衆議院

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第7号 令和8年4月14日(火曜日)

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令和八年四月十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 武村 展英君

   理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君

   理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君

   理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君

   理事 萩原  佳君 理事 田中  健君

      石井  拓君    稲葉 大輔君

      井林 辰憲君    岩崎 比菜君

      上原 正裕君    鹿嶋 祐介君

      加藤 勝信君    金澤 結衣君

      白坂 亜紀君    棚橋 泰文君

      長澤 興祐君    永田磨梨奈君

      福原 淳嗣君    藤沢 忠盛君

      藤丸  敏君    文月  涼君

      松本  泉君    三反園 訓君

      三原 朝利君    山本 裕三君

      米内 紘正君    渡辺 勝幸君

      大島  敦君    大森江里子君

      岡本 三成君    一谷勇一郎君

      近藤 雅彦君    牧野 俊一君

      土橋 章宏君    峰島 侑也君

      河村たかし君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   財務副大臣        中谷 真一君

   内閣府大臣政務官     金子 容三君

   財務大臣政務官      三反園 訓君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局総括審議官)          柳瀬  護君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            岡田  大君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  井上 俊剛君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    石田 晋也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           岩間  浩君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         服部 卓也君

   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十四日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     白坂 亜紀君

  棚橋 泰文君     藤沢 忠盛君

  新田 章文君     文月  涼君

  藤丸  敏君     福原 淳嗣君

  森原紀代子君     金澤 結衣君

  米内 紘正君     山本 裕三君

  峰島 侑也君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  金澤 結衣君     森原紀代子君

  白坂 亜紀君     浅田眞澄美君

  福原 淳嗣君     藤丸  敏君

  藤沢 忠盛君     棚橋 泰文君

  文月  涼君     永田磨梨奈君

  山本 裕三君     米内 紘正君

  土橋 章宏君     峰島 侑也君

同日

 辞任         補欠選任

  永田磨梨奈君     新田 章文君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)


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     ――――◇―――――

武村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、金融庁総合政策局総括審議官柳瀬護君外六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。一谷勇一郎君。

一谷委員 皆さん、おはようございます。日本維新の会の一谷勇一郎です。どうぞよろしくお願いをいたします。

 本日の金融機能強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案ですが、この改定の歴史は、私も少し調べさせていただいたら、過去、リーマン・ショックがあり、そしてコロナがあって、地方の銀行の経営基盤の強化であったり存続であったりとか、そういったことが改定の中身だったと思いますが、今回は、少子化、人口の減少によって、やはり、預金が減ってきて、融資がしにくくなってくるという問題の改定だと認識をしております。

 その中で、人口の減少というのは、今、すばらしい政策をいろいろやられていますが、向こう三十年間は続きますので、今回のこの改定はそういう長いスパンをもって考えていかなければならないんだと思います。

 その中で、私は、少子化を止める、人口減少を止める、お子さんが生まれる根拠は、いろいろあると思うんですが、一つは部屋の広さだというふうに思っています。都会に住むと、やはり、部屋が狭いのでなかなか子供さんを産もうという意識が生まれない。そうなると、やはり、土着愛もあって地方で生活をしたいなと思われる方は地方で住めるようにしていくのが、私は、少子化を止めていく、根拠のある政策だというふうに思っています。

 そうなってきますと、やはり、地方の商店といいますか、この財務金融ではよくラーメン屋さんの話が出てきますので、まさに私もそうだなというふうに思うんですが……(発言する者あり)いや、本当にそうやと思います。いつも勉強させていただきまして、ありがとうございます。ラーメン屋さんを守っていかなければならないですし、私は介護事業所を運営しておりますが、やはり、そういった介護事業所や医療事業所もインフラとしてしっかり機能していかなければ、そこで生活がしたくてもできなくなってくるというふうに考えております。ですので、この改定案は非常に重要になってくるというふうに思いますので、その点をしっかり認識しながら質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、資本参加制度の中にあります申請期限の当分の間というのは、なかなか皆さん、市民の方が当分の間と読むと、一体どれぐらいなんだろうかというふうに思われると思いますので、まずは、具体的にどの程度の期間を想定しているのかということをお聞きしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 資本参加制度は、二〇〇四年の施行以来、これまで四度の期限延長を重ねてまいりましたけれども、今回の法案におきましては、委員ただいま御指摘いただきましたとおり、資本参加制度を、短期的な経済情勢の変化への対応ではなく、地域の人口減少等の構造的な問題に対応していくために必要な制度として位置づけ直し、当分の間の措置としたいと考えております。

 こうした考え方を踏まえれば、人口減少を始めとした社会経済情勢や、地域金融機関の資本の状況、制度の施行状況等を総合的に勘案して、仮に地域金融機関の経営基盤の強化を図るために特別な対応が必要ないと判断できる状況が実現すれば、将来的に資本参加制度を終了することはあり得ると考えておりますけれども、現時点で、その具体的な時期は見通し難いと考えております。

一谷委員 様々状況も変わってきますし、デジタル化の波もやってくると思いますので、この当分の間というのは妥当だというふうに認識をしております。

 それでは、次の質問をさせていただきます。

 新設されます経営強化計画の変更命令は、銀行法等の業務改善命令と法的性質や効力においてどう違うのか、どう異なるのかということをお聞きしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 今回創設いたします経営強化計画の変更命令は、公的資金による資本参加を受ける以上は、より一層高い規律を確保した上で、その返済を確実なものとする必要があるとの考え方に基づきまして、資本参加先における公的資金の活用状況や返済原資の確保の状況等を踏まえ、必要な場合に、経営強化計画に記載すべき事項の範囲内で、その内容の変更を命じることを想定しているものでございます。

 一方で、御指摘いただきました銀行法等に基づく業務改善命令につきましては、預金取扱金融機関として通常求められる業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な場合に発出することが想定されているものでございます。預金者の保護や金融システムの安定等の銀行法等の目的の達成に必要な範囲内において、比較的幅広い内容の命令を発出し得るものと考えております。

 資本参加先の経営状況次第では、今後、これら二つの命令を同時に発出する場合も想定されると考えておりますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの趣旨、目的を踏まえまして、適切な監督権限の行使に努めてまいりたいと思っております。

一谷委員 ありがとうございます。

 やはり、もし金融機関が倒産してしまったとすると、預金保険機構が、幾ら直接税金ではないということが言われたとしても、最終的には税金が投入される形になると思いますので、しっかりとここは見ていっていただけたらというふうに思います。

 それでは、次は、資本参加先の適切な経営管理等の確保について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 協同組織金融機構における独立性が高い員外監事等の選任に関し、過疎地においては、完全に無関係な監事等の選任は、私は難しいのではないかなと。今、人口の減少するところの金融機関に対して、この改定をしていく中で、やはりなかなか、全く利害関係がない方の監事を見つけるのは難しいのではないかなというふうに思うんですが、その辺りのお考えをお聞きしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案では、資本参加先の協同組織金融機関で不祥事案があったことを踏まえまして、公的資金による資本参加を受ける以上は、より一層高い規律を確保した上で、その返済を確実なものとする必要があるとの考えに基づきまして、特に協同組織金融機関においては、独立性が確保された員外監事、独立員外監事の選任等を求めることとしております。

 こうした趣旨を踏まえますと、仮に地元で独立員外監事の担い手を確保することが困難な場合におきましても、協同組織金融機関に対して指導的役割を担う中央機関とも連携していただきながら、適任者の確保を図っていただく必要があると考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 これは少し話が違うんですけれども、私は自分がお世話になっている学校の監事をさせていただいておりますが、一昨年あった私学法の改正とかで、評議員とか、あと監事とかは全く学校と関係ない方を見つけろというふうな話があったと思いますが、これは結構苦労されている実態を見てきましたので、決めるのはできても、実装できなければいけないと思いますので、やはりここは、うまくマッチングするというところの支援も必要ではないかなというふうに思いますので、ちょっと発言をさせていただきました。

 それでは、次の質問をさせていただきたいと思います。

 少し、この法案の直接の関係ではないと思うんですが、この法案の肝になる部分ではないかなというふうに思っています。金融機構の変革と公的支援の実効性ということで質問します。

 今、地域金融は、メガバンクやフィンテック企業によるデジタル、さらには融資から投資へという劇的なパラダイムシフトの真っ最中にあると思います。そこで、今回の金融機能強化法による公的資金の枠組みは、金融機構、機関がこれまでのビジネスモデルを超え、地域の情報拠点として機能することを支えることができるものとなっているのかということをまずお聞きしながら、また、地域金融機構がファンド等を通してリスクを取り、経営に深く関与する投資家へと脱皮する、この挑戦を力強く支えるためのセーフティーネットとして機能するのか。デジタル化だけではなく、対面サービスの付加価値向上や、銀行員の専門性、すなわち投資家としての目利き力を磨くための支援等と併せて、政府として地域金融機関の未来への進化をどう捉えていくのかをお聞きしたいと思います。

金子大臣政務官 委員御指摘のように、地域金融機関におきましては、地域のハブ、ネットワークのハブとしての役割が期待されまして、今般の改正法案による環境整備などを通じまして、地域経済に貢献する役割を十分に発揮していただくことが重要と考えております。

 資金繰り支援にとどまらない幅広い金融仲介機能の発揮を促す観点から、金融庁としては、昨年十二月に策定、公表いたしました地域金融力強化プランにおきまして、地域金融機関によるMアンドAや事業承継、事業再生支援、経営人材確保、DX支援等を推進するための施策を盛り込んでいるほか、地域金融機関が適切なリスク管理を前提とした上で資本性資金の供給を通じて地域企業の成長を支援できるように、投資専門子会社の出資に関する要件等の見直しも併せて進めているところでございます。

 金融庁といたしましては、こうした取組を通じて、地域金融機関が地域の要として将来にわたってその役割を十分に発揮できるよう、後押ししてまいります。

一谷委員 ありがとうございます。

 日本経済新聞にも、中小企業のマネー四百五十兆円、三井住友銀行やペイペイが崩す地銀、信金の牙城という記事もありましたけれども、やはり、例えば、それが悪いと言っているわけではなくて、このペイペイさんの融資とかが本当に五分で終わってしまう、しかも、融資できるかどうかというのも、日頃のお金の出入りで上限額がすぐに決まって融資がされるというところは、なかなか地域の銀行にとっては脅威なんじゃないかなというふうに思いますし。

 今まででしたら、例えば、給料が地域の銀行に振り込まれて、公共の水道代やガス代を除いてあとは現金を引き出して、地域の商店にお金を使って、その店主さんがまたその銀行にお金を入れるという循環がされていたと思うんですが、私もですけれども、一定、やはり、ウォレットというんですか、そこにお金を入れてしまって、あとはデジタルマネーでお金を払っていくとなると、なかなか地域の銀行にお金が残っていくということが難しいのではないかと思いますし、あと、親が亡くなられたときに、その財産も、子供さんたちが都心部にいたら、そこに移し替えてしまうということも出てくると思いますので、なかなか、構造が変わっていく中で地域の銀行や信用金庫をどうやって守っていくかというのは、本当に、この改定をしながら、常に技術の進歩とともに考えていかなければならないのではないかなということを思いましたので、少し発言をさせていただきました。

 最後の質問になりますけれども、これは大臣にお伺いしたいというふうに思っています。

 私は、福祉関係で働いてきました、二十三年間。そこで思うのは、融資や投資をしていただくのも大事ですけれども、日本において、やはり寄附文化というのを少し醸成させていかなければならないのではないかなというふうに思っています。

 そこで、質問させていただきます。

 地域の経済を支えるには、融資や投資だけではなく、地域医療や福祉等の公共インフラを支える寄附による循環が不可欠ではないかと思います。信用のある地域銀行だからこそ、例えば、銀行が寄附を紹介したり、その窓口になったりといったように、地域金融機構が地域の富をインフラへ循環させるプラットフォームとなるよう、金融庁が関係省庁と連携して推進すべきではないでしょうか。このような新しい地域貢献の形に対する大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 地域が発展するために、地域金融機関には幅広く金融仲介機能を発揮していただきたいんですが、その中でも融資や投資以外の取組による地域貢献も非常に大きく期待されると思っております。

 この点、委員御指摘のように、金融機関が寄附の窓口となるという取組も既にあるやに承知しておりますが、更にもっとどういった手段があり得るか、また適しているか、地域の抱える課題ですとか、それらの金融機関の規模、特性等によって検討されていくことが望ましいと考えております。

 また、金融庁が策定、公表した地域金融力強化プランが昨年の末にできているんですけれども、様々な関係者が連携して地域企業の価値創造と地域活性化に向けた取組を促進し、地域の持続的、有機的な発展につなげるということを掲げておりますので、御意見のようなことはまさにそういったことで、非常に有機的に、いい活動でございますので、是非今後も議員の御意見、御提案を踏まえて取り組んでまいりたいと思います。

一谷委員 ありがとうございます。

 是非この寄附文化を根づかせるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

武村委員長 次に、峰島侑也君。

峰島委員 チームみらいの峰島でございます。よろしくお願いします。

 まず、本日、質疑の順序を御調整いただきまして、御協力いただきました各会派の皆様には御礼申し上げます。ありがとうございます。

 まず、今回、資本参加制度と資金交付制度、大きく二つがございますが、まず、その最初の資本参加制度につきまして、私自身、基本的なスタンスといたしましては、原則として民間企業の経営というところは自助努力、それと市場原理に委ねるべきであって、政府の介入、支援は必要最小限にとどめるべきだというスタンスを基本的には持っておりますが、今回、地域のサプライチェーンを安定化させていくという観点からは、こういった地銀さんの経営基盤が一時的に弱っている場合に、国が支援をすることを通じて、地域のサプライチェーンをしっかり守っていく、地域経済全体の安定を図っていくということの重要性も理解しております。

 また、資本参加制度については、これまでの運用につきましても、支援先が政府に漫然と依存し続けるということはなく、適切な返済が着実に進んできたというふうに認識をしております。今後も、適切なガバナンスの下、運営されていくことを期待しておりまして、今回、資本参加制度については御質問はございません。

 一方で、今回新たに設けられる資金交付制度につきまして、地方の人口減少が続く中で地銀同士の規模が大きくなっていくこと、これは収益性が高まっていくこととも直結しておりまして、国として地銀の統合は望ましいというふうに理解をしております。

