衆議院

メインへスキップ



第2号 令和8年4月10日(金曜日)

会議録本文へ
令和八年四月十日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      上野 宏史君    衛藤 博昭君

      岡本 康宏君    尾花 瑛仁君

      加藤 貴弘君    加藤 大博君

      金澤 結衣君    草間  剛君

      栗原  渉君    黒崎 祐一君

      斉藤 りえ君    繁本  護君

      世古万美子君    高階恵美子君

      田野瀬太道君    田畑 裕明君

      田宮 寿人君    田村 憲久君

      橋本  岳君    藤田  誠君

      藤田 洋司君    丸尾なつ子君

      丸田康一郎君    吉村  悠君

      米内 紘正君    沼崎 満子君

      山本 香苗君    早稲田ゆき君

      阿部 圭史君    梅村  聡君

      岡野 純子君    日野紗里亜君

      豊田真由子君    古川あおい君

      辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   内閣府副大臣       岩田 和親君

   厚生労働副大臣      長坂 康正君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君

   防衛大臣政務官      吉田 真次君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡本 利久君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         青山 桂子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       三好  圭君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊澤 知法君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局長)         大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            岸本 武史君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       安井省侍郎君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            村山  誠君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         田中佐智子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  黒田 秀郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省人材開発統括官)           宮本 悦子君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 辺見  聡君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           原田 修吾君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官)成田 浩司君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房衛生監) 日下 英司君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十日

 辞任         補欠選任

  衛藤 博昭君     黒崎 祐一君

  加藤 貴弘君     米内 紘正君

  草間  剛君     加藤 大博君

  田村 憲久君     世古万美子君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 大博君     草間  剛君

  黒崎 祐一君     衛藤 博昭君

  世古万美子君     田村 憲久君

  米内 紘正君     加藤 貴弘君

    ―――――――――――――

四月九日

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岡本利久君、厚生労働省大臣官房総括審議官青山桂子君、大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、大臣官房年金管理審議官三好圭君、大臣官房審議官伊澤知法君、医政局長森光敬子君、健康・生活衛生局長大坪寛子君、医薬局長宮本直樹君、労働基準局長岸本武史君、労働基準局安全衛生部長安井省侍郎君、職業安定局長村山誠君、雇用環境・均等局長田中佐智子君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、老健局長黒田秀郎君、保険局長間隆一郎君、人材開発統括官宮本悦子君、政策統括官辺見聡君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江澤正名君、国土交通省大臣官房審議官原田修吾君、環境省大臣官房審議官成田浩司君、防衛省大臣官房衛生監日下英司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鬼木誠君。

鬼木委員 おはようございます。自由民主党、衆議院議員の鬼木誠でございます。

 立憲民主党で参議院にも鬼木誠さんがおられますので、新人議員の方は混同のないようにと思いまして、自民党の、衆議院の鬼木ですというところからスタートさせていただきます。新人の皆さん、お見知りおきください。

 自民党で、現在、私は厚労部会長を務めさせていただいております。さきの衆議院選におきましては、自民党、多くの国民の御支持を得まして、大きな議席数を獲得させていただきましたが、しかし、それに甘んじていてはいけないと痛感しております。

 日々、地域を歩きますと、国民の多くは様々な政策に様々な不安や不満を持っています。今回の選挙でいただいた民意というのは、高市総理なら変えてくれそうだという、その期待の声の表れだと思いますので、そのことをしっかり私たちは受け止めて、地域の現場で皆さんが何に困っているのか、そして何を改善してほしいと思っているのか、そうした声をちゃんと改善、実現していかなければ、また私たちの与党の支持もつるべ落としに落ちていくものと思います。

 厚労部会長として地元を歩けば、様々な怨嗟の声が聞こえてきております。それは、厚労部会長、頑張ってねという期待の反面、現状に様々な不満を持っているという本音が、地元の皆さんが本音の声を私に届けてくれていることの表れだと思っております。

 なので、今日の質問、なかなか与党とは思えないような厳しい質問をたくさんいたします。ラインナップとしては、労働市場改革で、一つは働き方改革について、そしてまたリスキリングの助成金について、また診療報酬改定についても、金銀パラジウム合金の逆ざや問題、門前薬局の減算措置について、そして医療DXではクラウドネイティブへの移行について、そして最後に戦没者慰霊訪問、これを閣議決定いただきました、このことについての質問を用意しておりますが、多分、労働市場改革ぐらいで質問時間が終わってしまうんじゃないかなと思いますので、もしかしたら、たどり着かなかったときには、答弁を用意していただいた皆さん、申し訳ありませんが、また後日にということでお願いいたします。

 それでは、労働市場改革から質問を始めさせていただきます。

 日本成長戦略会議では、労働市場改革が分野横断的な課題として議論をされております。この労働市場改革が、本当に日本の生産性を高め、経済を成長させていますかという話です。地方は、そして中小事業者は苦しくなっていますよということを訴えさせていただきたいと思います。

 まず、働き方改革ですが、私の地元、福岡県商工会議所連合会が福岡県全県の商工会議所を対象に意見交換会を開きまして、その声を私に届けてくれました。その中での幾つかの意見を拾いたいと思います。

 残業時間の制限により若手従業員の指導時間が減少し、技術の継承や人材育成が難しくなっている。残業制限により業務が遅延し、小規模事業者は事業主やその配偶者が業務を引き取っており、経営者の負担増加も見受けられる。また、従業員からは、残業代の減少による収入減が生活水準の低下につながっているという意見や、働く意欲があっても制度上制限されてしまうという不満の声が上がっている。業務の特性や業務遂行の重要性を踏まえると、希望する従業員が働くことができる選択式残業制度の導入について、その可能性を商工会議所として後押ししなければならないのではないかと考える。

 働き方改革とゆとり教育、この二つが日本を潰すと危惧している。人手不足の最大の要因は、約七百万もの団塊の世代がリタイアすることだと分かっていたにもかかわらず、政府が十分な対策を講じなかったことにある。そこへ働き方改革という人手不足解消と逆方向の政策を導入したため、余計に混乱している。働き方改革については、業種によって夜勤の有無など個々の会社の事情が異なるため、各企業の実情に応じて柔軟な対応ができる制度としてほしい。

 先ほど、ゆとり教育の話題があったが、若者は本当に働く気がない。採用して教育しても、退職してしまうケースが多い。二十代から三十代の若い世代が退社した分、管理職の負担が増えている。

 ○○町では、人口減少に人手不足が拍車をかけ、二十年前には四社ほどあったタクシー会社が今は一社も残っていない。よって、タクシーを呼ぼうにも、隣の○○市から来るまで三十分以上かかり、夜になるとバスも走っていないので移動手段がなくなるため、飲食店は午後八時頃には店を閉めざるを得ない状況である。

 今申し上げたのは、率直に地域の現場が言っている、働き方改革でこんなことに困っていますという声です。だから、政府に向けられた厳しい声です。私が言っているわけでもなく、現場の人たちが本当にこれで困っているということを訴えておられます。こうした声にきちんと応えられる働き方改革でなければならないということを考えております。

 今、タクシーがなくなったというお話を差し上げましたが、来年の労働基準法改正では、勤務間インターバル制度について変えようという話になっています。十一時間の義務化をすべきという意見も出ておりますが、例えば運輸業においては、現行でも、改善基準告示において、継続十一時間以上とするよう努めることを基本とし、九時間が下限とする休息期間の確保が定められております。しかし、その九時間でもなかなか実施が難しいという声も聞いております。

 このため、一律に十一時間で義務化することは、他の産業においても業務に甚大な影響が出るおそれもあり、業界、業態、業務の実態を踏まえた上で慎重な検討をすべきではないかと考えます。業種ごとにいろいろな事情が違うわけです。そして、都市と地方でも事情が違うわけです。とにかく人がいないという中でやりくりをしているわけです。そんな中で、法律で十把一からげに規制をして、そして義務化をするということは罰則まで与えるということになります。

 インターバルが九時間から十一時間になれば、タクシーでいえば、ハンドルを握る時間が一日二時間減るということになります。稼ぎたいという従業員もいます。会社が潰れて、何か稼げるものはないか、タクシーが今いいらしいぞといって入ってくる。そのときに、乗って乗って稼ごうと思っても、二時間稼働時間が減りましたと。じゃ、十分な時間、稼げない。住宅ローンが残っている、子供が三人いる、もっと働きたい、稼ぎたい、そんな人たちが、この業界では稼げないとなりますと、労働者も去っていく。そして、軒並み、一日二時間稼働時間が減れば、タクシーの経営者も成り立たない。そして、二時間ずつタクシーが走る時間が減れば、地域の総運転時間も確保できなくなる。町にタクシーが走らなくなる。

 本当に日本の生産性が高まって、経済が成長して、地方が、中小事業者が、みんなが、労働者が本当によくなっているのかということについては、よくよく考えて、制度というもの、特に義務化というのは罰則もあります、よくよく考えてやるべきではないかということで、業務の実態を踏まえた上で慎重な検討をすべきではないかと考えますが、厚労省、いかがでしょうか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 現在、働き方改革関連法の施行から五年経過したこと等を踏まえまして、労働政策審議会において、勤務間インターバル制度も含めまして、労働時間制度に関する議論を行っていただいているところでございます。

 現行法では、特定の業種、職種にかかわらず、事業主の努力義務といたしまして勤務間インターバル制度が盛り込まれておりますが、これにつきまして、労働政策審議会の労使からは、十一時間のインターバルを義務化する方向で検討すべきという意見があります一方で、現行の努力義務の下で各企業の実態に応じて様々な制度を導入しており、画一的な規制には反対という意見も示されているところでございます。

 勤務間インターバル制度につきましては、現時点で何か方向性が定まっているというものではございませんで、今後、働き方の実態やニーズを踏まえまして、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会や労働政策審議会におきまして、運用、制度の両面から議論を引き続き進めてまいりたいと考えております。

鬼木委員 本当によくよく考えて、慎重にお願いいたします。

 働き方改革というのは、やはり、やれる人からやっていけばいいと思うんですね。国が働くことを制限する、機会を奪うということではなくて、改善できたところに労働者が自らやってくるという進め方でなければならないと思っております。

 よい環境をつくった、例えば、残業時間の割増し賃金を一・五倍にしましたとか、休日を増やしましたとか、労働者に優しい会社を労働者が選んで、その働き方を選ぶ。若しくは、いや、もっと自分は働きたいという人は、もっと働ける会社を選ぶ。労働者の働くという選択も国が奪ってはいけないと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、リスキリングの助成金の不正受給についてであります。

 人への投資が必要だということで、支援パッケージ、五年で一兆円という予算を投じてやはりリスキリングも行われているわけですが、企業のリスキリングを支援する人材開発支援助成金、令和八年度では五百三十九億円の予算がついておりますが、この人材開発支援助成金について幾つも不正が見られたということです。

 最初に私のところに厚労省の方が報告に来たときには、不正のパターン一ですけれども、ただで従業員さんが訓練を受けることができますよということで話が来るわけですね。ある会社が持ってくる。ちゃんと訓練は受けるらしいんです。だけれども、その訓練経費は受けた会社は負担せずに、国から入った助成金を、間に入った、その話を持ってきた事業者、A社とします、A社と山分けをしている。訓練に一千万円かかったとして、その六割の六百万円が国から支払われる。その六百万円を、申請した、訓練を受けた会社が百八十万もらって、そして仲介に入った会社が四百二十万もらっている。何でこんなことが起こるのか。

 結局、訓練は受けているわけですね。ただで訓練を受けて、入った助成金を両者で山分けしている。何でただで訓練が受けられるんだろう。結局、何か動画を見るみたいな、余り原価がかかっていないもので訓練を受けましたとして、入ったお金は山分けしているわけですね。

 ただで提供された訓練というのはどんなものなのか、それで生産性は上がっているのかということで、国から支払われた公金ですよ、税金ですよ、その助成金は、訓練した会社と訓練を受けた会社で山分けしている。

 このA社、仲介というか紹介というかをしたA社は、三十都府県で十九億八千万をせしめたという報道がありますということで、私、この報告を受けたときに憤りまして、もうそんなのはやめてしまえ、そんな事業はやめてしまえと言いました。

 そうしたら、また別の不正の報告がありました。厚労省さんが来られました。上場企業が指南して不正を行ったと週刊誌で指摘をされております。B社とします。B社がその間に入って、グループ会社の中で親会社が子会社に研修を販売し、それが二千万。その七割を、一千四百万円を助成金で受け取る。その助成金のうち六百万円をB社がロイヤリティーとして受け取る。

 ここでも問題は、このグループ会社、親会社が子会社に研修をするわけですね。このグループ会社は訓練費用を負担していないんですね。この助成金が申請者と仲介者で山分けされて、訓練はただで提供される。またここで私がもうこんな助成金はやめてしまえと言って、今の質問に至っております。

 とはいえ、リスキリングは必要です。人への投資も必要です。だからこそ、助成金の信頼を損なわないように、適正な活用に向けて取り組むべきだと考えておりますが、厚労省の意見はいかがでしょうか。

宮本(悦)政府参考人 お答え申し上げます。

 人材開発支援助成金の適正利用のため、不正受給の疑いがある事案につきましては、労働局で詳細に事実調査を行っており、不正受給と認められた場合には企業名の公表など厳しく対応しているところでございます。

 また、親子会社間や同一グループ内に属するなど、助成金の申請事業主と密接な関係にある企業が提供する訓練につきましては、今年度の制度見直しにより助成対象外としたところでございます。

 これまでも不正の疑いがある事業所には申請段階におきまして事前訪問などを行っておりますが、加えまして、現在、デジタル技術を活用して、審査過程で不正の疑いがある事業所を抽出することなどにつきまして、調査研究を進めているところでございます。

 引き続きまして、しっかりと助成金の不正受給の防止、適正利用に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

鬼木委員 私は不動産鑑定士推進議連の事務局長をやっているんですけれども、地価公示という国民の土地の価格をきちんと公に示すという調査の予算獲得とかも、物すごく大変なんですよ。物価高のときに地価調査の予算を増やそうと思っても、逆に減る勢いなんですね。減らされる勢いで、その金額を維持するためには調査の地点数を減らせみたいな話になるんですね。

 他の省庁は物すごい苦労して一億、一千万という予算を獲得するのに必死なのに、厚労省には政治が一兆円つけると言ったからとふんだんに予算がついて、それがちゃんと使われていないとなると本当に憤りますよ。本当にちゃんとやってほしいです。

 やはりリスキリングも必要と分かります。そうしたら、この助成金はその政策効果をちゃんと上げているんでしょうか。効果検証はどのように行っているでしょうか。

宮本(悦)政府参考人 お答え申し上げます。

 人材開発支援助成金につきましては、助成金を受給しました事業主及び訓練受講者に対しまして毎年度アンケート調査を実施し、その効果を検証してございます。

 令和六年度の結果といたしましては、担当する職域範囲の拡大や賃金上昇など処遇の向上などにつながったとする事業主の割合は八二%、キャリア形成につながったとする訓練受講者の割合が九五%、企業内の人材育成をしようとする契機となったとする事業主の割合が九三・六%という結果になってございます。

 さらに、現在、有識者の御意見も伺いつつ、アンケート調査以外にも、定量的なデータ収集や分析による効果の検証方法について検討を進めているところでございます。

 今後も、人材開発支援助成金の適切な効果検証につながりますよう、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。

鬼木委員 本当に、中小企業の生産性が上がるような投資にちゃんとつながるように、効果検証もしっかりとお願いいたします。

 また、不正が続出しておりますので、こうした不正に対するペナルティーは厳しく行われているのか、そのことについて伺います。

宮本(悦)政府参考人 お答え申し上げます。

 申請事業主が不正受給を行った場合には、先ほど申し上げました企業名の公表に加えまして、元本、元本に対する二割の違約金、それから、不正受給決定日の翌日から年三%の延滞金の返還を求めているところでございます。

鬼木委員 本当に質問の時間が終了してしまいました。

 労働市場改革、また、本当に日本の生産性が上がってみんなが豊かになる、地方も中小事業者も労働者も、みんながよくなるための労働市場改革になりますようにしっかりと取組をお願いいたしまして、私の質問を終わります。よろしくお願いします。

 以上です。

大串委員長 次に、早稲田ゆき君。

早稲田委員 中道改革連合の早稲田ゆきでございます。

 今日も質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず一問目でございますが、労働時間規制と裁量労働制、今も鬼木委員の方から議論がございましたが、私はまた違う立場で議論を進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 本年二月、各大臣の総理指示の中で、高市総理は、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和を行うとされましたわけですけれども、働き方改革という意味でいえば、全然道半ばではないかと思います。

 資料もおつけしておりますので、まず一枚目の資料も御覧いただきながら、質問を進めたいと思います。

 二〇一八年の働き方改革において労働時間の上限規制が設けられて以降、依然として、脳や心臓疾患、精神障害の労災認定件数は増加の傾向にあるのではないか、近年の傾向はどうなっているか。それからまた、労働時間、時間外労働について上限規制を緩和することは、過労死の防止という観点からはまさに逆行することになるのではないかと思いますけれども、大臣、この資料も見ながら、お示しいただきたいと思います。

上野国務大臣 まず、働き方改革につきましては、週六十時間以上の長時間労働、これは減少傾向にあるわけであります。一定の成果が見られていると考えております。

 また、過重労働による脳や心臓疾患の労災認定件数、これは長期的には増減を繰り返しておりますが、令和四年度以降は増加傾向にあります。また、精神障害の労災認定件数は増加傾向が続いております。働くことで命を落としたり健康を損なうということは、あってはなりません。引き続き、過労死等防止対策に取り組んでいきたいと考えております。

 総理も、過労死認定ラインである上限規制を超えるなどということは決して言いませんと答弁をされておりまして、私も同じ考えでございますが、労働時間規制につきましては、今後、働き方の実態とニーズを踏まえて、日本成長戦略会議の下に設けられました労働市場改革分科会、あるいは労働政策審議会におきまして、運用、制度の両面から議論を進めていく、そのような方針でございます。

早稲田委員 資料の一も見ていただければ分かるとおり、脳・心臓疾患に関する労災請求件数、最後の令和六年度でもう千三十件となっておりまして、ここには書かれておりませんけれども、メンタル等は三千七百八十件、これは増加しているわけなんです。そして、過労死も高止まりをしている。つまりは、上限規制をしているけれども、その働き方改革が実効性を伴っているのかということが問題になると思います。

 ここにも書かれていますけれども、今大臣おっしゃったけれども、六十時間を超えてということは少なくなっているということですが、それは当然ですよね、八十時間というのは過労死ラインですから。それを超えて上限規制を緩和するなどということはあり得ないと高市総理もおっしゃっていますけれども、それでも、それは当たり前のことでありまして、その中で、これ以上本当に働きたいと労働者がおっしゃっているそのエビデンスは、どれだけあるのかということが一番重要だと思います。

 その中で、今大臣の御答弁では過労死防止には取り組んでいきたいということですけれども、この上限規制の緩和でそれが本当に、そんなこと、逆行するんじゃないんですかと私は伺っているんです。

 裁量労働制についても、厚労省が二〇一九年に行った裁量労働の実態調査では、平均の実働時間数が平均みなし時間数を上回っております。これもデータから分かります。その中で、本当に、じゃ、労働者は裁量労働制の拡大を望んでいるのでしょうか。その要件緩和、それから対象拡大、これを労働者が望んでいるんでしょうか。伺います。一つ質問を今飛ばしています。

上野国務大臣 まず、委員からお示しをいただきました、これは令和元年に厚労省が実施をいたしました裁量労働制実態調査、その分析結果でございます。

 適用労働者における一日の平均実労働時間数は、一日の平均みなし労働時間数よりも長くなっております。また、専門型、企画型、共に約八割の方が制度の適用に満足をしている、又はやや満足をしていると回答もされております。

 また、調査結果を回帰分析をしたところ、制度の適用によって労働時間が著しく長くなるとは言えない、処遇が低くなるとは言えない、健康状態が悪化するとは言えない、そうした統計的な分析もなされているところでございます。

 人手不足の中で、労働生産性を高めつつ、心身の健康の維持を前提にいたしまして、柔軟で多様な働き方ができるように労働参加を進めることは重要だと考えております。

 今御指摘の裁量労働制でございますが、これは、適正な運用が行われれば、労使双方にとってメリットのある働き方が実現できる。また、その一方で、制度の趣旨に沿っていないような運用がなされた場合には、労働者の健康確保あるいは処遇確保などの観点から問題があるとの指摘もございます。こうした点を含めて検討していく必要があろうかと考えているところであります。

早稲田委員 三月十日の予算委員会の公聴会で、私も、連合の神保事務局長にこの点も伺いました。高市総理の方では、裁量労働制が適用されている労働者本人から満足度は高くということをおっしゃっておられますけれども、神保公述人がおっしゃったのは、満足度は高いというところを見ますと、やはりそこは処遇が高いということが多いので、裁量労働制そのものがどうかというところにはもっと分析が必要ではないかとおっしゃっています。

 そして、その一方で、適正運用と大臣もおっしゃいましたが、適正運用がされていない、長時間労働が常態化してしまっていることもある、それからまた、長時間労働が助長されてしまって、残業代を払わなくてもいいというような、そうした隠れみのになるような、そういう企業形態もあるから、よくよく分析をして注意をしていかなければならないということを示されております。私もそのとおりだと思います。

 やはりそこのところは、労使でいえば、明らかに使用者側の方が力が強いわけで、裁量労働でいいですかと言われたときに、そうですねと言わざるを得ない風土というものがあるわけです。私の同僚議員、今惜敗されましたけれども、テレビ局で働いているときに裁量労働になっていた。そうしたら、深夜まで働いて、二時間家に帰ってシャワーを浴びて、また着替えてということが常態化していたということも、御自身、SNSで言っていらっしゃいます。そういうことがやはり常態化してはならないという意味で、やはりもっとチェックが必要です。

 それから、次の質疑に移ります。

 二枚目の資料でありますけれども、これは、厚労省が昨年アンケートを取って、三千人に、そして企業にも三百社以上アンケートを取って、この働き方改革関連、施行後の総点検ということでやりました。

 これを大臣はどのように分析されていますか。これを見ても、決して、労働時間の規制を緩和するというような声は大変低いと思いますが、大臣の見解を伺います。

上野国務大臣 その資料にありますとおり、労働者へのアンケート調査でございますが、御指摘のとおり、労働時間を増やしたいとの回答をした割合は約一〇%でございます。

 その内訳を見ますと、パートタイムで働いていらっしゃる方、あるいはフルタイムで働いている方で上限の範囲内で労働時間を増やしたい、そうした二類型の方が多かったのではないかと考えております。これにつきましては、時間外労働の実態と上限規制との間には隙間があり、規制の範囲内で労働時間を増やしたいという場合も多いのではないかなというふうに考えられます。そのような実態が今回のアンケートで示されたのではないかと受け止めているところであります。

 過労死ライン等の考え方は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、いずれにいたしましても、現在、今、労働市場改革分科会におきまして、運用、制度の両面から様々な議論を進めているところでございますので、そうした中で、こうしたアンケート結果も生かしていきたいと考えています。

早稲田委員 一〇%なんですね、労働時間を増やしたいという方。そして、このままでよい、減らしたいという方は八九・五%、九割ですから。

 それから、今細かい数字もここに書かれておりますけれども、やはり非常に少ない中で、パートの方が少し増やしたいというのはよく分かることだと思います。しかしながら、じゃ、増やしたい理由の中で一番多いのは、たくさん稼ぎたいから、それから、労働分の残業代がないと家計が厳しいから、苦しいから、この二つが一番大きい理由になっているわけです。

 つまり、賃金が上がればそうしたことも解消されるという側面もありますし、何も時間外でどんどん稼ぐ必要はないわけなんです。そこのところを、幾ら、健康を維持して、それからまた労使の合意の下といっても、裁量労働制もそうですけれども、なかなかそれを拒めないという実態が労働者にあるということは、厚生労働大臣ですから、経産大臣ではないので、労働者の安心とそれから安全な命と暮らしを守るために、是非そこのところはきちんと。この分析結果、これがエビデンスですから。

 それからまた、経営者のお話も先ほどもありましたが、現状のままがいいという方が六一%、減らしたいが二二%、人材不足とかいろいろあるんでしょう、増やしたいという企業は一六・二%でありました。そういうことをきちんと見ていただきたいわけなんです。

 それにもかかわらず、私、びっくりしました。昨日、自民党の日本成長戦略本部、これは提言が出たそうです。そうしましたら、今、労基署ですね、労働基準監督署、これの指導の見直し、これも提言に入っているということを見て私も驚きました。

 今、当然、八時間、週四十時間なわけですけれども、これが月四十五時間まで、合意があればそういうことが認められる。しかし、それが更に四十五時間を超えても労基署が認めなさい、認めてもいいような柔軟な働き方というようなことを自民党の成長戦略本部が提言をしたということで、これは骨太方針に盛り込まれるようなことがあっては絶対にならないと私は思います。

 四十五時間ということを超過すること、それを認めるということを大臣お認めになりますか。それについての所見を伺います。

上野国務大臣 大変恐縮ですけれども、自民党の提言が取りまとめられた、取りまとめられつつあるのかもしれませんが、政府として、それについてコメントする立場ではございません。

早稲田委員 では、四十五時間超ということについて、自民党のじゃなくて、そういう見直しについてどうでしょうか。別に提案じゃなくてもいいわけです、それを知らなくても。大臣のお考えとして、四十五時間超、柔軟な働き方ということについて大臣の御見解を伺います。

上野国務大臣 基本的に、三六協定で四十五時間というようなラインを設定していただいている企業もあろうかと思いますし、それ以上の企業もあるわけでございまして、そうしたルールの下で、労使でよく相談をしていただいて、適切な働き方をしていただけるものだと考えています。

早稲田委員 このデータの資料、また戻りますけれども、下のところ、左下ですね、時間外労働として一か月当たりどの程度が妥当と考えるかというところ、ゼロ時間、二一%、二十時間以下、四三・九%、四十五時間以下、二七・四%、ここまでで九三%です。九三%の方が、繁忙期に四十五時間ぐらいになることはあるかもしれないけれども、せめてそこまでだというふうに考えている方が九割以上ですよ、大臣。その中で、労基署に四十五時間超のそういう働き方も認めてもいいよねというような通達を出すなんということは、私は絶対に厚生労働省の立場としてはあってはならないことだと思います。

 大臣、もう一度伺います。

 この九割を見てもどうでしょうかということです。四十五時間。それでも今、過労死も高止まり、それから労災認定も高止まり。そういう中でどういうふうにお考えになりますか。

上野国務大臣 済みません、ちょっと質問の御趣旨を正確に把握していないかもしれませんが、今の現在のルールの下で、労使で三六協定など協定を結んでいただいて、それぞれの各社ごとにルールを決めていただいておりますので、そうした中で、多様で柔軟な働き方というのを追求されているのではないかと考えております。

早稲田委員 柔軟な働き方というよりは、みなしとか、それからまた、三六協定も認知していないというところが五〇%ですよね。そういうことを考えても、やはりそういうふうに言葉どおりにはいっていないわけなんです。その実情を、実態を大臣はよくお分かりだと思いますので、安易な、この〇・五%しかない声に合わせた法改正ではなく、労働時間を現状維持したい人、それから減らしたい人が約九割というその結果に合わせて、安易に規制緩和を、労働時間規制について緩和の検討を行うということをしないでいただきたいと思いますが、大臣、最後にこの項について伺います。

上野国務大臣 先ほど申しましたけれども、多様で柔軟な働き方、また労働生産性を上げる、様々な観点があろうかと思います。そうしたこと、あるいは労使の皆さんにも御参加をいただきまして、分科会の方で実態あるいはニーズに応じまして様々な観点から御議論をいただいているところでありますので、そうした御議論の中で今後の方向性などについても結論が得られるのではないかと考えておりますが、いずれにいたしましても、現段階では予断を持ってお答えすることは難しいかと考えています。

早稲田委員 労政審でも、経団連とそれから労働者の連合とは真っ向から違う意見で、真っ二つに割れているわけです。それを安易に押し切るようなことが絶対にないようにしていただきたいと思います。両論併記になるのかどうか分かりませんけれども、それを判断するのは厚生労働省ですから、命を守る立場、暮らしを守る立場で大臣には是非やっていただきたいということを強く申し上げます。

 そしてまた次に、引き続きこの議論は進めたいと思いますが、次の質問に移ります。

 発達障害の一種であるADHD、注意欠如多動症とも言われますけれども、この治療薬の供給不足であります。

 このADHDの治療薬、コンサータの供給不足、限定出荷が非常に長期化をしています。報道によれば、二か月で解消と言われていたけれども、半年も全然在庫なし、そういうような状況が続いていて、ADHDと言われている方々が大変困っていらっしゃる。そしてまた、当事者団体である発達障害当事者協会には、六十軒もの薬局に問い合わせてようやく入手したというような患者の声も上がっているわけなんです。薬を見つけるために非常に御苦労されているということが常態化しています。

 事前のレクでは、厚労省によれば、発達障害が広く知られるようになった。そして、ADHDの患者が急増している一方で、コンサータは、グローバル企業がグローバル市場で製造販売しているから、非常に世界的な需給の逼迫で国内の供給不足につながっているということではありますけれども、では、世界のADHDの患者数の伸びと日本の増加率はどうなのか。また、ほかの国でも、海外でも供給不足、限定出荷、そうしたことが生じているんでしょうか。

