衆議院

メインへスキップ



第19号 令和3年5月14日(金曜日)

会議録本文へ
令和三年五月十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 とかしきなおみ君

   理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君

   理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君

   理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君

   理事 長妻  昭君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    安藤 高夫君

      上杉謙太郎君    上野 宏史君

      大串 正樹君    大隈 和英君

      神田  裕君    木村 次郎君

      木村 哲也君    木村 弥生君

      国光あやの君    小島 敏文君

      後藤 茂之君    後藤田正純君

      高村 正大君    塩崎 恭久君

      繁本  護君    武井 俊輔君

      中曽根康隆君    百武 公親君

      村井 英樹君    山田 美樹君

      渡辺 孝一君    池田 真紀君

      尾辻かな子君    大島  敦君

      川内 博史君    白石 洋一君

      津村 啓介君    西村智奈美君

      山井 和則君    早稲田夕季君

      桝屋 敬悟君    宮本  徹君

      青山 雅幸君    高井 崇志君

    …………………………………

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   内閣府副大臣       丹羽 秀樹君

   厚生労働副大臣     三原じゅん子君

   厚生労働副大臣

   兼内閣府副大臣      山本 博司君

   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君

   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君

   政府参考人

   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       竹内  努君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           橋本 泰宏君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 岩元 達弘君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十四日

 辞任         補欠選任

  高村 正大君     中曽根康隆君

  佐藤 明男君     上杉謙太郎君

  山川百合子君     池田 真紀君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     神田  裕君

  中曽根康隆君     高村 正大君

  池田 真紀君     山川百合子君

同日

 辞任         補欠選任

  神田  裕君     佐藤 明男君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

とかしき委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官十時憲司君、法務省大臣官房政策立案総括審議官竹内努君、財務省主計局次長宇波弘貴君、厚生労働省健康局長正林督章君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長橋本泰宏君、老健局長土生栄二君、保険局長浜谷浩樹君、防衛省大臣官房審議官岩元達弘君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。門博文君。

門委員 おはようございます。自由民主党の門博文でございます。

 厚生労働委員会に所属をさせていただきまして初めての質問ということで、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。

 さて、私ごとなんですけれども、今年の一月、私の地元の秘書が新型コロナウイルスに感染しまして、私も一緒に食事をしていたということで濃厚接触者となりまして、PCR検査を受けることになりました。結果は陰性ということでしたけれども、その後十四日間の自宅待機ということを経験いたしました。

 ほかにも、事務所関係者や後援会関係者など十数名がPCR検査を受けなければならないということになりまして、結果的には全員陰性ということでしたけれども、大変心配させられることが起こりました。

 本委員会にも当事者になられた委員もおられると思いますけれども、実際感染したり、濃厚接触者になって初めて分かったことがたくさんありました。

 中でも、今回、私は、コロナ感染における差別や誹謗中傷という点について、今日、まずは質問させていただきたいと思います。

 先日も、地元で飲食業を営んでいらっしゃる関係の皆さんに、飲食業のこのコロナ禍での窮状ということをお伺いする場面があったんですけれども、その中で、私ども和歌山、特に、和歌山市というところじゃなくてもっと郡部の方の、地方、特に田舎では、コロナに一たび感染すれば、その家族や一族郎党、白い目で見られ、古い言い方で言いますと村八分というような扱いになってしまうということでありました。場合によっては、追い詰められて、実際仕事をやめざるを得なくなったり、そしてもっと深刻なケースでは、自ら命を絶ってしまったという痛ましい事実も実際起こっているということをお伺いいたしました。

 飲食業の立場から見ると、お客さんの方が、こういうことで、地域として決して感染が蔓延しているわけではなくても、コロナに一たび感染すると、地域の方々が必要以上に心配をされて、過剰な自粛をしてしまって、その結果、食事やお酒を飲みに出かけられないという状況になっており、商売として大変困っているということもお伺いをいたしました。

 私の事務所の先ほど申し上げた件でも、一部誤った報道もあって、事務所に対して電話やメールなどで本当にひどい誹謗中傷が寄せられたりしました。また、その寄せられたものの外側、後ろ側にも、いろいろな思いとかうわさとか、そういうものがあったんだと思います。

 ふだん、病気やけがをすれば、お気の毒にとか、お大事にとか、お見舞いの言葉や気持ちを投げかけるのが普通だというふうに私は思いますけれども、明らかにこのコロナの感染においては違う反応があると思います。人を差別したり誹謗中傷したりしてしまうのは、大変悔しいことでありますし、あってはならないことだと思います。マスコミの報道の仕方にも、このような傾向を助長しているように思えてなりません。

 そこで、本日は法務省にお越しいただいておりまして、このコロナ感染における差別や誹謗中傷の実態をどう捉えているのか、また、どのような対応を講じ、またこれから講じようとされているのか、対応をお答えいただきたいと思います。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 法務省において把握をしている限りで申し上げますと、令和二年中に全国の法務局、地方法務局において対応いたしました新型コロナウイルス感染症に関連する人権相談でございますが、二千六十二回でございました。同年中に全国の法務局、地方法務局において手続を開始いたしました新型コロナウイルス感染症に関連する人権侵犯事件でございますが、こちらの方は百七十五件でございました。

 これらの相談や人権侵犯事件の例について申し上げますと、発熱したためPCR検査を受け、アルバイト先に対し陰性の結果を伝えたところ解雇されたというものですとか、定期的に通院していた病院から、配偶者が医療従事者であることを理由に来院を控えるように言われたものですとか、学校でのクラスター事案について、インターネット上に学校や生徒に対する誹謗中傷が書き込まれたなどというものもございました。

 引き続き、法務省といたしましては、こういった人権侵犯事件については適切に対処してまいりたいと考えております。

門委員 是非、そういうことに対して真摯にこれからも取り組んでいただきたいと思いますし、また、今御発言の中にもありましたけれども、地方法務局というところに任せ切りだけじゃなくて、法務省ももちろんですけれども、法務省はなかなかそのラインがつながっていないことがよくあるんですが、地方自治体とか、特に基礎自治体とも直接こういうことは連携を取って、これからも対応していっていただきたいというふうに思います。

 その点について、今日、ちょっと大臣にも、直接の人権ということの所管ではないと思いますけれども、今の答弁等、お答えがあったことに対して、大臣からも御発言をしていただけたらと思います。よろしくお願いします。

田村国務大臣 委員おっしゃられたとおり、誹謗中傷、偏見、差別、これは大変な大きな問題だと思います。

 私も、大臣になる前ですけれども、地元の方でやはりそういう話を少なからずお聞きいたしました。その方というか、個人を特定するわけにもいかないんですけれども、もういられなくなられてほかに引っ越されたというような、そういう事例もあるということもお話をお聞きいたしました。決してその方が悪いわけでも何でもなくて、たまたま感染されて、大変な目に遭われて、その上に誹謗中傷やら差別、偏見というのは、本当に理不尽な話であります。

 誰もがコロナという疾病を恐れるというのは、これは致し方がないことなんですけれども、それが過剰であるがために人を傷つけるというような行為になってしまうということは、何としても避けていかなければならない。一方で、恐怖心というのがあられるのも、それも、これは人の思いでありますから。でありますから、正確な情報を我々もちゃんと伝えていかなきゃならないと思っています。

 一方で、感染された方だけではなくて、例えば医療従事者、コロナの対応をされている方々に対してもそういうような偏見、差別があるということがありますので、そういう意味で、去年の十二月から、「広がれありがとうの輪」ということで、医療従事者の方々を中心に感謝の思いを伝えながら、そういう偏見や差別をなくしていこうという運動を厚生労働省でも始めております。三月にはこれを強化したんですけれども、さらに、法務省と、不安を差別につなげないという啓発活動、これを一緒にやらせていただいておりまして、最近では、NCGMの方々に御協力いただいて、テレビでも、CM等々、広報活動もさせていただいております。

 いずれにいたしましても、誰もがなるかも分からない、今や誰がなってもおかしくないというような、そういう疾病でありますし、なられたらなられたで大変な思いをされて、治療をされる、若しくは家で待機をいただくということでございますので、みんながそういう我が身として考えていただきながら、一方で感染予防はしっかりやっていただく。そういうことをちゃんと、我々政府としても国民の皆様方にお伝えをしていくということが大事だと思っております。

 改めて、委員もまさに当事者になられる中で、大変な御苦労といいますか、感染若しくは身近におられる方々のいろいろな御苦労というものを感じられたということでございますので、またいろいろと御参考にさせていただきたいと思いますので、お聞かせをいただければありがたいというふうに思います。

門委員 ありがとうございました。

 是非、みんなでと言ったら月並みな言い方ですけれども、みんなでこういう空気を、きちんと正すものは正していかなければいけないと思いますので、どうか今後もよろしくお願いをいたします。

 それでは、少し視点を変えまして、毎日報道される感染者数や死亡者数についてちょっとお伺いしたいと思いますけれども、私は、個人的には、テレビの番組の途中にニュース速報のチャイムを鳴らしてまで伝えるような伝え方はいかがなものかというふうに思っております。

 そこで、改めて、政府として集計されております現在までの感染者数、死亡者数の累計をお示しいただけますでしょうか。

正林政府参考人 お答えします。

 令和三年五月十四日現在の新型コロナウイルス感染症の陽性者数は六十六万二千六百八十八人、それから死亡者数は一万一千二百五十一人であります。

門委員 ありがとうございます。

 今御報告いただきましたように、六十六万二千六百八十八人の方が、感染というか陽性ですね、陽性者になられて、そのうち不幸にも一万一千二百五十一人の方がお亡くなりになっているという数字であったと思います。差引きしますとと言ったらちょっと乱暴な言い方になるんですけれども、六十五万一千四百三十七名は、もちろんその中には現在も入院中、治療、療養中のさなかという方もおられますけれども、多くの皆さんは、感染してから、復帰をされて、実際、生活の中に戻っていらっしゃるということだと思うんです。

 先ほどの差別や誹謗中傷の問題に関係してくる面もあるかも分かりませんが、このように回復された方の姿とか声をもっと前面に出していくべきではないかなというふうに思います。もちろん、後遺症があるとかということについては一部ワイドショーなどのテレビでも見かけることがありますけれども、そういう後ろ向きな、ネガティブなイメージではなくて、決してポジティブとは言いませんけれども、ニュートラルに、感染して回復された方々の情報とか、そういうものをもっと前に出していくべきじゃないかなと思うんです。

 今は、感染拡大防止やワクチンの接種も含めて、現下のコロナ対策にいとまがないということかもしれませんけれども、是非、この点について、厚生労働省としても、このような経験者の声や経過をデータベース化したり、感染予防や様々なことに生かしたらどうかと思うんですけれども、この点について、もし何か御見解があれば、お聞かせいただきたいと思います。

正林政府参考人 御指摘ありがとうございます。

 国民の皆様に新型コロナウイルス感染症について正しく理解をしていただくことは大変重要かと考えています。

 御指摘の、個人の体験談の収集とかあるいは公表について、まず、情報の中立性とかあるいは正確性とか、そういった観点を踏まえて検討する必要があるかなとは思っています。

 厚生労働省としては、コロナの感染症に関する情報についてはできるだけ科学的な知見を集めてということで、十一の知識と我々は呼んでいますけれども、できるだけ分かりやすくお示しをして、ホームページなどに掲載をしております。引き続き、きちんと情報を集めて、周知それから感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。

門委員 ありがとうございました。

 是非、国民が正しく理解をして正しく対応していけるように、またそういう側面からも御努力を続けていただきたいというふうに思います。

 さて、続きまして、先日までこの委員会で審議をされておりました七十五歳以上、後期高齢者の方の医療費の窓口二割負担の法案で、この負担増による受診抑制の影響について議論がなされてまいりました。その中で、負担増と受診抑制、健康被害や病気の重症化という関連を説明できる資料やエビデンスが乏しいということでありましたけれども、そこで、コロナ禍という視点で、この受診抑制の影響について尋ねてみたいと思います。

 私の地元でも、そして皆さんの地元でも、全国各地で、このコロナ禍の初期の頃は特に、皆さん、感染を恐れて、病院に行くのを極度に控えたということがありました。今もまだ続いている面があるかと思います。多くの病院やクリニック、診療所の経営が危ぶまれるほどの、いわゆる定期的な受診において受診抑制が発生したということであります。また、医療機関側も、感染拡大を恐れて、通院をお勧めにならなかったケースもあったのではないかというふうに思います。確かに、窓口負担増に起因する受診抑制とは質の違うものだとは思いますけれども、単純に受診抑制という点では、極端な事象が発生をして、今も発生をしているわけであります。

 さきの法案審査では、受診抑制の定義が難しいというお話もあったかと思いますが、今起こっている現象の中で、受診抑制と健康被害、重症化リスクの関連性について是非お調べをいただいて、データを取るべきだというふうに考えますけれども、寿命への影響も含めて、厚生労働省からの御見解があれば、お聞かせいただきたいと思います。

正林政府参考人 お答えします。

 新型コロナウイルス感染症が発生したことで、我々が、ステイホームとか、外出は控えましょうとか、そういうことをPRした結果として、外出を控える方が多くいらっしゃったと思います。その結果として、健康への悪影響がある可能性が指摘されています。また一方で、季節性のインフルエンザなど、新型コロナウイルス以外の感染症については、どちらかというと減少する傾向、変化があったというふうにも指摘されています。

 このように、新型コロナウイルス感染症による影響は幅広くかつ複雑でありますが、可能な限り明らかにすべきというふうに考えておりまして、今般新たに、新型コロナウイルス感染症の拡大などの状況における他疾患への影響について、多数の学会により構成される体制での研究を開始したところであります。

 こうした取組を通じて、新型コロナウイルス感染症が人々の健康に与えた影響についての知見の収集に努めてまいりたいと考えております。

門委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 時間ですので、最後に、質問というかお願いを一言申し上げたいと思うんです。

 さきの法案の衆議院通過に伴って、七十五歳以上医療費二割負担というフレーズだけがテレビや新聞の活字やタイトルに大きく取り上げられています。実際そうなんですけれども、その上で、所得の条件や高額医療費制度などの対応も盛り込まれているわけでありますので、その点、正しく内容が当事者の皆さん方に伝わるように、厚生労働省並びに地方自治体、健康保険機関、各医療機関において積極的に今後告知、広報していただけるようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、桝屋敬悟君。

桝屋委員 おはようございます。公明党の桝屋敬悟でございます。

 限られた時間でありますから、早速質疑に入りたいと思います。

 総理は、七月末までを念頭に二回の接種を終えられるように取り組みたい、こう発言をされまして、私ども、与党の一員として、決して競争して打つようなものではありませんけれども、高齢者の重症化リスクを考えますときに、一日も早くということは、もとより取り組みたい内容でございます。

 その結果、総務省にも檄が飛び、全国の接種計画の見直し、前倒しということを要請されて、十二日の発表では、私、十二日に質問するつもりで通告をしておりましたので、内容がちょっと変わりますけれども、十二日の発表で、既に千四百九十の自治体が何とか七月末までに終えられるという報告、八五・六%。八月中までに百八十五、九月以降になるのが六十六、合わせて二百五十一の団体はどうしても七月以降、こういうことでございますが。

 私ども公明党の対策本部、全国の各議員と連携をし、毎日のようにいろいろな情報をやり取りしておりますが、どうも、この千四百九十という数字は相当無理な話ではないのか、こういう認識を持っております。(発言する者あり)ちょっと静かに聞いてください。

 我々のネットワークで集めた情報によりますと、この回答も、たられば、もし県から接種のための医療関係者を特別に派遣していただけるということであればできますよとか、あるいは大規模な接種会場が確保できれば、するつもりですが、できればできますよとか、まさにたらればの話でありまして、私は、それでもやるべきだ、是非前に進めたい、こう思っておりますが、相当厳しい状況もあるのではないか。

 あるいは、二百五十一の団体については、ここも決してゆっくりやろうということではなくて、当初からの接種計画によって着々と進めたいということでしょうから、前倒しにするにしても様々な課題が出ている、特に医療従事者の確保とか様々な課題が出ているという数字ではないかと私は思っておりますが、正林局長、いかがでしょうか。

正林政府参考人 お答えします。

 高齢者の接種について、希望する高齢者に七月末を念頭に各自治体が二回の接種を終えることができるよう、政府を挙げて様々な対応を行っているところです。

 その中で、厚生労働省から自治体に対して計画の七月末への前倒しをお願いして、多くの市町村においてできる限りの前倒しに努めていただきながら、御指摘のとおり、調査結果、千四百九十、約八六%がその見込みだというふうに回答されています。ただ、これも御指摘のとおり、医療従事者の確保等を前提とした回答なども含まれているようです。

 厚生労働省としては、この調査結果を踏まえて、自治体の状況を個別に丁寧にお聞きしようと思います。健康局内に自治体サポートチームというものが編成されていますので、一つ一つの自治体に対してアプローチして、今実際何にお困りかとか、そういったことを丁寧に酌み取って、私どもの方でまたそれに対する対応策を考えながら、市町村の取組を支援していこう、そんな考えでおります。

桝屋委員 私ども公明党も、この土曜日には全国の対策本部会議を行いまして、具体的にどういう支援策が考えられるのか、特に都道府県と政令市の役割あたりも大分整理しなきゃいかぬことがあるのではないかと。またこちらも整理ができたら、大臣にもお届けし、協議をしたいと思っております。

 国による大規模接種センターの運営が、ほぼ、大綱が発表になりました。私どもは、是非とも、東京、大阪、地元の自治体と連携をしっかり図ってもらいたい。例えば、昨日も総理に申し上げたんですけれども、総理がちらっとおっしゃったのは、特に一都三県が大手町に集まるわけでありますから、もうこれは移動するだけで大変だなと。ちらっと、東京駅からバスを走らせようとか、新宿駅からバスを走らせるとかいろいろなことも検討しているやの雰囲気がありましたが、防衛、来ていますかね、その辺の検討状況を御報告ください。

岩元政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルスワクチンの接種は、市区町村において実施することが基本である中、防衛省・自衛隊が設置する大規模接種センターは、市区町村におけるワクチン接種を強力に後押しすることを目的としており、住民票を有する市区町村以外に接種場所を提供することにより、国が確保したワクチンが可及的速やかに接種されることを目指すものであります。

 引き続き、市区町村におけるワクチン接種の取組と連携するとともに、住民の皆様の間で混乱を招くことがないよう準備を進めてまいります。

 委員御質問のありました大規模接種センターと最寄りの駅との移動の関係につきましては、厚生労働省の方から答弁があると思っております。

桝屋委員 私は防衛省に聞いたんですよ。これは防衛省が、受付からサービス、接種まで、防衛省が責任を持ってやるんじゃないの。ちょっと、もう一回答弁を。防衛省だよ、防衛省。

岩元政府参考人 失礼いたしました。

 四月二十七日の総理指示を踏まえまして、五月の二十四日から三か月間、東京及び大阪に自衛隊大規模接種センターを開設し、自衛隊から医官及び看護官等……(桝屋委員「いや、そういうことはいいんだよ。今の輸送の話よ。どういうことになっているの」と呼ぶ)

 委員御指摘のとおり、効率的に接種を進める観点から、円滑な移動手段の確保については、東京駅など最寄りの駅からセンターまでの移動サービスなどについて検討してまいりたいと考えております。

桝屋委員 是非、検討をよろしくお願いいたします。

 それで、厳しく申し上げたけれども、ここはやはり防衛が責任を持ってやるということなので、もちろん、厚労省の事業あるいは自治体の事業との連携ということはあるんだろうと思うんですけれども。

 それで、岩元さん、お願いなのは、これから、一都三県だから、一都三県とのパイプ、ホットライン、あるいは市区町村、ここは厚労省を通してやるとかじゃなくて直に、様々な問題が毎日出てくると思いますから、ホットラインを整備して、私は、努めていただきたい。お願いです、これは。よろしくお願いします。

 それで、大臣とちょっとお話をしたいと思うんですが、ここで、東京、大阪、まだ薬事承認が出ていないからモデルナとは言えないんでしょうけれども、どう考えてもモデルナ。ファイザーを回す状況にはないと思いますから。来週の動きが気になるところですが、もしこれが、これもたらればの話ですが、薬事承認された場合は、まさに自治体はファイザー、国による大規模接種センターはモデルナを使うと。

 いつか、あっち側の大臣の補佐官が、これから選択できるようなことになるというような話もされていまして、先走りだとかいろいろありましたけれども、私は、まさに二つのトラックが動き出すのではないかというような気が、場合によってはこれから三つのトラックかもしれませんが、この辺、どう整理されるのか、ちょっと大臣のお考えを、今日の段階で聞ける話を伺いたいと思います。

田村国務大臣 まず、冒頭委員がおっしゃられた、各自治体に七月までというお話がございました。これは、私も政治家ですから、いろいろなルートからいろいろな話が来ておりまして、なかなか難しいという意見もいっぱい来ています。来ていますが、しかし一方で、総理に言ってもらってよかった、そういうような意見も来ています。

 というのは、どういうことかというと、思いの中で、やはりもうワクチンが配られてしまうので、六月の終わりには、高齢者の二回分。そうすると、やはり住民の皆さんも、配られているものを早く打ってほしいという声が上がってくる。それに対して迅速に動いていくためには、国を挙げてそういうような計画立てをいただくというのは、それぞれの自治体においても、覚悟が決まるという言い方がいいのかどうか分かりませんが、そういうものに向かって一つになっていこう、そういう思いになれるというような、そういうお言葉もいただいておりまして、いろいろな難しい部分があるのは確かだけれども、一生懸命努力するというようなお言葉もいただいております。

 今局長から話があったとおり、事細かく、我々としても、どこに問題点があるか、難しいところがあるのか、これをお聞きをさせていただいて、一つ一つ解決のためにお手伝いをさせていただきたい。みんな、国を挙げて、なるべく早く皆様方にワクチンを打っていただく、これが大きな目的、目標でございますので、総理の覚悟というものも我々も感じておりますから、しっかりと進めさせていただきたいというふうに思っております。

 それから、今、大規模接種も含めての話なんですが、局長の方からも、実は以前から、これは予防接種法のときからも話があったんですが、要は、やはりどこでどのワクチンを使うかということはある程度分かるわけですね。分かれば、選別はできませんけれども、二回同じワクチンを打たなきゃいけませんから、結果的にはどのワクチンかということになってくるわけでありまして、それが明確に分かるのが、多分、今回の大規模接種会場になってくると思います。

 そうなってくれば、そこで二回目という形を必ずやってもらわないと、同じワクチンでなければ効果というものが、我々もやはり検証としてできておりませんので、同じワクチンをちゃんと打ってもらうということの中において、どのワクチンを選ぶというわけではないんですけれども、自分がどこで接種を受けるかということによって、結果的にワクチンが決まってくるということはあり得るわけでございますので。

