第19号 令和6年5月15日(水曜日)
令和六年五月十五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 新谷 正義君
理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
理事 橋本 岳君 理事 三谷 英弘君
理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
秋葉 賢也君 畦元 将吾君
石原 正敬君 上田 英俊君
金子 容三君 川崎ひでと君
佐々木 紀君 塩崎 彰久君
鈴木 英敬君 田所 嘉徳君
田畑 裕明君 田村 憲久君
高階恵美子君 中谷 真一君
仁木 博文君 西野 太亮君
堀内 詔子君 本田 太郎君
三ッ林裕巳君 宮路 拓馬君
森 由起子君 柳本 顕君
山本 左近君 吉田 真次君
阿部 知子君 大西 健介君
堤 かなめ君 西村智奈美君
山井 和則君 柚木 道義君
吉田 統彦君 早稲田ゆき君
一谷勇一郎君 遠藤 良太君
岬 麻紀君 福重 隆浩君
吉田久美子君 宮本 徹君
鈴木 義弘君 田中 健君
福島 伸享君
…………………………………
厚生労働大臣 武見 敬三君
厚生労働副大臣 浜地 雅一君
厚生労働大臣政務官 塩崎 彰久君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 柴田 紀子君
政府参考人
(出入国在留管理庁在留管理支援部長) 福原 申子君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 伊藤 学司君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 松浦 重和君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 内山 博之君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 浅沼 一成君
政府参考人
(厚生労働省健康・生活衛生局長) 大坪 寛子君
政府参考人
(厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長) 佐々木昌弘君
政府参考人
(厚生労働省医薬局長) 城 克文君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局長) 朝川 知昭君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 間 隆一郎君
政府参考人
(厚生労働省保険局長) 伊原 和人君
政府参考人
(厚生労働省年金局長) 橋本 泰宏君
政府参考人
(厚生労働省政策統括官) 鹿沼 均君
政府参考人
(経済産業省大臣官房総括審議官) 南 亮君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
金子 容三君 岸 信千世君
福島 伸享君 北神 圭朗君
同日
辞任 補欠選任
岸 信千世君 金子 容三君
北神 圭朗君 福島 伸享君
同月十五日
辞任 補欠選任
勝目 康君 西野 太亮君
川崎ひでと君 石原 正敬君
鈴木 英敬君 森 由起子君
田畑 裕明君 佐々木 紀君
田中 健君 鈴木 義弘君
同日
辞任 補欠選任
石原 正敬君 川崎ひでと君
佐々木 紀君 田畑 裕明君
西野 太亮君 宮路 拓馬君
森 由起子君 鈴木 英敬君
鈴木 義弘君 長友 慎治君
同日
辞任 補欠選任
宮路 拓馬君 勝目 康君
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五月十五日
保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三三二号)
同(奥野総一郎君紹介)(第一四三六号)
パーキンソン病治療研究支援及び医療制度等の改善に関する請願(田中健君紹介)(第一三三三号)
同(玉木雄一郎君紹介)(第一三三四号)
同(中島克仁君紹介)(第一三三五号)
同(前原誠司君紹介)(第一三三六号)
同(柚木道義君紹介)(第一四八五号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一五四二号)
安全・安心の医療・介護の実現のため人員増と処遇改善を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三三七号)
同(本村伸子君紹介)(第一三八七号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一五一〇号)
福祉職員の最低賃金を千五百円以上にして、職員配置基準を引き上げることに関する請願(坂本祐之輔君紹介)(第一三三八号)
同(宮本岳志君紹介)(第一三三九号)
同(堤かなめ君紹介)(第一三六六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一五一一号)
同(吉田統彦君紹介)(第一五三五号)
国立病院の機能強化に関する請願(新垣邦男君紹介)(第一三八八号)
同(小沢一郎君紹介)(第一三八九号)
同(菊田真紀子君紹介)(第一三九〇号)
同(源馬謙太郎君紹介)(第一三九一号)
同(徳永久志君紹介)(第一三九二号)
同(青山大人君紹介)(第一三九七号)
同(浅野哲君紹介)(第一三九八号)
同(荒井優君紹介)(第一三九九号)
同(石川香織君紹介)(第一四〇〇号)
同(鎌田さゆり君紹介)(第一四〇一号)
同(吉良州司君紹介)(第一四〇二号)
同(櫻井周君紹介)(第一四〇三号)
同(志位和夫君紹介)(第一四〇四号)
同(重徳和彦君紹介)(第一四〇五号)
同(たがや亮君紹介)(第一四〇六号)
同(中谷一馬君紹介)(第一四〇七号)
同(福田昭夫君紹介)(第一四〇八号)
同(馬淵澄夫君紹介)(第一四〇九号)
同(牧義夫君紹介)(第一四一〇号)
同(宮本徹君紹介)(第一四一一号)
同(屋良朝博君紹介)(第一四一二号)
同(山岡達丸君紹介)(第一四一三号)
同(山崎誠君紹介)(第一四一四号)
同(米山隆一君紹介)(第一四一五号)
同(井坂信彦君紹介)(第一四二五号)
同(大石あきこ君紹介)(第一四二六号)
同(大河原まさこ君紹介)(第一四二七号)
同(大西健介君紹介)(第一四二八号)
同(神谷裕君紹介)(第一四二九号)
同(田中健君紹介)(第一四三〇号)
同(玉木雄一郎君紹介)(第一四三一号)
同(寺田学君紹介)(第一四三二号)
同(福島伸享君紹介)(第一四三三号)
同(森田俊和君紹介)(第一四三四号)
同(米山隆一君紹介)(第一四三五号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一四八六号)
同(逢坂誠二君紹介)(第一四八七号)
同(小宮山泰子君紹介)(第一四八八号)
同(篠原豪君紹介)(第一四八九号)
同(白石洋一君紹介)(第一四九〇号)
同(谷田川元君紹介)(第一四九一号)
同(柚木道義君紹介)(第一四九二号)
同(渡辺創君紹介)(第一四九三号)
同(泉田裕彦君紹介)(第一五一三号)
同(神田憲次君紹介)(第一五一四号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一五一五号)
同(田村貴昭君紹介)(第一五一六号)
同(野間健君紹介)(第一五一七号)
同(堀井学君紹介)(第一五一八号)
同(岡本あき子君紹介)(第一五三六号)
同(道下大樹君紹介)(第一五三七号)
同(吉田統彦君紹介)(第一五三八号)
軍事費の拡大ではなく社会保障の拡充を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一五一二号)
障害福祉についての法制度拡充に関する請願(大島敦君紹介)(第一五三四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
委員派遣承認申請に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
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○新谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官柴田紀子君、出入国在留管理庁在留管理支援部長福原申子君、文部科学省大臣官房審議官伊藤学司君、大臣官房審議官松浦重和君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官内山博之君、医政局長浅沼一成君、健康・生活衛生局長大坪寛子君、健康・生活衛生局感染症対策部長佐々木昌弘君、医薬局長城克文君、社会・援護局長朝川知昭君、老健局長間隆一郎君、保険局長伊原和人君、年金局長橋本泰宏君、政策統括官鹿沼均君、経済産業省大臣官房総括審議官南亮君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○新谷委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。一谷勇一郎君。
○一谷委員 皆さん、おはようございます。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案の一人目の質疑者として、大変重要な役割をいただいたと思います。また、本日採決があるということですので、まず冒頭、この法案について少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
同法は、再生医療などを自由診療や臨床研究として実施する際、外部の有識者を含む認定委員会の審査を求める、これは大きなポイントだと思います。
そこで、今回の法案の改定なんですが、これまで、体外で細胞に遺伝子を導入した上で、その細胞を体内に投与する遺伝子治療は対象となっていたが、遺伝子を直接体内に送り込むインビボ遺伝子治療は対象外だった。そのため、この治療を自由診療として行う際の法律規制がない状態だった。科学的根拠が不明瞭な治療法を自由診療としてがん患者や難病患者に施術をする医療機関もあり、専門家から不安の声があったというふうに聞いております。
改定案では、認定委員会の質を確保するため、定期報告や立入検査などの規定も盛り込むということで、私の認識が間違っておればまた指摘をいただきたいと思うんですが、その上で質問をしていきたいと思います。
まず、二〇一三年にいわゆる再生医療三法が成立して、国家プロジェクトとして再生医療の推進と規制がなされてきたわけでありますが、私も地元は神戸ですので、再生医療は大変盛んです。まず初めに、再生医療への期待と、我が国が再生医療分野で世界をリードしていくための課題を政府参考人の方にお伺いをいたします。
○内山政府参考人 お答えいたします。
再生医療等については、新たな疾病の治療や予防、難病等の克服にもつながる可能性があるなど、医療の質を大きく向上させることが期待され、我が国の国益に直結する科学技術であるというふうに認識をしてございます。
一方、再生医療等の実用化につきましては、我が国で薬事承認された再生医療等製品のうち、直近三年間では十一品目ございますけれども、その半分以上が海外で開発されたものでございまして、今後は、欧米に先駆けて我が国発のシーズが実用につながるように研究開発を進めていく必要があるというふうに考えてございます。
こうした再生医療等につきましては、AMEDを通じて、関係省庁と連携してその研究開発費の支援等を行っているところでございまして、引き続き、実用化に向けた研究開発の支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○一谷委員 今、海外でという話もありましたが、治療の件数も多いと思うんですね、日本は。再生医療等は、二〇二一年十二月三十一日現在で四千五百九十三件、治療や研究が行われていると聞いております。特に、これは一種、二種、三種というふうに分けて、高リスク、中リスク、低リスクとなっておりますが、一種の研究では約半数が、半数以上がiPS細胞の研究だと聞いておりますので、非常にここは日本が優位性があるのではないかというふうに思っています。
そういったことも踏まえてなんですけれども、この四千四百七十一件のうち、やはり治療が多いのが三種になります。三千四百七十五件ということで、研究も五十三件行われているんですけれども、一番多い再生医療等であるこの三種なんですが、品質管理が日本の再生医療の質を保つために非常に重要だというふうに考えます。そのための今回の改定であると考えますが、再生医療等計画書を審査する再生医療等委員会の審査の品質管理等、このレベルの向上が課題となっているのではないかというふうに思います。
審査が通りやすい委員会と通りにくい委員会があって、審査が通りやすい、委員会ショッピングと言われるような行動に出て、合格が出るような委員会に、出るところの委員会に、駄目だったらそこを渡り歩いていくということ、これは非常に問題じゃないかなというふうに思いますし、私も、この法案の中を見てみますと、医療を提供する側の法人と提供計画書を審査する法人が同じというところも、これは違法ではないけれどもあるということで、同法の提訴が、全国初、二〇二四年の三月十三日に、どの分野かは言いませんけれども行われて、患者への説明責任がなされていなかったということが言われています。
これからこの再生医療分野を発展させていく中で非常にこれは大きな問題だと思うんですが、このことについてどう解決していくのか、今回の法案の中でどういうふうな位置づけになっているのか、参考人の方の御意見をお伺いします。
○内山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、認定再生医療等委員会の質の向上というのは非常に大きな課題というふうに思ってございます。
このため、厚生労働省では、認定再生医療委員会において適正な審査が行われるよう、この五月にガイダンス、認定再生医療等委員会の適切な審査等業務実施のためのガイダンスを発出させていただいたところでございます。このガイダンスの中で、委員会に対して、審査対象となる計画について、過去の他の委員会での審査履歴、その審査結果について確認するように求めておりますし、また、質の向上のための各種対応をこのガイダンスの中で行っているところでございます。
このガイダンス、一回、五月に出したところでございますけれども、今後とも、不断の見直しを行いつつ、引き続き適切な審査が行われるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○一谷委員 五月に出されたばかりということで、まだまだ効果の方は未知だと思うんですが、やはり、余りに患者さんの不利益になったりとか、後で質問させていただきたいんですが、これは医療ツーリズム、インバウンドにも非常に日本の国家戦略として有効だと思いますので、余りに目先の利益で医療事故が起こると、再生医療、何だということになってしまうので、ここは、このガイダンス、これからも見直しをしっかり進めていっていただきたいと思います。
次の質問をさせていただきます。
再生医療法は、細胞の安全性、この法案のネーミングの中にも安全性の確保等ということは書かれているんですが、治療自体の有効性まで保証するものではないというふうに私は感じました。この有効性をどう考えていくのかということについて政府参考人の方にお伺いいたします。
○内山政府参考人 お答えいたします。
再生医療につきましては、その有効性それからリスクに関する科学的な知見等を踏まえて、認定再生医療等委員会の審査により妥当と判断されたもの、これが提供可能というふうになってございます。
その審査の際には、先ほど申し上げました認定再生医療委員会のガイダンスにおきまして、科学的妥当性を評価するための科学的文献チェックリスト等の活用を示しているところでございます。
あわせまして、治療の提供開始後もこの妥当性の評価等が引き続き行われますよう、提供計画に科学的妥当性の評価方法を記載事項として設けるとともに、定期報告における科学的妥当性の評価を求めることともしてございます。
引き続き、こうしたことを通じまして、再生医療等の治療における有効性について、科学的エビデンスの担保に努力してまいりたいというふうに思ってございます。
○一谷委員 これは通告していなくて、今の質問を聞いてちょっと更問いをしたいんですが、治療については今おっしゃっていただいたとおりだと思います。ただ、臨床研究、これは効果が出るかどうかは未知だと思うんですが、臨床研究と治療ということは分けて考えておられるのかどうかということを、もし答弁できましたら。
○内山政府参考人 お答えいたします。
先ほど来申し上げておりますガイダンスにおきましては、治療の場合というのと研究の場合を分けて、まさに再生医療計画の内容、科学的妥当性ですとかリスク・ベネフィット評価をするように求めているところでございまして、それぞれの場面で有効性等を評価をしていただくように、これから取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
○一谷委員 ここは臨床研究と治療というのをやはり明確に分けていかなければならないと思います。将来の患者のためになるものが臨床研究でありますが、それでも、人間を対象とする医学研究は、その目的の重要性が被験者のリスク及び負担を上回らなければならないというふうな、これはヘルシンキ宣言に載っていますが、そういった基礎の考え方でありますし、治療となれば目の前の患者さんの健康や福祉の回復が最前線でありますので、ここは分けて考えていっていただきたいと思いましたが、今、ガイダンスではそうなっているということですので、少し安心をしました。
次は、再生医療が私の地元神戸でも物すごく、クリニックさんでもやられておるんですけれども、やはり広告がちょっと過大ではないかなとか、ちょっとよく分からないなという広告もあるんですが、この広告について今政府はどう考えておられるのかということをお伺いします。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
医療法におきましては、虚偽広告や誇大広告などを禁止するとともに、診療科名や医療機関の名称などの広告可能な事項を限定しております。また、広告可能事項以外を広告するに当たりましては、問合せ先を明示した、ウェブサイト等による広告で、自由診療につきましては、再生医療も含め、通常必要とされる治療等の内容、費用、リスク、副作用等に関する事項につきまして情報を提供する必要がございます。再生医療機関におきましても、これらの法令を遵守して広告を行う必要がございます。
また、医療法に基づく医療広告を推進するため、医療広告ガイドラインや事例解説書を作成し、具体的な考え方を周知するとともに、医療機関のウェブサイト等の監視等を行うネットパトロール事業を行い、都道府県等と連携しながら、医療広告の適正化を図っているところでございます。
厚生労働省といたしましては、医療広告規制に関する取締りを行う各都道府県等とも連携をしながら、引き続き、医療広告の適正化に取り組んでまいりたいと考えております。
○一谷委員 特に難病を抱えておられる方で、本当に広告を見てわらにもすがる思いで再生医療を受けられる方もいらっしゃると思いますし、医療ほど情報格差がある分野もないと思いますので、広告規制については、ここはやはりしっかり見ていかないといけないのではないかなと思います。
次の質問は、法案の中身と少し離れてしまうんですけれども、医療ツーリズム、先ほども申しましたが、医療ツーリズムは、インバウンド戦略の一つとして国が推進をしてきたというふうに思います。
二〇一〇年には、医療行為を受ける目的なら、最長で半年間、日本に滞在できるというふうになりました。私の地元の神戸でも、一八年度には、神戸大の国際がん医療・研究センターが実際に相談の窓口も設けています。
この医療滞在ビザの発行というのは非常に有効だというふうに思うんですけれども、医療ツーリズムをされる際に、私も、実は民間のときに、もう十年か十五年前ですかね、いろいろな、中国とか韓国から依頼を受けて取り組んだことがあるんですけれども、やはり、日本の医療の対象ではない、対象ではないけれども来てしまう方、また、対象で来てしまったけれども効果が余り見込めなかったであるとか、思ったより治療費が高かったというようなことも実際に起こっていました。
