第16号 令和6年4月24日(水曜日)
令和六年四月二十四日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 新谷 正義君
理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
理事 橋本 岳君 理事 三谷 英弘君
理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
秋葉 賢也君 畦元 将吾君
上田 英俊君 勝目 康君
金子 容三君 川崎ひでと君
菅家 一郎君 小森 卓郎君
塩崎 彰久君 鈴木 英敬君
田所 嘉徳君 田畑 裕明君
田村 憲久君 高階恵美子君
高木 啓君 中川 貴元君
中谷 真一君 仁木 博文君
堀内 詔子君 本田 太郎君
三ッ林裕巳君 柳本 顕君
山本 左近君 吉田 真次君
阿部 知子君 堤 かなめ君
西村智奈美君 屋良 朝博君
山井 和則君 柚木 道義君
吉田 統彦君 早稲田ゆき君
一谷勇一郎君 遠藤 良太君
岬 麻紀君 福重 隆浩君
吉田久美子君 宮本 徹君
田中 健君 福島 伸享君
…………………………………
議員 柚木 道義君
議員 井坂 信彦君
厚生労働大臣 武見 敬三君
内閣府副大臣 工藤 彰三君
厚生労働副大臣 宮崎 政久君
厚生労働大臣政務官 塩崎 彰久君
厚生労働大臣政務官 三浦 靖君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 黒瀬 敏文君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 高橋 宏治君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 浅沼 一成君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 山田 雅彦君
政府参考人
(厚生労働省雇用環境・均等局長) 堀井奈津子君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 辺見 聡君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 間 隆一郎君
政府参考人
(厚生労働省政策統括官) 鹿沼 均君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 井上誠一郎君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
勝目 康君 中川 貴元君
鈴木 英敬君 小森 卓郎君
本田 太郎君 高木 啓君
三ッ林裕巳君 菅家 一郎君
大西 健介君 屋良 朝博君
同日
辞任 補欠選任
菅家 一郎君 三ッ林裕巳君
小森 卓郎君 鈴木 英敬君
高木 啓君 本田 太郎君
中川 貴元君 勝目 康君
屋良 朝博君 大西 健介君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案(柚木道義君外八名提出、衆法第六号)
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(柚木道義君外八名提出、衆法第七号)
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○新谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案並びに柚木道義君外八名提出、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案審査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君、長官官房審議官高橋宏治君、厚生労働省医政局長浅沼一成君、職業安定局長山田雅彦君、雇用環境・均等局長堀井奈津子君、社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君、老健局長間隆一郎君、政策統括官鹿沼均君、経済産業省大臣官房審議官井上誠一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○新谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉田統彦君。
○吉田(統)委員 おはようございます。立憲民主党の吉田統彦でございます。
本日は、育児・介護休業法の質疑ということで、早速始めさせていただきたいと思います。
ちょっと、さっき大臣と雑談をしていたんですけれども、大臣は本当に正義感の強い立派な大臣で、すばらしいなと本当に思いました。内容は余り言いませんけれども、私も質疑で何回かやっていますアンジェスという、本当に、株発行会社になってしまっていて、国にべったりで、ちょっとお金もうけをしているように見える、そういったところに関して、大臣が何をおっしゃったかは何も言いませんけれども、大臣の御発言というのはすごい立派だなと私は本当に感激をして、こういった正義の味方が大臣をやっていただいているのは本当にすばらしい。
皆さん、内容を聞きたくなると思いますけれども、オフレコなのでちょっと申し上げませんが、本当に皆さん、聞かれると、これは本当に、だから今回の小林製薬の問題なんかもしっかり多分対応してくれると思いまして、本当に心強く思った次第で、冒頭それを申し上げて、始めたいと思います。内容は、また今度、レクした上で。
私は、今月の十一日に、衆議院本会議で武見厚生労働大臣に質問させていただきました、本法案に関して。しかし、大臣の御答弁が、限られた時間ですから不十分であったり、あるいは関連して深くもう一度お話をするべき内容もあったので、その辺りを中心に、また、並行して審議される立憲民主党提出の議員立法についても質問をさせていただきます。
まず、正規、非正規等労働条件や職種により取得のしやすさに格差がある点でございます。
本法案の趣旨である、男女共に仕事と育児、介護を両立できるようにするため、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充というのは非常に大事であります。この法案の趣旨に反対する人はいないと思います。厚生労働省が、子育てしやすい社会をどうつくればいいのかという課題に対して、制度を整えようとしている法案だと思います。
本会議で、この問題に対し武見大臣は、令和三年の改正育児・介護休業法により、引き続き雇用された期間が一年以上の要件を廃止し、取得の要件を緩和することで、育児休業等をより取得しやすくすることとしましたと答弁した上で、両立支援等の助成金で、育児休業を取得しやすい環境整備に取り組む事業者への支援などを行うと答弁しました。しかし、それだけでは実現はなかなか難しいと思います。
正規の、例えば、事務職も大変忙しいんですが、事務職などであると比較的、育児・介護休暇が取得しやすい場合もある一方で、本会議で申し上げたエッセンシャルワーカーのような方々、例えば外科医であれば、手術の代替というのはなかなか簡単にできることではないですし、介護職であれば、そもそも人手不足ですね、大臣。ですので、取得が非常に困難であります。また、逆に、取得をすることによって、事業体、つまり事業そのものに非常に大きな影響を与えるわけであります。医師の働き方改革が始まった医療関係でも同様に、取得そのものが困難です、大臣。
一方で、成果型の職種、本会議でも例に出しましたPhD等の研究者、特に理系の研究者は、成果を出さなければポストを得ることができず、職を失うことになりかねない。
この点は、ちょうど昨日、四月二十三日の十六時十七分配信のプレジデントオンライン、「「妻子と三人暮らしで月給三十六万円、ボーナス・手当なし」子どもの人気職業「研究者」の知られざる経済事情」でも、研究者、理系の研究者の実態が結構赤裸々に書かれていまして、本当に、子供の憧れの仕事である研究者がそう簡単に、なりわいとするのが難しいことがよく分かります。是非、大臣も、お時間、お忙しいと思いますが、見ていただきたいと思います。
また、非正規の方も、制度的には取得可能であっても、心情的にはまだまだ、育児・介護休暇を取ることで職を失うのではないかなどと不安を与える環境になっているのもまた事実です。この中には、就職氷河期世代で恵まれない条件下で働いている方も同様であります。
このような方々は、育児・介護休暇の制度を行政が幾ら整備してくださっても、職場環境そのものを変えなければ、育児・介護休暇の取得が難しい状況は全く変わりがないわけであります。本法案では、労働条件や環境による取得のしやすさにより大きな格差が生じてしまうおそれもあるのではないかと私は思います。
例えば、介護職であれば慢性的な人手不足を解消するような、成果型の職場であれば常勤雇用の拡大とか、そういった雇用政策全体を含めた総合的な施策を行う必要があると考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 基本的に吉田委員の御指摘については考え方は一にするもので、雇用形態、職種にかかわらず、男女が希望に応じて仕事と育児、介護を両立できるような職場環境をいかに整備していくか、これに基づいて、令和三年から既に、育児・介護休業法の改正をして、そして、有期雇用労働者についての育児休業の取得要件のうち、事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者という要件を撤廃したことに加えて、それから、有期雇用労働者を、要件を満たせば育児休業を取得できることの周知を徹底すること、それから、育児休業を取得した労働者の代替要員を新規に雇い入れた場合などに支給される両立支援等助成金において、有期雇用労働者が育児休業を取得した場合の加算措置を設けることなど、いろいろやってきているわけであります。
業種や職種ごと、それぞれの状況に応じて対応も必要でありますけれども、労働条件や職種ごとに業務の内容や業務の代替のしやすさなどが異なっているということがあることから、職種などごとの支援措置も活用しながら、実態に応じて育児・介護休業を取得しやすい職場環境整備を、厚生労働省としても、これをとにかく促進し、そしてまた今回の法改正についても周知徹底させるということが必要であると考えております。
○吉田(統)委員 ちょっと医療のお話をさせていただきたいんですが、田村大臣が予算委員会、当時ですね、医学部の定員をこれから減らしますよとおっしゃった。
確かに、考えてみると、私、第二次ベビーブームのときなので、二百二十万人、三十万人と、橋本筆頭も同じ世代ですよね、子供が生まれていた時代の定員が大体七千人、私のときは七千数百人だったと思います。今は九千人を超えていますよね。生まれてくる子供が七十五万人なわけじゃないですか。そうすると、よく考えると、百人に一人医者になる時代になっている。あるいはもっと高い比率でなる。
大臣、先ほど、今大臣のお話の中で、代替要員、本当に雇用できるなら雇用したいですよね、介護も医師も。ただ、医者を増やしても、ちょっと、それが悪いとまでは言わないんですが、研修医を終わるや否や美容外科に、美容整形に行ってしまったり、やはり、ちょっとそういうことが増えていますよね。ですから、そういった総合的な環境整備をしながら、医師の働き方改革がある中でやっていかないと、なかなか難しいと思います。
特に、外科は今もう絶滅危惧種ですので。昔は、外科、内科というのは大半の医者がなったものですよね。ただ、今はもう圧倒的に。アメリカなんかは本当にそうなんですよ。救急とかおなかの外科は、移民ですよね。産婦人科とかも、やっているのは移民の医者でそこをカバーする。やはり成績優秀な医者は、どうですかね、脳神経外科、眼科、皮膚科とかに進むんですよね。これは、成績がいい子から自分の希望のところにおおむね行けるので。だから、ここはやはり政策として整えていくことで、今取り組んでいただいているところと並行して総合的な施策をますます進めていただかなきゃいけないと付言をさせていただきます。
次に、子育て側のみに配慮され、不公平感が生じていることで、特に育児をしている社員などの周辺の人員への配慮についてどうするかという問題に関して、大臣に確認していきたいと思います。
四月三日付のハフポストに、「「子持ち様」と呼ばれる子育て社員。企業の構造に問題は?不公平感を生まないために必要なこと」との記事が配信されています。その中で、二〇二三年十一月には、子持ち様がお子が高熱とか言って急に仕事休んでる、部署全員の仕事が今日一・三倍くらいになったという投稿がXで大きく拡散されました、子供の発熱で仕事を度々休む同僚への苦言と見られるが、X上では、休む人は要らない、会社の体制の問題などと賛否両論の議論を巻き起こしたと記載されています。
育児・介護休業法やその他の政府の施策、そして企業の努力によって育児休暇を取るハードルが下がった、これは大変すばらしいことであります。しかし、ある労働者がどんどん育児休暇を取得することによって、同じ職場で働くお子さんを持たない方などとどうしてもひずみが生じてきています。
本会議で、私は、根本的な問題は子育て側のみに配慮がされ不公平感が生じていることだと指摘した上で、例えば、ある企業は、育児休業を取得した社員の同僚全員に最大十万円の一時金を支給するという取組を行ったようですが、不公平感を生まないために政府として何らかの取組をすべきと考えますが、どのような取組を行うのかと大臣にさせていただきました。
これに対して大臣は、周囲の労働者との公平感に配慮しながら進めていく、職場全体として仕事と生活が両立しやすい職場環境を整備していくことが重要とした上で、育児休業等を利用する労働者の業務を代替する周囲の社員に応援手当を支給する中小企業主に対する助成を拡充するなど、職場環境の整備を進めることとしていますと答弁されました。
しかし、現実問題として、中小企業は例えば育児休業や看護休暇を簡単に取得すること自体が現状でもそもそも難しい状態であり、本課題に関しては、大臣、むしろ、現状でもそのような休暇を比較的取得しやすい大企業でこそ問題が生じている可能性があるのではないかと思います。本会議でも例示した同僚全員に最大十万円の一時金を支給するとした取組も、そのような、誰でも名前を聞けば知っているような大企業の話ですよね。職場での不公平感を感じている現状認識がちょっと政府と現場でずれているように感じたんですよね、私が今るる申し上げたように。
この子持ち様に対する認識を再度お聞きします。その上で、そのような問題を抱えている企業に対する対策を改めて詳しくお聞かせください。
○武見国務大臣 仕事と育児の両立支援制度の充実に当たりまして、今度は周囲の労働者との間の不公平感に配慮するというのはやはり物すごく難しい課題であると認識しております。したがって、職場全体として仕事と生活が両立しやすい職場環境をいかにして整備していくかということは、常に考えなければなりません。
そのため、育児休業などを利用する労働者の業務を代替する周囲の社員に応援手当を支給する中小企業事業主に対する助成をこれから拡充をしてまいりますし、職場環境の整備をその形で進めてまいります。
また、育児中かどうかにかかわらず、全ての労働者について労働時間の削減などの職場環境の整備を推進していくため、今回の法案では、次世代育成支援対策推進法の改正によりまして、大企業を含む事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務づけることとしております。
この数値目標等の設定を義務づけることとしていること、これによりまして、職場全体の環境整備が図られるようにしっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。
○吉田(統)委員 是非、本当に、行政が手を打ってもなかなかうまく進まないのは現実かと思いますが、ただ、だからといって、それをもちろんやっていただかなきゃいけないので、大臣、力強くそこはしっかりと進めていただければと思います。
それでは、次は、ちょっと、特に医療機関の中で働く方々のことを取り上げさせていただきます。
大臣も、本会議の答弁の中で、タスクシフトやタスクシェアの推進等の取組に対する助成措置を両立支援の中でも挙げておられましたね。
以前、私は、まあ私が政治家を志した理由はいろいろあるんですが、やはり二〇〇九年の政権交代の前、日本の医療は相当厳しい状況を迎えていました。医療崩壊と言われる状況。外科、産婦人科、小児科、救急、この医療が完全に崩壊をしようとしていました。私はアメリカから見ていましたが、ちょっと本当に、これはもう待ったなしの状態だなと思って見ておりました。そのとき、民主党政権に政権が替わったわけですが、私、そのときの質疑のときにも、タスクシフトを進めないと日本の医療は滅びるという指摘を申し上げたことがあります。
そこで、やはり医療クラーク、今でこそ当然ですが、医療クラークの予算は当時なかったですものね。ですから、一生懸命私も、下っ端の一年生議員でしたが、文科大臣、財務大臣とも一生懸命お話しさせていただいて、二十億円ぐらい最終的につけていただいて、これでがらっと変わりましたよね、あれで本当に、医局の雰囲気、大学の雰囲気。しかしながら、医療の現場でのタスクシフトはまだ十分に、大臣、進んでいません。
私が若い医師であった頃は、本当に夜中十二時ぐらいに保険の書類を書いていました、全ての業務が終わった後。これも余り例示としてはどうか分かりませんけれども、医師として三、四年目、大学院に入ったわけですが、入職して一年目の看護師さんが、大学というのは看護師さんの権限がなかなか強くて、当時はですよ、タスクシフトどころか、そんなの医者にやらせてくださいよとか何回も言われて。これが事実なんですよ。昔、かつていらっしゃった木村委員から、そんなことないと言われたことがありますけれども、これは事実で、木村委員が現場を知らなかったんじゃないかと、申し訳ないけれども、それは思います、あれはね。そういったのが大学病院の実態でありました。基本的に全て医者がやる。時代は変わりました。ただ、まだこういった状況は存在します。
例えば、大臣、これは本当に信じられないかもしれない、事実なんですが、中島さんも元外科医ですけれども、大学は、十年、十五年経験を積んできた一番働き盛りの外科医を、患者さんをオペ室に運ぶとき、オペ出しというんですけれども、こういうときに、一般病院だと看護師さんがオペ室まで、特に行きは何も普通は起こらないので連れていくんですが、これを全部、十年、十五年目のベテランの外科医がやるんですよ。まだ、いまだにそういうのが残っています。つまり、タスクシフトは進んできているんですが、やはり十分じゃない。
やはり、医師が精いっぱい患者さんのために診療できる、あるいは大学院であれば研究、その他教育もあります、これに邁進できるようにしていただかなきゃいけないんですよね。
大臣、その他、複数主治医制や医師の派遣の支援なども大臣に答弁していただきました。これは本当にありがたいことなんですが、必要な施策です、もちろん必要な施策。ただ、これは逆に、四月から働き方改革で、やはり現場はかなり派遣が滞ってきているわけであります。これから更にそういった意味で医師の代替が利きづらい状況が出てくる中で、本当にこれは進められるのか、しっかり取得できるのかということは、やはり疑問符がつきます。
複数主治医制は、やはり、大臣がお詳しいと思いますが、大体どこでも取っていますよ。今でも、それなりの規模の総合病院は全部、複数主治医制です。ネーベン、オーベンと、昔の言い方だとしますけれども、若手とベテランがついてということはやります。ただ、それでも、現状、育児・介護休暇を取得する上では、十分に機能させることはやはり難しいんですよね。大学医局からの医師の派遣支援も、やっていただきたいですが、それがそもそも今はできない状況になっていて、地方の中核病院が困っているんですよね。本当に今もまたぎりぎりの状況で。さっき申し上げた理由もあります。医師がなかなか大変な、特に中核の診療科に残ってくれない、やはり、どうしても、ワーク・ライフ・バランスとかを考えながら診療科を選ぶなどということも大きな要因なんです。
その中で、今私がるる前提で申し上げたことを理解した上で、もう一度、医療機関の中で働く方々の育児・介護休暇の取得と育児、介護の支援を行っていくかを聞きたいんですが、これは医政局長。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
我が国の医師は、医師の献身的な長時間労働によって支えられてきた側面がございました。こうした状況を踏まえますと、医師の働き方改革を推進して、育児・介護休暇の取得を促進するためには、医療現場の考え方そのものを含めた抜本的な対応を行っていく必要があると考えております。
厚生労働省におきましては、医師の育児・介護休暇取得に向け、タスクシフト・シェアや複数主治医制の導入等の勤務環境改善に向けた体制整備に対する財政支援や、労務管理の専門家等による個別相談支援を実施しているところでございます。
加えまして、医師派遣に対する財政支援の大幅な上乗せを行っているほか、百以上の医療機関の好事例の周知や特集サイトの設置といった国民向けの広報など、様々な取組を行っているところでございます。
とりわけなんですが、医療機関の管理者の意識、院長先生だとか医局長とか、そういった方々が意識を変えることがまず重要ではないかというふうに思っておりまして、管理者等に対する研修も計百五十回以上開催しているところでございます。
議員御指摘のように、医療・介護分野における育児・介護休業の取得は、その業務の性質上難しい側面もあるかもしれませんが、様々な取組を重層的に実施することで勤務環境の改善や取得しやすい環境整備をまずは進めていきたいと考えております。
