衆議院

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第19号 令和5年6月7日(水曜日)

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令和五年六月七日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 三ッ林裕巳君

   理事 上野賢一郎君 理事 大岡 敏孝君

   理事 田畑 裕明君 理事 高木 宏壽君

   理事 小川 淳也君 理事 中島 克仁君

   理事 池下  卓君 理事 佐藤 英道君

      東  国幹君    畦元 将吾君

      石井  拓君    泉田 裕彦君

      上田 英俊君    柿沢 未途君

      勝目  康君    川崎ひでと君

      小泉進次郎君    小林 鷹之君

      塩崎 彰久君    新谷 正義君

      瀬戸 隆一君    田村 憲久君

      高階恵美子君    土田  慎君

      西野 太亮君    橋本  岳君

      鳩山 二郎君    古川 直季君

      堀内 詔子君    本田 太郎君

      松本  尚君    三谷 英弘君

      吉田 真次君    阿部 知子君

      井坂 信彦君    大西 健介君

      中谷 一馬君    西村智奈美君

      野間  健君    山井 和則君

      吉田 統彦君    早稲田ゆき君

      一谷勇一郎君    遠藤 良太君

      吉田とも代君    古屋 範子君

      吉田久美子君    田中  健君

      長友 慎治君    宮本  徹君

      仁木 博文君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      羽生田 俊君

   厚生労働副大臣      伊佐 進一君

   内閣府大臣政務官     自見はなこ君

   厚生労働大臣政務官    畦元 将吾君

   厚生労働大臣政務官    本田 顕子君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 友井 昌宏君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     黒田 岳士君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  榎本健太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         八神 敦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    辺見  聡君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  大西 証史君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  伊原 和人君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           楠田 幹人君

   参考人

   (独立行政法人国立病院機構理事長)        楠岡 英雄君

   厚生労働委員会専門員   若本 義信君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二日

 辞任         補欠選任

  一谷勇一郎君     浅川 義治君

同日

 辞任         補欠選任

  浅川 義治君     一谷勇一郎君

同月七日

 辞任         補欠選任

  秋葉 賢也君     鳩山 二郎君

  小林 鷹之君     古川 直季君

  瀬戸 隆一君     東  国幹君

  橋本  岳君     泉田 裕彦君

  松本  尚君     西野 太亮君

  吉田 真次君     石井  拓君

  山井 和則君     中谷 一馬君

  田中  健君     長友 慎治君

同日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     瀬戸 隆一君

  石井  拓君     吉田 真次君

  泉田 裕彦君     橋本  岳君

  西野 太亮君     松本  尚君

  鳩山 二郎君     秋葉 賢也君

  古川 直季君     小林 鷹之君

  中谷 一馬君     山井 和則君

  長友 慎治君     田中  健君

    ―――――――――――――

六月五日

 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(長坂康正君紹介)(第一四二六号)

 同(小熊慎司君紹介)(第一五一六号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一五一七号)

 同(田中和徳君紹介)(第一五一八号)

 同(足立康史君紹介)(第一五四七号)

 同(青山大人君紹介)(第一五四八号)

 同(池畑浩太朗君紹介)(第一五四九号)

 同(石川昭政君紹介)(第一五五〇号)

 同(石川香織君紹介)(第一五五一号)

 同(石破茂君紹介)(第一五五二号)

 同(小沢一郎君紹介)(第一五五三号)

 同(緒方林太郎君紹介)(第一五五四号)

 同(大石あきこ君紹介)(第一五五五号)

 同(大西健介君紹介)(第一五五六号)

 同(岡田克也君紹介)(第一五五七号)

 同(笠井亮君紹介)(第一五五八号)

 同(鎌田さゆり君紹介)(第一五五九号)

 同(神谷裕君紹介)(第一五六〇号)

 同(菅直人君紹介)(第一五六一号)

 同(菅家一郎君紹介)(第一五六二号)

 同(吉良州司君紹介)(第一五六三号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一五六四号)

 同(熊田裕通君紹介)(第一五六五号)

 同(國場幸之助君紹介)(第一五六六号)

 同(近藤和也君紹介)(第一五六七号)

 同(櫻井周君紹介)(第一五六八号)

 同(階猛君紹介)(第一五六九号)

 同(たがや亮君紹介)(第一五七〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第一五七一号)

 同(田野瀬太道君紹介)(第一五七二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一五七三号)

 同(高階恵美子君紹介)(第一五七四号)

 同(武村展英君紹介)(第一五七五号)

 同(土屋品子君紹介)(第一五七六号)

 同(寺田学君紹介)(第一五七七号)

 同(中谷一馬君紹介)(第一五七八号)

 同(中野洋昌君紹介)(第一五七九号)

 同(中村裕之君紹介)(第一五八〇号)

 同(長友慎治君紹介)(第一五八一号)

 同(仁木博文君紹介)(第一五八二号)

 同(西岡秀子君紹介)(第一五八三号)

 同(平沢勝栄君紹介)(第一五八四号)

 同(福重隆浩君紹介)(第一五八五号)

 同(福島伸享君紹介)(第一五八六号)

 同(藤岡隆雄君紹介)(第一五八七号)

 同(船田元君紹介)(第一五八八号)

 同(古川元久君紹介)(第一五八九号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第一五九〇号)

 同(牧義夫君紹介)(第一五九一号)

 同(宮本徹君紹介)(第一五九二号)

 同(森山浩行君紹介)(第一五九三号)

 同(谷田川元君紹介)(第一五九四号)

 同(山岡達丸君紹介)(第一五九五号)

 同(山崎誠君紹介)(第一五九六号)

 同(山井和則君紹介)(第一五九七号)

 同(山本ともひろ君紹介)(第一五九八号)

 同(山本有二君紹介)(第一五九九号)

 同(柚木道義君紹介)(第一六〇〇号)

 同(吉野正芳君紹介)(第一六〇一号)

 同(米山隆一君紹介)(第一六〇二号)

 高齢者の命・健康・人権を脅かす七十五歳以上医療費窓口負担二割化中止に関する請願(宮本岳志君紹介)(第一四二七号)

 安全・安心の医療・介護の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一四二八号)

 パーキンソン病患者への難病対策の推進に関する請願(階猛君紹介)(第一四二九号)

 国立病院の機能強化に関する請願(中川正春君紹介)(第一四三〇号)

 同(高階恵美子君紹介)(第一五三七号)

 同(谷田川元君紹介)(第一五三八号)

 国民を腎疾患から守る総合対策の早期確立に関する請願(金田勝年君紹介)(第一四三一号)

 同(階猛君紹介)(第一四三二号)

 同(古屋圭司君紹介)(第一四六二号)

 同(工藤彰三君紹介)(第一四八五号)

 同(美延映夫君紹介)(第一五四三号)

 保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(宮本徹君紹介)(第一四三三号)

 建設アスベスト被害給付金法を改正し、建材企業が参加する補償基金制度の創設を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一四三四号)

 同(田嶋要君紹介)(第一五四四号)

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(秋葉賢也君紹介)(第一四三五号)

 同(泉健太君紹介)(第一四三六号)

 同(津島淳君紹介)(第一四三七号)

 同(冨樫博之君紹介)(第一四三八号)

 同(中川正春君紹介)(第一四三九号)

 同(青山周平君紹介)(第一四六三号)

 同(井坂信彦君紹介)(第一四六四号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第一四六五号)

 同(衛藤征士郎君紹介)(第一四六六号)

 同(大西健介君紹介)(第一四六七号)

 同(日下正喜君紹介)(第一四六八号)

 同(田所嘉徳君紹介)(第一四六九号)

 同(稲富修二君紹介)(第一四八六号)

 同(岡本あき子君紹介)(第一四八七号)

 同(小林鷹之君紹介)(第一四八八号)

 同(高木宏壽君紹介)(第一四八九号)

 同(仁木博文君紹介)(第一四九〇号)

 同(根本匠君紹介)(第一四九一号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第一四九二号)

 同(吉川元君紹介)(第一四九三号)

 同(階猛君紹介)(第一五一三号)

 同(武田良太君紹介)(第一五一四号)

 同(森山浩行君紹介)(第一五一五号)

 同(小沢一郎君紹介)(第一五四五号)

 同(柚木道義君紹介)(第一五四六号)

 国民の医療と介護を守ることに関する請願(岡本あき子君紹介)(第一四四〇号)

 同(篠原豪君紹介)(第一四四一号)

 同(山崎誠君紹介)(第一四四二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四七〇号)

 介護保険制度の改善を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四四九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一四五〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四五一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四五二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一四五三号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一四五四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四五五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四五六号)

 同(宮本徹君紹介)(第一四五七号)

 同(本村伸子君紹介)(第一四五八号)

 同(山岡達丸君紹介)(第一四五九号)

 同(山崎誠君紹介)(第一四六〇号)

 同(笠浩史君紹介)(第一四六一号)

 同(神谷裕君紹介)(第一四八四号)

 同(野間健君紹介)(第一五一一号)

 同(荒井優君紹介)(第一五三五号)

 同(笠井亮君紹介)(第一五三六号)

 国の制度として、十八歳までの医療費窓口負担を無料にすることに関する請願(井坂信彦君紹介)(第一五〇八号)

 同(篠原豪君紹介)(第一五〇九号)

 同(山崎誠君紹介)(第一五一〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六〇三号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六〇四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六〇五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六〇六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六〇七号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一六〇八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六〇九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一六一〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第一六一一号)

 同(本村伸子君紹介)(第一六一二号)

 福祉職員の大幅な賃金の引上げと増員に関する請願(末松義規君紹介)(第一五一二号)

 ジェンダー平等施策の強化へ、労働時間短縮、女性の賃金・年金引上げなどを求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五二五号)

 同(笠井亮君紹介)(第一五二六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一五二七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一五二八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一五二九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一五三〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五三一号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一五三二号)

 同(宮本徹君紹介)(第一五三三号)

 同(本村伸子君紹介)(第一五三四号)

 全国一律最低賃金制度への法改正に関する請願(大石あきこ君紹介)(第一五三九号)

 同(宮本徹君紹介)(第一五四〇号)

 同(務台俊介君紹介)(第一五四一号)

 同(山崎誠君紹介)(第一五四二号)

同月七日

 福祉職員の大幅な賃金の引上げと増員に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六四八号)

 同(石川香織君紹介)(第一六四九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六五〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六五一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六五二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六五三号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一六五四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六五五号)

 同(穂坂泰君紹介)(第一六五六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一六五七号)

 同(宮本徹君紹介)(第一六五八号)

 同(本村伸子君紹介)(第一六五九号)

 同(谷田川元君紹介)(第一六六〇号)

 同(柚木道義君紹介)(第一六六一号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一七三〇号)

 全国一律最低賃金制度への法改正に関する請願(神谷裕君紹介)(第一六六二号)

 同(篠原豪君紹介)(第一六六三号)

 同(谷田川元君紹介)(第一六六四号)

 同(柚木道義君紹介)(第一六六五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一七三一号)

 同(笠井亮君紹介)(第一七三二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七三三号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七三四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七三五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一七三六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七三七号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一七三八号)

 同(宮本徹君紹介)(第一七三九号)

 同(本村伸子君紹介)(第一七四〇号)

 同(森田俊和君紹介)(第一七四一号)

 保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第一六六六号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一七四二号)

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(平林晃君紹介)(第一六六七号)

 同(上杉謙太郎君紹介)(第一七四三号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一七四四号)

 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(青柳陽一郎君紹介)(第一六六八号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一六六九号)

 同(井坂信彦君紹介)(第一六七〇号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一六七一号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六七二号)

 同(日下正喜君紹介)(第一六七三号)

 同(後藤祐一君紹介)(第一六七四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六七五号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一六七六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六七七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一六七八号)

 同(篠原豪君紹介)(第一六七九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一六八〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六八一号)

 同(武部新君紹介)(第一六八二号)

 同(谷川とむ君紹介)(第一六八三号)

 同(徳永久志君紹介)(第一六八四号)

 同(中島克仁君紹介)(第一六八五号)

 同(中西健治君紹介)(第一六八六号)

 同(西野太亮君紹介)(第一六八七号)

 同(馬場雄基君紹介)(第一六八八号)

 同(原口一博君紹介)(第一六八九号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一六九〇号)

 同(古屋圭司君紹介)(第一六九一号)

 同(本庄知史君紹介)(第一六九二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一六九三号)

 同(宮本徹君紹介)(第一六九四号)

 同(本村伸子君紹介)(第一六九五号)

 同(吉田宣弘君紹介)(第一六九六号)

 同(渡辺周君紹介)(第一六九七号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一七四五号)

 同(石橋林太郎君紹介)(第一七四六号)

 同(稲富修二君紹介)(第一七四七号)

 同(上杉謙太郎君紹介)(第一七四八号)

 同(岡本あき子君紹介)(第一七四九号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一七五〇号)

 同(金子恵美君紹介)(第一七五一号)

 同(小山展弘君紹介)(第一七五二号)

 同(野間健君紹介)(第一七五三号)

 同(藤原崇君紹介)(第一七五四号)

 同(前川清成君紹介)(第一七五五号)

 同(森田俊和君紹介)(第一七五六号)

 同(山田勝彦君紹介)(第一七五七号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一七五八号)

 同(笠浩史君紹介)(第一七五九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件

 共生社会の実現を推進するための認知症基本法案起草の件


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     ――――◇―――――

三ッ林委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人国立病院機構理事長楠岡英雄君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として警察庁長官官房審議官友井昌宏君、消費者庁次長黒田岳士君、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君、総務省大臣官房審議官三橋一彦君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官宮本直樹君、医政局長榎本健太郎君、健康局長佐原康之君、医薬・生活衛生局長八神敦雄君、社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君、老健局長大西証史君、保険局長伊原和人君、国土交通省大臣官房審議官楠田幹人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三ッ林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

三ッ林委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中谷一馬君。

中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 私からは、まず、海外に居住している年金受給者の状況について伺ってまいります。

 海外居住の年金受給者は、日本年金機構でマイナンバーを利用した住民基本台帳ネットワークによる生存確認ができないため、毎年、現況届の提出が必要となり、未提出の者は年金が差し止められるとのことです。

 本件に関連して大臣に質問をしますが、海外居住の年金受給者で現況届による確認の対象者数が令和四年度約四・四万件とのことですが、現況届の未提出による年金支給の差止め件数の推移及び死亡者数の推移について教えてください。

加藤国務大臣 今委員お話しのように、海外に居住している年金の受給者の方については、現況届を日本年金機構から送り、それを返していただくことで生存確認をさせていただいていますが、個々の年金受給者からの現況届の届出の有無を把握することで適切に実施可能であるところでありますが、御指摘のような統計的な数字、海外の居住者四・四万人というところは把握していますが、そもそも死亡者数という概念がなくて、年金の場合には失権者数ということで把握しておりますが、ただ、その中において、死亡者数あるいは海外居住に限定した人数という統計的な把握はしていないということでございます。

 また、差止め件数についても、個々についてはもちろん管理をしておりますが、それを一元的に把握するというシステムになっておりませんので、もし仮にやろうとすれば、一つ一つそれを足し込んでいく、あるいはそのためのプログラムを新たに作るという作業で、現状においてはそうした数字はないということを是非御理解いただきたいと思います。