これは、事前の説明であったりとか、各医療機関の問題ではあると思うんですが、とはいえ、医療ツーリズム、国家戦略としている以上は、やはり国も何らかの考えを示していかなければならないと思いますので、地元の話ばかりして申し訳ないんですけれども、我々神戸は、神戸空港が国際化をされていきますので、医療ツーリズム、一つの産業の柱になっていくと思います、医療産業都市でもありますので。こういったことも踏まえて、今、政府の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
日本で医療を受けるために来日する外国人患者につきましては、その受入れが円滑に行われるよう、患者と病院のマッチングや医療情報のやり取り、通訳等の幅広いサポートを行う医療渡航支援企業につきまして、民間団体による認証やガイドラインの策定等を行っており、経済産業省におきまして、こうした取組につきまして支援しているものと承知しております。
また、厚生労働省では、健康・医療戦略等に基づき、外国人患者が我が国で適切な医療を受けられるよう、外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアルの策定、その周知、医療機関が通訳者や医療コーディネーターを配置する際の経費補助等を行っております。
引き続き、医療機関における外国人患者の受入れの環境整備を進めてまいりたいと考えております。
○一谷委員 二〇四〇年の高齢化のピークを超えていくと、医療を受けられる方も少なくなってくるのではないかなと思います。かといえ、日本にあるCTやMRIの機械は世界一ということも聞いておりますし、最先端医療でもあります。
私が、海外から何で日本の医療を受けたいかということを聞くと、医療の質とかレベルとか技術は中国もドイツもアメリカも日本もほぼ一緒だ、ただ、日本の看護師さんであるとかドクターであるとか支えてくださる方々の、人の目が届かないところでの仕事がどれほどしっかりしていてすばらしいか、やはり命を預ける、自分の体を預けるんだったら日本で治療してほしいという声をたくさん聞きましたし、私も、他国に行って、大体病気になるんです、実際、ちょっと体が弱いんですよ、実は。大体、そこの大きな病院に行くんですけれども、やはり日本の病院の質と比べると不安で不安で仕方がないので、ここは日本の大きな、目に見えない力だと思いますので、医療ツーリズム、私も進めていきたいと思いますので、皆さん、お力を集めていただきたいと思います。
次は、大臣に御質問させていただきたいと思います。
今、高齢社会を迎えていく中で、人工関節の話なんですけれども、やはり膝や股関節の人工関節というのが十年前に比べて約一・五倍から二倍に増えているということになっています。一般社団法人日本人工関節学会のホームページを見ましても、膝が十万件、あと股関節が七万件と非常に多いですし、私も仕事をしてきて、この悩みが一番やはり多かったです。
歩くという基本動作は、健康であったり社会面であったりとか、あと環境面、いろいろなこともありますが、私はやはり衛生面に一番関わってくると思うんですね。自分でトイレに行けたり、お風呂に入れる。こういうことも考えると、国家プロジェクトとして再生医療をしていくのであれば、もう少し膝とか股関節の治療に特化したような研究というのを推し進めていくような施策も必要ではないかなと思うんですが、お考えをお聞きしたいと思います。
○武見国務大臣 私も、高齢化対策としてのこうした再生医療の果たす役割には大変大きな期待をしております。機能の再建や修復を可能とする再生医療は、高齢化社会において股関節や膝への治療応用が期待されております。
再生医療、細胞医療、遺伝子治療の研究開発の支援につきましては、これは、AMEDを通じて、厚生労働省、文科省、経済産業省で連携して実施しております。例えば、関節の再生医療については、iPS細胞由来軟骨移植による膝関節の再生医療、それから自家濃縮骨髄液移植法による大腿骨の再生医療などの研究開発などについて、現に支援を行ってきております。
こうした関節に関わる再生医療の実用化を見据えた研究に対する支援、これをしっかりと行っていきたいと思っております。
○一谷委員 現場の声をお話ししますと、人工関節は物すごく技術の進歩で、日本が最先端だと思いますが、それでもやはり十五年ぐらいしかもたないと私は思います。もう一回やり直さなければならないとなってくるんですね。ですから、ドクターとしては、やり直すのは、やはりその方の負担もあるので、ぎりぎりまで延ばして延ばして、人工関節、しようとすると、その延ばされている間の患者さんの痛みというのは結構つらいものがあると思いますし、また、関節を替えたとしても、寿命が延びていますので、もう一回やり直さないけないというタイミングが、結構私は現場にいて見ていますので。
人工関節も必要だけれども、その前に再生医療をして関節がすり減っていくのを少し遅らせていくであるとか、いろいろな新しい治療方法ができてくると思いますので、是非ここは、AMEDも力を入れていただいているということですし、再生医療をした場合の膝関節、股関節のリハビリというのはまた別の技術が必要だというふうに思っています、この現場も見に行きましたけれども。そういうのも、理学療法士さんとか、私は柔道整復師ですけれども、関係職種のカリキュラムの変更ということも必要ではないかなというふうに思いますので、お願いしたいと思います。
再生医療は、いろいろな問題もあるんですが、法改定を重ねながら、日本の産業の柱、そしてこれからの患者さんの利益に必ずつながっていくと思いますので、期待を持って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
本日は誠にありがとうございました。
○新谷委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
今日は再生医療ということでありますが、実は、我が党、この委員会、この国会冒頭から、とにかくチームでやるということで、この厚生労働委員会、四本の法律、あるいは少子化対策、あるいは先日の入管法、いろいろなものがありますが、四人の委員が常に連携をして、例えば少子化対策法案であれば、四人の委員が順番に同じ問題意識で質問してきたわけであります。
ところが、この再生医療についてはちょっとその連携に失敗をしまして、一谷委員との質問の調整がちょっとうまくいっていませんで、分担するところを、今、一谷さんの質問で全部私が聞きたいことが分かっちゃいまして、ほぼこれは終わりました。
ついては、通告もしているんですが、これはいい法律ですから賛成ということでありまして、法案審議でありますが、ちょっと私の時間を頂戴して入管法の話を。これは調整の失敗ということで御理解をいただきたいと思います。
実は、今週中にも法務委員会で入管法それから育成就労法が多分可決をしていくだろうということになります。我が党は、今、修正協議をしているようでありますが、基本的には賛成する方向で調整をしていると承知をしています。立憲はいろいろまだ分からないのかな。まあ、やめておきましょう。
入管法については、先日、連合審査会で私も質問させていただきました。そのときに私が取り上げたのは、例の、五月八日に法務省から紹介があった、報道の見出しでいうと、永住者、未納は一割というやつですね。これは大変語弊がある、ミスリードな報道でありますので、ちょっと改めて法務省から、サンプル調査、未納等に関するサンプル調査の概要と、そのサンプル調査から得られた、永住者の実態に関する何が分かったのか、示唆されることは何なのか、御紹介をいただきたいと思います。
○福原政府参考人 お答え申し上げます。
従前から、入管庁におきましては、一部の永住者が永住許可後に公的義務を履行しなくなる例があるということを地方自治体の声などを通じて把握しており、問題意識を有していたところでございます。
御指摘の調査は、出入国在留管理庁におきまして確認可能な範囲として、永住者の実子として出生した者による永住許可申請の審査記録において、永住者である扶養者による公租公課の未納の有無を確認したものでございます。その結果、令和五年一月から六月末までに処分がなされた一千八百二十五件のうち、許可がなされなかった五百五十六件を精査したところ、二百三十五件について永住者による公租公課の未納が確認されたものでございます。
その上で、今回の調査は、結果として、永住許可後に公租公課の支払いがなされていない場合が一定数存在するということが確認されたというものであり、この結果をもって直ちに永住者全体の公租公課の支払い状況を評価できるものではないと考えておりますが、永住許可を受けた後に公的義務を履行しない者が存在するという従前から指摘されてきた事実を裏づけるものであると考えております。
○足立委員 ありがとうございます。
ただ、一定数存在するというのは、おっしゃったように想定されることだから、当たり前といえば当たり前だから、結局、法務省として、ごめんね、問い詰めるつもりはないので適当でいいんですけれども、何か新しいことが分かったのかな。ちょっとお願いします。
○福原政府参考人 永住者につきましては、永住許可後に在留期間の更新といった在留審査の手続がないため、永住許可を受けた後に公的義務を適切に履行しないなど、永住者の在留資格を付与し続けることが相当でないと判断される場合であっても、永住許可を取り消すなど、適切な在留管理を行うことができないということがございます。
今回、入管法を改正し、永住者に係る在留資格の取消し事由を追加しようとするものでございます。
○足立委員 取消し事由を追加するという今回の法案、私たちは、それはこれから外国人をたくさん入れていく上では当たり前だと思うんですね。
しかし、今御紹介があったように、チェックする関門がないわけですね。今、たまたま、子供さんが生まれたときに、その子供さんの永住許可を得たいという申請をしてこられたから資料があるだけだと。そうすると、これからも永住者についてはその関門はないんだよね。今回できるんだっけ、何か。
○福原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどの繰り返しになりますが、現在、永住者につきましては、永住許可後に在留期間更新の手続といった在留審査の手続がございませんので、現在はチェックをすることができないということでございますが、今回の改正法案の中には、自治体からの情報提供をいただく、そのための規定を盛り込んでいるところでございます。
○足立委員 これは後で、厚労省にも行きますから、ちょっと確認しておいてほしいんですけれども、結局、現場で情報を持っているのは自治体だ、だから、自治体が、これはちょっとやばいぞ、要は、永住許可を取り消すべきだというような情報提供がなければ、国家としてそれを把握すること、自ら把握することはなくて、だから、結局、今回の外国人の問題で私が一番本質的な問題だなと思ったのは、外国人の在留管理は国家がやっているわけです。国がやっているわけですね。ところが、今あったみたいな、納税とかあるいは社会保険とか、そういうことは全部自治体の現場でやっているわけです。そこが、基本的には、例えば、事務が全部分かれているので、情報提供と一言で言うんだけれども、それはほんまになされるのかというと分からぬじゃないかということで、この後の質問につながるんですね。
ごめんなさい、今日、特に参考人の皆様は私は大丈夫だよと言ったんですよ。大臣とか副大臣の皆さんも、誤解なきように。こんなにたくさん呼んでいる、私が来てくれと言ったんじゃないんです。自由にどうぞと言ったら、いっぱい来ちゃったんですね。通告のときに、再三事務方には、細かいことは聞かないから、特に医療とか介護とか税とか各論を申し上げることはありませんよ、だから大丈夫ですよと言ったんだけれども、念のためといって厚生労働省の幹部会みたいになっちゃって大変恐縮をしているわけでありますが、ただ、聞いておいていただくという意味では私は意味があると思いますので、お時間を頂戴してありがとうございます。
なぜ私がこれにこだわるかというと、連合審査会でも、法務省の今の、入管庁の今のサンプル調査を受けて大臣にいろいろ申し上げて、大臣もまあそうだなということですが、その場のちょうちょうはっしのやり取りですから、ちょっと一息置いて、昨日一日かけて、党内で、これは本当にどうするか、よく考えて今日来てねということを申し上げていたわけです。
まず、大臣には二問あります。
一つは、今の法務省のサンプル調査をどう受け止めたかですよ。私もこれはよく分かりません。例えば、千八百二十五件のサンプルのうち二百三十五件が未納というんだけれども、実は、永住許可が認められなかったものは、その二百三十五件だけじゃなくて五百五十六件あるわけです、それを含めて。分かりますか。だから、千八百二十五件のうち五百五十六件は、永住許可を子供さんに与えることはふさわしくないという判断をしているわけですよ。だから、その親というか親御さんも、更新、そこは、だから、今回の法律で許可の取消しみたいなことの出口ができたことはすばらしいと思うんですけれども、いや、大事な仕組みだと思うんですけれども、それだけのウェートでやはり課題があるということなんです。
そこで、外国人を取り立てて言うと外国人差別だとかいうんだけれども、御指摘のとおり、外国人にも問題のある方はいらっしゃるけれども、日本人にも問題のある方はいらっしゃいますね。当たり前です。しかし、日本人は日本人ですよ。だって、国家なんだから。だけれども、外国人については、これは政策で入れる、入れないということを決めているわけだから、外国人の入国というか在留あるいは永住許可を拡大していくに当たっては、その政策が日本人社会、あるいは国家というもの、国というものにどういうインパクトを与えるかということをやはり評価していかなあかんと思うんですよね。
だから、まず大臣への御質問は、今の法務省のサンプル調査を一応見たと思います。これを見ると、永住者の社会保障負担、例えば保険料を払うとか、そういう永住者の社会保障負担が日本人の社会保障負担に与える影響、要はプラスかマイナスかですよ。直近だとプラスだとか、いろいろな議論があったんだけれども、今回のサンプル調査を見ると、永住者も結構いろいろ問題があるわけです。日本人も問題があるんです。もし、日本人全体の問題のウェートと外国人の問題のウェートを比べたときに外国人の方が重たいんだったら、これはやはり、拡大をしていけばその問題は重たくのしかかってくる。でも、もしかしたら、永住許可というのはスクリーニングをしているので、日本人の全体よりも外国人のセグメントの方が社会保障に与える負荷は小さいかもしれない。
何か大臣は、今回の法務省のサンプル調査でそこについての一定の示唆、これを得たのか得ていないのか、教えてください。
○武見国務大臣 これは、委員御指摘のように、永住者の子が申請して永住許可を得る要件として、扶養者である永住者が公租公課を適切に支払っていることがあるため、子の永住許可申請の審査記録を確認をして、許可されなかった事例について不許可理由を調査したものの調査結果なんですね。だから、相当条件が限られた中であるために、いわゆる永住者一般の調査ではなかったということは御指摘のとおりなんですよ。
ただ、そうであったとしても、一千八百二十五件の中で、許可されなかったものが御指摘の五百五十六件、公租公課が未納であったものが二百三十五件、しかも、二百三十五件の中で、さらにその不払いの内訳を見てみますと、国民年金の不払いが二百十三件、それから国民健康保険が十五件、住民税三十一件、その他四件なんですね。年金が圧倒的に多い。こうした傾向があることは、この内訳を見てもよく分かるというふうに思います。
しかし、いずれにせよ、こうした社会保障のサービスを受ける権利があるという立場に、永住者だけじゃなくて、長期居住の外国人も同じようにそうした資格を得られるわけでありますから、そういう方はきちんと今度は義務を負っていただいて、保険料の支払いはきちんと日本人と同じように払っていただくというのは、私は当然のことだと思います。
○足立委員 全く同感であります。
実は、先日の連合審査会で、今大臣がおっしゃった国民年金について若干議論しました。今日は年金局長に何か伺ったりしませんが、そのときに、日本人の、日本人というか、国籍を問わない全体の未納率は二割ぐらいだというやり取りがありました。それに対して、私が、一%という数字をちょっとこっちから言ったんですけれども、後で調べたら、やはりこれはカウントの仕方がいろいろあるんですね。
私が一%と言ったのは、八十九万人かな、の未納があるというのは、二十四か月、二年間払わなかった人というのが八十九万人だということらしいです。だから、カウントの仕方によって、これは二割なのか一割なのか一%なのかというのが変わるわけです。
じゃ、法務省さん、今回のサンプル調査で、国民年金、二百十三件未納があったというのは、どういう未納かはよく分からないんですよね。要は、さっき申し上げた、二年ぐらい払っていない人なのか、一回でも払っていないのか、それは分からないということ。どうぞ、お願いします。
○福原政府参考人 お答え申し上げます。
今回の調査は、永住者である扶養者による公租公課の未納の有無を確認するということを目的としておりまして、未納の期間等につきましては集計をしていないところでございます。
○足立委員 今あったように、お子様の永住許可申請の審査の過程で集められた資料にそういう記録があるかどうかだけなんですよ。だから、その資料がどれぐらい集まっているかにもよるから、よく分からないというのは私も事前に確認をさせていただいた。それぐらい、今回のサンプル調査はよく分からないんです。
よく分からないけれども、千八百二十五件中五百五十六件は許可が出なかったわけだから、それはそれなりのウェートで重たい課題だと思って、そして、今日の最後の問いは、大臣ともう一回ちょっとやりたいのは、これはやはり、金曜日にも衆議院の法務委員会で可決するかもしれないこの入管法のことを考えると、厚生労働分野をつかさどる私たちとして、この状況ではやはり駄目じゃないかということで、大臣にも、これは社会保障を、国籍、国籍というのは、端的に言うと、日本人か、外国籍か日本国籍かというぐらいの線引きで、大臣は社会保険です、財務省は税です、あるいは総務省、私は、やはりこれは把握をしていくことは大前提だと思います。
大臣に御質問、通告させていただいているのは、そうした把握。国籍、日本国籍、外国籍の別の社会保障の給付と負担の実態に関する把握。これは、これまで何かしてきたことがあるのか、これまでの経緯と今後の検討方針、これを大臣からお願いしたいと思います。
○武見国務大臣 これまで、日本人、外国人を区分した統計は取ってきておりません。しかし、委員御指摘のように、今回の育成就労の制度改正の影響も含めて、今後、中長期的なトレンドで国内に居住する外国籍の方々が増加をし、その方々は社会保障制度の適用対象になることが見込まれます。そのような中で、どのようなデータを把握すべきかという点については、その目的、さらに、調査にかかる自治体の負担などに配慮もしながら、法務省とも連携をして、こうした調査の在り方について丁寧に検討していくことが必要だと私は考えます。
○足立委員 今日改めてこうやって時間を頂戴したのは、とにかく法案審査というのは大事ですから。法案審査というのは、再生医療も大事ですけれども、再生医療も大事なんだけれども、この入管法、育成就労法、むちゃくちゃ重要です。だって、国の形に関わるわけだから。
それで、今申し上げた問いを大臣に通告をさせていただいたら、朝川社会・援護局長、間老健局長、伊原保険局長、橋本年金局長、そして鹿沼政策統括官、みんな並んじゃうわけです。これは、ほっておいたら多分検討できないですよね。
だから私は、やはり今日、何かそういう、例えば省内にそういう連絡会議をつくって、外国籍、外国人の社会保障の給付と負担ですよ、両方ですよ、負担、保険料を払っているか、それから例えば医療扶助をどれぐらい受けているか、あるいは年金給付の見通し、こうしたものはきっちりと統計として把握する、それを見える化、開示していく、国民に見せていく。これなくして共生社会など絵に描いた餅だと私は思うわけでありますが、今日のこの委員会のこの風景が私を不安にさせているわけです。やはり、検討というけれども、できないんじゃないかと。
大臣も、いずれ解散になったら、まあ、大臣は実力者ですから、大臣であろうとなかろうと影響力を持たれていると思いますが、私はやはりこの場で、なるほど、厚生労働省はちゃんとやってくれるなという確信を得たいんですが、大臣からは、先日の連合審査会も今日も、検討はするよという以上のことは出てこないんですけれども、何か、ちゃんと大臣の下に連絡会議をつくって、関係局長会議をつくって、このテーマは一定の結論、方向づけをテーブルの上でやるんだ、厚生労働省の中のテーブルの上でやるんだということを何とか御答弁いただけないですか。
