衆議院

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第13号 令和8年6月24日(水曜日)

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令和八年六月二十四日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 斎藤 洋明君

   理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君

   理事 岸 信千世君 理事 深澤 陽一君

   理事 盛山 正仁君 理事 浮島 智子君

   理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君

      石田 真敏君    伊藤  聡君

      井原  隆君    内山 こう君

      加藤 大博君    黒崎 祐一君

      坂本竜太郎君    田中 昌史君

      辻 由布子君    渡海紀三朗君

      とかしきなおみ君    永岡 桂子君

      永田磨梨奈君    新田 章文君

      丹羽 秀樹君    東田 淳平君

      福田かおる君    藤沢 忠盛君

      藤田 洋司君    前川  恵君

      宮内 秀樹君    簗  和生君

      泉  健太君    菊田真紀子君

      山崎 正恭君    市村浩一郎君

      喜多 義典君    河井 昭成君

      渡辺 藍理君    河合 道雄君

    …………………………………

   文部科学大臣       松本 洋平君

   文部科学大臣政務官    福田かおる君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          塩見みづ枝君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       西條 正明君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            坂本 修一君

   文部科学委員会専門員   津田樹見宗君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二十四日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     永田磨梨奈君

  下村 博文君     簗  和生君

  辻  秀樹君     伊藤  聡君

  藤沢 忠盛君     藤田 洋司君

  船田  元君     前川  恵君

  山下史守朗君     東田 淳平君

  山本 大地君     坂本竜太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤  聡君     新田 章文君

  坂本竜太郎君     山本 大地君

  永田磨梨奈君     とかしきなおみ君

  東田 淳平君     加藤 大博君

  藤田 洋司君     藤沢 忠盛君

  前川  恵君     船田  元君

  簗  和生君     下村 博文君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 大博君     山下史守朗君

  とかしきなおみ君   あべ 俊子君

  新田 章文君     辻  秀樹君

    ―――――――――――――

六月十一日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(鈴木拓海君紹介)(第八〇一号)

 コロナ後遺症等患児・者への教育を受ける権利の保障を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第八三八号)

同月二十三日

 てんかんのある人とその家族の生活を支える教育に関する請願(西岡義高君紹介)(第八九六号)

 同(黒崎祐一君紹介)(第九三九号)

 コロナ後遺症等患児・者への教育を受ける権利の保障を求めることに関する請願(岩谷良平君紹介)(第八九七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇〇〇号)

 同(伊東信久君紹介)(第一〇四三号)

 教育の無償化を目指して全ての子どもたちに行き届いた教育を求めることに関する請願(田村智子君紹介)(第九五二号)

 教育予算を増額し、全ての子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(古川康君紹介)(第九五三号)

 全ての教職員の処遇改善と長時間過密労働解消に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九九五号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第九九六号)

 同(田村智子君紹介)(第九九七号)

 同(西岡義高君紹介)(第九九八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第九九九号)

 同(笠浩史君紹介)(第一〇二〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件

 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

斎藤委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 文部科学行政に関する実情調査のため、去る十七日、二十三名の委員が参加し、東京都立六郷工科高等学校及び国立研究開発法人海洋研究開発機構横須賀本部の視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。

 まず、東京都大田区にある東京都立六郷工科高等学校では、釼持統括校長から、学校概要及び学科改編等の取組について説明を聴取するとともに、機械、自動車、デザイン等の一年生の工業技術基礎の授業を視察いたしました。

 その後、企業研修を始めとした企業との連携の効果及び工科高校の社会的認知を向上させる上での課題等について意見交換を行いました。

 次に、神奈川県横須賀市にある海洋研究開発機構横須賀本部では、河村理事長のほか、企画部門及び研究部門の担当者から、機構及び海洋観測研究の概要について説明を聴取するとともに、海底広域研究船「かいめい」、有人潜水調査船「しんかい六五〇〇」及び深海巡航探査機「うらしま八〇〇〇」を視察いたしました。

 その後、海洋研究開発機構における海底資源の調査状況、地球温暖化に関する研究や他の組織との連携等について意見交換を行いました。

 以上が視察の概要でございます。

 最後に、今回の視察に当たりまして、御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、御報告とさせていただきます。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官源河真規子君、文部科学省総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君、科学技術・学術政策局長西條正明君、研究開発局長坂本修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

斎藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。内山こう君。

内山委員 皆さんおはようございます。自由民主党の内山こうでございます。

 初質問でございます。まずは関係者の皆さん、新潟一区の皆さん、また身辺を支えていただいている事務所スタッフ、家族にもこの際感謝を申し上げるところでございます。

 早速、質問に入らせていただきます。

 まずは、高校改革について。

 現在、地方の高校は、少子化、人口減少の直撃を受け、何もしなければ学校の維持すら困難という存亡の危機に瀕しています。ただ定員割れの高校を機械的に統廃合するだけでは、地域の過疎化を更に加速させてしまいます。これからの高校改革は、減らすのではなく、地域の核となる魅力的な学校へ再定義する必要があると思います。

 人口の減少が進む中において、一人一人の資質、能力の向上は不可欠であり、現在待ったなしで進めている高校改革については、我が党の教育立国調査会が政府に提出した提言でも、各都道府県の実行計画の持続的な実現のため、二千億円規模の新たな交付金などの創設を求めていますが、大臣として、高校改革の意気込みをお聞かせください。

松本(洋)国務大臣 今委員から御指摘をいただいたとおり、高校は地方創生の核となる存在でありますし、また、特に公立高校は、地域が求める人材育成などの観点から、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であります。

 昨年十月、三党合意に基づいて様々な施策が行われているわけでありますけれども、いわゆる高校の無償化に加えまして、教育の質を高める改革、そして奨学給付金の拡大によりまして家庭の下支え、子供たちの教育の下支えをしていく、こうしたことが柱となりまして様々な施策を進めてきているところでありまして、高校教育改革、教育の質を高めていくというのは我々としても大変重要な取組だというふうに認識をしております。

 先般、高校改革の方向性などを示したグランドデザインを公表いたしまして、公立高校を対象に、令和七年度補正予算で設けた高校教育改革促進基金を通じまして、改革先導拠点のパイロットケースの創出に取り組んでいるところであります。現在、グランドデザインに基づきまして各都道府県が策定を進めております高校改革の実行計画におきまして、域内の高校改革の方針が定められることとなっております。

 文部科学省といたしましては、都道府県の実行計画が持続的に実現するよう、都道府県の取組に伴走しながら、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の構築に向けて取り組むとともに、高校生一人一人がその個性や可能性を最大限伸ばすことができるよう、都道府県の高校教育改革を国として力強く後押しをしてまいりたいと思います。

 昨年の補正予算の約三千億円のこの基金、ワンショットで高校改革を終わらせるのではなくて、持続的に、我々としては、是非、高校改革というものをそれぞれの各都道府県、自治体と一体となって進めさせていただきたい、そのように考えております。

内山委員 ありがとうございました。

 我が地元でも本当に大変な思いを皆さんされていますので、よろしくお願いします。

 次に、大学について。

 日本の科学技術、特に大学の研究力は、国際的な論文数のランキング低下など、深刻な地盤沈下に直面しています。大学の教育研究活動は、地域の人材確保や経済を支えるものでなければなりませんが、一方で、国際競争力の向上にも寄与すべきです。

 これまでの国際卓越研究大学や地域中核・特色ある研究大学強化促進事業などで大学の研究力は向上したと言えるでしょうか。これらを検証しつつ、早急に次の一手を打つべきではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。

西條政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の両事業につきまして、まず、国際卓越研究大学につきましては、現在までに東北大学と東京科学大学の二大学に対しまして助成を開始したところでございまして、各大学において研究環境の整備や研究者への支援が始められたところでございます。

 また、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業、J―PEAKSと呼んでおりますが、こちらにつきましては、二十五大学を採択し、強み、特色ある研究を核にした経営戦略によるシステム改革や大学間での効果的な連携を進めているところでございます。

 この両事業を通じまして、研究力向上に向けて取り組んでいるところでございます。

 また、今年度より開始している第七期科学技術・イノベーション基本計画においても、研究大学群の本格始動、拡大を掲げまして、国際卓越研究大学制度やJ―PEAKSを始め、今後実施する様々な施策を総動員してその実現を目指すということとしております。

 現在、当該計画の内容も踏まえまして、新たな日本成長戦略の議論を行っているところでございまして、その中で、国際卓越研究大学制度等の既存の施策に加えまして、新技術立国を目指す方針の下で、その核となる、高い研究力を有し、産業競争力強化に貢献する研究大学群の形成に向けた検討を行っております。

 今後、文部科学省として、関係省庁と連携して、その具体化を進めてまいります。

内山委員 新たな検討が進んでいるということで、是非加速させていただけたらというふうに思います。

 次に、デジタル試験に行きたいと思います。

 文科省は、二〇二七年度全国学力調査の全教科CBT化、デジタル化を掲げており、その方向性を私は支持したいと思います。

 しかし、実態を見ると、今年四月に実施された中学校英語の話すことの採点などは、多額の予算を投じて民間業者に委託し、人間が何十万人分もの音声を聞いて採点しています。集める手段だけがデジタル化されるという手段の目的化ではなく、AIを活用した自動採点の活用など、採点の効率化にもこれまで以上にデジタルを生かすことが大切ではないでしょうか。

