衆議院

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第5号 令和8年3月11日(水曜日)

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令和八年三月十一日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 斎藤 洋明君

   理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君

   理事 岸 信千世君 理事 永岡 桂子君

   理事 深澤 陽一君 理事 浮島 智子君

   理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君

      あべ 俊子君    石坂  太君

      石田 真敏君    井原  隆君

      内山 こう君    黒崎 祐一君

      下村 博文君    田中 昌史君

      辻  秀樹君    辻 由布子君

      渡海紀三朗君    丹羽 秀樹君

      福田かおる君    藤沢 忠盛君

      船田  元君    宮内 秀樹君

      村木  汀君    盛山 正仁君

      山下史守朗君    山本 大地君

      若山 慎司君    泉  健太君

      菊田真紀子君    山崎 正恭君

      市村浩一郎君    喜多 義典君

      河井 昭成君    渡辺 藍理君

      河合 道雄君

    …………………………………

   文部科学大臣       松本 洋平君

   文部科学副大臣      中村 裕之君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   蝦名 喜之君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   文部科学委員会専門員   津田樹見宗君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十一日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     石坂  太君

  宮内 秀樹君     若山 慎司君

  山本 大地君     村木  汀君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     あべ 俊子君

  村木  汀君     山本 大地君

  若山 慎司君     宮内 秀樹君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)


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     ――――◇―――――

斎藤委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 本日で東日本大震災の発生から十五年を迎えます。

 改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族様に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の復興を祈念いたします。

 ここに、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

斎藤委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

斎藤委員長 内閣提出、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、大臣官房文教施設企画・防災部長蝦名喜之君、総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。河合道雄君。

河合委員 では、よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。

 質問の前に一言。先ほど黙祷もいたしましたけれども、改めて私からも、東日本大震災で犠牲になられた全ての皆様に心から哀悼の意を表します。そして、大切な御家族、御友人、御知人を亡くされた全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 それでは質疑に入りたいと思います。

 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案についての質疑をさせていただきます。

 本法律案の目指すところ、児童生徒一人一人にきめ細やかに対応できる学校環境を整えていくことや、新たな定数改善計画を策定し、単年度ではない継続的な雇用を見通せる形で取り組もうとしている点を私は評価しております。一方で、教員の働き方や給与といった待遇面の課題もなお残っている中で、多様なニーズに応える学級、学校運営をどのように実現していくのか、その観点からお伺いをさせていただきます。

 今回の新たな定数改善計画において、三年間で一万六千五百八十人の定数改善が図られます。これは児童数の自然減による教師需要の減少と相殺されることから、現在の退職と採用拡大の組合せで解決されるとされています。

 一方で、令和七年度の教師不足に関する実態調査によれば、臨時的任用教員等の確保ができず、学校へ配置する教員が不足している事態は現在なお続いています。当該調査時点での不足は全体で三千八百二十七名となっており、令和三年度と比べて四十三の自治体で悪化しています。

 その主な要因として調査が指摘しているのは、産育休取得者の増加による代替需要の増大、特別支援学級の急増、そして採用拡大が進む中で従来の臨時講師層が正規採用に移行した結果、臨時講師のなり手が減少するという構造的なミスマッチです。

 私も小学校の三十五人学級がどうだったかと保護者の方にお伺いをいたしますと、先生が足りていないとか担任の先生の負担が大き過ぎるといったお声も少し聞こえてまいります。これは恐らく、文部科学省の皆様が定数として計画的に改善を取り組まれているという御観点と、産育休を含む、今眼前の教員不足の影響に直結する現場とのギャップがあると認識をしております。

 ここで、大臣にお伺いをいたします。

 今回の中学校三十五人学級化に伴い、いわゆる教師不足にどのように取り組んでいかれるお考えでしょうか。短期的な施策、中長期的な施策、それぞれお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 教師不足への各種対応につきましては、短期的な観点、中長期的な観点、その両方を持ち合わせているというふうに考えておりますので、厳密にどちらかに分けることは難しいと思っております。

 その上で、学校における働き方改革の更なる促進や処遇改善、指導、運営体制の充実などの教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備、特別免許状の更なる活用や、柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職などの多様な分野からの入職促進などを進めてまいります。

 より中長期的な観点では、中央教育審議会におきまして、教師不足の現状を踏まえつつ、教師人材の質の向上と、多様な学部の学生や社会人等の教師入職を促進するための方策について御議論をいただいており、議論の結果を踏まえ、必要な改革を行ってまいります。

 加えて、私から、教師不足に関する対策プロジェクトチームを設置をするように事務方に指示をいたしました。今後は、本プロジェクトチームを中心に、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援等を行い、課題の解決に全力で取り組んでまいりたいと思います。

 民間のアンケートによりますと、若い子供たちの将来なりたい職業というアンケートに対して、将来は教員になりたいというふうに答えた子供たちの割合が非常に多いにもかかわらず、残念ながら、具体的な自身の職業としての選択の段階になると、教師がなかなか選ばれないというような状況があるところでもあります。

 そういう意味では、そうしたミスマッチというものをどういうふうに解消することができるのか、働き方改革等々を始めとした制度面だけではなくて、そのほかの面も含めて、トータルでどういう形を取っていくことができるのか、しっかりと文部科学省の中でも議論をして、対策を打ってまいりたいと思います。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 短期的、中長期的を厳密には分けずしっかりと取り組まれていかれるということを、しっかりとお伺いさせていただきました。

 今大臣からも言及がございましたけれども、中央教育審議会においても、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速させるための方策と検討が必要と御指摘があったかと存じます。

 これを受けまして、私が特に重要だと考えているのは、教育、特にこの文脈でいえば学校教育ですけれども、学校教育に携わるキャリアパスを柔軟にしていくという発想です。

 私は、教育系の民間企業で、新卒採用の職に長く就いておりました。その中では、この場では残念ながらとなりますけれども、教育実習を経て学校現場で働くイメージが持てないということで民間就職を志す方にも多く会ってまいりました。また、将来的に学校現場で働きたいという思いを持って、だからこそ、ファーストキャリアは民間企業で、そういうふうに話してくれる方にもたくさん出会いました。

 また、同世代と話していても、いつかは教育に携わりたいという思いはあるけれども、例えば、今の働き方を考えると難しいとか、家庭ができてしまったので難しいとか、そういった声もリアルに聞くこともございます。

 しかし、本来であれば、こういった思いのある人たちにしっかりと教育現場に入っていただけるようにすることで、教育自体がよくなっていくのではないかというふうに考えます。教師になりたいと思ったときになりやすくする、あるいは、直接教師という形でなくても、学校現場に関わりやすくする、そうした入口の多様化が教師不足の解消にもつながると考えております。

 その観点で有効な取組の一つが、いわゆるペーパーティーチャーの活用かと思います。教員免許を持ちながら現在教壇に立っていない方々、こういった方々は育児や介護あるいは別の理由で今は一旦離れていらっしゃるわけですが、こういった方々に一定の講習等を受けていただきながら教員として働いていただくことは、単に不足分を補うということを超えて、社会経験を学校現場に還元するという役割も期待できると思います。

 政府参考人にお伺いをいたします。

 教員の確保に向けて、いわゆるペーパーティーチャーの活用について、現在の実態と、今後どのような施策を進めるつもりかをお伺いさせてください。お願いいたします。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 教師のなり手を確保するために、現職以外の免許保有者に入職していただくことは重要だと考えております。

 そのため、入職に際して不安を軽減し、円滑な入職につなげるため、最新の教育事情等に関する研修等を適切な時期に実施するよう、各自治体に促しているところです。令和五年度の聞き取り調査においては、六十八自治体のうち五十自治体から、こうした研修を実施していると回答がございました。

 また、今般行った教師不足に関する実態調査の中でも、対策として、効果的な取組として、こうした研修を回答した自治体も多数見られたところでございまして、例えば、複数回の実施や県外会場での実施などの工夫も見られたところでございます。

 文部科学省としては、引き続き、こうした事例の横展開等を通じて、各自治体に対し、現職以外の免許保有者の入職を促進してまいります。

河合委員 御答弁ありがとうございました。

 社会人の実情に合った形でいろいろと模索されていることをお伺いいたしましたので、是非、都道府県等と連携しながら進めていただければと思います。

 加えまして、民間人の教師としての登用においては、特別免許状や臨時免許状の制度があると認識しています。特別免許状は、学校教育に有用な知識や経験があると認められる社会人に対して、都道府県教育委員会が授与できる免許、普通免許状とは異なり、教育課程の修了は不要とされています。一方、臨時免許状は、緊急やむを得ない場合に、普通免許状保有者が見つからないときの措置として授与されるものと理解しています。

 重ねて政府参考人にお伺いいたします。それぞれの制度の趣旨と授与状況、今後の活用方針について教えていただきたいと思います。お願いいたします。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 特別免許状につきましては、学校教育の多様化や活性化を図るために、教員免許を持たない社会人等に対し、教科に関する専門的な知識経験や技能を評価して授与する免許状でございます。授与に当たっては、担当する教科の専門的な知識経験や技能に加え、教育委員会と、その人物を任用しようとする者からの推薦、社会的信望や熱意、識見が求められ、令和六年度には五百九十一件の授与がございました。

 一方、臨時免許状は、担当する学校種、教科の相当免許状を有する教員を採用できない場合に限って授与できる免許状であり、例えば、小学校の教員が不足する際に、中学校教諭の普通免許状を有する者に対して、小学校教諭の臨時免許を授与する場合などが考えられます。令和六年度は九千八百九十八件の授与がございました。

 特別免許状については、優れた外部人材の活用に向けて更なる活用促進を図る必要があると考えておりまして、文部科学省といたしましても、積極的な活用ができるように、特別免許状の授与指針を策定するとともに、令和三年及び令和六年に同指針の改定を行ったところでございます。

 さらに、昨年度、中央教育審議会に対して諮問を行いまして、特別免許状の更なる活用促進を含め、多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ入職しやすくなるような制度の在り方などについて御審議をいただいているところでございまして、この中教審の議論も踏まえて、必要な取組を進めてまいります。

河合委員 御答弁ありがとうございます。

 積極的な活用が期待される中で、大臣にもお伺いさせてください。専門性ある民間人の登用は、真のキャリアの教育につながるだけでなく、例えば、その地域ならではの産業従事者が参画することで、地域色豊かな学校づくりにもつながったりですとか、民間企業のスピード感や問題解決力を教育現場に導入できるといったメリットもあり得ると私は考えております。

 是非、こういった民間人材に教育現場で活躍してもらうということについての大臣のお考えをお伺いさせてください。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思っております。

 多様な専門性や背景を有する人材を教師として学校現場に迎え入れることは、大変重要であると考えております。教師以外の職に就いている方が学校現場に参画をするためには、現在でも、特別免許状の授与のほかに、教員資格認定試験による普通免許状の取得、教員免許を既に保有している者へのリカレント教育や、兼業、副業として参画する特別非常勤講師など、多様な方法が確保されているところであります。

 また、現在、中央教育審議会において、教師人材の質の向上と入職経路の拡幅を図るための方策について御議論をいただいており、委員からは、社会人経験者等が大学院段階の学修によって免許状を取得できる制度についても御提案をいただいたところであります。

 文部科学省としても、こうした議論を踏まえつつ、より実践的な教育の実現に向けて、引き続き、多様な人材に教育現場で活躍いただけるよう、更なる検討を進めてまいりたいと存じます。

河合委員 御答弁ありがとうございます。一層の推進を期待しております。

 では、最後の質問に移らせていただきます。

 振り返ってみますと、平成二十八年の中央教育審議会の答申、チームとしての学校の在り方と今後の改善方針において、複雑化、多様化した課題に対応するため、心理、福祉等の専門スタッフが学校に参画し、教員と連携、分担する、チームとしての学校の実現が求められました。

 今回の法律の趣旨に照らせば、対応がなかなか難しい不登校、発達障害、外国籍児童生徒などへの支援は、学級規模の縮小だけでなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門職員の充実を並行させる必要があると考えます。

 一方で、現場の声を聞いてみますと、例えば、スクールカウンセラーの方からは、拠点校配置の場合だと、一校当たり週一回程度の勤務にとどまって、なかなか新規の相談が受けられず、十分に力になり切れないといったお声や、その中で教員と関係を構築するのが難しいといったお声も届いております。

 そういった局面でスクールソーシャルワーカーが連携をしていくというところも重要ですけれども、まだまだ全校配置には至っていないという現状があったりですとか、こういった専門職員の方々が、非正規雇用だったり会計年度任用だと。任用職員としての雇用が多く、安定的な生活基盤になりにくいといった課題もあると認識しております。

 多様なニーズに応えていくためには、教師以外の専門性を持つ方も併せて安心して学校に携わることができる環境をつくることが重要と考えます。そして、教員だけでなく専門職員も含めてICT化を含めた業務効率化を進めることで、教師の本当の意味での負担軽減にもつながるはずです。

 上記を踏まえて、大臣にお伺いします。

 本法案の趣旨を踏まえますと、こういったスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門職員の充実と並行して、一層のチームとしての学校の在り方が求められると考えられますが、今回の法案の枠外での措置も含め、一体的にどう進めていくか、お考えを教えてくださいませ。

松本(洋)国務大臣 教育課題が複雑化、困難化する中、チーム学校の考え方の下、教師と教師以外のスタッフ、また地域住民などとの連携、協働によりまして質の高い教育を実現していくことが重要であると考えております。

 そのため、文部科学省といたしましては、教職員定数の計画的な改善、支援スタッフの配置充実を併せて推進することにより、学校の指導、運営体制の充実に取り組んでいるところであります。

 御指摘の支援スタッフの配置につきましては、令和八年度予算案におきまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、校内教育支援センター支援員、教員業務支援員等の配置充実を図るための予算を計上しておりまして、引き続き必要な支援に努めることとしております。

 文部科学省としては、今後とも、こうした取組を通じ、指導、運営体制の充実を通じた教育の質の向上が図られるよう必要な支援に努めてまいります。

河合委員 御答弁ありがとうございました。

 教員の待遇改善や確保、そしてそういった専門職員の方も、思いのある方が安心して長く働けるような環境づくりに引き続き御尽力いただければと思います。

 以上で終了させていただきます。

斎藤委員長 松本文部科学大臣には御退席いただいて結構です。

 次に、山本大地君。

山本(大)委員 自由民主党の山本大地でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。今期も引き続き文部科学委員会に所属をさせていただくことになりました。

 冒頭ですが、この三月十一日、先ほど黙祷もさせていただきました。私もちょうど大学生になる前の、高校と大学の間のときの被災でございまして、近畿は、ほぼほぼテレビでこの現状を見るというのが私たちの感覚ではあったんですが、十五年間、私は、社会人そして学生時代、復興とともにこの人生を歩んでまいりました。今は国政に身を置く者として、この十五年という節目を今日迎えるわけですけれども、しっかり復興に向けて頑張ってまいりたいと思います。心から御冥福をお祈りして、質問に入らせていただきたいと思います。

 早速でありますが、本法案の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる義務基準法改正案についての質疑をさせていただきます。

 まずは確認からさせていただきたいと思います。今回の義務基準法改正は、令和三年の小学校三十五人学級化のための法改正から令和七年度に小学校三十五人学級が完成したことにより、中学校でも切れ目なく同じ学級規模で学ぶことが重要であるとの考えの下、引き続き取られてきた措置であるというふうに理解をしております。

 まずは、そもそもこの義務基準法が制定された趣旨と学級編制の標準の変遷について御説明をいただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 義務標準法につきましては、昭和三十三年に制定をされましたが、当時は、戦後の学制改革によります義務教育の拡充、第一次ベビーブームの影響による学齢児童生徒数の急激な増加、さらに、地方公共団体の財政の逼迫などの条件の下で、各地域におきましては、学級編制基準の引上げ、教職員定数の縮減などが行われていたわけでございます。そこで、学級規模や教職員配置の適正化を図るために、学級編制や教職員定数の標準を定めることによりまして義務教育水準の維持向上に資するため、本法が制定をされたところでございます。

 制定当初は小学校、中学校共に学級編制の標準を五十人と定めておりましたが、その後、義務教育水準の一層の向上を図る観点から、昭和三十九年から昭和四十三年の際、第二次定数改善計画でございますが、これで四十五人、そして、昭和五十五年から平成三年、第五次定数改善計画として四十人に引き下げたところでございます。また、平成二十三年度に小学校第一学年を三十五人学級に引き下げまして、令和三年度からは小学校二年生から順次三十五人に引き下げ、ようやくこの令和七年度に小学校全学年での三十五人編制となっているという経緯がございます。

山本(大)委員 ありがとうございます。

 子供たちの学ぶ環境をしっかりと整備するために学級規模や教員の数について基準を定めることが目的だ、そして、昭和三十三年の法制定以降、教育水準の一層の改善を図るために徐々に引き下げられてきたという御答弁でございました。

 それでは、今回の義務基準法改正案はどのような内容となっているのか、改めて、この趣旨と、併せて御説明をいただきたいと思います。

望月政府参考人 先ほど御説明しましたこれまでの義務標準法の経緯も踏まえまして、今般の義務標準法改正案につきましては、子供たち一人一人に応じたきめ細かな指導を可能とするとともに、教師の働き方改革を推進する観点から、昨年成立しましたいわゆる給特法の改正附則を踏まえまして、令和七年度に小学校で三十五人学級が完成をいたします。それに続きまして、今の六年生が中学校においても切れ目なく同じ学級規模で学ぶことができるように、中学校の学級編制の標準を四十人から三十五人に引き下げること、また、養護教諭等の複数配置基準の改善や複数の共同学校事務室を統括する事務職員の定数の新設に係る基礎定数の改善を行うことなどの措置を講ずるものでございます。令和九年度までの経過措置を定めて、本年四月一日に施行しようというものでございます。

山本(大)委員 御答弁ありがとうございます。

 累次の改正によって着々と引き下げられてきたということ、そして、今回は中学校を対象に四十人から三十五人へ引き下げるという内容であるということでございましたけれども、この中学校の学級編制の標準の引下げということになりますと、何年ぶりということになりますでしょうか。

望月政府参考人 第五次定数改善計画が昭和五十五年から平成三年でございました。その中で中学校の四十人学級が始まったのが昭和六十一年、そこから考えますと、約四十年ぶりというわけでございます。

山本(大)委員 ありがとうございます。

 約四十年ぶりの大改正というわけでございます。私が生まれる前のお話でございまして、この改正を四月から全国の中学校に届けるということが今我々国会議員の責務であるということでございます。

 この三十五人化は、先ほど答弁にもありましたけれども、私も質問に立たせていただきました、令和七年度の六月に改正をされた給特法の附則にも、この実施のための法律上の措置を講じることが位置づけられております。すなわち、働き方改革を進めるための指導、運営体制の充実を求めるものであるというふうに思っております。

 実際、国の調査でも、中学校の教師の時間外在校等時間は他の校種と比較しても非常に長い現状があります。今回の中学校三十五人学級化が学校における働き方改革にどのように資するとお考えか、お示しいただきたいと思います。

望月政府参考人 学校の働き方改革につきましては、教職員定数の改善のみならず、チームである学校全体での運営体制の充実、あるいは地域や首長部局との連携による業務の精選、見直しなども含めまして行っていくことが必要でございます。

 その上で、今回、学級編制標準を引き下げ、一学級当たりの人数が少なくなることによりまして、学級担任の負担が軽減されることが期待されるところでございます。また、学級数が増えることで、学級担任以外の教師も追加で配置されまして、基本的に学校全体としての持ち授業数が軽減されること、さらに、義務標準法に基づきまして算定される教頭や事務職員等の数も増えますことから、学校事務に係る負担の軽減も期待されるところでございます。

 以上申し上げましたように、教職員定数、今回の改善につきましても、一定、教職員の数の面から、中学校の学級編制基準の引下げは働き方改革にも寄与するものと考えているところでございます。

山本(大)委員 ありがとうございます。

 我が党の、令和の教育人材確保に関する特命委員会がまとめた提言におきましても、働き方改革の加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援の四つを一体的に進めることが盛り込まれました。今回の義務基準法は、まさに、令和の教育人材を確保するため、指導、運営体制の充実に資する改正となっていると思います。

