第3号 令和6年4月3日(水曜日)
令和六年四月三日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 田野瀬太道君
理事 小寺 裕雄君 理事 中村 裕之君
理事 永岡 桂子君 理事 山田 賢司君
理事 坂本祐之輔君 理事 牧 義夫君
理事 金村 龍那君 理事 浮島 智子君
青山 周平君 井出 庸生君
上杉謙太郎君 尾身 朝子君
勝目 康君 木村 次郎君
小林 茂樹君 柴山 昌彦君
鈴木 貴子君 西野 太亮君
根本 幸典君 船田 元君
古川 直季君 三谷 英弘君
三ッ林裕巳君 宮内 秀樹君
山口 晋君 山本 左近君
義家 弘介君 青山 大人君
菊田真紀子君 下条 みつ君
田嶋 要君 吉川 元君
吉田はるみ君 笠 浩史君
浅川 義治君 早坂 敦君
前原 誠司君 平林 晃君
鰐淵 洋子君 宮本 岳志君
西岡 秀子君
…………………………………
文部科学大臣 盛山 正仁君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 中井 幹晴君
政府参考人
(文部科学省大臣官房長) 井上 諭一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長) 笠原 隆君
政府参考人
(文部科学省総合教育政策局長) 望月 禎君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 矢野 和彦君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 池田 貴城君
政府参考人
(文部科学省研究振興局長) 塩見みづ枝君
文部科学委員会専門員 藤井 晃君
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委員の異動
四月三日
辞任 補欠選任
岸 信千世君 西野 太亮君
柴山 昌彦君 三ッ林裕巳君
吉田はるみ君 田嶋 要君
堀場 幸子君 浅川 義治君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 岸 信千世君
三ッ林裕巳君 柴山 昌彦君
田嶋 要君 吉田はるみ君
浅川 義治君 堀場 幸子君
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三月十五日
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(泉健太君紹介)(第三二五号)
同(徳永久志君紹介)(第三二九号)
同(山岡達丸君紹介)(第三三〇号)
同(柴山昌彦君紹介)(第三四五号)
同(白石洋一君紹介)(第三四六号)
同(山口晋君紹介)(第三四七号)
同(渡辺博道君紹介)(第三四八号)
同(奥野総一郎君紹介)(第三五六号)
同(小寺裕雄君紹介)(第三五七号)
同(福島伸享君紹介)(第三五八号)
同(柚木道義君紹介)(第三五九号)
同(青山大人君紹介)(第三九二号)
同(井坂信彦君紹介)(第三九三号)
同(田嶋要君紹介)(第三九四号)
同(田村貴昭君紹介)(第三九五号)
同(小宮山泰子君紹介)(第四三三号)
同(櫻井周君紹介)(第四三四号)
同(木村次郎君紹介)(第四四三号)
同(金子恭之君紹介)(第四八三号)
同(田所嘉徳君紹介)(第四八四号)
同(葉梨康弘君紹介)(第四八五号)
同(谷田川元君紹介)(第四八六号)
同(吉川元君紹介)(第四八七号)
国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(大西健介君紹介)(第三二六号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第三三一号)
同(笠井亮君紹介)(第三三二号)
同(熊田裕通君紹介)(第三三三号)
同(穀田恵二君紹介)(第三三四号)
同(志位和夫君紹介)(第三三五号)
同(塩川鉄也君紹介)(第三三六号)
同(田村貴昭君紹介)(第三三七号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第三三八号)
同(宮本岳志君紹介)(第三三九号)
同(宮本徹君紹介)(第三四〇号)
同(本村伸子君紹介)(第三四一号)
同(森田俊和君紹介)(第三四二号)
同(山崎誠君紹介)(第三四三号)
同(新垣邦男君紹介)(第三四九号)
同(白石洋一君紹介)(第三五〇号)
同(笠浩史君紹介)(第三五一号)
同(阿部知子君紹介)(第三六〇号)
同(柚木道義君紹介)(第三六一号)
同(柚木道義君紹介)(第三九六号)
同(篠原豪君紹介)(第四八八号)
同(福田昭夫君紹介)(第四八九号)
同(早稲田ゆき君紹介)(第四九〇号)
高等教育無償化を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第三六二号)
病気(がん)による高校生の学校生活と進級などに関する請願(青柳陽一郎君紹介)(第三九一号)
教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(篠原孝君紹介)(第四八二号)
同月二十一日
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(西野太亮君紹介)(第五一八号)
同(志位和夫君紹介)(第五九〇号)
直ちに学費半額・入学金ゼロ、奨学金を給付中心にすること及び奨学金返済の半額免除に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五七九号)
同(笠井亮君紹介)(第五八〇号)
同(穀田恵二君紹介)(第五八一号)
同(志位和夫君紹介)(第五八二号)
同(塩川鉄也君紹介)(第五八三号)
同(田村貴昭君紹介)(第五八四号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第五八五号)
同(宮本岳志君紹介)(第五八六号)
同(宮本徹君紹介)(第五八七号)
同(本村伸子君紹介)(第五八八号)
豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(伊藤俊輔君紹介)(第五八九号)
教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(神津たけし君紹介)(第六三八号)
同月二十七日
給付奨学金をもっと増やすことに関する請願(宮本岳志君紹介)(第七〇八号)
設置基準を生かし特別支援学校の教室不足解消を求めることに関する請願(青山大人君紹介)(第七二六号)
同(浅野哲君紹介)(第七二七号)
同(奥野総一郎君紹介)(第七二八号)
同(鎌田さゆり君紹介)(第七二九号)
同(神谷裕君紹介)(第七三〇号)
同(菊田真紀子君紹介)(第七三一号)
同(櫻井周君紹介)(第七三二号)
同(重徳和彦君紹介)(第七三三号)
同(徳永久志君紹介)(第七三四号)
同(中川正春君紹介)(第七三五号)
同(長友慎治君紹介)(第七三六号)
同(馬淵澄夫君紹介)(第七三七号)
同(松原仁君紹介)(第七三八号)
同(宮本徹君紹介)(第七三九号)
同(米山隆一君紹介)(第七四〇号)
同(笠浩史君紹介)(第七四一号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第七九八号)
同(笠井亮君紹介)(第七九九号)
同(穀田恵二君紹介)(第八〇〇号)
同(志位和夫君紹介)(第八〇一号)
同(塩川鉄也君紹介)(第八〇二号)
同(篠原豪君紹介)(第八〇三号)
同(田村貴昭君紹介)(第八〇四号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第八〇五号)
同(寺田学君紹介)(第八〇六号)
同(宮本岳志君紹介)(第八〇七号)
同(宮本徹君紹介)(第八〇八号)
同(本村伸子君紹介)(第八〇九号)
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(浅野哲君紹介)(第七四二号)
国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(浅野哲君紹介)(第七四三号)
同(青柳陽一郎君紹介)(第七九七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
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○田野瀬委員長 これより会議を開きます。
文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官中井幹晴君、文部科学省大臣官房長井上諭一君、大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君、総合教育政策局長望月禎君、初等中等教育局長矢野和彦君、高等教育局長池田貴城君、研究振興局長塩見みづ枝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田野瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○田野瀬委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田嶋要君。
○田嶋委員 おはようございます。立憲民主党・無所属の田嶋要でございます。
今日は、文部科学委員会で質問の機会をいただきました。委員長そして理事の皆様、全ての委員の皆様に心から御礼申し上げます。ありがとうございます。
二十分間、大臣、よろしくお願いいたします。
文部科学で御質問させていただくのは初めてでございますけれども、今日は、インクルーシブ社会に関して主にお伺いをしたい、時間がありましたらエネルギーのこともお伺いしたいと思います。
インクルーシブ社会が広がってきまして、やはり学校教育の現場というのが非常に大事なんだろうというふうに思います。つい四月一日からインクルーシブも前進というか、民間企業の合理的配慮が事業者努力義務から義務になったということでございますので、まさに教育現場はそういう意味では最先端を行く役割を担っているのだろうというふうに思っております。
そこで、ちょっと質問の順序を入れ替えまして、最初から具体的なケースに入らせていただきたいんですが、合理的配慮というのは、文部科学省からの御報告ですと、例えば公立の高等学校の入試における合理的配慮は、日本全国に三千四百五十五校、高校があるそうでございますが、公立高校のうち、合理的配慮、一六年には半分以下の千四百八十九校、そして二三年には三千百五十四校と、九割近い高校に合理的配慮ということが行われるようになってきたということで、大変うれしい、前進しているということだというふうに思います。
ただ、大臣、問題は、やはり悪魔は細部に宿るという言葉どおりで、合理的配慮はやっているけれども実際にはなかなかうまくワークしていない、こんなような実例がいろいろあるということを、私、今年一月一日に神社の前に立っておりましたら、お父様から御相談を受けたというのがきっかけで。
今回申し上げたいのは、その一個の事例の話というか、やはりここから想像力をたくましくして、全国で同じような理不尽なことが起きていないのかどうかということを大臣に問うていきたいと思います。
具体的には、肢体不自由児ということでございまして、脳性麻痺という御病気などで肢体不自由になっているケースの高校の受験時間の延長ということでございまして、これは合理的配慮の一つの側面、一つの項目に既に上がっているのは承知をいたしております。
しかし、問題はここから細部に入っていって、要は、合理的配慮というのが、これはよく倍率でいうんですけれども、一・三倍の時間を認めるか、一・五倍の時間を認めるか、これはささいな差のように見えるかもしれませんが、我々も高校受験とか大学受験でかなり違いますよね。そんなことが、障害を持つ御本人や親御さんからとってみると、大変、ある意味、その子の明暗を分ける大きな違いなわけでございます。
公立のこの子のケースは、受験時間を教育委員会から一・三倍ですよと言われたということであります。ところが、実はその親御さんは、二人三脚、まさに中学校一年になったときから、当然その子の高校受験を心配をして、学校と二人三脚で、中学校の先生が非常にお気持ちがあって、伴走型でいろいろ試行錯誤する中で、校内テストを一・五倍ということでやってきたというケースなんですね。
そういう実績を積み上げていたにもかかわらず、受験の年になっていきなり教育委員会から前例がありませんという理由で一・三倍ということを通告をされて、ショックを受けた親御さんから私が相談を受けた、このような話でございますけれども、私は、本当にそういう状況が現実にあるのかということにびっくりしまして、本当に心を痛めたわけでございます。
配付資料の二を御覧ください。そのお子さんは結果的に一・五倍になりまして、千葉県初なんですね。千葉県初の一・五倍になって、もう既に他県からも問合せがあるような、千葉県が先例をつくってくれたというような話も聞いておるわけです。
私は、その子の問題もありますけれども、日本中でこのような親子が現実に振り回されて壁にぶつかっている、先例がないよと言われちゃうとなかなかそこから先に進めないとかいうことがあるというふうに感じるわけでございますが、大臣、まず、こういう現場の状況というのは把握されておられますでしょうか。
○盛山国務大臣 高校入試における合理的配慮の提供につきましては、個々の障害の状態等に応じ、都道府県教育委員会等の高校入試の実施者において適切に行われることが重要と考えております。
文部科学省においては、別室受験や試験時間の延長を始め各実施者における受験上の配慮の提供状況について調査を行い、全国の高校入試担当者が集まる会議の場においてその結果を公表するとともに、各都道府県の担当者間の意見交換等を通じてその取組を促しているところでございます。
その上でということになりますけれども、一般論で申し上げれば、実際に提供される合理的配慮について、個々の事情等を踏まえることなく、前例がないということを理由に、一律に提供しないといった判断を行うということは適切ではありません。文部科学省としては生徒、保護者の希望、障害の状態等を踏まえ、適切な配慮の下で受験がなされるよう、各実施者の取組を促してまいりたいと考えております。
障害者権利条約は、批准というか締結をして、各それぞれの国内法の手当てもなされた。そして、今委員がおっしゃったように、この四月一日から民間の、つまり国公立じゃないという意味ですが、そういうところに対しても義務づけがなされるというところになったわけでありますし、そしてまた、全会派一致をして平成三十年の暮れにユニバーサル社会推進法という法律も議員立法で作っているわけでございますので、こういった趣旨をどうやって周知をしていくのか、これがなかなか我々にとっても頭が痛いところでございますが、心のバリアフリーという言葉がありますけれども、相手の立場に立って、何をすることが望ましいのかということを考える気持ち、これを一人一人の国民の皆様にお持ちいただくことが大事だと思います。
そしてまた、実施者であります教育委員会その他の担当が、繰り返しになりますけれども、前例がないということでそういう判断をするのではなく、どうすればいいかということも含めて考えていっていただくことが肝要ではないかと思います。
○田嶋委員 いい御答弁ありがとうございます。
ただ、やはり私もショックだったんですけれども、国会議員二十一年目にして初めてそういう御相談を受けて、私も動きました、教育委員会にも面会しました。しかし、私がそれに出会う前の何年間ずっと、あるいは何十年間ずっと、そうした方々が、前例がない世界で涙をのんでおられたんじゃないか。
あるいは、同時に、今、千葉県のこの一個のケースではなくて、日本中で前例がないがゆえに一・三倍。一・三倍だと、やはり文字を書くのも非常に時間がかかるということだとなかなか合格できない、そんなケースが数十、数百あるのではないかということを私は非常に心を痛めておるわけでございますので。
是非、大臣、いろいろなことを調査なさっていて大変なのは分かるんですけれども、こうした、やはり本当に悪魔は細部に宿っているから、合理的配慮をしているよと言われたら、一・三だってしているんですよね。しているけれども、うまくいかないんですよ。ここはやはり一度調査をしていただけないかなということをお願いしたいんですが、いかがですか。
○盛山国務大臣 調査、どこまでするのかということになりますけれども、各主体であります教育委員会、こういう都道府県教育委員会の、高校入試だけではありませんが、そういう担当者との協議の場というところがございますので、そういう場でよく我々としても周知を図っていきたい、そういうふうに考えております。
つまり、今先生がおっしゃったように、お一人お一人によって、一・三倍でいい方もいらっしゃるかもしれません、それで、それでは足りない方、もっと欲しいという方もひょっとするといらっしゃるかもしれません。そういう、内容に応じて適宜適切に判断をするということを周知していきたいと思います。
○田嶋委員 おっしゃるとおりだと思います。一・五に全員しろということでは全然ないんですね。だから、一・三の方は一・三でいい。
ただ、私は、現場の方は、明確な具体的基準がない中で、先例に従うのが一番楽だからということで、勢いそういう判断に流れている教育委員会があるのではないかというふうな危惧を感じるんですね。
そこで、私は提案したいんですが、やはり一番雄弁にその子の状況を伝えられるのは、中学校三年間の積み上げだと思うんですよ。それを是非やはり重視していただきたい。中学校は定期テストが一回や二回じゃないわけで、その中で、さすがにこの子は一・三倍では無理だねということが、積み上げてコンセンサスをつくっていくことが何より大事じゃないか。そういう基準を文科省からお示しいただけないかなと思います。
それから、医師の診断書ですね。今回もお医者様から医師の診断書が出ましたけれども、やはり私たち素人には、一・五がいいのか、一・三がいいのか、分かりません。そういう意味では、できる限りそうした専門家の判断や日々の積み上げの実績からその子にふさわしい倍数ということを御判断いただきたいということを、重ねてお願いをさせていただきたいというふうに思います。
ちょっと時間の制約で、次に移らせていただきます。
もう一つの問題、これも、せんだって二十名ぐらいの御家族と面談をしました。三十分が二時間半になったわけでございますけれども。いわゆる、よく言われていることでございますが、定員内の不合格という問題でございます。
これはもちろん、障害者じゃないケースも定員内不合格というのはあると思います。そして、かつての大臣の答弁でも、定員内不合格は全く全部駄目だというわけではないということも答弁が出ておるわけでございますが、ただ、御家族、特にこのケースは知的障害の場合でございますが、悩まれておられるのは、障害者の子供だけが定員内で不合格になっているというケースが相当数あるということを聞いてございます。
配付資料の三から五でございますけれども、文部科学省も最初はやらないとおっしゃっていた調査を、舩後先生ですかね、の御質問を受けてこういう調査をしていただくようになったわけでございますが、定員内は、この数字からは表には見えませんが、資料の四でございますね、県によって相当ばらつきがあるということで。そして、この中の多くが、定員よりも合格者が少ない、その中で落ちてしまっている方は障害児の方だけだと。
そういう現実を見れば、親御さんはどう思うか。あっ、うちの子は障害で落とされたんだなというふうに普通は思いますよね。歴代の大臣は、障害を理由として落としては、あってはならない、そういうことをずっとお答えになっておるわけですが、大臣がそういうことをおっしゃっても、親御さんたちは、あっ、うちの子は障害で落とされている、普通そう感じますよ。