○吉田(統)委員 是非頑張っていただいて。ただ、本当に、医師を増やしても。もうかなり増えましたものね、医師の数自体は。しかし、さっき申し上げた、ちょっとそれが悪いとまでは言いませんけれども、本当に、研修医を終わってすぐ美容に行かれるとか、なかなか、ここ、方向性、義務づけるのは難しいと思います。実際、アメリカは、さっき申し上げた、成績順になるんですよね、結構。やはり、特にステップワンの成績、基礎医学の成績が悪いとなかなか希望の診療科に行けない。あるいは、あと、ステップスリーは実質、州ごとの免許になっていますよね。どんな優秀な教授でも、専門医の維持で実は結構大変なんですよ。日本は専門医の維持が割と簡単なんですけれども。
ただ、もう一つ、内科の専門医の取得が、やはりライフイベントが多い女性が専門医を取るのはかなり大変ですよね。逆にそこでドロップアウトしちゃう子もいると思いますので、そこは、ちょっと現状、何か、大臣、所感として思うこと、あるいは局長でも結構ですが、お答えを一言いただければ。
○武見国務大臣 大変重要な御指摘で、今、現状においてはやはり医師数を増やしていて、かつて、御指摘のように七千六百人弱ぐらいの卒業生のときから、今は九千二百人ぐらいいらっしゃる。これをしばらくは続けさせていただいて医師の数を増やすということをしたとしても、医師の偏在と診療科の偏在が今のような形で続く限りは、どこかで必ずひずみが生じて、こうした医師不足の問題というのが深刻化してくるというのはもう火を見るより明らかであります。
したがって、アメリカがやっているように、何らかの形で、新たにこうした診療科の偏在や医師の偏在の問題に取り組まないと現状はなかなか変えられない。したがって、相当私どもも覚悟を決めてこうした問題に取り組む必要性を認識しております。
○吉田(統)委員 本当に、大臣、「日曜討論」でもちょっと踏み込んだ発言をされていましたよね、大分。
私も今、ふと、大臣や局長と議論していて思ったんですけれども、逆に言うと、自由診療をやるハードル、ハードルというか、自由診療こそ実は行政の目が届きにくくて、リスクがあるんですよ。やはり事故が起こりますよね、局長。逆に、自由診療をする上でも、医師の何らかの規制や資格、自由診療をやっていくことに対する許可。だって、保険診療は保険医じゃないとできないわけですよね、自由診療は今誰でもできてしまうんですが、逆に言うと、ここに関しても一定の規制や歯止めをかけるべきじゃないですか。局長、どうですか。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘の点、私も大変危惧をしているところでございます。
美容医療を中心とする自由診療のところを、今まで厚生労働省もしっかりと意思表示をしてきた過去があったわけではないというふうに、私も担当局長としては深く反省をしているところでございます。
そうした状況を踏まえまして、議員御指摘のとおり、特に昨今の美容医療、美容外科というところに少しやはりメスを入れていくことが必要ではないかというふうに考えておりまして、医政局の中でもこれは大きな課題として捉えているところでございます。
今後、私どもの方で、どのような体制で検討を進めていくか考えていきたいと思っております。
○吉田(統)委員 非常に大事な答弁をいただきましたね。よかったと思います。
引き続き、ちょっと時間がないので簡潔にいきますが、医師不足、介護スタッフ不足、看護職も不足している。そこで、実は、ちょっと悪い言い方ですが、暗躍をしてくるのが人材紹介業者で、法外に高い人材紹介料を取るんですよね。
特に、私は、従前から、医師、看護師、介護、保育、こういった国家資格者を中心に、紹介料に関しては一定程度制限をかけて、原資が税金であるということですので、一定の、やはりここも歯止めを利かせなきゃいけないんじゃないかと再三国会で、委員会の場で提案をしているんですが、そこに関してやはり少しメスを入れておかないと、今後もますます高騰すると思います、医師の働き方改革で。
ますます高騰するので、ここは、対策をされるというような発言も役所からいただいていますが、どうするのか、ちょっと明確に、簡潔に、具体的にお願いできますでしょうか。役所でも結構です。
○山田政府参考人 お答えいたします。
医療や介護の現場で人材確保が切実な問題であることや、紹介手数料への負担感があることは十分認識しております。
一方で、紹介手数料に上限規制を設けるということをした場合には、丁寧なマッチングを行っている適正な事業者からの人材供給にも一律に影響が及び、病院、介護施設等の人材確保に支障が生じかねないということはあります。
このため、厚労省では、そういう上限規制ということとは別のアプローチとして、特に、医療・介護分野においては、丁寧なマッチングを行う事業者を認定する適正事業者認定制度、これはユーザー側の人たちにも入ってもらってやっております。あと、紹介事業者からの報告を基に、各職種における平均手数料や徴収額ごとの分布について地域ブロック別に取りまとめて公表している。あと、ユーザー側が一定の条件を入れていただくと紹介事業者を検索できるような仕組みも設けております。それから、いわゆる就職お祝い金を使った転職勧奨の禁止、それから、法令遵守を事業者に徹底させる、そういったことをするために、今、集中的指導監督というのを全国の労働局で行っております。
これらの取組と併せて、ハローワークの機能強化も図っております。
その上で、今後の更なる取組については、集中的指導監督は速やかに完了させようと思っていますが、その取組の実施結果と、そもそも、有料職業紹介事業に係る課題等を踏まえて、次なる対応がどういうことができるかというのは検討してまいりたいと思います。
○吉田(統)委員 何かちょっと、それでは不十分じゃないかなと正直思います。やはり規制をかけないと駄目だと思いますよ。医療機関や様々な介護施設、保育施設も、背に腹を代えられなくてお願いするわけですよ。誰もそんなところに本当は頼みたくないんですよ、高いから。だけれども、やむなく頼むので、そこはやはり、本当にこれは足下を見てやっているわけですから、もう少しきつい、厳しい指導、規制をかけていただきたいなと思います。まあ、頑張っていらっしゃると思います。今、大分変わりましたよね。前は、何もやりませんとおっしゃっていましたからね、この場でもね。民のことなのでどうのこうのとね、ちょっと正確な文言は忘れちゃいましたけれども。だから、進んでいますよ。進んでいますけれども、より一層ちょっと頑張ってください。またやりますので。
じゃ、衆法について、もう時間がなくなっちゃったので、やりたいと思います。
立憲民主党提出の二法案は、今回の介護報酬改定で基本報酬を引き下げられた訪問介護事業者に対する緊急支援のための法案と、介護、障害福祉における人材確保のために処遇改善を図るためのものであり、内閣提出の、仕事と育児、介護の両立支援の拡充を図ることを目的とした育児・介護休業法改正案との直接的な関連は余りないようにも思われます。今回、内閣提出法律案との一括審議を希望した理由は何でしょうか。お伺いします。
○柚木議員 お答え申し上げます。
ちょっと早口で恐縮ですが、閣法の育介法の目的は、仕事と育児、介護の両立支援を図り、育児、介護を理由に離職せざるを得なくなる方を減らすことであると理解はしておりますが、この目的達成のためには、閣法のように労働者の職場環境を改善することに加えまして、まさに、保育や介護サービスの提供体制を確保して、必要な方が必要なサービスを利用できるようにすることが非常に重要と。直近十年間でも、二百九十一万人、介護しながら働いている人が三百六十四万人へと、七十四万人増えています。そういったことで、やはり車の両輪として進めていくことが必要であると思いまして。
昨日の参考人の皆様方の意見陳述でも、例えば、子育てと違う点で、介護はいつ終わるか分からない、そして、結局それが介護離職につながってしまう可能性がある、そういったことのないようにしていくことが非常に重要だということを強調されておられました。
是非、全産業平均との月収の差も縮小しなければなりませんし、ビジネスケアラー発生による九兆円の経済損失というような指摘もある中で、やはり、今後、労働者不足が懸念され、高齢者人口も増加する中で、介護離職により労働力を失うことが企業にとっても社会にとっても大きな損失。結局、介護離職をした方への調査でも、仕事を辞めなければよかったという方が非常に多かったことも昨日の意見陳述でもあったところでございます。
そこで、介護サービスの提供体制を確保することによって、介護崩壊、介護離職を防ぎ、全ての家庭における仕事と介護の両立を支援するためにこの二法案を提出をしておるところで、一括審議をお願いしたところでございます。
○吉田(統)委員 引き続き、昨日の参考人質疑で、日本介護クラフトユニオンの村上参考人から、今回の訪問介護に関する基本報酬引下げを受け、倒産する事業所の増加や今後の人材確保への懸念が示されていました。一方、先週の本委員会での議論では、報酬の引上げだけで、現在の介護、障害福祉に関する問題が全て解決されるわけではないとの指摘もあったところです。
そこで、人手不足が指摘されて久しい介護、障害福祉分野の現在の窮状について、どのような課題があると衆法提出者は考えておられるのですか、御見解をお伺いするとともに、そのような課題に対し今回の法案が対応できているのか、できているのであればどのように対応しているのか、併せてお示しください。
○井坂議員 御質問ありがとうございます。
介護、障害福祉分野の課題は様々ありますが、人手不足は特に深刻であると認識しております。昨年の訪問介護の倒産件数が過去最高であったり、有効求人倍率が十五倍を超えていたりという現状がございます。
人手不足の要因については、先日も議論があったセクハラやパワハラの問題など、こうした給与以外の面もあるとは承知しておりますが、やはり、他業種の従事者との賃金の格差が最大の要因であると考えております。
そこで、本法案では、他業種との賃金格差を埋める第一歩として、賃金を改善するための措置を講ずる、介護、障害福祉従事者の賃金を他業種の平均的な賃金と同程度のものとするための方策について検討することを内容とする処遇改善法案を提出をさせていただいております。
セクハラ、パワハラ問題への対応は、この処遇改善法案において、事業者に、介護従事者の適切な就業環境を維持する努力義務、それから、国と地方公共団体に、就業環境の維持に関する国民の理解を深める努力義務も定めたところであります。
昨日の日本介護クラフトユニオン村上参考人の発言では、令和六年度の介護報酬改定で訪問介護事業の基本報酬が引き下げられたことにより、事業所の統廃合や給与の引下げも視野に入れなければいけないというような法人の紹介もありました。
そこで、今回の訪問介護緊急支援法案も併せて提出をいたしまして、訪問介護事業者に対して支援金を支給することで、これ以上の介護崩壊を防止し、労働者が家族の介護に直面しても離職することなく介護保険サービスを十分活用して仕事を続けられるようにすることを考えております。
以上です。
○吉田(統)委員 ありがとうございました。
では、大臣にまた。
大臣、ちょっと通告していないので、アンジェスのことは聞かない方がいいですかね、ワクチンとか。やめた方がいいですね。また次回にそれはさせていただくことにして、じゃ、大臣、簡潔に、もうあと数分ですので。
今回、保育がやはり経営透明化ということをかなり進めるということになっていますよね。私は、医療も医療法人というのがあります、保育も透明化するということで、やはり、調剤やあるいは介護、この分野の透明化ということは非常に重要なんじゃないかと思います。これは経営のですね、あと、人件費がどれくらいちゃんと適正に使われているのかも含めて。
私は、もっと言うと、やはり、原資は税金、調剤なんてもうほぼ医療と同じなわけですから、本当は、調剤は調剤法人とかそういった法人格をつくる、あるいは介護も介護法人とかそういう法人格をつくることによって透明化をきっちりやっていくということも、いや、別に法人じゃなくてもいいんですよ、とにかく透明化をしていく。
だって、大臣、今の医薬分業というのは、大臣は本当にすごく見識があるのでお伺いしますけれども、うまくいっていないですよね。当初想定した医薬分業じゃないですよね、今のは。
本当に、はっきり言って、申し訳ないけれども、我々が処方しても、全部じゃないですよ、すごく一生懸命やっているすばらしい薬局もあるけれども、一部は、一番もうかる、一番安く仕入れられるやつに替えちゃったり、を処方したり。じゃ、逆に言うと、医者はもう説明しなくていいのか、医薬分業だから、全部、薬のことは薬局に聞いてと僕らは言っちゃってもいいのかということなんですよ。難しいですよ、それは。やはり彼らは医者に聞きます。薬剤師さんに聞かないです。
だから、それも含めて、そういった調剤、やはり、明らかに調剤というのは、大臣、すごく、今、今というか、ちょっと適正化してくださいましたけれども、やはり収益を一部のところに集中してしまっている部分もあります。調剤や介護、保育も含めた、こういったところの経営の透明化、そして、本当に、働く、一生懸命現場で向き合っている人に対してしっかり人件費が払われるようにすべきだと考えますが、大臣、ここはお答えをお願いしたいんですが。
○武見国務大臣 透明化というのは決定的に重要な要素で、実際に、そのために、デジタル化を通じて数量化ができるような制度設計をやはりきちんとつくっていって、その中で透明化がきちんと確認をできるようにしておくということが、私はやはり、まず、今現在の我が国の医薬分業を含めて、その在り方を適正化するときの大前提条件になっているんじゃないかなという気もいたします。
したがって、あとは、その中でしっかりと議論をさせていただいて、どのように再整備をすればそうした透明化を踏まえた最も好ましい医薬分業の形に地域医療というものを持っていくことが可能か、こうした考え方を取るべきではないかなと思います。
○吉田(統)委員 時間が来たので終わりますが、大臣、デジタルより先に透明化だと思います、やはり。デジタルも大事ですけれども、先に透明化してやっていかないとやはりいけないと思います。
また議論したいと思います。ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、堤かなめ君。
○堤委員 おはようございます。立憲民主党の堤かなめです。
立憲民主党は、チルドレンファーストの下、社会全体で子供の育ちを応援し、誰もが個性と能力を十分発揮できるジェンダー平等社会の実現を目指す政党です。少子化対策としてもチルドレンファーストとジェンダー平等が重要であるという立場から、以下、質問させていただきます。
今回の法改正は、育児休業や介護休業などを取りやすくしたり、短時間制勤務など柔軟な働き方ができるようにする制度を拡充するものであり、一定評価しております。しかし、そもそも、育児や介護などのケアと仕事の両立を図る制度である両立支援制度では、今の日本社会が抱える問題の全てを解決できるとは思いません。
例えば、昨日の参考人質疑で山口慎太郎教授が指摘されておりましたように、たとえ制度が充実しても、女性がマミートラックに押し込められてしまうという課題が残されています。直近の統計では、育児休業取得率は、女性では八〇・二%、およそ八割、これに対し、男性では一七・三%、およそ二割で、大きな開きがあります。山口教授は、男性が取得しやすい制度が重要と提言されていました。
例えば、スウェーデンでは、子供が八歳になるまで、両親合わせて四百八十日もの育休を取れるんですけれども、そのうち九十日はもう一方の親に割り当てられ、この九十日は、もしもう一方の親が取らなければ権利を失う、つまり、双方の親が育児に関わるように誘導する、そういう制度、仕組みができています。このような制度も大胆に導入すべきであると考えます。
またさらに、問題は、正規で働く方々は両立支援制度を利用しやすいけれども、非正規で働く方々は利用できない、また、大企業で働く方々は利用しやすいけれども、中小企業で働く方々は利用しにくいといった課題もまだ残されていると思いますけれども、この点について、どう改善するのか、お聞かせください。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今、堤委員から御指摘がございましたが、まず、企業規模に関してでございますけれども、中小企業で働く労働者の両立支援を進める、これは大変重要な課題だと考えております。そして、これは、中小企業にとっては、負担だけではなくて、中小企業の人材の確保や定着にもつながるものだというふうに考えております。一方で、代替要員の確保が困難となったり周囲の労働者の業務負担が増加をする、このような場合もございますので、事業主にとっても大きな課題であるというふうに考えております。
このため、令和六年一月から、両立支援等助成金の中に育休中等業務代替支援コースを新設をいたしまして、育児休業中の労働者の業務を代替する周囲の労働者に対して中小企業事業主が手当を支給する場合などの助成措置を大幅に強化をしたところでございます。また、労務管理の専門家から個別の相談支援などを無料で受けられる事業、こういったものも実施をしておるところでございます。
また、もう一点、堤委員から御指摘がございましたが、正規雇用、非正規雇用の関係で申し上げますと、雇用形態にかかわらず、男女が希望に応じて仕事と育児を両立をしやすい環境整備、これが大変重要というふうに考えております。
そして、厚生労働省といたしましては、有期雇用労働者の方も希望に応じて育児休業の取得が可能というふうになるように、有期雇用労働者も要件を満たせば育児休業を取得をできる、このようなことの周知を徹底をすることに加えまして、両立支援等助成金の育休中等業務代替支援コース、先ほど申し上げたコースでございますが、この中で、有期雇用労働者が育児休業を取得した場合の加算措置を設けております。
このような取組を通じまして、引き続き、有期雇用労働者を含めて、雇用形態にかかわらずに育児休業を取得しやすい職場環境の整備に取り組んでまいりたいと存じます。
○堤委員 堀井局長、ありがとうございます。是非、引き続き力強く取組をお願いします。
でも、雇用者全体のうち非正規雇用はおよそ四割ですけれども、非正規雇用全体のうち、女性がおよそ七割も占めています。また、育休を取ったものの復帰できずに辞めてしまう女性や、復帰できても職場になじめずに、先ほど吉田統彦議員からもありましたけれども、やはり周りの理解が得られないというようなこともあって辞めてしまう女性がまだまだ多いという状況です。
こういう状況の中、日本では、女性全体の生涯賃金は男性全体よりおよそ一億円も低いと言われておりますけれども、これに間違いはありませんでしょうか。また、男女の生涯賃金の違いは早期に解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○堀井政府参考人 男女の生涯賃金の試算に関しましてですが、例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構が、学校を卒業し、定年の六十歳までフルタイムの正社員として働いた場合に、生涯賃金の男女差が五千万円程度である、このような試算をしたものがあるというふうに承知をしております。
そしてまた、堤委員から御指摘がございました男女の賃金差異の関係でいいますと、こうした賃金差異、生涯賃金の男女差の要因といたしましては、就労期における男女間の賃金差異が大きいことが考えられます。そして、この男女間賃金差異をなくしていくための取組といたしましては、令和四年七月に、女性活躍推進法に基づきまして、従業員三百一人以上の企業を対象に、その公表を義務化をしたということでございます。
そしてまた、賃金差異の主な要因といたしましては、女性の管理職比率が低い、そして、男性と比較して女性の平均勤続年数が短い、このようなことが考えられます。このため、希望する女性が、キャリア中断をすることなく、その個性や能力を生かして女性管理職として活躍するための環境整備が大変重要だと考えております。
その観点から、女性活躍推進法に基づいて、各企業の状況把握や課題分析を促し、その取組を推進をしていくとともに、女性のキャリア形成の障壁となっている性別役割分担意識の是正やアンコンシャスバイアスの解消を図るために、メンター制度の導入等についてマニュアルなどを作成し、女性管理者や、管理職を含む男性労働者、企業経営者などを対象とするセミナーを開催し、周知啓発を進めているところでございます。
このような取組を更に努めてまいりたいと考えております。
○堤委員 武見大臣、生涯賃金が上がれば、税収も増えますし、社会保険料の収入も増えるわけです。属性別の生涯賃金は、ジェンダー統計として、基礎統計として大変重要ではないか、女性全体、男性全体を比較して、大事だと思うんです。
通告しておりませんけれども、武見大臣、国際政治学者として国際的な事情にも詳しいと思います。日本の状況が男女間の賃金格差が大きいということは非常にいろいろなところで指摘されていると思います。フルタイム間の男女の賃金格差ではなく、非正規で働かざるを得ないという女性もいる状況から、それが全体として、女性全体、男性全体の賃金格差、生涯賃金が、これが一億円もある、そういった試算をしているところもありますので、是非政府として正式な試算を出すべきかと思いますけれども、御答弁をお願いいたします。
○武見国務大臣 我が国が、欧米の主要先進国と比べて、こうした男女の生涯賃金の格差というものが極めて大きいというのは事実であって、否定しようがございません。これをいかにして改善するかということに今まさに私どもは取り組もうとしているところでございます。
その中で、今回の法改正のみならず、一連のこうした、女性参画の新たな法律もでき、そして男女の雇用の平等に関わる法律もでき、そして実際に、今度は、育児をするときにも男性の方がきちんとここに参画をして、そして女性とともに共育てをするという新たな法律の枠組みをつくり、そして、それによって共に男女が働きやすい、自分の希望する職場で働くことができる。その中で、当然に能力に応じて、女性については幹部の役員としても大いに発展していただいて、それによって給与というのは確実に今度上がっていくわけでありますから、やはりそういう平等な立場で男女が職場で仕事ができるようにしていくことが大事だと思います。