中谷(一)委員 これは、現況届の提出件数、未提出件数についてもそもそも把握されていないということですか、大臣。

加藤国務大臣 届けを出しているというのは、海外居住者は基本的に出しているということでございますから、それはそこが対象になるということであります。

中谷(一)委員 未提出の者は数値としては数えられていないという理解で正しいですか。

加藤国務大臣 未提出であれば、先ほど申し上げたように、差止めをするということでありますから、最終的には差止め件数ということになるわけでありますが、差止め件数については、個々についてはマーキングしていますけれども、それがトータルで幾らかというような集計をするという仕組みにはなっていないということであります。

中谷(一)委員 集計値が分からないということなんですけれども、数値を把握されていないということが、消えた年金記録問題のように、管理の甘さが後々問題にならないかとても心配をしているんですが、大臣、この数値を集計していない理由はそもそも何ですか。

加藤国務大臣 消えた年金問題も、マクロの数字じゃなくて、個々の、ミクロの管理の問題だったというふうに認識をしておりますので、そういった意味では、個々については、今申し上げたように、一つ一つ、海外にいる方については現況届を出していただく、そして、出していただけない場合には最終的には差止めをする、こういう対応をさせていただいて、しかも、それはしっかり記録に残るようにしているということであります。

中谷(一)委員 それでは、確認をさせていただきますが、海外居住の年金受給者について、新型コロナの影響を踏まえた対応によるものを除いて、現況届が未提出の者に対しては年金が支払われていることはありませんか。政府を代表して、大臣の見解を教えてください。

加藤国務大臣 今お話ありましたように、現況届の提出期限が令和二年二月末以降である年金受給者のうち、新型コロナの影響によって郵便の受付が停止、遅延されている国、地域に居住する受給者については、郵便事情が回復するまでの当面の間、年金の支払いを差し止めないこととしているところであります。

 こうした場合を除いて、提出期限までに現況届を提出していただけない年金受給者については年金の支払いを差し止める、こういう手続、取扱いをさせていただいています。

中谷(一)委員 ということは、ないということでよろしいですね。

加藤国務大臣 今申し上げた手続にのっとって厳正に対応させていただいています。

中谷(一)委員 では、ないということなんですけれども、数値もちゃんと把握されていないことを踏まえると、私はいささか不安でありまして、これはちゃんと調査された方がよろしいんじゃないですか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げたように、マクロの数字を幾ら出してもそのことにはつながらないわけで、個々、一つ一つをしっかりチェックしていくということでありますので、これまでもそのように対応させていただいておりますし、引き続き厳格な運用を図っていきたいと考えています。

中谷(一)委員 大臣から、厳格な運用ということでありましたので、今後の推移を見守らせていただきたいと思っております。

 それでは、次に、重複受診、重複投薬への対策を講じる必要性について質問をさせていただきたいと思います。

 現在、歌舞伎俳優の市川猿之助さんの御両親が向精神薬中毒の疑いで亡くなられたと見られる事件を受けて、薬剤のニュースに関する問題が世間から注目をされています。

 そうした中、私の地元である横浜市港北区薬剤師会の相沢淳会長と金子守宏先生から、一か月に複数の医療機関で十を超える回数の受診を繰り返し、麻薬及び向精神薬取締法に関わる薬剤である睡眠導入剤マイスリーの処方を受ける患者がおり、問題があるとの指摘をいただきました。

 患者の健康管理や薬剤適正使用の観点からも、重複受診、重複投薬などに関してどのような対策が可能なのか、横浜市港北区医師会の鈴木悦朗会長と原田実事務長にもアドバイスをいただきながら提言をまとめましたので、順次質問をさせていただきます。

 地元医師会、薬剤師会からは、重複受診、重複投薬を繰り返す患者については、保険者から積極的に給付制限を実施するよう指導してほしいとの要望がありました。その一方で、保険者側の視点では、個人情報保護の観点、及び、医師が医療に必要として処方箋を出している前提を考えれば、レセプトから不適切な医療や投薬がなされたと指摘をすることは難しく、対応策は簡単ではないとのことです。

 そこで、大臣に伺いますが、私は、重複受診、重複投薬について、患者本人の安全確保や医療費適正化の観点からも抑制する必要があると考えていますが、現在の保健医療や医療提供体制の仕組みは、患者、医師、看護師、保険者それぞれが適切な行動を取っているという前提、いわゆる性善説に立っており、意図的に問題行動を起こす者がいる場合には、その行動を制約することが難しい状況にあります。

 大臣としては、こうした現場の状況を踏まえて、重複受診、重複投薬をどのように抑制すべきだと考えていますか。また、抑制の指標はどういったことがKPIになり得ると考えていますか。教えてください。

加藤国務大臣 委員の御指摘の一つは、向精神薬が適正に処方されて服薬されているかという議論と、通常、それを含めて幅広い重複投薬という議論、両方入っているんじゃないかと思いますが、後者の立場で答弁をさせていただきます。

 重複受診、重複投薬対策については、まさに、限られた医療資源の効率的な活用、また患者の安全かつ効果的な服薬という観点から大変重要な視点でありまして、新経済・財政再生計画改革工程表二〇二二において、医療保険者による取組を促進するためのKPIとして、重複・頻回受診、重複投薬の防止等の医療費適正化の取組を実施する保険者、これを二〇二三年度までに一〇〇%にするということで進めております。二〇一七年が四〇%だったものが、二〇二一年時点には六〇%近くまで数値は上がってきているところであります。

 ただ、一方で、その議論の中で、委員からも御指摘がありましたように、医療行為はそれぞれ様々でありますから、一律にというのはなかなか難しいという点の留意というのは指摘されているところであります。

 また、医療費適正化計画においても、重複投薬の是正に向けて、患者や医療機関、薬局への医薬品の適正使用に関する普及啓発、保険者等による医療機関、薬局と連携した指導の実施などの取組を目標として位置づけており、来年度からの第四期計画では、重複投薬の把握のための電子処方箋の活用により、更に実効性ある取組を進めることとしているところであります。

 また、保険者においては、重複投薬対策としては、レセプトの活用により、重複投薬が疑われる対象者、この場合には患者ということになりますが、を抽出した上で、その方に対して服薬情報の通知や個別指導を行うこと、その対象者の服薬状況や副作用の改善状況を確認し、取組の実施前後で評価を行う等の取組も行わせていただいておるところでございます。

 また、保険者インセンティブ制度の評価項目として、重複投薬対策の取組を行った保険者の負担を軽減する、あるいは、保険者による重複投薬対策を含む適正な服薬に関する取組事例を収集し横展開を図る、こうした取組を行っているところでございます。

 こうした取組を通じて、冒頭申し上げた不必要な重複の受診、重複投薬、これの減少というか、抑制を図っていきたいと考えています。

中谷(一)委員 最後に、電子処方箋では、本人同意がない場合でも重複投薬や併用禁忌に関するアラートが鳴る仕組みを実装しているんですけれども、全体の一・七五%程度しかまだできていないので、効果的な対策になっていません。この普及策をどのように進めようとされているかと、短期的な防止策をどう考えられているか、教えてください。

加藤国務大臣 今御指摘のような状況でありますけれども、令和七年三月までにオンライン資格確認を導入した、おおむね全ての医療機関、薬局への電子処方箋の導入を目指し、医療機関などにおけるシステム改修への補助や周知広報に取り組むとともに、電子処方箋推進協議会というのがございますが、そこで関係者からも御意見をいただきながら、電子処方箋の更なる普及拡大を推し進め、それを通じた重複投薬等の抑制等も図っていきたいと考えております。

 現在、重複受診、重複投薬については、今申し上げた流れ以外に、先ほど申し上げた保険者インセンティブの活用、あるいは、医療費適正化計画に基づく都道府県の取組、医薬品の適正使用のガイドラインの作成、診療報酬における重複投薬の防止等に対する評価を行っているところでありますので、引き続き、こうしたことも通じて、適切な受診、投薬が行われるように努力してまいります。

中谷(一)委員 残りの質問は、また今後、国会で質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、早稲田ゆき君。

早稲田委員 立憲民主党の早稲田ゆきでございます。

 それでは、順次質問をさせていただきます。

 まず、新型コロナワクチン接種後の副反応被害、死亡事例ということについて伺ってまいります。

 五月二十五日、徳島新聞、こちらに掲載がされました、新型コロナワクチンの接種と死亡の因果関係ありということの事例についてでございます。これは、前回、仁木委員も質問されております。その上ででありますけれども、このコロナワクチンを接種した十四歳の女子中学生が二日後に亡くなり、そして、徳島大学法医学教室が司法解剖をした結果、ワクチンとの因果関係がありと論文に発表したのが三月二十日であります。

 厚労省は、副反応被害報告制度にこの事例が含まれているということを確認されておりますでしょうか。また、論文の内容は確認をされておりますか。大臣に伺います。

加藤国務大臣 まず、副反応疑い報告制度の個別の事例について、一つ一つのお答えは、これは個人情報とも関わりますので差し控えさせていただいていますが、一般論として申し上げれば、副反応疑い報告制度による新型コロナ接種後の副反応が疑われる症状について、医師や製造販売業者はこれを報告することになっておりますが、報告があった場合には、審議会で評価した上で必要な対応を行うこととしております。

 直近では令和五年の四月二十八日に開催され、令和五年三月十二日までの副反応疑い報告についての評価が審議会で行われました。報告された副反応疑い報告は、個人情報を除き、年齢、性別、接種日なども含めて全て公表させていただいているところでございます。

早稲田委員 これは、一年、去年の八月ですから、亡くなっているのは。こんな前の事案が副反応被害報告制度に報告されていないというのは問題ではないかと私は思います。国民の立場から見ても、そして十四歳で亡くされた御家族から見ても、どうなのかということで、本当にそういう思いで待っていらっしゃる、その結果を。しかも、国の方には報告されているかどうかも分からないとおっしゃいますけれども、これは怠慢ではないかと私は思うわけです。

 それでは、参考人に伺いますが、個人情報ということで、この間もお答えになっていませんでしたけれども、十四歳の女子、昨年の八月の時点の、こうした副反応事例に上がっている事例がほかにありますか。この事例ということではなく、十四歳女子で、ありますか。

八神政府参考人 お答え申し上げます。

 十四歳の女性の死亡事例ということについては、部会の方には上がっていない、事例として部会資料にはございません。

早稲田委員 上がっていないんですよ、一年近く前の事例が。

 そして、それはいろいろ御説明があったけれども、レクの中では。そんなことは理由にならないと私は思います。死亡診断書を一旦は病院で書いている、解剖とはまた別ですから。死亡診断書を書いていらっしゃるにもかかわらず、これが上がっていないというのは、制度の不備じゃないですか。

 そしてまた、厚生労働省はこの西村教授にお話を聞いていますか。聞いていらっしゃらないですよね。私は二回ヒアリングをさせていただきました。本当に解剖しないと分からないことがたくさんあると。死亡後のCTだけでは分からない、そして、震災時、神戸の震災のときも、監察医としての御経験も踏まえて、本当にこういうことが起こらないように、死因究明ということの重要性も指摘をされておりました。我が国では非常に死因究明のその積極性が薄いということも言われていらっしゃいました。

 副反応疑い報告制度には、少なくとも、十四歳女子という事例は含まれておりません。検索しても確認できない。そして、そうなると、先ほど大臣がおっしゃっていましたけれども、医療者それから製薬会社から上がってきていない可能性、これがあるわけです。制度の不備ではないか。個別の事案に答えられないと言うのなら、このような重大な副反応の死亡との因果関係が認められたという事例について、初めて論文に発表したから分かった、そして報道されたから分かったというのでは、余りにも不適切ではないでしょうか。

 死亡事例の二千件、副反応の報告制度に上がっている二千五十八件、四月二十八日で。この中で因果関係が否定できないとされているのは一件だけです。そして、解剖をされた事例もたくさんあるけれども、解剖されて因果関係なしとは言えないと報告医が言っている中でも、認められたのはゼロ件です。つまり、全然認められていない。そういう状況で、しかも、二千件の九九%以上を評価不能とする。この副反応報告制度の信憑性が根底から揺らぐのではないでしょうか。しっかりこれを調べていただきたい。

 新たな情報が確認をされたわけですから、情報不足により評価不能とされている現状を見直して、因果関係の評価、手法、制度、これを再検討すべきではないかと思いますが、伺います。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、三月十二日までの副反応疑い報告を四月二十八日に評価をしたというのが今までのデータでありまして、それは全てお出しをさせていただいている。したがって、それ以降について、これはまた改めて、時を区切って審議会で御議論いただくということでありますから、今の段階で上がっているとかいないとかということを申し上げるのは、個別の話ですから控えたいと思います。

早稲田委員 こういう事案があるから、表に出たから今そういうふうにおっしゃいますけれども、もう一年以上前ですよ。

 それでは、三月十二日とおっしゃいますけれども、亡くなっているのは昨年の八月ですから、そこで一旦、どういう形であれ、診断書、検案書というものを書いているはずです。その医師が何で報告しないんでしょうか。そういうこともありますが、それはいいです、お答えにならなくて。

 義務は、分かってから例えば製薬会社は十五日以内ということが言われておりますから、この論文を知ってからでもいいんだというような、そういう説明もありましたけれども、そんな後手後手の、おかしいじゃないですか。八月に亡くなっている方々の気持ちを本当に考えれば、一日も早く、厚生労働省として、この徳島大学の法医学教室に照会をかけてください。そして検証していただきたい。これが厚生労働省としてやるべき事案ではないでしょうか。大臣に伺います。

加藤国務大臣 別に報道があったからということでは全くなくて、それぞれ、そうした報告があれば、そうした審議会で御議論いただくためのデータをそろえていく、そうした作業をし、その上で御判断をいただくということをさせていただいている、これは一般論でありますけれども、させていただいているということでありますので、引き続き、それぞれの医療機関、あるいは製薬、製造販売業者から報告があったもの、これについては一つ一つ審議会において厳正に評価をして審議をしていただきたいというふうに考えています。

早稲田委員 論文に発表されたのが三月二十日だということだから、今までの審議会に上がっているのは三月十二日だと。そして、そのことをおっしゃっているんだと思いますけれども、亡くなられたのは少なくともこんなにも前の話です。そして、今もう分かっているわけですから、とにかく厚労省からこれは聞くべきです。そして、このような重大な案件がもしかしたら因果関係ありの二例目となるかもしれない、そういう重大な案件なのに、三月十二日まではやっているからその後に上がってくればやりますよというのでは、本当に不作為極まりない。これが国民の命と暮らしを守る厚生労働省のやることなのかと私は申し上げたいと思います。

 是非これは徳島大学の方に照会をかけていただきまして、やっていただく、そして、この事案がどうなのかということも再検証していただきたいということを強く要望させていただきます。

 次に、緊急避妊薬のOTC化についてであります。

 何年にもわたりまして若い当事者たちがこのことについては声を上げています。緊急避妊薬のOTC化について、五月十九日の委員会でも、池下委員の質問に対して、大臣は、今後ともスピード感を持って進めていくとおっしゃいました。スピード感があったんでしょうか、今後ともとおっしゃいますけれども。評価検討会議で他の薬剤は一、二回の審議で次々とOTC化されています。この緊急避妊薬だけは、もう何年も議論を続けています。二〇一七年度にも検討がされたし、今回も、二〇二一年の六月から、もう何と六回目であります。これがスピード感を持ってとは到底考えられません。