 教育のDXに向けて、公平性を担保した上で、AI採点の導入や、将来的な大学入試等のCBT化への明確なロードマップとスケジュール感も示すべきです。ネット環境など、クリアしなければならない課題があることは理解しますが、是非進めていただきたいと思います。

 まずは、いつまでに全国学力調査の完全採点AI化を達成し、委託コストを何割削減するのか、具体的な数値目標とスケジュール感を示していただきたいと思います。

塩見政府参考人 お答えいたします。

 全国学力・学習状況調査におきましては、現在でも一部でAIを活用した自動採点を取り入れております。

 一方、現在の技術では自動採点のみでは採点の正確性を担保することが難しいため、御指摘いただきました英語の話すこと調査における録音による解答などにつきましても、人間による確認や採点も併せて行っております。

 御指摘の採点の完全AI化等につきましては、今後の技術の進展等も踏まえながら進めていく必要がございますため、スケジュールやコスト削減に関する数値目標を現時点で申し上げることは困難ではありますが、AIの一層の活用も含めまして、正確性を担保した上で、より効率的な採点を実施できるよう、引き続き取り組んでまいります。

内山委員 あわせて、次に行きますが、デジタル試験の真の価値というのは、全国一斉テストの効率化にはとどまらないと思います。現在、過去最多を更新し続けている不登校児童生徒に対し、オンライン学習やデジタル試験を活用した自宅での成果を指導要領上の出席や評価にどう適切に反映させるかという、一歩踏み込んだ学びの保障のインフラとしても活用すべきだと思います。

 今年四月に、文科省が「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」のリーフレットを作成し、学校や保護者への積極的な制度の周知を図っていることは評価していますが、こうした評価制度の更なる活用促進に向け、CBTも含めたデジタルの活用をどう考えるのか、文科省の姿勢を伺いたいと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 今、全国学力・学習状況調査のことがございましたけれども、不登校の児童生徒につきましても、CBTを導入して、それぞれの状況に応じまして学校外での実施を可能としてございます。

 御指摘のとおり、不登校児童生徒が、学校外の施設におきまして相談、指導等を受けたり、自宅におきましてICTを活用して学習活動を行ったりした場合に、訪問等による定期的な対面指導を行う、あるいは保護者と学校が十分な連携協力関係が保たれている場合など、一定の要件を満たせば出席扱いや成績評価を行うことができるという制度を始めたところでございます。

 御紹介いただきましたリーフレットにつきましては、ウェブ教材を用いて学習を行い、その学習履歴を学校に共有することなどを基に出席扱い、成績評価をした例などを取り上げてございますけれども、文科省としては、このようなICTを活用した不登校支援が効果的に行われますよう、引き続き活用事例等の周知に努めてまいりたいと考えてございます。

内山委員 不登校の方が自宅でデジタルで受けられるから学校に行かなくてもいいんじゃないかというような世論が広がるのは私も懸念をしておりますから、そういうのは、また今後、議論をさせていただきたいと思います。

 デジタルの最後に、世間では紙かデジタルかという極端な二項対立で語られがちですが、議論すべきはそこではないと思っています。

 私も、紙で育った世代ですから、紙のよさもよく分かっているつもりです。自分で書いた数学の途中式、答えは間違っていますが、自分のプロセスのどこが間違っているのか分からない、答えの方が間違っているんじゃないか。じっくりと式を見詰めて考えている時間は思考力の向上に寄与したものだと、今になっても感じています。

 画面のスクロールは、子供の思考の軌跡を消し去り、じっくり立ち止まる熟考力を奪うという認知科学的なリスクが指摘されている一方、デジタルには、個別最適な学びの効率性、紙では表現できない問題や入試の新しい在り方という圧倒的な強みがあります。

 デジタルを文房具として使いこなしつつ、紙が持つ空間的俯瞰力や深い思考力も守り抜く。文科省として、この双方の強みを掛け合わせた日本の教育のグランドデザインをどう描くのか。ベストミックスという表現を文科省はしますが、具体的にどういうベストミックスなのか、現場が混乱しないようにしっかりと示すべきだと思います。

 私が考える基準は三点。第一に、学習の目的による基準。検索やドリル、動画や音声による動的な学びにはデジタル、じっくりと立ち止まって深く考える熟考力、思考の軌跡を振り返るメタ認知は紙。第二に、子供の発達段階による基準。よく議論されていますが、小学生は紙を基本としつつ、中学生以上からはグラデーションしていくというもの。第三に、教科の特性。言語を深く扱う国語や論理を積み上げる数学、あるいは音声や実験を伴う理科といった基準。

 四十五分授業で紙とデジタルを行ったり来たりするのかも踏まえて、具体的なベストミックスを、現場に投げるのではなく、早期に示すべきで、次期学習指導要領の改訂や教員研修のコアカリキュラムとして国が正式に義務づけるべきではないかと思いますが、文科省の教育観を含めて、お伺いしたいと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 社会全体がデジタル化が進む中で、児童生徒の教育の場面におきまして、紙かデジタルかという二項対立ではなく、それぞれのよさを生かして、また、これまでの教育のよさというのも生かしながら、一人一人の豊かな学びを充実させていくということが大切だと考えてございます。

 次期学習指導要領の検討も大詰めに入ってまいりましたけれども、紙とデジタルのそれぞれのよさを生かしていくことを含めまして、デジタルモラルの部分もありますけれども、デジタル学習基盤の効果的な活用に十分留意した改訂を行い、その趣旨を明確に示してまいりたいと考えてございます。

 また、学習指導要領の改訂を踏まえまして、教員研修についても改善を行う必要があると考えてございます。改訂後は、その趣旨、内容を教職員支援機構や全ての教育委員会に徹底したいと考えてございます。国の教員の資質向上に関する指針につきましても、見直しの検討を行ってまいりたいと考えてございます。

内山委員 ありがとうございます。

 次に行きたいと思います。

 先ほど、委員長からも視察報告がありました。我が国の国力の源泉は科学技術にあります。とりわけ、先般の能登半島地震を踏まえた地震、津波の発生メカニズムの解明、また、メタンハイドレート等のエネルギー資源確保の観点から、日本海は、我が国の安全保障、防災・減災の最前線であると考えています。

 しかし、これまでの海洋投資や観測も、どちらかといえば、太平洋側に偏重してきた感は否めません。JAMSTECを始めとする我が国の研究リソースを総動員し、国家戦略として日本海側の海洋科学技術研究を抜本的に強化すべきと考えますし、そのためには予算が必要になるわけで、文科省の戦略を伺いたいと思います。

坂本政府参考人 お答えいたします。

 地震、津波の発生メカニズムの解明や、海洋資源の開発及び利用の促進等のためには、世界の海洋での調査研究が重要であります。

 このため、国立研究開発法人海洋研究開発機構、JAMSTECでは、船舶や漂流フロートなどを用いた観測や研究を実施し、海洋に関する科学的知見の充実に努めているところでございます。

 委員御指摘の日本海側では、例えば、令和六年能登半島地震に係る七回の緊急調査航海を通じて、地震断層の実態や地震、津波の発生メカニズムの解明、地震活動の推移の把握等に取り組んでいるほか、日本海の深海底におけるプラスチック汚染の実態把握に関する調査などを実施しております。

 文部科学省としては、引き続き、日本海を含めて海洋科学研究に積極的に取り組んでまいります。

内山委員 最後に佐渡の質問をしようと思ったんですが、時間が来たので次回に回させてもらって、これからも精いっぱい頑張っていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、東京都北区滝野川第三小学校の四階の音楽準備室から出火した件、なかなかの規模の火事でして、教員や子供さんに負傷者が出ています。お見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈りいたします。

 非常口に続く防火扉が閉まっていた、逆に、訓練の成果が生きた等のことが報道ベースでは言われておりますが、警察、消防等の捜査の結果を待って原因を検証し、二度とこういったことがないような、また、起きないような対策をお願いしたいと思います。

 では、質問に入ります。

 まず、本日は、児童心理治療施設についてお伺いします。

 児童心理治療施設とは、児童福祉法に基づいて、心理的困難や苦しみを抱え、日常生活の多岐にわたって生きづらさを感じて心理療法を必要とする子供たちを入所あるいは通所させて治療を行う施設です。

 様々な要因によって情緒的な混乱を起こし、そのため社会適応が困難になった児童生徒で、具体的には、投薬治療を受けているが投薬の管理が不十分で暴力行為を起こしたり、家庭内の問題等で居場所がなく情緒が不安定だったり、人との交流において不安が強くてパニック等により通常の学校に登校できない、落ち着きがなかったり暴言、暴力が多いなどの状態の児童生徒が入所あるいは通所しています。子供たちの社会適応能力の育成を図り、将来、健全な社会生活を営むことができるようになることを目指します。二〇一七年四月の児童福祉法の改正までは、情緒障害児短期治療施設と言われていました。

 もう一つ、同じように児童福祉法に基づいて定められた施設に、児童自立支援施設というものがあります。

 こちらの施設の入所の対象となる児童生徒は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童生徒や、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童生徒、具体的には、窃盗、万引き、家出、深夜徘回、喫煙、飲酒などのいわゆる不良行為、友人や家族に対する暴力、威嚇、物を壊すなどの攻撃的活動、学校への長期欠席、不登校、授業妨害、規則を守れないなどの学校生活への不適応などが見られる場合であり、入所させたり、あるいは保護者の下から通わせて、個々の状況に応じた必要な指導を行い、その自立を支援する施設です。一九九七年の児童福祉法の改正までは教護院と言われていました。

