第12号 令和8年6月3日(水曜日)
令和八年六月三日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 斎藤 洋明君
理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君
理事 岸 信千世君 理事 深澤 陽一君
理事 盛山 正仁君 理事 浮島 智子君
理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君
石田 真敏君 伊藤 聡君
井原 隆君 内山 こう君
黒崎 祐一君 下村 博文君
田中 昌史君 辻 秀樹君
辻 由布子君 渡海紀三朗君
永岡 桂子君 丹羽 秀樹君
福田かおる君 藤沢 忠盛君
船田 元君 細田 健一君
宮内 秀樹君 森原紀代子君
山下史守朗君 山本 大地君
泉 健太君 原田 直樹君
山崎 正恭君 市村浩一郎君
喜多 義典君 近藤 雅彦君
渡辺 藍理君 河合 道雄君
…………………………………
文部科学大臣 松本 洋平君
文部科学大臣政務官 福田かおる君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 望月 禎君
政府参考人
(文化庁次長) 日向 信和君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浅井 俊隆君
文部科学委員会専門員 津田樹見宗君
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委員の異動
六月三日
辞任 補欠選任
あべ 俊子君 伊藤 聡君
宮内 秀樹君 細田 健一君
菊田真紀子君 原田 直樹君
河井 昭成君 近藤 雅彦君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 森原紀代子君
細田 健一君 宮内 秀樹君
原田 直樹君 菊田真紀子君
近藤 雅彦君 河井 昭成君
同日
辞任 補欠選任
森原紀代子君 あべ 俊子君
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六月三日
コロナ後遺症等患児・者への教育を受ける権利の保障を求めることに関する請願(田村智子君紹介)(第六一九号)
同(犬飼明佳君紹介)(第七一九号)
同(角田秀穂君紹介)(第七二〇号)
同(平林晃君紹介)(第七二一号)
私立幼稚園を始めとした幼児教育の充実と発展に関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第六四七号)
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(畑野君枝君紹介)(第六六二号)
学費負担の大幅軽減と私大助成の増額に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第七一五号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第七一六号)
同(田村智子君紹介)(第七一七号)
同(畑野君枝君紹介)(第七一八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)
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○斎藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省初等中等教育局長望月禎君、文化庁次長日向信和君、経済産業省大臣官房審議官浅井俊隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○斎藤委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。辻由布子君。
○辻(由)委員 おはようございます。自由民主党東京ブロック、辻由布子でございます。
本日が人生初の国会質疑となります。この機会をお与えいただき、ありがとうございます。
今回は充実した質疑時間を頂戴しておりますので、それを生かして、著作権法改正がその法の趣旨にのっとって着実に運用され、十七の戦略分野の一つとしてコンテンツ産業の海外展開が力強く推進されるよう、通告に従い、しっかりと進めてまいります。
まず初めに、今回、なぜレコード演奏・伝達権の創設を図るのか、また、レコード演奏・伝達権の導入によりどのような効果を期待しているのでしょうか。大臣に改めて改正の契機をお伺い申し上げます。
○松本(洋)国務大臣 辻委員の初質問ということで、答弁をさせていただくのもしっかりさせていただきたいと思います。
本法律案で導入を図りますいわゆるレコード演奏・伝達権でありますけれども、国際条約に位置づけられ、広く海外で既に導入をされているところであります。
しかしながら、我が国におきましては導入されていないことから、我が国の実演家等は、商業用レコードが諸外国などで公に再生、伝達された場合であっても、相互主義により適切な対価を得ることができていないという課題が生じていたところであります。
また、近年、日本の音楽の海外での人気というものは高まっておりまして、新たな基幹産業であるコンテンツの海外展開を更に促進をいたしまして、実演家等への適切な対価還元とその活動の促進を図る重要性が増しているというふうに承知をしているところであります。
レコード演奏・伝達権が導入されますと、国内及び海外から我が国の実演家等に対しまして対価が支払われることになりまして、これにより実演家等に適切な対価が還元される、こうしたことが期待されているところであります。また、適切な対価が得られるようになれば、実演家などの活動に新たなインセンティブを生じさせるものでありまして、特に我が国の音楽やアーティストの海外展開の促進、こうしたことにもつながると考えているところであります。
○辻(由)委員 松本大臣、ありがとうございました。
続いて、政府参考人に詳細を伺ってまいります。
今回の法改正で創設を目指しているレコード演奏・伝達権ですが、世界中においては既に百四十二か国で導入済みです。日本は最も創設が遅い後発国とも言えます。なぜレコード演奏・伝達権の創設がこのタイミングとなったのか、伺います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
我が国において、実演家等の権利である著作隣接権は、昭和四十五年に現在の著作権法へ全面改正した際に新たに整備をいたしました。
著作隣接権は、利用場面ごとに具体的な権利が定められており、当時、その一つとしてレコード演奏・伝達権を定めるかどうかが議論されましたが、著作隣接権を定めるローマ条約の締約国が当時は十か国程度にとどまっていたこと、当時の喫茶店等の業種では商業用レコードの利用はそれほど多くなかったことなどから、将来の国際的な動向の進展も踏まえて再検討することが適当とされました。
その後、レコード演奏・伝達権が広く海外で導入されるようになるとともに、我が国においても公の場で商業用レコードが広く利用されるようになりました。こうした状況の変化や、我が国の音楽やアーティストの海外展開の促進、実演家等への対価還元の促進といった観点等を踏まえ、文化審議会において審議いただき、その報告を踏まえ、今国会に法律案を提出させていただきました。
○辻(由)委員 日本のアニメの海外展開を機に、例えば、YOASOBIさん、Creepy Nutsさん、LiSAさんなど、テーマソングとして使われているアーティストの曲が世界中でよく聞かれるようになりました。
レコード演奏・伝達権の導入において、日本の貿易収支は黒字、赤字のどちらを見込んでいますでしょうか。また、海外からの収入と日本からの支出は各々どの程度を予想しているのか、伺います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権の導入による諸外国との収支の見込みについては、令和七年度に委託調査により試算を行ったところです。
試算結果によれば、二〇二四年にレコード演奏・伝達権が導入されていたと仮定した場合、二〇二四年には、諸外国から得られる収入が約二十四億円、諸外国に支払う支出が約十六億円であり、差引き約八億円の黒字と推計をされております。
また、将来の見込みについては、二〇三四年における国際収支を一定の仮定の下で試算したところ、諸外国から得られる収入が約五十一億円、諸外国に支払う支出が約二十六億円で、約二十五億円の黒字と推計をされております。
○辻(由)委員 次に、今回の法改正で創設されるレコード演奏・伝達権について、本案成立後の使用料の徴収や分配といった具体的な実務は誰が担うのでしょうか。また、それに対する文化庁の関与や責任についてお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の徴収や管理、分配の実務についてですが、権利者団体の中から文化庁長官が指定する団体が行うこととしております。この指定団体において的確に業務を遂行できる体制を構築することが必要と考えております。
文化審議会の報告においても、レコード演奏・伝達権の徴収、分配に関しては、権利者による権利行使の一環であり、具体的な仕組みや方法について、一義的には権利者自身が構築する必要があること、実演家等への適切な対価還元を実現するため、指定団体がその役割を着実に果たしていくことが非常に重要であり、十全な実施が求められることが指摘をされております。
文化庁の関与についてですが、本法律案においては、指定団体に対して、文化庁長官の報告徴収、勧告等の監督権を定めています。また、本法案成立後に定める予定の政省令において、二次使用料の分配方法や管理手数料等に関する事項を指定団体の業務規程に定めさせ、文化庁長官に届けさせることなどを定めることを検討しております。
文化庁としましては、十全な、十分な実施体制が着実に構築されるよう、適切に指導助言等をしてまいります。
○辻(由)委員 今お話にありましたとおり、指定団体におかれましては、的確に業務を遂行することが求められています。
この中で重要な徴収業務についてお伺いいたします。
国内、海外において、どのように指定団体が使用料を徴収し、また、それを遂行するための業務体制を整えていくのか、お伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の徴収に関しては、本法案成立後、指定団体において具体的な方法及び体制を検討、構築することとなります。
まず、国内における徴収については、文化審議会においても御議論いただいた留意事項等を踏まえ、利用者、指定団体双方の徴収コストが過度なものにならないよう、デジタル技術の活用や利用者団体等を通じた包括契約、音楽著作権の管理団体との連携等の負担の少ない徴収方法を検討することが必要と考えております。
また、海外における徴収については、既に権利を導入している各国において権利の管理を行う団体や徴収の体制が整えられており、海外から対価を得るため、指定団体と各国の著作隣接権管理団体が連携をする必要があります。
本法律案をお認めいただいた暁には、指定団体において速やかに国内の徴収体制の整備及び各国の著作隣接権管理団体との間で連携が進められるよう、文化庁としても指導助言等をしてまいります。
○辻(由)委員 今の答弁にもございましたように、徴収コストを下げるためには、デジタル化や包括契約、負担の少ない徴収方法を整えることが非常に重要かと存じます。
このように、効率化を図ることは、徴収した使用料を適切に実演家、レコード製作者に還元するために不可欠と考えますが、政府の認識を伺います。また、これらを実現するために、現時点でどのような具体策を検討しているのか、併せてお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料は、本法律案成立後、権利者団体の中から指定された指定団体において具体的な徴収方法を検討、構築することとなります。
文化審議会の報告書においては、先ほども御説明をさせていただきましたが、業務用BGM配信サービス事業者や統括団体等を通じた包括徴収が可能なものについては、できるだけ包括徴収を行うこと、電子決済を始めとするデジタル技術を駆使した徴収の仕組みを構築すること、音楽著作権の管理団体と連携することなどが挙げられております。
本法律案をお認めいただいた場合には、文化庁としても、徴収業務の負荷を軽減させ、効率化が図られるよう、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいります。
○辻(由)委員 カフェやレストランを始め、ダンス、演劇、結婚式などのイベント会場、フィギュアスケート、フィットネスクラブ、ジムなどの利用者にとっては、今般の法改正によっては新たな負担が生じます。今般の法改正により、楽曲使用に伴う経費が大きくなり、例えば、中小規模のダンスや舞台演劇の公演が成り立たなくなるようなおそれがあります。
これまで、各利用者とはどのような調整を図ってきたのか、また、どのような意見が寄せられていたのかをお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権の導入に関しては、飲食等のサービス業や小売業等の団体、舞台等の文化芸術団体、スポーツ団体など、音楽を利用する様々な団体から、文化審議会においてヒアリングを行い、御意見を伺ってまいりました。御意見の内容としては、権利の導入に賛成するという御意見のほか、趣旨は理解するものの二次使用料の金額や徴収手続の負担に配慮してほしいといった御意見や、徴収漏れなどにより利用者間で不公平感が出ないような徴収方法を構築してほしいといった御意見が主に寄せられたところです。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の額は、その額自体を法令で定めるのではなく、本法律案成立後、権利者団体の中から指定された指定団体が定めることとなりますが、その際には、指定団体と利用者代表の間で協議、調整をすることとなります。利用者の声もしっかりと受け止め、十分に配慮した協議、調整が行われるよう、文化庁としても、必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応してまいります。
○辻(由)委員 ありがとうございます。引き続き丁寧な協議をお願いしたいと思います。
使用料を支払うべき小規模事業者については、一定の配慮が講じられるべきだと考えます。例えば、既にレコード演奏・伝達権を導入している韓国におきましては、五十平米未満の営業面積の一部の業種では徴収を免除しています。また、著作権使用料では組合加入によりディスカウントが受けられるなど、一定の配慮が見られるところです。
今回の法改正で、特に中小規模の事業者や舞台芸術関係者にどのような措置を検討しているのか、お伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の額については、本法律案成立後、指定団体において具体的に検討し、利用者側との協議を経て、確定することとなります。
その検討に当たりましては、利用者側の負担にも配慮することは重要であり、文化審議会の報告書においても、社会経済状況の変化や各業界、業種の固有の状況、影響が大きいと考えられる小規模事業者が受ける負担に配慮をすること、面積や定員数等に応じて段階的に金額を設定するなど事前に各業界、業種の関係者と十分に協議してきめ細かく検討すること、規模等の特に小さい事業等に関しては事前に十分に協議を行った上で支払いの免除や減額の措置を講じるよう検討、実施すること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げることや、徴収開始まで更に一定の猶予期間を設けること等の緩和措置を検討、実施することなども踏まえる必要があると考えております。
指定団体において、利用者側の意見を丁寧に聞いて協議、調整が行われるよう、文化庁においても、必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応してまいります。
○辻(由)委員 私は、事務所を演劇の町、下北沢に構えておりまして、地元で舞台や演劇に携わる方々の意見もしっかり聞いて御支援してまいりたいと存じます。
次の質問でございます。
小規模事業者の方においては、特に現在、ゼロゼロ融資が終了する一方で、原材料費、人件費が高騰する中でも価格転嫁が難しく、厳しい経営状況にございます。既にJASRACから使用料が徴収されている中、今回の法改正により、なぜ更に追加で支払う必要があるのかといった問いに丁寧に説明する必要があるのではないでしょうか。対応状況をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権が創設された場合、利用者に御負担が発生するものとなることから、その御理解をいただけるよう、制度の趣旨やお支払いいただいた二次使用料の分配の状況等について、利用者を始めとする国民の皆様に対して丁寧に周知することが必要であると考えております。
文化審議会の報告書においても、レコード演奏・伝達権の趣旨やその徴収等の詳細について、利用者を始めとする国民に分かりやすく周知を行う必要があることとされております。
本法律案をお認めいただいた暁には、文化庁としても、改正法の施行までの間に、まずはレコード演奏・伝達権の趣旨等について、様々な広報媒体を利用したり、関係省庁や利用者の団体と連携したりするなどして分かりやすく周知をしてまいります。また、指定団体が指定された後には、指定団体等からも、レコード演奏・伝達権の趣旨等について十分な周知が行われることや、二次使用料の額等の詳細が確定した際には、利用者に対し、その内容について十分な周知が行われることが必要です。
加えて、改正法の施行後は、指定団体においてレコード演奏・伝達権に係る徴収、分配の状況等について明らかにすることが重要となります。こうした周知や徴収、分配の透明性の確保がしっかりと行われるよう、指定団体に対し、必要な指導助言等を行ってまいります。
○辻(由)委員 二次使用料の支払いについては、支払う人と支払わない人との間で、先ほど答弁にもございましたように、不公平感が発生しないように、関係省庁、経産省や国交省などや、関係団体とも連携して周知を図ることが必要と考えますので、こちらもしっかりと対応をお願いいたします。
次の質問に移ります。
今般、新たな権利者となる実演家、レコード製作者に適正な対価が還元されることを期待いたします。既に著作権として権利が設定されている作詞家、作曲家への対価や、海外の実演家、レコード製作者への対価の事例も踏まえつつ、改正の趣旨である音楽のコンテンツ産業の海外展開の促進につなげるため、適正に使用料を設定することが必要ではないでしょうか。見解を伺います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
実演家等への適切な対価還元を図り、我が国の音楽、アーティストの海外展開の促進につなげるため、適正に二次使用料の額を設定することは重要と考えております。
二次使用料の額は、本法律案成立後、指定団体において具体的に検討し、利用者側との協議等を経て確定することとなります。その際には、著作権の管理団体における状況や諸外国における事例など、様々なものを参考に検討を行うことになると考えております。
文化庁としましては、本法律案の趣旨等を踏まえつつ、必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応してまいります。
○辻(由)委員 今回の改正を契機に、日本のコンテンツ産業の海外展開が更に加速することを期待いたします。こちら、松本大臣の意気込みを伺えますでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 本法律案は、実演家などへの適切な対価還元と音楽やアーティストなどの海外展開の促進を図るものでありまして、非常に重要なものである、そのように考えているところであります。