○武見国務大臣 私は、委員と問題意識は全く同じ問題意識を持っております。
この問題、今日、ここにずらっと局長、役所の幹部が並んじゃったように、同じく、総務省、自治体との連携、それからさらには法務省との連携というのが決定的に重要なんです。ですから、厚生労働省だけで全て万事決められるというわけではない。
しかし、厚生労働省として、社会保障というものを所掌する立場にある中で、今後確実に増加する外国人の居住者、これらに対応した、しっかりとしたデジタル化を通じてデータが管理できるような仕組みをちゃんとつくっておくことは、将来的に必ず必要になってくるだろうというふうに思っておりますので、そのためにも、実際に役に立つ実務的な調査というものを私は進めていきたいと考えております。
○足立委員 大臣から、進めていきたい、いくということを御答弁いただきました。このためにこの国会があるので、ありがとうございます。
福島伸享さんがさっきからかけ声をかけていただいていますが、実は、一緒に仕事をしてきたことがあるんです。それは、例えば残土の問題。熱海で三十人近くの方が亡くなられたあの残土の問題は、最初、こういう状態だったんです。関係省庁が全部並んで、みんな、俺じゃないと言ったんですよ。結局、熱海の事件が起こって、最後、国交省がうちがやるといって、国交省が主管、農水省も一緒ですけれども、法律ができたわけです。
その前に、太田昭宏大臣のときに各省連絡会議というのをつくってくれて、その庶務は国交省がやると言ってくれたんです、それは私の質問に対して。
だから、大臣、これはいろいろな関係省庁があるけれども、厚生労働省が主管でやるんだ、少なくとも、何か連絡協議会をやるときはその庶務は厚生労働省だと。いいですね。
○武見国務大臣 御理解いただけていると思いますけれども、各省庁の連携に関わるところで私がその中心的所掌事務を担いますということは私が決められる話ではありません。
ただ、確実に各関係省庁とも連携をして、こうした課題に関わる対応の仕方、これはしっかりと検討していきたいと思います。(足立委員「各省にも働きかける」と呼ぶ)そうです。各省ともちゃんと、きちんと連携をしながら、こうした調査の在り方についてちゃんと、実施の方向できちんと検討いたしますから、その点は御理解ください。
○足立委員 ありがとうございました。期待をいたしております。私もしっかり国会の立場からサポートしていきたいと思います。
ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、大岡敏孝君。
○大岡委員 自由民主党、滋賀県の大岡でございます。
それでは、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
まず、今回の改正法についてですけれども、今回の改正法で、遺伝子治療に関して法の適用対象ということになりました。この分野、細胞、それから遺伝子、それぞれ領域も広がっている、元々自由診療だったものが保険診療にまで広がりつつある、そうした中で、分野の拡大、これは当然必要なことだと考えています。
皆さんも御記憶にあると思いますけれども、ゾルゲンスマという新しい薬、これは一億六千万の薬価がついた。静脈で入れる、点滴で入れるんですけれども、一発で一億六千万、家が五、六軒建つぐらいのコストなんですけれども、それほどの実は特効薬でございまして、大半が二歳までに亡くなっていた病気、遺伝子が原因で、これまで、筋肉が正しくつくられない、これを治療できるということで、本当に患者や御両親が待ち望んでいた薬もできたわけです。
こういうことがある一方で、じゃ、我が国は元々、薬には自信を持っていたはずなんですけれども、我が国の遺伝子治療の実力はどうかというと、例えばコロナのときどうだったか。遺伝子を使ったワクチンを、たくさん私たちも接種したんですけれども、残念ながら我が国の開発は遅れました。巨額の補助金を使ったんですけれども、結果として、市場に出すこと、社会に実装することはできなかったということです。
厚生労働省として、こうした我が国の遺伝子治療の遅れをどの程度認識をしているのか、そしてどのように対応していくのか、これについて教えていただきたいと思います。
○内山政府参考人 お答えいたします。
我が国で薬事承認された遺伝子治療薬や遺伝子を改変した細胞治療薬、直近三年間で六製品出てございますけれども、その全てが海外で開発されたものでございまして、今後は、欧米に先駆けて我が国発のシーズが実用化につながるよう、こうした研究開発を進めていく必要があるというふうに思ってございます。
我が国の遺伝子治療の開発がはかばかしくなかった原因といたしましては、例えば、人に投与可能な高品質なウイルスベクター、これが要るわけですけれども、このウイルスベクターを製造できる施設が十分に整備されてこなかったこと、あるいは研究開発から実用化までの研究開発費の支援に一貫性がないといった指摘を受けるなど、そうした、十分な支援ができなかったことなどが挙げられるかというふうに思ってございます。
このため、厚生労働省といたしましても、今年度から新たに、AMEDを通じまして、アカデミアや企業が臨床研究用の高品質なウイルスベクター等を製造するための費用の補助など、ウイルスベクターの製造に係る支援を行っているところでございます。あわせまして、関係省庁とも連携しつつ、これもAMEDを通じまして、基礎的な医学、薬学研究、再生医療等の品質、安全性の確保に関する研究等を支援していくということでございます。
また、今回の改正法案によりまして、インビボ遺伝子治療については、再生医療等安全性確保法の対象とすることによりまして、統一的なルールの下で遺伝子治療が実施され、迅速かつ安全な提供、それから普及の促進が期待されているところでございますので、こうしたことを総合的に取り組みながら遺伝子治療等の研究の開発を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
○大岡委員 課題を認識されているようですので、これはしっかりとやっていただきたいと思います。
次に、先ほど維新の一谷先生からもお話がありました、最近、再生医療というものの広告もよく見るようになりました。主に女性を対象にしたものは、ぷりぷり系、つるつる系というのがたくさん出ております。また、主に男性対象は、ふさふさ系というやつですよね。こうした再生医療がたくさん出てきております。見た目というのも実はこの現代社会においては非常に大事で、アピアランスケアで、これで助かった、自信を持ったという方もたくさんいらっしゃると思います。やけどの跡が消えた、昔の手術の跡が消えた、けがの跡が消えた、それで自信を持ったという方もいらっしゃると思います。
こうした再生医療、これは確認ですけれども、今回の法の全て対象というふうに理解してよろしいんでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
今回の再生医療等安全確保法、これは、組織の再生あるいは機能の修復などを目的として、細胞加工物を用いて行われる医療を対象としてございます。
先生御指摘いただいたいわゆるいろいろな美容目的で行われる医療で広告されているもの、いろいろなものがあると思いますけれども、そのうち、まさに細胞加工物を用いて行われるものにつきましては、美容目的で行った医療もこの再生医療等安全確保法に含まれるものでございます。
○大岡委員 こうしたものには、アピアランスケアということで非常に大きな効果が出ているものもあるし、そうではないものもある、場合によっては、効果も不明なものもあるし、審査を受けていなかったということで摘発されている事案もありますよね。
本来、再生医療の医療行為をするということには、再生医療等委員会というのをつくらないといけないということになっています。
そこで、お尋ねをしたいんですけれども、この委員会というのは、例えば医学部を持つ大学に設置される、こうしたことは分かりますけれども、実際には、美容を行っているクリニックが自前の委員会として設置しているものがあります。これは本来は第三者的に医療の安全を確認するのが目的であるはずなんですけれども、いわゆる自前的な委員会を設置するというのは利益相反に当たらないのかということを確認をしたいと思います。
あわせて、これからこの法案によって厚労省が関与することになるわけですよね。ただし、もし何か不具合があったときに直ちに止めるというような規定にはなっていないんですよね、立入検査をするとか、報告を受けるとか。こうなると、厚労省も責任の一部を担うということになりますけれども、それで果たして大丈夫なのか、この点について教えていただきたいと思います。
○内山政府参考人 お答えいたします。
認定再生医療等委員会で適切な審査が行われるよう、審査に当たって利益相反に関する基準を設けているところでございます。例えば、委員の構成については、同一の医療機関に所属している方が半数未満であることや、審査対象の医療機関の管理者は審査に参加することができないといったようなルールを設けているところでございます。
こうした利益相反に関する基準による対応のほか、この委員会の審査の透明化を図るために、審査の過程について記録の公表を義務づけてございます。
あわせまして、先ほどの答弁でもお話しいたしましたように、本年五月に審査の実施に係るガイダンスというのを作成をいたしまして、この中でも、利益相反については適切な実施を求めているところでございます。
またさらに、御指摘いただきました今回の改正法案で新たに整備をいたします立入検査や欠格事由に係る規定、これを適正に運用させていただきたいと思ってございまして、これまでも再生医療を行うような美容目的の医療機関にも指導している例もございますので、これから整備をいたします立入検査等の規定も適切に運用しながら、審査の公正な実施を確保してまいりたいというふうに考えてございます。
○大岡委員 この件については恐らく午後の先生方の御議論もあろうかと思いますけれども、私は、もう少し公的なものに集約をするべきではないかというふうに考えております。まずは、今回法改正しますので、この様子を見て、引き続きこうしたことは検証を続けていただきたいと思います。
次に、今回の改正で臨床研究法を改正をして、既に認可されている医薬品を他の用途に使えないかというのを研究できるようになる、特にこれはどこに有効かというと子供でございまして、なかなか、子供というのは、最初から治験をしてですね、対象に入れられない。だとすると、この研究でもって既存薬の対象を広げることによって子供にも適用できるようになるということですから、これは非常に有効なことだと思います。
ただし、相手が子供なだけに、安全性についての担保は大丈夫なんでしょうか。また、相手が子供なだけに、研究者は、もし万が一のことがあったら当然訴えられるわけですよね。お年寄りに何かがあっても訴えられにくいかもしれないけれども、子供に何かあると高い確率で訴えられる。このリスクに対しては何らかの対応ができているんでしょうか。これは両方しっかりと保護をしてあげないと、当然ですけれども、本来進めるべきものが進まない、いわば囚人のジレンマみたいになってしまう。このことにつきまして、政府の考え方を教えていただきたいと思います。
○塩崎大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、患者の安全保護と研究者の負担軽減、いずれも大変大事だと考えております。
今回の改正法案におきましては、医薬品等の適応外使用の臨床研究のうち、研究対象者へのリスクが薬事承認済みの用法等による場合と同程度以下のもの、これについては特定臨床研究の対象から除外することを改正内容としております。
例えば、学会の診療ガイドラインで推奨されていて、日常診療で実施されている用法で医薬品を用いる研究、こういった場合には適用除外ということになるわけでございます。小児の研究においても、例えば小児科の関連学会で診療ガイドラインで推奨されていて、日常診療で既に実施されているような用法、こういった場合には、もう既に安全性が確保されている使い方として、特定臨床研究から除外するということを想定しております。
いずれにしましても、患者側、研究者側、双方の負担、安全確保に配慮しながら、臨床研究の推進に当たって必要な対応を行ってまいりたいと思います。
○大岡委員 ありがとうございました。塩崎政務官、弁護士でもいらっしゃるので、この分野、お詳しいと思います。今回の件にとどまらず、特に小児あるいは産科、これは相手が子供や赤ちゃんなだけに、最も重要な医療であるのと同時に、最も訴えられやすい医療です。それによって、なり手が少ない、なり手に非常にリスクが高いというのも事実でございまして、是非、塩崎政務官の知見を生かして、こうした分野、重要な分野なのでやりたいという医者はいっぱいいるんだけれども、このリスクをどうすれば回避できるのかということについても是非知見を発揮をしていただきたいと思っております。
最後の質問として、今回の法改正の大きな視点からの最大の目的というのは、広く臨床研究をしっかりと推進していくことです。
臨床研究を進めるといっても、まず基礎研究がありますよね。それから大学や研究機関の様々な試行錯誤があって、そして人に試す前に動物に試すということがあり、そしてやっと人に試す。さらには、そこでできるわけじゃなくて、企業に接続をして初めて社会に実装されるという非常に長い道のりが必要で、そこまでしっかりスコープに入れて皆様には仕事を進めていただきたいと思っております。
そこで、今日は文科省にも来ていただいていますけれども、まず文部科学省にお尋ねしたいんですけれども。
研究の現場から、医療の研究の現場からも、大学の研究力が落ちているということを言われ続けています。国の政策を見ると、大学の学費を広く補助するとか、多過ぎる大学、必ずしも教育力が高いとは言えない大学に補助金を出したりして、いわば選択と集中が全然できていないということを感じます。
一方で、教育力、研究力が高い大学に対しても、教授に何でもやらせる。研究もやりなさい、授業もやりなさい、書類の整理もやりなさい。さらには、企業への営業もやりなさい、他業種への連携もやりなさい。これはできっこないわけですよね。これを教授あるいは教員、研究員に押しつけるということでは、残念ながら、欧米と全く研究環境が違い過ぎて、我が国では成果が出せないということも言われています。
そういう点では、選択と集中をしっかりとこれから進めていくべきではないかと思いますが、文部科学省はどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の相対的な大学の研究力低下、こういうことが言われてございますが、その原因といたしましては、諸外国の研究開発投資の増加が著しいことに加え、我が国においては、後期博士課程のキャリアパスが不透明であること、また、研究者が腰を据えて自由で挑戦的な研究に取り組める環境が不足していること、国際頭脳循環の流れに出遅れていることなど、様々な要因があると認識してございます。
そのため、文部科学省におきましては、基盤的経費としての運営費交付金の確保に努めるとともに、科研費等の競争的研究費の確保や十兆円規模の大学ファンドによる研究支援を行う国際卓越研究大学制度の創設等を通じて、大学研究者の支援、研究力の強化に取り組んでいるところでございます。
また、他方、高等教育の修学支援につきましては、経済的に困難な学生等が学びを諦めることがないようにすることが重要と認識しているところでございますが、高等教育修学支援制度の対象機関に対しては、学問追求と実践的教育のバランスが取れた大学等を対象とする観点から、例えば、外部理事の複数配置、また実務経験のある教員による授業科目の配置など、一定の要件、機関要件を課しているところでございます。
また、今後、急速な少子化が更に進みまして、大学進学率の伸びを加味しましても、二〇四〇年の大学入学者数は、現在の規模と比較して十万人以上減少することが見込まれているところでございます。この状況は全ての大学が避けて通ることのできないものであり、今後の高等教育全体の適正な規模の在り方について早急に検討しなければいけない課題と認識してございます。
このため、昨年九月に中央教育審議会に対し、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について諮問を行い、現在御議論をいただいているところでございます。
今後、これらの議論も踏まえつつ、文部科学省におきまして、大学改革にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○大岡委員 全ての人にいい顔をするのは無理ですから、実際には大学が多過ぎるのは明らかですし、選択と集中、そして淘汰、そして、いわゆる延べ単でのばらまき政策からは抜け出していただいて、戦略的な政策を進めていただきたいと思います。
同じ質問を経産省にも伺いたいと思います。
研究部門から出てきた種を企業につなげる、これは経産省の非常に重要な役割で、それをもって国全体の開発力や産業力を高めていただきたいと考えています。
今回の、例えば医療などで大きな役割を果たしたと言われているベンチャーのスタートアップですけれども、例えばスタートアップ政策を見てみますと、地方自治体に補助の仕組みをばらまいて、全ての都道府県、市町村でどこもかしこも似たようなことをやっているわけですね。それでは選択と集中にはならない。同じ企業が県にも行ったり、市にも行ったり、隣の県にも行ったりして、二重三重で補助を受けているケースもあります。
これはやはり、種を見つけて、事業につなげて、大きく育てるということに必ずしもつながらないのではないかという問題意識を持っておりますが、経産省としてどのような考えを持っているのか、教えていただきたいと思います。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
私たち、再生医療を始めとした医薬品分野については、将来、市場拡大が期待される重要な分野であると思っております。その中でも、日本にはiPS細胞などの分野において優れた研究成果がありまして、我が国の勝ち筋の一つになり得る分野でもあることから、まさに委員御指摘のとおりですが、これは、選択と集中をしまして、国際競争力の高い分野の産業化を後押しするということが重要であると思っております。
私たち、そうしたことから、新薬創出の鍵を握る創薬ベンチャーが開発する医薬品の上市に必要な治験費用について、創薬分野での投資経験のある認定されたベンチャーキャピタルからの出資を条件とした上で、しっかり審査を行いまして、再生医療関係を含む採択事業者をしっかりと適正に支援しているところであります。
引き続き、これは厚労省、文科省などとも連携しながら、我が国の再生医療を含む創薬分野の産業化、これをしっかり後押ししてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○大岡委員 地方でやっているスタートアップについては、引き続き私は問題意識を持って取り組んでいきたいと思っております。
あわせて、経産省、先ほど選択と集中でやっていただけるということですけれども、今回経産省が持っている予算は三千五百億ですよね。隣の文科省は、同じことをやっていても九十二億円。四十年分、隣の方はお持ちですので、やはりこれはしっかりと成果を出していただいて、そして、我が国の再生医療、遺伝子治療の分野、両省そして厚労省、力を合わせて進めていただくことをお願いをし、また、問題点につきましては、引き続き絶え間なく検証していただくことをお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○新谷委員長 午後零時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十時六分休憩
――――◇―――――
午後零時五十分開議
○新谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
午後一番、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
早速、再生医療安全性確保法について質問したいと思います。