だから、私は、その辺のこの調査をもう少し詳しく見ていただけたら、この定員内不合格の数字の中で障害者が、障害児がどのぐらいいるのかということも是非調査をしていただきたい。これは質問通告しておりませんので、お願いをさせていただきたいというふうに思います。
そして、私の質問は、この三ページを御覧いただきたいと思うんですが、例えば首都圏を見ても、埼玉県、東京都、神奈川県は、定員内不合格が一切ないんです、ないんですね。これは、千葉県議会で大勢の議員さんが、自民党さんも公明党さんも立憲民主党もみんな質問しているんです。みんな質問しているんですが、千葉県で質問する限り、他県のことは分かりませんという答弁になっちゃうんですよ。それはそうですよね。千葉県のことで、何で千葉県はゼロにできないんですかという質問はできても、何で他県はゼロなんですかという質問はできないんですね。
そこで、私は大臣に国会議員の立場からお伺いしたいんですけれども、なぜ東京、神奈川、埼玉はゼロにできているんですか。
○盛山国務大臣 高等学校入学者選抜の方法等は、実施者である都道府県教育委員会等の判断で決定し、入学者については、各校長がその学校や学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力、適性等を入学者選抜により判定することとされております。
当省が実施をいたしました令和五年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査の結果によりますと、各教育委員会において、文書等により、原則として定員内不合格を出さないように取り扱うこととしている自治体があります。その中には、今御指摘がありました東京都、神奈川県、埼玉県なども含まれております。
また、この調査によりますと、東京、神奈川、埼玉などは令和五年度の定員内不合格がゼロですが、これらの自治体では、原則として、各学校において合格候補者の決定をする際には、募集定員が満たされるまでを合格とする運用がなされており、その結果として定員内不合格がゼロとなっているものと承知しておりますので、そういう点で都道府県によってのばらつきが出ているんだろうと思います。
○田嶋委員 前半の部分は、この資料三を御覧ください。千葉県でも、原則として定員内は出さないに丸がついているんですよ。だから、それだけじゃ足りないんですよね。今大臣がおっしゃった後半が大事なんですね。
資料の五を御覧ください。後半の話は、私、線を引きましたけれども、東京都、おっしゃるとおりです、募集人員に対して過不足のないように決定と書いていますね。それから大阪府も、募集人員を満たすように決定と書いてあるんですよ。このたった一文によって教育委員会の姿勢が違うんですかね。
だったら、だんだんだんだん人口が減っていく中で、みんなこういう共通ルールで、県によってこんなに差があったら、千葉県の親御さんは東京都に受験させたくなっちゃいますよ、やはり、普通高校に入れたいということは。そう思いませんか。自分の立場がそうだったら、そういう気持ちになりますよね。だから、この大きな差というのは、ちょっとこれは問題だと私は思いますよ。
もちろん、教育委員会が決める、設置者が決める、そういう原則があるにしても、もうちょっと、他県はこうやっていますよということを、一歩踏み込んで文科省がやはり広げていただきたい。先ほど言ったように、県に聞くと、他県の事情は分かりませんで終わっちゃうんですよ、全部答弁がそれで終わっていますから。そういうことのないように、是非お願いをして。
そして、是非、千葉県でも多くの方が心配しているんです、また障害者だけ落とされるんじゃないかと、そういうことがくれぐれもないように。これは千葉県だけの問題じゃないですから。全国かなりのところが今でも、多数のところがまだそういうことになっておるので。しかし、大都市である東京や大阪や愛知県はゼロなんですよ。もうそういう方向に私は向かうべきだということを大臣にお願いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
答弁、ちょっと短めに、よろしければお願いします。
○盛山国務大臣 済みません、じゃ、短めに。
先ほどの前提の上でということになりますけれども、定員内でありながら不合格を出す場合には、その理由が説明されることが適切であることを通知などで示してはおりますけれども、引き続き、今、田嶋委員から御指摘がありましたように、様々な機会を通じてその趣旨の周知を図り、各都道府県教育委員会等における適切な取組を促したいと考えます。
○田嶋委員 是非お願いします。
千葉県の本当に全党各会派が同じ疑問を持ち、同じ壁にぶち当たっている。是非、大臣の御判断で、もう一歩踏み込んだ文科省としての対応をお願いすれば、状況は東京や大阪のような状況に近づいていけるんだろうというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
そして、最後の時間、ちょっと僅かでございますが、学校のエネルギーの問題。
資料の六を御覧ください。後の菊田先生もやられるかもしれませんけれども、空調の状況が、体育館の空調は被災地の関係でもございますので、今後、直下型とかいろいろ考えると極めて大事ですね。そういう中で、これを御覧いただきたいんです。やはり東京だけ突出して空調が完了しているんですよ、八割。私は、こんな凸凹があったらよくないんじゃないかなと。特に、首都直下型だったら千葉県も大変ですよ、神奈川も大変です。南海トラフだったら静岡が大変ですよ。そういうところがやはり被災の場所になったときの避難所生活を考えたら、ここを同じスピード感で一刻も早く、耐震化ではなくて、耐震化の次にやはり暖房、冷房、これは大事だと思うんですね。大臣もうなずいていらっしゃいます。
そこで、財源がという話に必ずなるんですね。だから、そこをどう解消するかですけれども、次の資料の七を御覧ください。これは環境省が調べて発表したんですけれども、自治体や学校でのソーラーとかの設置が、エネルギー基本計画でうたっているにもかかわらず、設置比率は僅かに二・七%、下の方ですね。役所は一・五%。
大臣、これは余り、教育行政とちょっと違うかもしれないんですけれども、そういう部署がありますので、ソーラーとかを一生懸命設置していけば、かなりの、ある意味では財源にもなるんです、これ。だから、国民の税金を使わずとも、空調設備を加速させる可能性もあるんですね。これは分かっていただけますよね、電気代の節約にもなるということで。
こんな二・七%じゃ、国民に示しがつかないですよ。まずは隗より始めろで、行政がやはりこれを引っ張っていっていただいて、そして、そのキャッシュフローがある程度できたら、それを財源に断熱あるいは空調の設置を加速していただく、こういうことで、一挙両得みたいに進めていただきたいというふうにお願いを申し上げたいんですが、大臣から最後に御答弁いただきたいと思います。
○盛山国務大臣 おっしゃるとおり、再生エネルギーを使うということは大変有効だと思います。また、地球温暖化対策にも資するものでございます。
我々では、再生可能エネルギー設備の整備に対して経費の二分の一を国庫補助しているほか、環境省とも連携をして、いろいろな内容その他について周知、情報発信を行っているところでございますけれども、これを更に一層進めていく必要があると思いますし、また、あわせて、体育館の空調設備、これの整備、防災対策も含めてどのようにしていくか、そして、その財源をどう活用していくのかということで、環境省あるいは総務省、関係省庁とも相談をしていきたいと考えます。
○田嶋委員 ありがとうございます。
インクルーシブも、エネルギー、環境の問題も、なかなか現場に伝わっていないと思うんですね。一歩踏み込んだ文科省からの御支援をよろしくお願いします。
今日はどうもありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 おはようございます。立憲民主党の菊田真紀子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
能登半島地震から約三か月がたちました。改めまして、今回の地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表すとともに、御遺族の皆様、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
まず、公立学校の震災による被害への対応について伺います。
先日、私は、災害対策特別委員会の理事として、被災した新潟市の坂井輪中学校を視察してまいりました。この三月末まで一、二年生はオンラインで授業を続けておりました。そして、三年生と特別支援学級は近くの小学校の校舎をお借りして授業を行ったそうです。卒業式や入学式は、自分たちの学校で行うことができなくて、市内の公共施設で実施をされたということでございました。大変不自由な生活の中でも、生徒の皆さん、先生方、頑張って学びを継続しているということを大臣にもお伝えさせていただきたいと思います。
被災した南側の校舎なんですけれども、解体して建て替えることになりまして、市の説明では、約八・六億円かかるということでございます。
新潟県全体では、公立学校七百八十六校中、三百二十三校という約四割の学校で、壁のひび割れ、体育館の床が沈下してしまった、グラウンドの液状化、駐車場が壊れてしまったなどのたくさんの被害が発生をしておりまして、復旧工事を急がなければなりません。
必要な財政支援等、しっかりと御対応いただけるか、文科大臣に伺います。
○盛山国務大臣 公立学校施設が地震等の自然災害により被災した場合、文部科学省におきましては、その復旧に要する費用の三分の二を国庫補助の対象としております。
さらに、今般の能登半島地震につきましては、激甚災害として指定されておりますので、復旧に係る補助率のかさ上げを講じるなど、通常より手厚い支援を行っております。
今後とも、学校施設の早期復旧を実現するため、被災自治体のニーズに寄り添った支援に全力で取り組んでまいりたいと考えています。
○菊田委員 ありがとうございました。
激甚災害指定ということもございまして、通常よりも手厚い支援ということで大変心強く思っておりますが、一日も早くまた日常の生活に戻れるよう、更なる御尽力をよろしくお願いします。
今、田嶋議員も質問されましたけれども、災害時の避難所になる体育館の空調設備の設置状況について伺いたいと思います。
今国会では、衆議院、参議院どちらも、大変多くの議員が学校の体育館の空調設備についての質問をされておられます。党派を超えて、いまだになかなか体育館の空調設備が進まないということに対する懸念が広がっているということだと私も考えておりますけれども。
私は、発災翌日に、避難所となっている新潟市の中学校の体育館に行ってみましたが、本当に寒い真冬でございますので、大きなストーブが幾つかはあったんですけれども、ほとんど暖まらない、コートを着ていても体調を崩してしまいそうなぐらい、非常に過酷な状況でございました。
資料の一ページ、御覧いただきたいと思います。小中学校の体育館の空調設備の設置状況のグラフでございます。左下に、全国平均一一・九%とあります。しかし、このグラフを見ると、先ほど田嶋議員が指摘をされておられましたけれども、一目瞭然で、東京都が八二・一%と突出しています。ほかにも幾つか全国平均を超えている府県はありますけれども、ほとんどが五%以下。今回、能登半島地震で被災をした新潟、富山、石川、福井の各県はそれぞれ、一・二%、〇・六%、一・一%、一・三%と、ほぼ全ての体育館に空調設備がございません。
なお、この数字は、冷房があれば、暖房がなくてもカウントされるため、暖房が設置されている体育館は更に少ない状況ということも見込まれます。
体育館の空調設備の設置はなぜ進んでいないのか、文科省に伺います。
○盛山国務大臣 学校の施設は、子供の学習、生活の場であるとともに、災害時には避難所としての役割も果たす観点から、空調設備の整備は重要であると我々は認識しております。
これまで、文部科学省におきましては、公立小中学校の施設について、子供が長い時間を過ごす教室への空調設備の整備を優先して支援してきたところでございまして、令和四年九月一日時点の調査における空調設備の整備率は、普通教室で九五・七%、特別教室で六一・四%、他方、体育館等では一一・九%にとどまっております。
このように体育館への整備率は全国的に低い状況である一方、体育館への空調設備の整備を進めていくためには、各学校を設置する自治体自らがその整備を判断してもらわなければなりません。
このため、文部科学省におきましては、各自治体における判断を後押しするため、令和五年度から令和七年度までの間、体育館への空調設備の新設について、断熱性の確保を前提に、国庫補助率を三分の一から二分の一に引き上げております。
これまで、どうしても体育館は後回しで、教室を先にしてきたというところは分からないではないんですが、菊田議員がおっしゃるとおり、災害において避難所になるという可能性も大変高いわけでございますので、体育館も含む学校施設の強靱化だけではなくて、こういった冷暖房、空調設備というのも大変重要であると考えておりますので、各自治体におかれましては、こういった我々の事業の活用について積極的に御検討いただき、整備を進めていただきたい。そして、我々も、各自治体の計画的な体育館等への空調整備を行えるよう支援していきたいと考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。
電気代などの光熱費、ランニングコストの問題があって設置がなかなか進まないというのが、私は原因ではないかというふうに思います。
公立学校の設置者である自治体から、面積の大きい体育館では空調の光熱費が高くなってしまうため、どうしても空調設置をためらってしまうという声を多く聞いています。設置しても、使用に制限をかけている学校もあると聞いています。空調の光熱費は自治体の一般財源を充てなくてはいけないので、やはり財政事情の厳しい自治体は設置に二の足を踏んでしまうという気持ちも分かります。
政府は、体育館の空調新設への補助割合を、先ほど御答弁にありましたけれども、かさ上げしているということでございますけれども、ランニングコストには手当てがありません。
この点につきまして、三月十五日の参議院予算委員会で、松本総務大臣が、教室におけるエアコンのランニングコストは令和元年度から普通交付税措置をした、学校体育館のエアコンの光熱費については、文部科学省とも連携して、今後のエアコンの設置状況の進捗や実際の財政需要を踏まえつつ、適切に対応すると答弁されました。
今回の冬季間の能登半島地震の経験を踏まえまして、教室におけるエアコンと同じように、体育館の空調設備の光熱費についても速やかに普通交付税措置すべきではないかと考えますが、総務省に見解を伺います。
○中井政府参考人 お答えいたします。
公立学校におけるエアコンの光熱費につきましては、平成三十年度の補正予算においてエアコン設置のための臨時特例交付金が計上され、教室におけるエアコンの設置状況が大きく進捗するということが見込まれましたことから、経費の実態を踏まえ、今お話ございましたように、令和元年度から普通交付税措置を講じております。
学校体育館のエアコンの光熱費につきましては、文部科学省と連携し、今後のエアコンの設置状況の進捗や実際の財政需要を踏まえつつ、適切に対応してまいります。
○菊田委員 ありがとうございました。
文部科学省とも連携して適切に対応するということでございますので、いま一段文科省としても踏み込んでいただいて、是非この設置率を上げていただきたいと考えますけれども、大臣の見解を伺います。
○盛山国務大臣 菊田先生御指摘のように、ハードの施設整備、エアコンそのものですね、これをまず増加していかなくてはならぬ。そしてさらに、その後のソフト、電気代ということになりますけれども、これをどのように手当てをするかということでございます。
今総務省の方から御答弁がありましたとおり、教室についてのエアコンの設備、この整備率が大変増加してきた、上がってきたということで、平成三十年度の補正であり、令和元年度の予算から措置がされたということで、先日の総務大臣の御答弁も、そういったところと関係をしながら、体育館の空調設備、この整備率がどういうふうになっていくのか、そういうところを見ながらやっていきたいという御趣旨ではないかと思いますが、各自治体における体育館への空調設備の整備の取組を支援するとともに、この光熱費につきましても、総務省さんと連携をしながら対応していきたいと考えております。
○菊田委員 よろしくお願いします。
次に、普通教室は空調設備の設置が全国で九五・七%進みましたけれども、特別教室は空調設備の設置が六一・四%しか進んでいません。これは、資料の二を御覧いただきたいというふうに思いますけれども。
特別教室で授業を担当する教員というのは、猛暑の夏でも空調のない教室で一日中授業を行っています。中には熱中症にかかってしまいそうな教員もいるということを聞いております。
この資料は令和四年九月一日時点のもので、令和五年度から体育館への空調設備は補助率が二分の一にかさ上げされています。ただ、特別教室は三分の一のままであります。
十三日の本委員会で、体育館の空調設備の設置は令和十七年度までに九五%を目指すと明確に御答弁がありましたが、特別教室の空調設備はどう進めるのか、文科省に伺います。
○笠原政府参考人 先生からの小中学校の特別教室のお尋ねがございました。
まず、公立小中学校の特別教室への空調設備の整備の状況でございますけれども、先生の方からお話ございましたが、平成三十年九月一日時点で四二%でありましたけれども、令和四年九月一日時点で六一・四%と着実に進んではいるものの、引き続き整備を進める必要があるというふうに認識をしてございます。
文部科学省といたしましては、特別教室等の学校施設への空調設備の整備に対しまして国庫補助を行っております。これらを含めた公立学校施設整備に必要な経費といたしまして、令和六年度予算と令和五年度補正予算と合わせまして、総額二千二百四十二億円を計上しているところでございます。各自治体におかれましては、こうした予算の活用を積極的に御検討いただき、整備を進めていただければというふうに思ってございます。
引き続き、各自治体が特別教室を含めて学校施設への空調設備の整備を計画的に取り組むことができますよう、支援をしてまいります。
○菊田委員 いつまでに何%を目指すということをおっしゃっていただけないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○笠原政府参考人 空調設備の設置につきましては、防災機能の観点もございますので、体育館等についても明確な今目標を定めております。
特別教室につきましては、まず子供の居場所ということで普通教室を進めたところでございますので、引き続き特別教室についても進めるということで、させていただければというふうに思っているところでございます。
○菊田委員 是非頑張っていただきたいというふうに思います。財政的に厳しい中でも文科省は一生懸命やっていらっしゃることは理解しておりますけれども、学校に行ってみますと、いまだにお手洗いが和式になっていたり、真冬でも本当に冷たい水道水を使わざるを得ない、もちろんお湯も出ないようなところで手洗い場があったりとか、老朽化が激しいところとか、まだ本当に何か気の毒だなと思うような学校が多数ございますので、子供たちの学びの環境を少しでも向上していただきたいというふうに要望したいと思います。
次の質問に移ります。