我が国におきまして、何が一体、我が国の産業は海外で稼いでいるのかという数字を見たときに、一番が自動車産業であるわけでありますけれども、二番は、半導体とか鉄鋼とかではなくて、実はコンテンツ産業というふうに数字も出ているところでもありまして、そういう意味では、ただ単にアーティストのためだけではなくて、我が国にとりましても、これらの分野の海外展開を促進していくということは大変大切なことであると考えております。
コンテンツ産業にも様々な分野というものがあるわけでありまして、例えば伝統芸能みたいなものももちろんそうでありますし、また、アニメであるとか漫画であるとか映画であるとかゲームであるとか舞台など、様々あるわけでありますけれども、やはり音楽というものも大変重要な大きな柱であるというふうに考えているところでもあります。また、先ほど委員からもお話がありましたように、アニメなどが海外でヒットをすると、それにつれて主題歌などの音楽も海外で大変話題になったり人気が出てくるというようなこともあるわけでありまして、そういう意味で、そうした機会損失をなくしていくという意味合いからも大変大事なものであると考えております。
先ほど政府参考人からも答弁をさせていただいたように、試算をした結果、我が国の貿易収支にとっても、この措置を入れるということは黒字になる見込みということであります。
先日、私の大臣室にもアーティストでありますとか音楽関係者の方がお越しをいただきまして、直接その御期待の声をお伺いしたところであります。こうした思いをしっかりと受け止めまして、円滑な徴収、分配体制の構築、関係者の方々への積極的な周知などによりまして実演家などへの望ましい対価還元を図り、我が国の音楽やアーティストの海外展開の一層の促進を図ってまいりますとともに、これまで委員が御指摘をいただいたような様々な配慮というものにも、私たち、しっかりと目くばせをすることによって、そうしたアーティストの音楽というものが広く国民の皆さんの近くにあるような環境というものも維持しつつ、こうした海外展開をしっかり後押しをしていく取組を進めてまいりたいと考えております。
○辻(由)委員 松本大臣、充実した答弁、ありがとうございました。
私も、音楽を愛する一人の人間として、今後、コンテンツ産業が海外展開もしてしっかりと十七の戦略分野の一つとして進められていくことを期待して、続きまして著作権に関連しての関連質疑を行わせていただきたいと思います。
まず、文部科学省、総務省、外務省などが共同で運営するJETプログラム、外国語青年誘致事業というものがございます。こちらについて、政策目的と政策効果についてお伺いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
JETプログラム、ジャパン・エクスチェンジ・ティーチング・プログラム、これは、日本における外国語教育の充実と地域の国際交流などを目的としまして、昭和六十二年、今から約四十年弱前ですけれども、一九八〇年のプログラム開始以来、八十二か国から八万人以上を日本に招致してまいりました。
令和七年度七月時点におきまして五千九百三十三名が日本で活動してございますけれども、そのうち約九割の五千四百十八名がALT、いわゆる外国語指導助手として日本の外国語教育の充実に貢献いただいてございます。
ALTの事業参画が、生徒の英語の活動、あるいは英語の授業、そしてネイティブの方が入ってくるということで、教師の英語教育、英語指導の充実に影響するなどの成果も明らかになっているところでございます。
また、JETプログラムの経験者の中には、帰国後に政府の要職に就かれた方や日本文化を発信されている方など、日本と出身国との懸け橋として活躍をされている者もございまして、JETプログラムは、我が国のソフトパワーの一端を担っていると考えているところでございます。
文部科学省としましては、外務省や総務省とも連携をしながら、引き続きJETプログラムの充実に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○辻(由)委員 著作権に関連して、優れた文学作品を海外へ発信し、市場を開拓するには、翻訳者の育成が不可欠でございます。文化庁が実施している翻訳コンクールの具体的な政策目的とこれまでの成果、人材輩出をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
文芸作品は、他のコンテンツの根幹となるIPやストーリーの源泉であるとともに、日本の文化や思想への理解、関心を中長期にわたって促進する、いわゆるソフトパワーとしての重要な役割も果たしております。
一方で、こうした活動を、活字文化を海外に発信していくためには、言語の障壁を乗り越える必要があり、高度な翻訳技術と表現力を備え、あわせて、日本文化の発信者としての役割も担う翻訳家の育成が不可欠です。
このため、文化庁では、文芸翻訳家の育成を目的に翻訳コンクールを実施してきており、本年で第十一回を迎えます。これまでに世界の第一線で活躍するプロフェッショナルの翻訳者を多数輩出してきました。
例えば、第一回コンクールで最優秀賞を受賞したポリー・バートン氏は、柚木麻子氏の「BUTTER」の英訳を手がけ、同作品が世界的なベストセラーとなることに貢献をいたしました。また、第二回の最優秀賞受賞者であるサム・ベット氏は、王谷晶氏の「ババヤガの夜」の英訳により、英国推理作家協会賞、いわゆるダガー賞の翻訳小説部門を受賞するなど、国際的に高い評価を得ているところでございます。
さらに、本年度は、これまでの取組に加え、過去の受賞者等を招聘した対面型のワークショップや、我が国出版社とのネットワーキングにも取り組む予定としております。
文化庁としましては、引き続き、翻訳コンクールの実施を通じて翻訳家の育成を推進するとともに、我が国の文芸作品の国際展開の一層の強化に努めてまいります。
○辻(由)委員 さきの答弁のとおり、日本の文芸作品の国際的な評価が高まっております。さきに事例に出ました柚木麻子氏の「BUTTER」は、海外で百万部の販売を誇っております。
一方で、海外の市場でどういうふうに売り込むかといった、流通やマーケティングの視点がもう一つと言わざるを得ないのではないでしょうか。文芸作品の国際展開を促進するために、官民を挙げて国際的な文学祭を日本で開催することも一つと考えられますが、検討状況をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、日本において国際的な文学祭が十分に展開されていないことについては、課題として認識をしているところでございます。
国際的に活躍する作家や翻訳者、出版社等が集い、トークイベントや朗読会、読者交流、その他様々な関連イベント等を行う文学祭は、国際交流や読書推進の場としての意義を有するとともに、翻訳出版の権利取引や国際的なネットワーク形成を促進する場として、ビジネス展開にも資するものだと考えております。
現在、文化庁では、作家、アカデミア、出版関係者、関係省庁等から成る活字文化グローバル展開協議会を立ち上げ、議論を行っているところです。本協議会では、出版社の垣根を越えた戦略的な海外展開、翻訳者や出版社人材等の中核的人材の育成、さらには、先生から先ほど御指摘をいただきました、官民が連携した形での国際的な発信拠点の在り方について検討を進めているところでございます。早急に一定の方向性を取りまとめさせていただきたい、このように考えております。
今後とも、先生御指摘の点も含めまして、文芸作品を中心とする我が国の活字文化のグローバル展開を推進してまいりたい、このように考えております。
○辻(由)委員 ありがとうございます。
文学作品は、映画化や実写化、アニメ化、漫画化、舞台、ミュージカル化など、その後のコンテンツ展開の起点となるものです。
今、文科省のJETプログラムで、四十年間、八万もの種をまいています。文化庁の翻訳コンクールで花を咲かせています。これから必要なのは、その果実を収穫することではないでしょうか。その手段となり得るのは、今お話のあった国際文学祭の開催であったり、経産省のIP三六〇、そして外務省の広報文化外交がこれに資するものかと考えます。文科省、文化庁、経産省そして外務省が連携してコンテンツの海外展開に取り組んでいただきたいと思います。既に個別の政策は、今御説明いただいたとおり、ございます。こちらに欠けているのは、政策連携と出口戦略だと考えます。
続きまして、今までソフトの話をしてきましたので、ハードの話に移らせていただきたいと思います。
国立美術館などの中期目標では、自己収入の多角化や、文化的価値と収益性の両立に向けて、ユニークベニューなどでの施設貸出しや活用促進が掲げられています。
文化庁として、所管施設におけるユニークベニューの更なる活用、検討状況をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
国立博物館、美術館は、収蔵品等の展示を行うほか、重要文化財に指定された施設もあるなど、建物自体も大きな魅力を有しております。そうした施設について、ユニークベニュー等での有効活用を行うことも重要であると考えておるところでございます。
国立美術館等の中期目標には、ユニークベニュー等での施設の活用推進を記載しております。
各施設のウェブサイトでは、使用可能場所や使用条件等を掲載し、施設利用の案内を行っております。これまで、ファッションショーやフォトウェディング、テレビ、CM撮影等の様々な用途で施設の有料貸出しに取り組んでいるところでございます。
例えばでございますが、東京国立博物館におきましては、映画のジャパンプレミア、日本初公開の試写会ですとか、ファッションショー、金融関係の関係者が集うイベント、それからテレビ等の撮影、こうしたことなどで東京国立博物館を活用いただいております。また、国立新美術館や国立科学博物館、こういった場所につきましても、企業のビジネスカンファレンスですとかCMの撮影などで活用いただいておるところでございます。
今後、ユニークベニュー等での一層の施設の有効活用に向けまして、国立博物館、美術館には、ウェブサイトの情報充実などを通じた広報の強化ですとか、又は相談に応じる必要な人員体制の整備など、こういったことを行っていただきたいと考えておるところでございます。
一方、文化庁におきましても、予算措置等、必要な支援を行ってまいります。
○辻(由)委員 ありがとうございます。
私、内閣府のPFI推進室にも所属していたものですから、公共施設の有効活用という文脈には非常に期待しております。国立新美術館、国立科学博物館、そういったすてきなアセットがもう既にございます。こちらも、魅力アップをして国民に還元していただければうれしく思います。期待しております。
続きまして、少し視点を変えまして、都市と地方の文化格差についてお伺いいたします。
こういった都市と地方の文化格差を縮める手段として、どのような方策を検討していますでしょうか。例えば、地方公共施設の有効活用として、一流の文化芸術に触れられるよう、ライブビューイングやデジタル配信に必要な機器整備の補助を地方自治体へ実施するなど、国として強力に支援すべき点などがあるのではないでしょうか。見解をお伺い申し上げます。
○日向政府参考人 お答えいたします。
御指摘いただいたとおり、地方における文化芸術の鑑賞機会の充実については重要な課題である、このように認識をしております。
このため、文化庁におきましては、地方においても一流の文化芸術に触れる機会を確保する観点から、地域の劇場、音楽堂等と文化芸術団体が連携し、地方における実演芸術の拠点形成を図る取組について、本年度より支援を開始したところでございます。
この事業のイメージでございますが、例えば、芸術団体と劇場、音楽堂が連携をする。これは、地方の特定の劇場で毎年同じ芸術団体による公演が行われる。それから芸術団体と地域内の複数の劇場。これは、特定地域内の複数の劇場において毎年同じ芸術団体による公演が行われる。それから統括団体と劇場ということで、特定の劇場で毎年特定分野の公演、これは様々な団体、こうしたものが行われる。それから統括団体と劇場設置者ということで、特定地域内の劇場において毎年特定分野の公演が行われる。こうした内容で、今年度より御支援を始めさせていただいたところでございます。
その上で、舞台芸術の鑑賞に係るデジタル技術の活用についてでございますが、文化芸術に触れる機会を提供するとともに、生の公演に足を運ぶ動機づけとなる有効な手段であると私どもも考えておるところでございます。文化庁におきましては、これまで、舞台芸術作品のデジタルアーカイブ化や人材の育成、上映等を通じた収益化に向けた取組について、支援をさせていただきました。
具体的には、芸術性の高い舞台芸術作品の収集、保存、公開。これは、対象作品は公募をさせていただき、各分野の有識者が具体の作品を選定するという形でございます。それから、収録技術の提供による啓発活動ということで、例えば、上映、トークイベントの実施と配信を一緒にやるですとか、公立文化施設等での巡回ツアー、こういったものの試行ですとか、それから、教育パッケージ事業ということで教育現場での教材活用ですとか、アクセシビリティーの向上、これは外国人向けの多言語の字幕をつけるですとか、あと、障害をお持ちの方向けのアクセシビリティー事業、こうしたことについても、これまで取組をさせていただいたところでございます。
今後は、こうした取組の成果も踏まえながら、地方公共施設の活用の観点も含めて、デジタル技術を活用した鑑賞機会の拡充に向けて、先生の御指摘の点も踏まえ、必要な支援の在り方について更なる研究を重ねてまいりたい、このように考えております。
○辻(由)委員 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
やはり、都会に暮らしている者と地方とで、なかなか劇場とか生の人間のパフォーマンスを見る機会ということには差があるなと思います。こちらにいらっしゃる議員の方々に異論はないと思いますが、人の声、肉声には大きなパワーがございますので、デジタルを介した機会であったとしても、地方にもそういった機会が提供されることを望みたいと思います。
では、最後に、これまでの質疑などをお聞きになって、松本大臣に所感や御感想をお伺いしてもよろしいでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 大変重要な御質問、御指摘をいただいたというふうに承知をしているところであります。
今回の著作権法の改正に合わせてということでありますが、文芸作品にも触れていただきました。済みません、先ほど、私のコンテンツの幾つかの紹介の中で、文芸が抜けておりましたけれども、これも本当に大切なことだと思っているところでもあります。また、これを海外に展開をするためには、おっしゃるとおりで、翻訳を含めた、そうした技術というよりも、やはり、我が国の文化だったりというものをしっかりと理解をしてくれる、そういう人を育てていくということも大変大事だと思います。
特に、日本の文芸作品、文学作品というのは、点々々みたいな、我々としては、そこから伝わってくる感情みたいなものが分かるわけでありますけれども、多分、海外の方からしてみれば、この点々々に隠された感情というのは一体何なんだろうということを理解していただかなきゃいけないとかというようなこともあろうかと思います。また同時に、そうしたことを翻訳するためには、ただ単に文字を置き換えて翻訳をするだけではなくて、背景だったり、深いものをしっかりと理解をしていかなければいけないということもあるんだと思います。
また、ユニークベニュー等の施設貸出しや活用推進ということもおっしゃっていただいております。
国立美術館等の中期目標で、自己収入の多角化などが求められているわけでありますけれども、それらを進めていただくと同時に、例えば漫画ですとかアニメの舞台になったようなところというのは、その場所に実際に行ってみたいということで、巡礼という言われ方をしていたりもするわけでありますけれども、それ自体がまた経済効果を生んだり、また日本の魅力を高めていくということにもつながっていくということかと思っております。
そういう意味でも、大変重要な御指摘をいただきましたので、我々として、しっかりとそうした御指摘を受け止めつつ、今後の文化行政を進めてまいりたいと思います。
ありがとうございます。
○辻(由)委員 大臣、ありがとうございました。
政府は今、コンテンツ産業二十兆円を掲げています。これは、産業を強くし、経済的に豊かになることでなく、社会や人の心を豊かにする政策であると考えます。文化政策もこのように捉えて今後とも取り組んでまいりたいと思います。
ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 おはようございます。中道改革連合の浮島智子でございます。
本日は、著作権法の一部を改正する法律案ということで、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
今回は、日本におけるレコード演奏・伝達権の創設ということで、専門的な内容ではありますけれども、今回権利の対象となる実演家などの権利者と利用者の双方に目配りをしっかりとしつつ、日本における文化の発展という観点から本日は質問をさせていただきたいと思います。
まずは、法案の質疑に入る前でございますけれども、二問だけ、文科省から五月二十二日に出されました同志社国際高校の修学旅行中の事故に関する報告について質問をさせていただきたいと思います。
五月二十二日に出されたこの報告では、同志社国際高校の教育活動に対して、教育基本法十四条の二項に違反であると文科省から指摘をしました。私もこの報告書を拝見いたしましたけれども、学校の対応に明らかに問題があると思いますけれども、文科省の指摘に対しては、教育への政治の介入であるとか、平和教育や主権者教育が萎縮するといった意見が多く届いております。
本来、法案質疑は法案に関する質問ということでありますけれども、お願いしておりました一般質問の機会をいただけなかったので、二問だけ質問させてください。
三月十六日、沖縄県名護市の辺野古沖で船が転覆し、京都の同志社国際高校の修学旅行中であった生徒がお亡くなりになってしまうという事故が発生してしまいました。また、五月六日、新潟の北越高校では、部活動の遠征先にバスで移動する途中で高校生が亡くなってしまうという事故が発生してしまいました。お亡くなりになられた高校生の御冥福をお祈りするとともに、御家族、関係者の皆様に哀悼の意を申し上げたいと思います。
私は、中道改革連合の部会長として、三月二十五日に部会を開催し、まだ不明な点も多々ありましたけれども、文科省と国交省から状況をお聞きし、今後の対応に生かしていただきたいという趣旨で我々の懸念を伝えさせていただきました。
その後、五月十八日にも部会を開かせていただき、北越高校のバスの事故、北海道立高校の部活動における送迎車事故も含めて状況をお聞きし、移動手段や費用などについて保護者に事前に説明することの重要性などを改めて我々の懸念としてお伝えをさせていただいたところであります。
また、同志社国際高校の事故では、五月二十二日に文科省がこれまでに把握した事項と見解について発出されましたので、三回目の部会となりましたけれども、五月二十五日に部会を開催させていただきました。そこでは、文科省から説明を聴取して、高校の対応に明らかに問題があるという印象を私は受けましたけれども、学校現場を含めて多くの方に今回の事案の問題点を適切に知っていただき、平和教育や主権者教育について現場が萎縮することのないようにすることが重要であると思います。
そこで、まず文科省にお伺いいたしますけれども、同志社国際高校の事案で文科省が五月二十二日に指摘した報告について、主に教育の政治的中立の関係で問題があると指摘した内容について教えてください。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
