衆議院

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第7号 令和8年4月22日(水曜日)

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令和八年四月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 斎藤 洋明君

   理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君

   理事 岸 信千世君 理事 永岡 桂子君

   理事 深澤 陽一君 理事 盛山 正仁君

   理事 浮島 智子君 理事 村上 智信君

   理事 西岡 義高君

      あべ 俊子君    石川 昭政君

      石田 真敏君    井原  隆君

      今岡  植君    内山 こう君

      黒崎 祐一君    齋藤  健君

      下村 博文君    橘 慶一郎君

      辻  秀樹君    辻 由布子君

      渡海紀三朗君  とかしきなおみ君

      西野 太亮君    丹羽 秀樹君

      福田かおる君    藤沢 忠盛君

      船田  元君    宮内 秀樹君

      山下史守朗君    山本 大地君

      泉  健太君    菊田真紀子君

      山崎 正恭君    市村浩一郎君

      喜多 義典君    河井 昭成君

      渡辺 藍理君    河合 道雄君

    …………………………………

   文部科学大臣       松本 洋平君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            合田 哲雄君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         森友 浩史君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       西條 正明君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    浅野 敦行君

   政府参考人

   (文化庁次長)      日向 信和君

   文部科学委員会専門員   津田樹見宗君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十二日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     西野 太亮君

  田中 昌史君     石川 昭政君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     今岡  植君

  西野 太亮君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  今岡  植君     とかしきなおみ君

  橘 慶一郎君     石田 真敏君

同日

 辞任         補欠選任

  とかしきなおみ君   齋藤  健君

同日

 辞任         補欠選任

  齋藤  健君     田中 昌史君

同日

 理事永岡桂子君同日理事辞任につき、その補欠として盛山正仁君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

四月二十一日

 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)

三月三十一日

 専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五四号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一五五号)

 同(田村智子君紹介)(第一五六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一五七号)

 国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(神谷裕君紹介)(第一五八号)

 同(山岡達丸君紹介)(第一五九号)

 同(笠浩史君紹介)(第一八〇号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第一九一号)

 教育予算を増額し、全ての子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(石川昭政君紹介)(第一六二号)

 同(江渡聡徳君紹介)(第一六三号)

 同(中村はやと君紹介)(第一六四号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第一六八号)

 同(泉健太君紹介)(第一九〇号)

 同(田畑裕明君紹介)(第二五六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

斎藤委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事永岡桂子君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に盛山正仁君を指名いたします。

     ――――◇―――――

斎藤委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長合田哲雄君、高等教育局私学部長森友浩史君、科学技術・学術政策局長西條正明君、スポーツ庁次長浅野敦行君、文化庁次長日向信和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。辻秀樹君。

辻(秀)委員 おはようございます。自由民主党の辻秀樹でございます。

 国会初質問の機会をお与えいただきまして、感謝を申し上げます。

 時間に限りがありますので、早速ですが、今年度からの高校授業料実質無償化の実施状況等について、通告に従い順次質問いたします。

 初めに、いわゆる高校無償化という表現について伺います。

 授業料以外の学納金には、初年度入学納付金のほか、生徒会費、PTA会費、保険掛金、修学旅行費積立金、学校用端末代金などがあり、これらも無償化になるのではないかと誤解を招くおそれがあり、そのため、高校授業料実質無償化又は高等学校等就学支援金の抜本的な拡充という表現が適切ではないかと考えております。いわゆる給食無償化については、学校給食費の抜本的な負担軽減と言われるようになりました。

 そこで、新制度について広く理解を得られるように、その趣旨、内容についての説明と周知を図ることが重要であると考えますが、今後どのように取り組むお考えか、お伺いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 就学支援金制度につきましては、高校教育に係る費用の多くを占めます授業料を社会全体で負担するものでございますけれども、委員御指摘のとおり、高校教育に当たりましては、学校に納付する費用として、授業料以外にも入学金、施設整備費などがございます。この点、「いわゆる「高校無償化」という表現は誤解を招く恐れがあることを考慮し、本制度の趣旨・内容について、広く理解が得られるよう、関係者に対する周知・説明を十分に行うこと。」と、改正法案の御審議における当委員会における附帯決議にも示されたところでございます。

 文部科学省としましては、本制度の趣旨、内容を周知するに当たりましては、高等学校等就学支援金の拡充と説明するとともに、文部科学省のウェブサイトにおきましては、「いわゆる「高校無償化」と表現されることが多いですが、的確な表現としては、授業料を支援する「高等学校等就学支援金」です。」と改めて表示をするなど、留意して対応してございます。

 生徒、保護者に対しましてこの制度の趣旨、内容をしっかりと正確にお伝えすることのできるよう、引き続き都道府県等、しっかり連携しながら周知に努めてまいります。

辻(秀)委員 是非、新制度について誤解を招くおそれがないように、対応のほど、しっかりお願いを申し上げます。

 次に、授業料負担の実質軽減について伺います。

 今年度からの新制度スタート前の臨時措置として昨年度に実施された高校生等臨時支援金では、公立高校では授業料の納付はなし、一方、私立高校等では、授業料を全額納付した後、支援金相当額が学校を通じて返還され、保護者には一旦授業料を全額納付しなければならない実質負担が生じていました。

 いよいよ今年度から新制度が本格実施される中、こうした授業料の実質的な負担を当初から軽減するためにも早期に支援金を支給できるようにすべきであると考えておりますが、今年度、どのように対応していくお考えか、お伺いいたします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 就学支援金制度につきましては、生徒がその経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境整備を図ることを目的としてございます。

 その目的、趣旨に鑑みまして、就学支援金は授業料債権に充てることができるとされてございまして、あらかじめ就学支援金相当分を差し引いた上で授業料を徴収することが基本であることなどを各都道府県に対して通知してございますけれども、学校によっては、財務状況を踏まえまして、保護者から授業料を一旦徴収し、就学支援金相当額を還付する方式を取っている学校も中にはあると承知してございます。

 このため、文部科学省としましては、できる限り保護者の方々に負担が生じることのないよう、就学支援金の各都道府県から私立学校への支出時期の早期化及び支出金額の前倒しの依頼をさせております。それとともに、国におきましても、交付金の支払い時期あるいは金額の前倒しを行ってございます。

辻(秀)委員 是非、支援金の早期支給によりまして授業料の当初からの実質負担の軽減が図られるように、御対応のほど、よろしくお願い申し上げます。

 次に、高校生等への授業料支援の対象について伺います。

 在外教育施設に通う日本人生徒、いわゆる海外の日本人学校等に通う日本人生徒も授業料支援の対象になると認識しておりますが、在外教育施設やその保護者、生徒には、その正式な知らせがまだないことなどをお聞きいたしました。

 そこで、在外教育施設に在学する生徒に対する授業料支援の内容とその周知の状況、今後の取組についてお伺いをいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 在外教育施設の高等部、これは世界に六校ございますけれども、その高等部に在学する生徒への授業料の支援につきましては、今回の改正におきまして、日本国内の高校生に対する高等学校等就学支援金と同等の支援を予算事業で行うことにしてございます。今年度におきましては、所得制限の撤廃、廃止をした上で、支給上限額を四十五万七千二百円に引き上げるものでございます。

 令和八年度の本事業の内容につきましては、昨年末の政府予算案の閣議決定後に概要資料を文部科学省の方でお示しをして、その中で在外教育施設につきましても明記をしているところでございますけれども、在外教育施設の方々に直接それが届いていなかったというお声もございまして、大変御心配をおかけしているところと思ってございます。

 改めまして、法案成立後には概要資料をお送りするとともに、新たに作成したリーフレットの申請手続の連絡も行ってございますけれども、在外教育施設とも今後ともしっかり連携をしまして、支援が確実に届けられるよう取り組んでまいります。

辻(秀)委員 是非、在外教育施設に通う日本人生徒、保護者に対する早期の周知の徹底をお願い申し上げたいと思います。

 次に、支援金の申請手続について伺います。

 新制度の申請では、生徒、保護者は原則としてオンライン申請を今月までに行うことが求められております。しかしながら、先週末から就学支援金申請システム、e―Shien、これが一時停止となり、生徒や保護者からは、今後の申請が間に合わないのではないかなどの不安の声があります。今回の一時停止の影響に鑑み、こうした不安を払拭するため、文部科学省は今後どのような対応を行う考えか、お伺いいたします。

 また一方で、自治体や学校はエクセル等を使用した手作業による審査、認定事務処理を余儀なくされるとお聞きしておりますが、その事務負担を軽減するために今後はどのようにオンライン申請システムの条件整備を図っていくお考えか、お伺いをいたします。

望月政府参考人 今、辻委員御指摘のとおり、今年度、新たな新制度の開始から、原則として、生徒がオンラインによりまして就学支援金を申請するというシステムにしてございます。オンラインができない場合は書面でも受けるとしてございます。

 御指摘をいただきましたe―Shien、これは、国の方が就学支援金の手続が簡便になるように統一的なシステムとして作ったものでございますけれども、今、一時停止をしてございます。応急的なシステム改修を今行ってございまして、現時点、四月二十七日に終了しまして申請が再開できる見込みでございます。

 また、今回のシステムの一時停止の影響によりまして、仮に四月中に申請手続ができなかったような方につきましては、当然ですけれども、四月分の就学支援金が支給できるよう、都道府県に対しても、弾力的な取扱いを行い、しっかり支援が行き届くよう通知をしてございます。また、そういうお声がありましたら、確実に支援が行き届くよう、再度改めて都道府県の方にもお伝えをしたいと思ってございます。

 また、もう一点、御質問ございました、今後のことでございますけれども、就学支援金の受給資格の認定に当たりまして、今回、所得制限が廃止をしてございますけれども、国籍等一定の確認も必要でございます。自治体や学校現場にも事務量があるということがございまして、そのための条件整備に努めることも、この改正法案の御審議の、先ほど申し上げた附帯決議でも示されたところでございます。

 その附帯決議も加えまして、申請、認定手続の際に個人情報の取扱いには十分に気をつけながら、申請者にとって使いやすく、各自治体にとっても事務の効率化が図られるような新たなシステムの構築というものに向けまして、関係省庁とも情報交換をしながら対応を検討してまいりたいと考えてございます。

辻(秀)委員 e―Shienの一時停止、この原因究明と再発防止、そして早期の復旧、再開、そして申請期限の弾力的な取扱いの徹底など、是非お願いしたいと思います。また、自治体、学校に関しても、是非、オンライン申請システムの条件整備、附帯決議にもありますように、進めていただきますようにお願い申し上げます。

 次に、高校生等奨学給付金について伺います。

 近年の急激な物価高騰は、子育て世帯を厳しく直撃しており、授業料以外の保護者負担の軽減が求められております。

 そこで、今年度、高校生等奨学給付金は、低所得世帯から中所得世帯へ拡充されたとお聞きしておりますけれども、具体的にどのような拡充の内容になっているのか。

 また、その申請手続や給付金支給の時期などがまだ周知されていないようでありますが、今後どのように取り組むお考えか、お伺いをいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、今年度は、授業料の支援であります就学支援金とともに、授業料以外の支援を行うための高校生等奨学給付金についても拡充を図ってございます。

 内容につきましては、昨年十月の三党合意を踏まえまして、支援の対象を、従来の生活保護世帯、住民税非課税世帯から、年収約四百九十万未満世帯まで拡充するなどの見直しを行ってございます。おおむね四分の一ぐらいの世帯までは対象となるという拡充でございます。

 これにつきましては、昨年末以降、累次にわたりまして、都道府県の説明会において就学支援金とともに説明をしてまいりました。また、生徒、保護者に対するリーフレットも含めて、今年度のスケジュールを示してございます。

 一方で、具体的な細部の交付要綱につきましては、これは補助金の形になりますので、それについてはまた近々と思っております。またその際にも、これまで周知に努めてきました内容について、保護者、生徒、とりわけ保護者の方に間違いのないよう申請をしていただいて、そして、確実にこの奨学給付金がお手元に行くよう、都道府県とも連携をしながら努めてまいりたいと思ってございます。

 また、中学校段階から、高校に入る前の段階から、こうした制度があるということについて、都道府県教育委員会は市町村教育委員会と連携をして制度の周知に努めることも、私どもとしては、自治体とも協力しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。

辻(秀)委員 今年度の新たな高校生等奨学給付金に関する早期の周知と早期の支給が図られるように、是非対応をお願いしたいと思います。

 最後に、今後の高校教育改革について伺います。

 この度の高等学校等就学支援金の支給に関する法律の改正では、第一条の目的規定において、「教育の機会均等」に加え、「我が国社会を担う豊かな人間性を備えた人材を育成するため、」や「自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境の整備を図ること」が新たに規定をされました。これはまさに、教育機会の均等と高校教育改革を車の両輪として強力に推し進めていくことが本法律の重要な目的であるとされたというふうに考えております。

 そこで、改めて今後の高校教育改革に向けた大臣の決意をお伺いして、質問を終わります。

斎藤委員長 松本文部科学大臣、簡潔にお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 はい。

 今般の就学支援金制度の拡充、それは生徒などがその経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることができる環境の整備を図るものでありますが、今回の奨学給付金の拡充に併せて、昨年の三党協議でも度々議論がされてきたところでありますが、ただ単に家計の負担を減らすだけではなくて、教育の質の向上も図っていかなければなりませんし、とりわけ低中所得者に対しての支援を拡充する意味で奨学給付金の拡充なども行ってきたところであります。

 そうした制度というものを組み合わせていくことによって、高校生たちの学びの質を高めていくと同時に、自己実現をしっかりと後押しをし、また同時に地域をしっかりと支えていく人材を育てていく、そうした総合的な対策にしっかり結びつけてまいりたい、そのように考えております。

辻(秀)委員 ありがとうございました。終わります。

斎藤委員長 次に、泉健太君。

泉委員 中道改革連合の泉健太です。

 本日は、まず、同志社国際高校の研修旅行中の転覆事故について触れたいと思います。

 これは本当に我々にとっても全く他人事ではなくて、私もちょうど同い年ぐらいの子供を京都で私学に通わせていますので、親の気持ちに立てば、もう何とも言いようがない、恐らく、事故から一か月たちましたけれども、いまだに信じられないという気持ちでしょう。どこに何をぶつけてもどうしようもない、でも黙っているわけにもいかない、家族も守らなきゃいけない、はっきりさせることをはっきりさせなければならない、生活も仕事もある。本当に大変な今の御遺族の状況ではないかと思います。

 そういう中で、文部科学省、あるいは京都府、当事者である学校法人同志社、また国際高校、そして東武トップツアーズ、またヘリ基地反対協議会、こういったところが包み隠さず真実を述べて、御遺族と事故に向き合って、真相を明らかにする。

 再発防止、再発防止と言いますが、亡くなられた方は戻ることはありません。かわいいお嬢さんは戻ることはありません。そういう悔しさと無力感を感じながら、やはり当事者が全て善人かどうかは私は分かりません。どこかに過去のいきさつを閉じ込めたり、明かさなかったりする可能性もあります。特に、この同志社国際高校と沖縄のヘリ基地対策協議会ですか、ここのやり取りについては、現にやり取りをしていたうちの一人であろう船長が亡くなっているということからすると、本来知りたい真相を全て知ることはできないのかもしれません。しかし、周辺情報を含めて、決して亡くなった人間に何かを押しつけるなんということはあってはならないし、そういうことがないような観点、視点を持って、厳しく真実を明らかにしていただきたいと、切に京都府とそして文部科学省に、もちろん海保ということも含めていえば国土交通省もですけれども、お願いをさせていただきたいと思います。

 改めて、大臣、これまで衆議院、参議院双方でも質疑の中でこの課題が出てきております。

 改めて、私も、この質疑を質問通告させていただく段階では、まだ四月二十四日の大学法人に対する文部科学省の訪問、調査、これは決まっておりませんでしたけれども、質問通告の後にこの情報が明らかになって、今月中に学校法人同志社を訪問して調査をするということが発表をされました。

 文科省の高等教育局私学部そして総合教育政策局が、学校法人や学校の安全管理などを担当する部署の課長級職員を派遣するということであります。是非詳細を聞いていただきたいと思いますが、まず大臣の御所見をお願いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 まず冒頭、今回の辺野古における事故におきましてお亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りを申し上げたいと存じますし、また、事故でけがをされた方もいらっしゃいます。心からお見舞いを申し上げたいと存じます。

 今、泉委員からもお話がございましたけれども、私も子供を育てる父親という個人の立場からも、今回の件、大変私自身、強く思うところがあるところであります。御遺族の方が書かれたnoteなんかも私も全て目を通させていただいているところでもあります。

 文部科学省として、そして私、大臣といたしましても、本件に対してしっかりと対応をしてまいりたい、そのような決意を持っているということをまず冒頭申し上げさせていただきたいと思いますし、二度とこうした事故を起こさない、そうした決意の下、文部科学省としても取組を進めてまいりたいと思っております。