 厚生労働省として、コンサータの国内外の需要、供給不足の実態をどのように把握をしていらっしゃるか、伺います。

森政府参考人 いわゆるADHDの患者数についてでございますが、世界各国におけるADHDの患者数については、把握していないところでございます。

 日本においては、いわゆる患者調査を使いまして、ADHDを含む活動性及び注意の障害の総患者数、令和二年調査では十四万六千人、令和五年調査では十七万三千人というふうになっておりまして、一八・五%の増加というふうになっているところでございます。

 また、ADHD治療薬の他国における供給状況については、例えば、FDAについても、それから欧州のEMAについても、いずれも供給不足の状況にあるということが公表されているところでございます。

早稲田委員 世界のは把握していらっしゃらないということですけれども、ADHDの方も増えている、もう本当に供給不足は現実ですので、そこのところを非常に調査、実態調査してください。そして、どのような目詰まりが起こっているのか、本当にないのかも含めて、やっていただきたいと思います。

 その点について、患者への、患者の生活とか、非常に就労の影響もあるということでありますし、経済的負担の増加の実態など、これを把握していらっしゃいますか。

 それからまた、今後、この供給不足にどう取り組んでいこうというおつもりか、伺います。

森政府参考人 委員御指摘のように、今回の件でいろいろな患者さんからのお声を頂戴しているところでございます。

 供給不足による患者の生活等への影響については、患者団体が調査を行われて、その上で、同団体に寄せられた患者さんからの声について、厚労省に報告いただいているというところでございます。

 例えば、コンサータは眠気を伴うADHDに効くと言われておりまして、症状の一つに過眠があり、コンサータしか効きません、主治医より、薬がなくなったら休職か退職と言われておりますといったお声を頂戴していたり、錠剤数の増加とそれから受診回数増加で、金銭的な負担が上がっておりますといった声も頂戴しているところでございます。

早稲田委員 大臣、最後に、本当に今こうなっているわけなんです。それで、それについて、まだ今日だけではなく引き続き質問してまいりますが、こうした現状を踏まえて大臣はどのように、この供給不足、少なくとも解消できるようにしていかれるおつもりなのか、伺いたいと思います。

上野国務大臣 現状、患者団体の皆さんからもそうした切実な声をお伺いをしております。

 そうしたことをも踏まえまして、今、供給量の増加の要請を当該企業には行っているところでございまして、その企業におきましても、在庫量の積み上げなど、必要な対応に向けて努力をしていただいているというふうに承知をしております。

 引き続き、全体としての管理の問題、薬剤については管理の問題もありますので、そうしたシステムの中できちんとした適切な供給がなされるように、当該企業とも十分話し合って進めていきたいと考えています。

早稲田委員 患者の声も聞いていただいているようでございますが、イラン情勢もありますので、非常にそうした薬剤の供給不足というのもありますけれども、それ以前からの話ですから、これは。しっかりともっと実態把握をして、進めていただきたいと思います。

 最後にもう一度申し上げますが、立法事実がない中で、労働者の声、その中には立法事実はないと私は感じておりますけれども、この労働法制の規制緩和を安易に絶対に進めないでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、山本香苗君。

山本(香)委員 中道の山本香苗でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず最初に、火葬場の問題についてお伺いさせていただきたいと思いますが、近年、都市部を中心に、火葬場の予約が数日から一週間以上取れないなど、火葬場の逼迫が深刻化しております。

 高齢化の進展によりまして死亡者数が増加する中で、この状況は一時的なものではなく、もはや構造的な問題だと認識しておりますが、厚生労働省はどういう認識をお持ちでしょうか。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもでは、令和五年度に火葬場に対しまして調査を行っておりまして、その際、全国の平均的な御遺体の安置期間、これが二・五三日であるということ、また、地域によっては一・七五から三・五九日であるといったことなどを把握をしております。若干地域差があるということも認識はしております。

 また、火葬場の新設、増設を検討している火葬場のうち、火葬炉が不足していることを理由としているものは約一三・八%、一割程度でございました。

 一概に申し上げることは困難ではありますが、地域による状況は異なるものの、全国的に火葬場が不足しているという状態であるとは認識をしていないところであります。

山本(香)委員 その調査も拝見させていただいておりますけれども、時期的な問題も大変大きい問題でございまして、特に二月とか、寒い時期、一週間お葬儀の日にちが決まらないとか、そういうのはもう常態化しております。よく認識していただきたいと思います。

 このように火葬まで日数を要することで、遺族の方々の精神的な負担のみならず、経済的な負担も増大しております。加えて、御遺体の適切な保管環境が確保されない場合には、公衆衛生上のリスクというものも懸念されております。

 しかしながら、現行の墓埋法だとか制度におきましては、御遺体を管理される、保管される、また搬送するような事業者についての規定は何もなく、誰でもできる、参入できる状態にございます。

 ですので、令和四年度から三回にわたって実態調査をしていただきました。そして、令和七年の十月には、事業者等における適切な御遺体の取扱い等に関するガイドラインを定めていただきましたけれども、大臣、対策はこれで十分とお考えでしょうか。

上野国務大臣 まず、公衆衛生上の観点から、御遺体が適切に取り扱われる、そのようにすることは大変重要だと考えています。

 この状況に関しましては、今委員から御指摘をいただきました実態調査、これを数次にわたって行いまして、その結果を踏まえて、昨年の十月に、御遺体を取り扱う事業者が遵守することが望ましい一定の基準を盛り込んだガイドラインを策定いたしまして、関係省庁あるいは関係団体を通じて事業者に周知をしているところであります。

 まずは、このガイドラインの活用を十分に図っていきたい、その周知を徹底していきたいと考えておりますが、関係団体からは、委員御案内のとおりでございますが、主要な団体に属していらっしゃる企業というのは約二千弱ですね、一般に言われているのはそうしたものも含めて六千から七千程度の事業者が存在をするということも言われておりますので、このガイドラインがそうした事業者に本当に徹底されるのか、そうした疑問の声が上がっているのは事実であります。

 これから、そうした声についても我々もしっかり受け止めさせていただいて、どういった方法でこのガイドラインを周知徹底できるのか、そうした点についても更にやはり研究、検討をしていかなければいけないと考えています。

山本(香)委員 くしくも今大臣がおっしゃっていただいたとおり、二千から六千、物すごい幅ですよ。実際、どこにどれだけいるか、いまだに分からないわけです。ガイドラインを作りました、でも、周知する先が分からないんですよ。それをこれまで大臣もよく御認識でいらっしゃるからこそ、今おっしゃっていただいたんだと思います。

 やはり届出制が少なくとも必要だと思うんですね。せっかくいろいろなガイドラインを作ったとしても、コロナのときもガイドラインを作りました、でも、届けることができなくて、知らない事業者がいっぱいでした。

 そういう状況を勘案して実態調査をしていただきましたけれども、先ほどガイドライン、ガイドラインの活用を図っていただくのも大事なんですけれども、これをもう一段、やはり届出制という形、これまでの歴代の大臣からも検討に値すると言っていただきました。上野大臣も、自民党の健全な葬祭業の推進議員連盟の会長でいらっしゃいますので、一緒にこれまでやってきたわけでございますから、是非前向きな御答弁を届出制につきましていただきたいと思います。

上野国務大臣 亡くなられた方が尊厳を持って取り扱われる、弔われる、そうした環境づくりというのは大変重要であるのは先ほど申し上げたとおりであります。

 ガイドラインの活用、周知の徹底、そのやり方も含めて十分研究をしていきたいと考えておりますが、届出制につきましては、これまでからも、届出制の要否を含めまして、御遺体を取り扱う事業者に対する規制の在り方につきましては、関係省庁とも連携をして検討を深めていきたいというふうに考えております。

 また、議連についての御紹介をいただきました。自民党、また公明党、他党もあるかもしれませんが、それぞれの議連で今後の方策につきましてもいろいろと積極的な御議論をいただいているというふうに考えておりますので、そうした状況についても十分注視をしていきたいと考えています。

山本(香)委員 私も中道でございますので、中道でもしっかり議論させていただきたいと思っております。

 もう一つ、火葬場が逼迫化することによって、待機の長期化だけではなくて、火葬料金の問題というものも発生しております。現行制度下で火葬料金の高騰を抑えるために、厚労省としてはどのような関与が可能なんでしょうか。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 火葬料金の指導につきましては、墓地埋葬法上、都道府県知事等の自治事務とされておりますところですけれども、厚生労働省では、様々なお声をいただきまして、令和七年の十月に、技術的助言として、各地方自治体に対しまして、火葬場の経営、管理に関する指導監督について改めて通知を出させていただいております。

 この通知の中では、火葬料金につきまして、そもそも火葬場が公共的な施設であり、利益追求の手段とはなってはならないことを前提とした上で、火葬場の経営、管理に必要な費用に比べて明らかに高く、事実上利用者が利用できないような法外な料金設定となっていないかを確認することなど、各地方自治体が火葬場の指導監督を行うに当たり参考となる事項を改めてお示しをしたところであります。

 各地方自治体におきましては、適切な指導等を行っていただければと思っております。

山本(香)委員 今の局長の御答弁のとおり、通知を出していただいたんですが、これは技術的助言なんですよ。火葬場というのは国民生活に不可欠な公共インフラですよね。誰もが適切に利用できる環境整備というのは、私は国の責務であると思います。

 そこで、大臣にお願いしたいんですが、是非、まず火葬料金の実態というものを把握していただきたいと思います。東京だけじゃありません、いろいろなところで、今いろいろな形で、イラン情勢の関係も含めて、火葬料金は上がっておりますので、是非その実態を把握していただきたいと思います。

 その上でなんですが、公営火葬場の整備支援の強化であったり、また広域連携による需給調整、さらには火葬場の料金の透明化や標準的な料金の指針の提示など、国として、もちろん自治体がやらなきゃいけないんです、だけれども、国としてできることを最大限支援をしていただきたい、その方策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

上野国務大臣 まず、実態なんですが、本年二月に都道府県に対しまして、火葬場の火葬料金の調査を実施をいたしました。自治体にも共有をしたところでございます。一部の自治体では、今、物価高騰の中で、今後引き上げたいというような御意向もあるということは確認をしております。ですから、そうした問題意識の下で様々な取組を進めていく必要があろうかというふうに考えております。

 墓地、埋葬等に関する法律におきまして、火葬場の整備あるいは指導監督については地域の実情に応じて行う、そうした必要がございますので、都道府県等の自治事務とされております。このため、御指摘の火葬場の整備につきましては、地方債の起債が可能であったり、あるいは、地方交付税におきまして、火葬場を含む一般的な公共施設に係る建設事業費が算定をされているところであります。

 また、広域連携のお話がございました。これにつきましても、今、一部事務組合が経営をされる火葬場というのが百か所程度あるということでございまして、そうした動きも広がっているというふうに認識をしております。

 ですから、総務省ともしっかり連携をして、今委員からの御指摘のあった様々な支援策についても連携して取り組めるように進めていきたいと考えております。

 また、火葬料金のお話がございました。国として一律の基準を示すというのは事務の性質上なかなか難しいというふうに考えておりますが、これは地方議会の議決を経て決定をされております。そうした点からも、料金設定に当たりましては、どういった考え方でその料金を設定したか、そうした考え方や根拠などにつきまして住民あるいは議会にも行政として十分説明されることが望ましいと考えておりますので、そうした点につきましても、十分、自治体、地方自治体とも相談をして進めていければと考えています。

山本(香)委員 実際、自治体からは様々な、整備に対する支援、また、そういった技術的な助言のみならず、国からある程度の考え方を示したものをいただきたいという要請は繰り返しなされております。総務省の方で地方交付税等々でやっているという話なんですが、算定根拠も古過ぎてほとんどよく分からない、そんなような状況でございますので、十分なものではないと認識をしていただきたいと思います。

 その上でなんですが、やはり、現行の墓地埋葬法というのは、火葬需要の急増だとか遺体保管の長期化といった現代的な実態に十分対応できていないんじゃないかと思うんですね。是非、先ほどの届出制の話も含めてでございますけれども、制度的な全般的な見直しをしていただきたいと思います。

 それに当たって、先ほど大臣は、いろいろな党の動きを注視しておりますと、議員立法に頼るような言い方をされましたけれども、是非、厚生労働省として検討会とか立ち上げていただいて、法改正に向けて見直しに一歩踏み出していただきたいと思うんですが、大臣の御決断をお願いしたいと思います。

上野国務大臣 ありがとうございます。

 なかなか、議連の会長という立場と大臣という立場、いろいろありますので、すぐさま決断というのは正直難しい面もありますが、委員の問題意識等は共有をしておりまして、火葬場等への支援の在り方であったり、あるいは先ほど申し上げましたような届出制なり、実態の、業者の把握であったり、それにつきましては厚生労働省としても十分検討を、情報を把握をして検討は進めさせていただきたいと考えています。

山本(香)委員 重ねて申し上げますが、検討会を立ち上げていただけませんか。

上野国務大臣 突然のお申出でありますので、正直何とも申し上げられないんですが、少しそうした点も含めて検討させていただきたいと考えています。

山本(香)委員 この点、また引き続き質問させていただきたいと思います。

 次に、排尿トラブルについてお伺いしたいと思います。

 頻尿や尿漏れは、多くの方が悩んでいる問題で、年齢、性別を問わずに起こり得ます。例えば、頻尿の症状で悩んでいる人は全国で二百万人以上、尿漏れでは、ほぼ毎日悩んでいる人は八十万人以上、年に一、二回以上の尿漏れは六百万人以上いると言われております。

 高齢化の進展によりまして、こうしたトラブルに悩む方は今後更に増加すると考えておりますが、厚生労働省の現状認識を伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 一般社団法人日本排尿機能学会、学会において令和五年に実施をいたしました、性別を問わず二十歳以上を対象にしたオンライン調査というものがございまして、その中で、日常生活に影響を及ぼす下部尿路症状があると回答した割合は一二・四%であったということを国として承知をしております。

山本(香)委員 もうちょっとしっかり把握していただきたいなと思うところでありますが、こういう尿漏れだとか頻尿は、適切な予防や治療により改善が可能であると伺っておりますが、具体的にどうなんでしょうか。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 排尿トラブルを来す疾患は様々ございますが、医療現場においては、それが何で起こったのか、原因疾患に応じて予防や治療がなされるというところであります。

 例えば、先ほど学会調査を御報告をいたしましたが、日常生活に影響を及ぼす下部尿路症状として最も頻度が高いのは夜間頻尿であります。夜間頻尿を引き起こす疾患は何かといいますと、過活動膀胱や前立腺肥大症、こういったところが代表的であります。

 過活動膀胱について、日本排尿機能学会並びに日本泌尿器学会のガイドラインによりますと、予防としては、まず体重管理などの生活習慣改善が第一、治療としては、骨盤底筋訓練などの行動療法や薬物がございます。

 また、前立腺肥大でありますと、日本泌尿器学会のガイドラインによりますと、予防として、運動療法や禁煙などの生活習慣改善が第一であり、治療としては、骨盤底筋訓練などの行動療法のほか、薬物、また手術の適応があれば手術療法があるというふうに承知をしております。

山本(香)委員 今おっしゃっていただいたように、予防や治療の選択肢がある。しかしながら、現実には、恥ずかしくて人に相談できないとか、年だから仕方がないとか、そもそもどこに相談していいか分からない、そのような理由から多くの方が一人で抱え込んでいる実態があります。

 その結果、例えば、御高齢の方が外出先での不安から家に閉じこもって、社会的孤立が進んで要介護状態に至るケースもありますし、また、出産後の女性が尿失禁に悩みながら誰にも相談できず、外出や職場復帰をためらって離職に至るといったケースもありました。

 こうしたケースは早期の相談対応によりまして防ぐことができたはずだと思うんですけれども、このように相談につながらない実態を厚労省はどう認識されていますか。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 頻尿ですとか尿失禁などの排尿トラブルでありますが、先ほど申し上げました原因疾患による二次的なものであったり、また生理現象であったり、様々ございますが、健康課題の一つであるというふうに認識をしております。

 相談につながらない、受診につながらない理由として、一般社団法人日本排尿機能学会が令和五年に実施したオンライン調査におきますと、医療機関を受診しない理由として一番多かったものが、症状はあるもののそれほど日常生活に悩まされていない、次に、下部尿路症状、これは病気ではない、生理的なものであって病理ではないと考えていらっしゃること、また、年のせいだと考えている、こういった回答が多かったと承知をしております。

 こういったことに対しまして、厚生労働省では、女性の健康に関するポータルサイトというのを設けておりまして、その中で、尿漏れ、頻尿を含む泌尿器疾患の治療の重要性についても、普及啓発、これを行っております。また、市町村が健康増進事業をやっていただいているんですが、この中でも、健康教育や健康相談を行う場合の補助の対象としますということもお示しをしております。

 また、一方で、高齢者について御指摘がございましたが、排尿なども含めた身の回りの生活行為の改善も含め、介護予防の観点から保健医療専門職が一定期間関与する取組として、介護予防・日常生活支援総合事業、こういったものも厚生労働省では行っております。

 また、医療機関におきましては、排尿障害を有する方に対して、必要に応じてガイドラインなどを参照して医療現場では対応されているというふうに承知をしております。

山本(香)委員 女性の問題だけじゃないんですね。これは男性でもあったり、また若い人にも一定あるわけでありまして。

 大臣の御地元の滋賀県では、令和元年度から六年間、排尿支援プロジェクトというのが実施されて、相談支援体制の充実や、確定診断、早期治療に向けた医療連携の強化、QOLの維持向上を目指した支援の質の向上、セルフケア能力の向上といった取組を行った結果、尿漏れのある方のうち受診経験のある割合が、令和元年度は一一・二%だったんですけれども、令和四年度には一五%へ上昇するなど、一定の成果が見られました。

 予防、相談、治療、これは、住民も巻き込んで一体的に進める滋賀県の取組は、極めて重要な先進的な事例だと思います。是非、こうしたいい事例を全国展開していただきまして、誰もが早期に相談、受診できる体制を整えていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

上野国務大臣 排尿トラブルにつきましては、誰もが直面をし得る健康課題の一つだと認識しています。

 御紹介をいただきました滋賀県の排尿支援対策ですが、医療、介護の専門職の皆さんによりまして、排尿に関する相談支援を行う取組であります。これによりまして、予防から、医療機関への受診による早期発見、あるいは日常生活支援につなげる取組を行っていただいているものだと承知をしています。

 厚労省としては、先ほど局長からも答弁がありましたが、まずはトラブルの実態把握であったり普及啓発を進めていきたいと思いますし、こうした滋賀県の事例につきましても、各都道府県にお知らせをして、同様の取組ができるかどうか、そうした点についても検討を促していきたいと思いますし、我々としても、そうしたものを踏まえて、どういった対応ができるか検討していきたいと考えています。

山本(香)委員 時間が迫ってまいりました。最後の三問目のところに行かせていただきたいと思います。

 労働基準局長にお伺いしますが、廃棄物収集の現場では、慢性的な人手不足が続いている一方で、定時制高校生など働く意欲のある若者にとっては、学業と両立可能な安定した就労機会の確保というのが課題となっております。

 令和二年三月の労働基準局長通知で、機械式ごみ収集車のごみ投入口に一般廃棄物を投入する作業等を除き年少者の就業は可能という見解を示していただきましたが、現場においては、どの業務が年少者にとって就業可能なのかについて必ずしも明快じゃないので、事業者側も雇用に慎重にならざるを得ない状況があると伺いました。

 是非、年少者の従事可能な業務範囲を整理して明確化して、それを周知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸本政府参考人 お答えいたします。

 労働基準法では、十八歳未満の年少者につきまして、安全、衛生、福祉の見地から、危険有害と認められる業務に就かせることを禁止しておりまして、御指摘の清掃業務は、年少者労働基準規則によって危険有害業務とされているものに該当しております。

 この清掃の業務の具体的範囲につきましては通達で示しておりまして、特別管理一般廃棄物以外の一般廃棄物の収集、運搬の業務であって、機械式ごみ収集車のごみ投入口に一般廃棄物を投入する作業以外の作業であれば年少者を就かせることは可能としております。特別管理一般廃棄物とは、爆発性、毒性、感染性などを有するもの、それから、機械式ごみ収集車では実際に重篤な労働災害が発生していることから、それ以外の業務としているところでございます。

 したがいまして、一般廃棄物について、機械式ごみ収集車による収集、運搬の場合、年少者の方がごみ収集車の近くまで運び、投入業務自体はそれ以外の方が行うですとか、機械式ごみ収集車ではなくトラックの荷台にごみを積み込むような場合には、年少者もごみの積込み作業を行うことが可能となっておりまして、今後、このような考え方について取りまとめたリーフレットを新たに作成するなどいたしまして、周知を行ってまいりたいと考えております。

山本(香)委員 ありがとうございます。

 関連して環境省にお伺いしたいと思いますが、引っ越しの際に、まだ使える家具や家電が多く処分されておりまして、引っ越し繁忙期には、不用品回収の依頼が通常月の約三倍から四倍に増えるという指摘もございます。また、引っ越し経験者の九割以上が不用品処分に負担を感じているという調査結果もあります。つまり、引っ越しは、廃棄物が大量に発生するタイミングであると同時に、不用品処分が大きな負担となっている局面でもあります。

 こうした中、引っ越し業者が不要となった家具等を適切に買い取って次に必要とする方へリユースする仕組みが広がれば、負担が軽減できて、低価格で必要な人に再流通できて、更には廃棄物削減にもつながって、政府が進める循環型社会の形成にも資するものと考えます。

 しかしながら、現場では、引っ越し業者が家具等を引き取る行為が、廃棄物の収集、運搬とみなされる可能性があるとして、廃掃法との関係で事業化が難しい、そういう声が上がっておりますが、環境省はこうした現場の課題を把握されていらっしゃいますでしょうか。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘がございました引っ越し業者による引取り家具の有価物と廃棄物の判断が難しいという課題につきましては、環境省としても認識しているところでございます。

山本(香)委員 どう難しいと認識しているのか、お答えいただけますか。

成田政府参考人 今申し上げましたように、ちょっと繰り返しになってしまいますが、リユース可能な有価物か、あるいは廃棄物か、そういった判断をすることが難しい点だというふうに承知いたしております。

山本(香)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、引っ越しの際に、まだ使用可能な家具等を引っ越し業者が適正に買い取るわけです。それをリユースする場合には、本来これというものは、事前のレクをお伺いしたときにも、これは廃棄物には当たらないのです、廃棄物ではなくて有価物として循環するものなんだ、本来、廃掃法の適用対象とならないはずだというような話を伺いました。

 しかしながら、先ほど申し上げたとおり、また現場からのお声もありますが、実態としては、今審議官がおっしゃっていただいたように、有価物か廃棄物か、その判断が自治体ごとに異なるために、事業者が萎縮して、結局、その結果、本来リユースが可能な家具等が廃棄をされてしまっているというのが現状であるわけなんです。これは本当に、今、リユースの推進だとか循環型社会の形成という政府方針に照らしても、改善すべき制度上の課題ではないかと考えております。

 引っ越しの際の家具等について、きちっと国として、適正な買取り、リユースであれば廃棄物には該当しないのだ、廃棄物として取り扱われないのだという考え方を明確にしていただいて、その上で、有価物と廃棄物の判断基準というものを整理をして、自治体や事業者に対して具体的かつ分かりやすい形でお示しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 廃棄物に該当するか否かにつきましては、最高裁判決により、その物の性状、排出の状況、通常の取扱形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当である、このようにされているところでございます。

 したがいまして、引取り家具につきまして、廃棄物の該当性に関する判断基準を一律に示すことは困難であると考えているところでございます。

 一方で、環境省といたしましては、不要となった家具なども含めまして、リユース可能なものにつきましては積極的にリユースを進めていくべきだと考えているところでございます。

 こうした観点に立ちまして、環境省におきましては、例えば、令和七年度の事業といたしまして、リユース品と廃棄物を一括回収した上で、これらが廃棄物に当たるかどうかを自治体職員とリユース事業者で連携しながら確認する仕組みを構築する、このようなモデル事業を実施したところでございます。また、今年度におきましても、事業者の一括回収に関するモデル事業を公募中でございます。

 引き続き、こうした取組により得られた成果の横展開を図ることなどを通じまして、リユースの促進に関する取組を促進してまいる所存でございます。

山本(香)委員 その令和七年度に実施していただいたモデル事業を踏まえて、いつぐらいに具体的なそういったお考えをお示ししていただけるんでしょうか。

成田政府参考人 先ほど申し上げましたように、令和七年度の事業に引き続きまして、今年度も少し変わった形で事業を行うことを考えております。

 その八年度、今年度事業の結果を踏まえて、何か取りまとめられるものがあれば取りまとめる方針でございますし、あるいは、来年度以降も、引き続き同種の、あるいは少し変わった事業をやることによって、より事業者の方々に使えるような、そういったものができるという見込みであれば、また継続して事業を進めた上で横展開を図っていきたいと考えているところでございます。

山本(香)委員 今国会、廃掃法の改正もされますよね。是非、去年の分と今年度実施するものも大体似たような話だと伺っておりますけれども、一刻も早くこれを取りまとめていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 本来であれば、先ほどいろいろおっしゃっていただいた要素を書いた行政処分の指針のところが非常に分かりにくい。あれでは全く分からない。是非分かりやすいものを早く出していただくことを切にお願い申し上げまして、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、沼崎満子君。

沼崎委員 中道改革連合の沼崎満子です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 御質問に入らせていただきます。

 最初に、社会保障財源の在り方についてお尋ねをいたします。

 昨年の骨太方針においては、社会保障関連費について、高齢化による増加分に加えて、賃上げや物価上昇への対応分も加算するという、加算の目安対応、一般的に言いますと目安対応で、高齢化の増加分に加えという、そういった大きな方向転換がされたというふうに認識をしております。その一方で、歳出改革を通じた保険料負担の抑制努力も継続する、この方向性の違う二つの内容が含まれています。

 医療現場や介護現場は、もはや現場の努力だけで経営を、現場は歳出削減も非常に努力はしているけれども、それでも経営を維持するのはもう限界に来ていると感じています。実際、病院の赤字や介護事業所の過去最高の倒産件数といった状況を踏まえまして、診療報酬三%以上という非常に大きな引上げや補正予算における医療・介護等支援パッケージによって賃上げや物価高への対応が図られてきておりまして、これは、政府も現場の努力だけではもう限界に来ているという認識の上で対応をしていただいたというふうに私は感じております。

 現役世代の方の社会保険料負担に関しましても、やはりここも非常に大きな負担になっていて、これは皆さん、全体を通して共通認識になっていると思います。

 この様々な問題点をどうやって解決していくかということで、今、社会保障国民会議等も立ち上げがされておりますけれども、これはこれからいよいよ本格的に抜本的に改革をしていかなくてはならないところだというふうに思っております。急にすぐに解決は難しいかもしれませんが、その上で、私の御提案ということでお聞きいただければと思います。

 日本の社会保障財源における収入の、財源の割合なんですけれども、令和三年度におきましては、社会保険料が四六・二%、公費が四〇・四%、資産収入は八・八%となっております。この割合に関しましては、OECD諸国と比較すると、社会保険料が占める割合が高いという傾向にあります。様々現場での歳出削減を進めても補い切れない、高齢化また物価高による社会保障費の増大を今後どうやって賄っていくのか。

 そこで、お伺いいたしますが、日本の社会保障財源における今お示ししたような割合は、現役世代の社会保険料に依存した負担構造となっていると感じております。この構造を改めるために、自己負担を上げていくことや歳出改革を求める議論だけではなく、社会保険料と税、自己負担の割合を見直す議論を今後していく必要性があるのではないかと考えておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

上野国務大臣 まず、我が国の社会保障制度の基本である社会保険制度におきましては、保険料を原資とすることを基本としております。その上で、低所得者の方にも加入していただけるように保険料水準を下げるなどのために、各制度ごとの趣旨に基づきまして公費が投入をされているというふうな構造になっております。

 財源に占める公費の割合、これは長期的には、後期高齢者医療や介護給付費などの増に伴い増加をしてきております。こうした中におきましては、まずは、保険料負担と公費負担の役割を含めた社会保障制度の基本的な在り方自体は維持をしながら、効率的な医療提供を実現をすること、あるいは社会保障給付費の伸びをできるだけ抑制する、そうした観点が必要ではないかと考えているところであります。

 このため、OTC類似薬の保険給付の見直しや、データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現などを進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えていくということを進めているところであります。

 なお、公費を増やすという選択肢も、これは必ずしも排除されるものではないというふうに考えておりますが、その際には、やはりその正当性についても考える必要があろうかというふうに思いますし、また代替となる恒久財源についても検討する必要があろうかというふうに考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 必要性は感じているという御返答だったと思いますけれども、今、社会保障財源は様々な対象に対していろいろな保険料率の割合が分かれておりますので、その対象に合わせて、ここは公費負担を増やしていく、そういった、一遍に変えるというのではなくて、徐々にでも結構ですので、そこは是非お考えいただきたいということと、やはり、効率はもちろん同時並行でやっていきますけれども、なかなかそれだけでは、これからまだ高齢化率は上がっていきますし、医療費というのも当然上昇が見込まれますので、そこは併せてこの公費負担に関する議論というのもやっていただきたいと思います。