同志社国際高等学校の研修旅行中に起きた事故によりまして、貴い命が失われ、多くの生徒が負傷した事案につきまして、文部科学省が京都府と連携をしながら四月二十四日に行いました現地調査などを通じまして、事実関係やこれまでの認識などについて聞き取りを行い、活動の状況が分かる書類の提出などを求めてまいりました。
その結果、文部科学省としまして、政治的活動のための抗議船による見学のプログラムを組み、実施をしていたこと、どのような船に乗るのか生徒や保護者への事前説明がなされていなかったこと、ライフジャケットの着用方法等の事前の安全指導、教育がなされていないなど安全管理上の問題があったこと、ボート乗船に関して事前の下見が行われていなかったこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおきまして牧師より複数年にわたりまして法令に反するものを含めて抗議活動に関する説明が行われていたこと、研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする文書を掲載していたこと、これらに関しまして、生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示をしていなかったことなどを総合的に勘案しまして、現時点で把握した事実、情報からは、辺野古への移設工事に関する学習につきましては、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条二項に反するものであると考えられ、是正を図る必要があるとの見解を五月二十二日にお示しをしたところでございます。
○浮島委員 今、御答弁の中に総合的な判断ということがありましたけれども、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
この文科省の報告に対して、文科省の指摘こそが教育への政治介入であるといった意見、また、平和教育や主権者教育が萎縮するといった意見が見られますけれども、大臣の見解をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 本事案における辺野古への移設工事に関する学習につきましては、現地調査などを通じまして研修旅行の状況を詳細に把握をしていく中で、これまで文部科学省として通知などで示してきた政治的中立性を確保していることが確認できなかったことから、教育基本法を所管する文部科学省といたしまして、所轄庁である京都府と認識を共有しながら事実を丁寧に確認し、判明した幾つもの事実を総合的に勘案をいたしまして、慎重に検討をして見解をまとめたものであります。
今回の見解を示したことについては、法律の趣旨にのっとり、その定めるところにより適正に行われる教育行政機関の行為でありまして、教育基本法第十六条第一項に定める不当な支配に当たるものではない、そのように考えているところであります。
なお、今回の事案でありますが、政治的活動を行う抗議船として日常的に使用される船に生徒を乗船させるという極めて異例の事態であると捉えております。したがいまして、平和に関する学習でありますとか主権者教育については、学習指導要領などに基づきまして、平和で民主的な国際社会の実現に努めることの重要性を自覚するようにする教育でありますとか、社会で自立し、他者と連携、協働しながら、社会の構成員の一人として主体的に担うことのできる力を身につける教育などを、引き続き各学校の創意工夫の下で積極的に実施をしていただきたいと考えております。
文部科学省といたしましては、学校現場の積極的な取組を後押ししてまいりたい、そのように考えております。
○浮島委員 子供たちの命を守るということは、最大の守らなければいけないことだと私も思います。
今御答弁ありましたように、一つの事案、船に乗船したからということではなくて、総合的な判断で決められたということでございますけれども、どうかしっかりと、平和教育、主権者教育を行っているところには、萎縮しないように文科省の方からでもしっかりと発信をしていただきたいと思います。
それでは、著作権法の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。
私はこれまでも、文化芸術の現場、芸術家、実演家、舞台関係者、そして地域で文化を支えておられる皆様にたくさんのお声を伺ってまいりました。
文化芸術というものは、単に余暇や娯楽をということではなくて、人の心を支え、地域を支え、また日本の魅力を世界へ発信していくソフトパワー、極めて重要な基盤であります。その中で、音楽は私たちの日常生活のあらゆる場面に存在していて、飲食店、美容室、小売店、ホテル、劇場、文化施設、また配信サービスを通して音楽は多くの方に届けられております。しかしながら、その音楽を歌い、演奏し、音楽CDやインターネット配信により世に出されている実演家やレコード製作者に、その利用に応じた対価が十分に還元されてきたかといえば、そうではありません。
今回の法案は、公の場で音楽CDやインターネット配信音源等が再生又は伝達された場合に、実演家やレコード製作者が二次使用料を受けることができるようにするものであります。これは、長年、実演家、関係者団体の皆さんが強く要望し、望んでおられた制度であり、ようやく一歩前に進んだと私は思っております。
一方で、この制度は、権利者だけを見て進めればよいというものではありません。音楽を利用する小規模事業者、飲食店、美容室、宿泊業、地域の文化団体、バレエなどの公演、非営利に近い形で活動している団体、そして地域の皆さんに文化芸術を届けている皆様に関わる制度であります。したがって、制度の趣旨を丁寧に説明し、誤解や不安を取り除き、過度な不安を避けながら実演家等への適切な対価還元を実現する、このバランスこそが極めて重要であると私は考えております。
このような観点から、文科省として、対応について質問させていただきたいと思いますけれども、まず、制度の周知についてお伺いをさせていただきます。
今回のレコード演奏・伝達権の創設は、実演家の方々にとって大変重要な制度改正になります。しかしながら、現場の実演家の方々からは、昨日も私はたくさんお話を伺いましたけれども、まだこの制度のことを十分に知らない、自分にどう関係するのかが分からない、そもそも自分が対象になるのか分からない、そうした声も昨日たくさんいただきました。
実演家といっても、大きな団体に所属している方ばかりではありません。個人で活動している方、フリーランスとして仕事を受けている方、また、地域を拠点に活動している方、若手のミュージシャン、実に多様であります。こうした方々に対し、制度の改正の内容、分配を受ける方法、相談先などを分かりやすくかみ砕いてしっかり届けることが重要だと私は考えております。
そこで、まず文化庁にお伺いをしますけれども、個人で活動する実演家、団体に所属していない実演家、地域で活動している実演家、若手のアーティストに対しても今回の制度改正の内容等の情報をしっかりと届けるため、文化庁としてどのような取組をお考えでしょうか。
○日向政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘いただいたとおりでございますが、まさに実演家には、個人で活動する方や特定の団体に所属していない方、若手の方など、様々な方がおり、こうした多様な実演家等に対して本制度改正の内容の情報を周知すること、これは大変重要と考えております。
本制度改正の内容、分配を受けるための方法、本件に関する相談先など、必要な情報が多様な実演家等の方々に行き渡るよう、SNSなど文化庁を始めとした政府の様々な広報媒体を活用して周知をするとともに、権利者団体に対して積極的な周知を要請するなど丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。
○浮島委員 是非様々なツールを駆使して、なるべくというか、かみ砕いて分かりやすいように説明をしていただきたいと思います。
と申しますのも、毎回お伝えをさせていただいておりますけれども、文化庁のホームページを見ると、難し過ぎて何が書いてあるか分からないというお声もたくさんいただいて、何回も何回もやり直していただいておりますけれども、やはりしっかりとかみ砕いて皆さんに分かるように周知をしていただきたいとお願いをさせていただきます。
次に、二次使用料の分配の在り方についてお伺いをさせていただきます。
今回の制度は、実演家等が二次使用料を受けることができる権利を創設するものでありますけれども、法律上の権利をつくっただけでは十分ではありません。実際に利用の状況が把握され、使用料が徴収され、その上で、利用された実演に関わった実演家に適切に分配されて初めて制度の意味があります。
法律案では、文化庁長官が指定する指定団体が二次使用料を徴収し、分配することとされておりますけれども、現場の実演家の方々からは、自分の実演が使われた場合に本当に分配されるのか、団体に所属していなければ受け取れないのではないか、また分配までに長い時間がかかるのではないかといった不安の声があります。特に重要なのは、団体に所属しているか否かにかかわらず対象となる実演家に適切に分配されることだと私は思います。
また、分配の仕組みについて、分配の基準、また分配方法について明らかにすること、実演家の方が疑問に思ったときに相談することができるような体制を整えることが必要です。
加えて、指定団体は、権利者のための徴収、分配を行う重要な役割を担います。文化庁長官が指定する以上、文化庁には、指定団体の業務が適切、公正に行われるよう、しっかり指導監督責任があると考えます。
そこで、文化庁にお伺いをいたしますけれども、指定団体による実演家への分配について、団体所属の有無にかかわらず適切かつ正確に分配されること、また実演家からの相談に丁寧に応じること、そして持続可能な管理運営体制を構築することが不可欠と考えますけれども、指定団体に対して指導監督を行う文化庁として、適切な分配をどのように確保していくお考えでしょうか。
○日向政府参考人 お答えいたします。
指定団体は、本法律案をお認めいただいた後に、実演家等の権利者団体の中から指定することとしております。また、本法律案においては、レコード演奏・伝達権に係る二次使用料を受ける権利について、指定団体は、権利者から申込みがあった場合には、その者のために権利を行使することを拒んではならないとしております。このため、団体所属の有無にかかわらず、指定団体に権利の行使を委任することによって、指定団体を通じて権利の行使が可能となり、利用の実態に応じて分配を受けることが可能となります。
また、分配方法や相談への対応、持続可能な管理運営体制の構築につきましては指定団体において決めていただくことになりますが、既に放送における商業用レコードの利用について放送事業者から徴収した二次使用料を管理し権利者に分配する仕組みがあり、こうした現行の仕組みも参考にしつつ、本法律案をお認めいただいた後に指定団体において詳細な仕組みの構築が行われるものと考えております。
さらに、文化審議会の報告書においては、商業用レコードが利用された実演家等に対して二次使用料が公正公平に分配されるよう、指定団体において正確な分配の基礎となるデータの収集や透明性の確保を始め適切な運営を行う必要がある旨示されております。
文化庁としては、指定団体に対し、分配方法の構築や相談体制の充実、持続可能な管理運営体制の構築等について、文化審議会の報告書も踏まえつつ適切に行えるよう、指導助言してまいります。
○浮島委員 実演家にとってしっかり分配がなされるようになって初めて意味があるわけなので、指定団体ともしっかりと、文化庁が一丸となって取り組むようにお願いをさせていただきたいと思います。
次に、利用者への周知についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回の制度は、商業用レコードを利用する側にも大きく関係をいたします。飲食店、美容室、小売店、宿泊、スポーツ、文化施設、イベントの主催者など、対象となり得る利用者は非常に幅広いものであります。
しかし、これまで日本では実演家等のレコード演奏・伝達権がなかったため、利用者の中には、既に著作権使用料を支払っているから全ての権利の処理は終わっていると思っている方も多くおられます。また、なぜ新たに支払いが必要になるのか、著作権使用料と何が違うのか、誰に支払うのか、幾ら支払うのか、支払ったお金はどこへ行くのかという疑問のお声も昨日いただきました。
だからこそ、利用者に対しては制度の趣旨を丁寧に説明する必要があります。これは、単に新たな負担を求める制度ではなくて、音楽に、演奏に対して、歌い、CDやインターネット配信の形で世に送り出した実演家等に適切な対価を還元する制度でありまして、また、日本の音楽が海外へ展開していくための基盤を整える制度でもあります。
そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、利用者に対し、制度の趣旨、対象となる利用、対象外となる利用、徴収された使用料の実演家等への配分の仕組みなど、分かりやすく示し、制度の導入への理解を得ていくことが必要だと思います。今後、利用者向けの周知をどのように行っていくのか、お答えいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今御指摘をいただきましたとおり、制度の趣旨、対象となる利用、実演家等への分配の仕組み等について、利用者を始めとする国民の皆様に対して丁寧な周知が必要であると考えているところであります。
文化審議会の報告書におきましても、レコード演奏・伝達権の趣旨でありますとかその徴収等の詳細について、分かりやすく周知を行う必要があるとされているところであります。
今御指摘をいただきましたように、やはり利用者の皆様方の御理解また御納得というものが極めて大事だと思いますし、もっといくと、利用者の先にいる、実際に、例えばお店であればお客様であったりとか、そういう皆さんにも、広く国民の皆さんに御理解、御納得をいただくということも極めて大事なことだと思います。
法律案をお認めいただいた暁には、文化庁におきまして、御指摘等を踏まえ、改正法の施行までの間に、レコード演奏・伝達権の趣旨などにつきまして、SNSなど様々な広報媒体を利用したり、利用者の団体と連携するなどいたしまして、分かりやすく周知をするとともに、指定団体等からも十分な周知が行われるよう、必要な助言等を行ってまいります。
また、先ほど文化庁のホームページが大変分かりにくいというお話があったところでありますけれども、ただ掲載すればいいという話ではなくて、その趣旨を理解していただくとともに、利用者の皆様を含めた、そうした方たちにどういう対応をしていただかなければいけないのかということも含めて分かりやすく説明をしていくということが大変大事なことだと思いますので、是非、文化庁には、そんな観点でしっかりと広報、周知に努めていただくことができるように、私からも指導、指示をしてまいりたいと思います。
○浮島委員 心強い御答弁ありがとうございます。
今大臣がおっしゃったように、利用者そして国民の皆様にしっかりと御理解をいただくということが非常に重要だと思っておりますので、施行までの間に、気を抜かずにしっかりと取り組んでいただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。
次に、小規模事業者そして文化団体への配慮についてお伺いをさせていただきます。
音楽という知的財産を利用する以上、その利用に応じた対価を支払うことは、本当に当然の考え方です。一方で、これまで日本ではこの権利が存在しなかったため、利用者にとっては新たな負担が生じることとなります。特に、地域の小規模飲食店、美容室、個人経営の小売店などは、物価の高騰、エネルギー価格の上昇、人手不足といった問題やコロナ禍からまだまだ回復途上にあるなど、厳しい経営環境に置かれています。こうした事業者に対して、制度導入に伴う負担が過大になれば、音楽を流すこと自体をやめてしまう可能性も出てきます。そうなれば、音楽が人々に届く機会が減り、実演家等への還元にもつながらなくなります。これでは本末転倒だと私は思います。
制度の趣旨を実現するためには、権利者への適切な還元、そして利用者の負担の程度を両立させる必要があります。そのため、特に、小規模な事業者について、店舗の面積そして客席数などに応じて低廉な料金設定を検討する、そして制度の開始時には段階的な導入期間を設けること、さらに一定の減免措置など、実効性ある緩和措置を検討するべきであると私は思います。
また、今回の制度の対象となり得るのは、飲食店や店舗だけではなくて地域で活動する文化団体、例えば、バレエ、ダンス、演劇、地域の音楽会、文化芸術の裾野を広げている活動をする皆様にも関係してまいります。例えばバレエの公演では、先日も現場のお声をいただきましたけれども、生のオーケストラではなくてCD等の音源を用いて公演を行う場合が多くございます。特に、地域の小さな公演、地域住民に文化芸術を楽しんでいただくための催しなどは、本当に、利益が出ない、あるいは赤字ぎりぎりで行われている公演が多くあります。こうした活動は、文化の裾野を広げ、子供たちが文化芸術に触れる機会をつくり、地域の文化を支える公益的な役割を担っております。そこに過大な負担がかかることで、公演や発表会が萎縮してしまうということがあってはなりません。
もちろん、実演家等への対価還元は重要です。しかし、地域の文化活動を支える公益的な団体に対しては、入場料の有無、事業規模などを踏まえた配慮が必要であると思います。
そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、飲食、小売業、小規模店舗、バレエ、地域の文化団体などの公益的な活動を行う文化団体等に対しては、過度な負担とならないよう、店舗の面積や収容できる人数等に応じた低廉な料金設定、また、減免そして免除措置、段階的導入、極めてきめ細やかな緩和措置を検討していくべきだと私は考えますけれども、いかがでしょうか。また、小規模事業者や公益的な文化団体等への配慮と実演家等への対価還元をどのように両立していくお考えでしょうか。併せてお伺いをさせていただきます。
○松本(洋)国務大臣 レコード演奏・伝達権に係ります二次使用料の額につきましては、本法律成立後、指定団体において具体的に検討をいたしまして、利用者側との協議等を経て確定することとなります。
その検討に当たりましては、小規模な事業者などの利用者側の負担にもきめ細かく配慮することは重要であるというふうに認識をしているところであります。
文化審議会の報告書におきましても、事業規模などを適切に反映をするため、面積や定員数等に応じて段階的に金額を設定するなど、事前に十分に協議してきめ細かく検討すること、規模などの特に小さい事業等に関しては支払いの免除や減額の措置を講じるよう検討すること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げるなどの緩和措置を検討することなどと指摘されていることも踏まえる必要があると考えているところであります。
小規模な事業者でありますとか今御指摘がありましたような公益的な文化団体などへの配慮と、実演家などへの対価還元の両立が図られるように、文化庁において、指定団体の取組を後押しするとともに、積極的に両者の調整を図ってまいることによりまして、利用者、実演家双方にとって納得の得られる制度にしてまいりたい、そのように考えております。
○浮島委員 この点は、この制度がしっかり根づいていくかどうかに関わる重要な点だと思いますので、双方にとってよい形になるよう、しっかりと目配りをしていただくようにお願いをさせていただきます。
次に、海外からの対価還元について伺います。
今回の制度の大きな意義の一つは、実演家等の適正な権利保護と処遇改善に資するだけではなくて、海外からの対価還元を可能として、日本の音楽コンテンツを国際的に展開していくことにあります。