 そして、国連の人権理事会における対日勧告も出されております。その中の一つがこの緊急避妊薬のOTC化であることはよく御存じのはずであります。そしてまた、院内集会、超党派の勉強会にも私も出席をさせていただきましたし、自民党、公明党の議員の皆様も多数参加をされておりました。

 今、資料を見ていただきたいけれども、九八%がパブコメ四万六千件以上の中で賛同を示されている、こういう世論もあるわけですから、しっかりと早期に、迅速に、一日も早く緊急避妊薬をOTC化すべきと、大臣の決断を伺います。

加藤国務大臣 薬ですから、安全性、有効性をしっかり、慎重に議論していかなきゃならない、これは大前提だと思います。

 その上で、緊急避妊薬のスイッチOTC化については、委員御指摘のように、二〇一七年にも議論し、当時は時期尚早という結論になりました。その後、様々な要望があり、そして、スイッチOTC化された後に適正販売ができるのか、悪用、乱用につながらないのかといった様々な観点から必要な議論が行われてきたところであります。

 直近では、昨年末から本年一月末までの間に、それまでの議論を踏まえ、スイッチOTC化した場合の課題と対応策に関するパブコメを実施し、今委員の御指摘のような結果でございます。

 今後は、五月十二日の評価検討会議で新たに出された試験的運用の実施などの提案や意見について早急に整理、検討して、改めて評価検討会議において議論が行われる予定となっております。

 そうした流れの中で、先般も申し上げたように、早期の結論を目指して、迅速な検討がなされるよう努力をしていきたいと考えております。

早稲田委員 早期な結論が得られるよう進めていきたいということでございますので、今まで以上のスピードでこれをやっていただきたい。安全、安心はもちろんのことです。でも、これまでこんなに長い時間をかけてきたわけですから、そこもクリアできると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 三問目の質問であります。五ページ以降の資料を御覧ください。詳しくはこちらを見ていただきたいと思います。

 皆様もう御存じのとおり、ジャニーズの性加害問題、児童虐待防止法改正を求めますというこの署名簿、三万九千三百二十六人分のものを六党の方に、被害を受けられた三人の方が提出を六月五日にされました。

 立憲民主党は、児童虐待防止法の改正で、地位利用の第三者、そしてまた、見聞きをした人たちに通報の義務を課す、警察に通報義務をするということも入れ込ませていただきました。公明党さんの方でも、六月二日、政府に提言を出されて、関係連絡会議を立ち上げということも言われておりますので、本当に皆さんで思いを共有をさせていただきたいと思っております。

 この中で書かれているのを読んでいただきたい。この通報義務があれば自分も被害に遭わないで済んだ可能性もありと二本樹さんはおっしゃっております。二本樹さんはこのコメントの中で、被害実態はきちんとは把握できないけれども、三百人とも、あるいは四桁ということもあり得るとおっしゃってもいらっしゃいます。それからまた、橋田さん、カウアンさんも、異口同音におっしゃっているのは、多くの方々がこの性加害問題に向き合っていただいてうれしい、だけれども、過去は戻らないから、未来に向けて子供たちのためにやっていただきたいと。

 国会の会期末も迫っておりますので、是非そこをやっていきたいと私は思っています。

 警察庁に伺います。

 犯罪の疑いがある場合、性虐待について、これを知った方は警察に通報した方がよいのではないかと思いますが、警察庁の見解を伺います。

友井政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘の性被害におきましては、被害者の心情に配意した慎重な対応が求められますが、一般論として申し上げれば、犯罪を目撃した場合に、目撃者から警察に通報していただくことは、犯罪の抑止や捜査の観点から有用であると認識しております。

早稲田委員 警察庁から重要な御答弁をいただきました。やはり、犯罪抑止そして検挙の観点から有用、有効ということでございます。

 私も、今日の答弁で、法改正が必要と改めて認識をいたしました。

 厚生労働大臣、この児童虐待については、宗教虐待で三月末まで一生懸命対策を練ってやっていただきましたので、この一連の性暴力についても一言コメントをいただきたいと思います。

加藤国務大臣 特に子供に対する性犯罪、性暴力、これは子供自身の心身に有害な影響を及ぼし、また、その人権を著しく侵害する極めて悪質な行為で、断じて許してはならないと考えています。

 児童虐待の防止に対する対応としては、政府として、性犯罪、性暴力対策の更なる強化の促進などに基づき、被害申告や相談をしやすい環境の整備、また、社会全体への啓発により被害者が声を上げやすくする施策の推進などを推進しているところであります。

 厚労省としても、私どもの所管の中において、必要な対応はしっかりと図らせていただきたいと考えております。

早稲田委員 ありがとうございます。今日の御答弁で法改正の必要性も確認をさせていただきました。

 ありがとうございます。

三ッ林委員長 次に、吉田統彦君。

吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 大臣、まず、骨髄移植に関してお伺いしてまいります。

 先日、超党派の骨髄・さい帯血バンク議員連盟が開かれました。そこで長年にわたって会長を務めてくださいました野田聖子先生が会長から勇退されました。非常に残念な思いであるとともに、長年の御尽力に深い感謝と敬意を表します。

 大臣、以前から私も、骨髄バンクのドナー登録に関して、SNS、ウェブを活用したドナーオンライン登録と口腔内スワブ検査法が欧米を中心に世界の潮流であると仄聞しておりました。従前より、特に若年世代におけるその有用性を耳にしていたんですが、血液検査とスワブ検体によるHLA結果の検証に私自身も確証がなかったので、ずっと確たるエビデンスを探しておりまして、判断が、どういう判断をすればいいかということを私自身悩んでいたんですが、ただ、二〇二一年、もう二年前になるんですが、北海道大学の豊嶋崇徳教授の、血液内科の教授でいらっしゃいますが、研究班から、移植コーディネートの簡素化実現に向けたスワブ検体でのHLA検査の検証という研究で、その有用性を示す確固たるデータが出てきました。その中で、後ほども述べますが、スワブ検査を求めるという機運がやはり高まってきております。

 実際、一九七一年から一九七四年、私もそうですが、生まれた方は俗に第二次ベビーブーム世代とか団塊ジュニア世代と呼ばれていますね。毎年二百万人以上生まれた世代です。世代人口は、団塊の世代に次いで多いわけですよね。ただ、こんな中、骨髄移植のドナーが要は今後激減してくる可能性が高いわけであります。

 大臣御承知のとおり、骨髄移植のドナー登録というのは、年齢が十八歳以上五十四歳以下であります。それで、健康状態が良好な方とされています。つまり、二〇二五年から団塊ジュニア世代の方が五十五歳となって、ドナー登録ができなくなるんです。既に登録されている方も登録取消しとなりますので、一気にここからドナーの急激な減少が始まります。それは二〇二九年まで当然続いてまいります。

 これは、大臣、ドナープールが激減していくわけですので、骨髄移植にとって大きな危機的な状況になります。なかなか起死回生策というのは困難なわけでありますが、できることを着実に進めていく必要があるわけです。

 その一つがこのスワブ検査なんですが、まず大臣にお伺いしますが、スワブ検査に関して日本が現在遅れているという認識が大臣におありかどうかが一つ。そして、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、カナダ、日本の先進七か国のうち、日本以外でいまだにスワブ検査を導入していない国はありますか。この二問、お答えください。

加藤国務大臣 まず、ドナー登録をしっかり増やしていくことは大事でありますし、委員の御指摘のように、ドナー登録の方の高齢化が進み、まさに五十五歳を超えると登録抹消になってしまう、そういった意味で、若年層におけるドナー登録をしっかり増やしていくことが必要ということで、これまでも様々な機会に我々としても周知啓発を図ってきたところでありますが、その中で、今委員からお話がありました、献血会場に訪れることなくドナー登録が可能となる検査法、これは自己スワブ検査と言われておりますが、これは大変重要な方策の一つでありますが、日本では行われておりません。

 他方で、ほかの、日本を除くG7六か国においては、全て自己スワブ検査によるドナー登録が導入されていると承知をしております。

吉田(統)委員 大臣、一問先の方の、遅れているとお考えになりますか、ここはどうでしょう。

加藤国務大臣 遅れているかどうかというのは、なかなかちょっと価値判断が入ってきて難しいところがありますが、ただ、ほかの国で既に行われているということ、それから、先ほど委員がおっしゃられたのは多分令和二年度から令和三年度にかけて実施した厚生労働科学研究の中身だったのではないかと思いますが、そこでも、自己スワブ検査による検体採取の制度検証が行われ、問題がないということが確認をされているということでありますから、そうした方向でかじを切るべき時期に来ているというのは皆さんの認識だと思います。

吉田(統)委員 皆さんというより、大臣もそういう御認識だということですよね。

 そうすると、今後、この口腔内スワブ検査を進めていかなければならないと思います。

 大臣、では、当然、導入をするのであれば、一気にというのはそう簡単ではないですね。導入するに当たっては、当然、厚生労働省が骨髄バンクとも歩調を合わせてシステムを整えていかなければなりません。ですので、もうこれは、大臣は遅れているかは価値判断だとおっしゃいましたけれども、遅れていますよ。世界中の血液内科医が日本は遅れていると思っていますから、本当に。特に、先進国の血液内科のドクターに聞くと、日本はそんなので本当にドナーは集まるの、そういうリアクションですよ。

 だから、進めるのは、大臣、進められるんだと思います。今後、その見通しとロードマップをどのようにお考えになっているのかをお聞きしたい。また、これは、進めるんだったら当然予算が要りますから、その予算に関してはどのようにお考えになられるのかということを、大臣の今の時点のお考え、そして厚生労働省の今の時点のお考えで結構ですので、御開陳ください。

加藤国務大臣 そうした中で、現在、スワブによる自己採取した検体の検査手法について、諸外国では、ドナーの照合に必要なHLAの情報がより詳細に分析可能となる新たな検査手法を採用している国が増えてきているということで、その新たな検査手法による自己スワブ検査というのが今主流になりつつあるというふうに承知をしております。

 造血幹細胞移植、これは日本骨髄バンクがあっせん事業者という立場で取り組んでおられるわけでありますが、日本骨髄バンクにおいては、この新たな検査手法による自己スワブ検査を導入する方向でこの際だからやっていきたいと考えておると承知をし、厚労省では、この新たな検査手法の精度検証のための調査研究、これをまずやろうということで検討させていただいておるところでございますので、可能な限り早期に結論が得られるように、まずは努めていきたいと考えています。

吉田(統)委員 大臣、それで結構です。

 大臣は御承知だと思うんですが、ドナープールの急激な縮小もまたしかりなんですけれども、移植成績が、三十九歳以下の若年層のドナーからの方が治療成績が圧倒的にいいということが、最近かなりエビデンスが確立をされてきています。そういった意味でも必要ですし、また、今回、ドナープールが急激に縮小するに当たって、骨髄バンクも試算をしていただいていますが、年間三万人はやはり登録が新規に必要だということを言っています。

 幹細胞ですので多分若い方がいいのだろうとやはり予想はつくんですが、そういうエビデンスが出てきていますので、是非大臣、ここは力強く、その新しい手法の方で導入をしていくということをもうほぼお決めになられているということですよね。なので、早期に、若者たちが、SNSも含めて、SNSの方も大事ですから、オンライン登録、こっちもしっかりと進めていただけているかも念のためちょっと確認させていただいて、次の質問に移りたいと思いますが、どうでしょうか。

加藤国務大臣 まさに、この仕組みというのは、直接献血会場に訪れることなくやれるということですから、当然オンラインを活用するということになるということ、それから、今進めさせていただいているのは、新たな検査手法の精度を検証しておかなきゃならないということでございますので、そうした導入する方向というのは、もうそういう方向ということは、あっせんの事業者である日本骨髄バンクもそういう意向を持っているということでありますから、あとは、その方法が実際として、検証した上で実施していきたい。実際、この新しい方法は、コスト的にも従前のやつに比べると低廉だというふうに聞いております。

吉田(統)委員 大臣、ただ、スワブ検査というのは簡便ですので、採血と違うので、オンラインでできるというメリットもあるんですが、オンライン・イコール・スワブというふうには別にならないので、現地に行ってスワブでも、別にスワブはスワブですよね。要は、低侵襲なわけですよね、まず。すごく低侵襲なわけです。そして、さっきおっしゃった、それに付随してオンラインでの、SNS、ウェブ等を使ってもという、これは二段階ですので、両方やはりしっかりと備えていただかないといけない。

 そして、実際私が、ちょっとまだ完全には見ていないんですが、PubMedとかをちょっと引いたりしている限りでは、今のスワブでもかなりの精度だというふうに私は判断をしているんですけれども、ここは新しい検証をするということですから、是非していただきたいですが、ただ、検証、検証で時間を費やしていくと、半年、一年と過ぎると、それだけ救える命が救えなくなりますので、大臣、ここはもう本当に、お尻を決めてしっかりとやっていただきたい、そこをお願いして、もうあと五分しかないので、次の質問に移ります。

 それでは、子供の車内の置き去りの問題を、私も内閣委員会、厚労委員会でやってまいりましたが、アメリカでは年間平均三十七人亡くなるそうであります。我が国でも、パチンコ、買物、少しの間だからということで、車内に子供を置き去りにして熱中症で死亡するなどの事故が相次いでいます。

 昨年七月にも、厚木市で、幼い子供二人を車内に置き去りにして熱中症で死亡させた罪に問われている母親の裁判があり、横浜地裁は三月八日に、懲役三年六か月の実刑判決を出しています。保護責任者遺棄致死ですね、これは。二人の尊い命が失われたので、これで本当に十分かどうかということは、国民的な議論も必要かと思います。

 こども家庭庁にお伺いしますが、我が国で子供を車内に置き去りにすることは児童虐待に当たりますか。当たるか当たらないかだけ答えてください。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 児童虐待防止法では、保護者としての監護を著しく怠ることは、ネグレクトとして児童虐待に該当するとされております。

 保護者が車中に子供を放置することについては、個々の状況にもよりますが、例えば乳幼児等の低年齢の子供を自動車の中に放置することなどは、ネグレクトとして児童虐待に当たり得ると考えます。

吉田(統)委員 ありがとうございます。児童虐待に当たるということですね。

 これをやはり、こういった行為、もう時間ですので端的に申し上げますが、違法化し、禁止するとして、そして処罰の対象にすることが、こども家庭庁の皆さん、聞いていただきたいんですが、大事だと思います。

 そうすると、やはり、こういった不幸な事故を防止するためには、通園バスで既に行われたように、置き去り防止のシステムを子供が乗る空間において整えることを義務化する必要等もあるのではないかと考え、我が党では、現在、立法の準備もほぼ整え終えたところであります。是非こども家庭庁の皆さんも御一緒にこういった法案を進めていただきたいと思います。

 ただ、こういったものを検討する場合、こども家庭庁さん、留意いただきたいんですが、一定の除外規定も必要だと思います。

 本日は時間がないので簡潔に申し上げますが、駐車禁止、これは実際に、一般の、今の道路交通法上もですけれども、駐車禁止については、お子さんが二人乗っていて、一人が急にトイレに行きたいなんていうときに、コンビニに連れていったときに駐車禁止を切られるなんていうこともありますよね。あれはお母さんがかわいそうですよ、本当に。実際、よくありますから。

