第10号 令和8年5月22日(金曜日)
令和八年五月二十二日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 斎藤 洋明君
理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君
理事 岸 信千世君 理事 深澤 陽一君
理事 盛山 正仁君 理事 浮島 智子君
理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君
あべ 俊子君 石田 真敏君
井原 隆君 岩崎 比菜君
内山 こう君 黒崎 祐一君
下村 博文君 田中 昌史君
辻 秀樹君 辻 由布子君
渡海紀三朗君 永岡 桂子君
丹羽 秀樹君 広瀬 建君
福田かおる君 藤沢 忠盛君
宮内 秀樹君 森原紀代子君
山下史守朗君 山本 大地君
泉 健太君 菊田真紀子君
山崎 正恭君 市村浩一郎君
喜多 義典君 小竹 凱君
河井 昭成君 渡辺 藍理君
河合 道雄君
…………………………………
文部科学大臣 松本 洋平君
文部科学大臣政務官 福田かおる君
政府参考人
(文部科学省総合教育政策局長) 塩見みづ枝君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 望月 禎君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 合田 哲雄君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局長) 西條 正明君
政府参考人
(スポーツ庁次長) 浅野 敦行君
文部科学委員会専門員 津田樹見宗君
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委員の異動
五月二十二日
辞任 補欠選任
辻 秀樹君 岩崎 比菜君
福田かおる君 広瀬 建君
船田 元君 森原紀代子君
河井 昭成君 小竹 凱君
同日
辞任 補欠選任
岩崎 比菜君 辻 秀樹君
広瀬 建君 福田かおる君
森原紀代子君 船田 元君
小竹 凱君 河井 昭成君
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五月二十一日
設置基準を生かし特別支援学校の教室不足解消を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四三一号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第四三二号)
同(田村智子君紹介)(第四三三号)
同(鍋島勢理君紹介)(第四三四号)
同(野間健君紹介)(第四三五号)
同(畑野君枝君紹介)(第四三六号)
同(早稲田ゆき君紹介)(第四六五号)
同(浅野哲君紹介)(第四八五号)
同(村岡敏英君紹介)(第四八六号)
同(田村智子君紹介)(第四九〇号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第五二三号)
コロナ後遺症等患児・者への教育を受ける権利の保障を求めることに関する請願(西田薫君紹介)(第四六三号)
同(田嶋要君紹介)(第四九一号)
同(笠浩史君紹介)(第四九二号)
同(有田芳生君紹介)(第四九七号)
同(金村龍那君紹介)(第四九八号)
同(階猛君紹介)(第四九九号)
同(神谷裕君紹介)(第五〇七号)
同(中川宏昌君紹介)(第五〇八号)
同(西村智奈美君紹介)(第五〇九号)
同(西岡義高君紹介)(第五二四号)
同(渡辺創君紹介)(第五二五号)
同(田中健君紹介)(第五四二号)
同(長友慎治君紹介)(第五五二号)
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第四六四号)
同(木村次郎君紹介)(第四七一号)
同(浅野哲君紹介)(第四八四号)
同(三ッ林裕巳君紹介)(第四九六号)
国の責任による二十人学級を展望した少人数学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(浅野哲君紹介)(第四八三号)
私立幼稚園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願(辰巳孝太郎君紹介)(第五二二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
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○斎藤委員長 これより会議を開きます。
文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長合田哲雄君、科学技術・学術政策局長西條正明君、スポーツ庁次長浅野敦行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○斎藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。河井昭成君。
○河井委員 おはようございます。国民民主党の河井昭成です。
お許しをいただきましたので、通告に従いまして質疑を行いたいと思います。
まず最初に、地域の学校に通う医療的ケア児についてお伺いをしたいと思います。
小児医療の進歩によって多くの命が救われるようになった一方、医療的ケア児の数は、この十五年で約二倍に増加して、現在、二万人を超えているという状況です。
このような状況を踏まえて、令和三年九月には、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、医療的ケア児支援法が施行されました。これにより、在宅診療体制やレスパイトといった福祉の枠組みが徐々に整備をされ、近年では、地域の通常学級に通う子供たちも増加をしております。
しかしながら、医療的ケア児とその家族が、地域社会の一員として、十分に社会活動に参加できているとは言い難い状況にあります。
支援法の理念では、医療的ケア児の日常生活及び社会生活を社会全体で支えることがうたわれていて、地域社会全体で参加できる体制の整備が求められていると考えています。
特に教育現場に目を向けますと、医療的ケア児の就学先は、従来、特別支援学校が中心でありました。しかし、平成二十三年の障害者基本法の改正、さらには、平成二十五年九月の学校教育法施行令の改正によって、就学先の決定方法が見直されました。障害の状態、教育的ニーズ、そして教育学、医学、心理学などの専門的知見からの意見等を総合的に踏まえて、最終的に市区町村教育委員会が就学先を決定する仕組みに改められた結果、近年では、医療的ケア児が、幼稚園、小中高等学校の通常学級や、小中学校の特別支援学級に通う児童生徒が増えております。
そこで、まず最初に、地域の小中高等学校等に在籍する医療的ケア児の人数の推移、あと、その増加の背景について、文部科学省の分析をお伺いをしたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。
小学校、中学校、高等学校に在籍する医療的ケア児の数でございますけれども、五年の分析をしてみますと、令和五年度千二百三十一名のところ、令和六年度二千三百四十二名と、年々増加傾向にございます。
これは、国からの支援とともに、地域における医療的ケア児に対する体制等も徐々に、法律の制定等によりまして整ってきたものも背景にあると考えてございます。
○河井委員 医療的ケア児の通学支援については、かねてより、喫緊の課題として指摘されているところです。
特別支援学校における現状を申し上げます。スクールバス等の通学支援制度はありますが、医療的ケア児については、看護師の同乗や医療機器への十分な対応が困難であるため、多くの場合、保護者が毎日の送迎を担わざるを得ない状況にあります。
この課題に対し、近年は支援の拡充が進められております。例えば、私の滋賀県の事例でいいますと、通学途上に医療的ケアを必要としてスクールバスに乗車できない県立特別支援学校の児童生徒を対象に、自宅と学校間の片道を一回とし、一人当たり年間十二回の送迎を実施する保護者支援事業などが行われているなど、更なる拡充が求められていますけれども、改善に向けた取組が少しずつですけれども図られているところです。
一方で、地域の小中高等学校等に通う医療的ケア児の通学についても、多くの場合、保護者の付添いがなければ登下校が困難な状況に変わりはありません。この登下校の対応が保護者の就労継続や生活そのものに大きな影響を与えると、切実な声が上がっております。地域によっては、看護師同乗タクシーであったり福祉タクシーを活用した取組も開始をされていますけれども、全国的な幅広い普及には至っていない。地域の学校における通学支援は依然として十分とは言えない状況にあります。
どちらも対応を進めなければいけないんですけれども、特に地域の学校に通う医療的ケア児が増加している現状を踏まえるとき、この通学に関する課題の解消は、単なる送迎の問題にとどまらず、医療的ケア児の教育を受ける権利を支える基盤そのものであると考えるところです。
そこで、医療的ケア児が地域の学校に通う際の通学の状況について、国として、どのような課題認識を持っているのか、また、医療的ケア児の教育環境の整備として、今後、どのように支援体制を整備していくのか、見解をお伺いしたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先ほどの私の答弁で、小学校、中学校、高等学校に在籍する医療的ケア児の数、五年間の推移を申し上げまして、令和元年度千二百三十一名、令和六年度二千三百四十二名と言うべきところでございましたが、令和五年度千二百三十一名というふうに間違ってしまいました。大変申し訳ございません。
その上で、今の御質問でございますけれども、河井委員御指摘のように、登校時に保護者が付添いをしなければならないケースが多いということにつきましては、地方公共団体、そして私どもも課題認識を持ってございます。
その上で、令和三年に成立しました医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の趣旨を踏まえまして、医療的ケア児が保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアを受けられるようにするために、教育委員会等に対しまして、登下校時の車両への同乗を含む医療的ケア看護職員の配置に係る経費を補助してございます。保護者の付添いにつきましては、真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべきであること、やむを得ず協力を求める場合には、真に必要と考える理由や付添いが不要になるまでの見通しについて保護者に丁寧に説明をすることなどを教育委員会等に通知をいたしまして、教育委員会の担当者が集まる会議においても、その旨周知を図っているところでございます。
教育委員会等が医療的ケア児支援法の趣旨を踏まえた対応ができるように、文部科学省としては、予算事業も含めまして引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○河井委員 私の友人が、この春、高校に進学をいたしました。医療的ケアが必要なお子さんです。やはり朝の登校が非常に厳しいと保護者の方から伺っています。帰りの下校は放課後デイサービスの方の仕組みをうまく使ってくださって、これは自治体の方も非常に苦労して対応を進めているんですけれども、それを使って何とかしのいでいる状況、それでも対応できないときは、やはり保護者が迎えに行くという状況にあります。
このような状況ですと、高校に進学するのは、地元の小、中学校よりも更に遠いところに通うことが多くなるので、この先を考えたときに、なかなか進学を選択するのが難しくなるのではないかといった懸念があるなと、私、今ちょっと考えているところですが、このようなことも踏まえて、次の質問に移りたいと思います。
高等学校における医療的ケア児の支援体制、とりわけ看護師の確保について伺いたいと思います。
またまた滋賀県の事例となり恐縮ですけれども、これまでに滋賀県で高等学校を卒業した医療的ケア児は、令和七年度三月に卒業された一名です。滋賀県では初めて卒業生を輩出したところと言えます。昨年度、在学中の医療的ケア児は一名でした。
初問で伺いましたが、これは高校生に限ると全国でも百例あるかないかという状況で、決して事例としては多くないわけです。地域においては、高等学校に進学を希望する子供たちへの対応の経験値が少ない状況にあって、ある意味、手探りの状況にあります。しかし、義務教育段階における医療的ケア児の数が増加傾向にあることを考えるならば、高等学校への進学を選択してもらえるようにする必要があると考えます。
