衆議院

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第4号 平成29年12月6日(水曜日)

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平成二十九年十二月六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 高鳥 修一君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君

   理事 渡辺 孝一君 理事 西村智奈美君

   理事 岡本 充功君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤 高夫君

      安藤  裕君    井野 俊郎君

      大岡 敏孝君    神山 佐市君

      木村 哲也君    木村 弥生君

      国光あやの君    小泉進次郎君

      小林 鷹之君    後藤田正純君

      佐藤 明男君    塩崎 恭久君

      繁本  護君    白須賀貴樹君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      長尾  敬君    百武 公親君

      福山  守君    船橋 利実君

      星野 剛士君    本田 太郎君

      三ッ林裕巳君    務台 俊介君

      八木 哲也君    山田 美樹君

      池田 真紀君    尾辻かな子君

      長谷川嘉一君    堀越 啓仁君

      吉田 統彦君    下条 みつ君

      白石 洋一君    山井 和則君

      伊佐 進一君    中野 洋昌君

      篠原  孝君    高橋千鶴子君

      足立 康史君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      高木美智代君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  小川  壮君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 和田 昭夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 大鷹 正人君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  宇都宮 啓君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高橋 俊之君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  福田 祐典君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         宮本 真司君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  鈴木 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月六日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     神山 佐市君

  穴見 陽一君     八木 哲也君

  井野 俊郎君     百武 公親君

  塩崎 恭久君     星野 剛士君

  初鹿 明博君     堀越 啓仁君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     福山  守君

  百武 公親君     井野 俊郎君

  星野 剛士君     安藤  裕君

  八木 哲也君     務台 俊介君

  堀越 啓仁君     初鹿 明博君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     塩崎 恭久君

  福山  守君     赤澤 亮正君

  務台 俊介君     本田 太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  本田 太郎君     穴見 陽一君

    ―――――――――――――

十二月四日

 子供のための予算を大幅にふやし国の責任で安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三一二号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第三一三号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第三一四号)

 同(笠井亮君紹介)(第三一五号)

 同(神谷裕君紹介)(第三一六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三一七号)

 同(近藤昭一君紹介)(第三一八号)

 同(志位和夫君紹介)(第三一九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三二〇号)

 同(篠原孝君紹介)(第三二一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三二二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三二三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三二四号)

 同(日吉雄太君紹介)(第三二五号)

 同(藤野保史君紹介)(第三二六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三二七号)

 同(宮本徹君紹介)(第三二八号)

 同(本村伸子君紹介)(第三二九号)

 同(青柳陽一郎君紹介)(第三五一号)

 同(今井雅人君紹介)(第三五二号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第三五三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三八七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三八八号)

 同(藤野保史君紹介)(第三八九号)

 医療・介護の負担増の中止に関する請願(本村伸子君紹介)(第三三〇号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第三三一号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三三二号)

 同(本村伸子君紹介)(第三三三号)

 同(今井雅人君紹介)(第三七二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三九一号)

 同(古川元久君紹介)(第三九二号)

 同(牧義夫君紹介)(第三九三号)

 同(山尾志桜里君紹介)(第三九四号)

 同(吉田統彦君紹介)(第三九五号)

 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五四号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三五六号)

 同(志位和夫君紹介)(第三五七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三五八号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三五九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三六〇号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三六一号)

 同(藤野保史君紹介)(第三六二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三六三号)

 同(宮本徹君紹介)(第三六四号)

 同(本村伸子君紹介)(第三六五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三九〇号)

 安心・安全の医療・介護に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三六六号)

 同(笠井亮君紹介)(第三六七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三六八号)

 同(志位和夫君紹介)(第三六九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三七〇号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三七一号)

 一日及び一週単位の労働時間上限規制を設け、高度プロフェッショナル制度導入に反対することに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三八五号)

 介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願(藤野保史君紹介)(第三八六号)

 過労死と職場における差別の根絶に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三九六号)

 大都市東京における介護人材確保に関する請願(鴨下一郎君紹介)(第三九七号)

 同(高木啓君紹介)(第三九八号)

 同(初鹿明博君紹介)(第三九九号)

 同(百武公親君紹介)(第四〇〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

高鳥委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官小川壮君、内閣府大臣官房審議官和田昭夫君、外務省大臣官房審議官大鷹正人君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官宇都宮啓君、大臣官房年金管理審議官高橋俊之君、医政局長武田俊彦君、健康局長福田祐典君、医薬・生活衛生局長宮本真司君、雇用環境・均等局長宮川晃君、子ども家庭局長吉田学君、社会・援護局長定塚由美子君、社会・援護局障害保健福祉部長宮嵜雅則君、保険局長鈴木俊彦君、政策統括官酒光一章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村哲也君。

木村(哲)委員 おはようございます。一番バッターを務めさせていただきます、自民党、千葉四区から選出をいただきました木村哲也でございます。

 千葉四区といいますと船橋市でございまして、船橋にどういうイメージを持たれますでしょうか。船橋、昔はヘルスセンターというものがございまして、今は中山競馬場、そしてまた、ららぽーと。

 ここ最近有名になりましたのは、トリップアドバイザーでディズニーランド、ディズニーシーの次に選ばれたアンデルセン公園。これはユニバーサル・スタジオ・ジャパンを抜いたんですね。普通の公園なんです。ジェットコースターも何にもない公園なんですけれども、これが全国で三番目に選ばれた。今ではもう全国から視察に来るような公園になりまして、これは地元に住んでいる私たちも不思議なんですけれども、やはりリピーターが多いというところで、ファミリーのリピーター、今、社会科見学、全国から県議、市議が視察に来るというような状況になっております。

 そしてまた、梨の妖精ふなっしー。これは今ちょっと余り、出演率が下がりましたけれども。

 また、ここ最近なんですけれども、住みたい町ランキングで船橋は一位になりました。東京から東に二十キロ、三十キロという地点で、電車で三十分、四十分というところでしょうか。住みやすい町ランキング一位にはなったんですけれども、やはり千葉都民という方が非常に多くて、ベッドタウンというところでございますから、それなりの悩みはございます。つまり、保育待機児童も非常に多いわけでございまして、一時期は全国ワースト二位という形もございました。

 その保育問題も取り上げさせていただきますけれども、私は、市議会、県議会を通じまして、医療、福祉、介護、この社会保障制度の問題にも取り組んでまいりました。私の母が、私が十歳のときに脳溢血で倒れまして、私、今四十八でございますから、今健在でございますから八十五歳、この三十七、八年、在宅介護を続けてきたわけでございますけれども、こういう問題も実際に実体験を通じてお話をさせていただきたいところでありますが、また時間のあるときにお話をさせていただきたいと思います。

 この在宅介護、在宅介護という形で厚労省は進めておりますけれども、我が在宅介護は、親と、兄弟が三人おりますので、四人で回してこれたから在宅介護は成り立った。これから一人っ子が多い中でどうやって在宅介護が成り立つのか。二十四時間巡回サービスも、こういう制度はできましたけれども、需要と供給がミスマッチの状況であるというようなことも含めて、やはり在宅介護のあり方、施設重視をすれば介護保険料にはね返ってしまうわけでありますから、こういう問題も将来的にわたって精査をしていかなければいけない。これはまた時間があるときにしっかりとお話をさせていただきます。

 本日は、医療費が二〇二五年には六十兆を超えるだろうというふうな状況のもとで、その医療費の大幅削減政策、こちらについてと、保育問題、処遇改善問題と、そしてがん対策、私、県議会のときにがん対策推進法に基づくがん条例を制定させていただきまして、がんについては思い入れがありますので、この部分はちょっと時間がありましたらお話をさせていただきたいと思います。

 まずは、医療費の増大を抑える、どうやって抑えたらいいのかというところで、ちょっとひとつ観点を変えて、今、健康食品と医薬品の組み合わせの認識、こちらについてお話をさせていただきます。

 健康食品に関してお伺いいたしますけれども、既にもう皆様御承知だと思うんですけれども、実際に、この健康食品と言われるものにはさまざまございます。健康食品については、法律上の定義がございません。一般には、健康保持促進に資する食品全般が健康食品であり、医薬品ではないものと区分されております。この健康食品の分類を考えますと、栄養補助食品、健康補助食品、そして保健機能食品、機能性表示食品、そして栄養機能食品、私たちがよく知っている特定保健用食品、特保、特別用途食品などがあります。

 これを、国民の皆様、消費者の皆様はどれだけ理解をしているのか、この意義を理解しているのかという中で、幅広く、健康ブームによってふえてきている。これらの原因によって健康被害というものも多く発生しているものであります。

 この中でも、ウコン、カフェインなどの健康食品を適量を超えて摂取してしまい、そして健康被害が発生している場合があると承知しております。製品に問題がある場合、これは事業者に対する規制も考えられているわけでありますが、過剰摂取等の場合は、どの健康食品が原因であるのか、特定も困難になってまいります。

 そこで、まず、現行の健康食品による健康被害の防止策について厚労省にお伺いいたします。

宇都宮政府参考人 お答えいたします。

 食品衛生法におきましては、これまでと著しく異なる方法で食品に用いられるものにつきましては、人の健康を損なうおそれがない旨の確証がなく、食品衛生上の危害の発生を防止するために必要がある場合は、薬事・食品衛生審議会等の意見を聞いて、販売禁止をすることができることとされてございます。

 さらに、一般的に健康食品と呼ばれるものを含めまして、錠剤、カプセル状等の食品につきましては、健康被害を防止するため、文献検索や毒性試験を実施し、適切な摂取目安量を設定するなどの原材料の安全性の確保、それから、製造の全工程における製造管理と品質管理を行う製造工程管理の実施により、製品中の成分の品質の確保を図るガイドラインを示しまして、食品等の事業者に対して指導を行っているところでございます。

 このほか、消費者に対する普及啓発としまして、食品等事業者による摂取時の注意事項や摂取目安量に関する情報の消費者への提供、それから、パンフレット等や消費者との意見交換を通じまして健康食品に関する正しい知識の普及啓発、こういったものを関係省庁と連携して行っているところでございます。

木村(哲)委員 行っていらっしゃるのは理解します。そしてまた、さまざまな情報周知もしているのもよくわかります。しかしながら、実際はなかなか理解していない。

 私もきょう、眠気覚ましに何とか打破を飲んできました。そしてまた、特保のお茶も飲んできました。こういうものを多量摂取するとどうなってしまうのか。今お医者さんにかかっていて、例えば膝が痛い、この痛みどめを飲んでいる、内科の薬を飲む、さまざまなものが組み合わさってどうなってしまうのかというところもありますし、これは、お薬手帳で調整するというところもありますけれども、ここで聞かれて言わなければ、そのまま、五錠、十錠、一回に何錠も飲んでいる方もいらっしゃるわけでございます。

 そこで、薬と薬の組み合わせも問題なんですけれども、この薬と薬の組み合わせ、これはやはり減退をするとかまたは増強してしまうとか、そういうもので被害もこうむるとも伺っております。そういう部分も含めて、健康食品と医薬品との組み合わせによる健康影響について、厚労省の今の現状、そして取り組み、どのようになさっていますでしょうか。

宇都宮政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省では、平成二十四年度の厚生労働科学研究におきまして、健康食品と医薬品との相互作用に関する評価を行ってございます。

 その結果では、調査対象とされました健康食品の五十一品目のうち、約七〇%に当たります三十六品目が医薬品の代謝に影響を与え、医薬品の効果が弱くなったり、副作用が増強したりすることがあるという結果が報告されてございます。

 このように、健康食品と医薬品の併用によりまして、予期せぬ健康被害が発生する可能性がございますことから、厚生労働省では、薬を飲んでいる方は原則として健康食品を併用しないよう、パンフレット等で注意喚起しているところでございます。

 また、医薬品医療機器総合機構では、製薬企業や医療関係者からの医薬品の副作用報告や最新の文献等の知見を収集してございまして、併用してはいけない健康食品に関する知見が得られれば、厚生労働省は、その医薬品の添付文書の改訂を製薬企業に指示するなどして、その旨、注意喚起を行っているところでございます。

 また、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所では、文献等の知見を踏まえた健康食品に用いられる素材のデータベースを運用しまして、その中で、安全性に関して医薬品との相互作用に関する情報の収集及び発信を行っているところでございます。

 引き続き、これらの取り組みを継続的に実施しまして、健康食品と医薬品の相互作用による健康影響の防止を図ってまいりたいと考えているところでございます。

木村(哲)委員 ここまで健康食品が、もうインターネットでも購入できますし、さまざまあり過ぎると、本当に消費者は理解できない。これも十年ぐらい前に厚労省が担当でしたけれども、これは消費者庁に表示はかわってしまったというところもあります。

 これは健康食品を批判しているわけじゃなくて、一つ一つの効能は非常にすばらしいんだと思います。しかしながら、これが組み合わさったときに本当にどうなってしまうのかというところもございまして、これだけ健康、健康と言っていて、医療費は下がっていないんです。これだけ健康食品が蔓延している中で、全く医療費も、薬剤費についても下がっていないという現状がある。

 何が言いたいかといいますと、これは、とある機関でございますけれども、重篤副作用疾患別対応の新判定検定システム導入と疾病対応型食品の開発による医療費の大幅削減というものがございます。これは、二〇二五年には六十兆を超える医療費の削減と薬剤費の軽減、そして、これらを整理して、研究を重ねて、健康食材を整理して健康寿命を延ばそうという観点から、多くの健康食品を発売している大手メーカーも参加をしながら研究開発を進めるプロジェクトでございます。

 ここで注目をしているのは高血圧と糖尿病。この糖尿病系患者というのは、国民全体の六分の一おります。約二千万人。そして、糖尿病患者の三分の一が、実は糖尿病性腎症になります。そして、日本では人工透析を受けられている方が三十二万五千人おりまして、その三十二万五千人の四四%が糖尿病性腎症ということでございます。人工透析は、一人当たり年間五百万かかるわけですから、これらを事前に抑えることによって、どれだけの医療費が削減できるのかというところにもつながるわけでございます。

 このプロジェクトは、山形県鶴岡市の慶応義塾大学の先端生命科学研究所、こちらも関係しておりまして、特定の食材が持つ機能性の糖尿病への効果、例えば腸内細菌との組み合わせなどについて研究しており、科学的により効果的な健康食品の開発を目指しているところでございます。

 こうした取り組みというもの、今、これからも研究開発が進むわけでございますけれども、これはとてもとても厚労省だけではできない話でありますので、やはり政府としても支援をしていく必要はないかというところでございます。これはメーカーが絡みますので、経産省も農水省も含まれます。

 そのような状況で、健康・医療戦略、その推進本部のもと、さらなる研究の推進に向けて、関係省庁が連携を密にできる体制を整える必要があると思いますけれども、所見を伺います。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 安倍内閣におきましては、高齢化が進展する中にあっても、国民がさらに健康な生活及び長寿を享受できる健康長寿社会の形成に向けた取り組みを進めているところでございます。

 健康食品につきましては、先生御指摘ございましたけれども、健康・医療戦略におきまして、いわゆる健康食品など機能性食品について、その活用が期待される栄養指導サービスや配食サービス等との情報の共有や事業者の交流を推進することにより、健康づくりに貢献する新産業の創出を図ること、あるいは、健康長寿に結びつくと示唆されている地域の農林水産物、食品の機能性の発掘及び新たな機能性食品の開発を推進するといった方針が示されているところでございます。

 こうした健康・医療戦略の方針に従いまして、引き続き、関係省庁間で適切に連携を図ってまいり、食品の機能性発掘のための研究開発を含め、健康長寿の延伸に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

木村(哲)委員 この問題は、ちょっとまた別の機会がありましたらお話を進めさせていただきたいと思います。

 時間も余りありませんので、保育の問題に触れさせていただきます。

 船橋はワーストツーになったというところもありまして、これから期待されている四万円、五千円の制度におきまして、またこれは、なかなか使いづらい、使い勝手が悪いというところがございます。といいますのは、やはり今、保育士、不足をしているところは、どんなことをしても、これは潜在という言葉自体が悪いんですけれども、帰ってこない。

 そして、私も県議会時代には、潜在看護師、これは医師会の方々ともお話をしましたけれども、なかなか難しいですよ、帰るときに研修制度も行いますけれども。看護師の場合は、例えば、私たちの場合は、亀田病院とか、ほか、野田に看護学校をつくって枠を広げれば、それは看護の需要がふえる。しかしながら、保育士の場合は違うんです。保育士の場合は、今もう学生自体が減っている。枠なんかふやしても、保育士はふえないんですよ。

 これはやはり、イメージがよくない、イメージを落としてしまった。私たちの保育士に関するイメージというのは、やはり私たちの経済を支えてくれていると言っても過言ではなくて、共働きを支えてくれたり子育てを担ってくれている、そういうイメージ。しっかりと、これは給料アップだけで本当にそれが改善できるのか否かというところをもう一回考え直さなければいけないわけで、それこそ質を高めなければいけないわけでございます。

 例えば、今回の制度におきまして、四万円、五千円、ありますけれども、今、私たちのところもそうなんですけれども、法人に、どうしても待機児童解消のために保育園をつくってくれ、つくってくれと。この法人が何個も保育園をつくるわけです。これは一つ一つじゃないんです。法人で三つ四つ運営しているところもあります。そうなりますと、二十年働いている方々が三分の一で済まない、二十年働いていても四万円もらえない。しかしながら、新しい保育園では四万円もらえてしまう、新人の方がもらえてしまうというような制度になってしまう。

 こういうことも含めて、やはり一体的に法人の場合は考えていく必要がありますけれども、この点について、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 待機児童解消、保育の受け皿整備のためにも、保育人材の確保は大変重要な課題だと思っておりまして、今御指摘いただきましたように、私どもとしては、保育人材の処遇改善ということで、平成二十九年度予算で、全職員の処遇を二%上げるとともに、技能、経験を積んだ職員に対する追加的な処遇改善、御指摘のありましたように、経験年数が七年以上四万円とか、あるいは経験年数おおむね三年以上五千円という処遇改善を行いました。

 これにつきましては、現場からのいろいろな声をいただいて、現在、今回の処遇改善の加算の認定状況などにつきまして、内閣府を中心に現状を把握させていただいているところでございます。

 これまでも幾つか現場の運用に応じて弾力化するような形で取り組んでまいりましたけれども、引き続き、現場の声を伺いながら、円滑な運営に努めてまいりたいと思います。

 なお、今御指摘の中では、法人単位の配分という御提言がございました。これにつきましては、私ども、これまで考えさせていただいている中では、確かに法人が経営する施設間での加算対象の人事異動が容易になるという利点もございますが、一方で、今回の処遇改善、中堅職員をそれぞれの施設において位置づけていただいて、その職務、職責に応じた処遇改善を行うということで、キャリアアップの仕組みを構築するという狙いも込めてございますので、それに比べてこの法人単位ということがいかがなものかという懸念も私ども持っておりますけれども、いずれにしても、現場の声をよくよく聞かせていただきたいというふうに思っております。

木村(哲)委員 今、人事異動の件がありましたけれども、だから、二十年働いている人に新しいところに移ればいい、それを言うと、保育の質を考えていないのかと言われるわけです。子供たちはその先生についてきていたり、先生も、保育士も、子供たちをしっかりと全うさせたい、卒園まで育ててあげたいというところがありますから、簡単に同じ法人内でも人の組みかえというのはできないものであります。

 そしてまた、地方に保育士を探しに行っても、なかなか保育士が見つからない、どうすべきか。そして、地方からもし都心に来たときに、八万二千円の住宅手当がありますけれども、これも五年で切られてしまう。では、六年目はどうしたらいいのか。

 そういう問題も含めて、保育士対策というのは、根幹から保育のイメージを変えていかないと、若い方々が夢を持てるような政策にしないと、私は保育士はふえていかないと思います。

 もう時間が来てしまいましたので、済みません、意見だけ述べて、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、国光あやの君。

国光委員 おはようございます。自由民主党の国光あやのでございます。

 このたび茨城六区から初当選をさせていただきました。若輩ではございますが、しっかりと頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 もともとは私、医師で、医療現場で働いておりまして、その後、厚生労働省で、きょうはかつての上司もたくさんおられますが、十三年ほど働いておりまして、大臣、副大臣また政務官、それから理事の先生、委員の先生方にも大変違う立場でお世話になっていたわけですが、一月まで診療報酬担当をしておりました。突然ちょっとお話があって、おまえは診療報酬改定を捨てるのかと言われながら、それでもしっかり立場を変わってお支えできればというふうに思いまして、この場に立たせていただいております。

 後ほど、働き方改革の質問もさせていただきます。ちょうど先日も橋本委員が御質問をされておられましたけれども。今回も、特に厚生労働省の働き方改革を守るためにも、質問通告二日前も守らせていただきましたので、ぜひしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 では、質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、診療報酬改定についてお尋ねさせていただきたいと思います。