 そういう意味では、そういう、必ず同じところでワクチンを打ってもらった結果、このワクチンだということは結果的には起こり得るというふうに我々としては認識いたしております。

桝屋委員 冒頭、大臣がおっしゃった、相当困難な状況だ、しかし、総理に言ってもらってよかったという声もありますが、逆に、総理のあの一言に反発している自治体もある。それは厚労省というより、我が党でしっかり引き受けて何とかしたいという気持ちもないわけではないのですが。

 どれぐらい前倒しになったかというと、私、当初、六百ぐらいだろうと思っていた。それが千までいきました。それが千四百九十、千五百ぐらいまでいった。まさに五百から六百、場合によっては七百ぐらいが前倒しの計画をされたということですから、相当のいろいろな問題が出るだろう。そこはしっかり我々もキャッチし、大臣にもお届けをしたいというふうに思っております。

 それから、大型接種会場、どのワクチンを使うかですが、まあ、ファイザーではないだろうと私は思っているんですが、できない。

 大事なことは、国の大型接種会場の運営、これを範として、これから多分、都道府県、場合によっては政令市も、是非これは都道府県の役割として、あるいは政令市の役割として、大規模の接種会場を設置して取り組もうという話が出ると思いますから、その流れに非常に大きな影響を与えると思っていますので、大臣がぽろっと言われたけれども、同じワクチンを打たないと検証ができないと。

 だけれども、大臣、国民からすると、同じワクチンを打たなきゃえらいことになるわけで、間違いはまずないと思いますが、同じワクチンを打たなきゃいかぬとなると、選べるということになるわけで、多分モデルナとファイザーではそんなに違いはないだろうと思うんですけれども、やはり国民はどっちにするかというのはすごく悩むわけでして、現場の自治体で大型接種会場へ行くのか、センターに行くのか、いやいや、あるいは地元の自治体でやろうとするのか、それは選択できるわけで、場合によっては、それはちゃんと取消しをどっちかしないとワクチンが無駄になるということもありますけれども。

 この流れを、先ほど防衛にも厳しく言いましたけれども、よほど地元の自治体と連携をしておかないと対象の地域の市民、国民の皆さんに適切な情報をお届けすることはできないだろう、こういう問題意識でありまして、これはやりながら考えるということだろうと思っておりますが、予定の時間が来てしまいました。もうちょっとやりたいのでありますが。

 老健局土生局長、御苦労さまです。もう要望で終わりますが、先日、都内の地域密着のデイに行きました。濃厚接触者が出て二週間閉じて、とてもとても厳しい、厚労省は五%減っていれば三パーの加算をつけるよと言っているけれども、とても、三パーぐらいじゃ話にならないと。

 土生局長、コロナ禍ではありますが、現場に行った方がいいですよ。現場に行って、一か所でも二か所でも三か所でも見てくるというこの緊張感、局長自らが、おたくの局は変な夜の会合をやるのではなくて、時間があるんだったら現場の声を聞く、臨場感を持って取り組んでもらいたいというお願いをして、終わりたいと思います。

 反論を伺いませんで済みません。気持ちを酌んでください。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時三十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山井和則君。

山井委員 三十五分間、質問させていただきます。

 また、今日は、大変お忙しい、またお疲れの中、尾身会長にもお越しをいただきまして、本当にありがとうございます。また、尾身会長の質問部分が終わったらお帰りいただきたいと思いますので、本当にありがとうございます。

 まず、北海道のことを質問させていただきたいんです。

 私、本当にちょっと驚きました。といいますのが、昨日の晩の時点で、そしてまた今朝の諮問案という政府からの分科会への案の段階では、北海道が蔓延防止の延長ということになっていた。それで、これはあり得ないな、何を考えているんだということで今日質問しようと思ったら、午前中に、尾身会長を始めとする分科会の方々の御意見があって、緊急事態宣言になった。

 でも、私、これは結果オーライじゃないと思うんです。五大臣会合をやって諮問案として出したものが、結果的には間違っていたということですからね、これは。私、北海道の緊急事態宣言は、判断が分かれる問題じゃないと思います。

 田村大臣、昨日、五大臣会合もされて、なぜ昨夜の段階で北海道を緊急事態宣言ということにしなかったんですか。

田村国務大臣 様々な総合的な判断の中で、一応、諮問という形で、そういう形で諮問いたしましたが、元から諮問委員会というのはそういう役割、諮問といいますか、今は分科会でありますけれども、そういう役割でございますので、機能を発揮いただいて、専門的見地からいろいろと御意見をいただく中において最終的に決定をしたということでございますので、私は、分科会がしっかりと御評価をいただいた、その結果であるというふうに認識いたしております。

山井委員 もちろん結論は正しいわけですけれども、なぜ昨夜の諮問案が結果的には間違っていたんですか。どうしてこういうことになったんですか。

 というのは、こういうことでは、私、変更したのが悪いと言っているんじゃないんですよ、元々緊急事態宣言を出すべきという考え方でしたから、五大臣会合なり、これは政府、大丈夫かと。北海道の深刻さ、地域の深刻さが分かっていないから、残念ながら、こういう本当に深刻な事態で、間違った諮問案を出してしまった。

 私、例えば今日の新聞、朝刊を見たら、軒並み、「まん延防止 五県追加へ 群馬・石川・岡山・広島・熊本」「まん延防止 地方で拡大 群馬など五県適用へ 政府きょう決定」、もちろん「へ」となっていますけれども、諮問案がそういうことだから、それは朝刊もみんな書きますよ。結果的には、これはほとんど誤報みたいなものになってしまうじゃないですか。

 これは、私、深刻に受け止められた方がいいですよ。なぜ諮問案の段階で判断を間違われたんですか。

田村国務大臣 諮問をさせていただいて常にそのとおりであれば、そもそも分科会という専門家の方々の、言うなれば意見が意味がないわけになるわけでありまして、いろいろとここでも追認だどうのこうのとおっしゃられたことはあられましたけれども、そうではないということのまさに証左だったというふうに思います。我々は、本当に専門家の方々に、大変ありがたい評価をいただいた。

 常に、政府、我々は専門家ではありません、感染症の。それから、経済においても専門家じゃない部分もあります。いろいろなことを総合的に判断いただくのがこの分科会であったわけでございます。でありますから、我々は諮問しました。しましたけれども、それに対して、評価が違いますよという御意見をいただきました。いただきましたから、我々はルールにのっとって、皆様方の御意見を尊重させていただいて諮問をし直したということでございますので。

 ちょっと、委員、今までは、いつも追認どうのこうのとおっしゃられておられましたけれども、まさに我々は大変ありがたい御評価をいただいたというふうに思いますし、我々自身、そのような下で、元からの諮問案が、要するにそれよりももっと厳しい状況だということを諮問委員会で御評価いただいたということは、我々は我々の立場といたしまして、それは厳粛に受け止めさせていただくということであります。

山井委員 いや、これは、厳粛とおっしゃるけれども、誰が考えたって、昨日の晩の時点であれだけの感染急拡大を見たら、誰もがこれは緊急事態宣言だなと思いますよ。そんな難しい判断じゃないですよ、この判断は。

 そう考えたときに、繰り返し言いますけれども、私、分科会で結論が変わったことは全然問題じゃないし歓迎しているんだけれども、それよりも、田村大臣、ここは逃げずに答弁していただきたいんですけれども、なぜ、緊急事態宣言を出すという結果的には正しい判断が、五大臣会合等、総理を含めた昨日の晩、その判断ができなかったんですか。正しい判断が昨日の晩の時点でできなかったんですか。なぜ北海道に緊急事態宣言を出すという判断ができなかったんですか。そのことをお答えください。

田村国務大臣 総合的にいろいろなことを判断する中で、いつも諮問はさせていただいております。今までも諮問の中でいろいろな御意見をいただいてまいりましたが、今回に関しては、さらに、御評価をいただく中でということでありますから、これは全て一連の政府のプロセスですから。プロセスにのっとってやった結果、専門家の方々に御評価をいただいて、それに沿って我々としては決定をさせていただく、まだしておりませんが、させていただくというプロセスに今乗っておるということでございますので。

 それ自体、山井議員、分科会も含めて、これは全部政府ですからね。これは全部法律にのっとった組織なので、政府として決定するプロセスでございますので、最終的に正しい決定がなされるということになるのであろうというふうに考えております。

山井委員 本当に、総理や五大臣の判断よりも専門家の方々の判断の方が正しいということを改めて今回痛感をいたしました。そしてまた、今、田村大臣がおっしゃった総合的判断というのがいかにでたらめかということも痛感をいたしました。総合的判断という名の下に間違った判断を重ねているわけですね。

 そこで尾身会長にお聞きしたいと思いますが、尾身会長、今日昼、北海道を緊急事態宣言に変換していただいて私は大変感謝しておりますが、昨日の晩の時点で諮問案として北海道が緊急事態宣言として出てこなかったことについてどう思われますか。

尾身参考人 私は今まで、この一年以上こういう立場で、最初の頃は専門家会議というもので、その後は分科会ということで、今日のは諮問委員会の分科会ですけれども、多くの専門家の意見と政府の意見が一致したことも多かった。我々の提案をそのまま受け入れていただいたこともあるし、我々の提案の一部を受け入れられたこともあるし、あるいは我々の提案が受け入れられなかったこともあったと思いますが、政府と専門家の会議の関係というのは、非常に私はこういう時期には大事だと思って、政府の意見と我々の意見が違う場合は当然ある、あっても、そこの中で、今回の場合には我々の意見を政府が聞いていただいたということで、当然、政府の立場と専門家の立場は、見ているところが恐らく違う、比喩的に言えばですね。

 そういうことで、必ずしもいつも一緒ではないわけで、今回もそういうことで、我々としては、専門家の考えというものもある。この一両日、かなり、ほとんどの人が同じような意見を持っていましたので、これについては、みんなが別にそれで相談したわけではありませんけれども、我々の意見を、これは政府と対立することが目的でもないし、政府と常に一緒にいるということも目的でない。

 我々の役割は、我々の専門家としての考え、あるいは判断というものを率直に述べるということが我々の責務だと思って、今回はそれをした、それに対して政府が対応していただいた、そういうことだと私は思っております。

山井委員 ここで重要なのは、専門家の意見を聞いて正しい結論になってよかったという話じゃ全くないと思いますよ。なぜ、専門家の話を聞く前に、五大臣会合、総理大臣が間違った諮問案を結果的には出したのか、そのことが深刻な問題なんです。

 尾身会長、改めてお聞きしますが、なぜ諮問案に、北海道、緊急事態宣言が入らなかったと思われますか。

尾身参考人 なぜ政府の最初の諮問案に北海道が入っていなかったかというのは、私はそれはまだ聞いていませんので、恐らくいろいろな、我々が考えること以外の様々な配慮をしたのではないかと。それは、立場が違えば見る景色が違うので、そういうことはあったのではないかと私は想像しますが、まだ会議が終わってすぐの場で、そういう機会を、大臣、両大臣に聞く機会もなかったので、どういうことだったのかは私はそこまではっきりは知りませんというのが正直な答えです。

山井委員 私は、これは様々な配慮とか総合的な判断で済む問題じゃないと思います。

 私、昨日の晩のニュースを聞いたときに、ここで緊急事態宣言を出さなかったら、ますます医療崩壊して、多くの北海道の方は亡くなるな、死者が激増するなと本当に思いました。これは死者が増える、大変なことになると。

 だから、結果的によかったじゃないんです。そういうことすら、今の菅総理を始め大臣の皆さんが、総合的判断というのは、簡単に言えば間違った判断ですよ。総合的判断ということでは済まないんじゃないかと思います。

 それで、尾身会長にお聞きしたいんですが、これは期間が短いんですね、五月末まで。ところが、昨日の晩の予定では、蔓延防止措置は北海道は元々十三日までの予定だったんじゃないんですか。ここはもちろん決まっていないですけれども。

 そういう意味では、岡山、広島、北海道、五月末までほぼ二週間で解除できますか、効果が出ますか。今までから尾身会長おっしゃっていましたよね、効果が出るまでが二週間だと。そうしたら、効果が出たことを検証する前に延長か解除で、委員の皆さんは、本当に緊急事態宣言、五月末までで三つの道県はオーケーという意見なんですか。

尾身参考人 政府の方が、緊急事態宣言の期間というのはある程度目安として出しますよね。私ども専門家の方は、期間というのは、当然出すことも重要ですけれども、それ以上に解除を、どういうような条件で解除するかというのが、実は次のリバウンドを防ぐという意味で、我々側としては、その期日が来て、解除をするかどうかの判断をする時期がいずれ来ますよね。そのときには、そのときの特に医療の状況、医療の逼迫というような状況も含めて、我々としてはまた意見を述べさせていただきたいと思っております。

山井委員 いや、私は、もしかしたらオリンピックなどへの、バッハ会長の来日とかそういうことも関係するのではないかというふうに、そういう疑いも持ってしまったりします。

 なぜならば、尾身会長、もう一つお聞きしたいんですが、五月五日、蔓延防止措置を北海道は要請しました。五月五日、その日何があったのか。その蔓延防止措置の直前に、マラソン大会のテスト大会をやっているんですね。ということは、テスト大会があるから、蔓延防止措置の要請をテスト大会が終わった後まで待っていたんじゃないかとみんなは見ているんですよ。結局、オリンピックがあるから要請が遅れる、オリンピックがあるから解除の期限を早めに設定する、それで延長、延長すると。

 ここまで緊急事態宣言になるような事態になっていたのに、五月五日にマラソンのプレ大会、札幌で、様々な反対論がある中でやったことについて、いかが思われますか。

尾身参考人 オリンピックの様々なことの判断については、私は再三申し上げているように、私どもが判断する立場にはありませんけれども、先日、昨日も、私どもがどう考えているかというふうに委員の方から聞かれたので、私どもは、しっかりと、繰り返しませんけれども、三つの点で評価して、開催するのであれば、開催直前に判断をするということはあり得ないので、少し前広に判断する必要があると思うので、その際には、いろいろなリスクというものをちゃんと評価してやってくださいというのが我々の意見であって、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

山井委員 今日の配付資料二ページに、今おっしゃった尾身会長の発言が、配っております、医療への負荷の評価が重要と。

 しかし、尾身会長、私、お願いしたいのは、判断はもちろん菅総理なりがするんだと思うんですけれども、進言、意見は言ってもらわないと、判断を菅総理は間違えますから、困るんです。判断するのは政治家です、それはそうです。でも、意見は言ってもらわないと。

 今回のことでもあるように、そこでなんです、今も、もしやるのであれば直前に判断するのはおかしいと、前広に議論とおっしゃいましたけれども、尾身会長、オリンピックは、緊急事態宣言がもしそのとき東京で出ていても、これはやっても大丈夫と思われますか。

尾身参考人 委員の御質問に関しては、昨日私が三点申し上げましたけれども、その三点目の一番最後のところで申し上げたとおりです。

 恐らく、国は遅かれ早かれ、直前ではなくて、X週間前に判断をされると思いますが、その日、判断をする日の、当然、感染状況、医療の状況というのはあるわけですよね。そのときにどんな状況、ステージのいろいろな状況がありますから、それを踏まえて、その後のX週間後にどういう負荷が医療にかかるのか、かからないのか。既にかかっているんだったら更にかかるとか、全くないんだったらと、そういうことを評価して決めるのが私は合理的だと思うので、そういう趣旨のことを第三点目として申し上げたということであります。

山井委員 その資料をここに持っております。開催について最終判断する時点においての感染や医療の状況において、大会期間中、どの程度医療に対して負荷がかかるかの評価をすべきだと。

 ということは、今X週間とおっしゃいましたが、七月末のオリンピックの数週間前に最終的に評価をして、オリンピックを本当に開催するのか、しないのか、どういう形で、形態で開催するのかということを判断すべきというお考えですか。

尾身参考人 そういう世界的にも大事なことを何も評価しないで決めるということは私はあり得ないと思いますので、しっかりとした、X週間後の医療への、一番大事なのは、やはり、これはほとんどの人が合意すると思いますけれども、医療への負荷ということでありますから、それがどの程度であるかということをしっかりと評価して最終判断をしていただくのが一番合理的だというふうに思います。

山井委員 ということは、その最終判断する前に、感染爆発、ステージ4だ、あるいは緊急事態宣言が出ている、そういう状況であれば、最悪開催できないという選択肢も排除しないということですか。

尾身参考人 その判断は政府が、この場合、政府も関係するんですかね、いわゆるオリンピック関係者、IOCも含めて、私は詳しいメンバーの名前は知りませんけれども、そうしたオリンピックの開催に関わる組織あるいは人々がそうしたことを評価して決めていただくというのが筋だろうと思うと申し上げているところであります。

山井委員 ちょっと、あえてこだわりますが、決めていただくというのは、オリンピックを開催するかしないかということも含めて決めるということでいいですか。

尾身参考人 オリンピックについてということだと思いますので、これはそういうことを、当然、開催する人は評価して判断すると私は思います。

山井委員 改めて確認ですが、判断するのはオリンピック関係者あるいは政治側かもしれませんが、これは本当に人命の懸かっている大切なことで、大切な局面なので、尾身会長に改めてお聞きしますが、緊急事態宣言が出ている、もしかしたらこのままずっと七月まで出続ける可能性はゼロではないと思います。実際、東大の専門家の先生方もそういう予測を出しておられます。

 東大の専門家の方々の試算によりますと、配付資料に出ておりますが、このままいっても、八月の第一週に六百人ぐらいまで減って解除できるということで、緊急事態宣言は続く可能性があるということをおっしゃっているんですね。

 尾身会長としては、開催まで緊急事態宣言が続いていたら、オリンピックというのは開催すべきだと思われますか、開催は無理だと思われますか。

尾身参考人 再三申し上げているとおり、私は判断する立場にないので、私は今、政府の分科会としての立場でここにいると思うんですけれども、そうしたことを正式に、我が国の感染対策についての助言ということについては、政府からそういう仕事をしろという宿題を与えられて毎日やっているわけですけれども、オリンピックという日本の国を超えた世界的な行事についてあなたの意見を言えということを言われたことが今までないので、私はそういう判断をする立場にはないということを申し上げているわけです。

 X週間後にどうなるかというのは、決める日のX週間後に、このX週間というのがどのくらいにもよりますよね、その後がどうなっているかというのは、これは分からないので。ただし、X週間が、そのまま並行する場合もあるし、X週間よりも改善する場合もあるわけですよね。ただし、普通は、これは感染症のプロとしての常識ですけれども、最悪のことも考慮してやるというのは当たり前だと思います。

山井委員 おっしゃるとおりです。私もオリンピックはやってほしいと思っています、感染が収束し切ったら。でも、今のままでは収束し切るとは思えないんです。だから、延期か中止すべきじゃないかと私は思っておりますが。

 尾身会長の苦しいお立場も分かりますが、私たちもやはり専門家の代表として尾身会長を頼りにしているんです、私たち国民も。

 そこでお聞きしますが、緊急事態宣言が発動されている、あるいはステージ4の感染爆発の最中にオリンピックをやった場合、それは安全、安心に、感染者や死者が出ず、できると思われますか、尾身会長。

尾身参考人 今の御質問は、開催中にステージ4になっているという、X週間前の話じゃなくて、開催をやっているときの現状がステージ4。

 ここは、ステージ4ということの意味ですよね。我々はステージ分類というのを作らせていただきましたけれども、ステージ4というのはどういうことかというと、今の大阪を考えていただいたら、つまり、一言で言えば、一般医療をかなり犠牲にするような状況ということですよね、負荷がかかっているわけです。その上に更にオリンピックのようなことがあると更にどのぐらいの負荷がかかるかということは評価をして、最終的に決めていただきたいということを申し上げているわけです。

山井委員 これはそんな難しい話じゃなくて、感染爆発していて、緊急事態宣言が出ているときにオリンピックをやって、感染者や死者が出ないという評価というのはあり得るんですか、尾身会長。

尾身参考人 私たちの役割は、そうした評価をする際の考え方の材料を与えるということで、昨日から申し上げていることで、これは関係者が当然合理的に今申し上げたことは評価をしなければそういう判断はできないと思いますけれども、我々は専門家として、そうしたようなことを、リスクの評価というのは極めて重要で、そのリスクの評価をしっかりと関係者はやってくださいということを申し上げて、それについて、ではどうすべきかというのを今私が言うべきではないというふうに思っております。

山井委員 私は、本当にこれは残念ですね。今、これだけ多くの人がコロナに感染し、残念ながらお亡くなりになられて、おまけにオリンピックをやったらもっと増えるんじゃないかと国民が不安に思っているときに、専門家の方が、そのことについてはコメントできませんと。いや、分かりますよ、尾身会長を責めているんじゃないんですよ。でも、この構造ですよ、この構造。では、誰がブレーキをかけるんですか。今回がいい例じゃないですか。結局は、緊急事態宣言、最後、尾身会長とかがブレーキを踏んでくれたから北海道に出たけれども、専門家の方がブレーキを踏まなかったら、止まらなかったわけです。

 先日、長妻さんに対して、尾身会長は、そろそろ分科会としてオリンピックについて議論すべきときじゃないかということを答弁されました。ついては、私も先日、菅総理に、賛否両論あると思う、冷静に専門家のお声を聞いて議論すべきときだと思うので、尾身会長や分科会の方々にオリンピックについて議論をお願いしたらどうですかということを言いましたら、菅総理は、既にほかの場でやっているからお願いしないとおっしゃっているんですね。

 いや、これは尾身会長が、そろそろ分科会や、自分もそのことについて議論をすべきだとおっしゃってくださったので、ちょっと力不足でしたけれども、私がそのことを菅総理に言ったら菅総理は断られたということなんですけれども、私は、結論がこうだと言っているんじゃないんですよ。尾身会長を始めとする専門家の意見を、国民がこれだけ不安に思い、関心を持っているんだから、コロナ分科会や尾身会長の意見を聞かれたらどうですかと言っているんです。

 これもお答えにくいかもしれませんが、尾身会長、そろそろオリンピックについても、今おっしゃったリスクも含めて、分科会で議論すべきときではないかと思いますが、いかが思われますか。

尾身参考人 先ほど申し上げましたように、私は、昨日の申し上げた三点を、オリンピックの関係者に、そのことを考慮して合理的な判断をしていただきたいというのが私のその方々への提案でありますので、その提案を受けていろいろな議論が進んで、合理的な判断をされることを期待しているということであります。

山井委員 最後に、尾身会長にお聞きします。

 今コロナのワクチン接種が進んでいますが、電話がつながらないところが割とあるんですけれども、これは何割ぐらいの六十五歳以上の高齢者がワクチンの接種を受けられると思われますか。

