衆議院

メインへスキップ



第1号 令和8年4月3日(金曜日)

会議録本文へ
本委員は令和八年二月二十日(金曜日)議長の指名で、次のとおり選任された。

      秋葉 賢也君    東  国幹君

      畦元 将吾君    安藤たかお君

      井上 信治君    上野 宏史君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      鬼木  誠君    勝目  康君

      加藤 鮎子君    河野 正美君

      草間  剛君    栗原  渉君

      古賀  篤君    後藤 茂之君

      高階恵美子君    高木 宏壽君

      田野瀬太道君    田畑 裕明君

      田村 憲久君  とかしきなおみ君

      根本  拓君    橋本  岳君

      丸尾なつ子君    三ッ林裕巳君

      山際大志郎君    沼崎 満子君

      浜地 雅一君    山本 香苗君

      早稲田ゆき君    阿部 圭史君

      伊東 信久君    梅村  聡君

      浅野  哲君    岡野 純子君

      日野紗里亜君    豊田真由子君

      古川あおい君    辰巳孝太郎君

二月二十日

 大串正樹君が議院において、委員長に選任された。

令和八年四月三日(金曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      今岡  植君    上野 宏史君

      衛藤 博昭君    岡本 康宏君

      尾花 瑛仁君    加藤 貴弘君

      金澤 結衣君    栗原  渉君

      斉藤 りえ君    坂本竜太郎君

      佐藤 主迪君    高階恵美子君

      田野瀬太道君    田宮 寿人君

      田村 憲久君    橋本  岳君

      藤田  誠君    丸尾なつ子君

      丸田康一郎君    吉村  悠君

      渡辺 勝幸君    沼崎 満子君

      山本 香苗君    早稲田ゆき君

      阿部 圭史君    梅村  聡君

      岡野 純子君    日野紗里亜君

      豊田真由子君    古川あおい君

      辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   厚生労働副大臣      長坂 康正君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     金澤 結衣君

  安藤たかお君     藤田 洋司君

  大岡 敏孝君     吉村  悠君

  加藤 鮎子君     繁本  護君

  河野 正美君     斉藤 りえ君

  後藤 茂之君     丸田康一郎君

  高木 宏壽君     尾花 瑛仁君

  田畑 裕明君     田宮 寿人君

  とかしきなおみ君   岡本 康宏君

  根本  拓君     衛藤 博昭君

  三ッ林裕巳君     加藤 貴弘君

  山際大志郎君     藤田  誠君

同月九日

 辞任         補欠選任

  秋葉 賢也君     田畑 裕明君

四月三日

 辞任         補欠選任

  草間  剛君     佐藤 主迪君

  繁本  護君     坂本竜太郎君

  田畑 裕明君     今岡  植君

  藤田 洋司君     渡辺 勝幸君

同日

 辞任         補欠選任

  今岡  植君     田畑 裕明君

  坂本竜太郎君     繁本  護君

  佐藤 主迪君     草間  剛君

  渡辺 勝幸君     藤田 洋司君

    ―――――――――――――

四月三日

      畦元 将吾君    井上 信治君

      鬼木  誠君    勝目  康君

      古賀  篤君    浜地 雅一君

      伊東 信久君    浅野  哲君

 が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月十三日

 筋痛性脳脊髄炎の指定難病と研究促進を求めることに関する請願(重徳和彦君紹介)(第二号)

 地域住民の医療を受ける権利を保障するために医療機関の維持存続への支援を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四号)

 同(田村智子君紹介)(第五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一一三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一一四号)

 同(田村智子君紹介)(第一一五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一一六号)

 大軍拡をやめ、暮らしと社会保障予算の大幅な増額を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三〇号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第三一号)

 同(田村智子君紹介)(第三二号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三三号)

 じん肺とアスベスト被害根絶等に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第七四号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第七五号)

 同(田村智子君紹介)(第七六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第七七号)

 従前の健康保険証を復活することを求め、マイナンバーカード取得の強制に反対することに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九四号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第九五号)