レコード演奏・伝達権は、百四十二か国・地域で導入され、OECD加盟国で未整備となっているのは日本とアメリカを残すのみです。でも、アメリカの方に聞いてみますと、アメリカでは、法律ではないけれども、しっかりと民間でやっているということもお伺いをしたところであります。こういった状況の中で、相互主義により海外から二次使用料が得られない現状を正し、海外からの使用料の分配につなげることは重要であります。
日本の音楽は、近年、アジア、欧米や中南米と世界各国で聞かれるようになっております。日本の音楽のコンテンツには大きな力があり、海外の公共空間で日本の音楽が利用されていることも事実であります。この日本の音楽を海外へ展開し、その利用に応じた対価を我が国に還元し、その収益を若手のアーティスト、クリエーター、実演家育成に回していく、この循環をつくることが日本の音楽文化の更なる発展につながるものであり、今回のレコード演奏・伝達権の創設は、そのために重要な基盤になるものと思っております。
ただし、法律を作っただけでは、海外から自動的にお金が入ってくるわけではありません。指定団体や世界各国で著作隣接権を管理している団体と相互協定を結び、実務上の配分ルートを確立し、海外で利用された日本の音楽に対する対価が日本の実演家等に実際に届く仕組みをつくらなければなりません。
そこで、文化庁にお伺いしますけれども、海外からの対価を日本の実演家等に還元するためには、指定団体と世界各国の管理団体とのネットワークを速やかに構築する必要があると思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、海外において我が国の音楽が利用された場合の対価を得るためには、指定団体と各国の著作隣接権管理団体が連携する必要がございます。既に、商業用レコードを放送で利用した場合の二次使用料等を取り扱うために、各国の著作隣接権管理団体との間のネットワークが設けられており、こうした例が参考になると考えております。
本法律案をお認めいただいた後、指定団体を指定した際には、速やかに各国の著作隣接権管理団体と指定団体との間で連携が進められるよう、文化庁としても指導助言等をしてまいります。
○浮島委員 しっかりとした対応をよろしくお願いいたします。
最後に、コンテンツの支援の在り方について、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
これまで陥りがちだったのは、既に海外で売れている作品に支援を集中させてしまう、いわゆる選択と集中。確かに、国の戦略としてコンテンツ文化を振興する政策としては、補助金を全てに均等にばらまくということでは目的を達成できません。世界で闘える大型作品への支援も必要です。
しかし、映画界などからお声をいただいているのは、大規模な作品を支援することに偏っている、強い危機感を感じるというお声をいただいております。コンテンツ文化の世界において、目先の収益性や認知度だけで判断していくことは極めて危険であり、文化芸術の振興は、既に咲いた花だけを支援するのではなくて、これから芽を出す種を守り、育てていかなければならないと私は思います。
そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、コンテンツ文化の海外展開を進めるに当たり、既に知名度のある大規模作品等に支援が偏ることなく、次世代の才能あるクリエーターを育てるという大局的な観点から、多様なジャンルのコンテンツの制作、若手によるリスクを伴う海外での発表、また実験的な挑戦こそ、しっかりと支援するべきだと思いますけれども、お考えをお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 大変大事な御指摘だというふうに承知をしております。
コンテンツ振興におきましては、経済性を重視いたしました大規模作品のみならず、多様なジャンル、予測不能なヒットを生み出し得る独創的な表現、また、次世代のクリエーターによる挑戦を支えることが重要であると考えているところであります。
文部科学省におきましては、クリエーター支援基金を始めとして、新人、若手クリエーターの育成支援や、新規性、実験性の高い取組への助成、国際共同制作映画への支援などを実施しております。
引き続き、多様な才能の発掘、育成への支援を通しまして、多様で豊かなコンテンツが生まれる土壌づくりと我が国の将来の国際競争力の基盤強化を図ってまいりたい、そのように考えております。
○浮島委員 是非とも後押しをよろしくお願いいたします。
今回のこの法改正がきちんと理解されて、よい制度になるよう、しっかりとしていかなければならないと思いますので、文化庁の方にも一丸となって現場にもしっかりと周知をしていただくようお願いをさせていただき、質問を終わります。
ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、山崎正恭君。
○山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。
本日も、御質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
貴重なお時間ですので、早速質問に入ります。
政府は、令和十五年までに日本発コンテンツの海外市場規模を二十兆円とする目標を掲げ、音楽、映像、アニメ等のコンテンツ産業を我が国の新たな基幹産業として位置づけました。この方向性は、人への投資と経済成長の分配を政策の要と位置づける私たち中道改革連合の理念とも軌を一にするものでありまして、高く評価しております。
人の営みの根幹に関わるのが文化であり、それをつくり、演じ届ける実演家、レコード製作者の権利を守ることは大変重要でありますので、そういった重要性にも鑑み、法案質疑を通して政府の見解を伺ってまいりたいと思います。
まず初めに、本改正により創設されるレコード演奏・伝達権に係る二次使用料は、指定団体が二次使用料規程を定めるとされていますが、その料率設定の透明性と合理性が制度の信頼性を左右すると思います。その料率設定に当たって、政府はいかなる基準を示すのか、また、世界百四十二か国が導入している同権利の料率水準と比較したとき、日本の水準をどの範囲に想定しているのか、見解をお伺いします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の額は、本法律案成立後、権利者団体の中から指定された指定団体が利用者と協議した上で定めるものであり、政府として基準を示すことは想定をしておりません。
また、現在既にレコード演奏・伝達権を導入している諸外国においては、各国の制度に基づき徴収が行われていますが、その金額については、どのような区分を設けるかなども含め、その設定方法は様々であり、一概に比較することは困難でございます。
なお、二次使用料の水準に関する参考として、著作権の管理団体が現に徴収しているBGM使用料の額について申し上げれば、例えば営業面積五百平米以下の利用施設が自ら包括的利用許諾を結ぶ場合の年間使用料は六千円、音源提供事業者のサービスを利用している場合には、その料金の一%とされていると承知をしております。
また、諸外国との比較に関する参考として、レコード演奏・伝達権に関する諸外国との間での収支の見込みについて申し上げれば、令和七年度に委託調査により行った試算の結果によれば、我が国にレコード演奏・伝達権が二〇二四年に導入されていたと仮定した場合、諸外国から得られる収入が約二十四億円、諸外国に支払う支出が約十六億円であり、差引き約八億円の黒字と推計をされております。
○山崎委員 済みません、収支の見込みは、聞いているポイントと違うんですけれども。
先ほど、政府は基準を示さないとあったんですけれども、諸外国でもこれは示されていないんでしょうか、それぞれ国が違うと思いますけれども。
○日向政府参考人 現在、正確なデータは手元にはないんですが、諸外国においても様々であるというふうに承知をしております。
○山崎委員 先ほど少し、現在どれぐらいかというふうな、いわゆる著作権に関する方のことがあったので、大体それぐらいが基準になると思うんですけれども、やはり著しく高くならないようにということは、しっかりと政府の方でも見ていっていただきたいというふうに思います。
次に、指定団体が徴収した二次使用料を個々の実演家やレコード製作者に公正に分配するためには、正確な権利者情報の整備、権利者データベースの整備が不可欠であると思います。しかし、所在不明の権利者や同意なく分配される権利者への対応方針は明確ではないと思いますが、こうした状況において、権利者の利益を損なうことなく、分配の公正性をどのように担保するのか、政府の具体的な対応方針をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 レコード演奏・伝達権に係ります二次使用料の分配方法の詳細は、本法律案をお認めいただいた後、指定団体が構築することとなります。
実演家及びレコード製作者の権利者団体でありますが、放送における商業用レコードの利用につきましては、放送事業者から徴収した二次使用料を権利者に分配する仕組みが既に構築されているというふうに承知をしているところであります。
この仕組みでは、権利者団体が既に保有をしております権利者情報データベースを基にいたしまして、放送事業者から提供を受けた利用楽曲のデータ等を照合して各権利者への分配が行われております。
レコード演奏・伝達権の二次使用料の分配に当たってもこの仕組みが参考になるものと考えられます。指定団体から実演家等に対しまして公正な分配が行われるよう、必要に応じて指導助言等をしてまいりたい、そのように考えております。
○山崎委員 そういったノウハウを参考にしながら、しっかりと分配されるような形で適正な運用をお願いしたいと思います。
次に、本法案では、指定団体と利用者代表との協議が不調に終わった場合、文化庁長官による裁定制度が設けられていますが、裁定に至るまでの期間の取扱いが不明確であります。
協議が長期化した場合において、裁定までの期間中、事業者は使用料の支払い義務を負うのか、また、暫定的な利用継続を認める場合の条件やルールはどのように定めるのか、お伺いします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案においては、文化庁長官の裁定があったときは、裁定で定められた使用料規程を指定団体が文化庁に届け出なければならないこと、二次使用料規程は届出により効力を生ずることとしております。
そのため、まず、一番最初に二次使用料規程を定める際でございますが、これは、裁定が行われ、届出があるまでは、当該二次使用料規程は有効なものではなく、事業者は二次使用料を支払う必要はございません。また、既存の二次使用料規程を改定する際、この場合でございますが、裁定が行われ、届出があるまでは、改定前の二次使用料規程が有効であることから、事業者は改定前の二次使用料を支払う必要がございます。
このように、御指摘の裁定が行われるまでの間の利用は暫定的なものではなく、事業者はその時点において有効な二次使用料規程に従って二次使用料を支払う義務を負うことになります。
○山崎委員 ありがとうございました。
不調に終わった場合等は、その裁定が決まるまではその前の、以前のということで確認ができましたので、よく分かりました。ありがとうございました。
次に、指定団体は文化庁長官が指定するとされていますが、指定団体は重要な役割を担う一方、その運営の適正性が確保されなければ、制度全体への信頼が損なわれます。指定後に、例えば団体の運営が不適切であった場合や、権利者への分配が適切に行われなかった場合の監督、指定解除の手続が法案上十分に整備されているとは言い難いと思います。
利用者、権利者双方を保護するための監督規定の実効性について、政府の考えをお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 本法律案におきましては、放送において商業用レコードが利用される場合における実演家等の二次使用料の管理に係る規定を準用いたしまして、指定団体に対し、文化庁長官の報告徴収、勧告等の監督権を定めているところであります。
また、本法案成立後に定める予定の政省令におきまして、放送に係る二次使用料の制度と同様に、二次使用料の分配方法、管理手数料等に関する事項を指定団体の業務規程に定めさせ、文化庁長官に届け出させること、指定団体として備える要件を具備しなくなったときなどに指定団体の指定を取り消すことができることなどを規定することを検討しているところであります。
これらの法律及び政省令の規定によりまして、適切に指導監督を行うことができるものと考えておりますし、そうした指導監督、そして実効性をしっかり担保してまいりたい、そのように考えております。
○山崎委員 非常に重要な権利を守る法案でありますので、先ほど大臣から、どうしても駄目な場合は取り消すことができる規定を検討するというふうにございましたので、やはりその辺の部分はしっかりと厳しい規定が必要ではないかなと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
次に、本法案は商業用レコードを対象としますが、近年急拡大するストリーミング配信サービスや動画プラットフォームを通じた音源利用にも本権利が及ぶのか、政府の明確な法的整理を伺います。
また、既存の配信事業者との利用許諾契約の重複関係も重要な論点であります。新制度が今のビジネスに与える影響も踏まえまして、政府の見解をお伺いします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案においては、送信可能化されたレコードも権利の対象に含むこととしており、ストリーミング送信される音源も商業用レコードに含まれることとなります。
そのため、個人向けのストリーミング音楽配信サービスを利用したり、動画共有プラットフォームにおいて配信されている商業用レコードを用いた動画を利用して公衆に音楽を聞かせるなど、商業用レコードの公の再生又は伝達が行われている場合には、権利者は二次使用料を徴収することができるものと考えております。
一方で、このような個人向けの音楽ストリーミング配信サービスや動画共有プラットフォームにつきましては、一般的に、それらの利用規約において店舗等における再生等の商用、営利利用が禁止されていると承知をしております。
これらのサービスにおいて音楽を配信するためにサービス提供事業者側と権利者側で結んでいる利用許諾契約におきましては、個人利用の範囲内で音楽を配信することに限り許諾がなされており、店舗等における利用は契約に含まれていないものと考えられます。
そのため、権利者が音楽の配信について使用料を得るとともに、店舗等における再生、伝達について二次使用料を徴収したとしても、二重に使用料を徴収していることにはならない、このように考えております。
なお、個別具体の場合における二次使用料の支払いの要否につきましては、本法律案の成立後、指定団体において整理が行われるものと考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。
個人用の配信ではなくて、そういった店舗等で音楽配信サービスからライセンスを得て流されている場合には、そこからきちっと二次使用料を取るということで、お店側が二重に取られることはないというふうな確認で先ほどお伺いしましたので、そういったところで重複して二次使用料が取られないような注意といいますか、きちっと周知をお願いしたいと思います。
次に、本権利は我が国にとって新たな権利制度であり、施行後には予期せぬ影響が生じる可能性があります。施行後一定期間における実態把握や影響評価の枠組みを設けるとともに、必要に応じた見直しを行うこと等が重要であると思いますけれども、そういったことを法律等に明記する考えがあるのか、御見解を伺います。
○松本(洋)国務大臣 本法律案は、実演家等の保護に関する条例に位置づけられております実演家等のレコード演奏・伝達権を創設することを内容とするものでありまして、創設される権利に関しまして見直し規定などを設けることはしていないところであります。
一方、具体的な二次使用料の額などは指定団体が二次使用料規程により定めることとなっております。一度施行された二次使用料規程につきまして利用者側から変更を求められた場合には、指定団体は協議、調整を行わなければならないこととしております。必要に応じて見直しが行われる仕組みとなっているところであります。
文部科学省としては、指定団体と利用者側との協議、調整状況等の運用の実態を適切に把握をするとともに、両者の協議、調整が円滑に行われるよう、必要に応じて助言などを行うなど適切に対応してまいりたい、そのように考えているところであります。
○山崎委員 済みません、指定した団体が調整、見直しするとかという、料金の細かいことを言っているわけじゃなくて、今回の法制度全体の中でしっかりとやっていって、小さな額のことではなくて見直していく必要があるのではないかということ、大臣の方から、最後の方ではそちらの方をしっかりと見ていくということですので、この制度の全体を見ながら、必要なときにはきちっと見直しをしていくというふうなことを是非盛り込んでいただきたいといいますか、やっていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、国際的な音楽制作が進展する中、複数国の実演家が関与する作品が一般化しています。本法案は、国民である実演家を保護対象としつつ、条約締約国の国民についても準用するとしています。しかし、Kポップや多国籍アーティストの楽曲など、日本、外国の実演家が混在する商業用レコードにおける二次使用料の分配方法及び二重国籍、無国籍の実演家の取扱いについて、政府の解釈と対応方針をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 まず、先ほどの答弁におきまして、条約に位置づけられているというふうに答弁しなきゃいけないところをちょっと条例というふうに言ってしまいました。訂正をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
その上で、質問にお答えをいたします。
レコード演奏・伝達権は条約上で位置づけられた権利でありまして、条約上保護する必要のある実演家の実演につきましては各締約国において適切に保護する必要がございます。
これを踏まえまして、本法律案におきましては、国内及び条約締約国において行われた実演を保護の対象としておりまして、実演家の国籍の有無にかかわらず二次使用料の分配対象になると考えられます。
また、日本と外国の実演家が混在している商業用レコードの取扱いも含めまして、二次使用料の具体的な分配方法につきましては、本法律案をお認めをいただいた後に指定団体において諸外国の管理団体との間で連携を図りつつ具体的に検討をすることとなっております。
○山崎委員 諸外国との連携をしっかり図っていただきながら、よろしくお願いしたいと思います。
次に、第二百十一回国会における著作権法改正の附帯決議第十号は、AI技術の進展により他者の著作物を使用した創作物が容易に作成されるようになったことを踏まえ、著作者の権利保護に向けた取組、体制の強化を求めました。今般の法改正は、著作権ではなく著作隣接権、すなわち実演家やレコード製作者の権利を新たに創設するものでありますが、AI音楽技術の急速な発展により今後多様な制作物が生まれてくることが想定される中で、著作隣接権の対象範囲について確認したいと思います。
例えば、人間の実演をAIが学習、模倣して生成した音源や、人間の演奏とAI生成音を合成したハイブリッド型音源又は既存の商業用レコードをAIがリミックスし変換した音源、またAIが完全自律で生成した音源等が考えられると思いますが、今回、本法案が新設するレコード演奏・伝達権、著作隣接権の対象となるか否か、政府が現時点でどのように整理されているのか。これは大臣、ちょっと難しいと思いますので、よかったら参考人の方から少し細かくお答えいただけたらと思います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