 昨年の十二月、突如、薬価の制度の抜本改革の基本方針が、四大臣合意のもと、示されました。現在、中医協や関係の皆様によって、鋭意、三十年改定に向けて検討が進んでいるものと思います。

 私の地元の、実はつくばがあるんですけれども、つくばは御案内のとおり日本最大のサイエンスシティー、研究学園都市でございます。筑波大学を初め、三百を超える研究機関がございます。また、二万人以上の研究者がおられ、製薬企業の研究所も数十を超えるという状況でございます。日々、現在の状況でいろいろなお声もいただいております。

 実はつくばのイノベーション、非常に多くございまして、現在、医療現場で、第一線で使われているような、いわゆるファーストチョイスの抗がん剤や認知症薬、それから張る薬、貼付剤なども、つくば発のイノベーションの果実でございます。

 がんや認知症や難病は、まさに非常に創薬のニーズが高い分野なんだと思います。その中でやはり、病と闘い、治療薬を待ち望む患者さんのためには、新薬のイノベーションは欠かせないと思います。近年も、肝炎治療薬で今までの奏功率は余り高くない、しかも注射薬で、静注薬であったお薬が、ほぼ一〇〇%治る、しかも内服であるというお薬も、イノベーションの結果生まれました。これは本当に患者さんにとって、生命予後も非常に改善しましたし、それからQOLも改善した。まさにこれはイノベーションの果実の一つでもあると思います。

 その新薬ですけれども、やはり実際の創薬現場に触れてみますと、物すごく努力をなさって新薬開発をなされております。数十年の基礎研究、臨床研究、薬事承認、非常に大変です。多くの努力をされて、まさに奇跡的に数%の確率で新薬が生まれる、そういうイノベーションの現場もございます。その努力をしっかりと薬価上も評価をしてイノベーションを支える、その姿勢は非常に重要だと思います。

 一方、医療費が、もう御案内のとおり、この場でも御議論ございました。社会保障財政は非常に厳しい、医療費も四十兆を超えます。薬剤費は十兆近くに上ります。かつては医療費の増が、高齢化という要因が大きいと言われたこともありますけれども、今や高齢化と同じ、またはそれ以上に高いのは、いわゆる医療の高度化、新薬や医療機器の高度化によるものと思います。

 やはり、税金や保険料をいただく国民の皆さんのために、なるべく国民負担の軽減ということは努めていかねばいけない、それもやはり政治に携わる者として、しっかりと肝に銘じなければいけないと思います。

 そこで、お伺いさせていただきたいと思います。

 薬価制度の抜本改革、非常に多い論点があると思います。ただ、必要なのは、しっかりと真のイノベーションを薬価上も評価して、効率化が必要なものはめり張りをつけて対応されるということが非常に重要だと思います。ぜひ、現在の取り組み、また今後のお取り組みの方針をお聞かせいただければと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘ございました薬価制度の抜本改革でございますけれども、先ほど御指摘いただきました、昨年十二月に決定いたしました薬価の抜本改革に向けた基本方針、これに基づきまして、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進、この両立を実現するという観点から取り組むことといたしております。

 具体的な取り組みを進める上で、先般、十一月二十二日の中医協に案を提示したところでございまして、その中では、医薬品の効能追加などが行われた場合の市場規模の拡大に速やかに対応するということ、それから、新薬創出加算等を抜本的に見直すということ、イノベーションの評価を推進するということ、そして長期収載品の薬価の見直しを行うこと、毎年薬価調査、毎年薬価改定を行うことなどに関する具体案を示して、ただいま検討を進めていただいているところでございます。

 その中で、イノベーションに関しましては、例えば新薬創出加算制度でございますけれども、これは現在の制度につきまして、例えば配合剤とか類似の医薬品が既に多く収載されております新薬、こういった、ある意味、革新性という意味ではどうかなと思うような品目も対象となっているというような課題を御指摘いただいているところでございます。

 そこで、今般、こうした課題の解決を図りながら、革新的新薬の創出を促進するために、効率的、効果的な仕組みに抜本的に見直す、こういった方向で検討しているところでございます。

 いずれにいたしましても、関係者の御意見をしっかり伺いながら、年末の取りまとめに向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

国光委員 ありがとうございます。

 創薬の現場においても、現場の声は非常に大事でございます。しっかりと企業のお声に耳を傾けていき、患者さんのためになる創薬を進めていただければと思います。

 続きまして、診療報酬の改定の内容、改定率についてお尋ねさせていただきたいと思います。

 十二月になりました。やはり、今ちょうど、中身の、方向性の議論、また改定率の議論、非常にかんかんがくがくの議論が行われているものと思います。恐らく、医療・介護関係者の多くの方、医療、介護同時改定ですし、障害報酬改定もございます。また、平成三十年度、次年度は、ちょうど医療計画、それから介護保険事業計画も改定の年になりますので、多くの行政の皆様方も非常に固唾をのんで見守っているという状況があろうかと思います。

 私、この平成三十年の改定は、恐らく医療・介護政策の中でも非常に大きいエポックメーキングになるべき、ならなければならない改定だと思います。今までずっと、社会保障国民会議もございました、また一体改革もございました。その中で一つキーワードとして言っていますのが、二〇二五年、団塊の世代の皆さんが全員七十五歳以上になる二〇二五年に向けてしっかりと医療・介護体制を整えていく、これを恐らくこの十年、二十年、ずっと議論していたと思います。あと残り八年でございます。最後の同時改定でございます。

 前回も安藤委員が少し触れていらっしゃいましたが、地域医療構想というものがございます。これはかなり議論があるものもあるかもしれませんが、やはり、地域医療の現場で一番必要なのは、恐らく、病院、各医療機関間の機能分化、どういうふうに病院間の機能分化をしていくか、あるいは高度急性期から在宅医療までどういうふうに機能分化していくか。それをまさに、医療需要の推計、二〇二五年の医療需要を推計して、それをもとに各地域で必要量を、供給体制を整えていく、それがまさに地域医療構想の極意だと思います。

 地域医療構想、私も地元のお声を聞いていますと、計画は何とかわかったとしても、実際に各医療機関が、各医療関係者がどの機能を選択して、A病院は高度急性期なのか、B病院は慢性期なのか、C病院は回復期なのか、どの機能を選択するかということは、結局、やはり診療報酬、介護報酬が見えないとなかなか意思決定できない、それが現場の大きな声だと思います。そういう意味でも、非常に、この医療、介護同時改定、しっかりと魂のこもった、まさに厚生労働行政ここにありというふうな改定にしていただきたい、これは本当に深く思います。

 改定率でございます。前回もプラス、診療報酬プラス〇・四七%改定、それから、介護報酬はマイナス二・一七%改定でございました。実際に、医療経営実態調査などの結果も十一月に出ました。収益が少し下がっている。

 そして、やはり一番気になるのは賃上げの状況でございます。これほどベースアップを叫んでいる中、他職種に比べてもやはり賃上げの状況が低い。恐らく各委員の先生方の御地元でも、医療・介護職種は非常に多い。恐らく全労働者の中で一割、多いところは二割近くの方が、医療・介護ワーカーでいらっしゃるという状況だと思います。

 やはり、医療・介護職種の皆様の存在は、各地域での労働、雇用の、経済のかなめでございます。ローカルアベノミクスをしっかり推進するためにも、この報酬改定、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。

 一方で、実は、現実的に、財源をどこに求めるのかといいますと、診療報酬の歴史といたしましては、十分に明文化されていないというふうな議論もあるかもしれませんが、薬価の引き下げ分を使って本体に充当する、これをずっとやってきたわけです。少し古いですけれども、平成三年の参議院の決算委員会でも、そのような御答弁が厚生労働省からもございました。

 先ほど触れましたとおり、薬価の抜本改革、非常に関係者にとっては身を切る改革でございます。恐らく涙をのみながら対応される企業さんもあられる。やはりそういう切り下げ分をしっかりと、せめて医療保険の中で、医療の中で充当していただく、それはぜひお願いをさせていただきたいと思います。

 そこで、お伺いいたします。三十年の診療報酬改定におきましては、二〇二五年問題を乗り越えて、切れ目ない支援を地域で構築するためにも、薬価の切り下げ分などを活用しながら、しっかりと本体のプラス改定、技術料のプラス改定を目指す、これが非常に重要だと思います。ぜひ大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

加藤国務大臣 今委員御指摘のように、診療報酬を含めて、今回は、介護報酬そして障害者サービスの三報酬のトリプル改定ということでございまして、今具体的な議論を進めさせていただいております。

 今回の報酬改定に当たっては、今委員御指摘もありました医療機能の分化、強化、あるいは地域包括ケアシステムをどう進めていくのか、そういったことを念頭に置きながら、国民一人一人が状態に応じて適切な医療あるいは介護を受けられるよう、適正化、効率化、そして必要なサービスを確保していく、こういった観点から取り組んでいきたいというふうに考えております。

 きょう、薬価の実態調査もお示しをさせていただきました。また、先般、経営の状況についても調査結果を発表させていただきました。

 それぞれの病院の経営においては、今委員御指摘の薬価差というものは収益の中に含まれているというふうに考えているわけでありますけれども、いずれにしても、今回の薬価調査の結果、あるいは医療機関等の経営状況あるいは経営実態調査の結果、そして物価、賃金の動向、そして保険料負担等の国民負担のあり方、これなどを踏まえながら、これから予算編成が佳境に入るわけでありますけれども、しっかり検討していきたいと思います。

 いずれにしても、国民お一人お一人にとって、必要なときに必要なサービスがしっかりと提供される、それに必要な財源を確保すべく努力していきたいと思います。

国光委員 加藤大臣、ありがとうございます。しっかりとその意気込みを、決意のほどを現場に伝えるように、私も地元にしっかりお伝えしていきたいと思います。

 なお、質問はいたしませんが、要望でございます。

 診療報酬以上に恐らく厳しいのが、今まで厳しい温度感であったのが、介護報酬の改定だと思います。かなり切実なお声を、恐らく各委員の御地元からもいただいている。私は、医療より介護ニーズの方が、恐らく今後、二〇二五年また二〇四〇年に向けて非常に大きくなる。ただ、やはりその分の御不安、対応というのが、まだやはり後ろ手になっていると思います。しっかりと、診療報酬だけでなく、介護報酬もぜひお願いを申し上げて、これは要望とさせていただきたいと思います。(発言する者あり)済みません、障害もあります。よろしくお願いいたします。

 では、続きまして、医師確保の問題に移らせていただきたいと思います。

 実は、私の地元の茨城県、人口当たり医師数が全国ワースト二位でございます。もともと医学部も、筑波大ができたのも、ほかの西日本の医科大学などに比べたら、非常に歴史的には、比較的新しい状況もございまして、歴史的に医師が少ない状況というのもありました。また、筑波大学の医学部が、やはり研究に割と立脚してできていた大学ですので、地域に残るドクターというのがかつて少なかった、そういう影響も多分にございます。

 実は、ワーストワンは埼玉県でございます。牧原副大臣もおられますけれども、ワーストワンは埼玉県ですが、実際に首都圏への近接性などを考えますと、茨城県はやはり実質的にはワーストワンだと思います。

 実は、ワーストワンになっているのは、茨城県は、実は都道府県の魅力度ランキングもワーストワンなんです。やはりよく県民の間で話題になるのは、魅力度と医師数、これはもうちょっと上げたいというのが切実なお声でございます。

 医師確保は、本当にこの何十年、もう昭和の時代から何十年もずっと議論している永遠のテーマ、永遠であってはいけないんですけれども、テーマだと思います。

 基本的に、私も医師の端くれでございます。大事なことは、やはり医師のそれぞれのキャリアパス、医学生から臨床研修医、それから専門医に身を置く専攻医、それから、その後、勤務になられたり開業をなさる先生がおられます。それぞれのキャリアパスに応じてしっかりと地域の医師確保を進めるということが、恐らく基本、これが根幹だと思います。

 実際に政策も、地域医療支援センター、各都道府県にございます。茨城でもございます。そこで県と、医療提供体制の整備は県の役割ですが、県とそれから医師会、大学などとともに、医師不足の各地域にどれぐらいの医師を派遣していくかということをやっております。それぞれ、また地域枠、それから今の臨床研修の見直しもございます。また、専門医制度も来年から始まります。その中でも、キャリアパスの中でどういうふうに若い医師をローテーションして、キャリアパスと医師確保をウイン・ウインにしていくかという視点で取り組まれていらっしゃるかと思います。

 その中で、私も、地元茨城県もやや改善の兆しが見られていますが、まだまだ厳しい状況でございまして、例えば地元の石岡市、人口が八万人近くおります。八万人近くいて、産科医が一人だけおりました。ただ、この十二月末をもって、もう分娩をやめると。恐らく、多くの御地元でも同じような状況が起こっているかと思います。

 さすがに、人口一、二万の町に産科医を必ず置くというのは、正直、行き過ぎだと思いますが、人口がある程度の規模がいるところは、やはり普通分娩のような、これほど、少子化対策のかなめとして、安心して産み育てられる環境を整えていくことは必要でございます。そういう中で、普通分娩のようなもの、それから地域のかかりつけ医の存在というのは、しっかりと図っていく必要があると思います。

 私、一番不幸なのは、医師確保が、いろいろな関係者の努力の結果、できるものでもあるんですが、場合によっては不確実性が非常に高い。非常に、必要な医師が必要なところに行っていないという状況、そういう不確実性を何とか確実なものにしていただきたい、それが本当に切なる願いでございます。

 一方、国では現在、医師確保対策に向けて、ちょうど今、医師需給の分科会が行われていると思います。ちょうどこの十二月、取りまとめをなさるというふうにも聞いております。ぜひ、今度こそ医師確保にしっかりと取り組んで、この機に、地域の医師確保はもうこれで安心と言っていただけるような大きな政策、大きな対応を、ぜひ厚生労働省また加藤大臣のリーダーシップのもと、進めていただきたいと思います。

 大臣にお伺いいたします。

 このたびの医師需給分科会などの検討を踏まえまして、医師不足地域への医師確保を進めるためにどのように対応されるか、意気込みをお聞かせください。

加藤国務大臣 御指摘の医師の不足あるいは偏在、そういった観点、解消しようということで、平成二十年度以降、医学部定員の大幅な増加を図ってきたわけでありますけれども、しかしながら、現在の状況を見ますと、地域偏在あるいは診療科の偏在はいまだ解消されるに至っていないということで、これはさらに総合的に取り組むべき課題だというふうに考えております。

 そして、さらに、今委員御指摘ありました医師の働き方改革も求められております。それから、来年四月からは新専門医制度が開始されるなど、医師をめぐる環境も変わってまいりました。またさらに、地域医療構想を初めとする、都道府県における医療全体の提供体制の改革という課題も当然あります。

 こういった問題にしっかり対応していくためには、一つ一つ地域における医師確保の実現を進めることが求められておりまして、そうしたことから、二十七年の十二月から、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会、今委員御指摘がございましたが、そこにおいては、医師確保対策の策定など、都道府県における医師確保対策の実施体制の強化、医学部、臨床研修、専門研修といった医師養成過程における医師の定着、確保策、医師の地方勤務を促す環境整備の推進などといった医師偏在対策について精力的に御議論いただき、この年内、取りまとめをする予定であります。

 そうした取りまとめを踏まえまして、次期通常国会には法案も提出したいというふうに考えておりますが、いずれにしても、医師不足地域での医師確保がしっかり図っていけるように、精力的に取り組んでいきたいと思います。

国光委員 大臣、ありがとうございます。しっかりとした取り組みを期待したいと思います。

 最後に、済みません、時間が近づいてまいりました、医療ケア児のお話についてお伺いさせていただきたいと思います。

 医療ケア児、今非常にふえております。ちょうどこの間、田村委員も予算委員会で御指摘していただいておりましたが、医療ケア児の取り組み、今何が困っていらっしゃるかというと、通所支援やレスパイト、非常に少ない。なぜならば、やはりしっかりと医療サービスに対応できるような施設が非常に少ない、しかも地域偏在もある、こういう問題がございます。

 この医療ケア児、非常に今後ふえてまいります。新生児医学の進歩発展とともにふえていくと思います。この医療ケア児への取り組みをしっかりと、ぜひ確かなものにしていく。ちょうど障害報酬改定、サービス改定もございます。ぜひ意気込みをお聞かせいただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 医療的ケアが必要な児に対する支援体制整備についてですが、平成三十年度に行われます障害福祉サービス等の報酬改定では、医療的ケア児やその家族の支援の充実のために、御指摘もありました児童発達支援事業所やあるいは短期入所事業所などにおいて看護職員を配置した場合に報酬上評価するなどを検討しているところでございます。

 また、平成三十年度からスタートいたします障害児福祉計画の基本方針において、三十年度末までに、各都道府県、各圏域及び各市町村において、医療的ケア児の支援に係る関係機関が連携を図るための協議の場を設けることを盛り込んでおります。これによりまして、各地方自治体において、それぞれの地域での医療的ケア児のニーズ等を把握し、計画的に支援体制の整備を図ることとなっております。

 厚生労働省としても、医療的ケア児やその家族が地域で安心して生活を送ることができるように、引き続き支援を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

国光委員 ありがとうございました。しっかりとした取り組みを、ぜひお願いさせていただきたいと思います。

 最後に、済みません、もう一問よろしいですか。

高鳥委員長 一応、時間が来ておりますが。

国光委員 時間で。済みません。ちょっと時間切れになってしまいました。

高鳥委員長 簡潔にお願いいたします。

国光委員 はい。では、要望にさせていただきたいと思います。

 働き方改革がございます。それから、橋本先生も御質問いただいておりましたけれども、やはり、しっかりと働き方改革、恐らく、全ての問題がこの働き方に集約される。待機児童ゼロも介護離職ゼロも、ほとんどの全ての問題が集約されるのではないかと思っております。

 私の地元でも、いろいろな多様な形態、例えば子連れ出勤を可能にしたり、テレワークをどんどん推進したり、そうやって、安倍総理の成長戦略のスピーチに入るようなすばらしい企業もございます。

 ぜひ、中小企業の皆様中心に、工業の中心は中小企業でございます、しっかりとテレワークや多様な働き方を進めて、ぜひこの働き方改革をこの機に、加藤大臣は働き方改革担当大臣でもございました。ぜひ何とか、働き方改革の方もございますので、進めていただきたく、心からお願いを申し上げます。

 本日は、まことにありがとうございました。

高鳥委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 早速、通告に従いまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 先週、厚労委員会でC型肝炎の救済の特別措置法を可決いたしまして、きのう衆議院も通過をいたしましたので、最初、これに関連して少し質問をさせていただきたいと思います。

 私も、当選してすぐ、実はこのC型肝炎の関係で地元で御相談を受けていろいろ動いたこともございまして、個人的にも非常に思い入れのある法案でございます。ぜひとも早期の成立を望むものでございますけれども、C型肝炎訴訟の提訴者数、現在、約三千二百名近くというふうに聞いておりますけれども、メーカーによる試算を聞くと、やはり、実際に感染をした方の数というのはもっと多いだろう、一万人ぐらいいるだろう、こういうことでございます。

 私が実際に相談を受けたケースでも、恐らく、この製剤を投与されたことによってかかったんだろうということだったんですけれども、しかし、こうしたフィブリノゲンなどの製剤がよく使われていたのは昭和六十年代前後、こういうこともございまして、私の相談を受けたケースでは、やはり病院がもうなくなってしまっていた、そうするとカルテがない、そうすると救済が受けられない、こういうことでございます。

 現在、この法律が成立をすれば、この提訴ができる期間というのも延びるわけではございますけれども、しかし、実際に、毎年、提訴をされる方の数というのは、年々、どんどんどんどん減っている。それは、時間がたつにつれてそういう証拠もなくなってくるわけでございますし、そういうことであろうというふうに思います。

 厚労省の方でも、医療機関においてカルテを実際、破棄されてしまうとわからなくなるということで、保存をしていただくとか、掘り起こしをしていただくとか、いろいろな取り組みをしていることは承知はしているんですけれども、しかし、大手の病院ではこういうこともできるんですけれども、そういう中小の小さいようなところだと、こうした取り組みもなかなか進まないのかな。

 こういう特措法がまさに国会で議論をされている中でございます。これがしっかり通過をいたしましたら、厚労省としても、患者の掘り起こしの作業というか、実際に支援が必要な方に実際に支援が行き届くようなそういう掘り起こし、またサポート、こういうものをやはり集中的に、しっかり力を入れてやっていかないといけない、このように思いますけれども、厚労省の方の答弁をいただきたいというふうに思います。