しかし、最も重要な、医療的ケアを提供する看護師確保にも課題がある状況が地域にはございます。実際、義務教育段階でも、入学直前まで看護師が見つからなかった、保護者自身が看護師を探し回らなければならなかった、校外学習や修学旅行に対応できる看護師が確保できないといった切実な声が上がっています。これは高等学校でも同様の課題だと考えます。
また、看護師を確保できても、看護師が一名体制であって体調不良などの急な休暇取得の場合、保護者の付添いで対応、それもできない場合は学校を休まざるを得ない状況が発生したり、部活動や生徒会活動などまで看護師さんの配置を想定していなかったりという状況に、医療的ケア児本人や保護者が、その都度、学校や教育委員会と話をする、やり取りをするという状況が起こっております。
医療的ケア児支援法では、保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアを受けられるようにするため、看護師等の配置その他必要な措置を講ずるものとすると、先ほどの答弁でもおっしゃっていただきましたけれども、されています。しかし、現実には、いまだにその理念と現場との間に大きな隔たりがあると感じるところです。
高等学校における医療的ケア児への支援について、現在の看護師確保の状況と課題をどのように認識しているのか、また、その課題に今後どのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
○望月政府参考人 お答えいたします。
先ほど、令和六年度の小中高等学校に在籍する医療的ケア児の全体の人数は二千三百四十二名と申し上げました。
先生御指摘のとおり、その中で高等学校に在籍する医療的ケア児の数は七十八名でございまして、小学校の千九百四十九名、中学校の三百十五名と比べますと非常に少ない状況にございます。小中学校と同じく、医療的ケア児が安心、安全に高等学校生活を送ることができるように、教育委員会とも連携しながら、適切な支援体制を整備していく必要があると考えているところでございます。
文部科学省におきましては、小中学校と同じように高等学校についても、教育委員会等による医療的ケア看護職員の配置に係る補助事業の対象にするとともに、学校が看護師を一人一人探して回ることはなかなか難しい場面もやはりあるわけでございますから、そうした医療的ケア看護職員の人材確保や定着に関する自治体などの取組あるいは福祉関係機関との連携など、そうした取組の好事例を周知しているところでございます。
引き続き、高等学校を含む各学校における医療的ケアの実施体制の整備につきまして、しっかり支援をしてまいりたいと考えてございます。
○河井委員 ありがとうございます。
医療的ケア児の高校進学に当たっては、看護師確保や通学支援など様々な課題があります。もちろん、入学試験を受けなければいけないというのもあるんですけれども。
その中で、私は、本人や保護者が高校進学後にどのような支援が受けられるのかを具体的に見通せないことも大きな課題ではないかと考えています。これは実際、先ほど私の友人がというお話をしましたけれども、このときに、先を見通すことができなくて、もちろん、まだ合格する前なんですけれども、親、保護者としては、やはりそこが心配になるわけです。
高校に進学したら、ちゃんと看護師さんを当ててもらえるんだろうかだったりとか、放課後デイにちゃんと行けるんだろうかみたいなことを、これまでもさんざん苦労してきているので、この段階で苦労するのは嫌だから、かなり早い段階から確認をしたい、でも、そこがなかなか見通せないということになります。
例えば、入試でどのような合理的配慮が受けられるのか、看護師配置や介助など、どのような人的支援が受けられるのか、その体制が入学時点で整うのか、通学支援や校外学習への対応はどうなるのか、バリアフリーを始めとする施設整備は十分なのかなど、進学前の段階で確認が必要な多くの事柄があります。ただでさえ医療的ケアが必要な状況と向き合っていかなければいけないのに、更にその上にということです。
しかし、現実には、自治体や学校ごとに対応状況が異なって、また、経験値が低い、少ないこともあって、必要な情報も十分整理、共有されているとは言い難い状況があるのではないでしょうか。また、高校側としても、入学が決定しないと対応が取れないという制度上の事情や、どのような支援を必要としているのか、どのような支援が可能なのかが十分に整理されておらず、受入れに不安を抱えているケースもあると考えます。医療的ケア児が高等学校の受入れ体制によって進路選択を妨げられることのないようにする必要があると考えます。
そこで、医療的ケア児が高等学校進学を現実的な選択肢として考えられるようにするため、入試時の合理的配慮、施設整備、看護師配置や通学支援を含む人的支援などについて、今後、どのように受入れ体制を構築していくのか。また、その内容を本人や保護者へ分かりやすく周知をすることも必要なのではないかと考えますが、この件について、大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 高等学校におきましても医療的ケア児が安全、安心に学校生活を送ることができる体制の整備、これは大変重要であると考えているところであります。
文部科学省におきましては、各都道府県教育委員会などに対しまして、高等学校入学者選抜で障害のある生徒へ合理的配慮を提供する際に参考となる資料の提供、高等学校への医療的ケア看護職員配置に係る財政的支援のほか、学校施設のバリアフリー化の一層の推進などを促しているところであります。
文部科学省としては、医療的ケア児が高等学校においても適切な支援を受けられるよう、必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えているところであります。また、今委員から御指摘のように、実際にそういう体制というのが、どの学校がどこまで整っているのかということが事前に分かることが大切だというお話かと思います。この点に関しましても、各教育委員会とよく相談をしてみたい、そのように思っております。
○河井委員 ありがとうございます。
法にはしっかりと書き込んであって、非常に整った法ができているのではないかと思いますけれども、現実的にそれが実行できているのかということを照らし合わせながら、是非充実に向けて取り組んでいただければと思います。
次の項目に移りたいと思います。一昨日の委員会でもテーマとして取り上げられましたが、私も部活動の地域展開についてお伺いをしたいと思います。
子供のスポーツ、文化活動の機会の確保、教員の負担軽減を図るため部活動の地域展開が進められておりますが、現場からは指導者の確保に関する様々な課題が聞こえてきています。また、自治体の悩みでも、指導者の確保が最大の悩みであるというような調査結果もございます。
特に、地域によっては報酬体系や交通費などの扱い、有償、無償の線引きなどに違いがありまして、また学校との連携、関係や活動時間、引率や安全管理の範囲なども様々であることから、指導者の役割や負担の実態も一様ではないように感じています。さらに、現場では、職責に対して報酬が見合っていないのではないか、また継続的な担い手確保が難しいといった声も上がっております。地域展開を全国へ広げていくためには、まず先行事例における処遇や運営実態をしっかりと分析して、課題を整理していくことが重要だと考えております。
そこで、部活動の地域展開に関する先行事例において、現在、指導者の処遇はどのような状況にあると認識をされているのか、また文部科学省としてどのような課題を把握しているのか、お答えをください。
○浅野政府参考人 お答えいたします。
地域クラブ活動の指導者への謝金につきましては、国として一律に謝金単価等の設定は行っておりませんが、部活動の地域展開による地域クラブ活動が持続可能なものとなっていくためには、スポーツや文化芸術活動の指導に対する対価として、指導者に適切な謝金が支払われることが必要であると考えております。
また、既に部活動の地域展開に取り組んでいる自治体におきましては、部活動の外部指導者への謝金と同水準を支払うようなケースも見受けられますが、競技力の向上を目指す地域クラブやレクリエーション的な活動に取り組む地域クラブなど多様な形態の地域クラブ活動が実施されており、指導者への謝金につきましてはそれぞれの指導者の役割や指導内容等に応じて設定されております。
文部科学省におきましては、今年度から、部活動の地域展開等を推進するため新たに補助金を創設し、地域クラブ活動に係る指導者の謝金も含めた必要な経費を補助しております。
引き続き、必要な予算をしっかりと確保し、部活動の地域展開等の全国的な実施を推進してまいります。
○河井委員 部活動の地域展開において、今、指導者の処遇は現状どうなのかという問いを立てましたけれども、どのような人材を指導者として想定していて、どのような能力が求められると考えているのかについて、お伺いしたいと思います。
部活動の地域展開が進む中で、地域クラブ活動を支える指導者の確保は極めて重要な課題であると先ほども申し上げました。ただ一方で、地域展開の指導者には、単に競技の知識や経験、技術指導力だけではなくて、子供の安全管理であったり、事故発生時の対応、ハラスメント防止、子供年代への理解、メンタル面への配慮など、学校教育的な視点も求められるようになっていると感じます。
また、部活動は単なる競技活動ではなくて、福祉的な面もあるかと指摘があります。居場所的な扱いですね。私は、これからの地域クラブ活動の指導者には競技活動を教える人ということだけではなく、子供の成長や居場所を支える人としての役割も求められていくのではないかと考えるところであります。
そこで、部活動の地域展開においてどのような人材を指導者として想定しているのか、またその指導者にはどのような能力や資質が求められると考えているのか、これを大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 地域クラブ活動を円滑に実施するためには、地域のスポーツ、文化芸術団体の指導者や、兼職、兼業を希望する教職員、企業の実業団の選手など、多様な方々に御協力をいただくことを想定しているところであります。また、地域クラブ活動は、学校部活動の教育的意義を継承、発展させながら、中学生などの生徒に対してスポーツ、文化芸術活動の機会を提供する公的な性質を有する活動であるということであります。
このため、指導者には、技術的な指導力に加えまして倫理観や責任感を有するとともに、生徒、保護者とのコミュニケーションや安全管理なども含めまして、指導者としての資質、能力が必要となるものと考えているところであります。
昨年十二月に策定したガイドラインでは、指導者の資質、能力を担保するため、地域クラブ活動に関する認定制度におきまして指導者が市町村などが定めます研修を受講することとしておりまして、例えば日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者の資格取得を活用することなどが考えられます。
文部科学省としては、スポーツ指導者の養成や資格の認定を行っております日本スポーツ協会とも連携をしながら、地域クラブ活動の指導者の確保に向けまして取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 なかなかに職責があるのではないかと感じるところです。
部活動の地域展開における事故やトラブル発生時の責任の所在について、今度は伺いたいと思います。
スポーツの部活では、競技中のけがはつきものと言えます。また、熱中症や転倒事故、設備事故など、部活動中の事故やトラブルは決して少なくはありません。事故やトラブルができるだけ発生しないように適切に安全管理を行うこと、また、発生した場合には適切に対処することが求められると考えます。
これまでは、この責任は当然学校にあったわけですけれども、地域展開が行われると責任の所在が変わることになります。これまでの政府の答弁などでは、施設整備に起因する事故については施設設置者の責任、学校ならば学校、活動中の安全対策については地域クラブ活動の運営団体などが責任を負うとの整理が示されていますが、現場からは、事故が起きた際の責任範囲が分かりにくい、地域側も不安を感じているといった声があります。
また、ボランティアで行っている運営団体、業務委託で行っている運営団体など、地域クラブの運営形態も様々でして、責任を負う主体やその能力、指導者の役割が必ずしも明確ではないケースも多いと感じています。
