり、そういう産業がしっかりしている国とやはり相対的に比べるべきで、日本と全く経済産業構造が違うような、例えばシンガポールとか、相対的にそこと比べるのはふさわしくないと思っているんですが。

 法人税を上げる、その代わり、今回も取り組んでいますが、設備投資とか研究開発とか人的投資をすると、その分の減税がしっかりあるがゆえに、もうかった金を使えば使うほど企業のキャッシュフローはよくなるし、もうかった金を平気で内部留保につぎ込んでいるようなところは税金としてしっかりとお支払いいただくような、そういう仕組みをもっと強化した方がいいのではないかというふうに思っておりますので、一言言及をさせていただきたいと思います。

 次に、住宅ローン減税について聞かせてください。

 今回、住宅ローン減税を延長、そして既存住宅を拡充する、非常にいい、大切な政策だと思います。事務方の皆さんで結構ですけれども、昨年のベースでいうと住宅ローン減税の減税額は幾らになるか、教えてください。

青木政府参考人 お答えします。

 住宅ローン控除による所得税の減収額については、七年度予算ベースで八千四百五十億円程度と見込んでおります。

 なお、八年度税制改正における住宅ローン控除の拡充などによる所得税の改正増減収見込額は、平年度ベースで九十億円程度と見込んでおります。

岡本(三)委員 八千五百億円程度、大変大きな金額を住宅ローン減税で住宅を御購入の方に受け取っていただいているんですね。

 元々、法の趣旨としては、住宅購入を促進していくと、そこで国内消費が大きく乗数として生まれる。確かに、家を購入するときには家電を購入する方も多いですし、カーテン、家具、いろいろなものが売れるので、やはり乗数効果は広まっていくというふうに思うんですけれども。

 実は、欧州、特に欧州も含めてOECD諸国と比べると、日本は住居に対する公的資金の割合が非常に少ないということが指摘されています。特に、まずは公的住宅にお住まいの方の比率でいうと、オランダは約三四%、オーストリア二四%、イギリス一六%、フランス一四%、そして日本は六%。元々、公的住宅にお住まいの方は少ないんですね。

 ただ、実はOECDが何回も勧告しておりまして、住宅、持家に対しての様々な政策、この住宅ローン減税もそうなんですが、効果の割に副作用が多い政策だということで、かなり批判的な、縮小や廃止を求めるような勧告も出しています。

 日本は、もう既に民間住宅で空き家もたくさんありますので、公的住宅を造っていこうというふうなフェーズではないと私は思っているんですけれども、実際として、衣食住の中で、住むところというのが大切な社会保障という考え方がOECDの中では一般的になっているにもかかわらず、日本においては、住宅を購入する方には支援があるけれども、賃貸の方には支援がないんですね。

 私、ちょっと思っていることがありまして、世界も、今、住宅の支援が購入者支援から賃貸支援に移ってきています。イギリスも大きくそういうふうにかじを切っています。住宅を購入されている方も大切な日本国民ですけれども、賃貸でお住まいの方も日本国民ですから、そこに差があるというのは私はおかしいのではないかと思っているんですが。

 仮に、購入された方に八千五百億円受け取っていただいている、これは大切なんですけれども、だったら、同じ金額を賃貸の方で、とりわけ低所得層、広げても中間所得層ぐらいまで受け取っていただくとするとどれぐらいの家賃の支援ができるかというと、これは私の手計算ですが、仮に日本の借家世帯が千九百四十万世帯だとすると、低所得層世帯、所得の低位二〇%の方に八千五百億円分を家賃として受け取っていただくと、月一万八千円、年間二十二万円、家賃補助を受け取っていただけます。中間所得層ぐらいの方、所得の下位というか半分よりちょっと下ですね、五〇%ぐらいの方、半分ぐらいの方に受け取っていただくと、月六千円、年間七万二千円、家賃補助で受け取っていただくことができます。

 私、先ほど申し上げたように、住宅ローン減税はすごく大切だと思っているんですね。ただ、住宅支援というのが社会保障の根幹の一つになってきているのがOECDの基本的なトレンドであれば、同じ金額を、家賃を払っていらっしゃる低所得、中間所得ぐらいの方にも受け取っていただくぐらいの住宅家賃支援を、福祉国家を目指す日本としては考えるときではないかと思っているんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 御指摘のように、OECDが二〇二二年に公表したレポートで、一般論として、御指摘のような住宅ローン控除に係る様々な課題を指摘しておられます。同時に、所得制限を設けたり対象となる借入額等に制限を設けることなどで、こうした課題の一部は緩和することができるとも指摘されているというふうに承知をしております。

 住まいは生活の基盤でありまして、子育て世帯を含めて、住宅に係る様々なニーズに応えていくことは重要でありまして、我が国では、こうした観点から、住宅ローン控除以外にも、低所得者を対象とした公営住宅の供給ですとか、子育て世帯を含む住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の確保など、住宅に係る様々な支援を行ってきているところでございます。

 その上で、賃貸住宅向けの税制支援を講ずることについては、ただいま申し上げた非常に様々な施策に加えて、税制上の優遇策を導入する必要性を精査する必要が当然ございますし、また、高額の家賃を払う高所得者ほど税負担の軽減効果が大きくなるとか、あるいは、そもそも所得が少なく納税額が少ない方々に対してはこの控除は利かないこともありますから、そういったことをどう考えるといった、結構、実務的にも、あるいは分配面でも難しいところも出てきますから、しっかりそういうことを全て慎重に検討していく、そういう必要はあるのかなと思います。

岡本(三)委員 大臣、これは是非、具体的な仕組みはお任せいたしますので、コンセプトとして御検討いただきたいんです。

 先ほど、日本には公的住宅があるというふうにおっしゃいました。そのとおりですけれども、その公的住宅の比率が住宅の六%というのは、OECD主要国で最低水準です。また、フェアでなければいけないんですけれども、先ほど申し上げたように、住宅を取得されている方も納税者ですけれども、賃貸の方も納税者であって、全員賃貸の方にばらまくなんというのは論外だと思いますけれども、ターゲットを絞って、公的住宅をどんどん増やしていくような環境じゃありませんので、そこに関しても、住居を社会保障の本質的な一つとしてそろそろ考えていくようなことも重要だということを是非御検討いただくようなことをお願いしたいと思います。

 ちなみに、アフォーダブル住宅として、日本も住宅セーフティーネット制度がありますけれども、やはり住宅を供給するというふうな時代ではないと思います。実際に、民家もありますし、空き家も多いので、そこを活用していくようなことを是非御検討いただきたいと思います。

 次に、こどもNISAについて質問させてください。

 私、こどもNISAは大切だと思うんですけれども、優先順位として考えたときに、ほかのことを考える必要もあるのではないかという問題提起をさせていただきたいと思っているんです。

 新NISAの拡充が、若い世代を中心に、大変、資産を構築をし、将来不安を減らしていくという意味で大きな功を奏していると思いますし、大変重要な選択肢だというふうに思います。

 私、二〇一二年の十二月に議員にしていただいたときに、安倍第二次政権でして、そこからアベノミクスが始まり、株価が高騰しました。株価が上がることは非常にいいことです。けれども、よく言われた批判がこれなんですね、株を持っている人はいいけれども、持っていない人には何の恩恵もないと。多くの人が言い訳のように、いやいや、持っていないあなたも、GPIF、年金運用法人は株式で運用しているので、間接的には持っていらっしゃらない国民の皆さんにも恩恵がありますというふうに、言い訳のように言っていらっしゃいました。

 私、そのとき思ったんですね。持っていない人に対してかわいそうだなと思ったり、持っている人を羨ましがることじゃなくて、どうやったら株価が上がる恩恵を、より多くの国民の皆さんに恩恵を受け取っていただく仕組みをつくるかどうかこそが政治の役割だというふうに思いました。なので、財務副大臣をやらせていただいたときに、金融庁と一緒にこのNISAの拡充に全力で取り組んで、結果、今非常に大きな功を奏しているというふうに思っているんですけれども。

 ただ、現実は、年間三百六十万円、つまり、毎月三十万円が上限ですので、毎月三十万円をNISAに投資、積立てできるような現役世代の方はそんなに多くはいらっしゃいません。ほとんどの方は、NISA口座をお持ちの方でも、上限まで行くことなく積み立てていらっしゃるような、そういう現状なんですね。

 その中で、三百六十万円、御自分の金額を全部使い切った方が多分お子さんのために積立てをされますので、一部、金持ち優遇との批判もあるかもしれません。もちろん、そのお子さんの立場に立ったら、将来の学費等の積立てになっていきますので重要なんですが、その恩恵を十分に受けていらっしゃらない、三百六十万円まで行けない方々にもっと大きな恩恵を受けていただく方が優先順位として私は高いと思っているんです。

 であれば、例えば、NISAで投資した金額の一定割合、最大十万円、例えば一〇%まで、そうすると百万円投資をすると一〇%で十万円になりますので、ある程度そういう枠を決めて、それを所得税減税にしてあげる。

 確かに、投資したものからリターンが、もう既にタックスフリーですから、二重減税じゃないかという批判はあると思います。けれども、現役世代の方でNISAに積み立てている方というのは、足下の生活はきついんですね。けれども、将来不安を解消するために投資をしているわけです。その一部でも所得税減税に回ってくるようなことがあれば、それこそが、若い皆さんの将来不安を解消することが政権の最大の目的の一つになっていますというメッセージにもなりますし、はっきり申し上げて、百二十三兆円の予算を考えれば大した金額ではありません。

 なので、是非、こどもNISAはやるとして、現役の皆さんがインセンティブをもっと受けていただけるような仕組みを御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 委員におかれましては、超大手世界的投資銀行というか、日本でいえば証券会社ですね、その御経歴も長いので、まさに投資を知り尽くした上でのそういう御意見等を持って、貴重な御意見を重く受け止めさせていただきますが。

 金融庁としては、より多くの人が一人一人のライフプランに沿って安定的な資産形成を行っていただけるように、令和五年度のNISAの抜本的拡充を始めまして、NISAの利便性の向上とか普及促進に取り組んできております。

 足下では、十八歳以上の国民の四人に一人が口座を保有する状況となるなど、着実に増加してきているのは、もう本当に皆様の御指導のおかげでございまして、また、今般、令和八年度の税制改正におきましては、NISAのつみたて投資枠の対象年齢の撤廃ですとか、これは通常、こどもNISAと言われていたんですけれども、十七歳、十六歳が今どき子供かなという意見と、前、ジュニアNISAというのをやっていて、ジュニアは子供ですけれども、ちょっと余り評判がよくなかったので、これは単にシンプルに、なじみやすい俗称を考えるよりも、対象年齢を撤廃させていただきましたの方が正確であろうということで、最近このようにさせていただいておりますが、対象商品の拡充等も含めて、こういった改正案を織り込んでいるということでございます。

 その上で、委員の御提案のように、たとえ一定の上限の下であっても、NISAでの投資額の一部を所得税から控除するとなりますと、既にNISA口座での運用により得られる利益が非課税でございます、その段階で、重ねて投資段階でも更に優遇という御提案でございますよね。それから、相対的に投資余力が大きくて担税力の高い高所得者に有利になりますですよね、上の一部の所得税の税率が高い方々ですからね。ということがありますので、それは今のところ、業界の方からは、そちらではないんですけれども、いろいろな考え方がございますが、今言ったような観点がございますので、慎重に検討する必要があるのかなというふうに考えております。

 ただ、御指摘どおり、まだ投資を始めていない方も含めて、できるだけ多くの国民に安定的な資産形成に取り組んでいただくことが必要でございますので、この御意見も踏まえながら、NISAの普及促進だとか、あとは、金融経済教育の充実でございますね、まだまだ金融経済教育が非常に足りていないということを日々実感されるような事象が毎日起きておりますので、そこもしっかりと進めてまいりながら、いろいろな方法を、当然、切れ目なく考えてはいきたいと思っております。

岡本(三)委員 大臣、私がここにこだわっているのは二つ理由がありまして、一つは、貯蓄から投資へという政府の大きな方向性の変化なんですけれども、デフレの時代だったら貯金でよかったんですが、インフレの時代になりました。円貯金するというのはどういうことかというと、円という個別の銘柄に自分の資産を全ベットしているのと一緒なんですね、何の分散もなく。なので、デフレになったときにはどんどんどんどん相対的に強くなるんですが、インフレの時代になりますと、百万円貯金を持っていても毎年毎年購買力は落ちますから、なるべくそれを分散させていこうということの考え方が一つ。

 もう一つは、現実的に、どんなに頑張っても、この表にあるように、なかなか賃金に回らない中で、株主にはがんがんがんがん回っているわけです。

 先ほど大臣が御答弁されたように、こんなにNISAで拡大をしても、去年の年末の証券業協会の、実際に株式と投資信託を持っている方の割合は二四%、四人に一人。四人に三人は投資なんてしていないんですね。にもかかわらず、働いたものが賃金として返ってこないのであれば、せめて、この回っている株主配当、株主の優遇が、働く人に、一般国民に回るような仕組みとして、働いていらっしゃる方々が株から直接恩恵を受けられるようになれば、仮に経営者の判断がしっかりとできなかったとしても、その方に、自分の努力が金融のリターンとして受け取っていただけるような仕組みをつくっていきたいというのに私の本意があります。

 仮に、個人の方が、ここまで政府がリードしても四人に三人は株や投資信託をお持ちでないのであれば、それこそ、前回のこの委員会でも御提案申し上げました政府系ファンド、国民の資産として国が持っている百兆円単位のお金を、しっかりと国民のために、GPIFのノウハウを活用してリターンを生むことができれば、国民の資産から生んだリターンで株式が上がったり配当金が増えたりします。それを予算の一部として国民生活に還元をすることができれば、それこそ、まさしく、直接的に株式を保有されていない方も、政府の施策が功を奏し、そして株価が上昇し、配当が増え、そこから上がってきた金融リターンが国民生活に還元されるという好循環を生むためにも、政府系ファンドの創設はやはり必要だというふうに思っているんですが、大臣の御所見を頂戴できますでしょうか。

片山国務大臣 おっしゃるとおり、これだけ頑張っても四人に一人しか株式を持っていないというのは現実でございまして、NISAの口座も、さっき申し上げましたように、大人というんですか、成人、十八歳以上の方の四人に一人でございますから、そこの辺のリスクに対する捉え方というのは、まだやはり、ちょっと壁がそれこそ高い部分が日本国民の間にはあるのかなというのをまさに痛切に感じさせるところでございまして。

 政府系ファンドというんですか、このことについては何回も委員から御質問をいただいておりまして、株価上昇の恩恵が広く国民に裨益、今でも年金運用等で裨益しているんですが、それはまさに、もっと直接的に分かるように裨益させるという意義自体は非常にいいことだと思っておりますが、この政府資産の運用につきましては、やはり様々関係法令、関係ルールがあるところもあります、一律ではございませんが。一般論として、安全性等を担保した上で、リスクとリターンの関係性ですとか、あるいは運用を全くしないことによる機会費用というか逸失利益、この両方は当然考慮すべきと考えておりまして、それであれば、一定の安全性を持った上で運用益が上がるということは、これは非常にいいことですわね、それができるのであれば。

 御提案の政府系ファンドは、ですから、制度の詳細につきまして、どのようになるかということがその評価において非常に重要なので、今の時点で、私の立場から、これができる、できないとなかなか言うことが難しいんですけれども、グローバル投資であればグローバル投資で、世界経済の成長を我が国の国民の利益に裨益させられますから、その問題意識は極めて重要だと思っております。

 他方、高市内閣におきましては、危機管理投資ですとか成長投資を通じて、世界経済の成長を当然取り込みながらも、日本の成長、日本における投資ということを重要視して、これがつながっていくことが重要だということで、また、賃上げの環境整備などによって、投資と賃上げの好循環を生み出して、国民の皆様に成長の果実を実感していただくということを非常に重要視しておりますので、そのような考え方も踏まえながら、御意見を聞きながら、勉強をさせていただきたいと思います。

岡本(三)委員 ちょっと時間の関係で、質問十四、十五、特例公債法まで飛ばしてください。

 特例公債法につきましては、先ほど伊佐委員がおっしゃったことと全く私は同意見でございまして、よく大臣がおっしゃる市場との対話ということは、まさしくこの特例公債法を五年ではなくて一年にして、しっかりとマーケットもチェックしながら財政運営をしていくという姿勢を目指すことが重要だと思っています。

 その上で、質問十五にちょっと飛ばさせていただきますけれども、この法案の中の第五条に、行財政改革の徹底ということがうたわれておりまして、行財政改革を徹底していくと。

 ちょっと関連をいたしまして、先日、国民会議が立ち上がりました。親会議が持たれたという報道に接しています。今後は実務者会議に移るようですけれども、私、ちょっと違和感がありますのは、これまで国民会議と言われていた会議の名前が、先日、突然、社会保障国民会議に変わっております。そして、元々議論するのも給付つき税額控除と言っていたんですが、選挙の後に急に食料品の消費税二年間ゼロが入ってきました。そして、最近は何と社会保障の負担と給付の議論をするというふうに入ってきていまして、給付と負担ということは増税もここで議論していくということなんでしょうか。

 この国民会議の中身がちょっとよく分からなくなってきましたので、何を議論するところなのか、どこまでが守備範囲なのか、財務大臣、お答えできるようでしたら是非御答弁をお願いします。

片山国務大臣 人口減少、少子高齢化の進行に加えまして、物価上昇という新たな局面を迎えている日本経済でございますが、この給付と負担の在り方などについては、全世代を通じて納得感が得られる社会保障制度を構築していくという必要がございます。

 このため、政府・与党だけでなく、野党や有識者の皆様にも御参画いただきながら国民的議論を進めるために、社会保障国民会議が設置されたものと承知しております。

 この社会保障国民会議におきましては、まずは、改革の本丸である給付つき税額控除と、その実施までの二年間に限ったつなぎである食料品の消費税率ゼロの二つの課題につき、同時並行で議論を進めて、その両者につきまして、本年の夏前を目途に中間取りまとめを行うこととされておりまして、その上で、給付つき税額控除の議論を進める過程で明らかとなった社会保障制度の課題等について、改めて調整の上、協議を継続することとされております。

 具体的な議論の内容、進め方については、様々な御議論を踏まえつつも、参加政党の皆様ともよく御相談をしていくものというふうに考えております。ですから、まだ余り強く確定していないこともあるかと思いますが、御党の御意見もしっかり当然しんしゃくしていかれるものと思っております。

岡本(三)委員 時間が限られておりますので、ただ、大臣のお話の中で、いろいろなことを今後議論していく可能性はあるということでお伺いしましたけれども、元々の出発点からはかなり守備範囲も広く、何なら社会保障とともに負担増も議論するみたいなことになっていますので、そういう趣旨ではなかったということを確認はさせていただきたいと思います。

 また、先ほども大臣御自身が改革の本丸である給付つき税額控除とおっしゃいましたが、少なくとも昨年で改革の本丸ということは聞いたことがありませんで、本丸というのは、高市総理の本丸でしょうか、政権の本丸でしょうか、自民党の本丸でしょうか、与党の本丸でしょうか。どこの本丸なんでしょうか。

片山国務大臣 委員御指摘のとおり、高市総理は、いろいろな機会を通じて、改革の「本丸」である「給付つき税額控除」と、その実施までの二年間に限った「つなぎ」である「食料品の消費税率ゼロ」ということで御発言を再三されているわけでございまして、このように承知をしております。

 この給付つき税額控除は、税、社会保険料を含めた給付と負担の全体像を把握した上で、中低所得者の方々の負担を集中的に軽減して、所得に応じて手取りが増えるようにするという趣旨のものでございまして、さきの衆院選の自民党の公約においても、その制度設計を進めるという旨が記載をされております。

 総理が述べられているとおり、この給付つき税額控除の制度設計を含む持続可能な社会保障制度の構築というのは、党派を超えて、日本の英知を結集して取り組むべき急務でありまして、政府としては、最重要の課題の一つであるという意味で、本丸として議論を進める必要がある、このように考えております。

岡本(三)委員 最後に、大臣にお伺いします。

 この中で議論をする一つに、軽減税率八%を、景気対策、物価高対策として二年間に限定してゼロにすることを議論していこうとされています。与党の公約で選挙に勝たれましたので、これは是非実現していただきたいんですね。

 けれども、私たちは反対です。なぜかというと、物価高対策としてやるにもかかわらず、どんなに早くても法案が提出できるのは今年の秋、本年度中、来年の今頃からやり始めるというスピード感、物価高対策としては事業者の方の手間が余りにもかかり過ぎるという側面もあります。

 加えまして、これは二年間で十兆円です。十兆円かかるんだったら、国民の皆さん全員に、この夏、八万円ずつ配れます。四人の家庭、三十二万円です。お配りになったとしても、今年の夏から物価高対策として使えますし、十兆円なんですね。いろいろなタウンミーティングで、同じ財源の金額だったらどっちがいいでしょうかというふうによく聞きます。ほとんどの方は後者を選ばれている。

 もちろん、痛税感は緩和されません。けれども、十兆円もかけて、やれるのが来年の今頃で、そして事業者はめちゃくちゃ手間がかかるということを、公約されているので是非やっていただきたいんですけれども、私ども自身はもっと国民が望む形での物価高対策も一方で御検討いただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 この食料品の消費税率ゼロというのは、物価高に加え、税、社会保険料負担に苦しむ中所得者、低所得者の方々の負担軽減を図るためのものでもあり、先ほどから申し上げております、改革の本丸である給付つき税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎとして実施するということにしております。

 物価への影響につきまして、あるいは様々な御意見につきましては、いろいろな御指摘がなされていることは十分認識しておりますし、また、会議の場でどうこうということとは別に、税法所管大臣である私のところにも、非常に多くの構成者を抱えた団体のトップの方が、こういう問題がありますということを、既に来られるような状況もございますので、ある程度は認識しておりますし、そういった課題につきましても、今後、社会保障国民会議にとって重要なことでございましょうから、特に不安をお持ちのそういった方々からは丁寧にお話を一つ一つ伺いながら議論を行って、そこで一つ一つ結論を得ていくということになると思いますので、決して、いろいろな御意見がないがしろにされることは全くないように、丁寧に対応されるべきことということは十分承知をしております。

岡本(三)委員 時間になりましたので終わりますが、財務省を始めとして官僚の皆さんが、いろいろな選択肢がある中で国民生活のために官僚の道を選んでいただいて、そして、私たちの判断のために最善の努力をしていただいていることに敬意を表しまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

武村委員長 次に、近藤雅彦君。

近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦でございます。

 本日も御質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。

 冒頭、今朝、朝一番に大臣からもお話ありました、中東情勢を受けまして、原油高ですとか、様々な各国との連携、そして国内、各省庁との連携、御対応を迅速にいただいていることを感謝申し上げます。私たちも、緊急事態でございますので、しっかりと必要な政策には協力してまいりたい、このように考えております。

 そんな中で、本日、今回提出されております税法四法の関連の質疑をこれからさせていただきます。

 今国会では、所得税法等の一部を改正する法律案など、個人所得課税等の様々な税控除の拡充、非課税枠の設定など、盛り込まれております。当然、減収となる部分がある一方で、課税の範囲が広がって、代替財源となっていく部分もございます。

 言うまでもなく、税制は、家計や企業にどのように適切に課税をしていくかという視点とともに、マクロ経済の観点から、家計や企業の消費、投資をある方向に導く、そういったインセンティブを与えていくということが税のもう一つの役割だと考えております。本日は、そのような観点も踏まえまして、様々、税制改正等につきまして御質問をさせていただきたい、このように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 最初のお尋ねは、NISAつみたて投資枠の拡充についてでございます。

 基本的には私も、新たな投資の枠が設けられる、そして、若年層を中心に、金融教育の観点からも意義あるものだと考えております。そういった中で、これに関しては、質問の最初ですけれども、このNISAの拡充とは別に、本年三月、今月でございますけれども、直系尊属から教育資金の一括贈与に係る非課税措置が終了いたします。父母や祖父母からの資金を子や孫世代に移転させていくという点では、あるいは大学入学時の教育資金などを想定した措置であるということで、こどもNISAにも通じるものがあります。

 そこで、御質問です。

 この教育資金の一括贈与に係る非課税措置そのもの自体の概要と、今回、この三月で終了し、延長措置を行わなかった理由はどんなところにあるのか、今回のこどもNISAとの関係性も含めまして御答弁いただければと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 教育資金一括贈与に係ります贈与税非課税措置でございますが、平成二十五年税制改正におきまして、経済対策の一環として、家計資産をより早期に若年世代へ移転することで経済を活性化させることを目的として創設されたものでございます。具体的に申しますと、親や祖父母が子や孫に対して教育資金を一括贈与した場合に、受贈者一人当たり一千五百万円の贈与まで贈与税を非課税とするものでございまして、本年三月末が期限となっておりました。

 本措置につきましては、与党の御議論を踏まえまして、新規の利用件数が低迷している一方で、利用者が富裕層に偏っており、格差固定化の懸念があること、親、祖父母などの扶養義務者が支払う教育費は通常必要と認められる範囲であればいわゆる都度贈与として非課税であること、近年、教育費の無償化や負担軽減の措置が拡充されていること、さらに、今般、NISAのつみたて投資枠の対象年齢を未成年者にも拡大することなどの理由から、本年三月末の期限を延長しないということとしております。

近藤(雅)委員 制度設計、詳しく解説いただき、ありがとうございます。

 今も御説明ありましたけれども、この三月までの一千五百万円までの贈与ですけれども、むしろ、この仕組みがあったことによって、私も実はそうでしたけれども、今御答弁いただいた都度贈与みたいな、教育資金ということが明確であれば、例えば何百万円でも、大学の入学金ですとか初年度の授業料とかそういったことも含めて、高額な資金を譲っていいんだという認識が余り啓発されていないんじゃないかなというふうに個人的には思いました。さらに、足下で予算の執行状況が芳しくないということもお聞きしましたので、大体今の御説明で理解をいたしました。

 親世代の資金を将来の子供の教育資金等に振り向けていくという点では、一般的には学資保険などの商品も広く活用されているところでございます。今回のこどもNISAの教育目的の資産形成について、学資保険などと性質が近い部分もございます。今回、こどもNISAとこの違いについて教えていただければと思います。

堀本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、学資保険と、それからNISAの未成年のつみたて投資枠、どちらも、子供の教育資金の準備のための資金の積立てに活用できる、この点は共通でございますが、学資保険は、一般的に貯蓄性の保険、商品でございまして、保護者等が死亡した場合に保険料の払込みが免除されるという保険サービスの提供とともに、目標資金を確保できる、そういう商品でございます。一方、NISAの未成年のつみたて投資枠は、対象商品が、長期の積立て、分散投資という一定の投資信託に限定をされておりますけれども、運用により収益が変動するという性格を持っておりますので、そういう意味ではリスク性の投資である、この違いがございます。

近藤(雅)委員 貯蓄性の学資保険に対して、一定のリスクを伴う長期の投資であるNISAということで理解いたしました。

 さて、このこどもNISAに関してですけれども、以前に、令和五年末までジュニアNISAという別のものがございました。たしか、十八歳になるまでは払出しができない、そういったルールであったと承知をしております。今回のこどもNISAにつきまして、十二歳以降の払出しの取扱いについて御説明いただければと思います。

堀本政府参考人 お答え申し上げます。

 親権者が未成年である子供のNISAの口座を開設した場合、今回の場合も、原則、その子供が十八歳になるまでは資金の払戻しができないこととされておりますが、例外といたしまして、その子供が十二歳以上になった場合には、NISAの口座からの資金の払出しについて子供の同意があること、払出し資金の使途が子供の教育費等であることの要件を満たす場合には資金を払い出すことができるということになっております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 ちょっと視点を変えて、その関連でお尋ねいたします。

 学校における金融教育が、現在、義務化されていると認識をしております。現時点で、それぞれ、小学校、中学校、あるいは高等学校の各課程においてどのような金融教育が行われているか、概要について教えていただきたいと思います。

今村(聡)政府参考人 お答え申し上げます。

 児童生徒が金融の基本的な仕組みや考え方を発達の段階に応じて身につけられるようにすることが重要です。このため、小中高等学校それぞれにおいて必要な内容が指導されるよう、学習指導要領等に明記しているところです。具体的には、例えば、小学校の家庭科では金銭の大切さと計画的な使い方、中学校の社会科では金融などの仕組みや働き、高等学校の公民科では金融を通した経済活動の活性化などを指導することとしております。