 ただし、現在、利上げ局面にあって、銀行業界としては、本来であれば支援がなくても合併を実行できる体力がある、タイミングがあることなど、議論の余地があるというふうに認識をしておりますが、そうした環境の中でもなお、統合時のコストというのがネックになっていれば、そこについて国が支援をしていく、そういったところの合理性も理解をしております。

 今回、独禁法の特例措置と併せて、今後、四、五年をかけて統合を後押ししていく、統合の実績を積み重ねていくこと、こういったことは、中長期的な地域金融の安定に向けて重要な取組であるというふうに理解をしております。ただし、こうした支援が形骸化せず、実質的に統合の後押しとなるということが重要だと考えています。

 その観点から、資金交付制度について幾つかお伺いいたします。

 まず最初に、資金交付制度の実効性、具体的には、補助金がシステムベンダーへの価格転嫁に吸収されてしまうリスクについてお伺いをいたします。

 今回の制度では、システム統合コストの増額が含まれておりますが、私自身は、ここに一つ構造的なリスクを感じております。それは、実際、この支援がコストの削減、コストの支援というところに結びつかず、システムベンダーのもうけになって終わってしまうということです。

 例えば、クラウドサービスのような標準化されたようなシステムであれば、競合他社との比較であったりとか、例えばほかのお客さんに対しての提案価格であるとか、そういったところで価格の妥当性というのは比較的検証が容易であります。しかし一方で、銀行の勘定系のシステム、こういったものは、各行の業務フローであったりとか商品体系に合わせた、いわばオーダーメイドの一点物のような製品となっております。こういったオーダーメイドのシステムについて外部から検証を加えていくというのは極めて困難であるというふうに私自身は考えております。

 また、システムを提供する企業としては、民間企業として、顧客の支払い能力が上がっているときには価格を調整するというのは合理的な行動ではあり、それ自体を責めるということはできないかなというふうに考えております。

 こういった、実質、システムベンダーの価格転嫁に使われて、今回の補助金が思ったような政策効果が出ないというリスクについて、政府がどのようにお考えなのかというところについて伺いたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 一般に、金融機関のシステム構築に要する費用は、システムの規模、複雑性、あるいは金融機関の需要や価格交渉力、システムベンダー間の競争、物価、人件費の動向等の様々な要因を踏まえて、民間企業同士の交渉の中で決定されるものであると承知しております。まず、前提として、システム構築費用の価格形成に与える影響を一概に申し上げることは難しいということは御理解いただければと思います。

 その上で申し上げますと、今回創設されるシステム共同化支援では、その要件として、業務の合理化や収益性の向上が見込まれることや、共同化により確保する経営資源を活用して地域経済の活性化に資する方策を実施すること等を求めておりますので、地域金融機関にはシステム構築費用を抑えるインセンティブが働くものというふうに考えております。

 また、地域金融機関から提出される実施計画の内容を審査する金融機能強化審査会につきましても、審査会の委員の上限を現行の六人から七人へ引き上げまして、金融機関のシステムについて専門性を有する委員を選任することを検討していきたいと考えております。

 これらを踏まえれば、単に資金交付分がシステムベンダーの利益となって地域金融機関の負担が変わらないといった事態は想定しづらいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、金融庁としては、地域金融機関に対して、制度趣旨を踏まえまして、業務効率化を通じた経営基盤の強化に積極的に取り組んでいただくことを期待しております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 ただいま、企業として、特に地銀さんとしてコストを下げていくインセンティブがあるというようなお話もありましたが、私自身、元々、業務システムの提供というところをやっている中でいろいろな、特に一点物のシステムを作る方々とも話していますが、往々にして、特に地方に行くと、そういったシステムを作れるベンダーが非常に限られていたりとか、本来、相見積りを取ってというところになりますが、やはり、一点物を作っているときに、元々、ベンダーロックインとよく言われますが、システムを提供していた会社が引き続きそのシステムの更新にも携わっていくというような構造があるというふうに思っていまして、顧客企業からの価格統制というのは非常に難しいというふうに認識をしております。

 一方で、システムに精通されている委員の方がそれをしっかり審査するというのは私は有効だというふうに考えておりますので、是非、その点、進めていただけると幸いです。

 こことも関係するんですが、資金交付制度全体の効果検証の枠組みについてもお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 この制度全体の方向性につきましては、冒頭でも申し上げましたとおり、私は賛成をしておりますが、念のため、今後、どのようなスパンで何を計測する予定なのかというところを是非確認させていただければと思っています。例えば統合件数というものを見ていくのか、統合後の経費率の変化や、若しくは、地域への貸出しの金額、残高、そういったものを見ていくのか、今どのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の資金交付制度の期限の延長、拡充は、人口減少等により地域経済が厳しい状況にある中で地域金融機関が引き続き地域経済を支えていけるよう、将来を見据えた合併、経営統合やシステム共同化による業務の効率化を通じた経営基盤の強化に向けた取組を後押ししていくためのものでございます。重要なのは、合併、経営統合やシステム共同化を含めた多様な選択肢の中から各地域金融機関がその実情に適した対応を選択することでございまして、件数の多寡により政策効果を判断することは必ずしも適切でないと考えております。

 その上で、地域金融機関が提出する実施計画におきましては、地域経済の活性化に資する施策のほか、システム共同化の場合には業務の合理化や収益性の向上に関する事項等の記載を求めてまいりますところ、金融庁としては、まず、その履行状況についてしっかりフォローアップしてまいりたいと思っております。

 また、本法案では、施行後五年ごとに、制度の施行状況等を勘案し、必要に応じて見直しを検討することとしておりまして、その際は、例えば学界の有識者の意見を聞くなどしながら、どういった検証の在り方が適切かということもよく検討してまいりたいと思います。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 私自身も、統合の件数を追うというのは違うと思っていまして、地域経済がどれだけ活性化されたか、若しくは、それが維持されたかというところをしっかり見ていく、その上でどんな指標が望ましいのかということだというふうに考えておりますので、その点、引き続き、是非御検討と、あとは、是非こういった委員会の場でも教えていただければというふうに考えております。

 そういたしましたら、より中長期の地域金融機関の在り方というところについて、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っています。

 地域金融力強化プランにおいては、地銀が金融機能にとどまらず、あらゆる地域経済への貢献を通じてより地域経済にとって重要な存在となっていくということが示されておりまして、その中の例として挙げられているところが、例えば人材の紹介、あっせんであるとか、MAのマッチング、地域のDXを牽引する担い手という役割もドキュメントに記載されているかと思います。

 方向性としては理解をしておりますし、そういったポテンシャルは非常に大きいと思いつつ、先ほど御答弁にもございましたとおり、例えば資本性の資金を投入していくですとか、これまでどおり融資をしていくという金融機能というのは地銀さんはかなり強いと思う一方で、例えば人材の紹介をしたりですとか、あとは、DXを牽引するというためには、多様な専門性を持つ人材を抱えていく必要があるというふうに理解をしております。しかし、地方の地銀さんが自力でそういった人材を確保し続けることというのは一定程度ハードルが高いだろうというふうに考えております。地方における人口減少であるとか人材流出といった問題は、何も、民間企業、いわゆる一般の事業会社の方々だけにとどまった話ではなく、地銀の方々も同じ問題に直面されているかと思います。

 そういった中で、地銀さんがそういった人材を確保するために国として何かできることがあるのかというところを是非お伺いできればというふうに思っております。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域金融機関は、地域の顧客企業に有効な支援を選択し実行していくことも重要でございまして、こうした支援を実行できる人材を地域金融機関が確保、育成していくことは非常に重要なことでございまして、当庁といたしましても、近年、地域金融機関とは、人的な資本に関しまして、将来のあるべき姿、ビジョンなどや、それに向けた人材の獲得、育成の戦略等について対話をしてきたところでございます。一方で、現実問題として、今お話ございましたとおり、人材の確保について多くの金融機関が非常に苦労しているのも、現状、そのとおりでございます。

 こうした中で、各地域金融機関の人材確保の戦略というものは、一概にちょっと申し上げることは難しいわけでございますけれども、私たちが対話の中で聞いているところでございますけれども、例えば、専門性の高い人材獲得のために外部のエージェントを利用しているといった事例ですとか、あるいは職員の有するスキルというものも可視化いたしまして、それを行内での配置に活用している事例などが確認されております。

 こうした様々な工夫が確認されているところでございますけれども、こうした事例を他の金融機関にも展開して共有していくということもやっているところでございます。

 引き続き、私たちといたしましても、地域金融機関の人材確保に向けた取組についてモニタリング等をしっかりやっていきたいと思っております。

峰島委員 御答弁ありがとうございます。

 私自身も、昔、小さい会社の財務担当をしていたときに、銀行の方々に大変お世話になりましたが、やはり財務の面ですとかそういったところの貢献は非常に大きかったですし、あとはビジネスマッチングみたいなものですね。やはり、私、結局、自分がやっていた会社を売却するということになったんですけれども、そのときの売却先の選定というところが、なかなか自分たちで動くと難しいという中で、各買手候補の会社さんたちの実情も知っている銀行が間に入ることというのは非常に価値が高かったと思いますので、そういった金融の周りからまず始めていくというのが個人的にはいいんじゃないかなというふうに考えております。

 最後に、ちょっと、最後は発散的なディスカッションになる可能性があるんですが、金融機関以外の買手による地銀さんの統合ということの可能性についてお伺いをしたいと思います。

 金融機関以外の業種で外部資本が参加することによって、例えば、今まで地銀さんが持っていた人的資本であるとか、あとは経営の効率性というところが上向くということは十分に考えられるというふうに考えていまして、海外に目を向けますと、例えばイギリスで、フィンテック企業のタンデムというところがハロッズバンクというところを買収したんですが、その結果、元々赤字企業だったんですが三年連続で黒字になって、二〇二四年は過去最高益を出しているというような事例がございます。

 日本でもこういった事例が今後起き得る、当然、銀行業の資格を取った上でということにはなると思いますが、起き得ると思っていますが、そういった他業種による資本参加について、現状、政府としてどのように御認識か、それについて何か促進していくお考えがあるかというところをお伺いできればというふうに考えております。

武村委員長 片山大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に御答弁願います。

片山国務大臣 銀行法におきましては、銀行業務の高度な公共性に鑑みまして、その健全かつ適切な運営を求める観点から、経営陣に対しては、銀行の経営管理等に関する知識経験や、社会的信用の面で極めて高い資質を備えることというのを要求しております。御存じだと思います。

 事業会社等が銀行の株式の取得を行うかどうかは、個々の主体の投資判断や経営判断に基づいて行われるものでございまして、足下でも、他業種の事業者と銀行との資本提携の事例というのは、地方においても見られてはおります。

 金融庁のスタンスといたしましては、例えば地域の金融機関と他業種との資本提携、これにつきましては、地域の金融機関と資本提携する事業会社等との間で建設的な対話や実効性のある連携、協業が行われて、その結果、地域金融機関の持続可能性の確保ですとか地域経済の活性化につながっていくということが重要というふうに考えるスタンスでございます。

峰島委員 御答弁ありがとうございました。

 是非、今後の可能性についても引き続きディスカッションできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、私の質疑は以上になります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、大森江里子君。

大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。

 本日は、金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 片山大臣、本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 地銀、信金、信組といった地域金融機関は、人口減少や少子高齢化という構造的課題に加えて、デジタル化への対応、さらには不透明な国際情勢の中で経営基盤の強化を迫られています。今般の改正の意義、また政府の持つ問題意識については、私も同じ危機感を共有しているところでございます。地域経済の毛細血管である金融機関が目詰まりを起こせば、その影響を真っ先に受けるのは地域の中小企業、小規模事業者であり、なかんずく住民の皆様でございます。

 昨年十二月十八日に公表された地域金融力の強化に関するワーキング・グループ報告書では、地域金融機関を取り巻く課題とその役割を強化するための論点が、主に、地域企業の価値向上への貢献、地域課題の解決と、地域金融力発揮のための環境整備の二つの側面から、議論、整理をされています。

 その背景の一つには、人口減少や少子高齢化の進行と、地域社会の担い手不足、地域産業の規模縮小など、社会経済環境の変化があります。

 背景の二つ目は、現状、地域金融機関は全体として十分な健全性を有していますが、個人預金量が減少する機関が増加をするなど、経営状況の二極化の兆候が見られ、それに加えて、サイバー攻撃やマネーロンダリング対応等には高度なシステムや専門性が必要とされるなど、金融サービスを安定的に提供するためのコストは増大をしており、専門人材の確保も求められています。

 一方、地域金融機関には、従来の資金繰り支援にとどまらず、地域企業の価値向上への貢献や地域課題の解決や、地域企業の持続可能性を図るための多面的な後押しが求められております。

 今回の改正案は、期限が到来した資本参加制度及び資金交付制度について、期限の長期的な延長と併せて、大規模な自然災害や感染症に備えた災害等特例の常設化や、資金交付制度の交付上限額の引上げなどの拡充がなされておりまして、その意味からも、今回の金融機能強化法の改正は、時宜を得たものと評価をしております。

 私はこれまで、長年にわたりまして、税理士として多くの中小企業の皆様とともに歩んでまいりました。現場で経営者の皆様と資金繰りや事業継続の御相談をお伺いする中で、地域金融機関、信用金庫さんなどにも協力をお願いすることがございました。苦境にある中小企業に対して共に解決策を見出してくださり、場合によっては経営会議などにも一緒に参加をしていただいたりと、担当者の皆様、金融機関の皆様には感謝をしております。しかし、その一方で、残念ながら、現場のニーズと乖離した対応が見受けられるケースもございました。今回の法案によって、地域金融機関が現場の中小企業など地域社会からの期待に応え続けていくための環境整備に資するものになるようにとの思いを込めまして、質疑を行わせていただきます。

 初めに、地域企業の価値向上に向けた具体的な支援策についてお伺いをいたします。

 現在、多くの中小企業が人口減少や後継者不足などの構造的な課題に直面をしております。そして、単なる資金繰り支援にとどまらず、経営改善や事業承継といった、より踏み込んだ伴走支援のニーズが高まっております。

 地域金融力の強化に関するワーキング・グループ報告書では、地域金融機関に対して、中堅企業やスタートアップへの成長支援、MアンドA、事業承継や経営人材確保の支援、さらには生産性向上のためのDX推進など、多面的な後押しが求められています。しかしながら、これを実行するには、業種ごとに異なる高度なノウハウや専門人材が必要不可欠であると思います。