美容や病気の治療などの目的で培養した細胞を注射するなどの再生医療は、自由診療で行われるケースが増えています。重い副作用などの疑いがあった場合は民間の審査委員会に報告するという必要がありますが、この再生医療は年間およそ十万回実施されているという結果が出ています。
そんな中、昨年十二月、国立がん研究センターなどの専門家グループから、全国の議事録が確認できたおよそ九十の委員会について、副作用などの報告件数を二〇二〇年度版で調べたところ、十件にとどまっていたということが発表されています。
報告件数が大幅に少ないことから、副作用などの情報が正しく報告されていないんじゃないかという指摘がされていますが、現在の厚労省の認識と、また、今回、法改正により立入検査ができるようになったということですが、これによって改善というのが図られるのか、伺います。
○内山政府参考人 お答えいたします。
再生医療等安全確保法に基づく再生医療等に係る疾病等報告は、直近三年間で合計二十七件というふうになってございます。この件数にとどまる要因として、まず、再生医療等技術のうち約七割が、人の生命、健康等に与えるリスクが比較的低く、疾病等報告に至ることの少ない第三種再生医療等技術であることが考えられます。また、疾病等につき医師が再生医療等に起因すると判断しないものについては報告の対象にならないといった仕組みであることも、理由の一つとして考えられます。
他方、御指摘のとおり、再生医療等安全確保法に基づきます疾病等報告が適切に行われるようにすることということは、これは重要だというふうに思ってございまして、適切な疾病等報告がなされていないと疑われる医療機関においては、必要に応じて、今回、立入検査等も実施をし、適正な法の運用を求めることも想定をさせていただいてございます。
引き続き、厚生労働省としても、必要な対応を講じて、適切な疾病等報告がなされるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○田中(健)委員 今の答弁、第三類ですと安全性が低い、だから問題はないというふうに聞こえましたけれども。
さらに、この調査の中では、もう一つの再生治療と言える、再生医療等製品についても述べています。
これは、薬機法に基づき、国が品質も安全も、有効性を調べた、認めたものに限るものであります。この中で三つの商品、調べやすいということで、ジェイス、ジャック、テムセルHS、中身は私は分かりませんけれども、これについて調べたところ、三百三十九回の使用回数の中で百二十九件の有害事象が報告されています。つまり、三回から四回に一回は何かしらの問題があるんじゃないかということが報告されています。
問題なのは、我が国において二つの制度に分かれて行われている再生医療の治療ということであります。有害事象報告が大きく異なっているということです。
今回の再生医療法に基づく治療というのは、必ずしも第三者が担保されていない認定再生医療等委員会で審査されただけであります。それが三年間で三十万件で二十七件と。さらに、しかしながら、再生医療等製品というのは薬機法に基づきますから、臨床試験の結果を国が慎重に検討して承認されたものだと。その中でも百二十九件ですね、一年間。三年間でいえば更にあります。
この差があるというのは重大な私は結果であるというふうに思いますし、これについても指摘がされています。二つの制度における有害事象報告の頻度の違いとは何なのかということを説明いただきたいと思います。
このレポートの中では、正しく報告されないと患者が治療について判断できない、有害事象の報告制度が適切に機能しているか疑義が生じる、医師の性善説を信じてきたけれども、新たな仕組みが必要じゃないかと、この調査グループはお医者さんの団体でありますけれども、医師から提言が上がっていますが、これについてはどのようにお考えでしょうか、大臣。
○内山政府参考人 まず、医薬品医療機器等法に基づく報告との違いについて、私の方から御説明をいたします。
再生医療等安全確保法に基づく報告は、先ほど申し上げましたとおりの再生医療の提供に起因するものを対象としている一方、医薬品、医療機器等の報告の方は、因果関係が否定できるものを除き、幅広に報告が行われているということもございますので、こうしたことも差の一つになっているというふうに考えてございます。
ただ、今御指摘いただきましたように、薬機法に基づく不具合の件数と比較して報告数が少ないとの指摘があることを承知してございますので、先ほど申し上げましたように、適切に行われるような努力は続けていきたいというふうに思ってございます。
○田中(健)委員 これについては新たな仕組みが必要ではないかという提言がありますけれども、大臣、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○武見国務大臣 新たな仕組みの創設についてでございますけれども、疾病等報告、医師や委員会が専門的な知見を踏まえつつ、疾病等の原因を究明し、再発防止につなげることで、再生医療等の安全を確保するものであります。まずはこの仕組みをしっかりと運用することが重要だと考えております。適切な周知については、引き続きしっかり検討をしていきたいと考えております。
○田中(健)委員 私は、運用ができていないからこそ、十万件やっても十件ほどしか上がってこないんじゃないかという問題提起、私だけでなく専門家からこういう提起が上がっているということでありますので、是非、この報告書、レポートを読んでいただき、御検討いただければと思います。
その中で、日本再生医療学会は四月三十日に、エクソソームと呼ばれる細胞分泌の微粒子を用いた治療について、製造工程での注意点などをまとめた手引を公表いたしました。これについては、日本再生医療学会は、昨年の十一月にも、現時点で再生医療安全性確保法の対象となっていないということで、このエクソソームを何らかの規制下に置かれることが望ましいんじゃないかということを提言しています。
これは多くのクリニックで自由診療として行われておりまして、ネットでもエクソソームと引けば様々な効能が出てきますし、どなたでも、誰でも受けることができます。
未承認の治療を提供する場合に、リスクを十分に理解して、患者の安全性確保に努めなければならないと思いますが、厚労省は、このエクソソームに関しても、あわせて、これまでどのような対応を取ってこられたんでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、未承認である再生医療を提供する場合を含めまして、医療を受ける方の、患者さんの安全確保を図るということは極めて重要であるというふうに考えてございまして、再生医療等安全確保法では、再生医療等の提供に当たっての統一的なルールを定めて、その安全性の確保を図っているところでございます。
具体的には、医師は再生医療等を提供するに当たって、提供する再生医療等の目的や内容、リスクを含めた予期される不利益などを文書により患者に説明し、同意を得なければならないこととしてございます。
引き続き、患者の皆様に再生医療等のリスクも踏まえつつ治療を受けていただけるように、適切な法の運用に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
また、エクソソームを利用した医療技術につきましては、審議会における議論の結果、その有用性やリスクについて科学的な知見が十分に集積されていないことなどを理由として、現時点においては法の適用の対象とはせず、今後の医療技術の進展を踏まえて検討すべきというふうにされているところでございます。
これにつきましても、エクソソームについての最新の科学的知見を幅広く収集するための調査研究を実施しながら、引き続き必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○田中(健)委員 これも前の質問も大臣に質問通告していますので、大臣にお答えいただければと思っておるんですが。
エクソソームについては、ワーキンググループが見直しの議論を進めたのが令和三年でありまして、もう三年間、そのときからたっています。その中で、去年また今年と、次々と日本再生医療学会から問題が指摘をされています。なぜかというと、様々な、敗血症や重大な事故を引き起こす可能性もあり、海外のクリニックでも安易な使用にはリスクがあるという指摘が出ており、海外でもこの技術についていろいろな議論が今されています。
だからこそ、日本においても対策が必要だと引き続きこの医療学会が述べているんですけれども、これについて、大臣、どのような対応ができるとお考えですか。
○武見国務大臣 現時点ではまだ法の適用対象とはせずに、今後の医療技術の進展を踏まえて検討すべきという形になっております。
厚生労働省としては、エクソソームについては、最新の科学的知見を幅広く集めて、そして、まだもうしばらくは、きちんと科学的知見を確認した上で、今後の対応の仕方については考えていきたい、かように考えます。
○田中(健)委員 確かに、エクソソーム、海外でも注目を集めておりますので、是非検討していただきたいと思います。
最後に、その中で、厚労省のヘルスケアスタートアップ等のプロジェクトチームが中間発表をまとめました。新しい技術を支援していこう、スタートアップを増やしていこうということで、塩崎プロジェクトリーダーの下、中間発表の報告がされたばかりでありますが、今後、どのような課題があって支援を努めていこうと考えていらっしゃるのか、最後にお聞きいたします。
○新谷委員長 塩崎厚生労働大臣政務官、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
○塩崎大臣政務官 お答えいたします。
厚労省のヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム、ヘルスタPTでございますが、四月二十五日に中間取りまとめを行いまして、十八の提言を出させていただきました。
特に、今御質問のありましたバイオ、再生の分野につきましては、創薬の分野で、低分子から、今、様々なモダリティーに比重が高まっておりますけれども、我が国としては、元々、再生医療法等を整備するなど、イノベーションを促進しておりまして、世界の中でも競争力を持ち得る分野であるというふうに注力しております。
中間取りまとめの中では、海外との連携不足によって、開発早期段階の国内外の専門家による助言が不足している問題、又は、新しいモダリティーの製造等に関する専門家が不足している問題、そして、上場前後でのルールの不明確さから成長軌道を維持できない問題を挙げさせていただきました。
こうした問題への対策として、今、AMEDで行われている創薬ベンチャーエコシステム強化事業、これは非常に海外でも評判のいいプログラムですが、これをよりアーリーステージのパイプラインに拡大すること、又は、新規モダリティーの専門家を育成するようなプログラムの構築、そして、日本取引所グループの上場要件の明確化、こうしたものを含めた提言を出しているところでございます。
六月をめどに、最終提言の取りまとめを行いたいと考えております。
○田中(健)委員 最終提言に期待して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、吉田統彦君。
○吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。
本日は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案の質疑ということで、大臣、四十問ほど用意してありますので、よろしくお願いします。
まず、大臣、最初に、資金調達環境や各種規制についてお伺いしたいと思います。
我が国では遺伝子治療開発が欧米に比べて難しく、大きく出遅れているのが現状であります。これは厚生労働省としても否めない事実ではないかと思いますが、このような現状に関して大臣としてどのような認識を持たれているのか、まずお伺いします。
○武見国務大臣 現状認識としては先生と全く同じでありまして、やはり、遺伝子治療等に関わる、再生医療全般に関わる我が国の遅れというのは極めて厳しい、実は深刻なものがあるだろうと受け止めています。
○吉田(統)委員 本当に、大臣、よく御認識いただいていまして、感謝申し上げます。
簡単に申し上げると、大臣、今回の法案は、ある意味で規制を強化する法案ですよね。もちろん、この法律を提出するに当たって厚生労働省内等で様々な検討がなされたと思いますが、遺伝子治療に携わる学者の皆さんの立場から見ると、現状でも開発環境が悪いにもかかわらず、今回の法改正は規制だけをかけるものであって、更に日本の遺伝子治療開発が遅れるのではないかと危惧しているわけです。決してイコールフッティングで欧米と戦っていける環境には、残念ながら現状ないことは、厚生労働省も、また文科省も分かっていらっしゃると思います。
また、資金調達環境についても、研究費しかり、スタートアップやベンチャー、製薬会社などに対する支援という意味でも、欧米に比して大きく劣っていると感じますが、この点に関して大臣の御見解を伺います。
○武見国務大臣 今回薬事承認された遺伝子治療薬や遺伝子を改変した細胞の治療薬、直近三年で六製品だけ、それから、その全てが海外で開発されたものです。今後は、欧米に先駆けて我が国発のシーズが実用化につながるよう、研究開発をやはり強化させていく必要性というものを私は認識しております。
ただ、その上で、安全性等を含めた規制が新たに整備されることも必要だ、そういう認識を持っているということをまずはお伝えしておきたいと思います。
○吉田(統)委員 ありがとうございます、大臣。
先ほど現状認識について大臣に御答弁いただく中で、改めて私の認識も申し上げました。その上で、今後についてですが、当然、厚生労働省も、また大臣も、欧米などに負けたくないと思われていると思います。今おっしゃいましたね、大臣も力強く。また、経産省も文科省も、この点は強く思われていると思います。しかし、今回の法案では、ある部分においてブレーキをかけることになっているんです、これは繰り返しになりますが。そうであれば、欧米や中国の開発スピードに負けないような、日本独自の承認プロセスの合理化案も当然並行して、大臣、実施しなければなりません。
更に申し上げると、遺伝子治療が抗体医薬、大臣はお分かりになると思いますけれども、抗体医薬などのバイオ製剤とは異なるリスクがあるのは、私も学者の皆さんも分かっています。だからといって、無数の抗原たんぱくを発現する細胞治療と基準を一緒にするのは余りにも過剰な規制だということなんです、大臣。
これは、私自身もずっとそう思っていましたし、今回多くの国内外のノーベル賞受賞者を含む超一流の学者にも私はメールで御意見を聞いてみました。同様のことをやはりおっしゃっていますね。
両者を同一レベルで規制しようということになった背景は私は分かりません。もしも、海外が両者を一緒にしたような雑なルール作りをしており、今回の規制がどこかの国のまねをして行おうとしているのであれば、実にこれは荒唐無稽なことであると思います。であれば、そこは、エビデンスに基づいた日本オリジナルなルール作りをすることが、国際競争力強化の観点で有効なカードになるのではないかと私は思うんです。
まず、今回の法改正に当たって、外国の法規制も我が国の今回の法案の内容同様にいわば雑な内容の規制となっているのかどうかという点と、承認プロセスのオリジナルルール作りをすれば、国際競争力の強化という点でイニシアチブを取れるチャンスであると私は考えます。この二点に関して、大臣の見解をお伺いします。
○武見国務大臣 海外に先駆けてこうした再生医療の実用化を推進していくために、こうした研究開発や薬事承認の段階において、安全性を担保した上で承認等のプロセスに係る基準や手続を合理化していくことは、これは極めて必要であって、こうした研究開発と薬事承認というのは実は表裏一体だというふうに私は受け止めているところであります。
○内山政府参考人 お答えいたします。
今回は、インビボ遺伝子治療についてもこの再生医療法の対象とするという意味では、再生医療法の枠組みの中で対応するものでございますけれども、御指摘のとおり、遺伝子治療に係るものと細胞を用いた医療とは性質の違いがあるというふうに思ってございます。そうした意味では、これから遺伝子治療に係る提供基準というのを定めていくわけでございますけれども、仮に法案が成立した場合には、これまで法の対象としてきた細胞を用いた医療との性質の違いを十分に踏まえながら、推進に当たって必要な規制の範囲となるように、厚生科学審議会の意見も伺いながら、適切に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○吉田(統)委員 おおむね、しっかり御答弁。
じゃ、ちょっと役所の方に聞きますけれども、多分、私の質問の趣旨に従って、今回法律を定めた後にちゃんとした、種別の違いに応じた形でちゃんとやるよというふうに僕には聞こえたんです。そういうことですよね。分かりました。ただ、これはどこかの国の法律を参考にしたのかどうかということが一つ、一応これはレクのときには聞いているんですけれどもね。もう一つ、さっき言ったように、ここは国際競争力をつけるためには結構大事なポイントになるんですよね。ここを、何らかのオリジナルの承認プロセスを、逆に加速する方の、アクセルを踏む方の御努力をちゃんとなさるのかということは確認したいんですが、どうですか。
○内山政府参考人 当然、検討に当たっては、米国やEUの事例も参考にというか調べてはおりますけれども、まさに日本の再生医療法それから臨床研究法等の枠組みがあるわけですので、それにふさわしい規制の在り方を検討していくということかと思っています。
あわせまして、先ほど申しましたように、遺伝子治療と細胞を用いた医療との性質の違いを踏まえながら、今後、御指摘のとおり提供基準等を定めていきたいというふうに思っていますし、例えば、別の観点からいいますと、薬事承認の手続におきましても、医療ニーズが高く実用可能性のある再生医療等製品を対象にしまして、技術的な評価指標等あらかじめ作成、公表して審査の迅速化を図っているところでございますので、こうした取組も引き続き続けていきたいというふうに思ってございます。
○吉田(統)委員 是非頑張ってください。
その上で、厚生労働省と経済産業省が一緒になって産業化という視点を持たなければ、やはり勝負にならなくなっています。
中国だと、習近平国家主席が主導して、近視ですね、日本人はむちゃくちゃ近視が多いんですけれども、中国も多いんですよね、近視対策に取り組んでいます。二〇一八年に近視対策プロジェクトを立ち上げて、二〇三〇年までに高校生の近視率を七〇%以下に抑えるという目標を掲げています。そのために、ウェンジョウのアイバレーというのをつくって、これは浙江省の温州市ですね、いわゆる近視研究のメッカを建設して、国を挙げて、政府もアカデミアも産業界も一体となって取組を進めていて、もう成果が出てきているわけであります。
もちろん、ちょっと足立先生がいる前で言いづらいですけれども、経産省ばかりが先走って、ワクチンにおけるアンジェスのような事件が起こってはいけないと思います。大臣も笑っていらっしゃるんですけれども。ただ、両省が協力して産業化という視点を併せ持って連携して進めなければいけないと考えております。
そこで、お伺いしますが、この経済産業省との連携についてどのように考えているのか、お取組があれば、大臣からお伺いしたいと思います。
○武見国務大臣 遺伝子治療について、基礎研究を始め、臨床研究から産業化を含めた出口戦略に至るまで、関係省庁連携して対応していく必要があるという認識は非常に深く持っております。
このため、一体的な研究開発を進めるために、厚生労働省、経済産業省、文部科学省の三省が連携した再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクトや遺伝子治療実用化基盤整備促進事業を実施しておりまして、外部の有識者の御意見も伺いながら、実用化に向け、一体的な研究開発となるような連携を進めてまいっているところでございます。
いずれにしても、政府一丸となって遺伝子治療の研究開発や産業化を見据えた研究が実施できるように取り組んでいきたいと思います。
○吉田(統)委員 本当に、産業化しなければ、大臣、遺伝子治療ですから、いけないわけですから、頑張ってください。ただ、今大臣がおっしゃったことはもう大分前からやっていますよね。なので、そろそろ成果をしっかりと出していただく。ちょっと、お忙しいとは思いますが、大臣も一度視察にでも行っていただいて、リーダーシップを取っていただいて、やっていただきたいと期待をします。