私は、地域展開を安全、安心なものとして進めていくためには、原則論だけではなくて、実際の運営形態を踏まえた分かりやすい責任整理が必要だと考えているところです。部活動の地域展開において事故やトラブルが発生した際の責任について、学校、自治体、地域クラブ、指導者、それぞれの役割や責任をどのように整理をしているのか、また現場の不安を解消するため今後どのような対応を進めるのか、お答えをいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 地域クラブの運営に際しましても、事故の防止を徹底し、生徒が安全、安心に活動に取り組める環境を構築するということは大変大事なことであると承知をしております。
このため、昨年十二月に策定をいたしました部活動改革に関するガイドラインにおきまして、地域クラブ活動に関する認定制度等を通じて安全、安心の確保を求めておりまして、市区町村などによる認定を受けた地域クラブ活動の運営団体、実施主体には活動の安全確保を図る責任がある、そのように考えております。その上で、個別の事故の責任関係については、当該事故に至る経緯でありますとか、その原因などに応じて異なることとなりますので、一概に申し上げられないというところがあります。
文部科学省としては、引き続きガイドラインをしっかりと周知を図ってまいりたいと思っております。地域クラブ活動における生徒の安全、安心の確保はもとよりでありますけれども、実際にこうした活動に携わってくださっている皆様方に混乱が生じたりすることがないように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 ここは非常に大事なところだと思っておりまして、私は地方議会議員の経験があります。県議会の議員も市議会の議員もさせていただきました。特に、部活の地域展開、地域移行だったんですけれども、これを始めたときに、そもそもこの責任の所在はどこにあるんだろう、誰が責任を負うことになるんだろうと。でも、比較的、ボランティアだったり教職を目指す大学生になってもらうみたいな、最初の人材像というのはそういうところにあったりしまして、これは外部指導者の例だったんですけれども、そこにどれだけの責任を負ってもらうんだろうかみたいな整理は、決して何か、議論として余り重くされていなかったなと思っています。
安全、何も起こらないと、ここを余り実感しないんですけれども、事が起こってからでは遅くて、ここにしっかりと配慮をしたり必要な経費をかけるということは、社会として必要なのではないかと考えるところです。是非ともここにちゃんとした対応をする必要があるのではないかと思いますが、大臣の認識を改めてちょっとお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 おっしゃられるとおりに、本活動というものは大変大事な活動であります。また、当然、安全、安心、これらを確保するということも極めて重要な事柄であります。だからこそ、地域クラブ活動に関しましては、認定制度というような形を設けることによって、安全、安心の確保というものを求めておりますし、そういう体制を是非取っていただくということを前提にこうした制度設計にさせていただいているということで承知をしているところであります。
いずれにいたしましても、その上で、いろいろと御心配のお声が上がっているということを我々としても受け止めつつ、そうした御心配でありますとか混乱というものが生じることがないように、我々としても、ガイドラインの周知などを図ることによって、そうした不安、混乱にしっかりと応え、そして、そうしたことが起きないように努めてまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 この地域展開を進めていく上で、指導者の確保が大きな課題であること、また、指導者には、競技活動の指導だけではなく、安全管理、ハラスメントの防止、子供への理解など、多様な役割が求められていることが、これまでのやり取りでも感じ取っていただけたかと思います。
一方で、先行事例を見ますと、指導者の処遇については自治体ごとの差も大きくて、責任に対して報酬が見合っていない、先ほどもちょっと取り上げましたが、継続的な担い手確保が難しいといった声が出ています。また、地域クラブ活動は、平日夜間や休日を中心に継続的に関わりが必要となる一方で、現状では地域の善意や熱意に支えられている部分も大きいのではないかと感じるところです。
地域展開を全国で持続可能なものとして定着させていくためには、指導者を、単なる協力者みたいな位置づけだけではなくて、地域の教育、スポーツ、文化を支える重要な人材として位置づけて、その役割や責任に見合った処遇を整えていく必要があるのではないかと考えております。職責に見合った対価をちゃんと渡せる必要があるのではないかということです。
今後、地域クラブ活動の指導者を安定的に確保していくため、報酬や、ほかにも研修体制、継続的に活動できる環境の整備なども含めて、どのような処遇が必要だと考えているのか、また、国としてどのように支援を進めていこうとしているのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今御指摘をいただいたとおり、地域クラブ活動の実施に当たりまして、十分な資質、能力を有する指導者を確保するということは大変大事なことでありますし、そのために指導者に対する適切な処遇の確保をするということは大変重要であるというふうに私どもも考えているところであります。
今年度から新たに創設した補助金におきましては、市町村に認定された地域クラブ活動を対象にいたしまして、指導者への謝金を含む活動費等を支援しておりますし、加えて、指導者の確保に当たりましては、大学や民間企業などとも連携をして多様な人材を確保していくことも重要でありまして、補助金の支援メニューといたしまして、地元大学等と連携した指導、運営体制の整備でありますとか、民間企業との連携による運営モデルの構築などを支援しているところであります。
指導者に対する適切な処遇の確保、そして多様な指導者の確保、育成など、地域クラブの推進に必要な支援をこれからも行ってまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 ありがとうございます。
一方で、この地域でのクラブ活動は、低廉な参加費でというふうになっています。要は、参加者からお金を徴収するには限界があるということです。
ということは、これは誰かがどこかで負担をしなければならない。でも、優秀な指導者を、しかも適切に指導してもらおうと思うならば、職責に見合った処遇がちゃんと必要になるわけです。ここをしっかりと支えるならば、やはり国で財政の措置をする必要があると考えますが、改めて大臣に見解をお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。であるからこそ、我々としては補助金を新たに創設をさせていただいて、そうしたところに対して我々として支援をさせていただくという形を取っているというふうに承知をしているところであります。
一方で、この水準が実際に十分なものであるのかとか、実際にそうした制度というものが活用されて地域クラブ活動というものの実施状況がどのような状況であるのかとか、そうしたものに関しましては、我々としてもしっかりと現状の姿というものを注視をしながら、これから更なる地域クラブ活動の展開に向けて、そして、これらが子供たちのそうした地域クラブ活動の部活動、運動の部、スポーツや文化活動等にどのように結びついていくのか、その点をしっかりと注視をしながら、我々としてまた必要な施策というものを不断の見直しの中で行ってまいりたい、そのように考えております。
○河井委員 子供たちのために、是非ともいい政策となるようにお願いしたいと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、小竹凱君。
○小竹委員 ありがとうございます。国民民主党の小竹凱です。
本日は、文部科学委員会で初めての質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
私は、本日、高専の学位の問題について伺いたいと思います。具体的には、高専の本科卒業時になぜ学位が与えられないのか、そして、そのことで現場でどのような支障が発生しているのか、そのことについて伺っていきたいというふうに思います。
私は、国会でも数少ない高専の出身でございまして。大臣は、高専ロボコン、プレコン、デザコン、先日AI系で行われましたDCON、こういったコンテストには行かれたことはありますでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 昨年だったかな、行われました高専ロボコン、実際に私も現地にお伺いをいたしまして拝見をさせていただいたところであります。
感想も述べていいですか。
大変難しいテーマに気丈に挑んだ高専の生徒たちの作品というものを拝見させていただいたわけでありますけれども、昨年の高専の、私は好きでテレビとかではよく見ていたんですけれども、実際に現場に行って見て大変強く思ったのは、同じ一つのテーマに向けて全く違うパターンの二つのロボットが今回は決勝戦まで残りました。その上で大変な大接戦を演じたわけでありますけれども、技術力の高さだけではなくて、やはり生徒たちが自ら一生懸命考えて生き生きと活動している姿、そして学校の皆さんでありますとか保護者の皆さんの熱烈な応援というものも大変印象に残ったところでもありますし、また、自由な発想の中で、決められたルールの中で結果をいかに最大化していくのかという観点で、本当に様々なアイデアというものを凝らしながら、独創性を持って競技に臨み、そして実際のロボコンの作品を作り上げているという姿に私自身大変感銘を受けましたし、今後の可能性というものに対しても強く私自身思いを致したところであります。
○小竹委員 ありがとうございます。大臣がそのように言っていただいて、大変うれしく思います。
私は機械科でなくて建築科ですので、ちょっと高専の中でもロボコンが注目されていることに若干ジェラシーを感じながら、デザコン、プレコン、いろいろコンテストをやっていますから、またその辺りにも行っていただきたいというふうに思っております。
文科省は、今年度から、高専の新設に向けた支援を拡充しております。また、私の選挙区である石川県金沢市に本社を構える三谷産業という企業は、社長自ら高専卒がステータスだというふうに訴えて、高専本科卒の初任給を大卒よりも高水準に引き上げるなど独自の取組をしている。本当に今いろいろなところで高専そして高専生への期待は高まっているというふうに感じております。
他方で、今日取り上げる学位の問題は、本科卒時に学位が与えられないという問題でございまして、教育の中身そして制度の間にずれがあるというふうに感じております。このことについて順次質問をさせていただきます。
まず確認いたしますが、高専は、学校教育法上、五年間の一貫教育を行う高等教育機関であり、高専機構の説明でも、本科卒業時には準学士という称号が付与されるというふうにされています。この点について理解はよろしいか、確認をお願いします。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
修業年限につきましては、商船に関する学科については五年六か月でございますが、それ以外につきましては、先生仰せのとおりでございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
ここで、学位と称号、この違いを説明いただけますでしょうか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
学位とは、学術の中心として自律的に高度の教育研究を行う大学における教育修了に当たって、その知識、能力の証明として授与するものでございまして、大学による学位授与が国際的にも確立された原則となってございます。
なお、こうした国際的な原則を踏まえつつ、多様な学習成果を適切に評価して、大学、大学院修了と同等の水準にあると認められる者に対して学位を授与するという社会的要請に応えるため、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による学位授与が学校教育法第百四条第七項に基づき認められてございまして、この仕組みにより、例えば防衛大学校卒業者や高専専攻科修了者には学士の学位が授与されているところでございます。
一方、称号とは、学校等の教育施設を卒業したことについて、公に一定の価値、栄誉があるものとして本人が称することができるものであるということでございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