 今後、地域金融機関が、従来の預貸業務の枠を超えて、地域の金融インフラの維持だけではなく、地域経済に貢献する地域金融力を最大限に発揮できるよう、政府としてどのような後押しや環境整備を行っていくお考えをお持ちなのか、お伺いをいたします。また、国内外の市場開拓に知見を有する内外のプレーヤーと連携して、地域ネットワークのハブとして企業価値の創造を総合的にサポートできるよう、どのような実証実験や支援体制の構築を進めていくおつもりか。以上二点、大臣の御見解をお伺いをいたします。

 そして、大臣、今日は私、たっぷり時間をいただいておりますので、是非とも大臣の御見解をじっくりとお聞かせいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 今委員の大変力のこもったお話を伺っていて、そうだろうな、現場ではというのが、私もひしひしと感じられるところでございますが。

 金融庁としては、昨年末に、地域の金融機関が一層地域の経済に貢献して企業を育てていけるように地域金融力強化プランというのを取りまとめさせていただいたので、このプランに基づいては、地域金融機関がMアンドAも取り次いで、事業承継も後押しして、事業再生支援もまとめて、また、経営人材も確保して、DX支援、この中には人材もありますわね、そういうことが、もうやってほしいことがてんこ盛りなんですけれども、この施策を掲げておりまして、これを強力に推進しているという方針でやっております。

 その際に、高度なノウハウや専門人材の確保が必要になります。それは率直に言って足りておりませんが、そういったこともありますので、金融サービスの安定的な提供のためのコストというのは人材面も含めて増えております。それで、今回御審議いただいている金融機能強化法において、地域金融機関が十分に経営基盤を確保できるように資本参加、資金交付制度の期限延長と拡充等を盛り込んだ、そこにも大きな眼目があるわけでございます。

 金融庁といたしましては、こういう制度面での環境整備も通じて、地域の金融機関が、地域において、将来にわたってその役割を十分に発揮できるための選択肢を増やそうという考えで臨んでおります。

 特にお尋ねがございました実証実験ですとか支援体制については、地域から全国や海外の市場に飛び立っていく企業を生み出していくため、またまた、海外に売りたいという地域の今育っている企業というのはたくさんあるんですが、そこに地域の金融機関が、必ずしもぴたっと手を当ててもらえていないんじゃないかみたいなお話は私どものところにもたくさん来ます。

 それは、地域の金融機関自身のノウハウの問題もあるんでしょうけれども、人材が足りないという問題もあるので、そういう企業を生み出すために十分なパートナーになれるように、知見を有する様々なプレーヤーと連携して、地域の企業の成長支援を行う具体的な事例を一つでも多くつくって、それを共有して、また、地域経済活性化支援機構、通称REVICというものもございまして、研修をやっているんですよ。これもまだまだ足りないかもしれませんが、地域の金融機関の職員の皆さんに対して、企業価値創造の総合的な、また多種多様なサポートに関して知見を得ていただいて、それを提供していただくということで、成長の後押しというのを強化してまいりたい、かように考えております。

大森委員 ありがとうございました。是非とも、片山大臣の陣頭指揮の下、強力に推し進めていただきたいと思っております。

 次に、地域金融機関の基盤強化に向けた制度面での対応と不祥事を受けた監督体制の在り方についてお伺いいたします。

 先ほどの報告書では、本年三月末に申請期限を迎えた資本参加制度及び資金交付制度について、将来の経営基盤強化のために長期的な目線での期限延長や拡充が提言をされ、今回の改正となりました。その一方で、資本参加先の協同組織金融機関において、制度の趣旨に反する極めて不適切な行為が長年にわたり行われていた事案が明らかとなっていまして、モラルハザードが強く懸念されています。

 本改正案において長期的な期限延長を行う以上、金融機能強化審査会による全件の事前意見聴取や員外監事の選任といった外部チェック機能の強化に加えて、金融庁による深度あるモニタリング体制の抜本的な強化は不可欠であると考えております。

 一方で、現場への過度なモニタリングによって金融機関の積極的な支援体制が萎縮することは、資本参加先であるかどうかを問わず、避けなければならないと思っております。特に、経営強化計画のフォローアップ等で当局の関与が高まる資本参加先については、一定の配慮が必要ではないかと思います。

 金融機関の経営基盤強化と地域支援への関与を促す制度改正の二つを金融庁として今後どのようにバランスを取っていく方針なのか、大臣にお伺いいたします。

片山国務大臣 本改正案におきまして、資本参加の申請に当たって地域金融機関が提出する経営強化計画には、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化、地域経済の活性化に資する方策といったことを記載するということになってございます。

 その上で、金融庁においてモニタリングを行うわけでございますが、そこでは、不祥事案、不祥事等の未然防止等の観点から、資本参加先の経営管理体制や法令遵守の体制等について検証を行うだけではなくて、こうした経営強化計画が着実に実施されて地域経済の活性化が図られるように、継続的にフォローアップを行っていくことも想定しております。

 したがいまして、金融庁によるモニタリング体制の強化と地域金融機関による地域経済の活性化に向けた取組は、両立できるもの、両立してもらわなければ困るものという考え方でございまして、決していたずらに厳しくし過ぎて活性化を失わせるようなことがないように、今後とも、資本参加先を含む地域金融機関が地域企業の価値向上や地域課題の解決に向けて取組を進めていくことができるような形で後押しをしてまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございました。是非ともバランスを保ちながら行っていただきたいと思います。

 続きまして、環境変化を見据えた将来の対応と今後の金融行政の全体像についてお伺いをいたします。

 先ほどの報告書では、将来的な人口減少の影響は地域金融機関の預金サイドだけでなく、今後は貸出しサイドにも及ぶことが想定をされ、さらに、金利環境の変動が地域金融機関の収益性や健全性に与える影響について、定量的なデータに基づいた説得性のあるシナリオを用いて深度ある検証を行う早期警戒制度の見直しが提言をされています。

 地域金融機関が自律的に健全な危機意識を持って、将来にわたって十分な収益基盤を確保しながら地域経済とともに力強く発展していくために、金融庁としてどのような基本姿勢で金融行政を展開していくのか、大臣の御所見をお伺いいたします。

片山国務大臣 人口減少のほか、金利環境も変化する中、抜本的な経営改革に踏み込めない地域金融機関に対しては、客観的な将来予測に基づく健全な危機意識を共有して早めの対応を促す必要がございます。

 こうした中、昨年末に取りまとめた地域金融力強化プランにおきましては、行政上の予防的措置を講ずる早期警戒制度について、将来の人口動態や金利変動等について定量的なデータに基づいた説得性のあるシナリオを設定し、当該シナリオの下における収益性や健全性の変化を個別金融機関とも共有しながら、より深度のある検証を実施する等の見直しを行うことにしております。

 金融庁といたしましては、引き続き、健全な危機意識を共有しつつ、自らの経営基盤を強化して、地域企業の企業価値の向上や地域課題の解決に向けて幅広い金融仲介機能を発揮できるような金融機関たれということで、あらゆる政策を動員してまいる所存でございます。

大森委員 ありがとうございました。地域金融機関が力強く地域に貢献していけるようによろしくお願いいたします。

 続きまして、関連で、人口や経済規模に対して銀行の数や店舗数が多過ぎるというオーバーバンキングの問題についてお伺いします。

 地域金融機関の適正数について、金融庁はどのような現状認識を持っていらっしゃるのか、お伺いをいたします。また、人口減少化社会の進展等により、今後、金融機関の統合再編の動きも加速するものと考えておりますが、今後の望ましい数の水準というものを具体的に想定をしているのか。以上二点をお伺いいたします。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 合併や経営統合については、個々の金融機関の経営判断に属する事項であることから、金融庁として、地域金融機関の適正数や数の水準を設定することは適切でないと考えております。

 地域金融機関におきましては、地域経済の状況を含む自らの置かれた環境や今後の展望を踏まえて、地域企業の価値向上と地域経済の持続的な発展を実現するための経営基盤の強化を重要な経営課題と認識をし、そのための経営改革に着実に取り組んでいただくことが重要であります。そういう意味で、合併や経営統合についてはあくまで選択肢の一つであると考えております。

 一方、こうした経営改革の一環として組織再編という手段を選択する金融機関も見られておりまして、金融機能強化法の資金交付制度はこれまで計七件の活用実績があるほか、足下でも地域金融機関の合併や経営統合に向けた複数の動きが見られます。

 金融庁としては、今般の資金交付制度の期限延長、拡充をお認めをいただくことで、こうした合併や経営統合という選択肢を取る地域金融機関の経営判断を後押しできると考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 続きまして、今後、我が国は想定よりも早い人口減少や少子高齢化が進行をする中で、国内におけるあらゆる事業者にとってますます厳しい事業環境になることが懸念をされています。そのような状況の中で、金融機関に限ってこのような支援策を取る必要性、合理性について、様々現場でも御意見が出ているところでございますけれども、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、今後、人口減少等の進行によりまして、金融機関に限らず、地域の様々な事業者がますます厳しい状況に置かれることになると考えております。

 こうした中で、地域金融機関は、地域経済の要として、地域企業への資金供給にとどまらず、企業価値の向上や地域課題の解決に向けた幅広い金融仲介機能を発揮しながら地域経済に貢献していく役割が求められているところでございます。その役割を将来にわたって発揮していく上で、まずは地域金融機関が経営基盤を強化し、リスクテイク余力をしっかり確保していただくことが重要でございます。

 本法案は、金融機能強化法の資本参加制度と資金交付制度の期限延長、拡充により、そのための環境整備を図るものでございます。こうした対応は、単に地域金融機関だけを支援するためのものではなくて、地域金融機関がその役割を果たしていくことを通じて各地域で活動する幅広い事業者に裨益する、合理性がある対応であると考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 この制度によって地域金融機関が役割を果たしていくというお話がございましたけれども、是非とも、地域金融機関が地域の経済に貢献をしていく、そのような姿勢で取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 次に、資本参加制度についてお伺いします。

 資本参加制度は申請期限を当分の間へと変更することとしていますが、過去四度にわたって期限延長を繰り返してきた経緯を踏まえますと、なぜこのタイミングで期限を設けない運用に踏み切るのか、お伺いをしたいと思います。

 また、資金交付制度は、二〇三一年三月末までの五年間延長することになっています。なぜ、資金交付制度と資本参加制度、異なる期限としたのかについてもお示しをください。

 例えば、五年ごとに申請状況を勘案して申請期限を延長する方法もあるのではないかというような御意見も現場ではございました。一方、制度の背景を考えれば、当分の間ではなく、制度そのものを恒久法にしてもいいのではないかといった御意見もございました。そのような御意見に対する御見解をお聞かせください。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 大きく三点お尋ねがございました。

 一点目、当分の間の措置とする理由ですけれども、まず、御指摘いただきましたとおり、二〇〇四年の施行以来、本制度は四度の期限延長を重ねてきたところでございますけれども、今回の法案におきましては、資本参加制度を、短期的な経済情勢の変化への対応ではなくて、地域の人口減少等の構造的な問題に対応していくための必要な制度として位置づけ直しておりまして、そのため、当分の間の措置としたいと考えております。

 二点目、資金交付制度の延長幅につきましてですけれども、将来を見据えた経営基盤の強化のための対応を早期に決断するインセンティブを確保するという制度趣旨と、あと、資本参加制度と異なりまして、地域金融機関からの返済を求めない資金を交付する制度であって財源に限りがあること、これらを踏まえまして、一定の期限を区切ることが適当と考えております。

 その上で、具体的な延長幅につきましては、資金交付制度と同様の政策目的を有します独占禁止法の特例法の廃止期限、二〇三〇年の十一月ということも踏まえまして、政策効果の発揮を期待できる期間として五年間の延長が適当と考えているところでございます。

 三点目、五年ごとに延長を検討すべき、あるいは恒久法とすべきという御意見についてでございますけれども、地域金融機関がどのように経営基盤を強化するかは、本来的には地域金融機関自身の経営判断により、市場の自由な取引の中で対応することが望ましいと考えております。その意味で、国による資本参加制度は、あくまで恒久法ではなく特別措置とすることが適当と考えております。

 その上で、本法案では、施行後五年ごとに、改正後の法律の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときには法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。

大森委員 ありがとうございました。

 次に、金融機能強化審査会の権限についてお伺いします。

 本改正で経営強化計画の変更命令が創設されていますが、それはこの金融機能強化審査会の権限で変更命令が出されるのか、金融庁長官名で行うのか、お伺いをいたします。

 あわせて、金融機関の申請時に経営強化計画を提出することとなっていますが、その審査については、一義的に金融機能強化審査会が担うのか、それとも金融機能強化審査会は意見聴取にとどまって金融庁が担うのか。審査会にどこまで踏み込んだ審査権限を与えるのか、お伺いをいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、経営強化計画の変更命令につきましてですけれども、監督当局の責任において発出する監督上の措置の一つと位置づけておりまして、金融機能強化審査会の関与はなく、金融庁の判断により、内閣総理大臣から権限の委任を受けた金融庁長官名で変更命令を発出することとなります。

 次に、金融機能強化審査会は、法律上、監督当局に対し、金融機関から提出された経営強化計画の内容についての意見を述べる機関というふうに位置づけさせていただいております。そのため、審査会は関係行政機関に資料提出等の必要な協力を求めることができることとされておりまして、これまでにも、経営強化計画について、その実現可能性や妥当性、計画の履行状況のフォローアップに当たって留意すべき点等について、充実した審議を行っていただいております。その上で、最終的には金融庁が審査会の意見も踏まえまして資本参加の可否を決定することとなっておりまして、こうした枠組みにつきましては、今般の法案においても変更を加えておりません。

 いずれにいたしましても、金融庁としては、資本参加後も審査会での意見を踏まえたフォローアップを行っていくなど、適切な制度運営に努めてまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございました。

 続きまして、大規模な災害や新たな感染症の蔓延等による経営基盤の脆弱化に備えて、資本参加制度の特例をあらかじめ整備することになっております。具体的には、特例が適用される災害等を内閣総理大臣が指定し、告示することとしていますが、その指定の基準はどのように決めるのか、お聞かせいただきたいと思います。

 過去の東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の蔓延時の特例と比較して、どのような事態になれば発動されるのか、激甚災害等の指定を参考にするのか否か、予見可能性の観点からお伺いをいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 被害の態様や地域金融機関への影響は災害等によってまちまちでございますので、制度の柔軟性や実効性を確保する観点から、資本参加制度の特例の対象となる災害等について、あらかじめ詳細な基準を設けることは必ずしも適当ではないのかなというふうに考えております。