 今、社会保障国民会議で主に議論されているということが消費税に関することと給付つき税額控除に関することになっているんですけれども、こういった議論を、今お話ししたような議論も併せてこの給付と負担の議論の中で是非やっていただきたいと私は考えておりますが、国民会議あるいは社会保障審議会等でこのような議論、負担構造の見直しに関する議論をすることは可能か、またそういうお考えはあるか、その点についても御意見をお伺いします。

上野国務大臣 まず、社会保障制度における給付と負担の在り方につきましては、これまでも、例えば社会保障審議会、あるいは、平成二十四年に設置をされておりますが、社会保障制度改革国民会議というのがありまして、そうしたところで議論をされてきた経緯がございます。

 現在議論が行われております国民会議でございますが、これはまず、給付つき税額控除、そして食料品の消費税率ゼロについて同時並行的に議論を進めることとされております。その際、給付つき税額控除の制度設計に関連する社会保障制度の議論は並行して実施をするとされておりますが、その上で、給付つき税額控除の議論を進める過程で明らかとなった社会保障制度の課題などについては、改めて調整の上、協議を継続することとされていると承知をしております。

 この国民会議は、大変恐縮ではございますが、私の所管ではありませんので、更にどういった議論が行われるかということにつきましてはなかなか申し上げることは難しいわけでありますが、社会保障制度の負担構造の在り方は非常に重要な論点だと考えております。ただ、それをどういった場で議論していくかというのは、まだ十分そこまで煮詰まった話にはなっておりませんので、委員の問題意識自体は共有をしておりますが、そうした点も含めて引き続き我々としても研究していかなければいけないと考えています。

沼崎委員 ありがとうございます。

 すぐに答えが見つけられる問題ではないと思いますけれども、是非、負担構造の見直しという点も併せて政府にもお考えをいただきたいと御提案をさせていただきます。

 次の質問に移らせていただきます。

 次に、医療保険制度と介護保険制度についてお伺いをします。

 高齢化が進む中で、医療と介護の両方を必要とする方は、もう既に増えていますけれども、着実にこれからも増えていきます。しかし、今の日本の医療保険と介護保険の制度は、制度自体が分かれている、つまり介護保険を使うと医療保険が使えない、そういったことで現場には様々な課題が生じています。

 例えば、医療依存度が高くない患者さんであっても、医療保険が使えないので介護施設での受入れが難しい、いわゆる社会的入院といったケースや、あるいは、介護保険施設で医療行為を行った費用は全てその施設の持ち出しになっている、これが施設経営の悪化につながっているケース、また、介護が必要な方であっても、高額な内服治療を受けている方は薬剤の請求ができなくなってしまうので施設入所を断られてしまう、このようなケースが医療保険と介護保険が分かれているということで生じているという状況がございます。本来であれば介護施設で生活できる方が、制度の壁によって必要なサービスを利用することができない、こういった状況も生じているのではないかと思っております。

 医療と介護の保険制度が分かれることによって、入院医療、施設介護の役割分担が必ずしも適切に機能していない状況があると考えます。これは、患者さんにとっても、適切な医療、介護を受けることができないという問題であると同時に、必要のない入院を生じる医療費の在り方という点、また医療費の増大という点からも重要な課題であると思います。そういったことから、今後、より効率的な運用のために、医療と介護をより一体化して運営することが必要ではないかというふうに思っております。

 まず、現状に関してお伺いをいたしますが、今お話ししたような課題について現行制度の中でどのような対応を取っているか、そういった事例がございましたら、御紹介をいただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 介護保険における施設サービスについては、その施設類型ごとに提供できる医療等の内容に応じて、介護保険で給付する範囲、それから医療保険で給付する範囲というのを定めております。

 例えば介護老人保健施設におきましては、入所者の介護に係る費用や日常的に必要な医療行為については介護保険から支払われますけれども、手術や特殊な検査など、密度が高く高額な医療が必要な場合には医療保険から支払う、こういう整理になっております。

 具体的に申し上げますと、例えばみとり期で申し上げますと、特別養護老人ホーム入所者さんの亡くなる前三十日以内に実施した訪問診療に係る費用については医療保険から給付するということを行っております。

 また、今般の令和八年度診療報酬改定におきまして、実態調査の結果を踏まえ、委員の御指摘にも関連すると思いますけれども、他の治療薬で代替できないような生物学的製剤等の薬剤に係る費用を入所中にも新たに医療保険から給付できるようにするなど、施設入所中の要介護被保険者についても、状態や診療の内容に応じて医療保険からも支払う制度としているところでございます。

 このように、介護保険を使っている方への必要な医療や介護の提供につきましては、介護保険制度と医療保険制度の間で役割分担しながら給付を行っているところでございまして、今後も実態等を踏まえながら適切な運用を図っていきたい、このように考えております。

沼崎委員 現状でももちろん請求できる部分はあるんですけれども、高齢の患者さんというのは、慢性的な病気で、また今使われている薬、特にパーキンソン病薬なんかは非常に高額、あるいは膠原病のお薬なんかも非常に単価が上がっているということで、なかなか現状の制度の中ではカバーできない部分が生じてきておりますので、現状制度の中でその部分にも目を向けていただきたいということ。

 今後なんですけれども、複合ニーズがますます増大していく、高齢者が増大していく中で、効率的で切れ目のない支援のためには、非常に大変な作業で大きな話になってしまうんですが、医療保険と介護保険を、医療と介護を一体化して保険化していく、そういった検討がこれから必要になるのではないかというふうに思いますが、この点に関して大臣の御見解をいただきたいと思います。

上野国務大臣 まず、介護老人保健施設などの介護施設で提供されるサービスにつきましては、介護に係る費用、また日常的に必要な医療行為につきましては介護保険で包括的に評価することとなっております。手術や特殊な検査など、密度が高く高額な医療が必要な場合は、医療保険による出来高払いにより評価をしているところであります。

 新たな治療薬など、様々状況変化がありますので、医療保険による出来高払いの給付の範囲、これを必要に応じて見直すことは重要だと考えております。これまでからも、診療報酬改定の際には、新たに医療保険から給付できる薬剤を追加するなど、見直しを行ってきたところであります。

 引き続き、介護施設の入所者等がその状態に応じて必要な医療を適切に受けられるように、介護保険と医療保険を適切に組み合わせながら、制度の運用を検討していくことが大事かと考えています。

 また、介護施設におきまして医療ニーズのある方も含め適切に対応するためには、介護施設が日頃から協力医療機関と連携する取組など、体制面での工夫も重要であろうかと考えております。

 両保険の一体的なという点でなかなか課題は多いわけでありますが、現実問題といたしましては、入所者の方を両制度が一体的に支援をしていけるような、そういった取組というのが大事だと考えています。

沼崎委員 なかなかこの保険を統合するというのは非常に難しい、困難だとは思いますけれども、最終的にはやはり是非そこを目指していただいて、より効率的で一体的な医療と介護の連携というのを是非御判断いただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 人口減少に伴いまして、今、医療アクセスを確保することがこれからますます重要になってくると思います。以前も私はこの点からドクターヘリの重要性もお訴えをさせていただいているんですけれども、現状の時点で、中山間地域の、特に透析など、定期的に対面の治療が、通院がどうしても必要な患者さんというのが非常に逼迫した状態になっているとお伺いをしています。

 これから、特に人口減少が進む地域においては、医療機関が統廃合、機能集約されていく中で、どうしても定期的な通院、対面の通院が必要な方というのが、いなくなるわけではありませんので、問題になってくると思います。

 今、特に、公共交通機関もどんどん、バス便であるとか、先ほどタクシーの、なかなかタクシーが来ないというような御質問もありましたけれども、公共の交通機関も非常に減便や減少、脆弱性が高まる中で、高齢化が進んで、なかなか病院に通院する手だてがない、そういった方も増えております。

 そういう中で、今、例えば透析の病院であるとかは、医療機関が患者の送迎を行って病院に運んでいる。これは当然、足がなければ来ることができない、透析はやめたらもう亡くなってしまうわけですから、病院がそういった送迎を担うケースというのも増えているそうです。

 実際に、どんどん病院が少なくなる中で、送迎の距離が非常に長くなっている。私がお伺いしたところは、三十キロぐらい患者さんを運んでいる、そういった状況もお伺いをしました。この送迎にかかる費用というのは、もちろん病院が全て負担をしなくてはなりませんので、この通院にかかるコストが病院の経営を圧迫しているという状況もございます。

 これから、人口減少下において、医療機関を統廃合、機能集約を進めていく中で、このような通院がどうしても必要な患者さんの医療アクセスの課題についてどのように認識をしていますでしょうか。また、こういった医療機関の送迎にかかるコストが負担になっている、こういった現状についての御認識もお伺いをしたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、今後も人口減少が見込まれる中で、全ての地域、全ての世代の患者が必要な医療を適切に受けることができるよう、医療提供体制を構築する上で、おっしゃるとおり、通院手段の確保というのは重要な課題と認識をしております。

 今年度から策定を進めます新たな地域医療構想においても、都道府県は当然、集約、再編ということもやりますが、併せて、医療へのアクセスの観点も踏まえて医療提供体制の確保、これに取り組むこととしております。

 こうした中、国においては、具体的な通院の支援策、そういうものの一部として、例えば、こども家庭庁と連携いたしました、遠方の分娩取扱施設で出産する妊産婦の交通費ですとか宿泊費の支援など、そういう取組も進めております。

 医療機関への通院手段の確保については、まさに通院というだけではなく、集約化して済むですとか、そういうものがありますので、関係部局、関係省庁、それから地方の自治体、これとも連携をした形で取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。

沼崎委員 分娩施設に関してはそういった支援があるということなんですけれども、透析に関しても非常に今課題になっておりますので、そういったこともこれから是非議論をしていただきたい、前に進めていただきたいと思います。

 今、関係省庁とも連携してというお言葉がありましたけれども、国土交通省さんの方で、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案というのが、改正の予定になっているというふうに認識をしております。その中で、地域交通を効率的に利用する中に、病院の送迎というのも想定をされて進めているというふうに私は認識をしておりますけれども、今後、地域の公共交通との連携を含め、国土交通省さんと厚労省さんの連携した取組というのはどのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。

原田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省といたしましても、通学や通院、買物のための地域住民の方々の移動手段を確保することは大変重要と認識しております。

 国土交通省が実施した調査では、全国に約二千五百の交通空白が存在することが判明しておりまして、令和七年度から九年度までの集中対策期間において、これら交通空白の解消にめどをつけることとしております。

 これまでも、この交通空白解消のために、デマンド交通や自治体が実施する公共ライドシェアに対する支援など、様々な取組を実施してまいりました。これらの取組に加えまして、今般、地域交通法の改正案を国会に提出しております。交通空白における公共ライドシェアの導入に当たって、通学や通院のための送迎サービスを提供する方々からドライバーや車両の協力を得るなど、地域の輸送資源をフル活用する新たな事業を創設して、これをしっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。

 こうした新たな事業の運営も含めて、教育や医療、福祉など様々な分野と連携して、移動手段の確保を図るべく、関係省庁とも連携しながら、あらゆる政策ツールを総動員して交通空白解消に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。

沼崎委員 ありがとうございます。

 是非、病院の送迎というところもそこに併せて考えていただきたいんですけれども、地域医療構想の中で、恐らくそこの、交通空白と、どこの病院のアクセスがというところは、当然、両省庁さんの方で連携してお取り組みをいただきたいと思うんですけれども、厚労省のお考えも併せてお伺いしてもよろしいでしょうか。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましても、まさに地域医療構想の中で、このアクセスの問題をどういうふうに検討していくのかというのは重要な課題だと考えておりまして、国土交通省さんの法改正、こういうものをいただきまして、私どもとしても、医療機関がそれにどう加わるのか、いわゆる医療機関の、今、患者さんサービスとしてやっている送迎、これがどのような形でその地域の方にも協力できるのか、また、逆に、そのほかの送迎なりをやっていらっしゃるものを医療機関はどのように活用できるのかということも含めて検討していきたいというふうに考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 是非、アクセスの問題は重要だと思いますので、御検討をいただきたいのと、現状でもう既に、特にこれからイランの情勢でエネルギー高が予想される中で、非常にこの送迎のコストというのが病院の経営も圧迫しているというお話もお伺いしていますので、そこに対する対応も併せてお願いしたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 患者、市民参画、いわゆるPPI、ペーシェント・アンド・パブリック・インボルブメントについてお伺いをいたします。

 近年、欧米では、研究開発や創薬の過程に患者や市民の意見を取り入れる取組が制度として定着し、患者ニーズを踏まえた研究の質の向上につながっております。

 これを今、先ほど言った、略してPPIというふうに言っていますけれども、例えば、英国では、研究費の申請の段階から患者参画が求められ、審査にも患者さんが関与をしている。また、米国においては、研究課題の設定段階にもう患者さんが関わって、患者から見た価値の高い研究をする、そういった取組がされております。

 一方で、我が国では、この患者、市民参画というのはまだまだ十分とは言えません。そして、研究開発への反映も限定的にとどまっている状況。そして、何よりも、研究者も患者側もこのPPIに関する認識がまだまだ浅いというふうに感じております。また、患者団体からは、人材基盤、患者、市民団体の人材や資金基盤が脆弱であること、研究者と患者をつなぐマッチングの機会が非常に少ない、また、先ほどもお話しした認識不足などが言われております。ただ、患者目線から研究を進める、そういった意見を取り入れていくということは非常に大事な点だと私は感じております。

 政府として、これから、患者、市民参画の現状と課題、どのようにまず認識をしていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

森政府参考人 PPIについてでございますが、委員御指摘のとおり、創薬のプロセスにおいて患者、市民が何らかの形で参画していくことは非常に意義のあることだというふうに考えておりますが、世界的に進んでいる一方で、我が国においてはまだ、疾患あるいは患者団体による偏りが起こっている可能性がある、それから、研究者側のPPIへの理解も不十分であるといった点が指摘されているところでございます。一部の研究分野ではその理解や具体的な取組が進んでいるものの、全体としてはまだまだ更なる進展の余地があるというふうに考えております。

 PPIの推進については、これまでも、AMEDがPPIガイドブックの作成等を行ってきたところでございますが、厚労省においても、これらの成果を踏まえて、臨床研究事業において、臨床研究に関する国民や患者の理解促進のための広報啓発活動を行うことや、臨床研究中核病院が主体となって、臨床研究従事者等に対する教育研修において、医療従事者に対してPPIに関する研修を実施するというようなことは今年度の予算にも盛り込んでいるところでございます。

 こうした様々な段階を通じて、まずPPIを知っていただく、それから、何らかの形でやっていくようなことを取り組んでまいりたいというふうに考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 非常に、海外が随分先を行っておりまして、日本が遅れている状況であります。

 このPPIを実効性があるものにするためには、研究開発の評価制度に是非取り組んでいただきたいというふうに思っておりまして、今後、例えば研究課題の、AMEDのお話が今ありましたけれども、公募や採択あるいは評価において、PPIをその項目に明確に位置づけていくこと、そういった点に関してどのように取り組んでいかれるのか、御意見をお願いいたします。

上野国務大臣 創薬分野に関する研究の実施に当たりまして、患者や市民の御意見を積極的に取り入れることは大事だと考えております。

 病気を抱える患者さん自身のニーズが研究内容に反映をされます、患者の生活の質の向上につながる研究成果が生まれやすくなる、そういった患者さん側にもメリットがある。これはもちろんでありますが、一方で、実際にニーズがある医薬品の開発につながる研究を行うことができる、研究者の側にもメリットがありますので、厚生労働省としても、PPIの推進は重要であると考えています。

 これまで、AMEDによる研究公募の際にも、PPIに関する取組を記入してもらう、そういった取組を行ってきたんですが、今後は、厚生労働省といたしましても、主にAMEDで行われております人を対象とした創薬分野の研究の公募に当たりましては、PPIに関する取組を評価対象とすることを推進をしていきたいと考えております。

 また、先ほど来、審議官からもお話のありましたガイドブック、この更なる普及や好事例の周知などにも取り組んで、より一層PPIが進むように取り組んでいきたいと考えています。

沼崎委員 前向きな御答弁をいただいたと思います。ありがとうございました。

 是非前に進めていただいて、これは、実際にやっていくことで患者側も研究者側も意識が高まって、よりよい制度になっていくと思いますので、推進をお願いします。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 中道改革連合の浜地雅一でございます。

 新しい党になりまして初めて質問をさせていただきます。与党経験もございますし、厚生労働副大臣も務めさせていただいた経験もございますので、しっかり国益にかなう議論を行うように努めてまいりたい、そのように思っております。

 今日は、昨年の厚生労働委員会で成立を図りました薬機法、これについて、今、るる施行に向けて準備が進んでおります。特に、一般用医薬品と言われるものに関しまして様々な改正が行われました。

 一つは、指定濫用防止医薬品という定義をつけ、しっかりと、オーバードーズを含め、対策をしていこうと。一方で、医薬品に対する国民の皆様方のアクセスということも当然大事でございますので、その調和を図った法改正になったというふうに私も評価をしております。

 その中で、もう一つ、実は新しい販売形態が出ました。今日、私が図を持ってきておりますけれども、遠隔販売という形態が前回の薬機法の改正で認められたわけでございます。ちまたでは、コンビニエンスストアにおいて一般用医薬品が買えるようになるというような報道もございますが、実際はそうではなくて、受渡し業務をそういったコンビニ等にお任せしていくということであります。

 今日、私が、遠隔販売のイメージ図ということで、はてなマークをつけさせていただきました。このはてなについて、様々私も聞きたいことがございますので、今日は宮本医薬局長のみにお答えいただきます。何問かしますので、ちょっとおつき合いをいただければと思います。

 当然、右側のこのピンクのところがこれまでの販売形態でありました。薬局や店舗販売業の許可を持っているところが、いわゆる一般用医薬品、医薬品でございますので、販売する権限があるわけでございます。そこには薬局の管理者を置き、当然、資格者、薬剤師であるとか、又は登録販売者を置くことになっております。

 そこでは、情報提供が大事でございますので、しっかりと医薬品の販売のときに、これはどういった用法、用量であるとか、又は、禁忌といって、重複投与になっていないかどうか、様々そこで説明をし、情報をしっかりと購入者に対して周知をして販売をし、受渡しをするということであります。

 また、その後の質問ですね。やはり医薬品でございますので、その場での質問もあるでしょうし、また、家に帰った後にも、薬の飲み方について様々質問があった場合にはそれに明確に答える義務もこの薬局若しくは店舗販売業にあるわけでございます。

 今回は、本来であると薬局や店舗販売業でしか行えなかった一般の医薬品ですね、配置販売業もございますけれども、それを、左側のブルーのところなんですが、緑で書いてありますけれども、登録受渡し店舗というところで受渡しができるようになるということでございます。

 そこで、この登録受渡し店舗の機能について聞きたいんですが、まず、登録受渡し店舗はどういう機能を有しているのか。当然、販売をするには情報提供等が必要でございますので、登録受渡し店舗には資格者がおりません、私は、販売業務は一切含まないというふうに思っております。そして、受渡し業務が適切に行われているかどうか、資格者がいない登録受渡し店舗で適切な受渡しが行われているかどうか、これをどのように担保するのか。具体的には、管理店舗側、右側のピンクの店舗側で登録受渡し店舗側に監査などを行う予定があるのか。この二点についてお聞きをしたいと思います。

宮本(直)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御説明ありました遠隔販売につきましては、令和七年の薬機法改正の、公布後二年以内である令和九年五月までに施行するということになっております。

 登録受渡し業者は、薬局や店舗販売業者から委託を受けて一般用医薬品の受渡しを行うことができるというふうにされておりまして、具体的には、受渡しの実施、及び、受け渡す医薬品の管理などの業務の委託を受けることが可能になっております。

 先生御指摘のとおり、医薬品の販売につきましては、販売時の適切な確認や情報提供など、薬剤師等による専門的な判断が必要であるので、登録受渡し業者が委託を受けられる業務には含まれないということでございます。

 その上で、この業務の適切性を担保するためには、委託者と登録受渡し業者の契約の締結や業務手順書の作成に加えまして、当該手順書に沿って適切に業務が行われているか、委託者による監査の実施などを求めることを想定しております。

浜地委員 今の御答弁の中で、当然、登録受渡し店舗の機能としては販売は含まない、登録受渡し店舗においては受渡し業務そのものと受渡しするための医薬品の管理ということの説明があったところでございます。

 今日、条文を持ってきておりますが、改正されました薬機法の五十七条の二第五項に陳列という条文がございます。ここでは、これは当然、遠隔販売の場合の陳列を明記した条文でございますが、「薬局開設者又は店舗販売業者は、」いわゆる右側のピンクのところの管理店舗ですね、「受渡委託をする場合であつて登録受渡店舗において」、左側の登録受渡し店舗です、「一般用医薬品を陳列するときは、」というふうにございます。

 そうなりますと、この登録受渡し店舗においても、要は一般用医薬品が陳列をされている。当然、保管はしなければなりません。物がありませんと医薬品を受け渡すことができませんが、しかし、ここには、陳列するというふうにございます。

 陳列とは、一般用語で、広く、見えるように並べるということでありますけれども、先ほど御答弁がありましたとおり、受渡し店舗に販売機能がないわけでございますので、私はこの医薬品を一般消費者に見える形で陳列する必要はないのではないかと思っております。なぜなら、当該医薬品を見て初めて購入動機が生じた消費者がいた場合には、まさにそれは販売行為そのものの一端を担っているというふうに私は思うのでありますけれども。

 まず、前提として、この薬機法の五十七条の二第五項において、登録受渡し店舗において陳列をさせることになったその趣旨について、御答弁をいただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 お答えいたします。

 一般的に、薬局や店舗販売業者は販売等の目的で陳列を行うことができる旨が薬機法に定められています、二十四条だと思いますけれども。ここで陳列するというのは、物を見えるように並べることを意味しているというふうに解しております。

 この点につきまして、受渡し委託による販売を行う場合に限ってその陳列をするという権利が制限されるべきものではないことから、御指摘の条項では、薬局や店舗販売業が委託先である登録受渡し店舗内において医薬品が見える形で陳列されること自体は法令上可能であるというふうに考えています。

 一方で、同条項では、受渡し委託による販売の適切な実施のためには、委託元が委託先に陳列を行わせる際に、委託を受けた登録受渡し店舗が委託の範囲を超えて販売しているという誤解を与えないように、医薬品の適切な管理に必要な事項に関して指示を行うことが求められているほか、当該指示によらない、委託先による医薬品の陳列が禁止されているというところでございます。

浜地委員 済みません、ちょっと更問いは余りしたくないんですが、もう一度聞きます。

 私の問題意識は、先ほど局長は、薬機法二十四条で、要は薬局やまた店舗販売業の許可を持っているところに陳列をさせている、ですので、それを登録受渡し店舗においても否定するものではないというふうにおっしゃいましたが、それは当然、二十四条の薬局や又は店舗販売業においては当たり前のことであります。

 しかし、先ほど御答弁がありましたとおり、登録受渡し店舗の機能は販売業務を含まないわけでございますので、受渡し機能しかないわけです。受け渡すために並べておけばいいわけでございまして、私の先ほどの問題意識のとおり、全く医薬品を買うつもりがない方がこの登録受渡し店舗に来て、商品を陳列されているのを見て初めてそこで購入動機を生じて、購入をしようというふうになりますと、私は、これは販売機能の一部が付与されていることになるんじゃないかという問題意識であります。

 その問題意識を受けて、もう一度、なぜ陳列が許されるのか、御答弁をいただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 そこは、先生のおっしゃることもよく検討させていただきたいと思うんですが、私の今の考えでは、要するに、そういう陳列されているものを見て、顧客がこの薬を欲しいと思った、でも、そのときは、そこから買うことはできないわけです。ちゃんと元の薬局とコミュニケーションをした上で、その上でその物を買うということになるわけですから、そうであれば、別段、それは受渡し業者である、受渡し登録販売業であるというふうに言えると思いますので、必ずしも陳列されているものを見て販売動機を生じたからといって委託の範囲を超えているというふうには言えないのではないかなというふうに考えています。

浜地委員 そうなると、今局長は、登録受渡し店舗に商品が陳列されている、これが本当に普通に見える形で置いてあるということ、これは販売ではない、要は、物は置いてあるけれども販売ではないということで整理できるということを言われているんでしょうか。ちょっと私はなかなか理解し難いんですけれども。

宮本(直)政府参考人 まさにそのために、法律の条文の五十七条の五項は、要するに、厚生労働省令で定める必要な指示をして陳列をしなさいというふうに言っているわけでございます。その指示に従わない陳列は駄目だというふうに言っているわけですから、あたかも登録受渡し店舗が自ら販売しているようなことを誤解させるような陳列というのはいけないと思っていて、陳列の仕方についてはいろいろな注文をつけてまいりたいというふうに考えています。

浜地委員 そうなりますと、例えば、確かにこの条文にあるとおり、陳列するときは厚生労働省令で定める事項を指示するということで、何らかの指示をして、販売をしていると誤認されないように行わなければならないということだろうと思います。

 そうなると、陳列をしていてもいいんですけれども、やはり、ふだんから要は丸見えになるのではなく、例えば、ふだんは陳列されている棚にカーテンを閉めておく。そして、消費者が購入を、要は、ほかの店舗で、管理店舗の方で情報提供を受けたものを取りに行くときに、そのカーテンを開けて陳列されている状態を見せるということで私は受渡し機能としては十分だ、そのように思うんですが、ここの具体的な事項をこれから省令で定めるわけでございますが、そういったことをお考えになっているのか、御答弁をいただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 先ほども申し上げましたように、陳列されているものを見て購入動機を生じて、それで、適切なコミュニケーション、例えば電話であるとか携帯からとか、そこに設置されておりますそういう機器から、元請の薬局とコミュニケーションを取った上でその物を買うということがあっても悪くはないのではないかなというふうには思いますので、必ずしもカーテンをかけておく必要はないのではないかなというふうには思いますけれども、先生のおっしゃったことも含めて、今後よく検討してまいりたいというふうに思います。

浜地委員 やはり、そこはなかなか私も納得ができないところで、当然、陳列という条文がございますので、何らかの形で商品は並べなきゃいけないんだろうと思います。当然、受渡しをしなきゃいけないので、受渡しのためにしっかり管理をするために、並ばなきゃいけない。

 それを、そもそも購入をしようと思っていない人までフルオープン、いわゆる、今はコンビニ等におきましては医薬部外品等が並べられておりますけれども、ああいったところに並べたりとか、若しくは、今たばことかございますけれども、ああいったところに本当に商品が見える形で置くというのは、私はやはり販売機能、何のために第一問目を聞いたかというと、販売機能を有しないというふうに局長がおっしゃいましたので、やはり販売機能を有するというふうに取られることは、私は元々の制度趣旨から異なるんじゃないかなというふうに思うところであります。

 そうなると、では、先ほど、販売をしていると誤認させないような指示をするということであります。そのための一つの私のアイデアは、陳列棚において、受取時のみ、例えばカーテンを開けて陳列されている状態を見せるということが一つのアイデアだったんですが、では、逆に、それを行わないとすると、どうやって、並べられているものに対して、これが販売をされていないというふうに認識させる措置を取るのか。もう少し具体的なイメージがあれば、御答弁をいただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 それは今後の議論になるわけですけれども、私の今のイメージとして考えますには、例えば、それを並べているところの棚に表示を設けて、これは何々薬局からの依頼により並べられている商品である、あるいは何々薬局とここにある機械を通じてコミュニケーションすることによって購入が可能になる商品であるというようなことをきちっと並べられているところに表記をするというような形が考えられるかというふうに思います。

浜地委員 これから省令が決まっていくわけでございますので、その辺りの議論もまた今後もさせていただきたいと思っています。

 陳列ということで今議論をさせていただきましたが、そうなると、販売業務を登録受渡し店舗では行わないのであれば、それは一番最初の局長の答弁ですから、当該医薬品の広告、要はいろいろな広告ですね、これは当然行わないと思います。広告は販売行為を行うための広告でしょうから、売るための。これは、広告は行えないということでよろしいですか。

宮本(直)政府参考人 そこもちょっと先生と見解が違うんですけれども、一般に、医薬品に関する許可業態があるかどうかにかかわらず、誇大な内容の広告でなければ、一般用医薬品の広告を行うことは禁止されているものではない、何人に対しても禁止されているものではない。

 他方で、委託先が医薬品そのものを実施しているサービス内容について広告を行った場合に、先ほど先生が懸念されている、委託の範囲を超えて販売していると利用者から誤認されてしまうようなことは避けるべきであり、そのために、広告であっても必要な措置は取らなければならないというふうに考えております。

 具体的な内容については、議員からいただいた意見も踏まえまして、引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。

浜地委員 そうなると、今の局長の御答弁ですと、登録受渡し店舗においては、医薬品の例えば効能、効果をうたうような、又は商品そのものの広告、それは認められるということになるんでしょうか。

宮本(直)政府参考人 今後の議論ですので、まだ詰め切れているわけではないですけれども、例えば、いけない広告としては、POPを出す、うちの店舗でこういう商品を売っています、こういう医薬品を売っています、売っていますというか、こういう商品がありますよ、入手できますよみたいな、要するに積極的な販売と誤解されるような広告というのはいけないのではないかなというふうに思っておりますけれども、その具体的な内容については今後よく検討してまいりたいというふうに考えております。