今、御答弁の中にもありましたが、経緯をちょっと確認していきたいと思いますが、一九九一年の国会審議の際に、短期大学と高専の卒業者について新たに準学士を称することができるように変更されております。その際の政府の答弁としては、今ちょっと触れていましたが、「国際化の進展に対応し、また、関係者の要望にこたえ、」というふうに説明をされております。これは、一応、御確認できますでしょうか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
平成三年三月十三日の衆議院の文教委員会における、当時の井上裕文部大臣の学校教育法等の一部を改正する法律案の提案理由及び概要の説明におきまして、準学士の称号の創設につきましては、「国際化の進展に対応し、また、関係者の要望にこたえ、短期大学及び高等専門学校の卒業者について、新たに、準学士と称することができることとするものであります。」との説明がなされており、これは政府の正式な説明でございます。
○小竹委員 ありがとうございます。これは非常に重要だと思います。
つまり、この準学士という制度は、元々、国際化への対応という目的を持って導入されてきたわけでありますが、三十年たった現在、今現場で起きているのはこの逆でありまして、この後触れますが、国際化が進めば進むほど、海外進学であったり、就職、ビザの面において、準学士とは何なのかと毎回この説明をしなければならなかったり、様々な国際化に対応するための制度だったはずが、今はむしろ、国際的な場面で支障を来しているというところが指摘をされております。
短期大学については、これまでの準学士、高専と同等であったものから、二〇〇五年に短期大学士という学位に移行されました。その理由について、お答えをお願いします。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたように、学位とは、学術の中心として自律的に高度の研究を行う機関が授与するものとの考え方が国際的にも原則とされてございます。
短期大学につきましては、教育研究を行う学術機関であり、教授会を置くなど、自律的な運営を行うこととされてございまして、学校教育法上、大学の一種とされているところ、御指摘のございました、二〇〇五年、平成十七年一月の中央教育審議会の答申「我が国の高等教育の将来像」におきまして、短期大学について、「新時代にふさわしい位置付けが期待され、短期大学の課程の積極的な改革が期待される。これらの点を踏まえつつ、短期大学における教育の課程修了を学位取得に結び付けるよう制度改正を行うことが適切である。」と述べられていることなどを踏まえまして、法律を改正し、学位授与権が認められるという経緯になったものでございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
文科省の資料にも、学位というのが、一定水準の教育を受け、知識、能力を持つと認められている者に与えられる、国際的にも通用するというふうにされております。
配付した資料の一番の方ですけれども、メリットのところで触れているところを逆説して考えると、文科省自体が、この称号が国際的に理解されにくいことがあるというふうに説明をして、短大を学位化したというふうに理解できると思います。
であれば、高専の本科卒業生についても、一九九一年には同様に引き上げられたのに、二〇〇五年の際には片手落ちというか置き去りになってしまったということに関して、同じような問題が起こり得るという認識は持つべきというふうに考えますが、当時の議論でなぜそうならなかったのか、理由をお答えください。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
例えば慶応義塾大学では、二〇二八年度、令和十年度入学者に対する選抜から、特に高等専門学校本科卒業生を対象とした三年次編入制度が新たに導入されるなど、先ほど大臣からもお話がございましたように、国内においては、高等専門学校の教育水準が質と量の両面において極めて高いということは広く認識されてございまして、高等専門学校卒業者への期待も飛躍的に高まっていると考えてございます。
また、高等専門学校本科卒業後、約四割が大学や専攻科に進学し、希望者のほぼ全てが進学をしてございます。豊橋及び長岡の両技術科学大学のほか、例えば東京大学、東北大学、東京科学大学等の主要な研究大学にも編入学をする学生も毎年多数存在するなど、高等専門学校は、短期大学と同様に、その卒業生が大学に編入学できるという観念は国内では既に確立されているところでございます。
他方で、ただいま先生からも御指摘がございましたように、高等専門学校卒業生は、海外の大学への編入学等を行おうとする際には、準学士は学位である短期大学士と同一の水準の教育資格である旨を海外大学等に対してその都度説明しなければならないという課題が存在いたしてございます。そのことにつきましては、二〇〇五年当時におきましては、現在ほど人や技術、情報、資本のグローバル化が進んでいなかったと同時に、国外における高専に対する関心が今ほどは高くなかった状況の中で、高専本科卒業生の資格の国際的通用性が現在ほど強く意識されていなかったという背景があるものと認識してございます。
○小竹委員 もう今の答弁に集約されていると思うんですけれども、国内では質と量がどちらも適正に評価されていて、国内でも、今、半分近くは進学をしていくわけですから、そのところは希望どおりに行けている。一方で、当時は、海外への進出というか、進学や就職がそこまで母数として多くなかったので、議論としては置き去りにされていったものの、今、個別に、本人が毎回説明コストを払っているというところは、政府も認識されていると。まさに私はそこを指摘した上で、もちろん当時の議論、そして今の議論がありますから、時代に合わせてこの高専の学位の問題というのを見直していくべきというふうに思います。
今の話題に関しては、後段でも触れたいと思います。
そして、現場での具体的支障について伺いたいと思いますが、学位がないために、海外進学であったり、就職、ビザの申請、海外赴任などであらゆる不利益が生じているという指摘があります。
いただいた声を一部紹介したいと思いますが、進学の場面では、追加の確認手続を求められることであったり、適切な学年配置がなされないということであったり、高専で取得した単位が、学位でないため、ある種認められないというようなことであったり、海外に赴任する際においては、日経新聞が高専特集を組んでいただいたんですけれども、そこの中では、高専卒の社員が、海外勤務が決まったのに、ビザの取得の関係が難しくて、別の社員が代わりに赴任したという、こんな例まで紹介されています。
文科省は、このような具体的支障、国際的に活動する際の支障、今御答弁いただいたと思いますが、個別に把握されたりもしているでしょうか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の学校制度の多様化、複線化に伴い、高等専門学校卒業者に準学士の称号が付与される仕組み自体はあっても、それが海外において十分理解されず、実務上の不利益が生じている例というのは、私ども把握をいたしてございます。実際に、高等専門学校の校長などからもそういうお話は伺っているところでございます。
こうした点を踏まえまして、我が国においては、大学改革支援・学位授与機構におきまして、国内外における我が国の学位、資格の透明性や比較可能性、国際的通用性を高め、国際的な人材流動を促進するため、レベル別に各教育資格を整理した教育資格枠組みを、令和七年、二〇二五年に策定、公表いたしました。これにより、高等専門学校卒業者の準学士は、学位である短期大学士と同一のレベルのレベル5であるということを海外大学等に対しても明示してございまして、海外大学への編入学等において不利益が生じないよう、同機構で取り組んでいるところでございます。
また、国立高等専門学校機構におきましても、各高専の卒業証書の英語表記の統一を推進するなど、高専本科卒業者の海外進学等において不利益を回避するための取組を推進してございます。
ただ、なお課題があると認識をしてございまして、文部科学省としては、今後とも、関係機関とも連携しながら、高等専門学校を含め、日本の高等教育資格の国際通用性の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
私も課題はまだあるというふうに思っていますが、まずは、短期大学士の議論のときのように、相手国にとって読みやすい、客観的に通用する資格表示にすることがまず第一だと思いまして、その点については是非議論を進めていただきたいというふうに思います。
今御紹介もいただきました、配付資料の裏側の二の方ですけれども、学位授与機構が公表している教育機関のレベル別表のようなものがありますけれども、ここでは、今言われたように、レベル5のところで、準学士という称号と短期大学士という学位が同等レベルだというふうに読めます。この表を基に、本人が海外に出た際に、準学士は短期大学士と同等レベルであるということを説明するとします。その際に、国際的な通用性という観点から説明をすると、欧米などでのアソシエートディグリーと同水準であるということ、これを説明した際、また、向こうが受け取った際、これは厳密には学位の有無がありますので正確には違うんですけれども、こういった場合には経歴詐称に当たるのでしょうか、お答えください。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、大学改革支援・学位授与機構におきまして、レベル5ということで、準学士と短期大学士が同等であるということを発信しているところでございます。このように、私どもとしては、学位である短期大学士と称号である準学士はいずれも同一水準であるということを文部科学省として責任を持って海外大学など国内外に対して情報発信を行っているところでございます。
このため、高専の本科卒業生が、この基準に基づき、短期大学卒業と同等の教育資格があるというふうにおっしゃることは、何ら経歴詐称にはならないと考えてございます。
○小竹委員 日本人であれば文科省と言ったら分かりますけれども、やはり、海外で言うとどこが説明しているかもなかなか分からないというふうに思いますし、国際的に相手国からしっかりと読める資格表示にするということは必要だと思います。
そして、先ほどの、少し前の答弁にも戻りますけれども、国際的に通用する資格というところにおいて、極めて象徴的な問題だと思うのが、高専の国際展開との矛盾であります。
高専という日本独自のモデルは、モンゴルやタイなど海外にも展開をしていることは御存じかと思いますが、それらの国では、五年、本科卒業時に、モンゴル、タイであったり、その国では各国の枠組みに基づいて準学士相当の学位が授与されるんですね。一方で、本家である日本が学位が出ないというようなことにもなっております。
高専教育ということが、当時は国際展開していなかったので議論にはならなかったかもしれませんけれども、今、海外に輸出しておきながら、その資格表示の国際整合性を欠いている、見方によっては日本が一番劣っているというふうに受け取ることもあるのではないかというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
今先生からお話がございましたように、我が国の高等専門学校をモデルといたしまして、モンゴルですとかタイなどの国において独自の学校種が展開されており、それぞれの独自の学位が授与されていることは承知をいたしてございまして、各国の学校教育体系の中で学位等の仕組みが整備されているものと承知をしてございます。
先ほど来申し上げておりますように、私どもとしては、学位である短期大学士と同一水準にある準学士について、国内外に発信をしてございますが、御指摘いただいておりますように、なお課題があるというふうに認識をしてございます。
文部科学省といたしましては、引き続き、教育機関とも連携しながら、高専を含め、日本の高等教育資格の国際的通用性の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
もう今までの答弁で、量も質もしっかりとアソシエートディグリーと同水準であるということは確認できています。その上で課題があることも確認できました。
であれば、この課題を是非、高専に理解のある大臣が取っ払っていただき、例えば、仮称ですけれども高専学士であったりとか、こういった学位の付与をするという制度改正を検討することを始めていただきたいというふうに思いますが、ここまでの議論を含めて大臣の見解をお願いいたします。
○松本(洋)国務大臣 小竹委員におかれましては、御自身が高専を御卒業されたということもありまして、大変具体的かつ大切なお話、質問をしていただきまして、本当にありがとうございます。