 その上で申し上げますと、これまでに東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の蔓延に際して資本参加の特例を設けてきた経緯を踏まえれば、例えば、甚大な被害が想定されております南海トラフ地震等は該当し得るものというふうに考えております。

 御指摘いただいた激甚災害との関係については、激甚災害に指定されれば自動的に資本参加の特例の対象とするといったような対応は想定しておりません。

 いずれにいたしましても、金融庁として、あくまで個別の災害ごとに、地域金融機関やその取引先の財務に与える影響や、金融仲介機能の維持強化の必要性等を総合的に勘案しながら、地域金融機関が迅速な地域経済の回復に貢献できるように、適切な制度運営に努めてまいりたいと考えております。

大森委員 ありがとうございます。

 大規模災害に備えるということですけれども、現下で注視すべきは、緊迫の度を増すイラン情勢を始めとする中東の地政学リスクと考えております。原油価格の高騰、物流の混乱、そして世界的なインフレ圧力、これらは、我が国の実体経済を直撃するだけでなく、金融市場の不確実性を急激に高めているため、報道では、災害級打撃と表現する経営者もいらっしゃいました。かつてのオイルショックを思わせるエネルギー危機が懸念される中、地域金融機関の取引先である中小企業は、コストプッシュ型のインフレによって資金繰りが極めて厳しい局面を迎えています。

 このような、いわば平時とは言い難いリスクが顕在化している今、公的資金による資本参加の枠組みを維持拡充することは、万が一の際の備えとして、あるいは地域経済の防波堤として機能させるという意義は十分あると考えますが、今述べたような現下のリスクについて、特例の適用となるのか、政府の御見解をお伺いいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 災害等に関する資本参加の特例につきましては、これまで東日本大震災と新型コロナウイルス感染症の蔓延に際して設けてきた経緯を踏まえまして、今般の常設化に当たりましても、大規模な災害と感染症の蔓延ということにつきましては対象とすることとしております。

 ただいま委員御指摘いただきました地政学リスクの顕在化に伴う経済情勢の変化につきましては、災害や感染症の蔓延といいました地域金融機関の経営とは全く無関係の自然発生的な事態とは、ややその性質が異なるものというふうに理解しております。また、地域金融機関には、そういった金融市場の変動等に備えまして、平時から十分なリスク管理を行うことを求めております。というようなことを踏まえまして、災害等と同列に扱うことは適当ではないというふうに考えておりまして、それについて特例が適用されるということは想定しておりません。

 しかしながら、今後も、こうした経済情勢の変化に際しては、必要に応じて、特例ではなく本則に基づく資本参加を活用していただくことで、地域金融機関が地域経済の回復、活性化に貢献していただくということを期待しております。

大森委員 ありがとうございました。

 続きまして、次に、中小企業、小規模事業者への経営支援について伺います。

 地域金融力の強化は、地域の中小企業や地場産業が持続をし発展していくための極めて重要なインフラ整備ですが、金融機関のみで支えることにも限界があり、経営支援を行う公的な支援機関との連携が極めて重要であると考えております。

 一例として、中小企業庁が所管をするよろず支援拠点というものがあります。国が全国四十七都道府県に設置している無料の経営相談所でございまして、中小企業や小規模事業者などを対象に、中小企業診断士や税理士、弁護士といった専門家が売上げの拡大などの攻めの支援から事業再生などの守りの支援までワンストップで対応する重要な役割を担っております。

 しかし、現場の声を聞きますと、経営者の方の中には、強い自負、プライドがあるがゆえに、経営状況が悪化をしても、自力で解決できると抱え込んでしまって、相談に来られたときには既に事業継続が極めて困難な瀕死の状態に陥っているケースが少なくないとのことでございます。

 早期の段階で支援の手が入れば、廃業を回避し、再生や事業承継へとつなげられる可能性が格段に高まってまいります。そのためには、経営者にとって最も身近な存在である地銀、信金また信用組合といった金融機関と、よろず支援拠点や商工会議所、商工会などの支援機関が、これまで以上に緊密に情報を共有して連携していくことが不可欠だと考えております。経営者の手遅れを防いで、早期相談、早期支援を定着させるため、今後どのように連携を強化させていくのか、政府のお考えをお伺いいたします。

岩田副大臣 お答えいたします。

 委員の御指摘のとおり、中小企業の経営改善や事業再生等の促進に向けましては、その経営課題が解決不可能となる前に、個別の実情を踏まえて金融機関と支援機関が連携をして早期対応を進めていくことが極めて重要であります。

 こうした認識の下で、二〇二四年四月に適用を開始しました改正監督指針では、今後の経営改善、事業再生支援ニーズの更なる高まりも見据えて、ほかの支援機関や金融機関との連携強化や、事業者の個別の実情にも応じて一歩先を見据えた早期対応に取り組むことを監督上の目線として掲げて、金融機関に働きかけを行いました。

 金融機関と支援機関とが連携をした早期対応として二〇二四年度の実績の一例を申し上げますと、中小企業活性化協議会による再生計画策定支援の完了件数のうち、約七割が金融機関の持込みによるものとなっているほか、また、事業承継・引継ぎ支援センターへの橋渡しに向けて、その他の支援機関や金融機関等が行う事業承継のニーズ診断のうち、約七割が金融機関により診断、対応されたものとなっております。

 加えて、足下におきましても、こうした連携強化や早期の事業者支援を一層促進していく旨を地域金融力強化プランにも掲げたところでありまして、引き続き政府として必要な取組を進めてまいります。

大森委員 ありがとうございました。

 今お話のあった事業承継は、特に早めに手を打つ必要があると私も現場を見てきてそう思っております。ただ、本当に、御本人が、経営者の方が決断するにはなかなかいろいろなハードルがありますので、周りの方からの御助言、また早めにいろいろな機関につなげていただく、そういったこともすごく必要であると思っております。

 先日、NHKの報道番組におきまして、企業倒産一万件超、経営者は崖を見ていると題した特集が組まれておりました。今、日本経済が直面している極めて深刻な現状が描かれていました。

 昨年度、二〇二五年度の倒産件数は一万四百二十五件に達し、二年連続で一万件を超える事態となっております。特筆すべきは、その内実が諦め型倒産と呼ばれている点です。コロナ禍を必死に乗り越えた企業が、今度は、物価高や円安、さらには不透明なイラン情勢に伴う仕入れコストの急騰という、自社ではコントロールできない荒波にさらされています。コスト上昇分を直ちに販売価格へ転嫁することは難しく、多くの企業の利益が極限まで圧迫をされているのが実情です。

 専門家は、原油高と為替動向が重なる現在の状況を注視しており、事態が収束しなければ倒産件数は更に増加する可能性が非常に高いと警鐘を鳴らしております。一九七三年のオイルショック時にも数年かけて倒産が増加した歴史がありますが、現在の日本経済も、まさに同様の、あるいはそれ以上の警戒が必要な局面にあります。実際、三月の景気ウォッチャー調査は、二〇二二年二月以来の最低水準を記録をしておりまして、現場の閉塞感は極めて強いものがございます。

 こうした中、販路拡大やコスト削減を目指し、MアンドAなどの新しいチャレンジに踏み出す企業も増えておりますが、もはや、待ちの姿勢だけでは時代の変化に適応できない限界点に来ています。まさに今、政治が企業の新しい挑戦を後押しし、この崖っ縁の状況を打開するための実効性ある支援が求められていると思っております。

 続きまして、質問に入らせていただきますが、資金交付制度についてお伺いします。

 資金交付制度は、二〇三一年三月末までの五年間延長することとなっています。資金交付制度は、合併、経営統合等を実施する地域金融機関等に対して国が追加的な初期コストの一部の資金交付を行うものですが、地域金融機関の合併等については独占禁止法の特例法というものがあります。二〇二〇年十一月施行のこの特例法は、人口減少下で地域金融インフラを維持するため、同一県内等の地銀の合併、経営統合において、公正取引委員会の審査を一定条件下で適用除外とするもので、内閣総理大臣の認可を条件に十年間の期間限定で適用されておりまして、これは二〇三〇年十一月までに廃止予定となっています。

 この特例法は、長崎県の十八銀行と親和銀行の合併が競争制限的であるとして審査が二年以上の期間を要したことがきっかけとなり、人口減少等を理由として厳しい経営環境に置かれながら地域経済を下支えしている地銀の役割に鑑みて、経営力強化のための経営統合等に資するために特例として制定をされました。その後、この制度を使いまして、青森みちのく銀行や八十二長野銀行の経営統合等において、この独禁法の特例法というのが適用されています。

 今回延長予定の資金交付制度の期限と独禁法特例法の期限には、四か月間の期限のギャップがあります。今後とも、人口減少が更に加速することが見込まれ、地域金融機関の再編ニーズがむしろ高まってくるのではないかと推測されますが、独禁法特例法の期限が到来した後、今回の資金交付制度の期限内に合併申請があったときの取扱いはどうするのかをお伺いいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 改正法案におきましては、資金交付制度につきまして、合併、経営統合後の一定期間内の申請も容認することとしたいと考えております。

 こうした中で、独占禁止法特例法に基づく認可を受けた合併、経営統合の後に資金交付制度の申請が行われる可能性も考慮いたしまして、資金交付制度の申請期限は、独占禁止法特例法の廃止期限であります二〇三〇年十一月から約四か月後となる二〇三一年三月末と設定させていただいております。

 これは、経営統合の最終決定がなされてから申請までにどの程度の期間を要するかを、過去の事例も踏まえて検討いたしました。過去事例だと平均三か月程度というふうに承知しております。例えば、独禁法特例法の廃止期限の直前に同法の適用を受けた金融機関が、その後に資金交付制度の申請を行うとしても、四か月程度あれば対応可能と考えたことによるものでございます。

大森委員 ありがとうございました。

 では、仮に独禁法特例法が延長された場合、金融機能強化勘定の剰余金という財源上の制約もある中で、資金交付制度の期限延長について政府としてどのように考えているのか、お伺いいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 まずは、今回延長する五年の期間内で、地域金融機関による経営基盤強化に向けた経営判断を後押しする資金交付制度が適切に活用されていくよう制度運営を行うことが重要であるというふうに考えております。

 その上で、仮定の御質問でございますのでお答えしづらいところもございますけれども、一般論として申し上げますと、資金交付制度の延長につきましては、独禁法特例法を含む他の関連施策の実施状況、地域金融機関の経営基盤強化に向けた取組の進捗状況や制度の活用状況、財源確保の見通し等を総合的に勘案し、判断していくことになると考えております。

 いずれにしろ、施行から五年後の見直しの際にしっかり検討してまいりたいと思います。

大森委員 ありがとうございます。是非とも御検討いただきたいと思います。

 続きまして、補助上限と補助率引上げの妥当性についてお伺いをします。

 本改正案では、合併、経営統合等の交付上限額を三十億円から五十億円へ、さらに一定のケースでは七十五億円へ、また、補助率も一部、二分の一へ引き上げることとしています。

 現在、地方銀行が直面する最大の課題は、老朽化したシステムの刷新とDX投資の巨額化であると認識しております。よって、交付上限額の引上げは、合併、統合への大きなインセンティブとなることは理解をしております。その上で、この五十億円の算定根拠、つまり、どのような経費の積み上げで算定されたのかをお示しください。

 あわせて、これほどの公的資金を投じる以上、単なる銀行の経営規模の拡大や生き残りというのが目的であってはならないと考えておりますので、このコスト支援が具体的に貸出金利の低下やコンサルティング機能の強化といった利用者が実感できる形でどう地域経済に還元されると想定しているのか、お伺いします。

 さらに、補助率の引上げが経営統合のスピードをどれほど加速させると見込んでいるのか、政府の具体的な出口戦略についてお伺いをいたします。

 以上三点についてお願いいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、交付上限額五十億円の算定根拠でございますけれども、資金交付制度のこれまでの活用実績を見ますと、地域銀行の合併事例での交付対象経費の平均が約百五十億円となっております。現行の上限額三十億円では、多くの事例で実質的な補助率が三分の一を下回っている状態でございます。こうした実績を踏まえまして、合併、経営統合等に係る交付上限額を三十億円から五十億円に引き上げたいと考えております。

 次に、交付金による経費支援の地域経済への還元についてでございますけれども、資金交付制度は、地域金融機関の業務の効率化を通じた経営基盤の強化を支援することで地域経済への貢献を促す趣旨のものでございます。したがいまして、地域金融機関が提出する実施計画においては、各地域金融機関の特性や、それぞれの地域の状況を踏まえつつ、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化等の方策について記載することを求めておりまして、金融庁といたしましても、計画の実現可能性等の審査や履行状況のフォローアップを通じて、地域経済への貢献が確保されるように取り組んでまいりたいと思っております。

 最後に、経営統合の加速化、出口戦略ということですけれども、今般の交付上限額や補助率の引上げによって、合併、経営統合の促進に一定の効果が期待できるというふうに考えておりますけれども、合併、経営統合を行うかどうかにつきまして、あくまで各地域金融機関の経営判断でございまして、その時々の社会経済情勢等にもよると考えられますことから、あらかじめ定量的な見込みとか出口をお示しすることは現時点では困難であるということは御理解いただければと思います。

 また、重要なのは、合併、経営統合を含めた多様な選択肢の中から各地域金融機関がその実情に適した対応を選択することであって、合併、経営統合の件数の多寡により政策効果を判断することは必ずしも適切でないと考えております。

 いずれにいたしましても、金融庁としては、交付上限額や補助率の引上げなど環境面の整備を進めることで、合併、経営統合による経営基盤の強化を選択する地域金融機関の経営判断を後押ししてまいります。

大森委員 ありがとうございました。

 済みません、ちょっと一問飛ばしまして、続きまして、大臣にお伺いをいたします。

 本改正案で制度整備を行う目的は、地域金融機関が地域経済に貢献する役割を十分に発揮することにあります。先ほどの出口戦略の質問と少し重なりますが、今回の期限延長や制度拡充によって、具体的にどのようなKPIをもって地域経済の活性化や企業の成長支援がなされたと判断なさるのでしょうか。国の財産を活用する以上、資金の無駄遣いにならないための事後評価の在り方をどのように考えているのか、大臣にお伺いをいたします。