二月二十六日に、福岡県みやま市の小学校一年生の男子児童が給食を喉に詰まらせて死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。資料の三ページに新聞記事をつけています。
この事故について、問題意識と対応状況を文科省に伺います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
今先生から御紹介いただきました大変痛ましい事故につきましては、詳細について、現在もみやま市により調査を実施していただいているところでございます。
本年二月二十六日、福岡県みやま市の児童が学校給食時間における窒息事故の疑いにより亡くなる事故が発生したことを受けまして、文部科学省としては、二月二十七日付で、学校給食における事故の防止について、改めまして各都道府県教育委員会等に対し、指導の徹底を求める事務連絡を発出したところでございます。
文部科学省では従前より食に関する指導の手引というものを出しておりますが、それにおいて、学校給食時における安全に配慮した食事の指導の在り方、事故等のときの対処の方法、指導に当たっての留意点等を示しているところでございまして、引き続き、学校給食の安全な実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○菊田委員 事故の翌日の二月二十七日に指導の徹底をお願いしたということなんですけれども、私は、今回の事故の対応として指導の徹底だけでは足りないのではないかと考えまして、幾つかの点について質問したいと思います。
そもそも給食の時間が短いのではないかというふうに考えます。
資料の四ページ、御覧いただきたいと思いますが、これは文部科学省が作成している食に関する指導の手引の抜粋ですけれども、給食の時間の設定に当たっては、指導の時間を含め、ゆとりを持って当番活動や会食ができるよう時間の確保に努める必要があるとされています。
文科省に問い合わせたところ、給食時間の設定については法令上特段の定めがなくて、各学校長の判断とされており、文科省としても特段の実態等を調査していないという回答でございました。
しかし、今回の事故が発生した後、そもそも給食の時間が本当に短いんだということで、子供たちが物すごく急いで食べざるを得ないんだというような声がSNS上で多数上がっていました。食べるスピードが速い子もいれば、ゆっくり時間をかけないと食べられない子もいます。
私の地元にある小学校の四年生のクラスは、給食の時間が十二時二十五分から十二時四十五分まで、二十分以内で給食を終わらせるということを聞きました。また、中学校の二年生のクラスは、十二時三十五分に四限目の授業が終わり、それから配膳など給食の準備をして食べる、ごちそうさまでしたとみんなで挨拶をするのが十二時五十五分だそうです。準備に時間がかかると、食べる時間が十分ないときもあるというふうに聞きました。
時間が足りなくて、よくかまずに飲み込むようにして給食を食べてしまって、このような事故が起こってしまうのではないかというふうに考えますけれども、文科省の見解を伺います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘のございましたとおり、給食の時間については、各教科の授業のような標準的な時間の設定はなく、各学校において適切に時間を設定すべきものではございますが、先ほどこれも指摘のございましたとおり、指導の時間を含め、ゆとりを持って当番活動や会食ができるよう時間の確保に努める必要がある旨、示しているところでございます。
今回、現在、みやま市の教育委員会において調査、検証を行っているものと承知しており、その要因等が今現在特定されているわけではございませんが、みやま市教育委員会から聞き取りしたところ、当該学校における給食の時間の準備、片づけ等を含めた時間は四十五分、準備に十五分、会食二十五分、後片づけ五分という報告を受けておりまして、給食の時間が極端に短かったとは認識していないところでございます。
○菊田委員 本当に、五分、五分、五分で済ませるというのは過酷ですよ。
そして、先生方も給食を急いで食べて、残りの時間でほかの作業をやっているという先生のお話を聞いたことがありますし、食事の後にトイレに行ったり身支度をする時間さえなくて、すぐ次の授業に入らなきゃいけないというようなケースもあると伺っています。
また、小規模校では専任の栄養職員がいない学校もあり、幾つかの学校を一人の栄養職員がかけ持ちをしているケースもあります。さらに、食物アレルギーへの対応も厳しくなっていて、教員や栄養職員の負担はますます大きくなっています。
非常に多忙な教員に、教室の全ての子供たちに目を向けながら、詰まらせていないかな、よくかんでいるかなということを見ながら、事故が起こらないように安全に注意しながら、教員自身も決まった時間内に食事を済ませなくてはならない、こういうことを強いている現状について、大臣はどう考えるでしょうか。
○盛山国務大臣 先ほど初中局長がお答えしましたとおり、今回のケースにつきましては、みやま市教育委員会において調査、検証を行っておりますので、そういった報告を待ちたいと思うんですが、今回の事故が発生した一年生の学年におきましては、一学年が四十二名、そして二学級編制であったというふうに聞いておりますので、それなりの、教員に対する児童の数、そこはそこそこだったんじゃないかと思います。
そして、給食の時間における日々の指導については学級担任が行うことになりますけれども、児童生徒が給食を食べる際に想定されるリスクについて、校内マニュアルなどを整備し、全教職員で共通理解を図った上で組織的に運用することが事故の未然防止や適切で迅速な対応につながるものと認識しております。その旨につきましては、文部科学省が作成する食に関する指導の手引においても示しているところであります。
あわせて、児童生徒の発達段階等に応じた、安全に給食指導を行う環境を整備することは大変重要であると我々も認識しております。きめ細かな指導が可能となるよう、小学校三十五人学級の推進を始めとする教職員定数の改善など、学校の指導、運営体制の充実に努めてまいる所存です。
○菊田委員 これ、そもそも先生がやらなきゃいけない仕事なのかなという気もするんですね。ここは、先生じゃないいろいろな方の手をかりながら、給食の時間をもう少しゆとりを持ってやれるようなことも是非検討していく必要があるのではないかというふうに考えます。
ちょっと時間がありませんので、教職員のメンタルヘルスについて取り上げたかったんですけれども、次回に回させていただきまして、最後の質問に移らせていただきます。
福岡市の私立の女子中学校が高校受験の願書の締切りを勘違いしたため、生徒が予定どおり希望した高校の試験を受けられなくなってしまった事案について質問します。
資料の六ページを御覧ください。この事案は、生徒側に何の落ち度がなかったにもかかわらず、希望していた試験を受けられないのは余りにかわいそうだということで、マスコミにも取り上げられました。
最終的には、学校側が事故や病気などで受験できなかった生徒を救済するという規定を準用して、三月中旬に受験機会が設けられたと聞きますが、文科省はこの事案をどのように把握、認識しているのか、そしてどのような対応を取られたのか、お聞きしたいと思います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの件につきましては、高等学校の設置者であり、また高等学校入学者選抜の実施者でもある教育委員会を通して事実関係の把握を行っております。
本件については、高等学校及び教育委員会において必要な対応を御検討いただいているものと承知しております。
以上でございます。
○菊田委員 改めて受験機会が設けられたので、今回の事案は無事解決したな、問題なしだなというふうに終わらせてはいけないと私は思うんですね。
やはりこれ、受験生にとっては物すごくショックでありますし、人生に大きな影響を与える事案だというふうに思います。こういうことが起こらないように願うんですけれども、ミスは意図せず起こり得るものでありますので、何も落ち度がない生徒自身に不利益が及ばないように、これは文科省も、強権的にやってくれということではないですけれども、是非両者を仲立ちして、子供に、受験生に不利益が行かないように、解決に向けてすぐに行動を起こすことを要望したいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○盛山国務大臣 菊田委員おっしゃるとおり、高校に限らないんですけれども、入学者の選抜、入試というのは、生徒にとっても大変大事な、重要な機会でございます。
先ほど来御答弁申し上げているとおり、高等学校入学者選抜の方法は、実施者である教育委員会の判断で決定するものではありますけれども、我々としましては、今回の件も踏まえた上で、入学者選抜の手続について万全を期するよう、全国の高校入試担当者が集まる会議等の場において周知、情報発信を徹底していきたいと考えております。
○菊田委員 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、下条みつ君。
○下条委員 どうも、立憲民主党の下条みつでございます。
文部科学行政というのは、ともかく国の礎となる教育の下、それを教える先生方、そしてまた、それを受ける受け身の生徒さんたち、これをつかさどるすばらしい行政だと思っておりますので、今日はいろいろな提言を大臣にしていきたいと思いますが、是非前向きな御答弁をいただければというふうに思っています。
まず最初に、私も、大臣みたいに優秀で、運輸省へ行かなかったんですけれども、民間に行って人事部にいたんですよ。人事部、採用等々あったり、何千という生徒さんたちに会ったりしていて、やはり何がポイントかというと、自分がやりたかったのは何か、そういう気持ちを持ってやる人もいれば、仕方なくて、学校で勉強していなかったから仕方ないといって、こういう、仕方ないところに受験する人も会社の方にいる。
そこで、今、お子さんたちが、去年、これは第一生命さんが出した、なりたいものは何かというやつなんですね。ここから口火を切っていきたいと思います。限られた時間でございます。
まず、小学校の男子、一番最初、やりたいのは会社員、そこからだんだんユーチューバーとかサッカーとか何だかんだいって、エンジニアとか、それで、そこの中にはお医者さんも入っているんだけれども、十番目までに、男子の学校の生徒さんというのは、全く教師というのは出てこないんです、ほとんどいない。要するに、やりたいと思わないんですね。いろいろなものの情報が入ってきているのか、それが何か分かりませんが、ともかくやりたいと思っていないというのがこの数字で出てきている。
一方、女子の方は、やはりパティシエとか、何か会社員とか看護師さんとかユーチューバーとか。去年ですよ、これ。七番目にやっと教師というのが入ってくるんですね。
私は何を言いたいかというと、やはりやりたい職業であるかどうかということが、いい人材を確保できるかの、受け身である、受ける側の人たちのまずは根本に発想があると僕は思うんです。そこに男子はまず入っていないということが一つ目です。
それから次に、どこかの会社に入ったり、何かを仕事していきたいという人たちにとっては、初任給というのはやはりポイントなんですね。
それで、レクで事前にちょっとそちらをお知らせしてありますけれども、初年度の年収というものがどのぐらいなのかなというふうに見たときに、喫緊でいくとやはり、これはドルベースですけれども、日本でいうと大体二万八千ドルぐらいですね、初年度。フィンランドは三万七千ドルなんですね。GDPで日本も抜かれたドイツは七万ドルなんですよね、初年度で。
簡単に言えば、僕はやはり、やる気が出るか、また、そこのところに行きたいか。人材を確保するということは、まず、さっきいろいろな問題が出ていましたけれども、先生方がやる気があって入ってくるのか。使命感だけでやっていくのは、これは違うと思うんですね。
これはやはり、私がヨーロッパに住んでいたらドイツの学校の先生をやりたいですよ、七万ドル出るんですから。日本だと二万八千何がししか出ない。約倍以上ですよね。だから、そういうところでやはり、逆に言うと、いい人材が取られてしまう。
最近出た、昨日か何かの各企業の初任給のアップは、日経か何かに出ていますけれども、もうすごいんですよ、京都銀行なんて三万五千円アップして、全日空でも一万円アップ、JFEスチールは五万円アップしているんですね。それだけやはり人材を欲しいと。人材を欲しいというのは、最終的に、さっきからいろいろな課題が出ていますことをカバーする人が、優秀な人が入ってくるということにつながっていくと思うんです。
そこで、大臣に私が申し上げたいのは、政治家でいうと田中角栄先生というのは私は好きで、割と、これは立憲に言うと怒られちゃうんですけれども、字をもらったりして、非常に好きな政治家の一人ではあった、いろいろな問題はあったかもしれぬけれども。その方が、やはり小学校というのは、白紙の状態で生徒が出ていって親元を離れている、初めて全く他人の大人と会って話をするということで、白紙のキャンバスみたいなものだということで、七四年から人材確保法によって五年間で二五%給料を上げたんですね、小学校の先生の。
やはりこれ、大臣、英断をいただきたいんですよ。一つは、自分が例えば民間しか行けなかった場合等とまた行政に受かれなかった場合、そうすると、先生か何かというときに、やはり最初に、僕も人事部にいましたけれども、皆さんが、優秀な人はいいけれども、初任給がどうだ、初年度の年収がどうだというところが非常に重要になってくるんです。そこで、どんどんどんどん違うところにみんな行っちゃう、そういうことになるんですね。
そこで、大臣のこれに対するお気持ちをまずお聞きしたいというふうに思っていますが、何とかちょっとかけ合っていただいて、優秀な人材を採る、そのためにはやはりさっき言った部分が大事じゃないかと思うんですが、いかがでございますか。
○盛山国務大臣 下条委員がおっしゃるとおり、やはり、生涯年収がどうだと言われても、まず学生さんにとってはぴんとこない。そういう点では、初任給、これで比較をして、こっちの方がいいな、こっちがちょっと悪いなというふうになるというのは、私も実感としてよく分かります。
それで、そう申し上げた上でということになりますけれども、公立学校の教職員も含め、地方公務員の給与や民間の給与水準などを踏まえた人事院勧告に基づき、各都道府県等において適切に決定されているという仕組みになっております。
公立小中学校等の教職員給与費の三分の一について国が負担をいたします義務教育費国庫負担金においても、例年、国の人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定に準じた見直しを行っており、令和六年度予算においては、初任給の五・九%引上げを含む給与改善に係る経費を盛り込むなどしております。
また、教師の処遇改善に向けましては、骨太方針二〇二三において、教職の特殊性や人材確保法の趣旨等を踏まえ、教師の処遇を抜本的に見直すとの方向性が示されたところであります。
文部科学省としては、現在行われております中央教育審議会における議論も踏まえまして、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援について、財政当局と協議をしながら、一体的に進めてまいりたいと考えております。
○下条委員 前向きでいいスタイルだと思いますが、五%というと約一万円ぐらいですから、まだまだちょっとほかから比べると初任給が低いということをお気持ちにいただいて、この後も引き続きプロモーションしていただいて。
やはり、若い人というのは将来なんて考えていないですよ、まず手元ですよ。我々もそうだったじゃないですか。そこで、やはりいかに人材を……(発言する者あり)まあ、僕だけかもしれません、本当にそうなんですよね、最初どうだというのが一番大事でね。そこから入ると、僕もアメリカにいましたけれども、大体、日本の方はずっと続けていくので、人材を放さないようになるんですよね。
じゃないと、今日は余り出していませんけれども、塾の方へ行っちゃうんですよ。塾はPTA関係ないし、後で出しますけれども、精神的なものも関係ないから、そっちで給料が、どんどん行っちゃうということになるので。今日はそこは言いませんが、ともかく人材を逃がさない、そしてそれが、白紙のキャンバスに描いてくれる大人の、他人の大人、親と違う他人なんだということを頭に置いて、是非前向きに、更に進めていただければというふうに思います。
それで次は、私は、お子さんの問題を出すときに、やはり大事なのは教師の環境ということを今申し上げたけれども、相変わらず、いろいろ改正されていますけれども、教師の仕事時間というのは物すごく長いですね。これがブラックになっているから、なかなかみんなが行きたがらないというところもあるんですけれども。
二〇年前後でいうと、四十五時間という、いまだにまだいっていないのが、小学校で一四%、中学校で三七%、八十時間以上。また、四十五時間以上ということでは小学校が六四・五%、中学校では七七%以上が、大多数がそれ以上に超えちゃっている。ということは、簡単に言えば、指針が出て、若干何か一日の時間帯が落ちてきているのは僕も聞いています、だけれども、実態的にいうと、こういう状態なんですね。
これは、日本の労働時間を大体五十六時間とすると、カナダが四十七で、カナダでさえ十時間低い。アメリカで四十六、イギリス四十六、EU平均三十七、韓国三十四時間なんですよ。それを考えると、やはり日本の先生方の負担、これは大きい。同時に、そういう先生が、負担されている方が教える生徒さんにも、後で僕は出しますけれども、いろいろな問題が行くんですね。
だから、この時間、このままでいいか、それとも、これはどんどん改革していく方がいいのか、これをまずちょっと指針をお伺いしたいと思います。いかがでございますか。
○矢野政府参考人 お答え申し上げたいと思います。
各国によって、学校、教師が担う役割の範囲は様々でございます。なかなか一概にお答えすることは非常に困難でございますが、我が国は、学習機会、学力を保障する役割のみならず、全人的な発達、成長を保障する役割、そして安心、安全な居場所としての福祉的な役割、これはコロナ下でも明確に表れたところでございます、そういったところを学校が担ってきている。昔から、知徳体ということをよく言います。諸外国は、知育だけのところが非常に多くなっております。その諸外国と比較して、役割が広いということが要因の一つではないかというふうに考えております。
また、日本の特徴として、一般的な事務業務、特に中学校では課外活動の指導時間などが長い、こういった辺りが指摘されておりますので、文部科学省としては、学校、教師が担う業務に係る三分類というのを定めておりますが、そういう業務役割分担や適正化をどう推進していくか、また、データ入力、集計の補助など、事務業務については教師の負担軽減が可能となるように、教員業務支援員の全小中学校への配置拡充、部活動指導員も含めた支援スタッフの充実、そういったことをトータルで、もちろん人を増やすというのもありますけれども、トータルで働き方改革の更なる加速化を図ってまいりたいと考えております。
○下条委員 そういうことをおっしゃる気持ちは分かるんだけれども、海外でもやっていますよ、簡単に言えば。大臣、そう思いませんか。海外でも今言った話はみんなやっていて、一方で初任給はもっといいし、初年年収は。
これだけの時間外をやらされたんじゃというところを僕が質問しているわけですよ。その割合。僕もアメリカへ行って、こっちに戻ってセントメリーというこちらの瀬田にあるあれに、ちょっと兄貴と一緒に行った時期もありました。でも、中身は同じですから。だから、それを給料でやるか、時間を少なくしてやるかによって、やはり先生の負担が減ってくるという話を僕はしているんです。