 その上で、しっかりと政府に確認しなければならない点がございます。

 現状、自治体の独自財源で三十五人学級を行っているところが都道府県別には結構あります。こういった自治体に対して、この分が今回の法律によって国費で賄われることになります。これは非常に歓迎すべきことだと思いますが、その際、他に今かけているお金、県独自、市町村独自でかけているお金が浮くわけでございます。

 じゃ、浮いたねというところでもう終わりというわけではなく、是非、教育に今かけていただいているお金でありますので、更なる少人数指導であるとか、また、学校教育環境の充実に資するように、今かけているお金をそのままほかに回してくださいということを、国側から、政府側からしっかりと、要望というか、強制はなかなかできないとは思うんですが、国費で肩代わりで終わるということにはならないようにしていただきたいというふうに思います。

 今回、更なる指導体制の充実に用いられるように促していく必要が私はあると考えますが、この点についてのお考えを、是非、政務官の方からお願いいたします。

福田大臣政務官 お答えいたします。

 中学校三十五人学級を地方単独の予算措置により独自に取り組んでこられた地方公共団体におかれましては、今回の義務標準法の改正によって、地方単独予算の三分の一相当額が国費で賄われていくことになります。

 三分の一に相当する予算をどのように活用されるかは、山本委員御指摘のとおり、各地方公共団体の御判断にはなります。ただ、先ほど来お話しいただいておりましたように、学校の働き方改革は急務でございます。また、この話というのは、教育課題が複雑化、多様化する中、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな学習環境の整備につながっていくものだと考えております。

 学校の指導、運営体制の充実は重要な政策課題であり、御指摘も踏まえまして、文部科学省といたしましても、対応をいただけるよう促進してまいりたいと考えております。

山本(大)委員 力強い御答弁、ありがとうございます。なかなか強制はできないということですけれども、是非とも強力に推し進めていただきたい。そして、何よりもやはり子供たちのためにということで、今回国費で賄われるところは回していただけるように、力強く推進していただきたいと思います。

 続いて、令和三年の基準法改正の際に、学級編制の引下げが学力の育成や教育活動に与える影響等について実証的な研究を行うようにという附則の検討規定が設けられておりました。

 その規定に基づく実証研究の成果を踏まえて今回の義務基準法改正案が提出されているというふうに私は信じておりますが、その実証研究の結果についてどのようになっているのか、教えていただけますでしょうか。

望月政府参考人 令和三年の義務標準法の附則におきまして、少人数指導等に係る効果検証を行うということが規定をされたところでございます。それを受けまして、令和四年度より少人数学級等に関する効果検証のための実証研究を行ってまいりまして、昨年十二月に中間まとめを公表してございます。

 その中では、学級規模が大きいと、児童生徒の学力そして社会情動的なスキルなどが低下する傾向にあること、また、教師の各種業務に要する時間や在校等時間が長くなる傾向にあること、また、教員業務支援員の配置時間が長いと教師の在校等時間が短くなること、外部人材の配置が効果を発揮するためには教師との協働関係の構築が必要不可欠であることなどについて統計的に明らかになったところでございます。

山本(大)委員 ありがとうございます。

 この実証研究においても、学級規模が引き下げられると、いい影響が多い、メリットしかないということだというふうに私は受け止めたんですが、子供たちや先生方には非常にいい影響があるということだと思います。

 ただ、一方で、先ほど河合委員の方からもありましたけれども、教師不足がやはり避けて通れないと思います。先日、文部科学省が公表した令和七年度の教師不足に関する実態調査においても、五月一日時点で、中学校で千三十一人、全体で三千八百二十七人のいわゆる教師不足の現状があるということが明らかになっております。

 教師不足がある現状の中で教職員定数を改善しても正直意味がないのではないかという批判もあるかもしれません。しかしながら、教師不足解消に向けては、教師を取り巻く環境はしっかりと整備をしていく、そして教師を志す人を増やしていくということが大事であると思います。

 教師不足の状況がある中で中学校を三十五人学級にしても必要な人材が確保できないのではないかという非常に心配の声もありますが、その心配の声に対する見解をお聞かせいただきたいと思います。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 令和八年度政府予算案では、三十五人学級も含めて、七千六百人の定数改善を計上しております。一方で、全体としては、子供の数自体が大きく減少し、それに伴って必要な教員数も減少している。減少分でいうと、七千八百人の自然減が予定をされているところであります。そういうことがありますので、中学校三十五人学級化に伴って急激に採用を増やす必要はございません。

 一方で、教師に優れた人材を確保することは大変重要であり、文部科学大臣からも、教師不足対策プロジェクトチームを新たに設置し、教師不足解消に向けた具体策を検討するように事務方に指示を出しているところであります。今後は、本プロジェクトチームを中心に、多様な分野からの入職促進の具体的方策の検討や、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援等を行い、課題の解決に全力で取り組んでまいりたいと思います。

山本(大)委員 御答弁ありがとうございました。

 済みません、僕、先ほどから、義務標準法のことを義務基準法と何度か言い間違えました。済みませんでした。

 御答弁にございましたとおり、これから大臣直轄のプロジェクトチームを設置をして、教師不足解消に向けて取り組んでいくということであります。給特法のときの議論でも、もちろん給料が一番大事なんだというお話もありましたが、やはり働く環境の改善、そして何よりもやりがいというところ、ここをどう突き詰めていくかがやはり教師不足解消に一番資する内容であると私自身も感じます。

 私の同級生また友達もちょうど今、三十四歳、五歳、ちょうど中間管理職で一番大変な教師の現状をいろいろと聞きますと、やはり、なりたてのときの気持ちと十年たった思いが大きく今違っているなというのを、正直、お話をしていて感じます。それはやはり、保護者とのつき合いであったりとか、また、中間管理職的に、生徒とのつき合い、また学校の先生とのおつき合いというところ、そういったところを、今、日々悩みながらやっているんだなというふうにいつも感じるところではあります。

 でも、現状はやはり、子供たちのためにどう、いい環境を保っていくか、そしていい教育をしていくかということを、現場の人たちは非常に感じていらっしゃるなというのを日々思いますので、やはり少しでもやりがいとそして教育環境の改善をしていくのが私たちの責務だと思いますので、是非とも、これから、三十五人学級実現をまた皮切りに、教育環境の整備に努めてまいりたいというところでございます。

 一方、今回の法案におきまして、附則の規定を設けることで計画的に教員の採用を進めていくことにも配慮されております。学校の現場からは、定数改善の要望も多く寄せられているのが現状です。よく言われる乗ずる数を見直すべきという議論も、給特法の審議の際にもございました。

 しかしながら、先ほども触れたとおり、大量退職、大量採用というトレンドに今現状ある中、教師不足の状況も広がっている。そういったところでありますので、学校教育の質を向上させていくためには優れた教師を確保することが大事でありまして、今後の定数改善は教師不足の状況や働き方改革の進捗の状況を勘案しつつ進めていくこと、これが一番大事だと考えますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。

中村副大臣 委員御指摘のとおり、三月五日に公表した教師不足の調査では、教師不足が、大量退職、大量採用に伴う構造的な要因や、若手教員の増に伴う産育休取得者の増により大量の代替者の確保が必要といった構造的な要因によることが大きいことが示されました。ちょうど委員の同世代の三十代の皆さんとかが、やはり産休、育休を取られるような時期になっているんだと思います。

 また、九日に公表した働き方改革に関する調査では、時間外在校等時間の状況についてですけれども、国が定める上限の原則は月四十五時間以下というふうにしてありますけれども、その四十五時間以下の教師の割合が全ての学校種で前年度より増加をしていると。つまり、働き方改革の進捗が見られております。しかし一方で、中学校、高等学校等で月八十時間を超えている教師がいまだ一定数存在するというのも事実であります。政府目標である平均で月三十時間を上回る教育委員会が小中学校と高校では五割を超えているということがございますので、早急に改善が必要な課題であるというふうにも考えているところであります。

 まずは令和八年度政府予算案に盛り込まれた新たな定数改善計画を着実に進めてまいりたいと考えておりますが、中長期的な学校における指導、運営体制の整備の在り方についても、教師不足の状況や働き方改革の進捗状況、また、現在、中央教育審議会で議論が進められている教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況等も踏まえて、幅広く検討を行ってまいりたいと考えています。

斎藤委員長 ただいまの御質問に関しまして、教員の働き方改革のことにつきまして、望月初等中等教育局長からも、副大臣の御発言にもし補足があれば、是非。今の政府の取組の現状について、御決意でも結構でございますし、今の政府の取組状況について、教員の働き方改革について、一般的なことで結構でございます。局長、お願いします。

望月政府参考人 ただいま副大臣の方から御説明をさせていただきました、いわゆる教師不足の対応としまして、今後、中学校の三十五人学級や、あるいは小学校の教科担任制の増加、そして生徒指導担当の教師など、教育課題に応じました教職員定数及び加配について拡充をするといったこと、そして、教師を取り巻く環境を整備するための事務職員の増、支援スタッフの増など、様々な教師を取り巻く環境について環境を整備をするということによりまして、首長や地域の協力も得まして働き方改革を進めていくことが必要だと考えてございます。

 あと半月後の四月から、給特法の規定に基づきまして、全ての市町村で、首長あるいは地域の協力を得まして、それぞれの市町村におきまして、学校の業務がどのような状況であるか、そして、教師の学校の働き方の状況を勘案しましてどういう改善が必要であるか、どういうことを目標に目指していくかということを目標を定めていただき、それを見える化をして、また検証し、また、地域の協力も得ながら、どこが難しいのか、あるいは財政的に支援をしなければいけないのがどこにあるかということについて、みんなで働き方改革を実行しよう、そういうプロセスを取ることが求められてございます。

 文部科学省としましても、学校によって、あるいは地域によっては、なかなかそうした全体の働き方改革が進まない、その原因がどこにあるのか、そして、自治体のそうした目詰まりのところの何が構造的に問題かということにつきまして、十分に自治体とも寄り添いながら課題を把握し、また、好事例についてはしっかり横展開をする中で指導助言に努めまして、どこの地域においても、それぞれの地域の実情も踏まえた形で、見える形での働き方改革が進み、それが、ひいては子供たちの教育の質の向上ということを、しっかり教育環境の整備の中で目指していきたいというふうに考えているところでございます。

山本(大)委員 ありがとうございました。そして、最後まで、決意表明もしっかり聞かせていただきました。ありがとうございました。

 今回の定数改善につきましては、様々な状況を勘案しつつ、計画的に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、済みません、私、少し早いんですが、質疑を終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、盛山正仁君。

盛山委員 久しぶりに質問の機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。自由民主党の盛山正仁でございます。

 今も山本委員からの質疑、あるいは望月局長からの御答弁、その他ございましたけれども、今回の義務標準法改正法案の質疑においては、どうしても中学校の三十五人学級化、ここに注目が集まっている、これは当然のことだと思うんですけれども、そのほかにも、養護教諭、あるいは事務職員、こういったところについても基礎定数で改善をするという事項も含まれておりますので、私、この点も看過すべきポイントではないと思っておりますので、そういったところを中心に質疑を行わせていただきたいと考えます。

 まずは、養護教諭の勤務環境の改善、具体的には複数配置基準を引き下げるという改正でございますけれども、これが今回の法改正の大きな内容となっていると私は思うんですけれども、その趣旨について、まず御説明をいただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 現代の学校では、アレルギー疾患やメンタルヘルスの問題、いじめや貧困などを背景とした心身の不調など、児童生徒が抱える現代的な健康課題が多様化、複雑化してございまして、養護教諭の重要性が高まっているところでございます。

 とりわけ、長きにわたったコロナ禍を経まして、子供たちが養護教諭を頼って保健室に行ったり、あるいは、養護教諭の先生方が担任の教師といろいろ話す中で子供たちのいろいろな心の状況のケアをしてきた、そういうケースがございます。

 そうした社会の変化を通じまして、とりわけ児童生徒が多い学校におきましては、不登校傾向にあり保健室登校をする児童生徒に対応しながら、突発的なけがや体調不良等に並行して対応する必要があるなど、養護教諭の体制整備が課題となっていると考えているところでございます。

 養護教諭の定数につきましては、これまでも配置基準の見直しを行ってきたところではございますけれども、今般の改正では、このような課題に対応するため、養護教諭の複数配置基準を、小学校、中学校、それぞれで五十人ずつ引き下げることとしたものでございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 ただいまの局長の御答弁にもありましたように、二〇二〇年からコロナで、学校においても大変大きな影響を受けました。もちろん、社会全体での中でということではあるんですけれども。そしてまた、私としても、大臣を務めておりましたときに何度も御答弁をしましたけれども、不登校の問題、これが大変深刻な課題となっております。そういうことも含めまして、子供たちを取り巻く環境というのが大変大きく変化をしてきておりますし、また複雑化しているのかなと、そんなふうに感じます。

 私、大臣のときには、教員業務支援員を全校に配置しようということで、財務大臣と折衝をいたしました。幸い、その予算をうまく獲得することができまして、教師の厳しい勤務状況を少しでも改善するために、教師の働き方改革を進めるために、教師でなければできない仕事は何であるのか、そして教師でない方がどの程度お手伝いをできるのかということで、教員だけではなく様々な職員がチームとなって学校の教育というものを支えていこう、対応していこう、こういうようなことをしていたわけでございます。

 そのための施策の一つでもある、今回の養護教諭の定数改善というのはそのための大きな一つの要素である、そんなふうに思うんですけれども、この改正というのは何年ぶりのものでございましょうか。画期的なものではないかと思うんですけれども、養護教諭の基礎定数での改善というのは本当に久しく行っていなかったのではないかと思うんですが、その点についてお答えください。

望月政府参考人 養護教諭等の複数配置基準の引下げにつきましては、平成十三年の義務標準法の改正によりまして、三十学級以上の学校に配置から、児童生徒数の数による基準に変更してございます。具体的には、三十学級以上の学校に配置から、児童八百五十一人以上の小学校、そして生徒数八百一人以上の中学校に配置と改正をしたところでございます。

 平成十三年のときに改正をして以来となりますので、今回約二十五年ぶりの改善となると承知しております。

盛山委員 二十五年ぶりということで、これをどう評価すべきかということにもなろうかと思います。私も大臣を務めておりましたので、当時何をやっていたんだと言われると、私も当然責めを負う立場ではあったかなと思うんですけれども。本当に久しぶりの改正ということで、これはこれで大変大きな意義があるとは思うんですけれども、この養護教諭に対しての配慮というのは文部科学省の行政の中で少し薄かったのではないかな、そんなふうに思うわけです。

 それはそうとして、今の答弁にもありましたように、子供に関する環境や課題が複雑化、そして不登校が増えている、深刻化している、そういうふうに学校を取り巻く課題が複雑で大変困難なものとなっております。そういったこともあり、先ほどの質疑の中でもありましたけれども、教師についての希望者が減少する、教師が不足している学校あるいは地域がいろいろなところで目につくようになっているわけです。そしてその背景には、教師の長時間の勤務、そのほかに親御さんとの関係、そういったこともあるわけでございます。

 昨年六月の給特法の改正では、議員による修正でございますけれども、一か月の時間外在校等時間を令和十一年度までに月平均で三十時間程度とすることが求められるようになっているわけです。また、その実現のために、義務標準法に規定する教職員定数の標準を改定することが求められており、今回の改正はこの附則の規定を受けたものというふうに私も理解しております。

 そこでお尋ねをしたいわけでございますが、養護教諭の配置の充実というもの、これがまた教師、教員の働き方改革、こういうものにどういうふうに寄与していくと考えているのか。副大臣の御所見をお答えいただきたいと思います。

中村副大臣 盛山委員におかれましては、大臣時代にも大変な御尽力をいただいて、教員の働き方改革、また負担軽減に取り組んでいただいたこと、心から敬意を表する次第です。

 そこで、養護教諭の関係でありますけれども、先ほど局長からもお話ししたとおり、いじめや貧困などを理由としたメンタルヘルスですとか、アレルギーですとか、様々な子供がいらっしゃるわけであります。児童生徒が抱える現代的な健康課題は複雑化、多様化している状況にあります。これに伴って、養護教諭が心身の健康課題に対して継続的に支援を行う児童生徒数や、個別の保健指導を要する児童生徒数の割合は増加をしているところであります。保健室に来室した児童生徒一人当たりの対応時間も長時間化をしているという現状にあります。

 また、いじめ、不登校等の早期発見、早期支援のためには、学級担任だけではなく複数の教職員で対応することが必要でありまして、健康相談及び保健指導を担当する養護教諭の重要性が高まっているところであります。

 こうした現状の中、大規模校であるほど対応が必要な児童生徒数が増えておりまして、対応に時間を要することから、養護教諭等の複数配置基準の引下げによりまして、養護教諭自身の負担軽減に加えまして、学級担任の生徒指導等に係る業務負担の軽減にもつながるということで、学校全体の働き方改革に資するというふうに考えているところであります。

盛山委員 御答弁ありがとうございました。

 今の御答弁のとおり、今回の養護教諭の複数配置基準の引下げというのは大変重要な改正であると思っております。

 今、町中に出ましても、精神科のお医者さんがすごく増えているように私は感じます。そして、子供の不登校ということについても、大人だけではなくお子さんも、やはりメンタルでいろいろな課題を抱えておられるお子さんが増えつつあるのかな、そんなふうに感じるところでございますので、不登校だけではないわけなんですけれども、心身共に健康にすくすくと育っていただきたい、お子さんというのはこれからの将来の日本を支える大変大事な宝でございますので。そういうことを考えますと、この養護教諭の在り方あるいは養護教諭の配置をこれまで以上に手厚くしていくということ、それがよりきめ細やかな教育環境の実現、さらには教師の働き方改革の推進に寄与するものではないかなと私も感じているところでございます。

 それでは、次のテーマに移ります。

 二つ目は、学校の事務機能の強化について伺いたいと思います。

 今回の法改正のポイント、事務職員についての改善事項、これもまた大きなポイントの一つではないかなと私は思います。総務、財務などに関する専門性を有する事務職員というのは学校の機能を強化するために重要な役割を果たす存在であると思います。

 私が通っていた当時、大分以前でございますが、当時は多分、事務の職員さんは本当に数少なくて、教師、先生がそういったことも含めて、もちろんクラブ活動なんかも含めていろいろやっておられた。しかしながら、やはりいろいろ求められるもの、そういったものもどんどん複雑化しております。また、ICT、こういったものも進めている。そういうことで、昔の学校に比べて今の学校というのは、本当に広範な分野でいろいろなものが、学校にサービスを提供してほしい、学校でのサービスを生徒に与えてほしいということで、大変な状況になっているんじゃないかと思うんです。

 今回の事務職員の改正について、その趣旨、そして新たに措置される事務職員に期待される役割について文部科学省はどういうふうに考えているのか、お答えいただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 今、盛山委員の方から、まさに事務職員が学校において財務や会計の専門家であり、学校の機能を果たすために重要な役割を果たしていると御紹介いただきました。求められる学校における多様な業務が増えていく中におきまして、学校事務職員の役割というのも比例して大きくなってきているものというふうに考えてございます。

 そうした中におきましても、小規模の学校も増えてございまして、学校事務職員は多くの小中学校では一人の配置となっているところもございます。そうしますと、組織的な事務処理によるミスが起こりやすい、あるいは事務負担というものがどうしても一人ですと過大になってしまう、それから、事務職員自体の能力の育成という観点からも難しい面がある。

 そうした課題を解決することを目的としまして、平成二十九年度より教育委員会規則で定めるところによりまして、それぞれの市町村におきましては、共同学校事務室の設置を可能といたしました。そして、共同学校事務室の設置につきましては、国としても設置を促しているところでございます。

 令和七年では、直近、調べてみますと、全国で千七百七室が設置をされていると把握をしているところでございます。そして、共同学校事務室を進めてきてその効果はどうかということにつきましても、私どもとしては、事務の効率化、あるいは事務自体の質の向上、人材の育成などに成果が見られているのではないかと考えてございます。

 このため、共同学校事務室を複数配置している自治体に対しましては、今回の改正におきまして、各事務室を統括するような方を配置することを想定いたしまして、基礎定数を新設をしたところでございます。

 その役割につきまして御質問がございました。この統括する者につきましては、教育委員会と連携しまして、小中学校どこかのところがハブになるわけですけれども、それ以外の他の各事務室への指示など、事務室自体の機能強化、共同学校事務室間の事務の標準化、あるいは一定の事務の効率的な執行、事務職員のこれからの人材の育成といったような観点などの役割をこの基礎定数で配置する者については期待をしているところでございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 今局長から御答弁いただきましたが、共同学校事務室を複数設置している市町村には、追加で一名事務職員が配置されるということになったということであります。