尾身参考人 正確なことを推測することは難しいですけれども、いろいろなアンケート等の結果を踏まえますと、比較的高齢の方、今まさに始まっている人たちの、ワクチンを接種する方は比較的多いと私は思います。(山井委員「大体何割ぐらいだと思いますか」と呼ぶ)それは分かりませんけれども、七割とか八割とかいってほしいですよね。

 私自身も、つい最近手紙が来ましたので、今応募しているところでありますから、打ちたいと思っております。

山井委員 尾身会長、長時間申し訳ありませんでした。お帰りください。

 それでは、田村大臣に今のことでお聞きしたいと思いますが、今朝の京都新聞にも出ておったんですけれども、これはちょっと最初に言い訳をしますが、京都府を責めているわけではないんですけれども、一応この調査に、一例として京都府の例を挙げさせていただきますと、今日の配付資料の十二ページにありますように、京都府など幾つかの自治体は、全ての自治体が七月末に終わるということになっているんです。

 ところが、私の配付資料の最後の十六ページを見ていただきたいんですが、私に一昨日メールが来ました。京都府は全ての自治体が七月末に完了と総務省には回答していますが、京都府下の知り合いからメールが来ました。読み上げます。

 我が家はワクチン接種が八月十三日になりました。次のBさんは、高齢者予約七月三十日しか取れず、一般高齢者はその後の予約になります、八月になります。それと、三人目の方は、一回目の接種が七月十八日ですから、二回目は八月になります。四人目の方は、私の知り合いの両親は京都に住んでおられますが、昨日予約したら一回目が八月四日と言っていました。五番目の方は、一回目が七月十七日で、二回目は八月七日以降と。それで、六人目の方は、最終日の予約が取れました、一回目が七月十八日ですから、二回目は八月になりますと。

 これは、田村大臣、私、早くしてほしいんですよ。総務省も厚労省も頑張ってくださっているのはありがたいんです。ただ、テレビ、新聞を見ると七月末に終わるとなっているのに、私の予約は八月だけれども、これはどういうことと。

 これは、田村大臣、簡単に聞くと、今八月で予約が入っているものを七月に前倒しさせるのか、それとも、七月末というのは目標だから、こういうふうに八月の人がかなり出るというのはもうしようがないことなのか。どういうふうにお考えになりますか、田村大臣。

田村国務大臣 まず一点、初めに、総合的に判断してというのは、分科会の意見も含めて総合的な判断ですので、そこだけは御理解ください。

 その上で、今の話なんですが、これはいろいろな準備をもう既にいただいております。そんな中で、ワクチンが、六月末までに高齢者二回分を各自治体に配るということがほぼ目安がついたものでありますから、それを、詳細なことを各自治体に送らせていただきました。

 結果、六月の終わりには高齢者が二回分、ワクチンが各自治体に届くんだなということを国民の皆様方も御理解をいただく中において、やはり早く高齢者の方々にワクチンをお打ちいただきたい、御接種をいただきたいという思いの中で、菅総理が七月三十一日を一つのめどに各自治体にお願いしたいということをお願いし、そして、総務省と厚労省の方から調査をさせていただいた結果が、多分、委員が今言われた結果だと思います。

 それまでにいろいろな接種票を送っていることもあるのかも分かりません。そういう意味では、計画を早めるということで、今出しているものが更に早まるということも、自治体において、それぞれの事情であるとは思います。

 一方で、七月三十一日という目標を置いたにしても、なかなかそこまでできないという自治体も中にはあるかも分かりません。あるところには、なぜそうなのかということを、厚労省も、これはサポートチームがありますから、御連絡させていただいて、そういう問題点があるのならば、それはいろいろなお手伝いをする中で解消ができるのであれば解消して、なるべく七月三十一日に打っていただくように変えていただく、こういうことをこれからさせていただくということであります。

山井委員 それで、例えば今日の京都新聞でも、京都府内、亀岡、向日市、長岡京市、南丹市、京丹波町は困難と京都新聞に答えたという一面記事であります。これは誰を責めているわけでもないんですよ。ただ、私は、気になっているのは、大本営発表的な政府の発表と実態がずれているんじゃないかというところは、みんな混乱しますから。

 ついては、政府としては、市町村は何割ぐらい六十五歳以上の人が接種すると考えて、今回の七月末に完了するかというふうに考えていられるのか。何割ぐらい接種すると考えておられますか。

 なぜならば、例えば、ホームページを見ると、大阪府の茨木市は六〇%と想定しています、堺市は七〇%と想定しています。それによって、七割といっても、今日も配付資料を入れていますけれども、例えば、昨日私がお話を直接お聞きした長野市では、九割が接種すると言っているんですよ。

 つまり、これだけ政府も頑張っているから、七割と思って七月末に終わると思ったけれども、八割、九割になったら七月末に終わらないんじゃないかというケースも増えてくると思うんですが、そこについては、八割、九割になっても七月中に終われるということですか。それとも、八割、九割が予想以上に接種したら、七月末は難しい自治体が出てくるという理解ですか。どちらですか。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

田村国務大臣 それぞれの地域で、当然のごとく、何割接種されるかというのは違うと思います。その上で、それぞれの自治体がそれを判断した上で今回調査票を出してきていただいていると思いますので、全国一律に何割ということは我々としては考えておりません。それぞれの自治体、それぞれの地域の方々が一番、どれぐらいの方々が打たれるかということを御理解いただく中でお出しをいただいているということでございます。

山井委員 八割、九割になっても、七月末完了という今の自治体の回答は変わらないということですか。多くの自治体は、今読み上げたように、七割とかそれぐらいで七月末に可能だと言っているんです。ところが、八割、九割の自治体が今出てきているんですよ、接種の見込みが。それでも七月末までに接種は完了できるというお考えですか。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

田村国務大臣 八割、九割で試算していただいておるということであれば、七月三十一日までに、そういう計画をお作りいただいているということだというふうに思います。

 何割打つかというのは、それは分かりませんよね、今の時点では。でしょう。ですから、途中で、例えば七割だったものがそれより、七五%とすれば、そこで更に、七月三十一日まで、例えば途中でこれは増えるなと分かれば、体制を組み替えていただくことができれば、それはそういう形にさせていただくということになろうと思います。

山井委員 時間が超過したので終わりますが、これは予想以上に接種者が多いと思いますので、市町村にやはり余り無理を強いないように、早くやってもらった方がいいに決まっているんですけれども、大本営発表と実態が乖離しないようにしていただきたいと思います。

 オリパラ事務局の方、ちょっと時間がなくて、本当に申し訳ありませんでした。

 以上で終わります。ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、尾辻かな子さん。

尾辻委員 立憲民主党の尾辻かな子です。

 一般質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 私からも、まずコロナの質問をしてまいりたいと思うんですけれども、今日、緊急事態宣言、そして蔓延防止等重点措置の地域が追加される予定ということになっております。緊急事態宣言でいうと九都道府県に広がるということになり、変異株がまさに全国に広がっている、本当に深刻な状況である、どこかでこれをしっかりと食い止めるために、しっかり私たちもメッセージを発していかなければいけないときに来ていると思っております。

 今日は、済みません、引き続き尾身会長に来ていただきました。お忙しい中、いつも本当にありがとうございます。来ていただきました、まず尾身先生に質問をさせていただきたいと思います。

 ずっと先生とお話しさせていただいているのは、大阪、また近隣でいうと兵庫、こうした阪神間の状況です。おとつい、たしか宮本委員との質疑の中では、大阪の感染状況はピークアウトの兆しが見えるというような御発言をされたというのを承知しております。

 ただ、大阪の感染状況を見ますと、例えば昨日でも、大阪の感染者というのは、新規陽性者数が七百六十一人という状況であったり、死亡者数も昨日が三十三人、おとついがたしか五十人の方が亡くなられているというような状況であったり、自宅療養の方が一万四千二百三十六人、入院、療養等調整中が三千六十人という状況、入院率一〇%という状況でございます。

 先生には、まず、この大阪の感染状況、私はちょっと素人なんですけれども、確かに若干の微減を感じるんですが、ただ、例えば死亡者数といったような数字は、多分この後、まだ後から来る指数じゃないか、そのようにも見えるわけですが、尾身先生の、今、大阪の感染の状況についての御見解をお伺いしたいと思います。

尾身参考人 委員おっしゃるように、実は、大阪の新規の感染者数の増加というのは少しずつ緩やかになってきて、もしかするとピークアウトというようなことが起こり始めているんじゃないか。ただ、まだ休暇の状況が分かりませんので最終的には言えませんけれども、どんどんどんどん新規の感染者が増えているということは辛くも避けられている。それは、人流がかなり、多くの人の協力で昼も夜も下がったということがあると思います。

 しかし、今委員御指摘のように、重症者、入院が必要な人というのはこれからまだ増えるので、これは本当に、気を緩める、全くこれがそういう意味でのピークアウトなんということじゃなくて、これから医療への負荷というのは更にまだ厳しい状態が続くので、しっかりと、今まで以上にみんなの協力が必要だというふうに私は思います。

尾辻委員 まだ予断を許す状況では全然ない。

 そして、やはり医療ですね。一番医療に激しい負担がかかっていて、例えば、今、全国から大阪に支援をいただいております。本当に心から感謝を申し上げたいと思うんですけれども、例えば名古屋から応援に入っていただいたドクター、医師の先生が、今、取材などに応じて、外を見ると一見平穏に見える、でも、感染をされている家庭に訪問したら、もう災害と一緒だ、東日本大震災に入ったときの衝撃と同じぐらいの衝撃、どこも一家全員が感染し、病院に搬送してもらえない、ここまで深刻かと衝撃だった、患者の血中酸素飽和度、いわゆるSpO2は通常なら即入院レベルまで下がっていた、しかし、今、必要な医療につながらない、入院にならないというような、やはり深刻な医療の状況を報告をされております。

 先生、五月六日に、医療体制強化のたたき台ということを出されました。この取組、三つあるわけですけれども、これを、やはり、あえてたたき台として出されたその先生の意図、また、ここだけはもう本当に今頑張らなきゃいけない、その辺りを教えていただければと思います。

尾身参考人 今の大阪の状況は、委員おっしゃるように、私は、もうこれは自然災害と同じような扱いをする必要があると思います。災害医療ですよね。

 そういう中で、実は、大阪の方ですけれども、医療関係者はもう限界まで頑張っていただいているので、これ以上頑張ってもらうというのはなかなか我々専門家としても言いづらいんですけれども、しかし、そうはいっても、やはりまだ少し余地があるというところがあると思うので、それが私は三つあったと思います。

 一つが、病院関係者というのは、大きな病院でICUとかそういうしっかりした、重症患者を診れる施設でない施設が多いですよね、特に、小さな病院で、民間の病院が主に多いですけれども。そういうところもそれぞれにできる役割があるので、それについては、今以上に地域の連携、一つの医療機関ではできませんので、地域全体での連携でできることはやっていただいて、例えば、一応、軽快して退院できた人は、今までそういう患者さんを診なくても受けてくださいということで、病院の更なる連携ということ、そこには調整本部というのがありますから、保健所に任せるだけじゃなくて、やはり臨床医がもっと関与するということ、それが一点目です。

 もう一点は、開業されている診療所、クリニックの先生方も、もちろん今までにいろいろな努力をなさっていただいていますが、今まで以上にここは、今は自宅療養とかホテルで療養している人がいっぱいおられるわけですよね、そういう人に例えば訪問するとか時々行っていただいて、あるいは電話で応対、様々な努力をしていただく。それから、今まではゾーニングというのができないけれども、予算がついていると思いますので、そういう工夫もしていただくということで、診療所の先生方に今まで以上の役割、関与をしていただきたいということ。

 それから、最後、これはもう釈迦に説法ですけれども、日本の医療というのは、地方分権という精神の下に、地域の医療計画というのは都道府県が主体でやるということになっているんですね。しかし、こういう災害、自然災害というときには、地域の、例えば大阪だけではできない部分があるので、こういう時代にはもう例外的に国が、今までの、いわゆる平時と違いますので、必ずしも頼まれなくても、要請がなくても積極的に応援する、そういう国の更なるリーダーシップというのを求める。

 この三点が、私は重要だと思います。

尾辻委員 大臣、今、尾身先生、国が更なるリーダーシップを持って、プッシュ型の支援をしてほしい、災害医療と捉えてということなんですけれども、プッシュ型の支援というのもやはり考えていただく必要があるかと思うんですね。

 済みません、それは通告には入っておりません。今先生がおっしゃったので、ちょっとそれを受け止めていただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。

田村国務大臣 今、尾身先生から、専門家の有志の方々のペーパーという話がありましたが、まさにアドバイザリーボードにおられる先生方でございまして、常日頃、こういう意見交換をさせていただいております。

 今、尾身先生が言われた幾つかのことももう既に御指摘をいただきながら我々やっておりますので、多分ここでも何度も御答弁もさせていただいていると思いますが、プッシュ型といいますか、ここに関しては、多分、まず人的にどうしても、ベッドがあっても人が足らない、結果的に重症者を診れないという状況があります。

 人工呼吸器が足らないというよりかは、やはり人が足らないと重症者を診れないという話になってまいりますから、そういう意味では、言われるとおり、尾身先生のJCHO、地域医療機能推進機構からも多くの医療関係者の方々、ほかにも、国立病院機構でありますとか労災病院でありますとか日本赤十字社でありますとか、いろいろなところから多くのマンパワー、大阪に入っていただいて、今、そういう意味ではプッシュ型と言っていいのかも分かりませんけれども、いろいろな形で応援に入ってきておるということでございます。

 そのほかにも、プッシュ型という意味からしますと、よく言われますけれども、いろいろな医療資材、マスクだとか、それからあとアイソレーションガウンでありますとかいろいろなもの、こういうものもプッシュ型でもうどんどんどんどん送っていこう、これはG―MISなんかも使いながら対応させていただいておりますが。

 いずれにいたしましても、災害級というお話が出ましたので、我々もそのような意識の下で、しっかりと対応していかなきゃならぬというふうに考えております。

尾辻委員 災害医療という言い方というのは、私なんかはちょっとトリアージみたいなことを考えてしまうところがあって、そういうところも議論しなければいけないところに入っているというような記事も見たりします。ただ、できるだけそこにならないような最大限の努力をしていただきたいと思います。

 尾身先生、緊急事態宣言の解除のお話もちょっとお聞きしたいんですけれども、先生はずっと、取りあえずステージ3になる、そしてステージ2に向かうぐらいで緊急事態宣言は解除になるという方向性をおっしゃっておられるんですが、例えば、一番早かった大阪などで、じゃ、緊急事態宣言解除というのが、期間でいうといつ頃見えてくる、もちろん五月いっぱいというのはありますけれども、先生の中では、五月いっぱいで緊急事態宣言解除というのはできるという、ちょっと今、見通しなどはありますでしょうか。

尾身参考人 私は、今、日本の社会に求められているのは、いつに日にちを置いたからその日に解除するというような考えじゃなくて、ワクチンが、一生懸命、今高齢者を中心に接種をしようとしているわけですよね。恐らく、詳しい日程はよく分かりませんけれども、七月とか八月になると、高齢者の多くの人が。ここに来ると、私は随分今の見ている景色が違ってくると思います。重症化は間違いなく減りますので、そこまでが非常に重要な期間ですよね。

 したがって、今そのことが実は日本の社会の目標だということを、やはり政府も自治体も市民も共有すべきだと思うんです。そのことを考えない、そういう大きな文脈の中でいつ解除という話をしないと、日にちだけがもう先にありきで、むしろ我々は、そこの八月、七月、ワクチンが高齢者に行くまでにともかく大きなリバウンドを防ぐという、これが大きな目標で、その目標を達成するためには、解除の方法というのを、実は変異株のことがあるので、今までよりも慎重にやらないと、解除すれば、もう必ず早晩リバウンドが起きますから。特に、リバウンドのスピードは速いと思います。そうすると、また緊急事態宣言ということになるので、私は今回の解除の仕方というのは非常に重要だと思うので、日にちが、期間は決まっているわけですよね、だけれども、そこで、期間が来たから無条件に解除ということは、私は絶対にしない方がいいと思います。

尾辻委員 先生の、今、期間が来たら解除は、絶対にしない方がいい、期間ありきではないという、それをしっかり受け止めたいと思います。

 そして、ということは、先生のお話を聞いていると、もう絶対に第五波は起こさないんだというふうにも聞こえたり、それとも、やはり第五波までは日本では起こってしまう、それに備える、どちらが先生としては目標になりますでしょうか。

尾身参考人 いろいろな研究者の方がシナリオをいろいろシミュレーションしていただいて、それらは前提がいろいろ違ってきますので、私は、今までのこの一年以上の経験を、全国というよりも一つ一つの県をつぶさに見ていきますと、やはり、解除の仕方、解除を早くすると必ず早いリバウンドが来るということは、もう十分我々は分かっているわけです。

 したがって、もう一回の、第五回の緊急事態宣言というのは、当然、理論上はあり得ますよね。だけれども、我々は、そういうふうにしてやるのか、そういうことを前提にしてやるのか、ここでともかく、もうしばらく歯を食いしばってでも、八月の、そういう多くの高齢者が、移るまでやるというのは、これは違いますよね。そういうことをしてもまたリバウンドが起こる可能性はありますよね。これは間違いなくある。そのときに、私どものあれは、ともかくそんなことになる前に、今日も議論が出ましたけれども、分科会で、緊急事態宣言と重点措置は違いますので、同じようなプロセスでやるのは、私はちょっと、今、ウイルスの動きに間に合わないと思います。

 したがって、重点措置というのは、ともかく、ちょっとでもいたら打つ、そういう覚悟をしないと、また、五回目の緊急事態宣言、済みません、四回目の緊急事態宣言というのもあり得るので、それをなくして、ともかく、小さい山は必ず来ますから、そこをどうやってしのいでいって、ワクチンが来るまでやるというのが、私は今、日本の社会に求められていることと思います。

尾辻委員 先生、ありがとうございました。

 あと一問だけ、先生、最後にあるので、先にホストタウンの話をして、ちょっとホストタウンに対する先生の評価を聞かせていただいてと思っておりますので、あとしばらくだけおつき合いくださいませ。済みません。

 ホストタウンのことでございます。

 前回も質問させていただきました。私は、今の状況でいうと、もうホストタウンというのはちょっと考えにくいと言わざるを得ないと思います。

 まず確認ですけれども、事前合宿ということがホストタウンではあるということで、このホストタウン、基本的に、選手団は入国されたら十四日間待機をされずに事前合宿の場所に向かわれる、つまり、選手村に向かうというよりは、事前合宿があるところは事前合宿に向かわれるということでよろしいでしょうか。丹羽内閣副大臣、ありがとうございます。

丹羽副大臣 入国された選手団におかれましては、直接、合宿地というかホストタウンに向かうことでございます。

尾辻委員 すぐに事前合宿のホストタウンのところに行くというのは、一体何人ぐらいで、何か所ぐらいあるのか。前回の質問で、ホストタウンというのは四百五十六件、五百二十八自治体だったんですね。その中での事前合宿というのは、どれぐらいの地域、何か所ぐらいになるんでしょう。

丹羽副大臣 ホストタウンにつきましては、事前合宿受入れを予定しているのは、今年三月末時点で九百競技、オリンピック七百で、パラリンピック二百というふうになっております。

尾辻委員 九百競技と二百、千百が事前合宿……(発言する者あり)

丹羽副大臣 済みません。九百競技で、オリンピックで七百で、パラリンピックで二百です。

尾辻委員 ごめんなさい、私、今、数字を聞き損ねたんですが、事前合宿されるのは何自治体で、何人ぐらい。

丹羽副大臣 実際に事前合宿するといいましても、先ほど競技数を言いましたが、競技自体がばらばらに分かれている選手団もおられますし、様々なケースがございます。ですので、今年の四月二十七日現在で、登録件数が四百五十六件の五百二十八自治体というふうに把握いたしております。(尾辻委員「それは知っています、私も聞いていますから。答えていただいていないんですけれども。事前合宿、何件」と呼ぶ)

 申し訳ございませんでした、済みません。

 ホストタウンによっては、事前合宿を受け入れているホストタウンと、それをやらないホストタウンもございます。事後、終わった後のホストタウンもございますので、一概に、全競技が、先ほど言った九百全ての競技がホストタウンに行くというわけではございませんので、まだ実際のところ決めかねている自治体もございますので、把握はし切れておりません。正確な数字はまだ申し上げることができない状況でございます。

尾辻委員 そうなんですよ。私も、だから、事前にレクで聞いたときに、一体、何か所、そして何人ぐらいの方が事前合宿されるのかと聞いたら、いや、実は把握していないと。これでは、正直、どれぐらいの方がその地域にどれぐらい行かれるのかという、できるかどうかの判断することを国が把握していないというのは、私、これは非常に問題だと思います。

 把握していただいて、ちょっと、その数字、理事会に出していただくことは可能でしょうか。

とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

尾辻委員 そして、前回、政務官に来ていただいたときに、ホストタウンの辞退の話を聞いたんです。そうすると、辞退はないときっぱりとおっしゃったんですが、今どんどんどんどん、実は私が質問したときでも、事前合宿は七自治体ぐらい、報道で、やらないということになっていたんです。

 これは、辞退がないんですかと聞いたから辞退がないで、実は中止はあるんですとか、事前合宿の中止はあるんですとか、そこにそごがあったからこういう答えになったのか、ちょっと整理をしていただいて、今どれぐらい、断念とか中止とか、あるんでしょうか。

丹羽副大臣 事前キャンプ地やホストタウンの選手の事前合宿等の受入れのうち、今年に入って約四十五の自治体が中止というふうになっております。

 また、その背景の主なものといたしましては、相手国が事前合宿を実施しないというふうにしたケース、さらには、相手国が、先ほど言ったように、合宿箇所を一か所に集約したため来訪しなくなったケース、また、練習場所が、施設が確保できなくなったケース、これはオリンピックが一年延長したことによってその後の予定が入ってしまった、そういったこともございまして、約四十五の自治体が中止になったというふうに認識いたしております。

尾辻委員 ちなみに、辞退とか、どうやって把握されているんでしょう。

丹羽副大臣 これらの把握につきましては、報道されているホストタウンでの海外選手の受入れの断念の理由につきましては、ホストタウンの自治体に問い合わせて把握いたしております。

尾辻委員 副大臣、すごい早口で、なかなか私聞き取れないんですが、レクでもお聞きしたら、報道を拾って把握していると。ちょっと先ほど言われましたね。つまり、中止になったことは、ただ単にいるだけでは分からないんですよ。報道されて初めて、ここがなくなったんだということが分かるというこの把握体制は、私、これは問題じゃないかと思うんです。

 もう少しちゃんと把握していただいて、どこが中止になったのか、辞退と言うと、辞退だけだと、ないとなりますので、事前合宿、どこが中止になったとか、もう少しちゃんと把握すべきだと思うんですが、いかがですか。