 同(田村智子君紹介)(第九六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第九七号)

 夜勤規制と大幅増員で安全・安心の医療・介護の実現を求めることに関する請願(神谷裕君紹介)(第一一二号)

 同(飯泉嘉門君紹介)(第一二八号)

 同(野間健君紹介)(第一二九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一四八号)

 最低賃金全国一律制度の法改正を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二二号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一二三号)

 同(田村智子君紹介)(第一二四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一二五号)

 福祉職員の賃金水準を速やかに全産業平均に引き上げ、職員を増やすことに関する請願(田中健君紹介)(第一二六号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第一二七号)

 同(神谷裕君紹介)(第一四九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一五〇号)

 同(野間健君紹介)(第一五一号)

 同(橋本幹彦君紹介)(第一五二号)

同月三十一日

 福祉職員の賃金水準を速やかに全産業平均に引き上げ、職員を増やすことに関する請願(重徳和彦君紹介)(第一五三号)

 同(笠浩史君紹介)(第一六一号)

 同(中村はやと君紹介)(第一六五号)

 同(有田芳生君紹介)(第一七五号)

 同(渡辺創君紹介)(第一七六号)

 同(田嶋要君紹介)(第一八二号)

 同(長友慎治君紹介)(第二〇〇号)

 夜勤規制と大幅増員で安全・安心の医療・介護の実現を求めることに関する請願(許斐亮太郎君紹介)(第一六〇号)

 同(渡辺創君紹介)(第一七四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二三三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第二三四号)

 同(田村智子君紹介)(第二三五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二三六号)

 最低賃金全国一律や中小建設事業者への支援拡充で経済好循環の実現等を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一六九号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一七〇号)

 同(田村智子君紹介)(第一七一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一七二号)

 パーキンソン病の原因究明と根治治療法の確立等に関する請願(輿水恵一君紹介)(第一七三号)

 同(中谷元君紹介)(第二〇一号)

 誰もが安心できる年金制度への改善を求めることに関する請願(笠浩史君紹介)(第一八一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇二号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第二〇三号)

 同(田村智子君紹介)(第二〇四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二〇五号)

 同(神谷裕君紹介)(第二三七号)

 介護保険制度の抜本改善、大幅な処遇改善を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一九二号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一九三号)

 同(田村智子君紹介)(第一九四号)

 同(西岡秀子君紹介)(第一九五号)

 同(野間健君紹介)(第一九六号)

 同(橋本幹彦君紹介)(第一九七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一九八号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第一九九号)

 同(笠浩史君紹介)(第二五七号)

 国民を腎疾患から守る総合対策の早期確立に関する請願(赤羽一嘉君紹介)(第二一二号)

 同(秋葉賢也君紹介)(第二一三号)

 同(東国幹君紹介)(第二一四号)

 同(飯泉嘉門君紹介)(第二一五号)

 同(井林辰憲君紹介)(第二一六号)

 同(斉木武志君紹介)(第二一七号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第二一八号)

 同(階猛君紹介)(第二一九号)

 同(武井俊輔君紹介)(第二二〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第二二一号)

 同(田中健君紹介)(第二二二号)

 同(谷川とむ君紹介)(第二二三号)

 同(中野洋昌君紹介)(第二二四号)

 同(西岡秀子君紹介)(第二二五号)

 同(沼崎満子君紹介)(第二二六号)

 同(根本拓君紹介)(第二二七号)

 同(野間健君紹介)(第二二八号)

 同(山岡達丸君紹介)(第二二九号)

 同(山本大地君紹介)(第二三〇号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第二三一号)

 同(稲田朋美君紹介)(第二四八号)

 同(江藤拓君紹介)(第二四九号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二五〇号)

 同(北神圭朗君紹介)(第二五一号)

 同(小林史明君紹介)(第二五二号)

 同(野田聖子君紹介)(第二五三号)

 同(平沼正二郎君紹介)(第二五四号)