片山国務大臣 今回の制度改正は、制度の利用件数とか、あるいは地域金融機関の合併、経営統合の件数を増やすこと自体を目的とするものではなくて、地域金融機関が経営基盤の強化を通じて地域経済に貢献していくための環境整備を行うためのものであります。

 こうした環境整備の効果の定量的な評価というのは必ずしも簡単なことではないんですけれども、これまでの実績を見ますと、例えば、資本参加以降、資本参加先の業務純益について、全国平均との差がおおむね改善し、中小企業向けの貸出残高も増加している、こういった傾向が見られます。今回の期限延長や拡充後も、こうした資本参加先の収益ですとか融資の動向等について、丁寧にフォローアップしていく所存でございます。

 その上で、本法案では、資本参加制度を当分の間の措置とすることも踏まえまして、施行後五年ごとに、制度の施行状況等を勘案し、必要に応じて見直しを検討することとしております。その際には、中小企業向け融資の実績等を含む、地域金融機関が提出した計画の履行状況ですとか、それぞれの地域の経済動向等を勘案しつつ、制度の必要性について適切に検証を行っていくとともに、将来にわたりまして、資金の無駄遣いだといったような御指摘を受けることが決してないように、適切な制度運営に努めてまいりたいと思います。

大森委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

武村委員長 次に、福原淳嗣君。

福原委員 自由民主党の前財務金融委員の福原淳嗣です。

 今回、質問の機会をいただきましたこと、委員長、そして理事の皆さん、全ての財務金融委員の先生方に感謝を申し上げ、通告どおり質問をさせていただきたいと思います。

 金融機能強化法の質疑と聞いて私の頭をよぎったのは、もちろん地元の銀行なんですけれども、プラザ合意であります、今から四十年前。プラザ合意になったとき、圧倒的に円が高くなったということもありまして、秋田は鉱山県でありますが、ほとんどが閉山をしてしまいました。円が高くなり過ぎたゆえに、一九八五年から、私は当時高校生でしたけれども、秋田の農業もどんどんどんどん衰退していくのを目の当たりにしてきました。

 そして、バブルが始まり、崩壊をして、アジア危機があって、そして、この金融機能強化法が平成十六年、二〇〇四年に制定をされ、それからも、リーマン・ショックがあり、東日本大震災があり、コロナショックがあり、都度、地域金融機関というのは本当に厳しい中にもあったが、その中でもきちんと政府のフォローをいただいたおかげで本日に至っております。

 是非、私、一番最初にお聞きしたいのは、プラザ合意から四十年たった今、改めて、我が国の金融情勢、そして地域金融力について、その中でも特に金融機能強化法が果たしてきた役割について、政府の見解をお聞きしたいと思います。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 金融機能強化法は、二〇〇〇年代初頭の不良債権問題の終結に向けた対応が講じられていた経済情勢の中で、また、その中で地域経済の活性化といったものが課題となる中で、公的なサポートによって地域金融機関のリスクテイク余力をしっかりと確保するために、二〇〇四年に制定をされました。

 それ以来、金融機能強化法に基づく資本参加制度につきましては、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の蔓延に際して、活用に当たっての要件を一部緩和する特例を設けるなど、その時々の経済情勢の変化に対応して制度の見直しや法改正を行いながら、これまでに延べ四十先の地域金融機関等に対して、合計約七千四百九十八億円の資本参加を行ってきたところです。

 これによって、大規模な災害や感染症の蔓延といった先行きを見通し難い状況下を含めて、地域金融機関自身の経営基盤の強化を後押しをするとともに、それを通じて、地域の中小企業への円滑な資金供給や地域経済の活性化にしっかりと貢献をしてまいりました。

 さらに、二〇二一年には、合併や経営統合を行う地域金融機関に対して、追加的な初期コストの一部を交付をする資金交付制度も設けております。

 金融庁といたしましては、今般の改正法案によって両制度の期限延長、拡充をさせていただきまして、引き続き、地域金融機関による経営基盤の強化と地域経済の活性化に向けた取組を後押ししてまいりたいと考えております。

福原委員 岩田副大臣、ありがとうございました。

 今触れられていただきましたけれども、資金の交付、これが非常に地域金融機関にとっては効用があったと私も思います。是非、その点を、今回更に強化あるいは期間を拡充するという方向で進めていただきたいと思います。

 改めまして、二点目の質問に入らせていただきます。二点目、私が聞きたいのは、高市総理が掲げる日本成長戦略と、昨年十二月に金融庁が発表した地域金融力強化プランの相関性といいますか、兼ね合いといいますか、そこをお聞きをしたいと思います。

 実は、高市総裁が誕生するそのタイミングで、私は金融庁の動きを高く評価をしております。といいますのは、企業が持っている現金預金百兆に金融庁がメスを入れる、コーポレートガバナンス・コード改革を行うのだということであります。今、私の手元に、全国銀行協会が発している家計と企業のマネーフロー図があるんですが、何と二千二百兆もある家計金融資産のうち半分が預貯金で、要は眠ってしまっている。企業はそれが百兆だということで、ここにしっかりとメスを入れていく。

 片や一方、地域金融力強化プランでは、しっかりと資本参加、資金交付、この二つの軸を持って、地域金融機関が地域の企業の価値の向上あるいは地域の課題を解決するところまで踏み込んだ内容になっています。

 改めて、日本成長戦略と地域金融力強化プランの相関性について、金融庁の見解をお聞かせいただきたいと思います。

岩田副大臣 地域金融力強化プランと成長戦略との関連性ということでございますけれども、人口減少、少子高齢化に直面をする地域が持続的に発展をしていくためには、地域経済の要である地域金融機関等には、地域経済に貢献をする力、いわば地域金融力の更なる発揮が求められているところです。

 昨年十二月に公表しました地域金融力強化プランにおきましては、まさに議員の問題意識のとおりだと思いますが、地域金融機関等が地域企業を資金繰り支援等で下支えすることにとどまらず、その企業価値の向上や地域課題の解決を通じて地域経済全体の持続的な成長に貢献をしていくことが重要である、このような考え方を示しております。

 こうした考え方の下で、地域金融力強化プランでは、地域金融機関が、例えば、内外のプレーヤーとの連携を通じた地域企業への成長支援を実施することや、MアンドAや事業承継、事業再生支援、経営人材の確保やDXに関する支援を実施することを後押しする施策を強力に推進をしてまいります。

 私は内閣府におきます成長戦略の担当の副大臣でもありますが、委員御指摘の成長戦略との関係で申し上げますと、日本成長戦略の検討における分野横断的課題への対応としても、金融を通じ、日本経済と地方経済の潜在力を解き放つための戦略の策定が盛り込まれております。戦略の策定に向けては、地域金融力強化プランも重要な要素と位置づけて議論を進めているところです。

 このように、地域金融力強化プランを含む金融分野の横断的な取組を通じて、日本経済と地域経済の持続的な成長に貢献をしてまいります。

福原委員 岩田副大臣、ありがとうございました。

 地域金融力強化プラン、これは北東北ということで話をさせていただきますが、確実に効果を示しております。北東北三県で申し上げれば、その一つの県の中で第一地方銀行と第二銀行が合併をするケース、そして一つは、県境を越えて第二地銀同士が合併をするケース、単独なんだけれども、これまでとは違う、コンサルティングを強化するという、その三つのパターンが広がっています。

 こういう流れというのは、高市政権が掲げている成長戦略のまさに要である金融、金融が成長を後押しをする。そういう中で、地域金融機関が資本力をつけてきて相談業務もできるようになる。地域の付加価値はこうやって高まっていくようになっていくのだなと思っています。

 そういう流れを受けて、三点目に移らせていただきます。今度は、地域未来戦略と求められる地域金融力であります。

 私の考え方を最初から申し上げますが、一番大切なのは、地域金融機関が合併をして金融力を高めて資金供給力を高めたとしても、その資金供給力の受皿となる案件、いわばプロジェクトや事業がなければ、資金供給は、リスクマネーの提供は絵に描いた餅にすぎない。むしろ、これからは、地域ごとの可能性を地域金融機関がしっかりと見て案件をつくっていくという過程が非常に重要なのではないのかなと私は考えています。

 地域未来戦略の趣旨に次のくだりがあります。地方が持つ伸び代を生かします。国民の暮らしと安全を守るため、地域ごとの戦略クラスターを全国各地につくるんだ。ここからです。世界をリードする技術、ビジネスを創出する。地場産業の付加価値向上、そして販路開拓の強力な支援などを検討する。これは、地域から直接世界へ打っていくためのクラスターをつくっていくと言い換えてもいいと思います。

 資金供給力の受皿となる、まさにプロジェクト形成力、地域未来戦略と地域金融力、求められる地域金融機関の役割について是非政府の見解をお聞かせください。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域未来戦略におきましては、地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講ずることで、地方に大規模な投資を呼び込み、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成していくこととされております。

 金融庁におきましては、地域金融力強化プランにおきまして、様々な面でこの地域未来戦略の推進に貢献できることが多いと思いますけれども、例えば、地域金融機関によります内外のプレーヤーとの連携を通じまして、中堅企業等への成長支援、販路拡大ですとか海外展開ですとか、こういった面での取組を促していくこととしておりまして、今後のクラスター計画におきましても、関係省庁と連携しまして、地域金融機関に対しまして成長支援の取組を促していきたいと思っております。

福原委員 石田局長、ありがとうございました。

 是非これからも、地域未来戦略、そして地域金融力、これは両輪ですので、しっかりと整えて、ぐいっと地方の経済を引っ張っていただきたいと思います。

 それでは、最後の質問になりますが、地域未来戦略というか、地域が国のために果たせる役割をつくろうとしている、そういうさなかにおいて、実は関税行政が最も重要なのだという質問を最後にさせていただきたいと思います。

 先ほど、私、冒頭、プラザ合意で鉱山が閉山をしたという話をさせていただきました。私のふるさと大館では、唯一閉山しなかった鉱山があります。その鉱山は今、世界中の鉱山ネットワークと、今私が使っているこういったスマホのような、使われなくなった情報機器や家電機器あるいは自動車等から、金、銀、銅のベースメタル、それから、スズ、亜鉛、ニッケル等の、アンチモンといったレアメタル、そして、もし将来、放射能が出てしまうんですけれども、もっともっと踏み込んで製錬していいですよというと、その鉱山の会社はレアアースも作れると言っているんですよ。

 そこから十キロ離れた工業団地には、今世界第二位の人工透析器ダイアライザーの輸出工場がありまして、それは間もなく世界第一位になりますが、要は、往路で静脈物流、復路で動脈物流ということで、だったらコンテナのラウンドを使い回そうよということで、これは内陸型保税蔵置場ということで、インランドデポという事業であります。

 実は、三月二十七日の金曜日、函館税関に私たちは勉強会に行ってまいりました。田中税関長は、本当に丁寧に説明してくれただけでなく、函館税関というのは、横浜税関と同じ、古い、百五十年以上の歴史を持つ税関です、しかも、北海道と北東北三県を所管しているので、日本全国の三分の一を見ているんだと。その中で、地方から直接世界に出る上で関税行政というのをきちんと評価してくれるということを非常にありがたいという話をしていました。

 是非、私、先ほど申し上げましたが、地域金融力を高める一番の要は、地域それぞれが、日本という国家のために、この分野で私たちは貢献をしていくんだという燃えるような情熱と計画をきちっと作ることだというふうに思います。地域未来戦略が戦略クラスター、地域クラスター、地場産業成長プランを作るのであれば、まさに税関の業務を通じて自分たちの活力を高めるという機運をつくっているというのは、私は評価していいというふうに思っています。

 実は、私たち政治家だけではなくて、地元の商工団体のトップも同行しました。見て何を言ったかというと、帰ったら秋田銀行に言うと言うんですよ。これが地域未来戦略につながっていく。

 こういう関税行政がつくり出す物流イノベーション、内陸の町ですから全然港がないのに、港湾ロジスティクスという言葉がすんなりと入ります。是非、この点に関しまして政府の見解をお聞かせください。

片山国務大臣 つい、非常にうれしくなりまして。

 横浜税関の総務部長をしておりましたときに、当然、函館を視察させていただいておりますし、当時は、内陸通関をすごく、委員のおっしゃったようなリードタイム削減ですとか地域活性化のために使おうという機運の第一ブームのようなときで、横浜の場合は宇都宮等がございました。

 インランドデポというふうになりますと、港や空港からはやや離れた内陸部に整備された物流拠点ですから、それ以上に、特に一定以上の許可がなければいけないというのはないんですが、広い意味で使われていて、保税蔵置場としての許可を得る場合もありますが、いずれにしても、地域の物流の迅速化、効率化につながり、まさに高市政権が目指している産業クラスターを日本中にしっかりつくって、地域活性化、地域未来戦略を金融の面からも支えていこうという考え方と軌を一にするものでございます。

 その上で、税関が今非常に人手不足、つまり、物流も円滑化して、人流も確保して、厳格に水際取締りを遂行しようという非常に重大な責務を負って、物流、人流が日本中で非常に増えているので、大変負担が増えて、人も足りずということをずっと訴えているわけでございますが、その上で、インランドデポが、御地元の大館あるいは函館税関エリア、そういったところにしっかり整備できるように、機器の整備や機構・定員の充実ですとか、税関職員の処遇改善ですとか、つまり全面的な税関の体制強化、これに全力で取り組むことを通じて、そういう御要望にもしっかりとお応えできるようにやってまいりたいと考えております。

福原委員 ありがとうございました。

 終わります。

武村委員長 次に、近藤雅彦君。

近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。

 本日も質問の機会を頂戴しまして、ありがとうございます。

 今日は金融機能強化法の改正ということで、地域金融そして地域経済の将来を見据えますと極めて大切な法案だと考えております。本日も丁寧な御答弁をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。

 我が国の金融システムは、平成の金融危機そしてリーマン・ショックといった大きな危機を乗り越えまして安定性を高めてきた一方で、足下では、人口減少や地域経済の縮小、さらにはデジタル化の進展や金利環境の変化など新たな構造的課題に直面していると認識しております。特に地域金融機関においては、従来のビジネスモデルの見直しや経営基盤の強化が求められる中での今回の法改正と認識をしております。