丹羽副大臣 申し訳ございません、ちょっと早口になってしまいましたが。

 委員おっしゃるように、引き続き適切に、組織委員会含めオリパラ事務局といたしましても、ホストタウンでの海外選手の受入れにつきましては、各自治体に問合せをしっかりとしていきたいというふうに思っております。

尾辻委員 問合せをするというよりは、中止になったときに、自動的に連絡をしてもらうようになって把握した方がいいと思うんです。そうしないと、最終的にどうなるかというのは全然分からなくなると思うんですが、それはいかがでしょうか。

丹羽副大臣 委員のアドバイスを頂戴しながら、しっかりと対応していきたいと思います。

尾辻委員 結局、今質問で分かったことは、つまり、事前合宿は何人ぐらい、どこ、何か所でやるんですかということが実は国では分かっていなかったり、事前合宿、じゃ、中止になったのはどこですかといっても、実は報道から拾って知っている。こういう状況というのは、感染拡大が広がっている中で現実をつかめていないということになります。しっかりとつかんでいただきたいと思います。

 最後、済みません、尾身会長、お待たせをいたしました。

 最後の尾身会長への御質問でございますけれども、実は、このホストタウンというのは、先ほどからあるとおり、五百自治体ぐらいに海外からの選手団が行かれて、事前合宿をしたり、また、試合が終わった後に交流をされるということになっているんですね。それの交流の内容として、マニュアルに書いてあるのは、そば打ちだったり、おにぎりを作るとか、お茶の茶道の体験、給食交流とかをされるということです。

 私は、今この事態においては、さすがにそういうホストタウンの交流というのは感染拡大の契機になるんじゃないかと危惧をしておるわけですけれども、尾身会長としてはどのようにお考えになられるでしょうか。

尾身参考人 今、世界での感染者というのは、言ってみれば最高値を記録しているわけですよね。その中で、特に、委員御承知のように、インドを始め、いわゆる発展途上国の感染者が非常に増えている。その中に変異株の問題もある。そういう中で、感染の、ウイルスの国内への持込みというのは、どんなにいろいろな対策を打ってもあり得るわけですよね。

 そういう中で、ゼロのリスクというのはありませんけれども、その中でリスクをコントロールしやすい場面とそうじゃない場面というのは、さっき私が、リスク評価をしていただきたいというのがあると。選手がスタジアムの中でしっかりといろいろなコントロールをして、そのこと自体で感染するというリスクよりは、むしろ、リスクとしては大きく分けて二つあって、一つは、アスリート以外のいわゆる関係者、様々なカテゴリーが、具体的な名前は申し上げませんけれども、たくさんのカテゴリーのその他の大会関係者というのがおられて、その人たちは、常識で考えると、アスリートの人たちよりもなかなか感染の防御、あるいはいろいろなところで誓約書を書いてどうこうということが守りにくいということは、これは一般の常識だと思います。そのリスクはアスリートよりも高い。

 それから、場所としては、競技場でよりも、むしろ競技場の外で、これだけいろいろな人が集まって、国内の状況にもよりますけれども、今のお茶の話、そばの話ということ以外に、会場以外での、それは、アスリート以外の関係者と同時に、日本人の人もいますよね、そこに行くという。そういうことが起これば起こるほど感染のリスクが高まるということは、だから、アスリートの感染、スタジアムの中の感染というよりは、プレーブックはよくできていますけれども、プレーブックが本当に遵守されるかどうかは、むしろ今言った二つのところが、私は、非常に慎重に、リスクをしっかり評価することが重要だと申し上げております。

尾辻委員 非常によく分かりました。

 丹羽副大臣、今の尾身先生の話、しっかりとちょっと持ち帰っていただいて、丸川大臣とも共有いただいて、やはり今、正直、もうホストタウンというのは現実的ではないと判断すべきときに来ているかと思いますので、先生の意見をまず持ち帰っていただけるかどうか、そして検討いただけるかどうかだけ、ちょっとお返事いただいてもよろしいでしょうか。

丹羽副大臣 尾身会長から今お話がございました件につきましては、しっかりと丸川大臣の方にも伝えさせていただきたいと思っております。

尾辻委員 検討はいかがですか。

丹羽副大臣 また、丸川大臣の下で検討していただけるように、私の方からも伝えさせていただきます。

尾辻委員 しっかりと、本当にもう今ホストタウンでも、自治体が、皆さんが、どうしたらいいか分からないという状況になっていますので、早めの決定、検討をお願いしたいと思います。

 済みません、丹羽副大臣、そして尾身先生、以上の質問となりますので、御退席をいただければと思います。お忙しい中、ありがとうございました。

 では、次、ちょっとワクチンの話をしていきたいと思います。

 ワクチンの、まず、日本にどれだけ輸入が来ているのかということが、ちょっと報道なんかでいろいろあって、正直、一体、今現時点で日本にファイザー製のワクチンは幾ら入っているのかということについて、副大臣にお聞きしたいと思います。

山本副大臣 委員、今、ワクチンの量がどのくらい入ってきているかでございますけれども、今、ワクチンに関しましては、五月十七日の週までに、医療従事者、高齢者向けを合わせまして三万一千箱以上、回数としまして三千五百万回以上の配送又は配送予定でもございます。

 また、医療従事者向けにつきましては、今回、都道府県から登録されました四百八十万人全員が二回分接種可能となる量のワクチンの配送が今週完了し、高齢者向けにつきましても、六月末までに高齢者三千六百万人全員が二回接種可能となる量のワクチンを配付する準備ができる見込みでございます。

尾辻委員 ということは、今、日本にあるのは三千五百万回分だということでよろしいでしょうか。うなずいていただければ。(山本副大臣「はい」と呼ぶ)そうなんですね。だから、日本には大体三千五百万回分があるということです。いろいろな報道があって、どれだけ入ってきているかというのがちょっと正直分からないという状況は、これはどうなんだろうと。

 次に、これもたくさんの議員さんたちが質問しております。私も、要は、接種能力がどれぐらいあるのかというのを把握するのは本当に大事だと思っているんですね。計画はあっても、やはり能力がどれぐらいというのがあるので、今、各自治体、どれぐらい一日に、全自治体フル稼働したら何万人分ぐらい接種できるのか、こういったことは把握されているのかどうか、お聞きしたいと思います。

山本副大臣 今、各自治体が七月の末を目指しまして高齢者向けの接種を進めている状況でもございます。八月中、七月の末までにという自治体が今千四百九十、約八六%ということでございますけれども、その自治体が今それぞれ、これに応じまして、人の体制であるとか、また接種体制の構築に向けて調整が続いているということであります。

 その意味では、今委員が御指摘のような把握をするということに関しましては、自治体に負担がかかるということでもございますので、把握することはしておりません。

尾辻委員 そうなんですよ。把握されていないんですよ。

 なので、要は、目標はあっても、やはり、まずどれぐらい打てるかということが分からないと、いつまでに何本というのはちょっと正直分からないなというところがあって、そうすると、目標倒れになったり、現場に物すごい負担だけがかかるようなことになるんじゃないかと思いますので、ここはやはりしっかりと把握していただきたい。

 ただ、先ほど、忙しい自治体にこれ以上というのがあるのであれば、ちょっと工夫をしていただく必要があるかと思います。

 やはり接種能力を把握するというのは、これは一応、山本副大臣の役割であるということでよろしいでしょうか。

山本副大臣 今のは厚労省の立場としてお話ししたわけでございますけれども、河野大臣の下で、自治体の方々との、昨日も全国の知事会の知事たちとも連携を取らせていただいておりますけれども、どういう形で、個々、自治体によっての状況の違いがございますので、相談に乗りながら、厚労省におきましては自治体サポートチームという部分で、都道府県の、それぞれの市町村も含めまして、状況をしっかりと把握しながら支援に努めていきたいと思う次第でございます。

尾辻委員 ちょっと決意を語っていただいたわけですけれども。

 あと、ちょっとワクチンの現実的な打ち手の話をしたいと思うんですけれども、とにかく、もうこれは誰が考えても、早くしようと思うと、打ち手と会場を増やす、これしか早くする方法はないんですよね。

 ただ、人材という面で限りがあるわけです。そうすると、どちらを取るかですね。現実的な期限を設定するのか、それとも、何かしらの判断をして打ち手を増やすということをするのかなんだと思うんですよね。特に、私、地元大阪なんかは、本当に災害レベルですから、早くワクチンを打っていく、そして打つ体制が必要と考えています。今、ちょうど打ち手は歯科医師まで増やしました。

 ただ、世界各国を見てみると、イギリスなんかはすごいですよね。ボランティアの方に十時間のオンライン学習と丸一日の実施研修をして、要件はありますけれども、打ち手にするということをしたり、アメリカなんかでもそうですけれども、今まで注射を打っていなかった医療関係者まで増やしていったりということをされております。

 最下位レベルということを考えると、実は、もうちょっと打ち手を増やすための、超法規的というか、これは本当は業務独占ですから、打ち手というのはなかなか広げられないところなんですけれども、やはりもうちょっと、コメディカルとかそういうところまで、例えば先生の薬剤師、とかしき先生は薬剤師でございますけれども、アメリカなんかは薬剤師も打っておられたりするんですけれども、そういうような打ち手の拡大ということを、やはりこれは政治的判断、政治的な調整と決断でやらないとこういうことはできないと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 先般も、日本医師会の会長、日本看護協会の会長、総理、私、それから河野大臣とお会いをさせていただきまして、再度のお願いをさせていただきました。

 もちろん、これは、時間外でありますとか休日でありますとか深夜も含めて打ってあげようという方々もおられますので、そういう方々には単価を引き上げるということもやらないと、今二千七十円でございますから、それだとやはり時間外等々に対応できないということで、二千八百円、四千二百円というような単価を設定をさせていただくと同時に、派遣をいただく医療機関等々に関しても財政的支援をするということをお決めをさせていただきました。

 看護師の皆様方には、これは特例で、要するに集団接種ワクチン会場のみということで、派遣ということも今回お願いをさせていただきます。

 あわせて、今、歯科医師のお話がございましたけれども、歯科医師はアナフィラキシーに対する御知識もありますし、特に歯科の治療に関しては筋肉注射等々もされる、そういう歯科医師もおられます。ですから、そういう意味では経験もあられるわけでありますので、もちろん、ない方々の場合は研修を受けていただくということをやりますが、看護師等々なかなか対応できない、保健師又は助産師等々で対応できないという場合は、歯科医師の皆様方も地域地域で御依頼をさせていただいて対応いただく、こういうことも、見直しといいますか、政令でこういうことを対応しようということをいたしております。

 薬剤師の皆様方に関しましては、なかなかこれは、世界のそれぞれの薬剤師、それぞれの状況が違いますものですから、日本においては、薬液希釈でありますとか、それから充填、こういうことはしっかりやっていただいて、あとは打つだけという状況をつくっていただくような形でお力をおかしをいただこうということで、今、各自治体でいろいろなお願いをしていただいているわけであります。

 問題は、ちょっと獣医師の皆様方は、なかなかこれは、対象が要するに家畜でありますとか、獣医の方々でございますので、お願いというわけにはいかないわけでありますけれども、様々な形で、対象者、今お願いをさせていただいております。

 なお、やはりボランティアだとかということになってくると、国民の皆様方がそれを御理解をいただけるか。日本の場合、比較的、医療というものはかちっと決まった中で受けていただいておるという、そういうやはり今までの環境がございますので、なかなかボランティアの皆様方に打っていただくということは国民の皆様方に許容いただけないのではないのかなというふうに思いますので、我々は今、資格を持っている又は能力のある方々を中心に、今の制度の中で、潜在看護師の方々も是非ともお力をおかしをいただきながら対応してまいりたいというふうに思っております。

とかしき委員長 尾辻かな子さん、申合せの時間が来ております。

尾辻委員 はい、分かりました。

 厚労省としては、こういうのは最も苦手な分野だと私も思っています。だけれども、この状況の中でワクチンをスピードアップしようと思うと、何かしらが必要であるというところ、これは政府としての意思決定になるかと思いますので、安全とのてんびんの中で、スピードというのをやるための枠を広げるということを考えていただきたいと思います。

 政府参考人の皆さん、いつも質問通告して質問できず、申し訳ありません。

 以上で終わります。ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、池田真紀さん。

池田(真)委員 立憲民主党の池田真紀です。

 今日は、委員の皆様に、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 あと、尾身理事長も、お忙しいところ済みません。前半、専門的な見解のところで御助言をいただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 まず、私も、最初に、もうお配りしてしまった資料がございますけれども、その後から二転三転と、札幌、北海道を含めて、この緊急事態宣言に至るプロセスといったものがもう既に報道されております。

 十三日のニュースを配付したんですが、その後、夜になって、札幌市、国の見解といったものが報道されました。そのときには、慎重ということで、札幌市のみの限定で求めた知事に対して、それはちょっとということで外されていたんですが、しかし、今朝、これは北海道新聞、配付をさせていただいたのは紙のものですから、間に合わなくて、既に変わっているのを、私、手元にしか持っていませんけれども、このときには、もうみんな緊急事態、してほしいというか、これはいいのかというような形の報道がされているんです。その後に緊急事態宣言になったということであります。

 毎日、本当に、田村大臣も一緒に専門家の皆さんと意見交換をされているということだったので、どうしてこういうことが起きるのかなということで、非常に、政府に対して、判断の大きなミスだったんじゃないかなというふうに思っているんですが、専門的な御意見を伺って変更したということ以前に、その前に別の見解を報道しているんですよね。そのこと自体に誤りがあったのかなかったのかということを、まずこれは田村大臣に先に伺っていいですか。

田村国務大臣 報道自体がどうであったかというのは、我々は報道に言っているわけではないので、報道がいろいろな取材をされているんだと思いますが。

 ちょっと誤解をしていただきたくないのは、分科会も含めて、政府全体の組織の中の一部なんですね。我々は総合的に判断し、最終的にどのような形にするかを決めます。これは内閣が決めます。内閣が決めます。

 その上で、分科会のいろいろな諮問をおかけしたものに対しての御評価、こういうものもいただいた上で最終的に総合的に判断をするわけでございますので、プロセスからいうと、最終的に今から判断をするわけでございますから、専門家の皆様方の御意見をその過程でお聞かせをいただき、そこで昨日いろいろと検討した内容に関して、やはり専門家の御意見がこうであるということを踏まえた総合的な判断をさせていただく中で、緊急事態宣言という形を、これからの手続にのっとって対応するということでございますから。

 政府全体の手続という意味からすると、我々としては、今回、正当な手続の下で、しっかりと専門家の皆様方の御意見をその中に盛り込めたというふうに思っております。

池田(真)委員 尾身理事長にお伺いしたいんですが、専門的な見解からでいいんです、発令するとかしないとか、今までがどうだったかということはおいておいて。

 まず、北海道というのは物すごく広域です。その広域の中で、札幌市はとっくに悲鳴を上げていたんですね。医療の危機の状態、数値からもはっきりしていました。この広域なところについて、緊急事態宣言について、例えば地域を特定するということに対して、緊急事態宣言を発令する効果がないということでよろしいですか。

 最初、加藤官房長官がちょろっと記者会見でおっしゃっていたんですが、専門的な御意見をお伺いしたいと思います。

尾身参考人 委員御承知のように、今日の午前中に開かれた諮問委員会の分科会では、ほとんど多くの、例外は一人、二人おられましたけれども、最大多数の委員が北海道については緊急事態宣言を出すべきだと。

 その根拠はいろいろありましたけれども、代表なことを申し上げると、一つは、そもそも重点措置と緊急事態宣言というのは違うんだということです。重点措置というのは早い時期に出すということと地域を、それと、今までの経験で、北海道もそうですけれども、何もしない、強い対策を打たないと北海道はまた広がるということが、もう前に経験、分かっている。

 その上で、変異株の影響が出てきて、それは北海道も、北海道はもうこれは紛れもないステージ4です、ステージ3で重点措置を行うような時期ではない。もう医療が、札幌だけじゃなくてほかのところにも、周辺にも負担がかかっていて、感染が札幌よりも外の地域にも広がっているということが分かっているというようなことで、もうこれはどう考えてもステージ3じゃなくて4で、重点措置というものの適用というものじゃなくて、緊急事態宣言をしないと感染はますます広がっていく、今も広がっているんですけれども、更に広がっていくというのが我々の判断で、最終的に、そのことを政府に申し上げて、政府も受け入れていただいたということだと思います。

池田(真)委員 とにかく広さということでいうと、やはりこのステージ4というのはもうとっくに札幌はなっていて、その周辺というか、ほかのところがそうではないということで、ちゅうちょされていたりとかというのではないかな、あるいは平均を取られてしまうということを考えますと、やはり振興局というちょっと特殊な自治体の数があるんですね、行政区があるんですけれども、振興局でいうとかなり、東京とか神奈川とかというよりも大きな振興局でくくられているんですが、今出されている都府県単位の緊急事態に対するものと並ばれるなというふうには思っておりますので、是非、その地域に対しての部分も今後御検討いただきたいなというふうに思っております。

 そこでちゅうちょして遅れてしまったら本当に取り返しがつかないし、今回、知事が話をしていた札幌市のみの限定というのは極めて小さいですし、そこだけではやはり難しいと思うんですね。振興局単位ということであれば、かなり、今の都道府県で発令されているものと同類の効果があるのではないかというふうに、あるいは全国の話はまた別になるかと思いますけれども、私は北海道なのでそう実感をしておりますので、是非、専門的に御見解をお願いしたいと思います。

 そして、あともう一点。やはり、緊急事態宣言の捉え方とか危機管理というところでいいますと、前に、ダイヤモンド・プリンセスのときに自衛隊の方々がたくさん、延べ人数は四千七百ぐらいだったようですけれども、そのときに感染者がゼロというようなところで、非常にほかのところとは対応が違っていたというふうに伺っております。

 ですので、そういう危機管理ということであれば、非常に、今回に対してももっと早めに手を打つべきだった、危機管理として失敗しているというふうにおっしゃった前統合幕僚長さんがいらっしゃったということで、これは尾身会長ではなくて、政府全体としてやはり受け止めるべきだなというふうに思っておりますので、一言申し上げたいと思います。

 そして、ワクチンの話、具体的な話を伺っていきたいと思います。

 ワクチンですが、見守りについて伺いたいと思います。

 まず、見守りの体制、三十分間、集団接種会場等あるいは医療機関でもお待ちくださいということでありますけれども、在宅の皆さん、往診でやるよと言っているようなところについて、見守りは誰が見ていくのかということで、通知は出されております、承知しておりますけれども、ただ、表現が曖昧で、業としてやるのかやらないのかというところが、ちょっと確認をさせていただければと思っています。

 業種として、御家族とか身近な方がという曖昧な表現なので、そうではなくて、業種として行うことの場合というのがどこまで入っているのか、教えてください。

田村国務大臣 見守りというのは、多分、今、御自宅に接種に行かれたというような、巡回接種に近いような形で回られたときのお話ということでいいんですかね。

 基本的には、そういう場合に関しては、近くにおられる御家族でありますとかそういう方々が御対応いただいて、何かあったときにはすぐに連絡が取れるような体制をつくっておくということでありますが、お独り住まいの方々もおられますから、そういうときにはどうするかというのは、それぞれの自治体でいろいろな御工夫があるんだと思います。

 場合によっては、いろいろな、中には、接種者が入って、その後、二、三十分後にその家を訪れる方がおられてみたいなやり方もあると思いますし、様々なやり方の中において対応いただくということになろうというふうに思います。

池田(真)委員 例えば、見守りで、お独り暮らしの方とかで、業種としてやる場合にはお金がかかってくるんです。

 私、かなり御意見を伺っておりますが、方針が国から示されていないということで、完全に、今、お金がある人は、ではお金で契約しましょうかみたいなことになっているんですが、例えば、御高齢の方がこの後接種をして二日目、三日目といったときに、二回目の発熱、高熱を出される副反応がかなり高い数値で示されているかと思いますが、先行接種の事例で、一回目よりも二回目のときの方が高熱を出されるということで示されていますよね。

 そういったときに、要は、かなり容体を変化される方が多いですから、そのときに誰もいないということで本当によいのかといったときに、これは平時のサービスではありませんから、この辺を明確にしていただきたいなと思っているんです。ケアマネジャーさんも包括も、そして介護事業所も非常に困っておりますので、現在検討しているのであれば、お聞かせいただきたいと思います、大臣。

田村国務大臣 介護サービスとなると、常にいていただくわけにはいきませんよね。ですから、そういう意味からいたしますと、介護サービスで対応するということもあり得るのかも分かりませんが、なかなかそれが難しいということであれば、先ほど申し上げたみたいに、二人でペアで回っていただいて、一人が接種した後、後から二、三十分後に状況を御確認いただくというようなことも一つの方法であるかなと思いますが、費用等々のことも多分委員おっしゃられておられると思いますので、これはもう早急に検討させていただいて、結論を出させていただきたいというふうに思います。

池田(真)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。

 物すごく要望が来ていて、これはお金のない方ということも非常にありますし、あと、万が一の場合に、在宅で打った後にそういうことになると、非常に、最悪のパターンは避けていきたいので、是非御検討を、いただけた答弁、本当に感謝いたします。御期待申し上げたいと思います。

 そして、そのワクチンなんですが、そんなことで、進捗状況も様々です。

 百七十九市町村ある北海道では、初回のときに百七十九箱届いたそうで、平等に、人口の小さい村も、そして大きな市も平等に一箱配ったということで、極めてこれは自治体格差がある状況になっています。ですので、優先順位なんかもこの後かなり変わってくるかと思います。工夫されているところで、テレビで報道されているようなところもありましたし。

 そこで、尾身理事長にお伺いしたいと思うんですが、ワクチンの、今、高齢者ということで、先行接種をしています。先行接種の後、高齢者の方、そして、その後に基礎疾患とか、あと介護施設等の従業員、従事者ということでございましたけれども、介護従事者を、在宅は対象じゃないですよと。その後、尾辻委員の質問を経て、田村大臣、御検討いただいて、自治体への通知、自治体の判断でいいですよという通知を出していただいております。

 しかし、その理由が、二つ理由があったんですが、そのうちの一つとして、施設はクラスター化するからだということがあったんです。

 であれば、施設がクラスター化するということであれば、今、高校とか大学とか、あと、もちろん保育園とか学童保育クラブ等がかなり集団で感染をしているのが報告をされていますし、そして、対象とはなっていない、在宅扱いになっているデイサービス、通所も、つい先日私のところでも確認がされていますし、あと、そういったところにワクチンの接種を優先していくということを考えることは可能でしょうか。有効性ということですね、いかがでしょうか。