 同(御法川信英君紹介)(第二五五号)

 同(石橋林太郎君紹介)(第二五八号)

 同(金子恵美君紹介)(第二五九号)

 同(笹川博義君紹介)(第二六〇号)

 同(田畑裕明君紹介)(第二六一号)

 同(土井亨君紹介)(第二六二号)

 同(長友慎治君紹介)(第二六三号)

 同(西村智奈美君紹介)(第二六四号)

 同(日野紗里亜君紹介)(第二六五号)

 同(古川禎久君紹介)(第二六六号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第二六七号)

 従前の健康保険証を復活させるよう求めることに関する請願(神谷裕君紹介)(第二三二号)

 ロキソニンやアレグラなどの薬の追加負担をやめるよう求めることに関する請願(田嶋要君紹介)(第二四七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の互選

 国政調査承認要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 この度、再度、厚生労働委員長の重責を担うことになりました大串正樹でございます。

 委員各位の御指導と御協力をいただき、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

大串委員長 これより理事の互選を行います。

 理事の員数は八名とし、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは

      畦元 将吾君    井上 信治君

      鬼木  誠君    勝目  康君

      古賀  篤君    浜地 雅一君

      伊東 信久君    浅野  哲君

をそれぞれ理事に指名いたします。

     ――――◇―――――

大串委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

大串委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。上野厚生労働大臣。

上野国務大臣 厚生労働大臣に就任してから約五か月がたちました。この間、昨年十二月の令和七年度補正予算の成立や令和八年度予算案の閣議決定を始め、国民の生活を生涯にわたって支える使命を担う厚生労働行政の諸課題に全力で取り組んでまいりました。引き続き、国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すことにより、社会経済活動の安定に資するよう、職務に邁進してまいります。

 昨今の物価上昇や人材不足により、医療、介護、障害福祉分野の現場は厳しい状況に直面しております。こうした現状を踏まえ、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、まずは昨年末に成立した補正予算に盛り込まれた医療・介護等支援パッケージにより、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる支援を可能な限り迅速に届けてまいります。病院については、国から直接支給された補助金が順次届けられております。診療所、薬局、介護事業所、施設等についても、地方自治体において支給が順次始まっており、引き続きスピード感を持って対応してまいります。また、ICT等を活用した業務効率化、勤務環境改善の取組を強力に推進してまいります。

 さらに、令和八年度診療報酬改定については、プラス三・〇九%という水準の本体改定率を確保し、賃上げ、物価対応や、地域で急性期医療、かかりつけ医機能を担う医療機関等の評価など、時代の変化に対応した改定を実現しました。加えて、介護、障害福祉分野についても、令和八年度の期中改定において処遇改善等を実現しました。あわせて、本年夏に取りまとめられる予定の成長戦略の策定に向け、厚生労働省として、戦略分野に位置づけられている創薬・先端医療など、関連する成長投資、危機管理投資を促してまいります。

 人口減少、少子高齢化が進む中、中長期的な社会の構造変化に耐え得る強靱で持続可能な社会保障制度を確立するため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築に向け、引き続き社会保障改革を進めてまいります。

 さらに、社会保障国民会議における国民的議論を踏まえ、関係大臣と協力して、給付つき税額控除の制度設計を含む税と社会保障の一体改革に取り組んでまいります。

 公的医療保険制度を維持し、次世代に引き継いでいくためには、不断の改革努力が必要です。今回の医療保険制度改革では、必要な保険給付等の適切な実施と、世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、必要な受診を確保した上でのいわゆるOTC類似薬等の保険給付の見直し、医療が高度化する中で持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指した高額療養費制度の見直し、後期高齢者医療制度における金融所得の勘案など負担能力に応じた御負担をいただくための取組、妊婦の経済的負担を軽減するための出産に係る給付体系の見直しなどを行うこととしており、関係法案を今国会に提出しました。