宮本政府参考人 ただいまの御質問にお答えさせていただきます。

 C型肝炎特別措置法による救済を受けるためには、先生今御指摘いただきましたように、医療記録の確認作業と、それから、何よりも、こういう制度があるということを一人でも多く、まだ御存じない方がいらっしゃるとすれば、そういった方々に周知するということが非常に重要な入り口の第一歩と考えております。

 こうしたことから、これまで厚生労働省におきましては、フィブリノゲン製剤を納入した医療機関に対しまして、カルテなど医療記録の保管期間の延長、それから医療記録からの投与事実の確認、それから確認された方へお知らせと、それから肝炎ウイルス検査を勧奨するよう、文書あるいは厚生労働省職員の訪問によりまして要請をしてきております。

 一方で、依然として確認作業が進んでいない医療機関が存在していることも承知しております。確認作業を改めて促しまして、引き続き投与事実の告知につながるよう努めてまいりたいと思っております。

 また、これまで、新聞広告、あるいはインターネット広告、それから厚生労働省のホームページにおきまして、C型肝炎特別措置法による給付金制度、それから給付金の対象となる血液製剤を納入していた医療機関名の周知、それから肝炎検査の呼びかけを実施してきております。

 また、先ほど先生御指摘ありましたように、現在、C型肝炎特別措置法による請求期限の延長も国会で御議論されております。請求期限が延長された場合には、当然、それも含めまして、これまで取り組んできたような周知活動をさらに充実し、一人でも多くの被害者の皆様の救済につながるよう努めてまいりたいと考えております。

中野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 肝炎の対策ということでよく御要望いただきますのが、実際に、ウイルス性の肝炎であれば、肝炎になって、重症化をすると肝硬変になって、肝がんになって、こういうことでございますけれども、肝炎の段階ですとこうした治療に対する支援というものがございますけれども、これが重症化をしていき肝硬変、そして肝がんになっていくと支援がなくなってしまう、これは何とかならないのか、こういう御要望を長らくいただいておりまして、私も何年か前に国会でこういう質問もさせていただいたことがございます。

 来年の概算要求で厚労省から肝がんに対する支援というものを検討している、こういうことは承知をしておりますけれども、仮に肝がんの支援というものが実現をいたしますれば、しかし、一番、間の肝硬変はどうするんだ、こういうこともございまして、やはりしっかり切れ目のない形の支援というのが私はぜひ必要だ、こういうふうに思っております。

 この肝硬変、肝がんに対する今後の厚労省の支援、これについてぜひ御決意をお述べいただきたいというふうに思います。

福田政府参考人 お答えいたします。

 肝炎対策につきましては、平成二十一年に制定されました肝炎対策基本法及び肝炎対策基本指針に基づきまして、先ほど先生お話ありましたように、肝炎ウイルス検査、それから肝炎医療費助成や肝炎研究の推進など、総合的な施策を推進しているところでございます。

 今般、長年にわたります患者団体の御要望を受けまして、肝炎ウイルスによります肝がん患者の医療費負担の軽減を図りつつ、肝がんの治療研究を促進するための事業に必要な予算を平成三十年度概算要求に盛り込んだところでございます。

 また、肝硬変につきましては、概算要求の過程におきまして、与党の肝炎対策推進議員連盟及び患者団体から、重度の肝硬変も事業の対象とするように強い要請があったことも踏まえまして、現在、検討を進めているところでございます。

中野委員 ぜひとも実現ができるように厚労省としてもしっかりと頑張っていただきたいというふうに思います。

 少しテーマをかえまして、子供の貧困対策について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 一億総活躍社会を実現していくためには、やはり格差の縮小というのは非常に大事でございまして、そうしますと、貧困の連鎖を防ぐということがやはり大事であろう。そうすると、子供の貧困率というのを下げていく、これは大変大事な指標であるというふうに思います。予算委員会でも、田村先生ですとか、いろいろな先生がいろいろな御質問をされておられまして、私も拝聴しておりました。

 第二次安倍政権におきまして、子供の相対的貧困率、これは二つ指標があって、どちらの指標も大きく改善をしているということでございます。厚労省の方の調査でいきますと、平成二十四年は一六・三ポイント、平成二十七年は一三・九ポイントということで大きく改善をした、こういう状況でございます。まず、この改善した背景、その理由について答弁いただきたいというふうに思います。

酒光政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきましたように、国民生活基礎調査で見ますと、子供の貧困率、二〇一二年から二〇一五年で二・四ポイント改善しております。

 この要因ですけれども、やはり、この三年間で経済が好転しまして、雇用が大きく改善をしております。児童のいる世帯におきまして、就業率、働く人の割合がふえておりまして、また、賃金の上昇という効果もありまして、雇用者所得がふえているということが子供の貧困率の改善に寄与しているというふうに考えております。

中野委員 経済の好転というお話がございました。まさに、アベノミクスの大きな成果であるというふうに思います。総雇用者所得がふえている、それによって女性の就業率が上がったりとかいろいろなことがあるんだというふうに思いますけれども、これが子供の貧困率を改善する、経済の好転というのが要因だと。

 私は、これにさらに、所得の再配分機能の強化、これがやはり重要であろうというふうに思います。これがまさに今政府・与党で検討されている、いわゆる二兆円パッケージ、新しい経済政策パッケージ、これが非常に大事だろうというふうに私は思っております。

 今回、例えば、幼児教育の無償化もございます。私ども公明党が強く要望している私立高校の実質無償化、こういうものもございますし、高等教育、これにつきましても、給付型奨学金あるいは授業料減免、大学等のこうしたものが、非常に強化をしていこう、こういう流れであるというふうに承知をしております。

 私自身は、給付型奨学金をつくりましたときに、自公の与党PTにも入っておりまして、この制度をつくるときに大変にいろいろな方に助けていただきまして、できたという経緯も存じ上げておりますので、こうした支援が大きく今回拡充をしていく方向である、これは大変にうれしいことでございます。

 しかし、特に、低所得世帯の大学等の進学率を見ると非常に低いというのが今現実でございまして、例えば生活保護の世帯で見ますと、三三%ぐらいの大学等の進学率ということでございますので、これをやはり上げないといけない。

 私の地元でも、こうした生活保護の世帯から大学に頑張って進学をした方のお話も聞いてまいりましたし、そしてまた、現場でケースワーカーさんとか、どんな運用、実際どうなのかというお話も聞いてまいりました。

 しかし、給付型奨学金はできたんですけれども、実際、現場で運用をどういう形でしているのかというふうに聞きますと、やはり、大学に子供が進学しますと世帯分離をしないといけないという制度になっておる関係上、どうしても、大学に行ってもいいんだけれども、生活保護の制度としては世帯分離をするし、そうすると住宅扶助が減ったりですとかいろいろな、実際はマイナスの点も結構あるという説明をせざるを得ない、こういうふうなお話もいただきました。結局、進学をしてもらおうということでアクセルも踏んでいるんですけれども、実際に現場でどういう説明をするかというときに、アクセルもあるけれどもブレーキもあるみたいな、何かどうしてもそういう運用にならざるを得ない、こういうこともお伺いをしました。

 これはもう予算委員会等でもさまざま、住宅扶助の取り扱いはどうするんだとか、いろいろな議論があって、制度の見直しもやっているということも承知をしております。

 今回、給付型奨学金を含め、所得の低い世帯も経済的な理由で進学を諦めることのないような社会にするということで、政府全体として強いメッセージを出すということでございますので、ぜひとも、実際に、生活保護世帯についてこういう政府として大きなメッセージを出すんだというときの中で、また同時にブレーキを踏んでいくような運用になっては、私は、進学率というものは結局改善をしていかないのではないか、こういう強い問題意識をしております。

 経済的な理由で進学を諦めないんだ、政府は、あなたたちを後押ししていきますよ、こういう強いメッセージをぜひ送れるように、この制度の見直し、また、実際の現場の運用も含めて、しっかりと進学を後押ししていくんだという運用にしていく、こういう改正がぜひとも必要であると思いますけれども、御答弁いただきたいというふうに思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘ありましたとおり、生活保護世帯の子供の大学進学率は低いという状況でございまして、貧困の連鎖を断つために、生活保護世帯のお子さんの大学等への進学を支援し、進めていくという必要があると考えております。

 現在、社会保障審議会の部会において、生活保護世帯の子供の進学支援について、生活保護制度の見直し全体の中で議論を進めているところでございまして、その中では、御指摘ありましたとおり、大学に進学する場合に、引き続き住んでいるにもかかわらず生活保護費、特に住宅扶助費が減るということが進学意欲をそいでいることがある、また、進学後の費用を貯蓄するということは生活保護制度上認められていないということから、進学直後に必要となる諸費用の準備が困難であることに対して支援を行うべきなどの指摘をいただいているところでございます。

 生活保護世帯の子供の大学等への進学率を向上させていくには、このような課題を考慮した対応策をしっかりと講じていくということで、生活保護世帯の子供でもみずから希望する進路に進めるように支援していく、あるいはメッセージを発していくという必要があると考えております。

 審議会の議論を踏まえて、こうしたお子さんの大学への進学支援策の具体策について、三十年度予算での対応も念頭に、検討してまいりたいと考えております。

中野委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 また、生活保護世帯も含め、より幅広い低所得の世帯に対して支援という意味では、生活困窮者自立支援制度というものが今ございます。この中でも、やはり貧困の連鎖を防ぐような仕組みをぜひとも強化していっていただきたいというふうに思っております。

 私も、この生活困窮者自立支援制度、現場も見に行きました。学習支援事業というものもございまして、こうした子供の居場所づくりも含めてしっかり支援をしていくような取り組みをされている現場であるとか、いろいろなものを見させていただきました。大変有効な事業であるというふうに思っております。

 また、生活困窮をしている家庭は、子供だけではなくて、やはりその家庭そのもの、親も含めて、いろいろな複合課題を抱えているというケースも多うございますので、やはり、学習支援を、子供だけを見ていくのではなくて家庭全体を見て支援を広げていく、家計に対する支援であるとか、あるいは就業に対する支援であるとか、トータルで支援をしていく、こういうことも必要だと思いますし、学習支援事業、今、小中学生中心にやっていると聞いておりますので、これは高校生も含めてぜひやっていただきたいというふうに思います。

 こうした生活困窮者自立支援制度をさらに充実強化していくことで、子供の貧困また貧困の連鎖、こういうものをぜひ防いでいくような取り組みをしていただきたいと思いますけれども、これについても今後の方向性を伺いたいというふうに思います。

定塚政府参考人 お答えいたします。

 生活困窮者自立支援制度でございますが、こちらも、制度の見直しにつきまして、現在、審議会の部会において議論していただいている中でございます。

 そうした中で、論点としては、この自立相談支援機関の相談にほかの機関から相談をしっかりつなげていくための仕組みをどうするか、あるいは、就労準備支援事業や家計相談支援事業、これを全国的に実施する必要性とその方策、あるいは、御指摘いただきましたような子供の学習支援に加えまして、お子さんの生活習慣や環境の向上などに向けた支援のあり方などについて議論を行い、検討を進めているところでございます。

 また、あわせて、三十年度の概算要求においては、子供の学習支援事業、就労準備支援事業の拡充など、制度の充実に向けた予算も要求させていただいているところでございます。

 制度の見直しについては、部会の検討結果も踏まえて、平成三十年通常国会への法案提出も含め必要な措置を講じていくこととしており、予算措置も相まって、制度のさらなる推進が図られるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 最後に大臣にぜひお伺いをしたいんですけれども、まさに、子供の貧困、こうした問題に取り組むのは非常に重要でございます。私も、文教の方もやらせていただいているんですけれども、教育の分野でやるべきこともございますし、やはり福祉の分野でやるべきこともございますし、こうした対策、厚労省は間違いなく非常に大きな役割を担う役所なんだというふうに思います。大事なのは、しっかりいろいろな各分野と連携をして、政府一体としてこうした子供の貧困対策に取り組んでいくことが大事だろうというふうに思っております。

 最後に、この取り組みについて、加藤大臣から今後の取り組みの御決意をぜひ伺いまして、質問を終わりたいというふうに思います。

加藤国務大臣 今委員御指摘のように、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策にしっかり取り組んでいくことは極めて重要だというふうに私どもも考えております。

 今局長から具体的な答弁がありましたけれども、貧困が世代を超えて連鎖しないようにする観点から、生活保護世帯の子供の大学等への進学を支援することが必要でありますので、三十年度予算での対応、これを念頭に、検討を進めていきたいと思います。

 また、今、学習支援については高校生ということもありましたが、もちろん高校生も含めて、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の子供に対する学習支援など、生活困窮者自立支援制度、この見直しについては、今、社会保障制度審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会で議論していただいております。ここでの議論も踏まえて、必要な措置を鋭意講じていきたいと考えております。

 また、特に経済的に厳しい状況に置かれた一人親家庭の自立を促進するため、一昨年の十二月に子どもの貧困対策会議で決定したすくすくサポート・プロジェクトに基づいて、児童扶養手当の改正をいたしましたし、また、親の就業支援を基本としつつ、子供の居場所づくりなどの子育て・生活支援、学習支援などの総合的な支援も行っているところであります。

 厚生省としては、こうしたさまざまな施策を行いながら、また、御指摘がありました文部科学省を初め関係省庁ともよく連携をとりまして、子供の貧困の問題の解決に全力で取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。

中野委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、長谷川嘉一君。

長谷川委員 おはようございます。ただいま御指名を賜りました、私は立憲民主党の長谷川嘉一でございます。

 今回は初質問となりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 私は、三十八歳で群馬県太田市の市議会議員に当選して以来、県議会議員三期を務め、地元の政治家として地域に密着した活動を続けてまいりました。その間、国で進められました任期制の雇用の拡大による正規雇用労働者の減少、それによる中間所得者層の減少と年収二百万以下の貧困層の拡大、また、低収入を理由として結婚や出産を諦める若者たちの増加、消費の低迷による地方商店街の疲弊など、旧来の生活環境が大きく変化していく現実を、一国民、一地方の政治家として間近に見てまいりました。

 私は、地方政治家を目指しました三十代より一貫して、命に誠実に向き合う、このことを政治姿勢としてまいりました。自己保身や利益を優先して命に誠実に向き合わない考え方には同調しない、この姿勢を主権者である多くの有権者にお認めいただき、衆議院の議席を預かることになりましたので、命に誠実に向き合う政治をさらに目指していきたい。どのような理屈があっても、まず国民の命を第一に考える、そして、命を支える暮らしを守り、明るい希望の持てる未来をつくる、そのような観点から質問をさせていただきます。

 まず、直近の問題からお伺いいたします。

 先日、インフルエンザ流行の兆しありとの報道がありました。メーカーの増産により、ワクチンの不足はないとしておりましたが、多くの内科の先生方から、例年どおり十月一日から予防接種を開始しているが、ワクチンが不足しており、予約がとれない状況が続いている、入荷が制限されているため、ワクチンを十分に確保できず、予約をとめているというお話をお聞きしました。

 六月にインフルエンザワクチンの製造に使用するウイルス株を変更した関係で、インフルエンザワクチンの供給が不足しているということでありますが、実際のところをお聞かせ願います。

福田政府参考人 お答えいたします。

 今年度のインフルエンザワクチンの供給につきましては、当初の株選定の段階で、先ほどお話ありましたように、ワクチン株の切りかえを行ったことなどの影響によりまして、昨年度より供給がおくれてございます。このため、ワクチンを効率的に活用することが例年以上に重要と考えております。

 今年度のワクチン接種につきましては、本年九月に、医療機関に対しまして、十三歳以上の方は原則一回注射としていただくこと、また、必要量に見合う量のワクチンを購入していただくことなどについて要請をしているところでございます。

 また、ワクチン供給関係者などに対しましても、累次にわたり、出荷の前倒しや、ワクチンの偏在等が起きないように、要請や通知発出を行っているところでございます。

 これらにより、例年十一月末ころに終了となりますメーカーからの出荷につきましては、本年は十二月中旬まで供給が継続すると聞いております。

 今年度のワクチン製造の予定量につきましては、十月末現在で二千六百三十四万本の見込みとなっておりまして、これは、昨年度のワクチン使用量二千六百四十二万本に比べまして少し少な目ではございますけれども、先ほど述べました接種回数を一回としていただくなどの取り組みにより、最終的には、昨シーズンと同等程度の接種者数を確保できるものと考えてございます。

 厚生労働省といたしましては、引き続き最新の需給状況を把握いたしながら、ワクチンの安定供給及び環境づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

長谷川委員 ありがとうございました。

 ワクチン接種から抗体ができるまで約二週間ほどかかるわけでありますので、例年の流行に合わせて考えれば、当然、十二月の前半から半ばまでにはその接種が終わっていないといけないと思われます。

 今後、インフルエンザの流行を少しでも抑えるためには、十月から十一月のインフルエンザワクチンの供給量が不足しないよう、ぜひ御要望をさせていただきます。

 次の質問に移らせていただきます。

 現在、生活保護の高齢受給者の拡大などの原因で生活保護費が増大しているということなどを理由として、社会保障審議会で生活保護の支給額の見直しが議論されており、年末までに方針が示されるとのことですが、どの程度まで議論が進んでいるのか、お聞かせ願います。

加藤国務大臣 生活保護の基準については、これは定期的に検証するということでありまして、それがことし、その定期的検証の時期に当たっているということでありますが、現在、社会保障審議会生活保護基準部会において、生活扶助基準の検証のほか、有子世帯の扶助、加算の検証などを主な検討課題として議論を行っております。

 生活扶助基準本体については、一般低所得世帯の消費水準と比較するため、夫婦子一人世帯や高齢者世帯の収入階級別の消費支出の分析などを行っております。

 また、子供のいる世帯への加算などについては、貧困の連鎖を防ぐ観点から、子供の健全育成に必要な費用の範囲や水準、こういったことについて検討が行われているところであります。

 いずれにしても、早々にこの検証結果を取りまとめ、そして、これを踏まえて、生活保護基準が最低限度の生活の保障水準として適切な水準になるよう、これは予算編成の中で見直しを進めていきたい、こう思っております。

長谷川委員 御答弁ありがとうございました。

 定期的な見直しの年度ということをお聞きしましたけれども、その内容については、詳しく私たちも検討をしてまいりたいというふうに思います。

 言うまでもありませんが、生活保護は、まず、国家責任の原理、無差別平等の原理、最低生活の原理、そして保護の補足性の原理、この四原理を基本として実施されておりますが、生活保護費には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産の扶助、生業扶助、葬祭扶助などがあります。

 平成二十三年度でその総額の内訳を見ますと、総額が三兆五千十六億円、そのうち、生活扶助が一兆二千九十億円、これは総額の三四・五%、住宅扶助が五千三百八十四億円、総額の一五・四%、医療扶助、一兆六千四百三十二億円、総額の何と四六・九%、介護扶助、七百七億円、総額の二・〇%、その他が四百三億円、総額の一・一%となっております。

 生活困窮者が実際の社会生活を営むために必要な生活保護費は、生活扶助が総額の三四・五%であり、住宅扶助が一五・四%でありますので、生活保護費総額のおよそ五〇%でございます。この生活困窮者が実際の社会生活を営むための衣食住に係る生活保護費は、OECD加盟国の先進諸国の中でも決して高いとは思えませんが、厚生労働省の御見解をお聞かせ願います。

定塚政府参考人 お答えいたします。

 生活保護のような公的扶助制度についての諸外国との比較ということでございますが、この点につきましては、各国において各制度の対象範囲あるいは物価水準などが異なるために、単純に比較するということはなかなか難しい、なじまないものではないかなというふうに考えております。

 このことを前提といたしました上で、我が国の生活保護費のうち衣と食に係るものである生活扶助と、フランス、ドイツ、イギリスの公的扶助のうち同様の給付の額について、関連資料から計算をしてみた数字を申し上げさせていただきますと、例えば、夫婦子一人世帯については、我が国では約十二万円から十五万円であるのに対しまして、ドイツでは約十三万円、イギリス、フランスでは約十二万円となっております。また、高齢者の単身世帯におきましては、我が国では約六万円から八万円であるのに対しまして、ドイツでは約六万円、イギリスでは約九万円、フランスでは約十万円となっておりますが、大方の金額の水準としては、大きな差はないと考えているところでございます。

長谷川委員 詳しい御答弁ありがとうございました。

 まず、みずからの力ではどうにもならない真の生活困窮者が命を脅かされることなく暮らしていくために、生活扶助費及び住宅扶助費の維持、確保は非常に重要であると考えます。

 生活扶助及び住宅扶助を除く生活保護費のほとんどが医療扶助でございます。今後は介護扶助もふえていくと考えます。

 平成二十四年度医療扶助実態調査の結果を見ますと、生活保護費のうち医療扶助受給者は、六十歳以上の高齢者が七割、六十から六十九歳は二九%、七十歳以上は四二%を占めております。