AIと著作隣接権の関係でございますが、これは個別具体の事例に即して判断されるものと考えております。したがいまして、一概にお答えすることは困難でございますが、例えばAIを活用して作られた場合であっても、著作権法上の定義に該当すればレコード演奏・伝達権の対象になり得るものと考えてございます。
また、御指摘の令和五年著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議でございますが、AIと著作権の関係について文化審議会において御議論を行っていただき、令和六年三月にAIと著作権に関する考え方について取りまとめをさせていただいたところでございます。
文化庁におきましては、この考え方を分かりやすく解説したチェックリストアンドガイダンスの作成、公表、著作権セミナーの実施等に取り組んでおり、引き続き丁寧な周知など必要な取組を行ってまいります。
○山崎委員 済みません、そのレベルの答弁だったら別に大臣でもよかったんですけれども。
多分、AIに関しては人間の実演が含まれているか否かが分水嶺になるというふうに伺っておりますけれども、ガイドラインに載っているじゃなくて、もう少し丁寧にお答え願いたいです。
○日向政府参考人 お答えいたします。
AIと著作権に関する観点がございまして、まずAI開発と学習段階、それから生成、利用段階では、行われている著作物の利用行為が異なりまして、関係する条文も多分異なってくるものというふうに考えてございまして、まず両者を分けて考える必要があるというふうに考えてございます。
例えば、AI開発、学習段階では、著作物を学習データとして収集、複製し学習用データセットを作成するですとか、データセットを学習に利用してAIを開発するですとか、こういった行為が行われるものと考えています。それから、生成、利用段階では、AIを利用して例えば音源を生成するですとか、それから生成した音源をアップロードして公表するとか、こういった行為が考えられており、両者を分けて考える必要があるというふうに考えてございます。
こうしたそれぞれの段階において様々な状況がございまして、この場合は例えば問題だとか、この場合はいいというふうには、なかなかちょっと一概に言うことは難しいので、それは個別の、どのように音楽を生成したかという個別の事情に基づいて、考え方としては一定示しておりますが、その当該行為についてどうかということについては個別の具体例に即して考える必要がある、現段階ではこのように整理をさせていただいております。
○山崎委員 もう少し的を射た答弁が欲しかったなというふうに思います。
次は、先ほど国民への周知については浮島委員からもありましたので、飛ばしたいと思います。
次に、百三条の三に規定する利用者代表は、利用者の数や支払い額のシェア等により個別具体的に判断するとされています。しかし、規模の小さな中小零細事業者は、業界団体への加入率も低く、協議の場に実質的に参加できないおそれがあります。
生活者ファーストの観点から、中小事業者の意見が二次使用料規程の策定に適切に反映される仕組みをどう担保するのか、政府の方針をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 本法律案におきましては、指定団体は、二次使用料規程の案を策定する際に利用者等から意見を聴取するように努めなければならないということにしているところであります。
また、指定団体は、策定した二次使用料規程の案を公表した後、一定期間内に利用者代表から協議の求めがあった場合には、これに応じなければならないこととしているところであります。さらに、利用者代表は、指定団体との協議に際しまして、当該利用区分における他の利用者から意見を聴取するよう努めなければならないことを定めているところであります。この利用者代表といたしましては、業界をまとめる統括団体等が想定をされているところであります。
これらの手続を通じまして、中小の事業者も含めた幅広い利用者からの意見が二次使用料規程の策定において適切に反映をされていくもの、そのように考えているところであります。
○山崎委員 次に、制度設計によっては、団体に加入する事業者のみが二次使用料の負担を強いられ、非加入者が実質的に負担を逃れるという不公平が生じる可能性があります。
制度の公平性、実効性を確保する上で、この不公平をどのように解消するのか、お伺いします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
二次使用料の徴収に当たりましては、制度に基づき二次使用料を支払う者と、適切に支払いを行わない者が出てくるなどといった不公平が生じないように、徴収の仕組みを構築していくこと、これは大変重要と考えております。
文化審議会の報告書におきましても、二次使用料の徴収について、電子決済を始めとするデジタル技術も駆使した仕組みの構築を進めること、業務用BGM配信サービス提供事業者や統括団体との包括契約等を通じた元栓徴収、包括徴収の実施に向け必要な体制の構築を進めること、業界団体や音楽著作権管理事業者等とも必要に応じ連携協力し、支払いを行わない者への周知や働きかけ、督促といった措置を講じること等が挙げられております。
本法律案をお認めいただいた場合には、公平かつ円滑な徴収がなされるよう文化庁としても指定団体に対し必要な助言等を行ってまいります。
○山崎委員 最後に、利用者団体からは、事務負担の増加の懸念から、既存の著作権使用料の徴収と新設の二次使用料の徴収を単一窓口で行うよう求める声もあります。JASRACを始めとする音楽著作権管理事業者と指定団体との連携、一本化について、政府はどのような制度設計を想定しているのか、お伺いします。
○松本(洋)国務大臣 JASRACは作詞家、作曲家等の著作権者の権利を管理する団体である一方で、レコード演奏・伝達権は著作権者とは別の主体である実演家とレコード製作者がそれぞれ権利者となるものであります。
本法律案におきましては、団体の円滑かつ適正な運営及び各権利者への公正公平な分配を期す観点等を踏まえまして、実演家とレコード製作者の団体の中から、文化庁長官が指定する団体がレコード演奏・伝達権を管理することとしているところであります。
一方、今御指摘のとおり、大変重要な観点でありますが、利用者の手続ができるだけ簡素であることは重要であると考えているところでもありまして、文化審議会におきましても、実演家及びレコード製作者の権利者団体からは、両指定団体の徴収窓口を一元化して対応すること、二次使用料の徴収や利用楽曲の報告などにつきまして音楽著作権の管理団体との連携も検討していることが報告をされているところでもあります。
利用者にとってもできるだけ簡素な手続となるよう、文部科学省としても、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいりたい、そのように考えております。
○山崎委員 なかなか難しいところもあるかもしれませんけれども、文化審議会からも御指摘があった点ですので、どうか利用者のためによろしくお願いしたいと思います。
以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、市村浩一郎君。
○市村委員 日本維新の会、市村でございます。
本日は法案質疑をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
まず、今回の法改正、なぜ今なのかについて、お話しいただければと思います。
〔委員長退席、尾身委員長代理着席〕
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案で導入を図るいわゆるレコード演奏・伝達権は、国際条約に位置づけられ、広く海外で導入をされております。
しかしながら、日本においては導入されていないことから、我が国の実演家等は、商業用レコードが諸外国等で公に再生、伝達された場合であっても、相互主義により適切な対価を得ることができないというような課題が生じております。
また、近年、日本の音楽の海外での人気は高まっており、新たな基幹産業であるコンテンツの海外展開を更に促進し、実演家等への適切な対価還元とその活動の促進を図る重要性が増しております。
文化庁としては、今般の改正を通じ、実演家等への望ましい対価還元を図り、我が国の音楽やアーティストの海外展開の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。
○市村委員 実演家等の皆様にしっかりと対価が届くようになるということであります。なぜ今なのかということについてはちょっと疑問がありますが、しかし、遅きに失したとはいえ、そうした将来のクリエーターも含めて育てるという大切な法改正だと思いますので、是非とも進めていただければと思います。
今回は、この法改正を通じて、もちろん実演家等の皆様に対して対価が支払われるということが目的ではあるんですが、もっと大きな目的は、やはり我が国の優れた音楽コンテンツを海外にもっと展開していこうという志もあるのだというふうに思います。
そこで、私は割とそういう業界に疎い方なんですが、昨年からミュージック・アワード・ジャパンというものが始まっていますが、これはどういうものか、御説明いただけますでしょうか。
○日向政府参考人 お答えいたします。
ミュージック・アワード・ジャパンは、我が国の音楽業界が連携して設立した一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会が、日本やアジアの多様なアーティストを顕彰し、その作品を発信することを目的に昨年立ち上げた国際音楽賞です。
昨年は京都で行われましたが、第二回目となる本年は、今月、東京において、七十七部門の最優秀作品、アーティスト賞を表彰する授賞式のほか、商談会や多様なジャンルのライブパフォーマンスなどが行われます。
○市村委員 これは、私がお聞きしたところ、アジア版グラミー賞を目指すということでありますが、大臣はこのミュージック・アワード・ジャパンのことは御存じでいらっしゃいますか。
○松本(洋)国務大臣 それほど詳しいわけではありませんけれども、存じ上げております。
○市村委員 ありがとうございます。
大臣、今から少しお話をさせていただきたいんですが、私も余り知らない方ですが、しかし音楽は好きでございます。それで、昨年から、前の文化庁長官、都倉俊一先生が、音楽界もいろいろなジャンルがあってまとまりに欠けたところがあったようでありますけれども、このミュージック・アワード・ジャパンというものを開催するに当たりまして、多ジャンルの音楽活動、音楽に関するジャンルの方たちをまとめて、一つの場で表彰していくというものであるというふうに聞いておりまして、私は大変重要なものだと思います。
かつてレコード大賞、今でもあると思いますが、そうしたものもありますけれども、またいろいろなジャンルを表彰していくと。去年の京都においてのスタートは六十ジャンルということで、本家のグラミー賞も六十ジャンルということであります。今年は、お聞きしたところ、七十七ジャンルの方々に対して表彰をしていくということであると聞いています。こうした機会を通じて、もちろん大御所の方々も再評価という機会でもあると思いますが、やはり、先ほどから議論もありました、これからのクリエーターの皆さんを育てていくという機会にもなろうかと思います。
このミュージック・アワード・ジャパンについて文化庁そして経産省さんが、コンテンツ産業を推進するという観点で、これは後援ではなくて協力という形で参加していらっしゃるそうなんですが、大臣としてこれをもっと盛り上げていただくような方向でお願いしたいと思うんですが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 ミュージック・アワード・ジャパンには、重要なコンテンツの一つであります日本の音楽を世界に向けて発信する国際的な音楽賞として大変強い期待を持っているところであります。
私自身、先月、日本のアーティストであります新しい学校のリーダーズの皆さんでありますとか、あとCEIPAの皆さんと直接お会いをいたしまして、日本の音楽の更なる海外展開の方策に関して意見交換をさせていただいたところであります。
本アワードにおきましては、日本だけではなくて、アジアを代表するアーティストも顕彰しているところでありますが、一層国際的な評価を獲得いたしまして、世界的なアワードへの発展に向けて、音楽業界や経済産業省などの関係省庁とも連携をいたしまして、オール・ジャパンで強力に支援をしてまいりたいと思います。また、こうしたミュージック・アワード・ジャパンを一つの目標として、日本の若い新進気鋭のミュージシャン、アーティストの皆さんが頑張る原動力になってくれる、そんなことも期待をしながら我々としても協力をしてまいりたい、そのように思っております。
〔尾身委員長代理退席、委員長着席〕
○市村委員 この顕彰ということ、評価をしてたたえるということが大変重要であると私は思っています。やはり、せっかく頑張っても、一部のファンの皆さんとかから、何か今推しという言葉があるようでございますが、もちろんそういった推されるということは大変うれしいこと、ありがたいことだと思いますが、やはり国として、日本人という思いを背負って世界で活躍をするというときに、日本全体が推してくれている、例えば日本国の文化庁なり経産省が協力をして一緒にこれを盛り上げていくんだということ。何かジェトロさんもいろいろ参加もされているというのも聞いておりますし、そうしたオール・ジャパンで、今大臣おっしゃっていただいたように後押しをしていくということが私は必要かなと思います。
よくKポップとの比較をされます。Kポップは海外展開をしている。非常に、韓国政府は、政府を挙げてこのKポップの海外展開というのを強く推している、強化しているということも聞いています。
ですので、Kポップと必ずしも何か対抗するということじゃなくて、日本は日本のよさをしっかりと海外に、これまでももちろん展開はされているし、本家のグラミー賞でも、それこそ最初はオノ・ヨーコさんとか坂本龍一さんとか小沢征爾さんとか、取られた方のお名前があります。
近年では、これは私の知り合いの歌手の方が歌っている、皆さんはほとんど知らないと思いますが、その曲を二十二歳のときに編曲された方が、二〇二三年に最優秀グローバル・ミュージック・アルバムということで、「SAKURA」というアルバムで最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を取られている。宅見さんという方なんですけれども、恐らく知っている人は知っていると思いますが、それこそオノ・ヨーコさん、坂本龍一さんとか小沢征爾さんと比べたら余り、多分知らないと思いますが、しかし、本家のグラミー賞ではこういう日本人をたたえてくれているわけですね。多分、ほとんど知らない、知っているのかな、私が知らなかっただけかもしれませんが、私は編曲家として知っていましたが。
それから、いろいろ、最近また若手クリエーターというか次世代クリエーターの方も、本家グラミー賞が評価をしてくれているということもあります。そうした評価をされているアーティストを抱えている日本が、しっかりと政府も後押しをして、海外にも、このアジア版グラミー賞をしっかりと日本で発展させることによって、日本の音楽を振興していくということが大切だというふうに思っております。
大臣に、もう一度その意気込みをお聞かせいただければと思います。
○松本(洋)国務大臣 今委員がおっしゃられたように、昨今、日本のそうしたアーティストの皆さんの海外での活躍というものは大変目覚ましいものがあると思っているところでありまして、そういう意味からも、今回のこの法改正というものを是非ともお認めをいただいて、そうした日本人のアーティストが海外で活躍できる環境をしっかりと整えていきたいというふうに思っているところでもあります。
また同時に、このミュージック・アワード・ジャパンにつきましては、今委員からはアジア版グラミー賞というお話もあったところであります。もちろん日本のアーティストをしっかりと世界に発信をしていくということも大変大事でありますけれども、やはり、そうしたアジアの文化発信の拠点としての日本としての役割というものを考えた上でも、この取組というものは大変大切なものになっていくというふうにも思っているところであります。
是非、そうした委員の御意見というものを私自身も賛同をするとともに、しっかりとそうした思いというものも受け止めて、我々として、経産省を始め各省庁と連携をしながら支援をしてまいりたい、そのように思っております。
○市村委員 今まさに大臣から文化という言葉が出てきた。今回は文化庁が主体になっているんですが、今回は音楽というところでの話ではありますが、まさに私は、文化力こそが日本の力だというふうに思っているところであります。
明治期に、なぜ日本は欧米の植民地攻勢に対して日本を守れたかということの一つには、やはり文化力が私はあったんだと思います。ここに来てみると、何かすごく文化力の高い生活をしている、これは征服するとかよりも同化した方がいいというふうに思わせるような我が国であったと思います。
もちろん我が国は、今年は皇紀二千六百八十六年ということもありますが、それにとどまらず、縄文時代から、二千年ほど前から我が国で培われてきた精神性も含めた文化力というのは、我々はもっと認識し、世界に普遍たる価値として伝えていくべきものだと思っています。だから、今回は音楽ということでありますが、音楽を含めた我が国の文化力は、世界的に私は普遍的価値を、バリューを持ったものだと思っています。
こうしたものが音楽も通じて世界に発信されていくようなことになっていくことが大切だと思っていますが、文化庁長官の担当としての今の大臣のお志をまた聞かせていただければと思います。
○松本(洋)国務大臣 やはり我々の先人たちが紡いできた伝統や様々な風習、これは日本の国に限らず、それぞれの地域においても、国内においても存在をするわけでありますけれども、やはりそうした文化の力というものが、国の、そしてそれぞれの人々の根底にあって我が国が成り立っているということだと思っております。
また同時に、余りにも我々の周りには当たり前にあり過ぎるがゆえに、なかなかそうした魅力に気づきにくいというようなこともあろうかと思いますけれども、しかしながら、まさに日本の音楽家の皆さんであったり、また、コンテンツを始めとしたそうした様々な産業というものが国際社会から評価をされるその背景には、我々が持っている文化というもの、また、我々は当たり前過ぎて、なかなかそれのすばらしさに気づかない部分がありますけれども、そうしたところに対して高い評価というものをいただいているということもあろうかと思っております。
そういう意味におきましても、今回は音楽ということでこの法案を御審議いただいているところではありますけれども、文化行政というものは、逆に、デジタルとかAIとかグローバル化とかいろいろなことが言われている中で、我々がしっかりとこれからも、今まで以上にもしかしたら大切にしていかなければならない、意識的に守っていかなければならない、そういった分野でもあろうかと思っているところでもあります。
当然、これは日本に固有のものだけではなくて、逆に、ほかの文化というものをしっかりと知る、そしてそれらを体験する、そうしたことも通じて、様々な文化的な素養を高めていくということは極めて重要な事柄だと思っておりますので、そうした思いも込めまして、これからも文化行政の振興、発展に、各団体の皆様方にも御協力をいただきながら、我々としてもしっかりと努めていきたい、そのように考えております。
○市村委員 ありがとうございます。