浜地委員 ちょっと陳列に戻ると、改正薬機法には、五十七条の二で陳列という条文があります。これも私は、当然、薬機法については賛成をしていますので、この陳列という条文をこれから修正をするとか削除するということは現実的ではないと。

 しかし、一番最初に局長が御答弁されましたとおり、登録受渡し店舗は販売業務は含まないというやはり重い答弁なんですね。機能からいかなきゃいけない。趣旨からいかなきゃいけない。そうであれば、私は、陳列というのは、一般的に、広く、見える形で並べることというのが一般用語でございますけれども、この趣旨に従えば、この陳列というのは、一般用語的な陳列ではなく、登録受渡し店舗の機能に応じた陳列に限定されていくんだろう、そのように思っております。また、具体的に省令案が決まってきましたら議論をしてまいりたい、そのように思っております。

 次に、この図でもう一度いきますが、右側に、これは管理店舗でありますけれども、普通は、薬局の管理者、店舗管理者がいるわけでございます。この人たちは常勤を義務づけられております。ただ、今回の遠隔販売のイメージ図によりますと、その下に緑の字で受渡し管理者というものを置くように定められておりますが、この受渡し管理者というのはどういった業務を行う方なのか、御答弁いただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 お答えいたします。

 受渡し管理者が行う具体的な業務につきましては、委託元と委託先の双方に対して手順書に基づく業務の実施を求めるほか、委託先から行われる報告の確認、その報告に基づく必要な業務上の指示の実施、委託元における全体管理者への報告を行わせる方向で検討をしております。

 受託業務の販売が適切に行われるよう、関係者の意見も聞きながら、必要な対応を検討してまいりたいと思います。

浜地委員 そうしますと、この受渡し管理者というのは、資格者がいない登録受渡し店舗で受渡し業務がしっかり行われているかどうか、その手順に従い行われているかどうかをやはり管理する方でございます。

 一般の薬局の管理者や店舗管理者はいわゆる常勤が義務づけられておりますが、この受渡し管理者についても、そうであれば常勤を求めるべきだと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

宮本(直)政府参考人 お答えいたします。

 先生がおっしゃったように、受渡し管理者というのは、薬局の店舗管理者と同じような役割のものであるというふうに考えております。

 現行の店舗管理者は、実地の管理というのを基本としておりますが、勤務シフト等、あるいは退勤後において、一時的な代理を有資格者に管理を委託するということができるようになっておりまして、出勤後に、不在時の管理状況についても店舗管理者がそういった管理者に委託してその状況を確認するという対応も許されているということでございますので、受渡し管理者についても、店舗管理者のそういった業態も含めて、具体的にどういう取扱いにするかということについては検討してまいりたいと思います。

浜地委員 局長、あと三問ぐらい聞きますので、済みません。

 今御答弁されました、受渡し管理者は薬局の管理者や店舗管理者と同じように考えるということであります。実地の管理でありますので基本的には常勤ですが、一時的に離れる場合とかそういったものは許容されているということでありますので、そうなりますと、それと同じようなやはり勤務形態を求めていく方向であるということでよろしいですか。

宮本(直)政府参考人 基本的にそのような方向だというふうに考えています。

浜地委員 もう少し聞きますが、じゃ、この受渡し管理者は、基本的には実地の管理ということをされております。そうなりますと、この左側の登録受渡し店舗の方、例えばコンビニエンスストア、ここが受渡し業務を行えるのは、しっかりとこの受渡し管理者が管理をできる状態でなければなりません。

 したがって、例えば、受渡し管理者が勤務時間を終えて、夜、御自宅に帰られる。そうなった場合には、登録受渡し店舗で受渡しをしてしまうと、適切な受渡しが行われているかどうかの管理等ができないと思います。そうなると、受渡し管理者が当該店舗にいない場合は登録受渡し店舗では受渡しができないということになろうかと思いますが、それでよろしいですか。

宮本(直)政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、店舗管理者も、一時的に不在な場合は代理を置いて対応することができますので、この受渡し管理者につきましても、帰宅後については、適切な有資格の代理の者を置いて対応することは可能であるというふうに考えています。

浜地委員 もう時間になりました。

 今、大事な答弁でありました。結局、受渡し管理者は、当然、勤務時間を終えて自宅に帰っている場合は代理を置くということでありますので、何らかの受渡し管理の責任者がいなければ登録受渡し店舗では受渡しはできないということになる答弁だったと思っています。また時間があるときに引き続き行いたいと思います。

 済みません、たくさん聞きました。ありがとうございました。

 以上で終わります。

大串委員長 次に、阿部圭史君。

阿部(圭)委員 日本維新の会の阿部圭史でございます。

 本日は、所信表明に関する質疑ということで、上野大臣が述べられておられました戦後の慰霊に関連して質問させていただきます。

 我が党は、自衛官の慰霊及び顕彰に関する懇談会というものを三月三十一日に設置をいたしました。戦後の我が国におきましては、有事の際に前線で戦うことになる自衛官の慰霊と顕彰について真剣に考えてこない時代が続いておりました。万一、有事となり、前線に立つ自衛官が亡くなった場合、その慰霊及び顕彰の在り方については特段の定めがないというのが現状です。現下の状況は、自衛官の矜持、誇りに関わる本質的な問題だと考えております。

 ある自衛官いわく、自衛官の処遇改善施策の中で最も重要なことは、誇りを与えることだとおっしゃっています。国民からの信頼と尊敬こそが自衛官が誇りを胸に抱くことのできる最たるものでありまして、自衛官の自衛官たる矜持を向上するためには、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応えた後、国民にその記憶が刻まれること、すなわち死後の慰霊及び顕彰が不可欠であります。

 関係者の皆様の思いを十分に伺った上で、秋頃をめどに提言を出していきたいというふうに考えております。我が党の組織の中で懇談会というものが二つございまして、両方とも代表直轄なんですけれども、一つは、皇室の在り方に関する懇談会というものがございます。そして、今回の自衛官の慰霊及び顕彰に関する懇談会です。自衛官が国のために命を賭して亡くなった場合には、天皇陛下が頭を下げる存在となります。したがいまして、皇室並びとしているということを是非御理解を賜りたいと思っております。

 そういったことを踏まえまして、お伺いをいたします。

 大臣、千鳥ケ淵戦没者墓苑については、閣議決定、無名戦没者の墓に関する件というものに基づきまして設立をされています。無名戦士ではなく無名戦没者となっている理由、ゆえんについて教えていただきたいと思います。千鳥ケ淵戦没者墓苑の慰霊対象は、戦士、すなわち軍人に限るわけではなく、軍人及び軍属であるということでしょうか。もしそうでありましたら、根拠も併せて伺いたいと思います。

上野国務大臣 千鳥ケ淵戦没者墓苑は、昭和二十八年に閣議決定をされました無名戦没者の墓に関する件に基づきまして、太平洋戦争による海外戦没者の遺骨であって御遺族に引き渡すことができない御遺骨について、これをお納めするための施設として建立されたものであります。

 無名戦士ではなく無名戦没者となっているゆえんにつきましては、千鳥ケ淵戦没者墓苑五十年史によりますと、無名戦士というのは、戦士が軍人であり、軍人軍属といった人々を包括しにくいということで無名戦没者の墓という仮称で進められ、最終的に、軍属も含まれる形で千鳥ケ淵戦没者墓苑とされたものと承知しています。

阿部(圭)委員 今のお話を踏まえましてお伺いいたしますが、この千鳥ケ淵の慰霊対象が軍人及び軍属となっている理由なんですけれども、改めて明確にしていきたいというふうに思います。

 これは遺骨を収集するということでございますので、遺骨は、実際、見たときにその遺骨が軍人又は軍属のどちらの遺骨か区別がつかないから、軍人軍属で包括的に慰霊対象としようという消極的な理由であるのか。若しくは、軍属も従軍して我が国の主権と独立のために戦ったという功績に鑑み、当然、国に殉じた方であるから祭るべきだという積極的な理由で包括的に慰霊対象としているのか。どちらでしょうか。

上野国務大臣 千鳥ケ淵戦没者墓苑は、先ほど申しました昭和二十八年の閣議決定に基づいて建立されたものであります。

 戦後、海外における遺骨収集事業において収集した御遺骨につきましては、旧戦域で死亡された軍人のみならず、軍属等の御遺骨も多数含まれておりまして、これら収集した御遺骨のうち、御遺族に引き渡すことができないものを千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨をしているものであります。このように、千鳥ケ淵戦没者墓苑は、国が収集した御遺骨で御遺族に引き渡すことができないものを納骨をしております。

 お尋ねの点でございますが、委員のいわゆる消極的理由なのか積極的理由なのかという点につきましては、必ずしもそのいずれかに割り切れるものではないと考えています。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。実態はそういうふうになっているんだろうというふうに思います。

 無名戦士か無名戦没者かということでお話をさせていただきましたが、無名戦士の墓というものは各国にございます。例えば、大臣はもしかしたら行ったことがあるかもしれませんが、フランスのパリの凱旋門。凱旋門の下に無名戦士の墓というものが建立されておりまして、対象は、第一次世界大戦時の無名戦士、身元の分からない方一名を埋葬し、第一次世界大戦以降の戦死した軍人のみを慰霊対象としています。

 要するに、一名だけ、よく分からない、身元の分からない方を埋葬しているということで、特定の個人を指すわけではないという意味で、戦死した軍人全体の表象として無名という文言を用いているということです。

 そこで、お伺いしますけれども、千鳥ケ淵の閣議決定の無名という意味ですけれども、三パターンあるのではないかというふうに思っておりまして、どれでしょうかという質問でございます。

 一つ目は、身元不明の軍人及び軍属を指しているという意味で無名と使っているパターン。二つ目が、身元が判明しているけれども、遺骨の引受人の親族が不在である軍人及び軍属を指しているパターン。三パターン目としては、身元や遺骨引受人の有無に関係なく、凱旋門のように、特定の個人を指すわけではないという意味で、戦死者全体の表象として無名という文言を用いているのか。この三パターンぐらいに収まるんじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

上野国務大臣 千鳥ケ淵戦没者墓苑における無名とは、主に、さきの大戦において海外の各戦域で戦没された方々で、氏名の判別ができない、また遺族が分からない等の理由で遺族にお渡しできなかった方を指しております。

 そのため、無名には、身元不明の軍人及び軍属、先ほどの一ですね、身元が判明しているが、遺骨引受人が不在である軍人及び軍属、二つ目ですね、が含まれているものと承知をしております。

 また、他方で、三点目に挙げられました、身元や遺骨引受人の有無に関係なく、特定の個人を指すわけではないという意味で、戦死者全体の表象として無名という文言を用いているというものではないというふうに考えています。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。パターン一、パターン二、両方だということでございました。

 そこで、お伺いいたしますけれども、この閣議決定は、太平洋戦争による海外戦没者の遺骨収集についてと定めております。ここで言う太平洋戦争とは、具体的にどの期間とどの戦争のことを言っているのでしょうか。

上野国務大臣 この閣議決定では太平洋戦争という文言が使われておりますが、太平洋戦争という用語につきましては、その始期、終期又は対象地域、これを法令上で定めたものはありません。

 厚生労働省におきましては、昭和十二年七月七日以後における事変を含む今次の大戦において中部太平洋や東南アジアなどの旧戦域で死亡された我が国の戦没者の遺骨を対象として遺骨収集を行い、千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨をしてきているところであります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 ここで言う太平洋戦争というのも非常に難しい文言でございまして、改めてお伺いしますけれども、太平洋戦争という文言自体の定義、法令上の定義はないということですが、ここで言う太平洋戦争と、我が国に法的には唯一存在しております、一九四一年、昭和十六年十二月十日に大本営政府連絡会議において決定した大東亜戦争とは異なるものなのでしょうか。異なる場合には、具体的にどう異なるのか、同じ場合には、どの期間においてどの国とどの地域で行われた戦争を指すのか、教えていただければと思います。いかがでしょうか。

上野国務大臣 昭和十六年十二月十二日の閣議決定においては、今次の対米英戦争及び今後情勢の推移に伴い生起することあるべき戦争はシナ事変をも含め大東亜戦争と呼称するとされているものと承知をしております。

 繰り返しとなりますが、他方、太平洋戦争という用語につきましては、その始期、終期又は対象地域を法令上で定めたものはありません。したがいまして、太平洋戦争と大東亜戦争との関係について申し述べることは困難であります。

 なお、政府が主催をして八月十五日に実施をしております全国戦没者追悼式におきましては、日中戦争以降の戦争による死没者が対象とされております。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 これは法令上の定義が非常に難しいなと思っておりまして、ちょっと御紹介させていただきますと、先ほど来出ております大本営政府連絡会議、いわゆる当時の閣議決定みたいなものですが、今次戦争の呼称並びに平時の分界時期に関する件というものがございまして、ここでは、今、大臣が述べていただいたように、今次の対米英戦争及び今後情勢の推移に伴い生起することあるべき戦争は、シナ事変、すなわち一九三七年七月七日の盧溝橋事件以降を含め、大東亜戦争と呼称するというふうになっております。戦時はいつかといいますと、盧溝橋事件以降ではなくて、真珠湾攻撃以降、昭和十六年十二月八日以降というふうになっているということでございます。ちょっとそこに時期の違いがあるということですね。

 それに加えまして、独立、一九五二年四月二十八日、サンフランシスコ講和条約発効直前の五二年四月十一日に公布されましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律というものがございまして、ここに書いてあるものは、ポツダム宣言の受諾に伴って発せられた命令、すなわちGHQの命令に関しては、別に法律で廃止又は存続に関する措置がなされない場合においては、この法律施行の日から起算して百八十日間に限り、法律としての効力を有するものとするとされているということです。

 すなわち、大東亜戦争という呼称は、GHQの神道指令によって禁止をされておりました。英霊という単語も、GHQが発しましたプレスコードに基づく検閲の要領に関する細則、これに基づいて禁止をされていたわけですけれども、これを含めて、全てのGHQの発した命令を廃止するという法律でございます。

 日本政府は、その後、大東亜戦争ですとか英霊ですとか、そういった呼称の廃止のものについて、廃止、存続、いずれの措置も取っていないということでございますので、現在ではこれらのGHQ命令は失効しているというのが法的な解釈になると思います。

 そうしましたら、法的に正当性のあるものとしては大東亜戦争、太平洋戦争は法的な定義がないということですので、大東亜戦争がやはり法的にはきちんと定められているものなんだろうというふうに理解をしてございます。

 その上で、また改めてお伺いしますけれども、この閣議決定は太平洋戦争についてということでございますので、千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨されている御遺骨は厳にいわゆる太平洋戦争の戦没者に限られているという理解なんでしょうか。

上野国務大臣 千鳥ケ淵戦没者墓苑には、さきの大戦において海外の各戦域で戦没された方々で、氏名の判別ができない、また遺族が分からない等の理由で遺族にお渡しできなかった御遺骨をお納めをしておりますほか、日中戦争以前の満州事変等における御遺骨も納められているものと承知しています。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 そうしましたら、太平洋戦争についてとは書いているものの、なかなか御遺骨を区別するというのは、時期で難しいと思いますから、そういったことで満州事変についても含まれているというふうに理解をいたしました。ありがとうございます。

 次にお伺いしますけれども、この慰霊の対象なんですが、千鳥ケ淵戦没者墓苑の慰霊の対象というのは、納骨されている方のみを対象としているんでしょうか、それとも、納骨されているもの以外も慰霊の対象としているんでしょうか。この場合、どの範囲まで慰霊の対象としているんでしょうか。

上野国務大臣 千鳥ケ淵戦没者墓苑につきましては、先ほど来申し上げている御遺骨が納められておりますが、墓苑の来訪者の方がどのような方に思いを致し慰霊の対象とされているのかについては、来訪者それぞれの思いに委ねられているものと考えております。

 そのため、千鳥ケ淵戦没者墓苑について、納骨されているもののみを慰霊対象としているのかについては、お答えをすることは控えたいと思います。

 なお、千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式は、海外で新たに収容した御遺骨のうち、身元が判明せず、御遺族に引き渡すことができないものの納骨を行うとともに、墓苑に収められている御遺骨に対して拝礼を行うという趣旨の下に実施をしているものであります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 時間もなくなってきましたので、一問飛ばさせていただきまして、次に、戦死自衛官の取扱いについて伺いたいと思います。

 今お話しいただいたことも踏まえまして、やはり、リアリズムに基づいて、正面から有事への備えを議論していくべきだと思っております。有事においては、必ず戦死者が出ます。専守防衛を掲げる我が国は、その領域が戦場になることは避けられないことになるかもしれないということで、それは、本土防衛戦を戦っているウクライナ戦争を見れば、火を見るより明らかではないかと思います。

 そこで、防衛省にお伺いいたしますが、今後、有事が発生し、自衛官が戦死した場合、戦地における死亡認定は誰が行うのでしょうか。法的根拠等の何らかの定めはあるのか。若しくは、医師、医官不在時は、戦地において誰が死亡認定を行うんでしょうか。

吉田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 まず、自衛隊の運用として、死亡の認定は医師又は医官が行うこととしております。他方で、医師又は医官が不在時に当たりましては、迅速性が求められる一方で、これは正確性を担保することが必要でありまして、医師ではない隊員や部隊の指揮官がこれを代行するということは、現時点では想定をしておりません。

 そのため、隊員が現場状況の記録や御遺体を保全するために必要な措置を行って、現地において医師を派遣して死亡認定を行う場合と、それから、後に御遺体が御帰国をされてから医師において死亡認定を行う場合というものを想定をしております。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 厚労省にお伺いしますが、現在、いわゆる死亡認定又は死亡の判断というものは、何の法律のどの条文に基づき、誰がどのように行うことになっているんでしょうか。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 死亡の判断について、明確に定めている法律はないと承知をしております。

 なお、御指摘の死亡認定が医師法第二十条に定める診察又は検案を意味する場合には、医師のみが行うことができるものと承知をしているというところでございます。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 これはちょっと更問いですけれども、死亡というものに関する法的な定義はあるんでしょうか。

森光政府参考人 法律上、死亡の法的定義というものはございませんで、医療現場では、死の三徴、こういうものをもって死亡宣告というふうに通例しているというふうに承知しております。

阿部(圭)委員 死の三徴は、私も医療現場で、瞳孔の散大、心臓停止、自発呼吸の停止ということで死亡認定判断をしてまいりましたけれども、死の三徴も法的根拠はあるんでしょうか。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 死の三徴について、法的な定義はございません。

阿部(圭)委員 今後、有事が発生し、自衛官が戦死した場合に、自衛隊員が死亡の判断をするということは、先ほど医師法の話がございましたが、基本的に明確にその死亡の判断を誰が行わなければならないかという法律の定めはないということですが、ちょっと論点はずれますけれども、死亡診断書を書くことは医師でなければならないということは医師法に書いておりますけれども、自衛隊員が死亡の判断をすることは医師法に反するとは言えるんでしょうか。

森光政府参考人 先ほど答弁をさせていただいたとおり、医師法に基づき、医師でなければ診断に基づく診断書又は検案に基づく検案書を交付するということはできませんが、死亡の判断、これを行うことについては医師でなくても行い得るものと承知をしております。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 前の大東亜戦争のときについてお伺いしたいと思いますが、このときは、軍人が戦死した場合、戦地における死亡認定は誰が行っていたんでしょうか。その法的根拠。そして、医師でなくてもよかったのかどうかについてお聞かせいただきたいと思いますが、厚労省、お願いします。

伊澤政府参考人 御指摘のような、戦時中、戦地において軍人の死亡の確認を誰が行っていたかについて、厚生労働省の方で戦没者遺族等の援護のために保管している、旧陸海軍から引き継いだ資料を確認した限りにおいては、関連する明示的な記載は見つからなかったところであります。

 なお、戦時中の戦地における死亡時の手続に関しまして、現在、国立公文書館で閲覧できる旧陸軍の留守業務規程によりますると、戦闘等による死亡者や生死不明者については、当該軍人の所属する部隊の部隊長が軍の人事担当部署に通報するものとされていたと承知しております。

阿部(圭)委員 時間が来ましたので最後にしたいと思いますが、今後、有事が発生し、とある戦地で自衛官が戦死した場合、当該戦地において、医師又は医官はおろか、看護官等の衛生職種さえ不在であることが想定されます。したがって、部隊指揮官が死亡認定を行うなどの対処を法的に担保する必要があると思いますが、防衛省の見解はいかがでしょうか。

吉田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 今議員から御指摘がございました点につきまして、先ほどお伝えしたように、医師ではない隊員や部隊の指揮官がこれを代行するということは、現在は想定をしていないという状況ではあります。

 又は、前提として、やはり自衛官が命を落とすようなことがあってはならない、そのための防衛力の強化であります。

 しかし、安全保障環境が大変厳しくなっている現状において、自衛官の安全や命を守ることと同時に、冒頭、議員から矜持というお言葉もありましたが、自衛官や御家族の名誉や誇りを守るということも大変重要でございます。

 あらゆる可能性に対応していかなければならない中で大変重要な御指摘をいただいたと思っておりますので、防衛省としては、この議員の御指摘を踏まえながら、今後、早急に関係省庁と連携をして、どのような措置が可能なのかということを対応してまいりたいと思います。

阿部(圭)委員 是非お願いしたいと思います。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、岡野純子君。

岡野委員 国民民主党の岡野純子と申します。

 今期、厚生労働委員会での初めての質疑でございます。質疑の機会をお与えくださいまして、ありがとうございます。

 また、政府、厚労省の皆様、そして委員長を始めとする委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まずは、他の予算委員会などでも、前者からもございますが、ナフサの供給不足によります医療、とりわけ、私は透析医療の影響について本日はお聞きをしたいと思っております。

 まず、これまで、政府の皆様、必要量の確保ですとか代替製品の調達に向けて、御尽力をされてきたということには心より感謝と敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

 その上であえて申し上げたいのは、日本全体としては足りているというこれまでのマクロの説明と、透析患者の皆さんの、自分の次の透析は受けられるのか、来週の三回はちゃんと維持されるのか、あるいは今年の夏はちゃんとできるのかというミクロの不安の間というものには、どうしても温度差があるように感じているところです。我々政治家ですから、地元に帰りましたら、そうしたミクロの不安というか、当事者の生の声に触れることが多々あるわけです。しかも、今、SNSなどで玉石混交の情報が一瞬で拡散をする時代であります。中には、皆さんも目にされていると思いますけれども、不安をあおるような投稿もございます。

 また、直ちに影響はないということをこれまで繰り返し政府としておっしゃっていますが、原発のときも、コロナのときも、この文言がずっと使われてきたということで、国民の中には、本当に厳しいときほど逆に混乱を避けようとしてこの文言を使っているんじゃないかというような、この疑心暗鬼というのは非合理なものではなくて、やはり過去の経験からくる心理なんだろうなというふうに思います。

 そうした情報空間に置かれた当事者たちが、一体今、何を信じればいいんだと、どれほど心細い思いをされているかということに我々は想像力を持つべきなんだろうと思っているところです。ですから、私は、今必要なのは、安心してください、影響はありません、必要量、全体としては足りていますという大きなばくっとしたメッセージではなくて、具体的な一次情報が必要なのではないかと考えています。

 そこで、大臣にお伺いをしたいと思いますが、今回のような事案におきまして、厚労省としてのマクロの安心と当事者が持っているミクロの不安のずれというものをどのように認識をされていて、こういった局面ではどういった説明の在り方が必要だと考えていらっしゃるのか。私は、説明転換が必要だと考えています。お答えください。

上野国務大臣 まず、医療物資等の安定供給に関する国民の皆さんの不安を払拭するために、適切な情報発信をしていくことは重要だと考えています。このため、先日、厚労省における中東情勢関連の対策を集約をいたしましたポータルサイトを立ち上げました。この中で、医療物資等の安定供給に関する対応状況も公表いたしまして、今後も定期的に更新をしていくこととしております。

 経産省からは、医療物資等の原料となるナフサにつきまして、委員からもお話がございましたが、日本全体として必要となる量を確保していると聞いております。

 これまでの製造販売業者等に対する一斉調査の結果も踏まえ、現時点においては、医療物資等について直ちに供給が滞る状況ではないというふうに承知をしておりますが、一方で、流通の目詰まり等によりまして供給不安が起こっている場合には、それに適切に対応すべく、厚生労働省としても情報収集や対策検討体制の強化を図っているところであります。

 こうしたことで、例えば注射器のシリンジなど、流通の目詰まりの解消を既に行っています。そうしたきめ細やかな対応状況についても、積極的な情報開示を含め、適時適切な正確な発信を続けていきたいと考えています。

岡野委員 ありがとうございます。

 大臣は全体を見なければならないお立場です。ですが、政府の皆さん、官僚の皆さんが見えている世界と、あと患者さんが生きている現実の世界というものは、やはりそこには違いがありますので、そこに橋を渡すような情報提供というものを求めていきたいと思っています。不安には根拠を持って応えていく、その姿勢を求めるために次の質問に参りたいと思います。

 リスク評価の現状についてです。

 厚労省は過去に、医薬品そして医療機器のサプライチェーン調査におきまして、透析関連装置及び消耗品を生命維持に著しい影響を及ぼす可能性が高い機器として選定をして、製造販売業者からティア1、ティア2、ティア3へと遡って実態調査を行ってきています。

 調査資料を見ておりますと、透析関連装置につきましては、代替サプライヤーが存在しない部材、あるいは複社化できていない部材、つまりは、一社あるいは数社で賄っていて、そこで目詰まりや供給困難が起こってしまうと全国的に治療に影響が出てしまう、そういった脆弱性というものも既に示されている、そうした透析医療なわけですが、厚労省は、今回の局面におきまして、先ほども若干お答えいただきましたが、透析医療の個別のリスク評価というものを行っているのか。

 また、そのための把握が必要ですが、それは透析装置とか消耗品といった大まかな単位でやっていらっしゃるのか、それとも、どの部材の、どの消耗品の、どの供給段階がボトルネックになっているのかという、どれぐらいの粒感か、どれくらいの粒度で把握をしていらっしゃるのか。そして、その情報収集というのは、製造している供給側と、使用している、需給側双方の状況をそれぞれどういったルートで行っていらっしゃるのか、伺います。

森政府参考人 サプライチェーンの調査についてでございますけれども、透析関連装置を含めて、命、健康を守る医療機器等の安定供給を確保するために、現在、製造販売業者から卸、医療機関に至るまで、サプライチェーン全体にわたる情報収集、リスク把握を行っているところでございます。

 医療機器等については、医療機関や企業からの情報提供窓口を設置しているほか、製造販売業者等への積極的なヒアリングに加え、広域災害救急医療情報システム、いわゆるEMISと呼んでおりますけれども、これを利用して、約一・三万の病院等からオンラインで随時報告できるシステムの運用を本日から開始するなど、様々なルートで、川上から川下に至るところできちんと供給状況の把握を行っているところでございます。

 仮に問題があるようなものが生じた場合については、個々の製品の個々の部材ごとに、どこで生産されていて、本当にどこで目詰まりが起こる可能性があるのかということも含めて確認しながら、必要な対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。

岡野委員 ありがとうございます。

 今の御答弁をお聞きしていて、個々のという言葉を繰り返されたこと、あと、起こってからではなくて、可能性の段階から予測をして行動を取られているということが分かりまして、心強く感じました。

 また、昨日の本会議のときの総理の答弁にも、EMISが本日からという答弁がございました。非常にこれも傾向を押さえる上では有効なんだろうなというふうに思います。

 ただ、EMISは、有床の、ベッドがあるところだけが対象で、一・三万というのは傾向として把握するには非常にいいと思うんですけれども、やはり透析というのは、どんな小さな病院であってもその一事例が個人の命に直結しますので、EMISで情報を得ているから把握ができているということではなくて、あくまで細部までアンテナを張り続けていただきたいということをお願いしたいと思います。

 私、このテーマを今回取り上げているのは、できていないじゃないかと責めたいわけでも、不安を当然あおりたいわけでもありません。とにかく、この今日いただいた質問の時間を使って、自分の命に不安を感じていらっしゃる透析患者の皆さんに少しでも安心していただけるような、そういった質問にしたいと思いまして、ですから、昨日も問取りのときに、なるべく力強い御答弁をいただきたいということをお願いをしました。

 というのが、やはりこの間、メールだ、LINEだ、いろいろな形で当事者の方からいろいろな声が来るわけです。中には、もう少し生き長らえたいですとはっきり書いている方もいらっしゃったりとか、健常な皆さんは食べて寝れば生きていけるけれども、自分は特定の条件を満たさないと生き続けることができないんですと書いてあるような、そういう切実な声をずっと受けて、やはり私たちはそこに想像力をしっかりと働かせなければならないなと思っております。

 ここまでの御答弁で、世界中から供給することの様々な努力をしてくださっていること、あるいは国内の状況をしっかりと把握をしようとしてくださっていること、分かったんですが、あくまで、備えあれば憂いなしだとなればいいんですけれども、もし万一、これは日本だけでどうこうできるものではありませんから、万一、供給が不足をした際に、その更なるバックアップ体制というものを考えておくことも重要なのではないかと思います。

 政府は防災業務計画の中で、災害時は人工透析についての医療が滞らないようにという体制づくりを既にされています。今、当然災害ではないんですが、平時と有事の間のようなこの状況において、今回のような局面でも仕組みづくりができないかなということを伺いたいと思います。