 そうした状況の中で、文部科学省といたしまして、所轄庁であります京都府を通じまして、様々な情報収集を行ってきたところであります。しかしながら、更に調査を文部科学省として進めていく必要があるという観点から、昨日の閣議後の記者会見になりますけれども、私の方から、四月二十四日に、今週の金曜日になりますけれども、学校法人同志社に担当職員を派遣いたしまして、直接事実関係の確認を行うこととさせていただき、その旨を発表させていただいたところであります。

 文部科学省として、過去に例がないわけではありませんが、こうして直接学校法人に行きましてその確認を行う、また聞き取りを行うということは極めて異例なことであるということは是非御承知をいただきたいと思いますし、逆に言えば、やはり我々といたしましても、それだけの対応が今回の事案に対しては必要であるというような判断の下で、こうした決断というものをさせていただいたところであります。

 是非、全容解明を進めまして、何が問題だったのか、そして今後どのように対応をしていくべきなのか、しっかりとそれらにつなげていくことができるように全力を尽くしてまいりたい、そのように考えております。

泉委員 まず、この聞き取りの調査なんですが、これは結構複雑でして、同志社国際高校があり、その上部に大学法人があり、そして私学ということでいえば京都府があって、そして文部科学省がおられるということで、大変複雑な構図になっております。

 直接的に私学は独立性、自律性があるということで、例えば修学旅行でいえば、公立の高校であれば京都府の教育委員会に事前の届出をするということでありますが、私学にはそこまでの義務がないということも言われている。

 改めて、この文科省の聞き取りなんですけれども、京都府は同席すると伺っています。大学法人からヒアリングをするということで極めて異例な対応だということをおっしゃられましたけれども、私が懸念するのは、大学法人が、同志社国際高校から話を聞いて、又聞きのような形で文部科学省に説明をするということになるのか。それとも、そのまさに聞き取りの場に、関係する、校長、教頭はもちろんかもしれません、学年主任や、あるいは同行した先生、そういう方々や、あるいは過去の経緯を知る先生、そういう方もこの聞き取りには同席すると考えてよろしいですか。

松本(洋)国務大臣 おっしゃる御懸念はそのとおりだと思っておりまして、私どもといたしましても、この聞き取りの調査を行うに当たって、先方に対しましては、責任を持って回答できる方々に是非御対応をいただかないといけないということでお話をさせていただいているところであります。

 同志社国際高校の校長を始めといたします同校関係者もこれに出席をいたしまして聞き取りを行う、そのような予定になっております。

泉委員 この文科省の聞き取りというのは、今回の事故全体に対して聞き取り、かつ、例えば報告書を作ろうとお考えになられているという理解でよろしいですか。

松本(洋)国務大臣 現時点において、今回の聞き取りの結果というものをどういうふうにまとめていくのかというところまで我々の中で整理ができているものではございません。ただ、当然、今回の聞き取りの結果というものをしっかりと踏まえた上で、我々としてはその対応を考えていくというのは当然のことであります。

 これが、この事件に限定したものであるのか、また、そうではなくて、やはり様々な制度、仕組みも含めて我々として見直しをやっていかなければいけないものなのかどうか、そうした観点も含めて我々としては考えてまいりたいと思っているところでありますが、まずは、今回のこの事件の概要そして内容というものをしっかりと確認をしていくという観点で今回聞き取りを行うということであります。

 今回の調査におきましては、学校における安全管理の詳細な状況、研修旅行の詳細、教育活動の状況、学校法人同志社としての対応などにつきまして確認をすることとしているところでありますが、更なる詳細につきましては、今後の調査に関わることでありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。

泉委員 先ほど申しましたように、京都府の担当者も同席をするという予定だと伺っています。私立高校に関しては、都道府県知事に監督責任があるということでいうと、京都府が同志社から聞き取りをして、そして報告書を作成をするということも、従来であれば考えられる選択肢だと思います。

 私が少し気になるのは、文科省がある意味異例の措置として、こうして直接大学法人、法人本部を問うということの意味は私は非常に大きいと思うけれども、今回のこの聞き取りの主体が、京都府なのか、それとも文科省なのか、あるいは双方なのか、ここもやはりはっきりする必要がある。そして、この聞き取りというのはやはり貴重な場であり、恐らく様々な人物の日程を調整するのだってそう簡単ではない。一方で、御遺族は早期に真相が明らかになることを願っているし、決して何かが時とともに隠蔽されるなんてことがあってはならないと思っているので、貴重な場だと思います。

 貴重な場であるからこそ、もし京都府も報告書を作るということであれば、これは京都府も大学法人に質問する場であるということも私はあり得るのかなというふうに思うんですが、この関係をはっきり御説明いただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 あくまでも同志社国際高校に関しましては、これは所轄は京都府ということになるところであります。学校法人同志社ということからすると、文部科学省というような形になるわけであります。

 そういう意味におきまして、今回の聞き取りというものは、あくまでも、我々文部科学省と京都府が連携をして行うというような形になっているところでもあります。また同時に、我々は京都府に対しまして、そうした聞き取りといいますか、これまでも調査をしてきている、依頼をして、そして所轄庁を通じて聞き取りを行っていただいているということでありますので、当然、京都府からも、今回のその聞き取りにおいては、現場の様々な聞き取りの、聞き取る側の参加者として参加をされるというたてつけになっているというふうに承知をしておりますし、また、その結果というものは、京都府からも、私どもとして、いただくものである、そのように承知をしております。

泉委員 京都府は京都府で、過去の同志社国際との関係というのも当然あるわけですから、もし京都府側から何か質問を重ねてしたいということがあれば、それは是非認めていただきたいというふうに思います。

 そして、同志社の中に第三者委員会が弁護士を中心に設けられたと伺っておりますが、第三者委員会も独立した立場であることは当然のことであると思いますが、それは学校からは独立をした形で調査をしていただきたいと思うわけですが、一方で、第三者委員会も、どこまで情報を集められるのかということについて、私は、なかなか分からない部分がある、不確定な部分がある、限られたものでとどまってしまう可能性もあると思います。

 その意味で、どうでしょうか、第三者委員会を文科省としても調べていただいて、一定の、信頼を置けると言うと変ですが、そういうものであると判断されるのであれば、私は、例えば、この聞き取りに第三者委員会が同席できるかという可能性も模索をしていただきたい。

 要は、学校なり学校法人が他の場で何をしゃべっているかということも含めて、第三者委員会も把握する必要があるんじゃないかと思うんですね。それを又聞きのような形で第三者委員会が、例えば、同志社国際高校の関係者から、文科省や府に対してはこんな説明をしましたという報告を受けるだけでは、私は、それは真実にたどり着けないかもしれないというふうに思います。

 そういう意味では、例えば第三者委員会からの申出があれば、この聞き取りの場に同席が可能なのか。あるいは聞き取った情報なりについて第三者委員会に提供するということが可能なのかどうか。これについてお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 あくまでも第三者委員会は、同志社国際高校、いわゆる当事者が自らの手によって、その状況であったり、また事実を確認をするために設置をするものだというふうに承知をしておりますので、その在り方については当事者において判断をされるべきものというふうに承知をしているところであります。

 もし仮に第三者委員会の方からそうした申出というものがあった場合には、その取扱いにつきましては検討をさせていただきたいと思います。

泉委員 ありがとうございます。検討いただくということで、これは第三者委員会の皆さんにも是非知っていただきたいことであるなというふうに思います。

 私も子供を京都で私学に通わせているという話をしましたけれども、結構、私立の先生も、配置転換というか転勤というか、場合によっては退職も含めて、あります。これも同志社側が一義的に取り組むべき問題ではありますけれども、過去の経緯を知る教諭という意味では、元教諭という方も当然あるかもしれません。私は特定の人物は分かりませんけれども、全員が現職かどうかは限らないと思います。

 是非そういう観点も持って、何が出発点であったのか、何が船を出すという経緯であったのかということについて、今いる先生たちだけの情報にならないように、もし退職をされた先生や現場を離れた先生というのがあって、過去やり取りをしていた経緯があれば、そこもつぶさに解明をしていただくということでよろしいですか。

松本(洋)国務大臣 委員の御指摘を重く受け止めたいと存じます。

 まずは、今週の金曜日に、そうした形で我々として訪問をし、そして実際にお話を聞かせていただきます。そして聞き取りをいたします。まずは、これをしっかりとやらせていただいて、事実解明のために、どういう情報が更に必要になるのか、また、それらを所轄庁であります京都府で行っていただくことができるのか、また、文部科学省が直接やる必要があるのかどうか、様々な観点から検討をさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、これは時間をかければいいという話ではないと思います。

 そこは、やはりその時間軸、スピード感を持って取り組んでいくということも大変大切なことだと思っておりますので、そうした観点も含めまして、委員からの御意見、御指摘というものも踏まえつつ、我々として、総合的に判断をしてまいりたいと思います。

泉委員 既に、参議院では、国民民主党の伊藤孝恵参議院議員が質疑をされた中でも少し触れられていましたが、いわゆる公立と私学の違いということ。

 例えば、京都府でいえば、京都府立高校に対しては、国内旅行については実施の一か月前までに計画を届けるよう求めている、海外旅行であれば二年前から学校との安全対策を協議している。滋賀県も同様に、県立校に対して、前年の十一月頃までに計画の概要を求めて、旅行日の七日前までには詳細な実施計画の提出を求めている。

 しかし、私立に関しては、行政の関与は公立より弱く、修学旅行など校外活動については把握をしていないということであります。これは、私学の関係の方々からも、私立学校の運営というのは、もちろん自由はあるけれども、ブラックボックス化しているところがある、私学の運営ということと人の命ということはやはり別であって、せめて子供の安全に関することは公的機関のチェック機能を働かせるべきでは、そういう指摘がなされております。まさにそれは参議院でも、やはり実施計画ですとかについての提出は公的機関に行っていくべきだ、私学においてもそういった措置が取られるべきだというふうに私も考えます。

 大臣、このことについて、参議院での審議もあったと思いますが、省内での検討というのはされていますでしょうか。

松本(洋)国務大臣 公立学校に関しましては、設置者であります教育委員会が修学旅行の実施などについて責任を持っているということでありますので、一般的に、各学校は、修学旅行に係る計画を教育委員会に届け出るなどの運用がなされていることであります。

 そういう意味では、設置者というものが責任を持つという観点からのこうした報告になっているわけでありますけれども、一方、私立に関しましては、あくまでも設置者が学校法人ということでありますから、学校法人において情報把握を行って、その上で、設置者としての権限に基づいて必要な指導を行うことが基本とされているところでありますし、また、学校法人におきまして判断されるものと承知をしております。

 ただ、参議院での質疑のことを御紹介をいただきましたが、その際にも申し上げさせていただいたように、今回のこのことの現状といいますか、実際どういうことが起きたのか、そして、どこに問題があるのかというものをしっかりと我々としても検証をさせていただいた上で、その上で改めて仕組み等を変えていくことが必要というふうに判断されるのであれば、当然、そういう形での制度を変えていく、見直しをしていくということも、我々としては、当然、視野といいますか、可能性の中には入れながら、今後の検討というものを進めてまいりたいと考えております。

泉委員 やはり、こうした実施計画が今出されていない状況の中で、本来は、私学の自治の中で公立と同様の、むしろそれ以上の安全対策、実施計画、漏れがないようになされるのが当然という前提ではあったんだと思います。

 しかし、今、今回の事故を受けて、全国の私学で危機管理マニュアルが見直されようとしている。まだ見直していない学校法人もあるかもしれません。ということは、これまでの想定、あるいはマニュアルだけのマニュアルではやはり機能しないんだと。その学校、学校が持つ特性、癖みたいなもの、あるいは教員間の様々な風土というものがマニュアルよりも勝ってしまう可能性というのは十分あるんだと思います。そういったことをさせないように、行政への手続というのは、その手続を通じたプロセスの中で内輪の論理みたいなものをなくしていくということがあるんだと思います。

 過去にも様々な子供に対する事故があって、その都度、再発防止と言われ、報告書も作られ、しかし、事故が起きたことのない学校では、その報告書が読まれたことはなかったりする。これも大変問題で、全国の小中高、もちろん幼稚園は幼稚園で別な事情があったり、大学もあるでしょうけれども、主に言えば、小中高などで事故が起きて様々な対策が講じられたり、そして報告書が出されたときに、是非、全ての先生が我が事としてこうした事故を受け止めるということも必要なんだろうと思います。

 おっしゃられるように、時を余り長くしてしまうわけにはいかない、真相究明は急ぐべきです。是非、文科省にはその御努力をいただきたいと思います。

 そして、知華さんの御遺族もnoteでおっしゃられていますけれども、この間、様々な機関が真摯に向き合い、サポートをし、御遺族を支えています。

 こういった海難事故ということでいえば、海保が救助に出て、場合によっては被害者支援ということになるわけですが、実は、この被害者支援というのは少し複雑でして、今回の場合ですと、例えば、海保ではないけれども、京都府や京都府のいわゆる犯罪被害者支援センター、そういったところもできる限りの協力をしていると伺っておりますし、私もそうあるべきだと思います。国土交通省の方は、海保が恐らく様々な自主的な形でサポートをされていると思いますけれども、国土交通省の方の海難事故の被害者の支援というのは、いわゆる定期航路だとか業に関する船の場合の被害者支援となっておりまして、今回は、ある意味、業ではないということで、そういった国土交通省の従来の水難事故の枠組みは使えないというような話であります。

 とにもかくにも、被害者や御遺族にとっては、何が使えて何が使えないのかなんということをおよそ調べられるような環境ではありません。是非、文科省からも、京都府なり、そして学校法人に対しても、被害者支援、遺族支援ということで、遺漏なきように、あらゆる制度を調べて御遺族の方々に情報提供をするということを要請をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 まず、事実といいますか、我々として確認をしたこととして、所轄庁の京都府を通じて確認をさせていただきました。

 事案発生直後から京都府、京都府警、京都犯罪被害者支援センターが緊密に連携、情報共有をいたしまして、御遺族への支援体制を整えているというふうにお伺いをしているところであります。

 なお、京都府からは、支援の内容については被害者保護の観点から差し控えさせていただきたい旨、報告をいただいておりまして、この点は御理解をいただきたいと存じます。

 その上で、今委員御指摘のように、そうした被害者への支援につきましては、我々としても遺漏のないように関係各所と連携をいたしまして努めてまいりたい、そのように考えております。

泉委員 改めて、武石知華さんの御冥福をお祈りをして、船長も亡くなったということで、その御冥福もお祈りをして、是非こうしたことが繰り返されないように、本当に繰り返されないように我々も取り組んでいかなければならないというふうに思います。

 続いての質問に移らせていただきます。あと十分でありますので、少し簡潔になりますけれども。

 いわゆる文科省の関連では、博物館法という法律がございます。全国の博物館、何千とあるわけですけれども、今回、その博物館法の設置運営基準の改正に所蔵品の廃棄という言葉が盛り込まれたということがニュースにもなっております。

 私は、廃棄というものに至るまでには、交換、譲渡、貸与、返却など様々なケースが想定されるというふうに伺っておりますけれども、端的に言って二つ聞きたいことがあります。

 一つは、廃棄に至るまでに売却ということも選択肢として存在するのかということをお答えください。

日向政府参考人 お答えいたします。

 望ましい基準における博物館資料の再評価に基づく交換、譲渡、返却、廃棄等の等には、売却といった行為も含まれ得ると考えております。

 今後、文化庁としましては、文化審議会博物館ワーキンググループで有識者からの御意見も伺いながら、博物館資料の管理の在り方に関する考え方を更に詳細化し、令和八年度中を目途に整理、提示する予定でございまして、資料管理の参考となる留意事項等についてもこの中で整理を行ってまいりたいと考えております。

泉委員 今、いわゆるネットオークションなどで様々な調度品、美術品が広く流通しているということが起きているわけでありまして、中には、こんなものに値がつくのかというものに関しても、意外と、それは貴重なものだと考えて値がつくケースがある。

 聞くと、全国の博物館なんかは、民俗資料の収集ということで、例えば昔の農機具ですとか、古民家にあったようなものをたくさん集めた時期があった。今、それが積もり積もって、全国の半分以上の博物館では収蔵庫が満杯状態になっているということもこれまた問題で、いつ新しい収蔵庫を造るんですかという話を私も地元の自治体幾つかに伺いましたが、なかなか予算もなくてということで新しい収蔵庫を造るに至っていないケースがあります。過去、これがどこまで全国的なルールかはあれなんですが、展示スペースの半分ほどという目安があった、収蔵庫に関してですね、そういう話をされている学芸員の方もおられたりとかします。

 余り収蔵庫というのは今まで重視をされてこなかったけれども、さすがにもう満杯になってきているということで、場合によっては古い農機具、脱穀機とか、そういったものも廃棄の対象になる可能性があると思います。