 学校だけではなく、各オフィスやいろいろなところでもそうですが、今オンラインでの会議というのが大分当たり前になってまいりました。特に、コロナの関係で、学校でのオンライン授業もそうでございますが、いろいろな会議をオンラインで、場所が離れていても、物理的に一か所に集まらないでも会議をするということが当たり前のようになりつつあるところでございます。複雑化している事務作業、こういうものを共同学校事務室ということでまとめてやっていくということは合理的ということにもなります。また、ミスを減らしていくですとか、これまで一人でというところを複数の目でチェックをしたりするですとか、そういう点では大変効果がある、あるいはいい方向に進んでいるというふうに私も感じております。

 昨年六月の給特法の改正を受けまして、文部科学大臣が定める指針の中に、学校、教師が担う業務の三分類というものが位置づけられております。その中では、総務、財務に関する専門性を有する職員である事務職員により一層活躍していただくことで学校における働き方改革を加速化させていくということが期待されております。そういうふうに大きな期待を我々自身も有しているわけでございますが、その一方で、事務職員に過度の負担が生じるのではないか、そういうふうな懸念の声も聞こえるところでございます、耳にも入ってまいります。

 今回の法改正は、そういうような懸念を払拭できる、ちゃんと応えられるような内容になっているものであるのかどうか、その辺りについて御答弁いただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 今、盛山委員から御紹介いただきましたけれども、学校の働き方改革を進めるためには、学校の中でもいろいろな職の者、そしてスタッフとも協働したチーム学校によりまして学校の運営というのを考えていかなければいけない。

 そして、給特法の審議もございまして、そのときまさに浮島委員からも強く御質問いただきましたけれども、その後中教審でも検討いたしまして、学校と教師の業務の三分類、これを新たにバージョンアップをしまして、学校以外が担うべき業務、そして教師以外が積極的に参画すべき業務、もう一つ、教師の業務だけれども負担軽減を促進すべき業務というものを一つ一つ見直しをしまして、改めまして、教師以外の者ができる業務についてはできる限り分担をして学校の業務を進めていこうということを方針としてお示しをしたところでございます。

 昨年見直しを行いました今の三分類におきまして、調査、統計等への回答や、学校の広報資料、ウェブサイトの作成、管理など、一定程度、事務職員が積極的に参画いただくことが非常に効果的な業務もございます。

 一方で、今、盛山委員から御指摘いただきましたとおり、それによりまして事務職員の負担が過重なものにならないということについても留意する必要がございます。これも指針でも示してございます。

 今回の標準法改正案では、中学校三十五人学級の実施に伴いまして、事務職員の定数増と併せて、令和十年度までに千七十六名分の事務職員の定数改善を見込んでございます。共同学校事務室の、先ほど申し上げました統括者の配置、また、これまでの共同学校事務自体を進めるための加配というものも、数を減らしているものではございません。

 ですから、中学校三十五人学級に伴う事務職員の増、今回の法令改正に伴う共同学校事務室の統括者的な役割を担う者、そして、これまでの共同事務を進めるための加配など、そうした量の面におきまして、事務職員の数の面におきまして、国としてもしっかり支援を行うとともに、事務室間の事務の標準化や効率的な事務の実施において、学校事務の効率的な状況につきましては、その質の面につきまして、私どももいろいろな事例を収集しまして横展開もさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 横展開を含めてというような御答弁もございましたけれども、働き方改革というのは、学校の教師だけではなく国民全てということになりますし、学校の中では、教師だけではなく、事務の方、いろいろな方を含めての働き方改革、これをどのように改善をしていくのかということでございますので、是非とも、今後ともそういう目で対応を着実に図っていっていただきたいな、そんなふうに思います。

 そして、今の御答弁にもありましたけれども、共同学校事務室の仕組みというのをよりうまく活用していくことで、学校の事務機能の充実につなげていく、こういうことの御答弁をいただいたわけでございますけれども、そのためにも、この事務を統括をする事務職員の役割が大変大きいのではないか。

 特に、先ほど来申し上げておりますように、一堂に会して一つの部屋で複数名の人が打合せをするということではなくて、オンラインその他も含めて、複数の物理的に離れた学校間、こういうところでの職員の間のいろいろなチームワークをどう高めていくか、こういうことでございます。

 これまで、ちょっと先ほど申しましたが、事務職員が一人の職場でキャリアパスを描いていくことが難しいというようなこともありましたので、今回の共同学校事務室というようなことで御自身の能力、こういったものを高めていくことにもなるわけでありますし、将来自分が今度はこういうふうになるんだということも少し見えてくるようになるだろうと思うんですが、それだけ統括をする事務職員の役割というのをそれなりにちゃんと位置づけをする、そして評価をする、こういうふうにしていく必要があると私は思うわけでございます。

 具体的には、統括をされる方にはほかの事務職員に比べてよりよい処遇というものも必要ではないかなと思うわけでございますけれども、副大臣から御見解を伺いたいと思います。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 今般の義務標準法改正によって、共同学校事務室の統括者を新たに算定することといたしました。その処遇についてですけれども、地方公務員法に基づきまして、職務給の原則等を踏まえた上で、各地方公共団体の条例において適切に規定されるべきものと認識をしております。

 統括者が教育委員会と連携をして、各事務室に指示することや各共同学校事務室の状況を把握することで、共同学校事務室の事務の標準化や効率的な事務の実施が図られることを期待をされているところであります。

 なお、一般論として申し上げると、経験豊富な事務職員が統括者となることが想定をされるわけでありまして、この場合、ほかの事務職員に比べて処遇が高くなることが予想されますが、いずれにせよ、この職務の重要性を踏まえ、適切な処遇を行っていただくことを期待をしているところであります。

 本法案をお認めいただければ、通知等においてその趣旨をしっかりと明記をして、各自治体に周知をしてまいりたいと考えております。

盛山委員 今副大臣からも御答弁いただきましたが、国と地方の関係でございますので、なかなかそう簡単にいかないのは私も承知をしておりますけれども、期待される役割、職務にふさわしい処遇とするための法改正なんですよということを、是非とも、通知とおっしゃいましたけれども、自治体に周知徹底をしていただきたい、強く希望いたします。

 それでは、最後、三点目でございますが、定数改善計画について伺いたいと思います。

 今回、中学校の三十五人学級、あるいは養護教諭、事務職員の基礎定数の改善に加えまして、様々な加配定数の改善を令和十年度までに達成すべく、財務当局と調整をつけて、新たな定数改善計画として打ち出しておられます。

 私が文部科学大臣のときにも、小学校高学年における教科担任制の強化などを大臣折衝でかち得ることができた覚えがございますが、今回の新たな定数改善計画では、教科担任制を小学校四年生で進めることを含めまして、様々な改善事項が含まれていると考えております。

 まず、この概要について御説明いただきたいと思います。

望月政府参考人 令和八年度の政府予算案で新たな定数改善計画についてお示しをしているところでございます。

 中学校三十五人学級の推進としまして五千五百八十名、養護教諭の配置充実として百四名、学校事務体制の機能強化として二百二十二名、そして今御紹介いただきました小学校四年生の教科担任制の計画的配置分として九百九十名、生徒指導に係る体制の充実、これは小学校、中学校ともでございますけれども、合わせまして六百五十名、学校統合のための支援として五十名の、計七千五百九十六名の過去最大となる定数改善に必要な経費を計上いたしまして、令和十年度までの三年間での新たな定数改善計画として改善を図ることとしているところでございます。

盛山委員 すばらしい内容だと思います。それで十分ということではありませんけれども、少なくとも私が大臣を務めておりましたときに比べて前向きに進んでいる。今の大臣以下の体制がすばらしいんだなと高く評価したいと思います。

 そして、先ほども申し上げたことでございますが、私が大臣を務めておりましたときにも教科担任制の強化など計画的な定数改善を進めておりましたけれども、新たな定数改善計画として、定数改善計画というのを銘打つというんでしょうか、名づけるというのは、平成十三年から十七年までにかけて実施をされた第七次定数改善計画以来のことではないかと思います。

 今回、文部科学省は定数改善計画と名づけておられるその意図というんでしょうか、その心意気というんでしょうか、そういうことについて、副大臣から御説明いただきたいと思います。

中村副大臣 ただいま盛山委員から御指摘があったとおり、平成十三年度から平成十七年度までの第七次定数改善計画を実施をし、その後、今回新たな定数改善計画というふうに策定をしたわけであります。この間も、通級指導等の基礎定数化を平成二十九年度から十年間で行う、小学校三十五人学級の整備を令和三年度から五年間で行う、小学校、高等学校の教科担任制の推進、これにはお力添えをいただきました。そういったことを、その時々の学校現場の課題を踏まえながら計画的に改善を進めてきたところであります。

 しかし、今回、昨年成立した改正給特法を踏まえて、教師の処遇改善、働き方改革の一層の加速化に併せて、学校の指導、運営体制の充実を図ることが重要だということから、今回の新たな定数改善計画は、中学校三十五人学級の実現と小学校教科担任制の推進、そして、いじめ、不登校など現下の学校現場が抱える教育課題への対応のための体制整備などを通じて、きめ細かな指導体制の充実と学校の働き方改革を進めるために、自治体においてしっかりと見通しを持って計画的に教職員を採用、配置いただけるように、そういった意図を持って定数改善計画を策定したものであります。

斎藤委員長 副大臣、ちょっと訂正があるようですが。

中村副大臣 答弁で、小学校、高等学校の教科担任制というふうに申し上げましたが、小学校高学年の教科担任制でございました。失礼しました。

盛山委員 教師不足の深刻化する中、しっかりこれからもやっていただきたい。

 そして最後に、計画期間中、これ以外には定数改善が認められないというわけではない、これからもしっかり定数改善に努めていかれるということを期待申し上げまして、時間でございますので、私からの質疑を終わらせていただきます。

 誠にありがとうございました。

斎藤委員長 次に、喜多義典君。

喜多委員 日本維新の会の喜多義典でございます。

 このような質問の機会を与えていただき、本当にありがとうございます。何分、今回、初当選、初質問になりますので、不慣れではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、質問をさせていただきます。

 令和三年の、小学校で導入された三十五人学級実施のための義務教育標準法改正の附則において、学級編制の標準の引下げが教育活動に与える影響に関して実証的な研究を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の検討規定が定められました。政府は、これら実証研究等により、少人数教育の効果をどのように評価、分析しておられるのか。また、中学校も三十五人学級とすることの目的と効果をどのように考えているか、お聞かせください。

中村副大臣 喜多委員の御質問にお答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、令和三年の改正義務標準法の附則で、実証研究を行って、その成果を明示することを求められております。

 文部科学省においては、令和四年度より少人数学級等に関する効果検証のための実証研究を行いまして、昨年十二月に中間取りまとめを公表したところであります。その中間取りまとめでは、学級規模が大きいと、児童生徒の学力や自尊感情などの社会情動的なスキルなどが低下をする傾向にある、教師の各種業務に要する時間や在校等時間が長くなる傾向にあることなどについて統計的に明らかになったところであります。

 こうした実証研究の成果も踏まえ、今般、約四十年ぶりとなる中学校の学級編制の標準の引下げ等を行うことといたしました。本改正を通じて、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導体制の整備と教師の働き方改革の推進を同時に図ることができると考えております。

 今般の定数改善を含め、子供たち一人一人によりよい教育を実現することができるよう、文部科学省として全力を尽くしてまいりたいと考えています。

喜多委員 学校関係に関わる皆さんにいい方向に向くように、是非よろしくお願いいたします。

 教職員の定数改善計画については、昭和三十四年度から平成十七年度までの間に七次にわたる計画が策定されました。平成十八年度以降は新たな計画は策定されず、義務標準法の改正や単年度ごとの予算措置で配置する加配定数の増員により教職員定数の改善が行われてきたところであります。

 文科省は、令和八年度から十年度までの新たな定数改善計画を再度策定し、三年間で二万四千六百五人の教職員定数改善を図ることとしています。この定数改善計画によって基礎定数の改善が図られることにより、各地方公共団体はより計画的な採用、教職員配置が可能となると考えられますが、これまで二十年もの間、計画を策定しなかった理由及び新たに計画を策定した理由はなぜでしょうか。

 また、令和八年度概算要求の段階では定数改善計画に盛り込まれた学びの多様化学校の体制整備のための定数措置の新設、夜間中学校の体制整備のための定数措置の新設、大規模共同調理場への定数措置の改善等の項目が令和八年度予算案の段階で削除された理由はなぜでしょうか。質問いたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省では、平成十三年度に第七次定数改善計画を策定、実施して以降、第八次というような、そうした計画の名前を打ちませんでしたけれども、先ほど中村副大臣からも御説明をさせていただきました、平成二十九年度から十年間ということで、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級指導の基礎定数化、そして日本語能力に課題のある児童生徒への対応ということでの基礎定数化を進めてまいりました。また、令和三年度から、これはこの標準法の改正によるものですけれども、小学校三十五人学級を段階的に整備をしてきました。これは令和三年からの五年間でございます。また、令和四年度から小学校高学年の教科担任制の推進など、その時々の学校現場の課題なども踏まえながら、計画的な改善を進めてきたところでございます。

 一方、今回の定数改善計画としましたのは、中学校三十五人学級を小学校に次いで確実に整備をすることと、小学校教科担任制をしっかりと小学校四年生まで進めているということ、いじめ、不登校などの現下の学校現場が抱える教育課題への対応のための体制整備を、昨年の給特法の改正とともに進めていることを計画的に行っていくことなどにつきまして自治体にもお示しをし、そして各自治体が見通しを持って計画的に教職員を採用、配置いただき、子供たちの教育環境を確実に改善していくために、定数改善計画として策定をするものでございます。

 もう一つの御質問の、概算要求にございました学びの多様化学校、夜間中学、大規模共同調理場に関する基礎定数化について、概算要求時とは違って予算要求時にそれが落ちているんじゃないかという御質問でございますけれども、指導、運営体制の充実や働き方改革など、総合的に判断をいたしまして、最終的には予算案では養護教諭の配置充実と学校事務体制の機能強化を進めることとしたところでございます。

 なお、学びの多様化学校につきましては、別途これを進めるための事業を設けてございます。夜間中学につきましても事業を設けてございまして、その事業を通じまして、各自治体ともよく話をしながら、その配置が徐々に進められてきているところでございます。また、大規模調理場につきましては、食の指導を充実するための必要な栄養教諭等の加配定数の措置などもございます。

 したがいまして、今回の予算案では、養護教諭の配置充実と学校事務体制の機能強化を中学校の三十五人とともに基礎定数として措置をしたところでございます。

喜多委員 ありがとうございます。

 次に、教員の数の確保と質の担保についてお聞きします。

 中学校の全学年において三十五人学級を実施するため、新たな定数改善計画において、三年間で一万六千五百八十人の定数改善を図るとされています。令和七年度公立学校教員採用試験の中学校の採用倍率は全国平均で三・六倍であり、前年度の四・〇倍から低下し、過去最低となった折、全国的に教員不足が深刻化する中、新規採用教員の質を担保しつつ、どのように増員を図っていくのか。

 教員採用試験の採用倍率が低下する中、質を担保しつつ教員の数を確保する方策として、特別免許状の更なる活用などを通じて、外部の専門人材の活用の促進を図ることが考えられます。政府は、外部専門人材の教員への活用のため、これまでどのような取組を行い、どのような成果を上げてきたと認識されていますか。あわせて、今後の外部の人材の活用について、政府の方針をお伺いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 教師採用の倍率につきまして、状況について、それが低下しているのではないかということを御紹介いただきました。現時点、毎年の状況を調べてございますけれども、確かに教師の採用倍率は下がってございます。

 ただ、これは、教師のなり手、新規採用者、例えば小学校でありますと、そのなり手が、教師になりたくないという者が、圧倒的に減っているということよりも、特別支援学級の増加や育児休業あるいは産休のそうした代替者の確保など、それぞれの自治体において、臨時講師のなり手の不足といった、そうした構造的な原因も一つあるわけでございまして、教師の採用に当たりましては、計画的な採用に資するよう、今回の標準法の改正でも早め早めから中学校三十五人学級の実現等について周知を行ってきたところでございます。

 教職の魅力を向上し、教師に優れた人材を確保していくためには、まさに、学校における働き方改革の推進と、教職の重要性、職務や勤務の状況に応じた処遇改善と併せまして、現在進めようとしています教職員定数の改善による指導、運営体制の充実を図る、この三者をしっかり総合的に行っていくことが必要でございます。このため、今回の指導体制の充実の観点から、七千五百九十六人の過去最大となる定数改善に必要な経費を計上するとともに、令和十年度までの計画的な定数改善のための措置を考えているところでございます。

 この際、教師の質の確保の観点についても御質問ございました。

 特別免許状のことも御紹介いただきましたけれども、特別免許状の更なる活用や柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職の促進、あるいは、大学と教育委員会が連携した地域教員希望枠を活用した教員養成、確保の取組に関する支援など、これから教職になる方のみならず、教職免許を取りながら一度教職から離れた方にも改めて教職に入っていただくことを、地方公共団体とも連携をしながら、いろいろな周知も含めまして政策を進めてまいりたいと考えているところでございます。

喜多委員 ありがとうございます。

 生徒たちを一番間近で見る先生方のことですので、質と働き方の改革、うまくいくようにどうかよろしくお願いいたします。

 学校施設の整備についてお聞きします。

 中学校三十五人学級の実施に当たり、学級数の増加に伴い教室の確保が必要となると考えます。本法律案による学級数増加に伴う教室等の施設整備に関して、財政措置を始めとする国の支援を必要とする地方公共団体もあるのではないかと考えますが、国として何らかの支援を行う予定はあるのか、お聞かせください。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 公立学校施設は、児童生徒の急増期に建設されたものが多く、全体的には少子化の進行に伴い教室数には余裕が出ている状況にございますので、ほとんどの中学校におきましては、こうした余裕教室の転用などにより、今回の学級編制の標準の引下げに伴う学級数の増加には対応できるものと考えてございます。

 その上で、お尋ねの施設整備に対する財政支援につきましては、例えば、中学校三十五人学級の実施に伴って教室を転用する場合に内部の改造工事を行うといったような場合や、教室不足が発生し、その解消を図るためには新増築を行う必要があるといったような場合については国庫補助の対象としているところでございます。

 文科省といたしましては、各学校設置者が行う施設整備に対する国庫補助等を通じまして、中学校三十五人学級を円滑に実施できるよう、しっかりと支援をしてまいります。

喜多委員 ありがとうございました。

 財源の確保についてお聞きします。

 中学校の全学年で三十五人学級を実現するために三年間で一万六千五百八十人の定数改善、新たな定数改善計画全体では三年間で二万四千六百五人の定数改善を図るとされていますが、この定数改善のためにどれぐらいの予算増が見込まれているのでしょうか。また、そのための財源について、どのように確保するつもりでしょうか、お聞きいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 令和八年度から十年度の三年間における新たな定数改善計画全体の改善総数二万四千六百五人に必要となる予算は、国庫負担三分の一で約六百億円でございます。

 このため、令和八年度予算案におきましては、これらの定数改善を実施するために、少子化による定数の合理化減等を考慮しつつ、中学校三十五人学級を学年進行で実現するために必要な五千五百八十人を含めまして、基礎定数及び加配定数合計で七千五百九十六人の改善に必要な経費を計上しているところでございます。

喜多委員 ありがとうございます。

 養護教諭の配置の充実についてお聞きいたします。

 不登校児童等を始め、児童生徒の心身の健康問題が多様化、複雑化する中、教員や学校医とも連携しながらきめ細かく支援する養護教諭の重要性は年々増加しています。また、養護教諭の職務は、保健室運営を始めとして、学校保健計画作成、保健指導、保健学習、救急措置、健康診断など多岐にわたっています。養護教諭の複数配置により児童生徒一人一人きめ細やかな対応ができる効果が期待されるものの、本法律案では複数配置の基準を五十人引き下げるにとどまっており、これで十分と言えるのでしょうか。