 例えば、メーカー、卸、医療機関の連絡体制をつくっておくとか、もし偏在が起きたときの融通のスキームを考えておくとか、自分のいつもの病院が駄目なときの他の施設でのバックアップ受診ができるような体制とか、自治体、学会そして関係団体に役割分担を考えておくとか、こうした平時の備えとして準備をしてはどうか。可能であれば、それを当事者の方に示すことで更なる安心につながると思いますが、お考えをお聞きします。

森政府参考人 透析回路を含めて、いざというときの備えをきちんとやっておくようにという御指摘だと思っております。

 当然、本当に足りない場合については、おっしゃるように、災害のときのことも参考にしながら考えなければならないというふうに考えておりますが、今の時点で供給に滞りはないというふうに考えておりまして、しかも、ここから先も、直ちに滞る状況ではございませんが、引き続き、一斉点検を通じて的確に状況を把握するとともに、もし必要があれば、他の流通経路からの融通支援、それから代替製品の調達等を通じて、きちっと必要なものというのを確保していきたいというふうに準備しているところでございます。

 総理からも当然、命を最優先に今回の取組をやっていくようにという指示を受けているところでございまして、しっかりと、透析の患者さんが困らないように、必要な準備と対応策というのを講じていきたいというふうに考えております。

岡野委員 今は滞らないから大丈夫だからというような御答弁だったので、そこは若干残念というか、それはもう分かっている。これまでの答弁で、それは我々は再三聞いているんだけれども。

 このまま停戦がうまくまとまればいいなと思いますし、ホルムズ海峡を通れるようになれば、それで、結局杞憂で終わったねということでもいいと思うんです。ただ、もう一回言いますけれども、備えあれば憂いなしですから、ここまでしなくてもというぐらいやってもおかしく無駄じゃないくらい、それだけの不安を抱えている方がいらっしゃるということを、ではお伝えをさせていただきたいと思います。

 では次に、医療用品への優先調達について伺いたいと思います。

 石油化学品、確かに多くの産業で使われていますが、医療は他産業とは決定的に違うものであります。言わずもがな、医療が止まれば、地域社会そのものが止まります。医療を守ることは、社会を守ることだと考えています。

 医療用品への優先調達については、経済産業省所管の石油需要適正化法ですとか、消費者庁所管の国民生活安定緊急措置法の存在というのがこれまでの答弁でも示されてきております。一定の手当てになり得るとは思いますけれども、現行法では医療用途への優先調達の根拠としては十分とは言い切れないということもまた承知をしているところです。

 他産業を単純に犠牲にするということではなくて、社会全体を守るための最適化として、医療品、医療原材料への優先供給を制度化する必要があるのではないかと考えますが、大臣、この点はいかがでしょうか。

上野国務大臣 現在、経産省に対しまして厚労省からの情報提供をさせていただいて、医療分野等についての優先供給、この働きかけをしていただく、そうしたこととなっております。実際にもう既に幾つかの医療物資につきましては、経産省に協力をいただいて、優先的な供給をいただくことで目詰まりの解消に至ったところでございます。

 現在の枠組みでもこのような対応をしているわけでありますが、製造産業に関わることでありますので私の所管を超えているとは思いますが、今後とも経産省とは密接に連携を取って、当省としては優先的な供給をお願いをしていきたいと考えています。

岡野委員 今の御答弁は、連携を取れることによって今のところ回っている、困っていないというような、そういうことなのだと思います。

 今の状況、先ほど滞ることはないというような御答弁を受けて、今の状況だったらということだと思うんですけれども、私、全ての質問を備えという意味で言っておりますので、必要ということであれば、繰り返し申し上げますけれども、決して医療を特別扱いということではなくて、やはりそれが社会全体の損害を最小化すると私は思っております。やはり、平時の市場任せでは解決できないことを解決するのが国家ができる守り方だと思いますので、私としては、今は回っていたとしても、今後に向けて制度設計を前に進めていただけたらなということ、これは要望で終わりたいと思います。

 では、続きまして、がん検診の推進について、項目を変えて伺っていきたいと思います。

 浪花節を申し上げたいわけではないんですが、私は学生のときに母をがんで亡くしておりまして、つい先月も同年代の友人を、ママ友をがんで亡くしました。ですから、この病気の恐ろしさも、残される家族の悲しさも、あと子供を残して逝く親の無念も、当然本人の苦しさも、そういうものが解像度高めに分かっているような気持ちになっているわけです。こうした思いをする人を減らしていきたいなという強い気持ちがあります。

 我々、この厚生労働委員会では、どうやって持続可能な医療提供体制をつくっていくかということをよく議論をしているわけですけれども、やはり健康寿命と本当の寿命のその差を一日でも少なくするというのが一番の、三方よしな本当の目指すべきゴールなんだということを考えれば、検診というものが持つ役割というのは、たかが検診、されど検診だと私は思っておりまして、極めて大きいんじゃないかというふうに感じています。

 今日は所信への質疑ですけれども、受診率六〇%と明確な目標を示されたわけですが、単に多く受けてもらうということだけではなくて、必要な人に必要な検診を適切な質で届けるということが肝要なのではないかと思います。

 その上で、まずは現行のがん検診につきまして、厚労省としてどういった課題があると総括をされているのか、意識合わせとして伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 がん検診の課題についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、がん検診のあり方に関する検討会並びにがん対策推進協議会における議論を踏まえまして、令和五年三月に閣議決定されております第四期がん対策推進基本計画の中で、その課題として整理をしているところであります。

 その中で三点ございまして、がん検診の受診率の正確な把握と受診率を向上させること、二つ目に、検診の結果、精密検査が必要と判断された方の精密検査受診率を向上させる必要があること、加えて、社会全体としての死亡率の減少効果が科学的に確認されたがん検診の手法の検討、これが必要であること、この三点が挙げられているところでございます。

岡野委員 ありがとうございます。

 今、三つ挙げていただきまして、一つ目に受診率の把握というものを挙げられました。

 私も、第四期がん対策推進基本計画、あと、その関連検討資料を拝見しておりますと、がん検診の受診者のうち、三〇%から七〇%が職域で受診をしている、職域は継続的に把握する仕組みが十分でない、そういう整理がされていました。つまりは、職域における実施の割合や検診の種類、対象者数、受診者数を把握する仕組みが不十分とここには書かれていたわけです。通告の義務がないからだ、任意だからだと思うんですが。

 では、その把握の精度というのを今後どのように高めていかれるおつもりなのか。パーセンテージをおっしゃっていますけれども、やはりそこのまずは数の認知ということをしっかりしていく必要があると思いますが、その点はいかがでしょうか。

大坪政府参考人 お尋ねの受診率の把握であります、これにつきましては、現在、国民生活基礎調査を中心に行っているわけでありまして、これというのは、先生御指摘のように、職域におけるがん検診も含まれているという数字になっております。

 国民生活基礎調査というもので、抽出された三十万世帯の世帯員の調査を三年ごとに行っているわけでありますが、この調査のやり方そのものにつきましては、自己申告に基づく抽出調査、これは諸外国、先進国を見られましても、米国、フランス、オランダといった、日本と同様の自己申告に基づく抽出調査を実施しておりまして、検診受診率の把握の方法としては国際的に見ても妥当な方法なんだろうというふうに思っております。

 これにつきましては、他の自治体から届け出されている地域保健・健康増進事業報告というものを別途持っているんですけれども、それと突き合わせましてもほぼそごがないということで、自己申告でありましてもおおむね正確であろうというふうには思っているところであります。

 その上で、一体的に自治体に職域の部分につきましても把握をしていただく、これはとても必要なことだと思っておりまして、我々としては、令和七年七月の指針、これを改正をいたしまして、市町村は住民の職域等がん検診の受診状況を把握するよう努めるといった規定に変えさせていただいたところでありまして、市町村におきましては、健康増進法に基づく自治体検診のみならず、職域に関する検診のデータも把握するようにお願いをしているところであります。

岡野委員 分かりました。

 先ほど、基礎調査で出ている数字というのが、突合しても正確性が高いんじゃないか、確度高いということでした。ということは、第四期の基本計画にあった、受診率の把握が課題だとおっしゃっていたことは、あらかたクリアできている状態という御認識でよろしいですか。

大坪政府参考人 我々が持っております国民基礎調査、この精度につきましては、それほど自治体からの報告とそごがございませんので、間違ってはいないのであろうというふうには思っております。

 ただ一方で、職域で受けていらっしゃる数字、こういったことについても、より精緻に把握していく必要はあろうかと思っています。

岡野委員 ありがとうございます。

 先ほど、昨年七月に自治体も職域の範囲を情報収集するようにというような指示も出されたということで、では、数はしっかりと押さえてある、そういった御答弁だったと思います。

 数が把握できているということであれば、次は、質といいますか、その把握の内容について伺いたいと思います。

 昨年の検討会で、職域検診を含めた住民の受診状況を集約し、市町村が一体的に管理する方向性というのが示されています。まだまだアナログな検診の世界に、デジタルの力で恐らく質の向上を目指す、そういう取組なんだろうと思いますが、その設計について伺いたいと思います。

 今後、国はどの程度の情報までを追える仕組みをつくろうとしているのか。また、情報の得方ですね、自己申告だとか、病院からデータをもらうとか、その辺の得方ですとか、スケジュール感などを伺いたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来繰り返しになる部分もございますが、令和七年七月に指針を改正をいたしまして、市町村は住民の職域等がん検診の受診状況を把握することで、職域等がん検診情報を踏まえた適切な受診勧奨及び精密検査勧奨に努めることと明示をして、推進を図っているところであります。

 市町村が中心となって住民のがん検診を推進するに際しまして、自治体検診のデジタル化、これも重要だ、課題だというふうに考えております。昨年度から、一部の自治体において、受診対象者への受診案内、また、検診結果の管理等につきまして、デジタル技術を活用したモデル事業を開始したところであります。令和十一年度以降の本格実施に向けて、モデル事業を通じて、検討を進めてまいりたいと思っております。

岡野委員 済みません、モデル事業でというお話だったんですけれども、情報はそもそも自己申告でやっていくのか、あるいは、職域だけではなくて、医療機関でやっている場合もありますから、そういった組織それぞれから提出をしてもらうのか。恐らく、そうなると、個人情報でいろいろな問題も絡んでくると思うんですけれども、その辺はどんなふうに整理をされていますか。

大坪政府参考人 ありがとうございます。

 昨年改正した今の段階におきましては、自己申告ということで市町村から職域も含めた受診率の把握に努めていただくこととなっておりますが、今後はデジタル技術を活用して、例えば自治体DXの検診、こういったものが今後構築されていくわけでありますが、その進捗状況などを見据えて、将来的には、自治体検診DXの基盤を活用して、本人同意の下、住民の職域等がん検診の受診状況が把握できるようにしてまいりたいと思っております。

岡野委員 どうもありがとうございます。

 では、この件、最後にお伺いしたいのは、結局は、一番大切なのは受診率を上げていくということでありますと、何で人は検診に行かないのかというところの深掘りをしていかなきゃいけないんだと思います。

 人はなぜ検診に行かないか。それは無関心だからなのか、意識が低いからなのでしょうか。私、地方議員が長かったものですから、生活者の皆さんの行かない理由、いろいろな方から聞いたことがあります。若い人はほとんどが、まだまだ若いから大丈夫、自分の健康を過信されている。子育て世代は、子供がいっぱいいてそんな暇がないとか、子供を預ける先がないとか、預けてまで行く必要がという声が多いです。非正規雇用の方は、働かなければ、受診に行くとその分収入が減ってしまうからという声があります。高齢者の皆さんは、行くと何か見つかるだろうから、行くのが怖いという声が多かったりするんですけれども。つまり、受診をしないわけではなくて、受診できない、そういった行動や生活の構造というものがあるんだと思います。

 じゃ、現場は何をしているかというと、うちの自治体なんかはいまだに封書が年度初めに送られてきて、行かなければ年度中に二度目、三度目を送ってというようなアプローチをしたり、書いてあることは、受診に行こうとか、あなたのためですとか、今はがんは初期で見つけたら治る病気になりましたとか書いてあるんですけれども、おおよその人はもうそれは知っている。知った上で、行け行け、受けるべき、正論で北風で出させようとするよりも、行けない理由を制度として潰していってあげる太陽のようなやり方の方が、恐らく伸びるんだろうなというふうに感じています。

 厚労省では、受診率向上策として、行動科学やナッジの活用、対象者の属性に応じたアプローチが議論されていると基本計画には書いてありました。では、現場は果たしてどうなのかというところですけれども。

 そこで伺いますが、こうした現場の声を国としてどのように収集し、分析し、そして政策に展開をしていらっしゃるのか。単なる啓発にとどめずに、実際に受診機会を拡大する制度設計にどのように結びつけていこうと考えていらっしゃるのか、伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 がん検診を受けない理由というものは、令和五年に内閣府が世論調査をやっておりまして、まさに先生が今おっしゃっていただいたようなものが多うございまして、一位は、医療機関を症状があればいつでも受診できるから、二番目が、費用がかかり経済的に負担だから、三番目が、受ける時間がないから、こういった理由でございました。

 我々といたしましては、向上させるために様々工夫をしてまいりまして、受診率向上施策ハンドブックというものを三版にわたって作っています。その中では、大規模実証事業の中で自治体の好事例を集めたりですとか、第二版では、ナッジ理論に基づいて、背中を押してあげるために有効な施策、こういったものを様々収集をする中で、この向上ハンドブックというものを更新させてきているところであります。

 先生がおっしゃったとおりのことでありますが、まず、症状の自覚がなくても、検診をすることで死亡率減少効果が確認されていますといったことをお伝えしたりですとか、無料のクーポンをお配りしている自治体があったりですとか、あとは、がん検診の費用補助を実施できるように地方財政措置を行うなど、様々国としてできることに取り組んでまいりたいと思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 時間ですので、終わります。ありがとうございました。

大串委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。日野紗里亜君。

日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。

 質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 冒頭、大臣、通告にはないんですけれども、大臣の率直なお気持ちを聞きたいので、一言だけよろしいでしょうか。

 大臣は、今とてもお元気なんですけれども、将来もし介護が必要になったときに、どんな方に御自身の介護をしてもらいたいと思うでしょうか。お願いします。

上野国務大臣 済みません、突然の御質問ですし、なかなか現実的には今考えておりませんので、ちょっとお答えすることは難しいです。

日野委員 とても大臣が元気だということがよく分かりました。ありがとうございます。

 私、これまでも介護について繰り返し質疑を重ねてまいりました。高齢化が進む中で、介護崩壊に拍車がかかっています。介護認定が下りているのにもかかわらず、施設に入居できない、通所や訪問といったサービスも受けることができない、そのしわ寄せは家族に及び、仕事をしながら子育てや介護を担う、ダブルケアの中で心身をすり減らし、結果として離職を余儀なくされる方も少なくありません。

 国民の幸福度の低下と同時に、労働力の喪失という経済損失も生じている、これは国家的課題であります。原因は、少子化でございます。子供が生まれにくい国になってしまったことに全て起因しています。すぐに解決することは不可能でありますが、二〇四〇年に高齢化のピークを迎える我が国において、介護を持続可能な仕組みとして維持していく責任が私たちに求められています。

 そのために、適正に介護を営む事業者が、事業所がしっかりと守られることが不可欠です。事業所が立ち行かなければ、そこで働く人も、サービスを必要とする利用者の方も、その御家族も、守ることができません。

 本日は、介護事業所を守るという観点から質疑をさせていただきたいと思います。

 大臣もおっしゃっていましたとおり、昨今の物価上昇と深刻な人材不足により、医療、介護、障害福祉の現場は本当に厳しい状況にあります。こうした中、補正予算の医療・介護等支援パッケージにより迅速に支援を届けるという方針は、緊急避難的な対応として一定の評価をしております。

 ただ、その中身と今年度の改定を見たときに、私は大臣所信との間にずれを感じております。大臣は所信で、職員の処遇改善だけでなく、経営の安定、経営の改善と述べられていました。

 一方で、今回の支援の中心は、処遇改善加算など人件費にひもづく仕組みです。処遇改善加算は、賃上げには資する制度でありますが、使途が厳しく限定されており、事業所の経営全体を支えるものではありません。つまり、賃上げ支援ではあっても、経営の安定や改善にはつながりません。

 現場からは、人手不足により、前年度は取得できていた加算が今年度は取得できなかったという声も上がっています。本来、賃上げを目的とした制度であるにもかかわらず、人手不足が深刻な事業所ほどその恩恵を受けられないという制度の逆転現象が起きています。

 他業種においては、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けて、価格転嫁や取引の適正化が明確に位置づけられています。介護業界においては、賃上げによる人件費の増加や物価高による経費増が生じても、それを価格に転嫁する仕組みが存在しません。その結果、事業所の収益は悪化し、賃上げどころか事業継続そのものが危ぶまれる状況にあります。

 処遇改善加算の引上げによって賃上げを進められるのは、あくまで一部の事業所に限られる措置です。経営の安定に直結する基本報酬の引上げという視点を欠いていると言わざるを得ませんが、基本報酬の引上げを行わない理由は何でしょうか。ここは本音が聞きたいので、シンプルに、基本報酬を上げない理由を大臣に御回答いただきたいと思います。

上野国務大臣 まず、令和八年度改定につきましては、前回の令和六年度改定におきまして処遇改善分の二年分を措置し、三年目の対応を令和八年度の予算編成過程で検討する、そのようにしておりましたので、令和九年度の定例改定を待たずに、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善に向けた対応を行うこととしました。また、食費につきましても、緊急的な対応として措置をさせていただいたところであります。

 足下の対応といたしましては、人手不足や物価上昇などで厳しい状況に直面をされている介護事業者等への支援といたしまして、令和七年度の補正予算においても所要の対応を、所要の措置を講じているところでございますので、まずは今申し上げたような支援措置を現場にしっかり行き届かせられるように取り組むことが必要だと考えております。

 令和九年度の定例改定におきまして、やはり介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、様々な観点から対応する必要があると考えておりますので、経営状況などもしっかり把握した上で、物価や賃金の上昇などを適切に反映するための対応を実施をさせていただきたいと考えています。

日野委員 今の大臣の御答弁でちょっとお伺いさせていただきたいのですが、今回の臨時改定は処遇改善中心の対応でしたけれども、二〇二七年度の通常改定、こちらにおいて、介護報酬体系を加算中心から基本報酬中心にして、基本報酬の底上げを図る方針なのか、大臣、こちら、明確にお答えいただけますでしょうか。

上野国務大臣 それはまさにこれから、先ほど申しましたように、様々な状況を判断をした上で、経営状況もよく見た上で検討するべきことだと考えています。

日野委員 では、しっかり現場の声を届けさせていただきますので、今年度しっかりと審議していただきたいと思っております。

 先ほど、私、処遇改善加算の引上げによって賃上げを進めることができるのは一部の事業所だというふうに申し上げました。人手不足が深刻な事業所ほどその恩恵を受けられないとも申し上げました。

 今回の改定以前にも、訪問介護が処遇改善加算の最上位区分を取得するためには、特定事業所加算の一又は二の取得が必要とされています。特定事業所加算は、質の高いサービスを提供する体制を評価する制度であり、その理念自体は重要であると私も認識しています。ただ、現場からは、その算定要件が非常に厳しく、事業所側の負担も大きいため小規模事業所では算定が困難であるという声が上がっています。

 そこでお伺いします。現状の特定事業所加算一及び二の普及率をお答えください。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の訪問介護における特定事業所加算でございます。質の高い訪問介護サービスの提供体制を確保する観点から、従事者の資質向上のための研修の実施、介護福祉士の配置、重度者の受入れなどに取り組む事業者を評価するため、平成十八年の介護報酬改定で新設されたものでございます。

 お尋ねの算定率でございますが、令和七年三月サービス提供分の実績では四六・七%となっておりまして、過去三年間で約一〇%上昇しております。

日野委員 御答弁いただきありがとうございます。四六・七ということは、まだ半分の事業者がそもそも今回の処遇改善加算の上位区分を取得できない構造にあるということだと思います。

 ちょっと時間があるので、一つ質問をスキップさせていただきまして、やはり現場からは、処遇改善加算の上位区分を取得して何としてでも賃上げを実現したいという切実な声が上がっています。現状、そのためには特定事業所加算の取得が必要となりますが、先ほども申し上げました小規模事業所におきましては、一部の職員に事務負担が集中し、返戻リスクも高まっているのが実態で、事業者自ら対応することが難しいため、高額な費用を支払って外部委託に頼らざるを得ないケースが増えています。

 そういった中で、加算取得そのものをなりわいとする業者が現れ、加算ビジネスとも言える新たなビジネスモデルも生まれ始めています。かねてより指摘のある紹介業者や派遣業者の手数料も高騰しており、公金である介護報酬が、本来のケアの質や人材確保のためではなく、別のコストとして流出しているという実態も指摘させていただきます。加算の取得が目的化され、書類を整えるためにコストをかける、本末転倒とも言える状況が広がっていることについても指摘させていただきたいと思います。

 本来、加算は、質の向上や適正な運営を評価するためのプラスアルファであったはずだと思います。しかし、現在は、加算取得が前提とならなければ経営が成り立たない構造へと変質しているのではないかと私自身強い懸念を持っています。経営の実態を見ると、複数のサービスを展開している事業者は全体で収支を調整しながら持ちこたえている一方で、単一サービスで運営している事業所は極めて厳しい現状に置かれています。

 大臣にお伺いします。

 単独の事業所、すなわち一つのサービスのみを運営している事業所であっても、基本報酬のみで持続的に収支が成り立つ制度設計となっているのか、それとも加算取得を前提としなければ経営も賃上げも成り立たない構造になっているのか、大臣の御認識をお伺いさせてください。

黒田政府参考人 報酬の構造についてのお尋ねだと承ります。

 委員御指摘のように、基本的な収支につきましては基本報酬で、そして、目的を特定をしたり特定の政策課題を解決するためのものが加算という形でつくられてきた経緯はございます。

 一方で、度重なる処遇改善等々ございまして、報酬の設計が非常に複雑だという御指摘はかねてからいただいております。前回の令和六年の介護報酬改定の際にもそうした点が指摘されておりまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、基本報酬、加算等々、それから経営の状況等々をつぶさに拝見をさせていただいた上で、できるだけシンプルにしてほしいという現場の声もたくさん承っておりますので、そうした対応を含めて丁寧に検討してまいります。

日野委員 ありがとうございます。

 また、今回の制度の見せ方についても私は課題があると思っております。最大で月一・九万円の賃上げが可能とされていますが、実際には、報酬総額や職員数によって大きくこちらは変動する仕組みでございます。全ての介護職員の賃上げが実現するかのような誤解を招きかねません。その結果、実現できない事業所においては、離職のリスクも高まり、新規採用は更に困難となることを否定できません。

 それも踏まえて、大臣にお伺いさせていただきます。

 上位の加算を取得できる事業者と取得できない事業者の間で賃金格差が拡大する可能性について、大臣、これはどのようにお考えでしょうか。

上野国務大臣 まず、そうした格差が生じ得るということが、基本的にはそういったことがないようにしなければいけないというふうに考えておりまして、特に、大規模な事業所であれば、様々な加算の取得ということも容易かもしれませんが、特に、小規模な事業所については難しい面もあろうかというふうに思っております。小規模な事業所も含めて、介護分野全体として処遇改善に取り組むことが必要だと考えているところであります。

 令和八年度の介護報酬改定におきましてもそのような観点で対応をさせていただいておりますが、上乗せ措置を講じておりますけれども、これにつきましては様々な御意見がありましたけれども、生産性向上の取組の効果も含めて実現をしていく必要があるとして上乗せの措置の要件を決めておりますが、これも、小規模な事業者であっても、手続が簡便かつ生産性の向上に役立つものとして幅広く算定していただけるように設定をしております。

 また、申請時点では仮に要件を満たさない場合であっても、誓約等によりまして処遇改善加算の算定を認めるなどの対応もしておりますので、そうした点も含めて、これからも小規模な事業者であってもしっかり対応していただけるような取組を進めていきたいと考えています。

日野委員 ありがとうございます。

 そもそもなんですけれども、ちょっと大臣にこちらもお伺いさせていただきたいと思います。

 現在の介護サービス、介護事業所の数について、需要との関係をどのように大臣は捉えていますでしょうか。現状は、不足しているのか、過剰なのか、あるいはおおむね適正な水準にあるのか、大臣の御認識をお伺いさせてください。

上野国務大臣 御案内のとおりでございますが、介護保険制度、市町村が、三年を一期とする介護保険事業計画において、サービス需要を見込みまして提供体制を確保していく仕組みであります。

 介護サービス事業所数や、また介護サービスの受給者数、継続して増加しているところですけれども、地域のサービス需要に応じたサービス提供体制の確保が図られるように努めていくことが必要だと考えております。

日野委員 労働力不足でございますので、どの分野においても人手不足が深刻化しているのが現状ですが、こうした中で、政府は、経営の協働化、大規模化を進めるガイドラインを公表し、連携や統合を促進しているかと思います。政府として、集約や規模拡大を一定程度進めていく方向性にあるという理解でよろしいでしょうか。お答えください。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、介護サービス、これからまだ需要が増加してまいります。他方で、生産年齢人口が急速に減少していくということが見込まれておりますので、研修の実施など人材育成、それから記録、書類作成事務といった間接業務の効率化などを複数事業所で進める協働化、それから大規模化の取組は重要だというふうに考えております。

 こうした観点から、協働化の取組を事業者の間で連携をして、それらのイニシアチブの下で進めていただくということを前提に、後押しをするための施策を講じておりまして、先ほど委員が御指摘くださったガイドラインの策定、それから、補正予算等々で、例えば、協働で生産性向上に取り組む取組などに対して支援を行うなど、そうした取組を後押しする施策を進めておるところでございます。

日野委員 ありがとうございます。

 協働化や大規模化が進む中で、やはり、先ほど来御指摘させていただいておりますが、小規模事業所や単独で運営している事業所については、結果として市場から退出せざるを得ないケースも一定程度生じてきていると思います。

 大臣、そういったことがないようにというお言葉は聞いたんですけれども、やはり現実問題、そういったことが現に起き始めている状況で、もう一度聞かせてください。一定程度そういった事業所が淘汰されていくことはもう仕方ないと思われているのか、それとも、たとえ規模が小さくても、地域に根差した重要な担い手として、制度としてしっかりと小規模事業所も支えていくというお考えなのか。これは重要なポイントです。大臣、お答えください。

上野国務大臣 もちろん、小規模事業者も含めまして、介護事業者が地域に根差した上で利用者のニーズに沿ったサービスの提供をしていただくということは大変重要だと考えております。特に、これから、中山間であったり人口減少地域、そうしたところでは介護サービスの提供体制を維持していくことが難しい面もあろうかと思いますが、そうしたところでもしっかり対応していくということが大事だと考えております。

 先ほど来、協働化、大規模化のお話がございました。これについても支援をしていきたいというふうに考えておりますが、昨年末の審議会の意見書の中でも、中山間、人口減少地域も含めた対策として、生産性向上に加え経営改善支援等についても、これは国や都道府県の責務だというふうにすること、また間接業務、この効率化も協働で効率化を進めていくこと、あるいは、事業継続をされる法人や事業所が複数の事業所間の連携を促進をするとともに業務効率化の取組を推進することなどの必要性が示されておりますので、こうしたことを踏まえまして、今国会に提出をいたしました社会福祉法等の一部を改正する法案に所要の改正を盛り込んでいるところでもありますし、その他様々な協働化等の取組についてもしっかり応援をしていきたいと考えています。

日野委員 大臣、方向性自体は理解いたします。ただ、やはりその前提が成り立たない地域も中山間区域、離島以外にも多く存在すると思います。

 やはり、今のガイドラインの事例につきましても、緩やかな連携や自治体主導の取組で、本格的な業務集約化にはリソース不足や信頼関係の壁が大きいという声が現場から上がっております。特に、準備する余裕がない、人材、時間、予算が足りない、ICTにも不安がある、こういった状況の中で、零細な介護事業所は日々の業務で手いっぱいでございます。その結果として小規模事業者の淘汰が進み、地域のサービス提供体制そのものが崩壊しかねない状況にあります。

 もう一度お聞かせください。

 こういった協働化とか大規模化が難しい地域に対して、事務負担の軽減、継続的な財政支援も含めて、協働化を現実的に進めつつ地域の介護提供体制を崩壊させないために、大臣は何が必要であるとお考えでしょうか。

上野国務大臣 協働化等に向けまして、先ほども少し申し上げましたけれども、しっかり応援をしていくような体制なり仕組みというのは大事だと考えておりまして、そうしたことも踏まえまして、社会福祉法等の一部改正法案の中にそうした点も盛り込ませていただいたところでございます。

日野委員 協働化を強力に推し進めてくださる、その協働化の中心にあるのはデジタル技術の活用といったものが大きいかと思います。もちろん、そういったデジタルはとても大切なんですけれども、やはり介護現場は人手不足なんですね。テクノロジーは間接的には現場を支えることができますが、利用者の尊厳、そういったものに直接的な介護ケアは、デジタルでは取って代われないというふうに思っています。

 介護現場の戦士たち、介護職人たちは、介護のケアはピカ一なんだけれども、アナログな方も多いです。介護職の高齢化も課題になっているかと思います。デジタル技術はないけれども、地域の介護を、日本の介護を支えてくださっている、そういった方がたくさんいらっしゃいますので、そこを政府にも支えていただきたいと思います。