 しかし、それはやはり廃棄するぐらいであれば、場合によってはどなたか買手があるかもしれないし、貴重なものであるというふうに私は思いますので、やはり、内輪だけで結論を出してしまうということではなく、広く市場も見ながら、是非、こういったものは、博物館に置いておくことに値しないにしても、売却ということも一つちゃんとした選択肢に置いていただきたいし、今で言うところのネットでそういった品を出すということもあってよいのではないかと思います。

 そして、もう一つ思うのは、京都市教育委員会にお伺いをしました。私も学生時代に遺跡の発掘のアルバイトをしていまして、埋蔵文化財研究所の皆さんと一緒に発掘をしていました。かなり数多くの遺跡が出るわけです。食器も出ますし、中には土器のようなものも出てくるわけですが、もう物すごい数で、これまた収蔵庫に入り切らない状態になっております。なのですが、意外と、その収蔵庫にたくさん置かれているものが、各地の行政区ごとにぽつぽつとあるぐらいなんですが、全く市民の目に触れることなく長年置かれているという状態があって、これは本当にもったいないなと思うわけです。

 ちょっとした土器であっても、子供たちにとっては物すごい学習の機会になるかもしれないと考えると、是非、学校などにこうした文化財を積極的に貸与をするということをやっていただきたいなと。学校の校長なり、教頭なり、学校の幹部なりが、こうした博物館を訪問して、収蔵品の中で貸し出してもいいよというものがあれば、それを、ある意味、どんどんどんどん持っていって、学校に飾るというようなことをすることによって、郷土学習にもなるだろうしというふうにも思います。

 ただ、例えば、京都市教育委員会でいうと、今どれぐらい貸しているのかというと、百四十万都市の京都市で、十校で二百十点だという話でありました。これは、ふだんから博物館と交流しているというよりも、元々その地域で取れたものなので是非というような形で、あるいは、敷地内で取れた土器であれば是非みたいな形のものがどちらかというと多いということで、余り積極活用されておりません。

 貸与や譲渡というものもありますけれども、やはり、教育機関なり、あるいは医療機関、介護施設、そういったところでもよいかもしれません、あるいは駅前などに鉄道事業者なんかにも協力いただきながら、そういったものを積極的に設置していくということで、もっと文化度、歴史に対する関心を高めていくということは、あってよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

日向政府参考人 お答えいたします。

 先生から、先ほど、まず学校というお話がございました。この点につきましては、まさに子供たちにとって、文化財などの作品に親しむことができる環境をつくること、これは大変重要というふうに考えております。

 学校における文化財等の展示につきましては、例えば、地域の作家や卒業生の作品、寄贈された美術品などを展示することが考えられますが、学校や地域の実態に合わせて実施されるものと承知しております。

 また、今年度、先ほどもお答えいたしましたが、文化審議会の博物館ワーキンググループで、引き続き検討を進めてまいりますので、先生から御指摘いただいた点も併せて検討を進めてまいりたいと考えております。

泉委員 その意味では、もう一点検討いただきたいことがありまして、全国の博物館の収蔵品のデータベース化が進んでいるとは思うんですが、完全にできていないという状態ですね。どこに何があるかということでいうと、例えば、こっちの資料館では要らないと思ったものを、全国のデータベースに載せたときに、それは、じゃ、うちで引き取ります、うちではこういう系統のものを集めているのでということがやはりあり得るわけですよね。

 ですから、早くこのデータベース化というものを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

日向政府参考人 お答えいたします。

 博物館の収蔵資料のデータベース化につきましては、各博物館においてそれぞれ進められているところでございます。

 文化庁におきましては、イノベートミュージアム事業を通じまして、各博物館における収蔵資料情報のデータベース化を含む、デジタルアーカイブ化の取組への支援を行っております。また、文化庁が運営するポータルサイトである文化遺産オンラインでは、各博物館の御協力の下、重要文化財等の収蔵品に関するデータを収集、公開しているところです。

 文化庁といたしましては、収集資料が適切に管理され、将来にわたって保存、活用されることが重要であるとの認識の下、今後とも、各博物館におけるデータベース化、デジタルアーカイブ化の取組が進むよう、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。

泉委員 今のが怪しいところでして、博物館ごとのデータベース化なんて、それは当たり前なんですよ。収蔵品がリストになっている、それはなければ困るわけで。そうじゃなく、連携、共有をしていただきたいということを私は言っていますので、それを是非、審議会の中で話をしていただきたい、そこに予算をつけていただきたい。ほかの博物館にどんなものがあるのかというリストが、ほかからも分かるというようなことで、例えば特別展をするにしても、そうすると集めやすくなったりしますので、是非取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、もう時間がありませんが、青少年のネット利用環境について、今日、資料を配付しております。皆さんもこのグラフを改めて御覧いただくと、すごいなと。これはこども家庭庁の調査なんですけれども、資料一ですね。

 ここで端的に言うと、高校生のネット利用時間が、一日当たり平均で六時間四十四分になったと。平均で六時間四十四分で、この資料一を見ていただくと、七時間以上利用している十七歳が三八・九%ですね。学校と寝ているとき以外、ほぼ手に持っている状態でありまして、これぐらいになっているということですね。これは実は大人も結構そうなので、子供たちだけだというふうにはなかなか言えないところがあるんですが。

 今回、こども家庭庁のこの調査があるんですが、一方では、厚生労働省の、依存症を担当している久里浜医療センターというところは、ネット・ゲーム使用と生活習慣に関する実態調査というのをやっておりまして、それが資料三になります。

 ここでも、少し線を引いているところで黒字のところがございますが、インターネットの病的使用が疑われる者、SNSの病的使用、ゲーム行動症疑いの者、こういうふうに既に症状という形で扱われ始めているものですから、是非、こども家庭庁、そして厚労省と文科省で連携をして、スマホを使って詐欺に遭うだとかというネット犯罪の問題というのは一つあるわけですが、もう一つは、この長時間利用、これをどう考えていくのかという研究を是非深めていただかなければいけないと思います。

 文科省には情報モラル教育ということが存在をしておりますので、是非、次の中教審においても、この長時間のインターネット使用なりゲームだとかがどのように影響を与え、また、それの体力だとか知力、学力についての影響も調べていただいて、やはり冷静な対処をしていただきたいということをお願いしたいと思いますが、文科大臣、御所見をお願いします。

松本(洋)国務大臣 私も、この調査結果を見て、個人的に大変驚きました。こんなに時間を子供たちがスマートフォンなどに費やしているのかということで、びっくりしたところであります。

 今御紹介をいただきましたように、厚生労働省の令和六年度依存症に関する調査研究事業におきまして、久里浜医療センターが実施いたしました実態調査におきましては、インターネットやSNSの病的使用のほか、ゲーム行動症が疑われる若年層の割合は統計全体と比較して高いことでありますとか、年齢に応じた適切な利用教育や、家庭、学校、地域が連携した予防的介入体制の整備が求められているなどが指摘をされているところであります。

 文部科学省といたしましても、情報モラル教育の充実でありますとか、青少年のインターネット利用に関する保護者向けの啓発シンポジウムの開催などを行っているところであります。

 いずれにいたしましても、この問題は、もちろん学校教育の現場として文科省としてもしっかりと対応していきたいと思いますが、恐らく社会全体で取り組むということが大変重要なことだと思っております。関係府省とも連携をいたしまして取り組んでまいりたいと思いますし、文科省としてもしっかりとした取組を進めてまいりたい、そのように考えております。

泉委員 終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、浮島智子君。

浮島委員 中道改革連合の浮島智子です。どうぞよろしくお願いいたします。

 質問に入る前に、冒頭、泉委員の方からインターネットの使い方、スマホ等々ありましたけれども、私も前に質問させていただきましたけれども、知力、体力のほかに、視力、眼科の先生から御要望があったと申し上げさせていただきました。子供たちが急激にどちらかの目が悪くなる、それはなぜかというと、部屋に入ってから、布団に入ってから、横になってからつけて、どちらかを向いてやっているので、その使う方の目だけが視力がすごく悪くなるということで、どうにか対応してもらいたいという御要望をいただいたということも質問させていただきましたけれども、しっかりと文科省の方でも対応していただけるようにお願いをさせていただき、質問に入らせていただきたいと思います。

 本日は、まず高校教育の改革、特に通信制高校についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 三月十日のこの委員会でも質疑の際に触れさせていただきましたけれども、近年、私立の通信制高校で学ぶ生徒が増加をしております。教育の体制や内容について課題が多く指摘されているところでもございます。

 この通信制高校については、近年、不登校になった生徒のセーフティーネットとしての役割、多様な学び方、学習内容といった生徒のニーズに応じた教育の機会を提供しているなど、重要な役割を果たしております。

 そして、通信制高校へのニーズの高まりは、学校数と生徒数の増加にも表れているところであります。一九九〇年に、平成二年ですけれども、学校数が八十四校、そして生徒数が十六万七千人でありましたけれども、二〇二五年では、学校数が三百三十三校と約四倍、そして生徒数が三十万五千人と約二倍になってしまっております。この増加分は、主に私立の通信制高校が増えたことによるものでございます。

 この通信制課程が現在の形で学校教育法に位置づけられて制度化されたのは今から六十五年前の一九六一年、高校の定時制教育と通信制教育を振興する目的で制定された定通振興法、そして定時制教育及び通信教育振興法は更に古くて一九五三年であります。

 勤労青年に高校教育の機会を提供するということを念頭に、スクーリングもありますけれども、主となる学習方法としては、働いている学生生徒が、仕事が終わった後や休日に教科書や資料を自ら読んで課題のレポートを作成して、そして郵送したものを教師が添削し、生徒へ返送して指導するといったものでございました。

 この生徒の背景、インターネットを活用した授業など、当時の状況と現在の状況は全く異なっております。通信制高校に通う生徒の状況や学校に期待される役割が制度開始当初とは現在大きく異なっているだけではなくて、それを提供する主体、これにつきましても私立が公立を上回っておりまして、多数を占めている状況となっています。

 このように、制度が想定する前提と現状が大きく変化している現状の中で、二〇一五年に問題になりました、学校外、例えばテーマパークに行って、そこでいろいろ見て、残ったお釣りを計算する、それを数学の授業とするとか、バスの中で映像を見て、音楽を聞いて、それを音楽の授業にするとか、そういうことが不適切な教育だということで発覚しました。そして問題になったところでもありますけれども、この件では高校就学支援金の不正受給も発覚したところでもありました。

 そこで、文科省にお伺いをさせていただきたいんですけれども、文科省が都道府県の、所管省庁と共同して実施している点検調査、これにおいて判明した広域通信制高校における不適切な教育活動等の内容、それと広域通信制高校における教育の質の改善に向けた取組について教えてください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま浮島委員から、これまでの通信制高校の歴史、そして現状についてつぶさに御紹介をいただきました。

 近年、通信制高校につきましては、不登校経験など多様な背景を有する生徒に対して教育機会を提供する役割を担う一方、一部の学校におきましては、例えば、学習指導要領で定める面接指導回数が不足していた、提携するサポート施設をあたかも高校であるかのように表現し生徒や保護者に誤解を与えていたなどの不適切な学校運営や教育活動の実態が見受けられたところでございます。

 こうした課題を改善するために、これまで、高校通信教育に関するガイドラインの策定、あるいは所轄庁の設置認可基準に係る標準例の提示などを行ってきたところでございます。また、御紹介いただきました点検調査につきましては、文部科学省も所轄庁と一緒になって点検を行い、実施件数を増やしながら、その結果についてはサテライト施設が所在する都道府県にも共有をしてきたところでございます。

 これらの取組を進めることを通じまして、広域通信制高校の教育の質の確保をこれからも図ってまいりたいと考えてございます。

浮島委員 質の確保というのは極めて重要であります。広域通信制高校については、課題が多く見られているところでありますし、特に監督や指導を行う主体が都道府県になっておりますので、隣県であればまだしも、遠く離れたほかの県で設置された学校を一つの都道府県が監督すること、これは非常に構造的に私は問題がある、課題があると思っているところであります。

 制度が古くて想定していた状況から大きく変化していること、そして生徒数が減少傾向にある中で近年学校数と生徒数が大きく増加していること、また、不登校生徒等のセーフティーネット、多様な学び、ニーズに応じた教育の機会の提供、通信制高校には重要な役割が期待されていることを踏まえますと、教育の質の確保、そして管理運営の適正化のための改善の方策、これを早期に実施しなければいけないと思っております。

 定通振興法は議員立法で、私も超党派の役員として、今メンバーとしてさせていただいておりますけれども、この定通振興法を早期に改正し、多様な子供たちが取り残されない教育の環境の整備に取り組んでいきたいと思っております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、定時制教育及び通信教育振興法の早期制定に御協力をいただくとともに、広域通信制高校における教育の質の確保、そして管理運営の適正化に向けて実効性ある取組を進めていただきたいと思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の改正につきましては、これまでも超党派の議員連盟で改正の御検討をいただいてきたところと承知をしております。また、昨年十月の三党合意でも、法改正の必要性が盛り込まれているところであります。

 議員立法でありますので、その取扱いについては国会で御判断をいただくものではありますけれども、通信制高校は、近年では、不登校経験など多様な背景を有する生徒に対しまして教育機会を提供するなど、その役割が変化をしていること、指摘されている様々な課題、これらも踏まえまして広域通信制高校の教育の質の確保や管理運営の適正化を図ることが非常に重要であると考えておりますし、今、超党派で御検討をいただいております議員立法につきましても、そうした同様の問題意識を共有しながら御検討をいただいているというふうに承知をしているところであります。

 そういう意味では、議員立法をいろいろと作る、また議論をする、様々な場面におきまして、我々文部科学省といたしましても、情報提供を始めといたしました様々な御協力というものは我々としても積極的に是非させていただいて、その議員立法作成の一助になるように取り組ませていただきたいと思っているところであります。

 文部科学省としては、先ほど初等中等教育局長が答弁をさせていただいたことに加えまして、所轄庁が指導監督する際に活用できますように、各校の情報公開の状況を把握した上で、ホームページ上で一覧化をし、公表を行うことなどによりまして、広域通信制高校の教育の質の確保、向上を進めてまいりたいと思いますが、その公表は本日午後を予定しているというところでありまして、是非、こうした情報も活用をいただきながら、所轄庁の方でもより質の高い教育の実現に取り組んでいただきたいと考えております。

浮島委員 是非後押しをよろしくお願いいたします。

 また、三月十日の委員会でも質疑で申し上げさせていただきましたけれども、高等学校等就学支援法の附則に基づく今後の検証、これについても、この通信制高校の課題についてしっかりとした対応をしていただきますよう、併せてお願いをさせていただきたいと思います。

 次に、特別支援学校の教科書の配付や使用についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 三月のときの委員会の質疑でも御紹介させていただいたとおりに、一九六九年に教科書の無償化を始め、子育て、教育を政治の柱とすることに私も力を注いでまいりました。また、障害のある児童生徒が学ぶ機会を得たりスポーツや文化芸術に触れる機会を確保する、これは極めて重要であるということも、この充実についても指摘をさせていただいたところでもありました。

 そして、今回、これも現場のあるお母様から聞いたことでありましたけれども、自分のお子さんが特別支援学校に通っているんだけれども、教科書をもらっていない、教科書を見ていないというお話をいただいたところでありました。

 そこで、北海道立特別支援学校の小学部と中学部において、新たに入学した一部の児童生徒に対して年度当初に配付する教科書が数か月後に配付をされていたという事案が発覚し、北海道教育委員会がほかの道立特別支援学校での状況を調査したところ、この事案がほかの学校にもあった。あるところは子供に渡すのを忘れていたという話も聞きました。

 そこで、お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、特別支援学校であっても、小学校、中学校と同様に教科書を使用することが必要であり、また、その教科書は国から無償で配付されているものであります。

 先日、この事案のお話をしたところ、その方御自身のお子様が特別支援学校で学ばれて、卒業されたそうでございますけれども、その御両親が、教科書があったことすら知らなかったという話をされておりました。

 もちろん、小学校や中学校で使用する国語や算数、数学などの教科書とは異なるものであることも想定されておりますけれども、北海道立特別支援学校においても複数の学校で不適切な扱いが見られた、また、家族が教科書の存在を全く認識していないというお話を伺いますと、この問題は北海道立特別支援学校だけの事案であるのか私は疑問を持たざるを得ませんでした。

 今回の事案を踏まえまして、文科省では、二月の末に、各都道府県教育委員会において確認と点検を求める文書を発出されたと伺いましたけれども、特別支援学校での教科書の適切な配付と使用を徹底するとともに、保護者にも教科書について知っていただくことも極めて重要だと私は思っております。

 まず、文科省にお伺いしますけれども、特別支援学校の小学部あるいは中学部における教科書の扱いについて、使用義務や無償配付の対象であるか、いつまでに児童生徒に渡すことになっているのかも含めて教えていただきたいと思います。また、今回、二月に公表された北海道立特別支援学校において発生した事案の内容と教科書の配付が適切に行われなかった理由についても併せて教えていただきたいと思います。