 それでは、初めに、今回の法改正と密接に関わる預金保険機構そのものについてお尋ねしたいと思います。

 九〇年代の平成の金融危機そしてリーマン・ショックから一定期間を経過しておりまして、預金保険機構の名前、これ自体が国民の皆さんにとってなじみの薄いものとなっております。万一、金融機関が経営破綻した場合、一つの金融機関につき預金者の元本一千万円までとその利息を預金保険機構が支払う仕組み、いわゆるペイオフなど全く御存じでない若い世代の方も多いと思います。今回、金融機能強化法を審議するに当たりまして、改めて、預金保険機構の役割と機能を国民の皆様に対し分かりやすく御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 預金保険機構の機能といたしましては、本来の機能でございます金融機関に対します破綻処理に関する機能と、ただいま御審議いただいております法案に関係する資本参加に関する機能を御説明申し上げたいと思います。

 破綻処理に関する機能といたしましては、破綻金融機関の預金等を引き継ぐ救済金融機関に対しまして金銭の贈与や資金の貸付け等の資金援助を行うこと、金融庁より金融整理管財人に選任された後、預金保険制度の下で預金者への付保預金の払戻しを行うなど、旧経営陣に代わって破綻金融機関の業務を運営することなどが挙げられます。

 これまでの破綻処理におきまして、こうした機能を発揮することを通じまして、預金者等の保護や金融システムの安定の確保に資する役割を果たしてきたところと承知しております。

 また、資本参加に関する機能といたしましては、資本参加先となる金融機関の株式等の引受けや当該株式等の適切な管理、処分を行っているところでございます。

 こうした機能を発揮することを通じまして、地域金融機関の資本の増強を図り、地域金融機関の地域における金融仲介機能の発揮に資する役割を果たしてきたところでございます。

近藤(雅)委員 丁寧に御説明ありがとうございます。

 本当に国民の皆さんも、預金保険機構の本来の破綻処理のスキーム等も、今、丁寧に御説明いただきましたけれども、しばらく御無沙汰しているかと思いますので、丁寧な御説明ありがとうございます。こういった本来の役割に加えまして、金融システムの安定確保のため、今御説明あった金融機関への資本参加等の機能を担ってきたこと、十分に承知をいたしました。

 その上で、今回の金融機能強化法の改正においては、こうした機構の役割が更に拡充されまして、資本参加や資金交付の枠組みの延長、強化に加え、金融機関の経営基盤の強化、そして再編の取組にまで関与の範囲が広がっていくものと受け止めております。

 地域金融機関を取り巻く経営環境が厳しさを増す中で、機構が持つ資金力とこれまでの知見を活用し、金融仲介機能の維持強化に資する取組を後押ししていくこと自体、これは極めて重要であり、大いに期待するところであります。一方で、預金保険機構の資金は、形式的には税金とは異なるとはいえ、その原資や性格に照らせば、国民負担と無縁ではございません。そうした中で、資金の使途や支援の妥当性について、どのように透明性を確保し、国民の皆様への説明責任を果たしていくかは重要な論点と考えます。

 今回の制度拡充が、単なる金融機関の延命措置にとどまることなく、地域金融機関の持続可能なビジネスモデルの構築と地域経済の活性化につながる支援となるよう期待申し上げたいと思います。

 それでは、次に、金融機関におけるシステムについて、この全般についてお聞きをしたいと思います。

 今回の法案を拝見するに、まさに地域における金融力を強化するために、まずは、組織の形態にとらわれず、システムの合理化、これを一つの選択肢とすることをお考えと存じます。その観点から幾つかお尋ねをいたします。

 まず、システム共同化の支援の前提として、地域経済の活性化に向けた取組とあります。具体的にこの地域経済活性化に向けた取組とはどのようなものを想定しているか、お答えいただきたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 システム共同化を支援する枠組みにおきましては、地域金融機関が提出する実施計画に、中小規模の事業者に対する金融の円滑化その他の主として業務を行っている地域における経済の活性化に資する方策について、主務省令で定めるものの記載を求めることとしております。

 その具体的な内容は今後、下位法令の整備を進める中で検討していきたいと考えておりますが、中小企業向け貸出しの見通し等に関する記載に加えまして、例えば創業支援や経営相談、事業再生や事業承継支援に関する方策を中心に、各金融機関の特性や地域の実情を踏まえて、必要な取組を進めていただくことを想定しております。

 金融庁としては、こうした新たな枠組みが着実に地域経済の活性化につながるよう、地域金融機関の計画の履行状況をしっかりとフォローアップしてまいります。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 具体化はこれからということですけれども、しっかりと金融機関に寄り添って、また、精査する意味でも、メニューを多様化させて、いたずらな支援ということではなく、真剣に金融機関と手を携えて金融庁さんには取り組んでいただきたい、このように思います。

 さて、今回の法改正に絡んで御質問ですけれども、金融機能強化審査会、これについてお尋ねしたいと思います。

 この審査会の委員には、金融、法律、会計等の有識者で構成されることとされております。改正内容からしましても、今回、特にシステム、ICT、AI、フィンテック等、これらに詳しい人材が必ず必要になってくるかと存じます。そのような人材が委員に就任するための明文規定はございますでしょうか。もしそういったものがないとすれば、これからどのような体制、取組を想定されているか、お答えをお願いいたします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案により、金融機関から資本参加や資金交付を受けるための計画が提出された場合には、例外なく、金融機能強化審査会の意見聴取を行うこととなるところでございます。その際、御指摘のとおり、審査会の機能強化、とりわけ新設するシステム共同化支援に関する専門的見地からの審査の実効性確保を図ることは重要な課題であると考えております。

 このため、御指摘のIT人材等を委員に任命するとの明文の規定は本法案自体には設けておりませんけれども、法案についてお認めいただけた場合には、関係政令の整備を進める中で、審査会の委員の上限を現行の六人から七人へと引き上げまして、金融機関のシステムについて専門性を有する委員を選任することを検討してまいりたいと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 関係政令の整備はこれからということでございますけれども、人員も一人増というところですけれども、銀行側のシステムの人材、これもまだ不足しているというのは今日の御審議の中でも多分に出ておりますけれども、監督する側の金融機能強化審査会側もこの辺のレベルアップを求められると思いますので、是非丁寧に進めていただきたい、このように思います。

 それでは、更にシステムの質問を続けさせていただきますけれども、今回、いろいろな期限が、五年とか当分の間とかいろいろございます中で、勘定系システムの共同化への支援につきまして、これについては、申請期限は、合併、統合等を支援する資金交付制度の期限より五年長い二〇三六年の三月末までとなっておりました。その狙いは何か、お聞きしたいと思います。また、今回の改正法案の狙いは、システム統合による地域金融機関の合併の促進なのか、そのお考えをお聞きしたいと思います。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 期限を二〇三六年三月末までとする理由につきましては、金融機関の勘定系システムはおおむね八年から十年程度で更改されるというところ、既存システムの利用期間中にほかの共同システムに新規加盟しようとしますと、ベンダーに対する多額の違約金が生ずることも多いと聞いておりまして、このような経営判断が困難な場合が多い、このように認識をしております。

 このため、金融機関が共同システムへの新規加盟を検討できる機会は、多くの場合、次期システム更改のタイミングに限られるという実情がございます。こうした実情を踏まえまして、各金融機関の次期システム更改のタイミング次第で資金交付の対象となり得る機会の有無が実質的に決まってしまう、不公平なこういう枠組みにならないように十年間の申請期間を確保しているところです。

 改正法案の狙いが合併推進か否かという点につきましてでございますが、勘定系システムの共同化を支援することとしたのは、人口減少などにより地域経済が厳しい状況にある中で地域金融機関が引き続き地域経済を支えていけるよう、合併、経営統合に限らず、業務の効率化を通じた経営基盤の強化を一層強力に支援をしていく必要があるため、考えたところです。

 その上で、合併、経営統合を行うかどうかはあくまで地域金融機関の経営判断に属する事柄であるため、将来的な合併や経営統合をシステム共同化の支援要件とはしておりませんが、システム共同化の次のステップとして地域金融機関が合併や経営統合による経営基盤の強化を図ることも、選択肢の一つになり得るものと考えております。

近藤(雅)委員 特に前段の部分、大変詳しく解説をいただきまして、ありがとうございます。

 私も金融市場におりましたので、システムの更改時期を待たないと全く変えられないという、それが、財務基盤が弱い中小金融機関、まさに地域の協同組織金融機関等々におかれましては、大変、システムの更新、更改に関することが経営的にも大きな判断になっている実態がございますので、そういった意味では、今回の、申請期限を遅らせて五年長く取っていること、その辺の実態に照らしたいい取組かと思います。是非、金融機関の経営の目線もしっかり持って、実態に合わせた取組を進めていただければと思います。

 さて、システムに関する最後でございますけれども、今、話がありましたように、システム統合を進めていくと、よく、そういった同一ベンダーか否かだったり更改の時期がどうかということが大きな経営判断材料になるんですけれども、ちょっとこれまでの状況をお聞きしたいんですけれども、同一のシステムベンダー等を活用していた複数の地域金融機関、こういったものの統合のしやすさというのは実態に合ったと思いますし、これまでも、それゆえに地域を超えて統合が進んでいるケースもあると思われます。

 異なるシステムベンダーの利用、そういった違うシステムを活用した金融機関同士では統合が現に著しく進みにくいですとか、あるいは統合交渉がそれゆえに頓挫してしまう、こういった背景を踏まえたものなのか、その辺の実態をお聞きしたいと思います。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 近年の地域金融機関の経営統合の状況を見てみましても、経営統合を公表した時点で異なるベンダーを採用している事例は複数ございます。個々の金融機関が異なるベンダーを採用していることが、必ずしも経営統合を判断する上で大きな障害になるとは認識をしておりません。

 一方、経営統合を決めた地域金融機関がシステムを統合するためには、多額のコストがかかるケースもあるものと承知をしております。

 金融庁といたしましては、今般の資金交付制度の期限延長、拡充をお認めをいただくことで、こうした合併や経営統合という選択肢を取る地域金融機関の経営判断を後押しできるものと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 個別の統合事案については、各金融機関の経営判断、これに委ねられている点については、そのとおりと認識しております。

 改めてですけれども、実務の現場においては、よく私も聞いてきたところですけれども、システムの互換性やベンダーの違いといった要素が統合のハードルの一つとなり得るという指摘も多数ございます。こうした点も含めまして、金融機関の戦略的な選択を後押しするような環境整備の在り方についても引き続き御検討いただくことを期待申し上げます。

 それでは、次に、今回の法案との関係で、金融行政としての金融機関へのガバナンス、あるいは金融機関自身のガバナンスの在り方についてお尋ねをしたいと思います。

 今回の法改正は、震災特例やコロナウイルス感染症特例などのように、緊急事態にあらかじめ備える色彩が強く、いわば特例の常設化とも言えます。適正な運用とするために今回の法改正で担保している中身がございましたら、教えていただきますようお願いします。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 委員御指摘いただきましたように、今般の改正法案では、災害等に備えた特例の常設化を図るものでございますが、この特例においては資本参加の要件が緩和をされておりまして、適正に運用していく必要があるものと考えております。

 この点につきまして、本法案では、特例が適用される対象を、大規模な災害や感染症の蔓延などの地域金融機関の経営とは全く無関係の自然発生的な事態に限ることとしておりまして、安易な特例を活用できるような枠組みにはしておりません。

 加えて、本法案では、特例を活用する場合を含めて全件を金融機能強化審査会の意見聴取の対象とするなど、資本参加先の適切な経営管理と業務運営を確保するために必要な規定も整備をしております。

 金融庁としては、こうした枠組みの下で、地域金融機関のモラルハザードを生じさせることなく、また、大規模な災害等の非常事態であっても、金融機能の維持強化を図り、地域経済の復興再生に資するという制度趣旨を踏まえた適切な制度運用に努めてまいります。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 先ほど来ありますけれども、いわゆるモラルハザード対策をしっかりとやっていただきたいと思います。

 次の質問ですが、金融機関に対するモニタリングについてでございます。

 これまでも十分に行われてきたものと承知しておりますが、それにもかかわらず、いわき信用組合のような不正融資事案が発生してしまったことは重く受け止める必要があると考えます。不正融資が発生し、金融機関の資金が外部に流出をいたしました。

 今般の金融機能強化法改正を踏まえたモニタリングの強化、これにつきまして、具体策があれば教えていただきますようお願いします。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域金融機関をめぐっては、昨今、一部の協同組織金融機関におきまして不正融資や法令違反等が確認されたところでございまして、金融庁といたしましては、こうした状況も踏まえまして、地域金融力強化プランにおきまして、財務局を含めたモニタリング体制の抜本強化を行うことを盛り込んでおります。

 具体的には、金融庁に新たに設置しました協同組織金融モニタリング室も生かしつつ、財務局との緊密な連携の下、事案に応じて立入検査を有効に活用していくこと、特に資本参加先の地域金融機関に対しましては、経営管理体制や法令等遵守体制等の検証を厳格に実施するとともに、情報受付窓口等を活用し対象金融機関に関する幅広い情報の収集を行う、さらに、資本参加先が策定する経営強化計画のフォローアップにおきまして、経営管理体制や法令等遵守体制等を継続して確認することなどを掲げております。

 金融庁といたしましては、こうしたモニタリングの強化によりまして、地域金融機関が今後も地域における金融仲介機能を十分に発揮できるよう、経営管理体制や財務の健全性、業務の適切性等をしっかりと確認していきたいと思っております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 是非、専門のモニタリング室の取組に期待を申し上げたいと思います。

 それでは、ちょっと、この法案に関連してですが、金融機関のガバナンス、一般的なことについて触れたいと思いますが、今回の資本参加先の協同組織金融機関には員外監事を求めるとのことでした。この員外監事については、内部に閉じこもりがちな組織に外部の視点を取り入れるものであって、その意義は大きいと考えます。

 それで、お尋ねですが、資本参加先でない機関も含めて協同組織金融機関一般のガバナンスはどのように高めていったらいいのか、御認識を大臣にお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 この法案では、資本参加先の協同組織金融機関で不祥事案があったことを踏まえまして、公的資金による資本参加を受ける以上は、より一層高い規律を確保した上で、その返済を確実なものとする必要があるとの考え方の下、特に協同組織金融機関については、独立性が確保された員外監事などの選任を求めるなど、資本参加先に対して必要な規定を整備することといたしております。