 厚生労働省は、医療扶助費削減を目的として、来年度から、生活保護受給者が薬剤を処方してもらう際、安価なジェネリック医薬品を使用することを原則とする方針でありますが、一般の保険診療におきましても、保険医療機関及び保険医療養担当規則におきまして、投薬を行うに当たっては、後発医薬品を使用することを考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択する機会を提供することなど、患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならないとしております。

 医療扶助指定医療機関における診療方針及び診療報酬は、別に定める場合を除き、国民健康保険の例によるとされており、当然、医療扶助指定医療機関においてもその責任があるわけだと考えます。

 リスクを多く抱える高齢者が医療扶助の対象のうち七割を占める現状を考えたとき、殊さらに生活保護受給者はジェネリック医薬品とすることはいかがなものかと考えますが、御見解をお聞かせください。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 後発医薬品の使用促進でございますが、このことにつきましては、生活保護のみならず、一般の医療全体においても使用割合の目標値を定めております。二〇二〇年九月までに、医療全体において使用割合を八〇%以上とする目標を定めて、さらなる使用促進策を検討するということとされております。

 そのような中で、生活保護の医療扶助でございますが、平成二十七年の後発医薬品使用割合は六三・八%、二十八年で六九・三%となるなど、着実に取り組みが進んできているところでございます。

 しかしながら、この使用割合の伸びが鈍化しているとの指摘もございます。医師等が後発医薬品を使用することができると認める場合においては、原則として使用することとするべきという自治体の意見もございまして、この点については、厚生労働省として現在検討中でございます。

 いずれにしましても、後発医薬品使用は、生活扶助のみならず、全体においても重要な課題と認識しておりまして、促進してまいりたいと考えております。

長谷川委員 どうも御答弁ありがとうございました。

 このジェネリック医薬品の選択について、これが差別につながらないような方向で、しっかりと私たちも注視をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

 次の質問に移らせていただきます。

 生活保護制度が議論されるときによく問題とされるのが、保護の補足性の原理に該当する事柄でございます。これは、御本人が有する利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件としているということ、民法で定める扶養義務者の扶養が生活保護法による保護に優先して行われるということですが、一見、当然と思われる事柄も、都市部と地方、特に過疎が進む地域においてはその実態が異なってまいります。

 私が地方議員時代に経験したことですが、過疎が進んでいる地域にお住まいの八十三歳のおばあさんのお話です。

 畑仕事もままならなくなっていたそのお年寄りは、栄養状態も悪く、近隣の人たちがお世話をすることがたびたびございました。お世話をする人たちも高齢者であることは、過疎が進む地域においては当然であります。生活保護について福祉事務所に相談してみてはどうですかと私が聞きますと、御先祖から代々続いている田畑を私の代で手放すことはできないと話されました。実際には、過疎の土地は売りたくても売れないのが現実です。七十歳後半に連れ合いを亡くした後に福祉事務所に相談に行ったときに、土地があるので生活保護を受けるのは無理ですと言われたことがあるとのことでした。

 また、高齢者で仕事ができる状況ではありませんが、所有している土地が知人などの担保物件になっているために売ることができずに、地方税を滞納しながら生活保護の申請ができないと考えてしまっている人など、同様の事例に多く遭遇しております。

 このような状況をどのようにお考えになられるでしょうか。御所見をお聞かせ願います。

定塚政府参考人 お答えいたします。

 今議員からも御紹介がありましたとおり、生活保護制度では、資産や稼働能力、そのほかあらゆるものを活用していただくということが保護の要件となっておりまして、不動産等の資産は原則として処分いただくということになっております。

 また、この不動産等の資産についてでございますが、例外ももちろんございまして、例えば、現在本人が住んでいる住宅であるとか、住んでいる住宅以外であってもすぐには買い手がつかないような資産の場合など、個別の事情によって例外的に不動産を保有したまま保護を受けることができるという取り扱いとしているところでございます。

 御指摘のような個別事情がどのようなものに当たるかということはここでお答え申し上げることは難しいと存じますけれども、いずれにしましても、生活保護の相談に当たっては、相談の窓口での適切な対応、丁寧な対応というのが大変重要であると考えておりまして、相談に当たっては、相談者の申請権を侵害しない、あるいは、侵害すると疑われるような行為も厳に慎んでくださいということを自治体には申し上げてきているところでございます。

 そのために、窓口対応の適切な実施について、毎年会議でも周知をしておりますし、監査においても確認をして、適切な対応がされていない場合には是正改善指導を行っているところでありまして、保護が本当に必要な方に対しては適切な保護が実施できるように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

長谷川委員 ありがとうございました。

 窓口の対応、また窓口の理解によっては随分その内容が異なってくる可能性が極めて大きいということを御指摘申し上げたいと思います。

 あと、基礎的自治体の窓口で不穏当な、Tシャツにプリントがされたものを着ながらやっていたという週刊誌報道等もございましたけれども、それについても厳しくチェックをして、お願いしたいと思います。

 保護の補足性の原理についてお伺いいたします。

 生活保護の要件が、都市部、地方、過疎が進む地域等により、大きく異なることは当たり前でありますけれども、我が国の扶養義務範囲についてでありますが、これは、配偶者間、両親、祖父母、子、孫などの直系血族及び兄弟姉妹、家庭裁判所で扶養義務が決定された三親等以内の親族となっております。

 子供については、フランスは二十五歳未満の子、イギリス十六歳未満の子、スウェーデン十八歳未満など国によって異なりますが、扶養義務範囲を配偶者間と未成年の子としている欧米諸国より、我が国は厳しく設定されております。

 生活保護費の見直しは、単に給付費の削減のみを目的とするのではなく、誠実に命に向き合い、生活実態が反映された見直しになることが必要であると考え、このことを要望申し上げ、次の質問に移らせていただきます。

 技工士数の減少についてお伺いいたします。

 歯科医療は、歯科医師とともに、歯科衛生士、歯科技工士の国家資格を有する歯科専門職の力によって支えられており、これらの職種は歯科医師にとって大切なデンタルファミリーと言えます。

 歯科衛生士につきましては、高齢者医療や介護における口腔ケアなどの担い手として、歯科衛生士不足解消のため、歯科衛生士の復職支援と離職予防を目的とした厚生労働省の事業が立ち上がり、東京医科歯科大学歯学部附属病院が事業を受託し、院内に歯科総合研修センターを十一月に設置されております。厚生労働省の事業としては初めてのこの試みが奏功し、歯科衛生士不足が少しでも解消されることを望みます。期待しております。

 歯科衛生士数は、平成二十年九万六千四百四十二名、うち歯科診療所従事者数が七万八千九百七人でありましたが、平成二十六年に十一万六千二百九十九人、うち歯科診療所従事者数は、常勤、非常勤合計ですが、十万九百八十二人で、歯科衛生士不足の中でも実数は増加しております。

 もう一方のデンタルファミリーであります歯科技工士数は、平成二十年三万五千三百三十七人、うち歯科診療所従事者一万四千八百九十二人でありましたが、平成二十六年には三万四千四百九十五人、うち歯科診療所従事者は常勤、非常勤で一万五百五十七人と減少しております。

 また、歯科技工士を目指す受験者の減少により、歯科技工養成機関の経営も厳しく、歯科技工養成機関も減少しております。歯科大学におきましても、附属の歯科技工士養成機関を廃止する大学も出てきております。

 この状況を厚生労働省はどのようにお考えになっているか、お聞かせ願います。

加藤国務大臣 委員御指摘の、特に就業している歯科技工士数は平成二十八年度末で三万四千六百四十人ということでありますけれども、ここ数年、数字自体は横ばい傾向にありますけれども、就業歯科技工士の約半数がもう五十歳を超えているということでもあります。

 また、今お話ありました養成施設においても入学者数が近年減少傾向にあるということ、担い手の高齢化が進み、将来的に歯科技工士が減少するということが予想されておりまして、私どもの厚生労働科学研究という予算で実施した見込みでも、二〇一四年と二〇二四年を比較いたしますと、約六千人減少するんではないかということも指摘をされているわけであります。

 高齢者の増加に伴って、食べる、かむといった口腔機能を回復していく、あるいは維持をしていく、この需要は大変高まってきておりまして、そういった意味からも、歯科技工士の担う役割、大変大きなものがあると思います。

 そういった役割を担う歯科技工士を育成し、確保していくことは大変重要でありまして、地域医療介護総合確保基金の活用などを通じて、養成施設に対する整備支援、あるいは復職や就労支援のための研修会の実施などを通じて、国としても継続的な支援に努めていきたいと考えております。

長谷川委員 御答弁ありがとうございました。

 当然ですが、人の口に入る歯のかぶせ物や詰め物、ブリッジ、入れ歯、歯科矯正における矯正装置、睡眠時無呼吸症候群の治療用装置などなど、歯科技工士の作成する歯科技工物の質が歯科医療の結果に大きく影響を与えることは当然であります。

 それゆえに、日本では、歯科技工士を国家資格とし、歯科医師がみずから行う場合を除き、歯科医師の記載する歯科技工指示書による歯科技工及び歯科を有する病院や歯科診療所における歯科技工を業務独占的に歯科技工士に認めているところと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。

武田政府参考人 お答えをいたします。

 ただいま御指摘をいただきましたように、我が国におきましては、歯科技工につきまして、歯科技工士法により、歯科技工業務が適正に行われることなどを目的として、資格制度や業務範囲などが定められているところでございます。

 したがいまして、この法律に基づきまして、歯科技工士として業務を行う場合は、歯科技工士国家試験を合格し、免許を付与されることが必要になるところでございます。

 なお、今後輩出される歯科技工士の質を確保する観点から、直近の取り組みとしては、これまで都道府県ごとに実施されていた国家試験を平成二十七年度から指定試験機関において行うこととし、試験問題の統一化を行うなど、対応を図ったところでございます。

 先ほど来御指摘がありますように、高齢者の増加に伴い、食べる、かむといった口腔機能の回復に対する需要が高まることから、患者に対して良質な補綴物を提供していく観点が重要であると私どもとしても受けとめております。

 今後とも、歯科技工士法の趣旨を踏まえつつ、患者に対して良質な補綴物が提供されるよう、関係団体の御意見も伺いながら、適切に対応してまいりたいと思っております。

長谷川委員 御答弁ありがとうございました。

 厚生労働省におかれましては、平成十七年に、歯科技工録、手順書の作成を歯科技工所に義務づけております。「歯科技工所の構造設備基準及び歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針について」が通知されましたが、平成二十年六万七千七百七十九医療機関から、平成二十六年六万八千五百九十二機関と増加している歯科診療所と減少し続ける歯科技工士数を考えたとき、我が国の歯科技工士の国家資格を有しない者が行う、中国、東南アジア等海外における歯科技工が拡大しているのではないか、しかも、歯科技工に必要な模型及び歯科技工物が一般貨物として輸送されているのではないか、海外技工士に頼らざるを得ない現状が既に我が国の歯科医療現場にあるのではないかなどの疑問や指摘が私のところに多くの関係者から寄せられております。

 いずれにせよ、歯科技工士の高齢化などを考えますと、このままの状況が続けば、歯科技工士数は今後ますます減少するものと思われます。

 我が国の歯科医療が、我が国の国家資格を有しない者が行う海外歯科技工なしでは維持できないなどというような状況が現実とならないように、歯科技工士の資格内容の見直しなど、歯科技工士のインセンティブの付加を図り、歯科技工士を目指す若者がふえるような早急の対策が必要であると考えます。この点を御指摘申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 希望の党の岡本でございます。おはようございます。

 きょうは短い質問の時間ですから、端的に質問させていただきますので、端的にお答えをいただきたいんですが、まず最初に、介護サービスの話ですね。

 平成十七年度の介護保険法改革によって、要介護者の住みなれた地域での生活を支えるため、身近な市町村で提供されることが適切なサービス類型として地域密着型サービスが創設されたという話であります。

 私の地元の介護施設の利用者の方、また事業者の方のお話などを聞いていますと、この地域密着型サービスというのが、やや運用にばらつきがあるという話を聞きます。来年、介護保険法もまた見直すことになるんでしょうけれども、やはり今の現状、実態をよく調べて、そのサービス展開をするべきだという思いも持っています。

 そんな中で、きょう皆さんに御紹介をしたいのは、一ページめくっていただいて、A市、B市というのが書いてあるんですけれども、ある方がB市というところに住んでいる。そして、場合によっては、A市の境目、A市とB市の境目のB市に住んでいるという方が、ここの図にある、A市にある、そしてA市で指定を受けているX事業所にサービスを提供してもらいたい、こう思った場合、この地域密着型サービスの場合には、B市の方からこのA市にあるX事業所を指定することについて同意を請求して、A市の市長が同意をするということがあれば、A市に所在をするX事業所をB市に住む住民も利用することができる、こう平成二十七年四月十日の事務連絡に書いてあります。厚生労働省老健局高齢者支援課、振興課、そして老人保健課の事務連絡ということでありますけれども。

 この事務連絡の内容からすると、結果として、B市に住んで、そしてA市のX事業所に近いとか、もしくはB市におけるサービス事業者にあきがないといったような理由、いろいろ総合的に勘案をしてX事業所に実質通うことが可能になるわけでありますが、場合によっては、B市の自治体が、こうした近隣市町村でのサービス提供を拒むということももちろん可能でありますけれども、ここはできるとなっているわけですから、きちっと実態や、そして利用者の意見、また事業者の意見などを聞いて総合的に判断をするべきであり、これを一律に、あなたはB市に住んでいるんだからB市の事業を受けなさいといって頭ごなしに指定するものではないのではないか、このように考えているわけであります。

 そういった意味で、利用者さんに適切なサービスが展開できるように、厚生労働省としてもしっかりと指導していくべきではないか、こう考えるわけでありますが、これについて大臣の見解を求めたいと思います。

加藤国務大臣 今御指摘の地域密着型サービス、要介護者が住みなれた地域で生活することを支えるため、市町村内の支援ニーズに応じて提供されるサービスでありますから、そして市町村が事業所を指定するということでありますので、市町村の被保険者はその市町村内の密着型サービスを利用すること、これが原則になっている、これはもう今委員も御指摘のとおりであります。

 しかしながら、被保険者からの利用希望に基づき、市町村が必要であると認める場合には、例外的に、他の市町村に所在する事業所について、当該他の市町村の同意を得た上で指定することにより、被保険者が利用することが可能、こういうふうに制度的になっているところであります。

 ほかの市町村の事業所を指定することについては、各市町村の実情に応じて、それぞれの判断に委ねられているところでありますけれども、それを私どもが承知している幾つかの市町村について見ると、例えば、利用可能なサービス事業者が隣接市町村にしかない場合とか、あるいは市内の事業所の定員にあきがない場合、あるいは市町村境に事業所が所在している場合等には他の市町村の事業所の指定を行うといった運用がなされておりまして、それぞれのケースにおいて市町村が適切に判断して運用されているということなんだろうというふうに思います。

 ただ、今委員からも御指摘がありました、多分、具体的な事例を地元等でお聞きになられて御質問されているのではないかというふうに思いますけれども、いずれにしても、被保険者から相談があった場合には、そのケースに応じて、市町村の方針をきちんと説明し、適切に対応していただくことが望ましいというふうに考えておりますので、必要があれば、自治体向けの課長会議等の機会を利用して、またそういったことをお示ししていくことも考えていきたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 利用者さんにとってやはり適切なサービスが提供されるべきだと思いますし、事情はそれぞれありましょうから、やはり、頭ごなしに協議を拒否するということではなく、きちっと実情を聞いて、そして必要があれば他の市町村でもサービスを受けることができるような、そういう弾力的な運用をしていただけるように厚生労働省としてもきちっと周知をしていく、そういうことでいいですか。端的にお願いします。

加藤国務大臣 基本的に、それぞれの制度においては、本件も含めて、適宜必要な説明を必要な機会にやっていくというのは、これは当然だと思います。

 ただ、今御指摘の点、もう少し詳しいことがあれば、その事情をやはりそれぞれ聞かせていただく中で、また周知の仕方というのもあるんだろうと思いますので、そういった実態も、また委員からも、あるいはもしほかにあれば、少しそういった事情も聞きながら、その上で、どういう形で周知していくことが必要なのか、その辺も含めて検討させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 ぜひお願いします。

 そうしましたら、次の課題に移ります。

 本年の九月二十日、厚生労働委員会の閉会中審査で、私は年金の問題について質問をさせていただきました。その中で、年金受給者のいわゆる支給漏れがある、加給年金を振りかえる際に振りかえ年金が出ていなかった人がいた、こういう話でありました。議事録をそこにつけています。

 私は、このときもちょっと非常に強い関心を持って累次にわたって聞いたんですが、要するに、共済組合と年金機構との間で連絡不足があったり、おかしなミス、エラーが出たときにきちっと確認をとっていなかったというのが一つの原因だ、もしくは一つどころか大きな原因だ、こういう話でした。

 では、共済と機構とどういう情報交換をやっているのか。週次、一週間、週ごと、それから月次、年次と頻度に差はあれ、そこにつけている三ページ目からの、六十二まである項番の、こうした情報交換をしているようです。大変ややこしい話も幾つかありました。

 きょうは年管審にお越しいただいていますけれども、これは正直言って全部御存じでしたか。

高橋政府参考人 このリストは、委員からレク要求で事前にいただきまして、私どもも機構の方から取り寄せまして、一覧表をつくって、担当者からよく聞いたところでございます。

 これは、情報連携、特に共済一元化、共済との一元化ですね、二十七年の一元化のときに、徹底してつくり込んだ情報連携システムのやりとりのリストでございます。

岡本(充)委員 というぐらい、これは非常にややこしいんですね。私も、これを聞いて、一時間でも一時間半でも聞いていても本当にわからないぐらいの話でした。

 それで、これは情報交換で、まだ漏れがある可能性があるんじゃないかということを指摘したいんですね。大変ややこしいやりとりをしています。この情報交換に、振替加算と同様の年金の漏れがある可能性について否定はできないのではないか。そしてまた、私はちょっと後段でもお話をしたいと思いますけれども、それ以外にも年金漏れの人がいるんじゃないかということを非常に気にしています。

 まず、この情報交換の不備があるんじゃないか。年内に点検をするんだという話は聞いていますが、まだ漏れがある可能性があるということをお認めになるのか。

 そしてまた、一万件ほどあった事務処理誤りの中で、大きな誤りとしてどういう誤りの類型があって、結果として漏れている可能性があるということを既に把握していて、いわゆる抽出のプログラム等を今つくろうとしている、こういう段階。つまり、この振替加算でいえば、去年の十一月、十二月の段階で、問題があるということを、理事長があるということを知っていたわけです、この答弁によると。抽出プログラムをつくるのに時間がかかって、そして結果として、現職の年金局長、また年管審もそうです、七月に就任をしたときの前任者から、まだ出ていないけれどもこうした課題があるという引き継ぎを受けたと私に答弁しています、九月二十日に。

 したがって、今現状、抽出プログラムをつくらなければならないような漏れのある課題があるのかないのか、それについてお答えいただきたいと思います。

高橋政府参考人 まず、これだけある情報連携システムでございますね。この情報連携システムは、二十七年の被用者年金一元化の際に、かなり徹底してつくり込んだものでございまして、これについては、漏れがない、しっかりとした稼働テストもやりまして、しっかりとしたものになっていると思っております。

 現在、これまで機構設立以来、一万件ほどの事務処理誤りを公表しておりますので、これにつきまして事象ごとに分類をいたしまして、どういう事案か、これを今集計し、どのような対処をしていくか、こういうところの検討をやっているところでございます。今月中に公表したいと考えてございます。

岡本(充)委員 いや、委員長、これはちゃんと、だって答弁しているんですよ、七ページのところに。分類した上で何か問題がないのか年内に調べる、今言った分類は至急やるように指示させていただきますと大臣が言っているんですね。だから、これは分類してどうだったのかということを聞いているんです。

 それから、もう一つ言えば、徹底的につくり込んだといったって、結局のところ、九番の加対者異動情報回付システム、これがうまくワークしていなかったんでしょう。だから、今回こういう問題が起きたんじゃないですか。違いますか。

高橋政府参考人 実は九番のこの異動システム、今回、これらのシステムは、二十七年の共済情報連携システムとして新しくつくったものでございます。

 今回の振替加算の支払い漏れで非常に事案が大きくなりましたのは、単に、古い昔の共済データベース、これのデータの入れ方が悪かった、こういう事案でございまして、今回の現在できている新しいものは大丈夫であるというふうに考えてございます。