○堤委員 賃金格差を是正するということは非常に大事だと思います。そのためには、やはりベースラインデータとして実態を正確に把握して、その推移がどうなるかを見るべき。EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの初歩中の初歩ではないかと思います。何も難しいことではないと思います。やはり全体として生涯賃金が男女でどう変わっていくのか、それは是非試算をして、ちゃんと公表していただきたい、そして推移を見ていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、保育園については、待機児童問題が完全には解消しているとは言えませんけれども、私たち野党も求め続けまして、ようやく全国的にかなり整備が進んでまいりました。
しかし、今、切実な問題になっているのは、子供が小一になるとぶつかる壁、小一の壁です。この委員会でもいろいろな方が小一の壁について言及されておられました。しかし、現に、小一の壁という、高い、これをどう解消するかということが大事だと思うんですけれども、それについてはこの後に質問させていただきたいと思いますが、今現在ある小一の壁、これがある以上、まず、せめて子供が小学校三年になるまで、短時間勤務、残業時間規制、テレワークなど柔軟な働き方ができるように延長すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○三浦大臣政務官 お答えいたします。
御質問なされました柔軟な働き方を実現するための措置の対象となる子の年齢の延長につきましては、一点目、育児・介護休業法は、企業の大小の規模にかかわらず全ての事業主に適用される基準であるということ、また二点目に、柔軟な働き方を実現する措置を利用する子育て中の者と、その方が担当していた業務を代替する周囲の方との不公平感が生じないように配慮する必要がある、この点におきまして、いろいろ考え、小学校就学前までの子を対象年齢としたところでございます。
○堤委員 昨日の参考人質疑でも、かなりの方が、やはりなかなか、小さい低学年の子供、この子供たちを置いて働くというのは非常に厳しいということで、延長を求める声がすごく多かったと思うんですね。そういう声をしっかりと聞いていただきたいと思いますので、今後の改善を期待しております。
また、今、我が国はどの職場も人手不足で困っています。そんな中で、ケア労働のために休みやすい制度、柔軟な働き方ができる制度をつくっても、なかなかそれが難しいということで、ケア労働を社会全体で支える仕組みをつくり、育児離職や介護離職を防ぐということは、ますます深刻になっている人手不足の解消というだけではなく、やはり、さっき述べましたように、税金や社会保険料の担い手を増やすという意味でも重要かと思います。
地元でケアマネジャーとして働いている高校の同窓生に、介護の現場の状況を教えていただきました。武見大臣、是非聞いてください。
働く仲間がどんどん減っていき、結局、サービスが足りなくなって、報酬のないケアマネが緊急時は対応せざるを得ない、そしてケアマネも疲弊していなくなるという負のスパイラルとなっています。介護は待ったなしの場面が多いだけに、誰かがやらないといけません。いい仕事をする小さな事業所が淘汰されて、日本の介護が静かに崩壊してしまう、そんなことを感じています。本当に訪問介護が大切と思っているなら、今回のようなマイナス改定にならないのではないでしょうか。
特に在宅介護チームは、公的施設に入れば介護保険を逆に圧迫してしまうことが分かっているだけに、在宅で一日でも長く過ごせるように、ヘルパーさんや看護師さんを中心に生活を支えています。
武見厚労大臣は、今回の報酬改定で、きちんとチェックした上で了承したのかどうか、官僚任せにせずに、省庁の代表者としてしっかりと改定内容の把握をしているのかなとも思いますということです。
武見大臣、通告しておりませんが、現場の声、どのように受け止めていただけましたでしょうか。
○武見国務大臣 限られた財源の中で、実際に収益率がやはりどうしても高いというのが訪問介護の場合には目立ちました。実際に、施設介護の多くがマイナスであるのに対して、七・幾つというような極めて高い収支差率がありました。
しかし、その中で、小規模の、特に地方で従事しておられる訪問介護事業者というのがやはり厳しい赤字の中にあって、実際に、人件費の引上げということについても非常に難しい課題を抱えておられるということでございました。
したがって、全体のバランスを取るために基本料の引下げはさせていただきましたけれども、必要とされる賃上げ分については、今までと違って、加算の仕方を徹底的に簡素化して、そしてその率を大幅に拡大をさせて、それによって、実際に、小規模事業者等の方々にとっては持続可能な形を少しでも応援させていただくという考え方で今回の改正をさせていただいたという経緯がございます。
○堤委員 処遇改善、頑張ってくださったということですけれども、事業所が倒産してしまうとそもそも払えなくなりますので、その辺りもよく考えていただきたいと思います。
昨日の参考人からも、また我が党の委員からも再三指摘しておりますけれども、正規雇用の拡大、長時間労働を是正する働き方改革、保育や学童、介護の充実などによって育児離職や介護離職を防ぐこと、社会全体、地域全体で子供の育ちを支える思い切った政策が必要だと思います。
にもかかわらず、現政権は、介護離職につながりかねない政策、来年度の介護報酬を改定し、人手不足の訪問介護事業者の更なる離職や、小規模の訪問介護事業所が倒産しかねない政策を実行しようとしているわけです。その上、保育や介護の現場で働くエッセンシャルワーカーの方々の処遇改善には極めて消極的で、まだ不十分だと言わざるを得ません。
立憲民主党は既に、小規模の訪問介護事業者への緊急支援を行う法案に加え、介護と障害福祉事業者の処遇を更に改善する法案も提出しております。全ての委員の皆様に是非御賛同いただきたいと思っております。
次に、小一の壁についてお聞きします。
資料の一を御覧ください。小一の壁打破、首相、喫緊の課題というタイトルの新聞記事でございます。
小一の壁、まず、都市部での待機児童、これもまだ、新聞にもありますように、一万五千人に上るということで、解消されておりません。そのほかに、三つの壁があると言われています。時間の壁、人数の壁、広さの壁の三つです。
一点目に、時間の壁についてです。
保育園では朝七時から預かってくれるんですけれども、小学校に上がるとそれはなく、この時間の壁を解消しようと、大阪府豊中市ではこの四月から市立小学校三十九校全てで、早く、午前七時に校門を開けて、登校時間まで児童を体育館などで見守る事業を始めています。
共働き、一人親の御家庭の方は、通勤のため、朝七時頃、家を出なくてはいけないという方はかなり多いのではないかと思います。こういった家庭では、小一、小二といった低学年の子供が一人で家で出かける準備をして、家の鍵を閉めて、家に、行けるか心配だということだと思います。そのため、朝、親御さんと一緒に家を出るわけです。でも、朝の八時にしか校門が開かなければ、子供は学校の門の前で三十分近く待たなければならない。豊中市では、そういう子供が何人かいたため、朝七時からの学童保育を始めたということです。
しかも、既に長時間労働の先生方の負担にならないよう、教育委員会の責任で実施するため、年間約七千万円かかるとのことです。つまり、自治体によって、財政的にゆとりがあるところとそうでないところで、この仕組みをつくれるところとつくれないところが出てきてしまいます。
したがって、国として、小一の壁を解消する取組を行う自治体に財政支援などをすべきかと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
今先生の方から、放課後児童クラブの開所時間の延長、特に朝の延長というようなお話がございました。
私どもといたしましては、開所時間に対して補助をしておるところでございますが、専ら夕方の延長のところに集中しているというところがございます。ただ、学校の長期休暇中における開所時間、これが一日八時間を超える事業所、これは朝に前倒ししてというのもあり得ると思うんですが、こういったところについては長時間開所加算の補助を行っているというのが現状でございます。
○堤委員 次に、広さと時間の壁についてです。
次の資料二を御覧ください。放課後、すし詰めの子供たちというタイトル、見出しがついております。
下線を引いております1のところです。狭い空間に多くの子供が詰め込まれ、重大事故も相次ぐなど質の低下も大きな課題と記されていますけれども、学童保育での重大事故、年間どのくらい起きているのか、教えてください。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
私ども、毎年、放課後児童クラブで発生した事故件数を捕捉してございますが、取り方といたしまして、三十日以上の加療を要するけが等を重大事故として報告をいただいております。
この報告によりますと、平成四年中に発生した重大事故、五百六十五件ということでございまして、前年に比べて九十件の増加という状況になっておるという状況でございます。
○堤委員 重大事故が五百六十五件、九十件増加ということで、やはりすごく心配だと思います。
私も、先日、地元の学童保育のところに視察に伺わせていただきました。多分、何か所か行ったことがありますけれども、全国的に見ると比較的恵まれた環境にある、ログハウスで木のぬくもりがして、いい環境にあるんですけれども、その日、たまたま雨の日だったということもありますが、子供たちがかなりぎゅうぎゅうに、本当にすし詰めという感じがしました。
一時間ほど滞在していろいろなお話を聞きましたけれども、子供たちの声がざわざわがやがやしていて、その音だけで私は一時間で疲れてしまう。本当に指導員の方々には敬服いたします。そして、狭い階段を上ったり上がったりする子もいますし、指導員の方々はもちろん細心の注意を払って見守ってくださっているんですけれども、もしもっと子供の数が増えれば、事故の危険性があるなというふうに感じました。
国は、二〇一四年、十年前に、質の確保のため、省令で学童保育について、一クラス四十人、一人当たりおおむね一・六五平米、これは畳一畳ぐらいになりますが、そういう設置基準を定めたということです。しかし、この新聞記事の2のところにもありますが、国の基準に法的拘束力はないということです。その結果、下線部3にありますように、全体の四割もの学童で国の基準の四十人を超えているということです。
そこで、お伺いします。
広さやクラスの人数について、義務化など法的拘束力を持たせるか、あるいは、基準をクリアした自治体に補助金を上乗せするなど、インセンティブを与えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
今先生から御紹介がありましたとおり、放課後児童クラブに関する基準、これは地方自治体が参酌すべき基準として国の方で定めておるということでございます。
この趣旨といたしましては、放課後児童クラブ事業の実施主体が市町村であることも踏まえまして、全国一律ではなく、自治体の責任と判断により質の確保を図った上で、運営形態が極めて多様という、地域の実情に応じて事業運営を行うことを可能にするためということでございまして、これを先生がおっしゃるように義務化するというところについては、なかなか現状では困難ではないかというふうに考えてございます。
先生の方から補助をというようなお話もございましたけれども、こども家庭庁といたしましては、国が定める基準、参酌基準を踏まえて各自治体が条例等によって適切に基準を定めた上で、その自治体の基準を満たして設置されているところに対しては補助を行っておるというのが現状でございます。
○堤委員 今、自治体が運営主体だから自治体の判断に任せるということでしたけれども、保育園もやはり自治体が運営主体だと思うんですけれども、こちらは義務化されていると思うんですが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
広さにつきましてでございますけれども、待機児童が今全国で一・六万人いるということで、その解消を図ることが喫緊の課題になっているということでございますので、国といたしましては、まずは場の確保というのを早急に進めていきたい。その意味で、地方が柔軟に設定できる基準を、参酌基準として、面積基準も含めて今お示しをしているというところでございます。
○堤委員 ちょっと先ほどの答弁と矛盾していると思いますけれども、広さの壁も、人数の壁も、やはり私は早く取り払うべきだと思います。事故だけではなく、子供たちの育ちもとても心配です。
視察させていただいた学童も、限界ぎりぎりの広さだと思いました。夏休みはこれからもっと増えると聞いて、頭がくらくらする思いでした。学校がある間は、放課後は、習い事に行ったり、家で一人で過ごしたりできても、夏休みなどの学校の長期休暇は、一人で一日中家にいるというのはやはり親として心配だということで、お昼御飯も自分で食べなくちゃいけないということになりますし、子供を学童に預ける人が増えるということです。
夏休みは、朝から夕方まで、一日の大半を学童で過ごすことになります。雨の日ですとか暑い日中は、外で遊ぶことができませんから、室内でぎゅうぎゅうのすし詰めの状態で長時間過ごさなければなりません。なぜこんなに貧弱な環境しか子供たちに提供しないのか、これがずっと続いているわけで、不思議で仕方がありません……
○新谷委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
○堤委員 分かりました。
北欧など、本当にゆとりがある状況になっております。「しあわせな放課後の時間」という本なども出ております。本当に放課後が幸せな時間というふうに親も子供たちも思えるように、是非御尽力をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
質問を終わります。
○新谷委員長 次に、岬麻紀君。
○岬委員 皆様、おはようございます。お疲れさまでございます。日本維新の会、岬麻紀でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、まず、出産はしないが、今後の男性の育児、家事の参画の仕方によりまして、夫婦の在り方、また働き方、そして家族の在り方にも、それは、日本の未来の姿、また風土にも影響をもたらすと考える大きなことでございます、今日は、パパという存在に注目をして質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
今回の法改正案には、企業側への育児休業の取得状況の公表義務の拡大であるとか、取得状況の状況把握、数値目標の設定が義務づけられます。これは、作用によっては形骸的な育児休業、いわゆる見せかけ育休になりかねないのではないかと感じています。これは、やっている感だけでなく、実際に、皆様方の働き方改革、若しくは企業側の働かせ方改革にしていかなくてはいけません。
育児休業の取得状況の公表義務の対象は広がりました。これは一日の取得でもカウントがされます。実際に、必要な人が希望する期間を権利としてきちんと取得できるのか。また、取らなくてもいいんだと言っている人に、無理やり取らされてしまう、若しくは取ったかのようにされてしまうこともあるのではないでしょうか。認識と、この課題についてどのようにお考えでしょうか。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今御指摘がございましたように、例えば、労働者が育児休業を本来は希望していないのに企業から取得をさせられるとか、そのようなことというのは、本来のところではないというふうに考えております。
育児・介護休業法は、そもそも、男女が共に希望する形で仕事と育児を両立をさせることを支援をするということを目的、目指しているというところでございますので、さらには、育児休業は、希望する期間に取得できる労働者の権利であるということでございます。したがって、その取得の有無やその期間というのは労働者本人の判断によるということではございます。
ただ一方で、厚生労働省が行ったアンケート調査によりますと、育児休業を取得した男性の正社員について、約二割が、当初の希望よりもその期間が短かったという回答をしております。また、約四%が希望より期間が長かった、このような回答もございます。
このようなことを踏まえまして、本人の希望に応じてきちんと育児休業が取れるように、特に、先生から男性のというお話がございましたが、様々な形で育児休業の制度を、労働者のみならず、企業、様々な関係者に周知をする、このようなことを進めてまいりたいと考えております。
〔委員長退席、大串(正)委員長代理着席〕
○岬委員 ありがとうございます。
やはり、過不足なく適正に、取りたいときに取らせてもらえる、そういった風土改革も必要だと感じています。
さらに、共働き世帯の一日での平均家事、育児の時間を調べてみますと、新聞記事にもありましたが、女性は六時間三十二分が平均です。一方、男性になりますと一時間五十七分、約二時間程度ということで、三倍以上の違いがあるのだなということが数字でも見て取れます。
これはやはり、取っていただく、見せかけなんというのは言語道断ですけれども、今度は、取るだけ育休にならないようにしていかなくてはいけないのではないかと感じています。ここはとても大事なことで、男性が育休を取る、そして家事や育児を担っていく、これは、主体的な育休であれば、男性が取り過ぎるということは決してないのではないでしょうか。
また、逆を言いますと、女性の取り過ぎというのは大変危険であると感じています。マミートラックに陥ってしまう危険があるのではないかということが、昨日の参考人の方からの意見でもございました。ここがどうしてもすぐには変えられない、誰もがとらわれてしまっている、先ほど御答弁にもありましたが、アンコンシャスバイアスというような無意識の役割固定というかそういった意識が、きっと誰にでも、恐らく私どもも、女性だから育児をしなくてはいけない、きちんと家事をしなくてはいけないと自分自身で自分を追い込んでしまっていく、そんなスパイラルもあるのではないかという心配がございます。
この辺りはどのようにお考えでしょうか。副大臣、よろしければお願いします。
○宮崎副大臣 御指摘のとおり、男性が育休を取ったら、体の大きいのが家に一人いることになったとか、御飯はまだかとか言い始めると、余計手がかかるのが増えただけじゃないかということになりますと育児、家事の負担の軽減につながらないということで、まさに御指摘のとおり、取るだけ育休ということにならないようにすることは極めて重要だと思っております。
このため、男性が育児休業中にしっかりと育児に向き合うことができるように後押しをするためにも、企業版両親学級の推進などによって、男性の意識改革というものに取り組んでいるところでございます。
また、男性の育児休業につきましては、希望する期間を取得できるような環境整備に取り組んでいくことが極めて重要だと思っておりまして、この期間についての取組としましては、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画において、男性の育児休業取得期間に関する目標が設定されることが望ましいという旨を指針にお示しするとともに、くるみん認定の基準において、男性の育児休業取得期間の延伸に関わるものを設けまして、取得期間の延伸を促進することとしているところです。
男女が共に希望に応じて仕事と育児をしっかり両立できるように取り組んでいくことが重要だと考えております。
○岬委員 今、御自身の言葉で御答弁いただき、本当にありがとうございます。
まさにおっしゃっていただいたとおり、取ってくれたはいいけれども家でごろごろしている、もうかえって手間がかかって、いない方がいい、昨日の私ども日本維新の会の遠藤議員も話がありましたけれども、こういうところから夫婦の不和が生じてきてしまうという危険があります。
当然ながら、女性は、妊娠や出産、そして時間とともに身体変化、そして心理的な変化ももちろん日々していくわけですね。そして、それに伴って、お仕事をしていれば当然、社会的な急激な変化も、変わって、自身の中でいや応なく母親としての自覚であるとか心構えが十か月を通して行われていきます。一方、男性は、自分自身の体の変化が起きるわけではありませんので、なかなか父親としての自覚であるとか覚悟というものが醸成されていかないのではないかと思われます。
よく、今までは、仕事をしていれば男性側の役割を果たしているんだ、そう思われていた時代も当然ありました。しかし、これからはやはり、夫婦が連携ができる、ここで信頼感をしっかりと構築できるか若しくはそうではないかによりまして、知らず知らず夫婦の中での葛藤が始まると思われます。
これを、産後クライシスという言葉でも当てはまるように、出産から子供が二歳ぐらいまでの間に夫婦間が急激に冷え込んでいく現象のことをいいますが、この期間をどのように夫婦の中で連携してきちんと過ごしていくかによって、一生の夫婦の関係性にも影響があるのではないかと考えます。
厚労省の母子世帯調査によりますと、一人親になった時期で最も多いのが、子供がゼロ歳から二歳の時期が二九・一%あります。次が、三歳から五歳の時期、これが二二・八%と言われています。以前は、亭主元気で留守がいいという言葉が随分聞かれています、副大臣も笑っていらっしゃいますけれども。これからは、時代も変わりまして、男性が在宅ワーク、また看護休暇であるとか育児休業をしっかりと取得をして、夫婦関係の悪化を防いでいかなくてはいけません。
この辺りも含めて、どのようにお考えでしょうか。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今、岬委員から御指摘がございましたが、育児休業を男性が取って自宅にいる、自宅にいることで夫婦間でいろいろな状況が生じる、そのような御指摘だったと思います。