大臣、いかがでございますか。
○盛山国務大臣 先ほど初中局長も答えましたように、海外とやはり日本で違いはあると思います。下条委員がおっしゃるように、共通しているところはあると思いますが、違いはあると思います。その辺をどう考えながら日本の教師の働き方を変えていくのかということではないかと思います。
私は、限られた経験ですけれども、OECDというところへトレーニーで行った時期があります。その頃は子供が小さかったので、今でいう保育園に当たるそういうようなところへやっていたので、学校での教育がどうだったかは承知しておりませんが、OECD、国際機関の働き方と日本の、私が比較できるのは公務員ですけれども、全然違うなと思ったわけでありまして。
国民の意識、あるいは労働者の働き方というんですかね、時間、お給料、そういったものに対する意識もやはり違うものですから、そういったところも含めて、日本の中でどのように日本の教師の働き方改革を変えていくのか、そして、先ほど下条先生から御指摘があったように、給与といったようなところを含めて処遇の改善をどうしていくのか、こういったことを検討する必要があると考えます。
○下条委員 大臣、ありがとうございます。
僕がなぜこういう話をちょっと続けてきているかというと、やはりそれだけの負担がかかる。長時間、給料も若い人はよくないという中で何が起きてくるかというと、精神疾患になる先生が膨大に増えちゃっているということなんですね。
それは何かというと、今から二十九年前、一九九五年では大体千人あたりぐらいで推移していたと。ところが、二〇〇〇年になるとそれが五年で倍になって二千人超えてきて、精神疾患の先生です、それから二〇〇七年になると五千人を超えてきちゃうと。そして、二〇二一年、三年前ですね、五千八百九十七名。おととしは、二〇二二年、六千五百三十九人まで、表に出ている精神疾患の先生が膨大に増えているんです。そうですよね。
だから、これが私が何を言いたいかというところの部分なんですよ。要するに、例えば、精神疾患してちょっと人に会えなくなった、全部自分が抱えて胃が痛くなって、胃が痛くなって辞めた人は分からないし、それは精神疾患が原因かどうか知らないし。だけれども、表に出ている精神疾患の数だけでこの何倍にもなっているということに、僕は起因していると思うんです、さっき言った話が。
それを地方自治に任せるという部分はあるかもしれないけれども、やはり大手を振って旗を振るのは文科大臣、リーダーシップを取っていただきたいところなので。
これはやはり重大な話だと僕は思っています。親以外に教える他人の先生が疾患が増えている、それも膨大な数増えていくということは、これは何が要因だと大臣は思いますか。僕は、今まで言ったいろいろな要因が重なってこうなっているんじゃないかと思うんですが、いかがでございますか、疾患でございます。
○盛山国務大臣 それは、下条先生がおっしゃるように、今、長さ、働く時間ですね、ワーキングアワーもありますけれども、それ以外にいろいろな要因があろうかと思います。先生と生徒、あるいは親御さんとの関係、そしていろいろな新しいものへの対応、その他いろいろあると思います。そういったものを含めて、教員の中には精神的に困難な状況になられる方も出てきているのではないかと思います。
○下条委員 ざっくり言うとそういう話ですけれども、中身的に言うとさっきの状態ですね。それで、これだけ膨大に増えて、表に出ているだけでも数字を見ると、何倍もあると僕は本当は思っています。
その中で、メンタルヘルス対策として約七千万円を計上して、委託自治体とか、それから原因分析とか、相談員を活用した相談体制の充実というのを七千万円で五団体に依頼をしたというのがあります。これは僕は一歩進んでいると思うけれども、それも一年で切れているんですね。私は、七千万円で、さっき言った何千人、千人単位なのが七千人近くなって、去年はもっと悪いかもしれません、僕、知りません、去年の数字は。二年前で膨大に増えていっている。この方々がやはり白紙のキャンバスの生徒さんを教えている状態が本当にいいのかというときに、大臣、これは七千万じゃちょっと足らないんじゃないですか。与党さんもそう思うよね。七千万というのはそこらの車一台分ですよ。
だから、これはやはりもうちょっと、僕は何でこういう話をするかというと、非難しているわけじゃないんですよ、議事録に残したいんです。議事録にこうやって残して、こういう発言を与野党でやったというのを残していって、それで前向きにいけばいいじゃないですか。それで文科省が動けばいいじゃないですか、プラスになっているんだから。それは大臣の成果ですよ。
いかがでございますか、これ、もうちょっと増やすべきじゃないかと。どうですか。
○盛山国務大臣 下条先生からいろいろ攻められて、どう答えようかという感じなんですけれども。
メンタルヘルス対策、進めていく必要があるということで、さっき先生から御紹介がありましたが、メンタルヘルス対策に関する調査研究事業を昨年度、令和五年度から実施して、そして五つの自治体にお願いをして今やっているところであります。そこで、病気休職の原因分析やメンタルヘルス対策に効果的な取組の研究、事例の創出、こういうことを行うためのモデル事業を今行っているところであります。
そして、それはこの令和六年度においても引き続き同じ金額、七千万ですが、確保してやっているということでございますが、今後一層、どうやって防げるか、あるいは仮にそういうような状況になった場合にどういうふうにしてまた復帰をしていただくのか、こういったことを含めて更に取組を進めていくべきである、進めていかなければならない、そんなふうに考えております。
○下条委員 ありがとうございます。
こうやって申し上げているので、是非これを頭に置いていただいて、五団体だけではちょっと少ないんじゃないかということと、お金の金額が少ないと私は思っています。
最後に、あと数分しかないんですけれども、結局、そこの間に入るのは、実を言うとスクールカウンセラーなんですね。スクールカウンセラーというのは、大体五割が子供、三割が教師、二割が保護者、題材となるのは子供の問題に決まっていますけれども。そのスクールカウンセラーが、例えば子供の体調が悪いとか、学校の先生がちょっとおかしくなってきて人と会いにくくなっちゃったとか、そういうのを全部ヒアリングして吸い取っていくわけですよね。
そこで、スクールカウンセラーというのは、大体八割が臨床心理士資格を持っている。一方で、Job総研でいうと、その年収が百九十万、二十四歳であったりとか、五十九歳で四百万円だったりとか、臨床心理士は四十四歳で大卒の新卒年収と同じぐらいになっちゃう。つまり、簡単に言えば低いということですね。それも、かつ、一週間に一遍ぐらいお邪魔して、たくさんいる生徒さん、いじめに遭っている生徒さん、調子悪い学校の先生、働けなくなったお父さん、お母さん、それを聞くというシステムが現状ある。これはもうしようがない。これは非難してもしようがない。
僕がこれをインプルーブメントしたいと思っているのは、やはりこの間を取り持つスクールカウンセラーの日数を増やしていくべきだと感じるものです。さっきから言った、いろいろな入口から、給与の話とか、時間外がどうだああだとたくさんありますけれども、この部分の、スクールカウンセラーはせめて直近で二日に増やすことができるわけですから、三日に増やすこともできる。だから、大臣、これは英断していただきたいんですよ、このスクールカウンセラーこそが。
あともう一つは、ちょっと年収が低いかなと思っているんです、スクールカウンセラーの。そうすると、やはり週一になったりとか、それから、ほとんどが生徒さんだけ聞いて、あと、ほかの人は余り聞かなくなって。
私も、ちょっとこれ、非難に一個だけなっちゃうのは、文科省とレクを取ったときに、先生はどうするんですかと。いや、先生は基本的に産業医のところへ行けばいいという答えが、誰とは言わないが、返ってきたんです。それじゃ駄目なんですよ。産業医に行くほどだったらもう終わっている話ですから。
その前の、いろいろなものをためている先生方、時間外を多くやっている先生方、使命感だけで頑張っている先生方、PTAにある意味でがんがん言われている先生方の中身を吸い取ってやるスクールカウンセラーが非常に大事な位置になっているんですね。学校を維持し、生徒、教師、PTAのトライアングルを維持するには。だから、ここの部分のやはり日数そして給与分を増やしていくべきじゃないかと思うんですけれども。
ちょっと時間が来ていますので、大臣、いかがですか。これは大変に重要な話だ。僕はここが実を言うと今日のポイントだと思っているんですよ。いかがですか。
○田野瀬委員長 盛山文部科学大臣、申合せの時間が経過しております。簡潔に御答弁よろしくお願いします。
○盛山国務大臣 教師の負担軽減の観点から、児童生徒その他の相談対応を担うスクールカウンセラーが果たす役割はより一層重要になってきております。
そして、そのスクールカウンセラーの配置時間について、全ての公立小中学校に対して行う基礎配置に加え、いじめ、不登校対策や虐待対策、貧困対策等の課題に応じた重点配置を一万校に対して行い、配置時間の充実を図ってきておりますので、引き続き教育相談体制の整備に努めます。
そして、あわせて、スクールカウンセラーの処遇ということだと思いますけれども、これは、非常勤で時間を増やすというのも手でありますし、また、常勤化すべきであるという御要望も頂戴しているところでございます。これにつきましては、その職務の在り方等の検討に資する調査研究を現在実施をしております。こういったことの検討も踏まえまして、引き続き教育相談体制の充実に努めてまいる所存です。
○下条委員 ありがとうございます。
是非、大臣、リーダーシップを抱いていただいて。宝ですからね、子供たち。それを守る先生方をきちっと丁寧にカウンセラーで守っていっていただくように、前向きにどんどん進めていただきたいです。
以上でございます。ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、早坂敦君。
○早坂委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の早坂敦でございます。
本日は、質問時間を大変多くいただきまして、いろいろな観点から質問させていただくんですが、私、当選させていただいてから三年目のこの文科委員会、そして、私、日本維新の会では宮城、東北で唯一の議員なので、東日本大震災の理事もやらせていただいているので、今回は、防災教育だったり、教育費無償化、我々が今まで一丁目一番地でやってまいりました政策、そして、私、十二年前に仙台市の市議会議員をやっているときも実は市民教育委員会をやっていまして、そんなことも、昔の質問を見ながら、コミュニケーション教育とか、また道徳についても質問させていただきます。
早速ですが、給食費無償化について質問させていただきたいんですが、私たち日本維新の会は、昨年の通常国会で、立憲民主党さんとともに衆議院に学校給食費無償化法案を提出しました。
私たちは、機会均衡の観点からも、無償化を推進し、恒久的な無償化で、保護者の負担や、軽減してまいりたいと思っておりました。恒久的な無償化で本当に保護者の負担を軽減してみたい、これは先ほども言いましたが、そしてまた、教職員の、徴収や管理業務の時間を取られているのが現実で、本当に、無償化を実現することにより教職員の業務負担も軽減すると考えております。
先ほど菊田委員も言っておりましたが、給食については、そして何よりも、給食、ただ食べるだけではないということで、学校給食法で述べられておりますように、日本の食事の優れた文化の理解や、自然の恩恵、生命及び自然を尊重する精神、また、生産から流通、消費に至るまでの理解といった、幅広い食に関する学びまで含まれておるんです。
給食は学びの場でもございまして、そして教育の一部分であると思いますが、そこで、公教育における給食の役割について、大臣の見解を伺います。
○盛山国務大臣 学校給食は、今、早坂委員からも御指摘ありましたように、学校給食法のところに、第二条のところに学校給食の目標ということで記述されているわけでありますけれども、栄養のバランスの取れた食事の提供により子供たちの健康の保持増進を図るとともに、望ましい食習慣の形成や、地域の食文化、産業への理解、生産者等への感謝の気持ちを育むなど、子供たちの食に関する理解を深めるための生きた教材として大変重要な役割を果たしていると考えております。
○早坂委員 まさに、大臣、食育ですよね。給食も一つの、教科とは言いませんけれども、学びの場ということでございますが、実は、やはり教育費無償化については、私、宮城県仙台市出身でございまして、隣の町なんですけれども、ベッドタウンで富谷市というところが、市長と、よく首長さんとかと意見交換するんですけれども、二〇二三年度は、やはり自治体独自でやっているところが、まあ仙台市はまだまだなんですけれども、そこで給食の単価が実は、小学生が二百七十五円から三百円になって、そして中学生が三百二十五円から三百六十円。本当に、給食を考える、献立を考える人たちは大変で、やはり、鳥のもも肉から胸肉にしたり、そして、サケやサバからちょっと低価格のマス。先ほど言ったとおり、しかし、本当に子供たちの栄養を考える。
先ほども言いましたけれども、食育の時間ですので、しっかりとこの給食費、そして無償化を実現させていってもらいたいという中で、次に、保護者の負担軽減策についてちょっと伺いたいんですけれども、コロナ禍で三年余り、またロシアのウクライナ侵略、そして中東におけるイスラエルとパレスチナの紛争など、世界情勢が不安定的な中で、食料品の価格や光熱費、そしてあらゆる分野における価格高騰により、国民の生活は大変に打撃を受けております。とりわけ児童生徒さんがいらっしゃる御家庭は大変深刻な話だと思います。
各自治体で、保護者の負担軽減策として、地方創生臨時交付金を活用し、自治体独自の学校給食費の保護者負担軽減に取り組んでおります。そのほか、保護者負担の軽減策としてどのような取組があるのか伺います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
学校給食費については、経済状況が厳しい保護者に対しては、従前より、学校給食費について、生活保護による教育扶助や、就学援助を通じ支援をしているところでございます。
また、先ほど委員から御紹介がありましたとおり、重点支援地方交付金の活用を教育委員会に促しておりまして、その結果、九〇%を超える自治体において学校給食費の値上げが抑制されて、保護者負担軽減に向けた取組が進んでいるところでございます。
令和五年度補正予算においても、学校給食費の保護者負担軽減を含む重点支援地方交付金の推奨事業メニューが〇・五兆円計上されたものでございまして、引き続き、各自治体に活用を促してまいりたいと思います。
○早坂委員 是非とも進めていってもらいたいという思いでございます。
私、国会議員になる前に実は放課後デイサービスでも児童指導員として働かせていただいておりまして、やはり子供たちが本当に給食しか、ごめんなさい、こんなことを言ったら失礼かもしれませんけれども、給食しか食べられないような子供たちというのもいますので、しかし、保護者の方々も、働いても働いてもやはり暮らし楽にならずという方が多いので、是非とも保護者の皆様のためにもしっかりと、やはり無償化ですね、考えていってもらいたいということでございます。
そして、次に、無償化の調査結果公表の見通しと給食費無償化に対する見解についてちょっとお伺いしたいんですが、戦前、貧困児救済のために、国庫補助による学校給食制度の下、給食を実施し、就学義務を果たせるようとなりました。学校給食が制定されて、一九五四年当時、教室に貧富の差を持ち込んで子供たちを悲しませることがないように、皆と同じものを食べるということを学校給食の義務とされておりました。貧困児の救済、また子供たちの貧困の差を感じさせないという配慮が色濃く感じられます。
学校給食は、子供たちの成長、先ほども言いましたけれども、食育や文化、精神面などの観点から、大切な教育の一環であると思います。親の状況に左右されず、全ての子供たちが安心しておいしい給食を食べられるようにするために、早くやはり給食費無償化をすべきだと考えます。政府は給食費の無償化を実施できない理由を幾つも挙げておりますが、やらない理由を探すのではなく、できる方法を一緒に考えませんか、是非とも。未来の子供たちのために知恵を出し合いたいと思います。
そして、昨年のこども未来戦略方針で、給食費無償化に向けた、実施、把握と、課題の整理、調査を行い、一年以内に結果を公表し、具体的な検討をしていくということになっております。ある程度の課題、実態というものは分かっているのではないでしょうか。調査結果が出てから考えるわけではないと思いますので、調査が終わり次第、速やかに実施に向けて取り組んでいただきたいと思います。
そこで、調査結果公表後の見通しと給食費無償化について、大臣の見解をもう一度お願いします。
○盛山国務大臣 早坂委員はもうよく、今の質問でも御案内のとおりの状況でございますけれども、学校給食費の無償化の検討に当たりましては、一部の自治体や学校において学校給食が実施されていない状況もございますので、児童生徒間の公平性などの観点から、詳細に実態を把握した上で課題を整理する必要があると考えております。
学校給食費の無償化につきましては、昨年十二月にこども未来戦略を閣議決定いたしまして、そこで、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、こども未来戦略方針の決定から一年以内にその結果を公表することとしております。
現在まだ調査中の段階でございます。今後の見通しについてお答えをすることは困難でございますけれども、実態調査を行った上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面なども含めた課題を整理して、学校給食費の無償化に向けて検討を進めていきたいと考えております。
○早坂委員 調査結果が出ないと進められないということなのですが、やはり段取り八分という言葉もありますので、是非とも、先にどういう調査が出てきているのかというのを集約して、しっかりと給食費無償化に向けてお願いを申し上げます。
続いて、次の質問ですけれども、福祉教育の必要性について伺いたいと思います。
私たちの身の回りには、障害を持った方を支援するためのものが多くあります。駅や道路に点字ブロックがあり、エレベーターの行き先の階段ボタンには、横には点字の記載があります。選挙の際、政見放送には手話の通訳が入りますし、先日の岸田総理の記者会見でも手話の通話が入っておりました。鉄道の窓口には、筆談で対応しますというメモがあります。車椅子の方や盲導犬を連れた方、白杖を持った方を見かけることも多くなりました。NHKのテレビ手話講座には人気アイドルが出演して、手話はより身近に感じるようになったということを感じます。
しかし、日本社会全体が障害を持った方たちの理解が深まっているか、少々、正直疑問に思っております。
実際には、重度の障害を持つ子供たちは、入院している、特別支援学級へのバスや車で通学しているために、町で見かけることはほとんどありません。私は、先ほどもお話ししましたが、児童福祉施設で働いておりましたので、障害を持った子供たちと触れ合う日々でしたが、一般の方が実際に障害を持った子供たちと触れ合うことはほとんどないと思うんですね。