 直接的な人への支援を観点に具体的な提案をさせていただきますとすると、例えば、先ほども申し上げました紹介手数料や派遣料の対策でございます。人の確保のためにやむを得ず支払っているこれらの費用は、事業所の経営を圧迫し、本来なら今働いている職員の基本給やボーナスに充てられるものが流出しています。

 これは、政府も頑張って介護職員のお給料を上げるために処遇改善をなさってくださっているのに、政府も困っていますよね、恐らく。なので、現在も、適正な事業者の見える化やハローワークの機能強化、そして復職支援など、様々な対策をしてくださっているとは存じておりますが、現場は改善の兆しが見られておりません。

 今より強力に、特に小規模事業所において紹介料や派遣料の補助や規制を推進していただくことはできますでしょうか。それとも現状が精いっぱいでしょうか。お答えください。

上野国務大臣 人材紹介手数料、様々な御意見をいただいております。これまでからも、適正紹介事業者認定制度の活用促進であったり様々な取組を進めているところでございます。サービスの質や実績のよい紹介事業者が利用される環境を整備をしていきたいと考えております。

 あわせて、やはりハローワークですね。今年の最重点事項といたしまして、ハローワークにつきましては介護分野、医療分野への取組を最重点事項としておりまして、自らハローワークの職員が施設などを訪問して求人開拓あるいは求人充足の支援、そうしたアウトリーチによりまして支援を抜本的に今年度強化をしていくというふうにしておりますので、そうした取組によりましてこの問題の解消に向けて取り組んでいきたいと考えています。

日野委員 冒頭に私、適正な事業者を守るためにというふうに申し上げましたが、あってはならない不適切介護や不正請求、これが多発しています。しかし、最初からそのようなことをたくらんでいることはごく僅かだと思います。

 適正に運営している事業者が悪に染まることがないよう制度設計を強く要望するとともに、今後も引き続き私も現場の声を届けさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

大串委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野でございます。よろしくお願いいたします。

 今日は、大臣所信ということで、幾つかテーマを準備をいたしました。

 まず最初は、ホルムズ海峡封鎖が医療現場に与える影響と対策について、政府の皆様に御答弁を求めたいと思います。

 ただ、質問通告の一問目、当初、厚労大臣に通告をさせていただいておりましたが、午前中、岡野純子委員の質問の中で、医療現場の物資の供給不安に対する政府の考え方等については、経済産業省とも連携をしながら現在対応を進めているということも確認をいたしましたので、ちょっと重複する部分は除きまして、今、個別、ミクロな物資一つ一つを見ていけば、やはり不安が残っているのは確かです。

 厚生労働省がワンストップポータルを開設して、その中の資料を拝見しても、第二回目の会合の中で、約十五、六品目、供給懸念のある可能性がある物資については、既に解決をしたもの、解決が近いもの、今解決に取り組んでいるものというのがあって、十品目ほどまだ取り組んでいる最中というものがありましたから、ここは是非、解像度高く、これからも情報を公開していただきたいと思うんですが、医療機関サイドから見たときに、やはり直近の物資の高騰、値上がりが著しいんですね。

 例えば、一例を挙げると、ゴム手袋などは卸値が二倍ぐらいに高まっているというような情報も流れておりますし、様々な物資が今値上がりをしていたり調達量が限られていたりするという話を聞いていますが、こうした経営が厳しい、元々厳しい経営状況だったところに更にこのような状況ですから、今、病院、医療機関は大変厳しい状況にあると思います。

 この経営悪化した医療機関に対する対応策について、現在の認識を教えてください。

上野国務大臣 中東関連といたしまして、政府全体として、様々な物資が供給不足に陥らないように取り組んでいるところであります。とりわけ、命と健康に直結をする医療の分野については、その重要性は言うまでもないところだと考えております。

 午前中にも申し上げましたけれども、現在、様々な方策によりまして、川上から川下まで一斉の点検をさせていただいて、また個別の企業へのヒアリング等も通じて、その状況については今しっかりと把握をさせていただいているところでございます。

 そうした中におきまして、現在直ちに供給上課題があるというものはないと承知をしておりますけれども、長期的に見てそうした懸念があるものについてはピックアップをしながら、必要な対応を経済産業省と協力をしながら進めているところでございます。

 今、値上がり等の状況につきましてお話がございました。現在のところ、これからの先行き等も十分不透明な面もありますし、また、先ほども申しましたように、供給が直ちに滞るという状況でもありませんので、現段階においてそうした、例えば新たな支援ということについては当然検討はしておりませんけれども、予断を持って判断するということは現状においては困難だというふうに考えております。

 まずは、令和七年度の補正予算、今、医療・介護支援パッケージの中で必要な支援をお届けをするということにしております。このパッケージを速やかにこれからもお届けができるように、まずはそうした足下の状況に対応していきたいと考えております。

浅野委員 是非、これは今値上がりがしているという事実はあるんですが、それによって経営状況がどの程度悪化したのかというのをまずつかまないと、どのような支援が必要かというのが考えられないというのは、それは当然だと思いますので、今は検討していないということでありますが、経営状況、経営実態については、まさにごく短期間に大きな変化が起きているという状況でありますから、是非政府としてもその辺りのアンテナは高く持っていただきたいということは申し上げたいと思います。

 二問目です。

 これは政府参考人の方で結構ですけれども、今、後発薬の原薬の空輸による運賃高騰が起こっておりまして、これが当面継続をする見込みであります。政府は、この空輸費用の負担増を支援するための施策の必要性について、現状どのように考えているかというのが一点目。

 そして、それがなくても本当に、公定薬価の下で、製薬企業は作れば作るほど赤字という状況が続いているものもあります。特に、今ナフサが不足していると言われていて、PTPシート、カプセル状の飲み薬が入っているぽこぽこしたプラスチックの成形品ですけれども、ああいった包装材の不足が懸念されています。そのため、外箱の簡略化や大容量包装の納入を特例として認めることなども検討すべきではないかと思うんですが、政府の考え方を聞かせてください。

森政府参考人 後発品の関係でございますけれども、医薬品や医療機器の供給状況については、現在、メーカー、卸、それから医療機関、それぞれに状況を聞いているところでございます。物によっては空輸等によって高騰しているケースもあるかもしれませんが、中東情勢に伴う輸送費の上昇による影響については、今の時点で、今後の状況も不明であって、必要な支援策を具体的に検討する段階にはないことから、予断を持って判断することは困難であるというふうに考えているところでございます。

 厚労省としては、流通の目詰まり等による供給不安に適切に対応する観点から、的確な状況把握、それから、他の流通経路からの融通支援等、代替製品の調達等の対策を通じて安定供給に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

 それから、もう一つお尋ねのPTPのシートの件でございますけれども、医薬品の包装の変更については、一定の薬事手続が必要な場合がございます。品質の確保を前提に、企業からの申請に基づき、迅速に審査を進めてまいりたいというふうに考えております。

浅野委員 空輸コストの増加に対する公的支援というのは、それは確かに、先ほどと同じで、実際どのくらいの影響があったかによりますが、後半の包装材の変更みたいなものは、メーカー側のコスト削減努力の一環として柔軟に今いろいろ考えられるべきだと思うんですね。特に、今、ナフサのようなプラスチック関連製品が不足しかねないという状況では、包装の簡略化というのは非常に有効な手段だと思いますので、ここは是非、申請が上がってきたときの迅速な判断、結果の通知をお願いしたいと思います。

 それでは、中東による影響のテーマから移りまして、次は、歯科健診について今日は取り上げさせていただきたいと思います。

 私も、本当に最近つくづく、口腔衛生、口の中の衛生状態が将来の健康リスクに大きく影響するということをいろいろなところで勉強いたしまして、重要性を再認識いたしました。

 昨年の厚生労働委員会では、定期健康診断に歯科健診を含められないかというお願いをしたところ、業務起因性や業務増悪性というのが認められない今状況なので、定期健康診断に含めることは難しいという答弁をいただいたんですね。

 ただ、今回、大臣の所信にもありましたが、これからは攻めの予防医療だ、そして口腔衛生の管理が非常に大事だ、そういう発言がありましたので、今日は、少しアプローチを変えながら御提案を申し上げたいというふうに思います。生涯を通じた歯科健診の社会実装に向けた提案になります。

 まず、現在の、受診しやすい環境整備を進めていきましょうという政府方針は、第一歩として正しいと思うんですけれども、それだけでは予防意識の低い層を取り残してしまいます。午前中、岡野委員ががん検診について取り上げたときも、やはり、それぞれの理由でなかなか受診を受けられない、受けたくないという方の思いを聞かせていただきました。歯科健診も同じような状況があるんだと思います。

 そこで、今、四十歳以上を対象とした特定健康診査、いわゆるメタボ健診の必須項目として、段階的に歯科スクリーニングを組み込むというのはいかがでしょうか。歯周病と糖尿病などの全身疾患には強い相関関係があるという確固たる科学的エビデンスはありますので、初期の財政支援は必要かもしれませんが、これが定着すれば、受診率を引き上げ、健康を維持する仕組みづくりに近づきます。長期的に社会保障費全体の適正化につながるものと考えますが、いかがでしょうか。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる国民皆歯科健診は、国民が生涯を通じて定期的に歯科健診等を受けることができる環境を整えていくことで、健康寿命の延伸を目指しているものでございます。一方で、特定健診は、四十歳から七十四歳を対象とし、内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病に関する健康診査でございます。

 御提案の特定健診への歯科スクリーニングの導入については、まず、内臓脂肪の蓄積に起因する生活習慣病に対する項目としての妥当性や必要性に関する科学的なエビデンスがあるということが必要でございまして、この点について慎重な検討が必要であると考えております。

 私どもとしては、まずパイロット事業の実施などに取り組みつつ、定期的な口腔管理による生活習慣病への影響、それから口腔と全身疾患との関連、そしてさらに医療費との関係、これにつきまして、科学的なエビデンスの集積の検討も含めて、生涯を通じた歯科健診の実現に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

浅野委員 まずはパイロット事業からというのは妥当だと思います。是非、実現に向けて御検討を進めていただきたいと思います。

 そして、次の質問ですけれども、今言ったような特定健康診断、メタボ健診でやるにしても、まず人材の課題というのが実はあるんですね。

 今の歯科医療現場は、受診率が向上したとしても、その需要の拡大を受け止め切れるかという不安があります。有資格者は約三十二万人に対し、就業している歯科衛生士の方の人数は約十五万人にとどまっています。今、働き方改革も進んでおりますので、診療枠の拡大、一人でたくさんの人を診ましょうというのはなかなか難しいと思うんですよね。ですので、特定健診への組み込みなどにより需要を拡大させる前に、受皿をつくらなければ医療崩壊を招きます。

 そこで、就業していない約十七万人の潜在歯科衛生士に向けた、週一、二回や健診業務に限定したスポットワークなどの環境を整備することを提案したいと思います。あわせて、電子カルテなどのDX導入補助金を更に活用して、徹底的なタスクシフトを図っていくことも申し添えたいと思います。こうした政策について、政府の見解を求めたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 少子高齢化の進展に伴いまして歯科健診も含めた歯科保健医療の需要が多様化する中で、先生おっしゃるとおり、現場のニーズに応え得る歯科衛生士を確保していくということが重要だと考えております。

 このため、厚労省では、歯科衛生士の復職の支援、それから離職の防止のための事業として、これは、常勤や非常勤、希望する方はどちらも対象として、復職希望者に対する技術修練研修の実施の支援等の取組を行っております。また、近年の歯科衛生士を取り巻く環境が大きく変わっているということを踏まえまして、歯科衛生士の業務の在り方に関する検討会、この中でも、タスクシフト等も含めて、歯科衛生士の必要数、業務の在り方について議論を開始しているというところでございます。

 こうした取組を通じて、ライフステージに応じた柔軟な働き方や、歯科健診の実施に対応できる体制の整備も含めて、確保対策を進めてまいりたいと思います。

 また、DXについては、歯科分野においてもしっかりと進めていくことを今進めておるところでございます。

 以上でございます。

浅野委員 よろしくお願いします。

 歯科健診についてはあと二問ありますので、ちょっと時間の範囲でさせていただきます。

 これまで、メタボ健診への組み込みや、歯科衛生士人材の確保策について質問してきましたが、続いては、各職場でできる、すぐできそうな御提案になります。

 令和六年歯科疾患実態調査のとおり、二十代から三十代の若年層における歯周病リスクの低減は急務だとされていますが、企業に法定外の健診を押しつければ、コスト負担への反発を招きます。また、歯科医師の企業への出張はマンパワー的に限界があるのは今議論したとおりです。

 そこで、二〇二六年度から開始された職域歯周病検査支援事業の枠組みを使って、歯科医師の出張を伴わない、簡易唾液検査キットを用いた一次スクリーニングを全面的に推奨、助成していくべきと考えています。

 政府では、二〇二三年度から、このキットを使った歯科健診のパイロット事業が行われていると承知をしておりますが、このパイロット事業の取組、成果について伺いたいと思います。

 また、このような一次スクリーニングを導入した企業に対しては、健康経営優良法人認定における加点幅を引き上げるべきだと思います。企業に対して、こうした取組がコストではなく生産性向上や経営持続力強化のための投資であることを認識してもらうことで、現場の医療資源を枯渇させない、最も現実的で即効性のある一手になると考えますが、政府の見解を伺います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 口腔内のチェックが簡易にできるように、簡易唾液検査キットにつきましては、まず、令和五年から七年度におきまして、唾液等の検体を用いた簡便な歯周病のスクリーニング検査の開発研究、これを行いました。また、職域におけるモデル事業を通じた歯科健診の受診率向上に資する健診方法の検証などを行ってまいりました。

 これらの結果も踏まえて、令和七年度補正予算においては、歯科健診の受診率が低い就労世代などに対して、一般健診などに併せて簡易な口腔スクリーニングを行う取組を支援する事業を進める予定でございまして、現在、その機会の拡大のための今準備を行っているという状況でございます。

江澤政府参考人 経産省からお答えします。

 健康経営優良法人認定制度は、より多くの方の健康増進に資する取組でございます。口腔衛生の管理に関しましても、従来より評価対象として位置づけています。例えば、歯科医師や歯科衛生士などの専門職の配置や歯科健診の実施など、口腔衛生管理に積極的に取り組む企業を評価しているところでございます。

 御指摘の唾液等を用いた簡易検査キット、これを配付すること自体については、健康増進に係るエビデンスがまだ十分では、明らかになっていないと考えております。そのため、現時点では評価対象には含まれていないところでございます。

 経済産業省としては、厚生労働省において今年度実施される、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科診療パイロット事業でございますけれども、これにおける企業の導入効果等を踏まえて今後検討してまいりたいと考えております。

浅野委員 これは厚労省、是非頑張ってください。成果が出れば加点対象になるかもしれないというような今答弁だと思いましたので、私はこれを是非広げるべきだと思っています。よろしくお願いします。

 最後の質問です。

 厚生労働大臣に伺いますが、このやり取りを聞いていただいた上で、就労世代の口腔衛生管理の今後の在り方について、厚生労働大臣として、今後の政策の方向性について、大臣の見解を伺いたいと思います。

上野国務大臣 攻めの予防医療の観点からも、歯科健診の推進というのは非常に重要だというふうに考えております。とりわけ就労世代の皆さん、そうした世代の皆さんを含む国民の皆さんが生涯を通じて定期的に歯科健診等を受けることができる環境整備を進めていきたいと考えております。

 先ほど来、パイロット事業等の取組につきまして御紹介をしておりますが、そうしたパイロット事業の実施をしっかりやらせていただくことによりまして、その結果、研究結果等も含めて、今後どういう対応ができるか、制度的な改正も含めて検討をすることが必要かと考えています。

浅野委員 終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、豊田真由子君。

豊田委員 参政党の豊田真由子です。

 本日、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は、昨日の本会議におきまして、中東情勢を受けた、医療物資を始めとする国民生活に必須の物資の供給の問題につきまして、総理にお伺いをいたしました。上野大臣を始め厚労省の皆様におかれましては、全力で御対応いただいていると承知しており、国民の命と健康を守り抜くために、是非とも引き続いての御尽力、安定的な確保、中長期的な見通し、国産のものを確保するといったことも含めて、広くお願いをしたいと思います。

 本日は、まず、こうした物資の価格高騰全般につきまして、そして賃上げ対応についてお伺いをしたいと思います。

 令和七年度の補正予算において、医療機関、薬局の賃上げ、また物価上昇に対する支援として、五千三百四十一億円が計上されております。医療機関の厳しい経営状況に鑑みますと、この予算は速やかに執行され、一刻も早く給付金を届けることが求められていると思います。

 現に、病院に対しては厚労省が直接給付を行うこととされており、三月十三日までに約六千病院から申請があり、順次、給付金の振り込みが行われていると聞いております。

 ただ一方で、診療所に対しては、その数が多いということもあって、都道府県を経由しての給付となり、その執行状況は全体として遅れていて、また、都道府県によってかなりの差があると聞いております。一部の県では申請の受付が六月になるところもあるということですが、そもそも、この補正予算は、令和八年度の診療報酬改定までのつなぎとして緊急的に措置されたものであって、都道府県の御事情もあるとは思いますが、診療所に対する給付が速やかに行われますように、国から都道府県に働きかける、必要なサポートを行うなど、地域医療を支える診療所に対しての給付金の速やかな給付を御検討していただきたいと思います。

 政府の御見解を伺います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、令和七年度補正予算の医療・介護等支援パッケージによる物価高騰等に対する支援におきまして、都道府県が実施する診療所等の物価対応支援、物価等の対応支援の都道府県の執行状況でございますが、三月までに申請受付開始が十六、四月に申請受付開始予定が二十一であると承知しておりますが、六月から申請受付を開始するところもあると聞いておりまして、個々の状況を伺いながら、少しでも申請受付開始が早まるよう、都道府県をサポートしながら、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。

豊田委員 医療機関の経営状況というのは、その医療機関だけではなくて、全ての国民の皆様の命と健康と安全に直結することでございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 また、その上で、これまで診療報酬改定は二年単位での動きとなることが通例でございましたが、賃上げや物価は、御承知のとおり刻々と動いておりまして、二年という間を待ってくれません。また、事前に予測不可能な物価高騰や他産業の賃上げの動きなどもあって、今回、まさに中東情勢が緊迫し、まだ先が見通せない中、様々な価格の上昇は医療費用の負担をもたらし、医療機関の経営圧迫の要因とならないか、強く懸念をしております。

 補正予算や診療報酬など、各種の施策において、物価高騰への対応について適切に対応できているのか、不安もございますので、御説明をお願いしたいと思います。また、当初予想していなかった様々な影響、今回どう出るのか。そして、この点については、医療機関における収益、費用の動きや経営状況などをきめ細やかに把握をして、仮に経営に支障が生じているようであれば、今回の、更に見通しも含めて、必要に応じ、速やかに対応する必要があると考えておりますが、こうした点についての御見解を伺います。

上野国務大臣 まず、医療・介護分野等における物価等の対応でございますが、令和七年度補正予算による医療・介護等支援パッケージの支援、また令和八年度の報酬改定においても必要な措置を講じております。

 今、中東情勢を念頭に置いた御質問かと思いますが、現時点において直ちに現場に必要な物資の供給が滞る事態に陥っているものではございませんし、また今後の状況も不明でありますので、それがどういった形で病院あるいは介護施設等の経営に影響があるのかということにつきましては、現段階では予断を持って判断することは少々困難だというふうに考えております。

 まずは、令和七年度補正予算による支援、今し方委員からも御指摘がありましたが、これをしっかりと現場に届ける、それが大事だと考えておりますし、足下の状況も注視をしながら、今後、必要に応じて的確な対応を取っていきたいと考えております。

 なお、報酬に関してでございますが、医療分野におきましては、今後、経済、物価動向が大きく変動して経営状況に支障が生じた場合には、加減算を含む必要な調整を行うというふうにしております。また、介護や障害福祉分野では令和九年度の定例改定がございますので、そうした中におきまして適切に対応していきたいと考えています。

豊田委員 私も国民の皆様の不安をあおることは全くしたくないのでありますが、供給の偏りや流通の目詰まりなどが一部で生じているというふうに聞いており、医療機関におきましては、やはりいろいろな現場の物資が足りないといったお声も聞いておりますので、もちろん先を先を見据えた御対応をお願いをしたいと思います。

 次に、賃上げについてお伺いをいたします。

 大臣は所信で、物価上昇を上回る賃上げを続けていくと表明されました。医療、介護、福祉、保育といった公定価格の分野で働く方々が誇りとやりがいを持ち、安心して働き続けていくためにも、持続的で安定的な賃上げが必要不可欠です。

 私自身、医療、介護、保育、福祉の運営のお手伝いをこの九年間ずっとしておりまして、現場の大変さ、また皆様の思いをずっと伺ってまいりました。

 全産業と比較して、介護と障害は八万円、保育は六万円、賃金が低い状況にあります。これらの事業やサービスが国の公定価格で定められたものであることに鑑みれば、基本的にこれは個々の事業者や働く個人の方々の努力でどうにかなる問題ではないという状況にあります。目立たなくとも、確かな専門性と真心を持って黙々と必死で働く方々が、この日本の安心と希望の根幹を支えていらっしゃいます。これを私はもっときちんと認めていただきたい。

 そしてまた、コロナのときにも明らかになりましたが、エッセンシャルワーカーと言われる方々、皆さん、口では言いますけれども、なかなか本当の意味でのリスペクトが届いているとは私は感じることができませんでした。人をケアするサービスというのは、ケアをする側の方々がやりがいと誇りを持って、よし頑張ろうというふうに思える体制をまずつくっていくことこそが、サービスを受ける方々にとってもよい結果をもたらすと私は信じております。

 処遇改善が随時行われてきたことは承知をしておりますが、まだまだというところが残念ながらございます。引き続きどういった対応をされていくのか、また今回の、また今後の物価高を踏まえた賃上げや、先ほどの誇りややりがい、リスペクト、そういったものの確保に向けてどのような対応をお考えなのか、御見解を伺います。

上野国務大臣 医療や介護、福祉、保育も、働く方々の処遇改善は喫緊の課題だというふうに考えておりますので、令和七年度の補正予算、そしてまた次期報酬改定で必要な措置を講じてきたところであります。

 今後の物価の動向等については、先ほど申し上げましたように、不透明な状況かというふうに思っております。現段階では予断を持って申し上げることは難しいわけでございますが、やはり令和七年度の補正予算、これをしっかりと現場に届ける、そしてその上で、今後の経済動向であったり、経営状況、あるいは他産業の賃上げの動向、これをしっかり注視をしていって、やはり政府としても、他産業と遜色のない処遇改善ということを目指して、今後とも取組を進めていくことが必要だと考えています。

豊田委員 ただいまは公定価格の賃上げについてお伺いをいたしました。

 続きまして、民間の企業の賃上げについてお伺いをいたします。

 私も今、政治に戻りまして、全国各地を回っております。そうすると、本当にいろいろなお声を伺います。賃金が上がらない、生活が苦しい、介護や子育て、大変だと。また、シングルペアレントの方など、本当に光がまだまだ当たっていない方がたくさんいらっしゃる。頑張っている、頑張ろうとしているけれども、もがいている方のお話を涙とともに伺うようなこともたくさんございます。

 今年の春季労使交渉では、三年連続で五%を超える高い賃上げ率になったと報じられていますが、こうした賃上げの恩恵を受けるのは組織化された大企業の従業員、その多くは正規雇用の方だと思います。

 中小企業で働く方や非正規雇用で働く皆さん、また自営業やフリーランス、こうした様々な働き方がございます。この賃上げの動き、こうした方々に広く行き届いているとは全く言えない状況であります。自分は世の中の明るい動きから取り残されていると、かえって孤独を深められる方もいらっしゃるという話を伺います。

 賃上げ支援助成金パッケージなど、様々なお取組があることは承知をしておりますが、こうした地方、また中小企業、非正規雇用、フリーランス、自営業の方などなど、社会に広く賃上げ、所得向上の流れを波及させていくために、より実効性あるお取組を求めたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。

上野国務大臣 まさに今委員から御指摘のありましたとおり、中小企業、またフリーランスの方、あるいは非正規雇用労働者、また地方、そうしたところも含めまして賃上げをしやすい環境を整備していくこと、これは政府の役割だと考えております。

 地方や中小企業を含めまして広く賃上げの機運を醸成をするために、一月から二月を中心にしまして全都道府県で地方版の政労使会議を開催をいたしまして、地域の政労使のトップが賃上げについて話し合うとともに、政府の各種支援策、これの周知を図ってきたところであります。

 また、三月に開催をされました政労使の意見交換におきましては、春季労使交渉における賃上げの流れを今後地方や中小企業、また非正規雇用労働者にも波及させていくように、総理からもお願いをしたところであります。

 委員からも御指摘のありました賃上げ支援助成金パッケージ、これによります重点的な支援、これまでも取組を進めてまいりました。あるいは、同一労働同一賃金の遵守徹底、これにも力を入れてきたところであります。

 また、今年の一月には、中小企業あるいはフリーランスの方々が受託事業者となる取引も対象として、改正取適法の施行がされました。これは協議を適切に行わない一方的な代金決定の禁止などを含むものでありまして、これは関係省庁とも連携をいたしまして、フリーランスの皆さんを含めまして事業者の皆さんに、この法律の改正の趣旨、周知を徹底をしていきたいというふうに考えております。

 厚労省としましても、関係省庁ともしっかり連携をいたしまして、賃上げの機運、先ほど申しましたように、地方や中小企業、フリーランスの皆さんも含めた様々な職種の皆さんに賃上げが行き届くように、しっかり環境整備をこれからも進めていきたいと考えています。

豊田委員 私はいろいろな分野で思うんですけれども、スポットライトが当たっている場所にみんな来ましょうではなくて、全ての方に光を当てる、スポットライトを当てていく、それが本当の政府の役割ではないか、政治の役割ではないかというふうに思っております。

 今の非正規雇用の方にちょっと深掘りをしたいと思っております。

 我が国の労働者の約四割は非正規雇用で働く方々でありまして、こうした方々と正社員との間には大きな賃金格差がございます。これを是正するために同一労働同一賃金の取組を進めていると思いますが、今現在でも、正社員を一〇〇とした場合の非正規社員の賃金水準は六七・四という、依然として差があるのが実情でございます。

 例えば、いわゆる就職氷河期世代の方々を始め、就職に大変な苦労をされた方というのは、非正規雇用の仕事を渡り歩くしかない、あるいは仕事を見つけることができずに、地域や社会で孤立してしまい、引きこもってしまうケースも少なくありません。私はこうした方々のサポートをする方とも一緒に活動しておりましたけれども、なかなか、本当にうまく解決に結びつかないことが多うございました。

 こうした方というのは、若者から中高年に至るまで、あらゆる世代にいらっしゃるはずでありまして、社会あるいは仕事につなげていくということが、その支援がまだまだ不十分な状況にあります。こうした非正規雇用で働く方々の処遇改善に向けて、また、適切な仕事に恵まれず地域や社会で孤立してしまっている方々に対して、どのような対策を講じ、そして更に実効性あるお取組をどのように進めていくお考えなのか、お伺いをいたします。

田中政府参考人 お答えいたします。

 非正規雇用労働者についてですけれども、その処遇改善を図っていくために、正社員への転換に取り組む事業主への支援や、同一労働同一賃金の遵守徹底などの処遇改善に取り組んでまいりました。

 同一労働同一賃金につきましては、その施行後、取組は進んできておりますけれども、議員御指摘にありますように、正社員と非正規雇用労働者との間には依然として賃金格差が見られるところでございます。このため、関係審議会の議論の結果を踏まえて、同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化を行うなどの取組を強化をしていきたいと考えております。

 また、不安定就労や無業の方々の就労や社会参加を支援するために、ハローワークにおける担当者制によるきめ細かな就職支援や、引きこもりの相談窓口を設置をして、NPO等を通じた相談支援や居場所づくりなどにも取り組んでいるところでございまして、こうした取組を通じてしっかり支援してまいりたいと考えております。

豊田委員 是非よろしくお願いいたしたいと思います。

 政策があっても、なかなか効果が出なければ、それは本当にまだ不十分だということでございますので、皆様の幸せの源は、あしたも、また来年も安心して生活ができる、将来の見通しが立つことだと思いますので、そうした安心を是非届けるために頑張っていきたいと思います。

 次に、大臣所信でも御言及のありました国民会議についてお伺いをいたします。

 本日は、岩田副大臣にお越しをいただいております。

 私は、予算委員会におきまして、社会保障国民会議の憲法適合性の問題を主張いたしました。詳細な論拠あるいは過去の事例等の比較などは詳しく予算委員会で質問させていただきましたので、ここでは割愛をさせていただきますが、シンプルに申しますと、立法府でも行政府でもない、何らの法的根拠も持たない、その意思決定プロセスや責任の所在なども全く明らかではない場所で、国民にとって非常に大きな影響のある重大な政策が事実上決められてしまうということの本質的な問題。人類が長年の苦労、また英知の結果としてつくり上げてきた、権力の濫用を防ぐ仕組みがあっさりと壊されているということを改めて指摘を申し上げたいと思います。

 これに対しては、私の予算委員会の主張に対しまして、他党の先生方や学者の方々、またメディアの方々、一般の国民の皆様からも、もっともな指摘であるとたくさん反響をいただきまして、ただ、なぜか政府からは全く御反応がなく、少々寂しく思っておりまして、そしてまた、国民会議は依然として粛々と進められていると承知しております。