 また、平成三十年七月に改訂された学習指導要領解説では、高等学校の家庭科におきまして、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品のメリット、デメリット、資産形成などの内容を盛り込んでいるところです。

近藤(雅)委員 詳細な御説明ありがとうございます。

 今お伺いしたところですと、大変興味深かったのが、いわゆる社会科、公民も含めますけれども、そういった授業とは別に、やはり家計のやりくりという視点なんでしょうけれども、家庭科の中で小学校や高等学校でそういった金融教育がなされている、すばらしいことかと存じます。

 一方で、金融商品としての位置づけというのは、今お聞きしたところですと、ようやく高等学校あたりからしっかり学習されているのかなというふうにお聞きおきしたところです。

 お金とどのようにつき合っていくかということについては、もちろん、丁寧に時間をかけて指導していくことが大変重要だと思います。私の意見になりますけれども、これから本気で貯蓄から投資に向けた資産運用立国を目指すのであれば、例えば、株式というもの自体は、これを買うことは、単に金融商品という視点ではなく、会社のいわばオーナーになるようなものであり、その企業を応援する行為だという理念的なものも、是非、個人的な意見ではございますけれども、早い段階、例えば小学校や中学校の課程でもそういったものを検討していただくのがよろしいかというふうに思いました。今後の金融教育の発展について期待をさせていただきたいと思います。

 さて、次もちょっと別の切り口からでございます。こどもNISAについて改めてお尋ねをさせていただきます。

 これまでの御説明でもありましたが、こどもNISAは、現実的には親世代等の余剰資金を運用していくという側面もございます。このため、NISAは富裕層の方が使いやすく、まさに格差の固定化につながるとの懸念があると言えます。その点のところ、どのようにお考えか、現状認識をお願いいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 NISAのつみたて投資枠の対象年齢の要件の撤廃に際しまして、大学進学等の成人後のライフイベントに伴う必要資金に備えられるようにするという観点を踏まえつつ、御指摘のとおり、今回の見直しが格差の固定化につながらないようにする必要があるということも配慮いたしまして、口座保有者である子がゼロ歳から十七歳の間につきましては、年間投資枠は六十万円、非課税保有限度額は六百万円と、十八歳以上よりも低い限度額などを設定いたしております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 利用の上限額を小さく設定するということで、承知をいたしました。

 次に、このこどもNISAの対象のアセットについての確認でもございますけれども、今回の総理の施政方針でも、圧倒的に足りないのは国内投資だというような表現もございます。このこどもNISAを通じまして、いわゆる日本株などの国内の資産に対する投資に限定するなどの検討はなかったのか、そういった検討状況を教えていただければと思います。

堀本政府参考人 お答えを申し上げます。

 NISAの対象商品を国内の投資にする、金融商品に限定するということにつきましては、NISAを通じた投資、これの自由度を当然制約することになりますので、現に長期運用を想定して運用されている方々も含めまして、利用者の利便性を大きく損なうおそれがございます。

 また、家計の安定的な資産形成という観点から見ますと、国や地方の分散投資、これも一つの有効な方法でございますので、これが困難になるということを考えますと、既に多くの国民の方が使われているNISAの魅力や制度の趣旨を損ないかねないということで、極めて慎重に考える必要があるだろうというふうに考えております。

 むしろ、国内投資を活性化させるためには、コーポレートガバナンスの改革等の中長期的な企業価値の投資を後押しするということを通じまして、日本企業自身の魅力を高めていくこと、これが国民全体にとっても重要というふうに考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 投資の自由度を抑制するという御答弁がありました。私も、そもそも金融教育の観点からもこの視点は必要だと思うんですけれども、やはり、様々な金融商品があって、例えば国内、海外、それぞれ、株式や債券ですとかそういった幅広い商品にまさに分散投資をしていく、そういったことを通じて、子供たちが内外情勢などにも関心を持ちながら投資をしていく、金融商品を正しく選んでいくという視点を養うことも極めて重要だと思います。このこどもNISAの投資の裾野拡大に向けて、今後のブラッシュアップといいますか、不断の研究をして、より商品設計の自由度も含めて検討いただければと思います。

 最後に、このNISA関連の質問はこれで終わらせていただきますが、大臣にお尋ねいたします。こどもNISAに期待すること、そして、新たな投資の選択肢にかける大臣の意気込みをお伺いします。

片山国務大臣 令和八年度税制改正において、NISAのつみたて投資枠の対象年齢の撤廃を盛り込んでおりますが、これはまさに、長期安定的な投資を行うことを通じまして、大学進学等、成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるよう、次世代の資産形成を支援するという趣旨であります。

 その上で、若い世代の方々が早い段階から長期、分散、積立て投資という資産形成の重要な考え方に触れることができれば、金融や経済に対する理解も深まり、成人後に安定的な資産形成を継続するための金融リテラシーの向上にもつながると考えております。

 ですから、金融庁としては、今回の税制改正法案を成立させていただければ、その際には、次世代の方々の安定的な資産形成に向けてこうした制度を国民の皆様に広く御活用がいただけますように、周知、広報等にも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさに長期投資、そして分散投資、金融商品に対する正しい理解を進めていくんだというような趣旨で御回答をいただきました。御答弁ありがとうございます。是非、このこどもNISAが順調に軌道に乗っていくこと、そして幅広く資産運用の対象として使われることを私も期待したいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。次は、住宅ローン減税についてです。

 この住宅ローン減税ですけれども、多くの世代がこれまでこの税制のメリットを享受し、マイホームを円滑に取得することが奨励されてきた状況かと思います。中長期での家計負担の軽減に大きく貢献してきた事実もございます。

 住宅ローン減税の制度について、いつ創設されたのか、そして、当初の政策目的と併せまして、その後のこの制度の変遷についてお尋ねをいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 まず、住宅取得を支援する税制といたしましては、昭和四十七年度税制改正におきまして住宅取得控除が創設されたというふうに承知しております。昭和四十七年でございます。

 当初の政策の趣旨といたしましては、住宅対策の一環といたしまして、住宅取得の促進を図るとともに、住宅投資の活性化を通じた景気刺激を目的としたものであったというふうに承知しております。

 その後、制度の簡素化の観点から、昭和六十一年度税制改正におきまして、住宅取得控除に替えまして、現在のような住宅取得に係る借入金の一定割合を控除する制度として住宅取得特別控除というものが創設されて、現在に至っております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 今お聞きしたところですけれども、もちろん、個人の住宅取得の敷居を下げる効果とともに、経済波及効果が大きいんだと。そして、国内の住宅のストックを増やそうという政策の下に運用されてきたものと思います。

 今お聞きしましたように、この制度、動き出しましてから、昭和四十七年ということですので、一九七二年、五十四年が経過しているところでございます。余談にはなりますけれども、ガソリンの暫定税率、我々も訴えてまいりましたけれども、それがスタートしたのが一九七四年ですので、それ以上に長い歴史があるということでございます。

 この制度がスタートした当初の住宅投資による経済波及効果が、平均的な世帯人数の減少や、そして大型家具を購入しないなどライフスタイルも大きく様変わりしております。さらには、経済波及効果としてよく語られる家電製品の購入など、こういったものも低廉化、価格が下がってきているような状況もございまして、経済波及効果は、当初の政策をスタートさせたときから大きく減少しているものと推察されます。

 マクロ経済へのインパクトで住宅投資の効果がまさに下がっていると考えられますが、そのような中で、今回、住宅ローン控除見直しで意識された目的は何なのか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 住宅ローン控除につきましては、今、参考人の方からも申し上げたとおり、創設時の目的が内需の拡大等であったということでございますが、住まいはやはり生活の基盤でございまして、様々なニーズに応じた住まいの確保を支援していくといった観点も踏まえ、その時々の経済社会の状況に応じ、累次の見直しを行ってきております。

 その上で、令和八年度の税制改正では、既存ストックの利活用の促進ですね、今は、何でも新築となると高くなっている上に、工期が遅くなっておりますので、そういった問題もございますので、既存ストックの利活用ということは社会経済的に非常に重要性が高まっているわけでございますが、その促進とか。あとは、子育て支援というのは非常に大きな政策目的でございますので、この充実といったことに重点を置きまして、またさらに、一定の省エネ性能を満たす既存住宅を対象として借入限度額を引き上げるとともに、子育て世帯等については上乗せ措置の対象とする。それから、控除の期間も十三年に拡充するということにしております。まさに、商品性の改善ではないけれども、そういった工夫でございます。

 また、世帯規模が変化しているというのは委員も御指摘のとおりでございまして、床面積要件について、四十平米に緩和されている特例の適用範囲を既存住宅の方にも拡充したという点もつけ加えて、そういった点に御配慮をさせていただいているということであります。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 既存ストックの利活用、そして子育ての、そういった世帯の支援というような視点、御教示いただきまして、ありがとうございます。

 今回の住宅ローン控除の見直しに関して申しますと、従来の住宅政策から転換点に来ているように私は感じました。今回の住宅ローン減税では、既存住宅と新築住宅との間で、限度額等も含めて、大きな差異が余りなくなってきているのではないかなというふうに考えております。ある意味で、中古住宅の流通を活性化させるんだ、そういったメッセージを強く打ち出せるようなタイミングに来ているのかと思います。

 減税措置という視点のみではなく、経済全体のことを考えて、広くこうした取組をもっともっと周知をしていくべきというふうに考えておりますけれども、現状認識についてお尋ねをいたします。

井崎政府参考人 お答えをいたします。

 令和八年度税制改正による住宅ローン減税制度の改正内容の周知につきましては、新しい制度がより多くの国民の皆様に理解いただけるよう、制度の概要やQアンドAといった情報コンテンツの充実を図ってまいります。

 その際、今般の改正におきまして、既存住宅ストックの利活用の促進を図るため既存住宅に対する支援が拡充されたことが分かりやすく伝わるよう、取り組んでまいります。

 また、国による周知に加えまして、住宅の取得を検討している方々への訴求の機会を多く持っておられる民間の住宅情報サイトや住宅の関連団体などと連携をしまして、効果的な周知に取り組んでまいります。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさしく中古住宅の利活用というのは本当に大事なテーマだと思います。足下で約九百万戸の全国の空き家がまずございますのと同時に、この質問の前段で岡本委員からも御指摘ありましたけれども、今、ある程度の資産をお持ちの方で住宅が買える方、ローンを含めてですね、買える方はいいんですけれども、その下の所得層の方で、どうにも住宅ローンにもあずかれない、基本的には家賃支援が本来は欲しいんだけれどもいただけないというような現状もあるかと思います。

 私自身も、実は、つい最近まで地方自治体で定住政策の促進等も担当してまいりました。それぞれの基礎自治体で、何らか、住宅の購入であったり家賃支援を行おうとした場合に、まずもって一時的に五十万円以上の何か補助金を差し上げたりすると、これ自体も課税の対象になったり、基礎自治体の政策だけでは運用しにくいというような側面もあります。それから、何よりも、本当にこの地域に定住するのかとかそういった目線もあるので、賃貸でその都度都度、生活あるいは就労の状況によってお住まいを変えなきゃいけないような方だっていらっしゃいます。そういった方には基礎自治体の方では補助金とかを出しにくいというような現実もたくさん見てまいりましたので、是非とも、低所得層に対する家賃支援なども、ちょっと思いつきの発言ではございますけれども、検討をいただきたいと思います。

 中古市場の活性化あるいはその必要性について国民の皆さんと広く意識を共有すべきだと考えます。

 特に通告はないんですけれども、今申し上げたような視点、もしお答えが可能でしたら財務大臣から所見をいただければと思います。

片山国務大臣 既存住宅の活用の必要性ですとか、今委員がおっしゃられたような視点ですね、新築住宅だけではなくて既存の住宅、それから、集合住宅を含めて、借りるという概念が非常に、全体における割合において大きくなっている。世帯の住まい方の変化というのはきっちりと捉えなければなりません。先ほどほかの委員の先生から具体的な世帯数などの御開示もございましたが、そういった視点が重要ということを十分踏まえております。

 それで、住宅減税というか、今は住宅ローン減税ですが、これが昭和四十七年にできた。一九七二年ということでございますね。これは、私ども自民党的に申しますと、その年の五月か六月が田中角栄総理の誕生ではなかったかと思います。その以前も、田中角栄総理におかれては自由民主党の政策決定に極めて重要なポストにいらっしゃったわけですから、「列島改造論」等、御著作を拝見いたしましても、やはり、住宅を新築し、それ以前として住宅地にするということですよね、開発して。この状況が非常に重要であるというお考えが強かったのかなと思います。

 かてて加えて、今、強い経済をつくるための投資の概念ということで、むしろ、都心のど真ん中ではなくて、地方にまさに産業クラスターのようなものをつくって、そこに住宅街も含めて一緒にできていくというようなことも、今、これからの時代では、まあ、ここのところ、そこまでの必要性はなかったんでしょうけれども、強い経済をつくるために地域に産業クラスターをつくる、成長投資も危機管理投資もやっていくというと、やはり、製造業を前提にいたしますと、東京都の真ん中につくるというのは余りないのかなということになりまして。そうすると、都心で今非常に戸数も減っていて、逆に、様々な要因で余りにも高くなっている高級新築マンションとかタワーマンションということとはまた別に、地域におけるクラスターづくりという意味で住宅の後押しの必要がないかというと、それはそれであると思います。

 ただ、それがどのぐらいのものになるのかは、これから成長戦略でいろいろなプランが出てまいりますので、それで見積もれるかどうかは私もまだ完全に見ておりませんから分かりませんけれども、そういう部分もありながら、実態的にはやはり、人口減少の中で、世帯数の減少の中で、また感覚が変わってきておりますから、住むということ、住まうということについての支援が何が一番国民全体にとってよろしいのかということは不断に考えていった方がいいなというのは、今日の議論を聞いても非常に痛感いたしますし。

 その意味では、借りている方への様々な支援というのは今でも補助金等、支援金等でございますし、公営住宅があること自体がその意味ではありますが、公営住宅の割合は自治体によっても大分違いますけれども、本当に公営住宅の割合が高い先進国というのはありますから、それに比べると日本はまだ少ないのかもしれないし、様々な支援手法をバランスを取りながら国民のニーズに合わせていくということが非常に大事かなと思います。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 今、地方の産業クラスターについても御所見をいただきました。地方の視点を含めて御答弁いただき、ありがとうございます。

 今回の住宅ローン減税については、これまでの枠組みもそうですけれども、都心で価格が高騰しているから中古も広く意識していこうという姿勢というものも十分感じますが、今お話ししたような、地方であるいは空いている物件とか、ちょっと今回のローン減税の話からは脱線をしますけれども、まだストックは地方にもたくさん眠っているというふうに感じますし、もろもろ、これが住宅の購入なのか賃貸等の家賃支援なのかは分かりませんけれども、地方であれば、少なくともこの限度額に近いレベルの経済支援というのはそんなに議論しなくてもいいテーマかと思いますので、是非、様々な視点から中古住宅市場の活性化について御議論、検討をいただければ、このように考えます。

 それでは、続いての質問ですが、防衛財源の確保のための税制措置についてお尋ねをいたします。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、ますます厳しさを増しております。防衛力を強化する必要性、これについては理解をしているところでございます。政府においても、防衛力の抜本的強化を進める中で、安定的な財源をどのように確保していくのかが大きな政策課題となっております。防衛財源確保のための税制措置については、昨年来議論されていることと承知しております。防衛力強化のための財源は、歳出改革や決算剰余金の活用など様々な手段が議論されておりますし、法人税とたばこ税は、昨年、この二〇二六年四月から上げていくと決定をされまして、今まさに所得税について議論されているわけでございます。

 これについては先ほども御説明がありましたが、改めて、今回の税制措置の概要とこれまでの議論の内容を御説明いただければと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 防衛力強化に係る安定財源につきましては、行財政改革の努力を最大限に行った上で、それでも足りない約四分の一の部分につきまして、税制措置で確保を図ることとされております。

 令和五年度与党税制改正大綱におきまして、法人税、所得税、たばこ税の三税により確保するという基本的な方向性が示されております。

 その上で、令和七年度税制改正におきましては、与党の御議論を踏まえまして、法人税額の四%の御負担をお願いする防衛特別法人税を導入するほか、たばこ税につきまして、加熱式たばこの課税の適正化と税率の引上げをそれぞれ段階的に実施することとされております。

 また、今般の令和八年度税制改正におきまして、所得税について、令和九年一月から、所得税額に対しまして税率一%の新たな付加税といたしまして、防衛特別所得税を創設することとしております。ただし、その際、現下の家計を取り巻く状況に配慮し、足下で家計負担が増加しないように復興特別所得税の税率を一%引き下げるということもしております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 それでは、防衛力整備計画のこれからの話になりますけれども、規模と、改めて、たばこ税、法人税、所得税の財源としての額をもう一度御説明いただければと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 現行の防衛力整備計画におきましては、五年間で本計画の実施に必要な防衛力整備の水準といたしまして、四十三兆円程度を見込んでいると承知しております。このための財源確保額として、税制措置により、令和八年度、令和九年度で計二兆円弱を見込んでおります。

 その内訳でございますが、令和八年度、令和九年度の順で申し上げます。防衛特別法人税の創設で、それぞれ、五千七百六十億円、九千二百三十億円。たばこ税の見直しで、それぞれ、四百四十億円、一千百六十億円。防衛特別所得税の創設で、それぞれ、三百八十億円、二千六百三十億円と見込んでおるところでございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 明日で東日本大震災から十五年がたちます。総理が施政方針演説でおっしゃるとおり、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、その考え方には共鳴をいたします。復興への施策は力強く進めていただきたい、このように思います。

 そこで、お尋ねです。

 今回は、復興特別所得税のスキームをかりる形で防衛財源を負担していただくことになります。納税者、国民そして被災地に向けて丁寧な説明が必要になると考えます。この点について、財務大臣の見解を伺います。

片山国務大臣 お尋ねありがとうございます。

 毎年、この日が近づいてきますと非常に思いを強くいたしますが、当時、私どもの党は野党でございました。その中で、発災直後に東日本大震災の担当の本部ができまして、当時、総裁は谷垣先生でいらっしゃいましたが、本部ができまして、その本部の中で、当然多くの法令を担当しなければいけないということで、法令担当の事務局ができまして、それを小里元農林水産大臣と私で担っておりました。ですから、最初の二年ぐらいで百回ぐらい現地に入ったのを記憶しておりますが、最初の頃はまだ三月中でございまして、宮城県のいわゆる被災地というか海岸線の近いところを歩いておりましたところ、全く見ず知らずの方が私を認めて、向こうから走ってきて抱きついて、この辺に埋まっているのよ、埋まっているのよとおっしゃるんですよ。それ以上は申し上げませんが、何とも言えずに抱き合って、しばらくそこで泣いていたことを思い出します。

 その後、まずとにかく瓦れき処理と当座処理からいかなきゃなりませんし、それから被災者生活再建支援もございました。また、ちょっとたつと、すぐにこれは現地の金融機関が全部声を上げたんですが、このままでは追加資金が貸せない、完全な二重ローン状態だということで、その対応もございまして、幾つかの議員立法の立法者になりましたし、当時の民主党政権の官邸の方にも何度も申入れに参りまして、そこは、協力できるところは協力してきたことを覚えております。

 ですから、まさに被災地への思いというのですか、復興への思いというものについて誤解があるようなことは決していけないということは強く思う者の一人でございます。

 令和八年度税制改正では、防衛特別所得税の創設に併せ、足下で家計負担が増加しないよう、復興特別所得税の税率を引き下げるとともに、復興財源の総額を確実に確保する観点から、復興特別所得税の課税期間を延長することとしております。こういうスキームでございます。

 東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした今般の東日本大震災で、これは明日、十五年ということになるわけですが、まさにかけがえのない多くの命が失われました。そして、最愛の御家族、御親族、御友人を亡くされた方々の気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えないところでございます。

 そういうことでございますので、政府として、東日本大震災からの復旧復興に要する財源については、今回の税制改正をお認めいただいたとしても、その後も引き続き万全の責任を持って確保してまいるということをしっかりと申し上げたいと思います。

近藤(雅)委員 思いを込めて答弁いただきました。国民の皆さんに十分届いたかと思いますので、是非、今回の件につきましては丁寧に予算を執行していただきたい、このように考えております。

 さて、続いて、関税についてお尋ねをさせていただきます。急増する少額輸入貨物への対応でございます。

 外国貨物等を取り扱う保税業者の監督について、これまでも包括する業法のようなものはないと承知をしております。保税地域の貨物の監督がどのように今実際行われているのか、その実態をお尋ねいたします。

中谷副大臣 お答え申し上げます。

 海外から到着した貨物等は、不正薬物等の国内への流入防止等を目的として、税関長が許可した保税地域に置くこととされております。

 税関は、関税法に基づき、新たに保税地域の設置許可を求める事業者に対して、事業者が資力やさらに法令の知識など保税地域の業務遂行に十分な能力を有しているのか、さらには、事業者の施設がフェンスなど貨物の保全の観点で十分な設備を有しているかといった要件を充足しているかどうかを確認しております。

 許可後におきましても、保税業者に対する定期的な実地調査等により、保税業者が自主的に整備した社内管理規定に従って適正に業務を行っているかを確認するとともに、必要に応じまして改善を促すための助言、指導を行うこと等により、保税業者の適正な業務運営の確保に努めているところであります。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 業者のそもそものコンプライアンスがどれだけ行き届いているのか、設備が十分であるのか、そういったことを現状でも意識していただいているとは思います。ありがとうございます。

 今回の法改正ですけれども、保税業者に関する規制の法定化、そして、ここが肝だと思うんですけれども、業務改善命令等が新たに加わって規定されるということで伺っております。その趣旨とこれによって期待される効果についてお尋ねをさせていただきます。

中谷副大臣 近年、越境ECの拡大に伴いまして、少額輸入貨物が急増しております。保税地域での貨物管理を行う保税業者の役割が一層重要となってきているという現状がございます。その適正な業務遂行を確保するため、税関として事業者の業務実態等に応じたきめ細やかな監督を行う必要が出てきております。

 こうした中、一部の保税業者におきまして、自主的に整備した社内管理規定に従わず業務を遂行している状況や、税関の助言、指導に対して有効な改善策が講じられない状況が散見されることも踏まえまして、本法律案において、保税業者に対しまして法令を遵守するための業務体制等を規定した規則の策定を義務づけるとともに、業務改善命令を創設することとしております。

 これにより、税関が保税業者の不正事案を確認した場合、まず、規則に定めた業務の適正な実施のため指導を行い、その効果が見られなかったときは業務改善命令を行います。その命令に違反した場合には、貨物の搬入停止等の処分を行うといったように、改善状況に応じた実効性のある対応が可能となり、保税業者の法令遵守や適正な業務運営の確保に資することが期待されております。

 以上です。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 ただいまも処分の具体的な内容も含めて丁寧に回答いただきまして、ありがとうございます。

 是非、この法改正が有意義であったと言えるような状況をつくっていただきたいと思います。しっかりと保税業者が業務管理を行えるような、そして、適正な人材配置を促すことにもつながることを期待をしております。さらには、こうした貨物の増加により多忙を極めております税関職員の皆様の負担の軽減にもつながればと考えております。是非、実効性のある運用をお願い申し上げます。

 そして、次に、特例公債法についてお尋ねをいたします。

 令和八年度から令和十二年度の五年間、特例公債、赤字国債を発行できるようになるわけですが、改めて、なぜ五年間なのか、これまでも大臣から御説明を頂戴しております。

 我々国民民主党は、まさに対決より解決、政策よりも政局を優先する古い政治からの脱却を主張しております。今まさにこの局面では、物価高に苦しむ国民の皆さんのための政策実現に努めていきたいと考えております。

 その上で、マーケットに対する影響を危惧する御意見もいただきます。責任ある積極財政を進める上でも、丁寧にマーケットとの対話をしていくべきだとまさに思います。

 本法案では、五年間の授権の条件に、歳出歳入改革、社会保障制度改革等の行財政改革を徹底すること、租税特別措置、補助金等の適正化に取り組むことを新たに定めると、行財政改革の徹底の理念を条文に明記されております。

 そこで、この第五条、行財政改革の徹底について、単なる努力義務ではいけないと思いますが、これも改めてになりますが、実効性を確保するための具体的な取組をどのようにお考えか、お答えください。

中谷副大臣 お答え申し上げます。

 特例公債法の今般の改正に当たりましては、授権期間における改革の姿勢を明確に示し、市場の信認を確保する観点から、行財政改革を徹底する旨を定めた第五条を新たに設けることといたしております。具体的には、歳出歳入改革や社会保険制度改革等の行財政改革を徹底し、その一環として租税特別措置、補助金の適正化に取り組むこととしております。

 これらの取組を進めるに当たっては、政府として、骨太の方針等において定める内容に基づき進めていくことになりますが、租税特別措置、補助金については、見直しの取組を既に開始をしており、昨年の十二月に、官房長官や関係大臣、各府省庁の副大臣に御参加いただき、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議を開催したほか、令和八年度予算、税制改正では、直ちに見直し可能なものから早速見直しを行い、昨年末に見直し内容を公表するなど、取組を既に進めております。

 次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスでは、各府省庁にも御尽力いただきながら、要求、要望段階から一貫して取り組んでいくこととしております。さらに、令和十年度以降につきましても、特例公債発行の授権期間を通じて行財政改革を徹底していく観点から、それまでの成果も踏まえまして、取組を継続していく考えであります。

 以上です。

近藤(雅)委員 既に動き出している取組について御説明いただきました。ありがとうございます。

 まさに、租税特別措置・補助金見直し担当室などが中心となって、既に動き出しているかと思います。

 そこで、大臣にお尋ねですけれども、租税特別措置、基金、そして補助金を改めて確認し、無駄な使われ方がされていないか厳しくチェックすることは、政府の歳出削減を可能にするためにも非常に大事だと思います。行政依存を縮小することは、企業活動を活性化させ、経済の潜在力を高めることにもつながると考えております。

 この取組ですが、既に伺っておりますけれども、広く国民の皆様から意見を募り、二月末までに三万六千件を超える御意見をいただいたとのことでございます。国民の皆さんの高い関心がうかがわれます。いただいた貴重な御意見は、できることでしたら、AI等の先端技術の活用も含めまして適切に集約をいただきまして、国民の皆さんにオープンに議論をこれから進めていただきたいと思います。国民の皆さんの意見を具現化するためにいかにすべきか、その意気込みを改めていただければと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 租税特別措置及び補助金の見直しにつきましては、昨年十二月に開催した租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議におきまして、担当大臣である私から既に各府省庁の副大臣に対しまして、これまでの会計検査院や行政事業レビュー等における様々な指摘を踏まえた自己点検などを進めて、見直しに積極的に取り組んでいただくことについて御指示を申し上げております。

 次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスにおいて、要求、要望段階から一貫して見直しに取り組むこととしておりますが、その際は、各府省庁は、外部有識者の意見も取り入れながら、公開で事業の点検をする行政事業レビューなど既存の取組との連携も進めてまいりたいと考えております。

 また、年明けから先月末までに国民の皆様から見直しの提案を募集したところ、今御指摘がありますように、単純集計で合計三万六千件を超える御提案を受けることができました。いま少しお時間をいただいて、皆様の御提案を分析、整理し、概要をまとめてお示しをしたいと考えておりますが、この分析、整理に当たっては、AIの活用という委員の御提案も十分踏まえてやってまいりたいと思っております。

近藤(雅)委員 どうも御答弁ありがとうございます。

 非常に国民の皆さんの期待の高い案件でございますので、きちんと検証を進めていただきたい、このようにお願い申し上げます。

 次の質問でございます。極めて高い水準の所得に対する負担の見直しに関してです。

 我が国の所得税は累進課税を基本としておりますが、一方で、株式の譲渡益や配当などの金融所得については分離課税が適用されていることから、所得が高くなるにつれ金融所得の割合が増え、結果として実効的な税負担率が低下する傾向、いわゆる一億円の壁が指摘されているところでございます。政府としても、税負担の公平性の観点から税制を見直してきたところかと存じます。

 これまでの取組も含めてお尋ねをさせていただきますが、極めて高い水準の所得に対する負担の見直し、この制度の概要を分かりやすく、金額も含めて御説明をお願いいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 今般の税制改正では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置につきまして、まず、特別控除額を現行の三・三億円から一・六五億円に引き下げますとともに、税率を現行の二二・五%から三〇%に引き上げることといたしております。