 その上で、資本参加を受けていない先も含めた協同組織金融機関全般については、本案の直接の射程ではないんですけれども、人口減少等により今後も厳しい経営環境が続くと見込まれる中で、地域経済の支え手として持続可能なビジネスモデルの構築がこれまで以上に強く求められると想定され、それに応え得る適切な経営判断を行っていくためにもしっかりとしたガバナンスの構築が不可欠となると考えており、そのためにどのような制度の在り方が望ましいのか、協同組織金融機関の特性を踏まえつつ、さらに、委員の御意見も踏まえまして、検討をさせていただきたいと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 地域の信用金庫、信用組合などには、小規模で、人材そして財務的な余力に制約がある先も多く存在します。員外監事の確保やガバナンス体制の強化を求めることについて、現場において実効的に対応可能であるのかという懸念は常々あると思いますので、こうしたリソースの制約の実態を把握され、適切に支援をしていただくことを期待申し上げます。

 さらに、ちょっとガバナンスについて踏み込んでお尋ねをさせていただきますが、地方銀行一般についてもお尋ねしたいと存じます。

 昨今、地銀による不正融資事案もございました。こうした状況に鑑みますと、地方銀行に対しても、より高次の社外取締役や監査等委員会設置会社などの体制を求めることも必要と考えます。通常の事業法人より高い経営の透明性が求められる金融機関でもあります。

 私個人の意見ではありますが、一つの考え方として、地銀各行は監査等委員会設置会社などの義務化をしたらどうかというような思いもございます。東証などの取引所の上場規則等に委ねるべき事項ではなく、何らかの経営監視強化は立法面からも担保すべきと考えます。所見を頂戴できればと思います。

岩田副大臣 お答えいたします。

 委員御指摘いただきましたように、銀行の業務の公共性に鑑み、銀行の業務の健全性、適切性や、経営の透明性を確保する観点から、例えば、銀行法において、一般の事業会社に求められていない財務情報の定期的な開示を義務づけているほか、監督指針においても、取締役会や経営陣が求められる様々な役割を規定をしております。

 こうした銀行規制の枠組みは、銀行の適切なガバナンスを確保する上で一定程度有効に機能しており、現時点で更なる立法措置は考えておりませんが、金融庁としましては、いただいた御意見等も踏まえまして、引き続き、各地域銀行の経営管理体制に係るモニタリング手法について不断に改善を検討してまいります。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 まさに協同組織のみならず地方銀行全般、現在、先ほど来ありますように、人口減少、厳しい環境にもございますので、しっかりと経営監視を強めていただきたいと思います。

 次に、法案との関連で、地域金融機関における営業環境について、現状認識等をお伺いします。

 急速な人口減少の進展など外的要因をもって、公的資金の返済の見込みが遠のく可能性もございます。このような経済状況への政策対応としてお考えのところがありましたら、お示しください。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域金融機関は、人口減少や少子高齢化など、厳しい経営環境に置かれているところは、議員御指摘のとおりのところでございます。

 こうした中でも資本参加先を含む地域金融機関が将来にわたる持続可能性を確保し、地域経済のために幅広い金融仲介機能を発揮できるよう、昨年来取りまとめました地域金融力強化プランにおきましては、例えば、金融機関に対しますモニタリング体制の抜本的な強化、資本参加先が策定します経営強化計画の継続的なフォロー、将来の人口動態や金利変動等の定量データに基づいたより深度ある検証などを掲げて、これらを進めていかなきゃいけないと思っているところでございます。

 当庁といたしましては、こうした施策を活用しつつ、引き続き、資本参加先の地域金融機関が地域経済に貢献し、十分な収益性と健全性を維持しながら返済財源を積み上げることができるように、監督、モニタリング等を適切に行ってまいりたいと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございました。

 外的要因についてはやむを得ない部分はありますけれども、しっかりとこの辺の視点を携えて金融行政を進めていただきたいと思います。

 次の質問ですが、地銀各行の近年の株価動向、いわゆるマーケットの評価を見ますと、各行の営業規模などとともに、証券会社と連携して、仲介を含めた、株式投資信託など商品のラインナップ、あるいは、有価証券等の取引システムの利便性を高めることによって営業力の差が出ているものと推察いたします。これについて、証券会社を監督する立場から、どのような認識をお持ちか、お答えいただきますようお願いします。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域銀行と証券会社の間では、資産運用や相続ニーズへの対応を強化するために両者が合弁で証券会社を設立する事例でございますとか、地域銀行が証券会社からの委託を受けまして金融商品仲介業務を担っている事例など、両者が連携を深めているケースがあるものと承知しているところでございます。

 地域銀行と証券会社によるこうした連携は、顧客の選択肢を広げるとともに、証券会社の店舗が少ない地域におけるアクセスを改善するなど、利便性を高めることにもつながり得るものと考えられるところでございます。

 地域銀行や証券会社が自らの置かれた環境や今後の展望を踏まえまして具体的にどういった経営戦略を選択するかは、各社の経営判断に属する事項でございまして、両者の連携の詳細についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、金融庁といたしましては、金融機関が金融機能の強化や顧客利便性の向上、安定的なサービスの提供に向けて経営改善を図っていくことが重要と考えておりまして、引き続き、各社のこうしたお取組をしっかりとフォローしていきたいと考えております。

近藤(雅)委員 ありがとうございます。

 まさしく、地域においては金融サービスの提供の窓口は限られるわけですので、こういった取組もしっかり監視していただきたい。あわせて、広域連携や経営統合などの手段も含めて、まさに、地域金融機関、顧客企業のビジネスマッチング、新たな市場の開拓、そして、本当の意味でのリスクマネーの供給の在り方を新たなステージで検討いただきたいと思います。

 今日は、長時間、御質問させていただきまして、ありがとうございます。

 質問を終わります。

武村委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 この度の金融機能強化法改正に当たりまして、やはり、昨今、いろいろな地方で人口が減って、そしてシャッター街が増えていくといったふうな状況がございますので、そういった各地域地域でいかにして町づくりを行って、住みたい町あるいは商売をしたい町としてその場所が選ばれていく、そういった町をしっかりつくっていくということが重要だと思っています。この点におきまして、今回の金融機能強化法改正の基になりました金融機能強化プランですね、昨年の年末に策定されました。こちらにおいて、地域課題の解決に資する目的で、地域金融機関が官民連携の町づくりに参画しやすくする意図が記載されておりますけれども、具体的にどのような取組によってこれを後押ししていくというふうなことを考えていらっしゃるのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 ありがとうございます。

 御指摘いただいたとおり、昨年末に策定をいたしました地域の金融力強化プランでは、地域の金融機関が幅広い金融仲介機能を発揮する上で期待されるその取組の一環として、官民連携の町づくりへの参画についても盛り込んだところであります。

 政府における官民連携の町づくりの推進に向けた取組として、内閣府において、自治体と金融機関が連携して課題解決に取り組むことを促進するため、伴走支援ですとかインセンティブ付与等を行いながら、実証実験を進めております。

 金融庁としては、地域の金融機関が、こうした内閣府の取組、この枠組みも活用して、自らの幅広い顧客のネットワークを生かして、官民連携の町づくり推進に向けて積極的な役割を果たしていただきたい、その取組を促してまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうした今のお話は、自治体とそして金融機関の連携の中でということではあったと思いますが、プラス、いかにしてここで民間の活力をきちっと使っていくかということも大事になってくると思います。

 特に、古い不動産をリノベーションして何か事業を行おうとした場合に、築古の物件は、まだまだそれ自体使える物件であったとしても、どうしても法定耐用年数の壁というものがございまして、銀行から融資を受けづらいという現状があって、そういった地域の遊休不動産が利活用されずに放置されてしまったりとか、そのまま所有者不明になってしまう一因になっていると思います。

 実際、私自身も鹿児島で、ちょっと古い、築四十五年ぐらいの建物をリノベーションして事業をしようとしたことがございまして、なかなか、法定耐用年数の壁に阻まれて、どうしても資金調達に非常に苦労したというふうな経験もございまして、なので、民間金融機関から借入れをする際に、不動産の担保価値というものを考えると、どうしてもこの法定耐用年数というものが一定の壁になってくるということ自体は理解できるんですけれども、例えば町のシンボル的な場所であったりとか、あるいは歴史的建造物とかビル、こうしたものが使われないまま放置されてしまっているというふうなケースも、地方都市ではよくあるというふうに認識しています。

 こうした地域の拠点となり得るような建物、土地のリノベーションを行って、それをきっかけにしてその場所の人流とそして関係人口というものが増えていきますと、町ににぎわいが一定戻ってきて、そうすると、その周辺の空き店舗とか住宅を活用したい人も現れてきて、土地の、エリア全体の価値が上がってきて、先ほど冒頭に言ったような住みたい町あるいは商売したい町として選ばれるような状況になっていきます。こうすると、土地の担保価値も自然と上昇していく。

 こうした町おこしのためには、どうしても新しい箱物を造るみたいなふうに行政の政策はなりがちですけれども、新しい箱を造るだけではなくて、いかにして既存の遊休不動産をしっかり利活用していくかということが、特に、既存の不動産自体に何らかの歴史的な価値とか、あるいは地元の人たちにとっての思い入れとか物語、こういったものがある場合に、とても大切だと思っていまして、その歴史とか物語といったものを更地とか駐車場にして消してしまうのではなくて、時代のニーズに合った形で引き継いでいくということの方が、エリアとしての価値を上げていく上で重要になってくるというふうに考えます。

 こうした、点で捉えるのでなくて面で考える、エリアリノベーションというふうな視点に立って町づくりを行うという方向性は、今般、国交省が今国会で改正しようとされています都市再生特措法、それから歴史まちづくり法、景観法、この三法の改正で目指す方向性とも重なっているというふうに思っていますけれども、国交省として、今般の法改正ではどのような手段で自治体、民間が行う町づくりを支えようとされているのか、お答え願えますか。

服部政府参考人 都市再生特別措置法等の改正につきましてお答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、地方都市などにおいてエリアの価値を高めていくためには、その町の魅力を形成する既存建築物を改修し、その活用を促進すること、これが大事だというふうに考えてございます。

 このため、本国会に提出をしております都市再生特別措置法等の改正法案におきましては、都市再生特別措置法においては、地域住民が愛着を持っている古民家や旧校舎等、地域の核となる建築物を官民一体となってリノベーション、活用するための区域制度等の創設、歴史まちづくり法においては、歴史まちづくりを進めるための計画作成に際し必要となる文化財の類型を追加し、より多くの地域において支援を受けやすくすること、また、景観法においては、行政の指定を受けた民間会社等が協定を締結した所有者に代わって建造物の改修、利活用等を行い、面的に景観の再生を図るための制度の創設、こういった内容を盛り込み、既存ストックの活用を進める各種措置を一体的に講ずることで地域の町おこしを図っていくこととしております。

牧野委員 ありがとうございます。

 今説明いただきました都市再生特措法、それから歴史まちづくり法、景観法の三つですけれども、特に都市再生特措法と歴史まちづくり法は予算関連法案として提出されていまして、一定の補助金というものを使ってそうした町づくりを応援していくというふうな法律になっているかと思いますが、三つ目の景観法につきましては、民間所有の遊休不動産の活用というもの、一定それを狙ったものとして、今まで景観法というのは、いろいろな建物の高さとか色とかそういった規制をかけることによって町づくりを誘導していくというふうな法律だったところに、更にプラスアルファして、民間が持っているところに対して一定の、町づくり会社とか行政のサイドがプランニングをして、こういう計画で活用していきますから使わせてくださいというふうな信用を与えるというふうな、そういう仕組みだというふうに理解しております。

 ただ、ここには、これは予算関連法というふうにはなっておりませんので、補助金というものはつかないということになります。あるいは、先ほどの二法、都市再生特措法と歴まち法においても、補助金があったとしても、実際の、現実のプロジェクトを動かすには、どうしてもやはり資金調達が必須であります。

 なので、地域の金融機関から円滑に融資を受けることができなければ、今回、国交省さんが提出されている三つの法改正、地方の町をつくっていくという非常にいい取組だなというふうに思っていまして、評価しているところなんですが、どうしても地域の金融機関からの融資が出なければ絵に描いた餅になってしまうというところがございますので、遊休不動産の購入とか利活用をするに当たって、今現在、点で見たところの担保価値というだけじゃなくて、将来的なエリア、面で見たときの担保価値の上昇、地域波及効果、将来キャッシュフローを見込んで融資を受けやすくする方策はできないのかなというふうに考えています。

 この点について、金融庁と国交省の連携をどういうふうに取っていくかという点も含めて御回答いただければと思います。

柳瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 地域、エリア全体の価値を高めていくことは大変重要であり、地域の課題やニーズ、特色を踏まえた町づくりを進めていくために、地域金融機関に積極的な関与が求められているというふうに金融庁としても認識しております。

 今委員から御指摘いただきましたように、不動産に係る事業につきましても、事業の実態や将来キャッシュフローに注目し融資を行うことは、地域の面的活性化の観点からも重要であると考えております。

 本年五月には事業性融資の推進等に関する法律が施行されまして、事業性融資を進めるに当たっての有用な選択肢であります企業価値担保権が創設されることとなっておりまして、町づくりによる将来キャッシュフローの改善を踏まえた融資にも活用できると考えております。このような点も含めまして、金融庁としては、金融機関による事業性融資の取組を一層後押ししてまいりたいと考えております。

 また、地域金融機関が町づくりに一定の役割を果たしていく観点から、金融機関が所有する不動産の有効活用を進めることができるよう、金融庁において二〇一七年に監督指針を改正しておりますし、足下では、官民連携の町づくりにおいて、地域金融機関が地域の様々なプレーヤーと連携しながら案件形成や資金供給まで一体的に関与し、公有不動産の有効活用につなげる事例も見られるところでございます。

 このように、遊休不動産の利活用等を通じて地域の面的な活性化を促し、エリアとしての価値を高めていくために、金融庁としても、地域金融機関が一定の役割を果たすことができるよう、引き続きこれらの取組を後押ししてまいりたいと考えております。

 また、御指摘の国土交通省との連携につきましても、双方の施策について担当者間で情報交換等を行っているところでございまして、今後も必要に応じて適切に連携してまいりたい所存でございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 やはりここは、金融庁、そして実際のそのプロジェクトを進めようとしている国交省さん、この間の連携をしっかりと取っていくということがとても重要になってくると思いますので、トップに立ってその陣頭指揮を執られる大臣におかれましても、そこの連携のところを意識を持ってやっていただきたいというふうに考えております。よろしくお願い申し上げます。