やはり小さい頃から、障害を持つ人やお年寄り、また社会的弱者と言われる人たちと触れ合う機会を持つこと、そして理解を深めることは大変大切なことだと思います。その中で、初等教育における福祉教育の位置づけについて伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 今委員から御指摘のあったとおり、障害のある子供にとっても、ない子供にとっても、経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、お互いを尊重し合う大切さを学ぶということが大変重要であると認識しております。
文部科学省としては、障害のある子供と障害のない子供が触れ合い、共に活動する、交流及び共同学習というものがございますが、それを各学校で推進するためのガイドの作成や、優れた実践実例を動画により紹介するほか、授業等で活用できる心のバリアフリーノートの作成、公表等の取組を通じまして、今委員からお話のありました障害者理解教育の促進を図っているところでございます。
引き続き、こうした取組を通じて、各学校における障害者理解の教育を推進してまいりたいと考えております。
○早坂委員 先ほど、私も、放課後デイサービス、福祉児童施設で働いておりまして、子供たちと触れ合う日がありましたので、いろいろ、親御さんの関係もいろいろ意見も聞かせていただいたり、実は私の息子も保育士で、放課後デイサービスで今働かせていただいておりまして、いろいろな情報を聞かせてもらったり、いろいろな施設に行って話を聞かせてもらいましたが、やはりなかなか触れ合うことがないということと、やはり、私、相談を受けたのが、実は、私が前に施設にいたところの子供さんが、支援学級から普通学級に戻りたいと、これはなかなか、なかなかできることではないんですけれども、今回は通していただいたみたいなんですね。だから、時代も変わってきている、考え方、教育も変わってきているのかなというのは、すごく僕は大事だなと思います。
また、もう一つ、ちょっと話が変わるんですが、先ほどの点字ブロックなんですけれども、仙台市なんかはよく、雪が降っちゃうと点字ブロックが消えちゃうんですよね。これは教育の話とはまた別なんですけれども、やはり、そこで僕、たまたま、大丈夫ですかという話をしたときに、あそこまで連れていってくださいと言って、手を引いたことがあるので、やはりこういうのも一つの教育だと思いますし、子供たちに是非ともこういうことを学ばせていただきたいという、健常者、障害者、そういう垣根をなくしていく教育を是非行っていただきたいという思いでございます。
次に、特別支援学校と通常学校を併用する目的と効果について伺います。
現在、通常学級の敷地に特別支援学校を併設する自治体、学校が増えてきておりますという報道がありました。今後、このようなケースが増えていくんでしょうか。また、国としては積極的に推進していくのでしょうか。特別支援学校と通常学校の併設をする目的は、もう一つちょっと聞きたいんですけれども、果たしてどういう認識を持っているのか、伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
文部科学省に設置した検討会議におきまして、昨年三月に報告書が取りまとめられておりますけれども、特別支援学校と小中高等学校を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルの創設等について、同報告書で提言されたところを踏まえまして、文部科学省においては、その実現に向けて必要な予算として、本年度予算に約〇・八億円を計上したところでございます。
具体的には、先進的な取組を行おうとする自治体等に委託し、特別支援学校と小中高等学校において、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受ける状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の在り方などについて、様々な観点から実証的な研究を行うということとしております。
文部科学省といたしましては、これらの実証的な研究の成果等を踏まえた上で他の地域への展開を図るなど、よりインクルーシブな学校の実現を目指して取組を進めていきたいと考えております。
○早坂委員 ありがとうございます。
そこで、このインクルーシブ教育の意味や現状について、次、このままお伺いするんですが、障害のある子供の就学における保護者の学校選択において、これまでは当たり前のように特別支援学校を選択した保護者が、先ほども話しましたが、通常学級を選択するケースも増えてきていると聞きます。
私は、選択の幅は可能な限り広げていくべきだと思っておりますし、また、家の近くに両親や兄弟が通っている学校があるのに、心身の障害を理由に、身近な通常学校学区外で、本当に遠方の特別支援学校にバスや車で通学せねばいけないというのが現状でございまして、また、児童生徒、体力問題に加え、社会参加と自立を考える上でも疑問が残ります。
また、社会参加を考える上でいろいろな壁があります。特に心理的な壁、偏見や差別といった壁を解消するには、実際住んでいる地域で、その地域の方々とともに学ぶ、育つということが大切ではありませんか。さらに、通常学級を就学先として選択した場合、多様な人材が、そうした設備、教育内容について一緒に考え、お互い配慮しながら合意形成を図ることができるのではないかとも思っております。
通常学級で障害を持つ子供が一緒に学ぶインクルーシブ教育について、現状と、今後の、どのような取組をしていくのか、また課題があれば伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 インクルーシブ教育、これは障害者権利条約の第二十四条でインクルーシブ教育システムというふうに規定されておりますけれども、教育についての障害者の権利を差別なく、かつ、機会の均等を基礎として実現するために行われる、障害者を包容する教育制度であるというふうに定義されておりますが、障害者が精神的、身体的な能力を可能な最大限度まで発達させ、社会に効果的に参加することを可能とすることがその意義であるというふうに規定されております。
文部科学省におきましては、障害のある児童生徒の自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに的確に応える指導や支援が提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場の整備を進めておりまして、いずれの場においても、障害のある子供とない子供が可能な限り共に学べる環境整備を進めてまいりたいと考えております。
○早坂委員 発達障害という言葉が、二十何年前ですかね、私、もう今五十三ですが、その時代にはない話でありますし、病気とは言われていなくて、昔はそういう子たちも絶対いたんですよね。その中で、やはり関係なく一緒に、年上も年下も関係なく遊んだり、いろいろな、野球をしたりしていたと思うんですよね。だから、もう一度戻してもらいたいぐらい。ただ、何か発達障害とかいろいろなものを決め過ぎるのも、大事なのかもしれませんけれども、僕は余り、個性を伸ばすということで、これはやはり政治的にはしっかりと、文科省としてしっかりと取り組んでもらいたいという思いでございます。
やはり、個性を生かすということで、僕も、先ほど、施設に行ったときに、通常学級に一人だけ放課後デイサービスに通っている子供たちがいるんですけれども、先生によったり、そこの学校によると思うんですけれども、すごく、ああ、もう支援学級に行った方がいいんじゃないかなというような、本当にそういう話も聞かされるんですね。僕は、そのときは普通の職員として話を聞いていると先生の相談も受けますので、そういうことはありましたので。しかし、このインクルーシブ教育が始まるのであれば、是非とも格差をなくして、しっかりと取り組んでいただきたいという思いでございます。
次に、初等教育の福祉教育における教員に対する支援について伺いたいと思います。これは初等教育の福祉教育における課題とも言えるかもしれませんが、教員の支援が重要になるのではないかと思います。
そこで、福祉教育には、通常学校の教員にも、福祉に関する知識や教科指導の実践などが必要とされると思うんですね。教員に対する十分な研修機会や、専門知識習得の機会や、提供体制そして相談体制が十分なのか、また、福祉科教員、福祉関係団体、医療機関などとのしっかりとした連携が取れていれば大丈夫だと思うんですが、支援体制、十分に整備されているのかを伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
少子化に伴って、今、全体の児童生徒数は減少しているわけでございますが、一方で、特別支援教育を受ける児童生徒数は年々増加しておりまして、特別支援教育を担う教師を支えるということが大変重要であるというふうに考えております。
そのため、文部科学省におきましては、特別支援教育を担う教師の養成、採用、継続的な学びを支える研修と専門性向上のための取組を進めておりますが、具体的には、令和元年度から、教職課程において特別支援教育に関する科目を必修とする制度改正を行うとともに、全ての新規採用職員がおおむね十年目以内に特別支援教育を複数年経験することを促している、指導しているところでございます。
また、外部ということでございますが、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所におきましては、各都道府県の指導的役割を果たす教員に対する専門的研修や、教員向けのインターネットによる講義配信を実施しておりまして、引き続き、特別支援教育を担う教師の専門性向上に向けた取組の充実を図ってまいりたいと考えております。
○早坂委員 是非、十年と言わず早急に進めていっていただいて、教員の皆様にも、専門性だけではなく、やはり幅広くしっかりと教育の機会を持ってもらいたいという思いでございます。
次に、福祉教育の一般化と普遍化に対する意義について伺いたいと思います。
福祉教育を更に充実させるためにも、また子供たちの意識を変えるためにも、福祉教育の一般化、普遍化は必要ではないかと思います。学校に行けば普通に障害を持った友達がいる日常や、分け隔てなく学べる環境を整備することは、子供たちの人間形成や人格形成にも大きく影響すると思います。
福祉教育を一般化、普遍化する義務を大臣はどのようにお考えか、大臣の所見を伺います。
○盛山国務大臣 学校教育におきましては、障害のある子供の自立と社会参加を目指した取組を含め、共生社会の形成に向けて重要な役割を果たすことが求められています。
先ほど初等中等局長から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、障害者理解教育の促進、あるいはインクルーシブな学校運営モデル事業と併せて、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備と、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組を進めているところでございます。
障害者権利条約にも規定されているところでもありますし、引き続き、共生社会の形成に向けてしっかり取り組んでいきたいと考えています。
○早坂委員 ありがとうございます。是非しっかりと進めていっていただきたいんですけれども、いっぱいまだまだ質問がありますので、次に行かせていただきます。
次に、公立学校の教職員の人事行政の状況調査について伺いたいと思うんですけれども、公立学校の教職員の人事行政調査報告書によると、精神疾患を理由に休職した公立の小中学校、特別支援学校の教職員は昨年に続き過去最高の記録に達しました。全教員数の〇・七一%と、全体に占める役割は一%未満ですが、六千五百三十九人なんですね。昨年度より六百四十二人多い、六千五百三十九人もの教職員が精神疾患により休職しております。
なぜ、精神疾患により休職に追い込まれてしまうのか、その教職員が増えているのでしょうか。様々な要因があると思いますが、文科省としてこの結果をどう受け止めているのでしょうか。また、高い志を持って教職に就いた先生が休職せざるを得ない状況に追い込まれてしまった要因は何だと分析していますか。あと、復職を希望する教職員に対する休職支援の体制など、十分整っているんでしょうか。学校の現場の、どのように手だてを講じているのか。併せて伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
精神疾患は、発症まで時間がかかることもございまして、また、その原因は個々のケースにより様々であるため、具体的理由につきましては一概に申し上げられないところではございますが、例えば、業務の質の困難化、教師間の業務量や内容のばらつき、保護者等からの過度な要望、苦情や不当な要求への対応、そして、最近でいえばコロナ禍での児童生徒や教職員間でのコミュニケーションの取りづらさなどが考えられるところでございます。
こうした状況を踏まえ、令和五年度から、今委員から御紹介のございましたメンタルヘルス対策における調査研究事業を実施しておりまして、採択先である各教育委員会が専門家と協力しながら、採択先である五自治体において、病気休職の原因やメンタルヘルス対策等に関する効果的な取組の研究、事例の創出を行うモデル事業を行っていただいております。
今後とも、教職員のメンタルヘルス対策の充実、推進を図っていくことが大変重要であると考えており、引き続き関連施策に取り組んでまいります。
また、休職者への復職支援のお尋ねでございますが、精神疾患の再発を防ぐ観点等からも大変重要であるというふうに考えておりまして、私どもの調査によると、全ての都道府県及び政令市教育委員会において何らかの復職支援プログラムが設けられているということが分かっておりますが、これをより一層実効的なものにしていくため、先ほどの調査研究事業などを通じて、取組事例を更に収集、展開してまいりたいというふうに考えております。
引き続き、教師が心身共に健康な状態で児童生徒と向き合うことができるよう、教師のメンタルヘルス対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○早坂委員 これは、休職できる期間というのはどのぐらいなんですか。決まっていないんですかね、ちょっと伺いたいと思います。
○矢野政府参考人 おおむね一年ぐらいだと承知しております。これは条例によって定められているものです。各県、区々ということです。
○早坂委員 ありがとうございます。
やはり、復職するための、地方自治体に投げっ放しにしないで、こちらもしっかりと決めて、カリキュラムをつけて進んでいかないと、やはり、投げっ放しとは言いませんけれども、そんな形に見えちゃうので。
あとは、私も、いろいろな、学校の先生を目指した大学の卒業生とかに聞くと、学校に行かない、教職員にはなりたくないという理由として、これはある一部の方ですけれども、やはり保護者の方々に、ちょっと結構きついというのを、ハレーションができるぐらい、前の先輩とかに聞いて、学校の先生は大変だ大変だと言われて、諦める方がいまして、私も、先ほども言った施設にもやはり、せっかくすごい教職員の免許を持っているけれども、教職員にならないでそういう支援施設に来るという方もいるんですね。
やはり、僕もいろいろ話を聞いていると、保護者の皆さんが、若い大学を卒業したばかりの人に、何も分からないんですか、先生なのにという、そういうきついお言葉もあるみたいなんですよね。しかし、やはり、お母さん、お父さんたちも、我々も二十代、三十代のときはまだまだ本当に子供ですし、世間も知らなかったと思いますが、やはりそこら辺は寛大に受けてほしいなということも、私が施設をやっているときにはよく話させていただきましたが。
そこで、次に、外部専門家の連携と必要性について伺いたいと思います。
今御説明もありましたが、休職せざるを得ない理由は様々なんですよね。職場での人間関係や、親御さんの先ほども言いましたクレーム、パワハラ、業務多様化、業務の多さなど、やはり学校の中の問題を学校単独で解決することはなかなか難しいと思います。
そこで、組織体制は適切か、相談体制は機能しているのか、チェック機構は働いていたのか、第三者の目を入れることが必要だと思います。弁護士など外部専門家の活用や連携を進めるべきだと考えますが、文科省の見解を伺います。
○矢野政府参考人 教員のメンタルヘルス対策を進めるに当たり、外部の専門家と連携し、様々な専門的な知見を得ること等を通じて、教師が多様な状況に適切に対応でき、その結果、心身共に健康な状態で児童生徒と向き合うことができる環境を整備していくということは非常に有効であるというふうに考えております。
文部科学省としても、具体的に、外部専門家との連携について、例えば、学校や教師への過剰な要求等も含めた諸問題について法的な観点から助言をしたり学校の代理等を行うスクールローヤーの活用や、医師による面接指導や、保健師が参画した復職支援プログラムの実施など、専門家と連携した健康、福祉確保の体制整備などを促進しているところでございます。
引き続き、教師が心身共に健康な状態で児童生徒と向き合う環境が整備されるよう、外部専門家等との連携の促進も含めて、様々な観点からメンタルヘルス対策に取り組んでまいります。
○早坂委員 ありがとうございます。
質問の内容がちょっと変わってきますけれども、今度は不祥事について、教員の問題において。
最近、教育現場における教職員の性犯罪、性暴力の事件が後を絶たないんですね。都内の区立中学校の元校長が勤務先の校長室に女子生徒のわいせつ画像を所持していて逮捕、起訴された事件や、大手塾の元講師が教え子の女子児童のわいせつな画像を盗撮して逮捕、起訴された事件、皆さんも記憶に新しいと思います。
また、文科省の調査によると、懲戒処分等を受けた教職員は全体で前年より減少しておりますが、性犯罪、性暴力などによる懲戒処分を受けた教職員は前年より増加しております。そのうち、児童生徒暴力などの懲戒処分を受けた教職員は昨年より増加して、コロナ禍で対面授業も行うことができなかったためなのか減少傾向にありましたが、コロナ後、増加傾向に転じております。あってはならない犯罪でございまして、また、ゼロを目指していかなければいけません。
性犯罪は再犯率が高いと言われております。厳しく処分、処罰すべきです。適切に処分されているのか、再発防止などの文科省の取組について伺います。
○矢野政府参考人 御答弁の前に、先ほどの答弁、ちょっと訂正したく。
休職の期間でございますが、各自治体の条例にもよりますけれども、最長三年程度が多いというふうに訂正させていただきたいと思います。
性犯罪、性暴力についての文科省の対策ということについては、今委員から御指摘のあった事実について大変重く受け止めているところでございます。特に、児童生徒等をまさに守り育てる立場にある教師が児童生徒等に対して性犯罪、性暴力等を行うことは絶対にあってはならないというふうに考えております。
教職員等による児童生徒の暴力等の防止等に関する法律や同法に基づく基本指針等を踏まえて、文部科学省としては、児童生徒性暴力等に及んだ教員について、原則として懲戒免職とすることや、告発を遺漏なく行うこと、教育委員会等に関する研修、啓発の充実や、事案の早期発見のための定期的なアンケート調査や事案発生時の適切な調査等の推進、相談体制の充実、特定免許状失効者等に関するデータベース等の適切な活用等について、各教育委員会に対して機会を捉えて指導してきたところでございまして、引き続き、各教育委員会が性犯罪、性暴力等の防止に向けた取組を一層徹底するよう指導してまいりたいと考えております。
○早坂委員 ありがとうございます。是非、重大な問題でございます。