今ちょうど大臣からAIの話も出ました。また一般質疑のときに国産AIの話もさせていただきたいと思っていたんですが、では、日本の文化力がどこに宿っているかというところの大きな一つは、まさに日本語なんですね。我々の日本語、今しゃべっている日本語。この日本語という体系は極めて珍しい体系だ、いろいろな文字も表現も取り入れられる体系であるというところでありまして、私はやはり、この日本語というものをベースにしたAIを作っていく、むしろ日本語を、英語を含めたいろいろな海外の言葉に日本語を教えていくというか、そういうふうなことでのAI、日本人の情緒とか、こういうのも含めたものを持つ日本の国産AIができていくということが必要だと思っています。
ですから、そういうところのためにもやはりデータベースが必要でありまして、AIも、我々が持っている知財をAIに与えていくわけでありますから、まず我々自身がしっかりと、特に日本という国が持っている文化力をもっとAIに与えていくということが大切で、そのときに音楽というのは言葉を超えたところもあって、我々の情緒を言葉じゃないところで伝えるということも大切であると思っています。是非とも振興していただきたい。
最後に、デジタルコンテンツを世界に広げていくということであります。音楽コンテンツですね。今日は経産省さんからも来ていただいていますが、経産省も協力ということでやっておられますので、また経産省さんの意気込みも最後に聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○浅井政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員御指摘のありましたように、コンテンツの海外展開というものは、日本にとって大変重要な課題となっております。高市内閣といたしましても、コンテンツを成長戦略十七分野の一つとして位置づけておるところでございます。
経済産業省といたしましては、IP三六〇という支援制度を創設いたしまして、今お話のありましたミュージック・アワード・ジャパンを含め、海外展開するコンテンツの制作や流通も含めて支援をしておるところでございます。
引き続き、こうした国際イベントなどを通じて、海外展開を含む大規模、長期かつ戦略的な官民投資を推進してまいります。
○市村委員 また政府を挙げて推進していただければと存じます。
以上で終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、西岡義高君。
○西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。本日もよろしくお願いいたします。
まず冒頭、辺野古沖の抗議船転覆事故につきまして、犠牲になられた武石知華さんの御冥福をお祈り申し上げるとともに、事故に遭われた生徒の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
御両親の気持ちに心をはせますと、私も一人の子供を育てる親として、本当に胸が引き裂かれる思いというか、怒り、悔しさ、そして御両親は決して悪くないのに、あのときこうしておけばよかった、ああしておけばよかったというような、終わりのない後悔の中にいらっしゃるかと思います。本当に苦しみの中にいらっしゃるかと思います。
そういった中で、文部科学省の方から教育基本法に違反すると認定されたこと、そして昨日も大臣から、抗議船に生徒を乗船させるのは極めて異例な事態であるということを御発言されたこと、このことについては私は敬意を持って受け止めております。ありがとうございます。
それでは、議題となりました著作権法の一部を改正する法律案について質問に入っていきたいと思います。
今回の法改正につきましては、これまで認められていなかった実演家やレコード製作者のレコード演奏・伝達権が創設され、実演家などが二次使用料を受け取ることができるようになるものでございます。この点、私は評価させていただいております。
CDの売上げが大幅に減少しており、サブスクにしても、CDよりも実演家の収入が少ないと言われております。そういった中で、継続的に収入を得る新たな手段が生まれることについては、実演家の活動を支えることになり、日本の音楽文化の振興のためにいいことだと考えております。
しかし、そのためには、きちんと二次使用料が徴収できて、実演家の手元に行き渡ることが担保できていなければなりません。現状においても、作詞家、作曲家に行き渡るべき二次使用料の支払いについては、きちんと支払っている業者や利用者団体から、無知又は故意によって適切に支払っていない業者に対して、不公平だ、ずるいんじゃないかというような指摘の声が上がっております。適切に二次使用料を支払わずに音楽を利用している業者などからしっかり徴収できなければ、せっかく実演家を支えるための新しい制度も意味は成さないのではないかと考えております。
そこで、二次使用料の確実な徴収を行うという観点から幾つか質問してまいりたいと思います。
まず、現行法におきまして、飲食店や美容院等の小規模店舗で二次使用料を適切に支払っていない業者がどの程度存在しているのか、また、本来徴収するべき二次使用料の損失額がどの程度あると認識されているのか、文化庁として把握されているのか、この点、お伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
音楽著作権管理事業者による演奏使用料の未払い状況及び損失額については、文化庁としては把握はしてございません。なお、音楽著作権管理事業者であるJASRACにおきましては、二〇二五年度に、演奏に係る使用料につき千四百二十七件の法的措置を講じたと承知をしております。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
今把握されていないということだったんですけれども、当然、実際には音楽を使用しない美容院や喫茶店もございます。また、著作権フリーの曲しか流さないような店も存在しますので、なかなか正確な実態の把握というのは難しいものだということは私も理解しております。
その上で、今も御答弁の中にもありました、そして度々報道でも目にしますけれども、JASRACの民事調停の状況を見ますと、やはり適切に二次使用料が支払われていない場合というのが一定数存在しているものと考えられます。
冒頭申し上げたように、適切に支払っている事業者から不公平だという声が上がっておりますけれども、この状況につきまして大臣としてどのように捉えていらっしゃるのか、御見解を伺います。
○松本(洋)国務大臣 JASRACによります演奏使用料の徴収に当たりまして、適切に支払いを行っていない音楽利用者があり、JASRACが民事調停等の法的措置を講じなければならない場合があることは承知をしているところでもありますし、今政府参考人からも御答弁を申し上げたところであります。
個別の権利者団体が行っている徴収の状況につきまして見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、演奏使用料が適切に徴収、分配されることは、音楽利用者間での公平性、権利者への適切な対価還元の観点から重要であると考えているところでありまして、権利者団体において適切な徴収のための体制が整備されることが必要であると考えているところであります。
先ほど来答弁をさせていただいておりますとおり、この法案というものがしっかりと進められていくためには、理解そして納得というものが得られるようにしていくということが大変重要である、そのように考えております。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。重要性は認識されているということで、しっかりとした仕組みをお願いしたいところでございます。
今回のこのレコード演奏・伝達権が新たに導入されるに当たり、レコード演奏・伝達権に係る指定団体制度が創設されます。二次使用料徴収の実効性を担保するためには、やはり指定団体の役割というのが非常に重要になってくるかなと思います。
既に作詞家や作曲家への二次使用料の徴収や分配を行っている著作権等管理事業者が存在しております。この音楽に係る著作権等管理事業者との連携によって徴収窓口が一本化されることで手続が簡素化されることなど、指定団体と音楽に係る著作権等管理事業者の連携、これは実効性を左右する重要な要素になってくるんじゃないかと考えております。
イギリスやドイツなど既にレコード演奏・伝達権を導入している諸外国におきましても、合弁団体であったり徴収の委託をするという事例が見られております。実効性を担保するための新たな指定団体と既存の音楽に係る著作権等管理事業者との連携の在り方についてどのように想定されているのか、お伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
JASRACは、作詞家、作曲家等の著作権者の権利を管理する団体である一方、レコード演奏・伝達権は、著作権者とは別の主体である実演家とレコード製作者がそれぞれ権利者となるものでございます。
本法律案では、団体の適正な運営及び各権利者への公正公平な分配を期す観点を踏まえ、実演家とレコード製作者の団体の中から文化庁が指定する団体がレコード演奏・伝達権を管理することとしております。
一方で、利用者の手続ができるだけ簡素であることは重要でございます。文化審議会におきまして、実演家及びレコード製作者の権利者団体からは、両指定団体の徴収窓口を一元化して対応すること、二次使用料の徴収や利用楽曲の報告等について音楽著作権の管理団体との連携も検討していることが報告をされております。
また、関係団体間の連携については、文化審議会の報告書を見ても、事務負担の軽減の観点から検討を進めることが求められているところでございます。
利用者にとってもできるだけ簡潔な手続となるよう、文化庁としても指定団体に対し必要な助言等を行ってまいります。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。是非、実効性が担保できる、そして分かりやすい仕組みづくりに取り組んでいただきますよう、お願い申し上げます。
それでは、次の質問です。
作曲家の死後、相当年数が経過したクラシック音楽、こういったものは著作権が消滅している楽曲となります。いわゆる著作権フリーと言われるような音楽は多数ございまして、これらは二次使用料を支払わずとも自由に利用することができます。このことから多くの場面で使われているわけですけれども、今回、レコード演奏・伝達権が導入されることで、これまで二次使用料が発生しなかったクラシック音楽等にも二次使用料の支払いが新たに生じることになると思います。
意図的にいわゆる著作権フリーの音楽しか使用してこなかったようなお店、これまで二次使用の支払いがなかった事業者、こういったところに対して、どのようにアプローチしていって、どういった手段で確実に徴収を行っていこうと想定されているのか、お伺いしたいと思います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、著作権の保護期間が経過している楽曲についても、実演、レコードの保護期間内である商業用レコードを使用した場合には、レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の支払いが必要となります。制度の理解が十分に浸透しないために必要な二次使用料の支払いが漏れてしまうといったことがないよう、制度の趣旨や支払いが必要となる場面などについても丁寧な周知が必要であると考えております。
本法律案をお認めいただいた暁には、文化庁におきまして、レコード演奏・伝達権の徴収対象等について、SNSなど様々な広報媒体を利用したり、また利用者の団体と連携したりするなどして、分かりやすく周知をしてまいりたいと考えてございます。また、指定団体等からも、利用者への周知、個別具体のケースについての相談への対応、こうしたことがしっかりと行われるよう、必要な助言等を行ってまいります。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
これまで全く支払いがなかったものへの支払いが発生するということですので、抵抗感は大きいのではないかと思います。しかし、音楽の実演家の活動をしっかり支えていくという意味からも確実に徴収しなければなりませんので、徹底した周知と丁寧な説明が必要だと思います。
文化審議会著作権分科会報告書の中でも、音楽を利用する際の権利処理について、既にシステム化が一定程度進んでいるものの、依然として権利の関係の分かりづらさや複雑さが懸念される、また、商業利用不可のサブスクリプション型音楽配信サービスが一部で商業利用されているとの指摘もされている、政府、権利団体及び指定団体においては、国民や音楽利用者の理解を深めるため、音楽著作権管理事業者や関係団体とも連携して、音楽権利関係や利用方法等について普及啓発に取り組むことが重要であると書かれております。
また、同じ報告書の中で、著作隣接権という制度の存在や意義、著作者の権利と実演家等の権利の違い、実演家等を取り巻く環境やその権利を保護する必要性等の前提事項について、十分に周知されていない状況が見られたことから、この機会に国民への周知啓発に積極的に取り組むべきとの指摘がされております。
先ほどの答弁の中にも、周知徹底の重要性は御認識されていらっしゃるかと思います。私も、二次使用料を支払う者と支払わない者との不公平感を解消させるには、音楽利用者への丁寧な説明と周知徹底が最も重要なことで、必要なことであると考えております。
そこで、この確実な二次使用料徴収を担保するための周知徹底、先ほども若干触れていらっしゃいましたけれども、具体的に、どのような手段を持って進めていくのか、より詳しくお伺いできればと思います。
○松本(洋)国務大臣 レコード演奏・伝達権の導入に当たりましては、適切に二次使用料を支払う者と、必要な支払いを行わない者が出てくるなどといった不公平が生じないように、利用者に対して周知徹底を図ることが重要であると考えております。
文化審議会の報告書におきましても、レコード演奏・伝達権の趣旨、また二次使用料の徴収等の詳細について、利用者を始めとする国民に分かりやすく周知を行う必要があることでありますとか、業界団体や著作権の管理団体等とも必要に応じ連携協力をいたしまして、二次使用料の支払いを行わない者への周知や働きかけ、督促といった措置を講じることなどが挙げられているところであります。
本法律案をお認めいただきました暁には、文化庁におきまして、改正法の施行までの間に、レコード演奏・伝達権の趣旨などについて、SNSなど様々な広報媒体を利用したり、利用者の団体と連携するなどして、分かりやすく周知をするとともに、指定団体等からも十分な周知が行われるように必要な助言等を行ってまいりたい、そのように考えているところであります。
もちろん、国といたしましても、我々としても周知、広報に全力で努めてまいりたいと思いますけれども、まさに、利用者の団体もそうでありますし、また、実際にこのレコード演奏・伝達権というものによって利益を得るといいますか、そうした演奏家等の皆さんにもいろいろと御協力を賜りながら、利用者のみならず、国民の皆さんに御理解、納得をしていただくことができるように、みんなで力を合わせていくということが大変重要なことかと思っております。我々としても、そんな観点を念頭に置きながら周知、広報に努めてまいりたい、そのように思います。
○西岡(義)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。是非、本当に業界が盛り上がっていくような制度構築をお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
テーマは変わりまして、ちょっと冒頭、唐突なんですけれども、大臣、アイドルのライブは見に行かれたことはございますでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 残念ながら、私、見に行ったことがございません。
○西岡(義)委員 済みません、突然失礼いたしました。
私、アイドルのライブを見に行くのが趣味でして、ペンライトを振ったり、特典会に並んだりしているんですけれども、この日本のアイドルという文化、これは我が国発のコンテンツ産業で、アジアを中心に広がりを見せている、新たな文化の一つだと思います。コンテンツ産業、先ほどアイドルが例に挙がっていなかったので、是非一度行かれていただければと思います。
その上で、質問を進めていきます。
ちなみに、私が今一番推しているアイドルが、MARUKADOというアイドルでございまして、このMARUKADOというグループはちょっとユニークなアイドルでして、私の地元に洗足学園音楽大学という音大があるんですけれども、そこに通う現役の音大生の皆さんで組んでいるグループなんですね。メンバーは音大生なので、ふだんは作詞、作曲の勉強であったり、アニソンや声優の勉強をしたり、あと、ダンスや、ジャズのドラムを専門にしているメンバー、また、照明など舞台裏の勉強をしている、そういった子もアイドルとして活動しているわけです。
そういった音大生がやっているということで、メンバーが作詞、作曲をしたり、メンバーが振りつけを担当したりするというような、そんなアイドルグループなんですけれども、アイドルが脱退することを卒業と言いますよね。このMARUKADOは現役音大生のグループなので、四年生の三月になると本当に卒業しちゃうんですね。私の推しも、この三月に卒業してしまいまして、いまだロスのさなかにいるというわけなんですけれども。
アイドルにかかわらず、バンドですとか音楽団というのは、メンバーの脱退があるわけですね。グループの構成が変わるということなんですけれども、既に発売されているCDであったりサブスクの配信音源というのは、収録当時のものが長く流通され、使用されることになります。
今回、二次使用料が新たに演者にも発生するわけなんですけれども、この二次使用料の権利料の分配対象に、グループを脱退したメンバーにもきちんと支払われていくのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案におきましては、商業用レコードに録音されている実演を公に再生、伝達した場合に、当該実演に係る実演家に二次使用料を支払わなければならないこととしております。そのため、仮に、あるグループのCDが発売された後に実演家である当該グループのメンバーが脱退した場合でも、レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の支払いは、そのCDに録音されている実演家に支払われることになります。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。きちんと脱退したメンバーにも支払われるということを確認させていただきました。
脱退したメンバーは次の新たな道へ進むかと思います。私の推しも新しいステージで今頑張っております。こういった次の新しい活動に向かう実演家にとっても、継続的な収入は活動の支えになるかと思いますので、しっかりと実演家の手元に行き渡るような仕組み、これも構築をお願いしたいと思います。
また次、テーマを変えまして、ダンスに関して伺いたいと思います。
近年ダンスは、義務教育で必修化されたりですとか、ストリートダンスのブレーキンがオリンピック競技に採用されるなど、非常に注目を浴びて存在感を増している分野かなと思います。
私の地元には、ブレーキンの聖地と言われる溝の口がございます。また、プロダンスリーグのDリーグ、こちらで優勝経験もあって、ついこの前の日曜日、五月三十一日に幕を閉じた二五―二六シーズン、こちらでもチャンピオンシップに進出したカドカワドリームズのホームタウンもありまして、非常にダンスも盛んな地域でございます。
著作権法の中では、ダンスは舞踊又は無言劇の著作物として、独創的な振りつけは著作物として認められていると承知しております。しかし、ダンスは、音楽のように、振りつけの著作権を全国規模で一括管理し使用料を徴収、分配する仕組みがないために、単発で振りつけ料というような制作費としての支払いで完結してしまって、追加の利益が還元されにくい構造になっているかと思います。また、ダンサー、演者にも著作隣接権があるものの、使用料については継続的に利益が還元される仕組みがございません。