高等専門学校は、子供たちの関心や適性に応じてその能力を五年にわたって一貫して伸ばし、高度で実践的、創造的な技術者や専門人材を養成する高等教育機関として、まさにこれからの社会や時代に求められる学校である、そのように考えているところであります。
先日、私は熊本高専に行ってまいりましたけれども、本科の卒業生の有効求人倍率は四十倍を超えておりましたし、専攻科修了者に至りましては百五十倍を超えるというような状況でもありまして、産業界からも極めてニーズが高い、そうした人材をお育てをいただいているということだと思っております。
現行制度におきまして、短期大学卒業生には学位である短期大学士が授与される一方で、高専卒業生には称号である準学士が付与されておりますが、これは先ほど来お話がありますように、平成十七年の中教審答申などを踏まえた結果であります。
ただ、高専卒業者が海外進学等に際して不都合が生じないよう、現在、海外大学等に対し、両者は同一の水準の教育資格であると情報発信をしているところでありますが、制度改正当時とは比較にならないほどグローバル化が進展をしている中で、高専卒業者の資格の国際通用性の在り方について、課題としてより顕在化をしているというふうに考えているところであります。
大変大切な御指摘をいただいたというふうに承知をしているところであります。委員の御指摘というものもしっかりとお受け止めをさせていただきながら、高専関係者の皆様方、また、与党でも今様々な議論が行われているというふうに承知をしております。こうした皆様方からいただいているいろいろな御意見というものも我々としてしっかりとお受け止めをしながら、是非よい方向に結論を導き出せるように頑張ってまいりたい、そのように考えております。
○小竹委員 ありがとうございます。
これまでの議論も踏まえて、当時の議論もあって、今、比較にならないぐらいグローバル化しているということもございました。単純に不可能なんですという門前払いではなくて、検討の余地がある、様々な制度課題があるということを踏まえた上で是非検討を始めていただきたいというふうに思います。
まずは、特に海外におけるどのような支障が起きているのか、この実態を政府にも更に理解していただきたいというふうに思いますし、今答弁いただいたように、高専本科卒業時の資格表示の在り方について、法改正も含めて、関係者の意見を聞きながら制度検討の場を是非立ち上げていただきたいというふうに思いますが、改めて大臣の答弁をお願いします。
○松本(洋)国務大臣 本件に関しましては、従来から、高専関係者でありますとか、また与党の高専関係会議から国際通用性の課題に係る指摘がなされてきたところであります。
現在、文部科学省の事務方によって、高専の校長から、グローバル化が進展する中における高専卒業者の海外大学への編入学などに係る課題につきまして聞き取りを行うなどの実態把握を開始しているところであります。
現在進めております聞き取りでありますとか、また、高専関係者の意見、また与党の高専関係会議での議論、そして今日、小竹委員からもこうして具体的に御指摘、御要望をいただいているところでありますが、こうした議論も踏まえまして、委員御指摘の検討の場の設置などの点につきましても、我々としてお受け止めをさせていただきたい、そのように考えております。
○小竹委員 ありがとうございます。
高専が国際通用性を備えた学位として確立されれば、更に高専の価値も上がりますし、皆さんのやる気にもなりますから、是非検討を進めていただきたいというふうに思います。
ちょっと時間がないんですけれども、もう一問、別のテーマについて伺いたいと思います。
いわゆる三浪の壁について伺います。
この三浪の壁とは、大学の授業料無償化制度において、三浪以上している学生は対象とならない、対象外となるルールを指しております。この三浪の壁の当事者はどの程度存在するのか、お答えをお願いします。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
あくまでも推定、推測でございますが、学校基本調査におきましては、二十一歳から二十三歳、三浪、四浪、五浪ということになろうかと存じますが、これらの年齢で入学した方が九千九百九十六人ということでございます。実態の数としてはそういう数かと存じます。
○小竹委員 ありがとうございます。
読売新聞の記事でも、大体六千人ぐらいかなと書いてありましたので、六千人から九千人、この間にあるのかなというふうに思います。
その上で、政策目的との整合性について改めて伺いたいと思いますが、昨年から始まった多子世帯支援、低所得者対策だけではなくて、高等教育費の負担軽減を通じて、理想の子供の数を持てない現状を払拭するであったりとか、家計支援、少子化対策の性質も持つものだというふうに思います。
本来、重視されるのであれば、家庭にどれだけの教育負担が生じているかであって、単純に、本人が現役で入学したか、二浪か三浪か、こういった線引きは発生しないものというふうに思いますが、この制度目的とずれているというふうに考えますが、政府の認識をお願いいたします。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
高等教育の修学支援新制度、財源は消費税収入でございますので、今委員御指摘のとおり、少子化対策を目的として実施するものでございます。
同時に、このように本制度は公費での支援ということになりますので、対象となる要件の一つに、高等学校等を卒業してから二年以内と定めてございます。これは、高等学校等を卒業して短期大学や高等専門学校、二年制の専門学校に進学した方は、二十歳をもって親の生計から独立して就労していることを踏まえ、こうした同世代で働いている若者との公平性の観点から、卒業後二年以内の方を対象としているところでございます。
しかしながら、個々人には様々な事情があることから、二〇二六年、令和八年度からは制度を改正いたしまして、災害とか傷病などによってやむを得ず高等学校等を卒業後二年以内に進学できなかった場合には、この期間を卒業後四年以内に延長し、支援の対象の拡大を図っているという現状でございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
時間が来たので質問はしませんが、この制度の目的とのずれであったりとか、国会内外で、まず、長男というか長子が卒業して扶養から外れると、下の子が在学中でも多子支援の対象にならないとかいうこともございます。私、五人兄弟なんですけれども、もう四人扶養から外れていますので、うちの弟は一人っ子という扱いになっております。こういった制度の実態とのずれも踏まえて、また改めて、本来の目的はどこにあるのか、主眼からずれていないのか、こういったことは不断に検討していただきたいというふうにお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。
○渡辺(藍)委員 おはようございます。参政党の渡辺藍理です。
本日も質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。本日は、学校現場におけるLGBT教育の在り方について質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
参政党は、子供たちが健やかに成長できる教育環境を守ることを重要な政策課題と位置づけています。その観点から、本日は、文部科学行政の根幹に関わる問題を取り上げます。
まず、私の基本的な立場を申し上げますと、性的指向又はジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別やいじめは断じてあってはならないと考えております。一人一人が自分らしく生きられる社会を実現することはとても大切なことです。
その上でお伝えしたいことは、学校教育は、法律と学習指導要領に基づいて行わなければなりません。これは教育の根幹です。ところが、現状、国会での十分な審議も行われておらず、学習指導要領への記載もないまま、小学校の教科書や現場の授業において、性自認、ジェンダーに関する行き過ぎた教育が実質的に拡大していると考えております。子供への教育は法律と学習指導要領に基づいて行わなければならないにもかかわらず、その手続を経ないまま、全国の学校現場でLGBT関連の教育がどんどんと広がっております。これはLGBT当事者の方々を否定するものではありません。法的根拠のないまま、発達段階にある子供たちへの教育内容が拡大していくことに歯止めをかけるべきだと考えております。
なぜ、そのような手続を経ずに教育内容が変わっていくのか、また、なぜ、保護者への十分な理解を得ないまま子供たちに特定の内容が教えられていくのか。教育は子供たちの価値観や人格の形成に直接関わります。だからこそ慎重に進めることが必要です。国民の代表が議論をし、そして専門家が検討をし、学習指導要領という形で基準を定める、その手続を守っていくことが教育行政に対する国民の信頼を得ることにつながると考えております。
本日は、この問題を、学習指導要領のあるべき機能という観点から、具体的な事実に基づいて質問を進めさせていただきます。
まず初めに、学習指導要領の法的な位置づけについて確認をさせていただきます。
学習指導要領とは、小学校、中学校、高等学校などが教育課程を編成する際の基準として文部科学省が定めるものです。最高裁判所では、旭川学力テスト事件判決や、また福岡県伝習館高校事件において、学習指導要領は大綱的基準として法的拘束力を持つと判示しています。これは確立した判例です。
法的拘束力を持つということは、全国の学校はこの基準に従う義務があるということです。逆にいえば、この基準に定められていないことを各学校が勝手に加えるということには慎重でなければなりません。
文部科学省は、現在においても学習指導要領は全国の学校に対して法的拘束力を持つというお考えでしょうか。松本文部科学大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 学習指導要領は、学校教育法等の法令の規定に基づきまして、教育の機会均等と全国的な一定水準の維持のために文部科学大臣が定める教育課程の大綱的な基準であり、法規としての性質を有するものであります。そのため、各学校におきましては、学習指導要領に基づき教育課程を編成することが求められております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。学習指導要領には法的拘束力があるとの御答弁をいただきました。
では、その法的拘束力のある学習指導要領の下で現実に何が起きているか、具体的な事実をお示しいたします。
まず、現行の小学校学習指導要領を確認いたしますと、性の多様性、性自認、ジェンダーアイデンティティーに関する教育の内容の規定は、現状、記載されておりません。にもかかわらず、二〇二四年度から使用されている小学校の教科書では、道徳、社会を含む十点の教科書が性の多様性を取り上げ、保健体育に至っては六社全てがこの内容を記述しています。そして、文部科学省は、これらの教科書検定を全て合格としています。
学習指導要領に根拠のない内容が書かれているその教科書を文部科学省が検定で合格とされておりますが、法的拘束力のある学習指導要領に定めのない内容がなぜ検定を通過するのか、仮に大綱的基準だから問題ないというのであれば、何が逸脱に値するのか、その判断基準を松本文部科学大臣に具体的にお示しいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 学習指導要領には性の多様性に直接関連する記載はありませんが、総則におきまして、児童生徒の発達を支える指導の充実といたしまして、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える問題に個別に対応した指導を行うことなどを明記しておりまして、児童生徒の実態に応じて一人一人に性の多様性に関する指導を行うことを可能としているところであります。
こうした学習指導要領に示す内容を具体的に学習するため、教科書においてどのような事項を取り上げ、どのように記述をするかについては民間の発行者の判断に委ねられており、現行の教科書において御指摘のような性の多様性や性自認に触れた記述もあるところであります。
教科書検定におきましては、検定基準といたしまして、学習指導要領の内容等に照らして不適切なところはないことなどを定め、これらの基準に基づき、教科書検定調査審議会において専門的、学術的な調査審議を行っており、その結果として、現行の教科書記述については不適切とは判断されなかったものであります。
○渡辺(藍)委員 具体的な説明をありがとうございます。
では、もう一点お伺いいたします。学習指導要領と並んで現場で根拠として引用される、もう一つの文書について確認いたします。