 この結果、過去の課税実績に当てはめて見直し後の影響を見ますと、まず、追加負担が生ずる平均的な所得水準は、現行制度では約三十億円だったところ、今回の見直しにより約六億円となります。また、対象者でございますが、今回の見直しによりまして、およそ二千人程度となるというふうに見込んでおります。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 今回の対象者、今御説明ありましたように、二千人ということでございます。その二千人の対象の方から、今回の見直しを受けまして、具体的に税収はどのくらいを見込んでいますでしょうか。そして、その税収はどのように使われるか、使途を御説明ください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の極めて高い水準の所得に対する負担適正化措置に係る増収額といたしましては、現行制度の税収一千百三十億円を含めまして、平年度ベースで約四千億円程度というふうに見込んでございます。

 この増収額でございますが、昨年十一月のガソリン、軽油の当分の間税率の廃止に係る与野党合意や、令和八年度与党税制改正大綱を踏まえまして、ガソリン、軽油の当分の間税率の廃止及びいわゆる教育無償化に係る安定財源として充てるものと整理をいたしております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 四千億が捻出できる、そして、今御答弁ありましたように、ガソリンの暫定税率部分に対応する新たな使途ということでございます。是非、四千億捻出できるんだというところにとどまらず、しっかりとこういったこれまでの取組についても見える化をしていっていただいて、また来年度以降もこういったものをしっかりと生み出せればなということで期待をさせていただきたいと思います。

 そして、次の御質問ですが、賃上げ税制に関するものです。

 近年の日本経済においては、深刻な人手不足が続いております。少子高齢化が進む中で、多くの産業において労働力の確保が大きな課題となっております。企業が人材を確保するためには、賃上げを含めた処遇の改善が不可欠となっています。

 連合のまとめでは、各業種全体の賃上げは、二〇二四年に五・一〇%、そして二〇二五年五・二五%と、春闘では高い賃上げが続いております。本年も来週、集中回答日を控えておりまして、強い賃上げ基調が続くのかどうか注目をされているところです。

 一方で、全体の状況に比べまして中小企業は、二〇二四年に四・四五%、そして二〇二五年四・六五%と、伸びてはおりますけれども、全体と比較すると伸び悩んでいると言わざるを得ません。決して業績が好調ではないものの、人手不足のために防衛的賃上げをせざるを得ない、そんな状況でございます。

 こうした中で、現在の高市政権におかれましても、賃上げを経済政策の重要な柱として位置づけ、持続的な賃上げの実現に向けた取組が進められているところです。もっとも、賃上げの流れを日本経済全体に広げていくためには、大企業だけでなく、雇用の多くを支える中小企業においても賃上げが実現できる環境を整えることが極めて重要です。特に中小企業は、人手不足の影響を強く受ける一方で、価格転嫁や収益確保の面で課題を抱えている場合も少なくありません。中小企業の賃上げを支える政策が必要かと存じます。

 そこで、賃上げ促進税制について直近の実績を御説明いただきたいと思います。さらに、賃上げ促進税制が適用された件数や減税の規模、中小企業に特化した件数も併せてお願いをいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 賃上げ促進税制の適用実績でございます。

 まず、全体の数字でございます。四年度の適用件数は二十一万五千二百九十四件で、適用金額は五千百五十億円でございます。五年度は、件数は二十五万四千四百八十三件、適用金額七千二百七十八億円。六年度は、件数は二十九万四千二百八十七件、適用金額は九千五百六十億円となっております。

 このうち、中小企業に係る適用件数と適用実績を順次申し上げます。四年度は、二十一万一千百七十八件で、二千六百五十六億円。五年度は、二十四万九千二百十五件で、金額は三千九百四十一億円。六年度は、二十八万七千九百四件で、適用金額は四千六百五十三億円となっております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 改めてですが、多くの企業に活用されたということがうかがわれる内容でございました。

 今回の改正では、大企業向けの措置を令和八年度に廃止、そして、中小企業向けは要件を見直した上で令和九年に廃止、さらに、教育訓練費に係る上乗せ措置については令和八年度に廃止となっております。今回の改正の見直しの背景と、どのような検証がされたか、御説明をお願いいたします。

青木政府参考人 お答えします。

 まず、大企業向けの廃止、中堅企業向けは要件を強化した上で、適用期限をもって九年度に廃止することといたしておりますが、この背景でございます。

 まず、足下の賃金上昇率がバブル期以来の水準となる高い伸びを示しており、本措置の要件でございます賃上げ率を大きく超えているという点がございます。このほかに、コーポレートガバナンス改革に基づきまして人的資本への投資促進が企業の責任として求められていること、中小企業の人手不足感は大企業よりも強い状況であることなどの事情もございました。

 また、賃上げは企業収益の動向や雇用情勢など税制以外の要因による影響を受けるため、税制の効果だけを取り出すことは難しい面もございますが、それも踏まえましても、適用企業の賃上げ率と本措置の賃上げ要件との間に必ずしも関連性が見られず、本措置がインセンティブ措置として十分に機能していないおそれが見受けられました。

 このため、今般の税制改正におきまして、与党での御議論を経て、大企業向け措置の廃止などの見直しを行うこととしたところでございます。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさに実態を見て精査をされて、正直なところ、大企業ではもう既に自力で賃上げができる、そんなようなところも多くお見受けかと存じます。一方で、中小企業の置かれている状況は、大企業とは異なるものと考えます。

 ここで、財務大臣にお伺いいたします。

 中小企業の賃上げ意欲、そして投資意欲を盛り上げる仕組みをつくっていくために、今後に向けて決意をお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 今回の税制改正において、賃上げ促進税制については、足下の賃金上昇率がバブル期以来の水準となる高い伸び率を示している中、政策効果などを踏まえ、今御説明申し上げましたように、大企業向けの措置などは大胆に見直すこととさせていただいたところです。

 他方、御指摘の中小企業向けの措置につきましては、中小企業も賃上げ促進税制の適用要件を上回る賃上げが行われている状況ではありますが、中小企業の人手不足感は大企業よりも強いという状況であること、それから、人材獲得競争の中で、防衛的賃上げに取り組む企業にも配慮する必要があることから、適用期限の到来前である令和八年度においては現行制度を維持した上で、引き続き適用状況の確認等を行うということにしております。

 その上で、賃上げの裾野を広げるという観点から、委員御指摘のとおり、賃上げ促進税制を中小企業にもっともっと活用していただくということが非常に重要と考えておりまして、国税庁におきましても、ホームページを通じて申告手続などをお知らせするなどといった取組を行っているところですが、引き続き、経済産業省の方とも連携して、更なる制度の周知、広報を行ってしっかり広めて、お役立ていただきたいというふうに、かように思っております。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 今大臣がおっしゃったように、周知、広報の徹底というところですけれども、まさに改めてお願いをしたいと思います。これまでも制度設計自体は見直しを重ねられているかと思いますけれども、まさに中小企業の皆さんが使いたくなるような制度設計、今般このような案で進めていかれるとは思いますけれども、これからも不断の見直し、調査研究を続けていただきたいと思います。

 時間が僅かになりましたけれども、本日は、私の方から、個人所得課税関連を中心に、ある程度時間を設けて質問をさせていただきました。本当にありがとうございました。

 税というのは、この委員会で議論している一つ一つのこと自体は、それほどインパクトのあるものではないかもしれません、地味なことかもしれません。しかし、私も冒頭申し上げましたように、税制改正等の狙いや意味するところを丁寧に周知していけば、それによって多くの国民の皆さん、そして経済主体が動き出し、活力ある経済社会をつくっていくことにもつながってまいります。その芽を摘まないよう、本委員会でも継続的に、あるべき税制の姿、在り方を議論していきたいと思います。

 本日は、これにて私からの質問を閉じさせていただきます。どうも、お時間いただきまして、ありがとうございました。

武村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

武村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。田中健君。

田中(健)委員 国民民主党、田中健でございます。

 片山大臣始め委員の皆様、午前中はお疲れさまでした。午後一番となりますが、是非ともよろしくお願いをいたします。

 日本では、今、税収というのは過去最高水準に達しています。一方で、実質賃金は伸び悩み、多くの国民が生活の厳しさを感じています。政府は責任ある積極財政を掲げていますが、国民の側からすれば、税収は増えているのになぜ生活は楽にならないのかという素朴で率直な疑問があります。税収は増え、経済指標の一部は改善しているにもかかわらず、家計の実感としての豊かさがなかなか伴ってこない、このギャップこそ今の日本の経済をめぐる最大の課題ではないかと思います。

 その観点から、今日は、日本の財政政策の基本構造と、また、今回の税制改正の方向性、そして政府の掲げる責任ある積極財政という点について、順次伺っていきたいと思っています。

 まず、特例公債について伺います。

 本来、特例公債は、財政法が原則として認めていない赤字国債を例外的に発行するための措置として導入をされた制度です。つまり、本来は例外でありまして、恒常的に依存することを前提とした制度ではありませんでした。

 しかし、現実には、日本の財政は、長年にわたりこの特例公債に依存をしてまいりました。一般会計の歳出を支える重要な財源として、事実上、恒常的に使われているのが現状であります。こうした状況を踏まえると、特例であるはずの制度が実質的には財政運営の前提になっているのではないかという疑問も出てきます。

 そこで、まず、現在の日本の財政は特例公債に依存する構造になっているというふうに認識をされていますでしょうか。もしそうであるならば、政府として、この特例公債からいつ脱却するのか、そういった目標やそういった思いというのがあるのかどうか、見通しも含めて大臣にお伺いします。

片山国務大臣 御指摘の点でございますが、我が国の財政状況につきましては、高齢化の進展による社会保障関係費の増加や債務残高の増加に伴う国債費の増加などを背景に、平成六年度以降現在に至るまで、公共事業等を除く歳出を税収等のみで補うことはできず、特例公債法を制定した上で特例公債を発行し、不足する歳入に充てる状況がずっと続いてきております。

 今後も、二〇三〇年度、これは令和十二年度ですが、までの経済・財政新生計画の期間を通じて経済・財政一体改革を推進し、特例公債の発行額の抑制に努めてまいりますが、少なくとも、二〇三〇年度、令和十二年度までの五年間において、特例公債の発行を全く必要としないような財政状況ではないものと認識しております。

 そういう状況でございますが、政府の基本認識といたしましては、もちろん、財政の持続可能性にしっかり配慮して運営をしていくということは言うまでもないことでございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 その上で、今回、発行根拠において、五年間の延長というのが規定をされています。この五年間の延長というものについて、経緯を振り返ってみたいと思います。

 特例公債法は、過去においては、与野党の政争の争点、政争の具とも言われたこともありました。いわゆるねじれ国会の時代には、成立の遅れが財政運営そのものに影響を与える事態もありました。懐かしいですが、民主党政権時代、二〇一一年には、菅総理の退陣と引換えにようやく成立をしたという経緯がありました。

 しかし、当時は、この赤字国債の発行を一年という限りで認める制度でありました。しかし、翌二〇一二年には成立が遅れ、最終的には赤字国債の発行を四年認める制度へと変更されました。その後、安倍政権において発行期間は更に五年間に延長され、今日に至るまでこの五年更新が続いています。

 こうした経緯を見ますと、五年という期間は、財政理論から導かれたというものではなくて、むしろ政治的事情の中で定着してきた側面があるのではないかと思っています。その中で、改めて、今回、五年ということで延長をした理由をお知らせください。

片山国務大臣 この特例公債法につきましては、平成二十四年度に、議員修正により、安定的な財政運営を確保する観点から、授権期間中、政府として財政健全化に取り組み、国債発行額の抑制に努めることを前提に複数年度の発行根拠を設ける枠組みに改められました。

 授権期間につきましては、初めて複数年度化された平成二十四年度、二〇一二年度には、当時の財政健全化目標であった平成二十七年度、二〇一五年度のプライマリーバランス半減目標までの四年間とされ、それ以降の平成二十八年、令和三年の二回の改正時にも、その当時の財政健全化の取組、目標を踏まえまして、五年ずつ延長してきております。

 今回についても、第四条に基づき、複数年度化の前提として経済・財政一体改革を推進することとしている中で、現行の経済・財政新生計画では、令和十二年度、これは二〇三〇年度でございますが、までの期間を通じて、債務残高の対GDP比を安定的に引き下げるなど、経済再生と財政健全化の両立に取り組むこととしているところです。

 今回の法案では、これまでの枠組みを引き継ぎつつ、こうした今後の財政運営の方向性の下で、令和十二年度までの特例公債の発行権限を求めるものになっております。

田中(健)委員 この経緯の中で、四年においては、先ほど来、これは伊佐委員も質問をされておりましたけれども、財政健全化目標がありまして、今も大臣の方から、プライマリーバランスの、PBの半減ないしは黒字化という目標がありましたので、その期間の四年間だということを私たちも理解しますし、大変明確な目標かと思いますが、今回、経済・財政新生計画の期間が五年だから五年というのは、ちょっと余りにも大ざっぱというか、余りにも私たちに対して不親切というか、そういう気がいたします。

 第五条を挙げてもらいましたけれども、経済・財政の一体改革推進、また、今大臣からありました歳出及び歳入の改革そして安定、持続可能な社会保障、どれも大切なことではありますが、この五年間で、じゃ、どこまでやるのか、歳出及び歳入の安定というのは何をもって私たちは判断すればいいのか、また、何をもって五年間を、その都度、毎年国会での承認があるからいい、こういう答弁もありましたけれども、すればいいのかというのが分からないということであります。

 ですから、これこそ、五年間の大きな目標は決まっているけれども、毎年、その進捗状況、さらには、今、金利の上昇局面また円安、様々な要因が不確定でありますので、一年ごとに見ていくのが大切かということで、私たちは中道さんと一緒に法案を出させていただきました。

 五年間これまでやってきたから、今回も目標が五年間だからというのは、理由のようであって理由ではないのでありまして、単純に延長を繰り返すのではなくて、やはり制度の原点は、先ほど冒頭大臣が、依存はしているけれども、しかし健全化を求めていくという姿勢を示す、そして、示すのは国民であり、私たち国会であり、そしてマーケットであるということでありまして、一年に戻すことは積極財政の責任でもあると思いますが、大臣の見解はいかがでしょうか。

片山国務大臣 委員のおっしゃるとおり、前提として、経済・財政一体改革を進めていくということは大前提でありまして、いかなる状況になりましてもそういうふうにしていくということは変わらないことでございますが、いずれにいたしましても、先ほどから、午前中から様々御意見をいただいておりますが、過去のこの法案の授権期間における経緯、そのときにおける与党、野党を通じての様々な御議論も踏まえまして、私どもは、安定的にということで、五年間ということをお願いしているわけです。ですから、できれば、財政運営の方向性という意味で、令和十二年度までの発行権限を是非お認めいただきたいということでございます。

田中(健)委員 私たち、五年を否定しているとか一年を否定しているとか、若しくは特例公債、赤字国債を発行するのを否定しているわけではありません。必要であるという認識であります。しかしながら、今までの五年間と、先ほどこれは伊佐委員も指摘していましたが、これからの五年間というのは大きく違うという認識で、一年で出させていただきました。是非とも、他の委員の皆さんにも御理解をいただきまして、この一年という案を私たちは訴えていきたいと思いますので、賛同をいただきたいと思っています。

 引き続きまして、復興財源について伺います。

 東日本大震災から間もなく十五年がたとうとしています。先ほど午前中の質疑の中では、片山大臣の様々な経験、また、そのときの状況もお聞きをさせていただきました。被災地では復興は着実に進んではきましたが、今もなお、生活再建、地域再建ということでの課題は続いています。

 そして、国民は、その復興を支えるために、所得税に上乗せする形で復興特別税というのを負担をしてまいりました。復興のためならばという思いで、多くの国民がこの負担を受け入れてきたんだろうと思っています。だからこそ、この在り方というのはしっかりと議論しなければなりませんし、その使い道というのも国民に対して明確にしていく必要があるんだろうと思っています。

 しかし一方で、国民の中には、復興税は本当に復興のために使われているのかといった声もあります。復興の名で集めた税金だからこそ、国民に対しての説明責任、また、説明可能なことについてお聞きをしたいと思います。

 まず、この復興税の使い道でありますけれども、復興特別税ですね、復興のための税でしょうか。それとも、復興債を償還するための税でしょうか。

吉沢政府参考人 お答えいたします。

 復興特別税の収入につきましては、復興財源確保法の第七十二条によりまして、復興費用及び償還費用の財源に充てるものとされてございます。

田中(健)委員 制度上は復興債の償還に使われているということかと思いますけれども、国民にはなかなか復興債の償還というのも分かりませんし、復興のためというふうに一般的には説明をされてきたかと思います。現在、復興特別税として毎年徴収されている税収は約五千億に上ります。税収の規模がこれだけ大きい以上、その内訳というのもしっかり国民に説明をすべきだと思っています。

 そこで伺いますが、復興特別税として徴収された税収のうち、現在進行中の復興事業に直接充てられている額、また、今言った復興債の償還に充てられている額、その他財政負担に吸収されるというか使われている額、それぞれ幾ら、そして割合というのは示せますでしょうか。

吉沢政府参考人 お答えいたします。

 復興特別会計におきまして、どの歳入がどの歳出に対応するという考え方は取っておりませんけれども、令和八年度の当初予算におきましては、主な歳入としまして復興特別所得税を四千九百三十八億円計上しております一方で、主な歳出といたしましては、東日本大震災復興経費につきましては四千九百四十八億円、それから、あわせまして、国債整理基金特別会計への繰入れということで、復興債の償還につきまして五百八十五億円を計上いたしております。

 いずれにしましても、復興に係る歳入と歳出につきましては、より分かりやすいものとなりますよう、政府として説明に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

田中(健)委員 もちろん、対応していないと。財布は同じかもしれませんけれども。

 やはり、これは国民一人一人から集めたお金であります。そして、思いがこもった税金であると思っています。さらに、これも先ほどお話がありました、復興税は二〇三七年まで続く長期の税でありましたが、今回更に十年延長されて二〇四七年ということであります。大変長い長い期間、これからも多くの国民に負担をしていただくということになります。ですから、国民にやはり納得と理解を得てもらう。先ほどでは、やはり現役世代でしっかり責任を持とうという思いが強い人もいますし、私もその思いには変わりありません。これだけ長期になる中で、今まで以上にやはり説明とまた理解を国民に求めていかなくてはならないと思っています。

 だからこそ、必要なのは、復興財源の更なる見える化というか、説明というか、理解だと思っています。この復興税の徴収額と使途、先ほど項目ごとではお示しをいただきましたけれども、毎年、一覧で公表するというか、こういうことに使っているんだよというのを国民に知らせ、そして納得、理解をしてもらうということが、今回のまず税制の改正以前に必要かと。それをするからこそ、今回、税制改正で一%を防衛費に充て、更にそこから十年延ばすという話につながると私は思います。

 ですので、まず、国民に分かりやすく、見えやすく情報公開をし、そして理解を求めるという仕組みを強化すべきじゃないかと思いますが、これは大臣の見解でいいですか、伺いたいと思います。

片山国務大臣 今、参考人からお答えいたしましたように、どの歳入がどの歳出に対応するという考え方自体は取っておりませんが、都度都度国会にお出ししているように、特別会計のフレームがございますし、また、予算の使途についてはきちっと説明されているわけでございますが。

 明日が三月十一日でございまして、総理も明日行かれるのではないかと私は想像しておりますけれども、金額、割当てももちろん非常に重要なんですけれども、また、予算、特別会計等々の総額も極めて重要な意味を持っておりますが、現場でのニーズというのは、この十五年を見ても、やはり時々によってかなり変化をしてきておりますので、現場の実態のニーズに合っているかということに徹底的に寄り添ってやっていくということが、私は経験上非常に重要なのではないかと思っておりまして、その観点では、もちろん、予算の使われ方、その使途の説明の仕方ということも非常に重要でございますので、これにつきましても、今まで以上に努力をしてまいりたい、かように考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 もちろん、私は、使われ方が適切である、ないということを言いたいのではなく、やはり、皆さんから、国民全体から徴収するということ、長い期間、これからも今回この法案が通れば負担をしていただくという意味では、すごくよく片山大臣はお分かりになっていただいていると今答弁で分かりましたので、是非ともその思いを、大臣のみならず、委員会の全員で共有をさせていただければと思っています。

 続いて、質問を移ります。所得税の今回の減税についてであります。

 長年指摘をされてきた百三万の壁の件ですが、これを見直すという点では、手取りを増やし、働き控えを減らすという観点から一定の前進であるということは評価をしますし、私たちもこれについては訴えてまいりました。

 ただし、この制度設計を見ますと、本則と特例の二階建て構造となっています。制度の安定性という観点からは、国民にとって最も重要なのは、この制度が将来どうなっていくのか、将来自分たちの手取りは増えるのか、どうなのかという点だと思っています。

 そこで、まず、今回の百七十八万円の課税最低限の引上げは、恒久的制度なのか、それとも時限措置なのか。時限措置であるならば、将来的に課税最低限は再び低下をする可能性というのはあるのかということ、つまり手取りが減るということですね、その可能性についてもお聞かせいただければと思います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 令和八年度税制改正におきます所得税の基礎控除の引上げのうち、物価上昇を超える特例的な引上げにつきましては、昨年十二月の国民民主党と自由民主党との党首間合意や、令和八年度与党税制改正大綱において、物価高で厳しい状況にある中低所得者に配慮したものであることや、給付つき税額控除の議論の中で中低所得者層の給付、負担の在り方を検討していくことを踏まえまして、物価上昇を先取りした二年間の時限措置として行うこととしたものでございます。政府としては、こうした政党間の御議論の結果を踏まえて対応することとしております。

 この二年間の措置が終了した後の在り方につきましては、その時点の経済、物価状況などを踏まえまして検討していくこととなろうかと思います。

 仮に本特例が終了するといたしましても、将来的には基礎控除の本則部分が物価上昇に応じて引き上げられていく中で、今後の物価上昇率を正確に見通すことは困難であること、また、令和七年度税制改正におきまして恒久的な制度として創設した、給与収入約二百万円相当までの所得階層に適用される三十七万円の上乗せ特例の水準につきましては、生活保護基準額を勘案して見直すこととしております。こうしたことを踏まえますと、将来的な課税最低限の水準について予断を持ってお答えすることは困難であるというふうに考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 二年間ということであります。二年というとあっという間でありますから、やはり将来設計や、また今回話題になっている住宅ローンとか、いろいろな負担を家計でしている中で、二年後に手取りが減るということは、大変国民としても心配事かと思っています。

 もちろん、先ほど本丸かどうかという議論があった給付つき税額控除の議論を併せて進めていくということでありますが、なかなか給付つき税額控除、もちろん私も賛成でありますし、各党、これについては皆さんで進めていこうということはありますが、そんなに簡単に、二年でできる制度ではないと思っていますので、二年後、その時点ではどうなるか分からないというお話もありましたけれども、それに向けてもこれからしっかり議論をしていきたいと思っています。

 その中で、百七十八万円の壁ということを言っていましたけれども、やはりそれよりも、手取りが増えないという方が壁が大きいかと思っています。賃金が伸び悩んでいる、さらに社会保険料は増えていく、結果として手取りも増えないという状況が続いていますが、続きですけれども、今回の所得税法改正、一段階の昨年の十二月で、今までの自民党さん、公明党さんに上げてもらった、そして今回の百七十八万円ということで、二段階で所得税法は変わってきましたけれども、これによりまして、今回ので最後になりますけれども、平均的な世帯の手取りというのは、この改正によってどのくらい平均としては上がるのかという試算をお示しください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 令和七年度の税制改正と令和八年度のこの二年の税制改正では、所得税の基礎控除などの引上げが行われており、この二年間の税制改正による納税者一人当たりの減税額は、収入階級によって多少違いはございますが、約三万円から六万円となっております。

 その上で、お尋ねは、平均的な給与所得世帯の可処分所得がどの程度増加するかについてでございます。世帯ごとの納税者数でございますとか納税額が異なることから一概には申し上げられないのですが、政府として令和八年度の実質賃金は一・三%の伸びを見込んでおりまして、先ほど申し上げました基礎控除などの引上げの効果も相まって、家計の所得環境の改善が進むことを見込んでいるというところでございます。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 これまでの所得税の控除額の引上げによりまして、徐々に徐々にしっかりと手取りが上がってきたということであります。

 実際、データでもそれが表れていまして、総務省の家計調査、最新でありますけれども、二人以上の世帯のうちの勤労者世帯可処分所得は、令和七年十月から十二月、まさに高市政権ができてからのこの期間であっても〇・八%増えたということであります。〇・八%、多いか少ないかは見るのはあれですが、今までなかなか可処分所得が増えないという中で、私は評価してもいいと思っています。

 これは、今回の百七十八万でなく、自民党さん、公明党さんがやってくれた百六十万まで、今言った二百万の年収制限がありますけれども、その壁だと思っています。そして、今回、百七十八万の壁までたどり着いたということで、賃金上昇のトレンドを止めてはならないと思っているんです。

 さらに、一月のちょうど出たばかりの実質賃金は、三十名以上の会社においても一・八%増ということも昨日報道されていました。徐々に徐々にではありますが、賃金が上がるという状況が今できてきた中、この流れを止めないように、是非、二年間の特例措置ではありますけれども、次を見越した改正、私たちも一緒に議論をしていきたいと思っています。

 その中で、物価高が、インフレが、百七十八万円に向けて壁を上げるとき議論となりましたけれども、日本では、税率を変えなくても負担が増えるという構造があります。いわゆるブラケットクリープということであります。これもしっかりと注目をして議論していかなければならないと思いますが、過去三十年間で、所得税と、今回負担が大きいと言われる社会保険料、この合わせた負担というのはどの程度増えているのか、お聞きをします。

青木政府参考人 お答えします。

 お尋ねの所得税及び社会保障負担につきまして、三十年前の一九九六年の実績と二〇二六年度の見通しを対国民所得比の数値で比較いたしますと、所得税負担が四・七%から五・一%へと〇・四%ポイントの上昇、それから、社会保障の負担が一二・一%から一七・六%へと五・五%ポイントの上昇となっております。そのため、合わせて、所得税と社会保障負担の合計で見ますと、三十年間で五・九%ポイントの上昇となっておるところでございます。

田中(健)委員 三十年間で五・九ポイントということでありますので、税率を変えなくても、結果として国民の負担も増えている。国民の実感からすれば、制度を変えなくても、伴わなくても増税になってしまう、つまり、静かに、何もしなくても増税が進んでしまうということであります。

 このように、制度を変えなくても負担が増えるのであれば、なかなか国民からは、結果的に増税とつながってしまいまして、今の、やっと少しずつ賃金が上がり始めた、手取りが増え始めた中でまた大きな課題となってくると思いますが、税率を変更しなくても負担が増える、いわゆるブラケットクリープについて、政府はどのように認識し、対応していくのか、伺います。

青木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘をいただきましたブラケットクリープでございますが、これは一般的には、物価上昇と同率で収入が増加した場合、物価動向を加味した実質的な収入が増えていない一方で、所得税の負担が累進的に増加することによりまして実質的な税負担率が上昇するという事象を指していると承知しております。

 こうしたブラケットクリープと呼ばれる事象への対応といたしましては、令和七年度、令和八年度の税制改正において、所得税の基礎控除等の額を大幅に引き上げることによりまして、一定の対応を取ってきているところでございます。

田中(健)委員 物価上昇のメリットが税負担で相殺されることがないように、是非これからも、この額というのは、百七十八万がいいのかどうか、先ほど来議論がありますけれども、しっかり議論していきたいと思いますし、また、今回はインフレ調整が盛り込まれましたので、しっかり所得税の区分にしても、また控除額にしても、皆さんと議論を進めていきたいと思っています。

 その中で、冒頭、日本の税収は、近年、過去最高水準に達しているということをお話をしました。この理由については様々な説明がありますが、国民に分かる形で整理をしていただければと思いますが、現在の税収増の要因をどのように分析されているのか。それは企業収益による景気の要因なのか、ないしは、議論しています物価上昇、インフレによる名目の所得が増えているのか。ないしは、社会保険料も今負担が大きくなっていると言いましたけれども、これらの制度要因なのか。これについて、どれほど税収増に寄与しているのかということをお示しいただければと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 近年の国の一般会計における税収につきましては、金融所得等に係るまず所得税、そして相続税、また法人税が、円安などによります企業収益の増や好調な株式市場などを背景に大幅に伸びてきているということが一番大きな理由かと考えております。