 また、今、これまでの事務処理誤りの総点検、鋭意、至急集計し、調査をしておりまして、今月中には発表したいと考えてございます。

岡本(充)委員 いや、これは年内にやる、それに加えて、至急にやると大臣が言ったわけですよ、答弁で。にもかかわらず、年内にやるのと同時に発表しますみたいな話で本当にいいのかという話をきのうしたんですけれども。

 これは大臣が答弁したこととやはり違いますよ。年内にやる、だけれども、この点については、さらに至急にやると答弁したわけですから、そこはちゃんとやるべきだと思いますよ。今言った分類は至急やるよう指示させていただきます、こう言っているんですね。

 その上で、もう一つ、時間がないので指摘をしておきたいんですけれども、遺族年金とそして障害年金は、それぞれ申請をしなければいけない。遺族年金は、亡くなられましたということを御遺族が郵送で機構に連絡した場合には、あなたは遺族年金の対象になりますよというお知らせをしていないときのう聞きました。遺族年金の対象になるということをきちっと窓口に来た人にはお知らせをしている、だけれども郵送の場合にはお知らせしていない。これでは、遺族年金の対象になっている人が漏れている可能性がある。

 障害年金もそうです。障害の認定を市町村で受けた、受けたことをきっかけに、障害年金につながる可能性があるということを伝えていない、これも聞きました。横にリーフレットが置いてあるから、そのリーフレットに気づいたら見てねというので、横に置いているだけだという。

 これでは、大臣、やはり支給漏れにつながると思いますよ。早急に、支給漏れがないのか、そうした実態を調べるべきだと思うし、改善をするべきだと思います。大臣、今の点についてお答えいただけますか。

加藤国務大臣 今、具体な御指摘をいただきましたので、その指摘について、どういう今対応になっているのか、もう一度ちょっとよく精査をさせていただいて、いずれにしても、私ども、そうした支給、制度自体の周知をしっかり図っていくということは大変大事なことでありますので、そういった姿勢に立って対応させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 障害を持つ方も遺族の方も困っている方ですから、そんな時間をかけずに速やかにこれも調べていただきたいと思います。よろしくお願いします。

高鳥委員長 次に、山井和則君。

山井委員 十五分間、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 三度目になりますが、障害者の食事加算の廃止をやめてほしい、今までどおりしっかりと存続させてほしいという切なるお願いを十五分間させていただきたいと思います。

 きょうは、傍聴席にも、通所作業所の利用者の方々、保護者の方々、職員の方々も来られております。

 今週は障害者週間であります。障害者の方々を応援しようということで先頭に立って頑張るのが、党派を超えてこの厚生労働委員会だというふうに思います。非常に残念ですが、その障害者週間において、障害者の方々の自己負担を六千円アップしないでください、こういう審議をせざるを得ないような状況になっている。つまり、先週月曜日に、食事加算の廃止を厚生労働省が提案されたことに、私は強く強く抗議をしたいと思っております。

 今もこの部屋におられますが、障害者福祉に関しては、障害者自立支援法のころから、さまざまな厚生労働の分野で与野党で激突することがあっても、障害者福祉だけは与野党力を合わせてともに頑張っていこうということで、自民党の田村先生、公明党の高木先生を初め、本当にここは私も感謝しておりますし、自民党、公明党の方々、共産党も含めて多くの議員の方々と力を合わせて本当に頑張ってこさせていただきました。

 そういう意味では、最初になりますけれども、今までどおり食事加算が存続するように、政府のみならず与党の皆さんにも頑張っていただきたいということを伏してお願い申し上げますし、野党も、私たちも、きょうも厚生労働大臣に申し入れに行くことになっておりますので、この食事加算のことも含めてぜひともお願いしたいと思っております。

 限られた時間ですから多くは言いませんが、先週私がお願いしましたように、今回の障害者団体へのヒアリングの結果をきょうの理事会に出してくださいということを申し上げました。出てきました。その結果は私の配付資料に入っております。最多、最も多い十一の団体の方々が、とにかく食事加算は存続してくれ、廃止しないでくれと。ほかの部分に関しては意見が分かれているんです。しかし、この食事加算を続けてくれということだけは、十一団体の方々が切なる要望を寄せておられます。一つ一つは読み上げませんけれども、とにかくここに入れさせていただきました。

 例えば、きょうされんの意見を読ませていただきますと、食事提供加算の廃止は、利用者に新たな負担を転嫁しかねないとともに、グループホーム等に暮らす障害のある人たちにとっては極めて大きな負担増となってしまいます、しかも、障害年金等の所得保障が目減りしている中での負担増は深刻な事態を招きます、そのため、当面の継続を求めますと。そして、食事提供加算は、体制加算でなく、給食保障の視点から基本報酬に位置づけるべきですと。

 一つ一つ読みませんけれども、赤線も引かせていただきました。現場の声は、ぜひとも存続してくれということであります。

 また、地元の通所施設を利用されている方の保護者の方からもお便りをいただきました。

 結局、もう給食費の金額支払い。親も不勉強だったのですが、驚き、不安になりました。このような現状になっていることを、もちろん子供たちは理解できないでしょう。それぞれの家庭の事情はありますが、ほとんどの家庭ではこの負担はとても重荷となります。地獄です。でも、誰にも訴えられません。このような社会で本当にいいのでしょうか。一般の方は、たかが給食費と思われるかもしれませんが、障害者には給料より高い給食費となっていますというふうに、切なる保護者の方のお便りも、お手紙も私も読ませていただきました。

 このような状況で、加藤大臣、これは、私たち、六千円じゃなくて三千円に自己負担アップを減らしてくれとかそんなせこい話をしているんじゃないんです。やはり、障害者の六千円の自己負担アップにつながる今回の食事加算廃止撤回と同時に、今までどおりきっちり存続をしていただきたいんです。もうこれ以上、全国の保護者の方、障害者の方々、このままでは年を越せません。保護者の方に、地獄ですということまで言わせていいんですか、私たちが。

 ぜひとも、加藤大臣、今までどおり存続していく、廃止方針は撤回する。あした、障害者部会があります。十一時からですか。私も傍聴に行かせていただきますよ。ぜひとも、その方針を出していただきたいと思います。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 前回も委員とは御議論させていただいたんですけれども、この食事提供体制加算というのは、平成二十九年度末までの経過措置というふうになっているわけであります。平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書で、平成十八年からの時限的な措置、平成二十二年度から障害福祉サービスの低所得者の利用者負担が無料になっていることから、他制度とのバランスや公平性を踏まえ、検討すべきとされている課題、検討課題ということであります。

 この問題に対しては、今委員御指摘のように、私たちも関係団体からお聞きをいたしました。多く、それぞれこれに対する反対という声もお聞きし、またその思いということも承知をさせていただいているところであります。

 いずれにしても、この経過措置については、今、こうした社会保障審議会障害者部会の報告書を踏まえつつ、また、さまざまな御意見、また関係者の御意見を踏まえて、予算編成の中で結論を出すべく議論を進めていきたいと思っております。

山井委員 何としてもこれは存続してもらわねば困ります。

 実際、配付資料にも入れましたが、一億総活躍社会ということで、安倍総理は、ここの配付資料にありますように、一ページ目、障害や難病のある方も活躍できる社会をつくる、これは安倍総理の大方針じゃないですか。活躍できる社会をつくるために自己負担を六千円アップする、これは公約違反でしょう、万が一こんなことをやったら。

 万が一これをカットするようなことがあれば、今までどおりでなくて千円でも二千円でもカットするようになったら、これは公約違反ですから、当然、来年の通常国会の予算委員会、テレビ入り、総理入りで、加藤大臣じゃなくて安倍総理を徹底的に、障害者いじめだということで私たちは追及させていただかざるを得なくなりますよ。そういうことはやめていただきたい、何としても。

 さらに今、署名活動もまた行われております。きょう、あす、あさってですか、三日間ぐらい、緊急の署名活動、食事加算を残してくれ。でも、加藤大臣、こういうことをせざるを得ない状況というのは異常だと思うんですよ。新聞を見て、テレビを見たら、何が報道されていますか。二兆円、子ども・子育て充実、介護やります、子育てやります、どんどんどんどん充実させていっているんでしょう。何で障害者だけ六千円自己負担アップになるんですか。こういうのは障害者差別というんじゃないんですか。ですから、ぜひともこれは存続していただきたいと思います。

 それで、加藤大臣にお聞きしたい。

 万が一、六千円、食事加算をなくしたら、一万六千事業所ですよ、そのうちどれぐらいの事業所が事業所でかぶるんですか。どれぐらいの利用者が自己負担、アップするんですか。それで、その結果、どれぐらいの利用者が食事サービスを諦めて、もうコンビニのおにぎりでいいや、あるいはカップラーメンでいいや、そういうことになるお子さんたちあるいは利用者はどれぐらいいるんですか。その現状、食事加算を廃止したら事業者がかぶるのか利用者が払うのか、利用者が払うことになったら、二十六万人中、全国で何千人、何万人の人たちが食事を受けられなくなる可能性があるのか、どういう見込み、認識をされていますか、加藤大臣。

加藤国務大臣 たしか前回もお話をさせていただいたと思いますけれども、この金額全体では大体月額十六億、トータルで、十二カ月とすれば、掛けますと、年間約百九十二億円と、経費ということになるわけでありまして、国の負担は、その半分ということで九十六億円ということになります。大体、月額の利用者約二十六万人ということで、大体一人当たり六千円、したがって、六千円掛ける十二ということで七万、正確に言えば、六千百五十三円に十二カ月ということで、七万三千八百三十六円ということになるわけであります。

 今、どういうことになるかというお話でありますが、現在でも、食材費については利用者の負担ということになっております。これについては、実態を見ますと、それぞれ、利用者負担を求めておられるところ、あるいは利用者負担をせずに施設が負担をしているという例もございますから、それが今回の場合、これは仮にでありますけれども、どうなるかということは必ずしも申し上げられないというふうに思いますが、いずれにしても、この費用負担が発生すれば、事業者において負担をするか、あるいは利用者において負担をするか、こういうことにはなるんだろうというふうに思います。

山井委員 加藤大臣、そこなんですよ。今回、六千円自己負担アップ、あるいは加算をなくしたら必ずしもどうなるかはわからないがとおっしゃったじゃないですか。そこが無責任過ぎるんじゃないんですか。緊急に調査をして、万が一このことをやったら何人の子供が昼御飯を食べられなくなるのか。

 でも、加藤大臣、考えてくださいよ。五十人がみんなで昼御飯を食べている、でも、貧しい家庭の子供五人だけが、自分はそのお金がないからカップラーメンを食べる、おにぎり一つで済ます、そんなことが起こったらどうなるんですか。その障害者の方が、そんなだったらもう通所施設は行かないよ、僕、私と言ったらどうするんですか。

 前回も言ったけれども、障害者自立支援法のときに、そのことを悲観して親子心中が障害児の家庭で起こったんですよ。夫婦離婚も起こったんですよ。だから、長引かせないでいただきたいんです。

 加藤大臣、ぜひとも廃止をする前に、一日、二日あれば実態調査はできますよ。あした一日で実態調査をして、一万六千の事業所に影響するんですから、十でも二十でもいいですよ、これをもしなくしたらどうなるか、十でも二十でもいいから声を聞いて、あさって金曜日の理事会に報告していただきたいと思うんです。この厚生労働委員会はありますから、早急に一日で、十でも二十でも結構です、何が起こるか調査していただけませんか。

加藤国務大臣 仮定の上で調査をするというのは、なかなか、どうなのかという気がするわけであります。いずれにしても、今委員御指摘の点、それぞれの御意見、また、思いを持っている方がいらっしゃるのは、私どもよく承知をしております。

 しかし、現状において、加算を受けていないという方も実は三分の一ぐらい、同じサービスを受けて、おられるわけでありますし、また、幅広く障害サービス全体を受けている方の昼食代というのはどうなっているのか、こういったこともあって、先ほどの報告書の中で、他サービスとのバランスということがあったんだろうというふうに思っております。

 いずれにしても、そういった問題と、それから今お話がありますように、それぞれの方々の状況等ももちろん勘案しながら考えていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、いずれにしても、先ほど申し上げた、予算編成までには結論を出すべき問題だというふうに認識しております。

山井委員 調査もせずに廃止するなんということは絶対許されません。

 ついては、委員長にお願いしたいんですが、万が一、廃止あるいは今の食事加算を減額するなんということにもしなれば、ぜひ閉会中審査で、この場所で、それで本当にいいのか。今、加藤大臣は、まだ決まっていないから仮定の調査はできないとおっしゃったから、もし決まったら調査してもらいたいと思いますし、閉会中審査、それも、安倍総理大臣をぜひ呼んでいただいて集中審議をやっていただきたいと思います。なぜならば、一億総活躍、障害者が活躍できる社会をつくると、総理の最大の公約ですから。そのことをお願いしたいと思います、委員長。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

山井委員 これは、加藤大臣、ぜひとも調査をお願いしたい。これは決まってからでは遅いんじゃないんですか。どういう影響かわからないのに、まずは決めさせてもらう、それは余りにも障害者や保護者の方々にむごいと思います。

 言いたくはないですけれども、ここまで私たちが言って、押し切って、もし、その結果、閉じこもりの障害者が出た、おにぎり一つしか食べられない障害者が出た、あるいは親子心中やいろいろなことが起こった、そういうことが起こったら、言いたくはないですけれども、来年の通常国会の厚生労働委員会でも最大の問題になりますし、私たちは、加藤厚労大臣の不信任決議も出さざるを得なくなるかもしれませんよ、そういう被害者が出れば。ここまで私たちはとめているんですから。

 繰り返し言いますけれども、私たちが昼御飯おにぎり一つという話じゃないんですよ。本当に今までから苦しんでおられる。苦しんでおられる方々に、さらに、介護、保育、いろいろなものは充実させるのに、障害者二十六万人にだけ狙い撃ちするということはよくないと思うんです。

 改めてになりますが、加藤大臣、何とか、何とか、この調査をしっかりやるまで継続するということを言っていただきたいと思いますし、「負担軽減措置継続へ」という記事がきょうの産経新聞に出ておりました。六千円アップはしないけれども三千円だけでやるとか、そんなことではだめです。九十二億円なわけですから、半額にしたら四十六億円。そうしたら、もうお金の問題じゃないんです。ぜひとも、政府・与党も含めて、障害者の方々を守る、このことに関しては、これからしっかりと実態調査をするということで、今回の廃止というものは断念していただきたいと思います。加藤大臣、最後にお願いします。

加藤国務大臣 これは山井先生の資料ですよね。例えば、これを見て、障害基礎年金は、二〇一四年、下がっていますよね。このときは、全体の国民年金等の議論に並行して下がっている。やはり、そういうバランスの中で議論されたんだろうというふうに思うんですね。ですから一概に、もちろん、今おられる方が新たに負担がかかっていく、そのことも我々はしっかり認識をしなきゃいけない。しかし、他方で、ほかの制度におられる方たちとのバランスをどう考えるかということも、やはり同時に考えなきゃいけない視点なんだろうというふうに思います。

 ただ、いずれにしても、先ほどから申し上げておりますように、予算編成の過程の中において、これまでの障害者部会の報告書なども踏まえながら、また、これまでいただいた御意見、また今、山井先生御議論されているこういったこと、これらも踏まえながら結論を得ていきたい、こう思っています。

山井委員 もう時間が過ぎましたので締めくくりますが、とにかく、では半額だけだったら自己負担増いいだろう、そういう決着はやめてくださいよ。とにかく、今回は今までどおり存続してください。

 そして、このことによってやはり、今、バランスとおっしゃったけれども、私は嫌いなんです、バランスという言葉は。何で障害者の方々にこんなときだけバランスと言うんですか。それだったら、工賃一万円じゃなくて十万円の工賃にしてくださいよ。普通に働けるようにしてくださいよ。こんなときだけ、何で負担増のときだけバランスと言うんですか。

 日本国民は優しいですよ、与党も野党も含めて。障害者の方々に最優先で優遇する、私はそのことを日本国民は是認していると思います。だから、障害者総合サービス法でも自立支援法の一割負担がなくなったと理解しております。ぜひともぜひともよろしくお願いします。

 ありがとうございます。

高鳥委員長 次に、篠原孝君。

篠原(孝)委員 無所属の会の篠原孝でございます。

 前々回の委員会では皆様方に御迷惑をおかけしましたことをまずおわび申し上げたいと思います。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 障害者の関係ですけれども、いろいろな障害を抱えている方がおられると思います。片方の手がない、足も、足が悪い、片方だけという方はいっぱいいると思います。片耳がよく聞こえないという人もいると思います。

 問題は、片目失明者、途中で片方の目を失明してしまった。みんな不便をかこっていますけれども、この片目失明者に対して視覚障害者手帳の交付が行われていないということなんですが、この点について、厚生労働省はどのような検討を進めておられるんでしょうか。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 身体障害者福祉法では、視覚障害に該当する視力について、両眼の視力がそれぞれ〇・一以下のもの、一眼の視力〇・〇二以下、他眼の視力が〇・六以下のものと定められております。

 このため、片目失明の方については、もう片方の目に〇・六を超える視力がある場合には、障害認定がされないというのが現状でございます。

 現在、有識者による検討会を開催しており、視覚障害の認定基準に関するあり方全般について見直しを検討しているところでございます。

 片目失明の方については、現在、米国で導入されております、視力と視野を統合してスコア化するファンクショナル・ビジョン・スコアの導入も含めた検討を行うための調査研究を行いまして、日常生活の困難などを踏まえた支援策を検討してまいりたいと考えております。

篠原(孝)委員 先ほど冒頭に申し上げましたけれども、耳と比べたら一目瞭然だと思います。相当不便があると思いますので、きちんとした手当てが必要なんじゃないかと思います。早目に検討していただきたいと思います。

 それでは、本論に入りたいと思います。

 一枚紙、皆様方にお配りしてありますので、これをよく見ながら聞いていただきたいと思います。都道府県別に見た出生数の推移の格差です。

 三つに分けてあります。二〇一六年のところを見ていただくとわかるんですが、一九四七年、団塊の世代のど真ん中、今七十歳になった人たち、そのときの出生数を一〇〇として、それぞれどれだけ減ったかというのを数字で示してあります。

 一番上の方は、減り方が激しい、少子化が著しい県です。下は都市部で、そんなに減ってはいないという県。真ん中は、この委員会、厚生労働省の濃密関係者の皆さんの県で、サービスしてこの中に置いてあるので、よく、自分の県のことだと、自分の地元だと思ってごらんいただきたいと思います。皆さんそれぞれ関係の深いところをよく見ていただきたいと思います。

 これを見ますと、相当減ってきているというのをおわかりいただけると思います。これを放置しておいていいのかという問題があります。しかし、現実にこういう問題が起きている。

 一番上の段ですけれども、秋田県が多分一番ひどいんだろうと思います。私の記憶では、一九七八年、昭和五十三年に、各県別で初めて人口が減ったんです。これは皆さん、気がつかないんですね。

 少子化、高齢化なんというのは、私は農林水産省に三十年おりましたけれども、林業白書とか漁業白書とかやると、よくわかるんです。地方は急激に少子化、高齢化していると幾ら言っても、世の中は動きませんでした。そして、都会でなってくるとわあわあ大騒ぎする、ずっとそれを続けているわけです。

 やはりこれは急激過ぎて問題だと思うんですけれども、この将来見通し、きちんとされていると思いますけれども、将来見通しについてはいかがなんでしょうか。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 国立社会保障・人口問題研究所が二〇一七年に行いました日本の将来推計人口の中位推計においては、合計特殊出生率において、二〇一五年に一・四五であったものが長期的には一・四四になる見通しであります。

 十五歳から四十九歳の女性の人口が年々減ることにより、出生数は、二〇一五年の百一万人から二〇六五年には五十六万人程度まで減少し、十五歳未満の人口は、二〇一五年の一千五百九十五万人から二〇六五年には八百九十八万人程度になる見通しでございます。

篠原(孝)委員 先の見通しというのはなかなかできないんですけれども、数字を見ながら聞いていただきたいんです。これをよく見ると、いろいろな傾向があらわれています。

 合計特殊出生率は書きませんでしたけれども、今、一・四五が一・四四になると。もう二〇一六年は一・四四ですよね。ひところ、相当低くなったときがあります。一・二六ショックとか言われたり、一・三七とか、何かいろいろありました。二・〇三ぐらいになっていないと人口を維持できないということで、先進国の共通のことですね。

 中国なんかもいっぱいふえているようですけれども、中国の最近の本をちょっと読んでいましたら、大都会上海の出生率が〇・六五とかになって、中国も急激に少子化時代を迎えていく。

 日本では、増田寛也さんが座長の日本創成会議が、今、大沼政務官もお答えになりましたけれども、ちょうど出産適齢期の女性が少なくなって、地方消滅だという衝撃的な本も書いておられます。それだけ大問題だと私は思います。