 その上で、松本大臣に、子供の学びを確保する観点から、特別支援学校において適切に教科書が配付され、そして使用されていることが徹底されることはもちろん大前提で重要なことでありますけれども、併せて教科書についての保護者の理解が進むことも大切だと思っておりますので、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 特別支援学校の小学部や中学部における教科書につきましては、学校教育法の規定に基づきまして、検定教科書あるいは文部科学省著作の教科書を使用することとなってございます。これが適当でない場合には、他の適切な図書を使用できることとされてございます。

 いずれを使用する場合でございましても無償措置の対象でございまして、また、教科書としての使用義務の対象となるものでございます。四月の入学式や始業式の際など、授業開始に間に合うように学校から児童生徒に給与されることが必要でございます。

 浮島委員から御指摘もいただきましたこの件、御指摘の北海道立特別支援学校の事案につきまして、私ども、浮島委員からの御指摘に基づきまして調査をさせていただきました。令和七年度の教科書に関しましては、十七校におきまして児童生徒への給与が五月や六月以降になるなど適切な対応が行われていなかった、また、令和六年度以前においても同様の状況があったことが分かりました。

 北海道教育委員会や道立学校の教科書の使用や手続についての誤った認識によりましてこのような事態が生じていたことは、極めて遺憾でございます。文部科学省といたしましては、北海道教育委員会に指導を行うとともに、全国に対して適正な教科書給与の実施を求める文書を発出したところでございます。

 今後も、教科書の重要性、適切な教科書事務の徹底を周知してまいります。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘であります。

 今局長から答弁をいたしましたように、全国に対して適正な教科書給与の実施を求める文書を発出いたしまして、教科書というものが適切な時期にしっかりと対象の生徒さんに行き渡るようにということを徹底するのはもちろんでありますが、同時に、保護者の皆さんにもこうした制度だということを理解していただくということは大変重要なことである、そのように考えているところでもあります。

 委員御指摘のとおり、特別支援学校に通う児童生徒の保護者に対しまして、改めて、今回の事案を踏まえ、教科書の使用について説明、情報提供を行うなど、しっかりと対応してまいりたいと思います。

 具体的には、今説明対応を調整中ではありますが、五月に全国特別支援教育推進連盟、七月に全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会、こうしたところに説明をすることで今調整をしているところであります。

浮島委員 もう一点お伺いをさせていただきたいと思います。今、様々連絡をしていただいているという御答弁でしたけれども、この四月からはしっかりと配付されているという認識でよろしいでしょうか。

望月政府参考人 四月からの授業開始に間に合うように確実に支給されているところでございます。

浮島委員 特別支援学校における教科書というのは、小学校、中学校で使われるものとは違うと思っております。それぞれの子供に合った教科書が用意されていることは、一人一人の輝く教育、そして誰一人取り残されない教育のために必要だと思っておりますので、どうか全力でこれからも、これは北海道だけの問題ではなくて全国のことでもありますので、しっかり文科省として対応していただくように、改めましてお願いをさせていただきたいと思います。

 そして、次に、デジタル教科書について質問をさせていただきたいと思います。

 今回の、文科省から国会に提出された法案の主な内容として、小学校、中学校で使用されている教科書について、現在は基本的に紙の教科書が想定され無償配付の対象となっておりますが、これをデジタルの形態の教科書を含むことができるとする内容だと私は理解をしております。

 私は、これまで、教育における対面での学び、そして体験活動、この重要性を繰り返し申し上げてまいりました。小学校四年生の男の子の話も前にさせていただきましたけれども、本を読むのが大好きと、何が好きと言ったら、ページをめくるときに感じる風が好きということでございましたけれども、これはデジタルでは全く感じることができないと思っており、とてもすばらしい体験だと思っております。

 一方で、私はデジタルを否定しているものではございません。コロナ禍での出来事を振り返るまでもなく、デジタルの力は子供たちの格差や社会の分断を乗り越える手段ともなっていると思っております。

 これまで教育政策に長年携わり多くの方にお会いする中で、読み書きに障害があるお子さんが、鉛筆で書くことは難しくても、概念としては理解できるので、読むことはできるし、そして鉛筆ではなくキーボードで打ち込むことはできるというお子さんもいらっしゃいます。

 また、二〇〇八年六月に成立いたしました障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律、いわゆる教科書バリアフリー法ですけれども、小学校や中学校などで使用されている教科書を基に製作する拡大教科書、点字教科書、音声教材について、この発行を容易にすることで、障害や特性の有無にかかわらず児童生徒が十分な教育を受けるようにできること、これを目的としたものであります。

 二〇二四年六月には、この委員会においても審議させていただいたとおりに、教科書バリアフリー法が改正され、日本語指導が必要な外国籍、日本国籍の児童生徒にとってもこれらの教材が有用ということで、対象の範囲が広がりました。そして、これは、小学校や中学校などで使用されている紙の教科書の学びを十分に進めることができない児童生徒がいて、この子供たちの学びを支えるためにもデイジー教科書というのが、音声教科書の読み上げ機能ですけれども、拡大教科書が広がっていく重要なものだと思っております。

 小学校や中学校で使う紙の教科書等を使った学習が難しい児童生徒が、文科省の検定を受けた教科書を基に作成されたこのデイジー教科書を使う場合、デイジー教科書は法律に基づく無償の対象とはなっておりません。

 そこで、まず文科省にお伺いしますけれども、文字を読んだり書いたりすることに障害があって、そして小学校や中学校で使う紙の教科書を使った学習が難しい児童生徒にとっては、デジタル教科書を使うことで教科書の内容や授業を理解することを助ける効果があると思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。

 また、今回の法案によって、デジタルな形態の教科書として認められた場合、デイジー教科書や拡大教科書のような機能を持つデジタル形態の教科書が無償配付の対象となることで利用が進んだり、利用が進むことで教科書発行会社の取組が促されてこのような機能を持つデジタルな形態の教科書が充実することにつながると思いますけれども、見解をお伺いさせていただきたいと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 現行の教科書代替のデジタル教科書を用いましたこれまでの実証研究におきまして、視覚障害のある児童生徒が弱視の程度に応じて紙面を拡大して学習できること、発達障害等で文章理解に困難がある児童生徒が音声読み上げ機能を活用して自分のペースで学習できるなど、障害のある児童生徒の学習上の困難を軽減し、児童生徒の理解が深まることなどが明らかになってまいりました。

 今回の制度改正により導入されるデジタルな形態を含む新たな教科書につきましても、新たに掲載が可能となる動画への字幕表示や再生速度の調整などによりまして、学習上の困難の更なる軽減を図りたいと考えてございます。今後策定する標準仕様におきまして、こうした障害のある児童生徒の学習にも資する機能の標準実装についても検討してまいります。

 あわせて、検定教科書では学習が困難な児童生徒のために作成された拡大教科書や御紹介いただきましたデイジー教科書などの教科用特定図書等につきましても、今回の制度改正によりまして、デジタルな形態のものも含めて無償給与、給付の対象とすることを考えてございます。

 こちらにつきましても、今後、国内外のアクセシビリティー規格を踏まえた、デジタルを含む教科用特定図書等の標準規格を策定しまして、教科書発行者のデジタルな形態の教科用特定図書等の発行、充実も促したいと考えているところでございます。

浮島委員 ありがとうございます。

 デイジー教科書も、この教科用特定図書等を無償配付の対象に考えているということで、是非よろしくお願いいたします。お願いです。

 次に、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 デジタル形態での教科書と紙とを同じ位置づけの教科書として扱うことは、紙の教科書では学びが難しい児童生徒を救うことにつながる一方で、児童生徒の発達段階、特性、教科の内容を踏まえれば、紙の教科書で学ぶことも大切だと私は思っております。

 四月十七日に部会で渋谷区の渋谷本町学園に視察に行かせていただき、たくさんの学生さんからも、授業を見学させていただきましたけれども、両方を使うことがやはり望ましいという話をたくさん伺いました。

 そして、また、両方使えるようにした場合であっても、児童生徒の発達段階を踏まえて文科省として丁寧にその利用の在り方を示していくこと、これが重要だと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 今回御審議をお願いする予定となっております制度改正でありますけれども、目的は紙だけではなくてデジタルを取り入れて教科書を作成することを可能とするものでありますし、これは、無理やりデジタル化をすることが目的ではなくて、これらの技術を導入することによって、より教育、学びの質を高めていくということが目的で、今回国会に提出をさせていただいたということであります。

 今後の教科書の在り方につきましては、一覧性などの紙のよさと、動画などのデジタルのよさの双方を組み合わせていくという方向が重要であると考えております。

 このため、今後、御審議いただく法案をお認めいただければ、デジタルな形態を含む教科書の使用や発行などにつきまして、児童生徒の発達段階や教科特性などを踏まえて指針を示すことを考えております。

 指針に関しましてですが、今後、有識者会議で議論をいただく必要がありますが、中教審の議論におきましても、小学校の学年が初めのうちは慎重に考えるべきといった意見も頂戴をしているところでありまして、これまでの教科書代替のデジタル教科書の取組なども踏まえ、全てがデジタルの教科書の扱いについては学年段階や教科を限定することを考えているところであります。

 その上で、デジタルな形態を含む新たな教科書に対応した検定の仕組みも整えることによりまして、指針で示す内容の実効性を担保することを考えている、そのような状況であります。

浮島委員 ありがとうございます。

 今大臣がおっしゃったとおり、誰一人取り残されないようにするためにはしっかりとした対応が必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 いろいろな方々からもヒアリングを今回させていただきました。ヒアリングをして、視察もさせていただいたところでありますけれども、先日、教科書協会からお話を伺いました。今回の法改正が行われデジタル形態の教科書が認められた際には、教科書の価格がどうなるのかということをとても心配されておりました。いろいろな内容を作り込んでいける可能性が広がる一方で、それには費用が伴いますので、どの程度の価格になるのかを早めに知って、そしてそれを念頭に置いてよい教科書を作っていきたいとおっしゃっておりましたけれども、これは当然だと思います。

 そして、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、このデジタル形態を含む新たな教科書の価格については、教科書発行会社がよりよい教科書を作成できるようにするという観点から、価格やおよその目安、そして考え方などを早めに伝えて、教科書発行会社が安心して作成に取りかかることができるようにすることが適切、また必要だと思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 デジタルな形態を含む新たな教科書の価格につきましては、紙の教科書と同じく、物価変動などを注視しつつ、紙の教科書ではなかったクラウド通信料など、コスト構造が紙の教科書と異なる点などについて考慮をしていく必要があるというふうに考えているところであります。

 文部科学省としても、中央教育審議会の審議まとめ以降、教科書発行者と、デジタルな形態を含む教科書の製造、供給に必要なコストの算出に向けた検討を始めたところであります。今後、御審議をいただきます法案をお認めいただけましたならば、その後、教科書発行者と丁寧な情報共有や意見交換を行いながら検討を加速させてまいりたい、そのように考えております。

浮島委員 しっかりとした連携をしていただけるようにお願いをさせていただきたいと思います。

 次の質問ですけれども、順番をちょっと変えさせていただきまして、日本学生支援機構について御質問させていただきたいと思います。

 独立行政法人日本学生支援機構、これは二〇〇四年に設立をされました。私もずっと視察に行かせていただきましたけれども、防衛省に隣接の、市谷の土地に建てさせていただいていたところでありますけれども、六十二年前、旧育英会の時代の昭和の、一九六四年に竣工した施設は老朽化、耐震化、これがすごく進んでおりました。私も視察に行かせていただいて、当時驚いたのは、行かせていただいたときは、階段に段ボールがいっぱい積んでありまして、そしてその段ボールを机代わりにして作業している、もうスペースが全くない状況。そして、水が漏ってきてしまっている、そんな状況でありました。

 子供たちの大切な奨学金を取り扱うところで、こんな状況の下で仕事をしているのかということでお話を伺って、当時、財務省に働きかけを行って、そして二〇二二年度から数年にわたりまして施設の改修を始めました。また、中もきれいにさせていただくということで、昨年の十一月、新たにオープンをしました。

 オープンする前に私もまた視察に行かせていただきましたけれども、環境が大きく変わり、本当に広いスペースで、段ボールではなくてちゃんとした机で作業ができるということになっておりましたけれども、まず、ここの問題は、仕事は増えています。多子世帯のところも増えました。仕事はどんどん、奨学金の仕事は増えるんですけれども、やれ、やれということは言うんですけれども、なかなか人が増えない。事務は増えるけれども人員は増えないということで、とても困っておられました。ここ数年は物価高がありまして、運営を支えている運営費交付金、そうした社会の変化に追いついていないという現状もございます。そんな悲鳴を私はたくさん伺ってまいりました。

 こうした日本学生支援機構、JASSOの法人の運営上の課題に関する客観的な状況について、高等局、その事実関係を説明していただきたいということと、そして、その上で、現在の支援機構が直面している現実も踏まえて、日本の未来をつくる教育行政のトップである文科大臣としてどう対処をしていくおつもりか、決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。

合田政府参考人 手短にお答え申し上げます。

 今先生からお話があったとおりでございまして、日本学生支援機構につきましては、修学支援新制度の大幅な拡充が相次いでございまして、機構の体制の充実も一層必要不可欠となってございます。

 建物の老朽化、庁舎の建て替えを行ったというのは今お話があったとおりでございますが、それに加えまして、機構職員のラスパイレス指数につきましては、以前は八割程度という状況でございましたけれども、二〇二四年度は国家公務員の水準の九割に達するまで向上いたしましたが、文部科学省としては、なお離職率、休職率など課題があるというふうに考えてございまして、引き続き機構の運営状況の改善や環境整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。

松本(洋)国務大臣 今御指摘をいただきましたように、本機構は、奨学金の事務などを通じまして、本当に子供たちの学びを支えていただいております、大切な仕事をしていただいております。

 その上で、大変事務の量が増える、また複雑化をする、様々な状況の中で、一人一人の職員の皆さんであったり、この機構の運営に対しまして様々な課題が生じているのも事実であります。

 令和八年度予算におきましては、運営費交付金を増額いたしましたけれども、ただ、物価高も始めとした様々なそういう状況というものもあります。我々といたしましては、そうした重要性、そして今ある課題に鑑みまして、必要な予算の確保なども含めましたそうした取組を全力で進めてまいりたい、そのように考えております。

浮島委員 よろしくお願いいたします。

 以上です。ありがとうございました。

    〔委員長退席、青山(周)委員長代理着席〕

青山(周)委員長代理 次に、市村浩一郎君。

市村委員 日本維新の会の市村でございます。今日もよろしくお願いいたします。

 まずは、大臣が所信の中で、日本型教育の海外展開ということを述べておられました。それを聞いたときに、日本型教育とは一体何なのかということ、何かここではアプリオリに書かれておるんですけれども、では何なのかということをちょっと疑問に思いました。

 本当はもっと日本という国の成り立ちから議論をしたいところなんですが、そこまで時間はありません。まず、大臣が所信で述べられておった日本型教育とは何なのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。

松本(洋)国務大臣 我が国の初等中等教育でありますが、国際的な学力調査でも世界トップレベルの水準を維持しているということに加えまして、学校が学習指導のみならず生徒指導などの面でも主要な役割を担い、子供たちの状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで、子供たちの知徳体を一体で育んでいるものとして、これまでも諸外国から高い評価を受けてきたというふうに承知をしております。

 これは、子供たちの頑張りはもちろんでありますけれども、日々熱心に児童生徒と向き合って指導していただいております教師の方々のお力、また地域社会のお支えがあってということであると思っております。

 実際、今年の一月、私はエジプトに行ってきたわけでありますけれども、今回のエジプト訪問の目的というものは、更にエジプト側から、日本型教育というものをエジプトに普及をさせていくに当たりまして、いろいろと具体的な協力の要請もいただいたところでもあります。

 また、大統領御自ら時間を割いて、私、面談をしてまいりましたけれども、大変強い熱意を持ってそうした日本の教育のすばらしさというものをお話しいただきましたし、また同時に、更なる支援というものも大統領からも私は直接いただいたところであります。

 二つあると思います。一つは、教育水準というものが大変高く、具体的に評価をされているということがあろうかと思います。また同時に、おっしゃられたのは、いわゆる特活と言われるような話でありまして、我が国にとってはある意味当たり前でありますけれども、例えば、子供たちが自ら学びやであります学校を清掃するでありますとか、学級会活動であって、子供たちが話合いをしながら学級の運営を決めていくであったりとか、そうした我々にとってはある意味当たり前と思っているものが、諸外国から見ると当たり前ではなく、こうしたものに対する期待そしてその効果というものを大変強くおっしゃっていたところが印象に残っているところであります。