 地域医療提供体制について、さきの臨時国会で成立した改正医療法の施行を着実に進めてまいります。

 新たな地域医療構想については、高齢者数がピークを迎える二〇四〇年頃を見据え、医療、介護の複合ニーズを抱える高齢者の増大や人口減少などに対応できるよう、入院医療の在り方に限らず、外来や在宅医療、介護との連携までをカバーし、人材確保等の状況も踏まえた医療機関の役割分担や連携を更に推進してまいります。

 また、医師偏在対策について総合的な対策を推進するとともに、小児、周産期、救急、災害医療体制の充実など、地域の実情に応じた医療提供体制の確保に努めてまいります。

 これらの基盤となる医療DXに関しても、電子カルテの普及や異なる医療機関等における医療情報の共有、医療DXの運営に係る母体としての社会保険診療報酬支払基金の改組等の取組を進めるとともに、国民の皆様が安心してオンライン診療を受けられるよう、検討を進めてまいります。

 昨年十二月をもって、発行済みの保険証が全て有効期限の満了を迎えました。本年一月時点のマイナ保険証の利用率は六四・六%となっております。引き続き患者の皆様が円滑に医療機関等を受診できることが重要であり、受診方法等について今後も周知を行うとともに、マイナ保険証の更なる利用率向上に取り組んでまいります。

 二〇四〇年に向けて人口減少や単身世帯の増加など社会構造が変化していく中、誰も取り残されることなく地域で支え合う地域共生社会の実現のため、地域の実情に応じた包括的な支援体制の整備や、中山間、人口減少地域における介護サービスの提供体制の確保、頼れる身寄りがいない高齢者等への支援の拡充、有料老人ホームに係る事前規制の導入、介護支援専門員の資格の更新制の見直し等の措置を講ずるための関係法案を閣議決定いたしました。

 障害者や難病患者の方々が、地域や職場において、本人の希望に応じて、その方らしく暮らし、働くことができるよう、必要な取組を着実に進めてまいります。また、多様化する障害者のニーズに応じた障害福祉サービス等の質の確保、向上のため、三年に一度の障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討を進めてまいります。

 また、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、関係省庁と連携し、電話、SNS相談体制の拡充など、自殺対策を強化してまいります。

 さらに、認知症施策推進基本計画にのっとって、認知症になっても希望を持って暮らし続けることができる新しい認知症観に立ち、認知症施策に関する取組を推進し、共生社会の実現を目指します。

 日本成長戦略会議の分野横断的課題の一つである労働市場改革について、私が分科会長として労働市場改革分科会を開催し、生産性の高い分野への円滑な労働移動や働き方改革を含めた労働市場改革について議論を進めてまいります。

 働き方の実態、ニーズを踏まえ、裁量労働制の見直し、副業、兼業に当たっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進め、柔軟で多様な働き方を実現してまいります。

 また、過労死等の防止、働く方々の安全と健康の確保に取り組んでまいります。

 労災保険制度の見直しについては、労働政策審議会の建議に基づき、遺族補償年金における支給要件等の見直し、労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止などに関する法案を今国会に提出します。

 近年の科学技術の進展を踏まえ、ゲノム編集技術等を用いて加工されたヒト胚やヒト生殖細胞について、人や動物への胎内移植を原則として禁止することや、取扱計画書の作成、届出義務などにより適正な取扱いを確保することを内容とする法案を今国会に提出します。

 先月六日には、iPS細胞を用いた再生医療等製品として、重度の心臓病とパーキンソン病に対する二製品に対して、条件及び期限付で、世界で初めてとなる薬事承認をしました。

 国民の皆様に最新の医薬品を迅速にお届けするためには、創薬力の向上が重要です。世界的に医薬品の研究開発の複雑性、難易度が向上する中で、特定領域に特化した技術を有するアカデミアやベンチャー企業の存在感が増しています。こうした背景を踏まえ、官民連携の下、新たに造成する革新的医薬品等実用化支援基金等による安定的、継続的な支援を通じて、創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤、インフラの強化を図ってまいります。