それで、様々な夫婦あるいは様々な家庭、いろいろな状況があるのではないかというふうに考えるんですが、一点、育児休業の関係で今御指摘があった中で、産後、特に女性が出産した直後に非常に心身共に参ってしまって産後うつになったり、そういったときに男性が育児休業を取ってそばに寄り添うことで、かなりその後の夫婦の間の関係性ですとかいろいろなところにいい効果があったというお話を聞いたことがございます。
それで、令和三年に育児・介護休業法を改正をしまして、いわゆる産後パパ育休ということで、通常の育児休業よりもより取得のしやすい手続の見直しなどを行うことで、そのような状況にも応えていけるようにというふうにしております。
ですので、できるだけ制度として整える、そしてまた、その制度をちゃんと使っていただけるように周知をきちんとする、あわせて、そのときに制度の趣旨ですとかいろいろな好事例なども併せてお伝えすることで、制度が実のあるような形で使っていただけるように、そういったことに努めてまいりたいと思います。
○岬委員 まさに、産後のパパ育休というのは、女性側はもう疲労こんぱいしているわけですよね。にもかかわらず、睡眠不足で二時間、三時間置きに授乳をさせる。これは前回も申し上げましたけれども、その間は、是非とも、それ以外のときはお母さんはしっかりと休養を取っていただく、そして男性側はしっかりとそこで支えていただく、そういった仕組みがまずはきちんと確立されることが必要であると思います。
それからまた、女性側も、男性がせっかくやってくれたことを、これはこうじゃないだとか、こんなふうでは違うんだと言ってやり直しをしてしまったり、完璧を求めてしまうという女性も、日々の習慣の中で、私のやり方にこだわり過ぎてしまうという側面もありますので、男性側にやっていただく場合は介入し過ぎない、ある程度お任せをするというような、そういった女性側の寛容さもこれから求められていくと感じています。
それから、昨日参考人からもアドバイスがありましたけれども、同じ時期に同じように取るのではなくて、きちんと女性側が取る、そして男性側が時間差できちんと取るということで、どちらかがきちんと取っていくという、バッティングしないような取り方の工夫ということもこれからは非常に重要なのではないかと感じました。
それでは、次に、障害児であるとか、医療的なケアが必要になるというお子さんがいます、この方々に対しての両立支援の必要性、取組、まだまだ手薄であるという声がありますが、この辺りはいかがでしょうか。
○堀井政府参考人 障害のある子を育てる方々も含めまして、男女が共に自身のキャリアを諦めることなく仕事と育児を両立できる環境、これを整備をしていくことというのは大変重要だというふうに考えております。
今回の法案の中では、子育て世代の共働き、共育てを推進する中で、子に障害がある場合など、子や家庭の様々な事情に対応できるように、労働者からの仕事と育児の両立に関する個別の意向の確認とその意向への配慮を事業主に義務づけをするということにしております。
加えまして、事業主が個別の意向を配慮するに当たり、更に望ましい対応といたしまして、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合であって希望するときには、短時間勤務制度や子の看護休暇制度などの利用可能期間を延長することなどを指針でお示しをすることとしております。
具体的な内容につきましては、今後、審議会における御議論も踏まえて検討をさせていただきたいと思いますが、障害のある子を育てる方々も含めての両立支援を進めてまいりたいと考えております。
○岬委員 健常児はもちろん大変ですけれども、さらに、障害を持っているお子さん、若しくは医療的なケアを必要としているお子さんをお持ちの親御さんのお気持ちになったら、非常に不安とそして葛藤があり、若しくは、自分自身を責めてしまう、そんな親御さんもいらっしゃいます。
昨日の参考人の方も、障害児を育てながら働いているというお話もありました。そのときにはやはり両親がそろって、サポートがお互いにないと無理だったというお声もあります。また、私の友人も、障害を負ったお子さんをお持ちのお父さん、お母さんがいらっしゃいますけれども、やはりみんなと足並みをそろえて小学校に入るということも難しい場合があります。そういったサポートであるとかケアですね、そういったお子さんをお持ちの方々がしっかりと肯定的な気持ちを持って、子育てに自信を持って進んでいけるようなサポートも是非ともお願いしたいと切に思います。
次に、子供を育てていて一番困るとき、どんなときでしょうか。それぞれ皆さん考えてみてください。私は、突然電話がかかってくると、そこに、小学校だったり保育園だったりすると、どきっとするんですね。また何が起こったんだろうと思うわけです。やはり、アンケートによっても、お子さんの突発的な発熱であるとか体調不良、けがをした、こういったときの電話が一番困るということなんです。
そこで頼りになるのが、一つが病児保育所だと思いますが、調べてみますと、受入れにはかなり制約が大きくて、実際使いたいと思ったときに使いづらさというものがあります。
例えば、事前の登録が必要である、知らずに行ってしまって、困っているのに、そうか、登録がない、予約がないから見てもらえない、どうしたらいいんだろうと右往左往してしまいます。次に、病状の確認が必要であることや、また診療の証明も必要です。さらに、処方のお薬を持参しなくてはいけないといったような、かなり、すぐに見てほしいのにすぐには見てもらえない、結局自分自身が見る羽目になる。
もちろん、親御さんが見る環境が整っていれば、それに勝るものはありません。親御さんも安心です。何よりも子供が、病児保育の役割というのは、病児だから預かるではなくて、子供の精神面、いかに不安をなくしてあげられるかという部分は非常に重要だと思います。
この使いづらさ、その改善点、そして課題はどのようにお考えでしょうか。
〔大串(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
病児保育事業でございますけれども、働く親の方々が安心して子育てができる環境整備につなげるためには非常に重要な事業だと考えておりますが、御指摘のとおり、利用に当たっては、病気の子供を安全にお預かりするためということではあるわけですけれども、あらかじめ医療機関に受診をしておく必要がございますし、また子供の病歴等の診療情報を事前に登録をしておく必要があるということもございまして、大変手続が煩雑だというお声を私どもも受けているところでございます。
こうした手続につきましては、病気の子供の安全な保育のために必要ではあると考えておりますが、手続の簡略化はできる限りやっていく必要があると考えてございます。そのために、例えばなんですけれども、オンラインで病歴等の事前登録とか予約ができるICT化といったものも進めていきたいと考えてございまして、例えば、必要なシステムの導入経費の補助等も行っているところでございます。ただ、もっともっとこの件数を増やしていきたいというふうにも考えているところでございます。
また、あと、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援というのをやってございますが、そもそも、病児保育とか病後児保育、こういったものについて、聞いたことはあるけれども、システムについてとか、また開所時間も含めてよく知らないとか、そんな、そもそも周知が不十分だというところもございますので、実は、今申し上げた伴走型相談支援の一環として、市町村では子育てサービスなどを記した子育てガイドのようなものを出しているということが多いんですけれども、かつ、それに対しては私どもとしても補助金を出して支援をしているわけですが、そちらの内容にも病児保育等についての申込みの仕方とか、どんな手続が必要かといったことも記載をしていただいて、できる限り混乱が生じないようにしていきたいと考えております。
こうしたICT化とか周知広報、こういったことが非常にまずは重要だと考えておりますので、我々としては、努力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
○岬委員 いろいろな対策はされていることが分かりました。しかし、デジタル化に伴って、ICTであるとかオンラインでというようなお話もありましたけれども、では、その事前に登録しておくというタイミングというのはすごく重要だと思うんですよね。
であれば、例えばですけれども、妊娠期の両親学級であるとかママさん教室とかパパさん教室とかそういったときに、妊娠期から、生まれたら突発的に熱が出ることが多々あるんだよ、こんなときどうするというような、そういったところからの周知を図っていくというような、習慣化というかそういうものも必要じゃないかと思うんですね。やはり、こういうものがある、こんな便利なこともあると言われても、では、それはいつやるのということが重要だと思いますので。
やはり、その情報も、積極的に取りに行ける方と、言われても、ガイドブックを渡されても見ない人も多いと思いますので、それは、皆さんが一律に同じ情報をきちんと入手してそれに登録ができる、そういったタイミングをつくっていただくことも重要ではないかと思います。
ちょっと調べてみますと、一歳児がやはり最も多いと言われています。そして、二歳、三歳、四歳と徐々に減っていくわけですね。なので、生まれてすぐ、いろいろな生活様式、自分のスタイルも変わっていく中でのお子さんの発熱が多いわけですから、やはり妊娠期のうちからシステムを整えていくというのが重要であろうと。
さらに、一回当たりの利用日数ですけれども、一日若しくは二日が大半でございます。そうすると、いざ預けたいと思っているときに預かってもらえないと、結局、あっという間に熱は下がってしまって、子供はけろっと元気に走り回っているという状態になってしまいますので、やはり、リアルタイムに預けられる、そういったことが重要ではないかと感じております。
一方で、病児保育施設側にも課題がございます。六四%が運営収支が赤字であるということ、その原因が人件費であるということなんです。
調べてみますと、予約をする、例えば、一日目に何とか預かっていただけた、そうなったときに、大体、親御さんは、次の日も心配なので次の日も予約をします。ですが、次の日になると、先ほど申し上げたように、子供は元気に走り回って、熱も下がっている。そうなると、親御さんは、もう大丈夫かなということでキャンセルをする。このキャンセルの割合も、三分の一強あるようなんですね。そうすると、人材の配置であるとか、無駄も生じてきます。しかし、キャンセル料というものは多くは取っていないようなんです。
その辺りの施設側へのケアであるとか対策はどのようにされているんでしょうか。
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
病児保育事業でございますけれども、病気の子供を預かるという事業の性格上、今御指摘もございましたように、翌朝に病状が回復したことから当日になってキャンセルが生じるといったケースがよくございます。そういったこともあって、利用児童数の変動が大きくて、その安定的な運営を確保することが大変重要な課題になっているというのが現状でございます。
このため、特にキャンセルということに着目をしまして、令和五年度、昨年度から、当日キャンセルがあった場合であっても、受入れ体制を、人件費等もかかってまいりますので、確保をして、キャンセルをした家庭への状況確認等を行っているといったことを評価して、運営費に一定の加算といったものを始めてございます。
また、利用児童の体調の急変とか、又は逆に軽快をする、よくなるというような変動が大きいことを踏まえまして、病児保育施設の安定的な運営に資するように、例えば、運営費の中でも固定的な経費があるわけでございますので、そういった部分に着目をして、基本分の単価の引上げを本年度からさせていただいたところでございます。
こうした対応によって引き続き安定的な事業運営が図れるように支援をしていくとともに、こうしたことが、逆に言うと、利用者にとっても気兼ねなく利用できる環境にもつながりますので、そのようなことを続けてまいりたいというふうに考えてございます。
○岬委員 ありがとうございます。
やはり、最も困るとき、いざというときにどんな制度があるのか、そしてそれを国民皆さんが知っている、そして利用ができる、そこまでいってこその制度の活用だと思いますので、是非よろしくお願いします。
そして、もう少し。この病児保育所というものは、大きく分けると、幾つかの分類がされるんですが、まず一つが、保育所に併設がされているというもの、そしてもう一つが、医療機関に併設されているものというものがございます。
それぞれ利点があったり弱点があったりするわけですが、保育所併設ですと、受入れの病状の制約が大きいこと、また、医師であるとか看護師といった専門の方がいないという不安があるということが挙げられます。ですから、利用実績に乏しいという施設が多いようです。
次に、医療機関に併設をされている病児保育ですと、人件費が賄えずに赤字で大変だという施設が多いということ、さらに、必要性が高いと言われているにもかかわらず、赤字なのでなかなか施設が増えていかないというジレンマがあるようですが、この辺り。
そして、医療と保育というすみ分けといいますか、違いがはっきりと利用者側は分かりません。ここはどういった特色のある病児保育なのか、それによって自身の預けるお子さんの病状ですとか様子によっても変わってくるかと思いますが、その辺りはどのようにお考えで、対策をされていますか。
○黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。
今、病児保育にも二つの種類があるよねという御指摘をいただきました。病院、診療所に設置をしているケースですとか、保育所で実施をしているケースといったものが典型的にあるわけでございます。
病院や診療所、まあ、メリデメと言ったらあれなんですけれども、特徴がありますし、またそれぞれの苦労する面もあるわけでございます。
一部については今御紹介もいただいたわけでございますけれども、例えば病院や診療所で病児保育事業を行う場合というのは、回復期に至らない子供であっても、まだ病気の真っ最中の子供ということですけれども、併設する医療機関の医師の診断の下で速やかに保育を行うことができるといったようなメリットもございますし、また一方で、子供にとってはふだん通い慣れた場所ではありませんので、慣れるまでに不安を感じやすいといったデメリットもあるかと考えてございます。
一方で、保育所の方で実施する場合でございますけれども、今と反対ということになるわけですが、ふだん通い慣れた場所ということで子供が安心して過ごせるというメリットはございますけれども、反対に、回復期に至らない子供については、一旦診察したお医者さんから連絡票をいただいて、保育所でそれを確認してから保育を行うといったような、手続面で若干煩雑になってくるといったこともございます。
いずれにしましても、利用者、利用する保護者の方にとって、地域にどのような病児保育施設があるのかそもそも分かりにくいところがあると思いますので、情報提供していくことが必要だと考えていまして、先ほどICT化といったようなことも申し上げましたけれども、この一環で、例えば、その地域にどういった病児保育施設があるのかといったことを地図上で表示して特徴が示せるようなそんなものも、先ほどのICTの一環で、そういう基本情報の一覧できるようなシステムですけれども、そういったものも応援をしてございます。
そういったことですとか、あと、先ほど御指摘もいただきましたが、そもそも、母子保健全般に関する情報の発信を、単に、自分で取りに来てくださいということではなくて、よりプッシュ型といいますか、そういう形で、最近アプリ等も民間の方でも非常に発展をしてきていますので、そういったところと協力をしながら積極的に情報を発信して届くようにするということが大事だと思っておりますので、その中に、時機、タイムリーな情報を病児保育についても届くような状況にしていくということが我々の目指すべき方向かなというふうに考えてございます。
○岬委員 御丁寧にありがとうございます。
是非、住んでいる場所、お勤め先に近いところで使いやすく、いざというときのサポートになるようによろしくお願いいたします。
多くの質問が残っておりますが、また次回にさせていただきます。
本日もありがとうございました。
○新谷委員長 次に、遠藤良太君。
○遠藤(良)委員 日本維新の会の遠藤良太でございます。
私からは代替要員の確保についてまず質問をしていきたいと思うんですけれども、ずっとこれは議論されていると思います、今回の法案質疑の中で。
今、現状、厚労省の方の調査では、育休を取得して代替要員が補充できているかということの調査によると、八割の企業が代替要員は補充できていないんだということなんですけれども、今回、厚労省は、新規に雇用した場合には助成金が出るんだということで、助成金で対応するという答弁もされていたと思います。
人材不足が今後ますます進んでいく中で、事業継続が難しくなってくる、そして、そういう意味であれば、事業規模を大きくしてどんどん集約型にしていって、事業を拡大していって、代替要員が確保できる、そういう体制にしていった方がむしろ生産性が高まっていくんじゃないかというふうにも考えられると思うんですけれども、その辺り、まずは質問したいと思います。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
今の遠藤委員の御指摘は、代替要員の確保の方策についての、一つの在り方についての御提言だというふうに受け止めて聞いておりました。
それで、企業、特に中小企業においては、育児休業、介護休業、その取得に伴う代替要員の確保というのは非常に重要で、取り組んでおられると思うんですが、そのやり方は企業によって様々であるというふうに考えております。
代表的には、新規雇用とか派遣労働者を受入れをする、そういったことで確保している、そういうやり方もあると思いますが、そもそも既存業務を見直しをする、それで職場のマネジメントを改善したり、生産性向上のための設備を導入することで職場全体の業務の効率化を図る、このようなアプローチをされているところもあると承知しています。
また、遠藤委員御指摘のように、企業の規模が大きいところは職場の中でカバーをする、そのようなやり方もあるかというふうに思っていまして、企業規模や業種など、職種などで様々なやり方があるのかなというふうに考えております。
厚生労働省といたしましては、これまで何度か助成金について御紹介をさせていただいたわけですけれども、助成金と併せまして、労務管理についての相談支援を行ったり、そういうアプローチの仕方もあるということで、無料の相談事業なども展開をしております。いろいろな企業の状況に合わせて対応していくということかと考えております。
○遠藤(良)委員 私は、今回、代替要員のところの問題意識としては、エッセンシャルワーカーということを委員会の中で質問してきたんですけれども、特に、とりわけ医療とか介護の領域の中で人員配置基準が決まっているものについては、事業所側が運営していくには人材を用意していかないといけない。
特に、今回立憲さんも訪問介護ということで法案を出されているんですけれども、僕個人的には、訪問介護事業所というのは、通常の箱型と比べると収益が出しやすいと思っています。要は、箱型、例えば老人ホームとかそういうデイサービスとかであれば、器材も用意しないといけないし、人員配置基準であらゆる人を配置していかないといけない。一方で、訪問介護事業所とかとなってくると、サービス提供責任者さえ配置していればどんどん人数は増やしていけますし、どちらかというと収益が高いモデルだというふうに感じるんです。
その中で、訪問介護事業所というよりも、むしろデイサービスとか、特にナースを配置しないといけないという要件のところというのは、現状としては、ナースがいなければ介護報酬請求はできない、こういう枠組みの中で介護保険制度の中にあるので、これは本当に大きな問題であって、ここをお尋ねしたいと思うんです。
今回、代替要員を確保していくのが難しいという中、これは分かっていると思うんですけれども、そこで、派遣に頼っているこういう事業所というのは、実際その助成金をどういうふうに取り扱っていったらいいのかというのをお尋ねしたいと思います。
○堀井政府参考人 先ほど来御紹介をさせていただいております両立支援等助成金の育休中等業務代替支援コースに関しましては、代替要員を確保した場合の助成に関しては、育児休業取得者が生じたことを受けて労働者を新規に雇い入れた場合のほかに、派遣労働者を新規に受け入れて対応した場合も支給対象としているところでございます。
したがいまして、育児休業取得者が専門性の高い業務を行っている等の事情によって新たな雇入れによる対応が難しいケースでありましても、助成金による支援をこういった形で受けるということも可能でございます。
このような助成金の内容につきましても、併せて周知を図っていきたいと思っております。
○遠藤(良)委員 ちょっとお尋ねしたいんですけれども、例えばデイサービスでナースが要件になっていると思うんですけれども、これを例えばデイサービスで常勤で働いているナースの人が育児休業を取ったとするじゃないですか、その場合、これはこの助成金の、それを外部から、例えば、派遣事業所に言って、ナースの人をそのデイサービスに派遣してもらう、これは助成対象になるのかどうか、いかがでしょう。