 ただ、同時に、やはり今の日本の学校現場にも様々な課題が存在をするわけでありまして、そういう意味では、学校教育のよい部分をこれからもしっかりと残しつつ課題を解決していく、また同時に、外国からこうして日本の教育制度に対する注目というものがある中において、我々としても、教育面でもそうした様々な国に貢献をしていくことができる、そんな取組を進めていくことが必要不可欠ではないかと考えております。

市村委員 ありがとうございます。

 今ちょうど大臣もおっしゃったんですが、そうはいっても我々の教育の状況には課題があるということで、まず、日本型教育を海外展開するときには、我々自身が、日本の教育とは何なのかということ、なぜ世界からすばらしいというような評価をされる教育になっているのかというところを考えていく。そして、考えた上で、では我々の足下はちゃんと大丈夫なのかと。人にすばらしいと評価される、それをされている我々が、我々自身がそれをしっかりと認識しているのかどうかというところがやはり問われるのではないかなと思うんですね。

 我々自身がそこを認識もせず、何となく来てもらって一部ちょっと見てもらったら何かすばらしいと評価されたから、それは我々も再認識はしながらも、評価していただいているところにお伝えするのはそれはあるかもしれませんが、やはり自分自身の足下を見直すということにつなげていかなければならない。

 本当にそんなに日本は今立派な教育が行われているのかどうかというところはいま一度見直していく必要があるんだと思いますが、大臣、御見解いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 大変大事な御指摘だと思います。

 実際に、エジプトにおきましては、日本式の教育というものを入れたことによって成果が上がっている、そういう御判断をいただいているということから進んできているという意味では、この日本の教育制度の優れている点というものもあるんだと私自身承知をしております。

 ただ、一方で、実際にやはり社会の変化もあります。また同時に、例えば不登校でありますとか、本当に残念で悲しいことでありますが自ら命を絶つでありますとか、そうやっていろいろと心の中に様々な課題を抱えている児童生徒が増えてきていたりとかというようなことも含めて、教育だけではないと思いますが、やはり我々の中にも様々な課題が存在をするということは、ただ単に海外から評価をされてもろ手を挙げて喜ぶだけではなくて、やはり自ら自身をしっかりと見詰めて課題を認識し、それを解決していくということも同時に進めていかなければいけない、むしろこちらの方をやっていかなければいけないというところがあるのも委員の御指摘のとおりだと思っております。

 我々といたしましても、そうした問題意識を共有しながら進めてまいりたいと考えております。

市村委員 感謝いたします。

 大臣、また所信の中では、これは質問じゃないんですが、幼児教育の重要性というのをおっしゃっていました。ちょうどこの時期、三月と四月はいわゆる幼稚園の卒園式、入園式というのがありまして、私も二つぐらい出させていただいたんですが、そのときに幼稚園の理事長さんからお聞きしたのは、先生方からお聞きしていて思ったのは、年長までいくとすごく学習発表会もすばらしくて礼儀も正しくて御挨拶もちゃんとできる、こっちが感動するぐらいの状況なんですが、今度は公教育に入っていきます。

 初等教育に入っていきますと、今度は六年生までの小学校だと一年生に入っていくんですね。年長さんが一年生に入っていく。一番下に入っていくと、結局それまで積み上げた日々の生活態度とかそういう、いい御挨拶ができるとかいうのが、結局、一年生に入っていくと、やはりどうしても、小学校の四年生、五年生、六年生になってくると、お兄ちゃん、お姉ちゃん方は、どうしても反抗期に入ってくると礼儀とかそういうのは余り、ちょっと、どちらかというと反発する方になってきます。そういう環境に、一年生にいわゆる園児が入っていくと、そっちに影響されてしまう。せっかく積み上げたものが失われてしまうのが残念なんですという指摘も受けました。

 なぜこの話をしているかというと、初等中等教育の課題もあるなという思いがあります。

 それはまた次の機会に回すとして、今度は高等教育の話というのがありまして。高等教育というと我々は大学をすぐ思い浮かべるとは思いますが、実は高専というものも、これも高等教育である。私は高校は高等教育の一環かなと思っていたら、実はあれは中等教育であって、大学からが高等教育だということでありました。しかし、実は日本には中学を卒業した後にすぐに高等教育に入る道もあるんだということなんですね。しかも、この高専というのは、私も、ベトナムとかタイだったかな、幾つかのところで、日本の高専はすばらしいです、いろいろまた教えてくださいと言われたこともこれまで何度かあるぐらいで。

 この高専というものをいま一度しっかりと見直していくということ。特に今、理科系人材、工学系人材が足りない。特に、これからIT、AIとかという時代において、またサイバーセキュリティーの分野でも何万人単位で人が足りないと言われているわけでありまして、こうした人材を、いわゆる十六歳、普通に高校に行っている世代から高等教育に、中等教育じゃなくて高等教育に入ってもらって学ぶ機会というのが高等専門学校だと思いますが、是非ともこれをもっと普及させる、もっと世に知ってもらうと。

 中学校段階でも、高校に行って中等教育じゃなくて、いきなり大学のような高等教育を受ける機会があるんだよということをもっと世に知らしめて、もっとそういうものに関心を向けるというのは私は必要ではないかと思っていますが、いかがでしょうか。これも海外の方からえらい評価されているということで、さっきと同じなんです。いかがでしょうか。

    〔青山(周)委員長代理退席、委員長着席〕

松本(洋)国務大臣 いわゆる高専でありますけれども、委員御指摘のとおり、エジプトでも高専の導入が始まりました。本当に諸外国からもこの制度というものは大変高く評価をされているところでもありますし、また、日本の国内におきましても、産業界を中心にいたしまして、高専の卒業生に対する需要というのは非常に高いというのが実態であります。

 そういう意味では、子供たちが夢や希望に向かって具体的な知識や技能を身につけるだけではなくて、地域や経済の支え手をいかに育成をしていくのかという意味においても高専というものは大変重要でありますし、その期待というものは高まっているというふうに承知をしております。

 ただ一方で、高専の存在というのを、子供たちもそうですけれども、保護者の皆さんも含めてどこまで認識をしているのかというのを考えると、済みません、これは私自身の例で大変恐縮ですが、もう大分昔の話にはなるんですけれども、私が中学生のときに、ではどこの高校に進学をしようかというときに、高専というものが自分の頭の中にあったかというと、なかなかその存在すら余り知らなくて、そういう選択肢自体が自分の頭の中になかった。今とちょっと時代は、もう大分昔なので現状は異なるかもしれませんが。そういう意味でも、子供たちもそうですし、保護者も含めて高専というものの存在をより多く知っていただいて、選択肢の一つに加えていただくということは大変大事な御指摘だというふうに承知をしているところであります。

 そういう意味でも、文科省として、高専の魅力を一層発信していくという観点から、小中学生を対象とした出前授業の実施でありますとか、また、国公私立高専合同によります進路相談や科学実験などの体験ブースを設置する高専フェスの開催、国立高専機構における女子学生増加のためのパンフレットの作成やフォーラムの実施など、高専の教育の特色や卒業後の進路などについて理解を深めてもらうための取組を行っていただいているところであります。

 文部科学省としても、こうした取組を支援していきまして、子供たち、保護者、そして中学校の進路指導担当教員などに対しまして高専の魅力また存在というものを周知してまいりたい、そのように考えております。

市村委員 ありがとうございます。

 あと、時間がないので、実は文化財の保護、復元について質問したいと思っていますが、二つあったんですが、一つは、特に名古屋城の復元だったんですけれども、また改めてさせてください。

 最後に、今、日本には一応、四道というのがある。四道というのは何かというと、武道、書道、華道、茶道でありますが、そこに香道、この道に香りも含めたらどうだという御指摘があるということでありまして、是非とも日本古来の文化、伝統として香道を、道として、武道、書道、華道、茶道に並ぶものとして私は加える又は再認識をするということが求められていると思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。

松本(洋)国務大臣 今御紹介をいただきました香道でありますけれども、華道、茶道、書道などと同様に、我が国の伝統的な生活文化の一つといたしまして国民の心を豊かにするものであり、その継承と振興を図っていくことは重要であると認識をしております。

 文科省におきましては、香道の実態を把握するために調査研究事業を行うとともに、伝統文化親子教室事業や生活文化創造・戦略展開事業を通じまして、香道の振興や普及に取り組んでいるところであります。

 引き続き、香道など、我が国が誇る伝統的な生活文化の多様性を確保しつつ、広く国民に認識を広げるための取組、これを進めてまいります。

市村委員 ありがとうございます。

 これは、例えばアロマテラピーという言葉もあるように、メディカル、医療にも使われるようなものだと思います。しっかりと、香りというものの大切さというのをまた我々も再認識していくということが大切かと思っています。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。感謝申し上げます。

斎藤委員長 次に、西岡義高君。

西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。本日もよろしくお願いいたします。

 これまでも何度も質問してきました学習指導要領の歯止め規定について、本日も伺ってまいりたいと思います。

 インターネットやSNSでいつでも簡単に子供たちが性的な情報、それも過激で暴力的なものも含めてアクセスできてしまう、また、エロ広告で本人が望まなくても目にしてしまう。こういった状況を危惧いたしまして、私は、きちんとした性教育を学校で行うべきである、そのためには、現場で障壁となっている学習指導要領の、小学五年生理科、人の受精に至る過程は取り扱わないものとする、中学保健の妊娠の過程は取り扱わない、この歯止め規定は削除するべきだとこれまでも訴えてまいりました。

 現在、次の学習指導要領の改訂に向けて準備が進んでいる状況かと思います。今回の改訂で削除されなければ、またこの先十年、子供たちがしっかりした性教育を受けられなくなる、そのことに強い懸念を抱いておりますので、本日も諦めずに質問を続けてまいりたいと思います。

 そこで、まず確認したいのが、この歯止め規定、そもそも、いつ、どのような目的で設定されたのか、改めて確認させてください。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 学習指導要領における御指摘の規定は、共に平成十年改訂の学習指導要領から設けられたものです。当該規定につきましては、性に関する指導に関して、児童生徒間の発達の差異が大きいこと、保護者の理解を得ながら指導する必要があること、学校全体で共通理解を図ることといった点を踏まえ実施する必要があることから示されているものでございます。

 なお、この規定は、当該事項を教えてはならないということではなく、指導に当たっては個々の児童生徒の状況等に応じた個別指導により対応するという趣旨であり、文部科学省におきましては、各教育委員会等を通じてこうした趣旨の周知を行い、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるようにするための取組の推進に努めているところでございます。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 もう一点、確認事項、確認させていただきたいと思います。

 前回、歯止め規定に関する質問を三月四日にこちらの場でさせていただきました。そのとき、中教審における歯止め規定の議論の経過について伺った際に、御議論いただいているところ、御指摘の内容も含めて引き続き専門的かつ総合的な議論を進めていただきたいと考えておりますという御答弁、内容でいただきました。

 ところが、翌日の三月五日、こちらの毎日新聞の報道の中に、この歯止め規定に関して、議論のテーブルにものっていないというような報道がございました。委員が今後も議題には上がらないだろうと話したという内容も書かれておりました。

 歯止め規定について、中教審における議論、これがされているのか、いないのか。また、今後されるのか、されないのか。実際の議論の状況、本当のところはどうなっているのかというところを教えていただきたいと思います。

浅野政府参考人 中央教育審議会のワーキンググループにおきましては、御指摘の規定等、個別具体的な文面についての議論はされておりませんが、生命(いのち)の安全教育に専門的な知見を有する方にも参画いただき、御発表いただくなど、性暴力、性犯罪に関する課題も踏まえた御議論をいただいているところであります。

 いわゆる歯止め規定に限った御意見ではありませんが、子供たち一人一人の発達の状況を踏まえた指導が必要であることなどを保健の学習全般に関する御意見としていただいているところです。

 引き続き、社会の変化や子供たち一人一人の学びの充実等の観点を踏まえつつ、更なる専門的かつ総合的な議論をいただきたいと考えております。

西岡(義)委員 そこまでいろいろな議論がされているということであれば、この歯止め規定についても議論をしていただくように是非促していただきたいというところをお願いさせていただきたいと思います。

 そして、この歯止め規定なんですけれども、今、教えてはいけない、性教育をしてはいけないものではないということもございましたけれども、現場が強く萎縮してしまっているという現実がございます。

 この萎縮する原因と言われているのが、二〇〇三年に起こりました七生養護学校事件、これだと認識しております。当時七生養護学校で行われていた性教育の授業を視察した東京都議が猛烈な批判をして社会問題となったこの事件ですけれども、後に、この議員らによる介入は教育の自主性をゆがめる不当な支配に当たるとの裁判での判決が出ております。けれども、現場では、性教育を詳しく教えると政治的な介入を招いて処分される、こういった強烈なメッセージだけが伝わり、残ってしまっている、それが現状だと思います。

 そして、その結果として、学習指導要領に書かれている歯止め規定を一字たりとも踏み越えてはいけない絶対的なルールとして捉える、そういった自主規制が萎縮の心理として生まれてしまったと思っております。

 これまでも、歯止め規定、教えてはならないということではないという旨の御答弁を何度もいただいておりますけれども、やはりこのトラウマがいまだに現場を萎縮させている。だからこそ、このトラウマを乗り越えるためにも、歯止め規定の削除、これが必要だと思っております。

 そして、ユネスコでは包括的性教育を推進している状況かと思います。そしてまた、社会的にも性教育への要望は高まっている状況だと私は思っております。神奈川県教職員組合の調査では、約八五%の保護者が歯止め規定をなくすべきだというふうに答えておりますし、教職員、保護者合わせても七割以上の人が包括的性教育に対しての肯定的な意見を述べているということでございます。

 さらに、歯止め規定肯定派の話を聞いていますと、性教育に取り組んだ先生が自分の性交を赤裸々に語るような授業をして子供たちがショックを受けた、だから歯止め規定が必要なんだという意見も耳にしますけれども、だからこそ、歯止め規定をなくして、発達段階に応じて適切な指導ができるように、きちんと性教育を体系立てて、そして教員にも指導をしていく、そういったことが必要なのではないかと思います。

 あと、個別にやっていくというようなお話がございましたけれども、やはり、余りにもその個別指導というところにこだわり過ぎますと、性の話題をタブー視するというこれまでの風潮を助長されるものだと思います。

 それでも文科省では生命(いのち)の安全教育に取り組んでいるということで、性については課題があるということで認識されているということだと思います。そして、性に関する教育も必要だというお考えはお持ちなんだろうなと思うところではございますけれども、このような状況にあっても、なおもかたくなに歯止め規定を存続させようとする理由、それは何なのか、そこを教えていただければと思います。

松本(洋)国務大臣 現在、中央教育審議会のワーキンググループにおいて、令和七年九月に取りまとめられました論点整理などを踏まえまして、まさに専門的かつ総合的な議論を進めていただいているところでありまして、現時点で何らかの結論が得られているものではないと承知をしております。

 この議論につきましては、先ほど次長が答弁をさせていただいたように、性暴力、性犯罪に関する課題も踏まえた議論をいただいているところでありまして、社会の変化や子供たち一人一人の学びの充実などの観点から、更なる専門的な検討を深めていただきたいと考えております。

 引き続き、中教審における議論も踏まえながら、子供たちが正しい理解に基づいて適切な行動が取れるように対応をしてまいります。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、専門的で深い議論を進めていくためにも、この歯止め規定についての具体的な議論もしっかりしていただけるように促してもらいたいなと。議論のテーブルにものらないということは、ちょっと考えられないと思いますので、是非そこはお願いしたいというところでございます。

 子供が正しい認識を持つ、やはりそれが必要ですし、子供たちも何が正しいのかを知りたいんだというふうに、以前の質問の中でも、そういった声があるということも申し上げさせていただきましたので、是非、前向きな議論をお願いしたいと思います。

 そして、もう一点、ちょっと別の視点から性教育について伺っていきたいと思います。

 現在の子供たちを取り巻く状況は、冒頭でも申し上げましたように、インターネットを通じて、いつでもエロサイトにアクセスできてしまう、また、エロ広告によって、自分が見ようと思っていなくても自然と情報が入ってきてしまう、アクセスできてしまう、そういった状況でございます。我々が中学生の頃のように、通学路の脇の草むらの中にエロ本が落ちていて、今日は何ていい日なんだと、こそこそと見ていた、そんな時代とはやはり情報量が明らかに違うんですよ。

 だからこそ、そんな現代のあふれる情報の中で、何が正しいのか理解できずに、性に対して間違った知識や認識を持ってしまう、そういった子供が多くいるのが現実だと思います。

 性教育の出前授業をやっている先生から伺った話なんですけれども、Xビデオというサイトを御存じでしょうか。動画サイトなんですけれども、最近の中学生は、そこでエロ動画を見ているらしいんですけれども、その動画の尺が大体十分から十五分ぐらいなんですね。そういうのを見ている男子中学生が彼女を呼び出して、十分そこそこで事を済ませ、バイバイなんてことがある、そういったお話をされていました。また、こういった動画は、凌辱的な内容であっても、演出上、相手が喜んでいるようなものがあるので、そこでやはり勘違いしてしまう子供も多いということもおっしゃっておりました。