 こういった、短時間車を離れる場合も規制、処罰をすると、本末転倒で、子供、子育てに反しますので、過度に広範な規制になる可能性もありますので、こういった配慮も必要ですが、是非こども家庭庁さん、我々も立法化の準備を進めておりますので、こういった規制、いかがですか、必要だとお考えになりますか。どうでしょう。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の法律案につきましては、議員立法でありますことから、まずは国会において御議論いただくべきものと考えておりますが、こども家庭庁としては、所管省庁とも連携をしまして、子供の命と安全を守る観点から必要な対応をしっかりとしてまいりたいと考えております。

吉田(統)委員 こども家庭庁さんに聞いているのは、我々はもちろん議員立法をするのであれば国会で議論するんですが、政府としてこういった法案が必要ではないかと私は聞いているんです。

 毎年毎年同じような、我々ども本当に耳にするのも嫌なような事件が起こりますよね。ですから、欧米ではホットカー法とか、そういった、車中に子供を置き去りにしない、アメリカでも州によって厳しいところ、カリフォルニア州とかはかなり、車、厳格ですから、規制があるわけです、政府によって。こういったものをお考えになられてはどうですかと言っているんです。

 だから、これは法律でやはりしっかりと決めていくべきとお考えになりますか。そこを一言、最後にお答えいただけますか。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 送迎バスの置き去り事故を踏まえた対策を含めて、子供政策については、こども家庭庁において、関係省庁と連携をしながら政府全体における取組を主導しているところでございますが、その上ででございますけれども、例えば、国土交通省においては、保育所等への送迎時に限らず、乗用車における置き去り事故が発生している実態等を踏まえ、自動車等の安全制度の評価、公表を行う自動車アセスメントの対象として、今年度より置き去り防止装置が加えられるものというふうに承知をしております。

 そんなことも含めまして、こども家庭庁としてもしっかりと各省と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。

吉田(統)委員 また次回議論していきましょう。

 時間なので、これで終わります。

 ありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 立憲民主党の阿部知子です。

 本日、私は、冒頭、まず質問に先立ちまして申し上げたいことがございます。

 六月一日、仙台高裁で、旧優生保護法被害に関する国家賠償訴訟の控訴審判決が原告の敗訴という形になりました。不良な子孫の出生を防止する旧法、優生保護法によって不妊手術を強制された女性二人が、二〇一八年に、満身の勇気を奮い起こし、自分の人生と尊厳を取り戻すべく、国を相手に起こした訴訟です。これがきっかけとなり、全国で三十五人の原告が立ち上がりました。

 昨年の二月、大阪高裁は、正義、公正の理念から、国が主張する除斥期間の適用を認めず、原告が逆転勝訴し、その後、七つの勝訴が続きました。しかし、仙台高裁が原告の訴えをこの度退けたということで、最高裁での判断に時間がかかることが予想されます。

 どの判決も、旧法が憲法違反であると断じております。旧法は戦後に作られた最大、最悪の障害者差別であり、国が推進してきたことは明らかな事実です。除斥を盾にこれ以上裁判を長引かせることは非人道的でもあります。御高齢な原告、既に五人が亡くなられました。

 是非とも国が政治解決に動いてくださるよう、小泉総理の時代のハンセン病訴訟、そして、ハンセン病の御家族の訴訟も安倍総理の時代の政治解決でありました。是非、加藤大臣、政治家でありますので、この点、政府として、政治解決ということを念頭に行動していただきたい。

 これは、今は所管ではございませんので、私からのお願いとさせていただきます。

 では、予定された質問に入らせていただきます。

 本日取り上げたいのは、本年の一月に、会計検査院の報告書、新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業の実施状況についてということが報告をされております。会計検査院の報告ですし、ある程度権威のあるものとして参考になる点も多いのですが、逆に、ここの報告によって、例えば幽霊病床という言葉とか、この間、医療機関が必死に頑張ってきた、医療者の努力に関してむしろ評価が十分でない事態も私は起こりかねないと思って今日は御質問をいたします。

 一枚目には、新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業の実施状況等と説明がございます。病床確保事業とは、コロナの患者さんのために他の病床を空けておく、簡単に言うとそういう事業であり、コロナの患者さんが入られた場合はそれは診療報酬で支払われるけれども、空床を確保しておくための事業でございます。その病床が元々ICUであるか、HCUであるか、その他の一般病床であるかによって支払われる交付金が違うというものでございます。

 二枚目は、このことについて会計検査院が挙げた報告のまとめがございます。中ほど、赤線を読ませていただきますと、これは医療機関において、確保病床の運用に必要な看護師等の確保が困難な場合があって断ったりする場合があった場合、これは指摘されておりますが、その場合は確保病床補助金として申請をしないでおけばよい、簡単に言うとそういうまとめに読めるところがあります。しかし、これでは患者さんが受け入れられなくなってしまいますので、大切なことは、どうやって確保病床を確保病床として機能させるかという点にあるのかなと思います。

 この会計検査院の指摘を受けて、厚生労働省ではどんなことをやっておられますでしょうか。大臣、お願いします。

加藤国務大臣 本年一月の会計検査院からの指摘を踏まえ、都道府県に対して、必要な看護師数等が確保されないことを理由に入院受入れ要請を断った事例の有無を調査しており、不適切な交付があれば返還を求めることとしているところであります。

阿部(知)委員 多くの医療機関の実感といたしまして、不正に申請したというよりも、大体、病床数は県から要請をされるわけで、この病床を空床として上げよう、看護師さんについてはこちらから手配しようと思っているのですが、実際に様々な要望があるときに手配ができないというような現場の窮状もあろうかと思います。

 今日は、最も多く感染症を受け入れてくださった国立病院機構の楠岡理事長にもお越しをいただいております。

 毎度お呼び立てをする形で恐縮ですが、是非今後とも、国立病院機構は我が国の感染症対策に必要不可欠、重要な部分を担っていただきますので、いろいろ教えていただきたいと思います。

 開けて三枚目には、いろいろな国立病院傘下のいわゆる確保病床数、ここは即応病床数という言葉で挙げられておりますが、それの病床利用率というものをピーク時と非ピーク時で分けて、その時期と併せて書いたものであります。ピーク時には、感染が拡大しているときには当然病床利用率も高く、ただ、終わっていくときにはそれが下がってくる、こういう波があるわけです。これを一概に平均いたしまして病床利用率を算定すると大変低く出ますが、実は、拡大期にも十分な病床があるということが受入れには重要なわけです。

 続いて、次のページ。これは、ピークとどのくらい病床が埋まるかを会計検査院の報告の中で見てみますと、国立病院機構とほとんど同様な、ピーク時には六割くらいの病床使用率になりますが、波が引いていくときには当然数%となるということを繰り返しながら確保病床は増えてきております。

 この見通しを立てた方は国であり、県であり、受けた方が医療機関ということになりますが、そういう状況の中で、国立病院機構としては、ベッドコントロールとよく申しますが、どのくらいのベッドをそこに準備しておくか、あるいはその運営はどうであったかなど、理事長の御経験と御見解をお願いいたします。

楠岡参考人 楠岡でございます。

 まず、国立病院機構の各病院における新型コロナの即応病床につきましては、御指摘のとおり、各都道府県からの要請に基づき、各病院、自院の機能、能力を踏まえて積極的に確保している状況でございます。

 国立病院機構各病院は保健所等からの受入れ要請に基づき受入れを行っておりますけれども、受入れ要請があっても受け入れられなかった事例といたしましては、一つは、軽症や中等症患者用として確保していた病床に重症患者の受入れ要請があったというような場合、二番目に、受入れ要請のあったコロナ患者に当該病院では対応困難な合併症や基礎疾患があったような場合、三番目に、軽症や中等症として受け入れた患者が入院中に重症化し想定以上の人的資源の投入等が必要となったため更なる患者の受入れが困難となった場合等がございました。

阿部(知)委員 私は、今理事長の御答弁の中にあった三番目というのはとても重要なんだと思います。患者さんの重症度が変わる、そして、実は御高齢者が多いので介護の手もかかる、そうすると、看護師さんの予定された数では正直言ってとても担えないというようなことがあちらこちらで私は起こっていたと思います。これは、今、厚生労働省としては、病院にもヒアリングをかけ、県にもお尋ねになっているので、その実像が上がってくると思うんです。

 私は、会計検査院の指摘は一面非常に緻密にできておりますが、さて、現場から見て、どういう事態の中で受け入れられなかったか、何をすれば受け入れられるようになるのかの答えを出していかないと、次の波が乗り切れないと思っております。

 引き続いて楠岡理事長にお伺いいたしますが、資料の五枚目につけてございますのは、私は、この間のコロナ禍で特に看護師さんたちにかかった過重負担ということを、私も現場におりましたし、マスクが外せなくて、目の下が、ここが真っ赤になりながらやっていた看護師さんたちが多くあって、頭が下がる思いでありました。そうした方々に十分果たして遇しているんだろうかということも、今も気になっております。

 ここに、国立病院機構の中でそういう経験をされて、果たして十分な、これからに向けて看護師さんの数が確保されているだろうかということを私はこの数値から懸念するものでございます。

 令和三年度、四年度、五年度の採用予定者数というのが各々上がっていて、採用者数というのも、これは国立病院機構から聞き書きをさせていただきましたが、どんどんどんどん採用予定者数よりも採用者数が、乖離が大きくなってきております。令和五年度は、四千三百七十八人予定者数のうち、採用者は四月一日で三千四百三十二人と、千人近い差が生まれてきております。元々差はあって、年次の中で埋まっていくとは思いますが、令和三年、四年と見ておりますと、最初は差は三百人くらい、次が五百人くらい、次が千人くらいとなって、確保されない看護師さんの数が増えていっているのではないかと懸念をいたすものです。

 楠岡理事長に伺いますが、コロナ禍の前は、採用予定者数と採用数というのはどのくらいの乖離があったものでしょうか。

楠岡参考人 コロナ以前のデータでございますけれども、平成三十年度、令和元年度、令和二年度、いずれにおきましても、令和三、四とほぼ同様で、採用予定者数に対しまして採用者数が三百人程度足りないような状況が続いております。

阿部(知)委員 私が冒頭申し上げましたように、三百人から、その次は五百人、今は千人近いということは、私がもしそれを運営する立場だと、極めて深刻な状況というふうに理解します。

 看護師さんがいなければ病棟も開けない。そして、実は、コロナの病床に転換して、その他の病床、すなわち療養型であったり、あるいは終末期の緩和ケアであったり、いろいろな病床を転換して賄って、国立病院機構では約三千床をそういうほかの病床から転換したと伺っております。

 そこで何が起こるかというと、下にお示ししたような、病院の収支にとって、いわゆる医療そのものから上がってくる医業収支というものが赤字になります。一方で、病床確保事業でいただく補助金は、これは経常収支という方に上がってまいりますが、補助が出た分は黒くなって黒字になります。この経常収支、例えば令和三年度分は九百八億円の黒だから、ここから実は防衛費に四百二十二億行っているわけですが、私は、この図を、もし医療を経営する、運営する者から見ると、やはり医業収支と本体の事業が大きくダメージを受けている。コロナを受け入れるということは、そういうリスクもあるし、でもやらなくちゃいけないしということなんだと思います。

 その中で、逆に全体の医業収支が見通せないから看護師さんにも十分なベースアップをできない、処遇改善ができないとなったら、悪循環をいたします。是非ともここは、看護師さんたちに十分な処遇をして、本当にそこで続けていただけるように、私はそこに最大限の努力を払っていただきたいですが、理事長、いかがでしょうか。

楠岡参考人 医療現場を守り、看護職員を確保していくことは極めて重要であります。

 当機構におきましては、看護師の処遇に関しまして、毎年一回の定期昇給に加え、新たな措置として、まず、令和四年十月の診療報酬改定に基づく看護職員の手当の引上げを行っております。また、本年三月には臨時特別一時金を支給し、今年の四月より若年者の基本給を引き上げる等、このような処遇改善に関しまして継続的に取り組んでいるところでございます。

 今後、引き続き、継続的、安定的な事業運営の取組に努め、医療機能の維持向上を図るために必要な看護職員の処遇改善に取り組んでまいりたいと思っております。

阿部(知)委員 本当に取り組んでいただきたいんですね。若年者だけでなく、若年の人を教えるのは経験者なのです。若年者だけが給与が少し上がればいいというものではなくて、これは是非、医療現場そのものがベーシックサービスを担っている、命を支えている大事な職分だと。羽生田先生もおられますが、是非そのようにやっていただきたい、私は心から思うものであります。

 にもかかわらず、地域医療の見直しの中で、果たして、今後、コロナで起きたことを十分に勘案した上で地域医療の構想の見直しが行われているかということで、ここは大臣に合わせて二問お尋ねいたします。

 私は、前から、公立病院の改革、すなわち急性期を少なくして、統合していって、そしてどちらかというと慢性期にシフトしていこう、高齢社会でしたから。そういう流れの中で、しかし、コロナが起きて改めてクローズアップされたのは、急性期の重要性と、果たして日本の医療には十分なマンパワー、とりわけ看護師さん、医師も大事ですけれども、看護師さんのマンパワー、あるいは、高齢社会で介護が必要になることも含めてのマンパワーの見通しはあったろうかということを大変深刻に考えております。

 これから、五疾病六事業、感染症が六事業目に入ります。それを含み込んだ見直しにおいて、今厚労省は何をしようとしておられるか、大臣にお願いします。

加藤国務大臣 まずは、やはり今回の新型コロナの対応において様々な課題が顕在化したところであります。地域の医療機関の役割分担や連携、あるいは医療従事者等の弾力的な対応、こういったことがありました。

 地域医療構想では、新型コロナ対応を通じて明らかになったそうした課題にも対応するため、各都道府県に対し、第八次医療計画の策定作業が令和五年度までかけて進められていることから、その作業と併せて、地域医療構想に関する各医療機関の対応方針の策定、検証、見直しを行うこと、その際、今回の新型コロナの感染拡大により、病床の機能分化、連携等の重要性が改めて認識されたことを十分に考慮することなどをお示しし、着実に地域医療構想を推進することとしております。

 引き続き、都道府県の御意見もいただきながら、さらに、高齢者人口がピークを迎えて減少に転ずる二〇四〇年頃を視野に入れつつ、新型コロナ対応で顕在化した課題を含め、中長期的課題について整理し、新たな地域医療構想の策定に向けた検討も進めていきたいと考えております。

 それから、八次医療計画の関係の御質問だろうというふうに思います。

 有識者会議においては、先ほど申し上げたような課題が指摘をされ、そして、令和三年度の医療法改正で、医療計画に記載すべき事項として、六事業目として新興感染症の対応に関する事項を追加し、さらに、有識者会議で指摘された課題に実効性を持って対応するため、昨年の感染症法の改正によって様々な仕組みの法定化もさせていただき、さらには、医療従事者の確保も重要ということで、国としても、感染症対応に係る研修等により人材育成を支援し、都道府県においては、医療機関に対して研修等への参加を促すこと、さらには、都道府県をまたいで応援する仕組みを設け、迅速かつ広域にわたって医療人材の調整を行う、こうしたことを進めさせていただいております。

 来年度から始まる第八次医療計画においては、新興感染症に対するこれらの仕組みなどについて各都道府県において新たな記載を求めることとし、本年五月に、都道府県に対し、基本方針や指針、協定締結のガイドラインを示し、留意点も含めて周知を図ったところでございます。

 今後は、そこにおける進捗状況をしっかり確認しながら、感染症対応が行われる体制がしっかりと構築できるように我々としても対応していきたいと考えております。

阿部(知)委員 連携も協定締結も否定いたしません。

 その一方で、人材がどうか、本当に急性期を担えるだけのスタッフがいるかということも併せて検証していただきまして、ここがないと、ない袖は振れない、受け入れられないことも生じます。是非、楠岡理事長にも、モデルケースですので、よろしくお願いいたします。