 創薬については、日本成長戦略会議の下に設けられたワーキンググループにおいて、官民投資を促進するロードマップの策定に向けた議論が進められています。様々な関係者の御意見も取り入れながら、バイオ医薬品の実用化支援を含め、製薬産業が日本経済の成長を牽引する一角となるよう、産業界の取組を力強く支援し、民間投資を後押ししてまいります。

 先端医療についても、スタートアップにおいて革新的な医療機器を生み出す産業振興拠点の強化など、医療の未来を築く日本発の医療機器イノベーションの創出を進めてまいります。

 加えて、国際水準の治験、臨床試験体制整備を推進するとともに、ドラッグロスの解消に向けて戦略的な取組を進めてまいります。

 後発医薬品の安定供給については、少量多品目生産という非効率な生産体制の解消に向け、新たな基金を造成し、後発医薬品企業による企業間での連携、協力、再編に向けた取組を後押しすることで、計画的に生産性向上に取り組む企業を支援してまいります。

 また、昨年成立した改正薬機法の施行を着実に進め、医薬品等の品質や安全性の確保の強化、医療用医薬品等の安定供給体制の強化、医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化等に取り組んでまいります。

 さらに、医薬品の適正使用の推進、医薬品による悲惨な被害の再発防止や、国内外の関係機関と連携した規制薬物の乱用防止対策にも取り組んでまいります。

 性別、年齢、働き方によらず、国民お一人お一人が健康で元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただくことで、経済社会の活力を維持強化するため、攻めの予防医療を推進する総合的な対策を取りまとめてまいります。

 まず、がん検診の推進です。社会全体としての死亡率の減少を図るため、科学的根拠に基づくがん検診を受けることが重要であり、令和七年度補正予算における関連予算の活用を始め、令和十年度までにがん検診受診率六〇%、精密検査受診率九〇%を達成できるよう、更なる取組を進めてまいります。

 次に、歯科健診の推進です。歯と口腔の健康は全身の健康にもつながるものであり、国民が生涯を通じて定期的に歯科健診等を受けることができる環境整備を進めてまいります。

 あわせて、これらの検診等の推進や生活習慣病などの重症化予防には保険者や事業主の関与が重要であり、保険者が実施する予防、健康づくりの取組において、健診やレセプト情報等のデータの収集、利活用を進めるなど、データヘルスや保険者機能の強化に取り組んでまいります。

 さらに、女性の健康総合センターを中心に女性の健康支援を総合的に推進するとともに、診療領域を横断した対応策の整理や診療拠点の整備など、性差に由来する健康課題への対応を進めてまいります。

 加えて、若年期のみならず、高齢期への支援として、科学的知見に基づく認知症予防に取り組むことができるよう、啓発や地域活動などを推進するとともに、症状が出現する前の薬剤投与の社会実装に向け、医療提供体制や連携モデルの検討等を進めてまいります。

 このほか、がん対策、難病対策、移植医療対策、循環器病対策、アレルギー疾患対策、受動喫煙対策、広域的な食中毒事案への対策強化、生活衛生関係営業の振興等に引き続き取り組んでまいります。

 ハンセン病に対する偏見、差別の解消に全力で取り組むとともに、ハンセン病元患者家族の方々への補償制度を引き続き着実に実施してまいります。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染された方々に対する給付金等も確実に支給してまいります。原子爆弾被爆者援護対策については、被爆の実相を後世に伝えるための取組を進めるとともに、被爆者の方々に寄り添いながら、保健、医療及び福祉にわたる総合的な支援を行ってまいります。

 感染症対策については、新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえ、科学的知見の基盤、拠点となる国立健康危機管理研究機構、JIHSと連携しながら、次なる感染症危機への備えを着実に進めてまいります。

 各感染症の発生動向を把握し適切に対応するとともに、感染症に罹患された方々が適切な医療を受けられる環境づくりを進めます。加えて、本年六月から各自治体において順次開始される予防接種事務のデジタル化等を進めるとともに、予防接種に用いる医薬品の範囲について、必要な検討を行ってまいります。