 人間の性交は、単なる生殖活動にはとどまらず、相手との愛情を深め合う大切なコミュニケーションでもあるはずだと思います。そういった観点がこういったインターネットの情報があふれている中で欠落していってしまうのではないかと懸念を抱いておりまして、望まない妊娠であったり、未婚の母が増えているというような状況にもつながっているのではないかと考えるわけでございます。

 性交は愛を育み、お互いの信頼関係を築いていく大切なコミュニケーションとしてしっかり教えていくためにも、性教育は重要なものだと思いますけれども、この観点から、性教育の必要性について大臣のお考えを伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 学校における性に関する指導については、学習指導要領に基づきまして、児童生徒の発達段階に応じて指導することとしております。体の機能の成熟とともに、性衝動が生じたり、異性への関心が高まったりすることなどから、異性の尊重、性情報への適切な対処や行動の選択が必要となることなどについて取り扱うこととしているところであります。

 また、男女相互の理解と協力についても取り扱うこととしておりまして、指導に当たりましては、関係教科等の学習とも関連をさせ、男女相互に独立した一個の人格として互いを尊重し合えるようにすることが大切であるというふうに考えているところであります。

 文部科学省としては、児童生徒が性に関して正しく理解をし、適切な行動が取れるよう、性に関する指導の着実な実施に努めてまいります。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 着実な実施に向けて、やはり、この歯止め規定は私はなくして、しっかりと性教育自体を、性交も含めて、教えないものとするとされている歯止め規定に書かれている部分も含めた形でのしっかりとした性教育、これを体系立てて、子供たちに必要な知識を教えていっていただきたいと思います。

 引き続き、しっかり議論がされるまで、このタイミングでしっかりと、学習指導要領改訂の時期に諦めずに訴えてまいりたいと思います。

 では、次のテーマの質問に移ります。大学入学金二重払いの問題について伺ってまいります。

 この大学入学金二重払いの問題というのは、併願校の入学の権利をキープするために支払う入学金、第二志望の入学金の支払い期日が第一志望の合格発表の前になるような場合などに発生する入学金の二重払いなんですけれども、こういった事態を避けるために、経済的に余裕のない家庭の子供が受験先を絞らざるを得なくなるというようなことが発生して、教育の機会均等が奪われているのではないかという指摘もされている問題でございます。

 もし仮に、これが返還されるものであったとしても、一旦払わなければならないというのは大きな負担になるものだと思います。また、入学しない学校への入学金は、手付金とかキャンセル料といった、そういった見方もできるかと思いますけれども、それにしては二、三十万円という金額は高額ですし、入学しない学校への入学金を学校側が財源として当てにしてしまっているのではないかという、そういった見方もできるわけでございます。

 この入学金の二重払いの問題について、どのように捉えて、また今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺いたいと思います。

松本(洋)国務大臣 複数大学への入学料の納付が進路選択の幅を狭めることがないように、経済的に困難な学生などへの配慮は重要な視点であるというふうに考えております。

 その上で、大学における入学料の額や納付期限などの取扱いにつきましては各大学において判断されるものではありますが、昨年の六月になりますけれども、各大学に対しまして、入学しない学生の納付する入学料に係る負担軽減のための方策を講ずるように努めることという内容に特化した通知を発出をしているところであります。

 文部科学省としては、負担軽減の具体例の周知など、それぞれの大学の実情に応じた負担軽減の取組が一層進むように、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

 いずれにいたしましても、問題意識は共有をしておりますので、そうした周知、また各大学にも御理解をいただいて、そうした取組が進んでいくように、我々としても努めてまいりたいと思っております。

西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。

 問題意識は持たれているということなので、一つ、この入学金二重払いの問題への対応として御提案させていただきたいと思います。

 現在、大学入学者選抜実施要項、こちらには入学金納付期限に係る具体的な明示がされていない、そのような状況かと認識しております。今後発出する、今年度であれば六月頃に出されるかと思いますけれども、この大学入学者選抜実施要項、こちらに入学金の納入期限に関する規定を明確に記入するべきだと思いますけれども、こちら取り組んでいただけないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

松本(洋)国務大臣 改めての答弁になって大変恐縮ですが、大学における入学料の額や納付期限などの取扱いは、各大学において判断をされるものということであります。

 他方で、文部科学省としては、これらの取扱いが受験生などに対して明示されている、これが大変重要であると考えておりまして、入学料を始めとした学生納付金の額の抑制などや納付期限の猶予などの措置の内容を募集要項に明記するよう、大学入学者選抜実施要項などにおいて、各大学に要請をしてきているところであります。

 委員御指摘の大学入学者選抜実施要項における入学金に関する記載の在り方につきましては、文部科学省としても引き続き検討をしてまいりたい、そのように考えております。

西岡(義)委員 困っている学生はたくさんいますので、是非前向きな検討をお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河井昭成君。

河井委員 国民民主党の河井昭成です。

 時間も限られていますので、早速質疑を行いたいと思います。

 公立学校の教員の教職調整額については、昨年の給特法改正により、給与の四%から段階的に一〇%へと引き上げていく方針が示され、本年一月から五%に引き上げられております。これは、長年据え置かれてきた制度に対する見直しであり、人材確保が課題となっている教職員等の処遇改善に向けた一歩であると受け止めています。

 一方で、公立幼稚園の教員については、子ども・子育て新制度の枠組みにおいて処遇改善に資する財政措置が講じられていることなどに鑑み、教職調整額は現状維持、四%のままとされております。公立学校の教員は教職調整額として直接的に引き上げられていますが、幼稚園の教員については、処遇改善の財政措置がされているということで、教職調整額のように数字的な基準がなく、給与改善については自治体にその裁量が委ねられているという状況になっています。教職調整額は本給扱いとなると理解していますので、この処遇改善は本給に反映されていなければ適切ではないと考えます。

 公立幼稚園の教員の教職調整額を四%のままに据え置いた要因となっている子ども・子育て新制度の枠組みにおける財政措置が、幼稚園教員の処遇改善に反映をされているのかきちんと確認をする必要があると考えますが、文部科学省として、公立幼稚園の教職員等の処遇改善の状況についてどのように把握をされているのか、見解をお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 公立幼稚園の教員を含めます地方公務員の処遇は、各地方公共団体の条例において適切に規定をされるものと認識をしているところであります。

 令和七年に給特法を改正した際、公立幼稚園の教諭等については、子ども・子育て支援制度の下、今般の教職調整額の引上げと同程度の、年収の六%に相当する財政措置などが既に講じられていることなどを総合的に考慮をいたしまして、従前どおり教職調整額の率を四%として支給することとしているところであります。

 公立幼稚園の教諭の給与月額の平均についてでありますが、子ども・子育て支援制度の施行前の平成二十四年度と令和六年度を比較いたしますと、約三・五万円上昇をしておりまして、改善率は約九%となっております。このように、公立幼稚園の教諭についても処遇改善がなされているものと考えているところであります。

 文部科学省としては、引き続き、各自治体の実情も踏まえながら、必要な処遇改善が図られるよう周知をしてまいりたい、そのように考えております。

河井委員 ありがとうございます。

 年収の六%程度の改善の財政措置がされているということで、対応ができていると。平成二十四年と比較して三・五万円、九%。この九%が適切かどうかという話もあるんですけれども、改善はされているということですが、個別の案件で見ると、給与改善の実感がないという公立の幼稚園の先生の声があります。つまり、やはり自治体の裁量に委ねられているところに課題があるのではないかと思っています。

 就学前教育の全体を俯瞰したときに、共働きの増加などにより保育需要が高まる一方で、幼稚園の需要は減少していて、公立幼稚園の閉園や認定こども園への移行が加速しています。義務教育ではない就学前教育は、幼稚園、認定こども園や保育園によって多層的に担われていて、子ども・子育て支援新制度においても、これら諸施設の充実を通じて子供の豊かな育ちを支援することが掲げられております。

 この新制度の下、就学前教育に携わる教員や保育士、保育教諭などの処遇改善を目的とした政策が打ち出され、先ほども御説明ありましたが、中でも、従来から処遇の低さが課題であった保育園の保育士については、改善に向けた施策が比較的前向きに実行され、一定の成果を上げていると考えられます。一方で、相対的に処遇がよいとされてきた公立幼稚園の教員については、先に指摘したとおり、十分な注意が向けられていないのではないかという懸念がございます。

 現在、公立幼稚園の教員には、教育職として、教職調整額が、時間外勤務手当の代わりに、一律四%の支給が適用されています。これに対し、保育園の保育士や認定こども園の保育教諭、私立幼稚園の教員などは実労働に応じた超過勤務手当が支払われており、制度上の大きな違いが存在をいたします。

 こうした状況下で、公立幼稚園教諭の処遇については、新制度による財政措置での処遇の改善が図られる一方で、依然として教育職としての教職調整額も適用され続けており、二つの異なる制度にまたがる不安定な取扱いがされている状況にあると考えます。

 このように、教育職と位置づけながらも、処遇改善の根拠を別制度に委ねて、結果として実態に即した改善から取り残されているという現状がある。これは制度的な矛盾であり、不都合ではないかと考えます。

 公立幼稚園教員の置かれた現状を今どのように認識をされていて、この矛盾を解消する必要があるんじゃないか。今後どのような改善を図っていくのか、見解をお伺いをいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣から先ほど御答弁させていただきましたけれども、公立幼稚園の教諭を含む地方公務員の処遇につきましては、各地方公共団体の条例において規定をされているものと認識してございまして、最終的には自治体において適切に御判断いただくものでございます。

 その上で、幼稚園教諭につきましては、今般の小中学校等における教師の処遇改善後の水準とおおむね同一水準の処遇改善のための財政措置がなされてございます。その意味では、公立幼稚園につきましての処遇についても、この財政措置、それから働きの状況ということを各自治体でしっかり確認をした上で処遇改善に努めていただきたいと考えてございまして、各自治体の実情も踏まえてでございますけれども、必要な処遇改善が図られるよう周知をしてまいりたいと考えてございます。

河井委員 給特法に基づく四%が段階的に一%ずつでも上がっていくならば、これは自動的に上がるんですよ。確認の必要がない。でも、今おっしゃっているこの方法でいくと、財政措置の方での対応は確認しなければならないわけですよ。ここで教育職としての扱われ方をしているのに、バランスが取れていないと思うんですけれども、これはやはりしっかりと公立幼稚園の先生のところに、給与の処遇の改善が図られるということを確認する必要があるということでこの質問をさせていただいているんですが、改めて、この点についての認識を伺いたいと思います。

 前段から、措置をしているから大丈夫だというふうに言っているように聞こえるんですけれども、実際、反映されていない事例がありますということで質問をさせていただいていることを踏まえてお答えください。

望月政府参考人 公立幼稚園の教諭等につきましては教員勤務実態調査の対象とはしてございませんでしたけれども、今般の教職調整額の小中学校等の一〇%への引上げということに伴いまして、公立幼稚園の教諭の給与についても、今後、文部科学省として、教育委員会を対象とする調査におきまして状況を把握してまいりたいと考えているところでございます。

河井委員 よろしくお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 我が国の将来を左右するのは教育の質でありまして、どのような人材が教員になるかということは、教育の質に直結する大変重要な問題であると考えます。近年は、労働力人口の減少でどの産業分野においても人材不足が課題となっておりまして、人材の奪い合いという状況になっています。今後、更に拍車がかかることは容易に想像ができると思います。教員や公務員でも同様だと考えます。

 実際、四月八日に開かれた内閣委員会において、我が党の野村美穂議員による国家公務員のブランディングの在り方についての質疑の中で、国家公務員制度を担当している松本デジタル担当大臣は、国家公務員については、本当に、これから人手不足になる中において、いかに優秀な人材を獲得するか、これは民間とのある意味競争になりつつある、もう既になっていると思う、そういった意味では、しっかりとアピールをしていかなければならないと答弁の中で表現をされており、国家公務員の人材確保への危機感を示されたものと認識をしております。

 公立学校の教員は高度専門職と位置づけられています。高度専門職です。実際、教育現場では、教科指導、生徒指導、生活指導、多様な家庭環境への対応、さらには特別支援教育への対応や、近年では外国人児童生徒への対応など、確かに極めて広範で高度な役割が求められています。一方で、その具体的な資質や能力については必ずしも明確に示されているとは言えません。

 そこで、まず高度専門職として位置づけている公立学校の教員に求められる具体的な資質及び学力について、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 教師という職務でありますけれども、単なる知識、技能の伝達にはとどまらず、子供たちの人格の完成を目指して、その成長を促す専門職であります。社会や学校を取り巻く状況の変化を踏まえつつ、常に学び続けることが求められていると認識をしております。

 こうした教師の資質、能力につきましては、教育職員免許法に基づきまして大学の教職課程を通じて養成をしているほか、入職後も各任命権者において定める資質の向上に関する指標を踏まえた研修などを通じて伸ばしていくこととされているところであります。

 また、現在、中央教育審議会におきまして、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を図るために必要な施策について御議論をいただいておりまして、教職課程を再構造化しつつ充実させるとともに、強み、専門性も併せて身につける教師養成や、デジタル、CBTも活用した事前事後学習などの充実などの御意見をいただいているところであります。

 こうした御議論も踏まえつつ、教師として必要な資質や専門性を養成する上で必要な検討を進めてまいりたい、そのように考えております。

河井委員 さて、私の地元滋賀県の県内トップの公立進学高校の事例をお話しします。

 高度専門職と位置づけられている教員について、公立の上位の進学校から教職を志す生徒が大きく減少しているということです。教育学部への進学者数について、この学校の事例です。一学年定員三百六十人程度、今、少し定数が動いているのでこの前後です。令和四年に十五人、令和五年は十四人、令和六年度八人、令和七年三人、令和八年八人であったとのことです。傾向として、減少傾向。教職に就く人材に、高等学校時代の学力トップ層がいない可能性を示唆しております。

 教員養成の入口である教育大学教育学部への進学状況については、近年、志願者数の減少や倍率の低下が指摘されていて、かつてと比べて入学段階での競争環境が変化していると言われております。そうであるならば、教員という職業をどのような学生が志望しているのか、その状況を正確に把握すること、これが極めて重要ではないかと考えます。

 そこで、教育大学教育学部への志願者数や倍率、進学者の学力などの状況についてどのような変化が生じていると認識しているのか、また、高校生段階の教員志望者の動向についてどのように分析をされているのか伺います。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 教員の養成は、国公私立大学を通じて行われているところでございますが、志願者数や志願倍率の推移を把握しております国立教員養成大学・学部の一般選抜の志願者数につきましては、十年前の二〇一六年度におきましては四万三千三百八十人であったところ、二〇二六年度入学者選抜におきましては三万七百七人でございまして、直近の十年間で約二九%減少してございます。また、志願倍率については、二〇一六年度においては約四・〇倍でございましたが、そこから、二〇二六年度におきましては約三・五倍となってございます。

 国立教員養成大学・学部の一般選抜の募集人員自体の減少、あるいは十八歳人口の減少や、国立大学全体の志願者数の減少割合と比較して、国立教員養成大学・学部の志願者数の減少の割合はいささか高いと認識をしてございます。

 なお、教育学部に入学する学生の、先生がおっしゃったような高校の学力等についてのデータは把握してございません。

 教員養成を行う大学について、一定の基礎学力がある者を入学させることは必要でございますが、それに加えまして、先ほど大臣から御答弁を申し上げました、教員の資質、能力を有する教員を輩出する、そのために、その適性のある学生を入学させるとともに、四年間の教育を通じて学生の能力を伸ばすということが重要だと考えてございます。

河井委員 学力だけではないんですけれども、でも、高校時代に学力が高い、トップ層の子たちにこの職業が選ばれていないのではないかというところにかなり課題があるのではないかと考えているところです。

 先ほど教員養成の入口の議論をしましたが、次は出口、教育大学教育学部を卒業した学生の進路についてです。

 現場では教員不足が指摘されている一方で、教員養成課程を修了しても教員にならない人が増加しているとの指摘があります。その背景には処遇や長時間労働、業務負担の大きさ、あるいは社会的評価といった複合的な要因が影響していると言われておりますが、特に近年は働き方やライフスタイルを重視する傾向もあって、教員という職業が選ばれにくくなっております。

 教員養成を目的とする学部で学んだ学生の多くがほかの職業を選択しているとするならば、それは単に個人の選択の問題ではなくて、公立学校の教員の制度が現状に適合していない可能性があると考えます。教員採用試験の倍率低下が続いている状況を踏まえると、志望者の確保だけでなく、養成した人材をいかに現場に結びつけるかという視点は極めて重要です。