 そのほかの税収につきましても、源泉徴収をされる給与に係る所得税、これは給与の伸びに比例して、それから、最終消費支出の伸びに比例して消費税収も伸びているところでございます。

 こうした状況が続く中で、令和八年度予算の税収は過去最高の八十三・七兆円と見積りをしているところでございます。

田中(健)委員 所得税の収入が増えた、また消費税も増えたというのは分かりましたけれども、法人税収も私は増えているんじゃないかなと思いましたけれども、法人税収には特に言及がなかったんですが、お示しいただければと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 最初に申し上げた、一番大きな要因と申し上げましたところは、金融所得による所得税、相続税、そして法人税の伸びが、円安に伴う企業収益の増や好調な株式市場などを背景に大幅に伸びてきているところでございます。

田中(健)委員 法人税の伸びがということで、ありがとうございます。

 これらのように、税収が物すごく増えている中で、高市政権は、積極的な財政、責任ある積極財政を打ち出していくわけでありますけれども、この責任ある積極財政の前に、前提として、積極なのか、そして緊縮なのかといった議論に移っていきたいと思います。

 そもそも、責任ある積極財政を訴えるのは、総理は、これまで過度な緊縮志向だったということをおっしゃっています。だからこそ積極財政に変えていくんだということでありますが、私は、これまで過度な緊縮だったかなと。もっと言えば、高市政権もかなり、緊縮という言い方がいいかどうか分かりませんが、めり張りのあると言った方がいいかもしれませんが、プライマリーバランスも一・三兆円黒字にしたり、国債発行額も三十兆円以内に抑えたり、いいことでありますけれども、様々な改革をして、歳出を抑制し、そして努力をしているんですけれども、しかし、今までが過度な緊縮志向だったという認識があります。

 日本に過度な緊縮志向があったとすれば、それは具体的にどのような政策を指すのかということであります。例えば歳出の政策なのか、税制政策なのか、それとも財政の目標だったのか、政府としてどの政策がこれまで過度な緊縮志向に当たると考えているのか、説明をしていただければと思います。

片山国務大臣 高市総理が施政方針演説におきまして、長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切りますというふうに述べられているわけですが、その際、日本経済の課題として、我が国の潜在成長率が主要先進国と比べて非常に低迷してきているということ、それと、資本投入量、すなわち国内投資が圧倒的に足りないということを挙げておられるわけです。

 御指摘の過度な緊縮志向につきましては、特定の時期における具体的な施策を指しているということでは必ずしもなく、むしろ、民間を含めて、長年にわたって未来への投資不足という状況が続いてきたということを非常に強く念頭に置かれているものと承知をしております。

 その上で、長年続いてきたこの流れを断ち切るためには、高市総理が御発言されているように、経済安全保障、食料安全保障などの様々なリスクを最小化する危機管理投資、AI、半導体、造船などの先端技術を花開かせる成長投資によりまして、世界共通の課題解決に資するような製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することで、日本の成長につなげていくということが重要だと考えております。

 したがって、いつの時期ということではないんですが、私も省内でよく例を挙げますのは、去年の春ぐらいから我々自民党の中で、当時、私はまだ党の方で政調会長代理の仕事をしておりましたので、官公需などを典型的な例に引きながら、物価が三年連続して上がっていたり、コストが上がっていることが明確なんだけれども、それに対応する単価が全く据え置かれていたり、場合によっては減っていたりということが実際にあちこちにあって、その見直しのようなことを党内でも取り組んで、骨太の方針にも一パラグラフそのことを書いたということがございまして、そういう物価上昇対応が全くできていないか、あるいは十分ではないとか、様々なものが据え置かれた時期があったという考え方がありますので、これは、必要な上昇ですから、責任ある積極財政の考え方の下、きちっと取組を進捗させていけばよろしいかと思いますが、例を挙げるとすると、そういう部分はございます。

田中(健)委員 ちょっとかなり苦しい答弁だったかもしれないんですけれども。

 経済成長率とか国内投資は、私たち、財政政策、金融政策ではありませんし、あくまで民間でありますし、未来への投資不足についても、それは、これだけ企業が内部留保でためているお金が投資されていないということでありますので、政府においての過度な緊縮志向には私はなかなか理解が難しいなと思いまして、物価上昇への対応というのも、物価が上がり始めたのもここ最近ですから、やはり、今までのこの三十年間、日本が低成長でまた給料が上がらなかったという理由、この緊縮志向が続いてきたという理由にはちょっと説明が弱いかなと思いましたが。

 今まで緊縮志向があったとするならば、それは過去の話であって、やっと、現在は財政運営には残っていないのかということについてもお聞きをしたいと思いますが、そもそも、先ほど言いましたように、プライマリーバランスは今では黒字になりましたし、国債発行も三十兆以下に抑えました。そして、そもそも政府の債務残高はGDPの二倍を超えていますし、国債発行、先ほど議論しましたけれども、これも続いてきたということには変わりありません。

 こうした現状を見れば、私は、必ずしもこれまで緊縮財政ではなかったというふうにも見えるんじゃないかと思いますが、政府として、これまで日本の財政政策を過度な緊縮だったというふうに大臣は評価をするのかどうか、もう一度お聞きします。

片山国務大臣 御指摘の緊縮志向につきましては、民間を含めた長年にわたる未来への投資不足を継続してきたということを念頭に、総理の御発言であれば置いているわけですけれども、財政政策の方が緊縮なのか積極なのかという単純な二項対立で捉えたというものでは必ずしもないんじゃないかと総理とお話ししていても感じるわけですが。そこよりも、むしろ責任ある積極財政というのは、投資効果のあるところには大胆に投入できるとかめり張りをつけてやれるということで、それを前提にするためには、財政の持続可能性が保たれていないと、国債の調達金利も含めまして、かえって非常にバランスが取れなくなりますから。

 国内投資の促進に徹底的なてこ入れができるということの前提としては、やはり責任あるの部分もきっちりと配慮しなければいけないということで、委員が御指摘になりました国債依存度とかプライマリーバランスとかそういったことにも配慮しながらやってきたところ、説明に説明を重ねたせいか、昨日もIMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が御来日されて、私も長時間お話ししましたし、総理も面会されましたが、大分、一頃誤解されていたことに比べると、我が国の財政の持続可能性に配慮をいただき、かつ日本が投資志向に変わったんだな、これは国際金融市場から見ていて全然違うなという御理解をやっといただけるようになった。これは半年やっていてやっとなんですけれども、そういうチェンジが海外や国際機関からも感じられるということは、やはり一つ方針の転換をした意味があったのではないかと思っております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 まさに、私も聞こうと思っていたんですけれども、日本の財政が緊縮か、また積極かというのは、二項対立で問われるのは余り意味がないというか、余り議論としても、これ以上質問しませんけれども、自体が意味がないと思っております。

 やはり今大臣おっしゃっていただいたように、持続可能な財政運営が今動き出そうとしている、更に言えば、投資マインド、投資志向に移った、それがすごく大事だと思っていますし、それが責任ある積極財政につながるということをおっしゃっていただきました。

 それでは、その責任ある積極財政についても最後お聞きをしたいと思いますが、この責任ある積極財政についてはもう何度も様々なところで議論をされてきましたが、具体的に、私たちがこの言葉を政策の概念として理解し、また、判断基準として、本当に積極的な財政に変わり、日本の経済は変わっていくのかという意味では、例えば、財政の持続可能性なのか、経済成長への効果なのか、また国民生活への影響なのか、政府の考えを整理していただいて、もう一度、この責任あるという意味での積極財政が何なのかということをお示しいただければと思います。

片山国務大臣 そもそも高市内閣の前提として、経済あっての財政という考え方がベースにございます。これは、高市政権のみならず、その前の安倍政権以降の財政では同じような認識を持っているものと私は理解をしておりますが。これは、諸外国、古今東西例を見ても、縮小経済の中で財政数値を全て財政再建側に持ってくるというのはほとんどできないので、望ましくは、緩やかな、適度なインフレの下に名目がちゃんと成長していないとそもそも無理なのかなということは、これはこの場にいらっしゃる方もほとんど御内諾というか御承知いただいていることかと思いますが。

 それの考えというかそれの前提の下において、戦略的に財政出動を行って、めり張りでですね、強い経済をつくるということが非常に重要でありまして、その強い経済ができないと財政の持続可能性も無理だという一連の流れになっております。つまり、経済あっての財政であり、強い経済を構築し、かつ財政の持続可能性を維持するということは、これは両立が絶対である、そういう考え方でございます。

 この強い経済と財政の持続可能性の、ただ実際のバランスというのは、なかなか数値にできることでもないし、微妙な問題でもありますけれども、必ずバランスよく同時に実現していくということを目標にして、それができますと、今生きている国民、今、ああ、稼ぎが増えたな、要するに好循環が回っていくなというのを実感する現役世代ですね。それから、未来の世代ということについての責任ですね。つまり、債務残高がGDP比で発散しないというか安定的に下がっていく経済をつくるわけですから、これはまさに次世代に向けての債務が発散しないということですから、当然、財政の持続可能性は、将来の国民、未来を生きる国民のためのものでもありますので、いずれも重要ということで、将来世代、現役世代、そして日本経済の成長、これはいずれも大事でありまして、それが責任ある積極財政を構成している要素というか、キーコンテンツだと思っております。

田中(健)委員 誰に対しての責任かということで、現役世代、将来世代、また国民の生活という全てに責任を持つ、責任を負うということをおっしゃっていただきました。

 国民が求めているのは、この議論の中で冒頭言いましたけれども、税収の過去最高値とかそういったものではなくて、やはり生活の実感としての豊かさというものであろうと思っています。まさにこれから、今この入口に入ってきたという感覚がございますので、是非、国民生活とまた日本経済、将来に責任を持つ財政運営を行うことを求めたいと思います。

 そして、次の質問に移ります。NISAについて伺います。

 こどもNISAは大切だと思いますし、必要性は理解をいたします。しかし、大臣、NISA貧乏という言葉、お聞きになったことはありますでしょうか。これは、若い世代に、子供が今回ですけれども、二十代、三十代の件でありますが、二十代は投資額をすごく増やしているんですけれども、一方、消費はすごく伸び悩んでいるそうであります、漠然とした将来不安を抱えて。二十代、三十代以下は七五%が公的年金には期待していない、これが問題じゃないかとは思うんですけれども、この問題はまたほかで議論をさせていただければと思いますが。

 具体的なライフプラン以前に、とにかくNISAだと。将来一千万という、老後、ありましたけれども、今や二千万、三千万とも言われるようになりまして、将来のライフデザインを描く前に、とにかく不安に駆られて、取りあえずNISAだ、取りあえずインデックスだというようなことが増えているそうであります。積立て自体が目的になってしまう。

 大変に長期投資することはいいことでありますけれども、やはり二十代は、投資も必要、しかし、もっともっと自分への投資、また様々な活動、いろいろなことをする大事な時期だと思っています。しかし、今、用語としてはNISA貧乏ということが若い世代で、流行語というほどまで行っていないかもしれませんが、聞こえているようですが、こういった現状についてまず大臣の認識を伺えればと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 委員の御質問を受けまして、参考資料というんでしょうか、日経ビジネスさんの記事を見まして、これはちょっとショックを受けたところですけれども、まさにこういったこともあるので、金融教育というんですか、ライフプランニングを、きちっと正しく公平な目で見て客観的にいいなというものを受けていただくことが非常に重要ということと、分散投資で投資を始めるということは、とにかくお仕事を始めたときから非常に有用ではないかと。

 その議論はNISAの最初のときも随分なされたところですけれども、アメリカですと、いわゆるDCみたいなタイプのものではありますけれども、一回目の退職のときに日本円にすると四千万とか五千万とかの貯蓄が残っているということなんですよね。それがどうかということはあるかもしれませんけれども、相当な老後への安心感ではあるんですけれども。我々は、過去にもお叱りをいただいたことがありますので、その時点で幾ら要るかということを一切確定的に申し上げたことは全くありませんので。

 問題は、だから、最適な資産運用だけじゃなくて、最適な自分の毎年毎月のインカムの使い方のようなことも、ある意味で、委員御指摘のように、この金融教育の中には当然入ってくる部分でなきゃいけないということはより強く認識しなければいけないと思っておりまして、積立て自体の目的化ということは全く全然意図しておりません。もっと中庸で、かつ広範で、かつ客観的な金融経済教育を全員にくまなく広めさせていただけるようにしなくてはいけないなと拝見して思いました。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 二十代からまさにNISAでためれば、大臣おっしゃってもらったように、将来かなり安定した収入が得られると思いますので、大変大切なことだと思いますけれども、やはり、自分の生活を脇に置いてまでそれに没頭してしまうというか、それは将来不安でありますから、その将来不安を取り除くのが私たち政治の役目ではありますけれども、そのバランスというのを、しっかりと金融教育、またリテラシーというのを高めていく必要があると思っています。

 そういう中では、その思いも込めて二四年に官民一体でJ―FLECという組織をつくって、今、鋭意取り組んでいると思います。ホームページを見ると、様々な専門家の人たちがずらっと並んで、それをすごく、講師として招いたり、勉強会を開いたり、いろいろな形で提供をしてくれていますが、まだまだ、できたばかり、二年目ということもありまして、これからということかと思いますが、この実績や今後の役割というのを伺います。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 J―FLECは、KPIといたしまして、講師派遣やセミナー、イベントにつきまして、実施回数で一万回、それから参加人数で七十五万人を年間の目標値として定めているところでございます。

 今年の三月六日にJ―FLECが公表しました二〇二五年度、当年度の講師派遣等の実施見込みでございますが、参加人数は現在集計中のため未公表でありますが、講師派遣、セミナー、イベント等の実施回数は、オンライン講座の回数も含めまして約九千回という見込みでございます。

 金融庁といたしましては、このJ―FLECの講師派遣、オンライン講座などの活用がより一層進むよう、引き続き、その認知度の向上に努めるとともに、官民一体となって金融経済教育の充実等の取組というのを推し進めてまいりたいと思っております。

田中(健)委員 まだ具体的な結果、おおよそ九千回ということでありますが、これはすごくいいですよ。使った方に聞きましたけれども、講師を無料で派遣してくれて、自治会とか、また団体とか、勉強会とか、いろいろな形で講師が来てくれて、しかも講師のラインナップも、今言ったNISAのみならず、保険であれ、年金であれ、いろいろなことに使えるということでありますので、是非、私も活用してみたいと思いますが、委員の皆さんもこれを広げていただきまして、NISA貧乏なんという言葉がなくなるような状況を一緒につくっていければと思っています。

 その中で、今回のこどもNISAの議論に戻りたいと思いますけれども、今回、NISAの口座に係るつみたて投資枠の対象年齢をゼロ歳まで拡充しました。そもそも、これも午前中の議論で少し出ていましたけれども、十八歳未満の者が開設するジュニアNISAという制度がありました。しかし、これは余り広まらなかったというか、活用が進まなかったということも聞いていまして、令和五年末をもって廃止となっています。

 今回、このジュニアNISAを衣替えしてこどもNISAにしたと思うんですけれども、これは何が違うのか。また、このジュニアNISA、何が問題でなかなか広まらなかったのか、また活用されなかったのか。こどもNISA自体は大変すばらしい制度でありまして、まさにゼロ歳から預けておきますと、十八歳、二十歳になったときにはかなり大きな額を子供の例えば大学進学や将来に託せるということで、私は、今回の法改正、新しい制度はすばらしいと思ってお聞きをさせていただいておりますが、是非、これまでの経緯と今回の改定に至った狙い等をお示しいただければと思います。

堀本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、NISAの未成年のつみたて投資枠、これは、長期安定の投資を通じまして、大学進学あるいは成人後のライフイベント、これに必要な資金を備えるというふうなものでございます。

 一方で、ジュニアNISAについてなんですけれども、これは、平成二十八年に導入をされましたけれども、時限措置でございまして、投資期間が限定されていたということと、子が十八歳までは原則払戻しができないという払出し制限がついていたということがありまして、利用が低迷いたしまして、令和五年末をもって廃止されました。

 今般の未成年のつみたて投資枠は、こうしたジュニアNISAの経緯を踏まえまして、恒久的な制度として位置づけておりまして、長期継続的な運用を可能としているということと、子が十二歳以降であれば一定の場合に限って払出しを認めるというふうな措置をして、できるだけ幅広い層での御利用を期待している制度になっております。

田中(健)委員 私は、十八歳まで引き下ろせないとか、そういうことが余り広がらなかった理由ではなくて、やはり、タイミングが、平成二十八年ということで初期の段階でありましたので、まだまだNISAの認知度も、やっとここ数年になって物すごく口座また投資額が増えていますので、ですから、ちょうどこのタイミングで、すばらしいタイミングかなと思っていますので、是非この普及についても一緒に力を合わせて取り組んでいきたいと思っています。

 今ゼロ歳の話をいたしましたが、今度は逆に、高齢者の話をしたいと思います。高齢者でもリスク性商品の運用をする、希望する人が少なくない一方、サービスの対象を年齢で線引きをするという、これまでの慣例による金融機関というのも多いと聞いています。例えば、民間の証券会社では、証券会社から資金や株式を借りる信用取引などは、口座の開設を八十歳未満ということに限定しているところもあるとも聞いています。一方、世界各国では、貧困や地理的要因に左右されず、誰もが金融サービスにアクセスできる、金融包摂という言葉が今はやっておりまして、この実現に向けた取組が進んでいます。

 年齢制限について、また、この金融包摂という考え方について、日本の在り方について、大臣の見解を伺えたらと思っています。

片山国務大臣 金融包摂という御指摘でいらっしゃいますけれども、社会の高齢化が進んでおりますので、そういう中で、高齢顧客における金融商品の取引ニーズへの対応というのは、金融庁といたしましても非常に重要な課題だと認識をしております。

 こうした背景から、例えば、証券会社においては、信用取引等のハイリスクの取引の取扱いについて、年齢等の外形的な要件のみで顧客の適合性を判断するのではなくて、顧客の投資の経験とか認知能力などを踏まえた総合的な判断を可能にするために、二〇二一年の八月に、日本証券業協会が定める高齢顧客への勧誘による販売に係るガイドラインを改正しているところでございます。

 金融庁といたしましても、当該ガイドライン改正の趣旨も踏まえまして、引き続き、利用者保護を図りながら、高齢顧客も含めました様々な顧客が適合性に応じた金融サービスにアクセスができるように、金融機関に対して、顧客に寄り添った丁寧なきめ細かい対応ということでやっていただくように促してきているところでございます。

田中(健)委員 人生百年と言われる中、八十歳からNISAを始めてもまだ間に合うというような時代でございますので、今回、ゼロ歳からの改正ではありますが、高齢者に向けた、また百年時代を迎えた運用や財産形成の在り方ということも、今大臣からるるお示しがありまして、様々民間にも働きかけてくれているということでありますので、これも経緯を見守り、また、力を合わせて、誰もが資産運用をしていける、また、自分の資産をしっかりと将来不安なく形成していけるというような社会をつくっていきたいと思っています。

 引き続きまして、子育て支援税制、年少扶養控除関連について伺いたいと思います。

 今回の税制改正で、一人親控除は三十五万円から三十八万円への引上げが提示をされていますが、一人親家庭の厳しい状況を踏まえれば、支援を強化する方向性ということは重要であり、理解をするところでありますが、一方、制度全体を見ますと、日本の子育て支援というのは、児童手当また税制による控除、この二つの仕組みで形成をされています。一人親家庭には、この児童手当と一人親控除、つまり手当と控除の両方での支援がされていますが、一般の子育て世帯ということに関しましては、二〇一〇年の制度改正で年少扶養控除が廃止となりまして、今、手当での支援となっています。

 ここで、支援とまた控除の考え方の在り方というのを議論したいと思っていますが、少子化対策の観点からは、子供を育てる家庭の経済的負担というのを社会全体で支えていくということは重要と考えますし、皆さんもそれは共有しているかと思いますが、この子育て世帯の負担軽減に関する政府の基本認識、今日はこども家庭庁からもお越しをいただいていますので、お聞きをしたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 少子化の背景には、個々人の結婚、妊娠、出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っておりますので、経済的支援を含め、子供、子育て当事者の置かれている状況に応じて対応することが重要だと考えております。

 このため、こども未来戦略の加速化プランにおきまして、子供の育ちを支える基礎的な経済支援としての児童手当における所得制限の撤廃、支給期間の延長、多子加算の拡充、それから子供の育ちと子育てを支援するためのこども誰でも通園制度の創設、仕事と子育ての両立の実現のための柔軟な働き方の推進などに取り組んできているところでございます。

田中(健)委員 こども家庭庁としての様々な取組を御紹介いただきましたが、政策手段としては、児童手当などの現金給付プラス、やはり税制ということが私たち委員会の議論でありますが、税制の支援というのが考えられます。

 税制による支援というのも子育て支援の有効な政策手段の一つと考えますが、この税制面からの子育て世帯を支援する政策の必要性ということの認識を伺いたいと思います。

水田政府参考人 お答えいたします。

 子育て世帯の経済的負担の軽減のための政策手段としまして、税制も一つの重要な手段と認識をしております。

 このため、政府としまして、例えば、令和八年度税制改正におきまして、住宅ローン控除について、子育て世帯等が適用可能な借入限度額に係る上乗せ措置の適用範囲の既存住宅への拡充などの措置を講ずることとしているところでございます。

田中(健)委員 税制における支援も大変重要だと、住宅ローンの例を出していただきましたけれども、その重要だという前提の下、今度は財務省の方に伺いたいんですが、現在の制度では、一人親家庭については、児童手当に加え、一人親控除という税制支援がありますが、一般の子育て世帯については、年少扶養控除が廃止されていますから今税制の支援はありませんが、この制度設計の考え方について伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 御指摘をいただきました一人親控除でございますが、これは、一般的な子育て世帯に比べまして一人親世帯の経済的な負担が大きいということから、特に政策的に配慮するため、基礎的な人的控除に加えまして措置をされているものでございます。このため、児童手当の対象となる子供を扶養している一人親の場合には、児童手当の受給と併せて一人親控除が適用されることとなります。

 他方で、かつて存在をいたしました十六歳未満を対象とするいわゆる年少扶養控除につきましては、一人親世帯などの特別な事情を有するか否かにかかわらず、一般的に適用されていたものでございます。これを、平成二十二年度税制改正におきまして、所得控除から手当へという考え方の下で、子ども手当の創設に伴い、所得控除、年少扶養控除が廃止されたという経緯がございます。

 したがいまして、一人親控除と年少扶養控除につきましては、今申し上げたようなそれぞれの趣旨、目的でございまして、これを同列に議論するということは適当ではないのではないかというふうに考えております。

田中(健)委員 同列に議論するというわけではなく、やはり子育て世帯の支援ということも大変重要でありまして、少子化対策というのも重要であります。やはりどうしても、少子化が今進んでいるのは、現役世代、子育て世代の手取りが少ない、所得が少ないということでありますから、私は、手当も控除も、できる限りのことをやって少子化対策に臨んでいただきたいと思っています。

 少子化対策及び子育て世代の可処分所得の向上という視点から、子育て世帯に対する税制支援の在り方、さらに年少扶養控除の復活も含めての在り方について、是非検討していく余地がないかと思っていますが、大臣の見解を伺います。

片山国務大臣 いわゆる年少扶養控除につきましては、平成二十二年度の税制改正において、子ども手当の創設に伴って廃止されたという経緯がございます。これは、所得控除方式では、適用される限界税率が高い高所得者の負担軽減額が大きくなる一方、低い税率が適用される低所得者の負担軽減額は小さくなる、これは当然そうでございますが、ことを踏まえまして、子育て費用の社会化や再分配機能の回復といった考え方に基づく所得控除から手当へという当時の流れに沿ったものでございます。御提案いただいた年少扶養控除の復活につきましては、こうした経緯等をまずよく踏まえる必要があるのではないかと考えております。

 いずれにしても、年少扶養控除を含めました個人所得課税の各種控除の在り方については、所得再分配機能の適切な発揮、子育て世帯の負担への配慮などの観点から、児童手当制度等の歳出面を含めた政策全体としての対応を勘案しつつ、包括的に検討を行う必要があるのではないかと考えております。

田中(健)委員 是非、少子化対策としても、しかも今までの、平成二十二年と大きく変わっております、更に少子化も進んでおりますので、また検討していただければと思っています。期待をしております。

 最後、聞きたいと思います。自動車重量税のエコカー減税についてです。

 今回の改正には賛成という立場でありますが、その前提として、今回の書きぶりが、二〇三五年までに新車販売に占める電動車の割合を一〇〇%にすることを目指す政府目標等を踏まえ、今回のエコカー減税をしていくとありますが、この進捗状況はいかがでしょうか。世界の市場はすごく変わっておりまして、アメリカ、ヨーロッパ、今までEV一辺倒だったものが、ガソリン車も含めて、いろいろな今市場がまた続いています。政府の方針の現状について伺います。

畑田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、進捗についてでございますけれども、二〇二一年六月に策定されました二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略、これにおいて、二〇三五年までに乗用車の新車販売で電動車一〇〇%、これを目指すことにしておりますけれども、ここで、電動車には、EV、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、それからFCVを含んでおりまして、乗用車の新車販売に占めるこれら電動車の比率は、二〇二〇年に三六%であったものが、二〇二五年には五三%ということになっております。これが進捗でございます。

 また、方針についてでございますけれども、欧米においてEV等の政策に関する見直しの動きは御指摘のとおりございますけれども、自動車がグローバルに見て電動化していく、この波は着実に進んでいるものというふうに承知をしておりまして、我が国としては、従来から、EVやFCV、それからハイブリッドなど、多様な選択肢を追求する、マルチパスウェー戦略と呼んでいますが、これを掲げまして、競争力の強化に取り組んでおります。

 こうした戦略の下で、引き続き、目標の達成に向けて、政府としても、購入補助金や充電設備の整備支援など、総合的な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

田中(健)委員 ありがとうございました。

 まさにこれまで、EV一辺倒ではなくて、今御説明があったハイブリッドやプラグインハイブリッド、いろいろなマルチによって多様な電気自動車を造ってきたというのが今大きく世界で評価をされ、また市場を押さえているということもお聞きをしていますので、是非、まだ五三%ということでありまして、二〇三五年まで時間があるとはいえ、一〇〇%に持っていくのはなかなか難しいかと思いますので、経産省の後押し、またしっかりとお願いをしたいと思っています。

 一方、税制においては、EVについての現行の自動車税、重量税の在り方の見直しの議論が進んでいるとも聞いています。今までの排気量、排出量ではなくて、車重をベースとした新税、新しい税金の体系への移行ということであります。

 これに対しまして、ユーザーからは、バッテリーを搭載するEVというのはなかなかガソリン車等に比べて重量が重い、つまり、単純な重量課税だと税負担が増えるんじゃないかといった懸念も出ていることも聞いています。今どのような議論が進んでいるのか、教えていただければと思います。

福田政府参考人 地方税であります自動車税につきましてお答え申し上げます。

 令和八年度与党税制改正大綱におきましては、自動車業界の御主張等も踏まえ、今後の自動車税、軽自動車税の在り方として、自動車の重量及び環境性能に応じた税負担の仕組み等について検討し、令和九年度税制改正において結論を得ることとしております。

 委員御指摘の電気自動車につきましては、総排気量の値を有しないことから、大衆車、高級車を問わず、自動車税は一律で最低税率の年二万五千円とされておるところでございまして、ガソリン車等が総排気量に応じて税率が決定されるのに対し、税負担の公平性の観点から課題があると、地方団体や総務大臣の諮問機関である地方財政審議会等から指摘されてきたところであります。

 そのため、同大綱におきましては、電気自動車について、令和十年度から車両重量に応じた課税方式を導入することとしており、その平均的な税率の水準につきましては、電気自動車は相対的に重量が重く道路損傷性が高い一方で、脱炭素化に向けた取組に積極的に貢献する観点からは更なる普及が求められていること等を踏まえて、ガソリン車等における現行の平均税率と同水準とすることを基本として、令和九年度税制改正で結論を得るとされておるところでございます。

青木政府参考人 国税である自動車重量税に係る部分について、八年度与党税制改正大綱について申し上げます。

 同大綱におきましては、利用段階における異なる動力源間の税負担の公平性を早期に実現する観点から、技術面及び執行面においてより公平な課税、徴収が実現するまでの間、道路への負担等が重量に応じて大きくなることや自動車関係諸税全体の整合性も考慮し、二輪の小型自動車を除く自家用の乗用自動車のうち電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車について、車両重量に応じて一定の負担を求めることとされております。