尾身参考人 委員のお尋ねなのは、恐らく、高齢者が終わって、基礎疾患の、そういう人が続きますよね。その後はいわゆる一般の人になるので、その一般の人の中で優先順位をつけて、例えば、今おっしゃったクラスターの発生している、そういう場所を一般の人の中でも特に優先したらいいんじゃないのかという御意見ですよね。

 これについてはいろいろな考えがあると思います。クラスターが発生している場所といって学校とか保育所を今委員がおっしゃって、そこは確かにそうなんですけれども、実はクラスターが起きている場所というのはそういう場所だけじゃなくて、様々な場所が、職場でもあるし、いわゆる差別とか何かは全くあれですが、外国人のコミュニティーもあるし、様々なところでクラスターが起きているんですよね。

 だから、そういう意味で、一般の市民がやったときにそういうところに優先順位をするという考えが、一つの私は考えだと思いますけれども、また別の考えは、そもそも、今回のワクチンの優先順位というのは、重症化予防、発症予防というのは明らかに分かっている。しかし、感染の予防というのは必ずしも分からなかったということで、今でもそっちの方は前二者に比べてまだはっきりはしておりませんが、そういうことで、今回の一つの優先順位の哲学は、重症化予防ということを重点に置いているんですよね。そういう考えもあるので。

 ただ一方、クラスターが起きているということ。クラスターは起こさない方がいいので、そういう意味では、ワクチン以外にも、今先生がおっしゃったような学校とか職場とかというところで、つい最近政府が確保を決めていただいた抗原定性キットというのもあるので。

 そういうことも組み合わせながらやるので、クラスターをやっているところを最初にワクチンという意味では、少しいろいろな検討をこれからもしてみたいというふうに思っております。

池田(真)委員 接種の意思判断というか、高齢者の意思疎通が難しい方でお独りの方とか、あるいは、施設入所されていてもその施設の長が判断するにも難しいとか、成年後見を使っている人というのはごく僅かです。

 そういった方たちが、この後、高齢者で、接種は難しい、ちょっと様子を見ておいた方がいい、私たちは責任を負えないしというふうになった場合に、今度、感染の方から考えると、動いている人たちを止める。

 要は、重症化にはならない元気な人かもしれないけれども、若い人たちかもしれないけれども、常に動いている人たち、あるいは事業継続で必ず外に出てリモートのできないお仕事をしている人たち、そういった人たちから感染を止めていく、食い止めるために、ワクチンの有効性といったものの御判断というか、そういった御検討はされた上でということでしょうか。

尾身参考人 委員の今のお話は、クラスターの起きているということとは違って、いわゆる一般の人の中で、簡単に言えば、今六十五歳というのがあって、その次はでは五十歳にというような年齢別。つまり、今でもまだ、変異株のことがあっても、年齢が高いほど重症化しやすいという事実はあるんですね。

 そういう中で、もう一つの意見は、今委員がおっしゃっているように、むしろ感染のドライビングフォースといいますか、感染を一番起こしやすい人たちは比較的若い人が多いので、その人たちにワクチンを打つ。

 これは、二つは考え方としてはやや異なるアプローチですよね。これがどちらがいいのかというのは、これはしっかりとした議論が私は必要だと思うので、今の今日の時点、これからしばらくの時点は、その議論は、頭の体操は我々もしますが、今は高齢者、医療関係者にもまだワクチンが全員は行っていないわけですから、とにかく早くやる。そういう中で、今委員がおっしゃったような問題提起については、我々も、少し厚生省なんかと相談しながら、頭の体操をやっていこうと思っています。

池田(真)委員 ありがとうございます。

 本当に多くの高齢者とかが、なかなか判断、意思疎通が、誰がしたらいいんだというところの中もありますし、そういう中で、むしろ意思表示を明確に言ってきている人たちが、必死に働いているケア業界の人たちです。居宅サービスこそ密着度が高いのでワクチンの優先度を上げてほしいとか、こういう声がたくさん届いておりますし、あと、学生さんですね。先日は高校生でしたけれども、高校生、大学生も私のところに寄ってきたりとか、LINEで意見をくれたりして、僕たちはいつ打てるんだと。要は、いろいろ周りにうつすことの心配をしておりますので、それはあくまでもそういう声があるということだけで、また専門的な御見解と、そして、各省との検討を引き続き続けていただきたいと思います。

 何はともあれ、それよりも、ワクチンをどれだけ確保したかというのはおおむねこの国会でも示されてきていますが、これをその先どうやって供給するか、いつ届くのかという計画がなかなか各自治体ごとに見えてこないという声もたくさん届いておりますから、今はそれどころではないと言うかもしれませんけれども、是非、そこら辺は今後御検討いただきたいというふうに思っております。

 ここで尾身理事長の方は、今日はありがとうございました。

 そして今度は、コロナによって生活困窮に陥っている方たちが非常に多い状況になっています。これは統計というのはなかなか取りづらい、政府の方ではなかなか取りづらい話で、法のはざまにいらっしゃる方たちが実際にどのぐらいいるのかというのは分からないと思いますけれども、実質、自立支援事業の中の困窮者支援の方の相談の方はもう三倍というような数ということになっています。

 この後ですが、結局、心配されるのは、その後、生活保護の申請になります。生活保護の関係で一つ言いますと、まず、ちょっと扶養照会の件で、少し丁寧に書いてくださった、元々、法の解釈を考えれば当たり前のことなんですけれども、丁寧に、自治体に初めて来た人にでも分かるように書いてくださったということでは、あとは運用を間違えないようにしてもらうということで、そこはまた感謝を申し上げたいと思いますが、しかし、ではその実態、効果を見ていこうというふうに思っております。

 この扶養照会、二十五年に強化をするような動きになって、その後、実質、金銭的援助といったものが、政府としての統計、参考人さんで御用意できますか、御答弁。政府としての結果を教えていただきたい。

橋本政府参考人 お答えいたします。

 委員の御指摘は、扶養照会につきましての、扶養義務者がいるケースにつきまして福祉事務所の方で費用徴収をするというふうなことが、生活保護法の第七十七条の一項にございます。それの関係の件数でございましょうか。

 七十七条一項に基づく費用徴収をした件数というものは、平成二十八年の七月に保護を開始した世帯に対する状況の調査の結果ということで把握をしていったところでは、精査していない数字でございますが約十五件、それから、七十七条二項に基づいて、家庭裁判所への申立てに結びついた件数はゼロ件ということでございました。

池田(真)委員 大臣、これは扶養照会した結果の金銭的な効果というのをどう捉えておりますか、今の数値を聞いて。しかも、これは特例調査なんですよね。通常やっていない調査で、二十八年だから、二十五年改正の効果を見るということで一月だけの累計、期間でやった調査で、今現在どうかというのは分かりませんが、どう捉えていらっしゃいますか。

田村国務大臣 全体、扶養照会した件数三・八万件の中で、今、金銭的援助があったというのは六百件という話でありますが、精神的ないろいろな支援というものが約一万件あるわけで、これは二六%ぐらいございます。

 生活保護の中でも、その中で、例えば自立した生活をなるべくしていくようにということで、いろいろな精神的支援、ほかにもいろいろな支援の仕方はあると思いますが、そういう形で対応していただく方もおられますし、事実、御本人というよりかは、家族としては知らせてほしいという家族もおられるわけでありまして、そういう意味では、やはり扶養というのは保護に優先するという形になっておりますので、要件ではありませんけれども、扶養照会というのはどうしてもこの生活保護制度の中においては外せないというのが、御承知のとおり、法律はそういうたてつけになっておりますから。

 そういう対応の中で、そもそも扶養能力のないという方々に扶養照会するというのは余り意味のないことでございますから、今般、そういうものをより明確化させていただいたということであります。

池田(真)委員 何か自動的にやらなきゃいけないということで、事務に追われながらぱんぱんやっているようなところがありますから、で、何回も自動的にまたやらなきゃいけない。

 そういうところからトラブルになる例と、それと、あと、精神的な話をしましたが、それは今、法に基づく話ではないんですね、金銭的な資産活用という部分の話でありますから。精神的な話はそうではなくて、日常生活自立、あと、社会生活自立の中の日常生活の中の一部としてで、これは扶養照会を行ってやっていく話とはまた別なんですよねということがあります。

 実際に全国公的扶助研究会の方たちが緊急アンケートされた結果でありますけれども、そのときでも、私、今日、添付をさせていただきましたが、これは最高裁に問い合わせて、その後の家事審判の、調停とかも全部つけておりますが、ほとんどもう皆無状態です。

 これに対する負担という問題がもちろんありますが、それ以上に、三親等以内の親族、要は、八百七十七条の二項の相対的扶養義務者に当たる方たちになりますけれども、これは生活保護の手引とか保護法の中では、基本的に家裁が特別な事情がありますよということを認めるもので初めて発生する、審判があって初めて発生する義務なんですよ。それなのに、そこにも照会をしているんですよね。ですから、これはもうそもそも違法なんですよ。違法なんですよ。そのこと自体、非常に問題なんですよ、八百七十七条の。審判されて扶養照会ならいいんですよ、審判の結果をもって。そうではなくて、審判がないのにもかかわらず、そこにもう実際やっているんですね。

 実際に、公扶研のところでも、すごく勉強されている方たちです、熱心に取り組まれている方たちでも、今言った第二項に該当する部分について、調査の類型が出ています。

 政府としては、その統計は取っていますでしょうか、扶養義務調査の結果。

橋本政府参考人 お尋ねいただきました相対的扶養義務者についての関係でございますが、これは民法上の絶対的扶養義務者に当たります配偶者、直系血族、兄弟といった者を除く、おじ、おばなどの三親等以内の親族に対して行う扶養照会でございます。これにつきましては、実際に家庭裁判所において扶養義務創設の蓋然性が高い特別の事情のある方に限って、福祉事務所の方からその意向を確認するものでございます。

 実際には、過去に申請者がおいとかめいを扶養していた場合ですとか、おじやおばから遺産相続を受けた場合に限って照会を行うなどといった非常に限定的な運用をしておるところでございます。

池田(真)委員 いや、実際に照会をしたかどうかの調査はしていただきたいと思います。誤った運用をされていることが、実際に、これは政府の資料じゃないけれども、あるわけであって、正確につかんでいただきたいと思います。

 あともう一点、この後の話になってくるんですけれども、それでためらう方が多いとか、あるいは関係が悪化するということで、やらない理由というのをもちろん適切に運用されている事務所、あるいはワーカーはそのように対応されている場合もあります。

 最後になりますけれども、既に、総合支援資金の特例貸付けの方ですが、再貸付けがもう二十二・九万件、速報値であります。といいますと、この後、この人たちはどうしたらいいのか。非課税の条件ということが、まず、その要件として、返済しなくていいですよという要件の緩和も考えなければいけないかとは思いますが、そこをしないというのであれば、生活保護の運用について弾力的に考える。

 若しくは、この二十二・九万件プラスアルファの人たちのコロナによっての経済的な支援は、生活保護というのは資産が全部なくなっちゃわなきゃいけないとかいろいろな要件がありますので、そこに至るまでの、例えば、今、住宅を保有しています、すぐに売れるわけじゃありませんよね。そうしたら、その保有を六か月認める、コロナ禍だから、今年はコロナ対応として一か月認める。今、もう既に運用としてあるものです。その後は転売してください、資産活用してくださいという前に、保護をしている場合、こういったものを具体的に、例えばこの二年間……

とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

池田(真)委員 一年間をやっていただきたいなというふうに思います。あらゆる、新たなことじゃなくても結構です、取扱いの話です。

 最後に、御検討いただけるかどうか、大臣にこれはお聞かせを。

とかしき委員長 では、簡潔に。

 田村厚生労働大臣、簡潔によろしくお願いします。

田村国務大臣 簡潔にですけれども、今もコロナ禍でいろいろな運用を緩めているというか弾力化いたしておりますので、そのような中においてしっかり対応してまいりたいというふうに思います。

とかしき委員長 池田真紀さん、申合せの時間が経過しております。

池田(真)委員 是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

とかしき委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。

 質問をさせていただきますが、私からは、新型コロナウイルス感染症の現状に関連して、また治療薬、また治療方針の確立の重要性、ワクチンについて、それぞれ質問させていただきたいと思います。

 今日も先ほどまで尾身先生もいらっしゃいまして、緊急事態宣言延長、また対象地域の拡大、今日も、北海道、広島、岡山と拡大、対象となるということも報道をされております。蔓延防止等重点措置の対象も広がっているということで、変異株による感染拡大、歯止めがかからない。

 もちろん地域によって状況は違いますが、このような状況、特に大阪を中心とした重症者の数、資料にまずお示しを、五枚目でございますが、これは緊急搬送困難事案でございます。

 これは、医療機関への受入れ照会四回以上、現場滞在時間三十分以上ということで、直近では、前年はもう既に緊急事態が発令されておる時期でありますので、前々年同期比からいくと、直近で九四%。これも私も消防庁にも確認いたしましたが、第一波、第二波の状況から、消防庁、また連携医療機関、様々工夫をして最大の努力をしている状況で、にもかかわらず、やはりこれだけ緊急搬送困難事案が出ておる。

 これだけ見ても、重症者の数、またお亡くなりになる方の数も増えている大阪の状況は大変気になるわけでありますし、これが、例えば、先ほどもお話がありました北海道の感染の急増の状況は、非常に、大阪の状況を今後大変繰り返すのではないかというふうに心配をされる状況かと思います。

 そこで、まず、感染状況の数の確認、現状の確認をさせていただきたいわけでありますが、政府参考人に確認をさせていただきます。

 現在、全国、そして大阪において、宿泊施設療養者の数、コロナ感染が確認されてですね、また、自宅療養者の数、福祉施設における療養者の数、どのような状況になっているのか。また、加えて、コロナ感染が確認をされ、その後、自宅、宿泊施設、福祉施設でお亡くなりになった方の数、それぞれ教えていただければと思います。

正林政府参考人 お答えします。

 五月五日時点の療養状況調査によれば、全国の自宅療養者数は二万八千八百二十三人、それから宿泊施設療養者数は一万百七十人、それから社会福祉施設等療養者数は三百四十二人です。それから、同じ調査で、大阪ですけれども、自宅療養者数は一万三千四百二十三人、宿泊施設療養者数は千七百九十人、社会福祉施設等療養者数はゼロ人です。

 それから、医療機関以外で療養されている方のうち四月以降に亡くなった方の数については、網羅的に把握しているわけではありませんが、例えば大阪府は、五月十日に、医療の管理下になかった自宅、施設を含みますけれども、それから宿泊療養で、コロナ関連死として三月から五月にかけて十七名、それから兵庫県は、五月の十二日に、宿泊、自宅療養及び調整中の死亡者として四月で十五名と公表しております。

 医療機関以外で療養されている方のうち医師が管理できている患者の数については、把握しておりません。

中島委員 前回も、医療施設以外、これだけの数、今お答えいただきました。全国で御自宅で療養されている方、五月五日の時点ですからもう一週間前の状況ですが、二万八千。私、報道で見る限りは三万人近くになっておる。大阪においても、今は一万三千四百三十二人でしたが、現在はもう一万五千人近くになっておるということ。

 そして、お亡くなりになっている方の数も、網羅的には把握できていないということでありますが、一昨日ですか、京都では二十代の基礎疾患のない方が御自宅でお亡くなりになったということも報道され、度々報道されておる。

 そして、今最後にお答えになりました、前回も私尋ねましたが、いわゆる医療機関以外でコロナ感染が確認され療養されている方々が医師に管理、フォローされておるかということについて、前回もでありますが、今もちょっと網羅的には把握できないということであります。

 前回、私も、そんなことでいいのかということで、今も同じ気持ちなわけでありますけれども、これは大臣にも、私もう二月、三月、委員会でも、昨年末から今年一月のいわゆる第三波、私、二十数人、いわゆるオンライン対話をさせていただいたんです。当時は、埼玉、東京、神奈川、山梨に御実家があって、その御子息、独り暮らしで、そして電話若しくはいろいろツールを使って、そのうちの半数が医師と連絡を取りたくても取れない、そして、相談どころか薬も出されていないと、いわゆるカロナールが三回分。こういう状況で、独りで、そして報道だけが入ってくる。そして、保健所に電話しても、病状の変化、軽症といっても四十度近い発熱に、強い喉の痛みに、そして夜はせき込んで眠れないと。こういう状況に、私は本会議でも、度々この委員会でも、愕然としました、こういう状況を二度と招いてはいけないと。

 そして、田村大臣、三月二十四日の答弁でも、医師会や、先ほど尾身先生も開業医の先生方に御協力をということでありましたが、委託をしながら、そういったことがないようにということを答弁をされております。

 私は、厚生労働省が網羅的に把握できていないということは大変、正直問題だと思っておりますが、決して、今の状況で、大阪の大変な状況をそこまで網羅的にということがなかなか難しいのは分かりますが、これは私も何とかしたいと思っております。

 そして、昨日の神戸新聞の記事で、これは明石の保健所の浜田所長、明石市でも四月は感染者が急増、病院や宿泊療養施設に入れず、自宅で待機又は療養する患者が一桁、十人台だったのが、四月半ば以降は百二十人から百八十人台だったと。行政機関である保健所、本来、保険診療ができない、薬も出す役割にはない保健所の浜田所長が、往診して何も処置をせず帰ってくることにじくじたる思いを抱いた、入院待ちの患者が亡くなる現場を目の当たりにして、このままでは多くの方が亡くなってしまうということで、保健所の所長さん、明石市の保健所は副所長さんも医師ということで、自ら訪問診療する、こういう状況なわけであります。

 こういった状況を、大臣もそういった事態を招いちゃいけないということで、今、大阪は、私も先日大阪のICUの先生とも話をしましたが、さっき尾辻委員からもありました、今回の変異株は感染力が非常に高いということで、家族四人暮らしの方が全員感染、六十代、七十代の方、一番お若いのが妊婦さん、そして、御自宅で介護と言えるような療養の中で脱水になってしまった、そして救急搬送されると。こういう事態が、先ほど網羅的には把握していないとおっしゃいましたが、是非、これは何らかの形で。

 そして、先ほど、私も何とかしたいというのは、もちろん、大阪の開業医の先生、我が国は地域包括ケアシステムを実現するために在宅医療を推進してきた経緯があるわけであります、是非ここを、いわゆる今入院に関しては様々な加算をしておりますが、これは臨時的、緊急的に、訪問診療、在宅診療への特別加算なり、インセンティブを持たせるような具体的なものを明確に示していく必要がある。

 その上で、先ほど尾身先生からも国のリーダーシップという発言がございました。もちろん大阪でのことではありますが、一部のICUの先生方も、もう中等症以上の方が御自宅におられる、このままでは、先ほどの所長の話ではないですが、更に、お亡くなりになる方が御自宅で増えてしまう。これは、診療報酬上、在宅医療、訪問診療への具体的な加算、インセンティブを明確に政府として示すべきだと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。

田村国務大臣 もう私も本当にじくじたる思いがあって、力及ばずのところ、反省しなきゃいけないところ、たくさんあります。

 この議論はずっとやってきているわけで、年末年始の状況の中でも、各自治体に在宅での対応ということをお願いをし、そして、第何波という言い方は、ちょっと何波になるかよく分かりませんが、二回目の緊急事態宣言が終わった後も、即座に、この在宅での対応というのは非常に重要でございますので、各医師会やいろいろなところに、委託することもできるしということでお願いしてまいりましたが、今般の、非常に在宅で大変な対応をいただいておる地域は、それがうまく間に合っていない。

 一方で、うまくといいますか、今のところ対応できているところもあるようでございますけれども、そういうエリア、エリアで十分でないというのは、厚生労働省として、十分にそこは対応できなかった、対応をしていただけるようないろいろな支援ができなかったという意味では、本当にじくじたる思いがあります。

 在宅酸素療法指導管理料というのを、今まではこれはコロナでは見れなかったものでありますけれども、これを今回ちゃんと見れるようにして、在宅でやはり呼吸管理、酸素等々をしっかりと吸入しなきゃいけない、こういうようなものに対して対応できるようにする。こういうものは新たな加算で適用するようにいたしました。

 あわせて、包括支援交付金の方でこれが見れるようになっておりますので、もちろん在宅で対応するための往診料は入りますけれども、もちろん訪問診療料も入ります。入りますが、それ以外に、包括支援交付金の中からこういうものに対応していただけるようにという形としておりますので、こういうものをもってしていただいて対応いただかないと、どうしても、往診ということになりますと、自らが行って防護服を着ながら対応していただかなきゃならぬという形になります、その患者の方がコロナ患者でありますから。大変な御負担になりますから、一定程度の対応をしませんと、おっしゃられるとおり、オンラインでは対応できるけれども、そこまでやろうと思うとなかなか対応し切れないんだというお声もお聞きいたしておりますので、是非とも包括支援交付金等々を使っていただきながら自治体にそういう対応もしていただけるように、我々としてもしっかりとお願いをしていかなきゃならぬなというふうに思っております。

中島委員 いや、そのメッセージでは弱いと思いますよ。

 先ほども言ったように、大阪のICUの先生からは、当然、私もですけれども、開業医の先生方はコロナの対応をやはりやったことがない、不安があります。当然フルPPEで行き、もちろんオンラインを活用しながらと。

 しかし、やはり強いメッセージを持って、先ほど尾身先生も大阪はもう災害だと。災害ですよ。災害対応をするということで、もちろんそういう経験がない、私も東日本大震災のとき、そういう経験はないですが、やはりその地域の、先ほど尾身先生、三つのポイント、地域の連携強化と、診療所、開業医の先生方への訪問診療への強化ということを明確に三点の中で示しているわけですよ。それを、当然それはそうです、診療報酬上、訪問診療をすれば、少し酸素加算、二十四時間管理加算とか様々ある中で、今は有事ですから、そういう外形的なことよりも、どうやったら手が届くのか、御自宅にいる、私、もう本当に、繰り返しですが、二度とああいう状況にはしたくないという思いから、再三にわたってこう言ってきたんです。

 そして、北海道も、この急激な感染者の数を見ていくと、これは幾ら病床を確保しても、先ほどもうお話ありましたが、私は、この新型コロナは、ある程度在宅で管理、フォローできる状況をつくる。その上で、本当に重症化して、酸素、いわゆる呼吸器が必要な方がしかるべきICUに入っていく。こういう体制を整えない限り、ワクチン接種もどのぐらいの進捗になるか分かりませんが、まだ第四波と言われるものも全く見通しが立たない中ですが、これまた同じことを繰り返す。いわゆる第一波、第二波、第三波、この教訓が全く生かされていない。変異株が感染力が高いということはありますけれども、この急激な、大阪もそうです、今北海道が非常に心配されますが、これは幾ら病床を確保していても、必ずこういう状況になってしまいますよ。

 在宅である程度管理できる、訪問診療のノウハウは、我々これまで、先ほども言ったように、地域包括ケアシステムの構築のために、あるわけじゃないですか。それをここで最大限使わないというのは、私はあり得ないと思います。