 そこで、教育大学教育学部の卒業者のうち、実際に教員として就職する割合の推移など、その進路の現状と課題認識について、特に教員以外の進路を選択する要因についてどのように分析されているのか、具体的にお伺いをいたします。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 国立教員養成大学・学部の卒業者のうち教員就職率は、二〇一五年度は約六九%でございまして、二〇二〇年度には約六四%まで低下をいたしましたが、直近では五年連続で増加をいたしてございまして、二〇二五年度には約七一%となりました。

 卒業者が教員以外の進路を選ぶ理由につきましては、民間企業の採用動向など様々な要因が考えられ、一概にその理由を現段階で把握しているわけではございませんが、いずれにいたしましても、国立教員養成大学・学部におきまして、教員志願の学生の確保や、入学後の教員就職のモチベーション維持などの取組により、教員就職率の向上に取り組む必要があると考えているところでございます。

河井委員 ありがとうございます。

 大学進学段階での教員を目指す高校生の減少や、教員養成課程を経ても教員にならない大学生が一定存在するという現状を踏まえると、教員という職業が選ばれにくくなっている構造的な問題があるのではないかと考えます。

 その要因としてまず考えられるのは、やはり処遇です。教員の給与水準は一般公務員と同程度、民間と比較しても必ずしも優位とは言えない状況になっています。一方で、長時間労働や多様な業務、保護者対応など、負担の重さは他職種と比べても大きいという実態があるのではないでしょうか。つまり、負担は重いが、処遇は相対的に高くないという状況が志望者減少や離職、さらには他職種への流出につながっている可能性があります。

 教員を高度専門職として位置づけるのであれば、それに見合った処遇が伴っていなければ、制度として整合性を欠くことになるのではないかと考えます。結果として人材確保が困難となり、教育の質にも影響を及ぼしかねません。

 こうした一連の状況を踏まえると、個別の対策ではなく、処遇の在り方そのものをやはり見直す必要があるのではないでしょうか。教員志望者の減少や人材流出の状況を踏まえ、教員の処遇改善が不可欠であると認識しているのか。

 また、給与水準や働き方を含め、どのような方向で処遇改善を進めていくのか、大臣の見解をお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 おっしゃるとおりで、教員をしっかりと確保をしていくということ、また、資質を備えた大変優秀な方に教員というものを目指していただくということ、その道を選んでいただくということは大変大事でありますし、そのためにも、教育の専門職である教師にふさわしい処遇改善を進めていくことが重要であると考えているところであります。

 文科省といたしまして、令和七年に給特法を改正をいたしまして、教職調整額の率を変更をいたしまして、令和十二年度までに一〇%に順次引き上げる、また、職務や勤務の状況に応じた処遇とするための、学級担任への義務教育等教員特別手当の加算を行うなど、全般的な教師の処遇改善を進めているところであります。

 やはり、優秀な教職員をしっかりと確保するということは、全ては子供のためであります。しっかりとこうした処遇改善を進めていくとともに、単なる処遇面だけにかかわらず、働き方改革の推進、また、実際に教師の皆さんが子供たちに向き合う時間を増やしていくための様々な体制整備、こうしたものも併せていくことが大変重要だと思いますし、また、専門性を持つ社会人等の入職なども進めていくことが大変大事だと考えているところであります。

 現在、私から事務方に指示をいたしました教師不足に関する対策プロジェクトチームを中心に、更なる対応を検討しているところであります。特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援等を通じまして、課題の解決に全力で取り組んでまいります。

河井委員 取組をちゃんと進められているという答弁でしたけれども、やはりこれはちゃんと効果を確認する必要があると考えます。その際に、是非、教員減、それから、これから教員を目指す人、この人たちがどういう動向をしているのかを踏まえた上で早めに対応しないと、六年たってからやはり難しかったですということでは駄目だと思うので、この辺をしっかりと検証しながら取り組んでいただければと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。

渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。

 本日も質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。本日は、辺野古沖抗議船転覆事故をめぐる問題、主権者教育、教科書検定について質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、辺野古沖抗議船転覆事故での御遺族の皆様におかれましては、深い悲しみの中にあられることと御拝察いたします。この度の御逝去の報に接し、心よりお悔やみを申し上げます。

 沖縄では、長年にわたり基地問題と向き合ってきた地域ならではの複雑な思いがあると感じております。今回の事故は、多くの県民に深い衝撃を与えたことと思います。賛成、反対というだけでは語ることのできない多様な立場や考えが存在していると認識しておりますが、今回の事故がその思いに新たな痛みをもたらしたことは否定できません。

 先ほどの議論にもありましたが、辺野古沖で発生した抗議船転覆事故に関連し、記者会見において、学校法人同志社への職員派遣を行う予定であると発表されていました。四月から新学期が始まり、学校では既に平和教育を含む校外学習の日程が組まれております。

 沖縄の歴史や基地問題を学ぶこれらの教育活動は、子供たちが地域の現実を理解し、また自ら考えるための重要な機会です。今回の事故は、まさにその学びの現場が抱える不安を浮き彫りにしました。また、教育活動の安全確保や情報提供の在り方について、改めて見直す必要があると考えております。

 まずお伺いしたいのは、今回の事故に関して、何が課題であったと認識されておりますでしょうか。特に、事故発生に至った背景、情報共有の在り方、そして危機管理体制の課題や現場との連携不足や対応の遅れがあったかどうか、そういった点についてどのように受け止めておられるのかを明確にしていただきたいと考えております。

 あわせて、今回の問題を踏まえ、どのような方向性で改善を進めていくのか。既に四月から今年度の平和教育を含む校外学習が本格的に始まることを踏まえ、教育現場の安全確保に向けた再発防止策が急がれます。

 これらの点について、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 文部科学省におきましては、事故発生以来、所轄庁であります京都府と連携をしながら事案の確認作業を進めてきております。これまでの段階で、例えば、安全確保に向けた取組の不備、事前の下見などの欠如、保護者への説明の不足、引率体制の不備などについて把握をしたところであります。

 その上で、更に事実関係の確認が必要であることや、また学校法人としての管理運営についても確認が必要であることを踏まえまして、学校法人を所管する文部科学省といたしまして、今週の金曜日、四月二十四日に学校法人を訪問いたしまして直接話を聞くこととしておりまして、まずは事案の詳細の確認に努めてまいりたい、そのように考えているところであります。

 また、これまで把握した状況を踏まえつつ、新年度を迎えるということもありましたので、今回のような痛ましい事故が二度と発生することがないように、各学校の危機管理マニュアルの記載内容の点検など学校における校外活動時の安全確保のために配慮をすべき点、事前の実地調査などの実施や保護者などへのあらかじめの十分な説明の実施など修学旅行などにおける留意点、教育活動として適切に計画、実施する際に留意をいただきたい点などを、四月七日付で全国の教育委員会や私学担当部局等に対して通知をしたところであります。

 今般の通知を踏まえまして、改めて全国の学校現場における校外活動の安全確保等の徹底を促してまいりたいと思いますが、同時に、先ほど泉委員にも答弁をさせていただきましたとおり、今週の金曜日に実際に文部科学省の職員を派遣いたしまして、更なる聞き取りを行うこととしております。

 こうした状況なども踏まえまして、更なる対策の必要性というものが生じた場合には、我々としてはその対策というものを講じていく、そのように考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 職員派遣を行うとのことですが、事故の原因究明についてだけではなく、今回なぜ無登録であったとされる抗議船にも使われていたという船に乗ってしまったのかなど、このような事故が二度と起こらないように再発防止策等にしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 今回の辺野古沖での事故を受け、教育活動の企画、運営、安全管理、そして政治的に見解の分かれるテーマの扱い方について、現場がどのような点に留意すべきかが改めて問われております。教育基本法第十四条第二項に政治的中立性が明記されているものの、実際の授業での線引きや指導の在り方について学校が日常的に参照できる明確な運用指針は十分とは言えません。

 これらの問題については、反対派の意見だけでなく、賛成派の意見や、また現場の視察など、複数の立場から事実確認が行われる必要があると思われます。特に、基地問題のような、安全保障、また周辺環境など、複数の観点から評価が分かれやすい事案を扱う際には、特定の立場に誘導することなく、生徒が多角的に考え、また判断する力を育てる主権者教育が求められます。

 その一方で、平和教育のように、普遍的価値に基づく重要な学びについても、政治利用を避けつつ、教員が萎縮せず、事実に基づく指導を行える環境整備が不可欠です。そのためには、事実の学習と政治的中立性の線引きを明確にし、現場が安心して授業を実施できるような、現場が使いやすいチェックリストや事例集に落とし込むことが必要だと考えます。

 そこで、松本文部科学大臣にお伺いします。政治的に意見が分かれるテーマを扱う際に、政治的中立性を確保しつつ、主権者教育や平和教育を適切に進めるため、学校や教員が容易に参照できるチェックリストや事例集、また、研修の充実を図る必要があると考えますが、大臣の御見解をお願いいたします。

松本(洋)国務大臣 学校教育におきましては、教育基本法の規定に基づきまして、特定の見方、また考え方に偏った取扱いによりまして生徒の主体的な考えや判断を妨げないこと、これが重要であります。

 今回の同志社国際高校の事案につきましては事実関係を確認中ではありますが、新年度の教育活動が本格化する前に、全国の学校に対しまして、安全管理の徹底とともに政治的中立性を確保するように改めて通知を発出したところであります。本通知におきましては、各学校で適切に教育活動が行われているかなどにつきまして改めて確認の上、必要な見直しを図るとともに、学校設置者に対しましても適切に指導を行うように求めているところであります。

 文部科学省としては、本通知に基づきます対応の徹底を図るとともに、今回の事案についての事実確認を進め、その結果を踏まえまして、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 政治的中立性が保たれる主権者教育というのは、とても大切です。繰り返しにはなりますが、運用しやすい明確なガイドラインがあると、現場でもそれに基づいた判断が可能だと考えております。是非そのようなガイドラインの作成もお願いしたいと思います。

 では、次に、歴史教育についてお伺いします。

 戦後の歴史教育においては、学術研究の進展や国際関係の変化に伴い、教科書の記述も時代とともに変化してきました。その背景には、学術研究の成果、また政府としての統一見解、そして教科書検定制度の運用が関わっていると考えられます。

 教科書は、民間企業が執筆し、そして国が検定する仕組みではありますが、その過程において政治的配慮、外交的配慮が検定結果に影響を与えることはないのでしょうか。また、学術研究の多様性や政府の見解をどのように峻別して審査しているのかは、教育の政治的中立性を確保する上で極めて重要な点です。とりわけ諸外国との関係において、学術的記述とのバランスをどのように保っているのでしょうか。

 教科書検定においては透明性の確保が求められておりますが、教科書検定の具体的なプロセスと判断基準について政府参考人に御説明をお願いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 教科書につきましては、学習指導要領を踏まえ、どのように記述をするかについては、民間の発行者の判断に委ねられているところでございます。

 教科書検定につきましては、発行者から申請されました図書の具体的な記述につきまして、教科用図書検定調査審議会におきまして専門的、学術的な観点から調査審議を行ってございます。この調査審議におきましては、教科書の検定基準等に基づきまして、検定時点における客観的な学問的成果あるいは適切な資料などに照らして記述の欠陥があると判断された箇所につきましては、行政処分であります検定意見を付して記述の修正を発行者に求めてございます。検定意見に対する発行者からの修正を確認しまして、記述の欠陥がなくなったと検定審議会において判断された場合には検定教科書として合格させる旨の答申がなされ、大臣はこの答申に基づき検定結果を決定しているというプロセスでございます。

 この検定基準の中で、例えば、図書の内容全体を通じまして、多様な見解のある社会的事象の取上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど児童又は生徒が当該事象について多面的、多角的に考えられるよう適切な配慮がなされていることなどの基準を定めまして、この基準に基づき、必要がある場合には検定意見を付して記述の修正を求めているところでございます。

渡辺(藍)委員 とても丁寧な御説明をありがとうございます。

 続いて、日本の公教育において、教科書は子供たちが社会を理解するための公的な基盤となるものと考えております。

 特に尖閣諸島問題や竹島問題を始めとする領土問題は、国家の主権に関わる極めて重要なテーマでありますが、現在は政府の統一的な見解に基づいた記述が求められていると理解しております。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。主権国家としての正統性を次世代に伝えるという目的を考慮した際、国家としての基本的立場は具体的にどのようなプロセスや表現手法で教科書に反映されているのでしょうか。

望月政府参考人 主権国家としての、領土に関して教科書にどのように記述をされているかという御質問かと存じます。

 我が国の領土に関しましては、小学校、中学校、高等学校の社会科や地理歴史科、公民科の学習指導要領におきまして、児童生徒の発達段階に応じまして、竹島や北方領土が我が国固有の領土であることなど、我が国の領域をめぐる問題も取り上げるようにすること、尖閣諸島につきましては我が国固有の領土であり領土問題は存在しないことも扱うこととされてございます。

 この学習指導要領を踏まえまして、教科書発行者におきましては申請図書を著作、編集をしてございまして、国においては、領土に関する記述について、まさに学習指導要領等に照らして記述の欠陥がある場合には、検定意見を付して記述の修正を求めてございます。

 このような結果、児童生徒が必ず学習する教科、科目である小学校の社会科、中学校の社会科、高等学校の地理総合、歴史総合、公共の全ての教科書におきまして、竹島、北方領土、尖閣諸島が我が国固有の領土であることについて記載をされているところでございます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 さらに、もう一つ関連して、教科書は次世代を担う児童や生徒にとって最も信頼される情報源であり、その内容は極めて高度な客観性と正確性を維持する必要があると考えます。

 例えば、歴史、文化、風習の中には、依然として研究の途上にあり、専門家の間でも見解が分かれている事案が多々存在します。例えば、一部の教科書では、DEIと呼ばれる多様性、公平性、包括性を尊重する考え方や、ジェンダー、移民問題等、十分な議論が交わされていない事案が教科書に掲載されております。

 このようなトピックを掲載するか否かを判断する際、どのような客観的指標に基づき、その妥当性を検証されているのでしょうか。特定の学説や一時的な風潮に偏ることなく、公平かつ中立的な記述を担保するための具体的なプロセスを政府参考人にお伺いいたします。

望月政府参考人 先ほどから教科書検定の仕組みあるいは流れについて御説明をしてまいりましたけれども、今御質問いただいた点につきましては、例えば、未確定な時事的事象について断定的に記述をしていたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりすることはないこと、あるいは、図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど児童又は生徒が当該事象について多面的、多角的に考えられるよう適切な配慮がなされていることなどを教科書の検定基準で定めてございまして、この検定基準に基づきまして、必要な場合には検定意見を付して記述の修正を求めてございます。

 なお、いわゆる教科書検定審議会の委員には、現場の中学校や高等学校の先生にも委員として参画をしていただいてございます。各学校において、この教科書検定を踏まえて、多様な見解のある事柄、未確定な事柄を取り上げる場合には、児童生徒が多面的、多角的に考察したり、事実を客観的に捉え公正に判断したりすることのできるような学習活動を展開することが重要だと考えているところでございます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 検定基準に準拠していると御回答いただきましたが、基準そのものが急速な社会情勢の変化やまた新たな学術的知見の提示に対して十分な即応性を備えているかについては懸念が残ります。基準を満たして検定を通過した記述であっても、議論の分かれる一方的な見解を正解として提供することにもなりかねません。教科書検定については、今後、再度具体的に議論をしたく存じます。

 もう一点、戦後の歴史教育について、学術研究の進展や国際関係の変化、そして教科書検定制度の運用によって、その記述は時代とともに変化してきました。

 先ほども述べたとおり、教科書は、民間の専門家が執筆をし、その後検定を行うという二元的な仕組みで成り立っていると承知しております。その過程において出版者側が、検定意見に対応するための修正作業やまた再申請に伴う負担、政治的、外交的な配慮が検定に影響するのではないかという懸念がある中で、出版者が検定に通りやすい表現に自ら寄せていくということが生じているのではないかとの指摘もあります。その結果、本来は学術的議論が分かれるテーマであっても、出版者が自主的に記述を控えたり特定の表現に統一されてしまったりすることで、歴史教育における多角的な視点が損なわれる可能性を懸念しております。

 教科書検定制度の運用において、出版者が検定に合格するためにリスク回避的な表現へと自主的に修正を行う、いわゆる萎縮傾向が生じないようにどのように公平性を担保されているのか、こちらも政府参考人にお伺いいたします。

望月政府参考人 繰り返しの答弁になりますけれども、教科書検定につきましては、検定基準に基づきまして、教科用図書検定調査審議会におきまして専門的、学術的観点から調査審議を行い、その結果を基にして記述の欠陥を修正いただくという仕組みでございます。

 この検定審査の結果、検定を通った教科書につきまして、そのプロセスにつきましては、文部科学省としても、平成三年度から、前年度に検定を実施した教科書に関する検定関係資料を広く公開をしてございます。検定意見書、調査意見書、そして修正表等も全て公開をしてございます。