 具体的には、納税、徴収事務の簡素化のため、現行の自動車重量税の特例加算分として車検時に徴収することとし、令和九年度税制改正において法制化することとされております。

 具体的な税率につきましては、重量と道路損傷との相関の度合いを踏まえまして、平均的な重量を超える電気自動車等には応分の負担を求めつつ、他方、平均的な重量を下回る電気自動車等については、普及との両立や、軽量化に向けた技術開発、自動車ユーザーによる選択を後押しする観点から、過度な負担とならないよう配慮することとされております。

 政府としては、与党における御議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 今、与党で議論されているということでありますが、どうしても、EVを一〇〇%進めていく、増やしていくのにEVに課税かというような話が出ていたので、是非聞かせていただきました。

 事前にお聞きをしますと、公平性や、また、EVは物すごく重いということで道にも大変に影響を与えるということでありますから、大変合理的でもあると思っていますので、来年度以降のということですので、是非、丁寧な説明とともに、自動車関係諸税の在り方というものをしっかり議論していきたいと思っています。

 最後に、大臣にですけれども、燃料税の減収を補うために、何度も出ては消え、出ては消え、走行距離課税という話が出てきます。これは、導入も依然として議論の俎上にもあるとも聞くし、ないとも聞きます。

 大臣は、昨年では、政府としては具体的に検討していないと発言をしていただきましたが、確認ですが、これは今後も、今も検討していないということでよろしいでしょうか。

片山国務大臣 この問題については、昨年もお答えをいたしましたが、政府としては具体的に検討をしておりませんので。大丈夫です。

田中(健)委員 ありがとうございます。明確に、していないということをおっしゃっていただきました。

 片山大臣においては、自動車業界に大変に御理解いただいておりますし、私よりも数倍、現状また課題を分かっていただいていると思っていますので、これは日本の基幹産業でもありますので、一緒に皆さんと産業化を推し進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一です。

 本日もこちらで質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 先日、こちらの方でネットの資金需要という観点からお話をさせていただきましたけれども、先ほどから大臣の御発言にもありますように、これまでの日本の財政運営の在り方というものが、民間も含めて圧倒的な国内の投資不足があった、そういった状況の中にあって、唯一、政府という存在が一歩前に出て積極的に投資を行っていくことによって、そして初めて民間の投資も呼ばれていくというふうな、そういう側面がございますので、この度、高市政権における責任ある積極財政という考え方の下で、単年度のみの収支をずっと見ていくのではなくて、複数年度の中でバランスを見て、そして積極的に国内投資を喚起していこうという姿勢は、非常に評価しております。

 そうした中で、今回、それをやっていくために必要なものの一つとして特例公債法というものの改正が、期日が来ているという状況でございますが、この度、この特例公債法の第五条というものが新設されまして、行財政改革を徹底していくという旨の記載がございます。

 いわゆるいろいろなところにある無駄の削減というものは、当然行っていくべきところは多々あるというふうに思いますし、先ほどおっしゃっていただいた三万を超える民間からのいろいろな意見、そうしたものをこれから政府の方で精査していただいて具体的な方針に落とし込んでいかれることと思いますけれども、そうしたところもある一方で、短期的には税収の増加につながらないからといって、決してそれを無駄だと考えてはいけないという分野も必ずあると思います。特に日本は災害が非常に多い国土でございますので、中には、平時に財政余力をしっかり確保しておいて災害などの有事に支出できるように備えるべきであるというふうな議論もございますけれども、私は、話は全く逆だというふうに思っています。

 実際、通貨というもの、今皆さんが使っている一万円札がございますが、現代の貨幣というのは金兌換紙幣ではなくて不兌換紙幣でございますから、この価値を支えているものの本質は何かということを考えますと、よく貨幣に対する信用とか政府の信認とかというふうな表現がなされますけれども、この通貨の価値を支えている本質というのは、それを使って大体一万円あればこれくらいの買物ができて一週間どうにかやっていけるという想像がつくからです。なぜその想像がつくかというと、それだけ私たちの生活に必要な物とかサービスを潤沢にどこかで誰かがつくってくれて流通してくれて売ってくれている、この供給能力というものが社会全体できちんと確保されているからこそ、一万円とかの通貨がきちんと価値を持つようになるんだと思います。

 実際、私が以前、北海道に住んでいたときに、北海道大地震で全道ブラックアウトというのが三日間ございました。あの三日間、どこの電気も一切つかなくなりましたので、公共交通は全て止まっています、信号機も一切ついていないし、お店は全部閉まっていて、そして、蛇口をひねっても水も出てこないというふうな状況にあって、そのとき、大体、財布に三万円ぐらい入っていましたけれども、電気が復旧するまでの間の約三日間、ほとんどその三万円は何の価値も持ちませんでした。あのときほど本当に、お金の価値というものを支えているものの実体、本質というものがエリア全体、国全体における供給能力なんだということをまざまざと痛感したことはありませんでした。

 この供給能力というものは、これの非常に恐ろしいところは、それをつくって育てていく過程においては非常に手間と時間がかかる一方、災害とかによって、あるいは廃業とかそうしたことで供給能力が破壊されるのは一瞬であるということにちゃんと注意を払わなきゃいけないということです。

 今回、この特例公債は、将来世代に対して負担を先送りすることになるからできるだけ発行しない方がいいという考え方もあるというのは理解しておりますが、実際には、そうした緊縮的な志向によって必要なインフラあるいは防災投資をやらなかったということの結果、昨年、八潮市で道路の陥没が起きて人がおっこちて亡くなったりとか、あるいは、二〇二〇年に九州の人吉市というところで洪水被害がございましたけれども、あの洪水も、大体、被害総額五百五十億円、そして死者二十名でした。対して、その上流にできるはずだった川辺川ダムというダムがございました。その予算額、計画当初で三千三百億円で川辺川ダム計画がございましたけれども、これが二〇〇八年当時、民主党の事業仕分という政策によってその建設がストップされてしまったんですね。もしこの川辺川ダムが完成していれば、あのときの人吉市の水害はおよそ六割ほどは軽減できたんじゃないかというふうな国交省の調査結果もございます。

 したがって、特例公債とか国債を発行することによって未来の世代にツケを回すなという議論があるのは承知していますけれども、本当の未来の世代に対するツケというのは、こうやって必要な投資を怠ったということによって、まさに八潮の陥没もそうだし、あるいは人吉の事例もそうですけれども、未来への投資を怠ったことによって、今の時代を生きている方が命をもってその代償を支払っている。これはお金の額面の話じゃなくて、本当に人の命が懸かった、命をもってその代償を支払う、これこそがまさに本当の意味での未来の世代に対するツケなのではないかというふうに考えています。

 ですから、そうしたことを前提に、平時からしっかりと予算措置をして国土強靱化の投資を行っていくべきですし、また、今後人口が減っていくということを前提として、道路などのインフラの一部を放棄せざるを得ないところが出てくるといった考え方もあると伺っていますが、こうした災害が多い国土においては、全国の至る所に交通とか通信網、そういったものを始めとしたインフラをきちんと整備して、そして、どこに住んでもきちんと豊かな生活が、安全な生活ができますよということを担保することによって、意図的に国民の皆さんに分散して住んでいただく、このことが極めて重要だというふうに考えています。

 そうやって分散して住んでいただいて初めて、いざというときに、どこかがやられたときに助けに行ける人がいるという状況になってくれますから、選択と集中だといって、それを究極まで突き詰めれば、とにかく首都圏ばかりどんどんインフラを投資してということになっていきますけれども、そういったときに首都直下型地震とかが起きたら、今度、助けに行ける人がいない、そういう日本になっては絶対にいけないと思いますので。

 今言ったようなインフラの投資の話は、特例公債ではなくて、もちろん建設国債から出てくるようなそういった予算になりますけれども、政府の目標としまして、債務残高対GDP比率を安定して引き下げていくという目標がございますので、その目標がある中で、特例公債が増えざるを得ないという状況が起きたときに、反対側で、建設国債といったものを使ってやるべき命とか豊かさを守るインフラ投資とか防災投資、国土強靱化の投資、こうしたものがワイズスペンディングという考え方の下で切り捨てられてしまうことがないかということを非常に危惧しております。

 ワイズスペンディングという考え方の下において、地方のインフラとか防災対策を財政面で切り捨てることはないということをお約束いただけるかどうか、財務大臣の立場からお答え願いたいと思います。

片山国務大臣 御指摘のように、インフラの保全を始め、平時からの事前防災、減災の取組により、自然災害から国民の生命、財産、暮らしや経済活動を守るということは非常に重要でございまして、その点、国土強靱化はまさに高市政権で申し上げている危機管理投資のそのもの、ど真ん中でございます。

 デジタル技術などのテクノロジーも活用しながら、ハードとソフトの両面で防災やインフラ保全を徹底するため、事業規模を五年間でおおむね二十兆円強程度とする国土強靱化実施中期計画に基づく取組を官民挙げて着実に実施してまいる所存でございます。

 このように、国土強靱化実施中期計画に基づきまして、安定財源も確保しながら、ワイズスペンディングの観点からめり張りをつけて、地方を含めた国中の国土強靱化の取組を必ずしっかりと戦略的に進めてまいりたいと考えております。

牧野委員 力強い御答弁ありがとうございます。

 あわせまして、今言った意図的に国民の皆さんに分散して住んでいただくという趣旨の延長で、過疎地域を主たる居住地域とする場合や、あるいはそうしたところで一次産業に従事していただける方に対して、何らかの税制面での優遇をしたい、例えば、所得税を減免するであるとか、あるいは国境離島において相続税を免除するとか、そういった施策も可能かもしれないなというふうに考えますが、こうしたことをやろうとしたときに税制上のどういったことが課題になってくるかということを財務省の方から説明いただきたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 所得税や相続税を含む国税は、公平性や執行可能性の観点から全国一律の制度とするのが基本でございます。特定の地域に居住することのみをもって税率などに差を設けるということはなかなか難しいという点がございます。

 その上で、例えば、一次産業の中でも農林水産業に従事する者に対する所得税については、肉用牛の売却による農業所得の課税の特例でございますとか、山林所得に係る森林計画特別控除といった特例措置がございます。また、離島、半島、過疎地域における設備投資などを後押しするための法人税関係の特例措置もございます。

 こういった特定の政策目的のために税制の適正な執行等を損なわない範囲で一定の政策的な配慮がなされている場合もございますが、委員が御指摘されております国民の分散居住を促進する場合の政策手段として税制が適切なのかということも含めまして、検討すべき課題が多いというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 現在は多拠点居住とかそういったことも進んでいますから、住所地だけ田舎に置いておいて、実はめっちゃ、ふだんは都会にいるみたいなふうな実態があったりすると、ちょっとその趣旨とそぐわないものになってしまったりするところもあるかもしれないので、設計は難しいかもしれませんけれども、ちょっと今後、何かできることがないかということは御検討いただきたいと思います。

 そしてまた、特定国境離島というものが鹿児島県にはたくさんございます。ここに対して、通常の離島よりも更に手厚い支援が既になされているということは理解しておりますけれども、特に離島の子供たちの遠征費とかということを考えても、単に往復の交通費を払うだけではなくて、天候が荒れて船とか飛行機が飛ばないというふうなケースも考えて、特に大事な大会に行かなきゃいけないときほど一泊前もって行かなきゃいけないから一泊分宿泊費も余計にかかるみたいなこともございまして、本土にいる子供たちと比べていろいろな活動のための費用がどうしても割高になるという問題がまだまだございます。

 本年、国境離島に関する法改正も予定されているというふうにも思いますけれども、内閣府の担当の方で、どういったふうな法改正の内容になるか、御説明いただきたいと思います。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の国境離島についてでございますけれども、有人国境離島地域は、我が国の領海、それから排他的経済水域等の保全等に関する活動拠点としまして重要な機能を果たしていただいているところと認識をしております。

 このような観点から、いわゆる有人国境離島法につきまして、特に継続的な居住のための環境整備を図る必要がある有人国境離島地域を特定有人国境離島地域といたしまして、委員御指摘のように、離島住民の方々向けの航路、航空路運賃の低廉化や物資輸送の費用負担の軽減、さらには雇用機会の拡充を始めとする支援措置を交付金等の予算措置を通じて行っているところでございます。

 委員がお話のありました有人国境離島法につきましては、これは平成二十八年に議員立法で制定された時限立法でございますけれども、法律の期限を来年の三月に迎えることを踏まえまして、その改正、延長について現在、与党内で議論が行われているものと承知しておりまして、内閣府としても、こうした議論を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えてございます。

牧野委員 そうすると、具体的な中身をどう改正するということはまだこれからなのかなと思いますけれども。

 関連しまして、医療機関のない島嶼地域も多々ございます。ナースはいるけれども医者が全然いないとか、そういった地域ですね。特に、私もふだん救急の医師として現役で働いておりますので、ナースが一次的にやっている、最初の、今日はどうしましたかという問診、特に離島の医療機関がないような地域に限っては、こうした業務を国産の医療AIみたいなものを開発して代替したりとか、あるいは、その内容に応じて専門医によるオンライン診療というものにつないでいったりとか、そして、ドローンによって薬剤を配送するといったことも行っていくことは可能かなと思います。そうしたことによって島民の方が安心して生活できる基盤を低コストで整えることもできるかなと思いますが、特にドローンでの薬剤配送については、既に長崎県の五島列島で試験運用がされていると思います。

 現時点で見えてきている課題と今後の知見、社会実装へのスケジュール感、これは、ドローンに関しては内閣府、そしてオンライン診療については厚労省になるかと思いますが、ちょっとお教えいただければと思います。

江浪政府参考人 離島、僻地医療の関係についてお答えを申し上げます。

 医療アクセスの困難な離島や僻地の医療提供体制の確保は大変重要と認識をしております。このため、各都道府県が策定する医療計画に基づきまして、僻地医療拠点病院による僻地への巡回診療や代診医の派遣、オンライン診療など各種の僻地医療支援の取組が行われておりまして、これらの取組に対して厚生労働省としても財政支援を行ってございます。

 こうした中、医療の現場ではAIなどのICTを活用した診療支援が行われているものと承知をしております。厚生労働省といたしましては、医師の働き方改革や業務効率化の観点から、例えば、AIを用いた問診や文書作成の支援ツールの導入に係る費用などについて支援を行っておりますところ、こうした支援は、離島や僻地におきましても活用が可能でございます。

 また、ドローンによる薬剤配送につきましては、ドローンによる医薬品配送に関するガイドラインを示しておりまして、それを踏まえて、長崎県の五島列島などにおきまして配送実証が行われております。

 こうした取組を通じまして、医療アクセスの困難な離島や僻地の住民の医療を確保してまいりたいというふうに考えてございます。

小山政府参考人 お尋ねの長崎県の五島列島での実証につきましては、離島や中山間地域における買物難民等、共通の地域課題を抱える長崎県と福島県において、利便性の高いドローンのオンディマンド配送を全国に先駆けて実現するなど、新技術の早期実装を目指す国家戦略特区の取組の一つとして行われているものです。

 昨年十一月には長崎県新上五島町において、ドローンのレベル4、すなわち有人地帯での目視外飛行について、従来の二地点間の経路ではなくエリア単位での飛行許可を取得し、医薬品等を配送する実証を我が国で初めて行ったところです。

 今後、今般の実証を踏まえ、地上の安全性への影響の評価といった課題を整理した上で、長崎県や関係事業者等と協力し、ドローンのオンディマンド配送の社会実装に向けて必要な検討を進めてまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 あわせまして、意図的な分散居住、あるいは、現在、自民党と維新の連立のところで副首都構想という、首都機能、何かあったときのバックアップということも議論がございますけれども、特に南海トラフ地震とかこういった大きな津波が発生する場合、あるいは台風で高潮被害等も低い地域だと想定されますけれども、特に大阪湾岸周辺地域にだけ副首都機能を置くみたいなことをすると、首都機能のバックアップを置く場所としては非常にハイリスクであるというふうに考えます。

 副首都を置くなら、少なくとも津波被害が及ばない内陸、そして活火山からも遠いところにすべきだというふうに考えますが、政府のお考えはいかがでしょうか。

貫名政府参考人 お答え申し上げます。

 首都におきまして大規模な災害が発生した場合におきましても、政府の業務は継続できるようにすることが必要でございます。そのため、防災上、バックアップ体制の整備が重要であると認識しておりまして、その拠点については、様々な事態を想定して候補地を検討していくことが望ましいと考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、副首都構想、こちらの構想につきましては、首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築し、首都機能分散及び多極分散型経済圏を形成する視点から、首都及び副首都の責務や機能の整理も含め、与党による協議体におきまして議論されておられるものと承知しております。

牧野委員 つまり、一か所ではなくて複数、分散して考えているという理解でよろしいでしょうか。

貫名政府参考人 あらゆる事態を想定して、複数も含め検討するということだと思います。

牧野委員 やはり、首都のバックアップを一か所だけに置くと、非常にそれはそれで危険だと思いますので、複数の場所にそれぞれ機能を分散させて配置していくということも考えていただくべきかなと思っております。

 続きまして、特例公債法第五条の中に、持続可能な社会保障制度を構築するための改革を推進するというふうに記載されてございます。

 私も、医療現場で働いていますが、特に昨シーズン、今シーズンはそこまでひどくなかったんですけれども、昨シーズン、インフルエンザが年末年始、物すごい数、流行しまして、こうしたときに患者さんたちは、熱で体調が悪い中で、外来で四時間、五時間ずっと待っていらっしゃる、そして、医療者の側もずっと、一日で何百人もの発熱の患者さんたちを診察していくということで、非常に現場も疲弊していくというふうな状況がございました。特に年末年始とか、そういったときはなかなか大変でして。

 ですので、昨今、OTC類似薬の保険補助率を見直すというふうな議論もございますが、これをやることによって、風邪薬、感冒薬をドラッグストアなどで調達しようというふうなインセンティブになってくれればというところはもちろんあるかと思うんですけれども、更に踏み込みまして、アメリカみたいな例に倣いまして、抗菌薬以外の感冒薬を調剤薬局等の薬剤師に処方権限をもし付与することができれば、そういった発熱外来の待ち時間を短縮して現場の負担軽減を図りつつ、一定、医療費の削減にも貢献できるんじゃないかなというふうに考えます。

 薬学部は、現在、薬剤師免許を目指す課程とそれ以外に分かれておりますけれども、薬剤師免許を持つ方々に対しては、後から一定の診断能力のトレーニング等も行って、そうした処方権限の一部を付与するといったふうな改革も今後考えられるかなと思いますが、この辺りについて、厚労省、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 現行制度上、医療用医薬品は、原則として、医師又は歯科医師が、診察や検査等から得られた患者の心身の状況に関する医学的な判断を踏まえまして、疾病等の治療のために選択をし、処方する必要があるものとして位置づけられております。これは、患者を適切に診断し医療用医薬品を処方する医師と、その処方内容の確認とともに調剤を行う薬剤師が、それぞれの立場から専門的な知見に基づき機能を発揮するということ、これが、薬物治療の効果を発揮する、そしてまた安全性を確保するために重要であるという考え方に基づくものということでございます。

 このために、現行制度上は、委員御指摘のような、診断能力の訓練を通じた薬剤師への処方権限の付与は想定されておりませんけれども、例えば、医療用医薬品からOTC医薬品へのスイッチOTC化などは、医師等の処方によらずに薬剤師が販売できる医薬品の範囲を拡大するものでございまして、委員の問題意識にもございますような薬剤師の更なる活用に資するものであると考えております。

 今後とも、スイッチOTC化を推進いたしまして、当初の医師の診断や処方に基づき症状の安定している患者が定期的に服用する医薬品の更なるスイッチOTC化を検討するなど、薬剤師の更なる活用や医療現場の負担軽減につながるよう、最大限取り組んでまいりたいと思っております。

牧野委員 ありがとうございます。

 まさに、いろいろな発熱外来とか風邪の患者さんたちに、何か市販薬は使われていますかと聞いたら、これこれを使っていますとおっしゃって、中身の成分を見たら、それは、病院で一個一個、錠剤に一種類ずつ分かれて処方するものと実は中身は全く同じということも多々ございますので、こういった辺りは既にもう、ドラッグストアで薬剤師の方に相談をして、どれがいいですかといって選んでもらうみたいなことはやっておりますから、もう少しそうした部分に薬剤師の力をかしていただけるような、そういう仕組みも整えられていくといいなというふうに考えています。

 あわせまして、OTC類似薬に関しまして、今言ったような風邪などの臨時処方においては、やはり保険補助率を見直してもいいかと思っていますけれども、一方で、OTC類似薬を定期処方として必要とされる方もいらっしゃいます。例えば、がんによる慢性疼痛があってずっと痛み止めを飲まなきゃいけない、けれどもこの痛み止めというのは解熱剤と実は全く同じ成分であるとか、あるいは、慢性副鼻腔炎があって鼻水を抑えるような薬をずっと飲まなきゃいけないとか、こういった場合もございますので、こうした方々に対しては従来どおりの保険適用率として残すことが妥当かと考えますが、ここについては、厚労省、どのように考えていますでしょうか。

江浪政府参考人 OTC類似薬の保険給付の見直しに関しましては、必要な受診は確保した上で、OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養などについて、患者さんに追加の御負担をいただくというものでありまして、そのための関係法案を今国会に提出予定というものでございます。

 その上で、OTC類似薬に関しましては、医療上の必要性から長期にわたって使用する必要があるなど、見直しに当たって医療上の配慮が必要な方もいらっしゃるというふうに認識をしております。

 昨年末の自民党と日本維新の会の政調会長間合意におきましても、子供、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用などが医療上必要と考える方などに対する配慮を検討するというふうにされていることから、本見直しの検討を進めるに当たりましては、この合意も踏まえまして、配慮を必要とする方の具体的な範囲について、専門家の意見を聞きつつ、丁寧な検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 まさに今言ったような配慮は必要ですが、ちょっと細かい設計のところ、いろいろ、多々議論があると思いますので、これからということになろうかと思います。

 あわせまして、現場にいて、特にコロナ禍の後なんですけれども、せき止めであるとかあるいは解熱剤が、数が入ってこないというふうな、医薬品の供給に不安を感じる場面というのが多々発生いたしました。コロナになる前は決してこんな状況は余り体験しなかったんですけれども、コロナ後、いろいろなところで流通の世界的な滞りがございまして、こういったことが起きたのかなと思いますけれども。こうなった原因の一つは、医薬品の、錠剤は国内で作っているけれども、その錠剤の更に原料になる原末、これを結構輸入に頼っているところが多いというのがその原因かなと思っています。

 したがって、現在国内で流通しています主な医薬品の原末の国内自給率がどの程度か、そしてまた、今後、医薬品の輸入に伴う国富の流出というものを可能な限り防いでいくという観点から、主要な医薬品については原末の段階から国産化していくべきだというふうに考えていますが、現時点で厚労省の方で考えられている方向性を教えていただけますでしょうか。

森政府参考人 医薬品の安定供給に関するお尋ねでございます。

 令和六年三月末時点におきまして、後発医薬品でございますが、原薬の全ての製造工程を国内で行う品目の割合というのが三二・六%という状況になっております。

 医療上の重要性が非常に高く、原材料を特定国に依存する医薬品については、経済安保法に基づく特定重要物資に指定させていただいて、製薬企業が国内で原薬を製造する体制の整備、それから備蓄の積み増しなどへの補助を行うこととしておりまして、現在は、ベータラクタム系の抗菌薬が特定重要物資に指定されているという形になっております。

 特定重要物資以外の医薬品につきましても、製薬企業が、原材料等の調達先、これは一ルートで調達している場合、やはりリスクを伴いますので、そこを複数化していくですとか、それから代替の供給先を探していくような、そういった事業に対して必要な費用の補助というのを行っているところでございます。

 特定重要物資の指定については、重要な医薬品のサプライチェーンの潜在的なリスク等について定期的に点検を行った上で決定しているところでございまして、令和八年度においても必要な点検を行っていきたいというふうに考えております。

 引き続き、その結果を踏まえて、適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 是非そういった方向性で進めていただきたいと思います。

 今まで少し、ちょっと医療に関連して、やや財金委員会にはなじまない質問をるるさせていただきましたけれども、この意図は、先ほど、国のお金の価値を支える根幹は供給能力なんだというお話をしましたが、これは医療においてもまさにそのとおりでありまして、幾らお金の面で国が保険を出してくれたところで、現場で働く医者とか看護師が疲弊して辞めてしまったりとか、あるいは薬剤が供給されない、こういったことがあっては医療体制というものはもたなくなってしまいます。したがって、その供給能力をこれからも確保していくという観点からこのような質問をさせていただきましたけれども、この辺りの答弁を聞いていただきまして、まず、財務大臣から一度、所感をいただきたいと思います。

片山国務大臣 まさに、危機管理投資、成長投資の中に創薬というのが入ってございます。抗菌薬に限らず、このサプライチェーンの確保はまさに非常に重要でございまして、また、逆に、伸びる産業でもあるところで、救命医を現実にされている委員の危機感というか、これは政府がやって当然じゃないかという御指摘は全くもってそのとおりだと思っておりまして。

 成長の方では、成長力の会議を官邸でやっておりますが、その中で、できる限り具体的なロードマップを定めてやっていくということになっておりますので、そのできる限りの具体性がどこまでいけるかというのは、一つ非常に重要だというか、重たい要素ではあるんですが、また委員の御意見も承って、皆様から見て安心感があるというか、必須の医薬品がいざというときに手に入らないということでは国民皆保険の意味は余りないものですから、画餅に帰してしまいますから、そこのところをしっかりと安心、安全にするというのが、高市内閣が描く強い経済、強い日本の一つの根幹でございますので、ここはしっかりと計画性を持ってやってまいりたいと思っております。

牧野委員 ありがとうございました。

 やはり、こういった医療サービスの提供の供給能力といった側面からも、しっかりと国を挙げて対策をしていっていただきたいというふうに考えております。

 続きまして、所得税法等の改正の方に入らせていただきます。

 まず、今回、所得税法の改正におきまして、二年ごとに物価上昇に合わせて基礎控除を見直していくということが盛り込まれておりますけれども、その中でも、所得控除における六百六十五万円の壁というものは依然として設定されている。

 これが確かに、中低所得者に対してきちんと手厚く保障をして、高額所得者に対してはずっとウナギ登りに控除額が上がっていくということがないようにということは、まさにそうすべきだというふうに思うんですけれども、一方で、これから経済成長で物価が少しずつ上がっていくということが当然見込まれますので、この六百六十五万円という所得制限の壁についても、二年ごとに、物価上昇に合わせて、どこに所得制限のハードルを置くのかということを、定期的に見直す仕組みを組み込んでおくべきではないかと思いますが、こちらについて、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。

片山国務大臣 令和八年度税制改正における所得税の基礎控除等の物価に連動した引上げは、基礎控除等の額が定額であることにより、物価が上昇すると控除の実質的な価値が減少し、結果として実質的な税負担が増加するという課題への対応として行うものであります。

 他方、今委員御指摘の基礎控除の上乗せ特例の方につきましては、物価上昇を上回る特例的な対応として、令和八年、九年の二年間に限って措置するものでありまして、令和八年度与党の税制改正大綱においては、所得要件の水準を含め、物価に連動して見直ししていくということにはされてはおりませんが、いずれにしても、二年間の据置期間が終了した後の在り方については、その時点の経済、物価状況等を踏まえ、今後検討してまいるということになるかと思います。

牧野委員 ある意味、そうすると、ここは二年間の時限的な措置が、法律の期限が組み込まれていることによって自動的に見直さざるを得ないというところになると思いますが。

 もう一つ、令和六年改正で、一人親控除の所得制限、当初、目標一千万とされたところを、現在五百万となっております。こちらも、物価上昇に合わせて、一人親控除の所得制限、ここも一定年限ごとに自動的に見直していくということはできないんでしょうか。財務大臣、お願いします。

片山国務大臣 一人親控除につきましては、令和二年度の税制改正において、寡婦控除の仕組みを見直すということによって創設されたという経緯がございます。その際、一人親控除の所得要件につきましては、寡婦控除の、子を扶養する寡婦に係る三十五万円の控除額が適用されるための所得要件を引き継ぐという形で、合計所得金額五百万円として設定されたところでございます。