 もう一度、診療報酬以上に強いインセンティブを持たせるような政府の方針を明確に示すべきだと思います。

田村国務大臣 診療報酬というのは定型的なので、様々地域によって違う事情があると思います。包括支援交付金の方がある程度フレキシブルに使える。そこがまだ使いづらいということであるというお話があるのなら、これは見直していかなきゃいけない。おっしゃるとおりだと思います。

 問題は、地域包括ケア等々、ちゃんとできているところとできていないところがあるのはもう委員御承知のとおりで、例えば大都会というのは、そもそも開業医の皆様方が御自宅におられずに、ビル診療所のような態様でやられている場合は対応のしようがないという地域も中にはあられるんです、いろいろお聞きすると。そこをどうしていくかというのは、ちょっと地域包括ができているところとはまた別のやり方をやっていかなきゃならない。

 特に、コロナというのは都会部分で感染が拡大するものでありますから、そこまでいろいろな知恵を使っていかなきゃいけないなということを、改めて我々、いろいろなところのお声をお聞きをしながら感じておりますので、そういうことも含めて、自治体とはしっかりと連携しながら、そういう場合にはどういうやり方があるかということも含めて、なかなか地域の医師会の先生方だけでは頼れないという地域もあるようでございますので、そのようなこともしっかりと我々検討しながら、早急にいろいろな支援をさせていただきたいというふうに考えております。

中島委員 だから私、再三、もう二月、三月のうちから、次の波が来る前に、こういうことをちゃんと体制を取ってくださいよと。それに対して、大臣も取ると言っていたにもかかわらず、こういう状況ですから、今日は大臣もお疲れだと思いますので、余り口調を強くしませんけれども、是非、もう今すぐにでも具体的に取り組んでください。大阪にいる方、どういう状況にあるのかすら網羅的に把握できていない、そのこと自体が大変な問題だということを繰り返し申し上げます。

 そして、こういった状況において、自宅で療養されている方々、先ほど言ったように、具体的に、酸素を投与されたり、ステロイドが投与されたり、補液がされたりということ、様々、ばらばらなんですが、私も見聞きしています。

 どのようなフォロー体制なのかということが大変気になるんですが、厚生労働省、COVID―19の診療の手引、最新版は本年の二月の十九日に更新されておりますが、五十ページ以上にわたる、疫学、臨床像、院内感染対策、様々入っているわけですが、この診療の手引が、先ほど、御自宅で療養されている方、又は宿泊療養施設、福祉施設等々で管理されている方々にどのように活用されていると御認識されていますでしょうか。

田村国務大臣 診療の手引は、新型コロナウイルス感染症に関してのいろいろな治験があるような薬等々、それの使用の方法といいますか、基準でありますとか、そういうものを含めて書かれております。

 いつも委員がおっしゃられるイベルメクチンに関しても書かれておりますが、これはもう御承知のとおり、医師主導治験という形で使われておりますので、そういうような下でお使いをいただくということ。それから、適応外で使われる場合は、これはお医者様の判断の下でお使いいただける。決して有効性というものがまだ完全に確認されているものではないわけでありますので、そこに関しては、しっかりとそのような中でお使いをいただくというようなことも踏まえながら、様々な治療薬等々の使用というようなことを含めて、この中には書かせていただいております。

中島委員 大臣、確認ですが、今、その次の質問でしようと思ったんですが、イベルメクチンという名前を私の顔を見ると思い出すのかもしれませんけれども、言っていただきましたが。

 この診療の手引、これは厚生労働省が出しているわけです。そして、最終更新日は二月十九日ですよ。その後、いわゆる、先ほど大阪、そして今の感染状況の中心は変異株です、このことを少しは触れられておりますが、これは更新する予定があるのかどうかもその後聞こうと思ったんですが、まあいいです。

 加えて、この診療の手引で、いわゆるアビガンとアクテムラについては一ページ以上にわたって詳細に説明されています。それ以外に、先ほど申し上げたイベルメクチンも含めて、全部で十一種類が記載されています。

 改めてですが、これは、治験中という話がありました、厚生労働省が出しているものですから、厚生労働省としてここに示されている薬は推奨するということなんですか、ここに書かれている趣旨を是非確認させていただきたい。

正林政府参考人 診療の手引、いろいろな薬がこの手引の中で示されておりますけれども、強弱はついているかなと思います。もう既に薬事承認が下りているものについては恐らくページもそれなりに割いてお示ししていますし、イベルメクチンのようにまだ薬機法の承認が下りていないもの、それについては、一応、適応外使用ということは可能かもしれませんが、この手引に載っているから積極的に推奨するという形にはなっていないと思います。

中島委員 意味が分かりません。私もよく聞かれます。診療の手引、これは厚生労働省が出している診療の手引ですよ。それに載っている薬剤が推奨するものではないというのは、どういうことですか。

 例えば、その次に、イベルメクチンについて、例えばでイベルメクチンを示しますが、イベルメクチンは、第二版から二・二版まで掲載され、第三版では不記載になりました。そして、第四版でまた再び掲載されています。国内で入手できる薬剤の適応外使用として掲載されているわけでありますが、これは、どういう基準でこの診療の手引にこの薬剤を加えている、記載しているんですか。

正林政府参考人 この手引は、厚生労働省だけではなくて、学界の御協力なんかもいただきながらまとめているものです。様々な専門家にいろいろ知見を集めていただいて、その結果として記載をしていただいているものです。それを厚生労働省として公表しています。

中島委員 感染症学会が示しているのは知っています。それを、でも、ただコピペしているだけじゃないでしょう、だって。厚生労働省が診療の手引として出しているんですから、具体的に、こういう薬が日本で入手できる、海外ではCOVID―19への有効性が示されていますよということで。先ほど、在宅の患者さん、私は一月のとき、イベルメクチンも出しました。そして、漢方の麻黄湯も出しました。しかし、それは私個人の判断でやっていて、麻黄湯は入っていませんが、ここにイベルメクチンは載っているわけですよね。

 診療の手引に示している以上、これは厚生労働省が出しているわけですから。これは、今、先ほど言ったように、約三万人近い方が御自宅で療養して、まず一義的には医師の観察に置くことは大事です。しかし、その医師がこの患者さんを入院させたくてもできない状況が今の現在の状況ですよ。そこで、じゃ、この診療の手引を見て、この薬を使おうと。そのための手引ですよね、これは。

 だとすれば、厚生労働省は、ここに記載されている十一種類の薬、責任を持って、まず、医師が使えるぐらいの供給確保、そして使った場合の対応、厚生労働省が責任を持つべきだと思いますが、いかがですか。

正林政府参考人 診療の手引ですので、実際に現場のドクターが診療するに当たって参考となる情報をこの手引の中でお示しをしています。

 その中では、先ほども申し上げましたが、やはり強弱がついていると思います。イベルメクチンについても、表現としては、「国内において、医師主導治験が実施されている」、そういった記載をして、今、イベルメクチンがどういう状況にあるかということを情報発信、解説をしています。

 そのほかのものは、場合によっては薬機法の承認が下りているものもありますので、それについてはそれなりの詳しさでまたお示しをしたり、あくまでも、現場の先生が治療するに当たって、参考としていただくようにということでお示しをしています。

中島委員 何度も言いますが、意味が分かりません。参考程度だったら感染症学会のを見ますので。これは、改めて厚生労働省が示しているということに重みがあるわけです。

 そして、これは、四月の二十三日、国立感染研病原微生物検出情報、これで、いわゆるサンプル調査ですよ、在宅も含めて、百十例中四十例治療介入が行われたうちの、使われた薬の割合ですが、ステロイドが二一・八%、レムデシビルが一九%、アビガンが九・一%、アクテムラが四・五%、吸入ステロイド、オルベスコですね、これが一・八%、サンプルで百十例中の四十例ですから。

 では、厚生労働省、いわゆるガイドラインですよね。今実態としてここに示されている薬が現場でどのような使われ方をしているのか、これは把握されておりますか。

正林政府参考人 個々の薬が現場でどのように使われているかは把握しておりません。

中島委員 本当に無責任だと思いますよ。

 だって、先ほど大臣も、在宅での管理、まず一義的に医師がちゃんと管理できるように、そして、医者が行って相談を受けるだけでは救える命が救えないわけですよ。もちろん、補液をしたり酸素をしたりとか、そういう対症的なことはありますけれども、どういう薬を使ってこの命を助けなきゃいけないか、そういう中で、このガイドラインの中で使い、そしてもう一年以上この状況が続いていて、どういう薬がどういう効果をもたらし、臨床的にこういうやり方がよかった、そしてどういう薬がどのように使われているか、これをこれから反映させなきゃいけないんじゃないですか。そういったことを全くやっていないということですか。

正林政府参考人 全くやっていないわけではなくて、網羅的に把握していないという意味なんですけれども、国立国際医療研究センターにおいてレジストリーをやっています。全国の様々な医療機関に御協力いただいて、個々のケースについて御登録をいただき、その中ではどの薬がどんな形でどのぐらいの量を使われているかということは調べております。そういう形で把握はしております。

中島委員 じゃ、是非その資料を理事会に御提出いただきたいと思いますが、委員長、お計らいを。

とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

中島委員 繰り返しですけれども、先ほど大村博士から御連絡もありました。一昨日、アメリカの治療ジャーナルに最新のイベルメクチンに対する海外の研究が報告されました。是非大臣にもお目通しいただきたいということで、委員会が終わった後、手渡しさせていただきますので、是非御一読いただきたいと思います。

 そして、イベルメクチンは、私、別に、科学的根拠を無視して、何でもいいじゃないかと言っているわけじゃないんです。ただ、大阪の現状を鑑みたときに、私も実際に自分が一月に、これはもう入院させたくてもできない、そういう患者さんに対して、私も臨床医でありますから、目の前の困っている患者さんに、この薬を使おうという判断はします。先ほど言ったように、ガイドラインで示しておいて後は知らないというような対応は、厚生労働省、しかもこれは二月の十九日更新です。その後、更新の予定、あるんですか、うなずいてくれればいいけれども。いつですか。

田村国務大臣 ちょっと、いつとは言えませんが、やがて更新とさせていただきます。

 これは、委員ももう御承知のとおり、新型コロナウイルス感染症に直に効く治療薬というのは、ほぼまだ開発されていません。今いろいろと作っておる最中で、海外では承認されたようなもの、緊急使用されているようなものもありますが、そんな中で、レムデシビルも元々エボラの薬だとか、いろんなものを使いながら対症的に対応しているわけであって、イベルメクチンに関しても、本当に有効性というものが完全に確認できれば、当然この中に……(中島委員「これ、見てください」と呼ぶ)いや、だから、見せていただきますが、今、実際、まだ研究もされているわけですから。

 問題は、それが分からない中でも幅広に、海外で使われているものも含めて、ここに書かせていただくことによって使っていただこうということでございますので、ほかの治療法が分かっているようなものの診療の手引のように厳格に書こうと思うと、これは全部書けなくなっちゃうんですよ。そこはどうか御理解をいただきながら、何とかいろんなものを使っていただいて治療いただきたいという思いの中で書かせていただいているということは御理解いただきたいと思います。

中島委員 時間がないので終わりますけれども、そんなことは分かっていますよ。分かっていますが、アクテムラだってそうですよ。これはメイド・イン・ジャパンの薬ですよ。海外の薬、そんな海外の研究成果、イベルメクチンだって海外で大論争ですよ。その決着をつけるのはメイド・イン・ジャパンの薬ですから。我が国がちゃんとその評価を示す、その姿勢が全く感じられないから私はこういうことを言っているんです。他の薬、もちろん有効性がある薬だったらそれはそれですけれども、海外でもいろいろな意見がある中で、この我が国発の、メイド・イン・ジャパンの薬を我が国自身が評価しなくて、一体誰が評価するんですか。その姿勢をちゃんと示してくださいよ。

 ちょっと時間がないので終わりますが、資料の三ページ目に、橋本岳筆頭が座長を務められておる自民党のPT、「創薬・供給に「司令塔」」と。ここで高木先生も、前に、穏やかな高木先生が語気を強めて、アメリカのEUAのような緊急使用。尾身先生も、早急に取り組むべきだと。私もそのとおりです。

 そして、三月の委員会のとき、ちょっと捨てぜりふで、具体的な議員立法ということで、もうほぼでき上がります。是非、与野党を問わず、この在り方、そして、そのときには大臣にはしっかり受け止めていただきたい。そのような、このPTの内容も含めて、緊急使用、EUAの緊急使用許可のような制度、投げかけたときにはしっかり受け止めていただけるという理解でいいか、大臣に一言いただいて、質問を終わります。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いします。

田村国務大臣 必要な医薬品を早急に承認して使えるようにする、これは大変重要なことです。一方で、薬害という問題もありますから、そこの御意見もいろいろとあるということを我々は十分に認識しながら、いただいたものはしっかりと見させていただきたいというふうに思います。

中島委員 終わります。

とかしき委員長 次に、宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 今日も、尾身会長、お忙しいところありがとうございます。

 今朝、専門家の皆さんの強い意見で、北海道、岡山、広島が緊急事態宣言の地域というふうに加えられました。

 それで、北海道については、たしか先週のここの委員会でも、北海道ということは言っていなかったですけれども、つけ加えるべきところがあるという意見が出ていたというお話をしていたというふうに思うんですね。今日も議論になっていますけれども、札幌あるいは岡山についても、正直、ゴールデンウィークの前だとかもう少し前から、医療がなかなか大変な状況だということが報道でも言われていたと思うんですよね。

 たしか先月の半ばに、分科会で、サーキットブレーカーをつくるんだという議論があって、指標が新たに示されたというふうに思うんですけれども、今回は、このサーキットブレーカーというのはうまく機能したんでしょうか。

尾身参考人 サーキットブレーカーということで、具体的な強いアクションを打って、重点などを打っていただきたいということで、さらに、そのための指標をつくったのが、たしか私は四月の十五日だったと思いますが、大阪なんかも含めて、重点を始めたのは残念ながらその前だったんですよね。我々ももっと早くできればよかったとは思いますけれども。そういう中で、結果的に見ると、私はもう関係者は一生懸命努力していただいたと思いますけれども、いろいろなことを後から考えますと、重点措置についてはこれからはもう少し早くやる必要が私はあると思って、そういう意味では、私どもがこの前お示しした、あれは緊急事態宣言を出す条件ではありませんので、それよりも早くという、そのための指標をお示ししたので。

 これから、特に、ほかの県もまた重点措置を出す必要が出てくる可能性があるので、遅くなると緊急事態宣言まで行っちゃう可能性もあるわけですよね。そういう意味では、私は、国あるいは自治体の皆さんには、重点についてはなるべく早い時期に出していただいて芽を潰す、ハンマーをたたくということが必要なので、そのことは少し改善の余地があると思います。

宮本委員 ありがとうございます。

 取りあえず、緊急事態宣言に至らないようにするために、ステージ3の段階で、医療の逼迫がこの先起きそうだというのが見えた段階でやはり重点措置をやる必要があるんだというのがサーキットブレーカーの議論だったというふうに思いますので、そこは政府でも、少し遅れるとやはり緊急事態宣言のところまで行ってしまうというのが今回の広島、北海道、岡山のことだと思いますので、是非、尾身会長のお言葉を受け止めていただいて、改善を図っていただきたいと思います。

 それからあと、これは前回の続きなんですけれども、五人に四人は他人に変異株でも感染させていないと考えるというお話がありました。五人に一人が他人に感染させることで感染が拡大しているということなんですけれども、そういう点でもクラスター対策が大事だということが引き続き言えるわけですが、クラスターは、この間、三つの密だとか、あるいは五つの場面だとか、起きやすいところはどこなのかということが繰り返し示されてきたわけですが、環境という条件と同時に、多くの人に感染させやすい人がいるんじゃないかということも指摘されているわけですけれども、そういう理解でいいのか。そして、他人に感染させやすい人というのは、そういう特徴というのはどこまで分かっているのかというのを、もし分かれば教えていただければと思います。

尾身参考人 委員御指摘のところは非常に重要なところで、いわゆるスーパースプレッダーというような者が結果的にいるということは、そういう人がいないと説明できないということで、スーパースプレッダーイベントあるいはスーパースプレッダーということを、我々、そういう概念を提示させていただいているわけですけれども。

 じゃ、一体誰がということですけれども、実は、スーパースプレッダーイベントが起こるところは、御本人、私はいつもスーパースプレッダーというわけでは必ずしもない。環境の問題があって、ホストの問題があって、あと受け手の問題があるので、そういう様々な要素の絡み合いで結果的に上がるので、何かを検査をすれば、じゃ、ウイルス量が多い、Ct値が少ないということ、そういう人が必ずスーパースプレッダーになるかどうかというのはなかなか分からない、今のところは。

 と同時に、今御指摘の、無症状者と有症状者はどっちが感染を起こすかというと、これは実は、驚くことに、無症状者の人とほぼ同じぐらいな割合なんですよね。実は、しかし、それは、何か無症状者の人がもうみんなうつすということですけれども、我々の解釈は、無症状者の中にも二通りあって、発症日二日前の無症状者というのは実はかなりウイルス量が多いので、その人たちのことが結構影響するので、統計としてはかなり多くなるんですけれども、実は、やはりほかの人に感染をしやすいというのは発症日二日前から発症後数日の間ですね。そういうことは分かっていますけれども、じゃ、誰がスーパースプレッダーというのは、ホスト側と環境側というようないろんなファクターがあるので、残念ながら今のところは分かっておりません。

宮本委員 じゃ、これは更に今後の研究、世界的には、体格がかなりある人じゃないかだとか、あるいは年齢だとか、こういうこともいろいろ言われているみたいなんですけれども、そこはまだ定かではないということで、研究の進展を待ちたいというふうに思います。

 それと、先ほど、うつす時期というのは、無症状にも二通りあってということで、発症前の方がかなりうつしているだろうということなんですけれども、この間言われている、ごく初期症状の人がそのまま働いている、そこで広げているという話があるんですけれども、本人はコロナだと全然思っていないですね、このごく初期症状と、先ほど先生が言われた発症二日前の人の関係というのは、どう理解すればいいんでしょうか。

尾身参考人 それは、委員、大変重要なことを御指摘いただいていて、実は、私たちは、もう去年の、初期の頃から、症状が現れる前の、前駆症状のようなものがあるのかどうかというのが、我々にとって極めて重要なリサーチクエスチョンだったんですよね。

 これについて何か分かれば、典型的な症状が現れる前の、何かちょっとした軽症状といいますか、前駆症状というか体調、こういうことを知りたいという思いがずっとあって、何かできるかということで、世界的にもなかなかそういうしっかりしたスタディーはないと思いますけれども、しかし、ここに来て、この前申し上げた抗原検査のキットを使うという根拠の中の、申し上げたのは、実は、世の中には、結構多くの人が、軽い症状で働いている人が、ある自治体の調査によると、驚くことなかれ、七%から一〇%いると。これはかなり、一割近くがいるということで、その人たちを検査をすると、もう圧倒的に、無症状のような人に比べて陽性率が高いんですよね。

 したがって、私は、これから、いわゆる先生のおっしゃる発症日二日前のと、微細体調不良というところが、多少オーバーラップしているんじゃないかというふうに今推測をしております。

 その人たちをディテクトするのに、先ほどの、ちょっとした体の具合が悪い人を探知できれば、まだ症状が出ていないから病院に行っていないわけですよね。そういう人が、中には、他人にうつす、もううつしているかもしれないから、その何人かが、症状がある人で、抗原検査で二、三人職場で分かれば、もうそこを広範囲に今度はPCRで、いわゆる無症状者、まあ濃厚接触者と言ってもいい、かなり広範囲に検査をすれば大きなクラスターを防げるんじゃないのかというので、ここに来て、しかも、抗原検査キットはたくさんあるわけですから、ワクチンが多くの人に行き渡るまでしのぐための対策の一つの柱としてやっていただきたいと思っております。

宮本委員 つまり、発症二日前からうつしていく、かなりウイルス量があるという人と、ごく微細な症状がある人は、実はオーバーラップしている可能性がかなりあるということの理解でいいわけですよね。よければうなずいていただければというふうに、ちょっと違いますか。

尾身参考人 そこはちょっと大事な、非常に学問的にも興味があるというところだと思いますが、全くその二つが一緒だというところまで今我々は確信を持ってはおりませんが、軽い症状の一部といっても、実はコロナで症状がある人じゃない人がいっぱいいるわけですよね。そういう意味では、その一部は確かに発症前の二日ということもあり得ると思うけれども、全くの同義ということは多分ないんだと私は思います。

宮本委員 分かりました。

 重なり合う部分があるということですから、そういう点でいえば、無症状者に対して、クラスターになりやすいところでPCR検査をこれは頻回にやるというのも大事だし、今度のウイルス量が多い人がつかまる抗原検査キットも頻回に活用していくというのが非常に大事だ、この両方をやっていくのが非常に大事だということだと思います。

 その上で、抗原検査のキットなんですけれども、先日の正林さんの答弁を聞いていましたら、一つは、重症になりやすい方がたくさんいるところからまずやるんだということで、医療機関、介護施設で、特養ホームや老健施設ということを言われたんですけれども、重症化しやすい方々というのは、あわせて、介護でも、デイサービスだとか居宅介護系のサービスでもクラスターは発生していますよね、この間。そういうところも含めて、実は、そういうところは余りPCR検査をやられていないんですね、それぞれの自治体でも漏れているところであるんですけれども、今度の抗原検査というのは、私は使った方が、配付した方がいいと思うんですけれども、その点の検討はどうなっているでしょうか。

正林政府参考人 三月、特に高齢者施設とか医療機関での検査について積極的にやっていただくように、特に緊急事態宣言下の十都府県についてそういうお願いをし、四月から六月にかけて、それ以外のところもということでお願いしていましたが、自治体によって様々かなと思います。入所系だけにターゲットを絞っている自治体もあれば、通所系のところをやっている、そういうところも含めて検査しているところもあるかというふうに認識しています。

宮本委員 それはPCRですよね、今。東京なんかでいえば、基本は、中心的には入所施設を週一回やれるだけの予算というのはつけてスタートしているわけですけれども、今度の抗原については、入所施設以外のところ、私が聞いているのは、前回の局長の青山さんへの答弁が、医療機関、特養、老健という三つを挙げていましたので、重症化リスクが高い方がたくさん集まって、クラスターがこの間起きている場所というのは、デイサービスだとか訪問介護の事業所も含めてあるので、そういうところもこの抗原検査キットは配る対象に入れた方がいいのではないのか、こう申し上げているんですけれども。