 私ども参政党が呼ばれなかったから、私はこれを申し上げているわけでは全くございません。むしろ、ここにいらっしゃる、参加をされていらっしゃる政党の先生方にも私は是非お伺いをしたいんですけれども、その後、国会で審議をしますと。閣議決定をして国会で審議をするということだと思うんですが、国民会議に参加された政党、またその議員の皆様方は、既に国民会議で一定の合意をして出てきた結論であるということで、反対意見を国会においては強力には述べられない、あるいは述べないということになるのではないかと思うんです。

 そうすると、それは本来、立法府が、まあここもそうですね、委員会も本会議も、様々な厳格な手続に基づいて詳細を決めた上で、根拠を持って、元々は憲法そして法令に基づいて行っている政策決定、国民の負託を受けた立法府において国会中心立法の原則というものが守られておるわけですが、それが、全く何らの目的根拠を持たない、立法府でない場所で事実上行われてしまうということになりますので、それでは一体何のために立法府があるのか、また、その権力濫用を防ぐ三権分立の仕組みが憲法に定められているのか、私はいまだ明確なお答えを政府からいただいておりません。

 伺いたいことは種々ございますけれども、他委員会であるということもありまして、シンプルに、こうした懸念についてどうお考えなのか、また今後の国民会議の見通しなどについてお考えを伺いたいと思います。

 本当は、これについて、意思決定がどのようなプロセスで行われていて、その結論がどのような法的意味を持つのか、閣議決定や国会審議を形骸化させることになるのではないかといった懸念を含めてお願いできればと思いますが、よろしくお願いいたします。

岩田副大臣 お答えをいたします。

 まず、この社会保障国民会議の経緯についてでございますけれども、昨年十月の所信表明演説で総理から、社会保障制度における給付と負担の在り方について、国民的な議論が必要であり、超党派かつ有識者も交えた国民会議を設置をする、こういった旨が表明をされまして、その後、自民党、立憲民主党、日本維新の会及び公明党による給付つき税額控除に関する政党間協議が行われ、政府も、これまでの議論の経緯に関する資料などを提供、説明する形で、事実上、協力をさせていただきました。

 それを受けて、年明けにかけて、維新、公明、立憲、自民の間で設置に向け相談をさせていただき、政府、与野党で共同開催する会議体をつくることで、年明けにはおおむね合意をしていたというところでございます。

 こうした経緯を踏まえまして、今回、社会保障国民会議では、立法府や行政府のいずれかに属するのではなく、政府と参加各党による共同開催としたところでございます。

 国民会議での議論を経て、最終的には政府としての案を決定をしていく、また、必要な法案については、国会に提出をした段階で十分な審議をお願いすることになる、このように考えているところでございまして、いわゆる三権分立に反するようなものではなく、民主的なプロセスを丁寧にしながら、また重層的な、こういった議論が行われていくものだ、このように考えております。

豊田委員 私、とがらない野党を心がけているんですが、ちょっとここはとがらせていただきたいと思います。ちょっと私へのお答えになっていないところがありまして。

 立法府において政党間協議が行われることは、これはもちろん何の問題もありません。立法府の中で立法府の議員が政党の枠を超えて論じ合う、これは当たり前のことです、幾らでもやればいい。また、行政府において、有識者であったり、事業者であったり、そういった方を、審議会という形が多いと思いますが、御意見を聞く、これも幾らでもあっていい。それぞれが法的根拠に基づいて、行政府、立法府、憲法の秩序内で行われている行為であります。

 しかし、今回は、政府が主催をして、立法府に属する政党をお呼びして、そこで議論をする。じゃ、それは一体何なのか。立法府なのか、行政府なのか。あるいは、そこで決められたものの法的位置づけは何なのか。私はそこを深く問いたいと思っているところであります。

 国民にとって権利や義務を決めるものというのは、勝手に決めてはいけないルールになっています。それが、人類が長年の非常に弾圧の歴史を踏まえてつくり上げてきた秩序であると思いますので、こういったことについてもうちょっと根本的にお考えをいただきたい。

 他委員会とは申しましたけれども、社会保障国民会議でございますので、これは社会保障の給付と負担の在り方なども決めていくということでございますので、この厚生労働委員会で論ずるにふさわしいテーマだと思います。

 これは御答弁は求めません。私の懸念、質問、疑問については、まだまだ解消していないということをお伝えだけを申し上げたいというふうに思います。ありがとうございました。

 次に、話を平和に戻しまして、オンライン診療についてお伺いをしたいと思います。

 私、国政に戻る前の話なんですが、帯状疱疹になりまして、発疹がわあっと出まして、何だろうと思っていましたら、ぴりぴりと鋭い痛みが出て、夜だったものですから、翌日も朝から仕事がびっしり入っていて、医療機関に行けないなと。あっ、オンライン診療というのがあるじゃないかと思いまして、生まれて初めて、ちょっとどきどきしながらオンライン診療をネットで予約をしまして、午前二時ぐらいだと思います、受診しました。

 また違う日に、お二人のオンライン診療のドクターにかかったんですが、これは、私は大きな気づきがございまして、玉石混交だなと。お一人は、本当にきちんと御説明いただいて、多分、処方とかもきちんとされていて、私がいろいろ割と御質問をぶつけるわけですが、もちろん、私が誰だかは分かっていらっしゃらなかったと思いますが、丁寧にお答えをいただきました。ただ、もう一方は、なかなか、ちょっとどうかなという感じで、何を聞いても何かうまく返ってこなくて、本当にこれで大丈夫なのかなというようなお話だったんですね、詳細は申しませんが。

 そのときに考えたんですけれども、帯状疱疹というのは皮膚の症状で、それを事前にお送りをしておりますので、正直、診断はそれほど難しくないので、それが対面であろうがオンラインであろうが、診断自体を間違えるということはないんだと思うんですね。ただ、対面診療の場合と比較して、私は、オンライン診療は質の担保というのが一層難しいなというふうに実感をいたしました。

 私が受診したときは夜中で、ドクターが、恐らく御自宅だと思うんですが、そういった場所でお一人で診察をするという状況ですので、ドクター御本人と私以外、誰もその診察内容を医学的な見地からもチェックをしていないという状況にあります。もちろん、対面の場合もチェックはしないんですが、対面の通常の医療機関の場合というのは、基本的には他の医療従事者の方がいますし、病院であればドクター同士もいます。また、その地域地域で医療機関があれば、正直、そこでのちょっと御評判が悪ければ、その地域全体に広まる、あるいは、それぞれの職業団体の方などでも情報が共有されるということで、やはり周りの目があるかないかというのは非常に大きな違いだなというふうに私は実感いたしました。

 特に医療の世界は、医師、医療提供者側と患者の間の情報の非対称性が大きゅうございます。私は結構小さかったかなと思いますが。非対称性が大きい中で、その診断や説明や処方が適切かというのは、患者にはにわかには分かり難い中で、今申し上げたような対面とオンラインの差というのは、結構クリティカルに大きいなというふうに私は感じました。

 もちろん、オンライン診療自体は、医療資源が乏しい地域や、通院に伴う御負担の軽減が必要な場合など、私は非常にその意義はよく理解するところでございます。だからこそ、オンライン診療における質の担保というものを具体的にどのように行っていくのかというのは、今後、オンライン診療が適切に広まっていくかということを考える上で、非常に大切ではないかというふうに思います。

 個々の医師を、これは多分ルール上は管理者がチェックをするということになっていると思いますが、個々の診察の内容までは恐らくできないでしょうし、ガイドラインなどもありますけれども、その中に医師教育という項目も確かにございます。しかし、それでこの対面とオンラインの場合のリスクの違いがカバーされるとは、ちょっと私は思えません。

 こうした点について、どうお考えになり、具体的にどのような方法でその質を担保されようということなのか、お考えを伺いたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、私どもも、安全性や医療の質を担保するということは、オンライン診療においても非常に重要なことだというふうに考えております。

 そのため、今月施行いたしました医療法改正において、オンライン診療を医療法に定義をした上で、適切な実施に関する基準を省令で定め、委員御指摘の安全性や医療の質の担保をするという趣旨から、医療機関の管理者の措置として、医師に対して、オンライン診療に必要な知識、技能を習得させるための指導を講じることとしております。

 また、この指導をしっかり徹底させるということで、都道府県に対しても、いわゆるオンライン診療をしている医師が所属する都道府県と、それから受ける患者がいる都道府県とでかなり場所が違う可能性もあるというようなこともありまして、その間の指導をどのような形でやるのかということも含めて、都道府県に対して、やり方、これも指導しておるというところでございます。

 さらに、今年度の補助事業において、関連学会におけるオンライン診療等の安全性それから有効性に関する知見の集積、収集、それからマニュアル、好事例の作成といった主体的な取組を支援する、そういうことをやっていこうと考え、する予定でございます。

 これらの取組を通じて、安全性や診療の質を含め、適切なオンライン診療の推進を進めていきたいというふうに考えております。

豊田委員 是非、私が二人目でかかったドクターがその御指導を受けていただきたいなと思いますことと、やはり医療というのは、継続的にこの医師にかかっている、薬剤師さんにかかっている、いわゆるかかりつけという言葉を使うだけではなくて、やはりここの信頼関係でずっと続けて診ていっていただくという継続性というのも大事なんだなということを、ちょっと帯状疱疹のぴりぴりする痛みを感じながら考えた次第でございます。

 次に、ちょっと済みません、順番を変えまして、女性の健康についてお伺いをいたしたいと思います。

 今回の所信でも触れていただいておりますが、私は、前職時代、前の議員のときに、ここにいらっしゃる高階恵美子先生を座長として中心に、女性の健康の包括的支援について提言をまとめて、当時の高市政調会長に御提出をしたことがございます。この度の大臣所信にも、女性の健康総合センターを中心に女性の健康支援を総合的に推進する、また、診療領域を横断した対応策の整理や診療拠点の整備などを行うとされております。

 御案内のとおり、ライフステージ、ホルモンステージによって様々な女性特有の疾病や悩みがあります。以前よりも理解は進んできたとはいえ、実際、まだ世の中の女性の皆様は、医療現場、職場、学校などの社会全般において、その認識について、御本人も含めた大きな溝があると私は思っております。例えば深刻なPMSや更年期障害なども、適切な治療を早期に受ければ症状が改善することも多くありますが、それは、医療機関にかかるほどのことではないんだよねというふうに思っていらっしゃる方が多いと思います。

 また、実際に総理もお話をされていましたけれども、医療機関で更年期障害と言われて、しかし、実際は関節リウマチや甲状腺疾患のような深刻な疾病だったというケースもございます。やはり、医療現場という専門性の高い場所であっても、正確な理解がまだ十分とは言えません。

 女性、もちろん男性も大事なのですが、これはちょっと女性の健康のテーマですので、こうした女性特有の健康の課題について、適時適切に医療を始めとするサービスにつながり、また学校、職場など、それぞれの場所において理解が進んでいくことが、個人、また組織、社会全体にとって非常に有意義だと私は思っております。

 こうした取組について、例えば厚労省のホームページとか、あるいは様々な診断上のガイドラインなどがあるということも承知しておりますけれども、それをわざわざみんな見に行かないよなということとか、あってもそれが浸透していないよなというふうに感じますので、せっかくのこの大きな推進の流れでございますので、更に実効的なものとしていっていただきたいと思いますが、お考えを伺います。

上野国務大臣 女性の健康につきましては、その心身の状態が人生の各段階に応じて大きく変化をするという特性を踏まえて、ライフステージごとの特性に応じた健康課題に対処をしていくことが重要だと考えております。

 厚労省におきましては、令和六年十月に、御紹介をいただきましたが、国立成育医療研究センター内に女性の健康総合センターを設置をいたしまして、研究、情報発信、診療体制の充実等に取り組んでおります。

 また、昨年の法改正によりまして、女性活躍推進法の基本原則に、女性の健康上の特性に配慮すべき旨を明確化しております。各職場の状況に応じた取組が進みますように、企業に対しても周知啓発等を行っているところであります。こうした取組を進めていきたいと思います。

 また、攻めの予防医療の観点からも重要でございまして、昨年末、官邸内に設置をされました、攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関する副大臣等会議におきまして、医療機関への受診や治療の重要性を含めた女性の健康に関する更なる情報発信の強化、また、更年期障害に苦しむ方や中高年期の女性に起こる症状に対して、適切な診断を通じ専門的医療にアクセスできるよう、関係学会の協力を得ながら診療領域を横断した考え方の整理などを、五月に予定されている論点整理に向けまして議論を進めているところであります。

 五月に予定されておりますが、その取りまとめを踏まえて、女性の健康支援の充実を進めていきたいと考えているところであります。

豊田委員 よろしくお願いいたしたいと思います。

 次に、認知症についてお伺いをいたします。

 先ほど来申し上げておりますとおり、私は医療、介護の現場のお手伝いをしておりましたが、その一つに、認知症をめぐる非常に様々な課題があるなと思いました。

 世の中に、自分や家族が認知症になったらどうしようという御不安をお持ちの方というのは非常に多いと思うんですね。大事な人たちのことや自分のやってきたことを忘れてしまうというのは、あたかも自らの生きてきた軌跡を失うかのような、存在の根源が揺らぐかのような、きっと身体機能が衰えていくということとはまた違った、大きな不安や悲しみにつながっているというふうに思います。

 また、実際に認知症となった方というのも、適切な治療になかなかつながらない、あるいは、実際はそうでもないのに、何も分からない、何もできない人というようなスティグマを貼られてしまう。そういった社会の認識との間のギャップに苦しまれることも多いというふうに伺っております。

 私がおりました介護現場でも、やはりどうやって、徘徊などもございますので、御自身が自由度を大きくしながら危険なことにならないようにするかといったことですとか、あるいは、性格がちょっと変わってしまって非常に粗暴な言動があるとか、スタッフの方も理由はよく分かっているんだけれども、なかなか自分たちにもつらいことがあったりして、それをどう対応するかというのをみんなでいろいろ話し合って、試行錯誤をしておりました。

 簡単にこれが全て解決する課題ではないんですけれども、やはり人類が寿命が延びたということで、いろいろな新しい形での、こういった疾病とか障害とかいろいろなものが生じていまして、認知症というのは、本当にたくさんの方にとってのこれから大きな取り組むべき課題であると思っております。例えば、ピアサポートとか希望大使といった取組も承知しておりますけれども、医療、介護全般、また社会の認識、地域での支え、多面にわたる認知症に対する患者、御家族、そして医療・介護従事者の負担を軽くするもう少し踏み込んだ対応が必要だと私は思っておるんですけれども、具体的な展望とか実効性ある対応について御教示いただければと思います。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 認知症は大変大きなこの社会の課題であるという点は、委員おっしゃるとおりだと存じます。

 令和七年八月に内閣府が実施いたしました認知症に関する世論調査というのがございまして、認知症に対するイメージをお尋ねしましたところ、地域で生活できるという回答、あるいは、認知症になった場合の暮らしについて、地域で生活することを希望する回答が増加しておりまして、いわば、地域で暮らすということについての理解は一定進んできているというふうに認識をしております。

 他方で、委員が御指摘くださったように、同調査でも、自身が認知症になった場合に感じる不安についてお尋ねをしておりまして、その中では、これまでできたことができなくなってしまう、大切な思い出を忘れてしまうといった項目についての回答の割合が高くなっております。特に、認知症と診断された後の不安が非常に大きくて、こうした不安に寄り添って、前を向いて暮らすことができるようにしていくことが大変重要だというふうに考えております。

 厚労省といたしましては、認知症基本法等にのっとりまして、診断後支援の取組が大変重要であると考えておりまして、例えば、現在の地域包括支援センター、認知症カフェといった相談体制に加えまして、認知症疾患医療センターでの当事者による診断後の相談を含めまして、御本人や御家族の不安などを受け止める体制について、丁寧に地域の取組を把握し、検討することとしております。

 また、診断後に適切な医療を受けられる環境といたしまして、認知症疾患医療センターにおいて、認知症の方が必要とされる医療を適切に提供することが可能となるようなモデル事業等々も検討しております。

 住み慣れた地域で、希望を持って自分らしく暮らすことができるように、認知症の方の声を起点といたしまして、認知症の人の視点に立って取組を具体化していくための取組を、地域の自治体とも協力をしながら進めてまいりたいと存じます。

豊田委員 それぞれの方の不安は何かということに寄り添うのも私はすごく大事だと思っておりまして、是非きめ細やかな御対応をお願いしたいと思います。

 最後に、訪問介護についてお伺いをいたします。

 令和六年度の報酬改定において、訪問介護の報酬が大きく引き下げられました。私は、平成九年の旧厚生省入省で、介護保険法の施行事務に携わり、また、平成二十四年の介護報酬改定は施設系サービスの筆頭課長補佐として報酬改定を行いましたので、どのようなプロセスでそうなっているかというのはよく分かっているつもりなんですが、シンプルには収支差ですね、収支差率で、利益率が高いということで削られたわけですけれども。

 私の当時も、やはり、訪問介護をやっている事業所のお手伝いもしていて、現場の実感としては、個別に住宅を回る訪問介護の場合は、人的な労力も時間もかかりますし、なり手も本当にいなくて、もう報酬引下げなんてとんでもないという感じでございました。

 実際にいろいろなデータを見ますと、いわゆる集合住宅型、訪問回数が多い場合はやはり利益率、収支差率が大きいとか、同一建物減算をしている場合は収支差率五%以上の割合が大きいといったデータもあるようでございますので、一律にやはり削減をしたということに対して私は非常に疑念を持っておりまして、もう少し実態に即した判断をしていただいてもよかったのではないかというふうに思います。

 訪問介護は、自宅やホームで暮らす高齢者にとっての極めて命綱でありますので、こうした方々が存続できるようにきちんと対応していただきたいと思います。お考えを伺います。

上野国務大臣 訪問介護事業者の経営状況、地域の特性であったり、あるいは事業所の規模、事業形態など様々でありますので、令和六年度の介護報酬改定以降、こうした状況に応じた支援、これにつきましては行ってきたところであります。

 しかしながら、依然として人手不足等について厳しい状況が続いておりますので、令和七年度の補正予算で、介護職員の賃上げ、職場環境改善に対する支援、あるいは、物価上昇の影響がある中でも介護サービスを円滑に継続するため、移動に伴う経費等への支援、また人材確保、経営改善の支援事業などを盛り込んでおります。

 これらの緊急的な対応に加えまして、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護報酬改定を実施をしております。

 こうした取組を通じて、訪問介護は非常に大事でありますので、ヘルパーの皆さんも含め、介護分野の職員の他職種との遜色のない処遇改善など、しっかり目指して取り組んでいきたいと考えています。

豊田委員 ありがとうございます。

 終わります。

大串委員長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。

 本日、チームみらいの国会議員としては初めて厚生労働委員会で質問させていただきます。(発言する者あり)ありがとうございます。

 私、実は以前、厚生労働省で働いておりまして、以前はこちら側で職員として座っておりました。その厚生労働委員会の場に今こうして議員として戻ってこれたことに対して、非常に感慨深い気持ちでおります。

 本日、この場、政務の皆様始め、他党の国会議員の方々、厚生労働省の方ですとか衆議院の事務局の方ですとか、様々な方がいらっしゃいますが、皆それぞれ、立場は違えども、日本のため、社会のため、世の中をよくしていこうという志を共にする仲間だと思っておりますので、意見の違いを超えて建設的な議論ができればと思っております。

 では、質問に入らせていただきます。

 まず、大臣所信への質疑ということで、あるべき社会保障の姿について質問させていただきます。

 大臣所信においては、全世代型社会保障の構築に向けて、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に適用されるというキーワードが述べられました。この点は非常に重要だと私も考えております。

 しかし、それを阻む大きな要因の一つが、制度の複雑さなのではないかと考えております。

 制度が複雑であることは、様々なコストを生じさせます。国民の方にとってみても、制度が理解できないであったりとか、また、追加の行政コストとして、自治体の職員の方の説明コストであったり書類の確認、そういったコストが生じます。

 そこで、私は、こうした制度が複雑であることによるコスト、これを定量的に把握することによって、制度の改正や新しい制度をつくるときにこうした仕組みを複雑にし過ぎないこと、それを行政の側が心がけることによって行政コストが削減できるのではないかと考えております。

 ここで、厚生労働大臣にお伺いします。

 厚生労働省としては、こうした制度の複雑さ、そしてそれに係るコストというものをどのように考えているのでしょうか。制度を新しく検討、設計する際に、こうした制度の複雑さがもたらすコストというものを把握、定量化しているのでしょうか。お答えください。

上野国務大臣 そうしたコストを定量化をしているということではありませんけれども、社会保障制度につきましては、様々な方に配慮したきめ細かな対応をする必要があろうかというふうに考えております。また同時に、業務の効率化を進め、利用される方にとって利用しやすい制度とすることが、これも非常に重要だというふうに認識をしています。

 例えば、高額療養費制度におきますと、マイナ保険証の利用によりまして事前の手続なく限度額を超える支払いが窓口で免除される、そうした取組も行っておりますし、あるいは、七段階となっている要介護認定の事務においても、デジタル技術の活用によりまして事務処理日数や職員の超過勤務時間を短縮するなど、様々な取組を進めているところでございます。

 一般的に、行政の制度につきましては、年月が経過をいたしますとどうしても複雑化をして、それに伴うコストが増加をしてしまうということがあろうかというふうに思います、一般論として。そうしたこともありますので、やはり、制度の見直しの際にはより簡素な方法を検討する、そういった視点というのは非常に大事でありますので、社会保障制度におきましても、改革、改正を進める際には、当然そうした視点を重視をして対応していくことが必要だと考えています。

古川(あ)委員 大臣、ありがとうございます。

 厚生労働省としてもそうした視点は非常に重要だと考えているという御答弁、ありがとうございました。

 次の質問に移ります。

 続いて、国民への情報の届け方についてお伺いします。

 今国会には、健康保険法等の一部を改正する法律案を始めとして、医療や介護の制度改正に関わる様々な法案が提出される予定でございます。本日、皆様のお手元にも健康保険法等の一部を改正する法律の冊子がございますけれども、こちら、非常に分厚いものとなっております。

 この制度の改正の内容というものは厚生労働省のホームページからでも確認をすることができますが、この分厚い冊子の内容ですとか、読み通すことも、理解することも、やはり一般の方にとっては非常に難しいものなのではないかと思います。

 こういう新しい制度が、制度が変わりますということになったとき、やはり、自分の負担は増えるのか減るのか、今度、社会保険料は上がるのか下がるのかとか、そういった、どういった変化が起こるのかというところ、非常に皆様は気にされることだろうと思います。

 こういった際に、厚生労働省とか審議会の資料においては、このような変化が起きますよということが例として示されておりますが、大体、一例、二例、モデルケースのようなもの、年齢が何歳でお子さんが何人いる場合、結婚している場合、していない場合、年金を受け取っている場合、そういった場合分けによって、一つ、二つ事例が示されるというのが通常のやり方かなと思います。

 ただし、今の日本の、様々な働き方だとかライフスタイルとか、そういったものが多様化してきたこの世の中において、一つ、二つのモデルケースで、あなたの場合はこうなるかもしれませんよという事例をお示しするのは難しいのではないかなと感じております。

 逆に、テクノロジーの発達により、あなたの場合はこうですというのを、究極、一億二千何万通りとなるわけですけれども、もうちょっとシミュレーションのような形で、民間の医療保険においてはよく、あなたの保険料は幾らになりますよというのがありますけれども、厚生労働省や、社会保障に関わる制度の改正においても、その改正によってどんな影響が起きるのかというようなことについて、インターネットなどを活用したウェブツールのようなものでシミュレーションをできるようなものというのを政府が提供する。若しくは、民間の方とかボランティアというかNPOの方とか、そういった方たちが自分たちでツールを作れるようにデータを提供するとか、そういった取組を進められてはいかがかと思いますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

上野国務大臣 非常に大事な視点だと考えております。

 少し分けて考えることが必要かと考えておりまして、まず、制度を改正をする際、その制度の改正によってどういうことが起こり得るのか、生じるのかということを考える際には、余りにもたくさんのケースだと論点が明確化しないというような問題もあろうかと思いますので、それは改正の趣旨などが明確になるようにケースを絞って審議会等にお示しをする、そうしたことも考えられると思います。

 一方で、制度が改正をして、それが自分にどういう影響があるかという観点からすると、やはり、いろいろなシミュレーションを基にして、自分にはこういう影響があるなということを国民の皆さんに御理解をいただくというのも非常に大事だと考えております。

 そういった意味では、例えば年金制度におきまして、現在、見える化をいたしまして、年金シミュレーター、これの開発をして公開をしております。これを使っていただければ、御自身の年金額、将来の年金額がどのようになるかということが分かりますので、そうしたことを、年金以外の分野についても、どういったことができるかというのは研究をしていきたいと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 今、二つ考えて分けるというところで、一つ目は、最初、制度を改正する際においては、ある程度ターゲットを絞って検討していくというところだったと思います。

 その視点については私も理解するところではありますが、最初に、例えば、子育て世帯の社会保険料負担をどうやったら軽減できるかなという視点からスタートするということは大事だと思うんですけれども、そうやって制度を設計した後に、じゃ、この改正を進めたらどこかで困る人が出ないかなというところまで、制度改正がどこまで波及するか、思わぬところに思わぬ影響が起きてしまわないかということを考える際には、やはりある程度網羅的にシミュレーションができるようなシステムというものを全体として構築していくことができるとよいのかなと思いましたので、その点も御留意いただければと思います。

 次の質問に移ります。

 続いて、プッシュ型の行政サービスの考え方についてお伺いします。

 チームみらいは、この衆議院選挙でも、プッシュ型の行政サービスというものを推進しておりました。こちら、どういうことかといいますと、申請主義というものに対置する考え方として掲げております。

 行政サービスというものには様々なものがございます。厚生労働省にも様々な制度があること、私も中で働いている中で、国民の様々な困り事に対して、政府が、行政が、様々な工夫というか制度をつくって対応しているということ、中では理解はしております。

 ただ一方で、そういった様々な行政サービスが存在していても、結局、国民に届いていないと意味がないということを感じます。なかなか、例えば、私のように厚生労働省で働いている経験がありますとか、国会議員の知り合いがいますとか、そういう方だったら質問をすることができるかもしれませんけれども、一般の方にとって、やはり行政サービスのことはまず知らなかったりする、そこが壁になっているかなと思います。

 この点、申請不要で、サービスの側が必要な方に届く、そういった形を進めていくことが行政にとって重要なのではないかと思っておりますが、今、マイナンバーとかマイナ保険証、そういったものの活用も進んできております。こういった制度を活用して、必要な支援を申請不要で届けるプッシュ型の行政サービスの推進について、厚生労働大臣としての決意と、また、もし具体的に進めていくというような計画が既にあれば、教えてください。

上野国務大臣 まず、デジタル技術の進展によりまして、マイナンバー等を用いて、関係者の間で情報を連携することが可能となりました。こうしたことを上手に使って、必要な方に適切な支援を届ける、いわゆるプッシュ型のサービス、これを推進する環境が整いつつあると認識をしています。

 実際に、令和五年の十二月に改革工程を閣議決定をいたしました。この中におきましても、プッシュ型による現金給付や個別サービスの提供を行える環境を整備していくことが重要であるというふうに明記をされております。

 厚生労働省といたしましても、そうした考えの下に、プッシュ型サービスの推進を含めまして、国民の皆さんに対して必要な支援を確実に届けていけるように、様々な手法についても十分研究をしていくことが必要だと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。是非進めていただければと思います。

 こちら、私としては、数年前にあった判ことか押印手続の廃止と似たようなところもあるかなと思いまして、ああいったものは、省庁横断的にやっていくぞというところでいろいろな省庁に照会が来て、手続を洗い出して、それを順次、本当に押印は必要なんですかというところを見直して、廃止していくというような動きがあったかもしれませんけれども、様々な申請とか書類手続を求めているというものについても、この後、もしかしたら政府全体で進めていこうという動きになるかもしれないと私は思っております。

 その中で、やはり厚生労働行政というのは国民の皆様の暮らしに密接に関わる内容も多いので、そういった全体の動きを待たずとも、厚生労働省から是非進めていただきたいなと考えております。

 続いて、社会保障国民会議における議論と厚生労働省の役割分担についてお伺いいたします。

 大臣所信の中で、社会保障国民会議における国民的な議論を踏まえ、給付つき税額控除の制度設計を含む税と社会保障の一体改革に取り組むと大臣は述べられました。この取組の方向性というのは非常に重要であると私も考えております。

 ただ、私も国民会議に参加している政党の一名として、参加しているんですけれども、その中で、これからつくっていく制度として給付つき税額控除についての議論が進められておりますが、有識者会議、実務者会議の中で話題となるのが、給付つき税額控除を設計する際には中低所得者への支援が重要であるよねとか、また、就労インセンティブを阻害しない形にするのが重要だよねといった指摘が有識者の方とか実務者会議の中で何回も上がりました。

 これは裏返せば、現行の社会保障制度が中低所得者支援が不十分であったりとか、就労インセンティブの観点が十分に機能していないという問題意識が有識者の方にも実務者会議の参加者にも共有されているという裏返しだなとも感じております。

 国民会議で進められている給付つき税額控除の議論、それはそれとして進めていくべきだと思いますが、国民会議の場で、このように、現行の社会保障制度の不十分な点という課題も指摘をされているわけです。こうした課題について、厚生労働省もしっかり耳を傾けて、給付つき税額控除によって対応されるからということではなくて、厚生労働省の方でも現行制度の改善を並行して進めるべきだと考えています。