 その在り方につきましては、一人親への支援策のほかにも予算面でいろいろございまして、この辺のバランス等も踏まえる必要がございますので、今のところは対象になっていないわけでございますが、現状では、引き続き検討というような扱いになってございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 今御説明もありましたが、いわゆる今般改正になった百三万の壁というものについても、これが長らくずっと百三万という壁の設定のまま放置されてしまった背景には、そこに物価とか新最低賃金の水準に合わせて自動的に見直しをやっていくという仕組みが組み込まれていなかったがために、ずっと長年放置されてしまったというふうな側面もあるんじゃないかというふうに考えています。

 したがいまして、類似した、所得制限とかあるいは控除、給付額の設定というものがいろいろな法律の中に多数ございますので、一気に全部をやることはもちろんできませんけれども、今後、各種の法律を改正していくに当たりまして、原則として、こういった所得制限とかあるいは控除、給付額設定といったものを物価とか最低賃金の動向に合わせて数年置きに見直すというふうな条項を、原則的に改正のときに入れ込んでいくべきじゃないかというふうに考えますが、財務大臣、いかがでしょうか。

片山国務大臣 考え方としまして、国や公的機関が発注いたします官公需につきましては、物価スライドとまではいきませんけれども、物価、人件費等の上昇を考慮してということを予算面で骨太の方針にも入れているという、私どもは責任ある積極財政の内閣でございますから、まさに制度ができた経緯ですとか、元々の、先ほど申し上げましたように、控除額が別途あった部分の適用のための所得要件に替えたとか、いろいろな整理の仕方がございますので、また、全体となりますと、その所要額というのもかなりなものになりますので、いろいろとバランスを取りながらですが、御指摘の趣旨は一つの考え方としてはありますので、引き続き御検討させていただきたいと思います。

牧野委員 ありがとうございます。

 いろいろなところにそうしたいわゆる壁というものがございますので、今後の制度のつくり方、是非検討していただければと思います。

 次に、住宅ローン控除について伺います。

 住宅ローンの控除につきまして、現在、地方で空き家とか古い建物がどんどん増加していますが、こうした古い建物の中には、まだまだちょっと手を入れれば使えるといったものもございまして、空き家とか古い建物をリノベーションして住居にしようというふうな例も増えています。

 こうしたことは空き家対策とか地域活性化策としても制度面で後押しできることが望ましいかと思うんですけれども、基本的に、こういう古い物件というのはいわゆる省エネ基準とか耐震基準を満たさないものが多うございますので、物件をローンで購入した当初は基準を満たさずとも、そこに対して後からリノベーション、断熱改修をするとかいろいろやって基準に適合するようになれば、その時点から控除額とか期間の優遇が受けられるようになるのかという、この制度的な仕組みについて、ちょっと金融庁の方から説明いただきたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 住宅ローン控除につきまして、現行の住宅ローン控除につきましては、その対象を一定の耐震基準を満たしたものに限った上で、認定住宅などの一定の省エネ制度を満たした住宅に対して借入限度額や控除期間を優遇する措置を講じております。

 その上で、納税者による住宅取得前に耐震、省エネなどのリフォームが行われ要件を満たしている住宅については本措置の対象となりますが、納税者である住宅購入者自身が要件を満たしていない住宅を取得した後に要件を満たすよう関連のリフォームを行ったとしても、本措置の対象とは原則としてなりません。

 このように、住宅ローン控除は一定の耐震、省エネの要件を満たす住宅の取得を政策的に支援するものでございまして、住宅取得後のリフォームについては、別途、住宅リフォーム税制により支援を行っているところでございます。

 取得後にリフォームが行われた住宅について住宅ローン控除を適用することについては、関連する制度の趣旨等を踏まえ、慎重に検討する必要があるというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうすると、基本的には、後からリノベーションしても適用にはならないという理解かと思いますが、リフォーム税制というところの仕組みとか限度額等について教えていただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答えします。

 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除制度がございます。個人が居住用家屋について一定の耐震改修を行った場合には、耐震工事の標準的な費用、これは二百五十万円を限度としておりますが、の一〇%に相当する金額をその者の所得税額から控除できる制度がございます。これは、現行制度として、令和十年の十二月三十一日まで期限がまだ続いております。

牧野委員 そうすると、二百五十万円の一〇%なのでマックスで二十五万円ということですが、ちょっと、昨今いろいろな建築資材の高騰がございますので、耐震改修、断熱改修等が二百五十という範囲に収まらないケースもこれから多々出てくるかと思います。その辺を踏まえまして、五百とかそれぐらいまではちょっと是非増額を検討いただきたいなというふうに思います。

 そして、ちょっと飛ばしまして、法人に対する賃上げ促進税制のお話が今回ございますけれども、本当に、特に中小企業等に対して賃上げを促したいということであるのであれば、先日、参議院の方で我が党の安藤議員の質疑にもございましたとおり、消費税というもの、これが、消費者が負担してそれを事業者が預かっている預かり税的な性格だというふうに説明はされていますけれども、実際の運用面としては、やはりこれは消費者が直接納めているのではなくて、納税者はあくまで事業者というふうな運用になっている。

 つまり、事業者にとっては、企業の粗利益に対してかけられている第二の法人税、しかも赤字でも払わなきゃいけないというふうな、そうした過酷な税の仕組みになっておりますので、本当に特に体力の弱い中小企業に対して賃上げを促したいということであれば、あくまで消費減税というものが昨今、物価高対策として議論されていますけれども、やはりここは、中小企業の支援とそして賃上げを促すためにこそ、全ての品目での消費税の減税ということをやる方がより即効性があって効果的なんじゃないかというふうに考えます。

 ここについて、財務大臣のお考えを改めて教えてください。

片山国務大臣 消費税の性格については、今は社会保障の財源に充てられているということでございまして、その御説明についても多分御党においては若干お考えが違うのかなと。つまり、一般会計に入っておりまして、特定財源としての特別会計がございませんのでね、ということがあるかもしれませんが、法律、消費税法の規定によって、税収を社会保障四経費に充てるということが法定されておりまして、今、社会保障の四経費に比べますと消費税収はまだそれは足りておりませんので、そういうことを初めから申し上げて、ずっと来ているということがございます。

 かてて加えまして、納税者が誰かということですが、直接徴税しているのは確かに、消費税の納税者の義務を果たす者でございますから、最終的な転嫁は消費者になるので消費税ということになりますが、これは元々、モデルとした税金がEU指令にございます、英語で言うとバリュー・アデッド・タックスですか、フランス語で言うとタックス・シュル・バリュール・アジュテだから、TVAですよね。その形になっているのでそういう説明になっていて。

 しかも、それを導入した時点では、日本においては、いわゆる、今でも非常に御面倒をおかけしていることに感謝を申し上げるというか、申し訳ないと思っているんですけれども、インボイスですね、仕送り状、この仕送り状に類するものは、元々、日本ではそういう積み重ねが間接税についてありませんので、導入を初めに検討された当時の自由民主党の税制調査会、小委員長は加藤六月先生でしたけれども、大分昔のことです。これはそういう形をたどりながらも、でも、やはり納税者を、消費税ですから消費者ということにしながらということで、最初、売上税を導入、それはうまくいかなくて次にこうなったという流れなので、やや分かりにくいところはあるんですけれども、基本形としてはやはりTVA、VAT型のものでございますので、最終的な負担が消費に転嫁されるということで。

 多くの国では、仕送り状についてここまでの、日本におけるほどの危機感がないものですから、比較的、転嫁をして、そういうことになっておりますし、また、間接税の支払いについて、日本よりは長い時間慣れた商工業者が多いということもありまして。これは、消費税が基本税というか、間接税が基本税という国なのか、やはり戦後、シャウプ勧告でほとんどの給与所得者に源泉徴収を課して所得税の方が基本から入ったのかという大きな違いがあるものですから、そこがどうしても認識の違いに、御党との間はなっているのかなと思うんですが。

 そう考えても、もう一九八九年以来これだけ時間がたっておりますので、この形で定着しているということを何とか御理解いただいて、インボイスが導入されてからまだまだなかなかそこにとてもついていけないという中小零細、個人事業主様には可能な限りは配慮しながらも、大分その利用比率は相当上がってきておりますので、という意味では、当初目指した形にやや近づいてはいるものですから、そこでまたいろいろと混乱があるよりは、何とか国民の皆様に御理解をいただいて、この形で進めていった方がよろしいのではないかと。

 私は、導入のときの経緯というか、初めてその設計に思い至った当時の自民党の税調調査団をフランスにいて迎えた側なので、その方がまだよろしいのかなという考えを持っているものでございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 当初、フランスでこの消費税というものが導入されるに当たって、フランスの工業製品の競争力がいまいち強くなかった、特にドイツと比べてという中で、WTOの条約の中で、輸出に対して政府から補助金を渡すことなくどうにか輸出企業を助けられないかというふうな側面もあって、サプライチェーンの中でちょっとずつ徴収したものを、いわゆる仕入れ税額控除という形で最終的に輸出業者にがつっと還付を行うというふうな、そういったもくろみもあったのかなというふうに思っております。

 現状、日本においても、三十三兆円徴収したうちの約九兆円が輸出関連企業に対して還付されているという状況がございまして、ちょっと税率が増えていくほどそういった側面がより強くなる。

 と同時に、最終的な輸出業者とそしてその下請との間のパワーバランスの中にあって、基本的に消費税の設計というのは、販売するときに必ず価格にそれを転嫁できるということを前提として設計されていますけれども、どうしても元請と下請のパワーバランスの中で、差額分、下請企業にとってもいろいろな経費が増加しているにもかかわらず、消費税分、一部のみ込まざるを得ないといった状況もあるかと思います。

 こういった状況を生んでしまっているということについて、ちょっと、通告にはございませんが、大臣のお考えをお聞きできればと思います。

片山国務大臣 御党におかれましては、何か、何人かの先生が、輸出がフランスが非常に振るわなかったことによって、輸出免税をしやすいからこういう形を考えたということをおっしゃっておられるのは伺ったんですけれども、済みません、私、つくった人とお話をしたことがありまして。

 もう御存命ではありませんが、一九八五年に自民党の税調小委員会が主税局とともに来仏されまして、数日かけましてですね。当時、つくった方はその導入当時のフランス大蔵省国庫局の主税局長だったんですよ。ですから、あの主税局長がおつくりになったという分かりやすいパターンでございますけれども。その方が直接おっしゃっていたお話を相当長いこと聞きましたが、その中にはそのお話はなかったので。まあいろいろなところでいろいろな方が書かれているんでしょうけれども。

 導入のときに注意をされたこととしてよく覚えておりますのが、それはやはり逆進性はあってフラットなんですよ。ですから、導入のときには必ず所得税を減税しなさいと言って、こういうカーブを書かれまして。それはその税調のメンバーの中に非常に強い認識として残っておられまして。加藤六月先生だけではなくて、先般もう引退されまして、今でも御心配をいただいておりますが野田毅先生とか、亡くなられた方としては近藤鉄雄先生とか、あとは渡部恒三先生とか、本当に古い重鎮の方々が皆おそろいだったんですが、それはしないと通らないだろうということと、日本においては、先ほど申し上げましたように、初めからインボイスは無理だろうと。

 その違いにおいては、主税局長、モーリス・ローレさんとおっしゃるんですが、説明しておられたのは、重複間接税がかなり長いこと商工業者の間に課されていた国です。重複とは何かというと、前段階控除がないんですよ。確かに、税金を徴収する側から見れば、前段階控除を入れる場合には証拠書類がないと無理ですから、そこでインボイスが出てきてしまったわけですよね、千九百五十何年かに。そこがないとどうなるかというと、タックス・オン・タックスにきれいになっていくので、最終的には大変なことになるので、それは非常に国内流通的にも問題であるというようなことをおっしゃっておられました。

 EUでこれを統一して使おうということになったのは、EU圏内というのは貿易がいろいろありますが、それを均等にするためには、国内でどういう税率をかけていようが、国境調整を同じルールでやれば同じようにできるというようなことはおっしゃっていましたよね。それは建前上はそうだと思いますが。その後、指令がどんどん統一されて、税率においてはかなり各国、違いがありますし、それから、税率ごとの物品の分け方については、これは物すごい恐らく国内産業バトルがあって、すごい複雑なことになっていますが、基本、いろいろな徴収も含めた制度をそろえてきたということはすごいなと思いますが、恐らく国境調整においてはそちらの理由の方が多かったんじゃないかなと、私は当時の記憶をたどると考えております。

牧野委員 御説明ありがとうございます。

 確かに、導入した当初、フランスではそういったことを考えたわけではなかったということなのかもしれませんが、逆に、そうした中でインボイスというものを使って、様々いろいろな業界の中でのパワーバランスで、税率が、あれは何パー、これは何パーと、どんどんインボイスというものを使って複雑化していっていると思うんですね、ヨーロッパでは特に。

 今後、今、食品の二年間限定ゼロ%というものを議論されていますけれども、こうすると我が国の税率も、ゼロ、八、一〇と三通りになりまして、今後、これ以上税制がどんどん複雑になっていって、気がついたら最終的に消費税はもっと増税されていたみたいなことにならないかなということを非常に懸念しております。

 今後、我が国の消費税の税率の在り方というものをどんどん複雑にしていく意図はないというふうに理解してよろしいんでしょうか。

片山国務大臣 今、若干、私の官僚のときからの経験も交えて申し上げましたが、この国においてこの税金が簡単に増税されることはないと私は経験上思いますけれども、また、様々な変更のときにも非常に大きな議論に常になることにしかならないので、安易に、誰かが分からないうちにということはあり得ないと感じますけれども。もちろん、そのようなことはないということは今現在も大臣としては申し上げられることでございますし。

 先ほどから申し上げておりますように、やはり、統一指令があっても、お国柄があるんですよね。その後、ヨーロッパのものをまねて各国はいろいろ入れております。それこそ、この税金は中国にもございますし、アジアでも何か国かあるわけですから。

 アメリカも、当局者に伺いますと、実は入れたいんですよね。私は、今回のトランプ関税の一〇%、一五%という数字を見ていて、ああ、これは、昔からアメリカの財務省が言っていた、要するに、EUのやっていることは不公平だ、国境で引いて安くして入ってくる、ダンピングじゃないかと。それは国内税制じゃないですかとみんな言っていたんですけれども、彼らから見ると、州との関係があってできないんですよ。できない国は、大体、州が一般的な、重複的な小売税を持っていて、連邦と各地方団体との間の調整がほぼ政治的に無理なので、できないと。それをやろうとしたら、今回みたいな関税になったということなのかなと想像しておりますが。

 そういう国以外はみんなこの方式にしているということは、特にヨーロッパにおいて広がった経緯を考えると、欠点のない税金では全くないんですけれども、基礎的な財政収支をつくるために行政としては一理ある税金なんですよ、言葉が非常に難しいですけれども。そういう形でお考えになる方が多いですよね。

 特に、消費税ではなくて、所得にかける税金が日本ほどきちっと把握されているところはなくて、そもそも源泉徴収制度は、各国、財政当局が入れたくても、拒絶されてほとんど入れられませんので。それを考えると、これから給付つき税額控除等でも申告という概念がいろいろ出てくると思いますが、どこの国でも調査率というのは同じなんですよね。ということは、申告されたものがどのぐらい信憑性があるかという議論に、言ってしまうと、この公平の概念に戻っちゃうんですよ。

 それはどこに返ってくるかというと、消費の場合はほとんどごまかすことができないんですよね、物を買ってきている以上は。ということに公平性を認める部分もあって、これは租税哲学の議論として長い議論ですけれども。だから、いろいろな税源に均等に、ある程度バランスを取って課税していこうという考え方が、日本においても租税論では強いですし、それは各国そうで、その中で、最善の策というよりは次善の策として使われるようになったにすぎないのかなというふうに私は思っております。

牧野委員 ありがとうございます。

 今大臣からちょうど関税に関するお話もございましたので、ちょっと質問を飛ばしまして、今回、トランプ大統領が日本にも追加関税をかけるということを宣言しまして、昨年から赤澤大臣が何度も対米関税交渉で行ったり来たりされていますけれども、アメリカから見れば、まさに、日本の消費税というものが輸出のときにその分考慮されているじゃないかということであると同時に、アメリカから物を輸入したときに、そこに一〇パーないし八パー税金を乗せて売っているわけですから、アメリカ側から見れば、それはアメリカの製品に対して一〇パー、八パーの関税をかけられていると同義になります。

 したがって、これは、もし仮にの話で結構ですけれども、仮に我が国が消費税を全体的に減税ないし廃止することができたとすれば、それは対米関税交渉のカードになり得ると思うかどうか、大臣のお考えをお願い申し上げます。

片山国務大臣 消費税タイプの、輸出時には還付されて、相手国から見れば、輸入するときには全く税抜きで入ってくるというもののオリジン、原点がヨーロッパですから、これはOECD等々の場でアメリカ側とEU側で長いことやっていますよ、何十年か。まあ最近はもう余り言わなくなったと思います。ですから、EUとアメリカの交渉がああいう形だったのでございますから、その間に、要するに、EUに入っているということは全部VAT、TVAがあるということですから、そのことが交渉カードになったということは一切聞いていませんので、そこの議論はさすがのアメリカももう諦めたのかなと。要するに、国の体制というか財政法の作り方が違うから違うんだなと思ったんじゃないかと思いますので。

 そうであれば、日本においても、日本は元々この制度の原産国ではありませんので、参考にして自らつくったということですから、日本についても、まあ赤澤大臣に確認しないと分からないですけれども、それが持ちかけられたということは恐らくないのではないかと思います。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうしましたら、ちょっと関連しまして、関税に関する基本的な考え方ということで御質問したいと思います。

 現在、いろいろなところで自由貿易というものがずっと進んできていますけれども、この自由貿易というものが必ずしも人類の繁栄と世界の平和をもたらすとは限らないんじゃないかというふうに私たちは考えています。

 この関税という制度そのものの捉え方について、グローバリズムということの下で、大手の多国籍企業を中心に、人、物、金、これの国際的移動に関わる障壁をどんどん最小化していって、自分たちのビジネスに有利な環境をつくる動きというものが世界的に加速してまいりました。

 そうした中で、例えば日本の農業というものは、アメリカとかオーストラリアとかそういった広大な平野があるところと比べて、どうしても国土の中に占める平地の面積が狭くなってしまいますので、そうした国土の特徴から、同じ土俵で欧米の農産物と戦うと、どうしても価格競争にさらされて勝ち目がないというところがございます。したがって、国防上、食料自給率を守るということは、国を守るという上でも本当に一番基礎の基礎、土台になることでありますから、輸入農産物に対して関税をかけるということは不可欠じゃないかというふうにまず考えています。

 そして、実際、アフリカや中南米の途上国では、旧宗主国を中心とした先進国の余剰農産物が安く大量に流れ込んできた結果、価格の競争に敗れた現地の農家が次々と廃業して、貧困層が都市に流れ込んで治安が悪化するみたいな例が多数起きてございます。

 例えばハイチでは、IMFからの融資条件として米の関税率削減を要求されまして、一九九五年に米の輸入関税が五〇%から何と三%に引き下げられた結果、安価な米国産の米が大量に流入して、ハイチで消費される米の八割が輸入に頼るというふうな状況になってしまったりもしています。さらに、こうして行き場を失った貧しい方々が移民として欧米社会にどんどん今度、流入していって、いろいろな文化、宗教的あつれきなどを通して社会の在り方が根本的に壊れていってしまうというふうな事態も起きてまいりました。

 こうした潮流に対して、世界のあちこちで、自国の文化と産業を守るべきだというふうな潮流が表れてきて、そうした流れの一環としてアメリカでトランプ政権が誕生したものというふうに理解しています。

 先ほどから出ているトランプ関税というもの、そのやり方については米国の裁判所も含めて様々な意見が当然ございますけれども、自由で公正公平な国際経済秩序を守って、そして各国の自主独立を保っていくためには保護的貿易が必要な場合もあるんだということを諸外国と相互に認め合いながら共存共栄できるような社会というものを目指して、適切に関税というものを使っていくべきだというふうに考えます。

 財務大臣として、この関税そのものに対する考え方をまずお聞かせください。

片山国務大臣 御承知のように、我が国は、鉱工業品関税はもうほとんどゼロに近いので、関税が今ある分野としては、国内産業の保護で主に農産品になっております。全体としては貿易自由化を真面目にやってきた国でありまして、関税率は引き下げてきた一方、今委員が御指摘になりましたように食料自給率の問題もあります。それこそ、国内産業を守るという意味で比較的高い関税率を課してまいりましたし、その上で、個別品目の関税率の水準などの関税政策の企画立案に当たっては、こういった国内産業の保護の観点のみならず、消費者から見れば安い方がいいというお立場は当然あるわけですから、さらに、今我が国は非常に多くの自由貿易地域、自由貿易協定に入っておりますから、その中では損して得取れの交渉もございますので、全体的な対外関係への配慮等もありまして、総合的に勘案をして決めていかなければならない話だと思っておりまして。

 今、ルールに基づく自由貿易体制自体が非常に形骸化というか揺らいでおりますし、WTOも久しく進んでおりませんので、ルールに基づく自由貿易体制をいかにかして維持拡大をするという政府全体の方針の下、戦略も立てながら、日本全体の国益に資する形での適切な関税政策というのを今まで以上にしっかりと形作って、政策的論拠も固めていかなければならないのではないかとは思っております。

牧野委員 ありがとうございます。

 特に、やはり食料自給率の根幹に関わる非常に大事な問題でありますので、いろいろな関税交渉が諸外国とあるとは思いますけれども、そうした中で我が国の農業というものを犠牲にしないというふうな、そうした考え方は今後も貫いていただければなというふうに思っております。

 ちょっと戻りまして、オーバーツーリズム対策で出国税を引き上げるというお話が今回の法改正でございますが、日本人も外国人も併せて一律三千円に上げるというふうにされております。

 昨年の日本からのアウトバウンドの数は千四百七十三万人、海外からのインバウンドの数は四千二百六十八万人でございますから、この数字を踏まえて、仮に日本人の出国税を千円に据え置いた場合であっても、計算すると、外国人の出国税を三千七百円に設定してあげれば全体を三千円にした場合と同等の予算を確保できるというふうに考えますが、こうしたやり方はできないのでしょうか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今般の国際観光旅客税の見直しは、オーバーツーリズム対策の強化、地方への誘客、需要の分散の促進、アウトバウンド施策の充実を始め、観光施策に必要となる財源を確保するため、税率を、国籍にかかわらず、現行の出国一回につき千円から三千円へ引き上げることとしたものでございます。

 関係省庁において国際観光旅客税を財源とした各種施策に取り組んでいくこととなりますが、例えば、出入国環境の円滑化、空港の利便性の向上、安全、安心な海外旅行環境の整備などにも国際観光旅客税の財源を充てることとしておりまして、あわせて、日本人のパスポート発行手数料が引き下がることとなるなど、日本人にとっても受益があるものと考えております。

 なお、日本人の税率を据え置き、外国人のみに高い税率を課すことにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、国際観光旅客税を財源として講じられる観光施策には日本人にとっても裨益する部分があること、また、租税条約上、自国の国民と外国人の間で異なる取扱いをしないという国籍無差別条項があることとの関係なども考える必要があるというふうに考えております。

牧野委員 一番の問題点は、条約のところで無差別条項というものがあって、批准しているのでそこに差別化はできないということかなというふうに理解いたしました。

 関連しまして、昨年、高市総理の台湾有事の発言がございました以降、中国からの団体旅行が止まって、結果、外国人だらけで日本人が寄りつかなくなってしまった観光スポットに日本人観光客が戻ってきたみたいな変化もあったというふうに考えています。

 私も、出身が京都なんですけれども、京都の紅葉のシーズンとかは、今行くと、ほとんど何か外国人しか観光地にいないみたいな状況があったり、オーバーツーリズムがひどくて、いろいろなお祭りとかあるいは花見の時期とか、町のごみ箱がすぐあふれ返って大変なことになるとか、あるいは、嵐山の竹林にくぎで字が彫られるとか、いろいろなことがありますけれども、こうして外国人が大量に団体で入ってくるというときに特に何か治安の乱れみたいなものが内輪の乗りで起きやすいのかなというふうなところも感じていますので、日本人が安心して適正な価格で国内旅行を楽しめるという環境を確保するために、特定国のみに対象を限定するのは、はっきり言って無理だと思いますが、一定の規模を超えるような外国人の団体旅行客というものに関して何か、宿泊税というものもやはり今言った条約のところで外国人だけ変えるというのは難しいと思いますので、何か別な規制をかけるなどして対策を講じることはできないかなというふうに考えていますが、観光庁の方からお答え願えますでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 日本人が安心して国内旅行を楽しめる環境づくりに関する御質問でございます。

 現在、都市部を中心とした地域への観光客の偏在傾向が見られ、また、一部の場所、時間帯によっては過度の混雑やマナー違反により地域住民の生活の質への影響等の課題が顕在化しているとともに、旅行者の満足度低下の懸念が生じているものと承知しており、その対応が大変重要なものであると認識しております。

 これまで、令和五年に取りまとめられましたオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージに基づき、補正予算等を活用しながら各地域の取組を支援してきたところでございます。

 また、本年一月に取りまとめられました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策も踏まえまして、今後は、国際観光旅客税も活用し、各地域が継続的かつ計画的に過度の混雑やマナー違反対策等をきめ細かく講じられるよう国として対応するとともに、地方の魅力を生かした様々なコンテンツの造成、交通ネットワーク等の機能強化を通じて観光客の分散を推進してまいる所存です。

 また、委員から御指摘のありましたマナー違反対策につきましては、具体的に申し上げますと、車道にはみ出しての写真撮影ですとか私有地への立入りといった行為に対しまして、警備員を配置したりピクトグラムを活用してマナー啓発を進めたりといった取組を進めてきたところでございます。

 引き続き、地域と連携して、その実情に応じた取組を講じてまいります。

 また、先ほど国際観光旅客税について財務省から御答弁がありましたけれども、宿泊税につきましては、同様に、外国人のみ高い税率の宿泊税を課すことについては、総務省によりますと、自国の国民と外国人との間で異なる取扱いをしないという租税条約上の国籍無差別条項等との関係も考える必要があると承知しております。

 観光庁といたしましては、今後とも、観光客に対するマナー啓発も含めまして、地域における取組の後押しを進めてまいります。

 以上でございます。

牧野委員 ありがとうございました。

 是非、そうした対策を続けていただくとともに、ホテル代が非常に高騰した時期もございましたので、以前、コロナのときにやっていたGoToトラベルみたいな、ああいったものも非常に地域の観光需要を喚起するという意味でもいいのかなと思いますので、状況に応じて御検討いただければと思います。

 それでは、法律の具体的な中身からはちょっと離れていきますけれども、いろいろな財政のことを考える上で、しばしば、市場の信認を確保しなければいけないというふうなお話が当然出てまいります。この市場の信認という言葉が、何となく分かるようでちょっと曖昧なまま残されているかなと思いますので、この市場の信認という言葉によって具体的に何を意味されているのか、まず財務省の方から答えていただければと思います。

井口政府参考人 お答えいたします。

 特に、市場の信認という場合、国債発行における市場の信認とかでよく問われてまいります。

 国債発行におきます市場の信認とは、将来にわたる国債の償還可能性や債務の持続可能性等の点で財政に対する信認が維持され、中長期的に発行コストを抑え、安定的で円滑な資金調達が実現される状況を指すものと考えております。

 我々発行当局といたしましては、引き続き、市場の動向を注視しつつ、市場参加との丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策に努めますとともに、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくといった財政の持続可能性の実現とともに、マーケットからの信認を確保していくということと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうすると、具体的に、それが崩れたときに一体何が起きることを最も恐れているのかという点について、今度、財務大臣の立場からお答え願えればと思います。よろしくお願いします。

片山国務大臣 まさにこの五か月とか六か月ぐらいになりますが、私ども、責任ある積極財政ということで、どんと、新しい政権になって政権の政策が変わったよということを打ち出してきただけに、初めのうちは非常に誤解を受けまして、財政規律というか財政の持続可能性に全く配慮がないのではないかという一方的な批判もかなりありまして、いろいろと、マーケット上、ある意味、乱高下というかそういうこともあったりして。

 そういう中でずっと、我々は、国債発行におきましては、償還可能性や債務の持続可能性の点にあらゆる意味で疑念を持たれることがないように、市場の動向を常に注視しつつ、市場参加者との丁寧な対話を行って、私は財務省の理財局の国債管理政策というのは世界でも一流の丁寧なレベルになっていると思っておりますが、更にそのようにしてまいりたいということでやってまいってきているわけですが、今申し上げていることは、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府の債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性をしっかり実現し、マーケットからの信認を確保するということで。