 学校現場、特に中学校では、教員、生徒共に、この後の方の児童自立支援施設の方は割と有名でして、窃盗、万引き、暴力行為、器物損壊等を繰り返すと児童自立支援施設へ行かなければならない、そこで更生が見られない場合や、もっとひどい触法行為や犯罪行為があった場合には少年院に行かなければならないということは、割合知られています。特に教員の方は知っておりますけれども、児童心理治療施設、最初の方の施設に関しては、私自身も、恥ずかしながら、現職時代に大学院に派遣していただいて心理の学習をしているときにその存在を知ったように、ほとんどの教員や子供たちに知られていない施設であると思います。

 実は、ここ十年ぐらい前から、例えば、私が住んでいる高知市などでは、生徒指導関係者から、児童自立支援施設への入所原因となる暴力行為などを行う、俗にヤンキーと言われる生徒が減ってきたと言われ始めました。

 その一つの例として、中学校の卒業式の後に、高知市内の各中学校のヤンキー生徒の皆さんは、各学校の先輩が代々引き継ぐ、刺しゅうランと言いまして、ど派手な様々な色の学ランに身を包み、市内中心部にある城西公園に集合するというのが伝統行事でありましたけれども、ヤンキー減少に伴い、それもなくなったと言われていました。

 その代わりに、児童心理治療施設への入所対象になるような、情緒的な不安定さによる暴力行為や自傷行為を行う生徒が増えてきているという声が多く聞かれていましたが、また近年、この二、三年ぐらいは、児童自立支援施設の入所対象となるヤンキーが増えてきて、ところどころの学校で非行行為により学校が荒れてきているとの声もあります。

 そこで、児童心理治療施設と児童自立支援施設、それぞれの施設数の現状及び入所者の状況についてお伺いします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 児童心理治療施設は、令和七年三月末現在で、全国に五十三か所設置され、入所児童数は千二百九十九人となっております。

 また、児童自立支援施設は、令和六年十月一日現在で、全国に五十八か所設置され、入所児童数は千百三十二人となっております。

 いずれの施設においても、近年の施設数及び入所児童数は、おおむね横ばいの状況でございます。

山崎委員 ありがとうございます。

 子供の数が減ってきている中での横ばいだと思いますが。

 次に、現場から聞こえてきたのが、児童心理治療施設と児童自立支援施設の対象となる入所者の境界が非常に分かりづらくなっており、かなり重複してきているとの声です。

 例えば、児童心理治療施設に入ってくる子供たちは、具体的には、発達障害の診断を多くの子供さんが受けていて、また、多くの子供たちが虐待を受けており、そういった背景の中で具体的に出てくる問題行動としては、家族、施設職員への暴力行為や他の児童生徒への暴力行為、そして、様々な学校生活への不適応であります。

 一方、児童自立支援施設の方も、同じく多くの生徒が発達障害等の診断を受けてきていまして、同じように、虐待も多くの児童生徒が受けており、具体的に出てくる問題行動は、先ほど言ったような、家族や教員、他の児童生徒への暴力行為や窃盗、万引き等の触法、犯罪行為、学校生活への不適応行動が起きています。

 このように、背景、具体的な不適応行動に多くの共通点が見られ、かなり対象となる児童生徒の境界が分かりづらくなってきていると言われています。どちらの施設も、児童相談所の判断、措置により入所が決まりますが、児童心理治療施設に一度児童相談所の判断で措置された生徒が、残念ながら、暴力行為等が収まらずに、児童自立支援施設への措置変更となるケースも増えてきているとの声が聞かれます。

 そこで、児童心理治療施設と児童自立支援施設の対象となる入所者の境界が非常に分かりづらくなっており、かなり重複してきているとの声が現場から聞かれますが、そのことに関する現状認識をお伺いします。また、児童相談所がどちらの施設に措置するのかを決めるアセスメントとなる基準があるのかどうかも併せてお伺いします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、両施設の入所児童は、被虐待体験のある子供の割合が、児童心理治療施設では八三・五%、児童自立支援施設では七三・〇%となっているほか、障害等のある子供の割合が、児童心理治療施設では八七・六%、児童自立支援施設では七二・七%となっているなど、いずれの施設においてもケアニーズの高い子供が入所している状況にあると承知しております。

 各児童の措置先については、子供の最善の利益を確保する観点から、児童相談所において、各児童の状況と、委員が先ほど御紹介くださった各施設の目的、機能等を踏まえた上で、個別に判断がなされることとなってございます。

山崎委員 そうやって、おおむねかぶっているということが分かったんですけれども、児童自立支援施設の設置は義務化なんですけれども、児童心理治療施設の義務化の必要性の議論というのは現在なされているんでしょうか、お伺いいたします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 児童自立支援施設につきましては、委員が先ほど御紹介くださいましたように、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童を入所させる施設でございまして、児童相談所の入所措置のみならず、家庭裁判所における保護処分としての子供の入所も受け入れております。この施設については、こうした事情で極めて公益性が高い施設であることを踏まえ、都道府県等に対して設置を義務づけております。

 一方、児童心理治療施設につきましては、そのような観点で設置する施設ではございませんので、現時点では設置義務化の議論は行っておらず、地域の実情に応じて都道府県等が設置の判断を行うこととしてございます。

山崎委員 ここからが今日の質問の本題ですが、児童心理治療施設及び児童自立支援施設における入所者、児童生徒への学習指導、支援はどちらも極めて重要でありますが、例えば、高知県を例に取ると、児童自立支援施設、非行系の場合は、分校が設置され、各教科の教員が配置され、手厚い体制となっている一方で、児童心理治療施設の方は、分教室であり、教頭を入れて、免許でいうと、理科と国語、二教科の、三名の教員のみの配置で、私の先輩の退職前の先生は、専門は国語ですが、それ以外に英語に美術に家庭科にと、一人の先生が四教科を教えるなど、いわゆる免許外教科がたくさんという状況です。学習環境に大きな差が見られます。

 現在、全国の児童心理治療施設及び児童自立支援施設について、それぞれ、分校、分教室が何施設設置されているのか。

 また、教員配置を含め、どのような学習指導、支援が行われているのか、現状をお伺いします。

源河政府参考人 お答えいたします。

 それぞれ、分校、分教室、それから本校の設置状況について、私からお答えさせていただきます。

 児童心理治療施設五十三施設における設置状況は、小学校は、本校が六、分校が二十、分教室が二十二施設、中学校は、本校が七、分校が十九、分教室が二十一施設で学校教育が実施されております。

 また、児童自立支援施設五十八施設では、小学校は、本校が六、分校が二十六、分教室が二十施設、中学校は、本校が八、分校が三十七施設、分教室が十施設で学校教育が実施されている状況でございます。

望月政府参考人 児童心理治療施設及び児童自立支援施設の教員配置につきまして、お尋ねがございました。

 これは、各教育委員会の権限と責任におきまして、その子供たちの状況を踏まえて配置をしてございますので、文部科学省で網羅的に把握をしているものではございません。

 ただ、この機会にいろいろと私ども調べてみまして、例えば、児童自立支援施設に設置される分校におきまして、義務標準法により算定される定数以上の教員を配置している事例、あるいは、児童心理治療施設におきまして、教職員を特別支援学級の配置基準に沿いながら配置をして分教室の専任としているケース、登校の時期や時間、学習内容につきまして学校と当該施設が協議をしまして個々の子供たちの状況に応じまして個別のプログラムを作成して教員が指導に当たっている、そうした事例があるものと承知をしてございます。

山崎委員 ありがとうございました。

 今局長からは幾つかの例が挙げられましたけれども、ちょっとここで確認しておきたいのは、教員配置に関しては、ある意味、ちょっと言葉はあれですけれども、都道府県任せで、それぞれの施設において、こういった子供たちがどのような状況で学習環境に置かれて、教員も配置されて行われているかということを、文科省としては、全体としては把握していないということで、確認でよろしいでしょうか。

望月政府参考人 今御指摘の児童心理治療施設、そして児童自立支援施設に併設されている学校、これを分校とするのか、分教室にするのか、あるいは本校としてその施設に併設をするのかという設置の在り方も含めまして、その教員配置につきまして、その実情を、私どもとして正確に網羅的に把握しているものではございません。

山崎委員 児童心理治療施設及び児童自立支援施設共に、分校と分教室では大きな学習指導、支援の格差がありますが、本来、このような厳しい環境に置かれている児童生徒こそ充実した学習支援体制を整えることが重要であると考えますが、松本大臣の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 今委員から御指摘をいただきましたとおり、児童心理治療施設及び児童自立支援施設に入所している児童生徒が抱える課題でありますとか特性を踏まえて適切な教育を受けることができるよう、できる限り支援を行うこと、これは大変重要なことであると考えております。

 その上で、児童心理治療施設や児童自立支援施設に設置される学校を分校とするのか、分教室とするのかについては、在籍する児童生徒数の規模でありますとか地域の実情など様々な状況を踏まえまして、各教育委員会において適切に判断されているものと考えております。

 文部科学省として、自治体の取組でありますとか各取組に関する課題も含めまして、我々として把握をすることにまずは努めてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございます。

 例えば、高知県の場合は、児童自立支援施設の方は、南国市立北陵中学校希望が丘分校となっています。これは、設置のときに、南国市さんの御理解と御協力の下で分校が設置されたというふうに伺っております。