 加えて、昨年十二月に設置したUHCナレッジハブを通じて、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向けた取組を加速するなど、国際保健に関連する国内外の課題の解決に取り組んでまいります。

 本年の春季労使交渉では、先月公表された連合集計によると、全体の賃上げ率では三年連続で五%を上回り、中小組合においても五%を超える賃上げとなったと承知しております。高水準の賃上げを持続的なものとし、その流れを地方や中小企業、非正規雇用労働者にも波及させていくことが重要です。

 厚生労働省としても、賃上げの機運醸成のため、全都道府県で地方版政労使会議を開催したところであり、引き続き、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境を整備するため、賃上げ支援助成金パッケージによる支援や、関係省庁と連携した生産性向上支援、価格転嫁等の取引適正化等に取り組んでまいります。

 また、リスキリングによる能力向上支援を行うとともに、高い生産性や高い処遇の職への労働移動を支援し、労働生産性の向上を推進してまいります。

 女性や高齢者を含む国民お一人お一人がその能力を十分に発揮し活躍できるよう、誰もが健康的で働きやすい働き方を選択することができる社会の実現を目指します。

 大学等と連携しながら新卒者等へきめ細かな就職支援を行うとともに、非正規雇用労働者の方々の正社員への転換や、同一労働同一賃金の更なる遵守徹底等による処遇改善、就職氷河期世代を含む中高年層の方々に対する就労、処遇改善や社会参加等の支援を進めてまいります。

 障害者雇用の質の向上や中小企業での更なる雇用促進、働くことに困難を抱える難病のある方々の就労を後押しするための障害者雇用促進制度の見直しに向けた検討を進めてまいります。

 また、企業における七十歳までの就業機会の確保、外国人労働者に対する就職支援の強化や働きやすい環境整備等に取り組むとともに、育成就労制度の円滑な施行に向け、引き続き関係省庁と連携してまいります。

 職場における女性活躍の推進やハラスメント対策の強化に取り組むとともに、仕事と育児、介護の両立支援や、共働き、共育てを引き続き推進し、テレワークの普及、フリーランスの方々が安心して働くことができる環境の整備を更に進めてまいります。

 昨年成立した年金制度改正法に基づき、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、遺族年金の見直し、標準報酬月額の上限の段階的引上げ等を着実に実施します。

 また、個人型確定拠出年金、iDeCoの加入可能年齢の上限や拠出限度額の引上げが本年十二月から施行されること等に合わせ、新入社員を含む職域への周知を図るなど、金融庁とも連携し、iDeCoの加入者の一層の増加等に向けた周知、広報に取り組みます。

 そして、いわゆる年収の壁を意識せずに働くことができる環境づくりを支援するため、年収の壁・支援強化パッケージによる支援のほか、昨年七月に拡充したキャリアアップ助成金による事業主への支援に引き続き取り組むとともに、本年四月からの被扶養者の新たな認定方法の取扱いについて、円滑な実施に努めてまいります。

 生活保護の生活扶助基準については、社会経済情勢等を勘案し令和八年度において更なる引上げを行うとともに、最高裁判決を踏まえた丁寧な対応を進めてまいります。

 戦後八十年が経過し、戦没者の慰霊と戦争体験者の記憶の継承を着実に継続していくため、戦没者の慰霊事業や平和の語り部事業に取り組んでまいります。また、一柱でも多くの戦没者の御遺骨を収容し、御遺族に早期にお渡しできるよう全力を挙げてまいります。

 一昨年の能登半島地震や昨年十二月に発生した青森県東方沖を震源とする地震を始め、近年、甚大な災害が全国各地で発生しています。改めまして、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災された皆様が一日も早く安全、安心な生活を取り戻すことができるよう、必要な対応に全力で取り組んでまいります。また、自然災害から国民生活を守るため、保健、医療、福祉の連携強化を含む体制や支援の整備に取り組んでまいります。