 終わらせていただきます。

三ッ林委員長 次に、一谷勇一郎君。

一谷委員 日本維新の会の一谷勇一郎です。どうぞよろしくお願いをいたします。

 今、異次元の少子化対策というのが非常に大きく議論をされております。

 本当に、お子さんを持ちたかった、そして子育てをしたかった、しかし、それが無念にもかなわずに、死産、流産をされた方に対しての政府の対応について、最新のお考えをこども家庭庁、参考人の方にまずは四問お伺いをしていきたいと思います。

 死産、流産の数を把握されていると思うのですが、そのうち、相談窓口に連絡した人数というのは把握されているかどうか、お聞きします。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 流産、死産を経験された方が相談窓口等につながり、必要な支援を受けられるようにすることは大変重要であると考えております。そのため、昨年、国といたしまして、各都道府県等の相談窓口等の一覧を作成し、ホームページで周知を行っているところです。

 相談窓口に連絡をされた方の人数自体については残念ながら把握をしておりませんけれども、令和二年度の調査研究では、つらさや不安、悩みについて誰に相談したかったかとの問いを発しておりまして、それに対しては、複数回答ではございますけれども、約八割の方がパートナー、三割の方がその他の家族や友人、知人と回答したのに次ぎまして、流産、死産を経験した人が二一・二%、ピアサポートグループが一〇・六%となっておりまして、同じ経験をした方に話を聞いてほしいという声が多く寄せられたところでございます。

一谷委員 私は、やはりそうやって身近な方に相談を聞いていただくというのも大事だと思うんですね。

 ただ、この令和二年度の子育て支援推進調査研究事業の数値を先ほどおっしゃっていただいたと思うんですが、流産や死産を経験した女性の悲嘆は非常に深く、やはり、つらさを感じている方、直近では九三%、六か月後で五一・二%、一年たってもつらさを感じるのが三二%、死産に至っては、一年以上たってもやはり七割近くの方がつらさを感じているというふうにこの調査にも書いてあります。

 その中で、おっしゃっていただいたとおり、やはり相談をしたいというふうに書いてあるんですが、行政の窓口に相談に行った方の数が五・二%というふうに書いてあります。これは非常に数字的には少ないのではないかなというふうに思います。それに加えて、そういった相談窓口があれば相談に行きたかったという方のニーズは三五%に上っています。

 この乖離が一体何なのかなというふうに考えるんですが、少し調べさせていただくと、相談窓口、その窓口の名称が少しよくないのではないかなと思います。例を幾つか申しますけれども、健康福祉センターという窓口であればまだ、自分自身がもし当事者であれば行くかな、相談に行けるのかなと思うんですが、不妊・不育相談室、妊娠・出産相談センター、不妊専門相談センターが窓口になっているところもあるというふうに、調べさせていただいたらそうなっていました。

 こういった窓口が本当に、死産、流産をされた方の行政の相談の窓口として適切な場所かどうかということをお伺いをさせていただきたいと思います。

黒瀬政府参考人 お答えいたします。

 こども家庭庁といたしましては、自治体に対して、流産、死産につきましても母子保健法上の出産に含まれる旨を示した上で、各種母子保健施策の実施の際には、死産や流産を経験された方を含め、きめ細かな支援を行うための整備といったことを依頼しているところでございます。

 流産、死産を経験された方におかれましては、乳幼児と同じ場でケアを受けること等については、精神的負担を感じる等の指摘もありますことから、例えば、産後ケアの実施に際しまして訪問型を活用するといったような適切な配慮をいただいているところでございます。

 また、令和三年度の調査研究事業というのがございまして、こちらでは、当事者の方々の声も反映しつつ、子供を亡くした家族への支援に関する、自治体担当者向け、医療機関スタッフ向けの手引といったものを作成しておりまして、自治体の母子保健担当部局や医療関係団体を通じて御活用いただくように周知をしているところでございます。

 こうした取組を通じまして、引き続き、各地域における自治体と医療機関等の連携を促しまして、流産や死産を経験した方々に対する支援体制の整備を図ってまいりたいと考えております。

一谷委員 先ほどの調査の中には、K6と言われる、うつ病や不安障害の方をスクリーニングするテストで、スコアが高い方ほど相談に行きたいというふうなことも書かれていますので、やはり次のお子さんを持ちたいと思えるような支援をしていかなければならないと思いますし、窓口の名称はやはりもう少し適切な名称が必要ではないかなというふうに感じております。

 その次の御質問なんですが、令和四年十二月二十六日、各都道府県に、「伴走型支援及び出産・子育て応援給付金の一体的実施事項の実施について」の通知が出されております。

 その通知の中で、伴走型支援の説明の中で、伴走型支援をする中で、死産は面談不要というふうなことが書かれておりました。

 これは、これからの少子化対策や産前産後ケアとの私はすごく乖離を感じまして、こういった書類というのはホームページ上にアップされておりますので、関係のドクターであったり、看護師さんであったり、助産師さんであったり、民間の方もやはり見られるというふうに思うんですね。少しやはり、この死産の面談は不要という文字は余りにちょっと配慮がないのではないかなというふうに思うんですが、この辺りについて、御意見をお願いいたします。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 出産・子育て応援交付金でございますけれども、こちらの伴走型相談支援においては、全ての妊婦や子育て家庭に対して、まずは顔の見える関係づくり等の観点から、出産・子育て応援ギフトの支給に際して、対象者から申請書を提出いただき、面談等を実施した上で支給するということにしているところでございます。

 一方、死産された方についてでございますが、こちらからのギフトの支給申請に対しましては、申請者の心理的な負担等を考慮しまして、必ずしも面談等を受けることなく支給することも可能というふうにしているところでございます。

 流産、死産等を経験された方の心情を理解し、寄り添った対応をすることは大変重要であるというふうに考えてございますので、伴走型相談支援事業の実施要綱におきましても、流産、死産等を経験された方に相談支援窓口を案内することですとか、同じような経験をされた当事者団体によるピアサポート活動を案内するといったことなどについて、きめ細かな配慮を行うように市町村に具体的に通知を併せてしているところでございます。

 引き続き、死産を経験された女性等に対しても必要な支援がしっかりと行われるように取り組んでまいりたいと考えております。

一谷委員 済みません、ちょっと追加でお伺いしたいんですが、この伴走型の相談は、死産、流産された方は、それはもうその場ではされないということですね、三回面談があると思うんですが。それ以外で各自治体が支援をするということになるわけですか。

黒瀬政府参考人 先ほど申し上げたように、受給の条件として面談というのを基本的には義務づけることによってコンタクトしていただくように考えているわけでございますけれども、死産の場合にはそれを義務づけることはしないというものでございまして、そのとき、もちろん、お越しいただいて、その枠内で当然にやり取りをしていただくことは可能でございますし、更なるケアが必要であれば、しっかりとそうした関係機関につないでいくというものでございます。

一谷委員 相談に行かれる方が五%と非常に低いところもありますので、やはり何らかのアプローチというかコンタクトというのは非常に大事だと思いますし、今のお話ですと、伴走型相談支援をするというのは、何かギフトを、五万円の一時金ですかね、それをお渡しするようなことだけでは私はないと思いますので、先ほどおっしゃっていただいた、やはりしっかりとした支援につないでいくことが重要なんだと思います。

 そこで、少し質問はそれるんですけれども、面談を実施される方が、研修を受けているといえども、保健師や助産師さん等の専門職又は一般事務職員や保育園の保育士さんや、利用者支援専門員や子育て専門員等というふうになっているんですが、これは、やはりかなり専門的なことを理解しておかないと窓口で様々な問題を受け取ることは難しいと思いますので、ここはしっかりとした窓口体制というのを各自治体に取っていただけるようにお願いしていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、質問を続けさせていただきます。

 次は、保育園や夜間保育についてこども家庭庁の参考人の方にお伺いをしていきます。

 これから、働く時間に関係なく保育を受けられるというような話も出ておるんですが、まずは夜間保育について政府参考人の方にお伺いしたいんですが、全国で七十三か所しか、七十三か所しかと言うと間違っているかも分からないですが、なく、公営四か所、民営六十九か所ということです。

 やはり働き方がいろいろ多様化していて、ホテル関係やマスコミ、医師、看護師さん、そしてピアニストの方などは、やはり夜間に少し預けられたらなということもあると思いますし、私も共働きをしていますが、例えば八時、九時まで働かないといけないとなったときに、今の普通の保育園では七時ぐらいまでが限界だと思うんですね。そうなってくると、やはり夜間保育というのも充実させていかなければならないと思うんですが、その辺りの政府のお考えをお聞きしたいと思います。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、夜間保育を含めまして、多様な保育ニーズに対応して保育所等の受皿の整備を進めていくことが大変重要であると考えておりまして、国といたしましても、これまで、市町村に対して、夜間保育を含め、多様な保育ニーズをしっかり把握した上で保育所等の受皿の整備を進めていただくようにお願いをしておりますほか、夜間保育加算の拡充ですとか、夜間保育所が夜十時以降に更に延長保育を実施する場合には、夜間保育を実施していない保育所等と比べて高い補助単価を設定するといったこともやっておりまして、夜間保育の安定した運営のための支援を行っているところでございます。

 こうした取組によりまして、安心して子供を育てることができるように、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

一谷委員 本当に、そこがなければ、無認可のベビーホテルというのが千三百ほどあるということなんですが、私も視察にも行かせていただいたんですが、なかなかやはり施設的に、しっかりしているところもあるんですが、そうじゃないところもあるので、ここは何とか整備をしていっていただきたいなというふうに思います。

 それでは、次は、保育園を利用することの抵抗感についてお聞きしたいんですが、一九七九年に精神科ドクターの久徳重盛ドクターが「母原病」という本を出版されて、続編も合わせて百万部出たそうです。一九七九年といえば、私が四歳で、おふくろは私を育てながらこういった本も読んだのかなというふうに思うんですが、現在、私のおふくろは、もう祖母になって孫の面倒を見てくれるんですけれども。

 この「母原病」というのは、科学的根拠がなく、個人的意見の域を出ないということなんですが、子供の病気は母親が原因である場合が多いというふうなことが書かれていて、このフレーズは非常に強烈なインパクトを与えたと言われております。

 そこで、親の仕事状況を問わずに保育園を利用できるということになっていったとしても、やはり保育園を利用するという親の抵抗感を変えていかなければならないと思うんですが、そういったことについてどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、保育所の利用につきまして、子供が専門職がいる場で同世代と関わりながら成長できる機会を保障すること、あるいは、保護者にとっても気軽に利用できて育児負担や孤立感を解消できるようにしていくことが重要であると考えております。

 このため、先ほど言及もいただきましたけれども、現行の保育制度の仕組みとは別に、今般、二歳までの未就園児のいる全ての家庭への支援の強化に向けて、いわゆるこども誰でも通園制度を創設することとしておりまして、目下、そのモデル事業等に取り組んでいるところでございます。

 ただ、これに加えまして、また、子供や子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度や支援メニューを利用できるようにするためには、様々な場で子供や子育て中の方々を応援するように社会全体の意識を変えていくといったことも大切だというふうに考えておりまして、今後、子供や子育て世帯を社会全体で支える機運の醸成といったことも図ってまいる必要があるというふうに考えております。

一谷委員 おっしゃっていただいたとおり、やはり異次元の少子化対策の全ての政策を生かすためには、社会のアイデンティティーを変えていくことが非常に重要じゃないかなというふうに思います。

 いろいろな意見があると思うんですが、私はやはり、社会で子育てを担っていくというような考えも一つ非常に重要じゃないかなというふうに考えますので、そこに力を入れていただきたいと思います。

 続きまして、潜在保育士への就労支援についてお伺いをしたいと思います。

 現状、指定の保育士の養成施設を卒業した方のうち、約半数は保育所に就職していないというふうに、これはこども家庭庁ですかね、資料で出ております。そして、その希望が増えない理由としまして、一番は、責任の重さ、事故への不安ということと、その次は、就業時間が希望と合わないということになっています。これだけではなくて、職場の環境改善に関する項目としては、やはり賃金の希望が合わないということで、これはよく言われていることだというふうに思います。

 そこで、政府が潜在保育士さんへの就労支援についてどのようにしていくお考えかということをお聞きしたいと思います。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 議員に御指摘いただきましたとおり、保育士の人材確保は大変重要な課題でございますし、中でも、これまでの現場での経験や保育の専門性をお持ちである潜在保育士の方々の就労に向けた取組を進めていくことは非常に重要であるというふうに考えております。

 このため、保育士・保育所支援センターにおきまして、潜在保育士の掘り起こしを行いまして保育事業者とのマッチング支援を行うことですとか、潜在保育士が再就職する場合の就職準備金の貸付けなどの取組を通じまして、潜在保育士が再び保育の現場で活躍できるように支援を行っているところでございます。

 また、こうした取組と併せまして、現場で働いておられる保育士の就労継続支援も重要であるというふうに考えておりまして、例えば、保育士の補助を行う保育補助者の配置、それから、清掃や消毒、園外活動等の見守りなどの保育の周辺業務を行う保育支援者の配置、それから、登園管理システムの導入などICT化の推進等といった業務負担軽減策にも取り組んでいるところでございます。

 さらに、養成施設に通う学生への修学支援の貸付けなど、資格の取得促進にも取り組んでいるところでございます。

 これらの施策を重層的に進めることによりまして、潜在保育士を含めた保育士の人材確保策等に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

一谷委員 今おっしゃっていただいたことは非常に重要だというふうに思うんです。

 そこで、私がこういった資料を見ていて非常に気になったところは、一日の労働時間が八時間以上という回答が七三%だったんですね。ということは、常勤で働いておられる方が多いということです。

 私は、保育士の配置基準を調べてみましたら、常勤が望ましい、努力義務だということになっています。しっかりと常勤でなければならないということではなくて、常勤が望ましいということなんですね。

 やはり潜在保育士さんの中には、八時間はちょっと働けない、三時間なら働けるけれどもという方もたくさんいらっしゃると思います。ただ、もしも保育園の園長として配置をするときに、常勤が望ましいというふうに配置基準の中に書かれていると、やはり八時間の方を配置しなければならないのではないかなというような心理になるのではないかなというふうに私は考えるんですね。

 ですから、六対一を五対一にしたり、三十対一を二十五対一にしていただく中で、もう一つは、こういった配置基準、八時間でなくてもいい、常勤じゃなくても、パートさんが三人いて八時間になる、それでもいいんだというようなことをしっかり示していただくことも重要ではないかなというふうに考えました。これについては質問の通達をしていませんので、あくまで意見として述べさせていただきます。

 済みません、大事な質問を先ほどのところで一つ飛ばしてしまいましたので戻らせていただいて、グリーフケアについて質問を、こども家庭庁の参考人の方にお伺いをいたします。

 流産や産後ケアの根幹は、看護師や助産師さんによるグリーフケアだと思います。死産に伴う悲嘆反応をいかに和らげて、PTSDに移行させないということが重要だと思うんですが、これについて、今、政府の最新の考えをお聞かせいただけたらと思います。済みません、一つ戻って。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 流産、死産を経験された方を含む妊産婦の方々へのメンタルヘルスケアは大変重要であると考えております。