 世界全体で見ても、皆さんは世界全体のところには目が行かないと思いますけれども、人口の本を読んでいましたら、一七〇〇年には六億人にすぎなかったそうです。それが三百年間で、二〇〇〇年には十倍の六十億人になった。ただ、人口増加率が急激に減少していると。二十一世紀の後半になると、アフリカを除き、どこの大陸も全部人口減少局面に入るんだそうです。これでどうやっていくか。

 今、待機児童問題でわんわん言われております。

 お聞きしたいんですけれども、山形に待機児童問題はありますか、政務官。

大沼大臣政務官 政府の答弁として、一つの県についてはなかなか答えづらいところでございますが、全国的に待機児童の問題というのは存在しているものと考えております。

篠原(孝)委員 私は全部調べてきたわけじゃないですけれども、予算委員会のときに長島昭久さんが、待機児童は東京だけの問題かというので、東京都、神奈川県、大阪府とずっといって、ほかの田舎の県でも、田舎の県なんて言っちゃ失礼ですけれども、岡山県も十二番目に入っているんですね、待機児童がいる。

 だから、待機児童数、隠れ待機児童数、どう言うのかは知りませんけれども、いないことはないんですけれども、私の長野県では、大沼政務官よりずっと密着して長野におりますのでわかるんですけれども、待機児童なんて言葉は聞いたことがないですね。問題になっていないです。

 待機児童どころではないですよ、もう。私の母校、中野市立長丘小学校といいますけれども、来年、再来年、廃校になります、四つの小学校が一緒になって。子供がいなくなって、廃校になるばかり、保育園もなくなって。全然逆の問題でして。どうしてそちらの方が問題にされずに、大都会の待機児童のことだけが問題にされるのか。

 田舎には、孫の顔を見たいという待機じいちゃんと待機ばあちゃんばかりです。待機じじい、待機ばあちゃんです。待機児童なんていないんですよ。児童がいなくて困っている。僕は、これはどこの問題だと。ほったらかしておいてはいけないと思うんですけれどもね。大問題だと思う。

 何か、今度の解散・総選挙も、安倍総理は北朝鮮問題と並んで少子化が日本国の危機だと言っておられたんですね。それでは大々的にいろいろな対策を打ち出されるかと思ったら、何か、ちょっと飛んだ、もっと前の、前というか、子供が生まれてというので、教育の無償化ということにばかり走っていました。

 この間の所信のところに少子化の問題がほとんどなかったんですが、これはどうしてでしょうか。厚生労働省もちゃんと言って、少子化も大問題だから、もっとちゃんと言ってもらわなくちゃ困るというようなことをすべきだと思うんですが、何で少子化問題がほとんど総理の所信になかったんでしょうか。この点について、大臣にお伺いしたいと思います。

加藤国務大臣 今御指摘のように、少子化の問題、あるいは少子化の進展、これは我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない危機的な状況にあり、最優先課題の一つというふうに認識をしております。そうした認識の中で、本委員会で私も挨拶をし、安倍総理も所信表明で演説をされたわけであります。

 委員のおっしゃっている少子化対策という範疇と我々の思っている範疇がもしかしたら違うのかもしれませんが、この所信表明等々においては、人づくり革命の推進やそのための全世代型社会保障制度の構築、保育の受け皿整備、幼児教育、保育の無償化、さらに保育人材の確保、放課後児童対策の量的拡充、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援、不妊治療への支援などについて取り組む旨を表明したところでありまして、こうした取り組みも含めて少子化対策を強力に進めていきたいと考えております。

篠原(孝)委員 どうも僕からするとぴんとこないんですね。そもそも、少なくなっちゃった、なっている。では、子供をちゃんと産める環境をつくるというのが大事なのに、何か、生産性革命とか。

 ちょっと昔のベストセラーになりましたけれども、藻谷浩介さんは「デフレの正体」というところで、日本人の人口が少なくなってきているんだから、そんな、インフレなんかになるはずがないんだと、露骨な本を書いておられます。僕は、それはある程度当たっているんじゃないかと思います。

 例えば、いろいろなところがいろいろなことを言っていますけれども、皆さんは御存じないと思います、ちょっと紹介させていただきますと、京都大学の学者、教授、博士の皆さん方が、二〇〇八年に縮小社会研究会というのをつくられたんです。それで、勉強会をずっとしている。

 この人たちはどういうことを言っているかというと、縮小社会、人口が減っていくのはもう所与の条件で、これは覆しようがないんだ、だから、日本の社会構造、産業構造を人口が減っていくということを前提として変えていかなければいけないんだということで、勉強会をされているんだそうです。

 僕は、それを知っていました。二〇一二年に本も出ています。縮小社会という本です。そこには、原発も当然廃止ですよ、それから、GDPを六百兆円にするなんてとんでもない、何を今ごろそんなぼけた目標を立てているのかと。

 彼らはどう言うかというと、非常に簡単です。みんなにわかりやすいんです。一九〇〇年に、日本の人口は四千万だった。百年かけて三倍の一億二千万人になった、二〇〇〇年に。それから百年かけて、二一〇〇年にまたもとの四千万人に戻っていくんだ。これを粛々と受け入れて考えていかなければいけないと。

 私がこれを何で知っているかというと、二〇一五年秋、私にその勉強会へ講師で来てくれと言われたんです。なぜかというと、一九八五年に「農的小日本主義の勧め」という本を書いているんです。小日本、小さくなっていくんだ、大国主義はよくないと、そこに似たようなことを書いていたんです。

 学者の先生というのはしつこいんですよ。ちゃんと調べて、そんなことを書いている変なのがいた、それが何と国会議員になっている、では、話を聞いてやろう、聞いてやるから来いと言うんです。ちょっとそこは生意気なところなんです。お聞かせいただきたいじゃない。それで、行って議論してきました。

 私は、つくづく感心しました。遠く離れている、僕にもそれをちゃんと、その当時まだ大きい民主党でしたから、民主党の政策の根幹に据えていけといって、皆さんからわんわん言われてきたんです。いや、それはやめてください、政治家が縮小なんて言ったら、次の選挙、勝てるわけないじゃないですかと。何言っているんだ、国民をリードしていくのが政治家の役割だからちゃんとやれと言われてきましたけれどもね。

 縮小というのは大げさかとは思いますけれども、しかし、余りにも何かびほう策に過ぎるような気がいたします。

 厚生労働省がでかい声を出して、少子化担当大臣というのもいますけれども、もっと子育てしやすい社会に、子を育てたり、保育園に行ったりの前に、産みやすい社会というのも本当に考えてもらわなくちゃいけないと思うんですけれども、その点について何か検討されているんでしょうか。これは政務官。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 先ほどの答弁につきまして、四十七都道府県の中で待機児童が平成二十九年四月一日でゼロのところは、長野県を含め七県となっているところをまず御紹介いたします。

 少子化対策でございますが、全国どの地域でも子供を安心して産み育てることのできる環境整備が重要であると考えておりまして、待機児童の保育の受け皿整備及び保育人材の処遇改善、さらに質の担保、さらには、子供の遊び場が確保され、育児相談などできる地域子育て支援拠点における相談事業といった、地方の少子化に資する子育て支援の充実に努めておるところでございます。

 また、地方における少子化の大きな要因の一つといたしまして、若年層の流出があると考えております。そのため、雇用の創出に取り組む都道府県への支援を行う地域活性化雇用創造プロジェクト等により、新規創業、新分野への進出による地方の企業の事業の拡大など地域雇用機会の拡大を図る取り組み支援、また、Uターンの取り組み支援などを行っている、雇用創出や首都圏からの人材確保などに取り組んでおるところでございます。

 こうしたさまざまな施策を活用して、地方の少子化対策に取り組んでまいりたいと思います。

篠原(孝)委員 またこのせっかくつくった表の方に戻っていただきたいんですけれども、見ていただくとわかると思いますけれども、濃密関係者、委員長のところも含めて、一九四七年と比べて一八ですよ、五分の一に減っている。長野県や岡山県は二四、二九、四分の一ですよ。それに対して、東京、埼玉、千葉、神奈川、待機児童が大問題になっているところは七割とか六割なんですよ。下の方のところにばかり問題が行っている。

 ところが、これは合計特殊出生率のことを言っていませんけれども、東京などは一番そこがひどくて、一なんですね。一で、合計特殊出生率が低いにもかかわらず、若い人たちがいっぱいいるから七一にとどまっている。

 これは、現に困っている人たちがいるから、そのことをちゃんと手当てするのは政府の役割ですけれども、しかし、何よりも、上の方、あるいは濃密関係者のところもみんな上に所属する、同じようなものですよ。低い。一九四七年と比べて出生数が四分の一、五分の一になっているような県のところをどうするかということを考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。

 都会の手当てだけをするんだったら同じ手当てをしていただきたいという提案型のを言いますので、大臣にぜひやっていただきたいと思うんです。

 先ほど長谷川委員が、田舎のひとり暮らしのおばあちゃんの話をされていました。僕も真面目に山の中をてくてく歩いて支持者訪問をしております。だから選挙にちゃんと勝たせてもらっているんですけれどもね。それで、話をしてきますよ。そうしたら、アルプスが見える斜面のところにおばあちゃんがいたんです。土手が物すごくきれいな花畑になっていたんです。僕は褒めたんです。よくこんな手間が、まていで、ずくがある、長野用語でずくがあると言うんですけれども、よくずくがあるなと言ったら、そうだ、ちゃんと、孫が帰ってくるのを楽しみにして、孫が喜ぶからやってやっているんだと言うんです。

 だけれども、毎日アルプスを眺めて、こんなきれいな景色のところで暮らせていいじゃないかと言ったら、切り返されまして、篠原さん、景色だけじゃ食ってけにゃあさ、景色で食っていけない、食っていけるようにしてほしいと言いました。

 それで、たった一票ですけれども、話し相手も少ないから、僕は話し好きですから、聞くのも上手ですから、話したら、そのおばあさんの一番の目的は何かというと、子供は、育て方が悪かったかどうか、こんな山の中は嫌だといって全然帰る気はない、しかし、帰ってくる孫が、いいところだ、いいところだ、もっといたいと言っては夏休みには帰ってきている、だから、孫を期待して、孫が帰ってきてくれるんじゃないかとやっていると言います。僕、この心情、涙が出てきました。

 やりようはあるんじゃないかなと思うんですよね。おばあちゃんは元気ですし、孫の面倒ぐらい見ますよ。これは、ほかのところ全部はできませんけれども、おかげさまで長野県は北陸新幹線ができて、長野駅まで、一番速い「かがやき」で行くと一時間半で行けますよ。そうしたら、働かなくちゃならない。働かなくたって僕はいいような気がするんです、それを余り言うとお叱りを受けるのでやめますけれども。田舎の両親に子供の面倒を見ていてもらう、そして土日に帰っていく、その土日の帰る新幹線代ぐらいを援助するとか、そういう粋な計らいもあっても僕はいいんじゃないかと思います。

 おばあちゃん、子供の面倒見るのは嫌だとかいう人もおられるかもしれませんけれども、大概は、孫の顔を見たい、孫の世話をしたい、一人でぽつんといるよりはずっといいんだ、こういうことを考えていただければ、まあ、そういう事例もあるんですけれども、子供さんが、東京のごみごみした、勉強ばかりさせられるからなんて、そこまで聞いていませんけれども、あんなところは嫌だ、この田舎で、夏休みに行くわけですから、こっちの方がいいと言って、そして、介護の問題もあって、退職と同時に移住してきているような人もいるんです。

 そういうことを考えていただいて、そういうもののバックアップも私はしていただいてもいいんじゃないかと思う。

 フランスは、二重生活、デュアルライフという、パリにずっと住んでいる人は余りいないんです。週末に帰るんです。本当の住みかは、七分の二しか田舎に住んでいませんけれども、選挙権とかそういうのもそっちにある。これは加藤さんは御存じかどうか、政治家も田舎の村長や市長をやりながら国会議員をやっているんですね。地方に根を生やしているんです。だから、フランスの市民はウルグアイ・ラウンドや何かのときも農業をバックアップするようになるんです。地方に根をおろしているんです。

 だから、デュアルライフというのを、日本も交通網が整備されましたから、できるようになってきている。そういうのをバックアップして、地方に人が住めるように、子供が住めるように、それで、都会で保育所だ、保育所だ、そればかりわめかなくて済むようなことも考えていただいたらいいと思うんですが、これは、今の食事の提供の云々と比べて差し迫ったものじゃなくて、将来に向けてのことですけれども、お考えいただけませんでしょうか。

加藤国務大臣 お地元の実体験と選挙活動の秘訣も教えていただきながら聞かせていただいたのでありますけれども、確かに、この中にも入れていただいていますけれども、岡山、私のところは、どちらかといえば、岡山市でも倉敷の中心でもない、中山間地域が多いところでありますので、夏になるとおじいちゃん、おばあちゃんがお盆に帰ってくる孫の顔が見たいということで楽しみにしているんですが、ただ、孫が帰るとげっそり疲れて、もう疲れたという方も中にはおられるわけであります。

 しかし、他方で、そんな距離はないんですけれども、おばあちゃん、おじいちゃんのところで過ごしていきたいということで、そこから通っている子供さんも、正直言っているという実態もあるんだと思います。

 いずれにしても、そこは子供さんの、幾つぐらいの子供さんかにもよりますけれども、一定程度の大きさであれば、その子供さんの意思というものもあるんだろうというふうに思います。

 また、地方それぞれにおいて、今委員御指摘があったように、いろいろな取り組みがあってしかるべきですし、もちろん状況が全く違うわけでありますから、そういった意味では、それぞれの地域においてきめ細かい対応をしていく、まさにその基本が地方創生ということに私たちはあったというふうに認識をしておりますし、地方創生の中にも、この少子化対策、子育て支援というのは大変大きな柱であったというふうに思っております。

 そういった意味で、そういった地域地域の事情に応じて対応していただけるということが必要だと思いますし、ただ、都会においては今待機児童という喫緊の課題がありますから、これはこれとしてしっかり取り組まなきゃいけないと思います。

 また、デュアルライフ等々のお話もありました。これもやはり、そうした考え方も踏まえながら、広い意味での地方創生をどう進めていくのか、あるいは、人間の暮らし方、住み方をどう考えていくのかという意味においては一つの示唆だろうというふうには思います。

篠原(孝)委員 働き方改革、働き方改革と言われています。働き方改革の延長線上に住まい方改革があるんだろうと思います。

 都市部の皆さんにアンケート調査すると、老後はこの大都会じゃなくて地方の田舎で住みたいということで、まあ、近いからでしょうけれども、そのときにどこの県に住みたいかというと、長野県がいつも一位にランクされているんですよ。

 こういうのがあるんだから、何かインセンティブをつけると、そういうことが幾らでもできる。もちろん、移り住む人もあるんですが、それよりも、長野で生まれて育って、子供たちが都会に行っちゃっている、ちょっと来れば帰ってこられる、子育てぐらいしてやると。それは、たまに夏休みだけ行ってがんがんひっかき回されたら疲れますけれども、ずっと恒常的に、今それは小学生ので言われましたけれども、小さい子供云々というのは、子育てをしたでしょうから、なれておられると思いますよ。

 ちょっと、では、今大臣がおっしゃったので、僕のアメリカの留学時代の経験。

 何か四十四、五歳の若い美人のおばさんが大学院生に来られたんです。大学院なんて、社会人大学生というのはそんなに多くなかったので、何で来られたかといったら、子育てが終わったから来たといって、僕は自分の子育てが終わったから来たのかと思ったら、違うんです。

 親しくなっていろいろ話をしたんですけれども、高校を卒業してすぐ結婚して、子供ができて、そしてずっと働いてきた。それで、娘が結婚して、孫ができた。娘は働いているので、孫の子育てを頼まれて、ずっとそれをやっていた。孫の子育てをやって、小学校へ行くようになったから、大学院に来たというんです。へえ、そういう人生設計もあるのかというふうに感心しました。

 日本は、こんな狭い小さな国ですし、行ったり来たりできますし、僕は、これは本当に、デュアルライフを考えて、それを推奨するような形でやっていったらいいんじゃないかと思います。

 それで、ちょっと時間がなくなりましたので、そもそも論で言わせていただきますと、今、働くのが大前提になっていて、保育園、幼稚園に行くのが大前提になっている。僕は、大臣よりもちょっと上の世代ですけれども、団塊の世代ですよ。僕は保育園も幼稚園も行ったことがありません。僕の一つ下の弟が、公会堂で、季節保育園に行きました、田植えのときと、稲刈りのときだけ。うらやましくてしようがなくて、学校から帰っては公会堂に行って、弟のおやつをとってしまってえらく怒られたことがあります。なかったものでして。

 それで、保育園や幼稚園へ行かなくても、まあ、これだけ立派に育っているわけですからね、そんなにあれしなくてもいいと。だけれども、では、それはどうしてそうできたかというと、温かい地域社会があったからですよ。僕なんかは、隣のおばあちゃん、とっくに亡くなりましたけれども、感謝しなくちゃいけないと思う。

 畑へみんな、農家で、行ってしまう。柱に縛りつけられているわけです。わあわあ泣いていたからと、近所のばあさんが子守をしてくれるわけです。それで、来て、いない。いなくたって、何にも心配しないで、また畑へ行っちゃうんです。余りかわいそうで、泣いていたから一緒に子守をしてやった。そういう温かい地域社会があったわけですね。

 今、働き方改革で、女性も働かなくちゃならないと言っていますけれども、これはちょっと古い話ですけれども、皆さん、関心がありましたらぜひ読んでいただきたいと思います。古いので、今、こういうことを言ったり、本を読んだりしている人はいないのかもしれませんけれども、まあ、ちょっと左がかった学生たちが読んだ本で、イバン・イリッチというのがあるんです。

 「エネルギーと公正」という本は日本語にも訳されています。「シャドウ・ワーク」というのは、高木副大臣なんか聞かれたことがあると思う。女性の働きを、影法師労働というのをシャドーワークと。これも大事なんだ、つまり、子育てとか家事労働、これを評価しないで男女が分断されているということを、オーストリアの哲学者、アメリカでも活躍した人が言ったんですね。

 それから、みんな経済学者ばかりに、幅をきかせていると、この人たちに任せておくと、世の中狂っていっちゃうんじゃないかと僕は思いますね。人間を見て、文化人類学的な観点から、エマニュエル・トッドというフランスの人口学者がそうですけれどもね。

 そういうのでいうと、マービン・ハリスというアメリカの文化人類学者、学会の会長もやっているんですが、ただただ露骨なことを書くのでひんしゅくを買っていました。フェミニストたちからは特にひんしゅくを買いました。

 どういうことを言ったかというと、日本の今の姿がアメリカの昔を追っている形で、同じなんだろうと。彼はどういう指摘をしたのかというと、「アメリカ・ナウ」というのは「アメリカは、なぜ」というのでサイマル出版から一九八四年に出版されています。

 どういうことを書いたか。そのころ、日本がアメリカの一番敵対国になると言われていたときです、通商摩擦で。スーパー三〇一とか後から出てくる。ところが、アメリカががたついてきている理由は何だといったら、これを言うとみんなにわあっと怒られるかもしれません。私が言っているんじゃないですよ。この文化人類学者が言っているのは、アメリカの女性がお金を目指して外に働きに出たことがアメリカの混乱の原因だと言っている。ひび割れ社会のアメリカという。

 どうしてそう言ったかというと、これもまた、言うと失言になってしまうかもしれませんけれども、だめな男よりも立派な女性の方が立派に決まっている、そっちがやってよと。だから、失業率が高いのは、立派な女性が進出して、当然のことだと。

 それから、女性が働くことに熱心になり過ぎちゃって、子育てとか、この次なんです、地域社会の紐帯、地域社会のいろいろな慈善活動の中心になっているのをやめてしまった、だから、ぎすぎすして犯罪率も高くなってしまっていると。やはり、女性が家庭に戻れとは彼は言っていませんけれども、このことを考えないとアメリカはがたがたになっていくと。

 これは、今の日本の姿に引き写しなんじゃないかと思います。働くことばかりが能じゃない。もちろん、仕組みとしては、産休がちゃんととれるようになったりしています。だけれども、地域社会の紐帯、隣近所が何かを話している、そうすると、隣の子供も面倒見ておいてやる、いなくなったって全然心配しなくたっていいというような、そういう社会をちゃんと目指していかなくちゃいけないんじゃないかと僕は思います。

 余りにもいろいろな政策が経済、経済、かつ、都市部の利便性を追求するところに偏り過ぎているんじゃないかと思います。こういうところに歯どめをかけるのは、やはり厚生労働省とか農林水産省とか、そういう弱者の方に光を当てる役所しかないんじゃないかと思いますので、加藤大臣、頑張って職責を全うされることをお願いいたしまして、質問を終わります。