 養護教諭は一般的に一人配置の学校が多い中、複数配置の場合は、職務分担の偏り、責任の偏り、所在不明確、人間関係による精神的負担といった課題が指摘されているところであります。政府はこうした課題に対し、これまで何らかの取組を行ってきましたか、また今後行う予定はあるのでしょうか、お聞きいたします。

望月政府参考人 養護教諭の複数配置基準につきましては、平成十三年度からの第七次定数改善計画で、小学校八百五十一人以上、中学校八百一人以上の学校を対象とし、現在に至っているところでございます。

 現在の健康課題に関する課題が、非常に児童生徒の抱える現代的な健康課題に対応することが必要であること、あるいはアレルギー対応、メンタルヘルス問題、いじめや貧困等を背景とした心身の不調など、子供たち一人一人にいわゆる心のケアなども必要になっているところでございます。

 一方、生徒指導の担当に関しましては、今般、中学校三十五人学級の実施によりまして基礎定数の増加が見込まれることや、小学校共に生徒指導担当の加配定数の改善も盛り込んでいるところでございまして、養護教諭の複数配置基準の改善と、そして中学校三十五人学級の実現、生徒指導担当教師の加配の増加といったこと全体を総合的に検討いたしまして、今回の五十人の引下げということになったわけでございます。

 こうした教職員定数の改善や学校自体のそれぞれの役割、あるいは置かれている地域の状況が学校によっては様々でございますので、学校の中で子供たち一人一人に関わって見る体制というのを改めてこうした定数も含めて考えていただきまして、現代的な健康課題というものにもきめ細かく対応に当たっていただきたいというふうに考えているところでございます。

喜多委員 ありがとうございました。

 学校事務体制の機能強化についてお聞きします。

 文科省が令和七年九月に改正した教育の働き方改革を促す指針、上限指針において、学校と教師の業務の三分類が位置づけられました。教師以外が積極的に参画すべき業務の受皿として、事務職員が担い手の中心となることが想定されています。

 教員の業務負担軽減のために事務職員の役割が極めて重要となっており、本法律案による複数の共同学校事務室を統括する事務職員の定数の新設にとどまらず、多くの小中学校において事務職員が一人配置である現状を改め、十分な学校事務体制を構築するため、各学校の複数配置基準の引下げ等の定数改善を行う必要があるのではないでしょうか、お聞きいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 少子化の影響等で学校規模の比較的小さい学校が増加する中で、それぞれの学校におきましては、単独で事務を実施することが必ずしも効率的でないケースも見られてきているところでございます。

 こうした中で、各学校の事務それぞれはありますけれども、共同で学校事務を担うことができる部分につきましては共同で実施をし、そしてまた、事務を効率化、あるいは効果的な事務につなげていく観点から、共同学校事務室の設置を進めているところでございます。共同学校事務室を置いているところからの効果においては、事務の効率化やあるいは事務自体の質の向上ということについても効果があるというお声もお聞きしているところでございます。

 今般、共同学校事務室を複数設置している自治体に対しまして、その事務室を統括する者も配置することを想定いたしましての基礎定数を新設したところでございます。

 この共同学校事務室を統括する役割を担うような方につきましては、共同学校事務室間をつないで事務の標準化を担っていただく。ある程度経験のある方がこれまでの経験も生かしながら効率的な事務のやり方などをほかの若い方にも広めていく、教育委員会と連携して共同学校事務室を置いていない他の事務室などへの効果も考えられるといったようなことから、今回、共同学校事務室を複数配置するところに基礎定数で増員をしていくということについては、学校全体の働き方改革や、あるいは事務の運営の在り方の見直しという中で、みんなでこうした学校のありようというのを考えるというようなきっかけにもなるのではないかというふうに考えているところでございます。

 いずれにしましても、学校事務についても、学校においてはなくてはならない大事な機能でございます。学校事務体制の強化を通じまして、今後の必要な指導、運営体制の在り方について、引き続き検討を行っていく必要もあるかと考えてございます。

喜多委員 ありがとうございます。いろいろな仕事に関わる学校の方に、また負担のかからないように考えていっていただきたいものだと考えるところであります。

 最後にお聞きいたします。

 政府は、これまでの少人数学級に関する実証研究等を踏まえ、一学級の編制はどの程度が最も適切と考えておられるのでしょうか。小中学校の三十人学級と更なる学級編制の標準の引下げを進める考えはあるのでしょうか。

 また、高等学校について、政府は令和八年二月、高校教育改革に関する基本方針、グランドデザインを策定し、高校の特色化、魅力化等の改革を進めていくとしています。

 一方、公立高等学校の学級編制は、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律により一学級四十人を標準とすると定められており、平成五年度以降、三十年以上見直しが行われていません。

 今回の改正で中学校三年生までは切れ目なく三十五人学級が実現していく流れも踏まえ、高等学校の学級編制の引下げについても検討すべきではないでしょうか。それに伴い、教職員定数の抜本的改善をする必要があると考えますが、今後の見通しをお聞かせください。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 学校課題というのは多様化、複雑化をしていて、教師の時間外在校等時間も相当増えていたので改善を今進めているところでありまして、同時に、学校の指導、運営体制を充実させることも急務だというふうに考えています。

 こういったことから、中学校三十五人学級の実現を始め基礎定数の改善を図るとともに、小学校教科担任制の計画的改善などの加配定数を充実させるなど、まずはこれらの定数改善を着実に進めてまいりたいと考えているところです。

 私も文部科学行政に携わって長くなりますけれども、小学校の三十五人学級を実現するということについてもかなりのパワーが必要だった、政治的パワーが必要だったというのを感じていまして、その小学校をやって、中学校に今、三か年でやっていくということでありまして、高校については現在のところまだ計画に乗っている状況ではありません。

 また、高等学校無償化に関して、公立学校の魅力化を図るためのグランドデザインを策定して、三千億円の予算を取って、今までどちらかというと高等学校は自治体にお任せをしていた部分が多かったんですけれども、文部科学省としても、予算面やバックアップをできるような、そういった形を取っていこうとしているところでありまして、まずは現在のこの政策を進めていきたいというふうに思っています。

 その上で、今後の新たな定数改善計画の進捗ですとか働き方改革の取組状況、また、中教審で今議論が進められている教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況などを踏まえて、幅広く今後の定数改善等について検討していきたい、そのように思っています。

喜多委員 ありがとうございました。

 知り合いの先生方に聞くと、三十五人学級、少なくなることによって本当に目が届く、いい方向だとおっしゃっていましたので、是非進めていただけますよう、よろしくお願いいたします。

 以上をもって終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。

渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。よろしくお願い申し上げます。

 本日、まず初めに、三月十一日、東日本大震災より十五年を迎えます。被災地への復興の思いとともに、犠牲になられた方、全ての方に哀悼の意を表します。

 では、質疑に入らせていただきます。

 日本の中学校では、一九八〇年の学級編制基準改正以降、長く四十人学級が標準とされてきました。しかし、近年、学習の個別最適化の必要性や、不登校、いじめの増加、さらには教員の長時間労働など、学校現場を取り巻く課題が深刻化する中で、学級規模の見直しを求める声が高まってきました。

 こうした流れの中で、国はまず小学校から改革に着手し、二〇二一年度から三十五人学級を段階的に導入し、今年度には全学年で実施される見通しとなっています。そして、現在、その流れを受けて、中学校でも三十五人学級の制度化が議論されています。一方で、発達特性のある子供や支援を必要とする子供が増える中で、三十五人でもなお十分に向き合うことが難しいという現場の声もあります。また、教員不足や長時間労働が深刻化する中で、学級規模の適正化は、教育の質の向上だけでなく、教員の働き方改革の観点からも重要な課題です。

 こうした問題意識を踏まえ、本日は、中学校三十五人学級の制度設計や、これまでの少人数教育施策の効果、さらに、教員の働き方改革との関係について質問を進めていきたいと思います。

 まず、小学校における三十五人学級の効果について伺いたいと思います。

 二〇二一年の義務標準法改正により、小学校では段階的に三十五人学級が導入されました。当初は教育水準の向上を目的とする議論であったとも承知しておりますが、その後、学校における働き方改革の文脈の中でも位置づけられてきたものと理解しております。実際、松本大臣も本法案について、令和八年度からの中学校三十五人学級の実施等を通じて子供一人一人のニーズに応じたきめ細やかな指導体制の整備と教師の働き方改革の推進を図るものと説明されております。

 そこで、まず政府参考人にお伺いします。小学校において三十五人学級を導入したことにより、教員の労働環境の改善には実際にどのような効果があったのでしょうか。例えば授業準備や児童への個別対応にかかる時間、また学級経営の負担や長時間労働の状況などの観点からどのような変化が見られているのかを政府としてどのように把握しているか、お伺いしたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 小学校におきましては、平成二十三年度に小学校一年生、少し間を置きまして、令和三年度から令和七年度にかけまして小学校二年生から六年生の三十五人学級を実施してございます。また、令和四年度から小学校の高学年につきまして、そして令和七年度からは小学校の中学年につきましてそれぞれ教科担任制、いわゆる専科指導実施のための定数改善を推進してきたところでございます。

 働き方改革につきましては、御承知のとおり、定数改善だけで、一対一で効果を述べることはなかなか一概には難しい側面があるというふうに考えてございますが、先日公表いたしました学校における働き方改革に関する調査におきましては、令和六年度の小学校における時間外在校等時間、この時間外在校等時間の中には当然、今御指摘の授業の準備でありますとかということももちろん含まれているわけでございますけれども、時間外在校等時間は三十・六時間であることが示されるなど、働き方改革は一定進んできているものというふうに考えているところでございます。学校や教育委員会のいろいろな努力の成果も、これももちろんあってのことだと考えてございます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 では、小学校における三十五人学級の導入により児童一人一人に目が行き届きやすくなるなど一定の効果があったとする一方で、現在の教育現場の状況を見ると、教員不足は依然として深刻であり、むしろ状況は厳しさを増しているようにも思われます。実際、教員採用試験の倍率は全国的に低下傾向にあり、自治体によっては二倍を切っているところ、そこまで落ち込んでいるケースも見られます。長時間労働や業務負担の大きさを理由に教職を志望する学生が減少しているのではないか、あるいは若手教員が早期に離職してしまうのではないかといった懸念の声も現場から聞こえております。

 そこで、再度政府参考人にお伺いします。小学校における三十五人学級の導入は、教職の魅力向上という観点からはどのような効果があったと分析しているでしょうか。また、教員採用試験倍率の低下や教員不足が指摘される現在の状況について、政府としてその要因をどのように分析しているか、併せて見解をお伺いします。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 近年の採用倍率の低下、あるいは教員、教師不足の要因につきましては、地域によって違いがありますものの、近年の状況として、年齢構成に起因する大量の定年退職や特別な支援を要する児童生徒の増加等を背景とした教師需要の増加、既卒受験者の正規教師としての採用が増加、また、民間企業や他の分野の公務員との人材獲得競争等により臨時講師を含めた教師のなり手が減少しているといった状況があると考えております。

 一方で、各分野の人手不足が深刻化する中で、多くの方に教師を職業として選択いただくことも今後極めて重要であると考えておりまして、学校における働き方改革の更なる促進や処遇改善、指導、運営体制の充実等の教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備、また、特別免許状等の更なる活用や柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職などの多様な分野からの入職促進などの取組を通じて、質の高い教師人材の確保に全力で取り組んでまいります。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたように、教職の魅力向上という点では、より総合的に環境改善を進めていくことが重要であると考えます。学級規模と教育成果の関係についてはこれまでも様々な研究が行われており、学力の向上だけでなく学級満足度や学校生活への適応、また、不登校の発生状況などとの関連について分析した研究も存在すると承知しております。一般に、学級規模が小さくなることで、児童一人一人の理解度や特性に応じたきめ細やかな指導が可能になる、教員と児童とのコミュニケーションが増える、また学級の落ち着いた学習環境が整いやすくなるなどといった点が教育効果として期待されています。

 そこで、松本文部科学大臣にお伺いします。小学校における三十五人学級の導入について、政府としては、学力の状況、学級満足度、さらには不登校の状況など、教育成果に関わる様々な指標に照らしてどのような効果があったと評価しておられるでしょうか。また、これらの点について、どのような調査やどのようなデータに基づいて効果を検証しているのか、その御見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 令和四年度より実施しております少人数学級等に関する効果検証でありますけれども、実証研究の中間まとめというものがあります。こちらの方に簡単な、簡単というか結果が示されているわけでありますけれども、学級規模が大きいと、例えば、算数、数学など児童生徒の学力が低下する傾向にあること、学級不和になる傾向にあること、教師が児童生徒に対してきめ細かな指導を行うことができなくなる傾向にあることなどについて統計的に明らかになっているところでもあります。このため、委員御指摘の指標についても一定の効果が期待をされる、そのように考えております。

渡辺(藍)委員 御答弁ありがとうございます。

 次に、教員確保について伺います。

 一学級当たりの生徒数の上限が四十人から三十五人へと引き下げられることにより、当然ながら学級数は増え、それに伴って必要となる教員数や教室数も増加することが見込まれます。実際、中学校における三十五人学級の導入に関しては当時のあべ文部科学大臣も、制度の実施に当たって約一万七千人程度の教員定数の改善が必要になるとの認識を示していました。

 ここで、政府参考人にお伺いします。本法案の実施に伴い、中学校で必要となる約一万七千人の教員を確保するために、外部人材の活用も含めて、文科省としてどのような制度的支援や、また対策を講じていくお考えなのか、お聞かせください。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 全体としては子供の数自体が大きく減少している中でありまして、中学校三十五人学級化等に伴って急激に採用を増やすという必要性はないものと考えておりますが、一方で、全国各地で必要な質の高い教師を確保していくことは重要でございます。

 文部科学省といたしましては、教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備、大学と教育委員会が連携した地域教員希望枠を活用した教員養成確保の取組に対する経費の支援、また特別免許状等の更なる活用や柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職促進などの取組を行ってまいります。また、引き続き自治体に対しまして、制度改正等も踏まえた計画的な人員配置、現職以外の教員免許保有者向けの研修等の実施などの取組を促してまいります。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 では、教員確保の現状について更にもう一点お伺いしたいと思います。

 教員採用試験の倍率は令和二年度頃から全国的に急激に低下しており、教員採用試験の倍率が減っていること、その志望者の減少についてはいまだ改善の兆しが見られていないと指摘されています。

 こうした状況の中で、特に中学校については教科担任制であることから、単に教員数を確保するだけでなく、教科ごとの人材確保が重要な課題になります。実際、自治体によっては、理科や数学、技術など特定の教科で教員確保が難しくなっている、そういう声も上がっています。中学校において三十五人学級を制度として進めていくのであれば、教員不足、とりわけ教科ごとの偏在という問題にどのように対応していくのか、これは極めて重要な論点であると考えております。

 ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。現在の教員不足の状況、特に教科ごとの偏在について政府としてどのように認識しているでしょうか。また、教員の採用権者は都道府県教育委員会であると承知していますが、こうした状況を踏まえ、政府として都道府県に対してどのような支援を行うことができると考えておりますでしょうか。是非御回答をお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 先日結果を公表いたしました令和七年度教師不足に関する実態調査におきましては、免許を有する教師の確保が難しいと言われております、今御案内のありました技術・家庭科等の教科において教科担任が不足している実態があることは御指摘のとおりであります。

 中学校の三十五人学級の実施によりまして学級数が増えることになり、技術・家庭科など一部の教科において教師の確保が更に難しくなるのではないかという点に関しましては、こうした教科については他の教科と比べて授業時数自体が少ないことから、必ずしも直ちに教師を新たに確保しなければならない状況になるわけではないというふうに考えております。

 文部科学省としては、免許保有者が少ない教科等の教師を確保するためにも、特別免許状など多様な外部人材に教師として活躍していただくための制度を設け、任命権者である各教育委員会に対し特別免許状の授与を前提とした特別選考の実施等を促しているところであります。

 この中学校の三十五人学級の実現、引下げというものに関しましては、一年半前に大臣合意の中で示され、また給特法の改正の中でも附則で盛り込まれたという経緯もありまして、それに基づいて各自治体におきましては準備を既に進めていただいているということで承知をしております。現時点において、間に合わないというような声は聞いていないところであります。

 引き続き、各自治体の実態というものも我々としてしっかりと注視をしながら、円滑な執行に努めてまいりたいと思います。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 では、時間の都合で一つ飛ばします。

 続いて、教員の働き方改革との関係についてお伺いしたいと思います。

 現在、文部科学省は、学校、教師が担う業務に係る三分類を示し、必ずしも教員が担う必要のない業務については事務職員や外部人材などへタスクシフトする取組を進めていると承知しています。教員が本来の教育活動に専念できる環境を整えるという点においては重要な取組だと考えます。一方で、事務職員の配置が十分でない学校も多く、タスクシフトによって事務職員の業務負担が過度に増えてしまうのではないかといった懸念も指摘されています。仮に教員の負担が単に別の職種へ移るだけであれば、学校全体としての働き方改革にはつながらないのではないでしょうか。

 ここで、再度大臣にお伺いします。この学校、教師が担う業務に係る三分類、これに基づくタスクシフトを進める中で、事務職員の業務負担が過度に拡大すること、この点への懸念についてどのように認識しているでしょうか。また、この状況を防ぎ、学校全体として働き方改革を実現していくためにどのような対策を講じていくお考えなのか、御見解をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 学校の働き方改革を推進するためには、チーム学校の考え方の下、教師以外の職員の校務運営への参画を拡大していくことが必要であります。総務や財務などの専門職であります事務職員に期待される役割も大きいものと認識をしております。

 昨年九月に告示をいたしました文部科学大臣の指針におきましては、事務職員の負担が過重なものとならないよう学校と教師の業務の精選に取り組むこと、事務の効率化、学校徴収金の徴収、管理を学校以外が担うことなどを示しているところであります。加えて、令和八年度予算案におきましては、教員業務支援員の配置充実を図るための経費を計上し、校務運営に参画するスタッフに係る支援に努めることとしております。その上で、今般の改正においても、中学校三十五人学級の実施に伴う事務職員の定数増と併せて令和十年度までに一千七十六名分の事務職員の定数改善を見込んでおり、併せて共同学校事務室に係る定数を算定する仕組みを新たに盛り込むことで、学校の事務機能の強化を図ってまいりたいと存じます。

 おっしゃるとおりで、仕事を誰かに移したところで全体としての仕事量は減っていかないわけでありまして、例えば、共同学校事務室などをつくることによりまして、より共通的な仕事を集約していくことによって効率を高めていくでありますとか、また、DXを始めとしたそうした様々な取組というものも進めていくことによって学校での事務量自体を少なくしていく取組も進め、そして、こうした体制の見直しも含めて効率を図り、教師の皆様方が本来業務にしっかりと向き合うことができる、そうした仕組みづくりを進めてまいりたいと思います。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 最後に、質問九に進めさせていただきたいと思います。学校の働き方改革について、もう一点、別視点からお伺いします。

 今回のように学級編制の標準を見直すことは、生徒児童数を減らす、いわば量的な負担を軽減するための施策であると理解しています。しかし、一方で、学校現場の負担は人数の問題だけではなく、児童や生徒の多様化への対応や保護者対応、また特別な支援を必要とする子供への個別対応など、質的な負担の側面も大きいのではないかと考えております。

 そこで、松本文部科学大臣にお伺いします。児童や生徒の多様性への対応など、学校の教育活動が高度化、また複雑化している中で、教員が抱える質的な負担に対しては政府としてどのような取組を進めていくお考えなのか、御見解をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 不登校を始めといたします生徒指導上の課題への対応や外国人児童生徒の増加など、学校を取り巻く環境は大きく変化をしております。

 こうした状況を踏まえまして、今般の改正による教職員定数の改善に加えまして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、日本語指導の補助者などの専門スタッフを含め、学校の指導、運営体制を充実していくことが重要である、そのように考えているところであります。

 今後の中長期的な学校における指導、運営体制の在り方につきましては、委員御指摘の、中央教育審議会での議論や令和八年度予算案に盛り込まれました新たな定数改善計画の進捗、働き方改革の取組状況などを踏まえ幅広く検討を行ってまいりたいと存じますが、質的な負担、御指摘のとおり、こちらに対してもどのように対応をしていくのかということは、大変重要な課題であるというふうに認識をしております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 義務標準法の改正により三十五人学級が実現するということは、子供一人一人に寄り添う教育を進めていく上でとても大きな前進であると思っております。しかし、発達特性を持つ子供や、今大臣からもお言葉があったように、外国人児童生徒など日本語支援を必要とする子供が増えているこの現在の状況、学校現場の状況を踏まえると、三十五人でもなお十分とは言えないのではないかと考えています。こちらについては、今後また質問させていただきます。