平成二十七年四月三十日に文部科学省が発出した通知についてです。この通知の正式名称は、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施についてと書かれております。通知の対象は性同一性障害に係る特定の児童生徒への個別対応であり、クラス全体を対象としたジェンダーの集団教育を学校に義務づけるものではないというように私は理解しております。
しかし、現実には、この通知を根拠の一つとして各地の学校や教育委員会が集団授業を実施しております。それが後ほど申し上げる倉敷市や宝塚市の事例にもつながっていると考えておりますが、この通知は小学校の全クラスを対象とした集団教育を学校に求めるものなのかどうか、文部科学省としての公式見解を明確にお示しください。
○望月政府参考人 お答えいたします。
今、渡辺委員から御指摘の、平成二十七年の性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についての通知でございます。具体的な内容としまして、性同一性障害に係る児童生徒についての特有の支援としまして、学校生活での各場面における支援の事例、性同一性障害に係る児童生徒や性的マイノリティーとされる児童生徒に対する相談体制の充実などの配慮事項をお示しをしてございまして、この通知を基に小学校全クラスを対象とした性自認、ジェンダーに関する授業の実施を求めるものではございません。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
今、対象は学校の授業ではなく個別対処、つまりマイノリティーの方の例とのことでしたが、この通知により先行して授業が行われている、また、それによって現場の混乱を招いている、このようなお話も多数伺っております。
通知には直接的な法的拘束力はありませんが、許認可の実務などにおいても事実上の強い影響力を持っていると考えております。実質的には従う必要があると考え現場が動いている、その辺りも踏まえ、こちらについては改めてその見解を明確にすべきだと考えております。
続きまして、今度は政府参考人にお伺いいたします。実際の教育現場でどのようなことが起きているか、その実態についての確認です。
参政党が自治体へ行ったヒアリング結果によると、教員研修の講師として招かれた外部団体のうち、医師や研究者などの専門家が十件であるのに対し、LGBT当事者団体が十五件と大きく上回っております。専門的な知見よりも特定の価値観を持つ当事者団体が教員研修の場で多く活動しているという実態です。
当事者団体が教育現場に入ること自体を全て否定することはありません。しかし、国として大きな基準を設けることなく、特定の価値観を持つ団体が教員研修や授業に参加していること、これは、教育基本法第十六条が禁じる不当な支配の観点からも慎重に考える必要があると思います。
具体的な事例も申し上げます。例えば、岡山県倉敷市では、倉敷市教育委員会が、人権教育の一環としてLGBT教育に関するパンフレットを独自に作成し、配付しております。教育委員会が独自の判断で子供たちに配っているということです。さらに、兵庫県宝塚市においては、令和五年九月の市議会において教育長がこのように発言しております。昨年度、幼稚園全十園と小学校、中学校、特別支援校三十六の学校のうち三十一の現場においてLGBT教育を実施したと。幼稚園の子供たちに対して性自認、性的指向の教育が行われている、これが各自治体任せで進んでいるということが現状です。
国はこの実態を把握しているでしょうか。学習指導要領に根拠のない教育というのが国の管理の外でここまで広がっているとすれば、それは看過できない問題でもあると言えます。同時に、児童や保護者からも、不安の声、そして違和感を感じたとの声も寄せられており、混乱が生じているのが実態です。
私自身の話にはなりますが、現在、三歳半の子供を育てております。その我が子を見ていても、今現状、三歳半、幼稚園の年齢においてその教育が必要かどうかと問われると、私自身は早過ぎるのではないかなと感じます。それ以前に、基本的な生活習慣を整えることだったりとか、あとは、生き物等含め、思いやりの教育の方が優先されるべきでないかなというふうに考えております。
話を戻しまして、文部科学省は、現在、全国の幼稚園また小中学校において、どの外部団体が、具体的に何校、LGBT関連の授業を行っているのかという把握はされているでしょうか。また、倉敷市、宝塚市のような事例、例えば、教育委員会が独自にパンフレットを配付していたり、幼稚園の段階からLGBT教育を実施していることについて、これは学習指導要領の趣旨に照らしても適切と考えるでしょうか。御見解をお願いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。
LGBT関連の授業を全国で行っている状況をどのように把握しているかという御質問かと存じますが、文部科学省では、全国の幼稚園、小学校、中学校において一つ一つの教育活動がどのように行われているかということに関して、そして、この中ではLGBTに関する授業がどのように行われているかについて、網羅的に把握をしているものではございません。教育課程の編成の権限は、これは学校にございまして、一つ一つの教育活動についての把握はしてございません。
一方、文部科学省が実施をしています人権教育研究推進事業の令和七年度の事業報告書を見ますと、性的マイノリティーに関する課題に取り組んだ二十一校の指定校のうち十一校において外部団体等の講演が行われてございまして、例えば、小学校五年生において、当事者の方を講師に招いて、実際に周りから受けた差別や偏見の経験談を講演いただいている授業、あるいは、中学校において、助産師会の方を講師に招いて、性について相談したりされたりした際の対応の仕方などについて講義いただく授業などが行われているものと承知をしてございます。
委員から御指摘いただきました個別の倉敷市等の事例、私も余り十分承知をしてございませんけれども、それぞれの教育活動の目的、そして、それが多面的な見方、考え方になるような工夫も含めまして学校において実施をされているものと承知をしているところでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
繰り返しにはなりますが、実際に現場では多くの混乱が生じているとの声を聞いております。
また、小学校二年生の私の知り合いのお子さんに関しても、帰ってきて、そのような話を聞いて、若干、気分が悪いというか、そういうふうに感じたというのを自分の親に話していた、そういう話も聞いております。
このようなことに関しても、是非しっかりと現場の状況も引き続き把握していただきたいと考えております。
では、ここまでの内容を改めて丁寧に整理させていただきます。
まず第一に、学習指導要領には法的拘束力があるとのこと。そして第二に、現行の小学校学習指導要領には、性の多様性、そして性自認、ジェンダーに関する教育内容の規定が存在しません。ただ、こちらは、前提として、LGBT理解増進法が二〇二三年六月に施行されるより以前に学習指導要領の改訂があったため、時系列として未掲載であるということは十分承知しております。また第三に、それにもかかわらず教科書検定ではこれらの内容は合格しており、先ほどの倉敷市教育委員会のように独自のパンフレットを配付していたりとか、また宝塚市では幼稚園からLGBT教育が実施されている。
このような三点を並べると、法的拘束力を持つ学習指導要領に根拠のない内容が国の管理の外で全国の学校現場に広がっている、これが現実だと思われます。学習指導要領に書かれていないのであれば、なおさら極めて慎重に進めていくべきことではないかと考えております。
また、ここで、実際に二〇二四年度から使われている教科書の記述を具体的に御紹介いたします。
まず、一社目は、文教社の五、六年生、保健の教科書です。小学校五、六年生というと、十歳から十二歳の子供たちに向けた教科書ですが、心の健康を学ぶ単元の中に、このような記述があります。人によっては自分の生まれた性別と心の性別が一致しなかったり、また、同性の子を好きになったりすることもあります、このように書かれております。
また、二社目、東京書籍の三、四年生、こちらは、つまり九歳から十歳の子供たちへの教科書です。従来の教科書では、思春期の説明として、異性が気になるというふうに記されていたものが、異性など、ほかの人が気になるというように変更されていました。また、異性と話したいけれども恥ずかしい、このような表現も、異性や好きな人と話したいけれども恥ずかしいというふうに書き換えられております。
また、三点目の例として、三社目、大日本図書の三、四年生、保健体育の教科書。こちらでは、思春期における体の変化を学ぶ単元に、生まれたときの体の性と今自分が思っている性が違うこともあります、また、気になったり好きになったりする相手が異性の場合もあれば同性の場合もあって、好きという形も様々です、このように記されております。さらに、様々な性を表す言葉の一つとしてLGBTという言葉があるよというふうにも記載されております。
以上、三社の教科書を御紹介しました。
心理的にも発達段階である子供たちに、性自認、性的指向について学ばせることが、果たして発達段階に応じた教育と言えるのでしょうか。繰り返しにはなりますが、指導要領に記載のない内容を学校現場で教えることは、少なくとも慎重になるべきではないでしょうか。教科書の検定段階、そして教材採択の段階、さらに実際の授業や指導の段階、それぞれの段階で慎重に判断すべきではないでしょうかと思いますが、松本文部科学大臣の御見解をお願いいたします。
○松本(洋)国務大臣 学習指導要領は教育課程の基準でありますが、指導可能な事項を限定的に列挙したものではなくて、各教科等の目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童生徒の過重負担とならず、特に必要がある場合、学習指導要領に示していない内容を加えて指導することが可能であります。
各学校におきまして、多様な見方や考え方のできる事柄等を取り上げる場合には、特定の見方や偏った取扱いにより生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう留意しつつ、学習指導要領を踏まえた創意工夫ある教育課程を編成し、適切な指導をいただきたいと考えております。
なお、教科書につきましては、民間発行者の創意工夫によりまして、学習指導要領に示す資質、能力の育成に効果的な教科書編集を期待しておりますが、学習指導要領に照らして不適切なものとなっていないか、事実に基づかない記載や偏った記載になっていないかなど、検定を通じてしっかりと確認をしてまいります。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
裁量があるということで、何でも教えてよいとなれば、そこにはやはり行き過ぎたLGBT教育というものが生まれてしまうのではないかと思います。現場の混乱も含め、改めて慎重に進めるべきではないかという私の考えを再度お伝えさせていただきます。
では、ここまでの、以上の議論を踏まえて今後の対応についてお伺いいたします。
教育内容は、学習指導要領に明記されることで初めて、全国共通の基準として国会の民主的統制の下に置かれます。現状はそれが機能していないと考えております。例えば、先ほどの倉敷市や宝塚市の例でも明らかなように、ある教育委員会は独自にパンフレットを配付している、ある市では幼稚園からLGBT教育を実施している、このように全国でばらばらな対応が行われており、ここから現場の混乱や保護者の不安を生み出しています。
性自認、ジェンダーに関する教育内容について、今後の対応はどのように考えられているでしょうか。文部科学省は、次期学習指導要領の改訂において、例えば、記載するのであれば、その内容や対象学年、取り扱う範囲を明確に定めること、もし記載されないのであれば、現場の状況をどのように把握して、そして、自治体ごとに差があることで起きる現場の混乱を防ぐためにどうするべきか等を明確にして、現場における通知についても慎重に行うことなど含め、どのように現状お考えでしょうか。松本文部科学大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 繰り返しになりますけれども、学習指導要領は、指導可能な事項を限定的に列挙したものではなくて、各教科などの目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童生徒の過重負担とならず、特に必要がある場合、学習指導要領に示していない内容を加えて指導することが可能であります。