そこで、私がまだ、十年前ぐらいに仙台市でも実は大変教員の不祥事がありまして、一度質疑でもやらせてもらったんですけれども、携帯用スクールコンプライアンスシートというのを先生が全部ポケットに入れて持って歩けという、当たり前のことが書いてあるんですよ。そんなものを持たせて無駄なことをやっているんじゃないかということを僕は言わせていただいたんですけれども、やはり一人一人の、今、こんな大変な時代で、コロナ禍もありまして、経済的にも不安なんですけれども、これとそれは違うし、やはり教職員になったということは、どんな方々もそうですけれども、しっかり、やはり子供たちの見本になる方々なので、是非ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、日本版のDBSと文科省の関わり方について伺いたいんですが、子供たちに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度、日本版DBS法案が先日閣議決定されまして、国会に提出されました。我が党も事態を重く受け止め、日本版DBSの推進は賛成です。
日本版DBS、こども家庭庁が所管するシステムですが、文科省の役割、関わりはどのようになるんでしょうか。あと、学校、幼稚園など、教職員は百四十万人もいると言われております。その全員が確認の対象となるのか。また、課題はあるのかと思いますが、他省庁の、しっかり連携して実効性のある制度設計を行い、体制、設備を構築して、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
そこで、日本版DBSの文科省の役割、関わり方について御説明をお願いいたします。
○望月政府参考人 御指摘がございました、いわゆる日本版DBSの創設を含む法律案につきましては、学校設置者等や認定を受けた民間教育保育事業者等に対しまして、教育、保育等に従事させようとする者の性犯罪歴、性犯罪歴前科の確認や、確認された場合の防止措置を講じることを義務づけるとともに、相談体制の整備や、被害を受けた子供の保護、支援等の取組により、総合的に子供を性暴力等から守るものでございまして、学校教育を所管する文部科学省においても密接に関わるものであるというふうに受け止めてございます。
教員等につきましては、教員性暴力等防止法に基づきまして、採用時のデータベースの活用を始めとして、既に児童生徒等に対する性暴力等を防止する仕組みを整備しているところでございます。先ほどの日本版DBSの規定にもございますけれども、既に免許を持っている教員には、子供への相談体制の充実とともに教員の研修などももう実施をしてございます。
今回の法律案については、学習塾の塾講師を始め、より広範な業種や職種を対象とすることから、教員性暴力等防止法に基づく取組と相まって、より効果的に子供たちへの性暴力等の防止が図れるものというふうに考えているところでございます。
文部科学省といたしましても、子供たちを性暴力から徹底的に守り抜く、このために、教員性暴力等防止法に基づく措置も踏まえまして、実効的な仕組みとなるよう、こども家庭庁としっかり連携協力をしながら取り組んでまいりたいと思っております。
○早坂委員 ありがとうございます。
時間が、質問をいっぱい用意してきたんですけれども、ちょっと順次変えまして、次に、先ほども話させていただきましたが、防災教育についてちょっと伺いたいと思います。
東日本大震災から十三年を迎えまして、当時のことを思い出すと、すごかった、もう本当に。まだまだ福島の方は、これから復興はまだまだ続きますけれども、やはり、仙台市、宮城県の方はしっかりとインフラ整備もできまして、ただ、心のケアはまだ残っていると思います。
そこで、防災教育の重要性について伺いたいと思います。
災害への理解を深め、自ら命を守るために知恵や知識を学ぶ防災教育。大きな災害の直後は、皆さん一生懸命整えたり、本当に防災への意識が高まったりするんですが、時間が経過をするとともに防災に対する意識が大変薄れていくのが現状でございます。
また、私の地元宮城では、東日本大震災から十三年がたち、震災を知らない子供たちも出てきております。災害を体験していない児童生徒がおられまして、そして、生徒に、命を守る大切さや、たまにしか起きない災害に対し、災害の持つ怖さや悲しみを伝えることは大変難しいですね。しかし、ここ最近は、今日も台湾の方、地震がありましたし、大変地震が多いことですね。また、一月一日、能登半島もありますし、その教訓をどう生かされているか、そして、いかに命を守る大切さを教えるのか、そしてどのような知識、知恵を伝えることができるのか、大きな課題だと思います。
私は、まず意識を変えることが重要だと思っていまして、特に防災教育に関わる人の意識が変わらなければ、児童生徒の意識を変えることはできないと思うんです。いつ気づき、与えることができるか。一人が変われば周りも変わります。点を増やしていって面に変えていくことが重要ではないかと思います。
防災教育の重要性をいかに理解をしていただくのか、子供たちの主体性と課題意識を引き出すために何が必要か、文科省の取組をお願いします。
○盛山国務大臣 早坂先生は東日本大震災を御体験されたわけでございますし、私の選挙区は神戸でございますので、阪神大震災もございました。どうしても時間がたちますと風化をしてまいります。そしてまた、先生がおっしゃったように、地震を知らない、そういうような震災を知らない人が増えてきています。神戸市の場合でいうと、もう二十九年経過をして、半分の人口が知らない人ということになっている状況ですので、どのようにして、災害の記憶や教訓を風化させることなく、今後の対策、実践的な防災教育を進めていけるかということは大変重要でございます。
文部科学省では、令和四年三月に閣議決定された第三次学校安全の推進に関する計画に基づいて、地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育を推進しているところであります。児童生徒等が自らの安全を確保することができる基礎的な資質、能力を継続的に身につけ、自ら安全で安心な社会づくりに参加し貢献することができるよう、これまでの災害の教訓も踏まえまして、引き続き取組を進めたいと考えています。
○早坂委員 ありがとうございます。
本当に、十三年たつと、その当時は、やはりどこの学校も防災教育、そして水をためたり、備蓄したりしていましたが、今、ほとんどしていないんじゃないですかねというぐらい風化しております。しかし、近年、やはり宮城県も、三十年以内にマグニチュード七・五、七〇%から九〇%まで上がっていますので、やはり備えあれば憂いなしということで、しっかり教育の方も進んでいってもらいたいと思います。
それで、時間がなかなかなくなってきまして、ナノテラス、宮城の仙台市でもしっかりと稼働し始めまして、本当は国際リニアコライダーの誘致についてやりたかったんですけれども、ちょっとこれを飛ばさせていただいて、ごめんなさいね、次にやらせていただきます。
その次に、最後の質疑の関係になるんですけれども、コミュニケーション能力に対する施策と取組及び成果について伺いたいと思います。
コミュニケーション教育というのは、対人教育かもしれないし、今本当に大事な、子供たちに、コミュ障とか中二病とかいろいろな言葉が出てきている中でございますが、今の子供たちの中には、自分の考えをうまく伝えられない子や、人の言うことをよく聞けない子供が少なからずいるのではないかと感じております。スマホやSNSの影響なのか、家庭の影響なのか分かりませんが、自分の持つコミュニケーション能力や対人関係能力がうまく使えていないケースが多いのではないでしょうか。
先ほども話しましたが、私も福祉施設で働いておりましたので、うまくコミュニケーションが取れずにいじめに発展してしまうケースを見てきました。また、うまく対人関係が築けずに不登校や引きこもりになる子供がいました。子供たちのコミュニケーション能力向上を図る、必要だと思いますが、コミュニケーション能力向上に対する施策と取組と成果を伺います。
○矢野政府参考人 御指摘のとおり、子供たちが多様な他者と互いを認め合いながら、助け合ったり、協力し合ったり、進んでコミュニケーションを図ったりすることができるよう、コミュニケーション能力や対人関係能力を育成していくことは大変重要であるというふうに考えております。
このため、学習指導要領におきましては、学級活動や児童会、生徒会活動、学校行事等の様々な集団活動に取り組み、異年齢の子供たちや地域の方々等と交流することによって、多様な他者と協働しながら、よりよい人間関係を形成するということを学ぶこととしております。
このような学校教育の成果ということについてでございますが、これは一概にお答えすることは大変困難でございますが、例えば、全国学力・学習状況調査の結果によりますと、学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができている、学校生活をよりよくするために学級会で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていると答える子供が増加しているという状況にあるというふうに承知しておりまして、引き続き、文部科学省としても、コミュニケーション能力の育成に努めてまいりたいと考えております。
○早坂委員 本当に、昔の時代と違って、やはり今、スマホだったり、公園でゲームをしているんですね、SWITCHを持ってやっていたり。やはり、そういうオンラインではしゃべれるんですけれども、あとLINEとかではすごく。だけれども、会うと余りしゃべれないという方がやはり多いのかなと。まあ、時代の流れかもしれません。あと、コロナ禍もあると思います。
その中で、やはり大変な時代だなと思いますが、ちょっと時間が迫ってきましたので、コミュニケーション能力を向上させる意義について大臣に伺いたいんですけれども、道徳教育も正直言って大事だと思います。それで、道徳が教育になったのも、数年前に、特別の教科、道徳になったんですよね。これも何か、いろいろ大津のいじめの事件があってからという話があって、実は仙台市も不登校やいじめが最近多くて大変問題になっておりますが、その道徳の問題もあります。
初等中等教育における道徳教育の意義とコミュニケーション能力を向上させる意義について、大臣の思いをちょっと聞かせていただきたいなと思います。
○盛山国務大臣 子供たちが多様な人々と協働しながら豊かな人生を切り開いていけるようにするためには、人間関係の形成に必要となる道徳性や、そしてコミュニケーション能力を育んでいくことが重要であると考えております。
このため、各学校におきまして、学習指導要領を踏まえた上で、児童生徒や学校、地域の実態等に応じ、学級内にとどまらず、異年齢の子供たちや地域の方々など多様な他者と交流する活動や、答えが一つではない課題に向き合い、考え、議論する道徳教育などに取り組んでいるところであります。
こうした多様な活動により全人的な教育を行っていくことが日本の学校教育の強みであると考えておりますので、引き続き、各学校における取組の充実を促してまいりたいと考えております。
○早坂委員 ありがとうございます。
十数年前に、原田曜平氏の「ヤンキー経済」という本が出たんですけれども、実は、マイルドヤンキーという、中学校から、地域から出ていかなくて、格好は派手なんですけれども、友達意識はあって暴力性がないという。そういう、今度時間があったらちょっと読んでもらいたいんですけれども、「ヤンキー経済」という。
あと、私、コロナ禍でいろいろ施設もやっていまして、子供たちが映画を配信で見るようになってから、アニメを見ている子供たちが多いかなと思いましたけれども、私も、毎日「鬼滅の刃」の話をされるので、全集中で僕も覚えてまいりましたが、その中で、十年前ぐらいに、高等教育で、道徳で、実は「ワンピース」という映画、漫画がありますよね、今もすごい大人気の。あれによって、やはり道徳だったり礼節だったり仲間の大切さ、子供たちが分かりやすいように、著作権の問題はありますけれども、しっかりとやはりそういうものも、やはり文科省として、文化庁としてしっかりと取り組んでいってもらいたいという思いを述べまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
資料一を見ていただきたい。今日も奈良教育大学附属小学校の問題について聞くんですけれども、地元紙、奈良新聞の三月二十五日付であります。一面トップで、附属小学校の教員異動、混乱の収拾見えずと掲げ、大学側は教職員の人事交流の必要性を説いた、しかし、大規模な人事異動によって学校現場の混乱も予想されることから、保護者の反発の声が相次いで上がり、説明会での議論は六時間にも及んだと報じられております。
三月三十一日には、奈良教育大学附属小学校の教育を守る市民集会が奈良県弁護士会館で開催され、私も現場に行ってまいりました。教育学研究者や学校の先生の発言もありましたけれども、保護者から、授業がゆっくりだと保護者も選んで来ているのになぜ今更問題にするのか、附小でしか息ができない子もいっぱいいる等々、次々と発言がありまして、会場は満員で熱気にあふれておりました。
まず、大臣に聞くんですけれども、この附属小学校では、一年契約だった先生がめでたく教員採用試験に合格して、この春公立高校に本採用されるという事情があったり、育休に入る、こういう教員がいるなど、元々、例年になく、いなくなる先生が多いということが問題になって、前から分かっておりました。これ以上先生を出せないという状態だったと聞いているんですけれども、そこで四人も強制出向させたら子供の教育が混乱すると私は思いますけれども、そうお思いになりませんか、大臣。
○盛山国務大臣 奈良教育大学附属小学校におけるこの問題、前回の文部科学委員会に引き続き宮本先生からいろいろ御指摘をしておりますので、ある程度の状況については承知をしているところでございます。
その上ででございますが、附属小学校における人事交流につきましては、大学の責任と判断により実施されるものでありますので、文部科学省としてコメントをする立場にはございません。
そう申し上げた上で、一般論としてでございますが、学校における学習活動が安定的に行われるよう指導体制を確保しつつ、人事交流等を通じて教職員の資質、能力の向上や開かれた学校運営に取り組み、よりよい教育の実現を図っていくことは有意義なことであると考えております。
○宮本(岳)委員 安定的に行われないから、保護者も説明に納得できず、六時間やり取りしても納得されないわけです。
現地で伺ったら、強制出向の結果、校長、教頭、主幹という管理職全員が入れ替わるということなんですね。どの学校関係者に聞いても、こんな人事はあり得ない、学校が回らなくなるという声です。学校方針、教育課程、学校の重点、校内人事、持ち時間、クラス担任などをよく知っている管理職が一人も残らなかったら、学校は本当に回らないと思いますね。
私は、前回、三月十三日の質問で、今年の一月三十一日に、学校側が文科に、まさかこのメンバーでこの四月を迎えるのではないでしょうねと言われた、文科省の上層部から全員替えろと言われて、それでは運営ができないということで何回も折衝した結果、こういうことになってしまったと附属小学校の先生たちに大学側が説明したことを明らかにいたしました。
文科省はこの事実を確認いたしましたか。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
奈良教育大学と附属小学校教員との、学校関係者との具体的なやり取りにつきましては、文部科学省として把握する立場にはないと思ってございますけれども、先生から特別の御依頼がございましたので、現在、大学に対して事実確認をお願いしているところでございます。
なお、繰り返しで恐縮でございますけれども、文部科学省の方から大学に対して、教員を全員入れ替えろというようなことを言った事実はございません。
○宮本(岳)委員 現場で大学側がそう説明しているということを申し上げたんですね。音声、録音データがあるんです。私はそれを全て聞かせてもらったけれども、間違いなく、そう、大学側はですよ。これは文科省と大学側の録音データじゃないですよ。大学がそう説明している音声データ、録音データを聞いたら、確かにそう大学は説明をしているわけですね。
同席していた三木副学長が文科省上層部から全員替えろと言われたなどと説明しておりまして、文科省は、まさかこのメンバーでこの四月を迎えるのではないでしょうねとか、全員替えろ、先ほどそんなことは全く言っていないということですが、確かにそんなことは一切言っていないんですか。いかがですか、望月さん。
○望月政府参考人 繰り返しで恐縮でございます。
昨年の十月十日に、奈良教育大学より、今般の附属小学校の事案につきまして、それまでの経緯、今後の対応方針についての御説明をいただいたところでございます。
その際、人事交流につきましては、あくまで一般的な例として、他の附属学校において多く実施されております人事交流については言及をいたしました。閉鎖性を打破するというようなこともございます。人事交流全体についてのことを言及したので、個々の人事についての、こちらとしては大学に対して指示をしたものではございません。
国立大学附属法人の人事につきましては、繰り返しで恐縮でございますけれども、各国立大学法人の権限と責任に基づいて行われるものでございまして、附属学校の教員の人事交流につきまして、文部科学省が大学に対して指示をするものではございません。
○宮本(岳)委員 困りましたね。大学側は、確かに文科から言われたと語っております。文科省は、言っていない、こうおっしゃるわけですね。どちらかがうそをついていることになります。
これは重大な問題でありますけれども、大学側の説明がうそ、作り話だとしたら、そのうそや作り話の説明の上で行われた強制出向であり、これは撤回する以外にないと思います。
逆に、文科省が、まさかこのメンバーでこの四月を迎えるのではないでしょうねとか全員替えろと言ったのが事実であれば、それは違法な圧力であって、局長だってそれはやれないということをお認めでしょうから、これもまた、そういう違法な圧力の下で進められている強制出向は撤回以外にない。
どちらにしても、今回の強制出向は速やかに撤回する以外にない、これは強く申し上げておきたいと思います。
では、真相はどうか。
大学側の説明の内容は極めて具体的です。大学側を代表して語っているのは、いずれも三木達行副学長であります。文科省、この三木副学長は、二〇二二年に国立大学法人奈良教育大学の副学長兼事務部長となる以前、二〇二一年七月以降は文部科学省の総合調整本部の国会連絡調整官でしたね、官房長。
○井上政府参考人 委員御指摘の三木につきましては、御指摘のとおり、奈良教育大学副学長就任以前において、文化庁総合調整本部国会連絡調整官として国会との連絡調整等を行っております。
○宮本(岳)委員 文科官僚、しかも国会連絡調整官ですね。奈良へ行く前に私のところにも御挨拶がございました。私は録音データを聞きましたけれども、確かに三木さんの声ですね、生々しく文科に言われたことが出てまいります。到底作り話とは思えません。
三木副学長はこれ以外にも不理な圧力を説明しておりますけれども、例えば、昨年十月四日、附属小学校の教育課程などへの再調査についての説明の場で、文科省から、設備要求を二億円しているけれども、この問題の行く末が見えない限りは財務省と闘えないという話をされていると語っておられます。大学に二億円の予算が欲しければ言いなりになれと言わんばかりの話ですけれども、事実とすればですよ、こういう話をあなた方文科省は大学にやったのですか。
○望月政府参考人 大変恐縮でございますけれども、今委員から御指摘の点は我々承知していないところでございます。
○宮本(岳)委員 二億円の予算が欲しければ言いなりになれというようなこと、二億円の設備要求、これに関わるということは言ったことはないんですね。高等局長でもいいですよ。ないですか。