次に、認定再生医療等委員会のメンバー選考のシステムについてお伺いいたします。
平成二十六年十一月に今議題としている再生医療法が施行されて、法の規定に該当する再生医療等を提供する際には、妥当性及び安全性を確保した上で、国が認定した認定再生医療等委員会において適切な審査を受け、国に提供計画を提出することが求められていると承知しております。そして、当然のことながら、委員会の設置に当たっては、法令をよく参照し、遵守することが求められています。また、委員会の設置に当たっては、構成要件及び構成基準を満たす委員を選定する必要があると承知しております。
まず最初にお伺いしますが、認定再生医療等委員会の構成要件及び構成基準について説明してほしいんですが、これは役所からで大丈夫ですよ。役所の方がいいですよね。
○内山政府参考人 お答えいたします。
認定再生医療等委員会で適正な審査が行われるよう、審査に当たって利益相反に関する基準を設けてございます。例えば、委員の構成について、同一の医療機関に所属している者が半数未満であること、あるいは、審査対象の医療機関の管理者は審査に参加できないなどのルールを設けてございます。
あわせまして、この五月にガイダンスを設けていまして、このガイダンスの中でも審査の実施に係る部分を書かせていただいていますので、こうしたことの周知等も図っていきたいというふうに思ってございます。
○吉田(統)委員 おっしゃったように、今年三月二十八日に開催された厚生科学審議会再生医療等評価部会の資料に、審査等業務全体を網羅したガイダンス(案)が掲載されていますね。これによると、法の下で実施されている再生医療等に関し、適切な手続を経ずに細胞培養加工が行われたり、再生医療等が提供されたりする等、再生医療等を提供しようとする者の法令遵守の意識が社会問題となり、同時に、全国の認定再生医療等委員会の審査の質に差異が生じ、適切な審査が行われているかということについて問題提起がなされているとされていますね。
この点、私も問題があると当然思っております。様々な認定再生医療等委員会のメンバーを見ると、ただ、利益相反がかなり見られますよね。
私は、申し上げておきますけれども、大臣、利益相反に当たるような利害関係者を全く入れるなとは言いません。先進的な内容になればなるほど少ないんですよ、有識者が。そうなんですよ。だから、そのような方でも、非常に優秀で卓越した知見がある場合には、仮に利益相反関係になるような場合でも、私は入れてもいいと、大臣、思うんです。この分野では特に、スペシャリストが利益相反者になるという場合も十分に想定されますよね、大臣。
ただ、大事なことは、そういった委員に意思決定のプロセスに絶対関わらせてはいけないということなんだと私は思います。
例えば機能性表示食品についても、私は随分前から委員会などで同様の警鐘を鳴らしてきました。そして、なぜ今回の紅こうじサプリのような事件が起こったかを考えると、当時の安倍総理の肝煎りの規制改革会議や、その後設置された消費者庁食品の新たな機能性表示に関する検討会が僅か八回で、半年余りの期間で決定し、導入されましたね。しかし、その際に選ばれたメンバーが利害関係者ばかりなんですよね。利益相反に当たる方ばかりであったことに加えて、その方々が導入決定のプロセスに関与したことが大問題として今尾を引いているわけですよ、大臣。
このような過去の例を考えてみても、卓越した知見を持つ利益相反者を委員などとしてメンバーに入れ、参考に御意見を聞くことは必要ですが、意思決定のプロセスに絶対に関わらせないような工夫が必要と考えます。
今申し上げている認定再生医療等委員会のメンバーについても、厚生労働省が主に規制官庁であることを鑑みても、適切な判断がきちんとできるようにして、しっかりとやっていく必要がありますが、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 この認定再生医療委員会で審査を行う場合は、委員全員の意見の原則一致が必要とされて、利害関係者のみで審査を決定することはできない仕組みになっております。
この委員会の審査の過程で透明性をいかにきちんと確保するかというのが非常に重要になってくるだろうというふうに考えます。審査の過程について記録の公表を義務づけるとともに、審査の実施に係るガイダンスというものを策定をして、その適切な実施というのを求めているところであります。
なお、再生医療等の先端的な医療技術については、当該医療技術の内容によっては専門的な知見を有する者が限られているということから、医療機関と一定の利害関係を有する者を一律に排除するというのは、先生御指摘のとおり、ちょっと難しいところもあるものですから、したがって、今申し上げたような透明性の確保、それから決定の仕方に関わる一致の原則、こういったことなど、ひとつきちんと守って実施していったらどうかと思います。
○吉田(統)委員 なので、大臣、そこが問題なんですよ。全会一致なので、そういった方の意見が強く出ちゃうんですよ。だから、大臣、やはり意思決定に関わらせちゃ駄目なんですよ。参考にお話を聞くのは是非どんどんやってもらわなきゃいけないけれども、利益相反者の意見は意思決定のプロセスには関与させちゃ駄目なんです、大臣。ここをちゃんとやらないと駄目なんですよ、大臣。
ちょっと、もう少し行きます。
じゃ、更に申し上げると、大臣、様々なこういった審議会とか検討会の中で、メンバーの選考が学閥を含む特定のバックグラウンドを持つ人間に非常に偏ることがあるんです。大臣、ここは注意しないと、談合とは言わないし、彼らもそこまで悪辣なことはするわけじゃないんですが、どうしても、バックグラウンドが偏ると、大臣、これは注意をしなきゃいけないんです。大臣、そこはどうですか。ちょっと、今見ると、そういう委員会は結構ありますよ。
○武見国務大臣 学閥や特定の医療機関、そういった意向が審査に影響を及ぼすということは、これは全く適当ではありません。
したがって、その点については、利益相反に関する基準により対応を行うほか、今回の改正法案において新たに整備する立入検査や欠格事由に関わる規定を適正に運用することで、こうした審査の公正な実施を確保していきたいと思います。
○吉田(統)委員 大臣、今は結構そういうのが散見されるので、今後ないようにしてください。ここをしっかりやってもらうと今お約束していただいたと私は信じます。
大臣、さっき、スペシャリストがなかなか難しいと。本当にそのとおりなんですよね。ただ、前も申し上げましたけれども、もう少し厚生労働省の方で幅広く視野を持って選定してほしいんです。
どうしても、厚生労働省が選ばれるのは、例えば、外国にいても、日本に戻ってかなり経過した権威者であったり。大臣、むちゃくちゃ笑っていますね。本当にそうなんですよ。大臣はよく理解されていますよね。権威者だったりするんです。だから、やはり、例えば、直近まで欧米にいた若い教授とか、欧米で超一流の仕事をしてきた有能な研究者とかを積極的に入れた方がいいですよ。
どうしても、私が見ていて、そればかりじゃないんですけれども、教授といっても、大臣御存じのとおり、政治家みたいな教授はいっぱいいるんですよ。我々以上に政治家な教授はいっぱいいて。「白い巨塔」じゃないですけれども、あれは過去の話ですが……(発言する者あり)中島筆頭から、今もあるよという声が聞こえましたけれども。本当に、大臣、ここは大事なところで、有為の人材を特に。
本当に純粋にサイエンスを楽しまれている学者というのは、政治と結構距離を取っている人が多いんですよね。
例えば、一例を申し上げると、私の恩師、三宅養三という教授だったんですが、名古屋大学の教授ですが、医学部長もやっていないし、病院長もやっていないんですね。サイエンスを純粋に楽しむタイプの教授でした。彼は、先天性停止性夜盲という疾患概念を発見して、確定診断する医療機器を作って、本当にサイエンスを楽しんで、最後、何と原因遺伝子まで見つけた。これは、私は、長くというか、まだ二十五年ぐらいしか医師、学者をやっていませんが、非常に希有な例で、野球でいえば完全試合ですね。ですから、これは欧米では三宅病と言われているんですよね、ミヤケ・ディジーズ。小口病とか、本当に、日本人の名前が病名につく世界的な病気というのはほとんど僅かです。
彼は非常に政治とは距離を置いていたんですが、ただ、彼は、愛知医科大学というところに一本釣りされて、理事長に一本釣りされまして、非常に辣腕を振るわれて、非常に愛知医大を発展させた。珍しいですよ。病院長もやっていないし、医学部長もやっていない方がそういう立場になるのは珍しいと私は思います。こういった例もあるわけなんですよね。
アメリカだと、ポール・シービングというミシガンの教授がNEIのトップに一本釣りされたり、やはり彼も、非常に政治的なところとは距離を置いていた学者ですよね。
ですから、在野とまではいかない、在野ではないんですけれども、こういう本当に純粋にサイエンスのことを考える学者を、大臣、やはり登用していただきたい。どうしても、見ると、権威者に偏るんですよね。ここを大臣、何とか工夫していただきたい。大臣は多分同じ思いで考えてくださると思うんですが、どうですか、ここ。
○武見国務大臣 こうした審議会の委員を適正に選考するというのは、誠に難しい話でございます。特に、本当の、先生おっしゃるような専門家の数が限られているというようなケースのときに、どうしてもやはり、その分野における権威の方におすがりする傾向が大きくなるということは、否めない事実であります。
しかし、同時に、先生御指摘のような新進気鋭の学者の方々などにも入っていただく努力というのは、むしろ、我々の方が、担当者がよく勉強して、そうした論文などもちゃんと読んで、評価がある程度自分でもできるような科学的な見識を持ってこうした選考をやっていかなきゃいけないんだろうなと。そういうふうに努力するようにしてみたいと思います。
○吉田(統)委員 大臣、ありがとうございます。
本当に難しいですよね。皆さん、お忙しい中、役所の方もやっていらっしゃるので、サイエンスとかセルとかネイチャーを全部読んでくれというわけにもいきませんからね。ただ、あれは、見出しとかアブストラクトだけだったら全部、役所の皆さんは優秀なので読めるので、そういうのを見るだけでも、今最新の知見や、何がやっているのか。私なんかは、そういうサイエンス、ネイチャー、セルで見た論文を、模倣と言うとあれですけれども、自分の研究にちょっと使えないかなんということを常に思いながらやっていましたので、逆に言うと、海外はこういう研究をされているので日本もこういうのをやったらどうかなとか、そういうのは是非本当に進めていっていただきたいなと思います。
更にお伺いするんですが、認定再生医療等委員会の審査過程を透明化すると、大臣、さっきすごく言ってくださったじゃないですか。これはとても大事なんですが、もう一つ、大臣、私、大事なポイントがあると思います。これは、ある時点で先行評価をして、不適切だったと思われる判定を差し戻すシステム構築。分かりますかね。透明化がすごく大事で、透明化する中で、ある段階で、一定の評価を絶えず、アウトプットの体制、していって、そこで、これは駄目だったし間違っていたなと思うものを、判定をやめる、差し戻すシステムというのが絶対に必要だと思うんです。
実は、日本人はこれが非常に苦手なんですね。途中で明らかに不適切だと思われるものでも結果として止まらないということが、科学の分野でもよく起こっています。
更に一言付言すると、役所の決定を覆すことが失政だという評価をされるという考え方は、もう時代遅れなんだと思います。役所が、担当官が失政という評価を与えられる、そういう考え方はもうしなくていいと僕は思うんです。誤ったものは直す。
後でちょっと時間があればやろうと思います、STAP細胞の話もそうですし、古くは、野口英世さん、いますよね。日本人は尊敬して、お札にもなりましたが、後になって、彼の研究はほぼ全て間違いであったということが明らかになってきました。ある意味、ちょっと言い方、怒られちゃうかもしれないですけれども、捏造と言える部分もあります。唯一、神経梅毒がスピロヘータによるものだというところが最後に残っているんですけれども、これも実は、現在の科学的な評価では疑義があるんです、大臣。
せっかくなのでもっと申し上げると、継代培養された野口株は病原性を失うんですね。また、この病原性梅毒スピロヘータの純粋培養は現在でも追試に成功した者がいないんです。STAP細胞と似ていますよね。試験管内での病原性梅毒スピロヘータの培養は、ニコルズ1という株について、一九八一年以降に成功が複数報告されていますが、その培養条件は野口の報告とは実は異なっています。だから、純粋培養の成功は現代ではほぼ否定されている、つまり、うそだったと思われているんですね。
ただ、一九一一年、野口英世は梅毒スピロヘータの純粋培養に成功したと発表したことから、世界的に名をはせて、かつ、一九一四年と一五年にはノーベル医学賞の候補になっていますよね、実は。ポリオや狂犬病の病原体、これはそもそも電子顕微鏡でしか見えないウイルスなんですが、見つけたと言っていますよね。
我が国においても、後に評価をし、間違っていたのは間違ったでいいんだと思うんです。トップジャーナルに掲載された論文だって、他の研究施設で追試して再現性が確認できず、コメントがついて、ウィズドローするものもいっぱいあるんですよ。
野口英世の論文の場合は、当時師事していたロックフェラー医学研究所初代所長のサイモン・フレクスナーが細菌学、病理学の世界的な権威で、その共著論文を否定することが難しかったということがあったんだと思います。
大切なことは、科学の世界では、後に進歩して、違っていたとか、国が支援すべきものではなかったということはあると思うんです。ここをやはり、STAP細胞しかり、そしてアンジェスのコロナワクチン開発に関しては厚生労働省が返金を求めてくださっていますが、もう一度立ち戻って審査することや、そして、大臣おっしゃった審査の過程の透明化がやはり重要なんです。私から見て、申し訳ないですけれども、安倍政権下で、やはり忖度というものが科学の世界でもたくさんあったと思います。
今申し上げたような、認定再生医療等委員会の審査過程を透明化することは大臣はお約束していただきましたが、先行評価して不適切な判定を差し戻すシステム構築の必要性について、大臣、どうお考えになられますでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、認定再生医療委員会の審査が適正に行われることが重要だというふうに考えてございまして、今現在では、この審査の透明を図るため、審査の過程について、記録の公表、議事概要について公表を義務づけるといったことをしておりますし、先ほど申し上げました、審査の実施に係るガイダンスというのも策定いたしまして、適切な実施を求めているところでございます。
あわせまして、外部の有識者が定期的に委員の審査の実態を調査する事業ということも行ってございまして、この結果をフィードバックする取組も行っているところでございまして、これにより、審査の質の向上を図っているところでございます。
一方で、御指摘いただきましたような提供計画を差し戻す仕組みにつきましては、再生医療等安全確保法では、委員会の役割として、提供計画の審査を担当する、必要に応じて、医療機関に対して、提供状況の改善策について意見を述べるなど、合議制の組織として法律上位置づけているものでございまして、厚生労働省等が再度確認したり差し戻したりするということは、実効性の観点から難しい課題もあるというふうに考えてございます。
いずれにしましても、先ほど申しましたように、例えば、ガイダンスでは……(吉田(統)委員「もういい」と呼ぶ)はい。
○吉田(統)委員 政府参考人は聞かれたことに答えてください。今後、指名、二度としませんから、そういうことをやったら。るる聞いてもいないことを答えるのはもう二度とやめてください。時間の無駄です。
じゃ、大臣に聞いていきます。
その他、政府の審議会、検討会、委員会、全てのメンバーに、やはり、利益相反者は基本的に委員にしない、余人をもって代え難い場合でも意思決定のプロセスに絶対関与させない工夫が必要であると再三今申し上げましたが、大臣、いかがでしょうか。厚生労働省の所管の部分に関してだけでも結構ですので、大臣、お答えください。
○武見国務大臣 意思決定に全く関与させないという方法をどう設計するのかは、かなり難しいかなと思います。
他方において、やはり少なくとも、全会一致というのは、誤った方向に関しては一つの大きな歯止めになるだろうというふうにも思います。
そして、その中で、科学技術のこうした進歩というのを考えたときに、やはり、かなり愚直にまで時間をかけて研究することによって類いまれなる研究が生まれてくるケースというのは過去にも幾度もあったものでありますから、途中でやめるという判断を下すときには、よほどの科学的見識がないとこれはなかなかできないんじゃないかなと素人ながらにも思うものですから、その辺を考えたときに、先生の御指摘、論理的には全くそのとおりなんですけれども、いざ実態を本当に考えてみると、かなり難しい課題を先生はおっしゃっているかなと思います。
○吉田(統)委員 大臣、自分の言葉で答えていただいて、感謝申し上げます。
ただ、参考人みたいな形にするのはどうなんですかね、その委員を。あくまで、参考にさせていただきますと、大変大切な意見なのでということが一つと、大臣、おっしゃるとおりなんですが、ただ、明らかにうまくいかないなと途中で分かったけれども強行した例はいっぱいありますよ。
例えば、ちょっと後で時間があったらやりますけれども、私、本当は成功してほしかった、加齢黄斑変性に対するiPS細胞の治療ですよ。あれはもう途中から、絶対うまくいかない、これだけ莫大なお金をかけるんだったらほかの再生医療に振り替えるべきだとほとんどの学者が思っていたわけです。絶対うまくいかないの分かりましたもの、途中で。
ただ、物すごい額をかけましたね、これは文科省ですけれども。私が、国会でも何度も、データを開示しろ、無駄になるからやめた方がいい、場合によっては国としては立ち止まるのも勇気だ、フラッグシップの研究でもやめるべきときはやめるべきだと言ったんですけれども、強行して、結局、申し訳ないですけれども、どぶに捨てましたよね、すごい額のお金を。もう分かっていましたもの、うまくいかないの。だから、それも時間があったら聞きたいんです。だから、そういうこともあるんです、大臣。
もちろん、学問的に全く無駄だったとは言いませんよ。ただ、趣旨とは大きく外れてしまって。だって、経済産業省とかも途中でがっかりしたんじゃないかと思いますよ。まあ、大臣、結構です。
そうすると、ちょっと時間がないので、こっちに行きましょうか。
一昨年の厚生労働委員会で、アカデミアで完結する遺伝子治療などの先進的で高度な治療を保険診療なども含めて認めていただきたいという発言をしたところ、現在法制化に向けて検討会を行っているという答弁をいただき、大変に期待をしていますが、まず、厚生労働省に、アカデミアで完結させる遺伝子治療に関して現在の状況を大臣にお伺いします。
○武見国務大臣 アカデミアにおいて実用化まで完結した医療の実例として、例えば、同種死体膵島移植という細胞加工物を用いた医療技術があり、この技術は、日本では、再生医療等安全性確保法の下、アカデミア主導で研究開発がなされ、製薬メーカーによる製品化ではなくて、医療技術として保険収載がなされたものというふうに承知しております。
この同種死体膵島移植は細胞治療の例であるけれども、同じように、遺伝子治療においても、アカデミア主導により研究開発が推進され、医療技術としての実用化が期待されるものがあるというふうに私も認識はしております。
今回の改正案で、先生が前回もいろいろ御指摘になったインビボの遺伝子治療、これを再生医療等安全性確保法の対象に含めて、統一的なルールの下で遺伝子治療が実施されることになりますので、これによって、遺伝子治療においても、アカデミア主導による迅速かつ安全な提供や普及の促進が期待されるものと考えております。
○吉田(統)委員 もう大臣で十分です。しっかりお答えいただいています。
じゃ、大臣、本当にみんなの思いですよね、これは国としての。それで、ちょっといろいろ今これは問題があるんです。ちょっと説明していきますね。
これも、実は、文章を読み上げて役所に説明してありますので、ちょっと難しい内容なのでしっかりとレクしてありますので、御安心ください。