 一方、児童心理治療施設の方はまだ分教室の体制になっており、教室は児童心理治療施設の二階を間借りするような形になっておりまして、教室は、小中学校の一般的な教室の四〇%ぐらい、四割ぐらいの広さの教室が一つと、三〇%ぐらいの広さの教室が一つ、そして、本当に少人数、三人か五人ぐらいで学習できる小さな教室が二つ。体育館はなく、少し広めの廊下がありまして、そこで室内の体育の授業をやられるようですけれども、スポーツでいえば卓球ぐらいしかできないのではないかなというふうに思います。

 先ほどの、教員配置の状況は子供たちの学習の状況、そして、分校か分教室かはそれぞれの自治体の判断によるというふうなお話がございましたけれども、やはり私は、しっかりと自治体の理解、協力を得ながら、文科省としては、是非、こういった厳しい環境の子供たちの教育環境を整えるという意味で、分校の設置を積極的に推進すべき、お願いしていくべきではないかなというふうに考えますが、大臣の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 先ほどの答弁の繰り返しになる部分もあるんですけれども、児童生徒の状況に応じた適切な指導が行われることは大変重要と考えておりまして、分校、分教室にかかわらず、いずれも我々といたしましては重要であり、子供たちに対して、児童生徒に対して適切な指導が行われるように我々としては努めてまいりたい、そのように考えているところであります。

 あくまでも、分校とするのか分教室とするのかというものについては、様々な状況を踏まえまして各教育委員会において適切に判断をされているというふうに考えておりますが、文部科学省として、教育活動の充実に向けた各教育委員会における検討に資するように、委員御指摘のとおり、児童心理治療施設及び児童自立支援施設に設置される分校、分教室における教育活動の取組例について、こども家庭庁とも連携をいたしまして把握をしつつ、その周知に努めてまいりたい、そして、それによって各教育委員会においての適切な検討そして教育の実施につなげてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 もう一点。分校設置は自治体の理解も必要であり予算も必要でありまして、少し設置には時間がかかる面もありますが、すぐにできることとして現場からの要望の声が大きいのが、児童心理治療施設に養護教諭を配置してほしいということです。

 心理治療を必要とする子供たちなので、やはり学校生活の場に養護教諭がいることで、子供たちも教員も非常に安心感があります。また、対教師暴力が発生することもあり、どうしても配置される教員は男性が多くなりがちであり、今も、高知県は中学部は三名とも男性であります。女生徒からは女性の教員を配置してほしいという声もあるとお聞きしました。

 養護教諭の場合は女性である可能性が極めて高いと思いますので、そこで、児童心理治療施設については早急に養護教諭を配置する必要があると考えますが、大臣の認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 児童生徒の心身の健康課題に対応するため、養護教諭も含めました学校における体制の整備はもちろん、組織的な対応や、学校や児童心理治療施設との連携体制を構築することは重要であると考えております。

 一方で、児童心理治療施設内に設置される分教室も含めました分校等への養護教諭の配置についてでありますが、地域の実情等も踏まえ、各学校の設置者において判断されているところであります。

 文部科学省といたしまして、学校における養護教諭の支援体制の強化を図るため、養護教諭の資格を有する者を学校に派遣する事業というものを実施しているところでありますが、この事業は、分校、分教室への派遣に活用することも可能となっているところであります。

 引き続き、学校と関係機関との連携の下、児童生徒への支援体制が整備されるよう我々として努めてまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 ありがとうございました。

 最後に、元教員で現在、児童心理治療施設の施設長を務める方がいます。この方は、教員時代には児童自立支援施設の分校にも勤務されていた方で、長く子供たちの生徒指導を行い、最後は校長を務められましたが、その施設長さんが私に言ってくださった言葉が深く心に残っています。

 それは、児童心理治療施設と学校、分校、分教室の関係は、いわば治療と教育という異なる専門性を持つ二つのプロ集団が一人の子供のためにタッグを組むという非常に高度で繊細な営みです。施設にとっては学校が治療の成果を試す最高の社会復帰の場となり、学校にとっては施設が教育だけでは解決できない課題を支えてくれる、最強のパートナーとなる関係です。治療か教育かという二項対立ではなく、治療を通して学び、学びを通じて癒えるという循環をつくることが、現場の疲弊を防ぎ、子供の未来を切り開く唯一の道だと考えます。これからも施設で暮らす子供たちのために尽力してまいりますので、どうかよろしくお願いいたしますというふうに深々と頭を下げられていました。

 最初にも言いましたが、児童自立支援施設の方は、歴史も古く、設立も早く、全国的にも国民の皆様にまだ比較的認知された施設であると思いますけれども、児童心理治療施設の方は、まだまだ知られていないですし、今日もここまで質問をしてきましたけれども、学習支援の状況等に関しても、今まで余り光が当たってこなかった施設だと思います。

 しかし、昨今の虐待件数の増加、発達障害という概念、認知が広がったことにより、発達障害の診断者数も増加しております。そして、国全体では精神疾患の患者数も増加と、そういった状況を見ても、今後更に、児童心理治療施設において心理療法を要する子供たちが増加することが予想されます。ますます児童心理治療施設の重要性が増してきますので、どうか、ここに通う子供たちの、ここにいる子供たちの学習状況等の実態をしっかり把握していただき、支援の拡充をお願いしたいと思います。

 是非、大臣や文科省の幹部の皆様方にも一度足を運んでいただきまして、子供さんたちがどんな環境に置かれているのかということを見ていただきまして、こういった厳しい環境にある子供さんの学びをしっかり守っていくことこそが日本にとっても重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは次に、先日、私も六郷工科高等学校の視察に行かせてもらいました。すばらしい設備の中で生徒さんが学んでいました。しかし、非常に設備は充実しているんですけれども、やはり、東京都の学校ですごい機械がいっぱいあったんですけれども、全国への汎用性という観点ではちょっと厳しいんじゃないかなと考えます。

 その中で、同校が掲げる、理論は学校で実習は現場でという考え方の下、チーム学校の発想により、工業高校が企業と連携して実習を行う機会を更に拡充していく。現在、六郷工科高等学校では年間二か月間の実習が行われていますが、例えばこの割合を増やすことで、より実践的な学びが可能となり、学校での理論学習の深化にもつながると考えますが、認識をお伺いします。

松本(洋)国務大臣 まず、六郷工科高校に御視察に行っていただきまして、本当にありがとうございます。

 工業高校を始めとする専門高校では、理論と実践を往還させながら、実践的、探求的な学びを深めていくことが大変重要であります。その際、六郷工科高校のように、理論は主に学校で、実習は主に産業現場で行うといったような取組は大変有効な手段の一つであると認識をしております。

 文部科学省におきましても、本年二月に公表した高校教育改革のグランドデザインにおきまして、専門高校の機能強化、高度化を重要な柱の一つとするとともに、新しい学校のイメージといたしまして、地域産業や社会の課題を解決できる人材などの育成を目指しまして、産業界や大学との連携、協働をしながら、理論と実践の往還による実践力の習得、向上に資するカリキュラムの実施に取り組むことを示しているところであります。

 委員御指摘の、企業などにおける実習の期間につきましては、各学校の実情などに応じて判断されるものではありますが、文部科学省として、各都道府県などにおける取組に伴走をしつつ、高校教育改革促進基金における先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出などを通じて、産業界との連携、協働の取組をしっかりと支援できるように取り組んでまいりたい、そのように考えております。

山崎委員 当日の議論の中で、ある委員さんが、やはり地元の企業に人材が供給されないというふうなお話がありました。そういう悩みが全国的に見られる中、六郷高校では、デュアルシステムコースの生徒が約九割、地元企業に就職しています。

 そういった中で、すばらしい取組だなと思うんですけれども、一方、私の四国なんかで企業の皆さんが最近言われ出したのが、もう高校段階からでは遅くて、もう少し、中学校の段階から私たちの産業に注目してもらわないと間に合わないんだというふうなことがあります。

 そういった中で、中学校段階から探求学習の中で好きを見つけて、実学との往還学習を取り入れる等の柔軟な教育課程の運用が、この実践から学ぶ次の一手となるのではないかなというふうに考えていたんですけれども、質問しようと思ったんですけれども、ここで時間が来ましたので、そういったことも要請をしながら質問を終わりたいと思います。

 大変にありがとうございました。

斎藤委員長 次に、村上智信君。

村上(智)委員 日本維新の会の村上智信です。

 質問の時間をいただいて、ありがとうございます。

 本日は、特別支援学校について質問いたします。

 特別支援学校は、発達障害や知的障害など、様々な障害を持つ子供たちが学ぶ場です。一人一人の生徒は障害の種類や程度が違うので、生徒のニーズに合わせた教育や支援が必要になります。そして、このため、教員には生徒の様々な障害に合わせるという負担がかかるので、特別支援学校の学級の定員は少なく設定されています。

 小中学部では、単一の障害を持つ生徒の学級の定員は六人、重複の障害を持つ生徒の学級の定員は三人、高等部において、単一の障害を持つ生徒の学級の定員は八人、重複の障害を持つ生徒の学級の定員は三人ということで、障害が複数以上あればそれだけ学級の定員は少なくなるということになっております。

 そして、何をもって障害と捉えるのかは学校教育法施行令において定められています。そこには、視覚障害や聴覚障害、知的障害などが含まれるのですけれども、自閉スペクトラム症、いわゆる自閉症が含まれるのかは明示されていません。