高鳥委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは私からも食事提供体制加算について、まずは質問させていただきます。

 十一月二十七日、第十五回障害福祉サービス等報酬改定検討チームの会合に、同加算の打ち切りが提案されました。関係者の驚きと怒りの声、ファクスが殺到しているのは、皆さんの部屋も私の部屋も同じであります。その中に、一言で施設の給食について表現している方がおりました。温かく栄養のある唯一の人間らしい食事。この一言に思いが本当に込められていると思いました。

 資料の一枚目に経緯があります。

 障害者自立支援法で日中活動系サービスや短期入所について食費を原則自己負担としたこと、施行後三年間の激変緩和措置として、左下にあるように、食材料費二百三十円は利用者負担とし、人件費相当分四百二十円を公費補填していたこと、平成二十七年の改定で四百二十円の中から三百円に公費補填が縮小されました。今回、最大で六千六百円と言われているのは、この三百円に二十二日掛けた場合の計算だと思われます。

 利用者が負担をさらにするのか、施設が赤字をかぶるのか。もう既に赤字であるわけですけれども。あるいは利用そのものを諦めるのかというつらい選択を迫られております。絶対にやめるべきです。

 まず確認したいのは、そもそも、平成二十一年、二〇〇九年の三月三十一日で激変緩和措置として終了するはずだったこの措置が、過去三回の報酬改定で延長されてきたのは、どういう理由だったでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 過去三回の報酬改定におきましては、社会保障審議会障害者部会の報告書や障害福祉サービス等報酬改定検討チームの改定の概要の記録を見ますと、当該加算の算定実態等を踏まえ、経過措置を延長してきたところであるというふうになっております。

 一方で、その後の平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書では、十八年度からの時限的措置であること、平成二十二年度から障害福祉サービスの低所得者の利用者負担が無料になっていることから、他制度とのバランスや公平性等を踏まえ、検討すべきとされておりまして、実態面だけではなく、制度のバランス等を踏まえた提言がされたというふうに受けとめているところでございます。

 いずれにしても、現在、報酬検討チームでさまざまな御意見をいただいているところでございまして、そうした御意見等も踏まえて、加算の経過措置のあり方については、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。

高橋(千)委員 十年間改定してこなかったのは、実態等を踏まえとお話がありました。この経過措置の中にも、団体からの要望等を踏まえというふうに書いているわけですよね。私は、そのことは変わっていないと思うんです、変わっていない。要望も、先ほど山井委員が紹介をされたように、ほとんどの団体が継続してほしいと要望をしているし、実態も変わっていない。なのに、バランスだとか、そういういわゆる財政的な理論でこれを議論しようとしている。これが、今、大問題ではないかと言いたいと思うんですね。

 資料の二枚目は、四割強が外部委託ではない、つまり、手づくりの給食を提供していることがわかる資料だと思っております。三枚目では、その算定をとっている割合を出しているわけなんですけれども、私、これを見て思ったのは、途中で、一定、公費負担が縮小されたと言いました。だけれども、二十七年三月、九月、二十八年九月と比較していくと、六四・六、六六・四、六七・六というふうに、とっている施設がふえているわけなんですよね。やはり、本当に苦労をしながら、事業所の皆さんが食事の大切さを考え、苦労して維持していることの証左だと思うんです。

 二枚目に戻って、刻み食の調査がありますよね。刻み食、流動食、とろみが必要など、障害の特性に応じて特別な体制をとっている、そういう意味もこの加算にあったのではないか。それは変わらないと思うし、評価をしなければならないと思いますが、もう一言、いかがですか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁申し上げましたとおり、これまで三回、算定の実態等を踏まえということですが、その後、社会保障審議会障害者部会の報告書でもいろいろな御指摘をいただいて、そういう違う角度からも含めて、多様な意見を今お伺いしているところでございます。

 そんな中で、委員が御指摘ありましたように、例えば、配慮が必要な、刻み食とか、あるいは、ほかにもアレルギーとかいろいろあると思いますけれども、そういう配慮が必要な方についてもどう考えるかというようなことも御意見としていただいておりますので、さまざま御意見をいただいておりますけれども、そういう御意見を踏まえて、今検討を進めているところでございます。引き続き、検討してまいりたいと思います。

高橋(千)委員 大臣に伺います。

 今、配慮ということがまず確認ができたと思うんですが、このような声がありました。二十七年間かかって、無認可施設から認可施設となって十三年、障害のある利用者のみんなで温かい食事を一緒に食べたいという願いが認可施設になってようやく実現できたのに、このままでは、また無認可時代に逆戻りしてしまいます。食事提供体制加算は、利用者の命にもかかわることです。法人の三事業所で食事提供体制加算がなくなると、年間八百万円の収入減で、法人が加算分を肩がわりすることもできません。こうやって、せっかく頑張って認可になったのに、また戻るのか、そういう声が出されているんです。

 命綱である加算、必死で支えてきた事業所の努力に応えるべきです。こういうときに、激変緩和だとか、時限措置だったからとか、あるいはバランスとかいうことは、やはり、障害のある方たちにとって、なじまないんじゃないですか。

加藤国務大臣 先ほどからこの委員会で答弁させていただき、今、部長からもお話をさせていただきましたけれども、そもそもが時限的な対応として出されてきて、そして今、経過措置ということで三年ごとに延長されているわけでありますけれども、それに対して、平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書、もう中身は言いませんけれども、さっき申し上げた点で、他制度とのバランスや公平性なども踏まえて検討すべきということに御指示をいただいているわけでありますから、今それを踏まえつつも、また関係団体からのお話も聞いて、予算編成の中で結論を出すべく今検討させていただいている、こういう状況であります。

高橋(千)委員 先ほど大臣、山井委員に対して、障害基礎年金の山井委員が示した資料を使って、年金の問題とかいろいろありますよねとおっしゃいました。この加算の問題で、やはり所得の保障が変わっていないのにという声も、あわせてあるわけなんですね。

 これは二〇〇六年の、郵政解散を経て強行採決された障害者自立支援法、その後も当事者の声はやまず、国会内外の運動となり、与党も一年で見直しを迫られた。その後、ねじれ国会、民主党政権へと政治を大きく動かした事案であったわけですよね。

 そのときに、与党が二〇〇七年の十二月七日に、与党障害者自立支援に関するプロジェクトチームとして、障害者自立支援法の抜本的見直しを発表しました。その中で、障害者の所得の確保に対して、「障害基礎年金の引上げや住宅手当の創設についても検討を行う。」と提案をしているんです。私、これを今でも鮮明に覚えています。障害年金の二級を一級並みの金額に、一級の金額はさらに引き上げるべきだ、こう提案をされたわけですよね。これは一回だけではなくて、二〇〇九年の二月十二日に抜本見直しの基本方針として同じく与党として提案をしておりますし、その間に、実は社保審でも同じような提案が出されているわけなんですね。

 そうすることで、やはりそこはセットで考えていかなくちゃいけない。これは大臣だって与党PTでやってきたわけですから、同じ立場だと思うんですが、今後も検討の課題だという立場でいらっしゃるでしょうか。

加藤国務大臣 障害のある方においてどうやって収入を確保していくのか、またそうした方々の負担への配慮、これは大変重要な課題だというふうに認識をしております。

 そのためにも、障害者が就労している事業所への発注促進や工賃向上など収入の確保策にも取り組んでいるところでありますし、また、障害者基礎年金を受給されている方に関しては、消費税率一〇%への引き上げを予定している平成三十一年十月から、年金生活者支援給付金が年金に上乗せして支給される。障害一級の方には年七万五千円、障害二級の方は約六万円、基礎年金額の約八%に相当する金額でありまして、既存の年金と相まって障害のある方の生活を支えることにつながっていくというふうに考えております。

 また、障害者自立支援法の抜本見直しの基本方針が提案された後の二〇一〇年、平成二十二年に、障害福祉サービス等の利用者負担については応能負担を原則とし、低所得者の利用者負担を無料化する、こうした取り組みを逐次進めてきているところでございます。

 御指摘があったその報告書等においては、社会保障制度全体の一般的見直しに関する議論との整合性や財源の確保を図った上で検討を行うということになっているところでございまして、住宅手当等の新たな手当の創設については、これは恒常的な支援を行うためには財源の確保が必要でありますので、その辺も含めて慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。

高橋(千)委員 今の大臣が幾つか提案されたものは、例えば支援給付金ですとかは、当初与党が言っていた水準には遠く及ばないわけですし、増税と引きかえに出されるものでありますから、社会保障との整合性といいながら、結局負担増をして、同じパイの中でやはり財源を動かしているだけの議論にしかならないと思う。もっとそれは踏み込んでいかなければならない。

 なぜかということを少し進めていきたいと思うんですが、資料の四枚目に、障害者権利条約推進議連で出された資料をつけておきました。

 権利条約は、平成十八年、二〇〇六年の十二月に第六十一回国連総会において採択されて、翌年九月に日本も署名をしています。ですが、国内法の整備を伴わない批准では、いわば絵に描いた餅になるわけで、団体の思いもあり、批准をしたのは、障害者基本法の改正や差別解消法成立などを待って、二〇一四年、平成二十六年の一月でありました。そして、ここにあるように、権利条約に基づき、昨年六月、第一回の政府報告書を提出しています。

 審査には数年かかる見込みと聞いておりますが、この報告書を読みました。第一部総論、条約上の権利の実現のための政策、戦略、国内の法的枠組みについて、冒頭、我が国の憲法は、基本的人権の尊重を重要な柱としており、憲法九十七条においては、基本的人権を、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであるとしていると明記し、あわせて、憲法十四条の法のもとの平等を引いて述べております。

 大変崇高な文章だと思いますけれども、この趣旨を簡潔に述べてください。外務省にお願いします。

大鷹政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、我が国は、二〇一四年一月に障害者権利条約を批准しまして、同年二月には同条約は我が国について発効しました。その後、二〇一六年六月には、同条約の実施状況に係る政府報告を国連障害者権利委員会に提出させていただきましたところでございます。

 この政府報告におきましては、我が国憲法は、基本的人権の尊重を重要な柱としており、憲法第九十七条においては、基本的人権を、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであるとし、また、憲法第十四条におきましては、全て国民が法のもとに平等であって差別されないことが記されている、障害者についても、その基本的人権は憲法のもとで保障されている旨、述べさせていただいています。

高橋(千)委員 憲法のもとで保障されている、私は、あえてこれを書いたのはすばらしいことだと思うんです。だけれども、書いただけで、理念を持っているから、実際がどうなっているかということにはならないわけですよね。だからこそ、これが本当に生きる施策が必要だと思うわけですが、第二十八条に、相当な生活水準及び社会的な保障というのがあるわけです。

 これに対して、障害者基本法十五条、二十四条を引いて報告をしております。その趣旨を簡潔に述べていただきたいのと、何をもって実効ある施策としているのか、内閣府に伺います。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者基本法は、障害の有無によって分け隔てられることなく、共生する社会を実現するために、我が国における障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めており、障害者権利条約の趣旨も踏まえた改正が平成二十三年に行われたところでございます。このため、今回の政府報告では、障害者基本法の該当条文を引用しつつ、同法が掲げる施策について記述しているところでございます。

 共生社会を実現するためには、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策が障害者基本法の趣旨に沿って総合的かつ計画的に推進されることが求められると考えておるところでございます。

高橋(千)委員 ここは言い切りにしたいと思います。

 せっかく権利条約を批准して、基本法にも理念を書いて、だけれども、実際に障害者が社会参加に踏み出したと思ったら、工賃よりも食費の負担の方が高くて通えなくなった、親も仕事を続けられなくなった、こういう事態をやはりつくってはいけないし、これはもう全然矛盾していると思うんです。

 改めて、大臣には、あした取りまとめが出されるようですが、ぜひこれは、もう今回は加算の打ち切りをやめる、つまり、継続するということを決断していただきたい。重ねて指摘をしておきたいと思います。

 次に、どうしても続けたいことがありまして、難病対策について質問いたします。

 権利条約にも照らして関係があることだと思いますけれども、二〇一四年五月に初めて難病法が成立し、翌年の一月一日から施行されております。指定難病は、三百三十疾患まで拡大をされました。

 ただ、拡大と引きかえに、重症度分類によって、軽症者は助成対象から外されることが懸念をされていたわけです。ただ、その旧疾患、特定疾患については、経過措置として、ことしの、今の十二月三十一日まで維持されてきたわけです。

 それで、資料の五枚目を見てください。

 「平成二十九年十二月三十一日で経過措置が終了します」、たった今のことであります。ただし、下に小さく書いておりますが、診断基準及び重症度分類を満たす人でなければ助成は引き続き続けられない、だけれども、医療費総額が三万三千三百三十円を超える人が、年三回以上、高ければ、軽症高額と呼ぶそうですけれども、引き続き対象となるそうです。

 実は、この問題は、夏に宮城県の難病団体から要望を受けた我が党の県議が県に調べていただいたんですね。指定難病の医療費助成の傾向を見ると、重症度分類を満たさない人、そのうち、この軽症高額にも該当しない人、こう見ていくと、昨年度の二千四百九十七人の新規申請者のうち、非該当が約一割の二百二十人、その前年で見ても約一割なんです。そうすると、経過措置を受けている人は一万四千人もいて、一割というと千四百人くらい非該当になってしまうんだろうか、これは大変なことだと思うわけです。

 全国で見ると、旧制度の対象となっていた五十六疾患は、二〇一四年度で九十二万五千四百四十六人も登録されております。どの程度の方が、この経過措置により医療費助成がなくなることになるんでしょうか。これは大変なことだと思いますが。

福田政府参考人 お答えいたします。

 難病については、難病に対する社会の理解も深めつつ、難病患者の方々が、長期にわたり、病気を持ちながらも安心して暮らせるよう、難病の特性に応じて総合的な対策を進めることが重要であり、平成二十六年に制定された難病法に基づき、必要な施策を推進しているところでございます。

 難病患者に対する医療費の助成につきましては、難病法の制定に際し、他の医療費助成制度との均衡などを図る観点から、対象については、症状が一定程度以上の方とし、軽症で医療需要が少ないと認められる患者は含めないこと、自己負担上限額につきましては、障害者の医療費助成制度、更生医療を考慮して見直すこととされたものでございます。

 一方で、これまで予算事業により医療費助成の対象となっていた患者さんにつきましては、医療費負担が急激にふえることがないよう配慮が必要なため、先ほど御指摘がありましたように、激変緩和措置として、法施行から三年間に限り、症状の程度にかかわらず医療費助成の対象とすること、医療費負担上限額を原則の水準よりも低く設定すること等の措置を講じてきたところでございます。

 本経過措置は三年間とされたことから、本年十二月末に終了することになり、難病法が原則どおり適用されることになることに伴いまして、軽症であり、かつ、医療費が一定水準を満たない方については、医療費助成の対象から外れることになります。

 お尋ねの、医療費助成の対象から外れる方につきましては、現在、先ほど御指摘もございました、各都道府県におきまして医療費助成の支給認定の更新作業を行っているところでございまして、正確な数字をお示しすることは現時点では困難ではございますけれども、対象となる方が経過措置について知らないということがないよう、現在、丁寧に周知を努めているところでございます。

 以上でございます。

高橋(千)委員 結局、つかんでいないのに、長々と前段で説明しないでください、時間がないんですから。

 難病患者の中には、薬を使うことで見かけ上は症状が抑えられ、健常な方と同様に働き、生活している方たちがいます。やはり大事なのは、早期発見により悪化を防ぎ、疾患特有の治療を無理なく継続することではないでしょうか。

 JPA、日本難病・疾病団体協議会は、治療費が安いと難病じゃないのかと疑問を投げかけ、経過措置の延長と難病患者登録制度により、軽症者も制度とつながっていることの重要性を指摘しております。

 改めて大臣に、経過措置をやめるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 制度については、今御説明いたしましたので省略をさせていただきますけれども、この経過措置は、当初から他の指定難病の患者との公平性も踏まえて三年の経過措置とされていること、そして実際に平成二十七年十月から、新たな方に関しては今回の原則が適用されているわけでありまして、そういったことを踏まえて、この十二月末に当初の予定どおり終了することにしております。

 経過措置の対象になっている症状が軽症の方であっても、医療費が一定水準以上の方については、先ほどお話し申し上げたように、引き続き医療費助成の対象となるわけであります。そのため、都道府県とも連携し、現在、こうした軽症かつ高額な医療費がかかっている方に対しては、その周知徹底を図っているところでございます。

 いずれにしても、難病患者の皆さんが真に必要な支援が図れていけるように、今後とも取り組みを進めていきたいと思っております。

高橋(千)委員 やめるべきでないと思うがどうかに対しては、そのお答えは、そうではないという趣旨だったと思うんですね。

 重ねて伺いますが、JPAの要望もあって、医療費助成の対象から外れたものの、指定難病であることの証明を発行して、障害福祉サービスにつなげたい趣旨の通知を出したと聞いています。このこと自体は歓迎をしたいと思うんです。それを改めて確認したい。

 福祉にうまくつながっていくんだろうかということが一つと、既に自分はもう外されていると諦めている人もいるんです。それはなぜかというと、軽症だし、月々の治療費はどう考えても三万三千円に行かないということで諦めているんだけれども、とはいえ、五千円から一万円もする高額な診断書料も負担できないから、そもそも諦めている上に、診断料も払えないから、もう出さない。出さないと、その登録証ももらえないわけですよね。こういうことだけはあってはならないと思うんです。その点について、いかがでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の今般の通知についてでございますが、指定難病に罹患しているものの軽症であり、かつ、医療費が一定以下の水準であるため、医療費助成の対象とならないが、障害福祉サービス等の利用申請時に改めて診断書を取得する必要がなく、指定難病に罹患していることを証明できるように、必要な対応を行ったものでございます。

 今回の対応につきましては、今後申請される患者の方はもちろんのこと、過去に申請し、指定難病と認められなかった方についても、都道府県に申し出を行えば、指定難病であることの証明を行えるよう都道府県に依頼をしており、申請をいただければ、どのような方に対しても対応可能であると考えているところでございます。

高橋(千)委員 前の人も新規の人もとおっしゃいました。これは徹底していただきたいと思うんです。もう諦めている人がいるわけですから、まだ間に合うんだということを重ねて指摘したいと思うんですね。

 それから、診断書料についても、一定、団体からも要望も出ておりますし、何とか検討していただけますでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの診断書料についてでございますが、指定難病の医療費助成の支給認定の申請に際しましては、難病法上、指定難病に罹患しているか、その病状の程度が一定程度以上であるかを審査するために、医師が記載した、これは臨床調査個人票と申しますが、これを提出していただく必要がございます。

 この臨床調査個人票は、申請時に必要とされる書類でありまして、通常の診断書よりもより詳細なものでございますけれども、これにつきましては、他の必要書類と同様に、原則として申請者御本人の負担で御用意いただくものと考えておるところであり、御理解いただきたいと思っております。

高橋(千)委員 御理解じゃなくて、検討してほしいと言っているわけですよね。

 これはやはり現場の声を聞いて、少なくともそれで諦めることがあってはならないわけですから、そのことはぜひ発信をしていただきたいんです。今負担しても次につながるということと、そして、そのことによって、またサービスが受けられるかもしれないということをつないでいきたいという趣旨で質問しておりますので、重ねてお願いしたいと思うんですね。

 それで、資料の六枚目にあるように、障害者総合支援法に難病が入ったことによって、利用はふえております。ふえておりますけれども、まだまだこれでよしとはできないし、私自身は、指定難病の対象にもならない方もぜひ救っていただけるように対応していただきたいなということを思っています。

 時間の関係で、そこは要望にして、次の質問をしたいと思います。

 大臣に伺います。

 専門医がいないため、病気が理解されず、たらい回しにされたり、心ない言葉に傷つく患者も多いです。相談の窓口が確立していれば、自治体や福祉の支援など、受けられる制度を知らせてもらったり、専門医へつないでもらうなど、患者の負担も減ると考えます。難病の医療提供体制についてどのように整えていくのか、大臣の決意をお願いします。

加藤国務大臣 実際、難病の方も、その症状があるわけでありますけれども、一体それがどういう病気に基づくものなのか、本当にこれはなかなかわからなくて、何軒も何軒もお医者さんに、中には地方の方が東京まで出てきてと、本当に御苦労があることをよく承知をしております。

 そういった意味で、難病患者の方々が、長期にわたって病気を抱えながら安心して暮らしていくためには、早期に正しい判断ができるということ、そして、診断後はなるべく身近な医療機関で適正な医療を受けることができる体制を整備するということが大事だと思っております。