正林政府参考人 御質問は、例の八百万の……(宮本委員「八百万のことです」と呼ぶ)そのことですか。

 それについては、まだ、どういう方々を対象にするかというのを検討中のところでございます。

宮本委員 いや、検討中だと言ったので私はそういう提案を差し上げているということ、まあ、正林さんも先ほど二時間しか寝ていないと言っていたので、余り、じゃ、大臣。

田村国務大臣 これは、高齢者施設等々という話がありましたが、そもそも分科会の方は、企業も含めていろいろな御提案をいただいております。

 問題は、やってもらわないと意味がないんです。症状がある方に、じゃ、これを使おうじゃないかということ、これは、いつも私申し上げますけれども、積極的じゃないと、渡しても結局宝の持ち腐れになりますので、そういうところをしっかりと我々聞き取りさせていただくということが重要だというふうに思っています。

 その上で、言われるとおり、介護施設だけじゃなくて、そういうような通所施設でありますとか、場合によっては訪問施設もあるかも分かりません。そういうところも含めて、積極的にやっていただくところがあれば、それは十分に我々も検討の対象にさせていただきたいと思いますが、高齢者施設だけになるかどうかというのは、ちょっと、これからの検討だということで御理解いただければありがたいと思います。

宮本委員 もちろん、私は高齢者施設だけと言っているわけじゃなくて、まず一番初めは、重症化リスクが高い方がいるところにまず届けるのが一番だろうというので申し上げているわけですが。

 その上で、どこで活用するのかと、更にですよ、更にということを考えた場合は、クラスターが大規模化しやすいところに使っていくというので、尾身会長のこの間のペーパーなんか見ますと、部活だとか、あるいは職場ということも書かれていたと思います。

 八百万だけでやるのかというのもありますけれども、もっと増やした方がいいんじゃないかと私は思っているんですけれども、例えば変異株は、子供も同じようにうつすようになってきているわけですよね。この間のクラスターの発生例を見ましても、例えば、学童クラブで発生したクラスターが学校に行ったり家庭に行ったりという大きなクラスターになっている例もありますし、保育園も、子供たち自身が重症化するわけじゃないですけれども、保育園で子供たちも含めてのクラスターが発生した場合は、各家庭に行って、そこから職場に行く可能性もある。保育園の場合はマスクをしていないわけですよね、当然、子供たちの成長のためにマスクを外してやっているというのもありますから。

 そうした、八百万をどうまず配るのかというのは、重症化リスクがあるところは最優先にしても、さらに、クラスターが、波及効果が高いところ、こうしたところをやはりしっかりと位置づけていく必要があるのではないかというふうに思いますし、そういう点でいえば、八百万にこだわらずにというふうに思っていますが、その点、大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 今申し上げました、活用いただけるところにしっかりと、今言われたように、クラスターが起こりやすいところを中心に、まずは、これはインフルエンザのときに生産いただいたものの使われていないものでございますから、これを買い上げて配らせていただく。その過程で多分有効性というものが分かってくると思いますので、それを踏まえた上で、非常に有効だということであれば、当然のごとく、それから更なるということも検討させていただきたいというふうに思っております。

宮本委員 幸いPCRよりも安いという利点もありますし、迅速性という利点、また簡便だという利点もありますので、どんどん活用していく作戦を考えるのが大事かなというふうに思っています。

 あと、これは尾身会長にもお伺いしたいんですけれども、そういう職場だとかいろいろなところに配っていく、部活も含めて配っていく。私は、部活は大学だけじゃなくて、高校の部活の寮なんかでもこれはかなりクラスターが出ていますので、高校、大学、寮だとか、マスクを外してやる部活というのはどんどん配るのが大事だと思います。

 その上で、本来の在り方というのは、ごく軽い初期症状の場合は仕事に行かずに休んでもらうというのが本来の私は在り方というか、厚労省自身がこう呼びかけていますし、私もそれは、ごく軽い症状の人は是非検査を受けてくださいというのをもっと告知してくださいというのを大臣にもお願いした覚えもありますし、お医者さんの側も検査してくださいというのを案内してくださいということも大臣にお願いしたこともあると思います。ですから、本来はごく軽い症状でも仕事や学校に行かずにやはり検査を受けてもらうというのが、国民、医療機関双方に対しても啓発が大事なのかなと思っています。

 ただ、一方で、病院に行くというのは、確かに医療機関に行くというのはハードルが高いんですよね、初診、そんな軽いので来たのかという目で見られるし。ごく初期症状といったって、喉の違和感だったり、鼻水だったり、せきがこんこんというのが、厚労省のクラスターの検査でも、老健局のクラスターでもそんな話を伺っていますので。

 そういうことを考えると、あわせて、私は、例えば、薬局に抗原検査のキットを配って、何か調子が悪い人はどんどん使ってくださいよ、こういうこともやって、やはりごく軽い初期症状の人がしっかりと検査を気軽に受けてもらえる、こういう仕組みをつくる必要があるんじゃないかと思うんですが、この点、尾身会長のお考えをお伺いしたいと思います。

尾身参考人 私は、この抗原検査キットは、万能ではありませんけれども、使い方によっては極めて有効になる可能性があると思いますが、そこで二つ乗り越えなきゃいけない課題があると思います。

 一つは、今、薬局に行って、言ってみれば誰でも、どこでも、家庭にもということですけれども、実は、今のところの課題は、検査の結果を読むというのに、これがちょっと、ここが一般の人では読めないので、医師のサポートが必要で、このサポートがどこでもあればできますけれども、結局、ここでなかなかしっかりとした経験のある人がいないと迷って判断ができないということで、使い勝手が悪いという部分はあるんですね。だから、その部分はしっかりリアリティーとして認めて、例えば、ある専門家は、それをスマホで写真を撮って送って、それを誰かに診断してもらうと、非常に熟練した人が見れば簡単ですから。そういうことも一つ乗り越える課題。

 あとは、もう一つは、田村大臣もちょっとおっしゃっていましたけれども、これをやってもらうために、特に、必ずしも企業の体力がない会社なんかでは、万が一職員が発熱があってポジティブになったら休むことになる、そうすると、会社の経営、あるいは本人も非正規の雇用だと解雇される、このことは特に企業としての体力がないところは。ただ、大学なんかは、なぜこれを今我々はやっているか。一人一人の感染を絶対にゼロにしたいということじゃなくて、医療の負荷を取るために大きなクラスターを防ぎたいということが一つ。と同時に、大学なんかで我々がこれを推奨、大学生はクラブ活動をやりたいですよね、学校で対面でやりたい。そのときは、このちょっとしたことを、学校には校医なんかがいますから。

 そういうことで、私は、小さな企業よりもはるかに大学なんかは、医療機関がまずですけれども、その後にはそういうところも是非政府としては考えていただければと思っております。

宮本委員 検査結果の見方というのは、医師が見るというのは基本はそうだと思います。それをどう、どこで見るのか。薬局なんかだと、薬剤師さんというのは一定の知見を持っている方ですから、そういうことはある意味やれるところなのかなということで私は提案させていただきましたので、御検討いただけたらというふうに思います。

 尾身会長、今日もお忙しいところありがとうございました。

 それで、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほど中島委員からもお話ありましたけれども、本当に自宅療養されている方がたくさんいらっしゃる状況で、明石の保健所長さんの話も私も新聞報道で見ましたけれども、本当に必死で、デキサメタゾンと酸素を持って訪問して歩いているという状況であります。

 一方、京都では、二十代の基礎疾患がない方が、入院したいと言ったけれども入院できずに、何の治療も受けられないまま亡くなるということもありました。

 やはり、それぞれの地域で、少なくともステロイドが、デキサメタゾンが、これが今認められているわけですから、サイトカインストームを止めるという点では、ステロイド、デキサメタゾンというのが非常に大事なわけですから、重症化防止の診療ができる体制をやはり早急につくらなきゃいけないというふうに思うんですけれども、これはどこまでどう進んでいるのかというのは、厚労省としてはしっかり把握されているんでしょうか。

田村国務大臣 これは、先ほど申し上げましたけれども、もう何度も、自宅療養に対する対応、パルスオキシメーターをちゃんと配付いただくでありますとか、それから健康観察も、これは外部委託も含めて医師会等々に対応いただく、それから往診の対応、いろいろなことをお願いして、今も、五月の末までにというのは、あくまでも、いいものというか、ちゃんと一般医療と両立できるようなものをつくってくださいということで、それまでにも感染は拡大しますからダブルトラックでというお願いをその中でしているんですが、そこにおいては、今般、自宅療養者に対する取組として、千葉県、大阪府、兵庫県、それぞれにおいても、自宅療養者への往診等を行う医療機関に対する支援でありますとか、それから、これも大阪、東京、神奈川、これに関しては往診等の医師会、民間事業者への委託、こういうことが行われてはいるんですね、ですから。先ほど来、大阪だとか兵庫の話が出てきておりますが。

 一応、こういうような国からのいろいろな、何といいますか、それこそ通知を出させていただく中で、それぞれのところで対応は一応はしていただいているという報告はあるんですが、しかし、感染が急拡大をするとそれに追いつかないというような事態が起こっているのが特に関西であり、一方で東京は、感染拡大していますけれども、大阪のような急激な拡大ではなくて、徐々に拡大しておりますので、東京も大変ですよ、大変ですけれども、在宅も一定程度の対応をやっていただいておるということでありますから。

 そういう意味では、やはりこの急激な感染拡大、年末年始もそうだったんですが、これをいかに防いでいくかということをしっかり対応しないと、追いつかないということが起こってくるというわけでありまして、我々、いつも反省ばかりで申し訳ないんですが、このようなときにも対応できるような体制をしっかりとおつくりをいただくように、これからも我々は支援していかなきゃならぬなというふうに改めて今感じております。

宮本委員 ワクチンについては、支援の体制をかなりつくって、やろうということになっているじゃないですか。この面についてこそ、とりわけ、今、本当に急激に入院できないという方が増えてきている地域というのは分かっているわけですから、そこについてはやはり懇切丁寧に支援をしていく、そういうチームをつくってやっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それから、残り時間が短くなりましたので、ワクチンの副反応、副反応疑いについてお伺いしたいと思います。

 五月十二日の報告のものは見ましたけれども、接種後に亡くなった方、あるいは重篤な有害事象が起きた方々について、既往症だとか接種時の体調だとか、何らかの傾向があるのかということと、アナフィラキシーを除いて、ワクチン接種者と非接種者とを比較して、ワクチン接種者に多いことが見られるような重篤な有害事象というのはあったんでしょうか。

鎌田政府参考人 お答えいたします。

 五月十二日の審議会には、五月二日時点での推定接種回数、三百八十二万三千強の方についてでございますけれども、接種後に亡くなられたという方は三十九例という方でございます。死亡と報告されたものが三十九例でございました。

 また、重篤な有害事象というお尋ねでございますけれども、医療機関からの報告につきましては五千五百六十件ございましたが、うち重篤として報告されたものが六百四十二件。それから、製造販売業者、いわゆる企業からでございますが、重篤と判断された症例の報告は千三百六十二件でございました。

 また、そうしたことにつきまして何らかの傾向があるかということでございますけれども、専門家の方々に御議論いただきましたけれども、各事例に共通するような特定の要因等につきまして、特段の指摘はなかったというところでございます。

 さらに、お尋ねのアナフィラキシーを除いてワクチンの接種者と非接種者を比較するかどうかということなんですが、ワクチン接種に伴う有害事象を比較するためにワクチン接種者と非接種者の比較を行うということは、実際上困難ではないかというふうに考えているところでございます。

宮本委員 失礼しました、ワクチン接種者と人口ですね。だから、一般的な、接種、非接種関係なく、人口との関係での比較というのは脳出血について先日やっていたというふうに思うんですけれども。

 ちょっともう時間が来たから終わりますけれども、一般的なそれぞれの疾患での死亡率というのは年代ごとに出ていますよね。是非、年代ごとの、二〇一九年のそれぞれの疾患の死亡率とワクチン接種者との比較なんかもやっていただきたいと思っているんですよね。それで、もし、何らかの多いものがあるだとかということになったら考えなきゃいけないですし。

 というのも、例えば脳出血で、私も調べてみたら、二十代後半で脳出血で亡くなった人というのは二〇一九年に十三人なんですよ。十三人なんですね。だから、本当にめったに起きないことが起きて、それは偶然なのかワクチンなのかというのは全く分からないというのが今の結果だというふうに思います。

 これは、やはりそれぞれ年代ごとについてしっかり調べていかないと、ある先生によれば、ワクチンの量が多いんじゃないかというようなことを言う先生もいらっしゃるわけですよね、それは定かかどうかは分からないですけれども。

とかしき委員長 申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いします。

宮本委員 是非、要望ですので、よろしいでしょうか、大臣。うなずいていただいたので、よろしくお願いいたします。今度、結果をお伺いします。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、青山雅幸君。

青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。

 本日も、貴重な時間をありがとうございます。

 まず、今日も尾身会長にお忙しい中おいでいただいております。

 先日、変異株の重症化割合について、本当に重症化しやすくなっているのかについて議論をさせていただきました。私も、その後も今日もずっと調べております。そして、分科会、アドバイザリーボードに出されました資料、四月二十七日に出された資料、大阪の、藤井先生などの資料なども見まして計算しましたけれども、やはり、むしろ全体の重症化割合は減っておりますし、若い世代においても顕著な変化はございません。

 中で一つ気になるのは、変異株の陽性者だけを取り上げて重症化について測った資料が一つございまして、尾身先生がおっしゃったのは多分そこかなと思うんですけれども。

 ただ、先生御承知のとおり、抽出検査ですね、今、変異株については。その抽出が無作為抽出ではないと思うんですね、多分。なので、そこら辺でデータに多分若干のマスクがかかっているというか、バイアスがかかっているんだろうなと私は推測していまして、その点、今調べておりますので、またそれについては、来週以降、先生と是非議論をさせていただきたいと思っております。

 今日の質問に入ります。

 まず、資料一、これは前回も配付させていただきました。これをちょっと御覧いただきたいんですけれども、日本の感染割合、やはり諸外国、欧米に比べれば低い、これはもう事実、動かし難い事実だと思います。

 この第四波のさなかで、これは資料二も御覧いただきたいんですけれども、資料二、これは人口百万人当たりの新規感染者数です。直近のものです。二〇二一年五月十二日のデータで、アメリカは百万人当たり百八人、イタリア百三十人、日本四十九人です。アメリカの半分、そしてイタリアの三分の一、三分の一とまではあれですけれども、半分以下ですね。

 こういう状況で、世界がではどういうふうに動いているのかという問題があろうかと思います。

 実は、イタリアは本当に昨年の四月などはひどい状況で、ずっと長いロックダウンとか規制がかかっていた。ところが、日本の二倍以上の数字のところで、資料の三を御覧いただきたいんですけれども、イタリアは外出制限を緩和、飲食店も屋外営業可能、コロナを抑える、こういう状況になってきているわけです、日本の二倍以上で。

 これは別にイタリアだけじゃなくて、イギリスは、最近、ちょっと日本が第四波ということもあって少し上昇してイギリスが下がったものですから、若干イギリスの方が少ないんですけれども、御承知のとおり、もうスケジュールを組んでロックダウンを緩和する状況に入っております。

 アメリカなどは、日本よりも倍あるんですけれども、実は私、ちょっと衝撃を受けたのが、資料四を御覧ください。資料四では、アメリカの消費者物価指数、これは二か月連続ですけれども、急上昇しております。これはなぜかというと、コロナの感染状況が収まってきたということで、みんなが外に出るようになった。この間も、ニューヨークのセントラルパークでズンバという踊りを、大きな石の前で皆さん踊っておりましたけれども、そういう状況になっております。

 日本はなぜ、この欧米諸国に比べて半分しかいないのに、今こういう緊急事態宣言、新たに追加されるような状況になっているのか、ならざるを得ないのかということなんですね。

 そして、それは経済にも大きな影響を及ぼしておりまして、資料五を御覧いただきたいんですけれども、これは日経の記事でございますけれども、トヨタが二〇二二年度の生産計画は海外は一割増しにする、ところが、日本は国内分は三%だけだと。本来であるならば、最初の資料一、この状況から見れば、日本が世界の先陣を切って経済を引っ張っていってもおかしくないんですね。何でこれができないのかという問題なんです。

 私はそこが非常に残念で、それは、取りも直さず、これはずっと申し上げているところなんですけれども、資料六を御覧いただきたいんですけれども、これが日本の重症者用病棟の確保数、それから重症者用以外の病床の確保数、そして実際の入院数です。これも直近のものです。非重症者用病床が全国でまだ二万余裕がある。重症者用病床は、直近でも増えたようですけれども、三千余裕があるわけですね。

 私は、ここが悔しくてならないのは、これもずっと去年から言っているんですけれども、先ほど宮本議員でしたか、おっしゃったとおり、直近でも、入院したくても入院できなくて亡くなっておられる方がおられるわけです。京都市ですね、二十代、基礎疾患なし、入院したいと言っていた方。関西圏を中心に病床が逼迫しているけれども、要は、全国で見ればこれだけ空いているわけです。

 私、菅総理がおいでになった健康保険法の改正案のときに、四月の十四日の数字を出しました。このときの数字も同じで、全国では二万空いていて、重症者用病床は、このときは確保数が四千二百五十三で、九百九十だったわけですけれども、そこから見ると、重症者数は増えましたけれども、確保病床数も増えましたので、同じくらい空いているわけです。

 私、日本というのが本当に、最近、情けない国になってきているのではないかなと残念でならないわけです。よその県の重症者を受け入れる、あるいは国が差配する、そうすれば助かる命を、ここをずっと、言ってみればそのまま放置ですよ。逼迫、逼迫と言って、実際には全然逼迫していないわけですよ。昨年だって四〇%全体でも空き病床があった。コロナに限ってもこの状況で、みすみす若い命が死ぬものを放置している。私、こんな国でいいのか、ここにこそ問題があると思うんですね。

 一体いつになったらこういう不合理なシステムを解消するのか。もう人災のレベルだと私は思っています。よその県の人の命はどうでもいいのかという話なんですね。そして、それを国が分かっていながら、なぜ放置するのか。都道府県間の調整なんだから、国が乗り出すしかないじゃないですか。

 もう一つは、オリンピックの問題もそうです。いろいろなお考えがあるのは分かります。だけれども、オリンピックというのは四年に一度しかなく、今回、一年延びていますけれども、五年に一度です。日本国内のアスリートだけじゃなくて、世界でまさに本当に身を削るようにして努力されてきたアスリートの方たちがいっぱいるわけですね。

 私は、日本が本当に、一時のイタリアだとかインドのように、病床がもうあふれていて、廊下にもあふれて、一つのベッドに二人、反対方向を向いて寝ているような状況ならまだ分かります。資料六のこの状況であって、これで医療逼迫だと大騒ぎして、自国の国民を放置している。そして、緊急事態宣言拡大。緊急事態宣言も、病床数の指標が、尾身先生がおっしゃっているように、一番今多いわけですから、病床をきちんとやれば、場合によっては回避できる可能性だってあるわけですよ。無責任に、こういった自国内でできる努力をしないで、オリンピックは返上しろだの何だのというような議論ばかりしている。私は、日本の国力がここまで情けないことになっていることを逆に世界にさらしていると思うんですね。

 私は、こういう数字をきちんと出す、それから、先ほどちょっと冒頭に申し上げた重症化、変異株のですね、あれも、政府に出ている資料を計算すれば、実は第一波からずっと下がっているんですよ、重症化割合。致死率もそうです。そういうのをきちんとやらずに、何かマスコミの扇動的なあおりに任せている。これは政府の責任だと思うんです。

 ここをちゃんと大臣に、スウェーデンでやっているように、スウェーデンなんかは、病床数の確保というのは、陽性率とか入院者数を月ごとに追っていって、今どのくらい必要なのかということをきちんとやって、それを毎日説明しているわけですよ。そういう正しい科学的なやり方に変えるべきだと思うんですけれども、そして、世論全体、あるいは世の中の考え方全体に軌道修正を図るべきだと思いますが、それについて大臣の御意見をお伺いしたい。

田村国務大臣 アメリカとイタリアと日本の比較を見て、ちょっと私も衝撃を受けまして、これだけ日本で感染が逆に増えているんだ、逆に言うと、アメリカとイタリアが減っているんだと。今ちょっと見たら、確かにアメリカはもう三万五千人ぐらいですね。イタリアはもう一万人を切っている。逆にドイツやフランスの方が多いという状況になっております。ワクチンやロックダウンをしただとかいろいろな理由があるんだと思いますが、そういう意味では、今、日本がもし何もやらなければあっという間にこれを追い抜いちゃうぐらい、やはり危機感を持った方が私は今はいいと思います。

 一方で、病床数は、おっしゃられるとおりで、全体で見ると空いているんですよね。問題は、我々もいろいろな話をするんですけれども、臨床の先生方の話を聞くと、移動でやはり二時間だとかというのが限界だ、二時間以内に運べるようなところで病床があれば、重症者が何とかなるんだけれどもと。

 ところが、要は、この感染というのは平野に感染していくんですよね。つまり、人が移動しやすいところに、感染症ですから、広がっていくので、例えば大阪ですと、奈良ですとか京都ですとか、それから兵庫、岡山と広がっていくので、要するに、行けるところというのはベッドがいっぱいになっちゃう。山を越えて向こうに行くみたいなところに、なかなか人が行かないところでありますけれども、病院が空いている、こういうようなことがあって、なかなか、タイムリミット的にこの時間で行ければというところが見つからないというようなお声も、実は現場で話をすると聞かれるわけであります。

 ではどうすればいいかということを、委員が言われる意味もよく分かりますので、ベッドが全くないというわけではございませんから、不断の努力はしていかなきゃならぬなと思いますけれども、なかなか、我々も全く何もやっていないわけじゃなくて、いろいろなお声をお聞きしているんですけれども、難しいというところもあるということは御理解いただきたいというふうに思います。

青山(雅)委員 非常に残念です。同じような議論ばかり、できない理由を並べているだけです。

 ドクターヘリというシステムがあるのは御存じだと思います。自衛隊にもヘリがございます。時速三百キロ以上ですね、ヘリ。二時間あれば六百キロ移動できます。患者をヘリコプターで移送すればいいだけです。スイスなんかは、ジェット機がたしか十数機、ヘリコプターなんかは百機近くあって、スイス全国どこでも二十分以内に運ぶわけですよ、患者を。やればできるんです。自衛隊だってあるわけですから。そういう工夫を、もう一年たつのに、まだ今おっしゃるようなことをしている。移動に二時間が限界なら、二時間で運べるように工夫すればいいじゃないですか、できるわけですから。新幹線だってあるわけです。

 私は、できない理由をもうそろそろ並べ立てるのは終わりにして、できる理由を、どうしてやったらいいのかということをお考えいただきたい。今日はちょっと時間がないので、この話はまた続きに、次にさせていただきます。