○堀井政府参考人 実は、助成金の支給対象になるかどうかというお尋ねは非常にお答えに苦慮するときもあるんですが、といいますのが、助成金の公正かつ公平な運用ということで、様々な要件を設定をされているということがございます。ですので、一概に、お尋ねの遠藤委員が想定されているようなケースが対象になりますとお答えできるかどうかというところはややお答えしにくい部分ではあるんですが、ただ一方で、先ほど申し上げましたように、派遣という形での代替、こういったものも助成金の射程に入っているということがございます。
ですので、今後、助成金の内容について、もし御活用を検討されているという事業主の方がいらっしゃいましたら、しかるべき部署、基本的には都道府県労働局になりますけれども、そういったところで丁寧に相談対応に乗らせていただきますし、また一方で、それぞれの業に伴います要件というのもあると思います。どういった人を配置をするか、その配置をした人についてどのような考え方で算定の基準となるか、そういったことも併せた形で各事業所において御活用をしていただければというふうに考えております。
○遠藤(良)委員 要は、問題意識としては、派遣ナースというのが派遣の金額がどんどん上がっているということも、この間、委員会でも一般質疑でさせていただいたんですけれども、これが要は経営の利益を逼迫していっているんだということが実際、現状、事業を経営する中で問題になっていると思います。
今、先ほどお答えいただきましたけれども、実際、代替要員を充てることで派遣の費用が全部相殺できるのであればこれは事業所側にとってはすごいメリットがあるというふうに思うんですが、代替要員をですね、する様々なコースがあると思うんですけれども、二〇二四年一月から育休中等業務代替支援コースを新設したんだということなんですけれども、これはまだ始まったばかりなものだと思うんですが、現状どういう状況なのか、お尋ねしたいと思います。
○堀井政府参考人 両立支援等助成金の育休中等業務代替支援コースにつきましては、今、遠藤委員御指摘がございましたように、令和六年一月一日以降ということで、この令和六年一月一日以降に利用を開始した育児休業等を対象としております。そして、原則、助成金の対象となる育児休業や短時間勤務制度の利用終了後に支給申請をしていただく仕組みというふうになっております。そのため、現時点ではほとんどの対象事案が支給申請をするタイミングには至っていないという状況でございまして、実際に支給に至ったという事案はまだ把握をしていないという状況ではございます。
ただ、この助成金につきましては、非常に関心も高く持っていただいておりまして、これまでも事業主向けの広報資料を作成をし、関係団体へ助成金制度に関する情報提供を行うなどの対応をしてきたところでございます。
助成金の活用によりまして、職場へ気兼ねなく育児休業を取得することができて、男女共に希望に応じて仕事と育児を両立することができるようにするために、引き続き助成金の周知に取り組んでまいりたいと存じます。
○遠藤(良)委員 先ほど来お話ししているように、事業所側にあらゆるこういう助成制度があって、そして代替要員で相殺できるのであれば事業所側の収益も改善していくというふうに考えますし、そこを是非とも厚労省としても各企業側にはそういう周知をしていくということが本当に重要であって、でなければ今のこの派遣に対する問題というのは解決できない状況があると思うんです。
その中で、ちょっと、次のテーマなんですけれども、今、厚労省としては、育休を取っている男性、どれぐらいあるのかということをお伺いしているんですけれども、結構進めているということで、国家公務員については先行していて、二五年度には八五%以上が一週間以上取得するための計画を策定するということなんですが、大臣にお尋ねしたいんですけれども、厚労省の男性の育休の現状、取得率であったりとか期間、またその内容についての御意見をお尋ねしたいと思います。
○武見国務大臣 厚生労働省における令和四年度の男性職員の育児休業取得率、九二・五%です。それから平均取得期間は一・八か月となっておりまして、前年度と比較して、取得率は一五%、平均取得期間は〇・一か月延びているところでございます。
これは、子供が生まれることが分かった段階で早期に育児休業の取得計画を提出してもらい、それから管理職などがその期間中の業務調整を行うなど、育児休業の取得促進に向けた取組の一つの成果であっただろうと思います。
育児休業を取得した男性職員からは、少ない時間の中で仕事をこなすため時間を効率的に使うようになった、それから、育児との両立の経験は管理職としての業務にプラスの影響があったといった声が上がっておりまして、復帰後の職務においてもよい影響があったというふうに思います。
そして、男性の育児休業取得促進、これは、男女共に希望に応じて仕事と育児を両立できる社会を実現するために有意義な取組であると考えておりますので、育児休業制度を所管する厚生労働省としても、これに全力で取り組んでいきたいと思います。
○遠藤(良)委員 かなり高い取得率だということだと思います。
中には、事前に聞くと、一日だけという方もいたりとか、一年以上という方もいるんだということで、平均すると大体一か月から二か月ぐらいということだと思います。
最近は、若い二十代とか三十代の方が、昨日の参考人質疑の中でも出ていましたけれども、ワーク・ライフ・バランスを重視していくんだということで、育休とか介護休業というのは労働者の権利であって、こういうものをますます重視していくんだと思うんです。
今回、法改正の中で、千人超えから三百人超えになったということで、今後、より少ない規模に適用していく、適用拡大していくという方向性でいいのか、その辺りの御所見をお伺いしたいと思います。
○堀井政府参考人 今回の法案におきましては、御指摘のように、育児・介護休業法による男性の育児休業取得率の公表義務の対象を、常時雇用する労働者数が三百人を超える事業主に拡大するということにしております。
この改正をする、拡大をするそもそもの育児休業の公表義務の趣旨でございますけれども、公表することで波及効果が見込まれる社会的影響力の大きい一定規模以上の企業に対して義務を課すということで、そもそも公表しております。
規模の小さい企業にとりましては、企業における公表等に係る事務負担があるということ、そして、育児休業の対象労働者がそもそも少ない場合があるということも考えられる、こういったことを考慮しまして、育児・介護休業法の公表義務の趣旨も踏まえまして、今回の法案においては、公表義務の対象となる事業主を三百人というふうな形で切っておるというところでございます。
今後につきましては、育児休業取得率の公表状況、そして公表したことによる効果など、こういったことを調査等を通じて把握をしていく、そして引き続き必要な対応を取っていくということと考えております。
○遠藤(良)委員 これは、千人のを公表していったのが令和五年ということだったと思うんですけれども、この短い期間で三百人にまた公表義務を変えたということなんですけれども。
要は、どんどんこういう公表義務をしていくことで、働く側の方がこれを見て、ああ、いい環境だなというふうに、どんどん採用につながっていって、採用される側の企業に対する評価が変わってくるんだということで、ますますこれを拡大していくことによって、事業主側のメリット、デメリットがあると思うんですけれども、これが進んでいくと企業にとっては淘汰されていく内容になっていくと思うんですが、その中で、どの程度、育休というのが望ましいのか、その辺りはいかがでしょう。
○堀井政府参考人 育児休業、どういう期間あるいはどのぐらいの率、取るのが望ましいのか、そのような御趣旨かと思います。特に育児休業期間に関しては、先ほど来も御質問、お尋ねがあったところではございます。
ただ、繰り返しになる部分もあるんですが、育児休業は男女問わず労働者が希望する期間で取得をできる労働者の権利ということでございますので、望ましい期間ということで、一概にこの期間と言うのはなかなか難しいところがございます。
ただ一方で、実際の調査などの結果を踏まえますと、取得をした男性正社員の二割が、当初希望したよりも短かったという回答をしたこともございましたので、実際に男性の育児休業の取得を促していくという取組と併せて、希望する期間を取得できるような環境整備に取り組んでいく、こういった方向の取組が必要かというふうに考えております。
○遠藤(良)委員 例えば、今、目標数値が、望ましいということなんですけれども、一定の期間ですね。参考になる数値があってもいいと思うんですよね、企業側が、これぐらいの期間を育休を取りますよと。さらに、そういう育休に対して、企業側は、採用される側にとって、様々な数字を公開していくことで、働く側も入社につながっていくということだと思うんですが。
一方で、先ほども岬麻紀議員からも指摘がありましたけれども、男性が育休を取ることによって、家に夫婦がいつも一緒におる、こうなったときに、あらゆる、別の弊害も出てくるということも考えられると思うんですけれども、この辺りの、出生率に関してそれが影響するのかどうか、引き下げる可能性もあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この辺り、いかがでしょう。
○堀井政府参考人 まず、二点、遠藤委員から今御指摘ございましたように、確かに、今回の法案の中で、育休の期間に関してでございますけれども、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主の行動計画におきまして、労働者の取得の実績や希望等を各企業が勘案をして、企業であれば自社の労働者の状況などをよく把握をできるわけですので、企業が男性の育児休業の取得期間に関する適切な目標を設定する、こういったことが望ましいということを指針で示していこうというふうに考えております。
そしてもう一点、男性の育児休業が進むことで夫婦あるいは少子化に与える影響というお尋ねがあったというふうに伺いました。
厚生労働省としましては、夫の家事、育児時間が長いほど妻の継続就業割合や第二子以降の出生割合が高い傾向にある、あとは、男性労働者の中には育児休業制度を利用したかったが実際には利用しなかった方もいる、このような調査結果を承知をしています。
こういったことを勘案しますと、男女とも希望に応じて仕事と育児を両立できる社会を実現する、そして男性の育児休業の取得を促進をしていくというのは大変重要かというふうに考えております。
ただ、取った結果、男性が育児休業の期間をどのように過ごすか、それが男性、女性双方に対してどういう影響を及ぼすか、そういう御指摘かというふうに承っていたんですが、やはり、子供を持つ労働者に対して、仕事と育児の両立のために、その制度とか、内容とか活用方法、あるいは配偶者との協力の大切さ、そういったこともお伝えするということは重要というふうに考えておりますので、企業版両親学級の推進等によって、男性労働者の意識改革、こういったことも進めてまいりたいと存じます。
○遠藤(良)委員 これは、育休の、昨日も参考人の方がおっしゃられたみたいに、男性が取る、女性が取る、うまく育休を活用していこうということだと思います。これは、是非、政府としても、そういうふうなモデルケースがあって、こういうふうに取っていくのがいいんじゃないかということをまた指針の中でもお示しいただければと思うんです。
ちょっと、介護のところをまた質問したいんですけれども、アンケートの中で、勤務先の中で介護休業制度の両立制度が整備されていなかったという意見が全体の六四%を占めていて、それが、結果、介護離職につながったというふうにも考えられるんですが、個別の周知があれば仕事を続けられたという意見もあって、これが五五%を占めているんだということ。両立支援制度が整備されていない状況に対して今回のような情報提供などを行うことにしているということなんですが、実際どのように実効性を確保していくのか、これをお尋ねしたいと思います。
○堀井政府参考人 まず、今回の改正法案の中では、家族の介護に直面した労働者が離職をせずに仕事と介護の両立を実現するために、企業における介護休業、そして介護休暇等の両立支援制度の利用促進と併せて、介護保険サービスも知り、その家族が適切に利用できるようにする、そういった方向性が重要というふうに考えております。
法案の中に、具体的には、労働者が家族の介護に直面した旨を申出をしたときに、企業の両立支援制度について個別の周知と制度の利用の意向確認をする、そして、介護に直面する前の四十歳等の早期のタイミングで企業の両立支援制度の情報提供等を行うことを事業主に義務づけをするというふうに考えております。
法律が通りました暁には、こういったことについて、都道府県労働局におきまして企業そして労働者からの相談を受け付け、適切に施行を進めてまいりたいと考えております。
○遠藤(良)委員 まだまだちょっと質問を残してしまったんですけれども、今後またこの内容については質問していきたいんですけれども、今回お話ししたような特にエッセンシャルワーカーに対する代替要員の利用については、是非、政府としてもしっかりと発信をしていただくようお願いしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
前回の続きでございます、障害のある子の親の両立支援ということです。
前回、最後に、十八歳の壁の問題について取り上げました。
大臣、青年期の余暇活動の支援、居場所など、青年期の支援ニーズについて是非実態調査をしていただきたい。あわせて、全国的な給付サービスを新たに設けることも含めて、青年、成人期の余暇活動、居場所について抜本的に国としての支援を強める、やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 障害者の余暇活動や居場所を含めた支援のニーズについては、教育、文化、芸術、スポーツ、それから自らの趣味など、様々な分野に関わるものがございます。このため、厚生労働省において全ての支援ニーズを網羅的に調査するのはなかなか難しいのでありますけれども、例えば、日中一時支援や、地域活動支援センターにおける余暇活動や、地域の居場所としての利用の実態などについては、当事者等のニーズも丁寧に伺いながら、必要に応じてこうした調査の実施を検討したいと思います。
○宮本(徹)委員 その調査を踏まえて対策が必要だと思うんですけれども、その点、いかがですか。
○武見国務大臣 今申し上げたとおり、こうした様々なケースがありますので、しっかり状況を把握して調査をし、それを踏まえた上で検討を進めていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 日中一時支援でいうと、自治体によっては、給付サービスと同じ日には使えないというルールを設けているところもあるんですよね。ですから、そうすると、前回言った生活介護の後の時間帯というのはもう本当に親が見るしかない、こういう自治体もあるわけです。
あとは、本当に、前回も言いましたけれども、財政的な支援が地域生活支援事業というのは大変弱いですので、法人の持ち出しで支えている面があって、ニーズはどんどんどんどん放課後等デイサービスを卒業して増えていくわけですけれども、良心的な法人の努力だけではどうにもこうにも支え切れない状況がありますので、是非具体化をお願いしたいと思います。
もう一点です。
朝日新聞の調査を今日も前回同様お配りしておりますけれども、自宅から学校や作業所などへの送迎の支援をしてほしい、こういう強い要望もあります。移動支援について、継続的通学に使える自治体というのは一三・二%というのが、調査として出ております。大半は継続的な通学には使えません。もちろん、特別支援学校等の通学については、合理的配慮の第一義的責任は文部科学省にあるのははっきりしているわけです。文科省と教育委員会が対応しなければならないわけですけれども、実態としては、スクールバスが使えない様々なケースもたくさんあります。だからこそ、この支援をしてほしいという声がたくさん出ているんだと思うんですね。
是非、移動支援について、実態を踏まえて、どこの自治体に住んでいても必要な場合は通学や就労でも使えるようにしていただきたいと思います。その上でも問題は予算になってくるんですね。今、移動支援は地域生活支援事業の丸々で来るお金の中で割り振っていますので、移動支援自体もレクリエーションだとか買物だとかの支援に使っていますので、予算のパイ自体を大きくしないと、必要な支援を縮めなければ通学の支援なんかに回せないというのが現状でありますので、移動支援に対するやはり国の財政的な支援を抜本的に強めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 委員御指摘のとおり、障害のある方の通学については、障害者差別解消法に基づき教育機関に対する合理的配慮が求められているという、まさに文部科学省の所轄になっているわけであります。しかし、障害者本人の希望を尊重しつつ、能力に沿った就学を実現することは極めて重要です。文部科学省や教育機関の取組との連携を今着実に進めているところなんです。
現在、地域の実情やニーズに応じまして、一部の自治体では、地域生活支援事業等を活用して、家族や支援者が対応不能な場合などの緊急時の通学などの支援を行っているというふうに承知しております。
地域生活支援事業につきましては、毎年度必要な予算を確保しているところでございまして、地方自治体において事業が円滑に実施され、それから障害者の方々に必要な支援が届くよう、引き続きこうした努力を進めていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 大臣、必要な予算は確保できていないんですよ。だから、必要なだけの移動支援のサービスができませんので、いや、少しずつ増えているのは知っていますよ、地域生活支援事業の予算が増えているのはそれは私も知っておりますけれども、まだまだ必要な支援をするためには足りないということで、努力していただきたいと思います。
その上で、ここからは追加の通告でございますけれども、前回と今日と併せて、障害のある子の親の両立支援ということを質問させていただいているわけですけれども、これは労働法制の面からも支えなきゃいけない、そして福祉サービスの面からも支えなきゃいけない。そして、放課後等デイサービスはこれはこども家庭庁になっていますし、あとは通学とかを考えたら文科省ということにもなってくるわけですね。ですから、是非大臣が音頭を取っていただいて、どうやって本格的に支えていくのかと。
今、やはり相当、働けないという悩みがあるわけですね。とりわけ、働けてもパート以上では働けないという悩みを多くの方が持っていらっしゃいます。ここは本当に、政府は本格的に検討していかなきゃいけないときに来ていると思うんですね。是非そういう検討の枠組みを設けてスタートしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 この点についても、障害児や障害者、それからその周囲の御家族への支援については、厚生労働省とこども家庭庁が必要な情報共有、連携を図りながら議論を進めるなど、関係省庁一丸となって取り組んでおります。
今回の法案に関しても、障害児や医療的ケア児を育てる親の両立支援に関する検討を行う際も、例えば、この有識者の研究会におきまして、厚生労働省内、当時は現在のこども庁も入っていたわけでありますが、その障害児支援を所管する部局が出席した上で、障害児や医療的ケア児を育てる親の方々や関係団体からのヒアリング、アンケート調査の結果なども参考にしながら、関係省庁連携しながら議論を進めておりました。
障害のある子供を育てる方々を含めて、男女が共に仕事と育児を両立できる環境を整備することが重要であるという認識の下で、今後とも、関係各省庁との、当事者との連携をしっかりと進めた上で、実際に検討を進めていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 何らかの新たな検討会を是非大臣のイニシアチブで立ち上げていただきたい。うなずいていただいていますので、よろしくお願いしたいと思います。
あともう一点ですけれども、今回の法案では、障害のある子の親の両立支援について、指針で望ましい対応を示すということになっております。じゃ、指針で示された望ましい対応を取らない企業に対して国はどうするのか、これをお答えいただきたいと思います。障害のある子の親の両立支援のための相談体制、あるいは事業者への助言の体制、こうしたものはしっかり整備しなければならないのではないかと思いますし、また、中小企業については助成金の制度も更に検討する必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 指針で望ましいとお示ししているにもかかわらず取らない企業というのが現実に存在しているということは事実でありますし、それにどう対処するかという問題意識、私どももしっかりと持っております。
子に障害がある場合など、子や家庭の様々な事情に対応できるように、今回の法案では、労働者からの仕事と育児の両立に関する個別の意向の確認とその意向への配慮を、これは事業主に義務づけました。それから、事業主が個別の意向に配慮するに当たって、更に望ましい対応として、子に障害がある場合であって希望するときには、短時間勤務制度や子の看護休暇制度などの利用可能期間を延長するなどをこうした指針で示しております。
指針に対応しない企業に対しましては、一般的には、育児・介護休業法に基づき定められた指針において事業主が取り組むことが望ましいものとして示す内容は、法第三十条の規定に基づき、雇用管理等に関する相談、助言等の必要な援助を行うことができるということになっております。
また、今回の制度見直しの施行に当たりましては、都道府県労働局におきまして、障害のある子を育てる労働者からの相談には特に丁寧に対応するということと、それから、法の趣旨に沿った望ましい雇用管理の実現がされるように、事業主への助言等の働きかけも更にきめ細かく行うということを考えております。