 このため、産婦健診により心身の状況を把握し、心身のケア等を行う産後ケア事業につなげられますように体制整備を図っているところでございますが、昨年度の調査では、地域の精神科医療機関と連絡会やカンファレンスを定期的に実施している市町村は七・二%にとどまっているという状況でございます。

 このため、本年度、産婦健診事業の補助要綱を見直しまして、支援が必要と把握された産婦に対する精神科医療機関等との連携を含むメンタルフォロー体制の整備を推進することとしておりまして、これに先立って、昨年度末に自治体に好事例も周知したところでございます。

 今後、自治体における体制整備状況について、こども家庭庁において調査、把握をすることとしておりまして、引き続き、こうした取組を通じて、自治体、産婦人科、精神科など関係機関の連携を図って、流産、死産を経験された方を含め、妊産婦のメンタルヘルスケアの支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。

一谷委員 特に精神科ドクターとの連携は、非常に難しいと思うんですが、そこを何とかやっていっていただきたいと思いますし、私も視察に行かせていただいた信州大学なんかはすごくいい取組をしておられましたので、是非参考にしていただけたらと思います。

 続きましては、大臣に御質問させていただきたいと思います。

 減少する分娩を取り扱う産婦人科の集約についてお伺いしたいんですが、これは、私は、ちょっと二〇一四年で古い資料になるんですけれども、二次医療圏内でももう分娩医療機関が存在しないであるとか、診療所しかない、また、専任の医師がいないというようなことが起こっているというふうに論文で拝見をしました。地域に行ってお伺いをしていますと、やはり分娩をできる医療機関が本当に身近にないというようなところが出てきていて、産婦人科のドクターは少し増えているけれども、やはりそういった施設は減少しているという数字も出ております。

 そこで、どのように産婦人科の集約について考えていくか。これは、その自治体の首長さんからしたら、隣の自治体にあるのに自分のところにないというのは非常にいいあれではないと思うんですが、そういったところも乗り越えていかないといけないと思うんですが、大臣に、分娩を取り扱う産婦人科の集約について御意見をお伺いいたします。

加藤国務大臣 ある意味で、出生数自体が残念ながら低下している中で、安心して御出産をしていただける環境をつくっていく、また、そこで働く方々の労働環境も維持をしていく、そういった観点からも、周産期医療の集約化、重点化というのは必要な対応だと思っておりますが、ただ、それに伴って、今委員御指摘のように、分娩や妊娠、健診を行う医療機関へのアクセスに課題を生ずる、逆に言えば、それを適切に確保していく、このことが非常に重要だと思っております。

 令和四年度第二次補正予算で創設したこども家庭庁の出産・子育て応援交付金事業においては、妊娠を届け出た妊婦に対する経済的な支援において各自治体が様々な対応を取れることになっておりますが、妊婦健診を受診するための交通費を助成するといったことにも、あるいはそれに使うといったことも想定されていると承知をしております。

 また、来年度から開始する第八次医療計画を作成するため、昨年度末に国から都道府県に示した周産期医療の体制構築に係る指針においては、分娩施設へのアクセスが悪化した地域に居住する妊産婦に対し地域の実情に応じて対策を検討する旨を記載をしているところでございます。実際、自治体においては様々アクセスを支援していただいている事例もございます。

 引き続き、関係学会、都道府県と連携しながら、妊婦の方々が安心、安全に出産できる環境の整備、今のアクセス面も含めて、しっかり取り組ませていただきたいと考えています。

一谷委員 少し話は違うかも分からないんですが、やはり離島なんかはもう既にそういったアクセスの問題はクリアしていると思いますので、この問題はクリアしていけると思うんですが、そうなったときに、身近に分娩ができる施設がなくて遠方まで行くとなったときに、その遠方でやはり産前産後ケアを受けたいというふうになった場合に、現状では自らが住んでいる自治体で産前産後ケアを受けるということになっておりますので、こういった、里帰りも一緒だと思うんですが、遠方に行ったときに産前産後ケアを受けることに対してどのようにお考えになっているかということをこども家庭庁の参考人の方にお伺いいたします。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 産後ケア事業は、多くの自治体で産科医療機関や助産所などに委託をして実施をされておりますが、委託先の地域偏在も指摘をされております。このため、居住自治体以外でも産後ケア事業を利用できるように広域化を進めていくことが重要というふうに考えております。

 広域化に当たりましては、各市町村が各医療機関等に個別に委託をするのではなくて、都道府県が、管内市町村を取りまとめて、医療機関等と委託契約を締結できるように調整することも非常に有効であるというふうに考えておりまして、こうした観点から、昨年度には、各都道府県に対しまして、産後ケア事業に係る広域調整等の実施状況に関するヒアリングを行いまして、幾つかの先進事例も把握をしておりますので、それらを自治体に周知をしたところでございます。

 その上で、本年度予算では、産後ケア事業の委託先の確保等について検討する協議会の設置などを行う都道府県に対しまして財政支援を行うというふうにしているところでございます。

 こうした取組によりまして、都道府県による広域的な連携支援を推進をして、居住地以外でも産後ケア事業を利用することができるように体制整備を進めてまいりたいと考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 この国会でも何度も私は、この産前産後ケアの事業所が黒字にならないという話もしていますし、そして、違う自治体から受け入れたときに、やはり補助の価格の差があって、事業所が赤字を受けなければならないであったりとか、受けられる本人が負担をかなりしなければならないということもありますので、こういったところの調整をしていただけたらというふうに思いますし、集約化をしていくというふうに政府がかじを取っていくならば、距離の問題というところであるとか、遠方へ行ったときのケアの保障というのをしていくことが少子化の対策になると思いますので、是非お願いいたします。

 続きまして、これは私の提案でもあるんですが、高齢者施設に産前産後ケアを同一建物内で行うことはできないのかということです。保育に関しては、介護事業所で保育を一体にするという事例は私も見ているんですね。そして、同じ敷地内に高齢者施設があって、産前産後ケアや保育があるという事例も見ています。ただ、今、特に特老が、フロアが働く方がいなくて空いているであるとか、地域によっては、もう介護者が人口と一緒に減少してきて施設が空いているというところもあります。

 こういったところに産前産後ケア事業を一体にできないのかなというのが一つ私の考えなんですが、これはまず厚労省の方にお伺いします。

大西政府参考人 お答えいたします。

 特別養護老人ホームにつきましては、運営基準を定めさせていただいておりますけれども、その設備は、専ら当該特別養護老人ホームの用に供するものでなければならないが、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りではないとしているところでございます。

 御指摘いただきました産後ケア事業を始めとする他の事業を、特養、特別養護老人ホームの設備を共用して実施すること自体を直接的に禁止するような規定はないわけでございますが、入所者の処遇に支障がないかどうか、また、補助金等の交付を受けております場合には、その目的ですとか用途に反するような使用となっていないかなど、よく確認をする必要がありますので、事業実施に当たりましては、特別養護老人ホームの指定権者であります自治体等と十分に御相談いただきたいと考えているところでございます。

一谷委員 続きまして、こども家庭庁の方からはどうでしょうか。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 母子保健法におきましては、宿泊型の産後ケア事業は、病院、診療所、助産所のほか、市町村長が適当と認める施設で実施することとされておりまして、具体的には、母子保健法施行規則におきまして、居室、カウンセリングを行う部屋、乳児の保育を行う部屋、その他事業の実施に必要な設備を設置することといった基準を定めているところでございます。

 こうした設備等に関する実施基準を満たし、市町村が適当と認める場合には、お尋ねのような高齢者施設内においても産後ケア事業を実施して差し支えがないものというふうに認識をしております。

一谷委員 そうしたら、できるという認識で、各自治体がどう判断するかということだということですね。分かりました。

 もう時間が参りましたので、次の質問をさせていただきたかったんですが、一つだけ言わせていただきたいんですが、次の国会で議論される若者の居場所づくりというところがあるとお聞きしております。

 そこで、是非、閣議決定をされて有識者会議をされるときは、ユースワークとかユースワーカーという言葉もありまして、NPOとかで非常に活躍しておられるところもありますので、そういった現場の方の声とか当事者の声を是非聞いていただいて、有識者の会議を進めていただけたらと思います。

 本日は、維新の持ち時間三十分を全て私に与えていただいた同僚に感謝をしまして、質問を終わらせていただきます。

 誠にありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友慎治です。

 今日は六月七日でございます。五月八日に新型コロナウイルスの感染症法上の取扱いが五類に変更されて一月がたったということになります。

 やっと日常が戻りつつあり、多くの人々は多かれ少なかれ解放感を味わっている、そのように捉えておりますけれども、私も、個人的には閉塞感が薄れたかなというふうにも思っております。

 しかしながら、世の中にはそのような空気から置いてきぼりになっていると感じている人たちがいます。それは障害福祉事業所の利用者さんと職員の皆さんです。

 障害福祉事業所では、利用者の方の障害が重くなればなるほど、どうしても肌が触れ合うほどの密接な介助が必要になってまいります。これまでどおりの感染対策を講じる日々が現場では続いているというのが現状です。

 当然、マスク生活はやめられません。コロナが五類の感染症になったことで、法律に基づき行政が様々な要請、関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取組をベースとした対応に変わりましたが、しかし、そのことによって濃厚接触の定義がなくなり、対応が個人においても、事業所や病院、学校などにおいてもばらばらになり、苦慮しているという声も現場から聞こえてきます。PCR検査も無料でなくなり自己負担になった、また、診察を受ける医療においても有料になって大変との声も聞かれました。

 障害のある人の命と健康、そして、障害者、障害児事業所の安定した運営を守るための手だてを講じる必要があると思いますが、まず、政府の見解を伺います。

辺見政府参考人 障害福祉サービスの事業所や施設におきましては、感染拡大防止対策を徹底しつつ、利用者にとって必要なサービスが安定的かつ継続的に提供されるということが重要であると認識をしております。

 このため、新型コロナウイルス感染症が五類感染症に移行した後も、障害福祉サービス事業所等において感染者等が発生した場合には、一時的に人員基準を満たすことができない場合でも障害福祉サービス等報酬を減額しない特例や、利用者の居宅等でできる限りの支援提供を行った場合に通常と同等の報酬算定を可能とする特例、こうしたことと併せて、消毒や清掃、緊急時の人材確保に関するかかり増し経費への補助を行うサービス継続支援事業の実施、従業者に対する集中的検査の実施など、できるだけ必要なサービスの提供をし続けることを可能とするための措置を継続をしているところでございます。

 引き続き、障害福祉サービス事業所等の利用者に対して必要なサービスが安定的、継続的に提供されるよう、様々な対応を組み合わせながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

長友委員 御答弁いただいたように、特例やかかり増し費用についても継続しての補助をしていただいているということで、是非今後も続けていただきたいんですけれども、福祉事業所の方々からお話を聞くと、利用者の皆様、事業所の皆様、仲間というふうに言われますけれども、仲間の健康を守るためにクラスターを発生させるわけにはいかないと、今も細心の注意を持って運営をしていただいております。

 そんな中、利用者の方が、熱がある、せきが出たとか、そういう連絡があると、当然、まず、施設には来ないでくださいと言わざるを得ないわけですね。それで、コロナかどうかを見極めないといけないので病院に行ってくださいというふうにお伝えをします。お願いをするんだそうです。ですが、その後、翌日、どうでしたかと電話で聞いても、お金がかかるから病院に行きませんでした、そういう人も少なからずいるということを私はお聞きをしました。

 事業所にとっては、そのような人が、コロナか風邪か分からないまま、体調がよくなったからといって事業所に来た途端にわっと感染が広がって、クラスターが発生し、事業所が封鎖になってしまった、そういうところが実は各地でいまだに起きているというふうに伺いました。

 障害児や障害者の事業所の関係者の間では、終わりの見えない感染対策による疲労に加えまして、五類になったことで更なる自己責任に基づく取組が求められることについてストレスを感じているという声も上がっていますので、政府としましても、十分に配慮をお願いしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、福祉事業所の経営の安定について質問をしたいと思います。

 福祉事業所は、障害者、障害児へのサービス提供の対価としまして、国や県、市町村から報酬を受け取るわけですが、コロナが五類に分類されたからといって、利用者さんが安定して通ってくる、そういうわけではないわけです。ですので、福祉事業所の経営は変わらず苦しい状況が続いています。御承知のとおり、コロナ禍で倒産した、廃業したという事業所もございます。だからこそ、事業所の検査費用の助成措置を継続することはもちろん、報酬の臨時的取扱い、人員配置に対する配慮なども継続していただかないと、福祉事業所の経営は行き詰まるというふうに思うわけです。

 さらに、現場からの要望として強いのが、現行の報酬制度の見直しでございます。

 コロナを原因とする利用自粛や休所による事業所の減収を国が補填するとともに、安定した事業所運営ができるように、運営に関わる人件費、固定費などの報酬は月額払いにしてほしいとの声が現場から強く聞かれますが、見解を伺います。

辺見政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応といたしましては、先ほど申し上げましたように、事業所における人員基準や報酬等の臨時的な取扱いに加えて、感染者等が発生したときの消毒、清掃、人材確保に係るかかり増し経費の補助などについて、継続をして行うこととしているところでございます。

 その上で、お尋ねの報酬の支払いの方式につきましてでございますが、障害福祉サービスは、利用者がその日ごとに複数のサービスを組み合わせて利用することができるよう、日々の利用実績に応じた日額払い方式により報酬が支払われる仕組みとしております。これは、医療保険制度や介護保険制度でも同様の仕組みとなっているところでございます。

 一方で、急な欠席、入院等による影響につきましては、報酬上、それぞれに対応する加算を設けることなどによりまして、一定の対応を図っているところでございます。

 利用者がそのニーズに合ったサービスを選択できるようにすることは重要であり、今後ともこの日額払い方式を維持すべきと考えているところでございます。

 一方、現在、令和六年度の次期報酬改定に向けた検討を行っているところでございます。事業所の経営実態やサービスの利用実態等も踏まえて、各サービスごとに適切な報酬となるように検討を進めてまいりたいと考えております。

長友委員 御答弁の中で、急に利用ができなくなった場合などの対応に関しては図っていただいているということでしたので、それは引き続き是非お願いをしたいと思うんですが、事業所の経営を圧迫している問題として、物価高も影響してきております。六月一日から電気代も更に値上げをされました。生活のあらゆる場面で物価高の影響が出ておりまして、障害のある人や事業所への影響は深刻な状況になっております。

 物価高で大きな影響を受けている障害のある人の生活と障害児者事業所の運営を守るための政府としての取組も必要だと考えますが、見解を伺います。

辺見政府参考人 現下の物価高騰を踏まえました障害福祉サービス事業所等への支援につきましては、電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金におきまして、地方自治体に対する推奨事業の一つといたしまして、障害福祉サービス事業所などの福祉施設等に対する支援が示されているところでございます。

 昨年来、私どもからも積極的な活用を呼びかけてきた結果、多くの自治体で光熱費の増加に対応する給付などの支援を実施していただいているものと承知をしております。

 また、本年三月には、物価高克服に向けた追加策によりまして交付金が積み増しされたことを踏まえまして、改めて自治体に対し、物価高騰における障害福祉サービス事業所等の負担軽減に向けて、交付金を積極的に活用していただくよう依頼をしたところでございます。