 私が今申し上げたのは、では、緊急事態宣言とかを今すぐやめろとか言っているわけではなくて、やるべきことが先にあるでしょうということを常に申し上げているので、そこの誤解はないようにお願いいたします。

 それから次に、尾身先生においでいただいているので、どこまでできるかちょっと分からないんですけれども、若い世代が本当に悪いのかと。

 よく小池東京都知事などは、二十代、三十代の若者が平気で飲みに行って、それで感染を広げていると。たしか尾身先生もそういうことをおっしゃっていると思いますが、二十代からだんだん高い世代にうつっていくと。

 だけれども、配付資料の七を御覧いただきたいんですけれども、これは政府が出している陽性者の年代別の割合です。これを見ていただくと一目で分かるんだけれども、二十代を頂点として、物すごくきれいに階段状に分かれているわけですよ。十代、十歳未満は少ない。これを見ると、これはもう疾患の特徴じゃないかと私は思うわけです。

 深く免疫に関わっている疾患ですので、抗体も、細胞性免疫が非常に実はこのコロナという病気に対して効果的なんじゃないかというお話もあります。要は、細胞性免疫が、尾身先生は十分御承知のとおり、一番活発なのは二十代なわけですね。そうすると、感染して、これは不顕性感染が、つまり無症候者がすごく多いというのもこのコロナの特徴ですから、二十代は症状が出やすい、簡単に熱も出る、つかまりやすい、ただそれだけじゃないかなというふうな気もするわけです。

 それで、その考えを私は強く思っていて、これは私が時々お話をさせていただく医学者の方も同じ意見だという方もおられるわけですけれども、資料八を御覧ください。これは、国が副反応について非常に丁寧に追っておられる。先行接種における副反応の調査です、これは国のものですけれども。

 これも御覧いただくと驚くわけですけれども、二十代を頂点に、きれいに階段状に副反応が起きる率が下がってきているわけですね。これも、何で副反応が起きるかというと、抗体生成に伴って起きているんだというふうな解説ですから、コロナも同じことが起きているんじゃないかと。つまり、これは別に年代によって人数がそんなに違うわけじゃないですね、医療従事者ですから。これだけ違うというのは、これは単に反応が出やすいかどうかだけじゃないかと私は思うわけです。

 何でこれを言うかというと、二十代、三十代ばかりを悪者にしたという元々の考えが、この感染症の疫学的対策の過ちを導いているんじゃないかと私は思うわけです。これは発想を変えて、二十代、三十代は単にかかりやすいだけなんだというふうに思うとまたやり方が変わってくるんじゃないかと思うわけなんですが、その辺について、尾身会長の御意見をちょっとお伺いしておこうと思います。

尾身参考人 二十代の人は、先ほど細胞性免疫で症状が出る、そういう反応が強いという、その点はおっしゃるとおりですが、実際に症状があるなしでいうと、若い人は無症状の人が多いです、圧倒的に。

 それから、無症状、若い人を悪者にということは先生も比喩的におっしゃって、そういうことを我々は言ったこともないし、誰も言っていないと思いますけれども、去年の、具体的な日にちは忘れましたけれども、我々はかなり詳しく、これは総理にもお見せしましたけれども、なぜ若い人が気がつかぬうちに、これは全く責めるつもりはないので、だから悪者なんという話じゃないんですけれども、気がつかないうちに感染をほかの世代にうつしたという、しっかりした統計的な処理をしたものがございます。これはもし必要だったら後でお見せします。これはもう私は記者会見等で何度もお見せしたものですけれども、実際に県を越えた履歴が分かっている人で、なおかつPCRの陽性率が分かった人たちを、各年代別にいるわけですね。その人たちをつぶさに調査しますと、結論から言いますと、若い人がほかの方々に感染を伝播させるというのは、これは統計上に明らかであるということ。

 それから、それ以外にもいろいろな各地域からの疫学情報を集めますと、やはり最初に若い人の感染があって、それからだんだんと感染が、状況によって違いますけれども、一遍にほかの世代に行く場合もあるし、少しずつ、家庭内とかということで、そういういろいろなパターンはありますけれども、大きな傾向としては、若い人の感染がまずあって、それからだんだんと世代を超えていくというのは全国的に見られている傾向でありまして、そのことは随分詳しいクラスターの情報を分析した結果でありますから、私は、悪者ということじゃなくて、それはなぜかというと、若い人は感染しても無症状の人が多い。その上に、活動量が多いですから、動く。

 一つ具体的なのが、一番分かりやすいのは、それは統計的なこともありますけれども、非常にイメージとして分かりやすいのは、実は昨年の北海道です。これが、我々の、毎日データを見ている者にとってはショッキングなことがあったのは、雪祭りのあの周辺のときには、結果的に後で分かったことですけれども、実は若い人の間でずっと広がっていて、無症状なわけです。無症状で広がって、その一部の人が北海道の地方部に行って、そこには高齢者がいますから、そこで初めて分かった。いろいろなことを後からやると、実はその間に、高齢者に行く前に若い人の無症状での感染が、そのときに初めて私どもは、これは無症状の人たちが、特に若い人たちのということで、その後も同じようなエビデンスがいっぱい出てきたので。

 そういうところは、これからまた変異株云々のことで状況は変わるかもしれませんけれども、今までのところはそういうことが私たちは言えると思います。

青山(雅)委員 尾身先生はそうおっしゃると思っていました。

 それで、資料九と十、もう時間がありませんので、提示だけさせていただきます。

 資料九は、大阪府が年代別新規陽性者数の変化を追ったものです。これを見ると、実は六十代が先行して増えていたりしております。資料九は更にこれを細かく日別にしたものですけれども、尾身先生がおっしゃったような、二十代が先行して増えて、ほかの世代が追っていくような傾向は全くありません。増えるときはみんな一緒です。札幌の事例ではそういった例があったのかもしれませんけれども、恐らくそれは例外で、各世代満遍なく増えたり減ったりしている。

 それから、無症候者が若い者ではいっぱいつかまるのは、若い者同士で、一人陽性者が出れば周りが濃厚接触者で検査されますから、当然無症候者がつかまる可能性も大きくなるのではないかなと思っておりますが、その辺についてはまた次回、是非議論をさせていただきたいと思います。

 本日は、ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。

 今日も、金曜日の夕方五時、本当にお疲れさまでございます。大臣には本当に、日頃激務の中、この国会にも長時間お越しいただき、また答弁いただいて、敬意を表したいと思います。

 それでは、まず聞いてまいりますが、前回から聞いています水際対策、検疫の問題です。

 まずちょっと局長に聞きますが、前々回かな、五月七日に正林局長はこう答弁されています。海外から入国される方で十四日間待機をしていただく方にいろいろな確認をしていますが、その確認をする対象者というのが、五月三日までの一週間の平均値で、対象者一日当たり二万一千五百五十二人のうち、位置情報の確認に応じていることが確認されているのは一万三千二十七人。つまり、その差の八千五百二十五人が行動が把握できていないということなんですよ。

 この方々を、これはどういう数字かというと、大体一日二千人ぐらいが入国されるという数字と合わないじゃないかと思われるかもしれませんけれども、これは十四日間確認する必要があるので、二千人入ってくるうちの、十四日間追っていきますから、さっき言った二万一千五百五十二人ぐらいになって、そのうち八千五百二十五人。ちなみに、例えば十四日間で割ってみると、六百九人なんですね。

 つまり、だから、二千人ぐらい入ってくるうち、六百九人が確認できていない。約四割が確認できていない、これはやはりどう考えてもおかしいと多くの国民の皆さんは怒ると思いますけれども、どうやって八千五百二十五人の行動把握をこれからしていくのか、お考えをお聞かせください。

正林政府参考人 今御指摘いただいた数字は、ログインされた方の数字、それを一週間の中での一日の平均という形でお示ししたと思います。

 では、入国者はどうやってフォローアップしていくかということなんですけれども、まず一つは、今申し上げた位置情報確認アプリ、それを通じて居所の確認をして、自宅等待機の徹底を図ること、そのためにアプリにログインしていただくとかお願いしているわけですが、それを適切に利用していただくことがとても重要です。

 アプリへのログイン操作をしていない理由は、入国者一人一人事情は様々だと考えられますけれども、十四日間の待機期間中のルールを遵守していただけるように、利用者目線に立って、位置情報確認アプリの操作方法とか必要な作業を分かりやすく伝えるために、まず、入国後に検疫所にて配布する案内チラシの改定とか、それから専門のホームページを作成して、十四日間、待機期間中のルールを分かりやすく発信する、それからアプリの操作方法の解説動画を掲載する、そういった対応を行っています。

 こうした取組に加えて、ログインしない方へビデオ通話を行い、直近では三千七百件の架電を行ったほか、見回りについて、四月三十日から開始して、現在件数の増加を図っているところです。

 その上で、それでもなおビデオ通話に対応しない方に対しては、氏名等の公表に結びつく可能性があることを個別にメールで周知して、位置情報確認への対応や自宅等待機の徹底等を促すほか、見回りも重点的に実施するというふうに考えています。

 今後も、入国者のフォローアップを担う入国者健康確認センターの業務に必要な人員の拡充やシステム上の効率化等の業務改善を行い、位置情報確認アプリを通じた居所の報告や十四日間の自宅等での待機を遵守いただけるように、対応を進めてまいりたいと考えております。

高井委員 ビデオ通話が、私が前回聞いたときは百件と言っていたのが、今、三千七百まで増えた。これは本当に評価したいと思いますけれども、それで、ではこの八千五百二十五人がどのくらい減るのかを、またちょっと来週ぐらいに聞きますからね、どのくらいになったのか。やはりここは減らないと意味がないわけですから。

 本当に、私は、この八千五百二十五人、十四で割ると一日六百九人という、この方々にやはり連絡が取れないでいることを、いろいろ今、ホームページの充実とか言いましたけれども、そんな生ぬるい方法でいいのか。氏名の公表ができるわけですから、やはりそのくらいもうやると言わないと、いつまでたっても六百九人の方は、しかも、この中にはインドから来ている方も含まれているわけですよ。こういう水際対策では、今多くの国民の皆さんが、我慢を強いられている方々が、この話を聞いたら本当に怒り出すと私は思います。ですから、とにかくここはしっかり強化していただきたいと思います。

 今度は、これは大臣に通告していますから聞きますけれども、インドからの入国者が、百四十六人が野放しになっているという話で、前回これが、累計とかいろいろありましたので、もう一度改めて整理しますと、この百四十六人というのは、今言った八千五百二十五人に対応する数字なんですよね。四月二十二から五月五日の十四日間で百四十六人。ですから、一日に入国してくる方に直せば、十四で割った十人ぐらいだと思いますけれども。

 だけれども、やはりインドから入ってきた方が、今、インドの入国を止めるとしましたけれども、だけれども人道上の理由とかで入ってくる方もなおいる中で、毎日入ってくる人十人ずつが何の連絡も取れなくなってしまう。六日間ホテル待機にしましたけれども、でも、その後八日間自宅待機しているかどうか本当に分からないという状態は、やはりこれは、これこそ本当に、国民の皆さん、我慢を強いられている方々は怒りますよ。

 やはり、毎日十人でも、確実にこれは待機をしてもらう。そのためには、私は、自宅待機、あるいは十四日間はホテルに入る、このことを強制力を持って、検疫法を改正して強制力を持つことを、大臣、是非、これは国民も納得しますって。私権制限とかそんなことで反対する国民はいませんよ。是非これはやってください、大臣。

田村国務大臣 私もこれは何とかしなきゃならぬなというふうに思っていまして、今だから何とかやれる話なので、どれぐらいの管理ならばどれぐらいの人数が入れるんだという視点から考えていかなきゃならぬなと。これはいろいろと今相談しています。

 何とかするという、強制的に自宅で例えば待機させるというふうには今できないんですが、あるとすれば、言うことを聞かなければ停留をかける。停留ですと強制的に、例えば停留できるところというのは決まっていまして、医療施設か宿泊施設になっているんですが、そこに入ってもらうぞというようなことで無理やりやるという。今、実際、見回りはできる体制にだんだんなってきていますから。

 ただ、それが本当にやれるのかどうかというのは、感染の疑わしい場合ということですから、疑いが高い場合はそういう話になりますので、まだ、実態、これを使ったことはないわけでありますが、伝家の宝刀とすれば、今ある法律では、そこで強制的に停留させるという方法はあるということでありますので、そういうことも我々は検討しながら、本当に悪質な方に対しては対応していかなければならないのかなというふうに、我々も今いろいろと検討している最中であります。

高井委員 いや、今抜かなくていつ抜くのかという感じだと思いますけれどもね、そういう宝刀があるなら。しかし、それも今、感染の疑いがある場合だと確かになかなか難しいと思いますし、私は、やはりインドから来たという時点で十四日間はホテルにいていただくことを、私権制限だとか憲法上認められないなんて国民はいますかね。

 これは、この間、特措法ではできなかったといって、野党の反対があってと言われましたけれども、私はさっき内閣委員会で、西村大臣には、特措法を強化すべきだ、私権制限すべきだと提案してきました。だって、災害対策基本法だって原子力災害特措法だってあるんですよ、そういう外出禁止というか立入禁止とか、かなり私権制限が。やはりそういう災害とか非常事態にはできるので、私は、特措法だってもう十分、新型コロナ、今回だってできるし、ましてやこれは検疫の話ですから。

 これは、外国から入ってきた人に十四日間家にいてくれとかホテルにいてくれぐらい、それで私権制限とか憲法の移動の自由だとか、そんな話には絶対ならないと思いますから、是非、提案をすぐしていただいて、改正案を出していただきたいなと思います。

 それでは、コロナの話ももっとしたいんですけれども、どうしても前から、私、聞きたかったことがあります。これは非常に大事なことで、不妊治療の保険適用です。

 私、実は何度も、実は私自身が不妊治療の経験者で、五、六年ずっと不妊治療をやってまいりました。本当にこれは大変なんです。まずお金がかかる。一回三十万とか五十万とか、高い病院だと百万、治療法によっては一回百万。それを年間大体六回ぐらいやったりしますから、三百万とかになるわけですよ。

 それから、そういう治療というか、顕微授精とかそういうものじゃなくて、通常、検査にも行かなきゃいけないんですよ、特に女性は。週一回ぐらい検査に行ったりすると、そのたびに一万円とか二万円とか診察料がかかるんですよ、血を抜くだけでも。だから、本当にこんなお金がかかったら、なかなかできないですよね、不妊治療で。

 実は、不妊治療を少子化対策と言うと怒る方もいるんですけれども、でも、私は、普通に考えて、だって、子供が欲しくてしようがない夫婦がお金がないから諦めている、それをちゃんと子供が産める環境をつくってあげるのは、これは少子化対策ですよ。ですから、これを、私は保険適用を菅総理が決断したことは高く評価しています。

 ただ、ばあんと出ましたけれども、何かその後余りというか、どういう検討をされているかが余り報道されていないので、ちょっと調べたら、国会でも何か去年ぐらいまでは結構質問は多かったんですけれども、やはりコロナがこんなことになっちゃって、余りこの状況をフォローできていないようなので、是非、不妊治療の保険適用の検討状況、それから今後の、いつからできるのかあたりを大臣から御答弁ください。

田村国務大臣 助成制度を今拡大して、いよいよ保険適用に向かっての準備といいますか、その間という対応を今年度からやっているわけなんですが、令和三年度中にこれはしっかりと方針をつくらなきゃいけない。方針といいますか、全世代型の社会保障の改革の方針において、三年度中に詳細を決定して、四年度からのスタートということでありますので、今年度中にほぼ制度設計をしなければならないということであります。

 調査をやりまして、そこでいろいろな、医療機関の方針もありますし、患者の状況もございまして、様々な状況に応じた医療が提供されているということが分かってまいりました。その上で、ガイドラインを策定しなきゃなりません。

 要は、有効性や安全性というものが確認をされたものを保険にしていくわけですね。ですから、いろいろな不妊治療があるわけでございまして、それは薬も含めていろいろなものを使われているわけでありまして、そういうものを、全てというのはなかなか難しい、そういう中で、一般的に安全性、有効性というものが確認されているものを保険適用する。

 しかし一方で、まだエビデンス収集中のものもあるわけですね。この範囲だって、あとは保険外だから保険は一切適用できないよという話になると、今やっておられて、もしかしたら将来有効かも分からないものというものが全くもって保険外になってしまうということがありますので、そういうものの範囲というものをある程度決めて、そこは保険外併用療養という形で、先進医療の中でこれを対応していこうということを決めていかなきゃならない。

 今、そういう作業を進めて、来年度の四月からのスタートに向かって準備をしている、こういう状況でございます。

高井委員 本当に、これは是非、ちょっとどういう形の保険適用の制度になるかも非常に大事なので、随時、報告というか、何か報道発表とかもしていただきたいと思いますし、やはり多くの皆さんの関心事だと思います。

 それと、ちょっと通告していないんですけれども、もう一問聞きたいんですけれども、実は、これはお金の問題だけじゃないんですよ。さっき言ったように、特に女性は、不妊治療に行くということを職場にやはり言いづらい職場の雰囲気とか、あと、休暇を取りづらい。突然来ますから、突然病院に行かなきゃいけない。それで、大体病院で三時間、四時間、ひどいときは本当に一日待たされたりするんですよ、それを二日連続とか。非常に、やはり働く女性は難しいと思います。

 だから、例えばこういう休暇制度をつくってあげるとか、職場の環境喚起とか、あと、病院も、人気のある病院に集中するからそんなに待たされるんですよね。これはやはり調査していただいて、ちゃんと医療の技術も平準化していく、そういったことを是非やっていただきたいと思いますが、通告していないから大枠の答弁でいいですけれども、ひとつ決意というか、そういったこともやっていくということを答弁いただきたいと思います。

田村国務大臣 ちょっと突然だったものですけれども、坂本大臣の下で、そういう不妊治療も含めて、しっかりとこういう環境をつくらないとやはり駄目ですよねということを、三原副大臣等々も入っていただきながら、いろいろと検討してまいってきております。

 言われるとおり、費用だけじゃないんですよね。なかなか育児休暇も取りづらいというのがありますけれども、この国会、これは法律を出させていただいておりますので、これはこれでまたよろしくお願いいたしたいわけでありますが、やはり不妊治療に関しても言いづらいというのが一つあります。

 それから、職場の環境だけではなくて、休暇も、実は、不妊治療の休暇をつくると頼みづらい。一方で、何となく、体調何とか休暇だとか家族何とか休暇だとか、そういう名前の中にそれが入っているとこれは使いやすいというのが、様々なお声がありまして、それぞれどういう形でやるかというのは、それぞれの企業でもお考えをいただかなきゃならないというふうに思いますが。

 いずれにいたしましても、そういう取りやすい環境でありますとか、休みでありますとか、不妊治療自体を申し出やすい環境というのをつくるということが非常に重要だというのがそこの検討会の議論の中でも話し合われておりまして、そういう職場環境をつくるためにこれからどうしていけばいいのか、政府としてのいろいろな対応、支援というものも検討させていただいておるわけであります。

高井委員 本当は、不妊治療休暇というのを堂々と取れる環境を、やはり特に男性の偏見というか、何か言葉にまだ、治療とかと言うと。やはりそこを払拭していく、気軽に、不妊治療をやっていますよというのを、もっともっと。本当に多いんですね、不妊治療をやっている方。でも、なかなか、やっていますと言うと、何かみんなで集まっていたときに、やっているのか、俺も俺もみたいな感じで出てきて、日頃余りそういうことは言いませんから、でも、相当な数がいるので、是非そこを、これは大臣のお力でお願いしたいと思います。

 それでは、次、もう一度コロナの話に戻りたいと思いますが、これもひょっとしたらもう質問に出ているかもしれません。私、今日、法務委員会も兼ねていて、今にも強行採決がありそうなのでちょっと出たり入ったりしていて余り全員のを聞けていなかったんですが、ワクチン接種の一日百万人目標、それから七月末までに終えると。

 今日、内閣委員会で私は河野大臣にも同じことを申し上げたんですけれども、やはりこれは相当本気でやらないと、私は、目標を掲げること自体は悪くないと思います、目標を高く掲げて、それに対してやっていく。だけれども、それは相当な覚悟でやらないと。

 私は、アメリカがやはり一つのモデルで、やはりあの覚悟、もう何でもありというか、とにかく、コンビニでも打てるとか、薬剤師、薬局で打てるとか、あるいは移動の車でも打てるようにしているとか、あらゆる施設で。やはりそれだけの覚悟を、政府が、政権が示せばできなくもないとは思いますけれども、普通にやっていたら到底できない。

 河野大臣も言っていますけれども、やはり日本は非常事態に弱い、それから、平等の意識が、公平性が多過ぎて、なかなか市町村に任せるとできない。私は、ある意味、その公平性みたいなものを捨てるぐらいの覚悟をやはり政治家が示さないと、大臣が示さないとできないと思っていて、その中で、是非大臣にお願いしたいのは、やはり打ち手の問題ですよ。河野大臣も、打ち手、とにかく打ち手を増やせるかどうか。

 であれば、やはり薬剤師さん、あるいは医学部生にも、海外でもやっていますから、まあ、日本の場合、確かに国民が心配するかもしれませんけれども、心配を押し切るぐらいの政治家の覚悟でやらないと本当に百万人とか七月末は無理ですから、是非大臣、決断してください。

田村国務大臣 ここで決断できるほどそう簡単な話じゃないんだと思うんですが、もちろん、そういう意味で、看護師の方々の派遣ということもこれに限ってお願いをするようにしたわけでありますし、歯科医師の先生方にもお願いをすることにいたしました。もちろん、薬剤師の先生方には、今やれる範囲の中で、希釈は、本当を言うと、はっきり言ってここは結構重労働で、これがないと打てないので、そこをやっていただくというのは結構打ち手にとってみればかなりの負担軽減になるので、こういうことをやっていただく。

 何よりも、医師もそうなんですが、やはり潜在看護師の皆様方、これは推計ですけれども七十万人以上おられるんですよ。こういう方々に是非とも御協力をいただくべく、看護協会の、日看協の会長にもこの間お会いさせていただきましたので、そのときに、潜在看護師の方々にそれぞれのナースセンター、都道府県のナースセンターから声をかけていただいて、是非とも、たとえ何十人でもいいですから打っていただくというようなことをお願いしますということをお願いしました。

 実際問題、打てる方、能力のある方は日本にはたくさんおられるんです。その方々にやはり政府としての覚悟をしっかりと伝えさせていただいて、御活躍をいただくというようなことも含めて、しっかり対応してまいりたいというふうに思います。

高井委員 本当に打ち手の、ここが一番のネックだと思いますから、そこはもう普通のお願いとか普通のやり方じゃなくて、とにかく政治決断でやらないと私はこの目標は達成できないと思います。そのことを申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次回は、来る十九日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.