さらに、中小企業事業主の方も、今回の法改正に円滑に対応していただけるように、両立支援等助成金による支援を行うこととしておりまして、例えば柔軟な働き方選択制度等支援コースにおきましては、法を上回る措置として、年間十日以上の子の看護休暇を付与する場合等に助成の対象としております。
これらの取組によりまして、障害のある子を育てる労働者を含め、仕事と育児の両立の支援にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○宮本(徹)委員 今年から創設された新しい助成金もあるわけですけれども、それをもっと、障害がある子の支援をした中小企業にかみ合わせた形で、要件なんかも是非設定して発展させていただきたいと思いますけれども、局長、いかがですか。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
助成金につきましては、丁寧な周知というのが非常に大事だと思いますので、この改正法案が成立した暁には、成立した改正法案の内容と相まって、丁寧な周知に努めてまいりたいと存じます。
○宮本(徹)委員 周知と同時に、中身も、要件なんかも含めて、障害がある子の親の両立支援を支えようという事業主がしっかり使える助成金制度にしていっていただきたいと思います。
続きまして、次のテーマに移ります。
昨日の参考人質疑で、転居を伴う配置転換命令への規制をしてほしい、こういう意見がございました。JILPTの調査を見ましても、転勤経験に照らして困難と感じたことは何かということで、結婚しづらい二九・三%、子供を持ちづらい三二・四%、育児がしづらい五三・二%、通学期の子供の教育が難しい六五・八%となっておりました。
大臣の認識を伺いたいと思いますけれども、転勤があることが結婚や子を持つこと、仕事と育児の両立を妨げる要因になっている、こういう認識はございますか。
○武見国務大臣 厚生労働省で行っておりますこのJILPT調査の中でもそうした傾向がしっかりと示されていることはもう事実でありますので、委員御指摘のとおり、転勤は、結婚や子供を持つことなど、労働者の生活に大きな影響を及ぼすものであります。
このため、転勤に関する雇用管理におきましては、企業の事業運営の都合や人材育成などの観点と、それから、労働者の意向や事情への配慮との間で折り合いをつけていくことが重要だと思っています。
こうした観点から、厚生労働省では、事業主が転勤の在り方を見直す際に参考とするためのポイントをまとめた資料を作成しているほか、特に転勤により育児や介護が困難となる労働者につきましては、育児・介護休業法により、その状況に事業主は配慮しなければならないというふうにされております。そのことについての周知を図ってまいります。
引き続き、労働者が仕事と生活と両立をしっかりとできるように、雇用の管理を推進していきたいと思います。
○宮本(徹)委員 育介法二十六条で育児、介護に対する配慮義務規定が、大臣がおっしゃったとおりあるわけですけれども、じゃ、この規定に基づく改善指導件数というのはどれぐらいでしょうか。
○堀井政府参考人 お尋ねの育児・介護休業法二十六条の配慮義務に関しましては、令和四年度に都道府県労働局が是正を求めた件数は、育児関係について一件、介護関係については該当がございませんでした。
○宮本(徹)委員 余り指導件数はないわけですね。法律が配慮義務ということでそうなっているのかなと思うんですけれども、実際は裁判でも争われてきているわけです。
配付資料の裏面に、転勤命令を適法とした裁判例というのを少しまとめてみました。
司法判断の今の基本になっているのが、一番上に書いてあります、東亜ペイント事件の最高裁判決なんですよね。これは、小さい二歳のお子さんとお母さんとパートナーと暮らしていたわけですけれども、転居を命令されたということで争って、地裁では労働者の側に有利な判決も出たわけですけれども、最高裁は、それをひっくり返して、神戸から名古屋への転勤というのは、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益ではないという判断をしたんですね。これが今の裁判所の判断枠組みなんですね。通常甘受すべき程度を著しく超える不利益でない限りは、転勤命令は有効とされてしまうわけです。甘受すべき程度を超える不利益ではないじゃないですよ、著しく超えなければ転勤命令は無効にならないわけですね。
ですから、その下にあります帝国臓器製薬事件でも、これも、単身赴任が三人のお子さんがいて命じられても、これは転勤命令は適法だとされました。
その下、ケンウッド事件では、三歳のお子さんがいる女性労働者がとてもじゃないけれども通えないところまで異動命令が出たけれども、これも、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものではないということで適法とされる。
その下、パナソニック事件は、これは高齢の御両親との関係ですけれども、これも、福井にまで配転することも適法とされたと。
さらに、二〇二一年になっても、NECソリューションイノベータ事件でも、これは、お子さんが自家中毒に罹患していることや通院しなきゃいけないんだという話なんかも原告から訴えられたわけですけれども、これも、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益があるということではないということで適法と裁判所では判断されてしまっているということで、今の司法判断の枠組みというのは、配転命令権を極めて広く認めているということになっています。
この配転命令権を広く認めるという考え方というのは、男女とも育児、介護などの家庭的責任を果たせるようにしようという今の政府の考え方とは合致しないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 個別の事案に関して、司法で判断された内容について厚生労働省としてとやかく言うというのは差し控えさせていただきたいと思うんですけれども、裁判例では、転勤を含む配置の変更、これは、就業規則等に根拠があれば使用者が広い裁量を持つが、業務上の必要性がない場合や業務上の必要性が認められる場合であっても、労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときなどには権利の濫用となると解される、こうなっております。
司法判断についてのコメントは差し控えますけれども、厚生労働省としては、男女共に希望に応じて仕事と育児や介護が両立できる職場環境の整備に努めることが重要だというふうに考えておりますので、住居の移転等を伴う就業場所の変更により仕事と育児や介護の両立に関する負担が著しく大きくなり、就業の継続が困難となる場合があることから、育児・介護休業法により、事業主は特に転勤により育児や介護が困難となる労働者の状況には配慮しなければならないということにされております。
○宮本(徹)委員 配慮しなければならないんだけれども配慮をせずにこうした転勤というのは、たくさん実際には行われているわけですよね。裁判で争われる例なんて、ごくごく一部にすぎないわけですよ。
私、こういう解釈を許してしまう今の法体系自体をやはりもう時代に合わせて変えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですよね。やはり、男女とも育児、介護の家庭的責任をしっかり果たせるようにするために、育児、介護との両立を困難にするような転勤命令はしっかり法律で厳しく規制する、こういう法改正を是非検討していただきたいと思うんですよ。今日、やりますと言っていただかなくて、まず検討を是非していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 我が国の雇用慣行におきましては、労働契約上、包括的な転勤命令権が認められていて、転勤を含む配置の変更については、基本的には事業主の裁量に委ねられております。一方で、仕事と生活の両立支援の観点から、育児・介護休業法において、転勤により育児や介護が困難となる労働者の状況への配慮を事業主に義務づけております。
これを更に厳しい規制とすることにつきましては、企業の事業運営であるとか人材育成を困難とさせる懸念や企業の包括的な転勤命令権との関係で、これは相当慎重に検討する必要性があるなと思います。
一方で、今回の法案においては、子や家庭の様々な事情に対応できるよう、勤務地を含む労働者の個別の意向の確認とその意向への配慮を事業主に義務づけることを更に盛り込んでいるところなんです。
引き続き、転勤に関する配慮義務について周知をさせるとともに、法案が成立した暁には、個別の意向の確認と、その意向への配慮義務の内容についても周知徹底を図っていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 時間が来ましたので繰り返しませんけれども、これはやはり、今の、幾ら周知しても、もちろん周知は大事ですよ、配慮しなければならないという規定自体があるわけですからそれは配慮してもらわなきゃいけないんだけれども、それでも、配慮しましたと企業の側は言って、無法な転勤をさせているわけですよ……
○新谷委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
○宮本(徹)委員 これをやはりそのまま放置するわけにいかないと思いますので、是非、法改正を検討していただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○新谷委員長 次に、田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党、田中健です。本日もよろしくお願いします。
まず、育児休業について伺いたいと思います。
政府は、こども未来戦略方針の中で、男性育児休業の取得率について、二〇二五年に五〇%、二〇三〇年に八五%とする目標を掲げています。専門家からは、取得率ばかりが先行すれば、先ほどもお話がありました、取るだけ育休や取らされ育休ということを招きかねないとの危惧の声が上がっています。
実際、出産や育児に関するアプリ、ママリを運営するコネヒトという会社の調査によりますと、育休を取得した男性の一日の家事、育児時間を聞いたところ、三時間以下と答えた人が四四・五%。調査を始めた二〇一九年からも二・九%ほどしか減少しておらず、取るだけ育休の実態は、この間、改善していないということです。
調査、公表をした高橋さんからは、既に取るだけ育休の問題が家庭内で起きているが、今後は、企業のパフォーマンスのために従業員が形だけ休みを取る取らされ育休が増えるのではないかというふうな警告もしています。
一方、厚生労働省の調査では、二一年度、男性の取得期間は二週間未満が五一・五%を占め、短期間の育休は子育てや家事に十分に向き合うことがない、十分な育休取得の期間の確保が課題と言っています。経団連の十倉会長も、取得率よりも取った日数に焦点を当てていくべきだとも指摘をしています。
その中で、今回、育児休業の取得状況の公開義務の対象は拡大をしましたけれども、取得日数の公表というのは求めないということです。改めてその理由をお伺いいたします。
○堀井政府参考人 お答えをいたします。
育児・介護休業法により育児休業の取得状況の公表を義務づけているそもそもの趣旨でございますが、企業自ら積極的な取組を進めていくという社会的な機運を醸成をして、男性の育児休業の取得を促進をするためでございます。
育児休業は男女問わず労働者が希望する期間で取得できる労働者の権利であることから、取得期間の公表を一律に義務づけるということはしていないところでございます。
一方で、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の中で、先ほども御答弁させていただきましたが、労働者の取得の実績や希望等を企業が勘案して、男性の育児休業取得期間に関する適切な目標が設定されることが望ましい、こういった旨を指針で示していくとともに、くるみんの認定の基準におきまして、男性の育児休業取得期間の延伸に関するものを設けて、取得期間の延伸を促進をすることとしております。
○田中(健)委員 もちろん、社会的機運を高める、また労働者の権利だということも分かります。希望どおり取れることも大切です。でも、それと指標を作るということはまた別の話じゃないかなと思っています。
例えば、取得率公表義務の育休の取得要件に十四日以上とするなど、実態に合わせた取得率を事業者が公表することによって、実際、単に取らされ育休じゃないんだよ、しっかりと育休を取っているんだということを示すことができる、また、実際の育休状況に即した指標にもつながるんじゃないかと思いますが、大臣の見解を伺います。
○武見国務大臣 育児休業は男女問わず労働者が希望する期間で取得できる労働者の権利であります。御指摘のように、ある一定期間以上の育児休業取得率の公表を一律に義務づけることはしておりません。
一方で、育児休業については、取得率を向上させることに加えて、労働者が希望する期間取得できるようにすることも重要です。
このため、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画におきましては、男性の育児休業の取得期間に関する目標が事業主により設定されることが望ましい旨を指針の中で示しております。あわせて、こうしたことと、取組を進めていきたいと思います。
○田中(健)委員 今、十四日に触れてもらわなかったんですけれども、ある一定以上じゃなくて十四日と言ったのは意味がありまして。
短期間育休の原因の一つだったのが、月末でも一日だけ育休を取れば社会保険料が免除されるという問題がありました。これに対して厚労省は、社会保険料の免除要件として、月末を含まなくても二週間以上取得すれば免除するよということを決めました。さらに、今国会の中では、育児休業給付金の八〇%、実質一〇〇%となりますが、この引上げにおいても両親共に二週間と根拠を示しています。つまり、様々な社会保険料の免除要件も、育児休業給付金の条件も、二週間というのを大きなメルクマールというか基準としているんですね。だからこそ、これに育休の期間も合わせれば、それと整合性が出るんじゃないかということであります。
ただ取ればいい、指標だけを表示すればそれで役割が果たせたのではなくて、整合性の意味で、十四日というのは、私は一つの大きなメルクマールになるんじゃないか、指標になるんじゃないかという話をさせてもらいましたが、大臣、見解いかがでしょうか。
○武見国務大臣 基本的に、育児休業というのが男女問わず労働者が希望する期間で取得できる労働者の権利であるという認識には基づいております。
しかし、ある一定期間以上の育児休業取得率の公表ということについては、現状においてはまだ、一律に義務づけるということが適切であるかという点については、私どもとしては結論を出しておりません。
○田中(健)委員 まだ取得率は低いですから、まず取得率はもちろん大切なんですが、その次の段階では、是非、この十四日ということが一つの議論とこれまでなってきましたので、そこを、両方出してもいいかと思いますので、検討もしていただければと思っています。
同じく、調査会社のコネヒトさんによりますと、月間百三十万件の母親の声を分析して、実際に夫が育休を取得した妻側のリアルな声を基に、明らかにして、取るだけ育休を防いで育休の質を高める育休の過ごし方七つの法則をまとめています。お配りした資料の一であります。
先ほども育休の話、またお父さんが家にいるという話もありましたけれども、家事時間が先ほど、三時間以下という取るだけ育休だった場合は、パートナーの三四・一%と、実に三人に一人が満足していないということもこの調査の結果で併せて発表しています。さらに、取った一六・三%は、育休を取得してほしくないという声もあるそうです。大変問題だと思います。
ですので、この取るだけ育休を、七つ見ていただきますと、十分な期間の育休取得は一番下でありまして、それよりも、家族との時間を楽しんだり、しっかりと家事、育児の量的な担当を夫婦で決めたり、精神的に支えたり、旦那さんが主体的な姿勢を見せたり、また、奥様に睡眠や休息を取らせる、こういった様々な指標というか法則を掲げていますが、大臣としては、育休を取るだけでは不十分で、やはりこういった様々な点、必要性についてどのようにお考えになるでしょうか。
○武見国務大臣 御指摘のとおり、育休を取ればいいというわけじゃございません。男性の育児休業の取得促進と併せて、男性が育児休業中に育児に主体的な姿勢で取り組むということが大事で、しっかりと育児、家事に向き合うということを後押しすることが重要だと認識しています。
育児休業中に男性が積極的に育児等に参加することを促していくために、まず、企業版両親学級というものの推進等によりまして、男性労働者の意識改革などに取り組んでおります。
それから、今後、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画におきまして、労働者の取得実績や希望等を勘案して、男性の育児休業の取得期間に関する適切な目標が設定されることが望ましい旨を指針で示していくということなどにも取り組むこととしております。
男性が育児休業中に育児に更に主体的に取り組めるよう促進していきたいと思います。
○田中(健)委員 どうしても取得率ばかりが注目されますが、是非、今大臣に言っていただきましたけれども、主体的に取り組むということ、また、厚労省としての考えというのも示していただければと思います。
さらに、男性の育児の議論の中でよく言われるのは、日本の男性は家事、育児をしないというふうに言われます。
資料二の図ですけれども、内閣府の男女共同参画によります下の図表、国際比較の調査では、実際に、六歳未満の子供を持つ父親の家事、育児時間は八十三分と非常に短いことが分かります。さらに、上の図を見てもらうと、内閣府は二〇二〇年に百五十分に家事、育児時間をするんだと掲げましたが、まだ二〇二一年は百十四分と、いまだに及んでいません。
よくこれが出されて、日本の男性は家事、育児をしないんじゃないかと言われますが、一方、これに対して、「ポストイクメンの男性育児」という本の中で、著者の平野さんという方が国立成育医療研究センターの竹原先生のデータを紹介しています。これは三枚目になります。これによりますと、仕事と睡眠など生活に必要な時間を除いた時間の中でどれくらいの割合を家事と家族のケアに使っているかという視点で見ると、日本の父親は欧米と同程度か、かなり多くの時間を家事、育児に割いているということです。
本当かなと最初はクエスチョンでありましたけれども、この図を簡単に説明させてもらいますと、図一は、日本の父親の家事、育児時間を一とした場合の各国の指標です。やはり欧米は二倍、三倍となります。単純に量は少ないということが分かりますが、図二、定義二になりますと、仕事と生活以外の時間のどの程度を家事、育児に割いているか、ここになると大分差が縮まってまいりまして、最後の三なんですが、寝たり食べたりしている時間以外のうちどの程度を家事、育児に割いているか、こうなると、諸外国を上回って日本が一番、一・二倍になるということです。
私は、この図で、日本の男性は育児をやっているぞということを別に言いたいわけではなく、日本の父親というのは仕事関連の時間が長いから家事、育児の時間がどうしても削られているということでありまして、やはり企業が変わらなきゃならない、さらに、働き方が変わっていかないと、いつまでたってもこの改善というのは進まないんだろうと思っています。
一方、その本の中で、さらに、未就学の子供を持つ父親の残業時間を調査したところ、六九%で仕事関連時間が十時間を超えている、さらに、十二時間を超える方も三六%いると。つまり、七割の父親が、先ほどの育児百五十分達成不可能どころか、三分の一は長時間労働、十二時間を超えている。まさに、これを月に直しますと八十時間の過労死レベルに達します。
ですから、長時間労働を是正しないと、男性の育児また家事というのは増えない、また女性がどうしてもワンオペになってしまうということかなと思います。
その中で、育児・介護休業法には、小学校就学前の子を養育する労働者が請求した場合に、一か月二十四時間、一年間百五十時間に時間外労働を制限しなくてはならないという規定が定められています。これがしっかりと履行されていればこのような問題は起きないかとは思うんですが、この規定はしっかりと活用されているんでしょうか。伺います。
○堀井政府参考人 育児・介護休業法の十七条におきまして、事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する男女の労働者が請求した場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、一か月について二十四時間、一年について百五十時間を超える時間外労働をさせてはならないということが規定をされています。
この施行の状況でございますが、これにつきまして、労働者が都道府県労働局に相談する、そういった場合など法違反が疑われる場合を含めまして、法律の施行に関して必要があると認められる場合には、事業主に対して報告を求めることや助言、指導又は勧告をするということが法律上できるということになっております。
その上で、事業主が勧告に従わなかった場合につきましては、厚生労働大臣がその旨を公表することができるという規定になっております。
このような仕組みによりまして、法律の適正な履行を確保しているという状況でございます。
○田中(健)委員 法律の中身は分かっているんですけれども、今、実際に六九%で十時間を超えて、十二時間を超える人も四割近くいるということなんですけれども、つまり、これになりますと適用違反になりますから、規律違反になりますので、厚労省は、じゃ、それを、報告を受けて発表を実際しているということでよろしいんですか。
○堀井政府参考人 育児・介護休業法に基づいて助言をした、指導をした、そういった実績の関連でお答えをさせていただきますと、第十七条、今の育児のための時間外労働の制限、これに関しまして助言をした件数は、令和四年度におきまして百六十二件でございました。