 これらの取組を通じまして、地域の実情に応じてきめ細かい支援が行き渡るよう自治体の後押しをするとともに、次期障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論を行っていく中で、物価の動向や障害福祉サービス事業所等の収支の状況等を注視してまいりたいと考えております。

長友委員 地域の実情に応じてきめ細かい対応をしていただくということをおっしゃいましたけれども、食事提供体制加算というものがあると思います。

 障害者の事業所内の調理等により食事の提供を行った際に算定される加算で、これは、二〇〇五年に障害者自立支援法が公布された際に給食制度そのものが廃止されたわけですけれども、今は、現在、低所得者の負担軽減等を図るために経過措置として残されておりまして、措置期間が今日まで延長されているというものになります。

 こちらも、今後、引き続き継続をしていただけるのかどうか、伺います。

辺見政府参考人 御質問の食事提供体制加算につきましては、前回、令和三年度の報酬改定に向けた障害福祉サービス等報酬改定検討チームにおきまして、関係団体や委員の意見等を踏まえまして、次期報酬改定に向けて引き続き検討を行うこととされ、経過措置を延長したという経緯がございます。

 食事提供体制加算を含みます障害福祉サービス等の報酬の在り方につきましては、次期、これは令和六年度の報酬改定に向けた検討におきまして、関係団体へのヒアリングなどを踏まえて、障害者のニーズや事業者の実態等を把握した上で必要な検討を進めてまいりたいと考えております。

長友委員 現場の方々は、令和六年度の報酬改定の検討のときに、この加算はなくなってしまうんじゃないかと非常に心配をされていました。その理由も、障害がある方の食べる一食と私たちが食べる一食の重みというものが全く違うんだということをお聞きしました。栄養のバランスが取れた食事を事業所で取れなかったら利用者の皆さんの健康に影響すると。これは大げさに聞こえるかもしれませんが、事業所の現場の職員さんからは現にそのような声が上がっているんです。

 きょうされんさんが一年前に行った緊急!物価高影響アンケートというものの中で、障害のある当事者の六割が食費の値上がりに困窮しているということが分かっています。そして、洋服を洗ったりする洗濯は五日に一度、シャワーはお湯を使わずに水で済ます、これは電気代が高いからです。そして、洋服は買わないなど、無理な節約をずっと続けているという利用者さんを目の当たりにされています。当然、栄養のバランスを考えて食事もできるはずがないわけで、ずっと同じものを食べ続けているという利用者さんもいらっしゃる。

 事業所自体も、電気代、ガス代、そして食材の仕入れ代などが上がっている中で、あるところなどは、一食の給食代を、今、現行二百五十円を二百八十円に値上げして、それを利用者さんに請求し、仲間の負担が増えているということを心苦しく感じているという状況もございます。

 ですので、是非、食事提供加算を次の報酬改定でなくすことがないようにお願いをしたいと思います。

 最後の質問をさせていただきます。

 障害福祉の支援を受けている人が、六十五歳になったことを理由に介護保険によるサービス利用を求められ、生活に困難を来してしまうことが各地で起きております。いわゆる六十五歳問題でありますが、障害のある人が六十五歳になっても必要な支援を自ら選んで費用負担なく利用できるようにするべきと考えますが、政府の見解を伺います。

辺見政府参考人 我が国の社会保障全体の体系におきましては、あるサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されているときは、保険料を支払って国民が互いに支え合う社会保険制度によるサービスをまず利用するという保険優先の考え方が原則となっております。

 障害福祉制度と介護保険制度の関係につきましても、この原則に基づき、同様のサービスを介護保険サービスにより利用できる場合には、まずは介護保険制度を利用していただくこととしているところでございます。

 その上で、その運用に当たりましては、高齢の障害者に対して一律に介護保険サービスが優先されるものではなく、お一人お一人の個別の状況を丁寧に勘案し、その方が必要とされている支援を受けられることが重要でございます。

 このため、介護保険サービスの支給限度基準額の制約等により十分にサービスが受けられない場合には、障害福祉サービスも利用できるなどの取扱いを通知等で示しているところでございます。

 また、平成二十八年の障害者総合支援法の改正等におきまして、所得の状況や障害の状況等も勘案し、一定の要件を満たす高齢の障害者について介護保険サービスに係る利用者負担を軽減する、いわゆる新高額障害サービス等給付費を創設する、また、障害福祉サービス事業所と介護保険事業所が相互にそれぞれの指定を受けやすくする共生型サービスを創設し、この活用により、障害者が六十五歳以上になっても、従来から障害福祉で利用してきた事業所で支援を受けることを可能とする、こういった改正も行ったところでございます。

 さらに、令和四年六月に取りまとめられました社会保障審議会障害者部会の報告書を踏まえまして、市町村における運用に当たって留意すべき具体例を示すことについて現在検討を進めており、保険優先の原則は維持しつつも、利用者ごとに個別の状況を丁寧に勘案した支給決定がなされるよう、引き続き制度の適切な運用に努めてまいります。

長友委員 就労保障、所得保障が非常に厳しい状況にある障害者の方々が、六十五歳になった途端に、なぜ他者との公平性を理由に一割負担しなければならないのかということは大きな問題だと思っておりますので、また引き続き質疑させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 先週に続きまして、マイナ保険証、健康保険証廃止問題についてお伺いいたします。

 お手元に資料を配付しておりますが、六月二日にオンライン資格確認等システム運用マニュアルが改定されました。トラブルでマイナンバーカードで資格確認ができず、保険証などでも確認できない場合、これまでは、「患者からは十割分を受領してください。」とありました。改定版では、「マイナンバーカードの券面に記載された生年月日情報に基づいて自己負担分(三割負担等)をお支払いいただき、事後に正確な資格情報の確認ができた段階で、」「所要の手続を行っていただくことが考えられます。」というふうになったわけですね。「考えられます。」という表現で、医療機関に責任を丸投げか、事後に資格が確認できなかった場合は残り七割分は未収にならないのかと批判の声が上がっております。

 まず、健康保険法、療養担当規則との整合性についてお伺いしたいと思います。

 資料裏面に療養担当規則を載せておきました。三条、「保険医療機関は、患者から療養の給付を受けることを求められた場合には、」「電子資格確認又は患者の提出する被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確認しなければならない。ただし、緊急やむを得ない事由によつて当該確認を行うことができない患者であつて、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでない。」こうあるわけですね。

 今でも、保険証を忘れて、継続的に通っている患者さんの場合は資格が明らかだということで扱っている医療機関が多いと思いますが、新規患者の場合はなかなかそうはいきません。

 お伺いしますけれども、初診の患者について、マイナンバーカードの券面の生年月日情報の確認というのは、この療養担当規則第三条、これを満たすことになるんでしょうか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 今、七十条に基づく療担規則三条の解釈についてお話がございました。

 今の三条一項では、保険医療機関は、患者から療養の給付を求められることがあった場合は、電子資格確認又は保険証で資格確認をしなければならない、ただし書で、緊急やむを得ない事由によって行う場合で、療養の給付を受ける資格が明らかなものについては、この限りでないとありまして、初診の患者さんでも、例えば緊急で運ばれてきた、あるいは緊急で治療を受ける、事後的に保険証で確認するというような場合は、こうした扱いでこの療担規則に該当するということは、ただし書に該当するということがあるというふうに考えてございます。

宮本(徹)委員 確かに、救急車で運ばれてきたとか、そういう、本当にすぐに治療しなければ命に関わる問題のときはそうだと思うんですけれども、今回はそういう話を書いているわけじゃないわけですよね。今回のマニュアルというのは、オンライン資格確認で、トラブルによって資格確認ができなかった場合のことを書いているわけですよね。それは当たるんですかとお伺いしているんです。

伊原政府参考人 もう少し事例を申し上げますと、例えば、今、災害時では、診療報酬請求の取扱いにおいて、氏名、生年月日、連絡先等を確認いただいて、保険証がなくても資格確認ができるということははっきり明示してお伝えしているところでございます。こうした中で、療担規則のただし書に基づきまして、現在でも現場の医療機関の窓口で柔軟に対応いただくというケースはございます。

 国会でも何度も答弁させていただいておりますけれども、今回、マイナンバーカードで受診した際に、一定の事情で資格確認がその場で行えない場合につきましても、カードの券面に記載された生年月日情報に基づいて自己負担分をお支払いいただく、事後的に正確な資格情報の確認ができた段階で訂正の必要がある場合には所要の手続を行うなど、医療機関において柔軟に対応していただくことは可能だと考えてございます。

宮本(徹)委員 ですから、その人がいつも通ってきている患者さんだったら、この人はこの保険だろうということで請求できるケースは、当然マイナ保険証のトラブルでも対応していますよ。しかし、新規患者の場合はそうならないから医療現場では大変困っているわけですよね。

 さっき、災害のときはこのただし書の対応をしているんだとお話ししますけれども、マイナンバーカードのトラブルというのは災害じゃないじゃないですか。人災じゃないですか。人災のトラブルと災害時の対応を一緒にするというのは、驚きの話だと思うんですよね。

 大体、今まで、これは人災で、トラブルだから、六月二日以前のマニュアルは、十割取ってくださいと皆さんは書いていたわけでしょう。それを今回、批判があったからマニュアルは書換えだということになったわけです。

 問題は、三割だとかということで対応することも考えられますというふうに言った上で、じゃ、医療機関は、患者から三割負担等の支払いを受けたけれども、事後で確認したら確認ができない、その人の保険がどこなのか、こういう場合もあるわけですよ。あるいは、事後に調べたら無保険だという場合もあるわけですよね。こうした場合は、レセプトに、このマニュアルどおりに扱ったけれども確認できませんでした、こういうふうに記載したら、残り七割というのは支払いをちゃんと医療機関は漏れなく受けられるんですか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 医療機関におきましては、受診時にまず患者についての御本人の確認、それから医療保険についての資格の確認、これを行っていただいて、レセプト請求上は、その患者の加入する保険者番号と被保険者等記号・番号、これをレセプトに記載して請求していただくということでございます。

 具体的に、マイナンバーカードで受診した場合には、医療機関においては、顔写真つきの身分証、最高位の身分証と呼んでいますけれども、マイナンバーカードで御本人を確認いただきまして、その上で、オンライン資格確認により医療保険の資格情報を取得して、それに基づきレセプト請求を行っていただくとなってございます。

 先生今御指摘のように、オンライン資格確認において、例えば機器が故障しているとか、それから停電が起こっているとか、あるいは資格エラーがあるとか、いろいろな事情で資格確認を行えない場合があり得るわけですけれども、その場合でも、マイナンバーカードで本人確認は可能でございます。住民票上の住所も明らかですし、生年月日も分かります。その上で、その場において、又は事後に保険者名とか被保険者等記号・番号を確認していただく、その場で御家族に電話して被保険者番号を聞く、そういうようなことも可能でしょうし、事後的に送っていただくということも可能だと思います。そういう意味で、診療報酬請求を行っていただくことを想定してございます。

 ただ、さっき先生がお話しいただきましたように、そうしたプロセスの中で、どうしても被保険者等記号・番号が確認できないというときには、現在、診療報酬請求に支障が生じることもあり得るところでございまして、そういう中では、やはり、我々としましては、マイナンバーカードでオンライン資格確認を行えないケースをできる限り少なくするということが何よりも重要だと考えておりまして、今、記録の誤りを正すという作業を急ぐとともに、それから、転職等の場合にやはり新しい保険証が届くまでに時間が必要になります。それから、登録までにも多少時間がかかります。そうしたことを短くしていくためにも、まず個人番号を出していただくという省令改正を行いました。そうした取扱いをする中で進めていっているところでございます。

宮本(徹)委員 さっきの御答弁だと、結局、オンライン資格確認ができないトラブルはできるだけ減らそうという努力はするけれども、その場で確認ができない、そして事後にも確認できない、こういう人については七割の支払いは受けられない、こういうことですね。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 こうした様々な事情が考えられますし、今御指摘のような事例もあり得ると思いますので、現在、その場で資格確認を行えない場合の取扱いにつきまして、医療関係者と調整しているところでございます。その中で、具体的な方向について整理し、お示ししていきたい、このように考えてございます。

宮本(徹)委員 いやいや、今医療機関と調整しているというお話をされますけれども、七割の支払いは、じゃ、どうやったら医療機関と調整してできるんですか。本人確認と資格確認と両方必要なわけですよね。資格確認をやらずに支払いをするという方法も考えているということでよろしいんですか、調整の中には。

伊原政府参考人 今まさに調整中でございまして、ここで具体的に申し上げることは難しいんですけれども、マイナンバーカード自身は、これはまさに、住民基本台帳法に載っている、まさに御本人の、まさにその人自身の情報でございますし、それから顔写真もついている、非常に本人確認上重要な情報でございます。こうしたことを入手できることを前提に、どこまで今先生がおっしゃられたような形で実務上運用できるか、そこを今整理しているところでございます。

宮本(徹)委員 もし仮にですよ、仮にマイナンバーカードの券面情報だけで確認できるというふうになると、例えば、保険に未加入の方がマイナンバーカードで受診する、こうした方が無効だとかと表示される、こういう方についても三割負担でいいという運用になっていくということになると思うんですよね。そういうケースも、医療機関には七割分を、審査支払い機関がちゃんと、保険者は分からないけれども払う、こういうことも含めて考えているということなんですか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 まず、保険に加入されていない方の場合は、医療保険上は保険の給付の対象になりませんので、そういう確認をどのように行うか、どういう形で行うかも含めて、いろいろ今議論をしているところでございます。

宮本(徹)委員 これは、はっきり言って、私は答えが出ない問題だと思うんですよね、何回も議論になっていますけれども。

 患者さんは、保険に入っていたら、やはり三割負担だったら三割負担になるのが当たり前の話だと思いますし、医療機関からすれば、残り七割というのは、未収になったら困るわけですよ、ちゃんとそれは支払ってもらわなきゃいけない。ただ、その際に、資格確認ができないというものをそのままにしておいたら、医療機関と患者さん両方守ろうと思ったら、今度は、資格確認せずにでも出すんだということになって、これは不正が防げなくなっちゃうんですよね。ですから、これは幾ら考えても答えが出ない問題だと思いますよ。大臣、そう思いませんか。

加藤国務大臣 現在の紙においてもそういったことは起こり得るわけですよね。例えば、保険証を持ってこない、それから切替えのとき。逆に、今回、切替えのときには、切替えをした後にマイナンバーできちんと申請をしていただけば、登録した段階からもうマイナンバーが保険証として使えます。しかし、そうでない場合は、紙が発行されて本人に届かなければ、これは保険証として使えないわけです。そういった課題が今もあるという、そうした前提の中でこれをどうクリアしていくのか。

 一番大事なことは、まずは、新規あるいは書換えのとき、その期間を、先ほど局長が申し上げたように、いかに短くしていくのかという努力を一方でしていく。それから、一方で、システムダウン等々の事態がないようにこれを取り組んでいく、これがまず基本だと思います。

 その中で、あと個々の事案においてどうするかということの詳細については、今、医療機関といろいろなケースを想定しながら詰めさせていただいているということでございます。

宮本(徹)委員 これは紙の場合とは全然違いますよ。紙の場合は、紙の保険証は見ればすぐ本人の確認ができるわけです。持ってきていなければ、それは当然そのときの対応というのはあるわけです。