 子供一人一人に向き合える教育環境を実現し、教員の働き方改革を進めていくためにも、将来的には更に少人数の学級編制を目指していくことが重要であると考えております。政府におかれては、少人数教育の更なる充実に向けた検討を進めていただきたく、そのことをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 正午から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時九分休憩

     ――――◇―――――

    正午開議

斎藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。泉健太君。

泉委員 中道の泉健太でございます。

 定数標準化法ということで、まず早速ですが、資料の五ページを御覧をいただければと思います。学校が抱える様々な教育課題の状況ということで、皆さんもここを見ていただくと、本当に様々な変貌というか大きな変化が見て取れると思います。一番左上の不登校、これが四・四倍、小中学校ですね。そして右上、暴力行為の発生件数、公立の小中学校で三・八倍ということになっておりまして、これだけでも相当な教育現場の変化というものが見て取れると思います。また、九つあるうちの真ん中、日本語指導の必要な生徒数というのも四・二倍ということで、かなり様々にこうした環境の変化があります。

 暴力行為というのは、今は昔のようないわゆる不良ということではなくて、自分の抑制が利かないということで、本人も悪意があってということにも至らないような暴力もたくさんあって、またそれを正確に申告をしなければならないということで増えているということもあるわけですが、以前のような不良が暴力行為を起こしているということとはまた違うんだということも、我々は認識しておかなければなりません。

 その意味で、私は、今回は学級ということの、中学校の三十五人編制ということになるわけですけれども、やはり学校において、ただ単に勉強を教える、教科を教えるということだけではなく、非常にクラスの基本単位が大事になっているんじゃないかと思うんですね。この基本単位のことを教育現場では何と言うかというと、教育の現場では、特別活動という言い方をし、いわゆるホームルーム的なもの、これを特別活動という言い方をします。

 もちろん、この特別活動の中で、学校行事への対応だとか生徒会活動だとかいろいろやっているわけですけれども、その中にもホームルームだとかあって、例えば班活動だとか、そういったものを活発にさせていって、お互いの共感、分かり合いだとか思いやりとか、そういうものを育てるということなんですが、一方で、これだけ居場所がないと思う子供たちが増えていたり、あるいは暴力行為に至ってしまうという子供たちが多い中で、先生がこの特別活動、ホームルームの時間などで何を伝えていくのかというのはより重要になっているんじゃないかと思います。

 私は、その意味で、改めてですが、いじめ対策だとか暴力というものについて、やはり特別活動の中でどういうものなのかということを教えていく、そしてなぜやってはいけないかということをしっかり伝えていく、学校がどういう場なのか、こういったこともしっかり伝えていくということをもっと重点を置いていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 委員のおっしゃることは本当にそのとおりだと思いますし、大変大事な視点だと思っております。

 言うまでもなく、学校現場というのはただ単に学力、勉強ができるようにするということではなくて、社会活動といいますか、そうした活動の中で社会的に生きていくための様々な規範であったりとか、人間形成の一番の基本になるような部分であったりとか、そうしたものを学ぶ場でもあるというふうに思っております。

 そういう意味におきまして、いじめ問題や暴力問題への対策の観点からも、子供たちが互いを認め合いながら助け合ったり協力できるような、そういう教育を実現をすることが大変重要であります。

 御指摘をいただいた特別活動、特活でありますけれども、この学級活動におきましては、児童生徒が様々な集団活動に取り組み、よりよい人間関係を形成することを学ぶ際に、いじめの未然防止などを含む生徒指導との関連を図ることというふうに、学習指導要領でも定められているところでもあります。

 一月にエジプトへ行ってまいりましたけれども、そこでも、この特活を含む日本型教育というものが大変高く評価されております。ホームルームもそうでありますけれども、みんなで学校をきれいに清掃をするだったりとか、そういう基本的な日本の当たり前の姿勢というもの、また教育というものが大変高く評価をされているし、人間形成にいい影響を与えられているということも、大統領自ら私に熱くお話をいただいたところであります。

 文部科学省といたしましても、動画教材等の周知等を行っているところでありますけれども、学習指導要領改訂の検討においても、いじめ防止等の視点をしっかりと重視してまいりたいと存じます。

泉委員 私は、おかげさまでというと変ですが、小中、無事に過ごさせていただきましたけれども、本当に様々なきっかけで嫌がらせを受けたり、つらい思いをする子供たちというのはたくさんいます。例えば、私は小さい頃アトピー性皮膚炎だった。ずっとそういう生活をしてきて、やはり、友達から時に心ない言葉を浴びるということはとても傷ついた、そういう覚えがあります。

 やはり、だからこそ、もちろん先生だけではない、親も、様々な方々もなんですけれども、みんなで思いやりのある子供たちを育てていかなければならないんですが、一人一人違うという、また、違ってこそお互いを認め合うということを教えていくこと。そして、人に傷つく言葉をぶつけちゃいけないという、例えば、倫理観だとか、何をやってはいけないとか、そういうことをちゃんと教えていくということは、この特別活動の時間ということになろうかなというふうに思います。

 今はいじめ対策、暴力対策ということでお話をしましたけれども、改めて大臣、こうした、何をしてはいけないか、あるいは倫理観というものをどう教えていくかということについても併せてお答えください。

松本(洋)国務大臣 大変難しい問いかけだと思います。

 ただ、やはり、先ほど来お話をしておりますとおり、まずは教えることももちろん必要であります。同時に、そうした特別活動での体験を通じて、子供たちが頭で学ぶだけではなくて、いわゆる経験を通じて心で学ぶといいますか、やはりそういう部分というものも併せていくことが極めて大切な事柄だと思っております。

 泉委員からも今具体的に御自身の経験をお話をされましたけれども、やはりそうした、自分自身は何とも思っていない一言が相手を傷つけ得ることもあるということをしっかりと子供たちには理解をしてもらうことも大変大切な事柄ではないかと思いますし、また、相手の立場に立って物事を考えるということも大切なのではないかと思います。

 いずれにいたしましても、心の問題にどういうふうに教育が関わっていくのかということは極めて難しい判断が迫られる問題でありますので、そこに関して今この段階で明確に申し上げることはなかなか困難ではありますけれども、ただ、少なくとも、そうした活動というものを通じて、単なる学習にとどまらない、そうした活動の中で子供たちが成長をしてもらえるようにしていきたい、そのように考えております。

泉委員 今もいじめということは大変深刻な課題となっています。まず、いじめの被害者を守るということが最優先、これは間違いないことであります。

 さらに、加害者に対するカウンセリングというのがやはり極めて大事ではないかと。これは、カウンセリングをできる体制はありますとよく答弁があるんですね。ただ、そうじゃなくて、加害者に対してのカウンセリングというのは基本的に必須にすべきではないかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 まず、前提といたしまして、いじめは犯罪にもつながるものであり絶対あってはならない、このことをまず申し上げたいと思います。

 いじめを行った児童生徒に対しては、自らの行為の責任を自覚させることが必要であり、必要な際には、学校教育法に基づく懲戒や出席停止、警察との連携による措置なども含めまして、毅然とした対応を行うことが重要であると考えております。

 その上で、委員御指摘のとおり、いじめを行った児童生徒には様々な背景を有している場合もあることから、児童生徒が抱える課題や家庭環境、事案の内容を踏まえつつ、必要に応じて、指導だけではなくて、適切な支援を行うことも重要である、そのように考えております。

 そのため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどによる適切な支援を行うことや、福祉に関する相談支援を要する場合におけるこども家庭センターなど、関係機関などによる支援につなげること、心理や性格の面からのアセスメントやカウンセリングなどを行う外部専門家、専門機関を活用することなどの対応も考えられるところでもあります。

 文部科学省といたしましては、こうした点につきまして、いじめ防止対策推進法に基づくいじめの防止等のための基本的な方針や、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインにおいてお示しをしているところであります。

 引き続き、教育委員会や学校などに対する周知徹底を図るとともに、併せてスクールカウンセラーなどの配置充実を図りながら、各学校などにおける加害児童生徒への適切な対応を促してまいりたいと存じます。

泉委員 いわゆる停学とかそういうものというのは、昔はそういうことが主流だったような気がするんですけれども、やはりそれよりも、いかにその子供をそうじゃない形に持っていくかということの方が大事だと思いますので、カウンセリングは是非大いにこれから広げていっていただきたいと思います。

 さらに、中三までの三十五人学級ということで、私はこれはとてもよい流れだと思います。

 今日の資料、一ページ目、二ページ目、三ページ目、四ページ目もそうですね、学級規模が小さくなればなるほどよいという様々なデータがありまして、これは今回のデータ、令和七年十二月の文科省のデータもあれば、二ページ、三ページ、四ページ目なんかは平成二十七年のものなんですね。ですから、以前から文科省はこういう様々な調査をしていて、ある意味、データとしてはもう十分そろっているというふうに言えると思います。

 例えば、二ページ目から四ページ目のデータを見ると、十四人以下というところから三十六人以上というところまでのグラフになっておりますので、実は決してこの三十五人編制がゴールではないということは見て取れるのではないかと思います。やはり少人数になればなるほど、もちろん一定のコミュニティーというのは必要だと思うんですが、今から考えれば、当面はこの少人数化を続けていくということは正しい政策なんだろうということが見て取れると思います。

 その意味で、問いの四番のところで私は通告していますが、小中学校の三十人学級を更に進めていく、要は三十五人から三十人へという流れと、高校を三十五人にまずしていくという流れ、両方あると思うんですが、今後の優先順位についてお答えください。

松本(洋)国務大臣 今般の義務標準法の改正案は、令和七年度に小学校三十五人学級が完成することを踏まえ、切れ目なくきめ細かな指導体制を整備する観点から、令和八年度より中学校三十五人学級を実施するものであります。

 現時点で今後の定数改善に関する優先順位をお答えをすることは困難でありますけれども、まずは、今回法案を提出させていただいております中学校三十五人学級の実施を着実に進めてまいりたいと存じます。

 その上で、委員御指摘の更なる少人数学級の実施を含む今後の中長期的な学校における指導、運営体制の在り方につきましては、実証研究の結果に加えまして、令和八年度政府予算案に盛り込まれました新たな定数改善計画の進捗や働き方改革の取組状況、また、現在、中央教育審議会で議論が進められております教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況などを踏まえまして、幅広く検討を行ってまいりたいと存じます。

 ということですので、まずはこの三十五人学級を着実に中学校段階でも進めていくとともに、当然、今申し上げたような観点を含めまして検討をしてまいりたいと存じます。

泉委員 まずは今回のことで三十五人化を図っていくということになれば、教員の数も増えていくということになろうと思います。

 気になるのは、それは学童保育でも何でもそうですけれども、子供一人当たりのスペースというのはよく言われるものでありますが、教員のいわゆる職員室のスペースというのは、一人当たりというのは特段何も決まっているというふうに私は文科省から説明を受けていないんですね。

 その意味では、教職員が決して狭い場所にすし詰めになってしまってはいけない。そういうことはないと思いますけれども、その確保もしっかりやっていただきたいというふうに思います。これは答弁は不要でございます。

 そして、養護教諭、事務職員、さらには栄養教諭についても少し触れたいと思います。

 まず、これまでの加配というのが一部、それぞれの努力によって行われてきた経緯がございます。これまでの加配定数が今回の三十五人編制によって、例えば何か引っ込んでしまうことがあり得るのかということを懸念されている現場が結構あって、これまでの加配定数は確保されるかということをお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 令和八年度から十年度までの新たな定数改善計画におきましては、義務標準法の改正によりまして、小中学校の養護教諭と事務職員については基礎定数により改善を図ることといたしているところであります。

 また、委員御指摘の養護教諭及び事務職員に係る加配定数は、令和七年度と同数の加配定数の措置に必要な額を令和八年度予算案に計上をいたしております。

泉委員 ありがとうございます。今後もしっかりこれを守っていくということが大事だと思います。

 そして、養護教諭の算定基準につきましては、文科省は当初、百人の引下げということを目指していたと認識をしています。私はそれは立派な姿、現場のことをよく理解されている姿だなというふうに思いますが、今日は財務省を呼んでいませんけれども、恐らく折衝の中で五十という数字になったのかなと思っておりまして。これが今回、この法案では引下げは五十人ということになっていることへの所感と、更に百人を目指していくということについてもまたお答えいただければと思います。

松本(洋)国務大臣 委員御指摘のとおり、概算要求時には百人の引下げを要求をしていたところでありますけれども、最終的には、令和八年度予算案において、生徒指導担当の教諭について、中学校三十五人学級の実施により基礎定数の増加が見込まれることや、小中学校共に加配定数の改善が盛り込まれていること、小規模校を含めた児童生徒の心身の健康課題等に対応するための養護教諭の加配定数を前年度と同数確保していることなどを踏まえまして、この度御審議いただいております義務標準法改正案では、養護教諭の複数配置基準の引下げ幅を五十人としているところであります。

 百名引下げということで要求をしていたところでありますけれども、ただ、そのほかにも学校の教諭の配置等々、この三十五人学級の実施もそうでありますけれども、そうしたトータルで見たときに、今回はこの五十人の引下げという形で我々といたしましては納得をして、今回こうした形になっているということであります。

 ただ、これまでも委員が累次おっしゃられておりますように、様々な社会の変化や学校現場の変化というものがありますから、これらというものにはしっかりと目配りをしながら、これからも引き続き、所要の予算そして所要の人員を確保することができるように努めてまいりたいと存じます。

泉委員 是非、これは今後も引下げを目指していっていただきたいというふうにお願いいたします。

 続いて、学校と教師の業務の三分類というのがございます。そこで、学校職員に期待されるものとして、調査、統計等への回答、あるいは学校の広報資料、ウェブサイトの作成、管理があるわけです。

 必須の調査、統計というのもかなり数が多いなと思いながら、ちょっと伺いたいのは、学校のホームページです。私もいろいろな小中学校のホームページを結構見るんですけれども、そもそもホームページは確かに地域に開かれた学校を表現するものではあると思うんですが、学校の今のホームページを見ていると、一人の方で行うには相当な情報量であります。学級通信をPDFで張り、学年通信をPDFで張り、年間行事予定があり、中には子供たちの活躍の様子を写真で載せ、しかもそれを最近はぼかしたりして、いろいろな配慮をしてやっているわけです。それを学校職員が中心となってやるのは恐らく大変であろうなというふうに思っております。

 ただ、一方では、今の時代はSNSもどんどん発達しているし、保護者の皆さんには届けるべき情報はプリントでも行っているし、最近であれば学校の担任と保護者のやり取りというものもSNS化している中で、ホームページというのを頻繁に更新しなきゃいけないようなつくりにしていることそのものが、果たして本当にどこまで必要なのかというふうに私は思うわけであります。

 今回、学校職員がこのウェブサイトの作成、管理の中心となっていくということなのかもしれないんですが、私、質問事項としては、学校ホームページへの必須掲載項目はあるのかということを質問事項として出していると思うんですが、お答えをいただくとともに、是非、全国の学校のホームページの簡素化を図っていただきたいということもお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。

望月政府参考人 学校のホームページについて御質問いただきました。

 学校教育法の施行規則に基づきまして、学校には、教育活動等につきまして対外的な公表を行うということが努力義務になっているところでございます。高等学校については、スクールポリシーの公表についても義務づけられてございます。ただ、ホームページにどういった内容を、どの頻度で、どのようなことを対外的にお伝えするかということを特に決めているものではございません。

 学校の教育活動の状況や、学校の働き方改革の状況について、地域の方や保護者の方も含めて広く知っていただくということは、今後ともどうしても必要でございます。また、安全、安心な学校づくりのために必要な情報、あるいは活動の様子を、保護者やあるいは地域の方にも、もちろん児童生徒の方にも分かりやすく、DX、デジタル化も活用しながら進めていくことは必要でございます。

 ただ一方で、そうした学校のホームページの掲載が事務職員やあるいは教員の過重な負担になったりするというようなことは、我々ももう少し聞いてみたいと思いますけれども、そういったことがあっては本末転倒でございます。生徒、保護者や地域の皆様の理解の観点と、そうした過重の観点とのバランスを考えながら、我々としても考えていきたいと思ってございます。

泉委員 続いて、食育の充実のための栄養教諭なんですが、こちらも増員は必要だろうなと思いますが、現在は食数だけに応じた配置ということになっていますが、やはりその配置基準の算定には学級数というものがなければいけないのではないかと思います。その点についてお答えください。

松本(洋)国務大臣 子供たちの食を取り巻く環境が大きく変化をしております。そうした状況の中で、食に関する指導は重要であるというふうに認識をしております。

 このため、学校や共同調理場の対象児童生徒数に応じて算定される基礎定数と、食の指導充実のための加配定数の措置や、栄養教諭の経験者等の活用によって現場の支援を行っているところでありますが、今後の必要な指導、運営体制の整備の在り方については、幅広く検討をしてまいりたいと存じます。

泉委員 是非とも柔軟な、また実態に合った配置ということをお願いをしたいと思います。

 続いて、教員の残業時間が発表されました。二〇二四年度のものだったと思います。これが発表されて、やはりまだまだ厳しい環境があるということが分かってきたわけでありまして、特に今、文科省として進めている、月四十五時間以下の残業を一〇〇%にしていくという目標があるわけでありますけれども、その目標達成に向けた決意と、できればいつまでにということも改めてお話をいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 先日公表いたしました学校における働き方改革に関する調査におきましては、令和六年度の時間外在校等時間につきまして、国が定める上限時間の原則であります月四十五時間以下の教師の割合が前年度よりも改善をした一方で、どの学校種においても月四十五時間を超える教師が一定数存在をしているという状況であります。

 これらを踏まえまして、文部科学省といたしましては、全ての教師の時間外在校等時間が月四十五時間以下となるように、全国の教育委員会における働き方改革の計画に基づいた取組の検証、改善の推進と伴走支援、学校の指導、運営体制の充実、校務DXの加速化、部活動の地域展開などに関する支援の充実など、様々な施策を総動員することで、時間外在校等時間の縮減に向けて全力で取り組んでいるところであります。

 なかなか、いつまでにということをちょっとお答えをすることは困難でありますが、もしお答えするのであれば、できる限り早く、この月四十五時間以下一〇〇%というものを達成をすることができるように全力を尽くしてまいりたいと存じます。

 こうした取組を通じて、教師の働きやすさと生きがいの両立を何とか実現をし、全ての子供たちのよりよい教育の実現に結びつけてまいりたいと思います。

泉委員 今日お配りの資料の六ページ目を御覧いただきたいと思います。

 これはなかなか見慣れない方が多いんじゃないのかなというふうに思います。「来校者のみなさまへ」、ある種のポスターみたいなものですね。保護者に向けたポスターでございまして、様々なハラスメントというものがある中で、最近は、親による学校の先生への過度な要求というものが少し課題となっております。これでメンタルをやられてしまって休職に至るという若い教職員もたくさんおります。若い教職員に限らずというケースも当然ございます。保護者に対しても、こうしたことを伝えていかなければならない時代だなと私も思います。

 一方で、これは今、今日資料として出しているのは東京都教育委員会ですし、全国でこうしたものがまだ完全に展開されているということではなく、一部文科省の作った広報資料の中の下の方に小さく載っているとか、そういうものはあるわけですが、まだこうしたポスターが各地で貼られているという状況にはありません。

 その意味で、まず、こうした親と子供たちを巻き込んだ様々なトラブル、例えばいじめが起きたときの解決だとかクレームだとかということについて、今、学校問題解決支援コーディネーターということを進めている、これはとてもよいことだと思います。これを今後どのように展開していくかということ。

 あとは、保護者からの苦情、相談について、この資料六のようなポスターを国として全国にやはりちゃんと届けるべきじゃないかということ。

 そして、様々な保護者とのやり取りの中で、場合によっては録音もしますよということを明確に言っていただくということも一つかなと思いますが、お答えください。

松本(洋)国務大臣 学校が保護者等と良好な関係を構築すること、これは大変重要でありますけれども、一方で、過剰な苦情や不当な要求などへの対応は、教師の負担の観点からも大きな問題、大きな課題となっているというふうに認識をしております。