それで、先ほど申し上げましたように、助言をしたものがすぐに公表ということではなく、助言をして指導し、勧告をして、それでもなおという場合について公表という枠組みになってくるわけでございます。
それで、育児・介護休業法関係で企業名公表がなされたという例は今までないんですが、これはどういうことかといいますと、都道府県労働局などにおいて企業に対峙をして、それで勧告を求めた結果、当該企業においては改善がされているという状況でございます。
ただ、これ以外にも、例えば労働者の方、企業の方から都道府県労働局に御相談などがあった場合については、育児・介護休業法について適切に対応してまいる、このようなことであると考えております。
○田中(健)委員 公表はなかったということですけれども、私はとても守られているとはなかなか思いづらいです、このようなデータが出ていて。そして、この長時間労働が結果的に、男性、まあ女性も含めですけれども、介護、育児に時間は割けないということにつながっているかと思います。
それでは、今法律の中では、長時間労働を是正していくためにはどんな取組をされると考えているんでしょうか。
○堀井政府参考人 長時間労働の是正に関しまして、今回の法案の中では、次世代育成支援対策推進法の改正によりまして、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、育児中の労働者以外の労働者も含めた労働時間の状況に関する数値目標の設定、これを義務づけることなども盛り込んでいるところでございます。
○田中(健)委員 この数値目標は、労働時間の状況も義務づけるということですけれども、あくまでPDCAを回していくという中で改善をしていくということですので、これを守らなかったとしても、特に、厚労省としては、何か企業に対してのアプローチはあるんでしょうか。
○堀井政府参考人 次世代育成支援対策推進法に関しましても、都道府県労働局の方から企業に対して様々な形で助言等を行うということにはなるんですが、そもそも、この次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画、これは従業員そして一般にも企業は公表するという枠組みになっております。したがって、企業が設定した数値目標も、当該会社の従業員、そして一般的にもホームページや、両立支援のひろばというホームページがあるんですが、そういったところで公表されるということになります。
おのずから、そういった外部の目に触れることで、企業としては、適切な形で自社の状況を把握をし、そして、自社の状況を把握した内容に応じた形で数値目標の設定を行い、適切にPDCAサイクルを回していく、このようなことを考えております。
○田中(健)委員 大臣に伺いますが、単純に、労働か家事、育児かという、削減ではなく、労働生産性も考えると、いわゆる、先ほどの中の労働以外の時間の話も、この図三のグラフの中に入っているんですけれども、例えば、通勤時間、仕事の支度時間とかこういうことも削減することで両立にも寄与できると考えますが、この労働の間接時間削減ということについては、どのように考えて、また取組を進めていこうと考えているのか、伺います。
○武見国務大臣 通勤時間等の削減などによって、育児、介護を始めとした家庭生活に当てる時間を増やすということは、仕事と育児、介護の両立支援の推進において有効だと考えます。
この点、今回の法案におきまして、例えば、三歳未満の子を養育する労働者や、それから家族介護を行う労働者について、テレワークを努力義務化するなどの改正を行っております。それから、テレワークにより通勤時間が削減されることで、所定労働時間を短縮せずに、勤務しながら育児、介護との両立が可能となるということを期待しております。
御指摘のような通勤時間等の削減ということを含めて、仕事と育児、介護の両立支援の取組を着実に進めていきたいと思います。
○田中(健)委員 テレワーク、今回、努力義務化になりました。これは努力義務でいいのか、義務化しなきゃならないんじゃないかと昨日の参考人質疑の中でもやられていましたが、まず実態をしっかりと見て、また、適応できるところにテレワークを根づかせていく、そして、労働時間の中での通勤時間やその他の支度時間というものを少しずつ減らしていくということを是非、厚労省としても後押しをしてもらいたいと思います。
引き続きまして、仕事と介護の両立支援について伺いたいと思います。
昨日の参考人質疑の中で、村上参考人の中から、介護離職の防止のための仕事と介護の両立支援制度について、介護をしている雇用者については、介護休業の利用率は一・六と低いけれども、さらに、介護従事者については〇・〇五%だということを聞いて、私もびっくりしました。介護においては、今、低賃金、また処遇改善、さらには人材不足ということで、様々な課題を抱えており、今回も議法が出ております。
どうしてこれだけ介護の従事者の方、介護休業、低いと考えますか。また、取得率をどのようにして上げていこうと考えているのかもお聞きします。
○武見国務大臣 介護従事者の介護休業取得率については、直接的に調査などによってまだ把握しているわけではございませんけれども、一般論として、介護現場における人材確保と併せて仕事と介護の両立支援を進めるために、介護従事者が介護休業を取りやすい環境整備を進めていくことは非常に重要だと思います。
このため、常勤での配置が求められる職員が介護休業を取得した場合に複数の非常勤職員で代替することを認めているなど、両立支援への配慮の取組も行っております。加えて、介護休業などの両立支援制度の効果的な利用を促すことも重要でありますので、今回の法案におきましては、介護に直面した労働者に対して両立支援制度に関する情報を個別に周知し、その利用の意向を確認することなどを事業主に義務づけをするということなどしております。
これらを通じて、介護で離職することなく両立できる職場環境整備を目指していきたいと思います。
○田中(健)委員 先ほどの議論の中でも、代替職員がまだ全然足りない、八割もいないという中でありましたので、なかなか、代替職員に代わってもらう、常勤、非常勤ですかを組み合わせていくというのも難しいかと思うんですが、まだ政府としては介護従業者がどれだけ介護休業を取っているかというデータはないといったことでありましたので、是非、これは今後の課題として調査をしてもらって、対策を進めていただければと思っています。
その中で、今、介護人材確保ということを大臣からお話がありましたけれども、介護人材の確保が困難なこと、何かありますかということでお話をしましたら、ハラスメントの問題の提起がありました。実に七四%ですかね、介護従業者の中で経験をしているということでありました。
処遇改善、賃金の問題もありますが、ハラスメントの問題で人材難、人材確保が難しくなっているとするならば、これも大きな課題かと思いますが、現状をどう認識して、労働環境の改善に努めていくのか、伺います。
○武見国務大臣 厚生労働省では、介護現場におきます利用者、家族等による暴力それからハラスメント対策として、対応マニュアルなどを作成をするとともに、自治体が介護事業者等に対して実施する研修やそれから相談窓口の設置などに対しても支援をしております。
それからまた、介護サービスの運営基準に関わる通知において、カスタマーハラスメント防止のために事業主が講ずるべき措置についても、これを明確化しております。
介護報酬において、暴力行為などが認められるような現場で複数名で訪問看護や訪問介護の提供を行った場合の加算なども設けております。
こうした取組について、厚生労働省のホームページや自治体への説明会の場などを通じて、広く周知を行っているところでございます。
引き続き、介護従事者の皆様の安全を確保して、それから安心して仕事に従事できる職場環境の改善に取り組んでまいりたいと思います。
○田中(健)委員 厚労省、カスタマーハラスメント、明確化していただいて、それを事業者に通知しているというのも承知をしていますが、なかなかそれでもまだ減っていない、昨日の話では、七十数%と、減少していないということであります。ハラスメントは、介護現場だけでなく、どの職場においても大きな課題となっております。是非、どうしても慣習というか、古くからのハラスメントという、文化というか、悪い慣習でありますので、徹底的にこれを減らすための対策を進めていただければと思っています。
また、佐藤参考人からは、仕事と子育ての両立との違いを踏まえた企業による支援や、社員自身による両立、リスクマネジメントとしての事前の心構え、また、基礎知識の事前の獲得が重要との指摘がありました。その指摘に対して布山参考人にお聞きをしたところ、なかなか、四十歳の時点で企業として従業員に周知ができているのは少ないんじゃないか、特に中小企業などは、自分たちだけでこのような基礎知識を習得する、また講座を行っていくのは難しい、何らかのツールが必要ではないかという指摘がありました。
介護に関する従業員の基礎知識を含め、このような事前の研修を含め、どのように企業に展開をしていこうと考えているのか、また、その支援についてどのような対策ができるのかも伺います。
○堀井政府参考人 今回の法案に盛り込まれております、労働者が家族の介護に直面した旨を申出をしたときに、企業が両立支援制度について個別の周知や制度利用の意向確認をすることでございますとか、その直面する前のなるべく早期、四十歳等の企業の両立支援制度の情報提供でございますとか、また労働者への研修等の雇用環境の整備の新たな義務づけということがございます。
それで、田中委員お尋ねの内容につきましては、事業主の方に円滑に改正法に対応していただくために、分かりやすいリーフレットの作成、専用サイト、SNSの活用なども含めまして、様々な手段を通じて、そしてコンテンツも工夫をしまして、周知に努めていくほか、両立支援等助成金の助成、そして労務管理の専門家による個別支援、このような支援策も中小企業事業主に活用していただけるように周知を図ってまいりたいと存じます。
○田中(健)委員 今でもやっているということなんですけれども、いやいや、そのようなことをやっているかもしれないんですけれども、昨日の話の中では、なかなか難しいと、経団連の人でも、つまり大企業の人でも難しいと、もっと言えば、中小企業などはなかなか自分たちで介護保険の講座や、また基礎知識を社員に学んでもらうということはできないということを言っているんです。ですので、大企業はもちろん、制度もしっかりしていますし、福利厚生もしっかりしていますから、しっかりやってもらいたいと思いますけれども、特に中小企業などは自分たちだけではできないということをどのように解消していくのかということを私は聞いているんですけれども、いかがでしょうか。
○堀井政府参考人 制度の周知などや、助成金、そして専門家による支援、こういったことについては、今でも既にやっている内容はございます。
ただ一方で、先ほど申し上げましたように、改正法が成立した暁には、その内容等に基づきまして、内容を分かりやすく、そしてコンテンツも工夫をして、場合によりましては、介護保険制度などそういった既にある制度も分かりやすく、そういった内容に盛り込んだ形で周知をしていく、そのようなことをお答えをしたつもりでございました。分かりにくくて申し訳ございません。
○田中(健)委員 厚労省はやっているけれども、実際の現場ではできないというようなことのないように、今回、法改正によってどこまで進むかというのは私たちもチェックをしていきたいと思いますので、大企業であろうが中小企業であろうが、こういった取組ができる支援を進めていただきたいと思います。
一方、その中で、企業だけではなくて、保険者の役割も大切ではないかという指摘もいただきました。
本来、四十歳で介護保険の被保険者になったときがいいタイミングでありまして、厚労省は、健康保険組合や各都道府県の介護保険担当者に、現時点でも、そのことを説明するようにという依頼はしていると聞いていますが、実際、どのような依頼をして、取組がされているんでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
四十歳から六十四歳までの介護保険の第二号被保険者に対する制度の周知につきましては、ただいま委員御指摘ありましたように、各医療保険者に対しまして、四十歳到達者を始めとする二号被保険者への制度周知について協力依頼を行っております。また、介護保険制度それから両立支援制度を周知するためのリーフレット等を作成しておりまして、これも本年三月に改定を行ったところでございます。
各保険者におきましては、こうしたリーフレットを各保険者のホームページに掲載することや、被保険者向けの機関誌において制度周知を行うといった取組を講じていただいている、このように承知しております。
○田中(健)委員 これももうやっているということであるんですけれども、いや、やっているんですけれども、実際、なかなか、四十歳になっても自分が被保険者になったという実感がない。しかしながら、もうそこからはかなり大きなリスクがあるのでしっかりマネジメントしていかなきゃならないというのが昨日の参考人の先生の指摘だったと思うんですね。
ですから、もちろん、四十歳になったときに通知が来て、何か通知の中に、ぺらっと、介護保険というのはこういうものですよとあるかもしれませんが、なかなかそんなの見ないですよね。働いている方、特に現役で働いていて、若しくは両親や御家族がいなくて自分たちの家族だけで過ごしていましたら、まだ介護というのは遠いという中で、実感がない中で、だからこそ、四十歳というときに何かしっかりとした基礎知識を学んだり、また、介護保険を、企業もやる、そして保険者もやる、両輪でやっていくことが必要じゃないかという指摘だったと私は昨日の参考人の中で思いました。
もちろん制度の周知をやっています、ホームページもやっています、見てくださいではなく、何かこれから両立支援に向けてできることはないかということなんですが、いかがでしょうか。
○間政府参考人 ただいま御指摘の介護保険制度の周知の関係は、昨年十二月に労働政策審議会で取りまとめられた建議におきましても、介護休業と両立支援制度と併せて、二号被保険者となる四十歳のタイミングで周知することが効果的とされております。これは委員の御指摘のとおりでございます。
このために、厚生労働省におきまして、先ほどちょっと触れました、今年三月に、介護保険制度と両立支援制度の内容を分かりやすく記載したリーフレットを作成し、広く公表しているところでございます。
これをいかに届けていくかということだと思いますので、この点については、今委員御指摘の事業主や保険者の役割も重要だと思いますので、この活用に向けて、関係者の御協力もいただきながら、御意見を伺いながら、どのように進めていったらいいのか、この周知についてもしっかり進めていきたい、考えていきたいというふうに思っております。
○田中(健)委員 是非工夫してもらいたいと思います。
例えば、定期健診、健康保険で受けていますけれども、四十歳、四十五歳、五十歳と、例えば、がん検診が必ず定められているのがあると思いますけれども、同じように、四十歳になったときには、健康診断に行ったときにしっかりと介護保険の説明も受けるようにしてもらうとか、努力をしてもらうように伝えるとか、何かしら、先ほどの、四十歳のタイミングは皆さんが理解しているという話だったので、していただければと思っております。また、そのときを逃してしまうと、また結局、介護のことを考えずに、そして突然家族が倒れて、そして介護になってしまうということに陥ることのないようにしていただければと思います。
さらに、育児・介護休業法による支援だけでなくて、介護保険制度との連携というのが重要になるという指摘もいただきました。介護は在宅で始まることが多いですから、仕事と介護の両立では地域包括支援センターが大事になります。また、在宅介護にはケアマネジャーの役割も重要になります。しかしながら、多分、ケアマネは、要介護者の支援が主たる役割ですから、要介護者の家族の仕事と介護の両立というものに関しては専門家でないため、的確なアドバイスができないのではないかといった指摘もありました。
まず、育児・介護休業法と介護保険制度の連携、また、今後のケアマネジャーの役割について、大臣、どのようにお考えか、伺います。
○武見国務大臣 今回の改正法案では、労働者が四十歳に達したときなどの効果的な時期に、仕事と介護の両立支援制度に関する事項等について情報提供を行うことを事業主に義務づけております。
この情報提供を行うに際しまして、自社の両立支援制度等の情報と併せまして、介護保険制度についても周知することが望ましい旨、指針で示すことを予定しております。
厚生労働省としても、事業主が活用できる情報提供のためのひな形等の提供を通じて事業主の取組を支援します。
また、御指摘のケアマネジャーの役割ですけれども、本年四月より、新たなケアマネジャーの法定研修カリキュラムの実施に当たりまして、利用者を支援する上で、仕事と介護の両立支援を含む家族に対する支援の重要性などを理解することについて、通知で明記をいたしました。
在宅介護の要であるケアマネジャーが、仕事と家庭の両立支援について理解を深めながら業務に従事をし、利用者やその家族を支えることができるように、円滑な研修の実施等について取り組んでいきたいと思います。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
昨日、指摘の中では、日本介護支援専門協会という中で、ワークサポートケアマネジャーということで取組もしているというようなお話もありました。実際、今は、ケアマネさんの研修にこのようなことを入れていくということで、余り、研修自体の課題というのもありますので、どんどんと量が多くなってしまうのも大変かと思うんですけれども、しかし、果たす役割というのは大変大きいかと思いますので、これからどのように、私たちが相談をしたときに、ケアマネさんと、仕事、介護両方の相談ができるのかということについては、更に検討を進めていただければと思っています。
引き続きまして、障害のある子や医療的ケアを必要とする子を持つ親の両立支援制度ですが、この観点から見ますと、成長しても親が子のケアをすることが必要であって、子の年齢で区切る両立支援制度では不十分ではないかという声があります。その上で、こうした事情を持つ労働者の就労支援のため、また継続のためには、個別のニーズに配慮することが必要だと考えています。
先ほども少し議論がありましたが、この個別のニーズに対しては何らかの仕組みを考えていく必要があるかと思うんですが、そういった予定はありますでしょうか。
○堀井政府参考人 育児・介護休業法は、全ての事業主に適用される最低基準等について規定をしておりますので。ただ一方で、特別な事情を抱える子を持つ親などの場合は、子や家庭の状況やニーズで、その働き方に関する意向というのは様々であるというふうに考えております。このような事情も踏まえまして、今回の改正法案におきましては、一律に両立支援制度を拡充するというのではなくて、労働者の個別の意向の確認とその意向への配慮をする仕組みを設けるということにさせていただきました。
加えて、事業主が個別の意向に配慮するに当たりまして、更に望ましい対応として、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合であって希望するときには、短時間勤務制度や子の看護休暇制度の利用可能期間を延長することなどを指針で示すということにしております。
○田中(健)委員 済みません、時間が来ましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
今日最後の質疑になりますので、よろしくお願いいたします。
今回の法改正の、特に、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置を拡充することはすばらしいことだというふうに思います。
昨日、参考人質疑で経団連の方が、この法案に全面的に賛成とおっしゃったんですね。私は、この厚労委員会に初めて来てすごい違和感を持つのは、労政審議会というのが、何か労政審というのが水戸黄門の葵の御紋みたいにばあっと出されるんですけれども、そんなことだったら国会は要らないんですね。
やはり、国としての子育て支援とか介護支援が何を目指すか、少子高齢化が進む中、その意思を働かせるのはやはり国会だと思いますし、何よりも当事者たちにとって使い勝手のよい制度であることが、合意も大事なんですが、合意以上に大事だと思いますので、そうした観点から、この法案について議論させていただきたいと思います。
今回、三歳から小学校就学までの子を養育する労働者に事業主が講ずべき措置として、法案第二十三条の三第一項各号で、始業時期の変更、テレワーク、短時間勤務制度、新たな休暇の付与、それで第五号で、その他、労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置として厚生労働省令で定めるものというものがございます。
厚生労働省令で何を定めるのか、限定的に列挙していただきたいと思うんですけれども、答弁をお願いいたします。
○堀井政府参考人 お答えいたします。
改正後の育児・介護休業法第二十三条の三第一項第五号で定める、労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置として厚生労働省令で定めるものにつきましては、柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢の一つとしまして、労働政策審議会での建議も踏まえまして、労働者の三歳から小学校就学の始期に達するまでの子に係る保育施設の設置、運営、その他これに準ずる便宜の供与を行うこととすることを予定をしております。
○福島委員 その一点を省令で定めるということを確認させていただきました。