 マイナンバーカードの場合は、そもそもマイナンバーカードを見ても保険者は全く分からないものなんですよね。しかも、トラブルだらけなんですよ。トラブルだらけ。ICチップが壊れているというトラブルもいっぱいあるわけですよ。こんなのは紙の保険証じゃ起こりっこない話ですよね。何か、洗濯したら字が読めなくなるようなことを言っているばかな発言もありますけれども、ICチップが壊れるなんてことは紙の保険証では起こり得ないんですよ。それから、いろいろなシステムによるトラブル、顔認証ができないだとか暗証番号を忘れただとか、暗証番号を何回も押して使えなくなっちゃったとか、こんなことも紙の保険証なら起き得ないわけですよ。

 紙の保険証をそのまま残せばいいだけのものなのに、わざわざ紙の保険証を廃止しようとするから、答えが出ない問題についてずっと検討、検討ということが続いてしまっているんじゃないですか。

 大臣、今日、読売新聞も、社説で、健康保険証を廃止するのは見直すべきだ、一旦廃止は凍結すべきだと、非常に良識ある社説を掲げられましたよ。大臣も心の中ではそのとおりだと思っているんだと思うんですよね。

 これは決断すべきだと思いますよ。いかがですか。

加藤国務大臣 紙の保険証だって、更にそれが有効でないかどうかというのは常にあるわけでありますから、こういった事態というのはいろいろなケースがあって、それに対して一つ一つ対応していかなきゃいけない。

 それから、読売新聞の社説に対しては政府の立場としてコメントするのは差し控えたいと思いますが、ただ、御指摘いただいているように、誤ったひもづけが起こったことを通じて国民の皆さんのこうしたシステムに対する信頼を毀損する、こうしたことがないようにしっかり努めていきたいと考えております。

宮本(徹)委員 時間になりましたから終わりますけれども、これはもう本当に、こんな状態のまま健康保険証廃止をそのまま粛々と進めるというのはあり得ないということを申し上げておきたいと思います。

 あと、もう時間が終わっちゃいますけれども、本当に、今日、自見政務官に来ていただいたのに、申し訳ございません。

 阿部知子さんから先ほど加藤大臣にもお話ありましたけれども、優生保護法の問題で本当に不当な判決が仙台高裁で出ました。しかし、こういう判決が出ちゃいますと、最高裁の判決はかなりの時間がかかるということになってしまうんじゃないかということは、多くの皆さんが考えていることです。

 そういう中で、本当に、被害者の皆さんがどんどん亡くなられていくということがあってはならないと思うんですね。本当に政治の責任でこれは解決していかなければならないことだと思います。今日、与野党の皆さんも政府の皆さんも、是非そこは速やかな全面解決に向けて直ちに動きましょうということを呼びかけまして、自見政務官、一言ありますか。もうやめた方がいいですか。よろしくお願いします。

三ッ林委員長 答弁は簡潔にお願いします。

自見大臣政務官 お答えいたします。

 先ほど委員も御指摘いただきました、六月一日木曜日には、仙台高裁において、除斥期間を適用して国の損害賠償責任を否定する判決が言い渡されたことは承知をしております。

 他方で、これまで国の責任の一部が認められた判決につきましては、それぞれの具体的事情も異なることから一つ一つ丁寧に対応しているところでありまして、そのような観点から、内容を精査したところ、除斥期間の法律上の解釈適用に関して、いずれも旧優生保護法上に関わる本件事案にとどまらない法律上の重大な問題を含んでいる等のことから、上告をせざるを得ないとの判断に立ったものでもございます。

 ただし、一方で、こうした方々に対して、超党派の優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟が立ち上がり、既に御指摘いただいているように、御高齢であるということも十分踏まえまして、できる限り早期に法律案が取りまとめられ、国会において全会一致により一時金を支給するための法律が定められました。一時金の支給につきましては、支給法におきましては令和六年の四月が請求期限となっておりますが、今後の対応の在り方につきましては国会に相談をしているところでもございます。

 また、同じ問題意識でございまして、昨日行われました超党派議連役員会におきましても、政府から、一時金の支給状況や様々な訴訟の状況について、御報告を丁寧にさせていただいたところであります。

 政府といたしましては、引き続き、国会での御議論の進展に向けて最大限の協力をさせていただくとともに、御議論の結果を踏まえて、適切に対応して、検討してまいります。

宮本(徹)委員 皆さんで一刻も早く解決しましょう。

 終わります。

三ッ林委員長 次に、仁木博文君。

仁木委員 有志の会の仁木博文です。

 まず、先ほど吉田委員の方からも質問がありましたが、造血幹細胞移植について質問したいと思います。

 これは、研究として、移植である骨髄あるいは末梢血、そして臍帯血、この研究ももっと政府が挙げてしていくべきであるというふうに思っております。

 というのは、例えば、コロナ禍におきましては、骨髄バンクよりも、臍帯血のドナーの数、そして臍帯血の確保ができたというのがあります。一方で、今、私も骨髄バンクと臍帯血バンクの推進議連の方に入っておりますけれども、そこでの資料ですと、レシピエントの五年生存率におきましては、骨髄移植を受けた方の方が成績がいいというふうなこともありまして、その辺、政府としても、学会任せというのもあるんですけれども、この辺、進めていくべきであると思いますが、いかがでしょうか。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 まず、三種類の造血幹細胞移植のそれぞれの生存率ということなんですけれども、これはなかなか、レシピエントの年齢でありますとか原疾患による調整を行った数値がございませんので、単純に比較は非常に難しいかなと思っております。

 ただ、その上であえてお答えを申し上げますと、これは日本造血細胞移植データセンターの調査によりますと、一九九一年から二〇二一年に登録された登録例につきまして、造血幹細胞移植後の一年、これは一年の生存率でありますけれども、血縁者間で見ると、骨髄移植が七三・九%、そして末梢血幹細胞移植が六一・七%、それから臍帯血、バンクに集められる臍帯血は非血縁者間の移植に使われるため血縁者間のデータはございません。それから、非血縁者間での移植後の一年の生存率は、骨髄移植が六七・一%、末梢血幹細胞移植が七一・九%、臍帯血移植が五八・三%となっております。

 ただ、冒頭に申し上げましたとおり、こういったものは年齢調整でありますとか原疾患の調整を行っておりませんので単純比較は困難であると思いますし、また、例えば、骨髄を取るときに比べますと臍帯血の方はより取りやすいとか、いろいろな条件があると思いますので、それぞれのメリット、デメリットを考えながら使っていくべきものかと考えております。

仁木委員 先ほど、最後で、臍帯血の方が取りやすいということでしたけれども、お産の場におきまして、安産と想定していたものが難産になってしまうとか、生まれた新生児の対応で、その場にいつも新生児を取り扱う小児科医がいるわけではございません。したがって、臍帯血を取ってくださいという形で言われていた方から取れないような状況が生まれてくる、あるいは、臍帯血バンクの方もおっしゃっていましたが、ある程度の量が必要ですし、それを、コンタミネーション、いわゆる汚染もなくして取らなければいけないという実態もあります。

 そこで、大臣、お産が今後、令和九年度以降に保険適用というふうなうわさも、あるいは話も出ていますが、この臍帯血の活用あるいは確保、私は、特に分娩する現場において、そういったドナーたる妊婦さん、正確に言うと胎児ですけれども、そのドナーに対応した、ドナーの思いが反映されるような、臍帯血が安全に、しかも確実に確保できるような体制づくり、これが啓発も併せて必要だと思いますが、大臣、そのお考えについてお答えください。

加藤国務大臣 臍帯血移植に対して、その効果について、先ほど局長からもお話をさせていただきましたけれども、そうした臍帯血移植を希望する患者の皆さんが全国に数多くいらっしゃると考えておりますし、実際、臍帯血の移植は年間約千三百件から千二百件で推移をしているところであります。このような中で、臍帯血の採取件数は年間約二万本程度となっています。

 臍帯血の採取を行う医療機関においては、分娩等の業務を行う中で、臍帯血の採取だけではなく、妊婦やその御家族への採取に関する説明、同意の取得などの業務も実施していただいており、医療現場の負担というのは一定程度あるところと認識をしております。

 このため、厚労省では、臍帯血移植対策推進事業により、医療機関における臍帯血の採取に係る費用の補助や、移植に用いる高品質な臍帯血を採取するための採取医療機関に対する講習会の実施など、臍帯血採取のための体制構築に向けた取組を進めているところであります。

 今後も、医療機関が行う臍帯血の採取に関する業務のうち、移植に用いる臍帯血の採取や臍帯血を提供しようとする妊婦への説明や同意の取得は医師ではなくとも実施が可能である、こういったことについてもしっかりと周知を図ることによって、臍帯血を提供いただけるよう普及啓発に取り組むとともに、造血幹細胞提供支援機関事業において、日本赤十字社を通じて、妊婦その他、その家族に対する普及啓発にも取り組んでいきたいと考えております。

 そうした意味において、臍帯血をしていただく現場の皆さん方の負担をできる限り軽減するとともに、提供いただけるよう更に普及啓発に取り組んでいきたいと考えています。

仁木委員 その上で、提言ですけれども、マイナンバーと、例えばドナー登録、つまり、ドナー、またレシピエントも併せて連携できるような、いわゆる、私も医療DX推進派でございますので、こういった、今医政局長もおっしゃったエビデンス、いわゆる五年生存率含めて、どういったステージの段階でどういった移植を受けた方が五年生存率がどうだったかと。

 がん対策基本法においても、以前は都道府県をまたいでしまうとそのがん患者さんの予後がはっきり分からないというような問題点もありましたが、まさに、全国規模のマイナンバー制度を活用して、今医政局長が答えにくかった部分のトレースも、患者さん、いわゆるレシピエントのトレースもできると思いますので、そのことも、貴重なドナーの方の思い、そしてお互いがお互いを支え合う社会、それを構築する意味でふさわしいと思いますが、大臣、医療DXの利活用の展開の中で、こういったことも今後ありとお考えでしょうか。

加藤国務大臣 医療DXそのものはしっかり進めさせていただきたいと思います。

 その中で、今委員お話があった、日本骨髄バンクや臍帯血バンクへのドナー登録の関係について、マイナンバー情報を使うということであります。

 マイナンバー情報と連携することで、例えば、ドナーの方が住所変更してもその後しっかり連携できるといったメリットは確かにあると思いますが、他方で、マイナンバーと情報連携を行う場合には、マイナンバー法においてやれる事務が決まっておりますから、現在は造血幹細胞の移植に関する事務はその対象になっていないということ、それからもう一つは、実施主体は国や地方公共団体の行政事務を処理する者とされており、日本骨髄バンクは公益財団法人ということでありますから、そもそもその対象になっていない、こういった法的な課題、さらには、マイナンバーの厳格な管理等の運用上の課題もあると考えており、関係省庁とよく連携していく必要があるものと考えております。

仁木委員 重ねて、大臣、レシピエント、移植を受けた患者さんの予後というか、そのトレースにもデジタルを活用していただきたいということを提言したいと思います。

 今日、私、お手元に資料を配付しましたが、これは、令和三年度のJ―LIS、地方公共団体情報システム機構の決算書にも値しますが、デジタル行政を推進していく上で、ベンダーロックイン現象に象徴されるように、やはりベンダーとの、あるいは情報を扱う主体との関係です。

 アンダーラインで引いているところは、自治体及び、例えば日本年金機構、あるいは健康保険組合の方も問題になっていますが、社会保険診療報酬支払基金というのを通じていろいろな、J―LISの方に患者さん、いわゆる個人情報、国民の情報を確認した上で、それでそういう支払い等々に活用しているわけでございますけれども、この価格が適正なのかどうか、これはしっかりこれから見ていかなければ、ビッグスリーと言われる、例えば、ベンダーの方々は、もちろん国民のために頑張っていただいていると思いますが、私が大臣にこのことに関して質問したいのは、まず、適正かどうかを見抜く力というのも、そういったシステムに、ベンダー事業をお願いしているこういうJ―LISの職員であるとか担当者であるとか、それはこれから培っていかなきゃいけないと思います。

 それと、もう一点は、これは本当に、維持費もいろいろ高騰して、例えば電子カルテもこれからどんどん普及してきますけれども、診療報酬にもICT、いわゆるデジタルを回していくだけの財源の確保、具体的に言うと診療報酬等々になってくるのかもしれませんが、そういった議論が薄いような気がします。

 大臣、ここで、今日はいろいろ質問が膨らみ過ぎますので、このJ―LISに関して、いわゆる日本年金機構も、社会保険診療報酬支払基金にしましても、厚労省の所管するそういう機構、機関でございますので、やはりその適正化、これを常にベンダー、あるいはJ―LISを通じてベンダーでこういった料金設定をする方々にも、しっかりとしたタフなネゴシエーションというか交渉をしていくべきだと思いますが、これは国民のメリットですから、そうしないと負担が膨らむ一方ですので、それを大臣、通告していますので、お答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 日本年金機構では、J―LISに対する照会を通じて、年金受給権者、被保険者の異動情報を確認することにより、年金受給権者、被保険者の氏名や住所の変更届、死亡届の省略などを行っており、その際、手数料をJ―LISに支払っております。

 また、健康保険組合のほか、医療保険者においては、新規加入者データを医療保険者中間サーバーに登録する際、資格取得届に個人番号の記載がない場合の個人番号の照会を行っており、その手数料については、医療保険者が照会件数に応じて負担し、社会保険診療報酬支払基金、これからJ―LISに支払いが行われているところであります。

 J―LISの照会の手数料については、住民基本台帳法に基づき、総務大臣の認可を受けてJ―LISが適正な額を定めているというふうに承知をしているところでございます。

 したがって、ちょっと、ベンダーとか何かはこれはもうJ―LISの中の話だと思いますので、我々としてはそれについて適正な金額として出されたものをお払いをさせていただいておりますが、例えば、日本年金機構のように大量に利用するといった場合には一定の手数料の引下げは行っていただいているというふうに考えております。

 いずれにしても、両方とも保険料によって賄われているわけでありますから、様々な事務経費について、その効率化を引き続き図っていかなければならないと考えています。

仁木委員 今後とも、料金価格の交渉を含めた、その辺のことは、国民の顔を常に意識した形で進めていっていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

三ッ林委員長 次に、共生社会の実現を推進するための認知症基本法案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 本案は、我が国における急速な高齢化の進展に伴い認知症の人が増加している現状等に鑑み、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、もって認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現を推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、認知症施策は、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営むことができるようにすること等を基本理念として行われなければならないこと。

 第二に、認知症施策に関する国、地方公共団体、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者、日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスを提供する事業者並びに国民の責務を明らかにすること。

 第三に、政府は、認知症施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないこと。

 第四に、政府は、認知症施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、認知症施策推進基本計画を策定しなければならないこと。また、都道府県は都道府県認知症施策推進計画を、市町村は市町村認知症施策推進計画を策定するよう努めなければならないこと。

 第五に、国及び地方公共団体は、認知症の人に関する国民の理解の増進、認知症の人の生活におけるバリアフリー化の推進、認知症の人の社会参加の機会の確保、認知症の人の意思決定の支援及び権利利益の保護、保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備、相談体制の整備、研究等の推進、認知症の予防等の基本的施策を講ずるものとすること。

 第六に、認知症施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする認知症施策推進本部を置くこととし、同本部は、認知症施策推進基本計画の案の作成及び実施の推進に関する事務等をつかさどること。

 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 共生社会の実現を推進するための認知症基本法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

三ッ林委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を共生社会の実現を推進するための認知症基本法案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

三ッ林委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三ッ林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十七分散会


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