 それに基づいてつくりました経済対策、景気対策、補正予算につきましても、通年での国債発行を一定限度以下に抑えるということ、それから、今、国会にお出ししている八年度の予算案につきましても、プライマリーバランスの、本当に久方ぶりのというか、初めてですよね、当初予算でも、回復に加えまして、国債依存度を、昨年も二五%を切ったんですが、更にそれを引き下げて二四・二に抑えたこと等々を御説明して、現時点では比較的落ち着いた状況にあると思いますが、これをしっかりと続けていかなければいけないという責任は強く負って、それが市場の信認ということではないかと考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 その中で、やはり国債が、新たに国債を発行したときに安定して市場で消化されるかどうかというところが、やはり信認とおっしゃっているものの中に深く関わってくるかというふうに感じております。

 アベノミクスの異次元金融緩和によって、市中銀行が保有する日銀当座預金残高は四百兆円を超えて拡大しておりますけれども、銀行からすれば、ほとんど金利がつかない日銀当座預金で保有するよりも、満期になれば確実に元本割れしないことが保証されている長期国債、日本国債のような自国通貨建て国債はリスクウェートゼロ%として評価されますが、こうしたものを買っておく方がよいという判断になるというふうに考えます。

 一方で、バーゼル3の規制では、レバレッジ比率による自己資本に対する国債保有の量の規制がかかっておりますので、市中銀行が国債の購入をためらう理由の一つにもなっているというふうに理解しています。

 こうした状況においては、日銀による買いオペで国債保有者を市中銀行から日銀に移すということが市中銀行による国債の安定消化に寄与するかと思いますけれども、日銀として、今後の国債の買入れ又は売却のプランをどのように考えていらっしゃるか、いま一度御説明願います。

中村参考人 お答え申し上げます。

 日本銀行では、一昨年の夏以降、国債市場の安定に配慮しつつ市場機能の改善を進めていけるよう、事前に計画をお示しした上で、国債買入れ額を段階的に減額をしております。現在、月に約三兆円の国債を買い入れておりまして、来年三月には約二兆円の国債を買い入れる計画まで示しているところでございます。

 買入れの減額が進捗する下で、市場機能の改善は進んでいると認識しておりますが、国債市場における日本銀行のプレゼンスがなお高いことを踏まえますと、当面は、現在の減額計画に沿いまして、予見可能な形で国債買入れの減額を継続していくことが適切というふうに考えております。

 その上で、本年六月の決定会合では、それまでの減額の経験も踏まえまして、現在の減額計画の中間評価を行いますほか、来年四月以降の国債買入れの方針についても検討する予定でございます。また、その際には、様々な関係者の御意見を伺いながら、国債市場の動向や機能度についてしっかりと確認してまいりたいと思っております。

牧野委員 ありがとうございました。

 そうしたことも通して国債がきちんと安定消化されるということはもちろん大事になってまいりますが、こうした為替や株あるいは国債利回りといったものは、市場の参加者の思惑や思い込みも含めた様々な要因で変動するものではございます。ただ、究極的には、世界の人たちが欲しがる円でしか買えない物やサービス、これを日本と日本人が生み出し続けることができる限り、円や日本国債の価値が本質的に毀損されることはない、いわゆる紙くずにはならないというふうに考えますが、財務大臣の認識はいかがでしょうか。

片山国務大臣 まさに、高市総理が常に、強い日本、強い経済をつくるというところから起点を始めなければいけないというふうに申し上げているのは、委員の今おっしゃったような側面だと思いますので、いずれにしても、投資をして、経済を強くして、様々な好循環をつくっていかないとできないことですので、そのような方向でしっかりとやってまいりたいと思います。

牧野委員 ありがとうございました。

 いわゆる超富裕層に対する課税強化もありますが、そうした富裕層の方が日本から資産を移転して出ていってしまうと、逆に減収にもなります。そうした方々が本当にこの後も日本に住み続けたいと思っていただくためには、税制だけじゃなく、国全体として、魅力ある国づくり、そして安全で、そして豊かで、そして世界に対して誇りが持てるような国の在り方というものをつくっていくことが必要だと思いますので、どうぞ、一緒に頑張っていきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 質問を終わります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、峰島侑也君。

峰島委員 本日も御質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 先ほど、牧野委員の御質問と、それに対する財務大臣のお答えを聞いていて、私自身、今年三十五歳なんですが、ちょうどバブルが崩壊したと言われる年に生まれまして、失われた三十年ということは言われますが、その失われた三十年をまさしく生きてきたという者です。そういった者の一員として、これからより強い日本の経済をつくっていきたい、そういう思いは、私も人一倍強く思っております。

 その中で、今回、まずは、責任ある積極財政における投資家とのコミュニケーション、これについて御質問させていただきたいと思います。

 今申し上げたとおり、私自身も、しっかりと国内に投資を行って、そして経済の成長をつくっていく、この方針にはこれ以上ないほど賛同しているという状況でございます。そして、この方針、責任ある積極財政の責任あるという部分がどういうことかといったときに、高市総理の施政方針演説や直近の予算委員会、その他この財金の委員会でも、度々、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくという方針が示されています。

 こちら、私自身も、今のこの経済状況を見るに、インフレ局面である、かつ、日本のインフレ局面がまさか来年終わることはないという形で感覚的には思っています。しかし一方で、世界経済がこれだけ不安定であるという中で、名目GDPが安定的に来年以降も成長していくのか、そういったところは、正直言って、かなり不確定な要素が多いというふうに考えています。

 特に、直近のイラン情勢、ホルムズ海峡が実質的に封鎖をされているという状況で、これがどのように物価高を招いて、それが需給にどのように影響を及ぼすのか。場合によっては、スタグフレーションが起きて実質的な経済がシュリンクしていくということが、これは全世界レベルで起きるという可能性は十分にあるというふうに考えております。

 しかし、そういったときでも、例えば名目GDPの成長率が想定よりも低かったというときでも、私自身としては、国内の投資、これは安定的に、長期的に、民間企業の方にとっても又は市場の参加者にとっても予見可能な形で行われていくということが望ましいというふうに考えています。

 しかし、今、安定的に政府債務残高の対GDP比を引き下げていく、こういったコミュニケーションのみであるとすると、例えば、来年、GDPの伸びがいまいちだったときに政府債務残高の伸びの方が高くなってしまう、そういったときに市場にサプライズを招いてはしまわないか、そういったことを懸念しております。

 そこで、今回御質問したい趣旨としては、本来的に、積極的かつ継続的な投資を行っていく上で、より安定的に政府債務残高の対GDP比を引き下げていくということがどういうことなのか、具体的な指標を用いて市場に対してコミュニケーションをしていく、そういった必要がないのか、そういったお考えを政府から御答弁いただきたいというふうに考えております。

片山国務大臣 御指摘をいただきました、マクロ要因で名目GDPの成長が停滞した場合でも、投資が可能になるような財政運営や市場とのコミュニケーションを図るべきではないかという御趣旨かなというふうに理解いたしましたが。

 まず、将来の名目経済成長率等については、現時点で確たることを申し上げることは非常に困難でございますが、高市内閣では、日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行うということで、先ほどからおっしゃっていただいているように、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります、こういう説明の仕方でございます。

 御指摘は、マクロ経済が停滞し、債務残高の対GDP比の上昇が見込まれるようになってしまった場合に、必要な投資が急にぷつんと止まるんじゃないか、確かにそれは非常に非合理的な行動でございますけれども、そういう御懸念かと思います。

 これまでも実は、財政健全化目標を、結構厳しめのものもあったんですが、それを掲げながら、民間の投資を促進するという観点から、二十兆円のGX、それからAI・半導体フレームのように、裏づけとなる財源を確保しつつ、必要な財政出動を行うということはやってまいりました。様々な工夫がございます。

 今後、予算編成改革の一環といたしまして、危機管理投資、成長投資などについて、GXやAI、半導体に続きまして、予算上、多年度で別枠管理する仕組みを導入し、当初予算で計画的に計上していくという考えでございまして、まさに今検討を進めているところでございますが、こうした複数年度の予算の取組も、政府予算における予見可能性を確保して、事業者や市場関係者が安心して投資をいただける環境を構築するためのものでございます。

 いずれにしても、いかなる事態でも、市場ともしっかりとコミュニケーションを取りながら、債務残高GDP比の安定的な引下げに向けて、具体的な指標も明確化しつつ、今年の骨太の方針の策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 まさしく私が懸念していたのは、今お話を聞いていて、煎じ詰めて二つのことかなというふうに理解しまして、一つは、仮に名目GDPが思ったよりも成長しなかった場合に、投資が継続できるのか。これについては、多年度の仕組みをつくっていくことによって継続的に投資を行っていくという御発言がございました。

 二つ目の、仮にそういった多年度の投資も安定的に行っていく場合に、例えば債務残高比が伸びてしまった場合に、市場の投資家たちに対してそれがネガティブなサプライズにならないのかというところが一つ懸念もありましたが、そちらについても、今年の骨太方針の方に向けて、具体的な指標等も御検討されていくというふうに理解をいたしました。ありがとうございます。

 そういたしましたら、関連いたしまして、特例公債法案について、こちらを伺っていきたいと思います。

 こちらも、今回、行財政改革を徹底していくという文言を入れるというふうに理解をしていますが、ここについて、例えば、より具体的に、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていく、若しくは、より具体的な文言が今後検討されるのであれば、そういったものを盛り込んでいくという可能性があるのか。実際は、これは日切れなので、今後検討するものについては難しいとは思いますが、そういった、より財政の健全性をアピールできるような内容にしていく可能性があるのかというところを伺っていきたいと思います。

 特に、これは、文言を入れることによって、政府の意思決定であるとか行動に制限がかかるという側面についても十分理解はしておりますが、一方で、一定、それを、自制を入れていくことこそが、市場からの信認を得ていくために効果的なのではないかというふうに考えております。また、実際に、平成二十八年度の改正の際にはプライマリーバランス黒字化という記載もあったことを考えると、こういった具体的な記載が全くそぐわないということではないかなというふうに理解をしております。

 そういったことを通じて民間企業や投資家に対して予見可能性を与えていく、こういったことの可能性についてお考えをお伺いできればと思います。

中山政府参考人 お答えいたします。

 特例公債法につきましては、平成二十四年に複数年度化して以降、特例公債を発行せざるを得ない状況の中で、特例公債の発行の授権を受ける期間、政府として財政健全化に取り組み、公債発行額の抑制に努めることを前提としまして、安定的な財政運営を図る観点から、複数年度の発行根拠を設けるといった枠組みの下、改正を行ってまいりました。

 御指摘いただきましたが、現行の特例公債法第四条におきましては、財政の健全化に向けて経済・財政一体改革を推進する旨規定されておりますが、特例公債法第四条は、特例公債の発行抑制の努力義務について規定するものであり、その取組の方向性を示す上で、具体的な目標まで法律に書き込む必要はないとの考え方によるものでございます。

 政府としましては、この枠組みの下、責任ある積極財政の考え方に基づき経済財政運営を行い、閣議決定で明確化された、骨太方針で定める令和十二年度までの経済・財政新生計画の期間を通じて経済・財政一体改革の取組を進め、債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくということで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいりたいと考えてございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 そういたしましたら、次は、所得税の基礎控除引上げについて伺っていきたいと思います。

 こちら、本日、ほかの委員の方々からも御質問があったところではあるので、多少かぶるところもあるかと思いますが、伺っていきたいと思います。

 今回、二年間の特例部分の控除がございます。これは二年後外れることが今基本路線とはなっていて、今の、本日の答弁を踏まえると、今後、経済の情勢であるとか賃金の水準を見ながら機動的に判断していくというようなことかと理解をしております。

 この基礎控除を継続するか、若しくは変更するか、そういったことの決定時期として、例えば今年中、又は例えば来年度中、そういった時期の見立てがあるのかという部分と、あとは、その際、決定の判断基準として、どのような要素が関わってくるのか。こちらについて、本日の御答弁だと、賃金水準についてのことと経済の状況というようなお話がありましたが、ほかに具体的に要素がある場合は、それを是非教えていただければなというふうに考えております。

青木政府参考人 お答えします。

 八年度税制改正における基礎控除の上乗せ特例につきましては、物価高で厳しい状況にある中低所得者に配慮したものであるということ、それから、給付つき税額控除の議論の中で中低所得者層の給付、負担の在り方を検討していくことを踏まえまして、物価上昇を先取りした二年間の時限措置として行うものとしたものでございます。

 二年間の期間が終了した後の在り方については、その時点で、経済、物価状況などを踏まえまして、丁寧に検討することが重要というふうに考えております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 そういたしましたら、ちょっと改めて御確認にはなりますが、この決定時期であるとか判断基準については、まだ確たるものはないという理解をしてよろしいでしょうか。

青木政府参考人 お答えします。

 二年間の時限措置でございますので、二年間の時限措置が切れる前の税制改正のタイミングで決定するのが通常であるとは思いますけれども、いずれにしても、経済、物価の状況などを踏まえながら、適時のタイミングで検討をするということかと思います。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 こちら、かなり生活に関係がある方々の数も非常に多く、かつ、金額もかなりの金額になるというふうに理解をしているので、ここをどのように今後決めていくのかについては、今後も引き続き御質問させていただければというふうに思います。

 そういたしましたら、次は、スマート税関プランについてお伺いしていきたいというふうに思います。

 このスマート税関プラン、税関の在り方について、より見直していく計画として、二〇二〇年に開始し、そして二〇二二年に改正されたのが最後となっている認識です。そして、最近の、二〇二五年ですね、これについては、二〇二二年プラン、それの進捗状況について発表がされているというふうに理解をしております。しかし、このプランの見直し自体は二〇二二年以降されていない。

 そういった状況の中で、既に皆さん御認識のとおり、輸入貨物が激増していることや、また世界情勢の変化、そういったことも相まって、税関のあるべき姿、それを見直す必要があるのではないかというふうに考えております。特に、先ほどの二〇二二年プラン、この進捗を見ても、一部、AI映像解析や水中ドローン、そういったものの検証が進んでいる一方で、検討が止まっている施策も多いように見受けられます。

 改めて、人員配置を含めて、プランを見直すときが来ているのではないかというふうに考えますが、この部分について政府からの答弁を求めます。

中谷副大臣 現在、財務省では、二〇二〇年に、税関行政の中期ビジョンであるスマート税関構想二〇二〇を、二〇二二年に、その施策をアップグレードしたアクションプラン二〇二二を取りまとめ、これらに沿って、主要空港におけるエックス線CTスキャン検査装置や電子申告ゲートといった先端機器の導入、航空機旅客の取締りに係る検査選定支援へのAIの活用などを実施し、税関業務の高度化、効率化等を進めてまいりました。

 御指摘のとおり、二〇二二年以降、海外通販の急増、少額輸入貨物や訪日外国人旅行者の急増、経済安全保障環境の急変など、税関を取り巻く環境は大きく変動しております。労働力人口の減少が予想される中で、こうした内外の情勢変化に的確に対応し、将来にわたり、国境における輸出入貨物の適切な管理を確保していくためには、新たな中長期ビジョンに基づく改革の推進が不可欠です。委員御指摘のとおりです。

 このような考えの下、現在、新たなスマート税関構想の取りまとめに向けて、AIデータ分析、最先端機器を駆使した貨物及び旅客手荷物検査の自動化、高度化、さらに、貿易、物流、先端技術、金融など、あらゆる分野の信頼できる国内外の民間事業者との協働の強化、高度専門人材の育成を含む次世代型の組織づくりといった点を中心に、関税局、税関で議論を行っているというところであります。

峰島委員 ありがとうございます。

 かなり多くの取組が既に検討されているというふうに理解いたしましたが、特に、税関職員の人数について、かなり取組も多い中で、ここの人数の部分が逼迫するような気配も感じてはいるんですが、その点について政府からのお考えをお伺いしたいと思います。

寺岡政府参考人 今、副大臣からも御答弁ありましたように、まず、貨物につきましては、少額貨物問題、非常に、越境ECを背景として、航空、海上貨物がコロナ前に比べても四倍、五倍といった勢いで増えてございます。加えて、訪日外国人数も、コロナ後に、昨年四千万人を超えるといった割合になってございまして、正直申し上げて、税関の現場、これは、非常に職務も多くなってございますし、厳しい環境にあるという認識でございます。

 私どもとしましては、それに応じて定員を増やしていくということは、これはなかなかできませんので、リスク分析、マネジメントを高度化し、さらには、御指摘ありましたように、なるべく資機材、AIも活用して、リスク分析、監視業務の機能を高め、対応していくつもりでございますが、定員の確保についてもしっかりと取り組んでまいりたいと思ってございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 私個人としては、定員は、必要な場合は柔軟に見直した方がいいなというふうに感じておりますので、その点も引き続きちょっと注目させていただければというふうに考えております。

 そういたしましたら、次は、一人親控除、本日、ほかの委員の方々からも御質問があった部分になります。私自身も、こちら、本会議の方でも質問させていただきまして、ちょっと改めて詳細に確認したい点が何点かございます。

 今回、一人親控除における、まず、控除額の引上げがされたこと、これ自体は大変よかったことだなというふうに思います。今回、所得控除が三十五万円だったものが三十八万円になる、金額として、ほかの引上げに比べるとかなり抑えた引上げ幅であるものの、例えば配偶者控除の控除額と平仄が取れる形になった、それ自体は喜ばしいというふうに考えています。

 しかし、引き続き、所得要件、年収五百万円を超える方については適用がされないという点、非常に私はほかの制度と見ても平仄が取れていない部分だなというふうに感じております。また、こちらは本会議の方でも指摘させていただきましたが、令和六年税制大綱についても所得要件を一千万円に引き上げていこうということが述べられていますが、本日に至るまでそこの改正がされていないということ、ここが気になっております。

 特に配偶者控除、こちらの所得要件は一千万円までとなっておりますし、所得が九百万円から先、徐々に所得から引ける控除額が減少していくんですが、九百万円の年収の方で、一人親控除と同額の三十八万円の控除が配偶者控除の方だと受けられるということを考えても、一人親控除の所得要件が五百万円であるというところ、非常に私は不自然であるというふうに感じております。

 また、ほかの一人親支援の政策、そういったところとのバランスを見て決めていますというような御答弁もあったかと思います。

 確かに、児童扶養手当など、一人親向けの支援というのも拡充はされていますが、こちらについても所得要件が非常に厳しい。まず、例えば児童扶養手当、第一子の場合、月々四万六千六百九十円、これが支給され、二人目以降は追加で一万千三十円が支給されるというものになっておりますが、まず、お子さん一人の場合、年収百九十万円までの方しか全額支給がされない、そして、年収三百八十五万円を超えると支給が全額停止になるというような制度になっています。これは、一人親の方で、お子さんを一人で育てている方の御負担から考えると、余りにも所得要件が厳し過ぎるというふうに考えています。

 NPO法人の調査によると、一九九四年時点の金額を一〇〇としたとき、最低賃金は今日までで一七七・三まで上がっていますが、児童扶養手当は一一五・五までしか上がっていない。なので、物価高であるとか最低賃金の上昇から比べても、ここの一人親に対する支援というのが不足しているのではないかというふうに感じています。

 また、一人親の家庭、今、全国では百三十三万世帯があるというふうに言われています。十八歳未満の児童がいる全家庭を見ると九百九十一万世帯、七世帯に一世帯が一人親であるということを考えても、非常にここの点について苦しんでおられる方が多数いらっしゃるだろうというふうに感じております。

 ここの一人親控除における所得要件が五百万円にとどまっている訳、ここの理由について改めて政府の方から御答弁を求めたいというふうに考えております。

青木政府参考人 お答えします。

 一人親控除については、寡婦控除の仕組みを見直すことで創設をされた経緯がございます。子を扶養する寡婦に係る所得要件を引き継ぐ形で、合計所得金額で五百万円として設定されたところでございます。

 ただ、合計所得金額が五百万円ということです。合計所得金額というのは、給与、いわゆる収入から社会保険料控除や給与所得控除を差し引いた金額でございますので、いわゆる年収という言葉で表すと、人によっても違いますけれども、年収でいくと大体七百万円弱ぐらいの水準になろうかと思います。

 先ほどまさに委員が御指摘されましたように、児童扶養手当というのは予算面における一人親世帯への支援策でございますが、これは、所得要件というのは、例えば二人世帯だと全部支給だと年収百九十万円とか、そういう水準であります。

 いずれにいたしましても、一人親控除の所得要件については、今回の見直しは一人親控除の所得要件については見直しをしておりませんが、予算面を含めた他の一人親への支援策とのバランスなども踏まえながら、引き続き検討していく必要があろうかというふうに考えております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 ほかの一人親支援政策と見比べながらということではありますが、例えば、今回、所得要件を引き上げることのネックになった事象があるのか、そもそもちょっと議論になったのかというところもあるかと思いますが、例えば財源の問題ですとか、そういったところで何かしら引上げのネックになったところがあるのかというところも併せてお伺いしてよろしいでしょうか。

青木政府参考人 まず、失礼しました、先ほどの答弁の中で、年収ベースの計算のときに、合計所得金額五百万円で、社会保険料控除と給与所得控除を足し上げると申し上げましたですけれども、正確には、給与所得控除のみでございます。そうはいっても、年収でいうと七百万円弱というのは変更はございません。

 それで、今回の税制改正のプロセスの中でこの一人親控除を見直すきっかけとなりましたのは、やはり一人親世帯の経済的負担が重いということを踏まえて、そういった御議論が与党の税制調査会の御議論の中で出て、最終的には決まったという経緯でございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 やはり、一人親に対する支援、いろいろなところで御検討されているとは思いますが、私としても、よりここの点について、控除をしていくということで、税制の簡素さ、公平さということも考えながら引き続き御提案できればなというふうに考えております。

 そういたしましたら、次は、土地売買における所有権移転登記に係る登録免許税についてお伺いしたいと思います。

 こちら、現在、軽減措置が暫定でされておりますが、今回、それの継続が改正案として出ているというふうに理解をしております。

 こちらの軽減措置ですが、元々は平成十五年に導入されたものと理解をしております。当時の状況としては、地価の下落が起こる中で土地売買の頻度が下がっていたという状況がある中で、土地売買を促進する目的で制度が開始されたというふうに聞いています。

 そして、今また、この軽減された登録免許税につきまして、まだ、これを解除する、そういった状況にないということで、これが継続されるというふうに理解していますが、しかし、今の土地の売買の状況を見たとき、特に都心部においては地価が上がっており、特に、東京の中では短期売買なども直近、問題になっております。そういった中で、この軽減措置を継続する意義があるのかというところを伺いたいと思います。

中谷副大臣 土地の売買による所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置につきましては、平成十八年度税制改正において、土地の需要を喚起し、土地の取引の活性化、土地の有効利用を後押しする観点から創設されました。

 今般の税制改正においてでございますけれども、委員御指摘のように、都心のマンション価格等々は上がっているんですが、地方を含めて見ますと、土地の取引件数がリーマン・ショック後に急落して以降、同ショック前よりも低い水準で横ばいとなっていることを踏まえまして、土地取引の活性化、土地の有効活用の促進の観点から、本措置を延長することとしております。

峰島委員 ありがとうございます。

 加えてお伺いできればと思いますが、ただいま、リーマン・ショック前よりも低い水準で土地売買がやり取りされているというような御発言がありましたが、この軽減措置、将来的にこの軽減措置自体を廃止、中止するとしたら、それは、土地売買の水準がリーマン・ショック前の水準まで回復するというところが一つの目安になるというふうに考えてもよろしいでしょうか。

中谷副大臣 現時点で具体的な水準について予断を持ってお答えすることは困難ですが、これまで、リーマン・ショックにより土地取引の件数が急落したことや、新型コロナウイルス感染症の影響等により件数が減少したこと等も踏まえて、期限の延長が行われてきたところであります。

 いずれにしても、本措置につきましては、土地の取引を含めて、経済状況等を総合的に勘案し、その期限が到来するごとに延長の必要性、合理性を検証していく必要がある、総合的に見る必要があるというふうに思います。

 以上です。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 そういたしましたら、次は、研究開発税制についてお伺いしていきたいと思います。今回、研究開発税制のかなり制度的にも細かい部分についても是非お伺いできればというふうに考えております。

 まず一つ目の御質問は、対象となる法人の認定要件についてです。

 今回、研究開発税制の対象となっている領域は幾つかございますが、いずれも非常に高度な専門性を必要とする領域となっております。例えば、AIであったりとか、量子であったりとか、そういった研究分野になります。

 私自身、こういったAIを開発する会社というのに勤めていた時期がありますが、そういったときに見ていても、そういった高度な研究をできる企業というのはかなり国内の中でも限られている、ごく一部の企業だろうというふうに理解をしておりますが、ここの、そもそも、研究開発税制の認定要件というところをお聞かせいただければと思います。

今村(亘)政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、デジタル革命の下で、巨大な資本を有するプレーヤーの登場により、科学からビジネスに至るまでのスピードが加速しており、このような科学とビジネスの近接化の時代においては、科学とビジネスの好循環を官民挙げてつくり出せるかどうかが国力や産業競争力を決する鍵となります。

 このため、令和八年度税制大綱におきまして、国家戦略として重要な技術領域への企業の研究開発を促す観点から、研究開発税制に戦略技術領域型を創設することとされました。

 また、戦略技術領域型の対象となります重点産業技術につきましては、総合科学技術・イノベーション会議、CSTIの方で示されます第七期科学技術・イノベーション基本計画において選定されます国家戦略技術領域を念頭に置いて指定することを考えております。国家戦略技術領域は、科学技術が国家の安全保障、経済成長、産業競争力と不可分の関係にある中、我が国の成長産業の創出等を進める観点から、有識者の議論も踏まえて選定されるものと承知しております。

 経済産業省としましては、こうした議論を踏まえて重点産業技術を指定した上で、重点的に後押しすべき研究開発についての計画を認定する制度を検討しており、その詳細な基準につきましては今後検討してまいりたいと考えております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 今後、具体的な条件は決まっていくということですが、是非、日本の中でもそういった研究力を持つ方々を重点的に支援するような、そんな制度であるべきじゃないかなというふうに考えております。

 また、制度の詳細についてもう一つお伺いできればというふうに考えております。

 控除率の決定について今回使われている指標が、増減試験研究費割合というものが使われております。こちら、事前に調査させていただいた限りでは、増減を基準とすることによって、そこの研究費をより企業が上げていく、上昇させていく、そういったインセンティブをつけるものだというふうに理解をしております。しかし一方で、この指標を利用することによって、例えば、予期しない事態によって研究費が下がったときに控除額が大きく下落してしまうというようなネガティブな側面もあるというふうに理解をしております。

 そこで、改めて、控除率の決定について増減試験研究費割合を利用されている意図、これについてお伺いできればと思います。

今村(亘)政府参考人 お答え申し上げます。

 企業の研究開発の成果は、広く経済全体に恩恵を及ぼすものである一方で、成果が生まれるか分からない、成果が生まれるまで時間を要するといったリスクの高いものでありまして、市場原理に任せるだけでは十分な活動が行われない可能性がございます。

 こうした観点を踏まえまして、研究開発税制は、将来の経済成長の礎となる企業の研究開発投資を後押しするためのものでございます。これによりまして、我が国の成長力、国際競争力を強化することを目的に措置しております。

 このため、研究開発税制は、企業が試験研究費を増やす増加インセンティブを強化する観点から制度設計を行っておりまして、平成二十九年度改正から試験研究費の増減に応じて控除率を設定する仕組みを導入してございます。

 この際、増減試験研究費割合の計算方法を、試験研究費の前年度ではなく前三年平均を使うことで、一時的な試験研究費の変動の影響を緩和し、継続して試験研究費を増やすことを促す仕組みとして機能するように配慮しております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 前三年平均を使用されるという点、非常に私自身もすばらしいなというふうに思いましたし、あと、制度の別の点で、赤字になった場合も三年間繰越しができるというような規定もあったかに記憶していますが、そういった点も非常にこの制度の趣旨を考えたときにいいなというふうに考えております。

 最後に、研究開発税制に関する質問としてもう一つお伺いしたい点として、今回、先ほどCSTIで選定された戦略領域ということで御説明を受けましたが、AIや半導体というものについては、既に、ビジネス上、投資対効果が見込みやすい領域になっているのではないかというふうに考えております。