 そこで、質問いたします。特別支援学校への就学の基準である学校教育法施行令第二十二条の三において、自閉症は含まれるのでしょうか。含まれないのなら、その理由を教えてください。

望月政府参考人 お答えいたします。

 学校教育法施行令第二十二条の三、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者の障害の程度を決めてございます。その中に、自閉症については規定をしてございません。

 一方で、自閉症の障害の程度が重い児童生徒につきましては、知的障害を併せ有している割合が高い傾向もございまして、主として知的障害教育を行う特別支援学校において必要な支援が行われてございます。

 自閉症の児童生徒につきましては、その併せ有する障害の状況等も踏まえまして、お一人お一人の状況に応じまして、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、通常の学級の中から適切な学びの場を決定することが重要であると考えているところでございます。

村上(智)委員 ありがとうございました。

 実際に特別支援学校で働いている教員からの指摘ですけれども、自閉症の場合は強度行動障害やこだわりが強いという特徴がある生徒もいるので、その場合でも単一の障害として扱えば、八人を一人の教員で担当することになりまして、これは対応が困難ですという話でした。よって、学校からの申請で重複障害と認めてもらいやすくしてほしいとのことでした。

 自閉症の方が特別支援学校に多数在籍しているという現状も踏まえて、学校教育法施行令第二十二条の三を改正し、自閉症を含めることを検討していただきたいというふうに考えます。

 関連して、高等部における運用学級という話をいたします。

 県の教育委員会に申請しなければならない認可学級では学級の運営が困難な場合がありまして、その場合は、学校の裁量によって学級の生徒数や教員配置を工夫した運用学級を採用していると聞いています。一学級が三人でも八人でもなくて、例えば四人にするというふうなことを実際には行えるということであります。

 このように、学級の定員を工夫してもいいということでしたら、ほかにも方法はありそうです。例えば、法令を改正して、自閉症を一人以上含む単一の障害を持つ生徒の学級の定員を八人ではなくて七人にする、そのような方法もありそうです。

 このように、特別支援学校の現場では様々な工夫をしていますが、それでも負荷の多い職場だと伺っています。

 そこで、質問いたします。特別支援学校における教員の負荷を減らすための今後の取組方針を教えてください。

望月政府参考人 先ほど村上委員からも御紹介いただきましたけれども、特別支援学校につきましては、あるいは特別支援学級もそうですけれども、義務標準法あるいは高校標準法におきまして、小学校、中学校あるいは高校の教職員定数は異なる基準を別途設けてございまして、障害に応じたきめ細かな指導を行うための教職員定数を算定することとしてございます。

 その上で、特別支援学校にこれは限りませんけれども、徹底した学校の働き方改革を進めまして、教師が子供たち一人一人の状況をしっかり見取りながら関わることができるように、時間を確保しながら質の高い教育を実現していくことが重要であると考えてございます。

 学校における働き方改革の加速化のために、各教育委員会が把握する時間外在校等時間の見える化を進めてございますけれども、学校と教師の業務の三分類に基づきました業務の精選、あるいは校務DXの加速化、そして、教員以外の方ができる業務につきましてできる限り支援スタッフあるいは地域の方々にも関わっていただきながら、そうした学校全体としての指導、運営体制の充実を図っていくことなどを通じまして学校の環境整備を進めたいというふうに考えてございます。

村上(智)委員 ありがとうございました。

 いずれも教員の働き方改革において有効だと思えるので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 特別支援学校では、学級の定員が少ないので、学級ごとに一つの教室が割り当てられているわけではありません。教室が不足するので、特別教室を学級のための教室に用いたり、一つの教室を二つの学級で使ったりと、現場の教員のマンパワーで対応していることが多いというふうに聞いております。先ほど答弁の中にありました支援スタッフを増やすということを考えているのでしたら、是非この特別支援学校についてその点を配慮していただけたらというふうに思います。

 さて、次のテーマに移ります。核融合について質問をいたします。

 核融合といいますのは、軽い水素同士が結合して重いヘリウムになる際の発熱反応ですけれども、太陽のエネルギー源とも言われております。核融合はすばらしい特徴を持っています。二酸化炭素を排出しないのでクリーンなエネルギーとされていますし、水素は燃料にしますけれども、水を電気分解して得られるので、エネルギー自給率を高められます。これまで石油資源をめぐって争いが起こりましたけれども、核融合が実用化されれば、このような争いはなくなるのではないかと期待をしています。そして、原子力発電所における核分裂と比べて放射性廃棄物が少なく、安全面からも期待されています。

 さて、核融合と聞くと多くの方がイメージするのは、水素を高温高圧で反応させる方式だと思います。代表的なのはトカマク式ですけれども、配付している資料の左側に模式図を示しています。この方式では、この赤い部分ですね、この中に水素が入りまして、高温高圧で激しくこの中で運動して、一億度ぐらい上がって反応するということになります。一億度も上がるものですから、材料的な問題が大丈夫だろうかとか、熱の回収方法をどうするんだろうか、そういう研究課題もあります。

 他方、低温核融合と言える反応も研究されています。これは配付資料の右側に示しました。本日はこの低温核融合について私は話をしたいんですけれども、これは、金属に水素を含ませて熱を加えると、その熱以上の反応熱が観測され、しかも長期間続くということが観測されています。この反応は学術的にはまだ核融合とは確認されていませんけれども、化学反応では説明のつかない大量の発熱が観測されています。

 そこで、質問します。東北大学などの研究では金属中の水素を発熱させており、低温核融合とも考えられますが、このような研究についてどのように評価しているのでしょうか。

坂本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の研究については、既に御質問の中でお話がございましたけれども、ニッケルなどの金属に水素を吸蔵させて加熱などを行うことにより、入力よりも大きい熱エネルギーが発生する現象に関する研究であると承知しております。

 このような研究で確認された発熱現象については、核融合反応によるものなのかどうかを含めて、大学を中心に応用のために必要な原理解明に向けた研究が進められている段階にあると認識しております。

村上(智)委員 ありがとうございました。

 低温核融合は一般的には余り知られていないのですけれども、これは経緯があるから仕方がないことだというふうに思っております。

 一九九〇年頃に常温核融合が話題になりました。とある外国の研究者が、常温で重水を電気分解した際に異常発熱を観測し、これを核融合反応として発表したのですが、世界中の研究者が同様の研究をしても同じ結果が得られなかったので、常温核融合はスキャンダルだというふうに言われまして、本まで出版されています。しかし、東北大学などの幾つかの大学では研究を続けて、今では再現性よく発熱反応を観測できています。

 さて、なぜ低温で核融合が進むのかという話をしたいと思います。

 まず、高温にしなければならない理由ですけれども、これは水素と水素が接触して反応が進むんですが、水素はプラスの電子です。ですから、プラスとプラスの電子は容易に接触しませんので、温度を上げて激しく運動させることによって接触させて、そのためにおおむね一億度以上が必要とされています。

 他方で、低温核融合ですけれども、これは金属に水素を含ませます。金属の中というのは電子がいっぱいありまして、マイナスの電子ですけれども、その中に水素のプラスの電子があると中和をされるので、水素同士が接触しやすくなるというふうな推察をされています。

 低温核融合については軽水素でも反応するということを聞いております。また、重水素の製造コストが生じないこと、千度以下なので材料の問題がないというメリットがあります。高温核融合が太陽を地上に作る技術だとすれば、低温核融合は既存産業で扱える温度域で核反応を利用する技術であり、燃料コストと設備コストを大幅に下げられる可能性があります。

 低温核融合は既に長期間の発熱を確認できているので、高温方式より進んでいる印象を受けますが、今後の開発競争で低温核融合が先行したまま実用化にたどり着くかは分かりません。

 そこで、質問いたします。核融合には、低温核融合のほか、ヘリカル型などの様々な方式がありますが、二〇三〇年代の発電実証に向けた研究開発について、大臣の意気込みを教えてください。

松本(洋)国務大臣 フュージョンエネルギーは、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決をいたします次世代のエネルギーでありまして、政府として、世界に先駆けた二〇三〇年代の発電実証の実現を目指した取組を進めているところであります。

 他方で、その実現に向けましては、技術開発の不確実性が最大の課題とされているところでもありまして、民間企業が単独で獲得することが困難な課題も存在するところであります。文部科学省としては、ITER計画でありますとかJT60SA計画などの国家プロジェクトに加えまして、大学などにおける基盤的な研究開発への支援を通じまして、フュージョンエネルギーの実現に必要な要素技術の獲得を図るとともに、今後、発電実証に向けて必要となる人材の育成を着実に推進をしてまいりたい、そのように考えているところであります。

 このフュージョンエネルギー、大変重要だと思っておりまして、私も、大臣になる前ですが、JT60SAを視察に行った際に、そこの技術者の方がおっしゃられた言葉が大変印象的でありました。これまでのエネルギー覇権は資源を持っている国がその覇権を握ってきたけれども、このフュージョンエネルギーというものが実用化されていくことができれば、技術力を持つ国こそが今後はエネルギー覇権を握ることになる、そういうふうに世界全体のありようを一変させる技術なんですというお話をされていたことが大変印象に残っているところであります。

 まさに、こうした技術というものは我が国において大変必要とされている技術だというふうに承知をしているところでありまして、そういう意味では、文部科学省のみならず、政府としても大変重要な分野というふうに位置づけている、そのように承知をしているところであります。