 また、教科書の採択に当たりましても、使用する学校現場が、それぞれの地域の実情に応じての検定教科書をうまく活用しながら授業が展開できるよう、調査研究を、都道府県教育委員会が採択権者である市町村教育委員会の資料の基となるよう指導、助言又は援助を行うことによること、それから、採択の対象になる教科書の展示会なども開きまして、採択に資する仕組みを整えているところでございます。

 これまでの慣習あるいは慣例のみによって採択教科書を決定するのでなく、十分な審議や調査研究を行った上で採択権者が採択を行うよう指導を行い、公正な教科書採択の徹底をこれからも図ってまいりたいと考えてございます。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 時間の関係で次の問いを飛ばし、六問目、自分の言葉で語る力を育てる教育がこれからの時代にますます必要になるということについてお話をさせていただきます。

 現状では、受験が暗記中心であるために学校現場でも覚える授業が優先され、考える歴史や語る歴史が十分に行われていないという指摘があります。子供たちは、年号や用語をひたすら覚え、テストで正確に再現することを求められていると考えますが、歴史というのは本来もっと豊かな学びであるはずです。資料を見て、ゆかりの地に赴き、そして自分で考え、自分の言葉で語る、そうした歴史的思考力を育むことこそが、政治的中立性を守りながら、事実を基に自ら判断する力につながるのではないでしょうか。

 日本の受験が暗記偏重になっている現状についてどのように認識しているのか、また、歴史本来の学びの必要についてどのように考えているのか、松本文部科学大臣にお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 歴史の学習が単なる暗記にとどまってはならない、共通した考えを持っているところであります。

 このため、例えば高等学校学習指導要領で必修科目といたしました歴史総合では、個別の歴史的事象の背景や原因、結果や影響などに着目をいたしまして、日本と他国の動向を比較したり関連づけたりすることで、根拠に基づき多面的、多角的に考察、構想することとしているところであります。

 また、大学入学共通テストにおきましても、歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連などにつきまして、歴史的な見方、考え方を働かせながら、多面的、多角的に考察をしたり、課題の解決を視野に入れて構想したりする力を問う問題、こうしたものを作成しているところであります。

 歴史総合というこの科目自体が、まだ導入されて日も浅いということもあるわけであります。こうした改善はいまだ道半ばであるというふうに認識をしているところでありまして、次期学習指導要領の検討におきましても歴史教育の更なる充実に努めてまいりたいと思いますし、おっしゃるとおりで、暗記だけではなくて、何でこういうことが起きたのかとか、そうしたことをしっかりと理解をし、考え、そして自らいろいろ解決策を導き出していく、こうしたことは大変大事なことだと思っておりますので、そうした考えに基づいてまた議論を深めてまいりたいと思います。

渡辺(藍)委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので質疑を終わらせていただきます。本日もありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河合道雄君。

河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。

 まず、特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援に向けた情報連携についてお伺いをいたします。

 さきの三月二十六日付で、発達障害を含む特別な教育的支援を必要とする児童生徒への適切な支援に向けた新年度における対応についてという事務連絡が発出されました。発達障害等のある児童生徒が年々増加する中、関係者間の情報共有や支援体制の構築が急務であるとの認識から発出されたものと理解しておりまして、こうした周知を図っていただいたことを評価しております。

 改めまして、今回の事務連絡について、文科省としてどのような問題意識の下に発出されたのか、大臣にお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 発達障害などの特別な支援を必要とする児童生徒の数、年々増えてきております。学校現場におきまして、こうした児童生徒への対応が喫緊の課題となっているところであります。

 文部科学省では、こうした児童生徒に寄り添うために、関係者との支援に関する情報の共有や支援体制構築の重要性につきまして、ガイドラインの公表などを通じて周知をしてきたところでもあります。

 今回、新年度を迎えるということでありまして、そういう意味では、児童だけではなくて、先生方も新しい方が入ってきたりとかというような、そういう節目の時期にも当たります。こうした児童生徒に対する適切な支援の確実な実施に向けまして、進学に際して適切な情報の引継ぎを行うこと、デジタル学習基盤を積極的に活用すること、合理的配慮を含む校内支援体制を構築することなど、改めてポイントを整理して周知をしたものであります。

 文部科学省におきましては、引き続き子供たちへの適切な支援がなされるよう努めてまいります。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 まさに、おっしゃっていただきましたように、先生自体も新しい環境ですとかキャッチアップが非常に大切な時期ということで、なるべく先生方の御負担も少ない形で的確に情報連携がされる必要性を痛感しております。その中では、今申し上げていただいたようなデジタル化というのは非常に重要かと考えております。

 また、特別な教育的支援を必要とする児童生徒やその保護者にとっては、まさに、申し上げていただいたような合理的配慮ですとか個別の教育支援計画といった情報は、進学時や転校時に連携されるべき情報だと言えると思います。その上では、先ほども申し上げたとおり、教員の方々や学校側の利便性も考えますと、情報がしっかりと標準化されて、かつデジタル化されることは、正確性や利便性の観点から重要と考えられます。

 さて、遡ること令和三年の一月でございますけれども、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議の報告の中で、個別の教育支援計画の域内での標準化であるとか、教育のデジタル化の動向に沿った環境整備の重要性が指摘されております。

 これらを受けて、文部科学省では、同年六月に、個別の教育支援計画において、参考様式を作成されて、周知をされています。しかしながら、現場の声を聞いていくと、この標準化については、その進捗はいまだ道半ばであるというふうに感じております。

 文部科学省にお伺いしたいんですけれども、個別の教育支援計画の域内での標準化、そしてデジタル化の実態把握をどのように進めていくお考えか、お伺いしたいと思います。

 また、併せましてICT化、デジタル化を先行させることで、むしろ実態の可視化と標準化を同時に進めるアプローチも有効ではないかと考えられます。このICT化とデジタル化を先行させるアプローチについて、文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 今御紹介いただきました令和三年の有識者会議に基づきまして、私どもも、特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対する個別の教育支援計画を進めるために、可能な限り域内においてその様式等を標準化したり充実する方向を示してございます。

 担任や学校等が替わっても、教育上の合理的配慮を含む必要な支援の内容が切れ目なく引き続き確実に引き継がれるようにしていくことは、大変大事であると考えてございます。

 その項目内容につきまして域内の共通認識を図っていくために、ICTを活用した情報の作成、管理を進めていますが、そのために、各教育委員会に対しまして、文部科学省としては、手引を作成しまして、個別の教育支援計画の参考様式、そして様式の標準化の必要性を示しているところでございますけれども、まだ十分にそれが浸透しているとは言い切れないというのが実態かと思ってございます。

 そのため、今年度より、教育、福祉間でのICTも活用しました効果的な情報共有の在り方について、モデル事業も実施をしたいと考えてございます。

 そうした事例も含めて、そして令和三年のそうした個別の支援計画の通知なども含めて、一貫した切れ目のない支援が充実できるよう、必要な情報が確実に共有されるよう、取り組んでまいりたいと考えてございます。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。前向きなお取組を期待したいと思います。

 今の話も踏まえまして、進学時の手続、情報の連携に関して申し上げますと、デジタル庁が進学時の手続を見据えた認証基盤の机上研究を令和七年度に実施し、令和八年度以降に技術実証、現場実証を進める予定と承知しております。この際に授受される情報の想定について確認いたしましたところ、現時点では、データの連携の対象として想定されているのは、指導要録ですとか健康診断票など、学校間で直接やり取りされる法定の文書として位置づけがあるものとのことでした。

 一方で、障害者差別解消法の改正によりまして、令和六年の四月から全ての学校設置者に合理的配慮の提供が法的義務となっております。こういった合理的配慮の内容ですとか個別の教育支援計画は、その観点でも進学時にしっかりと確実に引き継がれるべき情報であるにもかかわらず、現状では学校教育法の施行規則第二十四条第二項が定める進学先への送付義務対象には含まれていないと認識をしております。

 ここでお伺いをいたします。文部科学省として、こういった合理的配慮に関する情報や個別の教育支援計画を進学時に引き継ぐべき情報として明確に位置づけていくお考えはあるのか、お伺いをいたします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 学校教育法施行規則では、特別支援学校等に在籍する児童生徒に対する個別の教育支援計画の策定等については、これを策定するよう確実に義務づけをしているところでございます。そして、それが適切な引継ぎをされているかどうかということに関しましては、先ほども答弁させていただきましたけれども、それを通知等で私たちはお示しをして、それを更に今後進めたいというふうに考えているところでございます。

 その上で、現在、中央教育審議会におきましては、今、河合先生が示していただいたようなその問題意識も背景として、学習指導要領の改訂に向けた議論を進める中において、合理的配慮の内容の個別の教育支援計画への記載及び引継ぎの更なる徹底に向けた方策についても議論をしていただいてございます。

 中教審の議論も踏まえまして、児童生徒本人や保護者が不安を抱えることがないよう、必要な情報の確実な共有、引継ぎが徹底されるよう、必要な方策について検討していきたいと考えてございます。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 中教審の議論を踏まえて検討が加速するということで、重ねてにはなりますけれども、法的位置づけが明確になることで動きやすくなるということもあると思いますし、加えまして、支援計画に比べて、個別の指導計画の方についても位置づけ等をより検討を進めていただくことを期待して、本テーマについて私からの質問は以上とさせていただきます。

 続きまして、国立博物館、国立美術館における次期中期目標についての御質問をさせていただきます。

 国立科学博物館、国立文化財機構、国立美術館の三法人に対して、令和十二年度末までに展示事業に係る自己収入の割合を六五%以上とする目標が設定されました。これは、令和七年十一月の財政制度等審議会における問題提起があったことが契機になったというふうに承知をしております。

 一方で、この報道が出た後に、美術館や博物館の自己収入を増やすことを求められることで、人気のある展示ばかりになってしまうですとか、学術的、美術的価値がある展示が難しくなることへの懸念等々の声も上がっておりまして、そういった懸念も実際あり得るのかなと考えております。

 改めてでございますけれども、次期中期目標において自己収入の数値目標を設定した趣旨と、この六五%という水準を設定した根拠をお伺いさせてください。

松本(洋)国務大臣 今回、国立科学博物館、国立文化財機構、国立美術館の中期目標は、我が国の文化芸術の顔として、これまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すため、戦略的に取り組むべき内容を盛り込んでおります。

 その中で、展示事業に係る自己収入割合の目標を盛り込んだのは、展示事業は、創意工夫の余地が大きく、貴重な文化財の価値などの理解にとどまらず、新たな知見を開くような展示、興味、関心を引き出すため特定のテーマの下に企画する展示、新たな手法を用いた展示など、国立館としてふさわしい先駆的かつ魅力的な展示を目指していただきたいという趣旨に基づくものであります。さらに、自己収入を増やすことによりまして、法人が自らの判断で機動的に良質なサービスを提供する好循環にもつなげていけるものと考えております。

 文部科学省としては、引き続き、必要な予算の確保に努め、機能強化や整備に積極的に取り組んでまいりますし、実は、たまたま昨日、私、午後に視察に行ってまいりまして、東博と国立西洋美術館に行ってまいりました。これらのところには、当然、展示をしていろいろなものを見ていただくという機能もあるわけでありますけれども、同時に、貴重なそうした文化財でありますとか、また絵とかの収集でありますとか収蔵、またこれらの修復などの、そうした様々な機能というものを担っているところでありまして、こうした様々な機能というものにも着目をいたしまして、これらをしっかりと守っていくことも大変大事でありますし、また同時に、そちらに関しましては必要な国費というものも確保していくということも併せてすごく大切だということも、改めて現場を視察して強く認識をしたところであります。

 そうした観点の中で、展示部門につきまして様々な工夫をしていただきながら、もちろん人気のあるものを見ていただくことも大事なんですけれども、それを入口として、今まで知らなかった、そうしたすばらしいものにアクセスをしてもらうなど、それぞれの施設における工夫というものを是非期待をしてまいりたいし、我々といたしましても、そうした各施設の取組をしっかりと伴走をし、後押しをし、そして協力をしてまいりたい、そのように考えております。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。私も同じ問題意識といいますか、そういうような形で広まっていくことを大変期待しております。

 改めて、各法人の財務諸表を拝見させていただきますと、財産利用収入ですとか展示事業の附帯収入などがございますけれども、現状の展示事業の収入の最大の柱は入場料収入となっていると思います。この入場料の追求というところは、繰り返しになりますけれども、人気企画に集中することのインセンティブが働きやすい構造にはあるかなというふうな懸念はあると思っておりまして、日本の文化振興の観点からもしっかりと考えられるべきテーマかなと考えております。

 改めまして、展示事業収入をどのように増やすことを期待しているのか、各法人の創意工夫をどのような形で促そうとしているかについてお伺いさせてください。

日向政府参考人 お答えいたします。

 収入目標の達成に向けましては、展示事業の内容の充実や、効果的、戦略的な広報により入場料収入の増加を図るとともに、展示に関わるグッズの充実による物販収入、会員制度による会費収入、展示内容の充実に向けた民間企業等からの寄附金の確保、来館者の方が利用するレストランやカフェの貸し館収入など、創意工夫により展示に関わる様々な収入を拡大していただきたいと考えております。

河合委員 御答弁ありがとうございます。創意工夫の余地を期待しているというところを承りました。

 その上で、最後の質問になりますけれども、この中期目標の中には、各館の自己収入額の実績や伸びに応じたインセンティブ予算の考え方が書き込まれております。こういったチャレンジを制度として後押しする発想自体は評価したいと思いますけれども、こういったものが、実情として、法人本部が年度予算の一部を留保したものが更に配分されるという仕組みになっていると思います。これらは、自己収入が増えると翌年の運営費交付金が減らされてしまうのかという懸念もあったりですとか、あるいは、時差が生まれやすくて機動的な取組につながりにくいのではないかという懸念もあるかと思います。

 ここでお伺いをいたします。自己収入と運営費交付金の関係について、まずお伺いをいたします。その上で、各館の裁量と動機づけを高めるという観点でいえば、自己収入を翌年の交付金に上乗せして自由に使える設計の方が効果的ではないかなというふうに考えますが、そうした制度設計について見解をお伺いいたします。また、機動的な活用という観点でいうと、年度内に柔軟に取り組めるかどうかというのも重要なポイントになると思いますので、そういったものが現行制度の中で可能なのか、お伺いできればと思います。

日向政府参考人 お答えいたします。

 まず、自己収入の翌年度への繰越しにつきましては、独立行政法人の経営努力認定制度がございます。年度当初の目標よりも自己収入が上回り、一定の条件を満たした場合には、文部科学大臣の承認を受けて、目的積立金として翌年度に繰り越せることとなっております。

 また、年度当初の目標よりも自己収入が上回った場合、年度内にその自己収入を各館の取組の充実等に使用することは認められており、実際に館の様々な事業に使用されている実績もございます。

 また、国立博物館、国立美術館の運営費交付金の算定ルールについてでございます。前の中期目標期間においては、自己収入額が増加すると運営費交付金が減額となるルールになっていたところ、本中期目標期間におきましては、自己収入が増加した場合、運営費交付金が減額とならず、法人の予算の一部として法人が使用可能なルールに変更し、自己収入増のインセンティブを拡大したところでございます。

 国立博物館、国立美術館につきましては、自己収入の充実を図っていただくとともに、文化庁といたしましても、必要な運営費交付金の確保に努め、機能強化や整備にしっかりと取り組んでまいります。

河合委員 ありがとうございました。今回の議論が、収入目標だけを追求するものではなくて、日本の美術館、博物館の文化がより豊かになるきっかけとなることを期待しております。

 以上とさせていただきます。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

斎藤委員長 次に、内閣提出、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。松本文部科学大臣。

    ―――――――――――――

 学校教育法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

松本(洋)国務大臣 この度、政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等において使用しなければならないこととされております教科用図書は、紙媒体が前提とされています。

 この法律案は、情報通信技術の進展に鑑み、児童生徒の教育の充実を図るため、紙媒体のみならず電磁的記録を含み得るものとして新たに教科書を位置づけ、その使用を可能とするとともに、発行及び無償措置に関する規定を整備する等の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。

 第一に、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等において使用しなければならない教科用図書について、紙媒体が前提とされております教科用図書という用語を改め、電磁的記録を含み得るよう新たに教科書ということとしております。

 第二に、電磁的記録を含む教科書の発行に対応するため、教科書の発行義務等について必要な措置を講ずることとしております。

 第三に、義務教育諸学校において使用される電磁的記録を含む教科書等を無償措置の対象とするとともに、そのために必要な事項を定めることとしております。

 第四に、電磁的記録を含む教科書の発行及び使用等に伴う必要な限度で、教科書に掲載された音楽や動画を含む著作物等の利用を、権利者の許諾なく可能とする等の措置を講ずることとしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

 以上です。

斎藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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