 さらに、本年は東日本大震災の発生から十五年となりますが、引き続き、被災者の方々の心のケア、医療・介護提供体制の整備などに全力で取り組んでまいります。

 厚生労働行政は幅広く、様々な課題がございますが、一つ一つ思いを込めて取り組んでまいりますので、委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようにお願いいたします。(拍手)

大串委員長 次に、令和八年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。長坂厚生労働副大臣。

長坂副大臣 厚生労働副大臣の長坂でございます。

 仁木副大臣、神谷、栗原両政務官とともに上野大臣を支え、大串委員長を始め委員の皆様の御理解、御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 令和八年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。

 厚生労働省所管一般会計予算案の総額は三十五兆四百三十三億円であり、令和七年度当初予算額三十四兆三千六十四億円と比較いたしますと、七千三百六十九億円、二・一%の増加となっています。また、厚生労働省所管特別会計予算案につきましては、年金特別会計、労働保険特別会計、子ども・子育て支援特別会計及び東日本大震災復興特別会計にそれぞれ所要額を計上しています。

 以下、令和八年度予算案の重点事項について説明いたします。

 第一に、社会の構造変化に対応した保健、医療、介護の構築について、医療、介護、障害福祉分野の賃上げ、経営の安定、人材確保等につながる報酬改定を実施するとともに、質が高く効率的な医療提供体制の確保、救急、災害医療提供体制や小児、周産期医療体制の確保、地域包括ケアシステムの更なる深化、推進に取り組みます。また、創薬力等強化に向けた医薬品、医療機器等のイノベーションの推進、安定供給や品質、安全性の確保等に取り組むとともに、医療・介護分野におけるDXの推進、攻めの予防医療の推進等に取り組みます。さらに、難病、移植医療、肝炎対策の推進等、感染症対策の体制強化、国際保健への戦略的取組の推進に取り組みます。

 第二に、物価上昇を上回る賃上げの普及、定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進について、中小企業、小規模事業者等に対する賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援、リスキリングによる能力向上支援、ジョブ型人事指針の周知、成長分野等への労働移動の円滑化、深刻化する人手不足への対応に取り組みます。また、就職氷河期世代、障害者や高齢者等、多様な人材の活躍促進、多様な働き方の実現に向けた環境整備、仕事と育児、介護の両立支援、ハラスメント対策の推進、フリーランスの就業環境の整備、女性の活躍促進などに取り組みます。

 第三に、包摂的な地域共生社会の実現等について、生活困窮者自立支援、生活保護制度の着実な推進、障害者支援などに取り組みます。また、安心できる年金制度の確立、戦没者の慰霊、戦没者遺族等の援護の推進、被災者、被災施設の支援等に取り組みます。

 社会構造の変化に対応した保健、医療、介護の構築や包摂的な地域共生社会を実現するとともに、労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進を通じて、全ての世代の安心と、未来に希望を抱ける社会の実現のため、厚生労働行政の推進に一層努力してまいりますので、皆様の一層の御理解、御協力をお願いいたします。(拍手)

大串委員長 以上で大臣の所信表明及び令和八年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。

 この際、仁木厚生労働副大臣、神谷厚生労働大臣政務官及び栗原厚生労働大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。仁木厚生労働副大臣。

仁木副大臣 厚生労働副大臣の仁木博文でございます。

 長坂副大臣、そして神谷政務官、栗原政務官とともに上野大臣をお支えし、大串委員長を始め委員の皆様方の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に誠心誠意取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

大串委員長 次に、神谷厚生労働大臣政務官。

神谷大臣政務官 厚生労働大臣政務官の神谷政幸でございます。

 両副大臣、栗原大臣政務官とともに上野大臣をお支えし、大串委員長を始め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

大串委員長 次に、栗原厚生労働大臣政務官。

栗原大臣政務官 厚生労働大臣政務官の栗原渉でございます。

 両副大臣、神谷政務官とともに上野大臣をお支えし、大串委員長を始め委員の皆様方の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

大串委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.