 特に、国が支援するということを考えたときに、民間では取れないようなリスクを国が背中を押して取ってもらうというような役割分担が必要かなというふうに考えたときに、AIを、今、ここの、かなり破格の税制控除を使って支援していくということよりかは、よりリスクの高い、例えば量子であったりとかフュージョンエネルギー、そういったところについて重点的に支援を行っていく、そういったお考えがあるのか、そこについて御答弁をお願いしたいと思います。

恒藤政府参考人 お答えいたします。

 政府におきましては、科学技術、イノベーション創出の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、五年ごとに科学技術・イノベーション基本計画というのを策定してございます。

 現行の第六期基本計画が本年度までの五年間を対象としているということでございますので、第七期基本計画の策定に向けまして、総合科学技術・イノベーション会議の下に設置されました専門調査会において検討を進め、案を取りまとめているところでございます。

 その中では、先端科学技術の獲得が、将来の我が国の経済安全保障を支える自律性、不可欠性の確保や成長産業の創出の鍵であるということ、そして、限られた政策資源を最大限有効に活用するため、我が国として戦略的に研究開発を支援していくということが必要であるとされてございます。こうしたことから、我が国として戦略的に研究開発支援を重点化する技術領域として、国家戦略技術領域を設定をするということにしてございます。

 具体的には、経済成長や社会課題解決等の将来性、それから技術の革新性や有望性、そして我が国の科学技術の優位性や潜在性、この三つの観点から検討した結果、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙の六分野を選定するという案にしているところでございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 先ほど答弁でもありましたように、経済安保という側面も一定含まれているというふうにも理解いたしましたし、特に、その他の領域については、非常に国として注力していくことが大切な領域だなというふうに理解をいたしました。ありがとうございます。

 そういたしましたら、次に、設備投資促進税制について御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 こちらについても、効果検証の件等、前回のこちらの財務金融委員会の方でもいろいろと御質問させていただいたところでございます。こちらについて、これの代替となる政策というものがあり得るのか、ないのかというところを、まずお伺いさせていただければというふうに考えております。特に、中小企業において設備投資をしていくというときに、一つあり得る形として、設備投資をする、そのキャッシュの方の資金調達を支援するというやり方があり得るかというふうに考えております。

 私自身、元々、中小企業で働いていた経験があります。本当に、私が入ったとき、従業員が五、六人というような形でして、そのときに、中小企業庁さんがやられている資本性ローンという支援を受けたことがあります。

 こちら、資本性ローンの枠としては最大四千万という中で、本当に、小企業、中小企業の中でもかなり小さい企業にとっては、かなり金額としては大きくあり、かつ、借りる段階では利率が限りなくゼロに近いんですが、一定利益が出てくると、利益額に応じて利息が上がっていく。ある種、会社としても、利益が出てきた段階で返済をしていくことができるということで、非常に私は優れた制度だなと思いますし、何がこの制度は最もいいかというふうに申し上げると、この制度の中で一定収支が国としても見込める。ただ単に支援をするだけではなく、その制度の中で利息を得ることができる。

 今回の設備投資促進税制についても、これを行うことによって、成功した企業から、法人税の増収であったりとか、あとは雇用の創出、そういったことが見込めるということも把握はしていますが、このように、一つの政策の中で国としても果実を得ることができるというような制度の導入、これの可能性がないかという部分について、政府からの御答弁をお願いしたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 成長型経済の実現、さらには物価高を上回る賃上げを実現する、こういった環境を整備するためには、中小企業の稼ぐ力を強化していくことが極めて重要であると考えておりまして、また、我が国においては、設備投資の不足、これが潜在成長率が伸びない大きな原因であったというようなことが指摘される中で、まさに委員御指摘のように、中小企業の成長のエンジンになる設備投資、こういったことを促進することがまず大前提として極めて重要だと考えてございます。

 こうした中で、まさに資金面での支援というのができないのかという御質問でございますけれども、こうした中小企業の設備投資の資金を支援する政策金融の措置としまして、現在でも、事業ステージに応じまして、幾つかの制度を運用してございます。

 例えば、今委員御指摘のものとは若干違いますけれども、創業時に使えます新規開業・スタートアップ支援資金というものが日本政策金融公庫において運用されています。これは、創業時及び創業おおむね七年以内の事業者に対して、七千二百万円を上限として融資を行う。これは設備投資の資金にも活用できるようになってございます。

 また、若干事業ステージが進んだ中で申し上げますと、新事業活動促進資金、こういう制度がございまして、これは、一定の要件を満たす中小企業の方々、例えば、我々が持っています中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定、これを受けた事業者が設備投資を行うときに、最大十四億四千万円までの融資を低利で受けるといったようなことができる、こういった制度も運用しているところでございます。

 また、先般御質問いただいた百億宣言、そういった企業に対しても、まさに今月からそういった融資の対象に加えたところでございまして、今委員御指摘の資本性の劣後ローンにつきましても、こちらで提供するといったような制度をしているところでございます。

 いずれにしましても、こういった金融支援に加えまして、今般の提案させていただいています設備投資促進税制、さらには補助金、そういったものを適切に組み合わせて、中小企業のニーズに応じながら設備投資を促進して、稼ぐ力を強化していく、これが大事だと考えてございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 まさしく、そういった資金面の支援というところは、特に、株式市場であるとか銀行さんからの借入れというところも、大企業さんに比べるとかなり厳しい中小企業の方々にとっては非常に必要なものだと思いますし、あと、私自身もすごく実感はしたんですが、仮に、利息が将来的に高くなるですとか、何かそういった仕組みがあったとしても、ある種、事業の成長に適した形のリスク、リターンの商品があると、非常に企業としては助かるということがあると思いますので、そういった点で、単なる支援といいますか、お金を渡すというだけでなく、しっかりと政府としてもお金が回収できるような、そういった仕組みの導入というところは今後も是非お願いしたいところでございます。

 そういたしましたら、次の質問につきまして、次は、租税特別措置・補助金見直し担当室、これについて御質問させていただきたいと思います。

 こちら、紙面等では日本版DOGEというふうに言われることもあるかと思います。アメリカの効率化推進省では、元々は目標削減金額というものも掲げていますが、今回、日本で租税であるとか補助金の見直しをしていく中で、そういった目標の設定をする必要がないのかというところの御質問になります。

 私が懸念しているところとしましては、今ある租特であるとか補助金といったものは、やはりこのシステムの中で利益を受けている方々が既にいらっしゃるところですし、全て国会で審議をされて通ったものであるという中で、見直し担当室という形で行政に置かれた方々がこれを積極的に止めていくことが本当にできるんだろうかというところを懸念しております。

 なので、ある程度目標金額を定める等して補助金の見直しを積極的にしていくような、何かそういった動機づけが必要ないのか、そういった部分について政府の方々から御答弁をお願いできればというふうに考えております。

中谷副大臣 租税特別措置及び補助金の見直しの趣旨については、日本維新の会と自民党の連立政権合意書に基づき、政策効果の低い租税特別措置や補助金の中身をしっかりと見直すことに意義があるというふうに考えております。あらかじめ金額を設定いたしますと、中身より金額ありきになるという可能性がありまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

 いずれにせよ、次の令和九年度予算編成、税制改正プロセスにおきましては、要求、要望段階から一貫して見直しに取り組んでいくこととしており、年明けから二月末まで国民の皆様から募集した御提案を見直しの検討に当たり参考にさせていただきたいというふうにも考えているところであります。

 既存の取組とも連携しながら、担当大臣である片山大臣を支え、しっかり結果を出してまいりたいというふうに考えています。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 国民の方々から意見を募集したときに非常に多数の意見が来たということですとか、国民の方々の注目や期待も高い部分だというふうに理解をしております。そして、一方で、こういった補助金の見直しが難しいというか、できないと言っているわけではなくて、かなり困難を伴うものであるということは、これは論をまたないのかなというふうにも考えておりますので、これを実効性を持っていかにやり抜いていくかというところを仕組みの面からも考えていけるといいなというふうに個人的には考えております。

 それに関連して、この件についてもう一つ御質問がございます。

 今回、租特や補助金の見直しを行っていく中で、利用企業の名前の公開、そういった案があり得るのか。令和八年の税制大綱でも、利用企業の名前を公開していくこと、それを検討しますというような記載があったかに記憶しておりますが、それに対する検討状況をお伺いできればというふうに考えております。

片山国務大臣 御指摘の法人税関係の租税特別措置に係る適用企業名の公表でございますが、委員おっしゃるとおり、令和八年度の与党税制改正大綱におきまして、既に補助金等の交付先名が原則として公表されていること等を踏まえ、企業の経営戦略に与える影響や国、企業双方の事務負担等にも配慮しつつ、一層の透明化を図る観点から、具体化に向けた検討を行い、令和九年度税制改正において結論を得るとされているところでございます。

 私自身が租特と補助金見直し担当大臣の立場でもございますので、このように与党からお示しをいただいた方向性がありますので、今、これを踏まえ、きっちりと検討を進めてまいる所存でございます。

峰島委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 まさしく、こういった透明性を上げていくこと自体が補助金であるとか租特の効率性を上げていくことにもつながるというふうに考えておりますので、是非、その点は御一緒に頑張っていければなというふうに考えております。

 そういたしましたら、次に、NISAの拡充について御質問させていただきます。

 ここについても、本日ほかの委員の方々からも御質問があった部分になりますが、私が特にお伺いしたい点としましては、ここも、令和八年、今名前が出ました税制大綱の中でも、格差の固定を避けるような観点を持ちながらというような記載があったかなというふうに考えております。今回、年齢制限を取っ払って、ある種、子供の方も使えるようにするといった中で、格差の固定を避けるという観点で、制度上工夫されたところがあればお伺いしたいと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 NISAのつみたて投資枠につきましては、従来、十八歳以上とされていた対象年齢の要件を撤廃して、ゼロ歳から口座開設を可能とすることとしております。

 この決定をする際の御議論として、一つは、大学進学等の成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるようにするという観点、これを踏まえつつも、御指摘のとおり、今回の見直しが格差の固定化につながらないような配慮も必要だという点がございました。

 そういったことを踏まえまして、口座の保有者である子がゼロ歳から十七歳の間については、年間の投資枠が六十万円、これは一般の場合は百二十万円でございます、非課税保有限度額は六百万円、これは大人の場合は千八百万円が限度額でございますが、こういったことで、十八歳以上よりもいずれも低い限度額を設定するということとしておるところでございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 私自身も、このように、国民の方々の資産形成に資するような政策が望ましいというふうに思いつつ、一方で格差をどういうふうに是正していくのか。先ほど一人親の控除の話もありましたが、特に一人親の方とか、実際に所得が低くなる傾向があるということが明らかになっていると思います。そういった中で、いかに社会全体として再配分と、あとは資産形成をどういうふうにバランスを取っていくかというところは非常に大切な論点だというふうに考えておりますので、ちょっと今後も是非注目させていただければというふうに考えております。

 次に、住宅ローン控除についてお伺いをしていきたいと思います。

 今回の住宅ローン控除において、こちらも、子育て世代と子育て世代じゃない世帯において、借りられる融資の限度額が変わってくるというふうに理解をしております。特に今回、既存の住宅も含めまして、子育て世帯であれば、基本的には、そうでない世帯の方々に比べて一千万円の上乗せの借入枠があるというような状況かと思いますが、こちら、認定住宅、新築の認定住宅のみは、ここの上乗せ部分、子育て世帯の上乗せ部分が五百万円になっているというようなところがあるかと思います。この理由についてお伺いできればと思います。

青木政府参考人 お答えします。

 御指摘のとおり、住宅ローン控除における子育て世帯などに係る借入限度額の上乗せ措置は、新築などの認定住宅の場合は五百万円、それ以外の住宅は一千万円とされておるところでございます。

 これは、安全、快適な住宅の確保といった子育て世帯が抱えるニーズに応える一方で、住宅ローン控除による減収額、この減税の減収額は全体で八千億円を超える規模である中、めり張りをつけながら制度を見直していくということが重要であって、新築であるということ、それから、新築などの認定住宅は、そもそも特に高い借入限度額が子育て世帯でない場合も設定されておりますということなどを踏まえまして、上乗せ額は五百万円とされているということだというふうに承知しております。

峰島委員 ありがとうございます。

 先ほど、住宅ローンの減収額が今八千億円というふうなお話がありましたが、住宅ローンが実際に市場に与えるプラスのインパクトもある中で、ここの控除額について、今後も見直しをされていくような方向性なのか、若しくは、よりこの水準を維持していくような方向性なのか、もし政府の中で検討中のことがあれば、是非お伺いできればというふうに思います。

青木政府参考人 お答えします。

 住宅ローン控除の制度につきましては、適用期限のある租税特別措置でございます。したがいまして、適用期限を迎えますと、それぞれ、まずは要望側の国土交通省さんの方で、その時々のいろいろな状況を考えながら御要望されてくると思います。それに対しまして、私どもの方は、基本的にはお金の使い道をきっちり見て、本当に効果のあるものはどうかというような御議論をさせていただく中で、そのとき、期限の到来時に、また御議論の結果、こういったところについては新しい設定になるのか、そのまま据置きになるのか、そういった結論が出るということでございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 そういたしましたら、私から本日させていただきたかった質問は以上になります。御答弁いただきまして、ありがとうございました。

    ―――――――――――――

武村委員長 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官橋本憲次郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 次に、河村たかし君。

河村委員 河村たかし、減税こどもということで、総理を狙う七十七歳、アゲインがアローンになっておりますけれども。何遍も言ったろかと。

 一分のところを、また仲間の皆さんにシェアしていただきまして、ありがとうございます。サンキュー・ベリー・マッチ。

 まず、それでは、片山さんに聞きますかね。

 私、ずっと聞いておって、危機感を相当持っておるんだ。一番いかぬのは、マーケットの信認がなくなると、何か、財政健全化を図るとマーケットが評価してくれるという当たり前のようなことを言っていますけれども、そんなことを言って大丈夫ですか、本当に。

 僕は金がないのでいかぬけれども、マーケットの方だったら、それは、国の力をつけるのは財務省の人間じゃないんですよ、言っておきますけれども。それは、ラーメン屋のおやじであったり、一番でかいのはトヨタ自動車、それから次は、今はソニーですか、それから、ちょっと前ならパナソニックとか、またちょっと前だったらNEC、富士通、あの辺ですわね。それはでかいところですけれども、やはり、日本の国を支えておるのは納税者であって、そういう人たちがたくさんの企業をつくっていく、そういう国になっていくんだったら、国債買ったろかと思いますよ、私。

 だけれども、こんな、今日おるのはみんな、全員公務員ですから、こんなところでこういうことを言っておると雰囲気悪いですけれども、また、先ほどもちょっと言われたけれども、公務員を尊敬せないかぬという御意見もありますので。私、悪いけれども、言うと感じ悪いけれども、尊敬する気にならぬです、全然。それより、ラーメン屋のおやじやら、ちょっとでもええものをちょっとでも安く売っていく、いつ倒産するか分からぬ、銀行から、来てくれぬでもええよといつ言われるか分からぬ、そういう恐怖の上に立って、お母ちゃんにも怒られて、競争が激しいともうからぬで。そういう人たちは私は尊敬しますよ。

 ということで、片山大臣にちょっと、まず初めに、しょっちゅう、片山さんだけじゃないけれども、責任ある積極財政、あれは誰に対して責任を感じておるわけ。まずそれをちょっと聞かせてちょうだい。

片山国務大臣 高市内閣では、経済あっての財政という考え方の下に、戦略的に財政出動を行って強い経済を構築すると同時に、財政の持続可能性を実現するという方針でございます。

 責任ある積極財政というのは、強い経済と財政の持続可能性をバランスよく同時に実現することでありまして、それは、今を生きている国民と未来を生きる国民の両方に対する責任でもあると考えております。

 その上で、責任ある積極財政の考え方に基づき、日々の市場動向や経済指標に常に十分に目配りしながら、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく、こういう考え方であります。

河村委員 当たり前のことを言っておられますが、この間、私もここにおりましたときに、片山大臣が、財政運営の中で、野方図な財政政策を取るということではなくて、きちっと、責任あるの方を維持していくということでございます、こうやって言われた。こういう言い方をするということは、きちっと責任ある方を重視していくというんだから、国民皆さん全員であるはずがないわけです、当たり前のことで。

 だで、どうも、片山さんだけでないと思うけれども、これは生まれが違うからしようがないんです。私は零細企業出身だから、元々。だからやはり商売を大事にするということで。まあ片山さんの御家系がどうか知りませんけれども。

 その場合、やはり大臣が言われる責任というのは今言ったような訳が分からぬ話じゃないし、やはり、財務省を中心とする役人世界を守る、こういう世界を言っておるんじゃないの。

片山国務大臣 今私が申し上げたところの中で行政を守るということは全く出てまいらないので、どういうあれかなというふうに思いますが。

 私は二〇一〇年以来、名古屋にも後援会を持っておりまして、実は、河村元市長には私のセミナーでお話しいただいたこともございますし、河村市長に時に協力し、時に厳しい質問を浴びせていらっしゃった名古屋市会の皆様、そこから御出身で国会に来られた方もいらっしゃいますが、その議論を長いこと見てまいりました。

 しかし、名古屋市役所の皆様、一生懸命働いていらっしゃいますよ。ですから、政令市、巨大政令市でございますからたくさんのお仕事があるわけでございますが、率直に言って、私も愛知県連に身を置く国会議員の一人として様々な相談を受けて、名古屋市のお役に立つようにといろいろと仕事をさせていただいたこともありますし、ここにいらっしゃる公務員の方々もそうですけれども、みんな、国家のため、あるいは愛知県のため、名古屋のためでもいいですけれども、各々お仕えしているつかさつかさのためにしっかりやっておられるので、彼らは、GDPをつくるかつくらないかという概念ではなくて、法令を作ったり運営して、それが円滑化されるようにしているわけで、別に自分たちが経済主体だと思っているわけではないと思いますが。

 一時は、政令市の中でも神戸市のように、神戸市株式会社という形でかなり投資をしておられたところもあります。その後、経済情勢の急落で余りそのことはなさらなくなりましたけれども、様々な自由度が地方自治体にはございますから、決してそういう部分を御否定なさる趣旨じゃないんだろうなと思って今聞いておりましたが。

 今から我々が官民で支え合って経済を強くしていくための危機管理投資や成長投資をしていくというときに、河村委員のお考えに基づいてまいりますと、もしかして官による支えとか官による出資は全く要らないというお考えだと、それは、過去二十年、三十年やってきた中にもそういう御主張の方はいらっしゃいまして、そこではやはり、バブル崩壊以来、いわゆる、高市総理の言葉で申し上げると、緊縮志向がしみついていた民間セクターのお金がそれで出てこないことは二十年やってみて分かりましたから、だからやり方を変えているわけで、その辺が御理解いただければありがたいなと思います。

河村委員 何を言っておるか余り分かりませんが、名古屋へようお見えになって、そこにおられますのが、名古屋の市会議員をやっておられた方で、かつて新進党だった方でございます。仲ようしておりましたけれども。片山さんもお見えになっていた。

 官は官で多分意味はあるだろうと思いますけれども、世界史を振り返っても、本当に、官による権力的な統治が優先するのか、それとも民間の商業か、それで暮らしを楽にするのを優先するのか、これは大変大きな問題で、実は。僕は民間の方が優先すると思っておるんです。

 だで、是非、この間も言いましたけれども、高市さんにも言ってもらいたいんやけれども、あの人も新進党だったんだで、自民党的なものを壊すといってやっておったじゃないですか、一緒に。それは何かといったら、やはり、余り感じが悪いけれども、ぼんぼんばかりになって、役人がめちゃくちゃ多いですわ、今。そうなると、決まったことしかやらぬわけ。そのシンボルが、財政の方でいくと、この間言いましたように、財政法四条と地方財政法五条、めちゃくちゃなのが。

 これはちょっと初めてテレビを見ている人がおるか分からぬけれども、昭和二十二年ですね、財政法は。地財法は二十三年ですわ。要するに、役所とかそういうところは、例外はありますよ、例外はあるけれども、例外というのは公共事業ですけれども、あるけれども、要するに民間にあるお金を使っていかぬという規定があるんですよ。そういう時代からみんな抜けていって、やはり、民間の商業を隆盛させなきゃ。そういう国だったら国債は買いますよ。

 だけれども、今言っておるように、何か、ここで見ておると、出てきた役人がみんな、何か、マーケットの信認がなくなるのが当たり前だというようなことを言っておるじゃないですか、積極的にやると。(発言する者あり)言っていますよ、それ。そういう考え方は太平洋戦争直前を思い出しますね、私。緊縮財政をやると、やはり、国の力がなくなって、結局戦争になっていったわけですよ。

 ですから、大臣におかれましては、繰り返しますが、商売を盛んにさせよう、そういうふうに宣言せなあかんですよ、やはり。まず口だけ、言うだけぐらい言ってちょう、ほんなら。

片山国務大臣 どうも、先ほどからお伺いしていると、責任ある積極財政につきましてかなり曲解されているのかなという気がして仕方がないんですけれども。

 責任ある積極財政の積極というのはプロアクティブですから、先を見てかなり積極的に投資するという意味で、それは、単に規模の拡大自体が目的ではないということで、エクスパンショナリーではなくてプロアクティブという意味で、それは非常に前向きな、ここが集中投資のターゲットと思ったら相当集中的に投資して、かつ、高市総理がいつも申し上げておりますように、投資の足かせにならないように基金や複数年度予算を活用して、今まではできなかったような柔軟な、積極的な投資を、AI、半導体にいたしましても、あるいは今回、十七分野設定しております成長分野につきましても行っていく。そのために、予算のやり方についても抜本的に変えていくといういまだかつてやったことのないことをやって、強い経済をつくろうとしている政権でございます。

 目的は強い経済をつくることですので、よろしくお願いをいたします。

河村委員 いかぬな、これは本当に。商売を大事にすると言えぬのだもんね。英語でいえばビジネスですけれども、ビジネスを大事にしようということを宣言できぬのだもん、財務大臣が。これはアメリカ人が聞いたらびっくりすると思いますよ、大抵。

 ということで、この問題は余りしょっちゅうやっておっても、哲学的な。どっちかというと私は渋沢栄一さんの方なんですよ。あなたが言っておるのはいわゆる大久保さんたちの考え方ですわ、役所がきちっとやるという考えで。

 じゃ、次の話で、この間僕がここでしゃべっておったら、僕がやったんじゃないんですよ、ビデオに映っておって、ある後ろで役人の方がどうも態度が悪いというやつがネットに出て、二十万ビューもいっていますので。僕はそうは思わなかったから、だで、ここで、せっかくだで、二十万ビューもいっておられますので、是非言い訳なり言ってやってください。日銀の方のようですけれども。どうぞ。

藤田参考人 お答え申し上げます。

 日本銀行といたしましては、常に緊張感を持って真摯に国会審議には臨むように努めておりまして、随行する職員につきましても、答弁資料の精査でございますとか事実関係の確認など、審議を円滑に進めるためのサポートに注力しているところでございます。

 御指摘いただきました三月四日の委員会における職員の所作というものが、結果としてそうした姿勢に疑念を招くような形で映ったのであれば、それは大変本意ではないというところでございまして、誠に遺憾であるというふうに考えてございます。

 今後とも、国会審議の場におきましては、緊張感を持って真摯に臨むよう努めつつ、疑念を招く振る舞いがないよう改めて徹底してまいりたいと思ってございます。

河村委員 先ほど言いましたように、私はそう思っていなかったんですが、ここでしゃべっていましたから全然感じておらなんだけど、ネットに出てくると切り取られるんだよね、ああやって。だから、それはやはり、本人の名誉のためにもそういうチャンスをつくらないかぬなということで出てきていただきました。ありがとうございます。

 それで、最後ですけれども、先ほどちょっと言いましたけれども、もう一つの大きな問題で、これは片山大臣も言っておるか、とにかく、三大、要するに銀行にむちゃくちゃ金が余っておるわけです、今。借りる人がいないわけですよ、今。大変な状況になったと。これは、バランスシート不況と言う方もみえますけれども、どうやって使っていくかということで、三大メガバンクに貸せ貸せ言ったっていかぬわけ。

 だで、是非、総務省から来ていただいておりますので、総務省は、地方で使うお金を、枠を決めて、地方交付税のがまずある、地債の枠もあるじゃないですか。だから、地方で投資なんかできないんですよ、実際、新しく、これだけようけの自治体があって。だから、それを早く廃止して、地財法五条は。

 地方の役人が、公務員が、地方の金融機関と一緒になってどういうことをやっていこうかと。例えば、僕は、一人の子も死なせない名古屋とやってきましたけれども、例えば、校舎を造るだけじゃなくて、スクールカウンセラーなりそういうのとか、それから、エンターテインメントでもいいですよ、そういうのを、やはり役人がもっと働いて、民間の金融機関、銀行が大抵百ぐらいあるでしょう、銀行と名づけるのが。そういうところと一緒に企業をつくっていく努力をしていってもらえぬかな、総務省。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在においても、地方銀行と地方自治体が協力して、何らかの地域におけるプロジェクト、これを実施するということは可能でございます。ただし、委員御指摘のように、その際、自治体が資金を借り入れたりする場合に地方財政法の制約を受けるという形になっております。

 この地方財政法五条、先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、健全財政の確保、また世代間負担の公平の確保等の観点から、自治体の歳出は地方債以外の歳入をもって賄うことを原則としているものでございまして、その起債の対象経費を、原則として、公営企業に要する経費、出資金、貸付金、公共、公用施設の建設事業等に限定しているところでございまして、これは国の財政法と考えを一にするものだと認識しております。

 また、地方財政法第五条ただし書に掲げる、今申し上げたような例以外に地方債を発行するためには、別途、法律による特例が必要とされているところでございまして、例えば過疎法に基づく過疎対策事業債や、地方財政法附則に基づく緊急浚渫推進事業債などがあるというところでございます。

河村委員 そんなこと、あんたたちが、この事業はいいとか、この事業は悪いとかね。日本中の会社で、会社は何百万社あるか知らぬけれども、みんな、自分で銀行に行って、銀行の支店長に頭を下げて、計画書を出して、金を借りてくるわけよ。それで、利息を払うわけ。その利息を払う努力が世の中を進めてきたわけです。貧富の差もつくってきたわけだ。

 だで、ちょうどええチャンスだで、財務大臣にもちょっと聞いていてもらわないかぬけれども、国でやると難しいで、財政法四条は。地財法五条の方を廃止して。たくさんあるから、窓口が。地方の公務員も三百万人ぐらいおるんでしょう、全部で。みんなでもっと、座っておるだけでなしに、地域でこういうことをやろうか、スクールカウンセラーでももっとつくっていこうか、そういうことをやれるように本当にしてくださいよ。もう一言言ってちょうだい。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、地域を活性化するために、官民協力していかに地域経済を活性化していくかという問題意識を持って様々な施策を打つというのは非常に重要だと思っております。

 一方で、各団体、やはり財政規律、自治体は義務的に様々な行政を行っておりますので、そこが財政規律を維持する、ないしは将来の住民の方との負担の公平性の確保、こういう視点から現在の地方財政法五条はあると思っておりますので、その観点からいいますと、慎重であるべきものと考えているところでございます。

河村委員 本当にこんなことを総務省の人たちが、日本全国、今、千七百の自治体があって、交付税でも二十兆。それから、起債のそういうもの、地方財政計画、定めて、そこで枠をはめるわけ、十兆、たしか。十兆ぐらいしか起債をしてはいけないと決めるわけですよ。

 何か新しい事業をやるというときに、商売をやっておった人は分かると思うけれども、必ずやはり銀行に行って金を借りてやるんですよ、新しいことを。それは、テレビを見ておる人に言っておきますけれども、できないようになっておるんですよ、日本は。こういうことが財政を不健全にするんですよ。逆ですよ。そうでしょう。そういう国の国債は買いませんよ、私だったら。そんな、役人だけきちっとしておるような人は。役人の原資といったら、民間の金もうけじゃないですか。そうでしょう。ちょこっとした金もうけを積み重ねて、それが税金になるんだから。

 時間が来たようでございますのでこれで御無礼しますけれども、繰り返しますが、是非、役所は役所でええですよ、しっかりやってもらって。だけれども、全体として、やはり納税者、ラーメン屋のおやじが、一番でかいのはトヨタ自動車だけれども、を尊敬する世の中をつくらないかぬ。

 以上で終わります。

武村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十七分散会


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