 このため、今、各都道府県に設置している難病相談支援センターにおいて患者の方などからの御相談に丁寧に応じているところでもありますが、これに加えて、現在、各都道府県において、新たに難病診療拠点病院を中心とした医療機関等の連携体制の構築に向けて検討を進めておりまして、平成三十年度からは実施に向かっていきたいと思っております。

 また、厚生労働省においても、難病の医療提供体制を構築するため、今、概算要求、三十年度をしておりますが、その中において、都道府県における難病医療提供体制が円滑に推進するような体制整備に係る経費、あるいは、都道府県内で対応が困難な難病の診療を支援するため、国において難病医療支援ネットワークを整備するための経費などを要求しているところであります。

 今後とも、こうした医療提供体制の構築を初めとした取り組みを通じて、難病患者の皆さん方が安心して、また治療にも当たっていただけるように取り組んでいきたいと思っております。

高橋(千)委員 ぜひ、たらい回しされたり傷つくことがないように、ネットワークでしっかり支えていただきたいと思います。

 終わります。

高鳥委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 何人かの委員の方から御指摘があります食事提供体制加算について、私もこれは大変重要な問題だと思いますので、きょうは、少なくとも前半はこのテーマを取り扱わせていただきたいと思います。

 若干私も勉強不足ですので、きのうは山井先生に御連絡しまして、きのうの十六時五十五分に山井先生にメッセージを送ったんです、携帯に。通告はもう終わっていたんですけれども、幾つかちょっと不明な点があったので、食事提供加算について教えていただきたいことがあります、お電話差し上げてよろしいでしょうかと送りましたら、電話をいただきました。同じ十六時五十五分です。もう数秒で電話がかかってきましてね。ふだんは、ほかでいろいろお願いしたり、御相談したりすることをいっぱいやっているんです。大体一週間ぐらい無視されるんですが、この食事提供加算の問題については数秒で、同じ十六時五十五分に返信をいただきまして、いかに、山井先生初め、高橋先生もそうですが、重要だということで御認識されているかということを示して余りある話であります。

 私も、結論から申し上げれば、厚生労働委員の一人として、今回はこれを延長すべきだという考えです。それはもうほとんど意見は違いますけれども、この件については山井先生と意見が一緒だなと。

 ちょっと大きな話からすると、ちょっと通告から外れちゃうかもしれませんが、きょう山井先生がお配りになったこういう資料があります、私は配っていませんが。結局、障害年金とか、生活保護の扶助費もそうかもしれませんが、例えば障害年金もふえていないですね。ふえていないです。むしろ下がっています。だから、障害を持たれている方が生活の基礎とされるそのお金が目減りをしていく中で今回の六千円のアップというのは、それは大変な方にとっては大変なことになるという山井先生の御指摘、私もごもっともだと思いますね。大臣、ちょっと通告じゃないかもしれませんが、もう雑駁な議論、雑駁というか大きな議論だから、もしコメントをいただければと思うんですが。

 一方で、きのう本会議がありました。きのう本会議で給与法を衆議院で可決しました。問題なのは、山井さんたちも賛成しているんですね。維新だけですよ。きのう、結局、給与法、公務員の給料はどんどん上がっているんですよ。公務員の給料はどんどん上がっている。今、この国会、七百人以上いる国会議員の中で、この公務員の給与アップに反対しているのは維新の会だけです。山井さんは格好いいことを言っていますが、給与法には賛成しているんですよ。おかしくないですか、山井さん。

 だから、私はやはりおかしいと思いますね。政治家とか公務員の給料はどんどんアップしていく。障害を持たれている方の入りは目減りをしていく中で、こういう措置はどんどん剥がされていく。私はやはり、これはむちゃだと。むちゃというか、政治家としておかしいと。

 私は、給与法にも反対すべきだったと思うし、むしろ、こういう障害年金とか、障害を持たれている方の生活を支える部分が、例えば物価がちょっと上がっているような議論もありますから、山井先生のこの資料では、消費者物価がちょっと、上がるというよりは横ばいなのかな。大臣、そういう大きな、この問題に取り組むスタンスとしてちょっとやはり、与党も野党もです、私は不誠実だと思いますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

加藤国務大臣 この山井委員の提出した障害基礎年金、これはむしろ少し下がっているところがあるという話を先ほど申し上げたわけでありますが、これは、いわゆるマイナスの物価スライドを行わなかった、特例的な措置としていたものを解消したことによって下がったということで、基本的に、障害基礎年金も一般の年金も物価や賃金に応じてスライドしている、こういうことであります。

 その中で、今の、きのうの給与法の改正については、これは一般の民間の方々の給与の動向を踏まえて対応するということになっているわけでありますから、また、ちょっと正確な言い方ではありませんけれども、公務員の場合には、争議、労働三権に関して制約もある、それの代替措置として人事院勧告があって、それを遵守してきた、こういう流れの中での議論だというふうに認識をしております。

 それと、今私どもさせていただいているのは、障害者に関しては、もちろん、就労支援とかさまざまな取り組みを当然していく必要はありますけれども、ただ、過去の障害者の審議会の部会でも御指摘がありましたように、ほかとのサービスのバランス上どうなっているのか、こういった指摘もあったわけでありまして、それを踏まえて今議論をさせていただいている、こういうことであります。

足立委員 先ほどからバランス論について批判をされる野党の方は多いと思いますが、私はバランス論は大事だと思いますよ。だって、通所じゃなくて在宅の方、これは食事負担しているわけですから、在宅と通所のバランス、それは当然あって、在宅の方に不満が出ないようにする、それは、私は政府として当たり前の措置だと思います。

 繰り返しになりますが、公務員は、あるいは政治家は、私は、障害を持たれている方に寄り添うべきだと思いますよ。寄り添い、寄り添うとかさっき紹介があって、美しい言葉がいろいろありますが、自分たちだけ給与を上げておいて、いや、それは民間に合わせているんだと。でも、民間の大事業所ばかりですよ。五十人以上の事業所に合わせているんですよ。五十人以上の方が働いている事業所、大企業ですよ、まあ大企業だけじゃないけれども。そこに合わせて人勧がなされ、それに従って公務員はどんどん上がっていく。政治家もどんどん上がっていく。政治家は東日本大震災に伴い二割削減した給与をすぐ戻しちゃいました。

 僕は、与党はしょせん与党だから仕方ないけれども、野党も欺瞞だと思いますね。きのうの本会議で全員、ここに座っている私以外の野党全員、国家公務員給与アップに賛成しているんですよ。それで、山井さんが格好つけて、いや、私は障害者の味方だと。僕は、山井さんがそういうところを直せば、将来合流することも検討してあげてもいいかな、こう思うわけですが、ちょっと冗談はやめておきましょうか。

 それで、そもそも私はこの食事提供体制加算について、私はだから山井さんとは意見が違います。何が違うかというと、そもそも、私は今回延長すべきだと思いますよ、思うけれども、そもそも論をちょっとやっておきたいんですが、そもそもこの食事提供体制の加算、この部分というのは、本当は、さっきの在宅の方とのバランスということもありましたが、例えば障害年金、あるいは生活保護の扶助費、あるいは工賃、そういうもので賄われるべきものではないんですか、もともとは。

    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 食事提供体制加算につきましては、障害者等への通所系サービスの食事の提供に係る人件費相当分として、事業所に対して報酬上の加算を行っているものでございます。

 一方、生活保護受給者に対しては、生活扶助として、食費等や光熱水費等の日常生活に必要な最低限度の費用が支給されており、そのやりくりの中で日々の食費を賄うことが求められるものでございます。この中から社会常識の範囲内で外食をしたり、あるいは、障害者福祉の通所サービス事業所で提供される食事の料金を支払うことも可能であると思います。

 また、障害基礎年金の対象者に対しては、年金が支給されているところです。

 このように、食事提供体制加算が食事の提供に係る人件費分として給付されているのに対して、生活扶助や障害基礎年金では食費が明示的に区分されて支給されているものではございません。このため、対象者に対してそれぞれの給付が行われていることは事実ですけれども、これらの関係性を一概に申し上げることはちょっと困難だというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 宮嵜部長ですか。もうちょっと元気に答弁してくださいね。

 今おっしゃったように、事業所に提供されている加算分だから、端的に言うと、転嫁されるかどうかはまた事業所次第だと思いますね。ただ、きょうの野党の質問は、転嫁されるとか、あるいは事業所が潰れるとか、そういう議論だったと思いますが。

 私は、食事提供体制加算を少なくとも今までやってきたわけだから、それをもし廃止するのであれば、利用者の、先ほど申し上げた障害年金とかそういうものがある程度それをカバーできるようなものになる、あるいは工賃がしっかりと上がる、そういうことがやはり条件になってしかるべきだと思うし、事業所についても、やはりしっかり経営改善して。当たり前ですよね。私は、正直言って、これは政府も怠慢だが、事業所ももうちょっと頑張ってほしいと思いますね。いや、そんな酷なことを言うなと言われるかもしれませんが。

 そもそも、野党も、山井さんも賛成をされている総合支援法、自立支援法から総合支援法、改めて私も頭を整理してきましたが、自立支援法から総合支援法に改正した趣旨というか、一番のポイントは何でしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十八年四月に施行されました障害者自立支援法では、身体障害、知的障害、精神障害の制度の格差を解消すること、障害種別ごとに分かれた施設、事業体系を再編すること、国の費用負担の責任を強化することなどの改革が行われました。

 しかし、この法律におきまして、当初、障害福祉サービス等の利用者負担が原則一割の定率負担とされていたこと等から、当事者などからさまざまな御意見が寄せられたところでございます。

 こうした声も踏まえて、民主党政権への交代も挟んで、当時の与野党の方々からの御意見もいただきながら、障害者自立支援法の一部を改正したところでございます。

 これにより、障害のある方の地域生活を支援するために、利用者負担については応能負担を原則とすること、相談支援を強化することなどの取り組みがまず実施されたところでございます。

足立委員 部長に聞いたのが間違いでしたが、一言で言うと、応益から応能ということだと思います。

 応能負担ということは、利用者の支払い能力に応じて負担していただくということです。この支払い能力というのは、障害を持たれている方の支払い能力というのは、基本的には固定されているものなんですか、それは上がっていくべきものなんですか。わかりますか、大臣。

加藤国務大臣 それぞれいろいろな方がおられますので、一概に議論するというのは難しいんだろうと思います。先ほど申し上げたように、年金を受けておられる方、あるいは生活保護を受けておられる方、あるいは別途工賃を持っておられる方、またさらに、ほかにも収入が別途ある方もいらっしゃると思います。

 ただ、私ども、大事なことは、障害者の方が就労ができるという状況であり、また、就労したいという思いがあれば、みずからの就労によってより高い収入が得られるようにしていく、このことは、障害者御自身の生活の安定、あるいは、そうして働いていかれるということは障害者の御家族の安心にもつながると思いますし、また、自己実現という観点からも、私どもは大変有意義であると考えておりますし、また、そういったことをしっかり推進していきたい、こう思っております。

足立委員 もう本当に、今、ありがとうございます。

 大臣がおっしゃったのは大事なポイントだと思っていましてね。障害を持たれている方が持っておられる能力、私は、その障害を持っておられる方々の能力は、今の日本社会で十全に発揮されていると思っていません。皆さんがどう思っていらっしゃるかわかりませんが、やはりしっかりと、障害を持たれている方々の能力が十分に社会の中で発揮される、それで、より高い収入を利用者の方が得られる、そうすることが本来目指すべき社会であると私は思っていますよ。

 そうであれば、大事なことは、利用者の方も大事だけれども、事業所が大事なんですね。事業者が大事なんです。

 いろいろな作業所とかそういうところで仕事をとってくる。安い仕事しかとれない事業所の方はかわいそうですよ。だから、より高い収入が得られるような仕事を集めてきて、仕事をとってくる。これは、障害を持たれている方の事業所ではない事業所でも同じですよ。そうやって競争するわけです。

 私、前回のここで競争と言うと、みんなちんぷんかんぷんだったので、私一人で浮いちゃいましたが、私が競争と言っているのは、こういう福祉サービス分野で活動されているさまざまな事業所、やはり不適切な事業所もあります。障害者の方が持たれている能力を十全に発揮させてあげられていない事業所もあります。そういうところには、場合によっては、まあ私は淘汰という言葉を使いますが、福祉分野では余り使っちゃいけない言葉のようでありますが、少なくとも総合支援法が目指している世界というのはそういうことがやはりあると思うんですね。むしろ、そういう事業所にかわって、よりよい、より適切性の高い、より適正性の高い事業所がふえていく、そのことによって、障害を持たれている方がより十全にその能力を発揮し、より高い工賃等を、収入を得ていく、その中でこの食事提供体制加算が解消されていく、これが私は当たり前の姿だと思います。

 私は、競争と言います、それを。普通は、そういうことを競争と言うんです。福祉の分野にもそういう競争が私は必要だと思いますが、その認識はいかがですか。

加藤国務大臣 例えば、就労継続支援B型事業所等々で働く方々の工賃の向上、これはしっかり図っていかなきゃいけない。先ほど申し上げたとおりであります。それを競争と言うのか、インセンティブと言うのか、またいろいろ言い方があるんだろうと思いますが。

 例えば、就労継続支援B型で働く方の平均工賃については、一カ月当たり三千円を下回ってはならないことを最低基準として定めておりますが、制度創設時の平成十八年度一万二千二百二十二円から、平成二十七年度は一万五千三十三円へと、約三千円弱上がってきているわけであります。

 したがって、そういった意味でも、工賃がさらに向上していくように、経営改善や商品開発等に関する事業所への支援、また、平成三十年度の報酬改定に向けて、高い工賃を実現している事業所の報酬を引き上げるという形で、事業所の工賃向上の取り組みを適切に評価する、こういった方策も検討させていただいているところであります。

足立委員 ありがとうございます。

 そうしたことを考えるときに、私、現場で話を聞くと、やはりキャップがかかっていて困っているというキャップがあるんですね。その一つは、生活保護の基礎控除です。生活保護の基礎控除一万五千円、これがキャップになっていて、これを三万円ぐらいにしてほしいという事業所もあります。検討いただけないですか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護につきましては、就労へのインセンティブを促進するという観点から、原則として、就労収入があった場合には収入として認定をして保護費が減額される取り扱いとなっているところを、就労収入に応じて一部を収入認定せずに手元に残るという、御指摘の勤労控除、基礎控除という仕組みを設けているところでございます。

 この基礎控除のうち、まず、全額を控除するという額については、平成六年度以来八千円でございましたところを、二十五年八月に一万五千円に増額したということをしております。また同時に、全額控除する額以外の部分についても、増収するほどに控除率が、以前は低下をするという仕組みでしたが、同じく二十五年八月に一律一〇%の控除率となるというように見直しをしているところでございます。

 今御提案のありました、この控除額のさらなる引き上げということについては、この見直しの効果というのも見きわめつつ考える必要があると思っておりますが、いずれにしても、就労意欲の増進、大変重要でございますので、今、生活保護制度の見直しをしている中で、就労意欲、インセンティブを持てるような支援策を検討してまいりたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 私は、もうこれは提言ですけれども、障害を持たれている方は別建てで控除の枠を広げたらいいと思いますよ、控除の枠を。それぐらいして、障害を持たれている方の事業環境というか、仕事をされる環境というかそういうものを、やはり枠をしっかりとっていく、これが、実際に、障害を持たれている方の働く場というかの、さっきあったレベルじゃないけれども、収入をふやしていく。それは、生活保護ではなくて、自分の働きで手に入れる収入をふやしていく、それは私は考えていただきたい、こう思っていますが、ぜひまた議論、討論を続けさせていただきたいと思います。

 残る若干の時間、五分程度かと思いますが、ちょっと外国人の話をしたいと思います。

 グローバル化が進む中で、国内の制度、社会保障制度というのは基本的にはドメスティックな議論でやってきたと思いますが、外国の方との接続の問題が、いろいろな協定ももちろんありますが、課題になってきていると私は思っています。

 例えば、中国の方が、中国では医療保険が全く完備をされていません、でもお金持ちであります、そういう人が日本に来て、日本で若干の仕事をして、三カ月ほど日本にいれば、日本で大変高度な医療が低額で受けることができる、そういう制度、要すれば、非常に甘い制度に私はなっていると思っています。要すれば、大金持ちなんだけれども、日本の収入で判断されるために、極めて低い負担で大変高い給付を受けている外国人の方がいるんじゃないかという指摘が最近ふえていますが、どう認識されていますでしょうか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘いただきましたのは、外国人の方の、主に国民健康保険の適用ということになろうかと思います。

 国民健康保険の外国人の方の適用は、いわゆる三カ月を超える在留期間を有します中長期の在留者の方々には、これは住民基本台帳の適用も受けますので、国民健康保険の適用をする、保険料もいただいて給付も行うということでございます。

 先生から今お示しいただいた問題意識で申しますと、例えば、医療を目的といたして入国しました、医療滞在ビザ、こういうものを取得している外国人は、先生御指摘のとおり、納付する保険料に比べて保険給付が高額となるといったことはもう明らかでございますので、国民健康保険の適用除外といたしております。

 もちろん、不法な在留資格を得て滞在するような者は、入管と連携をしてきちんと、そもそも国民健康保険は適用しないということもやっておりますので、今後とも、適正なそういった制度の運用に努めてまいりたいというふうに考えております。

足立委員 私の指摘は、要は、三カ月で私がさっき言ったようなことが享受できる、これは事実だと思いますので、さっき適用除外しているとおっしゃいましたけれども、それは医療ツーリズムのケースであって、いわゆる三カ月以上日本で勤務をすれば医療保険の適用はありますね。

鈴木政府参考人 これは、いわゆる被用者保険と国民健康保険と分けて考える必要があると思います。

 被用者保険は、御案内のように、国籍を問わず、日本国内の適用事業所にしっかり雇用関係があって適用される場合は、これはしっかりした給料をいただいていますので、健康保険の適用になるということでございます。そういった場合には、基本的には先生御指摘のような問題はないと思っております。

 先ほど、国民健康保険で私が三カ月を超える在留資格と申しましたのは、在留資格そもそもが、御案内のように入管法でしっかり規制をされております。そういった入管法の規制をきちんとクリアした上で、三カ月以上、中長期の滞在をする資格がある方々、この方々は、基本的にはそういった医療を目的としたような方々は排除されると考えておりますので、そういった問題は起きないのではないかということを御説明申し上げたまででございます。

足立委員 ちょっと時間がないので、またこの議論は続けたいと思います。

 最後に、今申し上げたのは医療保険の話です。その他、例えば生活保護、外国人に係る生活保護の問題というのは、この委員会室でも何度も議論されておりますので、ここで改めて詳細は繰り返しませんが、例えば、きょうも、障害を持たれている方について財務省が削れと言ってきている、それに対してぎりぎりの攻防が今繰り広げられているわけですね。そういう日本国民の、まさに我々政治家が寄り添うべき障害を持たれている方について、年間九十六億の攻防を何人もの議員が走り回って今やっている。でも一方で、例えば外国人の生活保護、これはどれぐらいの規模ですか、予算。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護制度について適用対象となる外国人については、適法に日本に滞在をして、活動に制限を受けない永住、定住などの在留資格を持つ方、こうした方々については、人道上の観点から、生活保護に準じて保護を行っているということでございます。

 この費用をということでございますが、生活保護については、衣食など個人ごとに必要な費用だけではなくて、光熱費とか住宅費など世帯ごとに必要な費用もあるということで、世帯単位で生活保護の決定を行っているわけでございますけれども、世帯の中には、日本人と外国人と一緒に構成するという世帯もあることから、外国人だけの保護費ということを把握するということはなかなか難しいことでございます。世帯主が外国籍となっている世帯の人員数は把握していますが、世帯ごとに支給されている保護費について、外国人の費用を区別して把握するということは困難でございます。

 なお、世帯主が外国人である世帯に対する保護費、これは世帯員が日本人である場合も含むということでございますが、医療・介護扶助を除く給付額については、年間約六百億円程度であると推計をいたしております。

足立委員 医療・介護扶助を除くかな、除いて六百億ですよ。

 別に私は、これはまた議論したらいいと思うんだけれども、結局今の政府は、野党もそうですよ、公務員と政治家の給料はどんどん上げていく。そして、こういういわゆる水際のところ、水際といわないかな、外国人の問題についてはほとんど議論していません。議論しても、余り議論が進みません。その中で、与党と野党が必死になって、九十六億かな、障害を持たれている方の厳しい懐の状況の中で、こういう措置、食事提供体制加算については財務省に押されて削減する、廃止するということでは、とても私は政治の責任を果たしているとは言えない、こう指摘を申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございます。

高鳥委員長 次回は、来る八日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十三分散会


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