 そのため、学校管理職の経験者などを、委員御指摘のとおり、学校問題解決支援コーディネーターとして教育委員会に配置する取組につきまして、モデル事業の実施やその成果などをまとめた事例集の公表を通じて推進をしてきたところであります。モデル事業というところで、まだ一部にということではありますけれども、ただ、これをやったところは大変効果があったというふうに報告を受けているところでもありますし、また、ある自治体におきましては、問題になりそうなものを早めに刈り取って、それを市が全部引き取って対応をするとか、そうしたことをやっているということも聞いているところであります。

 令和八年度予算案におきましては、コーディネーター配置などの取組について、モデル事業から今回は本格的な普及を図る、そういう観点から、支援対象の自治体数を拡充した上で経費の一部を補助するための予算を計上しており、引き続き自治体における体制構築を促してまいりたいと存じます。

 また、委員御指摘の苦情や相談の対策としてのポスターに関してでありますが、文部科学省が作成した広報資料において、教職員とのよりよい関係づくりのために控えてほしい行動を例示した上で、全国の教育委員会や関係団体に提供をいたしまして、活用を促しているところであります。

 録音につきましては、幾つかの教育委員会で、先方に事前の案内をした上で、教職員による電話対応の録音を推進する方針を示している事例があると承知をしているところであります。学校における課題の状況また事案の態様によっては、録音などによって正確な記録を残すことで、学校としての適切な対応につながる場面もあり得ると考えております。

 文部科学省として、学校、保護者、地域とのよりよい関係の構築に資する対応について、具体的な取組例を含め、指導助言に努めてまいります。

泉委員 法案についてはここまでなんですが、大臣、誠に恐縮ですが、大臣に関する報道が出たということを認識しております。

 まず、このことについて事実なのか、事実だとしたらこの職務を続けられるのか、そしてまた自ら説明責任を果たすべきと考えますが、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 報道がされたということは私も承知をしておりますが、本日、この委員会そして予算委員会、そうしたところに連続して出席をしている関係で、その内容について、私自身、まだ見ていないというような状況であります。

 しっかりとそちらの方を見た上で、私自身、判断をしてまいりたいと思います。

泉委員 文科大臣にこうした報道が出たということで、大臣もその後恐らく報道を見ることになると思います。そして、その後に、やはり今後委員会をどうしていくのか、また大臣がどういう姿勢で今後臨まれるのかということについては、是非理事会に共有をしていただきたいと思いますので、是非委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。

斎藤委員長 委員会の持ち方につきましては、理事会で適宜協議をしてまいります。

泉委員 終わります。

斎藤委員長 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 昨日に続きまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 東日本大震災から十五年。当時、私は高知県教育委員会に勤務しておりました。緊急のテレビ放送で車や家が流されているのを見て、これは現実なのかと強烈なショックを受けました。当時、スクールカウンセラーの担当でしたので、急遽、東北の子供たちの支援に向かう緊急スクールカウンセラー派遣事業に取り組みました。改めて、お亡くなりになられた皆様方に哀悼の意を表すとともに、まだまだ続く復興に向けて私自身も頑張ってまいりたいというふうに思います。

 先ほど泉委員からも御指摘がありましたけれども、昨日申したように、私は松本大臣が大臣になったのを本当に喜んでいる一人でありましたので、しっかりとこのことについては説明責任を果たしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、三十五人学級のこの法案に向けての質問に入りたいというふうに思います。

 子供たち一人一人の学びの質と教員が持続可能に教え続けられる教育環境を保障することが重要であります。それで、先ほど来同じような質問も出ていますので、済みません、最初に予定していた質問は飛ばしたいと思います。小学校で実施されてどうだったのかということがありましたけれども、かなり皆さん聞かれていましたので。

 次に、この三十五人の標準を理由に、三十五人学級が成るのはいいんですけれども、これを理由に加配教員や少人数指導枠を削って定数ベースの三十五人学級に回すようなことが起きれば、数学や英語などで実施されてきた少人数授業が縮小され、むしろ逆効果になるおそれがあります。つまり、形式的には少人数化でも、実際は授業のきめ細やかさが後退する見せかけの改定になってはならないというふうに思います。

 そこで、そういった事態を避けるため、国としては、ガイドラインや財政措置など、どのように三十五人学級を具体的に進めていくのか、認識をお伺いします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 今般、加配定数につきまして、三十五人学級をしっかりと実現する一方で、削っている部分もあるということも含めての御質問かと存じますけれども、今回、加配定数の合理化減を図る中学校の少人数学級で活用を既にされている加配定数の一部につきましては、三十五人学級の実施に伴いまして、基礎定数で確実に措置をされることになります。

 また、算数や英語などの個々の教科の少人数指導等を行うための指導方法の工夫改善加配というものもございますけれども、これにつきましては、できる限りその影響を少なくするため、二万八千四百二十名を確保、九百三十五名の合理化減にとどめているところでございます。

 加えまして、中学校の三十五人学級とともに、小学校の教科担任制の充実、小中学校の生徒指導体制強化のための加配定数の改善も含めまして、加配定数全体では四万三千四百十四名を確保してございまして、こうした加配定数を、三十五人学級の実現とともに、教職員定数の確保を見通しを持った形で自治体の方に活用していただいて、教育環境の改善に努めていただくよう、自治体と連携をしながらしっかり周知をしてまいりたいというふうに考えてございます。

山崎委員 ありがとうございました。

 局長の御説明のとおり、三十五人学級に関わるような加配は削減して当たり前だと思うんですけれども、これは現場からの心配のお声もありますので。もちろんそういったことはないと思いますし、自治体によっても状況が違うと思います。高知県なんかは与えられている加配の枠も使い切れないぐらい教員がいないということもありますけれども。

 この観点は常々大事にしていただきながら、それぞれ、自治体によって状況は違うけれども、より細やかにできるようなということで、後退がないようにということの確認を込めての質問でしたので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に、法案の目的には、きめ細やかな指導や働き方改革が挙げられています。これはしっかり進めていただくんだというふうに思います。具体的にどう進めるかということも聞きたかったんですけれども、ちょっと時間の関係でそれを飛ばしまして、しっかりそういった形できめ細やかな指導、働き方改革が進んでいったときに、国として重要な教育の質の観点から導入後の効果をどのように検証していくのかということをお聞きしたいと思います。

 ただ、そのときに気をつけてもらいたいのは、現場の負担が大きくならないようにということで、これによって、検証のために負担が大きくなってしまったら余り意味がないと思いますので、そういった検証方法についてお伺いいたします。

望月政府参考人 中学校は、学習内容の高度化や教科ごとの担当による授業への移行など、小学校から環境が大きく変化する時期でございます。個々の生徒の価値観が多様化していく中できめ細かな対応が必要となりますので、教師の時間外在校等時間も小学校よりも長くなっている傾向がございます。

 今回の三十五人学級につきまして、どのように検証をしていくかという御質問でございます。現時点でなかなか具体的な方法を申し上げるのが難しいわけでございますけれども、小学校の三十五人学級を推進する際に、少人数学級についての効果検証を先頃行って中間まとめを出させていただいたところに表れているように、学校教育の質の向上にどうつながっていくのかという点につきまして、学校現場の負担にも十分配慮しながら検討をしてみたいと考えているところでございます。

山崎委員 ありがとうございます。

 今回、三十五人学級に中学校がなるということで、本当に大きな進歩だというふうに思います。

 他方、では何人ならいいのかというふうな議論があると思います。私は現場での経験から、集団で学ぶことのメリットときめ細やかな指導の両面を考えたときには、やはり一クラス二十人から二十五人ぐらいの学級がいいと思うんですけれども、必要に応じて今後学級規模の更なる縮小を検討していく考えがあるのか、将来的にはそういった様々な観点から何人学級が理想と考えるのか、文科省の認識や長期ビジョンについてお伺いします。

松本(洋)国務大臣 少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備につきましては、これまでも、学校現場からの声なども踏まえつつ、定数改善計画の中で学級標準が引き下げられてまいりました。

 今般の改正は、令和七年度に小学校三十五人学級が完成することを踏まえ、切れ目なくきめ細かな指導体制を整備する観点から、令和八年度より中学校三十五人学級を実施するものであり、まずはこの中学校三十五人学級の着実な実施に向けて取り組んでまいりたいと存じます。

 理想となる学級編制の標準について一概にお答えするのは困難でありますが、今後の中長期的な学校における望ましい指導、運営体制の整備の在り方につきましては、令和八年度政府予算案に盛り込まれた新たな定数改善計画の進捗、働き方改革の取組状況、また、現在、中央教育審議会で議論が進められております教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況などを踏まえ、幅広く検討を行ってまいります。

山崎委員 ありがとうございます。

 後に質問しますけれども、本当に、今の教育課題、不登校であったりとか自殺であったりとか、様々、いじめの問題であったり、そういったところとも関連する、少子化に入っていく中でどういうふうに学級規模を考えるかというのは非常に重要だと思いますので、また今後、様々な角度から検討していただいて、予算が伴うことでありますけれども、是非強力に進めていただけたらなというふうに思います。

 次に、既に全国で三十五人学級を先行実施している自治体はどの程度あるのでしょうか。

望月政府参考人 令和七年度におきましては、国の加配措置や自治体の独自の財源を活用した少人数学級の取組によりまして、既に三十五人学級を実施している自治体、これは、一部の学校で実施をしている、何らかの形で実施しているものでございますけれども、中学校一年生で何らか実施しているのが全六十七の都道府県・政令指定都市のうち六十自治体、中学校二年生、三年生で実施しているのは四十三自治体と承知をしているところでございます。

山崎委員 次に、今日、何人かの委員からも出ていましたけれども、重要なことなのでまたお聞きしたいと思います。

 そこで、ペーパーティーチャーの掘り起こしや再任用教員の処遇改善、教員養成の抜本的見直し等と一緒にこの三十五人学級を考えて推進しなければ、負担だけが増えることになると思いますけれども、文科省の見解と具体的な手だてについてお伺いします。

望月政府参考人 教職の魅力を向上し、教師に優れた人材を確保するために、今般の中学校の三十五人学級を始めとした指導、運営体制の充実とともに、学校の働き方改革を進めていくこと、そして教職の重要性と職務や勤務の状況に応じた教師にふさわしい処遇改善を併せて行うことが重要と考えてございます。

 教師不足の調査も昨今出しましたけれども、そうした状況も踏まえながら、また、地域によって様々な状況が異なるところがございますけれども、文部科学省としましては、中長期的な観点でも、中教審におきまして教師人材の質の向上と入職経路を広げていく方策について真剣に議論をいただいてございます。多様な分野からの入職促進のための具体的方策の検討や、採用、養成の在り方の抜本的な見直し、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援など課題の解決に取り組むとともに、現職以外の教員免許保有者や再任用教員の確保に向けた研修の実施あるいは環境整備の取組なども促してまいりたいというふうに考えてございます。

 いろいろな総合的な政策を同時並行で実施をしながら、学校の環境の改善を少しでも前に進めていきたいというふうに考えてございます。

山崎委員 教員が足りるのかどうなのかということについては、午前中、何人かの委員からも指摘がありました。その答弁の中に、すぐに足りない状況ではないというふうな答弁もあったと思うんです。いろいろな考え方があって、定数に対してとかというようなことだと思うんですけれども、これは多分、学校現場の感覚でいうと、そういった答弁を聞いたときに、いやいや、全然分かっていないなというふうな感じになると思います。そこも分かっての御答弁だと思うんですけれども。

 やはり学校現場におきましては非常に教員が足りないといったところで、少し前までは、私が現場にいるときなんかは加配をしっかりつけてくれて、生徒指導加配とか生徒支援加配とか学力向上加配がついていた頃に比べると随分人が減って非常に厳しい状況がありますので、しっかりとそういったところを掘り起こしていきながら、いかに教員を増やしていくかということが、今回の法案の中身を入れていくといいますか魂を入れていくといいますか、そういった効果にとっては非常に重要だと思いますので、十分御認識いただいていると思いますけれども、更にそういったところに強く取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、更に少子化に向かっていくという進行を見据えて、これも議論があると思うんですが、学校施設が過剰にならないようにということと、そういったハード面の見通しも重要ですし、教員については、逆に、現在の教員不足の教訓を生かして、一部自治体によっては、今回の教員不足を見通して今までも余剰を採ってきたんだというふうな自治体の取組もあると思いますけれども、そういった教員の採用確保の観点、将来を見通した、今少し余剰があっても多く採るんだというふうなところも重要だと思います。

 そこで、将来の人口構造を見据えた学校施設整備、教員の採用等について、過不足のない整備計画が必要だと思いますが、文科省の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 国全体といたしますと、子供の数自体が大きく減少をしている中であります。将来的には、必要な教室や教師数は減少していくものと認識をしております。

 施設整備や指導体制の確保につきましては、各学校設置者、教育委員会等において御判断をいただくものでありますが、地域における今後の人口動態等を見据えた計画的な対応が必要である、そのように考えているところであります。

 また、現在の教師不足の要因の一つとして、教師の年齢構成に起因する大量退職などが挙げられること、これは今御案内いただいたところでありますけれども、こうしたことを踏まえましても、教師の年齢構成の平準化を図ることは重要であります。

 文部科学省といたしましても、教育委員会に対しまして、計画的な採用を促すとともに、多様な背景を持つ社会人等の入職を促進してまいりたいと存じます。

山崎委員 教員の採用に関しては、苦しい思いをしながら現場の先生方、そして退職した教員方も、今、高知県なんかは臨時教員の七割ぐらいが退職教員だと言われていますけれども、本当に歯を食いしばって頑張ってくれていますので、同じ轍はもう踏まないということで、しっかりと計画的に、これから先、今回のような、今のような状況が起きないような、そういった教員の計画的な採用をお願いしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 次に、三十五人学級は、一人の子供の変化やSOSに教師が気づける余地を広げる制度でもあります。三十五人学級によって、いじめ、不登校、コロナ後の学習の遅れが残る子供さんや、学校現場で圧倒的にニーズが高まっている発達障害やグレーゾーンの子供さんたちへの特性に合わせた丁寧な関わりが期待されます。

 具体的には、別室登校やオンライン学習支援、チーム対応など、多様な学びの選択肢を充実させる必要があります。これらの取組が、ひいては近年の緊急課題である子供たちの自殺予防にもつながるというふうに思います。

 そこで、今回の三十五人学級導入に当たり、いじめ、不登校、発達に課題のある生徒、学習の遅れなどに直面する子供に対し、具体的にどのように支援を加速していくのか、文科省の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 委員御指摘のとおり、いじめや不登校を始めとする生徒指導上の課題、学習上の課題など、子供たちが抱える課題は多様化、複雑化をしております。こうした課題に対応していくためには、子供たち一人一人のニーズに応じた対応を進めていくことが必要であると考えております。

 このような状況の下、今回の改正による三十五人学級の推進や生徒指導担当教師の配置充実によりまして、学級担任の負担軽減が図られ、一人一人に応じたきめ細かな指導体制の整備が可能になるものと考えております。また、これにより、例えば不登校生徒に対するICTを活用した指導や校内教育支援センターにおける指導など、支援員等のスタッフと教師が連携した体制を充実させることにも寄与するものと考えております。

 文部科学省としては、今回の改正の趣旨も生かしながら、子供たち一人一人の多様なニーズに応じた指導の充実に取り組んでまいります。

山崎委員 ありがとうございます。

 三十五人学級になったから、あれもこれも、ただでさえ忙しいのに言うなと言われそうですけれども、この視点は非常に大事だと思いますので、学びの基盤として、学んでいくための基盤として非常に重要なことであると思いますので、しっかりそういった観点での支援の充実をお願いしたいと思います。

 これに関連するんですけれども、ちょっと一問飛ばさせていただきまして、順番を変えて、では具体にどうするかというと、三十五人学級の実現によって期待されるのは、一人一人と向き合う時間の増加だというふうに思います。児童生徒が教員から受ける言葉、コメントや口頭のフィードバックの質や量が、子供たちの学びへのモチベーションに大きく作用すると思います。逆に言えば、これが教員という仕事のやりがいでもあるというふうに思います。先ほどの質問と同様に、これは特別な準備とかが必要なわけではなくて、教員の意識の持ちようでできることでありますので、是非ここは、全国の学校現場に徹底してもらいたいなというふうに思いますし、取り組んでいただきたいと思います。

 ここで、三十五人学級の導入による教員の生徒への関わりの質の向上が重要だと考えますけれども、文科省の認識、また取組についてお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 学校における働きやすさと働きがいの両立を図ること、これによって教師が子供たちと向き合う時間を確保し、全ての子供たちへのよりよい教育を実現することが重要であると考えております。

 そのため、昨年成立いたしました改正給特法等を踏まえまして、学校と教師の業務の三分類を踏まえた業務の精選、教職員定数の改善や支援スタッフの配置充実等に係る必要な予算の確保、校務DXの加速化などに取り組んでいるところであります。これによって、教師が教師でなければできないことに全力投球するための余白というものを是非創出をしてまいりたいと思います。そうして生み出された時間を児童生徒一人一人への丁寧なコメントやフィードバックに充てていくことで、教師の質、教育の質、そして先生と子供たちの関わりの深化、こうしたものを高めてまいりたいと思います。

 また、質の高い教師の確保に向けまして、中央教育審議会におきましては教師の養成、採用、研修について一体的に議論をしていただいているところであり、その結果も踏まえて必要な改革を進めてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございます。

 本当に関わりの質が重要で、先日も御相談を受けたことがあって、そこは小学校の四年生と一年生の兄弟なんですけれども、発表会に向けて先生がかけてくれた声の一言でお兄ちゃんの方は物すごく頑張ったんですけれども弟の方はもう行きたくないというふうなことがあった。この声をかけていく質をどうしていくかという問題もあると思うんですけれども、まずはやはり教員自体がそういうふうな感覚を、是非三十五人学級の導入に向けてもう一度そういったところを確認していただいて取り組んでいただきたいなというふうに思います。

 それでは次に、三十五人学級の導入は教員の働き方改革につながるものであることは今までも議論されてきたところであります。そんな中、今、学校現場でチーム学級担任制というのがにわかに注目され、増えてきています。これは複数で学級担任を行うということです。

 例えば、従来、学年で二クラスならば、今まで、学年団の先生が四人いたら、一組の担任、副担任、二組の担任、副担任として四名の教員の役割は固定されていましたけれども、チーム学級担任制では一週間交代で、一組の担任をやった人は次の週は二組の副担任、次の週は二組の担任、そして次の週は一組の副担任というローテーションで担任と副担任を隔週でやっていきます。担任をやる前の週にそのクラスの副担任もやるので、情報はスムーズに引き継がれていきます。

 例えば、学期ごとの面談とか、家庭訪問というのを通常四月にやるんですけれども、その四回ぐらいは、各先生が一回ずつそれぞれのクラスでローテーションしていくというか回っていくような感じになっていきます。今までの感覚からしたら、大丈夫なのかなと僕なんかは思うんですけれども、保護者からの反対意見はほぼないようです。

 行事についても、四人の先生が学年全体を順番に見ていく形なので、今までだったら、この先生のクラスは体育祭がむちゃくちゃ強いとか、この先生に持ってもらったら文化祭が強いとか言われていましたが、むしろ、この制度になり、子供たちは自分たちでやるしかないと主体性が出てきているというふうな報告もあります。

 この制度のメリットでいうと、教員側のメリットは大きく二つあると思います。

 一点目は、教員、特に若い教員の離職防止につながるという面であります。これを導入している、ちょうど私と同世代の人たちが今校長や教頭なんですけれども、これを最も言われます。今、教員不足もあり、初任者の先生がいきなり学級担任を持たなければならない状況がありますけれども、そのときに、最初から保護者や生徒とトラブルになった場合に、担任ですので、いきなり風といいますかダメージを食らって辞めてしまうということが今学校現場で増えてきていますけれども、この制度であれば、学年全体で受け止める、一緒に対応してくれるということで、ダメージが小さいというふうに言われています。