その上で、学習指導要領における記載の有無にかかわらず、多様な見方や考え方のできる事柄等を取り上げる場合には、特定の見方や偏った取扱いにより生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう留意が必要なことは言うまでもなく、こうした趣旨がきちんと徹底されるように努めてまいりたい、そのように考えております。
お尋ねの学習指導要領についてでありますけれども、まさに次期学習指導要領に向けて、現在、中教審で、発達の段階を踏まえ、様々な分野の学識経験者などによりまして専門的な議論をいただいている、その最中であります。現時点で具体の規定の在り方についてお答えをすることは差し控えさせていただきたい、そのように考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
検討するとか、あとは差し控えるということは当然起こり得ることだとは思いますが、とても慎重に議論を進めるべきことだと思っております。
そして、学習指導要領の改訂のタイミングというのはいつでもあることではないので、そのタイミングで今の、例えば情勢においてのことだったりとか現場のこと、これらを含めて慎重に判断し、そして進めていくことが子供たちの健全な未来をつくっていくことにつながると思いますので、具体的にいつまでにどちらの方向性で結論を出していくのかなど、そのようなスケジュールもまたいただければと思います。
そして、次になりますが、LGBT理解増進法というのは二〇二三年六月に施行されました。こちらは、施行後おおむね三年をめどとして見直しを行うとされています。まさに今見直しの時期が来ていると思いますが、この法律に見直しの規定がある以上、その見直しというのは実態に基づいた実効性のあるものでなければならないと考えております。見直しを実効性のあるものにするためには、その実態の把握というのがとても大切です。
何度も申し上げているように、例えば宝塚市の事例のように幼稚園のときからLGBT教育が行われている、また、倉敷市のように教育委員会が独自のパンフレットを配っている、このような実態が全国でどれほど広がっているのかということをまず把握しなければ、見直しの議論は成り立たないと考えます。
文部科学省は、実際、学校教育の分野でどの程度の実態調査を実施しているのか、また、これから実施しようとしているのか。例えば、どのような授業が何校で行われているか、そして、どの外部団体、教材が使われているのか、また、時折保護者からの不安の声もたくさん上がってきますが、その保護者への事前説明というのがどの程度行われているかや、現場、保護者からの不安や相談、そのような意見はどのように寄せられているのか、そうした意見を受け取るような機関があるのかどうか、このような基本的な実態の把握、こちらは今はされていないのではと懸念しております。
もしこのような詳細な調査を実施していないのであれば、見直し期限が迫る中でなぜ行わないのか、その実態を把握しないままの見直しというのは形骸化したものになるのではと考えますが、大臣のお考えを明確にお示しください。
○松本(洋)国務大臣 学習指導要領には、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える問題に個別に対応した指導を行うことなどを明記しておりまして、児童生徒の実態に応じて一人一人に性の多様性に関する指導を行うことができるようにしているところであります。
その上で、学校現場に対する実態調査については、教育課程の編成は各学校において判断されるものであること、回答する学校現場の負担などを踏まえまして、慎重に検討をする必要があると考えております。
また同時に、この理解増進法に関してでありますけれども、これは学校に限らず大変大きな話というか、そうした包括した法律だというふうに承知をしているところでもありまして、そうした意味におきまして、政府全体の整理の中で我々として必要な対応というものを取ってまいりたいと考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
この理解増進法の中に、第十条第三項にも自治体へというところもあったり、教育の話も時折触れられております。そちらも含めて、全体として子供たちの将来のために、未来のためにしっかりと考えていくべきだと私自身も考えております。
また、海外でも実際に、エリアによっても状況というのは様々ではありますが、アメリカの州の中では、そのようなLGBT教育についての見直しを進めているところも幾つもあるというふうに情報を得ております。その辺りもしっかりと踏まえ、今後の日本の教育に反映させていただきたいと思います。
ここまでいろいろと申し上げましたが、私は、子供たち一人一人の人格や人権を尊重することそのものを否定する気持ちは一切ありません。いじめや差別を防ぎ、互いを思いやる教育というのは当然必要です。性的マイノリティーの子供たちが一切傷つくことなく学校生活を送れるよう、そのような適切な配慮と支援を行うことも大切なことだと考えております。
しかしながら、発達段階にある低年齢の子供たちに対し、性自認や性的指向といった極めて繊細かつ価値観の分かれる内容を十分な保護者理解や社会的な合意がないまま教育現場で扱うことには慎重であるべきと考えております。また、幼稚園の子供たちにまでこうした教育が行われているとすれば、それは子供の発達段階に応じた教育とは言えないと考えます。教育行政には、特定の価値観を一方向的に推し進めるのではなく、子供の健全な成長、そして保護者の不安、現場教員の負担にも十分配慮した、慎重かつバランスある対応を強く求めます。
また、ここで再度誤解のないようにお伝えしますが、参政党はよく切り取られ拡散されてしまうということもあるため、再度誤解のないようにお伝えいたしますが、今回の件において、学習指導要領に掲載してそれを促進してほしいというものではなく、また、差別や分断を生みたいという考えは一切ありません。慎重に議論を重ねた上で、基準を定めたものを掲載する。そして、現場が混乱しないように、また行き過ぎたLGBT教育が進んでいかないようにすること。もし掲載されないのであれば、なおさら慎重に進めて、子供たちの健全な成長のために、今後、今よりも更に丁寧に取り組むべきではないでしょうか。このような姿勢であるということをお伝えして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。
本日も一般質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。本日は三つのテーマにわたって質問をいたします。
まず、質疑に先立ちまして、本年三月十六日、沖縄県名護市辺野古沖で発生した大変痛ましい転覆事故につきまして、お亡くなりになられた高校生徒の方の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に深く哀悼の意を表します。
本日、文部科学省から調査結果が公表されたものと承知しております。議員室の方にも文科省の見解や通知もいただきましたので改めて拝読いたしますけれども、事故の原因究明並びに安全確保策については引き続き徹底した取組を求めるところでございます。
私からは、平和学習、校外活動の在り方、特に実態把握や情報公開について伺ってまいります。
まず、平和学習及び校外学習の実態把握についてお伺いいたします。
平和学習については、定義そのものが曖昧であり、全国的な実態把握が進んでいるとは言い難い現状にあると承知しております。また、修学旅行を始めとする校外活動について、公立学校は教育委員会への届出等が求められている一方、私立学校では届出や報告義務はない状況と認識しております。
政府参考人にお伺いいたします。平和教育や修学旅行の実態把握について、全国実態調査の実施の検討状況についてお聞かせください。
○望月政府参考人 お答えいたします。
三月に発生いたしました同志社国際高等学校の研修旅行中の事故を受けまして、文部科学省におきましては、所轄庁である京都府と連携しつつ、四月二十四日の現地調査の実施を含めまして、事実確認を進めてまいりました。本日、これまでの把握事項と文部科学省としての見解を取りまとめたところでございます。
現時点で把握した事項からは、同志社国際高等学校における研修旅行につきましては、安全管理、事前の計画や当日の対応、教育活動の状況などの面で著しく不適切だったと考えているところでございます。
その上で、今回の取りまとめを踏まえまして、全国の学校における安全確保や適切な教育活動の実施に向けまして、四月七日に文部科学省から発出した通知への各学校設置者の対応状況等に関わるフォローアップ調査につきましては、近く実施をしたいと考えているところでございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
安全に関する通知の件、こちらのフォローアップ調査をしていただくということ、心強く思っております。加えまして、平和教育の実態についての検討につきましても引き続き御要望したいところでございますし、校外活動の届出の在り方についても引き続き検討をいただきたいと思います。
次に、校外活動の情報公開についてお伺いをいたします。
先般可決されました高校無償化に係る法律、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案の附帯決議では、各高校の教育方針や教育環境等についての情報提供の促進が求められております。また、高校教育改革に関する基本方針、いわゆるグランドデザインにおいても、学校選択や生徒、保護者の学校理解促進のため、一定の要件、基準による積極的な情報公開の促進を図り、高校教育の質の向上を確保する仕組みづくりを検討するとあり、高校教育についての情報公開の仕組みづくりを進める方針が示されております。
これらに校外活動を含む学校行事が含まれるかどうかは明示されておらず、グランドデザイン等の情報公開項目の例においては修学旅行等の活動内容は含まれていないと承知しております。しかし、児童生徒の方々や保護者の方々が学校を選ぶに当たって、教育の中身である校外活動の内容は重要な情報と考えられます。
ここで、大臣にお伺いいたします。今回の事故も踏まえ、校外活動を含め高校の情報公開の制度の検討、こちらはどのように進めていくか、御見解をお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 文部科学省といたしましても、生徒や保護者が教育活動の目的また内容につきまして十分に理解、そして納得をした上で学校を選択していただくためにも、学校の適切かつ積極的な情報公開は極めて重要だというふうに考えております。
これまで、社会に開かれた教育課程を実現する観点から、スクールポリシーの策定そして公表を義務づけるなどの対応を行ってきたところであります。また、文部科学省におきまして二月に公表した高校教育改革に関する基本方針、グランドデザインにおきましても、生徒や保護者に対する情報公開の重要性について言及をしているところであります。
グランドデザインにのっとった高校教育改革促進基金の先導拠点におきましては、スクールポリシーに基づく学校運営でありますとか、教育活動の具体化を図るとともに、生徒の学びの成果や課題の把握と教育活動の改善への反映、そしてこれらを公表する仕組みの構築、学校選択や生徒、保護者の学校理解に資する情報公開の促進に取り組むことを要件とさせていただいているところであります。
先導拠点の優れた取組を広げていただくことは重要でありまして、是非、先導拠点以外の学校におきましても、校外学習も含めた生徒の学習活動などを適切に情報公開をいただき、生徒や保護者に広く御理解をいただくことが大切であるというふうに考えておりますし、また、今回の基金での各都道府県の取組というものも踏まえつつ、生徒や保護者の判断に資する情報公開の在り方について考えてまいりたい、そのように考えております。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
校外活動も含めた教育内容の公開も重要ではないかという御発言をいただきました。先導拠点での実例を基に、強いリーダーシップを発揮いただいて、どういった形がいいかなどの例示をするなど、主体はあくまで都道府県だと存じておりますけれども、働きかけることを期待してまいりたいと思います。
続きまして、国際科学技術コンテスト支援事業についてお伺いいたします。
JSTが実施する本事業は、理数系の意欲、能力が高い中高生のために、教科系のコンテスト支援や国際大会への日本代表生徒の派遣を支援する事業です。