○池田政府参考人 今御指摘の予算がよく分かりませんけれども、私も、そのようなことを申し上げたとは承知しておりません。
○宮本(岳)委員 これも、私も音声データを確認いたしました。設備要求を二億円しているけれども、この問題の行く末が見えない限りは財務省と闘えないと言われたと、これも三木さんですけれども、語っております。昨年十月十日以降も、文科省は、一月九日の報告書までの間に奈良教育大とやり取りをしてきた、大学側とZoomなどで協議をしてきたことを認めております。
私は録音データのことに触れましたけれども、それはいずれも三木副学長と大学側がそう説明しているその音声でありますから、あなた方と大学側がどういうやり取りをしたかの音声というものには触れておりません、それは。でも、文書なり音声なりというのは残っている。少なくともZoomでの打合せ等々がやられてきたことを文科省はお認めになりました。
文科省側と奈良教育大学側との附属小学校に係る相談、打合せの記録を、リアル、オンライン問わず、音声を含む資料を提出していただきたい。いいですか、望月さん。
○望月政府参考人 委員御指摘のとおり、昨年十月十日以後から本年一月九日の奈良教育大学とのオンラインを含む打合せにつきましては、現在確認中ではございますけれども、関係課への聞き取りによりますと、十二月に打合せが実施をされている、ウェブ会議での実施がされているということは確認できてございます。
本年一月九日までのオンラインを含む打合せに関しまして、行政文書ファイル簿に登録されております、行政文書ファイル等に保存されている文書につきまして、これまで関係課に確認をしてございますけれども、本日時点で該当する文書はございません。
○宮本(岳)委員 それも聞いているんですけれども、是非、手控え、メールなど、徹底的に探して提出していただきたい。
大学側は、前回の質問でも紹介したとおり、文科省から、自民党の文教部会でこの事態が議案に上がり、かなりの御意見、御批判を受けたと言われております。三木副学長は、自民党文部科学部会を昨日だと語っております。説明は一月三十一日ですから、自民党の文部科学部会はその前日、一月三十日だったはずであります。
望月総合教育政策局長が一月三十日の自民党文部科学部会に出席し、報告したことは分かっております。事実確認ですが、出席いたしましたね、望月さん。
○望月政府参考人 出席してございます。
○宮本(岳)委員 日付もぴったり、三木さんの話は確かなんですね。
この日の自民党部会の様子を、ここにもおられる山田賢司衆議院議員がネットで公開されております。資料二につけておきました。それによれば、奈良教育大附属での不適切な教育が行われていた事案が議題となり、文科省より報告を受け、質疑、意見交換が行われたとなっております。さらに、下線部、国の指針に反する教育が長年にわたって行われ、結果、大人の都合で子供たちの教育機会が奪われてしまったと、附属小学校の先生たちをあたかも子供の教育を奪った罪人であるかのように扱っております。
三木副学長の録音データを聞くと、文科省は、昨日の自民党の文部科学部会でかなりの御意見、御批判を受けたと述べた後、政府としても様々なことを回答しなければならない、第一は子供の回復措置をしっかりやってほしい、あわせて、人事をどう考えているのか質問が出た、こう語っております。
あなた方は、文科省は、自民党に厳しく批判されて、全員出向という厳しい方針を大学に求めたのではありませんか。
○望月政府参考人 一月三十日の自民党文部科学部会におきましては、私の方から、今般の奈良教育附属小学校における事案の概要、法令違反の疑いもあるということも含めまして、概要を御説明いたしました。
また、他の国立大学附属学校への注意喚起なども含めた、文部科学省としてのその後の対応についても御説明をしたところでございます。
ただ、その際、出席の先生方からの御意見につきましては、党の会議でございますので、私の方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
○宮本(岳)委員 人事についてどう考えているのかという質問は、あったかなかったかも言えませんか。
○望月政府参考人 記録を何かこちらで取っているものはございません。私の方からお答えは差し控えさせていただきます。
○宮本(岳)委員 これも食い違いますね。
赤池誠章参議院議員は自民党元文部科学部会長でありますけれども、総合教育政策局長、赤池議員を御存じですか。
○望月政府参考人 参議院議員の赤池議員は知ってございます。
○宮本(岳)委員 資料三は、その赤池誠章参議院議員の今年一月二十五日のオフィシャルブログであります。タイトルは、「奈良教育大学付属小学校で法令違反 左翼の巣窟か」となっております。
奈良教育大学の報告書には、不適切という言葉はあるんですけれども、法令違反とは全く言っていないんですね。先ほど少し望月局長も法令違反の疑いとは言われましたが、法令違反があったとは大学自身も言っていないんです。それを誇大に法令違反とねじ曲げて、さらには左翼の巣窟呼ばわりまでしております。
そして、続けて何と書いているか。下線部。奈良教育大学では、文科省の指導の下、子供たちに補習等の回復措置を実施するとともに、教員の懲罰を検討するとのことですと書いておりますね、教員の懲罰を検討する。
文科省は、大学の説明どおり、自民党から人事をどう考えているのかと圧力を受けて、懲罰を検討させているのではありませんか。
○望月政府参考人 議員の方からの配付資料でございました赤池議員のブログの内容でございますけれども、ここは、個々の議員の発言内容については、文部科学省としてそのお答えは差し控えさせていただきますが、議員のいろいろな御意見、我々としては、政策の立案に関することやいろいろな大きな事案になることにつきましては、個々の先生方にも御説明をしたり、あるいはそれぞれの部会において御説明をしております。
そこでの個々の先生方の御発言というものは、非公開の部会でございますので、私の方からつまびらかにすることはもちろん差し控えさせていただきますけれども、決して、部会でどういった意見があったかということではなく、また、大学あるいは学校の方に強制的に人事等につきまして指示をしたというものではございません。
○宮本(岳)委員 食い違いがあるわけですけれどもね。まさに、自民党の文部科学部会に参加された方々が語っておられることと三木副学長が言われたと語っていることとは一定合致するわけですね。最終的に文科省の説明は、そういう強制に当たることは言っていない、こういうことであります。
赤池参議院議員は、二〇一八年、前川喜平前事務次官が同年二月に名古屋市立中学校で講演を行ったことを問題にし、当時の自民党文部科学部会長代理の池田佳隆衆議院議員とともに、名古屋市教委に前川さんの講演を事細かく調査するよう圧力をかけたことが報じられた人物です。その池田議員は、御承知のとおり、既に裏金問題で逮捕されました。
文科省は一体大学側に何を話したのか、その音声、つまり、大学側と文科省とのやり取りの中身ですね、圧力がなかったというのであれば速やかに提出することを求めたいと思います。
次に、附属小学校の教育課程が学習指導要領どおりではなく不適切だとされた問題についてお聞きをいたします。
この附属小学校の教育は、前回の私の質問に文部科学省も、非常にモデル的な、よい教育をやってきたと答弁されております。現地で先生方から、昨年九月の大学の中間調査報告では不適切という言葉はほとんどなかったと聞きました。
私は、ここに、その昨年九月の基礎報告書、中間と題された文書のうち、理科の部分を持ってまいりました。大学が公表していないということを理由に、今朝の理事会で配付は差し止められたわけでありますから、私が読むしかないんですけれども、昨年九月に行った基礎報告書、現場の大学の先生がやった最初の調査報告書ではこう書いているんですね。
理科、学習指導要領に基づき適正に行っています。例えば、小学三年における物の体積と重さを、小学校四年の物の温度と体積、物の温まり方、閉じ込めた空気と水に関連づけた指導を行っています。このことは小学五年、六年の学習にも生かされています。このように関連づけることで、子供たちが少しでも分かるようになる工夫をしてきています。これは、新学習指導要領で特に強調されているカリキュラムマネジメントを意識した取組となっています。附属小学校では、この文言が出てくる前から既に取り組んでいます。その他の単元でも、教育課程を俯瞰し、どこの単元がどの単元と関連づけて指導を行うと効果が上がるのかを常に意識して研究を行っています。
読み上げましたが、そう書かれております。
小学校三年生で扱うとされる物の重さは、形が変わっても重さが変わらないとか、体積が同じでも物によって重さが違うなど、重さについての抽象的な思考が必要で、三年生では難しいとも言われているんですね。それを四年で、それに関連した単元と一緒に、子供たちが少しでも分かるように工夫した、私は大変先進的な取組だと、この中間的な中間基礎報告書、中間報告書で語られていることは妥当だと思っておりますけれども、この物の重さの部分は、では、最終的に公表された奈良国立大学機構奈良教育大学の事案に係る報告書では何と書かれておりますか。
○田野瀬委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○田野瀬委員長 速記を起こしてください。
文部科学省望月総合教育政策局長。
○望月政府参考人 大変失礼いたしました。
一月九日に取りまとめられました奈良教育大学の本事案に関する報告書においては、理科の、物の重さを四年で指導というところは、年次違い、事後、指導不足に関する教育における目安の時数は六時間程度の不足というふうになっているところでございます。
○宮本(岳)委員 子供たちが少しでも分かるようにと工夫してやられたことを、指導要領に書かれているとおりかどうかだけで判断し、不適切とする、そういう報告書になっているんですね。
大臣、指導要領をこんなしゃくし定規に使うのはおかしいと私は思いますけれども、いかがですか、大臣。
○盛山国務大臣 宮本先生よく御案内のとおり、学習指導要領は、学校教育法等の法令の規定に基づいて、教育の機会均等と全国的な一定水準の維持のために、文部科学大臣が定める教育課程の大綱的な基準であります。全体として、法規としての性質を有するものであります。この点は過去の最高裁判例において示されているものと認識しております。
その上で申し上げますが、学習指導要領につきましては、その具体的な項目によっては、もとより学校や教師の判断や裁量を広く想定しているものもあり、何がどこまで学校や教師の裁量が認められるかについては個別具体に判断されるものと考えております。
各学校においては、学習指導要領の規定に基づいた上で、児童の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して、創意工夫を凝らした教育課程を編成していただきたいと考えています。
○宮本(岳)委員 学習指導要領は一体何のためにあるのか。子供たちがよく分かるようになるためにあると思うんですね。
ここに、「「少ない時数で豊かに学ぶ」授業のつくり方」という本を持ってまいりました。副題は「脱「カリキュラム・オーバーロード」への処方箋」。カリキュラムオーバーロードとは、あれもこれも教えようと詰め込んだ結果、オーバーロード、つまり、荷物の積み過ぎになった。ここからの脱却が日本でも世界でも求められているということであります。
この本の中で、合田哲雄さん、二〇〇八年の学習指導要領改訂を担当し、今、文化庁の次長をやっておられる方が、合田さんはこう書いております。資料五につけておきました。「学習指導要領は、教育基本法や学校教育法に規定された学校教育の目的を実現するための具体的な手立てや手段を定めた大綱的基準であるため、学校や教師は、学習指導要領が示したもの以外の内容を加えて指導したり、単元のまとまりを見通して特定の内容に思い切って重点を置いて指導したり指導の順序を組み替えたりするなど児童生徒の実態に即した創意工夫が可能である。」指導順序の組替え、まさに先ほどの附属小学校の理科の例そのものでありますけれども、文科省で指導要領に関わってきた方々が、学校の現場や教師の広い裁量を認めた方がいい、こう言っている事実もあるわけですね。
ところで、大臣は灘中学、灘高校の出身でありますけれども、「銀の匙」授業のことは御存じですか。
○盛山国務大臣 私どもの担任ではありませんでしたが、ほかの学年の担任で、著名な、最後は灘の教頭先生をされた橋本武先生だったと思いますが、「銀の匙」を使って国語の授業をずっとされていたというのは承知しております。
○宮本(岳)委員 橋本武先生が灘中学で行った授業、中勘助さんの小説「銀の匙」、これですけれども、この一冊の薄い文庫本を、中学一年から中学三年まで、時に横道にそれながら徹底して読んでいく、必要なら一ページに何日もかける、それが国語の授業の全てだということでやってこられた。奇跡の授業という本にもなっているんですね、これですけれども。
灘校は中高六年間同じ教師が教え続けるシステムでありますから、今大臣がおっしゃったとおり、六年ごとでしかこの先生の授業は受けられない。大臣の入学年次を調べますと、大臣はこの授業は受けておられないということを私も分かっております。
「奇跡の教室」というこの本の中で、授業を受けたOBたちがどんなにいい授業だったかということを語っています。資料六につけておきました。例えば、東京大学第二十九代総長の浜田純一先生は、改めてすばらしい授業だったんだなと思いますね、「銀の匙」で橋本先生がやってくださったのは、僕らが例えば大学で原書講読をやるやり方と似ています、ゆっくりとしたペースで、言葉や文章表現を丁寧に読み解いていきますよね、筋として何を言っているかということばかりじゃなく、ある一つの言葉にこだわることで、その背後に大きく広がっている概念や感覚や考え方とつながっていくわけですと述べておられます。
大臣、こういう授業が多くの人から奇跡の授業と高く評価されていることについてはお認めになりますね、大臣も。
○盛山国務大臣 この浜田元東大総長に限らず、多くの人がよかったと言っているのは承知しておりますが、ただ、我々の学年を含め、橋本先生以外の担任の学年ではそういった授業はしておりませんですから、何がベストでというところはちょっと何とも答えられませんが、評価されていることは承知しております。
○宮本(岳)委員 だったら、ちょっと局長に確認しますけれども、この授業も、学習指導要領に照らせば不適切であり、回復措置の対象となるんですか。
○矢野政府参考人 義務教育におきましては、一定の規模と妥当な内容の教育を保障する、こういう観点から学習指導要領が定められているわけでございまして、最低限これはこなす必要があるというものが学習指導要領でございます。
その上で今のような授業をやっていただくというのは学校の判断、こういうことだと考えております。
○宮本(岳)委員 いやいや、これだけをやっているんですよ、この「銀の匙」の授業というのは。
まさか、灘中学校でこの「銀の匙」授業を受けられた浜田純一東大総長や、この本に出てきますが日弁連第三十六代事務総長の海渡雄一弁護士に、回復措置が必要とはとても言えないと思いますね。
橋本武先生は、国語は全ての教科の基本です、学ぶ力の背骨という信念の下、考えに考え抜いて奇跡の授業を行いました。教え子たちはその授業から多くのものを受け取り、その後の人生の糧にしたんです。
これも認めない、硬直し切った学習指導要領は何なのか。大綱的基準という原点に戻って、そのしゃくし定規な運用を根本的に改めることを求めて、私の質問を終わります。
○田野瀬委員長 次に、西岡秀子君。
○西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
盛山大臣におかれましては、来週から米国出張ということで、大変有意義な、アルテミス計画を含めた宇宙関係のことですとか、核融合関係、AI関係ということで、大変有意義な内容の御出張というふうにお聞きをいたしております。大きな成果を持って帰っていただけることをお祈りしておきたいというふうに思います。
また、様々な、生成AIですとか、量子コンピューター、IoT、ロボット、宇宙、メタバースなど、大変様々な技術革新、国際競争力を強化していくということは大変重要なことだというふうに考えておりますけれども、同時に、今般、食料・農業・農村基本法が制定から二十五年ぶりに初めて改正をされるということで、今、国会において質疑が行われております。
我が国の農業におきましては、コロナ禍、またロシアによるウクライナの侵攻、中東情勢など、食料安全保障の懸念というものが明確となりまして、平時の食料安全保障の観点が極めて重要だということの中で、本改正におきまして、食料安全保障の抜本的強化、また、環境と調和の取れた産業への転換、人口減少下における農業生産の維持発展、人口減少下における農村の地域コミュニティーの維持等が盛り込まれ、食料の安定供給に加えまして、国民一人一人が入手できる食料アクセスの確保が盛り込まれたということで、この内容の中で法律が今提出をされております。
我が国の食料の安定供給、大変極めて重要ですし、食料の安全保障を確保していく上でも、また、教育現場においては、その意味でいうと特に農業高校の果たす役割が極めて重要だというふうに私は認識をいたしております。
また、この改正を踏まえた、今回、農業高校に対する様々な施策が明確にあるのかどうかということも私はお尋ねをしたいところでございますけれども、まず、専門学校、農業高校以外にも水産高校を含めて専門学校がございますけれども、専門学校の現状につきましてお聞きをしたいというふうに思います。専門高校、恐れ入ります、専門高校についての現状をお伺いいたします。
○矢野政府参考人 専門高校についての現状をお答え申し上げます。
職業教育を主とする学科を設置する専門高校は、令和五年度現在、全国に千四百五十九校存在します。専門高校の学科別生徒数については、農業学科はおよそ六万九千人、工業学科はおよそ二十万三千人、商業学科はおよそ十六万二千人、水産学科はおよそ七千人、家庭学科はおよそ三万四千人、看護学科はおよそ一万二千人、情報学科はおよそ三千人、福祉学科はおよそ七千人となっております。
以上です。
○西岡委員 今お示しいただいたように、専門高校、各種あるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今般の改正も踏まえて、農業高校について質問をさせていただきたいと思います。
農業高校につきましては、今後の我が国の農業の担い手を育成する大変重要な役割を担っております。今、農業高校の卒業生がどれぐらい就農されているのか、また、卒業後の進路についてお伺いをしたいと思います。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
これは令和四年度の数字でございますが、専修学校等への進学が三二・四%、大学、短期大学等への進学が一七・二%、就職する卒業生は四七・三%となっております。
以上です。
○西岡委員 恐れ入ります、就農される率というのは分かりますでしょうか。
○矢野政府参考人 大変失礼いたしました。
農業、林業については五・七%ということになっております。
○西岡委員 今数字をお示しをいただいたんですけれども、五・七%ということで、農業を学ぼうということで高校に進学して、卒業後の進路というのはそれぞれ生徒の皆さんの思いというのがあるというのはもう十分承知しながら、また、やはり農業という産業の持つ特殊性を含めて、自然を相手にしている産業でありますし、収入がなかなか安定をしない、将来性が見通せないという、今、農業を取り巻く大変厳しい状況があるということも影響いたしているというふうに思いますし、また、今の農政についての様々な課題も指摘されているところでございます。