私は、問題なのは、この五つ列挙されているうち、事業主は二つ以上を選択するとなっているんですけれども、この二とした理由が全く不明です。研究会の報告書では、育児との両立の在り方やキャリア形成への希望に応じて、労働者が柔軟な働き方を活用しつつフルタイムで働ける制度も選ぶことが可能と言っていますが、理解不能なんですね。
例えば、新たな休暇というのを取ったら、あとテレワークしか選べなくて、テレワークと短時間勤務を一緒にやるみたいなやり方ができなくなってしまいます。新たな休暇と保育施設のサービスを選択すれば、テレワークとか短時間勤務といった勤務形態によるものを提供できなくなるとか、二つに限定したことでいろいろな不都合が生じると思うんですね。
昨日の参考人質疑でも、小野山参考人が、新たな休暇の付与とそのほかは性質的に異なる、新たな休暇の付与については別途、全ての事業主に適用される努力義務とした上で、その他の四つの中から二つ以上、事業主が選択して講じる義務を設けるべきだ、そういうことを提案しておりますけれども、どういう理念や目的で五つのうち二つを選んだのか。また、これは労働政策審議会で決めたからという紋切り型の答弁になるのか。法律である以上は、やはりそこに理念が必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 子の年齢の変化に伴う労働者の働き方へのニーズを見ますと、正社員の女性は、子が三歳以降は、短時間勤務を希望する方もいる一方で、子の年齢に応じて、フルタイムで残業をしない働き方やフルタイムで柔軟な働き方を希望する割合が高くなり、正社員の男性の場合には、残業をしない働き方やそれから柔軟な働き方に対する希望が、いずれの年齢においても四割から五割で最多となっております。こうした傾向が見られました。
このような傾向を踏まえまして、今回の法案では、仕事と育児との両立の在り方やキャリア形成への希望に応じて、労働者が柔軟な働き方を活用しながらフルタイムでも働けるようにするために複数の措置から選択できるようにすることを目的として、三歳以降小学校就学前の子を養育する労働者については、二つ以上の措置を選択して措置することを、これを事業主に義務づけるという考え方でございます。
○福島委員 大臣、答弁書を読んでいて、言っていることはお分かりでしょうか。
じゃ、なぜ三じゃなくて二なのか、その点についてお答えください。
○堀井政府参考人 済みません、ちょっと経緯も含めてなので、御説明をさせていただきます。
育児・介護休業法は、今、三歳までの子を養育する労働者については、短時間制度、短時間勤務、所定労働時間を短くするという、いわゆる短時間勤務制度と言っていますが、その短時間制度が義務づけをされています。
ただ、この形になる前、平成二十一年改正の前は、複数の制度の中から一つ措置を選択するという選択的措置義務という形を取っておりました。そのときは一つだけを選択するという形だったわけです。
そして、今回の改正法案の中におきましては、今大臣から御答弁があったように、労働者のニーズなども踏まえまして、一つではなく複数選択をするようにする。そのときの考え方としましては、五つの選択肢が、始業時刻等の変更、テレワーク等、保育施設の設置、運営等、新たな休暇の付与、そして短時間勤務制度ということで、短時間勤務以外は、保育施設の設置、運営等はちょっとやや性格が異なりますが、フルタイムでの柔軟な働き方を可能とする、そういった選択肢になっていると思います。
したがいまして、子の年齢に応じて、三歳から小学校就学の始期までの間、複数の選択肢を用意をしますが、その中で複数ということの二つ以上。二つ以上なので、企業の状況に応じて三つ、四つ、五つ、それを選択するということは望ましい措置ではあります。ただ、法律上、あらゆる企業規模の企業に適用される育児・介護休業法の最低基準としては二つということでお考えいただければということでございます。
○福島委員 お考えしても理解はできないんですね。さっきの保育施設とかを一つを企業が選ぶと、あと一つしか選択できないんですよ、勤務時間の仕方は。全然柔軟じゃないと思いますよ。私は、この点は、この場で条文を修正してもいいぐらいだと思って、全く合理性はないというふうに思います。
この措置を事業主が講じようとするときは、法案第二十三条の三第四項に基づいて、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聞かなければならない、これは重要だと思うんです。雇用主と労働者が話し合ってこの措置を決めるから、二つの選択が労働者のニーズにかなうという仕組みになるんです。
ただ、私の周りの友人で、そういった労働組合のある会社で働いている人なんてほとんどいませんよ、本当に、申し訳ないけれども。別に、連合の組織率が低いのが悪いと言っているんじゃなくて、なかなかそういう立派な企業はないんですね。労働者の過半数を代表する組織なんというのは、例えば、最近、JR東日本が社友会というのをつくっている、組合を潰して社友会という御用組合みたいなのをつくっているんですけれども、これじゃ意見なんて言えないですよ。
だから、私は、これは必ず、ほかの条文でも定型のように入っているんです、決まり切ったように。それもこの分野の何か紋切り型になっちゃっているんですけれども、私は、果たして実効性があるか、疑問だと思います。
指針とかにおいて、どうやって労働者から企業が意見聴取を丁寧に行うか、そのやり方なんかを例示したり列挙すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○堀井政府参考人 福島委員御指摘のように、事業主が措置を選択するに当たっては労働者のニーズを適切に把握する、これは大変重要なことでございます。
それで、この措置の内容は、子供を育てる労働者のニーズのみならず、制度の利用者がいる職場の体制等にも関係するものでございますので、労働者の代表者として過半数組合、事業所に過半数組合がないときは労働者の過半数を代表する者、そういった意見聴取、そういった形の規定にしているわけです。
それで、委員お尋ねのように、効果的にやるためにということで、併せてでございますが、育児当事者等からの意見聴取や労働者のアンケート調査、こういった活用も並行して行うということがきめ細やかなニーズ把握に資するというふうに考えられますので、こういったことを望ましい措置ということで指針で示して進めてまいりたいと存じます。
○福島委員 是非そうしていただきたいと思います。
こうした措置があることを、法案第二十三条の三第五項に基づいて、三歳に満たない子を有する労働者に対してあらかじめ周知するということになっています。その方法が、この五項では、労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならないとなっております。
これはできるだけ丁寧に、本来は面談が主だと思うんですよね。私は、別の法案の、国交省の盛土規制法、足立さんが頑張った法案ですけれども、そのときに、住民への説明が、住民への説明その他の国土交通省令で定める措置となって、いざ国土交通省令が定められたら、ホームページにぺらっと出せばいいというような条文になっていて、事実上、住民への説明会というのは骨抜きにされていたんですよ。この間、国土交通委員会の一般質疑で問題視したんですけれども。
似たような条文が妊娠等の申出があったときにあって、一号で面談による方法、二号が書面を交付する方法、三号はファクス、四号は電子メール等の送信の方法と列挙されて、やはりこれも面談とほかが全部並列になっちゃっているんですね。
二〇二三年六月一日の厚労省のイクメンプロジェクトの調査だと、男性育児休暇取得率の高い企業群は、人事担当者が言うんじゃなくて直属の上司が意向確認をしているというのが多いし、書面交付よりも対面かオンラインによる面談の比率が育児休業取得率の高い企業は多いということなんですね。
私、これは是非省令を改正してもらって、面談を原則にして、それができない場合はオンラインとか、ファクスはほとんど実例が少ないので、これはもう削除していいと思うんです、電子メールのやり取り、双方向にできるものにして、一方的に書面交付するようなやり方はもうやめた方がいいと思うんですけれども、ここの省令、改正していただけませんでしょうか。
○堀井政府参考人 福島委員御指摘の、個別の周知と意向確認の方法につきましては、令和四年四月より施行されている、御指摘の妊娠、出産等の申出の際の育児休業制度に関する個別周知、意向確認と同様に、面談及び書面の交付等によることを現在考えております。
それで、こういった形にしております、それぞれの事業者によりまして、規模や労働者の状況などが様々でございます。また、労働者の働き方なども最近はいろいろな形でございます。そのようなことから、一律に面談を原則とするという形にはしておりません。
ただ、適切な形で面談等が行われることが、それは必要でございますので、本規定の円滑な施行に向けましては、きちんと趣旨等を含めて周知に努めてまいりたいと存じます。
○福島委員 書面と、面談、電子メールは違うと思うので、双方向のやり取りをできるやり方でやればいいのであって、一方的に、書面を送ったからもうやりましたというのを許さないような仕組みに是非していただければと思います。
今回、子の看護休暇の取得理由が、感染症に伴う学級閉鎖とか、入学式や学校行事も対象となったのは一歩前進だと思います。ただ、何度考えても、なぜ小学校三年までなのかは全く理由が分かりません。
これまでの答弁でも、十歳以上の子と九歳までの子の診療を受けた日数の状況とありますけれども、資料一がありますけれども、これは年齢階級別の診療を受けた日数ですけれども、ゼロ歳から十五から十九歳までは同じトレンドで下がっているんですよ。だから、九と十のこの間に差を設ける理由はなくて、むしろトレンドが変わるのは十五歳からなわけですから、これは何で五から九の棒グラフと十から十四の棒グラフの間に仕切りを設けるかというのは、何ら合理的な理由がありません。
もう一つ理由に挙げているのは、子育て中以外のほかの労働者との公平感、納得感、こんなものを理由に挙げちゃいけないですよ。小学校三年までだったらほかの労働者との公平感はあるけれども、四年になったら公平感がなくなっちゃうんですか。こんな適当な答弁を私はしてはいけないというふうに思います。
入学式は休暇を取れるのに、なぜ卒業式は休暇を取れないんですか。お父さん、入学式は来てくれたのに、何で卒業式は来られないの、休暇がないからと。これは六年まで延ばしたって、有給休暇じゃないんだから、企業の負担も大きくないと思うんですね。
これぐらいはちゃんとやってやりましょうよ。もう恥ずかしい答弁はやめて、今回修正するなら修正するでもいいし、次に直すなら直すで、こういう恥ずかしい答弁で小学校三年生で切るというのはやめた方がいいと思うんですけれども、いかがですか。
○堀井政府参考人 今回の法案におきましては、コロナ禍を機に明らかとなった小学校就学以降の子の看護等のための休暇のニーズにも対応しよう、そして男女とも仕事と育児を両立できるようにしようということで、子の看護等休暇の対象となる子の範囲を見直したという状況でございます。
それで、福島委員から御指摘もございました、なぜこの範囲で区切りましたかという点につきましては繰り返しはいたしませんが、ただ、そもそもの前提条件として、小学校三年生まで延ばす、そこの中で、子供の各種の休暇等の取得状況を踏まえた、三年生まで延ばすということと併せまして、その年齢までの子供にとってのライフイベント、そういったもので何があるかというところを勘案したところでございます。
○福島委員 入学式は休めるけれども卒業式は休めないという不合理なやつは改めてもらいたいし、日数も、これはあえて聞かないですけれども、なぜ五日のままかといったら、利用日数が女性が多いから、男女共に取得されるように促進するとか、そういう北風政策とかサディズム的なことをやって男に取らせようとしたって、うまくいかないんですね。ここもおかしいということは申し述べさせていただきます。
次は、次世代育成支援策の方に行きます。
今回の法改正で、数値を用いて定量的に定めるとしたのは評価いたします。ただ、数値目標が必要なのは、企業だけじゃなくて、行政側に必要なんじゃないですか、国側に。今回、時限立法を更に十年延ばしていますけれども、時限立法にするなら、こうした数値目標を達成したら法律が廃止になりますよというのは分かるけれども、これは全然時限立法にする意味がないと思うんですよ。むしろ恒久化すべきじゃないかと思うんですよ。
しないんだったら、ちゃんと時限にするための数値目標を政府が背負えばいいし、そうじゃないんだったら恒久化すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 次世代育成支援対策推進法は、急速な少子化の進行などに伴い、二〇〇五年四月から二〇一五年三月末までの十年間に集中的かつ計画的に次世代育成支援対策を実施するために制定をされ、その後、二〇二五年三月末までの十年間、期限の延長がなされたという経緯がございます。
延長された十年間の取組の結果、男性の育児休業取得率の上昇や、それから女性の継続就業率の上昇、それから女性の労働力率の向上といった効果は見られたものの、少子化の進行スピードが加速をしておりまして、いわゆるL字カーブや、家事、育児の負担が女性に偏りがちであることといった課題が依然として残っているという状況にございます。
このような中で、昨年十二月に閣議決定されたこども未来戦略の中で男性の育児休業取得率の目標を二〇三〇年に八五%としていることや、それから、加速化プランとして今後三年間で集中的に少子化対策に取り組むこととしていることなどから、期限を区切り、集中的かつ計画的に次世代育成支援対策に取り組むことが効果的であり、恒久法ではなく、法の有効期限を十年間延長するとしたわけでございます。
○福島委員 私、頭が悪いのか、全く今の大臣の答弁も理解できなかったですね。なぜ時限かというのは全くよく分からないので、これも、でも立法府で変えればできるんですね、労政審が何を言おうが審議会が何を言おうが。私は、これは恒久化すべきであるというふうに思います。
ちょっと時間がなくなっちゃっていて、大分飛ばして、残った質問はまた金曜日に質疑の機会をいただきますのでやりますけれども、今回、育児休業、特に男性育児の休業の状況の公表を千人から三百人に広げる、これは極めて大事だと思います。この履行状況についてはちょっと時間がないので聞きませんけれども、要は、見える化することによって、特にこれから働こうとする人とか今働いている人たちが企業を評価したり、あるいは、マーケットの場で、資本の場で株価が上がるとか、こういう企業とは取引するのをやめようとか、そうした抑制が利くことが一番大事だと思うんですね。
そうしたので見たときに、今日は私の通産省の同期の井上審議官にいらしていただいて、こうやって同期で議論するのが夢だったので今日呼んだんですけれども、経産省はなでしこ銘柄レポートというのを出していて、業種ごとに共働き、共育ての実現に向けた支援にスコアリングしたり、あるいは、ネクストなでしこ共働き・共育て支援企業というのを選定して、その特徴を分析したりしています。
これはどういう狙いで、どういうことをやっているのか、思う存分宣伝いただけないでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省としては、男性の育休取得を含め、性別を問わず、社員の育児とキャリアの両立支援に取り組む企業が資本市場においても積極的に評価されることが重要というふうに考えております。
こうした認識の下、経済産業省としては、東京証券取引所と合同でなでしこ銘柄というものですとかを選定しておりまして、投資家などのステークホルダーに紹介をしているところでございます。
このなでしこ銘柄などの選定に当たりましては、女性役員比率などとともに、男性正社員の育児休業取得率や育児休業の平均取得日数などを評価しておりまして、あわせて、それらの指標を一覧化しまして、業種ごとに公表しているところでございます。
経済産業省としては、こうした取組によりまして、引き続き、女性の活躍推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○福島委員 入省以来の生真面目な答弁をありがとうございます。
厚生労働省も両立支援のひろばというホームページを作っていて、結構これは分かりやすくなっていると思うんです。ただ、これは、業種、地域とか、個別企業を検索するのには役立つんですけれども、全体のトレンドとかそういうのが分からないんですね。こういう業種は男性が育児取得、取りやすいよとか、地域で、東京はやりやすいけれども、うちの地元は駄目だねとか、そうしたことを統計的に処理をしたり分析した部分がないんですね。
私は、結局、そうしたものがないと、個別の企業がどうなっているかというのには、今、厚生労働省の両立支援のひろばは生きるんですけれども、もうちょっとそこを分析したりして、こういう業種だとよくなっていますよとか、この地域はちょっと遅れていますよとか、そういうようなことが見られるように充実させた方がいいと思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
○武見国務大臣 御指摘は、育児休業取得率について、企業や職種の情報等を見やすくするための御提案ですね。
企業自ら積極的な取組を進めていくという社会的な機運を醸成をして、それから男性の育児休業の取得を促進するために、令和五年四月より、常時雇用する労働者数が一千人超の事業主に対しまして、育児休業の取得状況の公表を義務づけております。また、こうした育児休業の取得状況を含む企業情報について、厚生労働省で運営するウェブサイト、両立支援ひろばや、各社のホームページにおいて閲覧することが可能となっております。
今回の法案では、当該公表義務の対象事業主の拡大などが盛り込まれておりますが、今後、こうした情報からどのような分析ができるかについては、利用者のニーズ等をしっかりと把握をしながら、今後の検討を進めたいと思います。
○福島委員 是非よろしくお願いいたします。
それで、問題は、今も千人超の企業の育児休業の公表をしなきゃならないことになっていますけれども、二〇二三年六月一日時点での厚生労働省の、先ほどのイクメンプロジェクトでは、発送四千四百九件中、有効回答は千四百七十二のみなんですね。現在、どのぐらいの企業が公表しておりますか。
○堀井政府参考人 厚生労働省の方におきまして把握をしている公表義務の施行状況でございますが、令和五年四月一日に施行されて以降、最初の公表時期が到来をしている常時雇用する労働者数千人を超える事業主のうち、今、八割近くが公表しているという状況でございます。
○福島委員 じゃ、大分、八割というのは、まあまあそれなりにしているんだと思います。
ただ、問題は、千人以上の従業者の企業数は四千六百二十八ですけれども、三百人以上の従業者の企業は一万九千三百二十、これは経済センサス、かなり多くなるんですね。やはりチェックが大変だと思うんですけれども、この義務は罰則がかかるものではないとは思うんですけれども、これはどうやってチェックして企業に公表を促していくのか、その辺りの行政の措置について教えてください。
○堀井政府参考人 現行で公表義務の対象となっている常時雇用する労働者数千人超の事業主に対しましては、公表前事業年度終了後速やかに、これはおおむね三か月以内ということにしておりますが、三か月以内に公表するよう定めていまして、この履行状況の把握のために、都道府県労働局におきましては、育児・介護休業法第五十六条に基づきまして報告徴収を行っています。
報告徴収をした結果、規定を遵守していない事業主を把握した場合につきましては、助言、指導、勧告を実施をするほか、さらに、勧告を受けた者がこれに従わなかった場合については、制度的に企業名の公表等を行うことが可能となっておりますので、こういったことによりまして履行を確保したいというふうに考えております。
○福島委員 かなり対象の企業の数が多くなりますので、きめ細かく対応していただければと思います。
最後ですけれども、参考人質疑でもあったんですけれども、短時間の育児休業取得では不十分だ、どういう育児休業を男性がしているかの内容が大事なので、日数とか、そういうのも公開が必要じゃないかというような御意見がありました。私もそのとおりだと思います。
何を公開するというのは、法案第二十二条の二に基づく厚生省令で定めることになっていて、今の省令は育児休業の取得割合を公表することになっていますけれども、例えば平均取得日数といった、どのような質の男性育児休業を取っているか、これも公表させるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○新谷委員長 堀井雇用環境・均等局長、申合せの時間が経過していますので、簡潔にお願いいたします。
○堀井政府参考人 委員御指摘のように、現在は育児休業の取得率の公表ということで考えております。
それで、男性、女性を含めまして、特に男性についての育児の質の向上ということで、育児休業期間中の質の向上ということで、育児休業の日数ですとか家事、育児参加、そういったことについてはこれまでも委員会でいろいろ御議論をしていただいたところです。ただ一方で、育児休業自体が、育児・介護休業法上、労働者の権利ということになっておりまして、その希望に応じて取れるということが前提としてございます。
ですので、少なくとも今の育児休業取得率を上げていき、さらにいろいろな形でその日数も延ばしていくという努力もしながらというふうには考えておりますが、現在、公表義務の対象ということでは入れていないということでございます。
○福島委員 是非、今後検討していただきたいと思います。
残りの介護に関する質問は金曜日にさせていただきます。どうもありがとうございました。
○新谷委員長 次回は、来る二十六日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十一分散会