 そしてもう一点、これもずっと言われてきましたけれども、今までは急に担任をやらなくてよかったので、その期間にほかの先生の学級経営を副担任として見れたんですけれども、この制度になると、ほかのベテランの先生等から学級経営のノウハウを学ぶことができる。先ほどのトラブル対応も学ぶことができるし、逆もしかりで、ICTなんかは断然若手教員の方ができるわけで、ベテランが学んだり助けてもらうことができるというふうな報告があります。

 それともう一点は、最近、男性教員も育休を取ります。これは大いにいいことでありますけれども、例えば、校長からすると、六月から三か月間育休を取りますとなると、今までの制度、固定担任制だったら、残念ながらこの先生は今年は学級担任をすることができないなとなったんですけれども、チーム学級担任なら、代わりに来た臨時教員の人も入りやすいですし、育休を取る先生もそれ以外の期間は学級担任をやることができるというようなメリットがあります。

 では、子供側のメリットは何かといいますと、やはりどうしても学級担任と合う合わないがあります。私が学校現場にいるときも、トラブルになると最近の保護者から言われるのは、学級担任を替えてほしいというのとクラスを替えてほしいというこの二つが出てくるんです。なかなかそういう要望が保護者からあっても今までの制度ではそれを行うことができませんでしたけれども、この制度であったらば、極端な話、合わない先生とでも一週間頑張れば次の先生に替わっていくという状況で、トラブルが少ないし、生徒、教員共にストレスも少なくなるというふうに言われています。

 これは、不登校の問題を取っても、調査を見ても、教員が不登校の原因になっていることもあるし、不登校になった場合に保護者が相談に行く先生も、誰に相談に行ったらいいかというのが導入したときに一番保護者から聞かれたそうなんですけれども、誰でも構いません、一番相談しやすい人に相談してくださいというふうな形で、これも特にその後の混乱はないようです。

 いじめについても、それぞれ四人の先生が違う感性やアンテナで発見できますし、自殺の防止に関してもしかりだと思います。そして、児童の性被害においても、常に教室に複数の先生がいる防止効果があるというメリットは大きいと思います。

 そこで、三十五人学級に伴う生徒支援への好影響、教員の力量アップ、働き方改革等においてチーム学級担任制推進のメリットは非常にあると思いますが、文科省としてのチーム担任制の受け止めはいかがでしょうか。その認識についてお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 学校現場におきまして、教師の勤務実態や不登校等の生徒指導上の課題の深刻化など、学校を取り巻く環境が大きく変化をする中、子供たち一人一人の状況に応じたきめ細かな指導体制を整備していくことが重要である、そのように考えております。

 複数の教員が関わることによりまして、子供たち一人一人の状況を多角的に把握をし、情報共有が図られることで、教育の質の向上や問題の早期発見、解決など、学習指導面での効果というものが期待されているところであります。

 このため、今国会に提出させていただいております義務標準法の改正によりまして、中学校三十五人学級の実施のほか、令和八年度予算案におきましては、持ちこま数軽減に資する小学校における教科担任制の拡充、新規採用、若手教師への支援、小中学校における生徒指導担当教師の配置充実に必要な予算を計上するなど、チーム担任制の推進に資する学級担任以外の教員定数を改善しているところであります。

 各学校における具体の指導体制については各自治体や学校において判断をいただいておりますけれども、文部科学省としては、引き続き、子供たち一人一人に目が届き、多様なニーズに合った学びと支援が可能となるように、チーム学級担任制も含めて、それらをしっかりと後押しをしていくことができるような施策の推進に取り組んでまいります。

山崎委員 先ほど中学校の事例を言ってきましたけれども、小学校もすごく大事で、高知県なんかも来年度から小学校のチーム担任制に取り組むということなんです。

 小学校の先生の離職を何とか防ぎたいという、特に小学校の採用状況が厳しいので、助けてあげるときに、教科担任制で何人かの先生が入るということも考えたんですけれども、根本的には一緒で、担任がやはりいろいろなことを受けますのでダメージが大きい。担任を替わってあげることができないということが結構支援の限界でもありましたので、柔軟な発想で、人的配置も伴うことなんですけれども、離職防止といいますか、ノウハウの伝達を含めて、いきなりダメージを食らわないとか、みんなで持っていくことによる、リスクはこれは若い先生だけじゃなくてベテランも一緒だと思いますので、是非小学校等においてもこの検討また研究を進めていただきたいなというふうに思います。

 確認で、今年度から学級担任手当が出ていると思うんですけれども、チーム担任制の場合は全員の学級担任にも出るんでしょうか。お伺いいたします。

望月政府参考人 先ほど泉委員の方からも、近年、学校課題が大変多様化、複雑化しているというデータを示していただきまして、学校の状況は過去からかなり変わってきている。そういう中で、一人の担任が教育課題を抱えるのではなくて、複数の担任が、学校によっても年齢構成やあるいは経験年数が違う方々が協力し合いながら子供たちの指導や支援に当たるということは大変大事であると思っております。そういう意味において、一つの学級の担当業務を複数の教員で分担したり、副担任を配置している学校があると承知してございます。

 義務教育費国庫負担金の算定におきまして、学級担任への手当の加算は学級数に応じて配分をすることとされてございます。ですから、複数の教員で学級担任業務を分担している場合には、その状況によりまして、給与負担を担う都道府県・指定都市の判断によりまして、その分担の状況を踏まえて各学級担任に対して手当を加算することが可能でございます。実際に、一人の学級担任からほかの副担任と、そういうふうに学級担任のほかの方に加算している自治体もございます。

 各学校の業務負担の実態に応じまして、都道府県・指定都市教育委員会におきまして、状況を踏まえた適切な支給方法等を御判断いただきたいと考えているところでございます。

山崎委員 局長、丁寧な御答弁ありがとうございました。

 学級担任手当、自治体の判断の幅を持たせていただいているということなんですけれども、これができたときに、いいなと思いました。それはどうしてかというと、管理職のときに、担任を持ちたくないという先生がいて、担任を持ってくれる先生との負荷が違うということで、やはり進んで持ってくれる先生にはそういう手当があっていいなというふうに思いました。

 先ほど言ったようなチーム学校担任制は様々な面のメリットがありますので、そういった研究と並行して、是非そういったことの導入に至ったときには手当もしっかりつくような形でお願いできたらなというふうに思います。

 それで、先ほども言ったんですが、今、担任を替えてほしいとかクラスを替えてほしいというようなことが、どうしても、いじめとか様々な問題、不登校の問題が出てきたときに保護者の要求があります。少子化の進展、多様性の尊重、多様な学びの重要性が増す中、学級や学年という概念そのものが再定義される時代にも入っているのかなというふうに思います。

 例えば、学びの多様化学校の中でも、登校スタイルを毎日登校、毎日オンライン、登校とオンラインのハイブリッドに変えたり、学級担任を生徒が選べて更に途中で変更可能にするような制度をつくっている学校があったり、教室においても一年、二年、三年ではなくて山、川、海とつけたりして、かなり柔軟な学校経営の中で多くの不登校だった生徒が学校での学びに復帰しているというか、行っているという教育実践も出てきています。

 そこで、十年、二十年先を見据えた教育制度ビジョンとして、固定的なクラス編制から個別最適化学習の視点等も考慮した柔軟な学びへ移行する大きな流れの中で、学級編制の在り方も柔軟に考えていただくことが必要ではないかと考えますが、文科省の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 現場経験のある委員から、日本の教育の在り方を大胆に変えていくような大変大きな御提案をいただいたというふうにお受け止めをさせていただいているところであります。

 おっしゃるとおりで、学校現場を取り巻く環境、少子化に伴う児童生徒数の急速な減少や教師の厳しい勤務実態、また、不登校を始めとする生徒指導上の課題の深刻化など、様々なそうした課題が生じているところでもあります。こうした状況であっても、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導体制をしっかりと整備していくことが大変重要であると考えております。

 今後の中長期的な学校における指導、運営体制の整備の在り方については幅広く検討していくことになるわけでありますけれども、ただ、今委員からも御指摘をいただきましたし、また同時に私自身も、今まさに大きく社会が変化をしようとしている中で、どういう形で子供たちに対しての教育というものを提供していくことが最もふさわしい形なのかということは、虚心坦懐にしっかりと考えてまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございました。難しい質問だったと思いますけれども、やはりそういった多様な発想がないと、なかなか今の不登校の問題とか様々対応できないかなというふうに思いますので、また今後お願いします。

 次に、養護教諭の複数配置の算定基準の改正、これは私自身非常にうれしく思います。今日も様々委員から御指摘がありました。養護教諭の役割は非常に重要で、教諭に求められるものも時代の変化の中で大きく変わってきましたけれども、私は養護教諭が最も変わったというか業務が増えているというふうに思います。健康面、体のケア、傷病への対応等とともに、アレルギーのある子供さんには面接を行って、学校生活管理指導表の提出が必須であったり、一番大きかったのは、不登校の入口としての対応として、腕の立つといいますか、養護教諭さんほどアンテナが広がっていて、本当に初期の段階からそれに気づいてケアをしてくれたり報告をしてくれて、初期の対応のスムーズな導入に行くために養護教諭の先生方の力が存分に発揮されているというのが今現場で多く行われていることじゃないかと思います。

 また、一人職である養護教諭の育成も長年の課題でありましたけれども、複数配置はそこにも対応していると思います。中には一人がいいと言う人もいるんですけれども、先ほどの学級担任制と一緒で、離職の問題も含めてこちらの方がいいのかなというふうに思います。教諭と違うのは、養護教諭の場合は、養護教諭同士の相性の問題もあるようで、一人がいいと言っている人はこの相性の組合せの問題がやはりあるようなので、どうしても二人で組合せになっていくので、そういったところを気をつけていかないと逆に離職の要因になってもいけないなというふうには思います。

 そこで、養護教諭の複数配置に係る算定基準の改正について、まず、この人数にした理由をお伺いします。あわせて、養護教諭が健康教育と心のケアの専門職として成長していくためにどのような育成、研修プランを持っているのか、お伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 養護教諭でありますけれども、委員からも今御案内がありましたとおり、いろいろと、本当にこれまでとは違う様々な対応をしていただいております。アレルギー疾患、メンタルヘルスの問題、いじめや貧困などを背景とした心身の不調など、児童生徒が抱える現代的な健康課題に対応することが求められているところでもあります。

 養護教諭の複数配置基準でありますけれども、平成十三年度から、第七次定数改善計画で、小学校は八百五十一人以上、中学校は八百一人以上の学校を対象とし、現在に至っております。委員御指摘のとおり、概算要求時には百人の引下げを要求していたところでありますけれども、令和八年度予算案におきましては、生徒指導担当の教諭について中学校三十五人学級の実施により基礎定数の増加が見込まれることや、小中学校共に加配定数の改善が盛り込まれていること、小規模校を含めた児童生徒の心身の健康課題等に対応するため養護教諭の加配定数を前年度と同数確保していることから、この度御審議いただいております義務標準法改正案では、養護教諭の複数配置基準の引下げ幅を五十名としたところであります。

 また、養護教諭の育成につきましては、児童生徒に対してきめ細かな対応を行えるよう、文部科学省では、養護教諭の経験者などを活用した若手養護教諭の支援体制の強化、養護教諭の資質能力の向上のための研修などを行うとともに、各教育委員会に対しても、計画的な研修の実施などを働きかけてまいります。

山崎委員 私の方も、この辺、どれぐらいがいいのかなと養護教諭に聞いたんですけれども、やはり一学年三クラス以上になると複数必要かもというふうな声が多かったと思います。

 各自治体で状況は違うと思いますけれども、私が若いときの六十代、七十代の養護教諭の皆さんは大量採用の時代で、本当に役割が変わってきて大変だったと思うんですけれども、今、四十代の養護教諭が多いのと、二十代が多いと思うんですけれども、その四十代は元々不登校支援とかも、そういったこともやってきた世代で、非常に若手との組合せとかそういったノウハウの伝達でも今ちょうどいい年齢構成になっているんじゃないかなというふうに思いますので、また効果的なそういったノウハウの共有と育成のプランについて御検討いただけたらというふうに思います。

 最後に、学校事務の共同化についてお伺いします。

 養護教諭と同じで、一人職である事務職員の育成は非常に重要な問題であります。若い事務員さんが増える中で、事務員の場合は、学校事務の場合は一人ということもあって、ミスがあると大きい。高知県なんかでも、何回か新聞沙汰になったこともあります。誰にも相談できない、これはベテランの事務職員さんも同じで、過去にはそういう事例もありました。出てきたときには大きな問題ということがありましたので、この共同学校事務室についても、スタート当初はこれによって事務職員さんがカットされるのではないかというような心配の声もありましたけれども、自治体ごとに状況は違うようですが、実際にそういうこともなく、先ほど言ったような内容から、おおむねいいというのが今現場の皆さん方の評価だと思います。

 そこで、共同学校事務室導入のメリット、デメリットについてお伺いします。あわせて、今後、共同事務室をどのように拡充していくのか、その際、事務職員の育成や専門性向上のためのプランはどのように考えているのか、お伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 共同学校事務室の導入によりまして、組織的な事務処理によるミス、不正の防止及び効率化、同僚職員の指導助言などを通じたOJTの実施による事務職員の育成などが期待をされております。これによりまして、学校事務の効果的な実施や事務職員の資質向上による学校運営への積極的な参画が図られ、学校のマネジメントの強化に資する、そのように考えております。

 こうした取組を全国各地に広げていくことが課題だと考えております。学校事務体制の機能強化に関する定数を措置することとしております今般の改正案も踏まえまして、今後、更に共同学校事務室の設置促進を図ってまいりたいと考えております。

 また、事務職員の育成につきましては、総務、財務などに通じる専門職として、教師等との役割分担の下、より主体的、積極的に校務運営に参画できるよう、国としても事務職員の標準的な職務の例を示すとともに、給特法に基づく指針を通じて研修の実施などを促しているところであります。

 今後とも、共同学校事務室の設置促進を図るとともに、この仕組みも活用をいたしまして、事務職員の資質向上に取り組んでまいりたいと考えております。

山崎委員 ありがとうございました。

 今日、学級担任の経営の問題とか養護教諭、事務員さんの問題もありましたけれども、やはり学校文化というのはどちらかというと職人芸というか一人でのそういったことが大きかったと思うんですけれども、これからはチームでしっかりと育成していく、そして仕事の質を上げていくことが重要かなというふうに思います。

 時間が来ましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河井昭成君。

河井委員 三月十一日です。被災された皆様に、被災地の皆様に、被災地に心を寄せたいと思います。

 国民民主党の河井昭成です。

 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。

 今年度、学級編制標準の引下げにより、小学校三十五人学級が全学年で実現することとなりました。また、今回の法案では、新年度から中学校三十五人学級を実現する取組が進められることになります。これにより、小中学校における子供一人一人に対するよりきめ細やかな対応が可能となります。

 今日の委員会でもそうですし、この委員会で様々取り上げられておりますけれども、小学校三十五人学級の効果として、学級規模が大きくなるほど児童生徒の学力や社会情動的スキルが低下する傾向があること、また、教師の業務時間や在校時間が長くなる傾向があることが統計的に明らかになっているという御説明でした。そうした効果が確認されるのであれば、今回の中学校三十五人学級の実現は大変意義のある取組であると考えるところです。

 一方で、教育現場からは、いわゆる小一の壁への対応、発達の多様化や不登校への対応など、子供たち一人一人へのきめ細やかな対応の必要性がより一層高まっているという声も聞かれます。また、OECDの調査では、加盟国の平均学級人数は二十三人程度とされています。国際的に見ましても、日本の三十五人という学級規模は小さいとは言えません。

 こうした状況からも、三十五人学級の取組を着実に進めるとともに、よりきめ細やかな教育を実現する観点から、三十人以下学級を目指し、将来的には更なる少人数学級についても検討をしていく必要があるのではないかと考えるところです。

 そこで、今回の中学校三十五人学級の実施を踏まえ、将来的な学級編制の在り方について、三十人学級など更なる少人数学級の可能性についてどのように考えておられるのか、今日もたくさんの委員が触れられておりますので、改めて大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 学校を取り巻く環境が複雑化、多様化する中、教師の厳しい勤務状況を改善するとともに、教師に優れた人材を確保するためには、働き方改革の一層の加速化、学校の指導、運営体制の充実、教育に関する専門職である教師にふさわしい処遇改善を一体的、総合的に進めていくことが重要であります。

 今般御審議をお願いしております義務標準法の改正は、約四十年ぶりの中学校の学級編制の標準の引下げなどを通じまして、子供たち一人一人のニーズに応じたきめ細かな指導体制の整備と教師の働き方改革の推進を図るものでありまして、まずはこれらの定数改善を着実に進めていきたいと考えております。

 その上で、更なる少人数学級を含め、今後の中長期的な学校における指導、運営体制の整備の在り方につきましては、令和八年度政府予算案に盛り込まれました新たな定数改善計画の進捗や働き方改革の取組状況、また、現在、中央教育審議会で議論が進められております教員養成の在り方や次期学習指導要領に関する議論の状況、これらを踏まえまして幅広く検討を行ってまいります。

河井委員 先ほど、一問目では学級規模の在り方について伺いましたが、少人数学級の取組を進めていく上で避けて通れないのが教員の確保の問題です。三十五人学級、さらには、将来的な更なる少人数学級を実現していくためには当然ながら教員の数を確保していく必要がありますが、教育現場からは教員不足や教員志願者の減少といった課題が指摘をされています。

 実際に各地で、当初から欠員がある状態で新年度が始まっている状況や、教員採用試験の倍率が低下していることが確認をされています。特に、欠員の状態は、予算があるのに人がいないことの表れです。

 一方で、教育の質という観点からは、単に人数を確保するだけではなく、教員としての専門性や資質をしっかりと高めていくことも極めて重要です。子供たち一人一人の多様なニーズに対応し、きめ細やかな教育を実現していくためには、教員の数とともにその質をどのように担保していくのかという点が重要な課題になると思います。

 そこで、今後三十五人学級を進めるために必要となる教員の数をどのように確保していくのか、また、教員志願者の確保や人材育成などを含め、教員の質をどのように担保していくお考えなのか、今後の方針と取組について大臣の見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 令和八年度政府予算案におきましては、約七千六百人の定数改善を計上しておりますが、全体としては、子供の数自体が大きく減少をし、それに伴って必要な教員数も減少しているため、中学校三十五人学級化に伴って急激に採用を増やす必要はないものと考えております。

 一方で、教師に優れた人材を確保することは大変重要であります。私からも、教師不足対策プロジェクトチームを設置し、教師不足解消に向けた具体策を検討するように事務方に指示をしているところであります。今後は、本プロジェクトチームを中心にいたしまして、多様な分野からの入職促進のための具体的方策の検討や、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援などを行い、課題の解決に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 また、教師の質の向上のため、文部科学省としては、学校管理職等による研修履歴を活用した対話に基づく研修の受講奨励を制度化しており、この仕組みを効率的に進めるため、全国教員研修プラットフォーム、プラントと呼びますけれども、を構築いたしまして、令和六年より運用を開始しているところであります。

 現在、中央教育審議会におきまして、教師の質向上と入職経路の拡幅につきまして御審議いただいております。その中で、教職課程の抜本的な改革や他の分野からの入職促進等についても必要な政策を講じてまいります。

河井委員 冒頭二問で、少人数学級の今後の在り方や教員の確保、そして教員の質の担保について大臣のお考えを伺いました。

 少人数学級を着実に進めていくためには、教員の数を確保していくことと同時に、教職の魅力を高め、優秀な人材に教職を担ってもらうことができる環境を整えていくことが極めて重要だと考えます。

 一方で、教育現場からは、長時間労働や業務負担の大きさが教職の魅力を低下させているとの指摘もあります。その状況にもかかわらず、教員の処遇は他の職種と比べ必ずしも優位であるとは言えない状況になっており、教員志願者の減少の大きな要因となっているのではないかと考えるところです。

 教育の分野に優秀な人材を集めようとするのであれば、その処遇は大変重要です。その意味では、教員の働き方を改善し、処遇を向上させることで教職の魅力を高めていくためにも、給特法の見直しについて引き続き更に踏み込んだ検討をしていくことが必要ではないかと考えます。今日も、教員の質を高めるとか数の確保のときに処遇をというお話が出てくるのかなと思ったら、一度だけだったと思います、出てきたのは。給特法の在り方についてどのように考えているのか、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 教師に優れた人材を確保するためには、学校における働き方改革の加速化、指導、運営体制の充実、教育に関する専門職にふさわしい処遇の改善を一体的、総合的に講じることが必要だというふうに考えているところでもあります。