 次に、今回の改正において、協同組織系の金融機関に対する優先出資の話がございます。今回の法改正で、優先出資の消却について、資本金の一部を余剰金に振り替えて消却するというふうな特例が盛り込まれておりますけれども、農協さんの、JAバンクグループ全体での優先出資の件数、残高、そしてまた、その優先出資がどのような場面で活用されたのかということの実績をまず教えていただけますでしょうか。

岩間政府参考人 お答え申し上げます。

 JAバンクグループにおけます優先出資につきましては、都道府県に対して実施をした調査によりますと、件数で三件、それから、残高で総額七十五・五億円の優先出資が発行されているということでございます。

 このような優先出資がありますが、重立って申し上げますと、自己資本の充実のため、会員でありますJAですとか組合員以外からの調達が必要となった場合に活用されていることが一般的であるというふうに承知をしてございます。

牧野委員 お答えありがとうございます。

 JAバンクグループにおいては、今の優先出資というものが、そのために使ったというわけではないと思うんですけれども、総額百兆円近い資金プールを有しておりますけれども、農業関連の投資案件というのはその中でも限定的で、地方農協への運用益の還元を目的として外国債を多量に保有した結果、令和六年度決算におきまして一・八兆円の損切りが発生したというふうな経緯がございました。

 外国債ですけれども、国債というものは、満期まで保有していれば、たとえ低金利であったとしても基本的にはプラスになっていくというふうな資産だというふうに一般には考えられますが、どのような経緯で損切りをせざるを得なくなったのかという点について教えていただけますでしょうか。

岩間政府参考人 お答え申し上げます。

 農林中金でございますが、今の赤字の経緯でございます。

 安定した利息配当が見込め、かつ将来収入が予測しやすい、そうした理由から、高格付の長期米国債等の債券を中心に運用を実施してきたということでございます。

 債券につきましては、その目的が違いまして、一つは売買目的、二つ、満期保有目的、それから、そのどちらでもないその他有価証券ということで分類されますが、農林中金はその他有価証券の債券を保有してございます。

 令和四年以降の欧米諸国の複数回の利上げによりまして、端的に申し上げますと、短期の調達金利が長期の運用利回りを上回る逆ざやの環境が発生しまして、そういう下での含み損が発生したということでございます。

 農林中金は、まさに早期にこの逆ざや環境が解消するという見通しの下で債券の保有継続を判断したものの、令和六年度も逆ざやが続いたということでございます。

 最終的に、令和六年度中に順次この逆ざや資産を売却ということをしまして、その結果、令和六年度通期の決算におきまして一・八兆円の純損失を計上したものというふうに承知をしてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 こうした、米国債を買うために短期で調達した資金の調達コストが長期債の利回りを上回ってしまうというふうな状況があったというふうに理解していますが、政府から見れば、それが協同組織系の金融機関であったとしても、民間の金融機関の一つとして、ほかの金融機関と平等な会計基準、これを適用しなければならないということは理解できるんですけれども、そもそも、例えば農協というものは、組合員である農家の皆さんの出資によって、それを支える経済事業というものをやっていますが、農家の皆さんの実際の農業活動を支える経済事業単独ではどうしても赤字になってしまう、前提としてはそういうつくりになっていまして、それを補うためにこの議論の共済であるとか信用事業というものが存在しているはずです。

 したがって、公の性格が強い協同組合系、協同組織系の金融機関については、これは決してガバナンスをがばがばにしていいというふうなことを言っているわけではないんですけれども、一定、運用リスクを低減して、資本基盤の強化を図るために、売買その他の目的で購入した国債についても、例えば一定の基準を設けて例外的に簿価会計を認めるとか、何らかの特例みたいなものを検討してもいいのではないかなというふうにも考えますが、この点に関して、ちょっと時間がなくなってきましたので、大臣からお答えいただければ幸いかと存じます。

岩間政府参考人 手短にお答え申し上げます。

 農協に適用される会計基準ということでございますが、法令に基づき、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものというふうに定められております。そういう意味では、金融商品に関する会計基準というものがございまして、農協が保有しているその他有価証券につきましても、この基準に基づいて時価評価を行うということでございます。

 農林水産省といたしましては、まさに貯金者保護が大事だというふうに考えておりまして、そういう意味ではほかの協同組織金融機関と同様の基準ということで、今申し上げました、その他有価証券はまさに現行の基準ということでありますので、簿価ではなく時価で評価されることが適切であるというふうに考えてございます。

牧野委員 ありがとうございました。

 どうしても制度上難しいところはあるかもしれませんけれども、やはり公の使命を持っているものをいかに支えるかということも是非今後考えていただければいいかなというふうに思います。先ほどの国交省との連携と併せまして、今後ともしっかりと、町づくりも含めてやっていただければと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

武村委員長 次に、河村たかし君。

河村委員 減税こどもの河村たかしです。

 今日は、一分のところ十分、友情をいただきまして、ありがとうございます。

 まず最初に、それじゃ、片山大臣がおるので、この間聞けなかったので初めに聞きましょうか。

 やはり、産業の力が日本は弱っておるのではないの。ないのかじゃなくて、明らかにGDPの伸びがないということは、それは、三面等価の原則でいうと、まず、企業というか、産業というか、ラーメン屋のおやじというか、先ほどラーメン屋のおやじの話を出していただいて大変ありがたいことで、実はその話が出てこないと日本の経済はあかんのですわ、やはり。

 それで、ちょっと大臣に聞きたいんだけれども、こういう金融仲介機能は非常に重要で、これはやはり、資本主義社会でお金をつないでいく、企業を倒産させない、雇用を守っていく、従業員の皆さんがちょっとでも何か消費していく、それが経済を支えていくということなんですが、その中心はまず産業というか商売にあるということで、今回のこの金融の法案も、これは銀行を健全に、健全というか、まあ健全ですね、仲介機能をしっかりやっていくということだけれども、その狙いは、銀行は銀行で大事だけれども、やはり本体である産業というか商売の方にある。そういう認識は、ええだろうね、片山大臣。

片山国務大臣 今回のこの資本参加制度の改正でございますが、地域金融機関が経営基盤の強化を図ることでリスクテイクする余力を確保するために、この資本参加制度というのはその枠組みとしてありまして、単に金融機関を支援するものではありませんで、地域で活動する借り手である中小企業、この中小企業を支えるということで、ひいては地域経済全体に裨益する、こういう制度というふうに位置づけております。

 その上で、これまでの実績を見ますと、例えば、資本参加以降、資本参加先の金融機関の業務純益について、全国平均との差がおおむね改善し、資本参加先の金融機関の中小企業向けの貸出残高も増加しております。こういった傾向が見られますので、一定の効果を発揮してきたものと考えております。

 こういった実績も踏まえまして、金融審議会から制度の期限延長や拡充の必要性について御提言をいただいた上で、この法案では、資本参加制度を、これまでのような短期的な経済情勢の変化への対応のみならず、人口減少等の構造的な課題にも対応していくための制度と位置づけて、これを当分の間の措置とすることとしております。

 金融庁といたしましては、地域金融機関が必要に応じてこの資本参加制度を活用しつつ、引き続き地域経済に貢献していくことを期待してこれを出させていただいておりまして、その後の各地域金融機関の取組もちゃんときっちりとフォローアップをさせていただきます。

河村委員 何か難しいことを言っておりますけれども、もっとシンプルに、日本は商売を大事にしていくんだ、そういうふうに言えぬですか。この間そう言ったら、あんた、言わなんだけれども。あんたと言ったらいかぬ、大臣と言わないかぬのだけれども。商売、産業と言ってもいいですけれども、を大事にしていくんだ、それをまず宣言せないかぬ。

片山国務大臣 もちろん、中小企業は地域の宝であり日本の宝でございますから、それを大事にしていく、当然のことでございまして、私も、参議院の全国区に転じて以来、ずっと名古屋に拠点の一つを持っておりますので、中小企業の味方、そして名古屋で元気で頑張っている商店街の味方というのを自負しておりまして、よくいろいろイベントでも御一緒しておりますが、商店街の会長さんは長らく名古屋から出ておられましたので、そういった意味も含めて、しっかりとその認識は持たせていただいております。

河村委員 そういうことですけれども、余り中小企業、中小企業と言うと感じ悪いんだよ、本当に、僕らみたいな零細企業をやってきた人間からすると。何か、おまえらは小さいやつだ、大したことない、そういうイメージがあるんです。商売と産業を大事にしていく、そういうふうに言った方がええですよ。愛情がある、その方が。

 ところで、金融が仲介機能をやるにしても、企業体をつくらないかぬわけだな。商売の主体、ラーメン屋のおやじをつくらないかぬわけです。一番でかいのは、この間言いましたけれどもトヨタですけれども、それからソニーとかいろいろありますけれども、そこは明らかに力がある。そこら辺は強いですけれども、情報通信産業なんか明らかに弱まっておるということは間違いないというところで、何遍もこれは言っておりますけれども、言わなしようがないもんだで。

 日本は、戦後、弱体化法制ということで、GHQから、憲法九条もそうですわ、役人に任せるんだけれども、戦争をやってはいかぬぞ、軍備を持ってはいかぬというのを作ってしまった。それからもう一個は、金を持ってはいかぬということで作ったのが財政法四条と地財法五条です。自由に金融機関から金を借りることはできない。

 地財法五条が特にいかぬ、地財法五条が。それは何かというと、借りる項目を制限しておる、まず公共事業に。それと総枠をつくってしまっておる、これだけしかいかぬということで。地方の首長さんも何げにみえますけれども、もうみんな役所が縮こまっちゃって、自分たちで新しい公共サービスをどんどんつくって、銀行へ顔を出して金を借りて、自分らも主体になって、民間も一緒になってやっていこうという気持ちはないんですよ。

 繰り返しますが、この間言わなんだでいかぬけれども、総理や片山さんがここまで言うんだったら、積極財政を。だから、戦後の日本の弱体化法案をそのまま残しておいて、例外規定でやっていけばええと。チャットGPTまでそう言うがね、見ておると。それほど総務省は強いんかな。地財法五条を廃止すると言わぬ方がええと出てきますわね、本当に。それを廃止すると本当に言ったらどうですか、そういうふうに検討するというのを。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 地方財政法におきましては、地方債の対象経費、それから地方債発行の手続等を規定しているところでございます。

 まず、地方財政法第五条におきましては、自治体の歳出は地方債以外の歳入をもって賄うことを原則とした上で、地方債の対象経費を、原則として、公営企業に要する経費、出資金、貸付金、公共、公用施設の建設事業等に限定しているところでございます。これは、健全財政の確保や世代間の負担の公平の確保の観点から設けられているというものでございます。

河村委員 そんな同じこと言ってしまって。地財法五条を変える、ないし検討するつもりはないとはっきり言ったらどうですか。総務省と、あと、ちょっと大臣にももう一回聞きます。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 地方財政法第五条につきましては、先ほど御答弁申し上げたような趣旨から規定されているところでございまして、この制度につきましては目的に照らして必要であると考えておりまして、その廃止につきましては慎重であるべきものと考えているところでございます。

河村委員 もう駄目だな、これ。これだけ、千七百地方自治体があるけれども、みんな公務員が自分で地域の銀行の支店長のところに行って、こういうことをやりたいけれどもお金を貸してくれぬか、そう言えぬわけですよ、ほとんど。ほとんど決まっておるから。項目と総額まで決まっておるわけです。それで、やる気ないと言っておるんだから。そんなところで積極財政と言ったって駄目じゃない、この日本の経済は。

 片山さん、どうですか。

片山国務大臣 これは地方財政法でございますので、総務大臣の御所管です。地方団体の起債制度についても当然総務省の御所管なんですが、一般論として、地方財政をつかさどる上では、健全性の確保ですとか、将来、住民の御負担の、こういう問題がどうなるかとか、公平の確保等の観点というのは、これは踏まえざるを得ないということで、今、所管官庁としてこういう制度をしいておられるということで、適切に御対応いただいているのではないかと思っております。

河村委員 これで最後にしますけれども。

 そんな、あんたたちが、これは健全かなんて、そんな能力はどこにあるんですか、一体。トヨタならトヨタでプリウスを造っていた、あれは一番でかいところだけれどもね。それはやはり民間の自由な努力にあるのであって、よりよいものをより安く作る。それを一遍、検討するぐらい、これは一番最後、大臣、ちょっと言ってちょうだい。

武村委員長 申合せの時間が経過しておりますので、手短におまとめください。

片山国務大臣 ちょっと、今、何を検討するのかについては、地財法五条をやめたらどうかということですか。(河村委員「そういうことです」と呼ぶ)それは総務省さんにしっかりと御検討いただくことで、私は財務大臣でございますので。

 ただ、いずれにしても、財政上の責任というのは国においても地方財政についてもあるので、またその議論は別途深めさせていただきたいと思います。

河村委員 それでは終わりますけれども、これでは駄目だと。本当に日本の産業は力をなくしていくと思いますよ。

 以上です。

武村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

武村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

武村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

武村委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、若林健太君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。大森江里子君。

大森委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 資本参加制度及び資金交付制度の運用に当たっては、本法の趣旨が地域金融機関等の経営基盤の強化を図り、地域経済に貢献する役割を十分に発揮していくための環境整備であることを踏まえ、地域金融機関のみの支援にとどまらず、地域経済全体に裨益するものとなるよう努めること。

 二 本法附則第二十二条の検討に当たっては、資本参加制度が終期を見通すことが困難な地域の人口減少等の構造的課題への対応として「当分の間」の特別な措置とされることを踏まえ、将来的に国民負担を生じさせないよう、資本参加制度の費用対効果も勘案し、その規律を確保するため、必要に応じて見直しを検討すること。

 三 本法と併せて、資本参加先に対する経営管理態勢や法令等遵守態勢等の検証が適時適切に実施されているかのモニタリングを強化するに当たり、通常のモニタリングに上乗せして行う監督においては、資本参加先の金融機関等が過度に萎縮することのないように適切に行うこと。

 四 本法による資金交付制度の申請期限の延長が相乗効果の期待できる地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律の廃止期限を考慮して定められていることを踏まえ、同法の廃止期限の延長が検討される際には、併せて資金交付制度の申請期限の延長も検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

武村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣片山さつき君。

片山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

武村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

武村委員長 次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十四分散会


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