ただ、私も様々、農業高校を含めていろいろお話を伺っておりますと、やはり施設の老朽化や、また、今、大変農業も、スマート農業を含めて様々な技術革新が農業の現場でも進んでおります。その今の状況に学校現場の施設や設備がなかなか追いついていない、そういう環境がないということも大変大きな、高校を卒業された方々が、生徒さんたちが農業に就かない一つの大きな要因になっているのではないかというふうに私自身考えております。
また、老朽化対策や様々な施設整備については、文科省としてこれまで取組を続けていただいたことも十分承知をいたしているところでございますけれども、この老朽化対策と、様々な、スマート農業に向けて必要な学校施設の整備、またドローンなどの最新機器の導入を含めた、学校施設の新しい学びの環境づくりの今のお取組と今後の方針についてお伺いをさせていただきます。
○矢野政府参考人 御答弁の前に、またちょっと訂正させていただきたいんですけれども、就農の状況という御質問でございましたが、就職者四七・三%のうち、農業、林業に就職された方が五・七%という意味でございます。
御答弁申し上げます。
実験、実習に重点を置いた実践的な職業教育を行う農業高校などの専門高校におきまして、委員から御指摘もございました、老朽化した施設の計画的な整備やスマート農業等に対応した最新機器等の導入は大変重要であるというふうに認識しております。私も何度か農業高校に参ったことがございます。
農業高校などを含めた高等学校の老朽化した施設につきましては、原則として、設置者である都道府県等の判断により整備を行うものではございますが、産業教育の振興の観点から、実習室の増築や老朽化した施設を改築するために要する経費の一部については国が補助しているところでございます。
また、デジタルトランスフォーメーションの加速が進む中、産業界が期待する即戦力の人材育成を図っていくため、令和二年度三次補正予算におきまして、職業教育を行う学科を設置する全国全ての高等学校約千八百校を対象に、デジタル時代の職業人材の育成の基盤となる大型最先端のデジタル装置の整備について国が緊急的に補助を行ったほか、令和六年度におきましては、令和五年度一次補正により措置されましたDXハイスクール、高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成に必要な環境整備を行いますが、これは農業高校も主要眼目のうちの一つでございますので、そういったものを通じて整備をしていきたいというふうに考えておりますが、都道府県等に対し、産業振興等の所管部署とも連携を図りながら、産業教育の充実を図るための施設設備の計画的な整備に努めるよう、担当者が集まる会議等を通じてこれからも促してまいりたいと考えております。
以上です。
○西岡委員 今御説明いただきましたように、様々なお取組をしていただいております。
農業に関しましては、スマート農業や六次産業化や有機農業への対応、また国際競争力の観点でも、GAP認証への対応という問題もございます。今般の基本法にも、輸出に力を入れていくということが明記をされておりまして、様々な課題に対応していくためには、様々な施設整備や機材、また設備の充実というものは待ったなしの状態ではないかというふうに私は認識をいたしているところでございます。
先ほど御説明があったように、小泉政権での三位一体改革によりまして、それまでは国が産業教育の施設整備に関しては助成をいたしていたわけでございますけれども、この国の助成が廃止されまして、施設については学校施設環境改善交付金の対象となって、設備や農場につきましては一般財源化をされ、地方自治体に委ねられた状況に今なっているということも、様々、地域によっても、予算をどれぐらいかけるかということも違ってきているというところもあって、今御説明があったように、大事なところは国が補助をしていただけているということでございますけれども、この老朽化対策、設備の充実は待ったなしの状況であるということの中で、是非、文科省としてもより一層のお取組、御尽力をお願いを申し上げたいというふうに思います。
続きまして、生徒の割合でございますけれども、今日お配りしております資料の中で、農業の様々な学科があるんですけれども、全体では、ほぼ五割を女性生徒が占めているという状況がございます。農業分野において、大変女性の活躍というものが今後大きく期待をされているところでございますし、既に様々女性が活躍をいただいているというところでございますけれども、学校現場というところで、この部分で文科省としてどのように取り組んでおられるか、今後の方針についてお伺いをしたいと思います。
○矢野政府参考人 現在、農業高校における男女生徒の割合は、男性が五一・八%、女性が四八・二%、かなり増えてきております。我が国の農業の振興のため、女性も含め、地域の農業の担い手となる人材を育成していくことは大変重要であるというふうに考えております。
文部科学省におきましては、産業界等と一体となった専門高校改革を推進するとともに、地域産業の持続的な成長を牽引する最先端の職業人材を育成するため、マイスター・ハイスクール事業を実施しているところでございます。令和五年度指定校十七校のうち、六校において農業に関する取組を行っていただいているところでございまして、例えば、AIを用いた農業の可能性を学習する取組が行われております。
文部科学省といたしましては、引き続き、当該事業を推進していくとともに、農林水産省においても農業女子プロジェクトという事業があるんだそうですが、女性の活躍のための様々な取組が農水省においても行われているものと承知しておりまして、農林水産省ともしっかり協力しながら、農業分野における人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
○西岡委員 大変、農業分野における女性の活躍、目覚ましいものがありますし、今後大きく期待をするところでございますので、その部分でも、是非、学校教育の中でもその推進のために御尽力をいただきたいというふうに思います。
一問後に回させていただきまして、農業高校においては、教員の先生方は、生徒と一体となって、将来の農業を担う人材育成のために本当に日々御尽力をいただいているわけでございますけれども、この農業教育を担う学校教員の皆さんの確保の状況。
また、今、先ほどから申し上げているように、日々刻々、新しい技術が進んでいき、技術革新が進んでいく中で、先生方も、最新の技術を習得するためのやはり研修や、最先端の農業を実践されている農家への研修を含めて、研修機会を充実させていくということも大変重要な課題であるというふうに考えております。
また、この研修を受けなかった先生方の一つの理由としては、多忙であったこと、また、経費の負担があるという、この経費の負担が重いということも研修を受けなかった理由の一つとして挙げられている状況もございます。先生方の経費の負担軽減が必要であるというふうに思いますけれども、その負担軽減について、また先生方の待遇改善につきまして、文部科学省にお伺いをいたします。
○矢野政府参考人 御指摘のとおり、農業高校も含めた専門高校における教師の確保、研修機会の充実は、専門教育の充実に大変重要であるというふうに考えております。
まず、教師の確保という観点でございますが、各教育委員会における教員採用選考におきまして、例えば、特別免許状を活用しつつ、農業分野に実績のある者を採用するための特別選考を実施している事例もあるところでございまして、文部科学省としては、今後、こうした多様な採用選考の事例を各都道府県等教育委員会に周知してまいりたいというふうに考えております。
また、教師の研修につきましては各教育委員会において実施されておりますけれども、経費ということでありますが、国においても、独立行政法人教職員支援機構が、教職員等を企業等に派遣して研修を実施する産業・理科教育教員派遣事業や、産業教育実習助手資質向上事業等を実施しております。こういった事業を通じて教育委員会を支援してまいりたいと思います。
また、処遇の改善についてもお尋ねでございますが、農業や工業など実習指導に従事する教員の勤務の特殊性、困難性等を踏まえまして、いわゆる産業教育手当法に基づきまして産業教育手当というものが支給されておりますが、支給内容は設置者である各地方公共団体が条例で定めるということとされておりまして、現在、地域の実態を考慮して適切に決定されているものと承知しております。
文部科学省といたしましては、本年二月二十日付の事務連絡において、改めまして、産業教育手当法の趣旨等を踏まえ、適切に対応いただくよう周知を行ったところでございます。
引き続き、専門高校における教師の確保、研修機会の充実に努めてまいります。
○西岡委員 今の御説明がありましたように、やはり研修機会の確保、またその費用についての支援、そして今述べられたように、産業教育手当についてしっかりと、基づいたことが行われているかということにつきましても、文部科学省としても、しっかりそこはまた確認をしていただきながら、その実効性を高めていただきたいというふうに思います。
続きまして、先ほどから議論をさせていただいておりますけれども、老朽化対策ですとか施設の充実にプラスして、やはり、いかに農業を担う人材として活躍していただけるかということについては、学校のカリキュラムの充実も大変重要でありますし、今、地域において農業高校の学生さんたちが、地域や企業や大学と連携をして、様々な商品開発も含めて地域社会で活躍をしていただいていることもございます。地域や企業、大学とともに、行政とともに、社会の問題解決に対して貢献できる人材としても育成をするという中で、大変貴重な人材だというふうに地域でも受け止められております。
地域や大学、企業との連携強化も大変必要だというふうに思いますけれども、現状の取組と今後の方針についてお伺いをさせていただきます。
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
産業構造や仕事内容の絶え間ない変化に即応する、こういった観点から、職業人材の育成のため、令和三年度より、産業界と農業高校を含む専門高校が一体となり、地域産業の持続的な成長を牽引する最先端の職業人材の育成を推進するため、マイスター・ハイスクール事業、こういった事業を実施してきております。
この事業では、農業高校等を指定いたしまして、産業界と一体となってカリキュラムの刷新を行うこと、企業等の人材を専門高校の管理職として企業連携等のマネジメントを行うこと、企業等の技術者や研究者を教員として採用し授業を行うことなどにより、専門高校と地域の産業界が連携、協働しながら、最先端の職業人材育成モデルの構築に取り組んできたところでございます。
このマイスター・ハイスクールにおける成果を普及するため、今年度からマイスター・ハイスクール普及促進事業を実施いたしておりまして、先進的取組を行う都道府県と専門高校が中核となりまして、産業界等と連携した人材育成の広域ネットワークを牽引すること、産業界等との連携に課題のある地域が先進的取組を直接学びつつ、連携体制の強化プロセスを実践研究することなどにより、全国的に、産業界等と専門高校の連携体制強化による産業人材育成のための教育の充実を推進してまいりたいと考えております。
○西岡委員 今御答弁いただきましたように、そこをしっかり強化することは卒業後の就農にもつながる大きな成果が期待できるのではないかというふうに思っておりますので、是非、連携強化を含めて、マイスター・ハイスクールの事業の普及にも是非尽力をお願いを申し上げたいと思います。
これまで議論してきた中で、盛山大臣にお伺いをさせていただきたいんですけれども、今回の食料・農業・農村基本法、今の日本の食料自給率を含めた食料の安全保障の面で大変危機的な状況もあるという中で今回の改正が行われたというふうに思っておりますし、農業の問題、第一次産業全てでございますけれども、私たちの命を支える食というのは、農業地帯ですとか、農業に特化した、関係ある方々だけではなくて、国民全体のやはり大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
その中で、今回この改正が出た中で、次世代の農業の担い手として農業高校に学んだ生徒の皆さんが活躍していただく、また、地域社会に貢献していただく人材を育てる大変重要な学びの場である農業高校の環境整備、大変重要だと思います。
今の老朽化を含めて、なかなか今の農業の実態に即していない環境、設備の状況を含めて、文部科学大臣として是非このことにお力をいただいて、お取組をお願いしたいというふうに思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いをいたしたいというふうに思います。
○盛山国務大臣 西岡委員おっしゃるとおり、食料というものを考えますと、多分、水と塩以外は全て農林水産物なんですね。そういう点で、我々、なくてはならない、これを維持していかなくてはならないということで、持続可能なという観点でも、この農林水産業は大変大事だと思います。
そして、農業高校などの専門高校は、科学技術の進展やグローバル化、産業構造の変化等に対応しつつ、地域の産業を支える人材を輩出していく上で大変重要な役割を担っております。
文部科学省では、令和三年度より、産業界と専門高校が一体となり、地域産業の持続的な成長を牽引する最先端の職業人材の育成を推進する、マイスター・ハイスクール事業を実施しております。
また、実験、実習に重点を置いた実践的な職業教育を行う農業高校などにおいては施設の計画的な整備や最新機器等の導入が重要となることから、学校施設環境改善交付金による支援等を通じて、各自治体による計画的な整備を促しているところであります。
令和五年度補正予算において計上されました高等学校DX加速化推進事業においても、農業高校を含む高校段階におけるデジタル等成長分野を支える人材育成に必要な環境整備に取り組んでいるところでもございまして、文部科学省としては、引き続き、これらの取組を通じて農業高校等の環境整備に努めてまいる所存でございます。
○西岡委員 是非、今回の法律改正を含めまして、農業高校の果たす役割は大変重要でございます、国としての支援の在り方についてもこれまで以上の支援体制というものが必要だというふうに思っておりますので、是非お取組をお願いをしたいと思います。
食料の安全保障ということを我が国の最重要課題として掲げるのであれば、やはり、財政的には地方自治体に委ねられている状況でございますけれども、国としてしっかりやるべきところは国がやらないと、今までの枠組みがこうだからということの中で続けていっていると、今の担い手不足、高齢化の問題、日々進行している問題でございますので、もう待ったなしの状態でございます。今のままの枠組というよりは、一歩踏み込んだ文部科学省の御尽力をお願いを申し上げたいというふうに思います。
学校教育の中で、食と農業、例えば食と水産業等の学びを充実して知識を深め、食育を強力に推進していくことが不可欠だというふうに思っております。学校給食による地産地消や有機農産物の利用促進、そのようなことも含めて、やはり幼少期からの教育というものが大変重要だと考えております。現在の取組と今後の方針につきまして、盛山大臣にお伺いをしたいと思います。
○盛山国務大臣 今、西岡先生がおっしゃったとおり、食というものは人間が生きていく上で基本的な営みで、欠くべからざるものでございますので、子供たちに対して、食に関する正しい理解や適切な判断力等を身につけてもらうという観点から、給食指導を含め、各教科等においてそれぞれの特質に応じて食育を進めることが重要であると考えております。
我が国の農業や水産業における食料生産に関し、学習指導要領においては例えば小学校五年の社会科において指導することとされておりますが、文部科学省においては、参考となる指導内容例や実践事例などを示した手引を作成するなど、指導の充実に取り組んでおります。
また、学校給食における地場産物の活用については、地域の食文化、産業への理解や生産者への感謝の気持ちを育むなど、子供たちの食に関する理解を深めるために有効であると考えております。
あわせて、有機農産物の学校給食への活用についても、環境負荷の低減や持続可能な食料生産の促進等に対する子供たちの理解を促進する観点からも有効であると考えています。
文部科学省としては、学校現場、生産者等の互いのニーズを調整するコーディネーターの派遣に対する支援や、農林水産省と連携した事例の発信などを行っているところでありまして、これらを通じて、引き続き、学校における地場産物や有機農産物の活用促進を進めるとともに、子供たちの食育の充実に取り組んでまいります。
○西岡委員 食育の推進は大変重要でございますので、大臣、引き続きの御尽力をお願い申し上げたいと思います。
時間が残り僅かとなりましたけれども、海洋関連人材の育成強化の重要性につきまして質問させていただきます。
我が国は、四方を海に囲まれた海洋国家でありまして、海から大きな恵みをこれまで享受してまいりました。海運業、造船業等の海事産業や海洋エネルギーを含めて、今、様々な海洋関連産業、特に根本的には水産業が、四方を海に囲まれた我が国にとっては大変重要な産業でございます。
海洋国日本にとりましては、学校現場から考えますと、農業高校と同様に、水産高校や商船高専を始めとした海洋人材の育成の重要性がこれまでにも増して大変重要になっていると考えております。
先日、盛山大臣は、弓削商船高等専門学校の弓削丸竣工記念式典に出席をされました。今年度の予算におきましても、商船高専の練習船の建造が予算にも盛り込まれているところでございますけれども、練習船における災害支援機能ですとか、最新の教育環境の充実が不可欠だと考えております。
今後どのように海洋人材の高度化に文部科学省として取り組んでいかれるのかということにつきまして、盛山大臣にお伺いをさせていただきます。
○盛山国務大臣 先月二十一日の、弓削商船高専の練習船、弓削丸の竣工記念式典に出席をさせていただきました。そして、弓削丸を拝見させていただきましたけれども、新しい弓削丸は、災害時に飲料水、電気などを共有する災害支援機能や、学校でのシミュレーションと連携、融合できる最新の設備などを備えており、こうした教育環境の充実が今後の海洋人材の育成やその高度化に当たって重要であるということを改めて認識させていただきました。
現状で、国立大学や国立高等専門学校、高校が有する練習船の多くは、老朽化が進んでいたり、女性用の設備やスペースが不足していたりといった課題があることから、文部科学省におきましては、各学校が所有する練習船の使用年数に応じた計画的かつ集中的な更新に取り組んでおります。今回の弓削丸もその一環で、女性用の配慮というのを十分にできたものになっていたかと私は考えております。
引き続き、教育環境の高度化に努め、海洋立国日本を支える海洋人材の育成にしっかり取り組みたいと考えております。
○西岡委員 海洋人材の強化は大変重要な課題でございます。文部科学省としても、教育現場で是非御尽力をいただきたいと思います。
最後に、もう時間となりましたけれども、国土交通省所管の独立行政法人海技教育機構海上技術学校がございますけれども、ここは船員を養成する学校なんですけれども、ここにおいても、今の船員不足や高齢化の問題について大変深刻な状況がある中で、入学希望者があっても学生を受け入れられない、それは学校施設の体制が不十分であるということもお聞きをいたしております。また練習船についても、そもそも指導する教員がいないという問題もございます。このことについてお取組をお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○田野瀬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四分散会