 ここで、厚生労働大臣にお伺いします。

 厚労省は、国民会議で指摘されているような現行制度の問題点というものについて、省内でどのように把握し、対応しているのでしょうか。お考えをお聞かせください。

上野国務大臣 社会保障国民会議におきましては、まずは、給付つき税額控除、また食料品の消費税率ゼロについて同時並行的に議論を進め、その両者について、令和八年の夏前を目途に中間取りまとめを行うとされているところであります。この際に、給付つき税額控除の議論を進める過程で明らかとなった社会保障制度の課題などについては、改めて調整をした上で、協議を継続することとされていると承知をしております。

 国民会議自体の担当ではございませんので、これ以上これについての言及は控えたいと思いますが、社会保障制度そのものにつきましては当然様々な課題があるのは事実でありますので、そうした課題につきましては、しっかり省内で受け止めて、議論を進めていくことが必要かと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 なかなか国民会議そのものについては厚生労働省としては触れづらい部分もあるかもしれませんけれども、そこで出てきた課題というものに関しては、世の中にもオープンになっているところもありますので、そういった点は是非改善を進めていただければと思います。

 続いて、介護DXの実効性についてお伺いします。

 大臣所信におきましては、ICT等を活用した業務の効率化、勤務環境改善の取組を強力に推進すると述べられました。また、介護現場につきましては物価の上昇や人材不足により厳しい状況に直面しているというのは、これまでのほかの委員の指摘でもあったところでございます。介護のDXの推進というものは、こういった現場の課題を解決する可能性のある重要な手法だと思いますが、一方で、政策が期待どおりに効果を発揮していないのではないかと思われる点もございます。

 私は、今回、ケアプランデータ連携システムのお話をしたいと思います。

 ケアプランデータ連携システムは、ケアマネジャーと介護サービス事業者の間で、ケアプランの関連書類を、これまでファクスや郵送でやっていたようなものをデータで送受信できるようにするシステムです。こちら、数年前から導入が始まったんですけれども、本来であれば、利用する事業所にお金を払ってもらって使ってもらうサービスだったはずなんですが、実際には、普及がなかなか進まないために、利用料を無料にしてみたりとか、さらに、導入するときのサポート、これもお金を補助しますよというような取組が始まるなど、利用促進のための支援策が続々と打ち出されています。

 ただ、普及が進まないのには本来は理由があるはずです。使いにくいのかもしれない。コストが高いのかもしれない。現場のニーズに合っていないのかもしれません。様々な要因が考えられます。

 本来であれば、予定どおりに使われていないようなシステムに対して、使ってくださいよとお金を積んで支援をするのではなくて、何で使われないのかなというところをしっかり分析して、もし使い勝手の悪いシステムであるということが分かったのであれば、お金をかけて改修をする、そして、これで仕事が便利になるから、楽になるから、お金を払ってでも使いたいなと事業者に思ってもらうようなシステムにするというのが本来あるべき姿ではないかと考えますが、厚生労働省は、ケアプランデータ連携システムの利用が進んでいないような原因をどのように分析しているのでしょうか。サービスそのものの改善を進めていくべきではないでしょうか。お答えください。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のケアプランデータ連携システムは、ケアマネジャー、居宅介護支援事業所と居宅サービス事業所の間の紙のやり取りを電子で行うということを目的にしてつくられたものです。特に、ケアマネジャーさんたちの業務負担が非常に重いというお話の中の非常に大きな理由の一つに、紙のやり取りが非常に多いということがありますので、これにお応えをするということでつくっております。

 委員御指摘のシステムを導入しない理由につきましては、事業者団体等にヒアリングをしております。その中で挙げられた主な理由、三つありまして、一つは、導入前後のシステム操作について不安があるということ、それから二つ目が、利用料に見合う効果が自分の事業所に得られるかどうかが分かりにくいということ、それから三点目は、仮に自分の事業所が導入しても、やり取りをする相手の事業所が入れてくれないとかえって事業者負担が増えちゃうという話があって、この三つぐらいが導入に向けた主な課題だという御指摘がございました。

 こうしたことに対応するために、まず、操作の不安につきましては、システム操作を支援をするヘルプデスク等々をつくっております。これは、市販の主要な介護ソフトの中にはもう既に機能が入っておりますので、非常に簡単な操作でできますので、介護ベンダーの皆さんにもサポートをお願いをしておりますが、それとは別途、ヘルプデスク等々も御用意をするという形でつくっております。

 二点目の利用料の話については、先ほど委員御指摘くださったフリーパス、それから各種セミナー等々を通じまして、これぐらいの業務量が減りますよといったことをお知らせをするということをやっております。

 ただ、三点目の、なかなかほかの事業所がやってくださらない等という話が残っておりましたので、先般の令和七年度補正予算に計上しました賃上げ支援の中にケアプランデータ連携システムの導入を生産性の取組の要件として設定をして、この後押しを図っているところでございます。

 この取組の前後で申しますと、現在の導入率は二八%でございますが、補正予算の成立前後から短期間で一八%上昇しております。今後も、令和八年六月に予定をされております臨時報酬改定の施行を控えておりますので、この割合は更に上昇が見込まれるというふうに考えております。

 委員御指摘のとおり、課題を明確にし、それを解決をしていくということによって、利便性を実感していただいて使っていただくということが王道だと思いますので、そうした方向で取組を進めてまいります。

古川(あ)委員 答弁ありがとうございます。

 今お話を伺う中で、システムそのものを改修してより使いやすいものに変えていくという回答はなかったかなと思いますが、是非とも、その視点は大事だと思いますので、今後、見直しの際はその視点も含めて検討いただくようお願いします。

 続いて、処遇改善を確実に進めるための事業者の負担軽減についてお伺いします。

 処遇改善を確実に届けるという言及が大臣所信でもございました。こちら、非常に重要なことだと思います。

 細かい話にはなるんですけれども、今回、処遇改善加算の上乗せの加算部分を取得するための要件の一つとして、今話題に上がりましたケアプランデータ連携システムを利用していること、利用している事業所に対して一段上の加算を認めるという制度が導入されています。

 このシステムを実際に利用していることをどうやって担保するのかという点につきまして、厚生労働省が示したQアンドAですと、事業者に対して、ケアプランデータ連携システムの使用画面のスクリーンショットを撮って、それを二年間ほど保存しておいてくださいということが示されております。これはつまり、よりよい処遇改善加算を受けるためには、スクリーンショットを撮って保存しなければいけないということでございます。

 このシステムというのは国保中央会が構築、運用をしているはずで、こういった実際に使われているかいないのかということは、サービスの改善のためにも非常に重要なことだと思いますけれども、本来であれば、システム側で把握、管理できるのではないかと思いますが、事業者がスクリーンショットを撮って保存しなければならないというのは事業者に負担を課すことだなと思っておりまして、こういった申請の負担は見直すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 前の問いの関係で委員御指摘くださいましたので、システムの改善のお話を少し補足をさせていただいて、御質問にお答えいたします。

 システムの改修、改善は当然必要だと思っております。ちょうど令和八年度に、介護情報基盤というものの稼働を予定をしておりまして、先ほどのケアプランデータ連携システムをその基盤の中に統合するということを予定をしております。

 こちらの統合と併せて、例えば、介護ソフトから直接API連携で情報を取り込むことができないかとか、様々、事業所の方々への使い勝手を改善をするためのアイデアを実現するということを検討しておりまして、そちらについても、形ができましたら、また先生にもお聞きいただきたいと思います。

 御質問に戻りまして、今回の上乗せ措置の要件の関係です。

 こちらは、実は、今回の上乗せ措置は、ケアプランデータ連携システムを実際に使うということで条件は満たせるんですが、加えて、まだ使ってはいないけれども一定期間内に使いますという誓約があると、それでも加算はオーケーですという形にしております。ということもありますので、ログ側だけではなくて、御本人たちがそれをやってくださったかどうかということを確認をするということが必要になってくるというのが今回の補正等々の事情ではございます。

 それで、お話の中でスクリーンショット云々という話があったんですが、もうちょっと正確に申しますと、これまでは、一律、使ったかどうかを全部書類を出していただいて、それをこちらで全部チェックする、それからというようなやり方をしておりましたが、その一律で求めることをやめますということを申し上げて、求めがあった場合に確認ができるようにしてくださいという話を申し上げておって、スクリーンショットはその一例でございます。

 ただ、逆に申しますと、スクリーンショットじゃなくても、そのシステムの中で情報のやり取りをしたということが確認できれば、それでも当然可能でございますので、そんなお話も含めて、できるだけ事業所の皆さんの事務負担を軽減するための取組と、併せて処遇改善の取組は進めてまいります。

 ありがとうございます。

古川(あ)委員 回答いただき、ありがとうございました。

 スクリーンショットについては、元々書類のやり取りをしていたところがスクリーンショットでもいいよというところで、少しずつ改善に向けて動いているかなと思いますので、引き続き、より事業者の負担が軽い方法はないのかというところを追求していただければと思います。

 この後、質問を入れていたんですけれども、ちょっと提案の形にしたいと思います。

 こういった、やはり今、介護で制度を改正しようとなったとき、必ずシステムの話というのが関わってくると思いますので、今、介護保険部会、介護について話す審議会の中に、システムの事業者とかそういったものは審議会の委員としてはいないと思いますけれども、こういったシステム事業者の方を委員に含めることも含めて、より事業者側、システムをつくっている方々の意見も聞いていくべきかなと考えております。よろしくお願いします。

 続いて、AIが雇用に与える影響についてお伺いいたします。

 私たちチームみらい、AIによる技術の革新が日本に様々な影響を与えるだろうということを予想しております。その中で、AI技術の進展が雇用にもたらす影響というのは様々あると思います。

 この点について、高市総理に対し、チームみらいの高山聡史が質問したところ、現時点ではAIによる大きな影響は生じていないという御答弁でしたけれども、厚生労働大臣にもこの問題についての認識をお伺いしたいと思います。

上野国務大臣 まず、AIの進展に伴う雇用への影響についてですが、仕事内容の変化、あるいは労働者との置き換えに関する懸念があります。その一方で、労働供給制約が進む中、業務の効率化や付加価値の向上、新たな産業の創出などにつながる効果も想定されておりますので、厚生労働省といたしましても、雇用への影響等について調査研究に着手をしています。

 こうした中で、AIによって一部の職業やタスクに対する労働需要が減少する可能性を指摘をする国際機関のレポートがございます。また、米国では、大規模な人員削減に関する報道などがございますので、そうしたことは承知をしております。ただ、今お話のありましたとおり、日本の雇用動向全般としては、現時点では大きな影響は生じない、生じていないものと考えています。

 今後とも、関係省庁とも緊密に連携をしながら、雇用への影響につきましては丁寧に状況を把握していきたいと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 今後も状況を注視されていくということでしたけれども、AIによる雇用への影響は今のところ公的な数字ではなかなか表れていないというところでしたけれども、これはもしかしたら、AIによる失業、完全失業というような形ではなくて、社内失業のような形であるとか、社内の配置転換とか職務の喪失、そういった形でも影響があるかなと考えております。

 そのような問題が起きた場合、やはりリスキリングが大事になってくると思います。

 今、厚生労働省、政府においても、様々なリスキリングについてのプログラム、公的職業訓練について提示していると思いますけれども、こういったプログラムについて、カリキュラムの公的職業訓練の認定プロセスに時間がかかるとか、産業界が実際に求めるスキルとの間にミスマッチがあるといった指摘がございますが、こういった点について、技術の進歩に追いつく形でリスキリングを進めていけるのかどうか、厚生労働省の考えをお伺いします。

宮本(悦)政府参考人 お答え申し上げます。

 離職者向けの公的職業訓練の実施に当たっては、訓練修了者が円滑に再就職できますように、技術変化や産業ニーズに対応した訓練内容とすることが重要であると認識してございます。

 このため、技術変化への対応の観点から、例えば、デジタル分野の訓練を実施する民間教育訓練機関等への委託費の上乗せなどを行いましてデジタル分野の訓練設定を促進しているほか、昨年度、令和七年度より、デジタル分野以外も含む全ての訓練分野でデジタルリテラシーを含むカリキュラムの設定を必須としたところでございます。

 また、各都道府県におきましては、労使団体を含みます地域の関係者などを参集した協議会を開催して、地域の実情や産業ニーズに即した訓練設定を推進しているほか、訓練修了者やその採用企業へのヒアリングなどを通じて、訓練効果の把握、検証を行い、訓練内容の見直しに取り組んでいるところでございます。

 厚生労働省といたしましては、引き続き、地域におけます企業の人材ニーズなどを丁寧に把握し、技術変化も踏まえた職業訓練の提供に努めてまいりたいと考えてございます。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 時間になったので、終了します。

大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 今日は、いわゆる国保逃れについて質問をいたします。

 昨年、勤務実態がないにもかかわらず、一般社団法人などの役員に会費を払って就任をして、最低限の報酬を受け取ることで社会保険に加入をして、本来支払うべき国民健康保険料等の負担を回避する国保逃れが全国的に行われていることが明るみになりました。

 例えば、年齢四十歳以上の年収一千三百五十万円の大阪市会議員の場合、二〇二五年度、国民健康保険料は最高額の百九万円となるわけなんですが、この問題のスキームで最低等級の社会保険に加入した場合、法人との折半になりますので、負担する社会保険料は最低で年間四万一千百六十八円となります。つまり、その差額、百四万八千八百三十二円のちょろまかしということになります。

 また同時に、納める厚生年金保険料、これも、法人との折半ということになりますと、月額八千五十二円、年額で九万六千六百二十四円。一方、国民年金保険料は、昨年度ですけれども、月一万七千五百十円、年額二十一万百二十円ですから、その差額、十一万三千四百九十六円のちょろまかし。

 健康保険、厚生年金合わせて年間百十六万二千三百二十八円のちょろまかしということになります。報酬を引いた会費、会費を負担しますので、この負担分を考慮したとしても、年間百万円前後が不当に軽減をされるということになります。仮に、配偶者を三号加入させて、本来負担すべき国民年金保険料が免除となっていれば、ちょろまかしは二十一万二百十円、もっと増える、こういうことになるわけですね。

 大臣、応能負担が原則の保険で、例えば市会議員であれば高額所得者、高額国保の負担者ということになるわけですが、こういう人たちが保険から出ていくということは、残った人たちの保険料を引き上げるということにもなるわけですね。社会保険制度そのものを揺るがす不正であると言わなきゃならないと思いますけれども、大臣、いかがですか。

上野国務大臣 一般論になりますが、本来、被用者保険への加入が認められていない者が不当に加入し、国民健康保険の適用を免れている状態は、制度に対する国民の納得感や公正性を損なうことにつながるものであると考えております。その意味でも、高額所得者であるか否かにかかわらず、加入すべき保険に加入しないということは決して看過できないことだと考えています。

辰巳委員 そうですよね。私も本当にそう思うんですよ。

 本年三月十八日、この国保逃れについて、厚生労働省は通知を出しました。全国健康保険協会、健康保険組合、日本年金機構に対して、実態がない場合は違法行為であるとして資格喪失など厳格な対応を取るよう求める、そういう旨の通知であります。

 厚労省、この具体的な中身を説明していただけますか。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 法人の役員に係る社会保険の適用につきましては、一般的に、役員としての業務が経営参画を内容とする経常的な労務の提供であるとか、そして、役員としての報酬が業務の対価としての経常的な支払いであるか、こういった観点を総合的に勘案して判断をするということでございます。

 今般、今議員から御紹介がございましたけれども、個人事業主やフリーランス等を対象に、一般社団法人の役員として加入させることで、社会保険に加入できて保険料の削減が可能となっているとうたっているような事例があることを踏まえまして、三月十八日付で通知を発出しまして、こうした法人の役員に係る取扱いを改めて明確化をして、被保険者資格の適用の可否をより適切に判断できるよう、法人との使用関係や業務実態の判断に資する具体例も示しまして、使用実態のない資格取得の届出は違法であるという旨を明確化したところでございます。

辰巳委員 今厚労省の方からありましたけれども、違法という話がありました。これは脱法じゃないんですね、違法なんですね。

 今回、この国保逃れビジネス、これは、広く知られることになったので初めてこれは違法としたわけではなくて、厚労省、確認しますけれども、これまでも違法であった、こういう認識でいいですよねということと、あと、本来この要件に満たないにもかかわらず社会保険に違法に加入していた場合、誰がどの程度罰せられることになるのか。この二つについて聞かせてください。

三好政府参考人 お答えします。

 まず、前段の違法の関係でございますけれども、法人の役員に係る社会保険の適用につきましては、これは従来から、使用関係の実態のない役員については社会保険への加入は認められていないということでございまして、仮に、使用関係の実態のない届出により健康保険、厚生年金保険の適用を受けていたと判断される場合には、健康保険法第四十八条あるいは厚生年金保険法第二十七条の届出規定に違反する。これは通知発出前、後、関係なく、こういうことでございます。

 また、正当な理由なく届出をしない、あるいは虚偽の届出を行った事業主に対しましては、健康保険法第二百八条あるいは厚生年金保険法第百二条に基づきまして、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金という罰則規定が適用される可能性がある。個別の事案次第ではございますけれども、あるということでございます。

辰巳委員 これは懲役がかかってくる可能性もあるということなんですよね。非常に重いと言わなければならないと思います。

 それでは、この違法行為に対して、じゃ、違法ですよというふうに指摘をされた場合、どうなっていくのか。加入されていた一般の方々がどうなっていくかということを続けて聞いていきたいんですけれども、大臣に聞きたいと思います。

 まず、健康保険の方から。

 違法に加入していた場合、これは遡って保険資格の取消しということになると思うんですよね。その場合、遡って資格を取り消される期間というのはどれぐらいなのか。そして、改めて遡って国民健康保険に入り直す必要があると思うんですね。その場合、遡って国民健康保険料を、あるいは国民健康保険税というところもありますけれども、納められる期間はどれぐらいなのか。これは大臣に、大事な問題なので、確認したいと思います。

上野国務大臣 まず、日本年金機構による事業所調査により健康保険、厚生年金保険への加入が適切でないことが確認された場合には、当該事業所に指導をし、その資格を喪失させることになります。その際、どの時点から加入が適切でなかったかについては、健康保険ですね、健康保険の被保険者資格を有さないことが客観的事実に基づき明らかになった時点まで遡ることが基本となります。個々の事案における実態を総合的に勘案し、個別に判断することになります。

 また、健康保険の被保険者資格を喪失した期間は、遡及して国民健康保険に加入していただくこととなりますが、これは、保険料の賦課決定の期間制限との関係から、国民健康保険料の場合は最大二年、国民健康保険税の場合は最大三年まで遡って納めていただくことになります。

辰巳委員 例えば、国保逃れを十年前からやっていたという方の場合、十年前に遡って社会保険の資格は取り消されるということになるわけです。十年前に遡って国保に加入ということになるんですけれども、納められる国民健康保険料は二年間なんです。つまり、その前の八年間というのは保険料を納めていないという扱いになるわけなんですね。

 保険料を二年間遡って、最高額だったら二百万円を超える保険料を負担するということになるんですけれども、十年ちょろまかしていた、二年間保険料を払いました、だけれども、それより前の八年間というのは無保険の状態ですから、もし、その八年間の間に医療を受けていた、あるいは高額医療を受けていたという場合は、十割負担ということになるわけですね。これは大変なことが起こると思いますよ。

 続けて、年金、厚生年金の方ですね。これも大臣に確認したいと思います。どれぐらい遡って資格が喪失されるのか。保険料を、国民年金、どれぐらい遡れるのか。いかがでしょうか。

上野国務大臣 厚生年金保険の被保険者資格を過去に遡って喪失をした場合に、その期間は遡及して国民年金に加入していただくことになります。保険料の徴収権等の消滅時効との関係から、最大二年まで遡って国民年金保険料を納めていただくことになります。

辰巳委員 資格の喪失は健康保険と同じで、違法なことが分かったところまで遡る、十年やっていたら十年まで遡るということなんですけれども、この国民年金保険料についても、遡って保険料を納めることができるのは直近の二年間ということになるわけですね。つまり、十年やっていたけれども二年間しか払えないということは、その前の八年間の保険料を払えないので、これは、将来年金を受け取るときに、年金額が減らされたまま、亡くなるまで年金額は減らされたままということになるわけですね。永遠に年金額が減少するということになります。

 つまり、今回の国保逃れというのが、脱法ではなくて違法行為、これは答弁がありました。それだけではなくて、それをやっていた代償も、将来亡くなるまで続くということが分かりました。これは本当に重大なことだというふうに思うんです。

 今、実はいろいろ調べてちょっと分かったんですけれども、国保逃れのために、今、冒頭、厚生労働省が網をかけるというふうにやってもらいました。ところが、法人役員とか理事ではなくて、法人の従業員として雇用して社会保険に加入させると同時に、会費は同じ法人グループ内の別法人に支払わせて、結果としては同じような、国保逃れの効果を得るようなビジネスが実はもう存在をしているんですね。これはもう完全に脱法的と言わなければならないと思うんです。

 大臣、これはやはり、こういう新たなといいますか、同じような結果なんですけれども、こういう手法も厳しく私は厚労省は対応していくべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。

上野国務大臣 まず、一般論でございますが、法人の役員ではなくて従業員として雇用して社会保険に加入させている場合であっても、法人に使用される者に該当しないと判断される場合は、当然、社会保険の適用は認められないわけであります。

 今御指摘の事例が問題があるものかどうかというのは、個々の事例の実態に基づいて判断をする必要がありますので、一概にお答えすることは困難でありますが、やはり社会保険料納付に対する納得感が損なわれないように制度を適切に運用していくということが重要でありますので、今般の通知に基づく対応を進める中で得られる知見も活用して、適正な制度運営の観点から更にどのような対応が必要なのか、可能なのか、検討していきたいと考えています。

辰巳委員 いや、もう是非やってくださいよ。同じようなことが繰り返されて、おかしいと思います。これは絶対放置しない、放置することは許されないと言いたいと思うんですね。

 私は、やはり最も批判されなければならないのはこういうことを勧めた人たちだと思うんですね。今回違法が指摘をされた、国保逃れを行った事業所の中には、残念ながら、維新の会の国会議員の秘書を務めて、それを宣伝文句に会員を集めたという人もおられた。また、議員自身が当該スキームを広げていった事例もあったと聞いております。

 維新の会の皆さんは、この問題を受けて調査を行って、六名を処分したと。首長を除く全議員、国会議員、地方議員の四五%に当たる三百六十四人が実は国保に加入していなかったという結果も出たんですね。私は物すごく驚きました。議員は当然、国民年金、国民健康保険に入っていると思っていたからなんですね。驚愕なんですよ。

 ただ、私は、この全てが今回明るみになった違法スキームでの国保逃れをしているとは考えられないんじゃないかなというふうに思っています。つまり、例えば、議員自身が代表を務める法人や、自分の地域の支援者などが運営する民間の社会福祉法人などの理事や役員などに就任をして、僅かばかりの報酬を受け取って、そこで社会保険に加入している人が結構おられるんちゃうかなというふうに思っているんですね。

 ここで、厚労省に確認したいと思うんですね。

 社会保険への加入は、代表者や役員ならば、実態において、経常的な労務の提供、具体的な指揮監督や権限の行使が必要だとされていると思うんですね。どのような判断基準が示されているのか、少し紹介していただけますか。

三好政府参考人 お答えします。

 法人の役員の業務が経営参画を内容とする経常的な労務の提供に当たるかどうか、どのように判断するかという点で、これは個々の事案の実態に応じて個別に判断をするということではございますけれども、日本年金機構の内部の取扱いでは、例えば、当該法人の役員への連絡調整や職員に対する指揮監督に従事しているかどうかでありますとか、当該法人に応じて、求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか、こういったものも勘案して、実態を踏まえて判断をするというようなことも示されているところでございます。

辰巳委員 つまり、議員が単に名誉職的な形で理事に就任している場合、実費弁償として、その程度の報酬しか受け取っていない場合とか、こういうときは、やはりこれは働いている労働者というふうにはみなされないということになって、違法の可能性があるということですね。

 私はやはり、本来議員として仕事をしている者が、議員の仕事以外に経常的な労務の提供なんてできるのかなというふうに思うわけですよ。大臣、厳格にやはりこの問題もちゃんと運用するべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。

上野国務大臣 あくまで一般論ではございますが、先ほど来答弁を申し上げておりますとおり、これはもう従来から、経営参画を内容とする経常的な労務の提供、業務の対価として経常的な支払いを受けているといった要件、これを満たさずに、使用関係の実態がない場合には、社会保険への加入は認められていないところであります。

 適切な制度運営の観点から、今後とも、こうした基準に基づいて、個々の事案についてはその実態を踏まえて判断をしていくことが大切かと考えています。

辰巳委員 私は、最終的に国保料を決めるのは自治体の議会や議員じゃないですか、応能負担原則を議員がやはり踏みにじってええのかというふうに思いますし、厳格な運用は当然だし、政党としての対応も私は問われるというふうに思います。

 私は、問題は、何でこれだけ国保から逃げたがる人が多いのかということだと思うんですよ。それは、やはり余りにも国保が高いからですよね。

 私の地元の大阪市の国保料は、四人家族で年収換算で四百万円の世帯で六十一万円ですから、年間。これは一五%ぐらいの負担率ですね。一方、会社員の社会保険というのは、保険料四十七万円なんですけれども、これは半分は折半しますので、実際はその半分ということになります。国保の場合は、負担率も年収換算一千万円で大体一一%ですから、これは、低所得者ほど負担率というのは重くなる、逆進的な構造があると思うんですね。

 これはやはり、世帯に係る平等割、家族の人数に係る均等割という、所得に関係なく賦課される仕組みがあるためだというふうに思います。我が党は、この平等割及び均等割の廃止を求めています。

 厚労省、確認します。

 この平等割と均等割の廃止のために幾ら国費として財源が必要か、教えていただきたい。

間政府参考人 お答えいたします。

 国民健康保険は、無職の方も含めて多様な方が加入し、所得の形態も様々な中で公平性を確保するため、世帯の所得のほか、応益負担の観点から、世帯の被保険者の人数や世帯数に応じて一定の御負担をいただくことを基本としておりまして、そうした考え方から均等割、平等割を設け、また、低所得の方に対する軽減などの措置も講じております。

 厚生労働省として、今委員が御指摘になられたような試算は行っておりませんけれども、その上で、参考として申し上げれば、令和五年度の医療給付費分及び後期高齢者支援金分の保険料算定額における均等割額と平等割額の合計額は、約一兆二千八百八十五億円となっております。

辰巳委員 今、一兆二千八百億という話がありましたけれども、これは算定保険料でありまして、実際に住民が負担している保険料を基にすると、大体九千億円弱になると思います。これはやはり、地方でも国費投入による国保の構造的問題の解決を提起していると思います。

 私はやはり、この高過ぎる国民健康保険料、これを是正することこそ、違法な国保逃れをなくしていく一番の方策になるということを最後に申し上げて、質問といたします。

 以上です。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

大串委員長 次に、内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。上野厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 健康保険法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

上野国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 少子高齢化の進行により、社会保障制度の支え手不足が深刻化する中で、将来にわたり我が国の医療保険制度を持続可能なものとしていくためには、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、全世代を通じ、医療保険制度に対する信頼や納得感を維持し、向上させる観点から、医療保険における給付と負担を見直すことが重要です。

 こうした状況を踏まえ、応能負担の徹底等を通じて、必要な保険給付等を適切に行い、世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るとともに、限られた医療保険財政及び医療資源を効率的に活用することを目的として、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養等については、適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑み、その要する費用のうち一部を保険給付の対象外とする一部保険外療養という新たな制度を創設します。

 第二に、後期高齢者医療において、上場株式等の配当等を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映することができるよう、金融機関等がオンラインにより当該配当等の支払い等の金融所得に係る情報を後期高齢者医療広域連合に対して提供する義務等を設けます。

 第三に、出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、出産に係る保険給付体系を見直し、厚生労働大臣の指定する施設等において行われる分娩に関する新たな給付を創設するとともに、一定の現金給付を行うこととします。加えて、厚生労働大臣の指定する施設に対し、分娩の手当等の内容や費用に関する情報の報告を義務づけます。

 また、妊娠に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、母子保健法に基づく妊婦に対する健康診査について、国が定める望ましい基準に係る標準額を診療報酬等を勘案して定めるとともに、市町村及び医療機関が当該健康診査を行うに当たっては、当該基準及び標準額を勘案するよう努めなければならないこととします。加えて、国が、妊婦に対する健康診査の内容や費用に関する情報を収集し、公表することとします。

 第四に、現在、未就学児の被保険者を対象としている国民健康保険における均等割保険料等の五割を軽減する措置について、その対象を、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日以前である被保険者まで拡充します。

 第五に、高額療養費の支給要件等を定める際には、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化することとします。

 第六に、業務効率化、勤務環境改善に取り組む医療機関を支援する新たな事業を地域医療介護総合確保基金に設けるほか、計画を作成して業務効率化、勤務環境改善に取り組む病院を厚生労働大臣が認定する仕組みを設けます。

 第七に、令和八年度から令和十年度までの特例として、全国健康保険協会に対する国庫補助に係る特例減額の控除額を引き上げる時限的措置を講じます。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和九年四月一日としています。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十一分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.