アカデミア完結型の遺伝子治療開発は理想なんです。ただ、進める上で最大の問題は、まず、アカデミアはおろか、企業を含めて、AAVなどのGMPグレード、分かりますよね、グッド・マニュファクチャリング・プラクティスの略称、製造管理及び品質管理の基準ということですが、のウイルスを作る施設、技術がないんです。これが大問題なんです。これは国策で整備しないと、大臣、無理ですよ。これは、大臣、どうですか。
○武見国務大臣 遺伝子治療の研究開発を推進するに当たって、人に投与可能な高品質なウイルスベクターを製造する施設の整備を進めることは、極めて重要だと認識をしております。
○吉田(統)委員 じゃ、ちょっと若干苦言を呈することになるんですが、これを怠ってきたんです、我が国は。我が国は怠ってきたんです、この政策を。こういうものを育てることをやってこなかったんです。だから、遺伝子治療の実用化を目指している国内のグループは、治験用のGMPベクターは海外に発注せざるを得ないのが、大臣、現状なんです。できるとうたっている日本の会社はありますが、どこもはっきりとした、私が調べても実績がなく、実際はそのような実力はないんじゃないかと思うんです。
じゃ、役所の方からどうですか、ここに関して。
○内山政府参考人 まず、国内のウイルスベクターの製造施設ですけれども、何社かあるというふうに認識しておりますけれども、少し、実績まではちょっと、現時点では確認はできていません。
併せましてお答えをさせていただければ、今年度からウイルスベクターの製造に係る支援というのを行い始めたところでございます。
○吉田(統)委員 レクで、ちゃんと確認しておいてくださいと言ったんですけれども。これは駄目ですよ、審議官。ちょっと申し訳ないけれども、だって、私、ゴールデンウィークの前にレクはやっていますからね。これは内容がすごく難しいから、時間を取って勉強できるように、私、ゴールデンウィークの前にレク、四十問ぐらいですかね、やってありますので、これはちょっとサボタージュでしょう。調べられるでしょう。三週間たっていますよ。これは、審議官、ちょっと、忙しいでしょうけれども、サボタージュだと認めてもらわなきゃ駄目ですよ。
結局、大臣、海外のCDMO、分かりますよね、これも説明しておきました、医薬品開発製造受託機関にベクターを発注せざるを得ないんです、大臣。ただ、円安もあって、GLPグレード、もうちょっと低いものですよね、グッド・ラボラトリー・プラクティス、安全性に関わる非臨床試験、前臨床試験の信頼性を確保するための基準のグレードのトライアル版のウイルスでも数億円、大臣、かかるんですよ。数億円かかるんです、GLPの方でも。だから、現在、遺伝子治療の治験には最低でも数十億円かかるようになってしまっているんです。やはり、先ほど来申し上げているように、国内のそういうベクターを作る会社の整備を国策としてやってくるべきだったんですよ。
だから、アカデミアで開発を完結することも難しいし、さっき大臣が、どんどん頑張ってほしいとおっしゃっているけれども、この国で遺伝子治療、欧米と戦っていくことがお金の面でもかなり難しくなっている。だから、国内で少なくともGLPそしてGMPグレードのウイルスベクターを作れる環境を国策でつくらないと、大臣、後れを取るどころか、予算も高騰するし、難しいんですよ。大臣、どうですか。やるならやると言ってください。
○武見国務大臣 現状でどういう支援をやっているのかというのは、先生の御指導もあって調べていたようであります。
AMEDを通じたウイルスベクターの製造に関わる支援というのは、具体的には、アカデミアや企業が臨床研究用の高品質なウイルスベクター等を製造するための費用の補助を行い、この補助により製造設備が整ったアカデミアや企業が、自らの施設ではウイルスベクターを製造できないアカデミアから適切な価格で製造を請け負うという事業を実施しているということであります。
しかし、まだまだ数は足りなくて、実際にこうした対応ができる企業でさえ、企業等、研究所等が三つぐらいしかないんですね、我が国に。したがって、これではとても世界で対応して戦っていくことはちょっと、とてもできないということだと思いますので、今後更なる支援の体制を強化する必要性がある、こう考えます。
○吉田(統)委員 相当支援をしてくださると期待をします。本当にこれはもう無理ですよ。
あともう一つ、大臣、これはちょっと文科省なのかもしれません。だったら文科省で結構ですので。
また、これ以前の問題に対して、特許に対する金銭的支援の制約がアカデミア完結創薬を難しくしています。
PCT出願の後、各国移行をする際に、展開する国によっては、大臣もお詳しいと思うんですけれども、一千万とか三千万ぐらいかかるんですよね。普通、各国移行は、研究助成期間が終わってから一、二年で申請しますよね。それはそうですよね、大臣。研究に対する支援期間、研究助成期間が終わって数年たって各国移行をする状況になるのは、大臣、御理解いただけますよね。タイムラグがどうしても出ますので。そうすると、サポート財源がそのときに、つまり、ないわけですよ。そうするとアカデミアはどうするかというと、二つなんです。企業に安く身売りするか、あるいは国際展開を諦めるか。この国際展開を諦めた時点で、ビジネス性は、大臣、失われますね。
大臣、こういう問題、これは厚労かな、これはどう対応しますか、大臣、この問題に対して。先に大臣で。大臣、逃げないでください。
○武見国務大臣 まさに先生の御指摘の問題意識というのは非常に重要な、ある意味で我が国で創薬に関わるデスバレーと言われている分野がまさに先生御指摘のところじゃないかなというふうに伺っておりました。
したがって、研究開発の能力というのを、そうした特定の遺伝子治療等含めて治療方法あるいは創薬というものと結びつけて研究開発をさせて、そのシーズをきちんと実現するとともに、それをビジネスとしてどのように展開させていくかというところを、どう我が国の中できちんと支援して設計していくかということが、これから非常に求められてくるのではないかなと思いました。
○松浦政府参考人 アカデミアにおける研究開発の知財に関する対応について御説明します。
大学等の優れた基礎研究の成果を医薬品、医療機器、再生医療等を製品として実用化につなげていくことが重要であり、そのためには、知的財産の戦略的な取得、活用が必要です。
このため、文部科学省におきましては、例えば、文部科学大臣が認定する橋渡し研究支援機関を通じた医療系シーズの実用化に向けた知財戦略等に関する伴走支援と研究開発費の支援の両面からの支援、再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム等の研究支援事業における知財戦略等に関する伴走支援の実施、知財活用支援事業等を通じた大学等における知的財産マネジメント力の強化等を通じ、大学等の研究者に対し、知的財産の観点からの支援を提供しております。
○吉田(統)委員 だから、本当に関係ないことは言わないでください。僕は、だから、今、伴走支援されていないからという話をしたじゃないですか。サポート財源がなくなっていると言いましたよね。ちょっと、文科省、ちゃんと聞いていましたか。ちょっとひどい、今の。ひど過ぎる。ばかにされているのかと思いました、こんなの。
いいですか。さっき言ったように、これは大事なんです、本当に。要は、研究助成が、今おっしゃったようなものが全部切れているからと言っているの。切れている、サポート財源がその時点でないから、いいですか、もう一回言うけれども、PCT出願の後に各国移行ができないんです。分かりますか。だから、伴走支援が終わっているからと言っているんです。分かりますか。だから、いいですか、身売りするか、もう国際展開を諦めるしかないと言っているんです。
るるおっしゃったことは、途中までで終わっているの。だから、いいですか、賢いから分かっているはずだけれども、もう時間がたっているんですよ。研究助成、科研費とか出ているところは終わっているの。その後にやりたいんだけれども、お金がないから、身売りするか、諦めるかしかないと言っているんです。だから、そこをどうにかしてあげないとビジネス性がないんだよということを説明しているんです。だから、おっしゃっていることは全然違うんですよ。
大臣、ここが本当に困っているんですけれども、大臣、どうですか。ちょっと応援してくれませんか。
○武見国務大臣 実は、私は委員と全く同じ問題意識を持っていて、やはり、我が国の創薬に関わる、シーズに関わる研究開発というものをきちんとビジネスにまでちゃんとつなげるような、そういうファイナンスの仕組みを我が国の中にちゃんとつくらないと、先生のおっしゃっているデスバレーは恐らく埋まらないんじゃないかなと思います。
○吉田(統)委員 よっぽど大臣の方がすばらしい御答弁をしていますよ。みんな聞いていて思っていると思う。
じゃ、もっと行きますね。これも、ちょっと、文科省に聞くのは駄目かな。
さらに、問題なのは、大臣、大学は結局、個々の研究室単位での頑張りですよね、研究は。大学というのは一つの枠組み、大きな中で連携したりいろいろなことはあるんですけれども、ちょっと言い方は悪いんですけれども、研究者の本音として、大学はほとんど特許支援してくれませんよね、してくれないですよね、当然。でも、研究室あるいは研究者本人の自己資金で申請した場合も、企業がお金を出した場合も、大学が出願人となり、権利を主張してくるんです。大学が特許支援を放棄した段階で、本来、やはり、この権利も放棄すべきですよね。これは旧帝国大学である私の母校、名古屋大学でも、東北大学でも、東大でも同じ問題が起こっています。これがスタートアップ設立や資金調達の足かせにも実は、大臣、なっているんです。この辺の構造的な問題を何とかしないと、日本のアカデミア完結創薬やアカデミアを中心とした創薬が難しいと思います。
じゃ、もう一回だけ、文科省、ちょっと聞きますけれども、ちゃんと答えてくださいね。特許に対する支援に関して、今の私の話は本当に現実的な問題なんです、各研究者には死活問題、ここに関して何か手伝いとかしてあげないと、大臣のおっしゃるデスバレーは埋まらないですけれども、どうですか。
○松浦政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、大学の研究開発の成果を実用化させるためには、そういう知財、そして市場化に係る大学組織としてのサポートは非常に重要です。
そのため、文部科学省では、科学技術振興機構などのプログラムを通じて、大学のシーズを市場化させるための様々な方策を、例えばA―STEPプログラムとか、そういったところで支援をしておりますので、大学組織としてきっちり先生の問題意識に応えるような取組を、これからもしっかりサポートしてまいりたいというふうに思っております。
○吉田(統)委員 松浦審議官、大学なんて、お上が、文科省が一言言えば、すぐ言うことを聞きますから。本当に、特許に関しては、こういうふうにちょっと考えなさいよと言えば進むと思いますよ、特にバイオは。ちょっと本当に検討してくださいね、みんな困っていますから。
ちょっと大分時間がなくなってきましたね。まだ大分、半分も終わっていないですね。
今、遺伝子編集に関しては、CRISPR―Cas9が全盛ですよね。新しい技術として、実は、大臣、エピジェネティック編集というやつが出てきていまして、これは、簡単に言うと、スイッチで遺伝子のオン、オフができるというやつなんですよ。これが非常に注目されていて、CRISPR―Cas9は恒久的に塩基配列を変えてしまうから、多数の遺伝子が関わる病気の方が多いのは、大臣、御存じですよね、単一遺伝子による疾患よりも複数の遺伝子が絡み合って疾患を起こすことの方が多いわけでして、そういう場合は、このエピジェネティックな編集の方が優れている可能性があるんです。ただ、まだこれは萌芽的な部分なんですが。
このエピジェネティックな編集に対する研究や知財の確保を積極的に我が国でも行わなきゃいけないと思いますが、大臣、ここに関して、支援も含めて、どういったお考えをお持ちなのか、一言お願いできますか。
○武見国務大臣 先生御指摘のエピジェネティック編集というのは、ゲノム編集酵素などを用いて、遺伝子そのものの改変によらないで、遺伝子の発現を制御する技術だということであります。例えば、がん治療のための、発がんに関与する遺伝子の発現を抑制するなど、今後の応用が期待できる技術と認識をしております。
今回の改正法案におきましては、このエピジェネティック編集も再生医療等安全性確保法の対象に含まれる予定でございまして、仮に改正法案が成立した場合には、この技術の迅速かつ安全な提供や普及の促進が期待されます。
また、AMEDを通じて、このエピジェネティック編集を含めて、再生医療等の研究開発費の支援等を行うことによって、この実用化を更に進めていきたいと考えます。
○吉田(統)委員 是非頑張ってください。
少しこれも、足立委員がいないですけれども、ちょっと言いづらいんですけれども、じゃ、ちょっと厳しい話をさせていただきたい。
ディオバン事件、ございましたね。これで審査をしながらお金を受け取ったとされている方が、今でも大阪万博における万博プロデューサーとして活動するなど、いろいろなところで暗躍していますね、大臣。大臣も先日、この人物評において厳しい言葉をおっしゃっていたような記憶もあります。大臣は、お立場があるので、肯定も否定もしなくて結構なんですが。ペテン師とまでは言っていないですけれども、何かそんなようなことをちょっと、私の記憶違いかもしれませんが、おっしゃっていたような気がしますね。
ただ、この方、本当に、ちょっとこれは厳しい言い方ですが、何か頼まれ事をすると、今度安倍さんとゴルフをするからそのときに頼んでおきますとか、そういった言葉を僕も何回も聞きました。その場で耳にしたんですよね。およそ学者としては、かなり、私は適切ではないのかなと思いましたが。
ちょっと実名を挙げて申し訳ないですけれども、これは反省をする意味で、ノバルティス社から奨学寄附金を受領する立場にあった森下竜一氏が、高血圧学会の臨床試験に関わる第三者委員会の委員を務めたことは、不正が疑われる行為ですね、大臣。このような人物が関わっている企業が、また新型コロナウイルスの開発支援など、国の事業による支援をされたわけですが、こういった方は支援対象から排除するようなルールは、大臣、必要じゃないでしょうか。
○武見国務大臣 新型コロナウイルスワクチンについては、国民に早期に供給できるように、国において研究開発や国内の生産体制の整備を支援してまいりました。その支援対象の採択に当たっては、外部専門家から構成される委員会で公平性、透明性のある審査が行われ、事業の実現性や見通し、開発の進捗状況について評価を行ったものと考えます。
当時の審査基準には委員御指摘の点は含まれなかったとは思いますけれども、今後、国の事業において事業者などの採択を判断する際の審査基準等については、その事業の目的などを考慮して、適切にこうした設定をしなきゃいけない、こう思います。
○吉田(統)委員 大臣は多分本当はもっと言いたいんでしょうけれども、これは役所が作られた文章を我慢して読まれたのかなと思います。大臣は本当に正義の政治家だと私はあのとき思いましたね。非常に感銘を受けて、こういう方が厚生労働省の長だったら我々も安心できるなと本当に思いましたよ。
もうちょっと言いますね、大臣。答えにくいかもしれませんが。
高血圧学会が設置した臨床試験に関わる第三者委員会の委員を務めた森下竜一氏の行為について、厚生労働省はどのようにお考えでしょうか。大臣、お答えください。
○武見国務大臣 ノバルティス社が販売していた医薬品ディオバンに関する事件を受けて高血圧学会が設置した臨床試験に関わる第三者委員会の委員を森下竜一氏が務めていたことは、承知をしております。
学会が設置した第三者委員会における利益相反の管理については学会において行われるものと考えており、厚生労働省としては、コメントを差し控えたいと思います。
ただ、一般論として申し上げれば、第三者委員会での検証は公正になされるべきであり、利益相反の管理は非常に重要だと考えます。
○吉田(統)委員 大臣、しっかりお答えいただきましたね。大臣は、でも、本当はもっと言いたいですよね。
ちょっと、せっかくですから、役所からもいいですかね、一言この件に関して。
○佐々木政府参考人 先ほど大臣が申し上げたとおり、やはり、これは透明性、そして、国民の皆さんから、場合によっては世界の皆さんから公正だと見られるような形での運営が必要だと思っております。
○吉田(統)委員 大臣、起こったことというか、本当はよくないんですけれども、今後は本当にこういったことは気をつけてやっていただきたいと。特に、厚生労働省の所管する内容は人の命に大きく関わるところが多いので、反省を生かしてやっていただきたいと思います。
それでは、ちょっと時間もないんですが、リツキシマブに関して、ちょっと、大臣、お伺いしたいんですが。
コロナ特措法の審議の際に、参議院の附帯決議で、コロナの後遺症として筋痛性脳脊髄炎類似の症状を呈する患者が多数おられるということで、その研究を進めることが決議されたと承知しております。
本疾患の原因は明らかではないとお聞きしていますが、一説ではウイルス性のものとされており、また、患者団体の方々から、医師にかかっても初期の段階で病名がはっきりせず、症状が悪化したり、長期にわたり寝たきりになったりということがあり、それまでの患者数が十万人であったのが、今回のコロナで同様の患者が十万人とも二十万人とも言われますが、多数出ているのではないかと推定をされているわけであります。
ある意味、この病気の原因を、疾患の原因を究明し、加療する機会にすべきだと思うんですが、研究を進めてほしいという意見が多々あるんですが、コロナ後遺症としての筋痛性脳脊髄炎類似の疾患の研究についてはどんな状況でしょうか、大臣。
○武見国務大臣 ME、CFSにつきましては、発症のメカニズムなどがまだ解明されておらず、客観的診断基準も確立をしていないために、これまでも、厚生労働科学研究などにおいて、その病態解明や診断基準の確立を目的とした研究を行ってきたところでございます。
令和四年度から令和六年度までの厚生労働科学研究でありますME、CFSの実態調査及び客観的診断法の確立に関する研究におきましては、国内外の文献精査やバイオマーカーの研究などを行っておりまして、引き続き、研究に必要な予算の確保をし、専門家等の御意見を伺いながら、ME、CFSの病態解明に向けた研究を支援してまいりたいと考えております。
また、ME、CFSに対するリツキシマブの使用につきましては、我が国では、今年の夏にも、国立精神・神経医療研究センターにおいて、医師主導治験が開始されるとの報道がされていると承知をしております。
開発者から治験実施に向けての相談があれば、PMDAにおいて助言を行うなど、実用化の促進に向けて取り組んでいきたいと思います。
○吉田(統)委員 大臣、私の次と次の質問も併せて御説明いただいて、ありがとうございます。
つまり、このリツキシマブは分子標的剤ですよね、大臣。今回、オフラベル使用ということになりますよね、大臣。悪性リンパ腫や関節リウマチに承認されていますから、この薬は。そうすると、少なくとも安全性については担保されていると考えられることから、今回の法案の一部でもあります、オフラベル使用としての早期の承認、使用が可能になる可能性が高いというふうに私は受け取ったんですが、大臣、それでよろしいですか。
○新谷委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○新谷委員長 速記を起こしてください。
武見厚生労働大臣。
○武見国務大臣 現在も、さっき申し上げたような形で、国立精神・神経医療研究センターで医師主導治験が夏から始まりますので、それをPMDA等を通じて支援するということを今現在考えているということでございます。
そのための予算規模とかそういうところまではまだ全然決まっているというわけではないと思いますので、具体的にはこれからの検討課題として御理解ください。
○吉田(統)委員 大臣の最初の答弁だとすごく前向きに聞こえたんですけれども、まあ、でも前向きですよね。大丈夫ですね。そこだけ確認したかっただけで、大臣、そんなに難しい問いじゃなかったんですけれども、済みません、私の伝え方が悪かったかもしれません。
大臣、じゃ最後に、遺伝子編集というのは、今まではRNAやあるいは遺伝子の働きそのものをノックアウトする概念ですよね、制御する、止めるということが遺伝子治療の中心だったし、今もまだそうなんですが、今新しく研究されている場合は、機能を足す方。