コンテンツ産業としてダンスの分野もこれからどんどん盛り上がってくるかと思います。振りつけ師やダンサーへの利益の還元の在り方、これも見直していいのではないかと考えておりますけれども、文化庁の御見解はいかがでしょうか。
○日向政府参考人 お答えいたします。
ダンスは、その振りつけが舞踊の著作物であり、振りつけを創作された方には著作権があり、それを演じる実演家には著作隣接権があると考えられます。
御指摘のような舞踊の振りつけや実演が二次的に利用される場合などに、振りつけ家や実演家の方にも適正な対価還元が円滑に行われるには、契約において適切に権利の対価等が定められることが必要であると考えております。
文化庁といたしましても、必要に応じ、御相談に応じるなど、対応を行ってまいります。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。
では、また次、テーマを変えさせていただきまして、今AIとクリエーターの関係というのは非常に課題となっております。私も昨年AIとクリエーターの権利について一度質問をさせていただきましたけれども、本当に一年の間にAIの進歩というのは非常にすさまじくて、取り巻く環境というのが大きく変化してきているというようなことでございます。そして、新たな課題もいろいろ浮き彫りになってきております。
先日、同人誌の印刷を請け負っている会社の方とお話をする機会がございまして、そこはいろいろ無名の作家さんであったり若手の同好会の方々が作品を持ち込んで、印刷して、コミケに出品するというようなものなんですけれども、そこで依頼者の方から、自分の絵が勝手にAIに学習されちゃうんじゃないかというような懸念の声が上がっていて、印刷会社の方に、そういうことに使われませんよねというような確認をされるというような声がありました。非常に、AIについての不安、何となく、どういう使われ方をするのか分からないというような不安が広がっているというようなことだと思います。
著名な作家さん、鳥山明先生だったりとか尾田栄一郎先生とか、こういった絵の作風は、誰もが見れば、これは加工されたなとか元絵はあれだなというのが分かるかと思うんですけれども、本当に無名の作家さんなんかだと、それが、元絵があってAIで加工されたものなのか、独自で作られた絵なのか全く判別がつかないというところで不安を抱えていらっしゃるということでございます。
また、先週、声優さんの声のことでいろいろ話題となっておりました。声優さんの声を無断でAIで加工することが問題になっておりまして、先週は法務省の検討会の方で、エヴァンゲリオンの主役の声をやられた方などが意見を述べられていて、声優の方が一斉に無断生成に対する反対を訴えられております。
著作権法三十条の四、こちらとAIの関係というのが、非常に絶えないというような状況かとも思っております。今後、AIと著作権、著作隣接権、こういったものの在り方について議論が絶えない、そんな状況だと思います。
そこで、文化庁として今後、AIの進展、そしてクリエーターの権利を守っていく、今後の見通しというか、考え、捉え方、まずは文化庁の見解をお伺いさせていただければと思います。
○日向政府参考人 お答えいたします。
AIと著作権の関係についてでございますが、関係者からの懸念の声を踏まえ、文化審議会で議論を行い、まず、令和六年三月に、AIと著作権に関する考え方についてを取りまとめさせていただきました。
その後、この考え方について関係者に対し分かりやすく解説したAIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンスの作成、公表を行うほか、クリエーターやAI事業者等の関係当事者間の適切なコミュニケーションを図るべく、AIと著作権に関する関係者ネットワークの運営を行わせていただいております。
さらに、クリエーター等への対価還元を促進するため、令和七年度補正予算におきまして、著作物等のデータを契約により有償で提供し、適切な対価を得るなどの取組の調査研究、実証に取り組ませていただいております。
また、加えまして、生成AI等による著作権侵害に対する権利行使の支援、こうしたことにも取り組ませていただいております。
AIと著作権につきましては、AIの適正性や透明性の確保など、著作権法の範囲にとどまらない課題がございます。こうしたことから、関係省庁と連携しながら、引き続き、必要な情報の収集、検討、その他の取組をしっかりと行ってまいりたい、このように考えております。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。
若手作家さんであったりクリエーターの方から、でき上がった生成物に対して、これはAIで作ったものですといったようなクレジットを入れてほしいとか、様々な意見が出ております。
個人情報のときもAIについてはかなり議論がありました。このクリエーターの権利の部分も非常に重要な分野だと思いますので、引き続き文化庁としても検討を進めて、あと、当事者の意見もしっかり聞いていただきたいと思います。
最後に、大臣から、このAIとクリエーターの権利の在り方について、どのようなお考えを持たれているのか、お伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 まずもって、委員が推しのアイドルはMARUKADOですか。是非注目をして私も拝見をさせていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
AIと著作権の関係についてでありますけれども、法律論のみならず、クリエーター等の権利者でありますとかAI開発事業者、AIサービス提供事業者、AI利用者といった関係当事者の間で適切なコミュニケーションが図られることが重要であると考えているところであります。
また、生成AIとこれに関わる事業者やクリエーターなどとの間で、新たなコンテンツの創作と文化の発展に向けた共創の関係が実現されていくことが望ましいと考えております。このため、先ほど政府参考人から申し上げたとおり、関係当事者間の情報共有を図る場を設けているところであります。
この間でいろいろと議論がなされる中で、クリエーター側と生成AIを利用される側、開発する側、こうした人たちが意見交換をしながら、それぞれの立場を理解し、それぞれの権利というものをしっかりと守りながら、健全にそれらの事業を行っていただくということが最も望ましいところだと思っております。
関係当事者間の適切なコミュニケーションの実現に向けて、関係省庁と連携しつつ取り組んでまいりたいと思いますが、一方で、当事者間の話合いだけということではなくて、これは日本のみならず海外におきましても、生成AIとこうした著作権との関係というものは大変大きな議論になっているというふうに承知をしているところでありまして、そういう意味では、海外の動向というものも、我々としてしっかりと注視をしながら検討していくということが大変大事なことだと思っております。
いずれにいたしましても、生成AIに関しましては、様々な場面で様々な法的な整理というものをしていかないと、なかなかこの問題というものを解決していく、整理をしていくことにはつながっていかない、結構複雑な問題だというふうに承知をしているところでもありまして、我々といたしましては、情報収集、そして検討というものを引き続き行いながら、クリエーターの皆さんの創意工夫であったりとか、また、権利というものを守っていくことができるように、我々としても今後も検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
○西岡(義)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。
まさに健全な育成とか発展というのが重要なことだと思います。野放しの状態もいけないんですけれども、ある程度の規制がないと、逆に萎縮を生んで発展が止まるというような側面もあるかと思います。最適解というのがなかなか見つけづらい分野かと思いますけれども、引き続き御検討をお願いしたいと思います。
そして、MARUKADOへの御言及、ありがとうございます。溝の口はすぐそこですので、お連れしますので、是非一緒にライブに行きましょう。済みません。
若干時間が残りましたけれども、用意してきた質問はこれで全てですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。
○渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。
本日も質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。本日は、著作権法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
まず、先日の委員会において趣旨説明をいただきましたが、改めて各論点について確認をしていきたいと思います。
今回の改正は、これまで適切な対価を受け取ることができていなかった実演家やレコード会社に対して、レコードの演奏、伝達に関する権利を新たに付与し、その対価還元の仕組みを整備するものであります。音楽産業の持続的な発展と権利者保護の観点から、大変重要な意義を持つ改正であると認識しております。
一方で、こうした新たな権利を創設し、徴収、分配の制度を整備するに当たっては、権利者と利用者双方にとっての透明性と公平性の確保が必要だと考えます。制度の設計によっては、利用者である音楽を使用する側の事業者、文化団体や、また小規模事業者などに過度な負担が生じることが懸念されます。また、権利者である現場で活躍する実演家への分配が十分に行き届かなかったりする懸念点も考えられます。
これらの点について、順にお伺いしてまいります。
まず、今回の改正で創設される指定団体制度についてお聞きします。
今回の改正により、実演家及びレコード会社は、自らが実演、制作したレコードの演奏や、また公衆送信に関する権利を新たに持つこととなります。そして、その権利を一元的に管理し、行使するための組織として、新たな指定団体制度が設けられる予定だと承知しております。
一方で、音楽著作権の管理団体として代表的なJASRACは、現在も多くの楽曲の管理を担っています。音楽を使用する事業者や文化団体にとっては、今後、新たな指定団体への手続も必要になるのかどうか、あるいは一本化されるのかなど、実務上の影響が大変気になる点であると思われます。
これまでの管理団体と今回の指定団体は、管理する権利の種類、性質、また設立根拠となる法律や文化庁による監督、監査の仕組みなど、複数の点で異なるものと思いますが、その違いが明確に整理されなければ利用者の混乱を招くおそれがあります。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。既に類似の質問も出ておりますが、今回創設される指定団体制度は、これまでとどのような点で法的、制度的に異なるのでしょうか。管理する権利の内容の違い、また設立根拠となる法律や国による監督の仕組み、並びに既存の管理団体とのすみ分けや連携の在り方について、具体的にお示しください。
○日向政府参考人 お答えいたします。
まず、JASRACでございますが、これは作詞家、作曲家等の著作権者の権利を管理する団体でございます。
一方、今回御審議をいただいておりますレコード演奏・伝達権でございますが、こちらは著作権者とは別の主体である実演家やレコード製作者がそれぞれ権利者となるものでございます。
また、JASRACは、著作権等管理事業法に基づきまして、作詞家、作曲家等の権利者からの委任に基づき、権利者に代わって利用者に対し許諾を行い、使用料の徴収、分配を行ってまいります。
一方、今回御審議いただいております指定団体でございますが、こちらは著作権法に基づき文化庁長官に指定された団体でございます。指定団体があるときは、指定団体のみが商業用レコードの公の再生等に係る実演家等の二次使用料の徴収、分配を行うことができることとなります。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
では、次に、使用料規程の決定プロセスと公平性の確保についてお伺いします。
先ほど申し上げたとおり、代表的な管理団体JASRACが現行制度の下で徴収する使用料というのは、演奏会の入場料の有無や、また競技大会、演劇、音楽劇、ダンス公演、テーマパークや商業施設内での放送や演奏など、利用の形態、目的、規模に応じて非常に多岐にわたる規程が設けられております。
こうした使用料規程は、事業者や文化活動の担い手にとって重大なコスト要因となるものであり、その策定過程が適正かつ透明であることが強く求められます。特に重要なのは、規程を定める過程において、権利者側と利用者側の双方の意見が対等に反映されているかという点です。
これまでの使用料規程はどのようなプロセスによって決定されているのでしょうか。透明性の確保は、今回の新制度の分配規定にも共通する重要な課題と考えておりますが、その策定やまた改定の際に、権利者と利用者双方の意見はどのような形で反映される仕組みとなっているのか。また、現状における課題、今後の改善策について、松本文部科学大臣の御見解をお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 JASRACのように、特に影響力が大きい権利者の団体が、使用料規程を策定し、又は変更する場合には、著作権等管理事業法に基づいて、利用者代表からの協議に応じなければならないこととされているところであります。
使用料の水準につきましては、この協議の手続において利用者と権利者の間で丁寧な調整が行われるとともに、各利用区分の特性を考慮して定められております。
こうした使用料規程の策定及び変更の手続の中で、御指摘のような公平性が担保をされているものと承知をしております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
では、続いて、新制度における二次使用料規程と、協議不成立の場合の文化庁長官による裁定基準についてお聞きします。
今回の法改正では、指定団体が定める二次使用料規程について、関係者間の協議を経た上で文化庁長官の認可を受ける仕組みとされており、また、もし協議が調わない場合には文化庁長官の裁定を求めることができるとされています。
この裁定制度は、交渉力に差のある権利者と利用者の間で公正な解決を図るための重要な位置づけとなるものと考えておりますが、裁定に際してどのような基準や考慮事項が設けられるかによって、権利者、利用者、いずれかに大きな影響が生じる可能性もあります。基準が不明確であれば裁定の結果が予測しにくくなり、また、事業者が中長期的な事業計画を立てる際の障害ともなり得ます。
そこで、政府参考人にお伺いいたします。権利者、利用者、それぞれの立場について考慮されることはとても大切だと考えますが、文化庁長官が裁定を行う際に適用される基準はどのように設定されるのでしょうか。
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案で裁定制度が設けられるというところでございますが、これにつきましては、文化庁長官は、まず、裁定に当たり、その旨を他の当事者に通知し、相当の期間内に意見を陳述する機会を与えること、そして、その後、文化庁長官が裁定しようとするときには、その裁定について外部の専門委員から構成される文化審議会に諮問し、その結果を踏まえて行うこと、裁定したときには、その旨を当事者に通知するとともに、インターネット等で公表することとしておるところでございます。
このように、裁定は、両当事者の意見を聴取し、文化審議会の意見を踏まえた慎重な手続により行うとともに、結果の公表等により透明性を確保することで公平性を担保しているところでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。是非公平性を担保していただけるように、これからもしっかりと話合いを進めていただきたいと思います。
では、続いて、過去に生じた重大な問題についても一度触れたいと思います。
かつて、日本脚本家連盟において、合計二億円以上の分配漏れ、また未払いが発生したという問題がありました。これは、権利者への対価還元という制度の根幹を揺るがす深刻な事態だと考えられます。
日本脚本家連盟というのは、文化庁から、脚本に関する指定著作権等管理事業者の一つとして登録、認可されたものです。この分配漏れや未払いの理由として、収受した使用料の詳細が不明のため分配すべき権利者を特定できないことや、また収受した使用料に非委託者分が含まれていたことから分配不能となったことなどが挙げられております。
しかし、このような問題が生じた背景には、管理団体における内部ガバナンスの甘さや、また外部監査の仕組みが不十分であった点も否めません。当時の問題が権利者だけではなく社会全体に与えた影響は大変大きく、今回の新制度においてこそその教訓が生かされなければならないと考えます。
今回の改正によって、実演家、レコード会社という新たな権利者層が加わることで、管理や分配すべき対象はより一層複雑になると考えられます。特に、多数の実演家が関与するオーケストラや大型バンドの楽曲、また、複数の国にまたがる国際共同制作、長期間にわたって流通し続ける旧来の楽曲などについては、権利者の特定や分配の正確性を担保することが従来以上に困難となり得ます。加えて、権利者が亡くなった場合の相続問題や、権利の譲渡、契約変更によって管理情報が複雑化するリスクも見据える必要があります。
ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。過去の分配漏れの問題の教訓を生かし、今回の新制度において同様の事態が繰り返されないよう、政府としてどのような具体的な再発防止策を講じるお考えか、できるだけ詳細な御説明をお願いします。
○松本(洋)国務大臣 今御指摘をいただきました日本脚本家連盟の事案でありますけれども、収受いたしました使用料の一部につきまして、権利者情報の詳細が把握できていなかったことなどによりまして権利者に適切な分配が行われていなかったことから、昨年三月、文化庁長官によります業務改善命令を行ったものであります。
今回のレコード演奏・伝達権に係る二次使用料の分配方法についてでありますが、指定団体が構築することとなるわけではありますけれども、実演家及びレコード製作者の権利団体は、放送における商業用レコードの利用につきまして、放送事業者から徴収した二次使用料を権利者に分配する仕組みは既に存在をし、構築をしているものと承知をしております。
この仕組みの中におきまして、権利者団体が既に保有している権利者情報データベースというものがございますので、それを基にいたしまして、放送事業者から提供を受けた利用楽曲のデータ等を照合いたしまして、各権利者への分配が行われているところであります。
レコード演奏・伝達権の二次使用料の分配に当たっても、この仕組みが参考になるものというふうに考えているところであります。指定団体から実演家等に対しまして適切な分配が行われるよう、必要に応じて指導助言等をしてまいりたいと考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
では、時間の関係で次の質問を一旦飛ばさせていただきます。
国際的な観点からお伺いします。
日本の音楽コンテンツは、近年のいわゆるシティーポップブームや、またJポップの再評価、アニメ、ゲームコンテンツとの連携などを背景に、アジアのみならず欧米においても幅広く周知されるようになっております。