私、先日、こちらの支援事業にはまだ採択されていないんですけれども、国際人工知能オリンピックという、二〇二四年に第一回が開催された新しいコンテストの方から話をお伺いいたしました。これは五年ごとに採択されるということもありまして、本支援事業の採択時期と重なっていないことから、国際人工知能オリンピックはまだこの支援対象となっていないというお話だったんですけれども、実際に、こちらのオリンピックの方、二回目に当たる昨年、二〇二五年の大会では、日本代表四名全員がメダルを獲得したりですとか、国別の順位では八位に入る好成績を収めているとお伺いしております。実際に大会に参加された方からも、やはり同じ、事前の合宿を含めた日本の生徒との切磋琢磨ですとか、海外の参加者との交流から大いに刺激を受けたというお話もお伺いしております。
ただ、このJSTの支援事業について、採択基準におきまして、学習指導要領で定まる教科、科目に関連するものが対象とされるため、今後、新しい募集のタイミングでも、この国際人工知能オリンピックが採択されるかは不透明であるというふうにもお伺いしております。
こういった、科目を基準とする運用については、今後、新しい学問分野ですとか、それに基づいて科目についても単元が広がり得ることですとか、教科横断的なコンテストが現れた際に柔軟に対応しづらいのではないかという課題も考えられます。
こういった機会を通して若い人材が世界の舞台に挑戦することは心強く思いますし、理数系人材が挑戦する機会が幅広くあることは大いに重要だと考えております。
ここで、政府参考人にお伺いをいたします。JSTの国際科学技術コンテスト支援事業につきまして、支援対象はどのような基準で決まっているのでしょうか。また、科目単位で支援を決める基準は、新興、教科横断的な分野が構造的に漏れる可能性が指摘でき得ると考えますが、見解をお伺いいたします。
○西條政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘いただきました国際科学技術コンテスト支援事業、この支援対象となる科学オリンピックにつきましては、直近で実施いたしました公募の要綱では、中等教育課程における教科、科目を題材とし、生徒への研さん及び社会への波及効果を備えた理数系コンテストで、国際大会として国際科学オリンピックへ参加するものと定めております。
この基準は、学校教育との関連が深く、より多くの生徒が関わる分野のコンテストに支援を行うことによりまして事業効果の最大化を図るためのものではございますけれども、御指摘の新興、教科横断的な分野のコンテストを一律に排除するものではなく、基準に該当するか否かは提案内容を踏まえまして審査の中で個別に判断されるものというように考えてございます。
なお、本事業の令和九年度以降の支援対象に係る公募の在り方については、現時点では未定であり、その支援基準を含めまして、今後検討を進めてまいります。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございました。
今後検討対象ということと、一律のものではないというふうなお話をいただいたと認識しております。こちらは次期募集に向けて引き続き検討をお願いいたします。
なお、今回のこの事業の参加者や関係者の方にお話を伺いますと、単に大会の参加だけではなくて、事前の合宿などを含めた幅広い支援の形がよかったというお声も伺っておりまして、このような支援自体は是非是非御継続いただきたいと思います。
一方、国際人工知能オリンピックの場合、大会の運営に当たって、計算リソースをどうやって確保するかというところに御苦労があるという話も聞きました。このコンテストの性質上、単なる参加費ですとか滞在費だけじゃないところにコストがかかるケースもありますので、その辺りも柔軟に手当てするような御検討を重ねてお願いしたいと思います。
続きまして、このような支援の対象にならない国際大会への参加や、あるいは、そういったコンテストに参加される方に触発されたことでどんどんいろいろな方がこういった領域に興味を持った際の、多様な支援の受皿を創出していくことの重要性を鑑みた際に、お伺いをさせていただきます。
支援対象外の国際大会への支援を含め、理数系や先端領域を学ぶ意欲ある児童生徒を支える仕組みとして、現行でどういったものがあり、今後どう拡充していくおつもりか、政府参考人にお伺いいたします。
○西條政府参考人 お答えいたします。
我が国の科学技術イノベーションを支える中核的基盤は科学技術人材であり、理数系や先端領域を学ぶ意欲のある児童生徒の支援は大変重要と考えてございます。
文部科学省におきましては、先進的な理数系教育に取り組む高等学校等を指定、支援するスーパーサイエンスハイスクール支援事業を実施しておりまして、御指摘のような科学オリンピック国際大会への出場に関しましても、指定校の生徒であれば学校に措置される予算を通じて支援が可能となってございます。
また、大学等が教育プログラムや研究指導を提供し、理数系に優れた意欲、能力を持つ児童生徒の更なる能力伸長を目指す次世代科学技術チャレンジプログラム、これはSTELLAと呼んでございますけれども、これも実施しているところでございます。
これらの事業につきましては、科学技術・学術審議会人材委員会において、事業の一層の強化に向けた検討を進めてきたところでございまして、来月には、新たな科学技術人材に関する基本政策として報告書を取りまとめる予定としてございます。当該報告書等を踏まえまして、より多くの意欲ある児童生徒を支援できるよう、引き続き次世代の科学技術人材の育成に向けた幅広い取組を積極的に推進してまいります。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。そちらの報告書の内容も、是非拝読させていただきます。
突き抜けた方々が伸び伸びと学べる環境をつくることや、そういった機会へのアクセスを広げていくことは大変重要と考えております。私は、経済産業委員会の方でも似たようなテーマで御質問させていただきまして、未踏というプロジェクトについて議論をさせていただきました。こういったプログラム間の交流ですとか、そちらの際でも話題になったんですけれども、特に地方の学生に対してもこういった機会が開かれていたりですとか、より挑戦できる土台をつくることにも一層取り組んでいただければと思います。
続きまして、教員養成課程における障害の社会モデルを学ぶ意義についてお伺いをいたします。
教員養成部会の特別支援教育作業部会において、ICFの考え方に基づき、障害の社会モデルを教職課程コアカリキュラムに反映する方向で審議が進んでいるところと承知しております。これにより、広く障害の社会モデル、社会の側に障害があるという考え方でございますけれども、この考え方を教員が学ぶこととなります。
まず、大臣にお伺いいたします。この検討の方向性の意義について、大臣がどうお考えか、御見解をお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 中央教育審議会におきましては、次期学習指導要領に向けまして、多様性の包摂を基本的な考え方の一つとして議論をしておりまして、障害のある子供たちの学習活動に当たりましては、多様な子供たちが通常の学級に在籍していることを前提といたしました学級づくり、授業づくりの重要性について御議論をいただいているところであります。
また、今後の教職課程の在り方に関する議論におきましても、学習指導要領に関する議論の方向性も踏まえまして、全体の内容を厳選しつつ、幼小中高等学校の教職課程におきまして特別支援教育について学ぶ内容を質的、量的に充実していく、そうした方向が示されているところであります。
特別支援教育に関する教職課程の内容の充実に当たりましては、御指摘の、WHOが定めますICFの考え方も踏まえまして、障害の社会モデルや合理的配慮の提供に対する理解、多様な子供たちが通常の学級に在籍していることを踏まえた授業づくり、学級づくりなどを取り扱うことについて御検討をいただいているところであります。
文部科学省として、今後の中央教育審議会における議論も踏まえまして、教職課程において、教師を目指す学生が、社会モデルの考え方の理解も含めまして特別支援教育についての理解を深めることができるよう、必要な検討を行ってまいります。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
まさにおっしゃっていただいたとおり、次期学習指導要領の一つの柱は多様性の包摂と承知しております。この障害の社会モデルの考え方が、特別支援における考え方に閉じず、多様な児童生徒がいらっしゃる学校空間においての考え方の基本的なOSの一つとなることを期待しています。
続いて、特別活動での多様性、包摂性についてお伺いをいたします。
総則・評価特別部会では、特別支援教育のワークグループの議論を踏まえ、特別活動を重層的支援構造の第一層支援の核として位置づける提案がなされました。第一層支援とは、発達支持的生徒指導ということで、全ての児童生徒を対象とした生徒指導の基盤でございます。これはいわゆるUDLの考え方を踏まえて、特別活動が多様性、包摂性を尊重した学校生活づくりの起点となることだと理解をしております。
改めまして、政府参考人にお伺いいたします。今回の特別活動における検討についてどのような意図を持って進められているのか、お伺いをいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。
学習指導要領の改訂に向けまして、昨年九月に中央教育審議会が取りまとめた論点整理、ここで、多様性の包摂を次期学習指導要領に向けた基本的な考え方の一つと位置づけております。その中で、特別活動を、身近な社会である学級、学校で、多様な他者との対話や協働により、確かな民主主義の担い手を育み、共生社会を実現する基盤を提供する領域として、その位置づけを明確化することとしてございます。
とりわけ、特別活動のうち学級活動につきましては、基礎的な生活コミュニティーである学級における生活づくりなどを対象としてございまして、御指摘のとおり、学校における多様性、包摂性の実現に向け、教育課程上、重要な役割を果たすものと考えてございまして、現在そうした方向での議論が進んでいるところでございます。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
特別活動という、日本の教育でも非常に特徴的な営みの中でも、こういった考え方、多様な児童生徒が学びやすい環境をつくっていくということの重要性が増していくということですので、現役を含めた教員の間で、こういった障害の社会モデルですとか特別支援教育の考え方を生かした支援方法について広く広がることを期待しております。
その観点から、現職教員へのこの考え方の伝達、定着についてお伺いいたします。
障害の社会モデルが教職課程コアカリキュラムへの反映がされるというのは重要な一歩でございますけれども、これだけでは、現在、学校現場にいらっしゃる教員には届き切るとは言い難いです。現職教員の意識が変わらなければ、なかなか新しく入る教員だけでは現場を変えていくことは難しいと感じます。
ここで、大臣にお伺いをいたします。多忙な教員の時間をどう確保しながら、現職教員へICFに基づく障害の社会モデルの考え方を広げていくお考えか、お伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 特別な教育的支援が必要な子供たちが増加をしている現状を踏まえまして、全ての教師が社会モデルの考え方も含めまして特別支援教育に関する専門性を身につけることは大変重要であると考えているところであります。
文部科学省としては、都道府県教育委員会等に対しまして、全ての教員が採用後十年以内に特別支援教育を複数年経験するなどの人事上の配慮や研修の充実を求めるとともに、国立特別支援教育総合研究所におきまして、地域の中核を担う指導者養成研修の実施や広く教師が視聴可能な研修動画を公開するなど、都道府県などにおける取組の支援を通じまして、教師の専門性向上に努めているところであります。
引き続き、各種会議等の機会を捉え、専門研修や研修動画の積極的な活用を促すことを始め、教師の皆さんの働き方改革の観点、そして日々多忙な業務に従事をしていただいているという、そうした観点にも考慮をしつつ、全ての教師の理解促進及び専門性向上に資するように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
こういった教材を公開されることとともに、教師の同僚性に基づく相互の学び合いの機会も拡充されていくことを期待しております。
以上、本日、時間となりましたので、私の質問も終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○斎藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時五十分散会