村上(智)委員 大臣の御答弁にありました技術力を持つ国が核融合を握るという話はまさにそうだと思いまして、特に低温核融合は金属の作り方にポイントがありまして、金属を原子レベルで制御する、一層、二層、三層と積み上げていくというのは日本でしかできないんじゃないかというふうに今のところは言われておる技術です。

 これまで、高温による核融合については多くの予算がつけられましたけれども、他方、低温核融合についてはそれほど多くの研究開発助成金がつけられたわけではありませんので、どうぞ低温核融合についても情報収集していただいて、研究開発助成を検討していただければ幸いです。

 御清聴ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河井昭成君。

河井委員 国民民主党の河井昭成です。

 通告に従いまして、早速質疑を行わせていただきます。

 まず、通信制高校について伺います。

 令和七年度の通信制高校の生徒数は約三十一万人、全日制、定時制の生徒数は約二百八十七万人であるとのことで、高校生のおよそ十人に一人が通信制に在籍している状況となっております。

 また、学校数も、令和七年度に二百五十一校となっておりまして、特に私立の広域通信制高校は、平成十二年には二十校であったのに対し、令和七年度は百三十一校となっているとのことで、今や高校教育における重要な選択肢の一つとなっております。

 一方で、これだけ急速に通信制高校が広がっていることは、単に多様な新しい学びの形が広がっているというだけではなく、従来の高校教育の在り方そのものにも問いを投げかけているのではないかと考えるところであります。公立、私立、株式会社立、全日制、定時制、通信制という高校制度全体の中で、それぞれがどのような役割を担い、生徒の学びをどのように保障していくのか、改めて整理する必要があると考えます。

 このような観点から、通信制高校の学校数や進学者数が大きく増えている要因、理由を文部科学省としてどのように分析をされているのか、また、今後も通信制高校への進学者数は増加していくと見込んでいるのか、今後の推移の想定について文部科学省の見解をお伺いいたします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 河井委員御指摘のとおり、近年、通信制高校の学校数及び生徒数は増加をしてございます。令和七年度の学校基本調査によりますと、通信制高校の学校数は三百三十三校、生徒数は約三十万五千人となってございまして、十年前と比べますと、学校数が九十六校、生徒数が約十二万五千人増加をしている。生徒数ですと、十年前の五・二%から現在九・六%まで上がっているという状況でございます。

 これは、近年、多様な背景を有する生徒に対して学習機会を提供する役割を通信制高校が担ってきたというのが大きな理由ではないかと思ってございます。特に不登校経験者の増加、あるいは学び方に対するニーズの多様化などが増加の背景にあるものというふうに考えてございます。

 今後の進学者数の推移について御質問がございました。

 これは、大きな社会の今後の動向の中で、これまでの高校改革が今後大きく進展するという中において、また、各都道府県の意向によりまして設置者が高校の整備を進めていく中で、今後の生徒数の推移を今現在ここでお答えすることは困難ではございますが、通信制高校に通う生徒が人間関係を築きながら社会性を育んでいく、多様な人々と協働する機会を充実させていくことができるようなことについて、引き続き取組を進めてまいりたいと考えてございます。

河井委員 ありがとうございます。

 学校数も大きく増加しているわけですけれども、この要因が単にビジネスになっていないのか、こういうことを懸念するところなんですけれども、ここに関する分析、見解をお伺いしたいと思います。

望月政府参考人 学校の設置につきましては、それぞれの自治体の御判断、地域の状況を踏まえてというところがあると思います。

 近年、特に広域通信制につきましては、一時期は株式会社立の広域通信制、そして近年は私立の広域通信制が増えてくる中において、一部、学習指導要領上、不適切な事例も見られたところでございます。

 また、多様な生徒を、本校以外のサポート施設でも通信制高校は受け入れながら、そうした学びにも対応しているという、そうした実態もございます。

 私どもとしては、そうした教育の質をしっかりと担保、確保しながら、そして子供たちのいろいろな相談や進路の実現というものに対して制度上も手当てをしていきながら、しっかり支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。

河井委員 ありがとうございます。

 通信制高校が増えている背景について今伺いましたけれども、この件については、通信制高校だけの話ではなくて、全日制高校を含めた高校教育全体の在り方にも関わる問題だと考えます。

 もちろん、多くの生徒にとって全日制高校は、今も中心的な学びの場となっています。しかしながら、通信制高校を選ぶ生徒が増えているということは、従来の全日制高校や定時制高校の学び方や学校生活が多くの生徒に対して合っているわけではないという現実も示しているのではないかということです。毎日の通学、決められた時間割り、集団生活、学校内での人間関係などにしんどさを感じる生徒にとっては、より柔軟な学び方を求める、このことは自然なことなのかもしれません。

 一方で、そう遠くない将来に社会に出て自立して生きていくためには、集団生活や人間関係を学ぶという面では高校教育も大切な場であるとも言えます。通信制高校の充実と併せて、全日制高校、定時制高校においても生徒一人一人の状況に応じた学びや支援の在り方を見直していく必要があると考えます。

 文部科学省として、通信制高校への進学者数が増加している、これは裏を返すと全日制高校、定時制高校が選ばれにくくなっているという現状を、全日制高校、定時制高校を含めた高校教育全体の課題としてどのように受け止めておられるのか、また、全日制高校における学び方や支援体制の改善についてどのように取り組んでいこうとされるのか、大臣にお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 文部科学省といたしましては、全日制、定時制、通信制のいずれの課程におきましても質の高い学びを保障していくことが必要である、そのように考えているところであります。

 本年二月に公表をいたしました高校改革のグランドデザインにおきましても、生徒それぞれの多様な個性やニーズ、興味、関心に応じた学びを生かした自己実現を支え、生徒の可能性を広げ、能力を伸ばすため、課程や学科を超えた柔軟な教育環境や、地域の産業界、大学などと連携、協働した学びの実現を目指すこととしているところであります。

 現在、これを踏まえまして、各都道府県に造成をいたしました高校教育改革促進基金を活用いたしまして、こうした多様な学習ニーズに対応した教育機会を確保するパイロットケースの創出に取り組むこととしているところであります。

 また、このグランドデザインを踏まえまして、都道府県におきまして高校改革の計画の策定に向けた検討をしていただいているところでありまして、我々といたしましても、都道府県の実行計画の着実な実現のため、しっかりと伴走支援しながら、高校の特色化、魅力化を通じた高校教育の充実を進めてまいりたいと考えているところであります。

 そういう意味におきましては、こうした様々な、新たなこうした基金、予算また仕組み等も通じまして、それぞれの高校の教育の魅力を高めていく、こうした取組を進めてまいりたいと考えております。

河井委員 ありがとうございます。

 次に、通信制高校に在籍する生徒への支援体制についてお伺いをしたいと思います。

 通信制高校を選ぶ生徒が増えている背景には、先ほどの答弁の中にもございましたが、従来の高校生活になじみにくい生徒がより柔軟な学び方を求めている状況もあると考えます。そうであるならば、入学後に生徒が孤立をせず安心して学びを続けられる環境が整っているか、こういう観点は非常に重要であると考えます。

 通信制高校に在籍をする生徒の実態として、文部科学省の委託事業での調査研究の報告によるならば、小中学校での不登校を経験した生徒が約六五%、一人親家庭の生徒が約三〇%、心療内科に通院歴のある生徒が約二一%と、不登校や家庭環境に課題があるなど特別な支援を要する生徒が全日制高校よりも多い割合で在籍をしている状況にあります。

 だからこそ、今の通信制高校においては、添削指導、レポート、スクーリング、これは面接指導ですね、試験といった学習面だけではなく、支援の必要な生徒を孤立させないための取組が大変重要であると考えます。

 一方で、通学する日数が限られていることから、学校側が生徒の変化や困り事に大変気づきにくいという状況であり、また、広域通信制高校においては、生徒の居住する地方自治体との連携も容易ではない状況にありまして、きめ細やかな生徒への対応には継続した相応の努力が必要であると考えるところです。

 文部科学省として、通信制高校における生徒の支援体制や実施状況をどのように把握をされているのか、また、相談体制、学習支援、進路支援、福祉、医療との連携、このようなことを今後どのように充実をさせていこうとされているのか、大臣にお伺いをいたします。

松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 各党間で議論をされております高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案におきましては、目的規定として、「勤労青年その他の多様な生徒の特性に配慮し」ということが明記されているというふうに承知をしております。

 昨年度実施をいたしました通信制高等学校実態調査によりますれば、スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校は、公立ではおおむね全ての学校で整備をされているものの、私立では約八割の学校によるものなど、設置者による差が見られるところであります。

 文部科学省におきましては、これまでも、高等学校通信教育の質の確保・向上を図るためのガイドラインにおきまして、通信制高校の不登校経験や中途退学その他多様な課題を抱える生徒の実態などを踏まえ、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを配置するなど、きめ細かな支援の充実に努めることを求めているところであります。

 また、法律案には、定時制教育及び通信教育に関する調査研究を推進する旨が新たに規定されていると承知をしているところであります。法律案が成立した後には、このような規定も踏まえつつ、通信制高校における多様な生徒への支援の在り方などについて調査研究を進めるなど、通信制高校における教育の質の更なる向上を図ってまいりたいと考えております。

河井委員 次は、通信制高校に関して、教育の質の確保と広域通信制高校への指導監督についてお伺いをしたいと思います。

 通信制高校が高校教育における重要な選択肢となっているからこそ、添削指導、面接指導、試験、単位認定などが適切に行われているかは高校卒業資格への信頼にも関わるものであって、教育内容や単位認定が適切かしっかりと確認をする必要があると考えます。