また、動画配信プラットフォームや音楽ストリーミングサービスを通じた日本の楽曲の海外利用は今後も更に拡大することが見込まれており、日本の実演家、レコード会社にとって、海外での使用に対する対価の確実な回収は大きな関心事項となっています。
こうした状況を踏まえると、今回創設される制度を国際的に実効性のあるものとするためには、相互主義に基づく海外との制度連携が不可欠です。相互主義が適用される国については、日本の権利者が海外での使用に対しても対価を受け取ることができますが、相互主義が適用されない国については制度の空白が生じます。また、相互主義が形式上は適用される場合でも、実際の徴収、また送金プロセスに問題が生じていないか、管理団体間での精算が適正に行われているかを確認する、このような仕組みもとても必要だと考えております。
今回の制度創設により相互主義が適用される国との関係において、海外で日本の楽曲が使用された場合の二次使用料は確実に徴収、還元される見通しでしょうか。仮に制度を設けても、実際に対価が還元されなければ、権利者の恩恵は限られたものになりますので、国際的な実効性の確保についての政府の姿勢を明確にしていただきたいと思います。政府参考人の御見解をお願いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
海外において我が国の音楽が利用された場合の対価を得るためには、指定団体と各国の著作隣接権管理団体が連携する必要がございます。既に、商業用レコードを放送で利用した場合の二次使用料等を取り扱うため、各国の著作隣接権管理団体とのネットワークが設けられているところでございまして、既に金銭のやり取りもされていると承知をしております。こうした例が参考になるというふうに考えております。
本法律案をお認めいただいた後、指定団体を指定した際には、速やかに各国の著作隣接権管理団体と指定団体との間で連携が進められるよう、文化庁としても指導助言等をしてまいります。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
今回の著作権法改正は、音楽産業の持続的な発展と全ての権利者への公正かつ確実な対価還元を実現するための重要な改正案です。今後の整備や、また指定団体の認定基準の設定など制度の根幹となる部分は、法施行後の話合いに委ねられることになります。
私自身も、以前、フリーランスのダンスのインストラクターとして長く活動していました。もし当時このような制度があったとしても、十分理解することは難しかっただろうなと自分自身でも思いますし、また、楽曲を使う際に二次使用料が発生するとなれば、またそこでいろいろな懸念点も発生したんだろうなというふうに、今この立場になってもそういうふうに思います。
なので、周知の徹底ということも、何度も話には上がっておりましたが、この制度の趣旨が十分に生かされて、音楽文化に関わる全ての方々に恩恵が行き渡るように、まず透明性、そして公平性の確保等の徹底を政府に強く求めまして、私の質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。
本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。著作権法の一部を改正する法律案についての質疑をさせていただきます。
まずは、利用者の負担と制度の趣旨の達成という観点から、徴収窓口の一元化とデジタル化についてお伺いいたします。
本法案により、店舗等が商業用レコードを公に再生、伝達する場合、従来の著作権使用料に加え、実演者、レコード製作者に二次使用料を支払うこととなり、利用者には、二つの権利について別々の主体から手続を求められる事務負担が生じます。利用者から見れば、費用負担だけではなく、二つの権利について別々の団体に別々に手続をする事務負担が新たに生じることとなります。
本年三月に取りまとめられた文化審議会著作権分科会の報告書におきましても、徴収に当たって、音楽著作権管理事業者との連携など利用者の事務負担を軽くする工夫を検討し、電子決済を始めとするデジタル技術も駆使した仕組みの構築を進めるよう求めています。ここがスムーズに進まなければ、そもそも利用者が事務負担を嫌って商業用レコードを流すこと自体を控えてしまうおそれもあり、文化振興の観点からも、先ほども御指摘がありましたが、本末転倒の結果になりかねません。
一方、権利者団体である日本レコード協会と日本芸能実演家団体協議会は、本年一月の文化審議会の会合の際に示したレコード演奏・伝達権の管理方法という資料の中で、徴収窓口を一つにまとめることですとか電子決済による簡単な申請、支払い、そして音楽著作権管理事業者との連携を含めて示しておられました。こちらの記載内容の実現を期待しているところでございます。
こういった問題意識の下、政府参考人にお伺いをいたします。
一元的な徴収窓口の実現についての政府見解をお伺いいたします。また、電子決済サービスを通じた一元的な徴収窓口の実現や、ここで今触れました管理事業者間での連携、こちらも、どのように促していく方針なのか、併せて見解をお伺いいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
レコード演奏・伝達権に係る二次使用料については、本法律案成立後、指定団体において具体的な徴収方法を検討、構築することとなります。その際に指定団体が留意すべき事項等については、文化審議会の報告書におきまして、BGMサービスの利用者に関しては、BGMサービスの使用料を通じて支払いを可能とすること、店舗等で広く利用されている電子決済サービスを通じたワンストップでの契約、支払いを可能とすること、既に徴収のノウハウを有する音楽著作権の管理団体との連携協力を行うことなどが挙げられているところでございます。
本法律案をお認めいただいた場合には、文化庁といたしましても、ただいま先生からの御指摘や文化審議会での報告、こうしたことを踏まえ、利用者の負担にも配慮した手続となるよう、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいります。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
法案成立後の検討になるということでしたので、今まさにおっしゃっていただいた方針の下、指定団体にも働きかけをしていただくことを期待しております。また、管理団体の方の話では、支払いだけではなくて申請に関してもデジタル化についての言及があったと認識しております。こちらについても求めていただくことを期待したいということを考えております。
続きまして、小規模事業者への減免や配慮の担保についてお伺いをいたします。
同報告書におきましては、二次使用料の規程、こちらを作るに当たりまして、小規模事業者の負担に配慮するよう求めております。本日も何名かの委員の御質問にもありましたけれども、やはり規模の小さい事業者についてどのように配慮していくかは重要な論点です。また、文化的事業も含めまして、規模の小さい事業や収益が生じていない、あるいはほとんど生じていない取組について、事前に十分協議をした上で、支払いの免除や減額の措置を講じるよう求めているという認識を有しております。
権利者団体におかれましても、先ほどの管理方法の資料の中で、小規模事業者などへの減免の特例を設けることを検討すると説明しております。
ただ、これらは最終的には指定団体、つまり、徴収や権利の請求そして分配を担う団体が定める規程に委ねられており、減免や特例が実際に確保されるかについては、この後定められる規程の中身、そして、利用者代表との協議、場合によっては文化庁長官の裁定の結果次第で、現時点では見通しが立ちにくい状況だと認識しております。
こちらも、文化的な裾野を担保する観点では、小規模事業者ですとか非営利な組織、団体の利用についての保護、配慮がなされることは非常に重要な論点だというふうに問題意識を持っておりまして、その問題意識の下、大臣にお伺いをいたします。
本報告書が求める小規模事業者への配慮、減免が二次使用料規程やその他の措置において確保される仕組みを政府としてどのように担保していかれるおつもりか、御見解をお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 今、委員が御指摘をいただきましたとおり、小規模な事業者への負担につきましては、文化審議会の報告書におきましても、事業規模等を適切に反映するため、面積や定員数等に応じて段階的に金額を設定するなど、事前に十分に協議してきめ細かく検討すること、規模等の特に小さい事業等に関しましては、支払い免除や減額の措置を講じるよう検討すること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げる等の緩和措置を検討することなどと指摘されていることも踏まえる必要があると考えております。
本法律案におきましては、二次使用料の額を定めた二次使用料規程を策定する際は、指定団体は利用者と協議、調整しなければならない仕組みとしております。この協議、調整の中で、指定団体が文化審議会の報告も踏まえるとともに、小規模な事業者を含めた利用者の御意見を丁寧に聞くことが期待をされます。
また同時に、この協議というものが調わない場合には、最終的には文化庁長官が裁定をするというような、そういう仕組みを通じまして、この文化審議会で指摘されているようなそうした指摘事項というものを極力反映させることができるような、そうした仕組みとなっていると私自身考えているところであります。
まずは、文化庁において、必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。
適切な運用に向けて取り組まれていくということを承りました。
まさに、今大臣からも触れていただきました文化庁長官の裁定についてお伺いをさせていただきます。
本法案は、二次使用料を受ける権利というところを指定団体によってのみ行使できると定められております。これを踏まえますと、放送の二次使用料と同じように、指定団体が指定されていくとしても、なかなか競争相手がいないという状況になる可能性もあるかなというふうに考えております。
こういった指定団体が競争相手のいない独占的な環境であるならば、本来であれば競争者がいる場合は競争を通じて働くような是正が構造的に働きづらいというような懸念も持ち得ると考えております。そうなってきた場合、この団体とのパワーバランスといったところについては、利用者団体の協議、そして今お話にありました文化庁長官の裁定に委ねられるというところになります。
その点で、文化庁の裁定の在り方がしっかりと実効的であり、透明性が担保されるということは非常に重要と考えております。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。
この文化庁長官の裁定、こちらはどのように進められるのでしょうか。裁定の独立性、そして、小規模事業者を含む利用者の実効的な支援をどのように担保する方針か、お伺いをいたします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
本法律案の裁定に当たりましては、文化庁長官はその旨を他の当事者に通知し、相当の期間内に意見を陳述する機会を与えること、その後、文化庁長官が裁定しようとするときは、その裁定について外部の専門委員から構成される文化審議会に諮問し、その結果を踏まえて行うこと、裁定したときには、その旨を当事者に通知するとともに、インターネット等で公表することとしております。
このように、裁定は、両当事者の意見を聴取し、文化審議会の意見を踏まえた慎重な手続により行うとともに、結果を公表すること等により透明性を確保しております。
また、本法律案において、裁定の一方当事者となる指定団体は、国が設置する法人ではなく、権利者で構成される民間の団体であり、国は当事者から中立的な立場にございます。
こうしたことから、文化庁長官による裁定は公正かつ中立に行われるものでございまして、文化庁長官と指定団体との間の独立性についての懸念は生じないものと考えておるところでございます。
○河合委員 御答弁いただきありがとうございます。
文化審議会の意見も踏まえて判断もされるということで、独立性を担保していくというところをお伺いをいたしました。
今、結果の公表についても言及もありましたけれども、可能な範囲で、どういった観点があったかなどのプロセスについても透明化をされることを期待しております。
最後に、どのレコードが使われたのかを把握する技術の活用についてお伺いをいたします。
報告書では、二次使用料の分配を、利用した商業用レコードの情報に基づいて各権利者に正確に行うこととしております。一方で、全ての利用を完全に報告することは現実的ではないという場合もあることも認められています。
先ほどの日本レコード協会、芸団協による管理方法の資料によりますと、使用された音楽の把握について、BGM利用においては、BGM配信事業者の使用曲目データ及びサンプリング調査、これは一部の利用を抽出して全体を推計する方法ですけれども、こちらに基づいて使われたレコードを把握していくこと、そして、将来的には、流れた曲を自動的に認識するようなデジタル技術、自動音声認識技術の活用も想定すると記載がございます。
やはり、このサンプリング調査というところに注目しますと、その性質上、標本に入らなかったレコードは反映されないということになってしまいますので、出現頻度が低いと考えられるようなレコードの権利者、とりわけ中小独立系の音楽を制作している権利者が本来受け取る額より少ない分配になる、いわゆる過少分配になることが懸念としては考えられ、各権利者への公正公平な分配という観点から見ると、把握の精度をしっかりと上げていくことが求められます。
ここで、政府参考人にお伺いをいたします。
中小独立系の権利者が過少分配になる可能性についての認識をお伺いします。また、中小独立系の権利者がそういった過少分配にならないよう、自動音声認識技術の活用による把握精度の向上、これをどのように進めるおつもりか、見解をお伺いします。
○斎藤委員長 日向文化庁次長、簡潔にお願いします。
○日向政府参考人 お答えいたします。
現在、著作権の管理団体による分配では、全曲報告を求めることが難しい場合、一部でサンプリング調査の結果も利用して分配が行われていると承知をしております。
実演家等には個人で活動する方など様々な方がおり、こうした多様な実演家等に対して正確な分配を行うためには、利用者が利用した楽曲情報をできる限り把握することが重要と考えてございます。
文化審議会の報告書におきましては、電子的な報告の仕組みに加え、再生されている楽曲を自動的に把握できるデジタル技術の活用について検討を進めることとされており、指定団体に対し精度が上がるよう必要な助言をしてまいりたいと考えております。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。
検討状況に加えて、実現状況についても引き続きモニタリングを強く期待するところでございます。
お時間になりましたので、私の質問は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○斎藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○斎藤委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、著作権法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○斎藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○斎藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、深澤陽一君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。原田直樹君。
○原田委員 中道改革連合の原田直樹です。
私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
案文を朗読して説明に代えさせていただきます。
著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一 新たに二次使用料の支払いが必要となる利用者が多数かつ幅広く存在することを踏まえ、本改正の趣旨や内容等について、幅広く丁寧な説明、周知を行うこと。
二 政府においては、二次使用料の徴収が適正かつ円滑に実施されるよう、関係者間の調整に努めること。また、指定団体においては、二次使用料規程の作成等に当たって、権利者への対価還元の観点及び利用者の負担への配慮の観点に留意しつつ、利用者代表との協議に丁寧に対応すること。文化庁長官による裁定が行われた場合は、政府は判断の過程を明らかにすること。
三 飲食・小売業等の小規模店舗や公益的な活動に取り組む文化芸術・スポーツ団体等の負担軽減を図るため、店舗面積や収容人数等に応じた低廉な料金設定や、支払いの減額・免除、段階的な導入期間を設けるなど、実効性のある緩和措置を講ずること。また、利用者の事務負担を最小限に抑えるため、デジタル技術を活用してワンストップで手続きが完了するなど簡素なシステムを早急に実現すること。
四 政府は、二次使用料の徴収・分配を担う指定団体に対し、若手や個人で活動する実演家をはじめ、全ての実演家等へ迅速かつ正確に対価が還元される持続可能で公平な仕組みを構築するよう指導・監督すること。特にAI楽曲識別技術の導入等によるDX化や、相談窓口の設置など体制整備を促すこと。
五 現行においても、飲食店等において商業用レコードを用いて音を公に再生等する場合には、原則として、著作権等管理事業者に使用料を支払うことによりその利用が行われるべきであるにもかかわらず、適切に支払いが行われていない例もあることを踏まえ、「レコード演奏・伝達権」の創設を契機に、著作権者に対し確実に適切な対価を支払う必要があることに加えて、今後は実演家等に対しても適切な対価を支払う必要があることについて、商業用レコードを利用する事業者に対して周知徹底を図ること。また、「レコード演奏・伝達権」の二次使用料の徴収・分配について、実効性のある体制の構築に万全を期すこと。
六 音楽界において個人事業主の音楽家が増加している現状に鑑み、新設される権利が不当に囲い込まれないよう、関係省庁の連携によりフリーランスの保護や取引適正化に向けた支援・法執行体制を強化すること。
七 本制度の導入が、実演家等の正当な権利保護と処遇改善に資するとともに、海外との相互管理を通じた日本の音楽コンテンツの国際展開やデジタル赤字の解消につながるよう、世界各国の著作隣接権管理団体とのネットワークを速やかに構築し、海外で発生した使用料を確実に日本へ還流させる仕組みを確立すること。また、我が国の音楽をはじめとするコンテンツ文化の人材育成、製作、流通、海外展開の総合的な支援を一層強化し、これらにより、次世代アーティストの国内外での活躍を強力に後押しし日本のコンテンツ産業の興隆を図ること。
以上であります。
何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○斎藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○斎藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。松本文部科学大臣。
○松本(洋)国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
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○斎藤委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○斎藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五分散会