つまり、ある特定の遺伝子が働かなくなることによって起こる病気というのはいっぱいあるんですね、いっぱいあるんですよ。これを、より高度な技術にはなるんですが、例えば、レチノブラストーマ、RB遺伝子というのは、世界で初めて見つかったがん抑制遺伝子、ドライジャという人が見つけたんですけれども、これなんかは、逆に言うと、ダブルでノックアウトされていると病気が起こっちゃうわけなんですよね、だからこれを片方でも働くようにすると病気が起こらなくなるわけなんです。こういう研究に世界的に遺伝子治療がシフトしていくのは確実なんです。
これもちょっと役所にはしっかりレクをしておいたつもりなんですが、ここが世界的に本当に日本がリードできる可能性のある分野なんですね。ここに関して、厚生労働省、まあ文科省もそうですが、どういった支援をしていくのか、あるいはどのようなお考えを持ってここの研究を見ているのかということを大臣からお伺いしたいんですが。大臣、もしあれだったらいいですよ、役所からでも。
○内山政府参考人 今回の改正においては遺伝子治療、インビボも含めてやるわけでございますけれども、疾病原因となる遺伝子を改変することで疾病の予防を目的とした医療なども行われることを期待をしているところでございます。
○吉田(統)委員 全く理解をされていなかった。また今度やりましょう。時間も来ましたので今日はやめますし、まだほかにもテーマはたくさんありますので、またやらせていただきます。
大臣、ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、中島克仁君。
○中島(克)委員 立憲民主党の中島克仁でございます。私からも質問をさせていただきます。
私からは、再生医療法、臨床研究法改正案、遺伝医療に関連して、ゲノム医療について質問させていただきたいと思います。今日は、お忙しい中、法務省また経済産業省にもお越しをいただいておりますので、ゲノム医療に関連して質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
まず、臨床研究法の部分について質問させていただきます。
先ほど来も少し触れられておりますが、臨床研究をめぐる問題、ノバルティスファーマのいわゆるディオバン事案、それ以外にも、タシグナ事案、またCASE―J事案、こういった臨床研究に関わる信頼を損なうような事案が引き続いた、案件が引き続いたこと、信頼を早急に回復をしなければならない、こういったことを目的にこの臨床研究法が制定された経緯だと理解をしております。
そういった経緯の中で、法律を制定した二〇一七年になりますでしょうか、私もそのとき質疑に立たせていただいたんですが、法制定時から、手術やまた手技、これも対象にしていくべきではないか、そして、この議論の中で、前回の制定時、附帯決議にも手術・手技の臨床研究についても検討するとされておりましたが、今回の改正案でどのように反映されているのか、確認をさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、大串(正)委員長代理着席〕
○内山政府参考人 お答えいたします。
御指摘の手術・手技の臨床研究につきましては、今御指摘いただいたように、法制定時に附帯決議もありますし、この附帯決議を踏まえ、審議会で議論を行い、意見書を取りまとめたところでございます。
この意見書の中では、医薬品等について、製品に由来する一定範囲のリスクが想定できる一方で、手術・手技のリスクについては、同一の手術・手技であっても施術者の技量や施術環境等の影響を大きく受けること、また、手術・手技については、多様な医療技術が存在し、規制すべき医療技術とそうでないものについて明確に区分することは困難であることなどから、一律に規制を行うことは妥当でないというふうにされてございます。
その後も現在に至るまで当該状況には変化がないことから、御審議いただいている改正法案におきましても手術・手技は対象となっておりませんけれども、今後も様々な医療技術の進歩が予想されることから、手術・手技の研究を取り巻く環境の変化等を鑑みまして、臨床研究法の対象とする必要性につきましては引き続き検討をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○中島(克)委員 今回の改正案では、手術・手技についてはまだ盛り込まれていない。
私は前回のときにも質疑させていただいたんですが、大学病院等で新しい医療機器、例えば腸管を吻合する器械、こういったことをいろいろ試験をする。ただ一方で、それを扱う、未熟な方かもしれないことも含めて、これまでも、某大学病院等々で、手術、腹腔鏡もそうでありますけれども、様々重大案件が発生している。
先ほども答弁いただきましたが、個別性が高い、また境界が分かりづらいからこそ、これは何らかのやはり規制、在り方をむしろしていかなければならない、私はそのように考えています。
引き続き検討ということですから、ちょっとそこは確認したいんですが、やはりこれは臨床研究法の対象としていくべく検討していくということでよろしいですか。
○内山政府参考人 繰り返しになりますけれども、手術・手技につきましては引き続き検討ということで、もちろん、これから状況を踏まえまして審議会等でも御議論いただくわけですけれども、現時点では、ある意味、予断を持ってお答えすることは難しいと思っておりますので、まさに今後の状況を踏まえて、臨床研究法の対象とするか否か、この必要性を検討してまいりたいというふうに思ってございます。
○中島(克)委員 今の話と関連するわけではないんですが、質の悪い臨床研究も非常に多いという意見もあります。海外では臨床研究と治験を制度上区別していないため、日本でも質の高い治験に制度を一本化するべきではないか、その方がイノベーションにつながっていくのではないかという御意見もありますが、この御意見に対して政府の見解を伺いたいと思います。
○内山政府参考人 臨床研究に対する規制につきましては、臨床研究の質の確保による信頼確保を図りつつ、研究の萎縮を防止することが重要、あるいは、学問の自由、医療現場の負担や当局の体制等を踏まえた実効性を考えると、行政が研究計画の事前審査を行うことは慎重であるべきといったような御意見もございましたことから、こうしたことを踏まえ、企業による商業化を念頭に置いた治験と同様に、行政による研究計画の確認を義務づけて研究開始を制限することなどの規制を行うことは、研究を萎縮させるおそれがあり、また研究者や患者等の関係者の理解を得られないおそれもあることから、現在は、医薬品医療機器法上の治験とは別に、臨床研究法を制定して実施基準の遵守等を義務づけたというふうな経緯がございますし、こうした法体系となってございます。
○中島(克)委員 海外は治験としてやっている、我が国は、先ほど言った様々な事案の中で、医薬品医療機器法ではなくて臨床研究法でやっておる。これは見方はいろいろあるとは思いますが、両論ある中で、だからこそ、先ほども言ったように、手技・手術もそうですが、明確にできづらいところだからこそ、より積極的に次の改正に向けて努力をしていただきたいと思います。
続いて、遺伝医療に関連して、全ゲノム解析、ゲノム医療について質問させていただきたいと思います。
遺伝治療によって、難治性疾患や希少疾患など、多くの患者さんに対する個別化医療の推進が期待をされております。個別化医療の推進に当たり、全ゲノム解析を更に進めていくべき、これは実行計画もございますが、これに対する大臣の見解を伺いたいのと、遺伝子治療の普及に際して、ゲノム医療の研究開発や、個人のゲノム情報による差別への対応、ゲノム情報の保護など、国民が安心してゲノム医療を受けられるようにするための施策の重要性について、大臣の認識をお尋ねしたいと思います。
○武見国務大臣 これまで治療法のなかった患者に新たな個別化医療を提供するためにも、全ゲノム解析などを推進していくことは極めて重要であります。
このため、厚生労働省では、全ゲノム解析等実行計画に基づいて、がん、難病に関する本格解析等の実施、それから解析結果の日常診療への導入や新たな個別化医療の推進、それから解析結果を活用した創薬基盤の構築に取り組んでおります。全ゲノム解析等の推進に当たりましては、令和六年度も必要な予算を確保しており、引き続き全ゲノム解析等を着実に推進してまいります。
ゲノム医療の推進に当たりましては、研究開発や、ゲノム情報による差別への対応、それからゲノム情報の保護、それから国民が安心してゲノム医療を受けられるようにするための施策を講じる必要があり、ゲノム医療を受ける立場にあるがんや難病の患者の方など、関係者から幅広い御意見をいただきながら取組を進めていくことが大事だ、重要だと考えます。
厚生労働省では、ゲノム医療推進法に基づく基本計画を策定するため、昨年十二月にゲノム医療協議会の下にワーキンググループを設置し、検討を進めているところでございまして、引き続き、関係省庁と連携してこの検討を進めていきたいと思います。
○中島(克)委員 大臣から、ゲノム医療推進、基本計画、ワーキンググループというお話がございましたが、前提となる、根拠となる法律、昨年の六月、議員立法で、良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律、通称ゲノム法案、資料にお示しをさせていただいておりますが、私、これは超党派議連で取り組み、塩崎政務官にも大変な御尽力、塩崎元厚生労働大臣、そして、今日ここにいらっしゃる中でも多くの方に御尽力をいただき、患者さん団体、医学界、多くの御要望を、多岐にわたる内容でございましたが、成立いたしました。
この中で、今もお話をされていた中にありますけれども、この資料の中にもあるように、基本理念は大きく三項目。世界最高水準のゲノム医療を広く国民が享受できるようにする、そして一方で、生命倫理への適切な配慮、そして、ゲノム情報の保護、不当な差別が行われることのないようにするという、この基本理念の下、五ポツの基本的施策、五つの項目、これに沿って基本計画が策定される。このワーキングが今開かれておるということでございます。
この中でも、やはり前提となる、ゲノム情報は究極の個人情報でもありますので、この中で慎重に、より慎重に進めなきゃいけないのが、ゲノム情報による差別等があってはならない。そのための施策の確立は、国民が、まさにこのタイトルどおり、適切にゲノム医療を享受するために不可欠なことである。アメリカは二〇〇八年にGINA法という法律が制定され、遅ればせながら、我が国初めてのゲノム法が議員立法で成立したことを受けてのことであります。
今日は法務省に来ていただいておりますから、このゲノムに対する、特に差別、不利益な取扱いを含め、DTCもそうですが、これは各省をまたがる、横断的にやらなきゃいけないことなので、法務省に今日来ていただいて、お尋ねしたいのですが、法務省の人権擁護機関では、毎年、その年度の啓発活動重点目標を定めるとともに、具体的な課題として啓発活動強調事項を掲げ、人権啓発活動を実施しております。女性の人権、子供の人権、障害を理由とする偏見、差別をなくそう、そういう項目が十七項目あるわけでありますが、この十八項目めに遺伝に起因する差別や偏見をなくす規定を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○柴田政府参考人 お答えいたします。
御指摘の啓発活動強調事項は、法務省の人権擁護機関において、その時々の社会情勢や人権侵犯事件の動向等を勘案して、年度を通じて特に重点的に啓発するテーマとして毎年定めているものでございます。
遺伝子に起因する差別や偏見をなくすことについて啓発活動強調事項に掲げるべきとの御指摘でございますが、いかなる事案が遺伝子に起因する不当な差別や偏見に当たるかについては、今後策定されるゲノム医療推進法第八条に基づく基本計画において示されるゲノム医療施策についての基本的な方針等を踏まえて検討する必要があることから、直ちに啓発活動強調事項に掲げることは困難でございます。
現在、基本計画の策定に向けた検討が行われており、その状況等を注視しつつ、関係省庁とも連携しながら、遺伝子に起因した不当な差別や偏見に対する効果的な施策の在り方を適切に検討してまいりたいと考えております。
〔大串(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○中島(克)委員 去年成立した議員立法で、基本的施策、基本理念のところに、ゲノム情報による差別、偏見が起きてはならないと明確にうたってあるんですよ。基本計画ができてから、待つんじゃなくて、そういうことをやっているから、今厚労省さんは非常に頑張ってやっていただいていますが、この後、経産省もそうですが金融庁も、もっと、この案件、前向きに積極的にやってもらわないと困りますよ。是非、基本計画ができるというよりは、今後取りまとめられますが、確実にこれは十八項目めに加えていただかなければなりませんし、大臣もそのことをよく認識をされていていただきたいと思います。
次に、経済産業省にお伺いしますが、民間企業が行う遺伝子解析ビジネス、DTCに関して、精度管理のほか、解析結果の判断の根拠について、どういった根拠に基づく結果であるのか、基準が必要ではないか。さらに、遺伝学的検査ビジネスにおいて、生命倫理への適切な配慮やゲノム情報の適切な取扱いについて十分な対応が必要であると私は考えておりますが、そして、この議員立法の中にも、基本施策の四項目め、医療以外の目的による解析の質の確保ということがあるわけですが、このDTCに関して、現状、また今後どのように対応していくのか、お尋ねしたいと思います。
○南政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のDTC遺伝子検査でございますが、まさに個人から採取されたゲノムの情報解析を行うことで、体質や将来的な疾患リスク等を調べる、これは民間サービスもありまして、近年、様々な事業者が参入しているというふうに承知しております。
また、これも委員御指摘のとおりですが、一方で、検査の妥当性ですとか、正確な情報提供等が適切になされない場合、消費者が混乱したり、誤った判断をする課題というものもあると思っております。
本件につきましては、先ほどから御指摘がございましたけれども、政府といたしまして、ゲノム医療法及び今後各省が連携して取りまとめますゲノム医療施策に関する基本的な計画、これに基づき適切に対応してまいりたいと思っているところでございます。
○中島(克)委員 まいりたいじゃなくて、やってもらわなきゃ困るんです。もうワーキングは始まっていますからね。
四月十五日の報道でしたか、子供の遺伝子検査を推奨、仲介、保護者三割が応じると。ショッキングなニュースでした。東京都内の会社が経営する二つの私立保育園、将来の傾向が分かる、知能や性格、身体の特徴まで、子供の未来を知るチャンスと広告をうたって遺伝子検査を触れ込む、推奨していた。そして、国内の会社においては自主規制というか自主取組がされていますが、この会社は香港ですよ。こういった遺伝子ビジネスがもう今、現在進行形であるわけですよ。
先ほどの繰り返しですが、去年の六月にこの議員立法ができているわけですから、基本計画の策定を待ってではなくて、基本計画により具体的な、このDTC、適正に、だって、ここにうたってありますよ、基本的施策の四番目、DTCに関しても、生命倫理への適切な配慮、ゲノム情報の適正な取扱い、差別等への適切な対応と書いてあるわけですから、これはちゃんとやってもらわなきゃ困る。基本計画ができてからではなくて、早急に取り組んでいただきたい。大臣からも是非指導していただきたいと思います。
続いて、今のは、今後、様々な各省横断的に前向きに積極的にやってもらわなきゃ困るんですが、現状のゲノム医療の現場からいくと、がんパネル検査は、現時点で、標準的治療が終了した場合に保険適用となります。これは、治療上の必要に応じて標準治療の開始前に実施できるようにするなど、対応していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○伊原政府参考人 お答えいたします。
今先生が御指摘になりました、標準治療前に実施されますがん遺伝子パネル検査につきましては、現在、保険適用の可能性を含めまして、先進医療の枠組みで評価が行われております。
今後、その結果によって得られる有効性、安全性に係るエビデンスを含めまして、関係学会の学術的見解も伺いながら、中医協において具体的な議論を進めることになると考えてございます。
○中島(克)委員 是非、これは現場の声ですから。
もう時間ですから終わりますが、さっき、吉田先生はアカデミア、私は臨床医かもしれませんが、私が研修医のときに最初に診た患者さんは、家族性大腸ポリポーシス、十七歳の女性でした。その子の夢は子供を持つこと。一瞬戸惑いましたが、いずれ医療が発展して治療できること、それを願って、今元気であれば四十七歳だと思いますが、その思いを抱えている患者さんがたくさんいること。
私の一丁目一番地はかかりつけ医の制度化ですが、一丁目二番地はこの遺伝医療。世界標準、世界レベルを超える遺伝医療確立のために、是非大臣にも決意を伺おうかと思いましたが、時間ですから終わりますが、是非精いっぱい努力していただきたいことをお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○新谷委員長 次に、宮本徹君。
○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
質問いたします。
再生医療の安全を担保するはずの認定再生医療等委員会の審査が適切なのか、疑問視されております。
配付資料は、厚労省の認定再生医療等委員会の審査の質向上事業の成果報告書の抜粋でございます。この委託を受けた専門家の調査では、再生医療計画の約三〇%が医師の専門性と適合していない、二五%が安全性の科学的根拠となる資料を示していない、治療計画の六五%が同じ名前の治療計画があり、説明文書も同じで、審査も一部の認定再生医療等委員会に偏っていた、さらに、癒着が疑われる事例も、ネットで調べるだけでも四例確認されたということなんですね。その四例を資料としてお配りをしておりますけれども。
一例目。審査をする委員会と審査を受ける医療機関が、共通の再生医療コンサルティング会社A社の支援を受けていた。複数の医療機関の個別具体的な再生医療計画を審査しているけれども、唯一公開された回の議事録は、全ての計画に関する審査議事録が一言一句同じ、説明文書は大規模に複製、利用されているとのことです。
二例目。細胞培養加工企業が、ビジネスパートナーとして、審査を受ける医療機関の計画の作成の支援をし、もう一方で、審査する委員会の事務局を実質的に担っている。
三例目。細胞培養加工企業が、審査を受ける医療機関と審査をする委員会の支援をし、何と、審査をしている委員会が審査対象の計画の作成支援も業として標榜している。
四例目は、二例目とほぼ同じということで、私もこれを読んで大変驚きました。
この成果報告書の中では、こういう記述があるんですね。「審査を受ける再生医療等提供者と利害を共通にする者(具体的には、再生医療等提供機関に培養加工した細胞を提供する事業者など)を委員会運営から退けることは、公正かつ適正な委員会の審査のためには必要」と書いてあります。全く私はそのとおりだと思います。
これは、施行規則の見直しも含めて対応を取るべきじゃないでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
認定再生医療等委員会におきまして適正な審査が行われること、これは委員御指摘のとおり大変重要なことだというふうに思ってございまして、審査に当たっては利益相反に関する基準を設けておりまして、施行規則におきまして、審査の対象となる細胞加工物を製造する事業者など密接な関係を有する者につきましては委員会の審査に参加できないというふうにしているところでございます。
○宮本(徹)委員 そもそもの、これの中で指摘されているように、委員会と企業の住所が同一だったり、同じ人が企業、委員会、医療機関の全てで要職を兼務している例もあるんですよ。事実上、企業が認定審査会の事務所のフロアも提供している、こういう状況なんですよね。
ですから、この委員会のメンバーにどういうものを求めていくのかということを考えたときに、企業のメンバーというのは全部排除していくということが必要なんじゃないですか、関係者というのは。