 この問題については、私自身、県議時代から問題意識を持っておりました。特に広域通信制高校では、本校所在地ではない自治体がその実態を十分に把握することが非常に困難です。また、本校の所在地でない自治体にある、生徒が実際に学ぶ面接指導等実施施設やサポート施設等の状況の把握も、これまた容易ではないことは言うまでもありません。

 実際に、令和六年十一月の滋賀県議会において、私自身が通信制高校への進学状況や進学後の状況把握について質疑を行わせていただいたことがあります。県からは、県内の狭域の通信制高校についてはちゃんとフォローができるという答弁だったんですけれども、広域通信制高校については、学校所在地の都道府県が所管しているため、県として生徒の進学後の状況を把握するのが難しい、できていないという趣旨の答弁でございました。この状況は今も十分に解消されていないと認識をしております。

 認可権者と教育実施場所が一致をしない、県外施設の実態把握が困難、調査や指導監督に多大な調整コストが必要、自治体間の情報共有の仕組みがない、苦情やトラブルを含む情報が認可権者に集約をされにくいというような課題は県の方で非常に感じておられるところだと認識しておりますけれども、国として整理して広域通信制高校に対する指導監督体制を構築するべきだと考えるところです。そもそも、県域をまたぐ法人の管理を一つの自治体で行えるのかといった点が課題なのかもしれません。

 文部科学省として、広域通信制高校における教育の質の確保や自治体間の連携、指導監督の現状をどのように受け止めておられるのか、また、今後どのように対応を強化していくのか、大臣にお考えをお伺いします。

松本(洋)国務大臣 広域通信制高校につきましては、本校のほかに、面接指導や学習面、生活面の支援などを実施するための通信教育連携協力施設を広範に展開する学校も多く存在をしているところであります。

 今委員に御指摘いただいたとおりでありますけれども、通信教育連携協力施設が本校から離れ全国に置かれている場合、本校を所轄する都道府県及び当該施設が所在する都道府県の双方が当該施設の状況を把握しづらい状況にあることが課題ではないかということも指摘されているところであります。文部科学省といたしましても、当該施設の状況を把握するためには、所轄庁と当該施設が所在する都道府県との連携協力が重要であると考えているところであります。

 今回まさに議員立法で提出を検討していただいている、予定されている法律案におきましては、通信教育の適正な実施及び運営の確保のための大臣の基本指針を策定することとされていると承知をしているところであります。

 この法律案が成立した後には、大臣の基本指針として、例えば、文部科学省と所轄庁が連携して行う点検調査の強化を図ること、通信制高校の本校が所在する都道府県とサテライト施設が所在する他の都道府県との情報共有を進めることなどについて具体化を図り、法律案の趣旨を実現してまいりたい、そのように考えているところであります。

河井委員 ありがとうございます。

 自治体間の連携を強化する、また文部科学省もちょっとこれに寄り添いながらということだったんですけれども、県域をまたぐ法人の管理を都道府県が担えるのかというのは、どこにサポートの施設があるのかということも含めて、距離感もあると思います、これは非常に困難だと思うんですね。ここにしっかり向き合う必要があると思うんですけれども、大臣に改めてここの点についての見解をお伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 先ほど局長からも答弁をさせていただきましたけれども、この広域通信制に関する、教育の質をいかに確保していくのかということに関しましては、今、様々な課題というものも指摘をされているというふうに承知をしているところであります。

 大変、そういう意味では、所轄庁また所在する都道府県だけに任せるのではなくて、我々としてもしっかりとそこに寄り添いながら、そうした広域通信制の教育を行っている各機関のその実情というものの把握に我々としても努めてまいりたいと思いますし、また、そうしたところがしっかりとした教育を行っているのかどうかということも我々としてそれをしっかり確認をしていく、そうした取組というものを進めてまいりたい、そのように考えております。

河井委員 答弁ありがとうございました。

 よりよい教育に向かって取組を進めたいと思います。

 終わります。

斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。

渡辺(藍)委員 参政党の渡辺藍理です。

 本日も、質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。

 本日の質疑を考えるに当たって、初等中等教育に関する問題をいろいろ見ていたところ、過剰であることが共通点であるものが多く見受けられました。例えば、学校への過剰な要求、教員の過剰な勤務時間、また、学習内容や授業時間の量、質、この過剰で負担がかかることを表すカリキュラムオーバーロード、これらが挙げられます。実際、国会公報を見ると、全国各地の地方議会から、カリキュラムオーバーロードに関する意見書が複数寄せられていることが分かります。また、私の住んでいる愛知県、この中でも調べたところ、一例として、西尾市の教育委員会会議録にもカリキュラムオーバーロードについての指摘が記録されておりました。

 このカリキュラムオーバーロード、これを本質的に改善するためには、学習指導要領から指導内容を減らす必要があると考えます。しかしながら、現高等教育局長の合田哲雄氏の著書「学習指導要領の読み方・活かし方」において、指導内容を増やすことに比べ、減らすことは、どのような考え方に基づいて減らすのかの思想が問われる難しい作業である、こう記されております。

 現在、約十年ぶりの次期学習指導要領の改訂が進められていることも踏まえ、今回は、学習指導要領の指導内容削減の考え方やその思想についての質問を行いたいと思います。

 早速ですが、昨年の九月二十五日に、教育課程企画特別部会における論点整理が示されました。ここには、教育の質向上のための余白の創出という印象的なフレーズが登場します。

 指導内容の削減と聞いて多くの国民が真っ先に思い浮かべるのは、ゆとり教育という言葉に象徴された一九九八年の改訂であると思います。その後、二回の改訂を挟み、指導内容削減の議論が、余白という言葉を象徴として、再び俎上にのりました。私は、この二つの言葉は対比して捉えるべきだと考えています。

 また、一九九八年の改訂時、これはちょうどインターネットの普及とタイミングが重なっており、考える力の低下や集中力、記憶力の減退等、知識を暗記すること、この価値が問い直されたことも重要だと考えます。それがやや極端であったことから、その後の二回の改訂では揺り戻しも起きています。

 一方で、現在は生成AIの普及とタイミングが重なっており、再び、知識を暗記することの問い直し、もっと言ってしまえば、AI時代に人間は何を学ぶべきなのかという価値の問い直しがされているとも言えるのではないでしょうか。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。次期学習指導要領における余白とは、どのような考えに基づいているのでしょうか。そして、ゆとり教育の思想と比較して、どのような点で異なっているのでしょうか。インターネットの普及や生成AIの発展といった環境変化の要素も踏まえ、お答えいただきたいと思います。

望月政府参考人 基礎的、基本的な内容を確実に身につけること、生きる力を育むために各学校が創意工夫をしていくこと、こうしたことは、次期学習指導要領の検討におきましても、御指摘の平成十年の学習指導要領改訂と趣旨が一部重なるところがございます。

 一方で、社会の状況や子供たちの実態は、平成十年の状況とは大きく異なっているところでございます。今回の学習指導要領も、そうした社会の大きな変化も捉えまして、平成十年と全く同じような考えに基づくものではなく、異なる考えで進めてございます。

 例えば、学習内容の検討に関しましては、情報を極めて高度に処理するAI等が広く普及する中で、各教科で学ぶ内容の本質を捉えたり、深い意味理解に至るなど、確かな知識を習得させ、それらを用いて思考、判断、表現につなげていくことが重要でございます。このために、各教科などで育成を目指す資質、能力の本質を抽出した上で、その確かな育成に資することを目的として丁寧に内容の精選を検討しているところでございます。

 また、外国人、特別支援を要する児童生徒、不登校の児童生徒、家庭の経済状況を始めとして、子供たちの多様性が過去と比較して格段に学校現場の実感としても増している中におきまして、各教科の授業時数の一部を、子供たちの多様な特性、背景に応じた柔軟な学びなどの裁量的な時間などに充てることを可能とする調整授業時数の制度の創設を検討してございます。これらも全国の研究校で実践を創出しながら、幅広い関係者の御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めてございます。

 子供と教師の双方の余白を創出することにつきましては、それ自体を目的とするものではなくて、あくまで教育の質の向上につなげることを目的としているものでございます。丁寧に検討を進めてまいります。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 一方で、減らすこと、すなわちやらないことを決めるアプローチにも意味があります。例えば、民間企業の経営においては、やりたいことではなく、やらないことをまず決めることで、会社の中核となる強みであるコアコンピタンスを見出すこと、これが推奨されています。指導内容の削減を行うに当たっても、公教育が絶対に失ってはならない要素、いわば公教育のコアが何であるかを明確にし、広く同意を得ることが必要であると考えます。一九九八年の改訂に批判が生じた一因として、公教育のコアに対する認識の醸成が不十分であったことも考えられますが、余白を生むために優先順位をつける際にも、公教育のコアの発想はとても必要だと考えます。

 ここで、大臣にお伺いいたします。これまで文部科学省は、知識の量より、解決する能力や、また生きる力など、象徴的な公教育観を示してきました。次期学習指導要領における余白の前提として、文部科学省の考える、日本の公教育が手放してはならない公教育のコアとは何でしょうか。大臣の公教育観も是非お伺いしたいと思います。