 こうした観点から、昨年成立いたしました改正給特法等に基づきまして、教育委員会における業務量管理・健康確保措置実施計画の策定及びその実施状況の公表などを通じた働き方改革の一層の加速化や、教職調整額を四%から一〇%に段階的に引き上げていくということを始めとする教師の処遇改善、また、今般の義務標準法改正による中学校三十五人学級化を含む新たな定数改善計画の着実な実施により指導、運営体制の充実を着実に進めることで、教師を取り巻く環境整備を進めていくことが大変大事だと考えております。

 そういう意味では、こうした働き方改革を進めていくことによって教師の皆さんの負担というものを軽減していく、そして、働き方改革を進めていくことによってより一層勤務しやすい環境をつくっていくのと同時に、今申し上げましたように教職調整額を四%から一〇%に段階的に引き上げていく、こうしたことを始めとする教師の処遇改善、この二つを現在組み合わせて、何としてでもトータルとしての教師の皆さんの処遇改善を進めようとしているところであります。

河井委員 教員の処遇については、また改めて違う機会でも問いたいと思います。

 次の問いに移ります。特別支援学級に、済みません、四つ目の項目は後回しにしたいと思います。五つ目にします。

 今回の法案では、学校事務体制の機能強化を通じて学校運営の改善を進めることで、教員の負担軽減が期待されるものと理解をしています。そのために、事務職員の専門性を生かした主体的、積極的な学校事務体制の充実が必要であると考えます。

 教員の働き方改革を進めていく上では、教員が本来担うべき教育活動に専念できる環境を整えていくことが重要であり、文部科学省では、いわゆる学校、教師が担う業務に係る三分類において、学校徴収金の管理や調査、統計への回答、ICT機器やネットワーク設備の保守など、必ずしも教員が担う必要のない業務については、教員以外が担うことを進めるよう示されております。

 そして、その一部の業務は事務職員が担うことが想定をされています。しかし、現状では、小中学校において事務職員は一人若しくは二人配置であり、これらの業務を新たに担うには十分な事務体制とは言えないのではないかという指摘があります。また、複数の学校で事務を担う共同学校事務室の仕組みについても、その趣旨が浸透しておらず、必ずしも十分に機能していないのではないかという声も現場から聞かれております。

 そこで、教員の働き方改革を進める観点から、学校事務体制の機能強化についてどのように認識をしているのか、また、今回の制度により、それをどのように実現していこうとされているのか、さらに、組織的、機動的なマネジメント体制の構築に向けた事務職員の配置について今後どのように充実を図っていくのか、大臣の見解を伺います。

松本(洋)国務大臣 学校における働き方改革を進めるためには、チーム学校の考え方の下、総務、財務等の専門職である事務職員の校務への参画を拡大していくことが重要であると考えております。そのため、給特法に基づく指針や学校と教師の業務の三分類におきまして、事務職員が積極的に参画すべき業務を示しているところであります。

 一方、指針におきましては、事務職員の負担が過重にならないよう、学校と教師の業務の精選に取り組むことなどについても示しております。事務職員との連携、協働による組織マネジメントを効果的に推進をするためには、共同学校事務室の設置などを通じまして事務の効率化や質の向上を一層推進することが重要であると考えております。

 このため、今回の義務標準法改正案におきましては、中学校三十五人学級の実施に伴う事務職員の定数増と併せて、令和十年度までに千七十六名分の事務職員の定数改善を見込んでいるところでもあります。あわせて、共同学校事務室の統括者を想定した新たな定数措置、これを通じまして、学校の事務機能の充実を図ってまいります。

河井委員 共同学校事務室の統括事務長の設置については、共同学校事務室の機能強化、学校事務職員の専門性の向上という観点から、大変意義のある取組であると考えております。

 これまで、現場の事務職員の方々からは、室長に決裁権がない共同学校事務室は、その可能性を十分に発揮していない状況であるとの指摘をいただいているところです。現状では校長に決裁権のある各種手当などの決裁、年末調整や給与に関する業務、校費や旅費といった服務に関わることで教育委員会とのやり取りが必要な業務、また学校の購入品や出張伺いなどの業務について共同学校事務室で決裁をできるならば、校長や教頭などの管理職のみならず事務職員もほかの業務により専念できると聞いているところです。

 また、学校施設の維持や修繕などの施設管理なども、校長や教頭に代わって共同学校事務室で担当することが可能なのではないかと考えるところでもあります。責任の部分がネックとなるかと思いますが、そのためにも共同学校事務室に権限に堪え得る統括事務室長などの役職に適切な人材を配置することが必要です。

 そこで、共同学校事務室の機能を十分に発揮させる観点から、共同学校事務室における校長など管理職の関与や決裁権限の在り方、特に、校長などの権限を含む事例を挙げたような、学校運営に関わる事務を共同学校事務室へ移譲することについてどのように考えているのか、今後の共同学校事務室の推進について大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 今回の標準法改正によりまして、新たに基礎定数として配置を想定しております統括者につきましては、複数の共同学校事務室を設置している市町村に一名算定をするものであります。この措置によりまして、この統括者が教育委員会と連携して各事務室に指示をすることや各共同学校事務室の状況を把握することで、共同学校事務室間の事務の標準化、効果的な事務の実施が図られることなど、共同学校事務室の機能強化と事務職員の人材育成の推進が図られることと期待をしております。

 事務職員の号給の在り方、統括者にどのような権限を持たせるのかにつきましては、まずは各設置者の権限と責任において判断をしていただくものとなります。今回の法改正が共同学校事務室の機能強化を目的としたものであることを踏まえると、各設置者の権限と責任において判断をしてもらい、具体的にそうした取組というものが進んでいくわけでありますけれども、我々といたしましても、そうした実際の取組状況というものをしっかりと調査をした上で、決裁権限の在り方も含めまして、優良事例を周知してまいりたいと存じます。

河井委員 先ほど教員の負担軽減の観点から学校事務体制の機能強化について問いましたが、教員が本来行うべき教育活動により専念できる環境を整えていくためには、現在の学校の教職員の枠組みの中で全ての業務を担うのではなく、教員以外の専門的な人材を更に活用していくという視点が重要ではないかと考えます。

 例えば、進路指導については、従来から教員が担ってきた業務ではありますが、生徒の学習の成果や成績の分析、進路先データの収集、傾向の把握と分析、さらには調査書、受験書類の作成、点検、合否確認など、これらの業務は教員の専門以外の能力が必要となるものであると言えます。教員は三年生の担任のときに主に担当することになりますが、教員以外の人材がこの業務を担えば、教員の負担を軽減すると同時に、毎年専門的な進路指導を行うことができるようになるのではないかと考えるところです。

 ほかにも、一人一台端末などICTやデジタル技術への対応、ホームページの作成などの広報、学校の危機管理の対応などは、教員の専門以外の能力が必要となる業務と言え、教員以外が担う対象となり得ると考えます。

 教員の負担軽減と教育の質の向上の両立という観点から、これまで教員の業務とされていた進路指導などにおいて、教員以外の専門的な人材の活用や民間の知見の活用についてどのように考えておられるのか、給特法の附則に盛り込まれている教育活動を支援する人材を増員することをどのように進めていくのかを含めて、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 児童生徒が将来の生き方や進路に夢や希望を持ち、社会的、職業的自立に向けた力を身につけていくためには、キャリア教育や進路指導の充実は重要であると考えております。

 その指導の際、教員による指導に加えまして外部の専門人材や民間の知見を活用していくことは、子供たちが現在の学びと将来の社会や職業との関連について意識を高めていく上でも極めて効果的であると考えております。

 このため、文部科学省といたしましては、令和八年度予算案におきまして、キャリア教育や進路指導の推進などの役割を担う外部人材でありますキャリアプランニングスーパーバイザーの配置を引き続き支援するとともに、地域において産学官が連携したキャリア教育を推進するための、キャリア教育プラットフォーム形成支援のための経費を新たに計上しているところであります。

 文部科学省としては、引き続きこうした取組も活用しながら、外部人材や民間とも連携したキャリア教育、進路指導の推進に努めてまいります。

河井委員 ありがとうございます。終わります。

斎藤委員長 次に、西岡義高君。

西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。本日もよろしくお願いいたします。

 では、早速、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について質問してまいります。

 つい先日、文部科学省から、学校の働き方改革のための見える化調査の結果が公表されました。そこには、令和六年度の教員の時間外在校等時間、これは私は時間外労働ということで解釈しておりますけれども、その調査結果が載っておりまして、労働基準法の時間外労働の上限とされる月四十五時間以下の教員、こちらが、小学校で七七・八%、中学校で六〇・五%、高校で七二・六%でした。そして、全ての学校種で令和五年度に比べて改善したということが書かれておりました。そしてまた、過労死ラインと言われる月八十時間超、こちらも改善されたということが書かれておりました。

 しかし、一方、給特法改正時に規定されました一か月時間外在校等時間を平均三十時間程度に削減する、この目標に対しましては、小学校で三十・六時間、中学校で四十・四時間、高校で三十三・四時間。あと少しのように見えますけれども、三十時間超の学校の割合で見ますと、小学校で五一・八%、中学校で八〇・七%、高校で六四・七%と、いずれも半分以上が三十時間超ということで、地方公務員の時間外労働時間が平均十一時間程度ということを鑑みますと、教員の方の過酷な労働環境というところはまだまだ改善の余地があるなと思うところでございます。

 また、これらの数字を別の角度で見ますと、中学校の教員の方が、小学校や高校の教員と比べてより長時間労働で過酷な環境に置かれているのではないかということが見えるかと思います。過労死ラインと言われる月八十時間以上も、改善されたとはいえ、中学校ではまだ七・四%いらっしゃるという状況です。

 そんな中、今回の法改正において、私、一つの懸念を抱いております。

 中学校は教科担任制を取っております。今回の少人数学級化で学級数が増えます。学級数が増えることによって、教員一人当たりの担当授業時数、こちらが増えてしまって、逆に教員の負担が大きくなってしまうのではないかということを心配しているんですけれども、その点、どのようにお考えなのか、対処されているのか、確認させていただきたいと思います。

望月政府参考人 今般の中学校三十五人学級に伴いまして、これは学級数自体が増加することになるわけでございますけれども、学級数が増加するに伴いまして各教科の授業時数も増えます。ただ、学校に配置される教員も、その分、全体として増加されるということになるわけでございます。

 こうした中で、授業時数が各教科によって異なるわけでございます。つまり、国語、外国語と、そして音楽、美術は、やはり子供たちの面からでも、一週間当たり一こまなのか、五こまなのか、違いもある。教師にとりましても、授業時数がみんな一律というわけではございません。授業時数が多くないような教科については、担当する教師の持ち授業時数が増える場合もあると考えられますけれども、一般的には、これらの教科、つまり、音楽とか美術とか技術・家庭という教科につきましては、一般的にではございますけれども、英語や数学などと比べますと、持ち授業時数は少ないことは考えられるところでございます。

 また、三十五人学級化に伴い、追加で配置されることとなる教師が授業を担うことによりまして、学校全体としましては、教師一人当たりの持ち授業時数につきましては軽減されることになると存じます。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 給特法改正時に、教員一人当たりの担当する授業時数を削減することという規定も盛り込まれておりますので、十分な措置、十分な人員配置をしていっていただきたいと思います。

 そこで、教員定数について伺ってまいりたいと思います。

 昨年の給特法改正の議論におきまして、教員の定数の算定において定められている、学校規模ごとに学級数に乗ずる係数、いわゆる乗ずる数について議論させていただきました。

 教員が業務をシェアしたり、またチームで取り組んだり、自治体側からは、計画的な採用や長期的な研修を組めるように、そして、教員を志す若者にとっては、安定した就職先として選んでもらえるように、加配ではなく基礎定数を引き上げるべきだというところから、乗ずる数を引き上げていくべきだというお話をさせていただきました。そのときに、当時のあべ大臣から「乗ずる数も含めた今後の義務標準法の在り方についてもしっかり検討してまいります。」という御答弁をいただいております。

 しかし、今回の義務標準法の改正においては、乗ずる数の変更がございませんでした。今回、この乗ずる数が変更されない理由と、そして、この間どのような検討がなされてきたのかを伺いたいと思います。

望月政府参考人 昨年の給特法等の一部改正法に関する国会審議の際には、学校の指導、運営体制の更なる充実を図るために、必要に応じて、乗ずる数を含めた今後の義務標準法の在り方についても検討をしたい旨、当時のあべ大臣から御答弁をさせていただいたところでございます。

 そうした中、令和七年十一月に、給特法の審議も踏まえて、中教審におきまして、義務標準法改正による基礎定数の改善につきましても御議論をいただいてございます。中学校三十五人学級の実現に加えまして、不登校対応や多様な教育課題等に対応するため、今般、中学校三十五人学級の改正とともに、基礎定数として措置をさせていただいてございます養護教諭や事務職員等も含めた体制整備を行うという方向での御提言もいただいたところでございます。

 今回の改正に当たりまして、乗ずる数の見直しも含めて総合的に検討を行ったところでございますけれども、昨年六月に成立しました改正給特法の附則を踏まえて、三十五人学級を今の小学校六年生の後切れ目なく完成することが最大の目的であること、教師不足の状況も懸念される中におきまして優れた教師を確保することもしっかり考えなきゃいけないことなどを総合的に踏まえまして、今回の改正におきましては、乗ずる数については改正を行わないこととし、まずは中学校三十五人学級の確実な実現のための基礎定数の改善や、政策を確実に進めるための達成の手段としまして、目的を限定した加配定数の措置も併せて進めることを措置しているところでございます。

西岡(義)委員 今回、乗ずる数が変わらなかったことは残念ではございますけれども、引き続き、ここはやはり基礎定数をしっかり上げていくためにも、御検討いただきたいというのが私の思いでございます。

 給特法の改正では、一か月時間外在校等時間の削減のために、義務標準法に規定する教職員定数の標準を改定することと定められております。また、これまでの大臣の御答弁の中でも、教師不足の対策プロジェクトチームを立ち上げたというものがございました。

 今後も引き続き、この乗ずる数の見直しを含めた形でしっかり検討していっていただけるのかということを、ちょっと大臣に伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 多様化、複雑化する学校課題への対応や教師の時間外在校等時間の改善に向けまして、学校の指導、運営体制を充実させることが急務であります。

 このため、中学校三十五人学級の実現を始め、基礎定数の改善を図るとともに、小学校教科担任制の計画的改善など加配定数を充実させるなど、教師を取り巻く環境の整備に取り組むこととしており、まずは、これらの定数改善を着実に進めてまいりたいと考えております。

 その上で、御指摘の乗ずる数を含め、今後の中長期的な学校における指導、運営体制の整備の在り方につきましては、令和八年度政府予算案に盛り込まれた新たな定数改善計画の進捗や各都道府県における教員確保の状況、働き方改革、また中教審での議論、こうしたものを踏まえながら、幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 是非、前向きな見直しの検討を進めていただきたいと思います。

 では、次に、養護教諭について伺ってまいります。ちょっと順番を変えて、養護教諭のテーマについて伺っていきます。

 養護教諭は、学校教育法におきまして、小中学校では原則必置とされているかと思います。また、義務標準法においても、極めて小規模な小中学校以外は配置できるようになっているかと思いますけれども、現状、小中学校において、一人も養護教諭が配置されていない学校が何校あるのかということを含めて、養護教諭の配置の状況について教えていただければと思います。

望月政府参考人 養護教諭の配置の状況についてのお尋ねでございます。

 令和七年度におきまして、小中学校二万七千二百五十二校のうち、養護教諭定数の算定対象となります三学級以上の小中学校は二万六千九百七十七校ございます。三学級以上の学校で養護教諭が配置されていない学校は、把握を私どもしてございませんけれども、小中学校全体で養護教諭未配置の学校は五百七十五校となってございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 今回、多様化、複雑化する児童生徒の心身の健康課題を支援するために、養護教諭の複数配置の基準が引き下げられるという中で、まだまだ未配置というような学校があるというところです。これが基準を満たしているのかどうかというところもちょっと御確認が必要かと思いますけれども、この複数配置の基準を引き下げると同時に、未配置の学校というのもなくしていくことが重要だと思います。

 学校教育法で原則必置となっていながら、約六百校、五百七十五校ということでしたけれども、これだけの未配置校があるというのは、学校教育法附則第七条の「当分の間、養護教諭を置かないことができる。」という、いわゆる当分の間規定が原因にあるのではないかと思うところでございます。この規定は、学校教育法が制定された当時からあるので、昭和二十二年から、当分の間と言いながら七十九年残ってしまっている規定でございます。

 こういった規定を見ると壊したくなるのが国民民主党でございまして、この学校教育法の「当分の間、養護教諭を置かないことができる。」というこの当分の間規定を削除して養護教諭の配置を進めていくべきと考えますけれども、大臣、お考えはいかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 学校教育法附則第七条の規定でありますけれども、同法制定当時の財政状況及び養護教諭の人材確保の困難性に鑑み、全国一律に養護教諭を必置とすることは現実的には困難であるとの考えに基づいて設けられたものであります。

 では、その状況が変わったのかといいますと、現在においても、引き続き、国、地方の財政状況、また僻地における養護教諭の人材確保の困難性等の課題もあるところでもありまして、現時点において同条の規定を削除することは考えておりません。

 しかしながら、学校保健の中核となる養護教諭の果たす役割は一層重要となっている、このように考えているところでもあり、今般の法改正による複数配置基準の引下げのほか、養護教諭の経験者などを活用した支援体制の強化、養護教諭の資質能力向上のための研修などを通じて、児童生徒に対してきめ細かな対応を行う体制を強化していくこととしているところであります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 ちょっと飛ばした質問に戻って、させていただきたいと思います。

 今回、複数配置の基準が引き下げられまして、小学校においては児童数八百五十一人以上の学校から八百一人以上の学校に、中学校においては生徒数が八百一人以上の学校から七百五十一人の学校に、それぞれ五十人引き下げられることとなりました。しかしながら、予算の概算要求の時点では、それぞれ百人の引下げだったということかと思います。

 私は、五百人ぐらいでも複数配置でいいんじゃないかというように思っていますけれども、百人引下げで要求を出したら五十人にとどまってしまった。これまでも、もちろん御答弁の中にありましたので、ここはちょっと詳しく聞くのは飛ばさせていただいて。私の解釈としては、財務省との折衝の中で、単純に予算がつかなかったからという解釈なんですけれども、それで合っているかどうかというのをちょっとお伺いしたいんですが。

望月政府参考人 今回の定数改善計画につきましては、現在の学校の置かれている状況を総合的に勘案しまして、また一方で、養護教諭が果たす役割の重要性や、学校の課題の複雑性、困難性ということ、あるいは不登校生の増加やいじめへの対応、そして生徒指導の担当の教師を別途計画的に配置をするといったようなことを総合的に踏まえまして、養護教諭につきましては、概算要求時には百人の引下げを要求してございましたけれども、最終的に五十人の引下げという形の基礎定数の改善ということで成ったということでございます。

西岡(義)委員 分かりました。答えづらいと思うので、これ以上は言いません。

 予算の問題なので、教育国債を我々は訴えていますけれども、こういったことをしっかり取り組んで、必要なものは必要なだけやはり配置していくような体制を整えていかなきゃいけないと思っております。

 ちょっと数字の部分で確認させてもらいたいんですけれども、それぞれ、五十人引下げの場合と百人引下げの場合、複数配置される学校は何校増える試算だったのかだけ、教えていただければと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 養護教諭の複数配置基準を五十人引き下げた場合には、新たに複数配置基準の対象となる学校は、小学校で二百六校、中学校で百四校の、合計三百十校と試算してございます。一方、百人引き下げた場合には、小学校で四百八十七校、中学校で二百九十校の、合計七百七十七校と試算してございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 小中合わせて倍以上の数が変わるというところで、やはりちょっと残念な気もします。やはり必要なものは必要だと、私はまだ、今の状況、不登校であったりとか保健室登校というような児童生徒もいるかと思います。引き続きその部分は拡充していく必要があるかと思いますので、引き続き検討していっていただきたいと思います。

 順番を変えたら若干時間が余ってしまいましたけれども、予定していた質問は全てさせていただきましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十九分散会


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