○内山政府参考人 認定再生医療等委員会のメンバーと、実際の審査があるわけですけれども、今申しましたように、それぞれの認定再生医療委員会は様々な医療機関から審査の依頼が来るわけでございますので、審査の段階において、密接な関係を有する方については委員会の審査に参加できないというふうにしてございます。
さらに、今年五月にガイダンスを取りまとめてございまして、委員が自身に利害関係のある企業等を定期的に委員会に報告して利益相反をチェックする仕組みを明確化する、あるいは、実際にその審査のときには審査から外れていただくといったところを示しているところでございまして、まずはこうしたガイダンスをしっかり守っていただくように、適切な運用を図っていきたいというふうに考えてございます。
○宮本(徹)委員 結局、企業が自社の製品の使用計画を作成して、複製して日本中の医療機関に使わせる、そして自らが運営する委員会の審査を通していく、委員会自体を、委員会自体の事務所機能まで含めて企業が担っちゃっているわけですよ。こういうこと自体がおかしいんじゃないですかということを言っているんですよ。
そういう、根本の、大本のところから利益相反、責務相反があるんじゃないかということが指摘されているわけじゃないですか。国民は、疑念は晴れないですよね、こういうことを放置していたら。大臣、そう思われませんか。
○武見国務大臣 実際、担当からも説明がありましたとおり、認定再生医療等委員会で適正な審査が行われるように、審査に当たって利益相反に関する基準を設けており、施行規則において、審査の対象となる細胞加工物を製造する事業者など密接な関係を有する者は委員会の審査に参加できないということになっております。その上で、既に利益相反関係にある事業者は委員会の審査から排除されているところです。
委員御指摘の成果報告書の記述は、細胞加工物を製造する事業者等について、委員会の審査そのものには参加はしておりませんけれども、審査の運営に影響を及ぼしていることがあるのではないかという指摘だと承知をしております。
今年五月に取りまとめたガイダンスにおいては、委員が自身に利害関係のある企業等を定期的に委員会へ報告して利益相反をチェックする仕組みなどの具体的な審査の手順を明確化するなど、適正な審査に資するための対応を行いました。
加えて、今回の改正法案においては、新たに立入検査や欠格事由に係る規定を整備することとしております。
このように、ガイダンスの周知を行うとともに、改正法案やそれに基づく施行規則を適正に運用することによって、適正に運用を図ってまいりたいと考えます。
○宮本(徹)委員 しかし、そもそも、企業が委員会の事務所も提供して、委員会のメンバーの人選も関与してということになっているとすればですよ、そして、自らの製品の使用計画を作成支援をしている、両方の支援をしているわけですよね、使用計画を作成して、そして認定する側の委員会の支援もしてと。これは誰がどう考えても、それは何らかの力が働いているというふうに思わざるを得ないわけですよ。そこを本当に、このままでいいんだというふうには私はならないと思いますよ。
私は、法律で立入検査の権限を設けるんだというんだったら、これは本当に、御指摘されている四例についてはちゃんとまずしっかりと調べるべきだと思うんですよね。なぜなら、ここで言われている専門性調査で問題があるんじゃないかだとか、論文の引用調査で問題があるんじゃないかということが、これらの委員会についても指摘されているわけですよね。ですから、そこは、これでいいですよということにはならない、国民から疑念を持たれる状況は私はなくすべきだと重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
続きまして、もう一点。成果報告書の中では、先ほどの三例目に関わって、認定再生医療等委員会が自分たちが審査をする計画の作成支援サービスまでうたっているという話もあったわけですが、やはり、認定再生医療等委員会が審査の独立、公平を損なうようなサービス、自分が審査をする計画の作成支援サービスを行うことについては、これはやってはならないということを明確にすべきだと思いますが、いかがですか。
○武見国務大臣 再生医療等安全性確保法では、医療機関が再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出しようとする場合には、認定再生医療等委員会の意見を聞く必要があるとまず規定をしております。その際に、認定再生医療等委員会が医療機関に対して、再生医療等提供計画について法令上の基準等を踏まえた留意点を意見することもありますけれども、審査対象となる計画書を委員会が自ら作成するといった支援は、審査の独立性や公平性を損なうおそれがあって、それは適切ではございません。そこで、今年五月に作成したガイダンスにおいて、認定再生医療等委員会の具体的な業務の手順をお示ししているところであります。
今後、適正な審査に資するように、不断にこのガイダンスの見直しを行っていきたいと思います。
○宮本(徹)委員 それは、ガイダンスに適切じゃないということを書くということですか。
○武見国務大臣 見直しを含めて検討します。
○宮本(徹)委員 それはしっかりやっていただきたいと思います。
続きまして、先ほど、再生医療計画の二五%が患者に安全に再生医療を提供できるという科学的根拠となる資料を示していなかったという問題です。
そもそも根拠文献を全く示していない、添付文献が学術研究論文でない、いわゆるハゲタカ雑誌、あるいは、引用された論文は安全性を確認できる臨床研究論文ではなかった、こういうものがたくさんあって、この間の機能性表示食品のときの議論とも似ているなということを思うんですけれども、そういうものが今は添付されている。
ガイダンス、今度出したものの中ではどうなっているかといいますと、提供しようとする治療が現在の医学、医療の現場を踏まえて最適な選択であることを倫理的及び科学的観点から説明可能なこととしておりますが、ここは以下のような項目が参考になるということで、治療実績等に関する科学的論文その他の関連する情報又は十分な実験結果に基づき、当該治療が倫理的にも科学的にも最適である場合とあって、成果報告書の中では、科学的文献を引用して、やはり科学的論文でエビデンスをちゃんと示すべきじゃないかということが指摘されているわけですね。ところが、ガイダンスは、その他の関連する情報でもいいというふうにしちゃうと、これでは本当に、極めて根拠薄弱な今の現状がまだ残り続けるのではないのかと、大変懸念があるんですね。
なぜ科学的論文というふうに限定しなかったんでしょうか。
○内山政府参考人 ガイダンスでは、治療実績等に関する科学的論文その他の関連する情報というふうに書いてございますけれども、この科学的論文につきましては、更に、科学的文献チェックリストというものもガイダンスに載せさせていただいておりますので、そうしたものも踏まえて、科学的な妥当性について適切さを担保していきたいというふうに考えてございます。
○宮本(徹)委員 そのチェックリストを見ているんですけれども、それは科学的論文についてのチェックリストということで、ただ、ガイダンスの、以下のような項目が参考になるというところには、科学的論文その他の関連する情報と、科学的論文じゃなくても、その他の関連する情報でいいですよと。今の科学的根拠がない、示していないような状況でも、まだ認め得るかのようにも読めてしまうわけですよね。そこはやはりもっと明示的に、こんな、その他の関連する情報なんということをやめて、科学的論文が必要だということを言わなければならないんじゃないか。
やはり医療というのは、間違えば命、健康に影響するわけですよね。そして、再生医療については、自由診療の世界で行われていて、まだ保険というところまでいかないような中身が多いわけですから、だからこそ本当に科学的な根拠というのが求められると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 このガイダンスの最終版では、治療実績等に関する科学的論文その他の関連する情報というのは、科学的論文と関連するその他の情報又は十分な実験結果に基づく、当該治療が倫理的にも科学的にも最適である場合、こういうふうに規定しております。
したがって、やはり、科学的論文というのがまず基本に据えられている点をもう一度確認しておきたいと思います。
○宮本(徹)委員 科学的論文が基本なんですけれども、基本だったらその基本でいってほしいんですよね。その後ろに何か、その他の関連する情報と言ったら、科学的論文以外でもいいんだというふうに読みたい人は読んじゃうわけですよ、そこは。
この点も是非、ガイダンスはこれでいいのかという不断の見直しの対象にしていただきたいと思いますが、大臣、そこだけお答えください。
○新谷委員長 武見厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
○武見国務大臣 審査はあくまでも科学的知見に正確に基づいて行われるものであるということはもう明白でありますから、科学的論文というものをまず基本としてこうした判断が下されるように努めることが大切と思います。
○宮本(徹)委員 終わります。
○新谷委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
前も一般質疑で申し上げたんですけれども、私、二〇〇〇年前後に、小渕政権でミレニアムプロジェクトという、バイオとITの積極的な投資を進める政策の頃、通産省の生物化学産業課というところでバイオ産業政策に従事しておりました。その頃から、再生医療というのがいずれ産業化されることを見越してルールメイキングをすることが必要だということを通産省は強く訴えておりまして、それは、制度が新しい産業を生む、産業ができて制度ができるんじゃなくて、制度があるからこそ産業が生まれるというそうした考えに基づくもので、当時先進的だったんですけれども、医師、研究者だけではなく、生命倫理学者とか法学者、メディア関係者などで構成される研究会などを設置しておりました。
一方、厚生省は、実は、医師の裁量性があるとか、文科省は学問の自由だといって、ルールメイキングに消極的でありまして、当時、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針というのを作ったんですけれども、私もその研究班のメーリングリストなどで議論するなどして、通産省がむしろリードしてきた。先ほど吉田委員から、通産省、経産省と厚労省の連携という話がありました。それはもう四半世紀前で、ようやく二〇一三年に再生医療等安全性確保法が成立しました。
我々の考えに立つと、制度ができたから新しい産業が生まれる。二〇一三年にこの法律ができてどのような効果があったのか、その点、御説明いただければと思います。
○武見国務大臣 再生医療等安全性確保法は、再生医療等の提供に当たり統一的なルールを定めて、その安全性の確保等を図る規制のみならず、再生医療等の実用化を推進することを目的としております。
この法律の施行後に、この法律に基づいて再生医療等提供計画が提出された上で、臨床研究が進められて薬事承認された製品としては、例えば、いずれも角膜の細胞を再生いたします、サクラシー、それからビズノバがございます。また、保険収載された医療技術としては、先ほども言及しましたけれども、同種死体膵島移植術、それから多血小板血漿処置がございます。再生医療の進展にやはりこの法律も一定程度は貢献をしているものと思います。
厚生労働省としては、関係省庁ときちんと連携をしつつ、AMEDを通じて、基礎的な医学、薬学研究、再生医療等の品質、安全性の確保に関する研究等を支援するなど、引き続き必要な取組は着実に実施し、そして再生医療を推進していきたいと思います。
○福島委員 ありがとうございます。一定程度の貢献というのは、ちょっと遠慮ぎみの答えじゃないかなとも思います。
ただ、幾つかの問題もあって、今日も委員会で主な論点になっておりますけれども、やはり再生医療等委員会の在り方というのが一番重要な論点だと思います。
この制度は、行政の関与を最小化する代わりに、医学的観点、法的観点、生命倫理的観点、人権的観点、様々な観点から研究や医療の妥当性をチェックする。この委員会が機能しているかどうかというのが、この制度がうまくいくかどうかのコアだと思うんですね。どうしても医療系とか技術系の人たちの観点だと偏るから、私はここで大事になるのは生命倫理の観点だと思っているんです。我々も生命倫理の学者に非常に勉強させていただきました。
今、この委員会は、特定認定再生医療委員会が七十五、認定再生医療委員会は八十八、そして五千五百件以上を審査しているんですけれども、第三種再生医療計画を審査する認定再生医療委員会、これは八十八ありますけれども、これは、生命倫理の識見のある人か、人権の識見がある人のどちらかを選択することになっているんですね。比率はどうなっているでしょうか。
○内山政府参考人 委員御指摘の第三種再生医療等計画の委員会につきましては、この五月の段階で八十八ございますけれども、人権の尊重に関する法律家が百二十五名、生命倫理の専門家が三十四名となっておりまして、おおむね四対一の比率になってございます。
○福島委員 そうなんですよ。ということは、やはり生命倫理の専門家が少ないんですね、これだけいっぱいあると。
生命倫理の専門家を入れるためにどのような努力をされているか、端的にお答えください。
○内山政府参考人 お答えいたします。
生命倫理の専門家の確保、これは課題があるということは私どもも認識してございます。なかなか容易ではない課題ではございますけれども、現在、厚生労働省で再生委員会の審査の質向上事業というのを実施しておりますけれども、その中で、教育研修会というのを行ってございまして、委員会の委員を対象にしまして、生命倫理の講演、講義等を通じて、生命倫理を専門としない委員に対しても生命倫理の視点を持っていただくような、こうしたことを行っているところでございます。
○福島委員 それはすれ違い答弁でして、専門家をどう養成するかなんです。専門じゃない人の知見を身につけることじゃないから。
私、問題の多くは、先ほど宮本委員と同じ資料を私は出しておりますけれども、産業化が進むと、結局、民間企業が主導して審査を受けることになってしまうんですよ。だから、制度の枠組みが大事だと思うんですけれども、私はそれに対応した仕組みじゃないと今思うんですね。
やはり、民間の企業からしたら、同じ製品を同じように使うわけだから、一本一本審査をするのは大変なわけですよ。その一方、審査を通してもらうために、どうしても自分のお手盛りの影響力のある審査委員会をつくろうとするという問題があると思っておりまして、ただ、この令和二年に出した成果報告書の中では、当初の制度の構想は、地域倫理審査委員会という名称が示すように、日本全国を地域ブロックに分けて少数でも精鋭の委員会を設置することだったはずであり、ここで初心に戻ることは有用という指摘がされているんですね。
粗製乱造でいろいろな機関がこの審査委員会をつくるんじゃなくて、もっと中核的なものをつくっていって。例えば、規制緩和は必要だと思うんですよ。同じような技術を使うものについては、ほかの複数の医療機関で使うものであっても、セントラル的な委員会で使えば、ほかでも審査が行われたとみなすとか、そういうやり方もやりながら、規制の合理化。
一番大事なのは、独立性を保つことですね。独立性を保つことなんだけれども、ぽこぽこぽこぽこ自分の都合のいい審査委員会をつくらせないように、中央的な、セントラルの、中核となる委員会をつくりながら、そこを使った場合には一つ一つ、一件一件個別の審査を受けなくていいというような、これはやり方を工夫して、形骸化しないようにすることが必要だと思うんです。
これは法律改正をしなくてもできることだと思いますので、そうしたことを、大臣、検討してはいかがでしょうか。
○武見国務大臣 委員御指摘の認定再生医療等委員会が適正な審査が行われるというのは、これは本当に重要であります。利益相反が起きるようなことがあってはなりません。
実際には、審査対象となる医療機関と利害関係を有しない委員が過半数含まれていることであるとか、審査の対象となる提供計画を提出した医療機関の管理者や再生医療等を行う医師、細胞加工物の製造事業者など、密接な関係を有する者については審査に参加できないことなどのルールは設けております。
したがって、今月策定した審査に係るガイダンスを確実に運用をして、計画を提出した医療機関と審査する委員の双方から利益相反に係る報告を求めてチェックするとともに、このガイダンスについては不断に見直しも行って、公開が義務づけられている議事概要の公開方法についてもこれを明確化し、そして審査過程の更なる透明化を検討してまいりたいと考えます。
○福島委員 私は、それではできないと思うんです。厚生労働省は余り民間のそうしたことに関わったことがないから、制度のつくり方が上手じゃないのかもしれないけれども、やはり民間の人はいかに自分たちが合理的にやるか、利益を上げるかを考えるわけだから、それに対応した制度というのを考えなきゃならないと思いますから、是非とも、これは、厚生労働省が委託した事業の成果報告書の中に、地域倫理審査委員会の初心に戻れということを書いているわけですから、そのことを検討していただければと思います。
なぜそういうことが起きるかといったら、この法律上、再生医療等安全性確保法には、再生医療等委員会の業務は列記されても、どのような位置づけの組織であるかというのは規定されていないんですね。法二十六条四項の認定基準を定める厚生労働省令に初めて、その活動の自由及び独立が保障されていることと、省令に出てくるだけなんです。
私は、認定審査委員会というのは活動の自由及び独立が保障された組織であるというのは、これは法律で書くべきだと思うんです。今回はもう改正法が出ちゃっているから間に合いませんけれども、是非、次回の改正までに、そもそも審査委員会とは何か、業務を示すんじゃなくて、独立した立場からやるんだということを法律上明確に規定すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○武見国務大臣 今回は、厚生労働大臣の認定要件という形で、省令で定めることとしております。
具体的に、委員の御指摘の審査等業務が適正かつ公正に行えるよう、その活動の自由及び独立が保障されていることについて、認定要件の一つとして省令で規定をしております。この規定は、再生医療等安全性確保法の規定、第二十六条の委任に基づくものでございます。この省令の規定に基づいて、委員会による審査等業務の適正かつ公正な運用の確保が可能であり、引き続き、こうした観点から、適切に認定を実施していきたいと思います。
○福島委員 そういうことは聞いていないんですよ。この委員会がどういう性格かを法定化すべきだということを聞いているのであって、大臣、済みません、かわいそうに、小役人みたいな答弁を読まされて、本当に同情申し上げますけれども。
ただ、紅こうじの問題を見ても分かるように、問題があって後から厳しく対応するというのが最悪なんですよ。私は、今のままだと、利益相反の問題でいつか問題が起きる可能性がないとは言えないと思いますから、是非、運用面、法律改正面でできることは今後前向きに検討していただきますことをお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
以上です。
○新谷委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○新谷委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○新谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
――――◇―――――
○新谷委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。
医療、介護、福祉等の実情調査、令和六年能登半島地震による被害・復旧状況等調査のため、来る二十一日火曜日から二十二日水曜日までの二日間、石川県に委員を派遣いたしたいと存じます。
つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○新谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、来る十七日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時五十三分散会