松本(洋)国務大臣 これからの時代を生きる子供たちでありますけれども、予測困難な社会変化でありますとか、労働市場の流動化などに伴うマルチステージの時代を生きることとなります。また、デジタル化の負の側面による社会の分断、こうした可能性も指摘されている中にありまして、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会で自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要な基本的な資質を養うという教育基本法に定める義務教育の目的は変わりません。この基本を踏まえつつ、時代の変化に応じて必要な資質、能力を育成、実現する必要があると考えております。

 次期学習指導要領では、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら自らの人生をかじ取りすることができる民主的で持続可能な社会のつくり手を育むことを重視しているところであります。

 御指摘の余白の在り方につきましても、あくまでもこうした大きな目的を踏まえて検討する必要があると考えておりまして、引き続き中教審で丁寧に議論を進めてまいりたい、そのように考えております。

渡辺(藍)委員 ありがとうございます。

 ゆとり教育という言葉があったときに、同じようにゆとり世代というような言葉も広く周知されておりますが、これは余りよくないというか、ネガティブな印象を持たれることが多いと思います。公教育のコアの部分、これがしっかりしていないと、また、明確化されて周知されていなければ、ゆとり世代のときと同じように余白世代なんという言葉がまた出てしまう可能性も考えられます。

 この公教育のコアとはというとても大切なところ、この問題意識を持って、次期学習指導要領における余白の議論、この部分を引き続き注視していきたいと思います。

 時間になりましたので、これで私の質疑を終了いたします。ありがとうございました。

斎藤委員長 次に、河合道雄君。

河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。

 本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速質問に移らせていただきます。本日は、通信制教育についてお伺いをさせていただきます。

 まず、在学中の学習状況の把握についてお伺いいたします。

 高校中退等は、問題行動、不登校等調査で通信制も含めて把握され、留年、いわゆる原級留置も課程別に把握されています。しかし、通信制は単位制で、原級留置という事象が制度上生じません。そのため、単位が積み上がらず在籍が長期化するという状況が現行調査では捉えにくくなっております。制度の趣旨から考えれば、在籍の長期化そのものが問題ではございませんけれども、生徒の学習状況を把握することの重要性は高いと考えております。

 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。

 通信制高校の単位修得の進捗や在籍の長期化などを通信制の実態に即して把握していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

望月政府参考人 通信制高校の状況の把握についてのお尋ねでございます。

 昨年度、令和七年度、初めて実施をしました通信制高等学校実態調査におきまして、生徒一人一人の単位の修得の状況までは把握をしてございませんけれども、在籍の期間として、四年以上在籍をしている生徒は、公立高校では二五・六%、私立高校では一・九%、平均したら大体約七%の通信制の生徒が四年以上の在籍という状況がございました。

 今回提出が予定されてございます法律案の規定も踏まえまして、学校の負担も考慮しながら、通信制高校の教育の質の確保、向上の観点から、必要な状況の把握に努めてまいりたいと思ってございます。

河合委員 御答弁ありがとうございます。

 今般の法改正に伴う調査研究でも、そちらも是非射程に捉えていただければと考えております。

 加えて、進路状況についてもお伺いをさせていただきます。

 学校基本調査では、卒業時点の進路について課程別に把握されておりますけれども、それは卒業時点での情報でございます。その後どうなっていくかということについては、継続的に追っていないという認識を持っています。

 民間調査でございますが、新しい学校の会が行った調査では、卒業後二年後と七年後において、通信制高校の卒業生を対象にアンケートを行い、進路未決定だった生徒の多くが何もしていないという状態で固定化する傾向があることですとか、進学先での退学率も比較すると高いというような傾向を明らかにしています。こういった通信制高校の進路支援機能を見るには継続した調査が必要だと考えております。

 ここで大臣にお伺いいたします。

 改正案が新設する調査研究の趣旨を踏まえ、通信制高校の卒業後の進路について継続的に追跡する必要があるというふうに考えておりますけれども、大臣の見解をお伺いいたします。

松本(洋)国務大臣 学校基本調査によりますと、通信制高校を令和六年度間に卒業した者のうち、令和七年五月一日現在、二六・一%が進路未決定者などとなっております。これは、他の課程に比べると高い比率となっているところであります。

 多様な背景を有する生徒が多く学ぶ通信制高校においても、社会的自立に必要な資質、能力が身につけられるよう、卒業後の進路を見据えた支援などを行うことが重要であると考えているところであります。

 今回提出が予定をされております法律案におきましても、「社会において自立的に生きるために必要な素養を培い、その個性に応じて将来の進路を決定し、もつて豊かな人生を送ることに資すること」が規定されていると承知をしているところであります。

 御提案の通信制高校卒業後の進路の追跡調査については、現場における調査実施の負担を考慮して検討をする必要があると考えております。

 なお、法律案が成立した際には、法の目的を踏まえまして、進路未決定者の減少に向けまして、在学中における進路を見据えた支援の在り方などについて調査研究を進め、その成果の普及、活用の促進に取り組んでまいりたい、学校で学んだ者たちの将来につながるような調査、そして具体的なそのための取組について、我々として調査研究を進めてまいりたいと考えております。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 お話しいただきましたように、追跡調査自体の御負担の大きさというところはありますけれども、やはり通信制高校は、非常に有力な選択肢になっているからこそ、進路支援に関しても実態をつまびらかにしていくことが重要と考えますので、引き続き御検討いただければと存じます。

 最後に、生徒支援の体制についてお伺いいたします。

 先ほど河井先生もお話がありましたけれども、不登校を経験した生徒の在籍者の割合が多いなど、特別な配慮を要する生徒が多く在籍するという実態がございます。そういった通信制高校について、合理的配慮の実態ですとか、スクールカウンセラー等の支援体制についても十分に実態を把握すべきと考えます。

 また、実態として、サポート校と支援を分担しながら生徒指導に当たっているという声も聞いておりまして、こういったサポート校との生徒支援の役割分担の実態についても把握すべきと考えておりますが、この点について政府参考人はどうお考えになるか、お聞かせください。

望月政府参考人 障害のある生徒に対する合理的配慮の提供につきましては、個々の、一人一人の障害の状況などを踏まえまして、それぞれ個別に行っていただくことが重要でございまして、一律に提供の状況等の調査を行うことは難しいと思ってございますけれども、スクールカウンセラーの配置の状況など、そうした学校の体制の整備につきましては、児童生徒に対する学びの質の向上あるいは支援という観点から、こちらとしても引き続き調査を行ってまいりたいと考えてございます。

 本校とサポート校を含む通信教育連携施設との役割分担の御質問もございました。生徒や保護者にしっかりとそうした情報が伝わることのできるよう、高等学校通信教育規程、あるいは、今回予定をしてございます法律の改正に基づきまして、情報公開を含む管理運営の適正化、あるいは教育の質の確保、向上にしっかり取り組んでまいります。

河合委員 通信制高校ならではの支援の在り方の構築が非常に重要だと思いますので、しっかりと実態把握の方に努めていただければと思います。

 時間が参りましたので、以上、終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

斎藤委員長 次に、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、かねてより各会派間において御協議いただいておりましたが、理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法は、勤労青年の教育機会確保のため、昭和二十八年に制定されたものです。法制定から七十年以上を経た今日の定時制及び通信制の高等学校は、就業者の割合が減少する一方で、不登校経験を有する生徒等、多様な背景を有する生徒の受皿となっており、制定当時と比べて生徒の実態が大きく変容しております。これに伴い、今日の定時制及び通信制の高等学校に求められる教育内容も変化しており、他者との協働など社会で生きていく上で必要な資質や能力を身につけられるような教育の重要性が認識されるようになっています。

 また、定時制及び通信制の高等学校は、かつては公立が中心でしたが、近年、私立の通信制高等学校の学校数、生徒数が急増しており、残念ながら、その一部ではありますが、適切とは言えない内容の指導を行っている学校や、多様な背景を有する生徒に十分な指導、支援を行う体制が整っていない学校も見受けられる状況にあります。

 そこで、本案は、このような近年の高等学校の定時制教育及び通信教育をめぐる状況に鑑み、その振興並びに適正な実施及び運営の確保を図るため、必要な改正を行うものであり、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、定時制教育及び通信教育の振興に加え、その適正な実施及び運営の確保のための施策を追加することとしていることから、題名を高等学校の定時制教育及び通信教育の振興等に関する法律に改めることとしております。

 第二に、目的規定を改正し、多様な生徒の特性に配慮しつつ行う高等学校の定時制教育及び通信教育の重要性、振興並びに適正な実施及び運営の確保、生徒が社会において自立的に生きるために必要な素養を培い、その個性に応じて将来の進路を決定し、もって豊かな人生を送ることに資すること等を明記することとしております。

 第三に、これまで国及び地方公共団体の任務とされていた規定について、それぞれ責務規定として整備するとともに、定時制の課程又は通信制の課程を置く高等学校の設置者の責務規定を新たに設けることとしております。

 第四に、文部科学大臣が、通信教育に関する基本指針を定めることを規定し、同基本指針においては、適正な管理運営に関する事項、必要な監督及び援助の適切な実施に関する事項、広域通信制課程における通信教育の適正な実施及び運営の確保のための関係地方公共団体相互間の連携協力に関する事項等を定めることとしております。

 第五に、関係法律の規定による国及び地方公共団体の権限の適切な行使と国による調査研究の推進等について定めることとしております。

 最後に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

斎藤委員長 お諮りいたします。

 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

斎藤委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時三十七分散会


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